更なる技術革新の向こうに
オムニチャンネルは、今まではラストワンマイル的な意味合いでコンビニの活用や店頭でのバーコードスキャンなどの話題があったが、それで収まるわけでない事は誰でも知っている。
Amazonは家庭内でもバーコードや音声で発注できる端末を発売した。他のところもスマホで写真を取れば簡単に価格と安全に購入できる先をリスト化したものが出てくるアプリを作ってくるだろう。Googleグラスなら、自動表示も可能だ。いつでもどこでも売り場になるわけだ。さらに
個人が販売することも簡単になってきた。今やEコマースは登録料無料も相当多い。
このような状況の中で今までの概念で店舗出店をしてきたところはどうなるのだろう。店舗は出店時の経費と運営時の経費など、今のEコマースなどと比較すると何十倍ものがかかる。それが今まではオムニチャンネルだと言ってリアル店舗になんとか誘導しようとしているが、こういった状況になるとオムニチャンネル自体もどう効果が出せるかわからない。
将来の店舗はどういう位置づけになるのだろうか。
食品などのデイリーな商品を購入する場、
急ぎの商品を購入する場、
エンターテイメントとして楽しむ場、
モノだけでなくコトを体験する場。。。。
などなどの可能性が考えられる。
最も今注目しているのは、コトを体験する場としての店舗のあり形である。商品を購入するのは、商品のよさを理解して買う訳であろうが、商品を購入してからどう商品を使うのかを購入者が体験するというのが普通であるが、最近はまず体験してから、その商品を購入するというようなことも多くなってきている。ちょっとニュアンスは違うのかもしれないが、アメリカの本屋バンザーンノーブルでは売り場で多くの人が、座り込んで本を読んでいる。つまり日本では本を買ってから本を読むのであるが、ここでは本をある程度読んでから本を買うというような具合なんであろう。こういうったことなんかもコトを体験してからモノを買うという一つの現象だと思う。
でもこれを今のリアル店舗全店でできる訳ではなく、これからもどんどんEコマースが売上シェアを伸ばして行けば、そこそこのリアル店舗は利益的には立ち行かなくなるはずだ。つまりその将来を想定して今までとは全く利益構造の違うリアル店舗を作らなければならない。これは相当大きな業務改革をしなければならない時期に来ていると思う。