寿は開かれた

所在地:台東区寿
23万1,000円(税込) / 57.85平米
都営大江戸線「蔵前」駅 徒歩5分

蔵前の盛り上がりの影響はじわじわと、三筋や小島、鳥越、そしてここ寿にも広がってきており、築古物件を素敵に改装した路面店が増えてきています。今では御徒町から蔵前にかけてを「カチクラ」と呼び、ものづくり産業の盛んなエリアとして注目されています。



そんな「カチクラ」に含まれる台東区寿 ... 続き>>>.
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キャプテン・イケジリ号

所在地:世田谷区池尻
6万9,000円 / 25.08平米
東急田園都市線「池尻大橋」駅 徒歩10分

「キャプテン・イケジリ号」と名付けたくなるような、船をモチーフに改装された部屋。既存の照明はマリンランプで、リビングと洋室の間の壁には丸い窓がついています。この窓は「舷窓(げんそう)」というもので、本来は船体につけるもの。開閉が可能で、採光と換気の役割があります。



マンションは ... 続き>>>.
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緑を眺めて日向ぼっこ

所在地:港区三田
12万5,500円 / 44.99平米
南北線「麻布十番」駅/都営大江戸線「麻布十番」駅 徒歩10分

港区の閑静な住宅街にある、緑に囲まれたヴィンテージマンション。

年季が入っていますが、日当たり良好でほっこり過ごせるお部屋です。



麻布十番、赤羽橋、三田、田町の4駅が徒歩圏内。

大使館や庭園の多い三田綱町エリアにそのマンションはあります。



お部屋の魅力はなんといっても日当たり ... 続き>>>.
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DIYと仲間たち

所在地:八王子市打越町
4万~5万円 / 18.42平米
京王線「北野」駅 徒歩12分

八王子市の、のどかな環境にあるワンルームマンションで、なかなか面白い活動が行われています。



DIYがOKな床と一枚の壁。好みに合わせて、塗装をしたり、棚を付けたり自由な発想で好みの空間をつくっていただけたらと思います。



今回の募集の部屋はいずれも前の住民がつくった部屋を引き継 ... 続き>>>.
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小さな戸建が改装スタンバイOK!

所在地:世田谷区等々力
17万5,000円 / 46.44平米
東急大井町線「尾山台」駅 徒歩2分

大井町線の尾山台駅から徒歩2分。お向かいは野菜直売所で、駅近なのになんだかほっこりする場所にある小さな戸建。改装OKの物件として、オーナー側で使えない床や設備を解体したこの状態でお引渡しいたします。



用途は、住居だけではなく、住居兼店舗や住居兼事務所で使用が可能です(業種などは ... 続き>>>.
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円柱とコンクリート

所在地:千代田区神田小川町
35万円 / 82.91平米
半蔵門線・都営新宿線・都営三田線「神保町」駅 徒歩4分

どーんと吹き抜けた共用廊下は神聖さすら感じます。

しかも室内もコンクリート打ちっぱなし、天高は最大約5.3mのため、美術館みたいなお部屋です。



神保町駅もしくは御茶ノ水駅から歩いて10分もかからないこちらの物件。

マンション外観はガラス張りになっており、1階にはスポーツショップ ... 続き>>>.
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錦糸町に刮目せよ!

所在地:墨田区太平
3,998万円(税込) / 50.25平米
半蔵門線「錦糸町」駅 徒歩5分

寝室をグルっと囲むカーキ色の壁と白っぽいフローリングを、ドアや工業用ソケット、ライティングレールの黒を差し色にして引き締める色合いがカッコいい1LDK。



オーク材やチーク材、グレーやブラックなど、様々な家具をカラーコーディネートしやすいことや、壁の一面が有孔ボードになっているこ ... 続き>>>.
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収穫お手伝いで食事・宿を無償提供!? 国内外からサポーター集う「オキオリーブ」関係人口の起点に 高松市

香川県高松市にあるオリーブ農園「オキオリーブ」。「一粒ずつ丁寧に手摘みで収穫したオリーブから、収穫4時間以内で抽出する」という手法でつくられるオリーブオイルは、なかなか手に入らない幻の逸品だとか。そして、この「オキオリーブ」では、「収穫サポーター」なる、ちょっと変わった試みをされていると聞き、現地へ。元・証券マンという異色の経歴を持つ、オキオリーブ代表園主の澳敬夫(おき・たかお)さんにもお話を伺った。

地元・全国から無償で収穫を手伝うサポーターが参加

高松空港から車で約15分、秋晴れの空の下、丘の上のオリーブ畑に到着。すると幅広い世代の男女が、一粒ずつオリーブを収穫し、腰に付けたバスケットに入れている。実はこの方たち、スタッフはほんの一部で、多くは「収穫サポーター」と呼ばれる方々。無償で手伝ってもらう代わりに、園が食事や宿を提供するというもの。地元・香川県だけでなく、県外からやってくる人も多いとか。
「互いに特別の恩恵をはかりあう“互恵”という考え方です。参加される方の理由はさまざま。オリーブという食材、オーガニックなものや農作業に興味を持つ人、この温暖な気候に惹かれた人、旅の一つの選択肢として参加した人、観光では得られない体験を求めている人など。年齢も幅広いです」(澳さん)

それぞれがバスケットを腰に付け、リズミカルに両手で収穫していく。収穫シーズンは10月で、中でも前半がピーク(写真撮影/内田伸一郎)

それぞれがバスケットを腰に付け、リズミカルに両手で収穫していく。収穫シーズンは10月で、中でも前半がピーク(写真撮影/内田伸一郎)

すべての実をひとつひとつ手摘みしていくことで、実を傷つけることなく収穫できるだけでなく、余計な葉や軸を取り除くことができる。その分、余計な雑味や苦みがなくなるのがメリット(写真撮影/内田伸一郎)

すべての実をひとつひとつ手摘みしていくことで、実を傷つけることなく収穫できるだけでなく、余計な葉や軸を取り除くことができる。その分、余計な雑味や苦みがなくなるのがメリット(写真撮影/内田伸一郎)

(写真撮影/内田伸一郎)

(写真撮影/内田伸一郎)

県外からの参加者は、通常は1日1組限定のゲストハウスとして使われている「澳邸」を宿泊施設として利用可能。男女別の相部屋で、まるで合宿所のような雰囲気だとか。「寝食を共にしつつ、農作業の中でも最も楽しい、収穫の喜びも共有してもらえたらと思っています」(澳さん)

オキオリーブガーデンのある丘を下った場所にある古民家をリノベーションしたゲストハウス「澳邸」(写真撮影/内田伸一郎)

オキオリーブガーデンのある丘を下った場所にある古民家をリノベーションしたゲストハウス「澳邸」(写真撮影/内田伸一郎)

世界的木工デザイナーのジョージナカシマの「コノイドチェア」やイサムノグチの「AKARI」など、高松ゆかりのアーティストの家具が並ぶ「澳邸」の室内(写真撮影/内田伸一郎)

世界的木工デザイナーのジョージナカシマの「コノイドチェア」やイサムノグチの「AKARI」など、高松ゆかりのアーティストの家具が並ぶ「澳邸」の室内(写真撮影/内田伸一郎)

「オキオリーブ」代表園主・澳 敬夫さん。 元は証券会社勤務。高松支店に赴任中の香川県で農業のファンドビジネスに携わる。「お金も出資者もなかなか集まらない。それなら自分で始めてみよう」と、オリーブ園を始めてしまったという経歴の持ち主(写真撮影/内田伸一郎)

「オキオリーブ」代表園主・澳 敬夫さん。
元は証券会社勤務。高松支店に赴任中の香川県で農業のファンドビジネスに携わる。「お金も出資者もなかなか集まらない。それなら自分で始めてみよう」と、オリーブ園を始めてしまったという経歴の持ち主(写真撮影/内田伸一郎)

澳さんが目指したのは「とことん和食に似合うオリーブオイル」。今年の2022シーズンオイルは、すでにオンラインでの販売は完売(画像提供/オキオリーブ)

澳さんが目指したのは「とことん和食に似合うオリーブオイル」。今年の2022シーズンオイルは、すでにオンラインでの販売は完売(画像提供/オキオリーブ)

収穫サポーターに参加した、ぞれぞれの理由とは? 

撮影当日は今年初めて&2度目という方が多かったが、中にはほぼ毎年訪れている人もいるとか。
そこで、撮影当日に参加されていた方にどうして参加したのか、お話を伺ってみた。
大阪からやってきているというカップル。「もともと2人とも飲食系の仕事をしていて、収穫を自分でできるのはすごく面白いなって。いずれは自分たちのお店をやってみたいという夢もあって、国産オリーブの食材そのものにも興味がありました」

元は同じ高校の同級生。以前参加したことのある彼の誘いで、彼女は今回、初参加。「オリーブを摘むのも面白かったし、普段なら接点のない人と出会うのも良い経験でした」(写真撮影/内田伸一郎)

元は同じ高校の同級生。以前参加したことのある彼の誘いで、彼女は今回、初参加。「オリーブを摘むのも面白かったし、普段なら接点のない人と出会うのも良い経験でした」(写真撮影/内田伸一郎)

ドイツから訪れたという彼の職業はシェフ。「日本の美味しい食材について学びながら日本全国旅をしたいと思っています。まだ日本に着いたばかりで、最初がココなんです」

彼はその後、澳さんの紹介で、地元の和食料理店で修業中だとか(写真撮影/内田伸一郎)

彼はその後、澳さんの紹介で、地元の和食料理店で修業中だとか(写真撮影/内田伸一郎)

「WWOOF」というシステムを利用して、訪れている人も多い。これはオーガニックな農作物をつくる農家がホストとなり、お金のやりとりなしで、「食事・宿泊場所」と「力」そして「知識・経験」を交換するというもの。中には、こうした働き方をしながら全国旅をしている人も多く、他の現場で顔見知りになっている人もいるそうだ。なかには、耳が不自由ながら、みんなで筆談しながらコミュニケーションをとり「ココの楽しい雰囲気が気に入って、今回は2回目なんです」という方もいた。

「奈良に一応自宅はありますが、これを利用して日本全国旅をしています。こうやって、自分の性に合う場所はないかな、と新しい拠点を探している最中です」という方(写真中央)(写真撮影/内田伸一郎)

「奈良に一応自宅はありますが、これを利用して日本全国旅をしています。こうやって、自分の性に合う場所はないかな、と新しい拠点を探している最中です」という方(写真中央)(写真撮影/内田伸一郎)

すでに拠点を持たず、「日本全国、都道府県を制覇したい」という方も(写真撮影/内田伸一郎)

すでに拠点を持たず、「日本全国、都道府県を制覇したい」という方も(写真撮影/内田伸一郎)

生活環境、属性も違う面々が非日常を味わいに集う場所

東京、大阪、名古屋といった都市に暮らしながら、年に1回は収穫シーズンに合わせて参加している方もいる。「普段はパソコンに向かっているばかりの毎日だけれど、この環境で身体を動かしてひとつひとつ実を摘んでいく作業はすごく心地いいんです」という声も。何度か訪れているうちに、観光地を訪れるより少し深く、濃く、この場所が特別になっていくのも、この取り組みのメリットだろう。

東京、横浜からそれぞれ初参加した会社員のお2人。初心者でも澳さんが手摘みの仕方を教えてくれる(写真撮影/内田伸一郎)

東京、横浜からそれぞれ初参加した会社員のお2人。初心者でも澳さんが手摘みの仕方を教えてくれる(写真撮影/内田伸一郎)

もちろん、香川県在住の方も多い。「地元がここだけれど、普通の会社員だから、こんな場所、こんな取り組みがあるとは知らなくて。私たちが何も知らないのはどうかと思って参加してみたら、楽しくて今回が2回目の参加です」という方もいれば、「もともとは併設のカフェの客だったんです。で、収穫体験できるんだ、と一度経験したら、楽しくて。今回はお友達を誘ってみました」と地元民ならではの気軽さで参加している方もいる。

地元の香川県の方々。「彼女は、仕事で今は地元を離れているんだけど、帰省している間にちょっと誘ってみたの」と和気あいあい(写真撮影/内田伸一郎)

地元の香川県の方々。「彼女は、仕事で今は地元を離れているんだけど、帰省している間にちょっと誘ってみたの」と和気あいあい(写真撮影/内田伸一郎)

撮影当日は、以前オキオリーブを取材したことのある記者さんが、朝イチの飛行機で東京から参加していた。こうした縁が広がっていくのも面白い。住まい、環境、年齢、属性の違うさまざまな人たちが、同じ空の下、作業をして、休憩して、語らう。美しい光景だ。

朝イチの作業の後、休憩時間。お茶を飲んだり、お菓子を食べたり。初対面同士の自己紹介も(写真撮影/内田伸一郎)

朝イチの作業の後、休憩時間。お茶を飲んだり、お菓子を食べたり。初対面同士の自己紹介も(写真撮影/内田伸一郎)

(写真撮影/内田伸一郎)

(写真撮影/内田伸一郎)

最初は海外からの旅行者が中心。コロナ禍で変化が

澳さんが、こうした農業サポーターを始めたのは5年前。当初は前述の「WWOOF」で、多くの外国人を受け入れたのがスタートだ。
「最初は、正直いうと、シンプルに収穫に人手がほしかった部分もありました。しかし、ホストファミリーとして、海外の方々を受け入れているうちに、ああ、これは、労働の対価として宿や食事を提供するという単純なものではないなぁと思いました。世界中からいろんな方が来ましたよ。オックスフォードの大学生、医者の卵、建築家、弁護士。お金じゃないんですよね。暮らすように旅をする、日本の食文化を知る、人と人とが繋がる、そういう数字には換算できないものを求めて彼らは来てくれているんだと思いました」(澳さん)

(画像提供/オキオリーブ)

(画像提供/オキオリーブ)

しかしコロナ禍で海外からの渡航者が激減。海外のサポーターの代わりに増えたのが国内の大学生の参加だ。「コロナ禍で学校が休校になったから、と参加してくれるようになったんです。また、海外を旅することはできないから、と国内からの参加も増えましたね」(澳さん)

海外から国内へとシフトする中で、変化も。
「海外の方だと、基本的には1回限り。ココはたくさん旅をする場所のひとつにしか過ぎなかったでしょう。しかし、地元の人やリピーターが増えていくと、少し関わり方も変わってきました。自然と顔見知りは増えますし、リピーターの人が初参加の人に摘み方を教えてあげたり、居住地が近い参加者同士で後日、交流していたり、この場が継続的な、もっと濃い交流の場となっている気がします」(澳さん)

継続的に関わることで生まれる、特別な「場」という意識

そこで、5年前からほぼ毎シーズン参加しているIさんにお話を伺った。最初は娘の秋休みに合わせて親子で参加できる農作業はないか探していたところ、オキオリーブ収穫サポーターを知り、参加したという(現在、収穫サポーターは16歳以上)。

「全国、いや世界中を放浪している若い方たちがいっぱいいたんですよ。娘はお兄さんお姉さんにいっぱい遊んでもらいました。彼らは本当に自由でオープンマインド。私は普通の人生を歩んできた人間なので、ああ、そんな生き方があるんだ、と目からウロコでした」(Iさん)

また、地元の農家さん、澳さんの友人などが顔を出し、一緒にお酒を飲むこともある。そうして何の縁もなかった高松の地が「特別な地」になった。
「地名をいえば、そこで一緒に過ごした方の顔が浮かぶ。子どもにとっても私にとっても繰り返し訪れる地は特別。1回限りの観光で訪れる土地とは、やはり愛着は違います」(Iさん)

子どもなりにできることをやる。今は地元の小学生を除けば、受付年齢は16歳以上となっている。(画像提供/Iさん)

子どもなりにできることをやる。今は地元の小学生を除けば、受付年齢は16歳以上となっている。(画像提供/Iさん)

音楽やアート。この場でこそ味わえる経験をシェアしたい

ここでの関わり方は収穫などの農作業だけではない。
「大工仕事をやってもらうこともありますし、“こんなことをしてみたい”と提案されることもあります。以前、フランス人のアーティストが、農作業の合間に、壁にオリーブの木を描いてくれたこともありました。あ、こちらのカラフルな壁は地元の大学生の作品。こうした作品も、この青空の下、風を感じる丘の上、といったロケーション込みでアートになるんだなと思っています」(澳さん)

併設されたカフェ(現在はメンテナンス休業中)。その横には、オリーブの木のシルエットを壁に描いた小屋がある(写真撮影/内田伸一郎)

併設されたカフェ(現在はメンテナンス休業中)。その横には、オリーブの木のシルエットを壁に描いた小屋がある(写真撮影/内田伸一郎)

単なるコンクリート壁だった貯水槽を、カラフルにペインティング。緑の中に唐突に現れ、楽しい気持ちにさせてくれる作品は地元大学生の手によるもの(写真撮影/内田伸一郎)

単なるコンクリート壁だった貯水槽を、カラフルにペインティング。緑の中に唐突に現れ、楽しい気持ちにさせてくれる作品は地元大学生の手によるもの(写真撮影/内田伸一郎)

また、現在このオリーブ畑はキャンプ場、グランピングの場としても利用可能。農作物の栽培という枠組みを超えて、さまざまな人が「関わる余地のある場」となっている。
さらに、敷地内にある小屋のなかには、澳さんの友人の職人による「Sanuki Tekki」の工房があったり、知り会いのミュージシャンによるジャズライブや、地元のシェフを呼んだイベントなども開かれたりしている。

職人・槇塚登さんの手による鉄のフライパンは、注文して手元に届くまで1年はかかるといわれる人気とか(写真撮影/内田伸一郎)

職人・槇塚登さんの手による鉄のフライパンは、注文して手元に届くまで1年はかかるといわれる人気とか(写真撮影/内田伸一郎)

フラメンコが披露されるイベントが開催されたことも。青空の下、オリーブ畑に囲まれた場所で音楽が奏でられる、特別な時間(写真提供/オキオリーブ)

フラメンコが披露されるイベントが開催されたことも。青空の下、オリーブ畑に囲まれた場所で音楽が奏でられる、特別な時間(写真提供/オキオリーブ)

場所の力は大きい。オンラインでさまざまなことが可能になったからこそ、その場所に足を運ばなければ体験できないことは特別な意味を持つだろう。それが継続的な体験になり、まったく縁のない人に、この地が特別な所になっていく。
「ゆくゆくは、ギャラリーもつくって、音楽、アート、食、さまざまなカルチャーを媒体に、さまざまな人が交わる場所になったらと思っています。どうしても地方創生というと、移住や住んでもらおうとしがちだけれど、そうではなくて、この土地のサポーターを増やしていけたらいいですよね」(澳さん)

●取材協力
オキオリーブ

収穫お手伝いで食事・宿を無償提供!? 国内外からサポーター集う「オキオリーブ」関係人口の起点に 高松市

香川県高松市にあるオリーブ農園「オキオリーブ」。「一粒ずつ丁寧に手摘みで収穫したオリーブから、収穫4時間以内で抽出する」という手法でつくられるオリーブオイルは、なかなか手に入らない幻の逸品だとか。そして、この「オキオリーブ」では、「収穫サポーター」なる、ちょっと変わった試みをされていると聞き、現地へ。元・証券マンという異色の経歴を持つ、オキオリーブ代表園主の澳敬夫(おき・たかお)さんにもお話を伺った。

地元・全国から無償で収穫を手伝うサポーターが参加

高松空港から車で約15分、秋晴れの空の下、丘の上のオリーブ畑に到着。すると幅広い世代の男女が、一粒ずつオリーブを収穫し、腰に付けたバスケットに入れている。実はこの方たち、スタッフはほんの一部で、多くは「収穫サポーター」と呼ばれる方々。無償で手伝ってもらう代わりに、園が食事や宿を提供するというもの。地元・香川県だけでなく、県外からやってくる人も多いとか。
「互いに特別の恩恵をはかりあう“互恵”という考え方です。参加される方の理由はさまざま。オリーブという食材、オーガニックなものや農作業に興味を持つ人、この温暖な気候に惹かれた人、旅の一つの選択肢として参加した人、観光では得られない体験を求めている人など。年齢も幅広いです」(澳さん)

それぞれがバスケットを腰に付け、リズミカルに両手で収穫していく。収穫シーズンは10月で、中でも前半がピーク(写真撮影/内田伸一郎)

それぞれがバスケットを腰に付け、リズミカルに両手で収穫していく。収穫シーズンは10月で、中でも前半がピーク(写真撮影/内田伸一郎)

すべての実をひとつひとつ手摘みしていくことで、実を傷つけることなく収穫できるだけでなく、余計な葉や軸を取り除くことができる。その分、余計な雑味や苦みがなくなるのがメリット(写真撮影/内田伸一郎)

すべての実をひとつひとつ手摘みしていくことで、実を傷つけることなく収穫できるだけでなく、余計な葉や軸を取り除くことができる。その分、余計な雑味や苦みがなくなるのがメリット(写真撮影/内田伸一郎)

(写真撮影/内田伸一郎)

(写真撮影/内田伸一郎)

県外からの参加者は、通常は1日1組限定のゲストハウスとして使われている「澳邸」を宿泊施設として利用可能。男女別の相部屋で、まるで合宿所のような雰囲気だとか。「寝食を共にしつつ、農作業の中でも最も楽しい、収穫の喜びも共有してもらえたらと思っています」(澳さん)

オキオリーブガーデンのある丘を下った場所にある古民家をリノベーションしたゲストハウス「澳邸」(写真撮影/内田伸一郎)

オキオリーブガーデンのある丘を下った場所にある古民家をリノベーションしたゲストハウス「澳邸」(写真撮影/内田伸一郎)

世界的木工デザイナーのジョージナカシマの「コノイドチェア」やイサムノグチの「AKARI」など、高松ゆかりのアーティストの家具が並ぶ「澳邸」の室内(写真撮影/内田伸一郎)

世界的木工デザイナーのジョージナカシマの「コノイドチェア」やイサムノグチの「AKARI」など、高松ゆかりのアーティストの家具が並ぶ「澳邸」の室内(写真撮影/内田伸一郎)

「オキオリーブ」代表園主・澳 敬夫さん。 元は証券会社勤務。高松支店に赴任中の香川県で農業のファンドビジネスに携わる。「お金も出資者もなかなか集まらない。それなら自分で始めてみよう」と、オリーブ園を始めてしまったという経歴の持ち主(写真撮影/内田伸一郎)

「オキオリーブ」代表園主・澳 敬夫さん。
元は証券会社勤務。高松支店に赴任中の香川県で農業のファンドビジネスに携わる。「お金も出資者もなかなか集まらない。それなら自分で始めてみよう」と、オリーブ園を始めてしまったという経歴の持ち主(写真撮影/内田伸一郎)

澳さんが目指したのは「とことん和食に似合うオリーブオイル」。今年の2022シーズンオイルは、すでにオンラインでの販売は完売(画像提供/オキオリーブ)

澳さんが目指したのは「とことん和食に似合うオリーブオイル」。今年の2022シーズンオイルは、すでにオンラインでの販売は完売(画像提供/オキオリーブ)

収穫サポーターに参加した、ぞれぞれの理由とは? 

撮影当日は今年初めて&2度目という方が多かったが、中にはほぼ毎年訪れている人もいるとか。
そこで、撮影当日に参加されていた方にどうして参加したのか、お話を伺ってみた。
大阪からやってきているというカップル。「もともと2人とも飲食系の仕事をしていて、収穫を自分でできるのはすごく面白いなって。いずれは自分たちのお店をやってみたいという夢もあって、国産オリーブの食材そのものにも興味がありました」

元は同じ高校の同級生。以前参加したことのある彼の誘いで、彼女は今回、初参加。「オリーブを摘むのも面白かったし、普段なら接点のない人と出会うのも良い経験でした」(写真撮影/内田伸一郎)

元は同じ高校の同級生。以前参加したことのある彼の誘いで、彼女は今回、初参加。「オリーブを摘むのも面白かったし、普段なら接点のない人と出会うのも良い経験でした」(写真撮影/内田伸一郎)

ドイツから訪れたという彼の職業はシェフ。「日本の美味しい食材について学びながら日本全国旅をしたいと思っています。まだ日本に着いたばかりで、最初がココなんです」

彼はその後、澳さんの紹介で、地元の和食料理店で修業中だとか(写真撮影/内田伸一郎)

彼はその後、澳さんの紹介で、地元の和食料理店で修業中だとか(写真撮影/内田伸一郎)

「WWOOF」というシステムを利用して、訪れている人も多い。これはオーガニックな農作物をつくる農家がホストとなり、お金のやりとりなしで、「食事・宿泊場所」と「力」そして「知識・経験」を交換するというもの。中には、こうした働き方をしながら全国旅をしている人も多く、他の現場で顔見知りになっている人もいるそうだ。なかには、耳が不自由ながら、みんなで筆談しながらコミュニケーションをとり「ココの楽しい雰囲気が気に入って、今回は2回目なんです」という方もいた。

「奈良に一応自宅はありますが、これを利用して日本全国旅をしています。こうやって、自分の性に合う場所はないかな、と新しい拠点を探している最中です」という方(写真中央)(写真撮影/内田伸一郎)

「奈良に一応自宅はありますが、これを利用して日本全国旅をしています。こうやって、自分の性に合う場所はないかな、と新しい拠点を探している最中です」という方(写真中央)(写真撮影/内田伸一郎)

すでに拠点を持たず、「日本全国、都道府県を制覇したい」という方も(写真撮影/内田伸一郎)

すでに拠点を持たず、「日本全国、都道府県を制覇したい」という方も(写真撮影/内田伸一郎)

生活環境、属性も違う面々が非日常を味わいに集う場所

東京、大阪、名古屋といった都市に暮らしながら、年に1回は収穫シーズンに合わせて参加している方もいる。「普段はパソコンに向かっているばかりの毎日だけれど、この環境で身体を動かしてひとつひとつ実を摘んでいく作業はすごく心地いいんです」という声も。何度か訪れているうちに、観光地を訪れるより少し深く、濃く、この場所が特別になっていくのも、この取り組みのメリットだろう。

東京、横浜からそれぞれ初参加した会社員のお2人。初心者でも澳さんが手摘みの仕方を教えてくれる(写真撮影/内田伸一郎)

東京、横浜からそれぞれ初参加した会社員のお2人。初心者でも澳さんが手摘みの仕方を教えてくれる(写真撮影/内田伸一郎)

もちろん、香川県在住の方も多い。「地元がここだけれど、普通の会社員だから、こんな場所、こんな取り組みがあるとは知らなくて。私たちが何も知らないのはどうかと思って参加してみたら、楽しくて今回が2回目の参加です」という方もいれば、「もともとは併設のカフェの客だったんです。で、収穫体験できるんだ、と一度経験したら、楽しくて。今回はお友達を誘ってみました」と地元民ならではの気軽さで参加している方もいる。

地元の香川県の方々。「彼女は、仕事で今は地元を離れているんだけど、帰省している間にちょっと誘ってみたの」と和気あいあい(写真撮影/内田伸一郎)

地元の香川県の方々。「彼女は、仕事で今は地元を離れているんだけど、帰省している間にちょっと誘ってみたの」と和気あいあい(写真撮影/内田伸一郎)

撮影当日は、以前オキオリーブを取材したことのある記者さんが、朝イチの飛行機で東京から参加していた。こうした縁が広がっていくのも面白い。住まい、環境、年齢、属性の違うさまざまな人たちが、同じ空の下、作業をして、休憩して、語らう。美しい光景だ。

朝イチの作業の後、休憩時間。お茶を飲んだり、お菓子を食べたり。初対面同士の自己紹介も(写真撮影/内田伸一郎)

朝イチの作業の後、休憩時間。お茶を飲んだり、お菓子を食べたり。初対面同士の自己紹介も(写真撮影/内田伸一郎)

(写真撮影/内田伸一郎)

(写真撮影/内田伸一郎)

最初は海外からの旅行者が中心。コロナ禍で変化が

澳さんが、こうした農業サポーターを始めたのは5年前。当初は前述の「WWOOF」で、多くの外国人を受け入れたのがスタートだ。
「最初は、正直いうと、シンプルに収穫に人手がほしかった部分もありました。しかし、ホストファミリーとして、海外の方々を受け入れているうちに、ああ、これは、労働の対価として宿や食事を提供するという単純なものではないなぁと思いました。世界中からいろんな方が来ましたよ。オックスフォードの大学生、医者の卵、建築家、弁護士。お金じゃないんですよね。暮らすように旅をする、日本の食文化を知る、人と人とが繋がる、そういう数字には換算できないものを求めて彼らは来てくれているんだと思いました」(澳さん)

(画像提供/オキオリーブ)

(画像提供/オキオリーブ)

しかしコロナ禍で海外からの渡航者が激減。海外のサポーターの代わりに増えたのが国内の大学生の参加だ。「コロナ禍で学校が休校になったから、と参加してくれるようになったんです。また、海外を旅することはできないから、と国内からの参加も増えましたね」(澳さん)

海外から国内へとシフトする中で、変化も。
「海外の方だと、基本的には1回限り。ココはたくさん旅をする場所のひとつにしか過ぎなかったでしょう。しかし、地元の人やリピーターが増えていくと、少し関わり方も変わってきました。自然と顔見知りは増えますし、リピーターの人が初参加の人に摘み方を教えてあげたり、居住地が近い参加者同士で後日、交流していたり、この場が継続的な、もっと濃い交流の場となっている気がします」(澳さん)

継続的に関わることで生まれる、特別な「場」という意識

そこで、5年前からほぼ毎シーズン参加しているIさんにお話を伺った。最初は娘の秋休みに合わせて親子で参加できる農作業はないか探していたところ、オキオリーブ収穫サポーターを知り、参加したという(現在、収穫サポーターは16歳以上)。

「全国、いや世界中を放浪している若い方たちがいっぱいいたんですよ。娘はお兄さんお姉さんにいっぱい遊んでもらいました。彼らは本当に自由でオープンマインド。私は普通の人生を歩んできた人間なので、ああ、そんな生き方があるんだ、と目からウロコでした」(Iさん)

また、地元の農家さん、澳さんの友人などが顔を出し、一緒にお酒を飲むこともある。そうして何の縁もなかった高松の地が「特別な地」になった。
「地名をいえば、そこで一緒に過ごした方の顔が浮かぶ。子どもにとっても私にとっても繰り返し訪れる地は特別。1回限りの観光で訪れる土地とは、やはり愛着は違います」(Iさん)

子どもなりにできることをやる。今は地元の小学生を除けば、受付年齢は16歳以上となっている。(画像提供/Iさん)

子どもなりにできることをやる。今は地元の小学生を除けば、受付年齢は16歳以上となっている。(画像提供/Iさん)

音楽やアート。この場でこそ味わえる経験をシェアしたい

ここでの関わり方は収穫などの農作業だけではない。
「大工仕事をやってもらうこともありますし、“こんなことをしてみたい”と提案されることもあります。以前、フランス人のアーティストが、農作業の合間に、壁にオリーブの木を描いてくれたこともありました。あ、こちらのカラフルな壁は地元の大学生の作品。こうした作品も、この青空の下、風を感じる丘の上、といったロケーション込みでアートになるんだなと思っています」(澳さん)

併設されたカフェ(現在はメンテナンス休業中)。その横には、オリーブの木のシルエットを壁に描いた小屋がある(写真撮影/内田伸一郎)

併設されたカフェ(現在はメンテナンス休業中)。その横には、オリーブの木のシルエットを壁に描いた小屋がある(写真撮影/内田伸一郎)

単なるコンクリート壁だった貯水槽を、カラフルにペインティング。緑の中に唐突に現れ、楽しい気持ちにさせてくれる作品は地元大学生の手によるもの(写真撮影/内田伸一郎)

単なるコンクリート壁だった貯水槽を、カラフルにペインティング。緑の中に唐突に現れ、楽しい気持ちにさせてくれる作品は地元大学生の手によるもの(写真撮影/内田伸一郎)

また、現在このオリーブ畑はキャンプ場、グランピングの場としても利用可能。農作物の栽培という枠組みを超えて、さまざまな人が「関わる余地のある場」となっている。
さらに、敷地内にある小屋のなかには、澳さんの友人の職人による「Sanuki Tekki」の工房があったり、知り会いのミュージシャンによるジャズライブや、地元のシェフを呼んだイベントなども開かれたりしている。

職人・槇塚登さんの手による鉄のフライパンは、注文して手元に届くまで1年はかかるといわれる人気とか(写真撮影/内田伸一郎)

職人・槇塚登さんの手による鉄のフライパンは、注文して手元に届くまで1年はかかるといわれる人気とか(写真撮影/内田伸一郎)

フラメンコが披露されるイベントが開催されたことも。青空の下、オリーブ畑に囲まれた場所で音楽が奏でられる、特別な時間(写真提供/オキオリーブ)

フラメンコが披露されるイベントが開催されたことも。青空の下、オリーブ畑に囲まれた場所で音楽が奏でられる、特別な時間(写真提供/オキオリーブ)

場所の力は大きい。オンラインでさまざまなことが可能になったからこそ、その場所に足を運ばなければ体験できないことは特別な意味を持つだろう。それが継続的な体験になり、まったく縁のない人に、この地が特別な所になっていく。
「ゆくゆくは、ギャラリーもつくって、音楽、アート、食、さまざまなカルチャーを媒体に、さまざまな人が交わる場所になったらと思っています。どうしても地方創生というと、移住や住んでもらおうとしがちだけれど、そうではなくて、この土地のサポーターを増やしていけたらいいですよね」(澳さん)

●取材協力
オキオリーブ

野毛坂を超えて

所在地:横浜市西区戸部町
14万1,000円 / 44.02平米
京浜東北線・横浜市営地下鉄ブルーライン「桜木町」駅 徒歩10分

パキッとした外観が特徴のマンションのご紹介です。



駅から野毛山公園に向う途中を曲がり、少し進んだところ、丘の中腹に位置しています。裏側は山になっていて、緑いっぱいです。



室内はフローリングに、コンクリート打ち放しの壁・天井。シンプルなつくりになっています。一部、白い壁になって ... 続き>>>.
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野毛坂を超えて

所在地:横浜市西区戸部町
14万1,000円 / 44.02平米
京浜東北線・横浜市営地下鉄ブルーライン「桜木町」駅 徒歩10分

パキッとした外観が特徴のマンションのご紹介です。



駅から野毛山公園に向う途中を曲がり、少し進んだところ、丘の中腹に位置しています。裏側は山になっていて、緑いっぱいです。



室内はフローリングに、コンクリート打ち放しの壁・天井。シンプルなつくりになっています。一部、白い壁になって ... 続き>>>.
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多摩川リバーサイド

所在地:川崎市中原区丸子通
12万8,000円 / 23.56平米
東急東横線「新丸子」駅 徒歩9分

多摩川にかかる丸子橋のすぐかたわらに立つ、リバーサイド物件のご紹介です。今回募集の住戸は多摩川に面してない、南向きになります。



間取りは広めのLDKにロフト付きで、LDは1.5層分くらいの吹抜けになっています。天井が高く、上から下まで一面の大きな窓になっているので、かなり気持ち ... 続き>>>.
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多摩川リバーサイド

所在地:川崎市中原区丸子通
12万8,000円 / 23.56平米
東急東横線「新丸子」駅 徒歩9分

多摩川にかかる丸子橋のすぐかたわらに立つ、リバーサイド物件のご紹介です。今回募集の住戸は多摩川に面してない、南向きになります。



間取りは広めのLDKにロフト付きで、LDは1.5層分くらいの吹抜けになっています。天井が高く、上から下まで一面の大きな窓になっているので、かなり気持ち ... 続き>>>.
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