中古マンションを売る・買う、築年数でどう変わる?

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が2019年の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」の結果を公表した。これによると、築20年以内の中古マンションの人気が高いということだ。詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年」を公表/(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)流通市場に出回る中古マンションは、年々年を取る?

結果を見る前に、「指定流通機構/レインズとは何か?」について説明しよう。

指定流通機構は、国土交通大臣指定の組織。各地域の主な不動産会社が会員となり、それぞれの指定流通機構のネットワークシステムに、不動産の情報を登録することで情報を共有している。そのネットワークがREINS(レインズ)と呼ばれている。

東日本地域を管轄するのが、東日本レインズだ。公表されたのは、首都圏の新規登録物件(レインズに新たに情報を登録したデータ)と成約物件(レインズに成約の報告があったデータ)について、2019年一年間の情報を築年数の観点から分析したもの。

まず、平均築年数を見よう。
中古マンションの新規登録物件は25.84年、成約物件は21.64年となり、昨年の発表より、ともに約○年増え、年々築古化している。首都圏は過去に何度か「新築マンションブーム」があり、大量に新築が供給された経緯がある。それらが、中古の流通市場に出回るが、1年経てば築年数も1年増えるので、平均築年数が増加するのは想定されることだ。

ただし、新規登録物件の平均築年数の上昇率に比べると、成約物件の上昇率のほうが鈍い傾向が見られる。

具体的な築年帯別の分布は、図1のようになる。築31年以上の中古マンションは、新規に登録される物件のシェアでは39.8%にまで達するが、成約物件で見ると26.6%にとどまっている。

中古マンション築年帯別構成比率(%)(出典:東日本レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年)」)

中古マンション築年帯別構成比率(%)(出典:東日本レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年)」)

築年帯別で流通市場での成約しやすさは異なる

次に、築年帯別に新規登録件数に対する成約件数の割合=「対新規登録成約率」を調べた図2を見よう。明らかに、築20年以内と築21年以上で成約状況に違いが見られる。築20年以内のほうが流通市場に出て成約する可能性が高いということだ。

中古マンションの対新規登録成約率(成約件数/新規登録件数)(出典:東日本レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年)」)

中古マンションの対新規登録成約率(成約件数/新規登録件数)(出典:東日本レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年)」)

その理由は明確ではないが、2000年に住宅品質確保促進法(品確法)が施行され、統一した客観的な性能を評価して表示する「住宅性能表示制度」ができたことなどにより、この年以降に販売される新築マンションの性能が底上げされたといわれている。築20年以内の中古マンションが一定以上の性能が確保されていることも、理由のひとつにあるだろう。

また、1999年~2005年の間は首都圏で年間8万戸以上が供給される、大量供給の時代だった。中古として流通する戸数が多いことに加え、「都心回帰現象」が起こり、立地の利便性の高いマンションが多いことも理由に挙げられるだろう。

2019年の結果の特徴として、「築6~10年」の対新規登録成約率が突出して高くなっている。これは、新築時の供給戸数が、首都圏で4万~5万戸に減少し、「ミニバブル」といわれるほど価格高騰期に向かったころに供給されたものだ。

10年前の2009年と比べると、新規登録物件の「築0~5年」は14.1%→7.3%に、「築6~10年」は17.3%→8.3%と構成比率が圧縮している。比較的築年の短いものが、流通市場で探しづらいという希少性も成約しやすい背景にあるのだろう。

流通シェアは少ないが手が届く価格帯の「築6~10年」は成約しやすい?

では、「築0~5年」と「築6~10年」の違いはどこあるのだろう?

図3の築年帯別の平均価格を見ると、「築0~5年」の平均価格は、新規登録物件で6179万円、成約物件で5619万円と若い世帯にはまだ手が届きにくい価格にある。「築6~10年以内」になると、いずれの平均価格も4800万円台まで下がる。平米当たりの平均単価を見ても、「築0~5年」から「築6~10年以内」で一段、下がっていることが分かる。

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中古マンションの築年帯別平均価格と平均平米単価 (出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2019年)」)

中古マンションの築年帯別平均価格と平均平米単価 (出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2019年)」)

「築6~10年」の中古マンションは、流通市場に出回るシェアが低いものの、手が届く価格でも探せるということから、2019年のデータでは最も成約しやすい結果になったと考えられる。

一方、築26年以上になると、成約物件の平均価格は1000万円台まで下がり、それ以降は下がらないという状況になっている。

さて、調査結果から中古マンションの築年帯別の市場動向を見てきたが、首都圏全体の市場の平均像と考えてほしい。

中古マンションの実際の売買では、物件のある地域の状況によって事情は異なる。その地域の需要の大小や流通の状況、新築マンションの供給動向などによって、築年数が古くても希望額で売れる場合もあれば、安値でないと買い手がつかない場合もある。全体傾向を理解したうえで、その地域の市場特性を適正に判断することが大切だ。

コンクリートにつめこまれたロマン

所在地:北区田端
12万円 / 33平米
山手線・京浜東北線「田端」駅 徒歩9分

ざっくりとしたコンクリートの質感が、思う存分味わえるワンルームです。ラフになり過ぎぬように、あらわになったコンクリートを白く塗装。床には合板を敷きつめ、コンクリートとの相性もバッチリ。



一部塗装されていない壁面もあって、家具はどう配置しようか、お気に入りのアートはどこに飾ろうか ... 続き>>>.
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柔らかく外は晴れ – 最上階 –

所在地:世田谷区桜新町
20万円 / 82.29平米
東急田園都市線「桜新町」駅 徒歩7分

植栽に囲まれたカクカクとしたマンションの最上階区画。L字のバルコニーからの眺めと、ふわりと抜ける風が心地いい、ファミリー向けに最適な部屋のご紹介。



左右を和室に挟まれた奥行きのあるリビングダイニング。開口付近は大きい2枚の窓から柔らかい光が降り注ぐので晴れの日は照明いらず。各部 ... 続き>>>.
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あたらしい生活の枠・スペシャル

所在地:大田区上池台
21万円 / 45.83平米
東急池上線「洗足池」駅 徒歩3分

1階にはハンドドリップにこだわったカフェが入り、そして2階以上には住居や事務所、サロン系店舗も可能。さらにはイベントに使えるスペースや屋上もあるという、可能性にみち満ちた新築物件です。



最上階の5階。建物にひと部屋だけある、特別仕様の部屋。1LDK+ロフトの空間は、3.6mの天 ... 続き>>>.
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あたらしい生活の枠

所在地:大田区上池台
11万~13万5,000円 / 31.02~32.08平米
東急池上線「洗足池」駅 徒歩3分

1階にはハンドドリップにこだわったカフェが入り、そして2階以上には住居や事務所、サロン系店舗も可能。さらにはイベントに使えるスペースや屋上もあるという、可能性にみち満ちた新築物件です。



気になる要素が多すぎて、文章や写真が多めの記事です。ちょっとずつご紹介します。



まず今回の ... 続き>>>.
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海外レポート(1)ドイツのモダニズム建築は住宅ジャーナリストを興奮させる?

実は筆者は世界遺産フリークで、国内外の世界遺産を見に行くのが大好きだ。それが高じて、かなり前に世界遺産検定2級を取得した。住宅を専門とするからには行ってみたい都市や建築にまつわる世界遺産があり、ようやくそれが実現した。2020年2月に訪れたのは、ドイツ・デッサウのバウハウスとベルリンの博物館島を含む世界遺産の数々だ。
「バウハウス」の象徴、デッサウの校舎に興奮しきり

そもそも「バウハウス」とは、1919年にワイマールに、建築家ワルター・グロピウスを初代校長として開設された総合造形学校のこと。1925年にデッサウへ移転し、1932年にベルリンへと移転するが、ナチスの弾圧によりわずか14年で廃校となった。

画家のバウル・クレーやヴァシリー・カンディンスキーなど当時を代表する芸術家が教授を務め、その理念は現代にもさまざまな形で受け継がれている。デッサウ移転の際にグロピウスが設計して建てたのは、この校舎のほかに教授用住宅「マイスターハウス」があり、ほかにも3都市にまたがってバウハウスの関連の遺産が多く残っている。

建築物として優れた景観を見せるだけでなく、以降の建築・デザインなどの発展に多大な影響を与えたことなどが評価されて、「バウハウスと関連遺産群」は1996年に文化遺産として、世界遺産に登録された(2017年に対象を拡大)。

1919年から100年たった2019年には、バウハウス設立100年を記念したイベントが日本を含め、数多く開催され、話題になった。

さて、筆者は、バウハウスと言えば必ず紹介されるモダニズム建築の代表作「デッサウのバウハウス校舎」が目に入ったときに、「ついに出会えた!」とかなり興奮した。建物の一部は開放されていて、定期的にガイド付きツアーも催されている。

デッサウのバウハウス校舎。中央に見えるのが工房棟。以下、写真撮影は全て筆者

デッサウのバウハウス校舎。中央に見えるのが工房棟。以下、写真撮影は全て筆者

当時としては斬新なガラスのカーテンウォールや半地下により浮いているかのように見える「工房棟」は、今の時代にも美しさを感じるだろう。で、まずカフェテリアにお邪魔してランチをいただき、その後館内を見学した。

赤い扉が工房棟の玄関

赤い扉が工房棟の玄関

工房棟の玄関ホールの左側に、講堂やカフェテリアなどを備えた低層の「祝祭スペース」が続き、その奥の「アトリエ棟」(学生寮)と接続している。玄関ホールから講堂に入る部分を見ると、扉の取っ手が壁の穴に収まるようになっていて(画像の朱色の部分)、美しくかつ機能的なデザインになっている。天井の照明のほか、机や椅子などの備品等もバウハウス工房で制作されたものだ。

講堂の入口部分。白い扉の奥が講堂

講堂の入口部分。白い扉の奥が講堂

大きな中央階段も特徴的で、カーテンウォールから入る日差しが気持ちよい。自然換気用に一部が開閉できるようになっていて、ハンドルを回すと連続する回転窓が動くようになっている。この仕掛けは教室など多くの場所にも見られた。
ちなみに、中央階段の踊り場を照らす吊り下げ照明(画像の朱色丸内)は、バウハウス女性マイスターのマリアンネ・ブラントのデザインによるもので、見学した各所で同じデザインのものが数多く見られた。

工房棟の中央階段(窓の外に見えるのは北棟の玄関)と換気窓

工房棟の中央階段(窓の外に見えるのは北棟の玄関)と換気窓

工房棟には、家具工房や金属加工、塗装、壁画などの部屋があった。最も広い部屋が染織の部屋。かなり開放的な空間で、スポットライト風の照明もなかなかおしゃれだ。カーテンウォールによって、仕事したり休憩したりする姿が外から見えるようになっていた。

工房棟1階(日本でいう2階)の「染織」の部屋

工房棟1階(日本でいう2階)の「染織」の部屋

「工房棟」から工芸職業学校であった「北棟」に向かうために、「橋」となる2階建ての建物を通る。

正面が「橋」の部分、左手前が講堂・カフェテリアのある「祝祭スペース」、右奥が「北棟」

正面が「橋」の部分、左手前が講堂・カフェテリアのある「祝祭スペース」、右奥が「北棟」

「橋」の建物の廊下脇の部屋は、1階が事務所、2階がバウハウス建築学科で、グロピウスが執務した部屋も残されていた。

工房棟から橋状の建物を通って北棟へ。窓の外(奥)に見える北棟は窓の水平ラインが特徴的

工房棟から橋状の建物を通って北棟へ。窓の外(奥)に見える北棟は窓の水平ラインが特徴的

北棟は教室が多く設けられ、廊下に収納も配されている。実は収納が教室内とつながっていて、廊下側から荷物を入れて、教室の内部から取り出せるようになっていた。

北棟の教室。この教室には室内に手洗い場もあった

北棟の教室。この教室には室内に手洗い場もあった

なお、バウハウス校舎の室内は白を基調としているが、ところどころに「赤」「青」「黄」のポイントカラーが配されている。今の時代で考えても、オシャレな印象を受けた。

住める世界遺産「ベルリンのモダニズム公共住宅」はめちゃカッコイイ

バウハウスと同じころ、モダニズム建築がベルリンに建設された。こちらは、1910年から1933年にかけてつくられた集合住宅群で、低所得者向けに住宅供給政策として建設された公共住宅だ。ベルリンは19世紀末から急速に発展し、それに伴って人口も増えていき、なかでも労働者の住宅が不足していた。ベルリン市の住宅政策によって供給される集合住宅群を手掛けたのが、ブルーノ・タウトを中心とする、ワルター・グロピウスなど当時の一流建築家だった。

限られた予算のなかでも、都市計画に基づく近代的で機能的に設計された公共住宅は、洗練された姿を見せるとともに、以降の公共住宅のモデルにもなった点が評価され、2008年に文化遺産の世界遺産として登録された。登録されたのは、6つの集合住宅群で、そのうち2つを見学できた。

まず「グロースジードルング・ブリッツ」を訪ねた。建築家はブルーノ・タウトとマルティン・ワーグナーで、現地の資料によると建築期間1925年~1930年、人口3100人とある。世界遺産に登録されたのは、約29ヘクタールで6段階の開発が行われて供給された、集合住宅1285戸、一戸建て(連棟式住戸)679戸だ(なお、別の資料には総戸数1963戸とある)。

通称「フーファイゼンジードルング(蹄鉄集合住宅)」と言われ、馬蹄形の建物を中心に据えているのが大きな特徴。街の看板にその全景が見られ、緑豊かな広大な集合住宅群だと分かる。その馬蹄形の建物はかなり大きい(350メートルの長さがある)ので、パノラマ撮影をしてみた。

中心地にあった看板の写真

中心地にあった看板の写真

馬蹄形の建物(パノラマ撮影)

馬蹄形の建物(パノラマ撮影)

周辺には、横長の住宅が数多く並んでいるが、それぞれ建物の色や形状が異なり、街並みに変化を見せている。

「レッド フロント」と呼ばれる集合住宅

「レッド フロント」と呼ばれる集合住宅

建物の中を見学することもできた。
家族人数に応じて部屋数の異なる複数のタイプが用意されていて、低所得者用住宅といえどもキッチンとバスルームを付けて、衛生的で快適な生活ができるようになっている。

(左)バスルーム、(右)キッチン

(左)バスルーム、(右)キッチン

居室

居室

次に訪れたのが、「グロースジードルング・ジーメンスシュタット」だ。ジーメンスは、日本ではシーメンスという名前で知られる会社で、もとは電信、電車、電子機器のメーカーだった。ここには、ジーメンスの工場の労働者の住宅として提供され、工場から通勤する電車も通っていた(今は廃線だが、再建する計画もあるとか)。

資料によると、建築家はオットー・バルトニング、フレッド・フォルバート、ワルター・グロピウス、フーゴー・ヘーリング、パウル・ルドルフ・ヘニング、ハンス・シャロウンの6人、建築時期は1929年~1931年、1933年/1934年、人口は2800人とある。

世界遺産に登録された6つの公共住宅団地の中では最後に完成したことになるが、マルティン・ワーグナー総指揮の下、ハンス・シャロウンのマスタープランにより、それぞれの建築家の個性的な総計1370戸の集合住宅が建設されている。

ハンス・シャロウンの集合住宅

ハンス・シャロウンの集合住宅

ワルター・グロピウスの集合住宅

ワルター・グロピウスの集合住宅

フーゴー・ヘーリングの集合住宅

フーゴー・ヘーリングの集合住宅

オットー・バルトニングの集合住宅

オットー・バルトニングの集合住宅

どちらの世界遺産も、住宅として居住することができる稀有なものだ。

以上、世界遺産となったドイツのモダニズム建築を見てきた。そもそもモダニズム建築とは、産業革命以降に登場した鉄やガラス・コンクリートなどの工業化された素材や材料を使って、合理主義的精神に立脚してつくられたもの。装飾を排し、機能性を高めた建築物が多い。

近年は、モダニズム建築が世界遺産に登録される事例が増えてきた。その事例を挙げると、日本でも国立西洋美術館が登録対象となって注目された、7カ国17の建築群からなる「ル・コルビュジエの建築作品」。8つの建築作品からなる「フランク・ロイド・ライトの20世紀の建築作品」。ドイツの建築家ミース・ファン・デル・ローエの「ブルノのトゥーゲントハート邸」。ブラジルの建築家オスカー・ニーマイヤーの「パンプーラの近代造物群」と新首都「ブラジリア」(ニーマイヤー設計の国会議事堂や聖堂などを含む)などがある。

建築物は遺産として残るものが多く、歴史をたどったり比較したりできるのも面白い。

●参考資料
NPO世界遺産アカデミー客員研究員目黒正武さん作成資料や現地ガイドの説明、現地で入手した資料等のほか、NPO世界遺産アカデミー監修「世界遺産大事典」などを参考資料としています。なお、ドイツ語を日本語表記する場合「マルティン・ワーグナー/マルティン・ヴァーグナー」など、いくつかの表記方法がある点に留意ください。

本日のイチョウ並木

所在地:港区南青山
40万7,000円(税込) / 49.5平米
銀座線「外苑前」駅 徒歩4分

大都会のど真ん中でこんなにも自然を感じられる魅惑のオフィス物件はそうそうありません。日々、ひろーい空と木々の緑を眺めながら季節の移ろいを楽しめるぜいたくな空間です。



外苑前駅まで歩いて4分、大通り沿いの角地という好立地に立つ、一棟まるごとリノベーションされた古ビルの4階をご紹介 ... 続き>>>.
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木漏れ日ゆらぐレトロ

所在地:渋谷区千駄ヶ谷
4,499万円 / 48.6平米
副都心線「北参道」駅 徒歩3分

千駄ヶ谷の裏路地にひそむ、レトロマンション。赤茶色のタイルに太陽の光が反射して、キラキラと輝く立ち姿が美しく、このマンションの前を通るたび、すてきだなとしみじみ思います。



そんなマンションの一室を、オーナーが雰囲気良くリノベーションしたのは2014年のこと。



天井を抜いて、ざ ... 続き>>>.
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ロボットと共生する住まいの未来。介護・見守り専門ロボット「ルチア」で目指すのは

「21世紀は猫型ロボットが、あらゆる願いをかなえてくれる」と考えていた人もいただろう。だが、現実は「円盤型の小さなロボットが、部屋のお掃除を代わりにしてくれる」くらいだ。しかし生活の中で、人の代わりに動いたり、話しをしてくれたりするロボットが徐々に増えていることは否定できない。私たちの生活にロボットは今後さらに受け入れられていくのか。それに伴い、住空間は新たな環境を求めるようになるのだろうか。

東京ビッグサイトで昨年12月に開催された「2019国際ロボット展」では、「ロボットがつなぐ人に優しい社会」をテーマに、国内外から産業用ロボやIoT、AIなど関連製品や技術が集結した。なかでも人目を引いたのが、人手不足や過重労働の課題が深刻化する介護医療の現場向け「解決提案型ロボ」だ。

介護や見守り専門のロボット「ルチア」を開発した研究者である、神奈川工科大学の三枝亮准教授に、専門家から見た「ロボットと共生する未来像」について、話を聞いた。
介護医療コンシェルジュロボット「ルチア」(写真提供/筆者)

介護医療コンシェルジュロボット「ルチア」(写真提供/筆者)

三枝准教授率いる神奈川工科大学の「人間機械共生研究室」で生み出されたロボット「ルチア」は、企業へ技術移転され「くるみ」という名で製品化されている。ルチアの持つ「夜間巡回機能」に絞り込んだもので、すでに介護施設で導入実績を持つ。

この「くるみ」は、夜間、介護施設のフロアを見回りしながら巡回し、万が一、異常を見つけると、即座にネットワークを通じて監視センターに通報する。通常ならば、夜勤の監視員数名が、夜中に定期的に巡回する仕事を、「くるみ」一台でこなす。すでに、浜松市の介護施設「社会福祉法人天竜厚生会」などの施設で役立っている。一方「ルチア」は、主に介護、医療、福祉、教育分野への先端研究を行う研究用の機体で、介護施設に加えて特別支援学校や総合病院などでも実験を続けている。

三枝氏によると「ルチアは、人とロボットが相互のやり取りを通じて、人に与えられる効能を検証するために開発した」という。

例えば、ルチアがロボットとして支援できる「歩行リハビリ」では、理学療法士がまずルチアに歩行のペースやルートなどを教え、ルチアはそれを踏まえて患者を実際に移動しながら誘導することで、歩行練習を進めることができるという関係にある。

「このように、人がルチアを育て、また人もルチアから学び、成長するような人間と機械の共生をイメージし、バリアフリーなロボットを目指しました」(三枝氏)

「不気味の谷」を意識したデザイン

ところで、ルチアの特徴はその風貌にある。まるで70年代の特撮テレビドラマ『ロボコン』に登場したキャラクターのような愛らしさがあり、足下についている車輪で移動し、顔部分に当たるモニターを通じて、人とコミュニケーションを取ることが可能だ。また体中に巡らせたセンサーのおかげで、実際にルチアを触ることで、動きを制したり、一方で寝ている人の体の変動を自動で計測したりすることもできるという。

このルチアのデザインは、人型(ひとがた)からは程遠い。その点について、三枝氏は「我々はルチアの開発をする際に、<不気味の谷>という心理学の知見に基づいてデザインをした」と話す。

「不気味の谷」とは、日本のロボット工学者の森政弘氏が1970年に提唱し、2015年にカリフォルニア州立サンフランシスコ大学の心理学者たちが実際に研究を証明した、ロボットに関する人の心理的要素を示したものだ。

三枝氏によると「人は、対象物が人の姿に近いほど親近感を持つが、人形やマネキンのように、人に似過ぎると親近感が下がり、さらにもっと人に近づくとまた親近感が復活して最高に達する」という。(図参照)

(図面提供/人間機械共生研究室)

(図面提供/人間機械共生研究室)

そしてルチアについては、「ペットのような動物性を残した愛らしい風貌や、動作に対して<意図的に>谷の手前に位置するようなデザインにした」と話す。実際、ルチアに対する好感度を調べたところ、拒否率は5%未満にとどまったという。(介護施設及び障がい者施設内での約3週間の実証試験において約100名の対面者(介護施設及び障がい者施設の利用者、施設職員、慰問中の幼児や児童を含む)に対して4人程度)

だが一方で、人のような指や足を持たないために、ハサミを使ったり、階段の上り下りができなかったりという不都合はあるが、存在用途がはっきりしているルチアにとっては、現状の体裁で申し分のない状況のようだ。

家や車がロボット化し、その中に人が住むという姿

そんなロボット研究の第一線にいる三枝准教授に、これから一般家庭で普及していくであろうロボットの想定される現実的な姿や用途について聞いてみたところ、「AI、センサー、モーター、インターフェースなどの各機能がネットワークで連携した<環境型ロボット>が最も現実的」とのこと。

ルチアのできること一覧(撮影/筆者)

ルチアのできること一覧(撮影/筆者)

つまり、家や車が全体としてロボット化し、人がロボットの中で生活をするという形だという。それはまるで車が人と会話し、自分から行動を起こせる米国の80年代に放映された近未来ドラマ『ナイトライダー』に登場した自動車<キット>が現実になると言っても過言ではないだろう。さらに「ロボット掃除機に代表されるような、自律型ロボットは、こうした環境型ロボットの端末として残っていくと思う」と三枝氏。

では、このルチアのような小型版のロボットが、一般家庭に普及することはないのだろうか。三枝氏によれば、歩行型や、ルチアのような車輪型でない形態のロボットも十分つくることはできるというが、現実問題、莫大な費用がかかるという。「ルチアをはじめ、多くのロボットは車輪型であるために、バリアフリーに近い住空間であれば、十分活躍できる」と話すように、この車輪型ロボットが、価格とパフォーマンスを兼ね備えた今現在、最も現実的なロボットと考えられそうだ。

そのような状況を踏まえると「車いすを利用する人が生活しやすい住空間をつくり、同様の仕様を満たすようにロボットを設計すれば、ロボットが活躍できる世界は十分家庭にも広がる」と三枝氏は考えている。実際、ルチアは、成人が車いすに座っている状態と同等の重量(約60kg)、車高(約100cm)、車幅(約50cm)でできており、人の手の長さに近いアーム(80cm)を備えているという。

コストとメンテナンスがロボット導入の課題会場で「ルチア」と撮影に応じた神奈川工科大学准教授・三枝亮氏(撮影/筆者)

会場で「ルチア」と撮影に応じた神奈川工科大学准教授・三枝亮氏(撮影/筆者)

現在ルチアから製品化されたロボット「くるみ」は、夜間巡回者を1名雇い入れる費用と比べると安く済むため、人手不足が否めない介護の世界では業界のニーズを満たしているという。スマートフォンや掃除ロボットが広く普及している背景にコストと価値が見合っていることがあるように、生活支援ロボットとしてルチアクラスのロボットが一般に普及するには、もっとニーズが増えると当時に、製造コストが抑えられるようになる必要がある。

そしてもう一つの課題と考えられるのが「メンテナンス」である。三枝氏によれば「現在ロボットのメンテナンスは、サービスとして成立しておらず、売り切りにせざるを得ないため、複雑なロボットが市場に出せない状況」とのこと。今後、車のように、ロボット業界も、ディーラーなどによるメンテナンスサービスや、保険サービスが事業的に成立する流れができれば、より生活支援型のロボットが我々の生活に介入してくる日も近くなると言えるだろう。

●取材協力
人間機械共生研究室(SybLab)

最下層に挑め!

所在地:目黒区中目黒
193万6,770円(税込) / 194.02平米
日比谷線・東急東横線「中目黒」駅 徒歩5分

桜並木が続く目黒川沿いをに立つ、この冬に完成したばかりの新築物件。地下2階まで続く、3フロアのコンクリート空間が広がっていました。大きめのスタジオをお探しだった方、要チェックです。



まずはホームエレベーターを使って最下層の地下2階へ。足を踏み入れてまず、広いな!と思いました。8 ... 続き>>>.
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しろいしかくをシェア – 2階店舗 –

所在地:文京区千駄木
11万2,200円(税込) / 13.5平米
千代田線「千駄木」駅 徒歩1分

千駄木駅のとなりにある、四角くて真っ白なたてもの。なんだか気になりませんか?



こちらは1階がカフェ、2階が店舗、3階が時間貸しのシェアスペースとして活用されるビルなのですが、今回は2階の店舗のご紹介。



募集する区画は、約4畳とミニマム。シンプルな内装ですが、無垢の床や、むき出 ... 続き>>>.
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代官山リミッターカット

所在地:目黒区中目黒
25万円 / 45.64平米
東急東横線「代官山」駅 徒歩5分

「賃貸物件だから、これくらいにしておくか」というリミッターをカットして、ホビーとして自分の納得のいく空間を作り続けるオーナーさんが手掛ける物件にはいつも驚かされますが、今回もまたずいぶんと攻めた物件に仕上がっています。



恵比寿と代官山と中目黒の真ん中あたり、鎗ヶ崎の交差点から少 ... 続き>>>.
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80年代に思いを馳せて

所在地:世田谷区代田
10万円 / 35.01平米
小田急線「梅ヶ丘」駅 徒歩6分

どんな建築家が設計したのだろう。なんだかとても気になっちゃう空間です。



不思議な模様のコンクリートの外壁、コンパクトなアパートメントが4棟つながったような、かわいらしい外観。



室内は勾配天井で、天井高3mオーバー。ダイニングから洋室への階段を上るときに、ばーんと青い空が目に飛 ... 続き>>>.
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80年代に思いを馳せて

所在地:世田谷区代田
10万円 / 35.01平米
小田急線「梅ヶ丘」駅 徒歩6分

どんな建築家が設計したのだろう。なんだかとても気になっちゃう空間です。



不思議な模様のコンクリートの外壁、コンパクトなアパートメントが4棟つながったような、かわいらしい外観。



室内は勾配天井で、天井高3mオーバー。ダイニングから洋室への階段を上るときに、ばーんと青い空が目に飛 ... 続き>>>.
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外苑前れとろおふぃす – 最上階 –

所在地:渋谷区神宮前
17万8,000円(税込) / 44.75平米
銀座線「外苑前」駅 徒歩5分

なんといっても立地が一押しです。



神宮前三丁目交差点付近に立ち、国立競技場まで見渡せる、眺望が気持ち良いレトロビルの最上階をご紹介。



約30年もの間、グラフィックデザインオフィスが入居していた、眺望がいい、通り側最上階の区画。3DKなので細かめの間取りですが、収納スペースが十 ... 続き>>>.
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外苑前れとろおふぃす – 最上階 –

所在地:渋谷区神宮前
17万8,000円(税込) / 44.75平米
銀座線「外苑前」駅 徒歩5分

なんといっても立地が一押しです。



神宮前三丁目交差点付近に立ち、国立競技場まで見渡せる、眺望が気持ち良いレトロビルの最上階をご紹介。



約30年もの間、グラフィックデザインオフィスが入居していた、眺望がいい、通り側最上階の区画。3DKなので細かめの間取りですが、収納スペースが十 ... 続き>>>.
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ひっそりと秘密のオフィス

所在地:渋谷区代々木
22万円(税込) / 56.7平米
山手線「代々木」駅 徒歩3分

代々木駅からすぐ、細い路地の奥にある超渋いマンションの一室。都会の喧騒を逃れた秘密のオフィスをご紹介します。



4階角部屋。光の入りや風通しが良く、爽やかです。



メインスペースであるLDKは窓が大きくて気持ちいいので、荷物でつぶしてしまうのはもったいない。そのため使い方の例とし ... 続き>>>.
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凛とした暮らし

所在地:川崎市高津区末永
22万円 / 87.19平米
東急田園都市線「梶が谷」駅 徒歩2分

高台に建つ築38年のマンションに、まるで美術館のような端正で凛(りん)とした空間が潜んでいました。



モルタルのような質感の「デコリエ」につつまれた床や壁。角を落としたなめらかな壁や、壁を美しく照らすライティング。廊下には、ガラス扉でできたショーケース状の収納。玄関を入った瞬間か ... 続き>>>.
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この部屋も建物も街も好き!

所在地:目黒区緑が丘
14万円 / 39.96平米
東急東横線「都立大学」駅 徒歩8分

かっこいいレトロマンションの一室を、建築士である前入居者がデザインしました。レンガの壁、フローリングの質感、扉のヴィンテージ感、照明や家具のセレクトもいい感じ。あらゆるところに強いこだわりを感じます。玄関と廊下にはペンキを散らしたペイントが、、、少し驚きます。



モルタル仕上げの ... 続き>>>.
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公園の隅にぽつんと暮らす【最上階】

所在地:世田谷区池尻
16万1,000円 / 49.36平米
東急田園都市線「池尻大橋」駅 徒歩5分

とある公園の一角にある、公園を削って建てたかのようなマンション。しかも3階最上階の部屋。窓の外は一面広がる公園ビューです。



ちょうどこれからの時期は桜が咲き始め、部屋からお花見もでるようになるでしょう。夏場は緑が生い茂り、公園に取り込まれたようになります。



ベランダの洗濯物も ... 続き>>>.
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団地に根差した店づくり<天井高3.5m>

所在地:新宿区大久保
33万円(税込) / 65.04平米
副都心線「西早稲田」駅 徒歩2分

1階部分が赤茶色レンガタイルの、都営アパート路面区画。天井高3.5mのポテンシャルを秘めた空間が魅力です。



通りを挟んだ向かいには「諏訪神社」の緑と広い空。並びにはマッサージ屋、クリーニング屋、自転車屋、蕎麦屋などが入り、地域に根差した店舗が元気よく営業しています。



空間の中 ... 続き>>>.
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ほのぼの暮らし

所在地:世田谷区駒沢
11万円 / 42.9平米
東急田園都市線「駒沢大学」駅 徒歩8分

何度来ても、やっぱりすきだなぁ、と感じます。



南向きの窓からは太陽の光がさんさんと。南北にある窓から窓へ爽やかな風が通り抜けます。部屋はポカポカして、カラッとして、なんと気持ちのよいこと!



内装のチャームポイントはレトロな雰囲気。なので損傷の激しい部分のみリフォーム。畳はフレ ... 続き>>>.
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なつかしさとぽかぽかリビング

所在地:三鷹市井の頭
13万5,000円 / 73.83平米
井の頭線「三鷹台」駅 徒歩3分

団地っぽいレトロなルックスに心引かれ、太陽の光でぽかぽかと暖かいリビングにノックアウトされてしまいました。



そして間取りは、家族でもゆったりと住めそうな3LDK。



リビングは隣接する9畳の洋室との間仕切りを開けておけば、合計で23畳とさらに開放的に。北側にはコンパクトな洋室と ... 続き>>>.
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隠しきれないポテンシャル

所在地:港区西麻布
90万円(税込) / 286.84平米
千代田線「乃木坂」駅 徒歩7分

このメゾネットに感じたのは、とてつもないポテンシャル。2フロアで約280㎡と大きな空間に加え、来客スペースやミーティングスペースと使い分けやすそうな間取り。



そして前入居者によってある程度改装されていて、それをそのまま引き継げるという、うれしい条件まで揃っています。



この区画 ... 続き>>>.
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今年から「住民に愛されている街」も発表!「SUUMO住みたい街ランキング 2020関東版」 記者発表会レポート

2020年3月3日、リクルートGINZA8ビルにて行われた「SUUMO住みたい街ランキング 2020関東版」 記者発表会の模様をSUUMOジャーナル編集部がレポート! 記者発表会は2部構成となり、第1部では池本SUUMO編集長が今年のランキングの傾向について語った。今回は「住みたい街ランキング」に加え、新たに「住民に愛されている街ランキング」も新設、住みたい街と住民に愛されている街との顔ぶれの違いについても解説している。第2部では、タレントのSHELLYさん、芸人のEXITさんが登壇し、新設された「住民に愛されている街ランキング」をテーマにトークショーを実施した。
「住みたい街ランキング」では、「横浜」が3年連続1位に!

2020年の住みたい街ランキングは、「横浜」が3年連続1位に輝いた。「交通利便性」、「商業施設・文化娯楽施設」、「資産性」の魅力度が上昇したことが、各世代、各ライフステージから幅広く人気を集めたようだ。

住みたい街ランキング 2020関東版

「横浜駅周辺は長きに渡り再開発が続いていることから、日本の“サグラダ・ファミリア”と呼ばれることも。その再開発もまもなく収束を迎えようとしています。かつて“馬の背”と呼ばれていた横浜駅西口の中央通路とダイヤモンド地下道を繋ぐ地下連絡通路がフラットになったことや、『アソビル』の開業など子育てファミリー層向けの商業施設が充実したこと、オフィスビル建設ラッシュで、より“働ける街”になったことで、さらに魅力的な街になっていることが要因として挙げられます」(池本編集長、以下同)

魅力を感じる項目

横浜以外にも上位にランクインしている街の全体傾向としては、大規模な商業施設がある利便性の高さや、メディア露出が多く、人・モノ・カルチャーが魅力的であることが挙げられた。

通勤アクセス良好の赤羽・さいたま市がアツイ!

今年のランキングでは、昨年に引き続き4位をキープした「大宮」をはじめ、「赤羽」(17位)、「浦和」(10位)、「さいたま新都心」(19位)の上昇に着目し、これらの駅の共通点として、「勤務地へのマルチアクセス」と「リーズナブルな家賃」を挙げた。

住みたい街ランキング 2020関東版

「勤務地を起点に住まいを選ぶケースが多いのですが、2018年から東京駅周辺と渋谷駅周辺にオフィスビルが増えたことから、東京方面、新宿方面の双方向へ直通でアクセスが可能な『上野東京ライン』、『湘南新宿ライン』沿線駅は通勤にも利便。さらにファミリータイプの平均家賃を見てみると、例えば『大宮』は10.8万円(※1)で、同じ距離圏の『横浜』は『大宮』の約1.5倍、柏はほぼ同等ではあるものの新宿方面のアクセスが悪い。東京方面と新宿方面のマルチアクセスが可能で、比較的リーズナブルな家賃で住めることがメリットになっています」

マルチアクセス×家賃の安さ

「大宮」、「浦和」、「さいたま新都心」のあるさいたま市は、英語が全国トップの学力であることや、15歳までの転入超過人数(※2)が全国1位と子育て世帯の転入が多いなど、学校教育への信頼が高いことも人気の理由の一つに。また、「赤羽」は、「せんべろ」で知られるディープな飲み屋街だけでなく、おしゃれな飲食店が増えて女子受けもする街に変わってきたことや、さまざまなメディアで紹介されて注目を集めたこと、大学のキャンパスが新設されたことにより若者層の利用が増加したことなどが挙げられた。

※1:[ ]内は、 ファミリー向け(3LDK/4K~)の賃料相場 /SUUMO調べ
※2:転入超過人数=転入者ー転出者

渋谷再開発により周辺エリアの人気UP! 穴場だと思う街は「北千住」が不動の1位に

「中目黒」(9位)、「表参道」(15位)、「三軒茶屋」(28位)といった、渋谷周辺エリアの順位も上昇傾向に。

渋谷駅周辺のランキングの2018年からの推移

渋谷駅周辺のランキングの2018年からの推移

「渋谷スクランブルスクエアをはじめ大型商業施設が次々にオープンしたことや、渋谷駅のホーム移転など渋谷駅周辺の再開発により利便性も向上。また、再開発に伴い新規・移転で渋谷にオフィスを構える企業も増加し、100年に一度といわれる『再開発』と『オフィス集結』によって、渋谷にアクセスしやすい周辺駅の居住ニーズが高まっているのも今年の特徴です」

また、交通利便性や生活利便性が高いのに家賃や物件価格が割安なイメージがある「穴場だと思う街ランキング」では、「北千住」が3年連続1位となり、「川口」が3位にランクアップした。

新設「住民に愛されている街ランキング」は、「片瀬江ノ島」がトップ! 「住みたい街」とは異なる顔ぶれに

「住みたい街」とは別に、実際に住んでいる人の街への好意度について、今年新たに「住民に愛されている街ランキング」を発表した。上位は1位片瀬江ノ島、2位馬車道、3位みなとみらい、4位代官山、5位千駄ヶ谷というラインナップで、「住みたい街ランキング」とは全く違った顔ぶれとなった。

住民に愛されている街ランキング/住民に愛されている街ランキング

「『住みたい街ランキング』の上位はJR沿線駅やターミナル駅が多く、一方で『住民に愛されている街ランキング』上位は私鉄沿線駅や各駅停車駅が多い傾向となり、全く顔ぶれが異なる結果となりました。双方に共通しているのは人からうらやましがられそうなイメージのあるエリアであることや、資産価値がありそうなエリアという点。『住みたい街』は、大型商業施設や文化娯楽施設が充実しているなど利便性の高さがポイントになっていますが、『愛されている街』では、その街独自のカルチャーを感じたり、景観の心地良さ、関わっていたいコミュニティであることが重要視されているようです」

オープンマインドな人が多く、住民による地域イベントなど魅力的なコミュニティが充実

1位の「片瀬江ノ島」をはじめ、「鵠沼」(8位)、「鵠沼海岸」(10位)のエリアは出張野菜販売会やヨガ教室、ワークショップなど、趣味や地元イベントなどを通じた住民の交流が非常に盛んで、気軽に参加できるコミュニティが充実。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

「江の島・鵠沼エリアには、海が好きで街のカラーを理解した上で移住してくるので、地域になじみやすい。新しいことに対する抵抗感があまりないオープンマインドな人が多く、単身者でも地元の店やイベントなどを通じて顔見知りになれたり、ホームパーティーなどで親交を深める文化もあります。また、身近に海という自然があることでのびのびと子育てができるのも魅力で、教育に関しても中学受験をあまりしないケースが多いと聞きます。それに加え、行政サービスが充実している点もメリットに感じている人が多いのではないでしょうか」

新旧が混在した街独自の美しい景観を楽しめる

「馬車道」(2位)や「みなとみらい」(3位)などのエリアは、歴史を感じるクラシカルな建物と先進的な高層ビルの新旧入り混じったハーバービューという自慢の景観があり、都市のお散歩が楽しめる魅力がある。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

「5位の『千駄ヶ谷』も同様に新旧が混在した街で、街路樹や公園が多いことや、ヴィンテージマンションが多く、その1階はセンスのいい店舗になっていることから、ヨーロッパの街並みを彷彿とさせる景観がみられる一方で、神宮前方面の昔ながらの商店街には個性的な店が集積していたりと、街並みに良いリズムを与えています」

その街ならではの独自のカルチャーに魅了される

「代官山」(4位)、「麻布十番」(6位)「牛込神楽坂」(14位)「代々木上原」(13位)などのエリアは、その街ならではともいえる独自の店があり、地域を愛する魅力的な人と会えるのが魅力的。

4位 「代官山」 6位 「麻布十番」 14位 「牛込神楽坂」 13位 「代々木上原」

「小道でおしゃれな店と出会える『代官山』や、外国文化と江戸文化が交差する『麻布十番』など、その街ならではのカルチャーに魅了された人たちが愛着をもつのかもしれません」

地元は落ち着いたコミュニティ、買い物はにぎやかな隣駅が一番住みやすい!?

今回の愛される街調査では、「下北沢」(67位)より「東北沢」(7位)が上位に、「自由が丘」(40位)より「緑が丘」(9位)「奥沢」(15位)が上位にランクイン。
「これらの駅は商業集積駅の小さな隣駅なので買い物など日常生活には困らず、地元は駅近で落ち着いたコミュニティの中で暮らせるというメリットがあります。住宅地としての歴史や誇りを住民が伝承しているエリアでもあり、お祭りや町内会の活動が盛んで、住民の方々が『自分たちの街は、自分たちで良くしていこう!』と主体的に関わっています」と、愛される理由を解説。

最後に、「今回、私たちが発表した2つのランキングのもつ意味は、今後人口が減少してく中、各自治体が人口ビジョンに対する打ち手を考える際に、『住みたい街ランキング』は今後新しい住民が流入してくる期待値を推し測る指標として、そして今回新設した『住民に愛される街ランキング』は、さらに街としての魅力を高め、流入してきた住民を定着させるための指標となればと考えています。この両面を見ることで、街の魅力をトータルで表現できるようになると思っています」と語った。

「住民に愛されている街」にまつわるエピソードや、注目している街についてトークセッションも!

そして、第2部にはゲストにタレントのSHELLYさん、芸人のEXITさんが登壇し、池本編集長と共に、新設された「住民に愛されている街ランキング」をテーマにトークショーを実施。
上位にランクインした街の中で利用したことのある駅やそこでの思い出を尋ねたところ、SHELLYさんは「横浜が地元なので、『馬車道』や『みなとみらい』が上位なのがうれしいですね! 地元民からしてもこのエリアはわざわざお出かけしていく街のイメージで、憧れが強い。初デートはみんな、みなとみらいでしたよ(笑)」と地元ならではのエピソードを語り、「代官山」を挙げたEXITのお二人は、「本が充実しているので、蔦屋書店にはよく行きます」(兼近さん)、「通っているエステサロンがあり、美容の街のイメージですね」(りんたろー。さん)と意外な一面(?)を披露。

「東北沢」や「緑が丘」、「奥沢」などの商業集積駅の隣駅が人気傾向という話題では、「昔、東北沢の近くのエリアに住んでいたんですが、同時利用できる駅が多くて、住んでみたら静かな街で住みやすかったですね」とりんたろー。さんが住み心地について語ってくれた。

今後気になる街や住む街を選ぶときの条件について伺ってみると、「最近気になっているのは、元町や石川町エリア。商店街がどんどんおしゃれになっているので、これから人気が出そうだなと思います。実際に住む街を選ぶときは、今は小さい子どもがいるので駅にエレベーターがあることはマスト条件ですね。子どもがいても温かく受け入れてくれるお店がたくさんある街だと安心ですし、スーパーや雨の日にも遊びに行ける児童館が近くにあるかどうかもポイントになります」(SHELLYさん)と、2児の母親ならではのご意見も。

今まで知らなかった駅名や、その街が愛される理由を池本編集長にレクチャーされながらトークが弾み、「これから上京するという方はぜひこのランキングを参考にしてもらいたい」(SHELLYさん)、「引越しを考えていたので、自分にとっても参考になった」(りんたろー。さん)という感想に対し、兼近さんは「今度は両国でSUUMO(相撲)部屋に住もうと思います」と会場の笑いを誘い、和やかなイベントとなった。

2020年の「住みたい街」TOP3は不動。「住民が好きな街」1位は意外な海辺の街!

リクルート住まいカンパニーは、 関東圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)に居住している20歳~49歳の7000人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2020関東版」を発表した。TOP3は3年続けて同じ街となったが、上昇した街もある。さらには新たに「住民が好きな街ランキング」も発表された。1位になったのはどこだろうか?【今週の住活トピック】
「SUUMO住みたい街ランキング2020関東版」を発表/リクルート住まいカンパニー住みたい街ランキング2020のTOP3位は不動の「横浜」「恵比寿」「吉祥寺」

2020年の住みたい街(駅)ランキングの結果は、1位「横浜」、2位「恵比寿」、3位「吉祥寺」とTOP3は3年続けて同じ顔触れとなり、安定した人気を誇る結果となった。

100年に一度の再開発といわれ、今注目の「渋谷」はどうだっただろう?大型商業施設が次々と開業し、銀座線の駅の移転やIT企業の本社移転など、話題には事欠かなった。筆者は「渋谷」が10以内に食い込んでくると思ったが、結果は11位と思ったよりも上昇しなかった。といっても、渋谷周辺の街が上昇しているのが面白いところだ。具体的には、「表参道」が20位から15位、「三軒茶屋」が37位から28位、「青山一丁目」が64位から40位、「広尾」が56位から42位など、渋谷単体ではなく周辺一帯で人気が高まっていることが分かる。

人気の「恵比寿」に加え、8位→7位→5位と上昇している「目黒」も合わせて、山手線南西エリアは、花見の名所もおしゃれなショップもある、人気ブランドエリアの地位を確保しているようだ。

住みたい街(駅)総合ランキングトップ30(関東全体/3つの限定回答)(出典:リクルート住まいカンパニー)

住みたい街(駅)総合ランキングトップ30(関東全体/3つの限定回答)(出典:リクルート住まいカンパニー)

ランキング上昇の注目の街は、「さいたま新都心」などのさいたま市中核エリア

2019年のランキングでも注目されたのが、さいたま市中核エリアだ。居住環境を整え、観光の拠点施設も擁するさいたま市だが、2020年でも4位の「大宮」、10位の「浦和」と安定した人気を見せた。昨年、浦和の躍進については、SUUMO編集長池本洋一さんの地元ということで忖度されたのではないかという噂が立ったが、どうやらその実力は本物のようだ。

実は「大宮」は4位を維持した形だが、男性と20代ではあの「吉祥寺」を抜いて3位になっている。女性でも票が伸びているのが特徴だ。首都圏から東日本への玄関口であり、駅の東口・西口ともに再開発が進行しているなど街が活性化しているという背景もある。

さらに注目したいのが「さいたま新都心」。29位→23位→19位と着実に順位を上げている。そもそもさいたま新都心が誕生したきっかけは、1986年に第4次首都圏基本計画として浦和・大宮地区が業務核都市に指定されたこと。さいたま新都心駅を開業し、政府機関の移転や「さいたまスーパーアリーナ」がオープンしたのは2000年のことだ。

こうしてビジネスの拠点都市となったさいたま新都心だが、「さいたま赤十字病院」や「埼玉県立小児医療センター」が開院し、医療の拠点ともなった。また、「コクーンシティ1・2・3」の大型ショッピングモールもあり、居住環境も整っている。総戸数1000戸の大型マンション「SHINTO CITY」の登場で注目度も高まっている。

ランキング発表会での池本さんの説明によると、「大宮」、「浦和」、「赤羽」、「さいたま新都心」の上野東京ライン、湘南新宿ラインが並走する4駅がそろってトップ20に入ったことについて、「東京方面、新宿方面の双方向へ直通でアクセスが可能」で、かつ「物件価格・家賃の割安」があることが人気の背景にあるという。さらに、さいたま市で教育環境が整っていることも、押上効果が大きいのだそうだ。

「行きたい街」ではなく「住みたい街」になるには、街のイメージやアピール力に加え、交通や買い物の利便性や居住環境が整っていることなども大きな要因となっているわけだ。

「SUUMO 住みたい街ランキング 2020関東版 記者発表会」資料より(出典:リクルート住まいカンパニー)

「SUUMO 住みたい街ランキング 2020関東版 記者発表会」資料より(出典:リクルート住まいカンパニー)

住んでいる人が回答!住民が好きな街ランキング1位は、「片瀬江ノ島」

今回のランキング発表では、新たなランキングが加わった。これまでのランキングは、あの街に住みたい、住んでみたいと思うかどうかだった。いわば“自由投票”といってよいだろう。住んだことがある人の実感値とは異なる場合もあるだろう。

新たなランキングは、「お住まいの街が好きか?」と住民に聞いている。いわば“限定投票”だ。SUUMOでは「住民に愛されている街」と呼んでいた。

住民が好きな街(駅)ランキング(関東全体)(出典:リクルート住まいカンパニー)

住民が好きな街(駅)ランキング(関東全体)(出典:リクルート住まいカンパニー)

上位の顔ぶれを見ると、意外に小さな街が多いことに気づく。それもそのはずだ。住宅地でないと多くの住民はいない。“全国区”ではないが、その地域では知られた住宅地、いわば“地方区”のトップが並んだという印象だ。

「住民が好きな街」は、歴史ある住宅地が多くランキングされていること、ランドマークや個性的な街並みを持つ街が入っていることなど、「住んでみたい街」とは異なる特徴がある。

池本さんの説明によると、住民に愛される街には次の3つの特徴があるという。
(1)魅力的なコミュニティ(片瀬江ノ島、鵠沼、鵠沼海岸)
(2)街独自の景観(馬車道、みなとみらい、千駄ヶ谷)
(3)ローカルカルチャー(代官山、麻布十番、牛込神楽坂、代々木上原)

(2)自慢の景観があり、都市のお散歩が楽しめる「街独自の景観」と(3)その街独自の店があり、地域愛のある魅力的な人と会える「ローカルカルチャー」については、筆者も感じたが、(1)趣味や地元イベントなどを通じた住民同士の交流が盛んな「魅力的なコミュニティ」については、盲点だった。

特に1位の「片瀬江ノ島」は、住宅地というより海辺の街という印象が強いが、海好きが集まる独特のコミュニティが形成され、のびのびと子育てできる環境なども評価されているという。

たしかに住民に愛されるには、愛着を感じる魅力的なコミュニティが何よりも強い要因になるだろう。

「住みたい街」と「住民が好きな街」では違いがあるなど、興味深い点も多い今回のランキングだった。ただいずれも、生活利便性が高くブランドのある街だという点は共通している。商業施設や文化娯楽施設が欲しいのか、街独自の文化が欲しいのかが、人によって違う点だろう。
さて、あなたならどの街を1位に挙げるだろうか?

神保町カドにて – 1階路面店舗 –

所在地:千代田区神田神保町
32万6,700円(税込) / 56.2平米
半蔵門線・都営新宿線・都営三田線「神保町」駅 徒歩3分

お待たせしました!レトロ・路面・角地。店舗をはじめるのにうれしい三拍子が揃ったビルのご紹介です。



神保町駅から歩いて3分ほど、大通りから一本入った交差点の角というナイスな立地。この交差点、人通りはありつつもガヤガヤしすぎない良い雰囲気。そんなところが神保町らしいなと思います。

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ビラモデルナ【最上階、ていねいな部屋】

所在地:渋谷区渋谷
25万8,580円(税込) / 36.16平米
山手線「渋谷」駅 徒歩7分

ル・コルビジェの弟子である坂倉準三が設計した、元祖デザイナーズマンション。住戸を斜めにずらした雁行型で、個性的かつ表情豊かなコンクリートの建物は、SF映画の世界観を彷彿とさせます。



中心にあるシンボルツリーや、レトロなエントランス、空中廊下にもまた心をぐっとつかまれました。



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「集合!住宅」に住む

所在地:板橋区小茂根
14万7,000円 / 55.89平米
有楽町線・副都心線「小竹向原」駅 徒歩13分

◆ 賃料が下がりました! ◆



まさに「住宅」を集合!と集めて積み重ねたようなセンセーショナルな見た目で、世界中の建築ファンを魅了する、建築家、藤本壮介氏の代表作である「Tokyo Apartment」



1階と2階、地下1階のトリプレット区画のこちらは、玄関を抜けた先の1階部分 ... 続き>>>.
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夢広がるワンルーム

所在地:世田谷区代沢
7万7,000円 / 19.87平米
井の頭線「池ノ上」駅 徒歩4分

大胆に設けられた土間をどう使いこなすか、それがこの部屋をエンジョイするためのポイント。



1階という特性を生かし、玄関前には前庭、そこからフラットに室内へ出入りできるように設けられた土間。



住居としてはもちろんのこと、住居兼事務所や事務所としても利用可能なので、ここにデスクを置 ... 続き>>>.
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天高5mの大迫力

所在地:品川区上大崎
69万円 / 152.25平米
山手線「目黒」駅 徒歩13分

空から美しい光が降り注ぐ、ダイナミックな吹き抜け。天井の高さは最大で約5m!こんなに開放的なリビングスペースには、そう出会えないと思います。



白金台の静かな住宅街に、ひっそりと立つ3階建ての戸建て。住居としてはもちろんのこと、住居兼事務所利用も相談。用途地域上の制限で、事務所と ... 続き>>>.
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スモールオフィスの優等生

所在地:文京区湯島
9万9,000円(税込) / 27.89平米
中央線「御茶ノ水」駅 徒歩8分

少人数のクリエイティブ系の会社が借りたくなるオフィスって、こういうのじゃないかって思うんです。



普通のビルとは違う良い感じの外観・内装で、水回りは清潔感があり、ちゃんと便利な場所で、ほどほどの賃料で、場合によっては内装に少し手を加えることもできて、壁がホワイトボードになってたり ... 続き>>>.
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東トーキョー、アトリエ暮らし【店舗も可】

所在地:千代田区東神田
12万2,000円 / 26.15平米
総武快速線「馬喰町」駅 徒歩2分

無垢の板が床や壁にあしらわれ、温もりのある空間。「モールテックス」や木で造作されたキッチンはまるで家具のようです。



玄関に入ってすぐ部屋が開ける感じが明るく開放的で、お客さんを呼びやすいような雰囲気。サロンやアトリエ兼の小さなショップにするのによさそうです。



住宅設備も一式揃 ... 続き>>>.
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スターアニマルのお宅訪問!ハリネズミ「もなか」と角田修一さんの暮らし

2020年は12年に一度のネズミ年。そしてこのところ、犬、猫に次ぐ、スターアニマルとして人気を集めているのが「ハリネズミ」です。では、ハリネズミとともに過ごす日々はどのようなものなのでしょうか。「“ハリ飼い”さん」である写真家の角田修一さんにその暮らしぶりを聞きました。
小さくて丸くて、トゲトゲ。小さな手足とつぶらな瞳の「ハリネズミ」!

インスタグラムで大人気・ハリネズミの「もなか」さん。親ハリネズミである「あずき」さん時代から角田さんが続けているインスタグラムのフォロワーは40万超、写真集やポストカードブックが次々と発売されるなど、世界から注目されているスターアニマルです。その可愛らしさは写真を見ていただければ一目りょう然、説明いらず。小さくて丸くて、チクチクしていて、愛らしい。

『はりねずみのあずき&もなか ポストカードブック』(講談社 刊)2020年1月23日発売

『はりねずみのあずき&もなか ポストカードブック』(講談社 刊)2020年1月23日発売

ハリネズミのもなかさん。取材陣一同、ひたすら「かわいい」と連呼してしまう(写真撮影/相馬ミナ)

ハリネズミのもなかさん。取材陣一同、ひたすら「かわいい」と連呼してしまう(写真撮影/相馬ミナ)

角田さんがハリネズミと出会ったのは2016年。当初は犬を飼いたいと考えたものの、家族の体調などを考慮し、抜け毛やニオイがなくケージで飼育できる「ハリネズミ」の存在を知ったそう。

「それまでハリネズミをよく知らなくて、ヤマアラシみたいな生き物を想像していたのですが、実際に見たら小さくて愛おしくて。とはいえ、命なので即決せずに一週間、よく勉強して、準備をしてから正式にお迎えしたんです」と言います。

ただ、犬や猫と違い、ペットとして飼うための情報も少なく、手探りだったそう。そんなときに役立ったのがSNS、インスタグラムでした。

「インスタではささいな日常を残しておきたい」と角田さん。眺めていると幸せな気分になれます(写真撮影/相馬ミナ)

「インスタではささいな日常を残しておきたい」と角田さん。眺めていると幸せな気分になれます(写真撮影/相馬ミナ)

「当時はハリネズミの情報もあまりなくて。日常の記録、成長の記録として残しておこうと思ったんです。また、他のハリ飼いさんと繋がって、日常のお世話など素朴な疑問をぶつけあって解消する場にもなって、自然と輪が広がりました」といいます。

インスタグラムで掲載しているのは、できるだけ自然体でリラックスした表情のもなかさん。普段、何気なく過ごしていると見落としてしまいそうな、忘れてしまいそうな、なるべく些細な思い出を残していくのだとか。写真越しにもそのやさしさ、愛情が伝わってきて、人気に火がつくのも納得です。

つぶらなひとみと鼻。手のひらサイズのトゲトゲもふもふ(写真撮影/相馬ミナ)

つぶらなひとみと鼻。手のひらサイズのトゲトゲもふもふ(写真撮影/相馬ミナ)

丸まった状態からのご飯、最後は大の字! 愛らしすぎて、無限に見ていられる……(インスタグラムより)

丸まった状態からのご飯、最後は大の字! 愛らしすぎて、無限に見ていられる……(インスタグラムより)

室温は26~28度をキープ。愛らしいドールハウス住まい

「鳴き声の心配がない」「散歩が不要」「抜け毛がなく、ニオイもない」とはいえ、ハリネズミは単純に「誰でも飼える」という生き物ではありません。まず欠かせないのが室温管理です。ハリネズミの飼育に適しているのは24度から28度と言われていますが、もなかちゃんは少し寒がりのため、アクリルケージ内は常に26~28度になるよう配慮しています。

角田さんは東京都内の3階建ての一戸建てにお住まいですが、1年を通して最も室温が安定する、2階リビングの一角にアクリルケージを設置。さらに、上下にパネル式のヒーターをいれて一年中、適温をキープできるようにしています。

安心できる脇の下に逃げ込む。腕の中の、この安心しきった表情!(写真撮影/相馬ミナ)

安心できる脇の下に逃げ込む。腕の中の、この安心しきった表情!(写真撮影/相馬ミナ)

ちなみに、お住まいは建築家とともに建てた注文住宅。周囲を建物にかこまれた旗竿敷地なので、「屋根から光を取り入れ、やわらかく光をまわす」、そんな工夫を凝らしたお住まいです。

やわらかく光が差し込む角田さんの住まい(写真は12年前のもの)。もなかさんのケージがあるのは2階だそう(写真提供/角田修一さん)

やわらかく光が差し込む角田さんの住まい(写真は12年前のもの)。もなかさんのケージがあるのは2階だそう(写真提供/角田修一さん)

アクリルケージの中には、角田さんお手製のドールハウスを設置。これがまた愛らしいカラーリングで、しかもハリネズミの体高や動きに合わせてつくり出した、まさに世界に一つのお家です。こんな住まいで暮らせるなんてもなかさん、幸せものです……。

もなかさんのお父さん、あずきさんが使っていたアクリルケージ。写真右手にあるのがお手製のおうち。テントはドイツの骨董市で購入してきたもの(写真撮影/相馬ミナ)

もなかさんのお父さん、あずきさんが使っていたアクリルケージ。写真右手にあるのがお手製のおうち。テントはドイツの骨董市で購入してきたもの(写真撮影/相馬ミナ)

もなかさんのおうち。イメージに合わせて外壁塗装を変えているそう。素敵が止まりません(インスタグラムより)

もなかさんのおうち。イメージに合わせて外壁塗装を変えているそう。素敵が止まりません(インスタグラムより)

「ハリちゃんが来て一番の暮らしの変化は生活にリズムができたこと。ハリネズミはトイレが覚えられないので、ペットシーツの交換が必要。だから毎朝、あいさつをして、ケージの掃除をするとともに、ご機嫌を伺っています」(角田さん)

ハリネズミは夜行性で、睡眠時間もたっぷり必要だそう。もなかさんの場合は20時間寝ていることもあるとか。そのため昼間はひたすら眠り、夜中に動き回ることが多いそう。だから朝、あいさつ代わりにふれあってその後に掃除、昼間はゆっくり寝かせてあげて、夜の帰宅後にマッサージをしたり、えさをあげたりとふれあっているとのこと。こうした日々を過ごすうち、角田さん自身の体調にも変化がありました。

「私はパニック障害を患っていて、今まで薬が手放せなかったのですが、ハリちゃんたちのお世話をするなかで、発作が出にくくなりました。パニック障害って周囲の人になかなか理解されないのですが、ハリネズミはそばにいてくれる存在というか、とにかく癒やしになっているのだと思います」と言います。

マッサージをされてうっとりのもなかさん。確かに癒やし効果は絶大です……(写真撮影/相馬ミナ)

マッサージをされてうっとりのもなかさん。確かに癒やし効果は絶大です……(写真撮影/相馬ミナ)

ハリネズミの寿命は3~5年。一回一回のお世話が貴重なひととき

ハリネズミは「ネズミ」といいつつも、その生態はモグラに近いそう。視力は弱く、嗅覚や聴覚で周囲の環境などを判断するため、匂いの強い柔軟剤、香水の使用は避けるようにしているとか。

「ハリネズミの寿命は3年から5年。さらにほとんど寝ているから必然的にお世話をしてあげられる時間、ともに過ごす事のできる時間は限られています。だからこそ、一回一回、会える時間をどれだけ愛してあげられるかが大事なんです。一瞬でも10分でも大切にして、お世話をしてあげたい」と角田さん。基本的にはとても臆病な生き物ですが、お世話をしていくうちに飼い主にしか見せない、油断した顔や、うっとりした顔を見られるのが、ハリネズミとの暮らしの良さだとか。

ブランケットにくるまれるのも好き。ひょっこりと顔が出ています(写真撮影/相馬ミナ)

ブランケットにくるまれるのも好き。ひょっこりと顔が出ています(写真撮影/相馬ミナ)

今、角田さんをはじめ、ハリ飼いさんのなかで最も懸念されているのが、インスタ映えのためだけに、まるで道具のようにハリネズミを飼い始める人が出てしまっていること。

「ハリネズミは動きが早いから撮影も難しいし、まるきりなつかない性格の子もいます。すると思ったような可愛い写真が撮れない、ぜんぜん懐かない、可愛くないという理由で、簡単に捨てられてしまうケースが出てきてしまって……」と悲しそうに話します。

ただでさえ短命のハリネズミが捨てられて命を落としてしまうのは、悲劇でしかありません。小さな命を乱暴に扱う人がこれ以上出ないように。最後の瞬間まで生をまっとうできるように、そっと祈るばかりです。

ぬいぐるみ(右)のハリネズミとご対面。なんだこいつ……?と思っているとか、いないとか(撮影/相馬ミナ)

ぬいぐるみ(右)のハリネズミとご対面。なんだこいつ……?と思っているとか、いないとか(撮影/相馬ミナ)

●取材協力
角田修一さん、もなかちゃん
コマーシャルフォトグラファー。1975年、東京生まれ。多摩美術大学デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。モデル活動後に独学で写真とヘアメイクを学び、現在カメラマン。広告撮影を中心に雑誌やCDジャケット、ポートレートの分野で幅広く活動中。SNSで日々のはりねずみのあずきともなかを紹介している。著書『トゲもふ! はりねずみのあずき』(kadokawa)ほか。
あずき 2016.1.15~2019.1.20
もなか 2018.4.8~
インスタグラム
『はりねずみのあずき&もなか ポストカードブック』

これでいいのだ

所在地:杉並区和田
7万9,000円 / 21.1平米
丸ノ内線「新中野」駅 徒歩8分

一口にリノベーションといっても、とびきりのおしゃれを目指したわけでもなく、装備が格段にグレードアップされたわけでもなく。



でも、率直な印象は 「これでいいのだ!」



築50年が迫る建物に、そっと寄り添う物静かな空間は、ペンキ塗りの壁や裸電球が妙にしっくりときて、まどろみの時間が ... 続き>>>.
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ホームかオフィスか六本木

所在地:港区元麻布
40万円 / 81.38平米
日比谷線・都営大江戸線「六本木」駅 徒歩12分

レトロなマンションには意外だった、天井高3メートルのリビング。

間口が大きい上に端から端まで窓があって、視線をずらせば青空も垣間見えたりしつつ、目の前には都心部の日常が広がっています。



六本木ヒルズと有栖川公園の中間あたり。場所柄、オフィスとして使う人がいることも考えれば、こん ... 続き>>>.
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乙武洋匡さんが「義足で歩く」ことを選んだ意味。テクノロジーで障がい者や高齢者の暮らしはどう変わる?

ベストセラーになった著書『五体不満足』(講談社)で知られる作家の乙武洋匡さんが、昨年『四肢奮迅』(講談社)を出版した。これは40代に突入した乙武さんが最新の技術を搭載したロボット義足や義手を装着し、「歩く」ことにチャレンジしたドキュメント。障がい者が身体能力を拡張して豊かな生活を送れるようになるための橋渡しとなり、社会変革の契機になればという希望を抱いて進めているプロジェクトだ。
今回は、このプロジェクトがスタートした経緯や現状、テクノロジーによる障がい者や高齢者の暮らしの変革についてお話を伺った。

自分も知らなかった「乙武洋匡サイボーグ化計画」

――「乙武義足プロジェクト」が始まった経緯について教えてください。
「乙武義足プロジェクト」とは、ロボット技術を用いた身体能力の拡張研究を行うソニーコンピューターサイエンス研究所の義足エンジニア・遠藤謙さんを筆頭としたチームのサポートのもと、私がロボット義足を装着して自然に歩くことを目指したプロジェクトです。

電動車椅子で移動する乙武さんは、歩く必然性を感じていなかった(写真撮影/片山貴博)

電動車椅子で移動する乙武さんは、歩く必然性を感じていなかった(写真撮影/片山貴博)

義足エンジニアとの出会いで「歩く」プロジェクトが始まった(写真提供/乙武洋匡事務所)

義足エンジニアとの出会いで「歩く」プロジェクトが始まった(写真提供/乙武洋匡事務所)

遠藤さんとの出会いは、2016年3月にWebメディアの連載で対談したときでした。競技用義足の開発も進めている彼と、テクノロジーが進化することで義足と世の中がどう変わるのかというお話をしたのです。そのとき、遠藤さんが以前「乙武洋匡サイボーグ化計画」というプロポーザル(提案)を書いて、総務省が実施する人材プログラムに応募したと打ち開けてくれました。プロ野球の始球式でマウンドからベンチまでスタスタ歩く私の姿をYou Tubeで見て、「あ、義足で歩けそう」と思ったらしくて。びっくりしましたね、私に何の断りもなく提案していたなんて。相当面白くてぶっ飛んでる人だと思いました(笑)。

「もし助成を受けて予算が獲得できれば、ぜひ協力してください」と言われました。ただ、私自身、幼いころに義足に挑戦して諦めた経験があり、電動車椅子で世界中どこでも移動していたので、義足で歩く必要性をあまり感じていませんでした。それに当時の私は政治家を目指していたので、正式にお話をいただいても協力は難しいと思ったのです。

――文科省が所管する科学技術振興機構の「CREST」という研究プログラムから助成を受け、本格的に研究が動き出せる状態になった2017年、遠藤さんから研究に参加して欲しいと正式な打診がありました。協力しようと思った理由は?

遠藤さんと、プロジェクトの共同研究者である筑波大学図書館情報メディア系准教授の落合陽一さんにお会いして、話を聞きました。2人が終始ワクワクしながらプロジェクトの説明をしてくれたのですが、障がい者問題の打ち合わせにありがちな堅苦しい雰囲気ではなく、とても心地いい時間でした。それに当時の私は、週刊誌報道によって仕事をすべて失い、海外放浪の旅に出ていました。帰国してもスケジュールは真っ白という状況だったし、人生でもう二度と人様の役に立つことはできないと諦めていたので、チャンスをいただいたことや、何よりも自分を必要としてくださる人がいることが素直にうれしかったので、お引き受けしました。

――どのようにプロジェクトは進んだのですか?
お引き受けしたときは3カ月に1度ほど、モニターとして義足を履いて意見を言う程度だと思っていました。それが2018年4月にプロジェクトが始まったとき、我が家に練習用の平行棒が運ばれてきて、これは話が違うぞと面食らいました。

「自宅に平行棒が運び込まれてこれは大変だと。ここから厳しい歩行練習が始まりました」(写真提供/乙武洋匡事務所)

「自宅に平行棒が運び込まれてこれは大変だと。ここから厳しい歩行練習が始まりました」(写真提供/乙武洋匡事務所)

最初は、太もものすぐ先に足首から下がついている短い義足で練習し、割とすぐに歩けました。練習すればするほど歩けるのでワクワクしたのですが、半年後にモーターが装備された膝付きの義足で練習してみると、立つことすらままならなくなりました。目の前が真っ暗に。これはもう、歩くのは無理ではないかと。

理学療法士の登場で再び希望が持てた

―――どんな感覚になったのでしょうか。
バランス感覚が分からないんです。足を前に出そうと思っても、足が持ち上がらない。モーターを入れたことで、義足が片足だけで5kg近くになってしまったんです。素人ながら、歩けない理由は体がL字に凝り固まっているからだと気づきました。私の場合、四六時中、座った状態で生活をしていることが原因です。しかし、12月に理学療法士の内田直生さんに加わっていただきました。すると、それまでの課題が劇的に改善していったんです。

――例えば?
足を前に出しやすくするために、上半身のストレッチを重点的にするよう指導を受けました。なぜ上半身のストレッチが必要かというと、上半身をほぐして体をひねりやすくすると、その動きに下半身も連動して、足が前に出やすくなると言うんです。私が義足で歩くことの三重苦は、“膝がないこと”“手がないこと”“歩いた経験がないこと”。健常者の皆さんは意識せずにできていることですが、私はそんな動きをしたことがないので、内田さんが口で説明してくださっても最初はなかなか腑に落ちませんでした。でも、歩行練習を続けるうちに感覚が分かってきて、やっと内田さんの言葉を体が理解できて、理論と実践の回路がつながった気がしました。それはとても面白かったですね。とてもきつくて大変だけど。

――脳で理解して、それを体に落とし込んでいくという作業をされている。
そうですね、トレーニングは本当に苦しく、それこそ三歩進んで二歩下がるような進み具合でしたが、プロジェクトが開始して1年半後の2019年8月、豊洲にあるランニングスタジアムでの挑戦で、最高記録となる20mを歩くことができました。ラスト3mは水の中で溺れている無酸素のような状態になり、息が苦しくてそのまま倒れこみましたが……。
足の運びを意識しすぎると、呼吸の仕方を忘れてうまく息ができません。達成してうれしいという思いより、この息苦しさを何とかしなければいけないという次の課題が見つかりました。

――今は?
まっすぐ歩く練習は夏で一旦ストップし、秋には立ち止まったり、左右に曲がったり、Uターンしたりといった練習をしていました。年が明けてからは、屋外で緩やかな坂の登り下りを練習しています。健常者はどうやって坂道を登り下りしているのかと不思議に思うほど、なかなかうまくいきません。

あとは、筋力や持久力を鍛えるために、2日に1回のペースで、義足を装着せずに、50分かけて50フロア分のマンションの階段を上がるトレーニングをしています。また、お酒や揚げ物を控えて体重を減らすなど、アスリートのような生活をしています。40を過ぎて、何を目指しているんでしょうね(笑)。

豊洲の屋内トラックにスタッフが集まり、歩行できた距離を計測(写真提供/乙武洋匡事務所)

豊洲の屋内トラックにスタッフが集まり、歩行できた距離を計測(写真提供/乙武洋匡事務所)

違い過ぎるロンドンと日本の障がい者の暮らし

――そこまでするモチベーションは?
最初の動機は人様の役に立つことでしたが、今はできないと悔しい、達成したいという思いが強く、自分のために挑戦しているように思います。正直に言えば、このプロジェクトに取り組んでいる間に、この義足が実用化に至るのは難しいかもしれません。でも、技術や研究を継いで、たどり着いた先でいつか実用化されると思うので、私たちは全力で取り組んでいくのみだと思っています。

――そうしたテクノロジーが日本で実用化がされる際に、何が必要だと思いますか?
ロンドンで、2012年のロンドンパラリンピックの統括責任者だったクリス・ホームズさんという上院議員にインタビューをさせていただいたとき、「上院議員として一番力を入れていることは?」と質問をしました。すると、「テクノロジーを使ったバリアフリーです。日本はテクノロジー立国なので、見習うべき点がたくさんあります」という回答がありました。私はそれを聞いて恥ずかしく思いました。

――というと?
例えば、昨年でしたか、車椅子の人がバスの運転手に「30秒後に出発なので次のバスに乗ってください」と乗車拒否されたニュースが流れたことがありました。これはどういうことなのかというと、例えば東京都が運営するバスなら、まずは歩道近くに幅寄せして駐車し、下車した運転手が大きなスロープを設置する。そして、他の乗客から譲っていただいた座席2席分を跳ね上げ、乗り込んできた車椅子ユーザーをベルトで固定し、再び外に出てスロープを片付けて……という作業が発生します。5分ぐらいかかり、車椅子の方も「すみません」と運転手や乗客に謝りながら乗車するわけです。

一方、欧州のバスは、運転席にあるボタンを押せばスロープが自動的に出てきて、車椅子でも簡単に乗車できます。席を跳ね上げなくても、車椅子1~2台分のスペースがあらかじめ用意されていて、乗客がスッと場所を空けてくれる。30秒もあれば十分に乗り込めるので、バスは車椅子の乗客を乗せて出発できます。

日本はテクノロジーが発達しているのに、それを実用化していない。こうしたところに税金を費やせばいいのにと、クリス・ホームズさんの話を聞いて改めて思いました。一方、物理的なバリアフリー以外の面でも、学ぶべき点が多くありました。

(写真撮影/片山貴博)

(写真撮影/片山貴博)

――物理的なバリアフリー以外の面?
みなさんは1日外出をして、何人の車椅子の方とすれ違うでしょうか? 1人もすれ違わないこともあると思います。でもロンドンでは2,3ブロックも歩けば、1人は車椅子の方とすれ違うんです。つまり、ロンドンは車椅子の人が外に出やすい文化なんです。例えば、地下鉄の階段に車椅子の方がいれば、1分もしないうちに手伝ってくれる人が現れる。手伝ってもらえるのが当たり前な文化なので、車椅子の人も積極的に街に出ようと思えます。

日本はその逆で、やはり手伝ってもらうことに気が引けるんですね。申し訳ないと思ってしまう。すると、どうしても障がい者は外出することが億劫になってしまう。そうした文化や意識の違いは、障がい者と一緒に学ぶような教育環境があったか、学生時代に障がい者と一緒に過ごす経験があったかどうかにも関係していると思います。

――海外と比べて、日本のパブリックな場のバリアフリー化は進んでいるのでしょうか?
古い建物が残る欧州などと比べると、バリアフリーを意識した建物は増えていると思います。それでもやはり世間が注目するような最新の建物ですら、段差がたくさんあって、人の手を借りなければ車椅子の人が行動できないところがあります。デザイン性を重視したのかもしれませんが、そんな建物に遭遇するとがっかりします。障がい者のためだけでなく、超高齢化社会がますます進んでいく時代なのに。

公共の場も住宅も、建物を建てた後にバリアフリーのためのリフォームをすると当然ながらコストかかります。であれば設計するときに、自身が高齢になったときのこと、事故や病気で障がいを負った際の不便などを想定し、最初からバリアフリーな設計にしておくことが当たり前になるような文化になればいいのにとも思います。

乙武さんは1年間、海外を巡り、障がい者の暮らしについて学びを深めてきた(写真撮影/片山貴博)

乙武さんは1年間、海外を巡り、障がい者の暮らしについて学びを深めてきた(写真撮影/片山貴博)

アイデア次第で障がい者は暮らしやすくなる

――そうした日本人の意識改革が根底にありながら、その上でテクノロジーで障がい者が暮らしやすくなるための課題は何だと思われますか?
映画やドラマの影響もあって、ロボットやテクノロジーは血が通っていないツールだと抵抗を感じる方も少なくないと思います。でも、分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」(※)などを見れば明らかで、むしろテクノロジーを使ったほうが人と人とのつながりを生み、血が通うことが多い。満員電車に乗らずに家で仕事ができるなど、諦めていたことを諦めずにすむ世の中を実現できます。

「OriHime」を開発した吉藤オリィさんとお話ししたときに、「OriHime」は特別に高度なテクノロジーを活用しているのではなく、ロボットにカメラとマイク、スピーカーを搭載しただけ、ラジコンの延長線上にあるものだから、むしろローテクなのだとおっしゃっていました。今ある技術を使ってアイデアを絞っているだけだと。それによって自宅で寝たきりの人が外の人とつながることができる。このケースを参考にすれば、アイデア次第でもっと希望が生まれて、さまざまな可能性が拓けていくように思います。

取材を終えて

「最近車椅子の人とすれ違いましたか?」と乙武さんに質問されてドキっとしました。全く思い出せないからです。そのあとロンドンの車椅子事情を聞き、日本では車椅子の方がどんな思いで街を移動されているのかを改めて想像しました。障がい者や高齢者が人の手を借りても「申し訳ない」と思わなくても普通の暮らしがかなう世の中、子どものころからバリアフリーを考慮することが当たり前になる世の中への重要さを感じました。
また、乙武さんがいつかすたすた義足で歩いたり、100m走を走ったりすれば、多くの方に希望を与え、可能性が広がります。テクノロジーと当人の努力でどこまで人間は進化するのか、見守っていきたいと思います。

※「OriHime(オリヒメ)」は生活や仕事の環境、入院や身体障害などによる「移動の制約」を克服し、「その場にいる」ようなコミュニケーションを実現する分身ロボット。寝たきりの人が遠隔操作で分身ロボットを使って接客ができるという仕事も生み出せる

●取材協力
乙武洋匡さん
1976年東京都生まれ。98年早稲田大学在学中に執筆した『五体不満足』が600万部のベストセラーに。卒業後、スポーツライター、小学校教諭などを務める。現在は執筆講演活動のほか、インターネットテレビ「AbemaTV」の報道番組『 AbemaPrime』のMCとして活動。『四肢奮迅』(講談社)など著書多数。
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中目黒でほっこり

所在地:目黒区中目黒
17万3,000円 / 57.3平米
東急東横線「祐天寺」駅 徒歩15分

築49年のレトロなマンション。小道を抜けた先に待っている隠れ家感にそそられます。



南西向きで日当たり良好。リビングの窓が大きく、眺めが気持ちいいのが魅力のひとつ。窓辺でぼーっと外を眺めて過ごすのが心地よさそうです。



お風呂やキッチンなどの水回りが数年前にリフォームされ、きれい ... 続き>>>.
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化ける土間床【1階路面店舗】

所在地:中央区日本橋本町
11万円(税込) / 18.13平米
総武快速線「新日本橋」駅 徒歩2分

大通りから一本入って、すぐの場所にひっそりと立つ古ビル。昭和の雰囲気を感じるグッドな外観です。



今回の募集はこぢんまりとした路面区画。小商いや、ショールーム、アトリエ使用などに向いているのかなと。



にじみやクラックが入った築53年の歴史を重ねた土間。さすがにキズも多く、つぎは ... 続き>>>.
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富ヶ谷のドン

所在地:渋谷区富ヶ谷
52万9,100円(税込) / 122.31平米
千代田線「代々木公園」駅 徒歩4分

★賃料が下がりました★ 



代々木八幡から井の頭通りを越えて少し奥に入っていくと、ドンが現れます。どっしりと威厳がある風貌ながら、植栽やクリアなガラスによって何だか軽やかな一面も感じられるヴィンテージのオフィスビル。



実はこの建物、元外国人向けマンションをオフィス仕様にリニュー ... 続き>>>.
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ナカメのひっそり戸建て

所在地:目黒区中目黒
34万8,000円 / 128.34平米
日比谷線「中目黒」駅 徒歩9分

住宅街の一角にある、コンクリートのクールな戸建て。落ち着いた環境ながら、中目黒・恵比寿・代官山の各駅まで歩いて行けちゃいます。



用途は完全な住居のほか、住居と事務所・サービス店舗を兼ねる使い方も相談。立地や建物のことも踏まえると、こもって仕事をするクリエイティブ系、店舗の場合は ... 続き>>>.
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バルコニー・サンド

所在地:墨田区京島
19万8,000円(税込) / 85平米
京成押上線「京成曳舟」駅 徒歩5分

北と南に大きなバルコニーが二つ。それぞれ21畳ほどの広さがあり、広々と使えて楽しそうです。スカイツリーも見えます。



大きな窓から光が入ってきて心地良い室内。現状はスケルトンです。トイレやキッチンなどの水まわりもないので、必要な工事は全て入居者負担です。天井の高さは約2.7m。

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