手仕事の部屋

所在地:品川区上大崎
9万5,000円 / 31.5平米
山手線「恵比寿」駅 徒歩13分

古材とアンティークの建具を愛するオーナーが、自らの手でリノベーションした空間は、ていねいな手仕事と木の温もりを感じる雰囲気がありました。



玄関入って目の前に現れるのはアンティークの建具。近づいて見ると、ていねいに保管されていて状態が良く、建具への愛がじんわり伝わってきました。

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楽しい日々になりそうだ!

所在地:渋谷区幡ヶ谷
12万3,000円 / 41.64平米
京王新線「幡ヶ谷」駅 徒歩7分

約2.6mと高めの天井高と、各所に設けられた大きい窓。やさしく光に包み込まれるような開放感のあるデザイナーズマンションの一室。



場所は幡ヶ谷駅と笹塚駅のちょうど真ん中らへんで、自転車があれば、代々木上原や下北沢へもすぐ出られちゃう立地が魅力です。駐輪場は建物から歩いてすぐの敷地 ... 続き>>>.
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重厚感に惹かれて

所在地:港区赤坂
19万円 / 57.08平米
千代田線「赤坂」駅 徒歩7分

赤いレンガの重厚な外観。その佇まいに惹かれました。



可能な用途は、事務所と住居。入居者の大半が事務所利用で、業種は法律関係やテレビ関係が多いです。



5路線利用可能なアクセスしやすい立地。管理が行き届き、上品な雰囲気の共用部。エントランスには待ち合わせスペースもあり、来客が多い ... 続き>>>.
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築地場外市場で暮らそう!

所在地:中央区築地
15万円 / 30.8平米
日比谷線「築地」駅 徒歩5分

まず立地に驚きます。ここは築地場外市場のど真ん中。駅から家へのルートに美味しそうな飲食店や乾物屋さん。誘惑が多すぎます。



豊洲に市場が移転した築地ですが、場外市場はこれまで通り元気に頑張っている様子。コロナ禍ですが、近隣の方々が海産物やお弁当を買い物していて、まだまだ活気がある ... 続き>>>.
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眺望自慢、神宮前の重鎮にて

所在地:渋谷区神宮前
45万円 / 96.73平米
銀座線「外苑前」駅 徒歩8分

神宮前にずしりとそびえ立つ、ヴィンテージマンション「ビラシリーズ」のひとつ、ビラ・ローザ。ここで長い年月を過ごしてきた風格とカッコよさが外観や共用部からもビシビシと伝わってきます。



ご紹介するのは、このマンションの7階。リビングからのスカッと抜けた眺望が魅力の部屋です。



間取 ... 続き>>>.
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バルコニーでジャグジーを楽しむ

所在地:中野区上高田
18万8,000円 / 51.92平米
西武新宿線「新井薬師前」駅 徒歩8分

広々としたルーフバルコニーに専用のジャグジーバスが付いた物件。もちろん入浴中に周囲から見えないように、ブラインドを下ろせます。バルコニーは眺めもよく、テーブルセットを置いて気持ちよく過ごせそうです。



室内はメゾネットタイプの1SLDK。コンクリート・木・白塗装の三つのバランスが ... 続き>>>.
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陽気な恵比寿

所在地:渋谷区恵比寿西
9万2,000円 / 31.66平米
東急東横線「代官山」駅 徒歩3分

代官山と恵比寿の間という惹かれる立地。なだらかな坂の中腹に立つ小さなレトロマンション、最上階角部屋。南に向いた壁一面の窓からの日当たりの良いこと!つい鼻歌が出てしまいそうな心地よさがあります。



ガラガラと音を立てて開ける鉄製の窓が渋くてお気に入り。この窓を主役に部屋を作り上げた ... 続き>>>.
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コンパクトで悪くない

所在地:中野区野方
12万2,000円 / 39.32平米
西武新宿線「野方」駅 徒歩5分

野方駅から北に伸びる商店街の先、コンパクトだけどバランスのとれたメゾネットタイプの部屋です。



コンクリートとウッドの床材の組み合わせが印象的な室内は、部屋の中心にキッチンを配置して北に寝室、南にリビングとなっています。北と南、2方向に開口部があり、周囲に高い建物もなく眺望は抜け ... 続き>>>.
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アーバングリーン

所在地:中野区中央
16万円 / 47.06平米
丸ノ内線・都営大江戸線「中野坂上」駅 徒歩1分

中野坂上駅徒歩1分、都会の喧騒ど真ん中、みたいな立地のくせに室内に入ると思いの外静か。さらに大きな窓からは街路樹がどーんと見えて、まさにアーバングリーンな物件です。



室内はメゾネットタイプ。1階にキッチンや浴室など、水回りと12.6畳のLDK。白塗りの壁と打ちっ放しコンクリート ... 続き>>>.
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ご近所お抱え農家Vege House 。野菜の直販を“お客以上友だち未満”の距離感で

採れたて野菜を畑のすぐそばで購入できる野菜の直販サービス「Vege House」。始めたのは、小金井市の阪本農園の阪本さんはじめ幼馴染3人組。お客さんはLINEで注文しておいた野菜を農園でピックアップできる。24時間以内に収穫された新鮮な野菜が手に入るのが魅力で、まさに地産地消のサービスだ。

採れた野菜を、なるべく近所の方に食べてもらいたい

近所に畑があっても、そこで直接野菜を買えるわけじゃない。ああ立派なピーマンだな、里芋だなと気になっても、野菜はスーパーで買うのがあたりまえの社会に私たちは生きている。収穫された野菜は市場に出され、流通にのってまた地元のスーパーに並ぶ。その間、収穫からゆうに4~5日が経ってしまう。

「せっかく住宅街のそばで新鮮な野菜を収穫しているのに、直接お客さんに届けられないのはもったいないと思ったんです。採れた野菜を、なるべく近所の方に食べてもらいたい」と、農園のすぐそばで野菜を売り始めた人たちがいる。同級生3人組、阪本大悟さん、佐藤友樹さん、小嶋英郎さんによる野菜の直販サービス「Vege House」だ。

野菜は新鮮であるほどおいしい。畑のそばで買えるのであれば、それだけで嬉しいサービスになるはずだ。詳しい話を聞きに、新小金井にある阪本農園に向かった。

(写真撮影/甲斐かおり)

(写真撮影/甲斐かおり)

住宅街の中に広がる農園

西武多摩川線の新小金井駅から徒歩8分。コンビニエンスストアの脇の道を入っていくと、阪本農園の畑が見えてくる。周囲はまさに住宅街。1ヘクタールほどの畑が広がり、ハウスも10ほど並んでいる。阪本大悟さんが迎えてくれた。

Vege Houseの阪本大悟さん(写真撮影/甲斐かおり)

Vege Houseの阪本大悟さん(写真撮影/甲斐かおり)

阪本農園は、この土地に350年も続いてきた農家。大悟さんのお父さんの啓一さんは早い時期から有機農法に取り組んできた熱心な農家だ。

主にサラダ野菜を5種類、スイスチャード、ルッコラ、サラダホウレンソウなどを栽培して、大手宅配サイトや飲食店に野菜を卸している。お母さんやお兄さんも一緒に働く家族経営で、ナスやキュウリ、ネギなどの一般的な野菜もつくっている。

(写真撮影/甲斐かおり)

(写真撮影/甲斐かおり)

「Vege House」は、そんな阪本農園の野菜と、近隣の農家の野菜をご近所さんに直販するサービスだ。

しくみはこう。ほぼ毎日、阪本さんたちはインスタグラムやLINEで、登録者向けに販売できる野菜をお知らせする。お客さんは受取の2日前までにほしい野菜をLINEで注文。注文受けた野菜を阪本さんたちは収穫して、受取時間までに用意しておく。お客さんは農園に直接取りにくるか、もしくは配送料300円を支払って届けてもらうことができる(配達範囲は主に小金井市と武蔵野市の一部)。

「配送するより、取りに来てくださるお客さんの方が圧倒的に多いです。なので本当にご近所さん向けのサービスといった感じですね。いま登録数は600ほどですが、1日に取りに来られるのは多いときで20人くらい、少ない日は2人なんて時もあります」

基本、平日の9時半~13時、13~20時は毎日受取可能。買い物や仕事帰り、保育園の送り迎えついでにピックアップする人が多い。しかも注文を受けてから収穫するため、24時間以内に採れた野菜が食べられるのが、最大の嬉しいポイントだ。

Vege Houseのinstagram

Vege Houseのinstagram

「採れたての野菜ってこんなにうまいのか」

Vege Houseは昨年(2020年)の5月、阪本さんと子どものころから仲の良かった同級生、佐藤さん、小嶋さんと3人で始めた。当時はみなまだ大学生だった。
なぜこのサービスを始めることになったのだろう?

「僕は卒業したら農業を手伝うことを決めていました。うちの野菜の9割はずっと大地を守る会(現「オイシックスラ・大地」)に卸しているんです。なのでコロナ禍の影響はほとんどありませんでした。でも売り先が一つしかないのは不安だなと思うようになったんです。自然災害も増えているし、売り先はいくつかある方がいいのではと」

そこで通販プラットフォームを使って、オンラインでの販売を始めてみた。ところがそれほど数が出るわけでもなく、顔の見えないお客さんに野菜を送る仕事は面白く感じられなかった。

せっかく新しいことをやるなら、もっと面白いことができないかと、2人の友人に相談した。

「帰りにお土産にキュウリを渡したんです。それをかじった小嶋が『何これ!こんなうまいキュウリ、初めて食べた』って。採れたての野菜ってこんなにうまいのかって言うんです。野菜はスーパーで買うのが当たり前だと思っているから、東京でこんなおいしい野菜が食べられるってみんな知らないよねって話になって。だったら地元の人たちにアピールしてみたらどうだろうって」

友人2人が興味をもったことで、Vege Houseの構想が生まれた。ご近所さんが野菜を通じて農家や畑を身近に感じるようになる。そこに生まれるささやかな地域コミュニティ。そんな像をめざしてVege Houseは始まった。

その後3人とも大学を卒業し、佐藤さんと小嶋さんは会社員に。以前に比べると忙しくなり、毎日携わるのは難しくなったが、家も近いため月に2~3回は必ず3人で集まり相談し合っているという。

左から佐藤さん、阪本さん、小嶋さん(写真提供/Vege House)

左から佐藤さん、阪本さん、小嶋さん(写真提供/Vege House)

農園が身近な場所になっていく

オンラインでの広がりでお客さんは徐々に増えているが、お客さんというより友だちが増えていく感覚に近いと阪本さんはいう。子育て中の若いお母さんや働く主婦、年配者などさまざま。

「家族連れで取りに来られる方もいます。小さなお子さんが、公園公園っていう感覚で『のうえんのうえん』って言ってくれるらしくて。農園行こうねって。そう聞くとほんとに嬉しいんですよね」

子どもにとっては、スーパーに並ぶ野菜だけでなく、食べものの育つ現場を知る、いい機会なのかもしれないと思う。
だが農作業の合間に野菜を渡したり、配達にまわるのは負担ではないのだろうか。

「だいぶ慣れました。ただやっぱり、家族の理解は大きい。畑で作業していてもお客さんが受取にくる15分前には携帯のバイブが鳴るようにしていて、『行ってくるわ』っていうと『行ってらっしゃい』って言ってくれるので」

畑も受け渡し場所も同じ敷地内なので、それほど時間はかからない。ただし、お客さんの都合で受取時間が変わるなど、手間も多いだろう。

「そうですね。でも僕にとっては友だちみたいな感覚なので。ほぼ名前も覚えているし。『子どものお迎えを先に行ってきてもいいですか』と連絡がきて『はいじゃあ3時半にお待ちしますね』って感じのやり取りです。そのぶん野菜が美味しかったとか、ほかではもう買えないっていうような言葉をいただいて。その方がすごく嬉しい」

野菜の収穫体験をお客さんにプレゼントしたこともある。1000円以上買っていただいた方に、大根を1本直接畑から抜いてくださいというサービス。お客さんにとっては新鮮な遊びや体験になる。
そうしてどんどん近くの畑や農家が身近な存在になっていく。

(写真提供/Vege House)

(写真提供/Vege House)

仕入れ先もご近所さん

Vege Houseでは阪本農園だけでなく、近所の農家の野菜も合わせて販売している。各農家も注文に応じて収穫。それを阪本さんが毎朝集荷にまわる。

「車で10分かからないところばかりなので。例えば荻原農園さんに9時に仕入れにいって、ほかいくつかまわっても9時半にはうちに戻れます」

値段は各農家が決めるため、同じナスでもA農家とB農家で値段は違っていたりする。それはお客さんが選んでくれればいい。Vege Houseで多少の手数料を取っているが、値段は良心的。買う側からしても新鮮な野菜が安価に手に入る。

(写真撮影/甲斐かおり)

(写真撮影/甲斐かおり)

新しいお客さんを獲得するための、ゲリラ販売も

8月中旬の土曜日には、ゲリラ販売が行われた。「インスタを見てはいるけどまだ試したことがない」という人たちに来てほしいと行われたイベントだった。

農作業の後、ということで開始は16時半。時間になると、農園の前にぞくぞくと人が集まり始めた。
軽トラックの荷台に野菜を広げて販売する。若い夫婦や、子ども連れのお母さん、年配者など20人ほどが列をつくった。

次々に野菜を手にするお客さんたち。阪本さんたちは必死で計算する(写真撮影/甲斐かおり)

次々に野菜を手にするお客さんたち。阪本さんたちは必死で計算する(写真撮影/甲斐かおり)

阪本農園と近隣の農家で採れた旬の野菜が並ぶ(写真撮影/甲斐かおり)

阪本農園と近隣の農家で採れた旬の野菜が並ぶ(写真撮影/甲斐かおり)

「ホウレンソウくださ~い」という子どもの声。「じゃあまた~」と笑顔で帰るお年寄り。そのたびに阪本さんは「ありがとうございます、またお願いします!」「とれたて野菜、楽しんでくださいね」と言葉を返す。

野菜がどんどん売れていく。これほどお客さんが訪れるとは思っていなかったそうだ。
30分もしないうちに野菜はほぼなくなり、わずか1時間ほどで完売。

この日は佐藤さん、小嶋さんに代わり、同じく同級生の赤村陽太郎さんが助っ人として参加。(写真撮影/甲斐かおり)

この日は佐藤さん、小嶋さんに代わり、同じく同級生の赤村陽太郎さんが助っ人として参加。(写真撮影/甲斐かおり)

この日訪れたお客さんの半分は、新規のお客だったそう。ほとんどがご近所さん。「その日の気分で買うので、なかなか数日前の予約は難しくて」と話すお客さんもいた。毎日、ここで販売する予定はないのだろうか。

「やっぱり予約して買っていただきたいんですよね。いつでも買えると八百屋と変わらなくなってしまう。欲しいから事前に頼む。お抱え農家みたいになりたいといいますか」

「売り手と買い手」である前に、「つくり手と買い手」の関係性が先にある。お客さんから見れば、阪本さんはあくまで“農家さん”。だからいい。それが違いかもしれない。
食べることはもっとも身近な行為。行きつけの美容院や飲食店と同じように、生活圏に“いつもの農家さん”がいるのは、安心で嬉しいことのように思う。

「自分の暮らす身近に農家があるといいですよね。都会にこそ、本当は農地が増えてほしい」

Vege Houseで扱う野菜はとくにオーガニックに限っているわけではないため価格も控えめ。「ただ新鮮でおいしい」に特化した直販サービスは珍しいかもしれない。

“お客以上友だち未満”の距離感で野菜を販売してくれるVege Houseのようなサービスが増えれば、畑や農業がもっと身近になるだろう。

●取材協力
Vege House
instagram:@vege_house_

ご近所お抱え農家Vege House 。野菜の直販を“お客以上友だち未満”の距離感で

採れたて野菜を畑のすぐそばで購入できる野菜の直販サービス「Vege House」。始めたのは、小金井市の阪本農園の阪本さんはじめ幼馴染3人組。お客さんはLINEで注文しておいた野菜を農園でピックアップできる。24時間以内に収穫された新鮮な野菜が手に入るのが魅力で、まさに地産地消のサービスだ。

採れた野菜を、なるべく近所の方に食べてもらいたい

近所に畑があっても、そこで直接野菜を買えるわけじゃない。ああ立派なピーマンだな、里芋だなと気になっても、野菜はスーパーで買うのがあたりまえの社会に私たちは生きている。収穫された野菜は市場に出され、流通にのってまた地元のスーパーに並ぶ。その間、収穫からゆうに4~5日が経ってしまう。

「せっかく住宅街のそばで新鮮な野菜を収穫しているのに、直接お客さんに届けられないのはもったいないと思ったんです。採れた野菜を、なるべく近所の方に食べてもらいたい」と、農園のすぐそばで野菜を売り始めた人たちがいる。同級生3人組、阪本大悟さん、佐藤友樹さん、小嶋英郎さんによる野菜の直販サービス「Vege House」だ。

野菜は新鮮であるほどおいしい。畑のそばで買えるのであれば、それだけで嬉しいサービスになるはずだ。詳しい話を聞きに、新小金井にある阪本農園に向かった。

(写真撮影/甲斐かおり)

(写真撮影/甲斐かおり)

住宅街の中に広がる農園

西武多摩川線の新小金井駅から徒歩8分。コンビニエンスストアの脇の道を入っていくと、阪本農園の畑が見えてくる。周囲はまさに住宅街。1ヘクタールほどの畑が広がり、ハウスも10ほど並んでいる。阪本大悟さんが迎えてくれた。

Vege Houseの阪本大悟さん(写真撮影/甲斐かおり)

Vege Houseの阪本大悟さん(写真撮影/甲斐かおり)

阪本農園は、この土地に350年も続いてきた農家。大悟さんのお父さんの啓一さんは早い時期から有機農法に取り組んできた熱心な農家だ。

主にサラダ野菜を5種類、スイスチャード、ルッコラ、サラダホウレンソウなどを栽培して、大手宅配サイトや飲食店に野菜を卸している。お母さんやお兄さんも一緒に働く家族経営で、ナスやキュウリ、ネギなどの一般的な野菜もつくっている。

(写真撮影/甲斐かおり)

(写真撮影/甲斐かおり)

「Vege House」は、そんな阪本農園の野菜と、近隣の農家の野菜をご近所さんに直販するサービスだ。

しくみはこう。ほぼ毎日、阪本さんたちはインスタグラムやLINEで、登録者向けに販売できる野菜をお知らせする。お客さんは受取の2日前までにほしい野菜をLINEで注文。注文受けた野菜を阪本さんたちは収穫して、受取時間までに用意しておく。お客さんは農園に直接取りにくるか、もしくは配送料300円を支払って届けてもらうことができる(配達範囲は主に小金井市と武蔵野市の一部)。

「配送するより、取りに来てくださるお客さんの方が圧倒的に多いです。なので本当にご近所さん向けのサービスといった感じですね。いま登録数は600ほどですが、1日に取りに来られるのは多いときで20人くらい、少ない日は2人なんて時もあります」

基本、平日の9時半~13時、13~20時は毎日受取可能。買い物や仕事帰り、保育園の送り迎えついでにピックアップする人が多い。しかも注文を受けてから収穫するため、24時間以内に採れた野菜が食べられるのが、最大の嬉しいポイントだ。

Vege Houseのinstagram

Vege Houseのinstagram

「採れたての野菜ってこんなにうまいのか」

Vege Houseは昨年(2020年)の5月、阪本さんと子どものころから仲の良かった同級生、佐藤さん、小嶋さんと3人で始めた。当時はみなまだ大学生だった。
なぜこのサービスを始めることになったのだろう?

「僕は卒業したら農業を手伝うことを決めていました。うちの野菜の9割はずっと大地を守る会(現「オイシックスラ・大地」)に卸しているんです。なのでコロナ禍の影響はほとんどありませんでした。でも売り先が一つしかないのは不安だなと思うようになったんです。自然災害も増えているし、売り先はいくつかある方がいいのではと」

そこで通販プラットフォームを使って、オンラインでの販売を始めてみた。ところがそれほど数が出るわけでもなく、顔の見えないお客さんに野菜を送る仕事は面白く感じられなかった。

せっかく新しいことをやるなら、もっと面白いことができないかと、2人の友人に相談した。

「帰りにお土産にキュウリを渡したんです。それをかじった小嶋が『何これ!こんなうまいキュウリ、初めて食べた』って。採れたての野菜ってこんなにうまいのかって言うんです。野菜はスーパーで買うのが当たり前だと思っているから、東京でこんなおいしい野菜が食べられるってみんな知らないよねって話になって。だったら地元の人たちにアピールしてみたらどうだろうって」

友人2人が興味をもったことで、Vege Houseの構想が生まれた。ご近所さんが野菜を通じて農家や畑を身近に感じるようになる。そこに生まれるささやかな地域コミュニティ。そんな像をめざしてVege Houseは始まった。

その後3人とも大学を卒業し、佐藤さんと小嶋さんは会社員に。以前に比べると忙しくなり、毎日携わるのは難しくなったが、家も近いため月に2~3回は必ず3人で集まり相談し合っているという。

左から佐藤さん、阪本さん、小嶋さん(写真提供/Vege House)

左から佐藤さん、阪本さん、小嶋さん(写真提供/Vege House)

農園が身近な場所になっていく

オンラインでの広がりでお客さんは徐々に増えているが、お客さんというより友だちが増えていく感覚に近いと阪本さんはいう。子育て中の若いお母さんや働く主婦、年配者などさまざま。

「家族連れで取りに来られる方もいます。小さなお子さんが、公園公園っていう感覚で『のうえんのうえん』って言ってくれるらしくて。農園行こうねって。そう聞くとほんとに嬉しいんですよね」

子どもにとっては、スーパーに並ぶ野菜だけでなく、食べものの育つ現場を知る、いい機会なのかもしれないと思う。
だが農作業の合間に野菜を渡したり、配達にまわるのは負担ではないのだろうか。

「だいぶ慣れました。ただやっぱり、家族の理解は大きい。畑で作業していてもお客さんが受取にくる15分前には携帯のバイブが鳴るようにしていて、『行ってくるわ』っていうと『行ってらっしゃい』って言ってくれるので」

畑も受け渡し場所も同じ敷地内なので、それほど時間はかからない。ただし、お客さんの都合で受取時間が変わるなど、手間も多いだろう。

「そうですね。でも僕にとっては友だちみたいな感覚なので。ほぼ名前も覚えているし。『子どものお迎えを先に行ってきてもいいですか』と連絡がきて『はいじゃあ3時半にお待ちしますね』って感じのやり取りです。そのぶん野菜が美味しかったとか、ほかではもう買えないっていうような言葉をいただいて。その方がすごく嬉しい」

野菜の収穫体験をお客さんにプレゼントしたこともある。1000円以上買っていただいた方に、大根を1本直接畑から抜いてくださいというサービス。お客さんにとっては新鮮な遊びや体験になる。
そうしてどんどん近くの畑や農家が身近な存在になっていく。

(写真提供/Vege House)

(写真提供/Vege House)

仕入れ先もご近所さん

Vege Houseでは阪本農園だけでなく、近所の農家の野菜も合わせて販売している。各農家も注文に応じて収穫。それを阪本さんが毎朝集荷にまわる。

「車で10分かからないところばかりなので。例えば荻原農園さんに9時に仕入れにいって、ほかいくつかまわっても9時半にはうちに戻れます」

値段は各農家が決めるため、同じナスでもA農家とB農家で値段は違っていたりする。それはお客さんが選んでくれればいい。Vege Houseで多少の手数料を取っているが、値段は良心的。買う側からしても新鮮な野菜が安価に手に入る。

(写真撮影/甲斐かおり)

(写真撮影/甲斐かおり)

新しいお客さんを獲得するための、ゲリラ販売も

8月中旬の土曜日には、ゲリラ販売が行われた。「インスタを見てはいるけどまだ試したことがない」という人たちに来てほしいと行われたイベントだった。

農作業の後、ということで開始は16時半。時間になると、農園の前にぞくぞくと人が集まり始めた。
軽トラックの荷台に野菜を広げて販売する。若い夫婦や、子ども連れのお母さん、年配者など20人ほどが列をつくった。

次々に野菜を手にするお客さんたち。阪本さんたちは必死で計算する(写真撮影/甲斐かおり)

次々に野菜を手にするお客さんたち。阪本さんたちは必死で計算する(写真撮影/甲斐かおり)

阪本農園と近隣の農家で採れた旬の野菜が並ぶ(写真撮影/甲斐かおり)

阪本農園と近隣の農家で採れた旬の野菜が並ぶ(写真撮影/甲斐かおり)

「ホウレンソウくださ~い」という子どもの声。「じゃあまた~」と笑顔で帰るお年寄り。そのたびに阪本さんは「ありがとうございます、またお願いします!」「とれたて野菜、楽しんでくださいね」と言葉を返す。

野菜がどんどん売れていく。これほどお客さんが訪れるとは思っていなかったそうだ。
30分もしないうちに野菜はほぼなくなり、わずか1時間ほどで完売。

この日は佐藤さん、小嶋さんに代わり、同じく同級生の赤村陽太郎さんが助っ人として参加。(写真撮影/甲斐かおり)

この日は佐藤さん、小嶋さんに代わり、同じく同級生の赤村陽太郎さんが助っ人として参加。(写真撮影/甲斐かおり)

この日訪れたお客さんの半分は、新規のお客だったそう。ほとんどがご近所さん。「その日の気分で買うので、なかなか数日前の予約は難しくて」と話すお客さんもいた。毎日、ここで販売する予定はないのだろうか。

「やっぱり予約して買っていただきたいんですよね。いつでも買えると八百屋と変わらなくなってしまう。欲しいから事前に頼む。お抱え農家みたいになりたいといいますか」

「売り手と買い手」である前に、「つくり手と買い手」の関係性が先にある。お客さんから見れば、阪本さんはあくまで“農家さん”。だからいい。それが違いかもしれない。
食べることはもっとも身近な行為。行きつけの美容院や飲食店と同じように、生活圏に“いつもの農家さん”がいるのは、安心で嬉しいことのように思う。

「自分の暮らす身近に農家があるといいですよね。都会にこそ、本当は農地が増えてほしい」

Vege Houseで扱う野菜はとくにオーガニックに限っているわけではないため価格も控えめ。「ただ新鮮でおいしい」に特化した直販サービスは珍しいかもしれない。

“お客以上友だち未満”の距離感で野菜を販売してくれるVege Houseのようなサービスが増えれば、畑や農業がもっと身近になるだろう。

●取材協力
Vege House
instagram:@vege_house_