本当に住みやすい街、トップは「南阿佐ヶ谷」、アルヒ調べ

アルヒ(株)(東京都港区、以下 ARUHI)は、同社データを基に住宅専門家が厳選した1都3県の“本当に住みやすい街”TOP10を発表する、「ARUHI presents 本当に住みやすい街大賞 2017」を開催し、その結果を発表した。選定にあたり、ARUHIは1都3県でARUHI住宅ローンを利用する方の融資実行件数(約7,500件:2016年8月から2017年7月までの1年間、借換除く)を町名単位で集計。これらのデータを基に、住環境・交通利便・教育環境・コストパフォーマンス・発展性の5つの基準を設定し、住宅や不動産の専門家が参画する選定委員会による公平な審査のもと“本当に住みやすい街“を選定した。

それによると、ランキング1位を獲得したのは「南阿佐ヶ谷」(丸の内線)。杉並区は22.2%と23区3位の緑被率、近場に自然を感じ取れる公園が川沿いに数キロ続いており環境がよいこと。日々の暮らしに必要な買い物は商店街ですませられ安いお店も多く、駅前には杉並区の公共施設がまとまってあり便利など、自然の豊かさと都会の便利さを合わせ持つ点が、家族暮らしに最適な街としてトップに選ばれた。

2位は「勝どき」(大江戸線)。今年度超高層マンション3棟という大規模建設が着手され、東京オリンピック開催後には選手村が5000戸を超える住宅へと改修される予定であり、都心に近く発展性があること、子育て支援も充実した街であることなどが評価された。

3位は赤羽」(JR)。駅周辺の再開発計画と、湘南新宿ライン・京浜東北線・宇都宮線・赤羽線・埼京線・高崎線の6路線利用可能で、赤羽駅周辺からはバス路線も多方面にあり、小回りもきき、交通の便がよいこと。もともと商業施設が充実し、生活しやすい場所として庶民性があるなどが評価され3位にランクイン。

東京都以外の県では4位に埼玉県の「三郷中央」(つくばエクスプレス)、5位に神奈川県の「戸塚」(JR)、8位に千葉県の「千葉ニュータウン中央」(京成電鉄)がランクインした。

ニュース情報元:アルヒ(株)

10月の住宅着工数、2か月連続の減少、東京都

東京都はこのほど、「平成29年10月の新設住宅着工」についてとりまとめを発表した。それによると、都内における10月の新設住宅着工戸数は12,730戸。前年同月比では、貸家、分譲住宅は増加したが、持家は減少し、全体で1.0%減と2か月連続の減少となった。

利用関係別では、持家は1,318戸(前年同月比14.9%減、6か月連続の減少)、貸家は6,790戸(同1.7%増、7か月振りの増加)、分譲住宅は4,603戸(同1.4%増、2か月振りの増加)、マンションは2,930戸(同1.5%増、2か月振りの増加)、一戸建ては1,553戸(同0.7%減、6か月連続の減少)。

地域別では、都心3区は348戸(前年同月比30.3%減、2か月連続の減少)、都心10区は3,005戸(同22.5%増、4か月振りの増加)、区部全体では10,441戸(同5.6%増、4か月振りの増加)、市部では2,273戸(同22.4%減、2か月連続の減少)となった。

※都心3区:千代田区、中央区、港区
※都心10区:千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、渋谷区、豊島区

ニュース情報元:東京都

住民経営マンション「管理はつなぐ」[5] 「クロスエアタワー」

住民経営マンションを取り上げる本連載の第5回では、クロスエアタワーを紹介する。高架の首都高3号渋谷線と山手トンネルの高低差約70mを接続し、ジャンクション、公園、集合住宅などを合わせて建設。世界でもほぼ前例のない高度な土木技術を駆使した複合再開発で生まれたマンションだ。メイン写真手前は9階で接続する人工庭園。2回転ループした高速道路の屋上、地上約35mの高さにつくられており、未来感漂う先鋭的な構造だ。
ヨガ教室や、ケーキ教室など多彩なイベントが盛況

第4期理事長の礒辺氏が話す管理組合の方針は、クロスエアタワーの未来的な外観と異なる家庭的なものだった。
「縁あって同じマンションに暮らすのだから、やはり良いコミュニティを築きたいというのが理事会の総意です。そのため、住民間の交流を促そうといろいろなイベントを行っています」
その内容が充実している。2年前から始めたヨガ講座は6階の広いラウンジを使って月に十数回実施。著名インストラクターの指導が好評で、毎回約15~30名の枠がすぐに埋まる。昨年10月半ばには初の試みとして、タワー屋上で中秋の名月に照らされながらのヨガも実現させた。また、住民自ら名乗り出て講師役を務めるクリスマスケーキ教室開催や、ひな人形の寄贈など理事以外の住民からの働きかけも目立つ。「新年会、ハロウィン、クリスマスツリー点灯式+コンサートなどのイベントもあり、これらが盛況なことから住民の皆さんが能動的に動いてくださるようになったと思います」

(左)ヨガ教室は初心者~中級者までレベル別に開催。男性も3~4割参加 (右)住民から寄贈されたひな人形は計2台。春に1階グランドロビーに飾られる (画像提供/クロスエアタワー)

(左)ヨガ教室は初心者~中級者までレベル別に開催。男性も3~4割参加 (右)住民から寄贈されたひな人形は計2台。春に1階グランドロビーに飾られる (画像提供/クロスエアタワー)

トランクルームの増設など、日常的に使う設備改善も

さらに、住民の声や状況に応じて共用施設のカスタマイズも進めている。「ハイルーフや大型SUVなどの所有者が想定より多かったため、余裕があった普通車用の駐車スペースを大型車用に割り当てました。また、駐輪場内に各々の空気入れが置かれて雑然としていたので、エアーコンプレッサーを購入して各自の空気入れを片付けていただいたほか、空きスペースを活用してトランクルームも増設しました」
定期的なイベントだけでなく、住民の日常的な暮らしにも目を配り、整然として快適な共用空間を保つ。こうした取り組みが功を奏して住民の愛着は着実に増しているようだ。それを象徴するのが、理事の成り手に困らないことだと礒辺理事長は話す。
「40代、50代が中心で忙しい世代ですが、主体的にマンション管理に臨もうとする姿勢を感じます。この機運を次につなげていきたいですね」

(左)新年会やハロウィン、クリスマスツリー設置など主なイベントの会場になる1階グランドロビー(右)4つあるゲストルームは大人気で2 カ月先まで予約が入る。家具はすべてイタリアの人気ブランド、カッシーナ(写真撮影/柴田ひろあき)

(左)新年会やハロウィン、クリスマスツリー設置など主なイベントの会場になる1階グランドロビー(右)4つあるゲストルームは大人気で2 カ月先まで予約が入る。家具はすべてイタリアの人気ブランド、カッシーナ(写真撮影/柴田ひろあき)

建築・住宅計画等を専門とする東京大学教授 大月敏雄氏が語る建築家の視点
世にあるマンションの組合理事には比較的男性が多いが、ここは代々、女性理事が目立つという。女性ならではの視点で商業施設のサインが悪目立ちしないように要望を提出したり、シェアサイクル車体のカラーリングにも配慮するなど、日々の生活に関連する提言が実現していることは、住民の暮らしの満足度を押し上げてきたはずだ。このマンションのように男女の理事がバランス良く存在すると、住み心地の向上につながるのではないだろうか。
また、駅周辺の再開発とグローバル化が進む渋谷の市街地に近いことから、物件内表示の多言語化も検討材料に挙げているとのこと。都心の物件なら今後の国際化は不可避なだけに、参考にしたい取り組みだ。国道246号線と山手通りの交差点に面した商業施設。品ぞろえ豊富なスーパーは25時まで営業(撮影/柴田ひろあき)

国道246号線と山手通りの交差点に面した商業施設。品ぞろえ豊富なスーパーは25時まで営業(撮影/柴田ひろあき)

住宅部会は計11名、非住宅部会は計3 名で構成。月1 回、定例報告や商業施設サイン変更の事前確認、イベント計画の共有などを行う。住宅部会は副理事長3 名で理事長を補佐する

住宅部会は計11名、非住宅部会は計3 名で構成。月1 回、定例報告や商業施設サイン変更の事前確認、イベント計画の共有などを行う。住宅部会は副理事長3 名で理事長を補佐する

※この記事は『都心に住む』2017年9月号(7月26日発売)からの提供記事です
※管理組合のルールや方針は変更される場合があります