選択と集中という話がよくある。今の事業を絞り込んでもうかるのにリソースを集中しようということなんであろうが、これで成功しているところもあるが、失敗しているところも結構多い。確かにシナジー効果のない事業にリソースを分散して一つ一つが小さくなってうまくいかないのを防ごうということなんであるが、実際はそれほど単純な話ではないと思う。
小さな組織になれば、規模メリットは少ないが、その分スピードは速く誰もが情報共有しやすくなり全体に機動力は高まる。メリットは多い。小さい組織だから他の組織との連携を模索せざるを得なくなり、その分いいリソースとの連携が可能になり、小さいながらも成功する可能性は上がる。
最初、シナジー効果がないと思っている組織間も時代が変われば、様々な要素でシナジー効果を生むことも可能になってくる。シナジー効果を発見できるかどうかは、そこのビジネスモデルの問題だ。シナジー効果が発見できればそれは新たなビジネスチャンスをゼロから作るより早く達成できる。。。。。。
逆に考えてみる。
絞り込むことにも確かにいい部分は多い。絞り込んだ流域の中には、実はさらに細分化すると、手をつけている部分と手を付けていない部分があったりするものだ。その手を付けていない分野にまでリソースをかけることができるので、絞り込んだ分野に関しては、どの角度から見ても連携できる、双方ウインウインになることも可能性が高まる。
このように、どちらに振っても可能性はあるし、逆に弱点もそれなりに出てくる。しかし、共通要因はぶっきらぼうな表現かもしれないが「好奇心」といっていいだろう。好奇心があれば、そこから湧く旺盛な行動力があればうまくいく可能性はどちらのアプローチでもあるがなければむつかしいということだ。
長く研修一本やりで事業をやってきた会社がある。そこのメインテーマは営業力アップだ。この手のテーマの会社は、理論的なところから、ハンズオンで実践的なところまで山ほどあるだろう。しかし、最近ネットの力が浸透してきて、従来型の営業手法だけではカバーしきれなくなってきている。そのことは自社の営業研修メニューがすんなり営業開発できないところからもわかっていると思う。要は営業研修を売り物にしている会社自体が営業開発できないわけだ。
ならどうする?
先ほどの方法を考えると、大きく2種類に分かれるわけだ。営業研修以外の会社、例えばコーチングの会社や、組織マネジメントの会社、財務や総務などのバックオフィスの支援会社などと連携を組んでワンストップ性を持たせる方法である。営業研修だけでなく総合型の研修会社になれる可能性も出てくる。
次の方法は取引先の業界ごとに微妙に営業手法が違うのに対してアジャストしていく方法だ。業界特化型の営業研修が数業界できるようにしていくという考え方である。他には営業開発と、営業開発後の支援とか、不審営業先専門とか。。。。のように営業のステージ別に特化した研修メニューを開発することである。研修を営業研修の中でさらに深堀していくのである。分野ごとでは圧倒的な他社との違いを持つことによってオンリーワン性をつくるという考え方を持つということだ。
で、自分とこはどうするのか?といつも自問自答するのだが、できれば、横展開しながらさらに縦に深堀していこうと無理なことを考えているのであるんだな。。。。できることやらできないことやら。。。。