花粉の季節到来! 快適に過ごすなら、徹底的に掃除するべきは“あの場所”だった

今年も、いやーな花粉症の季節がやってきましたね。読者のみなさまのなかにも、くしゃみや目のかゆみといった症状に悩まされている方も多いのではないでしょうか。けれど、そんな花粉症独特の症状がお掃除で軽減されるなら、試してみたいと思いませんか?
今回は、花粉症軽減のためのトリビアをご紹介したいと思います。
もはや国民病!? 7割以上の家庭で「花粉症患者が家にいる」画像提供/アイロボットジャパン合同会社

画像提供/アイロボットジャパン合同会社

アイロボットジャパン合同会社(東京都新宿区、以下アイロボットジャパン)が全国の20歳から50歳までの既婚女性600人を対象に花粉症に関するアンケートを実施しました。「ご自身または同居するご家族のなかに花粉症の人はいますか?」と質問したところ、自分も家族も花粉症(32.7%)、自分だけが花粉症(15.3%)、家族が花粉症(24.2%)と7割を超える家庭で誰かしらが花粉症になっていることが分かったのだとか。逆に言うと、全く花粉症にかかっている方がいないご家庭は3割しかないということになりますよね。これはもう、国民病と言ってしまってもいいのではないでしょうか。

画像提供/アイロボットジャパン合同会社

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そしてなんと、「実は屋外にいるときよりも室内にいるときのほうが、花粉症が悪化すると感じますか?」という質問に対しては、「強くそう思う」(11.1%)、「そう思う」(20.8%)という答えが。約3人に1人が「外よりも家にいるほうが花粉症がひどくなる」と感じているのです。つまり、私たちの家の中には花粉が飛んでいるということになりますね。一体どうしてそうなってしまうのでしょう?

室内の花粉に効果的なのは「拭き掃除」画像提供/アイロボットジャパン合同会社

画像提供/アイロボットジャパン合同会社

家事・掃除アドバイザーの藤原千秋(ふじわら・ちあき)さんによると、住まいの中に持ち込まれた花粉の多くは「ホコリ」と一体化してしまうため、日常生活において花粉が室内に持ち込まれていることを意識しにくいのだとか。そんな「ホコリwith花粉」を取り除く掃除方法を、藤原さんに教えていただきました。

「住まいの内部に漂う空気に含まれる花粉(ホコリ)は空気の動きによっても移動しやすく、掃除の方法やタイミングによっては再度空気中に舞ってしまいます。そのため枕元や部屋干し中の衣類など、付着してほしくない場所に落ちてしまって花粉症症状を悪化させる可能性があります。棚や床に堆積している花粉については、なるべく舞わせないように取り除く必要があり、『拭き掃除』というアプローチはそういった意味で確実性が高く、おすすめの掃除方法と言えます」(藤原千秋さん)

なんと、拭き掃除という昔ながらのお掃除方法が効果的なのですね!

でも拭き掃除って大変……。そんな時に活躍するのが床拭きロボットです。今回は床拭きロボット「ブラーバ」を販売している「アイロボットジャパン」に、花粉症対策としての床拭きロボットの使い方をアドバイスいただきました。

「やはり玄関まわりや廊下を徹底的に水拭き掃除して、お部屋に花粉を入れないことです。また花粉は粒子が比較的大きいので床に早く落ちやすいことが特徴です。面倒でもこまめに毎日、ブラーバなど床拭きロボットを動かすようオススメします。特に就寝中に動かしておけば、起床時のツラさは軽減されると思われます」(アイロボットジャパン)

なるほど、徹底的に掃除するべきなのは玄関先なのですね! 確かに普通は、人は玄関から中に入るので、一番花粉がまとわりついた状態で立つのは玄関です。花粉が落ちる量が多いのも想像できます。
そして「就寝中に床を拭き掃除しておいてもらう」というのも、ロボットならではの使い方ですね。

「アイロボットジャパン」では2018年3月2日(金)から4月1日(日)までキャンペーンも実施中。花粉症に悩まされている方は、床拭きロボット、検討してみてはいかがでしょうか?

【2017年新築マンション】平均購入価格は首都圏が5452万円で過去最高、関西圏が4060万円で微減

リクルート住まいカンパニーでは、「2017年首都圏新築マンション契約者動向調査」及び「2017年関西圏新築マンション契約者動向調査」の結果を発表した。新築マンションの平均購入価格は、首都圏では上昇、関西圏では微減するものの、ローンの借入額はいずれも過去最高になる結果となった。詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「2017年新築マンション契約者動向調査」を発表/リクルート住まいカンパニー
●首都圏
●関西圏平均購入価格は首都圏が5452万円で過去最高、関西圏が4060万円で微減

調査は、新築マンションの購入契約者を対象に、2017年1月~12月に集計した、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県:4768件)と関西圏(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県:1160件)の結果をまとめたもの。

新築マンションの平均購入価格は、首都圏が5452万円となり、2001年の調査開始以来の最高額になった。これに対して、関西圏は4060万円で前年より34万円低下となった。首都圏と関西圏で動向に違いが出た理由は、マンション価格が高額となる都心部の占めるシェアの違いだ。

首都圏では、購入価格「6000万円以上」が30.5%となり、前年(23.2%)より大きく拡大したが、これが平均額を引き上げる要因となっている。購入した物件の所在地を見ると、「東京23区」のシェアは43.2%となり、前年(40.3%)より拡大した。「東京23区」のシェアが広がっていることと、6000万円以上の購入者が増えていることとは関係性があるだろう。

一方、関西圏では購入価格「5000万円以上」の14.2%(前年16.8%)と「3500万~4000万円未満」の23.1%(前年27.0%)の縮小が目立つ。購入した物件の所在地でも「大阪市」のシェアが35.5%となり、前年(40.2%)より縮小した。こちらも、大阪市などの高額都心部の購入者が減ったことの影響があると見てよいだろう。

【画像1】購入価格(全体/実数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年首都圏新築マンション契約者動向調査」「2017年関西圏新築マンション契約者動向調査」)

【画像1】購入価格(全体/実数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年首都圏新築マンション契約者動向調査」「2017年関西圏新築マンション契約者動向調査」)

では、供給サイドの状況を見てみよう。不動産経済研究所の首都圏および近畿圏の「マンション市場動向2017(年間まとめ)」によると、東京都区部の首都圏におけるシェアは44.6%で、対前年で8.5%増、大阪市部の近畿圏におけるシェアは48.5%で、対前年で15.4%増となっている。

購入物件所在地の結果を見ると、大阪市内のシェアはむしろ前年より減少しているので、供給量の増減とは必ずしも一致しないことが分かる。購入者にとって手の届きやすい価格か、魅力的なマンションかなどの影響もあるのだろう。

ローンの借入総額は首都圏・関西圏ともに2005年以降の最高額 返済は大丈夫?

さて今回の調査結果で注目したいのは、ローン借入総額の平均額だ。

首都圏が平均4568万円で2005年以降の最高額。借入額「5000万円以上」という人が前年(28.0%)より大きく増えて35.0%になった。関西圏は平均3512万円で同じく2005年以降の最高額。借入総額「4000万~5000万円未満」という人が前年(17.7%)より増えて22.1%になった。

【画像2】ローン借入総額(ローン借入者/実数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年首都圏新築マンション契約者動向調査」「2017年関西圏新築マンション契約者動向調査」)

【画像2】ローン借入総額(ローン借入者/実数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年首都圏新築マンション契約者動向調査」「2017年関西圏新築マンション契約者動向調査」)

超低金利が続くとはいえ、こんなに借りて、返済は大丈夫なのだろうか?

平均世帯総年収を見ると、首都圏で944万円、関西圏で776万円だ。
世帯総年収がこれだけあれば、返済負担もさほど重たくはないだろう。ただし、注意したい点がある。

既婚世帯のうちの共働き比率を見ると、首都圏で64.9%、関西圏で60.4%とかなり高い。例えば、夫だけの年収が900万円の場合も、夫の年収が500万円・妻の年収が400万円の場合も、世帯総年収は900万円になる。ただし、共働きの場合は夫婦ともに働き続けないと年収900万円を維持できない。子育てや介護などの理由でどちらかが働けなくなったとしたら、年収が一気に下がるというリスクなどにも配慮したい。

購入理由として「金利が低く買い時」が大きく減少!

最後に、購入理由を見ていこう。

首都圏・関西圏ともに、住まいの購入を思い立った理由は、「子供や家族のため、家を持ちたいと思ったから」が最多で、「現在の住居費が高くてもったいないから」、「金利が低く買い時だと思ったから」と続く。
2017年の特徴として、前年では2番目に多かった「金利が低く買い時」の理由が大幅に下がった点に注目したい。

アベノミクスによる超低金利が長く続いてきたことで、購入理由としての影響力が下がっているのだろう。代わりに上昇したのが、関西圏では「子供や家族のため」や「住居費がもったいない」であるが、首都圏では「資産を持ちたい、資産として有利」であるという点も興味深い。首都圏では、新築マンションを住まいより資産として見る傾向が高まっているのだろうか。

筆者は、「マイホームは欲しいと思ったときが買い時」と考えている。まず、マイホームで日々暮らしたいと思う「理由」があってのことと思うので、その人なりのタイミングは大きな決め手になる。加えて、購入には時間とパワーもかかるので、欲しいと思った情熱でやり抜くことも重要だからだ。さらに今なら、低金利のメリットも活かせるだろう。

だからといって、無理な借り入れをするのは禁物だ。金利が上昇したときに返済に無理はないか、いつまで共働きを続けられる見通しがあるか、ほかに大きな出費の予定はないか、などをきちんと考慮した上で、自分らしいマイホームを見つけてほしいと願う。

首都圏分譲一戸建て、平均購入価格は4,140万円で3年連続上昇

(株)リクルート住まいカンパニーはこのたび、「2017年首都圏新築分譲一戸建て契約者動向調査」の結果を発表した。

調査対象は2017年1月~2017年12月の首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)新築分譲一戸建て購入契約者。集計対象期間は2017年1月~2017年12月。集計数は1,972件。

それによると、購入した物件の所在地は「神奈川県」が最も多く24%。以下、「埼玉県」21%、「東京都下」19%、 「東京23区」17%、「千葉県」17%と続く。「神奈川県」の割合は2016年から2ポイントの増加となった。

購入価格は「3,500~4,000万円未満」が16%、「3,000~3,500万円未満」が14%で、3,000万円台が3割を占め、メインの価格帯となっている。平均購入価格は2016年から16万円上昇し、4,140万円。平均購入価格は2015年以降3年連続で上昇している。

契約世帯の世帯主年齢は「30~34歳」が最も多く32%。以下「35~39歳」25%、「40代」21%と続く。20代の割合は2016年から2ポイント増加した。新築分譲一戸建て契約者は「50歳以上」が6%と新築分譲マンション契約者(13%)の半数以下であり、平均年齢も36.5歳と新築分譲マンション契約者(38.6歳)に比べて若い。

契約世帯の総年収は「400~600万円未満」「600~800万円未満」がそれぞれ3割を占める。平均は727万円。新築分譲一戸建て契約者の平均世帯総年収は、新築分譲マンション契約者(944万円)より200万円以上少なかった。契約世帯のうち既婚世帯における共働きの割合は55%で、2016年と同じ。

住まいの購入を思い立った理由は、「子供や家族のため、家を持ちたいと思ったから」が最も多く66%。以下「もっと広い家に住みたかったから」(34%)、「現在の住居費が高くてもったいないから」(33%)と続く。「金利が低く買い時だと思ったから」は2016年から12ポイント減少した。

ニュース情報元:(株)リクルート住まいカンパニー

ひとり住まいの部屋探し、見学数は「3部屋」がトップ

(株)FJネクスト(東京都新宿区)は、引っ越しにまつわる様々な行動や意識について調査し、その結果を発表した。
対象は、1人暮らしを始めてから1回以上引っ越し経験のあるワンルーム単身入居者。調査期間は2018年2月16日~19日。調査方法はインターネット。回答数は400人。

引っ越し先の部屋を決めるまでに、何社ぐらいの不動産業者の実店舗を回りますか?では、全体では「1社」(34.5%)がトップ、次いで「2社」(27.0%)と、上位2つで約6割(61.5%)を占めた。「3社以上」(「3社」「4社」「5社以上」の合計)は2割程度(23.8%)に留まった。一方、店舗には行かない「0社」という回答が14.8%あった。知人・友人からの紹介のほか、近年ではインターネット上の不動産情報サイトが充実しており、部屋探しの重要な手段となっていることが伺える。

引っ越し先の部屋を決めるまでに、実際に何部屋見ますか?では、全体では「3部屋」(28.0%)が最も多く、次いで「5部屋」(18.0%)、「2部屋」(14.5%)の順。「1~3部屋」の合計は過半数(51.0%)に達し、「1~5部屋」の合計は8割(80.3%)を超えている。全体の平均値は「3.56部屋」で、3部屋前後を見て決定するというのが平均的な行動と言えそうだ。

一人暮らしを始めたとき、部屋を決める際に親の承認を得ましたか?では、親の承認を得た人は全体では約7割(70.8%)と多数派。男女別では、「得た」との回答は男性が約3人に1人(67.0%)であるのに対し、女性は約4人に3人(74.5%)で、女性の方が親の承認を「得た」人が多い傾向にある。

部屋を決める際、重視するポイントは何ですか?(複数回答)では、全体では「家賃」(74.8%)が断然のトップ。次に多かったのは「駅からの距離」(45.3%)で、「部屋の広さ」(41.5%)、「部屋の設備」(40.5%)を上回った。男女別では、両者トップの「家賃」の他に、男性は「部屋の広さ」(46.0%)、「部屋の設備」(42.0%)といった部屋そのものを重視するのに対し、女性は「駅からの距離」(50.0%)、「周囲の環境」(22.5%)、「セキュリティ」(24.0%)といった立地や環境面にも気を配る傾向がみられた。

ニュース情報元:(株)FJネクスト

素材を育むくらし

所在地:台東区元浅草
9万2,000円 / 29.59平米
銀座線「田原町」駅 徒歩5分

フルリノベーションされ、何もかもが新しい空間。ただ新しいというわけではなく、時とともに変化を楽しみながら暮らしたくなるような物件です。



中でもかすかにピンク色をした桜の無垢フローリングと、築40年以上経つ古いコンクリートをいかした天井や壁は、暮らしていくうちにどんどんいい味わい ... 続き>>>.
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なぜ売れる? 空き家専門マッチングサイト「家いちば」のノウハウとは

空き家の売り手と買い手をつなぐマッチングサイト、「家いちば」が話題を集めている。なぜなら、不動産会社が「売れる見込みがない」と取り扱いを渋るような、古い空き家が売れるというからだ。どうしてここでは売れるのか? 「家いちば」を運営する藤木哲也(ふじき・てつや)さんに話を聞いた。
掲載物件は住宅や飲食店、ホテル、郵便局までと幅広く

新聞やテレビで次々と取り上げられ、注目を集めている空き家のマッチングサイト、「家いちば」。2015年の立ち上げ以来、成約件数は徐々に伸び、17年10月からは月平均5,6件ペースだという。18年2月は9件だった。

一般的な不動産売買のポータルサイトのように、“中古だけど、それ以外の条件は◎”というたぐいの物件ばかりではない。それどころか、相当の築年数がたっていたり、長年放置され荒れていたり、周囲には交通機関らしきものが見当たらない不便な地域にたっていたりするものもある。

住宅が大半だが、ホテルなどの宿泊施設や郵便局などの施設、敷地や山林まで混じっているのも印象的だ。販売価格は、「タダでもいいからもらってほしい」といった0円のものから、1億円までと幅がある。

「空き家は売れないと言われますが、ニーズはあるんです。これまで成立した契約には、『自分には不要でも、他の人には魅力的な条件がそろっていた』というケースが多い。そんな幸福なマッチングがあって、空き家は売れていきます」と、サイトの運営者で不動産コンサルタントの藤木さんは話す。

掲載物件の一例、郵便局。約80組の購入希望者から問い合わせがあり、売却が決まった(画像提供/家いちば)

掲載物件の一例、郵便局。約80組の購入希望者から問い合わせがあり、売却が決まった(画像提供/家いちば)

掲載物件の一例。二世帯で暮らしていた母屋と離れを、引越しを機に売却希望。場所は福島県郡山市(画像提供/家いちば)

掲載物件の一例。二世帯で暮らしていた母屋と離れを、引越しを機に売却希望。場所は福島県郡山市(画像提供/家いちば)

売れるポイントは、“売り手自身が物件を紹介すること”にある

売買の仕組みはこうだ。空き家や空き地の売り手が、掲示板に物件の情報を投稿する。掲載は無料だ。買いたい人がサイトを通じて連絡した後、藤木さんらのサポートを受けながら、当事者同士で交渉を始める。交渉が成立したときは、宅地建物取引業の免許をもつ「家いちば」の運営会社、エアリーフローが、重要事項説明や契約書の作成をするなど、売買の手続きを行う。成約した場合のみ、物件価格の1.5~5%の仲介手数料をもらい受けている。

千差万別の物件がそろうなか、どうやってニーズの合う売り手と買い手が出会い、交渉成立に至るのだろうか。藤木さんによれば、そのポイントは、仕組みのなかの「売り手自身が、物件の紹介記事をつくることにある」という。売り手は、キャッチコピーの売り文句や物件の説明を書き、写真を提供している。運営者は、ほとんど手を加えない。

「当サイトでは、契約前には、売り手と買い手が直接交渉をします。それに備えて、ほとんどの売り手は、その物件の再建築不可などのネガティブな条件まで包み隠さずに書くんです。また、空き家と言っても思い出が詰まっている場合も多く、丁寧に使ってほしいという思いで、これまでの歴史などもしっかり書く。このように、一般的なポータルサイトなどと比べ建物の情報が多岐にわたることから、安心して交渉できるのではないでしょうか」と藤木さん。

「家いちば」のトップページ。売却物件の情報がずらりと並ぶ。※画像にある物件は撮影時の物件になるため、詳細は確認が必要

「家いちば」のトップページ。売却物件の情報がずらりと並ぶ。※画像にある物件は撮影時の物件になるため、詳細は確認が必要

サイトを通じて全国各地の売り手、買い手が結び付く

ここで、契約が成立した2つの例を紹介しよう。

まずひとつは、石川県の海沿いにある、築75年の古民家の例だ。25年以上空き家だったが、相続を機に売り手Aさんは売却を考え始めた。売れなければ解体する心づもりだった。

そんなときに見つけたのが「家いちば」だ。サイトを活用した理由についてAさんは、「掲載物件の所在地が限定されていなかったことと、所有者側の事情や希望を自分の言葉で語れるサイトだったこと。地方で、思い入れのある家を手放す人に合っていると思います」と話す。

その結果、現地を見に来て、由緒ある建物のつくりと、周囲の街並みにほれ込んだという買い手Bさんが現れた。契約は無事成立。ちなみに、買い手Bさんは今後、この建物だけでなく、街並みの維持にも貢献したいと考えているそうだ。

契約が決まった、石川県の築75年の古民家。重厚な能登瓦、外壁の下見板張りなど古民家の魅力があふれる(画像提供/家いちば)

契約が決まった、石川県の築75年の古民家。重厚な能登瓦、外壁の下見板張りなど古民家の魅力があふれる(画像提供/家いちば)

上記の古民家のあるまちの様子。連続する能登瓦と下見板張りの壁が風情を生む(画像提供/佐藤正樹)

上記の古民家のあるまちの様子。連続する能登瓦と下見板張りの壁が風情を生む(画像提供/佐藤正樹)

もうひとつは、鹿児島県の築40年の元花屋の店舗だ。売り手Cさんは4年前に身内が営業をやめてから売却を考えていたものの、リフォームにも解体にもコストがかかるなどの理由から、不動産会社経由では売れなかった。

「『家いちば』は、そういった不利な条件でも掲載できるので、利用してみることにしました」とCさん。情報の掲載から約1週間のうちに問い合わせが来て、契約に至った。買い手Dさんは東京都に住んでいるが、「家いちば」でこの物件を見て、付近に親戚がいるこのエリアと建物に興味をもち購入を決めたのだという。若者が集う場として再生したいと、今、計画を練っているところだ。

契約が決まった、鹿児島県の元花屋の店舗。以前は料亭だったため、天井の細部にその名残がある(画像提供/家いちば)

契約が決まった、鹿児島県の元花屋の店舗。以前は料亭だったため、天井の細部にその名残がある(画像提供/家いちば)

「その建物と、地域を大切にしたい」という気持ちを忘れずに

最後に、藤木さんに、空き家を購入するときの心構えやマナーを尋ねた。

「単に、タダだから譲り受けよう、安いから買ってみようなどとは、思わないでほしいんです。空き家の売り主のなかには、先祖代々の土地と建物を売ることに抵抗感がある人も多い。それを乗り越えられずにいるから、空き家になっているという事情もあるんですね。

『先祖代々の建物と土地を預かる』『近隣との昔ながらの付き合いを大切にする』という気持ちを忘れずに、また、その気持ちを売り手にきちんと伝えつつ、購入の交渉に臨んでいただきたいと思います」

今後、引越し先などで住まいや店舗を探すとき、こういったマッチングサイトや口コミを通じて、空き家活用を選択肢に加える手もありそうだ。空き家は流通にのっていないケースが多いので、契約時には宅地建物取引士など不動産のプロに、快適に住めるかどうか、リフォームが必要かなどは建築士など住まいのプロにアドバイスをあおぎたい。

そして、藤木さんの言うように、売り手の建物への思いや昔ながらの付き合いを継承するといった配慮を、念頭に置いてほしいと思う。

(構成・文/介川亜紀)

●取材協力
・家いちば

家賃はやっぱり月収の3割に抑えるべき? 新社会人の家計相談

家賃は月収の3割。そうよく耳にしますが、新卒社会人の家計でも同じ法則が成立するのでしょうか。家計の見直し相談を数多く請け負ってきたファイナンシャル・プランナー藤川太(ふじかわ・ふとし)さんに率直な質問をぶつけてみました。
額面収入に対して貯蓄10%・家賃3割を推奨

――率直に伺いますが、「家賃は月収の3割」という指標は、新社会人の初任給にも当てはまるのでしょうか?

藤川さん 子どもがいない世帯なら、額面収入に対して住居費は3割を目安と考えて問題ないでしょう。これは新社会人であっても変わりません。そもそも額面収入の約2割は社会保険料や税金で引かれるので、手取り収入は8割ほど。さらに新社会人に対しては、収入の1割の貯蓄を目標として勧めています。光熱費や食費だけでも大きな支出となるので、生活費は4割を確保したいと考えると、必然的に住居費は3割となります。

――厚生労働省の「平成28年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」によると大学卒業者の平均初任給は20万3400円、住居費(家賃に管理費などを加えた固定費)3割で約6万円、生活費4割で8万円。東京で暮らそうと思うと、どちらも心もとない気がします。

藤川さん 仮に額面収入を20万円として、住居費に3割の6万円、さらに1割の2万円を貯蓄しようと思うと、生活費は8万円。決して楽ではないですよね。ということは住居費を4割にしたら、当然もっと苦しくなります。流石に6万円で「やれ水道・光熱費だ、食費だ、お小遣いだ」というと立ち行かなくなりますから、結局は貯金ができなくなるんです。

出典/総務省統計局「家計調査年報(2016)」、厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」をもとに独自に算出 ※月収に対する割合は小数点第1位を四捨五入

出典/総務省統計局「家計調査年報(2016)」、厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」をもとに独自に算出 ※月収に対する割合は小数点第1位を四捨五入

――セキュリティや通勤の利便性を考慮すると家賃は高くなりがちです。食費や光熱費を節約して住居費の予算を増やすより、住居費を抑えることを優先すべきでしょうか?

藤川さん 生活費を削れればいいですが、削れなかった場合、先に述べたように貯蓄がなくなります。物を持たないとか、食事を食パン1枚で済ませるとか、飲みにも外食にも行かないという人も世の中にはいますが、それで体を壊しては元も子もないじゃないですか。

私も若いころお金を貯めようと思って、月の食費を1万円に抑えた経験があります、1食100円程度しか使えないので、ほぼ毎日ペペロンチーノでしたね。給料の約半分を貯金できたのでお金は貯まりましたが、さすがに苦しかったですよ。今は安くて美味しい冷凍食品も多くて、あのころより食費の節約はしやすいものの、家賃のために生活を無理やり切り詰めるというのはおすすめできないですね。

――やはり貯金は必要ですか?

藤川さん 貯金は心に余裕を生むための、一種の防波堤なんです。例えば会社で嫌なことがあっても、貯金があれば、いざとなれば辞めてしまっても暫く食べていけると思えるかもしれないですよね。しかしお金がないなら稼ぐしかないので、お酒に逃げたり、無理を押して仕事を続けたりせざるを得なくなります。そうなるとだんだんプレッシャーに押し潰されていき、心身を病んでしまうというケースは少なくありません。

若い人たちがこれからリスクを取って、さまざまなチャレンジをしていくうえで、貯蓄というのは原資になるわけです。今の稼ぎというのはずっと保障されているものではなく、病気になったり、職を失えば収入がなくなるかもしれない。そんな不透明な将来に対する不安を払拭しようと思うならば、何かあってもチャレンジできるようにお金を貯めておくことは考えなければいけないと思いますね。

質素な暮らしも後の糧になる?

――貯金を考えるうえで、生活費ではなく住居費を抑えることをすすめられているように思うのですが、家計の見直しをされるなかでも、住居費というのは削りやすい項目なのでしょうか?

藤川さん そうではなく、単純に住居費が一番大きい支出額となるからです。住居費というのは家計の中の固定費になるので、最初に高い家賃で契約してしまうと、その後ずっと高額な家賃の支払いが続いてしまうんです。住居費を下げるには家賃の安い家に住み替えるしかありませんが、お金がなければ引越しもできませんよね。

あと気を付けなければいけないのは、特に新社会人の方が住居を選ぶときに、最初に素敵な部屋を選んでしまうと、その部屋よりも質素な家に住むということに抵抗が出てきてしまうんです。なので一度でいいから、せめて最初くらいは質素なところに住むという経験をしておいたほうが良いと思いますね。

――大卒者の平均初任給に照らし合わせて都内で管理費込みの家賃6万円で部屋を探すと、都心やターミナル駅からは離れたエリアや、古いアパートの狭いワンルームなどが多く見られます。多少なりとも窮屈な暮らしを強いられそうですが、「若い内は苦労を買ってでもせよ」の言葉どおり、将来の糧として苦労を買うということですね。

藤川さん 例えばある漫画家のお客さんは、売れる前は4畳半ひと間の畳部屋で暮らしていたそうです。今でこそテレビにも出演するくらい有名な方ですが、「何かあったとしたら、あのころの生活に戻ればいいんでしょ。あのころが不幸せだったと思ってないし、いつでも戻れます」とおっしゃっていたんですよ。

確かに窮屈かもしれないし、もっといい部屋に住みたいと思うかもしれないですが、それでも部屋が狭いということが、すなわち不幸ではないですし、それで生きていけないわけでもないですよね。そうやって生きてる人はたくさんいるんですから。人生何が起こるか分からないですから、一度くらい苦労を経験しておくと人間は強くなりますよ。

「神田川」という歌にあるように、昔は狭いひと間の家で暮らしはじめて、徐々に収入が増え、物が増え、家族が増えるにつれて家もステップアップしていくのが当たり前でした。ところが今は物があふれる時代ですから、初めから良い部屋でいきなり大型テレビを置いて、家電製品もそろっていてという人も多いですよね。そうなるとどこまで行けば成功か分からなくなった挙句、目標や幸福を見失いやすくなるんじゃないかなと思います。

――生活水準のハードルを下げることで、貯金と同様、将来おこりうる不測の事態に対して予防線を張っておこうということですね。これから独り立ちする新社会人が、一から生計を立てる上で失敗しないためにはどうすればいいでしょうか。

藤川さん 家計って現状をベースにすると、いくら見直してもなかなか支出は減らないんですよ。本当に建て直そうと思ったら一度すべての契約を解約して、一からつくり直す必要があるんです。私はゼロリセットと呼んでいるのですが、そういう意味では、これからひとりで生活を始める新社会人はリセットしなくてもまっさらな状態ですよね。一からきちんと予算を配分し、資金計画に沿った生活を習慣づけるチャンスなんです。

そもそもお金に苦労したり、失敗した経験があるから、お金について勉強してFPになった人も多いので、質素な生活も将来に向けた貯蓄も実感を込めて勧めています。私もその一人です。元々勤めていた会社と折り合いがつかずに仕事を辞めたのですが、いざ辞めるとなると収入がなくなるわけです。

当時すでに結婚もしていたので、これは家計を何とかしなければいかんと思っていたとき、たまたま妻が買ってきていた雑誌のテーマが家計特集だったんですよ。そこでFPという資格があることを知り、いろいろ調べていざ講座を受けたいとなったとき、20万円超の受講料が必要と言われたわけです。

ところが先述した1食100円生活をしてまで貯めたお金は結婚資金として使い果たし、それ以上の貯金もしていなかったので妻にFPの資格を取るための講座を受けたいと相談したんです。そしたら丁度受講料と同じくらいの金額を、妻が私名義で積み立ててくれていたんですよ。毎月1万円でも妻がコツコツ積み立ててくれたから今、FPとしての私があるわけです。

人生の岐路に立たされたとき、あるいは転機が訪れたとき、お金がないと選択肢を狭めてしまいます。また一度しみついた生活スタイルは、よほどのきっかけがないと変えるのが難しいものです。価値観は人それぞれ、正解もひとつではありません。その上で、これから独り立ちする新社会人の皆さんには、しっかりとしたライフプランを組み立てる訓練と割り切って、住居費3割・貯蓄1割を目標にトライすることをおすすめします。

家計の見直し相談センター代表の藤川太さん(写真撮影/宮崎林太郎)

家計の見直し相談センター代表の藤川太さん(写真撮影/宮崎林太郎)

あくまで価値観は人それぞれと前置きしたうえで、自身の経験も踏まえて「家賃は月収の3割」という指標を改めて提示してくれた藤川さん。就職を機にひとり暮らしを始める方は、「家賃3割・貯蓄1割」を参考に予算を決めて、部屋探しをしてみてはいかがでしょうか。

●取材協力
・家計の見直し相談センター

一戸建ての不満点、1位はアレの手入れ、SUUMO調べ

憧れの一戸建て。マンションよりマイホーム感があり、間取りも広くて住みやすそうなイメージだが、実際の住み心地はどうなのだろう。

そこで(株)リクルート住まいカンパニーが運営する不動産・住宅サイト「SUUMO(スーモ)」は、「住んでみて分かった住まいの不満点(一戸建て編)」についてアンケート調査を実施し、結果を「SUUMOなんでもランキング」としてまとめた。

【調査概要】
●調査時期:2017年10月4日~2017年10月5日
●調査対象者:全国の20~59歳までの男性138名・女性135名
●調査方法:インターネット
●有効回答数:273

【調査結果】
Q.住んでみて分かった住まいの不満点は?(複数回答可)
1位:庭の手入れが大変 17.2%
2位:お風呂が寒い 9.2%
3位:収納が少ない 8.4%
4位:ご近所付き合いが大変 7.0%
5位:日当たりが悪い 5.5%
6位:壁が薄い 5.1%
7位:洗濯物を干すスペースが狭い 3.7%
8位:風通しが悪い 3.3%
8位:トイレの個数が少ない 3.3%
10位:部屋が狭い 2.9%
10位:ローンが高かった 2.9%
※上位10位まで表示

1位は「庭の手入れが大変」(17.2%)。庭があるなんてうらやましい限りだが、実際は「思ったよりも芝生が伸びるのが早かった」「雑草も多いし、植えた木が想像以上に伸びて落ち葉とか手入れが大変」など、定期的な手入れが必要で、夏などは「草刈りをしないと蚊がわいて大変」になる模様。

2位は「お風呂が寒い」(9.2%)。「日が入らない」「北向き」と設置場所の問題もある様子。また、「大理石なので、冬は寒くて、お湯がすぐさめる」「広くて良いと思ったけど、冬場は寒い」など、豪華だったり広かったりすることが、冬にはマイナスに働くことも。実家のお風呂をさして「古かった」という声もあった。

3位は「収納が少ない」(8.4%)。「荷物がありすぎて、収納スペースが足りなくなった」「おもちゃがしまえない」などの声が。収納が少ないというより、ものが多すぎたり、増えたりして収納が足りないという人が多く見られた。

4位は「ご近所付き合いが大変」(7.0%)。「町内会があるから」という声が多数。そのほか、「ゴミ当番などが大変」「冠婚葬祭、全てに呼ばれ大変だった」などのコメントがあった。

5位は「日当たりが悪い」(5.5%)。「隣の建物が高くて日が当たる時間が短い」「隣の家が近い」「お隣さんとの境界線に塀があるため1階の日当たりが悪い」など、立地や隣近所との物理的な問題がある人が多い。以下、「壁が薄い」「洗濯物を干すスペースが狭い」「風通しが悪い」「トイレの個数が少ない」と続く。

一戸建てならではの不満点がズラリと並んだ今回のランキング。マンション住まいでは気がつかないポイントが分かった。アンケートを参考に、満足のいく住まいを購入してほしい。

【主なコメント】
●庭の手入れが大変:特に草木の成長する夏の時期に手入れが大変。(46歳・男性)
●お風呂が寒い:お風呂は広いが、温まるのが遅い。(25歳・女性)
●収納が少ない:収納ケースで十分かと思っていたが、想像よりも衣類が増えたため。(28歳・男性)
●ご近所付き合いが大変:回覧板とか面倒。(42歳・女性)
●日当たりが悪い:電気代がかかる。(39歳・男性)
●風通しが悪い:窓を全部開けても夏場は風が通らない。(38歳・女性)
●トイレの個数が少ない:夜中にトイレに行くときに大変。(41歳・女性)
●ローンが高かった:有名なハウスメーカーにしたためか高い。(39歳・女性)

「SUUMOなんでもランキング」コーナー:住まいに関する様々なテーマについてアンケートを実施し、結果をまとめた記事を隔週で発表。