レトロビルに腰を据えて

所在地:台東区上野
50万1,600円(税込) / 125.61平米
千代田線「湯島」駅 徒歩1分

前を通るたび、カッコイイと思っていたビルのご紹介。シャープで軽やかなビルもステキですが、昭和築ならではの、存在感があり重厚な雰囲気にどうしてもひかれてしまいます。



渋くてレトロな外観だけでなく、南と西の壁面が大きめの開口になっているのもグッドポイント。レトロビル×大きい窓のコン ... 続き>>>.
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開放感を手に入れる

所在地:世田谷区赤堤
11万3,000円 / 38平米
京王線・世田谷線「下高井戸」駅 徒歩3分

下高井戸駅から徒歩3分とアクセスのいい立地にあるルーフバルコニー付き、最上階の角部屋をご紹介。



低層の住宅街かつルーフバルコニーの北側の正面には小学校があるため眺望はかなり抜けており、周辺の建物からの視線も気になりません。日中は外で遊ぶ子供たちの元気な声が聞こえてくるものの、室 ... 続き>>>.
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かつての小学校が“まち”になる! 「那須まちづくり広場」始動

国土交通省、地域づくり活動の優良事例を表彰する「地域づくり表彰」で、廃校となった小学校を再生した「那須まちづくり広場」が最高位の国土交通大臣賞に選出された。これは、市場、カフェ、アート教室等へリノベーションされ、再び地域住民が集う場所へと生まれ変わったプロジェクトで、2022年にはサービス付き高齢者住宅(以下、サ高住)を中心としたリニューアルも予定されている。
今回、計画にあたって重視していること、今後の展開などを、那須まちづくり広場株式会社の近山恵子さんと鏑木孝昭さんにお話を伺った。

かつて学校だった記憶を尊重した改修で、誰もが集う場所に

「那須まちづくり広場」は、2016年に廃校となった旧朝日小学校を再生利用した複合施設で、行政の建物を民間主導で運営する取り組み。2022年の完成を目指し、現在は先行して旧校舎を改修し、地元の食材を中心とした地産地消のマルシェ「あや市場」や、地域の住民たちが腕を振るう「コミュニティカフェ ここ」などを運営。今後は校庭に、サ高住が新築される予定だ。

(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

厳選された地元の新鮮野菜や自然食品が並ぶ「あや市場」。所狭しと商品が並び、宝探しをしているような気分に(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

厳選された地元の新鮮野菜や自然食品が並ぶ「あや市場」。所狭しと商品が並び、宝探しをしているような気分に(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

周辺の農家さんから直売される新鮮な野菜。つくり手自ら加工した食品も。「サ高住が完成した将来は、こうした直売以外にも、提供する食事に使うために地元農家さんと契約していきたいと考えています」(鏑木さん) (写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

周辺の農家さんから直売される新鮮な野菜。つくり手自ら加工した食品も。「サ高住が完成した将来は、こうした直売以外にも、提供する食事に使うために地元農家さんと契約していきたいと考えています」(鏑木さん) (写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「大切にしているのは、学校本来の機能・雰囲気を活かすこと。今でもこの学校は、地域の運動会や敬老会が開催されるなど、地域のみんなが集う場所です。かつての思い出、記憶、継続している活動を尊重したいと考えています」(近山さん)
例えば、カフェのある場所は元家庭科室、鍼灸・マッサージ・整体などができる「こころと体の健康室」は、元は放送室。給食調理室は、今はオリジナルブランドの人気アイスキャンデー工場だ。玄関入ってすぐの下駄箱は、色を塗りなおし、街のチラシあれこれを入れたインフォメーションコーナーに。

本や絵本がずらりと並び図書館機能も持つ「コミュニティカフェ ここ」。Wi-Fi完備でコワーキングスペースにも(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

本や絵本がずらりと並び図書館機能も持つ「コミュニティカフェ ここ」。Wi-Fi完備でコワーキングスペースにも(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

スパイスの利いた特製豆カレーは定番の人気ランチ。サラダ、スープ付きで800円(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

スパイスの利いた特製豆カレーは定番の人気ランチ。サラダ、スープ付きで800円(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

玄関の靴箱には地域のお知らせなどのチラシを置いて。課外活動の一環として見学にくる地元の小学生も多く、子どもたちによるポスターも(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

玄関の靴箱には地域のお知らせなどのチラシを置いて。課外活動の一環として見学にくる地元の小学生も多く、子どもたちによるポスターも(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「リノベーションの過程で、近所の住民の方が小学生のころに書いた“大きくなったら自分の家を継ぎます”と書いた画用紙も見つかりました。かつて自分自身や自分の子どもが何度も足を運んだ場所だからこそ愛着がある。“みんなで作る生涯活躍のまち”事業において、学校を再利用するのはとても意義があると思います」(近山さん)

かつての面影を最も色濃く残している図工室はアート教室に。隣のギャラリーで展覧会を開くことも可能(画像提供/那須まちづくり広場)

かつての面影を最も色濃く残している図工室はアート教室に。隣のギャラリーで展覧会を開くことも可能(画像提供/那須まちづくり広場)

パイプオルガン、チェンバロなど歴史ある楽器が並ぶ「音楽工房LaLaらうむ」。緩和ケアのための音楽を取り入れる試みも(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

パイプオルガン、チェンバロなど歴史ある楽器が並ぶ「音楽工房LaLaらうむ」。緩和ケアのための音楽を取り入れる試みも(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

子育て世代、高齢者、障がい者など多様な人々が1人でもふらりと立ち寄るのもよし、グループで集う場所として利用することもできる(写真提供/那須まちづくり広場)

子育て世代、高齢者、障がい者など多様な人々が1人でもふらりと立ち寄るのもよし、グループで集う場所として利用することもできる(写真提供/那須まちづくり広場)

屋上に太陽光発電設備を設置し、環境共生・防災時の備えにも取り組んでいる(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

屋上に太陽光発電設備を設置し、環境共生・防災時の備えにも取り組んでいる(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

住民自身が担い手になることで、暮らしはもっと豊かになる

さらに重視しているのが、地域住民が当事者であること。
例えば、カフェで料理をしてくれるのは、地域に住む方々。料理自慢が通常営業のほかにも、例えば毎週木曜日はワンプレートで雑穀ごはんと6種の惣菜をのせた木曜ランチの日、月に1回はタイカレーの日と、それぞれその日に料理を担当する人の事情に合わせたメニュー構成に。お菓子づくり名人によるオリジナルケーキはかなりの評判だそう。

「自身の“得意”と“時間”を提供していただいています。こうした“場”があることで、みなさんの才能を掘り起こすことができました。自分のお店をオープンするのはハードルが高いけれど、ここでなら自分のできる範囲で才能を発揮できる。それをマッチングさせるのが私たちの役目ですね」(近山さん)

カフェで働くのは地元の主婦の方々ばかり。「スタッフはすぐに集まって、スタートすることができました」(鏑木さん)(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

カフェで働くのは地元の主婦の方々ばかり。「スタッフはすぐに集まって、スタートすることができました」(鏑木さん)(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

アート、音楽、映像などの多種多様な講座が行われるプログラム「楽校」は、地域の人たちが先生役となることも少なくない(画像提供/那須まちづくり広場)

アート、音楽、映像などの多種多様な講座が行われるプログラム「楽校」は、地域の人たちが先生役となることも少なくない(画像提供/那須まちづくり広場)

住民自ら街づくりに参画する取り組みは、現在進行形の街づくりプロジェクトでも実践中。ワークショップの「人生100年・まちづくりの会」は住民参加型。街にどんな機能が必要か意見交換をしたり、住む、働く、食べるといったテーマ別でアイデア出しをしたり。さらには、自治体や介護の分野で注目されている「誰もが従業員で経営者」という働き方「ワーカーズコープ」の勉強会も開かれている。

「また、これからできるサ高住は暮らしたいと思う人のコミュニティづくりからスタート。中の設計も自由にカスタマイズ可能など、高齢者向けのコーポラティブ住宅のような取り組みをしています」(近山さん)

「人生100年・まちづくりの会」の様子。「参加者には移住された方が多いですね。最近はオンラインによる参加の方もいます」(近山さん)(画像提供/那須まちづくり広場)

「人生100年・まちづくりの会」の様子。「参加者には移住された方が多いですね。最近はオンラインによる参加の方もいます」(近山さん)(画像提供/那須まちづくり広場)

超高齢化社会の受け皿をワンストップで集約させるべく計画中

今後の課題、目標として「那須まちづくり広場」が掲げるのが「地域包括ケアの推進」だ。
自立型のサ高住、通所型のデイケアサービス、24時間対応の訪問介護サービス、看取り対応の高齢者住宅など、あらゆるニーズに対応する機能をワンストップに集約させる計画となっている。
「積極的に治療せず病院からの退院を余儀なくされるケース、病院で死にたくないけれど自宅介護は困難なケースなど、医療難民、介護難民となる人は多い。そうした局面での受け皿となる場所を目指しています」(鏑木さん)
そのためには現状で足りないものを優先。「例えば、今回の計画にはいわゆる通常の保育所はありませんが、障がい者児童向けの放課後デイケアサービスはあります。周辺地域に十分足りている施設については、あえて入れていないんです」(近山さん)

那須まちづくり広場2022年の完成予想パース。校舎やプールを改修、校庭に新たにサ高住を供給。全体で事業化することでコスト課題を解消する予定(画像提供/那須まちづくり広場)

那須まちづくり広場2022年の完成予想パース。校舎やプールを改修、校庭に新たにサ高住を供給。全体で事業化することでコスト課題を解消する予定(画像提供/那須まちづくり広場)

さらに「福祉の産直」も狙っている。
「サ高住含め、住戸100戸を供給予定。そのスケールメリットを活かして、地域の雇用を生み出すことができ、経済を活性化させていくことも目標です」(鏑木さん)
合わせて住宅の確保が困難な方向けのセーフティネット住宅や低価格の簡易宿泊所も併設。ここで暮らしながら、介護を勉強、資格を取得し、生活を立て直すこともできる。
「例えば、簡易宿泊所に泊まりながら、質のいいリハビリやヘルパーの研修プログラムに参加することも。目指すのは、福祉の産直と地消地産。社会的弱者と呼ばれる人たちの経済的、精神的自立を図ることも大きな目標のひとつです」(近山さん)

フロアマップ予想図。セーフティネット住宅には、住宅の確保が困難な高齢者、障がい者、子育て世代、外国人向けの住宅。また、移住、定住前のお試し住居として利用できる予定。サ高住の居室は1坪当たり約110万円で検討中(画像提供/那須まちづくり広場)

フロアマップ予想図。セーフティネット住宅には、住宅の確保が困難な高齢者、障がい者、子育て世代、外国人向けの住宅。また、移住、定住前のお試し住居として利用できる予定。サ高住の居室は1坪当たり約110万円で検討中(画像提供/那須まちづくり広場)

那須まちづくり代表の近山さん(左)と鏑木さん(右)。「我々が目指すのは地産地消ならぬ、地消地産。地域で消費するものをなるべく自分たちで生み出していくことが目標。理念を可視化するために、実践しながら共有していく。そのための”場”がここなんです」(近山さん)(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

那須まちづくり代表の近山さん(左)と鏑木さん(右)。「我々が目指すのは地産地消ならぬ、地消地産。地域で消費するものをなるべく自分たちで生み出していくことが目標。理念を可視化するために、実践しながら共有していく。そのための”場”がここなんです」(近山さん)(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

生きる、働く、そして死ぬことーーあらゆる局面で必要となる場を含んだまちづくりは、高齢化社会が加速する日本においては急務の課題。その舞台として、かつてコミュニティの場であった学校の跡地を利用するのは他の自治体でも挑戦可能な手段といえる。今後の「那須まちづくり広場」の挑戦をウォッチしていきたい。

●取材協力
那須まちづくり広場
MINSURU[みんする] :那須まちづくり広場・事業構想プロジェクト

副業・多拠点生活・田舎暮らし、会社員でもやりたいことはあきらめない! 私のクラシゴト改革4

民間気象会社に勤めながら副業でカメラマンの仕事をしつつ、東京・京都・香川での3拠点生活を実現している其田有輝也(そのだ・ゆきや)さん。最初から柔軟な働き方が可能な職場だったのかと思いきや、其田さんの入社時点では、副業自体が認められていない環境だったそう。其田さんはどのように会社を説得し、現在の働き方・暮らし方を手に入れたのか?連載名:私のクラシゴト改革
テレワークや副業の普及など働き方の変化により、「暮らし」や「働き方(仕事)」を柔軟に変え、より豊かな生き方を選ぶ人が増えています。職場へのアクセスの良さではなく趣味や社会活動など、自分のやりたいことにあわせて住む場所や仕事を選んだり、時間の使い方を変えたりなど、無理せず自分らしい選択。今、私たちはそれを「クラシゴト改革」と名付けました。この連載では、クラシゴト改革の実践者をご紹介します。副業を認めてもらうために、入社一年目で会社と交渉

其田さんは大学生時代、フリーランスのフォトグラファーとして活動する夢があった。

一年間休学して世界を旅しながら写真を撮ったり、ファミリーフォトやウェディングフォトの仕事を請けるなどして、独立の可能性を探っていた。しかし、単価の低い仕事を多く受けるスタイルから抜け出せず、フリーランスへの道は断念。卒業後は、大学で学んだ気象予報の知識を活かせる民間気象予報会社に就職した。

プロモーション関連の部署を希望していたものの、配属されたのは希望とは異なる部署。其田さんは、「これでは自分のやりたいことが全然できない生活になってしまう」と感じ、副業でフォトグラファーの仕事を始めることを思い立つ。

当時、其田さんの会社では、副業は認められていなかった。しかし、其田さんは諦めることなく、約半年かけて交渉を重ねた末、会社に副業を認めてもらったのだ。一体どのように会社を説得したのだろうか?

「会社で副業が認められていないからといって、社内の全ての人が反対しているわけではありませんでした。本当に大変でしたが、若手に対して柔軟な姿勢を持っていて、かつ人事系の要職に就いている方に、直接相談して、少しずつ自分の味方になってくれる人を増やしていきました」

(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

其田さんは入社から2、3カ月を待たずして、会社と交渉を始める。新人の立場から会社に制度変更を訴えるのは勇気がいるはずだが、すぐに動いたのには理由があった。

「勤続年数が経ってから相談をすると、交渉のハードルがさらに高くなってしまうと思ったんです。副業で得たスキルや経験をどれぐらい会社にフィードバックできるのかを定量的に示さなければ、認めてもらえない気がして。でも一年目なら、そこまでシビアな要求はされないのではと思い、早めに行動しました」

それでも、説得する際には、副業で得られるスキルを会社に還元できる旨を、会社側にはっきりと伝えたという。

「副業を始めてしばらく経ってから、気象予報士のキャスター名鑑作成の仕事や顧客Webサイトのデザインリニューアルを任せてもらったんです。キャスターの写真撮影にも、冊子やWebサイトのデザインにも、副業で得られたスキルが活きています。『副業は本業にも役に立つ』と口で言うだけでなく、少しずつ地道に行動で示したことで、会社の信頼を獲得してこれたのではないかと思います」

コロナ禍で分かった、会社員でいることの価値

其田さんのInstagramやnote、TwitterなどSNSのフォロワー数の合計は約5万人。カメラメーカーのキヤノンや定額住み放題サービスのHafH、バンシェアのCarstayのプロモーションを請け負うなど、フォトグラファーとしての活動の場を広げている。撮影するだけでなく、SNSでの発信に力を入れたり、自分のWebサイトを検索サイトの検索結果で上位表示させるなどの努力も地道に重ねてきた結果だ。

キヤノンのプロモーションに利用した写真(写真提供/其田さん)

キヤノンのプロモーションに利用した写真(写真提供/其田さん)

(写真提供/其田さん)

(写真提供/其田さん)

これだけの実力があるならば、会社員を辞めて、フリーランスになったとしても十分にやっていけそうだ。しかし其田さんは、「自分は副業としてフォトグラファーの仕事をすることが独自化や差別化、リスクヘッジになると思っています」と強調する。

「副業を始めたてのころは、外国人観光客の写真を撮る仕事を中心に手掛けていたんですが、その仕事はコロナ禍の影響でほとんどゼロになってしまいました。今は企業からプロモーションの仕事をいただけるようになったので、副業の収入は徐々に回復していますが、もし会社員でなかったら一時的に収入がゼロになっていたことを思うと、やっぱり会社員をやっていてよかったと思います」

収入だけでなく、メンタルの面でも、副業のメリットは大きいという。

「平日に通勤して、土日に副業をしていると、休みがないので体がきつくなることもあります。でも、副業は好きなことなので、どんなに忙しくても精神的な辛さはないですね。会社でストレスを感じる出来事があったとしても、副業でリフレッシュできるので、心のバランスを保つ上でも、副業は効果があるなと感じました。ただ、自己管理がちゃんとできていないと体調を崩してしまい、会社や取引先に迷惑をかけてしまうこともあり得るので、その点には注意が必要です」

築100年の古民家を購入。東京・京都・香川の多拠点生活へ

もともと、東京と京都を拠点にフォトグラファーとして活動していた其田さん。コロナ禍によりテレワークが認められると、同じくフォトグラファーとして働く妻が暮らしている香川県高松市を含めた、3拠点での暮らしを始めた。

(写真提供/其田さん)

(写真提供/其田さん)

其田さんが利用している、HafH加盟ホステルのWeBase高松(写真提供/其田さん)

其田さんが利用している、HafH加盟ホステルのWeBase高松(写真提供/其田さん)

HafHに加盟しているNINIROOM(京都)ラウンジでテレワーク中の其田さん(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

HafHに加盟しているNINIROOM(京都)ラウンジでテレワーク中の其田さん(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

ところが、其田さんが始めたのはただの多拠点生活ではない。香川県でも街の中心部ではなく、田舎の築100年の古民家を購入し、田舎暮らしも同時に実現しようとしている。

仕事や暮らしに効率を求めるなら、拠点の場所は駅近がベストなはず。其田さんはなぜ、都心から遠く、しかも駅からも離れた場所に3拠点目を構えたのだろうか?

「都会でずっといそがしく働いていると、心がすり減ってしまう気がして。でも、田舎だけだと副業の単価がどうしても低くなってしまいがち。田舎と都会を行き来することで、心のバランスだけでなく、収入のバランスも保っていけるのではないかと考えました」

新たに物件を所有する場合、固定資産税や光熱費などの費用が発生する。多拠点生活において、こうした固定費は重くのしかかってくるのではないだろうか?

「香川県の古民家は、シェアハウスやゲストハウスとしての運営を視野に入れています。せめてランニングコストだけでも利用者と分担しあえる仕組みをつくれば、この暮らしを長く続けていけるのではないかと考えました。妻が現在もシェアハウスの経営をしているので、そのノウハウも活かしながら力を合わせてやっていければ。また、こんな変わった物件には、自分たちと共通する価値観を持った人たちが訪れてくれると思っています。ここで新しいコミュニティが生まれると思うと、今からすごく楽しみですね」

其田さん夫妻が自らの手でリノベーションを進めている香川県の古民家(写真提供/其田さん)

其田さん夫妻が自らの手でリノベーションを進めている香川県の古民家(写真提供/其田さん)

(写真提供/其田さん)

(写真提供/其田さん)

コロナ禍が追い風となって実現した現在の暮らしのメリットを、其田さんは次のように語る。

「時間を柔軟に使えることですね。以前は週5日出勤しなければならなかったので、地方へ出られるのは週末だけでした。でも今は、テレワークで会社の仕事をした後、すぐに副業やリノベーションの作業に移れます。1日の時間を無駄なく使えるようになり、この一年でガラッと生活は変わったなと感じています」

古民家の屋根を瓦から鉄の板に張り替える作業をしている。「これを土日だけやって東京と行き来していたら、全然終わらないんですよ(笑)。移動時間を挟まずに作業に取りかかれるから、働きながらリノベーションができるんです」(写真提供/其田さん)

古民家の屋根を瓦から鉄の板に張り替える作業をしている。「これを土日だけやって東京と行き来していたら、全然終わらないんですよ(笑)。移動時間を挟まずに作業に取りかかれるから、働きながらリノベーションができるんです」(写真提供/其田さん)

会社員をしながら、どこまでやりたいことをできるか挑戦中

フォトグラファーとしての副業、多拠点生活、田舎暮らし……と、次々と新しい挑戦をしてきた其田さん。今後については、「会社員をしつつ、地道にコツコツどこまでやりたいことを実現できるのか挑戦してみたい」と、意気込みを語る。

「今は働き方の選択肢が増えただけに、今後のキャリアについて悩んでいる方は多いと思うんです。そんな中で自分は、会社員とフリーランスを組み合わせながら新しいことに挑戦しつつ、テレワークや複業、多拠点の魅力を自身のSNSやメディアを通じて発信していきたいですね。もちろん、大変なことや辛いことも本当にたくさんあります。大切なのは諦めずに少しずつ前に進むこと。ちいさくはやく、行動に移すことが大切だと感じています。自分もまだ、もがきつつチャレンジしているフェーズなので、こんなやり方もあるんだと面白がってもらえたらうれしいです」

自分のやりたいことに向かって臆せず前進し続ける其田さん。その背中は、働き方や暮らし方に迷う私たちに、「会社員だからって、やりたいことをあきらめる必要なんてない」と、語りかけているように見える。

拠点の一つ、京都の東山での写真撮影をしている様子(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

拠点の一つ、京都の東山での写真撮影をしている様子(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

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このバランス感恐るべし

所在地:渋谷区神宮前
19万2,500円(税込) / 46.36平米
山手線「原宿」駅 徒歩7分

原宿・千駄ヶ谷周辺で、事務所や予約制の店舗をお探しの方にぜひオススメしたい、こちらの物件。



貸主側で天井を抜いて、天高は約2.65mと高く、ライティングレールが設置済み。壁面はシンプルな白の壁紙。床はフロアタイルですが、剥がせばモルタルの床が姿を表します。



借主負担ですが、フ ... 続き>>>.
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桜の特等席はちょっと不思議

所在地:目黒区青葉台
16万2,000円 / 41.25平米
日比谷線・東急東横線「中目黒」駅 徒歩10分

目黒川の桜が目の前いっぱいに広がる、桜の特等席。それだけに、すこし不思議な作りの部屋です。



ちょうど、桜よりも少し高い位置から見下ろす感じ。バルコニーに出ると、桜並木の上にフワリと降り立ったような気分が味わえる眺めです。



南と西に面した角部屋で、窓がたくさんあるこの部屋。そん ... 続き>>>.
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直感でいこう!- オトナ部屋 –

所在地:板橋区蓮根
12万5,000円 / 42.9~45.52平米
都営三田線「蓮根」駅 徒歩5分

ハッと出会ってしまったら、その直感を信じてみるのもアリだと思います。2020年12月にリノベーションされたばかりの空間、2部屋をご紹介。



それぞれの部屋で少し内装が異なりますが、どちらも採光は東向きで、約16畳の大きなリビングのある1LDKです。



305号室は、アカシアの床に ... 続き>>>.
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風そよぎ、木かおるアトリエオフィス

所在地:杉並区下井草
17万6,000円(税込) / 50.5平米
西武新宿線「井荻」駅 徒歩3分

★ 賃料が下がりました ★



のんびりとした雰囲気の駅、畑や大きな公園がある街。建築家であるオーナーが設計した建物、国産の杉が多用された部屋。窓から見える庭の木々、さ〜っと心地よく抜ける風。



こんな環境で仕事ができたら、穏やかな気持ちで進められそうだし、はかどりそうだなぁ。



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外国のホテル

所在地:中野区江原町
7万9,000円 / 30.26平米
都営大江戸線「新江古田」駅 徒歩4分

ワンルームをざっくりとした質感で改装した、どこか異国の雰囲気を感じさせる一室です。室内の設計は建築士のオーナーが自ら手掛けたもの。



室内は土足利用を想定してつくられていて、住居としてはなかなか珍しいかたち。それだけではありませんが、どこか日本ではない異国の雰囲気があり、海外居住 ... 続き>>>.
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公園よこの特権

所在地:杉並区高円寺北
11万円 / 32.4平米
中央線「高円寺」駅 徒歩10分

公園よこの特権としか言いようがない、気持ちよく抜けのある物件です。建物南側に馬橋公園があり、部屋にいながら見事な紅葉を眺めることができました。



ワンルームの室内は東・南・西側に窓があり、向こう側に邪魔な建物もありません。実際の平米数以上に広がりを感じます。昼間はとても明るい暮ら ... 続き>>>.
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緑を切り取る平屋

所在地:三鷹市井の頭
15万円 / 60平米
井の頭線「井の頭公園」駅 徒歩8分

色とりどりの木々が生える庭を楽しむ、こぢんまりとした平家。窓の多い室内には光と風が気持ちよく通り、のんびりとした居心地のいい空気が漂います。



物件が位置するのは井の頭公園駅からほど近く。閑静な住宅街を進み、細い道を進んだ奥まったところに、隠れ家のような平家がひっそりと立っていま ... 続き>>>.
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親子ワーケーションで旅も働き方も自由に! 子どもの成長にも変化 私のクラシゴト改革3

いま注目を集めている、働きながら旅をする「ワーケーション(ワーク+バケーションの造語)」。それを子ども連れで実践している、フリー編集者の児玉真悠子さんにお話を伺った。子どもたちの思わぬ反応もあったようで・・・・・・。連載名:私のクラシゴト改革
テレワークや副業の普及など働き方の変化により、「暮らし」や「働き方(仕事)」を柔軟に変え、より豊かな生き方を選ぶ人が増えています。職場へのアクセスの良さではなく趣味や社会活動など、自分のやりたいことにあわせて住む場所や仕事を選んだり、時間の使い方を変えたりなど、無理せず自分らしい選択。今私たちはそれを「クラシゴト改革」と名付けました。この連載では、クラシゴト改革の実践者をご紹介します。仕事をしながら暮らすように旅ができる。山口県萩の10日間

とにかく旅好きな児玉さん。しかし出産、育児でなかなか旅行ができない状態が続き、もやもやしていたそう。
「そもそも、夫と長期休暇が合わず、子ども2人を連れての家族旅行は、スケジュール調整だけでひと苦労。結局、PCを持ち込んで旅先で仕事をしていました」
そんな時、山口県の萩市から、所属する一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会宛に、“ワーケーションを自ら実践してパンフレットをつくってほしい”という依頼が。“子連れなら行けます”と返答したのが、親子ワーケーションを意識した最初だった。

そして昨年の夏に、当時小5の息子と小1の娘を連れ、山口県萩市で10日間過ごすワーケーションの旅に。日中は子どもと遊び、早朝や夜は集中的に仕事。4日目で夫が合流すると、子どもの見守りを分担した。
「とにかく予定を詰め込みがちな通常の旅行と違い、腰を落ち着けてその土地で生活する楽しさがありました。萩市は吉田松陰や高杉晋作など明治維新の立役者の生家が徒歩圏内なんです。感動しましたね。場所の力に刺激を受け、夫と今後についてゆっくり話し合う時間もありました。ああ、こういう過ごし方もありなんだと発見でした」

ただし、正直、子どもが同じ場にいながらの仕事は困難も。外に連れ出す際は、私も同行しなければならず、フルには稼働できないジレンマもあったそう。

萩市のお試し暮らし住宅(#梅ちゃんち)に10日間1万円で滞在。古民家だが、中はリノベーション済みで快適(画像提供/児玉さん)

萩市のお試し暮らし住宅(#梅ちゃんち)に10日間1万円で滞在。古民家だが、中はリノベーション済みで快適(画像提供/児玉さん)

吉田松陰、桂小五郎、高杉晋作などの生家、世界遺産の松下村塾など名所が街のあちこちに(画像提供/児玉さん)

吉田松陰、桂小五郎、高杉晋作などの生家、世界遺産の松下村塾など名所が街のあちこちに(画像提供/児玉さん)

メール返信や、アイデア出し、情報収集といった仕事は、児童館の横のスペースがぴったり(画像提供/児玉さん)

メール返信や、アイデア出し、情報収集といった仕事は、児童館の横のスペースがぴったり(画像提供/児玉さん)

子どもを地元の小学校に通わせつつ、長崎県五島列島でワーケーション

その課題から、2度目の親子ワーケーション先として選んだのは、子どもたちが地元の小学校に通える長崎県五島市のプログラム「GOTO Workation Challenge 2020」。

「最初は、島に行くことに子どもたちは不安だったみたいです。娘は『東京に戻ってきたら、習っていない漢字があるのが不安』って泣いてしまったので、『大丈夫だよ、事前に先生に何を習うか聞いておくから』と安心させました。一方、息子の第一声は『そこって、Wi-Fiある?』。デジタルネイティブだな~と思いました(笑)」

当初は不安だった2人も、入学初日で「楽しかった!」とイキイキとした表情で帰ってきたそう。「『掃除の仕方が違ってた』『牛乳がびんじゃなくて紙パックだった』『給食にくじらの肉が出たよ』とか、たくさん話してくれました。娘はあやとりが好きなのですが、島の子とつくる作品が違っていたみたいで、お互いに“すごいね”って言いあいながら仲良くなったようでした」

地元の小学校へ登校する2人。「ドキドキ、不安だったのは初日だけ。日に日に登校時の表情が明るくなって、短期間でも子どもたちの成長を感じました」(画像提供/児玉さん)

地元の小学校へ登校する2人。「ドキドキ、不安だったのは初日だけ。日に日に登校時の表情が明るくなって、短期間でも子どもたちの成長を感じました」(画像提供/児玉さん)

地元の子どもたちがくれた、お手製の観光ガイトの小冊子(画像提供/児玉さん)

地元の子どもたちがくれた、お手製の観光ガイトの小冊子(画像提供/児玉さん)

最後に色紙をくれたのもいい思い出に。「子どもたちの関係は本当にフラットで、すぐ仲良くなれるのはすごいなぁと思いました」(画像提供/児玉さん)

最後に色紙をくれたのもいい思い出に。「子どもたちの関係は本当にフラットで、すぐ仲良くなれるのはすごいなぁと思いました」(画像提供/児玉さん)

五島市では1階にコワーキングスペースが併設されているホテルに宿泊。「子どもが学校に行っている間は東京と同じように仕事ができました」(画像提供/児玉さん)

五島市では1階にコワーキングスペースが併設されているホテルに宿泊。「子どもが学校に行っている間は東京と同じように仕事ができました」(画像提供/児玉さん)

知らない世界に飛びこむアウェイ体験は、将来の生きる力に

「一番、印象的だったのが、息子が『まるで、違う人の人生を生きたみたいだった』と言ったこと。また、『いろんな教え方をする先生がいるんだ』とか、『どっちの学校も面白いことと、そうじゃないことがある』って気付けたようで、どこか自分自身を俯瞰で見るような、貴重な体験ができたみたいです。子どもの世界ってどうしても狭くなりがち。でも、いつもの学校とは違う”パラレル”な世界をちょっとだけ経験したことで、自分が所属している社会がすべてじゃないと知ったよう。この体験は、子どもたちが今後何かでつまずいたときに、生きる力になるんじゃないかと思います」

五島市のプログラムに参加していた子どもたちと。「こうして子どもたちに地縁のある場所をひとつずつ増やしていきたいです」(画像提供/児玉さん)

五島市のプログラムに参加していた子どもたちと。「こうして子どもたちに地縁のある場所をひとつずつ増やしていきたいです」(画像提供/児玉さん)

児玉さんが子どもたちに体験入学をさせたかった理由は、ご自身の子どものころの体験が大きい。
「私は親の仕事の都合で転校が多く、ドイツやフランスで過ごしたことも。そこでは既存のコミュニティの輪の中に飛び込まないといけず、いろんなことに挑戦しなきゃいけなかった。でも、それって社会人になれば当たり前のことですよね。異世界での刺激が自分を成長させてくれたと思うから、子どもたちにも、そうしたアウェイ経験をさせてみたかったんです」

コワーキングスペースの片隅でゲーム中。「東京の友達とオンラインゲームで遊んでいました。今は離れていてもこうやってつながることができるのもいいですね」(画像提供/児玉さん)

コワーキングスペースの片隅でゲーム中。「東京の友達とオンラインゲームで遊んでいました。今は離れていてもこうやってつながることができるのもいいですね」(画像提供/児玉さん)

会社員でもテレワークが浸透。ワーケーションや二拠点暮らしも視野に

今年秋には、ワーケーションのモニターとして、栃木県那珂川町で2泊3日、下の娘さんを連れて滞在。地元の小学校で体育の授業を一緒に受けたり、川遊び、そば打ち体験、竹細工づくり、栗拾いをしたり、普段とは違う刺激を受けたようだ

「娘は栃木で、子どもを預かってくれた地元のスタッフさんと昔遊びをしたのがすごく楽しかったようで、『もっと森とか川が近くにある場所に住みたい』って言っていました。そんなふうに、小さい時から、自分にフィットする環境を意識することは大切だと思います。そんな娘のために、これからは山で暮らす機会を増やしてあげたいです。こうした経験の積み重ねが、将来、都市以外で暮らす選択肢にもなるのではないかと。それこそ、職業選択の幅も広がると思っています」

もちろん、こうした長期のワーケーションができるのも、児玉さんがフリーランスだからだが、コロナ禍の影響でテレワークが増え、会社員でも可能な選択になっているといえるだろう。
「実際、かつては毎日出社していた会社員の夫も、現在はほぼリモート。東京から離れて暮らすのも全然アリだと言っています。ただ、私は実家が都内にあり、東京の住まいをなくすことは考えていません。ゆくゆくは二拠点暮らしができたらいいね、と夫と話しています」

民家の庭先で栗拾い中。「モニターに参加した同級生の男の子ともすっかり仲良しに。今回、初めて合ったとは思えないくらい!」(画像提供/児玉さん)

民家の庭先で栗拾い中。「モニターに参加した同級生の男の子ともすっかり仲良しに。今回、初めて合ったとは思えないくらい!」(画像提供/児玉さん)

観光マインドからひとつ抜け出すことがワーケーション浸透のカギ

現在、ワーケーションに関するモニター参加や、ワーケーションに関するイベントなどを通して、ワーケーションを推進したい自治体の関係者とも話をする機会の多い児玉さん。課題は何だろうか。

「受け入れ側がまだ観光マインドが抜けないことが大きいですね。例えば、オフシーズンの夏のスキーゲレンデを訪れた時、『このゲレンデの芝を滑って遊べたら、子どもたちがすごく喜びそうだし、このスキー場内の施設で仕事ができたらいいですね。Wi-Fiがあって、見守りしてくれる大人がいたら、みんな来たいですよ』と言ったら、『そんなのでいいのですか』と言われました。地域を観光資源としてだけ見ていて、生活する上での何気ない魅力に気が付いていない人が多いんです。ほかにも、子ども向けの地元のワークショップが、親も参加がマストならワーケーションには向かないけれど、●歳以上は子どもだけの参加でOKとか、親子が別々に過ごせる時間がつくれるならワーケーション向きになります。ワーケーション先を探すとき、今は親がそれぞれ自分で生活環境や子どもの受け入れについて情報収集をしていますが、受け入れる自治体が親子向けのワーケーション先としての魅力を発信するだけでも違ってくるんじゃないでしょうか」

ビジネス系出版社の書籍編集者から、2014年に編集者・ライターとして独立。一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の「フリパラ編集部」、地方創生チームに所属。親子向けワーケーションの普及に向けて、企画や発信を行う事業を展開。現在、小6男児、小2女児の母。夫もマスコミ勤務。写真は10月に参加した兵庫県新温泉町のワーケーション視察後に訪れた鳥取砂丘にて(写真提供/児玉さん)

ビジネス系出版社の書籍編集者から、2014年に編集者・ライターとして独立。一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の「フリパラ編集部」、地方創生チームに所属。親子向けワーケーションの普及に向けて、企画や発信を行う事業を展開。現在、小6男児、小2女児の母。夫もマスコミ勤務。写真は10月に参加した兵庫県新温泉町のワーケーション視察後に訪れた鳥取砂丘にて(写真提供/児玉さん)

子どもがいるから、仕事があるから、と旅がままならない人たちも、テレワークの浸透で働き方はぐっと自由に。実は、思春期になる前の小学生の時期は、乳幼児ほど目が離せないわけではなく、ワーケーションや二拠点生活に向いている。
また、ワーケーションとひとくくりにしても、仕事重視か、休暇重視かで滞在場所や期間も変わる。“プライベートの旅行のときに仕事を持っていく”という段階からひとつ超えた、新たな旅のスタイル、働き方の広がりに期待したい。

●取材協力
・萩市お試し暮らし住宅(#梅ちゃんち)
・「GOTO WORKATION CHALLENGE 2020」
・創生なかがわ株式会社

ノイジーな交錯場【テナント】

所在地:横浜市都筑区池辺町
7万400~8万5,800円(税込) / 12.43~19.25平米
横浜線「鴨居」駅 徒歩9分

JR横浜線「鴨居」駅から少し歩いたところに立つ、建設会社の木材倉庫・加工場・共同住宅が大々的にリノベーションされました。この物件の立つ横浜市都筑区池辺町(いこのべちょう)は中原街道が通り、住宅街のほか、工場・倉庫が多く、物件の徒歩2分のところには「ららぽーと横浜」もあります。第三 ... 続き>>>.
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ノイジーな交錯場【住居】

所在地:横浜市都筑区池辺町
8万3,000~9万円 / 31.5~37.5平米
横浜線「鴨居」駅 徒歩9分

JR横浜線「鴨居」駅から少し歩いたところに立つ、建設会社の木材倉庫・加工場・共同住宅が大々的にリノベーションされました。この物件の立つ横浜市都筑区池辺町(いこのべちょう)は中原街道が通り、住宅街のほか、工場・倉庫が多く、物件の徒歩2分のところには「ららぽーと横浜」もあります。第三 ... 続き>>>.
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ドローンが離島にアイスを運ぶ!未来を変えるドローン活用の最前線を追いかけた

コロナ禍による巣ごもり需要を受け、宅配サービスはどこも大忙し。しかし、コロナ以前からネットショッピングの急成長や人材不足などで、物流サービスは悲鳴を上げていました。
こうした状況下において、ネットショッピングなど、70以上の事業を展開する楽天が、約4年前からドローンを使った新しい物流サービスの構築・提供を試みています。将来、場所を問わず荷物をすぐに受け取れるようになれば、私たちはますます住む場所を自由に選べるようになります。どのようなサービスなのか、楽天のドローン・UGV事業部のジェネラルマネージャー向井秀明さんに伺いました。
7年後には配送ドライバーが24万人も不足する!?

「ハーゲンダッツのアイスクリームを、猿島で食べられるとは思わなかった」。
これは神奈川県横須賀市にある離島の「猿島」において、2019年7月~9月に提供されたドローン配送サービスで、利用者から思わず出た言葉です。この時のサービス内容は、猿島のバーベキュー場を訪れた人が専用アプリで注文すると、海の向こうおよそ1.5km先にある横須賀市の西友からドローンを使って商品を届けるというもの。通常西友から猿島までは船で30分ほどかかりますが、ドローンならおよそ10分で配達完了。配送料は500円ですが、品物の価格は店頭と変わらず、数人分の買い物を同時に済ませられると考えれば、あっという間に元はとれます。例えばバーベキューに必要な焼き肉のタレを「忘れた!」なんてときも諦めずにすみ、あるいは往復1時間以上かけて定期船で買いに行く必要もなくなります。溶けやすいアイスクリームも、ドローンで買い物ができるなら、離島で食後に美味しく食べることができます。

実はこうしたドローンの実証実験は、国を挙げての取り組みとして注目されているのです。その大きな理由は、数年前から顕在化してきた「物流クライシス」であると向井さんは言います。
「2010年の時点では約7.8兆円だったネットショッピング市場は、2019年には約19兆円と、約2.4倍の規模に成長しています。一方で少子高齢化や、労働環境による不人気からドライバー不足が問題になっていて、ある調査では2027年には配送ドライバーが24万人不足すると指摘されています」(楽天・向井さん)

こうした課題を解決するために、国は、官民協議会の「過疎地域等におけるドローン物流ビジネスモデル検討会」を設置。また経済産業省はドローン物流をスムーズに実現するために欠かせない技術推進や法的整備について話し合う官民協議会「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」において、ロードマップを作成。その2020年版「空の産業革命に向けたロードマップ2020~我が国の社会的課題の解決に貢献するドローンの実現~」では、「2022年以降に有人地帯での目視外飛行(レベル4)を目指す」としています。

国を挙げてドローン活用へと向かう現在、物流クライシスはネットショッピング事業の成長に向けて解決すべき課題です。

「ドローンのようなイノベーションを利活用して物流クライシスを解決しようと考えたのです。こうしてドローン事業が立ち上がりました。主要な目標は、物流クライシスの回避と、地域エンパワーメントです。また、3つのミッションを掲げています。

1. こんな所に荷物が届く、という新たな利便性の提供
2. 物流困難者(買い物弱者)の支援
3. 緊急時の物流インフラの構築

我々はネットショッピング事業者として、ドローンを活用した物流サービスをパッケージ化し、民間企業や自治体等に提供することを目標に掲げています」(同)

誰でもすぐに扱えるドローン物流サービスを目指す

では、同社が挑んでいる「ドローンを活用した物流サービス」とはどんなものなのでしょうか。まず使用するドローンを見てみましょう。

「ドローンというと「操縦が難しそう」と思う人もいると思いますが、使用しているドローンは完全自律飛行タイプです。飛行開始ボタンを押せば、設定した飛行ルートをドローンが自動で飛行してくれます。メーカーと連携しながら、実証実験を通してさまざまな改善を図っていき将来的には、ボタン一つで誰でもすぐにドローンを飛ばせるサービスにすることを目指しています」(同)

猿島での飛行の様子。現在楽天は最大積載量2kgの小型機と、同5kgの大型機を使用している(写真提供/楽天)

猿島での飛行の様子。現在楽天は最大積載量2kgの小型機と、同5kgの大型機を使用している(写真提供/楽天)

「完全自律飛行をするためには、配送する側には飛行ルートを設定しドローンにその情報を与えるシステムがなくてはなりません。また、配送してもらう側にはスマートフォンで簡単に注文できるアプリが必要です。こうしたドローン配送に必要なソフトウェアやアプリ等も我々楽天で開発しています。

サービス開始の際には、着陸地点の設定などを運用者が任意に定めることを想定しています。楽天はリモート会議や遠隔操作などを通してサポートし、運行状況はリアルタイムで楽天側でも確認できます」(同)

これが楽天の考えているドローンを活用した物流サービスの概要です。従来の物流とくらべて遙かに人手がかからず、またドローンが離着陸できる場所さえあればどこでも荷物を運ぶことができます。

「ドローンを活用したオンデマンド配送はお客様が希望する時間と場所にピンポイントで荷物を届けることができるようになります。配送時間が約10~20分程度の短時間であれば、昨今のオンラインデリバリーサービスの様に、お客様が荷物の到着を待つことを考えると、再配達の心配もグッと減ることが考えられます」(同)

標高2800mへも、家の前の畑へも荷物が届く

冒頭で紹介した神奈川県横須賀市の猿島の他にも、これまでに同社では全国13県で、さまざまな利用シーンを想定して実証実験やサービス提供を行っています。例えば2020年9月には長野県白馬村において、山小屋への物資配送の実験が行われました。

白馬村での実証実験の様子(写真提供/楽天)

白馬村での実証実験の様子(写真提供/楽天)

離陸地点は麓の登山口、標高1250m地点にある「猿倉荘」。届け先である「白馬山荘」は標高2832mと、標高差は約1600mもありましたが、国内で初めてドローン配送に成功しました。人が山を登って運ぶと片道・約7時間かかるところを、わずか15分で5kgの物資を届けることができたのです。

白馬山荘までの登山ルート(写真提供/楽天)

白馬山荘までの登山ルート(写真提供/楽天)

また2020年2月には、岩手県下閉伊郡岩泉町において、買い物弱者の支援や、災害対策など緊急時の実用化を目的とした実験を行いました。過疎地と高齢化が進んでいる地域ですが、実験を通して、同様の問題を抱える地域でのドローン配送サービスが成り立つということが分かりました。

「地域によっては、ドローンの離着陸の場所として公民館の駐車場などを活用していましたが、例えば家の前の畑などを利用できれば、住民が荷物を受取に公民館等へ出掛けなくてもすみます。ドローンが活用されれば、高齢者も買い物に困らずに済むと考えています。
また同町は2016年に台風による豪雨で甚大な被害を受けたことのある地域ですが、そのような災害時でも緊急物資をドローン配送できることを目指しています」(同)

機体の安全性向上が今後の課題

一方で、まだ新しい技術・サービスですから課題もあります。
「まず一つの課題は、バッテリー容量と飛行距離です。現在のバッテリー性能では、約5kgの荷物を搭載すると、飛行距離は片道約5km程度。物流サービスの一翼を担うには、片道20kmは飛びたいところです。もう一つの課題は、機体の信頼性です。飛行機やヘリコプターのように、ドローンが日常で人々の上空を飛行しても安全かどうか、という点です。もちろん年々機体の信頼性は高まってきていますが、まだまだ高い安全レベルを満たすための実験検証データがそろっていません。そのためこれまでの実証実験では、海や川の上、あるいは人のいない山岳部を飛んでいました。どうしても道など人のいるところを横切らなければならない場合は、第三者の侵入を防ぐなどさまざまな対策を講じています。今後、人々が暮らす上をドローンが飛んでも、決して落下しないという安全性が確認できることもドローン配送サービスを拡大するうえで重要となってきます。機体の信頼性が向上すれば、飛行機やヘリコプターのように人や住宅の上を飛べるようになるでしょう。

楽天は、これまでの実証実験の通り、人の上空を飛ばさずに範囲を限定することでドローン配送の実証やサービスを重ねてきています。こうした実験の成功を着実に積み重ねることが、他企業の機体開発参入など、機体の進化を促すことに繋がるのではないでしょうか」(同)

ドローンを使った物流サービスが、地方や世界を助ける日

「オペレーションの仕組みなどは、将来的にはパソコンが使えて、運行前の点検が出来る人が扱えるレベルでの実装を目指しています。ただ高齢化の進む過疎地域では、やはりパソコンやドローンの扱いに不慣れな人が多いと思います。そのためにも、地域人材の育成が重要だと考えています。できれば、IoTなど先端技術に明るい、若い人に担ってもらうことが理想です。若い人が過疎地で地域人材として活躍すれば、その地域も活性化され、ひいては、その地域への移住者が増えるかもしれません」(同)

このように地方創生の可能性も秘めた「ドローンを使った新しい物流サービス」。同社は実際にサービスを開始する時期の目標を、「2021年」を目途として定めています。楽天はドローン配送というソリューションを各地域と連携しながら展開し、「ドローンが当たり前のように飛んでいる社会をつくっていきたい」とコメントしています。

さらに同社は、その先も見ています。「猿島のような活用法は、法律などさまざまな事を鑑みなくてはいけないが、例えば離島の多いフィリピンでも応用・転用できると考えています。世界には離島も山岳地帯も、交通網の貧弱な地域も、たくさんあります」(同)

近い将来、世界各地でドローンの実用が始まった際、国内・国外に同社のソリューションを提供するというビジョンのためにも「まずは日本で、きちんとカタチにしたい」と向井さん。日本中のさまざまな地域で、この恩恵を受けられる日が来るのは、そう遠くないようです。

チャペルと子供と電車ビュー

所在地:杉並区西荻北
13万5,000円 / 58.39平米
中央線「西荻窪」駅 徒歩2分

ずっと紹介したかった、いかした外観のレトロマンション。さらに今回の部屋は最上階の9階で、抜ける眺望も大きな魅力です。



最上階からの眺望が南方向にズドーンと抜けていて、いやあ、あっぱれあっぱれ。中央線も部屋から見られます。電車が見える部屋、やっぱり好きだなー。



室内の内装はよく ... 続き>>>.
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どうなる、これからのマンション価格?コロナ禍でも住宅購入は抑制より促進?

リクルート住まいカンパニーは、緊急事態宣言下の5月に引き続き、8月~9月(8/24~9/11)にかけて実施した、首都圏・関西・東海と一部の政令指定都市に在住する、住宅購入・建築やリフォームを検討している人たちに調査した結果を公表した。8/24~9/11という調査時期は、第3波が訪れたいま振り返れば、第2波が収まりつつあった時期に当たるのだが、調査結果にどんな違いがあったのだろう?【今週の住活トピック】
第2回「コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」を公表/リクルート住まいカンパニー第2波後も在宅勤務の影響で、住まい探しは促進傾向?

緊急事態宣言下で行われた同社の第1回の調査結果については、SUUMOジャーナル「駅距離よりも家の広さが欲しい?コロナ禍で変わる住まい選び」で詳しく紹介している。第2回の調査結果を見ると、第1回と同じような傾向が見られる。具体的に見ていこう。

「コロナの拡大によって住まい探しにどういった影響が出たか?」について、以下のように分類したところ、全体として第1回の調査結果より「抑制された」という割合が減っている。

○影響はない
○抑制された
・モデルルーム・モデルハウス・住宅展示場・不動産店舗・実物物件を見に行くことをやめた
・検討を休止した、いったん様子見にした
・検討を中止した
○促進された
・住まい探し始めのきっかけになった
・住まい探しの後押しになった
・契約の後押しになった

コロナ拡大の住まい探しへの影響(特定の項目に回答した人のみ/単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「第2回 コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」より転載)

コロナ拡大の住まい探しへの影響(特定の項目に回答した人のみ/単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「第2回 コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」より転載)

ただし、この結果には地域差も見られ、関西では「抑制」のほうが「促進」より多いが、東海ではイーブンに、首都圏では「促進」のほうが「抑制」より多くなるという結果になった。

これは、在宅勤務などの影響が見て取れる。「テレワークの実施率」を見ると、全国的に緊急事態宣言中に大きく上昇し、7~8月末になると減少しているが、それでも首都圏では62%と依然として実施率は高い。

【緊急事態宣言中と7~8月末のテレワークの実施率】
首都圏:72% → 62%
関西 :53% → 47%
東海 :51% → 41%

その影響もあってだろうが、「住まいの検討のきっかけ」(複数回答)を聞くと、首都圏では「在宅勤務になった/増えた」(5月調査では「在宅勤務になった」)が急増して、最多のきっかけ要因になった。結婚や子どもの誕生などのライフステージの変化に加えて、特に首都圏で、テレワークが住まいを検討する大きなきっかけになっている。

住まいの検討のきっかけ(複数回答)※上位3つを抜粋(出典:リクルート住まいカンパニー「第2回 コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」より抜粋転載)

住まいの検討のきっかけ(複数回答)※上位3つを抜粋(出典:リクルート住まいカンパニー「第2回 コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」より抜粋転載)

コロナ下では「在宅時間の長期化」と「在宅勤務の継続」の影響大

住宅に求める条件は、住み替えを考えるきっかけによっても変わる。今回の調査結果を見ると、(1)在宅時間が長くなったこと、(2)在宅でのテレワークが続いていること、が住宅の条件にも影響していることがうかがえる。

※:今回調査から選択肢に追加した項目(前回調査では選択肢に含まれず) コロナ拡大による住宅に求める条件の変化(複数回答)※上位10を抜粋(出典:リクルート住まいカンパニー「第2回 コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」より抜粋転載)

※:今回調査から選択肢に追加した項目(前回調査では選択肢に含まれず)
コロナ拡大による住宅に求める条件の変化(複数回答)※上位10を抜粋(出典:リクルート住まいカンパニー「第2回 コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査」より抜粋転載)

コロナ下では換気が求められるので、「換気性能」や「通風」などが上位に挙がる。加えて、従来も重視されてきたが、「日当たり」「省エネ性」「遮音性」などの機能や「宅配ボックスなど」の設備は、在宅勤務や会食の自粛などで在宅時間が長くなったことも影響しているだろう。また、特に首都圏では、在宅勤務でニーズが高まる「仕事専用スペース」「通信環境」が、1・2位を占め、在宅勤務による影響の大きさがうかがえる。

どうなる?住宅市場の動向は?価格は?

では、これからの住宅市場はどうなっていくのだろう?

住宅購入・建築やリフォームについては、大半の検討者が「影響なし」と回答しており、「抑制された」比率は前回調査より下がっている。首都圏では、むしろ「促進された」比率のほうが多いという状況を見ると、住宅市場は比較的安定していると見てよいだろう。

例えば、東日本不動産流通機構が公表している首都圏の中古マンションや中古一戸建ての取引データを見ると、4・5月こそ一時的に売買の成約件数が大きく落ち込んでいるが、以降は回復しているし、成約した価格については、コロナ下でも大きな下落もなく、いまのところ安定している。

次に、研究機関の予測を見てみよう。

東京23区のマンション価格と賃料の中期予測/2020下期(出典:日本不動産研究所)

東京23区のマンション価格と賃料の中期予測/2020下期(出典:日本不動産研究所)

一般財団法人日本不動産研究所が公表した「東京23区のマンション価格と賃料の中期予測/2020下期」を見ると、東京23区の新築マンションの価格と賃料は、2020年~2025年までほぼ横ばいで推移すると予測している。新築マンションの価格については、新型コロナによるマクロ経済の停滞の影響は小さいと見ており、2020年に新築マンションの供給が減少しているが、主な購入層の経済余力は減少していないため、価格は下がらないという見立てだ。

こうしたことから、住宅市場に限れば新型コロナによる影響はあまり大きくないので、当面は価格も大きな変動はないと見てよさそうだ。住宅購入はライフステージの変化や今の住まいに対する不満などがきっかけになる。もしいま住み替えたいと思ったのであれば、コロナの影響に左右されることなく、冷静に判断するとよいだろう。

○日本不動産研究所/「東京23区のマンション価格と賃料の中期予測/2020下期」

商店街やスナックに泊まる!? ホテルが懐かしのまちの風景を守る

古き良き街の景色が惜しまれつつもなくなる一方、空家化やシャッター街化が問題になっている昨今。そんな問題を解決し、新たな価値を生み出す試みが、あちこちで始まっている。商店街にある空家やスナック街にあるビルをホテルとしてリノベーション、そこから地域を元気にしたい。大阪と青森に始まった、そんなムーブメントを紹介しよう。
コンセプトは「旅先の日常に飛び込もう」。コミュニケーションを楽しむ「SEKAI HOTEL」

布施駅(大阪府東大阪市)から商店街を歩きながら、「SEKAI HOTEL」を探していた。「あれ、このへんのハズだけど」と一度スルー。そして、来た道を戻ると、開口部がどーんと広がったカフェのようなホテルを発見した。でも、上の看板はリノベーションする前の「Ladies shop キヨシマ」のまま。だから、見逃したのか!

「そう。ここは以前、婦人服店だったんです。『SEKAI HOTEL』は、看板は昔のまま、店舗部分だけリノベーションしています」と、「SEKAI HOTEL」を経営するクジラ株式会社の三谷昂輝さん。

「地域とつながりたいから」と、大きな開口部を設けた「SEKAI HOTEL」のフロント。町工場をコンセプトに、照明など東大阪のプロダクトを採用し、インダストリアルな雰囲気に。カフェ&バーの営業時間は13~22時(写真撮影/出合コウ介)

「地域とつながりたいから」と、大きな開口部を設けた「SEKAI HOTEL」のフロント。町工場をコンセプトに、照明など東大阪のプロダクトを採用し、インダストリアルな雰囲気に。カフェ&バーの営業時間は13~22時(写真撮影/出合コウ介)

(写真撮影/出合コウ介)

(写真撮影/出合コウ介)

「SEKAI HOTEL」は、大阪の下町・布施商店街のいくつかの空家をリノベーション。フロントをベースに、商店街のアチコチに6棟の宿泊施設が点在する「まちごとホテル」だ。まずゲストはフロントでチェックイン(現在は3密回避のため、客室にてチェックイン)。ガイドが商店街を案内しながら、宿泊棟へと案内してくれる。宿泊時に渡される「食べ歩きチケット」を使えば、商店街のお店で商品と交換(食べ歩きチケット付きのプランでの予約が必要)。「ああ、SEKAI HOTELに泊まっているのね」と気さくに声をかけてくれるので、会話も弾む。そう。このホテルの「宿泊」はサイドメニュー。メインディッシュは「コミュニケーションを楽しむ」なのだ。

商店街の中に、宿泊棟N2~5が連なる。ちなみに、NとはNext doors(隣の家)のN。N4はもともと整骨院だったが空き地になっていたのでここだけ新築。川田菓子店がN3、喫茶店モアの1階がN2、2階がN5となっている。看板は昔のママ、店舗部分だけリノベーション。商店街に馴染んでいる(写真撮影/出合コウ介)

商店街の中に、宿泊棟N2~5が連なる。ちなみに、NとはNext doors(隣の家)のN。N4はもともと整骨院だったが空き地になっていたのでここだけ新築。川田菓子店がN3、喫茶店モアの1階がN2、2階がN5となっている。看板は昔のママ、店舗部分だけリノベーション。商店街に馴染んでいる(写真撮影/出合コウ介)

取材当日、徳島出身の女性2人組がちょうど宿泊棟に案内されているところに遭遇!「社員さんのSNSでこのホテルを知りました。ローカルディープが魅力で、人とか食べ物とか行けば楽しい事がいっぱいありそうだと思って予約しました。大阪はいつも日帰りだったのに、泊まるのは今回が初めて!」とその魅力を語ってくれた。

「『SEKAI HOTEL』は西九条(大阪市)に続き、布施が2拠点目となります。西九条の時点ではまだコンセプトが固まっていなかったのですが、ゲストが来て地元を案内すると宿泊客が喜ぶ。朝食が出せないデメリットも、近くの喫茶店で食べていただくと、これまた宿泊客が喜ぶ。そこで、地元との交流が観光資源として有効だと学びました」

黒門市場といった観光地化した商店街がある一方、布施の商店街は大阪の下町の良さが残っていた。シャッター街化が進んでいるからこそ、布施に「SEKAI HOTEL」をつくることで、地域を活性化したい。そんな想いからのスタートだ。

「ホテルのフロントを立ち上げると同時に、宿泊施設として使える空店舗を探しましたが、なかなか見つかりませんでした」と三谷さん。地域外からいきなり参入したため、すんなり借りる事ができず、どうしても時間がかかった。だが、地道に地域とのつながりを深めることで交渉も進み、宿泊棟も最初の1棟から6棟に拡大。「立ち話も業務」との言葉どおり、商店街の方々ととにかくコミュニケーションをとることで、協力してもらえるようなってきた。現在では、スタッフの努力も実り、優待割引のある「SEKAI PASS」に10店舗、「朝食銭湯プラン」に2店舗+1軒、「食べ歩きプラン」に6店舗と、提携店も増えつつある。

「SEKAI HOTEL」に勤務するクジラ株式会社の三谷昂輝さん。当初は遠くに住んでいたが、「地域の人々とのつながりを大切にしたいから」と近くに引越したそう(写真撮影/出合コウ介)

「SEKAI HOTEL」に勤務するクジラ株式会社の三谷昂輝さん。当初は遠くに住んでいたが、「地域の人々とのつながりを大切にしたいから」と近くに引越したそう(写真撮影/出合コウ介)

スタッフはみな、布施マスター。「布施のことなら、私たちに聞いてください!」

「SEKAI HOTEL」に宿泊すると、付いてくるのが食べ歩きチケット(6店舗5枚)。各店舗で100円相当の商品と交換できるシステムだ。その提携店を紹介しよう。まずは、「三ツ矢蒲鉾本舗」の井上美鈴さん。「SEKAI HOTEL」オープン当初からのおつきあいだ。

レトロな雰囲気のある布施の商店街。看板に歴史を感じる(写真撮影/出合コウ介)

レトロな雰囲気のある布施の商店街。看板に歴史を感じる(写真撮影/出合コウ介)

(写真撮影/出合コウ介)

(写真撮影/出合コウ介)

「SEKAI HOTELさんが来て2年、街が一体化して活気が出て来ました。若い学生さんや外国の方も増えましたね。そうそう。私はよくSEKAI HOTELさんに遊びに行くんですよ。スタッフさん、みんな若くていい人ばかり。お茶したり、おしゃべりしたり。ネットのこと教えてもらったり、外国人スタッフのアンネさんに英語教えてって頼んだり。すごく刺激をもらってますし、これからが楽しみです」とニコリ。

「三ツ矢蒲鉾本舗」の井上美鈴さん(写真撮影/出合コウ介)

「三ツ矢蒲鉾本舗」の井上美鈴さん(写真撮影/出合コウ介)

名物の玉ねぎ天。玉ねぎの甘さがたまらなく美味しい!一盛7個で440円がチケットなら玉ねぎ天2個と交換できる(写真撮影/出合コウ介)

名物の玉ねぎ天。玉ねぎの甘さがたまらなく美味しい!一盛7個で440円がチケットなら玉ねぎ天2個と交換できる(写真撮影/出合コウ介)

ドイツから留学で日本にやって来たアンネさん。「求人を見て応募しました。地域創生、社会に貢献しているのが気に入って。新しい試みも面白い!」と流暢な日本語で話してくれた(写真撮影/出合コウ介)

ドイツから留学で日本にやって来たアンネさん。「求人を見て応募しました。地域創生、社会に貢献しているのが気に入って。新しい試みも面白い!」と流暢な日本語で話してくれた(写真撮影/出合コウ介)

次にうかがった、鳥からあげ店「Kitchen friend怜」は、「店の名前は僕の名前から取りました(笑)」という店長・山尾怜司さん。実はお母様が30年前ここで総菜店を営んでいたという地元の方。そのお母様がつくる家庭の味・からあげが近所でも評判で、からあげのお店を開く決心をしたという。

「地元の商店街がどんどん活気を失って、このままじゃいかん、地元活性化の手助けになればという想いから、お店をオープンしました。実はSEKAI HOTELさんと提携すると、ホテルに一泊宿泊体験させていただけるのですが、扉を開けると、外観からは想像できない世界感が広がっていてびっくり。地元材を使っているのもいいなあと思いました。SEKAI HOTELさんのお客さまは、目新しさを求めてやってくる、若くてフレンドリーで明るい人が多いですね。商店街もまとまれば観光力があがる。SEKAI HOTELさんが起爆剤になってくれればと思います」

「Kitchen friend怜」の店長・山尾怜司さん(写真撮影/出合コウ介)

「Kitchen friend怜」の店長・山尾怜司さん(写真撮影/出合コウ介)

チケットを鶏皮チップスor鳥のからあげと交換。「ハーフ&ハーフも人気です。多めにサービスしておきますよ」(写真撮影/出合コウ介)

チケットを鶏皮チップスor鳥のからあげと交換。「ハーフ&ハーフも人気です。多めにサービスしておきますよ」(写真撮影/出合コウ介)

現在は、コロナの影響でゲストは少ない分、スタッフは「何かできないか」と地域の方とのコミュニケーションに軸足を置き、子ども連れに人気の「和菓子づくりプラン」、地元の人たちと仲良くなれる「飲み歩きプラン」など、商店街の方と相談しながらプランをつくっていく。最初は「布施にしては、カッコよすぎ」と敬遠されていたフロントにも、商店街の人が遊びにくるようになり、「隣のスナックのママさんがそうめんとか差し入れしてくれるんです」とスタッフもうれしそう。今後の目標は?

「地元の人がゲストに対して明るく接してくれるから、『SEKAI HOTEL』を通じて会話が広がるのがうれしい。宿泊棟数を増やしていく、というよりは、『SEKAI HOTEL』と関わる提携店をどんどん増やし、ますます活気が出てくるといいですね。最終目的は、布施の人口を増やすこと。観光地ではない布施のローカルな魅力を、もっと多くの方に知ってもらいたいです」と三谷さん。

布施の暑苦しさ(笑)=コミュニケーション、人情、そして粋な人々。そんな地域独特のオーディナリー(日常)をゲストに届けるのが、ここ布施の役目。そして、「SEKAI HOTEL」の3拠点目に予定されているのが、富山県高岡市。高岡市のどんなオーディナリー(日常)をゲストに届けるか、「SEKAI HOTEL」から目が離せない。

N3などの宿泊棟は「町工場」をコンセプトに、グレー・黒・シルバーを基調に、剥き出しの床はそのまま、無機質な素材でインダストリアルな雰囲気を演出 (写真撮影/出合コウ介)

N3などの宿泊棟は「町工場」をコンセプトに、グレー・黒・シルバーを基調に、剥き出しの床はそのまま、無機質な素材でインダストリアルな雰囲気を演出(写真撮影/出合コウ介)

ベッドとの間仕切り壁のエキスパンドメタルや照明は地元・東大阪の工場でオーダーメイドしたもの(写真撮影/出合コウ介)

ベッドとの間仕切り壁のエキスパンドメタルや照明は地元・東大阪の工場でオーダーメイドしたもの(写真撮影/出合コウ介)

ノスタルジックな泊まれるスナック街「GOOD OLD HOTEL」看板が建ち並ぶスナック。これがホテルなんて!夜は看板にライトがついて妖艶な雰囲気(写真提供/GOOD OLD HOTEL)

看板が建ち並ぶスナック。これがホテルなんて!夜は看板にライトがついて妖艶な雰囲気(写真提供/GOOD OLD HOTEL)

一方、青森の「GOOD OLD HOTEL」は、スナックをリノベーションした、非接触型ホテル(コロナ対応で非対面チェックインに対応)。昭和40年代の弘前市・鍛冶町に誕生したグランドパレス。バブル時代に若者が集ったこの場所も、時代とともにすっかり寂しいビルに。

「うちは大阪の不動産会社なのですが、自社で競売落札したのが、このグランドパレス。最初は使えるかどうかもわからず、ネガティブな印象しかなかったのですが、現地に行ってみると、鍛冶町は弘前市屈指の歓楽街。近くには歴史のある大正レトロなビルも立ち並び、弘前城や現代美術館『弘前れんが倉庫美術館』(2020年オープン)もすぐそば。街のポテンシャルが高い。当時民泊が盛んだった事もあり、『街に泊まる』をコンセプトに、スナックを活かしたホテルにしたら面白いんじゃないかと」(キンキエステート野村昇平さん)

「地元の人たちにも懐かしんでもらいたい」と、当時の古き良きたたずまいはそのままに、泊まれるスナック街にリノベーションした。「想い出映えする、というかノスタルジック×映える=ノスタルジェニックな時間を過ごしていただきたいと思いました」とコンセプトワークを担当した、有限会社odoru取締役中田トモエさん。外装やドア、看板はそのまま(一部除く)。青森の雰囲気が感じられる「ニューうさぎ」や「プードル」、スナック感の強い「DEN」「スナックターゲット」など、コンセプトが異なるレトロなお部屋を11室用意している。「もう文化遺産です」と中田さんは笑う。

「ニューうさぎ」(写真提供/GOOD OLD HOTEL)

「ニューうさぎ」(写真提供/GOOD OLD HOTEL)

「ニューうさぎ」は青森の特産品であるリンゴをイメージした内装。外観がリンゴの木っぽいような緑色なところからインスピレーションを受け、部屋の中はリンゴの実の色である赤・黄色・茶でまとめた(ツイン)(写真提供/GOOD OLD HOTEL)

「ニューうさぎ」は青森の特産品であるリンゴをイメージした内装。外観がリンゴの木っぽいような緑色なところからインスピレーションを受け、部屋の中はリンゴの実の色である赤・黄色・茶でまとめた(ツイン)(写真提供/GOOD OLD HOTEL)

「オープンは2020年7月。コロナの影響もあり、客足はまだまだ。地元の方の認知度もこれからだと思います」と、運営スタッフの木村深雪さん。今後の展望は?

「SNSでは、一夜で2万件のいいね、ツイートの反響も400件あり、若い人もレトロなスナック文化に興味を持っていることが分かりました。鍛冶町といえばスナック文化。それこそ、『SEKAI HOTEL』さんみたいに、もっと街ぐるみで連携して、このホテルに泊まる=コミュニケーションと、ハシゴ酒などをしながら、街を楽しんでもらえたらいいなと思います」(キンキエステート野村さん)

「プードル」(写真提供/GOOD OLD HOTEL)

「プードル」(写真提供/GOOD OLD HOTEL)

もともとの造作が木っぽいつくりだったのと、照明が土器っぽかったので、青森にある三内丸山遺跡をイメージしたお部屋(ツイン)(写真提供/GOOD OLD HOTEL)

もともとの造作が木っぽいつくりだったのと、照明が土器っぽかったので、青森にある三内丸山遺跡をイメージしたお部屋(ツイン)(写真提供/GOOD OLD HOTEL)

「Den」(写真提供/GOOD OLD HOTEL)

「Den」(写真提供/GOOD OLD HOTEL)

スナック感が強い部屋。タバコのヤニで琥珀色になったシャンデリアがポイント(ツイン)(写真提供/GOOD OLD HOTEL)

スナック感が強い部屋。タバコのヤニで琥珀色になったシャンデリアがポイント(ツイン)(写真提供/GOOD OLD HOTEL)

今回紹介した、「SEKAI HOTEL」と「OLD GOOD HOTEL」は、商店街の空家やスナック街のビルをリノベーションしてホテルとして再出発。ただ、ハードの整備ももちろんだが、それ以上にスタッフとゲスト、ゲストと地域の人々、地域の人々とスタッフといった3者の「コミュニケーション」がうまくいって初めて、魅力ある街に、活気ある街へと変化していく。ハードの魅力<ソフトの魅力。その努力こそが、街の風景を守る、有効な方法ではないだろうか。

●取材協力
SEKAI HOTEL
OLD GOOD HOTEL

下町のNEWスポット「東京ミズマチ」のおすすめショップ&周辺散歩

「東京ミズマチ」は、下町観光を代表する浅草と東京スカイツリー・ソラマチを結ぶ新スポットです。隅田川沿いを散策しながらランチやショッピングが楽しめると注目されているんですよ。そこで今回は、東京ミズマチのおすすめショップをご紹介。お出かけついでに、周辺の散策スポットにも立ち寄ってみませんか?
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三ノ輪の元材木屋

所在地:荒川区東日暮里
16万5,000円(税込) / 68.97平米
日比谷線「三ノ輪」駅 徒歩2分

元は材木店として使われていた建物の1階部分。材木店の看板や、資材を吊り上げるクレーンや鉄骨のフレームが当時の面影を残しています。



室内はがらんどうの空間。パーケットの床はかわいらしい感じですが、傷みがあるので改装は必要かと。トイレが和式だったり、エアコンがなかったりとある程度の ... 続き>>>.
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南平台、ジャンクに軽やかに

所在地:渋谷区桜丘町
33万円(税込) / 100.04平米
井の頭線「渋谷」駅 徒歩6分

渋谷駅すぐ、少しゾクッとするけど気になるマンションをご紹介。倉庫も含むと100㎡越え。物販店舗やサロンも可能です。



打って変わって、室内は軽やかで心地いい。3方向に窓があるので風が抜け、曇りガラスから自然光も程よく入ってきます。天井が2.3mと低めなので人物撮影は難しいですが、 ... 続き>>>.
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ほっこりするアトリエ店舗

所在地:台東区三筋
16万5,000円(税込) / 33平米
都営大江戸線・つくばエクスプレス「新御徒町」駅 徒歩6分

蔵前駅から歩くこと約8分。昔ながらの雰囲気が香るころんと可愛らしい戸建て、1階路面区画のご紹介です。



シンプルながら渋さの残る、いい顔をした外観が魅力的。ビルの路面区画も良いけれど、渋い戸建ての世界観もひかれるものがあります。



内装についてはリフォームされたばかりでツルピカで ... 続き>>>.
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フレッシュな新生活

所在地:杉並区西荻南
13万7,000円 / 42.52平米
中央線「西荻窪」駅 徒歩9分

白を基調としたフレッシュな室内。南向きで光がサンサンと入り、眺望も抜けていて気持ちがいいです。



部屋の間仕切りを開けば、空間を大きく使うことができます。来客の際はサッと閉めればOK。



個人的に、キッチンからの眺めが好きです。楽しく料理ができそうです。



水回りはどこも新しく、 ... 続き>>>.
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住民主導の「街そだて」とは?グッドデザイン受賞の幕張ベイパークを訪ねてみた

新型コロナウイルスの感染防止対策として、外出自粛やテレワークの増加など生活が大きく変化した。自宅周辺の“わが街”で過ごす時間が長くなり、街の魅力を再確認した人も多いだろう。そんな自宅周辺の街を住民自身が育てる取り組みで、2020年度のグッドデザイン賞を受賞した事例があると聞いて、訪ねてみた。
地域コミュニティにもグッドデザイン!?

グッドデザイン賞の公式ホームページによれば、「デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動」とある。特定の商品や建築物での受賞作品は数多くあるが、「地域・コミュニティづくり」のような形のないものも、「人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰する」のだという。

今回受賞したのは、一般社団法人幕張ベイパークエリアマネジメント(以下、B-Pam)および東京都や千葉県のデベロッパー7社だ。売り主であるデベロッパー側だけでなく、その街を拠点とする住民や店舗が主体となって「街そだて」をする仕組みが評価されての受賞となった。

ここで、受賞対象の街である「幕張ベイパーク」について説明しておこう。

JR京葉線・海浜幕張駅徒歩15分くらいの場所に、開発面積約17.5ヘクタール(東京ドーム約3.7個分)の広大な土地がある。2015年に開発事業者が決定し、ここに約4500戸の住宅及び生活するうえで必要となる商業施設や保育・教育施設、医療施設、運動施設などを、時間をかけて整備し、将来的には約1万人が暮らす街づくりの計画が立てられた。A街区とB-1~7街区の8区画に分かれ、中心に位置する楕円形の公園を取り囲むように、6棟の超高層マンションや生活関連施設が段階的に開発されていくミクストユースの街づくりを目指しているとのことである。

幕張ベイパーククロスポートに設置された模型

幕張ベイパーククロスポートに設置された模型

筆者が取材した段階では、A街区にイオンスタイルの商業施設が、B-7街区に「幕張ベイパーククロスタワー&レジデンス(497戸)」(写真手前)と保育・学童施設やコワーキングスペース、コンビニなどが、B-1街区に「ZOZOPARK HONDA FOOTBALL AREA」があり、それぞれ稼働している。B-2街区には「幕張ベイパークスカイグランドタワー(826戸)」(写真右奥)とクリニックモールやスポーツ施設などが間もなく竣工予定で、B-3街区で超高層住宅の工事が着手されたところだ。

街そだての仕組みである「B-Pam」とは?

さて、街そだての役目を担う「B-Pam」に取材するために、街の公民館のような存在という「幕張ベイパーククロスポート」を訪れた。当日はちょうど、「謎解きトレジャーハント」というイベントが開催されていた。イオンスタイル幕張ベイパークで配布する「宝の地図」に記載された14カ所の店舗を回ってクイズを解き、12文字の暗号を伝えるとB-Pamの活動拠点である幕張ベイパーク クロスポートで宝物をもらえるというもので、筆者が見ている間に次々と親子が問題を解きに来ていた。宝物は足りるかと心配するほどの勢いだ。

B-Pamが拠点を置く幕張ベイパーククロスポート。謎解きトレジャーハントの謎を解いて、宝物をもらいにきた子どもたちが次々と訪れていた(画像提供:B-Pam)

B-Pamが拠点を置く幕張ベイパーククロスポート。謎解きトレジャーハントの謎を解いて、宝物をもらいにきた子どもたちが次々と訪れていた(画像提供:B-Pam)

取材に対応してくれたのは、B-Pam代表理事で住民でもある遠藤峰志さんと、事務局長でマンション管理会社三井不動産レジデンシャルサービスの社員でもある吉野公二さん、開発担当者である三井不動産レジデンシャルの柳谷剛弘さん。まず、B-Pamの役割を聞いた。

■B-Pamの役割
(1)自治会機能
(2)商店会機能
(3)管理組合の横連携機能
(4)エリアマネジメント機能

B-Pamの主な役割は上記の4つがあるという。まず、町内会のような住民組織である自治会としての機能(1)、ここで営業する商店主による商店会としての機能(2)がある。また、街区ごとにマンション管理組合が組織化されるが、幕張ベイパーク内には今後も段階的にマンションが建設されていくため、将来必要になる管理組合相互の横の連携を図る機能(3)もB-Pamの役割となる。

(1)~(3)は相互連携がテーマだが、(4)のエリアマネジメントは、街の価値を維持・向上させるための活動である。B-Pamでは、住民や店舗などが参加しやすいイベントの企画運営、街の景観を維持するためのルールづくりや清掃活動、安全安心な地域づくりのための防災訓練実施などのさまざまな活動の企画と実施を担っている。

デザインガイドラインを設け、街の中の商業施設に関しても、街並みの統一感を図っている。写真はイオンスタイル幕張ベイパークで、外観は落ち着いたトーンになっていた

デザインガイドラインを設け、街の中の商業施設に関しても、街並みの統一感を図っている。写真はイオンスタイル幕張ベイパークで、外観は落ち着いたトーンになっていた

B-Pamの活動拠点は、次の2つ。
■B-Pamの活動拠点
・幕張ベイパーククロスポート(街のコミュニティ拠点)
・B-Pam WEB(インターネット上の交流サイト)

「幕張ベイパーク クロスポート」には、B-Pamの活動拠点であるほか、貸し出しできるフリースペース(キッチン付きパーティールームもあり)があり、パーティーや趣味のサークルなど多様に利用ができるようになっている。一方「B-Pam WEB」では、イベントなどの告知や参加申し込み、管理組合からのお知らせ、店舗などの情報提供、フリースペースやマンションの共用施設の予約などもできるようになっている。

また、B-Pamはどういったメンバーで構成されるかというと(下図参照)、住民による「居住会員」とエリア内の商業施設の事業者による「店舗会員」、街を開発するデベロッパーによる「開発会員」などで構成され、それぞれの代表が役員を務める「理事会」を事務局がサポートしながら活動し、正会員による「総会」で決議していく形だ。

B-Pam組織図(画像提供:B-Pam)

B-Pam組織図(画像提供:B-Pam)

正会員のほかに、居住会員の家族による「ファミリー会員」や商業施設の従業員による「ワーカー会員」を「準会員」としているほか、B-Pamの活動を支援する企業や団体による「パートナー会員」や幕張ベイパークに居住していないが関わりたい個人による「オープン会員」なども設定している。

会員になるのは任意で強制ではない。会費も支払うことになる。居住会員の会費は、1世帯あたり月300円で、店舗会員は店舗の広さに応じで会費が変わる。現在、居住会員は居住者の約7~8割が加入しており、店舗会員は13店舗が全て加入している。

また、現在の理事会は幕張ベイパークの居住者4名、店舗事業者2名、デベロッパー社員3名の役員で構成しており、任期は2年。居住者による役員は、マンションの管理組合との連携を図る意味合いから、管理組合の理事と兼任を図っているとのことだ。代表理事の遠藤さんも、管理組合の第1期理事を務めていた。

重要なのは継続していくこと、参加者の主体性がカギに

さて、幕張ベイパークは2019年4月に「街びらき」イベントを開催している。街びらきイベント自体は、入居者の親睦のためでもあるが、お披露目としての宣伝効果もあり、デベロッパーが力を入れることで盛大に実施することはできる。問題となるのは、その後だ。大勢が参加する多様なイベントを、数多く継続して開催できるかどうかが課題だ。

デベロッパーが用意した活動の場があっても、事務局などの限られた人たちだけがいくらがんばっても、継続して活動してくれる住民たちがいなければ続かないものだ。そうした担い手をどう集めるかが最も難しい点だ。

B-Pamでは、マンションの入居が始まる前からこのコミュニティづくりにいち早く取り組み、契約者が入居するまでに、どういった活動をするかを詳しく説明し、街づくりに関心を持つ人を育てていった。遠藤さんもそこで関心を持った一人だ。こうした人を中心に、「B-Pamサポーター」を募集して、どんなことをやったら楽しいか、どんなことがやれるかをブレストして、アイデアを紙に張り出すといったこともしている。あくまで住民がやりたいことを吸い上げて具現化する「街の住民の主体性」を重視する発想だ。
例えば、2019年のハロウィーンのイベントは、4、5人の住民有志が手を挙げて企画実行したが、有料でも人が集まるか、チラシを打って人を集めるだけの期待を得られるような企画になっているか、協力してくれるボランティアは集まるかなど、多くの不安を抱える中で試行錯誤して実施したという。その結果、「ハロウィーンハント」という、昼間にはシールを集めたり、公園に隠された宝を探したりするイベントを有料先着順で開催し、夜間には公園に夕食を持ち寄って集まるオープンイベントを開催したが、予想を超える300人以上の参加があり、大盛況だったという。

左)ハロウィーンハントの手づくりチラシ 右)ジャック・スパロウ船長に扮して、仮装大会で優勝した遠藤さん。右隣のダース・ベイダーは事務局の吉野さん、左隣は柳谷さん(画像提供:B-Pam)

左)ハロウィーンハントの手づくりチラシ 右)ジャック・スパロウ船長に扮して、仮装大会で優勝した遠藤さん。右隣のダース・ベイダーは事務局の吉野さん、左隣は三井不動産レジデンシャルのは柳谷さん(画像提供:B-Pam)

また、間を空けずに継続して、イベントなどを開催していくことも大切だという。というのも、継続することで「つながる場」を多くつくることになり、住民同士が顔見知りになる機会も増えて、次のイベントの参加を誘い合ったり、興味を持って新たに企画実行のメンバーになったりする。結果として、間口が広がって担い手を育てる効果もあるからだ。

B-Pamでは、街のイベントとして、七夕や夏祭り、夏の早朝ラジオ体操、秋の運動会、ハロウィーン、クリスマス、餅つきといったイベントも開催していった。さらに、フリースペースでは、店舗スタッフの協力によるコーヒーセミナー・各種の料理レッスンや、住民がそれぞれに企画した料理やアート、教養の教室などが多様に開かれている。

なかには、小学生の女の子が「クレープを焼きたい」とB-Pamに相談したことで、パーティールームを使ったクレープパーティーが開かれたこともあった。「子どもたちが企画したり、協力してくれたりということが意外に多く、かなりの戦力になっています」(遠藤さん)という。

悩ましいコロナ禍でのイベント。知恵を絞って継続

しかしそこへ、このコロナ禍だ。密になるイベントが難しいこともあって、1周年記念イベントが開催できなかった。そこで、これまで住民が取り溜めた街の写真の「フォトコンテスト」とおうち時間を使って子どもが描いた絵画の「絵コンテスト」を実施して、住民が参加できるイベントを工夫して継続していった。

加えて、コロナ禍で営業が厳しい近隣の店舗を応援しようと、住民の発案による「宅配ごはん」推奨の企画も実現した。B-Pam会員割引を設定してもらい、チラシ作成も住民が行って、テイクアウトの利用を促進したという。

こうして、街びらきから1年半近く経った今は、さまざまな活動が定着しつつある。
・毎月の公園清掃活動
・防災勉強会
・ハロウィーンやクリスマスなどの大型季節イベント
・ソフトボール部、サッカー愛好会等の部活動
・店舗支援企画

清掃活動の様子。インスタグラムやFacebookで清掃活動のボランティアを呼び掛けたところ、幕張に拠点を置くアメリカンフットボールチームIBM BIG BLUEの選手も参加してくれた(画像提供:B-Pam)

清掃活動の様子。インスタグラムやFacebookで清掃活動のボランティアを呼び掛けたところ、幕張に拠点を置くアメリカンフットボールチームIBM BIG BLUEの選手も参加してくれた(画像提供:B-Pam)

ソフトボール部が誕生した話というのも面白い。ある日突然、住民の一人が数日後に開催されるソフトボールの大会に出場したいとB-Pam事務局に相談してきた。「まだソフトボール部がない」のに、である。急遽、部員募集の告知をしたり、言い出しっぺの部長が朝のバス停でチラシを配ったりして、何とか人数をかき集めて大会に出場できた。しかし、練習不足で予選敗退。ところが、1年後の大会では見事に準優勝に輝いた。

こうした多様なイベントが継続する要因は、企画自体が住民の発案によるものだからだという。理事会は、街そだてに意味がある企画かどうかを判断し、事務局で自治体などの外部との交渉や予算管理などをサポートする。例えば景品の調達に企画実行チームの住民が駅周辺の商業施設に直接交渉したり、必要なボランティアを集めたりして、自主的に動いている。

「プロに外注できる予算を確保していますが、住民の皆さまが自治会としての金銭感覚で工夫してくれるので、予算を節約できています。イベントで司会が必要だとなると、住民のあの人なら上手にできそうと人選して、想定どおりにとても盛り上がる司会ぶりを発揮してくれたといったこともありました。」(吉野さん)

WEBで情報提供するだけでなく、イベントの開催やメンバー募集などを呼び掛けるチラシも手づくりしている

WEBで情報提供するだけでなく、イベントの開催やメンバー募集などを呼び掛けるチラシも手づくりしている

2020年のハロウィーンは小規模な開催となったが、クリスマスイベントは感染予防対策をしたうえで4週続けて土曜日に開催する予定だ。これまでの経験からそろいのアイテムを身に着けるとイベントが盛り上がるということが分かったので、今年はB-Pamオリジナルのクリスマスマスクを発売することにした。

遠藤さんが付けているのが、今回用意したオリジナルマスク

遠藤さんが付けているのが、今回用意したオリジナルマスク

2019年のクリスマスイベントの様子(画像提供:B-Pam)

2019年のクリスマスイベントの様子(画像提供:B-Pam)

B-Pamでは、イベントを開催するグループやサークル活動などの「街そだて」に貢献する活動に対して、支援金制度(最大5万円)を設けている。活動のための費用を負担することも大切だが、最も重要なのは住民の「熱い思い」だろう。にぎわいのある街を育てるには、その担い手が必要だ。更地だったこの街に住もうという住民たちには、街の成長に期待し、新しいつながりを築こうとする人が潜在的に多いのだと思う。

だからこそ、活動の場や仕組みに乗じて、ボトムアップで楽しみながらイベント等を企画実行する担い手が登場し、持続可能なエリアマネジメントが可能になるのではないか。それにしても、この街に暮らす住民たちはオールシーズン楽しいだろうと羨ましくなった。

6 rooms gallery

所在地:杉並区井草
7万円 / 31.6平米
西武新宿線「下井草」駅 徒歩8分

住居でここまで徹底して無機質な物件は東京でも珍しい。「ありそうでなかった」と言えましょう。



男子の憧れの生活がここにあります。



玄関開けたら、ど~んと広いワンルーム。コンクリートを真っ白に塗装した空間は、まるでギャラリー。床はモルタル、配管も剥き出し、電気配線も鉄管でまとめら ... 続き>>>.
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テレワークで生まれた時間で地元貢献!会社員が仕掛ける「うらわパーティ」 私のクラシゴト改革2

会社員として働きつつ、テレワークで生まれた時間で、地元の埼玉県浦和エリアを応援する活動「うらわパーティ」プロジェクトを始めた長堀哲也さん。長堀さんに、その経緯や、新しい暮らし方、働き方についてインタビューした。連載名:私のクラシゴト改革
テレワークや副業の普及など働き方の変化により、「暮らし」や「働き方(仕事)」を柔軟に変え、より豊かな生き方を選ぶ人が増えています。職場へのアクセスの良さではなく趣味や社会活動など、自分のやりたいことにあわせて住む場所や仕事を選んだり、時間の使い方を変えたりなど、無理せず自分らしい選択。今私たちはそれを「クラシゴト改革」と名付けました。この連載では、クラシゴト改革の実践者をご紹介します。コロナ禍でテレワークに。通勤時間は地域活動の時間にあてた

大手メーカーのIT系グループ会社で営業として働く長堀さんは、新型コロナウイルスの影響で今年3月からフルリモートワークに。働き方が劇的に変わった。「これまで制度としてリモートワークはあったものの、営業という職種から、ほとんど利用したことはありませんでした。現在は、週に1度ほどクライアントに足を運ぶ以外は、ほぼ在宅です」
そして、テレワークで往復二時間半かけていた通勤時間が減り、地元で過ごす時間が圧倒的に増えたことで、長堀さんが新たに取り組んだのが、地域活動「うらわパーティ」プロジェクト。ネットでのワークショップや飲み会、テラスを無料開放した屋台など、オンラインとリアルの両輪で、ゆるいコミュニティをつくりながら、浦和を盛り上げようという活動だ。

JR浦和駅西口前のカフェ「OkiOki Café」では、「うらわパーティ」の一環で誰でも自由に使えるパーティテラスを無料で貸し出し。テイクアウトのお弁当を売る屋台になったり、県内の作家手づくりのマスク店を出店したり (画像提供/長堀さん)

JR浦和駅西口前のカフェ「OkiOki Café」では、「うらわパーティ」の一環で誰でも自由に使えるパーティテラスを無料で貸し出し。テイクアウトのお弁当を売る屋台になったり、県内の作家手づくりのマスク店を出店したり (画像提供/長堀さん)

屋台で販売する宅版専門の焼肉弁当屋(薫巻)さん (画像提供/薫巻さん)

屋台で販売する宅版専門の焼肉弁当屋(薫巻)さん (画像提供/薫巻さん)

「コロナ禍の自粛生活の中、地元の飲食店が苦境に立たされているのを実感し、『自分で何か応援できないか』と考えたのがきっかけでした。もともと、パパ友たちとイベントを開催する『うらわClip』という活動していて、地元には知り会いがたくさんいたので、何かしら始めることは自然な流れでした。これはスピード感が大事ですから、知り会いのWebデザイナー、フリーの動画編集者など、機動力のあるメンバーを巻き込んで、自粛期間中に一気に立ち上げました。一時期は毎日のようにオンラインで打ち合わせをしていましたね」

「うらわパーティ」で、オンラインでゲスト講師を招いて折り紙ワークショプも実施。他にも華道家による生け花のレッスン、元浦和レッズ選手のオンライン飲み会など、幅広いターゲットのコンテンツに (画像提供/長堀さん)

「うらわパーティ」で、オンラインでゲスト講師を招いて折り紙ワークショプも実施。他にも華道家による生け花のレッスン、元浦和レッズ選手のオンライン飲み会など、幅広いターゲットのコンテンツに (画像提供/長堀さん)

全国的にも有名なクラフトビールバー「BEERNOVA URAWA(ビアノヴァ ウラワ)」は、浦和レッズのサポーターの間でもよく知られているお店。「うらわパーティ」ではオーナーによるオンラインイベントを後方支援。「正直、オンラインの集客は苦労していますが、コンテンツが強ければ集客できる成功例になりました」 (画像提供/長堀さん)

全国的にも有名なクラフトビールバー「BEERNOVA URAWA(ビアノヴァ ウラワ)」は、浦和レッズのサポーターの間でもよく知られているお店。「うらわパーティ」ではオーナーによるオンラインイベントを後方支援。「正直、オンラインの集客は苦労していますが、コンテンツが強ければ集客できる成功例になりました」 (画像提供/長堀さん)

重視したのは、オンラインとリアルの場の両方があるということ。「自粛期間中でも、スーパーへの買い物やお昼ごはんをテイクアウトしたりと、外に出るでしょう。コロナ禍でさまざまなイベントがオンライン化しましたが、地元だからこそ、リアルな体験にこだわりたかったんです。何かあったらすぐ集まれて、すぐ対応できるのが強みですから」

浦和の街を盛り上げようと、浦和の街への応援メッセージを書いてもらった花の折り紙を、リースにして、街のあちこちに飾るプロジェクトも「うらわパーティ」で実施 (画像提供/長堀さん)

浦和の街を盛り上げようと、浦和の街への応援メッセージを書いてもらった花の折り紙を、リースにして、街のあちこちに飾るプロジェクトも「うらわパーティ」で実施 (画像提供/長堀さん)

子どもの誕生とともに人の輪が広がり、リアルイベントの活動も

長堀さんは浦和生まれ、浦和育ち。とはいえ、会社員として多忙な毎日を過ごし、以前は地元に関わる活動をそこまでしていたわけではなかったそう。きっかけは子どもが生まれたこと。「幼稚園のパパたちと、『“パパ会”なる飲み会でもしましょうか』と話したのが最初のスタートでした」。そのうち、「せっかくなら何か地元でやりたいね」と、2018年に始めたのが「うらわClip」。”うらわ圏に属する人々が、うらわ圏に愛着を持ち、魅力的で誇れるものとして、次世代にその価値をつなぐこと”をコンセプトに、主にリアルなイベントを中心に活動している。
「僕と、デベロッパーで働く会社員、公認会計士兼税理士、司法書士の4人のパパを中心に、さいたま市役所の職員のパパもオブザーバーになってもらいました。さらに、地元の飲食店はもちろん、浦和PARCOさん、行政の方などともリレーションができ、それが現在の『うらわパーティ』の土台のひとつになっています」

現在は、「うらわパーティ」と「うらわClip」の両方の活動を行っている。「うらわClip」ではリアルにこだわり、12月には感染対策を講じつつ、ドライブインライブという新しい形に挑戦 (画像提供/長堀さん)

現在は、「うらわパーティ」と「うらわClip」の両方の活動を行っている。「うらわClip」ではリアルにこだわり、12月には感染対策を講じつつ、ドライブインライブという新しい形に挑戦 (画像提供/長堀さん)

ホームタウンという実感が、毎日の暮らしをハッピーに

「うらわClip」が、どこか非日常なお祭り的なイベントの“場”であるのに対し、「うらわパーティ」はもっと日常的。テラス、シェアオフィス、遊び場、カフェなど、街のあちこちに、つながれる場を誰もが持っていることが理想だ。
ステイホーム期間中は家にこもりがちになる人が多いなか、長堀さんは、逆に知り会いが増え、世界が広がったそう。「だから、街を歩いていると、知り会いに会いまくりです(笑)。在宅しているということは、圧倒的に地元にいるってことじゃないですか。だから、人と人とがゆるやかにつながるような、街の縁側のような場をつくりたいと思っています」
さらに、街中に知り合いが増えるということは、子どもたちにとっても好影響だと長堀さんは実感。「ほんとみなさん、いい人ばっかりなんです! 街のあちこちに、知っている大人がいるというのは安心感があるんですよね。みなさんの仕事もバックグラウンドも多種多様。知らない間に“こういう仕事があるんだ”と子どもたちが多様性を学ぶ機会になるんじゃないかと思います」

長堀さんの2人の息子さんとうらわClipのメンバーたち。うらわパーティで5月5日の子どもの日に折り紙ワークショップイベントを開催し、息子さんたちが家で折った作品を、屋台で飾るために直接届けに来てくれた。街のいたるところに彼らのことを見守ってくれる大人がいるのは心強い (画像提供/長堀さん)

長堀さんの2人の息子さんとうらわClipのメンバーたち。うらわパーティで5月5日の子どもの日に折り紙ワークショップイベントを開催し、息子さんたちが家で折った作品を、屋台で飾るために直接届けに来てくれた。街のいたるところに彼らのことを見守ってくれる大人がいるのは心強い (画像提供/長堀さん)

コロナ禍で大々的なイベントが難しくなっている今、ステイホームで地元にいる時間が長くなった人も多いはず。長堀さんのような主催者側ではなくても、参加者として地元との接点を増やしてみるのもよさそうだ。「地域活動をされているシニア世代の方たちとも交流を持っていますが、みなさんイキイキとしていらっしゃいます。子どもたちの幼稚園や学校の集まりなどで、パパたちは所在なさげにひとりで立っていることが多いけれど、もったいない。行きつけのお店でもいいですし、道で会ったらちょっと立ち話程度の交流をする人が増えるだけで、自分の生活圏がぐっと豊かになるんじゃないかと思います」

●取材協力
・うらわパーティ
・うらわClip

等身大のリノベーション

所在地:板橋区中丸町
2,680万円 / 71.42平米
東武東上線「大山」駅 徒歩7分

リビングにポカポカと光が入る、最上階の角部屋。壁も床もシンプルに、けれどこだわるところはこだわって。程よくリノベーションされた室内は、背伸びせず、自分好みの暮らしが叶う気配がします。



南向きのリビングは開口部が大きく、自然光が部屋の奥まで入ります。ダイニングとソファスペースの両 ... 続き>>>.
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穏やかな昼下がり

所在地:目黒区五本木
19万8,000円 / 77.01平米
東急東横線「学芸大学」駅 徒歩5分

穏やかな空気感の路地の奥に立つ、懐かしさを感じるかわいらしい戸建て。



学芸大学駅から歩いて5分。この立地の良さに加え、小型車のみですが、玄関前のスペースを駐車場として利用できます。住居以外に住居兼事務所も可能なので、アクティブに都心を動き回る方や、搬入出が多い方にもおすすめした ... 続き>>>.
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潜む、代々木レトロ

所在地:渋谷区代々木
11万5,500円(税込) / 32.97平米
山手線「代々木」駅 徒歩8分

代々木の住宅街にひっそりと立つ、レトロなマンション。中庭の木々が爽やかな印象です。前面道路から少し奥まった場所に位置していることもあり、都心とは思えない静かな環境が整っています。



広さとしては、2~3人で使えるオフィス。窓からいい感じに緑が見えて、南向きのため日当たりもよく、気 ... 続き>>>.
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裏路地戸建てではじめよう!

所在地:台東区元浅草
22万円(税込) / 46.28平米
銀座線「稲荷町」駅 徒歩6分

下町感漂う、台東区元浅草。南に蔵前、北に浅草というアツイエリアの裏路地に潜む、レトロな戸建てのご紹介。



裏路地にある戸建てというだけでワクワクしますが、内装についても感じよくリノベーションされていて、1階の天井高は約3.4m!魅力的な条件がずらりと並びます。



内装は、現況での ... 続き>>>.
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緑の曲線、自由の庭

所在地:杉並区浜田山
6,380万円 / 71.97平米
井の頭線「西永福」駅 徒歩7分

好きなだけ植物を育てられそうな広い庭と、窓の先には植栽の緑豊かな借景。杉並のおだやかな空気感も相まって、心地よく暮らせそうな空間です。



室内は2013年に前の売主によってリノベーションされ、雰囲気よく仕上げられています。無垢材のフローリングに、シンプルな白の壁紙と、古い家具にも ... 続き>>>.
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庭に癒されながら

所在地:世田谷区駒沢
16万5,000円 / 66.7平米
東急田園都市線「駒沢大学」駅 徒歩4分

大きく取られた窓。敷地内の大きな庭にはたくさんの木々が生え、マツやモミジ、キンカン、ユズなど色とりどり。隣の敷地にはイチョウ。眺めるだけで、心が落ち着く風景です。庭と空が楽しめる、開放的で気持ちの良い空間です。



LDKはゆとりある15畳。それに6畳の和室が2部屋。レトロな建具と ... 続き>>>.
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恵比寿の爽やかレトロ

所在地:渋谷区恵比寿
38万円 / 105.97平米
日比谷線「広尾」駅 徒歩10分

恵比寿通り沿いのレトロで爽やかなマンション。主張しすぎない、ブラウン系でまとめられたタイルが可愛いんです。ゆったりとした住居をお探しの方におすすめしたい物件です。車の有無にかかわらず、駐車場の契約が必須のため、車での移動が多い人に向いていると思います。



間取りは2LDK。中はす ... 続き>>>.
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ほっこり長屋でゆったりと

所在地:目黒区中目黒
14万円 / 42.96平米
日比谷線・東急東横線「中目黒」駅 徒歩12分

落ち着いたエリアに立つ、築50年が経過した長屋の真ん中の区画。10年前に改装された暮らしやすそうな間取りの室内は、ほどよくレトロ感が残っていて、ほっこりとした気持ちになります。



最寄りの駅からは少し歩きますが、中目黒駅と目黒駅がどちらも使える立地が魅力です。自転車があれば恵比寿 ... 続き>>>.
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グッドビューを手に入れて【スケルトン】

所在地:横浜市磯子区汐見台
550万円 / 46.91平米
京急本線「屏風浦」駅 徒歩9分

バーンと目の前に広がる眺望を存分に楽しめる、団地の最上階。その清々しさに、思わず「おお!」と声が出てしまいました。



現況は自分好みの内装に仕上げられるスケルトン状態。間取りについては、部屋の南北を構造壁が分けていますが、クセがなく使いやすそう。お風呂や洗面などの水まわりは玄関を ... 続き>>>.
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光差し込むタウンハウス

所在地:中野区沼袋
24万8,000円 / 117.21平米
西武新宿線「沼袋」駅 徒歩4分

カクカクしたフォルムが可愛らしい、古き良きタウンハウス。経年の趣を感じながらも、ていねいに住まわれてきたこの雰囲気、ワクワクします。



L字型の大きな窓が開放感のあるリビングは、ヘリンボーン柄の床がクールな雰囲気。落ち着いた濃い色のフローリングに光が差し込み、自然光の気持ちのいい ... 続き>>>.
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駅横スタイリッシュ【メゾネット】

所在地:横浜市青葉区荏田北
11万7,000円 / 51.07平米
東急田園都市線「江田」駅 徒歩1分

江田駅の真横にある物件のご紹介です。外観はシャープさが際立ち、コンクリートのスクエアなボリュームに付いているのは窓だけという潔さ。江田駅を利用する方であれば、一度は見たことがある建物ではないでしょうか。



室内も同じくスタイリッシュな印象のメゾネットです。上の階(3階)に洋室と水 ... 続き>>>.
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グッドな倉庫で新たな店を

所在地:世田谷区若林
42万9,000円(税込) / 143.24平米
世田谷線「松陰神社前」駅 徒歩6分

年々すてきな店が増え、盛り上がりを見せる松陰神社前駅。昔から住民に愛されている店と、バランスよく新旧が入り混じるこの街は、歩くたびに新たな発見があって、なんだかワクワクしてきます。



今回募集する物件は駅前の商店街を抜け、落ち着いた住宅街に位置するマンションの1階部分。決して人通 ... 続き>>>.
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グッドな倉庫で新たな店を

所在地:世田谷区若林
42万9,000円(税込) / 143.24平米
世田谷線「松陰神社前」駅 徒歩6分

年々すてきな店が増え、盛り上がりを見せる松陰神社前駅。昔から住民に愛されている店と、バランスよく新旧が入り混じるこの街は、歩くたびに新たな発見があって、なんだかワクワクしてきます。



今回募集する物件は駅前の商店街を抜け、落ち着いた住宅街に位置するマンションの1階部分。決して人通 ... 続き>>>.
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俺たちの畑

所在地:足立区西新井
8万円 / 34.78平米
日暮里舎人ライナー「谷在家」駅 徒歩3分

それぞれ独立した住居部分とは別に、建物前の畑と、共用のリビング・キッチンスペースが使える物件です。共用、というワードが出るとシェアハウスと勘違いされがちですが、違います。これもまた、魅力的な暮らし方のひとつ。



建物に関わる人たちが、ただ住む以上に豊かな関係を築いてくれたら、とい ... 続き>>>.
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コロナ禍で犯罪も変化。おうち防犯をアップデートしよう

新型コロナウイルスの影響で、テレワークのための在宅時間が増えるなど、今までと違う暮らし方が浸透しつつありますが、それに伴って住まいや人を狙う犯罪も大きく変化しているといいます。今回は防犯ジャーナリストの梅本正行さんに、犯罪手口の変化と防犯対策を聞きました。
マスクの着用や在宅時間の増加を利用した犯罪が増加中

2020年、新型コロナウイルスの影響で、かつてないほど暮らしが変わりました。防犯ジャーナリストの梅本さんは、この変化と犯罪の影響について以下のように指摘します。

(1)マスクをしている人が増え、警戒が難しい

新型コロナウイルス対策で、マスクをしていることが当たり前になりました。犯罪の下見をしていても人相がばれにくく、周囲に怪しまれにくいため、犯罪を企てる人にとっては好都合なのだといいます。「現在、世界中で課題となっています」(梅本さん、以下同)

ただ、新型コロナウイルスの対策として、当面、マスクは手放せそうにありません。
「常日ごろから周囲をよく観察し、周辺に見たことのない人物はいないか警戒をしましょう。歩きながらのスマホはやめ、イヤホンははずし、バッグは道路の反対側に持つなど、『警戒しているぞ』という気配を出し、生活の仕方を工夫することで、犯罪に巻き込まれる可能性を下げられます」

家に帰宅するとき、また家を出るときにも同様の「警戒心」が大事になるそう。
「マンションでは、共用廊下のくぼみなどに潜んで待ち伏せし、出社時に玄関扉があいたスキを狙って、部屋に押し入った事件がありました。玄関扉を開閉するときは緊張感を忘れずにいたいですね」

アパートの内廊下の写真

マンションやアパートでは、玄関扉を開閉するときはいっそう注意したいところ(画像/PIXTA)

(2)在宅時間が増え、特殊詐欺・訪問盗も増加中

外出自粛で高齢者の在宅時間が増加し、高齢者が孤立したところに、特殊詐欺やなりすまし詐欺の電話が入ることが増えました。また、新型コロナウイルスに便乗した検査や還付金詐欺、ガスなどの点検を装って家を訪れる「訪問盗」も多発しています。

「高齢者だけで暮らしているのであれば、固定電話を【出ても良い。出ない方が良い。がランプの色で分かる】という防犯電話機能付きに機種変更しておきましょう。高齢者がその場で判断をしなくてよくなり、それだけ犯罪に巻き込まれずに済みます。また、自宅に点検が来たとしても、玄関の外で待ってもらい、会社・役所に電話をして本当に点検の予定があるか確認すると伝えたり、実際に電話をして確認するとよいでしょう。本物の業者なら必ず待っていてくれます。怪しいなと思ったら、とにかく施錠・ドアガードをかけた状態を徹底して、対応するようにしましょう」

昔ながらの物件の玄関では、互い違いの「引き戸」になっていることも多いはず。その場合は片方の扉に施錠し、施錠していない方の戸のレールに戸1枚分の横幅より少し短い棒を置いて「突っ張り棒」のような状態として、「ドアガード」を自作するのがおすすめだといいます。

引き戸の写真

引き戸は、突っ張り棒を使ってドアガードを自作することもできる(画像/PIXTA)

(3)宅配便やデリバリーサービスが当たり前に

買い物を避けるため、通販やデリバリーサービスを使う人が増加し、マンションでも一戸建てでも、配送業者が敷地に入っても怪しまれにくい状況が続いています。前述の通り、訪問盗も紛れ込みやすく、また、敷地内に置いた荷物(いわゆる置き配)を狙った犯罪も増えているそう。

「宅配ロッカーを利用するなどして、建物内に外部の人間が入れないようにするほか、荷物は配送時間の事前通知や写真による配送完了通知などの防犯対策を。対面で荷物を受け取りたくない人は、配達通知があったらすぐに荷物を受け取るなどすれば、盗難被害を防げます。デリバリーだからといって安心するのではなく、警戒心を持って、ドアガード越しに『そこに置いてください』といい、帰ったあとに食品や荷物を受け取る方法も有効です」

また、上記にあげた以外の変化として、感染を恐れてレンタカーやカーシェアリングで移動する人が増えた点をあげ、「今までレンタカーを利用する人は限定的でしたが、今では当たり前となりました。犯罪やその下見にレンタカーを使うケースは以前から多かったのですが、利用者が増えたことで、近くに「わ」ナンバーの車が停まっていても警戒しにくくなった、こうした変化も、犯罪の取締りを難しくしています」(梅本さん)

ちなみに、最近では交通系ICカードをお財布に入れている人が多いため、バッグの手に取りやすい場所にお財布があることが多く、スリの標的になっているとか。
「スマホやICカードで、決済する人が増えましたが、これもお財布と同じ機能を持つため狙われています。注意してほしいですね」

カバンの中を探す人

最近では、お財布やスマホ、ICカードなどがかばんのとりやすい場所にあるため、スリの標的になっている(画像/PIXTA)

在宅時間が増えたのは子どもも同じ。どうやって守る?

(4)子どもだけの在宅を狙った犯罪も

在宅時間が増えたのは、大人だけでなく子どもも同じです。また、「買い物は最少人数で」と呼びかけられていることもあり、子どもだけの「留守番」も増加しているため、その時間帯を狙った犯罪者もいるそう。

「子ども狙う犯罪は、家だけでなく周囲に大人がいる・大人の気配がするだけで防げるもの。子どもだけで留守番させるときは、『今、お母さん(お父さん)は、手が放せないのであとにしてください』と言わせましょう。よく『居留守』を使って、無視しなさいという人がいますが、すると犯罪者が留守だと思って侵入することも。そこで、インターホン越しで対応させ、『手が離せない』と言うことで、大人がいることを匂わせることができます」

最近では、スマホと自宅のインターホンを連動させる機能が付いた商品が登場しているので、外出先から親が対応するという手段もよいでしょう。実は、子どもを狙った犯罪を企てるのは、見知らぬ人ではなく、近所の人など顔を見知っている人が多いのです。

「昔、言われた『知らない人についていかない』では対策になりません。『家を一歩出たら、家族以外についていってはダメ』と言い聞かせましょう。また、被害にあっても、子どもは親に怒られると思って話をせずに、被害が拡大するケースも。日ごろから親子でなんでも話せるような親子の信頼関係が大切です」

話し合う親子

子どもは被害を話すと親に怒られると思い、言い出せずにいることも。日ごろから何でも話せるような、親子の信頼関係が大切(画像/PIXTA)

(5)子どもがインターネットに接する時間が増えた

自宅で過ごすことが増えた子どもたちは、デジタルネイティブ世代で、ネットやネットゲームがあるのは当たり前です。そこで悪意を持った大人と接触し、事件や事故に巻き込まれることもあるといいます。

「子どもがスマホやタブレット端末、ゲーム端末で何をしているか、知らない…。残念ながらよく聞く話です。また、親が使っていたお古のスマホをアプリも入れたまま与える人もいるようです。さらに、携帯各社が用意するフィルタリング機能や利用制限などの見守り機能を活用できておらず、外部の人と接触してしまい、言葉たくみに連れ出されることも。親がITリテラシーを高めて、子どもが使えない環境にしておきましょう」

内閣府もフィルタリングについては、万能でないとしつつも「親子でフィルタリングの特徴や機能を正しく理解して、インターネットの利用ルールについて考えて」と推奨しています。機能だけでなく、ルールやマナーについて話し合っておく・話せる環境にしておくというのがよさそうです。

犯罪を企てる人は衝動的に行動するのではなく、意図を持って・念入りに準備し、油断したスキをたくみについてくるといいます。
「今回、解説した通り、現状としてマスクやレンタカーで素性を隠しやすい、SNSで犯罪仲間を募りやすいといった側面があります。社会の状況の変化に応じて、犯罪も変化しているのです。被害に遭う前に警戒を怠らず、賢く『防犯生活』を送ってください」(梅本さん)

これから何かと慌ただしくなる年末です。「昨日まで何もなかったから平気~」ではなく、もう一度、気を引き締めて1年を締めくくりましょう。

家を手に乗せている人

時代にあわせて、家族全員で防犯対策をアップデートしていこう(画像/PIXTA)

●取材協力
防犯ジャーナリスト 梅本正行さん
一般社団法人 日本防犯学校学長。長年、警察署で署員特別教養講師を務めるなど、防犯対策のエキスパートとして知られる。防犯対策責任者の育成のため養成講座を開講。地域の防犯ボランティアや防犯住宅を造る工務店の育成を目指し全国で活躍中。近年、防犯アパート・マンションの普及に力を注いでいる。テレビ出演等を通じて予知防犯対策を提唱している

ギャップを楽しめる家

所在地:世田谷区北沢
13万8,000円 / 33.99平米
小田急線・井の頭線「下北沢」駅 徒歩8分

地重視の方に見てほしい、笹塚駅と下北沢駅からどちらも徒歩8分圏内とアクセスがいいデザイナーズ木造アパートのご紹介です。



室内の床材には、珍しい凸凹感のあるモザイクタイルを1階に、木製フローリングを2階に用いることで、温かみを感じられる内装になっています。外観は無機質でスタイリッ ... 続き>>>.
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ペットと庭を眺める暮らし

所在地:渋谷区千駄ヶ谷
15万5,000円 / 50.4平米
山手線「原宿」駅 徒歩7分

原宿駅、北参道駅、明治神宮前駅まで徒歩10分圏内、3駅3路線利用できる好立地に位置する、ペット飼育も可能な低層マンション。



1階ですがマンションの共用庭に面しているため人の視線は気にならず、バルコニーの先にある共用部分の庭からは日常的に緑を感じられ、カーテンを開けて生活したくな ... 続き>>>.
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韓国文学好きの“仲間”が集う出版社「クオン」とカフェ「チェッコリ」【全国に広がるサードコミュニティ10】

近年、日本でも人気の韓国文学の翻訳書を多数発行する出版社・クオンは、カフェの運営や翻訳コンクールの開催など、出版にとどまらない取り組みで韓国文学好きのコミュニティを育んでいます。連載名:全国に広がるサードコミュニティ
自宅や学校、職場でもなく、はたまた自治会や青年会など地域にもともとある団体でもない。加入も退会もしやすくて、地域のしがらみが比較的少ない「第三のコミュニティ」のありかを、『ローカルメディアのつくりかた』などの著書で知られる編集者の影山裕樹さんが探ります。韓国語圏の本、文化を日本に紹介する出版社・クオン

映画化もされ、韓国国内で130万部の大ヒットとなった小説『82年生まれ、キム・ジヨン』が日本でも話題をさらったのは記憶に新しいですが、2010年ごろから、韓国の小説を積極的に紹介してきた出版社が神保町にある“クオン”です。名作から気鋭の作家の短編小説、コロナ禍に立ち向かった市民や医療関係者の声を集めた本など、韓国の文化にまつわる本を出版するほか、ブックカフェ「チェッコリ」には、連日韓国文学好きが訪れます。(現在カフェは休止し、書籍のみ販売)

コロナ禍にあってリアルイベントの開催は難しくなっていますが、文学のみならず映画やドラマなど、韓国コンテンツ好きの仲間たちが集まるイベントや、翻訳者を養成する翻訳スクールも人気です。またクオンではリアル店舗の運営以外にも翻訳コンクールを主催するなど、韓国文学ファンや韓国文学を紹介する人々の裾野を広げる活動を続けています。

クオンの刊行物「新しい韓国の文学」シリーズ第一弾として出版された、イギリスのブッカー賞を受賞したハン・ガンの『菜食主義者』(中央)など(写真撮影/影山裕樹)

クオンの刊行物「新しい韓国の文学」シリーズ第一弾として出版された、イギリスのブッカー賞を受賞したハン・ガンの『菜食主義者』(中央)など(写真撮影/影山裕樹)

ホ・ヨンソン詩集『海女たち』(姜信子・趙倫子訳、新泉社刊行)の刊行記念イベント(画像提供/クオン)

ホ・ヨンソン詩集『海女たち』(姜信子・趙倫子訳、新泉社刊行)の刊行記念イベント(画像提供/クオン)

広告代理店を経て出版業界に参入

クオンを立ち上げた金承福(キム・スンボク)さんは、韓国・全羅南道霊光出身。ソウル芸術大学卒業後に留学生として来日し、日本大学を卒業後、日本のインターネット関連の広告代理店に就職します。当時、金さんは『韓国.com』という、韓国の芸能、スポーツ、文化を紹介するポータルサイトを担当。そのうち、海外の取引先とやりとりしながら多言語対応のウェブサイトを制作するなど、さまざまな仕事を受けるようになっていました。

「3年くらい仕事をした後、その会社が韓国部門の仕事を辞めることになって。でもクライアントからは辞めないで欲しいと言われ、結局私がその部門を引継いで別会社を立ち上げることになったんです。不思議なことに、同じ会社の中に机もあるんだけど、別会社。当時、2000年ごろの日本はインターネット関連の仕事がどんどん増えていく時代だったので寝る暇もないほど忙しかったですね。とても儲かりましたけど(笑)」(金さん)

金承福さん(画像提供/クオン)

金承福さん(画像提供/クオン)

次第にウェブだけでなくイベントや展示会、ショールームのデザインなど大規模な仕事が増えていきました。そんな働き詰めだった2008年、リーマンショックが起こります。

「今考えれば、(本のように)在庫も抱えず返品もないわけですから、その分心配することも少ないし仕事は楽しくて仕方なかった。けれどリーマンショックで仕事が激減して、外的な要因に左右されるクライアントありきの仕事に疑問を持ち始めました。景気に翻弄されず、自分の努力次第で経営が成り立つ仕事がしたい。そこで、ウェブの会社をたたんで出版社を立ち上げました。実はずっと出版に関わる仕事がしたかったんです」(金さん)

出版社が書店を経営する理由とは?

そんな中、未経験で飛び込んだ出版業界に、金さんは戸惑いを覚えました。それまでは主に外国の取引先との仕事が多かったのですが、出版業界は印刷会社も、取次会社も書店もみんな日本人。「そのとき初めて、自分は日本にいる」と金さんは感じたそうです。そこで、いきなり出版物を刊行し始めるよりも、まずは業界との関係づくりからスタートしました。

「韓国コンテンツはどんどん盛り上がっていたので、当初は翻訳エージェントの仕事をメインで活動を続けていました。前の仕事も言ってみればウェブエージェンシーだったわけで、編集プロダクションに近いんですよ。仕事を引き受けて、校正して、翻訳をして、ウェブに載せるという仕事。私の中では繋がっているんです」(金さん)

全羅南道 羅州市にある東新大学漢医学部教授キム・ソンミン先生による3回講座「韓方的な生き方」(画像提供/クオン)

全羅南道 羅州市にある東新大学漢医学部教授キム・ソンミン先生による3回講座「韓方的な生き方」(画像提供/クオン)

2010年に入って、「新しい文学シリーズ」の刊行をスタート。当時は折しも、2002年の日韓ワールドカップ、2003年の「冬のソナタ」の大ヒット、K-POP……韓流コンテンツは追い風になっていました。でも、文学はまだちゃんと紹介されてなかった。良い作品を紹介すればきっと受け入れられると金さんは信じていました。

「韓国では有名な作家でも日本ではほとんど知られてない。読者に興味を持ってもらうため、本を出すだけではなく、日本の著名作家との対談を行ったり、読書会もたくさん開きました。でも常にスペースの問題にぶち当たるんです。そこで2015年に神保町に引越してブックカフェを開きました。書店を自分たちでやれば、好きな時にイベントができるし、読者の顔も見えるじゃないですか」(金さん)

翻訳コンクールの開催と書店のシナジー

チェッコリでは自社の本を売るだけでなく、他の出版社の本も販売しています。運営元がクオンだと知らずに来店するお客様も多いそうです。

また、チェッコリの棚の大多数は韓国の本で占められています。その数約4000冊! 文学だけでなく、絵本、漫画、人文、実用書まで幅広く扱っています。

お坊さんに学ぶ韓国の茶道―そして茶談(画像提供/クオン)

お坊さんに学ぶ韓国の茶道―そして茶談(画像提供/クオン)

「最初チェッコリを始めようと思ったとき、『誰が韓国語の本を読むんだ』って言われました。でもチェッコリでは韓国語の本が売れます。しかも、日本の本と違って海外の本は売り値を自分たちで付けられる。出版というよりは輸入販売業に近い。話題になっている本だけでなく、自分たちが紹介したいものを選んで仕入れる楽しさもあります」(金さん)

韓国関連の書籍の棚を広げたかった

ほかにも金さんは、韓国書籍が日本国内で広く翻訳されることを目指す「K-BOOK振興会」という団体を立ち上げ、おすすめ本に関する情報発信をしたり、韓国文学翻訳院との共催で翻訳コンクールを毎年開催しています。この翻訳コンクールでは、毎回2本の短編が課題として出されます。それにしても、短編2本とはなかなかハードルが高い。

「翻訳者の発掘も大切なので始めたのですが、第一回目で200人以上の応募があったんですよ。短編2本って結構なボリュームなのに、これだけチャレンジしてくれる人がいるのはすごいことです。潜在的なニーズを感じました。私たちの翻訳コンクールでは最優秀賞作はクオンで出版することにしています。課題となる短編の原書を書店で販売し、優れた翻訳を出版し販売する、出版、書店、コンクールの関係がうまく機能しています」(金さん)

第2回日本語で読みたい韓国の本―翻訳コンクールの受賞式(審査員と受賞者のトーク)(画像提供/クオン)

第2回日本語で読みたい韓国の本―翻訳コンクールの受賞式(審査員と受賞者のトーク)(画像提供/クオン)

そのうち、翻訳コンクールに応募した人たちがツイッター上で情報交換を始めます。「これ。みんなどういうふうに訳している?」などなど。この様子を見た金さんは、翻訳スクールの開講を思いつきます。

「世の中に韓国語会話のスクールはいっぱいありますが、翻訳専門のスクールってあまりないな、と閃いたんです。私たちのお客さんには韓国語教室の先生が多くいますが、翻訳専門の教室であれば先生たちと競合することもないじゃないですか」(金さん)

翻訳スクールの優れた生徒やコンクールの受賞者を、他社に紹介することもします。
金さんは繰り返し、「ニーズをつくることが大事」と語っていました。書店で「海外文学」の棚に少し紹介されるだけだった韓国文学を、それだけで棚ができるようにしたい、だから韓国語の本を翻訳する仲間を増やしたいんだ、と金さんは語ります。

文学ツアーで“仲間たち”との親睦をさらに深める

他にも、今年はコロナの影響で行けませんでしたが、金さんは「文学で旅する韓国」というツアーを毎年開催しています。30人ほどのメンバーで小説に出てくる舞台を訪れたり、作家に会いに行ったりなど、3泊4日にわたる贅沢なツアーです。

「半数くらいはリピーターで、もはやクオンや韓国文学のファンというよりは仲間ですね。そのなかのお一人は写真が趣味でいつも素敵なツアー写真を撮ってくれるのですが、韓国で写真展を開くのが夢だったそうなんです。私たちのツアーに参加した際、現地のギャラリーのオーナーと話をつけて、写真展を開くことができました」(金さん)

第一回目の「文学で旅する韓国」統営編―大河小説『土地』の作家パク・キョン二記念館の前で(画像提供/クオン)

第一回目の「文学で旅する韓国」統営編―大河小説『土地』の作家パク・キョン二記念館の前で(画像提供/クオン)

この話はもちろん、チェッコリで報告会というかたちで話してもらいました。他にも、最近ではソウル大学に留学された方が、オンラインで大学生活について話してくれたり。このように、チェッコリで開催するイベントでは “仲間”たちがホストを務めることも多いそうです。

「心がけていることがひとつあって、偉い人を呼んで聞いてもらうだけのイベントにはしない。“お客様”扱いはしない。その代わり、みなさんにも韓国にまつわる得意なことをイベントでシェアしてもらう。当日は椅子を並べるのを手伝ってもらったり、飲み物を運んだりという作業を手伝ってもらうこともあります。みなさん喜んでやりますよ。“仲間”ですから」(金さん)

今回の取材で、金さんが、「誰も損しない、みんなが幸せになる仕組みをつくるのが好き」とおっしゃっていたのがとても印象に残りました。出版社と読者、作家とファンという非対称な関係ではなく、みんなが等しく韓国の文化を盛り上げようとする“仲間”であるという感覚は、コミュニティを資産とした事業運営を考えている人にはとても大事なポイントだと思います。クオンの場合、ひとりひとりのお客さんだけでなく、書店、他の出版社、韓国の政府機関など、さまざまなステークホルダーと競合することなく協働するところにその姿勢が見て取れます。

クオンやチェッコリは、韓国と日本の文化交流を促進するうえで貴重な場だと思いますし、そこに集う“仲間”たちの結びつきは今後もさらに強まっていくことでしょう。韓国ドラマやK-POPから韓国カルチャーに興味を持った人はぜひ、一度チェッコリに訪れて文学にもハマってみませんか?

●取材協力
CUON

流れゆく川を眺めて

所在地:中央区新川
13万5,000円 / 38.88平米
東西線・日比谷線「茅場町」駅 徒歩9分

ゆったりと流れる川を眺める暮らしはいかがでしょうか?



ベランダはもちろん、室内からも隅田川ビューを味わえます。ちょっとぼーっとしたい時ってありますよね。そんなときはバルコニーでコーヒーでも飲んでひと休みしましょう。



室内は約5.8畳の洋室と約8.5畳のダイニングキッチン。間に ... 続き>>>.
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洗濯して、部屋でゴロゴロ

所在地:中野区中野
11万3,000円 / 28.2平米
中央線「中野」駅 徒歩5分

今回の募集にあたりリフォームした室内。壁紙や床、ドアや窓のサッシを新しくしました。フレッシュで気持ちがいいです。水まわりも新調されました。



南向きの角部屋で室内は明るく、ほっとするような心地のよさ。ぬくぬくゴロゴロしたくなりました。



収納は十分なサイズ感のものがついています。 ... 続き>>>.
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代官山シンプル暮らし – 角部屋 –

所在地:渋谷区代官山町
15万6,000~16万7,000円 / 44.55~51.86平米
東急東横線「代官山」駅 徒歩8分

代官山と渋谷のちょうど中間あたりに位置するマンション。間取りが使いやすく、代官山の街を見渡せる部屋をご紹介します。



今回の募集は4区画。内装、間取りはほぼ同じですが、7、8階は角部屋につき南西側にも窓がついており、少しだけ広くなります。



フローリングは嫌な印象がなくシンプルな ... 続き>>>.
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生まれ変わった大先輩

所在地:墨田区東向島
12万9,000円 / 45.54平米
東武伊勢崎線「東向島」駅 徒歩7分

★賃料が下がりました★



下町らしい風景の細路地を抜けた、角地に立つ戸建て。



この地に立ってから約81年の「大先輩」は、街の風景と調和しながらも、明らかに周りとは違う風格を身にまとい、力強く生まれ変わりました。



家の戸を開けるとまず目に飛び込んでくる、吹き抜けの土間とワイドな ... 続き>>>.
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コロナ禍で仕事も暮らしも丸ごとデザインし直す“クラシゴト改革“が進む

コロナ禍で生活者にさまざまな行動変容が起きた。住宅にかかわる行動変容を調べていくと、「住まいの選び方」と「働き方」がまさに表裏一体と感じることが多い。そんななか、リクルートホールディングスが、「Afterコロナの”働く”と”住む”の関係性」をテーマにした、オンラインによる「コレカラ会議(第3回)」を開催した。どんな変化が起きるというのか、紹介しよう。【今週の住活トピック】
「コレカラ会議」第3回を開催/リクルートホールディングス「コレカラ会議」とは何ぞや?

例年、リクルートホールディングスでは、その年の「トレンド予測」を発表していた。SUUMOジャーナルでも、これまで度々記事として紹介してきた。しかし、世界中がコロナの真っただ中にいるなか、例年とは違う形でトレンドを予測しようとしている。

事務局の説明によると「今までの『社会における良い兆し』の発信から、一段進化して『日本の未来を“良い未来につなげる兆し”』の発信へとシフトする」のだという。すでに、仕事と教育の関係性をテーマにした第1回、婚活、仕事、進学の関係性をテーマにした第2回が開催されている。

そして第3回は、筆者の専門領域である「住まい」と、コロナ禍で表裏一体だと強く認識された「仕事」の関係性からafterコロナの“良い未来につなげる兆し”を発信する、オンラインセミナーが12月2日に開催された。

暮らし方も変わり、働く人も変わる「クラシゴト改革」が起きる

リクルート住まいカンパニー『SUUMO』編集長の池本洋一さんと、リクルートキャリアHR統括編集長の藤井薫さんによる発信の内容を整理すると、次のようになる。

まず、コロナ禍で、「働き方」が変化した。自由に「テレワーク」ができるようになったり、副業を認める企業が増えたりした。特に、テレワークは多くの人に肯定的に受け止められ、今後も何らかの形で継続すると予測される。

そうなると、勤務先に通勤するという前提が薄れるので、通勤重視で選んだ今の家に住み続ける必然性がなくなり、住む場所の選択肢が広がってくる。また、通勤時間が無くなったことで新たな時間が生まれ、その時間を、自分がやりたかったことに使えるという状況も生まれた。
まとめると、テレワークがキッカケとなり、「仕事や暮らしの自由度・裁量度」が増すという変化につながったと発表された。

第3回「コレカラ会議」の様子(撮影:リクルート住まいカンパニー広報)

第3回「コレカラ会議」の様子(撮影:リクルート住まいカンパニー広報)

藤井さんによると、コロナ禍において、自分の人生・キャリアを見つめ直した人も生まれた。人生とは何か、自分にとって幸せとは何かを見つめ直した結果、自分のやりたい暮らしを実現するために、仕事選びにおいても時間の自由度やテレワーク・副業の裁量度などが重視されるようになっている。

こうしたことから、with コロナ・afterコロナに加速すると予測されるのは、画像2のように「暮らし方」と「働き方」もともに変える「クラシゴト改革」を行う人が増えることだとしている。

第3回「コレカラ会議」資料より転載

第3回「コレカラ会議」資料より転載

「クラシゴト改革」を先取りする人も多数出現?

実は、すでにこれを先取りして、暮らし方も働き方も変えてしまった人がいるという。池本さんは7人の実践者を紹介した。

●テレワークとフレックス制を利用して、都内とワーケーションの暮らしを実現
(20代後半、独身男性の事例)
コロナ前は、IT関連会社に通勤勤務。コロナの影響でフルテレワークに変わり、誰にも会わない生活に。そこで鎌倉の実家に戻って、朝夕は趣味のサーフィンを満喫する生活に変える。都内の自宅に戻ってからも、小田原などでワーケーションしながら、サーフィンを続ける。勤務先が試験的に、自宅以外の場所でのテレワークを認めたことが大きかった。

●副業に加えてテレワークが可能になり、多拠点居住の生活を実現
(20代後半、妻と二人暮らしの男性の事例)
コロナ前は、民間気象会社に通勤勤務。副業を認めてもらい、フォトグラファーの仕事も週末にしていた。コロナの影響でテレワークが可能になり、多拠点居住を開始。平日も朝夕はフォトグラファーの仕事ができるようになり、土日は撮影に加えてさまざまな場所に行き、感性を磨けるようにもなった。多拠点居住では、住まいの定額制サービス「HafH」を利用するなど、住居費の抑制に工夫をしている。

第3回「コレカラ会議」資料より転載

第3回「コレカラ会議」資料より転載

ほかにも、テレワークが可能な会社に転職して、東京で子育てをしながら、地域おこしのふるさと副業に参画した人の事例、フルテレワークになって生まれた時間を、地元の飲食店支援などのコミュニティ活動を行った人の事例などが紹介された。

藤井さんからは、働き方を変革する企業の事例紹介があり、時間と場所の自由裁量が広がると、仕事やキャリアを変える人が出てきて、生き方そのものを丸ごとデザインし直す人が増えていくとまとめた。

最後に、オンライン会議では質疑応答の時間もあり、「これまで言われてきた“働き方改革”と今回の“クラシゴト改革”とは、根本的にどこが違うのか?」という質問があった。

それに対して、藤井さんは「働き方改革は会社の中が前提で、暮らしは関与していませんでした。新しい価値を創出する場が、生活者の体験に広がっていったという点が大きな違いでしょう」と、池本さんは「今回取材した方々は、自らがこうした暮らし方をしたいと会社に働きかけて実現していました。主権が移動したというと言いすぎかもしれませんが、会社側でなく自らが自己裁量権を拡大させているという点が違いだと思います」と回答した。

さて、筆者が見る限り、「コロナ禍でさまざまな行動変容が生じている」ことを示す調査結果は多い。テレワークを急速に導入した企業もあり、「仕事は勤務先に通勤して行う」という、これまでの常識が打ち破られる事態が起きた。この影響は大きく、自宅で仕事をする場所を確保するようになったり、通勤時間が無くなって生まれた時間を活用しようと考えるようになったりして、どこにどんな家に住むかを考え直す人も増えてきた。

加えて、コロナ禍で働き方改革が加速された。柔軟な働き方を可能にする企業が好まれるようになり、企業に勤務して安定した収入を得ながらも、働く場所や住む場所を変えようという人も出てきた。加えて、住まいの定額制などの新しいサービスが利用できるようになったり、都心の生活者を受け入れようとする地方自治体や企業があったりして、やりたいことが実現できる環境が整ってきた。

こう見ていくと、コロナによってできなくなったこともある一方で、新たに実現できるようになったこともある。これを機会に自分らしい生き方を考え直すのもよいと思う。

リモート副業×東京で秘書!長野ではまちづくりに参加 私のクラシゴト改革1

新型コロナウイルスで社会の在り様が大きく変化した現在、新たな働き方が注目されている。都市部で働く人材が、地方企業の仕事にも関わる新しい働き方「ふるさと副業」もそのひとつ。
今回は東京で会社員として働きつつ、長野県塩尻市で外部ブレーンを務める千葉憲子さんにインタビュー。経緯や仕事内容、さらに二児のママとして実感など、あれこれお話を伺った。

連載名:私のクラシゴト改革
テレワークや副業の普及など働き方の変化により、「暮らし」や「働き方(仕事)」を柔軟に変え、より豊かな生き方を選ぶ人が増えています。職場へのアクセスの良さではなく趣味や社会活動など、自分のやりたいことにあわせて住む場所や仕事を選んだり、時間の使い方を変えたりなど、無理せず自分らしい選択。今私たちはそれを「クラシゴト改革」と名付けました。この連載では、クラシゴト改革の実践者をご紹介します。ふるさと副業を考えたのは、働き方自由な会社だったから新卒で入社したのは大手メーカーのグループ商社。国内海外転勤、出張が当たり前の世界で、出産、育休を経て復帰したものの、時間=会社への貢献度になってしまうことに疑問を抱き、転職。「前職とガイアックスとではカルチャーがまったく違うので最初は驚きました」。現在は社長秘書の業務とともに、オンラインコミュニティの運営など、社内でも兼業している(写真撮影/スーモジャーナル編集部)

新卒で入社したのは大手メーカーのグループ商社。国内海外転勤、出張が当たり前の世界で、出産、育休を経て復帰したものの、時間=会社への貢献度になってしまうことに疑問を抱き、転職。「前職とガイアックスとではカルチャーがまったく違うので最初は驚きました」。現在は社長秘書の業務とともに、オンラインコミュニティの運営など、社内でも兼業している(写真撮影/スーモジャーナル編集部)

千葉さんは、東京都のIT企業「ガイアックス」の社長室で働きつつ、今年の5月より長野県塩尻市と業務委託を結び、地域課題の解決に取り組んでいる。それは、塩尻市が推進する「MEGURUプロジェクト」の一環で、副業限定の地域外のプロフェッショナル人材が地方と協働で地域の課題に取り組んでいくというもの。その中で、千葉さんはCCO(Chief Communication Officer)に就任。地域外の人と塩尻をつなぎ、関係人口を拡大していくミッションのもと、さまざまな企画立案やイベントを仕掛けている。
本業、副業ともに、「〇時~〇時まで働く」という取り決めはなく、基本成果主義。主に塩尻の業務は週末や夜などにすることが多いが、その境界線はあいまいだ。それができるのも、本業も副業も、業務はほぼリモートだから。東京で塩尻の仕事、塩尻で東京の仕事をすることもある。

「もともと、ガイアックス自体がとにかく働き方が自由な会社で、休日も自分で決めていいし、どこで働いてもいい。もちろん副業もウェルカム。リモートワークが大前提で、会社に出勤するのも週に1度程度。だから、副業を始める前も、実家のある長野県松本市に子ども2人と帰り、1カ月間実家で仕事をしていたこともあります。実際、副業、二拠点、完全リモートをしている社員も多く、私が今の働き方を選ぶのも自然な流れでした」
さらにガイアックスではライフバランスを考えて、仕事半分、報酬も半分といった交渉も可能。千葉さんの場合も、副業ありきで業務量も報酬も上司に交渉している。「トータルで考えると収入は上がりました。夫は会社員をしており、首都圏から離れることは難しく、転職や移住はハードルも高い。しかし、リモート副業なら、私の判断で挑戦できるし、自分のキャリアアップのためにも良かったと思います。夫もこの働き方を応援してくれています」

「息子たちに田舎暮らしを体験させたい」。最初はあくまでも個人的な話から

このプロジェクトに応募した理由のひとつに、子育てで抱いた疑問が大きいという千葉さん。
「私自身は長野の大自然で育ちました。それなのに、息子たち2人を、親が都会で働いているからという理由だけで、都会でしか育てられないなんて変だなと考えていました。移住はさすがに無理だけれど、リモートで副業をすることは現実的な選択だと思いました」

そこで、当初は地元、長野県松本市で地域に貢献できるような仕事はないか考えていたところ、高校時代の友人から、塩尻で外部の人材を募集している話を聞く。
「塩尻は、観光都市の松本や諏訪に挟まれた、人口6万人超のコンパクトなまち。“このままでは人口減。関係人口を増やしたい”という危機感がある分、モチベーションも高かった。規模の大きいコワーキングスペースがそろっていたり、一人の生徒が複数の学校に就学できる”デュアルスクール制度”があったり、ソフト面でもハード面でも受け入れ態勢が整っていました」

塩尻のシビックイノベーション拠点「スナバ」にて。「プロジェクトが始まってみると、市役所の人も、商工会議所の人も、いわゆる”お役所”っぽくなくて驚きでした」(画像提供/スナバ)

塩尻のシビックイノベーション拠点「スナバ」にて。「プロジェクトが始まってみると、市役所の人も、商工会議所の人も、いわゆる”お役所”っぽくなくて驚きでした」(画像提供/スナバ)

今年の夏休み、長野で過ごした子どもたち(画像提供/千葉さん)

今年の夏休み、長野で過ごした子どもたち(画像提供/千葉さん)

自分のなかの「普通」の経験が、想定以上に地域で役立つ場面も

ちなみに、外部のプロフェッショナル人材は、千葉さんのほか6人。その顔触れは国内の大企業の一線で働くビジネスパーソンばかりで、起業家として著名なインフルエンサーもいる。しかも、驚くべきは、千葉さんはお隣の松本市出身だが、他の6人は、長野県にはまったく地縁のない人なのだ。
「地方だからこそできることがあり、その地域の課題に自分の経験やスキルで貢献できたらと考える人材はたくさんいるんだなと改めて思いました。例えば観光促進のために、コンサルタントを外部の企業に依頼すれば、多額のコストがかかる上、多くの企業は契約期間が終了したらいなくなってしまう。そういう痛い体験をしている自治体は多いと思います。でも、移住ではなくリモートで副業という形なら、こうした人的財産をフル活用できるのではないでしょうか」

しかし、多くの人は「そんなに華々しいキャリアもスキルも自分は持っていないから無理」と尻込みしてしまうのでは? という質問に、千葉さんは「そんなことはありません」と即答。
「私だって普通の会社員です。でも自分が通常の業務と思っていたことも、案外、地方や役所では有難がられることも多いです。例えば、私は限られた時間で最大限の効果を出すために、自分の業務を分散し、アウトソーシングすることも多いんです。それは、私には当たり前だと思っていたのですが、地方では個人に業務が集中し、「〇〇さんにしか分からない」「〇〇さんが動けないのでそれはストップしている」という事態になることも多いんです。そんなとき、「この業務のこの部分は別にこの人でなくてもいいのでは?」と整理し、スピードを上げていくのも私の役目。本業での、なに気ない仕事のアレコレが思いのほか役立つことが多いと実感しています。もちろん、逆に塩尻での気づきが本業に役立つことも多々あります」

(写真提供/千葉さん)

(写真提供/千葉さん)

コロナ禍の不自由も逆手にとる。オンラインでのコミュニティづくりが進んだ

募集自体はコロナ禍の前で、現在は、当初の予定とは変更を余儀なくされた部分も大きい。
「今はオンライン上でのコミュニティが主です。もともと塩尻にはなんの縁もなかった人が、トークイベントのゲスト目的で参加し、興味を持ってもらうなど広がりを見せ、今では塩尻市の「関係人口創出・拡大事業」でのオンラインコミュニティ『塩尻CxO Lab』という形に。さらに、実際に地元の中小企業で複業するなどのもっとコアに地域課題に参加していただく有料会員も定員以上の応募が集まりました。この状況下で制約は多いけれど、リモートやオンラインの動きが一気に加速し、距離を感じなくなったことはプラスですね」

千葉さん本人にも副産物はあった。「オンラインイベントでのファシリテーションを何度も務めるうち、スキルが上がったと思います。参加してくださる方には、こうしたオンライン上に慣れていない方もいます。本業とは違うデジタル環境のなか、場数を踏んだことで突発的なトラブルに対応できるようになりました」。その結果、現在は、本業、副業とは別に、こうしたファシリテーションを仕事として引き受けることもあるそう。

オンラインイベントの様子。「いつかはみんなで塩尻ツアーをしたいですね」。今はオンラインだけど、いつかリアルで会えたらどんなに楽しいか、今からワクワクしています」(写真提供/千葉さん)

オンラインイベントの様子。「いつかはみんなで塩尻ツアーをしたいですね」。今はオンラインだけど、いつかリアルで会えたらどんなに楽しいか、今からワクワクしています」(写真提供/千葉さん)

毎年秋に行われる「木曽漆器祭」は、今年はオンラインで。リアルなワークショップが実施できないからこそ、普段は入ることができない各工房の中の様子を配信。千葉さんはレポーター役として活躍(写真提供/千葉さん)

毎年秋に行われる「木曽漆器祭」は、今年はオンラインで。リアルなワークショップが実施できないからこそ、普段は入ることができない各工房の中の様子を配信。千葉さんはレポーター役として活躍(写真提供/千葉さん)

ワーケーションがもっと進めば、暮らしはもっと豊かになる

もちろん課題もある。「私が長野で仕事をする間、子どもたちは松本の実家の両親たちが預かってくれましたが、それができない人も多いはず。子どもがいる人でも二拠点生活が可能なように、預け先の確保は課題です。また小学校に入ると子どもたちも長野に行けるのは長期の休みだけ。親も二拠点で働き、子どもも二拠点で学ぶことができれば、二拠点や副業がもっとスムーズになるのではと思います」
特に、首都圏からのアクセスのしやすさから、山梨、長野は二拠点目としてのポテンシャルが高い。「例えば甲府から松本までのエリアが“ワーケーションベルト”として、コワーキングスペースを充実させて、旅をしながら仕事をしてもらえるなど、相乗効果で盛り上がったらいいですね」
今後は、地域外の人材を地域に活用するこの塩尻の試みを、他の自治体へ広げていきたいと考えているそう。
「同じような課題を持つ地方は多いはず。何かしら地域に貢献したいと考えている人は多いので、受け入れ側の意識が変われば、塩尻のフォーマットが他の地方自治体にも応用可能だと思います。それが今のところの野望です」

●取材協力
株式会社ガイアックス
MEGURUプロジェクト

渋谷が拠点!

所在地:渋谷区南平台
5,780万円 / 66.48平米
山手線「渋谷」駅 徒歩8分

★価格が下がりました★



どこへ行くにも便利な南平台。渋谷駅へのアクセスはもちろん、代官山、中目黒が徒歩で行けてしまう都会的な立地。華やかな街の印象でありながら、意外と近くにスーパーもあったりして生活に必要なものはちゃんとそろう環境です。



内装は2013年にリノベーション済み。 ... 続き>>>.
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風が通るメゾネット

所在地:国立市北
4,870万円 / 71.36平米
中央線「国立」駅 徒歩3分

駅近で広々リビングとルーフバルコニーのある暮らし、いかがでしょう?



質感の良い漆喰(しっくい)仕上げの壁に、光がよく入り、風通しの良い室内。決して細部までつくり込まれた内装ではないですが、余白があり何となく居心地のいい空間です。これくらいが、ちょうどいいのかも。



間取りは2階 ... 続き>>>.
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落ち着くグレイッシュビル

所在地:中央区日本橋蠣殻町
38万5,000円(税込) / 69.44平米
半蔵門線「水天宮前」駅 徒歩3分

茅場町駅から徒歩4分ほどのオフィス街に潜むレトロビル、最上階のご紹介。うれしいことにフリーレントが4ヶ月つきます。



外観がグレーのビルはたくさんありますが、こちらのビルは新しいビルには醸し出せない渋さや落ち着きを感じます。なんだかダンディーなイメージ。



さて、室内については部 ... 続き>>>.
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ポカポカしてねむくなる

所在地:杉並区浜田山
12万3,000円 / 36平米
井の頭線「西永福」駅 徒歩3分

既に東京R不動産でもたくさんご入居いただいているこのマンション。毎回退去前に申し込みがあり、早急に募集が終了してしまう人気の物件です。



このマンションがあるのは、穏やかな街「西永福」。閑静な住宅街が広がっていて、スーパーや小さい商店街もあります。そりゃ季節にもよりますが、ポカポ ... 続き>>>.
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「東京駅」まで60分以内、中古マンション価格相場が安い駅ランキング 2020年版

「新しい日常」への移行を一気に迫られた2020年。テレワーク化が進み、通勤しない日が増えたという人も多いだろう。生活様式が変わったことで住まいに対する考え方にも変化が起き、「通勤時間が多少かかっても、広さを重視して住まい探しをしたい」という人も増えているようだ。
そこで、いつもは「主要駅まで30分以内」の価格相場を調べている当連載「中古マンション相場ランキング」においても、今回は調査範囲を広げて「東京駅まで60分以内」にある駅の価格相場を調査してみた。駅徒歩15分以内にある、ファミリータイプの中古マンションの価格相場が安かった駅のトップ10を紹介したい。
●東京駅まで60分以内の価格相場が安い駅TOP10
1位 七里 1050万円(東武野田線/埼玉県さいたま市見沼区/51分/1回)
2位 桶川 1385万円(JR高崎線/埼玉県桶川市/50分/0回)
3位 北本 1400万円(JR高崎線/埼玉県北本市/55分/0回)
4位 白井 1515万円(北総線/千葉県白井市/50分/2回)
5位 元山 1535万円(新京成線/千葉県松戸市/47分/1回)
5位 天王台 1535万円(JR常磐線/千葉県我孫子市/43分/0回)
7位 三郷 1580万円(JR武蔵野線/埼玉県三郷市/45分/2回)
7位 流山 1580万円(流鉄流山線/千葉県流山市/56分/2回)
9位 北柏 1590万円(JR常磐線/千葉県柏市/44分/1回)
10位 村上 1730万円(東葉高速鉄道/千葉県八千代市/53分/1回)

コロナ禍で住まいの選択肢が広がった(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

リクルート住まいカンパニーでは今年5月、住宅の購入・建築・リフォームを考えている人に対し、検討する物件に関する調査を実施(「コロナ禍を受けた『住宅購入・建築検討者』調査(首都圏)」)。今回と前回(2019年12月実施)の調査結果を比べてみると、意識の変化が浮かび上がってくる。通勤時間に対する意向を尋ねた設問では「徒歩・自転車で15分以内」と回答した割合が前回より7ポイント減少し(35%→28%)、「公共交通機関で31分超60分以内/60分超」と回答した割合が10ポイント増加(24%→34%)。また、「住まいの広さと駅からの距離、どちらを重視するか」では、広さ重視派が10ポイント増加(42%→52%)。つまり、住まいから駅や勤務先まで離れていてもいいと考える人や、住まいの広さを重視する人が増加していたのだ。

ということで、これまでなら都内に勤務することを考えると「ちょっと遠いな」と住まい探しの選択肢から外していた「東京駅まで60分以内」のエリアを、検討対象にする人も増えたのではないか。そんな考えのもとで行った今回のランキング結果は上記リストの通り。ランクインした駅について見ていこう。

大宮まで4駅、再開発が進行中のさいたま市の駅が1位に

1位は埼玉県さいたま市に位置する、東武野田線・七里(ななさと)駅。価格相場は1050万円で、2位以下よりもぐっとリーズナブルな結果となった。東京駅へ向かうには東武野田線で4駅・約10分の大宮駅に行き、そこからJR上野東京ライン直通のJR高崎線またはJR東北本線に乗り換えると計50分少々で到着する。この経路の列車は7時・8時台に加え9時台にも何本も走っており、時差通勤が推奨されている状況でも比較的無理なく乗ることができるだろう。

七里駅は現在、駅舎の改修が進行中。2023年度中の完成を目指して、橋上駅舎化と、駅北側からのアクセス性が向上する南北自由通路の整備が行われている。また、駅北側の再開発も進められており、将来的には北口駅前広場ができるほか、公園や幹線道路の整備も計画されている。

七里総合公園(写真/PIXTA)

七里総合公園(写真/PIXTA)

現在の七里駅周辺はというと、商店は主に駅南側に集中。駅から徒歩約15分圏内に、スーパーにドラッグストア、ホームセンターのほか、子ども用品を扱う「西松屋」も。芝生広場や花畑があり野菜の朝市も開かれる駅北側の「さいたま市春おか広場」や、大型遊具やアスレチックを備えた駅南側の「七里総合公園」など、子どもがのびのびと遊べて大人の息抜きにもぴったりな公園も点在している。のんびりと暮らすにはいい街だろう。

JR上野東京ラインで東京駅まで1本で行ける駅にも注目

2位以下の駅は埼玉県と千葉県からランクイン。そのうち東京駅まで乗り換えせずに行けるのは、2位のJR高崎線・桶川駅と3位のJR高崎線・北本駅、5位のJR常磐線・天王台駅。この3つの駅に共通するのは、JR上野東京ラインへと乗り入れるJR高崎線またはJR常磐線の停車駅だという点だ。JR上野東京ラインは東京駅と上野駅を経由した後、JR高崎線・宇都宮線・常磐線の各線に分岐していく。そのため埼玉県、栃木県、千葉県と都心部がダイレクトにアクセス可能になり、2015年の開業時は話題を集めたものだ。

2位の桶川駅と3位の北本駅はJR常磐線の隣り合う駅。桶川駅のほうが東京駅寄りで、東京駅までは約50分で行くことができる。桶川はかつて中山道の宿場町として栄えた歴史ある街であり、今も残る古い土蔵や蔵造りの商家といった宿場町の面影を訪ねて観光客もやって来る。

春の城山公園(写真/PIXTA)

春の城山公園(写真/PIXTA)

桶川駅西口とペデストリアンデッキで結ばれたショッピングセンター「おけがわマイン」など、暮らしを支える施設も充実。同ショッピングセンター3階には、中央図書館、書店、カフェ、イベントスペースで構成された文化・交流施設「OKEGAWA hon プラス+」も備わっている。春は「城山公園」でお花見を楽しみ、夏は「桶川祇園祭」の御輿や山車を眺め……と、季節ごとの楽しみも多彩なので、単に住みやすい街としてだけではなく「楽しめるお気に入りの地元」として住民に愛されている。また、桶川市には中古マンションを含む住宅購入資金の貸付制度があるので、興味のある人は調べてみてはいかがだろう。

千葉県の駅で最も安かったのは4位の北総線・白井(しろい)駅で、価格相場は1515万円。東京駅へのアクセス方法は、京成本線(特急)に直通の北総鉄道(特急)に乗り、青砥駅で京成本線(通勤特急)に乗り換えて日暮里駅へ、そこからJR上野東京ライン直通のJR常磐線に乗車。すると乗り換え2回、計50分ほどで東京駅にたどり着く。2回も乗り換えるのを避けたい場合は、所要時間が10分ほど増えるものの乗り換え1回で東京駅まで行ける経路も選択できる。

白井駅は千葉ニュータウンとの呼び名で宅地開発された区域の一角をなす、千葉県白井市に位置。駅を中心に計画的に整備されただけあり、整然とした街並みが広がっている。駅から北に徒歩10分ほどの市役所には警察署の分庁舎が併設され、周辺には病院や消防署など生活に欠かせない施設が集結。広大な芝生広場や散策路、遊具広場がある「白井総合公園」と、図書館と郷土資料館、プラネタリウム館、さまざまなイベントが行われる文化会館を備えた「白井市文化センター」も、市役所に隣接している。

千葉ニュータウンの様子(写真/PIXTA)

千葉ニュータウンの様子(写真/PIXTA)

白井市は「住みやすく・子育てしやすい街」を目指して街づくりに取り組んでおり、今年4月には複合型保育施設「白井市幼稚園等送迎ステーション」を開設した。これは幼稚園の開所時間と保護者の就労時間のミスマッチを解消するための施設だそう。保護者に送り届けられた子どもたちは、幼稚園開所時間外の朝夕は送迎ステーションで過ごし、日中は幼稚園バスの送迎で通っている幼稚園へ。さらに、子どもが幼稚園にいる日中の送迎ステーションは、保育所や幼稚園に通っていない子どもでも利用可能な一時預かり、小規模保育施設としても機能している。また、この保育施設がある一帯は複合商業エリア「フォルテ白井」として整備され、スーパーにドラッグストア、100円ショップ、衣料品店、クリーニング店とコインランドリーが建ち並び、先日の「カレーパングランプリ2020」で最高金賞を受賞したベーカリー「ピーターパン」の支店もある。

今回ランクインした駅は東京駅まで50分前後の立地が多く、都心へのアクセスを重視して住まい探しをする場合は候補地から外される場合もあるだろう。しかし、それぞれの街について見てみると、のびのびと暮らしやすそうだったり子育て支援に力を入れていたりと、生活の質という面からすれば魅力的な特徴も備えている。

これまでとは生活様式がガラリと変わったことで、人々の意識にも変化が生じている。住まいに対する考え方、価値観も例外ではない。今の自分にとって真に心地よい住環境とはどんなものか、改めて考えてみてはいかがだろう。そうすることで、よりしっくりとくる住まいが見つかるかもしれない。

●調査概要
【調査対象駅】東京駅まで電車で60分圏内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数40年未満、敷地権利は所有権のみ、間取り3K、3DK、3LDKタイプ(2sLDKを含む)以上
【データ抽出期間】2020/6~2020/8
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2020年8月31日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載