街とつながるライフスタイルホテル【後編】「ノーガホテル上野」で東京の食と文化とアートに触れる

宿泊客と地域の人々との交流を促すライフスタイルホテルが注目されています。前編「星野リゾート OMO5 東京大塚」に続き、後編では、館内のアメニティやレストランの食材、アート作品などを地元で製作、調達することで、地域の魅力を世界に伝える「ノーガホテル上野」に伺いました。
住宅のプロ「野村不動産」グループがホテル事業に初参入!

ニューヨーク発のメンズファッション&ライフスタイル誌『GQ』や、ロンドンに拠点を構えるグローバル情報誌『MONOCLE(モノクル)』など、高感度な海外メディアにも取り上げられ、世界的に注目を集めている「ノーガホテル上野」。野村不動産グループによる初のホテル事業の第1号店で、JR上野駅浅草口から東へ徒歩5分のところにあります。

吹抜けのラウンジスペースは、道路に面したガラスドアからテラス席に続いています。通りからふらっと立ち入りやすい、開放的な雰囲気です(写真提供/ノーガホテル上野)

吹抜けのラウンジスペースは、道路に面したガラスドアからテラス席に続いています。通りからふらっと立ち入りやすい、開放的な雰囲気です(写真提供/ノーガホテル上野)

パリの「The Hoxton」やニューヨークの「11 howard」のエッセンスを感じさせるデザイン性の高いラウンジでお茶を飲んでいると、ここが上野だということを忘れてしまいそうになります。

なぜ、1号店を上野に決めたのでしょうか? 野村不動産ホテル事業部の中村泰士さんに尋ねてみました。

「上野のある台東区を訪れる観光客は、年間5000万人とも言われています。上野エリアには国立西洋美術館や東京国立博物館、上野動物園、上野東照宮もありますよね。浅草寺や仲見世通り、アメ横や合羽橋も、ホテルのすぐ近く。多くの人が訪れてみたいと思う観光資源が豊富な点が、このエリアの魅力のひとつです」

ワインエキスパートとSAKE DIPLOMAの資格も有する、美味しいもの好きの中村さん。2年かけて、地元の飲食店や工房を400軒以上も巡ったそうです(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

ワインエキスパートとSAKE DIPLOMAの資格も有する、美味しいもの好きの中村さん。2年かけて、地元の飲食店や工房を400軒以上も巡ったそうです(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

さらに上野は、新・旧が融和したプロダクトの街である点も魅力なのだとか。

「江戸切子や東京硝子といった伝統的なものづくり文化が残るだけでなく、蔵前のように若いクリエーターが集まる街もあります。ホテル事業を通して『人と人、人と街をつなぐコミュニティづくり』を推進していきたいと考えていた我々にとって、上野は1号店にベストな立地だったんですよ」

エレベーターホールには、地元の家紋職人である「京源」波戸場承龍氏、耀次氏による家紋アート作品が飾られているほか、4種類の客室カードキーにも両氏によるオリジナルデザインが採用されています(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

エレベーターホールには、地元の家紋職人である「京源」波戸場承龍氏、耀次氏による家紋アート作品が飾られているほか、4種類の客室カードキーにも両氏によるオリジナルデザインが採用されています(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

ノーガホテルのコンセプトは、『地域との深いつながりから生まれる素敵な経験』。ゲストがその地域の文化を感じられるよう、地元の職人やデザイナーとともに製作したオリジナルプロダクトがホテル内のいたるところで採用されています。

客室のドアノブにかける「ECO FRIENDLY CLEANING(タオル・ベッドリネン交換不要)」などのサインプレートは、生活デザイン雑貨の企画会社「SyuRo」のオーナー、宇南山加子氏とのコラボレーションで製作(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

客室のドアノブにかける「ECO FRIENDLY CLEANING(タオル・ベッドリネン交換不要)」などのサインプレートは、生活デザイン雑貨の企画会社「SyuRo」のオーナー、宇南山加子氏とのコラボレーションで製作(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「客室のハンガーや靴べら、レストランのカトラリーレストやメニューボードなども、地元のクリエーターと一緒につくりました。お客様のご要望を受けて店頭で販売するようになったものもあるんですよ。製作しているショップや工房をお客様にご紹介すると、とても喜ばれます。『お土産に』と、たくさんお買い物してこられる方もいますね」

谷中、鳥越、入谷……イベントの開催も食材の調達も地元と連携

ノーガホテルでは、館内で使われるものだけでなく、イベントやワークショップの開催も地域と連携して行っているそうです。

谷中に本店のある自転車専門店「トーキョーバイク」とのコラボレーションでは、上野エリアを自転車で巡るサイクリングツアーを企画。地元、台東区の魅力を知り尽くしたトーキョーバイク代表のきんちゃん(金井一郎さん)が案内役を務めます。

洗練されたデザインと高い機能性を誇る「トーキョーバイク」の自転車は、国内外にファン多数。ツアーに使用される自転車は、スポーツバイク初心者にも扱いやすい「26」と、乗車姿勢が高く広い視野を確保できる「BISOU 26」(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

洗練されたデザインと高い機能性を誇る「トーキョーバイク」の自転車は、国内外にファン多数。ツアーに使用される自転車は、スポーツバイク初心者にも扱いやすい「26」と、乗車姿勢が高く広い視野を確保できる「BISOU 26」(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

野村不動産ホテル事業部の竹村明里さんによると、「日本酒のテイスティングセミナーも人気」なのだとか。

ホテル事業部にくる前は、野村不動産のマンションシリーズ「PROUD」の賃貸部門にいたという竹村さん。「新しい取り組みに挑戦したい」という考えで、ホテル業界未経験のスタッフが多く採用されたそうです(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

ホテル事業部にくる前は、野村不動産のマンションシリーズ「PROUD」の賃貸部門にいたという竹村さん。「新しい取り組みに挑戦したい」という考えで、ホテル業界未経験のスタッフが多く採用されたそうです(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「テイスティングセミナーは、ホテルのすぐ近くにある木本硝子さんにご協力いただいて開催しています。全国各地の日本酒の蔵元からゲスト講師を招いてお話を伺いつつ、木本硝子さんの日本酒グラスで実際に試飲いただくという内容です。グラスの形が違うだけで味がこんなにも変わるんだと、毎回参加者の方に驚かれますよ」

「ワイングラスはあるのに、なぜ日本酒グラスはないのか」という着想から生まれた木本硝子の『es』シリーズ。セミナー参加者には、ノーガホテルオリジナルの平杯グラスがプレゼントされます(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「ワイングラスはあるのに、なぜ日本酒グラスはないのか」という着想から生まれた木本硝子の『es』シリーズ。セミナー参加者には、ノーガホテルオリジナルの平杯グラスがプレゼントされます(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

また、ホテル内のレストラン「ビストロ・ノーガ」では、地域の食材を積極的に採用しているそうです。コーヒーは台東区鳥越の喫茶店「蕪木」とコラボレーションしたオリジナルブレンド、パンは隅田川沿いにある手づくりパンの店「マニファクチュア」から、ハムやベーコンは入谷の隠れた人気店「太田ハム」から取り寄せています。

蕪木珈琲とマスカルポーネを合わせた大人の風味の和モダンかき氷『蕪木珈琲をティラミスのイメージで』。このほか、塩を効かせたグラノーラが香り高いほうじ茶シロップの甘みを引き立てる『ほうじ茶シロップと塩グラノーラ』も人気(写真提供/ノーガホテル上野)

蕪木珈琲とマスカルポーネを合わせた大人の風味の和モダンかき氷『蕪木珈琲をティラミスのイメージで』。このほか、塩を効かせたグラノーラが香り高いほうじ茶シロップの甘みを引き立てる『ほうじ茶シロップと塩グラノーラ』も人気(写真提供/ノーガホテル上野)

「どのお店も、ホテルから徒歩や自転車で気軽に行ける距離にあります。レストランのディナー等で召し上がって気に入ったからと、店舗を訪れる方も多いです。初めての場所でも、事前に少しお店の雰囲気が分かっていると訪れやすいのかもしれませんね」

地元アーティストの作品が展示される館内でギャラリーホッピング

館内には、あちこちにアート作品が展示されているのも印象的。たくさんのギャラリーを巡らなくても、ホテルにいながらギャラリーホッピングしている気分が味わえます。

中村さんによると、「キュレーションは『IDÉE』創始者の黒崎輝男さんと、『東京画廊+BTAP』の山本豊津さんによるもので、多くは地域のアーティスト、デザイナーの作品です。若手アーティストの成長を支援するとともに、ホテルを訪れたゲストにアートを楽しんでいただきたいという思いで作品をセレクト、展示しています」

有機的なラインが美しいコンシェルジュ・カウンター。手前はゲスト対面して話しやすい低さ、奥はゲストにタブレット画面を見せながら話しやすい高さを採用。カウンターを取り囲むようにギャラリーとショップが設けられています(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

有機的なラインが美しいコンシェルジュ・カウンター。手前はゲスト対面して話しやすい低さ、奥はゲストにタブレット画面を見せながら話しやすい高さを採用。カウンターを取り囲むようにギャラリーとショップが設けられています(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「アーツ千代田3331」と提携し、3カ月ごとに企画展を実施。現在、展示されているのは「21_21 DESIGN SIGHT」の「デザインあ展」などでも知られるデザイナー、寺山紀彦氏の作品『自然と人工の共通点』。気に入った作品は購入可能(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「アーツ千代田3331」と提携し、3カ月ごとに企画展を実施。現在、展示されているのは「21_21 DESIGN SIGHT」の「デザインあ展」などでも知られるデザイナー、寺山紀彦氏の作品『自然と人工の共通点』。気に入った作品は購入可能(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

野村グループの創業者、野村徳七氏は茶の湯や能楽に造詣が深く、文化、芸術の支援に力を注いできたといいます。その想いを受け継いで、現代アートの未来を担う新人アーティストを表彰、支援する「野村アートアワード」を創設するなど、グループ全体に文化、芸術の発展に貢献していきたいという考え方が根付いているようです。

エントランスを入ってすぐ、右手の壁面を飾るのは、東京藝術大学出身の山田悠太朗さんによるインスタレーション『Apollo Program』(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

エントランスを入ってすぐ、右手の壁面を飾るのは、東京藝術大学出身の山田悠太朗さんによるインスタレーション『Apollo Program』(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

欧米の宿泊客にニーズの高いフィットネスルームには、「テクノジム」のトレッドミルやスキルロウなどのマシンのほか、壁面には清水総二氏による大判のアート作品も(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

欧米の宿泊客にニーズの高いフィットネスルームには、「テクノジム」のトレッドミルやスキルロウなどのマシンのほか、壁面には清水総二氏による大判のアート作品も(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

今のところ、ホテルの宿泊客は8割が外国人。日本の文化や歴史、食に関心の高い方が多く、地域との結びつきが強いノーガでの体験を楽しんでいるそうです。一方で、日本の宿泊客はまだまだ少ないのが課題だといいます。

「日本の方、地元の方にも、コミュニティスペースとして気軽に活用いただけるよう、イベントや企画を考えていきたいと思っています」という中村さん。

野村不動産の「PROUD」や「OHANA」を手がけるインテリアデザイナーとともに「家とホテルの中間」を目指したという客室は、家より洗練された上質な空間、ホテルよりは開放的で寛げる雰囲気に仕立てられています。宿泊料金は一室約1万6800円(大人一名、約8400円/泊)から。9歳までの子どもは無料(写真提供/ノーガホテル上野)

野村不動産の「PROUD」や「OHANA」を手がけるインテリアデザイナーとともに「家とホテルの中間」を目指したという客室は、家より洗練された上質な空間、ホテルよりは開放的で寛げる雰囲気に仕立てられています。宿泊料金は一室約1万6800円(大人一名、約8400円/泊)から。9歳までの子どもは無料(写真提供/ノーガホテル上野)

「大規模な再開発、地域に根ざした街づくりでは長年の実績がある野村不動産ですが、そこでの我々の仕事は建物をつくって販売するところまででした。でも、ホテルはつくってからがスタート。街の魅力をお客様にお伝えして楽しんでいただけるよう、今後も時間をかけて地域の人々との交流を深めていきたいと考えています」

これまで、ホテルといえば旅行客のための場所で、ある意味、それ以外の人には閉ざされた空間でした。けれども、ライフスタイルホテルは旅行客だけでなく、その街で働く人、暮らす人、暮らしたい人にも開かれた場所です。そこで私たちを迎えてくれるのは、「ホテルのコンシェルジュ」ではなく「街のコンシェルジュ」。住みたい街選びの強力なサポーターになってくれるかもしれませんね。

ノーガホテルは今後、2020年に秋葉原店、2022年には京都店をオープンする予定だそうです。それぞれの地域ならではの食、文化、アートを、独自のスタイリッシュな切り口で紹介してくれる日が今から楽しみです!

●取材協力
NOHGA HOTEL UENO

賃貸住宅のオーナーってどんな人?大家さん は身近な存在?

民間賃貸住宅(1棟全体)を経営しているオーナー、借り手からいうと大家さんの実態について、日本住宅総合センターが調査した。オーナー調査はあまり事例がないので、この結果からどういった大家さんが多いのか、ひも解いていくことにしよう。【今週の住活トピック】
「民間賃貸住宅の供給実態調査」を公表/(公財)日本住宅総合センター低層で小規模な賃貸住宅、賃貸経営専業ではない個人経営のオーナーが多い

調査対象は、三大都市圏で賃貸住宅(1棟全体)の経営をしているオーナー。このオーナーたちがどういった賃貸住宅を所有しているかを見ていこう。

・住宅の階数は、「1~2階」の低層住宅が最多の58.3%を占め、平均は3.03階。
・住戸数は、最多が「5戸以下」の27.7%、次いで「6~9戸」の33.3%と、全体の6割が9戸以下の小規模な賃貸住宅で占め、平均は11.89戸。

次に、賃貸経営の組織や経営規模を見ていこう。
・回答した賃貸住宅以外に、「他に賃貸住宅を経営している」が 51.7%、「この賃貸住宅のみ」が48.3%。
・経営組織は、「個人経営」が 82.3%、「法人経営」が 17.3%で、個人経営が8割を超える。

あなたは、どのような職業(業種)をお持ちですか(出典:日本住宅総合センター「民間賃貸住宅の供給実態調査」)

あなたは、どのような職業(業種)をお持ちですか(個人経営の内訳)(出典:日本住宅総合センター「民間賃貸住宅の供給実態調査」)

個人経営では、専業より兼業が多く、低層で小規模な賃貸住宅を経営している事例が多いことが分かる。

賃貸住宅の管理形態で変わる、大家さんとの距離感

さて、賃貸住宅を経営するには、建物や設備の管理も必要だし、入居者の管理、契約の管理、経営の管理なども必要だ。これらをオーナー自身が管理するのが「自主管理」、賃貸住宅管理業者に全部または一部を委託する「委託管理」(調査項目では「管理委託」)。この調査では、これに「一括借り上げによる管理」を加えた三択で、管理形態を聞いている。

その結果は、「管理委託」が 54.7%と最多で、「すべて自主管理」が25.0%、「一括借上げにより管理(サブリース等)」が 20.3%となった。

賃貸住宅の管理形態についてお答えください(出典:日本住宅総合センター「民間賃貸住宅の供給実態調査」)

賃貸住宅の管理形態についてお答えください(出典:日本住宅総合センター「民間賃貸住宅の供給実態調査」)

「一括借り上げ」とは、不動産会社がオーナーから建物を一括して賃借し、運営・管理を行う形態をいう。つまり、実質的に賃貸経営をするのは不動産会社ということになる。オーナーから賃借した建物を不動産会社が実際の入居者に転貸(また貸し)することを「サブリース」という。一般的にサブリースでは、サブリース会社からオーナーに支払われる賃料は相場より低額になるが、空室があっても取り決めた賃料が安定して受け取れる形になる。 ただし、賃料は一定期間ごとに見直しをするため、当初の賃料が全期間にわたって保証されるものではない。

では、管理の違いについて、借りる側から見てみよう。
「自主管理の賃貸住宅」では、賃料の支払いから建物の不具合、近隣とのトラブルなどについては大家さんに直接交渉する。どう対応してくれるかは、大家さん個人の対応力がものをいうわけだ。
「委託管理の賃貸住宅」では、委託された範囲については専門の管理業者が対応するので、一定の対応がなされることが多い。管理業者は大家さんに管理の内容を定期的に報告するので、大家さんが状況を把握しているのが基本だが、管理業者にお任せという場合もあるだろう。
「一括借り上げの賃貸住宅」では、大家さんは入居者と全くかかわりをもたない。

このように、管理形態によって入居者と大家さんの距離感はかなり違ってくる。

賃貸住宅を所有するだけで収益が上がるわけではない、大家さんの創意工夫に期待

この調査では、賃貸経営を始めたきっかけも聞いている。

「今後の安定した収入を得るため」(52.7%)、「事業として収益を上げるため」(37.0%)、「資産運用に関心があったため」(28.3%)といった、賃料収入を目的にしているオーナーが多い。一方で、「一括借上げによる管理」に限定してみると、「今後の安定した収入を得るため」(63.9%)、「将来の相続税対策のため」(34.4%)の順になったという。

賃貸経営をはじめたきっかけについて、主なものを3つまでお答えください(出典:日本住宅総合センター「民間賃貸住宅の供給実態調査」)

賃貸経営をはじめたきっかけについて、主なものを3つまでお答えください(出典:日本住宅総合センター「民間賃貸住宅の供給実態調査」)

家余りの今は、賃貸住宅さえ所有していれば収益が上がるものではない。老朽化したり、駅から遠かったりする賃貸住宅の場合、空室が続いて賃料を下げざるを得ない、賃料を下げても借り手がいないといったリスクも高くなる。

法人であれば収益が出るように計画的に賃貸経営をしていくだろうが、問題は8割を占める個人オーナーの場合だ。個人経営でも、積極的に魅力的な賃貸住宅にするために創意工夫をしている大家さんもいる一方で、相続などで賃貸住宅を譲り受けたり、相続税対策として不動産会社に勧められたりして、お任せで賃貸経営に深くかかわっていない大家さんもいる。

最近では、大家業をしっかり学ぼうという大家さんも増えている。SUUMOジャーナルの記事でも、「大家の学校」の取り組みを紹介している(→賃貸住宅を楽しい暮らしの舞台に! 「大家の学校」で伝えたいこと【前編】【後編】)。大家さんが創意工夫をしている賃貸住宅の入居者は、満足度も高く長く住む傾向がみられる。

同じ住むなら、暮らしが楽しくなる住宅がよいだろう。賃貸住宅を選ぶときには、立地と広さと賃料だけでなく、管理や大家さんとの距離感も確かめてはいかがだろうか?