2020年「SUUMO住みたい街ランキング」関西版発表! 1位「西宮北口」の人気はさらに強固に

リクルート住まいカンパニー(本社:東京都港区 代表取締役社長:淺野 健)は、関西圏(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県)に居住している20歳~49歳の4600人を対象にインターネットによるアンケート調査を実施。「SUUMO住みたい街ランキング2020関西版」を発表した。果たして、どんな結果となったのだろう。
トップ4の順位は、3年連続1位「西宮北口」、2位「梅田」、3位「神戸三宮」、4位「なんば」住みたい街(駅)ランキング トップ10(出典:リクルート住まいカンパニー) ※複数路線が乗り入れしている駅の「代表的な沿線名」は、回答時に選択された路線のうち最も多い得点を獲得した路線を記載

住みたい街(駅)ランキング トップ10(出典:リクルート住まいカンパニー)
※複数路線が乗り入れしている駅の「代表的な沿線名」は、回答時に選択された路線のうち最も多い得点を獲得した路線を記載

SUUMO「住みたい街(駅)ランキング2020 関西版」の結果は、1位「西宮北口」、2位「梅田」、3位「神戸三宮」、4位「なんば」と、3年連続でトップ4の順位に変動は無かった。

順位に変化はなかったが、得点を見ると「西宮北口」はこの3年で着々と伸ばし続けており、人気の高さは、さらに盤石なものとなっている。年代別「住みたい街(駅)ランキング」においても、20代から40代すべての年代で1位となっており、幅広い世代から支持されているのが分かる。西宮北口は大阪と神戸三宮のあいだに位置し、2018年11月に「阪急西宮ガーデンズ」が大規模な増床を果たしたことで一層「商業の集積地」という印象を強くした。交通利便と商業利便が合致した最たる場所と言える。

住みたい街(駅)年代別ランキング トップ10(出典:リクルート住まいカンパニー)

住みたい街(駅)年代別ランキング トップ10(出典:リクルート住まいカンパニー)

西宮北口ブランドの威光は、周辺駅にまで及んでいる。「穴場だと思う駅ランキング」では、ひとつ隣の駅「武庫之荘」が12位から4位へ躍り出た。まさに「人気の西宮北口に最も早くアクセスできる穴場駅」だ。

4位「なんば」は前年からポイントアップ。大阪を縦に貫く「なにわ筋線」への期待値か(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

西宮北口同様、前年より得点を伸ばしたという点で4位の「なんば」にも注目したい。
確かに、このところのなんばには目を見張る動きがある。なんばと将来「うめきた」エリアに誕生する新駅を結ぶ鉄道路線「なにわ筋線」が2020年2月28日に工事施行を認可されたのだ。ミナミとキタを新しい鉄道路線が縦貫するとなれば、関西の鉄道ネットワークの歴史は大きく変わる。関西国際空港や新大阪駅へのアクセス性が向上するなど、なんばの交通利便性はさらに価値が高いものとなるはずだ。
西宮北口と同じく交通利便と商業利便が絶妙にマッチしており、なにわ筋線の開通により、今後さらに「使えるエリアになる」と将来性が見込まれる。その点も評価されて得点を伸ばしたのではないだろうか。

再開発が進み、ファミリー層の人気を獲得した「天王寺」

5位以下を見てみると、2019年から順位を上げたのが8位から5位に上がった「天王寺」、10位から7位の「千里中央」、9位から7位(千里中央と同率)の「江坂」。

初のトップ5入りを果たした「天王寺」は、2015年に幕を開けた駅北側の再開発が引き続き進み、緑地が多くなって風景ががらりと変わった印象がある。近鉄不動産と大阪市が共同で取り組む「天王寺動物園ゲートエリア魅力向上事業」の一環として、天王寺動物園の退園口に2019年11月、約5000平方メートルの広さを擁する「てんしば i:na(イーナ)」がオープン。バーベキューが楽しめるなど、天王寺北側は都会のオアシス的な存在となっている。ライフステージ別の住みたい街ランキングでも夫婦+子ども部門で15位から8位へ急上昇しており、ファミリー層からの支持率がひときわ上がった街だと言えるだろう。

天王寺駅(写真/PIXTA)

天王寺駅(写真/PIXTA)

「千里中央」「江坂」が躍進! 北大阪急行の延伸で大阪北部に注目が集まる千里中央の街並み(写真/PIXTA)

千里中央の街並み(写真/PIXTA)

7位の「千里中央」は「穴場だと思う街(駅)ランキング」でも13位から3位へ華々しくジャンプアップ。男女別の住みたい街ランキングでは、女性部門で14位から6位へ、年代別のランキングでは、20代で13位から10位へと駆けあがるなど、千里中央はいま関西でもっとも熱い視線が注がれる駅のひとつだと言っても過言ではないだろう。老朽化した駅前複合ショッピングセンター「千里セルシー」を解体し、隣接する「千里阪急」とともに巨大商業施設の建設が計画されている点も人気上昇の追い風になりそうだ。昭和の時代に「日本初のニュータウン」として庶民から羨望の視線を浴びた“センチュー”が、令和に再びニュータウンとして甦ろうとしている。

もうひとつ、千里中央の順位が上昇することとなった発端と考えられるのが、「北大阪急行電鉄の延伸」だ。昭和の大阪万博と同じ年に開業し、 50 周年を迎えた北大阪急行。2023年度に、これまでは始発/終着駅だった「千里中央」から大阪府の箕面(みのお)市まで延伸開業する予定だ。新しく敷かれる鉄道の沿線には大阪大学の新キャンパスをはじめ、「子育て」を核とした複合公共施設などの建設が進んでいる。完成すれば、千里中央には今後より多くの人口流入が見込まれるだろう。

Osaka Metro御堂筋線の北部の始発/終着駅である「江坂」の順位があがっているのも、北大阪急行延伸の影響が強いと考えられる。江坂はOsaka Metroと北大阪急行との相互乗り入れ駅でもあり、今後は交通利便性アップの恩恵をさらに受けることとなる。北大阪急行の延伸は江坂にとって大型複合商業施設「みのおキューズモール」と直結するという商業利便という面においてもメリットが大きい。Osaka Metro御堂筋線は終電時間の延長も計画されている。実施されれば終着駅である江坂はますます住みやすい駅になるはずだ。

江坂駅周辺の風景(写真/PIXTA)

江坂駅周辺の風景(写真/PIXTA)

「穴場だと思う街(駅)ランキング」は、尼崎市の街が4つランクイン!

「穴場だと思う街(駅)ランキング」の1位は、前年と同じく「尼崎」。順位は変わらないが得点は21ポイント増えており、「穴場な街といえば尼崎」という印象がさらに強化された感がある。阪神本線の駅としてランクインしているが、麒麟麦酒工場跡地が再開発されて以来、阪神のみならずJRも含めた尼崎圏全体のイメージそのものがクリーンアップされたのだろう。駅近なマンションの供給も増えつつ、それでいて価格は比較的抑えられているのも魅力的だ。

穴場だと思う街(駅)ランキング トップ10(出典:リクルート住まいカンパニー)

穴場だと思う街(駅)ランキング トップ10(出典:リクルート住まいカンパニー)

2位の「塚口」、12位から4位へ跳ね上がった「武庫之荘」、圏外から一気に8位へ票を伸ばした「園田」も尼崎市の街(駅)だ。2019年に発表された人口動態調査によると尼崎市は9年ぶりに人口が増加している。また、平成最後に「尼崎城」が築城されるなど、話題に事欠かない。今後は「穴場な街(駅)」の尼崎が、「住みたい街(駅)ランキング」へとステージを移していくのか注目したい。

13位から7位へランクアップしたのは、桂離宮など歴史遺産が数多く遺る京都西部の玄関口「桂」。阪急京都線と嵐山線の2路線が乗り入れており、京都河原町まで10分、大阪梅田まで特急で34分でアクセス可能。交通利便性が高い街でありながら、「碁盤の目」と呼ばれる家賃が下がりにくいエリアから微妙に外れており、繁華街に近いにもかかわらず比較的住宅開発が進んでいるのも、好感をいだかれた要因だろう。

昨年の圏外から8位へ急上昇したのが兵庫県の「明石」。子育て世代への施策を打ち出し、先ごろは紙おむつや粉ミルクなどを無料宅配する支援制度の予算案が可決されるなど、ファミリー層を魅了する点が多い街だ。ライフステージ別の「住みたい街(駅)ランキング」でも、夫婦+子ども部門で26位から18位へ順位をあげており、子育て支援の取り組みは如実に功を奏しているのが分かる。JR新快速で三ノ宮まで15分、大阪まで37分という交通利便性があり、海や山など自然に囲まれながらも駅前再開発により商業利便性も十分。家賃も阪神間と比較すると安い。2013年から明石市の人口が増え続けているのもそのためだろう。

「SUUMO住みたい街ランキング2020 関西版」の結果をひもといてみると、夙川や岡本、御影など以前から人気でブランドイメージが強い街がランクをやや下げているのに対して、天王寺や千里中央のように交通利便性と商業利便性があり、安価で家族で楽しめる緑地帯がある実利性が高い街の人気があがっているように感じた。来年の結果はどうなるのだろう。引き続き、注目していきたい。

完成、こだわりの部屋

所在地:渋谷区道玄坂
16万6,296円(税込) / 23.76平米
山手線「渋谷」駅 徒歩5分

すーっと目に入ってくる遠くまで抜けた景色と、フルリノベーションによって生まれ変わったばかりの空間がいい感じ。ピクチャーウィンドウを思わせるこの風景、きっとすがすがしい気分で仕事ができちゃうんじゃないでしょうか。



スケルトンからのリノベーション。限られたスペースにどれだけの開放感 ... 続き>>>.
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マンションの管理費・修繕積立金、平均額はいくら?階数や築年で変わる?

東京カンテイが毎月発生する管理費や修繕積立金などのランニング・コストを分析した。それによると、「管理費・修繕積立金は新築マンションの価格とほぼ連動して上昇している」という。詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「マンションのランニング・コスト最新動向」を発表/東京カンテイ新築マンションの管理費・修繕積立金は地域差があり、マンション価格と連動している

マンションの管理費は、日常の管理を円滑に進めるためのもので、管理会社への委託費、共用部の清掃費や水道光熱費、共用設備の点検などに使われる。一方、修繕積立金は、主に12年周期などで実施される大規模修繕工事を実施するために積み立てられるもの。

東京カンテイでは2010年~2019年の首都圏・中部圏・近畿圏の1戸当たりの管理費と修繕積立金を「専有面積70平米換算」にして分析している。2019年と10年前の2010年の月額の平均額は、次のようになる。

三大都市圏 管理費・修繕積立金(70平米換算 単位:円/月)(出典/東京カンテイ「マンションのランニング・コスト最新動向」より抜粋して筆者が作成)

三大都市圏 管理費・修繕積立金(70平米換算 単位:円/月)(出典/東京カンテイ「マンションのランニング・コスト最新動向」より抜粋して筆者が作成)

三大都市圏で地域差があり、この10年間でいずれのエリアも上昇している。東京カンテイによると、管理費・修繕積立金は新築マンションの価格と連動しているという。

一般的に、高額なマンションほど、その設備仕様や管理サービスの水準が高くなる。近年、新築マンションの供給量が絞られる中、こうした「ハイグレードマンション」を主力とする大手デベロッパーの供給シェアが高まることが、新築マンションの平均価格を引き上げる一因になっている。ハイグレードマンションは、維持管理や建物の修繕にかかる費用も高くなる傾向があるため、連動性が生まれることになる。

また、新築マンションの価格上昇の背景として、近年の建設業界の人手不足による人件費の高騰や建築資材の高騰などがあげられる。同じように、管理業界の人手不足による人件費の高騰や建物の大規模修繕工事の費用の値上がりなども、新築マンションの価格と連動性が生まれる要因になる。

これから新築マンションの購入を考えている人は、地域別の平均額やこういった背景を押さえて、マンションのランニング・コストを考えるとよいだろう。

タワーマンションは、管理費や修繕積立金が高い!?

次に、新築マンションの管理費・修繕積立金を最高階数別に見ていこう。
一般的に、20階以上を超高層=タワーマンションというが、20階未満の非タワーマンションと20階以上のタワーマンションでは、管理費と修繕積立金に開きが見られた。

三大都市圏 最高階数別 管理費・修繕積立金(70平米換算 単位:円/月)(出典/東京カンテイ「マンションのランニング・コスト最新動向」より抜粋して筆者が作成)

三大都市圏 最高階数別 管理費・修繕積立金(70平米換算 単位:円/月)(出典/東京カンテイ「マンションのランニング・コスト最新動向」より抜粋して筆者が作成)

これは、タワーマンションには多様な共用施設が備えられ、24時間常勤管理・コンシェルジュサービスなど、充実した管理サービスが提供されることが多いこと、タワーマンションの大規模修繕工事は一般のマンションと違って施工方法が特殊になることなどにより、管理費や修繕積立金が高くなる傾向が見られるからだ。
→ 参考記事:「タワーマンションの大規模修繕、一般的なマンションとどう違う?」

タワーマンションそれぞれの事情によって実際の金額は異なるだろうが、おおむね非タワーマンションよりはランニング・コストがかかるといえそうだ。

中古マンションのランニング・コストの傾向は?

東京カンテイでは、中古マンションの東京23区・大阪市・名古屋市における管理費・修繕積立金についても分析している。築年帯別の月額平均は、管理費と修繕積立金で傾向が大きく異なることが分かるので、その傾向について見ていこう。

まず、管理費についてはおおむね、金額が高くなる2つの大きな山が見られる。築年の新しい時期が第一の山で、これは分譲時の管理費が年々上昇した(首都圏・近畿圏)ことや流通量に占めるタワーマンションの比率が高くなった(中部圏)ことに起因する。第二の山がバブル期に分譲されたマンションで、バブル期特有の豪華な設備仕様・サービスによって高くなることに起因する。2つの大山を除くとおおむね安定している。

一方、修繕積立金については、逆に築年の新しい時期のほうが金額が低い。築5年から上昇が顕著になり、築10年を超えると緩やかに上昇するといった上昇傾向が続く。

修繕積立金が築年に連れて上昇する理由は、分譲時にマンションの修繕積立金を抑えて販売する背景がある。かつては、売りやすさを優先して、分譲時に設定された修繕積立金では第2回・第3回の大規模修繕工事に積立金が不足する形になっていた。そのため、不足を補うためには、マンションの管理組合で修繕積立金の値上げをする必要があった。

その反省を受けて、近年では分譲当初から大規模修繕工事に不足しない金額を設定するようになったが、その多くは「段階的に修繕積立金を値上げする」方式を取っている。そのため、分譲当初の修繕積立金の額は低いが、数年後の値上げで金額が高くなる。いずれの場合も、後になるほど修繕積立金が増額になるので、築年数が経つほど修繕積立金の平均額も上昇することになる。

住宅ローンの返済と合わせて支払うことになるマンションのランニング・コストは、低い額であるほど家計の負担は少なくなる。だからといって、管理サービスのレベルが低かったり、将来の大規模修繕工事で資金が不足して、追加費用を求められたりするのは避けたいものだ。

そのためには、平均額を参考にしたり、金額が増減する背景を押さえたりして、適切な金額かどうか確かめるようにしよう。マンションの資産価値を維持向上させるには、それ相応のお金も必要なのだ。