
15万6,000円 / 51.3平米
丸ノ内線「新高円寺」駅 徒歩6分
植栽にぐるりと囲まれた、まるで要塞のような重厚感のある建物。エントランスを抜けると待っているのは、緑と水の中庭。室内に入る前から期待感が高まります。
約2.6mの天井の高さとフローリングの質感がコンクリートの重さを感じさせず、デザイン性の高さが感じられる部屋。西側の窓から入る日 ... 続き>>>.
圧倒的に不動産情報が多いですが。。。。
厳しい寒さが続くこのごろ。『SUUMOジャーナル』で12月に公開した記事では、「賃貸住宅に革命起こした『青豆ハウス』、9年でどう育った? 居室を街に開く決断した大家さん・住民たちの想い」「サラリーマン30代コンビ『週末縄文人』、石斧や土器から竪穴住居まで手づくり。文明ゼロからスタート、人気YouTuberの縄文ぐらしに密着」などが人気TOP10に入りました。見どころをご紹介します。
12月の人気記事ランキングTOP10はこちら!第1位: 賃貸住宅に革命起こした「青豆ハウス」、9年でどう育った? 居室を街に開く決断した大家さん・住民たちの想い 東京都練馬区
第2位: サラリーマン30代コンビ「週末縄文人」、石斧や土器から竪穴住居まで手づくり。文明ゼロからスタート、人気YouTuberの縄文ぐらしに密着
第3位: 築36年賃貸が大人気の理由は”大家さん”?! マンガ1000冊読み放題(定期入替)やコーヒー無料などホスピタリティ満載「百合ヶ丘池上マンション」神奈川県川崎市
第4位: 地元企業の共同出資で生まれた絶景の宿「URASHIMA VILLAGE」。地域の企業が暮らしのインフラを支える時代が始まっている 香川県三豊市
第5位: 「高齢者が賃貸を借りづらい問題」に解決策はあるか? R65代表取締役に聞いた!
第6位: 転出超過つづきの危機から一転、転入者が10倍以上に!「おしゃれ田舎プロジェクト」の勢い、長野県小諸市が移住者から熱視線
第7位: 【JR中央線】家賃相場が安い駅ランキング2023年(東京-高尾32駅)。TOP3は多摩地域でALL5万円台!
第8位: 最大の不安は「物価高」。節約志向が高まるなかでも持ち家派が多数。住宅ローンの不安を軽減する方法を紹介
第9位: 賃貸住宅トレンド2024は個性強め! 注目4キーワードは趣味特化・店舗兼用・省エネ性能・デジタル化
第10位: 高騰続く新築マンション、2024年は買いやすくなる? 価格・金利上昇から見る買い時や注目の「省エネ性能」を解説
※対象記事とランキング集計2023年12月1~31日に公開された記事のうち、PV数の多い順
第1位: 賃貸住宅に革命起こした「青豆ハウス」、9年でどう育った? 居室を街に開く決断した大家さん・住民たちの想い 東京都練馬区
(画像提供/青豆ハウス)
「青豆ハウス」は、東京都練馬区にある賃貸住宅。”育つ賃貸住宅”というコンセプトを掲げ、2014年から住む人、集う人々がコミュニティを育んできました。9年の間には、設立時からいた住民の卒業も経験。その部屋は「欠番の部屋」とし、1階は “まちのキオスク”として地域に開き、2階は住民たちのもうひとつの部屋として活用することにしました。そして現在、「青豆ハウス」はどう育っているのでしょうか? 大家の青木純さんに、9年間を振り返ってもらいました。
第2位: サラリーマン30代コンビ「週末縄文人」、石斧や土器から竪穴住居まで手づくり。文明ゼロからスタート、人気YouTuberの縄文ぐらしに密着
(写真撮影/嶋崎征弘)
チャンネル登録者数14万人超の人気YouTuber「週末縄文人」。30代のサラリーマン二人組「縄(じょう)さん」と「文(もん)」さんは、週末に現代文明を離れ、縄文時代の生活を再現する活動をしています。なんと、石斧や土器、竪穴住居もイチから手づくり! 二人には、高度なテクノロジーに支えられた現代の住まいや暮らしはどのように見えているのでしょうか。縄文生活は、現代の生き方にも変化をもたらしたのでしょうか。山の中の活動拠点にお邪魔して話をうかがってきました。
第3位: 築36年賃貸が大人気の理由は”大家さん”?! マンガ1000冊読み放題(定期入替)やコーヒー無料などホスピタリティ満載「百合ヶ丘池上マンション」神奈川県川崎市
(写真撮影/片山貴博)
築36年の賃貸物件「百合ヶ丘池上マンション」は、周辺エリアの家賃相場より高いというのにほぼ満室、空室が出てもすぐ埋まってしまう人気物件。その秘密は、大家さんのユニークなアプローチ!住人が利用できるシェアルーム「サードプレイス102」にはマンガ1000冊(しかも中身は3カ月ごとに入れ替えされるサブスク制)の読み放題や無料コーヒーなどのサービスがあり、住民の生活を豊かにする工夫がいっぱい! しかも大家さんはYouTuberとしても活躍中。「こんな物件に住んでみたい!」という気持ちがかき立てられます。
第4位: 地元企業の共同出資で生まれた絶景の宿「URASHIMA VILLAGE」。地域の企業が暮らしのインフラを支える時代が始まっている 香川県三豊市
(撮影/Fizm藤岡優)
雲や夕焼けが映り込む“天空の鏡“と呼ばれる光景がInstagramで話題になり、年間50万人が訪れるようになった香川県三豊市の父母ヶ浜。 そんな父母ヶ浜に2021年1月、一棟貸しの宿「URASHIMA VILLAGE」がオープンしました。地元の民間企業11社による共同出資の仕組みは、今や三豊市の交通や教育、不動産などのベーシックインフラ整備にまで広がっています。飲み会から始まったという、この「URASHIMA VILLAGE」構想の仕組みとは? 事務局の瀬戸内ワークス・原田佳南子さんと、地域プロデューサーの古田秘馬さんにお話をうかがいました。
第5位: 「高齢者が賃貸を借りづらい問題」に解決策はあるか? R65代表取締役に聞いた!
(筆者撮影)
近年、報道もされている「65歳以上の高齢者は賃貸住宅を借りづらい」という問題。65歳以上の部屋探しを支援する「R65不動産」では、高齢者が入居できる物件を紹介するとともに、高齢者の賃貸入居を難しくする課題を解消する取り組みを積極的に行っています。高齢者の部屋探しには、どんな課題があるのか。その解決策は?実態について、代表取締役の山本遼さんに話を聞きました。
第6位: 転出超過つづきの危機から一転、転入者が10倍以上に!「おしゃれ田舎プロジェクト」の勢い、長野県小諸市が移住者から熱視線
(写真撮影/窪田真一)
長野県東部に位置する小諸(こもろ)市は、3年連続で転入者が転出者を上回ったことで注目を集めています。2021年には16人増、2022年は一気に169人増、2023年は7月末時点で187人増という人気ぶり。なんとその理由のひとつには、「まち歩きが楽しくなってきたから」という理由が挙げられるといいます。かつては年間100人を超える転出者が出ていたという小諸市を変えたのは、その名も「おしゃれ田舎プロジェクト」。若い人たちが出かけたくなる街づくりとは? プロジェクトの仕掛人で、小諸市役所で働く高野慎吾さんにお話をうかがいました。
第7位: 【JR中央線】家賃相場が安い駅ランキング2023年(東京-高尾32駅)。TOP3は多摩地域でALL5万円台!
(写真/PIXTA)
東京を代表する路線の一つ、JR中央線。今回は、中央線内で東京都内に位置する駅の家賃相場を調査しました。東京駅から高尾駅の全32駅は、千代田区から八王子市まで、約53kmの沿線に点在しています。東京都、といってもその住環境はさまざま。もちろん家賃相場にも大きな違いが――? なんと、1位(最も家賃相場が安い駅)と32位(最も家賃相場が高い駅)には倍以上! さて、最も家賃が安い駅はどの駅でしょうか。
第8位: 最大の不安は「物価高」。節約志向が高まるなかでも持ち家派が多数。住宅ローンの不安を軽減する方法を紹介
(写真/PIXTA)
今回の記事では、カーディフ生命が2000人を対象に実施した「第5回 生活価値観・住まいに関する意識調査」を取り上げました。調査結果によると、対象者が現在最も不安に思っているのは「物価高」。しかし物価高による節約志向が進む中で、「家を買う派」は67.1%と依然、多数派に。住宅購入に対する憧れは健在のようです。この不安を軽減するための方法として、無理のない返済計画の立て方や、保険によるリスク軽減なども紹介。ぜひ一読して、将来の生活設計の参考にしてみてください。
第9位: 賃貸住宅トレンド2024は個性強め! 注目4キーワードは趣味特化・店舗兼用・省エネ性能・デジタル化
(写真撮影/片山貴博)
賃貸といえばどれも似たような間取りで無個性――。そんな思い込みを裏切る個性的な賃貸物件が日本各地で少しずつ増えています。お店をひらけたり、相撲部屋付きだったり、農園付きの物件も!? 次に賃貸物件にやってくる新しい風とは? SUUMO副編集長でSUUMOリサーチセンター研究員でもある笠松美香氏によると、2024年の賃貸住宅トレンドは「コンセプト賃貸」「趣味特化型賃貸」「省エネ性能の強化」および「デジタル化」の4つが注目されているといいます。さっそく内容をチェックしてみましょう。
第10位: 高騰続く新築マンション、2024年は買いやすくなる? 価格・金利上昇から見る買い時や注目の「省エネ性能」を解説
ブリリア聖蹟桜ヶ丘ブルーミングテラス(写真提供/東京建物、東栄住宅)
「新築マンション」と検索すると「高騰」「億ション」など、景気の良い検索キーワードが表示される昨今。都市部では、新築マンションの価格は高騰を続けています。とはいえ、多くの世帯で収入が価格上昇に追いついていないのもたしか。このまま新築マンションは高嶺の花に――? 2024年の新築マンション市場はどのように動くのか。『SUUMO』編集長・SUUMOリサーチセンター長の池本洋一氏に、市場動向と買うべきときに見ておいてほしいポイントなど、最新事情を取材しました。
12月の人気記事ランキングでは、新しい賃貸住宅の形や不動産市場の動向を調査した記事などのランクインが目立ちました。まだまだ寒い日が続きますが、今年も住まいに関する新しい取り組みや、市場動向などを取り上げていきたいと思います。本年もよろしくお願い致します。
2025年から断熱等級4以上が義務化されるのは“新築”の住宅。「既に建てたわが家は関係ないし、今さら断熱リフォームするのはお金がかかる。暑さ寒さも今までどおり我慢すれば……」と思わずに、部分的でも断熱リフォームしませんか。人生100年時代といわれるように、思いのほか先は長い。それにひと部屋だけのプチ断熱でも、光熱費の削減はもちろん、生活習慣病をはじめ、さまざまな病気からあなたや家族を守ってくれるのですから。
断熱住宅にすれば老若男女を問わず健康になれる!?家族みんなが過ごすことの多い21.8畳のLDKを断熱リフォームした事例。暮らしやすい間取りになったのに合わせて、健康的な暮らしも手に入れることに(写真提供/スペースマイン)
「断熱住宅は省エネだけでなく、健康に資する」ことが、最近になって次々とわかってきました。それも高齢者のヒートショックを防ぐだけではありません。子どもたちも働き盛りの男性も女性も、「暖かい家」は老若男女を問わず私たちの健康にたくさんのメリットがあることが判明してきているのです。
詳しくは「室温18度未満で健康寿命が縮む!? 脳卒中や心臓病につながるリスクは子どもや大人にも。家の断熱がマストな理由は省エネだけじゃなかった」をご覧いただきたいのですが、かいつまんでお話しすると、“暖かい家”には例えば下記のような健康メリットがあります。
・高血圧症のリスクを抑える
・脂質異常症の発症を抑制する
※脂質異常症とはいわゆる悪玉コレステロールや中性脂肪などの血中濃度が異常な状態
・夜間頻尿を抑える
・住宅内でのつまずきを減らす
・子どもの風邪や病欠が減る
・女性の月経前症候群(PMS)が減る
・女性の月経痛が減る
・在宅ワークの効率が上がる
・断熱改修するだけで血圧を約3mmHg下げられる
伊香賀先生たちによる調査データより。断熱改修する前と後で、居住者の血圧が平均で3.1mmHg低下しました(出典:慶應義塾大学 理工学部 教授 伊香賀 俊治さんの資料より、JSH2014(日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2014)
「高血圧症のリスクを抑える」について、少しだけ説明すると、住宅に断熱改修をするだけで血圧が平均で3.1mmHg低下することがわかりました。これは住宅と健康の関係についての第一人者である慶應義塾大学教授の伊香賀俊治(いかが・としはる)先生をはじめ、建築と医療の研究者80名のチームによる調査と研究の成果です。
慶應義塾大学 理工学部 教授、日本建築学会 前副会長 伊香賀 俊治先生(写真提供/伊香賀先生)
「厚生労働省は国民の健康のために血圧を4mmHg下げる数値目標(健康日本21(第二次))を掲げていますが、食事の工夫や運動といった生活習慣を改めなくても、住宅の断熱改修だけで目標の約8割を達成できることになります」(伊香賀先生)
このように、“住宅の断熱性能”は “健康”と密接な関係があると判明してきたのです。
これまで日本では「住宅」と「健康」の関係について、あまり注目されることがありませんでした。しかしWHO(世界保健機関)は6年前の2018年11月、「住宅と健康に関するガイドライン」の中で「冬は室温18度以上にすること」を各国に強く勧告。「冬の室温が18度以上あると、呼吸器系や心血管疾患の罹患・死亡リスクを低減する」とし、特に子どもや高齢者には「もっと暖かい環境を提供するように」と言葉が添えられています。
出典:WHOウェブサイト 2018.11.23公表
断熱性が高い家でもそうでない家でもエアコンの温度設定が同じならば、室内環境も同じでは?と思うかもしれません。しかし、断熱性の低い家では、常に壁面や床面など外と接している部分から冷気が伝わり、ムラがあるため温度が一定で快適な環境はつくれないのです。そんな暖かい家にするために、住宅の断熱性能の向上が欠かせません。とはいっても、住宅の断熱リフォームにはそれなりの費用がかかります。特に古い住宅だと、断熱に加えて耐震補強も必要な場合が多く、費用が膨らんでしまいがちです。そこでオススメしたいのが、住宅の一部だけでもいいので断熱する「部分断熱」という方法です。
例えば子育てを終えた二人暮らしなら、ほとんど使わなくなった2階を省き、普段よく過ごす1階部分だけ断熱をするといった「生活の中心エリアに絞って断熱する」というやり方です。もちろん理想は住宅全体の断熱リフォームですが、健康のことを考えると、費用面で諦めて何もしないよりは「部分的にでも断熱して、そこで生活するようにしたほうがよいでしょう」と伊香賀先生も言います。
「部分断熱」を行って夏も冬も快適に、光熱費も削減できたでは、実際に「部分断熱」を実践した人は、どのように感じているのでしょうか。奈良県で部分断熱と耐震補強工事を行ったAさんに話を伺いました。
・築38年の日本家屋をリフォーム
色のついた部分が今回のリフォーム個所。耐震性能は耐震等級2まで高められました
・部分的な断熱リフォームでも健康的に暮らしやすくなる
Aさん宅の場合、外壁の土壁をそのまま残すことにしたので、その内側に断熱材を入れました。その分、工事前より室内が少し狭くなっています(写真提供/スペースマイン)
(写真提供/スペースマイン)
夫の実家である築38年という日本家屋をリフォームしたAさん。夫の母とAさん夫妻、それに2人の子どもの5人で暮らしています。
「子どもが成長したのを機に、リフォームをすることにしました。義父が亡くなる前に『この家は耐震性が心配だ』と言っていましたから、まず耐震性をどうしても高めたいと思いました。また、外壁が土壁の古い日本家屋ですから、冬は外の冷気が入ってきて、とても寒かったんです。しかも、床がとても冷たくなるほど家の中が冷えるのに、2階の寝室にはエアコンもないし……」とAさん。
・窓には樹脂製サッシの高断熱窓を内窓として設置
断熱材を入れたこともあり、厚くなった壁を利用して樹脂サッシの高断熱窓を内窓に設置(写真提供/スペースマイン)
しかし、耐震工事に加えて断熱工事や間取り変更を行うと、どうしても予算をオーバーしてしまいます。また約10年前に浴室やトイレなどをリフォームしたばかりだったので、フルリフォームするのは少し抵抗感もありました。そこで施工を担当した「スペースマイン」の矢島一(やじま・はじめ)さんは「建物全体の耐震工事をした上で、普段よく過ごす部屋だけでも断熱工事することを提案しました」
断熱工事を行う場所は、家族が一緒に過ごす21.8畳という広いLDKと、2階の寝室4つに限定。土壁を解体して外壁を新設すると費用がかかるので、矢島さんは土壁を残し、該当部分の内側に厚い断熱材を入れて、窓は樹脂サッシの高断熱窓に入れ替えました。
このように部分的な断熱リフォームした新しい“わが家”の住み心地について、「もちろん夏は涼しく、冬は暖かくなりました。それはエアコンの使い方でも明らかです」とAさん。
「21.8畳のLDKは、もともと洋室と広いキッチンに分かれていて、それぞれに10畳用のエアコンが設置されていました。今回LDKとして1つの空間にまとめた際に、この2台のエアコンは備えたままにしたのですが、結局リフォーム後に使っているのは1台だけです」。これまで約20畳の空間を温めるには10畳用のエアコンが2台必要でしたが、断熱性を高めたら1台で済むようになったというわけです。
BEFORE→AFTER(写真提供/スペースマイン)
しかも、今回のリフォームに合わせて太陽光発電システムと蓄電池を備えたこともあり「電気代が以前より大きく減ったのは当然ですが、昨年の夏はあれだけ暑かったのに、太陽光発電だけで家じゅうのほぼすべての電気をまかなえました」。部分的に断熱リフォームするだけでも、光熱費の削減になるという証左です。家をコンパクトに建て替えなかったことで、屋根面積を広く保てたことも、太陽光発電のメリットをたっぷり受けられることにつながりました。
Aさんの施工例からも「部分断熱」でも快適に暮らすことができ、光熱費の削減につながることがわかります。もちろん、WHOが勧告している「室温18度以上」も、普段過ごしている部屋では容易に達成できる、つまり健康的な暮らしを送れることになります。
「部分断熱」の場合、ヒートショック対策が欠かせない一方で「部分断熱」となると、ヒートショック対策が心配だという人もいるでしょう。ヒートショックとは、温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することによって、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす健康被害のこと。特に断熱性能の低い住宅では、冬に暖かいリビングを出て、寒い脱衣場を経由してから、熱いお風呂に入るのでリスクが高まります。住宅をまるごと断熱リフォームすれば、部屋や廊下等の温度差が少なくなりますが、それら日常行き来するスペースが動線的に離れている場合、「部分断熱」では住宅内の温度差が解消されないため、ヒートショックの危険性は消えません。
(写真/PIXTA)
そこで矢島さんは「特に衣服を脱ぐ脱衣場などには人感センサー付きの電気ストーブの設置をオススメしています。また暖かい部屋から廊下に出る時は、1枚羽織れるように、ドアの外に衣類を掛けられるようにしておくと便利です」
つまり、部分断熱をするなら、ヒートショックのリスクを十分理解した上で暮らしたほうが良いということ。その上で、予算ができたらさらに追加の断熱リフォームを、できれば住宅をまるごと行うようにすることが理想的です。
単に寿命を延ばすのではなく、断熱住宅で健康的な長寿を目指そう気になる費用ですが、矢島さんの会社の場合、「部分断熱」をする場合の目安として「10畳の広さで150万~200万円」と説明しているそうです。
「また、断熱工事には補助金制度があるので、それも有効に使うようにするといいでしょう。今なら国土交通省と地方自治体とで費用の最大8割・70万円まで補助する制度が利用できます」(矢島さん)
それでも「老い先が短いから」と躊躇する高齢者もいるかもしれません。しかし、先述したように、人生は意外と長いもの。人生100年時代だからといって、皆が皆100歳まで元気でいられるとは言いませんが、日本人の平均寿命は明治時代の40歳台からほぼ2倍の80歳台に延びています。
・断熱住宅は健康寿命を延ばす
伊香賀先生たちによる調査データより。冬の居室の平均室温が14.7度の「寒冷住まい群」に比べて、同17.0度の「温暖住まい群」の高齢者の要介護認定になる年齢は、約3歳後ろ倒しになることがわかりました(出典:中島侑江、伊香賀俊治ほか:地域在住高齢者の要介護認定年齢と冬季住宅内温熱環境の多変量解析 冬季の住宅内温熱環境が要介護状態に及ぼす影響の実態調査 その2. 日本建築学会環境系論文集 84(763), p.795-803, 2019.)
さらに、伊香賀先生たちの調査研究によって、断熱住宅にすると介護が必要になる年齢が遅くなる、つまり健康寿命が延びるという結果も出ています(上記グラフ)。健康寿命が延びれば、もちろん子どもにとっても負担が減ります。もしも読者が両親の暮らす実家等の断熱リフォームを勧めても、「老い先が……」と遠慮するようであれば、「部分断熱」だけでも行うように勧める、あるいは費用を負担してあげてはいかがでしょうか。
●取材協力
スペースマイン
慶應義塾大学 理工学部 教授 伊香賀 俊治さん