6つの庭がある平屋

所在地:千葉県松戸市秋山
7,490万円 / 117.64平米(建物) 337.71平米(敷地)
北総線「秋山」駅 徒歩4分

□価格が下がりました!



千葉県松戸市秋山の、山口誠デザインによる「カフェを併設した平屋」



2010年にオーナーの住居兼カフェとしてオープンしたこの建物。建築当時は雑誌などにも多く取り上げられました。



ホームベース型の敷地に十字形の平屋を配置し、建物中央のパティオと合わせて、 ... 続き>>>.
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欲張りなリビング

所在地:渋谷区広尾
6,800万円 / 103.68平米
山手線「恵比寿」駅 徒歩8分

広尾に立つレトロマンションのリノベーション済みの一室。開放感あふれる約28畳のリビングダイニングが、何とも魅力的です。



リビング室内からも見える緑は、南東側隣地の借景。日当たりもよく、気持ちがいいんです。



天井は抜いて白塗装、床はフローリングで、王道の組み合わせ。



また、階 ... 続き>>>.
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上原でスマートに暮らす働く

所在地:渋谷区西原
21万円 / 50.57平米
小田急線・千代田線「代々木上原」駅 徒歩10分

代々木上原の閑静な住宅街に、面白いデザイナーズマンションがどっしり構えています。長谷川逸子氏が設計を手掛けた、事務所も可能の1LDKをご紹介します。



建物はブロックを組み合わせたような見た目をしています。コンクリートのらせん階段を中心に、四方に各区画を配置し、隣と接しないように ... 続き>>>.
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桜新町、いい気分。

所在地:世田谷区新町
7万6,000円 / 26平米
東急田園都市線「桜新町」駅 徒歩3分

※女性1名限定 



桜新町の大通りからスッと入ったところにある、レトロで小さなマンションの部屋の紹介です。



南向き角部屋で日当たりがよく、日中は照明いらず。周囲は戸建てが並ぶエリアで、ベランダからの眺めもスッーっと抜けていて気持ちがいい。天気がよければ南西の方角に富士山が見えま ... 続き>>>.
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商店街で小商いを

所在地:大田区南久が原
16万5,000円(税込) / 55.06平米
東急池上線「久が原」駅 徒歩1分

久が原駅すぐの、久が原栄会商店街に位置する店舗付き住宅。



約10畳の店舗スペースがあり、天井高は2.66mと高め。シャッターを開ければ一面ガラス戸になっているので、通りからの視認性も高いです。ちなみに飲食店は不可。



1階にキッチンや浴室などの水回りがまとまっており、2階には洋 ... 続き>>>.
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ちょうどいいリノベオフィス

所在地:渋谷区千駄ヶ谷
21万1,090円(税込) / 43.6平米
副都心線「北参道」駅 徒歩5分

フローリングと塗装の壁。すごく特別な内装!というわけではありませんが、シンプルで素材感のある雰囲気は、自分たちのカラーを生かす空間づくりにちょうど良さそう。マンションの一室といえどしっかりオフィス仕様なので、お客さんも呼びやすいです。



事務所の他、予約制の教室やショールームなど ... 続き>>>.
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車好きへ、庭付きワンルーム

所在地:品川区北品川
11万9,000円 / 40.06平米
京急本線「北品川」駅 徒歩8分

無料の駐車場と専用の庭がついた、広さ約15畳のワンルーム。



室内は2面採光ですが、東側には建物があり光が遮られています。風通しはよく、窓を開けていると心地よいです。



注意点としてはクローゼットなど大型の収納がないので、ご自身で服用のラックなどをご用意いただく必要があること。

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レトロビルで始める

所在地:墨田区東駒形
14万9,600円(税込) / 51.6平米
都営浅草線「本所吾妻橋」駅 徒歩5分

レトロな外観のビルの1階。古い建具が残っていて、なんだか懐かしさを感じます。



可能な用途は事務所、店舗。飲食店は不可です。



1階は小上がりがあり、ゆるく空間を区切れそうです。小上がりの床材は、畳とフロアタイル。地下1階は天井高1.84mとかなり低いため、倉庫などにするのが良さ ... 続き>>>.
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愛しの代々木ライフ

所在地:渋谷区大山町
13万円 / 32平米
小田急線・千代田線「代々木上原」駅 徒歩9分

外壁の白いタイルがぱっと目を引く、愛らしいマンション。抜けた眺望があるわけではないけれど、隣の敷地の緑がちらりと見えて、風が抜けます。



間取りは1K。クローゼットの前にベッドを置けば、家具の配置がイメージしやすいつくり。収納も一人暮らしであれば問題ないかと。



キッチンは正面に ... 続き>>>.
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散歩は代々木公園へ

所在地:渋谷区代々木
25万円 / 113.26平米
小田急線「参宮橋」駅 徒歩9分

ナチュラルな質感で、さまざまな暮らしのかたちにフィットしそうな間取りが特徴の戸建て。



まずは注意点から。周囲を建物に囲まれていて隣との距離が近いため、開口の先に抜け感を求める人には向きません。



室内は窓が天井まで届くようにつくられていたり、壁の上部をガラスにしたりすることで効 ... 続き>>>.
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デザインちょっと

所在地:世田谷区上馬
13万円 / 36.6平米
東急田園都市線「三軒茶屋」駅 徒歩7分

シンプルだけど、ちょっぴりひねりの効いたデザインがいい。そんなワンルームをご紹介します。



壁・天井のベースはコンクリート打ち放し。片側の壁は白く塗りあげて、開口面の壁と床は合板張りで凝りすぎず、さっぱりしたつくり。好きなデザインの机や椅子を置いたり、グリーンを置いてみたり。自分 ... 続き>>>.
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親水公園ビューを楽しもう!-リノベ部屋-

所在地:江東区木場
13万円 / 35.78平米
東西線「木場」駅 徒歩8分

木場親水公園1列目のマンションの一部屋をご紹介。東側の窓やバルコニーからは、公園ビューを楽しめます。2面のバルコニーにくわえ窓も多いので、スッと風も通ります。



窓際にはカウンターがあり、ここで仕事をしたり、コーヒーを飲んでゆるりとリラックスする暮らしの想像がつきます。



さらり ... 続き>>>.
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てんこ盛りのガレージハウスwithペット

所在地:川崎市高津区北見方
16万8,000円 / 63.34平米
東急田園都市線・東急大井町線「二子新地」駅 徒歩16分

グループサイト「toolbox」でリノベーション。垂れ壁や袖壁をとり、ひとつながりの開放的なリビングにしました。



床はアカシアの無垢フローリング、キッチンはステンレスのフローティングキッチン。アクセントで使われたグレーが渋く、かっこいいデザインです。



戸建てならではの窓の多さ ... 続き>>>.
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段差でゆるく区切られて

所在地:川崎市高津区末長
12万7,000円 / 47.8平米
東急田園都市線「梶が谷」駅 徒歩3分

落ち着いた街並みが広がる梶が谷駅から歩いてたった3分の駅近マンション。



外観はコンクリートの壁が印象的ないわゆるデザイナーズです。エントランスホールも一面コンクリートに覆われ、無機質な空間に光がうっすらと差し込むような落ち着いた雰囲気です。



室内は約47㎡のスタジオタイプにな ... 続き>>>.
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空へ溶ける

所在地:横浜市港北区篠原西町
45万円 / 139.82平米
東急東横線「白楽」駅 徒歩4分

圧巻のリビングがある物件のご紹介です。



東横線の白楽駅からほぼ真っ直ぐに進んだ住宅街に、戸建てというより美術館などに近いファサードが印象的な建物がドーンと立っています。敷地内の緑も豊かで、スクエアな建物との調和しています。



天井高がざっと6mはあろうかという吹き抜けのリビング ... 続き>>>.
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休日のウッドバルコニー

所在地:横浜市西区北幸
8万2,000円 / 25.25平米
東海道線・東急東横線「横浜」駅 徒歩8分

横浜駅西口から高島屋とシェラトンホテルの前を通り過ぎ、川沿いを歩くこと5分。右手に見えてくる小さな緑道を抜けると、今回ご紹介する物件に到着です。



6階建てのこのビルは1階が店舗、ビル内も事務所として使用されている部屋があり、程よくキリリとした雰囲気が漂います。



室内はコンクリ ... 続き>>>.
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ゆるりとひそむ-事務所可-

所在地:渋谷区恵比寿
19万円 / 44.46平米
山手線・湘南新宿ライン・埼京線「恵比寿」駅 徒歩14分

恵比寿と広尾の間の住宅街に潜む、地下空間。天井の高さが約2.7mとやや高めなのと、南側の窓から光が入るおかげで地下特有の暗く、ジメッとした印象はありませんでした。



たっぷりの日差しや、ダイナミックな眺望はないけれど、こもり感のある空間はなんだか落ち着きます。



住居はもちろん、 ... 続き>>>.
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プチレトロオフィス in 小伝馬町

所在地:中央区日本橋小伝馬町
9万円(税込) / 25平米
日比谷線「小伝馬町」駅 徒歩3分

外観や共用部にレトロな雰囲気が残る小さなビル。その中にあるシンプルなオフィスのご紹介です。



1階に植物のお店が入っている小さなレトロビル。募集するのは、3階の南側です。日当たりが良く、窓からは向かいにある旧十思小学校のレトロな外観が眺められます。



手頃なサイズに、手頃な賃料。 ... 続き>>>.
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コロナ禍で二拠点生活がブーム? “先駆け”千葉県南房総市の今と課題

コロナ禍で地方移住や二拠点生活の熱が高まるなか、首都圏からのアクセスがよく、里山と海、両方を楽しめる地域として人気が高まっている千葉県の南房総エリア。2018年12月に取材した南房総市を再訪し、ヤマナハウスの変化や当時は二拠点生活をしていた川鍋宏一郎さんのその後と、南房総市の二拠点生活者、移住支援に関わってきた市、民間団体に、現状や課題について伺いました。
二拠点生活から南房総市に家を建築、また一歩移住に近づく

2016年ごろから東京に本社のある外資系IT企業に勤めながら、家族で住む横浜市と南房総市で二拠点生活をしてきた川鍋宏一郎さん。以前、取材をした際には、二拠点生活や移住を支援するヤマナハウスに週末通いながら、DIYスキルを学んでいました。その後、ヤマナハウスの近くに借りていた家と土地を購入し、2020年に家を新築。横浜との二拠点生活は継続しているものの、自身の生活の比重は南房総市が大きくなっています。
「コロナによるテレワークで都内に出社するのは月1回程度になり、週末は南房総市で過ごすようになりました。金曜日に横浜市内の綱島から高速を使って車で約1時間20分ほどかけて来ますが、日曜日の夜に家族が帰った後に、1週間ひとりで生活することもあります。南房総市は光回線が整っているので、仕事に不便はありませんし、とても静かで集中できます」

1500~2000坪の敷地の母屋を壊して家を建てた。「30年先でも暮らせる家」をイメージしてBESSというブランドで建てた家。カタログから開放的なデザインのWONDER DEVICEのFRANKを選んだ(写真撮影/片山貴博)

1500~2000坪の敷地の母屋を壊して家を建てた。「30年先でも暮らせる家」をイメージしてBESSというブランドで建てた家。カタログから開放的なデザインのWONDER DEVICEのFRANKを選んだ(写真撮影/片山貴博)

川鍋さん一家。子どもたちは裏山を駆け回ったり、川辺で遊んだり、自然と触れ合って過ごしている(写真撮影/片山貴博)

川鍋さん一家。子どもたちは裏山を駆け回ったり、川辺で遊んだり、自然と触れ合って過ごしている(写真撮影/片山貴博)

当初から土地には母屋と納屋がふたつありました。週末に母屋をDIYで修理しようと考えていた川鍋さんでしたが、床を剥がして基礎を確認するなどした結果、自分ひとりで直すのは困難だと分かりました。二拠点目に家を建てることに不安はなかったのでしょうか。

「もともと移住を見据えて二拠点生活をしていますが、横浜の自宅と南房総の家の二重ローンになってしまうので、悩みました。古い母屋は住居として整っていなかったので、以前は家族があまり来たがらなくて。長女は現在10歳で、小学校高学年~中学生になると習い事が始まり、このままでは少ししか田舎暮らしを体験させてあげられない。DIYしている時間はないなと思いました。それに、子育てはあと10年ほど。10年後に引越さない理由がありません。いつか移住したいと思っていても、年を重ねてからDIYや農業の知識を習得するよりも、今から準備を進めた方が良い。多少コスパが悪くても36歳の今、建てようと決めました」

納屋の中は、DIYするときの作業場になっている。いずれ納屋をきれいにして友人と一緒にくつろげる場にする予定(写真撮影/片山貴博)

納屋の中は、DIYするときの作業場になっている。いずれ納屋をきれいにして友人と一緒にくつろげる場にする予定(写真撮影/片山貴博)

知人から譲り受けたパワーショベルで裏山の開墾にひとりで挑む(写真撮影/片山貴博)

知人から譲り受けたパワーショベルで裏山の開墾にひとりで挑む(写真撮影/片山貴博)

キャンプ場をつくろうとパワーショベルで傾斜をならし平地に(写真撮影/片山貴博)

キャンプ場をつくろうとパワーショベルで傾斜をならし平地に(写真撮影/片山貴博)

現在は、二拠点目に本格的に居住することで、自身や家族、周囲の理解が変化しました。

「週末にキャンプやバーベキューを楽しみに来る一時的な場所ではなく、10年後にはここに住むんだとはっきりイメージできるようになりました。よく別荘と勘違いされるんですが、私にとって、南房総市は生活の場所。子どもたちも喜んで来るようになり、妻も草刈りなどを手伝ってくれます。地元の人にも本気だと伝わり、より親切にしてもらっています。地区の賛助会員になり、共同作業をする機会も増えました」

5年間、南房総市に関わりながら、平日は仕事、週末は裏山の整備や地域の作業があり、休みがなく大変な面も。とはいえ、好きなことを思い切りできる環境が気に入っています。

「これから、伐採した木を丸太にしてウッドデッキをつくろうと思っているんです」と川鍋さんは笑顔で語っていました。

アイランドキッチンのあるリビング。経年変化が楽しめる木の床材や壁材をふんだんに使っている(写真撮影/片山貴博)

アイランドキッチンのあるリビング。経年変化が楽しめる木の床材や壁材をふんだんに使っている(写真撮影/片山貴博)

「金曜の夜に車で来て、薪ストーブをつけてビールを開けると、1週間が終わったなとほっとします」と川鍋さん(写真撮影/片山貴博)

「金曜の夜に車で来て、薪ストーブをつけてビールを開けると、1週間が終わったなとほっとします」と川鍋さん(写真撮影/片山貴博)

自然豊かな場所で暮らせる一方で、仕事や家探しに課題も

内房の東京湾、外房の太平洋に面した海岸エリアと里山のある丘陵エリアがある南房総市。豊かな自然に惹かれ、移住先として注目されていますが、二拠点生活や移住の状況はどうなっているのでしょうか。移住支援を行っている南房総市役所企画財政課の山口幸弘さんに伺いました。

「住民票で確認できない二拠点生活者の把握は難しいのですが、Uターン、Iターンの移住が増えています。なかでも30、40代のIターンが多い印象です。移住前に登録してもらっている空き家バンク協議会の希望者は昨年の2倍以上。興味のある人は確実に増えていると感じています」

市として、無料でお試し移住ができるトライアルステイを実施。海が見えるエリア、里山エリア、都心から好アクセスなエリアの3地区に分かれて滞在するなかで、南房総市を肌で感じてもらう取り組みです。例えば、農業に関心のある参加者の場合、地域おこし協力隊員が同行し、地元の農家で農作業が体験できます。昨年は20家族を受け入れました。

丘陵エリアにあるヤマナハウス。春を迎えて草木が動き出した里山(写真撮影/片山貴博)

丘陵エリアにあるヤマナハウス。春を迎えて草木が動き出した里山(写真撮影/片山貴博)

移住者を受け入れるなかで、南房総市が課題とするのが、就労と住宅についてです。

「移住するためには仕事が大事ですが、農業は最初に畑整備や農機具をそろえるなどの投資が必要ですし、自然災害のリスクもあります。南房総市は事務職の求人が少ないので、工事関係や介護、配送等に就職する場合が多いようです。場所を選ばず仕事ができるIT系のフリーランスの方など職業によっては、支障のない方もいますが、サラリーマンの方は、理想を描いて移住してきても現実の生活とのギャップを感じてしまう人もいます。市として起業をする人を支援する取り組みをしていますが、なかなか難しい面があります」

住宅については、賃貸アパートが少なく、中古住宅が人気ですが、実際に貸したり売ったりできる物件が少ない現状があります。持ち主の高齢化で片付けができない、家を継いだ人が都心にいて管理できないという問題があるのです。

「高齢化が進む南房総市は住民がお互いに支え合って成り立っています。若い世代には、海岸清掃・生活道路の草取りなどの維持管理等地域の共同作業に参加してほしいです。それは、早くコミュニティに馴染んで、楽しく長く暮らせるコツでもあります。地域の活動に参加する以外には、若い世代は子育て、年配の方は釣りや庭づくりなどの趣味を通じて、地元に溶け込んでいます」

二拠点生活者や移住希望者を受け入れてきたヤマナハウスの現在

南房総市と業務提携して、移住支援に取り組んでいるのが、シェアオフィス運営を手掛けるHAPON新宿の創始者の一人、永森昌志さんです。HAPON新宿では、南房総市と一緒にイベントを行うほか、移住について相談できる「南房総2拠点サロン」やオンラインカフェを運営してきました。
なかでも、二拠点生活者や移住希望者が集まる場となっているのが、南房総市三芳にあるヤマナハウスです。
永森さんが「シェア里山」と呼ぶヤマナハウスは、約3500坪の里山にある古民家を改修し、希望者で古民家改修や畑仕事、裏山の整備などを行う場所。2018年に取材に訪れた際には、週末に年齢も職業もさまざまな人が集まり、田舎暮らしを楽しんでいました。二拠点生活や移住に対する関心が高まるなか、ヤマナハウスはどのような変化をしているのでしょうか。新緑が芽吹き始めた4月はじめのヤマナハウスを訪ねました。

築300年以上のヤマナハウス。都心から訪れた参加者に、里山ツアーや狩猟体験など1泊2日のプログラムが行われた(写真撮影/片山貴博)

築300年以上のヤマナハウス。都心から訪れた参加者に、里山ツアーや狩猟体験など1泊2日のプログラムが行われた(写真撮影/片山貴博)

月数回の寄り合いや、地ビールやジビエを楽しむイベントも(写真撮影/片山貴博)

月数回の寄り合いや、地ビールやジビエを楽しむイベントも(写真撮影/片山貴博)

訪れた時は、希望者にヤマナハウスや周辺の里山を体験してもらう見学ツアーの真っ最中。プログラムには、狩猟の講習会やヤマナハウスの裏にある里山探検、イノシシの解体があり、東京から来た参加者は、バーベキューでヤマナハウスのメンバーとの交流を楽しんでいました。

土間にコンクリートを打ってコミュニケーションスペースに。使っていない梁でつくったロングテーブル。かまどもワークショップで自作(写真撮影/片山貴博)

土間にコンクリートを打ってコミュニケーションスペースに。使っていない梁でつくったロングテーブル。かまどもワークショップで自作(写真撮影/片山貴博)

裏山での狩猟体験で罠を仕掛けるヤマナハウス副代表の沖さん(写真撮影/片山貴博)

裏山での狩猟体験で罠を仕掛けるヤマナハウス副代表の沖さん(写真撮影/片山貴博)

里山の植物や生き物に参加者は興味津々。水辺にはトウキョウサンショウウオの卵も(写真撮影/片山貴博)

里山の植物や生き物に参加者は興味津々。水辺にはトウキョウサンショウウオの卵も(写真撮影/片山貴博)

「2018年の取材時から3年が経ち、問い合わせは3倍以上になりました。週末だけ来ていた人が、都心に部屋を借りたまま、南房総市に移住し、都心へ月に何回か通う逆二拠点生活を始める人も増えてきました。コロナ禍で都心での自由度が減り、ストレス発散やリフレッシュできる田舎暮らしに関心が高まっているのでしょう」

永森さん自身、2007年から東京と南房総市との二拠点生活を経て、移住を経験しています。永森さんが仲間との共同運営でヤマナハウスをスタートしたのは2015年。古民家を遊び場にして仲間とDIYでリノベーションをするうちに、メディアに取り上げられるようになり、問い合わせが来るようになりました。

車座になり、ヤマナハウスや南房総の地域の課題についての講演を受ける参加者(写真撮影/片山貴博)

車座になり、ヤマナハウスや南房総の地域の課題についての講演を受ける参加者(写真撮影/片山貴博)

「私が南房総市に通うようになった当時、二拠点生活という言葉すらなく、情報も支援もありませんでした。田舎暮らしはしたいと思っていても、いきなりひとりで始めるのはハードルが高いと思います。そこで、改修した古民家をシェアして、二拠点生活や移住希望者の拠点をつくろうと考えたのです。家を借りなくても、週末にヤマナハウスに通うことで、二拠点生活や移住の助走期間にしてもらえれば」

さらに、移住へのハードルを下げてもらおうと始めたのが、南房総市に3カ月通いながら、狩猟を学べる「南房総2拠点ハンターズハウス」です。趣味を入り口にして南房総市を知ってもらう取り組みのひとつで、6回の狩猟講座に参加しながら、民宿に30泊できて15万円。募集を開始したところ、10名の定員はあっという間に埋まり、最終的に15名が参加しました。

ヤマナハウスのメンバーによるイノシシの解体。狩猟講座で学び、皮なめしなどのスキルも身につけた(写真撮影/片山貴博)

ヤマナハウスのメンバーによるイノシシの解体。狩猟講座で学び、皮なめしなどのスキルも身につけた(写真撮影/片山貴博)

「自活力、自給自足力をつけ、自分でサバイバルしていきたい欲求が高まっていると感じています。お金で買うのと同等かそれ以上に、自分でつくったものやその過程に価値を置く人が増えているんです」

とはいえ、都心からの参加者が多いこともあり、緊急事態宣言下では、地域での活動に悩んだことがあったといいます。

「地元の方へ自粛した方がよいか相談に行ったのですが、むしろぜひ作業に参加してほしいとお願いをされました。地域は70、80代の高齢者が多く、作業の担い手が不足しています。野山を放置すれば、道が通れなくなったり、田んぼの水路が埋まったりしてしまいます。草刈りなどを行い、とても感謝されました。こういった地元の活動に一人で出るのは気後れしても、ヤマナハウスに参加しながら、自分のペースで出られる時に出る形で無理なく馴染んでいってほしいと思っています」

飲食店の営業許可をとるため改修中のキッチン(写真撮影/片山貴博)

飲食店の営業許可をとるため改修中のキッチン(写真撮影/片山貴博)

見はらしのよい高台にウッドデッキを制作中。デッキの上にゲル(円形テント)を置く予定(写真撮影/片山貴博)

見はらしのよい高台にウッドデッキを制作中。デッキの上にゲル(円形テント)を置く予定(写真撮影/片山貴博)

ハーブ園ではミント、パクチーが元気に育っていた。これから藍染に使う蓼(たで)も栽培する(写真撮影/片山貴博)

ハーブ園ではミント、パクチーが元気に育っていた。これから藍染に使う蓼(たで)も栽培する(写真撮影/片山貴博)

「二拠点生活は、けっこう大変ですよ」と笑顔で話す川鍋さんに、苦労とそれ以上の充実を感じました。二拠点生活や移住対策について、ほかの自治体では模索中のところも多いですが、南房総市のように成功事例もあります。コロナ禍での価値観の変化を経て高まる需要と、受け皿となる市やヤマナハウスの取り組み。川鍋さんのように充実した暮らしを手に入れるための道のりは険しいですが、さまざまな支援をうまく利用することで、最初の一歩を踏み出せそうです。

●関連記事(2018年取材時の記事)デュアルライフ・二拠点生活[1] 南房総に飛び込んで生まれた、新しい人間関係や価値観

●取材協力
HAPON新宿