夕食時の「タイムアタック」事情、最短は2分のツワモノも! 働くママたちの時短テクとは?

仕事帰りにお子さんのお迎えや、買い物をこなすことも多い働くママ。夕食の準備は、1分1秒でも短くすませたいですよね! エスビー食品株式会社が、新製品「とろっとワンプレート」の発売にあわせて行った「夕食づくりにおける時短への意識」アンケートから、働くママのご家庭の驚くべき「夕食タイムアタック事情」が見えてきました。
時短夕食づくり、ママたちの最短タイムは?

アンケート結果によると、夕食づくりにかかる時間は「普段の夕食づくり」が平均「46分」であるのに対して、「特に時間がない日の夕食づくり」は平均「24分」なのだとか! 想像するだけで目が回りそうです。さらに、「過去の夕食づくりにおける最短調理時間」では、平均は「16分」。なかには、なんと「2分」という最短記録をもつ方もいたのだそう! 働くママたちの多くが、壮絶な「夕食タイムアタック」を繰り広げている様子がうかがえます。

回答数:500(画像提供/エスビー食品株式会社)

回答数:500(画像提供/エスビー食品株式会社)

働くママたちは、必然的に「時短テクニック」を身につけていくようです。「よくおこなう時短テクニック」では、「1皿で済むメニューにする」(54%)という回答が最多! 「調理済み食品を使う」(45%)、「品数を減らす」(38%)、「加熱方法を工夫する」(34%)、「切り方を工夫する」(26%)、「材料の種類を減らす」(18%)などを大きく上回りました。確かに、1皿で済めば、洗い物も最小限で済みますからね。

回答数=471(画像提供/エスビー食品株式会社)

回答数=471(画像提供/エスビー食品株式会社)

ワンプレートメニューにおすすめの副菜を紹介

けれどワンプレートなら何でも良いという訳ではなく、やはり腹持ちは重視したいところ。あくまで「主食ごはん」+「おかず」をワンプレートでサーブするのがベストバランスのようです。

回答数=122(画像提供/エスビー食品株式会社)

回答数=122(画像提供/エスビー食品株式会社)

この調査のきっかけとなった「とろっとワンプレート」シリーズは、ごはんに合うワンプレートのディナーが楽しめる、煮込み時間15分の時短食品。ただ、ご飯と煮込みだけだとちょっと寂しい気分になることも。そんなときのために、ワンプレートメニューにマッチする副菜を選ぶコツをエスビー食品株式会社の広報担当者に質問してみました。

「副菜を用意するのは一見面倒にも感じますが、レタスやベビーリーフのほか、にんじん、ブロッコリー、卵、ウィンナーなどを茹でたものなど、シンプルなものを盛り合わせるだけでもソースとともにおいしく楽しめます。煮込み料理は煮込み時間を使って、効率よく副菜の準備ができるのも特徴です」(エスビー食品株式会社広報担当)

「例えば『チーズィーチキン』などチーズ味のものには、スパイシーなカレー粉を使った副菜もアクセントになっておすすめです。例えば『ハッシュドポーク』などトマト味のものには、オムレツなど卵の副菜も相性が良いです」(同)

また、更に上をいく「時短副菜」は、「ピクルスやキャロットラペなどつくり置きできる副菜」なのだそう! 確かに、こういったものを冷蔵庫に常備しておけば、ささっとワンプレートに添えられますね。納得の時短ワンプレートになりそうです。ぜひ、夕食メニューの参考にしてみて下さい。

関西住みたい街ランキング、総合トップは3年連続「西宮北口」

(株)リクルート住まいカンパニーは、関西(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県)に居住している人を対象に行ったWEBアンケート「みんなが選んだ住みたい街ランキング2018 関西版」を集計し、その結果を発表した。本調査の実施時期は2018年1月5日(金)~2018年1月22日(月)。有効回答数は4,600人。調査方法はインターネット。

それによると、総合ランキング1位は3年連続「西宮北口(阪急神戸線)」となった。2位も3年順位は変わらず「梅田(地下鉄御堂筋線)」がランクイン。3位には昨年7位から順位を上げ、「神戸三宮(阪急神戸線)」がランクインした。阪急神戸線は他に「夙川」が6位、「岡本」が8位となっており、TOP10に4駅がランクインしている。

■「住みたい街(駅)」ランキング(関西全体/3つの限定回答)
1位:西宮北口(阪急神戸線)
2位:梅田(地下鉄御堂筋線)
3位:神戸三宮(阪急神戸線)
4位:なんば(地下鉄御堂筋線)
5位:千里中央(北大阪急行)
6位:夙川(阪急神戸線)
7位:天王寺(地下鉄御堂筋線)
8位:岡本(阪急神戸線)
9位:江坂(地下鉄御堂筋線)
10位:草津(JR東海道本線)

交通利便性や生活利便性が高いのに家賃や物件価格が割安なイメージがある、穴場だと思う街ランキングでは、1位「塚口(阪急神戸線)」、2位の「尼崎(JR東海道本線)」、3位の「大津(JR東海道本線)」ともに駅周辺が再開発された駅、もしくは進行中の駅がトップ3にランクインした。傾向としては「東三国」「江坂」などの御堂筋線と、「塚口」「武庫之荘」「十三」などの阪急神戸線の駅で「梅田」により近い駅が多くランクインしている。

■穴場だと思う駅ランキング
1位:塚口(阪急神戸線)
2位:尼崎(JR東海道本線)
3位:大津(JR東海道本線)
4位:東三国(地下鉄御堂筋線)
5位:梅田(地下鉄御堂筋線)
6位:武庫之荘(阪急神戸線)
7位:江坂(地下鉄御堂筋線)
8位:天王寺(地下鉄御堂筋線)
9位:千里中央(北大阪急行)
10位:十三(阪急神戸線)、伊丹(阪急伊丹線)、明石(JR山陽本線)

住みたい自治体ランキング(総合)では、1位は「兵庫県西宮市」で3年連続のトップ。2位「大阪市北区」と3位「神戸市中央区」も3年連続順位に変化なし。大阪府では大阪市内3区の他に「吹田市」「豊中市」が、兵庫県では神戸市内2区の他に「西宮市」「芦屋市」、京都府では「京都市中京区」がTOP10入りしている。

■住みたい自治体ランキング(総合)
1位:兵庫県西宮市
2位:大阪府大阪市北区
3位:兵庫県神戸市中央区
4位:兵庫県神戸市東灘区
5位:大阪府大阪市中央区
6位:大阪府吹田市
7位:大阪府大阪市天王寺区
8位:京都府京都市中京区
9位:大阪府豊中市
10位:兵庫県芦屋市

ニュース情報元:(株)リクルート住まいカンパニー

築50年の家をリフォーム、猫3匹とくつろぐ ”おウチライブラリー”がある家(前編) テーマのある暮らし[1]

「きっかけは、老朽化した家を快適な環境にすることでした」と話す加藤泰朗(かとう・やすあき)さん。夫婦そろって本好きという加藤さんは、リフォームを機に今までスペースを取っていた本の”美しい収納“にもこだわりました。大好きな本に囲まれたライフスタイルとは? 今回はその前編をお届けします。【連載】テーマのある暮らし
この連載では、ひとつのテーマで住まいをつくりあげた方たちにインタビュー。自分らしい空間をつくることになったきっかけやそのライフスタイル、日々豊かに過ごすためのヒントをうかがいます。50年の時を経た祖父母の家をリフォーム

加藤さんの家は、神楽坂駅から徒歩10分。細い路地を入った閑静な住宅街に、夫婦で暮らしています。現在は、医療系の出版社に勤務している加藤さん。実はこの家、もともと加藤さんの祖父母が住んでいたもの。築50年になる母屋にアパートが付いた建物は、親の代を経て3代目の加藤さんが受け継ぐことになりました。

しばらく夫婦で暮らしていましたが、年季の入った家は傷みが進んでいるうえに使い勝手も悪く、断熱材も使われていません。「お風呂場は外のブロック塀とくっついているし、部屋の壁もわずか1枚。冬はもう寒くて仕方ありませんでした」

加藤さん夫婦は3匹の愛猫(11歳になる八兵衛くん、8歳のまめ吉くん、3歳のまん福くん)と一緒に暮らしています。取材がはじまると年長の八兵衛くんがやって来て、スリスリと挨拶をしてくれました。

「本とともに大切にしたかったのは、人にも猫にも気持ちよく過ごせる空間」と話す加藤さん夫妻。細かく区切っていた壁を抜いたことで、さらに日当たり抜群の環境に(写真撮影/内海明啓)

「本とともに大切にしたかったのは、人にも猫にも気持ちよく過ごせる空間」と話す加藤さん夫妻。細かく区切っていた壁を抜いたことで、さらに日当たり抜群の環境に(写真撮影/内海明啓)

土間が中心の1階は、新しく生まれた庭を楽しむ開放的な空間に

「ここを更地にして家を建てる、という発想はなかったです。せっかく引き継いだ家なので、今あるものを残してリフォームすることを決めていました」

そんな加藤さん宅の1階は、約9畳の土間が中心。土間の中央には2階への階段、その奥は寝室となる和室。その隣には譲り受けた年代モノの桐箪笥(きりだんす)が置かれており、おばあちゃんの家に遊びに来たようなぬくもりが感じられます。

土間と和室の段差は、腰かけて庭を見渡せる高さに設計。桐箪笥の上にある棚にはプロジェクターがあり、映画の上映会も可能です(写真撮影/内海明啓)

土間と和室の段差は、腰かけて庭を見渡せる高さに設計。桐箪笥の上にある棚にはプロジェクターがあり、映画の上映会も可能です(写真撮影/内海明啓)

また、昔の母屋があった場所を減築(建物の一部を解体)して、あらたに6坪の庭をつくりました。階段下をふさがなかったのも、和室から庭までのつながりを持たせるためで、和室からも庭を楽しめる開放的な空間になっています。ちなみに、階段下は猫たちのトイレスペース。砂が多少とび散っても、下が土間なので掃除をするのもラクになったとか。

「夏になると、うちの子はみんな土間でゴロゴロしていますよ。風もよく通って涼しいですし、土間ならではのひんやり感は、猫たちも気に入ってくれているみたいです(笑)」。建物全体に断熱材を入れ、土間には土間暖房も設置しているため、冬でも寒すぎず快適に過ごせるそうです。

夏場も涼しい土間は、漬け物を寝かせる場所としても最適。祖父母の代から庭にある梅の木から今でも収穫できるので、毎年梅干しを漬けているそうです(写真撮影/内海明啓)

夏場も涼しい土間は、漬け物を寝かせる場所としても最適。祖父母の代から庭にある梅の木から今でも収穫できるので、毎年梅干しを漬けているそうです(写真撮影/内海明啓)

1階の本棚も圧倒的な存在感

土間が中心の1階といっても、ここにも本棚はあります。メインの本棚は2階のリビング・ダイニングになりますが、バスルームとトイレを結んでいる1階の廊下やその手前の壁にも棚をつくって、本を置くスペースに。ずらっと並ぶ本の数々が、存在感を放っています。

以前の家には洗面所がなかったため、土間の一角に待望の洗面所を設置。配管もむき出しにして圧迫感を減らし、木のぬくもりにマッチするデザインになっています(写真撮影/内海明啓)

以前の家には洗面所がなかったため、土間の一角に待望の洗面所を設置。配管もむき出しにして圧迫感を減らし、木のぬくもりにマッチするデザインになっています(写真撮影/内海明啓)

どうやら、加藤さんの本好きはDNAのなせるわざなのかもしれません。というのも、実はこの家とともに受け継いだ本もたくさんあるのだそう。「この1番上と2番目の棚にある本は、新聞紙に包まれて押入れに保管されていた文芸集です。ほかにもありますが、この赤い装丁がとてもきれいなので、日差しを直接受けないこの場所で保管することに決めました」

赤い文芸集が並んでいる姿は、オブジェとしても楽しめるアクセントに。その下には、庭の手入れや家庭菜園用の園芸本もたくさん。庭に通じる玄関脇にあるため、ガーデニングの際にすぐ手に取れるようにしているのだとか(写真撮影/内海明啓)

赤い文芸集が並んでいる姿は、オブジェとしても楽しめるアクセントに。その下には、庭の手入れや家庭菜園用の園芸本もたくさん。庭に通じる玄関脇にあるため、ガーデニングの際にすぐ手に取れるようにしているのだとか(写真撮影/内海明啓)

古民家風の風情が落ち着く、障子と昭和レトロな曇りガラス

1階でもうひとつ特徴的なのは、古民家風な雰囲気を醸し出している障子付きのサッシ。掃き出し窓として使われていた当時のものをそのまま活用して、土間との一体感を演出しています。

「日差しが強いときは障子を閉めればいいですし、カーテンやブラインドと違って暗くなり過ぎないのも障子の良さ。外からの目隠しにもなりますしね。ただ、一番下の障子は猫が突き破るので、そのまま空けています(笑)」

昔の家でよく見かけた、懐かしい欄間(らんま)にも障子が付いて、柔らかい日差しが入ってきます。欄間を開けるだけで空気の入れ替えができるなど、日本家屋ならではの知恵が詰め込まれています(写真撮影/内海明啓)

昔の家でよく見かけた、懐かしい欄間(らんま)にも障子が付いて、柔らかい日差しが入ってきます。欄間を開けるだけで空気の入れ替えができるなど、日本家屋ならではの知恵が詰め込まれています(写真撮影/内海明啓)

障子を開けると、サッシの下半分は昭和のレトロ風情が漂う模様付きの曇りガラス。「妻がとても気に入って、これだけは残したい、という想いがありました。それに、今どきこういうガラスは珍しくて、なかなか見つからないです」。多層づくりではないシングルのガラスでも、障子があるため、断熱効果や結露の防止になるのだとか。
「リフォーム前にここに実際に暮らしていたからこそ、残したい部分と変えたい部分が明確になっていました」

障子の骨組みも敷居も当時のまま。長い年月を経たとは思えない状態で、日焼けによる風合いが“いい味”に。また、模様付きの曇りガラスは、バスルームとトイレにも使われています(写真撮影/内海明啓)

障子の骨組みも敷居も当時のまま。長い年月を経たとは思えない状態で、日焼けによる風合いが“いい味”に。また、模様付きの曇りガラスは、バスルームとトイレにも使われています(写真撮影/内海明啓)

さて、本と暮らす家【前編】はここまで。【後編】では、いよいよ2階のリビング・ダイニングを紹介。見渡す限り本、本、本……と数えきれないほどの本に囲まれたライフスタイルのメインに迫ります。【後編】も、どうぞお楽しみに。

●取材協力
・有限会社 荒木毅建築事務所

本好き夫婦が暮らす”おウチライブラリー”がある家(前編) テーマのある暮らし[1]

「きっかけは、老朽化した家を快適な環境にすることでした」と話す加藤泰郎(かとう・やすあき)さん。夫婦そろって本好きという加藤さんは、リフォームを機に今までスペースを取っていた本の”美しい収納“にもこだわりました。大好きな本に囲まれたライフスタイルとは? 今回はその前編をお届けします。【連載】テーマのある暮らし
この連載では、ひとつのテーマで住まいをつくりあげた方たちにインタビュー。自分らしい空間をつくることになったきっかけやそのライフスタイル、日々豊かに過ごすためのヒントをうかがいます。50年の時を経た祖父母の家をリフォーム

加藤さんの家は、神楽坂駅から徒歩10分。細い路地を入った閑静な住宅街に、夫婦で暮らしています。現在は、医療系の出版社に勤務している加藤さん。実はこの家、もともと加藤さんの祖父母が住んでいたもの。築50年になる母屋にアパートが付いた建物は、親の代を経て3代目の加藤さんが受け継ぐことになりました。

しばらく夫婦で暮らしていましたが、年季の入った家は傷みが進んでいるうえに使い勝手も悪く、断熱材も使われていません。「お風呂場は外のブロック塀とくっついているし、部屋の壁もわずか1枚。冬はもう寒くて仕方ありませんでした」

加藤さん夫婦は3匹の愛猫(11歳になる八兵衛くん、8歳のまめ吉くん、3歳のまん福くん)と一緒に暮らしています。取材がはじまると年長の八兵衛くんがやって来て、スリスリと挨拶をしてくれました。

「本とともに大切にしたかったのは、人にも猫にも気持ちよく過ごせる空間」と話す加藤さん夫妻。細かく区切っていた壁を抜いたことで、さらに日当たり抜群の環境に(写真撮影/内海明啓)

「本とともに大切にしたかったのは、人にも猫にも気持ちよく過ごせる空間」と話す加藤さん夫妻。細かく区切っていた壁を抜いたことで、さらに日当たり抜群の環境に(写真撮影/内海明啓)

土間が中心の1階は、新しく生まれた庭を楽しむ開放的な空間に

「ここを更地にして家を建てる、という発想はなかったです。せっかく引き継いだ家なので、今あるものを残してリフォームすることを決めていました」

そんな加藤さん宅の1階は、約9畳の土間が中心。土間の中央には2階への階段、その奥は寝室となる和室。その隣には譲り受けた年代モノの桐箪笥(きりだんす)が置かれており、おばあちゃんの家に遊びに来たようなぬくもりが感じられます。

土間と和室の段差は、腰かけて庭を見渡せる高さに設計。桐箪笥の上にある棚にはプロジェクターがあり、映画の上映会も可能です(写真撮影/内海明啓)

土間と和室の段差は、腰かけて庭を見渡せる高さに設計。桐箪笥の上にある棚にはプロジェクターがあり、映画の上映会も可能です(写真撮影/内海明啓)

また、昔の母屋があった場所を減築(建物の一部を解体)して、あらたに6坪の庭をつくりました。階段下をふさがなかったのも、和室から庭までのつながりを持たせるためで、和室からも庭を楽しめる開放的な空間になっています。ちなみに、階段下は猫たちのトイレスペース。砂が多少とび散っても、下が土間なので掃除をするのもラクになったとか。

「夏になると、うちの子はみんな土間でゴロゴロしていますよ。風もよく通って涼しいですし、土間ならではのひんやり感は、猫たちも気に入ってくれているみたいです(笑)」。建物全体に断熱材を入れ、土間には土間暖房も設置しているため、冬でも寒すぎず快適に過ごせるそうです。

夏場も涼しい土間は、漬け物を寝かせる場所としても最適。祖父母の代から庭にある梅の木から今でも収穫できるので、毎年梅干しを漬けているそうです(写真撮影/内海明啓)

夏場も涼しい土間は、漬け物を寝かせる場所としても最適。祖父母の代から庭にある梅の木から今でも収穫できるので、毎年梅干しを漬けているそうです(写真撮影/内海明啓)

1階の本棚も圧倒的な存在感

土間が中心の1階といっても、ここにも本棚はあります。メインの本棚は2階のリビング・ダイニングになりますが、バスルームとトイレを結んでいる1階の廊下やその手前の壁にも棚をつくって、本を置くスペースに。ずらっと並ぶ本の数々が、存在感を放っています。

以前の家には洗面所がなかったため、土間の一角に待望の洗面所を設置。配管もむき出しにして圧迫感を減らし、木のぬくもりにマッチするデザインになっています(写真撮影/内海明啓)

以前の家には洗面所がなかったため、土間の一角に待望の洗面所を設置。配管もむき出しにして圧迫感を減らし、木のぬくもりにマッチするデザインになっています(写真撮影/内海明啓)

どうやら、加藤さんの本好きはDNAのなせるわざなのかもしれません。というのも、実はこの家とともに受け継いだ本もたくさんあるのだそう。「この1番上と2番目の棚にある本は、新聞紙に包まれて押入れに保管されていた文芸集です。ほかにもありますが、この赤い装丁がとてもきれいなので、日差しを直接受けないこの場所で保管することに決めました」

赤い文芸集が並んでいる姿は、オブジェとしても楽しめるアクセントに。その下には、庭の手入れや家庭菜園用の園芸本もたくさん。庭に通じる玄関脇にあるため、ガーデニングの際にすぐ手に取れるようにしているのだとか(写真撮影/内海明啓)

赤い文芸集が並んでいる姿は、オブジェとしても楽しめるアクセントに。その下には、庭の手入れや家庭菜園用の園芸本もたくさん。庭に通じる玄関脇にあるため、ガーデニングの際にすぐ手に取れるようにしているのだとか(写真撮影/内海明啓)

古民家風の風情が落ち着く、障子と昭和レトロな曇りガラス

1階でもうひとつ特徴的なのは、古民家風な雰囲気を醸し出している障子付きのサッシ。掃き出し窓として使われていた当時のものをそのまま活用して、土間との一体感を演出しています。

「日差しが強いときは障子を閉めればいいですし、カーテンやブラインドと違って暗くなり過ぎないのも障子の良さ。外からの目隠しにもなりますしね。ただ、一番下の障子は猫が突き破るので、そのまま空けています(笑)」

昔の家でよく見かけた、懐かしい欄間(らんま)にも障子が付いて、柔らかい日差しが入ってきます。欄間を開けるだけで空気の入れ替えができるなど、日本家屋ならではの知恵が詰め込まれています(写真撮影/内海明啓)

昔の家でよく見かけた、懐かしい欄間(らんま)にも障子が付いて、柔らかい日差しが入ってきます。欄間を開けるだけで空気の入れ替えができるなど、日本家屋ならではの知恵が詰め込まれています(写真撮影/内海明啓)

障子を開けると、サッシの下半分は昭和のレトロ風情が漂う模様付きの曇りガラス。「妻がとても気に入って、これだけは残したい、という想いがありました。それに、今どきこういうガラスは珍しくて、なかなか見つからないです」。多層づくりではないシングルのガラスでも、障子があるため、断熱効果や結露の防止になるのだとか。
「リフォーム前にここに実際に暮らしていたからこそ、残したい部分と変えたい部分が明確になっていました」

障子の骨組みも敷居も当時のまま。長い年月を経たとは思えない状態で、日焼けによる風合いが“いい味”に。また、模様付きの曇りガラスは、バスルームとトイレにも使われています(写真撮影/内海明啓)

障子の骨組みも敷居も当時のまま。長い年月を経たとは思えない状態で、日焼けによる風合いが“いい味”に。また、模様付きの曇りガラスは、バスルームとトイレにも使われています(写真撮影/内海明啓)

さて、本と暮らす家【前編】はここまで。【後編】では、いよいよ2階のリビング・ダイニングを紹介。見渡す限り本、本、本……と数えきれないほどの本に囲まれたライフスタイルのメインに迫ります。【後編】も、どうぞお楽しみに。

●取材協力
・有限会社 荒木毅建築事務所

職人が足りないなら育てよう リノベ会社がはじめた「マルチリノベーター(多能工)」育成

今や一般にも広く認知されているリノベーション。しかし、拡大するリノベ業界には深刻な職人不足という大きな課題があり、それを解消するための人材育成の動きが活発化しつつあります。リノベ業界を牽引する企業、
インテリックス空間設計が取り組んでいる「リノベーションカレッジ」もその一つ。どんな育成方法なのか、リノベ業界にはどんな課題があるのか、聞きました。

深刻化する職人不足にともない、「多能工」育成が活発化

住宅を購入して自分らしい住まいにカスタマイズしたい、個性的な住宅に暮らしたい……そんなリノベーションのニーズが高まっている現状にもかかわらず、少子高齢化に伴う労働人口の減少などで、建設現場は高齢化が進行しています。さらに現在、震災復興事業、景気回復やオリンピックに向けた建設ラッシュの影響などで人手不足はより深刻化しつつあります。リノベ工事を依頼して設計が決まっても、職人不足ですぐに着工できず、困った状態になるといったことも考えられます。そうした背景から、リノベーションやリフォームなどの住宅業界では職人を独自に育成する必要性に迫られています。

実は日本の建設業は、他国に比べて分業化が進みすぎていると言われています。大工職人、左官職人など職種が細分化されていると、職人が現場に入るのは工事の進行に応じて半日だけという状況や、待ち時間が長い状況など、非効率的な事態になることも少なからずあるといいます。

人手不足解消に加え、作業の集約化を図るために求められているのが、複数の職種に携われる能力をもつ「多能工」です。「多能工」の職人を育成し活用することで、非効率的な現場から、生産性の高い現場へ変えていくことが可能となるため、積極的に自社で育成に取り組む企業が増えつつあります。

入社後の研修をOJTとし、大工工事、水道工事、電気工事の三職種を一貫して行えるよう技術習得のサポートを行い、自社育成を進めているリフォーム企業もあれば、自社研修にパワーを割けない企業向けに研修施設を開設したという設備商社、多能工養成コースがある専門学校など、取り組みはさまざま。自治体でも職業訓練校で多能工育成のコースを設けたり、国土交通省も多能工(マルチクラフター)育成の必要性を説いたりしています。

リノベ業界で活躍する人材を増やすためには職の効率化が必要

そのなかで、昨年、新たな取り組みをスタートさせたのは、リノベ業界のリーディングカンパニーのひとつであるインテリックスの設計・施工部門「インテリックス空間設計」。3カ月という短期間で「マルチリノベーター(多能工)」を育成する「リノベーションカレッジ」を2017年4月に開校しました。

インテリックスが提唱するマルチリノベーターとは、大工、水道、電気などの専門技術とリノベ全般の知識を備えた施工・管理をトータルに行う専門家。カレッジを、リノベの基礎知識から大工作業、設備工事、プランニング、施工管理まで、座学と現場研修を通じて実践的に習得できる場としています。大工技術等の習得には修行期間を含めて長い期間が必要とされていますが、自社の施工ノウハウをマニュアル化することで、初心者でも技術が習得しやすいカリキュラムとしているそうです。

インテリックス空間設計副社長でカレッジ長を務める藤木賀子さんに、カレッジを立ち上げた経緯についてお話を伺いました。

「職人不足の背景には、若手でなり手がいないという状況があります。なぜ若い世代が職人になりたがらないかと言うと、いわゆる『技術は盗んで覚えろ』という昔ながらの職人文化についていけないためです。職人自身も教えてもらった経験がないから、教え方が分からない。また、教えようと思っても会社規模が小さいところが多いために、限られた施工期間のなかでは、実現場で基礎教育に充てる時間の確保が難しいようです。それなら、事前にリノベの基礎や実践的なスキルを研修してから現場に出る仕組みがあれば、教える側・学ぶ側双方にとって効率が上がり、現場での成長スピードも早まると考えました」

次回は2018年4月開講の予定(開講日4月9日、願書受付3月17日まで、募集人数10名以上)。3カ月で習得することは多岐にわたります(資料提供/インテックス空間設計)

次回は2018年4月開講の予定(開講日4月9日、願書受付3月17日まで、募集人数10名以上)。3カ月で習得することは多岐にわたります(資料提供/インテックス空間設計)

カレッジの座学や実習は月曜日から金曜日の9時半~17時まで。講師は自社社員・協力会社の担当が行います(資料提供/インテックス空間設計)

カレッジの座学や実習は月曜日から金曜日の9時半~17時まで。講師は自社社員・協力会社の担当が行います(資料提供/インテックス空間設計)

設計から施工、積算、現場監督まで。全体を学ぶから生産性の高い人材に

「当カレッジの強みは、リノベーション現場での実習を行わない職業訓練校や専門学校と異なり、当社が手がけている施工現場が常に100件以上あること。実際の現場での研修や見学があり、より理解が深まり実践力を身につけることができます」(藤木さん・以下同)

「職人として独立しても、生産性が低く安定した収入につながらないケースもあり、そうした場合、夢がもてず、老後も安心できません。職人としてだけでなく、現地調査・設計・積算・現場監督・検査方法などリノベーションの入口から出口までを一通り学べるので、生産性の高いマルチリノベーターとして活躍できる人材を送り出す場としたいですね。また、その後のキャリア選択の幅も広げてもらえたら」と藤木さんは語ります。

「マンションリノベーションでは、工事で発生する音やほこり、通路の養生などに対する近隣住人からの要望への対応に時間を取られ、工事がストップしてしまうことも少なからずあるので、施工管理を行う現場監督の役割が重要だと考えています。カレッジでは近隣への接客マナーやコミュニケーション方法も身につけてもらうことになります」

設備交換などのシンプルなリフォームに比べて施工期間が1カ月、2カ月と長期になるリノベーション。マンションという住戸が密接した建物ということもあり、同社でも現場で近隣住人からの要望やクレームが施工中に入ることもあるそうです。監督が常駐していない現場の場合、大工職人が近隣住人に対面することになるのですが、管轄外のことであり、きちんと対応できるかどうかはその人次第となってしまいます。

工事全体を把握し、近隣に対応する折衝スキルをもつ人が現場にいることで、工事を滞らせることなく進めることができるのです。

ご近所対応をうまく行うことで、物件に入居する住人にとっても、気持ちよく入居していただくことにつながるといいます。「生産者を紹介している野菜直売所のように、物件オーナーにとってもご近所の方々にとっても、『リノベ担当者の見える安心な現場』になれればと考えています」と藤木さん。

リノベーションカレッジの授業の様子。現場でも多くの実践的な内容を学べます(資料提供/インテックス空間設計)

リノベーションカレッジの授業の様子。現場でも多くの実践的な内容を学べます(資料提供/インテックス空間設計)

「設計も職人も監督もできるのが魅力」「まずは現場から」という希望者が集う

「2017年4月の1期生は定員の10人が集まりました。不動産会社勤務でリノベをやりたい方、未経験だけれど現場監督になりたい方、解体業者さんなど、20代~60代まで年齢もさまざまで、うち4人が女性の方です。基礎コースの3カ月で45万円(入学金5万円と受講料40万円)の受講料を頂きましたが、それだけに意気込みのある方ばかりでした。専門学校2年間で学ぶような高密度の内容を3カ月という短期間で行うことになりますが、集中したほうが身につきやすいと考えています」

修了後は、希望者には契約社員として現場で理解を深めていく期間があり、試験や面談にパスすれば社員登用の道もあります。1期生で社員となったのは2人。

「当社では社員となった場合、OJTで学び、いずれは現場監督兼大工職人として現場に出ることになります。それ以外の工事は専門の職人が担当します。将来的には、給排水工事、電気設備工事、左官工事などの専門職を兼ねる者が出てくるかもしれません。それは当人次第ですね。いずれそうしたマルチスキルをもった者が独立した場合、協力関係を築けたらと思います」

「カレッジとは別に、昨年末に中途採用でマルチリノベーターの募集をかけたところ、予想外に多くの方から応募がありました。未経験の方も多く、入社後にはリノベーションカレッジで基礎を身につけてもらいます。なかには建築学科卒業の方も多く、『設計をやりたいけれど、現場を知ることから始めたい』『職人にもプランナーにも監督にもなれるから職能的に魅力』という声が多かったですね。現場で学ぶことで実践力が身につく、そうした点に大きな魅力を感じていただいているようです」

大学や専門学校の建築学科では現場施工を学ぶ機会は意外と少なく、リノベーションの全体を把握できないそうで、同社のようにマルチに活躍できる職場を求めている人は想像以上に多いと藤木さんは感じたそうです。

受講者のなかには賃貸アパートオーナーもいました。「大家さんがリノベーションのマルチスキルをもっていると、とても役立つと思います。自分で施工することも可能ですし、業者に依頼する際にも工事内容を把握しているので、依頼内容が的確で追加工事が生じなかったり、見積もりが適正か判断できるためです」

3カ月の短期間にぎゅっと詰まったカリキュラムをやり遂げたことで、皆さん格段に成長したそうです(写真提供/インテリックス空間設計)

3カ月の短期間にぎゅっと詰まったカリキュラムをやり遂げたことで、皆さん格段に成長したそうです(写真提供/インテリックス空間設計)

リノベーションを考えている人にとって、昨今の職人不足はひとごとではありません。安心して任せられる職人兼現場監督が常に現場にいれば、リノベの依頼者・近隣住人にとっても気持ちよく、予定通りに工事を進めることにつながります。

「カレッジの運営は収支だけで考えると赤字ですが、より多くの人がマルチリノベーターとして活躍できるようにするために使命感をもって臨んでいます。『この人なら安心して任せられる』と感じていただける、“顔の見えるリノベ現場”でありたいですね」と、最後に力強く語る藤木さん。お話を伺って、より多くの人材の活躍を期待したいと感じました。

●取材協力
・株式会社インテリックス空間設計「リノベーションカレッジ」

期間限定、電車スイーツが楽しめる! 小田急線の”複々線化”でキャンペーン開催中

下北沢駅の駅名標をあしらった、「N.Y.Cupcakes」の「シモキタカップケーキ」。電車ファンじゃなくても思わず「かわいい!」と声に出してしまいそうですよね。小田急線の世田谷地区(下北沢駅~成城学園前駅)では、3月3日から全面使用開始した小田急線の複々線化を記念したキャンペーン「小田急線世田谷地区 グルメ・スイーツスペシャル」を3月31日(土)まで開催しています。小田急電鉄株式会社(東京都新宿区)、世田谷まちなか観光交流協会、成城大学との産学官連携で実施されているというこのキャンペーン、いったいどんな内容なのか見てみましょう。また、複々線化によるメリットも担当者に聞いてみました。このキャンペーンでは、世田谷エリアの対象店舗で、小田急線をイメージした期間限定のオリジナルグルメ・スイーツを楽しめます。先ほどの「シモキタカップケーキ」や千歳虎屋の「小田急ロマンスカー上生菓子」など、食べるのがもったいなくなるような見た目のスイーツばかりです。

画像提供/小田急電鉄株式会社

画像提供/小田急電鉄株式会社

キャンペーン冊子の「小田急成城クーポンブック」を持参すると、対象商品の割引やプレゼントなどの優待を受けられるのだとか。どういったお店がキャンペーンに参加しているのかというと、「小田急の広報誌である『ODAKYU VOICE home』への掲載や、世田谷区産業振興公社『世田谷みやげ』に認定されている店舗など、これまでお付き合いをさせていただいたことのある店舗を中心に、お声をかけました」(小田急電鉄株式会社 広報担当)。

画像提供/小田急電鉄株式会社

画像提供/小田急電鉄株式会社

そもそもこのキャンペーンのきっかけは、「小田急線の2018年3月3日からの複々線全面使用開始」を記念してのもの。3月17日からの新ダイヤ運行とあわせて、”複々線”が使用されることで何が変わるのでしょうか。

「まず、輸送力の増強で、混雑率が192%から150%程度へと劇的に改善する見込みです。また、町田から新宿の区間ではラッシュピーク時の所要時間が49分から37分へと、最大12分も短縮されます」(同)。

つまり、小田急線を通勤通学に使う場合、今までよりも混雑がやわらいだ車内で、より速く新宿まで行けるということですね!
「快適で、便利で、スピーディー。新しい小田急の誕生に、ぜひご期待ください」との力強いコメントもいただきました。この春に新生活を迎える方は、小田急線沿線の物件もチェックしてみてはいかがでしょうか。
限定グルメ・スイーツは、3月31日まで販売。お見逃しなく。