商店街のシェアハウスで “街×人”の化学反応はじまる!「寿百家店」で北九州市黒崎が再燃中

福岡県北九州市黒崎の「寿通り商店街」を、“ニューノーマルな商店街”に生まれ変わらせるプロジェクト「寿百家店」。商店街の一部区画をフルリノベーションし、店舗とシェアハウスを創出するこの取り組み。シェアハウス「三角フラスコ」の入居もスタートして、これまでにない化学反応が起こりつつある。
シャッター通りが、なごやかでにぎわいのあるアーケードにJR黒崎駅からアーケードまでは雨に濡れずに移動できて便利(写真撮影/加藤淳史)

JR黒崎駅からアーケードまでは雨に濡れずに移動できて便利(写真撮影/加藤淳史)

北九州市内で小倉に続く規模の街・黒崎。JR黒崎駅前から扇のカタチのように広がる黒崎商店街は、1901年の官営・八幡製鐵所の創業をきっかけに発展してきた。1970~80年代に黒崎で青春時代を過ごした人々は「小倉や博多よりにぎわいのある街だった」とも語る。

昭和~平成~令和と時代は流れて、JR黒崎駅から徒歩約6分の「寿通り商店街」はシャッター通りと化していた。2016年時点で13店舗中8店舗が空き店舗。そのうち3店舗分(174.83平米/52.88坪)をリノベーションし、1階にテナント11区画、2階にシェアハウス4室+LDKをつくったプロジェクトが「寿百家店」だ。

シャッター通りと化していた「寿通り商店街」(写真提供/田村晟一朗さん)

シャッター通りと化していた「寿通り商店街」(写真提供/田村晟一朗さん)

2020年5月にスタートした「寿百家店」プロジェクトの中心人物はPR・企画会社「三角形」代表の福岡佐知子(ふくおか・さちこ)さんと、建築事務所「タムタムデザイン」代表の田村晟一朗(たむら・せいいちろう)さん。その想いやプロジェクトの経緯はこちらの記事で詳しく紹介されている。

2021年8月時点で、1階のテナント11区画はすべて入居が決まり、取材で訪れた日は子どもたちが参加するワークショップも開催中。集まった人々の楽しそうな声であふれていた。

飲食店やショップ、サロンが入居する「寿通り商店街」(写真撮影/加藤淳史)

飲食店やショップ、サロンが入居する「寿通り商店街」(写真撮影/加藤淳史)

黒崎商店街のお店や住民たちによるコミュニティが運営する無人の古本屋も登場(写真撮影/加藤淳史)

黒崎商店街のお店や住民たちによるコミュニティが運営する無人の古本屋も登場(写真撮影/加藤淳史)

「寿百貨店」が運営する無添加ラーメンと人形焼の店「あんとめん」(写真撮影/加藤淳史)

「寿百貨店」が運営する無添加ラーメンと人形焼の店「あんとめん」(写真撮影/加藤淳史)

「あんとめん」のラーメンのかまぼこに「寿」の文字が(写真撮影/加藤淳史)

「あんとめん」のラーメンのかまぼこに「寿」の文字が(写真撮影/加藤淳史)

シェアハウス開業の狙いは、街の密度を高かめたかったから

商店街の2階にイベントスペースなどではなく、シェアハウスを選択したのは「街の中心部における“人”や“暮らし”の密度を高めたかったから」と田村さんは話す。かつて商店街の2階には店主ファミリーが暮らすのが定番だった。しかし時代の変化で2階はオフィスや倉庫になるパターンが増えていった。

「夜の商店街に灯りがともったら人の気配があり、何より安心です。 またいろいろな人が商店街に暮らすことで多様性が生まれ、可能性も広がる。ですからシェアハウスがいいねと決まったんです」

福岡県行橋市の商店街にもアーケードハウスを立ち上げたことがある田村さんの経験も活きた。

ただ田村さんも福岡さんも口をそろえて「どんなシェアハウスがいいのか、なかなかイメージが固まらなかった。そもそも黒崎にシェアハウスの需要があるのか?とも考えていた」という。1階のテナント誘致が好調だったが、2階に関してはモヤモヤしたまま日々が過ぎていった。

シェアハウス「三角フラスコ」の一室。右側の窓は古い木枠のまま。採光のため右側の小窓2つを新設した(写真撮影/加藤淳史)

シェアハウス「三角フラスコ」の一室。右側の窓は古い木枠のまま。採光のため右側の小窓2つを新設した(写真撮影/加藤淳史)

部屋の窓から眺めるアーケードの景色。明るくて想像していたよりも圧迫感がない(写真撮影/加藤淳史)

部屋の窓から眺めるアーケードの景色。明るくて想像していたよりも圧迫感がない(写真撮影/加藤淳史)

地元・黒崎出身者が入居して、商店街を少しずつ変えていく

そんな折、「寿百家店」のInstagramにメッセージが届いた。第1号の入居者となる堀 加奈恵(ほり・かなえ)さんからだ。北九州市内で働く堀さんは、ひとり暮らしをいったん終えて黒崎の実家に戻り、また新たに一人暮らしができる住まいを探していた。

「多様な人と出会えるシェアハウスに住んでみたくて、北九州市内で探していました。情報収集するうちに発見したのが『寿百家店』。メッセージを送った翌日には福岡さんのところへ会いに行き、街づくりから人生についてまで初対面とは思えないほど濃い内容の話をしたんです」と堀さん。

「寿百家店」についてワクワク感いっぱいに話す福岡さんと出会い「こんなに人生を楽しんでいる人が運営しているシェアハウスなら間違いない!」と入居を即決。古い木枠の窓を残した部屋を選び、LDKの壁のクリーム色もお気に入りになった。

写真右から田村さん、福岡さん、入居者の堀さん、奥迫さん(写真撮影/加藤淳史)

写真右から田村さん、福岡さん、入居者の堀さん、奥迫さん(写真撮影/加藤淳史)

店舗3店分をつなげているので、奥に長いシェアハウスに(写真撮影/加藤淳史)

店舗3店分をつなげているので、奥に長いシェアハウスに(写真撮影/加藤淳史)

「もっとコミュニケーションを」と入居者が入居者を連れてくる

LDKが充実していて他の入居者とコミュニケーションが取れるシェアハウスであることも、決め手となった。「他のシェアハウスでは、あえて入居者同士が接触しないようにしているところも。私の場合、シェアハウスに住むのなら、ぜひいろんな人と交流したいと考えていたんです」と堀さんは続ける。

そんなある日、堀さんは高校の同級生で近くの美容室「cococara-hair」の1階店長を務める奥迫響子(おくさこ・きょうこ)さんをシェアハウスに招いた。すると奥迫さんもこの場所にひと目惚れ。奥迫さんが一人暮らしをしようと思いはじめたタイミングも重なり、2人目の入居者となった。

奥迫さんも入居を即決したそうで「この場所にはなにか吸引力があるのかも」と堀さん。「寿通り商店街は実家からも勤務先からも歩いてすぐの場所だし、幼いころから知っている場所。でも“住む”となると、ときめくし、とても新鮮ですよね」と話す。

左が1人目の入居者・堀さん、右が奥迫さん(写真撮影/加藤淳史)

左が1人目の入居者・堀さん、右が奥迫さん(写真撮影/加藤淳史)

奥迫さんが店長を務める美容室は歩いて4分の職住近接(写真撮影/加藤淳史)

奥迫さんが店長を務める美容室は歩いて4分の職住近接(写真撮影/加藤淳史)

堀さんの個室は木の窓枠が残っているタイプ。全4部屋あり、1部屋あたりの広さは6畳(写真撮影/加藤淳史)

堀さんの個室は木の窓枠が残っているタイプ。全4部屋あり、1部屋あたりの広さは6畳(写真撮影/加藤淳史)

奥迫さんの部屋の出窓には、商店街内にある花屋さんから贈られた観葉植物があった(写真撮影/加藤淳史)

奥迫さんの部屋の出窓には、商店街内にある花屋さんから贈られた観葉植物があった(写真撮影/加藤淳史)

商店街を昔に戻すのではなく、今の姿にバージョンアップすればいい

堀さん・奥迫さんの親は黒崎の全盛期を知っている世代。ふたりは幼いころから「自分たちが若いころ、アーケードを歩くと人と人の肩がぶつかり合うほどにぎわっていた」というエピソードを聞かされていた。でも「私たちは黒崎がその時代に戻ってほしいわけじゃない」と口をそろえる。

「どんな商店街でも、活性化したい、若者に来てもらいたいと言うけれど、若者の人口自体が減っている。だからそこにこだわらなくていいんじゃないかな?」と堀さん。福岡さんも「一過性のものでなく今の時代にあった、本当の新陳代謝が必要だよね?」と相槌を打つ。

2021年7月の入居から1カ月。「この場所で人と街、人と人との化学反応が起きるといいな」と願う堀さんは自ら発案し、みんなと相談しながらシェアハウスをネーミング。決まった名前は「三角フラスコ」だ。フラスコ内で起こる化学反応をイメージし、福岡さんの事務所「三角形」をプラスした。

堀さんが中心となり、みんなで決めた「三角フラスコ」のネーミング(写真撮影/加藤淳史)

堀さんが中心となり、みんなで決めた「三角フラスコ」のネーミング(写真撮影/加藤淳史)

20代のふたりが商店街の風景になじんでいる(写真撮影/加藤淳史)

20代のふたりが商店街の風景になじんでいる(写真撮影/加藤淳史)

商店街のシャッター前で趣味のダンスを踊ってInstagramで発信している(写真撮影/加藤淳史)

商店街のシャッター前で趣味のダンスを踊ってInstagramで発信している(写真撮影/加藤淳史)

商店街から見上げたシェアハウス。ここに灯りがともる(写真撮影/加藤淳史)

商店街から見上げたシェアハウス。ここに灯りがともる(写真撮影/加藤淳史)

20代の堀さん・奥迫さんが持つ「商店街をにぎわっていた時代に無理やり巻き戻すのではなく、今の時代にそった新しいにぎわいを生み出したらいい」という感覚。これは今後さらなる少子化と人口減が進む日本において、共有されるべきものではないだろうか。余談ではあるが堀さんは「三角フラスコ」入居によって出会った福岡さんのもとで働くことになったそうだ。もちろん「寿百家店」にも関わっていく。自ら「三角フラスコ」の中心となり、化学反応を起こしていく。これからも「寿百家店」と黒崎の街に注目したい。

●取材協力
・寿百家店
・cococara-hair

貫禄あるリノベ店舗戸建

所在地:中央区月島
38万5,000円(税込) / 52.17平米
有楽町線・営大江戸線「月島」駅 徒歩2分

月島駅近くの雰囲気ある路地裏。その並びに立つ古屋のひとつが、建築設計事務所によってリノベーションされ、借り手を募集中です。



趣のある雰囲気を残し改装された建物。大きな木枠サッシはインパクトがあります。



内装は、1階は土間の床。2階は渋い天井の躯体あらわし、壁などは合板仕上げ。 ... 続き>>>.
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このバランス感恐るべし

所在地:渋谷区神宮前
14万3,000円(税込) / 34.86平米
山手線「原宿」駅 徒歩7分

原宿・千駄ヶ谷周辺で、事務所や予約制の店舗をお探しの方にぜひオススメしたい、こちらの物件。



貸主側で天井を抜き、コンクリートむき出しの状態にライティングレールを設置。壁面はシンプルに質感良く、白の塗装仕上げ。



写真は別部屋のものですが、今回募集する区画の床はブラウンのフロアタ ... 続き>>>.
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スマート家電、人気第2位はお掃除ロボット!ダントツの第1位は?

LIVING TECH協会が20代~50代でスマート家電を保有している505人に調査をしたところ、人気のスマート家電が分かった。しかも、家族構成によって、微妙に使われ方や人気の家電が異なるという。詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「スマート家電の利用実態調査」結果を報告/LIVING TECH協会

ダントツ人気は「スマートスピーカー」、次いで「お掃除ロボット」

「スマート家電」とは、インターネットを通じて遠隔操作ができる家電製品のこと。スマートフォンやタブレット端末と連携することで、簡単に操作できるようになる。

スマート家電の中には、AI(人工知能)が搭載されたものもある。AmazonやGoogleの「スマートスピーカー」は音声を認識し、好みの音楽を流したり、天気やニュースを教えてくれたりする。また、自走で掃除をする「お掃除ロボット」でAI搭載のものなら、間取りや家具の配置を認識し、掃除のレベルを設定するといったこともできる。

では、どんなスマート家電を持っている人が多いのだろう?調査結果を見ていこう。

出典:LIVING TECH協会「スマート家電の利用実態調査」結果をより転載)

出典:LIVING TECH協会「スマート家電の利用実態調査」結果をより転載)

ダントツは「スマートスピーカー」(46.9%)だ。なんと、半数近くの人が所有している。なにをかくそう、機械音痴の筆者でも、スマートスピーカーを家に置いて、明日の天気や現在の気温を聞いたり、3分間測ってもらったりしている。そして時々「よく分かりませんでした」と言われて、悲しい気持ちになったりもしている。

2番目は、「お掃除ロボット」(35.2%)。スイッチを押せば勝手に掃除をしてくれるので、使っている家庭も多いのだろう。以降は、僅差になるが3番目が「スマートライト」(24.6%)、4番目が「スマート家電コントローラー」(20.4%)、5番目が「ネットにつながるエアコン」(19.2%)だった。

実は、家族構成によって、少し順位が変わってくる。それぞれのTOP3は以下の通りだ。

■単身者
(1)スマートスピーカー:52.8%
(2)お掃除ロボット:32.1%
(3)スマート家電コントローラー:26.4%
■子育てファミリー
(1)スマートスピーカー:49.6%
(2)お掃除ロボット:40.5%
(3)スマートライト:29.5%
■親と同居
(1)スマートスピーカー:50.3%
(2)スマートライト: 39.5%
(3)お掃除ロボット:26.8%

「スマートライト」は、インターネットに対応した照明器具。スマートスピーカーを通して、音声で照明をつけたり、外出先でスマホから遠隔操作をして照明を消したりもできる。また、「スマート家電コントローラー」は、通常は家電ごとにそれぞれリモコンがあるが、それらをまとめてコントロールするもの。

スマート家電を組み合わせることで、スマートスピーカーを通して音声で家電を操作したり、スマホから遠隔操作したりできるようになる。筆者はそこまで使いこなしていないが、いまはネットにつながるエアコンや冷蔵庫、電子レンジなどもあるので、帰宅前にエアコンを入れたり、買い物中に冷蔵庫内の食材を確認できたりできる、らしい。

スマート家電は、音声操作や遠隔操作、家事負担の軽減に効果大

では、スマート家電を導入して、どんな効果を感じているのだろう?

こちらは、「音声操作」(32.3%)、「家事負担軽減」(31.5%)、「遠隔操作」(30.9%)が三大メリットとして挙がった。

出典:LIVING TECH協会「スマート家電の利用実態調査」結果をより転載

出典:LIVING TECH協会「スマート家電の利用実態調査」結果を報告より転載

ただし、効果の感じ方も家族構成によって違いが見られた。
■単身者
(1)音声操作:42.5%
(2)遠隔操作:29.9%
(3)非接触やハンズフリー:28.8%
■子育てファミリー
(1)遠隔操作:37.3%
(2)音声操作:34.5%
(3)家事負担の軽減:34.1%
■親と同居
(1)家事負担の軽減:34.4%
(2)音声操作: 33.1%
(3)遠隔操作:29.3%

単身者は、音声操作に大きな効果を感じているが、子育てファミリーになると、遠隔操作でエアコンや照明などのオンオフができることに効果を感じている。この理由は定かではないが、単身者は、誰かに何かの操作を頼む代わりに音声操作をしたり、スマートスピーカーが会話相手になったりということもあるのだろう。また、子育てファミリーは、家族の生活向上のために、外出先から操作をすることも多いと思われる。

また、家事負担の軽減は、主にお掃除ロボットによるところが大きいのではないか。外出中、または自宅で他の家事や仕事をしている間に掃除をしてくれるので、家事効率を実感できるということだろう。

スマート家電の活用者を発見!その活用方法は?

実は、SUUMOジャーナル編集部の筆者の担当編集者(子育てファミリーに該当)も、スマート家電を使いこなしているという。

まず、スマートスピーカーを各部屋に設置し、それぞれ定時に音声アナウンスが流れるようにしているという。例えば、朝には今日は何のゴミの日かアナウンスしたり、子どもの保育園に持っていくものを列挙したり、出かける時間に火元確認を呼びかけたりするように設定している。

また、スマートスピーカーに子どもの歯磨きや寝る時間を呼びかけさせたり、絵本の読み聞かせサービスを利用したりして、子育ての負担軽減にも活用しているのだ。

もちろん、家電を連携させて、音声でエアコンやテレビの操作をしたり、寝室の照明を定時にオンオフしたりと、大活躍させている。仕事と子育て、家事に忙しい日々なので、「リマインド機能」などでヒューマンエラーを防止できること、音声や遠隔で操作ができて時間の節約になることなどを、大きなメリットに感じているという。

このように、家庭の状況に応じてスマート家電を使いこなせれば、日常の生活が便利になるだけでなく、ストレスの軽減にもなる。いまは、スマート家電の種類も多いので、暮らしのどの部分を効率化したいかによって、上手に組み合わせていくのが良いだろう。

一方で、調査結果では「複数家電の一括操作」をしている割合は17%とまだ多くはないのが実態だ。スマート家電を選ぶのが難しかったり、一般的なものより価格が高かったり、それぞれを連携させるための設定をする必要があったり、セキュリティの課題が指摘されたりと、普及するにはまだハードルもある。

とはいえ、これからの生活には欠かせないものになるだろうから、筆者ももっといろいろ試してみたいと思う。

スケルトンに奮い立つ

所在地:世田谷区下馬
2,980万円(税込) / 41.38平米
東急田園都市線「三軒茶屋」駅 徒歩9分

せっかく撮影に行くのに雨かぁ〜…とテンション下がり気味でしたが、玄関を開けた瞬間のインパクトに思わずおおっ!と声を上げてしまいました。



床下地も解体され、地面から天井までの高さ約3.3mの迫力のあるスケルトン空間。もちろん、改装時には数十cmは床を上げる必要がありますが、このス ... 続き>>>.
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公園横の気持ちいい戸建て

所在地:神奈川県横浜市戸塚区前田町
6,500万円 / 118.66平米
湘南新宿ライン・横須賀線「東戸塚」駅 徒歩20分

静かな住宅街の公園横に、ひっそりと立つ戸建て。



南西側は公園、それ以外の3方向は道路に接していて、周囲に高い建物がないため、家中のさまざまな方角の窓からたっぷりの光が入り、素直に気持ちの良い空間です。



築古の戸建てですが、2018年にリノベーションされ、外観と内装、共に雰囲気 ... 続き>>>.
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経年のリノベーション

所在地:渋谷区恵比寿南
18万円 / 41.93平米
山手線・日比谷線「恵比寿」駅 徒歩5分



天井を抜いて高さを出し、ラフな質感を生かしたワンルーム。床材は幅の細い無垢フローリング、壁はモルタルと、塗装仕上げ。凝りすぎずとも、こだわりがちゃんと伝わってくる空間です。



当時主流だった原状回復する「リフォーム」から、付加価値に重点を置いた「リノベーション」が注目されはじめ ... 続き>>>.
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やわらかな曲線を日常に

所在地:世田谷区下馬
14万3,000円 / 42.36平米
東急東横線「祐天寺」駅 徒歩13分

下馬の住宅街にひっそりと立つマンション。白くシャープな外観はランダムに並ぶ窓が目をひきます。



紹介する部屋は、マンションの3階。各部屋のカーブを描く壁が、なめらかで柔らかな雰囲気を演出しています。曲面の壁に出会うことは少ないですが、平面の壁との印象の違いには驚かされます。



間 ... 続き>>>.
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植物浴してみる?

所在地:港区三田
3,380万円(税込) / 36.66平米
山手線・京浜東北線「田町」駅 徒歩5分

◆ 価格が下がりました! ◆



在宅時間が多くなりがちな昨今。おもに寝に帰る場所だった自宅という存在が、住んでよし、働いてよしの心地よさが求められる場所へと大きく変化したのをひしひしと感じます。



「好きなものに囲まれる」をテーマにリノベーションされたこの部屋は、植物やアートを飾 ... 続き>>>.
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32㎡の星

所在地:中野区松が丘
9万8,000円 / 31.58平米
西武新宿線「沼袋」駅 徒歩8分

面積だけ見てあなどるなかれ。なかなかバランスがいいんです、こちらの物件。



静かな住宅街に並ぶ、小さな集合住宅の一室。南北に窓があって日当たりと風通しよし、特に開口部いっぱいの北側の窓が気持ちよく、面積を広く感じさせます。室内はコンクリート打ち放しの天井に、木の素材感のある内装で ... 続き>>>.
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青空しか見えないプライベートテラス

所在地:目黒区大岡山
13万円 / 29.7平米
東急大井町線・東急目黒線「大岡山」駅 徒歩3分

一級建築士事務所ビーフンデザインの設計による、小振りな集合住宅の最上階の1部屋は、玄関ドアを開けた先に、まずプライバシーが確保された広々としたテラスを経由して、窓サッシから部屋に入るという特徴的な間取り。



壁とドアと部屋で四方向を閉じていて、見上げると青空だけが広がるこのテラス ... 続き>>>.
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名古屋「栄駅」まで電車で15分以内、家賃相場が安い駅ランキング! 2021年版

東海圏最大の大都市である愛知県名古屋市において、最大の商業地であり繁華街といえば、栄エリア。中心地である錦三丁目での百貨店やホテルが入居するシンボル的な複合施設の建設計画のほか、久屋大通公園の「RAYARD Hisaya-odori Park」誕生など再開発が進み、ますます魅力を増している。そんな栄駅へのアクセスが良い、狙い目の駅はどこだろうか。シングル向け物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)を対象に、最新の家賃相場が安い駅ランキングを見ていこう。
栄駅まで電車で15分以内、家賃相場の安い駅TOP10

順位/駅名/家賃相場/(主な路線名/駅の所在地/栄駅までの所要時間(乗り換え時間・駅から駅への徒歩移動時間を含む)/乗り換え回数)
1位 小幡 4.65万円(名鉄瀬戸線/名古屋市守山区/15分/0回)
2位 新守山 4.75万円(JR中央本線/名古屋市守山区/13分/1回)
3位 枇杷島 4.80万円(JR東海道本線/清須市/15分/1回)
4位 黄金 5.10万円(近鉄名古屋線/名古屋市中村区/15分/1回)
5位 勝川 5.15万円(JR中央本線/春日井市/14分/1回)
5位 東海通 5.15万円(名古屋市営地下鉄名港線/名古屋市港区/15分/0回)
7位 伝馬町 5.20万円(名古屋市営地下鉄名城線/名古屋市熱田区/14分/0回)
7位 岩塚 5.20万円(名古屋市営地下鉄東山線/名古屋市中村区/14分/0回)
9位 庄内通 5.28万円(名古屋市営地下鉄鶴舞線/名古屋市西区/13分/1回)
10位 六番町 5.30万円(名古屋市営地下鉄名港線/名古屋市熱田区/13分/0回)
10位 御器所 5.30万円(名古屋市営地下鉄鶴舞線・桜通線/名古屋市昭和区/14分/1回)

1位の小幡駅は緑豊かでのどかな環境と生活の便利さが両立

1位は小幡駅で、家賃相場は4.65万円。小幡駅は名鉄瀬戸線の開業と同時に設置された駅で、古くから交通の要衝であった地域だ。駅周辺には瀬戸街道や県道15号線、千代田街道など幹線道路も多い。

愛知県営小幡緑地のアウトドア施設「オバッタベッタ」(写真/PIXTA)

愛知県営小幡緑地のアウトドア施設「オバッタベッタ」(写真/PIXTA)

所在地である守山区は名古屋市の北東部に位置し、区の面積に対する緑地面積の割合である緑被率は16区中でトップと、自然が豊富に残る。付近には県営の都市公園「小幡緑地」も。野球場などの運動施設や広い芝生広場などがあり、住民の癒やしの場になっている。

買い物施設や飲食店も充実しているほか、守山区役所の最寄駅であり、クラシックコンサートや映画の上映会などが開かれる「守山文化小劇場」もすぐそば。緑豊かでのどかな環境と生活の便利さを両立できそうだ。

2位は新守山駅。1位の小幡駅と同じく守山区に位置する。JR中央本線の普通列車の停車駅で、周辺は落ち着いた印象を受ける住宅街。駅周辺は、専門店も多数入っている総合スーパー「アピタ新守山店」やホームセンターなど、大型の商業施設も多く、買い物も非常に便利だ。

東海圏で熱狂的な人気のプロ野球球団「中日ドラゴンズ」の本拠地であり、今年「ナゴヤドーム」から改称されたばかりの「バンテリンドーム ナゴヤ」のJRの最寄駅は、新守山駅の隣駅である大曽根駅だが、新守山駅からドームまでの距離は3km弱。バスも運行しているが、野球好きにとっては、散歩がてら趣味も満喫できるエリアといえそうだ。

3位の枇杷島駅は清須市にあるが、東海圏の玄関口である名古屋駅とは隣駅で、駅間距離は約4km。名古屋駅は栄駅と同じく再開発が進められており、どちらへのアクセスも抜群なのは大きな利点だろう。

清須城(写真/PIXTA)

清須城(写真/PIXTA)

清須市は、愛知県が誇る戦国大名、織田信長が若いころに本拠地とした清須城があり、その信長の後継問題をめぐる清須会議も行われた場所。2005年に西枇杷島町、清洲町、新川町、その後09年に春日町を合併して誕生した新しい市で、ベッドタウンとして発展し続けている。

駅の周辺は企業の工場なども集まるが、市内は庄内川や五条川、新川などの河川が多く、河川敷などを活用した施設が充実している。新川沿いにある浄化センターの敷地を使った緑地公園「新川西部浄化センター緑地」の園内通路は、のどかな自然を楽しめるランニングコースとしても最適だ。

ちなみに、ランキングは栄駅から15分以内で算出しているが、20分以内に範囲を広げると、同じく清須市にある須ケ口駅(4.35万円)と二ツ杁駅(4.50万円)が、上位にランクインしている。須ケ口駅は名鉄名古屋本線と津島線、二ツ杁駅は名鉄名古屋本線の沿線駅で、やはりどちらも名古屋駅へのアクセスも非常に便利。名古屋市外であってもこの利便性は注目したいところだ。

“名古屋らしさ”を満喫できるエリア、活気ある住宅街もランクイン

7位の伝馬町駅は、名古屋市営地下鉄名城線の沿線駅。三種の神器の1つである「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」をまつる「熱田神宮」は、名鉄の神宮前駅が最寄駅であるが、熱田神宮の正門になる南口と東門の最寄駅は伝馬町駅だ。そのため、熱田神宮への案内効果を高める目的で、2022年度中に「熱田神宮伝馬町」駅への改名が予定されている。

熱田神宮(写真/PIXTA)

熱田神宮(写真/PIXTA)

その立地から観光地の印象を受けるが、周辺は住宅街としての面も持ち、ホームセンターなどの買い物施設にも困らない。一方で、史跡や老舗の飲食店なども数多い。旧東海道の唯一の海路であった「七里の渡し」の船着き場跡、常夜灯や鐘楼、桟橋を備えた「宮の渡し公園」のほか、熱田神宮と縁が深く、毎年12月に勇壮な火渡り神事が行われる「圓通寺」などがある。また、名古屋名物であるひつまぶしの登録商標を保持している「あつた蓬莱軒」など、“名古屋めし”を満喫できるエリアでもある。

9位の庄内通駅は、活気ある住宅街。周辺には、24時間営業の大型スーパーなどが入る商業施設「イオンタウン名西」やホームセンターなどがあり、買い物する場所には事欠かない。また、県の災害拠点病院や地域周産期母子医療センターの認定などを受けている「名古屋市立大学医学部附属西部医療センター」があり、いざというときも安心できるだろう。

通勤にしても遊ぶにしても、繁華街へのアクセスの良さは引越しに際に必ず気になるもの。繁華街の“近場”は同じく繁華街、と思いがちだが、そうとは限らないのが部屋探しの面白いところでもある。自分のライフスタイルは何を重視するかよく見極めれば、最適の部屋がきっと見つかるはずだ。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている栄駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2021/3~2021/5
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2021年6月30日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が1回までの駅を掲載

自然豊かな森の里

所在地:神奈川県厚木市森の里
1,680万円 / 84.6平米
小田急小田原線「本厚木」駅 バス23分 「若宮橋」バス停 徒歩3分

昭和45年から14年の歳月をかけて丘陸と谷戸を切り開き、分譲住宅地として街づくりが始まった森の里ニュータウン。



森の里は、若宮公園、七沢森林公園、高松山、順礼峠から飯山観音への関東ふれあいの道など、自然に囲まれた緑多きエリア。周辺には公民館、学校、病院、銀行、郵便局、企業の研究 ... 続き>>>.
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DIYと仲間たち

所在地:八王子市打越町
4万円 / 18.42平米
京王線「北野」駅 徒歩12分

八王子市の、のどかな環境にあるワンルームマンションで、なかなか面白い活動が行われています。



室内の床と玄関から続く壁1面に合板素材が貼られていて、好みにDIY可能!



合板には塗装をしても、ネジを打ち込んでも、何か張り付けてもOK。大きな絵を描いた人もいます。好みの1枚になった ... 続き>>>.
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凛として美しい、上質空間

所在地:港区南麻布
6,980万円 / 61.11平米
南北線・都営三田線「白金高輪」駅 徒歩11分

一目見て心を奪われる。空間のもつ凜とした雰囲気に思わず引き込まれてしまいました。



2014年にスケルトンからフルでリノベーションされた一室です。



まず目を引くのは、細いラインとクリアのガラスが美しい、スチールのサッシ。光を遮らないそのサッシのおかげで、南東の窓から入る光が部屋 ... 続き>>>.
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のどかで心地よい建築

所在地:杉並区荻窪
13万2,000円 / 44.89平米
中央線・丸ノ内線「荻窪」駅 徒歩10分

畑に面したのどかな環境に、くつろぎをあたえてくれる建築。



のんびりとした心地のよい空気感に寄り添うように、木のやわらかい素材感をいかしてつくられた空間。床は無垢材、扉も木の質感が感じられるものを使っています。



窓ガラスは見せる景色と見せない景色を分けるため、透明と曇りで使い分 ... 続き>>>.
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オクシブで戸建て気分!?

所在地:渋谷区富ヶ谷
24万円 / 48.48平米
千代田線「代々木公園」駅 徒歩4分

★賃料が下がりました★



すてきなカフェにおいしい飲食店、セレクトの良い本屋に古着屋と、数え始めたらキリがないほど、心おどる店が多い奧渋エリア。



ふらっと街を散歩するたびに「こんな街でくらしてみたいなー」と思ってしまう、魅力的なエリアです。



そんな奧渋のメインストリートである ... 続き>>>.
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下北沢、商と住のキワ -駐車場付-

所在地:世田谷区代沢
32万円 / 86.48平米
小田急線・井の頭線「下北沢」駅 徒歩6分

下北沢駅付近の賑わいを抜け、少し進んだ閑静な住宅街にある、全2区画のみの小さな木造集合住宅の一室。



もともとオーナーさんがご自宅として利用されていたこのメゾネット住戸の区画は、1階に車庫、玄関のある2階から3階にかけてが居室となっています。



アルファベットのVのような形をした ... 続き>>>.
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ときめく本棚

所在地:大田区仲池上
15万円 / 51.84平米
都営浅草線「西馬込」駅 徒歩8分

壁一面が本棚。ときめくフレーズが実現された物件です。本棚には移動式のハシゴがあるので、高いところにもどんどん詰め込んじゃいましょう。



本棚の一部はデスクとしても使える形。在宅で作業する場合にも便利です。また自然光がしっかり入る部屋なので、気持ちよく暮らせそう。



高めの天井と窓 ... 続き>>>.
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三鷹の街で木と暮らす

所在地:武蔵野市西久保
12万2,000円 / 34.78平米
中央線「三鷹」駅 徒歩5分

三鷹駅に降り立ち、新緑や桜の花が季節の移り変わりを知らせてくれる桜通りを歩くこと約5分でたどり着く、こちらの物件。



目に焼き付いた瑞々しい緑の美しさ、ゆらゆらと心地よい木漏れ日、力強くも儚い桜の花、そんな美しい夢のような光景が家に帰っても冷めないような、ナチュラルな木の質感に包 ... 続き>>>.
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ほっとけない、ビッグバルコニー

所在地:世田谷区成城
12万5,000円 / 40.9平米
小田急線「成城学園前」駅 徒歩10分

広いルーフバルコニー付きの物件をお探しだった方へ。



抜けた眺望を楽しめて、日当たり風通し共にヨシ。リビングからも洋室からもアクセスできて、人の視線も気にならない、そんな直球ど真ん中のビッグバルコニー付きの物件です。



丘の中腹に立ち、すーっと抜けていく風が実に気持ちの良い1LD ... 続き>>>.
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にやける誤算

所在地:世田谷区羽根木
14万8,000円 / 46.79平米
井の頭線「東松原」駅 徒歩6分

羽根木の閑静な住宅街に溶けこんだ一見普通の戸建。玄関を入ってすぐに現れる階段を上がり室内へ。嬉しい誤算に思わずにやけました。



剝き出しにされた梁と柱に、一番高いところで3メートルを超す天高。ガラス戸で空間を仕切ることで建物の奥行きが活かされていて、実際の面積以上に開放感がありま ... 続き>>>.
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築100年の長屋のまち「墨田区京島」にクリエイターが集結中! いま面白い東京の下町

戦時中、奇跡的に戦火を免れたことから長屋が多く残り、豊かな風景をつくっている東京都墨田区の京島。歴史ある建物と、下町のコミュニティに魅せられ、ここ10年ほどで定住するクリエイターが増えています。古い家屋を現代に生かし、2008年から人と人を結ぶ活動を続けてきたまちづくりの立役者と、このまちで活動する方々に話を伺いました。
築約100年の長屋と働く人たちに魅了され、地元に根差して奮闘

東武スカイツリーライン「曳舟駅」、京成電鉄「京成曳舟駅」の南東の50万平米に満たないエリアに、約6900の世帯が集まる東京都墨田区京島。もともと一帯は水田と養魚場でしたが、1923年の関東大震災を境に急速に宅地化。新潟からきた大工衆「越後三人男」が、家を失った人々に向けて長屋を建て、賃貸住宅にしていったのがその理由です。
戦時中は近隣の線路や川・道路が防火提の代わりになったのに加え、住人の懸命な消火活動もあって戦災を免れ、それらの家屋がそのまま残存。昔懐かしい風景を引き継いでいます。

至るところにある長屋はすべて関東大震災後に大工衆「越後三人男」が建てた築約100年のもの(写真撮影/内海明啓)

至るところにある長屋はすべて関東大震災後に大工衆「越後三人男」が建てた築約100年のもの(写真撮影/内海明啓)

奥は千葉大学の学生らが手がけたシェアハウス「すみだアカデミックハウス」。収益性を見込みにくい長屋の課題を払拭した画期的なケース(写真撮影/内海明啓)

奥は千葉大学の学生らが手がけたシェアハウス「すみだアカデミックハウス」。収益性を見込みにくい長屋の課題を払拭した画期的なケース(写真撮影/内海明啓)

映画制作をしていた後藤大輝さんがはじめて京島の魅力に触れたのは、知人から聞いて訪れた2008年のこと。味わい深い家屋はさることながら、木工・樹脂・板金・切削・プレス加工などあらゆる町工場が存在。地元に根差し、支え合いながら働く人たちのあり方に“ものづくりのまち”としてのポテンシャルを感じ、「とことん引き込まれた」と言います。

京島のまちづくりの立役者である後藤大輝さん。職人が話す文化的な言葉と“土着”する姿に惹かれたそう(写真撮影/内海明啓)

京島のまちづくりの立役者である後藤大輝さん。職人が話す文化的な言葉と“土着”する姿に惹かれたそう(写真撮影/内海明啓)

築96年になる後藤さんの事務所。向かいの建具屋の方が植樹してくれた葡萄のツルが風情を加えています(写真撮影/内海明啓)

築96年になる後藤さんの事務所。向かいの建具屋の方が植樹してくれた葡萄のツルが風情を加えています(写真撮影/内海明啓)

新しい住人と既存コミュニティがものづくりを通してつながる土壌

13年前から京島で暮らし、アートイベントの開催や空き家の発掘・再生・運営など、あらゆる京島のまちづくりに携わっている後藤さん。ものづくりをする人にとって、着想を得やすい環境や、近くに助け合える人がいることは何よりの財産。京島にそうした可能性を感じたクリエイターらが、徐々に集まるようになりました。古い家屋をDIYでアトリエにしたり、ギャラリー・ショップを開いたりと、動きが広がります。

軒先は格好の作業場であり作品の展示スペース。シェアアトリエ「京島共同木工所」の前で木材をカットする「すみだ向島EXPO」実行委員会の山越栞さん(写真撮影/内海明啓)

軒先は格好の作業場であり作品の展示スペース。シェアアトリエ「京島共同木工所」の前で木材をカットする「すみだ向島EXPO」実行委員会の山越栞さん(写真撮影/内海明啓)

作品づくりのために問屋や職人が近くにいる京島にアトリエを構えた「totokoko(トゥートゥーコッコ)」デザイナーの工藤智未さん。「何かをするときに協力してくれる人がたくさんいるのがいいですね」(写真撮影/内海明啓)

作品づくりのために問屋や職人が近くにいる京島にアトリエを構えた「totokoko(トゥートゥーコッコ)」デザイナーの工藤智未さん。「何かをするときに協力してくれる人がたくさんいるのがいいですね」(写真撮影/内海明啓)

地域に新しい人が来たとき、ともすると古くからいる人たちとの間で温度差ができそうですが、ここでは逆に職人たちが力を貸してくれるのだと言います。

「そのきっかけは、例えば展示会の準備でのこと。大抵のクリエイターは趣ある会場にしたいので、職人にそれを相談します。すると教えてもらいながら一緒につくることになるケースが少なくありません。自分たちの活動に関心を持ってもらえますし、コミュニケーションも取りやすい。完成した空間を喜んでもらえると、こちらもうれしさがこみ上げます」

午後の休憩中の建具職人の方々と後藤さんが談笑。「家屋は長く大事に使うもの」という共通の思いが、新旧の住人をつないでいます(写真撮影/内海明啓)

午後の休憩中の建具職人の方々と後藤さんが談笑。「家屋は長く大事に使うもの」という共通の思いが、新旧の住人をつないでいます(写真撮影/内海明啓)

ものづくりのまちでは自分の表現したいものをさらけ出すことが自己紹介になる――。
後藤さん自身も京島にきた当初、子どもたちの施設で撮影をしたり、ワークショップの手伝いをしたりして地元の人と親睦を深めてきたからこそ、実感を込めて言います。

空き家を知ったら大家のもとへ。防災性も備えた長屋を住人につなぐ

地域に新しい人が定着するには、受け皿となる住居が欠かせません。大家と住人をつなぐことが後藤さんのライフワークになっています。

「歴史を重ねた家屋には、入居者が建物にどう関わってきたかが現れているもの。使い込まれた床や梁・柱などにあたたかみが宿り、アイデンティティを感じます。
空き家が出たとき、黙っていると駐車場やマンションになってしまいかねません。『価値ある物件がまちで生かされて欲しい』その一心で大家に交渉します」

1925年に建てられたかつてのブリキ職人の家屋の内部(現後藤さんの事務所)。屋根裏の目隠しの屏風がユニーク(写真撮影/内海明啓)

1925年に建てられたかつてのブリキ職人の家屋の内部(現後藤さんの事務所)。屋根裏の目隠しの屏風がユニーク(写真撮影/内海明啓)

かつてのブリキ職人が洋風建築をモチーフに手がけた装飾的な雨どい(写真撮影/内海明啓)

かつてのブリキ職人が洋風建築をモチーフに手がけた装飾的な雨どい(写真撮影/内海明啓)

大家へのアプローチは、はじめこそ上手くいかなかったものの、2010年に長屋を一軒、リノベーションしてシェアカフェにしたのを足がかりに「まちで活用されるのなら」と、受け入れてくれるように。
今では大家が親しくしている不動産会社とも関係が築かれ、率先して空き家の情報を教えてもらえるまでになったそう。

「後々トラブルにならないよう、『こんなふうにDIYしたい』『家賃はこのくらいがいい』といった入居者の要望と、大家の許容範囲をすり合わせ、不動産会社にしっかり契約書をつくってもらっています」

日替わりでカレーや洋食などの飲食店が入るシェアカフェ「爬虫類館分館」。京島の長屋に興味のある方は後藤さんに直接、連絡を入れれば紹介してもらえることも(連絡先は記事末の取材協力リストに)(写真撮影/内海明啓)

日替わりでカレーや洋食などの飲食店が入るシェアカフェ「爬虫類館分館」。京島の長屋に興味のある方は後藤さんに直接、連絡を入れれば紹介してもらえることも(連絡先は記事末の取材協力リストに)(写真撮影/内海明啓)

長屋は現代の建築基準法に合わせて建てられていないため、耐震性や耐火性にも注力。墨田区の「木造住宅耐震改修促進助成」を利用したり、現場の施工会社の判断を仰いだりしながら、改修のタイミングで筋交い・柱・耐力壁を入れるなどして耐震補強。
防火のために古い配線や、既存のブレーカー・照明を撤去。耐火性能の高い石膏ボードを入れるなどの試みをしています。

仲間を迎えて古い家屋を現代に蘇らせ、さらに表現を楽しめるまちへ

「京島の長屋を借りた場合の家賃は、近隣の賃貸アパートとほぼ一緒。むしろ築古だからこそ、大家も住人も育てる気持ちで労力をかけていかないと、維持できないと言えるでしょう。たとえ面倒に思えても、この歴史的な建物がベースにあるからこそ、自己表現の場としての懐の深さ・創作の伸びしろ・地域のつながりが生まれるのだと。このまちで得られる豊かさを、多くの人に体験してもらいたいです」

これまでも自身で長屋を借り、レンタルスペースやシェアハウスなどを企画・運営してきた後藤さん。今後は、滞在制作の後押しなど、まちと表現したい人をつなげる活動を、さらに推し進めたいと考えています。

約2年前から京島のプロジェクトに関わるようになったヒロセガイさんは、大阪で住宅をリノベーションしたり、全国の芸術祭で企画・制作したりして活躍してきたアーティスト&ディレクター。

京島で建物の再生を手がけるヒロセガイさん。自身が芸術監督を務める街なか芸術祭「すみだ向島EXPO」がこの10月から開催(写真撮影/内海明啓)

京島で建物の再生を手がけるヒロセガイさん。自身が芸術監督を務める街なか芸術祭「すみだ向島EXPO」がこの10月から開催(写真撮影/内海明啓)

「もともと東京には“最先端”のイメージがありましたが、約20年前、アートプロジェクトをきっかけに向島エリア(京島を含む墨田・東向島などの地区)でものづくりをする人たちと出会い、よい意味で遠慮がない『下町つき合い』に触れ、『本当の東京って、こういうことでは』と心を打たれたんです」

以来、現代美術の分野で向島エリアの仲間とつながってきたヒロセさん。約2年前、後藤さんから声をかけられたのを機に、古い家屋と人々が連帯する京島に身を置き、活動していくことにしました。

今、手がけているのは「京島駅」と名づけたまちの駅。京島に来たら訪れるべきところで、旅立つところです。
ここはかつて米屋でしたが約2年前に店主が他界。相続した親族は当初、駐車場にする予定でしたが、後藤さんが「賃貸にして欲しい」とかけ合い、ヒロセさんが企画・監督。コミュニティづくりに役立つ施設へと蘇らせました。

もとは「小倉屋」という米屋だった「京島駅」。1階の一角にはネパールレストラン「Art & Nepal」(「すみだ向島EXPO」に合わせて10月1日に オープン予定)があります(写真撮影/内海明啓)

もとは「小倉屋」という米屋だった「京島駅」。1階の一角にはネパールレストラン「Art & Nepal」(「すみだ向島EXPO」に合わせて10月1日に オープン予定)があります(写真撮影/内海明啓)

一歩入ると懐かしい空気に包まれる「京島駅」ですが、それだけでなく、あちこちにアーティストの仕かけが隠されているのがポイント。1階は田舎に帰って家族とくつろぐ空間、2階は祭りを眺める客席をイメージし、レストランやイベントスペースを設けています。

「墨田の人たちには“江戸っ子”の気風があって、私からすると未だ江戸時代を生きているように見えるんです。この場所が、現代とは違う未来につながれば面白いなと思っています」

「京島駅」の壁をセメントモルタルで装飾するのは、左官アーティストの村尾かずこさん(写真撮影/内海明啓)

「京島駅」の壁をセメントモルタルで装飾するのは、左官アーティストの村尾かずこさん(写真撮影/内海明啓)

2階のイベントスペース。家屋に合わせて入れ替えた建具が雰囲気をアップ。天井にはタコとエビの絵を描いています(写真撮影/内海明啓)

2階のイベントスペース。家屋に合わせて入れ替えた建具が雰囲気をアップ。天井にはタコとエビの絵を描いています(写真撮影/内海明啓)

家屋の構造上、水道の配管が露出されること、昔の銅管の質感のよさに着目し、配管で文字を描いたアート作品を制作。「配管工がさながら伝統工芸士になり、その場を感じてこうした作品をつくったらいいなと思い、手がけました。“配管グラフィティ”と名づけています」(写真撮影/内海明啓)

家屋の構造上、水道の配管が露出されること、昔の銅管の質感のよさに着目し、配管で文字を描いたアート作品を制作。「配管工がさながら伝統工芸士になり、その場を感じてこうした作品をつくったらいいなと思い、手がけました。“配管グラフィティ”と名づけています」(写真撮影/内海明啓)

ヒロセさんにかかると廃材さえ場をつくるための材料。家屋のところどころで感じるエピソードに着想を得て、人々がワクワクとするものへと昇華させてゆきます。

「決して取り残されたものではなく、建物側から広がる風景を大事にしたいと思っています。お祭りのアイデアを浮かべるのも好きなので、商店街でも面白いことをしていきたいです」

京島を代表するスポット「キラキラ橘商店街」。コッペパン専門店「ハト屋パン店」をはじめ、趣あるお店が並びます(写真撮影/内海明啓)

京島を代表するスポット「キラキラ橘商店街」。コッペパン専門店「ハト屋パン店」をはじめ、趣あるお店が並びます(写真撮影/内海明啓)

下町文化の魅力は国籍を超えて。まだまだ進化する京島に期待

この5月には、京島にフランス出身のギヨームさんとクロエさんによるワインショップ「アペロ」がオープンしました。

ワインショップ「アペロ」は、京島の玄関ともいえる商店街入口にある長屋に(写真撮影/内海明啓)

ワインショップ「アペロ」は、京島の玄関ともいえる商店街入口にある長屋に(写真撮影/内海明啓)

東京都港区南青山で7年間、ワインバーを営んできた2人。以前から下町のコミュニティに親しみを感じていて、2号店の場所を京島に定めました。

「フランス人は、古いものやオールドスタイルだと感じられるものが大好き。旧来の価値観や伝統をどう“今”に生かすか、いつも考えているところがあって、その感覚とまちがリンクしたんです。いつかゆったりワインを楽しむ時間を、地域の人たちとつくっていけたらと思っています」

「アペロ」スタッフの猿田知子さん。ワインはビオがほとんど。フランスのあらゆる地域と種類をそろえます(写真撮影/内海明啓)

「アペロ」スタッフの猿田知子さん。ワインはビオがほとんど。フランスのあらゆる地域と種類をそろえます(写真撮影/内海明啓)

メキシコ出身の建築家、ラファエル・バルボアさんは約1年前からオフィス「STUDIO WASABI ARCHITECTURE」を構え、一角にフリースペース「UNTITLED SPACE」を設けています。

「ここでは誰もが住む人の顔を知っていて、そのことで面白さが生まれている。コミュニティのセンスがあるまちだと感じます。
私はパブリックとプライベートスペースの役割に興味があって、週末にギャラリーとして使ったり、卓球台を置いたりして、仕事場を開放しているんです。今後はさまざまなクリエイターとのコラボレーションにも挑戦してみたいですね」

「STUDIO WASABI ARCHITECTURE」を主宰する建築家のラファエル・バルボアさん。日本の建築に関心があったのが、来日のきっかけです(写真撮影/内海明啓)

「STUDIO WASABI ARCHITECTURE」を主宰する建築家のラファエル・バルボアさん。日本の建築に関心があったのが、来日のきっかけです(写真撮影/内海明啓)

フリースペース「untitled space」兼オフィス「STUDIO WASABI ARCHITECTURE」の入口。地元の人がくつろげるよう軒先にベンチを置き、週末は三角スペースまでをまちに開いています(写真撮影/内海明啓)

フリースペース「untitled space」兼オフィス「STUDIO WASABI ARCHITECTURE」の入口。地元の人がくつろげるよう軒先にベンチを置き、週末は三角スペースまでをまちに開いています(写真撮影/内海明啓)

さまざまな動きのなかで、古さが今に生かされるまちへと進化していった京島。豊かさに触れるには、まず訪れてみるのが一番。それがこのまちとつながり、自分らしい表現をする一歩になるのかもしれません。

●取材協力
すみだ向島EXPO
キラキラ橘商店街
アペロワインショップ
STUDIO WASABI ARCHITECTURE

後藤大輝さん
090-4164-8383
info@himatoumejii.co.jp

大空へとつながる空間

所在地:港区南青山
143万5,225円(税込) / 129.67平米
銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道」駅 徒歩4分

天井高5mオーバーの開放感あふれる大きなメゾネット。



下の階から上を見上げると、大きな窓の先に空が見え、階段を上っていると、まるで空の入り口へと向かっているような錯覚を覚えます。



表参道の交差点から、根津美術館の交差点までを結ぶ「みゆき通り」。ファッション界の名だたるブランド ... 続き>>>.
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天高戸建てでのびのびと

所在地:品川区旗の台
19万5,000円 / 59.62平米
東急池上線・東急大井町線「旗の台」駅 徒歩7分

なんと言っても、その魅力は天井高!



3mオーバーと縦に広がるリビングは、ゆとりがあって開放的。おまけに東以外の3方向の窓から入る光のおかげで明るくて、心地よくくつろげそうです。



周囲をあまり気にすることなく、自分たちのペースでのんびり暮らせるのが戸建ての魅力。好きな音楽を聴い ... 続き>>>.
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現代の下宿で暮らそう!

所在地:杉並区大宮
6万5,000円 / 9.93平米
井の頭線「永福町」駅 徒歩12分

閑静な杉並のまちに、つい最近完成したシェアハウス。ひと昔前の下宿のような暮らしのかたちを残しつつ、良いコミュニティが生まれています。



建て替え前は、1階が大家さんご家族の住居、2階が下宿となっている建物でしたが、つい最近新しい戸建に生まれ変わりました。1階にはこれまで通り大家さ ... 続き>>>.
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天高4.1m、元工務店の倉庫

所在地:大田区西糀谷
13万2,000円(税込) / 49.5平米
京急空港線「糀谷」駅 徒歩7分

元々工務店の倉庫として利用されてきたこのスペース。使われなくなって相当な期間が経ちましたが、中を整理する機会があり、今回新らたに賃貸をすることになりました。



天井高は約4.1mあり、想像以上の大空間が待っています。



空間の中央スペース、荷物など撤去したスペースの広さが約49. ... 続き>>>.
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気持ちのいい暮らしのはじまり

所在地:埼玉県川口市本町
10万9,000円 / 53.87平米
埼玉高速鉄道「川口元郷」駅 徒歩6分

室内をスケルトンから一新。新しくリノベーションされたばかりのお部屋のご紹介です。



タイル使いやグレイッシュなカラーリングがクールではありつつ、所々で木の温もりをアクセントで加えた内装。リビングと洋室の間につくられた内窓もいい感じ。



広いウォークインクローゼットに可動棚など、収 ... 続き>>>.
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生まれ育った町田山崎団地の駄菓子屋が閉店危機に! 継承を決意させた「心揺さぶられる光景」

東京都、町田山崎団地の商店街にある「ぐりーんハウス」は、1968年に創業したおもちゃ&駄菓子店。存続が危ぶまれるなか、インテリアデザイナーの除村千春(よけむら・ちはる)さんがお店を継ぎ、昨年6月にリニューアルオープン。新しい試みも功を奏し、子どもだけでなく大人にも親しまれるようになっているという。
原体験に刻まれた懐かしのお店の閉店を知り、引き継ぐことを決意

「町田山崎団地」は1968年から1969年にかけて建設された総戸数3920戸の大規模な住宅団地。空き店舗が点在する、ひっそりした商店街の中で、親子連れや小学生・近隣のビジネスパーソンなどが引っ切りなしに訪れ、にぎわいを見せているのが、おもちゃ&駄菓子店「ぐりーんハウス」です。

東京都町田市を代表する住宅団地「町田山崎団地」。丘陵地に116棟が建ち並びます(写真撮影/中村晃)

東京都町田市を代表する住宅団地「町田山崎団地」。丘陵地に116棟が建ち並びます(写真撮影/中村晃)

団地まではJR東日本・小田急電鉄「町田駅」からバスで約15分。商店街はバスを降りてすぐ。店舗には飲食店・接骨院・美容室などが入っています(写真撮影/中村晃)

団地まではJR東日本・小田急電鉄「町田駅」からバスで約15分。商店街はバスを降りてすぐ。店舗には飲食店・接骨院・美容室などが入っています(写真撮影/中村晃)

「ぐりーんハウス」の味わいのある看板は2代目が使っていたままのもの。面影を残しつつ、内外装はすべてリニューアルしました(写真撮影/中村晃)

「ぐりーんハウス」の味わいのある看板は2代目が使っていたままのもの。面影を残しつつ、内外装はすべてリニューアルしました(写真撮影/中村晃)

除村千春さんは、2020年6月に再オープンしたこのお店の3代目店主。本業は店舗やオフィス・住宅を手がけるインテリアデザイナーで、以前は神奈川県横浜市にオフィスを構えていましたが、今は町田山崎団地に拠点を移し、「駄菓子屋×設計事務所」を営んでいます。
一風変わったスタイルを取ることにした理由には、もともとこの団地で小学校2年生まで生まれ育った原体験があります。

「『ぐりーんハウス』は町田山崎団地が創設された当初からあって、私が小学生のころはまさに子どもたちの聖地。流行りのカードを買いにきたり、友だちの誕生日プレゼントを探したり。家族と商店街を訪れたときは用事がなくても立ち寄る、心のよりどころのようなお店でした。
店主はただ優しいだけでなく、子どもが悪さをしたときは叱ってくれる、懐の深い人だったのを覚えています」

店主の除村千春さん(写真撮影/中村晃)

店主の除村千春さん(写真撮影/中村晃)

その後、初代は2010年に閉店。同じ商店街で飲食店を営んでいた方が名乗りをあげ、2012年に2代目としてオープンします。

その間に社会人となり、関東圏で仕事をしていた除村さん。団地の近くにきたときはお店をのぞくなどして、いつも頭の片隅に存在がありました。そんなある日、ニュースサイトで2代目「ぐりーんハウス」が畳まれるのを知ります。

「そのときは『ああ、やめちゃうのか』くらいの気持ちで、閉店の日にお店に訪れたのも、たまたま予定が合ったからでした。しかしそこで目にした光景が、あまりに心を揺さぶるものだったんです」

店先でにぎわう子どもたちと、閉店を惜しみ、懐かしんでやってくる大人たち――。幸せに満ちた世界を目の当たりにして「ここを絶やしてはいけない」と強く思ったと言います。偶然、後継者を探していると聞き、数時間後には「3代目として受け継ぎたい」と、ほぼ思いを固めていました。

2代目「ぐりーんハウス」の店内。おもちゃと駄菓子のほか、ゲーム機も置かれていました(写真提供/除村さん)

2代目「ぐりーんハウス」の店内。おもちゃと駄菓子のほか、ゲーム機も置かれていました(写真提供/除村さん)

訪れる人の交流が促され、化学反応が起きるようコンセプトを一新

初代と2代目がお店を畳んだ背景には、おもちゃと駄菓子の販売だけで経営を続けていくことの壁がありました。除村さんの場合は設計士の顔を持つ強みがあるものの、やはりそこは重要な課題。
しかし長年、キャリアを重ね、あらゆる業態・業種の店舗を手がけてきたからこそ見えていたこともあったと言います。

「今は駅周辺の大型ショッピングモールを便利に使いながら、小さな個人商店の魅力も味わえる時代。2つが共生しているからこそ、ここにしかないことが光るし、それをしてみたいと思いました。
この商店街は車が入ってこないし、敷地にゆとりがあって、親御さんがお茶をしながら安心して子どもを遊ばせておける環境なんです。
ここに来たらあの人と話せる、くつろいで人と関われる。無理して何かをひねり出すのではなく、もともとあった景色に戻していけたらと思いました」

店舗の隣は広場。向かいにはベンチがあり、買いものの合間にホッとひと息つけます(写真撮影/中村晃)

店舗の隣は広場。向かいにはベンチがあり、買いものの合間にホッとひと息つけます(写真撮影/中村晃)

2020年3月にクラウドファンディングで資金を募り、2カ月後に目標の150万円に達成。入口の看板以外、すべてリニューアルした店舗は、創業時のスピリットはそのままに新しいコンセプトが息づいています。

「かつての自分がそうだったように、子どもたちの“サード・プレイス”にできたらと。しかし一方で、子どもと大人って、大人の心がけ次第では対等だとも思うんです。
そうした気持ちから『年齢に関わらずすべての人の交流が促され、化学反応が起きる場所』を意識しました」

まずポイントとなるのが、商品をゆったり陳列し、回遊できるようにした店内のレイアウト。クラウドファンディングで得た資金でコーヒースタンドにもなるオープンなシェアキッチンをつくり、ちょっとした休憩ができるテーブル席を設置しました。

以前はオープンでしたが、壁と窓を設けて居心地をアップ。内部が見えやすく、はじめてでも入りやすい雰囲気(写真撮影/中村晃)

以前はオープンでしたが、壁と窓を設けて居心地をアップ。内部が見えやすく、はじめてでも入りやすい雰囲気(写真撮影/中村晃)

メインの陳列台はお店の真ん中。商品数をぐんと減らし、回遊しながらゆっくり見られるように(写真撮影/中村晃)

メインの陳列台はお店の真ん中。商品数をぐんと減らし、回遊しながらゆっくり見られるように(写真撮影/中村晃)

店舗の面積の約半分はシェアキッチンとテーブル席。コロナにより現在、テーブル席は閉じていますが、ワークショップやミニ上映会・作家の展示会など構想を広げています(写真撮影/中村晃)

店舗の面積の約半分はシェアキッチンとテーブル席。コロナにより現在、テーブル席は閉じていますが、ワークショップやミニ上映会・作家の展示会など構想を広げています(写真撮影/中村晃)

知人のグラフィックデザイナーの力を借り、初代に使われていたテープや看板のロゴとキャラクターをブラッシュアップ。Tシャツやステッカー・マグカップといったオリジナルアイテムを制作しました。

右端は初代「ぐりーんハウス」で使われていたもので唯一、残っている貴重なテープ(写真撮影/中村晃)

右端は初代「ぐりーんハウス」で使われていたもので唯一、残っている貴重なテープ(写真撮影/中村晃)

お店が親しまれ、未来の懐かしい風景になってゆくよう制作したオリジナルアイテム。かつての常連が買って行くほか、お土産としても好評(写真撮影/中村晃)

お店が親しまれ、未来の懐かしい風景になってゆくよう制作したオリジナルアイテム。かつての常連が買って行くほか、お土産としても好評(写真撮影/中村晃)

気軽に使えるシェアキッチンが、地域参加への足がかりをつくる

様子が一変した3代目「ぐりーんハウス」に、最初は戸惑いを隠せない地域の方も多かったそう。それでも第一のお客さまである子どもたちに実直に向き合ううちに、顔なじみの子が母親と来るようになり、その母親が友だちを連れてきて、と認知が広がっていきました。

「おのずとシェアキッチンも活用されるようになり、仲のよいご家族が集まってクッキーをつくったり、『地域で何かしたい』と模索中の定年後の男性が、試しにチーズケーキを焼いたり。今は週一回、マフィンやスコーン・ドリンクをテイクアウトできる菓子店が出店しています」

「いろいろな方のチャレンジの場になってほしい」と、シェアキッチンは曜日替わりでさまざまな店舗に入ってもらいたいと考えています(写真撮影/中村晃)

「いろいろな方のチャレンジの場になってほしい」と、シェアキッチンは曜日替わりでさまざまな店舗に入ってもらいたいと考えています(写真撮影/中村晃)

今は週一回、ほぼ金曜に「ネコとコーヒーを愛するお菓子屋さん」が出店中。「お客さまの反応を見られるのが嬉しいです」と店主の永山裕子さん(写真撮影/中村晃)

今は週一回、ほぼ金曜に「ネコとコーヒーを愛するお菓子屋さん」が出店中。「お客さまの反応を見られるのがうれしいです」と店主の永山裕子さん(写真撮影/中村晃)

この6月にはこんなエピソードがありました。

「いつも娘さんと遊びにきてくれるお父さんがいたのですが、ふとした会話からラーメンをつくるのが趣味だと分かったんです。『やってくださいよ』と軽いノリから盛り上がり、1周年記念の『ぐりハfes』のときに出店することに。結果は長蛇の列ができるほどの大盛況でした」

何かをはじめるハードルを下げてくれるのが「ぐりーんハウス」のシェアキッチン。思いがけない発見と出会いをもたらしています。

子どもが主体のお店づくりを通して、マインドの大切さに気づく

「かつてはオフィスで独り図面を描くことが多かったのですが、日常的にお客さまと接するようになり、よりのびやかな気持ちでデザインができるようになりました。会話から発想のヒントを得ることも少なくありません」

オープンから1年2カ月、除村さんと子どもたちの関係も深まりを見せています。

「子どもたちの感性を育むような、文化的なお店であれたら」と除村さん。クラウドファンディングでは地域の方からも資金が寄せられたそう(写真撮影/中村晃)

「子どもたちの感性を育むような、文化的なお店であれたら」と除村さん。クラウドファンディングでは地域の方からも資金が寄せられたそう(写真撮影/中村晃)

「子どもたちから学ぶことは本当に多くて、それは端的に言えば『秩序』なのかなと。『ゴミは持ち帰ろう』『扉は閉めてね』など最低限のルールを示しつつ、後は自由でいいよという姿勢でいると、かえって節度が守られ、ざっくばらんに付き合える気がします。逆に急きょ、打ち合わせが入って休業すると次の日に『せっかくきたのに困るよ』などと言われ、背筋が正されることも。不特定多数の人が出入りする大型商業施設であれば、かなわなかったでしょう」

商品は大型店や量販店にないものや、心くすぐるデザインのものを意識して仕入れています(写真撮影/中村晃)

商品は大型店や量販店にないものや、心くすぐるデザインのものを意識して仕入れています(写真撮影/中村晃)

お店の奥の本棚の裏がオフィスですが「子どもの興味のきっかけになれば」と資料となる建築の専門書を店側に並べています(写真撮影/中村晃)

お店の奥の本棚の裏がオフィスですが「子どもの興味のきっかけになれば」と資料となる建築の専門書を店側に並べています(写真撮影/中村晃)

変わらぬ姿勢でお店を開け続けることが、まちづくりにつながる

昨年は、「コロナ禍でもできることを」と、お店への入場制限や手指の消毒など対策を取ったうえで「縁日」「ハロウィン」のイベントを実施。子どもが主体となるお店であることを何より大事にし、子どもたちの期待を裏切らないことを心がけています。

「愛されてきたお店を継ぐのは責任があるし、これからも地域に根差していきたい。そのためには相手に合わせることなく、店主としてのスタンスを保つことは、存続していくためにも必要なのかなと思っています」

お店を出た後にベンチでくつろぐ、微笑ましい親子の光景も(写真撮影/中村晃)

お店を出た後にベンチでくつろぐ、微笑ましい親子の光景も(写真撮影/中村晃)

最近では近隣の大学生がイベントを手伝ってくれたり、シェアキッチンを使いたいという人が増えてきたり。
強い思いと行動力がお店のクオリティを上げ、人々の輪を広げ、地域をどこまでも活気づけています。

●取材協力
ぐりーんハウス
マーチアンドストア
ネコとコーヒーを愛するお菓子屋さん

コンクリート直線美

所在地:千葉県市川市八幡
11万5,000~12万円 / 41.54~42.37平米
都営新宿線「本八幡」駅 徒歩10分

都営新宿線の始発駅のため、座って通勤できる可能性が高い「本八幡駅」にある、建築家により設計された、シュッとしたデザインが特徴的なこちらの物件。



まず本八幡駅についてご存知ない方のためにご説明しますと、総武線利用で錦糸町まで17分、秋葉原まで23分、新宿まで41分。都営新宿線利用 ... 続き>>>.
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都心で自然を求めたら

所在地:東京都港区白金台
22万5,000円 / 70.27平米
南北線・都営三田線「白金台」駅 徒歩4分

港区白金台。

都心とは思えない自然豊かな環境で鳥のさえずりを聞きながら生活できる団地。

芝白金団地と申します。(ご存じの方も多いと思いますが、、、)



高級住宅街「白金台」に「団地」というシュールな掛け合わせが心くすぐる物件です。



リビングから敷地中庭のハゼとイチョウの木を眺め ... 続き>>>.
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三茶に住みたい!を叶えよう

所在地:世田谷区上馬
18万5,000円 / 64.71平米
東急田園都市線・世田谷線「三軒茶屋」駅 徒歩9分

むき出しになった、コンクリートの梁と古木の組み合わせ。レトロマンションの一室が、良い雰囲気にリノベーションされています。



部屋は1階、昼でも少し暗めです。また全ての窓がすりガラスでバルコニーもない事はご承知おきを。少しばかりの秘密基地感や、部屋にこもっている感が欲しいという方に ... 続き>>>.
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日向の部屋

所在地:杉並区上井草
7万9,000円 / 31.5平米
西武新宿線「井荻」駅 徒歩5分

南東の角部屋で、窓からは気持ちいい眺めが楽しめます。エレベーターがなく、階段で4階ですが、この眺めがあれば許せてしまいそう。



広さに少し余裕のある1K。キッチン回りや玄関がゆったりとしていて使いやすそう。収納もたっぷりつくられています。



場所は杉並区上井草。周りは閑静な住宅街 ... 続き>>>.
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ともに戦える仲間を -シェアオフィス-

所在地:港区西麻布
20万6,800円(税込) / 40.37平米
日比谷線・大江戸線「六本木」駅 徒歩8分

★賃料変更しました!★



「同じ釜の飯を食った仲間」。大人になるとなかなか他の会社には作りにくいものです。でもこの場所なら、それが可能かもしれません。



剥ぎ取った天井と壁、余剰を削いだ精悍(せいかん)な顔立ちのオフィスの中で、まず目を引くのは共用のラウンジに併設されたキッチンで ... 続き>>>.
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脱炭素社会の実現に政府が本腰。2030年の住宅のあるべき姿とは。

政府の「2050年カーボンニュートラル」宣言を受けて、住宅分野においてもさらなる省エネ化が求められている。「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方検討会」では、2050年までのロードマップを取りまとめて公表した。住宅の省エネ化は今後どうなっていくのだろう。【今週の住活トピック】
「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」を公表/国土交通省(国土交通省・経済産業省・環境省3省連携)

2050年までの住宅等の省エネ化の道筋が示された

2020年10月、菅義偉内閣総理大臣が「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする。すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言した。この背景には、年々深刻さを増す地球温暖化問題がある。2015年に採択された「パリ協定」では、主要排出国を含む多くの国に、2050年までにCO2排出量の大幅削減やカーボンニュートラルの実現を求めている。こうした流れを受けての宣言だ。

カーボンニュートラルの実現には、家庭でのCO2削減やエネルギー消費量も重要となる。住宅も多くのエネルギーを消費しており、さらなる省エネ化や脱炭素化の取り組みが求められている。検討会では、2050年(長期)、2030年(中期)と逆算して段階的な省エネ対策のあるべき姿をとりまとめ、それを公表した。

○2050年及び2030年に目指すべき住宅・建築物の姿(あり方)

●2050年:ストック平均でZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能が確保され、導入が合理的な住宅・建築物において太陽光発電設備等の再生可能エネルギーの導入が一般的となること

●2030年:新築される住宅・建築物についてZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能が確保され、新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が導入されていること

このあるべき姿に向けて、行政が具体的に動くわけだが、住宅に限定して私たちに影響がありそうなものをピックアップしてみた。その内容を見ていこう。

●ボトムアップ:2025年度にすべての住宅で省エネ基準の適合を義務化し、2030年までにはその基準をZEH(ゼッチ)レベルに引き上げる
●レベルアップ:省エネ性能のボリュームゾーンを引き上げる。ZEHなどの住宅に対する補助などの支援をしつつ、誘導基準をZEHレベルに引き上げ、長期優良住宅や低炭素建築物の認定基準などもZEHレベルに引き上げるなど、2030年までに省エネ性能の基準を引き上げる
●トップアップ:より高い省エネレベルを実現するために、ZEH+やLCCM住宅などの取り組みを促進する
●既存住宅:省エネ改修を促進する

ZEHやLCCMなど聞きなれない用語についてはのちに解説するとして、住宅、特に新築住宅については「ボトムアップ」「レベルアップ」「トップアップ」のレベル別に、あるべき姿が提示されている。また、これから建設される住宅は省エネ基準への適合を義務化することでレベルを引き上げることができるが、既存の住宅は改修を行わないと性能が引き上げられない。そのため、効率的・効果的な省エネ改修を促進することも掲げられている。

2025年までのポイント:「省エネ基準」の適合義務化

さて、ロードマップを理解するために、省エネに関する基準について整理していこう。

まず、省エネ基準について説明しよう。省エネ基準は、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」によって最初に定められたもので、昭和54(1979)年の制定以降、平成4(1992)年、平成11(1999)年、平成25(2013)年に改正され、その内容を強化してきた。

さらに住宅を含む建築物の省エネ化を図るために「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」が成立し、省エネ法の平成25年基準がスライドする形で、建築物省エネ法の平成28(2016)年基準が制定された。これが現行の「省エネ基準」だ。

現行の省エネ基準は、建築物の構造や窓まわりなどの断熱性能を高めて熱の出入りを少なくすること(外皮基準という)に加え、住宅設備による消費エネルギーの違い(省エネ性の高い給湯器やエアコンを使ったり太陽光発電で発電したり)なども加味する(一次エネルギー消費基準という)。さらに、地域の気候条件の違いも考慮するなど、複雑な計算をしたうえで総合的に測られている。

新しく建築物を建てる際には、この省エネ基準を満たす必要があり、非住宅の大規模~中規模の建築物はすでに適合の義務化が進められている。住宅については、一戸建てなど小規模住宅で努力義務(2021年4月以降は建築士から建築主への説明義務)、マンションなど中・大規模住宅(300平米以上)には届け出義務が課されているが、いよいよ2025年度にはすべての住宅で適合が義務化される見通しだ。

2030年までのポイント:省エネ基準を「ZEHレベル」に

省エネ基準とは「最低ここまでは満たすべき」というもので、建築物省エネ法ではそれより高い「誘導基準」があり、それを2030年までにはZEHレベルに引き上げることもロードマップに盛り込まれた。

では、ZEH(ゼッチ)とは何かについて、説明しよう。
ZEHとは、「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」を略したもの。住宅の断熱性・省エネ性能を上げることに加え、太陽光発電などによってエネルギーを創り、年間の「一次エネルギー消費量」を正味(ネット)で、おおむねゼロ以下にするものだ。

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の仕組み(出典:経済産業省の資料より転載)

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の仕組み(出典:経済産業省の資料より転載)

ZEHはハウスメーカーの注文住宅では普及しつつあるものの、まだ一般的ではない。しかし、2030年までには、すべての住宅の最低水準の省エネ性をZEHレベルにしようとしているわけだ。

認定住宅の基準もZEHレベルに引き上げ、トップレベルの住宅の促進も

住宅の省エネに関する基準はほかにもある。
「低炭素建築物」は「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づく、低炭素化が講じられた建築物のこと。省エネ基準よりも一次エネルギー消費量を抑えたうえで、節水対策やヒートアイランド対策、HEMS(家庭で使うエネルギーを見える化して最適化を図る管理システム)や太陽光発電、蓄電池によるエネルギーマネジメントなどの措置を2項目以上講じることなどが求められている。

また、「長期優良住宅」は「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき、長期にわたり良好な状態で使用するための条件を満たす優良な住宅のこと。省エネ性に加えて、劣化対策、バリアフリー性、維持管理・更新の容易性、住戸面積などの多くの条件を満たすことが求められている。

いずれの場合も、所管行政庁に申請し、認定基準を満たせば認定を受けることができる。それぞれの省エネ性の認定基準をZEHレベルに引き上げることもロードマップに掲げられている。

ZEHレベルよりもさらに省エネ性が高いのが、「ZEH+」や「LCCM住宅」だ。
「ZEH+(プラス)」 はZEHより一次エネルギー消費基準や外皮基準を強化し、HEMS導入などで年間の一次エネルギー消費量の収支をマイナスにする住宅のこと。「LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅」は、建設時に省エネ性を高めることに加え、住宅の長寿命化などにより居住時や廃棄時までの住宅のライフサイクルを通じて、一次エネルギー消費量の収支をマイナスにする住宅のことだ。

今回公表されたロードマップでは、こうしたトップレベルの省エネ性の住宅への取り組みも促進するとしている。

新築住宅の太陽光発電設備の設置拡大も視野に

ZEHを目指すには、エネルギーの消費を抑えるだけでなく、エネルギーを創出することも行わなくてはならない。そのために、太陽光発電設備の設置の義務化も検討されたが、ロードマップでは2030年までに一戸建ての6割に太陽光発電設備の設置を目指し、2050年までに設置が一般的になることを目指すとしている。そのために、低コスト化や設置に対する支援制度なども求めている。

最後に、このとりまとめは「2050年カーボンニュートラルの実現及びこれと整合的な2030年度46%削減という野心的な目標の実現に向けて」、住宅や建築物についての実行計画(進め方)を示したもので、「国土交通省、経済産業省、環境省においては、2050 年までにカーボンニュートラルが実現できれば良いという考えを持たず、可能な限り早期にビジョン(あり方)が実現できるように継続的に努力することを求める」とまとめている。つまり、検討会は「2050年カーボンニュートラル」宣言をしたからには、高いハードルに努力して挑みなさいと言っているのだ。

必ずしもロードマップ通りになるとは限らないわけだが、住宅の省エネ性能が高まっていくことは確実だろう。そのために建設コストなどが上がって住宅価格への影響もあるだろうが、コストよりも快適性が高まることのメリットは大きい。地球温暖化で熱中症のリスクも高まり、長時間の冷房により電気代も上がっていくので、住宅のさらなる省エネ化に大いに期待したい。

「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」を公表/国土交通省(国土交通省・経済産業省・環境省3省連携)

風の通り道

所在地:江東区清澄
4,880万円 / 61.64平米
半蔵門線・都営大江戸線「清澄白河」駅 徒歩1分

アートギャラリーやカフェの街といったイメージで人気の清澄白河駅から徒歩1分の好立地にある、建築家の手により2016年にリノベーションされた中古マンションの一室。



共用廊下を挟んだ北側が小名木川に隣接し、リビング側の眺望も抜けているため南北に風が通るという立地の利点を活かすよう、 ... 続き>>>.
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継承される昭和の日本家屋

所在地:杉並区永福
19万5,000円 / 70.04平米
井の頭線「永福町」駅 徒歩6分

ガラガラと音を立てる懐かしの引き戸の玄関をあけると、昭和の趣を残した空間が待っていました。



大家さんと学生たちが住む下宿所だった建物を上下で分割して、2区画の集合住宅にリノベーションした建物の1階部分。



和室、そして緑ゆたかな庭に面する広い縁側と、木製の建具。古き良き雰囲気を ... 続き>>>.
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