1400年前から引き継がれる、もてなしの心。 九州の先端・シブシで料理人が出会う、とっておきの人と美味。[鹿児島県志布志]

志布志市の『東八重製茶』代表・東八重隼氏と一緒に茶畑を見学する、シェフとバイヤーたち。

志布志市食材ツアー海と山の幸に恵まれた豊穣なる場所・志布志

前面には紺碧の水面をたたえる志布志湾、また背後にはなだらかな丘陵が広がって、一年を通して燦々と陽光が降り注ぐ。鹿児島県の東部、大隈半島の付け根に位置する志布志市は、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、さまざまな海と山の幸を抱えた場所です。

「志布志」という少し変わった地名は、およそ1400年前に天智天皇がこの地を訪れた際に、地元の民から贈られた手布を称賛したことに由来します。そう、この街には来訪する者を虜にする自然や美味、人々の笑顔が溢れているのです。今回東京から春の訪れを待つ3月の志布志を訪れた、シェフとバイヤーたち。海風と緑の芽吹きを感じながら、地元の美味や人々との出会いに大いなる感銘を受けたのでした。

志布志湾にて、『加治木水産』のしらす漁の様子。漁船2隻が平行に大きな網を引きながら魚群を追います。

志布志市食材ツアー志布志からはじまった、白イチゴのブーム。

まず志布志の恵みの「華」ともいうべき存在が、イチゴです。志布志は一年を通して晴天が多く日照時間が長いために、フルーツ作りが盛んな土地柄。なかでもイチゴの生産量は、鹿児島県内では志布志がトップなのです。多くの農家で全国に流通する品種「さがほのか」や新品種の「恋みのり」などが栽培されています。そして近年とくに注目を集めているのが、志布志が発祥の希少種「淡雪」。“幻のイチゴ”とも呼ばれる白イチゴで、こちら『農Life いちごの村』の看板商品です。代表の丸野恵美子さん曰く、淡雪は「さがほのか」が突然変異して生まれたそう。完熟しても外見は赤くならず、ピンク色のままといいます。

「これ、すごいですね。見た目は未完熟なのに甘く、熟したイチゴの香りもあります」。東京・六本木のモダン・インディアン・キュイジーヌレストラン『ニルヴァーナ ニューヨーク』シェフの引地翔悟氏は、そう唸ります。桃色のルックスが桜の花を想起させるため、春先のパフェの主役にしたいと、すでにメニューの構想が閃いた様子。

「淡雪のフリーズドライや、それを練り込んだチーズなど加工品もあるので、東京のシェフからの引き合いもありそうです」。青果バイヤーとしてレストランへの卸を担う栗山功氏の脳裏にも、淡雪のさらなる展開がよぎったようです。

実際に『農Life いちごの村』の淡雪は毎年シーズンになると、銀座『和光』でタルトの具材の主役に。「淡雪のタルト」の名前で販売されています。ここ志布志からすでに全国に誇るイチゴブランドが生まれていました。

『農Life いちごの村』の代表の丸野恵美子さん。

手入れの行き届いた『農Life いちごの村』のビニールハウス内を見学するシェフたち。

こちらは『農Life いちごの村』の「さがほのか」。この品種が突然変異したのが、淡雪。

『農Life いちごの村』のビニールハウス内の淡雪。5月までが収穫の盛りです。

淡雪の甘さと香りに感心する青果バイヤーの栗山功氏。

志布志市食材ツアー青空の下ですくすく育つ、目が覚めるような橙のニンジン

次に訪れたのが、『川崎農産』のニンジン畑。工場長・川崎隆央氏から、環境配慮型の減農薬農業について、お話を伺います。

自然を労りつつ、太陽の光を浴びて育てられたニンジンは、色鮮やかな橙(だいだい)に。シェフたちは自分で抜いたニンジンを用水路のせせらぎで洗ったら、そのまま齧り付いています。食の安全のために、ここ『川崎農産』では米の「なつほのか」も含めて自社で責任をもって加工、保管も担っています。

『川崎農産』工場長の川崎隆央氏。

「なるべくおいしそうなものを!」と畝を見ながら、ニンジンを抜くシェフとバイヤー。

愛紅にんじんという品種。「漬物にしても味が濃くておいしい」と川崎氏。

志布志市食材ツアー栽培量では全国第2位。知られざる茶どころ、志布志

昼食は、製茶メーカー『和香園』が営むレストラン『茶音の蔵』へ。ここでは、地元のお茶を使った創作料理のコースと、ティーペアリングを体験します。志布志市の位置する鹿児島県大隅地域は土壌の水はけがよく、また朝晩の寒暖差が大きいために、お茶の栽培に適した場所。なんと、荒茶(茶畑から獲れたままのお茶)の栽培量では静岡県に次ぐ全国第2位です(2020年度調査)。ここ『和香園』は70年以上も製茶業を営み、2021年にはSDGsのためにレインフォレストアライアンス認証も取得しています。

食前酒に提供されたのが、ウーロンブラックティーの炭酸割り。深い苦味とかすかな甘味が、身体に染み渡ります。他にも刺身に旨味を添える、粗挽き緑茶などもあって、新宿のイタリアンレストラン『クラウディア』でマネージャー兼ソムリエを務める浦田直人氏は、このティーペアリングの展開に興味津々です。前菜にほうじ茶、メインの魚に釜炒り茶、デザートに水出し緑茶など。志布志のお茶の奥深さを知れる昼餉となりました。

『和香園』が営むレストラン『茶音の蔵』のまわりにも、茶畑が広がっています。

蔵をリノベーションした店内。話しているのは、『和香園』副社長の堀口崇氏。

牛ももステーキは、ほうじ茶ソースで仕上げています。

ウーロンブラックティーの炭酸割りを楽しむ、『ニルヴァーナ ニューヨーク』のシェフ・引地翔悟氏。

志布志市食材ツアー郷土の英雄から受け継いだ釜炒り紅茶

昼食のあとに訪れたのが、紅茶づくりで強みを発揮する『東八重製茶』。害虫駆除などに難儀しながら、完全無農薬で「べにふうき」を栽培し、緑茶と紅茶を製造します。その看板商品が「武士の紅茶」。香りがいい春摘みの「べにふうき」を、郷土の英雄・五代友厚が残した製法で紅茶にしています。

「この紅茶、独特のうまみと香りがありますよね。細かく粉砕して、バニラアイスの塩分の代わりに使えば、面白いかもしれません」。東京・四ツ谷のフレンチビストロ『MARUGO YOTSUYA』の統括シェフ・竹田志郎氏はいいます。他に、東京・秋葉原『NOHGA HOTEL AKIHABARA TOKYO』の山下晋太エグゼクティブシェフも、同じく調味料としての紅茶の可能性を感じた様子。

次に「志布志市観光特産品協会」へ移動して、市のさまざまな特産品に触れます。そのあとは、志布志湾の絶景を望む『志布志湾大黒リゾートホテル』にて懇親会がとりおこなわれました。そのなかでは、地元食材を使ってシェフが料理を振る舞う場面も。こうして1日目の夜は更けていきます。

『東八重製茶』代表・東八重隼氏。

「武士の紅茶」はホットで入れると、鼻に抜ける甘い香りが際立ちます。

こちらはべにふうきの緑茶。シェフたちは、茶葉をそのまま試食します。

「武士の紅茶」の虜になり、顔を近づけて香りをかぐ『MARUGO YOTSUYA』の統括シェフ・竹田志郎氏。

「志布志市観光特産品協会」での試食会の様子。艶やかな緑色の志布志産スナップエンドウ。

「志布志市観光特産品協会」の施設内にて、市の特産品をたっぷりを味わいました。

こちらは志布志湾に沈む夕日。「絶景!」の一言です。

『志布志湾大黒リゾートホテル』ではホテルの夕食をいただきながら、シェフも志布志の肉や魚介を使って即興で料理を振る舞います。

志布志の特産品の数々。「調味料として使えるから」と、甘酒やイチゴ酢がシェフの注目を集めました。

志布志市食材ツアー光り輝く志布志湾と、海の宝石・シラス

翌朝は早起きして、6時から“志布志湾クルーズ”。毎年3月から解禁になる『加治木水産』のしらす漁を見学します。漁船2隻が平行に大きな網を引きながら、しらすの魚群を追う伝統の猟法は、“ばちあみ漁”と呼ばれるもの。3時間ほど待って網が引き揚げられると、身の透き通ったキラキラのしらすがいました。急いで港へ戻ったら、今度は『加治木水産』の加工場に運んで釜揚げにします。

志布志湾のシラス漁は、4月がピーク。「大きなトラック2台で毎日3回、合計でバケツ40杯ほどのシラスを釜揚げするんですよ」と、副社長の加治木レイ子氏。茹であがったあとに天日干しを経たちりめんは、背が白くて苦味が少なく、旨味が強いのが特徴です。こうして志布志湾の真珠ともいうべきシラスは、全国の食卓に届けられていくのです。

朝の志布志湾。前方の船は“ばちあみ漁”の漁船。

漁船2隻で同時に、引っ張ってきた大きな網を揚げていきます。

海から揚がったばかりのシラス。背が白いために、キラキラの見た目です。

塩のみを加えた釜の湯でふっくらと茹であげていきます。

煙の向こうで、『ニルヴァーナ ニューヨーク』の引地シェフが試食中。

茹で上げたシラスは、すぐに天日干しにします。

できあがったチリメンは選別してパッキングします。

志布志市食材ツアー鹿児島伝統の芋焼酎の可能性を広げる蒸溜所

鹿児島といえば、焼酎は外せません。昨晩の懇親会でも、志布志の人たちは最初から最後まで焼酎を飲んでいました。ここ『若潮酒造』で蒸留される、芋焼酎「志燦蔵」は志布志、いや大隅地域の日常酒です。一方、新たなフラッグシップ「千刻蔵」は画期的な木樽蒸留を採用した芋焼酎で、杉の香りが特徴的。他にも新作として、焼酎の手法を生かしたジンやイチゴスピリッツを発売するなど、『若潮酒造』は薩摩隼人ゆずりのスピード経営。その独創性に、シェフもバイヤーも感心しきりでした。

正面に見えるのは、『若潮酒造』の販売所。

木樽の蒸留施設の前で、『若潮酒造』の吉井健一氏を挟んで記念撮影。

芋焼酎「千亀女」も、『若潮酒造』のフラッグシップです。

志布志市食材ツアー捨てられるものにこそ、価値がある

今回の旅もいよいよ終盤、春を感じさせる温かな日差しを浴びながら、身体にやさしい野菜、果物づくりに努める農家を訪問します。

『Farmers Villa Ume』は、12年前に群馬県から志布志にIターンした梅沢健太氏が営む農家。6月半ばまでは、ピーマンの出荷に大忙しの日々が続きます。減農薬に努めて栽培するピーマンは、肉厚で歯応え抜群。そしてシェフとバイヤーが興味を示したのが、成長しすぎて完熟した赤ピーマン。青いピーマンに比べて需要が薄いために廃棄されることも多いそうですが、独特の酸味に惹かれて、「ペーストやマリネにしたい」との声が続々と上がっていました。

『Farmers Villa Ume』代表の梅沢健太氏。

ピーマンの出荷は、10月〜6月頭が繁忙期。

収穫どきのピーマンを選別しようとする、『NOHGA HOTEL AKIHABARA TOKYO』山下晋太エグゼクティブシェフ。

熟したピーマンは甘味と酸味がアップ。「インドのチャツネにするとおいしいはず」と『ニルヴァーナ ニューヨーク』の引地シェフ。

志布志市食材ツアー初春の陽光を燦々と浴びて、育つ果実

最後に訪れたのが、『ファームランド牧』。こちらでは、土壌の熱水消毒、また微生物を使って発酵させた堆肥を用いることで、化学肥料を使わずにメロンを育てています。苦労しても、なるべく自然農法にこだわるのは、「残留農薬の問題を解決しないといけないから」と代表の牧信一郎氏は言います。

また外観、食味、糖度などに独自の規格を設け、その基準を満たすのは上位5%しかないというのが、オリジナルブランドのメロン「秘蔵っ娘」。そのまるんとしたメロンがビニールハウスで気持ちよさそうに頭を垂れているのを眺めていると、旅の最後にシェフもバイヤーも、それだけで幸せな気分になってしまうのでした。

『ファームランド牧』代表の牧信一郎氏。

日光浴しながら、ハウス内を歩く『クラウディア』マネージャーの浦田直人氏。

『ファームランド牧』のメロン「秘蔵っ娘」。まるっとしたフォルムが愛らしく、見ていると、なんだか朗らかな気分に。

Photographs:JIRO OHTANI
Text:KOJI OKANO

(supported by 志布志市)

スパイスを使って、地元食材を引き立てる。“カレー”という名の佐賀県郷土料理。[カレーのアキンボ/佐賀県佐賀市]

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古民家を店主自らの手で改装したという『カレーのアキンボ』。表には看板もなく、静かな佇まいでゲストを迎える。

カレーのアキンボ住宅街の古民家で味わう、郷土カレーの世界。

玄界灘の魚介、有明海の海苔や牡蠣、佐賀牛や豊富な野菜。豊かな食材に恵まれた佐賀県では、古くから滋味深く、味わい豊かな郷土料理が育まれてきました。そんな佐賀県の魅力を楽しみたいときに、おすすめのレストランがあります。その名は『カレーのアキンボ』です。

それは文字通りカレーとスパイスの店。もちろんカレーと郷土の味が結びつかない方もいることでしょう。スパイスとは、“たとえ新鮮でない素材でもおいしく味わうため”に発展してきたもの。かつて一粒の胡椒が黄金の価値を持ったのも、内陸部で香辛料の料理が生まれたのも、この実用的な利用価値のためでしょう。つまりスパイス料理の王道であるカレーとは、料理人の技術にのみ依存し、土地柄には関わりがないものだと思われがちです。

そんな先入観を『カレーのアキンボ』は覆します。店は佐賀市の市街地からは15分ほど離れた佐賀大和ICにほど近い、町外れの落ち着いたエリア。

看板も出ていない古民家が舞台です。ここで腕を振るう店主・川岸真人氏に見覚えがある方もいることでしょう。そう、川岸氏はかつて、東京で行列のできるカレー屋を営んでいました。人気絶頂の最中、突如閉店してしまった伝説の店。名は同じく『カレーのアキンボ』でした。

そんな川岸氏が東京を離れ故郷である佐賀に開いたのがこの店。

「東京でやっていた頃から、いつかは故郷で店を開きたいと思っていました」。

その言葉通り、この店こそが川岸氏が目指した夢の結実なのです。

佐賀県出身の店主・川岸真人氏。料理の合間ににこやかに声をかけてくれる、彼の作る料理と同様に穏やかな人柄。

コースのメインディッシュは野菜のカレー。野菜の持ち味が際立つピュアな味わい。柔らかく煮たレンズ豆やピクルスが添えられている。

カレーのアキンボ素材を吟味し、スパイスの力でその魅力を極限まで引き出す技。

完全予約制で、全8品のコースのみ。客席は最大でも4名まで。

ある日の料理は、ヤーコンと唐津のローゼルを鰹節と梅肉で和えた前菜からスタートしました。続く温菜は、芽キャベツと原木しいたけとカブのお椀。パクチーの風味がなければ、割烹で登場しそうな穏やかな味です。さらに葉物の食感と適度な苦味に、焼いたミカンの酸味とスパイスを聞かせた菊芋をあわせたサラダ、スパイスに漬け込んで焼いた鶏もも肉に地元のチーズを合わせた肉料理。どれも素材を活かした優しい味わいです。

コースを味わううちに、きっとスパイス料理への先入観を見直すことでしょう。川岸氏のスパイスは、食材の欠点を隠すためではなく、魅力を引き出すためのもの。そしてその期待に応える、力強い食材の味。とくに野菜は苦味、甘み、香り、食感などどこをとっても上質です。

「野菜はほぼすべては地場産です。野菜は多久の畑に毎週通って採ってくるんですよ」。

地元の素材を厳選し、その魅力を引き出すために少しのスパイスを借りる。それはインド料理の手段で表現された郷土料理です。

「畑に行ったり、港に行ったり、考えてみるといつも佐賀の食材を探しています。それはこの地の食材が、わざわざ予約してカレーを食べに来てくれるお客様を喜ばせてくれるから。それは私の中で揺るがない、佐賀の食材への信頼です」。

川岸氏はそんな考えのもと、素材を活かす引き算のカレーを作ります。

ヤーコンとローゼルを鰹節と梅肉で和えた一皿。爽やかな酸味が、口内をリセットする役割を果たす。

サラダは、スパイスをまぶして焼いた菊芋と焼きミカン。葉物の軽快な食感と苦味がほのかなスパイスの風味やミカンの酸味と響き合う。

ヨーグルトとスパイスに漬けてから香ばしく焼き上げる鶏もも肉。たっぷりとかけられたチーズも、地元佐賀県で作られているもの。

コース終盤の羊のカレーは、基本は東京時代から変わらぬレシピ。しかし「こっちに来てイメージに味が追いついた」という通り、味は進化を続けている。

カレーのアキンボ小さな古民家に流れる穏やかな時間と、再臨する伝説のカレー。

そして次なる料理は、ひと皿のカレー。

「これだけは東京の頃のままのレシピです」。

それは東京で、あの行列のできる店で出されていたカレーです。そして、メインディッシュは野菜のカレーが続きます。ピュアな野菜のおいしさを、カレーという形を通して表現する優しく、まろやかで、滋味深い一皿。その後の締めのデザートまで、コースすべてが佐賀県への愛を感じさせる内容です。

テーブルは川岸氏が立つキッチンのすぐ脇。料理を味わいながら、川岸氏との会話も無理なく楽しめます。もしかするとこれも、川岸氏がここでやりたかったことなのかもしれません。

「美大で油絵を学び、寿司屋に就職し、そこで3年修業を積んだ後、カレー屋として独立しました」。

そんな波乱万丈な川岸氏のストーリーも、この店のスパイス。

8品のコースが終わる頃には、きっと誰もがこの店の料理と、佐賀県の食材の魅力に惚れ込んでいることでしょう。

店主が県内を探し回り集める野菜が料理の根幹。とくに多久の『こがベリー園』は「ここがなければ僕の料理は成り立たない」というほど信頼する生産者。

この日のデザートはリンゴと干し柿をスパイスをきかせたみりんで煮込み、ブラウンチーズを振りかけた一品。最後の一皿まで、店主の熱意が宿る。

住所:佐賀県佐賀市大和町川上475 MAP
電話:080-6426-4170
https://www.facebook.com/カレーのアキンボ-要予約-581742741900758/

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スパイスを使って、地元食材を引き立てる。“カレー”という名の佐賀県郷土料理。[カレーのアキンボ/佐賀県佐賀市]

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古民家を店主自らの手で改装したという『カレーのアキンボ』。表には看板もなく、静かな佇まいでゲストを迎える。

カレーのアキンボ住宅街の古民家で味わう、郷土カレーの世界。

玄界灘の魚介、有明海の海苔や牡蠣、佐賀牛や豊富な野菜。豊かな食材に恵まれた佐賀県では、古くから滋味深く、味わい豊かな郷土料理が育まれてきました。そんな佐賀県の魅力を楽しみたいときに、おすすめのレストランがあります。その名は『カレーのアキンボ』です。

それは文字通りカレーとスパイスの店。もちろんカレーと郷土の味が結びつかない方もいることでしょう。スパイスとは、“たとえ新鮮でない素材でもおいしく味わうため”に発展してきたもの。かつて一粒の胡椒が黄金の価値を持ったのも、内陸部で香辛料の料理が生まれたのも、この実用的な利用価値のためでしょう。つまりスパイス料理の王道であるカレーとは、料理人の技術にのみ依存し、土地柄には関わりがないものだと思われがちです。

そんな先入観を『カレーのアキンボ』は覆します。店は佐賀市の市街地からは15分ほど離れた佐賀大和ICにほど近い、町外れの落ち着いたエリア。

看板も出ていない古民家が舞台です。ここで腕を振るう店主・川岸真人氏に見覚えがある方もいることでしょう。そう、川岸氏はかつて、東京で行列のできるカレー屋を営んでいました。人気絶頂の最中、突如閉店してしまった伝説の店。名は同じく『カレーのアキンボ』でした。

そんな川岸氏が東京を離れ故郷である佐賀に開いたのがこの店。

「東京でやっていた頃から、いつかは故郷で店を開きたいと思っていました」。

その言葉通り、この店こそが川岸氏が目指した夢の結実なのです。

佐賀県出身の店主・川岸真人氏。料理の合間ににこやかに声をかけてくれる、彼の作る料理と同様に穏やかな人柄。

コースのメインディッシュは野菜のカレー。野菜の持ち味が際立つピュアな味わい。柔らかく煮たレンズ豆やピクルスが添えられている。

カレーのアキンボ素材を吟味し、スパイスの力でその魅力を極限まで引き出す技。

完全予約制で、全8品のコースのみ。客席は最大でも4名まで。

ある日の料理は、ヤーコンと唐津のローゼルを鰹節と梅肉で和えた前菜からスタートしました。続く温菜は、芽キャベツと原木しいたけとカブのお椀。パクチーの風味がなければ、割烹で登場しそうな穏やかな味です。さらに葉物の食感と適度な苦味に、焼いたミカンの酸味とスパイスを聞かせた菊芋をあわせたサラダ、スパイスに漬け込んで焼いた鶏もも肉に地元のチーズを合わせた肉料理。どれも素材を活かした優しい味わいです。

コースを味わううちに、きっとスパイス料理への先入観を見直すことでしょう。川岸氏のスパイスは、食材の欠点を隠すためではなく、魅力を引き出すためのもの。そしてその期待に応える、力強い食材の味。とくに野菜は苦味、甘み、香り、食感などどこをとっても上質です。

「野菜はほぼすべては地場産です。野菜は多久の畑に毎週通って採ってくるんですよ」。

地元の素材を厳選し、その魅力を引き出すために少しのスパイスを借りる。それはインド料理の手段で表現された郷土料理です。

「畑に行ったり、港に行ったり、考えてみるといつも佐賀の食材を探しています。それはこの地の食材が、わざわざ予約してカレーを食べに来てくれるお客様を喜ばせてくれるから。それは私の中で揺るがない、佐賀の食材への信頼です」。

川岸氏はそんな考えのもと、素材を活かす引き算のカレーを作ります。

ヤーコンとローゼルを鰹節と梅肉で和えた一皿。爽やかな酸味が、口内をリセットする役割を果たす。

サラダは、スパイスをまぶして焼いた菊芋と焼きミカン。葉物の軽快な食感と苦味がほのかなスパイスの風味やミカンの酸味と響き合う。

ヨーグルトとスパイスに漬けてから香ばしく焼き上げる鶏もも肉。たっぷりとかけられたチーズも、地元佐賀県で作られているもの。

コース終盤の羊のカレーは、基本は東京時代から変わらぬレシピ。しかし「こっちに来てイメージに味が追いついた」という通り、味は進化を続けている。

カレーのアキンボ小さな古民家に流れる穏やかな時間と、再臨する伝説のカレー。

そして次なる料理は、ひと皿のカレー。

「これだけは東京の頃のままのレシピです」。

それは東京で、あの行列のできる店で出されていたカレーです。そして、メインディッシュは野菜のカレーが続きます。ピュアな野菜のおいしさを、カレーという形を通して表現する優しく、まろやかで、滋味深い一皿。その後の締めのデザートまで、コースすべてが佐賀県への愛を感じさせる内容です。

テーブルは川岸氏が立つキッチンのすぐ脇。料理を味わいながら、川岸氏との会話も無理なく楽しめます。もしかするとこれも、川岸氏がここでやりたかったことなのかもしれません。

「美大で油絵を学び、寿司屋に就職し、そこで3年修業を積んだ後、カレー屋として独立しました」。

そんな波乱万丈な川岸氏のストーリーも、この店のスパイス。

8品のコースが終わる頃には、きっと誰もがこの店の料理と、佐賀県の食材の魅力に惚れ込んでいることでしょう。

店主が県内を探し回り集める野菜が料理の根幹。とくに多久の『こがベリー園』は「ここがなければ僕の料理は成り立たない」というほど信頼する生産者。

この日のデザートはリンゴと干し柿をスパイスをきかせたみりんで煮込み、ブラウンチーズを振りかけた一品。最後の一皿まで、店主の熱意が宿る。

住所:佐賀県佐賀市大和町川上475 MAP
電話:080-6426-4170
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贅を尽くした空間が、穏やかな時間を生み出す。日本を代表する銘酒・鍋島の世界観を伝える宿。[御宿 富久千代/佐賀県鹿島市]

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『御宿 富久千代』の舞台は200年以上の歴史を刻んできた伝統的建造物。その重厚な屋根の下で眠ること自体が希少で贅沢な体験だ。

御宿 富久千代歴史的建造物をリノベーションしたラグジュアリーな酒蔵オーベルジュ。

旅における宿は、ただ体を休める場所ではありません。荷物を下ろし、服を着替え、リラックスした時間を過ごす。それは旅人が、もっともその地域に近づける時間です。

そんな時間を楽しむための宿が、2021年にオープンしました。その一日一組限定の宿の名は『御宿 富久千代』。かの銘酒「鍋島」で知られる富久千代酒造が手掛け、宿泊を通して銘酒の世界観に触れられる酒蔵オーベルジュです。

佐賀県鹿島市浜町、通称“酒蔵通り”。重厚な古民家が立ち並ぶ、歴史ある街の中に『御宿 富久千代』はあります。こんな素晴らしい街の中に宿泊できるという事実に、まず非日常感が湧き上がることでしょう。

その外観は、茅葺きの重厚な歴史的建造物。扉を開くと、予想以上にラグジュアリーな空間が広がります。リビング、2箇所の寝室、オーディオルーム、茶室などを備えた広々とした造りで、少人数で使用するのが惜しいほど。イタリア製のソファやチェアが10以上もあり、どこに腰を落ち着けるか悩んでしまうかもしれません。そして最奥にあるダイニング。木目の美しい一枚板のカウンター。棚の中のバカラやガレやラリックの酒器は、飾るためではなく、実際に使用するものです。

一言で言えば、豪華絢爛、贅を尽くしたきらびやかな内装。しかし、この時代を経た建物と豪華な内装は不思議に調和しています。ただ高級なものを詰め込んだようなちぐはぐさがなく、在るべきところに在るような落ち着きが感じられるのです。

注意して室内を見回してみると、その理由が見つかります。レセプションのカウンターは、酒を搾るために使われた木製の槽(ふね)。天井は茅葺き屋根が裏側から見えるように、わざわざスケルトンに。柱や梁は長い時間を積み重ねた傷が残されています。

「江戸時代の建築当初は酒蔵、それから味噌や醤油の蔵に、それから民家として使われていました。でも最後は、本当に荒れ放題の廃墟」。

代表の飯盛理絵氏にはそう言って、スマートフォンで撮影したリノベーション前の状態を見せてくれました。それは本当に廃墟としか言いようがない荒れた建物でした。

「鍋島は地元に支えられて続いてきたお酒。だから恩返しとして、この宿を通して再びこの街が発展してほしい」と理絵氏。

豪華な内装は、ただ見た目良く取り繕ったのではないのです。きっとこの建物の設計者は、この建物の歴史や重厚感に似合う家具や建具こそこれらだと確信した上で、選択したのでしょう。つまり根底にあるのは、この街、この古い建物への敬意。それに気づくと、さらにこの宿の居心地が良くなることでしょう。

佐賀県鹿島市肥前浜宿にある通称・酒蔵通りは江戸時代から酒や醤油などの醸造業で発展した街。重厚で美しい白壁の建築が立ち並ぶ。

酒蔵通りの中でもひときわ目を引く重厚な建築が『御宿 富久千代』。茅葺きの屋根をはじめとした外観は、ほぼ元の姿のままリノベーションされた。

たっぷりと空間を使った上がり框と奥のリビング。柱や梁などは元の意匠を残しつつ、快適に滞在できる姿に生まれ変わっている。

センスよく集められた画集や古書、重厚感あるイタリア製の家具などが、室内各所にごく自然に配されている。

リビング上部の天井はスケルトン仕様。防寒や清潔さを確保しながら茅葺屋根の裏側を仰ぎ見ることができる細やかな配慮。

バング&オルフセンのスピーカーが四方に配されたオーディオルーム。酒とともに極上の音楽に浸れるおすすめの空間だ。

窓の外には枯山水の庭。窓から臨むと陰影により美しさが際立つのは、日差しまで計算し尽くした設計の賜物なのだろう。

御宿 富久千代貴重な蔵見学を通して感じる銘酒・鍋島のおいしさの理由。

「ここは“鍋島”というお酒の世界観を体験してもらうための宿なんです」。

理絵氏はそうも言いました。それは古いものを大切にしながら、新たな上質を積み重ねること。そして、そんな価値観が守られるこの地で、自然体に過ごすこと。

富久千代酒造は普段は酒蔵を公開していませんが、ここの宿泊者限定で蔵見学も実施していると言います。案内人は鍋島人気の仕掛け人たる飯盛直喜氏。

そこでは直喜氏の酒米や酒づくり、鍋島の歴史の話を聞きながら、試飲が可能。酒蔵直営の宿だけの特権です。少年のような真っ直ぐな想いと、頑なな杜氏の実直さを併せ持つような直喜氏は自ら手掛ける酒を雄弁に語ります。「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」の日本酒部門最優秀賞、文字通り世界一の酒に選ばれた鍋島の、人気の秘密が見えてきます。

「わざわざ訪ねてきてくれた方に、鍋島のファンになってもらいたい」。

直喜氏はそう笑いました。

銘酒・鍋島が生まれて23年。その仕掛け人として走り続ける飯盛直樹氏の話は、ただの酒造り以上の示唆に富み、興味を惹く。

磨き、製法、原料、季節。さまざまな種類がある銘酒・鍋島だが、そのすべてにフレッシュで奥深いおいしさという“鍋島らしさ”は共通している。

卓上に用意されている小グラスや巾着には鍋島のロゴ入り。ほかでは手に入れることのできない、貴重な旅の記念品。

御宿 富久千代貴重な蔵見学を通して感じる銘酒・鍋島のおいしさの理由。

試飲の後は、夕食の時間。そう、ここはオーベルジュ。食事は滞在中の一大イベントです。カウンターには若き料理長・西村卓馬氏が立ちます。

「どこに行っても気に入られて、可愛がられちゃうの」。

理絵氏に料理長について尋ねると、まるで自分の息子を自慢するように笑って言いました。「東京の三ツ星店で腕を磨いた人物、若いけど腕は本物」とも。

そんな言葉通り、西村氏はどんなことにも全力でぶつかっていくような、知らないことは何でも貪欲に学んでいくような、真っすぐで気持ちの良い人物。好奇心にあふれる目がいつも少し微笑んでいて、見ている方もつられて笑顔になります。

「チェックインでお客様とお会いしてから夕食の時間まで、お客様についてイメージを膨らませる時間がたっぷりあります。そこでひとりひとりに合わせた作戦を練るんです」。

西村氏は言います。それはレストランではなく、オーベルジュであることの最大の利点。だから当然、満足度は高くなります。この日の料理は、有明海のワタリガニ・竹崎ガニの飯蒸し、蒸し鮑の茶碗蒸し、唐津の鯛と雲丹のお造り、対馬の穴子とふきのとうの揚げ物……。毎日3時間以上かけて集めて回った地元食材を使った全力投球の料理です。

「全部おいしいものを出したいんです」。

西村氏はそう笑います。ときに老練な料理人は、緩急をつけて主役を際立たせる構成にすることもありますが、西村氏の料理はすべてが全力。そしてその料理が、フレッシュ感が持ち味の鍋島と見事に噛み合うのです。
 
心地よい満腹感に満たされて部屋に戻れば、室内のワインセラーには希少な鍋島が並んでいます。もう少し飲むのも、オーディオルームでくつろぐのも、風呂に入って休むのも自由。どの選択をしようとも、きっと他に替えがたいくつろぎの時間が待っていることでしょう。

ダイニングの特等席はどっしりとしたカウンター。正統派日本料理と鍋島とのペアリングは、夢心地のひとときを演出してくれる。

若き料理長・西村卓馬氏は神楽坂『石かわ』で6年に渡り腕を磨いた人物。爽やかで快活な若者だが、その実力は折り紙つき。

ある日のコースの一例、有明海のワタリガニ・竹崎ガニと宮崎のキャビアを合わせた飯蒸し。無論、鍋島との相性は抜群だ。

トラフグの白子のすり流しを合わせた蒸し鮑の茶碗蒸し。最高の食材を吟味し、全力投球で直感的なおいしさを生み出すのが西村氏の流儀。

トラフグの白子のすり流しを合わせた蒸し鮑の茶碗蒸し。最高の食材を吟味し、全力投球で直感的なおいしさを生み出すのが西村氏の流儀。

料理長が惚れ込んだ対馬の穴子とふきのとうの揚げ物。全11〜12品のコースは、どれもが主役級の存在感を放っている。

住所:佐賀県鹿島市浜町乙2420-1 MAP
電話:0954-60-4668
https://fukuchiyo.com/

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一杯のお茶のために旅をする。嬉野で見つけた、茶の奥深さを伝える野外茶事体験。[Tea tourism/佐賀県嬉野市]

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『Tea tourism』の舞台は、嬉野市の茶畑の中に作られたオープンエアの茶室。ここで生産者自らが淹れるお茶を味わうのが体験の骨子。

Tea tourism茶畑の中の屋外茶室で、生産者自らが、自身のお茶を伝え、淹れる希少な体験。

茶葉は独特の丸みを帯びた形状で、味は旨味と香りが強い嬉野茶。その名の通り佐賀県嬉野市を中心に栽培される茶の呼称。そんな嬉野茶を楽しみ方として「Tea tourism」なる体験があるといいます。

それは『嬉野茶時』という団体が主催するそのセレモニーは、お茶の生産者が白い衣装に身を包み、自らお茶を淹れて客をもてなす体験。その舞台は茶畑のなかに作られたオープンエアの茶室。今回はそんな体験の魅力を紐解いてみましょう。

「Tea tourism」の舞台のひとつである「茶塔」という場所は、嬉野市街から20分ほど離れた山中。一面見渡す限り茶畑が広がるエリアの一角。一面緑の茶畑のなかに建てられた木製の高台は、茶畑の中で異質な存在のようで、まるで最初からそこにあったかのように馴染んでもいます。きっとさまざまなことを考えた上で、この場所、この形が選ばれたのでしょう。

この日の茶空間体験を担当した生産者は『永尾豊裕園』の永尾裕也氏。茶塔には白い傘の下、座布団とお膳が準備されています。オープンエアで生産者が淹れるお茶を愉しむ。その言葉から想起されるよりも、ずっと上質な設えがゲストを出迎えます。

セレモニーの構成は三茶二菓、つまり3杯のお茶と2つの菓子。この日の一杯目は和紅茶。永尾氏が丹精込めて育てた茶葉を発酵させ、金木犀の香りを加えた紅茶は、渋み、苦味がないまろやかな味わいと、ふわりと広がる香りが印象的。合わせるお菓子も地元のパティスリーで作られたもので、粉末状にした抹茶には永尾氏の茶葉が使われているとか。同じ土地から採れた茶葉同士、相性は抜群です。

さらに永尾氏のよどみない話も興味を惹きつけます。この地の茶の歴史や生産者の想いを交えながら、押し付けではない知識を伝えるのは、生産者だから可能なことでしょう。

次なる緑茶は、永尾氏の前に5つ並んだ磁器で湯を適温まで冷まして、じっくりと抽出された。出汁のような旨味とやさしい甘みが広がります。お茶とはこれほどにも深い味だったのか。そんな思いが湧き上がります。

もちろんこのおいしさには、この環境も重要な役割を果たしているのでしょう。一面の茶畑を眺めながら、その地で採れたお茶を味わう。それはたとえば米農家が畑で握り飯を食べるような、漁師が船上で穫れたての魚を食べるような、限られた人にだけ許された贅沢。それはお茶を飲む、という一元的な行為ではなく、体全体で享受する豊かな体験です。

湯の温度、水質、茶葉の量、タイミング。すべてを計算することで、お茶の旨味と香りが引き出される。それは従来のイメージを覆す極上のおいしさだ。

会場となる茶塔があるのは、嬉野市の山中、一面に広がる茶畑の中。見渡す限りの茶畑が、一杯のお茶にさらなる付加価値を加えてくれる。

茶塔は2mほどの木製の高台。壁も天井もない茶室は、景色、空気、香り、音など、茶畑の雰囲気ををそのまま伝えてくれる。

白い衣装に身を包み、お茶をサーブする生産者。お茶を知り尽くしたプロの技が、その実感の籠もった言葉とともに伝えられる。

嬉野市内のパティスリーで作られる茶菓子も楽しみのひとつ。お茶との相性を研究し、互いに引き立て合う味わいに仕上げられている。写真は抹茶のティラミス。

『永尾豊裕園』の永尾裕也氏がお茶の世界をナビゲート。お茶の生産者ではあるが、その語り口や所作からは確かなプロフェッショナリズムを感じる。

Tea tourism身近なお茶を通して感じる非日常と、お茶が伝える旅の新たな価値。

Tea tourismはこの茶塔のほか、別の2箇所でも体験できるのだとか。そのひとつ「天茶台」ではまた違った趣の時間が楽しめます。『きたの茶園』の北野秀一氏の案内でその魅力を探ってみましょう。

セレモニーの内容は茶塔と同じで、1時間ほど時間をかけて3種のお茶と2種の菓子を楽しむもの。しかしそのロケーションが大きく異なります。一面がフラットな茶畑だった茶塔に対し、この天茶台は段になった茶畑の向こうに市街地を遠望。遠くに望む町並みは興ざめになるどころか、かえってこの地の緑の濃さを際立てます。

無論、ここでも出されるのは、北野氏自身が育てたお茶。30年以上前、先代の頃から取り組んでいるという無農薬有機栽培のお茶は、浅炒りの焙じ茶でも、旨味の濃い緑茶でも、その澄んだおいしさが際立ちます。

茶畑を前に、地元生産者の話を聞きながら、そのお茶を味わう。その臨場感や希少性と、身近なお茶を通すことでかえって浮き彫りになる非日常感。それはお茶文化の奥深さとともに、旅の愉しさも再確認させてくれる時間です。

特産を味わい、名所を訪れるだけが旅ではない。

一杯のお茶のために旅をする。そんな贅沢こそが、日本各地の魅力をいっそう深く伝えてくれるのでしょう。そして日本にはきっと、まだ見ぬ旅の楽しみが無数に眠っているのでしょう。
 

天茶台でのもうひとつの体験。この日は『きたの茶園』の北野秀一氏が担当し、お茶の魅力を伝えてくれた。

抹茶のモンブランは、お茶と一緒にいただくことでいっそう風味が引き立つ。この菓子のセレクトも、お茶のエキスパートならでは。

精密に茶葉の量を計るために上皿天秤を使用。この細やかな配慮が、嬉野茶本来のまろやかで甘みあるおいしさを引き出す。

丁寧に、かつ迅速に。繰り返しお茶を淹れてきた生産者だからこその技術と、自身のお茶に対する愛情がおいしさの決め手。

天茶台から遠くに見渡すのは嬉野の市街地。温泉地として賑わう嬉野も、遠目で見るとコンパクトに見える。

手入れの行き届いた茶畑は、生産者の情熱の証。収穫の時期ではなくとも、その匂い立つような美しい眺めは、日本のお茶文化の大切さを教えてくれる。

https://www.tea-tourism.com/

https://nagaohoyuen.com/

https://kitanochaen.com/

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「傳」長谷川在祐、アジアNo.1に輝く。2022年「アジアのベストレストラン50」の歓喜。[ASIA’S 50 BEST RESTAURANTS 2022/東京]

大活躍を見せた日本のシェフの面々。左より、『ヴィラ・アイーダ』小林シェフ、『ラ・メゾン・ドゥ・ナチュール・ゴウ』福山シェフ、『フロリレージュ』川手シェフ、『傳』長谷川シェフ、『チェンチ』坂本シェフ、『ラ・シーム』高田シェフ、『エテ』庄司シェフ、『セザン』ダニエルシェフ、『オード』生井シェフ。

アジアのベストレストラン50 202211店舗がランクイン。地方のレストランも快挙。

2022年3月、『アジアのベストレストラン50』のランキングが発表されました。

その形態は、今なお続くコロナ禍を配慮し、バンコク、マカオ、東京の3都市にて同時生中継。会場を熱狂させた最大のトピックは、日本にアジアNo.1 の座をもたらした『傳』。

今回、日本は11店舗がランクイン。中でも、「Hight Climber Award」や「Highest New Entry Award」、「New Entry」、「Asia’s Best Female Chef Award」など、ダブル受賞したレストランの活躍も注目すべき点です。

No.1 東京『』長谷川在有
No.3 東京『フロリレージュ』川手寛康
No.6 大阪『ラ・シーム』高田裕介
No.11 東京『茶禅華』川田智也
No.13 東京『オード』生井祐介(Hight Climber Award)
No.14 和歌山『ヴィラ・アイーダ』小林寛司(Highest New Entry Award)
No.15 東京『ナリサワ』成澤由浩
No.17 東京『セザン』ダニエル・カルバート(New Entry)
No.36 福岡『ラ・メゾン・ドゥ・ナチュール・ゴウ』福山 剛
No.42 東京『エテ』庄司夏子(Asia’s Best Female Chef Award)
No.43 京都『チェンチ』坂本 健(New Entry)
※全てのランキングは、公式ホームページよりご覧ください。

上記に加え、No.71には東京『レフェルベソンス』、No.78には東京『鮨さいとう』の2店舗が並びます。

今大会では、多くの「涙」が印象的でした。その涙は、自分の喜びではなく、仲間への賞賛。シェフからの支持が厚い『ヴィラ・アイーダ』のランキングがコールされた瞬間がそれを物語っています。

和歌山という地域で国内外から評価されるための苦労は計り知れません。

長く続くコロナ禍による緊急事態宣言、まん延防止処置、不要不急の外出、時短営業……。

「何度も辞めようと思う時もありましたが、その都度、シェフたちの励ましによって救われました」と小林シェフは話します。

No.14という順位に加え、「Highest New Entry Award」も受賞。ベテランと呼ぶに値する小林シェフへの「New」に当人は照れ笑いしますが、これまで歩んできたものが間違っていなかったことへの立証にもつながったのではないでしょうか。

シェフたちは、「見たかアジア! これが日本の小林寛司だ!」と言わんばかりの拍手喝采。皆、涙が止まりませんでした。

また、『ラ・シーム』、『ラ・メゾン・ドゥ・ナチュール・ゴウ』、『チェンチ』の貢献も特筆すべきランキング。『ヴィラ・アイーダ』同様、「レストランは旅の目的地になる」ことの定義付けにもなりました。

そして、見事1位に輝いた『傳』。天を仰ぐ長谷川シェフに駆け寄ったのは、『フロリレージュ』の川手シェフでした。ふたりは、共同経営する『デンクシフロリ』を2020年に開業。互いを「相方」と呼ぶ運命共同体の仲でもあります。

そんな両人が抱き合う姿もまた、感慨深いシーンとなりました。

「長谷川シェフにしか獲れなかった。長谷川シェフだから獲れた」と、相方を讃える川手シェフの目にも涙。

「1位は、純粋に嬉しい。ですが、複雑な気持ちもたくさんあります。本当に苦しかった。レストランは、生産者やスタッフ、お客様によって支えられています。改めて、感謝の気持ちを忘れずに、皆様に恩返ししていきたいです」と話す長谷川シェフの目にも涙。言葉に発したものは実にシンプルながら、込み上げてくる想いを行間に押し殺します。

それぞれ内容は違えど、長谷川シェフの言う「複雑な想い」は、今回、受賞したシェフ全員が抱いていると推測します。しかし、仲間を賞賛する歓喜がそれを凌駕したのかもしれません。

こらえていた涙がこぼれ落ちる『傳』長谷川シェフ。あらゆるタイトルを総なめにしてきたが、初めてアジアNo.1を手にした。

『ヴィラ・アイーダ』のコールの瞬間。小林シェフ(中央)よりも前に『傳』長谷川シェフ(手前)が我先にと立ち上がり、「おぉ!寛司さん、おめでとうございます!」と興奮。会場は大いに湧いた。

アジアのベストレストラン50 2022私的分析。別の角度から見た「アジアのベストレストラン50」論。

まず、このアワードは、アジア全域の20を超える国と地域のシェフ、ジャーナリスト、フーディの投票者によってランキングされます。その名は、明かされていません。

各人、持ち票は10票。一年半以内に訪れたレストランであれば自由に投票できるも、今回はコロナ禍によって渡航が困難だったため、居住国からは6票、他国からは4票だった数を2票に改定し、計8票に。

国内に特化されているため、インバウンドのゲストが多いレストランは、票を落とす可能性があり、逆に母国や地元に愛されているレストランは票を上げる可能性があります。加えて、この難局においても「予約が取れない」レストランは、物理的に投票者が伺えないため、実力=結果とはなりません。

日本における例では、2021年No.91から2022年No.43に初ランクインした『チェンチ』は、地元や国内、業界からのファンも多く、母国主体の投票スタイルは追い風になったのかもしれません。

一方、海外に目を向けた場合、『アジアのベストレストラン50』らしい!?発見も。No.46のバンコク・タイの『ラーン・ジェイ・ファイ』は、「超」が付くほどのローカル店かつ屋台スタイル。御年70を超えるジェイ・ファイシェフの熱気溢れる料理とライブな空間は、常に賑わいを見せています。

ランキングに目を戻せば、No.45に台中・台湾の『ジェーエル・スタジオ』、No.47にマカオ・中国の『ウィンレイ・パレス』が並びます。つまり、レストラン、屋台、ホテルという混沌の並びが成立してしまうのがこのアワードの特徴。

これは、星やトックの数で区分するガイドでは可視化できず、賛否はあるも、ランキング形式だからこそ生まれる『アジアのベストレストラン50』らしさ。並んだ順位は「隣の顔」を可視化し、その発見が大会の個性にもつながっています。

しかし、ランキングだからこそ素朴な疑問も浮かびます。もし同票だったら? それは、「投票の仕方」が影響するのかもしれません。

各人の投票は、順位を付けて行われているそうです。任意ではありますが、なぜ推奨するのかなどの理由も明記できると聞きます。投票者にとって1位の1票なのか、2位の1票なのか。同票の場合、優先順位の高い票数を集めたレストランが上位になるのかもしれません。ゆえに、順位においても僅差が生じているとも推測します。(「かも」や「推測」と明記している理由は、絶対ではないためです)

また、ランキング発表前に行われるトークセッションにおいては、ショービジネス色の強い『アジアのベストレストラン50』とは一変。社会性を追求します。

今回のテーマは、「サスティナビリティ」と「クリエイティビティ」。

「サスティナビリティ」テーマに登壇した『フロリレージュ』の川手寛康シェフは、「レストランやシェフにとって、どうSDGsや循環型の社会に関われるかは、利己主義ではなく利他主義になることが必要だと思います。自分以外の誰かにとって、どう向き合えるか。それが自分にとっては、生産者であり、食材であり、もちろんお客様。自分のレストランは、『ヴィラ・アイーダ』のような地方にはありませんし、目の前に畑がある環境でもない。自然と共存しているようなアピールはなく、当然、小林シェフのようにはなれない。しかし、東京だからこそやれること、発信できることはあると思っています」と話します。

この「サスティナビリティ」は、コロナ禍以前の2019年のトークセッションテーマにもなっており、「ヴァイタル・イングリーディエント(必要不可欠な食材)」においてもディスカッション。当時より環境問題についての関心の高さが伺えるも、本大会におけるそれを知る人は少ない。

「特別な食材、特別な体験をレストランとして求められますが、身近な食材、身近な体験を伝えることも大事だと思っています。また、日本の場合、サスティナビリティやオーガニックといった類のものは、安全であり健康的という印象ですが、ヨーロッパはそうではありません。違法な労働はなかったか、環境に負荷がない育て方をしているか、不正な取引がなかったかなど、健全にものを生み出すことをそう呼びます。世界と比べての認識や理解も必要だと思います」と話す『フロリレージュ』川手シェフ。

アジアのベストレストラン50 2022

「クリエイティビティ」テーマには、『里山十帖』の桑木野恵子シェフが登壇。

「暮らすことによって土地を理解することが私にとってのクリエイティビティの源。買った食材ではなく獲った食材で料理することが、表現につながっています」。

桑木野シェフの料理は、キッチンの外から始まっているのです。見た目の演出ではなく、食材が生きた環境から表現のヒントを得て、大事なものを見つけていくプロセスこそ、桑木野シェフのクリエイティビティなのかもしれません。

「私の今の暮らしには、里があって山がある。苦味、辛味、土臭さなど、この環境で生まれた食材の“良さ”を消さずに美味しいを生み出したい。命の源を生む土と水が私にとってのクリエイティビティの源です」と『里山十帖』の桑木野シェフ。

アジアのベストレストラン50 2022

「Asia’s Best Female Chef Award」を受賞した『エテ』庄司夏子シェフの言葉も深みを帯びていました。それは、「まず支えてくださった皆様に感謝申し上げます」と述べた後に続きます。

「正直、女性シェフということに注目を浴びていることに違和感を感じています。加えて、日本は、素晴らしい食材と素晴らしい職人魂があるはずなのに、料理人という職業は後継者不足の問題に直面しています。女性シェフに限っては、もっといないのが現状です。私のような小さなレストランでもやれる。これから料理人を目指す女性にも、それを伝えたかった。実証したかった。新しい扉が開くことを願っています」。

今回、ランキングされた50店舗のうち、女性シェフ(料理長及びオーナーシェフ)は1/10にも満たない。こういった問題は、他国も抱えているのかもしれません。

「料理やケーキは、アーティストやデザイナーたちが生み出す作品と同じ価値があると思っています。それを証明するために、どうしても『Asia’s Best Female Chef Award』が獲りたかった。女性シェフでも活躍できることを若い世代にも伝え、何か希望になってくれれば嬉しく思います」と『エテ』庄司シェフ。

アジアのベストレストラン50 2022

以前、本大会の日本評議委員長を務める中村孝則氏は、『アジアのベストレストラン50』にランキングされる要因を、このように紐解いています。

「『アジアのベストレストラン50』では、“ジョイフル”と“シェア”が大切なのかもしれません。各国の委員からも、この言葉をよく耳にします。美味しいだけでなく、楽しい。それを誰かと分かち合いたい。そんな気持ちにさせてくれるレストランに魅力を感じるのではないでしょうか。今回は、それに加えて“チャレンジ”が大きなポイントになったと感じています。この時代においても、いかに挑戦しているか。ランキングされた日本のレストランは、どこも常に進化しています。しかし、奇をてらい過ぎることや一時的な流行にばかり目を向けてしまうと、料理そのものの本質を見失ってしまうため、そこは危惧しながら、皆様とともに今後も大会を育てていければと思います」と総評します。

コロナ禍、世界が最も注目するコペンハーゲンのレストラン『ノーマ』が予約不要の店としてワインバー&バーガーとして再開したのは記憶に新しく、これもまた、オーナーシェフであるレネ・レゼピの挑戦。更に、この決断が新型コロナウイルス感染拡大の初期段階だったということも、シェフ力だけでない経営者としての手腕も感じざるを得ません。ちなみに、その店名は『POPL(ポプル)』。これはラテン語の「POPULUS(ポプルス)」に由来するもので、「人々の集い」や「共同体」を意味しており、当時のレネシェフの想いが凝縮されているようにも感じます。

2022年、『アジアのベストレストラン50』にランキングされた多くのレストランにおいてもオーナーシェフです。長く続く難局は、人気店ですら脅威に追い込んでいます。そういった時代背景を見ると、投票者はもちろん、ゲストにおいても「潰したくない」、「応援したい」、「支援したい」という気持ちの芽生えがあったのではないでしょうか。

前述、中村氏が話した「ジョイフル」、「シェア」、「チャレンジ」に加え、「サポート」もまた、票につながったのかもしれません。

2013年に1位に輝いた『ナリサワ』以降、見事、奪還を果たした2022年。長きにわたり、業界を牽引した中村氏にも敬意を評したいと思います。そして、今なおランクインし続けている『ナリサワ』においても、継続は1位を獲るよりも至難の技。常にトップランナーである成澤シェフは、常に挑戦者でもあるのかもしれません。

最後に。数々のレストランアワードがある中、『アジアのベストレストラン50』は、文化になるか!? それは、レストランやシェフだけでなく、その環境や周囲によるものなのかもしれません。

言うは易し行うは難し。かく言う『ONESTORY』(私)もまた、真摯に向き合っていきたいと考えます。

 「まず、1位を獲得した『傳』長谷川シェフをはじめ、日本のシェフの方々、本当におめでとうございます。今年の『アジアのベストレストラン50』は、色々な意味で歴史に残る回だったと思います。個人的に思うのは、エリアの広いワールドよりもエリアの狭いアジアの方が濃い内容だと感じています。加えて、コロナ禍による投票システムの変更などは、のちに振り返った時、時代背景も強く感じるのではないでしょうか。社会と親和性の高い大会こそ、『アジアのベストレストラン50』なのだと思います」と話す日本評議委員長の中村氏。

Photographs:THE WORLD'S 50 BEST RESTAURANTS
Text:YUICHI KURAMOCHI

味わうだけでなく地域を体験するワイン・ツーリズムに出かけよう。[つくばワイン/茨城県つくば市]

つくばのワインと食を旅するワイン・ツーリズムに出かけた真藤さん、大越氏、白土さん(左から)。筑波山の麓、なだらかな山裾に開かれた『つくばワイナリー』のブドウ畑を訪れるなど、都心から近いつくば市内で日帰り旅を楽しんだ。

つくばワイン日本を代表するソムリエをはじめ3人のワインのプロが「つくば市」へ。

茨城県つくば市をご存じでしょうか? 県南地域に位置する市で、都内なら秋葉原駅や北千住駅からつくばエクスプレスに乗ると、60分もあれば中心地にある「つくば駅」に到着します。

古代から名峰として信仰を集めた筑波山の麓に広がる田園地帯は、豊かな古の人々の生活を想起させる一方で、駅周辺は機能的に街が作られ、さながら近未来都市のような趣があります。さらに、つくば市が目指す未来型教育も注目され、移住者も増加。人口減少が問題視されている日本にあって、30年以上人口が増え続けている自治体でもあります。

また、住むだけでなく、旅やビジネスの目的地になっているのも、つくば市の特徴です。筑波山周辺で登山やキャンプなどのアウトドアを目的にくる人もいれば、JAXAをはじめ先端技術の研究・開発のために訪れる研究者や技術者がいる街は、日本でも珍しいのではないでしょうか。

住む人、訪れる人、さまざまな人が行き交う街、つくば。この街に、また新しい目的をもった人たちが集まり始めています。

近年、筑波山周辺につぎつぎに開園しているワイナリーをまわる人たちです。現在は、ワイナリーやヴィンヤード(ワイン用ブドウ園)が5つあり、これらを中心にした食の旅「ワイン・ツーリズム」に期待が寄せられているのです。

今回、つくば市のワイナリーやヴィンヤードを訪れたのはフランス料理の老舗『銀座レカンの元シェフソムリエで、現在はJALのワインディレクターとして活躍するソムリエの大越基裕(おおこし・もとひろ)氏と、人気酒販店『いまでや』に勤務しながらさまざまな活躍を展開する白土暁子(しらと・あきこ)さん、やまなし大使として山梨ワインの魅力を発信する料理家の真藤舞衣子(しんどう・まいこ)さんです。

ワイナリーやヴィンヤードだけでなく、市内の野菜の直売所やパン屋やチーズ屋などをめぐってワインに合うフードも購入しながら、テイスティングをしました。1日でめぐるつくばのワイン・ツーリズムの可能性を探っていきます。

日本を代表するソムリエの一人、大越基裕氏。第一線の飲食の舞台で活躍してきた知識と経験で、つくばワインの魅力を言葉にしてくれた。

料理家であり、フランスのリッツエスコフィエにてディプロマを取得しワインにも精通する真藤舞衣子さん。ワイン・ツーリズムを日本で先駆けて取り組んだ山梨県のワインにも詳しい。

白土暁子さんは、じつは茨城県出身。転勤の多い家庭だったこともあり、幼少期に関西へ。茨城県の記憶はほとんどないが、その後、仕事で数回訪れている。

つくばワイン筑波山周辺の土壌にあったハイブリッド品種でワインを造る。

つくばエクスプレスの「つくば駅」から旅をスタートさせた3人は、筑波山を目指して車で北上します。

はじめにたどり着いたのは、2013年からワイン用ブドウを育て、市内ではもっとも古いワイナリーである『つくばワイナリー』です。

筑波山麓の風光明媚な地、北条地区に開かれた圃場は、新年度のブドウ栽培の最初の仕事である剪定が終わったばかり。病気に強く筑波山麓の気候風土や土壌にも合うと、11年前に植えたヨーロッパ品種と日本の山葡萄品種をかけ合わせたハイブリッド品種である北天の雫(白ワイン用、行者の水×リースリング)や富士の夢(赤ワイン用、行者の水×メルロー)、ヨーロッパで注目を集めている黒ブドウ(赤ワイン用)のマルスランの樹が並んでいます。

圃場を案内するのは、岡崎洋司(おかざき・ようじ)氏。その後の試飲で3人が選んだのは北天の雫100%の「TSUKUBA BLANC プレミアム 2020」と富士の夢100%の「TSUKUBA ROUGE プレミアム 2020」でした。

「『TSUKUBA BLANC プレミアム 2020』は、フルーティでリースリングの遺伝子を感じるよね。野菜とか葉っぱもの、ハーブの感じと相性がいいかもね」と大越氏。
「もう1本の『TSUKUBA ROUGE プレミアム 2020』は、山葡萄特有の野性味とグレーピー(ブドウジュースのよう)な風味が特徴的。酸がしっかりとあり、濃い割りにはタンニンが少ないことがポイントになるので、油脂分はそこそこで、テクスチャー(質感)の柔らかな煮込み系の料理などが相性が良さそう。豚を角煮にしたり、プルーンを使って一緒に煮込んだりとかかな」と感じたようです。

真藤さんも「スモークチキンとか燻製したものとかにもあいそうだから、ターキーとクランベリーのソースとか良いかもしれないよね」と料理家の目線で家庭料理の提案もしてくれます。

『つくばワイナリー』の自家醸造所にはショップが併設されており、購入することもできる。営業時間13:00〜17:00(日・祝は10:00〜17:00)定休日なし。

『つくばワイナリー』では、ハイブリット品種の北天の雫や富士の夢のほか、ヨーロッパ品種のメルロー、シャルドネ、マルスランの合わせて5品種を1.5haの畑で育てている。

2019年には、つくば市初となる自家醸造所が完成。国内複数の醸造所での経験をもつ北村 工氏が醸造責任者に就任し、さらに高いクオリティのワイン造りを目指している。

『つくばワイナリー』の醸造所兼ショップの建物の前の庭で昼休憩。向かう途中にある「ベッカライ・ブロートツァイト」でパンを、「ラ・マリニエール」でヨーロッパチーズを購入してきた。

「ベッカライ・ブロートツァイトのパンは味がしっかりしているので、この『TSUKUBA BLANC プレミアム 2020』の樽を少し使用して作られている白の方が、テクスチャーもしっかりしているので良く合いますね」と大越氏。

つくばワイン霊峰・筑波山を仰ぎ見るブドウ栽培に適した場所。

続いて3人が向かったのは、同じく筑波山麓の沼田地区と臼井(六所)地区に圃場をもつ『ビーズニーズヴィンヤーズ』です。

今村(いまむら)ことよさんは、守谷市出身でもともとは製薬会社の研究員でした。40歳を期に脱サラし、筑波山周辺は、日本では珍しい花崗岩質の土壌だったこともありワイン造りをつくばで始めました。

ビーズニーズヴィンヤーズでは、2カ所の圃場を見学後、今村さんが用意したテント内で試飲を行った。快晴で汗ばむほどに晴れたこの日、筑波山から吹き降ろす風が心地よい、ヴィンヤード(ワイン用ブドウ園)ならではのロケーションです。

ティスティングはまず、「Episode 0 (zero) 2019」から。黒ブドウのシラーを3割、残りはシャルドネとセミヨンから造ったスパークリングワインです。そして栽培している白品種をすべて混醸して造った「Spiral 2020」と、シラーとヴィオニエを混醸した「Purple Peaks 2020」と続けて試飲していきます。Purple Peaksは、筑波山の山肌が斜陽で紫に染まることから「紫峰」と呼ばれているところからつけた名前だそうです。

そんな中、大越氏が気に入ったのはティスティングの最後に出された「Overdrive Oak 2018」、シラー、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、タナなどのヨーロッパ品種を2タンクに分けて発酵後、樫材のチップ(オークチップ)で樽の風味付けをしたものです。

「口のなかでアルコールやタンニンを総合的に感じたときのテクスチャー(質感)が好きです。凝縮感もあります。この年のようなスタイルが、ある程度コンスタントにできればいいですね」と、本格的なアドバイスを今村さんに送っていました。

標高877m、男体山と女体山の2つの峰を持ち、古くから信仰の山として崇拝されてきた筑波山。今回のツーリズムで訪れた圃場のうち、筑波山にもっとも近いのが『ビーズニーズヴィンヤーズ』の圃場だ。

白ワイン品種は、シャルドネ、セミヨン、ヴィオニエ、ヴェルデーリョ、赤ワイン品種は、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルド、タナなど、多くの人が一度は聞いたことがあるようなヨーロッパを代表するワイン用ブドウの品種を2つの圃場で合計1.5haで育てている。

「いわゆる自然派ワインによくある、クセのある匂いが出ないように、きれいに醸造して素直に食事に合うワインを造りたい。ただ、今は委託醸造をしていて、委託先ごとに設備が違ってくるのでそこは仕方ないですね。将来的に醸造も自分でやるなら瓶詰め時の窒素置換は必須ですね」と今村さん。

つくばワインこの小さなエリアに、これだけの良い食のプロダクトが揃っているのは珍しい。

3つ目の訪問地『つくばヴィンヤードは、筑波山から12㎞ほど南にある栗原地区にあります。すこしだけ筑波山から遠くなりましたが、まだしっかりと山容を確認することができます。いつも旅人を筑波山が見守ってくれる、それもまたつくばを旅する特別な楽しみ方といえます。

つくばヴィンヤードでは、旅の合間に買ったワインに合うフードを食べながらの試飲会にしようと髙橋 学(たかはし・まなぶ)氏が炭火を起こして待っていてくれました。

髙橋氏が勧める白ブドウ品種、プティ・マンサン100%の「Tsukuba Series プティマンサン」やつくばワイナリーでも栽培している富士の夢100%の「Tsukuba Series Kurihara」などとともに、即席の野外レストランです。

3人が購入してきたのは、レンコンや原木椎茸、ハーブといったつくば市産の野菜に『手づくり工房ぴあらハム』と『筑波ハム』のハムやソーセージといった加工食品。さらに県外の人もわざわざ買いにくる人気のベーカリー『ベッカライ・ブロートツァイト』とチーズショップ『チーズ専門店 ラ・マリニエール』では、パンとチーズです。

「『筑波ハム』は、社会的な食のニーズや地元の声を聴く中で無添加のハムを作り始めたとおっしゃっていました。腐敗防止発色のために使われる硝酸不使用なので、時間をかけてていねいに作るのでまだ肉本来の風味や食感が残ってとてもおいしい。製造量は少ないそうですが、こういった取り組みが根付いていってほしいですね」というのは、白土さん。

「プティ・マンサンがきれいでおとなしい印象があるので、無添加で味が決まりきっていない肉本来のやさしい味わいのハムが、風味と味わいの強さとしても一緒に飲んでもおいしくいただけるよね」と大越氏もワインとの相性の良さを感じていました。

「『ラ・マリニエール』で買ってきた12カ月熟成のコンテや羊乳のシェーブルと食べてもいいですよね。とくにコンテを食べた後に飲むと、コンテにつられて、ワインのうま味も出てくるように感じます」(白土さん)。

「いろいろな地域でワイン・ツーリズムだったり、地域おこしをしていますが、これだけいい食のプロダクトが小さなエリアのなかに揃っているのは、珍しいですよね」(真藤さん)と、筑波山を遠望する気持ちのいい空間で、ざっくばらんにつくばワインと、つくばの食についての会話が続いていました。

筑波山を背景に、『つくばヴィンヤード』の圃場内で『つくばヴィンヤード』のワインの試飲とともに、購入してきた地元の食材といっしょに食べ飲みをしてみる。自然にあふれ開放感がある場所は、それだけでワインと料理の最高のスパイスになる。 

つくば市産の原木椎茸やレンコンのような地元の食材を、地元の調味料で食べながらその土地で作られたワインを飲む。「場所は畑の中や通りかかった公園などでも十分で、そういう楽しみ方ができるのがワイン・ツーリズムの良さですよね」と白土さん。

つくば市にワイン特区の申請を勧めたのは、髙橋氏。「僕のように一人でブドウを育てて醸造もしている人たちにとって、製造量が少ないところから始められるのが、すごくありがたい」と髙橋氏。

平日でも午前中からたくさんの人が集まる人気の直売所『みずほの村市場』では、カラフルトマト、レンコン、原木生椎茸、芽キャベツといったつくば市産の産直野菜のほか「ぴあらハム」のハムとソーセージを購入した。

ドイツパンの専門店『ベッカライ・ブロートツァイト』では、ドイツの田舎パン「バウアンブロート」(ホール、1,000円)と「レーズンパン」(ホール、1,300円)を購入。しっかりと焼かれてガリっと香り高い表面のテクスチャーとは対照的に中は、やわらかくうま味が強い。

『ベッカライ・ブロートツァイト』から歩いて3分ほどにある『チーズ専門店 ラ・マリニエール』。フランスやイタリアの輸入チーズをメインとした輸入食材を扱う。12カ月熟成のコンテ(950円)と、ブイゲット(山羊のチーズ、1,950円)を購入した。

1981年に創業した『筑波ハム』は、茨城県のブランド豚を使ったハムやベーコンを手造りで販売している。自然派志向のニーズを受けて発色剤や食品添加物を使わずに、ゆっくりと熟成させた無添加商品も開発している。無添加つくば豚ボンレスハム(5,642円)などを購入した。

つくばワイン突出した生産者の存在が、産地全体のレベルアップにつながる。

「ワイン・ツーリズム」という言葉は、1996年に初めて使われるようになった比較的新しい言葉であり概念です。

ワインのティスティングやワイン産地の気候風土を体験することが最大の動機になるような旅のことをいい、その訪問先は今回のようにワイナリーやヴィンヤードのほか、ワインフェスティバルやワイン展示会なども含まれます。日本では、2000年代になって使われるようになりました。

もちろん、ヨーロッパには、ワイン・ツーリズムという言葉で呼ばれなくとも、ワインを目的にした旅の楽しみは以前からありました。日本でも日本酒の銘醸地への旅や、旅先で地酒と地域の食を楽しむ旅のスタイルは昔からあり、ワイン・ツーリズムに近いものといえます。
ヨーロッパのワイン文化にどっぷりと浸かってきた大越氏にとってワイン・ツーリズムは、そもそもの「旅」の本質でもある「地域体験」にあると考えています。

「ワインは、『どこで作られているか』ということが最も大事です。この地に合っているから、このブドウを使っていますっていうのが本来のワインの姿。だからこそ地域のこともよく知る必要があり、総合的に土地の個性を打ち出すことができる存在になるのです」と、大越氏。

つくばのワイン生産者をまわり、それぞれが個性的で意欲的なワインを造っていることを感じとったという大越氏。なかでも土地の個性をより強くワインで表現していたのは、最後に訪れた『ル・ボワ・ダジュール』の青木 誠(あおき・まこと)氏だったといいます。

「試飲させてもらったシャルドネは、『ビーズニーズヴィンヤーズ』の今村さんから買い取ったブドウで青木氏が醸造したもの。もう1つのヒムロットも、借りている圃場に昔からあった樹齢50年という生食用のブドウ品種だといいます。その中でしっかり味わいののったワインを目指して補酸や補糖もせず、ナチュラルな味わいのバランスをアルコール度数に頼らず作り上げている。多くの人が『何のブドウ品種を使っているか』から話を始めるなか、根本的な考え方があると思いました」(大越氏)。

この意見に、白土さんも「一番『こういうワインを造りたい』というのが伝わってきたよね」と賛同します。

日本におけるワイン・ツーリズム発祥の地・山梨県でやまなし大使としてワイン・ツーリズムの取り組みを見つめてきた真藤さんは、「突出した生産者の存在が、産地全体のレベルをアップさせるのをみてきました。海外でしっかりとワイン醸造を学ばれてきた青木氏は、その生産者になる可能性がある」とも話してくれました。

つくばエクスプレスの「つくば」駅から車で10分ほどの住宅地にある『ル・ボワ・ダジュール』は、フランスのワインの銘醸地域であるジュラとブルゴーニュの4軒のワイナリーで3年半研修し2019年に帰国した、青木氏が2021年に開いたワイナリー。

フランスから帰国した青木氏は、2020年から実家のブドウ園に入って生食用の巨峰栽培を手伝いながら、ワイン用のブドウも栽培。ワイン造りをスタートさせた。

「酸を足した方がいいという人もいますが、僕はあえて酸を足すことを考えなくてもいいのかなと思っています。アルコールののったワインを作って、熟成させれば隠れた酸が出てくるのかなって思っているからです」と、自身の考えを伝える青木氏。

「シャルドネとヒムロットはとてもユニークです。とくにヒムロットのアロマティックな個性は、スパークリングにも向いてそうです。巨峰は、このように濁り系で作りあげるスタイルと、とてもよくあっていると思います。樽熟成でテクスチャーも加わり、厚みが感じられます。その分巨峰らしいアロマが控えめになりますが、バランスはいいです。ワインとしては、熟成というよりは早いうちに楽しむほうがあっていそうです」と大越氏。

つくばワインつくばが、ワインの銘醸地と世界から認められるために必要なこととは。

そして最後に3人が指摘したのは、ワイン生産者だけでない横のつながりを作っていくことだといいます。

「つくばのワイン・ツーリズムの可能性を探るということでまわりましたが、熱意あるワイナリーの方々とともに、『ベッカライ・ブロートツァイト』や『チーズ専門店ラ・マリニエール』、『筑波ハム』といった素晴らしい食べ物を作っている人たちがいるわけですから、そういう人たちともどんどんつながって意見交換をしていった方がいいと思うんです」(大越氏)。

「ワイン・ツーリズムにこだわりすぎないことも考えていいかもしれないですよね。つくばにワインを買いにくる人たちは、完璧なマリアージュとかペアリングを、必ずしも求めてないんじゃないですかね。今回私たちも、できるだけつくば市のものを食べたいって思ったし、別にそれは手の混んだ料理とかじゃなくて、地元の味噌とか郷土料理とか、今回でいえばレンコンやトマトといった普通の野菜だったりするんです」(白土さん)。

「都心から60分ちょっとで着く、近いのもいいですよね。どこからでも筑波山が見渡せるようなロケーションがすごくいいですよね。ワイン・ツーリズムとしてまわったときに楽しくできそうな気がする。収穫時期とか新酒の時期とかでもいいので、イベント化してワイン・ツーリズム用の巡回バスなんかがあると、都心からでも参加しやすいですよね」(真藤さん)。

今回はまわれませんでしたが、意識ある野菜や畜産の農家もつくばにはたくさんいます。そうした食にまつわるすべての人たちを、ワインという線で繋いでいくことがつくばらしいワイン・ツーリズムの姿かもしれません。

つくばのワイン・ツーリズムはまだまだ始まったんばかり。最適なルートも立ち寄りスポットもまだまだ確立されていませんが、今回紹介したワイナリーやフードショップで気になった"推しスポット"を2、3カ所まわってみてください。旅のガイドブックをたどるのとはひと味違う「地域体験」ができるはずです。

 

つくばワイナリーの圃場で、筑波山を背景に。

つくばエクスプレスの研究学園駅近くの「地酒本舗 美酒堂 研究学園店」は、つくば ワインを揃える地元のワインショップ。ワイン・ツーリズムの最後の目的地にピッタリだ。

1976年生まれ、北海道出身。国際ソムリエ協会認定 、International A.S.I. Sommelier DiplomaWSET Sake Level 3 Educator、モダンベトナム料理店「An Di」(外苑前)「An Com」(広尾)オーナー。渡仏し栽培、醸造の分野を学び、帰国後銀座レカンのシェフソムリエに就任。2013年6月ワインテイスター/ソムリエとして独立。IWC、IWCCのシニアジャッジとして国際的なワインと日本酒の品評会にも招待されており、日本酒や焼酎のペアリングで、和食以外のレストランで明確に提案したパイオニアの一人。

東京生まれ。主に発酵料理を得意とし、料理を通じて環境を考えた暮らし方や食育を提案。 IT関連の会社勤めを経て、京都の禅寺にて1年間生活をし、その後フランスのリッツエスコフィエにてディプロマを取得。レシピ開発やレシピ本の執筆、 料理教室、テレビ、ラジオ出演や、食育、ワイン、日本酒など酒と食との講演会などで活動。山梨との二拠点居住の後、現在は東京に拠点を戻し、やまなし農業6次産業化戦略会議アドバイザーや、日本各地の商品開発、メニューのアドバイザーなどで活動中。

営業企画部 前職で家具屋で働いていた時に仲良くなった酒蔵の社長の影響で飲食にまつわる仕事をしたいと思い転職。現在は海外・日本ワインの仕入れや、イベント企画を担当。 特に日本国内の造り手の元には頻繁に訪問し、現地で聞いた情報を飲食店や小売店のお客様に伝え、造り手と消費者を繋ぐ仕事を主に行っている。



Text:ICHIRO EROKUMAE
Photographs:JIRO OTANI
(Supported by シェフと茨城)
【問い合わせ先】
つくば市経済部農業政策課 農業政策係
Tel:029-883-1111

味わうだけでなく地域を体験するワイン・ツーリズムに出かけよう。[つくばワイン/茨城県つくば市]

つくばのワインと食を旅するワイン・ツーリズムに出かけた真藤さん、大越氏、白土さん(左から)。筑波山の麓、なだらかな山裾に開かれた『つくばワイナリー』のブドウ畑を訪れるなど、都心から近いつくば市内で日帰り旅を楽しんだ。

つくばワイン日本を代表するソムリエをはじめ3人のワインのプロが「つくば市」へ。

茨城県つくば市をご存じでしょうか? 県南地域に位置する市で、都内なら秋葉原駅や北千住駅からつくばエクスプレスに乗ると、60分もあれば中心地にある「つくば駅」に到着します。

古代から名峰として信仰を集めた筑波山の麓に広がる田園地帯は、豊かな古の人々の生活を想起させる一方で、駅周辺は機能的に街が作られ、さながら近未来都市のような趣があります。さらに、つくば市が目指す未来型教育も注目され、移住者も増加。人口減少が問題視されている日本にあって、30年以上人口が増え続けている自治体でもあります。

また、住むだけでなく、旅やビジネスの目的地になっているのも、つくば市の特徴です。筑波山周辺で登山やキャンプなどのアウトドアを目的にくる人もいれば、JAXAをはじめ先端技術の研究・開発のために訪れる研究者や技術者がいる街は、日本でも珍しいのではないでしょうか。

住む人、訪れる人、さまざまな人が行き交う街、つくば。この街に、また新しい目的をもった人たちが集まり始めています。

近年、筑波山周辺につぎつぎに開園しているワイナリーをまわる人たちです。現在は、ワイナリーやヴィンヤード(ワイン用ブドウ園)が5つあり、これらを中心にした食の旅「ワイン・ツーリズム」に期待が寄せられているのです。

今回、つくば市のワイナリーやヴィンヤードを訪れたのはフランス料理の老舗『銀座レカンの元シェフソムリエで、現在はJALのワインディレクターとして活躍するソムリエの大越基裕(おおこし・もとひろ)氏と、人気酒販店『いまでや』に勤務しながらさまざまな活躍を展開する白土暁子(しらと・あきこ)さん、やまなし大使として山梨ワインの魅力を発信する料理家の真藤舞衣子(しんどう・まいこ)さんです。

ワイナリーやヴィンヤードだけでなく、市内の野菜の直売所やパン屋やチーズ屋などをめぐってワインに合うフードも購入しながら、テイスティングをしました。1日でめぐるつくばのワイン・ツーリズムの可能性を探っていきます。

日本を代表するソムリエの一人、大越基裕氏。第一線の飲食の舞台で活躍してきた知識と経験で、つくばワインの魅力を言葉にしてくれた。

料理家であり、フランスのリッツエスコフィエにてディプロマを取得しワインにも精通する真藤舞衣子さん。ワイン・ツーリズムを日本で先駆けて取り組んだ山梨県のワインにも詳しい。

白土暁子さんは、じつは茨城県出身。転勤の多い家庭だったこともあり、幼少期に関西へ。茨城県の記憶はほとんどないが、その後、仕事で数回訪れている。

つくばワイン筑波山周辺の土壌にあったハイブリッド品種でワインを造る。

つくばエクスプレスの「つくば駅」から旅をスタートさせた3人は、筑波山を目指して車で北上します。

はじめにたどり着いたのは、2013年からワイン用ブドウを育て、市内ではもっとも古いワイナリーである『つくばワイナリー』です。

筑波山麓の風光明媚な地、北条地区に開かれた圃場は、新年度のブドウ栽培の最初の仕事である剪定が終わったばかり。病気に強く筑波山麓の気候風土や土壌にも合うと、11年前に植えたヨーロッパ品種と日本の山葡萄品種をかけ合わせたハイブリッド品種である北天の雫(白ワイン用、行者の水×リースリング)や富士の夢(赤ワイン用、行者の水×メルロー)、ヨーロッパで注目を集めている黒ブドウ(赤ワイン用)のマルスランの樹が並んでいます。

圃場を案内するのは、岡崎洋司(おかざき・ようじ)氏。その後の試飲で3人が選んだのは北天の雫100%の「TSUKUBA BLANC プレミアム 2020」と富士の夢100%の「TSUKUBA ROUGE プレミアム 2020」でした。

「『TSUKUBA BLANC プレミアム 2020』は、フルーティでリースリングの遺伝子を感じるよね。野菜とか葉っぱもの、ハーブの感じと相性がいいかもね」と大越氏。
「もう1本の『TSUKUBA ROUGE プレミアム 2020』は、山葡萄特有の野性味とグレーピー(ブドウジュースのよう)な風味が特徴的。酸がしっかりとあり、濃い割りにはタンニンが少ないことがポイントになるので、油脂分はそこそこで、テクスチャー(質感)の柔らかな煮込み系の料理などが相性が良さそう。豚を角煮にしたり、プルーンを使って一緒に煮込んだりとかかな」と感じたようです。

真藤さんも「スモークチキンとか燻製したものとかにもあいそうだから、ターキーとクランベリーのソースとか良いかもしれないよね」と料理家の目線で家庭料理の提案もしてくれます。

『つくばワイナリー』の自家醸造所にはショップが併設されており、購入することもできる。営業時間13:00〜17:00(日・祝は10:00〜17:00)定休日なし。

『つくばワイナリー』では、ハイブリット品種の北天の雫や富士の夢のほか、ヨーロッパ品種のメルロー、シャルドネ、マルスランの合わせて5品種を1.5haの畑で育てている。

2019年には、つくば市初となる自家醸造所が完成。国内複数の醸造所での経験をもつ北村 工氏が醸造責任者に就任し、さらに高いクオリティのワイン造りを目指している。

『つくばワイナリー』の醸造所兼ショップの建物の前の庭で昼休憩。向かう途中にある「ベッカライ・ブロートツァイト」でパンを、「ラ・マリニエール」でヨーロッパチーズを購入してきた。

「ベッカライ・ブロートツァイトのパンは味がしっかりしているので、この『TSUKUBA BLANC プレミアム 2020』の樽を少し使用して作られている白の方が、テクスチャーもしっかりしているので良く合いますね」と大越氏。

つくばワイン霊峰・筑波山を仰ぎ見るブドウ栽培に適した場所。

続いて3人が向かったのは、同じく筑波山麓の沼田地区と臼井(六所)地区に圃場をもつ『ビーズニーズヴィンヤーズ』です。

今村(いまむら)ことよさんは、守谷市出身でもともとは製薬会社の研究員でした。40歳を期に脱サラし、筑波山周辺は、日本では珍しい花崗岩質の土壌だったこともありワイン造りをつくばで始めました。

ビーズニーズヴィンヤーズでは、2カ所の圃場を見学後、今村さんが用意したテント内で試飲を行った。快晴で汗ばむほどに晴れたこの日、筑波山から吹き降ろす風が心地よい、ヴィンヤード(ワイン用ブドウ園)ならではのロケーションです。

ティスティングはまず、「Episode 0 (zero) 2019」から。黒ブドウのシラーを3割、残りはシャルドネとセミヨンから造ったスパークリングワインです。そして栽培している白品種をすべて混醸して造った「Spiral 2020」と、シラーとヴィオニエを混醸した「Purple Peaks 2020」と続けて試飲していきます。Purple Peaksは、筑波山の山肌が斜陽で紫に染まることから「紫峰」と呼ばれているところからつけた名前だそうです。

そんな中、大越氏が気に入ったのはティスティングの最後に出された「Overdrive Oak 2018」、シラー、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、タナなどのヨーロッパ品種を2タンクに分けて発酵後、樫材のチップ(オークチップ)で樽の風味付けをしたものです。

「口のなかでアルコールやタンニンを総合的に感じたときのテクスチャー(質感)が好きです。凝縮感もあります。この年のようなスタイルが、ある程度コンスタントにできればいいですね」と、本格的なアドバイスを今村さんに送っていました。

標高877m、男体山と女体山の2つの峰を持ち、古くから信仰の山として崇拝されてきた筑波山。今回のツーリズムで訪れた圃場のうち、筑波山にもっとも近いのが『ビーズニーズヴィンヤーズ』の圃場だ。

白ワイン品種は、シャルドネ、セミヨン、ヴィオニエ、ヴェルデーリョ、赤ワイン品種は、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルド、タナなど、多くの人が一度は聞いたことがあるようなヨーロッパを代表するワイン用ブドウの品種を2つの圃場で合計1.5haで育てている。

「いわゆる自然派ワインによくある、クセのある匂いが出ないように、きれいに醸造して素直に食事に合うワインを造りたい。ただ、今は委託醸造をしていて、委託先ごとに設備が違ってくるのでそこは仕方ないですね。将来的に醸造も自分でやるなら瓶詰め時の窒素置換は必須ですね」と今村さん。

つくばワインこの小さなエリアに、これだけの良い食のプロダクトが揃っているのは珍しい。

3つ目の訪問地『つくばヴィンヤードは、筑波山から12㎞ほど南にある栗原地区にあります。すこしだけ筑波山から遠くなりましたが、まだしっかりと山容を確認することができます。いつも旅人を筑波山が見守ってくれる、それもまたつくばを旅する特別な楽しみ方といえます。

つくばヴィンヤードでは、旅の合間に買ったワインに合うフードを食べながらの試飲会にしようと髙橋 学(たかはし・まなぶ)氏が炭火を起こして待っていてくれました。

髙橋氏が勧める白ブドウ品種、プティ・マンサン100%の「Tsukuba Series プティマンサン」やつくばワイナリーでも栽培している富士の夢100%の「Tsukuba Series Kurihara」などとともに、即席の野外レストランです。

3人が購入してきたのは、レンコンや原木椎茸、ハーブといったつくば市産の野菜に『手づくり工房ぴあらハム』と『筑波ハム』のハムやソーセージといった加工食品。さらに県外の人もわざわざ買いにくる人気のベーカリー『ベッカライ・ブロートツァイト』とチーズショップ『チーズ専門店 ラ・マリニエール』では、パンとチーズです。

「『筑波ハム』は、社会的な食のニーズや地元の声を聴く中で無添加のハムを作り始めたとおっしゃっていました。腐敗防止発色のために使われる硝酸不使用なので、時間をかけてていねいに作るのでまだ肉本来の風味や食感が残ってとてもおいしい。製造量は少ないそうですが、こういった取り組みが根付いていってほしいですね」というのは、白土さん。

「プティ・マンサンがきれいでおとなしい印象があるので、無添加で味が決まりきっていない肉本来のやさしい味わいのハムが、風味と味わいの強さとしても一緒に飲んでもおいしくいただけるよね」と大越氏もワインとの相性の良さを感じていました。

「『ラ・マリニエール』で買ってきた12カ月熟成のコンテや羊乳のシェーブルと食べてもいいですよね。とくにコンテを食べた後に飲むと、コンテにつられて、ワインのうま味も出てくるように感じます」(白土さん)。

「いろいろな地域でワイン・ツーリズムだったり、地域おこしをしていますが、これだけいい食のプロダクトが小さなエリアのなかに揃っているのは、珍しいですよね」(真藤さん)と、筑波山を遠望する気持ちのいい空間で、ざっくばらんにつくばワインと、つくばの食についての会話が続いていました。

筑波山を背景に、『つくばヴィンヤード』の圃場内で『つくばヴィンヤード』のワインの試飲とともに、購入してきた地元の食材といっしょに食べ飲みをしてみる。自然にあふれ開放感がある場所は、それだけでワインと料理の最高のスパイスになる。 

つくば市産の原木椎茸やレンコンのような地元の食材を、地元の調味料で食べながらその土地で作られたワインを飲む。「場所は畑の中や通りかかった公園などでも十分で、そういう楽しみ方ができるのがワイン・ツーリズムの良さですよね」と白土さん。

つくば市にワイン特区の申請を勧めたのは、髙橋氏。「僕のように一人でブドウを育てて醸造もしている人たちにとって、製造量が少ないところから始められるのが、すごくありがたい」と髙橋氏。

平日でも午前中からたくさんの人が集まる人気の直売所『みずほの村市場』では、カラフルトマト、レンコン、原木生椎茸、芽キャベツといったつくば市産の産直野菜のほか「ぴあらハム」のハムとソーセージを購入した。

ドイツパンの専門店『ベッカライ・ブロートツァイト』では、ドイツの田舎パン「バウアンブロート」(ホール、1,000円)と「レーズンパン」(ホール、1,300円)を購入。しっかりと焼かれてガリっと香り高い表面のテクスチャーとは対照的に中は、やわらかくうま味が強い。

『ベッカライ・ブロートツァイト』から歩いて3分ほどにある『チーズ専門店 ラ・マリニエール』。フランスやイタリアの輸入チーズをメインとした輸入食材を扱う。12カ月熟成のコンテ(950円)と、ブイゲット(山羊のチーズ、1,950円)を購入した。

1981年に創業した『筑波ハム』は、茨城県のブランド豚を使ったハムやベーコンを手造りで販売している。自然派志向のニーズを受けて発色剤や食品添加物を使わずに、ゆっくりと熟成させた無添加商品も開発している。無添加つくば豚ボンレスハム(5,642円)などを購入した。

つくばワイン突出した生産者の存在が、産地全体のレベルアップにつながる。

「ワイン・ツーリズム」という言葉は、1996年に初めて使われるようになった比較的新しい言葉であり概念です。

ワインのティスティングやワイン産地の気候風土を体験することが最大の動機になるような旅のことをいい、その訪問先は今回のようにワイナリーやヴィンヤードのほか、ワインフェスティバルやワイン展示会なども含まれます。日本では、2000年代になって使われるようになりました。

もちろん、ヨーロッパには、ワイン・ツーリズムという言葉で呼ばれなくとも、ワインを目的にした旅の楽しみは以前からありました。日本でも日本酒の銘醸地への旅や、旅先で地酒と地域の食を楽しむ旅のスタイルは昔からあり、ワイン・ツーリズムに近いものといえます。
ヨーロッパのワイン文化にどっぷりと浸かってきた大越氏にとってワイン・ツーリズムは、そもそもの「旅」の本質でもある「地域体験」にあると考えています。

「ワインは、『どこで作られているか』ということが最も大事です。この地に合っているから、このブドウを使っていますっていうのが本来のワインの姿。だからこそ地域のこともよく知る必要があり、総合的に土地の個性を打ち出すことができる存在になるのです」と、大越氏。

つくばのワイン生産者をまわり、それぞれが個性的で意欲的なワインを造っていることを感じとったという大越氏。なかでも土地の個性をより強くワインで表現していたのは、最後に訪れた『ル・ボワ・ダジュール』の青木 誠(あおき・まこと)氏だったといいます。

「試飲させてもらったシャルドネは、『ビーズニーズヴィンヤーズ』の今村さんから買い取ったブドウで青木氏が醸造したもの。もう1つのヒムロットも、借りている圃場に昔からあった樹齢50年という生食用のブドウ品種だといいます。その中でしっかり味わいののったワインを目指して補酸や補糖もせず、ナチュラルな味わいのバランスをアルコール度数に頼らず作り上げている。多くの人が『何のブドウ品種を使っているか』から話を始めるなか、根本的な考え方があると思いました」(大越氏)。

この意見に、白土さんも「一番『こういうワインを造りたい』というのが伝わってきたよね」と賛同します。

日本におけるワイン・ツーリズム発祥の地・山梨県でやまなし大使としてワイン・ツーリズムの取り組みを見つめてきた真藤さんは、「突出した生産者の存在が、産地全体のレベルをアップさせるのをみてきました。海外でしっかりとワイン醸造を学ばれてきた青木氏は、その生産者になる可能性がある」とも話してくれました。

つくばエクスプレスの「つくば」駅から車で10分ほどの住宅地にある『ル・ボワ・ダジュール』は、フランスのワインの銘醸地域であるジュラとブルゴーニュの4軒のワイナリーで3年半研修し2019年に帰国した、青木氏が2021年に開いたワイナリー。

フランスから帰国した青木氏は、2020年から実家のブドウ園に入って生食用の巨峰栽培を手伝いながら、ワイン用のブドウも栽培。ワイン造りをスタートさせた。

「酸を足した方がいいという人もいますが、僕はあえて酸を足すことを考えなくてもいいのかなと思っています。アルコールののったワインを作って、熟成させれば隠れた酸が出てくるのかなって思っているからです」と、自身の考えを伝える青木氏。

「シャルドネとヒムロットはとてもユニークです。とくにヒムロットのアロマティックな個性は、スパークリングにも向いてそうです。巨峰は、このように濁り系で作りあげるスタイルと、とてもよくあっていると思います。樽熟成でテクスチャーも加わり、厚みが感じられます。その分巨峰らしいアロマが控えめになりますが、バランスはいいです。ワインとしては、熟成というよりは早いうちに楽しむほうがあっていそうです」と大越氏。

つくばワインつくばが、ワインの銘醸地と世界から認められるために必要なこととは。

そして最後に3人が指摘したのは、ワイン生産者だけでない横のつながりを作っていくことだといいます。

「つくばのワイン・ツーリズムの可能性を探るということでまわりましたが、熱意あるワイナリーの方々とともに、『ベッカライ・ブロートツァイト』や『チーズ専門店ラ・マリニエール』、『筑波ハム』といった素晴らしい食べ物を作っている人たちがいるわけですから、そういう人たちともどんどんつながって意見交換をしていった方がいいと思うんです」(大越氏)。

「ワイン・ツーリズムにこだわりすぎないことも考えていいかもしれないですよね。つくばにワインを買いにくる人たちは、完璧なマリアージュとかペアリングを、必ずしも求めてないんじゃないですかね。今回私たちも、できるだけつくば市のものを食べたいって思ったし、別にそれは手の混んだ料理とかじゃなくて、地元の味噌とか郷土料理とか、今回でいえばレンコンやトマトといった普通の野菜だったりするんです」(白土さん)。

「都心から60分ちょっとで着く、近いのもいいですよね。どこからでも筑波山が見渡せるようなロケーションがすごくいいですよね。ワイン・ツーリズムとしてまわったときに楽しくできそうな気がする。収穫時期とか新酒の時期とかでもいいので、イベント化してワイン・ツーリズム用の巡回バスなんかがあると、都心からでも参加しやすいですよね」(真藤さん)。

今回はまわれませんでしたが、意識ある野菜や畜産の農家もつくばにはたくさんいます。そうした食にまつわるすべての人たちを、ワインという線で繋いでいくことがつくばらしいワイン・ツーリズムの姿かもしれません。

つくばのワイン・ツーリズムはまだまだ始まったんばかり。最適なルートも立ち寄りスポットもまだまだ確立されていませんが、今回紹介したワイナリーやフードショップで気になった"推しスポット"を2、3カ所まわってみてください。旅のガイドブックをたどるのとはひと味違う「地域体験」ができるはずです。

 

つくばワイナリーの圃場で、筑波山を背景に。

つくばエクスプレスの研究学園駅近くの「地酒本舗 美酒堂 研究学園店」は、つくば ワインを揃える地元のワインショップ。ワイン・ツーリズムの最後の目的地にピッタリだ。

1976年生まれ、北海道出身。国際ソムリエ協会認定 、International A.S.I. Sommelier DiplomaWSET Sake Level 3 Educator、モダンベトナム料理店「An Di」(外苑前)「An Com」(広尾)オーナー。渡仏し栽培、醸造の分野を学び、帰国後銀座レカンのシェフソムリエに就任。2013年6月ワインテイスター/ソムリエとして独立。IWC、IWCCのシニアジャッジとして国際的なワインと日本酒の品評会にも招待されており、日本酒や焼酎のペアリングで、和食以外のレストランで明確に提案したパイオニアの一人。

東京生まれ。主に発酵料理を得意とし、料理を通じて環境を考えた暮らし方や食育を提案。 IT関連の会社勤めを経て、京都の禅寺にて1年間生活をし、その後フランスのリッツエスコフィエにてディプロマを取得。レシピ開発やレシピ本の執筆、 料理教室、テレビ、ラジオ出演や、食育、ワイン、日本酒など酒と食との講演会などで活動。山梨との二拠点居住の後、現在は東京に拠点を戻し、やまなし農業6次産業化戦略会議アドバイザーや、日本各地の商品開発、メニューのアドバイザーなどで活動中。

営業企画部 前職で家具屋で働いていた時に仲良くなった酒蔵の社長の影響で飲食にまつわる仕事をしたいと思い転職。現在は海外・日本ワインの仕入れや、イベント企画を担当。 特に日本国内の造り手の元には頻繁に訪問し、現地で聞いた情報を飲食店や小売店のお客様に伝え、造り手と消費者を繋ぐ仕事を主に行っている。



Text:ICHIRO EROKUMAE
Photographs:JIRO OTANI
(Supported by シェフと茨城)
【問い合わせ先】
つくば市経済部農業政策課 農業政策係
Tel:029-883-1111

牛革レザームーンバッグ

極厚レザーにてリニューアルされたムーンバッグ!

  • 今回はアイアンらしくハリのある極厚の栃木レザーを採用
  • 革は勿論、縫製など全てMade in JAPANです
  • 外の表側に1つ、内側に1つのファスナーポケット付き
  • 同色の裏地付きで 内容量がかなり大きなレザーバッグです

    素材

  • 牛革

オールレザーウエストバッグ

2022春夏モデルのオールレザーバッグは明るいカラーが仲間入り!

  • 大きすぎず小さすぎずのちょうど良いサイズ感
  • ウェストバックとしても良し 肩にかけショルダーバッグにしても良し の大きさです
  • 背面側ポケットはファスナー仕様で、チケットなど ちょとした物を入れるのに便利です
  • 各ファスナーには グローブをしたままでも開閉しやすいよう 長めの革タブ付きに
  • ベルト調整部分はダブルリング仕様でかんたんに長さ調節が可能です
  • 開口部が大きいので 使い勝手がとてもよいです

前モデルから若干 仕様変更しました

  • 内側ポケットは ファスナーつきになりました
  • 背面側のダイヤステッチが復活
  • ショルダーストラップ付け根部分の真鍮パーツが復活

米と米。ごはんに合う、おにぎりに合う酒。[和光アネックス/東京都中央区]

「今回、ご紹介する『萩乃露槽場直汲み 中汲み無ろ過生 辛口特別純』は、ごはんに合う、おにぎりに合う旨味の強いお酒です。一粒一粒が大きい『有機JAS認証 滋賀旭』に『こな柚子こしょう(青)』を混ぜ込んで、合わせてお召し上がりください」と『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さん。

WAKO ANNEXおにぎりがおつまみのごとく、何度も口に。酒をひと口含めば、またおにぎりに手が伸びる。

これは食事か!? はたまた、おつまみか!? そんな不思議なペアリングが今回の面白いところ。

提案するのは、『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さんです。

まず、軸となるお酒は、『福井弥平商店』の「萩乃露槽場直汲み 中汲み無ろ過生 辛口特別純」。

1本のお酒の中でもとびきり美味しい「中汲み」だけを搾り、すぐに瓶詰め。発酵に由来する自然の炭酸ガスがお酒に含まれ、トロリと深い味わいに溶け合い、濃醇にして爽やかな辛口に仕上がっています。

そのままでも当然美味しいですが、「ぜひ、ごはんと!」と千葉さん。とはいえ、ただのごはんではありません。

『クサツパイオニアファーム』の「有機JAS認証 滋賀旭」のお米に『川原食品』の「こな柚子こしょう(青)」を和え、丸く握りパクリ。

冒頭、「これは食事か!? はたまた、おつまみか!?」という感覚になるでしょう。

「『萩乃露槽場直汲み 中汲み無ろ過生 辛口特別純』は、ごはんに合う旨味の強いお酒だと思います。『有機JAS認証 滋賀旭』のお米は、独特な香ばしさがあり、一粒一粒が大きいのが特徴。おにぎりにした時に噛み応え、食べ応えもあり、喉越しも抜群!」と千葉さん。

さらに、それをおつまみ化させているのが、ごはんに和えた「こな柚子こしょう(青)」。

「自社の柚子園にて自然栽培した柚子と地元佐賀の契約農家と協力し合い、毎年収穫された唐辛子から種を厳選し手間隙かけて育てたものを使用しています。柚子も唐辛子も農薬は一切使用しておりません。青い柚子皮と青唐辛子でできた青柚子こしょうを、フリーズドライ製法で乾燥させ使いやすい粉末状に仕上げました」。

そんな「こな柚子こしょう」は、一味やお塩のように、味の輪郭を際立たせます。そう、このおにぎりは、立派な料理なのです。

これぞ日本、米と米のペアリング。これで最後と思いながらも、ひと口飲んでは、ひと口パクリ。ある意味、困った口福に伸びる手が止まらないでしょう。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

『福井弥平商店』の「萩乃露槽場直汲み 中汲み無ろ過生 辛口特別純」。槽場(ふなば)で直汲みした純米の無ろ過生原酒。口中に広がる吟醸香、やわらかで濃い旨味、後口のキレの良さ。直汲みだから味わえる、旨口の辛口純米。

『クサツパイオニアファーム』の「有機JAS認証 滋賀旭」。滋賀旭は、関西で昔から栽培されていたお米であり、日本の良質米の祖先。米粒は、しっかりとした大粒の晩生品種で食べごたえ充分。 粘りはほど良く、味はコシヒカリに似る。

『川原食品』の「こな柚子こしょう(青)」。なま柚子こしょうをそのままフリーズドライ製法で粉末にした逸品。今回は、おにぎりに和えるも、一味やお塩の代わりにも最適。お料理に振りかけるだけでも美味を演出する。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

岩手県出身。保険会社のSEから日本酒に魅了されたことで飲食業界に転身。新宿の『日本酒スタンド酛(もと)』に入社後、利酒師の資格を取得。日本全国の酒蔵を訪ね、酒類総合研究所の研修などにも参加し、2015年に『GEM by moto』をオープン。化学的知見から一人ひとりに合わせた日本酒を提供する。口内調味やペアリングというキーワードで新しい日本酒体験を作り、日本のみならず海外のファンを魅了し続けるかたわら、様々なジャンルの料理人や専門家ともコラボレーションし、新しい日本酒のスタイルを日々模索する。2019年には日本酒や日本の食文化を世界に発信する「第14代酒サムライ」に叙任。。主な作品は、『日本酒に恋して』(主婦と生活社)、『最先端の日本酒ペアリング』(旭屋出版)など。出演作は、映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』(配給:シンカ)。https://www.marie-lab.com/

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8  MAP
TEL:03-5250-3101
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Text:YUICHI KURAMOCHI​​​​​​
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にごり酒がカフェラテに!? これもまた、千葉流のペアリング。[和光アネックス/東京都中央区]

「濁りの貴醸酒は珍しく、『華鳩 貴醸酒の生にごり酒』は、甘いお米のクリームのようです。コーヒーを製氷皿に入れ、コーヒー氷を作っていただき、そこに注ぐと珈琲に甘味とクリーム感が足され、カフェラテのように! 時間の経過とともに味の変化もお楽しみください」と『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さん

WAKO ANNEXにごり酒に溶け出すのは、まさかの珈琲。さすが千葉さん!と唸るペアリング。

「にごり酒がカフェラテのようになります」。そう話すのは、『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さんです。

一体、何のことか分からない言葉の意味は、「それ」を差し出されて納得。「それ」とは、にごり酒の中に凍らせたコーヒーを入れた杯。選んだ酒は、『榎酒酒造』の「華鳩 貴醸酒の生にごり酒」です。

「にごりの貴醸酒は、とても珍しく、甘いお米のクリームのようです。その中に製氷機で凍らせたコーヒーを投入。甘味とクリーム感が増し、カフェラテのようになるんです!」と千葉さん。

確かに、徐々に珈琲氷が溶けゆく様は、色においてもカフェラテのように変化し、飲むごとに変化を楽しめます。

「最初はクリーミーに感じますが、珈琲が溶けていくに連れ、時間の経過とともに味の変化を感じられます。コーヒーの香ばしさと貴醸酒の甘みが融合して面白い体験ができると思います」と千葉さん。

「華鳩 貴醸酒の生にごり酒」は、仕込み水の代わりに酒(純米酒)で造る「貴醸酒」の生にごり酒。元気が良く、シュワシュワした舌触りも特徴です。味わいは、フルーティーな甘い香りと濃厚な甘口ですが、発泡によってしっかりとした酸味も兼ね備え、後味も爽やか。

この「華鳩」においては、国税庁醸造試験所の製造特許をもと、1974年に全国で初めて貴醸酒(迎賓館など、海外からのゲストを招き、日本酒で乾杯する際のお酒として、国税庁醸造試験所より開発された日本独自の高級酒)を製造した蔵元でもあるのです。

凍らせた『和光』の「ドリップコーヒー」は、世界中のコーヒー豆農園を自らの足で回り、「コーヒーハンター」としても知られる川島良彰氏が『和光』のためだけにブレンドしたもの。

焙煎、粉砕、充填、包装までを1日で行うことにより、ドリップパックはアロマを含んだ炭酸ガスで満たされ、パッケージを開けたとたんにふくよかな香りが広がります。

シトラスのようなフレーバーと甘みもあり、穏やかな酸味と香ばしさのバランスが取れたブレンドが特徴です。

「だから、にごりにも負けない」。

また新たなペアリング体験の扉を開けたにごり酒とコーヒーのペアリング。百聞は一見にしかず。まずはお試しあれ。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

『榎酒酒造』の「華鳩 貴醸酒の生にごり酒」。仕込み水の代わりに酒(純米酒)で造る「貴醸酒」の生にごり酒。フルーティーな甘い香り、濃厚な甘口でありながらも発泡感としっかりとした酸味が特徴。後味も爽やか。国税庁醸造試験所の製造特許をもと、1974年に全国で初めて貴醸酒(迎賓館など、海外からのゲストを招き、日本酒で乾杯する際のお酒として、国税庁醸造試験所より開発された日本独自の高級酒)を製造した蔵元でもある。

『和光』の「ドリップコーヒー」。世界中のコーヒー豆農園を自らの足で回り、「コーヒーハンター」としても知られる川島良彰氏が『和光』のためだけにブレンドしたもの。焙煎、粉砕、充填、包装までを1日で行い、深い味わいはもちろん、香りも豊かに仕上げる。今回は、凍らせてにごり酒と合わせたが、そのままの美味も是非。自宅で手軽に楽しめるのも嬉しい。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

岩手県出身。保険会社のSEから日本酒に魅了されたことで飲食業界に転身。新宿の『日本酒スタンド酛(もと)』に入社後、利酒師の資格を取得。日本全国の酒蔵を訪ね、酒類総合研究所の研修などにも参加し、2015年に『GEM by moto』をオープン。化学的知見から一人ひとりに合わせた日本酒を提供する。口内調味やペアリングというキーワードで新しい日本酒体験を作り、日本のみならず海外のファンを魅了し続けるかたわら、様々なジャンルの料理人や専門家ともコラボレーションし、新しい日本酒のスタイルを日々模索する。2019年には日本酒や日本の食文化を世界に発信する「第14代酒サムライ」に叙任。。主な作品は、『日本酒に恋して』(主婦と生活社)、『最先端の日本酒ペアリング』(旭屋出版)など。出演作は、映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』(配給:シンカ)。https://www.marie-lab.com/

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7.5ozヘビーボディフロントプリントTシャツ(H柄)

着やすさと丈夫さを兼ね備えたオリジナルボディTシャツ

  • 着やすさと丈夫さを兼ね備えた7.5ozオリジナル(丸胴)ボディ ※レディースのみ脇はハギ合わせになります。
  • ボディ:14番単糸度詰め天竺(7.5oz)
  • ネック:30/2度詰めフライス
  • プリントはラバーで左胸の大きめワンポイント。
  • ワンウォッシュ済み

素材

  • 綿:100%

ビールとカレー。王道の合わせだけに、提案者の個性が光る。[和光アネックス/東京都中央区]

「4種あるレカマヤジフ craft curry canの中でも『平和クラフトSOUR ALE』と相性が良いのかは、四川花山椒と干しエビのカレー。酸味のあるサワーエールと山椒の爽やかな香りの組合せは抜群です」と『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さん。

WAKO ANNEX

決め手は山椒の爽やかな香りと酸味。1本1缶で、4度のお楽しみを是非。

『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さんが提案するペアリングは、『平和酒造』の「平和クラフトSOUR ALE」と『アパッペ』の「レカマヤジフ craft curry can」4種セットです。

味の好相性はもちろんですが、高い受賞歴を持つ両者という背景にも注目。

「平和クラフトSOUR ALE」は、ビールの国際コンペティション「The International Beer Cup 2017」において金賞を受賞。「craft curry can」を手がけた高木祐輔シェフは、日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」入賞、「Forbes under 30 2020」にも選出されています。

まず、「平和クラフトSOUR ALE」は、酸味のあるサワーエールの味わいが特徴です。

「今回は、その酸味が今回のポイント。4種ある『レカマヤジフ craft curry can』の中でも特に相性が良いのは、四川花山椒と干しエビのカレー。山椒の爽やかな香りと酸味のあるビールの組合せがグッド!」と千葉さん。

通常の発酵に加え、乳酸菌による発酵を取り入れることでサワーエールの酸味は生まれています。「平和クラフト」では、このサワーエールに地元和歌山県の名産、ブランド「紀州南高梅」を加え、より爽やかな味わいとなっているのです。

レカマヤジフ craft curry can」のほか3種は、胡椒バターとチキン、ブラックマスタードとアワビ茸、馬告キーマ。高木シェフのこだわりが詰まったそれらは、缶とはいえ、本格的に仕込みます。

従来のスパイスカレーはスパイス×食材で構成されていますが、「レカマヤジフ craft curry can」は、茸や干しエビなどの旨味を加え、スパイス×食材×旨味を掛け合わせた新感覚のカレーに仕上げています。

それらもビールと相性が良いかどうかは、ご自身でお試しあれ。千葉さん推奨の四川花山椒と干しエビのカレーはもちろん、1本1缶で4度お楽しみいただきたい。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

『平和酒造』の「平和クラフトSOUR ALE」。サワーエールとは、「酸っぱいビール」。乳酸菌のほか、微生物から生成された乳酸により、酸度を上げ腐敗を防ぐ製法は、日本酒の「生酛造り」にも似る。乳酸発酵という工程を経ることで、従来の酵母のみの発酵では出ない果物のような香りと酸味が付与。さらに和歌山特産の南高梅を加えることで、クエン酸の要素も付与され、複雑でありながら軽快な味わいに仕上げる。ビールの国際コンペティション「The International Beer Cup 2017」において、金賞受賞。

『アパッペ』の「レカマヤジフ craft curry can」4種セット。従来のスパイスカレーはスパイス×食材で構成されるが、レカマヤジフのカレーは、茸や干しエビなどの旨味を加え、スパイス×食材×旨味の新しいカレーに仕上げる。手がけた高木祐輔シェフは、日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」にて入賞、「Forbes under 30 2020」にも選出。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

岩手県出身。保険会社のSEから日本酒に魅了されたことで飲食業界に転身。新宿の『日本酒スタンド酛(もと)』に入社後、利酒師の資格を取得。日本全国の酒蔵を訪ね、酒類総合研究所の研修などにも参加し、2015年に『GEM by moto』をオープン。化学的知見から一人ひとりに合わせた日本酒を提供する。口内調味やペアリングというキーワードで新しい日本酒体験を作り、日本のみならず海外のファンを魅了し続けるかたわら、様々なジャンルの料理人や専門家ともコラボレーションし、新しい日本酒のスタイルを日々模索する。2019年には日本酒や日本の食文化を世界に発信する「第14代酒サムライ」に叙任。。主な作品は、『日本酒に恋して』(主婦と生活社)、『最先端の日本酒ペアリング』(旭屋出版)など。出演作は、映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』(配給:シンカ)。https://www.marie-lab.com/

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驚きと発見、鯖の概念を覆す味と香り。フルーツと合わせることで、未知の領域に。[和光アネックス/東京都中央区]

「『南三陸CANシリーズ さば水煮』は、青魚特有の香りや塩味が少なく、上品な味わいとしっとり、ふっくらとした食感が特徴です。その鯖の上品な香りに、フルーツティーに香るいちごと合わさることによって、更にバランスのとれた風味になります。鯖にいちご!?と驚くかもしれませんが、是非お試しください」と、今回のペアリングを推奨するドリンクディレクターの外山博之氏。

WAKO ANNEXただ、美味しいだけではない。健康志向&サスティナブルなペアリング。

独自の視点と哲学を持って理論的にペアリングを行うドリンクディレクターの外山博之氏。

今回、提案するのは、『かたすみ』の国産無添加ドライフルーツを使用した「COPECO」のいちごのフルーツティー3種セットと『丸荒』の宮城県「南三陸CANシリーズ さば水煮」です。

砂糖・香料・着色料を一切使用せずに仕上げたシンプルなフルーツティーのドライフルーツは、全て国産。低温で丁寧に乾燥し、旨味を凝縮しました。

「いちごの優しいフルーティーなフレイバーを加えることによって、“これ”がさらに美味しくなるんです」と外山氏が話す“これ”とは、何と鯖。

「『南三陸CANシリーズ さば水煮』は、青魚特有の香りや塩味が少なく上品な味わいと、しっとり、ふっくらとした食感です。その鯖の上品 な香りに『COPECO』のいちごのフルーツティーの香りが絶妙なバランスを生んでくれます」と外山氏。

しかし、今回は、香りだけでなく特筆すべきがもうひとつ。それは、企業努力と哲学です。

『丸荒』においては、世界三大漁場の三陸沖が目の前の立地。更には、2018年「ラムサール条約」にも登録されるなど、世界が認める自然環境に恵まれています。

この恵まれた環境で最も旬の時期に水揚げされたものを当日のうちに、鮮度そのままに次世代の凍結技術(均等磁束と電磁波のハイブリッド)急速冷凍することで、素材の鮮度や美味しさを閉じ込めたものを缶に詰めているのです。 「COPECO」のいちごのフルーツティー同様、無添加・無着色。健康にも良いです。

「地球環境に配慮しながら水産資源を守り育てる持続可能な生産に取り組んでいます」とは、『丸荒』の言葉。

日本初のエコラベル「ASC」と森の「FSC」ふたつの国際認証を取得し、地球環境を守り、持続的に魚介類を食べ続けていくことができるよう、自然を傷つけない方法で育てられたサステナブル・シーフードの精算に取り組んでいるのです。

体にも良い、自然にも良い、そんなペアリングを是非ご堪能ください。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

『かたすみ』の人気商品、「COPECO」のいちごのフルーツティー3種セット。いちごを低温で丁寧に乾燥することで旨みを凝縮し、砂糖・香料・着色料を一切使用せずに仕上げる。紅茶やハーブを合わせ、スッキリとした味わいの3種に。

『丸荒』の宮城県「南三陸CANシリーズ さば水煮」。水揚げされたサバをその日のうちに急速冷凍することで、素材の鮮度や美味しさを閉じ込める。無添加・無着色のため、健康にも配慮し、サスティナブル・シーフードの精算にも取り組む。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

埼玉県出身。バーテンダーとしてレストランやホテルなどに勤務した後、ソムリエに転身。以降、様々なレストランで経験を積み、2012年より代々木上原『Gris』(現『sio』)のマネージャーに就任。2018年より調布市にある『Maruta』のドリンクを監修、2019年より京都『LURRA゜』のドリンクディレクションなど、ペアリングを行いながら活躍の場を広げている。

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波佐見焼の里に1日限り現れた、長崎県産食材尽くしの野外料理会。[大人のピクニック・くらわんかくらわんか登窯/長崎県波佐見町]

中尾郷を見下ろす「中尾上登窯跡」に遠方からもゲストが集った。

大人のピクニック くらわんかくらわんか登窯波佐見焼の窯元が集まる山間の集落に1日限りの野外レストランを。

長崎県のほぼ中央に位置し、県内の市町村で唯一海に面していない波佐見町。400年の伝統を持つ磁器、波佐見焼のふるさととして知られています。その波佐見町の中でも、波佐見焼の窯元がとりわけたくさん集まっているのが、山間の集落、中尾郷です。2月、中尾郷で1日限りの野外料理会『大人のピクニック くらわんかくらわんか登窯』が開催されました。

会場となったのは、集落を見下ろす急峻な山肌に広がる「中尾上登窯跡」。世界第2位の大きさと言われる登窯跡で、その長さはなんと160mにも達します。ちなみに、まだ地中に埋まっていますが、世界第1位も波佐見にあり、、波佐見焼は世界に名だたる登窯の里だったことがわかります。中尾上登窯はかつて33室もの窯室を擁し、青磁や染付茶碗などを大量に焼き上げていました。現在は、窯室が連なっていた部分はレンガを利用して22面の段に整備され、巨大なひな壇のような威容を誇っています。今回、この段々が宴の舞台となるのです。

料理と空間演出を担当したのは、大塚 瞳さん。出張料理人として気に入った土地に数日限りの食空間を創出することをライフワークとする彼女は、使用する食材はすべて自ら生産者を巡り探し求める徹底ぶり。つながりのある生産者は数千件におよぶといいます。

今回の料理は、すべて長崎県産の食材を使用し、波佐見焼の器で提供されるとのこと。一体どのような内容になるのでしょうか。

山に鳴り響くのは正午を告げる町内放送の音楽。ゲストたちが続々と登ってきました。いよいよ『大人のピクニック くらわんかくらわんか登窯』の始まりです。

料理は3種の重箱からスタート。牛蒡と椎茸の具が入った波佐見寿司、黄色い白菜・黄ごころと金柑、青唐辛子のサラダ、足赤海老と渡り蟹の老酒漬けや煮豚、炙り鰆のジェノベーゼソース添えなど、多彩な内容。

テーブルと椅子の代わりに用意された帆布生地1反。登窯から街を見下ろす景色や、かつての窯そのものを味わうには地面に座ることだとロケハンの時に閃き、器の絵付師に連絡。染付の藍色で波佐見町の草木を描いてもらったレジャーシートが彩る。ゲストはブルーのベールを取って着座する。

一般公募したゲスト25名と地元の窯元5名が続々と登ってきた。

着座してまずはお茶をいただく波佐見焼のタンブラーはシリコン製の蓋も付いた機能性、デザイン性に優れた一品。

今回の料理や空間づくりのテーマについて紐解く大塚さん。波佐見焼やくわらんか碗の歴史などにもふれた解説に、ゲストは聴き入っていた。

くらわんかくらわんか登窯染付の藍色が登窯跡を彩るシートの上で車座に。野外でも陶器。陶郷ならではの大人のピクニック。

段々の一区画は6×5mほどの広さ。その中央にシートが敷かれています。これはテーブルとイスの代わりに用意された帆布製の宴座。ゲストが車座になって、屋外の料理会を楽しんでもらいたいという趣向です。5名の一般客に地元の波佐見焼の窯元1名が加わった6名のグループが5組。1組1段ずつ、5段に分かれて席におさまりました。

ブルーのベールを取ると、鮮やかな藍色で草木が大胆に描かれた帆布、その真ん中に磁器と桐の重箱が鎮座しています。席につくと、波佐見焼のタンブラーが配られました。冷えた体に染み渡る、長崎のそのぎ茶。お茶で喉を潤し、お重の料理からいただきます。

蓋を開けると、わぁという歓声が上がりました。めでたい瓢箪柄のお重の中身は、地域に受け継がれている波佐見寿司。黄色い錦糸卵が鮮やかな押し寿司です。ニノ重は老酒漬けの足赤海老と渡り蟹、焼豚、炙り鰆など、なんとも渋くて魅力的なラインナップ。三ノ重は春らしい明るい色合いの金柑と白菜のサラダです。

この日の献立は中国春節にちなんでいると大塚さんは話します。

「長崎は中国との交流の歴史が深いところ。チャイニーズニューイヤー、中国の旧正月をピクニックでお祝いしたいと思い、御節料理のように重箱でご用意いたしました。中国の香りが感じられる内容になっています。サラダには黄ごころという甘みの強い黄芯白菜を使っています。中国では、“白菜”と“百財”が同じ発音であることから、白菜は財をもたらす縁起物。皆様の運気が上がりますようにとの願いを込めて、サラダに仕立ててみました」。

長崎県産の馬鈴薯・デジマと、塩蔵した鯨を炊き合わせた鯨じゃが。

鯨じゃがはさまざまなデザインのくらわんか椀に取り分けられた。現代的でカジュアルなデザインも、波佐見焼らしい一つの表情である。

小浜温泉の温泉水で蒸し揚げられた緋扇貝と鯛。温泉由来の塩分を穏やかにまとったやさしい味わい。

くらわんかくらわんか登窯長崎県産食材を地域ならではの組み合わせと調理法で。

次なる皿が湯気を上げてやってきました。ポップなデザインの碗の中には、馬鈴薯と何やら透き通った白いスライス。その正体は鯨の本皮部分。肉じゃがならぬ、“鯨じゃが”、だそうです。かつて鯨漁が盛んだった時代の長崎では、肉よりも鯨の方がよく食べられており、肉の代わりに鯨を入れた肉じゃがも、家庭料理の定番だったといいます。

「馬鈴薯というと北海道のイメージが強いかもしれませんが、長崎県は全国2位の生産量を誇る馬鈴薯の産地。この馬鈴薯は私が一番好きなデジマという品種で、その名前は長崎の出島に由来しています。ほくほくとした食感でほんのりとした上品な甘みが持ち味のデジマを、塩蔵した鯨と炊き合わせました。カタクチイワシの魚醤、エタリ醤油をほんの少しだけ風味づけに使っていますが、塩気は基本的に鯨から出る塩分のみ。馬鈴薯と鯨、昔ながらの味付け、この郷土料理は漁師町のお母さん直伝です」。

鯨じゃがを口にしたゲストからは、「鯨の脂と馬鈴薯の相性が絶妙」「馬鈴薯の甘みがストレートに伝わってくる」と驚きの声が上がっています。本当はここに人参が入るそうですが、この日は真っ白の世界を作りたくてオレンジ色の人参は外したそうです。

さて、もうもうと湯気を上げる蒸し器から登場したのは、天然鯛と紫や黄色の鮮やかな殻を持つ緋扇貝。これらは雲仙市小浜町の温泉水で蒸し上げられました。

「橘湾沿岸の小浜温泉には、105℃という高温の温泉が1日に1万5000トンも湧いています。しかし、その7割は利用されることなく海に流されているといわれています。そこで、せっかくの温泉を料理にも活用しようと、温泉の熱を利用した蒸し料理や、飲用の許可を取った温泉水を使った煮込み料理などが作られるようになっています。塩化物泉の温泉は塩気を含んでおり、その温泉で調理すると、素材はほんのりと塩味が付きます。魚も野菜も、素材が本来持つ旨味が引き出され、素直な味が身体に染み渡ります。長崎の海と大地の恵みを堪能できる、知る人ぞ知る調理法です」

縁起のいい立ち鶴が描かれた伝統的なくらわんか碗。素朴なタッチの柄が不思議な魅力を醸し出す。

中国・四川名物の漬物、芽菜(ヤーツァイ)と豚肉の餡を、法蓮草を練り込んだ翡翠色の皮で包んだ水餃子。小浜温泉の飲用泉で蒸した蓮根とともにスープ仕立てに。

「今回使っている器は、重箱とくらわんか碗以外はすべて参加していただいた窯元が思い思いに持ち寄ったもの。伝統的な柄も現代風なポップなデザインもいろいろ混在していい、その方がカジュアルな食器として親しまれてきた波佐見焼の自由な雰囲気が感じられるのではないかと考えました」と大塚さん。

小浜温泉の飲用泉で丸ごと蒸した玉葱。温泉によるごくわずかな塩味が、玉葱の甘みを引き立てる。

初めて出会ったゲスト同士も、食事を共にしながら打ち解け、場は自然と和んでいく。

くらわんかくらわんか登窯波佐見焼を象徴する伝統的な器“くらわんか碗”で料理を堪能。

水餃子が“くらわんか碗”に取り分けられてやってきました。イベント名に掲げられている“くらわんか”とは“食べないか”という意味の関西の方言。江戸時代、大坂・淀川の乗合船の客に酒や惣菜などを「くらわんか、くらわんか」と売った煮売船をくらわんか船といい、そこで使われた器はくらわんか碗と呼ばれたそうです。揺れる船の上でも転げにくいように重心が低く、割れにくいように厚手であるのが特徴。ご飯だけでなく、汁物や酒の提供にも幅広く使われました。

くらわんか碗は各地の磁器の産地で作られましたが、波佐見焼は中でも代表的な存在として知られ、くらわんか碗は普段使いの食器を得意とする波佐見焼を象徴する器にもなっています。

丼としては小ぶりで、飯碗としてはやや大ぶりなくわらんか碗は、一つで何役もこなしてくれそうなほどよいサイズ。持ってみると、手にしっくりと馴染みます。

熱々の鶏出汁のスープを啜り、もっちりした水餃子を頬張ってひと心地つくと、太陽が顔を出しました。陽射しを受けた背中はポカポカと温まり、春の訪れが一気に感じられます。

サプライズとして突如始まった餅つき。長崎を拠点に活動するパフォーマンス集団「かわち家」による魅せる餅つきに、拍手が沸いた。

まだ温かいつきたての餅をあんこやきな粉とからめて即座にいただく。文句なしのおいしさ。

イベントの締めくくりとして好評を博した野点。

野点では、くらわんか碗にて薄茶が振る舞われた。

くらわんかくらわんか登窯サプライズの餅つきに野点。宴は大団円へ。

突然、上の方の段から軽快な和太鼓の音が聞こえてきました。サプライズの餅つきです。ゲストは音に誘われるように、登窯跡を登っていきます。レンガ造りの煙突が点在する、いかにも焼き物の里という眺望を背景に、餅つきが威勢よく始まりました。一年の息災への願いを込めて、ゲストたちは手拍子で応援します。

コシよくつき上がった餅は、あんこ餅ときな粉餅に。お腹いっぱいと話していたはずの人たちもペロリと平らげ、多くの人がお代わりに並びます。

続いて、ゲストを登窯跡の最上部へ誘うように、一番上の段で野点が始まりました。ゲストたちはさらに登っていきます。茶碗に使われているのは、再びくらわんか碗です。先ほどは伝統的な立ち鶴の柄、今回は亀甲の柄。正月にふさわしい鶴亀が揃いました。

息を切らして頂上まで上り、来た道を振り返るとそこには波佐見焼の里が広がっていました。薄茶を一服。清洌な山の空気とともにいただくお茶は、至福のひと言です。

大塚さんも薄茶を相伴しながら話します。

「このような屋外環境と水もないような限られた条件の中での料理会は、リハーサルもままならず、いくら綿密に準備してもなかなか思い通りにはならないものです。この場所を見つけ、会を開催できるというだけで8割成功と言っても過言ではないほどすでに美しい。私たちスタッフにできるのは、皆様の顔を思い浮かべながら料理し、空間を整え、怪我や事故が起こらない細心の注意をはらうこと。自分が思い描いた頭の中のデザインが何もなかった会場に出来上がった時の喜びをいつも真っ先に感じさせてもらっていますが、涙が出るほど感動するのは、そこにきてくださった方々が塗ってくださる最後の色。あぁ、これが見たかったんだ、っていつも思います。今回もね、吹雪に始まり、太陽が昇って雲がちぎれ、光がまっすぐ降り注いで、虹までかかり、神様ありがとうでしょう?」。

薄茶の一服で締めくくり、登窯跡を下って帰るゲストたち。その晴れ晴れとした笑顔は、この儚いレストランがもたらした感動を、何よりも雄弁に物語っているようでした。

世界最大級の登窯跡に、宴の舞台がしばし現れ、そして、また消え去った。

1981年福岡県生まれ。料理上手でおもてなしを大切にする祖母や母の影響で、幼い頃から料理や客礼に興味を持つ。世界中の様々な食に親しみ、大学在学中は料理研究家のもとで学ぶ。大学在学中の2004年、居心地の良い空間で過ごす食のひと時をテーマに「Life Decoration」を立ち上げる。現在は、自ら生産者を巡り探し求めた食材を使っての出張料理会や食空間のプロデュースを行う他、店舗、旅館、特産品などのメニュー開発も手がける。これまでに携わった企画は、新宿伊勢丹 有田焼創業400年記念料理会、小樽  旧円山圓吉邸 修築披露料理会、有田ボーセリンラボ 有田焼創業400年記念料理会、常滑 吉川千香子窯 料理会、日田 SnowPeak キャンプ場でのグランピング料理会、唐津 旧大島邸 唐津焼料理会などがある。食空間演出家。福岡市大名にある『台所ようは』店主。
http://hitomi-otsuka.jp/



Photographs:TAISHI FUJIMORI
Text:KOH WATANABE

同じ土地が育んだ、日本酒とアートのペアリング。[下関酒造 × 写真家・野村佐紀子/山口県下関市]

「言葉が要らないくらい、深く2人の世界へ入っていける。そんな体験ができる日本酒です」と、『下関酒造』の内田喬智常務。

Sakiko SILENCE/NIGHT/DIVEお酒と写真で提供したい、言葉もいらない特別な時間。

1923年、下関市幡生の445人の地元農家によって設立された『下関酒造』は、蔵の地下160メートルに流れる水を汲み上げ、山口県産の酒米を使用する、地元に根付いた酒造です。

設立当時の幡生は田んぼが広がり水質も良く、酒は評価されて第一回目の「全国新酒鑑評会」から優等賞を受けています。地域の人々に気軽に楽しんでもらえる酒を提供してきましたが、近年、世界でも親しまれる酒造りを目指し、香り高く上質な純米系高級酒の開発を始めました。

そうして生まれた純米大吟醸の『獅道(シド)38』と純米吟醸の『蔵人の自慢酒』は、ロンドンの日本酒品評会「LONDON SAKE CHALLENGE」で金賞と最高賞を受賞しています。

海外への展開を進めたのは、芸術大学に進学し英国留学を経験、酒蔵としては異色の経歴を持つ内田喬智常務。『下関酒造』は世襲制ではありませんが、豪快で優れた経営手腕を買われた5代目の祖父が営業を立て直し、現社長で6代目の父が機械設備やシステムの近代化を促進。

「自分がすべきことは、伝統を守りながら縛られず、新しい可能性に踏み込んで遊ぶこと。『下関酒造』の企業理念は“酒と食と心の感動”で、酒の味だけに限りませんから」と内田氏は言います。

そんな『下関酒造』の新たな挑戦は、下関市綾羅木出身の写真家・野村佐紀子さんとコラボレーションした日本酒『sakiko』の発売です。内田氏は「企画が立ち上がった時、これまでにない価値観の日本酒を生み出せると思った」と話します。

野村さんは世界で評価を受ける写真家・荒木経惟さんに師事し、自身も『テート・モダン』(ロンドン)に作品がコレクションされるなど、国内外での活動が活発。

ちょうど、地元で初めての大規模な写真展「海」が『下関市立美術館』にて開催されるタイミングでした。

「振り切ったことをしよう。写真をきっかけに、お酒が手助けをして、言葉がいらなくなる。そんなものが欲しいな」。

野村さんとの雑談からコンセプトが固まり、『sakiko』は、何も施されていない黒いボトルと、繊細で湿度を感じる力強い写真を同梱した商品になりました。ラベルに写真が刻印されているのではなく、プリントでボトルが包まれています。 

恋人と、友人と、日本酒を飲み写真を眺める空間。時にロマンチックであったり、言葉も必要のない時間を提案できる日本酒の味とは何か。

「穏やかにリラックスできなければ、親密な時間にはなり得ないと考えました」と内田氏。山口県産酒米と米こうじがほのかな甘みと味わい深さを残しながら、柔らか過ぎない中軟水の蔵の地下水が調和し、雑味の少ない滑らかな喉越しの純米大吟醸となりました。

もちろん、響灘、関門海峡、周防灘でとれる下関の良質な海産物や、食事との相性も良いですが、内田氏のおすすめは食後のゆったりとした時間に味わうこと。野村さんのモノクロ写真が2人を同じ世界に引き込み、その静かな空間で、安らぎを共有します。自然と、相手との特別な時間を演出してくれる日本酒と写真。ぜひお試しください。

『sakiko』の写真は3種で、SILENCE「静寂の時」、NIGHT「はじまる夜」、DIVE「溺れゆく時」(日本酒は共通)。上の写真は、SILENCE。アルコール分15度。300ml、各1,000円。

開催中の、野村さんの写真展「海」を鑑賞し、「黒の表現に圧倒された」という内田氏。展覧会は下関市立美術館にて、3月27日まで。

併設されたカフェ『shuan KU cafe』では、珈琲や軽食だけでなく、甘酒や利き酒セットなども。また、内田氏の姉で陶芸家の田中宜子さん、夫で漆器作家の田中修吾氏の作品も並ぶ。

山口県下関市出身。神戸芸術工科大学環境建築デザイン学科卒業。神戸と東京で3年間の異業種経験を積む。2014年より『下関酒造株式会社』に就職。事業である酒造りを学んだ後、英国の『Frances King School of English London』に入学。卒業後、北アフリカ各国を巡り、途上国の食文化やそこで暮らす人々、その国民性と直に触れる。帰国後、主に商品のブランディングに力を注ぐ。自身がデザインした主な銘柄に『獅道(シド)38』(純米大吟醸酒)と『蔵人の自慢酒』(純米吟醸酒)がある。現在は海外事業を主軸としながら、日本酒の新たな可能性の発信に努める。

山口県下関市出身。九州産業大学芸術学部写真学科卒業。91年より荒木経惟に師事。 主に男性の裸体を中心とした湿度のある独特な作品世界を探究し続ける。93年より東京を中心に国内外で精力的に個展、グループ展をおこなう。主な写真集に『裸ノ時間』(平凡社)、『闇の音』(山口県立美術館)、『黒猫』(Taka Ishii Gallery)、『夜間飛行』(リトルモア)、『NUDE/A ROOM/FLOWERS』(MATCH and company)、『TAMANO』(libroarte)、『愛について』(ASAMI OKADA Publishing)、『春の運命』(Akio Nagasawa Publishing)など。2022年3月27日まで、下関市立美術館にて写真展「海」が開催中。

住所:山口県下関市幡生宮の下町8番23号 MAP
TEL:083-252-1877
https://www.shimonoseki.love/



Text:ASAMI OKADA

八戸で出合った一軒のイタリアン。正統派のようで驚きが潜む、ここだけの料理。[カーサ・デル・チーボ/青森県八戸市]

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青森県八戸市の住宅街に位置する、『カーサ・デル・チーボ』。主となる県産、地物の食材を大切に調理し、ここだから味わえる料理をゲストに供する。

カーサ・デル・チーボ遠くても、この店のために旅をしたくなる。八戸の名イタリアン。

そのレストランの所在地は、青森県八戸市。

北国の太平洋岸の住宅街の一角に、一見普通の住宅のように街に溶け込んで存在しています。長い道のりを辿って扉を開けば、まずはその包み込まれるような温かみに癒やされるはず。花瓶の花、磨き抜かれた無垢材の床、マダムの笑顔、そんなすべての要素が、長い道のりで凝り固まっていた心を解します。

ジャンルは、イタリアン。それも主食材が明確にあり、趣向を凝らしたソースが彩る王道。メニューの文字を眺めてみても、彼の地で長く愛され、認められてきた正統派の組み合わせが予想されることでしょう。

しかし卓に届けられる皿を見ると、予想は簡単に覆されます。

例えば、前菜のタコのトマト煮。真っ赤なトマトソースで煮込まれたタコかと思えば、届くのは茶色い出汁で煮込まれた、まるでおでんのようなビジュアル。口にしてみると、さらなる驚きが待っています。歯を押し返す弾力がありながら、そこからわずかに力を込めるとサクッと噛み切れる絶妙な柔らかさ。そして口に広がる凝縮された旨味。出汁はドライトマトの風味。確かに、メニュー名の通りタコのトマト煮ではあります。しかし、その味は完全に未知のおいしさです。

この完璧な、たった一点の頂点を見極めるような火入れは、きっと誰かに習ったり、本で学んだものではないのでしょう。細かな調整をしながら何度も何度も繰り返し、失敗も乗り越えながら到達したもの。大げさな話だが、ひとりの料理人の人生が詰まっているような、そんな凄みのある火入れです。

料理を手掛けるのは、池見良平シェフ。寡黙な人物ですが、言葉のひとつひとつから料理への情熱が伝わります。神奈川県で生まれ、東京で働いていたが、10年ほど前に奥様の故郷である青森に移ったこと。移ってはみたものの、地元で受け入れられるまでにさまざまな苦難があったこと。今では魚介を探すために日々漁港や市場を自らの足で巡ること。

「ここでしかできないことをしないと、来た意味がない」。

そんな真摯で真っ直ぐな言葉から伝わるのは、たとえば“責務”のような、池見シェフが自分自身に課した約束でした。

池見良平シェフ(右)とマダム(左)。シェフは、神奈川県で生まれ、東京のレストランで働いていたが、約10年前に奥様の故郷である青森に拠点を移す。以降、青森の食材と真摯に向き合い、この場所だからこそ表現できる料理を追求。県外はもちろんだが、地元から愛されるレストランであることを大事にする。

ある日の前菜は、タコのトマト煮。いわゆる、当たり前のトマト煮ではなく、食材が活きるよう、池見シェフ流のトマト煮。味はもちろん、秀逸な技術は火入れ。一口食べれば感動を覚える食感は、その火入れから成る。

カーサ・デル・チーボ地元で愛され、認められるために大切にすること。

パスタは鮑とその肝を使う料理。これにもまた驚きが潜みます。一般的に鮑の肝は伸ばしてソースにされますが、ここでは手打ち麺自体に肝が練り込まれているのです。だから鮑を引き立てる肝の風味はしっかりありながら、さっぱりとした後味。

メインディッシュの鴨も圧巻。胸肉のまわりをミンチで巻き、外側を皮で包んで香ばしく焼き上げるバロティーヌ仕立て。内臓はミンチに、ガラは出汁に。一皿に鴨のすべてが凝縮され、ひと口ごとに異なる味わいが広がります。技術、発想、素材の知識。すべてが揃っている。そしてもうひとつ、何か突出したものも。それでないと、これほどまでに驚きに満ちた料理の説明がつきません。池見シェフに「料理の理想形」を尋ねてみました。

「まずおいしいことが大前提。加えて、驚きがあり、見た目が良く、コストパフォーマンスに優れていること。これが料理の完成形だと思います」。

それが池見シェフの回答。シェフの中の重要課題にコストパフォーマンスが含まれていること。それはつまり、地元に目を向けていることの証明。家族連れがお祝いに使ったり、若者が少しだけ背伸びをして訪れられる店。地元の人が繰り返し通える店。それが地方でレストランを開く意味なのでしょう。

都会からやってきたシェフだからこそできる、この地の魅力を伝えようという思い。だからこそこの『カーサ・デル・チーボ』は、旅の1ページとして深く記憶に刻まれるのです。

ある日のパスタは、鮑とその肝を使ったひと皿。一般的に鮑の肝は伸ばしてソースにするが、池見シェフは、手打ち麺に肝を練り込むのが特徴。

ある日のメインディッシュは、鴨。胸肉のまわりをミンチした内臓で巻き、外側を皮で包んで香ばしく焼き上げるバロティーヌ仕立て。出汁にはガラを使用し、鴨のすべてが凝縮されたひと皿に仕上げる。

八戸やその近郊まで、自ら生産者のもとへ足を運び、食材を仕入れる。広大な面積ゆえ、移動にも時間はかかるが、食材が育つ環境や作り手を知ることによって池見シェフの料理は創造される。料理の背景には、そんなシェフの想い、生産者の想い、土地への愛が込められている。

住所:青森県八戸市湊高台1-19-6 MAP
TEL:0178-20-9646
http://www.casa-del-cibo.com/

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冬の青森で、雪に包まれたゲルに泊まる。日常から大きく離れた、記憶に刻まれる体験。[つがる地球村/青森県つがる市]

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つがる市にあるキャンプ場『つがる地球村』に設置された1基の「ゲル」。旧車力村と交流があったモンゴルから、約20年前に寄贈されたもので2021年9月に復元。

つがる地球村温泉やレストランを備えた通年営業の複合施設。

「冬の青森でキャンプをする」。

そう聞くとまるで大冒険のように聞こえるかもしれません。しかしそれを可能にする場所があります。青森県つがる市『つがる地球村』。そこには、モンゴルから取り寄せた本物の「ゲル」が設置され、予約があれば冬でも利用可能なのです。

青森市から弘前市を経てつがる市に向かうルートは、津軽の象徴・岩木山に見守られるような道です。

青森市からは遠く霞んで見えていた姿が、弘前に近づくに連れてはっきりと見えてきます。それは「山」という漢字の成り立ちを思わせる、3つの頂が連なる美しい姿。山裾は広くなだらかに広がり、悠然とした佇まい。その「岩木山」の麓をぐるりと廻るようにつがる市方面へ向かうと、またも山は姿は形を変えます。今度は鋭く尖ったひとつの頂上と、ゴツゴツと雄々しい山肌。どれも同じ「岩木山」。しかし見る場所によりこれほどまでも姿を変えるのです。

きっと世の中の物事も、この岩木山と同じことなのかもしれません。名峰に見守られたそんなことを考えているうちに、やがて目的地に到着します。
宿泊施設やレストラン、温泉施設も併設された『つがる地球村』は、季節を問わず快適に過ごせる施設です。しかし、「ゲル」があるキャンプ場は、先の温泉やレストランからも少し離れた場所。深い雪に覆われています。その白一色の光景は、あまりに日常とかけ離れているがゆえに、わずかな不安を呼ぶかもしれませんが、心配は無用。「ゲル」の中はいたって快適。薪ストーブに火がある間は、寒さに凍えることもありません。薄暗く、静寂に包まれた幕のなかにいると、きっといつもとは違う思考を加速させてくれることでしょう。

 『つがる地球村』までの道のりにおいても白銀の世界が広がる。鋭く尖った頂が特徴の山は、名峰「岩木山」。くっきりと山肌まで見えるのは、冬の澄んだ空気ゆえ。寒さは険しいが、この季節に訪れた者のみが望める特権だ。

「ゲル」の空間は、天井も高く、ベッドやテーブルセットも用意。中央には暖炉も設置され、快適に過ごすことができる。モンゴルの建築様式においても、非日常な旅情を演出する。

つがる地球村不便や寒さを楽しむことが、旅の記憶を思い出に変える。

「ゲル」の中で火を使った調理はできないため、夕食はレストランに歩くか、屋外で調理するかを選択。風呂に入りたければ、温泉施設まで歩きます。帰り道で凍えぬよう、少し長めに湯に浸かっておく方が良いでしょう。日没は早く、ストーブとランタンの灯りしかないゲルの中は、読書をするにも心もとない明るさ。しかし、そんな何もない時間が、きっと心満たされる豊かなひと時となるはず。

ベッドはありますが、ストーブの薪が燃え尽きると凍える寒さになるため、寝袋は必須。夜半、寒さで目が覚め、何度も薪を足す必要もあります。薪が切れれば外の薪棚まで取りに行くこともあるでしょう。さまざまな便利と快適に満たされた現代にあって、なぜわざわざそんな体験をするのか疑問に思うかもしれません。

しかし、雪の中の「ゲル」で本物の静寂を体験し、そして夜明けを迎え、翌朝扉を開いて朝日に輝く雪を見れば、きっと誰もがこの地を訪れたことに満足するはず。そして日常からかけ離れた希少な体験は、いつまでも心に刻まれる素晴らしい思い出となるのです。

「ゲル」の中では調理不可のため、外で行う。道中、県産の食材などを買い込み、地物をゆっくりと味わいたい。

青森は、バゲットやシードル、ハムなどの名品も揃う。外は極寒、中は暖か。そんな「ゲル」の中でいただく青森の味は、格別。

暖房ではなく、火で暖を取る。便利ではなく、不便。旅を通して得る原始的な体験は、生きる上で大切な何かに気付きを与えてくれるのかもしれない。

住所:青森県つがる市森田町床舞藤山244 MAP
TEL:0173-26-2855
http://chikyuumura.co.jp/

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不足を工夫で補い、不便を心から楽しむ。改めて思い出す、キャンプの醍醐味。[水源の森 キャンプ・ランド/山梨県道志村]

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 「何を持って行くかより、何を持って行かないかを考える場所」をコンセプトに掲げる『水源の森 キャンプ・ランド』。文明の利器に頼らず過ごす時間は、自然の営みをダイレクトに享受できる。

水源の森 キャンプ・ランド人気アウトドアブランドの主宰者がプロデュース。

キャンプ場の聖地といわれる道志村に2021年、『水源の森 キャンプ・ランド』という新たなキャンプ場が誕生しました。総合プロデュースを務めるのは、アウトドアブランド『マウンテンリサーチ』を主宰する小林節正氏。

コンセプトは、「何を持って行くかより、何を持って行かないかを考える場所」。キャンプの原点に戻るような体験ができる施設です。

アクセスは、神奈川県相模原市から山梨県道志村を抜け山中湖村までを繋ぐ国道413号線、通称「道志みち」を抜けて。道の脇には清流・道志川の流れ。遠望する山並みはカーブを越えるごとに形を変え、道路脇にはキャンプ場やカフェ、農産物の直売所がポツリポツリと現れます。

途中で食材を買い込んで、いよいよ『水源の森 キャンプ・ランド』に到着。目に映るあらゆることに、計算が潜んでいるような気持ちが浮かびます。

というのも『マウンテンリサーチ』のデザインには、山で生きるためのギアとしての研ぎ澄まされた機能性と、個性や遊び心が見事なバランスで共存しています。そのブランドを率いる小林節正氏の手による施設なのだから、“なんとなく”ではなく、すべてに細やかな計算と狙いが潜んでいるのではないか。そんな思いが湧いてくるのです。

『水源の森 キャンプ・ランド』までの道中では、山間をドライブしながら、美しい自然と出合うことができる。キャンプ場名の通り、川が多く点在し、水量も豊富。その透明度から、水に恵まれた地域だということが伺える。

木漏れ日も心地良い樹々をすり抜ける道中は、車の窓を開け、森の香りを深く吸い込みながらゆっくりと進みたい。水は、森も美しくすることに気付きを得るだろう。

道中には、無人販売や個人農家の直売店、道の駅などが点在する。地域の方々との会話を楽しみながら風土を学び、名産を知り、食材調達を楽しみたい。

『水源の森 キャンプ・ランド』のクラブハウス。デザイン性に飛んだ建物は、『マウンテンリサーチ』ゆえのセンスが光る。

水源の森 キャンプ・ランド心は研ぎ澄まされ、自然に戻る。アウトドアの本当の楽しみ。

クラブハウスに入ると、正面には大きな時計。頂上が13時、針の動きは逆周り。これは時間をしるための時計ではなく、きっと日常とは異なる時間を表現しているのでしょう。巨大な火皿で炎が揺れているのは、山の世界からの挨拶代わり。駐車場には車止めがあり、キャンプサイトに車を付けることはできないのはきっと、現代の利器から離れ、あえて不便を楽しむことを推奨しているのではないでしょうか。

施設についてあれこれ想像するうちに、小林氏と対話しているかのような気分になってきます。都会から自然への急な場面転換ではなく、このクラブハウスを挟むことで、心のエンジンが温まり、ワクワクとした気分が膨らんでくるのです。

キャンプサイトは道志川を見下ろす崖の上。そのさらに上にはキャビンがあり、さらに上の層にクラブハウス。まるで演劇の舞台を見下ろすような段々の造り。ならば主役は道志川です。止むことのない川のせせらぎが、崖を這い上がってきます。川の音、森の匂い、澄んだ冷たい空気が肌を刺す感覚。さまざまな刺激が、感覚を鋭く研ぎ澄ませます。

キャンプとは元来、便利な現代的生活を離れて自然の中で過ごすことが目的です。しかし慣れた人ほど、いつしか便利なギアで効率よく過ごすことが当然になってしまっているのかもしれません。このキャンプ場で不便に触れることで、感覚と感性が研ぎ澄まされ、あらためてキャンプの楽しさを思い出すことでしょう。

クラブハウス内には、『マウンテンリサーチ』や『ティンバークルー』のグッズを始め、山にちなんだ書籍などが並ぶ。

道中、農家さんなどに出会い、手に入れた食材を調理していただく味は、ただ美味しいだけでない。人や土地への感慨も料理に深みを与える。

夜になれば、気温はマイナスまで冷え込む。しかし、煌めく星、火の暖かさなど、本当の意味で美しい自然の姿を体感することができる。

住所:山梨県南都留郡道志村馬場5821-2 MAP
TEL:070-2673-1122
https://www.doshisuigen-mori.com/

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アイヌ文様藍染ストール展示販売_AKAN AINU ARTS & CRAFTS_丸井今井札幌創業150周年記念

藍染坐忘です。昨年より、阿寒アイヌコンサルンの方とアイヌ作家の郷右近富貴子様と藍染坐忘のコラボレーションにより、作品制作を進めておりましたアイヌ文様ストール。
昨年2月にアート作品として発表・ご紹介させて頂きましたが、多くの方よりご感想や反響を頂戴いたしました。
この度、こちらのアイヌ文様のストールの企画展示販売が実現いたしました。
素晴らしいご縁とお図らいに、心より感謝申し上げます。

丸井今井札幌本店創業150周年記念特別企画
北海道の祖(はじ)まり~アイヌ文化の新しいものがたり~
会期/2022年3月9日(水)-3月13日(日)
※最終日、午後6時終了
会場/丸井今井札幌本店 大通館9階 催事場

【イベント概要】
アイヌ文化に新しい価値を加えたものづくりに出会う、5日間。
アイヌ民族の文化・伝統を現代に受け継ぎ、新しい価値を発信し続ける作り手たち。伝統の本質はそのままにモダンにアレンジし、新しい時代のアイヌ文化を築いています。
彼らの作品がここ、丸井今井札幌本店に一堂に集結いたします。
また、文化・伝統を体験できるワークショップや作り手によるトークイベントも開催。
作り手たちの想いを知り、アイヌ文化の新しいものづくりに出会いませんか?

【作品詳細】
郷右近富貴子(デザイン)×藍染坐忘(染め・制作)の特別なストール。
霧の中にしっとりと浮かぶ阿寒湖の風景を思い描いてデザインされたアイヌ文様。このイメージをストールで表現するため、まずは生地全体をグラデーションになるよう藍染し、次に程の異なるふたつの型を使い、抜染(ばっせん)とよばれる技法で色を抜いて、丁寧に文様を描いていきます。
特殊な糊を使うため、何度も洗い、ゆっくりと乾燥させてようやく完成です。
環境によって日々発酵具合が変化する、古来からの天然染料・藍。
生きている藍と職人の手によって染め上げられた、他にはないストールです。
一点ごとに表情を変えるアイヌ文様をぜひご覧ください。

【展示販売情報】
丸井今井札幌本店 大通館9階 催事場
AKAN AINU ARTS & CRAFTS → NEXTのブースにて、藍染アイヌ文様ストールの展示販売が行われます。その他作家様の作品もご堪能頂けます。
※商品の価格・詳細は催事会場にてお確かめ下さいませ。
※数量限定・なくなり次第終了となっておりますので、宜しくお願いいたします。

イベント詳細
 https://www.maruiimai.mistore.jp/sapporo/event_calendar/ainu.html

5日間という短い会期ですが、是非、多くの方にアイヌクラフトの素晴らしさと芸術美をご覧いただければと思います。
どうぞ宜しくお願いいたします。

モノとモノの合わせだけでなく、少し手をかけ、料理にすれば、更に美味しさは広がる。[和光アネックス/東京都中央区]

無添加・無加糖の「カベルネ・ソーヴィニヨン100%のジュース『エル・グリーン ファーム』の「gohoubi葡萄ジュース」に合わせるのは、『西河商店』の「わさびオイル」と『脱サラファクトリー』の「自凝雫塩 RARESALT 大粒」。ともに調味料のそれは、グリル野菜のアクセントに。今回のペアリングを提案してくれたソムリエ・ドリンクディレクターの外山博之氏が特にお勧めする野菜は、パプリカと万願寺唐辛子。

WAKO ANNEXソムリエ・ドリンクディレクター視点だけでなく、シェフ視点も加味されたペアリング。

ソムリエ・ドリンクディレクターの外山博之氏がまず取り出したのは、『エル・グリーン ファーム』の「gohoubi葡萄ジュース」。

都内未発売のため、希少な品ではありますが、フォーカスすべきはそこにあらず。新潟県南魚沼市大崎地域で自社栽培したワイン用ブドウ品種カベルネ・ソーヴィニヨン100%のジュースのそれは、無添加・無加糖というこだわりの味と製法。甘酸っぱさのにカベルネ種特融の渋みが加わり大人向けの仕上りです。

単体だけでも十分美味しいジュースですが、外山氏が合わせに持ってきたモノに驚愕。それは、『西河商店』の「わさびオイル」と社名もユニークな『脱サラファクトリー』の「自凝雫塩 RARESALT 大粒」です。

ジュースを飲みながら、オイルを飲む? はたまた塩を舐める? と思いきや「軽く焼いたパプリカや万願寺唐辛子にわさびオイルと塩を振りかけてお召し上がりください」と外山氏。

ソムリエを超えたシェフのようなペアリング提案は、言葉だけでは伝わりにくいですが、「わさびの辛味成分の香りとカベルネ由来の香りがつながり、上品な香りが口の中でふわっと広がります」と言葉を続けます。

「わさびオイル」は、鳥取県の名峰、大山の清流で育てられた関金わさびを使用した品。わさび本来の香りと辛みがオイルに凝縮されています。「2〜3滴がベスト」と外山氏。

「自凝雫塩 RARESALT 大粒」は、淡路島の美しい海水を天日で濃縮し薪と鉄釜で煮詰めた海水塩の中でも粒目の大きいものを厳選。海水からは、わずか0.1%ほどしか取れないこのレアソルトは淡雪のようにゆっくり口溶けし、ゆるやかな塩辛さ、甘味、苦味、旨味などの複雑な味わいが素材とも良く馴染みます。もちろん、今回の料理にも相性抜群。

冒頭の通り、外山氏がこの料理に合わせるのはジュースですが、シーンは夜の味。カウンターのレストランやバーで供したくなるようなペアリングです。ぜひ、お試しあれ。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

雪深い南魚沼市で育てたワイン用葡萄「カベルネ・ソーヴィニヨン」だけを搾った『エル・グリーン ファーム』の「gohoubi葡萄ジュース。皮や果柄を一緒に搾り、素材の良さを100%引き出して最高のジュースに仕上げる。無添加、無加糖、余計なものは一切ない。都内限定販売。

『西河商店』の「わさびオイル」は鳥取県のわさびと山形県のこめ油を使用。今回、外山氏が提案する料理はもちろん、カルパッチョやサラダ、塩を添えた焼肉やピザにも相性抜群。いずれも2〜3滴が適量。

原材料は、淡路島の海水。余分なものは一切なし。『脱サラファクトリー』の「自凝雫塩 RARESALT 大粒」は、じっくり40時間ほど薪で煮上げ、結晶化。最後は杉樽で寝かし、味わいをまろやかに仕上げる。素材を活かした塩の味は、辛さだけでなく、甘み、苦味も備える。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

埼玉県出身。バーテンダーとしてレストランやホテルなどに勤務した後、ソムリエに転身。以降、様々なレストランで経験を積み、2012年より代々木上原『Gris』(現『sio』)のマネージャーに就任。2018年より調布市にある『Maruta』のドリンクを監修、2019年より京都『LURRA゜』のドリンクディレクションなど、ペアリングを行いながら活躍の場を広げている。

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8  MAP
TEL:03-5250-3101
www.wako.co.jp

Photographs:JIRO OHTANI
Text:YUICHI KURAMOCHI​​​​​​
(Supprtted by WAKO)

モノとモノの合わせだけでなく、少し手をかけ、料理にすれば、更に美味しさは広がる。[和光アネックス/東京都中央区]

無添加・無加糖の「カベルネ・ソーヴィニヨン100%のジュース『エル・グリーン ファーム』の「gohoubi葡萄ジュース」に合わせるのは、『西河商店』の「わさびオイル」と『脱サラファクトリー』の「自凝雫塩 RARESALT 大粒」。ともに調味料のそれは、グリル野菜のアクセントに。今回のペアリングを提案してくれたソムリエ・ドリンクディレクターの外山博之氏が特にお勧めする野菜は、パプリカと万願寺唐辛子。

WAKO ANNEXソムリエ・ドリンクディレクター視点だけでなく、シェフ視点も加味されたペアリング。

ソムリエ・ドリンクディレクターの外山博之氏がまず取り出したのは、『エル・グリーン ファーム』の「gohoubi葡萄ジュース」。

都内未発売のため、希少な品ではありますが、フォーカスすべきはそこにあらず。新潟県南魚沼市大崎地域で自社栽培したワイン用ブドウ品種カベルネ・ソーヴィニヨン100%のジュースのそれは、無添加・無加糖というこだわりの味と製法。甘酸っぱさのにカベルネ種特融の渋みが加わり大人向けの仕上りです。

単体だけでも十分美味しいジュースですが、外山氏が合わせに持ってきたモノに驚愕。それは、『西河商店』の「わさびオイル」と社名もユニークな『脱サラファクトリー』の「自凝雫塩 RARESALT 大粒」です。

ジュースを飲みながら、オイルを飲む? はたまた塩を舐める? と思いきや「軽く焼いたパプリカや万願寺唐辛子にわさびオイルと塩を振りかけてお召し上がりください」と外山氏。

ソムリエを超えたシェフのようなペアリング提案は、言葉だけでは伝わりにくいですが、「わさびの辛味成分の香りとカベルネ由来の香りがつながり、上品な香りが口の中でふわっと広がります」と言葉を続けます。

「わさびオイル」は、鳥取県の名峰、大山の清流で育てられた関金わさびを使用した品。わさび本来の香りと辛みがオイルに凝縮されています。「2〜3滴がベスト」と外山氏。

「自凝雫塩 RARESALT 大粒」は、淡路島の美しい海水を天日で濃縮し薪と鉄釜で煮詰めた海水塩の中でも粒目の大きいものを厳選。海水からは、わずか0.1%ほどしか取れないこのレアソルトは淡雪のようにゆっくり口溶けし、ゆるやかな塩辛さ、甘味、苦味、旨味などの複雑な味わいが素材とも良く馴染みます。もちろん、今回の料理にも相性抜群。

冒頭の通り、外山氏がこの料理に合わせるのはジュースですが、シーンは夜の味。カウンターのレストランやバーで供したくなるようなペアリングです。ぜひ、お試しあれ。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

雪深い南魚沼市で育てたワイン用葡萄「カベルネ・ソーヴィニヨン」だけを搾った『エル・グリーン ファーム』の「gohoubi葡萄ジュース。皮や果柄を一緒に搾り、素材の良さを100%引き出して最高のジュースに仕上げる。無添加、無加糖、余計なものは一切ない。都内限定販売。

『西河商店』の「わさびオイル」は鳥取県のわさびと山形県のこめ油を使用。今回、外山氏が提案する料理はもちろん、カルパッチョやサラダ、塩を添えた焼肉やピザにも相性抜群。いずれも2〜3滴が適量。

原材料は、淡路島の海水。余分なものは一切なし。『脱サラファクトリー』の「自凝雫塩 RARESALT 大粒」は、じっくり40時間ほど薪で煮上げ、結晶化。最後は杉樽で寝かし、味わいをまろやかに仕上げる。素材を活かした塩の味は、辛さだけでなく、甘み、苦味も備える。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

埼玉県出身。バーテンダーとしてレストランやホテルなどに勤務した後、ソムリエに転身。以降、様々なレストランで経験を積み、2012年より代々木上原『Gris』(現『sio』)のマネージャーに就任。2018年より調布市にある『Maruta』のドリンクを監修、2019年より京都『LURRA゜』のドリンクディレクションなど、ペアリングを行いながら活躍の場を広げている。

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8  MAP
TEL:03-5250-3101
www.wako.co.jp

Photographs:JIRO OHTANI
Text:YUICHI KURAMOCHI​​​​​​
(Supprtted by WAKO)

私のお店でも合わせています。どぶろくとブルーチーズが交わる快楽。[和光アネックス/東京都中央区]

提案してくれた千葉麻里絵さんのお店『GEM by moto』でも採用しているというどぶろくとブルーチーズの組み合わせ。「『とおの どぶろく 速醸火入れ』には、『yoshio fermented foods鮒寿し×つやこブルー』の酸味と複雑な味わいを受け止める力があり、非常に合います」。

WAKO ANNEX癖のある味が見事にまろやかに。ペアリングの可能性を無限に感じる好例。

どぶろくと言えば、『とおの屋 要』。今回選んだのは、「とおの どぶろく 速醸火入れ」です。それに合わせるのは、『奥村佃煮』の「yoshio fermented foods鮒寿し×つやこブルー」。提案するのは、『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さんです。

まず、その名だけでは想像しがたい「yoshio fermented foods鮒寿し×つやこブルー」とは、卵のないオスの鮒の腹の中に白カビの酸凝固タイプのチーズ、つやこフロマージュを詰めたもの。

鮒寿しとともに一年以上もの長期発酵を行い、熟成。丁寧な仕込まれた鮒寿しならではの酸味とコクに加え、チーズの旨味が加わったそれは、抜群の相乗効果を生みます。単体でも一体感のある味に仕上がるも、さらにその先にある美味しい発見に導くのが千葉さんの得意技。そのために選んだのが、前出の、「とおの どぶろく 速醸火入れ」なのです。

「どぶろくとブルーチーズは最高の組み合わせです。実際に、私のお店『GEM by moto』でも、どぶろくとブルーチーズハムカツで組み合わせています」と千葉さん。

速醸火入れは、アルコール度数も低めに設定され、甘味を残し、飲みやすい味に仕上がっているため、どぶろくが初めての人でもお楽しみいただけるひと品。

「ブルーチーズは強くて、通常お酒に合わせると負けてしまいますが、このどぶろくはダイレクトに感じる米の甘味、濃厚なテクスチャー、豊かな香りがあるため、チーズの酸味と複雑な味わいを受け止める力があり、非常に合います」。

一見、疑義ある食べ合わせのように見えますが、口内で合わされば、溶けるように味がグラデーションしていきます。言葉では理解しにくいこのペアリングは、百聞は一見にしかず。

ぜひ、お試しあれ。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

『とおの屋 要』の「とおの どぶろく 速醸火入れ」。日本酒の起源ともいえるどぶろくは、米・米麹・水を発酵させ、もろみをこさずに造る。「原料がそのまま口に入るからこそ、田んぼの土にも、稲の育て方にも、お酒の醸造にも、すべての過程に心を込めて向き合っています」と話すのは、主の佐々木要太郎氏。「どぶろく速醸火入れ」はアルコール度数を低めに抑え、甘味を残し飲みやすい味に仕上げているため、どぶろくビギナーの入り口としてもぜひ。サイズは500ml、限定11本販売。

『奥村佃煮』の「yoshio fermented foods鮒寿し×つやこブルー」。良い意味で、鮒寿しのようで鮒寿しでなく、チーズのようでチーズでない、新しい感覚の逸品。鮒寿し・チーズどちらからでも入れる間口の広い味わい。癖のある食材同士だが、食べればその概念は変わるだろう。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

岩手県出身。保険会社のSEから日本酒に魅了されたことで飲食業界に転身。新宿の『日本酒スタンド酛(もと)』に入社後、利酒師の資格を取得。日本全国の酒蔵を訪ね、酒類総合研究所の研修などにも参加し、2015年に『GEM by moto』をオープン。化学的知見から一人ひとりに合わせた日本酒を提供する。口内調味やペアリングというキーワードで新しい日本酒体験を作り、日本のみならず海外のファンを魅了し続けるかたわら、様々なジャンルの料理人や専門家ともコラボレーションし、新しい日本酒のスタイルを日々模索する。2019年には日本酒や日本の食文化を世界に発信する「第14代酒サムライ」に叙任。。主な作品は、『日本酒に恋して』(主婦と生活社)、『最先端の日本酒ペアリング』(旭屋出版)など。出演作は、映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』(配給:シンカ)。https://www.marie-lab.com/

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私のお店でも合わせています。どぶろくとブルーチーズが交わる快楽。[和光アネックス/東京都中央区]

提案してくれた千葉麻里絵さんのお店『GEM by moto』でも採用しているというどぶろくとブルーチーズの組み合わせ。「『とおの どぶろく 速醸火入れ』には、『yoshio fermented foods鮒寿し×つやこブルー』の酸味と複雑な味わいを受け止める力があり、非常に合います」。

WAKO ANNEX癖のある味が見事にまろやかに。ペアリングの可能性を無限に感じる好例。

どぶろくと言えば、『とおの屋 要』。今回選んだのは、「とおの どぶろく 速醸火入れ」です。それに合わせるのは、『奥村佃煮』の「yoshio fermented foods鮒寿し×つやこブルー」。提案するのは、『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さんです。

まず、その名だけでは想像しがたい「yoshio fermented foods鮒寿し×つやこブルー」とは、卵のないオスの鮒の腹の中に白カビの酸凝固タイプのチーズ、つやこフロマージュを詰めたもの。

鮒寿しとともに一年以上もの長期発酵を行い、熟成。丁寧な仕込まれた鮒寿しならではの酸味とコクに加え、チーズの旨味が加わったそれは、抜群の相乗効果を生みます。単体でも一体感のある味に仕上がるも、さらにその先にある美味しい発見に導くのが千葉さんの得意技。そのために選んだのが、前出の、「とおの どぶろく 速醸火入れ」なのです。

「どぶろくとブルーチーズは最高の組み合わせです。実際に、私のお店『GEM by moto』でも、どぶろくとブルーチーズハムカツで組み合わせています」と千葉さん。

速醸火入れは、アルコール度数も低めに設定され、甘味を残し、飲みやすい味に仕上がっているため、どぶろくが初めての人でもお楽しみいただけるひと品。

「ブルーチーズは強くて、通常お酒に合わせると負けてしまいますが、このどぶろくはダイレクトに感じる米の甘味、濃厚なテクスチャー、豊かな香りがあるため、チーズの酸味と複雑な味わいを受け止める力があり、非常に合います」。

一見、疑義ある食べ合わせのように見えますが、口内で合わされば、溶けるように味がグラデーションしていきます。言葉では理解しにくいこのペアリングは、百聞は一見にしかず。

ぜひ、お試しあれ。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

『とおの屋 要』の「とおの どぶろく 速醸火入れ」。日本酒の起源ともいえるどぶろくは、米・米麹・水を発酵させ、もろみをこさずに造る。「原料がそのまま口に入るからこそ、田んぼの土にも、稲の育て方にも、お酒の醸造にも、すべての過程に心を込めて向き合っています」と話すのは、主の佐々木要太郎氏。「どぶろく速醸火入れ」はアルコール度数を低めに抑え、甘味を残し飲みやすい味に仕上げているため、どぶろくビギナーの入り口としてもぜひ。サイズは500ml、限定11本販売。

『奥村佃煮』の「yoshio fermented foods鮒寿し×つやこブルー」。良い意味で、鮒寿しのようで鮒寿しでなく、チーズのようでチーズでない、新しい感覚の逸品。鮒寿し・チーズどちらからでも入れる間口の広い味わい。癖のある食材同士だが、食べればその概念は変わるだろう。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

岩手県出身。保険会社のSEから日本酒に魅了されたことで飲食業界に転身。新宿の『日本酒スタンド酛(もと)』に入社後、利酒師の資格を取得。日本全国の酒蔵を訪ね、酒類総合研究所の研修などにも参加し、2015年に『GEM by moto』をオープン。化学的知見から一人ひとりに合わせた日本酒を提供する。口内調味やペアリングというキーワードで新しい日本酒体験を作り、日本のみならず海外のファンを魅了し続けるかたわら、様々なジャンルの料理人や専門家ともコラボレーションし、新しい日本酒のスタイルを日々模索する。2019年には日本酒や日本の食文化を世界に発信する「第14代酒サムライ」に叙任。。主な作品は、『日本酒に恋して』(主婦と生活社)、『最先端の日本酒ペアリング』(旭屋出版)など。出演作は、映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』(配給:シンカ)。https://www.marie-lab.com/

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8  MAP
TEL:03-5250-3101
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京都の海を未来へつなぐ『Chefs for the Blue 京都』始動。[Chefs for the Blue 京都/京都府]

『Chefs for the Blue 京都』を立ち上げたシェフたち。手前右から、代表の『cenci』坂本健シェフ、『Bini』中本敬介シェフ、『Cenetta Barba』藤田紘一シェフ。奥右から、『cenci』渥美彰人氏、『MOTOI』前田元シェフ、『リストランテナカモト』仲本章宏シェフ。

Chefs for the Blue 京都東京から京都へ。広がりを見せる料理人発、水産資源への取り組み。

トップシェフが主導し、日本の漁業、水産資源の未来を考える一般社団法人『Chefs for the Blue』。
2021年、その京都チームが発足し、活動をスタート。メディア向けの試食会が2022年1月、京都で開催されました。

会場は、京都信用金庫『QUESTION』8階にあるコミュニティキッチン。試食会の主催者であり『Chefs for the Blue 京都』のリードシェフを務める『cenci』の坂本健シェフを筆頭に、『リストランテ ナカモト』仲本章宏シェフ、『MOTOI』前田元(もとい)シェフ、『Bini』中本敬介シェフら、京都のガストロノミー界をリードするトップシェフ5人に、生産者3人も加わり、豪華な顔ぶれが揃いました。

一般社団法人『Chefs for the Blue』の発足は、2017年。料理ジャンルの枠を超え、東京を拠点とするシェフを中心に50人もの料理人が活動に参加しています。発起人であり、代表理事を務めるのは、フードジャーナリストの佐々木ひろこ氏。

海に囲まれた島国であり、古くから魚食文化が根付く日本ですが、1984年のピークを境に、漁獲高は減少傾向に。2019年には、年間の総漁獲高はピーク時の約1/3(416万トン)まで落ち込んでいます。

状況への危機感を共有した上で、主たる要因とされている過剰漁業の規制を呼びかけ、海の環境や生態系の保全に努め、漁師コミュニティや産地の地域コミュニティを守る。この3本を柱に、さまざまな活動を続けています。

フルオープンの広々としたキッチンを備えた『QUESTION』8階にあるコミュニティスペースが会場に。スペースを運営する株式会社Q'sと、『cenci』を運営するThe Old Curiosity株式会社の共同企画により試食会が開かれた。

エントランスに並ぶ、この日の食材。到着した参加者は、着席前に解説に読み入った。

Chefs for the Blue 京都生産者も会場へ。漁業者、料理人が刺激し合う。

もともと『Chefs for the Blue』の活動に注目していた坂本シェフは、『Chefs for the Blue 京都』立ち上げの経緯を次のように話します。

「水産物の枯渇問題については、ずっと気がかりだったんです。東京で先にスタートした『Chefs for the Blue』の活動に興味を持ち、代表の佐々木さんを招いて単発勉強会を開いたりしていたんですが、やはり京都でもしっかりチームを組んで活動していくべきだと思い、昨年立ち上げを決めました。また京都でレストランをやっていても、京都の魚を使う機会は少なく、知識も乏しい。まずは自分たちの足下を学ぶところからはじめ、行動の機会を増やしていこうという想いがあったんです」。

坂本シェフの言葉の通り、一般にも「京都」と「海」のイメージはにわかに結び付きません。府南部の内陸部に都市機能、商圏が集中していることが一因と考えられますが、府北部は日本海に面し、伊根湾や宮津湾など、豊かな漁場が残されています。

本イベントの2ヶ月前、『Chefs for the Blue京都』を中心としたメンバーは宮津湾へ足を運び、漁師や漁業協同組合を訪ねたといいます。生産の現場を見て初めて知った、京都の海ならではの魅力、地域漁業の現状と課題。「生産者と手を携えて、料理人だからできることを」という、活動の出発点を確かめた時間でした。

訪問を経て開かれたイベントも、まずは食材の紹介から始まりました。会場入口には、その日に使われる食材がずらり。ブリにハモ、立派なナマコも目を引き、それらすべてが京都産。食材として上質で、料理人のクリエイションを刺激するものであることに加え、水産資源のサステナビリティの観点から意味を持つものが選ばれています。

例えば宮津湾産の青ナマコ。かつて、乱獲で漁獲量が激減した時期がありましたが、地元漁業者を中心とした『宮津ナマコ組合』が、漁獲量の上限を定め、厳格な資源管理に取り組んだ結果、漁獲高は規制前の1.4倍に回復。サイズの平均値も上がり、それに伴い、乱獲期と比べて3倍近くの価格で取引されるように。

9kgを超える大きな養殖ブリは、伊根湾から。水温が低いゆえ養殖に向かないといわれてきた伊根の海の特徴をポジティブに捉え、ゆっくり、時間をかけて育てることで、品質を高め、全国ブランドに育て上げたのは、橋本水産の橋本 弘氏。養殖の新たな可能性を示した、「海の特徴を生かした」漁業や、海への環境負荷を減らすため生簀に入れる魚の数を抑え、抗生物質も使わないなど海の未来を考えた取り組みが、やはり全国で注目を集めています。

イベントに参加した橋本氏から、次のような話がありました。
「太平洋側の主な養殖産地におけるブリの養殖は、エサにカタクチイワシを与えるのが一般的。そこに、カロリーを補うために魚油を加える。一方で、私たちがエサに使うのは若狭湾のアジやサバ。極力、抗生物質も魚油も使わず、2年間かけてゆっくり育てるため、脂のりがよく、脂の質はさらりとしているのです」。

宮津湾産の青ナマコ。乱獲を止め、漁獲量を規制することで価値が上がった、資源保護の成功例として。

新たな京都産ブランド食材として期待がかかる宮津湾産オオトリガイ。生産者の本藤 靖氏は未来につながるブランド食材としてトリガイに次いで、このオオトリガイの育成技術開発を始めた。日本で初めての取り組みは、未知なる食材の発掘例として、多くの漁業者に影響を与えているといいます。

コハダ、シンコの成魚、コノシロ。若き漁師が、情熱をもって「新しい価値」の創出に挑戦している。

Chefs for the Blue 京都未利用魚を含む、知られざる魚をガストロノミーの舞台に。

食材についての解説が一段落し、その味への関心、期待が高まったところで、いよいよ料理のサービスが始まります。

最初にテーブルに運ばれてきたのは、『Bini』中本シェフと、『cenci』坂本シェフによるナマコの料理。

中本シェフは、イタリアではポピュラーなタコとセロリの組み合わせから着想を得た、ナマコとセロリの一皿。坂本シェフは、自家製柿酢でのマリネ。なまこ酢と同じく酸味を合わせ、米麹と鮎魚醤で和えた即席の“このわた”を添えた、日本人になじみ深く、かつ発酵の旨みがワインを呼ぶ味です。

お次は宮津湾産のオオトリガイ。京都府産のブランド食材に指定されている丹後トリガイの養殖過程で発見された稚貝で、新たに養殖がスタートしたばかりですが、成長が良く、弊死率も低く、旨みと甘味が非常に強い貝として、高い期待が寄せられています。

シェフたちが産地訪問の際に出会い、その甘味、旨味に着目し、今回のイベントにも使用されることに。「未知の食材の発掘」も、活動の大事なテーマです。
仲本シェフは、イタリアの伝統料理「ズッパ・ディ・ペッシェ」を作り、ひと口大のクロスティーニに。坂本シェフは軽く蒸して冬キャベツ、完熟山椒を合わせます。

同時進行で、それぞれの料理を仕上げるシェフたち。

「ナマコとセロリ 発酵トマトとほうじ茶のジュレとオリーブオイル」は『Bini』中本シェフによる一皿。低温の昆布だしとほうじ茶で炊いたナマコが、コリコリとよい食感を残す。

坂本シェフによる「蒸したオオトリガイと冬キャベツ 完熟山椒」。産地で食べたときに感じた海藻のような風味を生かした一皿。

コハダ、シンコの成魚である、コノシロも登場します。

ご存じの通り、未成魚は寿司種として引っ張りだこですが、成魚になると、とたんに値が下がるもの。
水産資源のサステナビリティの観点でいえば、産卵を経た成魚を獲るほうが環境負荷が低く、未来につながります。また、成魚であってもきちんと下処理をすればおいしい一皿になるといいます。


若干25歳、宮津湾に隣り合う内海である阿蘇海の若手漁師・村上純矢氏が獲ったコノシロは、徹底した処理と品質管理の下、地元の宿泊施設や東京の飲食店に出荷。まだ京都市内に流通していない、大きな可能性を秘めた魚です。

「初めて使ってみて、小骨をどう処理するかが課題になると思いました」と、話すのは前田シェフ。

「多めの油で皮側をソテーし、ビネガーをベースにしたマリネ液で短時間マリネすることで、骨が柔らかくなり、口に残らなくなる」。
前田シェフの「コノシロのエスカベッシュ」は、ほどよく火の入ったふわっとした身の食感と、酸味、合わせた野菜の甘みがバランスした、春らしさも楽しめる軽やかな一皿です。

中本シェフは、小骨をハモ同様に骨切りし、ビニェに。シェフたちの素材使いで、コノシロの可能性が十分に表現されていました。

阿蘇海でコノシロのブランド化に奮闘する村上純矢氏。

前田シェフによる「コノシロのエスカベッシュ」。目にも春らしく、サワークリームの酸もアクセントに。

「コノシロのビニェ サルサヴェルデ」も中本シェフによる一皿。フキノトウのパウダーを添えて。

伊根湾産・橋本氏による巨大ブリは、仲本シェフがアニョロッティに。
「アラを180℃のオーブンで焼いてから出汁を取る、和食の技法に倣いました。生ハムのブロードと合わせて澄んだコンソメにしました」。

身はアニョロッティの詰め物とコンフィに、骨などのアラはコンソメに。一尾を余すところなく活用するための、一つの提案です。

最後は、栗田漁港のハモ。

京都の夏の風物詩としてもてはやされる一方で、冬場は水揚げされても値が付かず、未利用魚、または低利用魚となってしまうことが多いのだといいます。ところが、実際に脂をたくわえ、味が乗って来るのは秋から冬にかけて。
こうした未利用魚に適正な価格が付くよう活用するのも、海と漁業の持続可能性を考えるうえで非常に重要なこと。

このハモを、前田シェフはパイ包み焼きとスープ・ド・ポワソンに。坂本シェフは、ハモのすり身のポルペット(団子)を添えたリゾットを提供。
ゲストの多くがその豊かな味に唸り、フレンチやイタリアンの食材としてのポテンシャルを確かめました。

仲本シェフによる「ブリのコンフィ、ブリと生ハムのコンソメ、ブリを詰めたアニョロッティ 山城ねぎオイル」。脂のピュアな旨味がたっぷりの、伊根湾のブリを余すところなく味わえる。

『MOTOI』前田シェフによるハモのパイ包み焼き。フランス料理の技法が集約された一品だ。

『cenci』坂本シェフによるハモのリゾット。ハモの旨みが米の一粒一粒に。九条ネギとも鉄板の相性。

「ハモのスープドポワソン」。この日の個体は頭が大きく「良質なゼラチン質を含め、旨味が豊かだった」と前田シェフ。温かく滋味深いスープは秋冬にこそ食べたく、脂ののったこの時期のハモが生きる。ハモは、卸売業者の視点から未利用魚の活用や販路の開拓に力を入れている『山一水産』の手配によるもの。

Chefs for the Blue 京都小さな一歩を、ブランドありきの流通を見直すことから。

料理の提供を終えた坂本シェフに、再び話を聞きました。

「今回、5種の食材を料理に使わせて頂き、改めてそれぞれの食材のポテンシャルに気付きました。冬場のハモのように適正な値が付かないものから、オオトリガイのように、現状の生産量の少なさゆえ、まだ価格が高いものまでさまざまですが、共通していえるのは、すべてがガストロノミーの素材になり得るということ。私自身、実感しましたし、仲間たちの料理が、それを示してくれたと思います」。

そう話す表情から、手ごたえと充実感が見て取れます。

そして、「ブランドありきの流通を、真剣に見直さなくてはいけない時期に差し掛かっている」とも。

「一流の料理人たちがこぞって頼りにする、いわゆる“カリスマ”漁師や仲卸業者がいて、私も彼らの魚を分けてもらうこともあり、その状態や味は本当に素晴しいと思う。でも、すべての料理人が、右へ倣えで、同じ魚を欲しがっていいのか。質も状態も素晴らしい魚は、生で、ほんのわずかの塩で、美味しくなるから、素材を知る料理人ほどなるだけ手をかけたくないと思う。すると、料理まで均質化してこないか、と」。

自身に問いかけるような、坂本シェフの表情が印象的でした。

魚の需要が偏り、環境に負荷を与える漁業が続いた結果、魚が減り、消費地での市場価格が高騰する。漁業者はもちろん、料理人にとっても、対価を払い食事に出かけるゲストにも、いいことはありません。
現実的には、小さなレストランで扱える魚の量はごくわずかで、根本的な解決にはならないかもしれない。

「でも、今、何もしないでいることはできない」と、坂本シェフ。

まだまだ始まったばかり。知られざる「京都産」の魚介に光を当て、海の未来を考えた今回のイベントが、京都の漁業と、ガストロノミーのあり方を、少しずつ、変えていくはずです。



Text:KEI SASAKI
Photographs:YUTA MIZUNO

トップシェフとパティシエによる料理が伝えた、生産者も気付かなかった滋賀の食材の底力。[Local Fine Food Fair SHIGA/滋賀県、東京都]

滋賀の食材を使い、東京のトップシェフ、パティシエの4人が11品のコースを生産者のみなさんにふるまった。

ローカルファインフードフェア滋賀自らの食材がどう調理されるか。生産者にとっても勉強の場に。

東京都内で活躍する料理人やパティシエ、和菓子職人が、滋賀県産の食材を使った料理をそれぞれの店で提供するメニューフェア『Local Fine Food Fair SHIGA』。
2021年度は夏と冬の2回にわたって東京の料理人が滋賀を訪ね、食材が生産されている現場を視察しました。

そのなかで、ほぼすべての生産者が口にしたのが「食材が東京でどんなふうに料理されているのか、とても興味がある」という言葉。とはいえ、日々、食材の生産に携わっていると、なかなか滋賀県を離れて東京のレストランに赴くことができません。

そこで今回は、滋賀の食材を日頃から愛用しているシェフ、パティシエが感謝の気持ちを込めて滋賀に集結し、「県内レセプション」と称した食事会で、生産者のみなさんに向けて腕をふるうことに。

参加料理人は、イタリアン『sel sal sale』の濱口昌大シェフ、フレンチをベースに、精進料理や日本料理のテイストをフュージョンさせた料理を提供する『MOSS CROSS TOKYO』の増山明弘シェフ、フレンチ『Cheval de Hyotan(シュヴァル ドゥ ヒョータン)』の川副藍シェフ、パティスリー『INFINI(アンフィニ)』の金井史章シェフパティシエの4人。

コース仕立てで前菜からデザートまでを生産者のみなさんに提供すべく、それぞれの得意分野を生かしながら合計11品の料理を作りました。

一方で、生産者にただ食べてもらうことだけが目的ではありません。生産者たちが、自分たちの食材がシェフたちの手によりどのように姿を変えるのかを目の当たりにし、味わい、そして何を感じるのか。
よりよい食材を生み出すためのヒントや活路を見出してもらうために設けられた場であり、そこには滋賀県の「Local Fine Food」の未来があるといっても過言ではないかもしれません。

【関連記事】滋賀食材フェア/降雪のち快晴。シェフたちが目の当たりにした豊かな自然、そして滋賀県の素晴らしき食材。

「県内レセプション」に集まった生産者のみなさん。写真左から『グッドワン』永濱三智子氏、『クサツパイオニアファーム』中山欽司氏、『グッドワン』坂上良一氏、『FARM KEI』藤田氏、『みなくちファーム』水口良子氏、忍ネギの生産者千代傳男(つたお)氏、『みなくちファーム』水口淳氏、『JAこうか』上田健司氏、『いぶきファーム』谷口隆一氏。

琵琶湖の名産のひとつであるビワマスを調理する『sel sal sale』の濱口昌大シェフ。

近江鴨のローストを作る『MOSS CROSS TOKYO』の増山明弘シェフ。

根菜のサラダを和えている『Cheval de Hyotan』の川副藍シェフ。

デザートの仕込みをする『INFINI(アンフィニ)』の金井史章シェフ。

ローカルファインフードフェア滋賀シェフたちが一目をおく『みなくちファーム』の野菜でコースはスタート。

コースの最初に提供されたのは、『sel sal sale』の濱口シェフによる、『みなくちファーム』の菊芋を使ったスープです。生産者である水口良子氏は「菊芋は形や味にクセのある食材なので、どう調理してもらえるのかが気になる」と、期待を語ります。

濱口シェフは「『みなくちファーム』の菊芋は、アクが少ないながらもコクがあり、生で食べてもおいしい。レストランでもずっと使っています。今回も、皮ごとスープにし、他の調味料や具材はほぼ何も入れず、コトコト煮込みました」と紹介。さらに、スライスして揚げた菊芋を最後に添え、サクサクした食感を加えています。

これには水口淳氏も「火を通すことで菊芋のコクが増している。こんなに美味しくなるなんて」と嬉しそうに反応します。

続いて濱口シェフが提供したのは、『みなくちファーム』のサラダゴボウを使ったパンです。「生で食べられるほどフレッシュで、上品なゴボウです。火を通すと甘みが引き立ち、お店ではこのパンを焼き立てで提供しています」と、濱口シェフ。

実はこのサラダゴボウは、東京の料理人のあいだで大人気の食材。「東京からたくさん注文をいただいているのだけど、いつも、何に使っているのか不思議だった」と水口良子氏は笑います。パンから豊かに湧き立つゴボウの香りを確かめ、生地に練りこまれた刻みゴボウを見ながら「丹精を込めて作った食材と、こんなに素敵な形で再会できてうれしい」と、パンをほおばります。

『みなくちファーム』は、農薬や化学肥料を使わずに、持続可能な循環型農業を実践していて、イタリアンの元料理人で食材バイヤーの山本敦士氏も「業界でもトップレベルの野菜をたくさん生産している」と高く評価しています。

どんな野菜も、味の良さと見た目の美しさが抜群で、ファンの多い生産者です。

濱口シェフによる、『みなくちファーム』の菊芋を使ったスープ。「器の底に入れたブラッターチーズと甘い菊芋のスープをからませながら楽しんでほしい」と濱口シェフ。

「火を通すことで菊芋のコクが増している。こんなに美味しくなるなんて」と、『みなくちファーム』水口淳氏も嬉しそう。

サラダゴボウのパン。みりん粕のバターと生ハムの深い旨みが、洗練されたサラダゴボウの味に奥行きを加える。

2021年夏に山本氏が『みなくちファーム』の農場を訪ねたときの様子。「土ごと食べてもおいしい!」と、掘り立てのサラダゴボウをかじる場面も。

『みなくちファーム』では4ヘクタールの畑を擁し、年間100種以上の野菜を栽培している。

ローカルファインフードフェア滋賀ビワマス、忍葱、伊吹大根、近江鴨……。滋賀の食材が互いに魅力を高め合う。

滋賀といえば琵琶湖。400万年もの歴史をもち、地元の人々が「海」とも呼ぶ、この日本一の大きな湖が、滋賀県独特の食材や食文化を数多く生み出しています。

琵琶湖の北岸の大浦漁港にある『西浅井漁業協同組合(漁協)』のビワマスは、そんな食材のうちのひとつ。脂が上品で刺身で食べて美味しく、もちろん、煮ても焼いても楽しめます。
川副シェフは今回、このビワマスを「ブレゼ」と言われる、やさしい火でしっとりと仕上げるフレンチの技法で調理。「ビワマスが繊細で上品な味なので、この調理法を選びました」と解説します。

このビワマスに添えたのが、忍葱としいたけのソース。忍葱は、滋賀県甲賀市で12月初旬から3月中旬に収穫されるねぎで、味わいが濃厚で、火を通すととろりと甘みが出てくるのが特徴です。
『JAこうか』の上田健司氏は「忍葱の甘みが最大限に引き出されていますね!」と、嬉しそう。忍葱の生産者千代傳男(つたお)氏も「鍋に入れたり、焼いて食べたりすることが多かったので、こんな調理の仕方があるなんて思わなかった」と笑顔を見せます。

続いて川副シェフが提供したのが、『いぶきファーム』の伊吹大根とフォアグラです生産者である谷口隆一氏も、「伊吹大根とフォアグラを合わせたことはないですね」と、興味津々。
「伊吹大根は煮崩れしにくく、お出汁をぐんぐん吸い込むのが特徴。そこで、近江鴨やひき肉から作ったコンソメで煮込みました」と、川副シェフ。さらに、フォアグラは、同じく谷口氏が生産するそばの実を挽いたものをまとわせ、外側の食感をパリッと仕上げています。

食事会が始まるまでは、緊張気味の表情を見せていた生産者も、シェフの美味しい料理を食べるうちに少しずつ心がほぐれてきた様子。また、生産者本人でさえも思いつかなかったような調理法や、意外な食材との組み合わせに好奇心をくすぐられたようです。

「丹精込めて育てた食材が大切に料理されている姿を実際に見ることができて嬉しい。しかも、なかなか予約の取れないお店のシェフの料理を食べられるなんて、とても貴重な機会」と、近江鴨を生産する『グッドワン』の坂上良一氏が話します。

川副シェフによる、『西浅井漁協』のビワマスを使ったブレゼ。

琵琶湖の北岸、大浦漁港にある『西浅井漁協』から湖を望む。

ビワマスは、7月が漁の最盛期。琵琶湖の水温が下がる1~2月は、脂がのってよりいっそう美味しくなる。

2022年の冬に甲賀市の忍葱の畑を訪れたときの様子。シェフたちが上田氏の言葉に耳を傾ける。

川副シェフによる、『いぶきファーム』の伊吹大根とフォアグラ。

「うちのそばの実が、こんなに美味しくなって嬉しい」と、谷口氏。

増山シェフによる、近江鴨のロースト。『グッドワン』の洗練された近江鴨を、塩胡椒でシンプルに焼いた。

「東京にもっと近江鴨を広めたい。シェフの手でこんなに美味しく料理できることがわかり、自信がついた」と坂上氏。

増山シェフによる『クサツパイオニアファーム』の赤米と『西浅井漁協』の氷魚(琵琶湖で冬にだけ獲れる鮎の稚魚)のお茶漬け。

金井シェフによる、いちごのデザート。滋賀県東近江市の『愛東いちごハウス』のよつぼしとあきひめをソルベに。

ローカルファインフードフェア滋賀食事会を終え、シェフたちが滋賀の生産者、食材を改めて語る。

すべての料理を提供し終えた後は、料理人たちと生産者のみなさんとで座談会を行いました。

濱口シェフは「日本全国、さまざまな生産者さんを訪ねてきたけれど、滋賀県のみなさんは 特に仕事が丁寧で、人があたたかい。一対一の関係性を築くことができている」と、コメント。

川副シェフも「琵琶湖を中心に、自然とともに良い食材が揃っていて、さらに、生産者が自然に寄り添いながら作っている」と、魅力を語ります。
増山シェフと金井シェフは「どの食材にも自然とともにストーリーがあるので、東京で、料理とともにこのストーリーをお客様に語っていきたい」「生産者のみなさんたちと今後もコミュニケーションをとり続けていきたい」と語り合い、盛況のなかで食事会を締め括りました。

自然豊かな滋賀県で育まれた食材が料理人にインスピレーションを与え、その食材で作られた料理が巡り巡って生産者たちに驚きや感動、次の生産に向けたアイディアを与える。

まさに、美味しさが深まる好循環。今後も滋賀の生産者と東京の料理人の交流は続いていきます。

「生産者のみなさんには『自分たちはこんなに素晴らしい食材を作っているんだ』と自信をもってほしい」と、4人の料理人。

Photographs:JIRO OHTANI
Text:AYANO YOSHIDA

(supported by 滋賀県)

【関連記事】料理人たちによる視察の様子は、こちらから

大地の香り、海の香り。嗅覚から味覚へ送る、美味しいシグナル。[和光アネックス/東京都中央区]

木桶で醸した「和轍」の香りと「四万十川天然鮎のコンフィ」の鮎が持つ青い香り、オイルの香りが絶妙に合うペアリング。今回提案してくれたソムリエ・ドリンクディレクターの外山博之曰く、「更に美味しく楽しむ続きもある」とのこと。その答えは、本文後半にて!

WAKO ANNEX天井知らずの止まらない食欲。胃袋の箍(たが)を外す、ペアリング。

「木桶が持つヒノキの香りと鮎の青い香り、オイルの香りが食欲を掻き立てます」。

今回、提案するペアリングに対してそう分析するのは、ソムリエ・ドリンクディレクターの外山博之氏です。

合わせたのは、『秋元商店 籠屋ブルワリー』の「和轍」と『道の駅 よって西土佐』の「四万十川天然鮎のコンフィ」。

「和轍」は、杉の香りとモルトの旨みが凝縮された木桶仕込みのジャパニーズビールです。木桶は国産材ブランドである吉野杉を使用。木桶は呼吸し、住み着く微生物が時間をかけて発酵を進め、木桶でしか出せない深い味わいを育みます。生産量も希少な国産麦芽を使用し、繊細できめ細かく優しい味わいを生んでいます。

味はもちろん、今回の決め手は、何と言っても木桶の香り。香りのペアリングは、外山氏の得意分野でもあります。それに引き合わせたのは、「四万十川天然鮎のコンフィ」です。

日本の清流四万十川の象徴である天然鮎を使用する「四万十川天然鮎のコンフィ」は、鮎の香りを残しつつ、ハーブやオリーブオイルの香りも加わり、上品な味わいに仕上がっています。

「ビールの香り付けに使われる木桶が持つ杉の香り、ホップの香ばしい香りが、天然のアユの青い香りや塩味とつながり、絶妙な相性を生みます」。

また、最後に外山氏がこっそりと教えてくれたのは、ペアリングの続き。「ビールと鮎のペアリングも最高ですが、残ってしまうコンフィのオイルで作ったパスタやサラダにビールを合わせていただくのもおすすめです」。

想像しただけでも美味しいのは間違いなし。天井知らずの止まらない食欲。余すところなく食材を堪能し、〆まで楽しみたい。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

『秋元商店 籠屋ブルワリー』の「和轍」は、吉野杉を使用した木桶仕込みのビール。味わいは艶やかで奥深く、色合いは深みのあるゴールド。口に含めば、木桶の香りがほんのり漂い、優しい甘みとほろ苦いコクが広がる。程よいボリュームや長い余韻も特徴。

四万十川の天然鮎を低温のオリーブオイルで長時間煮込んだ道の駅 よって西土佐』の「四万十川天然鮎のコンフィ」。四万十川が持つ自然の美味しさの全てを閉じ込め、鮎本来の風味が香草とともに広がる。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

埼玉県出身。バーテンダーとしてレストランやホテルなどに勤務した後、ソムリエに転身。以降、様々なレストランで経験を積み、2012年より代々木上原『Gris』(現『sio』)のマネージャーに就任。2018年より調布市にある『Maruta』のドリンクを監修、2019年より京都『LURRA゜』のドリンクディレクションなど、ペアリングを行いながら活躍の場を広げている。

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8  MAP
TEL:03-5250-3101
www.wako.co.jp

Photographs:KOH AKAZAWA
Text:YUICHI KURAMOCHI​​​​​​
(Supprtted by WAKO)

決め手は、「温度」。王道のペアリングに一石を投じる新提案。[和光アネックス/東京都中央区]

「上喜元 純米吟醸 赤磐雄町 きもと仕込 熟成生酒」と「八葉塩幸 四種詰合せ」の食べ合わせを提案するのは、『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さん。「生酛造りのお酒に合うのは、塩辛4種の中でも、いか糀漬がおすすめです」。

WAKO ANNEX日本酒と塩辛。誰もが知る食べ合わせだが、ものの選び方とひと手間で別世界になる。

世のお父さん、日本の男性諸君のほとんどが食べ合わせた経験を持つであろう日本酒と塩辛。

今回、『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さんが提案してくれたのは、王道ともいえるそれですが、ものの選び方とひと手間で普通は普通でなくなります。

まず、ものの選び方。千葉さんが手に取るのは、『酒田酒造』の「上喜元 純米吟醸 赤磐雄町 きもと仕込 熟成生酒」と『気仙沼水産食品事業協同組合』の「八葉塩幸 四種詰合せ」です。

「上喜元 純米吟醸 赤磐雄町 きもと仕込 熟成生酒」は、氷点下−3℃にて3年以上貯蔵した無濾過生原酒です。偉大な酒造好適米「赤磐雄町米」の力を最大限発揮するために手間暇のかかる「生酛仕込」にて醸造しました。奥深いコク、やわらかく広がる旨味、嫌みのない熟成感は、他の上喜元とは一線を画したオンリーワンの味わいです。

そして、「八葉塩幸 四種詰合せ」。気仙沼で水揚げされ、通常ならばお刺身で食べるような新鮮なスルメイカを使用。気仙沼岩井崎の昔ながらの手作り塩100%にこだわり、低塩でまろやかな風味の塩辛に造り上げました。また、いか塩辛、いか明太子、いか糀漬、いか青唐辛子味噌と4種ある中、「上喜元 純米吟醸 赤磐雄町 きもと仕込 熟成生酒」との合わせには、いか糀漬を押します。

「塩辛の4種の中でも、いか糀漬が特にフィットします。王道の合わせ方ですが、この日本酒はフレッシュの状態でゆっくりと“温度”をキープしながら熟成するので、艶っぽさ、旨味のバランス感が良くなり、塩辛の糀の旨みがマッチします。フレッシュならではの熟成感をお楽しみください。冷酒から常温でお楽しみいただけます」。

今回、塩辛に補足すべきは、「しおから」ではなく「しおさち」と呼ぶ品であること。海の幸ならぬ塩の幸でもあるそれは、前出の通り全て手作り。塩における鮮度と旨味も酒との好相性に一役買っているのです。

王道の日本酒と塩辛のペアリング。それは、酒の造り方、食材の鮮度、温度などの方程式を正しく解くことによって、普通を感動へと導くのです。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

『酒田酒造』の「上喜元 純米吟醸 赤磐雄町 きもと仕込 熟成生酒」。「生酛仕込」にて醸造された酒は、奥深いコク、やわらかく広がる旨味、嫌みのない熟成感が漂う。ほかの「上喜元」とは一線を画したオンリーワンの味わい。

『気仙沼水産食品事業協同組合』の「八葉塩幸 四種詰合せ」。4種の内容は、いか塩辛、いか明太子、いか糀漬、いか青唐辛子味噌。気仙沼岩井崎の昔ながらの手作り塩100%も旨さの決め手。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

岩手県出身。保険会社のSEから日本酒に魅了されたことで飲食業界に転身。新宿の『日本酒スタンド酛(もと)』に入社後、利酒師の資格を取得。日本全国の酒蔵を訪ね、酒類総合研究所の研修などにも参加し、2015年に『GEM by moto』をオープン。化学的知見から一人ひとりに合わせた日本酒を提供する。口内調味やペアリングというキーワードで新しい日本酒体験を作り、日本のみならず海外のファンを魅了し続けるかたわら、様々なジャンルの料理人や専門家ともコラボレーションし、新しい日本酒のスタイルを日々模索する。2019年には日本酒や日本の食文化を世界に発信する「第14代酒サムライ」に叙任。。主な作品は、『日本酒に恋して』(主婦と生活社)、『最先端の日本酒ペアリング』(旭屋出版)など。出演作は、映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』(配給:シンカ)。https://www.marie-lab.com/

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8  MAP
TEL:03-5250-3101
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Photographs:JIRO OHTANI
Text:YUICHI KURAMOCHI​​​​​​
(Supprtted by WAKO)

14oz インディゴxインディゴセルビッチデニムストレート

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  • 経糸、緯糸共にインディゴロープ染の糸を使用したセルビッチストレート
  •  
  • 一見して黒に見えるほどの濃いインディゴですが、履いていくうちにダイナミックな色落ちがでてきて、他のどのジーンズとも違う色合いに変化していきます

素材

     
  • 綿:100%

生産国

     
  • 日本

納期

     
  • 11月上旬ごろ

14oz セルビッチデニムダブルニーロガージーンズ

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  • 【822】21ozセルビッチデニムダブルニーロガージーンズの14ozバージョン
  • 前身の腰から裾に近い位置までをダブルニー仕様にすることで、強度と丈夫さを2倍にアップ
  • 3本針のトリプルステッチや巻き縫いのダブルステッチ等、押さえるべき所はしっかり押さえたこだわり仕様
  • 脇の縫製のみ、インターロックの3本針縫い仕様にすることで、巻き縫いよりも硬さが解消され、履きやすい仕様にしています
  • 後ろポケットは力布を下半面貼り
  • リベットは昔ながらの真鍮無垢タイプ
  • ワンウォッシュ済み

素材

     
  • 綿:100%

生産国

     
  • 日本

納期

     
  • 10月上旬ごろ

14ozヘビーコーデュロイストレート

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  • 経糸、緯糸共に双系の二重織りコーデュロイで、通常のコーデュロイより風を通しにくい生地
  •  
  • 機屋さんが廃業となるため、今季のみの生地となります

素材

     
  • 綿:100%

生産国

     
  • 日本

納期

     
  • 9月中旬ごろ

料理人が見た知られざる冬の滋賀。寒い時期こそ出合える美味しさがある。[Local Fine Food Fair SHIGA/滋賀県、東京都]

雪の積もったにんじん畑で、『みなくちファーム』のみなさんと一緒に。

ローカルファインフードフェア滋賀雪降る北部から、快晴の南部まで、琵琶湖をぐるりとまわる。

東京都内で活躍する料理人や和菓子職人が、滋賀県産食材を使った料理をそれぞれの店で提供する期間限定のフードフェア『Local Fine Food Fair SHIGA』。食材が育まれる土地を自分の目で見て、生産者の思いを直接聞くため、4人のシェフとバイヤーが1泊2日で滋賀を訪ねました。

米原(まいばら)駅から車で移動すること約30分。滋賀に到着して一行がまず向かったのは、長浜市西上坂町の『ワボウ産業』です。案内されたのは、まるで工場のような建物。この敷地のどこに海老がいるのだろう、と不思議な気持ちになりそうですが、実は『ワボウ産業』は、もともと半導体製造を続けてきた企業です。自社の設備とノウハウをいかして、「食」の分野で新たな挑戦ができないか。そんな思いから、2020年夏に独自の方法でバナメイエビの養殖を始め、翌年から自社ブランド「おうみ海老」の出荷を始めました。

工場内に入ると、一面に設置された大きな水槽に圧倒されます。ここがまさに、「おうみ海老」を養殖している現場。水槽の水に、伊吹山の地下50mから湧き出る清冽な地下水と、フランス産の岩塩が使われています。

最大の特徴は、半導体事業で築いた技術力で、この水槽の水を循環利用していることです。まず、水質を保つことで抗生物質などを一切投与しない環境をつくり、安全性の高い海老を養殖します。
そして、海老を養殖した後、窒素分がたまった水を別の水槽に移し、今度はこの水で海ぶどうとアオサを栽培します。すると、海ぶどうとアオサが天然のろ過装置となり、水を澄んだ美しい状態に戻してくれるのです。その水で、再び海老の養殖を始める。こうして、複数の食材の養殖を介しながら、工場内で水を循環させているのです。「地球にやさしく、そして、本当に美味しい食材を人々に。それが、私たちが実現したいことなのです」と、第一事業部技術課課長の宮本和徳氏は言います。
こうした環境で育った「おうみ海老」は、臭みがなく、澄んだ味わい。さらに、身が引き締まっていて、噛むほどに海老本来の甘みが広がります。冷凍して出荷されますが、解凍後、生のままでも美味しく食べることができるほど品質が高いことも特徴です。

「今回の視察でも特に楽しみにしていたのが、この『おうみ海老』です」と話すのは、インド料理「ニルヴァーナ ニューヨーク」の料理人、引地翔悟氏。「ひとつのお皿に、このワボウ産業の海老と海ぶどう、アオサが乗る料理を考えて、この工場のストーリーをお客さまに伝えたい」と、語ります。

元イタリアンのシェフで食材バイヤーの山本敦士氏は「小ぶりの海老だけを集めて真空冷凍した商品があれば、飲食店にアヒージョ用に提案できそう」と、宮本氏に相談していました。

【関連記事】滋賀食材フェア/琵琶湖の豊かな水が育む、瑞々しい食材。料理人たちが見た滋賀県の食材の底力。

“天然のろ過装置”、アオサ、海ぶどうを用いて浄化した水で、「おうみ海老」は養殖される。

20gから31gまで、大きさごとに並んだ「おうみ海老」に見入る4人と、宮本氏。

「生でも十分美味しいので、タンドールとして強火で外側をバリッと焼き、中をレアにして提供しても美味しそう」と引地氏。

海老を養殖した後の水は、アオサを栽培しながらろ過していく。

ローカルファインフードフェア滋賀ヤマトタケル終焉の地で育つ伝統野菜・伊吹大根。

お昼休憩を兼ねて向かったのが、米原市大久保の蕎麦屋『久次郎』。岐阜県との県境に近く、姉川源流に位置する、こじんまりとした趣深いお店です。なんといっても、ここは日本百名山の一峰と知られる伊吹山の麓。この山には、日本神話の英雄、ヤマトタケルを死に追いやった強力な山の神様がいるという言い伝えもあります。

『久次郎』の店主、谷口隆一氏は、元米原市の職員をされていた方。在職中は、米原市に伝わる伝統野菜の「伊吹大根」と伊吹在来そばの「伊吹そば」の広報活動に勤しんでいたそう。そのうちに「この素晴らしさを人々に伝えていくには、自分が現場に入り込むしかない」という情熱にかられ、57歳で市役所を早期退職し、『いぶきファーム』を発足。伊吹大根と伊吹そばの栽培のかたわらで、後に『久次郎』をオープンしました。

雪のため畑の見学はかないませんでしたが、谷口氏が用意してくださった大きさ違いの伊吹大根を見物。谷口氏は「冬は、雪の下でさらに甘味が加わり、伊吹大根にとって最高の時期です」と話したうえで「小ぶりのものは水分が少なくて肉質が固く、よく締まっているので煮崩れしにくい。ふろふき大根など煮物に最適です。大きめのものは、香りが強く、小気味いいすっきりとした辛味が最高です。すりおろして蕎麦に添えるのがおすすめ」と紹介します。

「シャープでキレがよく、辛さが口の中に残らず、後味がすっきりしていますね」と興奮気味なのは、和菓子と日本酒のマリアージュを提案する『薫風』のつくださちこさん。「生のまま辛味を生かしてもいいし、火を通して自然に出てくる甘さを砂糖がわりにするのも、どちらも良さそう」と、少しずつアイデアが浮かんできているようです。

イタリアン「KNOCK」の料理人、犬亦真太朗氏は「この土地に伝わる歴史や伝統を感じさせる強い味わいが魅力。辛味を生かした料理をつくりたい」と、メモをとっていました。

つくださんがさらに関心を見せていたのは、谷口氏が販売しているそば茶。在来種の「伊吹そば」のそばの実は、小粒で、香りが強く、さらに旨みや甘みも優れています。煎ってそば茶にすると、香ばしさが増し、実をそのままポリポリと食べても美味しさを感じられます。「バニラアイスにそば茶用のそばの実をまぶして食べると、アイスクリームの食感にアクセントがうまれ、味にメリハリもつくんです」と谷口氏に紹介されると、「和菓子にも使えそう」と、つくださんはうなずいていました。

伊吹大根は、大きさによって煮物や大根おろしなど使い分けると、魅力が増す。

昼食をとりながら谷口氏の解説に耳を傾ける一行。

伊吹そばをぶっかけスタイルで。薬味に伊吹大根が添えられ供される。

伊吹そばの実をまぶしたバニラアイス。

ローカルファインフードフェア滋賀滋賀県の「海」、琵琶湖で冬にだけ獲れる氷魚(ひうお)。

次に訪れたのは、琵琶湖の北岸の大浦漁港にある「西浅井漁業協同組合(漁協)」です。滋賀県といえば、琵琶湖。地元の人はこの琵琶湖を「海」と呼ぶほど、特別な思いを寄せています。さて、冬の琵琶湖には、どんな食材が眠っているのでしょうか。

「本日、皆さんに見てもらいたいのは、鮎の稚魚である氷魚(ひうお)です」と、一行を迎えるのは、漁協の代表理事・礒崎和仁氏。シラスより少し大きめで、つやつや、ぷりっとした見た目が特徴の氷魚は、琵琶湖の冬の風物詩。「琵琶湖の西か北で食べることが多く、生きている時は透明で氷のような美しい見た目をしていることから、氷魚と言われています」と、礒崎氏は教えてくれます。

その隣に添えられているのは、ビワマスの刺身です。ビワマスは、一般的なマスと異なり、海に出ず、一生を淡水域で終える魚。サケ科ではあるものの、その脂はサーモンよりも上品なのが特徴です。漁の最盛期は7月。琵琶湖の水温が下がる1~2月は、脂がのってよりいっそう美味しくなります。
「よく見ると、お皿の手前にあるビワマスの刺身は赤みが強くて、後方に並んでいるのは白っぽいですよね。実は、ビワマスが何を食べて育ったかによって、身の色が変わるのです」と、礒崎氏。捌いて中を見るまではわからないそうですが、エビ類を多く食べたビワマスは身が赤くなり、コアユを多く食べると身が白っぽくなるといいます。「白っぽい方が、より脂がのっています」と、礒崎氏が解説してくれました。

手前の二切れが赤みが強く、後方の三切れは白っぽい。コアユかエビ類、どちらを多く食べたかで身の色が変わる。

冬限定の琵琶湖で獲れる氷魚。

引地氏は、夏にはビワマスをタルタルにして提供したことがあるそう。

礒崎氏の話に真剣に耳を傾ける犬亦氏。

ローカルファインフードフェア滋賀明るく、朗らかに、常に新しいチャレンジを続ける『みなくちファーム』。

1日目の最後に一行が訪れたのが、琵琶湖の北西、高島市にある『みなくちファーム』。就農からわずか8年ながらも、見た目が美しく、みずみずしくてフレッシュな野菜をつくることで定評のある生産者です。農薬や化学肥料を使わずに、持続可能な循環型農業を実践しながら、年間100種以上の野菜を栽培しています。そして、シェフやバイヤーからのニーズに応じて、新しい野菜の栽培にも積極的に取り組んでいくチャレンジ精神の持ち主でもあります。

シェフやバイヤーは、すでに代表の水口 淳氏とも親しく、今回は、冬に旨味を増すしいたけの試食を行いました。「せっかくシェフが集まっているので、プロによる調理で試食しませんか」という水口氏の提案により、引地氏がキッチンに立つことに。「実はお店で使っている野菜用のオリジナルスパイスを持参しました」と、引地氏も乗り気の様子。早速、しいたけを一口大に切り分け、フライパンで手際良く炒めていきます。

和気藹々とした雰囲気で、一同はしいたけをはじめ、『みなくちファーム』の野菜の試食をすすめていきます。山本氏は「いろんな産地の農家さんにも足を運びますが、ここの野菜はトップレベル。水洗いしたら、そのまま丸ごとかじっておいしい。『みなくちファーム』さんのファンの飲食店もたくさんいます」と、太鼓判。菊芋や大根を、パリっ、カリっと頬張ります。

無農薬で育てた原木しいたけ。肉厚で旨味がぎゅっと詰まっている。

しいたけをサッと炒める引地氏。

すべて、みなくちファームで栽培している大根。紅くるり、京むらさき、紅芯大根など。

「雪に埋もれていますが」と言いながら、にんじん畑に案内してくれた水口氏夫婦。

Photographs:JIRO OHTANI
Text:AYANO YOSHIDA

(supported by 滋賀県)

料理人が見た知られざる冬の滋賀。寒い時期こそ出合える美味しさがある。[Local Fine Food Fair SHIGA/滋賀県、東京都]

雪の積もったにんじん畑で、『みなくちファーム』のみなさんと一緒に。

ローカルファインフードフェア滋賀雪降る北部から、快晴の南部まで、琵琶湖をぐるりとまわる。

東京都内で活躍する料理人や和菓子職人が、滋賀県産食材を使った料理をそれぞれの店で提供する期間限定のフードフェア『Local Fine Food Fair SHIGA』。食材が育まれる土地を自分の目で見て、生産者の思いを直接聞くため、4人のシェフとバイヤーが1泊2日で滋賀を訪ねました。

米原(まいばら)駅から車で移動すること約30分。滋賀に到着して一行がまず向かったのは、長浜市西上坂町の『ワボウ産業』です。案内されたのは、まるで工場のような建物。この敷地のどこに海老がいるのだろう、と不思議な気持ちになりそうですが、実は『ワボウ産業』は、もともと半導体製造を続けてきた企業です。自社の設備とノウハウをいかして、「食」の分野で新たな挑戦ができないか。そんな思いから、2020年夏に独自の方法でバナメイエビの養殖を始め、翌年から自社ブランド「おうみ海老」の出荷を始めました。

工場内に入ると、一面に設置された大きな水槽に圧倒されます。ここがまさに、「おうみ海老」を養殖している現場。水槽の水に、伊吹山の地下50mから湧き出る清冽な地下水と、フランス産の岩塩が使われています。

最大の特徴は、半導体事業で築いた技術力で、この水槽の水を循環利用していることです。まず、水質を保つことで抗生物質などを一切投与しない環境をつくり、安全性の高い海老を養殖します。
そして、海老を養殖した後、窒素分がたまった水を別の水槽に移し、今度はこの水で海ぶどうとアオサを栽培します。すると、海ぶどうとアオサが天然のろ過装置となり、水を澄んだ美しい状態に戻してくれるのです。その水で、再び海老の養殖を始める。こうして、複数の食材の養殖を介しながら、工場内で水を循環させているのです。「地球にやさしく、そして、本当に美味しい食材を人々に。それが、私たちが実現したいことなのです」と、第一事業部技術課課長の宮本和徳氏は言います。
こうした環境で育った「おうみ海老」は、臭みがなく、澄んだ味わい。さらに、身が引き締まっていて、噛むほどに海老本来の甘みが広がります。冷凍して出荷されますが、解凍後、生のままでも美味しく食べることができるほど品質が高いことも特徴です。

「今回の視察でも特に楽しみにしていたのが、この『おうみ海老』です」と話すのは、インド料理「ニルヴァーナ ニューヨーク」の料理人、引地翔悟氏。「ひとつのお皿に、このワボウ産業の海老と海ぶどう、アオサが乗る料理を考えて、この工場のストーリーをお客さまに伝えたい」と、語ります。

元イタリアンのシェフで食材バイヤーの山本敦士氏は「小ぶりの海老だけを集めて真空冷凍した商品があれば、飲食店にアヒージョ用に提案できそう」と、宮本氏に相談していました。

【関連記事】滋賀食材フェア/琵琶湖の豊かな水が育む、瑞々しい食材。料理人たちが見た滋賀県の食材の底力。

“天然のろ過装置”、アオサ、海ぶどうを用いて浄化した水で、「おうみ海老」は養殖される。

20gから31gまで、大きさごとに並んだ「おうみ海老」に見入る4人と、宮本氏。

「生でも十分美味しいので、タンドールとして強火で外側をバリッと焼き、中をレアにして提供しても美味しそう」と引地氏。

海老を養殖した後の水は、アオサを栽培しながらろ過していく。

ローカルファインフードフェア滋賀ヤマトタケル終焉の地で育つ伝統野菜・伊吹大根。

お昼休憩を兼ねて向かったのが、米原市大久保の蕎麦屋『久次郎』。岐阜県との県境に近く、姉川源流に位置する、こじんまりとした趣深いお店です。なんといっても、ここは日本百名山の一峰と知られる伊吹山の麓。この山には、日本神話の英雄、ヤマトタケルを死に追いやった強力な山の神様がいるという言い伝えもあります。

『久次郎』の店主、谷口隆一氏は、元米原市の職員をされていた方。在職中は、米原市に伝わる伝統野菜の「伊吹大根」と伊吹在来そばの「伊吹そば」の広報活動に勤しんでいたそう。そのうちに「この素晴らしさを人々に伝えていくには、自分が現場に入り込むしかない」という情熱にかられ、57歳で市役所を早期退職し、『いぶきファーム』を発足。伊吹大根と伊吹そばの栽培のかたわらで、後に『久次郎』をオープンしました。

雪のため畑の見学はかないませんでしたが、谷口氏が用意してくださった大きさ違いの伊吹大根を見物。谷口氏は「冬は、雪の下でさらに甘味が加わり、伊吹大根にとって最高の時期です」と話したうえで「小ぶりのものは水分が少なくて肉質が固く、よく締まっているので煮崩れしにくい。ふろふき大根など煮物に最適です。大きめのものは、香りが強く、小気味いいすっきりとした辛味が最高です。すりおろして蕎麦に添えるのがおすすめ」と紹介します。

「シャープでキレがよく、辛さが口の中に残らず、後味がすっきりしていますね」と興奮気味なのは、和菓子と日本酒のマリアージュを提案する『薫風』のつくださちこさん。「生のまま辛味を生かしてもいいし、火を通して自然に出てくる甘さを砂糖がわりにするのも、どちらも良さそう」と、少しずつアイデアが浮かんできているようです。

イタリアン「KNOCK」の料理人、犬亦真太朗氏は「この土地に伝わる歴史や伝統を感じさせる強い味わいが魅力。辛味を生かした料理をつくりたい」と、メモをとっていました。

つくださんがさらに関心を見せていたのは、谷口氏が販売しているそば茶。在来種の「伊吹そば」のそばの実は、小粒で、香りが強く、さらに旨みや甘みも優れています。煎ってそば茶にすると、香ばしさが増し、実をそのままポリポリと食べても美味しさを感じられます。「バニラアイスにそば茶用のそばの実をまぶして食べると、アイスクリームの食感にアクセントがうまれ、味にメリハリもつくんです」と谷口氏に紹介されると、「和菓子にも使えそう」と、つくださんはうなずいていました。

伊吹大根は、大きさによって煮物や大根おろしなど使い分けると、魅力が増す。

昼食をとりながら谷口氏の解説に耳を傾ける一行。

伊吹そばをぶっかけスタイルで。薬味に伊吹大根が添えられ供される。

伊吹そばの実をまぶしたバニラアイス。

ローカルファインフードフェア滋賀滋賀県の「海」、琵琶湖で冬にだけ獲れる氷魚(ひうお)。

次に訪れたのは、琵琶湖の北岸の大浦漁港にある「西浅井漁業協同組合(漁協)」です。滋賀県といえば、琵琶湖。地元の人はこの琵琶湖を「海」と呼ぶほど、特別な思いを寄せています。さて、冬の琵琶湖には、どんな食材が眠っているのでしょうか。

「本日、皆さんに見てもらいたいのは、鮎の稚魚である氷魚(ひうお)です」と、一行を迎えるのは、漁協の代表理事・礒崎和仁氏。シラスより少し大きめで、つやつや、ぷりっとした見た目が特徴の氷魚は、琵琶湖の冬の風物詩。「琵琶湖の西か北で食べることが多く、生きている時は透明で氷のような美しい見た目をしていることから、氷魚と言われています」と、礒崎氏は教えてくれます。

その隣に添えられているのは、ビワマスの刺身です。ビワマスは、一般的なマスと異なり、海に出ず、一生を淡水域で終える魚。サケ科ではあるものの、その脂はサーモンよりも上品なのが特徴です。漁の最盛期は7月。琵琶湖の水温が下がる1~2月は、脂がのってよりいっそう美味しくなります。
「よく見ると、お皿の手前にあるビワマスの刺身は赤みが強くて、後方に並んでいるのは白っぽいですよね。実は、ビワマスが何を食べて育ったかによって、身の色が変わるのです」と、礒崎氏。捌いて中を見るまではわからないそうですが、エビ類を多く食べたビワマスは身が赤くなり、コアユを多く食べると身が白っぽくなるといいます。「白っぽい方が、より脂がのっています」と、礒崎氏が解説してくれました。

手前の二切れが赤みが強く、後方の三切れは白っぽい。コアユかエビ類、どちらを多く食べたかで身の色が変わる。

冬限定の琵琶湖で獲れる氷魚。

引地氏は、夏にはビワマスをタルタルにして提供したことがあるそう。

礒崎氏の話に真剣に耳を傾ける犬亦氏。

ローカルファインフードフェア滋賀明るく、朗らかに、常に新しいチャレンジを続ける『みなくちファーム』。

1日目の最後に一行が訪れたのが、琵琶湖の北西、高島市にある『みなくちファーム』。就農からわずか8年ながらも、見た目が美しく、みずみずしくてフレッシュな野菜をつくることで定評のある生産者です。農薬や化学肥料を使わずに、持続可能な循環型農業を実践しながら、年間100種以上の野菜を栽培しています。そして、シェフやバイヤーからのニーズに応じて、新しい野菜の栽培にも積極的に取り組んでいくチャレンジ精神の持ち主でもあります。

シェフやバイヤーは、すでに代表の水口 淳氏とも親しく、今回は、冬に旨味を増すしいたけの試食を行いました。「せっかくシェフが集まっているので、プロによる調理で試食しませんか」という水口氏の提案により、引地氏がキッチンに立つことに。「実はお店で使っている野菜用のオリジナルスパイスを持参しました」と、引地氏も乗り気の様子。早速、しいたけを一口大に切り分け、フライパンで手際良く炒めていきます。

和気藹々とした雰囲気で、一同はしいたけをはじめ、『みなくちファーム』の野菜の試食をすすめていきます。山本氏は「いろんな産地の農家さんにも足を運びますが、ここの野菜はトップレベル。水洗いしたら、そのまま丸ごとかじっておいしい。『みなくちファーム』さんのファンの飲食店もたくさんいます」と、太鼓判。菊芋や大根を、パリっ、カリっと頬張ります。

無農薬で育てた原木しいたけ。肉厚で旨味がぎゅっと詰まっている。

しいたけをサッと炒める引地氏。

すべて、みなくちファームで栽培している大根。紅くるり、京むらさき、紅芯大根など。

「雪に埋もれていますが」と言いながら、にんじん畑に案内してくれた水口氏夫婦。

Photographs:JIRO OHTANI
Text:AYANO YOSHIDA

(supported by 滋賀県)

雪深い北部から、快晴の南部へ。料理人が琵琶湖周辺をめぐる、食材探しの旅。[Local Fine Food Fair SHIGA/滋賀県、東京都]

1日目と打って変わって、滋賀の南東部では晴れやかな空が広がっていた。

ローカルファインフードフェア滋賀雪の下、春に向けてすくすくと成長している食材に思いを馳せる。

東京都内で活躍する料理人や和菓子職人が、滋賀県産食材を使った料理をそれぞれの店で提供する期間限定のフードフェア『Local Fine Food Fair SHIGA』。滋賀に分け入り、食材が育つ環境、育てている人を自分の目で見に行くべく、4人のシェフとバイヤーによる生産者巡りもいよいよ2日目です。

2日目は、大雪のなかでの出発となりました。雪化粧をまとった滋賀の山々を眺めながら一行が向かったのは、米原市の『薬草の里文化センター』。雪深くなっているため薬草園を散策することはかないませんでしたが、センターの室内で、四季折々に伊吹山に生えてくる薬草を紹介してもらいました。

「大昔、伊吹山の麓で暮らしていた人々は病院に行ったり、医者に診にきてもらったりすることがままならなかったので、薬草の力で治療していたそうです」という、薬草園の園長・谷口康氏による解説に、和菓子職人のつくださちこさんは興味津々。「昔の人々の暮らしや、日本の歴史は、和菓子を作るうえで欠かせない知識。古来の人々が、伊吹山の麓で薬草をどんなふうに取り入れていたのかとても気になります」と、積極的に質問を繰り返していました。

ツクシ、ドクダミ、フキ、シソ、ナズナ、セリなど多くの薬草が伊吹山には自生しますが、つくださんが特に目を輝かせながら話を聞いていたのが、ヨモギ。草餅を筆頭に、和菓子にもよく用いられる薬草です。春先に芽を出し、腹痛、下痢、腰痛に効果があり、生の葉をすりつぶして体に塗ると、止血効果もあるそう。「伊吹山でとれた薬草で和菓子を作り、昔の人々が医者がわりに重用していた、というストーリーを添えながらお客様に提供できたら、とても楽しそう」と、つくださんは声を弾ませていました。

【関連記事】滋賀食材フェア/琵琶湖の豊かな水が育む、瑞々しい食材。料理人たちが見た滋賀県の食材の底力。

雪化粧の伊吹山。暖かくなってくると、数々の薬草が芽吹き出す。

『薬草の里文化センター』で写真を見ながら薬草の効能を学ぶ4人。

『薬草の里文化センター』の谷口康氏。

伊吹山の麓で暮らす人々の生活と密接に関わる薬草の歴史を、やや興奮気味で学ぶつくださん。

ローカルファインフードフェア滋賀真っ赤な宝石、たわわに実ったいちごをほおばる。

琵琶湖の東へと移動し、一行が到着したのは東近江市の愛東いちごハウス。『aito budo labo』のメンバー・漆崎厚史氏は、初秋はぶどうを、初春にはいちごを出荷しています。冬は寒さのため、いちごの色づきがゆっくり。収穫できるまで時間がかかる分、甘さをため込む時間も長くなり、一粒一粒の味わいが濃厚になっていくのが特徴です。

ここで栽培しているいちごは、オレンジがかった色味が美しい「よつぼし」と、はちみつのような甘さが特徴の「かおりの」、やわらかくてジューシーな「あきひめ」の3種。すでに真っ赤に熟したいちごを試食しつつも、一行にとって新たな発見となったのは、“赤くなる前のグリーンのいちご”にも魅力があるということ。「さくさくしていて、爽やかな味なのでお菓子に使いたい」とつくださんも絶賛。「野菜と同じ感覚で、サラダや天ぷらにしても美味しいかも」と料理人の犬亦真太朗氏や引地翔悟氏も気に入った様子。

実際にはグリーンのいちごは出荷されていませんが、まだ世に出ていない食材を発掘できるのも、視察の意義のひとつ。料理人たちの反応を受け、バイヤーの山本敦士氏が「どのように体制を整えればグリーンのいちごを出荷できますか」と、漆崎氏に相談する場面も。いつか飲食店に向けてグリーンのいちごが流通していく日がくるかもしれません。

『aito budo labo』の漆崎厚史氏、青山彰宏氏、横田紳矢氏の案内のもと、いちごハウスを見学する4人。

赤く熟す手前の、グリーンのいちごの美味しさを知った、バイヤーの山本氏。

ローカルファインフードフェア滋賀地下水が育む、ジューシーなトマト。

朝は大雪のなかでの出発となりましたが、琵琶湖を中心に東へと車を進めていくと、まるで同じ滋賀県とは思えないほどの快晴。目の前に広がる畑や山々にも雪はまったくなく、県内でも気候が違うことに気づきます。滋賀県の多様な地域性を実感する瞬間です。

やがてたどり着いたのが、蒲生郡日野町『FARM KEI』のトマトハウス。社名は、代表の井狩けいこ氏の名前に由来したもの。元は車の販売をしていたという井狩さんは、5年前にトマトの栽培を始めました。

『FARM KEI』のトマトは、小粒で、色彩豊か。味や食感も、種類豊富です。たとえば黄色い「ナポリターナカナリア」は、さくさくとした食感で、柑橘のような爽やかな風味が特徴です。一方、丸くてぷっくりとした形状で、赤く熟れた「プチぽよ」はさくらんぼのようにみずみずしく、ふくよかな甘味が魅力。

一同が特に感動したのは、フレッシュな緑色の「カプリエメラルド」。「緑色のトマトは青臭いイメージだったけれど、カプリエメラルドはほんのちょっとの酸味と甘味のバランスがよくて、緑色のトマトの概念を覆す美味しさ」と、つくださんは話します。

「これだけ見た目が美しく、種類ごとに個性的な味わいをもっているから、あまり手を加えずに素のままの美味しさを伝えたい。ひとつのお皿に何色ものトマトが入るようにして、シンプルなサラダにして提供したら良さそう」と、引地氏。『FARM KEI』のトマトに相当惚れ込んだようです。

「美味しさの秘密は地下水」と、井狩さん。『FARM KEI』のほど近くにある「鈴休(すずやみ)神社」は、江戸時代の参勤交代の際に、水飲み休憩場として使われていたそう。当時は井戸で地下水を汲み上げていて、その美味しさに人々が惚れ込んでいたといいます。どうも、『FARM KEI』はこの地下水の恩恵をうけているそう。「トマトが美味しくなる条件は、すでにこの土地に揃っている。トマトがすくすくと元気に育つ環境をつくることが、私の仕事なんです」と、井狩さんは言います。

『FARM KEI』では約10種類のジュエリートマトを栽培している。

『FARM KEI』代表の井狩けいこ氏。

トマトハウスでほんのり黒みを帯びた見た目で、りんごのような食感と甘味が特徴の「ブラッディタイガー」を見る犬亦氏。

『FARM KEI』では、10月から翌6月にかけてトマトを出荷する。

ローカルファインフードフェア滋賀質実剛健がウリの忍葱の畑を見学。

2日にわたる視察の旅も、いよいよ終盤。最後の目的地は、甲賀市の忍葱(しのぶねぎ)畑です。

「忍葱」という名前は、甲賀市が甲賀忍者の里であることにちなんだもの。12月初旬から3月中旬に収穫されるねぎは、甲賀市の冬の特産品としても知られています。
甲賀市は風が強く吹く寒冷な地域でありながら雪があまり降らないため、栽培に長い時間をかけてもねぎが傷みません。こうした気候的条件を利用し、一般的な白ねぎよりも1.5倍の太さになるまでじっくりと育てていきます。

こうしてできあがった忍葱は、長くて太く、ぎゅっと身が詰まっていて味が濃厚なことが特徴です。火を通せばとろりと甘みが出てきて、やさしい味わいになり、焼いたり、鍋に入れたりするのに向いています。

JAこうかの上田健司氏の案内のもと、一同は畑を見学。「もともと忍葱の大ファンで、愛用しています」と笑顔を見せるのは、犬亦氏。
「この太さをお客様にも伝えたくて、なるべく形を残したまま、焼いたり、コンフィにしただけで提供しています」と、愛用してきた食材が育つ現場を目の当たりにできて、嬉しそうにしていました。

上田氏とともにねぎ畑を見学。

朝見ていた雪景色とは打って変わって、穏やかな夕暮れとともに視察の旅を終えた。

ローカルファインフードフェア滋賀2日間で見えてきた滋賀県の生産者と食材に宿る奥深きストーリー。

2日間を通して、出会ってきた滋賀の生産者と食材。「東京で暮らしていると、全国各地の美味しい食材を手に入れることができる。ただ単に美味しいから、という理由でその食材を使うのではなくて、僕たちは、その一歩先に行きたい。つまり、育った土地や生産者のストーリーもお客様に伝えたいのです。だから、この旅に参加しました」とは、犬亦氏。隣で話を聞くつくださんと引地氏も、大きくうなずきます。食材の素晴らしさとともに、生産者たちの思いは、今回の視察に参加した4人の胸に確実に刻まれたことでしょう。

今回の視察で巡った生産者たちの食材を使った料理は、2022年2月14日(月)~3月25日(金)に開催される『Local Fine Food Fair SHIGA』で味わうことができます。ぜひ、料理の美味しさを堪能しつつ、シェフたちから生産者の熱き思いを聞いてみてください。

Photographs:JIRO OHTANI
Text:AYANO YOSHIDA

(supported by 滋賀県)

雪深い北部から、快晴の南部へ。料理人が琵琶湖周辺をめぐる、食材探しの旅。[Local Fine Food Fair SHIGA/滋賀県、東京都]

1日目と打って変わって、滋賀の南東部では晴れやかな空が広がっていた。

ローカルファインフードフェア滋賀雪の下、春に向けてすくすくと成長している食材に思いを馳せる。

東京都内で活躍する料理人や和菓子職人が、滋賀県産食材を使った料理をそれぞれの店で提供する期間限定のフードフェア『Local Fine Food Fair SHIGA』。滋賀に分け入り、食材が育つ環境、育てている人を自分の目で見に行くべく、4人のシェフとバイヤーによる生産者巡りもいよいよ2日目です。

2日目は、大雪のなかでの出発となりました。雪化粧をまとった滋賀の山々を眺めながら一行が向かったのは、米原市の『薬草の里文化センター』。雪深くなっているため薬草園を散策することはかないませんでしたが、センターの室内で、四季折々に伊吹山に生えてくる薬草を紹介してもらいました。

「大昔、伊吹山の麓で暮らしていた人々は病院に行ったり、医者に診にきてもらったりすることがままならなかったので、薬草の力で治療していたそうです」という、薬草園の園長・谷口康氏による解説に、和菓子職人のつくださちこさんは興味津々。「昔の人々の暮らしや、日本の歴史は、和菓子を作るうえで欠かせない知識。古来の人々が、伊吹山の麓で薬草をどんなふうに取り入れていたのかとても気になります」と、積極的に質問を繰り返していました。

ツクシ、ドクダミ、フキ、シソ、ナズナ、セリなど多くの薬草が伊吹山には自生しますが、つくださんが特に目を輝かせながら話を聞いていたのが、ヨモギ。草餅を筆頭に、和菓子にもよく用いられる薬草です。春先に芽を出し、腹痛、下痢、腰痛に効果があり、生の葉をすりつぶして体に塗ると、止血効果もあるそう。「伊吹山でとれた薬草で和菓子を作り、昔の人々が医者がわりに重用していた、というストーリーを添えながらお客様に提供できたら、とても楽しそう」と、つくださんは声を弾ませていました。

【関連記事】滋賀食材フェア/琵琶湖の豊かな水が育む、瑞々しい食材。料理人たちが見た滋賀県の食材の底力。

雪化粧の伊吹山。暖かくなってくると、数々の薬草が芽吹き出す。

『薬草の里文化センター』で写真を見ながら薬草の効能を学ぶ4人。

『薬草の里文化センター』の谷口康氏。

伊吹山の麓で暮らす人々の生活と密接に関わる薬草の歴史を、やや興奮気味で学ぶつくださん。

ローカルファインフードフェア滋賀真っ赤な宝石、たわわに実ったいちごをほおばる。

琵琶湖の東へと移動し、一行が到着したのは東近江市の愛東いちごハウス。『aito budo labo』のメンバー・漆崎厚史氏は、初秋はぶどうを、初春にはいちごを出荷しています。冬は寒さのため、いちごの色づきがゆっくり。収穫できるまで時間がかかる分、甘さをため込む時間も長くなり、一粒一粒の味わいが濃厚になっていくのが特徴です。

ここで栽培しているいちごは、オレンジがかった色味が美しい「よつぼし」と、はちみつのような甘さが特徴の「かおりの」、やわらかくてジューシーな「あきひめ」の3種。すでに真っ赤に熟したいちごを試食しつつも、一行にとって新たな発見となったのは、“赤くなる前のグリーンのいちご”にも魅力があるということ。「さくさくしていて、爽やかな味なのでお菓子に使いたい」とつくださんも絶賛。「野菜と同じ感覚で、サラダや天ぷらにしても美味しいかも」と料理人の犬亦真太朗氏や引地翔悟氏も気に入った様子。

実際にはグリーンのいちごは出荷されていませんが、まだ世に出ていない食材を発掘できるのも、視察の意義のひとつ。料理人たちの反応を受け、バイヤーの山本敦士氏が「どのように体制を整えればグリーンのいちごを出荷できますか」と、漆崎氏に相談する場面も。いつか飲食店に向けてグリーンのいちごが流通していく日がくるかもしれません。

『aito budo labo』の漆崎厚史氏、青山彰宏氏、横田紳矢氏の案内のもと、いちごハウスを見学する4人。

赤く熟す手前の、グリーンのいちごの美味しさを知った、バイヤーの山本氏。

ローカルファインフードフェア滋賀地下水が育む、ジューシーなトマト。

朝は大雪のなかでの出発となりましたが、琵琶湖を中心に東へと車を進めていくと、まるで同じ滋賀県とは思えないほどの快晴。目の前に広がる畑や山々にも雪はまったくなく、県内でも気候が違うことに気づきます。滋賀県の多様な地域性を実感する瞬間です。

やがてたどり着いたのが、蒲生郡日野町『FARM KEI』のトマトハウス。社名は、代表の井狩けいこ氏の名前に由来したもの。元は車の販売をしていたという井狩さんは、5年前にトマトの栽培を始めました。

『FARM KEI』のトマトは、小粒で、色彩豊か。味や食感も、種類豊富です。たとえば黄色い「ナポリターナカナリア」は、さくさくとした食感で、柑橘のような爽やかな風味が特徴です。一方、丸くてぷっくりとした形状で、赤く熟れた「プチぽよ」はさくらんぼのようにみずみずしく、ふくよかな甘味が魅力。

一同が特に感動したのは、フレッシュな緑色の「カプリエメラルド」。「緑色のトマトは青臭いイメージだったけれど、カプリエメラルドはほんのちょっとの酸味と甘味のバランスがよくて、緑色のトマトの概念を覆す美味しさ」と、つくださんは話します。

「これだけ見た目が美しく、種類ごとに個性的な味わいをもっているから、あまり手を加えずに素のままの美味しさを伝えたい。ひとつのお皿に何色ものトマトが入るようにして、シンプルなサラダにして提供したら良さそう」と、引地氏。『FARM KEI』のトマトに相当惚れ込んだようです。

「美味しさの秘密は地下水」と、井狩さん。『FARM KEI』のほど近くにある「鈴休(すずやみ)神社」は、江戸時代の参勤交代の際に、水飲み休憩場として使われていたそう。当時は井戸で地下水を汲み上げていて、その美味しさに人々が惚れ込んでいたといいます。どうも、『FARM KEI』はこの地下水の恩恵をうけているそう。「トマトが美味しくなる条件は、すでにこの土地に揃っている。トマトがすくすくと元気に育つ環境をつくることが、私の仕事なんです」と、井狩さんは言います。

『FARM KEI』では約10種類のジュエリートマトを栽培している。

『FARM KEI』代表の井狩けいこ氏。

トマトハウスでほんのり黒みを帯びた見た目で、りんごのような食感と甘味が特徴の「ブラッディタイガー」を見る犬亦氏。

『FARM KEI』では、10月から翌6月にかけてトマトを出荷する。

ローカルファインフードフェア滋賀質実剛健がウリの忍葱の畑を見学。

2日にわたる視察の旅も、いよいよ終盤。最後の目的地は、甲賀市の忍葱(しのぶねぎ)畑です。

「忍葱」という名前は、甲賀市が甲賀忍者の里であることにちなんだもの。12月初旬から3月中旬に収穫されるねぎは、甲賀市の冬の特産品としても知られています。
甲賀市は風が強く吹く寒冷な地域でありながら雪があまり降らないため、栽培に長い時間をかけてもねぎが傷みません。こうした気候的条件を利用し、一般的な白ねぎよりも1.5倍の太さになるまでじっくりと育てていきます。

こうしてできあがった忍葱は、長くて太く、ぎゅっと身が詰まっていて味が濃厚なことが特徴です。火を通せばとろりと甘みが出てきて、やさしい味わいになり、焼いたり、鍋に入れたりするのに向いています。

JAこうかの上田健司氏の案内のもと、一同は畑を見学。「もともと忍葱の大ファンで、愛用しています」と笑顔を見せるのは、犬亦氏。
「この太さをお客様にも伝えたくて、なるべく形を残したまま、焼いたり、コンフィにしただけで提供しています」と、愛用してきた食材が育つ現場を目の当たりにできて、嬉しそうにしていました。

上田氏とともにねぎ畑を見学。

朝見ていた雪景色とは打って変わって、穏やかな夕暮れとともに視察の旅を終えた。

ローカルファインフードフェア滋賀2日間で見えてきた滋賀県の生産者と食材に宿る奥深きストーリー。

2日間を通して、出会ってきた滋賀の生産者と食材。「東京で暮らしていると、全国各地の美味しい食材を手に入れることができる。ただ単に美味しいから、という理由でその食材を使うのではなくて、僕たちは、その一歩先に行きたい。つまり、育った土地や生産者のストーリーもお客様に伝えたいのです。だから、この旅に参加しました」とは、犬亦氏。隣で話を聞くつくださんと引地氏も、大きくうなずきます。食材の素晴らしさとともに、生産者たちの思いは、今回の視察に参加した4人の胸に確実に刻まれたことでしょう。

今回の視察で巡った生産者たちの食材を使った料理は、2022年2月14日(月)~3月25日(金)に開催される『Local Fine Food Fair SHIGA』で味わうことができます。ぜひ、料理の美味しさを堪能しつつ、シェフたちから生産者の熱き思いを聞いてみてください。

Photographs:JIRO OHTANI
Text:AYANO YOSHIDA

(supported by 滋賀県)

酵母とツナ。造り手の情熱が生んだ、「想い」のペアリング。[和光アネックス/東京都中央区]

「甘い日本酒には、ピリリと辛い島唐辛子のツナがよく合います」とおすすめするのは、今回のペアリングを提案してくれる『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さん。

WAKO ANNEX味だけではない。合わせることによって感じたいのは、背景の物語。

日本酒をワイングラスでいただく。近年、ポピュラーになっている飲み方ですが、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」という大会の存在を知る人はまだ少ないはず。2021年、プレミアム純米部門でその金賞に輝いたのが、今回ご紹介する神奈川県『中沢酒造』の『松みどり S.tokyo』です。

まず、特筆すべきはその酵母。1909年に発見されるも日本酒造りに一切使われなかった幻の酵母こそ、酒名にもある「松みどり」。

「現代主流の酵母では表現できない味にこだわりました」とは、「松みどり」の復活を果たした『中沢酒造』11代目・鍵和田 亮氏の言葉。

明治時代からやってきた酵母は、ほんのりとした甘味と爽やかな酸味が特徴。アルコールも14〜15%の原種のため、味わい深さを残しつつ、滑らかな喉越しは、よく冷やしてぜひ。杯はもちろん、ワイングラスで。

それに合わせるのは、東京都世田谷『JIN』の『おつな』。店主の関根 仁氏は、世田谷区池尻で10年間小料理屋『仁』を営むも、どうしても多くの人に本当においしい「マグロのオイル漬け」を食べて欲しいという情熱が止められず、2017年、「おつな」作りに専念し、現在に至ります。

ツナ缶発祥の地としても知られる静岡県焼津で作るそれは、美しく透き通ったオイルに純白のツナが特徴。素材のビンチョウマグロ、海洋深層水仕込みなど、こだわった製法は、全て手作り。食べた瞬間、しっとりしたオイルと柔らかな身が自然の旨味を口いっぱいに広げます。

10種以上ある味の中でも、今回の食べ合わせ提案をしてくれた『GEM by moto』の店主・千葉麻里絵さん選んだのは、島唐辛子。

「甘い日本酒に合わせるツナの塩味。青唐辛子の香りとお酒の甘味がマッチし、余白としての青唐辛子が引き立ちます。スパイシー感が気持ち良く、どんどんお酒が進みます」と千葉さん。

甘味と辛味。対局の味わいを合わせることによってひとつに。ぜひ、お楽しみください。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

『松みどり S.tokyo』の「S」は、使用している酵母「Saccharomyces tokyo NAKAZAWA(サッカロマイセス・トーキョー・ナカザワ)」という清酒酵母の意味。この清酒酵母は1909年に農学博士の中沢亮治先生によって発見され、現存する清酒酵母の中で2番目に古いものと言われている。

『JIN』の『おつな』(右)を営む関根 仁氏は福島県出身。人気店にまで上り詰めた小料理屋『仁』を営むも、2017年、ツナへの愛が止まらず「おつな」作りに専念。今なお、探究心が止まらない。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

岩手県出身。保険会社のSEから日本酒に魅了されたことで飲食業界に転身。新宿の『日本酒スタンド酛(もと)』に入社後、利酒師の資格を取得。日本全国の酒蔵を訪ね、酒類総合研究所の研修などにも参加し、2015年に『GEM by moto』をオープン。化学的知見から一人ひとりに合わせた日本酒を提供する。口内調味やペアリングというキーワードで新しい日本酒体験を作り、日本のみならず海外のファンを魅了し続けるかたわら、様々なジャンルの料理人や専門家ともコラボレーションし、新しい日本酒のスタイルを日々模索する。2019年には日本酒や日本の食文化を世界に発信する「第14代酒サムライ」に叙任。。主な作品は、『日本酒に恋して』(主婦と生活社)、『最先端の日本酒ペアリング』(旭屋出版)など。出演作は、映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』(配給:シンカ)。https://www.marie-lab.com/

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8  MAP
TEL:03-5250-3101
www.wako.co.jp

Photographs:KOH AKAZAWA
Text:YUICHI KURAMOCHI​​​​​​
(Supprtted by WAKO)

10.6ozヘリンボーンカーゴ

商品詳細

     
  • 生地の硬さと丈夫さが特徴のヘリンボーン織りの素材を使った1本
  •  
  • 硫化染料を使った染色なので、履いていくうちの色落ちを楽しめます

サイズスペック

  ウエスト 前ぐり 後ぐり ワタリ ヒザ巾 裾巾 股下
W28 72.0 24.0 34.0 31.2 22.5 19.5 88.0
W29 74.5 24.5 34.5 32.0 23.0 20.0 88.0
W30 77.0 25.0 35.0 32.8 23.5 20.5 88.0
W31 79.5 25.5 35.5 33.6 24.0 21.0 88.0
W32 82.0 26.0 36.0 34.4 24.5 21.5 88.0
W33 84.5 26.5 36.5 35.2 25.0 22.0 88.0
W34 87.0 27.0 37.0 36.0 25.5 22.5 88.0
W36 92.0 28.0 38.0 37.6 26.5 23.5 88.0
W38 97.0 28.5 38.5 38.4 26.5 23.5 88.0
W40 102.0 29.0 39.0 39.2 27.0 24.0 88.0

素材

     
  • 綿:100%

生産国

     
  • 日本

食事の後に、湯の後に。漆の止まり木へ。[BYAKU -Narai-/長野県塩尻市]

県産を中心とした酒類とともに楽しめるのは、不定期に変わるおつまみの料理。レストラン同様、『嵓 kura』の料理長・友森隆司シェフが土地に根付いたメニューを考案。

構造や扉などはそのままに、元々、味噌蔵だった場所を改装。メインのカウンターには、木曽の文化でもある漆を採用。壁面には、『杉の森酒造』の備品を配し、当時の面影を残す。奈良井宿の店舗で買い付けた品々も並ぶ。

BYAKU -Narai-この時間がたまらなく良い。奈良井宿の夜は、バーで完結する。

『BYAKU -Narai-』には、レストラン『嵓 kura』、温浴施設『山泉』以外にも、実はバーが併設しています。

なぜ「実は」と表現したかの理由は、開業が同時ではなかったため。

酒処『TASTING BAR suginomori』は、2021年12月に開業を迎えました。

その空間は、『杉の森酒造』であった当時、味噌蔵だった場所。ゆえに規模は小さいが、逆に秘密の隠れ家のような空気が漂います。

デザインにおいては、メインとなるカウンターには漆を施し、壁面には当時の面影を残す備品や役割を終えた酒道具、そして、奈良井宿の文化を感じる品々をディスプレイ。そんな時空を超えた邂逅体験は、このバーだからこそ楽しめる醍醐味でもあります。

メニューにおいては、県産の酒類を中心に、日本酒、焼酎、ワインなどを数多く揃え、料理は、『kura』の料理長・友森隆司シェフが腕を振るいます。

「ここでは、おつまみを中心にお酒と一緒にお楽しみいただければと思っております。定番の品から珍味まで。ちょっとひと手間を加えてお出ししたいと思います」。

不定期で変わる料理は、約5種。この日は、「季節のドライフルーツ」、「蜂の子とスパイシーマカロン」、「信州鹿ジャーキー」、「サルナシとブルーチーズのタルト」、「雷鳥の里と甘酒味噌」。「雷鳥の里と甘酒味噌」。郷土を加味しながらアレンジされた個性豊かな品々です。

食事の後に、湯の後に。そのまま客室へ直行し、ゆっくりと寛ぐも良しではありますが、『BYAKU -Narai-』の夜は、『TASTING BAR suginomori』で完結すると言っても過言ではありません。

目印は、宿泊棟と『嵓 kura』を結ぶ細い通りに灯る小さなサイン。ほんの少しだけ、奈良井宿の夜が更ける余韻をぜひ。

その心地良さに、きっと、あともう一杯と手が伸びるはずです。

「季節のドライフルーツ」は、春から秋にかけて『嵓 kura』周辺で果実や山菜などを採取し、時間をかけて低温で乾燥させて作る。単体ではなく、いちじくや葡萄など、ふたつの味を組み合わせ、味や香りを重層的に表現するのが特徴。

今も地元では食材として珍重されている地蜂の子を佃煮にし、マスカルポーネチーズと合わせた「蜂の子とスパイシーマカロン」。蜂の子と相性の良いシナモンやオールスパイスを混ぜ込んだマカロンは、香りと食感を楽しむ一品に仕上げる。

南木曽に拠点を構えるベテラン猟師が仕留め、新鮮なうちに処理を施した良質な鹿肉を薄切り にした「信州鹿ジャーキー」。自家製の醤油麹でマリネした後に乾燥させたジャーキーは、パリっとした食感と噛むほどに出る旨味が日本酒やワインと絶妙に合う。

「サルナシとブルーチーズのタルト」のサルナシは、皮ごとシロップにつけ、一口サイズのタルトに仕立てに。サルナシは、木曽周辺で栽培され、山にも自生する木の実。昔より奈良井宿でも季節ごと食されていた伝統的な食材でもある。それにブルーチーズを使ったムースと合わせ、ワインやハードリカーとのペアリングがおすすめ。

木曽福島宿にて昔ながらの味噌玉味噌を作る『小池麹店』の味噌と甘酒のソースに信州の有名なお菓子『雷鳥の里』をディップしていただく「雷鳥の里と甘酒味噌」。ソースには、近隣の山に自生する胡桃と合わせ、更に旨味をプラス。全てが口内で混ざり合えば、パイナップルのようなフレーバーが生まれ、日本酒との相性も抜群に。

空間の壁面には、当時の『杉の森酒造』の看板や奈良井宿に連なる店で購入可能な品なども並ぶ。気に入ったものがあれば、チェックアウト後に宿場を散策し、店へ足を運ぶのも楽しい。

2021年12月にオープンした『TASTING BAR suginomori』。場所は、宿泊棟から『kura』へ向かう右側の建物。Photograph:ROCOCOPRODUCE INC.

住所:長野県塩尻市奈良井551 MAP
電話:0264-34-3001
受付時間 : 20:00〜23:00
※バーのご利用は、宿泊者に限ります

住所:長野県塩尻市奈良井551 MAP
電話:0264-34-0001
受付時間 : 10:00〜17:00
https://byaku.site

Photographs:SHINJO ARAI
Text:YUICHI KURAMOCHI

酷寒の奈良井宿。枯と貧の先にある豊かさ。[BYAKU -Narai-/長野県塩尻市]

飛騨に語り継がれる魔物、両面宿儺からその名を得る塩尻産「宿儺カボチャ」は、サボテンのように長い形状が特徴。今回は、カボチャを主役に信州ぎたろう軍鶏と合わせ、「おやき」に。アクセントには、木曽の開田高原で作られたカマンベールを採用。

BYAKU -Narai-循環の味。冬の真実は、終わりを遂げた秋の名残なくしては生まれない。

冬の奈良井宿は、酷寒です。歴史を振り返ってみても、食材は貧しく、ゆえに保存食や発酵が生まれた地域でもあります。

しかしながら、そんな過酷な環境の中にも豊かさを育んだ先人たちの知恵があります。

冬の料理は、そんな学びから始まりました。

「奈良井宿はもちろん、長野県全体も含め、冬は食べるものを得るのに最も厳しい季節だったと言われています。海もなく、気温はマイナス。山間においては吹雪も日常茶飯事。作物も育ちづらい。一見、貧しいと思うかもしれませんが、先人たちは、そんな中においても豊かさを生み出してきたのだと想像しました」。

そう話すのは、『嵓 kura』の料理長・友森隆司シェフです。

現代においては、昔とは異なり、手に入る食材も多くなりました。しかし、「それに甘えては、本当の奈良井宿の冬の料理は表現できない」と言葉を続けます。

『嵓 kura』が表現したい冬の料理は、過去の追体験も含んだ料理なのかもしれません。

例えば、最初に供される「清香」。「すり流し」のそれは、シンプルな椀の中に淡い紫が美しく色付きます。

「奈良井宿の冬は、ご存知の通り漬物文化。中でも赤カブは、食材において、唯一、発色が美しい。きっと、粗食の漬物においても見た目の華やかさを楽しんでいたのだと思います。そういった気持ちの部分や色素を取り出す技術などを活かしました」。

続く「暮らし」と題した「おやき」においても哲学を持つ。

「塩尻産の宿儺カボチャと信州ぎたろう軍鶏を合わせたおやきです。宿儺カボチャは、通常の味と比べ味が濃く、ネットリというよりもホクホクした食感。それを甘酒と軍鶏の出汁で炊き、木曽の開田高原で作られたカマンベールをアクセントにしています」。

甘酒においては、酒造りが根付くこの地域ならでは。カマンベールを取り入れたことも、冬ならではの発酵文化を含むため。また、プレゼンテーションにおいても自然への敬意が演出されています。

「料理の下には紅葉を敷いています。実は『嵓 kura』周辺の雪に埋まった枯葉を掘り起こしたものです。冬には冬の素材と向き合うのはもちろんなのですが、こうして終わりを遂げた秋の名残は冬の影に潜んでいます。それが朽ちて土に還り、また次の季節の命を宿す。そういった季節の循環においても大切に向き合っていきたいと思っています」。

『嵓 kura』がスタートし、初めての冬を迎える料理長・友森隆司シェフ。日々、土地や食材、生産者と向き合うことによって、学びながら料理を作り続ける。

使用するのは、塩尻産「飛騨赤カブ」。飛騨と木曽は、昔から文化がつながり、食材や工芸など、行き来しているものが多い。まず、皮だけを煮出し、色素を抽出。最後に白い実と合わせ、「すり流し」に。また、本来のすり流しは、出汁で作るが、今回は動物性の牛乳や生クリームなども取り入れ、胃に入れた時に温かくなるように調理。

BYAKU -Narai-

過剰な演出は一切ない。冬の奈良井宿を正直に表現する。

前述の料理より続く冬のコースは、「水明」。食材は、秋メニュー同様、塩尻『田川浦養魚場』のシナノユキマスです。今回は、冬の時期だけ美味しい「薄造り」に仕上げます。

「冬のシナノユキマスは、一番脂が乗っていている時期。歯ごたえもあるため、薄造りが最適だと思います」と友森シェフ。

その薄造りの味に締まりを与えるのは、『嵓 kura』の監修を担う『傳』長谷川在祐シェフ直伝のポン酢。高級・希少な素材を一切使わず、醤油、カツオ、昆布、橙酢を独自の配合と時間をかけて丁寧に作ります。

「良いポン酢を仕入れることもできますが、当たり前の材料を自分たちの技術で美味しくするという考え方は、奈良井宿で食を表現する我々にとって大事なことだと思っています」。

そして、「伝承」と題した鯉の揚げ物。

「昔、この地域ではハレの日にいただく料理が鯉でした。昨今、そんな文化は失われつつありますが、『嵓 kura』では大事にしたいと考えています。骨斬りを行い、食べやすく手を入れ、仕込みに時間をかけ、泥臭さも一切ありません。その鯉を南木曽で採れた南木曽蓮根と塩尻の春菊ではさみ揚げにしています。添え物には、県産の金柑のコンポートと菊の花。そして、クタクタに煮た白菜を少し。ほっこり体を温めていただければと思います」。

料理に敷いた朴葉は、「おやき」の紅葉同様、『嵓 kura』周辺から採取したもの。

「雪を見立てることはできますが、それだけが奈良井宿ではない」と友森シェフ。

始まる季節に注ぐ愛もあれば、終わりを遂げた季節に注ぐ愛もある。それが『嵓 kura』流の季節の解釈であり、『嵓 kura』流の情緒。

「里山」のサラダは、通年、定番として出している料理ですが、今回こだわったのは、温度です。

「旬の食材を起用するのはもちろんですが、冬のため、体を冷やさず、ひとつ一つ手を加えています。例えば、里芋には甘く味を入れ、煮た後にじっくり揚げています。ニンジンはバターでグラッセにして熱々の状態にします」。

サラダのようでサラダではない。みなぎる大地の力、それぞれの野菜が適材に生かされた料理こそ、「里山」なのです。

お肉料理は、「嵓シシ」が登場。

「この時期は、何と言ってもジビエ。寒さに備えた冬のイノシシの肉質は、肉3脂7。とても濃いコクが特徴です。とはいえ、県産の野菜と合わさることによって、このお肉が生きるのだと思っています。木曽の『小池麹店』の味噌で仕立て、胃を温めていただければと思います」。

椀の中の関係は自然の中の関係と同様。大地の恵みがあり、シシは生かされ、活かされるのです。

当時は、この寒い冬をどうにか乗り越えるために体を芯から温め、火や囲炉裏を囲んで食べていたに違いありません。そして、命をいただく感謝も同時に得ていたと想像します。そんな滋味深い料理の享受は、現代に生きる我々に何かを訴えているようにも見えます。そんな問いかけすら感じるひと品です。

料理のシメは、「饗」と題した土鍋ごはん。

「土鍋ごはんと言えば『傳』。『傳』と言えば土鍋ごはん。直伝の逸品を、冬の『嵓 kura』では銘選木曽牛のサーロインを採用しています。お肉の下には、牛と同じ環境で育った雑穀米を使用し、白米よりも油切れを良くしています。雑穀の香ばしさ、素朴さが柔らかい肉質と相性が良く、ぜひおかわりもお楽しみください」。

最後は、「Mizu-Gashi」。

「冬の長野は、りんご。ですが、ここにおいても“冷たい”果物ではなく、“温かい”デザートをお出ししたいと考え、タルト・タタンに。それをキャラメルでコーティングして、熱を逃がさず美味しくいただけるようにしています。実は、もう少し酸味の多いりんごを使用したかったのですが、今季(2021年〜2022年)は、悪天候が続き、不作になってしまい。農家さんも大変苦しい状況です。ただ、そんな件も含め、これが“リアル”な地元の味。むしろ、我々、料理人の技術を活かす時だと考えます。地元農家さんが育てたものを美味しく仕上げたい。地元のものだからこそ、『嵓 kura』のお客さまに味わっていただきたい。良い時も悪い時も地元と向き合い続けることこそ、奈良井宿の味、『嵓 kura』の味になると思っています」。

シナノユキマスの薄造り「水明」。『傳』直伝のポン酢と共に。「冬のシナノユキマスは歯ごたえもあり、脂の乗っているため、薄造りが一番美味しいのですが、劣化が早くその日獲れた魚はその日しか持ちません。鮮度が命な料理です」。

「伝承」と題した千曲で育った鯉の料理は、南木曽蓮根と塩尻産の春菊ではさみ揚げに。県産の金柑と菊の花、クタクタに煮た白菜を添えて。「実は、長野県で蓮根を栽培している人はほぼいないく、希少な農家さんです。粘り気も強く、味がしっかりしており質が高い」。脇役も主役の力を持つのが『嵓 kura』の料理。

季節によって旬の県産野菜をいただく「里山」のサラダ。種類も豊富なそれは、その名の通り、ひとつの山が成す循環のよう。生、煮る、焼く、炒める、揚げる……。それぞれに適した調理を施し、それを皿の上で合わせる。

「嵓シシ」と題したひと品。脂の乗った冬場のイノシシに、県産のごぼう、しいたけ、松本一本ネギを具材に加え、木曽の『小池麹店』の味噌で仕立てた料理。

銘選木曽牛のサーロインを使用した土鍋ごはん「饗」。お肉の下には牛と同じ環境で育った雑穀米を使用。仕上げには、お肉を炙り、ごはんと和え、ゲストに提供する。ほどよく絡んだ油と土鍋で炊いたおこげ、雑穀の食感がお肉と絶妙に混ざり合い、食欲を掻き立てる。

デザート「Mizu-Gashi」は、伊那のりんご、サンフジを使用したタルト・タタン。それをキャラメルでコーティングすることによって温かさを維持。同じくキャラメルのアイスを添えて。某企業を彷彿とさせるりんごのデコレーションは、「デンタッキー」よろしく、長谷川イズムか!?

BYAKU -Narai-

食材の履歴書を理解し、奈良井宿に生きる料理人になるために。

「毎日、産地に行ける。その日の状態を見ることができる。育った環境を知ることができる。日々の作業のため、一番大変なことですが、奈良井宿だからこそできる喜び。キッチンで料理をすることよりも大切なことだと思っています」。

友森シェフは、日々、生産者のもとへ足を運び、このような作業を繰り返しています。これは、良い食材を仕入れるだけでなく、生産者との関係を強固にすることにもつながります。

地元のものを地元で食べることの意味と意義。『嵓 kura』の料理は、「レストラン」でありながら、「暮らし」の味を感じます。

美味しい料理であれば、世界中に存在しますが、奈良井宿の料理とは何か? 奈良井宿で食べる価値は何か? 全てに理由はあります。その解の物語が、料理に深みを与え、強い骨格を作り上げるのです。

食材や調理法など、料理に採用するコトとモノをひとつ一つ分解し、理由のある料理を表現する。『嵓 kura』が目指す料理はそれです。

「なぜ?に対する問いに必ず答えのある料理にする。なぜ奈良井宿? なぜ『嵓 kura』? なぜこの食材? なぜこの調理法? 答えのある料理を作りたい。いや、作らなければいけない。これは、長谷川シェフが最も大事にされていることでもあります。自分は、料理長として、その全ての問いを紐解き、答えを導き出すことが責務。この土地に生きる料理人として料理を作り続けます」。

住所:長野県塩尻市奈良井551 MAP
電話:0264-34-3001
営業時間:朝食7:30〜9:30/ランチ12:00〜14:30/ディナー17:30〜22:30
※ランチを除くレストランのご利用は、宿泊者に限ります。

住所:長野県塩尻市奈良井551 MAP
電話:0264-34-0001
受付時間 : 10:00〜17:00
https://byaku.site

Photographs:SHINJO ARAI
Text:YUICHI KURAMOCHI

3種の合わせ技。そのひと手間が味の想像を超え、独自の世界を創造する。[和光アネックス/東京都中央区]

長野県『若丸』の『馬節(さくらぶし)』を口に含みながら、鹿児島県『大和桜酒造』の『new classic imo shochu』を流し込めば、甘さ、辛さ、塩味、そして芋の香りが絶妙に調和する。更に、長野県『八幡屋礒五郎』の『山椒七味』を合わせることによって馬節に刺激を加え、より食欲を掻き立てる。

WAKO ANNEXそのピリリとした刺激が、さらに一口一飲みをそそる、美味しい無限ループ。

焼酎、馬節、山椒七味。3品の合わせを推奨するのは、第14代酒サムライであり、自身のお店『GEM by moto』を営む日本酒ソムリエの千葉麻里絵さんです。

まず焼酎は、鹿児島県『大和桜酒造』の新商品『new classic imo shochu』。

まだ若い原酒と8年古酒のブレンドという造られたそれは、まさに「new classic」。違うタイプの原酒をブレンドすることにより、更なる勢いと落ち着きが生まれ、とてもバランス良く仕上げられています。

それに合わせるのは、長野県『若丸』の『馬節(さくらぶし)』。馬節とは、馬肉ジャーキーです。信州の名産である馬肉を厚切りに、秘伝のタレに漬け込んで乾燥。常温保存が可能なため、地元では保存食としても重宝されています。

甘辛くしっかりと味付けのされた濃い味は、それだけでも『new classic imo shochu』に合いますが、さらにそれを引き立てる名脇役に千葉さんがチョイスしたのは、同じく長野県『八幡屋礒五郎』の『山椒七味』。

山椒香る爽やかなスパイスは、馬節の味わいをより引き立て、喉が焼酎を欲する関係にピタリと合わせます。

「馬肉ジャーキーの旨味がギュッと凝縮した、甘くやわらかい食感のジャーキー。芋焼酎のさつまいものふわりと優しい香りが、ジャーキーと合わせるとさらに広がります。山椒七味を付けることでさらに旨味がアップ!」と千葉さん 。

飲み物と食べ物を合わせることをペアリングだと思いがちですが、食べ物に調味料も立派なペアリング。この3品の邂逅は、合わせ技の妙が成した好例です。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

2012年製の8年古酒を若めの原酒とブレンドした『大和桜酒造』の新商品『new classic imo shochu』。

馬肉一筋の専門店『若丸』の『馬節(さくらぶし)』。都内初展開。

七味唐辛子専門メーカー『八幡屋礒五郎』の『山椒七味』。都内初展開。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

岩手県出身。保険会社のSEから日本酒に魅了されたことで飲食業界に転身。新宿の『日本酒スタンド酛(もと)』に入社後、利酒師の資格を取得。日本全国の酒蔵を訪ね、酒類総合研究所の研修などにも参加し、2015年に『GEM by moto』をオープン。化学的知見から一人ひとりに合わせた日本酒を提供する。口内調味やペアリングというキーワードで新しい日本酒体験を作り、日本のみならず海外のファンを魅了し続けるかたわら、様々なジャンルの料理人や専門家ともコラボレーションし、新しい日本酒のスタイルを日々模索する。2019年には日本酒や日本の食文化を世界に発信する「第14代酒サムライ」に叙任。。主な作品は、『日本酒に恋して』(主婦と生活社)、『最先端の日本酒ペアリング』(旭屋出版)など。出演作は、映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』(配給:シンカ)。https://www.marie-lab.com/

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8  MAP
TEL:03-5250-3101
www.wako.co.jp

Photographs:KOH AKAZAWA
Text:YUICHI KURAMOCHI​​​​​​
(Supprtted by WAKO)

自然の味が際立つペアリング。ドライを通してつながる、熟成の食べ合わせ。[和光アネックス/東京都中央区]

『COPECO』ドライフルーツバナナを口に含み、噛むに連れ香りが広がる余韻をそのままに『焙じ茶+クローブ』を流し込む。言葉では表せない多国籍のような味わいと感覚は、おもしろい合わせ。

WAKO ANNEXスパイスと甘み。添加物を一切使用しない、自然のままの味を合わせる。

東京都調布『Maruta』ほか、様々なドリンクディレクターを務める外山博之氏がノンアルコールのペアリングに選んだ軸足は、静岡県『マルモ森商店』が運営する茶専門店『chagama』の『焙じ茶+クローブ』。

クローブとは、熱帯・亜熱帯地方で生息する常緑樹のつぼみを乾燥させたスパイスのこと。クローブは、スパイスの中で最も強い刺激的な香りを持つと言われている一方、バニラのような甘さも秘めています。

それにブレンドするのは焙じ茶。クローブの香りにも負けない香ばしさは、独特なハーモニーを感じさせます。

ひとつの茶の中にもペアリングが生じているのは、これから合わせる食とのペアリングだけではない、おもしろい関係の効果を生みます。

その相手は、埼玉県『かたすみ』の『COPECO』ドライフルーツバナナです。

沖縄県産のバナナを使用し、優しい甘みが特徴。こだわりの栽培、国産果物、そして、着色料や香料、保存料などの添加物は一切使用せず、あくまで自然の美味しさを追求。砂糖さえも加えず、低温でじっくりと乾燥させています。噛めば噛むほど果物本来の凝縮された味わいが広がり、絶妙に残されたしっとりとした感もまた名品たるゆえん。

「クローブの桂皮のようなスパイシーで甘みのある香りが、バナナチップスの香りをさらに引き出し、昇華します。また、飲むに連れ、しっとりとまろやかなバナナチップスの優しい甘さはより際立ち、きれいに両者をつないでくれます」と外山氏。

ノンアルコールのペアリングの奥深さを感じさせてくれる、これぞ提案型のスタイルです。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

創業明治10年の『マルモ森商店』が運営する茶専門店『chagama』の『焙じ茶+クローブ』。「変わる形、変わらぬ心が魅せる味」をモットーにお茶を表現する。

『かたすみ』の『COPECO』ドライフルーツバナナ。特に国産フルーツにこだわり、それに加工やパッケージを「+足す」を表現し、「果+実(かたすみ)」という社名に。ドライフルーツバナナは、都内初展開。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

埼玉県出身。バーテンダーとしてレストランやホテルなどに勤務した後、ソムリエに転身。以降、様々なレストランで経験を積み、2012年より代々木上原『Gris』(現『sio』)のマネージャーに就任。2018年より調布市にある『Maruta』のドリンクを監修、2019年より京都『LURRA゜』のドリンクディレクションなど、ペアリングを行いながら活躍の場を広げている。

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8  MAP
TEL:03-5250-3101
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Photographs:KOH AKAZAWA
Text:YUICHI KURAMOCHI​​​​​​
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石川県が育んだ山海の饗宴。出合うことのなかった近くて遠かった味と味を結ぶ。[和光アネックス/東京都中央区]

アルコール度数が低く、優しい甘みを持つ『吉田蔵 石川門』と『食べる海藻図鑑セット』の食感、ほど良い粘り気が口の中で見事に合わさる。セットは、めかぶ、軸、葉と3種用意。日本酒も海藻も同じ石川県産のため、土地を感じながら楽しむのも一興。

WAKO ANNEXテンションが合う! 香り、味、そして食感の感動。

『吉田酒造店』の『吉田蔵 石川門』と『しら井』の『食べる海藻図鑑セット』の合わせを提案するのは、第14代酒サムライであり、自身のお店『GEM by moto』を営む日本酒ソムリエの千葉麻里絵さんです。

石川県のオリジナル酒米「石川門」は、とても繊細で割れやすく、造り手泣かせの酒米です。しかし、醸された日本酒には、寄り添うような優しい甘味があり、飲むと穏やかな気持ちにさせてくれます。

「7年前に始まった私たちの改革の第一歩目はこの石川門の良さを最大限に表現すること。私たちの酒造りはこの石川門と共に成長してきたと思っています。石川県で一番繊細なお米からできた優しい味わいのお酒です」とは、蔵元の言葉。

2021年11月に新たなスタートを迎える『吉田蔵』は、蔵のある美しい自然を表現し、共存していけるお酒を目指しています。

山や海から届く爽やかな風、暴れ川という異名を持つ手取川が作った力強い大地、霊峰白山からの美味しい雪解け水、そして一瞬にして心を奪うほど美しい空。新しい『吉田蔵』は この美しい自然をそのまま表現するために全て地元石川の素材を使用し、化学的な物は一切使用しないナチュラルな お酒に仕上げられているのです。

そんな『吉田蔵』の日本酒に合わせるのは、『しら井』の『食べる海藻図鑑セット』。同じ石川県のものです。

『食べる海藻図鑑セット』は、創業90年の昆布専門店『しら井』が安心安全を心掛けて作った製品。世界農業遺産に認定されている能登の海女素潜り漁で刈り取った貴重な天然わかめを軽いスナックに仕上げ、これまでになかった昆布のカタチに。

その味わいは、少々の塩と砂糖のみ。余計なものは一切使用していません。サクサクとした軽い食感はお子さまのおやつにはもちろん、カロリーが気になる方にも是非おすすめしたいひと品。

「『吉田蔵 石川門』は、アルコール度数が低く、お酒が苦手な方でも気軽に飲めるテーブル日本酒。それと『食べる海藻図鑑セット』の魅力、海藻が持つ優しい味わいがマッチングします。図鑑というだけあり、海藻は3種を用意。各々、食感が異なり、それもまた楽しい。サクサクと軽いのでアルコール度数のテンションと合っています」と千葉さん。

ご自宅でもお呼ばれの場でも、会話に花が咲くことは間違いなし。特に『食べる海藻図鑑セット』を口に入れた瞬間、その食感に誰もがびっくりし、感動の言葉を発するでしょう。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

『吉田酒造店』の玄関にやってくるつばめを幸せのシンボルとしてラベルに描いた『吉田蔵 石川門』。本数限定にて販売。

図鑑というネーミングらしく、デザインや同封される解説も秀逸な『しら井』の『食べる海藻図鑑セット』。都内店舗では、『和光アネックス』地階グルメサロンが初展開。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

岩手県出身。保険会社のSEから日本酒に魅了されたことで飲食業界に転身。新宿の『日本酒スタンド酛(もと)』に入社後、利酒師の資格を取得。日本全国の酒蔵を訪ね、酒類総合研究所の研修などにも参加し、2015年に『GEM by moto』をオープン。化学的知見から一人ひとりに合わせた日本酒を提供する。口内調味やペアリングというキーワードで新しい日本酒体験を作り、日本のみならず海外のファンを魅了し続けるかたわら、様々なジャンルの料理人や専門家ともコラボレーションし、新しい日本酒のスタイルを日々模索する。2019年には日本酒や日本の食文化を世界に発信する「第14代酒サムライ」に叙任。。主な作品は、『日本酒に恋して』(主婦と生活社)、『最先端の日本酒ペアリング』(旭屋出版)など。出演作は、映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』(配給:シンカ)。https://www.marie-lab.com/

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TEL:03-5250-3101
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Photographs:KOH AKAZAWA
Text:YUICHI KURAMOCHI​​​​​​
(Supprtted by WAKO)

上級者の合わせか!? 魚のペアリング概念を覆す、未開拓の領域へ。[和光アネックス/東京都中央区]

宮城県『及川商店』の『骨までおいしい焼き魚シリーズ』と新潟県『エル・グリーン ファーム』の『gohoubiカベルネジュース』のペアリング提案をしてくれたのは、ドリンクディレクターを務める外山博之氏。その名の通り、「骨までおいしい焼き魚」のため、食感も柔らかくふわふわ。意外!?と思われるカベルネジュースとの合わせは、ぜひ試していただき、その感動を味わっていただきたい。

WAKO ANNEX魚と葡萄。余計なものは一切いらない。だから美味しく合わさる。

魚は、その種類に関わらず、独特の香りを兼ね備えています。合わせるドリンクは、アルコールであれば日本酒や焼酎、白ワインやシャンパンが主流かもしれません。ノンアルコールであれば、多くの人がお茶を想像するでしょう。

しかし今回、その固定概念を覆す提案をしてくれたのは、東京都調布『Maruta』ほか、様々なドリンクディレクターを務める外山博之氏。

宮城県『及川商店』の『骨までおいしい焼き魚シリーズ』に合わせたのは、新潟県『エル・グリーン ファーム』の『gohoubiカベルネジュース』です。

「葡萄ジュースの濃厚な旨味、サバ・鮭のしっかりとした旨味を共に味わうことで、それぞれの味が口の中でつながり、最終的に優しい後味になります。特に、鮭の香りがカベルネ・ソーヴィニヨンの持つ香りときれいに調和します」と外山氏。

『及川商店』の魚は、最高の素材・鮮度・美味しさをそのままに、旬の魚を急速冷凍。水揚げされた魚を、次世代の凍結技術といわれるプロトン急速凍結することで、食品・食材の鮮度や美味しさを閉じ込めています。ゆえに「骨まで食べられる」のです。

もちろん、無添加・無着色。常温で保存が利くため、保存食・防災食としても最適とされています。

それに合わせるのは、『gohoubiカベルネジュース』です。

雪深い新潟県南魚沼市で育てられたワイン用葡萄カベルネ・ソーヴィニヨンだけを搾ったジュースは、生食用の甘い葡萄とは全く異なり、ワイン葡萄独特の渋みと香りも楽しめます。

「そこが魚と合う」と外山氏。

『骨までおいしい焼き魚シリーズ』同様、『gohoubiカベルネジュース』も無添加に加え、無加糖。余計なものは一切ありません。
美味しく健康に調和するペアリングをぜひお楽しみいただきたい。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

2008年より葡萄栽培を始めた『エル・グリーン ファーム』。南魚沼産のカベルネ・ソービニィヨン100%は、雪国ならではのエグ味の少ないさわやかなミディアムボディ。

宮城県・前浜で揚がる豊富種類な魚の『骨までおいしい焼き魚シリーズ』。無添加で骨まで柔らかいため、子どもにも高齢者にもおすすめ。

※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

埼玉県出身。バーテンダーとしてレストランやホテルなどに勤務した後、ソムリエに転身。以降、様々なレストランで経験を積み、2012年より代々木上原『Gris』(現『sio』)のマネージャーに就任。2018年より調布市にある『Maruta』のドリンクを監修、2019年より京都『LURRA゜』のドリンクディレクションなど、ペアリングを行いながら活躍の場を広げている。

住所:東京都中央区銀座4丁目4-8  MAP
TEL:03-5250-3101
www.wako.co.jp

Photographs:KOH AKAZAWA
Text:YUICHI KURAMOCHI​​​​​​
(Supprtted by WAKO)

みず菜全国普及の立役者。茨城県行方市でみず菜栽培をはじめた生産者の挑戦。[NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM・みず菜/茨城県行方市]

行方市のみず菜生産者・野原浩氏の畑を訪問する神保シェフ。愛用するみず菜のおいしさの秘密に興味津々。

なめがた ベジタブルキングダム生産量全国トップ。約20年前にはじまった茨城県のみず菜栽培。

冬場の鍋からパスタ、サラダまで幅広い用途で人気のみず菜。古くから愛される伝統的京野菜ですが、現在の生産量日本一は茨城県。とくに行方市は、いちはやく大量栽培に取り組み、関東へのみず菜普及に多大な役割を果たしてきました。

そんな関東におけるみず菜のトップランナーという誇りから、行方産みず菜が広く知れ渡った現在でも、生産者の間では日々品質の維持、向上のための試行錯誤が繰り返されています。

そんな生産の現場を、いばらき食のアンバサダーを務める『HATAKE AOYAMA』の神保佳永シェフとともに訪ねました。

取材班を出迎えてくれた野原浩氏は、2005年に市町村合併により行方市が誕生する以前、この地が北浦町だった頃からみず菜栽培に取り組む生産者。みず菜栽培のパイオニアとして、試行錯誤を繰り返しながら品質向上に努めてきました。

「すべては土。栄養もおいしさも、土が決めるんです」

と野原氏。水耕栽培もできるみず菜ですが、やはり良い土にしっかりと根を張って栄養を汲み上げることで、おいしさや食感が変わってくるのだといいます。

「別に普通のことやってるだけだよ」

そう笑う野原氏ですが、これはきっと口下手でシャイな行方気質から。その証拠に、畑で採れたてのみず菜を試食した神保シェフが「うまい!」と漏らすと、我が子を褒められたかのように相好を崩しました。

【関連記事】伝統的京野菜から全国区の人気者に。みず菜の普及と行方市の果たした役割。

折れた茎を選り分けながら丁寧に収穫。美しい見た目もみず菜の大切な要素。

畑で採れたてを味見。日頃から知るみず菜の味でも、採れたてはまた格別。

野原氏はみず菜のほかにパクチーも栽培。現在は息子も畑を手伝い親子で野菜づくりに勤しむ。

なめがた ベジタブルキングダムおいしさの決め手は土。味も見た目も左右する繊細な土づくり。

まず神保シェフが注目したのは、抜いたみず菜の根。

「これだけ根が長いのは、土が柔らかいから。エグみがなく、うまみがあるのも、よっぽど丁寧に土づくりをされている証だと思います」

そんな称賛を寄せる神保シェフに、野原氏は土づくりの詳細を説明します。曰く、マッシュルームと籾殻を混ぜた堆肥を使用すること。農薬は極力使わないこと。窒素を減らすこと。

神保シェフの的を射た質問が、野原氏の口を滑らかにするのでしょう。専門的なみず菜栽培の話で盛り上がります。

みず菜の収穫は年に約6回。夏場は30日ほどで成長しますが、2作に一度は堆肥を入れて、いつでも同じ品質になるよう努めているのだとか。収穫後は袋詰めの作業ですが、見た目の美しさもみず菜の大切な要素。折れた茎を除け、サイズを揃え、丁寧に袋詰めしてから、真空予冷をかけてようやく出荷に至ります。

大きな体の野原氏ですが、みず菜栽培は非常に繊細な作業。行方産みず菜は評価が高く、売れ行きも良いことから、みず菜部会の平均年齢は比較的若く、後継者も育っているのだといいます。

生育の早いみず菜は年に約6回の収穫。品質を安定させることも、生産者の課題。

栄養豊富で柔らかい土。丹精込めた土づくりが、みず菜の味を左右する。

これだけしっかりとした根を張るのは、土が柔らかく栄養を含んでいる証拠。

なめがた ベジタブルキングダム行方産みず菜のおいしさを、手軽なレシピで引き出す。

「みず菜はアブラナ科の京野菜で、シャキッとした食感と爽やかな風味が特徴。クセが少なく、生でもおいしい。さまざまな料理に使える野菜です」

すでに自身の店で行方産みず菜を使用している神保シェフにとって、このみず菜は慣れ親しんだ味。

「カニと合わせたトマトパスタに使用しています。カラスミとの相性も良いですね。葉はサラダに、茎は浅漬けにしてもおいしい」

とさまざまな調理法を教えてくれました。
そこで今回は、家庭でも作りやすい手軽なレシピをオーダー。手軽さの中にもシェフの技が光る絶品みず菜レシピ、その詳細は次回の記事をお楽しみに。

鍋物をはじめ、洋食や中華料理でも使用されるみず菜。飲食店への出荷も多い。

角が立ち、しっかりと広がった葉。爽やかな風味とシャキッとした食感が魅力。

野菜の話を通して、たちまち生産者と意気投合する神保シェフ。取材では、もはやおなじみの光景。

Photographs:TSUTOMU HARA
Text:NATSUKI SHIGIHARA

(supported by なめがたブランド戦略会議(茨城県行方市))

伝統的京野菜から全国区の人気者に。みず菜の普及と行方市の果たした役割。[NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM・みず菜/茨城県行方市]

なめがた ベジタブルキングダムOVERVIEW

今日では、どのスーパーの店先にも並ぶおなじみの野菜・みず菜。しかし思い返してみると、関東以北で30代以上の方は、幼い頃にみず菜を食べた記憶はあまりないかもしれません。

実は伝統的京野菜のみず菜が全国に普及したのは、いまから20年ほど前のこと。そしてその普及の立役者こそ、いちはやく大量栽培に乗り出した行方市だったのです。現在、みず菜の出荷量は茨城県が全国1位。もちろん、野菜王国・行方市でも、日々おいしいみず菜が生産されています。

そこで今回の『NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM』のターゲットは、みず菜。すでに自身の店でも行方産みず菜を使用しているという『HATAKE AOYAMA』の神保佳永シェフとともに産地を訪ねます。

シャキシャキの食感と爽やかでクセのない味わいから、さまざまな料理に重宝するみず菜。一大産地でそのおいしさの秘密に迫ります。

Photographs:TSUTOMU HARA
Text:NATSUKI SHIGIHARA

(supported by なめがたブランド戦略会議(茨城県行方市))

ついに完成。もう一度立ち上がった酒職人・松本日出彦。

地元でもある京都伏見にて自身の蔵『日々醸造』を構えることになった松本日出彦氏。1月末にリリースされるボトルを持って。

HIDEHIKO MATSUMOTOひとりの「武者修業」から、チームの「武者修業」へ。

振り返ること、2020年12月。

自身の蔵元である『松本酒造』を父親とともに去ることになってしまった松本日出彦氏。

以降、心を閉ざしてしまった時期もありましたが、そんな時に「酒造りをやめるな。蔵がないなら一緒に酒造りをしよう」と松本氏に手を差し伸べたのは、5つの蔵元でした。

それは、「No.6」を手掛ける秋田『新政酒造』、「仙禽オーガニックナチュール」を手掛ける栃木『仙禽』、「七本鎗」を手掛ける滋賀『冨田酒造』、「田中六五」を手掛ける福岡『白糸酒造』「産土(うぶすな)」を手掛ける熊本『花の香酒造』。

松本氏は、それぞれの蔵で酒造りに参画。この行為を「武者修業」と題し、期間中、無心で日本中を駆け巡りました。

でき上がった酒は、「別誂」として各蔵よりリリース。飲食店では入手困難、酒販店では即完売と瞬く間に市場から姿を消す盛況を成しましたが、同時に松本氏は自身の蔵を創設することにも励んでいました。

酒蔵は、代々続く一族経営が多いため、新規参入は至難の技。加えて、酒造免許取得においては極めて困難。一筋縄にはいきません。

しかし、ありとあらゆる手を尽くし、環境を整えるも、今シーズンよりスタートしたかった秋に蔵の完成は間に合いませんでした。

そんな時、また手を差し伸べてくれたのは、あの時の仲間でした。

「蔵がないなら一緒に酒造りをしよう」。

前回とは全く異なる向かい入れとなった今回の違いは、大きく3つ。

ひとつ目は、先が見えなかった松本氏ではなく、酒造りへの一歩を踏み出せた松本氏であること。

ふたつ目は、各蔵の酒造りに参画するのではなく、自身の蔵でも使用する兵庫県東条の山田錦を持ち込み、自身の酒を造らせてもらうということ。昔の「桶買い」、「桶売り」に近いかもしれませんが、厳密には「桶借り」が正しい表現かもしれません。

そして、三つ目は、ひとりではないこと。松本氏の酒造りを共にしたいと集まった有志がいるということです。

前向きに始まった「武者修業」の第2ラウンドは、そんなチームの物語。その名は、京都を拠点に構えた『日々醸造』。

『日々醸造』として最初にリリースされるのは、1月末に『白糸酒造』で醸した生酒(右)、2月に『富田酒造』の蔵で醸した酒(左)。その後、3月に『花の香酒造』、4月に『仙禽』と続く。少量は少なく、ほぼ小売には流通しないため、ぜひ飲食店にてお楽しみを。

 『日々醸造』のスタッフは、松本氏を含め、計5名。左より近野丞悟氏、辻井 亮氏、松本氏、上田幸治氏、山口和真氏。

HIDEHIKO MATSUMOTO「日々醸造」×「武者修業」、2022年1月末リリース!

今回、『新政酒造』においては全量秋田産にこだわるため、ほか4蔵において『日々醸造』×「武者修業」の日本酒がリリースされます。

それぞれ酒造りの時期が異なるため、五月雨式にリリース。まず先陣を切るのは1月末、『白糸酒造』にて醸した生酒です。

「ファースト“ブリュー”ではないけれど、ファースト“リリース”である事実は、この先においても事実として残る。日出彦さんたちの未来を担う第一歩、第一本になるものにどうお手伝いできるのか。それに対して真剣に取り組みました。ただ、難しいことは考えず、日出彦さんとまた会えるのは、純粋に嬉しいし、楽しい。京都で酒造りをしなくても、まだずっとうちで酒造りをしてもらってもいいのに(笑)」と『白糸酒造』8代目杜氏の田中克典氏。

「日出彦さんとまた会えるのは、純粋に嬉しいし、楽しい。京都で酒造りをしなくても、まだずっとうちで酒造りをしてもらってもいいのに(笑)」と『白糸酒造』8代目杜氏の田中克典氏。

現在、『白糸酒造』では、松本氏の恩師でもある勝木慶一郎氏が顧問を務めており、仕込みのために訪れた某日において再会を果たします。

「松本さんのエネルギーはすごいです。火山に例えれば、眠っていた状態が噴火したような。今回の件は、離れないと経験できなかったことも多かったと思います。加えて、受け入れた蔵にとってもプラスに働いたことが多かったでしょう。結果として外的要因からこうなってしまいましたが、このような機会は、これからの日本酒業界には必要なのかもしれない。蔵元というのは、細い糸のようなものなんです。それぞれが一本一本強くし、縒り合わせ、縦糸にし、農家さんや米、地域という横糸とともに大きな織物にしてほしい。今回の『武者修業』という経験を通して、どう実を結べるかは松本さん次第。期待しています」と勝木氏は松本氏へエールを寄せます。

そして2月にリリースされるのは、『冨田酒造』にて醸した酒。

「人生の中でも新たなスタートを切れることはなかなかありません。前回とは異なり、今回は『日々醸造』として新たな仲間とともに(松本)日出彦君と再会できたことを嬉しく思います。一方、自分の中の心境としては、前回よりも今回の方が圧倒的に責任は重い。日出彦君と『日々醸造』の将来がかかっていますから。自分のところの酒造り以上に気が引き締まりました」と『冨田酒造』15代目蔵元の冨田泰伸氏。

そして、3月に『花の香酒造』、4月に『仙禽』と続きます。

「振り返れば、日出彦さんの『武者修業』でしたが、自分が修業させてもらった感じです。今回は、前回と異なり、日出彦さんの造りを間近で見ることができました。自分だったら絶対にしない造り。発酵経過の取り方、醪の算段、全て違う。こんな味は出せない。荒走りを飲んだ時にそう思いました。あぁ、これが日出彦さんの味かぁ……と。これから京都で造る味が楽しみで仕方ないです。そして、自身の蔵ができるのは本当に嬉しい。最初の造りにはぜひ参加したい(笑)」と『花の香酒造』6代目の神田清隆氏。

そして、「もう一度、日出彦が自分の日本酒を造ることを信じている。1日も早く安住の地を見つけてほしい」と話していた『仙禽』蔵元の薄井一樹氏は、まず前回の「別誂」から振り返ります。

「酒販店から殺到した注文数、各飲食店での盛況、店舗での即完。その結果に安堵しています。これは、日出彦がまだこの業界に必要とされているという証拠。率直に嬉しい。そして、自身の蔵を創設し、まだ建物こそないものの、想像以上に早いスピードでここまで持ってくるのはさすが日出彦。おめでとうと言いたいところですが、同時に安心慢心は禁物。初心を忘れずに前に進んでほしい。そして、何より笑顔が増えて良かった。今回においては、戦友として迎えられたのも嬉しかった」と一樹氏。

「酒造りをしていると過程を大事にしたくなるのですが、一番はお客様に飲んでもらうこと。そういう意味では『別誂』が完売したという結果は本当に嬉しい。今回は、『日々醸造』の皆さんにお越しいただいて、日出彦さんがひとりで来た時とは全く違う雰囲気と酒造り。蔵の創設は、自分のことのように嬉しい。今度は逆に自分が学びにいきたいです」と杜氏の薄井真人氏は言葉を続けます。

「最初にリリースする『白糸酒造』さんで造らせていただいたお酒も『冨田酒造』さんで造らせていただいたお酒も、それぞれ自分の米を持ち込んで自分の仕込み方でやらせていただきました。しかし、異なる水と環境ゆえ、同じ味にはなりません。改めて、水の豊かさ、米の力、延いては日本の自然の素晴らしさを再確認いたしました。これまで自分が経験したことをスタッフも同じように経験させてもらえたことは、本当に財産だと思っています」と松本氏。

造ったお酒はいずれなくなります。しかし、経験が失われることはありません。ましてや、ほかの誰かが奪うこともできません。

4蔵の『日々醸造』×「武者修業」のあと、いよいよ自身の蔵での酒造りが始まります。

2022年1月、『白糸酒造』にて。「うちのスタッフの中に、実は田中さんのもとで酒造りをしたいと思っていた人もいたんです。今回はそれを間近で体験できて喜んでいました。これがハネ木か!と驚いてました(笑)」と松本氏。

「ちゃんと自分の場所を作れて本当に良かった。あれからまだ1年も経ってないなんて信じられないですね」と、ハネ木搾りに勤しむ松本氏を見守る『白糸酒造』8代目杜氏の田中克典氏。ともすれば「酒袋の向きが逆!」と檄を飛ばす田中氏に「すみません!」と松本氏。付き合いの長いふたりらしいかけ合い。『日々醸造』と『白糸酒造』の「武者修業」は、2022年1月末にリリース予定。

 「松本さんや田中さん、そのほか『武者修業』に携わった蔵元の方々、同じ志を持った造り手が同じ時代に酒造りをしているのは奇跡だと思います。みんなで日本酒業界を引っ張ってほしいと思います」と話す松本氏の恩師・勝木慶一郎氏。現在は『白糸酒造』顧問を務める。

2021年11月、『冨田酒造』にて。前回は、滋賀の米・玉栄で切り返しを行うも、今回は、兵庫県東条の米・山田錦にてそれを行う。

2021年3月、『冨田酒造』から始まった「武者修業」。当時、決意表明も含め、タンクにサインをした松本氏。今回は、『日々醸造』として再訪した証として記録。

江戸期に建てられた『冨田酒造』の酒蔵は、登録有形文化財でもある。「各蔵を周り、酒造りに参画することは、きっと『日々醸造』のスタッフにとって良い経験になると思います」と言葉を寄せる『冨田酒造』15代目蔵元の冨田泰伸氏(左)。
『日々醸造』と『冨田酒造』の「武者修業」は、2022年2月にリリース予定。

2022年1月、『花の香酒造』にて。搾りの味を確認する松本氏と『花の香酒造』6代目の神田清隆氏。「うん、イメージ通りになっている。山田(錦)の味になっている」と松本氏。

透き通るように美しい搾りたての酒は、香りも豊か。『日々醸造』と『花の香酒造』の「武者修業」は、2022年3月にリリース予定。

2021年4月に『花の香酒造』を訪れた前回と大きくことなることは、産土(うぶすな)の自然農法・馬耕栽培の実現に向け、在来馬・菊之進が仲間に加わったこと。愛らしいその姿に松本氏もすっかり虜に。

「確か日出彦さんに会いに行ったのは2021年1月でしたよね。京都駅のホームで色々話して……」と神田氏。「そうでしたね……、神田さんのお声がけから全てが動き出しました。感謝しかありません」と松本氏。

2021年12月、『仙禽』にて。「『仙禽』さんの酛擦りの辛さは、『日々醸造』のみんなに経験してほしかったこと」と松本氏。前回はひとりで苦しむも、今回はすぐ側に仲間がいる。その安堵感が表情にも現れる。

酛摺りを終え、疲れはあるも充実感に満ちた『日々醸造』の面々。「現代において新たに酒蔵を創設することは、自分の知る限り初めて。その行動力と実行力は、本当に素晴らしい」と杜氏の薄井真人氏(左)。「次に再会する時は、日出彦の蔵かな? 楽しみにしてます」と『仙禽』蔵元の薄井一樹氏(右)。『日々醸造』と『仙禽』の「武者修業」は、2022年4月にリリース予定。

HIDEHIKO MATSUMOTO5月に向けてエンジン全開。日々、酒と向き合い、日々、精一杯生きる。

2022年1月某日。『日々醸造』は朝から忙しく、『白糸酒造』と『冨田酒造』で醸した酒が次々と運ばれてきます。仕上がった酒をスタッフとともに試飲。皆で意見交換をします。

水、米、麹、もろみ、発酵、香り、舌触り、余韻……。一頻り議論を交わした後、ひとりになった松本氏はひと言。

「どうにか一年間生きることができた」。

心の底から湧いたひと言だったに違いありません。

一年前のあの時、一年後の今の状況を誰が想像できたでしょうか。蔵の創設、自身の酒造り信じてくれる仲間との出会い、そのみんなと造った酒を地元・京都伏見で飲める喜び……。

「言葉では伝わらないこともあります。体で感じるしかない。学ぶしかない。その体験がこれからの人生の宝になる。今まで以上に酒に向き合いたい。造りの幅は確実に広がっている。ゼロだからできる。これまでも想像を絶することが多くありましたが、これからも色々なことがあると思います。ただ、今はひとりじゃない。だから、信頼できるチームのみんなと乗り越えていきます。不安はない。やるべきことは明確に見えている。日本酒というものが社会とどう関わっていけるのか。今までお世話になった方々に、精一杯、恩返ししていきたいと思っています」。

松本日出彦らしく、『日々醸造』らしく。

冒頭、「ついに完成」と謳うも、本当の意味で自身の蔵から醸される酒が完成するのは、2022年5月。

さぁ、いよいよだ。
 

2022年1月、『日々醸造』にて。『白糸酒造』の生酒と『冨田酒造』の酒を試飲。新たなチームの第一歩、初めてできた酒は、様々な課題はあるも、皆で4蔵を回って酒造りをともにした時間と経験の方がこれから大きな財産になるはずだ。

京都伏見に建設中の『日々醸造』。古屋と新設を合わせ、これから酒造りに励む。『日々醸造』×「武者修業」は、エピローグに過ぎない。本当のスタートは、これからだ。

住所:京都府京都市伏見区城通町628
https://sake.inc

1982年生まれ、京都市出身。高校時代はラグビー全国制覇を果たす。4年制大学卒業後、『東京農業大学短期大学』醸造学科へ進学。卒業後、名古屋市の『萬乗醸造』で修業。以降、家業に戻り、1791年(寛政3年)に創業した老舗酒造『松本酒造』で酒造りに携わる。2010年、28歳の若さで杜氏に抜擢される。以来、従来の酒造りを大きく変え、「澤屋まつもと守破離」などの日本酒を世に繰り出し、幅広い層から人気を集める。2020年12月31日、退任。酒職人として第二の人生を歩む。

Photographs&Text:YUICHI KURAMOCHI

ウィップコードN-1タイプ デッキベスト

サイズが合えばお得!早い者勝ちです!

  • こちらはカーキのXXXLサイズ商品です。
  • サイズが合う方いかがでしょうか?
  • 数年前のモデルのため通常価格より30%引き!
  • 商品自体は新品未使用のA品です!
  • 表地は経(タテ)糸に細番手、緯(ヨコ)糸に太番手の糸を使って高密度に織り上げた、昔ながらのN-1デッキジャケットと同じ作り方のウィップコード素材を採用。
  • 裏地には毛足の長いアルパカウールを採用。
  • 腰ポケットの袋布にもアルパカウールを採用。
  • 前立ては釦とファスナーの2重仕様です。
  • ダブルファスナーのため、ライディング時でも気になりません。
  • ジャケットの上から着られるよう、少し大きめの作りになっております。

サイズスペック

  着丈 肩巾 バスト 裾回り
L-F 58.0 37.0 96.0 94.0
XS 61.5 37.0 104.0 103.0
S 61.5 39.0 108.0 107.0
M 63.5 41.0 112.0 111.0
L 65.5 43.0 116.0 115.0
XL 67.5 45.0 120.0 119.0
XXL 69.5 47.0 124.0 123.0
XXXL 69.5 49.0 128.0 127.0

素材

  • 表地:綿 100%
  • 裏地:ウール 80% , アルパカ 20%

コットンツイードヘリンボン ウエスタンシャツ

サイズが合えばお得!

  • こちらはXXXLサイズの商品です。
  • サイズが合う方いかがでしょうか?
  • 数年前のモデルのため通常価格より20%引き!
  • 商品自体は新品未使用のA品です!
  • 冬らしい肌触りのコットンツイードヘリンボーンシャツ!

    • コットン100%の素材でありながらウールのような柔らかでふっくらとした生地感が特徴です
    • 表裏ともにしっかりと起毛をかけているため肌触りはもちろん保温性にも優れています
    • 釦はグローブを付けたままでも留め外しのし易い、YKK社製グリッパー釦を使用
    • 釦表面には「IRON HEART WORKS INC」の文字が刻印されています
    • 強度のあるヴィンテージワークシャツの縫製仕様に倣い、縫い合せは全て巻き縫い仕様
    • ワンウォッシュ済み

    サイズスペック:IHSH-209

      着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    XS 70.5 39.5 101.0 97.0 61.0 10.5
    S 72.0 41.5 105.0 101.0 61.0 10.5
    M 73.5 43.5 109.0 105.0 62.5 11.0
    L 75.0 45.5 113.0 109.0 64.0 11.5
    XL 76.5 47.5 117.0 113.0 65.5 12.0
    XXL 78.0 49.5 121.0 117.0 67.0 12.5
    XXXL 79.5 51.5 125.0 121.0 68.5 12.5
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。

    素材

    • 綿:100%

    エクストラヘビーフランネル タータンチェックウエスタンシャツ

    サイズが合えばお得!

  • こちらはXXXLサイズの商品です。
  • サイズが合う方いかがでしょうか?
  • 数年前のモデルのため通常価格より20%引き!
  • 商品自体は新品未使用のA品です!
  • 冬の定番!ヘビーネルが今年も登場!

    • 生地の表側を1回、裏側を2回しっかりと起毛させ、着た時の暖かみ感を重視した生地です
    • 釦はグローブを付けたままでも留め外しのし易い、YKK社製パーメックス釦を使用(ジャケット類に多く用いられる釦)
    • 釦表面にはIRON HEARTの文字が刻印されています
    • 強度のあるヴィンテージシャツの縫製仕様に倣い、縫い合せは全て巻き縫い仕様
    • そのため、裏もロック目の無い綺麗な仕上がり
    • スコットランド発祥のタータンチェックのパターンと明るいブルーの組合せで上品ながら爽やかな1着です
    • ワンウォッシュ済み

    サイズスペック

      着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    L-S 59.0 36.0 89.0 89.0 58.0 10.0
    L-M 62.0 39.0 93.0 93.0 59.5 10.5
    XS 69.0 40.0 100.0 97.0 63.5 10.5
    S 70.5 42.0 102.0 101.0 63.5 10.5
    M 72.0 44.0 106.0 105.0 65.0 11.0
    L 73.5 46.0 110.0 109.0 66.5 11.5
    XL 75.0 48.0 114.0 113.0 68.0 12.0
    XXL 76.5 50.0 122.0 117.0 69.5 12.5
    XXXL 78.0 52.0 126.0 121.0 71.0 12.5
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。

    素材

    • 綿:100%

    9ozインディゴブロックチェック ウエスタンシャツ

    サイズが合えばお得!

  • こちらはレディースSサイズサイズの商品です。
  • サイズが合う方いかがでしょうか?
  • 数年前のモデルのため通常価格より20%引き!
  • 商品自体は新品未使用のA品です!
  • 春シャツの定番、インディゴチェックがグレードアップして再登場!

    • アイアンハートの春シャツの定番、インディゴチェックシリーズ
    • デニムのようにインディゴ染めをした糸を使用した経年変化の楽しめるシャツ
    • 「Indigo×Dark Indigo」は全てインディゴ染めの糸を使用
    • 「Vermilion×Dark Indigo」はDark Indigoの部分がインディゴ染めの糸となります
    • 前立て裏、カフス裏は赤耳使いの仕様
    • 釦はグローブを付けたままでも留め外しのし易い、YKK社製グリッパー釦を使用
    • 釦表面にはIRON HEARTの文字が刻印されたオリジナル釦
    • ワンウォッシュ済み

    サイズスペック

      着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    Ladies-S 59.0 36.0 88.0 88.0 57.0 10.0
    Ladies-M 63.0 39.0 92.0 92.0 59.0 10.5
    XS 70.5 40.0 101.0 95.0 62.0 10.5
    S 72.0 42.0 105.0 99.0 62.0 10.5
    M 73.5 44.0 109.0 103.0 63.5 11.0
    L 75.0 46.0 113.0 107.0 65.0 11.5
    XL 76.5 48.0 117.0 111.0 66.5 12.0
    XXL 78.0 50.0 121.0 115.0 68.0 12.5
    XXXL 79.5 52.0 125.0 119.0 69.5 12.5
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。
    • ワンウォッシュ済み

    素材

    • 綿:100%

    エクストラヘビーフランネル グレンチェックウエスタンシャツ

    サイズが合えばお得!

  • こちらの商品はレディースSサイズです。
  • 数年前のモデルのため通常価格より20%引き!
  • サイズが合う方いかがでしょうか?
  • グレンチェックの極厚ネルシャツ!

    • 生地の表側を1回、裏側を2回起毛させ、着た時の暖かみ感を重視した生地です
    • 釦はバイカーグローブを付けたままでも留め外しのし易い、YKK社製パーメックス釦(ジャケット類に多く用いられる釦)を使用。
    • パーメックス釦はアイアンハートのロゴ入り。
    • 強度のあるヴィンテージワークシャツの縫製仕様に倣い、縫い合せは全て巻き縫い仕様。
    • そのため、裏もロック目の無い綺麗な仕上がり。(環縫い下糸は各色共にオレンジ配色)
    • ワンウォッシュ済み

    IHSH-181:サイズスペック

    着丈 肩幅 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    Ladies-S 60 36 91 90 58 10
    Ladies-M 64 39 95 94 59.5 10.5
    XS 69.5 40 103 98 64.5 10.5
    S 71 42 107 102 64.5 10.5
    M 72.5 44 111 106 66 11
    L 74 46 115 110 67.5 11.5
    XL 75.5 48 119 114 69 12
    XXL 77 50 123 118 70.5 12.5
    XXXL 78.5 52 127 122 72 12.5
    • 商品は若干の誤差が出る場合がございます。

    素材

    • 綿 100%

    エクストラヘビーフランネル オンブレーチェックウエスタンシャツ

    サイズが合えばお得!

  • こちらはレディースSサイズ、レディースMサイズの商品です。
  • サイズが合う方いかがでしょうか?
  • 数年前のモデルのため通常価格より20%引き!
  • 商品自体は新品未使用のA品です!
  • 冬の定番!ヘビーネルが今年も登場!

    • 生地の表側を1回、裏側を2回しっかりと起毛させ、着た時の暖かみ感を重視した生地です
    • 釦はグローブを付けたままでも留め外しのし易い、YKK社製パーメックス釦を使用(ジャケット類に多く用いられる釦)
    • 釦表面にはIRON HEARTの文字が刻印されています
    • 強度のあるヴィンテージシャツの縫製仕様に倣い、縫い合せは全て巻き縫い仕様
    • そのため、裏もロック目の無い綺麗な仕上がり
    • ワンウォッシュ済み

    サイズスペック

      着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    L-S 60.0 36.0 89.0 89.0 56.5 10.0
    L-M 63.0 39.0 93.0 93.0 57.0 10.5
    XS 69.5 40.0 102.0 97.0 62.5 10.5
    S 71.0 42.0 106.0 101.0 62.5 10.5
    M 72.5 44.0 110.0 105.0 64.0 11.0
    L 74.0 46.0 114.0 109.0 65.5 11.5
    XL 75.5 48.0 118.0 113.0 67.0 12.0
    XXL 77.0 50.0 122.0 117.0 68.5 12.5
    XXXL 78.5 52.0 126.0 121.0 70.0 12.5

    素材

    • 綿:100%

    エクストラヘビーフランネル グレンチェックウエスタンシャツ

    サイズが合えばお得!早い者勝ちです!

  • こちらはレディースSサイズ商品です。
  • サイズが合う方いかがでしょうか?
  • 数年前のモデルのため通常価格より20%引き!
  • 商品自体は新品未使用のA品です!
  • グレンチェックの極厚ネルシャツ!

    • 生地の表側を1回、裏側を2回起毛させ、着た時の暖かみ感を重視した生地です
    • 釦はバイカーグローブを付けたままでも留め外しのし易い、YKK社製パーメックス釦(ジャケット類に多く用いられる釦)を使用。
    • パーメックス釦はアイアンハートのロゴ入り。
    • 強度のあるヴィンテージワークシャツの縫製仕様に倣い、縫い合せは全て巻き縫い仕様。
    • そのため、裏もロック目の無い綺麗な仕上がり。(環縫い下糸は各色共にオレンジ配色)
    • ワンウォッシュ済み

    サイズスペック

    着丈 肩幅 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    Ladies-S 60 36 91 90 58 10
    Ladies-M 64 39 95 94 59.5 10.5
    XS 69.5 40 103 98 64.5 10.5
    S 71 42 107 102 64.5 10.5
    M 72.5 44 111 106 66 11
    L 74 46 115 110 67.5 11.5
    XL 75.5 48 119 114 69 12
    XXL 77 50 123 118 70.5 12.5
    XXXL 78.5 52 127 122 72 12.5
    • 商品は若干の誤差が出る場合がございます。

    素材

    • 綿 100%

    ポラーテック(R)フリースベスト

    • ぽいエステルのポーラフリースを使ったノーカラーベスト
    • インナーでもアウターでも、春から夏まで色々と使える便利な一着です

    素材

    • ポリエステル:100%

    生産国

    • 日本

    納期予定

    • 2月上旬ごろ

    リフレクタープリントウルトラヘビーパーカー

    • オリジナルヘビースウェットを使ったフーデッドパーカー
    • 胸と背中には、夜にライトの反射で光るリフレクタープリントを採用し、バイク乗りにとってより快適な一枚に仕立てました

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    納期予定

    • 2月下旬ごろ

    12ozヘビーチノトラウザーリラックスフィット

    • 12ozのオリジナルヘビーチノを使ったスッキリしたシルエットが特徴のチノパン
    • ウエストまわりの作りは昔のミリタリーチノをベースにした大人顔の一本です

    【リラックスフィット】

    レギュラーシルエットより腰回りを少しゆったり目にして、裾は逆にやや絞り、ジャケットなどを合わせた時に似合うシルエットに仕立てた一本です

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    納期予定

    • 4月ごろ

    ミリタリーサージウエスタンシャツ

    • 13ozの肉厚なサージ生地をシャツに仕立てたアイアンらしいヘビーシャツ
    • 硫化染めを採用しているためデニム同様にアタリや色落ちを楽しめます
    • 釦はグローブを付けたままでも留め外しのしやすいYKK社製パーメックス(ジャケット類に多く用いられる)釦を使用

    【サージ】

    • 元々はウールの織り方で、主にスーツや学生服に使われる生地
    • タテ・ヨコ双糸で綾の角度は45度(表と裏が同じ顔)。
    • 丈夫さとキレイ目の顔が売りです!

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    納期予定

    • 2月中旬ごろ

    5ozボウリングシャツ

    • レーヨン100%のオンブレーチェック半袖シャツ
    • シンプルなデザインで、ジーンズからチノパン、ショートパンツまで、相手を選ばない万能な一枚です

    素材

    • レーヨン:100%

    生産国

    • 日本

    納期予定

    • 4月上旬ごろ

    メカニックワークシャツ

    • 4ozの軽いビエラ生地で縫い上げたメカニックシャッツ
    • 薄手の素材に軽く起毛を施しているので、手触りにあたたかみがあります
    • ジーンズよりもチノパンやショートパンツに合わせた、大人っぽい着こなしが似合う一着です

    サイズスペック(製品予定寸法)

    着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口巾
    XS 66 41 105 102 61.5 10.5
    S 67.5 43 109 106 61.5 10.5
    M 69 45 113 110 63 11
    L 70.5 47 117 114 64.5 11.5
    XL 72 49 121 118 66 12
    XXL 73.5 51 125 122 67.5 12.5
    XXXL 75 53 129 126 69 12.5
    • 本製品になった際に上記サイズより差が出る場合があります
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。予めご了承ください

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    納期予定

    • 3月下旬ごろ

    10oz反応染めセルビッチデニムワークシャツ

    • 10ozセルビッチデニムを使ったミディアムウェイトのワークシャツ
    • IHSH-322を製品の状態でブラックでオーバーダイした一着です

    サイズスペック(製品予定寸法)

      着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    XS 70.0 40.0 102.0 96.0 62.0 9.5
    S 71.5 42.0 106.0 100.0 62.0 9.5
    M 73.0 44.0 110.0 104.0 63.5 10.0
    L 74.5 46.0 114.0 108.0 65.0 10.5
    XL 76.0 48.0 118.0 112.0 66.5 11.0
    XXL 77.5 50.0 122.0 116.0 68.0 11.5
    XXXL 79.0 52.0 126.0 120.0 69.5 11.5
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。予めご了承ください

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    10ozセルビッチデニムワークシャツ

    • 10ozセルビッチデニムを使ったミディアムウェイトのワークシャツ

    サイズスペック

      着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    XS 71.0 41.0 103.0 97.0 63.0 9.5
    S 72.5 43.0 107.0 101.0 63.0 9.5
    M 74.0 45.0 111.0 105.0 64.5 10.0
    L 75.5 47.0 115.0 109.0 66.0 10.5
    XL 77.0 49.0 119.0 113.0 67.5 11.0
    XXL 78.5 51.0 123.0 117.0 69.0 11.5
    XXXL 80.0 53.0 127.0 121.0 70.5 11.5
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。予めご了承ください

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    10ozセルビッチデニムワークシャツ

    • 10ozセルビッチデニムを使ったミディアムウェイトのワークシャツ

    サイズスペック

      着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    XS 71.0 41.0 103.0 97.0 63.0 9.5
    S 72.5 43.0 107.0 101.0 63.0 9.5
    M 74.0 45.0 111.0 105.0 64.5 10.0
    L 75.5 47.0 115.0 109.0 66.0 10.5
    XL 77.0 49.0 119.0 113.0 67.5 11.0
    XXL 78.5 51.0 123.0 117.0 69.0 11.5
    XXXL 80.0 53.0 127.0 121.0 70.5 11.5
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。予めご了承ください

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    10oz反応染めセルビッチデニムウエスタンシャツ

    • 10ozセルビッチデニムウエスタンシャツを製品の状態でブラックでオーバーダイした一着

    サイズスペック(製品予定寸法)

      着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    XS 71.0 40.0 101.0 96.0 62.0 10.0
    S 72.5 42.0 105.0 100.0 62.0 10.0
    M 74.0 44.0 109.0 104.0 63.5 10.5
    L 75.5 46.0 113.0 108.0 65.0 11.0
    XL 77.0 48.0 117.0 112.0 66.5 11.5
    XXL 78.5 50.0 121.0 116.0 68.0 12.0
    XXXL 80.0 52.0 125.0 120.0 69.5 12.0
    • 本製品になった際に上記サイズより差が出る場合があります
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。予めご了承ください

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    納期予定

    • 3月中旬ごろ

    10oz反応染めセルビッチデニムウエスタンシャツ

    • 10ozセルビッチデニムウエスタンシャツを製品の状態でブラックでオーバーダイした一着

    サイズスペック(製品予定寸法)

      着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    XS 71.0 40.0 101.0 96.0 62.0 10.0
    S 72.5 42.0 105.0 100.0 62.0 10.0
    M 74.0 44.0 109.0 104.0 63.5 10.5
    L 75.5 46.0 113.0 108.0 65.0 11.0
    XL 77.0 48.0 117.0 112.0 66.5 11.5
    XXL 78.5 50.0 121.0 116.0 68.0 12.0
    XXXL 80.0 52.0 125.0 120.0 69.5 12.0
    • 本製品になった際に上記サイズより差が出る場合があります
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。予めご了承ください

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    納期予定

    • 3月中旬ごろ

    10ozセルビッチデニムウエスタンシャツ

    • 10ozセルビッチデニムを使ったミディアムウェイトのウエスタンシャツ
    • ステッチはホワイトの糸を使用

    サイズスペック(製品予定寸法)

      着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    XS 71.0 40.0 101.0 96.0 62.0 10.0
    S 72.5 42.0 105.0 100.0 62.0 10.0
    M 74.0 44.0 109.0 104.0 63.5 10.5
    L 75.5 46.0 113.0 108.0 65.0 11.0
    XL 77.0 48.0 117.0 112.0 66.5 11.5
    XXL 78.5 50.0 121.0 116.0 68.0 12.0
    XXXL 80.0 52.0 125.0 120.0 69.5 12.0
    • 本製品になった際に上記サイズより差が出る場合があります
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。予めご了承ください

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    納期予定

    • 3月上旬ごろ

    10ozセルビッチデニムウエスタンシャツ

    • 10ozセルビッチデニムを使ったミディアムウェイトのウエスタンシャツ
    • ステッチはホワイトの糸を使用

    サイズスペック(製品予定寸法)

      着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    XS 71.0 40.0 101.0 96.0 62.0 10.0
    S 72.5 42.0 105.0 100.0 62.0 10.0
    M 74.0 44.0 109.0 104.0 63.5 10.5
    L 75.5 46.0 113.0 108.0 65.0 11.0
    XL 77.0 48.0 117.0 112.0 66.5 11.5
    XXL 78.5 50.0 121.0 116.0 68.0 12.0
    XXXL 80.0 52.0 125.0 120.0 69.5 12.0
    • 本製品になった際に上記サイズより差が出る場合があります
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。予めご了承ください

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    納期予定

    • 3月上旬ごろ

    8ozミリタリーシャツ

    • カーキとオリーブはスレン染めの糸、ブラックは反応染めの糸を使用
    • 色によって使い分けをしたコードレーン(縦に畝が走って見える生地)を使って縫い上げたミリタリーシャツ
    • 胸のプリーツポケットが特徴

    サイズスペック(製品予定寸法)

    着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口巾
    XS 70.5 40 103 96 62 10.5
    S 72 42 107 100 62 10.5
    M 73.5 44 111 104 63.5 11
    L 75 46 115 108 65 11.5
    XL 76.5 48 119 112 66.5 12
    XXL 78 50 123 116 68 12.5
    XXXL 79.5 52 127 120 69.5 12.5
    • 本製品になった際に上記サイズより差が出る場合があります
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。予めご了承ください

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    納期予定

    • 3月ごろ

    6ozビエラチェックウエスタンシャツ

    • 6ozの硫化染めした糸で織りあげた春用ビエラチェックシャツ
    • 少し擦れたような色合いが特徴の、昔の顔をした一枚です
    • 硫化染めのため、着込んで洗いこむと、ゆっくりと色落ちしていきます

    サイズスペック(製品予定寸法)

      着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    XS 69.5 40.0 103.0 97.0 63.0 10.5
    S 71.0 42.0 107.0 101.0 63.0 10.5
    M 72.5 44.0 111.0 105.0 64.5 11.0
    L 74.0 46.0 115.0 109.0 66.0 11.5
    XL 75.5 48.0 119.0 113.0 67.5 12.0
    XXL 77.0 50.0 123.0 117.0 69.0 12.5
    XXXL 78.5 52.0 127.0 121.0 70.5 12.5
    • 本製品になった際に上記サイズより差が出る場合があります
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。予めご了承ください

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    納期予定

    • 3月上旬ごろ

    6ozビエラチェックウエスタンシャツ

    • 6ozの硫化染めした糸で織りあげた春用ビエラチェックシャツ
    • 少し擦れたような色合いが特徴の、昔の顔をした一枚です
    • 硫化染めのため、着込んで洗いこむと、ゆっくりと色落ちしていきます

    サイズスペック(製品予定寸法)

      着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    XS 69.5 40.0 103.0 97.0 63.0 10.5
    S 71.0 42.0 107.0 101.0 63.0 10.5
    M 72.5 44.0 111.0 105.0 64.5 11.0
    L 74.0 46.0 115.0 109.0 66.0 11.5
    XL 75.5 48.0 119.0 113.0 67.5 12.0
    XXL 77.0 50.0 123.0 117.0 69.0 12.5
    XXXL 78.5 52.0 127.0 121.0 70.5 12.5
    • 本製品になった際に上記サイズより差が出る場合があります
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。予めご了承ください

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    納期予定

    • 3月上旬ごろ

    9ozインディゴオンブレ―チェックワークシャツ

    • ブルーの濃い部分をインディゴ染めした糸、薄い部分を硫化染めした糸で織りあげたオンブレ―チェックのワークシャツ
    • 使い込んで色が落ちていくことで、ジーンズと同じように、世界で一枚の自分顔のシャツになります

    サイズスペック

      着丈 肩巾 バスト 裾回り 袖丈 袖口
    XS 69.0 40.0 102.0 96.0 62.0 10.0
    S 70.5 42.0 106.0 100.0 62.0 10.0
    M 72.0 44.0 110.0 104.0 63.5 10.5
    L 73.5 46.0 114.0 108.0 65.0 11.0
    XL 75.0 48.0 118.0 112.0 66.5 11.5
    XXL 76.5 50.0 122.0 116.0 68.0 12.0
    XXXL 78.0 52.0 126.0 120.0 69.5 12.0
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。予めご了承ください

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    パディングベスト

    • 高密度の目の詰まった硫化染めダウンプルーフ(平織り)を表に使い、裏にはビエラチェック生地を配したハンティングベスト
    • 表のダウンプルーフには裏にポリエステル面を合わせてダイヤ型のキルト加工を施してあります。
    • こちらの商品は予約ではございません!

    サイズスペック

      着丈 肩巾 バスト 裾回り
    XS 61.5 32.0 100.0 98.0
    S 63.0 33.0 104.0 102.0
    M 64.5 35.0 108.0 106.0
    L 66.0 37.0 112.0 110.0
    XL 67.5 39.0 116.0 114.0
    XXL 69.0 41.0 120.0 118.0
    XXXL 70.5 43.0 124.0 122.0
    • 商品により多少の誤差が生じる場合がございます。予めご了承ください

    素材

    • 綿:100%

    生産国

    • 日本

    555S-25MB W36 股下82cm

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    803 ブラック W33 ※リベットカスタム品

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    803 ブルー W32 股下78cm

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    801 ブラウン W34 股下80cm

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    461Z W32 股下80cm

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    634S-WH W30 股下71cm

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    素材

    • 綿:100%

    634S-14 W32 股下77cm

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    • 綿:100%

    634Z W31 股下71cm

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    • 綿:100%

    634S W32 股下77cm

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    • 綿:100%

    634S W34 股下75cm

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    555-XHS W31 股下83cm

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    • こちらの商品は未洗いのため、初回のお洗濯でウエストで約2cm、股下で2cm程度の縮みがでますのでご注意ください。(生地は防縮加工済みです。)
    • アイアンハートの股下の測り方はこちらをご参考に。
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    統括編集長・倉持裕一が振り返る、2021年の『ONESTORY』。

    想像以上に長いコロナ禍。メディアを沈滞させた決断。

    2020年2月。この時期を皮切りに、新型コロナウイルスという言語が一気に日本中を騒がせました。当時、まだその実態が分からず、死に追いやる感染病として国民の恐怖心は加速し、同時に経済も破綻。『ONESTORY』も例外ではなく、『DINING OUT』を含め、さまざまなプランは全て白紙に。

    コロナ禍以前に取材した記事も遅延に遅延を重ねる結果になってしまいました。『エタデスプリ』、『グラン・ブルー・ギャマン』、『レヴォ』などがそれです。

    すでに取材したのであれば、痺れを切らして公開する選択もありましたが、日本は緊急事態宣言や自粛の真っ只中。これらの記事をきっかけに、県をまたぐ移動の加担やそれによって感染者を出してしまったら、はたまたもっと最悪の事態を招いたらというメディアとしての責任を強く感じました。

    誰もが情報発信できる今だからこそ、メディアの役割は重大だと認識しています。個人とメディアは、異なるものだと考えます。大袈裟に言えば、日本だけでなく世界が難局と対峙する中、活発な記事の更新は、社会に不要だと思ったのです。結果、メディアを沈滞させる決断をしました。

    過去の振り返り記事において、自分は取材で出会った方々をこのように綴っていました。

    ―――
    「働く姿」ではなく「生きる姿」、「仕事」ではなく「人生」を目の当たりにしてきたような気がします。
    ―――

    今まさに我々において、それが問われている。そう感じました。

    メディアやイベントではない別のカタチを持って自分たちにできることは何か。地域に貢献できることは何か。社会の一員になれることは何か。

    それに向かって走り続けた1年となりました。
     

    「ハレ」だけではない。「ケ」と向き合う覚悟。

    前述、自分は過去の振り返り記事において、このようにも綴っています。

    ―――
    まだここでは発表できないプロジェクトを水面下で進めています。それもまた、イベントでもメディアでもないカタチのものです。
    『ONESTORY』は、既成概念にとらわれることなく、時代と目的に合った表現をより強固にしていきます。カタチのないカタチ、その活動体が『ONESTORY』です。
    ―――

    そのカタチのひとつは、2021年に発表できた長野県塩尻市の奈良井宿における『杉の森酒造』プロジェクトでした。

    中山道に位置する奈良井宿は、「木曽の大橋」のかかる「奈良井川」沿いを約1kmにわたって形成している日本最長の宿場です。そんな風景の中に200年以上も町のシンボルとして存在し続けていた場所が『杉の森酒造』でした。長い歴史に幕を下ろしたのは、2012年。以降、時は止まったままでしたが、2021年に『BYAKU -Narai-』として新たに息吹を取り戻しました。

    酒蔵も復活させ、宿泊施設、温浴施設を備える中、我々はかつて蔵だった場所をレストランとバーにするプロジェクトに参画。そこでは、さまざまな学びがありました。

    地域との共生、その魅力を伝えるなどは、これまでメディア及びイベントでも実践してきましたが、大きな違いはカタチとして「場」が残り続けるということです。

    例えば、『DINING OUT』であれば、2日(準備期間を除く)。言わば「ハレ」の日です。しかし、1年を通して見れば、残り363日「ケ」の日があるのです。

    カタチとして、「場」として、残り続ける関わりには、この「ケ」といかに向き合うかが大事になってきます。

    そして、もうひとつのカタチは、銀座『和光アネックス』地階グルメサロンのリニューアルプロジェクトへの参画です。『ONESTORY』は、本件のプロデュース及び商品のキュレーションに携わりました。

    日本全国に眠る知られざる名品の発掘や商品開発、季節の商材、ソムリエや唎酒師たちとの企画などを展開。その好例は、酒職人・松本日出彦氏による「武者修業」シリーズでした。発売当日に完売という結果を残すこともできましたが、やはり本件においても重要なことは「ケ」との対峙。

    完売した1日ではなく、残りの364日。イベントのあった1週間ではなく、残りの358日。「カタチ」のある場、地域、もの、こと、人と向き合うことは、そんな日々と向き合い「続ける」ことなのです。

    それぞれ準備期間に数年を有し、ようやく具現できた2021年。弊社代表・大類知樹と一番議論したテーマが、この「ハレ」と「ケ」でした。
     

    ONESTORYのやり方でONESTORYらしく。

    未だコロナ禍の尾を引いたまま2022年を迎える。

    我々もさまざまな変化に順応していかなければいけません。テクノロジーの進化も手伝い、そのスピードは、日に日に加速しています。

    しかしながら、大地や海から生まれるものや植物、季節の訪れなど、地球の動きに時短や効率はなく、一足飛びに何かを成し得ることはできません。

    つまり、物事が生まれる正しい時間の見極めが必要だと考えます。「命」の時間です。

    我々は、表現者として、活動体として、何ができるのか。そして、人としてどう生きるべきなのか。

    その解は、そう易々と得ることはできませんが、波に呑まれず、『ONESTORY』のやり方で『ONESTORY』らしく、自分たちにできる最良の道を歩んでいきたいと思います。

    そして、2021年も多くの読者様、取材先及び地域の皆様には大変お世話になりました。この場を借りて、出会った全ての方々に深く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

    どんなに時代が変わろうとも、『ONESTORY』は、まだ見ぬ日本の感動を探し続けます。

    それでは、日本のどこかでお会いしましょう。画面上ではなく、どこか大切な場所で。

    2022年、そんな出会いが叶う一年になることを願います。

    『ONESTORY』統括編集長・倉持裕一

    “わさび”といえばこの料理。わさび菜のピリ辛を生かす簡単ちらし寿司。[NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM・わさび菜/茨城県行方市]

    なめがた ベジタブルキングダム辛味、食感、色味。全てを引き立てるシンプルな料理。

    茨城県行方市を訪ねた『HATAKE AOYAMA』の神保シェフが、今回出合った食材はわさび菜。現地のハウスで採れたてを試食したシェフは、「シャキシャキの食感、鮮やかな色、ピリッとした辛さの全てが生きるメニューを考えたい」と決意していました。

    その後、神保シェフのもとには試作用のわさび菜が到着。改めて試食し、「葉はもちろん、茎も美味しいですね。この食感と辛味は、やはり“あの料理”で生きるでしょう」とにやり。そして教えてくれた料理は、ちらし寿司でした。

    「やっぱり“わさび”といえば寿司ですからね。少し工夫することで、わさび菜の魅力を引き出します」と自信をみせるシェフ。そのポイントは、葉と茎に分けてそれぞれ下処理をすること。これにより軽やかな食感を生かしつつ、わさび菜の魅力である辛味を引き出すのだとか。ではさっそくレシピを見てみましょう。

    【関連記事】歴史は浅くも、こだわりは強い。シャキっと食感でピリッと辛い、行方市のわさび菜。

    材料はいたってシンプル。ただし梅肉は塩辛すぎない南高梅、ごはんは炊きたてを揃えたい。

    なめがた ベジタブルキングダムわさび菜とツナのちらし寿司

    材料(2人分)
    わさび菜 1パック
    ツナ缶 1缶
    たたいた梅肉 50g
    炊き上げた白米 2合分
    (A)
     米酢 大さじ3杯
     砂糖 大さじ2杯
     塩 小さじ4分の1杯
     白炒りゴマ 少々
     刻み海苔 適量

    手順
    1.  わさび菜は水で洗って葉と茎に分け、葉は5分ほど水に漬けてから千切りに、茎は薄くスライスしてひとつまみの塩(分量外)で塩もみし、5分ほど置いておく
    2.  塩もみした茎の塩気を水で洗い流す
    3.  (A)を合わせてすし酢を作り、炊きたてのごはんに入れて切るように混ぜ、酢飯を作る
    4.  3.の粗熱が取れたらたたいた梅を入れて混ぜ、続いてツナ缶を汁ごと入れて混ぜる
    5.  更に冷めてから2.のわさび菜の茎を入れて混ぜ、次に葉を2回に分けて投入し、しっかりと混ぜる
    6.  器に盛り付け、白ゴマ、刻み海苔をふりかけて完成
    わさび菜の葉は、 刻む前に5分ほど水に漬けておくとシャキッとする。 わさび菜の葉は、 刻む前に5分ほど水に漬けておくとシャキッとする。

    わさび菜の葉は、 刻む前に5分ほど水に漬けておくとシャキッとする。

    水から上げた葉はしっかりと水分を取り、空気を含ませるように刻んでいく

    わさび菜を混ぜるのは酢飯の粗熱が取れてから。温かいままだと食感が損なわれてしまう。

    シャキシャキの食感と鮮やかな緑が目を引くちらし寿司が完成。もちろんお好みの刺し身などを合わせても美味しい。

    Photographs:TSUTOMU HARA
    Text:NATSUKI SHIGIHARA

    (supported by なめがたブランド戦略会議(茨城県行方市))

    歴史は浅くも、こだわりは強い。シャキっと食感でピリッと辛い、行方市のわさび菜。[NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM・わさび菜/茨城県行方市]

    なめがた ベジタブルキングダムOVERVIEW

    茨城県行方市は、年間80品目以上の野菜をはじめ、肉や魚まで、幅広い食材を産出する食材王国。我々ONESTORYは、その秘密や魅力的な食材を探るため、いばらき食のアンバサダーを務める『HATAKE AOYAMA』の神保佳永シェフとともに、行方市を訪ねました。

    今回のターゲットは、わさび菜。
    アブラナ科の葉物で、その名の通りわさびのような爽やかな香りと、ピリッとした辛味が特徴。数々の野菜を生産する行方市ですが、実はわさび菜の歴史はそう長くなく、高齢者や兼業農家向けの作物として2005年に導入されたことが起源。しかしそこから行方市特有の温暖な気候や、研究熱心な生産者の努力が実を結び、わずか15年ほどで行方市を代表する農産物のひとつとなったのです。

    産地を訪ねた神保シェフも、行方市のわさび菜を絶賛。「この爽やかな香りと食感を活かすメニューを考えてみたいですね」と、すでに頭の中でレシピの構想を練り始めた様子でした。そんな神保シェフと訪ねたわさび菜産地巡礼の様子をお伝えします。

    Photographs:TSUTOMU HARA
    Text:NATSUKI SHIGIHARA

    (supported by なめがたブランド戦略会議(茨城県行方市))

    日常の延長線上にある穏やかな時間。暮らすように滞在する、新潟の古民家宿。[里山十帖 THE HOUSE/新潟県南魚沼市]

    日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』はこちらから

    築150年の古民家は、まるでもうひとつの邸宅。『里山十帖 THE HOUSE』での「暮らし」を楽しみたい。

    里山十帖 THE HOUSE何もしない時間を楽しむ。そんな過ごし方を肯定する宿。

    多くの場合、旅のプランの第一歩は宿を決めることから始まります。つまり旅の目的地は宿です。しかし考えてみると、旅において宿に滞在する時間は思うよりも短いもの。ならば宿には、何が求められるのでしょうか。

    今回ご紹介する宿は、そんな疑問に答えを出してくれるかもしれません。宿の名は『里山十帖 THE HOUSE』。名宿『里山十帖』の離れとして誕生した1日1組限定の古民家宿です。 

    南魚沼の市街を過ぎて街道を折れ、山道をしばし進むと、現代的な装いの中に積み重ねた時間の長さを隠す古民家が現れます。築150年。長い間、豪雪に耐えてきた重厚感は、モダンなリノベーションを経ても褪せることはありません。 

    室内に入り荷をほどいたら、まずは窓に向いたチェアで一息。窓外に見えるのは、先ほど走ってきた街道です。この景観と、それを眺める時間こそが、この古民家宿の醍醐味のひとつ。遠くに望む道路に車が行き交う。車は誰かの人生を乗せて、走る。その人生に思いを巡らせながら、時間が過ぎる。無為な時間のようでいて、実は豊かな時間。「せっかくの旅だから何かをしなくては」という思い込みは、この宿には無縁です。 

    夕食は迎えの車に乗って、本館である『里山十帖』まで。木の温もり溢れるダイニングで、これもまた豊かな食事が始まります。

    「魚沼の四季の移ろい、七十二候に寄り添う料理を心がけています」という料理長の桑木野恵子氏。新潟の山海の幸で織りなす八寸、旬のキノコの葛寄せ、子持ち鮎と自家製梅干しを添えた蕎麦粥。料理には、桑木野氏の思いが込められています。

    「せっかく山まで来て頂いたから、本当は山の中で食べて欲しいくらい。だからそれができない分、景色が浮かぶ料理だといいなと思っています。ここに来るまでの道中の風景が浮かぶような」。

    そんな気持ちがこもっているからこそ、『里山十帖』の料理は、心に深く刻み込まれるのでしょう。

    遠くに望むのは南魚沼の町並み。市街地と田園が自然に調和した現代の里山。

    椅子に座り、外を眺めるためだけに設えられたような一室。この部屋の存在が、宿での滞在をゆるやかに彩る。

    重厚な梁と柱、囲炉裏とモダンな家具や快適な設備。新旧がバランス良く調和した心地よい室内。

    『里山十帖』で味わう夕食の一例。子持ち鮎と自家製梅干しを添えた蕎麦粥。

     地元の素材、地元の調理法をふんだんに取り入れる八寸。料理長・桑木野氏の思いが込められた一品。

    南瓜の葛寄せを合わせた茸の椀。郷土の季節感を表現する滋味深い味に、料理長・桑木野氏の思いが宿る。

    発酵にも造詣が深い料理長・桑木野恵子シェフ。郷土料理のアイデアも積極的に取り入れる。

    里山十帖 THE HOUSE朝日とともに目覚め、炊きたての米を食べる。そんな里山の暮らしを体験。

    部屋へ戻ったら、満点の星空を眺めながら露天風呂。絶景のダイニングやテラスも魅力ですが、眠気が訪れたらすぐに寝てしまっても良いでしょう。この宿では、何も特別なことをする必要はありません。

    翌日の朝食は部屋食。

    しかし部屋にやってくるのはお盆に乗った朝食ではなく、朝食を作る料理スタッフです。部屋に設えられたキッチンで食事の準備。土鍋でごはんが炊ける音、漂う出汁の香り。部屋は幸せな気配で満たされます

    「ご飯は炊きたてが一番ですから」スタッフの松浦由奈氏は、さも当然のように笑います。部屋での調理というわずかな時間の差、そこから生まれる満足感を、この宿は何より大切にしているのでしょう。

    つまりこの宿が提供してくれる時間は、特別な非日常ではなく、日常の延長線上にある穏やかさなのです。そして旅人が宿に求めるのはきっと、そんな当たり前の時間なのです。

    何もしない時間を過ごすことも、すぐに眠ってしまうことも、当たり前のように許せること。心穏やかに、まるで暮らすように滞在する宿。それは旅の目的地としての宿の、正しい形なのかもしれません。

    「朝食は、炊きたてのご飯が一番のご馳走。ぜひ、ご堪能ください」と話す、スタッフの松浦由奈氏。

    露天風呂からもこの絶景。天気が良い日は見事な星空も眺められる。

     ベッドルーム。古民家の骨格を活かしつつ、快適に過ごせる空間にリノベーションされている。

    室内の一角に設えられたダイニング。このキッチンで朝食が準備される。

    部屋で調理される朝食の一例。米はもちろん、魚沼産のコシヒカリ。

    住所:新潟県南魚沼市天野沢家森山671-1 MAP
    TEL:0570-001-810
    https://satoyama-jujo.com/thehouse/

    日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』はこちらから

    (supported by SUBARU)

    自然とともに生きる昔ながらの生活を垣間見る。絶景の棚田を一望するツリーハウス。[星峠宿/新潟県十日町市]

    架空の旅人が日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』

    星峠の棚田を目下に臨むロケーション。朝、昼、夕、夜、刻一刻と表情を変える自然芸術の絶景に身を興じる時間は、感動を超えた体験となる。

    星峠宿300年続く集落に誕生した樹上のキャンプ場。

    かの有名な星峠の棚田。

    朝靄に煙る情景、柿色の夕焼け、紫の残照に照らされる日没。さまざまなメディアに登場する新潟県十日町市を代表する景観です。そんな星峠に、1日1組限定のツリーキャンプ施設ができました。美しい景色を眺めながらコーヒーを飲み、食事を食べ、眠りにつき、目覚めたることができるという素晴らしい施設をご紹介しましょう。

    十日町の市街地を過ぎ山道をしばし進むと、やがて星峠に到着します。最初に目に入るのは、噂に違わぬ絶景です。 高台から見渡す一面の棚田。匂いがあり、音があり、肌に触れる空気がある。写真だけではわからないリアルな絶景です。 

    受付に訪れた『星峠宿CHAYA』で、施設のオーナーである粂井貴志氏が出迎えてくれました。学生時代の同級生にここ出身の友人がいた縁で訪れてみて惹きつけられ、やがてこの地に暮らすようになった人物。もちろん、山間の集落に余所者が受け入れられるまでには、幾多のハードルもあったことでしょう。

    「もちろん簡単ではありませんでした。最初の数年は“自分がここで何をやりたいか”ではなく、“自分がここのために何ができるか”だけを考えていました」。 と粂井氏は振り返ります。

    粂井氏の晴れやかな笑顔は、その迷いのない生き方の象徴。彼との会話も、この施設を訪れる楽しみのひとつ。

    星峠の棚田を舞台にツリーキャンプを堪能出来る『星峠宿』。ここでは、移りゆく景色の変化をただ望むことが何よりも特別な体験になる。

    200枚の田圃がある星峠だが、手掛けるのは粂井氏を含め9名だけ。2022年には、7名まで減少する。

    ツリーハウスの受付を兼ねた『星峠宿CHAYA』。コーヒーやグッズのほか、目の前の田で育った米も販売されている。

    4mの樹上に作られたウッドデッキ。道路の一段上から星峠を見渡す、宿泊者のためだけの特等席だ。

    粂井氏が精魂込めて育てた星峠の棚田米。品種はコシヒカリ。ミネラル豊富な雪解け水とこの地の土壌により甘み豊かに育つ。

    棚田を眺めながら、その地で育った米を炊きたてで味わう。この地の住人にとっては当たり前のことでも、遠来のゲストにとっては何よりのご馳走。

    宿泊者専用の風呂小屋も完備。湯船に浸かりながら里山を望むことができる。

    星峠宿観光地ではなく住民が暮らす里山だからこその、生きた絶景。

    観光地として脚光を浴びた星峠の棚田ですが、ここはあくまで地元住民の生活の場。年々増加する観光客に困っている部分もあったといいます。実は駐車場も公衆トイレも整備された道路も、すべて地元の方の土地を切り取ったもの。道路の整備やトイレの清掃をしても、地元には一銭の収益にならぬばかりか、手間ばかりがかかる。その解決策を次々に提示するうち、やがて粂井氏は集落に受け入れられていったのです。今ではこの棚田に土地を持ち、米も育てる粂井氏。いわば正式に住人として迎えられたのです。

    そんな話をしながら粂井氏が、ツリーハウスのデッキへと導いてくれました。 

    「集落の人と話し合って、一番の絶景ポイントにツリーハウスを建てました」。

    4mの木の上で目に飛び込んできたのは、日本の原風景のようでいて既視感のない、まっさらな里山の風景です。

    ただ美しい景色という以上に、この風景に今も血が通い、動き続けている事実が胸に迫ります。300年前の先祖が開墾し、代々それを守り続けているという住民の誇り。記録画像ではなく、進行形で動き続ける生きた絶景。施設では眼の前の棚田で収穫された米も販売されています。この景色を前に、その場所で収穫された米を味わう。それはどれほど豊かで、貴重な経験でしょう。

    12月に入るとここは4mもの雪に閉ざされ、施設は雪解けまで閉鎖となります。そんな自然の成り行きに任せる姿も、またこの地の魅力。自然とともに生きる豊かな暮らし。このキャンプ場での体験は、そんな遠い世界のほんの一端を垣間見せてくれます。

    雨、風、霧、雪。山間だけに自然の厳しさもあるが、それもまたこの地の魅力。

    住所:新潟県十日町市峠728 MAP
    TEL:025-594-7600
    https://hoshitoge.jp

    架空の旅人が日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』

    (supported by SUBARU)

    日本を走る。日本を旅する。グランドツーリングNIPPON[Grand Touring NIPPON]

    架空の旅人が日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』

    Main Pageすべての移動を感動に変えるクルマ。

    『ONESTORY』は、日本の自動車メーカー『SUBARU』とともに、日本を巡るオウンドメディア「グランドツーリングNIPPON」を立ち上げました。

    本企画は、架空の旅人が日本に潜むまだ見ぬ感動を探す旅。忘れがたい旅の紀行を記録に書き留めるツーリングエッセイです。

    それは、最果てにある宿かもしれません。
    山間で営む小さなレストランかもしれません。
    はたまた、目的なく走った先に出合う絶景かもしれません。

    ここでは、そんな旅から得た出合いを本メディアより抜粋し、ご紹介します。
     

    架空の旅人が日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』

    (supported by SUBARU)

    水風呂は、日本海。海水浴場の跡地に誕生したサウナで味わう究極の開放感。[サウナ宝来洲(ホライズン)/新潟県柏崎市]

    架空の旅人が日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』

    日本の渚百選に入選した風光明媚な鯨波海水浴場。天気が良い日は海の向こうに佐渡ヶ島を望む。

    サウナ宝来洲サウナで温まり、浜辺を走り、海に飛び込む。

    新潟に海が見えるサウナがある。

    そんな噂を聞きつけ、向かった先は、新潟県柏崎市。施設の名は『サウナ宝来洲(ホライズン)』。訪れてみるとそこは、“海が見える”どころではありませんでした。いうなれば海そのもの。道路を挟んで向かいにある『小竹屋旅館』で水着に着替え、水着のまま道路を渡れると、そこがサウナです。

    サウナ室に入ると、目線の高さの窓から海を一望。時計とにらめっこしながら「あと5分、あと3分」と我慢するのではなく、ただ海に見惚れていると時間が過ぎていきます。体が十分温まったら、サウナ室を出て浜辺へ。このサウナに水風呂はありません。代わりにあるのが海です。

    サウナ室を出て浜辺を走り、そのまま海に飛び込む。火照った肌を冷たい日本海が冷やします。皮膚がきゅっと収縮し、心が溶ける。海水の浮力に任せ、海の上に大の字に浮かべば、波が体をやさしく揺らします。その贅沢な開放感こそ、このサウナの醍醐味です。

    体が冷えたら、サウナ室の屋上にあるデッキへ。無論、ここからも海を望みます。施設すべての中心に据えられるのは、海。海辺の適地があったからサウナを作ったのではなく、この海を見せるためにサウナという手段を選んだような、海中心の施設です。

    サウナ室には目線の高さから海を望む窓がある。ストーブには300kgのサウナストーンを設置した。

    熱を逃さない建て付けや給排気のシステム、メンテナンスの利便性など、見えない部分にまでこだわりが溢れる。

    浜辺や施設屋上のデッキチェアや浜辺に設置されたハンモックなど、思いお思いの場所で外気浴ができる。

    サウナ宝来洲海辺の旅館で育ったオーナーの思いの結晶。

    このサウナへの思いを、オーナー・杤堀耕一氏に伺ってみました。

    栃堀氏の祖父と両親がこの地に海の家を開き、その後『小竹屋旅館』を開いたのは今から半世紀以上前のこと。その家に生まれ、賑わう海水浴場を見て育った栃堀氏ですが、やがて時代が流れます。価値観の多様化が、人々の興味を少しずつ海から逸していったのです。
    一度は故郷を離れていた栃堀氏はこの地に戻り、さまざまな手を打ちました。しかし天候や海況など自然の力には抗うことはできず、夏の海水浴客減少も止まりません。
    それでも杤堀氏は、この海を、ただ寂れさせたくはなかったといいます。「何かしないと、何か」そう考え抜いた栃堀氏の目に、偶然「サウナ」の文字が飛び込んできました。「これしかない」栃堀氏の心は決まりました。 

    人気のアウトドアサウナを見学に行き、勢いのままそのオーナーに施設のプロデュースを直談判し、地元工務店と話し合い、日々サウナについて学び、最上級のサウナ専用薪ストーブを準備し、フィンランドからサウナストーンを取り寄せる。思いついてから施設のオープンまで、わずか9ヶ月の出来事でした。

    まるで一遍の物語のように開業秘話を聞かせてくれた杤堀氏。その端々から伝わる、この海への思い。これだけの施設を作るのだから、大きな決断だったことでしょう。しかし杤堀氏の言葉からは、先への不安ではなく、新たなことを始めるキラキラとした高揚が伝わってきます。

    「自然が相手ですから、0点の日もあれば200点の日もあります」。

    秋の日本海を見ながら、杤堀氏は言いました。そして「だからこそ面白い」と笑いました。そして最後に「どの海も大好きだけど、とりわけ海に夕日が沈んでいく時間が好き」と言いました。

    日本海を赤く染めながら海に沈む夕日。その壮絶なまでの絶景も、このサウナの財産のひとつなのでしょう。

    オーナー・栃堀氏の言葉の端々には、この海への愛着がにじむ。

    住所:新潟県柏崎市鯨波2-3-6 小竹屋旅館敷地内 MAP
    TEL:0257-41-6270
    https://www.odakeya.com/sauna/ 
     

    架空の旅人が日本を巡るツーリングエッセイ『Grand Touring NIPPON』

    (supported by SUBARU)

    2022デニムカレンダー

    今年も出ました!2022年デニムカレンダー!

       
    • 今年はプレゼントではなく販売となりました!
    •  
    • 21oz生地の【 BB 】ブラック×ブラックの生地です!
    • 全世界200枚限定販売です!
    • 無くなり次第終了
    •  
    • 製品にはならない生地を使って作っておりますので生地に細かなキズや筋が入ってしまっている場合がございます。
    • 白い筋は濡れたタオル等でふき取って頂ければ目立たなくなります
    • お一人様1点でお願い致します。

    サイズ

    • 約縦102センチ×横84センチ

    ドリンク、調味料、お菓子……。2021年を締めくくるベストギフト12選。[和光アネックス/東京都中央区]

    年末年始は、ギフトを贈る側、贈られる側の機会も多い季節。センスの利いた品選びとワンランク上のギフト提案をぜひ。

    WAKO ANNEXアルコールとノンアルコール。届けたい相手やシーンを配慮する、TPOのようなギフト選び。

    年末年始は、各所へのご挨拶の時期でもあり、集いの時期でもあります。そんな時、少し気の利いたギフト選びをぜひ。

    中でも、ドリンクは万能選手です。まずは、ひと味変わったアルコール3種。秋元商店「籠屋ブルワリー和轍」、完熟屋「ミサキミード」、吉田酒造店「手取川 Sparkling dot」です。

    ビール、ミード、日本酒。種類の異なるアルコールは、こだわりのある独特な造りとそれによって豊かな味わいが生まれるブランドを選択。中でも、「籠屋ブルワリー和轍」は「和光」限定店舗販売、「手取川 Sparkling dot」は数量限定販売のため、希少性の高い逸品になります。

    次は、ノンアルコール3種。宮崎茶房「みねかおり白茶」、茶縁むすび「政所茶・古樹番茶」、カネロク松本園「燻製紅茶 りんご」です。

    宮崎、滋賀、静岡。茶の産地としても名高い各地の品は、ただの茶にあらず。こだわりの素材と味のアプローチは、おいしさだけでなく健康にも配慮しています。「政所茶・古樹番茶」においては、都内初 数量限定店頭販売のため、そんなエピソードとともにギフトを贈れば、その集いも盛り上がること間違いなしでしょう。

    ※今回、ご紹介した商品の一部は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン「FIND OUT ABOUT NIPPON」コーナー及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
    ※『和光アネックス』地階のグルメサロン「FIND OUT ABOUT NIPPON」コーナーでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内させていただいております

    秋元商店「籠屋ブルワリー和轍」は、杉の香りとモルトの旨みが凝縮された木桶仕込みのジャパニーズビール。木桶は国産材ブランドである吉野杉を使用。木桶は呼吸し、住み着く微生物が時間をかけて発酵を進め、木桶でしか出せない深い味わいを生み出す。生産量も極端に少ない貴重な国産麦芽を使用し、繊細できめ細かく優しい味わいが特徴。※「和光」限定店舗販売

    完熟屋「ミサキミード」は、愛媛・佐多岬の蜂の蜜のみを使用し、非加熱で製造。ミードとは蜂蜜から作るお酒であり、人類最古のお酒とも言われている。蜂蜜のお酒とは思えない深い味わいの秘密は、蜂蜜の含有量が60%も含まれていることにある。高品質な素材に加えて、しっかりとした酸が感じられる味わいの仕上がりに。

    モダン山廃造りのナチュラルで優しいお酒を瓶内二次発酵させたスパークリング日本酒、吉田酒造店「手取川 Sparkling dot」。口に含むと優しく弾ける泡感は、全て天然のもの。優しい酸味でスッキリ爽やかな味わいのため、食前・食中酒にも最適。※数量限定販売

    宮崎茶房「みねかおり白茶」の素材は、宮崎県五ヶ瀬町で育てる。農薬や化学肥料などを使用せず、有機栽培をしながら多くの品種を育て、お茶の香りを追求。様々あるお茶の中でも白茶はスッキリとした味わいと熟成された深みのあるハチミツのような香味が特徴。ティーポットに2~3gの茶葉を入れ、150ccのお湯を注いで2~3分抽出していただくのがお勧め。

     茶縁むすび「政所茶・古樹番茶」。滋賀県琵琶湖の東部、鈴鹿山系の渓谷に位置する政所は、古くから「宇治は茶所、茶は政所」と謳われた銘茶の最高峰であり、豊臣秀吉が生涯最も愛したお茶所。全国で2%以下となった在来種の茶樹の中、樹齢100年の古樹を葉だけでなく幹や枝までまるごと薪の火でじっくりと焙煎加工し、スモーキーな香りと口に広がる甘さを引き出す。※都内初 数量限定店頭販売

    カネロク松本園「燻製紅茶 りんご」は、環境保全に貢献し、世界農業遺産に登録された「静岡の茶草場農法」を継承。有機肥料を中心に土作りにこだわった栽培で、これまでの日本茶の世界にはなかった薫香が漂うお茶。燻製材は林檎の樹木を燃料に、品種はブラムリーアップルの木材を使用。スモーキーな中に林檎の優しい香りを楽しめる紅茶。

    WAKO ANNEX利用頻度の高い品だからこそ喜ばれる。プライベートに贈りたい、日常の特別。

    お味噌やオリーブオイル、ジャムなど、日常において頻繁に使われる品々だからこそ、嬉しいギフトであり、人気のギフト。そこに、少しのセンスと上質な素材にこだわった品をセレクトすることによって、ワンランク上の贈り物になるのです。

    まずは、調味料など3種。井上味噌醤油の「常盤味噌」と「白味噌」。アグリオリーブ小豆島「小豆島産100 %エキストラバージンオリーブオイル」。

    いつもの料理で使用するお味噌を「井上味噌醤油」に、いつもかけるオリーブオイルを「アグリオリーブ小豆島」にするだけで、その味は見違えるほど、リッチに変わります。「井上味噌醤油」は、「和光」限定店舗販売のため、中々お目にかかれない品になります。

    また、パン食派のお相手であれば、ジャムやはちみつなどもお勧め。

    ビーハッピー/タケイファーム「アーティーチョークはちみつ」や楽農研究所「SOIL TABLE 苺のコンポート」は、朝の時間に豊かさをもたらすでしょう。もちろん、日常のお料理にも最適です。今回のタケイファームの品は、「和光」限定販売。加えて、ミシュランの星獲得店やトップシェフ、食通も唸る品として注目もされています。

    また、この2品とともに楽しめる、NORTH FARM STOCK/白亜ダイシン「北海道クラッカー プレーン」のような品を添えて贈るギフトもまた、ホスピタリティーに長け、相手の記憶に残るに違いありません。

    贈る側、贈られる側。両立場の機会も多くなる季節ですが、どちらにしても、喜ばせたいギフト、嬉しいギフトであれば、幸福と口福の連鎖が生まれると思います。

    年末年始に向け、良きギフト選びをぜひ。

    井上味噌醤油は、明治8年創業より変わることのない手造りにて麹菌を生育。「常磐味噌」をはじめ、使用しているのは「生味噌」のため、酵素・酵母が活動状態にあり、味噌が持つ本来の風味を楽しめる。約150年仕込み続けた「木樽」にて天然醸造されることにより、奥深い発酵も表現される。※「和光」限定店舗販売

    上記と同様、井上味噌醤油の「白味噌」。伝統製法「もろぶた糀」が持つ天然の甘みのみを風味高く仕上げた淡色味噌。※「和光」限定店舗販売

    穏やかな瀬戸内海に囲まれた小豆島の農園で造られた、アグリオリーブ小豆島の「小豆島産100 %エキストラバージンオリーブオイル」。燦々と降り注ぐ太陽をしっかりと浴びて育った希少なオリーブ果実を丁寧に手摘みし、一番搾り。新鮮なうちに採油することで、若草の香りと風味豊かな味わいが楽しめる。

    ビーハッピー/タケイファーム「アーティーチョークはちみつ」は、ミシュラン取得店舗など数々のトップレストランに認められる逸品。日本最大級のアーティーチョーク畑を保有するタケイファームが「日本にもっとアーティーチョークを普及させたい」という想いから造ったアーティーチョークのはちみつは、品質はもちろん、稀少性も高い。※「和光アネックス」限定店舗販売

    楽農研究所「SOIL TABLE 苺のコンポート」のいちごは、愛媛県の「あかまつ農園」のあまおとめ・レッドパール・紅ほっぺの3種類をブレンド。炊き上げ、瓶詰めなどすべて手作り。※都内初 数量限定店頭販売

    NORTH FARM STOCK/白亜ダイシン「北海道クラッカー プレーン」は、北海道産の小麦を使ったワインを楽しむためのクラッカー。自社工場で一枚一枚丁寧に焼き上げ、サクッとした食感を追求。

    ※今回、ご紹介した商品の一部は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン「FIND OUT ABOUT NIPPON」コーナー及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
    ※『和光アネックス』地階のグルメサロン「FIND OUT ABOUT NIPPON」コーナーでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内させていただいております

    住所:東京都中央区銀座4丁目4-8  MAP
    TEL:03-5250-3101
    www.wako.co.jp

    Photographs:KOH AKAZAWA
    Text:YUICHI KUAMOCHI

    (Supprtted by WAKO)

    年末年始のテーブルを特別に彩る、新たな提案型ギフト5選。[和光アネックス/東京都中央区]

    新しい提案型のギフトは、合わせの妙をぜひ。食べる味と飲む味に加え、交わる味も楽しめる品々は、おいしい発見の連続。

    WAKO ANNEX大切な人たちと過ごす、一年の節目には、特別なギフトをぜひ。

    未だ様々ある昨今ですが、年末年始はゆっくりと過ごしたい。そう思う人は多いと思います。

    家族との集い、大切な人や気が置けない仲間との再会……。

    シーンは様々ありますが、その時間を華やかに彩るのは、食事の時間です。

    そんな時にお勧めしたいギフトは、ぜひ提案型のペアリングを。紹介してくれるのは、日本酒ソムリエ・『GEM by moto』店主・第14 代酒サムライの千葉麻里絵さんと調布市『Maruta』のドリンクディレクターを務める外山博之氏です。

    両者に共通しているのは、これまでに類を見ない「食べ合わせ」のプレゼンテーション。それぞれに理論と哲学を持った合わせには、美味しいだけではない、楽しい発見が待っています。

    クリスマスや年末年始、パーティーなど、ゲストを喜ばせる新たな提案型のギフト5選をご紹介します。

    ※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
    ※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

    外山氏がペアリングにおいて重視しているのは、香り。それも主観的な印象で判断するのではなく、科学的な香りの成分を紐解きます。「一緒に口に含むことで広がる香り、増加する旨味。そんな未知なる発見を楽しんでください」。

    「造り手の想いが込もったお酒や食品が単品でおいしいのは当然です。それを状況に応じて合せること で、シーンにマッチした楽しみやサプライズを楽しめるのがペアリングだと思います」と千葉さん。

    WAKO ANNEX外山博之が勧めるペアリングの軸は、ノンアルコール。香りや成分などを分析し、哲学的に結実させる。

    外山氏が勧めるペアリングは、3種。まずひとつ目は、「弘前シードル工房kimori」のkimoriシードル(ドライ)と「GOOD MORNING FARM」愛媛野菜のミックスピクルスです。

    シードルが持つリンゴの青い香りとピクルスの原料であるローリエの青い香りがマッチするペアリングは、香りと味わいが絶妙。「シードルが持つ発酵の香りは、ピクルスの酸味であるお酢との相性が良く、香りと味わいが交互に重なり、口の中で広がります」と外山氏。

    ふたつ目は、「NPO法人柑橘ソムリエ愛媛」ブラッドオレンジジュースと「アサヤ食品」バルサミコ(Vintage2013)です。

    ブラッドオレンジとバルサミコ酢の香りは、「同系統のため、非常に相性抜群」と外山氏。それを更に美味しくいただくためにお勧めするのは、「サラダ」にバルサミコ酢をかけて合わせること。

    「例えば、バジル、チーズ、イチゴのサラダにバルサミコ酢をかけ、ジュースの酸味と旨みを合わせるのもお勧めです。6年熟成・純国産の無添加バルサミコ酢は、これだけでも本当に貴重な1本です」。

    3つ目は、「かたすみ」いちごのフルーツティー3種セットと「トリ風土研究所」河内鴨もも肉コンフィです。

    「いちごのフルーツティーの優しい酸味が、河内鴨もも肉コンフィの旨みをバランス良く中和します。更にこだわりたい方への提案は、ややぬるめのお湯で淹れてみていただければ、より香りと味わいの輪郭をお楽しみいただけると思います。お肉の旨みとの調和が拡張し、美味しさが倍増するはずです」。

    「弘前シードル工房kimori」のkimoriシードル(ドライ)と「GOOD MORNING FARM」愛媛野菜のミックスピクルス。「『弘前シードル工房kimori』は、りんご畑の中にあるちいさな醸造所です。若いりんご農家たちが、自ら育てたりんごを持ち寄り、シードルを造っています。 果実感を損なわない自然な無ろ過製法を採用しているので、にごりや澱(おり)も含めたりんごそのものの味をお楽しみください。合わせるピクルスは、愛媛の旬野菜がぎゅっと詰められています。温暖で土地に高低差のある愛媛は、様々な食材の宝庫。春夏秋冬、豊かな味と出合えます」。

     「NPO法人柑橘ソムリエ愛媛」ブラッドオレンジジュースと「アサヤ食品」バルサミコ(Vintage2013)。「イタリア原産の赤いオレンジ、「ブラッドオレンジ100%の国産ジュースはとても希少です。中でも、愛媛・宇和島は、全国で数少ない産地のひとつです。合わせるバルサミコ酢においても希少。地元素材と向き合って半世紀以上。ワインビネガー専門メーカーの『アサヤ食品』さんが、2013年のヴィンテージを特別に100本限定で提供してくださいました。これは、2013年から6年樽で熟成後さらにビンで1年熟成したプレミアムなバルサミコ酢です」。

    「かたすみ」いちごのフルーツティー3種セットと「トリ風土研究所」河内鴨もも肉コンフィ。「砂糖・香料・着色料を一切使用せずに仕上げたシンプルなフルーツティーですが、丁寧な仕事が成された逸品です。ドライフルーツはすべて国産。低温で丁寧に乾燥し、うまみを凝縮しています。合わせる河内鴨は、2019年に大阪で開催されたG20の晩餐会でも公式メニューに採用された食材。そのもも肉の旨味をさらに凝縮するために時間をかけてコンフィしたものは、大量生産こそ難しいですが、お肉好きの方にはぜひ召し上がっていただきたいです」。

    WAKO ANNEXまさに千葉さんらしい日本酒との合わせ。食中から食後まで、シーンも楽しいペアリング。

    千葉さんが勧めるペアリングは2種。

    ひとつ目は、「木戸泉酒造」木戸泉 Afrugem 2016 afs×貴醸酒×スコッチ樽 GEM別誂と「和光」チョコレート ヴァレンシアです。

    「日本酒をピート香の効いたスコッチ樽で熟成させた貴醸酒は、まるでバーのような時間を演出してくれます。合わせるチョコレートは、カカオだけでなくオレンジも主役となり、食べ口によって変化する味とペアリングの妙も楽しめます」。

    ふたつ目は、「美吉野醸造」花巴 樽丸“水酛×水酛” 手漉き和紙ラベル 寺田克也画 千葉麻里絵オリジナルと「和光」うにからすみ。

    年末はもちろん、年始にいただけば縁起も良さそうなそれは、上質なばふんうにの食材がリッチな世界へ誘います。加えて、合わせるお酒は、千葉さんがコラボレーションしたオリジナル。

    「『美吉野醸造』花巴は、吉野杉を使った樽丸シリーズになります。杉の香りを纏っているため、身体と五感で美味しさを感じることができます。水の代わりに酒で仕込んだ貴醸酒は、濃厚で旨みたっぷり。合わせるうにからすみは、乾燥させずに仕上げた優しい食感が魅力です。生からすみと、とろけるようなばふんうにが織りなす調和とともにお楽しみください」。

    ペアリングを選んだ理由やストーリーとともにギフトをプレゼンテーションできれば、そのテーブルは、もっと楽しくなるでしょう。

    物語のあるギフトは、ただ美味しいだけでなく、誰かを幸せにする力があるのです。

    「木戸泉酒造」木戸泉 Afrugem 2016 afs×貴醸酒×スコッチ樽 GEM別誂と「和光」チョコレート ヴァレンシア。「この日本酒は、バーで飲むイメージで、日本酒をピート香のきいているスコッチ樽に入れて熟成させた貴醸酒です。合わせるチョコレートは、カカオだけでなくオレンジも主役となり、食べる場所によって味が変わるので、時間の流れを感じながらお酒とともにお楽しみください。

    「美吉野醸造」花巴 樽丸“水酛×水酛” 手漉き和紙ラベル 寺田克也画 千葉麻里絵オリジナルと「和光」うにからすみ。「樽丸とは、原木を年輪に沿って割って削る加工をした樽をつくる側板を集め丸く束ねたものです。杉の香りが纏っているので身体で感じるおいしさです。ここに、うにからすみの旨みが加わり、口の中は旨 味でいっぱいになります」。

    ※今回、ご紹介した商品は、2021年10月1日(金)にリニューアルオープンした『和光アネックス』地階のグルメサロン及び和光オンラインストア(上記バナー)にて、購入可能になります。
    ※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、外山博之氏と千葉麻里絵さんがセレクトするペアリングをご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。

    岩手県出身。保険会社のSEから日本酒に魅了されたことで飲食業界に転身。新宿の『日本酒スタンド酛(もと)』に入社後、利酒師の資格を取得。日本全国の酒蔵を訪ね、酒類総合研究所の研修などにも参加し、2015年に『GEM by moto』をオープン。化学的知見から一人ひとりに合わせた日本酒を提供する。口内調味やペアリングというキーワードで新しい日本酒体験を作り、日本のみならず海外のファンを魅了し続けるかたわら、様々なジャンルの料理人や専門家ともコラボレーションし、新しい日本酒のスタイルを日々模索する。2019年には日本酒や日本の食文化を世界に発信する「第14代酒サムライ」に叙任。。主な作品は、『日本酒に恋して』(主婦と生活社)、『最先端の日本酒ペアリング』(旭屋出版)など。出演作は、映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』(配給:シンカ)。https://www.marie-lab.com/

    埼玉県出身。バーテンダーとしてレストランやホテルなどに勤務した後、ソムリエへ転向。以降、様々なレストランで経験を積み、2012年より代々木上原『Gris』(現『sio』」)」のマネージャーに就任。2018年より調布『Maruta』のドリンクを監修、2019年より京都『LURRA゜』のドリンクディレクションなど、ペアリングを行いながら活躍の場を広げている。

    住所:東京都中央区銀座4丁目4-8  MAP
    TEL:03-5250-3101
    www.wako.co.jp

    Photographs:KOH AKAZAWA
    Text:YUICHI KUAMOCHI​​​​​​
    (Supprtted by WAKO)

    ブランド豚の旨味を引き出す、イタリアンシェフが作る魯肉飯。[NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM・美明豚/茨城県行方市]

    とろける食感と濃厚な旨味の魯肉飯。台湾の人気料理をイタリアンのシェフが作るとどうなるのか。

    なめがた ベジタブルキングダムまさかの台湾料理は、まかない料理の人気メニュー。

    茨城県行方市を訪ねた『HATAKE AOYAMA』の神保佳永シェフが、今回出合った食材は、ブランド豚・美明豚。さっそく「赤身と脂のバランスが良く、肉質も脂身も上質」と絶賛するその豚を活かすメニューを考えてくれました。

    今回の料理は、なんと魯肉飯(ルーローハン)。イタリアンの神保シェフのイメージとは異なりますが、実は店のまかない料理でスタッフに大好評のメニューなのだとか。

    「脂がおいしい美明豚は、とくにバラ肉がおすすめ。今回はそんなバラ肉の魅力を引き立てるメニューとして魯肉飯を選びました。肉は大きめにカットして、本来のおいしさを際立てます」

    という逸品。今回はそんな肉の魅力を前面に打ち出すために、本場の魯肉飯では必須の香辛料・五香粉は使用せず、シンプルな調味料だけで仕立てるといいます。ではさっそく、イタリアンシェフが作る台湾料理のレシピを見ていきましょう。

    【関連記事】NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM/きめ細かい赤身と口溶けの良い脂。一貫生産へのこだわりが生んだ最高峰のブランド豚。

    使う調味料はやや多いが、どれも家庭にあるものが中心。香りの決め手の八角はぜひ取り入れたい。

    特別な材料やテクニックなしに極上の味に仕上がるのは、シェフならではの細やかな下処理から。

    なめがた ベジタブルキングダム美明豚バラ肉の簡単魯肉飯

    材料 (2人分)
    豚バラ肉 400g
    玉ねぎ 1/2個
    生姜すりおろし 小さじ1杯
    ニンニクすりおろし 1片分
    ごま油 大さじ1杯
    八角 1個
    ちんげん菜 4束
    刻み万能ネギ 適量
    目玉焼き 卵2個分
    炊き上げたご飯 2膳分
    ★醤油、酒、みりん 各大さじ3杯
    ★黒砂糖・米酢・オイスターソース 各大さじ1杯
    水2カップ

    手順
    1.  豚バラ肉を一口大にカットしてフォークで刺して筋を切り、軽く塩コショウをしておく
    2.  熱したフライパンに胡麻油をひき、中火で豚バラ肉を焼く。焼き上がったらバットに取り出しておく
    3.  手順2のフライパンでスライスしたタマネギを中火で2分ほどソテーする
    4.  フライパンに2の豚肉を戻し、ニンニク、しょうがを加えて合わせながら中火で炒める。全体に絡んだら★の調味料と水 1カップ、バットにある肉汁も入れ、強火でひと煮立ちさせる
    5.  八角を加え、香りが立ってきたら弱火にし、蓋をして15〜20分煮込む
    6.  煮詰まってきたらちんげん菜を手で割いて、肉を覆うように入れ、再度蓋をして弱火で2分半ほど蒸し焼きにする
    7.  器に持ったご飯に6を盛り、目玉焼きを乗せたら完成

    フォークで刺すことで味が染みやすくなり、かつ短時間で柔らかくなる。

    炒めた際に出る豚の旨味をしっかりとタマネギに吸わせてから煮込んでいく。

    ちんげん菜は豚肉を覆うようにして蒸し焼きに。手間がかからず洗い物も減るひと工夫。

    半熟の目玉焼きを盛り付けて完成。しっかり味と八角の香り、美明豚の旨味がベストマッチ。

    Photographs:TSUTOMU HARA
    Text:NATSUKI SHIGIHARA

    (supported by なめがたブランド戦略会議(茨城県行方市))

    きめ細かい赤身と口溶けの良い脂。一貫生産へのこだわりが生んだ最高峰のブランド豚。[NAMEGATA VEGETABLE KINGDOM・美明豚/茨城県行方市]

    なめがた ベジタブルキングダムOVERVIEW

    全国圏屈指の野菜王国として数々の野菜を産出する茨城県行方市。我々ONESTORYは、一年に渡りこの行方市を繰り返し訪れ、生産者の話を伺ってきました。そしてたどり着いたひとつの仮説。行方市の野菜がおいしいのは、恵まれた気候や風土以上に、作り手の粘り強く、負けず嫌いな“行方気質”に由来するのではないか。そしてその説が正しいのなら、野菜以外の生産物もまた素晴らしいものなのではないか。

    そんな説を証明するために訪れたのは、ブランド豚・美明豚を育てる『中村畜産』。同行者は、昨年一年間行方市の野菜を追いかけ続け、その魅力を引き立てる数々のレシピを考案してくれた『HATAKE AOYAMA』の神保佳永シェフです。

    美明豚は、『中村畜産』がお産から出荷まで一貫して育てる特定病原菌を持たないSPF豚。肥育環境や飼料にこだわり、ストレスなく育てる豚は、各所から高い評価を得ています。果たして現地を訪れた神保シェフは美明豚と『中村畜産』にどんな感想を抱き、どんな料理のアイデアを練るのでしょう? その詳細をお伝えします。

    Photographs:TSUTOMU HARA
    Text:NATSUKI SHIGIHARA

    (supported by なめがたブランド戦略会議(茨城県行方市))