明るく朗らかに

所在地:世田谷区桜丘
12万円 / 41平米
小田急線「千歳船橋」駅 徒歩10分

場所は世田谷区桜丘、閑静な住宅地にあるマンションのご紹介です。ファミリーが多く、居住者どうしの挨拶を目の当たりにして、マンション全体の雰囲気がとてもいいなと感じました。共用部も清掃が行き届いています。



東向き角部屋のリビングは窓が多く、優しい光がふわっと入ってきます。広さは15 ... 続き>>>.
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拝啓、ルーバルLOVER様

所在地:品川区西五反田
12万5,000円 / 34.14平米
東急目黒線「不動前」駅 徒歩2分

ルーバルLOVERにささげる、最上階の角部屋。この建物で唯一、広いルーフバルコニーがついてます。



ここまでバルコニーが広いと、自然と外に出たくなります。付近に高い建物はナシ、眺望に抜け感アリ。開放感はもちろん◎です。



先にお伝えしておきます。この部屋ですが、ふたり暮らしはかな ... 続き>>>.
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中庭とぽかぽかリビング

所在地:武蔵野市吉祥寺北町
22万円 / 79.91平米
中央線「三鷹」駅 徒歩17分

都心部から少し離れても落ち着いた環境や緑豊かな場所を検討していて、「正直、どこに住んだらいいか分からない」という方!お試しで住むのにちょうどいい物件のご紹介です。



吉祥寺北町にある戸建て。間取りは2LDKで2人暮らしサイズです。中庭と廊下で生活シーンが振り分けられています。



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ビッグバルコニーと共に

所在地:港区南青山
32万4,500円(税込) / 63.33平米
都営大江戸線「青山一丁目」駅 徒歩4分

青山霊園の端っこにそびえ立つ、重厚なレトロマンション。約50㎡のルーフバルコニーを備える、最上階のご紹介です。



バルコニーは三方向に抜けています。公園、青山霊園、高層ビルなど、南青山ならではの景色が広がり、とっても気持ち良さそう。



本当は室内写真や眺望などの写真をもっと用意で ... 続き>>>.
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稲荷町で拠点を構える

所在地:台東区松が谷
15万9,500円(税込) / 42.84平米
銀座線「稲荷町」駅 徒歩4分

浅草と上野をつなぐ台東区松が谷は下町情緒満載なエリア。浅草通り沿いにあるビルの一室、事務所・店舗のご紹介です。



約43㎡のワンルームの区画を、オーク材のフローリングでシンプルなテイストに仕上げてあり、改装せずともすぐ入居できる嬉しい内装。



大通り沿いのため向かいの建物までの距 ... 続き>>>.
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モザイクテラス

所在地:東京都練馬区豊玉北
11万円 / 36.17平米
都営大江戸線「新江古田」駅 徒歩5分

モザイクのように切り取られた窓から漏れる部屋の明かり。んん?窓と思ってたけど、よく見るとそれはテラス。そしてその向こうに窓がある。



窓とテラスが折り重なることで、なんか不思議な感じに仕上がってます。モザイクの向こうに、いろんな生活が垣間見えるような。



水色のタイルが敷き詰めら ... 続き>>>.
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「MaaS」の社会実装へ、東京都のプロジェクトが始動!IT活用で移動をよりスマートに!

高齢化が急速に進む日本では、人の移動の変革が課題となっており、行政も力を入れている。そこで注目されているのが「MaaS」。東京都では2020年度の「MaaSの社会実装モデルとなる実証実験プロジェクト」を3件選定した。採択事例を見ながら、MaaSとはどういったものか見ていくことにしよう。【今週の住活トピック】
MaaSの社会実装モデルとなる実証実験プロジェクトを選定/東京都最近よく聞く「MaaS」とはなにか?

「MaaS」はMobility as a Serviceの略語で、「マース」と読む。直訳すると「サービスとしての移動」となる。東京都のサイトでは、MaaSを「一連の交通サービスとしてモビリティの最適化を図るため、複数の交通手段を組み合わせ、アプリ等により一括検索・予約・決済を可能とする取組などを指す」としている。うーん、分かりにくい。

平たく言うと、いま誰もが利用できる交通手段には、電車、バス、タクシー、飛行機、シェアサイクルなどがあるが、ITを活用することで、これらの移動手段をひとつにまとめて、効率よく便利に使えるようにするシステムのこと。といったことのようだ。

バリバリの文系人間である筆者には、テクノロジーのことは上手く説明できないので、私たちの生活がどうなるかを見ていこう。

例えばいま、私が移動をしようとするとき、交通機関検索サイトで移動ルートを調べ、例えばJR東日本のサイトで特急指定席と乗車券を予約してクレジットカードで精算し、到着駅では、バス会社のサイトでバスの時間を調べたり、シェアサイクルサイトでレンタサイクルを検索したりして、それに乗って目的地に着いたら精算。こうしてそれぞれを検索・手配や決済していたものを、スマートフォンのアプリを使って、まとめて移動手段の検索や手配から決済までができるようになる。そんな環境をつくろうというもの、らしい。

東京都の採択プロジェクトに見る、MaaSの実証実験事例

東京都が採択したプロジェクトの中で、小田急電鉄とJR東日本の事例を見ていこう。

2020年度の実証実験は、町田市山崎団地周辺エリアで行われる。町田市山崎団地は、1968年~1969年に建設された、総戸数3920戸の大規模団地(賃貸の集合住宅)で、最寄りとなる山崎団地センターバス停までは、町田駅からバスで14分という場所にある。

ここでのMaaSの仕組みは、NTT ドコモの AI 運行バス®システムを用いた“乗合型オンデマンド公共交通サービス”を、小田急電鉄が開発したMaaSアプリ「EMot」から検索・手配できる形で提供するもの。JR東日本の首都圏のほぼ全線および首都圏以外の主要路線と、小田急線全線、神奈川中央交通の路線バスのリアルタイムデータを用いて、遅れを加味した経路案内サービスを「EMot」および「JR 東日本アプリ」で提供する。

小田急電鉄とJR東日本のMaaS実証実験イメージ(出典:小田急電鉄・JR東日本のプレスリリースより転載)実施予定時期は、2021年1月中旬~3月中旬

小田急電鉄とJR東日本のMaaS実証実験イメージ(出典:小田急電鉄・JR東日本のプレスリリースより転載)実施予定時期は、2021年1月中旬~3月中旬

この山崎団地周辺エリアのMaaSの仕組みを使ってアプリ「EMot」でAI運行バスを検索・手配すれば、住まいを出て既存のバス停まで歩くことなく、指定された時間に乗り合い型のAI運行バスを利用して、より便利にJR東日本や小田急電鉄の駅まで行き、駅から電車に乗ったり、駅の商業施設を利用したりできるようになる。乗り合い型AI運行バスは支払いもすべてアプリで決済できる。路線検索にはリアルタイムデータを使うので、その日に限ってバスが遅れて乗りたい電車に乗れなかった、といったよくある事態も避けられるのだろう。

2020年度はほかに、京王電鉄のプロジェクトやナビタイムジャパンとKDDIのプロジェクトも選定された。京王電鉄は東京多摩エリアで、ナビタイムジャパン・KDDIはお台場などの東京臨海副都心エリアで、それぞれMaaSの実証実験を予定している。

MaaSが期待される理由は?

日本ではまだ実証実験の段階だが、フィンランドなど海外では実用化されているという。MaaSが実用化されれば、高齢者や小さな子供のいる家族が最適なルートや時間で、乗り合いなどによって比較的安価な費用で、移動できるようになる。足回りが悪いという理由で外出をためらっていた人たちにとっては、外出の機会が増えるだろう。

外出する人が増えれば消費も拡大するし、高齢者の場合はさらに、健康増進にも役立つかもしれない。また、公共交通機関の利用が増え、各自が自家用車に乗ることで排出するCO2の減少など、環境問題にも効果を発揮する可能性もある。

一方、公共交通機関が発達している都市部と自家用車に依存する地方では、事情も異なるだろう。地域事情に合ったシステムを設計する必要があるし、モバイルアプリを使えない高齢者などにはサービスが行き届かない懸念もある。検討すべき課題が多いのも現実だろう。

東京都の採択を受けたプロジェクト以外にも、MaaSの研究を重ねている企業は多い。こうした研究成果が実って、移動が簡便にかつ効率的にできる社会の到来が待ち遠しいものだ。

○小田急電鉄と JR 東日本の2020年度東京都公募「MaaS の社会実装モデル構築に向けた実証実験」について

【建築家/手塚貴晴さん・由比さんインタビュー】シンプルでも豊かな家をつくるには?

憧れるのは、シンプルですっきりとした空間でかなえる心地よさに満たされる暮らし。

そんな豊かな住まいを実現するヒントを建築家に聞いた。
「その空間で何がしたいか
 好きを突き詰めることで生まれる
 シンプルな豊かさがある」    
   ―― 建築家・手塚貴晴さん・由比さん

――お二人が住宅設計の際に、まず行うことは何ですか?
由比 私たちが初めにお施主さんに聞くのは、「週末は何をしますか」とか、「普段どんな食事をしていますか」とか、「部活動は何をしていましたか」など、好きなことや暮らしについてですね。
貴晴 本が好きだから、壁中が本棚でいつでも手に取れる家とか、森に向き合っているデッキで寝転びたくなる家など、休みの日が楽しみになるようなワクワク感とかライフがデザインできているかどうかが、家づくりでは重要なことだと思っています。

――実際に、手掛ける住宅はそれぞれ全く違うデザインで、屋根にダイニングがある家など、個性的な家が多いです。
貴晴 僕は“Space for everyone is for no one.”ってよく言うのですが、みんなのための空間は誰のものでもない。みんなにいい、平均値の家は、結局、誰のお気に入りにもならないと思うんですよ。
由比 逆に、個別解を突き詰めてその人が本当に気持ちいいと感じる家は、多くの人が気持ちいいと共感できるものになるのだと思います。家って、家族が生活する箱でしかありません。でもその箱が少し変わるだけで、ワクワクしたり、生活が豊かになったりする。
貴晴 そこには工夫が必要です。例えば、「テントの家」はオーニングを張り出すことで窓外を印象深くしています。大きいだけの窓よりも、深い軒の先に見える緑の方が、より自然を感じられたりする。それが建築の役割。どうしたら好きなモノやコトを味わえるかを考え工夫を凝らします。単にモノを減らしてシンプルにしただけでは何の豊かさも生まれないし、逆にあれもこれもある箱だったら、ワクワクしない。
由比 デザインも機能も詰め込んだ、いろいろ載っているデコレーションケーキのような家ではなく、シンプルだけれどどこから切ってもおいしいようかん。そこで何をしたいのか、その人らしさに焦点を当てた、住む人にとってのようかんであればよいのではないかと思います。

――どうやって自分らしさを見つけたらいいのか、が難しいです。
貴晴 そうですね。その人らしさやその場所らしさを見つけ出すお手伝いをするのが建築家の役目だと思っています。
由比 例えば、「屋根の家」は、ごく普通の建売住宅に住んでいたお施主さんの、「うちの家族は屋根の上に出るのが好きなんです」という話から生まれました。
貴晴 29坪のシンプルな平屋に42坪の大屋根が載った家です。階下は合板の床に円座が置かれているだけ。建具を閉じればプライバシーが生まれますが、非常にシンプルなつくりです。一方、屋根は全面ウッドデッキを張っています。単なる屋上ではなく勾配があるから景色がよく見えて、寝転がりたくなる。屋根の上を楽しむというその人たちらしさに焦点を当てた結果、野原よりアウトドアな暮らしを楽しめる家になったとおっしゃっています。

――その人らしさのほかに、重視するのはどんなことですか。
由比 その場所らしさも重要です。土地のもつ力を活かすこと、住宅街なら目線が合わない窓の配置など、あるべき姿を踏まえていることが、負担なく暮らせる気持ち良さにつながります。
貴晴 「認定こども園 ミライズ そら」は、まさに土地の性格を活かした建築の一例です。兵庫県の農村地帯で、湿気の多い盆地ですが、建物全体を高床式にしたら、風が気持ち良くて空気が違う。子どもたちは縁の下や屋根の上をグルグル走り回っています。
由比 住宅は、風通しと断熱さえしっかりしていれば、内部は家族の歴史の中で変わっていける自由度が大切です。そこで暮らす人と土地にふさわしい建築は何かを突き詰めて、シンプルに掘り下げていくことで、楽しく過ごせる、豊かな空間になるのだと思います。

テントの家 立地の魅力と施主の好きな景色をより感じるためのデザイン。斜面に立つシンプルな箱型の住まいの軒から四方にオーニングを張り出した。光を通すオーニングが快適な窓ぎわをつくり、窓外の景色をいっそう印象づける(木田勝久/FOTOTECA)

テントの家
立地の魅力と施主の好きな景色をより感じるためのデザイン。斜面に立つシンプルな箱型の住まいの軒から四方にオーニングを張り出した。光を通すオーニングが快適な窓ぎわをつくり、窓外の景色をいっそう印象づける(木田勝久/FOTOTECA)

屋根の家 施主の好きなことから生まれた屋根の家は、屋内はシンプルなワンフロアとし、屋根の上にテーブルや椅子、簡易キッチンやシャワーまである。家族はお気に入りの天窓から梯子で上がり大空を感じる暮らしを満喫している(木田勝久/FOTOTECA)

屋根の家
施主の好きなことから生まれた屋根の家は、屋内はシンプルなワンフロアとし、屋根の上にテーブルや椅子、簡易キッチンやシャワーまである。家族はお気に入りの天窓から梯子で上がり大空を感じる暮らしを満喫している(木田勝久/FOTOTECA)

認定こども園 ミライズ そら 土地の魅力や地域への愛着を育むデザイン。原風景に溶け込むシンプルな木造平屋で湿気のある土地に対し、1.2m上げた高床式にして屋根の上をデッキにした。居場所によって景色の見え方が変わり、風の心地よさを感じる(木田勝久/FOTOTECA)

認定こども園 ミライズ そら
土地の魅力や地域への愛着を育むデザイン。原風景に溶け込むシンプルな木造平屋で湿気のある土地に対し、1.2m上げた高床式にして屋根の上をデッキにした。居場所によって景色の見え方が変わり、風の心地よさを感じる(木田勝久/FOTOTECA)

自分がどんな暮らしをしたいのか、そのための空間としての役割とは何か?というのをシンプルに突き詰めていく。そこにプロの建築家としての知見やアイデアを盛り込んでいくことで、手塚夫妻はオンリーワンのシンプルで豊かな家を数々手掛けてきたのだろう。

構成・文/中城邦子 撮影/藤本薫

建築家 手塚貴晴さん・由比さん
〈貴晴〉1964年東京生まれ。武蔵工業大学卒業、ペンシルバニア大学大学院修了。90~94年リチャード・ロジャース・パートナーシップ・ロンドン勤務
〈由比〉1969年神奈川生まれ。武蔵工業大学卒業。92~93年ロンドン大学バートレット校にてロン・ヘロン氏に師事
94年手塚建築企画を共同設立、97年手塚建築研究所に改称。「ふじようちえん」でUNESCO世界環境建築賞などを受賞しているほか、二人の作品は日本建築学会賞をはじめ、数々の賞を受賞
HP :手塚建築研究所

【建築家インタビュー】シンプルでも豊かな家をつくるには?

憧れるのは、シンプルですっきりとした空間でかなえる心地よさに満たされる暮らし。

そんな豊かな住まいを実現するヒントを建築家に聞いた。
「その空間で何がしたいか
 好きを突き詰めることで生まれる
 シンプルな豊かさがある」    
   ―― 建築家・手塚貴晴さん・由比さん

――お二人が住宅設計の際に、まず行うことは何ですか?
由比 私たちが初めにお施主さんに聞くのは、「週末は何をしますか」とか、「普段どんな食事をしていますか」とか、「部活動は何をしていましたか」など、好きなことや暮らしについてですね。
貴晴 本が好きだから、壁中が本棚でいつでも手に取れる家とか、森に向き合っているデッキで寝転びたくなる家など、休みの日が楽しみになるようなワクワク感とかライフがデザインできているかどうかが、家づくりでは重要なことだと思っています。

――実際に、手掛ける住宅はそれぞれ全く違うデザインで、屋根にダイニングがある家など、個性的な家が多いです。
貴晴 僕は“Space for everyone is for no one.”ってよく言うのですが、みんなのための空間は誰のものでもない。みんなにいい、平均値の家は、結局、誰のお気に入りにもならないと思うんですよ。
由比 逆に、個別解を突き詰めてその人が本当に気持ちいいと感じる家は、多くの人が気持ちいいと共感できるものになるのだと思います。家って、家族が生活する箱でしかありません。でもその箱が少し変わるだけで、ワクワクしたり、生活が豊かになったりする。
貴晴 そこには工夫が必要です。例えば、「テントの家」はオーニングを張り出すことで窓外を印象深くしています。大きいだけの窓よりも、深い軒の先に見える緑の方が、より自然を感じられたりする。それが建築の役割。どうしたら好きなモノやコトを味わえるかを考え工夫を凝らします。単にモノを減らしてシンプルにしただけでは何の豊かさも生まれないし、逆にあれもこれもある箱だったら、ワクワクしない。
由比 デザインも機能も詰め込んだ、いろいろ載っているデコレーションケーキのような家ではなく、シンプルだけれどどこから切ってもおいしいようかん。そこで何をしたいのか、その人らしさに焦点を当てた、住む人にとってのようかんであればよいのではないかと思います。

――どうやって自分らしさを見つけたらいいのか、が難しいです。
貴晴 そうですね。その人らしさやその場所らしさを見つけ出すお手伝いをするのが建築家の役目だと思っています。
由比 例えば、「屋根の家」は、ごく普通の建売住宅に住んでいたお施主さんの、「うちの家族は屋根の上に出るのが好きなんです」という話から生まれました。
貴晴 29坪のシンプルな平屋に42坪の大屋根が載った家です。階下は合板の床に円座が置かれているだけ。建具を閉じればプライバシーが生まれますが、非常にシンプルなつくりです。一方、屋根は全面ウッドデッキを張っています。単なる屋上ではなく勾配があるから景色がよく見えて、寝転がりたくなる。屋根の上を楽しむというその人たちらしさに焦点を当てた結果、野原よりアウトドアな暮らしを楽しめる家になったとおっしゃっています。

――その人らしさのほかに、重視するのはどんなことですか。
由比 その場所らしさも重要です。土地のもつ力を活かすこと、住宅街なら目線が合わない窓の配置など、あるべき姿を踏まえていることが、負担なく暮らせる気持ち良さにつながります。
貴晴 「認定こども園 ミライズ そら」は、まさに土地の性格を活かした建築の一例です。兵庫県の農村地帯で、湿気の多い盆地ですが、建物全体を高床式にしたら、風が気持ち良くて空気が違う。子どもたちは縁の下や屋根の上をグルグル走り回っています。
由比 住宅は、風通しと断熱さえしっかりしていれば、内部は家族の歴史の中で変わっていける自由度が大切です。そこで暮らす人と土地にふさわしい建築は何かを突き詰めて、シンプルに掘り下げていくことで、楽しく過ごせる、豊かな空間になるのだと思います。

テントの家 立地の魅力と施主の好きな景色をより感じるためのデザイン。斜面に立つシンプルな箱型の住まいの軒から四方にオーニングを張り出した。光を通すオーニングが快適な窓ぎわをつくり、窓外の景色をいっそう印象づける(木田勝久/FOTOTECA)

テントの家
立地の魅力と施主の好きな景色をより感じるためのデザイン。斜面に立つシンプルな箱型の住まいの軒から四方にオーニングを張り出した。光を通すオーニングが快適な窓ぎわをつくり、窓外の景色をいっそう印象づける(木田勝久/FOTOTECA)

屋根の家 施主の好きなことから生まれた屋根の家は、屋内はシンプルなワンフロアとし、屋根の上にテーブルや椅子、簡易キッチンやシャワーまである。家族はお気に入りの天窓から梯子で上がり大空を感じる暮らしを満喫している(木田勝久/FOTOTECA)

屋根の家
施主の好きなことから生まれた屋根の家は、屋内はシンプルなワンフロアとし、屋根の上にテーブルや椅子、簡易キッチンやシャワーまである。家族はお気に入りの天窓から梯子で上がり大空を感じる暮らしを満喫している(木田勝久/FOTOTECA)

認定こども園 ミライズ そら 土地の魅力や地域への愛着を育むデザイン。原風景に溶け込むシンプルな木造平屋で湿気のある土地に対し、1.2m上げた高床式にして屋根の上をデッキにした。居場所によって景色の見え方が変わり、風の心地よさを感じる(木田勝久/FOTOTECA)

認定こども園 ミライズ そら
土地の魅力や地域への愛着を育むデザイン。原風景に溶け込むシンプルな木造平屋で湿気のある土地に対し、1.2m上げた高床式にして屋根の上をデッキにした。居場所によって景色の見え方が変わり、風の心地よさを感じる(木田勝久/FOTOTECA)

自分がどんな暮らしをしたいのか、そのための空間としての役割とは何か?というのをシンプルに突き詰めていく。そこにプロの建築家としての知見やアイデアを盛り込んでいくことで、手塚夫妻はオンリーワンのシンプルで豊かな家を数々手掛けてきたのだろう。

構成・文/中城邦子 撮影/藤本薫

建築家 手塚貴晴さん・由比さん
〈貴晴〉1964年東京生まれ。武蔵工業大学卒業、ペンシルバニア大学大学院修了。90~94年リチャード・ロジャース・パートナーシップ・ロンドン勤務
〈由比〉1969年神奈川生まれ。武蔵工業大学卒業。92~93年ロンドン大学バートレット校にてロン・ヘロン氏に師事
94年手塚建築企画を共同設立、97年手塚建築研究所に改称。「ふじようちえん」でUNESCO世界環境建築賞などを受賞しているほか、二人の作品は日本建築学会賞をはじめ、数々の賞を受賞
HP :手塚建築研究所

涼しげなワンルーム

所在地:世田谷区玉川台
9万9,000~11万円 / 25.09~29.12平米
東急田園都市線「用賀」駅 徒歩4分

植栽に囲まれたアプローチを進むと、ゆとりある中庭が出迎えてくれます。



全21戸のワンルームからなる集合住宅は、2棟の建物に分かれており、それぞれ中庭の上にかかる階段でつながっています。各部屋にはこの階段をぐるぐると上がっていくため、他の住人の気配が感じられそうです。



今回ご紹 ... 続き>>>.
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赤坂プチスタジオ事務所

所在地:港区赤坂
14万5,800円(税込) / 34.04平米
千代田線「赤坂」駅 徒歩6分

赤坂のレトロなマンションの一室ながら、カメラマンの物撮り用スタジオや、海外アーティストの創作アトリエなど、クリエイティブな方々の創作の場所として使用されてきたこちらの空間。



2.8mの天高に真っ白に塗装された壁、そしてカメラマンが機材を吊り下げるために設置した天井の可動式の鉄骨 ... 続き>>>.
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つくるを引き継ぐ

所在地:横浜市鶴見区駒岡
5万9,000円 / 21.3平米
東急東横線「綱島」駅 バス15分 「駒岡八幡神社前」バス停 徒歩2分

こちらの物件は前住人の方が家具・収納等の図面を引き、オーナーの許可を得て、リノベーションした経緯があります。



室内はレトロな床材が印象的なワンルームで、室内に入ると大きめの造作ベッドと収納棚に目が行きます。ベッドの下は収納スペースになっているので、上手に活用ください。ベットの逆 ... 続き>>>.
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何かとちょうどいい

所在地:川崎市高津区溝口
8万9,000円 / 25.1平米
東急田園都市線・東急大井町線「高津」駅 徒歩2分

高津駅から徒歩2分、駅近デザイナーズ物件のご紹介です。



住宅が並ぶ一角に、コンクリートの塊が二つに分かれたような建物が現れます。少し変形した形状が、格好良さと可愛らしさの両方を感じさせます。



間取りは少し変形した1Kになっていて、表情の良い無垢フローリングが敷かれています。シ ... 続き>>>.
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440平米ワンルームリノベオフィス

所在地:中央区日本橋馬喰町
187万1,012円(税込) / 432.55平米
総武線「浅草橋」駅 徒歩3分

この規模のオフィス。しかもワンルームで。普段なかなか目にしないからなのか、広くて何もない空間だからなのか、自然と子どものようにテンションが上がってしまいます。



元々、ショールーム兼倉庫として使われてきた建物を、「Under construction(工事中)」というコンセプトで ... 続き>>>.
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「渋谷駅」まで電車で30分以内・家賃相場が安い駅ランキング 2020年版

東京有数の繁華街であり、大規模再開発が進む渋谷。昨年11月には駅前に新しいランドマークとなる複合施設「渋谷スクランブルスクエア」、同12月には、東急プラザ渋谷の跡地の商業施設「渋谷フクラス」内に40代以上を対象にした「東急プラザ渋谷」が開業し、従来の「若者の街」のイメージにとらわれない幅広い魅力を増している。その渋谷へアクセスがいいねらい目の街はどこだろうか。ワンルーム・1K・1DKを対象にした家賃相場が安い駅ランキングから考えてみた。●渋谷駅まで電車で30分以内、家賃相場の安い駅TOP14
順位 駅名 家賃相場(路線/駅所在地/所要時間/乗り換え回数)
1位 生田 4.80万円(小田急線/神奈川県川崎市多摩区/28分/2回)
2位 読売ランド前 5.10万円(小田急線/神奈川県川崎市多摩区/30分/2回)
3位 狛江 5.70万円(小田急線/東京都狛江市/23分/2回)
4位 向ヶ丘遊園 6.00万円(小田急線/神奈川県川崎市多摩区/23分/1回)
4位 和泉多摩川 6.00万円(小田急線/東京都狛江市/25分/2回)
4位 喜多見 6.00万円(小田急線/東京都世田谷区/21分/2回)
7位 久地 6.15万円(JR南武線/神奈川県川崎市高津区/23分/2回)
8位 戸田公園 6.50万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/29分/0回)
8位 登戸 6.50万円(JR南武線・小田急線/神奈川県川崎市多摩区/22分/1回)
10位 つつじヶ丘 6.60万円(京王線/東京都調布市/26分/1回)
10位 菊名 6.60万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/26分/0回)
12位 成増 6.70万円(東武東上線/東京都板橋区/29分/1回)
12位 日吉 6.70万円(東急東横線・横浜市営地下鉄/神奈川県横浜市港北区/20分/0回)
14位 三鷹台 6.80万円(京王井の頭線/東京都三鷹市)25分/1回)
14位 新川崎 6.80万円(JR横須賀線・湘南新宿ライン/神奈川県川崎市幸区)19分/0回)

ねらい目は小田急線沿線の駅

ランキング上位は、所在地が川崎市多摩区の駅と、小田急線沿線の駅が目立った。1位の生田駅は、ランキング内で唯一の4万円台。快速急行や通勤急行は通過するが、準急の停車駅だ。

生田駅前(写真/PIXTA)

生田駅前(写真/PIXTA)

生田駅は明治大学生田キャンパスや聖マリアンナ医科大学の最寄駅であり、専修大学生田キャンパスなども近く、学生街の雰囲気も漂う。そうした学生向けの物件が豊富なことが、家賃が手ごろな理由のひとつかもしれない。大学生活をドロップアウトした青年が主人公の、滝本竜彦の人気小説や同作を原作にした漫画『NHKにようこそ!』の舞台になった街でもある。

23区内の駅でランキング入りしたのは、同率4位の喜多見と、12位の成増の2駅。喜多見は世田谷区で最も西に位置する駅で、各駅列車のみが停車する。

周辺は閑静な住宅街。駅の近くには下町の雰囲気あふれる「喜多見商店街」がある。盆踊りやイベントなども行われており(2020年は新型コロナウイルス感染予防のため中止)、地域に根差した暮らしが期待できそうだ。また、酒類の扱いが豊富な信濃屋やサミットストアなどのスーパーのほか、ニトリなどのホームセンターも近く、日常生活にも便利そうだ。

成増駅は副都心線直通で交通利便性が抜群

成増駅は、ランキング中唯一の東武東上線沿線駅。2016年の東京メトロ副都心線との相互直通により、渋谷へ乗り換えなしで利用できるほか、池袋や新宿、代官山など他の繁華街へも一本で行くことができる。駅のすぐそばには東京メトロ有楽町線・副都心線の地下鉄成増駅があり、交通利便性は抜群だ。

なりますスキップ村(写真/PIXTA)

なりますスキップ村(写真/PIXTA)

駅周辺には、南口の「なりますスキップ村(成増商店街)」や「成増南商店街」など複数の商店街がある。スキップ村はチェーンの飲食店が充実しているが、成増は、ファストフードの「モスバーガー」の創業の地。店舗は建て替えられているが現在も営業している。全国どこでも同じクオリティーの味が楽しめるのがチェーン店の魅力ではあるが、歴史を顧みればまた違った味わいを得られるかも。

埼京線・湘南新宿ラインの新ホームで埼玉方面の利便性向上

再開発が進んでいるのは、街だけでなく駅も同様だ。今年6月、埼京線・湘南新宿ラインの新ホームが供用され、これまで改札から離れていた同線のホームが山手線と隣になった。埼玉方面からのアクセスが向上しており、埼玉県が所在地の駅では戸田公園駅が8位にランクインしている。

戸田公園駅周辺は、落ち着いた住宅地で、駅周辺道路の整備が進み歩道も広い。大きな商業施設などはないが、快速の停車駅で、池袋や大宮へも約15分、新宿へは約20分と、繁華街へのアクセスは非常に良い。少し行くと駅と同名の公園がある。前回の東京オリンピックでボート競技も行われた日本最大規模の人工静水コースがあり、景観や競技にいそしむ人たちの姿を眺めるのも楽しそうだ。

戸田漕艇場(写真/PIXTA)

戸田漕艇場(写真/PIXTA)

渋谷は大きな繁華街だけに、都内だけでなく神奈川からも埼玉からもアクセスが良い。30分以内で行けるエリアも多いからこそ、同じような家賃相場であっても、周囲の環境などによる部屋選びの選択肢は多彩だ。ライフスタイルの中で重視するものは何をよく考えて、気に入る部屋を探したいものだ。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている渋谷駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2020/4~2020/6
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載
※所要時間には駅から駅への徒歩移動時間を含む。(例:大手町駅⇔東京駅間の移動距離など)

棚田をレンタル!? 気軽な農業体験で地域に根ざした交流を【全国に広がるサードコミュニティ8】

全国各地に、気軽に田んぼを借りて、通年で通いながら農業体験ができる「棚田オーナー制度」を設けている地域があります。岐阜県恵那市にある坂折棚田もその一つ。家族や友人同士で借りることができて、地元の方との交流もできると人気です。連載名:全国に広がるサードコミュニティ
自宅や学校、職場でもなく、はたまた自治会や青年会など地域にもともとある団体でもない。加入も退会もしやすくて、地域のしがらみが比較的少ない「第三のコミュニティ」のありかを、『ローカルメディアのつくりかた』などの著書で知られる編集者の影山裕樹さんが探ります。棚田オーナー制度とは?

みなさん、「棚田オーナー制度」ってご存じですか? 主に都会に暮らす人に田んぼのオーナーとなってもらい、耕作のお手伝いをしてもらいながら棚田の風景を保全していこうという制度です。普段、自然に囲まれた生活をしていない都会のファミリーが、子どもに自然に触れてもらう機会をつくるために参加したり、サークルの仲間同士で田んぼを借りて、定期的に通いながら地元の農家さんとのふれあいを楽しむ、そんな参加者側のメリットもあります。

1992年に高知県の檮原町で初めて取り組みがスタートし、いまや全国に広がっています。なかには一つの地域で100以上のオーナーを受け入れているところもあるそうで、今流行りの“二拠点居住”までは踏み切れないものの、「一度きりの観光では物足りない、もっとローカルと深く関わる体験をしてみたい」という方にはちょうどいい制度ではないでしょうか。

(画像提供/坂折棚田保存会)

(画像提供/坂折棚田保存会)

棚田オーナーになるためには?

今回は、名古屋から車で1時間ほどの距離にあり、東京からもアクセスしやすい岐阜県恵那市にある坂折棚田保存会・理事長の田口譲さんにお話を伺い、「オーナーになるにはどうすればいいの?」「農業体験だけでなく農泊や地元の人との交流はできるの?」など、棚田オーナー制度の仕組みや魅力について教えてもらいました。

「オーナーの方には年間4回来てもらう機会があります。5月に田植えをして、6月下旬に草取り。それから9月の終わりに稲刈りをして、最後にお米をお渡しする収穫祭があります。玄米を30kgお土産として渡します。草刈りの日の後、希望者には近隣を案内したりもしています」(田口さん)

募集は一年中行っているので、これから行われる収穫祭から参加することも可能。一区画で年間3万5000円が基本料金。グループでシェアするプランなどもあり、人数が多ければ多いほど一人当たりの金額が少なくなるので気軽に参加できます。田植えや稲刈りなどの農作業は保存会のメンバーや地元の農家さんの指導を受けて行うので、誰でもすぐに始められます。現在、坂折棚田では50ほどのオーナーさんがいらっしゃるそうですが、「将来的には100くらいに増やしたい」と田口さんは言います。

保存会理事長の田口譲さん(画像提供/坂折棚田保存会)

保存会理事長の田口譲さん(画像提供/坂折棚田保存会)

つながりを重視するオーナーたち

恵那市は名古屋からのアクセスがいいので、愛知県のオーナーさんが一番多く、また、オーナーの傾向としては定年退職した方か、子ども連れのファミリーの方が多いそうです。基本的に農業体験は日帰りになりますが、何年も継続してここへ通っている方は、来るたびに近くの宿泊施設に泊まって帰ったり、地元の農家さんと親戚付き合いのようになるまで仲良くなるなど、農業体験以外でも地域に深く関わっているそうです。

棚田オーナー制度はある意味、最近の言葉でいうと「関係人口」を生み出す仕組みと言えるのかもしれません。アンケートをとると、「とてもよかった」「継続してほしい」という意見が大半。でもなかには「もっと、来た人どうしで交流する機会をつくってほしい」という要望もあるそうで、農業体験だけではなく、普通に暮らしていては出会えない農家さんや、ここでしか出会えない人との交流を求めている人は多いのかもしれません。

坂折棚田保存会のホームページではこうした農業体験のみならず、里山・森林体験や味噌づくり体験のお知らせ、周辺の宿泊や飲食のお店紹介ページなども充実していますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

保存会のホームページ

保存会のホームページ

棚田周辺の観光資源に目を向けてもらうために

約400年前に生まれた石積みの棚田は、日本の棚田百選にも選ばれており、フラッと観光で恵那市に訪れることがあるなら、一度は車を降りてこの光景を体験してほしいです。実は僕も一度、坂折棚田に訪れたことがあるのですが、扇状に広がる風景が壮大でとても気持ちがよかったのを覚えています。

「棚田の中を流れる坂折川上流部には、希少な植物が生育する湿地があり、農業文化の遺産である水車小屋など観光資源がたくさんあります。そういった所を散策してもらって、理解してもらうウォーキングコースも整備しています」(田口さん)

水田や棚田は放っておくと荒れていってしまうので、雑草を刈ったり、昔水田だったけれど、荒廃して林に戻ってしまった荒廃湿地を復活させる活動もしているそう。2003年には「第9回全国棚田サミット」の開催地となり、全国的にも知られつつある坂折棚田ですが、まだまだ関わる人を増やしていきたい理由はここにあります。

「生物文化多様性」という言葉がありますが、農村の自然や生態系は、そこに暮らし手を入れてきた人々の文化を育んでいきます。自然の豊かさに触発されるかたちで、多様で複雑な文化が生まれる。単に目の前にある風景を残していくだけでなく、そこで生まれた文化の多様性を保存することも大切なことだと感じます。そのためには、若い世代に文化を継承してもらう必要があります。

毎年6月には棚田の縁に灯籠を灯して、田の神様に田植えの報告と豊作を願う幻想的な「灯祭り」が開催されています。こうしたイベントも、まさに自然と人間がともに育んできた大切な文化の一つであり、守るべきものであると思います。そういう意味でも、一度きりの観光で訪れるのではなく、何度も通い、保存会の方々のお話しを聞いて、景観が守られてきた背景や歴史、そこから生まれた文化を深く知り、“他人事から自分ごと”にしてくれる関係人口を増やすことができる棚田オーナー制度は、双方にメリットがある有意義な活動だと言えるでしょう。

収穫の様子(画像提供/坂折棚田保存会)

収穫の様子(画像提供/坂折棚田保存会)

石積みの保存・修復もまた有志の手を借りて

400年の歴史を持つ坂折棚田の景観は、明治時代初期にはほぼ現在のかたちになりました。特に石積みの技術が高く、名古屋城の石垣を築いた石工集団「黒鍬(くろくわ)」の職人たちの手による美しい石積みもまた魅力の一つです。

「最初のころは、とにかく水田をはやくつくろうということで、適当に石を積んだので崩れるんですね。崩れると、直さにゃいかんということで、築城の技術を持った石積みの人たちが江戸時代に入ってやってきた。その後、昭和ごろになると相当プロの職人が育ってきた。それが今は失われてしまったので、“田直し”も私どもの重要な活動の一つです」(田口さん)

“田直し”の歴史は古く、1700年代ごろから盛んに行われていたようで、絶え間ない地元の人のメンテナンスを経て現在の風景ができているんですね。保存会では、こうした棚田の修復・保存の技術を継承する石積みを修復し保存する「石積み塾」という活動も行っています。石積み塾は棚田オーナー制度とは別に行っている活動で、自分で田んぼを直して使いたいという塾生が毎年全国から参加しにやってきます。本格的に石積みを学びたいというかたはぜひ応募してみてはいかがでしょうか?

(画像提供/坂折棚田保存会)

(画像提供/坂折棚田保存会)

国が推進する“都市と農村の交流事業”は全国各地で行われていますが、いわゆる一度きりの農泊体験などではなく、継続的によそ者と地元の人のつながりを生み出し、関わる人を増やしていくような活動がもっとたくさん生まれるといいなと思います。

僕たちはどうしても、広告やメディアが喧伝する「地方」イメージをすんなり受け入れて、地方を観光地として客体化し“消費する場所”と考えてしまいがちです。でも本当は観光客として関わるよりも、一つの地域に継続的に関わり“ここで暮らすこと”を想像できるくらいになったほうが、より深く、存分に地域の魅力を堪能することができると思うんです。その先に、“他人事から自分ごと”になる人が増えていくのだと僕は考えています。

故郷と暮らす場所以外で、近くに第三の居場所をつくりたい、友人とお金を出し合って農業体験コミュニティをつくりたいという方は、棚田オーナー制度を取り入れている地域の情報を取りまとめている「棚田百貨堂」というウェブサイトがありますので、そちらもチェックしてみてください。地域別の参加費や参加方法なども一覧でまとめられているのでオススメですよ。

●取材協力
恵那市坂折棚田保存会

公園脇でおだやかな暮らし

所在地:三鷹市新川
9万8,000円 / 46.94平米
中央線・井の頭線「吉祥寺」駅 バス12分 「三鷹中等教育学校」バス停 徒歩2分

これぞパークビュー!といわんばかりに公園を見下ろす建物。窓からは豊かな緑と気持ちよく抜けた空が眺められます。



吉祥寺駅からまっすぐ南下したところにある町、新川。その中心を流れる仙川沿いに、仙川公園という自然豊かな公園があります。



物件は仙川沿いかつ公園沿いに位置し、開口部はし ... 続き>>>.
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悠々と眺める緑

所在地:新宿区市谷薬王寺町
20万円 / 83.96平米
都営大江戸線「牛込柳町」駅 徒歩5分

前を通るたび、ずっとカッコイイと思っていました。



つい告白みたいになってしまいましたが、紹介するのは敷地内にモサモサ緑の庭があるビンテージマンションの4階。ずっしりとたたずむその姿は、築56年の風格が漂っています。



部屋からはしっかりと庭の緑ビュー。奥行きあるバルコニーからは ... 続き>>>.
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ほっこりリノベに「ただいま」

所在地:文京区千石
13万5,000円 / 33.68平米
山手線・都営三田線「巣鴨」駅 徒歩6分

「ただいま」と部屋に帰ると、ほっとする空間がお出迎え。



無垢のフローリングがさらりと足に心地よく、建具に使われた木材のおかげでじんわりと温かみを感じました。そんなひとり、またはコンパクトなふたり暮らしにちょうど良い部屋のご紹介。



部屋のつくりとしては、キッチンを中心に寝室とリ ... 続き>>>.
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ぐるっと緑!【ワンフロア】

所在地:港区元赤坂
68万3,430円(税込) / 136.94平米
丸ノ内線・銀座線「赤坂見附」駅 徒歩5分

赤坂御用地から一本道を挟んだ最前列のビル。御用地に向けて窓が大きく取られている為、見渡す限り緑・緑・緑!



原状回復はこれからのため、棚や仕切り壁などをそのまま使うことや、ご希望の内装に合わせた原状回復工事もタイミングによって可能。



他の階には法律事務所や企業向けセミナーを行う ... 続き>>>.
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変則的なメゾネット

所在地:大田区南六郷
7万8,000円 / 25.38平米
京急本線「雑色」駅 徒歩8分

一級建築士事務所ビーフンデザインの設計による、トリッキーなメゾネットの物件。



室内は全体的に白を基調としていて、どこかギャラリーのような雰囲気が漂っています。アートを飾ればたちまちによく映えそう。



この物件は、みんなとは違う、変わった家に住みたいという方に、おすすめしたい部屋 ... 続き>>>.
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鮮やかに、公園の緑

所在地:新宿区白銀
19万円 / 47.34平米
東西線「神楽坂」駅 徒歩4分

大きな窓から堪能できる緑が目に鮮やかで、ベランダに出れば風にさざめく木の葉の音が耳に心地よい。神楽坂、公園のとなりの物件です。



どっしりと重厚な低層のマンションの最上階。縦にも横にもワイドな窓から、公園の緑がフレームの全てを埋めるように揺れています。窓先の景色に動きがあるのは、 ... 続き>>>.
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ペットとのびのび暮らそう!

所在地:世田谷区駒沢
28万円 / 82.22平米
東急田園都市線「駒沢大学」駅 徒歩15分

まず、環境がいいです。駒沢オリンピック公園のほど近く、ステキなカフェやお店が並ぶ駒沢公園通りにあります。何より、猫もしくは小型犬1匹までペット飼育ができる条件も嬉しいポイントです。



最上階のため、リビング・洋室からの見晴らしもよく。窓を開けるといい風がピューっと通って、スカッと ... 続き>>>.
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爽やかな戸建

所在地:三鷹市下連雀
19万8,000円 / 103.99平米
中央線「三鷹」駅 徒歩9分

大きな庭にワイドなバルコニーもあり、ぜいたくな敷地。庭に面した開放的なリビングも気持ちいいつくりです。



お庭はつくり込みがいがありそう。緑でいっぱいにしたら、リビングでくつろぐ時間も特別なものになりそうです。



洋室が4部屋もあり、こんな時代にぴったり。夫婦それぞれの仕事部屋を ... 続き>>>.
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団地×リノベ×高円寺

所在地:杉並区高円寺北
13万4,000円 / 52.04平米
中央線「高円寺」駅 徒歩7分

気になるキーワードが並ぶ住まいの紹介です。

場所といい、昔懐かしい建物といい、刷新された室内といい、絶妙なバランス感を気に入ってくれる方も多いのではないでしょうか。



舞台は高円寺、元社宅だったしっぶい団地をテーマに、設計を担当したのはR不動産の馬場正尊率いるOpenA。2棟ある ... 続き>>>.
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異彩を放つ秘密の戸建て

所在地:渋谷区恵比寿
39万円 / 157.71平米
山手線「恵比寿」駅 徒歩10分

100㎡の庭は圧巻。魅力の詰まった、ひっそりと立つ戸建てをご紹介します。住居の他、事務所や撮影スタジオ、サロンも可能です。



建物はゆるい斜面にあり、庭も広いことから人の目線も気にならず、ゆったり過ごすことができます。先日までお忍びで通うような予約制のエステサロンとして使われてお ... 続き>>>.
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ぐるっと緑!【1区画】

所在地:港区元赤坂
38万6,100円(税込) / 77.38平米
丸ノ内線・銀座線「赤坂見附」駅 徒歩5分

赤坂御用地から一本道を挟んだ最前列のビル。御用地に向けて窓が大きく取られている為、見渡す限り緑・緑・緑!



募集は2階と4階の2区画。2階は窓一面が緑に覆われ、深い森にいるような雰囲気、4階は緑と空の明るさが感じられ、それぞれに違った魅力があります。



原状回復はこれからのため、 ... 続き>>>.
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コロナ禍で増える自転車のマナー違反! まちづくりと人に警鐘

コロナ禍で公共交通機関を避け、通勤も含めて自転車を利用する人が増えているようだ。一方で、近年の自転車ブームもあり事故も増加傾向に。安心して自転車に乗れる街づくりのために、何が必要なのか? 自宅から会社まで直接自転車で通勤する人を「自転車ツーキニスト」と呼び、そのスタイルを提唱。自転車に関する著述活動を行っている疋田智さんに話を伺った。
駐輪場や自転車通行帯等の整備は進んでいるのだが……

自転車産業復興協会によれば2020年6月の1店舗あたりの新車平均販売台数は前年同月比で+8.1台。1店舗につき前年同月より平均8台以上も売れているということ。コロナ禍で満員電車をはじめ公共交通機関を避ける動きが現れている一例だろう。

疋田智さん(写真提供/疋田智さん)

疋田智さん(写真提供/疋田智さん)

「確かに、日ごろから自転車通勤している私の体感として、自転車ユーザー(サイクリスト)は少し増えているように思います。それに比例するように、交通ルールを守らない人も目立つようになりました。これは、今まで自転車に乗っていなかった人が増えたからではないでしょうか」

そもそも2011年の東日本大震災を機に、サイクリストがグンと増えたと疋田さん。それを受けるかのように、2012年から警視庁(管轄は東京都)が「自転車ナビマーク・自転車ナビライン」の設置を開始するなど、自転車の通行帯を整備する動きが加速している。多くの人が車道の路肩や歩道内に、自転車が通行できることを示すマーク等を見かけるようになったのではないだろうか。

自転車の通行帯は、地方独自のものもあり、さまざまな種類がある。写真は警視庁(東京都)の「自転車ナビマーク・自転車ナビライン」(写真/PIXTA)

自転車の通行帯は、地方独自のものもあり、さまざまな種類がある。写真は警視庁(東京都)の「自転車ナビマーク・自転車ナビライン」(写真/PIXTA)

また駐輪場の整備も進んでいる。なかには定位置に自転車を置いて、ボタンを押すだけでそのまま地下に吸い込まれていく機械式駐輪システムもあり、「日本はハイテクだ!」と海外でも話題になったほどだ。東京都だけを見ると、山手線の駅はほぼ全てに地下駐輪場が設けられ、駅前の違法駐輪が随分と解消されている。

品川駅港南口(東口)にある地下駐輪場(こうなん星の公園自転車駐車場)。5基あり1020台収納可能。自転車に取り付けるICタグを機械に読み込ませて入庫させ、出庫時はICカードで操作する(撮影/SUUMOジャーナル編集部)

品川駅港南口(東口)にある地下駐輪場(こうなん星の公園自転車駐車場)。5基あり1020台収納可能。自転車に取る付けるICタグを機械に読み込ませて入庫させ、出庫時はICカードで操作する(撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「京都市も中心街の地下に大きな駐輪場を設置しています。過去には雨でも傘を差さず安全に運転できるよう100円でカッパを買えるような試みもしていて(現在は撤去済み)、現在も自転車ユーザーが快適に利用できるような施策を常に模索しています」。このように日本の駐輪環境は、進化しつづけていると言っていいだろう。

御射山自転車等駐輪場(写真提供/疋田智さん)

御射山自転車等駐輪場(写真提供/疋田智さん)

かつて雨具を販売する試みも行っていた(写真提供/疋田智さん)

かつて雨具を販売する試みも行っていた(写真提供/疋田智さん)

コロナ禍で見えてきた、日本の自転車環境の問題

一方で、ここ数年の自転車事故が全事故に占める割合は増加傾向にある。「サイクリストや車のドライバーを含め、日本人があまり自転車走行のルールをよく分かっていないことが原因だと思います」と疋田さん。
そこには日本人の「自転車観」が大きく影響しているという。そもそも自転車は「軽車両」。リヤカーや人力車などと同じカテゴリーの「車両」の1種であり、道路交通法では自動車などと一括りに「車両等」と表記される。また「車両等」であるから、原則は車と同様、車道の左側に寄って走ることと、道路交通法にも定められている。「世界的にも、車と自転車は同一方向を走ることが義務付けられています」

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

ところが多くの人は、「自転車は自動車と同じカテゴリーではなく、歩行者に近い存在の乗りものだと捉えています」。この認識のズレが、歩道を走ったり車道の右側を走るサイクリストが絶えない原因であり、交通事故を増やす要因の一つになっているのだ。

「え、でも自転車は歩道を走れるでしょ?」と思うかもしれないが、実は「一定の条件下」と道路交通法では定められているのだ。その一定の条件とは1.道路標識などにより通行できることが示されている歩道2.自転車の運転手が、児童や幼児、高齢者、障碍者など、車道を通行すると危険だと政令で定められた者であるとき3.政令で定められた場合以外でも、安全に走るためには歩道を走行してもやむを得ないと認められるとき、の3つ。しかも全ての場合で徐行が義務づけられている。とはいえ、あまり知られていないのが実情だ。

「まずは、自転車は車道を走る“車両”であるという認識から再スタートしないと、いつまでたっても事故は減らないのではないでしょうか」と疋田さんは警鐘を鳴らす。

京都市から見えてきた「自転車の乗りやすい街づくり」のヒント

ここまで見てきたように、日本のサイクリスト人口は確実に増え、駐輪環境は整備されつつあるものの、交通ルールの徹底がまだまだ行き届いていない。だからこそ自転車が関わる事故が、今後も増えてしまう危険がある。

もちろん、誰もが手をこまねいているわけではない。例えば京都市。2014年度を「自転車政策元年」と位置付け、さまざまな自転車の走行環境整備などを進めている。車道や歩道内の自転車の通行帯の多くは、例えば渋谷駅から六本木駅を結ぶ国道246号の路肩など、A地点からB地点を結ぶ“線”で設置されることが多いが、京都市の場合は「まずは〇〇通と〇〇通に囲まれた街区」というように、“面”で設置していると疋田さん。

京都の道路(写真提供/疋田智さん)

京都の道路(写真提供/疋田智さん)

(写真提供/疋田智さん)

(写真提供/疋田智さん)

色のついたエリアが京都市の自転車走行の環境が整備された箇所。このように「面展開」されている(画像出典:「京都市サイクルサイト」より)

色のついたエリアが京都市の自転車走行の環境が整備された箇所。このように「面展開」されている(画像出典:「京都市サイクルサイト」より)

「細い路地の多い街区なので、みんなが左側通行を守り、速度も出さない(出せない)ため事故も減りました。それを隣の街区、さらに隣へという具合に面展開しているのです」。設置された街区で頭でも体でもルールを覚えたサイクリストたちは、エリアが広がっても同様にルールを守るようになる。「ここ10年間の自転車に関する施策の中で一番のヒットだと思います」

また世界中のサイクリストから人気の高い「しまなみ海道」を擁する愛媛県では、2015年から県立高校で自転車通学する生徒のヘルメット着用を義務化。ここまでは他地域でも昔からよくある話だが、その際に、かつての白くて丸いヘルメットではなく、ロードバイク用の安全性や空力性、デザイン性を考慮したヘルメットを無償提供したこともある(2015年度。2016、2017年度は購入費用の一部補助)。「だから学生が、田舎くさく見えない。爽やかだし、カッコいいんです」

こうしたヘルメットで自転車に乗ることを覚えた高校生は、大人になっても「ヘルメット=ダサい」いう感覚がないため、大人になっても被り続けるようになると疋田さん。実際、疋田さんも参加している「自転車ヘルメット委員会」の2020年7月に実施した全国調査によれば、47都道府県でヘルメット着用率の1位は29%で愛媛県がトップだった。以下長崎県の26%、鳥取県の18%と続く。

ヘルメット装着によって実際に死亡事故が防がれている。なかには、追突された衝撃で頭部がフロントガラスにぶつかり、フロントガラスが割れるなどの事故が起こったが、ヘルメットをきちんとかぶっていたために、命を守ることができたそう(写真提供/愛媛県教育委員会)

ヘルメット装着によって実際に死亡事故が防がれている。なかには、追突された衝撃で頭部がフロントガラスにぶつかり、フロントガラスが割れるなどの事故が起こったが、ヘルメットをきちんとかぶっていたために、命を守ることができたそう(写真提供/愛媛県教育委員会)

自転車先進国には「車の進入禁止」エリアもある

海外からヒントを学ぶ方法もある。「自転車先進国とよく言われるのはデンマーク、オランダ、ドイツです。これらの国々には“ゾーン30”と呼ばれるエリアがたくさん設定されています」

ゾーン30とは歩行者から車まで、すべてが30km/h以内で移動しなければならないエリア。「そこではウサイン・ボルト(ロンドンオリンピック決勝時の最高速度は約45km/h)も全速力で走ってはいけないんです(笑)」

30km/h以下ならお互いが衝突を避けやすく、万が一ぶつかっても死亡事故に至る確率も低い。「さらに自家用車の進入を禁止したゾーン30もあります。例えばドイツのミュンスターやフライブルクなどがそうです。エリア内に住む人々の自家用車の駐車場はゾーン30の外に設定し、中に入れるのは物流用トラックと公共機関のバスだけ。おかげで交通事故や渋滞が減ったのはもちろん、空気がきれいになり、住民の健康寿命が延びて医療費が抑えられたという話も。ゾーン30にしたおかげでいくつもの果実を得られた例です」

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

ドイツ・ミュンスターにて。“ここから先は歩行者限定”ということを表す標識(写真提供/疋田智さん)

ドイツ・ミュンスターにて。“ここから先は歩行者限定”ということを表す標識(写真提供/疋田智さん)

日本にも住宅地を中心にゾーン30が設定されているエリアはいくつもあるが、自家用車まで規制しているところはない。

そもそも一定条件下とはいえ、歩道を通れるようになったのは、高度経済成長期の道路交通法の改正によるもの。当時の急激なモータリゼーションの高まりから、クルマの数が激増し、自転車との事故が増えた。このため自転車を緊急避難的に歩道に上げてしまった。要するに車道に自転車レーンを設けるインフラ整備が追いつかないための苦肉の策だったわけだ。

地震大国日本にとって自転車は強力な武器になる

しかも自転車環境を整備していくメリットは、事故を減らすだけはない。地震大国である日本にとって、自転車は減災の大きな武器になるようだ。「東京大学大学院(都市工学)にいたころ、構造計画研究所と共同で、宮崎県日南市を例に、地震による津波が発生した場合のシミュレーションを行ったのですが、自転車による避難がとても有効であることが分かりました」

日南市(写真提供/疋田智さん)

日南市(写真提供/疋田智さん)

日南市油津近くの海岸通り(写真提供/疋田智さん)

日南市油津近くの海岸通り(写真提供/疋田智さん)

それによると、25分以内に避難しなければならないと仮定した場合の避難完了率、つまり逃げ遅れが最も少ない順は、1位が欧州仕様の電動アシスト自転車(24km/h以上でもモーターがアシストしてくれる)で、次いで日本の電動アシスト自転車(24km/hまでモーターがアシストしてくれる)、普通の自転車、徒歩、車という順位になった。これは5つの手段の利用割合がいずれも20%としてシミュレーションした結果で、「車の利用率が十分低くて渋滞が起こらなければ一番早いのですが、渋滞が起こるほど交通量が増えると一番遅くなるのです」

シミュレーションの設定条件次第では上記の順位は変わるが、少なくとも自転車は徒歩より早く津波から逃げられる。地震大国日本の避難方法としては有効な手段だし、素早く避難するためにも、やはり交通ルールの徹底など自転車の利用環境の整備をすることは、減災に繋がると言えるではないだろうか。

それに自転車が走りやすくなれば、サイクリストも増えるだろう。それは健康な人が増える、ということでもある。疋田さんの例で言えば「84kgの体重が1年で67kgに減り、コレステロール値や中性脂肪値、尿酸値、空腹時血糖値などが、すべてC判定からA判定になりました」。健康な人が増えれば、医療費の抑制にも繋がる。

このように自転車環境を整えるということはメリットがたくさんある。では、今後日本で自転車環境を整えていくには、何が必要か。まずは、一見遠回りに思えるかもしれないが、自転車は車両である、という原点を再認識することから始めることではないだろうか。「そこから左側走行をはじめとした原則を再確認すれば、交通ルールの徹底や、自転車環境整備も進みやすくなり、事故も減ると思います」。自転車先進国だけでなく、日本にとって多くの果実を生む可能性のある自転車。丁寧にその環境を育てる時期にきているようだ。

●取材協力
疋田智さん
1966年生まれ。自転車で通勤する人=「自転車ツーキニスト」NPO法人自転車活用推進研究会理事、学習院生涯学習センター非常勤講師、某TV局プロデューサーも兼ねる。メールマガジン「週刊自転車ツーキニスト」は2006年の“メルマガオブザイヤー”総合大賞を受賞。
>疋田智の週刊自転車ツーキニスト

京都市
「京都市サイクルサイト」
愛媛県

素直に心地良い部屋

所在地:目黒区三田
12万9,000円 / 35.25平米
山手線「恵比寿」駅 徒歩11分

二方向から明るい日が差し込み、風吹き抜けるレトロマンションの一室をご紹介。



レトロといっても、2008年に内外装をリノベーションしたばかりの建物。オートロック付きで、共用部は清潔感があります。



室内に入り改めて認識する、窓が多い部屋の素晴らしさ。本当に心地が良いです。



内装 ... 続き>>>.
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代官山ホワイトキューブ

所在地:渋谷区恵比寿西
24万2,000円(税込) / 44.55平米
東急東横線「代官山」駅 徒歩3分

代官山駅から徒歩3分という好立地に位置する、純白のレトロマンション。今回は天井が高めの、武骨テイストな部屋のご紹介です。



用途は事務所や店舗。店舗は物販やギャラリー、教室等に限定されます。



室内に入ると、天井高が2.7mあり、なかなかの迫力。壁はザラザラした塗装仕上げ、天井に ... 続き>>>.
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恵比寿駅前、大人の遊び場

所在地:渋谷区恵比寿西
32万4,500円(税込) / 47.98平米
日比谷線「恵比寿」駅 徒歩1分

雑多な駅前とのギャップが楽しい、「大人の遊び場」という言葉がぴったりな場所。



恵比寿駅の飲み屋街にある雑居ビルの最上階。あやしげな雰囲気の階段をぐるぐると昇ると、4階部分にさらにあやしいエントランスが待っています。



4階から5階にかけての階段部分が専有使用できるので、絵をかけ ... 続き>>>.
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東日本橋に大きく開く

所在地:中央区東日本橋
33万円(税込) / 66.57平米
都営浅草線・総武線「浅草橋」駅 徒歩5分

既にカウンターカルチャーの拠点として地位を築いた東日本橋エリアにおいて、浅草橋交差点に面したブロックの京葉道路沿い角地に位置する路面階となるこの物件は、いわゆる好立地と言っていいかと思います。



まさに「開口部」と呼ぶに相応しい、大きく口を開いたジンベエザメのように通りに向けてフ ... 続き>>>.
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夢に見た暮らし

所在地:杉並区井草
10万4,000円 / 41.53平米
西武新宿線「井荻」駅 徒歩3分

爽やかな風が抜ける部屋で、天井から吊るしたハンモックに揺られ読書をする。



いつか夢に見た暮らしが出来そうな物件のご紹介です。



建物は2012年に建築家であるオーナー設計にて、全体をリノベーション。室内はもちろん、外壁や共用部も生まれ変わりました。今では2012年に植えた草木が ... 続き>>>.
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気の利いたワンルーム

所在地:狛江市元和泉
5万4,000円 / 19.15平米
小田急線「和泉多摩川」駅 徒歩3分

多摩川のほとり、ギリ東京住所の小田急線「和泉多摩川」駅。徒歩3分の場所に立つアパートの一室が、今回の物件です。



お部屋は、いい具合に収納が用意された、いい具合に力の抜けたワンルーム。



ポイントは収納。玄関を入ると、洗濯機上に扉付きの大きな収納、狭い廊下の上には靴が置ける棚が2 ... 続き>>>.
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茶室と茶庭

所在地:世田谷区北沢
12万円 / 38.88平米
井の頭線「池ノ上」駅 徒歩2分

和の空間で静かな時間を過ごす。灯籠がしぶい茶庭と、そこに面した8畳の茶室が趣たっぷり。加えて4.5畳の和室にきれいな水回り。



お布団と座布団のスタイルで暮らしてみるのも味わいがあっていいですよね。



場所は池ノ上駅の商店街から1本路地を入ってすぐの場所。マンションの1室といった ... 続き>>>.
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いよいよリアルになる熱海 【賃貸】

所在地:静岡県熱海市伊豆山
13万円 / 39.1平米
東海道線・東海道新幹線「熱海」駅 バス7分 「伊豆山小学校」バス停 徒歩3分

「熱海」といえば小旅行で訪れたりセカンドハウスとして滞在する場所というイメージかもしれませんが、テレワークが定着化しつつある昨今、熱海〜東京駅まで約40〜50分で新幹線通勤できちゃう距離感により、移住先としてもグッとリアルさを増している街かもしれません。



そんな熱海らしさを満喫 ... 続き>>>.
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いよいよリアルになる熱海 【売買】

所在地:静岡県熱海市伊豆山
1,200万円 / 39.1平米
東海道線・東海道新幹線「熱海」駅 バス7分 「伊豆山小学校」バス停 徒歩3分

「熱海」といえば小旅行で訪れたりセカンドハウスとして滞在する場所というイメージかもしれませんが、テレワークが定着化しつつある昨今、熱海〜東京駅まで約40〜50分で新幹線通勤できちゃう距離感により、移住先としてもグッとリアルさを増している街かもしれません。



そんな熱海らしさを満喫 ... 続き>>>.
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憧れの、白ビル

所在地:東京都港区南麻布
31万9,000円(税込) / 66.62平米
南北線・都営大江戸線「麻布十番」駅 徒歩9分

現地をはじめて訪れたとき、この世界観に引き込まれていました。



閑静な住宅街にポツンとたたずむその姿。とてもシンプルなのに、どこか日本離れした空気を感じさせるその出で立ち。1階の素敵なショップの雰囲気も相まって、今までに無いほど胸が高鳴ります。



建物の名前は「白ビル」。R不動産 ... 続き>>>.
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音出し可!地下室の利用法

所在地:豊島区南長崎
28万6,000円(税込) / 144.9平米
西武池袋線「東長崎」駅 徒歩6分

□賃料下がりました!



音出しも可能な、地下付き物件のご紹介。



南長崎の閑静な住宅街にある建物の、1階の一部と地下をセットで募集します。用途は基本的に事務所やアトリエなど。現況室内はスケルトンの状態です。



1階は、基本的には図面のようにエアコンや蛍光灯を設置し、いわゆる普通の ... 続き>>>.
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陽だまりのワンルーム

所在地:目黒区碑文谷
13万3,000円 / 33平米
東急東横線「都立大学」駅 徒歩10分

目黒区でゆったりワンルームを探してます、なんて方におすすめしたい物件です。1階ですが気持ちのいい光が入り、植栽のおかげで、外からの視線は全く気になりません。



ワンルームで仕切りが少ない分、面積よりも広い印象。L字型の間取りは、リビング、ダイニング、ベッドスペースが確保できてレイ ... 続き>>>.
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「アフターコロナの住宅市場」「家庭での子どもの学習スペース」【8月人気記事まとめ】

長引くコロナ禍で身も心も疲れる日々ですが、うまく付き合っていかないといけない状況にあります。「アフターコロナ」や「ウィズコロナ」をどうやって迎えるかが気になるところです。SUUMOジャーナルで8月に公開した記事でも「アフターコロナの住宅市場は買い時?売り時?」「コロナ禍で変わる賃貸物件のニーズ。多拠点、コミュニティ、ストーリーがキーワード」などが人気TOP10入りしました。詳しく紹介します。
2020年8月の人気記事ランキングTOP10はこちら!

1位 アフターコロナの住宅市場は買い時?売り時?
2位 コロナ禍で変わる賃貸物件のニーズ。多拠点、コミュニティ、ストーリーがキーワード
3位 「日本の省エネ基準では健康的に過ごせない」!? 山形と鳥取が断熱性能に力を入れる理由
4位 パリの暮らしとインテリア[5] 郊外の元農家を“週末の家”に。ヘアアーティストとアクセサリーデザイナー夫妻の休日
5位 台湾の家と暮らし[7]台北郊外の一軒家へ移住! 自転車クリエイターの自宅兼アトリエ
6位 遊休地に屋台などでにぎわいを。3密を避けたウィズコロナ時代のまちづくり
7位 SF映画みたいな「未来のまち」が現実に! テクノロジーを駆使したまちづくり
8位 ウィズコロナ、家庭での「子どもの学習スペース」のあり方を考える
9位 コロナ禍で申請数が減るも金利は上昇。長期固定ローン【フラット35】の利用者実態とは?
10位 新しい生活様式は睡眠不足を招く!?眠りのプロに聞く快眠スペースのつくり方
※対象記事:2020年8月1日~2020年8月31日までに公開された記事
※集計期間:2020年8月1日~2020年8月31日のPV数の多い順

1位 アフターコロナの住宅市場は買い時?売り時?

アフターコロナの住宅市場は買い時?売り時?

(画像/PIXTA)

新型コロナウイルスの感染拡大で、経済状況の悪化が危惧されていますが、住宅市場はたまっていた需要が噴き出し、活況を呈しています。取引数は減っているものの、価格は下落せず。むしろ「資産バブル」が再来してもおかしくない状況にあります。

2位 コロナ禍で変わる賃貸物件のニーズ。多拠点、コミュニティ、ストーリーがキーワード

コロナ禍で変わる賃貸物件のニーズ。多拠点、コミュニティ、ストーリーがキーワード

(写真提供/アパートキタノ)

全国賃貸住宅新聞の編集長が、注目を集めている賃貸物件やこれからの部屋探しを解説します。多拠点居住をする人たちは増加し、シェアハウスのようなコミュニティ型賃貸の支持が考えられる一方で、大家さんのコロナ禍への対応はまだ課題も多く存在します。

3位 「日本の省エネ基準では健康的に過ごせない」!? 山形と鳥取が断熱性能に力を入れる理由

「日本の省エネ基準では健康的に過ごせない」!? 山形と鳥取が断熱性能に力を入れる理由

(写真提供/山形県)

国の定める倍の断熱基準の省エネ住宅を推進している山形県と鳥取県。地形などの影響でヒートショックの危険が高く、コストのかかりすぎない全館空調システムなどを備えた健康省エネ住宅の普及を目指す「地方発の断熱性能向上革命」に取り組んでいます。

4位 パリの暮らしとインテリア[5] 郊外の元農家を“週末の家”に。ヘアアーティストとアクセサリーデザイナー夫妻の休日

パリの暮らしとインテリア[5]郊外の元農家を“週末の家”に。ヘアアーティストとアクセサリーデザイナー夫妻の休日

(写真撮影/Manabu Matsunaga)

パリ在住の写真家がこだわりの生活を紹介する連載。今回はパリ在住歴45年の夫婦が週末を過ごす、元農家を改装したセカンドハウスです。インテリアのヒントは、夫婦共通の趣味である旅先で見た著名人の家から得ているそうです。

5位 台湾の家と暮らし[7]台北郊外の一軒家へ移住! 自転車クリエイターの自宅兼アトリエ

台湾の家と暮らし[7]台北郊外の一軒家へ移住!自転車クリエイターの自宅兼アトリエ

(写真撮影/KRIS KANG)

台湾をこよなく愛するエッセイスト・柳沢小実さんが台湾の家を訪れる連載の今回の舞台は、台北郊外北投区の山の上にある古い一軒家。台北中心部の住まいを離れ、自宅兼アトリエとして自身で修繕した住まいは、人が少ないエリアにあるため新型コロナウイルスの影響も少なく、リスクに強い働き方にもつながったそうです。

6位 遊休地に屋台などでにぎわいを。3密を避けたウィズコロナ時代のまちづくり

(写真提供/Replace)

(写真提供/Replace)

高架下など都市部の遊休地を活用し、コロナ禍でも街のにぎわいを生み出すために選んだ方法は「屋台」。飲食店だけでなく、小型の移動型住まいやスポーツ体験提供などの取り組みも紹介します。

7位 SF映画みたいな「未来のまち」が現実に! テクノロジーを駆使したまちづくり

SF映画みたいな「未来のまち」が現実に! テクノロジーを駆使したまちづくり

(写真/PIXTA)

5月に可決された「スーパーシティ法案」により、AIやスマート技術を実装した街が実現の可能性を帯びてきました。パナソニックとトヨタのタッグにより目指す先端テクノロジーを活用した街では、地震の際にも外出先から被害状況が分かったり、停電時には自立型の防災都市にもなったりできるようになります。

8位 ウィズコロナ、家庭での「子どもの学習スペース」のあり方を考える

ウィズコロナ、家庭での「子どもの学習スペース」のあり方を考える

(写真提供/三菱地所)

子どもの学校や塾のオンライン授業は、どんな環境であれば集中できるのかは、子どもそれぞれ。子どものペースを見守る心構えとともに、限りある空間をうまく活用できる商品「箱の間」を紹介します。

9位 コロナ禍で申請数が減るも金利は上昇。長期固定ローン【フラット35】の利用者実態とは?

コロナ禍で申請数が減るも金利は上昇。長期固定ローン【フラット35】の利用者実態とは?

(写真:PIXTA)

【フラット35】利用者調査結果に、変化が起きています。住宅事業者の営業自粛により、2020年4月~6月の利用申請戸数は対前年期比89%減。所要資金や年収倍率の増加傾向が続く一方、住宅面積は減少しています。

10位 新しい生活様式は睡眠不足を招く!?眠りのプロに聞く快眠スペースのつくり方

ベッドに横たわる人の写真

(写真/PEXELS)

快眠セラピストの三橋美穂さんによる、快眠スペースのつくり方や睡眠の質を上げる方法の指南。大切なのは「明るさ」「温度」「湿度」「音」「寝具」の5つの要素です。また子ども部屋や一人暮らしなど、生活スタイル別の快眠のコツも解説します。

いまだ予断を許さないものの、さまざまな工夫をこらしてコロナ禍を乗り切るための前向きさや勇気をもらえるような今回のランキング。とはいえ、未曽有の流行り病であることは間違いなく、病気による直接的な体の不調以外にも、メンタルに支障をきたしてくる時期でもあります。無理をせず、「ウィズコロナ」を乗り切りましょう。

立川駅前の進化がすごい! 「GREEN SPRINGS」で街がどう変わる?

かつて広大な飛行場が広がっていた立川。再開発が進められるなか、駅近くに残されていた巨大な空地が気になっていた方も多いのでは? 2020年4月、ついにそのエリアに大型複合施設「GREEN SPRINGS」がオープン。従来の立川のイメージを覆す洗練された空間に、子どもから大人まで多くの人が日々訪れている。歴史とともに変わり続けてきた立川のまちは、どこに向かっていくのだろうか?
米軍基地跡だった空き地に、緑豊かな「街」が誕生

新宿から中央線で約26分。都心からのアクセスに恵まれ、駅近くには緑豊かな国営昭和記念公園が広がるこの街は、かつて「基地のまち」だった。

国営昭和記念公園(写真/PIXTA)

国営昭和記念公園(写真/PIXTA)

大正時代に整備され、立川駅周辺に広がっていた「立川飛行場」は、1970年代まで米軍基地として使用されていた。立川は長い間、戦争のイメージと切っても切り離せない街だったのだ。

ところが平成に入ると、街は徐々にその姿を変える。土地区画整理事業や駅前の再開発により、大型商業施設やデパートなどが次々とオープン。上空を多摩都市モノレールが走る光景は、街の発展を印象づけた。

開発前の様子(写真提供/株式会社立飛ホールディングス)

開発前の様子(写真提供/株式会社立飛ホールディングス)

2015年から2018年まで、このエリアでヤギたちが除草をする姿は名物となっていた(写真提供/株式会社立飛ホールディングス)

2015年から2018年まで、このエリアでヤギたちが除草をする姿は名物となっていた(写真提供/株式会社立飛ホールディングス)

そして来たる2020年4月、残されていた駅北側の約3.9haの広大な空き地に、大型複合施設「GREEN SPRINGS」がオープンした。

「GREEN SPRINGS」屋外の休憩スペース(写真/片山貴博)

「GREEN SPRINGS」屋外の休憩スペース(写真/片山貴博)

「ウェルビーイングタウン」をコンセプトとする同施設には、店舗や飲食店のほかに、2500席規模のホール「TACHIKAWA STAGE GARDEN」や、日常遣いできる都市型リゾートの「SORANO HOTEL」、保育園、オフィスなどが配置されている。単なる商業施設ではない、人が暮らす「街」を意識したテナント構成が特徴だ。

(画像/「GREEN SPRINGS」HPより引用)

(画像/「GREEN SPRINGS」HPより引用)

地産地消が意識されており、建物やベンチには、多摩産の木材が多く使用されている。広大な敷地を活かした贅沢な空間構成だ。(写真/片山貴博)

地産地消が意識されており、建物やベンチには、多摩産の木材が多く使用されている。広大な敷地を活かした贅沢な空間構成だ(写真/片山貴博)

ビオトープには、4種類の生き物(メダカ、ドジョウ、フナ、エビ)を放った。自然界からカモなどが訪れ、生態系が構築されつつあるという。自然に癒やされながら落ち着いた時間を過ごせる。(写真/片山貴博)

ビオトープには、4種類の生き物(メダカ、ドジョウ、フナ、エビ)を放った。自然界からカモなどが訪れ、生態系が構築されつつあるという。自然に癒やされながら落ち着いた時間を過ごせる(写真/片山貴博)

SORANO HOTEL最上階に位置するインフィニティプール。立川の空、広大な国営昭和記念公園の豊かな緑、快晴の日には富士山も望める(写真提供/SORANO HOTEL)

SORANO HOTEL最上階に位置するインフィニティプール。立川の空、広大な国営昭和記念公園の豊かな緑、快晴の日には富士山も望める(写真提供/SORANO HOTEL)

歩いていると、点在するアート作品や遊び心のある演出が目を楽しませてくれた。よくある郊外の大規模商業施設のような既視感がないのは、こうした細部へのこだわりに、施設の個性が表れているからかもしれない。

招待作家と公募作家による作品が配置されている。写真は『上昇輝竜』(中村 哲也)(写真/片山貴博)

招待作家と公募作家による作品が配置されている。写真は『上昇輝竜』(中村 哲也)(写真/片山貴博)

冒険地図風の施設MAP(写真/片山貴博)

冒険地図風の施設MAP(写真/片山貴博)

かつてこの地区で除草作業に励んでいたヤギたちのイラストがポールに描かれている(写真/片山貴博)

かつてこの地区で除草作業に励んでいたヤギたちのイラストがポールに描かれている(写真/片山貴博)

新型コロナの影響で、4月のオープニングイベントは全て中止に 。しかし平日の夕方に高校生が訪れておしゃべりを楽しんだり、カスケードで水遊びをしたりするようになり、彼らの口コミから、 徐々に評判が広がった。 以前は立川駅からIKEAに向かう人々が通り過ぎるだけだったエリアが、現在では多くの人でにぎわっている。取材日は平日の昼間だったが、子ども連れのファミリーや若い女性が多く訪れていた印象だ。

この「GREEN SPRINGS」の開発を先導したのが、立川市のほぼ中央に約98万平方メートルもの土地を所有する、株式会社立飛ホールディングスだ。

1924年設立の立川飛行機を前身とし、戦後は不動産賃貸業を中心に事業を展開してきた同社が、地域社会に対する貢献へと舵を切ったのは2012年。グループ再編を経て、村山正道さんが代表取締役社長就任したことがそのきっかけとなった。

村山社長は、昭和48年(1973年)に立飛ホールディングスに入社。代表取締役社長に就任するまでの33年間、一貫して経理を務めてきた村山社長は、地域貢献に対する思いを次のように語った。

立飛ホールディングス村山社長(写真/片山貴博)

立飛ホールディングス村山社長(写真/片山貴博)

「かつての当社は、敷地を万年塀で囲うような閉鎖的な会社、地域に開かれているとは言えませんでした。でも私は、土地とは単なる資産ではなく社会資本なのだから、それを所有している以上、地域に対する責任を果たさなくてはならないとずっと考えていました」

村山社長の率いる立飛ホールディングスは、意思決定の速さを強みに、この8年で数々のプロジェクトを展開してきた。2015年12月の「ららぽーと立川立飛」を皮切りに、日本最大のフェイクビーチ「タチヒビーチ」、スポーツ大会やイベントで利用できる「アリーナ立川立飛」「ドーム立川立飛」などがオープン。街づくりを通じた社会貢献を意識しているからこそ、商業施設一辺倒ではない、多様な事業を誘致してきた。特に、街の文化振興への思いは強い。

「世界的に見ても、歴史上長く栄えてきたのは芸術・文化の街です。立川を、買い物ができるだけではなく、音楽などの芸術やスポーツを楽しめる街にしたいんです。今はなんでもオンラインでできると言われていますが、やはり生で見たときの刺激や学びは大きい。特にこの街で育つ子どもたちには、そうした環境を提供したいですね」

いま郊外の街の多くは、商業施設を中心とした再開発により、どこも同じような 印象だ。そんななか、立川はオリジナルな発展を遂げているように見える。参考にしている街はあるかと村山社長に問うと、「どこかの真似をしている感覚はない」と即答だった。

「立川には立川の街の歴史があり、独自の文化があります。それはほかのどの街とも、似て非なるものです。地域独自の文化を前面に押し出したまちづくりをすれば、街の魅力が上がり、結果的に住みたい人や働きたい人が増えると考えています」

「GREEN SPRINGS」には、ところどころ飛行場のモチーフが散りばめられている。街の歴史を大切にする立飛ホールディングスのこだわりが垣間見えた。

敷地の道がクロスするようにデザインされているのは、過去と未来、地域が交わる、等の意味が込められている(写真/片山貴博)

敷地の道がクロスするようにデザインされているのは、過去と未来、地域が交わる、等の意味が込められている(写真/片山貴博)

通路からカスケード(水が流れている階段)につながる一本道は、滑走路をイメージ(カスケードの角度は実際のテイクオフの角度)(写真/片山貴博)

通路からカスケード(水が流れている階段)につながる一本道は、滑走路をイメージ(カスケードの角度は実際のテイクオフの角度)(写真/片山貴博)

子ども時代のイメージが一変。立川は「変化を受け入れるまち」

変わっていく立川を、住民はどんな気持ちで見つめているのか。立川エリアで生まれ育った、あけぼの商店街振興組合理事長の岩崎太郎さんにお話を聞いた。

岩崎さんは1995年に同組合の理事会に参加。2011年から代表理事として地域のさまざまな活動に携わっている。岩崎さんは活動を通じて、街の歴史の深さを知るとともに、立川ならではの良さに気づいたという。

あけぼの商店街振興組合理事長の岩崎太郎さん(写真/片山貴博)

あけぼの商店街振興組合理事長の岩崎太郎さん(写真/片山貴博)

「立川には特別有名な観光名所があるわけではありませんが、面白い施設が駅前の狭いエリアにぎゅっと詰まっています。専門店や百貨店、家電量販店、映画館、劇場、スポーツ施設、サブカルチャーや芸術関係の施設など。自然と触れ合える国営昭和記念公園もあります。新型コロナの影響で遠くに行きづらい時期だからこそ、徒歩圏内にこれだけの楽しみがあるのは一層魅力的に感じますね」

笑顔で語る岩崎さん。しかし意外なことに、子ども時代にはあまり立川にいいイメージを抱いていなかったという。
 
「親には、駅の北側(現在GREEN SPRINGSがあるエリア)には行くなと言われていました。昔その辺りは米軍基地でしたから、基地の方を相手にしていた大人なお店も多かったんです」

それが平成に入り、立川はみるみるうちに変貌を遂げる。再開発が進むにつれ、昔ながらの街並みが失われたことを嘆く住民もいた。しかし岩崎さんは、「今の立川の方が断然いい」とすっきりした表情だ。

「ずいぶんにぎやかになりましたよ。街が大きくなったと感じます。人口は昔からほとんど変わっていませんが、立川には昼間働きにきたり、遊びにきたりする『昼間人口』が多いんですね。居住人口が今後増えることは考えにくいので、関わってくれる人を増やすのは、街が存続していくために大切なことです」

昼間人口の増加とともに、人が訪れるエリアも広がっている。かつては「良くなったのは駅前だけ」と卑下する人もいたそうだが、GREEN SPRINGSは立川駅から徒歩8分。駅からは少し離れた場所にある。岩崎さんの言うように、街の大きさは確実に広がっており、それとともに、街全体に活気がもたらされているのだ。

多摩都市モノレールの走る街並み(写真/片山貴博)

多摩都市モノレールの走る街並み(写真/片山貴博)

道幅が広く開放的な、緑あふれるサンサンロード(写真/片山貴博)

道幅が広く開放的な、緑あふれるサンサンロード(写真/片山貴博)

「若い人が関わりたいと思ってくれる、魅力ある街であってほしいですね。立派な施設ができても、建物自体はいずれ古くなります。街が発展し続けるためには、やる気のある人がチャレンジしやすい環境が必要です。幸い立川には、よそ者を拒むような地域性がありません。昔から何でも受け入れる街なんです。懐を広く保っておくことが、立川の未来のためには大事なことだと思いますね」

変化を拒まず、受け入れる。日本の人口減少が止まらない中、立川の歴史は、郊外の街が発展し続けるための一つの方向性を示しているように見えた。

●取材協力
GREEN SPRINGS
立飛ホールディングス
立川市の歴史

立川駅前の進化がすごい! 「GREEN SPRINGS」で街がどう変わる?

かつて広大な飛行場が広がっていた立川。再開発が進められるなか、駅近くに残されていた巨大な空地が気になっていた方も多いのでは? 2020年4月、ついにそのエリアに大型複合施設「GREEN SPRINGS」がオープン。従来の立川のイメージを覆す洗練された空間に、子どもから大人まで多くの人が日々訪れている。歴史とともに変わり続けてきた立川のまちは、どこに向かっていくのだろうか?
米軍基地跡だった空き地に、緑豊かな「街」が誕生

新宿から中央線で約26分。都心からのアクセスに恵まれ、駅近くには緑豊かな国営昭和記念公園が広がるこの街は、かつて「基地のまち」だった。

国営昭和記念公園(写真/PIXTA)

国営昭和記念公園(写真/PIXTA)

大正時代に整備され、立川駅周辺に広がっていた「立川飛行場」は、1970年代まで米軍基地として使用されていた。立川は長い間、戦争のイメージと切っても切り離せない街だったのだ。

ところが平成に入ると、街は徐々にその姿を変える。土地区画整理事業や駅前の再開発により、大型商業施設やデパートなどが次々とオープン。上空を多摩都市モノレールが走る光景は、街の発展を印象づけた。

開発前の様子(写真提供/株式会社立飛ホールディングス)

開発前の様子(写真提供/株式会社立飛ホールディングス)

2015年から2018年まで、このエリアでヤギたちが除草をする姿は名物となっていた(写真提供/株式会社立飛ホールディングス)

2015年から2018年まで、このエリアでヤギたちが除草をする姿は名物となっていた(写真提供/株式会社立飛ホールディングス)

そして来たる2020年4月、残されていた駅北側の約3.9haの広大な空き地に、大型複合施設「GREEN SPRINGS」がオープンした。

「GREEN SPRINGS」屋外の休憩スペース(写真/片山貴博)

「GREEN SPRINGS」屋外の休憩スペース(写真/片山貴博)

「ウェルビーイングタウン」をコンセプトとする同施設には、店舗や飲食店のほかに、2500席規模のホール「TACHIKAWA STAGE GARDEN」や、日常遣いできる都市型リゾートの「SORANO HOTEL」、保育園、オフィスなどが配置されている。単なる商業施設ではない、人が暮らす「街」を意識したテナント構成が特徴だ。

(画像/「GREEN SPRINGS」HPより引用)

(画像/「GREEN SPRINGS」HPより引用)

地産地消が意識されており、建物やベンチには、多摩産の木材が多く使用されている。広大な敷地を活かした贅沢な空間構成だ。(写真/片山貴博)

地産地消が意識されており、建物やベンチには、多摩産の木材が多く使用されている。広大な敷地を活かした贅沢な空間構成だ(写真/片山貴博)

ビオトープには、4種類の生き物(メダカ、ドジョウ、フナ、エビ)を放った。自然界からカモなどが訪れ、生態系が構築されつつあるという。自然に癒やされながら落ち着いた時間を過ごせる。(写真/片山貴博)

ビオトープには、4種類の生き物(メダカ、ドジョウ、フナ、エビ)を放った。自然界からカモなどが訪れ、生態系が構築されつつあるという。自然に癒やされながら落ち着いた時間を過ごせる(写真/片山貴博)

SORANO HOTEL最上階に位置するインフィニティプール。立川の空、広大な国営昭和記念公園の豊かな緑、快晴の日には富士山も望める(写真提供/SORANO HOTEL)

SORANO HOTEL最上階に位置するインフィニティプール。立川の空、広大な国営昭和記念公園の豊かな緑、快晴の日には富士山も望める(写真提供/SORANO HOTEL)

歩いていると、点在するアート作品や遊び心のある演出が目を楽しませてくれた。よくある郊外の大規模商業施設のような既視感がないのは、こうした細部へのこだわりに、施設の個性が表れているからかもしれない。

招待作家と公募作家による作品が配置されている。写真は『上昇輝竜』(中村 哲也)(写真/片山貴博)

招待作家と公募作家による作品が配置されている。写真は『上昇輝竜』(中村 哲也)(写真/片山貴博)

冒険地図風の施設MAP(写真/片山貴博)

冒険地図風の施設MAP(写真/片山貴博)

かつてこの地区で除草作業に励んでいたヤギたちのイラストがポールに描かれている(写真/片山貴博)

かつてこの地区で除草作業に励んでいたヤギたちのイラストがポールに描かれている(写真/片山貴博)

新型コロナの影響で、4月のオープニングイベントは全て中止に 。しかし平日の夕方に高校生が訪れておしゃべりを楽しんだり、カスケードで水遊びをしたりするようになり、彼らの口コミから、 徐々に評判が広がった。 以前は立川駅からIKEAに向かう人々が通り過ぎるだけだったエリアが、現在では多くの人でにぎわっている。取材日は平日の昼間だったが、子ども連れのファミリーや若い女性が多く訪れていた印象だ。

この「GREEN SPRINGS」の開発を先導したのが、立川市のほぼ中央に約98万平方メートルもの土地を所有する、株式会社立飛ホールディングスだ。

1924年設立の立川飛行機を前身とし、戦後は不動産賃貸業を中心に事業を展開してきた同社が、地域社会に対する貢献へと舵を切ったのは2012年。グループ再編を経て、村山正道さんが代表取締役社長就任したことがそのきっかけとなった。

村山社長は、昭和48年(1973年)に立飛ホールディングスに入社。代表取締役社長に就任するまでの33年間、一貫して経理を務めてきた村山社長は、地域貢献に対する思いを次のように語った。

立飛ホールディングス村山社長(写真/片山貴博)

立飛ホールディングス村山社長(写真/片山貴博)

「かつての当社は、敷地を万年塀で囲うような閉鎖的な会社、地域に開かれているとは言えませんでした。でも私は、土地とは単なる資産ではなく社会資本なのだから、それを所有している以上、地域に対する責任を果たさなくてはならないとずっと考えていました」

村山社長の率いる立飛ホールディングスは、意思決定の速さを強みに、この8年で数々のプロジェクトを展開してきた。2015年12月の「ららぽーと立川立飛」を皮切りに、日本最大のフェイクビーチ「タチヒビーチ」、スポーツ大会やイベントで利用できる「アリーナ立川立飛」「ドーム立川立飛」などがオープン。街づくりを通じた社会貢献を意識しているからこそ、商業施設一辺倒ではない、多様な事業を誘致してきた。特に、街の文化振興への思いは強い。

「世界的に見ても、歴史上長く栄えてきたのは芸術・文化の街です。立川を、買い物ができるだけではなく、音楽などの芸術やスポーツを楽しめる街にしたいんです。今はなんでもオンラインでできると言われていますが、やはり生で見たときの刺激や学びは大きい。特にこの街で育つ子どもたちには、そうした環境を提供したいですね」

いま郊外の街の多くは、商業施設を中心とした再開発により、どこも同じような 印象だ。そんななか、立川はオリジナルな発展を遂げているように見える。参考にしている街はあるかと村山社長に問うと、「どこかの真似をしている感覚はない」と即答だった。

「立川には立川の街の歴史があり、独自の文化があります。それはほかのどの街とも、似て非なるものです。地域独自の文化を前面に押し出したまちづくりをすれば、街の魅力が上がり、結果的に住みたい人や働きたい人が増えると考えています」

「GREEN SPRINGS」には、ところどころ飛行場のモチーフが散りばめられている。街の歴史を大切にする立飛ホールディングスのこだわりが垣間見えた。

敷地の道がクロスするようにデザインされているのは、過去と未来、地域が交わる、等の意味が込められている(写真/片山貴博)

敷地の道がクロスするようにデザインされているのは、過去と未来、地域が交わる、等の意味が込められている(写真/片山貴博)

通路からカスケード(水が流れている階段)につながる一本道は、滑走路をイメージ(カスケードの角度は実際のテイクオフの角度)(写真/片山貴博)

通路からカスケード(水が流れている階段)につながる一本道は、滑走路をイメージ(カスケードの角度は実際のテイクオフの角度)(写真/片山貴博)

子ども時代のイメージが一変。立川は「変化を受け入れるまち」

変わっていく立川を、住民はどんな気持ちで見つめているのか。立川エリアで生まれ育った、あけぼの商店街振興組合理事長の岩崎太郎さんにお話を聞いた。

岩崎さんは1995年に同組合の理事会に参加。2011年から代表理事として地域のさまざまな活動に携わっている。岩崎さんは活動を通じて、街の歴史の深さを知るとともに、立川ならではの良さに気づいたという。

あけぼの商店街振興組合理事長の岩崎太郎さん(写真/片山貴博)

あけぼの商店街振興組合理事長の岩崎太郎さん(写真/片山貴博)

「立川には特別有名な観光名所があるわけではありませんが、面白い施設が駅前の狭いエリアにぎゅっと詰まっています。専門店や百貨店、家電量販店、映画館、劇場、スポーツ施設、サブカルチャーや芸術関係の施設など。自然と触れ合える国営昭和記念公園もあります。新型コロナの影響で遠くに行きづらい時期だからこそ、徒歩圏内にこれだけの楽しみがあるのは一層魅力的に感じますね」

笑顔で語る岩崎さん。しかし意外なことに、子ども時代にはあまり立川にいいイメージを抱いていなかったという。
 
「親には、駅の北側(現在GREEN SPRINGSがあるエリア)には行くなと言われていました。昔その辺りは米軍基地でしたから、基地の方を相手にしていた大人なお店も多かったんです」

それが平成に入り、立川はみるみるうちに変貌を遂げる。再開発が進むにつれ、昔ながらの街並みが失われたことを嘆く住民もいた。しかし岩崎さんは、「今の立川の方が断然いい」とすっきりした表情だ。

「ずいぶんにぎやかになりましたよ。街が大きくなったと感じます。人口は昔からほとんど変わっていませんが、立川には昼間働きにきたり、遊びにきたりする『昼間人口』が多いんですね。居住人口が今後増えることは考えにくいので、関わってくれる人を増やすのは、街が存続していくために大切なことです」

昼間人口の増加とともに、人が訪れるエリアも広がっている。かつては「良くなったのは駅前だけ」と卑下する人もいたそうだが、GREEN SPRINGSは立川駅から徒歩8分。駅からは少し離れた場所にある。岩崎さんの言うように、街の大きさは確実に広がっており、それとともに、街全体に活気がもたらされているのだ。

多摩都市モノレールの走る街並み(写真/片山貴博)

多摩都市モノレールの走る街並み(写真/片山貴博)

道幅が広く開放的な、緑あふれるサンサンロード(写真/片山貴博)

道幅が広く開放的な、緑あふれるサンサンロード(写真/片山貴博)

「若い人が関わりたいと思ってくれる、魅力ある街であってほしいですね。立派な施設ができても、建物自体はいずれ古くなります。街が発展し続けるためには、やる気のある人がチャレンジしやすい環境が必要です。幸い立川には、よそ者を拒むような地域性がありません。昔から何でも受け入れる街なんです。懐を広く保っておくことが、立川の未来のためには大事なことだと思いますね」

変化を拒まず、受け入れる。日本の人口減少が止まらない中、立川の歴史は、郊外の街が発展し続けるための一つの方向性を示しているように見えた。

●取材協力
GREEN SPRINGS
立飛ホールディングス
立川市の歴史

古きよき景色の中で

所在地:台東区小島
16万5,000円(税込) / 45.13平米
都営大江戸線・つくばエクスプレス「新御徒町」駅 徒歩5分

台東区小島は古い建物がたくさん残っていて、ノスタルジックな景色が広がるエリア。



物件がある蔵前小学校通りは道が広くて視認性が高く、近くには飲食店や観葉植物屋、ギャラリーなどがあります。車通りは多くないので、落ち着いた印象です。



以前は印刷関係の事務所として利用されていたこの物 ... 続き>>>.
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そよぐ青紅葉と竹林と

所在地:三鷹市牟礼
16万7,000円 / 97.7平米
井の頭線「三鷹台」駅 徒歩14分

落ち着いていて明るく、雰囲気のよい和室がすてき。階段を上がった入り口で少し立ちつくすほど、部屋の存在感に引き込まれてしまいました。さらさらとそよぐ竹林と広い空を感じながら、やさしい光が部屋中に満ちてます。



河岸に沿って豊かな樹林帯を形成し、四季折々の自然が楽しめる癒やしスポット ... 続き>>>.
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桜と共に歩む家 – 風抜ける部屋-

所在地:目黒区東山
13万6,000円 / 44.5平米
東急田園都市線「池尻大橋」駅 徒歩3分

池尻大橋駅のすぐ近くという立地ながら、緑豊かな公園に寄り添うように立つ、レトロなマンション。



池尻大橋は渋谷と三軒茶屋という、にぎやかな街に挟まれながらも、どこ吹く風とのんびりとした住宅街。街を歩くと思わず「住むならこういう街がいいんだよなあ」と、ジワジワそんなことを考えてしま ... 続き>>>.
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桜と共に歩む家 – 畳でゴロン –

所在地:目黒区東山
13万円 / 44.5平米
東急田園都市線「池尻大橋」駅 徒歩3分

池尻大橋駅のすぐ近くという立地ながら、緑豊かな公園に寄り添うように立つ、レトロなマンション。



池尻大橋は渋谷と三軒茶屋という、にぎやかな街に挟まれながらも、どこ吹く風とのんびりとした住宅街。街を歩くと思わず「住むならこういう街がいいんだよなあ」と、ジワジワそんなことを考えてしま ... 続き>>>.
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鳥越おかず横丁のそばで

所在地:台東区鳥越
29万7,000円(税込) / 128平米
都営大江戸線「新御徒町」駅 徒歩5分

台東区鳥越おかず横丁、100年以上の歴史を持つ古き良き商店街。その少し北にある2階建ての店舗です。



シャッターを開けると、大きな開口部のある入り口。1、2階とも同じ広さで、ほぼスケルトン状態の室内、壁にはベニアが張ってあります。床は1階がコンクリート、2階はベニア板。天井の高さ ... 続き>>>.
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庭木と暮らす

所在地:中野区野方
18万円 / 100平米
中央線・東西線「中野」駅 徒歩17分

窓から緑を感じられる、なんだか懐かしさを感じる戸建て。庭をていねいに手入れして、控えめな縁側でくつろぐ、そんな暮らしを思い浮かべました。



物件が位置するのは中野駅と野方駅の間、閑静な住宅街の路地の奥。モサモサの植栽と共に、隠れるように立っています。



庭はそれほど大きくはありま ... 続き>>>.
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光と風が抜けるリノベ部屋

所在地:世田谷区北沢
17万円 / 54.67平米
京王線「笹塚」駅 徒歩7分

部屋の南側から西側までぐるりとバルコニーに囲まれ、外には空と北沢の街並みが広がる気持ちよくリノベーションされた部屋。



バルコニーに沿って奥行きのある2LDKで、ふたり暮らしにちょうど良さそうなサイズ感。



いい感じに渋みのある無垢フローリング、アクセントにところどころ塗装された ... 続き>>>.
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緑が見える心地よさ

所在地:東京都豊島区南大塚
12万2,000円 / 35.8平米
都電荒川線「向原」駅 徒歩3分

目の前に緑と公園が広がる心地よさを感じてください。



窓の外には「大塚台公園」の緑が広がっています。引退した蒸気機関車や遊具がおいてあり、ひと息つくのによさそうな公園。



室内は8.2畳のLDKと6.3畳の洋室という間取りで、LDKと洋室は引き戸を開ければ広々としたワンルームのよ ... 続き>>>.
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窓を開けて

所在地:杉並区大宮
11万7,000円 / 44.31平米
井の頭線「永福町」駅 徒歩13分

広々としたルーフバルコニーから望むは、和田堀公園の豊かな緑。このバルコニーが主役の部屋です。



最初に注意点を。こちらの物件、残念ながらルーフバルコニー側の窓がくもりガラス。窓を閉めている時は緑を存分に楽しむことができません。天気のいい日に窓を開けてお楽しみください。



物件が位 ... 続き>>>.
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眺望重視&都心派のふたりへ

所在地:東京都新宿区市谷台町
14万7,000円 / 46.28平米
都営新宿線「曙橋」駅 徒歩5分

少し広めのバルコニーと気持ちよく抜けた眺望がおすすめの物件。



内装は今年に水回りを含めリフォームされているため、つるっとした感じですが、清潔感がありきれいです。



収納は洋室、キッチン裏、カウンターの下にあり、キッチン裏の収納は冷蔵庫も入るので、来客がある際に生活感を出さないよ ... 続き>>>.
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マンションもSDGsの時代。旧耐震マンションが、リファイニング建築でよみがえる?

「リファイニング建築」という手法を使うと築44年のマンションでも新築並みによみがえるという。三井不動産と青木茂建築工房が手掛けた完成事例の見学会に参加したのだが、知らされていなければ新築のマンションだと思うほどだ。しかし、before/afterの写真を見ると、確かに骨格は同じだ。どうやって再生するのだろう。

【今週の住活トピック】
リファイニング建築サロン&物件竣工見学会開催/三井不動産「ヴァロータ氷川台」のリファイニング前の外観(画像提供:三井不動産)

「ヴァロータ氷川台」のリファイニング前の外観(画像提供:三井不動産)

リファイニング建築「ヴァロータ氷川台」外観(筆者撮影)

リファイニング建築「ヴァロータ氷川台」外観(筆者撮影)

建て替えでも耐震改修でもない、「リファイニング建築」という選択肢

現行の耐震基準(1981年6月以降に適用)より前の旧耐震基準の建築物は、今後発生すると予測される巨大地震で倒壊のリスクがある。そのうえ、集合住宅であるマンションでは、各戸に水まわりの設備があり、給排水管が縦横に張り巡らされている。こうしたものの老朽化で、日々の生活に困難をきたすようになる。さらに、今の生活にはインターネット環境やセキュリティの強化など、時代に応じて必要とされる設備機器などもある。

こうした課題の解決のため、旧耐震基準のマンションは、「建て替え」をするか「耐震改修を含む大規模な改修工事」をするかになる。ところが、第3の選択肢があるという。それが「リファイニング建築」だ。リファイニング建築は、建築家の青木茂氏が提唱する、旧耐震基準の建物を解体することなく新築同等に再生することが可能な建築手法だ。

一般的な耐震改修工事では、マンションの外壁やバルコニー側にブレースと呼ばれる「四角の中にV字型」などの骨組みを追加する。見た目の外観も悪くなり、部屋からの視界を塞ぐことになるので居住者に不満が生じやすい。一方、リファイニング建築では、外観や眺望を損なわないような耐震補強をする。

加えて、現行の法規制に適合させる再生を行うことで、新たに建築確認の検査済証を再取得する。築年数の古い建築物では、建築当時の法規制に適合していても、法改正によって現行法規に適合しないことが多い(既存不適格という)。すべてを現行法規に適合するように再生して、建築確認を申請することで、増築が可能になってより柔軟な設計プランができるようになる。

具体的には、完成事例を見た方が分かりやすいだろう。

リファイニング建築で室内も新築同様に

冒頭のリファイニング建築の外観写真は、三井不動産が商品企画を手掛け、青木茂建築工房が建築的な再生をした「ヴァロータ氷川台」だ。スタイリッシュな新築のマンションという印象だが、室内の印象も全く違う。
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「ヴァロータ氷川台」のリファイニング前後の内観(画像提供:三井不動産)

「ヴァロータ氷川台」のリファイニング前後の内観(画像提供:三井不動産)

通常のリフォームでも間取りや内装の変更は可能だが、リフォームではできない変更がいくつかある。画像では分かりづらいが、元あったバルコニーの右半分側が室内の居住空間に変わっている。サッシも交換されているが、室内空間を広げたことで右側のサッシは天井までのハイサッシを入れることができ、開放的な室内空間になった。

外から見えないところでは、壁に耐震補強に加え、床や壁に断熱材を入れて断熱性能を引き上げ、隣戸との壁には遮音材を入れるなどして、住宅としての基本性能も引き上げた。

マンション全体のプランについても、屋外廊下を屋内廊下に変えて、エレベーターを増築した。また、エントランスの位置を変更して、元の駐車場の場所を居住空間として有効活用できるようにした。1階部分の平面図を見ると分かりやすいが、容積率に余裕があったことから、共用部の増築(黄緑色部分)や専有部の増築(水色部分)、ウッドデッキの新設(黒色部分)などを行っている。

1階平面図(画像提供:青木茂建築工房)

1階平面図(画像提供:青木茂建築工房)

その結果、1階住戸には専用デッキが設けられ、外から直接扉を開けて、デッキを通って室内に入ることもできる動線を確保した。デッキからの玄関口にあたる部分は、フローリングではなくタイル張りにしている。さらに、床を下げたことで上階の天井高は2400mmのところ、1階は2700mm確保できるようになった。

1階住戸には出入りできる専用デッキが新設された(101号:筆者撮影)

1階住戸には出入りできる専用デッキが新設された(101号:筆者撮影)

また、エントランスの位置を変えたことで、元のエントランス部分は居室空間に変わった。その結果、広いウッドデッキとアイランドキッチンのある魅力的な住戸が誕生した。

元のエントランス部分は居室空間になった(102号:筆者撮影)

元のエントランス部分は居室空間になった(102号:筆者撮影)

建築技術によって新築並みに生まれ変わったものの、検査済証を再取得するには多くの法規制に適合させる必要があった。まず、現行の日影規制に適合させるために、屋上の階段室の塔屋を撤去することで課題をクリアした。さらに、東京都の建築安全条例では、主要な出入口に一定の幅の通路を確保することが求められるという課題があった。この物件では通路幅を3m以上確保する必要があったが、通路幅は2.5mであったため、エントランスに庇(ひさし)を設けることでクリアした。

エントランスに庇を設けることで条例に適合させた(筆者撮影)

エントランスに庇を設けることで条例に適合させた(筆者撮影)

このようなさまざまな制約を工夫して解消しながら、新築並みのマンションとしてよみがえらせることができたわけだ。

分譲マンションでは管理組合の合意形成が高いハードルに

さて、「ヴァロータ氷川台」は19戸の賃貸マンション。三井不動産と青木茂建築工房が提携してリファイニングした物件の5事例目に当たる。5事例はいずれも、不動産オーナーが所有する賃貸マンションだ。実は、賃貸マンションでは、リファイニング建築を活用するメリットが大きいという。

まず、「建て替え」と比べると、建築費を約7割に抑えられ、工期を2年程度から10カ月程度に短縮できる。工事期間は賃借人を入れることができないので、無収入期間をかなり短くできるわけだ。それでいて、賃料は新築の場合の約9割と高めに設定できるので、投資額に対する回収期間も短くできる。耐震改修で耐震性を引き上げても、改修後の賃料を以前の額より上げることは難しいというので、新築の約9割まで上げられるリファイニング建築なら建て替えや耐震改修より賃貸経営上のメリットは大きいといえるだろう。

では、分譲マンションではどうなのだろう?
青木茂建築工房のこれまでのリファイニング建築の実績を聞くと、公共施設や学校、病院、旅館まで幅広く手掛けているが、分譲マンションの実績はわずか2事例だという。相談はあるものの、管理組合の合意形成に至らずに話が先に進まないことが多いのだそうだ。

青木茂氏によると、建築物のほとんどはリファイニング建築による再生が可能だという。構造となる躯体(くたい)そのものがよほど劣化して使用に耐えないなどの事情がない限りは、技術的には再生が可能だという。

建て替えが必要な老朽化した分譲マンションも、建築費を抑えられ、工期短縮によって仮住まい期間を短くできるリファイニング建築のメリットは大きいはずだが、区分所有者が高齢化するなどで建築費の捻出が高いハードルになってしまうのだろう。

SDGsに資するリファイニング建築の普及を目的に協会の設立も

さて、老朽化した建築物の大規模改修では建築費の融資を受ける場合が多いだろうが、これまでは金融機関ごとにそれぞれの事例を審査して融資条件を決めていたため、十分な返済期間が確保できないことが多かった。しかし、リファイニング建築のように新築並みの長期的な融資が一般的になれば、老朽化した建築物の再生も促進されることになる。

他方で、リファイニング建築は躯体の約8割を再利用するので、建て替えに比べると廃棄物もCO2の排出も少ない。持続可能な社会の実現のために、SDGsが注目されているが、SDGsにも貢献する仕組みとして、一層の活用が期待される。

こうした背景を受けて、リファイニング建築の普及促進を目的に「一般社団法人リファイニング建築・都市再生協会」の設立が予定されているという。筆者自身も、老朽化したマンションは建て替えざるを得ないと思っていた。第3の選択肢があることをもっと多くの人が知るようになれば、今後ますます増えていく老朽化マンションの手立てになるだろう。

東京駅まで30分以内、中古マンション価格相場が安い駅ランキング 2020年版

東北や北陸、甲信越など各エリアに向かう新幹線の起点駅であり、全国各地と東京を結ぶ玄関口として多くの人が利用する東京駅。日本を代表する鉄道網の要所というだけではなく、8月に新店舗を加えて計153店舗となってグランドオープンした「グランスタ東京」などのエキナカ施設も充実しており、まるでひとつの街のよう。そんな東京駅の近くに住めばさぞかし便利だろうとは思うものの、駅周辺はオフィスや商業施設が大半を占めており、住宅は多くない。そこで、東京駅までアクセスしやすく、かつ物件の価格相場がリーズナブルな街を調査! 東京駅まで30分圏内にある、中古マンションの価格相場が安い駅トップ10をご紹介しよう。●東京駅まで30分以内の価格相場が安い駅TOP10
【シングル向け】
順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/東京駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 鶴見 1530万円(JR京浜東北・根岸線/神奈川県横浜市/25分/1回)
2位 西川口 2215万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県川口市/26分/1回)
3位 京急川崎 2230万円(京急本線/神奈川県川崎市/29分/1回)
4位 蕨 2250万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県蕨市/29分/1回)
5位 川口 2305万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県川口市/23分/1回)
6位 川崎 2360万円(JR東海道本線/神奈川県川崎市/19分/0回)
7位 板橋本町 2390万円(都営三田線/東京都板橋区/30分/2回)
8位 下板橋 2399万円(東武東上線/東京都豊島区/25分/1回)
8位 板橋区役所前 2399万円(都営三田線/東京都板橋区/28分/2回)
10位 大森町 2424.5万円(京急本線/東京都大田区/29分/1回)

【カップル・ファミリー向け】
順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/東京駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 扇大橋 2439.5万円(日暮里・舎人ライナー/東京都足立区/30分/1回)
2位 松戸 2490万円(JR常磐線/千葉県松戸市/27分/0回)
3位 足立小台 2525万円(日暮里・舎人ライナー/東京都足立区/27分/1回)
4位 小菅 2550万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/25分/1回)
5位 東船橋 2680万円(JR総武線/千葉県船橋市/30分/1回)
6位 四ツ木 2780万円(京成押上線/東京都葛飾区/30分/1回)
7位 堀切菖蒲園 2800万円(京成本線/東京都葛飾区/28分/2回)
8位 西船橋 2835万円(JR京葉線/千葉県船橋市/29分/0回)
9位 梅島 2898.5万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/29分/1回)
10位 五反野 2960万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/27分/1回)

シングル向けは横浜市の駅、カップル・ファミリー向けは都内の駅が1位に

専有面積20平米以上~50平米未満の「シングル向け」と、専有面積50平米以上~80平米未満の「カップル・ファミリー向け」、それぞれの価格相場が安い駅トップ10は上記の通り。ランクインした駅のうち、気になる駅について見ていきたい。

シングル向けの1位は、JR京浜東北・根岸線の鶴見駅。価格相場はトップ10で唯一の1000万円台、1530万円だった。駅の東口側には駅ビル「CIAL鶴見」があり、食品からファッション、生活雑貨まで購入でき、レストランフロアで食事もできる。駅西口側にもスーパーや飲食店があるので、仕事帰りにも気軽に買い物や食事がしやすい環境だろう。

鶴見駅前(写真/PIXTA)

鶴見駅前(写真/PIXTA)

鶴見駅からは東京駅まで約25分で行けるほか、横浜駅までも3駅・約10分という好立地。駅東口側の広場の先にある、京急本線の京急鶴見駅が利用できる点も便利だ。ちなみに価格相場が2360万円だったシングル向け6位の川崎駅は、鶴見駅からJR京浜東北・根岸線で1駅。たった1駅違うだけで価格相場が830万円もダウンすると考えると、鶴見駅は狙い目に思える。

カップル・ファミリー向けの1位は、日暮里・舎人ライナーの扇大橋駅。日暮里・舎人ライナーは、JR線も乗り入れる日暮里駅を紀点にして見沼代親水公園駅までの全13駅を結ぶ路線だ。扇大橋駅は日暮里駅から5駅目で、荒川に架かる橋「扇大橋」の北側に位置している。駅の周辺にはスーパーや飲食店、コンビニが点在するものの大型商業施設はなく、静かな住宅街が広がる。駅から5分ほど歩くと食材の安さで評判の「業務スーパー」もある点は、食べ盛りの子どもがいるファミリーにうれしいポイントだ。

扇大橋駅から日暮里・舎人ライナーで日暮里方面へ1駅進むと、カップル・ファミリー向け3位の足立小台(あだちおだい)駅へ。この駅が位置するのは北に荒川、南に隅田川が流れる、中洲のような東西に長い地形。駅の東側に家電量販店、西側にホームセンターとスーパーがある。

足立小台駅近くの住宅街の様子(写真/PIXTA)

足立小台駅近くの住宅街の様子(写真/PIXTA)

東京、千葉、埼玉、神奈川の多彩なエリア&路線からランクイン

シングル向けの2位以下も見ていこう。2位には1位・鶴見駅と同じJR京浜東北・根岸線の西川口駅がランクイン。東京駅までの所要時間も1位とほぼ同じだが、東京駅をはさんで南方の神奈川県横浜市に鶴見駅、北方の埼玉県川口市に西川口駅、という位置関係で両駅間はJR京浜東北・根岸線で1時間以上離れている。そして西川口駅の両隣には、4位・蕨駅と5位・川口駅がある。

そんな西川口駅の環境は、駅ビル「ビーンズ西川口」をはじめ商業施設が充実。スーパーにドラッグストア、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」から多彩な飲食店までがひしめく、にぎやかな街並みが広がる。駅から徒歩20分圏内に日帰り温泉施設が2軒あり、近所で気軽に休日のリフレッシュができる点も魅力的だ。

シングル向けの上位には神奈川県や埼玉県の駅が並んだが、7位~10位には都内の駅がランクイン。そのうち8位の東武東上線・下板橋駅は東京駅まで約25分で行けるほか、池袋駅まで2駅・約4分という便利なロケーション。さらに駅から8分ほど歩くと、JR埼京線の板橋駅も利用できる。下板橋駅周辺は繁華街という感じではないが、スーパーやドラッグストア、コンビニは点在していて日々の買い物には困らない。ショッピングを楽しむときや遊ぶ場合は池袋駅まで行き、普段は静かな住宅地である下板橋駅周辺で暮らす。そんな生活もアリだろう。

カップル・ファミリー向けの2位以下はというと、東京都と千葉県の駅が入り乱れる結果になった。そのうち、8位のJR京葉線・西船橋駅をピックアップ。この駅はJRの総武線、武蔵野線、京葉線に加えて東京メトロ東西線と東葉高速鉄道が乗り入れている。東京駅までJR京葉線1本で行けるほか、東京メトロ東西線に乗れば、都心の日本橋駅や大手町駅などにも乗り換えせずに行くことが可能だ。西船橋駅周辺には「西船近隣公園」をはじめ気軽に立ち寄れる公園が複数あり、保育園や小中学校も点在。スーパーやドラッグストアといった日常生活を支える買い物環境も充実し、ファミリーで暮らしやすそうな街だ。

西船近隣公園(写真/PIXTA)

西船近隣公園(写真/PIXTA)

さて、東京駅を紀点にしてリーズナブルな街を調べた今回のランキング。東京駅からは各地へと路線が延びているだけあって、調査対象である「東京駅から30分圏内」の駅は膨大な数にのぼる。実際にランクインした駅の立地も、神奈川、埼玉、東京、千葉と多地域にわたった。自力でやみくもに、中古マンションの価格相場が安い駅を調べだすのは容易ではないだろう。東京駅へのアクセスのよさを基準に住まい探しを考えている人は、今回のランキングをぜひ活用してほしい。

●調査概要
【調査対象駅】東京駅まで電車で30分圏内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数35年未満、敷地権利は所有権のみ
シングル向け:専有面積20平米以上50平米未満
カップル・ファミリー向け:専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2020/5~2020/7
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)

※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

余白を残したこもり部屋

所在地:渋谷区神宮前
14万3,000円(税込) / 31平米
山手線「原宿」駅 徒歩7分

コンパクトで変則的な形ですが、天井が抜かれて天高が上がっている空間。手を加えずとも、雰囲気よくお使いいただけそうなオフィスです。



建物が立っているのは、千駄ヶ谷小学校前の交差点すぐそば。立地と室内の雰囲気を考えると、こもって仕事する時間が長い、デザイン系やアパレル系の方にピンと ... 続き>>>.
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木造のポテンシャル恐るべし

所在地:中野区中央
17万5,000円 / 72.9平米
丸ノ内線「東高円寺」駅 徒歩7分

南向きの窓から入る明るい光と、ずどんと上がった天井。こんなに心地よいリビングで日々過ごせるなんて「ずるい!」の一言に尽きます。



約10年前にリノベーションされ、すてきに生まれ変わった古い木造の戸建て。色味の良いフローリングに、しっくいの塗り壁。むき出しになった木の梁に、この建物 ... 続き>>>.
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有楽町で逢いましょう

所在地:千代田区有楽町
27万6,000円(税込) / 38.86平米
日比谷線「日比谷」駅 徒歩2分

1960年代築の雑居ビルがリノベーションされ、シュッとして使いやすいオフィスに生まれ変わりました。



場所は、JR有楽町駅や日比谷駅まで徒歩2分の場所。大通りから一本入った、飲食店が軒を連ねるあたり。こちらのビルも1階は中華料理店、2階がスナックとTHE・雑居ビルという雰囲気です ... 続き>>>.
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柔らかく外は晴れ

所在地:世田谷区桜新町
15万3,000円 / 65.58平米
東急田園都市線「桜新町」駅 徒歩3分

渋谷駅から田園都市線で10分とは思えない、ゆったりとした街、桜新町。今回ご紹介する部屋は南側の緑地に面した、日当たりの良い角部屋。



広々とした15.3畳のリビングダイニングは、ふたつの掃き出し窓から入るやわらかい光が気持ち良く、バルコニー側の敷地の先がこぢんまりとした緑地で、自 ... 続き>>>.
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緑とやすらぐ原宿オフィス

所在地:渋谷区神宮前
23万1,000円(税込) / 42.19平米
千代田線「明治神宮前<原宿>」駅 徒歩4分

表参道から南に少し入った閑静な住宅街。緑に囲まれた心やすらぐ空間で、りりしいビルの雰囲気にもほれぼれします。



室内から見える緑は敷地内の庭と、向かいの大きなリハビリ施設のもので、さまざまな種類の植物が植えられています。また建物はリハビリ施設よりも高い位置にあり建物の間には緑もあ ... 続き>>>.
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南青山、ニューヨークスタイル

所在地:港区南青山
42万9,000円(税込) / 66.54平米
銀座線「外苑前」駅 徒歩5分

天井を抜き、手触りにこだわって改装した空間は、ニューヨークのカフェのよう。キッチンカウンターを囲んだアットホームなオフィスにいかがでしょう?



用途は物販店や飲食店も可能です。



床はコンクリートでヒビやボンドの跡も少し目立ちますが、それも味になっています。壁や天井はコンクリート ... 続き>>>.
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四谷の街と青空と

所在地:新宿区四谷
9万5,000円 / 31.29平米
丸ノ内線「四谷三丁目」駅 徒歩7分

新宿と四谷の間のゆったりとした住宅街で、のどかな一人暮らしを楽しみませんか。広めのバルコニーからは青空を望むことができ、よく風が通る角部屋です。



間取りは奥行きのある1LDK。ダイニング側も明るく、収納も豊富です。南側の洋室はオーナーがお住まいだった頃、リビング兼寝室として使わ ... 続き>>>.
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のんびりふたり暮らし

所在地:世田谷区上祖師谷
12万5,000円 / 52.58平米
京王線「仙川」駅 徒歩11分

家で過ごす時間が増えたご時世なので、眺めの良い部屋というだけで気分がいいですよね。まちの雰囲気ものんびりしているのでほのぼのと暮らせそうです。



間取りは2LDK。南向きのリビングダイニングにはたっぷりと陽が入り、風も通って気持ちが良いです。和室は寝室として、洋室を書斎やZOOM ... 続き>>>.
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ゆったりとおひとり様

所在地:目黒区上目黒
12万5,000円 / 34.27平米
日比谷線・東急東横線「中目黒」駅 徒歩7分

ナカメでひとり、気ままに暮らすなら。こんな空間アリだと思います!



ゆったりとしたリビングと、寝室からなる1LDK。そしてどちらの部屋にも、カクッとL字型のワイドな窓。その先には植栽の木々が立っていて、自然と緑が目に飛び込んでくるのもいい感じです。



中目黒駅から徒歩約7分で、静 ... 続き>>>.
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路地中のオアシス

所在地:大田区大森東
15万8,000円 / 78.65平米
京急本線「平和島」駅 徒歩8分

大きなコーナー窓から敷地内の豊富な緑を感じられるのが、この部屋の一番好きなところ。

日当たりと風通しが、とにかく良い。

デザイン性は、写真をご覧いただけば一目瞭然。

デザイン以外の五感に響いてくる気持ちよさ、嬉しさ、ハッピー感。

実際に現地で感じていただきたいです。(写真で伝わる ... 続き>>>.
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どんとピシャリなリノベオフィス

所在地:品川区東五反田
38万5,968円(税込) / 96.69平米
山手線「五反田」駅 徒歩7分

古ビルの素材を生かしてつくり上げる、リノベーションオフィス。余計なものは極力取り払って、出てきたものをきれいに整えるだけでこんなに見違えるんです。



抜かれた天井は3m越えという高さ、仕切りがないのに加え、大きい窓面がより開放感を引き立てています。



床面はPタイルを剥がしたコン ... 続き>>>.
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ここに家族で住もうよ

所在地:杉並区久我山
23万円 / 122.38平米
井の頭線「久我山」駅 徒歩9分

久我山駅から徒歩9分ほどの場所にある、ファミリー向け築46年のレトロ戸建てのご紹介です。



間取りは5SLDKで、1階は13畳の広々としたリビングダイニングと和室、2階は洋室が3部屋と和室が1部屋あります。



リビングダイニングの窓からは光が入ってきて、明るく温かい雰囲気。照明器 ... 続き>>>.
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ふらっと井の頭公園へ

所在地:武蔵野市吉祥寺南町
4,980万円 / 75.6平米
中央線・井の頭線「吉祥寺」駅 徒歩6分

目の前をさえぎるものが何もなく、遠くまで抜けた眺望が気持ちいい!西側には井の頭公園の緑も見えて、よく晴れた日には富士山も見えるそう。



開口部は南向きなので、光もしっかり入ります。窓からの眺めが一枚の絵みたいで、これが結構お気に入り。



二つの洋室は北向きで自然光が入りにくく、少 ... 続き>>>.
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神楽坂、穏やかにふたり

所在地:新宿区横寺町
21万5,000円 / 53.99平米
東西線「神楽坂」 徒歩5分

神楽坂駅から歩くこと約5分。穏やかな空気の流れるこの部屋で、ふたり暮らしをはじめませんか?



改装されたばかりの内装は、グレイッシュなトーンでまとめられ、落ち着いています。床がフロアシートだったり、建具がつるっとしているので、手触り感というよりは雰囲気重視の方にオススメ。



広め ... 続き>>>.
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松が谷で武骨に

所在地:台東区松が谷
15万4,000円(税込) / 39.24平米
銀座線「田原町」駅 徒歩11分

上野駅と、浅草駅のちょうどあいだに「松が谷」という場所があります。今回はそこにある1階の店舗物件をご紹介します。



現在はオーナーの物置きとして使用中。大きな開口部は道路からの視認性がよく、店舗物件に向いているのではないでしょうか。



天井は抜いてあり鉄骨が剥き出しの状態。床はコ ... 続き>>>.
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バランス重視の三茶暮らし

所在地:世田谷区三軒茶屋
23万4,000円 / 79.09平米
東急田園都市線「三軒茶屋」駅 徒歩6分

三軒茶屋周辺で、このくらいの広さで探しているという方には、生活のイメージがしやすく、ちょうどいい部屋になる予感です。



建物の南側にはちょっとした緑道があって、他の建物との距離感もあり、眺望も程よい感じ。南向きの大きな窓があり、ぽかぽかです。



室内写真は別途お送りできますので、 ... 続き>>>.
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窓のおかげです

所在地:渋谷区東
13万2,000円(税込) / 34.98平米
山手線・銀座線・半蔵門線・東急東横線「渋谷」駅 徒歩10分

天井の高さは約2.2mで低めなんですが、閉塞的な感じがまったくなく、むしろ開放的。天井の高さまである大きなL字型の窓のおかげです。



「渋谷駅新南口」から歩いて9分、代官山へも徒歩圏内の立地が魅力。室内も居心地がよくて、スタートアップ用の物件を探している方たちにもハマりそうな予感 ... 続き>>>.
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8割が備えなし! コロナ禍の今こそ考えておきたい災害時のトイレ問題

新型コロナウイルスが耳目を集めていますが、地震や大型台風などの自然災害への備えも忘れずにしておきたいところ。ところで、みなさんは災害発生時の「トイレ問題」について考えたことはありますか? 今回は災害時の「トイレ問題」と自身での備蓄・対策についてご紹介しましょう。
今は自宅避難が増える「コロナ時代」。トイレの備えは必須!

「新型コロナウイルス感染症が流行している今こそ、トイレの備えが大切なんですよ」と、その重要性を話してくれたのは、災害時のトイレ問題にも詳しいNPO法人日本トイレ研究所の加藤さん。加藤さんは環境、文化、健康などさまざまな観点でトイレを研究し、トイレを通して社会をより良い方向へ変えていこうと活動しているトイレ研究の第一人者です。

確かに、新型コロナウイルスの感染リスクを考えると、浸水など命の危険が迫るような事態でない場合は、学校などの避難所で集団生活を送るのではなく、「自宅避難」「在宅避難」を選ぶ人は多いことでしょう。筆者宅のように小さな子ども、動物がいるケース、高齢者がいるケースであれば、なおのこと「自宅避難」を選びたくなるもの。ただ、水害・地震などの大きな自然災害が発生すると電気・ガス・上下水道のインフラも被災するので、当然、トイレも使えなくなります。

では、避難は自宅で、トイレは避難所に設置される仮設トイレで済ますのでは、ダメなのでしょうか。

「避難所で設置されるトイレというと、イベントや工事現場で設置される『仮設トイレ』をイメージする人が多いことでしょう。しかし、今回の新型コロナ騒動ではマスクや消毒液などが軒並みスーパーなどから消えましたよね? このように外部から供給・提供されるものは非常に不安定なんです。道路状況や建物の状況、周囲の状況を考えると、仮設トイレが避難所に行き渡るのに1カ月以上かかることもありえるんです。外からくるものをあてにするのは、危険ではないでしょうか」(加藤さん)

東日本大震災発生時に仮設トイレが避難所に行き渡るまで、4日以上かかっているところが半数以上。もっともかかったところでは65日にも(データ:日本トイレ研究所提供)  アンケート調査実施:名古屋大学エコトピア化学研究所 岡山朋子/協力:日本トイレ研究所/回答:29自治体(岩手県・宮城県・福島県の特定被災地方公共団体)

東日本大震災発生時に仮設トイレが避難所に行き渡るまで、4日以上かかっているところが半数以上。もっともかかったところでは65日にも(データ:日本トイレ研究所提供) 
アンケート調査実施:名古屋大学エコトピア化学研究所 岡山朋子/協力:日本トイレ研究所/回答:29自治体(岩手県・宮城県・福島県の特定被災地方公共団体)

なるほど、災害が起きても「なんとかなるのでしょ」と軽く考えていたトイレ問題、実はずっとずっと深刻な問題なようです。

声をあげにくい「トイレ問題」。震災ごとに繰り返し深刻な問題を引き起こしていた

「阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震など、大きな災害発生時には必ずトイレ問題が起きています。トイレ・排泄は大きく語られることがない・声として出しにくいデリケートなテーマなんです。人の尊厳・羞恥心にかかわるので……。トイレの備えがなければ自宅で避難生活を送ることが出来なくなってしまいます」(加藤さん)

各地方自治体もこのトイレ問題を放置しているわけではなく、熊本市ではマンホールトイレを整備したり、富士市では簡易トイレを備蓄する、高知市では携帯トイレの備蓄、仮設トイレの優先供給など、独自に力をいれているところもあります。ただ、そうはいっても、自治体の備えには限界があります。だからこそ個人での備えも重要なのです。

(画像/PIXTA)

(画像/PIXTA)

しかし、自宅で災害用トイレを備えている人は16.9%にとどまるといいます。この状態だと、災害が発生したときなんと、「8割の人がトイレを使えない」状況になるのです。その8割のなかには、子どもや高齢者、持病をもっている人、障がいをもった人も多数いることでしょう。運よく被災をまぬがれたトイレが近くにあったとしても、行列ができて、混雑するのは想像にかたくありません。

日本トイレ研究所が防災グッズとして自宅にあるものを調査した結果(単位:%)。災害用トイレを用意していた人は16.9%(2018年。東京都と大阪府在住の2000人対象のインターネット調査)

日本トイレ研究所が防災グッズとして自宅にあるものを調査した結果(単位:%)。災害用トイレを用意していた人は16.9%(2018年。東京都と大阪府在住の2000人対象のインターネット調査)

普段、「清潔で快適なトイレ」に慣れた私たちにとって「トイレが使えない」、「汚い」「危険」な状況は相当なストレスになることでしょう。こうしてトイレが使えない、使いたくない状況になると、水分をとるのを控えるようになり、その結果、脱水症状、熱中症、免疫力の低下などを引き起こすといいます。これがいわゆる「災害関連死」につながるのです。もちろん、トイレが不衛生だと感染症の温床となり、ノロウイルスなどの感染性胃腸炎に感染することもあります。

食事、例えば多少の空腹はがまんできても、トイレだけはがまんできないもの。仮設トイレはいつ到着するか分からない、となれば、やはり自分で備えるのがいちばんでしょう。

個人で備えることができるのは携帯トイレ・簡易トイレ。一度、練習しておく必要アリ

では、どのようなトイレを、どの程度、備えておくのがよいのでしょうか。

「排泄の回数には個人差があります。適正な数がいくつとは一概に言いにくいので、自分がトイレにいく回数を数えるのが、いちばん確実なんですよ。一応、国のガイドラインでは、備蓄を考える際の目安としてトイレの回数は1日5回としています」(加藤さん)

……確かに1日のトイレは5回では、足りないという人もいれば多い、という人もいることでしょう。これを一週間分備えるとなると、35回分。家族がいればその人数分、用意するのが最低限となりそうです。

また、ひとくちに災害用トイレといってもさまざまなタイプがあります。選び方の目安はあるのでしょうか。

「ひとくちに携帯トイレといっても品質はさまざまです。吸水量や凝固期間、臭気対策の有無などの性能を公開しているものを、日本トイレ研究所のサイトで紹介していますので、ここから選ぶことをおすすめします。市販されている商品のなかには、凝固が維持できずに戻ってしまうものもあるんですよ。大切なのは性能なんです。あとは使い勝手です。停電で暗い、寒い状態などで使うことが予想されます。そのときにすぐに使えるか、安心して用便できるかを基準に選んでください。そして携帯用トイレは、トイレで保管しておくとよいでしょう」

個人で備えることができるのは、携帯トイレと簡易トイレの2種類。1回の料金に換算すると100円~200円程度のものが多いそう。

災害用トイレとは

さらに数だけでなく、自宅避難用と持ち出し用にわけて用意しておくと安心だそう。また、購入して満足するのではなく、一度、自宅のトイレに取り付けて使ってみて、と加藤さん。

「災害時のストレスは想像を絶します。暗い、怖い、この先どうしよう……。そんな極限状態です。せめてトイレくらいは安心して使いたい、というのが多くの人が思うことではないでしょうか。そのためにもぜひ一度、練習してみてください」と力説します。

実は筆者、トイレは猫砂と箱で代用すればいいかな、くらいの安易な気持ちでいたのですが、いかに考えが甘かったかを痛感しました。「備えあれば患いなし」です。今度の休日に携帯トイレと簡易トイレ、自分だけでなく家族で話し合い、使ってみたいと思います。

●取材協力
NPO法人日本トイレ研究所
災害用トイレガイド

好みのアングルで

所在地:杉並区久我山
13万円 / 40.15平米
井の頭線「久我山」駅 徒歩2分

約40平米の部屋をフルリノベーションしたのが2014年。長くお住まいだった方が退去になり、募集となりました。



南北にバルコニーがあり、窓も多くて日がよく入るのが特徴の部屋。仕切っても、広いワンルームで使っても良しな部屋です。



内装も、明るく爽やかな印象のデザイン。床は質感の良 ... 続き>>>.
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マルチな隠れ家ワンルーム -新築-

所在地:杉並区和泉
8万1,000~9万2,000円 / 18.22~18.63平米
京王線・井の頭線「明大前」駅 徒歩10分

焼杉で覆われた、目をひく黒い建物。シルバーのシャープな門扉を通り抜けると印象的な中庭が広がっています。



全部で8世帯の集合住宅。建物が2棟に分かれ、そこをスタイリッシュな階段がつないでいます。それにより、全ての部屋が角部屋になり、窓が多く独立性が高いのがうれしい点です。



室内 ... 続き>>>.
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異国の香りがぷんぷんと

所在地:世田谷区太子堂
15万円 / 47.78平米
東急田園都市線「三軒茶屋」駅 徒歩4分

中庭の緑と三軒茶屋の空を望む大きな窓面が、なんだか少し普通の住宅とは違う個性を引き立たせています。かわいらしい異国のアパートメントのような建物。



三角形のリビングは少し不思議な感覚ですが、玄関を入って正面の壁の前にダイニングテーブルを置いて、窓際にソファーやテレビボードを配置す ... 続き>>>.
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揺れる緑を感じて

所在地:渋谷区恵比寿西
18万円 / 52.3平米
東急東横線「代官山」駅 徒歩2分

代官山駅から徒歩2分という立地にありながら、落ち着きのある緑を感じられる部屋のご紹介。



風がふくと、ウッドデッキに揺れる木漏れ日がきれいで、サワサワと音がするのも心地よい。これからの季節、ちょっと外に出てひと息つくにはちょうど良さそうです。



室内については、西側の洋室はきちん ... 続き>>>.
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大口に根ざす家

所在地:横浜市神奈川区大口仲町
9万3,000円 / 30.89平米
横浜線「大口」駅 徒歩6分

大口駅前の商店街を抜けた住宅街の角地に立つ、集合住宅をご紹介します。



この建物は貸主である地元の建設会社が「住む人が、この家と街に根ざせるように」という思いを込め、「ROOTS」という名前を付けました。



建物は3階建て、1フロアに2戸の計6戸で、今回募集は3階の1戸。室内は約 ... 続き>>>.
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ひと部屋あると気兼ねなく

所在地:杉並区堀ノ内
15万円 / 74.39平米
丸ノ内線「方南町」駅 徒歩10分

在宅ワークが定着しつつある昨今。家に仕事部屋がほしい方に見てほしい物件のご紹介です。



間取りは3LDK。和室は子供部屋、客間、リビングの延長として。洋室は仕事部屋、寝室、荷物部屋など、いろいろな用途として使えそう。ただ、どちらの洋室も梁下が低くなっているので背の高い方は頭をぶつ ... 続き>>>.
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元映画館の続き

所在地:横浜市中区伊勢佐木
77万円(税込) / 265.27平米
京浜東北線・横浜市営地下鉄ブルーライン「関内」駅 徒歩7分

伊勢佐木町一丁目から七丁目まで続く、全長1.2kmのイセザキモール。老舗専門店から大型チェーン、物販やサービス系などの店舗が立ち並ぶ、新旧の混在した魅力的な商店街です。



イセザキモールは1874年に始まり、横浜の歴史とともに歩んできました。その歴史の中で、有名な三つのミニシアタ ... 続き>>>.
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黄昏のシーサイド

所在地:神奈川県茅ヶ崎市中海岸
6万5,000円 / 21.7平米
東海道線「茅ヶ崎」駅 徒歩23分

海の近くで暮らしてみたい、または拠点を持ちたい!と思っていた方、お待たせしました。茅ヶ崎、海水浴場そばの海沿いに立つマンションの一室をご紹介。白にブルーのボーダーの外観がなんとも爽やかです。



砂浜まで徒歩2分の立地もさることながら、ちらりとですが、部屋の窓から海も見えます!おま ... 続き>>>.
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中目のお花見部屋

所在地:目黒区青葉台
9万5,000円 / 26平米
日比谷線・東急東横線「中目黒」駅 徒歩7分

眼下に広がるのは目黒川沿いの桜ビュー。春になるのが待ち遠しい!季節の移ろいを感じながら暮らせる、渋いマンション4階の部屋のご紹介です。



先にお伝えしたいのは、エレベーターがないこと。4階まで上れる自信のある方に限定されます。また洗濯機置き場はバルコニーです。



さて室内はコンパ ... 続き>>>.
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移住や二拠点生活は“コワーキングスペース”がカギ! 地域コミュニティづくりの拠点に

新型コロナウイルス感染症拡大にともない、テレワークが急速に浸透した。地方移住への関心も高まっているなかで注目を集めているのが、全国で数を増やしている地方のコワーキングスペース。働く場所としてだけでなく、地域コミュニティの拠点や移住相談の場としての側面もあるようだ。
長野県富士見町にある「富士見 森のオフィス(以下「森のオフィス」)」運営者の津田賀央さんにお話を伺った。

移住者がいても、「つながり」がなければ何も生まれない

「富士見 森のオフィス」は、2015年12月、八ヶ岳の麓・長野県富士見町にオープンした複合施設だ。コワーキングスペースを中心に、個室型のオフィスや会議室、さらには食堂やキッチン、シャワールーム、森に囲まれた庭やBBQスペースも備える。2019年には宿泊棟「森のオフィスLiving」もオープン。サテライトオフィスやテレワーク拠点として、また地域住民の“公民館”的スペースとして、都市部と富士見を行き来する人・地域に暮らす人をつなぐ拠点になっている。

富士見町が進める移住促進施策「テレワークタウン計画」の一貫としてオープンした施設だが、当初、計画内にコワーキングスペースのオープン予定はなかったという。

一軒家を事業主へ安価に貸し出すなどの施策を中心としていた当初の計画に対し、「人と人のつながりを生む場」の必要性を主張し、具体的なプランを提案したのが、当時はまったく富士見町と無縁だった津田さんだ。

津田賀央さん Route Design合同会社代表。2015年、富士見町に家族で移住。週に3日は東京を拠点に活動する二拠点生活者。「森のオフィス」の運営をはじめ、コミュニティー・スペース立ち上げのコンサルティングや地域商品の企画開発などさまざまなプロジェクトに携わる(画像提供/津田賀央さん)

津田賀央さん
Route Design合同会社代表。2015年、富士見町に家族で移住。週に3日は東京を拠点に活動する二拠点生活者。「森のオフィス」の運営をはじめ、コミュニティー・スペース立ち上げのコンサルティングや地域商品の企画開発などさまざまなプロジェクトに携わる(画像提供/津田賀央さん)

「良い計画だけど、まだあまり本格化してなさそうだな、と思ったんです。せっかく移住してきた人がいても、その地域でつながりができなければ何も生まれないだろうなと」(津田さん)

津田さん自身は神奈川県横浜市の出身だ。都内の大手企業でオフィスワークをしていたが、リンダ・グラットンの著書『ワークシフト』を読んで「働き方」についての考えが変わった。「これからはどこにいても働ける時代が来る」と直感した。

移住を検討していた最中、富士見町のテレワークタウン計画を知り、その数十分後には担当者へ連絡。津田さんの提案は富士見町の担当者に歓迎され、プロジェクトリーダーとしての参画が決まった。

八ヶ岳の麓にある「森のオフィス」。元は大学の保養所だったそう(画像提供/津田賀央さん)

八ヶ岳の麓にある「森のオフィス」。元は大学の保養所だったそう(画像提供/津田賀央さん)

「森のオフィス」で「つながり」が生まれる理由

「森のオフィス」オープンから5年。当初はWEBデザイナーなどクリエイターが多かった利用者の層も、今はかなり多様になっているという。

「フリーランスの方だけでなく、会社員の方も増えていますね。プログラマー、エンジニア、デイトレーダー、事務、会計、プロジェクトマネージャー、大学の研究者やアウトドアのアクティビティスクール運営者などもいらっしゃいます」(津田さん)

単に作業場として活用している人もいるが、やはり「つながりを求めて」来る人が多いそう。
「漠然と“何かやりたい”“面白い人とつながれたら”という気持ちを持って来られている方、この場を利用して自分の人生に前向きな変化を生み出したい、というメンタリティを持った方が多い印象です」(津田さん)

実際に、この場からは3年間で120以上のプロジェクトが生まれている。
元マスコミ系企業に勤めていた人と動画クリエイターがつながって、八ヶ岳のローカルメディアをつくるチームが立ち上がったり、お弁当屋さんをやりたいという利用者がコワーキングスペース内のキッチンで営業をはじめたり。さらにその人と農家やデザイナーがつながってビジネスが広がっていったケースもあるとのこと。

利用者の変化に合わせ、津田さんは「つながり」のつくり方も日々考え続けている。
「会社員の中には副業が禁止されていて、プロジェクトへの参加が難しい方もいます。今後はライフワークや趣味をベースにつながれるような取り組みもしていきたいですね」(津田さん)

(画像提供/津田賀央さん)

(画像提供/津田賀央さん)

「森のオフィス」のアウトドアスペース。BBQやマルシェなどのイベントも催される(画像提供/津田賀央さん)

「森のオフィス」のアウトドアスペース。BBQやマルシェなどのイベントも催される(画像提供/津田賀央さん)

広告はほとんど利用しておらず、利用者は口コミで集まってくるという。

「“共感”がベースにあると思います。森のオフィスがはじまった2015年当時は、二拠点居住やリモートワークがまだまだ珍しいものでした。身近な例が無いから、想像もしづらかったと思います。なので、僕自身が森のオフィスを通じて実現したいワークスタイル、ライフスタイルを体現してきたつもりです。最初はそれに共感する人が集まってきてくれて、その人がまた新しい人を連れてきてくれた。

共感が共感を呼んで、人が人をつれてきた。結果、さまざまな知恵やスキルが集まって、プロジェクトを生み出せるようになった。そのプロジェクトを起点に、さらにつながりが広がって、深くなっていく。そんな風に、コミュニティが大きくなっていきました」(津田さん)

利用者同士をつなぐ仕掛けや仕組みがあるのだろうか。そう津田さんに尋ねると、「仕組みと言えるものはないんですよね」と笑う。

「森のオフィス」のコワーキングスペース(画像提供/山田智大さん)

「森のオフィス」のコワーキングスペース(画像提供/山田智大さん)

「かなり地道で属人的ですが、スタッフが意識して“仲人さん”をしているんです。移住促進を目的につくられた施設なので、『どこから来たんですか』とか『ご家族は?』とか、会話の中で利用者のプロフィールを聞いて、会員同士の共通点を見つけるようにしている。例えば『カレーが好き』と聞けば、『誰々さんもカレー好きって言っていましたよ』と伝えるとか、とにかくつながるきっかけをつくるようにしています」(津田さん)

もともとつながりを求めてやってくる人が多いが、なかでも縁を広げていける人に特徴があるとすれば、「特技と強い好奇心を持っている人」、特に後者が重要だと津田さんは語る。

「例えば、オフィスの利用者に元大手PCメーカーの修理エンジニアの方がいるんですが、すごい人気者なんですよ。PCやデジタル機器で何か困ったことがあるとみんな彼に聞くから。
でもそれだけじゃなくて、相談に乗るときに一緒にごはんを食べたり、修理するときに家に遊びに行ったり、逆に招いたり、その機会を活かしている。相手に対する興味を持って接しているんですよね。その方は移住して半年ほどで本当にいろんな方とつながって、今では森のオフィスにその方を訪ねて来る方もいらっしゃいます」(津田さん)

地方は「働く場と生活の場が同じ」。だから関係が育ちやすい

「森のオフィス」のように、個性的なコワーキングスペースは長野県内だけでも増えているという。津田さんがいくつかの例を教えてくれた。

まずは塩尻エリアにある『スナバ』。イノベーション創出を主目的とした施設で、『森のオフィス』より、「ビジネスを生み出す」という色が強い印象だ。長野県が進める移住支援制度「おためしナガノ」とも連携しており、実際に「スナバ」を利用してビジネスを進める移住者もいる。
「行政職員の方が運営しているコワーキングスぺ―スですが、いい意味で“行政っぽさ”を裏切る柔軟さがあって、素敵なコミュニティが生まれているようです」(津田さん)

「スナバ」のコワーキングスペース(画像提供/スナバ)

「スナバ」のコワーキングスペース(画像提供/スナバ)

続いて松本の『SWEET WORK』。「パンの香りのするコワーキング」というキャッチコピーの通り、老舗ベーカリーが運営している。会員はパン食べ放題、というこちらもユニークな施設だ。利用者は国籍も職業もさまざまだが、懇親会などのイベントもあり、会員同士の雑談からゆるやかなコミュニティが生まれている。

都内のコワーキングスペースづくりにも携わる津田さんは、地方と都市部それぞれのコワーキングスペースの違いを「働く場と生活の場の距離」だと話す。

「地方は働く場と生活の場がほぼ同じなんですよね。利用者同士の家も近い。外食の選択肢も限られるから、行った先で知り合いに会うし、誰かの家で食べることも多い。家をリフォームしたいとか、田んぼを探しているとか、利用者同士が生活の相談で仲良くなることも多いです。だから関係の育ち方に違いが出るんじゃないでしょうか。

都市部のコワーキングスペースで働いた後に一時間半かけて自宅に帰るのとは違う。地方のコワーキングスペースは“生活”そのもの。“生活の場”と“仕事の場”の“顔が同じ”なんです。

だからこそ、地方でつながりをつくりたいと思ったら、コワーキングスペースを使うことが突破口になるのかもしれないですね」(津田さん)

異なる背景やスキルを持つ仲間をつくり、自分を変化させる

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、「森のオフィス」も一時休館せざるを得なくなった。その時は「今までつくった文化がなくなってしまうのではと不安になった」という津田さん。しかし5月の運営再開後、新規登録者や見学者、移住相談の問い合わせは増えているそう。結果的に“時代が追い付いた”ということなのかもしれない。

「“人生100年時代”と言われています。寿命が延び、働く期間が長くなるなかで、僕たちの世代は60代・70代になっても、新しいスキルを身に付けないといけない。そのためには、自分自身がこれまで持っていた慣習や常識を都度捨てて、“次”に向き合う必要がある。でも、ひとりだと難しいですよね。
そんなときに、同じ意思を持ちながらも自分とは違うバックグラウンドやスキルを持った仲間がいることで、自分を変化させやすくなると思うんです。

実際、富士見に移住してくる方も、ひと昔前みたいに“仕事をリタイアして余生を過ごす”みたいな方ばかりではないです。“人生100年時代”に、連続的に自分を変えていかないといけないなかで、刺激を求めてやってくる人が増えていると感じます。自分や周囲の既成概念から脱するという意味でも、移住は良い方法なんじゃないでしょうか。

僕自身も、仕事と生活を軸に、既成概念や慣習を疑って、変化を促す取り組みを続けることで、自分自身を変え続けたい。そんな思いで、『森のオフィス』の運営を続けていきたいと思っています」(津田さん)

「森のオフィス」の外庭を使った“アウトドアオフィス”での会議風景(画像提供/津田賀央さん)

「森のオフィス」の外庭を使った“アウトドアオフィス”での会議風景(画像提供/津田賀央さん)

地方コワーキングスペースを「きっかけ」に

地方では、「暮らし」と「仕事」が同じ空間にある。だからこそ、コワーキングスペースという存在が地域とつながる突破口になりうる。
少し前まで、「仕事の刺激(都会)」と「豊かな生活環境(地方)」はトレードオフの関係と捉えられていたように思う。だが、状況は変わってきた。「森のオフィス」のような場を活用することで、どちらも手に入れることは可能になりつつある。
気になる地域と関係を持ちたい、何か新しいことにチャレンジしてみたいという人は、こうした場を活用することから始めてみるのも良いかもしれない。

●取材協力
富士見 森のオフィス
スナバ

吉祥寺の爽快な空

所在地:武蔵野市吉祥寺北町
19万2,000円 / 75.71平米
中央線・井の頭線「吉祥寺」駅 徒歩18分

風格あるレトロマンションの角部屋には、気持ちのいい青空と緑が広がっていました。吉祥寺でこの爽快感は、グッときちゃいます。



ワイドなバルコニーから目前に広がるのは、マンション横のケヤキ並木。北に向けては成蹊大学の緑が広がっています。バルコニーはぜいたくに二つ。緑を眺めながらゆっく ... 続き>>>.
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住宅ローンの返済に困った!自宅を売って住み続ける「不動産リースバック」が選択肢に

コロナ禍で、住宅ローンの返済に困る人が増えていると聞く。借り換えや金融機関の救済措置などでも住宅ローンの返済が難しい場合、不動産のリースバックという手法も考えられる。どういった仕組みなのか、説明していこう。【今週の住活トピック】
「不動産リースバック」利用者に関する総合調査2020年度の調査結果を発表/セイビー
「不動産リースバック」利用者への総合調査2020年度の結果を発表/セイビー住宅ローンの返済が難しいとき、どんな手立てがある?

コロナ禍で住宅ローンの返済が難しくなったら、どういった手立てがあるのだろう。平時であれば、手元の資金に余裕がある場合なら、低い金利の住宅ローンに借り換えたり、繰り上げ返済をしたりして、毎月の返済額を減らすという方法がある。

とはいえ、コロナ禍で収入や雇用に不安があって困っている場合なので、借りている金融機関に相談をして、救済措置の適用を検討してもらうのがよいだろう。金融機関や借りている人の条件にもよるが、返済期間を延ばして月々の返済額を減らしたり、一定期間だけ利息の返済だけにしてもらったりなどの救済措置で、この後も返済し続けられるかどうかを検討することになる。

それでも返済が難しい場合は、残念ながら自宅を手放すことも考えざるを得ないだろう。返済が滞ってから「競売」にかけられる前に、売却して返済する「任意売却」や売却して賃借人となる「不動産リースバック」などの選択肢がある。

なお、60歳以上などのシニア層であれば、死亡時に自宅を売却する条件で融資を受ける「リバースモーゲージ」という選択肢もある。
この記事では、近年注目されている「不動産リースバック」の仕組みについて説明していこう。

「住宅ローンの早期返済」での利用が多い、リースバックとは?

さて、リースバックとは、正式には“sale and leaseback”、つまり賃貸借契約付き売却のこと。
不動産のリースバックの仕組みは次のような流れになる。
(1)自宅などの所有者がその不動産を第三者(投資家や不動産会社など)に売却する
(2)元の所有者が売却先と不動産の賃貸借契約を結ぶ
(3)元の所有者が賃借人としてそのまま住み続ける

セイビーが、「不動産リースバック」利用者に関する総合調査2020年度の結果を発表したが、その結果を見ると利用者の実態がうかがえる。まず、リースバックの利用経験があるのは全体の3.0%とまだわずかだ。

利用経験のある人に、不動産リースバックの資金使途を聞くと、1番多いのは「住宅ローンの早期返済」で43.6%と半数近い割合になった。2番目に多いのは「生活費」(27.4%)、3番目に多いのは「相続対策」(27.0%)だった。自宅等を売却した資金で、住宅ローンを返済してしまうという使われ方が最も多いことが分かる。

出典:セイビー「不動産リースバック」利用者への総合調査2020年度の結果

出典:セイビー「不動産リースバック」利用者への総合調査2020年度の結果

一方、賃借人として賃料を払いながらも自宅等に住み続けたい理由を聞いたところ、1番多いのは「自宅に愛着があるから」(47.3%)で、2番目に多いのが「街に愛着があるから」(38.2%)、3番目に多いのが「引越しをしたくないから」(30.7%)だった。愛着のある自宅や街から離れたくない、という理由が多いことが分かる。

出典:セイビー「不動産リースバック」利用者への総合調査2020年度の結果

出典:セイビー「不動産リースバック」利用者への総合調査2020年度の結果

不動産リースバックを取り扱っている事業者の中には「買い戻し」ができる事業者も多く、一時的な資金調達として利用される場合もある。その結果、リースバックを利用した人の現在の状況は次のようになっている。

出典:セイビー「不動産リースバック」利用者への総合調査2020年度の結果

出典:セイビー「不動産リースバック」利用者への総合調査2020年度の結果

リースバックした自宅に「住み続ける」場合もあれば、現在または将来に「買い戻す」場合、一定期間賃借人として住み続けた後で「退去する」場合の3パターンに分散していることが分かる。

リースバックを利用する場合の注意点は?

調査結果などから、不動産のリースバックは、次のようなメリットがうかがえる。
・売却によって、住宅ローンの完済が可能(売却額がローンの残高より多い場合)
・売却後も慣れ親しんだ自宅にそのまま住み続けられる
・広く販売活動をすることがないので、売却したことを近隣に知られない
・買い戻しできる(事業者による)

だからといって、よいことばかりではない。所有者ではなく「賃借人」となるので、賃料を払い続けたり、売却先の貸主の定めたルールに従って住むことになる。当初の売却先だった貸主が、ほかの第三者に売却することもあれば、市況の変化に応じて賃貸借などの条件を変えることもあるかもしれない。

終身にわたって住み続けられることや、必ず買い戻せることが保証されているわけではない、ということを念頭に置いておこう。

また、リースバックで重要な役割を果たすのが、新たな所有者となる売却先の事業者だ。リースバックによって事業者に利益が出る仕組みでないと成立しないので、投資額に対してそれを超える賃料が入ったり、賃貸借契約終了後に転売して利益が出たりするように、契約条件を設定する。

そのため、リースバックの場合は、「普通に売るよりは売却額は低く」、「普通に借りるよりは賃料は高く」、「買い戻し額は売却額より高く」なる可能性が高い。こうした点に注意が必要だ。

コロナ禍が長期化することで、収入が大幅に減ったり雇用が不安定になったりと、日々の生活に困る人が増えている。住宅ローンの返済があれば、家を失う不安も加わるだろう。まずは金融機関に相談して、どういった選択肢があるのかを把握するのがよいだろう。自宅を手放すという選択肢の中でも、複数の方法があることを覚えておいてほしい。

ハウススタジオのような家

所在地:中野区南台
48万円 / 163.53平米
京王線「笹塚」駅 徒歩10分

まるでCM撮影に使われるハウススタジオのような、高い完成度と自然体な雰囲気をあわせ持つコンクリート造のこの戸建。



約3年前にスケルトンから妥協なく作り込んだ一棟は、全体的にミッドセンチュリー家具の似合う雰囲気に統一されつつ、フロアごとに様々な表情をもっています。



1階部分には ... 続き>>>.
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blue blue blue

所在地:新宿区早稲田鶴巻町
12万7,000~23万5,000円 / 30.56~54.93平米
有楽町線「江戸川橋」駅 徒歩5分

こんなに建物からパワーをもらったことがあっただろうか。

エネルギーを感じる新築マンションです。



遠くからも気になる外観、近づくにつれて質の良いビルディングに目を奪われます。周囲で圧倒的に異質な空気を放っています。



ファサードと共用部デザインは、建築家・原広司氏。

オーナーさん ... 続き>>>.
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彩を楽しむハーバルアパートメント

所在地:八王子市天神町
4万5,000~4万7,000円 / 14.76~18.27平米
中央線「八王子」駅 徒歩10分

※女性限定です 



ラベンダー・ローズ・ミント・ミモザ・・・さまざまなハーブの名前がついた、可愛らしい部屋の数々。ハーブを愛するオーナーの、ハーブを楽しめる家をつくりたいという思いと、職人さんの遊び心によって生まれ変わったアパートです。



昔のものをあえて残した木の建具や、タイル ... 続き>>>.
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古き良き木造アパートの新たな船出

所在地:杉並区高円寺南
12万円 / 33.95平米
中央線・東西線「中野」駅 徒歩11分

大工さんが丹精込めてつくった古き良き木造のアパート。建築当時の素材を生かしながら雰囲気良くリノベーションされた一室のご紹介です。



改装されたのは約3年前。年を重ねていい味が出てきた柱や梁などに合う内装にするべく、床はオークの無垢フローリング、壁・天井は塗装で仕上げています。間取 ... 続き>>>.
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森の中の集合住宅

所在地:世田谷区羽根木
47万2,000円 / 124.02平米
井の頭線「新代田」駅 徒歩3分

世田谷区は羽根木の一帯に、緑豊かな森があるのをご存知ですか?何百年も前からずっと同じ場所で、この地を見守ってきた木々を、なるべく切らぬように建てられた集合住宅がいくつか集まるこの一帯。



都心に近いのが信じがたいくらいに、緑が残るこの一帯に足を踏み入れると、まるで異世界に迷い込ん ... 続き>>>.
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夕方が好きな二人へ

所在地:世田谷区上北沢
9万7,000円 / 40.5平米
京王線「上北沢」駅 徒歩4分

京王線上北沢駅から北に4分、築50年のレトロマンションの一室です。



西向きの部屋で夏の日中は少し暑そうですが、夕方からは夕日が優しく入ってきて気持ちのよい時間を過ごせます。



間取りは2LDK。引き戸を取り外してダイニングと東側の洋室をつなげるのもよさそうです。



内装は白の壁 ... 続き>>>.
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緑道沿いのタイニーハウス

所在地:狛江市猪方
10万円 / 51.84平米
小田急線「狛江」駅 徒歩10分

おっ、緑道沿いでかわいらしい戸建て発見!でも狛江市ってどこだ!?



この戸建てを気になった方のほとんどが、そんな疑問を抱くことかと思いますので、まずは街のご説明から。



狛江市は世田谷区に隣接する、日本で2番目に小さい市。のんびりとした街の雰囲気、多摩川が近くて緑が多く残る環境は ... 続き>>>.
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螺旋の塔

所在地:板橋区中丸町
14万8,000円 / 58.35平米
有楽町線・副都心線「要町」駅 徒歩13分

​こんな場所にこんな物件があったとは。



谷内田章夫/ワークショップ設計のこの物件。エントランスをくぐるとまず現れる、40m超の高さを誇る円筒型の吹抜けの共用部に圧倒されます。僕も一瞬言葉を失いました。



気を取り直してエレベーターで6階へ上がり室内へ入ると、今度はさっぱりと綺麗 ... 続き>>>.
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レトロ戸建・NEO

所在地:目黒区目黒本町
16万5,000円 / 51.31平米
東急目黒線「武蔵小山」駅 徒歩10分

レトロな戸建てをリノベーション。趣のある素材と、新しいスタイリッシュな素材が、何ともおもしろい組み合わせのデザインになっています。



光の通し方も斬新。2階の廊下の天井がクリアのポリカになっているのでたっぷりと日が入り、さらに床がグレーチングになっていて1階まで光が注ぐつくりです ... 続き>>>.
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無印良品の“日常”にある防災、「いつものもしも」とは

無印良品が本気で防災に取り組んでいる。
9月1日の防災の日に合わせて防災セットを発売、各店頭でも大々的に防災コーナーを設けるなど、かなりの本気モードだ。しかし、実は無印良品による防災プロジェクト「いつものもしも」は10年前から展開していたもの。それこそ東日本大震災が起きる前からの、「本気」かつ「長期戦」の取り組みだ。
今回は、このプロジェクトの中心におられたプロダクトデザイナーの高橋孝治さんを中心に、現在このプロジェクトをリーダーとして推進していらっしゃる人事総務部総務課の田村知彦さん、同社くらしの良品研究所の永澤芽ぶきさんにお話を伺った。左より永澤芽ぶきさん、田村知彦さん。無印良品 銀座にて(写真撮影/飯田照明)

左より永澤芽ぶきさん、田村知彦さん。無印良品 銀座にて(写真撮影/飯田照明)

いつも使っているものを防災にも使うだけでいい

防災グッズと聞くと、特別なものを用意しないといけないと思いがちだが、普段使わないものはとっさに使いこなせないし、マンション暮らしか一戸建てか、家族構成や子どもの年齢、暮らし方ひとつで必要なものは変わってくる。
そこで生まれたのが、無印良品の防災コンセプト「くらしの備え。いつものもしも。」。普段使っているものをそのまま防災用品とする提案だ。
例えば、持ち運びのできるLEDの灯りは、ライフラインが止まった場合の照明に。キャリーバッグは非常用の持ち運びバックになるし、半透明のキャリーボックスなら、中身が見え、重ねることもできるので備蓄品の保存に最適だ。

「”自分の身は自分で守る”という意識のもと、自分にとって必要なものを用意しておく。そのシンプルな考えで、自分たちで考え、身の回りものを点検してもらう。防災を”自分ごと”と考え、防災の意識を上げていってほしいと考えています」(高橋さん)

無印良品ホームページ 「くらしの備え。いつものもしも。」より

無印良品ホームページ 「くらしの備え。いつものもしも。」より

「防災を日常的に」~最初のきっかけはNPOからの提案

そもそも、無印良品がどうして防災に関わることになったのだろう。
きっかけは、2008年。“防災は、楽しい。”をコンセプトにさまざまな活動をしているNPO法人プラス・アーツと出版社の木楽舎から声をかけられたことから始まる。
「プラス・アーツさんは、阪神淡路大震災の被災者のリアルな声や体験を活かした『地震イツモノート』という本を出したり、楽しみながら防災の知恵を学ぶイベントなどを開催されていました。そこで”もっと身近なモノで防災を意識付け出来たら”という考えから、無印良品に声をかけていただいたんです」(高橋さん)。
目指したのは、あくまでも日常の延長線上にある防災。身近なモノであること、邪魔にならないこと、全国で手に入れることができること。まさに無印良品そのものだ。
「当時は防災グッズといえば、とりあえず防災リュック(家庭用持ち出し袋)を自宅に置くだけという認識が普通でした。でも別に防災用に特別なものでなくても、普段毎日使っているものが有事にも役立つ。それは広範囲の品ぞろえを持つ無印良品の商品なら可能なはずだと気づきました」(高橋さん)。

高橋孝治さん。大学でプロダクトデザインを学んだ後、良品計画と契約。無印良品の商品企画・デザインを担当し、この防災プロジェクトにも立ち上げから携わっている。2015年に退職後は焼き物の街、愛知県常滑市に移住、数々のプロジェクトに関わる一方、現在も無印良品の防災プロジェクトに参加し続けている

高橋孝治さん。大学でプロダクトデザインを学んだ後、良品計画と契約。無印良品の商品企画・デザインを担当し、この防災プロジェクトにも立ち上げから携わっている。2015年に退職後は焼き物の街、愛知県常滑市に移住、数々のプロジェクトに関わる一方、現在も無印良品の防災プロジェクトに参加し続けている

このプロジェクトのきっかけにもなった「地震イツモノート(プラス・アーツ)」は阪神・淡路大震災の被災者167人の体験談を集めたもの。防災意識を特別なものとしてではなく、ライフスタイルの中に自然とある状態を目指したいという思いでまとめられている。この書籍のほか、防災・震災・災害に日常から備えられる書籍やゲームなどを多数生み出している(写真/NPO法人プラス・アーツ)

このプロジェクトのきっかけにもなった「地震イツモノート(プラス・アーツ)」は阪神・淡路大震災の被災者167人の体験談を集めたもの。防災意識を特別なものとしてではなく、ライフスタイルの中に自然とある状態を目指したいという思いでまとめられている。この書籍のほか、防災・震災・災害に日常から備えられる書籍やゲームなどを多数生み出している(写真/NPO法人プラス・アーツ)

プロジェクト立ち上げ直後に東日本大震災。必要性をさらに痛感

そして、無印良品の研究機関である「くらしの良品研究所」で防災プロジェクト「いつものもしも」を立ち上げ。無印良品の商品を使った防災の備えへの提案を、プロモーション、売り場設計含めて企画し、さらには商品開発へと役立てる事業となった。
プロジェクトの立ち上げは2010年の暮れ。当時は、阪神大震災から10年以上経ち、災害への危機感が薄れつつある社会へのメッセージとして提案するはずだった。しかし、翌年3月東日本大震災が起きる。
「あまりのタイミングに驚くとともに、改めて必要性を実感しました」(永澤さん)

そして2011年9月には全国で大々的に防災を打ち出した店づくりを行う。
「基本的には無印良品の膨大な商品をセレクトし、災害時に備えてもらうという取り組みでした。しかし、どうしても、ヘルメットやヘッドライトは無印良品の品ぞろえにはなかったため、取り扱いのない他社商品を並べました。これは小売り業態であることを考えれば、かなり常識外のこと。自社の売り上げももちろん大切ですが、俯瞰した目線で防災にそなえること自体を提案していくことに意義があると考えたからです」(高橋さん)

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2011年9月から有楽町店で開催された「地震ITSUMO展」。商品をセレクトし、災害時の使い方とともに紹介(写真提供/良品計画)

2011年9月から有楽町店で開催された「地震ITSUMO展」。商品をセレクトし、災害時の使い方とともに紹介(写真提供/良品計画)

備えたいモノは男女差、個人差も大きい。リアルな声で実感

プロジェクトチームが、防災は人それぞれ、個別にカスタマイズする必要があると実感したエピソードがある。
「東日本大震災1年後に、仙台の店舗で被災者の方に“震災を経験して、自分が必要と感じた防災セットを組んでみてください”というお願いをしました。すると思っていた以上に男女差があったんです。例えば女性は”ヘッドライトは両手があくので便利だと分かるけれど、あまりにも非常時といった感じがして嫌だ”、”大勢の人の目のある避難所では顔の隠せるつばの広い帽子がありがたい”という声があったり、ヘルスケアやスキンケアなど身だしなみに関わるアイテムのニーズが高かったり。個々人が備えるべきものが違うことを痛感しました」(高橋さん)。

職場や自宅に備えるものとして提案されている商品。非常用品だけでなく、自分が普段使いしているものが、避難の際にすぐに持ち出せるようになっているか、改めて見直す必要があるだろう

職場や自宅に備えるものとして提案されている商品。非常用品だけでなく、自分が普段使いしているものが、避難の際にすぐに持ち出せるようになっているか、改めて見直す必要があるだろう

非常時でなくていい。「くらしの備え」が防災になる

「防災」といいつつ、常に「日常に軸足を持つ」ことが、無印良品の取り組みの特長だ。
「もしも、って別に地震や水害による避難生活だけでないんですよね。例えば、今日は仕事で遅くなってご飯つくりたくないな、買い物にも行きたくないし、といったときにレトルトが役立つ。だったらストックしておこう。それが防災の備蓄になればいいと思っています。無印良品のレトルトの賞味期限は1年ほどなので、通常の非常食に比べると短い。でももっと長持ちする商品だからといって5年保存しておくと、その間にどこに行ったか分からなくなるでしょう。その点、普段、食べ慣れた味で備えるなら楽。賞味期限が切れる前に、日常使いしつつ備蓄していく、ローリングストックという備蓄法です」(高橋さん)。
実際、現在の防災プロジェクトリーダーの田村さんも実践者。「月に1回は無印良品のレトルトカレーの日と決めていて、補充してから、自分たちで好きな味を選んで、食べる。その日は料理の手間も省けますし、子どもたちもちょっとしたイベントで楽しそう。自分でいうのもなんですが、無印良品のカレー、美味しいですからね(笑)」

レトルト食品だけでもさまざまな種類があることで普段の食卓に絡めて飽きずにローリングストックを続けていけそう(写真撮影/飯田照明)

レトルト食品だけでもさまざまな種類があることで普段の食卓に絡めて飽きずにローリングストックを続けていけそう(写真撮影/飯田照明)

「日常」かつ「防災」といった要素をいかに持つか。商品開発でもそれは活かされている。
例えば、カセットコンロのミニと専用ケース。「韓国のスーパーで、カセットコンロが樹脂のケースに入って売られていたんですよ。あ、段ボールの箱より丈夫で、台所の収納でも便利だし、アウトドア商品かつ防災用品にもなるなと思いつきました。風に吹かれても消えにくい内炎式で、かなり人気。僕ももう一つ買おうかなと思っています」(高橋さん)。

カセットこんろ・ミニと専用のケース(別売) ケースに入れれば持ち運びもしやすい

カセットこんろ・ミニと専用のケース(別売) ケースに入れれば持ち運びもしやすい

防災に対する意識とクリエイティビティは各段に上昇した10年

この10年で防災の意識はどう変化しただろうか
「日本全体の防災意識が各段に上がっています。それは近年、地震や水害など毎年大きな天災に見舞われているからなのですが、何かしらの備えをしている方は増えています。アウトドアブームも後押ししている部分がありますね。旅に使えるもの、屋外で使えるものは、総じて防災グッズになりますから」(永澤さん)。
さらに、それに応えるクリエイティビティが各段に向上していることも大きい。
「昔は、防災リュックは黄色や銀色で、目立てばいいという感じでしたから。近年は、行政や民間、個人により、防災を分かりやすく、楽しく伝えるアプローチがたくさんされています。お洒落なアウトドアブランドが身近になり、ライトユーザーがお洒落なアイテムを防災グッズとして捉える機会も増えています」(高橋さん)

丈夫でスタッキングもしやすいポリプロピレン製の収納ボックスはアウトドアとの相性も良く、必需品を詰め、いつでも持ち出しやすいようにしておくといった使い方も(写真撮影/飯田照明)

丈夫でスタッキングもしやすいポリプロピレン製の収納ボックスはアウトドアとの相性も良く、必需品を詰め、いつでも持ち出しやすいようにしておくといった使い方も(写真撮影/飯田照明)

もちろん、無印良品の10年間の取り組みが、防災を日常化しつつ、お洒落に取り入れる動きに寄与してきた。
「防災といったテーマはどこかの部署だけで推進するのではダメで、商品開発から、宣伝や販促、実際の店舗、ウェブ展開でも横串を指すことが大切でした。防災の必要性を共有できれば、コンセンサスを得やすく、深く広く、お客様に訴求ができます。その点、何をつくるか、どのように届けるかを自社の中で完結していることが無印良品の強み。特に現在、僕は外部から関わっているので、余計にそう感じています」と高橋さん。

折り畳み式ヘルメット、ヘッドライト、消火器など自社商品になかったものも約10年に及ぶ取り組みでラインナップに加わっていった(写真撮影/飯田照明)

折り畳み式ヘルメット、ヘッドライト、消火器など自社商品になかったものも約10年に及ぶ取り組みでラインナップに加わっていった(写真撮影/飯田照明)

余白のある防災セット。まずはこの1品からスタートしてもいい

そして満を持して登場したのが「防災セット」だ。
「ずっと防災セットがほしいという要望はありました。何から手をつけていいか分からないし、無印良品が出すアイテムなら間違いはないだろうから、という声に押されました。また、毎年、天災が起こるなか、まずは最初の基本として手元に置いておくものとして、もっと踏み込んだ提案をするべき時期にあるのかもしれないと考えたからです。まずは基本セットとして導入してもらい、あとは自分たちでカスタマイズしていく。“これ1つでOK”というような防災セットではなく、自分が主体となってモノを選ぶことで初めて、防災が自分事になっていくんだと思います」(田村さん)

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防災セットは、「携帯」「持ち出し」「備える」の3種類。持ち出しセットには携帯セットのアイテムが、備えるセットには持ち出しセット・携帯セットのアイテムが含まれており、普段から身の回りにおいて使うことを前提とした最低限のものがまとまっている(写真提供/無印良品)

防災セットは、「携帯」「持ち出し」「備える」の3種類。持ち出しセットには携帯セットのアイテムが、備えるセットには持ち出しセット・携帯セットのアイテムが含まれており、普段から身の回りにおいて使うことを前提とした最低限のものがまとまっている(写真提供/無印良品)

備えるセットには非常用トイレやロウソクなども。コンパクトにパッケージされていて普段から目につくところに立てて置ける(写真撮影/飯田照明)

備えるセットには非常用トイレやロウソクなども。コンパクトにパッケージされていて普段から目につくところに立てて置ける(写真撮影/飯田照明)

一家に必ずといっていいほど、無印良品の商品はある。日常的に接点の多い無印良品だからこそ、「いつも」使えるアイテムが、「もしも」のときに役立てば、一石二鳥だ。「もしも」は明日のことかもしれない。まずは、「くらしにとって」なにが必要か、考えてみることから始めてみたい。

店頭や特設サイトでは、防災時に備えるためのヒントが提示されている※写真は銀座店(写真撮影/飯田照明)

店頭や特設サイトでは、防災時に備えるためのヒントが提示されている※写真は銀座店(写真撮影/飯田照明)

●取材協力
無印良品 くらしの備え。いつものもしも。
※記事中で紹介した商品は一部店舗で取り扱いのないものもあります

こんな近くに隠れてたのか!

所在地:杉並区高井戸西
12万1,000円(税込) / 34.7平米
井の頭線「高井戸」駅 徒歩1分

井の頭線高井戸駅徒歩1分未満、駅の北口から出てすぐ!という所にある、白くてかわいらしい木造2階建ての2階部分のご紹介です。



通りを少し入った「ここにあるんだ!」という隠れ家的なポジショニングにワクワクします。



線路からも大通りの環状七号線からも近く、電車と車の走行音が聞こえま ... 続き>>>.
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自由な庭に幸あれ

所在地:北区田端
15万7,000円 / 59.52平米
山手線「駒込」駅 徒歩10分

目玉はリビングとキッチンの窓から出られる専用庭。ガーデニングや家庭菜園を楽しんだり、子どもやペットとの遊び場にしたり。環境重視の方におすすめです。



晴れた日に洗濯物を干して、夕焼けのきれいな日には、空を眺めて。周りに迷惑がかからないよう配慮は必須ですが、自由に使い倒しましょう。 ... 続き>>>.
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オトナ男子に捧げたい

所在地:杉並区西荻南
3,780万円 / 40.85平米
中央線「西荻窪」駅 徒歩3分

天井や梁はコンクリートがむき出しに。壁紙は白、床はさらっとしたフローリングで明るく。武骨さと爽やかさの塩梅が取れた空間で、居心地がいい。ほどよく改装された物件を探しているオトナ男子におすすめしたいです。



建物はシンプルなマンションで、募集区画は最上階5階。室内は6月にフルリフォ ... 続き>>>.
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桜並木と深呼吸

所在地:武蔵野市関前
8万5,000円 / 51.1平米
中央線・西武多摩川線「武蔵境」駅 徒歩11分

遠くまで抜けた青空に、見下ろすは桜並木。室内を爽やかな風が通り抜けます。こののんびり感、探してたんです。



玉川上水沿い、桜通りと名付けられた通りに面したレトロなマンションの角部屋。近隣は住宅街なので気持ちよく眺望が抜けています。



間取りはシンプルな2DK。角部屋のため、ダイニ ... 続き>>>.
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平屋入門編

所在地:世田谷区赤堤
18万円 / 63.14平米
世田谷線「松原」駅 徒歩4分

駅も公園も近くて、アットホームな雰囲気のまちの平屋。間取りの自由さと、現代仕様の設備を兼ね備えています。



3部屋全て洋室で、それぞれの部屋を区切るふすまを取れば、ゆるく部屋をつなげることが可能。真ん中の6畳の洋室はエアコンがなく、隣接するどちらかの部屋からしか入れないため、つな ... 続き>>>.
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美肌の家 〜リノベーションしたい方へ〜

所在地:目黒区鷹番
5,480万円 / 75.29平米
東急東横線「学芸大学」駅 徒歩2分

お待たせしました。リノベーション案件です。

内装ボロボロなので、フルリノベーションをしたい方向けのお部屋です。(内装・設備は使える状態ではありません)

ざっくり1000万弱~ぐらいのリフォーム代で、唯一無二の部屋を作りませんか?



学芸大学から徒歩2分。

商店街の中のマンションで ... 続き>>>.
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心地いい部屋

所在地:品川区戸越
15万9,000円 / 45.37平米
東急大井町線「戸越公園」駅 徒歩3分

2014年にリノベーションされたこちらの物件。普通の賃貸住宅ではなかなか味わえない質感に仕上がっています。



温かみのあるオークの無垢フローリングと、白く塗装された壁の組み合わせは、どんな家具でも合わせやすそうな雰囲気。むき出しの配管、アイアンのハンガーパイプ、一部の壁が白い板張 ... 続き>>>.
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懐かしさと暮らす戸建て

所在地:目黒区目黒本町
16万5,000円 / 65.82平米
東急目黒線「武蔵小山」駅 徒歩5分

武蔵小山駅から徒歩5分ほどの場所にある、築60年のレトロな戸建て。古道具に似合いそうな佇まいから、古い物に愛着を持ち、ていねいに使う暮らしが思い描けました。



室内は、以前は二間続きの和室だったのでしょう。現在はふすまは外され、クッションフロアが貼られた約10.5畳の洋間です。床 ... 続き>>>.
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紅葉坂を越えて【ワンルーム】

所在地:横浜市西区伊勢町
7万6,000円 / 22.2平米
京浜東北線・横浜市営地下鉄ブルーライン「桜木町」駅 徒歩10分

桜木町駅から向かうと、途中に紅葉坂という素敵な坂があって、それを過ぎて少し行くと、キリっとした顔立ちのマンションが姿を現します。



竣工して9年経ちますが、専有部も共用部もキレイに保たれています。



室内は無垢のフローリングが敷きつめられ、壁は白、天井はRC打ち放しになっていて、 ... 続き>>>.
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こもるワンルーム

所在地:横浜市中区宮川町
8万5,000円 / 35.42平米
京急本線「日ノ出町」駅 徒歩3分

桜木町駅から少し歩いたところにある宮川町。



野毛の飲屋街と野毛山動物園に挟まれたこの町は、行き交う人々が多く、とても賑やかです。



さらに隣にはウインズ(場外馬券売場)があるのでなおさら賑やか。なので、閑静な街の物件を探している方には合いませんが、利便性や賑やかさを重視している ... 続き>>>.
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