退廃的美学

所在地:世田谷区太子堂
27万5,000円(税込) / 85.14平米
東急田園都市線「三軒茶屋」駅 徒歩2分

三軒茶屋駅から徒歩2分の、退廃感につつまれた戸建。



どう使いましょうか。



直近まではアーティスト集団のアトリエ的な使い方だったそうですが、今回の募集に際しては、以下のような用途は不可です。



・不特定多数の出入りのある業種

・飲食店舗

・音や匂いのする業種

・住居利用



出入 ... 続き>>>.
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気負わない暮らし

所在地:渋谷区上原
34万円 / 85.38平米
小田急線・千代田線「代々木上原」駅 徒歩2分

上原で見つけた、びっくりするくらいシンプルで媚びない部屋。



前回のリノベーションで、無駄と思われる要素が全て排除され、日差しに包まれたリビングのただただやわらかで素な雰囲気に、かっこつけずの気負わない暮らしが容易に想像できました。



無色透明どんな色にでも染められそうな馴染みや ... 続き>>>.
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いかに開き、リラックス出来るか

所在地:目黒区目黒
65万円 / 74.71平米
山手線「目黒」駅 徒歩7分

建築家が目黒に手がけた、小さな広い家。



吹き抜けの中庭からの採光を各居室で享受する。空間の抜けとつながりで、面積以上の開放感があって。くもりの日でも、照明いらないくらいの明るさです。



近隣からの視線を遮りつつ、いたるところに自然光が注ぐユニークなつくり。都市の中でいかに開き、 ... 続き>>>.
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可能性のかたち

所在地:足立区西新井
8万2,000円 / 34.78平米
日暮里舎人ライナー「谷在家」駅 徒歩3分

占有住居部分とは別に、共用のリビング・キッチンスペースが使える物件です。共用、というワードが出るとシェアハウスと勘違いされがちですが、違います。これもまた魅力的な暮らし方のひとつ。



建物に関わる人たちが豊かな関係を築いてくれたら、という思いで古い木造アパートを改装したのが数年前 ... 続き>>>.
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竹林を望むデザイナーズ

所在地:大田区北千束
20万~20万1,000円 / 51.84平米
東急目黒線「洗足」駅 徒歩2分



竹がたくさん覆いしげり日陰で涼しげな魅惑の中庭。鳥の鳴き声や川のせせらぎが聴こえてきそうな心地よいデザイナーズ。



今回は同じ間取りの二部屋をご紹介。緑に囲まれた空間は、のんびりと1人暮らしで、特に在宅ワークの方にちょうど良さそう。とにかく静かで、集中できそうな環境です。



一 ... 続き>>>.
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温泉マン

所在地:神奈川県大和市下鶴間
12万円 / 50.31平米
小田急江ノ島線・東急田園都市線「中央林間」駅 徒歩14分

タイトルの通り、温泉付きのマンションです!



室内は無垢材のフローリングを使用し、対面キッチンもステンレスのシンプルなタイプで、スッキリとした印象です。



間取りはゆったりと過ごせそうな1LDK+WIC。LDKと洋室に沿って長くて奥行きのあるバルコニーが付いていて開放的です。



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名建築ホテルの実測スケッチがエモいとSNSで話題! 朝食やアメニティも実測する遠藤慧さんの制作現場に密着 「all day place shibuya」東京都渋谷区

ホテルの実測スケッチがSNSで人気を集め、2023年8月に『東京ホテル図鑑』(学芸出版社)として書籍化が実現した一級建築士・カラーコーディネーターの遠藤慧さん。実測スケッチとは、建築物などの対象物を観察しメジャーなどでそのさまざまな部分を測量、スケッチに落とし込んだもの。初の著書には、「アマン東京」「帝国ホテル」など人気の名建築ホテルがたっぷり収録されています。どのような視点で実測スケッチを描いているのか? ホテルの実測スケッチに密着し、建築スケッチに込めた思いをたっぷり語ってもらいました。

遠藤慧さん。講談社の雑誌『with』にて「実測スケッチで嗜む名作建築」連載中(写真撮影/池田礼)

遠藤慧さん。講談社の雑誌『with』にて「実測スケッチで嗜む名作建築」連載中(写真撮影/池田礼)

■関連記事:
名建築ホテルを実測スケッチで味わう。「アマン東京」「LANDABOUT TOKYO」「hotel hisoca」など 一級建築士 遠藤慧さん

水彩スケッチ集『東京ホテル図鑑』で楽しむ名建築『東京ホテル図鑑 実測水彩スケッチ集』(学芸出版社)(画像提供/遠藤慧さん)

『東京ホテル図鑑 実測水彩スケッチ集』(学芸出版社)(画像提供/遠藤慧さん)

「HOTEL K5」「アマン東京」「K5」「山の上ホテル」「hotel Siro」など東京・近郊で人気のホテルを収録(画像提供/遠藤慧さん)

「HOTEL K5」「アマン東京」「山の上ホテル」「hotel Siro」など東京・近郊で人気のホテルを収録(画像提供/遠藤慧さん)

遠藤さんは、建築事務所に勤めていたころ、設計のリサーチとしてホテルの実測スケッチを描きはじめました。デザインの勉強のためにホテルを実際に訪れ、建築家が建てた空間を体験しながら描いたスケッチは、現在までに30枚以上! 丁寧に描き込まれた実測スケッチからは、建築を慈しむ遠藤さんの眼差しや感動が伝わってきます。初の著書となる『東京ホテル図鑑』には、2020~2023年、宿泊して描いた23のホテルの実測スケッチを収録。見開きに1つのホテルの要素を詰め込んだ図鑑のような仕上がりです。

見開きページでホテルの1ルームの空間を表現。左ページにはパース(遠近法で描いた線画)、右ページに平面図、中央付近にアメニティを描いた例(The AOYAMA GRAND Hotel 建築設計:三菱地所、インテリアデザイン:乃村工藝社A.N.D)(画像提供/遠藤慧さん)

見開きページでホテルの1ルームの空間を表現。左ページにはパース(遠近法で描いた線画)、右ページに平面図、中央付近にアメニティを描いた例(The AOYAMA GRAND Hotel 建築設計:三菱地所、インテリアデザイン乃村工藝社A.N.D)(画像提供/遠藤慧さん)

実測したホテルの写真と解説、スケッチの参考にした色や素材のリストも掲載(アマン東京 設計:大成建設、インテリアデザイン:ケリー・ヒル・アーキテクツ)(画像提供/遠藤慧さん)

実測したホテルの写真と解説、スケッチの参考にした色や素材のリストも掲載(アマン東京 設計:大成建設、インテリアデザイン:ケリー・ヒル・アーキテクツ)(画像提供/遠藤慧さん)

遠藤さんが図鑑的なスケッチを描くようになったきっかけは、東京藝術大学美術学部建築科の授業「建築と表現」の課題でした。

その時試みたのは、建築の空間を表現する際、1つの側面だけではなく、断面や置いてある植物など空間を構成している全てを1枚に収めたスケッチを描くことでした。指導担当の中山英之教授から「君がやりたいのは図鑑なんだよ」と指摘され、遠藤さんはハッとしたと言います。子どものころ、図鑑が好きだったことを思い出したのです。例えば、小学館の図鑑シリーズでは、「タンポポ」のページを見ると、花の断面や蕾から開いていく様子、植物学的な分類、タンポポの花を使った草遊びまで、あらゆる事象がタンポポを説明するものとして、1ページに収められています。幼い遠藤さんにはそれがとても美しく思えたのです。

遠藤さんの実測スケッチには、真上から見た平面図、建物を縦に切った時の断面図、立体的に表現されたパースなどが1枚に収められ、さまざまな角度からホテルの魅力を伝えています。シャンプーや歯ブラシなどのアメニティやフードを描いたマニアックなスケッチも! 情報量が多く、見飽きることがありません。

限られたスペースに機能とデザインを両立させた収納や洗面台は必ずスケッチ。タオル入れやコンセントの配置も描いたスケッチ(The AOYAMA GRAND Hotel 建築設計:三菱地所、インテリアデザイン乃村工藝社A.N.D)(画像提供/遠藤慧さん)

限られたスペースに機能とデザインを両立させた収納や洗面台は必ずスケッチ。タオル入れやコンセントの配置も描いたスケッチ(The AOYAMA GRAND Hotel 建築設計:三菱地所、インテリアデザイン:乃村工藝社A.N.D)(画像提供/遠藤慧さん)

遠藤さんの琴線に触れたものは描かれる運命。ルームキーや部屋に飾ってある花も(山の上ホテル 建築設計:ヴォーリズ建築事務所ウィリアム・メレル・ヴォーリズ/現一粒社ヴォーリズ建築事務所)(画像提供/遠藤慧さん)

遠藤さんの琴線に触れたものは描かれる運命。ルームキーや部屋に飾ってある花も(山の上ホテル 建築設計:ヴォーリズ建築事務所ウィリアム・メレル・ヴォーリズ/現一粒社ヴォーリズ建築事務所)(画像提供/遠藤慧さん)

「hotel hisoca」の実測スケッチ(設計・施工:UDS)(画像提供/遠藤慧さん)

「hotel hisoca」の実測スケッチ(設計・施工:UDS)(画像提供/遠藤慧さん)

「hotel hisoca」の実測スケッチを描いた縁で、ホテルのコンセプトブックのイラストを担当。美しい絵本をめくっているよう(写真撮影/池田礼)

「hotel hisoca」の実測スケッチを描いた縁で、ホテルのコンセプトブックのイラストを担当。美しい絵本をめくっているよう(写真撮影/池田礼)

遠藤さん、一体どうやって描いているんですか!? そこで、実際に宿泊して実測スケッチする過程を見せてもらうことに。著書にも登場する「all day place shibuya」実測スケッチに同行。書籍に収録されているのは、2022年12月、ダブルルームに宿泊し、実測スケッチしたものです。今回は、スイートルームの実測スケッチを行います。

使われている色や素材から設計者の意図を探る

JR渋谷駅から徒歩5分、高低差のある道路に挟まれた角地に立つ「all day place shibuya」。2階のレセプションに、小さなジュラルミンのキャリーケースをひいて現れた遠藤さん。「初めて泊まるお部屋を描けるのがとっても楽しみ!」とにっこり。2回目の来訪ですが、初めて訪れた時のホテルの印象はいかがでしたか。

「一番魅力的に感じたのは、道路との高低差を段状のベンチや花壇で上手く調整しながら、屋外空間をつくっているところです。誰でもするっと入っていけるポケットパークのよう。街にとっても素敵なことだと思います」(遠藤以下略)

街に開きながら囲われた感もあり、ベンチには、コーヒーやビールを手に語り合う人々の姿がありました。

高低差のある道路に囲まれているがレベル差を活かしたエントランス(写真撮影/池田礼)

高低差のある道路に囲まれているがレベル差を活かしたエントランス(写真撮影/池田礼)

床やベンチ、花壇の立ち上がりには緑色のタイルを使用(写真撮影/池田礼)

床やベンチ、花壇の立ち上がりには緑色のタイルを使用(写真撮影/池田礼)

2022年にダブルルームに宿泊した時描いたスケッチ(all day place shibuya 企画・設計・運営:UDS、客室インテリアデザイン:DDAA)(画像提供/遠藤慧さん)

2022年にダブルルームに宿泊した時描いたスケッチ(all day place shibuya 企画・設計・運営:UDS、客室インテリアデザイン:DDAA)(画像提供/遠藤慧さん)

「とても素敵なのは、エントランスに入った時の体験が途切れずに2階まで続いていくこと! 1階のカフェの床に使われている緑色のタイルは、屋外やエレベーターの中まで連続していて、内外が繋がっているんです。多治見の美濃焼を使ったオリジナルのタイルは、色むらが本当にきれいで、街とホテルをグラデーショナルに繋いでくれています」

植栽と相まってイメージカラーの緑が強調されている(写真撮影/池田礼)

植栽と相まってイメージカラーの緑が強調されている(写真撮影/池田礼)

色むらが美しい緑色のタイルがエレベーターの床まで連続している(写真撮影/池田礼)

色むらが美しい緑色のタイルがエレベーターの床まで連続している(写真撮影/池田礼)

建物のインテリアデザインは、DDAA。ホテルのレセプションがある2階のレストランはPuddleによる設計です。

「素材の使い方などデザインコードが似ているので、建物全体に共通言語があると感じます。2階は土色のタイルを床と壁面の一部に用いたデザインですが、エントランスも、床と花壇の立ち上がり部分にタイルを使用していました。レセプションに置かれたアクリル板と金メッキの単管パイプを使った造作のテーブルがすごくカッコイイです!」
※デザインコード
「配置」「色」「形」「素材」など、空間の秩序を構成する「視覚的な約束事」

スタッフが常駐するコミュニケーションテーブルや季節のディスプレイを展示するテーブルは、DDAA・元木大輔さんによるオリジナル(写真撮影/池田礼)

スタッフが常駐するコミュニケーションテーブルや季節のディスプレイを展示するテーブルは、DDAA・元木大輔さんによるオリジナル(写真撮影/池田礼)

一級建築士でありカラーコーディネーターでもある遠藤さんだからこそ気づける視点はハッとすることばかり。解説をしながら壁やテーブルにそっと触れる遠藤さんは、物言わぬ建物と語り合っているように見えます。

「建築は、とても雄弁なんですよ。事前に資料も調べますが、訪れないとわからないことの方が多いんです。設計は箱だけつくるわけじゃなくて、過ごす人のことを考えて雰囲気も含め、トータルにデザインされています。滞在して、その場に身を置くことで、設計者の思いを辿っていきたいと思っています」

2階にあるピッツァ・ダイニング「GOOD CHEESE GOOD PIZZA」では、毎朝、清瀬の農場から届く新鮮な牛乳からつくったチーズを提供(写真撮影/池田礼)

2階にあるピッツァ・ダイニング「GOOD CHEESE GOOD PIZZA」では、毎朝、清瀬の農場から届く新鮮な牛乳からつくったチーズを提供(写真撮影/池田礼)

モーニングで選べる「つくりたてストラッチャテッラ オンザブレッド」は、もちもちとしたチーズとサーモン、アボカドのコンビネーション(写真撮影/池田礼)

モーニングで選べる「つくりたてストラッチャテッラ オンザブレッド」は、もちもちとしたチーズとサーモン、アボカドのコンビネーション(写真撮影/池田礼)

描くことで、ものをよく見ることができる

今回、実測スケッチをするのは、「Weekend Suite」(広さ53.7平米・定員2名)です。入室するやいなやドアに貼ってある避難経路図をまじまじと見る遠藤さん。

「フロアにある部屋の並びを確認しているんです。宿泊する部屋が、このフロアで一番多いタイプなのか特殊な位置づけなのか把握することから始めます」

ゆったりとしたソファスペース。22時までならゲストを呼んでパーティ等も可能(写真撮影/池田礼)

ゆったりとしたソファスペース。22時までならゲストを呼んでパーティ等も可能(写真撮影/池田礼)

感嘆の声をあげながら、メモをとったり、収納をのぞいたり、楽しそうな遠藤さん(写真撮影/池田礼)

感嘆の声をあげながら、メモをとったり、収納をのぞいたり、楽しそうな遠藤さん(写真撮影/池田礼)

(写真撮影/池田礼)

(写真撮影/池田礼)

ベッドルームから水回り、収納を見て回ります。ベッドとソファスペースの間にあるユニークな形のオブジェは、オリジナルデザインの照明でした。

「ホームページの写真で見た時は何だろう?と思っていましたが、ベッドとソファスペースの仕切りとしてとても良いですね。金属ブラインドの透け感が良い感じ。ぐにゃぐにゃ柔らかそうな照明でとてもかわいいです」

ベッドルームの壁には首都高をモチーフに制作されたアート(作:安田昴弘氏)が飾られています。以前遠藤さんが宿泊したダブルルームと同様に本棚などの什器には緑色のメラミン化粧板が使われていました。

コーヒーにまつわる本が置かれたシェルフには、コーヒー豆やミルも用意されている(写真撮影/池田礼)

コーヒーにまつわる本が置かれたシェルフには、コーヒー豆やミルも用意されている(写真撮影/池田礼)

積層合板を小口に現したメラミン化粧板の棚。右は壁や床の色や素材を示したもの(画像提供/遠藤慧さん)

積層合板を小口に現したメラミン化粧板の棚。右は壁や床の色や素材を示したもの(画像提供/遠藤慧さん)

「部屋に使用されているメラミン化粧板の緑色は、共用部のタイルの緑色とは印象も実際の色味も違いますが、他の素材がグレーや黒などの無彩色系なので、テーマカラーのグリーンがとてもきれいに伝わってきます。広いお部屋で見ると深い色に見え、本棚の天板が外の光やアートの色をほのかに反射して美しいです。入り巾木や造作家具の収まり、カーテンの見せ方など、ものとものとの取り合いが良いですね。壁面が真っ白ではなくてほんの少しグレーで、自然光を柔らかく広げていて、とても良い見え方になっています」

ホテルの担当者から、ひととおり、部屋の説明を受けたあと、実測がスタート。キャリーケースから次々と道具を取り出します。実測に使うのは、レーザー距離計と金属製のメジャー、色見本帳のほか見慣れない道具も。

左回りに、レーザー距離計、三角スケール、スコヤ(直定規)、コンベックス(金属製メジャー)、色見本帳(写真撮影/池田礼)

左回りに、レーザー距離計、三角スケール、スコヤ(直定規)、コンベックス(金属製メジャー)、色見本帳(写真撮影/池田礼)

「レーザー距離計は部屋の外形など長い距離を測る時に便利です。椅子の高さなど中距離はメジャー、小さな厚みなどはノギス。コップなどの厚みや丸いものの径を測る時に使います」

慣れた手つきでレーザー距離計を壁にあてる遠藤さん。ベッドルームとソファスペースの長辺の長さは7m以上! 実測すると部屋の端から端まで想像以上の距離があり、どうりで広いはずだ!と納得。

「空間を何となく見ているだけでは描けないんです。構造がどうなっているのか理解するために、さまざまな角度からよく見るようにしています」

「後ろが窓になっているのが清々しくてとても良いですね」と遠藤さんお気に入りの洗面所(写真撮影/池田礼)

「後ろが窓になっているのが清々しくてとても良いですね」と遠藤さんお気に入りの洗面所(写真撮影/池田礼)

実測したら、最終的なレイアウトをイメージしながら、スケッチブックにおおよそのレイアウトや気になった家具などを描き、寸法を入れていきます。部屋の規模にもよりますが、その後の下書きやペン入れ、水彩による着彩は自宅で行うことが多いそうです。

(写真撮影/池田礼)

(写真撮影/池田礼)

今回は、スケッチブックにひと晩でこんなに描き込んだというから驚きです(画像提供/遠藤慧さん)

今回は、スケッチブックにひと晩でこんなに描き込んだというから驚きです(画像提供/遠藤慧さん)

描きたいのは、コップではなくコップが置かれた空間編集部に届いた実測スケッチ。設計者やデザイナーの思いと遠藤さんの感動が響き合い、生まれた1枚(画像提供/遠藤慧さん)

編集部に届いた実測スケッチ。設計者やデザイナーの思いと遠藤さんの感動が響き合い、生まれた1枚(画像提供/遠藤慧さん)

完成した実測スケッチを見た瞬間、思わず、ため息がこぼれました。紙面を大胆に使ってソファスペースからベッドルームのパースが描かれています。1階のクラフトビールバーのグラスには高さや幅のサイズが書かれ、「使ってみて欲しくなった!」という備えつけのソーダサーバーまで事細かに描かれています。

左下は、「カッコ良すぎる」と遠藤さんが感じたローテーブル。古材とアクリル板、荷紐のベルトなど素材についてのメモも(画像提供/遠藤慧さん)

左下は、「カッコ良すぎる」と遠藤さんが感じたローテーブル。古材とアクリル板、荷紐のベルトなど素材についてのメモも(画像提供/遠藤慧さん)

壁と床の間にある巾木の素材や壁や家具の足まわりなども事細かに。神は細部に宿るとはまさにこのこと!(画像提供/遠藤慧さん)

壁と床の間にある巾木の素材や壁や家具の足まわりなども事細かに。神は細部に宿るとはまさにこのこと!(画像提供/遠藤慧さん)

チーズのとろとろが見事に描写された「つくりたてストラッチャテッラ オンザブレッド」。ピンクペッパーがピリッ(画像提供/遠藤慧さん)

チーズのとろとろが見事に描写された「つくりたてストラッチャテッラ オンザブレッド」。ピンクペッパーがピリッ(画像提供/遠藤慧さん)

遠藤さん、こんな目線で見ていたんだ……と驚くと共に、自宅のようにくつろいだ部屋の印象が蘇りました。

「空間の雰囲気が伝わったなら、とても嬉しいです。例えば、コップがあった時、私が描こうとしているのは、コップそのものじゃなくて、コップが置かれている空間です。何となくこの部屋いいなと思う時、その理由が1つだけということはあまりないと思います。コップのそばに置いてある食べ物だったり、その後ろにある窓からの光だったり、全部ひっくるめて、良いなと感じているはず。部屋を訪れた時の印象をどうやったら表現できるんだろう? と思って辿り着いたのが、図鑑的にいろんな断面を見せる実測スケッチだったのです」

カーテンを開けた時の感動が伝わってくる(帝国ホテル東京 設計:高橋貞太郎/本館、インテリアコーディネート:ジュリアン・リード/本館インペリアルフロア)(画像提供/遠藤慧さん)

カーテンを開けた時の感動が伝わってくる(帝国ホテル東京 設計:高橋貞太郎/本館、インテリアコーディネート:ジュリアン・リード/本館インペリアルフロア)(画像提供/遠藤慧さん)

実測スケッチ風ホテルステイの楽しみ方

最後に、『東京ホテル図鑑』をもっと楽しむ方法や自分に合ったホテルを選ぶポイントを教えてください。

「SNSには『本は、汚さないように大切にします!』と言ってくださる方もいて有難いのですが、自分で訪れたホテルの感想を書き込んだりして使い込んでもらっても嬉しいです。建築資料として参照できるつくりにこだわったので、自分もとても役立っています。『どうやってホテルを見つけていますか?』という質問もよく受けますが、私は、素敵だなと思ったホテルに巡り合ったら、設計者やデザイナー、運営会社をチェックして、同じ系列のホテルに行ってみたりすることもあります」

表紙カバーの裏には、遠藤さんからのサプライズが。本の中で紹介したホテルの平面図が同じスケールで、入り口の向きをそろえて面積順にズラリ(写真撮影/池田礼)

表紙カバーの裏には、遠藤さんからのサプライズが。本の中で紹介したホテルの平面図が同じスケールで、入り口の向きをそろえて面積順にズラリ(写真撮影/池田礼)

本に紹介されている部屋と同じ部屋に泊まって、遠藤さんが感じたことを追体験したり、スケッチとの違いを感じたりしても楽しそう! 逆に実測スケッチされていない部屋に泊まるのもアリ。こういうパターンのデザインもあるんだ!など気づきがありそうです。

遠藤さんが実測スケッチを描くモチベーションは、「行ってめちゃくちゃ良かった!」という自分の感想を伝えたいというシンプルな思いです。

「こういう風に描いたら良さが伝わるんじゃないかと思いつくと、ワクワクするんですよ。スケッチを見た人から『行ってみたくなった!』というコメントが届くとすごく嬉しいですね」

建築をよく見て思いを込めて描くからこそ、遠藤さんは、設計者やデザイナーが建物に込めた物語を見つけることができるのでしょう。

『東京ホテル図鑑』のスケッチからは、街とホテル、雰囲気や居心地のデザインなど当たり前に過ごしていた空間がどのようにつくられているのかを学ぶことができます。「いつか海外のホテルを実測スケッチして本を出したい」と語った遠藤さん。以前、「all day place shibuya」の担当者が、レセプションで『東京ホテル図鑑』を展示したところ、海外のお客さんに大反響だったそう。夢が叶う日はそう遠くないかもしれません。

●取材協力
・遠藤慧(X:Twitter)
・all day place shibuya

秘密のガレージ店舗

所在地:世田谷区若林
12万1,000円(税込) / 22.8平米
世田谷線「若林」駅 徒歩8分

現入居者がいい感じに改装した1階路面店舗。エントランスは味のある扉と壁。床はモルタルを黒色に塗装してラフな感じに。壁と天井は白色ですが、窓枠や照明に黒色を使って、部屋のアクセントにしています。



落ち着いた色使いの内装で、どこかガレージっぽい雰囲気がある空間です。



場所は世田谷 ... 続き>>>.
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バランス重視のひとり暮らし【DIY可】

所在地:世田谷区若林
8万円 / 22.8平米
世田谷線「若林」駅 徒歩8分

立地や間取り、内装などの様々な要素のバランスが、個人的に◎。しかもこの部屋は一部の壁が合板仕上げで、DIY可能です。もし僕がひとり暮らし用の部屋を探していたとしたら、この部屋を選びそう。そんな物件のご紹介です。



最寄り駅は世田谷線の若林ですが、渋谷駅行きのバスも利用可能です。バ ... 続き>>>.
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透明なフレーム

所在地:神奈川県鎌倉市山ノ内
48万円 / 140.3平米
JR横須賀線「北鎌倉」駅 徒歩8分

【条件を変更しました】



思うに、この建物の設計者は庭や周辺環境との関係を大切にし、念入りに検討したのかなと。ふと立ち止まった時に、色づいた落ち葉が落ちたあとの地面の表情に気づかされたり、窓から切り取られた風景が絵画のように美しかったり。



航空写真を見た時から、ワクワクしていま ... 続き>>>.
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【慶應義塾大学】一人暮らし賃貸の家賃相場ランキング2024年! 日吉&三田キャンパス周辺のクチコミ&オススメ情報

大学進学を機に、新年度から一人暮らしをスタートさせる人も多いはず。そんな人の参考になるように今回は慶應義塾大学で学部数が多い、日吉キャンパス(神奈川県横浜市)と三田キャンパス(東京都港区)に通いやすく、家賃相場が安い駅を調査! 各キャンパスの最寄駅である、日吉駅まで電車で15分圏内、または田町駅・三田駅・赤羽橋駅いずれかまで電車で20分圏内に位置し、家賃相場が安い駅のランキングをご紹介する。さらに不動産会社「ハウスメイトショップ」目黒店店長の山本泰史さん、武蔵小杉店店長の加瀬舞子さんに聞いた、各キャンパス周辺にある学生が住む街としておすすめの駅や、ランキング上位の街に住んだことがある人々の口コミも見ていこう。

日吉キャンパス最寄駅:日吉駅まで15分以内の家賃相場が安い駅TOP15(16駅)

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/所要時間/乗り換え回数)
1位 羽沢横浜国大 5.55万円(相鉄新横浜線/神奈川県横浜市神奈川区/11分/0回)
2位 片倉町 5.8万円(横浜市営地下鉄ブルーライン/神奈川県横浜市神奈川区/15分/1回)
3位 西谷 6万円(相鉄新横浜線/神奈川県横浜市保土ケ谷区/14分/0回)
3位 白楽 6万円(東急東横線/神奈川県横浜市神奈川区/12分/0回)
5位 妙蓮寺 6.2万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/10分/0回)
6位 岸根公園 6.3万円(横浜市営地下鉄ブルーライン/神奈川県横浜市港北区/13分/1回)
6位 大口 6.3万円(JR横浜線/神奈川県横浜市神奈川区/13分/1回)
6位 東白楽 6.3万円(東急東横線/神奈川県横浜市神奈川区/13分/1回)
9位 高田 6.85万円(横浜市営地下鉄グリーンライン/神奈川県横浜市港北区/5分/0回)
9位 小机 6.85万円(JR横浜線/神奈川県横浜市港北区/14分/1回)
9位 東山田 6.85万円(横浜市営地下鉄グリーンライン/神奈川県横浜市都筑区/7分/0回)
12位 日吉 6.9万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/※分/※回)※起点駅
12位 菊名 6.9万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/5分/0回)
12位 日吉本町 6.9万円(横浜市営地下鉄グリーンライン/神奈川県横浜市港北区/2分/0回)
15位 綱島 7万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/2分/0回)
15位 大倉山 7万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/4分/0回)
―――
「ハウスメイトショップ武蔵小杉店」加瀬さんおすすめの駅
15位 綱島
ランク外 元住吉 7.6万円(東急東横線/神奈川県川崎市中原区/1分/0回)
ランク外 武蔵小杉 8.5万円(東急東横線/神奈川県川崎市中原区/2分/0回)

三田キャンパス最寄駅(田町駅、三田駅、赤羽橋駅)いずれかまで20分以内の家賃相場が安い駅TOP13(15駅)

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/所要時間/乗り換え回数/到着駅)
1位 昭和島 7.5万円(東京モノレール/東京都大田区/19分/1回/田町駅)
2位 流通センター 7.9万円(東京モノレール/東京都大田区/18分/1回/田町駅)
3位 西馬込 8.2万円(都営浅草線/東京都大田区/15分/0回/三田駅)
3位 多摩川 8.2万円(東急目黒線/東京都大田区/20分/0回/三田駅)
5位 大森町 8.3万円(京浜急行本線/東京都大田区/20分/1回/三田駅)
6位 糀谷 8.4万円(京浜急行空港線/東京都大田区/20分/0回/三田駅)
7位 千駄木 8.5万円(東京メトロ千代田線/東京都文京区/20分/1回/三田駅)
7位 川崎 8.5万円(JR東海道本線/神奈川県川崎市幸区/16分/1回/田町駅)
7位 大岡山 8.5万円(東急目黒線/東京都大田区/15分/0回/三田駅)
7位 馬込 8.5万円(都営浅草線/東京都大田区/13分/0回/三田駅)
7位 武蔵小杉 8.5万円(JR横須賀線/神奈川県川崎市中原区/18分/1回/田町駅)
7位 平和島 8.5万円(京浜急行本線/東京都大田区/14分/0回/三田駅)
13位 荏原町 8.6万円(東急大井町線/東京都品川区/18分/1回/三田駅)
13位 京急蒲田 8.6万円(京浜急行本線/東京都大田区/18分/0回/三田駅)
13位 洗足 8.6万円(東急目黒線/東京都目黒区/16分/0回/三田駅)
―――
「ハウスメイトショップ目黒店」山本さんおすすめの駅
13位 洗足
ランク外 中延 9.1万円(都営浅草線/東京都品川区/11分/0回/三田駅)
ランク外 武蔵小山 9.2万円(東急目黒線/東京都品川区/12分/0回/三田駅)

慶應義塾大学を代表する2つのキャンパス周辺の環境&家賃相場は?

慶應義塾大学のキャンパスは各地にあるが、メインとなるのは多くの学部の1・2年生が通う日吉キャンパスと、同様に複数の学部の2~4年生や大学院生が通う三田キャンパスだ。

日吉キャンパス(写真/PIXTA)

日吉キャンパス(写真/PIXTA)

神奈川県横浜市港北区に位置する日吉キャンパスの最寄駅は日吉駅。東急東横線と東急目黒線、横浜市営地下鉄グリーンライン、さらに2023年3月開業の東急新横浜線が乗り入れている。東口駅前には見事なイチョウ並木が延びており、そこはもう敷地面積約10万坪という広大な日吉キャンパス。駅西口側には食料品街からユニクロなどの服飾・雑貨店、家電量販店までそろう「日吉東急アベニュー」があるほか、リーズナブルな飲食店も豊富な商店街が広がっている。

■学生時代に日吉駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
※コメント内容は住んでいた学生当時のモノです(以下、記事内すべて同)
・住んでいてよかったところ
「駅の周りに必要なものが大体そろっていて便利です。美味しい飲食店が多く、ランチなどはお手ごろなお店も多くて良いです。『アクイロット』(イタリアン)が好きです」(30歳女性)
「駅前の商店街は安い店が多くよく利用していた」(28歳女性)
・住んでいて困った点など
「夜に騒ぐ学生や若者が多い」(27歳男性)

今回お話をうかがった「ハウスメイトショップ武蔵小杉店」店長・加瀬舞子さんは、「日吉キャンパスに通うのは単位取得のため学校に通う機会が多い1・2年生が多数。そのため最寄りの日吉駅や、近隣駅にお住まいになる学生さんが多いですね」と教えてくれた。そんな日吉駅は12位にランクインしており、学生向け賃貸物件の家賃相場(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK、駅から徒歩15分圏内。以下同)は6万9000円。さらに家賃を抑えたいなら、ランキング上位の5万円台~6万円台前半の駅もチェックしたい。加瀬さんからは「近すぎると友人のたまり場になり、遠すぎると通学が面倒になるので、学校から20分ほどの範囲で探すのもいいですよ」とのアドバイスも。その点からも、あえて最寄りの日吉駅ではない街に住むのもアリだろう。

三田キャンパスの慶應義塾図書館(写真/PIXTA)

三田キャンパスの慶應義塾図書館(写真/PIXTA)

続いて三田キャンパス周辺の様子を見てみよう。東京都港区にある三田キャンパスは慶應義塾の原点といえる地だ。最寄駅である田町駅にはJRの山手線や京浜東北・根岸線が乗り入れ、駅周辺はビジネス街として発展。再開発によりここ数年で大規模なオフィスビルや複合ビルが誕生し、今後も高層ビルの竣工が複数控えている。一方で駅から大学へと向かう通り一帯は、リーズナブルな飲食店がひしめく学生街でもある。また、田町駅のすぐ近くには2023年11月グランドオープンの商業エリアを備えた「田町タワー」に直結する、都営地下鉄三田線・浅草線の三田駅も。キャンパスから北へ徒歩8分ほどの場所にある都営大江戸線・赤羽橋駅とあわせて、この3駅が主に大学の最寄駅として利用されている。

田町駅周辺の学生向け賃貸物件の家賃相場は12万円、三田駅の家賃相場は12万1000円、赤羽橋駅の家賃相場は12万5000円。大学への通いやすさなら最寄駅周辺に住むのが一番だろうが、学生にとってこれだけの家賃を払うのは厳しそう……。「ハウスメイトショップ目黒店」の山本泰史さんも、「三田周辺は家賃が高めのため、電車を使ってドア・トゥ・ドアでキャンパスまで30分以内にある物件を探す方が多い印象です」とのこと。上記ランキングで記載している所要時間は「電車の乗車時間(乗り換え時間含む)」であり「物件~駅/駅~大学間の所要時間」は含まないので、その点は物件探しの際に考慮したい。とはいえ家賃相場に注目するとトップ13の駅は7万円台~8万円台なので、田町駅や三田駅、赤羽橋駅の周辺よりもだいぶ費用を抑えることができる。

家賃の安さで住まいを選ぶ際は、上記のランキングをぜひ参考にしてほしい。※上位駅の住みごこちに関するクチコミは記事末に掲載

しかし家賃相場はもちろんのこと、住みやすい街かどうかも大事だろう。そこで先に登場したお二人に、日吉・三田の各キャンパスに通う学生の住む街としておすすめの駅を教えてもらった。
あわせて、学生時代に、実際に紹介駅の周辺に住んでいた人たちのクチコミも紹介するのでぜひ参考にしてほしい。

日吉キャンパスに通う1・2年生が住むなら、東急東横線沿線をチェック!

まずは日吉キャンパスに通う学生も利用する、「ハウスメイトショップ武蔵小杉店」店長の加瀬さんにおすすめの街をうかがおう。先述したように、日吉キャンパスに通う学生は日吉駅や近隣駅に住むことが多いのだそう。「日吉駅や日吉近隣の東急東横線沿線は、飲食店をはじめ、商業施設が充実している駅も多く、初めての一人暮らしでも安心して住める環境ですよ」と加瀬さん。なかでも特におすすめの駅を3つ、教えてくれた。

元住吉駅(写真/PIXTA)

元住吉駅(写真/PIXTA)

おすすめ度1位は日吉駅の隣、東急東横線と東急目黒線が通る元住吉駅。今回の調査では、家賃相場は7万6000円だった。「駅を挟んで東西2つの商店街があり、チェーン系の店舗や地元の個人商店も含めて約280店舗の商店が立ち並んでいます。主にファミリー層が住むエリアなので、落ち着いた住環境を求められる方には非常におすすめできる駅です」。また、駅から徒歩7分ほどの場所に広大な「川崎市中原平和公園」があったり、駅前を流れる渋川沿いに約2kmにわたる桜並木が続いていたりと、自然を感じられる環境なのも魅力だという。

■学生時代に元住吉駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
・住んでいてよかったところ
「駅を出たところに商店街があり、いつも人がいて温かい雰囲気が好きだった。ブレーメン通りは食品や日用品がそろうだけでなく、美味しいチーズが出てくるお店など飲食店も充実していた」(28歳女性)
「スーパーやカフェ、郵便局、区役所が近くにあるので何も困らない点は良かった」(29歳女性)
・住んでいて困った点など
「各停しか止まらない」(19歳女性)
「駅近くだとお店や人が多くてうるさいかも」(25歳男性)

武蔵小杉駅(写真/PIXTA)

武蔵小杉駅(写真/PIXTA)

次なるおすすめは東急東横線と東急目黒線、JRの南武線など各線が乗り入れる武蔵小杉駅。日吉駅までは東急東横線でも東急目黒線でも2駅・3分前後、家賃相場は8万5000円だ。「家賃の価格帯は少し上がりますが、住みたい街ランキングでも上位に入る、人気が高いエリアです。『ららテラス 武蔵小杉』や『グランツリー武蔵小杉』など大型商業施設も充実。乗り入れ路線も多く、都内への玄関口として非常に利便性が高い駅です」

「SUUMO住みたい街ランキング2023 首都圏版」(リクルート調べ)で14位にランクインした武蔵小杉駅は神奈川県川崎市にあるが、駅東側を流れる多摩川を越えると東京都大田区に。東急東横線の通勤特急に乗れば、自由が丘駅まで1駅・約6分、渋谷駅まで3駅・約17分で行くことができる。日吉キャンパスまでの近さはもちろんのこと、せっかく進学で上京するならば都内までの近さも重視したい人には、うってつけだろう。また、武蔵小杉駅は今回調査した「三田キャンパス」周辺の家賃相場が安い駅ランキングだと7位。1・2年次は日吉キャンパス、3年次以降は三田キャンパスに通う予定の学生なら、進級後も引越しせず住み続けられる点も便利そう。

■学生時代に武蔵小杉駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
・住んでいてよかったところ
「飲食店が多い、商業施設もある、交通の便がいい、メリットはたくさんあります」(24歳女性)
「JR線と東急線の両方にアクセスができて、とても便利」(20歳女性)
・住んでいて困った点など
「人が多いので駅が混雑する」(27歳女性)
「人があふれていて落ち着ける場所は少ないこと」(23歳女性)

綱島駅(写真/PIXTA)

綱島駅(写真/PIXTA)

加瀬さんおすすめの3つ目の駅は、日吉キャンパス周辺の家賃相場が安い駅ランキングで15位の東急東横線・綱島駅。元住吉駅とは逆側、日吉駅から下り方面へ1駅目に位置しており、家賃相場は7万円だ。「スーパーやドラッグストア、飲食店など、駅周辺には幅広いジャンルの店舗がとても豊富。2023年3月には東急新横浜線の新綱島駅がすぐ近くに開業しており、ますます利便性が高まっている点も注目です!」と加瀬さん。

東急新横浜線は日吉駅~新横浜駅を結ぶ路線で、同時期に開業した新横浜駅~西谷駅を結ぶ相鉄新横浜線とともに、相鉄・東急直通線の連絡線としての役割を担っている。相鉄線と東急線との相互直通運転が始まり、神奈川県央部~東京都心部間のアクセス性が向上したと話題だ。新しくできた新綱島駅は綱島駅から歩いて5分ほどなので、この辺りに住むと2駅2路線が利用できるわけだ。新駅開業にあわせて道路の整備などの再開発も進められ、より住みやすい街へと進化している。

■学生時代に綱島駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
・住んでいてよかったところ
「一人暮らし向けの飲食店が充実しており、東横線や目黒線で都心へのアクセスも良好なことからお勧めしたいです」(21歳男性)
「駅前にはスーパーや商店がそろっている。日常的な買い物には困らない街だと思う」(28歳男性)
・住んでいて困った点など
「意外とガヤガヤしてる」(28歳男性)

三田キャンパスに通う学生の住まいとして、おすすめの駅3選

三田キャンパスへの通学にも便利な街は、「ハウスメイトショップ目黒店」山本泰史さんにうかがった。住む街を選ぶ際のポイントは、「交通の利便性が高い駅であること」と話す山本さん。「三田キャンパスを利用する3・4年生は、アルバイトや就職活動など学校外での活動が増えてくる時期。そのため学校への行きやすさを踏まえたうえで、別の場所へのアクセスの利便性も高い駅を選ぶのがよいでしょう」

三田キャンパスは最寄駅が多く、どの路線がよいのかも迷うところ。その点をうかがうと、「特におすすめは東急目黒線の沿線。都営三田線と相互直通運転されていてキャンパスがある三田駅まで乗り換えせずに行けること、目黒駅に出れば都内の主要駅に行きやすいJR山手線に乗り換えられる点が魅力です」と教えてくれた。

なかでも山本さんイチ押しは、急行停車駅でもある東急目黒線・武蔵小山駅。大学最寄りの三田駅までは都営三田線直通の東急目黒線なら約12分で行くことができる。家賃相場は9万2000円と少々高め。「開発が進み、近年は家賃相場が上がった点はネック。ですが、東京で最も長いアーケード商店街があって、買い物や外食にたいへん便利な環境です。にぎわいのある街なだけに適度に人目があり、一人暮らしの学生さんも安心して暮らせるでしょう」

武蔵小山駅前の風景(写真/PIXTA)

武蔵小山駅前の風景(写真/PIXTA)

武蔵小山商店街パルム(写真/PIXTA)

武蔵小山商店街パルム(写真/PIXTA)

都内最長だというアーケード商店街「武蔵小山商店街パルム」は、全長約800mで店舗数は約250軒にものぼる。商店街の東側駅前エリアには、再開発で2019年に開業したショッピングモール「パークシティ武蔵小山ザモール」や、品川区役所の出張所や商業施設も備える2021年6月竣工の複合施設も。駅周辺の再開発は現在も進行中なので、今まさに街が生まれ変わりゆく様子を見られる点も魅力だ。

■学生時代に武蔵小山駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
・住んでいてよかったところ
「林試の森公園が近くにあり、土日はそこでゆったり過ごすことができた」(30歳男性)
「アーケード付き商店街があるので、雨の日でもお買い物が便利」(28歳女性)
・住んでいて困った点など
「学生が多く、うるさい」(30歳男性)
「土日は混んでる」(28歳女性)

もう少し家賃相場を抑えたいなら、「東急目黒線の東京都区間内では比較的、家賃相場が安い、洗足(せんぞく)駅もおすすめです」と山本さん。洗足駅の家賃相場は8万6000円で、三田キャンパス周辺の家賃相場が安い駅ランキングで13位に。三田駅までは都営三田線直通の東急目黒線に乗ると約16分だ。

洗足駅前の風景(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

洗足駅前の風景(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「駅前にスーパーやドラッグストアがそろっていて買い物に便利な環境。駅周辺は閑静な住宅街で落ち着いた印象です。そのぶん人通りが少なく心細く感じるかもしれないので、住まい探しの際に駅までの道のりチェックも忘れずにしましょう」

2023年に開業100周年を迎えた洗足駅の駅前には美しいイチョウ並木が続き、並木通り沿いを中心に商店街が広がっている。日々の食事に役立つ惣菜店や、自家焙煎にこだわるコーヒーショップなど個性的な店が豊富なのでめぐり歩くのも楽しそう。また、洗足駅から徒歩10分弱に位置する東急大井町線・北千束駅を利用することも可能だ。

■学生時代に洗足駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
・住んでいてよかったところ
「静かで、住人の方々も穏やかな人が多い印象。碑文谷公園などの広い公園もあるので運動したりなど健康面にも良い」(28歳女性)
「大きな駅まで数駅で行ける」(25歳女性)
・住んでいて困った点など
「飲食店、特にチェーン店が少ない。自炊しない人には、いい店がないかもしれない」(28歳男性)
「環状7号線がすぐ近くを通っているため、道路が近いと車の音が大きく、慣れるまで時間がかかりました」(28歳女性)

山本さんがもう1駅、おすすめしてくれたのが都営浅草線・中延(なかのぶ)駅。家賃相場は9万1000円で、三田駅までは約11分。

「都営浅草線と東急大井町線が利用できて便利。若者に人気の自由が丘駅までも1本で行くことができます。駅近くには商店街が3つあり、八百屋さんや精肉店などが並んでいるので食費を抑える助けにもなるかも。駅前にユニクロがあるのもうれしいところです」

商店街のなかでも注目は、「なかのぶスキップロード」と呼ばれる中延商店街。中延駅から北に延びており、東急池上線の荏原中延駅まで約330mも続くアーケード商店街だ。買い物に利用できる商店街独自のポイントシステムも用意されているので、ポイントを貯めつつお得に買い物ができる。

なかのぶスキップロード(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

なかのぶスキップロード(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

■学生時代に中延駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
・住んでいてよかったところ
「浅草線と大井町線が通っており、都内の大体の場所には行きやすい。浅草線の隣駅にある戸越には、商店街にたくさんのお店が立ち並び、休日に食べ歩きをしたのがいい思い出になった」(30歳女性)
「地域密着で盛んな商店街がある。多路線を利用できて交通アクセスも便利。銭湯がたくさんある」(30歳男性)
・住んでいて困った点など
「大型のスーパーが近くになく、買い物に不便だった」(30歳女性)
「大通りは車通りが激しい」(26歳女性)

さて今回はランキング調査に加え、これまで多くの学生を新生活へと送り出してきた不動産会社のお話を参考に、学生におすすめの街をご紹介した。住む街によって生活の充実度は変わってくるし、学生時代に暮らした街は卒業後も大事な思い出の地になるだろう。しっかりと自分の好みにあった街を選び、ぜひ楽しい新生活を送ってほしい。

■日吉キャンパス最寄駅:日吉駅まで15分以内の家賃相場が安い駅3位までの駅周辺のクチコミ
1位 羽沢横浜国大
・住んでいてよかったところ
「のどかな場所。大通り沿いに美味しいラーメン屋があった」(30歳男性)
「大学に近くて楽 」(24歳女性)
・住んでいて困った点など
「道幅が狭いし坂が多い」(28歳男性)
「坂が多い。主要駅である横浜駅へのアクセスが悪い」(30歳男性)
2位 片倉町
・住んでいてよかったところ
「都心にアクセスしやすいが、駅から少し離れると程よい田舎なところが良い」(21歳女性)
「横浜駅が近く、遊びに行くのには便利だった」(26歳男性)
・住んでいて困った点など
「(自然豊かだが)虫が気になった」(29歳女性)
3位 西谷
・住んでいてよかったところ
「主要駅から離れているので家賃は安く、横浜まで一本なので交通の便がよい。スーパーなどにも困らないし、路線も増えたのでいろいろな場所へ出やすくなった」(29歳女性)
「交通の便が良い」(26歳男性)
・住んでいて困った点など
「周辺にお店が少なかったので、これからに期待」(27歳男性)
「スーパーなどが遠い」(26歳男性)
3位 白楽
・住んでいてよかったところ
「住みやすい、暖かみがある、安心感がある、スーパーやドラッグストア、病院などに困らない」(24歳女性)
「業務スーパーやドラッグストア等充実しているので日用品や食品(などの購入)に困らない。『焼肉屋わんこ』がとてもおいしい」(29歳男性)
・住んでいて困った点など
「学生が多かったので、夜などうるさかった」(28歳女性)
「坂が多い」(30歳男性)

■三田キャンパス最寄駅(田町駅、三田駅、赤羽橋駅)いずれかまで20分以内の家賃相場が安い駅3位までの駅周辺のクチコミ
2位 流通センター
・住んでいてよかったところ
「生活環境が整った街だと思った」(25歳)
「(近隣に)スパがいっぱいあります」(30歳男性)
・住んでいて困った点など
「便が少し不便」(27歳男性)
3位 西馬込
・住んでいてよかったところ
「始発駅なので確実に座れる、乗り過ごしがない」(30歳女性)
「都心へのアクセスが良い」(27歳女性)
・住んでいて困った点など
「駅付近の飲食店が少ない」(28歳女性)
「駅前にスーパーが一つしかない、住民の数の割に店が少ない」(30歳女性)
3位 多摩川
・住んでいてよかったところ
「1本で渋谷や池袋に出られるので交通の便はとても良い」(23歳女性)
「河川敷が近くて散歩ができる」(23歳女性)
・住んでいて困った点など
「近くにスーパーやコンビニがない、少ない。手軽に楽しめる飲食店がない」(23歳女性)
「水害が怖い」(28歳女性)
※1位 昭和島はクチコミなし

●取材協力
ハウスメイトショップ

●家賃相場ランキングの調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている明大前駅まで15分以内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2023/2~2023/10
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2023年11月27日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が1回までの駅を掲載
【家賃相場の調査】株式会社リクルート

●クチコミの調査概要
●調査実施時期:2024年1月17日~2024年1月22日
●調査対象者:現在東京・神奈川・埼玉にお住いの、学生時代(大学・大学院・専門学校問わず)、家賃相場ランキング記載の駅周辺の賃貸住宅で一人暮らしをしたことがある18~30歳までの男性219名、女性445名
●調査方法:インターネット調査
●有効回答数:664
●調査主体:株式会社リクルート、実査委託先:楽天インサイト株式会社

そっと寄り添うように

所在地:渋谷区幡ヶ谷
12万9,000~13万2,000円 / 26.97平米
京王新線「幡ヶ谷」駅 徒歩4分

空へとつながる中庭を中心に、緑に守られているような安心感のある共用部のデザイン。ここで暮らす住人の呼吸が自然と整えられ、植物にも人にも居心地の良さが生まれるよう設計された空間が最大の特徴です。



中長期滞在型のマンションを、豊かな緑に包みこまれた共用部をはじめ、ワークスペース、フ ... 続き>>>.
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クレイジー・ハウス

所在地:港区西麻布
17万円 / 73.92平米
銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道」駅 徒歩12分

この戸建て、いい意味でかなりぶっ飛んでます。



表参道駅から根津美術館を通り過ぎた先にある静かな住宅街。レトロな木造戸建ての玄関を開けると、室内は驚きの連続でした。



なんの変哲もない玄関ドアの先にあらわれるのは土間。室内は広々とした奥行きがあり、天井高3mを超えるがらんどうの空 ... 続き>>>.
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のんびりおだやかいい気分

所在地:杉並区浜田山
16万円 / 56.23平米
井の頭線「浜田山」駅 徒歩11分

「のんびりおだやか」そんな言葉がよく似合う街、浜田山。今回ご紹介するマンションは、この街にしっくり馴染んでいて、低層でどっしりとした佇まい。



渋いタイル張りの外観、出迎えてくれるのはケヤキの木。そして階段を上っていくとケヤキの緑が見えるように階段室が開口されていて、設計者のすて ... 続き>>>.
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神田にmy複合施設を作ろう

所在地:千代田区内神田
66万円(税込) / 182.25平米
山手線・中央線・京浜東北線・銀座線「神田」駅 徒歩6分

転貸も相談可能。事務所の下に新規事業でお店をはじめてみたり、仲間にフロア貸しして制作や販売の拠点にしてもらうのも楽しそうです。



用途の制限は特になし。今ならフリーレント1ヶ月、敷金礼金も良心的な設定なので初期費用を抑えてスタートできます。



遡ること40年ほど前、住居兼店舗とし ... 続き>>>.
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団地×リノベ×高円寺

所在地:杉並区高円寺北
15万1,000円 / 52.04平米
中央線「高円寺」駅 徒歩7分

気になるキーワードが並ぶ住まいの紹介です。

場所といい、昔懐かしい建物といい、刷新された室内といい、絶妙なバランス感を気に入ってくれる方も多いのではないでしょうか。しかも今回の募集は、50室中4室しかない庭付きの区画です。



舞台は高円寺、元社宅だったしっぶい団地をテーマに、設計 ... 続き>>>.
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【明治大学】一人暮らし賃貸の家賃相場ランキング2024年! 和泉キャンパス周辺のクチコミ&オススメ情報

新年度が始まる春は引越しシーズン。進学を機に大学の近くで一人暮らしを始める予定の人も、そろそろ引越し先を探す時期だろう。そんな新入生や、これから入学を目指す人の参考になるように、今回は東京都杉並区にある明治大学・和泉(いずみ)キャンパスの最寄駅である明大前駅にアクセスしやすく、家賃相場が安い駅を調査。さらに不動産会社「ハウスメイトショップ下北沢店」店長・山室貴広さんがおすすめする、和泉キャンパスに通う学生が住む街、ランキング上位の街に住んだことがある人々の口コミもご紹介していきたい。

和泉キャンパス最寄駅(明大前駅)まで15分以内の家賃相場が安い駅TOP15(17駅)

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/所要時間/乗り換え回数)
1位 三鷹台 6.9万円(京王井の頭線/東京都三鷹市/13分/0回)
2位 つつじヶ丘 7万円(京王線/東京都調布市/12分/0回)
2位 久我山 7万円(京王井の頭線/東京都杉並区/9分/0回)
2位 調布 7万円(京王線/東京都調布市/13分/0回)
5位 松原 7.2万円(東急世田谷線/東京都世田谷区/9分/1回)
6位 仙川 7.3万円(京王線/東京都調布市/11分/0回)
7位 井の頭公園 7.4万円(京王井の頭線/東京都三鷹市/15分/0回)
8位 永福町 7.5万円(京王井の頭線/東京都杉並区/2分/0回)
8位 宮の坂 7.5万円(東急世田谷線/東京都世田谷区/13分/1回)
8位 経堂 7.5万円(小田急小田原線/東京都世田谷区/13分/1回)
8位 桜上水 7.5万円(京王線/東京都世田谷区/2分/0回)
8位 西永福 7.5万円(京王井の頭線/東京都杉並区/4分/0回)
13位 豪徳寺 7.6万円(小田急小田原線/東京都世田谷区/14分/1回)
13位 浜田山 7.6万円(京王井の頭線/東京都杉並区/6分/0回)
15位 下高井戸 7.7万円(京王線/東京都世田谷区/1分/0回)
15位 山下 7.7万円(東急世田谷線/東京都世田谷区/11分/1回)
15位 富士見ヶ丘 7.7万円(京王井の頭線/東京都杉並区/9分/0回)
―――
「ハウスメイトショップ下北沢店」山室さんおすすめの駅
ランク外 千歳烏山 7.88万円(京王線/東京都世田谷区/7分/0回)
ランク外 明大前 8.3万円(京王井の頭線/東京都世田谷区/※/※)※起点駅
ランク外 下北沢 8.71万円(京王井の頭線/東京都世田谷区/4分/0回)

大学名を冠した「明大前駅」周辺は生活する街としても魅力的

東京都内を中心に、4キャンパス・10学部を抱える明治大学。東京都杉並区には主に法学部や商学部といった文系学部の1・2年生が通う、和泉キャンパスがある。2022年春には学生の交流スペースも備えた新教育棟「和泉ラーニングスクエア」が誕生している。この和泉キャンパスから徒歩5分ほどの最寄駅はその名も「明大前駅」。明治大学予科(当時)が移転してきたのを機に1935年から、この駅名になったのだとか。

明大前駅(写真/PIXTA)

明大前駅(写真/PIXTA)

京王線と京王井の頭線が通る明大前駅は、新宿駅まで京王線の特急や急行で2駅・最短約7分、渋谷駅まで京王井の頭線の急行で2駅・最短約6分という好立地。駅に直結して、スーパーや書店、飲食店などを備えた「フレンテ明大前」がある点も魅力の一つだ。駅周辺は細い路地に沿ってコンビニや100円ショップ、ファストフード店やラーメン店といったリーズナブルな飲食店が立ち並び、学生にも愛用されている。大型の商業施設はなく、駅前から少し離れると住宅街。また、明治大学以外にも日本女子体育大学の附属高校など学校が点在しており、通学時間帯の駅周辺は学生の姿でにぎわっている。

明大前駅周辺で暮らす学生も多いそうで、「ハウスメイトショップ下北沢店」の山室さんも明大生が住むイチ押しの街として明大前駅を挙げてくれた。

「大学生の住まい探しは、キャンパスまでドア・トゥ・ドアで30分以内、もしくは電車で2~3駅圏内がおすすめ。近年は自転車でも通える距離内でお探しになる方が増えています。また、住む街を選ぶ際はアルバイトや部活動など、授業以外の利便性も考慮するとよいでしょう。その点、明大前駅は2路線利用可能で渋谷駅や新宿駅に乗り換えなしでアクセスできるため非常に便利。駅前商店街に飲食店も多く、コンパクトながら生活に必要な施設はそろっています」

また、明大前駅を含む京王線笹塚駅~仙川駅間では現在、連続立体交差事業が進行中。すでに高架橋が姿を現してはいるものの、事業終了まではまだしばらくかかる様子。明大前駅の高架化にともなって駅舎のリニューアルや駅周辺地区の再開発も計画されているため、完成を楽しみに待ちたい。

■学生時代に明大前駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
コメント内容は住んでいた学生当時のモノです(以下、記事内すべて同)

・住んでいてよかったところ
「ご飯屋さんやカフェがたくさんあるので休日も充実」(21歳女性)
「新宿と渋谷へアクセスしやすいので、交通の便が非常によかった」(27歳女性)

・住んでいて困った点など
「学生が多いので騒々しい」(25歳女性)
「大きいスーパーが少し遠い」(28歳男性)

そんな明大前駅から徒歩15分圏内にある、学生向け賃貸物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK。以下同)の家賃相場は8万3000円。便利な街だけあって、学生の一人暮らしにとって安くはない。もう少し家賃相場がお手ごろで魅力的な街として山室さんがおすすめしてくれたのが、京王線・千歳烏山駅だ。

千歳烏山駅(写真/PIXTA)

千歳烏山駅(写真/PIXTA)

東京都世田谷区に位置する千歳烏山駅の家賃相場は明大前駅より4000円ほど低い7万8800円で、「家賃を抑えたい方におすすめです」とのこと。「親しみやすい風情あふれる商店街があり、ドラッグストアや定食屋さんなど日常使いできる店が多数、立ち並んでいます。また、家具や工具を買いたい場合はホームセンターが隣駅の仙川にありますので、カーシェアなどを利用すれば20分程度で行くことが可能です」と山室さん。駅周辺の商店街にはスーパーから個人商店まで約150軒以上もの店舗がひしめく、活気ある街並み。また、前述した京王線の連続立体交差事業区間に千歳烏山駅も含まれ、将来的には駅の高架化が予定されている。千歳烏山駅から明大前駅までは、京王線の区間急行で2駅・約7分。京王線の特急停車駅でもあるため、新宿駅まで3駅・約17分で行くこともできる。

■学生時代に千歳烏山駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ

・住んでいてよかったところ
「駅前は何でもそろっていて良かった。チェーンではない美味しいご飯屋さんが多く、週末に新しいお店を開拓するのが楽しかった」(30歳女性)
「駅前に何でもあるので便利。交通の便が良い」(28歳女性)

・住んでいて困った点など
「大きいスーパーがない」(26歳男性)
「駅から離れると暗い」(28歳女性)

明大前駅まで乗り換えなし&15分以内の駅でも家賃相場は1万円以上も安くなる!

続いてランキング上位になった駅についても見ていこう。
明大前駅まで電車で15分圏内にある、家賃相場が最も安かった駅は東京都三鷹市にある京王井の頭線・三鷹台駅。家賃相場は6万9000円で、明大前駅よりも1万4000円も低い。明大前駅までは各駅停車で7駅・約13分で行けるほか、明大前駅とは逆方面に進むと若者にも人気の街・吉祥寺駅に2駅・約3分で到着する。

三鷹台駅周辺の様子(写真/PIXTA)

三鷹台駅周辺の様子(写真/PIXTA)

井の頭恩賜公園(写真/PIXTA)

井の頭恩賜公園(写真/PIXTA)

1位・三鷹台駅周辺は線路と沿うように神田川が流れ、川の北側にあるドラッグストアとコンビニの先には立教女学院の敷地と住宅地が広がる。商店が多いのは川と線路の南側。スーパーやコンビニのほか、三鷹台駅前通り沿いの商店街を中心にラーメン店や宅配ピザなどの飲食店も点在している。また、1駅隣の7位・井の頭公園駅(家賃相場7万4000円)に行くと、駅前に緑豊かな「井の頭恩賜公園」が広がっている。三鷹台駅から「も電車や自転車で訪れやすく、気軽にリフレッシュに出かけられる点も魅力だ。

■学生時代に三鷹台駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ

・住んでいてよかったところ
「閑静な住宅街、吉祥寺や渋谷へのアクセスが良い」(30歳男性)
「自転車で足を延ばせば、星を見るのに適した公園がある(都立野川公園)」(30歳女性)

・住んでいて困った点など
「スーパーが少ない」(28歳女性)
「主要な駅などには少し遠い」(29歳女性)

久我山駅(写真/PIXTA)

久我山駅(写真/PIXTA)

2位には家賃相場が同額の7万円となった、京王線のつつじヶ丘駅と調布駅、京王井の頭線・久我山駅の3駅がランクイン。この3駅のうちでは明大前駅までの所要時間が最も短い、久我山駅について見てみよう。久我山駅は東京都杉並区に位置し、明大前駅までは京王井の頭線の急行で2駅・約9分。明大前とは逆方面に1駅進むと1位・三鷹台駅があり、三鷹台駅前から続く神田川が久我山駅南側を流れている。川に架かる久我山橋は駅前広場のような役割を担っており、その先はスーパーやドラッグストア、飲食店が立ち並ぶ商店街。駅の北側にも多彩な飲食店が軒を連ねるほか、スーパーや100円ショップも。川沿いの遊歩道を西に進むと緑に囲まれた「宮下橋公園」があり、駅から東に10分ほど歩くと2020年開園の広々とした「高井戸公園」に行けるなど、自然を感じながらのんびり過ごすこともできる。

■学生時代に久我山駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ

・住んでいてよかったところ
「駅前に夜まで営業しているスーパーがあり、商店街やコンビニなども充実していて、規模は大きくないが住みやすかった。吉祥寺に行けば何でもそろうので、不便はなかった。お寺などもあり、散歩もできた」(24歳女性)
「自然がいっぱいで、帰ってくるだけでも都会の喧騒から逃れられる。家賃が比較的周りよりも安く、急行も停まる駅なので住みやすい」(28歳男性)

・住んでいて困った点など
「(駅から少し離れると)周りが畑に囲まれて、夜は暗いところもある」(28歳男性)

■2位 つつじヶ丘

・住んでいてよかったところ
「落ち着いた雰囲気で、スーパーやドラッグストアも近くにあった」(27歳女性)
「生活に必要なものが周りにそろっていて買い物が便利」(28歳女性)

・住んでいて困った点など
「百均がない、スーパーが(駅前に)1つしかない」(21歳男性)
「交通はやや不便」(27歳女性)

■2位 調布

・住んでいてよかったところ
「個人経営のお店が何軒かあり、どこも美味しいし温かい印象」(30歳女性)
「駅前には家電屋さんや商業施設があり、充実している」(29歳男性)

・住んでいて困った点など
「各駅停車しか止まらないため、移動に時間がかかる」(24歳女性)
「特に駅前から離れると街灯が少ない」(25歳女性)

トップ15のうち明大前駅まで最短で行けるのは、15位にランクインした京王線・下高井戸駅だ。東京都世田谷区に位置し、家賃相場は7万7000円。明大前駅までは1駅・約1分という近さで、歩いても15分弱。明治大学・和泉キャンパスにも歩いて約15分、自転車なら約5分で行くことができる。駅周辺は細い道沿いにさまざまな店舗がひしめく商店街。温泉風呂やサウナを備えた銭湯「月見湯温泉」や、名画座「下高井戸シネマ」など、地元の人に長らく愛される商店も多い。日本大学文理学部の最寄駅でもあるため、学生が通いやすいリーズナブルな飲食店が豊富なのも嬉しいところだ。

■学生時代に下高井戸駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ

・住んでいてよかったところ
「商店街にお店がいろいろあって楽しい」(24歳女性)
「商店街があり、買い物が楽」(25歳男性)

・住んでいて困った点など
「特急が止まらない」(25歳男性)
「交通が不便」(29歳女性)

街歩きを楽しみたい人は、新スポット目白押しの下北沢駅に住むのも◎

さて、明治大学の学生が住む街として「ハウスメイトショップ下北沢店」の山室さんはもう1駅、おすすめしてくれた。それは京王井の頭線・下北沢駅。

下北沢ショッピングストリート(写真/PIXTA)

下北沢ショッピングストリート(写真/PIXTA)

「バンド、サブカル、古着の聖地。駅前商店街はいつも20代の若者でにぎわっており、学生さんにとても人気がある街です。その分少々、家賃は高いですが……」と話す山室さん。家賃相場は8万7100円で、確かに明大前駅よりもアップしてしまう。しかし明大前駅までは京王井の頭線の各駅停車で3駅・約4分、自転車なら10分弱。渋谷駅までは各駅停車で4駅・約7分、急行なら1駅・約3分で行ける。小田急線も乗り入れているので、通勤急行や快速急行に乗って2駅・約9分で新宿駅にも出られるアクセスのよさが魅力だ。

下北沢の街自体も山室さんがおすすめするように若者に人気があり、遠方から遊びに来る人も少なくない。古くから人気のショップや飲食店に加え、小田急線の地下化にともなってここ数年で新スポットも次々とオープン。商業施設「シモキタエキウエ」を併設した新駅舎や、線路跡地が商業ゾーンやホテルに生まれ変わった「下北線路街」、井の頭線高架下を活用した商業空間「ミカン下北」など、新施設が街の魅力を高めている。話題のスポットにふらりと出かけたり人気店の食べ歩きをしたりと、学業以外の時間も充実させたいタイプの人なら下北沢での暮らしを気に入ることだろう。

■学生時代に下北沢駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ

・住んでいてよかったところ
「カフェ等の飲食店、洋服屋、ネイルサロンや美容室も充実している。休日にブラブラしたいならうってつけ」(23歳女性)
「個人経営の面白い飲み屋が多く、友達を誘いやすかったのはよかった」(30歳男性)
「東京のサブカルチャーの中心の一つだと思っていて、さまざまな人や文化に触れることができるので、そういうのが好きな人にはとてもおすすめできると思う」(28歳男性)

・住んでいて困った点など
「人が多すぎて、落ち着かない」(21歳女性)
「静かなところで暮らしたい人には不向き」(26歳女性)

●関連記事:
「サブカルのシモキタ」開発で再注目。熱気と個性が下北沢に戻ってきた!
シモキタは「奥下北沢」も面白い! トレンドとレトロが共存する 4スポットを「DDDART」オーナー手槌真吾さんとディープに巡る
総勢150名「シモキタ園藝部」が下北沢の植物とまちの新しい関係を育て中。鉢植え、野原など、暮らしと共にあるグリーンがあちこちに

●取材協力
ハウスメイトショップ

●家賃相場ランキングの調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている明大前駅まで15分以内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2023/2~2023/10
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2023年11月27日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が1回までの駅を掲載
【家賃相場の調査】株式会社リクルート

●クチコミの調査概要
●調査実施時期:2024年1月17日~2024年1月22日
●調査対象者:現在東京・神奈川・埼玉にお住いの、学生時代(大学・大学院・専門学校問わず)、家賃相場ランキング記載の駅周辺の賃貸住宅で一人暮らしをしたことがある18~30歳までの男性219名、女性445名
●調査方法:インターネット調査
●有効回答数:664
●調査主体:株式会社リクルート、実査委託先:楽天インサイト株式会社

荒川の見えるルーバルライフ

所在地:江戸川区平井
14万円 / 55.35平米
総武線「平井」駅 徒歩10分

広々としたルーフバルコニーから望むスカイツリーと総武線、そして荒川。荒川の堤防にはランニングや散歩をする人々が見えます。



ルーフバルコニーで景色を楽しみながら植物を育てたり、コーヒー飲みながらくつろいだり、昼寝をしたり、本を読んだり…妄想するだけでワクワクします。



白を基調と ... 続き>>>.
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野毛山の重鎮

所在地:横浜市西区老松町
16万円 / 68.28平米
京急本線「日ノ出町」駅 徒歩6分

半世紀前から野毛山に立ち見守ってきた、歴史あるマンションの一室のご紹介です。



古いマンションですが、管理がしっかりされていて外観もきれいです。また建設当時のこだわりを感じられる部分も多く、素敵な雰囲気をまとっています。



室内は2022年12月にリフォームされ、古さと新しさがう ... 続き>>>.
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野毛じゃん【メゾネット】

所在地:横浜市中区野毛町
13万円 / 40.92平米
京浜東北線・横浜市営地下鉄ブルーライン「桜木町」駅 徒歩5分

野毛は桜木町駅と日ノ出町駅のちょうど間くらいのエリアで、古くからある繁華街です。



小さい飲み屋がずらりと並び、お酒好きにはたまらないはず。休日は、動物園がある緑いっぱいの野毛山公園でのんびりと過ごしたり、みなとみらいエリアに買い物に行ったり。



年に数回開催される野毛大道芸は多 ... 続き>>>.
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画家の余韻

所在地:世田谷区桜
17万5,000円 / 65.33平米
世田谷線「上町」駅 徒歩12分

地主さんが画家で、知り合いのアーティストに声をかけて「ここにアーティスト村を作ろう」という一声から、この集合住宅プロジェクトが始まったそうです。その名も「桜集合住宅アトリエ」。



今回募集の部屋は、まさに画家のオーナーが使用していたメゾネットの部屋。

一般の住宅では見たことのない ... 続き>>>.
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夢にまで見た!? -新築-

所在地:神奈川県横浜市栄区飯島町
12万7,000~15万4,000円 / 44.71~61.28平米
京浜東北線・根岸線「本郷台」駅 徒歩17分

バーベキューOK、そしてなんと焚き火もOK。こんな条件を聞いて、ワクワクせずにいられますか?



緑豊かな山を背にした広場が、この集合住宅の魅力的すぎる共用部。仕事帰りや休日に火を起こして、肉を焼くもよし、めらめらと燃える美しい炎を眺めるもよし。そんな夢にまで見た暮らしを実現できる ... 続き>>>.
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浜田山で庭のある暮らし

所在地:杉並区浜田山
22万円 / 107.6平米
井の頭線「浜田山」駅 徒歩5分

浜田山の住宅街にある庭付きのほっこり戸建て。庭の手前には駐車スペースもあります。



赤味の強い木材で覆われたリビングの広さは13畳ほど。庭の見える南側の窓から日の光が差し込み、あたたかい空気が充満する居心地のいいリビングです。



リビングの隣の和室も雰囲気が良くて。畳や建具の状態 ... 続き>>>.
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成功の礎

所在地:江東区高橋
165万円(税込) / 335.95平米
半蔵門線・都営大江戸線「清澄白河」駅 徒歩5分

清澄白河駅、森下駅どちらからも歩いて5分。都心ど真ん中じゃなくていいから、自社ビルを持って何か始めてみたい方、好機が巡ってまいりました!



いろいろ可能性が広がりそうな期待がふくらむ、屋上付き一棟貸し物件のご紹介です。



場所は、清澄通りから東へ一本入った「小名木川」のほど近く。 ... 続き>>>.
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ゆとりが効いたデザイナーズ

所在地:杉並区松ノ木
15万6,000円 / 51.3平米
丸ノ内線「新高円寺」駅 徒歩6分

植栽にぐるりと囲まれた、まるで要塞のような重厚感のある建物。エントランスを抜けると待っているのは、緑と水の中庭。室内に入る前から期待感が高まります。



約2.6mの天井の高さとフローリングの質感がコンクリートの重さを感じさせず、デザイン性の高さが感じられる部屋。西側の窓から入る日 ... 続き>>>.
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駅前に!妄想ひろがる古民家

所在地:江東区住吉
25万円(税込) / 90.53平米
半蔵門線・都営新宿線「住吉」駅 徒歩1分

駅徒歩1分。駅前のお店が並ぶ一角に、店舗や事務所で面白く使えそうな戸建がありました!



借主による改装や用途は柔軟に相談可能!アトリエのような使い方や、ショールームはもちろん、物販や飲食店などでの利用も可能です。



個人的には、この場所に居心地のいいカフェがあると嬉しいなと!



... 続き>>>.
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「賃貸住宅に革命起こした『青豆ハウス』」「サラリーマン30代コンビ『週末縄文人』の縄文ぐらしに密着」【12月人気記事まとめ】

厳しい寒さが続くこのごろ。『SUUMOジャーナル』で12月に公開した記事では、「賃貸住宅に革命起こした『青豆ハウス』、9年でどう育った? 居室を街に開く決断した大家さん・住民たちの想い」「サラリーマン30代コンビ『週末縄文人』、石斧や土器から竪穴住居まで手づくり。文明ゼロからスタート、人気YouTuberの縄文ぐらしに密着」などが人気TOP10に入りました。見どころをご紹介します。

12月の人気記事ランキングTOP10はこちら!

第1位: 賃貸住宅に革命起こした「青豆ハウス」、9年でどう育った? 居室を街に開く決断した大家さん・住民たちの想い 東京都練馬区

第2位: サラリーマン30代コンビ「週末縄文人」、石斧や土器から竪穴住居まで手づくり。文明ゼロからスタート、人気YouTuberの縄文ぐらしに密着

第3位: 築36年賃貸が大人気の理由は”大家さん”?! マンガ1000冊読み放題(定期入替)やコーヒー無料などホスピタリティ満載「百合ヶ丘池上マンション」神奈川県川崎市

第4位: 地元企業の共同出資で生まれた絶景の宿「URASHIMA VILLAGE」。地域の企業が暮らしのインフラを支える時代が始まっている 香川県三豊市

第5位: 「高齢者が賃貸を借りづらい問題」に解決策はあるか? R65代表取締役に聞いた!

第6位: 転出超過つづきの危機から一転、転入者が10倍以上に!「おしゃれ田舎プロジェクト」の勢い、長野県小諸市が移住者から熱視線

第7位: 【JR中央線】家賃相場が安い駅ランキング2023年(東京-高尾32駅)。TOP3は多摩地域でALL5万円台!

第8位: 最大の不安は「物価高」。節約志向が高まるなかでも持ち家派が多数。住宅ローンの不安を軽減する方法を紹介

第9位: 賃貸住宅トレンド2024は個性強め! 注目4キーワードは趣味特化・店舗兼用・省エネ性能・デジタル化

第10位: 高騰続く新築マンション、2024年は買いやすくなる? 価格・金利上昇から見る買い時や注目の「省エネ性能」を解説
※対象記事とランキング集計2023年12月1~31日に公開された記事のうち、PV数の多い順

街に開かれた住宅、縄文時代の竪穴住居!? 新しい住まいの形に注目

第1位: 賃貸住宅に革命起こした「青豆ハウス」、9年でどう育った? 居室を街に開く決断した大家さん・住民たちの想い 東京都練馬区

賃貸住宅に革命起こした「青豆ハウス」、9年でどう育った? 居室を街に開く決断した大家さん・住民たちの想い 東京都練馬区

(画像提供/青豆ハウス)

「青豆ハウス」は、東京都練馬区にある賃貸住宅。”育つ賃貸住宅”というコンセプトを掲げ、2014年から住む人、集う人々がコミュニティを育んできました。9年の間には、設立時からいた住民の卒業も経験。その部屋は「欠番の部屋」とし、1階は “まちのキオスク”として地域に開き、2階は住民たちのもうひとつの部屋として活用することにしました。そして現在、「青豆ハウス」はどう育っているのでしょうか? 大家の青木純さんに、9年間を振り返ってもらいました。

第2位: サラリーマン30代コンビ「週末縄文人」、石斧や土器から竪穴住居まで手づくり。文明ゼロからスタート、人気YouTuberの縄文ぐらしに密着

サラリーマン30歳コンビ「週末縄文人」、石斧や土器から竪穴住居まで手づくり。文明ゼロからスタート、人気YouTuberの縄文ぐらしに密着

(写真撮影/嶋崎征弘)

チャンネル登録者数14万人超の人気YouTuber「週末縄文人」。30代のサラリーマン二人組「縄(じょう)さん」と「文(もん)」さんは、週末に現代文明を離れ、縄文時代の生活を再現する活動をしています。なんと、石斧や土器、竪穴住居もイチから手づくり! 二人には、高度なテクノロジーに支えられた現代の住まいや暮らしはどのように見えているのでしょうか。縄文生活は、現代の生き方にも変化をもたらしたのでしょうか。山の中の活動拠点にお邪魔して話をうかがってきました。

第3位: 築36年賃貸が大人気の理由は”大家さん”?! マンガ1000冊読み放題(定期入替)やコーヒー無料などホスピタリティ満載「百合ヶ丘池上マンション」神奈川県川崎市

賃貸の大家さんなのにユーチューバー!? 入居者「10年住んでも『これ以上ない』」小さな工夫と思いやり重ね続け、築36年・家賃相場より高くても満室続き「百合ヶ丘池上マンション」神奈川県川崎市

(写真撮影/片山貴博)

築36年の賃貸物件「百合ヶ丘池上マンション」は、周辺エリアの家賃相場より高いというのにほぼ満室、空室が出てもすぐ埋まってしまう人気物件。その秘密は、大家さんのユニークなアプローチ!住人が利用できるシェアルーム「サードプレイス102」にはマンガ1000冊(しかも中身は3カ月ごとに入れ替えされるサブスク制)の読み放題や無料コーヒーなどのサービスがあり、住民の生活を豊かにする工夫がいっぱい! しかも大家さんはYouTuberとしても活躍中。「こんな物件に住んでみたい!」という気持ちがかき立てられます。

第4位: 地元企業の共同出資で生まれた絶景の宿「URASHIMA VILLAGE」。地域の企業が暮らしのインフラを支える時代が始まっている 香川県三豊市

地元企業の共同出資で生まれた絶景の宿「URASHIMA VILLAGE」。地域の企業が暮らしのインフラを支える時代が始まっている 香川県三豊市

(撮影/Fizm藤岡優)

雲や夕焼けが映り込む“天空の鏡“と呼ばれる光景がInstagramで話題になり、年間50万人が訪れるようになった香川県三豊市の父母ヶ浜。 そんな父母ヶ浜に2021年1月、一棟貸しの宿「URASHIMA VILLAGE」がオープンしました。地元の民間企業11社による共同出資の仕組みは、今や三豊市の交通や教育、不動産などのベーシックインフラ整備にまで広がっています。飲み会から始まったという、この「URASHIMA VILLAGE」構想の仕組みとは? 事務局の瀬戸内ワークス・原田佳南子さんと、地域プロデューサーの古田秘馬さんにお話をうかがいました。

第5位: 「高齢者が賃貸を借りづらい問題」に解決策はあるか? R65代表取締役に聞いた!

「高齢者が賃貸を借りづらい問題」に解決策はあるか? R65代表取締役に聞いた!

(筆者撮影)

近年、報道もされている「65歳以上の高齢者は賃貸住宅を借りづらい」という問題。65歳以上の部屋探しを支援する「R65不動産」では、高齢者が入居できる物件を紹介するとともに、高齢者の賃貸入居を難しくする課題を解消する取り組みを積極的に行っています。高齢者の部屋探しには、どんな課題があるのか。その解決策は?実態について、代表取締役の山本遼さんに話を聞きました。

第6位: 転出超過つづきの危機から一転、転入者が10倍以上に!「おしゃれ田舎プロジェクト」の勢い、長野県小諸市が移住者から熱視線

転出超過つづきの危機から一転、転入者が10倍以上に!「おしゃれ田舎プロジェクト」の勢い、長野県小諸市が移住者から熱視線

(写真撮影/窪田真一)

長野県東部に位置する小諸(こもろ)市は、3年連続で転入者が転出者を上回ったことで注目を集めています。2021年には16人増、2022年は一気に169人増、2023年は7月末時点で187人増という人気ぶり。なんとその理由のひとつには、「まち歩きが楽しくなってきたから」という理由が挙げられるといいます。かつては年間100人を超える転出者が出ていたという小諸市を変えたのは、その名も「おしゃれ田舎プロジェクト」。若い人たちが出かけたくなる街づくりとは? プロジェクトの仕掛人で、小諸市役所で働く高野慎吾さんにお話をうかがいました。

第7位: 【JR中央線】家賃相場が安い駅ランキング2023年(東京-高尾32駅)。TOP3は多摩地域でALL5万円台!

【JR中央線】家賃相場が安い駅ランキング2023年(東京-高尾32駅)。TOP3は多摩地域でALL5万円台!

(写真/PIXTA)

東京を代表する路線の一つ、JR中央線。今回は、中央線内で東京都内に位置する駅の家賃相場を調査しました。東京駅から高尾駅の全32駅は、千代田区から八王子市まで、約53kmの沿線に点在しています。東京都、といってもその住環境はさまざま。もちろん家賃相場にも大きな違いが――? なんと、1位(最も家賃相場が安い駅)と32位(最も家賃相場が高い駅)には倍以上! さて、最も家賃が安い駅はどの駅でしょうか。

第8位: 最大の不安は「物価高」。節約志向が高まるなかでも持ち家派が多数。住宅ローンの不安を軽減する方法を紹介

最大の不安は「物価高」。節約志向が高まるなかでも持ち家派が多数。住宅ローンの不安を軽減する方法を紹介

(写真/PIXTA)

今回の記事では、カーディフ生命が2000人を対象に実施した「第5回 生活価値観・住まいに関する意識調査」を取り上げました。調査結果によると、対象者が現在最も不安に思っているのは「物価高」。しかし物価高による節約志向が進む中で、「家を買う派」は67.1%と依然、多数派に。住宅購入に対する憧れは健在のようです。この不安を軽減するための方法として、無理のない返済計画の立て方や、保険によるリスク軽減なども紹介。ぜひ一読して、将来の生活設計の参考にしてみてください。

第9位: 賃貸住宅トレンド2024は個性強め! 注目4キーワードは趣味特化・店舗兼用・省エネ性能・デジタル化

賃貸住宅トレンド2024! 注目キーワード4つ「コンセプト賃貸」「ナリワイ」「省エネ性能」「デジタル化」

(写真撮影/片山貴博)

賃貸といえばどれも似たような間取りで無個性――。そんな思い込みを裏切る個性的な賃貸物件が日本各地で少しずつ増えています。お店をひらけたり、相撲部屋付きだったり、農園付きの物件も!? 次に賃貸物件にやってくる新しい風とは? SUUMO副編集長でSUUMOリサーチセンター研究員でもある笠松美香氏によると、2024年の賃貸住宅トレンドは「コンセプト賃貸」「趣味特化型賃貸」「省エネ性能の強化」および「デジタル化」の4つが注目されているといいます。さっそく内容をチェックしてみましょう。

第10位: 高騰続く新築マンション、2024年は買いやすくなる? 価格・金利上昇から見る買い時や注目の「省エネ性能」を解説

高騰続く新築マンション、2024年は買いやすくなる? 価格・金利上昇から見る買い時や注目の「省エネ性能」を解説

ブリリア聖蹟桜ヶ丘ブルーミングテラス(写真提供/東京建物、東栄住宅)

「新築マンション」と検索すると「高騰」「億ション」など、景気の良い検索キーワードが表示される昨今。都市部では、新築マンションの価格は高騰を続けています。とはいえ、多くの世帯で収入が価格上昇に追いついていないのもたしか。このまま新築マンションは高嶺の花に――? 2024年の新築マンション市場はどのように動くのか。『SUUMO』編集長・SUUMOリサーチセンター長の池本洋一氏に、市場動向と買うべきときに見ておいてほしいポイントなど、最新事情を取材しました。

12月の人気記事ランキングでは、新しい賃貸住宅の形や不動産市場の動向を調査した記事などのランクインが目立ちました。まだまだ寒い日が続きますが、今年も住まいに関する新しい取り組みや、市場動向などを取り上げていきたいと思います。本年もよろしくお願い致します。

”ひと部屋だけ断熱リフォーム”のススメ。室温18度以上で健康リスク大幅減少にコストも最小。住みながらできて実家にも最適

2025年から断熱等級4以上が義務化されるのは“新築”の住宅。「既に建てたわが家は関係ないし、今さら断熱リフォームするのはお金がかかる。暑さ寒さも今までどおり我慢すれば……」と思わずに、部分的でも断熱リフォームしませんか。人生100年時代といわれるように、思いのほか先は長い。それにひと部屋だけのプチ断熱でも、光熱費の削減はもちろん、生活習慣病をはじめ、さまざまな病気からあなたや家族を守ってくれるのですから。

断熱住宅にすれば老若男女を問わず健康になれる!?家族みんなが過ごすことの多い21.8畳のLDKを断熱リフォームした事例。暮らしやすい間取りになったのに合わせて、健康的な暮らしも手に入れることに(写真提供/スペースマイン)

家族みんなが過ごすことの多い21.8畳のLDKを断熱リフォームした事例。暮らしやすい間取りになったのに合わせて、健康的な暮らしも手に入れることに(写真提供/スペースマイン)

「断熱住宅は省エネだけでなく、健康に資する」ことが、最近になって次々とわかってきました。それも高齢者のヒートショックを防ぐだけではありません。子どもたちも働き盛りの男性も女性も、「暖かい家」は老若男女を問わず私たちの健康にたくさんのメリットがあることが判明してきているのです。

詳しくは「室温18度未満で健康寿命が縮む!? 脳卒中や心臓病につながるリスクは子どもや大人にも。家の断熱がマストな理由は省エネだけじゃなかった」をご覧いただきたいのですが、かいつまんでお話しすると、“暖かい家”には例えば下記のような健康メリットがあります。

・高血圧症のリスクを抑える
・脂質異常症の発症を抑制する
※脂質異常症とはいわゆる悪玉コレステロールや中性脂肪などの血中濃度が異常な状態
・夜間頻尿を抑える
・住宅内でのつまずきを減らす
・子どもの風邪や病欠が減る
・女性の月経前症候群(PMS)が減る
・女性の月経痛が減る
・在宅ワークの効率が上がる
・断熱改修するだけで血圧を約3mmHg下げられる

伊香賀先生たちによる調査データより。断熱改修する前と後で、居住者の血圧が平均で3.1mmHg低下しました(出典:慶應義塾大学 理工学部 教授 伊香賀 俊治さんの資料より、JSH2014(日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2014)

伊香賀先生たちによる調査データより。断熱改修する前と後で、居住者の血圧が平均で3.1mmHg低下しました(出典:慶應義塾大学 理工学部 教授 伊香賀 俊治さんの資料より、JSH2014(日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2014)

「高血圧症のリスクを抑える」について、少しだけ説明すると、住宅に断熱改修をするだけで血圧が平均で3.1mmHg低下することがわかりました。これは住宅と健康の関係についての第一人者である慶應義塾大学教授の伊香賀俊治(いかが・としはる)先生をはじめ、建築と医療の研究者80名のチームによる調査と研究の成果です。

慶應義塾大学 理工学部 教授、日本建築学会 前副会長 伊香賀 俊治(いかが・としはる)先生(写真提供/伊香賀先生) 

慶應義塾大学 理工学部 教授、日本建築学会 前副会長 伊香賀 俊治先生(写真提供/伊香賀先生)

「厚生労働省は国民の健康のために血圧を4mmHg下げる数値目標(健康日本21(第二次))を掲げていますが、食事の工夫や運動といった生活習慣を改めなくても、住宅の断熱改修だけで目標の約8割を達成できることになります」(伊香賀先生)
このように、“住宅の断熱性能”は “健康”と密接な関係があると判明してきたのです。

これまで日本では「住宅」と「健康」の関係について、あまり注目されることがありませんでした。しかしWHO(世界保健機関)は6年前の2018年11月、「住宅と健康に関するガイドライン」の中で「冬は室温18度以上にすること」を各国に強く勧告。「冬の室温が18度以上あると、呼吸器系や心血管疾患の罹患・死亡リスクを低減する」とし、特に子どもや高齢者には「もっと暖かい環境を提供するように」と言葉が添えられています。

WHO(世界保健機関)は「住宅と健康に関するガイドライン」

出典:WHOウェブサイト 2018.11.23公表

断熱性が高い家でもそうでない家でもエアコンの温度設定が同じならば、室内環境も同じでは?と思うかもしれません。しかし、断熱性の低い家では、常に壁面や床面など外と接している部分から冷気が伝わり、ムラがあるため温度が一定で快適な環境はつくれないのです。そんな暖かい家にするために、住宅の断熱性能の向上が欠かせません。とはいっても、住宅の断熱リフォームにはそれなりの費用がかかります。特に古い住宅だと、断熱に加えて耐震補強も必要な場合が多く、費用が膨らんでしまいがちです。そこでオススメしたいのが、住宅の一部だけでもいいので断熱する「部分断熱」という方法です。

例えば子育てを終えた二人暮らしなら、ほとんど使わなくなった2階を省き、普段よく過ごす1階部分だけ断熱をするといった「生活の中心エリアに絞って断熱する」というやり方です。もちろん理想は住宅全体の断熱リフォームですが、健康のことを考えると、費用面で諦めて何もしないよりは「部分的にでも断熱して、そこで生活するようにしたほうがよいでしょう」と伊香賀先生も言います。

「部分断熱」を行って夏も冬も快適に、光熱費も削減できた

では、実際に「部分断熱」を実践した人は、どのように感じているのでしょうか。奈良県で部分断熱と耐震補強工事を行ったAさんに話を伺いました。

・築38年の日本家屋をリフォーム

色のついた部分が今回のリフォーム個所。耐震性能は耐震等級2まで高められました

色のついた部分が今回のリフォーム個所。耐震性能は耐震等級2まで高められました

・部分的な断熱リフォームでも健康的に暮らしやすくなる

Aさん宅の場合、外壁の土壁をそのまま残すことにしたので、その内側に断熱材を入れました。その分、工事前より室内が少し狭くなっています(写真提供/スペースマイン)

Aさん宅の場合、外壁の土壁をそのまま残すことにしたので、その内側に断熱材を入れました。その分、工事前より室内が少し狭くなっています(写真提供/スペースマイン)

(写真提供/スペースマイン)

(写真提供/スペースマイン)

夫の実家である築38年という日本家屋をリフォームしたAさん。夫の母とAさん夫妻、それに2人の子どもの5人で暮らしています。

「子どもが成長したのを機に、リフォームをすることにしました。義父が亡くなる前に『この家は耐震性が心配だ』と言っていましたから、まず耐震性をどうしても高めたいと思いました。また、外壁が土壁の古い日本家屋ですから、冬は外の冷気が入ってきて、とても寒かったんです。しかも、床がとても冷たくなるほど家の中が冷えるのに、2階の寝室にはエアコンもないし……」とAさん。

・窓には樹脂製サッシの高断熱窓を内窓として設置

断熱材を入れたこともあり、厚くなった壁を利用して樹脂サッシの高断熱窓を内窓に設置(写真提供/スペースマイン)

断熱材を入れたこともあり、厚くなった壁を利用して樹脂サッシの高断熱窓を内窓に設置(写真提供/スペースマイン)

しかし、耐震工事に加えて断熱工事や間取り変更を行うと、どうしても予算をオーバーしてしまいます。また約10年前に浴室やトイレなどをリフォームしたばかりだったので、フルリフォームするのは少し抵抗感もありました。そこで施工を担当した「スペースマイン」の矢島一(やじま・はじめ)さんは「建物全体の耐震工事をした上で、普段よく過ごす部屋だけでも断熱工事することを提案しました」

断熱工事を行う場所は、家族が一緒に過ごす21.8畳という広いLDKと、2階の寝室4つに限定。土壁を解体して外壁を新設すると費用がかかるので、矢島さんは土壁を残し、該当部分の内側に厚い断熱材を入れて、窓は樹脂サッシの高断熱窓に入れ替えました。

このように部分的な断熱リフォームした新しい“わが家”の住み心地について、「もちろん夏は涼しく、冬は暖かくなりました。それはエアコンの使い方でも明らかです」とAさん。

「21.8畳のLDKは、もともと洋室と広いキッチンに分かれていて、それぞれに10畳用のエアコンが設置されていました。今回LDKとして1つの空間にまとめた際に、この2台のエアコンは備えたままにしたのですが、結局リフォーム後に使っているのは1台だけです」。これまで約20畳の空間を温めるには10畳用のエアコンが2台必要でしたが、断熱性を高めたら1台で済むようになったというわけです。

BEFORE→AFTER(写真提供/スペースマイン)

BEFORE→AFTER(写真提供/スペースマイン)

しかも、今回のリフォームに合わせて太陽光発電システムと蓄電池を備えたこともあり「電気代が以前より大きく減ったのは当然ですが、昨年の夏はあれだけ暑かったのに、太陽光発電だけで家じゅうのほぼすべての電気をまかなえました」。部分的に断熱リフォームするだけでも、光熱費の削減になるという証左です。家をコンパクトに建て替えなかったことで、屋根面積を広く保てたことも、太陽光発電のメリットをたっぷり受けられることにつながりました。

Aさんの施工例からも「部分断熱」でも快適に暮らすことができ、光熱費の削減につながることがわかります。もちろん、WHOが勧告している「室温18度以上」も、普段過ごしている部屋では容易に達成できる、つまり健康的な暮らしを送れることになります。

「部分断熱」の場合、ヒートショック対策が欠かせない

一方で「部分断熱」となると、ヒートショック対策が心配だという人もいるでしょう。ヒートショックとは、温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することによって、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす健康被害のこと。特に断熱性能の低い住宅では、冬に暖かいリビングを出て、寒い脱衣場を経由してから、熱いお風呂に入るのでリスクが高まります。住宅をまるごと断熱リフォームすれば、部屋や廊下等の温度差が少なくなりますが、それら日常行き来するスペースが動線的に離れている場合、「部分断熱」では住宅内の温度差が解消されないため、ヒートショックの危険性は消えません。

お風呂のイメージ

(写真/PIXTA)

そこで矢島さんは「特に衣服を脱ぐ脱衣場などには人感センサー付きの電気ストーブの設置をオススメしています。また暖かい部屋から廊下に出る時は、1枚羽織れるように、ドアの外に衣類を掛けられるようにしておくと便利です」

つまり、部分断熱をするなら、ヒートショックのリスクを十分理解した上で暮らしたほうが良いということ。その上で、予算ができたらさらに追加の断熱リフォームを、できれば住宅をまるごと行うようにすることが理想的です。

単に寿命を延ばすのではなく、断熱住宅で健康的な長寿を目指そう

気になる費用ですが、矢島さんの会社の場合、「部分断熱」をする場合の目安として「10畳の広さで150万~200万円」と説明しているそうです。

「また、断熱工事には補助金制度があるので、それも有効に使うようにするといいでしょう。今なら国土交通省と地方自治体とで費用の最大8割・70万円まで補助する制度が利用できます」(矢島さん)

それでも「老い先が短いから」と躊躇する高齢者もいるかもしれません。しかし、先述したように、人生は意外と長いもの。人生100年時代だからといって、皆が皆100歳まで元気でいられるとは言いませんが、日本人の平均寿命は明治時代の40歳台からほぼ2倍の80歳台に延びています。

・断熱住宅は健康寿命を延ばす

伊香賀先生たちによる調査データより。冬の居室の平均室温が14.7度の「寒冷住まい群」に比べて、同17.0度の「温暖住まい群」の高齢者の要介護認定になる年齢は、約3歳後ろ倒しになることがわかりました(出典:中島侑江、伊香賀俊治ほか:地域在住高齢者の要介護認定年齢と冬季住宅内温熱環境の多変量解析 冬季の住宅内温熱環境が要介護状態に及ぼす影響の実態調査 その2. 日本建築学会環境系論文集 84(763), p.795-803, 2019.)

伊香賀先生たちによる調査データより。冬の居室の平均室温が14.7度の「寒冷住まい群」に比べて、同17.0度の「温暖住まい群」の高齢者の要介護認定になる年齢は、約3歳後ろ倒しになることがわかりました(出典:中島侑江、伊香賀俊治ほか:地域在住高齢者の要介護認定年齢と冬季住宅内温熱環境の多変量解析 冬季の住宅内温熱環境が要介護状態に及ぼす影響の実態調査 その2. 日本建築学会環境系論文集 84(763), p.795-803, 2019.)

さらに、伊香賀先生たちの調査研究によって、断熱住宅にすると介護が必要になる年齢が遅くなる、つまり健康寿命が延びるという結果も出ています(上記グラフ)。健康寿命が延びれば、もちろん子どもにとっても負担が減ります。もしも読者が両親の暮らす実家等の断熱リフォームを勧めても、「老い先が……」と遠慮するようであれば、「部分断熱」だけでも行うように勧める、あるいは費用を負担してあげてはいかがでしょうか。

●取材協力
スペースマイン
慶應義塾大学 理工学部 教授 伊香賀 俊治さん

列島を1万キロ歩くモドさんがNYタイムズに盛岡と山口を載せた理由。東京と廃墟ラブホから見える日本 クレイグ・モド(Craig Mod)インタビュー

2023年11月下旬、初雪が降った日の盛岡。筆者はどうしても来たくなり、高速バスに揺られた。

理由は2つある。一つは、筆者がかつて心を打たれた街を、もう一度味わいたくなったから。

そしてもう一つは、作家・写真家のクレイグ・モド(Craig Mod)さんにインタビューさせてもらったからだ。ニューヨークタイムズ紙に「盛岡」を強く推薦し、同紙の「2023年に行くべき52カ所」で、その2番目に盛岡を抜擢させた張本人。

インタビューでモドさんが語った盛岡の姿が頭から離れず、バスに乗ったのだ。

「ちゃんと国が国民を守ろうとしている国」JR盛岡駅前で(写真撮影/辰井裕紀)

JR盛岡駅前で(写真撮影/辰井裕紀)

早稲田大学への留学をきっかけに、23年日本に住み続けるモドさん。各媒体に寄稿して多数の著書を発表し、これまでMediumやスマートニュースなどのアドバイザーや、イエール大学(米国)の講師を務めるなど国内外で活躍する。

そして東海道や中山道を徒歩で踏破するなど、日本の隅々まで歩くことがライフワークだ。

わかりやすい自然の要素以上に、日本の至るところにある黄色と黒のキリスト教の看板などの生活の足跡に興味をもち、雑多な旧街道沿いを「パチンコロード」と呼び、そのウラにある強大なグローバリズムを感じ取る。

新潟県長岡市で(写真撮影/辰井裕紀)

新潟県長岡市で(写真撮影/辰井裕紀)

外国人という客観的な視点を持ちながら、日本人以上に日本の姿を見つめてきた張本人だ。そんな彼は、少子高齢化や経済的な問題を抱える日本をどう見ているのだろうか?

運よく、鎌倉の自宅でインタビューする機会に恵まれた。

モドさん宅の和室で(写真撮影/桑田瑞穗)

モドさん宅の和室で(写真撮影/桑田瑞穗)

まず、モドさんは何がきっかけで日本に来たのか。

モド「地元(コネティカット州)の治安が悪かったんです。アメリカには国民保険とかもほとんどなくて、みんな苦しんで。ちゃんと充実して生きるなら離れないといけないと思って。留学するなら思い切って遠くまで行った方が面白いと思って、日本を選びました」

感情を込めて語るのが、「初めて、ちゃんと国が国民を守ろうとしているところに来た」こと。

モド「アニメや漫画、寿司も好きだったわけじゃなくて、日本を何も知らないままで来て。でもこんなに安全で、深みと味のある街で生活できるのは奇跡。アメリカ、とくにサンフランシスコとかは、『地獄の地獄のさらに地獄』まで堕ちられるし、脱出する手段がない」

それがドラッグ中毒者を生み、ドラッグほしさに暴力を振るったり、万引きしたりの犯罪天国になる。生活保護などのサポートがある日本とは大きな違いがあった。

モド「日本は貧富の差が比較的小さくて、金持ちと一般人の生活が大きく変わらない。同じ保険も手に入るし、同じ地下鉄や道路も使える」

著書「Kissa by Kissa: 日本の歩き方」(2020年発行)より(写真撮影/桑田瑞穗)

著書「Kissa by Kissa: 日本の歩き方」(2020年発行)より(写真撮影/桑田瑞穗)

そして、日本に暮らし続けられた根本的な要素が「物価の安さ」。

モド「すごく安かった。ホームステイしても1年の学費が、アメリカの5分の1から10分の1とか」

それが、「ひたすら街道を歩く」などの一朝一夕ではとても儲からないようなモドさんの活動を支えたのだ。

東京は「世界でも奇跡のように安全」

モドさんが来日から35歳まで、長らく住んでいたのが東京。どんな街か。

モド「東京、本当に奇跡のように安全で、こんなに広く人口がすごく多いのに、本当に時計のような美しい動きができる街。このスケールでスムーズに動いているところは本当に東京だけ」

(写真撮影/辰井裕紀)

(写真撮影/辰井裕紀)

ニューヨークやロンドンは建物の状態があまりよくなかったり、地下鉄がちゃんと動かなかったりするが、東京はその心配がないという。

モド「あと東京は(世界の大都市としては)建物やお店を比較的自由に建てられるから、いろいろな住宅やお店が混在できて、そのおかげで家賃が安くできる。柔軟にスクラップ・アンド・ビルドを行ってタワーマンションなんかを建てているから」

ニューヨークやロンドンでは、集合住宅の家賃が高くて単身では借りられない人が多く、ルームシェアなどをするのが普通。「日本の物価は安すぎて、経済成長の足かせになっている」ともささやかれるが、若者にとっては、他国に比べ自由で挑戦がしやすい視点もあるという。

モド「東京だとまだ、自分の予算に合わせて住める。僕も20代で広尾・表参道・代官山・恵比寿のあたりにずっと住んでいました。6畳の和室で、月6万円とかの物件がまだ残っていますから」

モドさんがかつて住んだ恵比寿。JR恵比寿駅前の様子(写真撮影/辰井裕紀)

モドさんがかつて住んだ恵比寿。JR恵比寿駅前の様子(写真撮影/辰井裕紀)

モド「僕は20代のとき、儲からない芸術活動ばかりしていたんですが、東京だとお金のためにやりたくないことをたくさんしなくても、やりたいことがちゃんとできるし、博物館とか美術館も楽しめる。800円でおいしい昼ごはんを食べられるのは日本だけです」

鎌倉に転居して8年、今でも東京が恋しくなることもある。

モド「でも東京で困るのはね、住みたいところがありすぎて、選ぶのが難しい。谷根千(谷中・根津・千駄木)もいいし、蔵前や清澄あたりも面白くなったし……」

東京人が見ない地方の現状

そんな東京とは、一線を画す現状があるのが地方だ。アメリカの地方出身者として、モドさんは歩いてその姿を目に焼き付けた。

1万キロを超える道のりの中で幾度も見たのが、旧街道沿いにあるドラッグストアなどのチェーン店、パチンコ屋が多数連なる風景。モドさんは「今日の私たちを表現している」と語る。

モド「僕は東京から京都まで中山道で歩き、東海道も歩いたんですけど、今はパチンコ屋やギャンブル場ばっかり。でもこれ、日本だけじゃないんですよ」

愛機・ライカとともに1万キロを歩いたモドさん(写真撮影/桑田瑞穗)

愛機・ライカとともに1万キロを歩いたモドさん(写真撮影/桑田瑞穗)

アメリカでもヨーロッパでもみんな同じように、大きなチェーン店が並ぶ。

モド「これがダメとかじゃなくて、これで何を損しているのか、考えた方がいい」

こうなって我々が何を得し、何を損しているか。街道にあるのは、現在進行形のグローバリズムだ。

そして街道を越えた先には、日本人の多くが見て見ぬふりをする地方の姿がある。

モド「田舎へ行けば行くほど、“床屋(美容室)と喫茶店”しか営業していなくて、シャッター街ばかり」

モドさんの記事にも、「田舎で老人介護施設が多い」「ラブホテルを使う若い人が減ってラブホテルの廃墟が並ぶ」など、少子高齢化を示す描写が目立つ。

モド「高齢化社会って都会じゃあまり想像がつかないけど、地方を数カ月歩くと、『もう終わりと思うしかないような町や村』が多い。それはどうにか守らなきゃとかじゃなくて、もう人口や産業の有無の問題。現実として、終わりに向かう流れを止めるのは難しい」

それでも「喫茶店」が残った

限界集落が生まれ続ける地方。その中でモドさんを癒やしたのは、喫茶店だった。

モド「パチンコ屋やチェーン店ばっかりだし、残された個人店は喫茶店と床屋・美容室だけで、それで喫茶店へ行くことになって。社会の中での喫茶店の立場や、よさが見えてきた」

喫茶店で目につく料理は「ピザトースト」しかなかったので食べてみたら、意外においしく、「私の魂の食べ物」というほどになった。

(写真撮影/辰井裕紀)

(写真撮影/辰井裕紀)

それにしても田舎の個人商店は、なぜ床屋・美容室と喫茶店が残るのか。

モド「コミュニティのハブみたいになっているはず。高齢化社会になるほど、孤独が増える。でも喫茶店さえあれば、毎日モーニング食べて、みんなとお喋りできるから」

さらに個人の喫茶店はモーニングセットなどで、価格競争に強いチェーン店にも対抗できる価格で提供する。

モド「あとチェーンだとスタッフと仲良くなるのは難しいし、もしそうなっても、いつか担当者がどっか行っちゃうから。何十年もずっと挨拶するマスターや奥さんの方が特別です」

(写真撮影/桑田瑞穗)

(写真撮影/桑田瑞穗)

盛岡のような中核市にはチャンスがある

道行く人たちと挨拶を交わしながら、数々の街を通り過ぎたモドさん。こんな考えが芽生えた。

モド「小さい村はどうしても、たぶん守れないと思うけど、中核市ぐらいだと、チャンスはある」

ニューヨークタイムズに盛岡市(岩手県)を推薦したのはその思いからだった。また、東北にはインバウンドの観光客の0.9%しか行かない※。経済的に応援したい気持ちもあった。※観光庁「宿泊旅行統計調査」に基づく、2023年3月の外国人宿泊者ブロック別シェアより

モド「でも、盛岡は何度行ってもすごく充実している。にぎやかで若者が頑張ろうとしている姿をたくさん見られる街。大きい街が近くにないのに、盛岡だけはすごく充実感がある。10カ所の中核市を巡るプロジェクトで街を歩きましたが、その中でも盛岡は街並みもきれいだし、岩手山もきれいに見えるし。川もきれいで気の流れがいいし、市民に余裕を感じた」

杜の大橋から望む雄大な岩手山(写真撮影/辰井裕紀)

杜の大橋から望む雄大な岩手山(写真撮影/辰井裕紀)

モド「加えて、喫茶店も面白かったし、大正時代の建物も残っているし、大学生のエネルギーもあるし。バランスのある街だと思って推薦しました」

モドさんが推薦した盛岡の喫茶店、リーベ。筆者もモーニングを注文し、2階席の平和な静寂を味わった(写真撮影/辰井裕紀)

モドさんが推薦した盛岡の喫茶店、リーベ。筆者もモーニングを注文し、2階席の平和な静寂を味わった(写真撮影/辰井裕紀)

岩手銀行(旧盛岡銀行)旧本店本館。東京駅の設計でも知られる辰野・葛西建築設計事務所によるもの(写真撮影/辰井裕紀)

岩手銀行(旧盛岡銀行)旧本店本館。東京駅の設計でも知られる辰野・葛西建築設計事務所によるもの(写真撮影/辰井裕紀)

そして、モドさんの尽力により盛岡がニューヨークタイムズの「2023年に行くべき52カ所」の2番目に選ばれ、2023年は膨大な数の取材依頼が相次いだ。

とてつもない数の取材に応対し続けた理由に、「中規模や小規模な町でも快適で大事な人生を過ごせると伝えたい」との思いがあった。

モド「私も中核市に近いアメリカの工業都市が地元だったんですが、工場が中国へ行くなどして産業がなくなって。みんなの苦しみばかりを子どものころに見てきたから」

(写真撮影/桑田瑞穗)

(写真撮影/桑田瑞穗)

モド「盛岡の個人のお店は重要なコミュニティで、文化もつくっている。そういうお店が、個人で実現できるのを見ると感謝するし、私の地元から見ると、本当に奇跡のような状態だから」

盛岡のような、元気な中規模都市は少ないのか?

モド「少ない。寂れているところがほとんどです」

盛岡は、なぜそうならなかったのか?

モド「結構大きいのは大学があること。『大谷翔平モデルの時計』も作っている盛岡セイコー工業も近郊にあるし、ものづくりの仕事がある。あと、新幹線が停まるのも大きい。新幹線が停車する街と、そうじゃない街は全然違う。中山道を歩くとすごく感じる」

なお、東洋経済が1993年から発表している「住みよさランキング」の北海道・東北編で、2023年版の2位に盛岡市がランクイン。年間小売販売額と同1人当たりの販売額は北東北では1位という。

盛岡と各地をつなぐ新幹線はやぶさ号(写真撮影/辰井裕紀)

盛岡と各地をつなぐ新幹線はやぶさ号(写真撮影/辰井裕紀)

ちなみに筆者も盛岡の老舗のバーで、「今まさに世界的企業を相手にしている盛岡のものづくり文化」をマスターから力説され、ある自動車関連部品メーカーの活躍を紹介いただいた。南部鉄器からその精神は脈々と受け継がれているのだ。

(写真撮影/辰井裕紀)

(写真撮影/辰井裕紀)

それは、さまざまな問題に直面する日本のヒントにもなるという。

モド「本当に盛岡みたいなところが、あるんですよ。ほかにも山口市(山口県)とか松本市(長野県)とか尾道市(広島県)とか、そういった感じの街が守られたらいいと思う。東京で大きい会社に勤めなきゃとかばっかりじゃなくて、個人で本屋とかジャズ喫茶とかバーやりたいと思っている方が、できるスペースがあれば。中核市だとちょうどやりやすいから」

なお、2024年のニューヨークタイムズの「2024年に行くべき52の場所」で、山口市の選出にも関わったモドさん。選んだ理由をこう語っている。

「山口市は盛岡の魅力と同じ特質を多く備えています。若い起業家を惹きつける、人間的なスケールで充実した生活ができる街。京都、金沢、広島が日本の『レコードのA面』なら、山口と盛岡は『B面』で、控えめな天才性が含まれることが多い面です」

山口市の米屋町商店街(写真撮影/辰井裕紀)

山口市の米屋町商店街(写真撮影/辰井裕紀)

快適で大事な人生を過ごせる街・住まいを

あらためて、中核市ならではのよさは何か。

モド「東京だと疲れる。大きすぎて、ときにコミュニティをつくりづらい。少し地方に行けば、自分の好きなことがやれるくらいの町のリソースがありつつ、それでいて疲れない。鎌倉に住んでいる人たちは、みんな『もう東京行けなくなっちゃった』とか言っていますよ」

モドさんはさらにニュースレターの中で、「(盛岡のような)こうした小規模なビジネスの有り様は、大規模なデベロッパーによる東京の巨大開発と対極にある。そこには、巨大な構造物の中に似たような店ばかりが並び、小規模事業者には手が届かず、個性のかけらもない。盛岡は、盛岡にしかない個性や趣にあふれている」と語っている。

もりおか歴史文化館前の庭にて(写真撮影/辰井裕紀)

もりおか歴史文化館前の庭にて(写真撮影/辰井裕紀)

そんなモドさんは、8年前に東京から鎌倉に転居した。

モド「東京の観光客が増えすぎて、疲れた。鎌倉も多いんだけど、観光客が行くところは同じ。八幡宮、小町通り、大仏にしか行かないから、一本離れればすごく静か」

鎌倉の海を望む(写真撮影/桑田瑞穗)

鎌倉の海を望む(写真撮影/桑田瑞穗)

モド「鎌倉の大きい家に引越してきて、最初の晩に超泣いた。東京で住んでいた6畳の部屋じゃなくて、本当はやっぱりこれぐらいの広い家がほしかったんだなって」

ご近所さんも優しく、「みんな面白い人生を過ごしている」という。

モド「僕はご近所のみなさんより3、40歳ぐらい年下だけど、たぶん『モドさんは何者?』とずっと思われてたんじゃないかな。今年いっぱいテレビに出始めたら、優しくなった(笑)」

(写真撮影/桑田瑞穗)

(写真撮影/桑田瑞穗)

さらに、鎌倉は交通の便もいい。

モド「東京まで50分ぐらいで、グリーン車も500~1,000円くらい(※)でスタバのコーヒー1杯くらいの値段。1本で渋谷、池袋まで行けるし、吉祥寺に住むよりずっと楽だと思ったんです」

※2024年3月16日よりJR東日本は価格改定

鎌倉でモドさんがお気に入りの「甘縄神明宮」(写真撮影/辰井裕紀)

鎌倉でモドさんがお気に入りの「甘縄神明宮」(写真撮影/辰井裕紀)

(写真撮影/桑田瑞穗)

(写真撮影/桑田瑞穗)

モド「鎌倉は企業の社長やクリエイターなどの面白い人もたくさん住んでいる。山歩きもできるし、海を眺めながら癒やされるし、おいしいお店もあるし……」

そして、人々の暮らしの中にいい人生に必要なものは何かを探し続けるモドさん。今、それをどう考えているか。

モド「『充実感』を感じることです。自分が興味があって、少し上手にできる活動に集中すると充実できる。この前も日本刀の職人さんを見学して、それを実感した。過酷な状態でずっときつい作業をしているんだけど、すごく充実していい日々を過ごしている、と。その充実した生活や仕事で、快適で大事な人生を過ごせるか……」

そんな充実したことに没頭できる街こそ、いい街のはずだ。

(写真撮影/桑田瑞穗)

(写真撮影/桑田瑞穗)

最後に「住むなら、どんな家がおすすめか?」について、モドさん流のアドバイスをもらった。

モド「コミュニティが感じられるところに住むのが、大事。古いアパートでも、周りでコミュニティをすごく感じられるなら、100倍くらい、いい人生は過ごせるから」

◇   ◇   ◇

「小さい村はどうしても、たぶん守れないと思うけど、中核市ぐらいだと、チャンスはある」

膨大な数の田舎を歩いて見てきたモドさんの、現実的な見識。初めて47都道府県すべてで日本人の人口が減った今、日本のどこなら人生の大切な思いを実現して住めるか……自らにもう一度問いかけた。

モドさんの仕事場(写真撮影/桑田瑞穗)

モドさんの仕事場(写真撮影/桑田瑞穗)

(写真撮影/桑田瑞穗)

(写真撮影/桑田瑞穗)

(写真撮影/桑田瑞穗)

(写真撮影/桑田瑞穗)

(写真撮影/桑田瑞穗)

(写真撮影/桑田瑞穗)

●取材協力
クレイグ・モドさん (Craig Mod)
2021年に紀伊半島を約30日間踏破した回想録「Things Become Other Things」が発売中。
「漁師、口の悪い子ども、そしてひどく悲惨で素晴らしいコーヒー」たちに出合った記録が叙情的な写真とともに記されているThings Become Other Things

庭園付!?ミニマルラボ

所在地:大田区東雪谷
14万5,000円 / 53.86平米
東急池上線「石川台」駅 徒歩4分

◆ 賃料が下がりました! ◆



シルバーに塗装された鉄骨がむき出しになったラボのようなミニマルな雰囲気のワンルームを、窓先に広がる専有庭の庭園チックな木々が彩る、独特な雰囲気を持つリノベ物件。



庭には立派な松の木をはじめ、ワイルドな樹形の様々な植物が地植えされています。一見 ... 続き>>>.
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王子の木感ワンルーム

所在地:北区王子
11万7,000円 / 40.89平米
南北線「王子神谷」駅 徒歩7分

コンクリートの天井に、壁はすべて木。天高が約2.7mと一般的な高さより少し高めで開放感もあるワンルームの部屋。どことなく大人な雰囲気を感じるのは僕だけでしょうか。



南西向き角部屋でたっぷりの光が差し込み風通しも良好なのですが、ご注意いただきたいのは車の走行音。マンションの西側に ... 続き>>>.
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程よい邸宅

所在地:目黒区柿の木坂
120万円 / 304.4平米
JR線「渋谷」駅 バス19分 「野沢交番前」バス停 徒歩3分

★ 賃料が下がりました! ★



家族や親戚、友人との思い出が詰まった大きな家。普通であればどうするか悩んでしまうと思うのですが、引き継いだオーナーさんは迷うことなく手入れをし、気に入ってくれる方に使っていただく道を選ばれました。



ポイントは「ただ手入れをしたのではない」というと ... 続き>>>.
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「生まれ育った街だから住まいに困る人を減らしたい」。外国籍、高齢者などに寄り添い住まいと福祉を結ぶ居住支援法人・上原不動産

山口県の下関駅前で居住支援に力を入れている上原不動産の橋本千嘉子さん。不動産業を営んできた両親の背中を見て育ち、自身も生まれ育った街に集まってくる、さまざまな住まい探しに困難を抱える人たちの入居をサポートしています。また、入居を促進するためのオーナーへの啓蒙活動や社員の教育、行政や福祉団体との連携促進、街の活性化にも尽力しています。何がそこまで橋本さんを突き動かすのか、お話を聞きました。

歴史的背景を知ると見えてくる、下関駅前エリアの成り立ち

上原不動産がある山口県の下関駅前は海に囲まれた地形の港町。駅周辺は建物の老朽化が目立ち、再建不可のものも多いといいます。橋本さんは、この下関駅前で40年以上続く上原不動産の代表の長女として、両親の背中を見て育ちました。自身も5人の子どもを育てながら家業を担う2代目です。

橋本さんによると、この辺りはもともと1940年代に朝鮮半島から日本に抑留された人たちが帰国を目指して港のあるこの地に集まってきたものの、国に帰ることができず暮らし続け商売を営んでいる人も多い地域だそう。当時はバラックがたくさんあって活気があり、今もそのころを思わせる古い街並みが残っている。
歴史的背景を知ると、また違った風景が見えてきます。

少子高齢化、地元に留まらず都会に出ていく若者といった、現在の地方都市がどこも抱えている問題に加え、「総合病院や拘置所や更生保護施設など、駅周辺の環境もあって、体の悪い人や生活再建を目指す人、外国人など、住まい探しにおいても配慮や支援を必要としている人たちが、より多い地域といえます。この地で不動産賃貸管理業を続けていくためには、移住者を増やすなど、人を呼び込む必要性を強く感じています」(橋本さん、以下同)

本州最西端にある都市、下関市。人口の減少率は全国平均よりも高く、65歳以上の高齢者は市の総人口の1/3以上を占める(画像提供/上原不動産、出所/JMAP地域医療情報システム)

本州最西端にある都市、下関市。人口の減少率は全国平均よりも高く、65歳以上の高齢者は市の総人口の1/3以上を占める(画像提供/上原不動産、出所/JMAP地域医療情報システム)

「若いころは好きになれなかった」韓国語が飛び交う街

そんな橋本さんも、若いころはこの街が好きになれなかったといいます。

「私自身、在日韓国人3世で帰化しているのですが、韓国語の飛び交う雑多な雰囲気の街を、素直に受け入れられませんでした。スマートな都会的生活に憧れて、東京のデザイン系の学校に進んだのですが、強烈なホームシックに襲われました。その時初めて、自分がどれだけ地元のことを大好きだったかに気づいたんです」

地元に帰った橋本さんが会社を手伝い始めて間もないある日、入居者が突然亡くなり、警察と一緒に現場検証に立ち会うことがありました。その人は、かつて道端に倒れていたところを世話好きな橋本さんのお母さんがおぶって保護したことのある人でした。「不動産屋って、ここまでやらなくてはいけないんだ」と深く印象付けられた出来事だったといいます。

風光明媚な観光地も多い一方で、地元に根付いた人々の暮らしもある。大好きな地元を支えていきたい、子どもたちが自慢できる街にしたいという思いが、原動力(画像/PIXTA)

風光明媚な観光地も多い一方で、地元に根付いた人々の暮らしもある。大好きな地元を支えていきたい、子どもたちが自慢できる街にしたいという思いが、原動力(画像/PIXTA)

誰もやらないなら、まずは自分たちで。居住支援法人に登録

上原不動産の代表である橋本さんの父は、3~4年前から不動産業界のこれからを見据え、住宅弱者に対する支援団体の連携の場である「下関市居住支援協議会」の立ち上げを行政や宅建協会などに提案してきました。しかし人手が足りないことなどを理由に、なかなか実働に向かいません。

「誰もやらないなら、まずは自社でやらなくては、と考えて2021年9月に山口県の居住支援法人に登録し、福祉についても勉強し始めました。居住支援法人の登録には専用窓口、専用スタッフ、専用ダイヤルを設置・明示する必要があり、大変でした。しかしその仕組みをつくったことで、お問い合せを受けやすくなり、行政や福祉法人との連携体制ができつつあります」

上原不動産のホームページより。専任スタッフを置き、相談窓口をつくるのは大変だったが、問い合わせしやすい環境を整えることができ、相談の増加につながっている(画像提供/上原不動産)

上原不動産のホームページより。専任スタッフを置き、相談窓口をつくるのは大変だったが、問い合わせしやすい環境を整えることができ、相談の増加につながっている(画像提供/上原不動産)

居住支援法人となって大きく変わったのは「断らなくても良い方法を見つけよう」という意識でした。そして受け入れ可能な物件を増やすためにはオーナーや管理会社の理解が必要です。オーナーの意向を知るために上原不動産が独自で行ったアンケートでは、約9割が要配慮者の受け入れOKとの回答だったそう。

「ただし『受け入れ可』は、当社が責任を持って対応することが大前提となっていました。そこで私たちも今まで以上に入居後の生活サポートに目が向くようになり、いろいろなサービスの導入を進めてきたのです」

65歳以上の人にはAIによる見守りと死亡補償を組み合わせたサービスへの加入を必須にしたり、携帯電話も固定電話も持っておらず家賃保証会社を利用できない人のために格安スマホの代理店となったり。それぞれの事情に応じて幅広く対応できるよう、家賃保証会社5社以上と提携しながら、緊急連絡先を確保し、連帯保証人がいない人であっても自社所有物件に入居できるようにするなど、二重三重のサポート体制を整えているそうです。

上原不動産で65歳以上の人の入居時に加入を必須としている、電気の使用量をAIが判断し、いつもと違う動きがあってもすぐに察知、連絡できるシステム。利用者の手を煩わせることなく、プライバシーも守りながら見守りができる(画像提供/上原不動産、出所/R65不動産)

上原不動産で65歳以上の人の入居時に加入を必須としている、電気の使用量をAIが判断し、いつもと違う動きがあってもすぐに察知、連絡できるシステム。利用者の手を煩わせることなく、プライバシーも守りながら見守りができる(画像提供/上原不動産、出所/R65不動産)

若手社員の教育に悩むことも……体制を整え、国の制度も活用

現在、上原不動産には約25人の社員が在籍しており、その中の居住支援推進課という専門部署に社員2人が在籍しています。賃貸事業部の営業担当者が支援を必要とする入居希望者に対応するときには、居住支援推進課が伴走する体制です。

未来推進事業部に所属する住居支援推進課を中心に居住支援に当たるが、相談者や入居者の対応は各窓口の担当者が行っている。居住支援推進課は組織の枠を飛び越え、必要な支援と繋いでいく伴走型の部署だ(画像提供/上原不動産)

未来推進事業部に所属する住居支援推進課を中心に居住支援に当たるが、相談者や入居者の対応は各窓口の担当者が行っている。居住支援推進課は組織の枠を飛び越え、必要な支援と繋いでいく伴走型の部署だ(画像提供/上原不動産)

しかし中には、居住支援を進める会社の方針に「福祉事業をやるために入社したんじゃない」「もっと利益を追求する楽な方法があるのではないか」という社員や、共感できずに退職する人もいたそう。さらに時代が変わってデジタルシフトしていけばいくほど入居者との関わりは事務的になり、関係が希薄になっていきます。

「私たちがこの街で商売をしていくということは、福祉的支援を必要とする人たちにも寄り添っていくということ。社員数が少ないときは何となく意志統一ができていましたが、会社が大きくなると『理念』というものを内外に打ち出していかないと伝わらないことに気づきました」

橋本さんは最初こそ社員全員に居住支援について学んでもらおうとしていましたが、それが難しいことを痛感し、社員のキャリアのステージにあった教育を行うべく、会社としてノウハウを蓄積中です。

「不動産取引本来の醍醐味なども理解した上で支援のあり方を学んでいかないと、居住支援に取り組む価値が伝わらず、業務の大変さに皆疲弊していってしまうんですね。なので合間あいまに伝えながら、理解できているスタッフが伴走するようにしています」

さらに2022年度からは厚労省が実施している「高齢者住まい・生活支援伴走支援プロジェクト」に参画。居住支援に取り組む団体の悩みや課題をサポートし、解決に導く制度で、専門家にアドバイスを受けるなどした結果、誰にも相談できずに抱え込んでいた担当社員の精神的負担を軽くすることができました。そして行政や地域を巻き込んで開催した2年目となる2023年10月の勉強会では、橋本さんが横串を刺したいと考えていた市の住宅課と福祉部の連携が少しずつ進んでいると感じられたそう。下関市の居住支援を前に進めるためにも「今後も継続していきたい」というのが現場の声です。

高齢者住まい・生活支援伴走支援プロジェクトの勉強会の一コマ。地域の関係者同士、お互いの補完性や他機関連携の重要性を学び、共有する機会となったという(画像提供/上原不動産)

高齢者住まい・生活支援伴走支援プロジェクトの勉強会の一コマ。地域の関係者同士、お互いの補完性や他機関連携の重要性を学び、共有する機会となったという(画像提供/上原不動産)

さまざまな取り組みを進める中で、見えてきた課題とは

このように多くの取り組みを進めてきた橋本さんだからこそ「不動産屋として、居住支援法人として、どこまで関わるべきか悩む」と言います。例えば、本人が自立して暮らしたいと言っても、福祉の専門家から見れば施設に入った方が安心で安全というケース。本人の意向を優先して民間の賃貸住宅に受け入れることで、入居者が事故に遭ったり、死につながったりすることは避けなければなりません。

「どこまで寄り添うべきなのか、どこまで受け皿を準備すべきなのか、正直まだ答えは出せずにいます。本人が望むなら賃貸住宅での受け入れ先を探したい私たち居住支援法人としての目線と、病院や福祉事業者の目線のバランスをとるのはとても難しいです。ケースワーカーなど専門知識のある人とつながる必要性を感じます」

そしてもう一つ、行政の横のつながりを推し進めること。行政が部署の垣根を越えて案件や問題に関わることは安易ではありません。橋本さんもその事情や体質は理解しつつも、街をよくしたいという想いは皆同じはずだと考えています。

「だったらこの交わらない人たちをくっつけられないものかと、駅前のコワーキングスペースで行政の人や学生、関東で活躍している下関出身の人などをゲストスピーカーとして招くイベントを企画したりしています」

街に人を呼び込む、橋本さんの興味深い活動については、また違った話が聞けそうです。

勉強会、研修会を独自で開催するなど、居住支援活動の普及に努めている。写真右が橋本さん(画像提供/上原不動産)

勉強会、研修会を独自で開催するなど、居住支援活動の普及に努めている。写真右が橋本さん(画像提供/上原不動産)

「不動産は国交省から、居住支援については厚労省から政策が下りてきますが、居住支援法人になっていろいろな政策を自分の身近に置き換えて俯瞰して見られるようになった」と橋本さんは言います。
自分たちの周りにいる人たちがお客さまとしてのターゲットであり、入居をサポートするために必要な方策を模索していくこと。幼いころから両親の背中を見てきた橋本さんにとって、居住支援の取り組みは当たり前で自然なことなのかもしれません。

そして行政や周りの団体を巻き込み、若い人たちへと伝えていこうとする橋本さんの竜巻を起こすようなパワフルさに惹きつけられました。上原不動産の今後の活動にも注目していきたいですね。

●取材協力
上原不動産株式会社

台東のスリムな一棟

所在地:台東区台東
20万円 / 48.77平米
山手線「御徒町」駅 徒歩5分

場所は台東区台東。山手線「御徒町駅」から昭和通りを渡ってすぐのところにあるスリムな一棟をご紹介。



1階は約17㎡、2階は約18.6㎡、3階は約12.2㎡と各フロアの面積が結構コンパクトなサイズ感。



1階の天高は約2.9mと高めで、ファサードのガラス面が大きく前面道路からの視認 ... 続き>>>.
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多趣味さんいらっしゃい

所在地:八王子市中野上町
7万円 / 39.6平米
中央線「八王子」駅 バス14分 「中野」バス停 徒歩3分

遊び心ある改装によって生まれ変わった古い木造アパート。



面積を広くするために上下の部屋をつなげてメゾネットに。1階は床を下げて土間仕上げ、天井を抜いたので高さ3mを確保できました。専用の庭もあって、敷地内の駐車場は月額4,400円(税込)。おまけにペット飼育相談です。



キャン ... 続き>>>.
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三茶のアウトドアダイニング

所在地:世田谷区太子堂
16万8,000円 / 39.48平米
東急田園都市線「三軒茶屋」駅 徒歩3分

三軒茶屋駅から徒歩約3分。バルコニーが2つある開放的な1LDKです。



マンション外観は度肝を抜く色使いですが安心してください。室内はグレー調で落ち着いています。



天高は約2.6mとやや高く、2面の大きなバルコニー窓もあって開放的なLDK。曲線のガラス壁の奥には浴室があり、ブル ... 続き>>>.
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立地重視のバランス志向

所在地:⽬⿊区⻘葉台
11万円 / 34平米
東急田園都市線「池尻大橋」駅 徒歩11分

ある程度のボロさは許容範囲で立地重視の方、予算内で日当たり・眺望・広さのバランスがよい部屋に住みたい方におすすめです。



ちょっと距離はありますが最寄りの4駅が渋谷・中目黒・池尻大橋・神泉という立地。静かな住宅街ですが近所に飲食店もちらほらあるし、大きめのスーパーは徒歩6分ほどで ... 続き>>>.
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建築家が愛をこめたロッジ

所在地:神奈川県横浜市戸塚区舞岡町
6,200万円 / 143.65平米(建物) 464.29平米(敷地)
湘南新宿ライン・東海道線・横須賀線・横浜市営地下鉄ブルーライン「戸塚」駅 バス7分 「西根」バス停 徒歩2分

<価格改定>



とある建築家が実の兄のために設計した家。そしてそれは、思い出がつまった実家の建て替えの設計でもあり。



きっと建築家本人にとっては楽しく、そして決して妥協することができない、大変な設計であったことは想像に難くありません。



この度そんな大切な家を引き継いでくれる方 ... 続き>>>.
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ルーバルに「ゆ」の香り

所在地:新宿区改代
10万3,000円 / 31.87平米
東西線「神楽坂」駅 徒歩5分

ここは1975年築のレトロマンションの3階。ゆったりとしたルーフバルコニーで過ごしていると漂ってくる温かくていい香りの正体は、1階にある『竹の湯』の薬湯の香りでした。



部屋はこの環境にぴったりなレトロな内装。年季は入っていますが清潔感があります。日当たりがよくルーフバルコニーと ... 続き>>>.
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ミニマル倉庫系メゾネット

所在地:目黒区上目黒
9万7,000円 / 27.59平米
日比谷線・東急東横線「中目黒」駅 徒歩12分

ざっくりと倉庫っぽい雰囲気をかもし出すメゾネット。



ミニマルな空間にぎゅっと、ダイニングキッチン機能が詰め込まれた上の階と、半地下でこもるようにくつろげる下の階。



ふたつの空間をつなぐダイナミックな窓際の吹き抜けは開放的で、上からは明るい光が降り注ぎ、下から上を見上げれば青空 ... 続き>>>.
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外国のホテル

所在地:杉並区下高井戸
8万4,000円 / 23.04平米
京王線「桜上水」駅 徒歩7分

ワンルームをざっくりとした質感で改装した、外国のホテルみたいな一室です。壁や天井を抜き、コンクリートを塗装しています。



土足利用を想定してつくられた空間。オーナーいわく、実はそもそもホテルとして計画されていた建物を、建築時にマンションに切り替えたのだそうな。



その名残なのか、 ... 続き>>>.
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ある意味貴重なこの一部屋

所在地:渋谷区恵比寿西
8万8,000円 / 20.8平米
山手線「恵比寿」駅 徒歩7分

恵比寿にもまだ残っています昭和のアパート。

木造アパート外階段を上る途中に玄関。

ガレージの上のたった一部屋。

この一棟に一部屋のみです。

よって、木造でも音問題はクリアです。



外と内のギャップは激しく、室内は結構キレイなんです。水回りも清潔感があります。

この広さの部屋にして ... 続き>>>.
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京都の中心で見つけた「ゆとり」

所在地:京都市中京区堺町通姉小路下る大阪材木町
1億800万円 / 108.3平米
地下鉄烏丸線「烏丸御池」駅 徒歩5分

★ 価格が下がりました! ★



東京R不動産でご紹介するのは珍しい、京都にあるこのマンション。京都で物件を探したことがある方ならお分りいただけるかもしれませんが、これがなかなかのレアカードです。



京都御所の御池から堺町御門を抜け、そのまま真っ直ぐ南に通る堺町通沿いにあるこの物件 ... 続き>>>.
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まちの仕事場(アトリエ)

所在地:世田谷区豪徳寺
4万2,900円(税込) / 2.6平米
小田急線「豪徳寺」駅 徒歩1分

豪徳寺駅前の商店街入り口に、建築設計事務所がリノベーションした「まちの仕事場」ができました。



ここのところ在宅での仕事が増えて、家でもオフィスでもなく集中できる場所を探している方は多いのではないでしょうか。



ぜひそんな方に、ちょうど良い仕事場として使っていただきたいこのシェア ... 続き>>>.
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「脱炭素問題」が企業も国も淘汰する時代へ。予断を許さぬ気象環境と日本の対策遅れ、住宅事情など最新情報  COP28

2023年は、世界各地で異常気象が相次ぎました。異常高温、大雨やサイクロンなど多数の死者を伴う気象災害により、多くの住宅やインフラが甚大な被害を受けました。日本も年平均気温は過去最高で、記録的な豪雨が発生。地球温暖化によって引き起こされる異常気象は、今後もさらに頻発する見込みで、各国は地球温暖化を抑制する脱炭素に向けた取り組みを加速しています。

NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサーとして「脱炭素」を追ってきた堅達京子さんに最新事情を聞きました。2023年11月30日から12月13日にかけて、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催された、COP28※の成果や課題、住宅業界の脱炭素の動きを解説します。

※COPは、地球温暖化の影響緩和や適応策、炭素排出削減目標などに焦点を当て、国際社会の協力を促進する国際会議です。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

『化石燃料からの脱却』の合意は画期的な一歩堅達さんの著書『脱炭素革命への挑戦 世界の潮流と日本の課題』(山と渓谷社 刊)(画像提供/堅達京子)

堅達さんの著書『脱炭素革命への挑戦 世界の潮流と日本の課題』(山と渓谷社 刊)(画像提供/堅達京子)

2020年10月、菅前首相の「2050年カーボンニュートラル宣言」により、地球温暖化対策の「脱炭素」に対する日本全体の関心が高まりました。カーボンニュートラルとは、地球温暖化を進めないように、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすること。政府は、これを2050年までに達成する目標を掲げています。これは、日本が脱炭素社会の実現に向けて、産業構造や社会システムの転換を進めていくことを意味しています。2021年に開催されたCOP26について堅達さんを取材した際、「この8年が地球温暖化を食い止める正念場」という強いメッセージがありました。それから2年、脱炭素の観点から世界はどのように変わったのでしょうか。

堅達さんは、「温暖化の危機は加速しているのに、人間は戦争や紛争に明け暮れ、結束が弱まっている。そういう2年間だったと思います」と話します。

「温暖化の悪影響が一層顕在化してきています。リビアの砂漠地帯やイタリアの洪水、アマゾン川流域の干ばつ、ハワイの山火事などがニュースで報じられました。海氷や陸地の氷が驚くほどの速さで溶け、特に西南極の氷床が大きく減少しているという科学者たちの報告があります。太平洋島嶼国は、海面上昇による国土消失が懸念されています。そして、ウクライナ戦争やガザ侵攻が勃発しました」

世界中で洪水や山火事、干ばつなどが続発(PIXTA)

世界中で洪水や山火事、干ばつなどが続発(PIXTA)

そうして2023年11月30日~12月13日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催された「COP28」。気候変動の悪影響を受けやすい途上国の損失と損害(ロス&ダメージ)を支援する「ロス&ダメージ基金」や各国の脱炭素対策の進捗を評価する「グローバル・ストックテイク」などについて議論されましたが、なかでも大きな成果は「『化石燃料からの脱却を10年間で加速する』という合意が採択されたこと」だと言います。
「近年のCOPでは、『化石燃料の段階的廃止』という文言が合意文書に盛り込まれるのかが焦点でした。化石燃料の燃焼は、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスを排出する主な原因で、大気中に蓄積することで、地球温暖化が引き起こされます。
化石燃料の廃止は、地球温暖化を抑えるために必要不可欠ですが、COP26、COP27では、化石燃料への依存度が高い国々からの反発があり、見送られました。
COP28では、『化石燃料からの脱却を10年間で加速する』という合意が採択されました。190を超える世界の国と地域の合意文書に盛り込まれたことは歴史的な進展であり、2023年が、石油や石炭に依存する『化石燃料時代の終わりの始まり』だと言えるでしょう」

化石燃料とは、石炭・石油・天然ガスなど。火力発電などで燃焼する際、温室効果ガスを排出する(PIXTA)

化石燃料とは、石炭・石油・天然ガスなど。火力発電などで燃焼する際、温室効果ガスを排出する(PIXTA)

一方で、「『廃止』という強い言葉が最初の案から消えて、『脱却』という解釈の余地を残す言葉になってしまった点は残念」と堅達さん。

「『phase-out(段階的廃止)』には、『全面的に無くす』という強い意味がありますが、『transitioning away(脱却)』は、『移行』と訳されることもあります。玉虫色だからこそ合意できた面もあるでしょうが、訳し方次第で都合よく解釈できる余地が残ってしまいました」

とはいえ、そんな中でも、化石燃料からの脱却を「10年間で加速する」と期限を明記できたことは大きい成果と言えるでしょう。

ビジネス界で加速する再生可能エネルギーの活用再生可能エネルギー(再エネ)とは、太陽光、水力、風力、地熱、バイオマスなどの、枯渇せずに繰り返して永続的に利用できるエネルギーのこと(PIXTA)

再生可能エネルギー(再エネ)とは、太陽光、水力、風力、地熱、バイオマスなどの、枯渇せずに繰り返して永続的に利用できるエネルギーのこと(PIXTA)

また、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、ロシア産パイプラインガスへの依存度が高い欧州などで天然ガス価格が高騰したこともここ数年での大きな出来事のひとつ。日本に住む私たちも、日々影響を実感しています。

「脱炭素化」が停滞、後退するのではという見方もありました。それでも、堅達さんは「脱炭素なくしてビジネスはできない時代に突入します」と話します。

「最新の研究では、想定されていたほどウクライナ戦争による化石燃料への揺り戻しは起きなかったと捉えられています。むしろ、ロシアの天然ガスに依存するのは危険だという認識が強まり、再生可能エネルギーへの転換が一層加速しました。
その流れは、ビジネス界も同様で、例えば、アップルは、2030年までに、販売されるすべての製品をカーボンニュートラルにすることを目指すと宣言。再生可能エネルギーに移行するサプライヤー(商品やサービスを供給する人・企業)の数を大幅に増やしただけでなく、製品に使用するリサイクル素材の量を増やしています」

液化天然ガスのパイプライン。ロシア の ウクライナ 侵攻 で 世界的 に 需給が逼迫した(PIXTA)

液化天然ガスのパイプライン。ロシア の ウクライナ 侵攻 で 世界的 に 需給が逼迫した(PIXTA)

ビジネス界が脱炭素に向けた取り組みを加速させている背景には、世界各国でカーボンプライシングの導入が進んでいることがあります。

「カーボンプライシングとは、温室効果ガスの排出に価格を付ける仕組みで、例えば、炭素税は、温室効果ガスの排出量に応じて課税する制度。
1トンあたりの値段が1万円を超える国もある中、日本のカーボンプライシング(『地球温暖化対策のための税』)は、石炭火力発電の排出量に1トンあたり306円と世界各国と比較して低い水準にとどまっています(2024年1月8日時点)」

欧州連合(EU)は、2023年5月に、炭素税に匹敵する「炭素の国境調整メカニズム」を施行。温室効果ガス排出量の多い国から、排出量の少ない国への輸入品に対して、炭素価格相当の費用を課す制度です。さらに、2023年7月から「デジタルプロダクトパスポート」の導入を義務付け、製品の製造者、販売者、消費者、そしてリサイクル業者などが製品の持続可能性に関する情報を電子的に記録したものを共有できるようにしました。
温室効果ガス排出量の多い国から輸入される製品の競争力を低下させ、排出量の少ない国から輸入される製品の競争力を高める施策で、日本企業への影響も少なくはありません。
もはやビジネス界は、「脱炭素なくして商いができない」時代に突入しているというのです。

脱炭素ビジネスで世界をリードする中国に対抗するため、アメリカは国内の脱炭素産業育成に多額の資金を投入している(PIXTA)

脱炭素ビジネスで世界をリードする中国に対抗するため、アメリカは国内の脱炭素産業育成に多額の資金を投入している(PIXTA)

現在、脱炭素ビジネスは、欧州・アメリカと中国が牽引していますが、アメリカでは、2017年6月、ドナルド・トランプ大統領のもと、地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定からの離脱を表明したのは印象的なできごとでした。
ジョー・バイデン大統領により2021年2月に復帰しましたが、その間に何があったのでしょうか。

「アメリカが離脱を宣言する中、2017年にドイツのボンでCOP23が開催されました。アメリカのビジネス界はどうするのか注目されましたが、アメリカの大手企業100社以上が連名で、『ウィーアースティルイン(We are still in)』の声明を発表し、『我々はまだパリ協定にいる』と表明したんです。企業には、アップル、マイクロソフト、グーグル、フェイスブックなどアメリカを代表する企業が名を連ねていました。2024年アメリカ大統領選挙で、たとえドナルド・トランプ氏が再選されたとしても、ビジネス界の脱炭素の動きは止まらないでしょう」

脱炭素と住まいの新潮流、世界の最新事情

住宅業界の脱炭素の動きについて、堅達さんは「世界各国で新築住宅への太陽光発電の義務化が進むこと」に注目しています。

「COP28では、『化石燃料からの脱却』を実現するために、2030年までに再生可能エネルギーを3倍にして、エネルギー効率を2倍にすることが目標になりました。
具体的な政策としては、新築住宅の太陽光発電の義務化が注目されています。既に、アメリカのカリフォルニア州やハワイ州では、新築住宅に太陽光発電を設置することが義務化されていましたが、日本でも、東京都が2025年4月から、新築住宅への太陽光発電設置の義務化を決定しました」

太陽光発電や電機自動車の充電ステーションが街の当たり前の風景に(PIXTA)

太陽光発電や電機自動車の充電ステーションが街の当たり前の風景に(PIXTA)

「化石燃料を廃止するには、石炭だけではなくて、石油と天然ガスからも脱却しなければいけません。
ニューヨーク市で2021年12月に可決された『新たな建築物での天然ガス使用を禁じる法案』は、その先駆けとなる政策です。2024年1月から7階建て未満の新築建物、2027年7月から7階建て以上の新築建物に対して、暖房、給湯、調理などのすべての用途で天然ガスの使用を禁止するもの。ニューヨーク市の新築建物は、すべて電気で暖房や給湯、調理を行うことになります。ガスをひねって調理する時代が終わりを迎えているのです」

街づくりや住宅にもEVシフトの動きが出てきており、こちらも見逃せないと言います。

「ここ数年で大きく進んだ分野は、EVです。ガソリン車やディーゼル車などの内燃機関車から、電気自動車(EV)への転換が急速に進んでいます。
世界におけるEV車の普及率は2023年には14%を超え、欧州では20%と5台に1台がEVの時代に突入しています。欧州、中国、アメリカでは、EVシフトを加速させるために、住宅へのEV充電設備の設置義務化を進める動きが広がっています。
日本では、東京都が、全国に先駆けて、2025年4月から、賃貸住宅を含む新築の住宅すべてにEV充電設備の整備義務化を施行。日本におけるEV車の普及率は世界水準を大きく下回っています。今後、EVシフトを加速させると同時に、全国へ充電ステーションの整備が急がれます」

自宅のガレージにEV充電設備を備えた住宅(PIXTA)

自宅のガレージにEV充電設備を備えた住宅(PIXTA)

また、堅達さんは「日本が一番遅れている既存住宅の断熱化が急務」と警鐘を鳴らします。

「『エネルギー効率2倍』を達成するためには、建物の省エネ性能を高めることが重要です。欧米では、住宅の断熱化は、エネルギー消費量の削減や、室内環境の改善、快適性の向上などの目的で、広く普及しています。それに比べると、日本では、特に既存住宅における省エネ診断や断熱工事の普及が進んでおらず、省エネ性能向上が遅れています」

既存住宅の性能表示については、2025年4月から義務化される予定。リクルートでは、2024年4月より、不動産情報サイト『SUUMO』に掲載される新築住宅の省エネ性能表示を開始します。「SUUMO」では、エネルギー消費性能を星の数で表示(国土交通省HPより)

既存住宅の性能表示については、2025年4月から義務化される予定。リクルートでは、2024年4月より、不動産情報サイト『SUUMO』に掲載される新築住宅の省エネ性能表示を開始します。「SUUMO」では、エネルギー消費性能を星の数で表示(国土交通省HPより)

ドイツでは、2002年に「省エネルギー建築法(EnEV)」が施行され、新築住宅の省エネ性能を一定の基準に満たすことが義務付けられ、既存住宅についても、2020年より、一定の基準に満たない住宅の売買や賃貸の際に、省エネ診断を実施することが義務化されました。

「国土交通省では、新築住宅の断熱性能を『ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)』の基準まで引き上げる目標を掲げています。また、2022年度から、『既存住宅における断熱リフォーム支援事業』により、窓やドアなどの断熱改修に対する補助金制度が拡充されました。
努力義務だけでは遅々として進みません。義務化と補助金等をセットにして導入するアプローチが効果的です」

「都市(まち)の木造化推進法」(国土交通省2022年施行)にともない、大型の木造建築が続々と登場していることにも注目しているとのこと。「木材を大規模建築に大量に使うことで炭素を貯留し、温室効果ガス排出量の削減につなげようと、『木造化』への期待が非常に高まっているのです」(堅達さん)(画像提供/三井不動産・竹中工務店)

「都市(まち)の木造化推進法」(国土交通省2022年施行)にともない、大型の木造建築が続々と登場していることにも注目しているとのこと。「木材を大規模建築に大量に使うことで炭素を貯留し、温室効果ガス排出量の削減につなげようと、『木造化』への期待が非常に高まっているのです」(堅達さん)(画像提供/三井不動産・竹中工務店)

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日本の課題と求められる取り組み

現在、日本では国全体としての排出量取引制度は実施されていません。日本政府は2026年度の本格稼働に向けて準備を進めている段階です。岸田首相は、2022年1月に「アジア・ゼロエミッション共同体構想」を提唱していますが、課題もあります。
世界では日本の脱炭素政策は、どう見られているのでしょうか。

「残念ですが、日本の温暖化対策は、世界から評価されていないのが現状です。
COP28の会場では、日本は、脱炭素で間違った方向に進んでいるとして、環境NGOから『化石賞』に選ばれました。化石賞とは、気候変動対策に対して足を引っ張った国や企業に与えられる不名誉な賞です。
また、脱炭素化の手段として、アンモニアを燃料として利用することに注力していますが、これについても冷ややかな目を向けられています。確かに、アンモニアは、燃焼時にはCO2は排出しませんが、現状では生成する時にCO2を排出しますから、差し引きでいえば効果が低いと言われるのは当然です」

日本は、化石燃料に多額の公的資金を投じていると非難されている(PIXTA)

日本は、化石燃料に多額の公的資金を投じていると非難されている(PIXTA)

「もはやマイボトルやエコバッグの自助努力だけで温暖化は止まりません」と堅達さん。

「まず、政府が、ルールや期限を決めてシステムを変える必要があります。『衣食住』の『住まい』は、地球環境の問題を身近に感じる入り口。断熱性能のいい住宅なら、快適に暮らせて地球環境にも優しい。太陽光や蓄電池を搭載すれば、防災にもなり、一石二鳥三鳥になります。省エネ性能表示を確認するなど、消費者として、環境に配慮した商品を選ぶことが地球の未来を変えると思います」

世界では、脱炭素化によるパラダイムシフトで、今までの思想や社会全体の価値観などが、革命的に、劇的に変化しています。日本でも2019年に風力発電の再エネ海域利用法が施行され、洋上風力発電の導入が本格化。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が、脱炭素技術の研究開発に2兆円の「グリーンイノベーション基金」を創設するなど、脱炭素社会の実現に向けた投資を拡大しています。百点満点のエネルギーはなく、課題はありますが、堅達さんのように建設的な視点でとらえることが大切だと感じました。

●取材協力
NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー
堅達 京子(げんだつ・きょうこ)さん 
1965年、福井県生まれ。早稲田大学、ソルボンヌ大学留学を経て、1988年、NHK入局、報道番組のディレクター。2006年よりプロデューサー。NHK環境キャンペーンの責任者を務め、気候変動やSDGsをテーマに数多くの番組を放送。NHKスペシャル『激変する世界ビジネス “脱炭素革命”の衝撃』 『2030 未来への分岐点 暴走する温暖化 “脱炭素”への挑戦』、NHK民放の6局連動特番『1.5℃の約束 いますぐ動こう、気温上昇を止めるために』はいずれも大きな反響を呼んだ。
2021年8月、株式会社NHKエンタープライズに転籍。日本環境ジャーナリストの会副会長。環境省中央環境審議会臨時委員。文部科学省環境エネルギー科学技術委員会専門委員。世界経済フォーラムGlobal Future Council on Japanメンバー。東京大学未来ビジョン研究センター客員研究員。福井県立大学客員教授。
主な著書に『脱炭素革命への挑戦 世界の潮流と日本の課題』『脱プラスチックへの挑戦 持続可能な地球と世界ビジネスの潮流』。

スリムだけど開放的

所在地:渋谷区恵比寿
16万3,000円 / 42.4平米
山手線「恵比寿」駅 徒歩9分

恵比寿駅から徒歩9分、住宅街の中にひっそりと佇む全4戸の白いデザイナーズマンション。



コンクリート打ちっぱなしの壁と天井に、ツヤのあるフローリング。無駄な線がないシャープな造りで、きっちりとした印象を持ちます。



上下階ともに居室の幅は約2.6mとスリムなメゾネット。北南西の3 ... 続き>>>.
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清潔感とルーフバルコニー

所在地:杉並区下井草
16万円 / 48.98平米
西武新宿線「下井草」駅 徒歩9分

フルリフォームされた部屋と大きなルーフバルコニー!



部屋と同じぐらいの面積のルーフバルコニー。写真を撮影した日はあいにくの曇天でしたが、周囲に高い建物はなく、晴れた日には見渡す限り気持ちのいい眺望が広がります。ルーフバルコニーでカフェタイムを楽しんだり植物を育てたり、朝はストレ ... 続き>>>.
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空と光を感じる箱

所在地:杉並区永福
15万5,000円 / 42平米
井の頭線「永福町」駅 徒歩5分

見上げる空の深い青。永福町に明るくて快適に住めそうな部屋を見つけました。設計はシーラカンスK&H。



間取りは潔く約19畳のワンルーム。南側にサンルームのような水回りが配置され、収納も含めレイアウトは全て入居者に委ねる方法をとっています。



部屋の南北には壁一面の窓。外からの光が ... 続き>>>.
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街角のちいさな小屋

所在地:練馬区石神井町
6万9,300円(税込) / 9.9平米
西武池袋線「石神井公園」駅 徒歩8分

街中に突如あらわれる、植栽に囲われた平屋の小屋たち。コンテナのようなBOXにウッドデッキテラスやテント、窓がつき、小屋のようなしつらえになっています。



4つの小屋が敷地に配置され、それぞれは独立したかたち。現在は、そのうちの1部屋が募集されています。



使い方としては、物販やサ ... 続き>>>.
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建築家の育った家

所在地:横浜市港南区芹が谷
980万円 / 81.55平米(建物) 133.89平米(敷地)
湘南新宿ライン・横須賀線「東戸塚」駅 バス10分 「せりぎんタウン」バス停 徒歩4分

R不動産が仲良くさせてもらっている建築士さんが7歳から26歳まで暮らしたご実家。



小高い土地に建ち、隣地が学校になっていることもあり、周囲が開けていて、日当たりや眺めが気持ちいい環境。紅葉とミカンの木があるお庭が南側に広がり、のどかな空気感がいい感じです。



工務店の現場監督だ ... 続き>>>.
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昭和の空気をシェアする暮らし

所在地:中野区若宮
6万4,000~6万7,000円 / 9.42~10.14平米
西武新宿線「野方」駅 徒歩5分

昭和初頭からこの地に立ち、流れる時代や変わっていく街並みに左右されることなく、住まい手を見守ってきた大きな平屋。



一時は空き家でしたが、そんな平屋の灯火を絶やさぬように導き出された答えは、この家をシェアハウスとして運用していくことでした。



そしてこの建物がシェアハウスへとコン ... 続き>>>.
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長屋の上からこんにちは

所在地:世田谷区経堂
8万5,000円 / 29.81平米
小田急線「経堂」駅 徒歩10分

レトロでカラフルな長屋の2階、商店街を見下ろす小さな部屋は、外観とギャップのあるリノベーションにしてやられました。



商店街とは言っても、活気のある駅近エリアを通り過ぎ、店が徐々にまばらになり人通りもさほど激しくない場所なので、住環境としては悪くなく、商店の子になったような感覚で ... 続き>>>.
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自然素材でつくったタイニーハウスは氷点下でも超ぽかぽか! 羊毛・ミツロウ紙などで断熱効果抜群、宿泊体験してみた 「CORONTE(コロンテ)」北海道仁木町

リンゴやブドウ、サクランボなど果樹栽培が盛んなまち北海道仁木町に、ほぼ自然素材だけで建てられた「CORONTE(コロンテ)」という一棟貸しの小さなコテージが2023年夏に誕生した。企画設計したのは、木こりとして森で自ら木を切り出し、それを素材にした建築を手がけてきた陣内雄(じんのうち・たけし)さん。「動物が巣にする素材でつくる家は文句なく心地よい」と言い、みんながそれを体験できる場をつくりたかったのだという。今回筆者は、真冬に森の中のコテージで一泊。陣内さんの言葉に大きく頷く体験をリポートしたい。

木こりが建築に関わったら、木材はもっと自由に活用できる

無垢の木、羊毛、もみ殻石灰、ミツロウ紙、漆喰といった自然素材で建てられたタイニーコテージ「CORONTE」。
筆者は、このコテージのオープンを心待ちにしていた。
実は10年くらい前から、近年その名を知られてきた「化学物質過敏症」の症状があり、香りのある洗剤や柔軟剤に触れると頭痛がしたり、ホームセンターなどで合板などの売り場に長時間いると喉が痛くなったり。多くの人は感じにくい程度の化学物質で日々苦しんでいるので、自然素材をふんだんに使った家で過ごしたら、自分の体にどんな変化が起こるのだろうかと興味を持っていた。

森の中の斜面に張り出すように建てられている(撮影/久保ヒデキ)

森の中の斜面に張り出すように建てられている(撮影/久保ヒデキ)

(撮影/久保ヒデキ)

(撮影/久保ヒデキ)

「CORONTE」を企画設計したのは札幌市出身の陣内雄さん。高校2年生で建築家になることを志し、東京藝術大学の建築科に入学。在学中から設計事務所で働いていたが「まわりは人工物ばかりで、もうこれ以上、建築はいらないんじゃないか」という疑問が頭をもたげたという。
同時に、高校生のころに地球温暖化に関する小さな記事を新聞で見つけ、それに大きなショックを受けており、次第に森や自然環境へと関心が向くようになった。作家であり環境保護活動家であるC. W. ニコルさんの本を読み漁り、ニコルさんが所有する森を実際に訪ね、林業に目覚めた。1992年に北海道に戻り、森林組合で林業の作業員として働くことにした。

陣内さんは1966年生まれ。木こりや建築とともに音楽活動も行い『北の国へゆこう』などのCDも発売(撮影/久保ヒデキ)

陣内さんは1966年生まれ。木こりや建築とともに音楽活動も行い『北の国へゆこう』などのCDも発売(撮影/久保ヒデキ)

森林組合で林業に従事する中で、効率を優先して重機で木をすべて伐採してしまう現場を多く経験する中で、木をできるだけ切らずに森を守りつつ整備を行いたいという思いが芽生えた。
単なる林業作業員ではなく、森に寄り添う「木こり」として活動を模索しつつ、家を建てることもいつも傍にあった。
1996年には下川町の山の中に藁ブロック構造の「ストローベイルハウス」を仲間と建て、その経験を活かして、2006年には伝統工法に「ワラの断熱と土の気密と蓄熱を合わせたらどうか?」と考えて旭川に自宅を建てた。
大まかな構造は工務店に依頼。土壁は仲間を募って自分たちの手で仕上げた。

木こりの活動と建築が一本の線になったのは2019年。
その4年前には、林業会社に属さずフリーランスの木こりとして山主から整備の依頼を直接受けたり、仲間の木こりと仕事をシェアしたりしながら、各地の山に赴いた。
整備の中で行われる間伐。木と木の間が混み合っていると成長が妨げられることから、一定の時期が来たら間隔をあけるために一部の木を伐採する。間伐材は成長途上であり、時には曲がって太い枝だらけのものもある。それらの多くはパルプ(※)の原料となってしまうが、「こうした木でも立派な構造になるのではないか」と陣内さんは考えていた。

※パルプ:木の繊維を分離させた植物繊維。主に紙の原料になる

林業のプレイヤーを増やしたいと「森と街のがっこう」という活動も続けている。各地の山で実際に研修を行っている(提供/CORONTE)

林業のプレイヤーを増やしたいと「森と街のがっこう」という活動も続けている。各地の山で実際に研修を行っている(提供/CORONTE)

そこで「キコリビルダーズ」を立ち上げ、自ら伐採した木を使って本格的に建物を手がけるようになった。
これまでに下川町にある「jojoni パン工房」や弟子屈町に「キコリキャビン」と名付けたアルファベットのAの形の住宅を建てた。
「キコリキャビンの骨組みには、間伐したカラマツを使っています。間伐材も丸太に近い状態で使えば、ねじれが起こりにくく強度も出ます」

カラマツの間伐材を構造に使ったキコリキャビン(撮影/Tetsuro Moriguchi)

カラマツの間伐材を構造に使ったキコリキャビン(撮影/Tetsuro Moriguchi)

梁にはあえてカーブのあるカラマツを使った。「しなりがある方が構造として強い」と陣内さん(撮影/Tetsuro Moriguchi)

梁にはあえてカーブのあるカラマツを使った。「しなりがある方が構造として強い」と陣内さん(撮影/Tetsuro Moriguchi)

一般的な住宅では、集成材(複数の板を結合させ人工的につくられた木材)を柱や梁に使い、壁や床には合板が利用されるケースも多いが、陣内さんは無垢材や自然素材を積極的に取り入れてきた。
しかしこれまではコストや手間の問題もあり、部分的に合板なども使用しており、いずれはすべて自然素材で「やり切りたい」という思いが募り、宿泊施設をつくろうと思い立った。

「CORONTE」のイメージスケッチ(提供/CORONTE)

「CORONTE」のイメージスケッチ(提供/CORONTE)

真冬の北海道、自然素材でどこまで断熱できる?

筆者が「CORONTE」を訪ねたのは12月中旬。冷え込みが厳しくなり朝晩はマイナス5度ほど。
「CORONTE」の案内には「Wi-Fiはありません。携帯電話の電波が2本くらい立つポイントがあります」と書いてあり、また暖房も薪ストーブのみということで、キャンプなどに興味のない自分が、たった一人で一夜を過ごせるのだろうかと、行く前には不安がいっぱいだった。

鳥のような目線で景色を見てほしいと、居住空間は高いデッキの上に。階段を上がるとデッキがありコテージの入り口がある(撮影/久保ヒデキ)

鳥のような目線で景色を見てほしいと、居住空間は高いデッキの上に。階段を上がるとデッキがありコテージの入り口がある(撮影/久保ヒデキ)

背面から見ると屋根の構造がよくわかる。屋根裏が少し突き出したようになっていて、窓から森の景色が楽しめる(撮影/久保ヒデキ)

背面から見ると屋根の構造がよくわかる。屋根裏が少し突き出したようになっていて、窓から森の景色が楽しめる(撮影/久保ヒデキ)

部屋に入ってみると、とても暖かかった。
19平米ほど(ロフト含む)とコンパクトなこともあり、小型の薪ストーブ1台で室内はすぐに暖まることがわかった。

ソファーベッドが置かれたリビング。漆喰とカラマツの板が内壁に使われている(撮影/來嶋路子)

ソファーベッドが置かれたリビング。漆喰とカラマツの板が内壁に使われている(撮影/來嶋路子)

小さな薪ストーブだが、火をつけるとすぐに室内は暖まる(撮影/久保ヒデキ)

小さな薪ストーブだが、火をつけるとすぐに室内は暖まる(撮影/久保ヒデキ)

奥にキッチンとトイレ、シャワールームがある。ロフトに2つベッドが設置されている(撮影/來嶋路子)

奥にキッチンとトイレ、シャワールームがある。ロフトに2つベッドが設置されている(撮影/來嶋路子)

今回断熱に使ったのは、羊毛、もみ殻石灰。
屋根の曲面部分には羊毛、壁はもみ殻石灰と杉皮ボードで断熱。内壁は、漆喰とシラカバの板を使った。これらの自然素材は調湿、蓄熱にもすぐれ、冬は暖かいのだという。
また厚めに仕上げた漆喰は、蓄冷効果もあり、夏には夜の冷気を窓から取り込んで、温度が下がったらドアを閉めておくと日中も涼しく過ごせるそうだ。

ホウ酸処理した羊毛を屋根の断熱に使用(提供/CORONTE)

ホウ酸処理した羊毛を屋根の断熱に使用(提供/CORONTE)

自然には直線は存在しない。木のカーブをそのまま活かして

今回、設計にもこだわり、直線がほとんどない小屋となった。
当初、柱や梁、屋根の構造は直線だったそうだが「自然界には直線はほぼないこと」「風景に調和すること」「木のそのままの曲がりを活かすこと」を考えて、縦長のドーム状となった。
床板も幅の違うシラカバをまるでパズルのように組み合わせた。コロンとした形状からCORONTEと名付けられたという。

生木を製材し張っていった。「生木のうちならしなやかさがあるからカーブがつくれます」(提供/CORONTE)

生木を製材し張っていった。「生木のうちならしなやかさがあるからカーブがつくれます」(提供/CORONTE)

床板に使ったシラカバ。カーブをパズルのように組み合わせていった(提供/CORONTE)

床板に使ったシラカバ。カーブをパズルのように組み合わせていった(提供/CORONTE)

また、今回は住宅ではなく宿泊施設であることから、積極的に実験も取り入れたという。モミの木のような形状のヨーロッパトウヒも建材として利用。
「この木は、どんなに太くてまっすぐでも、軽くて弱いということで、ほとんど紙の原料となるパルプ材になってしまいます。でも、使い方によっては合板の代わりになるのではと思いました」
製材して板にし、それを15度の角度で組み、一層目とクロスするように二層目も15度の角度をつけて組んだ。

また、同じく材が柔らかいため建材には使われないドロノキをトイレとシャワールームの引き戸に活用。
「ドロノキの使い道に困っている木こり仲間がいたので、どうやったら建材に応用できるか考えてみようと思いました」

旭川にある作業場で構造をつくった。ヨーロッパトウヒの板を15度の角度で組んでいく(提供/CORONTE)

旭川にある作業場で構造をつくった。ヨーロッパトウヒの板を15度の角度で組んでいく(提供/CORONTE)

旭川から仁木町へコテージを運びクレーンで吊り上げ設置した(提供/CORONTE)

旭川から仁木町へコテージを運びクレーンで吊り上げ設置した(提供/CORONTE)

ドロノキでつくった引き戸。木目に風合いが感じられる(撮影/久保ヒデキ)

ドロノキでつくった引き戸。木目に風合いが感じられる(撮影/久保ヒデキ)

今回使った木材の中には、陣内さんが切り出し、それをため池に半年間つけ、じっくりと乾燥させたものもある。木材を乾燥機に入れて乾かす方法もあるが、水中乾燥すると時間はかかるが、反りや割れなどを防ぐ効果が高いという。
「昔ながらの木材の乾燥方法です。しっとりした風合いがあって、色つや香りがよいです」
昔はどこでも木材を何年も水中で貯木してから製材していたという。山里の農村には開拓時代につくられたため池があって、現在は使われていないため、それを活用しようと思った。また、そこにある木材だけでなく、土や藁などその場で手に入る素材で家をつくるということも当たり前に行われていた。

接着剤などを使わずにタイルを仕上げてくれる職人を探すのに苦労したという。カウンターのカラマツも、水につけた丸太を製材して、きれいな赤味が出た(撮影/久保ヒデキ)

接着剤などを使わずにタイルを仕上げてくれる職人を探すのに苦労したという。カウンターのカラマツも、水につけた丸太を製材して、きれいな赤味が出た(撮影/久保ヒデキ)

さらに紹介しきれないくらい、さまざまな挑戦がある。
鳥の目線のような風景を味わってもらいたいとあえて傾斜地に建てた。
また、そこにあったミズナラの木を切らないで、デッキから突き出るような構造とした。
手間がかかる作業ばかりだが、それが雇用にもつながると陣内さんは考えている。
「職人さんたちは、手間がかかって大変だと口々に言うけれど、自然の中で作業をすることで、みんなとても明るい表情になっています。現在の建築は効率重視で手間になることを極力避けるけれど、気持ちを込めて丁寧に仕事ができるし、技術も継承できる。それに自然素材なのでほとんどゴミも出ないのも良い点だと思います」

パートナーの澤野雅子さんがコテージをどこに設置するか決めた。傾斜地に建てるのは手間だが景観は素晴らしいとトライすることに(撮影/久保ヒデキ)

パートナーの澤野雅子さんがコテージをどこに設置するか決めた。傾斜地に建てるのは手間だが景観は素晴らしいとトライすることに(撮影/久保ヒデキ)

デッキの構造部分。丸太を組み合わせ、気が枝を伸ばしているような景観をつくりたかったのだそう(撮影/久保ヒデキ)

デッキの構造部分。丸太を組み合わせ、気が枝を伸ばしているような景観をつくりたかったのだそう(撮影/久保ヒデキ)

デッキを突き抜けてミズナラが生えている。夏には青々とした葉をつける(撮影/久保ヒデキ)

デッキを突き抜けてミズナラが生えている。夏には青々とした葉をつける(撮影/久保ヒデキ)

当初の計画で総予算は700万円ほどだったという。
しかし、柱や壁を曲線でつくることに方向転換したことなど予想を超える手間がかかり、1000万円以上かかったという。
「コストはかかりましたが、自然素材の家ならメンテナンスをしっかりしていけば200年、300年と使い続けられます。こうしたスパンで考えたら、決して高価なものじゃないと僕は思います」

電気はバッテリーを使用。宿泊者が来ると充電しておく。建設現場でも使えると考えこの方法にした。水は地域で使われている井戸水を使用。トイレは微生物の働きによって排泄物を分解・処理するバイオトイレを設置。インフラもオフグリッドにこだわる(撮影/久保ヒデキ)

電気はバッテリーを使用。宿泊者が来ると充電しておく。建設現場でも使えると考えこの方法にした。水は地域で使われている井戸水を使用。トイレは微生物の働きによって排泄物を分解・処理するバイオトイレを設置。インフラもオフグリッドにこだわる(撮影/久保ヒデキ)

コテージの周りの森を整備。道をつけた(提供/CORONTE)

コテージの周りの森を整備。道をつけた(提供/CORONTE)

裏の森に入っていくとウッドデッキが現れた。まちで林業に興味がある仲間と丸太を組んでいったという(撮影/久保ヒデキ)

裏の森に入っていくとウッドデッキが現れた。まちで林業に興味がある仲間と丸太を組んでいったという(撮影/久保ヒデキ)

山と海を守りながら、みんなが暮らすことができたら

「CORONTE」は陣内さんにとってゴールではなく始まり。
この建物が建っているのは、あさひの杜の敷地。あさひの杜は、朝日こうじさん、ゆかりさん一家が、山の中で畑を耕し、犬、猫、鶏、馬、カメなど動物たちと暮らす場所。
「子どもたちが豊かな自然の中でのびのびと夢を思い描ける世界をつくること」を目標にイベントを開いたり、子どもが集う場をつくっている。

朝日さんが陣内さんの活動に共感したことから「CORONTE」がこの場に建った。ここを拠点にしつつ、陣内さんは仁木町一帯で「ずっとみんなの森」というプロジェクトを始めようとしている。
「山の木をすべて切り倒す『皆伐』をしなくても山を守り続けながらみんなが暮らすことができたらと考えています。山を守ることは海を守り、人の暮らしも豊かになります」

ずっとみんなの森プロジェクト、イメージスケッチ(提供/ずっとみんなの森プロジェクト)

ずっとみんなの森プロジェクト、イメージスケッチ(提供/ずっとみんなの森プロジェクト)

介護付きコテージがあったり、子どもたちが遊ぶ森があったり。多世代が集い、仕事にもつながる森をつくりたいのだという。イメージスケッチを描き、このプロジェクトに関心を持ってもらう人を増やそうと秋には仁木町で説明会を行った。

コテージの近くにあったカラマツ林があるとき伐採されてしまった。植林した木は伐採の時期になると、大抵の場合すべてを切る「皆伐」が行われる。陣内さんは、「皆伐」ではなく木々を守りながら森を活用する方法を考えている(撮影/久保ヒデキ)

コテージの近くにあったカラマツ林があるとき伐採されてしまった。植林した木は伐採の時期になると、大抵の場合すべてを切る「皆伐」が行われる。陣内さんは、「皆伐」ではなく木々を守りながら森を活用する方法を考えている(撮影/久保ヒデキ)

陣内さんからさまざまな話を聞いた後、薪ストーブの使い方のレクチャーを受け、筆者は一人で「CORONTE」に宿泊した。
雪が音もなく降り積もる中、夜9時、薪をストーブにたくさん焚べ、熾火(おきび。薪が炭になり炎を上げず芯の部分が真っ赤に燃えている状態)になったのを確認してからロフトで眠った。
明け方4時くらいにいったん目が覚めた。薪ストーブの火は完全に消えていたが、部屋はまだほんのり暖かく、掛け布団一枚でも心地よかった(おそらく15度くらい)。
明け方まどろみながら、自分がいつもより一段深く呼吸ができ、肩や首の凝りがゆっくりとほぐれていくように感じられた。
手を伸ばすと漆喰壁があり、壁も暖かさを保っている。
触っていると、まるで卵の中で守られているような安堵感があった。

ベッドが置かれたロフト。天井に手が届く場所だが、むしろ何かに包まれているようで心地よかった(撮影/久保ヒデキ)

ベッドが置かれたロフト。天井に手が届く場所だが、むしろ何かに包まれているようで心地よかった(撮影/久保ヒデキ)

窓からは木々が見えた。森と一体になったような感覚が味わえる(撮影/久保ヒデキ)

窓からは木々が見えた。森と一体になったような感覚が味わえる(撮影/久保ヒデキ)

「自然素材の家は文句なく気持ちいい」

陣内さんはいつも語っていたが、それは本当のことだった。
朝起きて薪ストーブに火を灯し、その上にケトルを乗せて、手回しのミルでコーヒーを挽いた。
お湯が沸くまで、雪がゆっくりと降り落ちる窓の景色に見惚れていた。
それだけなのに、この満ち足りた気持ちはどこからわいてくるのだろう。
心の底からリラックスして、ただただ時間が過ぎていくのを楽しんだ。

窓から見える森の景色(撮影/來嶋路子)

窓から見える森の景色(撮影/來嶋路子)

この素晴らしい体験を、言葉でとても言い表せないのが何とも悔しい。
筆者は化学物質に触れていると、何らかの違和感があるので、この場にいて救われたような思いがした。
コテージというより、ここは自分にとってのシェルターであると感じた。みなさんも一度泊まっていただけたら、その気持ちよさを感じられるのではないかと思う。冬季は試験運用中。来春の本格オープンを楽しみにしていただきたい。

●取材協力
Tiny cottage「CORONTE」
北海道余市郡仁木町東町

心躍る街のモダンな巣 – 新築 –

所在地:世田谷区代田
14万~21万円 / 30.08~44.12平米
井の頭線「新代田」駅 徒歩7分

下北沢駅から歩いて9分。鎌倉通りを北上し環七方面へ向かうと現れる、木目模様のコンクリートが目を引くモダンなマンション。



奥行きのあるバルコニーとの一体感、採光や通風の快適性、暮らしを美しくする収納計画、動線の楽な回遊性。などなど、住まいに対する期待に応える特徴は空間を有効に使え ... 続き>>>.
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商店街の顔になろう

所在地:渋谷区本町
12万円(税込) / 21.5平米
京王新線「幡ヶ谷」駅 徒歩10分

暮らしに密接した商店街が多い、渋谷区幡ヶ谷エリア。駅から北側に少し歩いた、不動通り商店街の五差路に立つこちらの路面店舗は、「商店街の顔」にもなり得そうな立地が魅力です。



現在は子供向けの塾が入っており、内装も事務所のような仕様。教室や物販店舗等は勿論、ガスが通っていませんが軽飲 ... 続き>>>.
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掻き立てるイマジネーション

所在地:江東区亀戸
11万5,000円 / 51.84平米
半蔵門線・総武線「錦糸町」駅 徒歩10分

錦糸町駅から徒歩7分。1969年築のレトロ団地の8階に、遊び心がくすぐられるユニークなワンルームがあります。



玄関ドアを開けると、まずゆったりとした土間がお出迎え。沢山の靴や自転車を置いたり、アウトドアグッズを干すこともできそうです。



土間から向こう側に見える窓辺に移動。古い ... 続き>>>.
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アイデア求む!日本庭園付きの箱

所在地:新宿区高田馬場
23万円(税込) / 51平米
山手線・東西線・西武新宿線「高田馬場」駅 徒歩5分

店舗でも事務所でも、飲食店からスタジオ、ショールームまで用途の制限は特にありません。シェアや転貸も相談可能です。



天高約3mの開放的な空間に、大きな窓からのぞく和風庭園。元は外国人向けマンションだったそうで、日本風情を散りばめた設計がされていました。



写真にうつっている資材を ... 続き>>>.
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理想の暮らしを、賃貸で

所在地:千葉県千葉市花見川区幕張町
15万8,000円 / 88.75平米
総武線「幕張」駅 徒歩9分

はるか先まで広がる気持ちのいい眺望と、こだわり抜いたリノベーションが施された空間。いつかはこんな家で住んでみたい、という理想を形にしたような暮らしを、賃貸で手に入れるチャンス到来です。



2018年にこのマンションを購入されたオーナーさんが改装工事を依頼した先は、毎度お馴染み僕ら ... 続き>>>.
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大切だと思えるレトロ

所在地:板橋区常盤台
7万3,000円 / 34平米
東武東上線「上板橋」駅 徒歩3分

どこか懐かしい雰囲気が残る内装にほっこりと。部屋の間にある襖を取り外して開放的に。雰囲気のよさが光るレトロマンションの1室をご紹介します。



レトロなテイストながらも清潔感があります。柱や梁などの建具は非常に状態がよく、これまでの入居者が丁寧に暮らしてきたことが伺えます。



部屋 ... 続き>>>.
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住宅街の星になる!

所在地:大田区西蒲田
13万2,000円(税込) / 31.9平米
京浜東北線・東急池上線・東急多摩川線「蒲田」駅 徒歩13分

住宅街の真ん中で「地域に愛される店」を目指してみませんか!



蒲田駅から10分ほど歩いた場所にある、マンションの1階部分。

建物の脇には川が流れ、橋がかかり、人が行き交い、小さな交差点の角にあるようなイメージで、橋の向こうには小さな公園、お向かいには苗木屋さん、周囲は建物がすき間 ... 続き>>>.
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最強断熱賃貸、氷点下の北海道ニセコ町でも冷暖房費が月額5000円! 積雪2.3mまで耐える太陽光パネル搭載も3月に登場

ここ数年、夏の暑さも冬の寒さも厳しく、電気や灯油、ガス料金の高騰による冷暖房費のアップが家計を直撃している。そんな今、注目したいのが冷暖房費や光熱費が共益費に含まれ、一定額でまかなえてしまう賃貸・分譲集合住宅。しかも、その料金は一般の住宅に比べかなり安いそう。「来月のエアコン代はいったいいくらになるのだろう」という心配から解放される、住まいの仕組みについて取材した。

冬の平均気温が氷点下の北海道ニセコ町に、エアコン1台、一定額で暖房費がまかなえる賃貸集合住宅が誕生

スキーリゾートとして世界的に注目を集める北海道ニセコ町。冬季(12月~3月)の平均気温は氷点下で、1月は平均マイナス6度まで下がる。エアコンは暖房にはパワー不足。多くの家が灯油ファンヒーターを使用している。中には、冬のはじめに点火をしたら、春が来るまでスイッチは切らない、という家も。その結果、このエリアの一般的な木造一戸建てでかかる暖房費は月3万~4万円程度。広さや暮らし方などによっては月5万~7万円というケースもある。

冬のニセコ町(撮影/久保ヒデキ)

冬のニセコ町(撮影/久保ヒデキ)

そんな厳しい気候のニセコ町に、「家庭用のエアコン1台で住戸全体の室温・湿度を快適な状態に管理し、エアコン代は共益費に含まれる」、という賃貸集合住宅「NISEKO BOKKA(ニセコ ボッカ)」がある。なぜエアコン1台で済むのか。なぜ、共益費で冷暖房費がまかなえるのか。

世界水準の高断熱・高気密の集合住宅だから、少ないエネルギーで室温の快適性を保つ

この賃貸集合住宅の実現をサポートしたのは、まちづくり会社・ニセコまちだ。同社取締役の村上敦さんに話を聞いた。

「ニセコ町(ちょう)は2014年に環境モデル都市に認定、2018年にはSDGs未来都市にも選定され、早くから環境への負荷を低減するための取り組みを行っています。また、世界から移住先として人気を集める中、人口増に対して町営住宅や民間の賃貸・分譲住宅の供給が追いつかず、慢性的な住宅不足という課題もあります。これらに対応するため、ニセコ町、地元企業、専門家集団が出資し、官民一体で立ち上げたのがまちづくり会社・ニセコまちです。ニセコ町は、立地条件などから再生可能エネルギーの活用が難しく、大規模工場が稼働するようなエネルギー消費の大きな産業もありません。町内でのエネルギー消費の多くは一般家庭やホテル、公共施設などの建物由来です。二酸化炭素排出量を減らすには、断熱性を高めた建物の供給がカギだと確信しています」(村上さん)

村上敦さんはドイツとニセコの2拠点に居住中。持続可能なまちづくりの実現にニセコまちの事業推進担当として取り組む(撮影/久保ヒデキ)

村上敦さんはドイツとニセコの2拠点に居住中。持続可能なまちづくりの実現にニセコまちの事業推進担当として取り組む(撮影/久保ヒデキ)

ニセコ町の抱える課題解決に向けて、現在、ニセコまちでは高断熱・高気密の賃貸住宅や分譲マンションを提供する新しい街区「ニセコミライ」を開発しているほか、ニセコ町内に高性能集合住宅をプロデュースしている。そのうちの一つが前述のNISEKO BOKKA だ。

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「NISEKO BOKKAは1LDK~3LDKの木造賃貸マンション。各住戸にエアコンが1台設置されていて、住戸全体の室温を自動でコントロールします。夏は26度を上回らず、冬は22度を下回らない室温を保証し、その冷暖房費は共益費に含まれます。共益費は住戸の専有面積によって異なりますが、66平米の2LDKで1万8000円。この金額には駐車場代、冬の除雪費、共用部の清掃代も含まれ、冷暖房にあてられている電気代は月5000円程度です」(村上さん)

ニセコ町の郊外にあるNISEKO BOKKA。ニセコミライの次世代高機能住宅と同タイプの木造集合住宅だ(撮影/久保ヒデキ)

ニセコ町の郊外にあるNISEKO BOKKA。ニセコミライの次世代高機能住宅と同タイプの木造集合住宅だ(撮影/久保ヒデキ)

エアコンが設置されたランドリールーム。ここから快適な空気が各部屋に分配される(撮影/久保ヒデキ)

エアコンが設置されたランドリールーム。ここから快適な空気が各部屋に分配される(撮影/久保ヒデキ)

(撮影/久保ヒデキ)

(撮影/久保ヒデキ)

(撮影/久保ヒデキ)

(撮影/久保ヒデキ)

(撮影/久保ヒデキ)

(撮影/久保ヒデキ)

(撮影/久保ヒデキ)

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ニセコまちがプロデュースする住宅は、道内の工務店が施工する際、世界水準の高断熱・高気密の住宅を全国で提供している株式会社WELLNEST HOMEが技術協力を行っている。NISEKO BOKKAの場合、品確法という法律で定める断熱性を表す断熱等級は、1~7段階の基準の等級6となり、これはZEH水準を上回るHEAT20のG2グレードと同等にあたる。

■NISEKO BOKKAの断熱性や気密性など

UA値※10.26w/m2・kC値※20.1cm2/m2断熱等級6建築年月2023/04/01構造・階数木造・2階建て※1 UA値:数値が低いほど断熱性能が高い
※2 C値:数値が低いほど気密性が高い

エアコン1台で住戸全体の室温・湿度を快適に保ち、しかもかかる電気代も低く抑えられているのは高断熱・高気密を実現している建物だから。高い断熱・気密性能で室内は外気温の影響を受けにくく、熱交換しながらの換気で、室内の快適な空気を逃さない。そのため、少ないエネルギーで効率的に住戸を温めたり、冷やしたりが可能。冷暖房費用を共益費に含められるほどに抑えることが可能になるのだ。

■ニセコの一般的な賃貸住宅とNISEKO BOKKAの光熱費(一部)の比較

ニセコで一般的な賃貸住宅(2LDK)NISEKO BOKKA(2LDK)15万円/年
※暖房用の灯油代のみ。部分間欠暖房+冷房なし6万円/年
※共益費に含まれる5000円×12カ月。全館連続暖冷房の費用NISEKO BOKKAの外壁は厚さ10cmの柱と柱の間に、断熱材としてセルロースファイバーが吹き込まれている。さらに、防火性能の高いロックウールで外側をぐるりと囲む外断熱も採用し、ダブルでの断熱を行っている(撮影/久保ヒデキ)

NISEKO BOKKAの外壁は厚さ10cmの柱と柱の間に、断熱材としてセルロースファイバーが吹き込まれている。さらに、防火性能の高いロックウールで外側をぐるりと囲む外断熱も採用し、ダブルでの断熱を行っている(撮影/久保ヒデキ)

アルゴンガス入りのトリプルガラス+樹脂サッシの高性能な窓を採用(撮影/久保ヒデキ)

アルゴンガス入りのトリプルガラス+樹脂サッシの高性能な窓を採用(撮影/久保ヒデキ)

入居者に聞いた、最強断熱の住まいの暮らし心地

2023年4月に完成したNISEKO BOKKAに入居し、もうすぐ1年になる吉岡さん。夫の転職がきっかけで東京からニセコ町に引っ越すことになるまで、ニセコはもちろん北海道にも来たことがなかった。今、生まれて初めて北海道の冬を体験中だ。

「冬に入ってから暖房はエアコンだけ。床暖房もないのですが、家の中は東京のマンションよりも暖かく感じます。スリッパや厚手のセーター、羽毛布団も不要。夜間も子どもたちが毛布を蹴飛ばしてしまうほどです。浴室やトイレも暖かいのでヒートショックの心配もなく、体にも負担が少ないと感じます。湿度も一定で、東京で使っていた加湿器もこの家では出番がないんですよ」(吉岡さん)

取材に伺ったのは12月初旬。北海道産のムク材のフローリングは、足にあたる感触が心地よく裸足でもヒヤリとしない。「子どもたちは家の中では冬でも半袖。すぐに靴下を脱ぎたがるんですよ」(吉岡さん)(撮影/久保ヒデキ)

取材に伺ったのは12月初旬。北海道産のムク材のフローリングは、足にあたる感触が心地よく裸足でもヒヤリとしない。「子どもたちは家の中では冬でも半袖。すぐに靴下を脱ぎたがるんですよ」(吉岡さん)(撮影/久保ヒデキ)

吉岡さんは、冬だけでなく夏の快適さにも驚いたとか。

「全国的に猛暑だった2023年の夏は、北海道のニセコでも暑い日が多く、湿度も高かったのですが、家の中にいると外がどれくらい暑いのかがわからないくらい。断熱材がしっかり入っていて、窓もトリプルガラスなためか、外の音があまり聞こえず、近くをトラックが通っても気にならないことにも驚きました」(吉岡さん)

月1万8000円の共益費は周辺相場の2倍ほどだが、冷暖房費・駐車場代がまかなえて除雪も不要。共益費のうち冷暖房費にあてられるのは5000円程度で年間6万円ほど。ニセコ町ではひと冬の暖房費が15万~20万円ほどかかることを考えると、決して高いとは感じないと吉岡さん。寒さや暑さのストレスを感じない暮らしを楽しんでいる。

東京都からニセコに移住した吉岡さんは、夫と3人の子どもの5人家族。「地元で収穫された食材が豊富で、水も美味しいニセコでの暮らしが気に入っています」(吉岡さん)(撮影/久保ヒデキ)

東京都からニセコに移住した吉岡さんは、夫と3人の子どもの5人家族。「地元で収穫された食材が豊富で、水も美味しいニセコでの暮らしが気に入っています」(吉岡さん)(撮影/久保ヒデキ)

電気をつくり、蓄える。積雪の問題がクリアされてニセコの高断熱・高気密住宅がさらに進化

「NISEKO BOKKAでは、共益費に含まれるのは冷暖房の電気代のみ。給湯は灯油代がかかり、冷暖房以外の電気は入居者が電力会社と契約して、共益費とは別に支払っています。なぜ、太陽光発電で電気をつくり、蓄電池に蓄え、エコキュートでお湯を沸かすシステムにして、電力会社から購入する電気を少なくすることができなかったのか。それは、雪の問題があったからです」(村上さん)

NISEKO BOKKAの建築当時、太陽光パネルは積雪荷重が積雪約2m相当までのものしか商品化されていなかった。しかし、ニセコの積雪量は毎年2mを超える。そのため、太陽光パネルを採用することができなかったのだ。

「新しい街区のニセコミライでは太陽光パネルを導入したいと、ニセコの積雪に耐えられるよう改良すべく、自分たちでさまざまな実験を行いました。しかし、好ましい結果は得られませんでした。そんな時、世界最大の太陽光パネルメーカーのQセルズという会社が積雪2.3mまで耐えられる太陽光パネルを開発。2024年3月に引き渡し予定の、高性能木造分譲マンション『モクレ ニセコ A棟』から太陽光パネルを採用することが可能になったのです」(村上さん)

「モクレ ニセコ A棟」に続くニセコミライ2棟目の分譲マンション「モクレ ニセコ B棟」は、2025年12月完成予定。利用する電力は太陽光とカーボンフリー電力のみの、環境負荷を軽減した住まいだ。エネルギーオールインクルーシブ料金(脱炭素)の月額利用料金として9700円を予定 ※画像は完成イメージ(画像提供/ニセコまち)

「モクレ ニセコ A棟」に続くニセコミライ2棟目の分譲マンション「モクレ ニセコ B棟」は、2025年12月完成予定。利用する電力は太陽光とカーボンフリー電力のみの、環境負荷を軽減した住まいだ。エネルギーオールインクルーシブ料金(脱炭素)の月額利用料金として9700円を予定 ※画像は完成イメージ(画像提供/ニセコまち)

建設中のモクレニセコA棟と太陽光パネルを掲載したソーラーカーポート(画像提供/ニセコまち)

建設中のモクレニセコA棟と太陽光パネルを掲載したソーラーカーポート(画像提供/ニセコまち)

「モクレ ニセコ A棟」では、エネルギーオールインクルーシブ料金(脱炭素)として1住戸あたり月額9700円を予定。この金額に冷暖房、給湯、そのほかの電力が含まれている。

「ニセコでは通常、冬の4~5カ月間は暖房の灯油代だけで月3万~4万円程度かかります。さらに電気代が毎月1万円、ガス代が3000~5000円、給湯に灯油を使えばさらに毎月5000円。光熱費の負担は年間でおおよそ35万~40万円くらいになります」(村上さん)

しかし、モクレ ニセコA棟では、光熱費は年間で約12万円程度。ニセコの一般的な木造住宅と比較すると、光熱費が3~4割程度で済むということだ。積雪という北国ならではの問題が解決されたことで、ニセコの高断熱・高気密住宅がさらに進化した。もともと、全国の中でも北海道は突出して住宅の断熱性が重視され仕様レベルも高い中で、この数字は目を見張るものと言えます。

使用するエネルギーはHEMS3.0で自動制御。将来はAIが個人の好みに合う室内環境をつくる?

賃貸マンションのNISEKO BOKKAや、分譲マンションのモクレ ニセコは、使用するエネルギーをHEMS3.0で管理している。

HEMS(ヘムス)とは、「Home Energy Management System」の略。家庭で使用するエネルギーを一元管理するシステムだ。HEMS3.0では、エネルギーの見える化のほか、遠隔制御や自動制御を可能にすることでエネルギー消費を抑える効果が期待できる。

バージョン内容HEMS1.0エネルギーデータの見える化。エネルギーをどれだけ使ったかがわかるHEMS2.0見える化のほか、外出先からスマホで家電のON/OFFができるなど遠隔操作等が可能HEMS3.01.0、2.0の機能に加えて、自動制御によって、人が介在しないエネルギー消費の最適化が可能(表作成/SUUMO編集部)

「NISEKO BOKKAもモクレ ニセコA棟もHEMS3.0で室温を自動制御していますが、モクレ ニセコA棟では一歩進んで、換気量もCO2濃度や湿度に応じて自動コントロールします。室内の状況をモニタリングしながら、太陽光と連動して効率よく電気を調達し、最も快適になるであろう室温や湿度に近づけるためにエアコンや換気を制御するのがHEMS3.0。将来的には、暮らす人の好みや生活パターンをAIが学び、自動制御するシステムを実現したいと考えています」(村上さん)

2024年4月から、分譲も賃貸も省エネ性能の表示が努力義務に

2001年から始まった「住宅性能表示制度」だが、2024年4月から、住宅の販売や賃貸を行う事業者が、建物の省エネ性能を広告などに表示する取り組みが新しくスタートする。対象となるのは2024年4月以降に建築確認申請を行う新築住宅と、再販売・再賃貸される物件。省エネ性能ラベルの表示は努力義務ではあるが、不動産ポータルサイトをはじめとした広告に、エネルギー消費性能や断熱性能、目安となる光熱費が表示されることがあたり前になれば、家探しをする人にとってはメリットが大きい。住宅を販売、賃貸する事業者にとっても、高性能な住宅であることをアピールする良い機会になる。また、断熱性や気密性などの住宅性能の高さが、家選びの際のポイントとして重視されることもスタンダードになっていき、脱炭素社会の実現につながっていくはずだ。

ニセコで実現している高性能な住宅づくりは、極寒のニセコだけでなく全国にも広がっている。ただし、性能が高くなれば住宅の建築コストはアップし、販売価格や賃料に影響する。その点にはどう向き合うべきなのだろう。現在、神奈川県川崎市で高断熱の賃貸アパートを建設中の、法月興産株式会社・法月順嗣さんに話を聞いた。

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賃貸オーナーに聞いた、建築費を多くかけても最強断熱で賃貸アパートを建てる理由

法月さんが建設中のアパートは、太陽光パネルと蓄電池を完備し、各部屋の光熱費を共益費に含める予定だ。少ないエネルギーで快適性を保てる高断熱・高気密の高性能な建物だからこそ実現できる仕組み。設計・施工はニセコまちの高断熱住宅で技術協力を行っているWELLNEST HOMEだ。

法月さんがWELLNEST HOMEに設計・施工を依頼したオール電化の賃貸アパート(神奈川県川崎市麻生区)は2024年8月末竣工予定。小田急線新百合ヶ丘駅から徒歩5~7分。 ※画像は完成イメージ(画像提供/WELLNEST HOME)

法月さんがWELLNEST HOMEに設計・施工を依頼したオール電化の賃貸アパート(神奈川県川崎市麻生区)は2024年8月末竣工予定。小田急線新百合ヶ丘駅から徒歩5~7分。 ※画像は完成イメージ(画像提供/WELLNEST HOME)

「以前から10棟の賃貸住宅を所有していますが、これからは自分の息子たち、さらに孫たちにも引き継いでいけるよう、性能の良い建物を建てることが重要だと考えました。WELLNEST HOMEのモデルハウスを見学した際、気温35度の暑い日だったにもかかわらず、エアコン1台で家全体が快適なことに驚きました。また、壁内だけでなく、外壁側にもぐるりと断熱材が施工され、釘1本まで錆びが出ないように施工された長寿命、高耐久性である点にも納得し、依頼を決めました」(法月さん)

建築費用は一般的な同規模の集合住宅よりも高くなる。賃貸住宅のオーナーとしては、利回りが気になるはずだ。

「イニシャルコストが高ければ、利回りは下がります。しかし、耐久性が高く長寿命な建物ですから、低い利回りでも30年、50年と長期間かけて回収すればいい。例えば、高利回りの賃貸住宅を建てて築15年~20年で解体することになるより、高性能な住宅を建てて50年、100年といった長期間活用する方が、環境にも地球にも良いと考えたのです」(法月さん)

一人~二人暮らしにぴったりの1LDK(30~35平米)が6住戸。家賃は月9万5000円程度、共益費は2万5000円程度を想定。共益費には光熱費が含まれる ※画像は完成イメージ(画像提供/WELLNEST HOME)

一人~二人暮らしにぴったりの1LDK(30~35平米)が6住戸。家賃は月9万5000円程度、共益費は2万5000円程度を想定。共益費には光熱費が含まれる ※画像は完成イメージ(画像提供/WELLNEST HOME)

高断熱・高気密+光熱費定額の住まいは光熱費が抑えられるほか、耐久性も高いため短期間での建て替えや解体が不要。イニシャルコストは高くなったとしても、住み続けるために必要なランニングコストを含めたライフサイクルコストの面でメリットが大きい。最強断熱の家づくりが、これからの分譲住宅、賃貸住宅にどう影響していくか注目したい。

●取材協力
株式会社ニセコまち 村上敦さん
ドイツ・フライブルク市とニセコ町の2拠点に居住中のジャーナリスト、コンサルタント。ドイツやEUの都市計画、交通計画、エネルギー政策などを取材し、日本へ発信している。2008年から、ハウスメーカーWELLNEST HOMEの創業者とともに一般社団法人クラブヴォーバンを立ち上げ、日本での持続可能なまちづくりに邁進する。2021年、官民連携の株式会社ニセコまちの取締役に就任。
株式会社ニセコまち

朝風呂しよう

所在地:世田谷区奥沢
12万9,000円 / 32.63平米
東急東横線・東急大井町線「自由が丘」駅 徒歩5分

自由が丘駅から徒歩5分ほど。大きな窓と朝日の差し込む浴室が魅力のワンルームです。



景色がすごく良いというわけではないけれど程よい抜け感の眺望。低層住宅に囲まれているので圧迫感がなく、空が広く感じます。周囲の視線はそこまで感じないと思いますが、気になる場合は備え付けのブラインドが ... 続き>>>.
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奇天烈バスルーム

所在地:港区麻布十番
16万5,000円 / 38.68平米
南北線・都営大江戸線「麻布十番」駅 徒歩1分

これは借り手が試される物件です。



なんてったって、風呂がこの位置。たいていの方は閉ざされた場所での入浴に慣れていると思いますので、外にも内にもオープンなこの風呂は、きっとどきどきソワソワしちゃうと思います。



でも日々の疲れを癒すバスタイムにこだわる方にとって、毎日が極楽となる ... 続き>>>.
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沖縄のホテルがゴミ拾いを始めた理由。宿泊客・地元民と共に人や街のつながりつくる、観光地のオーバーツーリズムの新たな解決策

人気の観光地、沖縄県。コロナ禍が収束し、本格的に観光需要が戻り始めています。そんな沖縄県・那覇市の観光エリア「国際通り」そばに、2023年6月、「サウスウエストグランドホテル(Southwest Grand Hotel)」が開業しました。運営するのはPlan・Do・See(東京都中央区)。「6th」(東京都・麻布台に移転)、任天堂本社社屋を活用した安藤忠雄氏設計監修の「丸福樓(MARUFUKURO)」など、全国各地で数々の人気ホテルを手掛けてきた同社ですが、今回は宿泊客だけでなく地元の人たちも巻き込んだ、ユニークな取り組みをしているといいます。エコツーリズム型ホテルとはどんなものなのか、取材しました。

地域住民と宿泊客で「ゴミ拾い」

2023年12月17日、少し肌寒い日曜日の朝8時。サウスウエストグランドホテルのエントランス前には、緑色のビブス着用した人々が集まっていました。総勢約25人。参加者は20~40代の男女で、ボランティア団体「グリーンバード沖縄チーム」のメンバーや、サウスウエストグランドホテルの従業員、沖縄県内の大学に通う大学生など、年齢も立場もさまざま。

ゴミ拾い出発前に気合いを入れます(写真撮影/島袋常貴)

ゴミ拾い出発前に気合いを入れます(写真撮影/島袋常貴)

ゴミを捨てるための袋。拾いながらきっちり分別します(写真撮影/島袋常貴)

ゴミを捨てるための袋。拾いながらきっちり分別します(写真撮影/島袋常貴)

彼らは、これからおよそ1時間にわたり、国際通り周辺のゴミ拾いに出発するといいます。「那覇 CLEAN GREEN MORNING(以下、那覇CGM)」と名付けられた、日曜朝のゴミ拾いは、今回が第2回目の開催で、今後は月に一度開催される定番イベントになるとのこと。11月18日に開催された第1回から、同ホテルの宿泊客も参加したといいます。
いったいなぜ、このようなツアーをホテルが開催しているのでしょうか。

ホテル前を出発し、国際通りへ(写真撮影/島袋常貴)

ホテル前を出発し、国際通りへ(写真撮影/島袋常貴)

「サウスウエストグランドホテルは、ここで出会った方々のハブになることを目指しています。那覇を旅して当ホテルを訪れたお客様だけでなく、ここで暮らしたり、働いたりしている全ての人々が交わりながら、街をより良くしていく。その活動の一環と捉えて毎月第3日曜日に開催しています」。同ホテルのキャスティング室・江口美沙さんはこう語ります。

近年、観光地で問題になっているのが「オーバーツーリズム」です。オーバーツーリズムとは、特定のエリアに観光客が集中することによって生まれる、さまざまな弊害のことを指します。例えば、騒音や交通渋滞、環境破壊などがその一例ですが、那覇の国際通りで近年、目につくのがそのゴミの多さだといいます。

那覇のメインストリート「国際通り」(写真撮影/島袋常貴)

那覇のメインストリート「国際通り」(写真撮影/島袋常貴)

歩道のそこかしこに見受けられるゴミたち(写真撮影/島袋常貴)

歩道のそこかしこに見受けられるゴミたち(写真撮影/島袋常貴)

確かに、観光客の多い国際通りでは、空き缶や何かが入ったコンビニ袋、空っぽになったお菓子の袋など、多種多様なゴミが目につきます。こうしたゴミを、集まったボランティアやホテルの従業員、宿泊客が一緒に拾うことで、街を綺麗にするとともに、新たな交流の場も生み出す仕組みです。海外ではクリーン活動に観光客が飛び入りすることも多く、今後は同じように、さらに参加者の輪を広げていきたいとのこと。

ホテルの従業員も参加し、率先してゴミ拾い(写真撮影/島袋常貴)

ホテルの従業員も参加し、率先してゴミ拾い(写真撮影/島袋常貴)

グリーンバード特製ゴミ袋(写真撮影/島袋常貴)

グリーンバード特製ゴミ袋(写真撮影/島袋常貴)

空き缶やフライパンなど、さまざまなゴミが見つかります(写真撮影/島袋常貴)

空き缶やフライパンなど、さまざまなゴミが見つかります(写真撮影/島袋常貴)

国際通り近くにある市場本通りや牧志公設市場などでもゴミ拾い(写真撮影/島袋常貴)

国際通り近くにある市場本通りや牧志公設市場などでもゴミ拾い(写真撮影/島袋常貴)

実際に活動に参加しながら、参加者の声を聞いてみました。

コロナ禍を機に沖縄県浦添市に移住したという女性は「ここで生まれるコミュニティに参加することが楽しみのひとつです」と笑顔を見せました。

21歳の男子大学生は、日曜日の早起きは苦にならないといいます。「この活動に参加することで、ゴミを拾いながら普段話せない社会人の方たちともいろいろな話をできる。僕はファッション関係に進みたいんですが、沖縄県外から参加されている方たちから、ファッションビジネスの話を聞けるのがとても勉強になります」と目を輝かせていました。

ホテルから数分歩くと、国際通りに突き当たります。そこからは2つのグループに分かれて、周辺のゴミを回収。たばこの吸い殻や割れたガラス瓶、はたまたフライパンなど、回収できたゴミは大型のゴミ袋7袋にものぼりました。

燃えるゴミ、燃えないゴミなどゴミの種類によって袋のデザインが異なる(写真撮影/島袋常貴)

燃えるゴミ、燃えないゴミなどゴミの種類によって袋のデザインが異なる(写真撮影/島袋常貴)

回収したゴミを整理するボランティアのメンバー(写真撮影/島袋常貴)

回収したゴミを整理するボランティアのメンバー(写真撮影/島袋常貴)

学生と社会人の交流の場にも

終了後、参加者には、ホテルのレストランで飲み物がふるまわれます。参加した人々が、笑顔で談笑する姿が印象的でした。

ゴミ拾いを終えて談笑中(写真撮影/島袋常貴)

ゴミ拾いを終えて談笑中(写真撮影/島袋常貴)

参加者にはホテルのオールデイダイニング「A LONG VACATION.」     でドリンクを1杯サービス。コーヒーや紅茶、フルーツジュースなどから選べる(写真撮影/島袋常貴)

参加者にはホテルのオールデイダイニング「A LONG VACATION.」 でドリンクを1杯サービス。コーヒーや紅茶、フルーツジュースなどから選べる(写真撮影/島袋常貴)

グリーンバード沖縄チームのリーダーは、沖縄県名護市にある公立大学、名桜大学4生の山下寛人さん。サッカー推薦で名桜大学に入学した山下さんですが、新型コロナウイルスの流行中は、サッカーに打ち込むのが難しい環境だったといいます。

グリーンバード沖縄     チームのリーダー山下寛人さん(写真撮影/島袋常貴)

グリーンバード沖縄 チームのリーダー山下寛人さん(写真撮影/島袋常貴)

「それでも、早朝に地元のビーチをランニングしていると、地元のおじいやおばあが、ビーチのゴミを拾っているんです。自分も沖縄に貢献したいと思って、2021年の6月ごろから少しずつ活動を始めました」

卒業後は、国際協力団体のJICAに就職し、ソロモン諸島のとある国のサッカー代表チームの助監督を務める予定です。

「次のリーダーも、なるべく大学生にバトンを渡したいですね。社会貢献は継続が大切。継続するためには、僕ら運営側が、ボランティアの参加メンバーにメリットを提供できるかどうかも大切なことです。今回のサウスウエストグランドホテルさんのように、地域の企業に認知していただくことで、参加する学生にとっても、キャリアや人生について大人の方に相談できるような場になっていけたらいいなと考えています」

ゴミ拾い後、ホテルでランチを楽しんでいく参加者も少なくないとか。写真はホテル名物のオリジナルビーフバーガー+フライドポテト2400円(税込)(写真撮影/島袋常貴)

ゴミ拾い後、ホテルでランチを楽しんでいく参加者も少なくないとか。写真はホテル名物のオリジナルビーフバーガー+フライドポテト2400円(税込)(写真撮影/島袋常貴)

ふわふわのオリジナルパンケーキも人気、「6th PANCAKE」1700円(税込)(写真撮影/島袋常貴)

ふわふわのオリジナルパンケーキも人気、「6th PANCAKE」1700円(税込)(写真撮影/島袋常貴)

至近距離で沖縄の三線を聞ける「ゆんたくSUNSET」

サウスウエストグランドホテルでは、もうひとつユニークな取り組みがあります。夕日を眺めながら、ホテルのバーで提供されるカクテル1杯を片手に、沖縄のカルチャー、エンタテインメント、スポーツなどを通じて宿泊客や地元住民が“ゆんたく(沖縄の方言でおしゃべりという意味)”を楽しむイベント「ゆんたくSUNSET」です。

翌18日の17時15分からは、同ホテル11階のダイニング&サンセットバー 「The Sailor’s Club」で三線のライブを開催。ホテルの宿泊者およそ20人が、1時間15分にわたって、三線とカチャーシーを楽しみました。三線とは、沖縄の伝統的な弦楽器、カチャーシーとは沖縄民謡に合わせて、両手を頭上で左右に振りながら踊る伝統的な踊りのこと。

当日は、三線奏者・波平宇宙さんの演奏に合わせて、参加者が沖縄の伝統音楽を味わいました。

三線奏者・波平宇宙さん(写真撮影/島袋常貴)

三線奏者・波平宇宙さん(写真撮影/島袋常貴)

演奏中の様子(写真撮影/島袋常貴)

演奏中の様子(写真撮影/島袋常貴)

ゆんたくSUNSETでふるまわれるドリンク、(左)グアバとマンゴーのトロピカルカクテル、(右)自家製レモネードとクランベリーをソーダで割った「ロングバケーション」(写真撮影/島袋常貴)

ゆんたくSUNSETでふるまわれるドリンク、(左)グアバとマンゴーのトロピカルカクテル、(右)自家製レモネードとクランベリーをソーダで割った「ロングバケーション」(写真撮影/島袋常貴)

イベントでは三線を触ってみる貴重な体験も(写真撮影/島袋常貴)

イベントでは三線を触ってみる貴重な体験も(写真撮影/島袋常貴)

沖縄の伝統的な楽器、三線(写真撮影/島袋常貴)

沖縄の伝統的な楽器、三線(写真撮影/島袋常貴)

東京都から旅行に来た50代の夫妻は「こんなにすぐそばで、三線を聞けたのは初めて。国際通りで民謡居酒屋を予約したことがあったんだけど、お客さんの声で良く聞こえなかったの」と笑顔に。

那覇市在住で、一家3人で宿泊しているという40代男性は「沖縄に住んでいても、こういった伝統芸能に触れる機会は多くありません。子供にも良い体験になったと思います」と話していました。

演奏終了後は、ゆんたくタイムに。演奏をした波平さんは、普段は沖縄芸術劇場などで演奏していますが「お客様とここまで近くで交流できる場は少ないです。伝統芸能の演者は年々減少していますが、自分もよい演奏をして頑張っていきたい」と意気込みを語っていました。

今後の「ゆんたく SUNSET」では、地域住民からもイベント企画を募集し、沖縄の文化や歴史の発信・共有を通じて、那覇で暮らす・旅する・働く全ての人々の“社交場”を目指していくといいます(那覇CGMやゆんたくSUNSETのイベント参加は、サウスウエストグランドホテルのInstagramで申し込み可能)。

ライブのシメは全員でカチャーシーを楽しんだ(写真撮影/島袋常貴)

ライブのシメは全員でカチャーシーを楽しんだ(写真撮影/島袋常貴)

沖縄の「目的地」になるホテルを目指す

サウスウエストグランドホテルで最も部屋数が多いグランドツインルームは45平米とぜいたくな造りです。ゆったりくつろげるソファから見える大型テレビは画面の角度を自由に動かすことができ、室内のミニバーも無料。ホテル内には全天候型の室内プールやジャグジー、最上階にはサウナも備え、ゆったりとホテルステイができます。

その反面、価格帯は1泊約5万円から。観光客はともかく、地元の人々が気軽に宿泊できる価格帯とは言えません。しかし、他の高価格帯ホテルとは一線を画した工夫で地元沖縄への貢献を試みています。それは従業員の雇用や、はたまたホテルのインテリアにも表れています。

グランドツインルーム(写真撮影/島袋常貴)

グランドツインルーム(写真撮影/島袋常貴)

洗面台には「女優ライト」が備え付けられメイクもしやすい(写真撮影/島袋常貴)

洗面台には「女優ライト」が備え付けられメイクもしやすい(写真撮影/島袋常貴)

館内には目に優しい暖色ライトが使用されている(写真撮影/島袋常貴)

館内には目に優しい暖色ライトが使用されている(写真撮影/島袋常貴)

沖縄県出身の同ホテルのゼネラルマネージャー・宮﨑健太さんはこう話します。

「これまで、富裕層のお客様は恩納村などの北部まで足を延ばして、ビーチやゴルフを楽しまれることがほとんどでした。でも、このホテルを目的地に『那覇でいいじゃん』と思っていただきたい。そして、地元・那覇の人たちにとっても気軽に来館していただける、街と繋がるホテルで在り続けたいですね」(宮﨑さん)

折しもクリスマスシーズンでしたが、サウスウエストグランドホテルのロビーはクリスマスの雰囲気はありつつも、クリスマスツリーが飾られていませんでした。

宮﨑さんいわく「沖縄には、もともとツリーを飾る習慣はなかったんですよ。これも沖縄らしさの一つです(笑)」とのこと。筆者には、その空間もとても居心地よく感じられました。

ホテルフロント(写真撮影/島袋常貴)

ホテルフロント(写真撮影/島袋常貴)

エコツーリズム型ホテルは、宿泊の場を提供するだけではなく、さまざまな場所に住む、老若男女の出会いを生み出します。早朝のゴミ拾いは参加した学生にとっては、社会勉強の場に。移住者や観光客にとっては、この場を通して沖縄のローカルな文化を感じたり、地元の参加者と交流したりすることができます。ホテルにとっても、地域に貢献することができ、結果的に那覇の街も綺麗になります。

沖縄の中でも、さまざまな人が行き交う街、那覇。観光で数日訪れるだけではなかなか体験できない「人とのつながり、街とのつながり」を生み出せるのが、エコツーリズム型ホテルの醍醐味といえるでしょう。

サウスウエストグランドホテルの外観(写真撮影/島袋常貴)

サウスウエストグランドホテルの外観(写真撮影/島袋常貴)

●取材協力
サウスウエストグランドホテル
HP
Instagram
グリーンバード沖縄チーム

ニューヨーク人情酒場 NYのトレンド”OMAKASE”に驚愕! 爆音サルサ・レゲトンのパリピさがヤバい

一見華やかな大都会、ニューヨークでの暮らし。しかし、生活にはお金がかかる!
生活を維持するために多くの移民が働く場所、それは飲食店。
単身やってきたニューヨークで飛び込んだ先は大衆酒場。愉快な同僚と寿司との出会い、そして別れ。
仕事って、生活って、幸せってなんだろう?そんなことを考えながら寿司を巻く日々のこと。

漫画漫画漫画漫画

NYでのトレンド、OMAKASEについて教えよう

漫画漫画漫画漫画漫画漫画漫画漫画

漫画でも説明したように、NYで現在OMAKASEは一つのジャンルとしてとてもトレンディで、街には数多くのOmakaseレストランが出来始めています。流行に敏感なニューヨーカーに対し、おしゃれで楽しいダイニングエクスペリエンスが得られるという提案で売っているところが多い印象です。
あっと驚くような仕掛けが込められた一品や、看板メニューの派手な料理などを用意しているお店も多いです。20代~30代の、新しいものが大好きな人たちがよく遊びに来てくれるのでインスタ上での見栄えはとても重要なファクターのようです。

そして私が新しく働き始めたのもOmakaseレストラン!オーナーのルイスは、ブラジルとアルゼンチンの間にある内陸の国パラグアイ出身。パラグアイ出身の人と働くのはマジで初です。日本人オーナーのお店だともう少し落ち着いた空間を楽しめそうですが、私が働くお店はラテンの人々が仕切っていることもあり、大変陽気な空気で毎夜遅くまでパーティーが行われています。
人と話すのが嫌いというわけではないけれど、全く知らないいろいろな国の人々と英語で世間話をしながらの仕事というのは難しいと感じることもあります。

しかし、飲みながら仕事していると中盤ぐらいから大丈夫になってきます。言い換えると、アルコールが必須という感じです。酒じゃあ!!

ヤマモトレミ

作者:ヤマモトレミ
89年生まれ。福岡県出身。2017年、勤めていた会社の転勤でニューヨークに移住。仕事の傍ら、趣味でインスタグラムを中心に漫画を描いて発表していたところ、思った以上に楽しくなってしまい、2021年に脱サラし本格的に漫画家としての活動を開始。2022年にアメリカで起業し個人事業主になりました。アメリカで食っていくために寿司をやっていくことを決意し、週4ブルックリンで寿司をつくっています。

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日差しのよろこび【改装素材】

所在地:渋谷区代々木
4,180万円 / 53.43平米
小田急線「参宮橋」駅 徒歩6分

参宮橋駅と初台駅のちょうど中間くらい、ともに徒歩10分圏内という好立地のレトロマンションの一室を、改装素材にいかがでしょうか?



デザイナーである売主が約18年前に工務店に依頼して3DKから1LDKへリノベーションした室内。凝ったデザインではなく、削ぎ落されたシンプルな内装の心地 ... 続き>>>.
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関心高まる「移住・二地域居住」 、促進に向け専門委員会が中間とりまとめを公表 これから何が変わる?

空家の増加が懸念されるなか、東京圏の転入超過数はコロナ禍で一時的に減少したものの、現在は再び増加している。一方で、若者世代を含めた移住や二地域居住の希望者が増加している。こうした状況下で、地方への人の流れを創出・拡大させようと、国土交通省では移住・二地域居住等促進専門委員会を設けて「移住・二地域居住」などを促進するための施策について審議を続け、この度その中間とりまとめを公表した。

【今週の住活トピック】
移住・二地域居住等の促進に向けた対応の方向性等をとりまとめ/国土交通省

地方移住や二地域居住への関心は高い

政府は、移住や二地域居住を促進することは、東京一極集中の是正や地方創生という課題について効果があると見ている。また移住や二地域居住の促進は、「関係人口」の創出拡大を通じた魅力的な地域づくりにも有効な手段と考えている。

関係人口とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、特定の地域に継続的に多様な形で関わる人のことで、「二地域居住等」を行う人も含んでいる。なお、政府では二地域居住を「主な生活拠点とは別の特定の地域に生活拠点(ホテル等も含む)を設ける暮らし方」と定義している。必ずしも2つの地域に住まいがあることに限定していない。

さて、専門委員会の中間とりまとめを見よう。内閣府や国土交通省の調査結果から、地方移住や二地域居住への関心が高まっていると指摘している。まず、内閣府が2023年3月に行った「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」では、東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)に居住する人の地方移住への関心は年々高まっている様子がうかがえる。

また、国土交通省が2023年8月~9月に行った「二地域居住に関するアンケート」で、二地域居住を行っていない人に二地域居住等を行いたいと思うか聞いたところ、27.9%が二地域居住を行いたい・行う予定があるなどの高い関心を示した。

地方移住への関心(東京圏)全年齢

出典/「国土審議会 推進部会移住・二地域居住等促進専門委員会中間とりまとめ」より

今後、居住地や通勤・通学先以外で、二地域居住等を行いたいと思いますか?

出典/「国土審議会 推進部会移住・二地域居住等促進専門委員会中間とりまとめ」の参考資料集より

このように関心が高まっている移住や二地域居住だが、実行するにはさまざまなハードルもある。

場所にしばられない働き方が可能になり、転職なき移住も

移住や二地域居住で最も高いハードルになるのが、「仕事や収入」といわれてきた。ところが、コロナ禍でテレワークが普及し、地方にいながらにして東京での仕事を続けることができるようになった。地方で希望の仕事が見つからない、地方での収入が都市部より低くて経済的に成り立たないといったハードルが低くなったことで、移住や二地域居住がしやすくなってきた。また、副業を禁止しない企業も増えているので、東京で本業を、地方で副業やボランティアを、といったスタイルが取りやすいことも追い風となっている。

パーソル総合研究所「地方移住に関する実態調査」(2022年3月作成)によると、移住した人の53.4%が「転職をしていない」と回答している。場所にしばられない働き方ができれば、「転職なき移住」も可能になるわけだ。もちろん、残りの半数近くは転職や独立・起業をしているので、それを支援する手立ても必要となる。

移住に伴う転職・職務変更

出典/「国土審議会 推進部会移住・二地域居住等促進専門委員会中間とりまとめ」の参考資料集より

「住まい」「なりわい(仕事)」「コミュニティ」の3本柱

次に、「地域コミュニティへの参加のしやすさ」というハードルもある。地域独特のルールに馴染めないといったことや、「よそ者」に対する寛容性が低い地域、性別や世代などによる偏見が残っている地域があったりして、移住や二地域居住の障害になる場合もある。

そこで、中間とりまとめでは「住まい」「なりわい(仕事)」「コミュニティ」を3つの柱に据えて、それぞれの課題や対応の方向性を提示している。

「住まい」「なりわい(仕事)」「コミュニティ」の課題

出典/「国土審議会 推進部会移住・二地域居住等促進専門委員会中間とりまとめ」より

移住や二地域居住の促進をするための施策についてのとりまとめなので、「中間とりまとめ」ではそれぞれの対応策について、地方自治体が取り組むべき内容や実際に取り組んでいる自治体の事例などを詳しく紹介している。さらに、受け入れる個々の地方自治体だけでなく、民間との連携や地域間、基礎自治体と広域の都道府県との連携も必要であり、区域外就学制度などの子どもの学びの環境づくりなど、横断的な対応も必要と指摘している。

筆者が取材した地方移住者の場合、空き家はあるのによそ者には売ったり貸したりしたくないという風潮があり、それが大きな課題となったという事例もあった。その事例では、移住者のサポートをする橋渡し役の人が地元住民に働きかけて意識を変えたことで、移住者向けの空き家が増え、新たなコミュニティが形成されて、今では多くの移住者や地元住民と良い関係が築けていた。

中間とりまとめは、かなり細かい点にまで言及した提言となっている。実際に行うのは難しい内容も多いが、新しい人材を求める自治体には積極的に取り組んでほしい。働き方や家族のライフスタイルなどが変化している今こそ、障害を減らして魅力を発信できる自治体が移住先・二地域居住先として選ばれていくだろう。

●関連サイト
国土交通省の報道発表:移住・二地域居住等の促進に向けた対応の方向性等をとりまとめ
「国土審議会 推進部会移住・二地域居住等促進専門委員会中間とりまとめ」
「国土審議会 推進部会移住・二地域居住等促進専門委員会中間とりまとめ」の参考資料集

食が中心のビルにオフィスを構える

所在地:千代田区神田須田町
8万2,280~73万4,800円(税込) / 3.69~41.06平米
JR線「秋葉原」駅 徒歩5分

★ 2024年3月末までフリーレント&初期費用免除! ★

※キャンペーン適用には条件がございます。



2024年2月にオープン予定の食とビジネス機能が融合した新築複合施設「12 KANDA」。

その2階から10階にある、キッチン・リビング・テラスなど住まいの機能の一部を持ったシェ ... 続き>>>.
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あたたかいコンクリメゾネット

所在地:杉並区浜田山
13万5,000円 / 42平米
井の頭線「浜田山」駅 徒歩5分

駅前の明るくてのどかな雰囲気が個人的にも好きな街、杉並区浜田山。BGMが流れる商店街は、どこか懐かしい空気が漂います。そんな浜田山の住宅街にあるコンクリートのメゾネット。



下階はコンパクトなサイズ感のリビング。南側の大きな窓から日の光がたっぷりと部屋に入り込んできます。



窓の ... 続き>>>.
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「要求定義」から自宅リノベを始めてみた。建築家とアイデアふくらみ想像以上の仕上がりに!【後悔しないマンションリノベのコツ】

スタートアップ企業でUXリサーチャーとして働く松薗美帆さん。昨年、都内にある築41年のマンションをリノベーション。パートナーとの新生活をスタートさせました。

建築家とリノベーションのプランを検討するにあたり、松薗さんが最初に着手したのが「要求定義」。仕事でサービスの開発や改善を行う際に欠かせないプロセスを、家づくりに導入したといいます。

家づくりの要求定義って、何をどうまとめればいいのでしょうか? 建築家の反応は? やってみて分かったことは? やりたいことを実現するための要求定義のポイントを、松薗さんに伺いました。

「曲線の壁」で分かれる、表と裏の空間

ともあれ、まずは完成した家を見てみましょう。

松薗さん、建築家の坂田裕貴さん・marieさんの3人チームでつくりあげた住空間。松薗さんたちが暮らしに求める機能はもちろん、坂田さん、marieさん発案の驚きのアイデアも随所に盛り込まれています。

松薗美帆さん。スタートアップ企業にて新規事業の立ち上げやUXリサーチの仕組みづくりに取り組む。大学院に社会人学生として在学中(写真撮影/池田礼)

松薗美帆さん。スタートアップ企業にて新規事業の立ち上げやUXリサーチの仕組みづくりに取り組む。大学院に社会人学生として在学中(写真撮影/池田礼)

設計を担当した坂田さん(左)、marieさん(右)にもお話を伺った(写真撮影/池田礼)

設計を担当した坂田さん(左)、marieさん(右)にもお話を伺った(写真撮影/池田礼)

最大の特徴は、フロア全体に立てられた「曲線の壁」です。

L字型のフロアに「正円」を描いた特徴的な間取り。L型と曲線が重なり、円の外側と内側にさまざまな空間を生み出している(写真提供/a.d.p Inc.)

L字型のフロアに「正円」を描いた特徴的な間取り。L型と曲線が重なり、円の外側と内側にさまざまな空間を生み出している(写真提供/a.d.p Inc.)

円の内側は「ホールスペース」。ソファに座って景色を眺めたり、読書をしたり。使い方を限定しない抽象的な空間で、松薗さんたちが暮らしながら用途を発見していくスペースになっている(写真撮影/池田礼)

円の内側は「ホールスペース」。ソファに座って景色を眺めたり、読書をしたり。使い方を限定しない抽象的な空間で、松薗さんたちが暮らしながら用途を発見していくスペースになっている(写真撮影/池田礼)

等間隔の間柱が、空間に一定のリズムを刻む(写真撮影/池田礼)

等間隔の間柱が、空間に一定のリズムを刻む(写真撮影/池田礼)

一方、円の外側にはプライベート空間と生活機能が集約されている。ここは松薗さんの寝室兼ワークスペース(写真撮影/池田礼)

一方、円の外側にはプライベート空間と生活機能が集約されている。ここは松薗さんの寝室兼ワークスペース(写真撮影/池田礼)

そこから本棚のある通路を抜けてキッチンへ。さらに進むと洗面やパートナーの個室などがある(写真撮影/池田礼)

そこから本棚のある通路を抜けてキッチンへ。さらに進むと洗面やパートナーの個室などがある(写真撮影/池田礼)

円の内側は「均一さ」を意識し、バーチ材で統一。一方、外側は各スペースの機能や、松薗さん、パートナーの趣味嗜好を反映させた内装になっている(写真撮影/池田礼)

円の内側は「均一さ」を意識し、バーチ材で統一。一方、外側は各スペースの機能や、松薗さん、パートナーの趣味嗜好を反映させた内装になっている(写真撮影/池田礼)

L型に折れることで分断されていた空間を、曲線がゆるやかにつないでいる(写真撮影/池田礼)

L型に折れることで分断されていた空間を、曲線がゆるやかにつないでいる(写真撮影/池田礼)

ひとつながりの壁の「表」と「裏」を行き来しながら暮らす、不思議で楽しい住まい。かくもユニークなアイデアは、いかにして生まれたのでしょうか?

松薗「初回の打ち合わせの時に話していたのは、室内に“縁側”のような余白スペースをつくること。また、L型の形状を活かして、生活の機能と余白スペースを分けることでした。L型に曲線を重ねるアイデアは、2回目の打ち合わせの時に坂田さんからご提案いただいたものです。思いもよらない発想に感動して『もう、これしかないな』と」

坂田「生活機能と余白スペースを分ける際に、普通に直線的な壁を立ててしまうと、幅が均一になり空間にメリハリをつくることができません。図面を眺めながら思案するうちに『もしかしたら、ここに正円を描けるんじゃないか』と閃いて。CAD(コンピューターで図面作成を行うツール)で描いてみたら、本当にすっぽりとおさまりました。円が外側に膨らむ部分は窮屈になる懸念もありましたが、棚を置きつつ人が通れるくらいのスペースは確保できています。今回は現地での実測がかなり正確にできていたことも、プランを実現するうえで大きなポイントでしたね」

例えば、右側の空間は奥に向かって広がっていくような間取りになっている。ここを個室にするなど、曲線により生まれる空間のメリハリを活かして生活の機能を分けている(写真撮影/池田礼)

例えば、右側の空間は奥に向かって広がっていくような間取りになっている。ここを個室にするなど、曲線により生まれる空間のメリハリを活かして生活の機能を分けている(写真撮影/池田礼)

「要求定義」にプロの発想が加わり、想像以上の仕上がりに

リノベーションにあたり、はじめに松園さんが着手したのが「住まいの要求定義(※)」。日ごろ、UXリサーチャーとしてサービスを開発する際に行うプロセスを、家づくりに取り入れました。

※要求定義……システム開発プロジェクトにおいて、システムを通して何を実現したいのかを分かりやすくまとめていくプロセス

松薗「先に良い物件が見つかって、申し込みをしたのと同時に、建築家さんにお渡しするための要求定義をまとめました。リノベで実現したいことや、私とパートナーのライフスタイル、各部屋の詳細なプランも全て書き出して。文字だけでなく具体的な間取りを描いてみたり、イメージボードを作成してみたりと、私たちのやりたいことがなるべく正確に伝わるように心がけました。普段の仕事でやっているのと同じようなことですね」

物件の内覧を重ねるなかで「自分たちがやりたいこと」、逆に「これだけは避けたいこと」が分かってきたと松園さん。それらを整理し、要求定義に落とし込んだ(画像提供/松薗さん)

物件の内覧を重ねるなかで「自分たちがやりたいこと」、逆に「これだけは避けたいこと」が分かってきたと松園さん。それらを整理し、要求定義に落とし込んだ(画像提供/松薗さん)

現状のライフスタイルも、なるべく具体的に書き出した(画像提供/松薗さん)

現状のライフスタイルも、なるべく具体的に書き出した(画像提供/松薗さん)

具体的な間取りのイメージや、各部屋の雰囲気、素材のイメージ、求める機能なども細かくまとめている(画像提供/松薗さん)

具体的な間取りのイメージや、各部屋の雰囲気、素材のイメージ、求める機能なども細かくまとめている(画像提供/松薗さん)

なお、要求定義をまとめた時点で設計を依頼する建築家は確定しておらず、坂田さんのほか大手のリノベ専門会社を含めた複数の候補がいたそう。最終的に知人に紹介された坂田さんを選んだ決め手は、松薗さんの要求をそのまま受け取るのではなく、要求定義をふまえつつ、プロの視点で思いもよらない提案を打ち返してくれたことだったといいます。

松薗「UXデザインの仕事でも、ユーザーの要求をそっくりそのまま受け取って形にすることはありません。そこにプロの知見や発想が加わるからこそ、よりよいサービスやプロダクトが生まれます。坂田さんやmarieさんも、私の要望をいったん受け止め、自分のなかで解釈したうえで魅力的なアイデアをいくつも出してくれました。このお二人となら私たちが求める暮らしを叶えつつ、想像を超えるような面白い家をつくれるんじゃないかと思いましたね」

坂田「施主さんは自分のライフスタイルを最も理解していて、僕らは常に家のことを考えている。その両者がお互いに意見やアイデアをすり合わせることで、最適解にたどり着けると思っています。美帆さんは家づくりに対して確固たる意志や要望をお持ちでありながら、僕らなりの解釈やアイデアも柔軟に受け止めて、面白がってくれました。本当にやりやすかったですし、楽しく取り組むことができましたね」

「建築家とお客さんではなく、一緒に家をつくるチームのようなスタンスが感じられたのも良かった」と松薗さん(写真撮影/池田礼)

「建築家とお客さんではなく、一緒に家をつくるチームのようなスタンスが感じられたのも良かった」と松薗さん(写真撮影/池田礼)

大量の本は「仕事で使う本」「大学院の研究で使う本」「趣味の本」と大きく3種類に分類し、仕事の本は個室スペースの本棚へ、研究や趣味の本はリビングの本棚へ置いている。「marieさんから『用途ごとに分けて置くのはどうか』とご提案いただきました。目的の本を、使う場所ですぐに取り出せて便利です」と松薗さん(写真撮影/池田礼)

大量の本は「仕事で使う本」「大学院の研究で使う本」「趣味の本」と大きく3種類に分類し、仕事の本は個室スペースの本棚へ、研究や趣味の本はリビングの本棚へ置いている。「marieさんから『用途ごとに分けて置くのはどうか』とご提案いただきました。目的の本を、使う場所ですぐに取り出せて便利です」と松薗さん(写真撮影/池田礼)

左奥の扉はパートナーの個室。パートナーのオンライン会議の声が気にならないよう、お互いの個室を離して配置している(写真撮影/池田礼)

左奥の扉はパートナーの個室。パートナーのオンライン会議の声が気にならないよう、お互いの個室を離して配置している(写真撮影/池田礼)

最も気に入っている場所は、ホールスペースのソファ。目の前には本棚や観葉植物など、松薗さんの好きなものが並ぶ(写真撮影/池田礼)

最も気に入っている場所は、ホールスペースのソファ。目の前には本棚や観葉植物など、松薗さんの好きなものが並ぶ(写真撮影/池田礼)

建築家がアイデアを出しやすくなる要求定義を

はじめに要求定義をまとめる利点は、施主と建築家の目線合わせのほか、言った・言わないのトラブル防止、大まかな費用の共有など、さまざまです。

また、設計側から見ても、こんなメリットがあると坂田さんは言います。

坂田さん「通常の場合、僕らは最初に施主さんにヒアリングをして要求を引き出していきます。このプロセスには結構な労力と時間がかかるので、お客さん側で要望やイメージをある程度まとめておいていただけるのは有り難いですね。そのぶん、こちらもクリエイティブな作業に時間を使えて、より良いアイデアが生まれやすくなると思います」

一方で、松薗さんには反省点もあるのだとか。

松薗さん「かなり細かいところまで、具体的に書きすぎてしまったかなと。最初に坂田さんたちを含む複数社に要求定義をお伝えした時、会社さんによってはそのまま受け取られて、プロならではの提案があまり出てきませんでした。
少なくとも、最初の時点で間取りまで描く必要はなかったですね。『個室と個室は離してください』と伝えるくらいに留めておいて、具体的な間取りについては専門家にお任せしたほうが魅力的なプランをご提案いただけると思うので」

(写真撮影/池田礼)

(写真撮影/池田礼)

松薗さんが言うように、具体的すぎる要求定義は建築家の思考を制限してしまうかもしれません。最初の段階では詳細なプランではなく、住まいに求めることや理想の暮らしを抽象化して伝えたほうがよさそうです。

ともあれ、精度の高い要求定義が、満足度の高いアウトプットにつながるのは確か。リノベーションに限らず、家づくりのプロセスに取り入れてみてはいかがでしょうか?

●取材協力
松薗美帆さん
a.d.p Inc.

猫と店舗と私

所在地:葛飾区東立石
15万~15万5,000円 / 45.07~47.9平米
京成本線・京成押上線「京成立石」駅 徒歩7分

近年R不動産で人気物件になりつつある店舗併用住宅。令和6年1月に新築したばかりのこちらの2世帯の集合住宅ですが、2区画ともに店舗併用を前提に設計された珍しい物件なんです。



道路に面したA号室は、街に開いた店舗を想定しており、飲食店営業に必要な二層シンクと、調理場とそれ以外を分け ... 続き>>>.
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「本」一色の家

所在地:江戸川区本一色
3,800万円 / 53.82平米
総武線「新小岩」駅 徒歩9分

新小岩駅から歩くこと9分。周辺に多い、古くからある木造戸建を2013年に全面的にリノベーションしたこの物件。



写真を見るとどう見ても築浅にしか見えませんが、実は築57年。なぜ建て替えではなくリノベを選んだのかというと、建ぺい率や容積率の関係で建て替えると面積がかなり小さくなって ... 続き>>>.
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風と光の舞台

所在地:世田谷区下馬
32万5,000円 / 62.57平米
東急田園都市線・世田谷線「三軒茶屋」駅 徒歩15分

風と光が気持ちよく通り抜けるコーポラティブハウスの一角を賃貸で。開放的な空間で爽やかな暮らしが叶いそうな予感がします。



とにかく特徴的なのは窓の多さ!奥行きを深くすることで緩やかに空間を区切り、3面に大きく取られた窓からしっかり光が入ります。なんと浴室までガラス張りの開放感です ... 続き>>>.
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公園のようなシェアオフィス

所在地:中央区日本橋馬喰町
5万5,000円(税込) / 10.39平米
総武線「浅草橋」駅 徒歩3分

R不動産の馬場正尊率いるOpen Aが入居し、自ら運営するシェアオフィス。こちらに空き区画が出ました!



先にお伝えしますと、密になりそうなイメージがシェアオフィスにはありますが、この物件では引き続き定期的に換気を行ったり、平日は毎日共用部をアルコール除菌したり、感染予防対策をし ... 続き>>>.
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眺望よし!な屋上を独り占め

所在地:杉並区永福
11万5,000円 / 37.43平米
井の頭線「西永福」駅 徒歩6分

広めの占有屋上あり。景色も抜けています。大きな出窓から見える眺望と高めの天井が気持ちよいお部屋です。



西永福駅から商店街を抜けると現れるレンガ造りの可愛らしいマンション。今回の募集は最上階の角部屋です。



間取りはメゾネット。上階にこぢんまりした寝室と広い屋上、それ以外が下階に ... 続き>>>.
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秘密基地的ワンルーム

所在地:文京区小石川
11万5,000円 / 35平米
丸ノ内線・南北線「後楽園」駅 徒歩11分

家というより、アトリエやスタジオと呼びたくなるような空間です。絵を描いたり、料理をしたり。住みながら創作活動をしたい方、在宅勤務の多い方が作業に打ち込めそうなお部屋です。



コンクリート打ちっぱなしや無垢フローリングなど定番デザインとは一味違う物件に住んでみたい、家っぽくない無骨 ... 続き>>>.
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室温18度未満で健康寿命が縮む!? 脳卒中や心臓病につながるリスクは子どもや大人にも。家の断熱がマストな理由は省エネだけじゃなかった

「もしナイチンゲールが日本で活躍していたら、今ごろ日本の住宅は夏も冬も快適だった!?」「しかも住宅が快適なら、日本の生活習慣病の患者はもっと少なかったかも知れない!?」。にわかに理解しがたい話ですが、世界と日本の住宅環境の差が分かってくるほどに、さもあらんと思えてくるのです。住宅と健康の関係についての第一人者である慶應義塾大学教授の伊香賀俊治先生のお話から、世界との違いや、住宅と健康との密接な関係を紐解いていきましょう。

慶應義塾大学 理工学部 教授、日本建築学会 前副会長 伊香賀 俊治(いかが・としはる)先生(写真提供/伊香賀先生) 

慶應義塾大学 理工学部 教授、日本建築学会 前副会長 伊香賀 俊治(いかが・としはる)先生(写真提供/伊香賀先生) 

WHOが「冬は室温18度以上にすること」と強く勧告

今から約5年前。2018年11月にWHO(世界保健機関)は「住宅と健康に関するガイドライン」を公表しました。その中で各国に「冬は室温18度以上にすること」を強く勧告しましています。特に子どもや高齢者には「もっと暖かい環境を提供するように」と言葉が添えられました。

・WHOは「温かい住まいと断熱」を勧告

WHO(世界保健機関)は「住宅と健康に関するガイドライン」

WHOは「冬の室温は18度以上」と強く勧告し、「子どもと高齢者にはもっと温かく」としています。また新築時と改修時の断熱対策や夏の室内での熱中症についても勧告しています。近年、ヒートショックによる健康被害はメディアでもよく取り上げられるようになりましたが、高齢者特有の問題と思われている人も多いのではないでしょうか。
出典:WHOウェブサイト 2018.11.27公表

なぜWHOは年齢を問わず「冬の室温18度以上」にこだわるのでしょうか? 伊香賀先生によれば「冬の室温が18度以上であれば、呼吸器系や心血管疾患の罹患・死亡リスクを低減することが、エビデンス(根拠)は中程度だとしながらも、確認できたからです」と言います。

またイギリスはWHOの勧告より前の、2011年に住宅法を改正し、室温を18度以上に保つことを賃貸住宅に義務づけました。達成できない賃貸住宅に対して行政は解体命令を出すこともできます。賃貸住宅を対象にしたのは、お金持ちではない人々の住宅環境を改善しようという狙いからです。

さらに、日本とは北半球と南半球の違いはあるものの、緯度がほぼ同じで、島国であるという共通点のあるニュージーランドでも住宅の断熱性能を高める施策が行われています。2009年~2014年にかけて断熱改修の補助金制度が実施されたのですが、その成果を検証したところ、断熱改修によって居住者の入院頻度が減少したそうです。

こうした流れの中、日本では2022年に住宅性能表示基準が一部改正され、従来1等級から5等級まであった住宅の断熱等級の、上位等級として6等級と7等級が新設されました。さらに2025年からはすべての新築住宅に、断熱等級4以上の適合が求められ、遅くとも2030年には、ZEH基準(※)の水準が義務化されます。これは、入居者の健康はもちろん、住まいでの消費エネルギーを抑え、地球温暖化を避けるカーボンニュートラルの観点から決められたロードマップによるものです。

足の血行と冷えを改善する断熱性の良い住まい

足元の温度が低いと健康被害につながる血流低下が起きる。等級6の高性能な住まいであればこの問題は大幅に低減されることがわかる。
出典:河本紗弥、伊香賀俊治ほか:住宅断熱性能の違いが生理学的反応及び在宅作業成績に及ぼす影響に関する被験者実験、日本建築学会環境系論文集Vol.87, No.798, 2022.8

なお「断熱等級4で室温を18度にしても、足元は16度くらいになるでしょう。それでは十分な効果は得られないんです。足元も18度にならないと。現在のZEH基準とほぼ同等の、断熱等級5でやっと足元も18度になりますから、私が推奨する断熱等級は5以上です」と伊香賀先生。「義務化」とは「最低でもここまで」というレベルということです。

※ZEH/ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスのこと。太陽光発電の搭載等により、生活で消費するエネルギー量を実質ゼロ以下にすることができる

日本で室温18度以上だった都道府県は北海道をはじめ、わずか4道県

では2025年以降の新築ではなく、日本の既存住宅の断熱性能はどうなっているでしょう。少し前ですが、国土交通省は2014年に「スマートウェルネス住宅等推進調査」を実施しました。この調査には伊香賀先生も参加しているのですが、調べてみると、冬に室温18度以上だった都道府県は20度だった北海道をトップに、わずか4道県に過ぎませんでした。一方で、比較的温暖と思われている地域ほど、住宅の室温が低いという結果が現れたのです。

・温暖地ほど住宅の中が寒いという傾向が見られる

温暖地ほど住まいが寒い

冬の在宅中の居室において、平均の室温を調査した結果が上記。比較的温暖な九州や四国でも16度以下の都道府県があることがわかります。
出典:海塩 渉、伊香賀俊治、村上周三ほか、冬季の室温格差~日本のスマートウェルネス住宅全国調査~、Indoor Air. 2020 Nov;30(6):1317-1328

そもそも、断熱を高める要の「窓」に対して、日本人の関心は薄いようです。窓は住宅の中で最も大きい “熱の出入り口”。二重窓や複層ガラス窓、樹脂製や木製など金属製でないサッシにすれば断熱性能を高められます。しかし日本の「二重サッシまたは複層ガラス窓の設置範囲」の平均は、約30%しかありません。

一方で、窓を二重窓や複層ガラス窓にした、いわゆる断熱住宅が普及している都道府県ほど、冬に死亡者数が増えないという傾向があります。それが下記のグラフです。

・断熱住宅普及県ほど冬に死者が増えない

断熱住宅普及県ほど冬に死者が増えない

ここで言う「断熱住宅」とは「二重サッシまたは複層ガラス窓のある住宅」を指す。断熱性能を高めるのは断熱材など窓以外の考慮も重要だが、窓に配慮がなされている、つまり断熱意識が高い住宅という点だけで見ても大きな差になることがわかる。
出典:総務省「住宅・土地統計調査2008」と厚生労働省「人口動態統計2014年」都道府県別・月別から伊香賀先生が分析グラフ化

冬に死亡者が増える理由としては、冬の寒さによって血圧が上昇し、高血圧性疾患のリスクが増えることがまず挙げられます。さらに寒さは、肺の抵抗を弱らせて肺感染症リスクを高めたり、血液を濃化することで冠状動脈血栓症リスクを増加させます。

しかし上記グラフから、冬の寒さに起因するこれらの3大リスクを、住宅の室温が高い「温かい家」なら抑えられると推測できるのです。

室温を18度に上げると生活習慣病が改善される

国土交通省は先述の調査に加え、「住宅の断熱性能を高めたら健康的になれるのか?」の継続調査や研究を行いました。伊香賀先生を含む建築と医療の研究者80名のチームは「断熱等級1~2の住宅を断熱改修(リフォーム)によって断熱等級3~4にすると、居住者の健康にどう影響するのか」を調査。すると「まだサンプル数が不足しているので、医学論文には出せませんが」としながらも「生活“習慣”病は生活“環境”病だと言い得る」ということがわかったと言います。

では、その具体的な結果を見ていきましょう。まずは「高血圧症のリスク」についてです。

一般的に寒いと血圧は高くなり、また高齢者ほど高血圧になります。高血圧症は脳梗塞などの脳血管障害や心臓病、腎臓病、動脈硬化を引き起こす要因になります。朝起きた時の室温と「血圧」との関係は下記の通りで、80歳の男性の場合、室温20度ではまだ薬が必要なほど高血圧の状態です。

・朝起きたときの室温と血圧の関係

朝起きたときの室温と血圧の関係

室温が寒い&年齢が高いほど血圧が高いことがわかります。80歳の男性の場合、室温20度でも血圧が140mmHg近くです。
出典:伊香賀先生の資料より、JSH2014(日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2014)

「これが住宅の断熱改修をすると、血圧が平均で3.1mmHg低下するとわかったのです。厚生労働省は国民の健康のために血圧を4mmHg下げる数値目標を掲げていますが(健康日本21(第二次))、食事の工夫や運動といった生活習慣を改めなくても、住宅の断熱改修を高めるだけで目標の約8割を達成できまることになります」

さらに「脂質異常症の発症を抑制する」面でも断熱改修の効果が現れました。脂質異常症とは、血液中の脂質の値が基準値から外れた状態のこと。いわゆる悪玉コレステロールや中性脂肪などの血中濃度が異常だという状態です。

この脂質異常症の発症を改修前と改修から5年後に調査したところ、居住者の脂質異常症の発症するオッズ(発症した人の数を発症していない人で割って得られる値。数値が小さいほど発症が起きにくいことを示す)が約0.3倍(約7割減)まで下がったのです。

・コレステロール値と室温の関係

レステロール値と室温の関係

上記の通り、温かい寝室で過ごしている人ほど脂質異常症を発症するオッズが減ります(伊香賀先生の資料より)

私たちは高血圧症や循環器疾患という「生活習慣病」は食生活を見直して、適度な運動をし、飲酒や喫煙を抑え、十分休養することで改善できると考えてきました。しかし上記の伊香賀先生たちの調査によって、そういった日頃の摂生だけではなく、暮らしの環境を整えるだけでもこうした病気のリスクを減らすことができるというわけです。伊香賀先生が「生活習慣病は生活環境病でもある」と唱える意味がわかると思います。

・高血圧・循環器疾患は生活環境病でもある

高血圧・循環器疾患は生活環境病でもある

(伊香賀先生の資料より)

日本で断熱意識が欠落していた理由とは?

実は以前から欧米では、健康に対する住宅の重要性を説いていた、と伊香賀先生は言います。だからこそ先述の通りWHOの勧告があり、イギリスや、歴史的にイギリスと関係の深いニュージーランドで住宅に対する施策が行われたのです。

では、なぜ日本ではこれまで、欧米のような住宅の高断熱化に関心が集まらなかったのでしょうか。

その理由は、今から約700年前の1330年代に書かれた『徒然草』にもあるように、日本の住宅は昔から、夏の気温や湿度を重視して建てられてきたからです。徒然草には「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる」とあります。少なくとも700年も前から日本人は「家は夏の暑さに対してなんとかすれば、冬はなんとでもなる」という考えが“当たり前”だったと考えられます。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

一方イギリスでは、19世紀にナイチンゲールが活躍していました。彼女は「どうすれば病気に罹らないか」「どうすれば病気から快復させることができるか」といったことをまとめた『看護覚え書』を1860年に刊行します。同書は全13章で構成されているのですが、その第一章は「換気と暖房」。冒頭からもう、温かい環境について言及しています。しかも13章中、実に半分以上の7章が生活環境、つまり住宅にも関係することです。イギリスで国民の健康政策に住宅が含まれるのは、この『看護覚え書』の考えが影響しているのは想像に難くありません。

・ナイチンゲールの看護覚え書

ナイチンゲールの看護覚え書

第一章以外にも「きれいな空気や水」「物音」「よい環境の変化」「陽光」など、暮らしの環境について言及されていますが、それらを押さえて最初にナイチンゲールが伝えたかったのが「換気と暖房」だと言えるのではないでしょうか(伊香賀先生の資料より)

ですから冒頭で触れたように、日本でもしナイチンゲールが活躍していたら、日本の住宅は断熱性能が高くなり、それによって生活習慣病が今よりも抑えられていたかもしれない、というわけです。

室温を18度に上げると老若男女問わず健康的に暮らせる

WHOが強く推奨する「室温を18度以上」にすると、伊香賀先生たちの調査の通り、血圧の上昇や脂質異常症の発症を抑えやすくなります。しかしそれ以外にも健康に資することが調査でわかってきました。いずれも「まだ調査のサンプル数が足りないので、医学論文にできるほどではない」のですが、それでも住宅の室温と健康の密接な関係が見えます。

例えば「夜間頻尿」。夜中にトイレに何度も起きると眠りが浅くなり、翌日に疲労感が残りがちですが、断熱改修した5年後には夜間頻尿の発症が0.42倍(約6割減)に抑えられました。夜間頻尿は高齢になるほど増えると言われていますが、調査は改修前と改修の5年後。ですから、対象者は調査期間中に5つ歳を重ねたことになります。それでも夜間頻尿を抑えられたのです。

夜間頻尿発症モデル

就寝前室温18℃以上で5年後の夜間頻尿発症が 0.4倍に(伊香賀先生の資料より)

続いて「つまずき」が減ることもわかりました。65歳以上の高齢者にとって「つまずき」を含む「転倒・転落・墜落」は、不慮の事故による死因の中で交通事故の4倍(令和2年度)にものぼる死因です。しかし、これも断熱改修の5年後には0.5倍(約5割減)に低減されています。「その理由は足元の温度です。室温が18度以上になると、足元は少なくとも16度以上になりますから、足首などの血流がよくなり、つまずきが減るのだと考えられます」

暖かい住宅で5年後のつまずき・転倒が0.5倍

(伊香賀先生の資料より)

室温18度以上の「温かい家」では、高齢者だけでなく、子どもや女性も健康的になるようです。まず風邪をひく子どもが約0.64倍(約4割減)に、病欠も約0.76倍(約3割減)になるという結果が現れました。また女性では月経前症候群(PMS)が0.7倍(約3割減)に減り、月経痛は約0.5倍(約5割減)に。

暖かな住まいでは風邪をひく子どもが約0.64倍、病欠する子どもが約0.8倍

(伊香賀先生の資料より)

さらに、こんな実験も行われました。断熱等級2と4、6の3つに分けた部屋でそれぞれエアコンを使い、まず室温を18度にします。その上で各部屋の被験者に単純な計算等をしてもらったところ、断熱等級6の部屋の被験者が最も正解率が高いとわかりました。これは断熱等級が低いと室温を18度にしても、足元が寒くなり、足の血流が悪くなることが正解率に影響を与えたと考えられます。「つまり在宅ワークにも、住宅の断熱性能は欠かせないということです」

このように自宅を「寒い家」から「温かい家」に改修するだけで、格段に健康的に暮らせるのです。もちろん断熱性能が高まれば、今夏のような暑さの中でも我が家に逃げ込めば快適に過ごせます。

ちなみに、先ほどの断熱等級2/4/6に分けた実験では、それぞれの部屋の冬の電気代(エアコン)も試算されました。それによると断熱等級2が2万8000円だったのに対し、断熱等級4は1万3000円、断熱等級6は7000円。我が家の断熱性能を高めれば光熱費を抑えられて、仕事がはかどり、しかも健康的に暮らせるというわけです。
この冬、こたつや暖房の効いたリビングに家族で集まった折に、我が家の断熱性能について話し合ってみてはいかがでしょうか。

●取材協力
慶應義塾大学 理工学部 教授
日本建築学会 前副会長
伊香賀 俊治(いかが・としはる)先生
1959年東京生まれ。1981年早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院修了。(株)日建設計環境計画室長、東京大学助教授を経て、2006年慶應義塾大学理工学部教授に就任、現在に至る。日本学術会議連携会員、日本建築学会副会長、日本LCA学会副会長を歴任。主な研究課題は『住環境が脳・循環器・呼吸器・運動器に及ぼす影響実測と疾病・介護予防便益評価』。著書に『すこやかに住まう、すこやかに生きる、ゆすはら健康長寿の里づくりプロジェクト』『”生活環境病”による不本意な老後を回避するー幸齢住宅読本ー』など。

●関連ページ
WHO Housing and health guidelines

斬新な暮らしに挑戦!

所在地:中野区南台
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ペールカラーにときめいて

所在地:中野区新井
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いずれも単身者 ... 続き>>>.
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手仕事の部屋【事務所可】

所在地:品川区上大崎
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山手線「恵比寿」駅 徒歩13分

古材とアンティークの建具を愛するオーナーが、自らの手でリノベーションした空間は、ていねいな手仕事と木の温もりを感じる雰囲気がありました。



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手ごろに借りれる、赤坂の小さな拠点。



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ぽかぽかのふかふか

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カジュアルに楽しむ超都心

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ラグジュアリーな仕様をアピールされがちな賃料帯で、「そういうことじゃないのになぁ」とモヤっとしてた人はいませんか?



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憎いほどいい物販店舗 in 蔵前【 ウグイスビル 3階通り沿い区画 】

所在地:台東区蔵前
11万8,800円(税込) / 14.49平米
都営浅草線「蔵前」駅 徒歩3分

1階には「喫茶半月」、「半月焙煎研究所」、古書店「Frobergue」が入居する「ウグイスビル」。その3階の物販店舗区画が空室となり、募集となりました。しかも、この部屋は前入居者さんが改装した内装と設備が残るので、改装の必要がほぼありません。



国際通りを通るたび、いつも気になっ ... 続き>>>.
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100万円でタイニーハウスをDIY。ノンフィクション作家が6年かけて9.9平米ロフト付きの小屋を作るまで 川内有緒『自由の丘に、小屋をつくる』

「セルフビルドで小屋をつくる」と聞くと夢物語に感じるが、未就学の子どもと夫、それに友人たちを巻き込んでつくり上げた人がいる。ノンフィクション作家の川内有緒さんだ。

DIY未経験だった彼女はDIY工房に通うことから始め、構想から6年かけて9.9平米ロフト付きの小屋を完成させた。その様子は、エッセイ『自由の丘に、小屋をつくる』(新潮社)にまとめられている。

セルフビルドをする際の土地探しの決め手や完成までにかかった金額、セルフビルドで押さえるべきポイント、小屋づくりを始めたきっかけについて川内さんに伺った。

「土地探しって難しい。縁があったこの流れに乗ろう」と土地を決めた

小屋

山梨県甲州市の塩山、山の中腹にある集落に川内さんのつくった小屋がある。

「甲府の街を一望できる上に、山並みも見えます。空への抜け感は、土地を選ぶ上で大切なポイントでした」

当初は、明るい林の中に立つ小屋を想像していた川内さん。土地探しでは長野県や千葉県の房総半島も視野に入れたが範囲が広すぎて決められなかった。そこに運命の出会いが訪れる。夫のイオさんの友人でフリーランスライターの小野民さんから「使っていない自宅の土地があるので、好きにしてどうぞ」と言われたのだ。その一言をきっかけに、初めて塩山の地を訪れた。

土地の広さは約100坪。同じ敷地に、民さんの夫で、発酵デザイナーの小倉ヒラクさんが、研究用のラボをコンテナでつくる計画が進んでいた。
その隣に、川内さんも小屋をつくることに決めた。無理なく建築できる広さを考えた結果、床面積は9.9平米、天井の高さは約3メートルの小屋になった。

「予想外のひと言から始まった計画ですが、こういう土地ってなかなか出会えないので、この流れに乗ろうと決めました。友達の建築家も『眺めが良くていいじゃないですか』と太鼓判を押してくれたんです。それに山梨県甲州市は特急に乗れば、東京から90分というアクセスも魅力的。車でも2時間半ほどですし、さまざまなルートで自宅と小屋を往復できることも後押しになりました」

朝早い時間に東京を出れば、午前中には塩山に到着できる。準備と片付けに約1~2時間ほどかかるセルフビルドでは、交通の利便性の良さがポイントになった。

「選んだ土地から、一番近いホームセンターまでは車で10分ほどでした。ビスやペンキが足りない時はすぐ買いに行けますし、道路と面した土地なので、資材を運ぶにも都合が良かったです」

ホームセンターには、1日に3往復することもあったそう。「段取りをうまくやればそんなに行く必要はないはずなんですけど」と川内さんは笑うが、慣れない初心者のセルフビルドには想定外はつきものだ。出来るだけ資材を調達・運搬しやすい土地を選んだのが成功の鍵にもなった。

セルフビルドで感じた「形ができていく喜び」

作業の様子

川内さんの小屋づくりは、伸び放題の草を刈り、土地をならし、基礎をつくるところから始まった。

「最初の作業は肉体労働が大半で、本当にしんどかったです。材料は重たいし、基礎に必要なパーツは大きいし、家具をつくるのとは全然違う。それでも最初のころはやる気があるから、なんとか完成させられました」

基礎が完成した先は、DIYで家を好きなようにアレンジする感覚に近いのだそう。

「こだわりを詰め込んで理想を追求しつつも、現実に打ちのめされながら実行していくんです」

話を伺っているとどの作業も大変そうに聞こえるが「小屋をつくっていると仲間が増えていくので、作業は楽になっていきますよ」と語る。

確かに川内さんのエッセイでは、小屋づくりに関わる仲間たちがどんどん増えていく。大工の丹羽さんや建築家のタクちゃんといった専門家から、時には小屋づくりに興味を持った子どもたちまで参加していくのだ。ノンフィクション作家で人脈があるのかと聞いてみると、そうではないという。

「小屋をつくっていることを話すと、『手伝いたい』と言ってくれる人が続々と現れるんです。家をきれいにする参考にしたいとか、大工仕事が好きで手伝いたいとか。作業には興味ないけど、楽しそうだから見に来たいという人もいます。人手が足りない時は、誰かに話してみるのも一つの手だと思います」

小屋づくりに関わるのは、川内さんの友人だけではない。近隣の人が声をかけてくれることもあったという。

「うちの草刈り機を使った方が早いよ、と貸してくださることもありましたね。それにセルフビルドをやっている方々からどういう風に施工したか、教えてもらうこともありました」

小倉ヒラクさんの知り合いで温泉・旅館を営む人から、資材をもらったこともある。

「昔の民家が取り壊される時に、貴重な資材をレスキューしている方なんです。それでいろんな材料をいただきました。でも古材だと厚みが違って加工が難しいんですよね。バラバラの質感でも問題ないウッドデッキをつくるのに使いました」

現地でも人の縁に恵まれているのには、理由があった。

「私たちが現地で受け入れてもらえたのは、土地を持っている小倉家の人たちが地域の人たちから信頼されているからだと思うんです。彼らはこの地に移住してきたんですけど、丁寧に交流を重ねているんですよね。私たちはその信頼を借りているだけだと感じました」

小屋づくりの予算は100万円

作業の様子

小屋づくりにかかった日数は、合計で約30日。構想から6年、着手してからは完成までに4年かかったが、毎日コツコツと続ければ約1カ月で仕上がる日程だ。さらに、電気もトイレもエコ仕様なのだそう。

「うちは太陽光パネルを使い、水道は小倉家や周りの人に借りる。排泄物は微生物の力で堆肥にかえるコンポストトイレを使っています」

小屋づくりの予算は100万円と決めていた川内さん。その内訳は大きく分けると、「工具や材料」「直接経費ではない移動や宿泊費」のほか、大工さんへの指導の謝礼金といった細々したものに分けられる。

「資材にかかったのは70万円弱でしょうか。ベニヤは、当時1枚約900円のものを使っていました。今は資材が高騰していて2倍以上の値段になっていると思います。とはいえ、どのくらいお金をかけているかは途中からどうでもよくなってしまったので、追えてない部分もあるかもしれません」

屋根を張る時は足場をつくらず、それぞれの足の高さを調整できる脚立を使うことで、安定を確保した。

「セルフビルドって安全にどれだけ配慮できるかが大切なので、そこにはお金を惜しまない方が誰も怪我をしないで済むと思います」

【工具や材料の内訳】

工具(丸ノコ、インパクトドライバー、ねじまわし、脚立など)約10万円ベニヤ約4万円基礎約3万円太陽光パネルと蓄電池約5万円ドアや窓の建具約15万円断熱材約5万円屋根材約5万円床材約5万円漆喰・ペンキ約3万円外壁材・外壁塗装約7万円その他、ビスなどの消耗品約3万円お気に入りは、ヘリンボーンの床とハイジの窓

ヘリンボーンの床

小屋でのお気に入りは2カ所。1つは、床材をV字に組み合わせたヘリンボーンの床だ。

「床張りに挑戦する前に、知り合いのカフェに話を聞きにいきました。そのカフェでは自分たちでヘリンボーンの床を張ったそうで、『通常の2~3倍の時間を見ていれば、できなくはないよ』と助言をいただきました。カフェは床面積が広いから大変だろうけど、私たちは9.9平米だからできるんじゃないかと、挑戦することにしたんです」

ヘリンボーンはカット済みの木材を送ってもらい組み立てるキットも売られているが、川内さんは自分たちで床材を加工するところから始めた。

作業の様子

「効率的にやる方法もあるけど、時間をかけて出来上がることを選択しました。ヘリンボーンの床は木材の端が直角に交わらず、折り合うように重ねるので組み方が難しいんですよ」

川内さんのもう1つのお気に入りは、テレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』に憧れてつくったロフトの小さな窓だ。目黒通りにある注文家具店でガラスと木材を注文し、指導を受けながら川内さん自身がデザインから考えた。

ロフト

ロフトの小さな窓

「『アルプスの少女ハイジ』に登場するハイジの寝室の丸い窓に憧れていたんですよね。だから構造上は必要ないんですが、ロフトには最初から窓を付けようと決めていました。窓から山並みを眺める時間は、最高です」

イキイキと話す川内さんに「セルフビルドで一番楽しかったことは何か」を尋ねた。

「できていく喜び、ですかね。『ここまでできた』という達成感があるんです。つくることは楽しいけど、全部が全部楽しい作業ではないですね。考えたことが形になっていく工程が面白いんじゃないでしょうか」

作業の様子

完成した小屋には、春や秋の過ごしやすい時期に月に1度は赴くという。

「夏は行ったり行かなかったり。冬は気温がマイナス10度になってしまうので行かないんです」

現地では、忙しく小屋仕事をしているそう。

「木造なのでメンテナンスをしないと傷んじゃうんです。無垢の木材やウッドデッキは年に2回は塗装しています。それだけでも半日仕事なんですよ。それに敷地を整えたり、やることは山ほどあります。普段はパソコンで仕事することが多いから、体をのびのびと動かすいい機会になっています。たくさん動いたら、仲間と家族で焚火を囲んで食事する。いい気分転換になります」

「自分で何でもつくれる」という手応えを経て変わった価値観

作業の様子

DIY未経験から、セルフビルドで小屋をつくるまでの背景には、どんな思いがあったのか。

「『買わなくても、自分で何でもつくれると思えたら、最強じゃないか』と思ったんです。人によってはそういう思いが野菜づくりなどに向けられるんでしょうけど、私の場合はDIYに向かいました。自分で自宅をいじれたら面白いだろうなって思っていたんです」

小屋づくりを終えてからは、自宅のテーブルを継ぎ足して幅を変えるなど、気軽にやれることが広がってきたと話す。

「実家に母と妹が住んでいるんですけど、そこのリフォームも続けています。本来なら大工さんやリフォーム会社に頼むところを、自分たちで進めていけるので面白いですよ」

川内さんの娘のナナさんも2歳ころから、小屋づくりのために両親と共に山梨に通い、時に作業に参加しながら育ってきた。どんな影響があったのだろうか。

「セルフビルドをする人生としない人生は比べられないし、明確に小屋のおかげとは断言できません。けど、いろんな大人と関わって、さまざまな職業や人生があることを知るきっかけになったのではないでしょうか。火を起こして焚火するとか、椅子をつくろうと思えばすぐに取り掛かれるとか。都会だと体験できないことをたくさんしてきたので、いい影響もあるんじゃないかな」

そんなナナさんは現在、小学生。工作好きに育っているそうだ。

「人生って、限られた時間と素材の中でどう遊ぶか? という大きなプロジェクトでもあると思うんです。そう考えると、彼女の自ら遊びを生み出す力は、生きていく上で大きなアドバンテージになるのかもしれませんね」

川内さんの小屋づくりには、「セルフビルドなんて、私には無理」と一蹴するにはもったいないと思わせる時間と環境が詰まっていた。もしかすると、夢物語を現実にするために必要なのは、憧れを口にする勇気と、賛同してくれた仲間たちを大切にすることなのかもしれません。

『自由の丘に小屋をつくる』●取材協力
川内有緒さん
ノンフィクション作家。著書に『パリでメシを食う』『バウルを探して』『空をゆく巨人』『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』などがある。最新刊はセルフビルドの過程を綴った 『自由の丘に小屋をつくる』。

<取材:結井ゆき江 / 編集:ピース株式会社>

いいなぁこういうレトロ

所在地:渋谷区千駄ヶ谷
14万円 / 40平米
山手線「原宿」駅 徒歩7分

カクカクとした形に白い外壁が眩しい、見惚れてしまうイカしたレトロマンション。「こういう外観、好きだなぁ」と個人的にも思います。



部屋はフローリングに白い壁紙のシンプルな内装。南向きで日の入りも心地よいです。目の前は交差点。交通量は多くないですが、車の走行音が少し気になります。

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西池袋の谷に住まう

所在地:豊島区西池袋
15万7,900円 / 65.97平米
山手線「池袋」駅 徒歩7分

「西池袋(ニシイケ)」のビル群にある「谷(バレイ)」という意味で「ニシイケバレイ 」と名付けられたこの場所は、飲食店やシェアキッチン、コワーキングスペースなど、多様な空間とサービスが集積する場所です。



その一角に立つのが、今回ご紹介する全84戸からなる14階建のマンション。6階 ... 続き>>>.
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西荻にて、上質な暮らしを

所在地:杉並区西荻南
17万円 / 54.08平米
中央線「西荻窪」駅 徒歩3分

上質な空間と、使いやすい間取りや設備。そして西荻窪の魅力的な街を堪能できる環境。そんな物件に住んでみませんか。



もともとオーナーご自身が二人暮らしで生活するため、設計事務所に依頼したこちらの物件。細部までつくり込まれた内装です。



床は基本的に全てタモ無垢フローリング、壁は目に ... 続き>>>.
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そう!この空気感

所在地:杉並区浜田山
12万7,000円 / 36平米
井の頭線「西永福」駅 徒歩3分

毎回退去前に申し込みがあり、早急に募集が終了してしまう、東京R不動産でもおなじみのこのマンション。



とはいっても、もちろん契約前に必ず下見をしていただきますので、ご安心を。以下お読みいただいて、気に入っていただけたようであれば、申し込みフォーム(WEB入力)を送らせていただきま ... 続き>>>.
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緑と街を愛する人のための住宅用地

所在地:立川市富士見町
2,980万円 / 146.79平米(土地)
青梅線「西立川」駅 徒歩9分

新築戸建を建築したい方へ。なかなかユニークな環境の土地が建築条件付きで募集です。



場所は緑ゆたかで穏やかな西立川。この場所に古くから住む地主さんが、この街並みや環境を守りたいという想いで、今回の募集を企画しています。



基本方針としては「緑、そして豊かな住環境を大切にする」とい ... 続き>>>.
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リノベーション・オブ・ザ・イヤー2023に見るリノベ最前線! グランプリは「高級トイレ空間」、シニア世代の「2度目の二人暮らし物件」など

1年を代表するリノベーション作品を決める「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」。11年目となる2023年の授賞式が12月14日に開催されました。267のエントリー作品の中から選び抜かれた総合グランプリをはじめ、各受賞作から、リノベーションの今を読み解きました。

【注目point1】買取再販リノベ物件の「一点もの」化

近年、特に大都市圏では中古マンションの買取再販リノベーション事業に参入する事業者が大幅に増え、それとともに再販リノベ物件数も数を伸ばしています。買取再販リノベーションとは、事業者が中古マンションを購入してリノベーションを施し、リノベ済み物件として販売する形態のこと。

数が増えることで競争も激しくなり、そのためリノベ内容にも、コンセプトやデザイン、性能向上などの面において差別化を図った「一点もの」的な作品の増加が顕著になっています。今回の受賞作品やエントリー作品ではそうした特徴的な買取再販物件が多く見受けられました。

一般的に、買取再販リノベ物件は販売しやすいように、万人向けの設計やデザイン、コストパフォーマンスの良さなどが優先されてきましたが、徐々に一点もの的な作品が増えつつあり、大手事業者の再販物件においても差別化戦略が図られています。コスト面の制約はあるものの、買取再販リノベ物件は設計者やプランナーの豊かな発想が発揮できる側面もあり、買い手の心により響く物件となります。今後のバリエーションの広がりも期待されます。

総合グランプリを受賞した【誰もが快適に過ごせる特別な高級トイレ空間「プレミアムT」】もまさにそうした一点もの。今回、審査陣を最も驚かせた作品となったようです。

●総合グランプリ
【誰もが快適に過ごせる特別な高級トイレ空間「プレミアムT」】 株式会社bELI

ソファのほか、折り畳みテーブルまで設置され、まるで書斎のよう。ここで長時間過ごせる居室のような快適性が見てとれます(写真提供/株式会社bELI)

ソファのほか、折り畳みテーブルまで設置され、まるで書斎のよう。ここで長時間過ごせる居室のような快適性が見てとれます(写真提供/株式会社bELI)

(写真提供/株式会社bELI)

(写真提供/株式会社bELI)

小ぶりな洋室を、トイレとしては広々した「プレミアムT」とシューズインクローゼットに改変(写真提供/株式会社bELI)

小ぶりな洋室を、トイレとしては広々した「プレミアムT」とシューズインクローゼットに改変(写真提供/株式会社bELI)

総合グランプリに輝いた【誰もが快適に過ごせる特別な高級トイレ空間 「プレミアムT」】は、難病指定のクローン病と戦う友人がきっかけとなり誕生したプロジェクト。クローン病とは主に小腸や大腸などの消化管に炎症が生じる病気で、下痢などの症状が慢性的に発生し、長時間トイレへの滞在を強いられます。「持病の有無を問わず、誰もが快適に過ごせるトイレ空間をつくること」「普段の暮らしでは周りに理解されにくい苦しみと戦う人たちがいることを知ってもらうこと」がこのプロジェクトの目的。

舞台は川崎市の築30年超のマンションの住戸。トイレと洋室を一体化し、居室としても機能する空間を演出しています。折り畳み机、ダウンライトスピーカー、床暖房、涼風機能つき暖房機など快適設備も搭載。「リフォームを通して誰かの役に立ちたい」というアツい思いが形になりました。

誰でも使いやすいトイレ空間を創造した作品ですが、そこに暮らす住人が要望したユニバーサルデザイン空間なのかと思いきやそうではなく、物件完成後に売り出して買い手を見つけるという買取再販リノベ物件として市場に登場させたわけです。持病を抱えた人にポジティブに寄り添う温かい気持ち、ユニバーサルデザインの新たな形を示した点も高い評価を受けつつ、再販リノベ物件としたことについてのつくり手の勇気を讃える声が上がり、総合グランプリ受賞へとつながりました。

●レスキュー・リノベーション賞
【東京下町の古民家よ、再び】 株式会社コスモスイニシア

時を経た飴色の建具などをふんだんに意匠に加え、まるで古民家のような懐かしい風情に(写真提供/株式会社コスモスイニシア)

時を経た飴色の建具などをふんだんに意匠に加え、まるで古民家のような懐かしい風情に(写真提供/株式会社コスモスイニシア)

(写真提供/株式会社コスモスイニシア)

(写真提供/株式会社コスモスイニシア)

【東京下町の古民家よ、再び】は、古い家屋で使われてきたドアや引き戸、障子などの建具、収納扉、家具などをふんだんに用いた買取再販リノベ物件。「古材レスキュー」という古民家を残す活動をしている方々から譲り受けたものを再利用しています。既存資源を活用するという観点に加え、古き良きものを生かして個性的な空間に仕立てている「一点もの」の再販物件に仕立てたチャレンジングな姿勢に注目が注がれていました。

●ウェルネス・リノベーション賞
【健康寿命社会~もう一度ふたり暮らし~】 株式会社アネストワン

木のぬくもりに包まれた空間は、見た目での心地よさも感じさせてくれます(写真提供/株式会社アネストワン)

木のぬくもりに包まれた空間は、見た目での心地よさも感じさせてくれます(写真提供/株式会社アネストワン)

(写真提供/株式会社アネストワン)

(写真提供/株式会社アネストワン)

【健康寿命社会~もう一度ふたり暮らし~】は、シニア世代にフォーカスし、快適で健康なシニアライフを送れるように住宅性能を高めた再販リノベ物件。全館空調、二重窓、全熱交換機で断熱性、快適性を向上させ、住戸の温度を均一に保ち、ヒートショックを予防。漆喰壁やチーク材フローリング、麻のタイルカーペットなど自然素材をふんだんに取り入れ、素材面でも安らぎを意識しています。

【注目point2】古くて無個性のものに、異なる表情を付加

画一的であったり無個性であったり、世の中から見捨てられがちな物件を新しいものに生まれ変わらせるのも、リノベーションの醍醐味です。今回、注目されたのは古い団地、古いホテルなどに手を加えたケース。何の変哲もない既存施設を、そのまま朽ちさせたり建て替えたりするのではなく、誰もが心地よく過ごせる価値ある場所に生まれ変わらせた点が高く評価されています。こうした作品を見ると、既存資源の活用という面において、リノベーション業界は重要な社会的役割を担っているのだということを強く感じます。

●800万円未満部門最優秀賞 ●プレイヤーズチョイス・アワード
【これからの団地リノベのあり方を問う。】 株式会社フロッグハウス

調湿性のある杉材をふんだんに使った室内。ぐるっと回り込める家事楽なキッチン動線で暮らしやすく(画像提供/株式会社フロッグハウス)

調湿性のある杉材をふんだんに使った室内。ぐるっと回り込める家事楽なキッチン動線で暮らしやすく(画像提供/株式会社フロッグハウス)

(画像提供/株式会社フロッグハウス)

(画像提供/株式会社フロッグハウス)

800万円未満部門最優秀賞とプレイヤーズチョイス・アワード(※)をW受賞した【これからの団地リノベのあり方を問う。】。神戸市にある築46年の団地の一室を、入居検討者や団地に暮らす人のためのモデルハウスに生まれ変わらせた作品で、断熱、家事動線、地産地消を軸に、団地リノベの新たな姿を提案しています。

ひどい結露、玄関収納や脱衣所がないといった、築年数の経った団地特有の不便さを解消すべく、断熱改修し、玄関と水回りの面積を1.5倍の広さにしてベビーカーを置ける玄関、室内干しできる脱衣所を設けました。地元産の杉をふんだんに内装に用い、木の香が漂う空間に。家事を楽にする回遊動線、曲線美の造作キッチン、ワークスペースなど、ターゲットの子育て世代だけでなく、団地に長年暮らしてきた高齢世帯をも惹きつける要素が盛り込まれ、画一的な団地の部屋が清々しさを感じる空間へと一新されています。

※「プレイヤーズチョイス・アワード」とは、エントリーした事業者が自社以外でベストだと思うリノベ作品を選ぶ、今回新設された賞です(他の賞はメディア関係者が審査員となり、作品を選ぶ)

●無差別級部門最優秀賞
【「記憶」を刻み、「記録」を更新する『the RECORDS』】 株式会社拓匠開発

こぢんまりした古いビジネスホテルが、映えスポットに華麗に転身。公園に大きく開いた開放的な空間で心地良いひとときを(画像提供/株式会社拓匠開発)

こぢんまりした古いビジネスホテルが、映えスポットに華麗に転身。公園に大きく開いた開放的な空間で心地良いひとときを(画像提供/株式会社拓匠開発)

(画像提供/株式会社拓匠開発)

(画像提供/株式会社拓匠開発)

(画像提供/株式会社拓匠開発)

(画像提供/株式会社拓匠開発)

【「記憶」を刻み、「記録」を更新する『the RECORDS』】はビジネスホテルを複合商業施設へコンバージョンした作品です。千葉公園に面した立地の良さという最大のポテンシャルをビジネスホテル時代にはまったく生かせておらず、1階は駐車場、公園に面したテラスも資材置き場となっていたそう。客室の窓も小さく、せっかくの眺望も魅力減。

駐車場を大きな窓のある大空間に変え、上階の床を抜いて吹き抜けをつくり、開放的で映えるラウンジ空間に。容積率にカウントされない駐車場を店舗にすると床面積を減らさざるをえないというハードルを、上階の床をなくし吹き抜けにすることで解決した手法も見事です。公園の緑の借景と相まって、地元の人々がふらっと立ち寄って心豊かに過ごせる場所になりました。

RC造で間仕切壁も多く、再生するには障害が多い物件。取り壊して新築するのが一般的と思われますが、「再構築し、新たな目的の施設に再生させ、その結果を示すことが地域活性化につながる」というつくり手の信念で成し遂げられたプロジェクトとなりました。

【注目point3】残すべきものを残す、古民家再生

生活様式の変化による暮らしにくさなどによって、かつて多くの古民家が振り返られることなく解体される一方だった時代がありました。しかし太い柱や梁、震災にも耐えてきた強い構造など、本物の建材と匠の技でつくられた家は残すべき資産であるとの認識から、循環型社会が叫ばれるよりも以前から古民家を再生して住み継いでいくという意識が高まり、再生事業も数を伸ばしてきました。

しかし、住宅リノベーションの中でも、古民家の再生には多大な苦労が伴います。耐震性、断熱性の確保はもとより、現代のライフスタイルに合った水回りへの改修や間取りの改変などは、現代の住宅より手間もコストも嵩みがちなことも障壁となり、住宅としてより公共施設や商業施設として活用される傾向が多い現状もあります。今回は自宅として住み継いでいく古民家再生のお手本のような作品に注目しました。

●1500万円以上部門最優秀賞
【戻す家】 株式会社モリタ装芸

(写真提供/株式会社モリタ装芸)

(写真提供/株式会社モリタ装芸)

梁の現れた大きな吹き抜け+土間のある空間。時を経て古びた味わいある素材に囲まれて、趣きのある暮らしが詰まっているのを感じます(写真提供/株式会社モリタ装芸)

梁の現れた大きな吹き抜け+土間のある空間。時を経て古びた味わいある素材に囲まれて、趣きのある暮らしが詰まっているのを感じます(写真提供/株式会社モリタ装芸)

(写真提供/株式会社モリタ装芸)

(写真提供/株式会社モリタ装芸)

【戻す家】は、新潟の豪雪地域に立つ築125年の古民家を再生させた作品です。雪の重みで屋根が一部崩れ、廃墟のような有様だったそう。しかし建物を支える立派な柱や梁、土壁、無垢の床材などでつくられたこの家を見て、「残すべき使命を感じた」という施主の思いで再生プロジェクトがスタート。

耐震、断熱の問題を抱えた建物を、一度、基礎と躯体構造を残して土壁や床材などを解体。土壁は叩いて細かくし、土として保管。床材は丁寧に水洗い。柱や梁を1本1本磨き上げ、壁に土を塗るなど、手間のかかる作業を施主夫妻や両親も交え根気良く続けたそう。そうした手間暇をかけたからこそ、より愛着の持てる住まいとなったのではないでしょうか。室内は間取りや水回りを暮らしやすく変更しつつ、この家で使われてきた床板、土壁など、サスティナブルな材料を再活用することで建設費も抑え目に。新しいものに変えた部分は最小限にとどめたことにより、内部の古めかしさが残り、その古めかしさを愛でられる住まいとなりました。

●ディスカバー・リノベーション賞
【風通る、地域コミュニティの再編】 paak design株式会社

外観も室内も、日本家屋の古き良き佇まいのままに(写真提供/paak design株式会社)

外観も室内も、日本家屋の古き良き佇まいのままに(写真提供/paak design株式会社)

(写真提供/paak design株式会社)

(写真提供/paak design株式会社)

(写真提供/paak design株式会社)

(写真提供/paak design株式会社)

【風通る、地域コミュニティの再編】は、日本家屋の伝統様式が詰まった、鹿児島の大地主の邸宅を再生した作品。補修部分には既存と同じ素材を用い、土間に隣接した田の字の畳間を含め、間取りをほとんど変えることなく、かつての面影を色濃く残した佇まいに改修しています。

農家だったこの家には、以前よりご近所さんは玄関ではなく広い土間へ訪ねてきて、自然と井戸端会議の場となることもしばしばだそう。オーストラリアから移住してきた施主は地域コミュニティに関心が高く、一時期は希薄となっていた地域社会に異文化の要素も加わり、以前の日本社会が持っていた農村地での交流に新たな風が吹く場となりました。

【ここも注目!】間取りの可変性に関する斬新な提案

将来の間取り変更を容易にしてくれるギミック「柱のフレームでアウトライン化しておく」という新たな提案も高い関心を集めました。

●1500万円未満部門最優秀賞
【アウトラインの行方】 株式会社grooveagent

未来のための“フレーム”が、マンション空間とは思えないような個性を生んでいます(写真提供/株式会社grooveagent)

未来のための“フレーム”が、マンション空間とは思えないような個性を生んでいます(写真提供/株式会社grooveagent)

(写真提供/株式会社grooveagent)

(写真提供/株式会社grooveagent)

リノベーションが一般的になってきた今、家族の成長・家族数やライフスタイルの変化などによって、2度、3度とリノベーションを行うケースも見られるようになっています。【アウトラインの行方】は、そうした状況を踏まえ、将来の子ども部屋のためのグリッドをあらかじめ柱材でフレーム化しておくという、可変性の高さを感じさせる作品です。

きっかけは施主に第二子が生まれ、この先子どもが何人になるのか、いつ個室を必要とするのかがわからず、「間取りを自由に変えられる工夫」を求めたこと。その答えが最初のリノベ時にフレームでアウトライン化しておくこと。部屋を増設する際に壁を立てる工程が簡略化できることから、将来のコストを大幅に削減できるメリットがあります。施主がDIYすることも容易に。多様な使い方も可能で、さらにフレームが空間のデザイン要素となり、楽しい仕掛けにもなっています。

【ここも注目!】地方の「実家問題」に一石

全国、特に地方にある実家の後継問題に一石を投じるリノベ作品も見受けられました。

●実家リノベーション技術賞
【タクミノイエリノベ2】 有限会社斉藤工匠店

純和風の家屋をコーヒーの香り漂うカフェ的空間に。造作キッチンを中心に、梁と柱の現しのある吹き抜けが開放的(写真提供/有限会社斉藤工匠店)

純和風の家屋をコーヒーの香り漂うカフェ的空間に。造作キッチンを中心に、梁と柱の現しのある吹き抜けが開放的(写真提供/有限会社斉藤工匠店)

(写真提供/有限会社斉藤工匠店)

(写真提供/有限会社斉藤工匠店)

【タクミノイエリノベ2】は、親が暮らす実家に子世帯がUターンを決意し、大きな家屋の2階部分に大胆なリノベを施した作品。「1人暮らしの親の高齢化でどう管理していく? 空き家になったら? 相続はどうする? 大量の荷物は誰が片づけるのか?」。そういった、地方にある「実家」にありがちな問題を、いつか誰かが向き合うこととUターンリノベを決意。

福島県に立つ築45年の古家。耐震診断とインスペクションを行い、既存真壁の断熱改修。南面の大開口の構造補強をしつつ、造作ソファからの景色も設計思想に生かし、ラフに腰掛けた先の窓辺に、景色を連続的に切り取る格子を設置。「珈琲を楽しむ空間」を目指したミニマムな仕立てになっています。「物価高の昨今、既存の建物や建材を活用しないのはもったいない。ものを大切にする心で実家リノベに向き合う人が増えれば、地方が活気づき社会もうまく回る気がする」との高い意識で臨んだリノベです。

【ここも注目!】多彩な手法で個性的空間が完成

ほかにも既存の概念に囚われない自由な発想で行われたリノベ作品が目白押し。要注目です。

●ライフ・リノベーション賞
【緑とミドリ/お家とお店】 株式会社日々と建築

軽量鉄骨造のシンプルな平家を木造軸組工法で補強&増築。ボロボロだった元の家からは想像できないほど素敵な「木の家」に生まれ変わりました(写真提供/株式会社日々と建築)

軽量鉄骨造のシンプルな平家を木造軸組工法で補強&増築。ボロボロだった元の家からは想像できないほど素敵な「木の家」に生まれ変わりました(写真提供/株式会社日々と建築)

(写真提供/株式会社日々と建築)

(写真提供/株式会社日々と建築)

●フレキシブル・リノベーション賞
【遊び心は無限大!顧客に響く賃貸リノベ】 株式会社住環境ジャパン

約51平米・2DKの賃貸物件を光と風の抜ける1LDKに。オーナーが「趣味が多めの人」を想定し、定額制リノベーションパッケージでつくられた遊び心ある空間です(写真提供/株式会社住環境ジャパン)

約51平米・2DKの賃貸物件を光と風の抜ける1LDKに。オーナーが「趣味が多めの人」を想定し、定額制リノベーションパッケージでつくられた遊び心ある空間です(写真提供/株式会社住環境ジャパン)

(写真提供/株式会社住環境ジャパン)

(写真提供/株式会社住環境ジャパン)

●ユニバーサル・デザイン賞
【What is Barrier “Free”?】 株式会社grooveagent

施主夫妻の日常動作を洗い出すことから始め、段差の解消、スイッチ位置の工夫など細かい配慮を重ねた作品です。実用性とデザイン性の両面で住人に合ったバリアフリー空間を実現(写真提供/株式会社grooveagent)

施主夫妻の日常動作を洗い出すことから始め、段差の解消、スイッチ位置の工夫など細かい配慮を重ねた作品です。実用性とデザイン性の両面で住人に合ったバリアフリー空間を実現(写真提供/株式会社grooveagent)

●和洋折衷リノベーション賞
【松竹梅の「欄間」―ローテンブルクと時の記憶―】 G-FLAT株式会社

元の家にあった松竹梅の透かし彫りの欄間に惚れ込んで、和洋折衷に仕上げた空間の顔に(写真提供/G-FLAT株式会社)

元の家にあった松竹梅の透かし彫りの欄間に惚れ込んで、和洋折衷に仕上げた空間の顔に(写真提供/G-FLAT株式会社)

●劇的ワンポイント・リノベーション賞
【A Castle “In the House”】 株式会社ブルースタジオ

壁を1枚加えることでつくり出される新たな子どものための空間を含め、随所までこだわりあるデザインを施した住まいに(写真提供/株式会社ブルースタジオ)

壁を1枚加えることでつくり出される新たな子どものための空間を含め、随所までこだわりあるデザインを施した住まいに(写真提供/株式会社ブルースタジオ)

●ムーバルリノベーション賞
【動く家】 有限会社中川正人商店

キャンピングカー専門会社ではなく、リノベ会社が手がけた「家」のようなキャンピングカーのインテリア空間です(写真提供/有限会社中川正人商店)

キャンピングカー専門会社ではなく、リノベ会社が手がけた「家」のようなキャンピングカーのインテリア空間です(写真提供/有限会社中川正人商店)

●伝統建材リノベーション賞
【新しい価値観の持ち主たちへ。】 株式会社アトリエいろは一級建築士事務所

山梨学院大学のキャンパス内カフェ。ガラス張りのスタイリッシュな空間に約3500枚の廃瓦を積んだ壁と瓦屋根のカウンターが存在感を放ち、瓦の魅力を再発見できます(写真提供/株式会社アトリエいろは一級建築士事務所)

山梨学院大学のキャンパス内カフェ。ガラス張りのスタイリッシュな空間に約3500枚の廃瓦を積んだ壁と瓦屋根のカウンターが存在感を放ち、瓦の魅力を再発見できます(写真提供/株式会社アトリエいろは一級建築士事務所)

(写真提供/株式会社アトリエいろは一級建築士事務所)

(写真提供/株式会社アトリエいろは一級建築士事務所)

●インキュベーション・リノベーション賞
【近大発ベンチャー創出拠点「KINCUBA Basecamp」】 リノベる株式会社

近畿大学内にあった書店をインキュベーション(起業家創出)施設へコンバージョン(写真提供/リノベる株式会社)

近畿大学内にあった書店をインキュベーション(起業家創出)施設へコンバージョン(写真提供/リノベる株式会社)

●連鎖的エリアリノベーション賞
【お手本のようなエリアリノベーション】 株式会社タムタムデザイン

「まちの食交場」をいくつか整備することでエリアの回遊性を高めるという視点が新鮮。文化的なコミュニティの創出が街の活性化につながっています(画像提供/株式会社タムタムデザイン)

「まちの食交場」をいくつか整備することでエリアの回遊性を高めるという視点が新鮮。文化的なコミュニティの創出が街の活性化につながっています(画像提供/株式会社タムタムデザイン)

ストック活用が当たり前の今、リノベで究極の「一点もの」を

2023年は、前年から続く物価上昇が引き続きリノベーション業界にも直撃し、軒並み建築費の高騰を招いています。さらに、いわゆる建設業の「2024年問題」(時間外労働の上限規制適用による建設費上昇懸念)、2025年の新築住宅の省エネ基準適合義務化などにより、つくり手側はさまざまな対応が求められることとなります。改正建築物省エネ法は新築物件が対象ではありますが、この先、中古リノベ物件にも高い省エネ性能や創エネ機能が消費者や社会から求められることも想定されます。

シビアな時代にありながらも、リノベ業界は創意工夫や独自のコスト管理等で、建設費を抑えることがより必要となるでしょう。その工夫の一環として既存建築物や建材の再活用が挙げられます。今回の受賞作品にも、こうした既存ストックを最大限活用した作品が数多く登場し、リノベには、新築にはあまり見られない、既存のものを最大限有効活用するという「もったいない精神」が宿っているという印象を強く持ちました。

また一方で、「すべての人が使いやすいユニバーサルデザインの空間を形として示したい」「古くても解体せず、新たな場所を創設して結果を示すことで地域経済の活性化につなげたい」「実家Uターンリノベで地方を活づけたい」といった、人に対する優しい思いや社会に対する高い変革意識に満ちた、数々のリノベ作品もとても印象深く、温かい思いが心に残りました。

リノベ作品は、暮らす人が心地よく幸せに過ごせるよう、さまざまな手法やアイデアが盛り込まれた、まさに究極の「一点もの」。2024年にはどんな新たなタイプの作品が登場するのか、今から楽しみです。

赤絨毯に盛装が決まっている受賞者のみなさん。2024年も素晴らしい作品を期待していま す!(写真提供/リノベーション協議会)

赤絨毯に盛装が決まっている受賞者のみなさん。2024年も素晴らしい作品を期待しています!(写真提供/リノベーション協議会)

●取材協力
リノベーション協議会「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2023」

高架下のクリエイション

所在地:大田区大森西
6万8,200~8万8,000円(税込) / 11.66~13.92平米
京急本線「梅屋敷」駅 徒歩1分

高架下のスペースに点々と現れたスタイリッシュな箱。ここがクリエイターたちのワークスペースとなっています。



この度募集になったのは、個室のワークスペース。一人での利用も、少人数のチームでも使いやすいサイズの区画です。



トイレやミーティングルーム、ラウンジスペースは共用部につくら ... 続き>>>.
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美術館のような

所在地:新宿区二十騎町
19万円 / 50.55平米
東西線「神楽坂」駅 徒歩10分

architecture WORKSHOPによる、美術館のような端正なデザインの集合住宅。



玄関がある前面部分は大きなガラス張りで、吹き抜けの高さは約4.6mという規格外の高さ。水が流れる共用部や、橋を渡る玄関までのアプローチを目の当たりにすると、これから住宅に入室するとは思え ... 続き>>>.
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かわいい無垢の匂い

所在地:世田谷区駒沢
15万円 / 45.1平米
東急田園都市線「駒沢大学」駅 徒歩11分

さらりとした無垢フローリングの床が気持ちがいい、清潔感のあるリノベーションがされた部屋。水まわりや廊下、収納の中など、細かいところにも木材が使われていて、ほっこり感もあります。



間取りは1LDK。窓の外にはベランダと、ちょっとした庭があります。晴れた日にはベランダで日向ぼっこを ... 続き>>>.
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六本木、小さな住居と仕事場【猫可】

所在地:港区六本木
11万4,000~14万9,000円 / 17.79~36.6平米
日比谷線・都営大江戸線「六本木」駅 徒歩3分

始まりました!



六本木駅徒歩3分、とんでもない好立地にあるレトロマンションをまるごと一棟リノベーションしたプロジェクト。待望のお披露目です。



建物自体は古いながらもポテンシャル高く、共用部の丸タイルや、窓の鉄格子などもともと素敵なつくりでした。



そんな雰囲気を生かしつつ、エ ... 続き>>>.
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公園沿いの元社宅 -フルリノベ-

所在地:杉並区高円寺南
15万5,000円 / 45.98平米
中央線「高円寺」駅 徒歩10分

南側の公園から差し込む自然光が、とても気持ちいい部屋のご紹介。



建物は、1971年築の「東京電力」の元社宅。古い内装を全て撤去し、スケルトンの状態まで戻して、公園側を向いた掃き出し窓を生かし、一棟丸ごと現代的なかたちにリノベーションしました。



1LDKという形に属する間取りで ... 続き>>>.
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2024年も3省連携で住宅省エネキャンペーンを実施。省エネで補助金がもらえるのは?内容を詳しく解説

住宅の省エネ化を推し進めている政府は、さまざまな優遇制度を設けている。国土交通省・経済産業省・環境省の3省連携による住宅省エネキャンペーンが2023年にスタートしたが、2024年も同様のキャンペーンを展開することが決まり、昨年末に2024キャンペーンのホームページが公開された。キャンペーン内容を見ていこう。

【今週の住活トピック】
住宅省エネ2024キャンペーン開始/国土交通省

「住宅省エネ2024キャンペーン」とは3つの補助事業の総称

「住宅省エネ2024キャンペーン」とは、国土交通省、経済産業省、環境省の3省連携により行う「住宅の省エネリフォーム支援」と国土交通省が行う「長期優良住宅及びZEH住宅の取得への支援」に関する支援事業の総称だ。具体的には次の事業となり、2023年の同様の事業よりも予算額を増やしている。

先進的窓リノベ2024事業(環境省) 給湯省エネ2024事業(経済産業省) 子育てエコホーム支援事業(国土交通省)

なお、賃貸集合住宅を対象とした給湯省エネ事業もあるが、賃貸オーナー向けのものなのでここでは割愛する。

省エネリフォームに対する補助制度は3つ

省エネリフォームに対する補助制度は3つある。高断熱窓の設置=「先進的窓リノベ2024事業」、高効率給湯器の設置=「給湯省エネ2024事業」、開口部・躯体の省エネ改修を含むリフォーム=「子育てエコホーム支援事業(リフォーム)」だ。省エネならなんでもよいわけではなく、それぞれに指定された部材や機器を使用する必要がある。

住宅の省エネリフォームへの補助制度

※1 断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業(環境省)による支援(令和5年度補正予算)
※2 高効率給湯器の導入を促進する「家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」 (経済産業省)及び既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業(経済産業省)による支援(令和5年度補正予算)
※3 子育てエコホーム支援事業 (国土交通省)による支援(令和5年度補正予算、令和6年当初予算案)
※4 ①1)、3)及び②については、経済対策閣議決定日(令和5年11月2日)以降にリフォーム工事に着手したもの、①2)については、経済対策閣議決定日(令和5年11月2日)以降に対象工事に着手したものに限る(いずれの場合にも、交付申請までに事業者登録が必要)
国土交通省報道発表「住宅省エネ2024キャンペーンはじまります!」の資料より

1つ目の「先進的窓リノベ2024事業」は、既存の住宅のリフォームが対象で、内窓を設置したり、外窓や窓ガラスを断熱性の高いものに交換したり(窓リノベと同時に行う高断熱ドアの交換含む)した場合、リフォーム工事の内容に応じた所定の補助額の合計金額を、1戸当たり200万円を上限に還元する事業だ。

2つ目の「給湯省エネ2024事業」で、対象となる高効率の給湯器と1台当たりの補助額は、次の通り。台数制限があり、一戸建てはいずれか2台まで、マンションなどの共同住宅はいずれか1台まで、となっている。

「ヒートポンプ給湯器(エコキュート)」:補助額(基本額)8万円
性能加算額A:2万円、B:4万円、A+B:5万円「電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器(ハイブリッド給湯器)」:補助額(基本額)10万円
性能加算額A:3万円、B:3万円、A+B:5万円「家庭用燃料電池(エネファーム)」:補助額(基本額)18万円
性能加算額C:2万円

※「性能加算額」とは、さらに高い性能A~Cを満たす給湯器の場合に基本額に加算される額
※工事内容によっては「撤去加算額」が対象となる場合がある

3つ目の「子育てエコホーム支援事業(リフォーム)」では、例えば小さな窓のガラス交換で3000円/枚など実施した工事内容ごとに定められた額を足し合わせて上限20万円/戸まで補助するもの。ただし、以下の場合は上限額が変わる。

子育て世帯・若者夫婦世帯の場合:上限30万円/戸子育て世帯・若者夫婦世帯が既存住宅購入を伴う場合:上限60万円/戸長期優良リフォームを行う場合:上限30万円/戸長期優良リフォームを行う場合で子育て世帯・若者夫婦世帯の場合:上限45万円/戸

※子育て世帯とは18歳未満の子を有する世帯、若者夫婦世帯とは夫婦のいずれかが39歳以下の世帯

住宅省エネキャンペーンの特徴は、これら3つの補助制度の省エネ改修を行った場合、同時に行うその他の改修(住宅の子育て対応改修、バリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事等)についても、ワンストップで子育てエコホーム支援事業の対象になることだ。

新築住宅の省エネで利用できる支援制度は2つ

まず、「給湯省エネ2024事業」については、指定された高効率給湯器を設置する「注文住宅の新築」、「新築分譲住宅の購入」、「買取再販物件の購入」(買取再販事業者が給湯器を交換して販売することを条件に既存住宅を購入した場合に限る)についても補助対象となる。

長期優良住宅またはZEH住宅の新築住宅については、「子育てエコホーム支援事業」の対象となる。ただし、子育て世帯・若者夫婦世帯の場合に限られる。補助上限額はそれぞれ次の通り。

長期優良住宅の場合:100万円/戸

※長期優良住宅とは、国が定めた「長期優良住宅認定制度」の基準を満たす住宅

ZEH住宅の場合:80万円/戸

※ZEH住宅とは、強化外皮基準かつ再エネを除く一次エネルギー消費量▲20%に適合する住宅
なお、住宅の新築が抑制される所定の区域に立地する場合は補助上限額が半減となる。

登録事業者が工事を行うなどの注意点がある

工事内容や部材・機器が補助対象となるか判断したり、求められる書類等をそろえて補助金の交付申請をしたりなど、専門的な知識が求められることもあって、補助事業ごとに事務局に登録した事業者が工事を行うことが条件となっており、登録事業者が補助金の申請手続きも行う。したがって、住宅の購入や工事の発注を行う前に、利用したい補助制度の登録事業者かどうか(または登録する予定かどうか)を確認することが大切だ。

また、対象期間などスケジュールについても注意が必要。2024年12月31日までが申請期間となっているが、補助事業ごとの予算枠に達すると申請受付が打ち切られる。2024年の「子育てエコホーム支援事業」では予算が増えているが、2023年の「こどもエコすまい支援事業」は申請受付が早期に終了した。どの補助事業も早期に予算枠に達する可能性がある点に留意したい。

補助金の交付申請は3月中下旬(具体的な日程は未定)からとなっているが、それより前に工事に着手した場合も対象となる。令和5年度補正予算が閣議決定した、2023年11月2日以降に着工した場合などが対象になるからだ。また、対象となる機器などが今後追加されることになっているので、最新情報を確認する必要もある。

政府は住宅の省エネ化に力を入れている。こうした制度を上手に活用して、省エネ性の高い住まいを手に入れてほしい。「もらえると思っていた補助金をもらえなかった」ということのないように、細かい条件までしっかり確認し、登録事業者と綿密に相談することがポイントだ。

●関連サイト
〇国土交通省報道発表「住宅省エネ2024キャンペーンはじまります!」
〇住宅の省エネリフォーム支援「住宅省エネ2024キャンペーン」のホームページ
〇「子育てエコホーム支援事業」のホームページ

ニューヨーク人情酒場 新章”職探し編”スタート! 働かざる者食うべからず! ブルピじじいからまさかの働き口紹介!

一見華やかな大都会、ニューヨークでの暮らし。しかし、生活にはお金がかかる!
生活を維持するために多くの移民が働く場所、それは飲食店。
単身やって来たニューヨークで飛び込んだ先は大衆酒場。愉快な同僚と寿司との出会い、そして別れ。
仕事って、生活って、幸せってなんだろう?そんなことを考えながら寿司を巻く日々のこと。

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NYレストランビジネスでの職探し

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さて、大好きだったお店はなくなってしまいましたが、それでも日々は回って行くので仕事を探さなくてはなりません。何があっても腹は減るし、自分で自分の面倒は見なくてはならない。
NYのレストランビジネスの求人方法は多種多様ですが、一般的な日本の就職活動みたいなかしこまった面接などはほぼ起こらないと思っていいと思います。逆にいうと自由度がすごく高いので、どんな人にもチャンスがある、という感じです。

NYのレストランビジネスで働く人というのは移民がメインで、なかには英語がほとんど話せない人もいます。そんな人にも必ず働き口が見つかるというのはNYならではな感じがありますが、同じ民族同士での助け合い精神のようなものは強く感じられます。
また、土地的に南米が近いこともあり、スペイン語ができると同僚との距離も一気に近くなります。新しいボスのルイスも第一言語がスペイン語。ペルー人やメキシコ人の同僚も多く、スペイン語を体得したくてレッスンも受講しましたが、これがめちゃくちゃ難しくて、私にはうまくいきませんでした。

次回以降、アメリカのおまかせレストランを紹介する記事を書きたいなと思っています。よろしくお願いします!

ヤマモトレミ

作者:ヤマモトレミ
89年生まれ。福岡県出身。2017年、勤めていた会社の転勤でニューヨークに移住。仕事の傍ら、趣味でインスタグラムを中心に漫画を描いて発表していたところ、思った以上に楽しくなってしまい、2021年に脱サラし本格的に漫画家としての活動を開始。2022年にアメリカで起業し個人事業主になりました。アメリカで食っていくために寿司をやっていくことを決意し、週4ブルックリンで寿司をつくっています。

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夕焼け小焼けエブリデイ

所在地:新宿区下落合
14万円 / 42.28平米
山手線「目白」駅 徒歩9分

レトロ、いや、もはやボロの域に達していると言っても過言ではないマンションの一室に、こんなかわいらしい部屋が潜んでいたとは!



ナチュラルな色味のフローリング、凹凸のある左官塗装の壁に加えて、木の天板のカウンターキッチンと、まるで海外のアパートメントのような雰囲気をかもし出す空間。 ... 続き>>>.
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ざっくりとラフリノベ

所在地:杉並区高井戸西
9万9,000円 / 30.13平米
井の頭線「富士見ヶ丘」駅 徒歩1分

使い込まれてアジがでた足場板を床に敷き詰め、天井は抜かれてコンクリートむき出しに。



ざっくりとラフにリノベーションされた空間は、やはり普通の住宅とはひと味違った雰囲気をかもし出しています。



数年前に一棟丸ごとリノベーションされ、外観から生まれ変わったこちらの建物。共用部はレト ... 続き>>>.
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心踊るパークサイド

所在地:世田谷区池尻
14万円 / 42.9平米
東急田園都市線「池尻大橋」駅 徒歩13分

目の前に緑がばーん!



都会のオアシス「世田谷公園」の最前列に位置するマンションの一室がリノベーションされ、素敵に生まれ変わりました。



木目の表情豊かな床材は、オークの無垢フローリング。キッチンとの間仕切りや廊下の壁はさわやかなセージグリーンの板張り。部屋から見える緑の景色との ... 続き>>>.
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注文住宅トレンド2024! 注目は、平屋・ヌック・タイパ・省エネ・ランドリールームなど7キーワード

ハウスメーカーや工務店、建築家とイチから自分好みの住まいをつくれる「注文住宅」。マンション・建売一戸建てより自由度が高く、住まいにこだわりたい人の「究極の家づくり」といっていいでしょう。また、注文住宅は間取りや設備をイチから設計できるため、時代の価値観や好み、トレンドを色濃く反映します。では今、これから注文住宅を建てたい人がおさえておくべきポイントとは? 住まい情報誌『SUUMO注文住宅』の編集長を務める服部保悠氏に話を聞きました。

建築費や資材費の上昇を受け、小さくても満足度の高い家をめざす

2023年にSUUMOリサーチセンターが発表した調査(2023年注文住宅動向・トレンド調査)によると、建築費は全国平均で3186万円、土地代2145万円で、ともに直近8年では最高値となっています。自由に選べる「究極の家づくり」ではありますが、予算を潤沢につぎ込めるという人は多くないはず。では2024年、価格はどのように動くのでしょうか。

「近年、建築価格、土地価格ともに右肩上がりが続いていましたが、ここにきて一服感はあります。ただ、2024年以降、人件費・資材費ともに残念ながら下がる要素はなく、横ばいが続くと思われます」と服部氏。このところ増えてきた「平屋」も、住みやすいという側面とともに、建築面積を抑えられることで、建築費が節約でき、増えてきました。こうした「コンパクトで住みやすい家」というのは、まだまだ増えていく兆しがあるそう。

(写真撮影/北島和将)

(写真撮影/北島和将)

■関連連載:平屋回帰

「注文住宅は無限の選択肢がある分、土地にかけるお金と建物の費用調整が肝心になるわけですが、土地価格も下落しないとなれば、建築費で調整するという考え方もあります。つくり方にもよりますが、比較的建築費も抑えられ、なおかつ暮らしやすい、そんな平屋はまだまだ支持を集めるのではないでしょうか」(服部氏)

また、建物の面積をコンパクトにした分、家具と設備を一体にする(家具化)、ミニマム化するというトレンドもあげています。
「家具を買い替えて流行を追い続けるのではなく、デザイン性の高い内装・設備に家具の機能も持たせるようになってきており、例えばキッチン設備も家具のようなデザイン性にすぐれたものが登場しています。床や室内ドア、収納を含め、トータルコーディネートで空間を広く見せるデザインが好まれており、印象的なのは男性・女性ともに北欧デザインが好きという人が多いこと。流行に左右されず、インテリアのスタイルとして定着したと思っています」(服部氏)

家づくりにも「タイパ」の波。規格住宅もトレンドに

もう一つ、無限に選択肢がある、言い換えれば決断コストが無限にかかる注文住宅の中で、『タイパ』という傾向がじわりと見てとれるといいます。

「注文住宅は依頼先からはじまって、土地、住宅ローンといった大きなことから、それこそ壁紙や取っ手ひとつまで、本当に決断の連続です。とはいえ時間も体力も限られている。そこで選択肢の一つとして考えたいのが『タイパ』にすぐれた規格住宅です。規格住宅とは、ハウスメーカーや工務店があらかじめ用意した間取り、内装、設備のなかから選ぶ建て方のこと。もちろん、オプションを加えたり、内装材を選んだりなど注文住宅ならではの自由度もあります。ハウスメーカーや工務店の構法やデザイン、考え方が好き・合うという人であれば、こんなにしっくりくる家の建て方はありません。比較検討する時間や手間が省けますし、金額面でもお手ごろ感があり、増えている印象です」(服部氏)

確かに、「自由に建てられるのが注文住宅の魅力じゃないのか」という考え方もできますが、自由すぎるとどうしていいかわからない、自分が選んでデザインや世界観を壊してしまったらイヤだという人もいることでしょう(筆者もそのタイプです)。そのためある程度、パッケージ化されていて、そこからカスタマイズしていくほうが早いというのは合理的です。

ケイアイスター不動産グループのIKI株式会社が販売する、規格型平屋注文住宅IKI。施主夫妻は、間取りはいくつか用意されていたパターンのうち3室が南に面した2LDK、壁紙の色は3タイプから白ベースのカラーを選んだ(写真撮影/片山貴博)

ケイアイスター不動産グループのIKI株式会社が販売する、規格型平屋注文住宅IKI。施主夫妻は、間取りはいくつか用意されていたパターンのうち3室が南に面した2LDK、壁紙の色は3タイプから白ベースのカラーを選んだ(写真撮影/片山貴博)

また、家づくりだからこそ、「失敗したくない」「失敗できない」というマインドも規格住宅に有利だといいなす。

「規格住宅といっても、ハウスメーカーや工務店が過去のデータを蓄積し、家事ラクの間取り、家族の団らんをつくる間取りなどといった、ノウハウを含めて提案しています。テイストも北欧風、カフェ風、インダストリアルデザインなど、各社さまざまなテイストがありますし、好みとマッチするのであれば賢い方法だと思います」(服部氏)

「無数にあるからこそ楽しい」と思うのか「規格があるからこそ選べる」と思うのか、人によって考え方は異なりますが、自分や家族にあった選択をしたいですよね。

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アフターコロナ、人気を集める間取りや設備は?

間取りや設備では、どのような流行があるのでしょうか。コロナ禍では、「エントランス入ってすぐの手洗いポーチ」「ワークスペース」などが好まれましたが、アフターコロナの今、家づくりではどのような間取りや設備が好まれているのでしょうか。

「玄関近くの手洗い、全館空調、非接触スイッチのような『おうち衛生』はブームを経て、定着しそうです。手洗いポーチは玄関近くにあると、子どもの手洗いの習慣づけにもなり、ゲストにも使ってもらいやすいという声をよく聞きます。今後、断熱等性能等級5、いわゆるZEH水準が義務化されることを考えても(※詳細は後述)、定番化していくのではないでしょうか」(服部氏)

玄関のすぐ近くに配した洗面台(写真撮影/片山貴博)

玄関のすぐ近くに配した洗面台(写真撮影/片山貴博)

玄関に入って右手側に洗面台が(写真撮影/片山貴博)

玄関に入って右手側に洗面台が(写真撮影/片山貴博)

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一方で、費用や面積が限られているなか、こんな傾向も。

「リビングとは別のくつろぎスペースを設けておく、ヌック(※)や窓際のベンチが増えている気がします。ベンチなので、日差しを浴びながらごろんと寝転んでもいいし、子どもと遊んでもいい。本を読んでもいいし、机があれば仕事スペースにもなる。リビングでソファーに座ってテレビを見る場所とは別に、こうした余白のあるスペースが好まれていますね」(服部氏)

※ヌックは小ぢんまりとした居心地のいい空間。リビング脇・片隅に設けられるケースが多い

(写真/明野設計室 一級建築士事務所)

(写真/明野設計室 一級建築士事務所)

(写真/明野設計室 一級建築士事務所)

(写真/明野設計室 一級建築士事務所)

もう一つ、今らしい家づくりの特徴として、「バルコニーをつくらない家」があるといいます。

「共働きのため、日中外に干せない代わりに、夜洗濯をして室内で干す人が増えています。室内は全館空調にしていれば窓はあけなくても空気はキレイ。だとすれば室内干しスペースを確保して、逆にバルコニーはいらないという考え方で、その分、建築コストを下げようという発想です。こちらも今後、一定の支持を集めるのではないでしょうか」と分析します。

洗濯や乾燥は、ドラム式洗濯乾燥機を使う、ガス乾燥機を入れる、サンルームや室内干しスペースをつくるなど、さまざまなやり方があります。自分たちのライフスタイルに合わせて間取りを最適化していくのであれば、いままでの当たり前にとらわれず、バルコニーナシ間取りも自然な結論ですよね。これは注文住宅ならではの良さといえるでしょう。

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建材、設備でも環境性能は欠かせない指標に

新築マンション、賃貸住宅ともに「環境への配慮」という点があがっていましたが、注文住宅も同様です。

「2024年4月からは『省エネ性能表示制度』がスタートし、2025年から『断熱等性能(外皮性能)等級4以上』かつ『一次エネルギー消費量等級4以上』への適合が必要になります。また、2030年を予定していた新築住宅のZEH基準の水準並み義務化(断熱等性能 等級5)についても、地球温暖化の急激な進行から前倒しされる可能性も出てきています。今後、そういった性能の高い住宅が世の中の平均となる中、義務化水準だけを守った家を建てるのでは、みすみす自分の家の市場価値を下げていくことにもつながります。ハウスメーカーによってはZEHが標準であるなど、ほぼこの性能を満たしていますし、それ以上の住宅も登場しています。設備でいえば、断熱性能にすぐれた窓、エコキュート、節水節電トイレ、断熱浴槽、太陽光発電システムなどは、導入時にコストがかかりますが、補助金やランニングコストで回収しやすくなっています。提案するハウスメーカーや工務店も、『この設備を入れるとこの期間で回収できる想定です』と説明し、納得して導入されているようですね」と服部氏。

断熱性にすぐれた樹脂サッシ(写真提供/LIXIL)

断熱性にすぐれた樹脂サッシ(写真提供/LIXIL)

大開口でも断熱性を高めたハイブリッド窓(写真提供/LIXIL)

大開口でも断熱性を高めたハイブリッド窓(写真提供/LIXIL)

確かにコストとベネフィットが明確になり、回収期間がわかれば導入を検討しやすいことでしょう。また、環境に配慮した点では、廃プラスチックから生み出された外装材、バイオエタノール暖炉、国産の木材をつかった建材など、さまざまな取り組みがなされていて、注目を集めています。

再資源化が困難だった廃プラスチックと廃木材を活用した「レビアペイブ」。木彫のような自然な仕上がり(写真提供/LIXIL)

再資源化が困難だった廃プラスチックと廃木材を活用した「レビアペイブ」。木彫のような自然な仕上がり(写真提供/LIXIL)

(写真提供/LIXIL)

(写真提供/LIXIL)

「住宅設備メーカー含めて、省エネ技術の開発は活発に行われていますし、新しい建材、設備が次々と登場しています。もちろん、建設コストとの兼ね合いになるので、いきなり普及する、ビッグヒットになるとは思いませんが、潮流として確実にサステナブルな家づくりというのはあると思います」(服部氏)

コロナ禍を経て、家で過ごす時間への関心が高まっている今。家づくりは時間、お金、体力のすべてが必要ですが、その分、自分たち家族にあった空間が手に入るのであれば効果は抜群です。家に暮らしをあわせるのではなく、自分たちの暮らしに合わせた家づくり。やはり人生に一度でいいからやってみたいですし、やる価値はありそう!ですね。

●取材協力
住まい情報誌『SUUMO注文住宅』編集長
服部保悠氏
『SUUMO注文住宅』

浮かび上がる、最上階

所在地:杉並区方南
23万円 / 83.84平米
京王線「代田橋」駅 徒歩8分

端正なコンクリートの外観が眩しいデザイナーマンション。最上階の特別感を楽しめる部屋のご紹介。



広さ20畳のゆったりとしたリビング。ゆるやかにアーチを描く天井に、グレーのフローリングが珍しい組み合わせ。モダンながらも、どこか安心感のある独特な空気が漂います。



リビングの南北には ... 続き>>>.
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