ていねいな仕事

所在地:大田区南千束
7万9,000円 / 28.8平米
東急大井町線「北千束」駅 徒歩5分

古い木造アパートも、ていねいな仕事を経ればここまで蘇るのか!と、部屋をたくさん見ている僕たちから見ても、ちょっとした感動がある物件です。



味の出た柱と、新しく入れ替えられた部分が、美しく調和しています。



もとはよく見るかたちの和室2DKでした。床を畳からパイン材の無垢フローリ ... 続き>>>.
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八幡のマドンナ

所在地:渋谷区代々木
18万円 / 44.29平米
小田急線「代々木八幡」駅 徒歩5分

みんなが好きになっちゃう部屋のご紹介です。



19畳の大きめワンルームは飽きがこない内装に仕上げてあります。シンプルだけど、ちゃんと質感や色選びにこだわっていて、天井・壁は既存のものを撤去、白塗装でざらっとした質感に。床は程よく艶がある、深い色のフローリングを選んでいます。



キ ... 続き>>>.
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如月

今日の東京は二十四節気の雨水(うすい)らしく、曇りのち雨です。春ですね。

 

 

昨日は、早咲きの桜が咲いているのを見つけました。

 

 

うちでは水栽培のヒヤシンスが開花して良い匂いです。ぽってりフラワー

 

 

小さい綺麗なカゲロウが飛んできました。

 

 

 

気温が上がったり下がったりで体調を崩しがちです。インフルもまだ危険ですね。春だ、春だ♪と浮かれ気味ですが、もう少し、気を引き締めていこうと思います!

 

 

 

 

さて、先日、NHKの番組で、チコちゃんが「2月はどうして28日しかないの?」と言っていました。

 

 

 

夫がテレビを見ながら「それは・・・・・・」と答えたので、力いっぱい、

 

 

 

 

「ボーっと生きてんじゃねーよー!!

 

 

 

 

と言ったら、なんと、まさかの正解。100点はなまる

 

 

 

見事に肩透かしを食らいました。。。

 

 

 

番組をこれから見る人がいると思うので詳しく書きませんが、日本でも古くから、睦月、如月、弥生、という風に、各月に名前がついています。これも、一年をどこからスタートしても大丈夫な感じですよね。すごく納得しました。

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一戸建てに住む女性、約6~7割が「冬は非居室空間で寒さを感じる」

ダイキン工業(株)はこのたび、「住宅内の非居室空間と寒さに関する実態調査」を行った。調査は2018年12月4日(火)~5日(水)、一戸建てに住む首都圏在住の女性200名を対象にインターネットで行ったもの。
それによると、冬場に住宅内で寒さを感じる空間・場所トップは「洗面室・脱衣室」で約7割(71.0%)。次いで「廊下」(70.0%)、「玄関」(67.5%)、「トイレ」(59.5%)が続く。これら上位はいずれも非居室空間で、住宅内でも約6~7割の女性が「寒さ」を感じているようだ。また、「寝室」でも約3人に1人(33.0%)が寒さを感じており、非居室空間だけでなく、寝室のような居室空間においても「低温」の状態にいる女性が多いことが分かった。

空間・場所別の暖房器具の使用率をみると、「キッチン」は58.2%、「洗面室・脱衣室」は31.6%。また、「廊下」(5.3%)、「トイレ」(6.3%)、「玄関」(2.5%)などではほとんど暖房器具が使われていなかった。「キッチン」における暖房器具使用率が高くなっているのは、LDK空間でのエアコン使用が含まれていることが影響しているものと考えられる。

非居室空間で暖房器具を使っていない理由トップは「その空間・場所に暖房器具が設置されていないから」で45.9%。「寒くても我慢できるから」(37.8%)、「必要性を感じていないから」(35.7%)が続いた。非居室空間で寒さを感じている人が6~7割存在しているにもかかわらず、暖房器具は設置せず、我慢できると考えてしまう人が4~5割存在するようだ。

また、いずれかの非居室空間で「暖房器具を使っている」と答えた方に、非居室空間で使っている暖房器具に対する満足度を聞いたところ、約3割(33.1%)が「満足していない」(「全く満足していない」(6.2%)+「あまり満足していない」(26.9%))と回答。不満足の理由としては「すぐに暖かくならない」(37.2%)、「スペースをとって邪魔」(32.6%)、「暖房の効果が弱い」(30.2%)といった声が上位に上がっている。

ニュース情報元:ダイキン工業(株)

約6割がAIによる「暮らしの利便性向上」を期待

(株)ジャストシステムはこのほど、全国の17歳から69歳の男女1,100名を対象に「人工知能(AI)&ロボット月次定点調査」の結果を発表した。この調査は2017年6月から毎月1回実施しているもの。今回の調査では、AIの発達による「暮らしの利便性向上」について、「期待している」という回答は60.7%、「どちらともいえない」は23.3%、「期待していない」は12.9%だった。「期待している」人の割合を年代別に見ると、10代は61.0%、20代は64.0%、30代59.0%、40代57.0%、50代63.0%、60代60.0%で、いずれの世代でも6割前後の人が期待しているようだ。

時短や省エネにもつながる「AI家電」については、「ぜひ購入したい」が10.1%、「興味があり、購入を検討したい」は26.8%で、合計すると36.9%の人が購入に前向きであることがわかった。「興味はあるが、購入したいとは思わない」は25.0%、「興味がない」は21.6%、すでに「所有している」は4.5%だった。

また、AIが自分の仕事や生活にもたらす将来的な可能性について、「2017年と比べて期待が高まった」と答えた人は62.8%だった。理由は、「テレビ番組や書籍などで、AIの進歩に驚いたから」が最も多く41.1%、次いで「テレビ番組や書籍などで、AIに対する理解が深まったから」35.7%、「店頭でAI関連商品・サービスに触れる機会が増え、進歩に驚いたから」34.2%だった。

ニュース情報元:(株)ジャストシステム

神宮前六丁目地区の再開発事業を認可、東京都

東京都は2月15日、都市再開発法第50条の2第1項の規定に基づき、神宮前六丁目地区第一種市街地再開発事業の施行を認可した。再開発事業により、表参道と明治通り沿道の賑わいを結び、周辺の街並みと調和した商業拠点を形成する。また、老朽建築物の更新とともに、防災備蓄倉庫や自家発電施設を整備し、地域の防災性を向上させる。

施行者は神六再開発(株)(渋谷区神宮前)。施行地区は渋谷区神宮前六丁目地内の約0.3ヘクタール。地上10階・地下3階、高さ約49.5mの施設を建設する。総事業費は約180億円。工事着手は2020年度、建物竣工は2022年度の予定。

ニュース情報元:東京都

地価動向、上昇地区数は4期連続の9割超

国土交通省はこのたび、平成30年第4四半期(H30.10.1~H31.1.1)の地価LOOKレポートを発表した。地価LOOKレポートは、主要都市の高度利用地等を対象に、四半期毎の地価動向を調査し先行的な地価動向を明らかにするもの。調査対象は全国100地区で、東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方中心都市等23地区。そのうち住宅系地区は32地区、商業系地区は68地区。

それによると、平成30年第4四半期の地価動向は、上昇が97地区(前回96)、横ばいが3地区(同4)、下落が0地区(同0)となり、上昇地区数の割合は4期連続して9割を上回った。

上昇している97地区のうち、0-3%の上昇が70地区(前回81)、3-6%の上昇が27地区(同15)(「駅前通」(札幌市)、「錦町」「中央1丁目」(以上 仙台市)、「千葉駅前」(千葉市)、「歌舞伎町」「渋谷」(以上 東京都)、「横浜駅西口」(横浜市)、「太閤口」「伏見」「久屋大通駅周辺」「金山」(以上 名古屋市)、「京都駅周辺」「河原町」「烏丸」(以上 京都市)、「西梅田」「茶屋町」「中之島西」「北浜」「心斎橋」「なんば」「新大阪」「福島」「江坂」(以上 大阪府)、「三宮駅前」(神戸市)、「博多駅周辺」(福岡市)、「下通周辺」(熊本市)、「県庁前」(那覇市))。

圏域別でみると、三大都市圏(77地区)のうち、東京圏(43)では上昇が41地区(前回41)、横ばいが2地区(同2)。上昇幅を拡大した地区は1地区、上昇幅を縮小した地区は1地区だった。大阪圏(25)では、平成30年度1四半期から4期連続ですべての地区で上昇。上昇幅を拡大した地区は9地区だった。名古屋圏(9)では、平成25年第2四半期から23期連続ですべての地区で上昇。上昇幅を拡大した地区は1地区だった。

用途別でみると、住宅系地区(32)では、上昇が31地区(前回31)、横ばいが1地区(同1)。上昇幅を拡大した地区は1地区だった。商業系地区(68)では、上昇が66地区(同65)、横ばいが2地区(同3)。上昇幅を拡大した地区は12地区、横ばいから上昇に転じた地区は1地区、上昇幅を縮小した地区は1地区だった。

ニュース情報元:国土交通省

「喫茶ランドリー」誕生から1年で地域に変化。住民が見つけた新たな生き方とは?

「どんな人にも、自由なくつろぎ」というコンセプトのもと、2018年1月、東京都墨田区にオープンした「喫茶ランドリー」。老若男女が思い思いにくつろぎ、家事をし、自主的にイベントを開き、皆が思い思いに楽しんでいる……そんな新たな“公的空間”が注目を集めています。どんな思いでつくられたのか、オープンから1年、どんな変化があったのか、店主の田中元子さんに話をうかがいました。
どんな人にも自由なくつろぎを。通常のランドリーカフェとは一線を画す手袋の梱包作業場として使われた築55年の空間をリノベーションし、喫茶室、ランドリースペース、運営会社の事務所を兼ねる店舗に(写真/阿野太一)

手袋の梱包作業場として使われた築55年の空間をリノベーションし、喫茶室、ランドリースペース、運営会社の事務所を兼ねる店舗に(写真/阿野太一)

0歳から80代まで、街のさまざまな人たちが訪れるという喫茶ランドリー。この街で生まれ育ったご近所さん、近くのマンションに暮らすママ友さんたちとキッズ、デート中の若いカップル、PCを開いて仕事をするビジネスパーソンなど、その客層はこの街の縮図そのものだそう。

レトロな雰囲気の喫茶スペースに加え、洗濯機・乾燥機、ミシンやアイロン、裁縫箱が置かれた「まちの家事室」のある店内。「喫茶」と「ランドリー」という分かりやすいストレートなネーミングから、最初店名を聞いたときは、近年各地に登場している「ランドリーカフェ」(コインランドリーにおしゃれなカフェを併設した店舗)なのだろうと思いましたが、「喫茶ランドリー」はそれとは一線を画したお店です。

「喫茶ランドリーは『自由』がコンセプト。スペースごとに、あるいはお店全体をレンタルスペースとしてお貸しするほか、お茶を飲みながら、何かやりたいことがあればどうぞ自由に使ってくださいとお話ししています」と店主の田中元子さん。

約100平米の店内はおおまかに4つのスペースに分かれます。ここは店内の一角を占める「まちの家事室」。洗濯やミシンがけなどの合間に、ご近所さん同士で“井戸端会議”が始まることも(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

約100平米の店内はおおまかに4つのスペースに分かれます。ここは店内の一角を占める「まちの家事室」。洗濯やミシンがけなどの合間に、ご近所さん同士で“井戸端会議”が始まることも(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

階段数段分床面が低くなった「モグラ席」。篭り感があって落ち着けると人気の空間です(写真/阿野太一)

階段数段分床面が低くなった「モグラ席」。篭り感があって落ち着けると人気の空間です(写真/阿野太一)

「大テーブル席」は、実はここの企画・運営も行うグランドレベルのオープンな事務所。お客様にも開放しています。写真に映っているのは、田中さんのビジネスパートナー、大西正紀さん(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「大テーブル席」は、実はここの企画・運営も行うグランドレベルのオープンな事務所。お客様にも開放しています。写真に映っているのは、田中さんのビジネスパートナー、大西正紀さん(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「フロア席」には、かつていろんな喫茶店で使われていた椅子とテーブルが(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「フロア席」には、かつていろんな喫茶店で使われていた椅子とテーブルが(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

小さな「やりたい」が実現できる場所をつくりたい

「喫茶ランドリーが立地するのは、かつて倉庫や町工場が立ち並んでいた街です。近年は徐々にマンションに建て替わり、人口は増えているはずなのに人通りが少ない。森下駅から徒歩5分、両国駅からも8分と利便性は悪くなく、都心へ出かけやすい立地ですが、都心などへ出かけない日は家の中で過ごしている時間が長いのでしょうね。それは、近所にふらっと立ち寄れる場所がないからだと思いました。

このお店をつくる際にモデルにしたのは、コペンハーゲンで街巡りをした際に出会ったランドリーカフェ。当時、日本でそういう施設は聞いたことがなかったのですが、そのお店では若い夫婦が洗濯しながら赤ちゃんをあやしていたり、おじさんがぼうっと過ごしていたり、子どもがおもちゃで遊んでいたり、さまざまな客層がそれぞれ好きに過ごす、日常生活が垣間見られる場所でした。この街にはそんなお店のように気取らない場所が必要だと考えたのです」

コペンハーゲンのランドリーカフェ(写真提供/喫茶ランドリー)

コペンハーゲンのランドリーカフェ(写真提供/喫茶ランドリー)

「喫茶ランドリーという名前にしたのは便宜上で、ここを喫茶店としてのみ、ランドリーとしてのみ、受動的に消費するだけの場にはしたくありませんでした。ここでは誰もが自由に何かをする場にしたかったんです。

私は2015年から趣味で『パーソナル屋台』を引き、公園でコーヒーを無料で配るという活動をし、自分もパーソナル屋台で何かを振る舞いたいという人を応援しているのですが、その経験から分かったのは『人は意外といろんなことをやりたがっている』ということ。それは大規模なことではなく、日常のほんの小さなことだったりします。

でも、都会では遠慮しながら暮らしている方がとても多いんじゃないでしょうか。みんなふと『これがしたい』と心に浮かぶのに、人目や常識を気にしてしまって気持ちにフタをしてしまう。だから喫茶ランドリーを、心のフタを開けて『やりたい』が実現できる場にしようと思ったんです」

「お客様は、家事をしたり、読書室や工房として使ったり、自主的にイベントを開催したりしています。なかには、『ここで編み物してもいい?』っていうお客様や、カバンづくりが趣味で『家だと音がお隣に響くから、バッグの鋲打ちをここでさせて』という方もいらっしゃいます。普通のお店では人目が気になったり、家でも音が響くからと考えてなかなかできないことです。でもここなら『自由に過ごして』と言っているワケで、皆さん本当に自由ですよ(笑)」

人通りの少ない街にできた、多様な人々が訪れる“私設公民館”道行く人に店内の雰囲気が伝わるように全面をガラスにした開放感ある店構えにし、内外の境界を低くしました(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

道行く人に店内の雰囲気が伝わるように全面をガラスにした開放感ある店構えにし、内外の境界を低くしました(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

オープン当初2、3週間ほどは全く来店者がなく、田中さんは、毎日店先で「よかったら見ていって」とコーヒーを振る舞い、「自由に使ってくださいね」と語りかけ続けたといいます。ある日、地元の主婦の方たちがコーヒーを片手に家事室で談笑を始めたかと思うと、ご近所さんが通りかかるたびに「あら、久しぶり!」と呼び込んで、“井戸端会議”状態になったそう。人通りが少なかったエリアがこうして徐々に再生し、今では“私設公民館”と呼べるような、人々の交流の場となりました。

リノベーションのビフォー(右写真)アフター。寂しかった街の一角に明かりが点りました(写真提供/喫茶ランドリー(左)、写真撮影/SUUMOジャーナル編集部(右))

リノベーションのビフォー(右写真)アフター。寂しかった街の一角に明かりが点りました(写真提供/喫茶ランドリー(左)、写真撮影/SUUMOジャーナル編集部(右))

とにかく受け入れる。使い方はお客様次第

その結果、さまざまな出来事が生まれました。

「大家族の忘年会に使いたい」と総勢20人でモグラ席と周辺席を貸し切った3世代5家族。旧友との再会にと焼肉パーティーを敢行した若者グループ。事務所スペースの「大テーブル席でパン生地づくりを」と集まった女性9人のご近所さんグループ。パン生地はすぐ近くの自宅で焼き、できたてのパンを他の来店者にもお裾分けして新たな交流も生まれたそうです。

「大テーブル席」は基本的に事務スペースだが、ある日「ここを大勢で囲んでパン生地づくりをしたい」と驚きの申し出が(写真提供/喫茶ランドリー)

「大テーブル席」は基本的に事務スペースだが、ある日「ここを大勢で囲んでパン生地づくりをしたい」と驚きの申し出が(写真提供/喫茶ランドリー)

「まちの家事室」でも、子どもの幼稚園バッグづくりやアイロン掛けをするママさんグループが登場し、そこから発生した「ミシンウィーク」(ミシンが得意な人たちが1週間交代で開くワークショップ)を定期開催するようになり、「つくったものをいろんな人たちに見せて交流できるのが楽しい」と手芸を楽しむ年配の女性達も増えました。家事のための場所をつくると、作業をする人同士のコミュニケーションが生まれやすいのだと気付かされます。

オープンした翌月に、「まちの家事室」を貸し切って、お客様によって主催された「ミシンウィーク」。ミシンに興味のあるプロ級の方から初心者まで、さまざまな街の人たちが参加した(写真提供/喫茶ランドリー)

オープンした翌月に、「まちの家事室」を貸し切って、お客様によって主催された「ミシンウィーク」。ミシンに興味のあるプロ級の方から初心者まで、さまざまな街の人たちが参加した(写真提供/喫茶ランドリー)

さらに、毎週フロア席を貸し切って、支店とネット中継しながら業務の勉強会を行う場として活用する会社も現れました。「自由に使える施設公民館」の使われ方は、まさにお客様次第。そうした使い方をされるとは、当初思っていなかったそうです。

ほかにも、ここで婚姻届を記入したカップルが2組、届けた後にここで休憩していったカップルが1組。家出してきたご近所さんを受け入れたこともあったそうです。そうした人生の大切な時期に立ち寄ろうと思える求心力や懐の深さが、この喫茶ランドリーにはあるのでしょう。

「オープン以来1年で、200以上のイベントが開催されました。もともと小さなコミュニティはしていたけど、すべて建物の中にあったのだと思います。こうしたスペースがあることで、わくわくする時間がもてたり、人目に触れることで人とのつながりが深まっていくのだと思います」

なぜ「喫茶ランドリー」でそのイベントを?という葛藤も

喫茶ランドリーは基本的に周辺の住人の方々を想定した場なのですが、自由に使えるレンタルスペースであることもあって、さまざまな想定外のイベント話が舞い込むようにもなりました。

「一番驚いたのは、洗剤メーカーが主催するイベント」と田中さん。「洗濯機に扮したバーチャルユーチューバーと総勢60人のファンが洗濯のコツについて直接会話するという不思議な展開のプロモーションでした。でも最初は、なぜ喫茶ランドリーでそのイベントを?って思いましたね。ここが選ばれたのは洗濯機があるからという理由だけで、喫茶ランドリーの良さを分かってくれたワケじゃないのではと何だか腑に落ちない心の葛藤もありました。

でも大勢の参加者の方々の念願がかなったと喜んでいる様子を見て、この場を選んでもらってよかったなと思いました。きっかけは何であれ、ここで過ごしていただいた方々に良い思いを感じていただいて、こうした自由な場があることの良さを分かってもらえたらとてもありがたいですね」
「人気アイドルのプロモーション撮影の場としてお貸しした際も、なぜウチで?と思ったりしましたが、そのアイドルのファンの方々が訪れてくれるようになり、喫茶ランドリーの良さを感じてくれて、リピーターになる方もいらっしゃって、うれしいです。受け入れること、判断を任せることの大切さを学びました」

人と人のつながりが、店の雰囲気をどんどん変えていくお店のキッチンカウンター(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

お店のキッチンカウンター(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

オープンから1年。店内は当初よりも彩りが増しています。
「知らないうちに花が飾られている、贈られた果物で新しいスイーツがいつの間にかメニューに加わっているということもあります(笑)。『まちの家事室』の入り口を飾る三角フラッグもスタッフがつけてくれたもの。ほかの仕事でしばらく来ないでいると店の雰囲気が変わっていて、それも何だかうれしいことです。良いことが蓄積されていって、それが見て取れるわけですから」と田中さん。

「最初は私とパートナーの2人だけで運営し、メニューもコーヒー、紅茶と『ツナメルトトースト』だけでした。今、無水カレーやシチュー、オープンサンド、ケーキなどはすべてスタッフが自主的にメニュー開発してくれたもので、すべて手づくりです」

手づくりの米粉のホワイトシチュー750円(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

手づくりの米粉のホワイトシチュー750円(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「スタッフは現在4人ですが、みんなもともとこの店のお客様。募集していないのに働きたいと申し出があってお願いしました。人を雇うことは初めてで戸惑いもありましたが、のびのび働いてもらえているのがうれしいですね。専業主婦の彼女たちには、プロ店員のように接客しなくていい、背伸びせず自分らしく働いてほしいと話していますが、みんなコミュニケーション能力が高いので、お客様との交流は安心してまかせられます。

喫茶ランドリーでさまざまなお客様と出会い、いろいろな話をするようになって、街の出来事をたくさん発見できました。ここがなかったら、この瞬間、この街のどこかの部屋の中で喜んでいる人や悲しんでいる人がいることにも気が付かなかったと思います。予想外のことも起こりますが、そうした経験がいちばんの財産ですね」

店内で販売されているハンドメイド作品。常連さんとの会話で「そんなものつくられているのですか!」となると、翌日から無料の委託販売がはじまるそう(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

店内で販売されているハンドメイド作品。常連さんとの会話で「そんなものつくられているのですか!」となると、翌日から無料の委託販売がはじまるそう(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

LPレコードは、ご近所のコンビニ店長さんのコレクションを販売中(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

LPレコードは、ご近所のコンビニ店長さんのコレクションを販売中(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

大テーブルには、ここでプリザーブドフラワー教室を主催した常連さんが自分の作品を飾っています。ミニチュアハウスは別のお客様の作品で、「飾って」と差し入れされたもの(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

大テーブルには、ここでプリザーブドフラワー教室を主催した常連さんが自分の作品を飾っています。ミニチュアハウスは別のお客様の作品で、「飾って」と差し入れされたもの(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

1階が楽しくなれば、街も楽しくなる

喫茶ランドリーの誕生は、田中さんが代表を務める街づくりコンサルティング会社「株式会社グランドレベル」が、この建物の活用を依頼されたことがきっかけでした。

「グランドレベルの理念は『1階づくりはまちづくり』というものです。建物の1階(グランドレベル)を街に開いたつくりにすれば、1階だから誰もが気軽に立ち寄れて、人の流れが生まれ、街が変わる。日本では1階のもつポテンシャルがないがしろにされていると感じています。1階はプライベート空間とパブリック空間のつなぎ目。1階が面白くなければ街は面白くなりません」

その理念が活かされた喫茶ランドリーは、多様な人が訪れる街に開かれた寛容な場をつくった点が高く評価され、2018年10月にグッドデザイン賞のグッドフォーカス賞[地域社会デザイン]を、同年12月にはリノベーション・オブ・ザ・イヤー2018・無差別級部門最優秀賞を受賞しました。

白い「縁結びリース」は「1周年記念に」とお客様が発案したもの。来店者がメーッセージを書き込んだハギレを結びつけてつくられています(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

白い「縁結びリース」は「1周年記念に」とお客様が発案したもの。来店者がメーッセージを書き込んだハギレを結びつけてつくられています(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

そうした評価を受け、第2、第3の出店話も進んでいるそうです。
「出店といっても私たちが直営するのではなく、お店を始めたいという人にコンセプトを共有し、コンサルティング協力をしています。喫茶ランドリーの店名をそのまま使ってもらっても良いですが、地域の特性に合う店舗にしないと人の集まる場所になりません。

喫茶ランドリーはなんとなく出来上がった店舗に見えるかもしれませんが、ハードやソフト、コミュニケーションのデザインを、繊細にコントロールしています。マグカップ一つにしても、おしゃれなものではなく、実家にあるカップのように親しみもあって毎日見ても飽きないものを選ぶなど、格好良すぎに決めないで、多くの人にちょうどいい『ちょっと素敵』で仕立てています。最初から100%つくり込むのではなく、スタッフやお客様の意向も受け止められる器づくりも大切です。そうした点をきちんとお伝えしたいですね。

喫茶ランドリーは、ワクワクを共有できたり、コミュニティのつながりが豊かになったり、さらには自分という存在が社会から受け入れられていると実感できる場所。こうした、街に開かれた自由な場、私的公民館的なスペースがどんどん増えれば、とてもうれしいです」

田中さんのお話をうかがい、ふらっと立ち寄れて自然体で過ごせる居心地の良い場所が自宅近くにある。そこでは人と人が自然とつながることもできる。それはなんと幸せなことなのだろうと感じました。

看板も、道ゆく人に「寄っていきませんか」と語りかけているよう(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

看板も、道ゆく人に「寄っていきませんか」と語りかけているよう(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

●取材協力
喫茶ランドリー

田中元子さん
株式会社グランドレベル代表取締役。喫茶ランドリー店主。1975年茨城県生まれ。独学で建築を学び、2004年大西正紀氏と共にクリエイティブユニットmosakiを共同設立。建築やデザインなどの専門分野と一般の人々とをつなぐことをモットーに、建築コミュニケーター・ライターとして、主にメディアやプロジェクトづくりを行う。2010年よりワークショップ「けんちく体操」に参加。同活動で2013年日本建築学会教育賞(教育貢献)を受賞。2015年よりパーソナル屋台の活動を開始。2016年、株式会社グランドレベルを設立。主な著書に『マイパブリックとグランドレベル―今日からはじめるまちづくり』