レッスン場に限る

所在地:渋谷区代々木
15万6,600円(税込) / 39.9平米
京王新線「初台」駅 徒歩5分

撮影スタジオではなく、いわゆるレッスン場としてのスタジオになります。用途をそれ一本に限定してみる、ふしぎな部屋のご紹介。



なぜなら、今現在がスタジオ用途で、壁一面に鏡を貼ったり床下の防音工事をした部屋を、そのまま生かしてもらいたいからとのこと。



ちなみに、防音はあくまで床下だ ... 続き>>>.
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街へぽこんと飛び出す窓

所在地:世田谷区代沢
9万円 / 30平米
小田急線・井の頭線「下北沢」駅 徒歩7分

部屋に入ると大きな出窓が迎えてくれる、一人暮らしサイズの物件のご紹介。街に向かって一歩前へ、窓がせり出している面白い外観をしています。



出窓に腰掛けて、ダイニングテーブルを置いて食事、なんて使い方もできそう。収納の扉は横にスライドさせて、間口いっぱい開くことができるので、使いや ... 続き>>>.
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リバースモーゲージ型住宅ローン、利用実績を公表、住宅金融支援機構

(独)住宅金融支援機構はこのたび、住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ型住宅ローン【リ・バース60】の利用実績等を公表した。
【リ・バース60】は、満60歳以上の方が対象。毎月の支払は利息のみで、元金は利用者が亡くなった時に、担保物件(住宅及び敷地)の売却などにより一括して返済する。

平成29年度の付保申請戸数は174戸、対前年度比346.2%の増加となった。付保実績戸数は68戸、対前年度比325.0%増。付保実績金額は8.5億円、対前年度比466.7%増。取扱金融機関数(年度末累計)は38機関で、対前年度比65.2%増だった。

申込者属性(平均)は、年齢72歳、年収330万円。「年金受給者」が60%、「会社員」が19%、「個人経営」6%など。資金使途は、「新築マンション購入」が40%、「新築戸建建設」が31%、「戸建リフォーム」13%。

資金計画(平均)は、所要額3,391万円、融資額1,691万円、毎月返済額は3.5万円。利用タイプ(割合)は、「ノンリコース型」61%、「リコース型」39%だった。

ニュース情報元:(独)住宅金融支援機構

トビタテ留学JAPANの2次審査を受けてきました

どうも!おだっち(https://www.facebook.com/rikuya.oda)です。

先日、トビタテ!留学JAPAN(https://www.tobitate.mext.go.jp/)なる奨学金の2次審査を受けてきたので、その感想についてです!

まず、トビタテとは何ぞやという話ですが、官民協賛で行っている留学応援プロジェクトです。僕が今回受けてきたのは第9期の選考なので、だいたい4年目に突入しています。通常の留学奨学金だと、海外の大学に交換留学をする場合しか申し込めないケースが多いですが、このトビタテ奨学金であれば、海外インターンやボランティア活動のみの場合でも申し込むことができちゃうんです!画期的ですね。

1次審査の書類を提出したのが3月中旬ごろで、その結果が返ってきたのが4月下旬ごろでした。そこから、2週間ほど2次の面接やプレゼン対策に時間を費やしました。東京に来てから同世代と話す機会があまりなかったので、いい出会いに恵まれてよかったです。

2次面接は、個人面接とグループ面接に別れていまして、僕の担当になった面接官の方は淡々と話しをきくタイプの方でした。めちゃくちゃ笑かそうと思っていましたが、席について1秒で諦めました。聞かれたことは、留学内容や、将来どうなりたいかといったことが多かったので、きちんと準備していれば大丈夫だと思います。僕はこの物語カフェ(https://www.facebook.com/groups/1787509254838129/)に参加したり、東工大や早稲田で開かれている練習会に行って対策をしました。結果発表が来月中旬なので、1ヶ月間は眠れない夜が続くわけですが、楽しみにしながら待ちたいなと思っています。

このリバ邸のブログを読んでいる方はきっとエッジの効いたことをされていると思います。もし、学生であれば、この奨学金を利用して海外にトビタつチャンスがあるので、申し込んでみてください!

 

P.S. トビタテxリバ邸のシェアハウスを関西で作ったら面白いかなと思うのですが、どうでしょうか?共犯者募集中です~。

「一生賃貸?35年ローンで住宅購入?どちらも不安です…」 住まいのホンネQ&A(5)

家族を持ったら家を買う。住宅は一生で一番高い買い物。昨今はそんな常識が変わりつつあり、一生賃貸で過ごす人も増えているといいます。しかし、どちらを選ぶにしても不安はつきもの。高齢になっても賃貸を借りられるのか。はたまた、35年ローンを組んで購入しても、70歳近くまで返済しきれるものなのか……。
住まいに関するさまざまな質問について、ホンネでお答えする本連載。第5回の質問は「一生賃貸?35年ローンで住宅購入?どちらも不安です…」です。誰もが知りたいこの悩み、果たして専門家の回答は如何に。

賃貸でも、購入でも、心配は杞憂に終わるかもしれない

確かに、日本社会の不確実性は高まる一方です。「年功序列」「終身雇用」といった旧来の働き方が崩壊しつつあり、さらに政府主導の「働き方改革」が進むなかで、人間の仕事の多くがAIやロボットに代替される可能性がある――。長期の住宅ローンを組んでマイホームを購入するのは「リスク」だと考えるのは、当然とも言えるでしょう。最長35年もの期間、ずっとローンを払っていけるのか、保証はどこにもありませんからね。

では一生賃貸でいいのかといえば、それはそれで心配になるでしょう。住宅ローンはいつか終わりますが、高齢になっても生きている限り、家賃の支払いはずっと続くわけですから。さくら事務所には「歳をとったら賃貸住宅を借りられなくなるから」といった購入動機をお持ちの方が多く来訪されます。ここで、「だからこそ低金利の今のうちに、終の棲家を確保しておこう」という流れがおこるわけです。

では、はたして現在の住宅購入層である30代が高齢者になったときにも、「歳をとったら賃貸住宅を借りられなくなる」という現在の常識が、はたして本当に成立するのでしょうか。結論を言えば、このような心配は杞憂に終わるでしょう。

高齢者に好まれなければ、賃貸経営者として失格に!?

かつては確かに、「高齢者は賃貸を借りにくい」いう風潮がありましたし、今後も完全になくなることはないかもしれません。しかし遠くない将来、状況が一変することになるはずです。なぜなら、日本はこれから、「少子化」「高齢化」を伴った本格的な「人口・世帯数減少時代」を迎えます。国立社会保障・人口問題研究所の平成29年版の推計によれば、2036年には3人に1人が高齢者になるとされています。

こういった世の中で、もし高齢者に対して積極的に賃貸住宅を貸そうとしなければ、賃貸住宅経営などとうてい成り立たなくなるでしょう。むしろ、高齢者に対して積極的にアプローチする物件、高齢者に好まれる物件でなければ、賃貸経営者として失格という世の中がやってくるはずです。

賃貸住宅だけではありません。日本の資本主義経済における高齢者とは、非常に大きなマーケット。街も高齢者向けにアレンジされ、市場で提供される商品やサービスも高齢者向けのものが現在より格段に多くなるのではないでしょうか。

3人に1人が高齢者の世の中では、電車やバスの優先席などは、全席の33%確保しなければならない計算です。もっとも、平均寿命は年々伸びていることや医療の発達などから、そのころの高齢者はおそらくとても元気で、趣味志向もおそらくかつての高齢者層とは大きく異なった「新世代高齢者」とでもいえるような状況になっていることが、想像に難くありません。“高齢者”という言葉からイメージする像は、現在をベースには考えられなくなることでしょう。

数十年先の住宅事情は大きく様変わりしている

未来の住宅事情も大きく様変わりするはず。新築は土地などの関係からもうあまりつくられず、中古住宅と賃貸住宅が、現在では想像もできないほど充実しているはずです。そうなると一生賃貸暮らしという選択も全く珍しくなくなっているでしょう。また賃貸であれ購入であれ、ライフスタイルやライフサイクルの変化に合わせて、住宅をリズミカルに住み替えることができる市場が出来上がっていることでしょう。すでに日本以外の先進国ではこうした市場が出来上がっており、住み替え頻度も日本よりかなり頻繁です。

つまり将来の日本の住宅事情は、より多様化し、どの世代にとっても楽しく面白く、より安全で安心感のあるものになっているはずです。すでに国は、中古住宅市場やリフォーム市場の活性化策や空き家活用による賃貸住宅増加策など住宅市場の多様化へ政策の舵を方向転換しているのです。未来に対して漠然とした不安を根拠に何かを決断するのではなく、その数十年先には日本の住宅事情が大きく様変わりしているということを踏まえておく必要があります。

まずは、住まいに関する現在の常識ははずしてしまいましょう。そしてそのうえで、自身や家族のライフスタイルやライフサイクルを考え、自由な住まい選びを楽しみましょう。賃貸でも購入でも、新築でも中古でも、世の中の常識や既成概念に自分をあてはめず、自由に発想して決めることができれば、それがあなたにとってのベストな選択になるのです。

買いたいときが“買い時”

ではそのうえで、マイホーム購入が肯定できるのはどんなときでしょうか。

「マイホーム、いつが買い時?」みたいな話は、私も不動産コンサルタントとして、聞かれればアレコレと理屈をこねくり回して答えるものの、現実には多くの人が「金利」や「価格水準」などの市場動向、つまり「外部要因」に合わせて生活しているわけではありません。子どもの学校とか家族のライフイベント、つまりは「内部要因」に合わせて動くケースがほとんどなのです。

つまりは、購入可否判断のための物差しを持つために、市場や金利の動向、税金などについて一定の知識を習得した上で
・売ったり貸したりと、将来の流動性が確保できそう
・支払いに無理がなさそう
かつ
・その物件を気に入っている
ならば、思い切って購入してしまえばよいのではないでしょうか。

ちなみに将来の流動性を確保しやすい物件については、第4回の「資産価値が落ちない家ってどんな家?」の内容を参考にしてください。資産価値が落ちにくい物件=流動性を確保しやすい物件です。無理のない支払い条件については、次回のコラムで触れますのでお楽しみに。

そうはいっても、マイホームを購入したあとに、例えば転勤やリストラ、長期にわたる疾病などに備えるにはどうしたらよいだろうかといった懸念は残ります。これを担保するにも、なるべく「価値が落ちない、落ちにくい住宅」を選べばいいでしょう。

仮に3000万円で買ったマンションが10年後に2000万になってしまった場合を考えてみましょう。よほど頭金を入れていないと、売却価格をローン残債が上回り、その分を現金で補填しないと売ることもできません。一方、10年後も3000万円で売れるなら、これはもう家賃はドブに捨てるようなものだといい切っていいでしょう。低金利の今なら10年間の支払い金利よりも賃料のほうがはるかに大きいはずです。

いつか住宅ローンを組むなら、それは一日でも早いほうがいいのです。理由はかんたんで「その分、支払いも早く終わるから」。35年の住宅ローンを組む場合、30歳なら65歳でローンが終わりますが、40歳だと75歳まで支払いは続きます。

株式売買とは異なり、不動産は一対一の相対取引で、契約条件もそれぞれ異なります。2012年の民主党から自民党への政権交代以降、不動産価格はほぼ一貫して上昇を続け、当時から見ればずいぶんと高くなりました。しかしこの期間中の価格上昇の多くの部分は「金利低下」で説明できる事が多いですし、そもそも安い時に買っている人もその多くは「たまたま」買えたというだけだったりするのです。

市場動向や金利やらの「外部要因」は「思い立ったときにたまたま条件良かったらうれしいよね」という程度に捉えておけば、後悔しないのではないでしょうか。

予算800万円以内! 60歳からの住まいは2人でリノベーション

「老後資金には1億円が必要」とか「年金に期待するな」とか、最近の日本は年をとるのもたいへんだ。今まで一生懸命に働いてきたのに、リタイア後も頭が痛くなるような話題ばかり。もっと楽しく、自分たちの身の丈に合った暮らしはできないのか。そんなとき、長年の友人が700万円以下で首都圏に一戸建てを手に入れ、自分たちでリノベーションをすると聞いた。ワクワクするようなニュースだ。早速遊びに行った。
現金で払える予算で自分たちの終の棲家を探す

中原夫妻は私と同じで60歳。妻は私がコピーライターとして新人だった時代の少し先輩だ。お互い還暦を迎え、そろそろリタイア後の生活に真剣に取り組む必要がある。「まだまだ元気で仕事も現役だが、ほんとうに体力がなくなる前に自分たちの終の棲家は確保しておきたい」と家探しを始めたのは2015年だった。

そんな2人が手に入れたのは、千葉県千葉市の土気駅から歩ける場所にある築35年超の一戸建てだ。
「町田で賃貸住宅に住んでいましたが、そろそろ自分たちの老後を考えたときに、いつまでも家賃を払い続けるのも不安で、この際家を買おうということに。これからのことを考えたら、自分たちが用意できる現金の範囲で探そうということになりました」と夫。

予算は最大800万円まで。最初は東京より西側の神奈川で探していたが、坂の上で階段がある物件が多い。予算内だと再建築不可(※)といった物件もあった。夫妻ともに海の近くで育っているので、山よりも海の近くが暮らしやすい。そのため今度は千葉県にも足を延ばして探すことにした。

※建て替えや増改築ができない状態。市街化調整区域の土地、建築基準法の接道義務に違反している(4m以上の道路に間口2m以上接していない)土地、あるいは法律の施行以前に建てられた「既存不適格建築物」などが該当する。

「古い団地も見に行きましたが、階段の上り下りがいずれたいへんになりそうで……。やはり庭仕事が好きな私たちには一戸建てが向いていると考えはじめました」と妻。そこで出会ったのが今の住まいだった。予算内に収まる価格と駅からのアプローチがフラットだったのもポイントだった。

「中古の一戸建てを自分たちの手で直しながら住むのもいいかと。古いけれど角地に建っていて開放感があるのと庭があるのも気に入りました」と妻。「供給公社がしっかり建てた物件で、床下も屋根裏も見てみましたがきれいなものでした。途中で白アリ防除もしたということで購入を決めました」と夫。

購入後、リビングと和室を隔てる壁を壊した状態の写真。いわゆる昭和の一戸建て木造住宅だった(写真提供/中原氏)

購入後、リビングと和室を隔てる壁を壊した状態の写真。いわゆる昭和の一戸建て木造住宅だった(写真提供/中原氏)

和室の壁はベンガラをイメージした紅色に。ジモティで手に入れた棚を仕立て直して間仕切りにした (写真撮影/片山貴博)

和室の壁はベンガラをイメージした紅色に。ジモティで手に入れた棚を仕立て直して間仕切りにした(写真撮影/片山貴博)

購入後に雨漏りを発見、修理をしてくれた大工さんと仲良くなる

2人はまず手描きで図面を起こし、1階部分の和室を洋室に変え、リビングと棚でつなげるようなプランを考えた。当初は1階リビングを完成させて引越したら、住みながら手を入れていく予定だった。

最初につくった手描きのリノベーションの設計図 (写真提供/中原健二氏)

最初につくった手描きのリノベーションの設計図(写真提供/中原健二氏)

ところが契約時に決めていた瑕疵担保責任の期間ぎりぎりの時期に、2階のベランダのジョイント部分から雨が入り込み、柱が1本腐っていたのを発見することになった。交渉した結果、売主が地元の大工さんに工事を頼んで修復してくれることになった。この修復工事が終わらないと、自分たちの工事もできない。

「この大工さんがいい人で、親しくなって、ついでにあれこれと見てくれました。その時、動かしていい柱を教えてもらったので、後の仕事がスムースになりました」。災い転じて福となすとは、まさにこのことだ。

しかも修復工事で壁を開けてみたら、やはり古い戸建てだけに断熱が完璧ではないことに気付いてしまった。夫はがぜん断熱にこだわりはじめ、床下や天井にも断熱材を張り巡らせることになった。

天井も高くしたいとぶち抜くことに。みっちりと断熱材を入れた (写真提供/中原氏)

天井も高くしたいとぶち抜くことに。みっちりと断熱材を入れた(写真提供/中原氏)

「モノと一緒にやさしさもいただく」。お金をかけずに材料を入手

リノベーションに必要な材料も実は費用がほとんどかかっていない。妻の口癖である「宝くじ以外は何でも引き寄せる法則」が随所で役に立った。

「ある日、いつもと違う道を歩いていたら、リフォーム会社のお持ち帰りボックスに壁紙がドーンと置いてあるのを発見。さっそく貰って帰りました」。さらに壁紙は友人からも貰うことができた。

トイレの壁紙は友人から。目立たない2階のトイレで初チャレンジ。実は狭いところはプロでも一番難しいことが分かる。大雑把な計算が間違いのもとで、余りをパズルのように何枚も貼り合わせることに。 結果、いい感じのツートンカラーに仕上がった(写真提供/中原氏)

トイレの壁紙は友人から。目立たない2階のトイレで初チャレンジ。実は狭いところはプロでも一番難しいことが分かる。大雑把な計算が間違いのもとで、余りをパズルのように何枚も貼り合わせることに。 結果、いい感じのツートンカラーに仕上がった(写真提供/中原氏)

またリビングのフローリングを無垢板にしたかったけれど、高いのでどうしようかと考えていたら、材木屋が廃棄しようとしていた板を少しずつ分けてもらうことができた。「無垢のフローリング材は、それぞれ規格が違い、サネと呼ばれるジョイント部の高さが違うのでカンナ掛けの加工が必要でした。1本ずつ夫が削って合わせて貼りました。でも色合わせが楽しかったです」

「玄関、廊下、1階の和室の竹のフローリングは、ホームセンターで見切り品になっていたのを買い占めました。お店でちゃんとお金を出して買ったレアケースです」と妻。

竹ですっきりした玄関と廊下。框の段差を丁寧にまるめ、廊下の直角にまがる部分の板の合わせもかなり手をかけた(写真提供/中原氏)

竹ですっきりした玄関と廊下。框の段差を丁寧にまるめ、廊下の直角にまがる部分の板の合わせもかなり手をかけた(写真提供/中原氏)

「某所では昭和20年代の室内ドアと、アメリカンクレイという壁塗り用の土を手に入れました。次はタイルが必要と言っていたら廃業するタイル屋さんとつながりました」とさらに妻の才能は開花する。

驚いたのはジモティの使いこなし術だ。「バスタブも展示品だけど新品を3000円でゲット。さらにレンジフードも新しいのを買っちゃおうかなと考えはじめていたところ、施工業者から新品未使用のものを7000円で手に入れました」。メインの写真で二人がくつろいでいる赤いソファ は4000円。ワイン箱の出物を6個1000円で手に入れ、奥行きを詰めて底と側面の板にフェルトを貼り棚の引き出しに利用したそうだ。手間をかけることをいとわなければ、こだわりのあるインテリアはお金をかけずにそろえることができるという好例だろう。
リビングと洋室の間のパーテーションにした棚は、イケアのものを2個はタダで、1個は1000円ほどでもらい受け、表面にサンダーをかけ荒らしてペイントし、3個1で組み込んだ。
「現場での解体が大変そうだと思っていましたが、受け取先の場所に伺うと、先に解体しておいてくれたうえに、組み立てるために便利なように完璧な合番まで振ってくれていました。ジモティでは庭の植栽も含めて10数件ほどやりとりをしましたがどの方も気持ちのいい方ばかり。モノだけではなくやさしさも一緒にもらいました」と妻。

赤いマッサージチェアもジモティで7000円。小さくて場所もとらないのに高機能だ(写真提供/中原氏)

赤いマッサージチェアもジモティで7000円。小さくて場所もとらないのに高機能だ(写真提供/中原氏)

夫が棟梁、妻はディレクター、それぞれが得意分野を活かす

夫は電気工事士の資格を持っているうえ、とにかく手先が器用だ。細かいところまでこだわり、なんでもつくってしまう。妻は以前グラフィックデザインの仕事をしていただけに、色やデザインにこだわりがある。妻が大まかなプランやデザインを考えるディレクターのような役割だ。夫がそれを実現していく。

例えばリビングの仕上げは壁紙を貼るのではなく、壁のボードをはがした上で構造材を張り直し、構造材にペイントした。「ペンキなどでテストしてみたら、プライマーと呼ばれる下塗り塗料をスポンジで載せていったものが、味わいがありしっくりきたのでそれをいかすことに」と妻。このほか、廊下からのリビングの入り口の壁には、お手製の猫ドアや古い建具を扱っている道具屋で見つけ出した昭和のガラスが入った飾り窓をはめ込むなど、次々にアイデアをかたちにしていったという。

フローリングの板と、貰い受けた縦型のCDラック2本を組み合わせてつくったキッチンとリビングの間のパーテーション(写真撮影/片山貴博)

フローリングの板と、貰い受けた縦型のCDラック2本を組み合わせてつくったキッチンとリビングの間のパーテーション(写真撮影/片山貴博)

キッチンとリビングの間の棚は、妻がデザインして夫がきっちりカタチにしていく。配線も壁や天井を造作する前に、ベストポジションにスイッチやコンセントをつくりたいという要望に、夫が天井に顔を突っ込んだり、 床に這いつくばったりして、コード類を裏から通して大健闘した。

リビングの壁は構造材をいかしたままに(写真提供/中原氏)

リビングの壁は構造材をいかしたままに(写真提供/中原氏)

猫の元気くんの通り抜け用ドアも手づくりだ(写真提供/中原氏)

猫の元気くんの通り抜け用ドアも手づくりだ(写真提供/中原氏)

「完成はいつごろの予定?」と聞いたら、「たぶん一生どこかを直し続けそう」との答えが返ってきた。このリノベーションの過程で、妻はもちろん私たちまで、中原氏を「棟梁」と呼んでしまうようになった。物件購入後2年をかけて、毎週末に町田から千葉市までリノベーションに通うというハードな日々を過ごした棟梁からは「リタイア後の住処は、なるべく体力と気力のある早いうちからアクションを起こすことをおすすめします。時間をかけてでも、その工程を楽しんでリノベーションに挑戦してください」と、アドバイスがあった。

実は中原夫妻は再婚同士だ。私がはじめて棟梁を紹介されたのは、1年ほど前に2階の和室の壁塗りを手伝いに来た時だ。年齢を経て知り合うカップルの理想的な姿のような気がした。自分たちならではの住まいをつくる過程で、あうんの呼吸がさらにぴったり合ってきている気がする。これからも少しずつ自分たちの生活に合わせて、住まいをバージョンアップしていくはずだ。理想的な年齢の重ね方ではないだろうか。

棚の向こうの洋室は家の中で一番日当たりのいい場所。妻の仕事スペースに(左)素通しの棚には、以前妻がガラス工房でものづくりをしていたころに親方につくってもらった小物などを並べている(写真提供/中原氏)

棚の向こうの洋室は家の中で一番日当たりのいい場所。妻の仕事スペースに(左)素通しの棚には、以前妻がガラス工房でものづくりをしていたころに親方につくってもらった小物などを並べている(写真提供/中原氏)

今は庭にウッドデッキを作成中だそうだ。完成するころには、またお邪魔してデッキでビールを飲ませてもらいたい。

庭仕事も楽しみな広い庭。現在はウッドデッキを作成中(写真提供/中原氏)

庭仕事も楽しみな広い庭。現在はウッドデッキを作成中(写真提供/中原氏)

60歳からの家は自分たちで創ることにした

「老後資金には1億円が必要」とか「年金に期待するな」とか、最近の日本は年をとるのもたいへんだ。今まで一生懸命に働いてきたのに、リタイア後も頭が痛くなるような話題ばかり。もっと楽しく、自分たちの身の丈に合った暮らしはできないのか。そんなとき、長年の友人が700万円以下で首都圏に一戸建てを手に入れ、自分たちでリノベーションをすると聞いた。ワクワクするようなニュースだ。早速遊びに行った。
現金で払える予算で自分たちの終の棲家を探す

中原夫妻は私と同じで60歳。妻は私がコピーライターとして新人だった時代の少し先輩だ。お互い還暦を迎え、そろそろリタイア後の生活に真剣に取り組む必要がある。「まだまだ元気で仕事も現役だが、ほんとうに体力がなくなる前に自分たちの終の棲家は確保しておきたい」と家探しを始めたのは2015年だった。

そんな2人が手に入れたのは、千葉県千葉市の土気駅から歩ける場所にある築35年超の一戸建てだ。
「町田で賃貸住宅に住んでいましたが、そろそろ自分たちの老後を考えたときに、いつまでも家賃を払い続けるのも不安で、この際家を買おうということに。これからのことを考えたら、自分たちが用意できる現金の範囲で探そうということになりました」と夫。

予算は最大800万円まで。最初は東京より西側の神奈川で探していたが、坂の上で階段がある物件が多い。予算内だと再建築不可(※)といった物件もあった。夫妻ともに海の近くで育っているので、山よりも海の近くが暮らしやすい。そのため今度は千葉県にも足を延ばして探すことにした。

※建て替えや増改築ができない状態。市街化調整区域の土地、建築基準法の接道義務に違反している(4m以上の道路に間口2m以上接していない)土地、あるいは法律の施行以前に建てられた「既存不適格建築物」などが該当する。

「古い団地も見に行きましたが、階段の上り下りがいずれたいへんになりそうで……。やはり庭仕事が好きな私たちには一戸建てが向いていると考えはじめました」と妻。そこで出会ったのが今の住まいだった。予算内に収まる価格と駅からのアプローチがフラットだったのもポイントだった。

「中古の一戸建てを自分たちの手で直しながら住むのもいいかと。古いけれど角地に建っていて開放感があるのと庭があるのも気に入りました」と妻。「供給公社がしっかり建てた物件で、床下も屋根裏も見てみましたがきれいなものでした。途中で白アリ防除もしたということで購入を決めました」と夫。

購入後、リビングと和室を隔てる壁を壊した状態の写真。いわゆる昭和の一戸建て木造住宅だった(写真提供/中原氏)

購入後、リビングと和室を隔てる壁を壊した状態の写真。いわゆる昭和の一戸建て木造住宅だった(写真提供/中原氏)

和室の壁はベンガラをイメージした紅色に。ジモティで手に入れた棚を仕立て直して間仕切りにした (写真撮影/片山貴博)

和室の壁はベンガラをイメージした紅色に。ジモティで手に入れた棚を仕立て直して間仕切りにした(写真撮影/片山貴博)

購入後に雨漏りを発見、修理をしてくれた大工さんと仲良くなる

2人はまず手描きで図面を起こし、1階部分の和室を洋室に変え、リビングと棚でつなげるようなプランを考えた。当初は1階リビングを完成させて引越したら、住みながら手を入れていく予定だった。

最初につくった手描きのリノベーションの設計図 (写真提供/中原健二氏)

最初につくった手描きのリノベーションの設計図(写真提供/中原健二氏)

ところが契約時に決めていた瑕疵担保責任の期間ぎりぎりの時期に、2階のベランダのジョイント部分から雨が入り込み、柱が1本腐っていたのを発見することになった。交渉した結果、売主が地元の大工さんに工事を頼んで修復してくれることになった。この修復工事が終わらないと、自分たちの工事もできない。

「この大工さんがいい人で、親しくなって、ついでにあれこれと見てくれました。その時、動かしていい柱を教えてもらったので、後の仕事がスムースになりました」。災い転じて福となすとは、まさにこのことだ。

しかも修復工事で壁を開けてみたら、やはり古い戸建てだけに断熱が完璧ではないことに気付いてしまった。夫はがぜん断熱にこだわりはじめ、床下や天井にも断熱材を張り巡らせることになった。

天井も高くしたいとぶち抜くことに。みっちりと断熱材を入れた (写真提供/中原氏)

天井も高くしたいとぶち抜くことに。みっちりと断熱材を入れた(写真提供/中原氏)

「モノと一緒にやさしさもいただく」。お金をかけずに材料を入手

リノベーションに必要な材料も実は費用がほとんどかかっていない。妻の口癖である「宝くじ以外は何でも引き寄せる法則」が随所で役に立った。

「ある日、いつもと違う道を歩いていたら、リフォーム会社のお持ち帰りボックスに壁紙がドーンと置いてあるのを発見。さっそく貰って帰りました」。さらに壁紙は友人からも貰うことができた。

トイレの壁紙は友人から。目立たない2階のトイレで初チャレンジ。実は狭いところはプロでも一番難しいことが分かる。大雑把な計算が間違いのもとで、余りをパズルのように何枚も貼り合わせることに。 結果、いい感じのツートンカラーに仕上がった(写真提供/中原氏)

トイレの壁紙は友人から。目立たない2階のトイレで初チャレンジ。実は狭いところはプロでも一番難しいことが分かる。大雑把な計算が間違いのもとで、余りをパズルのように何枚も貼り合わせることに。 結果、いい感じのツートンカラーに仕上がった(写真提供/中原氏)

またリビングのフローリングを無垢板にしたかったけれど、高いのでどうしようかと考えていたら、材木屋が廃棄しようとしていた板を少しずつ分けてもらうことができた。「無垢のフローリング材は、それぞれ規格が違い、サネと呼ばれるジョイント部の高さが違うのでカンナ掛けの加工が必要でした。1本ずつ夫が削って合わせて貼りました。でも色合わせが楽しかったです」

「玄関、廊下、1階の和室の竹のフローリングは、ホームセンターで見切り品になっていたのを買い占めました。お店でちゃんとお金を出して買ったレアケースです」と妻。

竹ですっきりした玄関と廊下。框の段差を丁寧にまるめ、廊下の直角にまがる部分の板の合わせもかなり手をかけた(写真提供/中原氏)

竹ですっきりした玄関と廊下。框の段差を丁寧にまるめ、廊下の直角にまがる部分の板の合わせもかなり手をかけた(写真提供/中原氏)

「某所では昭和20年代の室内ドアと、アメリカンクレイという壁塗り用の土を手に入れました。次はタイルが必要と言っていたら廃業するタイル屋さんとつながりました」とさらに妻の才能は開花する。

驚いたのはジモティの使いこなし術だ。「バスタブも展示品だけど新品を3000円でゲット。さらにレンジフードも新しいのを買っちゃおうかなと考えはじめていたところ、施工業者から新品未使用のものを7000円で手に入れました」。メインの写真で二人がくつろいでいる赤いソファ は4000円。ワイン箱の出物を6個1000円で手に入れ、奥行きを詰めて底と側面の板にフェルトを貼り棚の引き出しに利用したそうだ。手間をかけることをいとわなければ、こだわりのあるインテリアはお金をかけずにそろえることができるという好例だろう。
リビングと洋室の間のパーテーションにした棚は、イケアのものを2個はタダで、1個は1000円ほどでもらい受け、表面にサンダーをかけ荒らしてペイントし、3個1で組み込んだ。
「現場での解体が大変そうだと思っていましたが、受け取先の場所に伺うと、先に解体しておいてくれたうえに、組み立てるために便利なように完璧な合番まで振ってくれていました。ジモティでは庭の植栽も含めて10数件ほどやりとりをしましたがどの方も気持ちのいい方ばかり。モノだけではなくやさしさも一緒にもらいました」と妻。

赤いマッサージチェアもジモティで7000円。小さくて場所もとらないのに高機能だ(写真提供/中原氏)

赤いマッサージチェアもジモティで7000円。小さくて場所もとらないのに高機能だ(写真提供/中原氏)

夫が棟梁、妻はディレクター、それぞれが得意分野を活かす

夫は電気工事士の資格を持っているうえ、とにかく手先が器用だ。細かいところまでこだわり、なんでもつくってしまう。妻は以前グラフィックデザインの仕事をしていただけに、色やデザインにこだわりがある。妻が大まかなプランやデザインを考えるディレクターのような役割だ。夫がそれを実現していく。

例えばリビングの仕上げは壁紙を貼るのではなく、壁のボードをはがした上で構造材を張り直し、構造材にペイントした。「ペンキなどでテストしてみたら、プライマーと呼ばれる下塗り塗料をスポンジで載せていったものが、味わいがありしっくりきたのでそれをいかすことに」と妻。このほか、廊下からのリビングの入り口の壁には、お手製の猫ドアや古い建具を扱っている道具屋で見つけ出した昭和のガラスが入った飾り窓をはめ込むなど、次々にアイデアをかたちにしていったという。

フローリングの板と、貰い受けた縦型のCDラック2本を組み合わせてつくったキッチンとリビングの間のパーテーション(写真撮影/片山貴博)

フローリングの板と、貰い受けた縦型のCDラック2本を組み合わせてつくったキッチンとリビングの間のパーテーション(写真撮影/片山貴博)

キッチンとリビングの間の棚は、妻がデザインして夫がきっちりカタチにしていく。配線も壁や天井を造作する前に、ベストポジションにスイッチやコンセントをつくりたいという要望に、夫が天井に顔を突っ込んだり、 床に這いつくばったりして、コード類を裏から通して大健闘した。

リビングの壁は構造材をいかしたままに(写真提供/中原氏)

リビングの壁は構造材をいかしたままに(写真提供/中原氏)

猫の元気くんの通り抜け用ドアも手づくりだ(写真提供/中原氏)

猫の元気くんの通り抜け用ドアも手づくりだ(写真提供/中原氏)

「完成はいつごろの予定?」と聞いたら、「たぶん一生どこかを直し続けそう」との答えが返ってきた。このリノベーションの過程で、妻はもちろん私たちまで、中原氏を「棟梁」と呼んでしまうようになった。物件購入後2年をかけて、毎週末に町田から千葉市までリノベーションに通うというハードな日々を過ごした棟梁からは「リタイア後の住処は、なるべく体力と気力のある早いうちからアクションを起こすことをおすすめします。時間をかけてでも、その工程を楽しんでリノベーションに挑戦してください」と、アドバイスがあった。

実は中原夫妻は再婚同士だ。私がはじめて棟梁を紹介されたのは、1年ほど前に2階の和室の壁塗りを手伝いに来た時だ。年齢を経て知り合うカップルの理想的な姿のような気がした。自分たちならではの住まいをつくる過程で、あうんの呼吸がさらにぴったり合ってきている気がする。これからも少しずつ自分たちの生活に合わせて、住まいをバージョンアップしていくはずだ。理想的な年齢の重ね方ではないだろうか。

棚の向こうの洋室は家の中で一番日当たりのいい場所。妻の仕事スペースに(左)素通しの棚には、以前妻がガラス工房でものづくりをしていたころに親方につくってもらった小物などを並べている(写真提供/中原氏)

棚の向こうの洋室は家の中で一番日当たりのいい場所。妻の仕事スペースに(左)素通しの棚には、以前妻がガラス工房でものづくりをしていたころに親方につくってもらった小物などを並べている(写真提供/中原氏)

今は庭にウッドデッキを作成中だそうだ。完成するころには、またお邪魔してデッキでビールを飲ませてもらいたい。

庭仕事も楽しみな広い庭。現在はウッドデッキを作成中(写真提供/中原氏)

庭仕事も楽しみな広い庭。現在はウッドデッキを作成中(写真提供/中原氏)