
13万9,000円 / 45.58平米
東急東横線・日比谷線「中目黒」駅 徒歩8分
いいですよね、中目黒。おいしい飲食店に、センスの良いショッピングスポットの密集具合ときたら、自然とあの街に住みたいと考える自分がいるわけで。
今回ご紹介する部屋は随所に古さを感じるものの、レトロな雰囲気が好きな方にはきっと気に入ってもらえるかと思います。
注意点が3点ほど。最 ... 続き>>>.
圧倒的に不動産情報が多いですが。。。。
先日、息子のリクエストで、科学技術館に行きました。
息子はお父さんと一緒に行ったことがありますが、私は初めて。
私は正直いうと、お台場にある日本科学未来館と混同していました。
科学技術館の場所は、地下鉄の九段下駅から800mです、、、息子に道案内してもらいました。
九段下駅から、北の丸公園入口
日本武道館の横を通り、
息子いわく、「森の中」(北の丸公園)を抜けて、
科学技術館に到着!
館内は広くて、子どもが科学技術に興味を持つようにと工夫された展示がいっぱいでした。楽しかったです~
自動車の仕組みのワークショップに参加した息子は、ガソリン、電気、ハイブリッドの自動車を、真剣に学んでいました。
きっと息子にとって、理系なことは、楽しい。大好き
こうして理系人間になるのでしょうね。。。それが、お父さんの狙いだったのかな?
私は超・文系なので、息子へのアプローチが文系に偏りがちです。
お父さんが忙しすぎて息子と出かけられない代わりに、私が頑張って、こういう場所に連れて行ってあげようと思います。
↓科学技術館のお土産↓
息子は、これでカブトムシを観察をしていました。アリやダンゴムシも見るのだそうです。
そして――――――今日(昨日?)の大ニュース。
公取委、ありがとう。
圧力をかけられた側は屈しないでほしい!
強権支配はダメ、絶対。
二拠点生活(デュアルライフ)は楽しそう。でもずっと続けると、どんなことが起きるのか。
今回は、二拠点生活8年目となった先輩デュアラ―の暮らしを紹介。きっかけや当初の目的はもちろん、コミュニティ、働き方の変化、家族の反応、お金のことなど、これまでの様子をインタビューしました。
今回、インタビューを受けてくださったのは、会社員の菅原祐二さん(63)。2011年から、東京都葛飾区の自宅と、南房総(千葉県冨津市)の二拠点生活を送っています。
連載【デュアルライフ(二拠点生活)レポート】――そもそも、二拠点生活を始めた理由、きっかけは何だったんでしょうか?
釣りが好きで、千葉の海に通ううち、荷物を置いたり休憩したりできる、釣りの拠点になるような小さな家でいいから欲しいと思ったんです。そこで不動産会社をのぞいたら、“けっこう空き家がある。価格的にも買えるかも。DIYで改修するのも楽しそうだ”と思ったんです。その後、仲良くなった不動産会社の担当者から「探している物件とは違うけど、面白い古民家を見に行くので一緒に行きませんか」と誘われて、興味本位で付いて行きました。築100年ほどの古民家、長屋門や蔵、そして現役の井戸などがある、時代劇に出てくるような物件をそのとき初めて目の当たりにしました。それから一気に古民家に興味が移り、本格的に探し始めて出会ったのが、現在の古民家でした。
もともと建具屋さんの家だったらしく、造りも凝っていたし、太い立派な梁がすっかり気に入りました。正直、予算オーバーだったけれど、購入を決めました。当初は、土・日と月曜が休みの週4日勤務だったので、金曜日に仕事が終わったら、車で南房総に。金、土、日、月と過ごし、月曜日の夜に東京の自宅に戻る生活でした。
8年かけて少しずつ改修した古民家。建具や窓は、もともとあったものを再利用したものもあれば、解体現場を手伝いに行った際にもらい受けたものもある(写真撮影/片山貴博)
元々は小さな和室が並んであった1階は、すべて広げてフローリングの洋室に。置いてある家具や家電もほぼもらいもの(写真撮影/片山貴博)
――週休3日制なんですね! 二拠点生活にあこがれていても、過ごせるのが土日だけと躊躇する人も多いです。二拠点生活当初からそのような勤務スタイルだったんですか?
それには事情がありまして……。実はこの古民家を購入するときに、ローンを組めず、現金が必要になったんです。そこで、先輩が代表を務める会社から“仕事を手伝ってもらえないか”と、ずっと誘われていたことを思い出したんです。“退職金が手に入れば買えるな”と決断。早期退職し、転職。誘われたのを幸いに、勤務を週4日にしてもらえるよう交渉したんですよ。2年前からは週3日勤務にして、金曜日の夜から火曜日までここで過ごしています。
――うらやましいです。二拠点生活が、仕事面での転機にもなったんですね。家族の反応は?
実は内緒だったんですよ。でもさすがに会社を辞めるときには言わざるを得なくて……。
――え、内緒だったんですか?
そうなんです。最初、妻は口をきいてくれませんでした。でも、実際に手を入れてキレイになったこの住まいを見て、ビックリしていました。東京じゃ、ありえない暮らしですからね。今は、友人たちが孫と一緒によく遊びに来ます。
――確かに。子どもたちにとっては、夢のような環境ですね。二拠点での暮らしぶりについて教えてください。
当初は、まず “住める状態にしないといけない”ミッションがあったので、ひたすら、片付け、大工仕事に明け暮れる毎日でした。トイレをつくる、ピザ釜をつくる、ふすまでつながった和室を全部つなげて広いフローリングのリビングにする。次から次へとやるべきこと、やりたいことは出てくるので夢中でした。今は一段落しましたが、まだまだ手を加えてみたいので、改修工事に終わりはないですね。だから、当初の目的だったはずの釣りはしばらく、まったくできなかったんですよ(笑)。
今は、同じような移住者やデュアラー仲間の家に行って、改修を手伝ったり、ウチで集まって酒を飲んだりしています。釣りも再開しました。
仲間と談笑する菅原さん(中央)。自然と周囲に人が集まるのも、菅原さんのとてもフレンドリーでオープンマインドな人柄ゆえ(写真撮影/片山貴博)
――楽しそうです。でも、つらかったことはありませんか? やめたいと思ったことは?
実は初日に“やめたい”って思ったんですよ。まず室内が住める状態じゃないし、電気も通っていなくて、真っ暗。見学したときには気付かなかった欠点が目に付いて、大失敗したぞって思っちゃったんです。パンドラの箱を開けた気分でした。
でも、当初反対していた家族の手前、後には引けなくて頑張るしかないんですよね。今は仲間ができてお互いに工事を手伝い合っていますが、そのときは一人。例えば板を上に持ち上げるのも一苦労でした。でもそうなったら、なんとか創意工夫するんですよ。竹で足場をつくれば一人で持ち上げるのも可能だぞって。その試行錯誤する過程も、便利すぎる東京では、得難い経験だと思います。
もちろんプロにも改修工事をお願いしていたので、休憩の合間に教えてもらったりもしましたね。今では、確実にDIYのスキルは上がって、当時お願いしていた大工の棟梁さんから“定年になったら、ウチでアルバイトすればいい”って、言われています(笑)。そんな暮らしも悪くないですね。
小屋1階は作業スペース。道具類をさっと取りやすいように棚をDIY。秘密基地のようなスペースは菅原さんのお気に入り(写真撮影/片山貴博)
デュアラー仲間が、菅原さんの作業場を使って大工仕事。お互い助け合いながら楽しんでいる(写真撮影/片山貴博)
コミュニティの存在は大きい一方、想定外の困りごとも――この8年間で一番の変化は何でしょうか。
何より、仲間ができたことが大きいですね。最初の4年間はほぼ一人で作業していたのですが、4年前の断熱材のワークショップに参加してみたら、同じような境遇の仲間がたくさんいて、お互いの家の改修工事を手伝いに行くようになったんです。一人でやっていたことも仲間がいたら、圧倒的にはかどる。そのうち、宴会になって、泊まって、また翌日作業するっていうのが日課になりました。
こっちの人間関係の何がいいって、すごくフラットなこと。年齢も職業もまったく違う人たちと、素の付き合いができるんですよ。それに、この暮らし方を選ぶということは、どこか価値観が似ているということ。オープンマインドな人たちが多く、共通の作業を通して付き合いが深まるのがいい。東京だけでは得られない付き合いは、今では宝物です。
日曜日、取材に伺うと、南房総の仲間たちと朝ごはんの準備をされていました。かまどは元々あったものを移築、修理したもの(写真撮影/片山貴博)
かまどで炊き上げたごはん。美味しそう! (写真撮影/片山貴博)
――コミュニティの存在が、二拠点生活を長く続けられる理由になるんですね。また、お金の面も気になります。コストについて教えてください。
この640坪の古民家は、土地代合わせて1200万円。さらにこれまで解体・改修にかかったお金はトータル1000万円くらいですね。確かにお金はかかりますが、キャッシュという動産を家という不動産に変えただけ。リフォームで住まいの価値を上げていると思っているんです。
――確かに。今後二拠点生活がもっと普及すれば、二拠点生活向きのエリアや、古民家の雰囲気は残されたまますぐに生活ができるよう改修された住まいは人気が集まりそうです。いいことばかりのように思えますが、想定外の困ったことってありますか?
やはり移動時間は正直、しんどいなと思うこともあります。今は職場もしくは自宅から通っていて、多少ルートは違いますが、車で1時間半くらいかかります。本当はもっと南に行ったほうが海も近く、温暖な気候になるので、二拠点目としては理想的。ですが、私は車の運転があまり好きじゃないので、これが限界かなと。また高速道路代やガソリン代などの移動費用は1回往復で約7000円。月に4回行けば、3万円弱ですから、小さな出費とは言えないでしょうね。
釣った魚、採れたて卵、地元のルバーブジャム、と豪勢な朝食に。ジャムは、地元「よぜむファーム」さんのもの。生産者自らがそれぞれ持ち寄った(写真撮影/片山貴博)
卵は、南房総山名のたまご屋さん「すぎな舎」のもの。平飼の有精卵を生産していている。卵かけご飯が最高(写真撮影/片山貴博)
南房総仲間と一緒に、日曜日の朝食。建築家、コンサルタントなどをしているデュアラーや、地元を中心に活動するライター、地元の果物農園、養鶏業者の方々でにぎやか(写真撮影/片山貴博)
――旅行と違って何度も通うことになるので、移動費用や時間もシビアに考えないといけないですね。今後も二拠点生活を続けますか? それとも完全移住をしますか?
う~ん、まだ決めていません。完全移住も考えなくはないですが、東京の家は、現在、妻と成人した息子が暮らしていて、完全に引き払うことはありえない。となると結局、二拠点生活を続けていくんでしょうね。ただ、こっちの暮らしが楽しくなっちゃって、今後、さらに休みを増やして、週2日勤務にする予定。若い人たちも成長していて、職場での私が担う役割も変化してきたと思いますしね。
――人手不足や技術の伝承の必要性が問題になっている社会では、まさに理想的なセカンドキャリアですね。
最後に、二拠点生活を検討している方にアドバイスをお願いします。特に、“定年退職したら、田舎暮らしを始めよう”と思われている方も多いですが、もし菅原さんは55歳の現役ではなく、定年退職されてから二拠点生活を始めていたら、どうだったと思いますか?
正直、大変じゃないでしょうかね。きっと身体が思っていた以上に動かないと思いますし、誰も知り合いがいない土地に、いきなり暮らすのは正直キツイと思います。働き方も暮らし方もゆっくりシフトチェンジしていくには、55歳で決断したのは良かったと思います。二拠点目を持つことがセカンドキャリアに移行していく、いい機会にもなりました。
購入直後に菅原さんが手掛けたのが、屋外にあるトイレ。配管など、初めてのことばかりで悪戦苦闘したそう(写真撮影/片山貴博)
現在、進行中なのが小屋の二階。元々は干し草を保管する場所で、屋根に断熱材を設けたり、窓を設置するなどの改修を施している(写真撮影/片山貴博)
当初は趣味を充実させるために二拠点生活を始めた菅原さん。その後、新たなコミュニティを得ることで、地域に根を下ろし、二拠点目がリタイア後の人生の拠点へと移行していったように思われます。働き方のシフトチェンジも見事。二拠点目を持つことは、お金や仕事が大きな障害になることは事実ですが、100年生きる人生であることを考えれば、自分自身の働き方、生き方を変化させる、またとない機会となることは間違いありません。
自分の好きな自治体へ寄付をすることで、税制控除が受けられる「ふるさと納税」。家計の節約効果の大きさや魅力的な返礼品からすっかり世に浸透したが、今年2019年6月1日に法律が改正され、新しい制度が導入された。「ふるさと」を冠する制度にふさわしく、地方やその自治体ならではの特色を打ち出す新制度の内容とともに、地方にかかわる手段のひとつとしてのふるさと納税のケースを考えてみたい。
返礼品が地場産品限定、地方を意識する契機に
2008年に導入されたふるさと納税は、出身地や本籍地などに関係なく任意の自治体に寄付をすると、翌年の確定申告で自己負担の2000円を超えた金額が所得税と住民税から上限までの全額控除される制度。寄付をした自治体からは、その地方の農作物などお礼の品が届くことで人気となり、2016年には受入額約2844億円、受入件数約1271万件に達している。一方、その地域と直接関係のない金券などを返礼品に設定するなど、自治体による納税者の奪い合いの過熱が問題となり、新制度の下では、返礼品は地場産品、返礼割合は寄付金額の3割以下で、寄付できる自治体も総務省が指定した対象地域となった。
(写真/PIXTA)
都心に人が集中するなか、地方は人口が減少し、財政面でも厳しい状況が続いている日本において、人口や経済活動は都心に集中し、地方は厳しい現状におかれている。地方の経済の再生と資源を活用する地域創生は、政府が推進する大きなテーマのひとつだ。
その地域に住んでいなくても、地域や地域住民との関係を持つとして、近年、「関係人口」というキーワードが注目されている。その地方に移住した「定住人口」、または観光にきた「交流人口」でもなく、多様なかかわり方をするひとびとのことで、地域外の人材が地域づくりや変化を生み出すとして期待されている。政府は今年6月、2020年度から地方創成に向けた新たな戦略の基本方針案を示しており、「関係人口」拡大もその一つだ。
ふるさと納税は、生まれ育った地域を離れて東京や大阪など都市部に移住した人たちにとって故郷を意識する契機であり、また、国内の各地方の魅力を知ったり接点を持ったりする大きな機会にもなりうる。
ふるさと納税は、地方の「関係人口」として貢献できるふるさと納税を行うことは、関係人口としてその地域に貢献できるこということでもある。ふるさと納税の返礼品には、物そのものをもらうことができるものが目を引くが、「体験」を提供するものも多い。
(写真/PIXTA)
和歌山県田辺市の返礼品は、同市にある世界文化遺産に登録されている「紀伊山地の霊場と参詣道」の熊野古道を語り部の解説を聞きながら歩く宿泊付きのウォークプラン(額によっては和歌山の特産である梅製品をもらえるプランもある)。寄付金は、間伐や枝打ちなど森林の手入れとともに、観光地にとって共通の悩みであるトイレや多言語案内の設置などの環境整備に使用されている。
また、来年にせまった東京オリンピック・パラリンピック開催を契機にしたスポーツ振興の機運を、地方から支えることもできる。富山県氷見市は、ハンドボール振興のため「春の全国中学生ハンドボール大会」を2005年から実施しており、寄付金は大会継続のための資金として使用されている。野球やサッカーのような競技人口の多い競技と違って、そのスポーツに親しむ人数が多いとはいえないマイナー競技には、甲子園や花園といった“聖地”の設定が難しいこともある。氷見市は小中学生のチームが全国優勝するなどハンドボールが盛んな土地であり、市民の意欲を満たす一方で、各都道府県の代表チームを応援するサポーターを市内の地域ごとに設定、他県からの参加者の応援をすることで、大会自体を盛りあげている。
かつてサッカーの日韓ワールドカップで、カメルーンのキャンプ地となったことで同国との交流が話題になった大分県の小さな村・中津江村が、現在でも同国との親交が続いているように、支援された氷見市だけでなく、サポーターとなった先の都道府県との相互の関係人口となれることも、ふるさと納税がもたらす恩恵といえるだろう。寄付者には大会決勝戦のチケットが届けられるが、氷見漁港でとれた海産物による郷土料理や氷見牛など、食べてうれしい返礼品も希望することができる。
岡山県の和気町では、日本最古の庶民の学校といわれる「閑谷学校」にゆかりのある地であることから、「教育の街」を推し進めることにふるさと納税を活用している。2016年から本格的に始められた公営塾では、特に英語教育に力を入れており、当初は中学生のみだった対象生徒も、小学校高学年の児童にも拡大。塾で学ぶ子どもたちの英検合格実績が報道で取り上げられたこともあり、同年の和気町への移住者は、前年の約3倍になった。ふるさと納税から、知識に関係するだけでなく定住人口の増加につなげられた好例といえるだろう。
お得さや返礼品のラインナップについつい目を奪われてしまうが、ふるさと納税の理念に立ち返れば、本当に気にかけたいのはその使途のはず。自分の寄付したお金がどのように使われているかで選べば、その地域への愛着や興味とともに、そこを訪れたい気持ちや実際に行った際の楽しみもふえるだろう。地場産品の返礼品を眺めるとともに、その地域への貢献に、改めて思いをはせてみたい。
2019年7月17日、吉祥寺の東急百貨店の裏手に、「本」をテーマにした、新しいスポットが誕生しました。その名は「吉祥寺×4ビル(バツヨンビル)」。
なかでも、地下1階のフロアを使い、個人の小さな本屋さんをシェアする「ブックマンション」が注目です。
このビルの仕掛け人であり、三鷹にある無人の古本屋さん『BOOK ROAD』のオーナーでもある、中西功さんに、両方の本屋さんを手掛けたきっかけ、目指す方向性について、お話を伺いました。
無人古本屋さんが成り立つ理由
――「ブックマンション」のお話の前に、まずは無人古本屋さん『BOOK ROAD』のお店を始めた経緯を伺いたいです。
本が好きすぎて、どんどん収集しているうちに、家が本であふれてしまい、妻から「なんとかして」と言われていたんです。売るのもいいけど、二束三文の値しかつかないし、捨てるのはもっと嫌。だったら、自分で直接売れる、古本屋さんなんていいじゃないか、ってずっと思っていて、そんなとき、今の店舗と出会いました。
駅から少し遠い、小さな商店街沿い。それなりに人通りがあって、お店の規模も、家賃的にも現実的だなぁと。当時、私は会社員として働いていたので、日中は店舗に立てないし、だれかに任せるのもちょっと違うなぁと思って、だったら無人でやるしかないという結論になりました。
商店街の一角にある、無人古本屋さん「BOOK ROAD」(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
――でも、無人って、成り立つんでしょうか?万引きされるんじゃないかって心配です。
私の地元の小平には、農家さんの無人野菜販売所がたくさんあって、ちゃんと成立しているから、なんとかなるんじゃないかなぁと(笑)。周囲には驚かれましたけどね。でも、素人の私が、普通の本屋さんを始めても面白くないでしょう。
で、オープンしてみたら、みんなが心配していた盗難もなく、意外と大丈夫だったんです。住宅街の中にある、地元の小さな商店街沿いという場所も良かったんでしょうね。人通りが多すぎず、少なすぎず、悪いことがしづらいんでしょう。儲かりはしないですけど、少なくとも赤字じゃないです。
買いたい本が見つかったら、ガチャガチャで会計する。カプセルの中には持ち帰り用のビニール袋が入っているので、その中に購入した本を入れる仕組み。購入した証明にもなる(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
ガチャガチャは300円と500円の2種類。ガチャガチャを回す行為そのものも楽しい(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
――この「BOOK ROAD」は24時間営業なんですよね。どうしてですか?
当初は朝シャッターを開けて、夜閉めていたのです。2013年の年末に妻の実家への帰省のタイミングで思い切って開けっ放しにしてみたんです。妻の実家から戻ってお店に行ってみると、店内は全く問題なく綺麗な状態で、逆に多くのお客さんが購入してくれていました。これだったら大丈夫!ということで24時間営業にしました。実は、ゴールデンウィークや年末年始など長期のお休みって、売り上げがいいんですよ。
――商品の仕入れはどうしているんでしょうか?
当初はほぼ私の蔵書からでしたが、今は2割くらいです。あとは、お客さんが、自分の蔵書を寄贈してくださるんです。何も言わずに段ボールを何箱も置いてくださった方もいれば、木箱の中にメモと一緒に入れてくださる方もいます。ついでに庭で採れた野菜もお裾分けしてくれたり。このお店は、お客さんの「善意」で成り立っています。
この日も木箱の中に本が数冊入っていた(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
――商品のセレクトは?
漫画以外の、さまざまなジャンルの本を扱っています。例えば、美大の学生さんが、デザインや建築系の書籍を置いて行ってくれたり、開高健さんが好きな方が何冊も寄贈してくれています。近くに保育園や公園があるので、絵本を置いてくださっているママさんもいるみたいです。
商品の展示はアトランダム。理路整然と並んでいないことで、「何があるだろう」と宝探しの気分になる(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
――あ、いいですね。自分の子どもが卒業した絵本を、小さな子どもたちが読んでくれるなんて、ほっこりした気持ちになります。
私は、お客さんが本棚をつくると思っていて、目指しているのは、「街の本棚」。この「街の本棚」を通してコミュニケーションの場となってくれたらと思っているんです。
「雨の日には雨宿りついでに立ち寄る人もいますよ。店主がいないことで、自由に立ち読みをしたり、気に入った本を探せるんだと思います」(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
本棚をシェアする本屋さん「ブックマンション」「本を通したコミュニティ」を目指す中西さんが新たに取り組んでいるのが、吉祥寺の小さなビル1棟を、丸々借りた「吉祥寺×4ビル(バツヨンビル)」。地下1階から3階までの4つのフロアを持つことがビル名の由来です。
通行人が目に留める看板(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
――まずは、地下1階の「ブックマンション」について教えてください。
ざっくりいうと、小さな本屋さんの集合体。「レンタルボックス」って分かりますか?自分の収集したおもちゃやハンドメイドした物などを売っているボックスです。その本屋さんと思っていただければイメージが近いでしょうか。本箱は自分の好きな本だけを販売するので、通常の本屋さんにはないラインナップになると思います。
地下1階の「ブックマンション」。「マンションなので、部屋番号が必要だなと思い、オリジナルでつくってもらいました」(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
さらに棚をシェアするだけでなく、「ひとり1カ月に1回程度、実際に店舗に立つ」など、日々の運営も分担する予定です。というか、みなさん、売り場に立ちたいそうなんですよ。自分の好きなものに興味を覚えてくれる人と話がしたいって思っていらっしゃるんです。本を通したコミュニケーションですね。
「文化の街、吉祥寺はもともと古本屋さんが多く、こうした変わった試みも受け入れやすい土壌があると思いました」(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
――確かに。リアルに話すのって楽しそうですね。最近はネットで本や雑誌を注文する人も多いですが、ここでなら思わぬ本との出会い、“新しい世界との遭遇”がありそうです。
そうなんです。そのうち、それぞれの本棚に、ファンが付いたらいいなと思っています。「本屋を始めてみたい」って考える人って本好きには多いけれど、やっぱりハードルが高いでしょう。でもココでなら、開店や運営のリスクを抱え込まずに、気軽に始められます。とにかく本好きっていう人だけでなく、自分の好きなことだけを追求できるオリジナルな本棚ができるはず。楽しいでしょう。
店内にあるわたがしの機械。本を買ったお客さんに、自由にわたがしをつくってもらいたいという中西さんのおもてなし(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
――地下1階はブックマンションですが、1階以上は通常の本屋さんですか?
いいえ、違います。1階はコーヒースタンドで、喫茶店のような造りの2階と、何も置かない3階はイベントスペースにして、講演やワークショップとして使う予定です。例えば、終電が終わった後の真夜中の読書会だったり、地下1階の本棚の店主さんが書籍と連動した料理教室などを開くなど、何でもありです。みなさんの要望を聞きながら、どんな形がいいか模索していこうかなと思っています。
店舗改修も「みんなで」。目指すはスモールコミュニティこの「吉祥寺×4ビル(バツヨンビル)」。「お金がないので自分たちで改修していくしかない」と考えていた中西さんに、救いの手を差し伸べたのが、セルフビルドによるリノベーションに長年取り組んでいる、株式会社小さな都市計画の宮口明子さんと笠置秀紀さん。彼らの指導の下、壁の塗装や床張りなどの作業を自分たちでやりました。
株式会社小さな都市計画のお二人(写真提供/中西功)
――どういう方たちがお手伝いにいらっしゃっているのでしょうか?
私の友人や元同僚たち、SNSを通じた呼びかけに“おもしろそう”と応じた方たちも多いです。面識のない人たちと同じ作業をしながら、おしゃべりしながら、楽しそうですよ。私は主に差し入れ担当です(笑)。
宮口さん指導の元、この日は3階の壁を黒く塗装(写真提供/中西功)
――お店がオープンする前から、仲間ができている感じですね。
そうなんです。お客様とスタッフの境目があいまいな場所にしたいなと思っています。例えばブックマンションのお客様が、ここでなら自分のお店の本棚を持ってみたい思うとか。人通りの多い吉祥寺の街にオープンするので、ふらっと立ち寄ってくださる方もウェルカムなのですが、もう少し踏み込んで、この場所に主体的に関わってくれる方を増やし、街に“小さなコミュニティ”をつくりたいと思っています。
「手伝ってくださった方たちは、ありがたいことにみんな本当に楽しそうでした」(写真提供/中西功)
――1階のコーヒースタンドは、会計方法が独特なんですよね。
これは、コーヒー代金をトレイに入れ、レバーを引くと、からくりの装置が動いて、「THANK YOU」と表示されるもの。その名も「からくり決済」。制作いただいたのは、私が以前から惚れこんでいた鈴木完吾さん。アート作品「書き時計」で有名な方です。その間、30秒。見ているだけでワクワクするでしょう。時代は電子マネーなど、キャッシュレスの時代ですが、実店舗だからこその体験をしてもらいたいと考えています。
細やかなパーツが美しい「からくり決済」。制作は鈴木さんにおまかせではなく、中西さんのこだわりも随所に反映されている(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
今は、ネットでなんでも気軽に手に入る時代。無人古本屋さんでも、ブックマンションでも、実店舗でできることを模索し続ける中西さん。本屋さんという「場」を通して、人と人がつながり、コミュニティが生まれていく。
今後も「吉祥寺×4ビル(バツヨンビル)」の仕掛けに注目していきたい。
個性豊かな本棚が並ぶ(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
住宅ローンは、取得する不動産を担保にしてお金を借りるローンだ。今回取り上げる「不動産担保ローン」は、住宅ローンではなく、所有している自宅を担保にお金を借りるローンのことだ。実は、不動産担保ローンの中には、住宅ローンを返済中の自宅でも融資対象になるものがある。どういったローンなのか、詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「不動産担保ローン」利用者に関する総合調査の結果を発表/セイビー「不動産担保ローン」利用者の約4割弱が担保となる不動産のローン返済中
セイビーが、全国1万1018人から「不動産担保ローンを利用した経験がある」330人をスクリーニングし、インターネット調査を実施した。
まず、不動産担保ローン(住宅ローンを除く)の資金使途を聞いたところ、一番多いのは「生活費」(33.7%)で、以降は「事業性資金」(26.1%)、「借り換え」(23.8%)、「おまとめ(複数の債務のおまとめ)」(18.8%)、「車関連費」(16.5%)が上位に挙がった。
不動産担保ローン(住宅ローンを除く)の資金使途(出典/セイビー「『不動産担保ローン』利用者に関する総合調査」)
不動産担保ローン(住宅ローンを除く)を利用したことのある金融機関の種類については、「都市銀行」(42.6%)、「地方銀行」(24.4%)、「ネット銀行」(18.2%)が上位に。具体的な金融機関については、「みずほ銀行」(16.2%)、「楽天銀行」(15.8%)、「住信SBIネット銀行」(11.9%)がTOP3だった。ただし、具体的な金融機関名を「答えたくない」が31.7%と最も多かった。
担保にした不動産の種類を聞いたところ、一番多いのは「一戸建て」の46.2%で、次いで「区分所有マンション」(23.4%)、「土地」(12.9%)が多く、1棟アパートや1棟マンション、駐車場、事務所など事業用の不動産の場合もあった。
さて、担保にした不動産を取得したときの住宅ローンなどのローンの返済についてはどうだろう。「ローン完済済み」が47.2%で、「ローン返済中」が36.6%だったので、完済済みのほうが多いという結果だった。
みずほ銀行と楽天銀行の不動産担保ローンを比較してみたでは、「不動産担保ローン」を借りるには、どういった条件があるのだろう?
調査結果で利用者が多かった、都市銀行系の「みずほ銀行」とネット銀行系の「楽天銀行」の不動産担保ローンで見ていこう。下表で両行の商品の主な特徴を比較してみた。
金融機関の不動産担保ローンの主な特徴(両行のサイトを基に筆者が作成)
借りたお金の使い道は原則自由となっているが、事業性資金などのリスクを伴うものなどはどちらも除外している。
ローンの額の上限では、1000万円と1億円でかなり開きがある。ただしいずれの場合も、担保価値と返済能力を加味して上限が決まるので、誰もが上限額まで借りられるというわけではない。ローンの期間については、借りる人の年齢にもよるが、どちらもかなり長く借りられるようだ。
ローンの金利タイプは変動金利と5年ごとに見直される固定金利といった違いがある。2019年7月時点で適用される金利を見ると、みずほ銀行は「短期プライムレート+1.5%」で2.975%となり、楽天銀行は2.83%~9.43%となっているので、個別の条件によって適用される金利がかなり変わるようだ。
住宅ローン返済中でも利用できるかどうかは、両者で異なる。これは、抵当権の順位による違いだ。
一般的に、住宅ローンでは担保に第一順位の抵当権の設定を求める。第一順位であれば、返済不能になったときに優先的に資金を回収できるからだ。みずほ銀行の場合は不動産担保ローンでも、原則として第一順位を求めるため、すでに住宅ローンで第一順位の抵当権が設定されていれば利用できないことになる。一方、楽天銀行は第一順位に限っていないので、住宅ローンを返済中でも利用できるという違いとなる。
不動産担保ローンのメリット・デメリットは?このように見ていくと、不動産を担保に借りるという共通点のある住宅ローンとは、似た性格を持っていることが分かる。
つまり、不動産担保ローンのメリットとしては、マイホームのための住宅ローンほどではないが、無担保のローンと比べると、「低金利」で「多額の借入ができる」こと、「返済期間を長期に設定できる」ことなどが挙げられ、繰り上げ返済ができる点も住宅ローンと似ている。
一方、デメリットとしては、当然ながら「返済できないと不動産を失う」。また、事前に担保価値を評価したり返済能力を審査したりするので、「借りられるまでに時間がかかる」こと、事務手数料や保証料、登記などの「諸費用がかかる」ことも、住宅ローンと同様だ。
不動産担保ローンを用意している金融機関は多いので、上記の両行では対象外だった事業性資金を利用できる法人向けのローンなどもあるだろう。それだけ多様なローン商品となるので、商品の違いなどをよく調べたうえで、自分に合うものを選ぶようにしたい。借りるときの条件だけでなく、返済中の条件(遅延損害金、繰り上げ返済の有無、中途解約違約金の有無等)の確認も忘れないように。
ただし、マイホームを失うリスクが常にある、ということも忘れてはいけない。特に住宅ローンを返済中でさらに借りようとする場合は、それだけ債務が大きくなって、不動産を失うリスクも高くなる。後悔することのないように、上手にローンを活用することが重要だ。
(株)Insight Tech(東京都新宿区)は、このたび「老後の不安」をテーマにアンケート調査を実施した。調査方法インターネット。1,499名より回答を得た。それによると、老後に最も心配していることは何ですか?では、「お金」が71%で断トツ1位。次点の「健康」(20%)を大きく上回る結果となった。一方、老後に最も心配していることに対して何か対策を始めていますか?では、「対策を始めている」は28%に留まっている。
年金の受給額で生活できると思いますか?では、75%が「できないと思う」と回答。年代別で見ると、20代は72%、30代は77%、40代は76%、50代73%、60代以上79%と、いずれの年代でも「できないと思う」が大半を占めた。年金だけで老後の生活が送れると考えている方は、極めて少ないことが分かる。
現在の年金に関して不満に思っていることは何ですか?では、「年金制度」「国」といったキーワードが目立つ。「受給年齢」「払った分」との意見も多いことから、「あきらめ・失望」を持つ方も多いようだ。
一方、老後・将来のお金の備えに関して心配・懸念していることは何ですか?では、「年金」「貯金」「生活」「物価」「子供」などが目立った。年金だけでは不十分なのはわかっているが、子供にお金がかかることもあり貯蓄もできない、という現実が伺える。
ニュース情報元:(株)Insight Tech
大和ハウス工業(株)は7月3日より、複合開発「船橋塚田プロジェクト」(千葉県船橋市)において、再生可能エネルギー電気(再エネ電気)を100%供給するまちづくりを開始した。
「船橋塚田プロジェクト」は、「AGCテクノグラス中山事業場」跡地で推進。分譲マンション(571戸・11階建て)、賃貸住宅(低層:39戸・3階建て4棟、中高層:223戸・11階建て)、戸建住宅(26区画)、商業施設を計画した事業面積57,456.19m2の大規模複合開発プロジェクトだ。
同プロジェクトでは、戸建住宅や分譲マンション、賃貸住宅において、入居者が利用する電気だけでなく、共用部や街灯の電気等も再エネ電気のみを供給する。また、居住街区および商業施設における施工時の工事用電源にも同電気を利用するという。供給する再エネ電気は、2018年10月より本格稼働した岐阜県飛騨市の「菅沼水力発電所」で発電した電気を中心に供給していく。
なお、「施工」から「暮らし」まで実質再生可能エネルギー電気を100%供給するまちづくりは、日本初(同社調べ)だという。
ニュース情報元:大和ハウス工業(株)
イオンモール(株)はこのほど、ショッピングモール「(仮称)イオンモール上尾」(埼玉県上尾市)の建築工事に着手した。同モールが出店する上尾市は、埼玉県の県央部に位置する。JR高崎線「上尾駅」や国道17号線を軸に、東西方向に市街地が拡大しており、中核都市として今後も県下で発展が期待できるエリア。
モールのコンセプトは、「“HAPPINESS MARCHE”あげお えがお」。暮らしに新たな楽しみを発見でき、笑顔あふれる場所にしたいとしている。
敷地面積は約68,000m2。延床面積約50,000m2。建物は地上2階建て、専門店数は約130店。開業は2020年秋を予定している。
ニュース情報元:イオンモール(株)
6月25日(火) 、SUUMO(リクルート住まいカンパニー)による『第1回 デュアラーを面白がる会』が開催されました。
この『面白がる会』は、「お酒を飲みながらワイワイ」と、課題の洗い出し、解決方法のアイデア出しをブレストするというもの。
今回は、デュアルライフに憧れている、実際に検討している人、彼らにサービスを提供する・したいと考えている企業の担当者などが集まりました。当初はぎこちなかった初対面同士も、お酒を飲みながら打ち解け、いろんなアイデアが飛び出しました。
どうして始められない? 実践して困ったことは何?
「面白がる会」は、難しい課題を“自分ごと”としてとらえ、今までの慣例や常識にとらわれず、“こうだったらいいんじゃない”とアイデアをみんなでブレストする会。「意見を否定しない」、「難しい言葉・業界用語を使わない」、「偉そうにしない」、「思いついたアイデアをどんどん発表」をルールに、お酒を飲みながら、軽く食べながら、ワイワイ話し合います。
まずは、「デュアルライフの課題は何か」を話し合いました。
参加者の立場はそれぞれ。憧れつつも、実現していない人が「乗り越えられないハードルは何か」というアプローチと、実践者ならではの「現在進行形の悩み」について、情報共有されていたようでした。
「面白がる会」運営代表の唐品知浩さんの音頭で、まずは乾杯からスタート(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
最初に発表したグループからは、デュアラー実践者である男性から、「二拠点を持つということは生活コストが二倍になる。購入となると、固定資産税も二カ所分です」と早々にシビアな意見が。
ほかにも移動に関わるコスト面を指摘したグループは多数。「高速代、ガソリン代だけでなく、車検代、保険、税金など出費がかさみます、都会だけなら車ナシ生活でもOKですが、田舎は車がマストになるので、正直痛いです」
そもそも「車を運転しないので、基本は公共交通機関を利用するしかありません。でも、そんな生活って都会では可能でも、田舎では難しいですよね」という女性も。田舎は路線バスの本数が少ない事情もあります。コスト面だけではなく、移動時間の長さも、デュアルライフの阻害要因になるようでした。
さらに、田舎でのコミュニティに入りづらいと指摘をする人もたくさんいました。「基本はよそもの。独特の近所付き合いに慣れない」、「交流はしたいけれど、きっかけがない」、「そもそも、デュアラー全員が地元コミュニティに深く入りたい人ばかりではないのでは」など、立ち位置はそれぞれ違うものの、都会とは異なる地域との距離感に戸惑う声が多く聞かれました。また、受け入れ側も「空き家であっても貸したがらない」、「知らない人には警戒してしまう」という事情もあるようです。
家族の問題も課題です。特に子どもがいる場合、小学校に入るタイミングで、どちらかに拠点を決めざるを得ないケースも。ほかにも、自分1人がデュアラーをする場合は、「家族の同意が得られないのでは」、「家族バラバラになりそう」という心配がありました。
ほかにも、「ゴミを決まった曜日に捨てられず、都内まで持って帰っている」、「やはり人が住まないと建物が傷む」「冬場は水道が凍結してしまう」「とにかく寒いので、エアコンを稼働して温かくするまで時間がかかる」、「事前に荷物や食材を送りたくても、受け取る人がいない」など、実践者ならではのリアルな悩みも多々ありました。
開催されたのは平日の19時~。約半数が「デュアラー」未経験者。3割が実践者、それ以外が不動産会社や支援団体などの関係者という顔ぶれ。ほぼ誰もが初対面同士(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
デュアルライフの経験がない人も、自分がするとしたらまずはこんな壁にぶち当たりそうと、想像を巡らせて発言していきます(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
コスト削減だけではない。デュアラーを支援するアイデアいっぱいデュアルライフの課題発表終了後は、2回目のブレストタイム。これまでに出た課題に対し、「何でもあり」でアイデアを出し合うことに。時間も経ち、お酒も回って、話は大盛り上がりました。
以下、課題として多く指摘された「住居費」「移動」「コミュニティ」「ゴミ出し」に関して発表された、面白いアイデアを箇条書きで紹介します。
住居費について
・「10人で10軒をシェア」各拠点をみんなでシェアすれば二居住どころかマルチ居住
・「交換デュアラー」田舎の人も東京で過ごしたいのでは?→だったら交換してみればいい
・「デュアラー特区」デュアラーに力を入れている自治体。固定資産税などの減税、空き住戸含めた情報提供など、自治体の積極的なPRあれば二拠点目のエリアとして選びやすい
・「私、〇〇できます」宣言。料理人がいろんなシェアハウスを転々としながら暮らしている例がある。一年中、収穫を手伝いながら旅する人もいるそう。自分のスキルを田舎暮らしで活かし、コストに充てる
・「デュアルアワー貸し」人によっては短い間だけ借りるのもアリでは
移動について
コストを削減する方法と、移動=価値を見出す方法の2通り提案されました
・「定額新幹線乗り放題」自由席ならどれだけ乗ってもいい。デュアラー割引でも可
・「長距離トラックに相乗り」
・「移動するついでに宅配」車移動のついでに荷物を運び、利益を得る
(「あなたの代わりに墓参りします」墓参りを代行も)
・道の駅に「コワーキングスペース」(すぐにでも実現できそう!)
・「自動運転でラクに移動」:乗用車2台を前後につなぎ、2台目のほうは自動運転で付いていく形なら技術的にもスムーズでは?(完全妄想!)
女性ばかりのテーブルでは、女性ならではのコミュ力で一気に打ち解け、話が盛り上がる(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
コミュニティについて
・「草刈りフェス」コミュニティに入るきっかけになる、お祭りも兼ねて一石二鳥
・「村人に聞こう~ドラクエ化」地元の人に話しかけ、交流が生まれるような仕掛け。
例:この人にこの質問をしないと、家の鍵がもらえない。まずは「〇〇店」で〇〇を購入、装備する、などロールプレーイング風に
・「よろしくステッカー」家の前に、交流ウェルカムという意思表示のステッカーを貼る。
逆に「サーフィンに来ています」ならサーフボードのステッカー、「ひとりでのんびりしにきています」なら寝ているステッカーなど、二拠点の目的を明確にする
・受け入れ側も「うちはウェルカムですよ」というステッカーがあれば、きっかけがつかみやすい。
・「おじいちゃんおばあちゃんとシェアハウス」広い一軒家にひとりで住んでいるお年寄りは多いはず。遠方にいる子世帯に様子を知らせれば安心(例:草刈りを手伝ったり、車で病院に連れて行ってあげたりなど労働力を提供すれば、住居費はタダ)
デュアルライフ実践者からリアルな意見も。みなさんプレゼン慣れしています(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
ゴミ出しなどについて
・「マッチングアプリでお願い、ご近所さん」 ゴミ出しや荷物の受け取りをご近所の方にお願いして、電子マネーで謝礼を払う
・「ドローンでゴミ捨て」 広告を載せて宣伝にも使えばコスト削減できる
・「大学生が管理するデュアラー村」 複数の家の1つを大学生の寮や合宿所に。不在時のさまざまな雑務を引き受けてもらう
ほかにも、「学校データ化で、子どもの勉強の進度などを情報共有。どこでも学べる環境になる」、「デュアラー向けに家を貸すのを躊躇するオーナーさん向けに、デュアル保険を用意して貸し手の不安を払拭する」、「まずは公共施設を開放し、再活用できるような動きをするべきでは」というさまざまな意見が出ました。
「デュアラーによる“住みたい街ランキング”も面白そう。スーモさん、是非やって」という声も(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
さらに、「デュアルライフに市場原理を持ち込もう」という切り口で、「デュアルファンドを創設する」→「投資に値する、選ばれる行政を目指すようになる」→「投資した人は、家族、友人を誘って足を運ぶようになる」→「もうかる自治体はさらに魅力的になる」など、経済がまわっていく仕組みをつくれないかなど、壮大なアイデアもありました。
具体的に「奥多摩を盛り上げよう」という地名が出たことで、「以前は東京の人がみんな軽井沢などの別荘地に憧れましたが、現在のデュアラーは移動の時間とコストにシビア。例えば中央線沿線なら奥多摩や山梨方面、東京北部なら秩父方面、東京東部なら千葉の南房総など、今の生活圏の延長線上にある立地を選ぶほうが、現実的で愛着が持ちやすいのでは」と主催者のひとりが提案。そのあたりにもデュアラーを盛り上げるヒントがありそうです。
以上、すぐに取り組めそうなものから。かなり壮大なレベルのものまで、さまざまにアイデアが上がった、盛況な会に。数年後には、なにかが実現しているかもしれません。
愛犬と散歩をしたり、子どもと遊んだり、友人などとおしゃべりしたりと、私たちの身近な憩いの場である公園。小規模な公園から国立公園まで、大小さまざまな公園がありますが、そのなかでも「防災公園」といわれる公園をご存じでしょうか。単なる公園ではなく、食事の炊き出しやトイレ、照明、生活用水など、“いざ”というときに大活躍するといいます。では、その驚きの機能とは? 今回は東京都江東区にある「木場公園」でそのすごさを教えてもらいました。
人口密集地の公園は、いざというときは防災拠点に
地震などの大規模災害が発生したら、多くの人の避難先となるのが公園ではないでしょうか。まちなかでも「一時(いっとき)集合場所」「避難場所:●●公園」などの看板を目にした人も多いことでしょう。実は公園には避難場所としてだけでなく、「防災拠点」としての機能があるのをご存じでしょうか。今回は、東京に22ある防災公園(防災公園グループ含む)のうちのひとつ「木場公園」を訪れ、東京都公園協会のスタッフのみなさんに防災機能について教えてもらいました。
右から、東京都公園協会スタッフの表さん、武居さん、石塚さん(写真撮影/片山貴博)
「木場公園は災害時の避難場所になっているほか、救出活動拠点の候補地として考えられています。そのため、公園内には、(1)防災トイレ、(2)かまどになるベンチ、(3)生活用水の揚水ポンプ、(4)太陽光発電の照明灯などが設置されています」と表さん。
ただ、公園内に目立つように設置されているわけではないので、「えっ? 実はコレがトイレだったの?」「これがかまどに?」と驚かれることが多いのだとか。公園内にある「トランスフォーマー」と呼びたいと思います。
では、さっそくご案内いただきましょう。一見、公園の風景になじんだ普通のベンチですが、鍵をあけ、フタを持ち上げると、火をくべられる「かまど」が出てきます。
一見、よくある公園のベンチですが
サイドから持ち上げると
かまどが登場!
炊き出しができるように(写真撮影/片山貴博)
この防災ベンチ、フタを持ち上げるだけなので、ものの数分でベンチからかまどになります。非常時はこうした分かりやすさも重要なのでしょう。また、災害に備えて毎月1度、職員が必ず鍵を開けて組み立て、震災対応訓練をしているそう。その他、町内会やボランティアの防災訓練、防災普及啓発イベントなどでも利用しているといいます。
ちなみに、かまどベンチが登場したのは10年以上前。メーカーも複数あり、また少しずつ改良・バージョンアップしているそうで、ボランティアや炊き出しに不慣れな人でも戸惑わずに使えるよう、日ごろからの訓練が大事なのだとか。
「防災訓練、防災イベントは直火を使っての訓練になるので、お子さん方にも好評です」といいます。また地元の小学校などの授業でも活用されることがあり、案外、子どものほうが防災機能に詳しいそうです。ちなみに、ベンチには“寄贈●●”という地元企業名・店名が刻印してありました。企業と地元住民の信頼関係が垣間見えていいですね。
非常事態に活躍するマンホール型トイレは38基!その次にご案内いただいたのが、防災トイレです。木場公園では、日常的に利用されている公衆トイレに地下便槽が付いており、万一、電気などのインフラが寸断された場合には汲み取り式になるそう。加えて、上部にテントを組み立てて利用するマンホール型トイレを38基ほど備えています。
奥の日常時にも使われている公衆トイレは、電気・上水が止まっても使える地下便槽付き
手前の芝生広場にあるマンホールのようなものが、マンホール型トイレ
器具を使ってあけると、和式トイレになる
ここからトイレの周囲にテントを張っていく
テントと同じ手順で骨組みを建てて、器具に固定していく
ペグ(地面に固定する道具)を打って、風で飛ばないようにしっかり設営
ペーパーを設置したら、トイレとして使えるようになる(写真撮影/片山貴博)
このトイレですが、一見すると芝生の広場にある目立たないマンホールになっているので、「いつも歩いているのに知らなかった!」「このトイレはありがたい」といちばん驚かれる&感謝される存在なのだそう。
表さんによると、「避難所のトイレだけではなく、一般家庭で簡易トイレを備蓄するなど災害時のトイレ機能をどう確保するか日ごろから考えていただくとともに、防災公園にこういう機能があると知っておいていただくことも必要と考えます」といいます。
ちなみに、このトイレ、慣れれば20分程度で設営できるそう。キャンプやアウトドアの経験がある人だと、もっと早くできるかもしれません。ただ、現場を担当する武居さん、石塚さんは「トイレはがまんができないので、できるだけ早く設営できるよう、職員だけでなく、地域住民の方にも組み立てを体験してもらってと思っています」と解説します。
余談ですが、今どきの子どもを持つ親として不安だったのが「和式」だという点です。キレイな洋式トイレが当たり前の子どもたち、和式トイレをどうやって使えるようにするか、個人的な課題ではありますが、練習させないといけないと思いました。
防災機能を活かすのは人。地域の防災訓練が大切に木場公園の歴史とその特性を活かしたユニークな設備もあります。それが「揚水ポンプ」。もともと「木場」といえば材木の街で、公園の入口広場には「イベント池」と呼ばれる四角い人口の池があり、地元の伝統芸である「木場の角乗り」が年に1回、江東区民まつりで披露されるそうです。で、そのイベント池の水は地下の貯水槽から給水されていて、非常時には揚水ポンプで組み上げて活用することになっているとか。江戸っ子の知恵が受け継がれながら、令和の防災と共存している感じがします。
揚水ポンプを動かすと
じゃぶじゃぶと水が出てきます。普段はひねるだけなので、水汲み体験は新鮮でした(写真撮影/片山貴博)
この揚水ポンプの水は、飲料水としては使えませんが、手を洗ったり、トイレを流したりするのに活用できます。防災公園では大規模災害時に備えて、何はともあれ、かまどによる炊き出し、トイレ、水の確保がされていることが分かります。ほかにも、何気ない照明がソーラー照明灯になっていたり、自動販売機が災害時は緊急時飲料提供ベンダーとして機能するそう。
ソーラー照明灯(左)、自動販売機(右)も、どこにでもありそうな公園の風景ですが、防災機能も併せ持っています(写真撮影/片山貴博)
木場公園の多目的広場。単なる遊び場に見えますが、これはヘリコプター離発着の可能性があるため、この広さを確保しているのだそう。救出・救助の最前線基地になる可能性があるのです(写真撮影/片山貴博)
なかなか普段、目にすることのない公園の防災機能。映画・ドラマなどでは、「普段は“ザ・一般人”なのに、いざというときに活躍するヒーロー物」という設定がありますが、防災公園はまさにこれではないでしょうか。普段の公園はのどかで、平和そうに見せて、実は住民を守るすごいやつなのだなと思いました。ただ、防災機能はあっても使うのは「人」です。災害時にこの防災機能が存分に発揮できるよう、近所・地域の防災訓練の大切さをあらためて思い知った次第です。
●取材協力リビン・テクノロジーズ(株)(東京都中央区)はこのたび、30歳以上の男女204人を対象に「自宅での涼の取り方」についてアンケート調査を行った。調査期間は2019年6月6日~16日。調査方法はインターネット。それによると、自宅でエアコンや扇風機などを使わずに涼を取ることが「ある」方は47.1%、「ない」は52.9%。エコな涼み方で夏を過ごす人が半数弱いることが分かった。
エコな涼み方をする方の具体的な方法は、「窓を開ける」が71.9%と圧倒的に多く、「うちわや扇子を使う」(37.5%)、「打ち水をする」「簾やよしずを掛ける」(共に25.0%)、「風鈴を吊るす」(19.8%)など、5感を使って涼む伝統的な方法も人気があるようだ。
夏を過ごしたい避暑地はどこですか?では、「特になし」が半数を占めるなか、「軽井沢」(14.6%)や「北海道」(6.3%)といった回答があった。また、長野県は「軽井沢」をはじめ「八ヶ岳」「白馬」「上高地」など県内の地名が多くあがり、避暑地として人気が高いようだ。
ニュース情報元:リビン・テクノロジーズ(株)
東京建物(株)、(株)プライムプレイス、東京不動産管理(株)は、商業施設「PRALIVA(プラリバ)」(福岡市早良区)を、7月26日(金)にオープンする。同施設は、福岡市営地下鉄「西新」駅直結。2021年3月に竣工予定の住宅棟「Brillia Tower 西新」に併設する商業施設で、「西新エルモールプラリバ」(2015年7月閉館)跡地に、新たな形のランドマークとしてオープンするもの。
建物は地上4階・地下2階建。店舗数は36店舗。駅直結の地下2階、地下1階はこだわりの「食」ゾーンで、専門性の高い生鮮食品のほか、総菜からスイーツまで人気店舗がオープンする。
1階には、憩いの場となるカフェやファミリーにも対応したショップ等が出店。2階はサービスやカルチャーが集積。3階は「無印良品」がワンフロアまるごと出店する。
屋上(2021年春より利用開始予定)には「ルーフガーデン」を設置し、訪れる人に快適な空間を提供する。
ニュース情報元:東京建物(株)
(株)東京カンテイは7月11日、2019年6月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。敷地面積100m2~300m2、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。
それによると、6月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比+0.6%の4,040万円で2ヵ月連続上昇した。東京都は同-1.2%の5,155万円と3ヵ月ぶりに下落。神奈川県は同-0.4%の4,427万円と4ヵ月ぶりに反転下落。千葉県は同-3.3%の3,137万円と3ヵ月ぶりに反転下落。埼玉県は同-4.0%の3,454万円と3ヵ月ぶりに下落。首都圏は1都3県すべて下落。東京都への地域偏在により首都圏平均価格のみ上昇した。
近畿圏は前月比+2.4%の3,159万円で2ヵ月連続上昇。府県別でみると、大阪府は同-1.7%の3,343万円と下落。兵庫県は同+7.0%の3,224万円と2ヵ月連続上昇。京都府は同+6.0%の3,384万円と続伸。近畿圏全体では価格はやや強含み傾向。
愛知県は前月比-5.1%の3,272万円で4ヵ月ぶりに下落。中部圏全体では同-0.1%の3,009万円と3ヵ月連続下落。福岡県は同+0.4%の2,965万円で2ヵ月連続上昇した。
ニュース情報元:(株)東京カンテイ
(株)東京カンテイは7月11日、2019年6月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。これは、敷地面積50m2以上~100m2未満、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。それによると、6月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比-1.3%の4,546万円と反転下落。都県別でみると、東京都は同-2.6%の4,985万円と反転下落。神奈川県は同+2.1%の4,022万円と2ヵ月連続上昇。千葉県は同-4.8%の3,833万円と4ヵ月ぶりに反転下落。埼玉県は同+0.1%の4,090万円と4ヵ月連続で上昇した。
近畿圏は前月比+3.7%の3,383万円で2ヵ月連続上昇。府県別にみると、大阪府は同+5.1%の3,349万円と2ヵ月連続上昇。兵庫県は同+1.8%の3,697万円と反転上昇。京都府は同-6.0%の3,062万円と反転下落。京都府を除いて、大阪府は連続上昇、兵庫県は反転上昇している。
愛知県は前月比-6.3%の3,733万円で5ヵ月ぶりに反転下落。中部圏全体でも同-5.9%の3,698万円と、4ヵ月連続ぶりに下落に転じた。
ニュース情報元:(株)東京カンテイ
(株)東京カンテイは7月11日、2019年6月の「中古木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。敷地面積100m2~300m2、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。それによると、6月の首都圏中古一戸建て価格は、前月比+4.1%の3,351万円と4ヵ月ぶりに反転上昇した。都県別では、東京都が同+6.1%の5,445万円で3ヵ月ぶりに反転上昇。神奈川県は同+3.4%の3,590万円と上昇。千葉県は同-3.0%の2,092万円で3ヵ月連続下落。埼玉県は同+1.1%の2,415万円で2ヵ月連続上昇した。
近畿圏は前月比+4.3%の2,649万円と2ヵ月連続上昇。主要府県別にみると、大阪府は同+2.4%の2,697万円で連続上昇。兵庫県は同+2.5%の2,668万円で連続上昇。京都府は同+9.8%と大きく上昇し、3,630万円と反転上昇した。
愛知県は前月比+4.4%の2,797万円で3ヵ月ぶりに反転上昇。中部圏全体では同-0.8%の2,233万円と3ヵ月連続下落。福岡県は同+7.5%の2,125万円と2ヵ月連続上昇した。
ニュース情報元:(株)東京カンテイ
(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は7月10日、首都圏の2019年6月度・不動産流通市場動向を発表した。それによると、6月の首都圏中古マンション成約件数は、前年比5.2%増加の3,490件となった。成約m2単価は同1.6%上昇の52.75万円/m2、成約価格も同1.3%上昇し3,361万円、ともに5ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は同-0.4%の63.73m2だった。
中古戸建においては、成約件数は同3.9%増加の1,234件、8ヶ月連続で前年同月を上回った。成約価格は同0.4%上昇し3,111万円、ほぼ横ばいながら3ヶ月連続で前年同月を上回った。土地面積は同±0.0%の147.75m2と横ばい。建物面積は同-0.4%の105.57m2となった。
ニュース情報元:東日本レインズ
子どもをもつ、もたないという選択は、多くの人が人生のなかで直面することです。そして、2011年ころから使われ始めた「妊活」という言葉は、それをより突きつけるものかもしれません。でも果たして、「子どもをもつ、もたない」が幸せの尺度だと言えるのでしょうか。第161回直木賞候補作である『トリニティ』や『じっと手を見る』などで知られる作家・窪美澄(くぼみすみ)さんの新刊『いるいないみらい』では、「子どもをもつ、もたない」の選択に直面し、家族のカタチを考える人たちが描かれています。
窪さん自身は離婚を経験し、シングルマザーになってからライター活動をはじめ、子育てを経験されています。自身が経験したことと、作品に出てくる登場人物の人生、それぞれを聞いてみました。
家族のカタチを模索しながら、懸命に生きる人々を描く作品
――著書『いるいないみらい』は、どのような背景があって書かれたのでしょうか。
もともと私は女性の妊娠や出産などをテーマに書くことが多かったのですが、今回は「妊娠や出産以前、子どもをもつかもたないか、迷っている人たちの物語を書いてみませんか」と編集者に提案されたんですね。そのことで悩んだり、考えているうちに時期が過ぎてしまったり、子どもをもつことはできたけど亡くしてしまったりという人たちを書きました。それぞれ悩みながらも一生懸命生きる人々の姿を書こうと思いました。
『いるいないみらい』(窪美澄 著、KADOKAWA刊)
――1話の「1DKとメロンパン」のように、子どもに関する考え方の違いで悩む夫婦は実際にも少なくないと思います。「子どもをもつ、もたない」ということについて、窪さんはどのようにとらえているのでしょうか。
私が考えるのは、「子どもがいる人生だけが絶対的な幸せではない」ということです。子どもがいなくても不幸せではないし、何かが欠けているわけでもないと思います。世間では子どもをもつ家庭が完璧な丸のようなイメージがあるかもしれませんが、実際はそうとも限らない。
「1DKとメロンパン」の夫婦もそうですが、たとえ子どもというパーツがなかったとしても、カップルや夫婦二人だけでも、もちろん一人であっても、十分丸く満たされていますよ、ということを思いますね。
――「子どもをもつ自信がない」「子どもが嫌い」という女性のお話や、男性の不妊治療についてのお話もありますね。
そうですね。「私は子どもが大嫌い」のお話の主人公のように、「子どもが嫌い」という価値観も全然アリだと思うんです。でもなかなか言いにくいことじゃないですか。子どもが嫌いっていうとヒトデナシ、のような目で見られがちですよね。でも、子どもに興味がない女性だって実際はいるわけです。みんながみんな子どもが好き、と思うほうが間違っていると思います。
少子化などの問題があって国は「子どもは二人以上産むべき」みたいな風潮がありますが、私は少し反発があって。押し付けのように感じることがありますね。だって産みたかったけれどタイミングが合わなかったり、産めたけどあえて産まなかった選択をすることもあるわけでしょう。子どもをつくる、つくらないの選択の自由はあっていいはずだと思うんですね。
私は今回の作品を書くにあたってほとんど取材はしていないんですが、第2話「無花果のレジデンス」だけ、不妊治療の男性のお話を聞きに行きました。不妊治療は女性ばかりがクローズアップされるけれど、子どもをつくろうとなったときに、実際は男性不妊の治療も女性と同様に大変。だけどなかなか知られていない部分がありますよね。性別で分けるのは間違っているかもしれないけれど、もしかしたら男性不妊のほうが、告げられる側としてのショックは大きいのかもしれないと思いました。
当事者の気持ちを大事に。世間の価値観で生きる必要はない――窪さんがこうしたさまざまな価値観を世の中に広く伝えたいと思うようになったバックグラウンドをお聞きしてもよいでしょうか。また、窪さんは自身の人生で世間の価値観を押し付けられたり、「これは違うでしょ」と感じたりした経験はありますか。
私の両親は、離婚して12歳のときに母親が出ていってしまって。その年齢で今の自分の状況を周りに説明するのが難しかったという経験があります。だからかもしれませんが、片親だから何だ、のような反骨精神が昔からありました。「世間の風潮や意見はこうだけど」と周りから言われても、当事者が感じていることがすべてだと気づいてからはスルーできるようになりました。子どものころからスルースキルを身に付けた感じです。
結婚して出産したあと、私は離婚を経験し、シングルマザーになりました。息子が中三くらいから書く仕事を始めたのですが、仕事が忙しいときも、朝早くから起きて、朦朧とした頭で息子のためにトンカツを揚げて。思わず指まで揚げそうになりました。毎日のお弁当に加えて、部活後にお腹が減るのでおにぎりを持たせるんですが、10kgのお米があっという間になくなって、それも大変でしたね。
いくらスルースキルを身に付けたと言っても、息子を片親にしてしまったことの責任は感じてはいます。でも、息子の学費も払ったし、卒業できたし、とりあえずは大丈夫だったと思っています。
また、子育て中の記憶では、街の八百屋のおじちゃんとかが息子に「おう、歩けるようになったか坊主!」なんて声をかけてくれることがよくあって。それはうれしかったですね。血縁は関係なく「街に家族がいるような感覚」で育てていけたのも良かったと思います。
今私は一人暮らしですが、とても楽しく過ごしています。でも周りから「一人で大丈夫?」「寂しくないの?」などの世間の多数派の見方で心配されることには違和感があります。今回の小説の登場人物たちもそうですが、人それぞれ見方は違うし、感じることも違います。どんな人生を生きても、当事者である自分の気持ちを大切にするべきだと思います。
(写真撮影/片山貴博)
――息子さんを育て上げた窪さんですが、息子さんの妊娠中などに「子どもをもつことに不安を感じる」ことはなかったのでしょうか。
実は私、最初の子を産んで18日で亡くしているんですね。今いる息子は二人目なんです。一度、子どもの死を経験してしまったので、子どもが大きくなるまではとても怖かったです。実際に何かあったらどうしよう、病気になったらどうしよう、など不安がつきまといましたね。
最初の子は今生きていたら28歳なんですけど、仕事で出会う若い編集者さんを見ると「あ、うちの息子は今生きていたらこのくらいなんだ」と思ってビックリすることがあります。
第4話「ほおずきを鳴らす」のなかで、子どもを亡くした男性の主人公が出てくるのですが、今回の作品のなかで一番実体験の心情を投影したストーリーだったかもしれませんね。
家は、その人の暮らしぶりのベース、気持ちも変えるツール――第1話「1DKとメロンパン」というタイトルや、エピソードの中に必ず家の特徴や間取り、街の描写があるなど、窪さん自身も家がお好きなのでしょうか。
そうですね。家を見るのは結構好きです。家の間取りもよく見たりしますね。ちなみに私はつい2カ月前に引越したばかりなんです。場所は直前に住んでいた家から20m先の隣のマンション。それまでは8階建ての3階だったんですけど、そばに建物が建ってしまって。日当たりが悪くなって穴蔵みたいになってしまったので、仕事するには落ち着くのですが、やっぱり普段は日当たりがある部屋がいいですよね。今は13階建ての10階です。日当たりはいいし、眺めもいいんですけど、眺めはしばらくすると飽きますね(笑)。
――家の特徴や間取りを描写されることには、どのような意図がありますか?
私は登場人物のバックボーンをしっかり考える作家でありたいと思っているのですが、今回の登場人物を考えるときに、「その人たちがどんな家に住んでいるのかを書こう」という裏テーマがありました。このぐらいの年収だったらこのくらいの部屋かなとか、この人たちだったらこういう間取りの家だろうな、などを考えてストーリーに入れていきました。細かな部屋の間取りが分からないと主人公たちの行動をなかなか追えないんですよね。家がその人の暮らしのベースになるわけですから。
「無花果のレジデンス」の参考にした稲城市(画像/PIXTA)
――各ストーリー内の舞台として想定している地域はありましたか。
そうですね、きっちり決まってはいないんですけど、「無花果のレジデンス」のお話ではファミリータイプのマンションが並ぶ地域であり、自分が生まれ育った稲城市を参考にしました。あのあたりはどのマンションも子ども二人くらい生まれるとちょうどよい3LDKの間取りなので、「育児を想定して買った場合、子どもがいなかったらツライかもなあ」とは思いましたね。
あとはメロンパンを売るパン屋さんのある街は、何となく東京の東側のイメージがあります。自分の知っている街を思い浮かべることが多いのでどうしても東京のイメージになって書くことが多いですね。
これからの未来を見据えて、自分の希望とする「家族の形」を模索している人はたくさんいると思います。ただ、今回の窪さんのインタビューを通して感じたことは「幸せって未来にくるものではなく、すでにこの場にあるもの」ということでした。今、そばにいてくれるパートナーや親兄弟、友人、自分を丸ごと受け入れてくれる人たち。その人たちが、今の自分のほっこりとした丸い幸せをつくってくれているということ。未来は「子どもをもつ、もたない」の選択肢があるかもしれないけれど、それはタイミングやパートナーの意見、いろんな条件が合わさって決まるということ。そして、どんな未来を選んだとしても、それは「今の幸せの延長」なのだということ。
「子ども」というパーツがあってもなくても、今の幸せは欠けることなく続いていくのでしょう。どんな未来があってもいい。いろんな家族があっていい。そう、窪さんに教えていただいたような気がしました。
●プロフィールじめじめした梅雨が続いた6月。さてSUUMOジャーナルで6月に公開した記事では、「防災対策」や「男性料理家が選ぶ調理器具」など、日々の暮らしに役立つ記事が人気でした。TOP10の記事を詳しくご紹介します。
6月の人気記事ランキングTOP10はこちら!
第1位:登山家・野口健さんが指南する、生き抜くための本当の防災対策
第2位:大の家好き作家・高殿円の新刊エッセイ『35歳、働き女子よ城を持て!』インタビュー
第3位:中古マンションを買うときには修繕積立金にもご注目
第4位:「東京防災」に関わった電通プロデューサーが語る、“防災意識の低い人のための防災”
第5位:50代の9割近くが金銭面に不安!マイホームを持って老後2000万円を用意するには?
第6位:料理家のキッチンと朝ごはん[4]後編 男性料理家が選ぶ! 男前で機能性も高い調理器具ベスト5
第7位:築30年の住まい リフォームのベストタイミングとは?
第8位:「つながりシェア保育園・よよぎうえはら」とは? 地域やシェアハウス住人と一緒に行う新しい子育ての形
第9位:次世代住宅ポイント制度の発行申請がスタート!ところで、どんなポイントだっけ?
第10位:伝説の家政婦「志麻さん」に聞く “家事代行で作り置き“100%活用術
※対象記事:2019年6月1日~2019年6月30日までに公開された記事
※集計期間:2019年6月1日~2019年6月30日のPV数の多い順
第1位:登山家・野口健さんが指南する、生き抜くための本当の防災対策
(写真撮影/片山貴博)
地震や津波、豪雨などの災害時に助かるための対策について、登山家の野口さんに聞いてみました。ポイントは災害に動じない心を育てること。そのためにはアウトドア体験や、プチ・ピンチの経験が役立つそうです。防災グッズを準備しておくだけで満足せず普段から使いこなすことが大事、という言葉が胸に刺さります。
第2位:大の家好き作家・高殿円の新刊エッセイ『35歳、働き女子よ城を持て!』インタビュー
(写真撮影/片山貴博)
4回もの住宅購入経験があるという高殿さん。子どものころから不動産に興味があり、今でも間取図を見るのが好きという高殿さんに、家遍歴、家を選ぶ際のポイント、現在住んでいる注文住宅のこだわりなどを伺いました。働くシングル女子のみなさん、自分だけのくつろげる場所を手に入れて、癒やされ生活始めませんか?
第3位:中古マンションを買うときには修繕積立金にもご注目
(写真/PIXTA)
中古マンションを買うときには、間取りや立地などに目がいきがちになりますが、長く住むためには修繕積立金を確認することも大切です。修繕積立金とは?修繕積立金の適切な金額は?確認すべきことは?など、さまざまな疑問について、さくら事務所の長嶋さんに教えてもらいました。
第4位:「東京防災」に関わった電通プロデューサーが語る、“防災意識の低い人のための防災”
(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
『東京防災』という東京都で各戸に配布された防災ガイドブックをご存じでしょうか。この本は、防災意識が高くない人をターゲットとしてつくられました。防災準備はつい後回しにしてしまう、そんな人でも日常生活の延長であれば対策できるはず、ということで始まったこのプロジェクト。普段の暮らしのなかで無理なくできることを考えてみましょう。
第5位:50代の9割近くが金銭面に不安!マイホームを持って老後2000万円を用意するには?
(写真/PIXTA)
老後の生活には年金以外に2000万円必要ということが発表され話題になりましたが、その金額の大きさに衝撃を受ける前に、自分の年金がいつどれくらい支給されるかを正しく把握することが大切です。これを機に、自分の老後の暮らしを守れるよう、家庭のマネープランを見直してみてはいかがでしょうか。
地域や住人とつながるシェア保育園や家事代行の作り置き料理など、普段の暮らしに新しい変化を感じさせる記事がランクイン第6位:料理家のキッチンと朝ごはん[4]後編 男性料理家が選ぶ! 男前で機能性も高い調理器具ベスト5
(写真撮影/相馬ミナ)
料理のプロは、どんなキッチンで、どんな朝ごはんをつくって食べているのか、ご自宅のキッチン収納の秘密とともにご紹介する連載です。第4回は、アスリートでもある料理家、YOSHIROさん。見た目だけでなく機能性も抜群の調理器具ベスト5を教えてもらいました。番外編で、運動する人にうれしいプロテイン情報も!
第7位:築30年の住まい リフォームのベストタイミングとは?
(写真/PIXTA)
築30年のわが家。まだ大きな不具合がなかったとしても、床下や壁内、屋根裏など見えないところの劣化が進行していることがあります。そうならないために、プロがリフォームのベストタイミングを「お金」「健康」「安心」「利便性」の4つのキーワードで解説します。
第8位:「つながりシェア保育園・よよぎうえはら」とは? 地域やシェアハウス住人と一緒に行う新しい子育ての形
(写真提供/学校法人 正和学園)
渋谷区に、“シェア”がテーマとなっているユニークな保育園があります。大きな特徴は、“子育てを社会や地域とシェアする”ということ。この保育園の「子どもの未来について考えたい人たちをつなぐハブになりたい」というテーマが社会に浸透した先には、もっと子育てがしやすい未来が待っていることでしょう。
第9位:次世代住宅ポイント制度の発行申請がスタート!ところで、どんなポイントだっけ?
(画像/PIXTA)
2019年6月3日から「次世代住宅ポイント制度」のポイント発行申請の受付が開始されました。消費税増税に対する政府の優遇策であるこの制度は、一定の性能を満たす新築住宅やリフォームに対して、商品と交換できるポイントがもらえるというもの。対象住宅、ポイントで交換できる商品など、詳細は記事をご覧ください。
第10位:伝説の家政婦「志麻さん」に聞く “家事代行で作り置き“100%活用術
(写真撮影/富谷瑠美)
共働き家庭の増加に伴い、家事代行サービスで作り置き料理を依頼することも一般的になりました。そこで、「作り置きブーム」を巻き起こしたフリーランスのタサン志麻さんに、作り置き料理のオーダーのコツ、家政婦さんにお願いしていいボーダーライン、冷凍した料理をおいしく食べ切る方法などについて伺いました。
6月は、「防災対策について」「中古マンションを買うときに注目すべき点」など、知っているといざというときに役立つ記事がランクインしました。また「老後は2000万円が必要」「保育園」「作り置き料理」など、話題のキーワードが入っている記事もランクイン。どんな情報も知っていて損なことはありません。このランキング記事が、知らないジャンルを知るためのきっかけになると幸いです。
最近話題になっている「老後2000万円」問題。この報道後に、エアトリが調査したところ、7割以上が特に「何もしていない」ことが分かった。行動に移した人では、「節約」に向かった人が多いのだが、「老後の2000万円」に向けて、何を始めると良いのだろう。【今週の住活トピック】
「『老後の貯金』に関するアンケート調査」を公表/エアトリ「老後に2000万円の貯金」報道後、7割超が何もしていない
以前にもSUUMOジャーナルの記事でこの件を取り上げ、この報道に対して筆者は驚かなかったと書いた。老後を年金だけで暮らせるとは思っていないからだ。
エアトリが10代~70代の男女959名に調査したところ、過半数の56.2%が「老後に2000万円の貯金」報道について「以前からそうなると思っていた」と回答した。やはり、老後資金の蓄えが必要と予想していたことが分かる。一方で、「焦りを感じた」という回答も23.1%あった。
次に、この報道後に何かを始めたかどうか聞いたところ、74.2%が「何もしていない」と回答した。前項目で「焦りを感じた」と回答した人に絞っても、68.0%は「何もしていない」と回答している。逆に何かを始めた人では、「節約」という回答が最も多く、全体で14.2%、焦りを感じた人で19.4%だった。
報道を聞いて何かを始めましたか?【複数回答】(出典:エアトリ「『老後の貯金』に関するアンケート調査」)
報道後に何かした人の多くは「節約」、でも住居費は削れない?「節約」を始めた人の節約方法を聞くと、男女で違いが出る結果となった。男性では、「趣味に利用するお金の削減」64.6%、「日用品に掛かる費用の削減」59.5%、「旅行回数の削減」48.1%の順だったが、女性では、「食事に掛かる費用の削減」73.7%、「日用品に掛かる費用の削減」68.4%、「休暇中の外出を控える」54.4%の順となった。どうやら、女性は回数の多いものをこまめに節約し、男性はお金の掛かるものをドンと節約する傾向が見られるようだ。
どんな方法で節約していますか?【複数回答】(出典:エアトリ「『老後の貯金』に関するアンケート調査」)
では、節約できないものはあるだろうか?
節約を始めた人に、どうしても節約できないものを聞いたところ、男女ともに「住居」(男性:35.4%、女性:38.6%)を挙げた人が最多だった。一方で、それ以降は男女で違いが出て、節約意識については男女差があることが浮き彫りになった。
どうしてもこれは節約できないものがあれば教えてください。【複数回答】(出典:エアトリ「『老後の貯金』に関するアンケート調査」)
たしかに、持ち家であれ賃貸であれ、住居費用は必ずかかる。住居費用を抑えるということは、例えば家の広さが狭くなったり、通勤先から遠くなったりといった影響を受けるので、節約しづらいものになるのだろう。ただ、住宅ローンを払い続けている人で、借りたときより金利が低くなっている場合は、借り換えや繰り上げ返済をして金利を削減することはできる。住宅ローンの見直しは、常に頭に入れておいてほしい。
老後の貯蓄に向けて何を始めるべき?効果があるのは?さて、「報道後に何かを始めたか」の調査結果を見ると、何かを始めた人では「節約」→「経済やお金に関する勉強」→「投資(資金運用)」→「副業」の順に多かった。
公表された調査結果では回答者の年代が不明なので、年代別の傾向は分からないが、「節約」や「投資」で効果を出すには時間がかかる。若い世代であれば、少しずつでも時間をかけることで、まとまった金額を生み出すことができるだろう。一方、中高年で既にまとまった資金がある場合は、投資による効果が小さくても元金が大きければ増える金額も大きくなる。とはいえ、投資にはリスクが付き物。年代が高い人ほど安定運用の割合を増やす必要があるので、利回りの良いものにつぎ込むのはNGだ。
また、既に年金を受け取る年代になっていて、貯蓄が不足している場合は、節約や投資よりも働くことで「収入を得る」ことが貯蓄を増やす近道になる。また、若い世代でも、家計に貯蓄ができる余裕がないなら、副業などで「収入を得る」必要があるだろう。最近では、副業を認める企業も増え、仕事をシェアする仕組みなども整ってきた。何より、副業を通じて多様なスキルを身に着けることが、その後のキャリアアップにも影響するだろう。
年齢や現在の家計の状況、受け取れる年金(見込)額などによって、「老後の貯蓄」に向けて始める効果的な準備が変わってくるのだが、年金制度もたびたび変わるし、投資商品や労働環境も変わっていく。つまりは、いくつであっても「経済やお金に関する勉強」を始める必要があり、かつ、常にし続けることが前提となるだろう。
先日、学生時代の友達と、恒例の温泉旅行をしました。住んでいる所がばらばらなので、現地集合・現地解散です。
裏磐梯に到着早々、五色沼を散策しました。写真ではわからないけど、水が綺麗な色をしています。
曇り時々晴れ。爽やかな風が吹いて快適でした。何と言っても、空気が美味しい 東京に空気を持って帰りたい!
檜原湖の遊覧船にも乗りました。
ゆっくりと景色を堪能したかったのですが、4歳の息子がじっと座って景色を眺めるわけがなく…。
お父さんだけは、一人、外の甲板で景色を堪能していました。
ホテルに着くと、私は久々に再会した友達と互いの近況を報告し合っておしゃべり。お父さんと息子はウキウキ気分で温泉へ。
数家族が集まり、息子より一つ年上の子もいて、息子と仲良しになりました。二人とも2年前に一度会っているんだけど、それは覚えていないみたい。
息子は、私の友達にもいっぱい遊んでもらい、大はしゃぎ&大興奮で、夜は9時まで起きていました(いつもは8時就寝)。
翌朝はいつも通り6時半頃に起きて、お父さんと息子は再び温泉へ。ちなみに、お父さんは息子より早く寝て、たっぷりと睡眠をとりました。お父さんも旅行を満喫していたようで何よりです。
朝食後、チェックアウト間近まで皆と遊んで、「さようなら。またね。」とバイバイしてロビーに向かうと、息子は涙ぐみ、、、ついには号泣。
それくらい楽しかったのでしょう。私も、久しぶりに気の置けない仲間と大笑いして楽しい時間を過ごしました。
二日目も、五色沼を散策しました。
綺麗な水の色が撮れました。エメラルドグリーンですよ~。
その後、猪苗代へ移動して、アクアマリンいなわしろカワセミ水族館へ。
この水族館ではカワウソが人気者なので見に行ったら、巣箱の中で寝ていました。
( ↓ 爆睡するカワウソ )
淡水魚の展示が中心のこじんまりとした水族館でしたが、珍しいのは、子どもの遊び場がある事!
木製の手作り玩具がいっぱいありました。ほぼ貸し切り状態で遊べて、息子は大満足。個人的には、ここだけを目的に来てもいいと思うほどでした。
息子のお土産、水笛。(会津とは関係ありません…)
五色沼のお土産屋さんで購入しました。水を入れて吹くと、ピロピロ~と良い音が鳴ります。帰りの車中で息子がピーピー
と吹いて、眠気覚ましに役立ちました。
積水ハウス(株)、西日本鉄道(株)、西部瓦斯(株)、(株)西日本新聞社、福岡商事(株)の5社は、福岡市中央区で推進する「旧大名小学校跡地活用事業」において「大名プロジェクト特定目的会社」を設立し、7月8日、ホテル・オフィスを含む複合施設の工事に着手した。
旧大名小学校跡地は、様々な都市機能や交通拠点が集積する天神地区に隣接し、新たな空間と雇用を生み出す福岡市の取り組み「天神ビッグバン」の西のゲートとして重要な役割を担う場所。
同プロジェクトでは、地下1階・地上25階、延床面積約90,400m2、最高高さ約111mの複合施設(オフィス・ホテル棟、コミュニティ棟)を建設する。オフィス・ホテル棟の17~24Fには、九州初となるラグジュアリーホテル「ザ・リッツ・カールトン ホテル」を誘致。3・5・16Fには、高度なセキュリティ機能とBCP性能、耐震性を備えたハイグレードなオフィスを設置する。
コミュニティ棟においては、7~11Fに国際水準のレジデンス(賃貸)を整備。2・3階にコワーキングスペースやシェアオフィスを配置する。また、約3,000m2の広大な広場を設け、イベントホールとの一体的利用による憩い・賑わいの創出や、コワーキングスペースなどによる企業や人材の交流など、多様な交流拠点を目指す。
竣工は2022年12月を予定している。
ニュース情報元:積水ハウス(株)
(株)MayLightはこのたび、注文住宅の検討理由や、不安に感じている点についてアンケート調査を行った。アンケートは、20代から60代の男女300名を対象に2019年6月に実施したもの。それによると、注文住宅を検討している理由は何ですか?では、「自分の家が欲しい」が最も多く34.7%。次いで「こだわりの家に住みたい」26.6%、「毎月の家賃がもったいない」21.6%と続いた。経済的な観点からも注文住宅が注目されているようだ。
家づくりにあたって重視しているものは、もっとも多かった回答が「予算」で35.7%と、約3人に1人が最重視している。次いで、「広さ・間取り」(20.1%)、「立地」(18.6%)、「周辺環境」(13.1%)、「住宅設備」(12.1%)の順。全体的に分散した回答となり、家づくりに関して重視する点は人それぞれ違うようだ。
家づくりで不安なことについては、もっとも多かったのが「資金計画」で38.7%。「住宅ローン審査」も6.5%あり、45.2%の人が金銭面の不安を感じている。また、「ハウスメーカー選び」も29.6%で、約3人に1人がハウスメーカー選びに不安を感じている。
予算はどれくらいで検討していますか?では、「2,000~3,000万円未満」が最も多く38.7%。次いで、「1,000~2,000万円未満」25.6%、「3,000~4,000万円未満」20.1%、「4,000~5,000万円未満」8.0%が続く。全体の約3人に2人(64.3%)は3,000万円未満で検討しているようだ。
ニュース情報元:(株)MayLight
野村不動産(株)が事業協力者として参画する「垂水中央東地区第一種市街地再開発事業」が、7月4日、神戸市より都市計画決定の告示を受けた。同事業は、神戸市垂水区の中心であるJR・山陽電鉄「垂水」駅の北側で行われる再開発事業。地区内には狭小な敷地が多く、老朽化した木造建物が密集しているため、再開発の実現を目指してまちづくり活動が進められてきた。
同事業では、駅前の低利用地の高度利用と都市機能の更新を行い、商業施設の整備や居住機能の集積を図る。また、建物の耐火・耐震化により防災性を向上させ、歩道状空地の整備により歩行者空間を確保する。
施行区域は垂水区神田町3番(一部)5番6番7番の約0.7ha。2020年度に本組合設立認可、2021年度に権利変換計画認可、本体工事着工、2024年度に竣工の予定。
ニュース情報元:野村不動産(株)
東京・京橋で工事が進められてきた美術館とオフィスの複合ビル「ミュージアムタワー京橋」が、このたび竣工した。
同ビルは、1952年の竣工以来、美術館のあるビルとして親しまれてきた「ブリヂストンビル」の跡地に、(株)永坂産業が2016年6月から建設を進めてきたもの。低層部には2020年1月に開館予定の「アーティゾン美術館」(7月1日にブリヂストン美術館から館名を変更)および展示施設、上層部には延べ15,000m2(約4,600坪)のオフィスフロアがある。
防災・BCP機能も強化。免震構造を採用することで高い耐震性能を確保し、72時間以上の電力供給が可能な非常用発電設備や防災備蓄倉庫を備えている。
また、京橋1丁目東地区の都市計画を共同で推進している同社と戸田建設(株)は本年4月、「ミュージアムタワー京橋」と2024年に竣工予定の「(仮称)新TODAビル」を含むこの街区の低層部を「京橋彩区」と命名。その運営組織として「一般社団法人 京橋彩区エリアマネジメント」を設立した。
「ミュージアムタワー京橋」は低層部のアーティゾン美術館、「(仮称)新TODAビル」低層部の文化貢献施設などと連携し、「アートと文化が誰にも近い街」の実現に向けた魅力的な街区となる。
ニュース情報元:(株)永坂産業
(株)矢野経済研究所は7月8日、国内住宅リフォーム市場の調査結果を発表した。調査期間は2019年4月~6月。同調査における住宅リフォーム市場とは、「10m2超の増改築工事」「10m2以下の増改築工事」「設備修繕・維持関連」「家具・インテリア等」の4分野をさす。それによると、2018年の住宅リフォーム市場規模は、前年比0.9%減の6兆2,178億円と推計。分野別では、「増改築に関わる費用(10m2超+10m2以下)」は前年比4.1%減、「設備修繕・維持管理費」は同0.2%減、「家具・インテリア」は同2.5%減。
また、2019年の住宅リフォーム市場規模は、前年比4.8%増の6.5兆円と予測。2018年に西日本で多発した自然災害に伴う修繕工事の受注残や、消費税率引上げ後(2019年10月予定)の政府の反動減対策としての次世代住宅ポイント制度とも相俟って、底堅く推移するものと予測した。
2020年の市場規模においては6.4兆円(2018年比3.2%増)と予測。消費税率引上げ後の反動減は見込まれる一方、「設備修繕・維持関連」分野が住宅ストック数の増加に伴って拡大するなど、住宅リフォーム市場は今後も安定基調としている。
ニュース情報元:(株)矢野経済研究所
池袋駅まで30分以内で行ける駅の中古マンションの価格相場を調査し、前回はカップル向け物件が安い駅、前々回はシングル向け物件が安い駅を紹介してきた。池袋編ラストの今回は、専有面積70平米以上~100平米未満のファミリー向け中古マンションの価格相場が安い駅をランキング。東京を代表する繁華街・池袋までアクセスしやすいうえにリーズナブルに住める駅はこちら!●【ファミリー編】池袋駅まで30分以内の価格相場が安い駅TOP10
順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/池袋駅までの所要時間)
1位 みずほ台 1980万円(東武東上線/埼玉県富士見市/27分)
2位 柳瀬川 2430万円(東武東上線/埼玉県志木市/25分)
3位 新座 2470万円(JR武蔵野線/埼玉県新座市/27分)
4位 西浦和 2580万円(JR武蔵野線/埼玉県さいたま市/30分)
5位 南鳩ヶ谷 2830万円(埼玉高速鉄道/埼玉県川口市/30分)
6位 東久留米 3180万円(西武池袋線/東京都東久留米市/17分)
6位 清瀬 3180万円(西武池袋線/東京都清瀬市/20分)
6位 蕨 3180万円(JR京浜東北線/埼玉県蕨市/20分)
9位 中浦和 3230万円(JR埼京線/埼玉県さいたま市/24分)
10位 ふじみ野 3280万円(東武東上線/埼玉県富士見市/25分)
1位は東武東上線・みずほ台駅、2位はみずほ台駅から1駅の東武東上線・柳瀬川駅となり、隣り合う駅が1・2位にランクイン。専有面積40平米以上~70平米未満の物件を調査対象にした前回のカップル編では、この両駅共に価格相場が同額で2位だった。そして今回4位のJR武蔵野線・西浦和駅は、前回のカップル編では1位にランクインしていた。
カップル編と今回の結果を合わせて考えると40平米以上~100平米未満で池袋にアクセスしやすい中古マンションをお得に探すなら、1位・みずほ台駅、2位・柳瀬川駅、4位・西浦和駅は要チェックと言えそうだ。各駅の特徴については前回紹介しているので参照してほしい。
3位はJR武蔵野線・新座(にいざ)駅。かつてはブドウ畑に囲まれたのどかな環境だったが、2000年代に入ると南口側が開発されてマンションや商業施設が立ち並ぶように。現在は駅前にスーパーやドラッグストア、おもちゃ店「トイザらス」が営業する商業ビルがあるほか、ファミリーレストランや小児クリニックなど子どものいるファミリーにうれしい施設が並んでいる。
みずほ台駅周辺(写真/PIXTA)
隣り合う駅だからといって価格相場も近いとは限らない!?トップ10で池袋駅までの所要時間が最短だったのは6位・東久留米駅。西武池袋線で乗り換えせずに約17分で池袋駅にたどり着く。東久留米駅には、コンビニやスーパー、飲食店、保育所などがある商業施設「エミオ 東久留米」が直結している。駅周辺にはマンションが立ち並び、銀行やスーパーなど生活に便利な施設がそろっている。そして駅西口から市役所方面にまっすぐに伸びる道路の奥に、富士山の雄姿が眺められる点も特徴的。駅2階にある「富士見テラス」からの眺めは、「関東の富士見百景」に選ばれているほどの美景だ。
さてここで少々、価格相場に目を向けてみたい。3位・新座駅は2470万円で、4位・西浦和駅は2580万円。この2つの駅はJR武蔵野線で3位・新座駅~北朝霞駅~4位・西浦和駅という順に並んでおり、価格相場が大きく離れていないのも納得いく気がする。
ところが3位と4位にはさまれた北朝霞駅は今回トップ10圏外だった。そんな北朝霞駅の価格相場はというと、3480万円。お隣の新座駅と比べると、なんと1010万円も価格相場が高いのだ。確かに北朝霞駅は駅舎こそ違うがすぐ近くに東武東上線・朝霞台駅があるため近隣住民は2路線を使うことができ、駅周辺の商業施設も新座駅より充実している。価格の安さが魅力の新座駅と、生活に便利な北朝霞駅。1駅しか違わなくても駅の特徴はガラリと変わるという分かりやすい例と言えるだろう。
北朝霞駅 東口(朝霞台駅 北口駅前)の風景(写真/PIXTA)
都心部からの距離や、急行停車駅かなどのアクセスの利便性、周辺環境などが複雑に絡み合って、物件や土地の価格相場は決まってくる。自分で想像するのはなかなか難しいので、ぜひ本記事のようなランキング調査を物件選びの際は参考にしてほしい。よりよい住まい探しの助けになれたら幸いだ。
●調査概要
「かぶとむしがいるよ」 (by.息子)
今日、息子がカブトムシをもらいました。
それも、2匹(♂♀)も・・・。
私は全然欲しくなかったのだけど、息子の粘り勝ちです。
飼うと決まるとすぐに、ホームセンターに行って飼育用土と昆虫ゼリーを買いました。=3
次に、100円ショップに行って飼育ケースと霧吹きを買いました。=3
そうして飼育ケースをセットすると、息子は大喜びで、
「ぼくが、お世話するー!」
と、せっせと霧吹きシュッシュしていました。
これから息子には、お世話を頑張ってもらおうと思います。
実際は、私が色々しなきゃですけどね。
さて、うちには、金魚(イチゴちゃん)とザリガニ(ザリちゃん)がいます。
最近、ザリガニの足腰が弱って老衰っぽいです。飼育下での寿命は2~3年らしいので、そろそろお迎えが来るのかな…。
そんな中での、今回、カブトムシとの突然のご縁
には、何か意味があるのかも?
―――いや。無いな。
玄関のドアを開ければ目の前に三崎港――。「三崎の『ミ~』で!」という掛け声とともにポーズをとってくれた彼らは、この場所に建つ築80年の古民家で週末移住を楽しむ5組の人々だ。
職業もバラバラで知り合ってからの年月も浅い。しかし、旧知の仲のように息もぴったりだ。そんな彼らが営むデュアルライフと地域との交流の様子を覗いてみよう。連載【デュアルライフ(二拠点生活)レポート】
これまで、豪華な別荘が持てる富裕層や、時間に余裕があるリタイヤ組が楽しむものだというイメージがあったデュアルライフ(二拠点生活)。最近は、空き家やシェアハウスなどのサービスをうまく活用することで、若い世代もデュアルライフを楽しみ始めているようです。SUUMOでは二つ目の拠点で見つけた暮らしや、新しい価値観を楽しむ人たちを「デュアラー(二拠点居住者)」と名付け、その暮らしをシリーズで紹介していきます品川から京急本線で1時間ちょい、そこから路線バスで15分
三浦半島の南端に位置する三崎港(神奈川県三浦市)。全国有数のマグロ水揚げ港として知られ、年間15隻前後のマグロ漁船が入港する。
最寄駅の三崎口駅までは、品川駅から京急本線快特に乗って1時間ちょい。そこから路線バスに揺られること15分で三崎港に到着した。
2階の窓からの風景。晴れた日には左の方角に富士山も見える(撮影/相馬ミナ)
港内に係留された水中観光船の脇には、「うらり」の愛称で親しまれている「三崎フィッシャリーナ・ウォーフ」。2001 年に旧三崎魚市場の跡地の一部に建てられた施設で、新鮮な魚や野菜を販売している。年間の来館者数は130万人を超える。
「うらり」の2階デッキからは360°の眺望が楽しめる。料理教室やお笑いライブなども定期的に開催(撮影/相馬ミナ)
また、毎週日曜の目玉は早朝5時~朝9時に開催される「三崎朝市」。マグロを中心に、海の幸、山の幸を求める人々で大いににぎわう。
白首系の「三浦大根」は食感が柔らかいのに煮崩れしにくい。おでんなどの煮物に最適(写真提供/山本葵)
さらに、街を歩くと美味しそうな飲食店が続々と現れた。例えば、老舗の「まるいち魚店」では店頭で選んだ地魚を隣の食堂で食べられるというサービス付き(調理代は別)。
扱う魚のほとんどは三崎港で水揚げされたもの。すべて量り売りで販売してくれるのもうれしい(撮影/相馬ミナ)
平日は表参道のアパート、週末は三崎の古民家というデュアルライフ街の紹介はここまで。満を持してデュアラーたちにご登場いただこう。すべてのきっかけをつくったのは、コンサル業を営む杉本篤彦さん(29歳)。うらりにほど近い、三浦の看板ともいえるような通りにたたずむ古民家がデュアルライフの舞台だ。
杉本さんは言う。
「きっかけは、この物件を管理していた大家さんの姪っ子さんとの出会いから。4年前に三浦市が2週間のお試しで空き家に住める『三浦トライアルステイ』という企画を始めたんですが、私がそれに参加した際に住む家の相談をしました」
以前から、自分と波長が合う人が集まるスペースをつくりたいと思っていた杉本さん。この出会いをきっかけにデュアラーとしての第一歩を踏み出した(撮影/相馬ミナ)
とはいえ、二つ返事で物件を貸してくれたわけではない。
「三崎はマグロで儲けた人たちが多い街。収入のために空き家を売ったり貸したりするよりは、思い出が詰まった空き家のままにしておきたいと考える人が多いため、物件サイトに載っていない空き家もたくさんあります。仲良くなれば中を見せてくれて、『月いくらでいい』と言われるパターンも少なくないですね」
杉本さんも、そのパターン。姪っ子さんとかなり打ち解けた段階で、週末移住者のための共同スペースをつくるという「シェア別荘計画」を打ち明けた。「それなら、親戚の空き家でこんな物件があるよ」という流れで、この古民家を紹介してもらった。
撮影場所はメンバーお気に入りの喫茶店「トエム」。人気のクリームソーダは380円(写真提供/山本葵)
平日は表参道のアパート、週末は三崎の古民家というデュアルライフが始まったのは2年半前。家賃は5万円以内という“お友達価格”だ。しかし、11年間誰も住んでいない物件は予想以上に手強かった。
「まずは普通に住めるような家にしようと、一人で黙々と作業。掃除が本当に大変で、ぶっちゃけ、何度も心が折れそうになりました(笑)」
杉本さんがFacebookに載せていた夕日の写真が決め手そんな杉本さんの思いに賛同して合流したのが、自営業役員の山本陽平(33歳)さんとインテリア雑貨企画開発の葵(33歳)さん夫妻。
陽平さんはお祭り好きが高じて「オマツリジャパン」という全国のお祭り情報サイトを立ち上げた“お祭り男”だ。
取材前日も後ろの海南神社の八雲祭で御輿を担いだ陽平さんは「肩、バッキバキですよ」と笑う。葵さんはシェア別荘のオシャレ担当(撮影/相馬ミナ)
神輿は地元の青年会のメンバーらが担ぐ(写真提供/山本葵)
現在、山本さん夫妻は西新宿の賃貸マンションに住んでいるが、杉本さんからの誘いに軽い気持ちで乗ったという。
「費用の負担も少ないし、二人ともアウトドア好き。そして、何よりも杉本さんがFacebookに載せていた夕日の写真が決め手でした」(葵さん)
三崎のすぐ南にある城ヶ島から望む夕日と大島の影。夕日好きの葵さんにとっては堪らない1枚だった(写真提供/山本葵)
時代を感じさせる柱や掛け軸など、古民家の魅力は残したい古民家での週末移住に山本さん夫妻という戦力が加わった。杉本さんとしては家賃負担が半分になったこともうれしい。
「こないだ部屋の畳を剥がしたら昭和48年の新聞が敷かれていました。つまり46年間、そのままだったということ」(葵さん)
とはいえ、古民家の魅力は極力残したい。時代を感じさせる柱や掛け軸もそのひとつだ。長年にわたって誰も触れなかった調度品が家の歴史を物語る。
コンロや洗濯機を設置したことで、ようやく“普通に住める”レベルの家に(撮影/相馬ミナ)
みんなと場をつくる楽しさ、喜びも悲しみも共有できる仲間はどんどん増えていった。昨年11月に会社員の永田篤史さん(42歳)と1歳の息子を連れた栗山和基さん(36歳)、奈央美さん(34歳)夫妻が参戦。
Negiccoファン歴6年の永田さん。推しメンを聞くと「箱推し」、すなわちグループ全体を推すスタイルらしい(撮影/相馬ミナ)
「多拠点居住にはもともと興味があったんです。今は江戸川区に住んでいますが、将来的にはマレーシアと日本の両方に拠点を持ちたくて。さらに、エストニアの電子国民の資格も取りました」
「東京と比べて、ここは時間の流れもゆっくり。魚も美味しいし」と語る永田さん。シェア別荘が旅館に泊まるのと決定的に違うのは、「みんなと場をつくる楽しさ、喜びも悲しみも共有できる点」だという。
一方で、栗山家は西新宿でシェアハウスを運営。自身もそこで暮らしている。メインの住居も週末用の別荘もシェアしているのだ。
「今日は『ジモティー』経由で乾燥機をもらいました。子ども連れだと服が多くなるので、ここで乾かせるといいなと思って」(撮影/相馬ミナ)
三浦半島には大人も子どもも楽しめるスポットがたくさんある最後に仲間入りしたのは、中国人でエンジェル投資家のロウさん(39歳)家族。妻は42歳の会社員で、小学5年生の娘と小学2年生の息子がいる。
「住居は天王洲アイルにあるので、ここへのアクセスもいい。子どもが大きくなるにつれて、テーマパークとかよりは山や海で遊ばせたいと思うようになったんです」
この日も目の前の海で魚獲り(撮影/相馬ミナ)
見事、ハゼと沢ガニをゲット(撮影/相馬ミナ)
妻が言う。
「最近は小網代の森でホタルを観察したり、ソレイユの丘でバーベキューをしたり。三浦半島には大人も子どもも楽しめるスポットがたくさんあって気に入っています」
全国のデュアラー共通の悩みは「ゴミ出し」ここに来るのは月に1回から3回程度と、皆さん頻度こそ違う。しかし、じつに濃い顔ぶれでそれぞれ専門分野を持っている。サッカーチームならかなり強力なイレブンになりそうだ。
ポイントは、週末移住者を“募集”しているわけではないということ。
「すべて、メンバーからの紹介です。“シェア別荘”で一番の醍醐味(だいごみ)は人。どの物件をシェアするかより、誰とシェアするかが重要なんです」(杉本さん)
複数の家族が円滑に利用するためのチェックシート。三崎の先っちょにあるから「みさきっちょ」だという(撮影/相馬ミナ)
「あと、全国のデュアラー共通の悩みは『ゴミ出し』。平日はいないので、私たちも各自で持ち帰ったり、たまに地元の方にゴミ捨て代行してもらったりしています」(葵さん)
看板娘がいるような港町のバーもつくりたい取材後、杉本さんと山本夫妻の案内で再び近所を散策した。
どこか落ち着く懐かしい街並み(撮影/相馬ミナ)
「よく外に飲みに行くので、この辺の飲み屋の店主はみんな友達。看板娘がいるような港町のバーもつくりたいねと飲食店をやっている友達と相談しているところです。適任者がいたらやろうかなと」(杉本さん)
三崎港バスロータリー前の「山田酒店」では看板犬がお出迎えしてくれた。
購入したお酒を店内で飲めるうえに、2階は民泊として開放しているという。天国か(撮影/相馬ミナ)
毎年8月13日、14日の2日間は「みうら夜市」で盛り上がる(写真提供/山本葵)
この場所に5組全員がそろうのは2カ月に1回ぐらいちなみに、2週間に1回は都内で顔を合わせてミーティングを行う。来られない人はオンラインで参加する。この場所に5組全員がそろうのは2カ月に1回のペースだ。
「貴重な機会なので、今日はこれからみんなでバーベキューです」というので、「ぜひ、写真を送ってください」と頼んで三崎を後にした。
届いた写真がこちら。どう見ても美味しいに決まっているやつだった(写真提供/山本葵)
今回取材した人々は皆、社会の第一線で活躍する人々。しかし、そんな彼らでも東京での生活に疲弊することがある。月に数回、東京に背を向けて眺める美しい夕焼けは心の避難所なのかもしれない。
風光明媚(めいび)で食べ物も美味しい土地に建つ別荘を安く“シェア”するという発想。今後、こうした動きはますます増えていくだろう。
新鮮な魚、採れたての野菜、そして“シェア別荘”がある人生に乾杯!(写真提供/山本葵)
●取材協力地震に台風、集中豪雨、火山噴火、豪雪……。日本では毎年、各地で自然災害が多発しています。誰も無縁ではないのですが、防災の知識や避難時の行動を学ぶ機会は限られています。でも、最近では防災を遊びながら楽しく学べる「防災ゲーム」が増えているというではありませんか。専門家にオススメを聞くとともに、実際に子どもと一緒にチャレンジしてみました。
災害の教訓、防災の知見が「防災ゲーム」に反映されている
今回、防災ゲームについて教わったのは、災害支援・防災教育コーディネーター、社会福祉士である宮崎賢哉さん。一般社団法人防災教育普及協会で教育事業部長を務めるほか、東京都立六本木高校で「防災学」の講師をするなど、防災と教育に関するスペシャリストです。
防災ゲームについて分かりやすく教えてくれた宮崎さん。「防災ゲーム」の使い方、選び方についてもレクチャーしてくれました(写真撮影/片山貴博)
「僕が知る限りでも、日本には50種類以上の防災ゲームや教材があります。制作しているのは、国交省や気象庁などの官公庁、地方自治体、NPO法人、大学や研究機関、民間企業、学生団体などさまざま。販売されているものもあれば、ダウンロードして無償で利用できるものもありますが、それぞれの防災ゲームに制作者の防災に対する強い思いや願いが込められているのは、共通しています」と解説します。
宮崎さんによると、防災ゲームが広く知られるきっかけとなったのは、1995年の阪神・淡路大震災。被災した自治体の職員に対する調査をもとに、災害時に発生した状況判断を疑似体験できるゲームがつくられました。さらに東日本大震災以降、防災に関わる人が増えたことで、防災ゲームや教材の種類も増えていき、近年では風水害が多発していることを受け、水害や土砂災害について学べるゲームも増えているそう。
「今の大人世代は、防災教育といっても地震や火災を想定した避難訓練をする程度でした。ただ、大きな災害が発生するとその度に、さまざまな教訓、知見が積み重なっていき、今ではそれらの『命を守るための行動』や『平時の備えのポイント』が共有され、防災ゲームや教材で気軽に学べるようになっています」(宮崎さん)
日本は歴史的に繰り返し大きな災害に見舞われ、多くの人命が失われてきました。その教訓から学び、知見の結集を私たちにとって身近なものにしたのが「防災ゲーム」といえます。
防災カードゲーム「クロスロード」では、「わが家に3日間分の保存食と水の準備があります。しかし、避難所では多くの家族が保存食や水を持っていません。あなたはその保存食をみんなに分け与えますか?」といった設問が続き、答えに悩んでしまう(写真撮影/片山貴博)
幼児にも分かりやすい「ぼうさいダック」や「このつぎなにがおきるかな?」を体験今回は、映画『シン・ゴジラ』にもオペレーションルームとして登場した東京臨海広域防災公園の「そなエリア東京」を訪問。ここでは複数の防災ゲームが展示されているだけでなく、実際に体験もできます。
そなエリア東京の防災ゲームの体験コーナー。ぜひ時間に余裕をもって来て、ゲームも体験してほしいです(写真撮影/片山貴博)
あまたある防災ゲームのなかで、まず宮崎さんがオススメしてくれたのが「ぼうさいダック」。“災害が起きたとき”と”命を守るためにとるべき行動”がワンセットでカードの表裏にイラストで描かれています。
例えば、「地震が起きたときはどうする?」と聞かれたら、プレーヤーはしゃがんで、頭を守る動作をします。その後はかわいいアヒルのイラストを見ながら、「そうだね、まずは頭を守ろう」と答え合わせをしていきます。幼い子どもでも理解できる内容なので、導入の「防災ゲーム」としてとりかかりやすいのが魅力です。ちなみに、わが家の小学1年生と1歳の子どもにもこの「ぼうさいダック」は好評でした。「災害が起きたシーン」と「命を守る動作」がワンセットでシンプルなので、分かりやすいのがよいのでしょう。
大きなカードとトランプ大の2種類あり、イベントの人数や目的に応じて使い分けられるようになっています(写真撮影/片山貴博)
これは地震が起きたときに頭を守る、という行動の例です。カードは自然災害だけでなく盗難時、不審者に声をかけられたときなどの対応もあり、日常の危険からも身を守る方法を学べます(写真撮影/片山貴博)
次にオススメしていただいたのが、国土交通省が公開している防災教育教材「このつぎなにがおきるかな?」です。対象年齢は小学校からで「すいがい編(29枚)」と「つなみ編(29枚)」がありましたが、今年から「どしゃさいがい編(29枚)」が加わりました。
このゲームは、例えばすいがい編では「大雨がふると」「自分の家が洪水に」「巻き込まれてしまうよ」「そうならないために、調べておこう」という流れが1セットになって、描かれています。これを時系列として正しく並べ替える、かるたのように札をとるなど、遊び方をアレンジして、繰り返し遊べます。
「津波や水害、土砂災害といった災害は、大雨が降る~小石が落ちて来る~がけ崩れといった、おおよその”順番”があり、時系列で被害が発生します。このゲームで教材の名前どおり”このつぎなにがおきるかな”を学ぶことで、被害を予想し、適切な安全行動がとれるようになります」(宮崎さん)
取材当日はバラバラにしたカードを災害の前触れの順番に並べかえて遊んだが、かるたのように札を取る遊びや、ババ抜きのような遊び方もできる(写真撮影/片山貴博)
「このつぎなにがおきるかな?」は名刺サイズ、はがきサイズなどでダウンロード可能。家庭や学校でも利用しやすい(写真撮影/片山貴博)
土砂災害前に小石が落ちてくることや、避難先も水につかって食料が尽きてしまうことがあるなど、大人でも知らないことがたくさんあり、「えっ、そうなの? どうしよう……」の連続でした。大人はゲームとして楽しんだあと、「対策を考えなきゃ」と真剣になって考えこんでしまいます。ただ、わが家の小学1年生には、言葉や時系列の理解が難しいようでした。小学校低学年くらいの子どもには、大人も一緒に学びながらフォローすることが必要かなと感じました。
子どもから「買って!」と言われるほど好評な「なまずの学校」最後にオススメいただいたのが、「なまずの学校」というカードゲームです。紙芝居形式でお題が出されるので、手持ちのカードで対策を考え、答えが当たったら報酬として通貨の「ナマーズ」がもらえるというもの。
例えば「血を出している人がいます。傷口を押さえるのに使えそうなものを出してください」といったお題では、筆者は身近にある「ネクタイ」で止血ができると思い、カードを出しました。身近に手に入りやすいという点で正解ではありましたが、衛生面で気をつけなければいけないということで、60ナマーズでした。ガーゼやほうたい、三角巾のカードを出しても正解ですが、災害時には不足すると考えられるため、それぞれ70ナマーズ。最も高得点なのは携帯しやすく使い勝手のよい大判のハンカチで90ナマーズ、となっています。答えはひとつだけでなく、より汎用性があるもの、身近に活用できるものが高得点になります。
お題に対して、配られたカードで対応策を考え、当てるという「なまずの学校」(写真撮影/片山貴博)
答えはひとつだけでなく、複数あり、「こんなものが活用できるんだ!」という驚きと発見があります(写真撮影/片山貴博)
大人でも自分の推理が当たって正解し、報酬の通貨がもらえるとうれしいもの。お題の全18問のなかには、他の人の持つカードを活用して困難に立ち向かう「協力問題」があり、人と力を合わせて災害を生き延びる方法を考えられます。
また、大人でも子どもでも、また個人でもグループでも遊べるので、学校だけでなく、町内会・マンション管理組合などでも活用できると思いました。シンプルに、ゲームとして楽しいだけでなく、対応策に使うアイテムについて、カードには「災害救助セットに入っているよ」「コンビニにあるよ」「ホームセンターにあるよ」といった、日常生活でも役立つ情報が書かれているので、自然と知識が深まります。
なまずの学校を楽しんだあとに、備蓄していた乾パンとパンを試食。「震災が起きたら3日間、乾パンで過ごすの? 無理ー!」と驚いていました(写真撮影/嘉屋恭子)
こちらもわが家で子どもと「なまずの学校」にチャレンジしたところ大好評で、「これ、買ってほしい」とねだられるほどでした。また、偶然にも新潟~山形で地震が発生したこともあり、ニュースと関連づけて体験できたため、「大判ハンカチ・ガムテープが役立つな」などと実感していたよう。あわせて、備蓄していた缶詰めの「乾パン」「パンの缶詰」も試食。ゲームをきっかけに親子での会話が盛り上がりました。
防災の知識は単に覚えるもの、知るだけものではなく、自分で考える、体を動かすなどのアクションがあると、より深く記憶されるように思います。また、頭を隠すにしても「どうして」などの理由が分かると、忘れにくくなります。今回の防災ゲームはいずれも知識と行動がともなっていて、記憶に残りやすく感じました。防災というとどうしても、きちんと備えなければという義務感から身構えてしまいますが、「まずは楽しんでみよう」という気軽さで親子や友人とぜひ一度、チャレンジしてほしいなと思います。
●取材協力今年は梅雨らしい梅雨ですよね。梅雨入りしてからずっと雨続きで肌寒いです。
周囲では風邪が流行っているし、、、幼稚園が夏休みに入るまでは風邪をひきませんように。
先日、息子がアサガオの花を欲しがるのであげたら、花をつぶして色水を作って、お絵かきをしました。
「本で見てやってみたいなぁ、と思った。」と息子。ご満足いただけたかな?
お母さんの顔だそうです。お上手~
幼稚園で保育参観があり、息子がしっかりと勉強している様子を見てきました
息子は、文字の書き取り(平仮名)はそこそこ出来ます。
驚いたのは、足し算を解くのが一番早いこと!指を使っての数え足しですけどねー💦でも、すごいなぁ、と思いました。
こうなると親の欲が出て、(もっと具体物を使って教えよう!どんな教材を作ったらいいかな…)などと考えてしまいます。
だけど、やり過ぎは禁物ですから~。自粛&自制。
NTT都市開発(株)と大成建設(株)は、「(仮称)博多駅東1丁目開発計画」(福岡県福岡市)を共同で実施すると発表した。
同計画は、博多駅より徒歩4分、旧博多スターレーン(ボウリング場)跡地において行われる。詳細については協議・検討中だが、2022年の竣工を目指し、オフィスと低層部を賑わいの空間とした複合施設を計画している。
福岡市では、博多駅周辺の活力と賑わいを周辺につなげていくプロジェクト「博多コネクティッド」を推進。2社は同計画を通じて、周辺地域と連携した街づくりを行っていく。
ニュース情報元:NTT都市開発(株)
テックマークジャパン(株)(東京都墨田区)はこのたび、同居パートナーとの家事や家電に関する調査を行った。調査は2019年4月18日~4月22日、インターネットで実施。20~59歳の同居経験者400名より回答を得た。それによると、パートナーとシェアしたい家事は何ですか?では、1位は「部屋の掃除・片付け」で66.5%。2位は「お風呂掃除」で56.5%、3位「ゴミ捨て」53.0%と続いた。男女別で見ると、男性の1位は「部屋の掃除・片付け」で70.5%、2位「食器洗い」(53.0%)、3位「お風呂掃除」(49.5%)に対し、女性の1位は「お風呂掃除」で63.5%、2位は同率で「部屋の掃除・片付け」「ゴミ捨て」(62.5%)となり、男女の違いが明らかになった。
家電に関することでパートナーに不満を持った経験がありますか?では、約半数の47.3%が「経験がある」と回答。具体的な内容は、「お手入れ・掃除をしない」がトップで37.0%、「正しい使い方をしない」(35.4%)、「使い方が乱暴・雑すぎる」(32.3%)が続いた。不満を持たれないためには、日々の掃除を忘れない・丁寧に使う・説明書通りに使用することが大事なようだ。
また、家電の使い方や掃除方法がきっかけで、23.8%が「別れたい」と考えた経験があると回答。中でも20代男性は34.6%と高く、些細なことが積み重なると、家電の使い方一つでも別れ話になってしまう可能性があるようだ。
ニュース情報元:テックマークジャパン(株)
野村不動産アーバンネット(株)は7月4日、2019年7月1日時点の「住宅地価格動向」を発表した。調査地点数は168。それによると、2019年4-6月期の「住宅地価格」は、首都圏エリア平均では+0.1%(前回-0.04%)の変動率で、3四半期ぶりにプラスとなった。「値上がり」を示した地点は7.1%(同2.4%)、「横ばい」を示した地点は91.1%(同92.3%)、「値下がり」を示した地点は1.8%(同5.4%)で、値上がり地点が増加、横ばい地点と値下がり地点が減少した。
また、年間ベースの「住宅地価格」は、首都圏エリア平均では+0.2%(前回+0.3%)の変動率で、プラスを維持。「値上がり」を示した地点は18.5%(同19.0%)、「横ばい」を示した地点は73.2%(同71.4%)、「値下がり」を示した地点は8.3%(同9.5%)となり、横ばい地点が増加、値上がり地点と値下がり地点が減少した。
ニュース情報元:野村不動産アーバンネット(株)
東京都は7月4日、「令和元年5月の新設住宅着工」を発表した。それによると、都内における5月の新設住宅着工戸数は10,340戸。前年同月比では、分譲、持家、貸家ともに減少し、全体で21.5%減と2カ月連続の減少となった。
利用関係別でみると、持家は前年同月比3.8%減の1,304戸で2カ月連続減少。貸家は同30.2%減の4,446戸、2カ月連続の減少。分譲住宅は同8.2%減の4,535戸で2カ月連続減少。マンションは同10.4%減の2,800戸、2カ月連続減少。一戸建ては同4.7%減の1,677戸で3カ月連続減少した。
地域別では、都心3区は301戸(前年同月比70.2%減、3カ月ぶりの減少)、都心10区は2,324戸(同37.7%減、4カ月ぶりの減少)、区部全体では7,552戸(同29.3%減、4カ月ぶりの減少)、市部は2,748戸(同12.1%増、2カ月ぶりの増加)となった。
※都心3区:千代田区、中央区、港区
※都心10区:千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、渋谷区、豊島区
ニュース情報元:東京都
東京都は7月4日、都市再開発法第11条第1項の規定に基づき、西新宿五丁目中央南地区市街地再開発組合の設立を認可した。これにより、同組合は法人格を得て再開発事業の施行者となり、事業に着手する。計画地は、新宿区西新宿五丁目及び六丁目各地内の約0.8ヘクタール。建物の不燃化・耐震化により、災害に強い市街地を形成し、防災倉庫等を整備することで地域の防災性向上を図る。
建物は地上43階・地下1階・高さ約160mの複合施設。良質な住宅の整備と併せて、店舗・保育所等を配置。広場や歩道状空地も整備し、にぎわい・憩いの場、緑と歩行者のネットワーク充実を図る。
総事業費は約273億円。権利変換計画認可と工事着手は2020年度、建物竣工は2023年度の予定。
ニュース情報元:東京都
渋谷駅直結・地上47階建ての新ランドマーク「渋谷スクランブルスクエア第I期(東棟)」の開業日が、2019年11月1日(金)に決定した。
同施設は、渋谷スクランブルスクエア(株)、東京急行電鉄(株)、東日本旅客鉄道(株)、東京地下鉄(株)が開発を推進。渋谷エリアで最も高い約230mを誇る大規模複合施設で、14階・45階~屋上の展望施設「SHIBUYA SKY」、17階~45階のオフィス、15階の産業交流施設「SHIBUYA QWS」、地下2階~14階の商業施設で構成される。「世界最旬宣言」をビジョンに掲げ、日本初上陸7店、渋谷エリア初出店45店、新業態37店を含む全212店のショップ&レストランの出店も決定した。
地下2階~1階は食物販を中心に、日本初上陸となるフランス発の人気パティスリー「NORI YOSHIDA(モリ ヨシダ)」や、ミシュランで5度星を獲得したシェフによるベーカリー「ティエリー マルクス ラ ブーランジェリー」など、スイーツや惣菜が集結。
3階には、「BALENCIAGA(バレンシアガ)」、「ジバンシィ」など、インターナショナルラグジュアリーブランドや、日本発のコレクションブランド「sacai(サカイ)」が出店。2階・4階~9階には「ユナイテッドアローズ」、「トゥモローランド」、「ジャーナルスタンダード」をはじめとする人気のセレクトショップやファッション雑貨など、ライフスタイルを彩る店舗が並ぶ。
12階~13階の全17店が並ぶレストランフロアの名称は、「FOODIES SCRAMBLE(フーディーズ スクランブル)」に決定。日本初上陸となるマドリードで人気のスペイン料理「ホセ・ルイス」をはじめ、自社醸造のクラフトビールを提供する飯能(埼玉県)発都内初出店のアラビア・地中海料理「カールヴァーン・トウキョウ」など、新たな食のスタイルを発信していく。
なお、日本最大級の屋上展望空間(約2,500平米)を有する展望施設「SHIBUYASKY」は、9月1日(日)よりオフィシャルWEBサイトにて入場チケットの予約受付を開始する。渋谷上空ならではの非日常的な空間演出と解放感あふれる展望施設で、46階からの景色を一望できるカフェ&バーや、スーベニアショップもある。
ニュース情報元:渋谷スクランブルスクエア(株)
親から相続した家を空き家にしたくない、ましてや朽ちさせたくない。そう思いつつも、予防策や解決策を知る人はそう多くないのでは? そこで東京都はこの春、基礎知識や解決事例を分かりやすくまとめたガイドブックの無償提供を開始した。東京都の空き家事情や、提供の背景とは?
誰にでも分かりやすい、空き家のガイドブックを追求
2019年3月、東京都は、「東京空き家ガイドブック」を公開した。冊子を5000部用意するとともに、ホームページからダウンロードもできるようにした。いずれも無料だ。内容は、2016年12月から2018年3月まで実施した「東京都相続空家等の利活用円滑化モデル事業」で収集した空き家の事例と、空き家の解決の手がかりとなる基礎的な知識をまとめた「空き家のギモン」から構成されている。東京都職員が主導し編集したという。公開の理由を、住宅政策本部住宅企画部・空き家施策推進担当課長の磯山稔氏はこう話す。
「空き家が社会的な問題となって久しいのに、空き家を抱えている個人に向けた、具体的な解決策を紹介するガイドブックがありませんでした。そこで、実際の相談事例を交えた、分かりやすいガイドブックの制作に踏み切りました」
住宅政策本部住宅企画部・空き家施策推進担当課長の磯山稔氏(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
モデル事業が扱った63件の解決事例から15件を紹介取り上げた15の事例は、モデル事業に選定されたNPO法人空家・空地管理センターと東京急行電鉄、ミサワホームが対応したもの。期間内に3事業者が対応した63件の解決事例の中から選定された。相談事例の内容を見ていくと、おおよそ下記のようにグルーピングできる。
まずは、「なかなか売れない古い家。費用がかからず早期解決する売却方法は?」「借地権付きの空き家が売れない時は?」など、固有の条件を持つ空き家を売却する方法を探るもの。
もうひとつは「敷地が狭く、活用が難しい家。何か良い活用方法はない?」「自分に一番適した利活用の方法は何でしょう?」など、空き家を所有し賃貸住宅などの利活用の方法を聞くものだ。
そのほか、「親族間で共有名義の建物の活用について、意見が合いません……」といった、親族間の問題を含んだものがみられるのも特徴だろう。
売却に関する悩み、利活用に関する悩み、どちらも適切な専門家への相談が大切(「東京空き家ガイドブック」より抜粋。資料提供/東京都)
15事例それぞれにある「お悩み解決プロセス」が参考にこうした空き家にはどのような問題であっても、解決に向けては、建築的なこと、売買に関すること、相続など法的なことなどさまざまな要素がからみ、一体何から着手していいか悩みがちだ。これは、個々人の空き家解決が長引く一因でもあるだろう。
当ガイドブックでは、それぞれの事例について、「相談内容」「お悩み発生プロセス」「状況課題」「(事業者からの)提案」「解決」「お悩み解決プロセス」に分けてそれぞれ端的にまとめられており、読者はどのような流れで、誰に相談し、どのような手続きを踏んで解決したらいいかがつかめる。また、「お悩み発生プロセス」のフロー図を見ると、読者が現在抱えているであろう悩みとの類似点を把握しやすい。
事例ごとに「お悩み発生プロセス」から「お悩み解決プロセス」まで、解決までの過程が時系列で把握できる(資料提供/東京都)
「空き家のギモン」には、空き家の問題点、相談窓口情報もガイドブック後半の「空き家のギモン」は、Q&Aの問答を基本にして、空き家についての基礎的な知識がまとめられている。その内容は、空き家を生じさせないために、また、空き家の状態が長期化しないために知っておくべき情報も多い。
例えば、下記のような内容だ。
Q.どんなときに空き家になるのですか?
A. 日本全国で見た場合、相続や転居、高齢者施設などに入居したときに空き家になるようです。モデル事業の相談事例では、相続時と高齢者施設への入居時などに空き家になる傾向が強いです。
そのほか、「Q.空き家を相続したら、まず何を確認すればいいのですか?」「Q。相続に関する手続きなどについて気を付けることはありますか?」「Q.空き家でも税金がかかるのですか?」などの問答からは、親など家の所有者と生前のうちから相続について話し合い、できれば必要な手続きを済ませておくことが重要だと分かる。
また、ガイドブックの前半に取り上げられた事例の解決策の「除却」「利活用」「管理」などについて、より踏み込んだ情報が盛り込まれている。終盤のページには空き家の利活用や相続について相談できる専門家による相談窓口、ワンストップ相談窓口などの情報がまとめられている。さらに、空き家に対する補助金などの支援制度や空き家・空き地バンクといった関連情報も付加されている。東京都内の空き家の現状から、空き家の成り立ち、解決策、相談窓口まで一気通貫して把握できる、空き家について初めて学ぶ人に必携の一冊といえるだろう。
上/後半冒頭のチェックリストで自分の空き家の問題を再確認できる。下/それぞれの空き家の課題に対して一般的な解決の流れや使える制度などが紹介されている(資料提供/東京都)
区部、市部とも「ひどいボロ家」に関する苦情が問題にさて、ところで、東京都内の空き家の現状やその特徴はどうだろうか? 2013(平成25)年の「住宅・土地統計調査」では東京の空き家率は11.1%だったが、2018(平成30)年の同調査では10.6%とわずかだが減少した。とはいえ実数は約81万戸に上り、47都道府県の中で最も多い。ちなみに、同調査で2018年時点の全国の空き家数は846万戸、空き家率は13.6%。過去最高の数字だ。
東京都23区内、特に交通至便な地域では空き家の問題はそれほど深刻ではないという。「いったん空き家になってもほどなく入居者が決まるなど、中古住宅が“循環”している様相です。平成28年に目黒区で調査したところ、約660棟あった戸建て空き家が、9カ月後には約30%埋まっていました」と磯山氏は話す。通常、空き家実態調査を行った後は空き家が課題となっている自治体では対策計画が立てられるが、23区のうち千代田区や中央区、港区では行われていない。「喫緊の課題とされていないからではないか」と磯山氏はみる。
東京都内で区部、市部ともに周辺住民から苦情が多いのは、「ひどいボロ家」、いわゆる特定空家にまつわるものであることが特徴的だという。長期間放置された空き家が朽ち、防災面、衛生面で支障をきたす。2018年の「住宅・土地統計調査」によれば、東京都の空き家約81万戸のうち、腐朽・破損のあるものは11万8900戸を占める。「東京都の場合、家が隣接する住宅地が多いだけに、特定空家があると苦情になりやすい」(磯山氏)
今回話を伺った磯山氏自身も、相続した家に買い手がつかず、図らずも空き家を抱えた経験があるという。現在の居住地と離れていたりすると、手続きなどがままならず思いのほか解決に時間を要することもある。家を相続する可能性のある人は、なるべく早く自分の事としてとらえ、対処法を探っておくべきだろう。当ガイドブックはすでに品薄だが、間もなく増刷予定だ。
●取材協力愛知県名古屋市に隣接する春日井市の丘陵地に広がる、UR都市機構が開発した高蔵寺ニュータウン。東京の多摩、大阪の千里と並ぶ日本三大ニュータウンの一つと言われ、当初は約700haに8万人超が暮らす大規模な街づくりが行われた。最初に完成した藤山台団地が1968年に入居を開始してから、昨年で50年が経過。全国各地で課題となっている少子高齢化の波はここにも押し寄せているようにも見える。だがこの団地では、住人に新しい気持ちが芽生えるような取り組みが進んでいた。
通学時間を短縮して有意義に!
現在、高蔵寺ニュータウンの団地には、そこから3kmほど離れた場所にある中部大学の学生83名(2019年4月1日時点)が「地域連携住居」という取り組みを利用して暮らしている。団地内にはファミリー向けにつくられた間取りも多く、十分な広さがある。入居を希望する学生は、各地区の自治会加入・地域活性化に資する活動(以下、地域貢献活動)への継続参加が条件。地域貢献活動への参加によって与えられるポイントを学期(春・秋)内に一定数集めることが要件となっており、その特典として家賃が割引になる。これがUR都市機構・春日井市・中部大学の3者で取り組む「地域連携住居制度」の仕組みだ。スタートした初年度は21人の学生が入居、年々入居者は増え、現在のこの人数になっている。
高度経済成長とともに増加した高蔵寺ニュータウンの人口は、95年をピークに減少がはじまり、少子高齢化が進んでいる。そんな中「春日井市と、市内にある中部大学から、URにニュータウンへの学生の入居促進に対する協力の依頼があったのは2014年のことです。私たちとしても、年月が経った団地への魅力づけを、何かしなくてはと考えているところでした。学生さんたちへの生きた教育の場の提供にもなるのであればと考え、協力をさせていただくことにしました」と話すのは、UR都市機構中部支社で団地マネージャーを務める所義高さん。
高蔵寺ニュータウン内には遊具のある公園や広場が点在。保育園や幼稚園もあり、子ども達の元気な声が響く(写真撮影/倉畑桐子)
この取り組みのきっかけについて、依頼側である中部大学学生教育部学生支援課の殿垣博之さんはこう話す。
「本学は東海三県から通学する学生の割合が大きく、中には片道2時間以上をかけて通学する学生もいます。そこで大学としては、学生の通学時間を短縮し、その時間を学業やクラブ活動、インターンシップなどに役立ててほしいと考えました。ただ、経済的に厳しい状況の学生も多いので、可能な限り通学にかかる交通費に近い金額で下宿代がカバーできるような取り組みを模索し、この制度が提案されました」
地域連携住居制度を利用する入居者で組織される学生団体、中部大学KNT創生サポーターズ(以下、CU+)の今年度リーダーを務める、中部大学人文学部三年生の西井皓祐さんにお話を聞いた。
「地域連携住居制度については、大学の合格通知に同封されていたので、入学前から知っていました。実家は県外なので、当初からここに住もうと決めていました」
明るい日差しが差し込む西井さんの住まい。ゆとりある間取りを活用し、自炊や洗濯をして一人暮らしを満喫中だ(写真撮影/倉畑桐子)
それまでは、地域イベントへの参加経験がなかったという西井さん。「入学するまであまり興味がなかった」と正直だ。そんな西井さんの住まいにお邪魔してみた。ファミリーでも住むことができる2DKの間取りは「1人なら十分すぎる広さです」といい、住み心地には大満足。毎月の家賃も割安で、大学からも近いので、友達が遊びに来ることもある。
学生の住まいは、エレベーターのない指定された棟の空いている部屋から、好きな間取りを選べる。4~5階は高齢者や幼児がいる世帯にとっては不人気であるため、学生たちが住めば、UR都市機構側としてもメリットがある。西井さんも上の方の階に住んでいるが、若いだけあって「階段にはすぐ慣れました」と笑顔を見せた。
UR都市機構による賃貸物件なので、仲介手数料や礼金などが必要なく、退去時の精算も国土交通省のガイドラインに則って行われるので、初めて一人暮らしをする学生にも分かりやすい。
入居は空室があれば随時で、年度の途中から住むこともできる。入居可能な住居や家賃については、希望者がUR都市機構の窓口に問い合わせることになっている。なかには、部屋をシェアして住んでいる学生もいるそうだ。
参考書などが並び、いかにも学生らしい西井さんの居間兼寝室。大学へは車で10分ほどの距離なので、授業の合間にちょっと帰宅することもできる(写真提供/西井さん)
力仕事と爽やかな「おもてなし」で学生が本領発揮入居のための必須条件である地域貢献活動への参加は、大きく分けて2種類ある。
1)依頼を受けて自治会等主催の地域活動に参加すること。地域の運動会や餅つき大会、防災イベント、防犯パトロールなど
2)地域連携住居制度を利用する学生が地域住民に向けて、自主的に行事を企画し開催すること。コーヒーサロンの企画・実施、高蔵寺ニュータウン内の清掃活動、夜警など
「団地に住む学生は、毎月、月例会で地域貢献活動内容について話し合います。内容ごとにポイントが違い、どれに参加するかは自由です。ポイントは学期(春・秋)で最低5ポイントずつ、1年で10ポイント以上を取得するように決められています」と西井さん。
西井さんに、地域貢献活動への参加記録である「地域貢献活動カード」を見せてもらった。入学以来、定期的に地域の祭りや運動会の運営サポート、草刈りや団地内の夜警、自治会の防災倉庫の点検などの地域貢献活動に参加し、主催者側と大学の学生支援課がチェックした記録があった。
「自治会から頼まれるものの中には、イベント時のテントの設営と片付けなどの力仕事や、ウォーキング時のコース案内など、炎天下での活動もあります。学生の僕たちでも疲れるような作業があるので、無事に終了すると、地域の方から『とても助かったよ』と喜ばれます。地域のみなさんの役に立っているんだなと実感しています」と話す。
自治会主催のイベントへの参加は、自身が住む地域でどのような催しが行われているのかを知る機会になり、大人から子どもまで、多世代の地域住民と交流するきっかけにもなっているという。
一方、学生からの人気が高い地域貢献活動は「コーヒーサロン」の企画・実施だ。これは、団地の集会室で、学生が淹れたコーヒーを振る舞う無料のおしゃべりサロンのこと。「一人暮らしの地域の方から、『部屋を出て若い人と話すだけでもうれしい』と喜んでもらったり、『君は将来、何がやりたいの?』と進路を聞かれて身が引き締まるような思いをしたり。昔の春日井市の話を聞かせていただくこともあり、僕たちも楽しんでやらせてもらっています」。時には団地の住民から差し入れがあることも。開始以降好評で、毎年秋に開催される、住民の世代間交流の場になっている。
学生たちによる自主企画である、団地内の清掃活動の様子(写真提供/中部大学)
安心・安全な街づくりを呼び掛ける、地域の防犯パトロールに住民と共に参加(写真提供/中部大学)
視野が広がり気付いた、「地域貢献って楽しいもの」昨年秋からCU+のリーダーを務める西井さん。当初は地域貢献に興味がなかったが、年配者から力仕事に対して感謝されるだけでなく、「若い人と話して元気が出た」「孫と接しているみたい」と言われることで、「自分にできる範囲の、何気ないことでも喜んでもらえるんだ」と感じるようになった。次第に「地域貢献活動自体が自然なことで、楽しみの一つにもなりました」という。
ただ、80人以上の学生がいると、なかなか足並みがそろわない部分もある。「家賃を割り引きしてもらっている義務感で、仕方なく地域貢献活動に参加している人も見受けられました。でも、それってちょっと違うんじゃないかと。みんなが心から、楽しいな、やりたいなと思うような地域貢献活動にしようと思って」、昨年のリーダー交代のタイミングで立候補。自分自身が「みんなを鼓舞しよう」と思うほどに変化するとは、想像していなかったという。
リーダーの任期は1年間。西井さんが率先して、楽しみながら地域貢献活動に参加することで、月例会で活発に意見が交わされるようになるなど、「一人一人が考えながら、自主的に行動できるように変化してきた」と感じている。
現在は、団地内で一人暮らしをする年配の女性から、おかずを分けてもらうこともあるという西井さん。ナチュラルな形で、すっかり地域に溶け込んでいる。
大学側も取り組みの手応えを語る。「シニアの方からは、イベントなどに学生が参加することで『地域の活性化につながる』というありがたいお言葉もいただいています。学生たちは、人生の先輩であるシニアや親世代の方々と交流することで、さまざまな考え方に触れることができ、視野を広げるきっかけとなっています。地域連携住居制度によって、授業だけでは学ぶことのできない経験をすることができ、学生にとってのキャンパスが学外にも広がりつつあります。これを本学では第3の教育として推奨しています」(※第1:正課教育(授業)、第2:正課外教育(クラブ活動など)、第3:社会連携教育)(前出の中部大学学生教育部学生支援課 殿垣さん)
昨年、団地の敷地内に、廃校になった藤山台東小学校を利用した多世代交流拠点施設「グルッポふじとう」がオープン。カフェや図書館、児童館などが入り、地域の人々でにぎわう(写真撮影/倉畑桐子)
制度をきっかけに、自然とコミュニティが活性化前出のUR都市機構・所さんは、「コミュニティの活性化は、日本全国どこでも、住宅を管理する側の課題です。でもこれらは住民の方の気持ちがあってこそ成り立つので、本来、家主側がやろうと思ってできることではありません。一緒に住んでいただきながら、自然な形で多世代が交流するというのは、ミクストコミュニティの良い事例だと思っています」と話す。
地域連携住居制度については、現在まで、学生と元から住む住民との双方から好評の声を聞いているという。「学生さんの住まい方については、特に何もお願いをしていませんが、騒音などの不満も聞きません。多世代と共同住宅に住むということで、よりマナーをわきまえて生活しているのでは」(UR都市機構・所さん)
中部大学側からは、「学生が多く入居しているため、気が緩みがちになりますので、常に中部大学の学生として見られていることを意識して、日ごろの挨拶やゴミ出しなどのマナーの遵守を徹底するように伝えています」(殿垣さん)とのことだ。
双方が「今後も望ましい形を模索しながら、この取り組みを続けていきたい」と話す。毎年度末には、春日井市や自治会、UR都市機構の担当者を交え、地域連携住居制度の年間活動報告会を行っている。
「核家族が増えている中で、ご高齢の方と日常的に接する機会があり、自分が住む地域で地域貢献活動の経験ができるというのは、価値があることなのでは。学生さんたちが、今後も自主的に考えて行動するきっかけの一つになればうれしいですね」とUR都市機構・所さん。
中部大学は「取り組みが5年目を迎え、入居する学生の増加につれて、地域からの期待や要望も大きくなっていると感じます。今後は、これまでの経験や地域の皆さんからいただいたご意見を活かしつつ、持続的に地域と連携していくための制度や、地域貢献活動への参加方法などをさらに改善していきたいと思います」(殿垣さん)と展望を話す。
これからも地域に馴染みながら、より快適な制度へと姿を変えていくのだろう。
中部大学で行われた「防災企画」の講習会に、地域連携住居制度を利用するメンバーと地域住民が参加。共に災害に関する知識を身に付けた(写真提供/中部大学)
同世代ではない人たちへの理解、お年寄りへの細やかな気遣い、自分も地域の担い手であるという責任感。それらを身に付けることは、これから社会へ出ていく学生にとって、無駄なことが一つもない。
一方で、団地内に顔見知りが増えれば、独居のシニアの体調の変化などに学生が気づくこともあるかもしれない。どちらにもメリットが多い取り組みだと思う。
お邪魔した西井さんの部屋は、ザ・大学生の一人暮らし!という懐かしい雰囲気。そこから一歩外へ出ると、公園の遊具や時計台があり、子どもの声が響くのどかな環境というのもいい。人生のうちの数年間、団地で暮らしてみるという経験は、社会へ巣立つ前の彼らを温かく育むに違いない。
●取材協力宿泊客と地域の人々との交流を促すライフスタイルホテルが注目されています。前編「星野リゾート OMO5 東京大塚」に続き、後編では、館内のアメニティやレストランの食材、アート作品などを地元で製作、調達することで、地域の魅力を世界に伝える「ノーガホテル上野」に伺いました。
住宅のプロ「野村不動産」グループがホテル事業に初参入!
ニューヨーク発のメンズファッション&ライフスタイル誌『GQ』や、ロンドンに拠点を構えるグローバル情報誌『MONOCLE(モノクル)』など、高感度な海外メディアにも取り上げられ、世界的に注目を集めている「ノーガホテル上野」。野村不動産グループによる初のホテル事業の第1号店で、JR上野駅浅草口から東へ徒歩5分のところにあります。
吹抜けのラウンジスペースは、道路に面したガラスドアからテラス席に続いています。通りからふらっと立ち入りやすい、開放的な雰囲気です(写真提供/ノーガホテル上野)
パリの「The Hoxton」やニューヨークの「11 howard」のエッセンスを感じさせるデザイン性の高いラウンジでお茶を飲んでいると、ここが上野だということを忘れてしまいそうになります。
なぜ、1号店を上野に決めたのでしょうか? 野村不動産ホテル事業部の中村泰士さんに尋ねてみました。
「上野のある台東区を訪れる観光客は、年間5000万人とも言われています。上野エリアには国立西洋美術館や東京国立博物館、上野動物園、上野東照宮もありますよね。浅草寺や仲見世通り、アメ横や合羽橋も、ホテルのすぐ近く。多くの人が訪れてみたいと思う観光資源が豊富な点が、このエリアの魅力のひとつです」
ワインエキスパートとSAKE DIPLOMAの資格も有する、美味しいもの好きの中村さん。2年かけて、地元の飲食店や工房を400軒以上も巡ったそうです(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
さらに上野は、新・旧が融和したプロダクトの街である点も魅力なのだとか。
「江戸切子や東京硝子といった伝統的なものづくり文化が残るだけでなく、蔵前のように若いクリエーターが集まる街もあります。ホテル事業を通して『人と人、人と街をつなぐコミュニティづくり』を推進していきたいと考えていた我々にとって、上野は1号店にベストな立地だったんですよ」
エレベーターホールには、地元の家紋職人である「京源」波戸場承龍氏、耀次氏による家紋アート作品が飾られているほか、4種類の客室カードキーにも両氏によるオリジナルデザインが採用されています(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
ノーガホテルのコンセプトは、『地域との深いつながりから生まれる素敵な経験』。ゲストがその地域の文化を感じられるよう、地元の職人やデザイナーとともに製作したオリジナルプロダクトがホテル内のいたるところで採用されています。
客室のドアノブにかける「ECO FRIENDLY CLEANING(タオル・ベッドリネン交換不要)」などのサインプレートは、生活デザイン雑貨の企画会社「SyuRo」のオーナー、宇南山加子氏とのコラボレーションで製作(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
「客室のハンガーや靴べら、レストランのカトラリーレストやメニューボードなども、地元のクリエーターと一緒につくりました。お客様のご要望を受けて店頭で販売するようになったものもあるんですよ。製作しているショップや工房をお客様にご紹介すると、とても喜ばれます。『お土産に』と、たくさんお買い物してこられる方もいますね」
谷中、鳥越、入谷……イベントの開催も食材の調達も地元と連携ノーガホテルでは、館内で使われるものだけでなく、イベントやワークショップの開催も地域と連携して行っているそうです。
谷中に本店のある自転車専門店「トーキョーバイク」とのコラボレーションでは、上野エリアを自転車で巡るサイクリングツアーを企画。地元、台東区の魅力を知り尽くしたトーキョーバイク代表のきんちゃん(金井一郎さん)が案内役を務めます。
洗練されたデザインと高い機能性を誇る「トーキョーバイク」の自転車は、国内外にファン多数。ツアーに使用される自転車は、スポーツバイク初心者にも扱いやすい「26」と、乗車姿勢が高く広い視野を確保できる「BISOU 26」(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
野村不動産ホテル事業部の竹村明里さんによると、「日本酒のテイスティングセミナーも人気」なのだとか。
ホテル事業部にくる前は、野村不動産のマンションシリーズ「PROUD」の賃貸部門にいたという竹村さん。「新しい取り組みに挑戦したい」という考えで、ホテル業界未経験のスタッフが多く採用されたそうです(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
「テイスティングセミナーは、ホテルのすぐ近くにある木本硝子さんにご協力いただいて開催しています。全国各地の日本酒の蔵元からゲスト講師を招いてお話を伺いつつ、木本硝子さんの日本酒グラスで実際に試飲いただくという内容です。グラスの形が違うだけで味がこんなにも変わるんだと、毎回参加者の方に驚かれますよ」
「ワイングラスはあるのに、なぜ日本酒グラスはないのか」という着想から生まれた木本硝子の『es』シリーズ。セミナー参加者には、ノーガホテルオリジナルの平杯グラスがプレゼントされます(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
また、ホテル内のレストラン「ビストロ・ノーガ」では、地域の食材を積極的に採用しているそうです。コーヒーは台東区鳥越の喫茶店「蕪木」とコラボレーションしたオリジナルブレンド、パンは隅田川沿いにある手づくりパンの店「マニファクチュア」から、ハムやベーコンは入谷の隠れた人気店「太田ハム」から取り寄せています。
蕪木珈琲とマスカルポーネを合わせた大人の風味の和モダンかき氷『蕪木珈琲をティラミスのイメージで』。このほか、塩を効かせたグラノーラが香り高いほうじ茶シロップの甘みを引き立てる『ほうじ茶シロップと塩グラノーラ』も人気(写真提供/ノーガホテル上野)
「どのお店も、ホテルから徒歩や自転車で気軽に行ける距離にあります。レストランのディナー等で召し上がって気に入ったからと、店舗を訪れる方も多いです。初めての場所でも、事前に少しお店の雰囲気が分かっていると訪れやすいのかもしれませんね」
地元アーティストの作品が展示される館内でギャラリーホッピング館内には、あちこちにアート作品が展示されているのも印象的。たくさんのギャラリーを巡らなくても、ホテルにいながらギャラリーホッピングしている気分が味わえます。
中村さんによると、「キュレーションは『IDÉE』創始者の黒崎輝男さんと、『東京画廊+BTAP』の山本豊津さんによるもので、多くは地域のアーティスト、デザイナーの作品です。若手アーティストの成長を支援するとともに、ホテルを訪れたゲストにアートを楽しんでいただきたいという思いで作品をセレクト、展示しています」
有機的なラインが美しいコンシェルジュ・カウンター。手前はゲスト対面して話しやすい低さ、奥はゲストにタブレット画面を見せながら話しやすい高さを採用。カウンターを取り囲むようにギャラリーとショップが設けられています(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
「アーツ千代田3331」と提携し、3カ月ごとに企画展を実施。現在、展示されているのは「21_21 DESIGN SIGHT」の「デザインあ展」などでも知られるデザイナー、寺山紀彦氏の作品『自然と人工の共通点』。気に入った作品は購入可能(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
野村グループの創業者、野村徳七氏は茶の湯や能楽に造詣が深く、文化、芸術の支援に力を注いできたといいます。その想いを受け継いで、現代アートの未来を担う新人アーティストを表彰、支援する「野村アートアワード」を創設するなど、グループ全体に文化、芸術の発展に貢献していきたいという考え方が根付いているようです。
エントランスを入ってすぐ、右手の壁面を飾るのは、東京藝術大学出身の山田悠太朗さんによるインスタレーション『Apollo Program』(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
欧米の宿泊客にニーズの高いフィットネスルームには、「テクノジム」のトレッドミルやスキルロウなどのマシンのほか、壁面には清水総二氏による大判のアート作品も(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
今のところ、ホテルの宿泊客は8割が外国人。日本の文化や歴史、食に関心の高い方が多く、地域との結びつきが強いノーガでの体験を楽しんでいるそうです。一方で、日本の宿泊客はまだまだ少ないのが課題だといいます。
「日本の方、地元の方にも、コミュニティスペースとして気軽に活用いただけるよう、イベントや企画を考えていきたいと思っています」という中村さん。
野村不動産の「PROUD」や「OHANA」を手がけるインテリアデザイナーとともに「家とホテルの中間」を目指したという客室は、家より洗練された上質な空間、ホテルよりは開放的で寛げる雰囲気に仕立てられています。宿泊料金は一室約1万6800円(大人一名、約8400円/泊)から。9歳までの子どもは無料(写真提供/ノーガホテル上野)
「大規模な再開発、地域に根ざした街づくりでは長年の実績がある野村不動産ですが、そこでの我々の仕事は建物をつくって販売するところまででした。でも、ホテルはつくってからがスタート。街の魅力をお客様にお伝えして楽しんでいただけるよう、今後も時間をかけて地域の人々との交流を深めていきたいと考えています」
これまで、ホテルといえば旅行客のための場所で、ある意味、それ以外の人には閉ざされた空間でした。けれども、ライフスタイルホテルは旅行客だけでなく、その街で働く人、暮らす人、暮らしたい人にも開かれた場所です。そこで私たちを迎えてくれるのは、「ホテルのコンシェルジュ」ではなく「街のコンシェルジュ」。住みたい街選びの強力なサポーターになってくれるかもしれませんね。
ノーガホテルは今後、2020年に秋葉原店、2022年には京都店をオープンする予定だそうです。それぞれの地域ならではの食、文化、アートを、独自のスタイリッシュな切り口で紹介してくれる日が今から楽しみです!
●取材協力民間賃貸住宅(1棟全体)を経営しているオーナー、借り手からいうと大家さんの実態について、日本住宅総合センターが調査した。オーナー調査はあまり事例がないので、この結果からどういった大家さんが多いのか、ひも解いていくことにしよう。【今週の住活トピック】
「民間賃貸住宅の供給実態調査」を公表/(公財)日本住宅総合センター低層で小規模な賃貸住宅、賃貸経営専業ではない個人経営のオーナーが多い
調査対象は、三大都市圏で賃貸住宅(1棟全体)の経営をしているオーナー。このオーナーたちがどういった賃貸住宅を所有しているかを見ていこう。
・住宅の階数は、「1~2階」の低層住宅が最多の58.3%を占め、平均は3.03階。
・住戸数は、最多が「5戸以下」の27.7%、次いで「6~9戸」の33.3%と、全体の6割が9戸以下の小規模な賃貸住宅で占め、平均は11.89戸。
次に、賃貸経営の組織や経営規模を見ていこう。
・回答した賃貸住宅以外に、「他に賃貸住宅を経営している」が 51.7%、「この賃貸住宅のみ」が48.3%。
・経営組織は、「個人経営」が 82.3%、「法人経営」が 17.3%で、個人経営が8割を超える。
あなたは、どのような職業(業種)をお持ちですか(個人経営の内訳)(出典:日本住宅総合センター「民間賃貸住宅の供給実態調査」)
個人経営では、専業より兼業が多く、低層で小規模な賃貸住宅を経営している事例が多いことが分かる。
賃貸住宅の管理形態で変わる、大家さんとの距離感さて、賃貸住宅を経営するには、建物や設備の管理も必要だし、入居者の管理、契約の管理、経営の管理なども必要だ。これらをオーナー自身が管理するのが「自主管理」、賃貸住宅管理業者に全部または一部を委託する「委託管理」(調査項目では「管理委託」)。この調査では、これに「一括借り上げによる管理」を加えた三択で、管理形態を聞いている。
その結果は、「管理委託」が 54.7%と最多で、「すべて自主管理」が25.0%、「一括借上げにより管理(サブリース等)」が 20.3%となった。
賃貸住宅の管理形態についてお答えください(出典:日本住宅総合センター「民間賃貸住宅の供給実態調査」)
「一括借り上げ」とは、不動産会社がオーナーから建物を一括して賃借し、運営・管理を行う形態をいう。つまり、実質的に賃貸経営をするのは不動産会社ということになる。オーナーから賃借した建物を不動産会社が実際の入居者に転貸(また貸し)することを「サブリース」という。一般的にサブリースでは、サブリース会社からオーナーに支払われる賃料は相場より低額になるが、空室があっても取り決めた賃料が安定して受け取れる形になる。 ただし、賃料は一定期間ごとに見直しをするため、当初の賃料が全期間にわたって保証されるものではない。
では、管理の違いについて、借りる側から見てみよう。
「自主管理の賃貸住宅」では、賃料の支払いから建物の不具合、近隣とのトラブルなどについては大家さんに直接交渉する。どう対応してくれるかは、大家さん個人の対応力がものをいうわけだ。
「委託管理の賃貸住宅」では、委託された範囲については専門の管理業者が対応するので、一定の対応がなされることが多い。管理業者は大家さんに管理の内容を定期的に報告するので、大家さんが状況を把握しているのが基本だが、管理業者にお任せという場合もあるだろう。
「一括借り上げの賃貸住宅」では、大家さんは入居者と全くかかわりをもたない。
このように、管理形態によって入居者と大家さんの距離感はかなり違ってくる。
賃貸住宅を所有するだけで収益が上がるわけではない、大家さんの創意工夫に期待この調査では、賃貸経営を始めたきっかけも聞いている。
「今後の安定した収入を得るため」(52.7%)、「事業として収益を上げるため」(37.0%)、「資産運用に関心があったため」(28.3%)といった、賃料収入を目的にしているオーナーが多い。一方で、「一括借上げによる管理」に限定してみると、「今後の安定した収入を得るため」(63.9%)、「将来の相続税対策のため」(34.4%)の順になったという。
賃貸経営をはじめたきっかけについて、主なものを3つまでお答えください(出典:日本住宅総合センター「民間賃貸住宅の供給実態調査」)
家余りの今は、賃貸住宅さえ所有していれば収益が上がるものではない。老朽化したり、駅から遠かったりする賃貸住宅の場合、空室が続いて賃料を下げざるを得ない、賃料を下げても借り手がいないといったリスクも高くなる。
法人であれば収益が出るように計画的に賃貸経営をしていくだろうが、問題は8割を占める個人オーナーの場合だ。個人経営でも、積極的に魅力的な賃貸住宅にするために創意工夫をしている大家さんもいる一方で、相続などで賃貸住宅を譲り受けたり、相続税対策として不動産会社に勧められたりして、お任せで賃貸経営に深くかかわっていない大家さんもいる。
最近では、大家業をしっかり学ぼうという大家さんも増えている。SUUMOジャーナルの記事でも、「大家の学校」の取り組みを紹介している(→賃貸住宅を楽しい暮らしの舞台に! 「大家の学校」で伝えたいこと【前編】【後編】)。大家さんが創意工夫をしている賃貸住宅の入居者は、満足度も高く長く住む傾向がみられる。
同じ住むなら、暮らしが楽しくなる住宅がよいだろう。賃貸住宅を選ぶときには、立地と広さと賃料だけでなく、管理や大家さんとの距離感も確かめてはいかがだろうか?
ヒューリック(株)は、都市型中規模コンパクト商業施設「HULIC &New KICHIJOJI」(ヒューリック アンニュー キチジョウジ)を、2019年9月に開業すると発表した。同施設はJR・京王線「吉祥寺」駅徒歩2分、「井の頭公園」周辺の落ち着きと賑わいが共存するエリアに立地する地上5階・地下1階。築17年の病院をコンバージョンし、商業施設としてリニューアルするもの。
B1Fには、食肉専門店「千駄木腰塚」が初めて手掛ける飲食物販店「Bistro1048」がオープン。1-2Fは「アディダス ブランドコアストア 吉祥寺」で、ランニング、トレーニングの機能スポーツギアやスニーカーまで、幅広いアイテムを展開する。
3Fには、アメリカで話題のサーフエクササイズ専門スタジオ「サーフフィットスタジオ 吉祥寺店」がオープンするなど、スポーツからグルメ、クリエイティブまで、多彩なテナントを誘致する。
ニュース情報元:ヒューリック(株)