旅行の思い出をインテリアに! プロが教える5つのテクニック

いつもの生活から離れて、非日常感を味わうことができる旅行。旅行中に、ホテルのインテリアや街並み、アイテムから新しいアイデアやインスピレーションを得ることも少なくありません。
世界最大のオンライン宿泊予約サイト「Booking.com」の日本法人であるブッキング・ドットコムジャパンが、およそ19,000人の世界中の旅行者に対して行った「旅行とインスピレーションに関するアンケート」によると、56%の旅行者は「旅行先のインテリアに影響を受けて自宅のインテリアを変える」と回答しています。特に、ミレニアル世代とよばれる10代からアラサー世代では、この割合は67%にまで上昇します。
また、旅行者の44%は、「ホテルだけでなく、旅行先特有のデザインもインテリアの参考になる」と答えています。では、実際にどのような都市のデザインがよく参考にされているのでしょうか。ブッキング・ドットコムのユーザーが「デザイン」のカテゴリで高い評価をつけている5都市を見てみましょう。
デザイン都市としては依然として北欧が人気画像提供/ブッキング・ドットコム

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北欧はフィンランドとデンマークと2都市もランキングに入っています。さすがデザイン大国ですね。その他もヨーロッパの国が人気があるようです。

では、デザイン感度の高い旅行者はどの国の人々なのでしょうか? 特にアジア圏の旅行者は旅行先でのインテリアデザインを重要視する傾向があるようです。

画像提供/ブッキング・ドットコム

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デザインのインスピレーションを得るために、ホテルタイプ以外の宿泊先を選ぶと答えた旅行者も47%と半数近くを占めています。「コテージ」などの「バケーションレンタル」スタイルは、旅行先のインテリアやデザインを重要視するタイ人旅行者やインド人旅行者の間でも人気が高いようです。

ブッキング・ドットコムが行ったこのアンケートでは、57%の旅行者が「物理的にも精神的にも日常から離れることで、休暇をより満喫できる」と答えていますが、いつもの環境にはないインテリアやデザインも日常から離れるきっかけになるものです。旅行を満喫するために旅先のインテリアやデザインを積極的に楽しみたいですね。

旅先のインテリアの楽しみ方は……?

しかし一方で、ブッキング・ドットコムの担当者によると、「旅行先でのインテリアデザインを重要視している」と答えた日本人は少ないそう。なんと16%ほどにとどまっているとか。また「ホテルのインテリアが気に入って、予定していた時間よりも長くホテルに滞在した」という人は、インド人旅行者では60%、中国人旅行者では56%となっているのに対し、日本人旅行者はわずか14%という結果に。

新しいアイデアやインスピレーションを得られるせっかくのチャンスなのに、少しもったいない気がしますね。次の旅行では、旅行先のインテリアやデザインに注目して宿泊先を選ぶことにチャレンジしてみてはいかがでしょう。

一方で、旅行で得たアイデアやインスピレーションを自宅のインテリアに活かすといっても、意外と難しいのも現実。インテリアのプロはどのようにして旅の雰囲気をインテリアに取り入れているのでしょうか。ブッキング・ドットコムが話を聞いた、インテリア・スタイリスト兼ライフスタイルエキスパートのウィル・テイラー氏によると、旅行先のアイデアやインスピレーションを自宅のインテリアに取り入れるテクニックは5つあるそう。さっそく、プロのテクニックを紹介していきます。

【テクニック1】旅行先にちなんだアイテムをアクセントとして活用
旅行先から持ち帰ったアイテムがあれば、インテリアのアクセントとして活用できないか考えてみましょう。例えば、お土産のバスケットはダイニングテーブルの照明にかぶせるだけで、今までのダイニングの雰囲気を一新することができます。また、寝室の印象を変えてみたいのであれば、伝統工芸のラグをベッドのヘッドボードにかけるのもオススメ。簡単にできるのに、部屋の印象をガラリと変えることができます。

【テクニック2】インスピレーションを受けた色彩は写真やお土産で再チェック
旅行したときに「素敵だな」と感じた色彩を自宅に取り入れる場合は、ポストカードや写真、お土産の服やアクセサリーなどといった現地のものを振り返ってみましょう。インスピレーションを感じた色彩を改めて確認できたら、その色合いを再現できるアイテムを見つけに行くとよいでしょう。

【テクニック3】旅先でしか出会えないデザインのものを持ち帰る
旅先の雰囲気を強く出したいなら、旅先でしか出会えないデザインのものをお土産として選ぶのもよいですね。例えば、シンプルなソファーが自宅にある場合、モロッコで買ったキリム柄のクッションをソファーに置くだけで一気にエキゾチックで温かい雰囲気の部屋にすることができます。このように、旅行先の国や地域独自のデザインのものを上手に選びましょう。

【テクニック4】旅先の香りを再現
部屋の雰囲気を変えるのは、色やアイテムだけではありません。旅行先で得た感覚を思い出したいときは、ホテルで使われていた香りや街中で感じた雰囲気を思い起こさせる香りを、アロマキャンドルやお香で再現してみるとよいでしょう。暖炉のある北欧のアパートメントに泊まった体験を再現したいのであれば、雪の降る日に薪の香りがするキャンドルを灯してみるのもよいですね。

【テクニック5】旅行の思い出や旅行先で見た景色を色で表現
色はデザインにおいて感情的な要素です。上手に使って、旅の思い出やお気に入りの景色を色で再現してみましょう!例えば、「地中海の美しさに感動した」という思い出を大切にインテリアに取り入れたいのであれば、きれいな青色のペンキで廊下や部屋の壁を塗るのもおすすめです。お気に入りの色に囲まれた環境を自宅につくると、自宅がさらに居心地のよい空間になります。

旅行先の街並みや自然をインテリアに取り入れるというのはなかなか難しいものですが、ホテルのインテリアから受けたアイデアやインスピレーションは比較的再現しやすそうですね。

国内でもインテリア鑑賞を目当てにしたショートトリップができる!

海外旅行だけではなく、国内旅行でもホテルのインテリアからインスピレーションを受けることもできるはず。

ブッキング・ドットコムによると、「モクシー東京錦糸町 by マリオット」「TRUNK (HOTEL)」など、東京都内にも個性的でデザイン性の高いホテルがあるとのこと。国内・海外問わず、旅行する際にはいつもの環境にはないインテリアやデザインを楽しむことを目的にしてもよいかもしれません。

MOXY Tokyo Kinshicho by Marriott Hotel(画像提供/ブッキング・ドットコム) 

MOXY Tokyo Kinshicho by Marriott Hotel(画像提供/ブッキング・ドットコム) 

TRUNK (HOTEL) (画像提供/ブッキング・ドットコム)

TRUNK (HOTEL) (画像提供/ブッキング・ドットコム)

●参照
・PR TIMES

女性にも人気! 愛好家300人が選んだ「家飲み用ウイスキーTOP20」

「ウイスキー」と聞くと、ついつい「男性の飲み物」「女性には飲みにくい」と思ってしまいがち。けれど最近は、「モルト女子」という言葉ができるほどウイスキーにハマる女性が増えているのだとか。そうはいっても、売り場に沢山ならぶ瓶のなかからどれを選んでいいのか分かりませんよね。いきなりBARで知らない銘柄を注文するのも心のハードルが高い……。そんな人のために、日本最大級のバー&ウイスキー愛好家アプリ「HIDEOUT CLUB」(ハイドアウトクラブ)が発表した、ウイスキー愛好家300人が選ぶ「家飲み用のおすすめウイスキーTOP20」をお伝えします。初心者におすすめの銘柄も聞いたので、さっそくチェックを。

コスパも良し! 「家飲み用のおすすめウイスキーTOP20」の結果は?

1位のタリスカーは、スコットランドのスカイ島にある蒸溜所でつくられているシングルモルトウイスキー。スコットランド産のスコッチウイスキーが大勢を占めていますが、日本のウイスキーも4本ランクインし、健闘しています。

回答数=300(画像提供/株式会社ハイドアウトクラブ)

回答数=300(画像提供/株式会社ハイドアウトクラブ)

ウイスキー愛好家300人がたびたび飲んでいるウイスキーだけあり、「味と価格のコストパフォーマンス」「飲み方の汎用性」が特に重要視されて選ばれているよう。実はこの20銘柄は、世の中一般のウイスキー売上や流通量、知名度とは、まったく異なるランキングになっているのだとか。

初心者女性におすすめのウイスキーはこれ!画像提供/株式会社ハイドアウトクラブ

画像提供/株式会社ハイドアウトクラブ

おすすめ銘柄20本のなかで、ウイスキー初心者の女性が最初に手に取るのにおすすめなのはどれなのでしょう? 「HIDEOUT CLUB」(ハイドアウトクラブ)を運営する株式会社ハイドアウトクラブ(東京都渋谷区、以下ハイドアウトクラブ)の担当者が「初心者女性にもおすすめのウイスキー」を教えてくれました!

「13位のグレンモーレンジィ オリジナルか、4位のラフロイグ10年をおすすめします。グレンモーレンジィ オリジナルは、爽やかでフローラルな香りとオレンジのような柑橘系の甘さをもつウイスキーです。ストレートはもちろんのことソーダで割ってハイボールで飲んでも美味しいです。女性の初心者であれば、このウイスキーを勧められることは多いはずです。もう1つのラフロイグ10年は、正露丸にも例えられるような風味のウイスキー。けれど、お酒に強い女性は、このボトルを好む人が多いです」(ハイドアウトクラブ)

ただし、ラフロイグ10年は特徴的な風味があり好みが人それぞれなので、最初は一口だけお試しで飲んでみるほうが良いかもしれないとのアドバイスでした。ストレートはもちろん、ハイボールにしても美味しいのだそう。ハイボールの美味しいつくり方も教えてもらいましたよ。

「家でハイボールをつくる際は、お酒とソーダの比率を3:1または4:1にするとより美味しくなるはずです。ハイボールのグラスの縁に、レモン汁と塩または砂糖などをつけても、また違った風味を楽しめるはずです」(同)
この飲み方は、ぜひおすすめのウイスキーで試してみたいですね。

ちなみに今回のランキングに出ているウイスキーの大半は、コンビニなどには置いていないものがほとんどとのこと。ネット通販か、大きなスーパーや酒屋で探すことをおすすめします。
「どれもわざわざ探す価値のあるウイスキーなので、ぜひ見つけだしてほしいです!」とのことです。

家飲みの次はBARでウイスキー・デビューも

初心者おすすめ銘柄も分かったので、次は家飲みではなく、BARでウイスキーをオーダーしてもよいかも。ウイスキーをたしなむ大人の女性を目指してみてはどうでしょうか。

裏山があるのか?いや、ない

所在地:港区三田
14万8,000円 / 41.54平米
都営浅草線「泉岳寺」駅 徒歩8分

裏山ではないんですけどね。この物件があって、神社があって、その向こうに小高い公園が広がっているのです。



なんて素敵な配列。都心とは思えない、奥行きのある緑ビュー。



ただし物件の玄関側は大通り。6車線もある第一京浜です。窓を開けても私は気になりませんでしたが、音に敏感な方はご注 ... 続き>>>.
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屋上・店舗・地下倉庫付き住宅

所在地:横浜市神奈川区三ツ沢下町
5,680万円 / 84.09平米(土地)
横浜市営地下鉄ブルーライン「三ツ沢下町」駅 徒歩2分

三ツ沢下町駅から徒歩2分、国道1号沿いに立つ、中古戸建てをご紹介します。



細長い鉄骨3階建ての建物は、白いタイル貼りの外観が特徴的で、地下倉庫、店舗部分(1階)、住居部分(2、3階)、屋上で構成されています。



地下倉庫は使い勝手の良い「箱」状態で、駐車場や作業スペースなどに使 ... 続き>>>.
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公園脇でほのぼのと

所在地:大田区羽田
16万8,000円 / 128.77平米
京急空港線「穴守稲荷」駅 徒歩3分

戸建てのように見える、2世帯のメゾネット。窓が多く、庭と公園に挟まれているので、ほのぼのとした眺めとともにのんびりとした時間が過ごせそうな家です。



京急線の羽田空港国際線ターミナル駅から2駅。懐かしい雰囲気の商店街がある駅前から3分ほどの場所に、今回の物件があります。北側に小さ ... 続き>>>.
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ロフトで遊ぼう

所在地:さいたま市中央区上落合
1,350万円 / 51.43平米
湘南新宿ライン・京浜東北線・埼京線「大宮」駅 徒歩14分

◆価格を変更しました◆

ロフトの活用が特徴的なリノベ物件のご紹介です。改装されたのは2012年。LDKを広く取るためのアイデアのひとつがこのロフト。天井の高さと引き換えに、約3.5畳のスペースを2つ作りました。



さて、この2つのスペース、どう使いましょう。上を寝室として、下は書 ... 続き>>>.
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あとは音だけ

所在地:板橋区小茂根
1,880万円 / 42.51平米
有楽町線・副都心線「小竹向原」駅 徒歩6分

8年前に改装された単身者向けの1LDK。室内の仕上げ、状態も良くそのまま入居出来そうですが、車の音が気になりました。



改装の内容としては床は無垢フローリングで壁は塗装。ガラスの引戸で空間を2つに仕切ることが可能。天井高も2.45mと少し高め。



水周りはコンパクトにまとめて、収 ... 続き>>>.
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ギャップの魅力

所在地:渋谷区上原
10万3,000円 / 25.88平米
千代田線・小田急線「代々木上原」駅 徒歩5分

異素材のギャップが面白いリノベーション物件です。まるで木・コンクリ・畳のサンドイッチ。食べてもおいしくなさそうですが、それぞれの素材がそれぞれのゾーンに、ちょうどよくハマっています。



玄関周りや造作の部分は、うす色のシナ合板で爽やかに。キッチン周りは土間でクールに。そして部屋で ... 続き>>>.
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広い敷地+ウッドデッキの新築戸建て2兄弟

所在地:横浜市磯子区岡村
3,980万~4,180万円 / 99.36平米(建物) 270.27〜358.82平米(敷地)
京浜東北線「根岸」駅 徒歩26分

丘の中腹に新築された戸建て2棟のご紹介です。



敷地は急な坂と階段に挟まれていて、平坦地より少し不便かもしれませんが、周りに建物が少なく、高低差のおかげでプライベート感があります。



敷地が広く、2棟とも間取りは同じで、延べ床面積99.36㎡の3LDKです。21畳のLDKは風通し ... 続き>>>.
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「空き家購入、メリットとデメリットを知りたいです」 住まいのホンネQ&A(3)

誰もが知りたい住宅に関するさまざまな疑問について、さくら事務所創業者・会長の長嶋修氏にホンネで回答いただく本連載。第3回の質問は「空き家購入、メリットとデメリットを知りたいです」です。
新築マンション価格が高騰している一方、国内の空き家は増加の一途をたどり、社会問題になりつつあります。最近は、空き家のマッチングサイトなどがよくメディアに取り上げられるようになり、一般消費者が購入可能な手段も増えてきました。新築マンションが高騰しているいま、安く空き家を買えたら言うことなしのようにも思えますが、果たしてどんなメリットやデメリットがあるのか……? 注意すべき点や税制控除などについてもお話しいただきました。
社会問題化する「空き家」、高騰する新築マンション

総務省によれば日本の空き家は2013年時点でおよそ820万戸。2018年の現時点ではおそらく1000万戸を超える空き家があります。さらに日本はこれから本格的な人口減少と少子化・高齢化に見舞われるため、2033年には空き家が2000万戸、空き家率は30%を超えるとのシンクタンク試算もあります。エリアによっては「お隣りは空き家」といった時代が到来しそうです。

一方で新築マンションを中心とした住宅価格は高止まり。不動産経済研究所によれば、2018年2月の首都圏新築マンション価格平均は6128万円。東京都区部に至っては平均7223万円と、普通のサラリーマンが買える水準をはるかに超えている状態です。

こうしたなか「空き家をうまく活用しよう」といった動きも出始めています。全国の自治体が管理する空き家・空き地情報を集約した『LIFULL HOME’S 空き家バンク』(運営:株式会社LIFULL )や、空き家の売り手と買い手が直接交渉でき、物件価格0円の空き家なども紹介されている『家いちば』(運営:株式会社エアリーフロー)など。とはいえ、こうした取り組みもまだ端緒についたばかり。『家いちば』は2015年の開設から成約は20件程度と、まだまだ認知度も低くユーザーも少ないのが実情です。

空き家活用が進まない3つの理由

空き家活用がなかなか進まない理由にはさまざまなことが考えられますが、第一に「立地」の問題があります。自分がほしい場所にたまたま空き家があり、売りに出ていれば検討の余地がありますが、エリアをある程度限定すると、売りに出ている空き家はまだまだ少数です。「売ることも貸すこともせず、ただ放置されている空き家がたくさんある」というのが昨今の空き家問題の特徴なのです。

第二に「建物のコンディション」。家というものは、人が住まなくなってから時間が経過するほど傷んでいきます。その理由には大きく2つあり、一つは「換気」が行われないことで通風性が失われ、カビや結露を発生させてしまうこと。次に「雨漏り」や「水漏れ」など建物の不具合が発生しても、誰も気づかず放置され事態が悪化してしまうことです。

また空き家の多くには、庭や室内に、前居住者の「残置物」が残っていたりします。残置物とは、庭の物置きや植栽、室内の家具や生活道具一式などです。こうしたものは原則として買い手か売り手のどちらかの負担で処分するしかありませんが、それにも当然コストがかかります。

このように空き家活用は一般に、普通に新築や中古を買うより少しリスクが高く、手間がかかり面倒なのです。それでも、よりリーズナブルに家を手に入れたいという人にとっては、いい買い物になる可能性もあります。割安感のある空き家を買って、自分の思いどおりにリフォーム・リノベーションして暮らすことができればいいですね。

住宅ローン控除やフラット35の適用にはコストがかかる!?

では次に、購入者する側に立った際に使える控除などについて見ていきましょう。

まず住宅ローンを組む場合、新築から築20年以内の建物(マンションは25年以内)であれば「住宅ローン控除」が使えます。住宅ローン控除とは、ローン残高(年末時点)の1%分の所得税が10年間、戻ってくるものです。

空き家の場合、これよりも築年数が古いことが往々にしてあるでしょう。その場合に住宅ローン控除を利用する方法は2つあり、一つは「既存住宅売買瑕疵保険」に加入すること。保険期間は1年ないしは5年、支払い限度額は500万円ないしは1,000万円というのが一般的ですが、保険加入のためには一定の建物補修が必要など、コストがかかる要件があります。

もう一つは「耐震基準適合証明書」を取得する方法。こちらも、耐震診断やその結果に応じた耐震改修をする必要があるので一定のコストがかかります。

留意したいのが、中古住宅で『フラット35』や不動産取得税の減税制度などを利用したい場合です。フラット35については、『フラット35の適合証明書』が必要で、1981年5月31日以前に建築確認を取得した旧耐震の物件で制度を利用するには、『耐震基準適合証明書』の取得が必須。それに伴って、やはり耐震診断や改修コストは必要です。築20年以上の一戸建て・25年以上のマンションで不動産取得税の減免を受けるには先述の『耐震基準適合証明書』が必要です。

リフォームやリノベーションには補助金がもらえることも

一方でリフォームやリノベーションを行う場合には、国や自治体からさまざまな補助金が出ることもあります。例えば東京都豊島区では修繕工事に10万円、リフォーム工事に20万円を限度として補助金がもらえます(※適用にはいくつかの要件あり)。使えるものはうまく使っておきたいところ。こうした税制や補助金等に詳しいリフォーム・リノベーション事業者とお付き合いすることがお得に空き家を活用するコツとも言えるかもしれません。

いずれにせよ、購入前に建物のコンディションはよく調べておきたいもの。2018年4月からは住宅売買時に「インスペクション説明義務化」がスタートします。これは簡単に言うと、住宅の売主・買主に、建物の状況を調べるインスペクション事業者のあっせんの有無やその内容について説明するという制度です。

中古住宅取引時に、欧米では当たり前のように行われているホームインスペクション(住宅診断)を日本でも常識化し、中古住宅流通を促進させたいといった国の意志の表れですが、未来の日本では、中古住宅や空き家をうまく活用するというのは当たり前のことになっているでしょう。とはいえ日本ではまだこうした施策はまだ始まったばかり。制度をよく知った上で、インスペクションを依頼するホームインスペクターやリフォーム事業者をうまく見極めつつ、空き家活用にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

s-長嶋修_正方形.jpg長嶋 修  さくら事務所創業者・会長
業界初の個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクション(住宅診断)を行う「さくら事務所」を創業、現会長。不動産購入ノウハウの他、業界・政策提言や社会問題全般にも言及。著書・マスコミ掲載やテレビ出演、セミナー・講演等実績多数。【株式会社さくら事務所】

続・賃貸住宅でのDIY、どうやったらできる? 賃貸管理のプロに聞く[12]

前回は、賃貸住宅でDIYをしたいと思っている入居者さんが、なかなか踏み出せない理由について考えてきました。賃貸住宅でのDIYは、夢のまた夢なのでしょうか? 賃貸住宅でもDIYを可能にする方法があるのかを、一緒に考えてみましょう。【連載】賃貸管理のプロに聞く
賃貸仲介・管理の現場に20年以上携わっているプロが、賃貸物件に住む人から相談の多い事例と解決方法をご紹介する連載ですDIYは禁止されていないかも!? 賃貸借契約書をチェックしよう

お部屋を借りている方は、契約のときに賃貸借契約書を交わしていると思います。この賃貸借契約書には、引越してから退去するまでに起こる、いろいろな事柄についての決まりごとが書いてあります。

「賃貸住宅に手を入れる」ことに関して関係ありそうな条文には、どんなものがあるのでしょうか。全国で約20万8000戸の物件を管理しているハウスメイトグループの賃貸借契約書を見てみましょう。

第13条3.乙(賃借人)は、甲(賃貸人)の書面による承諾を得ないで、次に揚げる行為をしてはなりません。[1]本物件の増築・改築・改造又は室内の修理・塗替え・工作を伴う模様替え、…(以下略)第19条4.乙は、甲の承諾を得て行った造作等であっても原状に復する義務を負い、同造作物等を甲に対して買取り請求する事ができません。但し、原状回復に付き甲がこれを希望しない場合は、前段に定める造作等の収去並びに原状に復する義務については免責するものとします。

これを見てみると、「大家さんに書面で承諾を取ればDIYは可能で、大家さんがOKであれば原状回復もしなくて良い」と解釈することもできそうですよね。

少なくとも、「DIYなんて絶対ダメ!」と言うわけではないように思えます。ハウスメイトグループの契約書だけが特殊なのではなく、ほかの不動産会社で使用している契約書にも同じような条文があると思います。賃貸住宅に住んでいる方は、お手元の賃貸借契約書の該当箇所を確認してみてください。

そして、実は国土交通省も、2016年にDIY型賃貸借の契約書式例及びガイドブックを公表しています。これは、賃貸住宅でのDIYを推進するにあたっての大家さんや管理会社の不安や、今の契約書の条文のままでは不足している部分を補完するものでもあるのです。

特にガイドブックは図や写真が豊富で分かりやすくまとまっているので、DIYをやってみたい入居者さんは、国交省のホームページから一度ご覧になっておくと良いでしょう。

大家さん、管理会社の承諾を取るにはどうすればいい?

では契約書の規定どおり、書面で申請すれば簡単に承諾がもらえるのかというとそうではなく、ここに大きなハードルがいくつかあります。

一つ目のハードルは、大家さんや管理会社の年代問題です。大家さんの平均年齢は入居者さんよりかなり高めなので、DIYがブームになっていても、それを全く知らない方が多いと感じます。そもそもDIYとは何なのかを理解してもらえていないのであれば、話しはなかなか進みませんよね。

そして、大家さんと入居者さんの間を取り持つ役割の私たち管理会社も、大家さんと同じとまでは行かなくとも、DIYをやりたい入居者さんよりは年代が高めなことが多いです。管理会社に相談したとしても、「DIY? 入居者さんが壁に穴を開けるなんてダメですよ」と、大家さんに伝わる前に話しが終わってしまう可能性も十分に考えられます。

二つ目のハードルは、管理会社や大家さんの知識不足です。賃貸住宅を借りている方はあまりご存じないかもしれませんが、実は管理会社は建築・工事にさほど詳しくない場合が多いのです。なぜかと言うと、建物を建てる仕事と建物を管理・仲介していく仕事は全くの別物だからです。退去時にリフォーム工事をするのは管理会社の仕事ですが、われわれが長年行って来たのは「原状回復工事=元に戻す工事」です。

私たち管理会社は、汚れた壁紙を新しく張り替えたり傷ついたフローリングを補修したりするのは得意ですが、普段完成した建物を管理しているため、例えば壁の中の構造については詳しくありません。所有者である大家さんも詳しくない人が多いように感じますが、日ごろから物件管理をしている私たちですらそんな状態ですから、それは仕方がないことだと思います。

(イラスト/藤井昌子)

(イラスト/藤井昌子)

賃貸住宅でのDIYを認めてもらうには

われわれ管理会社が壁の内部構造に詳しくないとどういうことが起こるでしょうか。

入居者さんから「リビングの壁にDIYで棚を取り付けたい」と申請が来た場合、その部分の壁は穴を開けても大丈夫なのか、どういうことに気を付けてもらわなければならないのかが分からないと言うことになります。そうなると、大家さんに代わって承諾もできなければ、大家さんに「承諾しても問題ないと思いますよ」と承諾してもらえるように後押しすることもできません。

ただ、裏を返せば、DIYをやりたい入居者さんは、それらが分かりやすくなるように申請をすれば、承諾される確率が上がるのではないかと思います。

例に挙げたリビングに棚をつけるケースで考えると、
・どんなメーカーのどんな棚を付けたいかを写真等で示す
・棚をどこにつけたいかを間取図や室内写真で示す
・DIYショップに相談済みで、棚の重みに耐えられるような施工方法をきちんと行うことを示す
・万一原状回復する場合にはどんな工事が必要かを示す
というような感じで申請すれば、承諾される確率が上がりそうです。

管理会社経由で大家さんに申請をする場合なら、管理会社が大家さんにそのまま渡せて、簡単に要点を説明できるような形にまとめておくことも大切です。

さすがに新築や築浅では難しいかもしれませんが、築古物件の場合、DIYを承諾することで入居者さんに長く大切にお部屋を使ってもらえるならば、承諾しても良いと考える大家さんや管理会社は少なくないと思います。

実は、既に長く住んでくださっている方や、「長く住むつもりです」という方には、大家さんも管理会社も弱いのです。もし長く住む可能性が低くても、その棚の形やデザインが今のお部屋の雰囲気に合っていて、次の入居者さんにも喜ばれそうだとなれば、原状回復しないで残してもらえるほうが大家さんや管理会社にとってプラスになるかもしれません。要は、大家さんや管理会社がメリットに感じる部分があれば、申請は通りやすくなるのだと思います。

以前入居者の方から「洗面台が古いのでシャンプードレッサー付きに交換したい。半額自己負担するので大家さんに相談してもらえないか?」と言われたことがあります。その方は長く住んでいらしたので、結局大家さんが交換してくださいました。

実はこういう類の話は時々あり、物件×大家さん×入居者さんの組み合わせごとにケースバイケースですが、何かが壊れて機能を失っているという理由以外でも、入居者さんの工事の希望が通る場合があるのです。

この話とDIYが大きく違うのは、専門業者以外の人が施工するという点。どんな施工をするのか、そして、入居者が問題なく施工できるのか、をきちんと伝えることが大切です。お部屋は大切な財産だと認識している管理会社や大家さんに、いかに安心感を抱いてもらえるか。それが賃貸住宅でのDIYを承諾してもらえるポイントのような気がします。

自由で豊かな賃貸住まいをサポートできるように、私たち管理会社も少しずつ建築や工事の勉強を始めています。入居者のみなさんも「こういう住まい方をしたい」という意見をどんどん発信してほしいと思います。賃貸住宅でもDIYできるのがあたりまえになる未来を、一緒につくっていきましょう。

谷 尚子谷 尚子 賃貸住宅での暮らし応援団
独立系の賃貸管理会社ハウスメイトパートナーズに勤務。仲介・管理の現場で働くこと20年超のキャリアで、賃貸住宅に住まう皆さんのお悩みを解決し、快適な暮らしをお手伝い。金融機関・業界団体・大家さんの会等での講演多数。大家さん・入居者さん・不動産会社の3方良しを目指して今日も現場で働いています。●「賃貸管理のプロに聞く」記事一覧
・賃貸管理のプロに聞く[1] 入居後のトラブルで一番多い「騒音」問題の解決方法とは
・賃貸管理のプロに聞く[2] 一人暮らしの女性必見!「のぞき・ストーカー・痴漢被害」を防ぐ方法とは
・賃貸管理のプロに聞く[3] 意外と多い「漏水」被害。被害者、加害者になったらどうする?
・賃貸管理のプロに聞く[4] こっそり飼育は必ずバレる! ペットクレームあるある&解決法
・賃貸管理のプロに聞く[5] 火事になってからでは遅い! 賃貸暮らしの人に必要な防災の知識とは
・賃貸管理のプロに聞く[6] 誰もが避けたい「ご近所トラブル」。発生にはお決まりのタイミングが!?
・賃貸管理のプロに聞く[7] 住人の“暗黙ルール”を見極めよ! 駐輪場でのトラブルを防ぐコツとは
・賃貸管理のプロに聞く[8] 他人にとっては非常識!? 「バルコニー」はトラブルの種だらけ
・賃貸管理のプロに聞く[9] 私物を放置していない? 「共用廊下」でクレームが起こるメカニズム
・賃貸管理のプロに聞く[10]自治体によって違う! 「ごみ出しのルール違反」はトラブルの元
・賃貸管理のプロに聞く[11]賃貸住宅でのDIY、どうやったらできる?

住まいのトラブル調査【賃貸編】 敷金が戻ってこない… 退去時に起こるトラブル事例を公開!

賃貸契約が終了して次の住まいへ引越しが済むまでは、何事もなく気持ちよく終わりたいものです。今回は、退去時の具体的なトラブル内容や、その回避法などを紹介します。現在賃貸住宅に住んでいる人にも必見の内容です。
退去時のトラブルは「敷金の返金について」が多い

前回の調査で、賃貸物件で居住中に次いで多いことが分かった退去時のトラブル。いったいどんなことでトラブルになっているのでしょうか。

結果は「敷金の返金について」(70.3%)と「原状回復について」(56.8%)が多いと分かりました。この2つに関して回答した人数はそれほど多くはありませんでしたが、その中で、「敷金よりオーバーしてしまい、経済的な負担があった」(47.1%)と回答した人が「敷金でカバーできる範囲内だった」(35.3%)を上回る結果となりました。

賃貸物件を借りる際には、敷金や礼金を支払うことがほとんど。しかし、借主がその物件を退去する際に、貸主が原状回復するためのクリーニングや壁紙の張り替えなどを行った結果、敷金が返金されないといったトラブルになるようです。そもそも、借主が普通に部屋を使用していた場合に生じる経年劣化や損耗は貸主負担。借主の故意や過失、通常の使用方法に反するなどで生じた傷や損耗は借主が負担することと決められています。この消耗と故意や過失の境界線が曖昧(あいまい)なのがトラブルの元なのかもしれません。

退去時の敷金問題は7割もの人が経験している(出典/SUUMOジャーナル編集部)

退去時の敷金問題は7割もの人が経験している(出典/SUUMOジャーナル編集部)

「特に経済的な負担は生じなかった」のはわずか23.5%だった(出典/SUUMOジャーナル編集部)

「特に経済的な負担は生じなかった」のはわずか23.5%だった(出典/SUUMOジャーナル編集部)

また、「敷金よりオーバーしてしまい、経済的な負担があった」人は、「5万円以上」の負担が43.8%でトップ、「3万円以上~5万円未満」が25.0%で続きました。通常の使用で起こる消耗は借主の費用負担にはならないことを考えれば、5万円以上の負担はかなり大きいと言えます。

3万円以上負担した人は全体の約7割という結果に(出典/SUUMOジャーナル編集部)

3万円以上負担した人は全体の約7割という結果に(出典/SUUMOジャーナル編集部)

退去時のトラブルの具体的な内容は、以下のようなものがありました。

・入居前からの汚れなども原状回復と言われ、料金を請求された(42歳・女性)
・10年暮らしていた。タバコ禁止と契約書には記載なかったが、ヤニは居住者の過失と言われ敷金以上の金銭を求められた(47歳・女性)
・必要以上のハウスクリーニング代金を請求されたが、簡易裁判を起こすと言ったらお金が逆に返ってきた(45歳・男性)
・入居時に鍵の交換代を支払っているにも関わらず、退去時にも鍵の交換代金を請求された(43歳・男性)
・入居時から汚れがあった畳の入れ替え料金を請求された(48歳・男性)
・取り壊しが決まっていた物件なのに、原状回復を言われた(42歳・男性)
・設備品の処分費を負担させられた(41歳・女性)

トラブルを回避するために……「入居時に部屋をチェック」「内見は必須」など

次に、日ごろトラブルに巻き込まれないように気を付けていることがあるか聞いたところ、「気をつけていることがある」と回答した人が6割を超え、トラブル回避のための注意を払っている人が多いことが分かります。

トラブル防止のために、日ごろから気を付けていることがある人は6割を超え、意識の高さがうかがえる(出典/SUUMOジャーナル編集部)

トラブル防止のために、日ごろから気を付けていることがある人は6割を超え、意識の高さがうかがえる(出典/SUUMOジャーナル編集部)

気を付けていることとしては、「入居時に室内の状態をよくチェックしておく」(54.4%)、「必ず内見をしてから契約をする」(44.6%)、「契約書の内容をよく読む」(37.8%)、「インターネットなどで、よくあるトラブル事例を調べておく」(32.1%)などが並びました。

入居前に、室内に既にある傷や消耗などは写真に撮る、契約書にある内容を読み込むなど、トラブルを避けるために事前に出来ることはたくさんあります。インターネットでトラブル事例を調べておくのも、トラブル回避には有効だと言えるでしょう。

退去時の敷金問題を考えると、入居前の内見や室内の状態チェックは必須と言える(出典/SUUMOジャーナル編集部)

退去時の敷金問題を考えると、入居前の内見や室内の状態チェックは必須と言える(出典/SUUMOジャーナル編集部)

今回の調査で、居住中だけでなく、退去時にもトラブルが発生していることが分かりました。そして、「敷金よりオーバーしてしまい、経済的な負担があった」人は約5割にのぼります。

戻ってくるはずの敷金が戻ってこないばかりか、経済的負担があるのは避けたいもの。そのためには、居住中に部屋をきれいに使用することはもちろんですが、入居前に既に室内にある傷や汚れをチェックしておいたり、過去のトラブル事例を調べて回避法を知っておくなど、事前に出来ることはしておいたほうがよさそう。不当に経済的な負担を負うことがないよう、必要な知識は身に付けておきたいものですね。

●調査概要
・[住まいのトラブル調査 賃貸編]より
・調査期間:2018年3月8日~9日
・調査方法:インターネット調査(ネオマーケティング)
・対象:全国の賃貸住宅にお住まいの18歳~49歳の方
・有効回答数:男女300名