
11万円(税込) / 32.94平米
有楽町線「新富町」駅 徒歩1分
これまでオフィス兼撮影スタジオとして利用されてきた空間。
こてこてに作り込んだスタジオではなく、天井を抜いて、床はPタイルの上にフロアタイルを置き、壁はクロス仕上げ。元オフィス仕様をラフに改装した状態です。この状態をそのまま、まるっと引き継いでくれる方を募集します。
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圧倒的に不動産情報が多いですが。。。。
熊本県山鹿市にある住宅メーカーLib Work(リブワーク)が、土を主原料とする3Dプリンター住宅のモデルハウスの第1号「Lib Earth House “modelA”」を2024年1月に完成させた。今まで日本で開発されてきた3Dプリンター住宅はコンクリート造のみで、土を原材料とした3Dプリンターの家は国内初となる。2025年には100平米の平屋での一般販売も予定しており、ゆくゆくは火星住宅建築プロジェクトを目指しているのだとか。実物を体感しに、同社の「Lib Work Lab(リブワークラボ)」を訪れた。
国内初、土が主原料の3Dプリンターの家が誕生3Dプリンターモデルハウス 「Lib Earth House “modelA”」の広さは約15平米。斜め格子の模様の入った壁は、上にいくほど模様が薄くなっている。3Dプリンターでデータをコントロールしながら出力することで実現した(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
住宅メーカーLib Work(リブワーク)は、熊本県山鹿市に本社を置き、一戸建ての企画・施工・販売を中心に行っており、福岡・佐賀・大分・千葉・神奈川などでも事業を展開している。住宅の資材調達から完成までに排出される温室効果ガスの量をCO2として数値化し、住戸ごとに可視化する「カーボンフリット」の導入や、断熱材に新聞紙を再利用したセルロースファイバーを標準採用していたり、国産木材の使用比率を98%まで高めるなど、SDGsに対する取り組みも積極的に行っている企業だ。「3Dプリンター住宅の開発もその一環」と代表取締役社長の瀬口 力(せぐち・ちから)さんは話す。
「昔と比べて住宅は性能が上がってきていますが、僕らが子どものころに夢見たような“21世紀の家”というと、なかなか登場しない。そんななか、3Dプリンターを使った家づくりは、住宅業界にイノベーションを起こすものです。住宅業界では今までもCGやVRといったデジタルの活用はされてきましたが、家そのものをつくるということにはデジタル化ができていませんでした。2年前から計画し、今回ようやく完成した約15平米の3Dプリンター住宅のモデルハウスは、建築DXへの小さな一歩です」
3Dプリンターの家の特徴といえば、まずは自由な造形だ。今回のモデルハウスも、人間の手ではつくれない斜め格子の模様の入った円形フォルム。
工期の短縮ができるのもポイントで、今回の土壁は約2週間で完成。ただし、3Dプリンターを24時間フル稼働させれば施工時間は合計72時間で完成するとのことだ。
ほかにも、3Dプリンターが建築を自動で行うため、人件費が少なくてすむというメリットもある。
「ここ熊本においては、熊本地震後の対応と、コロナ禍に一戸建て需要が急増し、大工さんなどの職人不足が深刻でした。今はいったん落ち着いてはいますが、長期的にみると、職人さんの高齢化もあり、10年、20年後には3分の1にまで減ってしまうでしょう。にもかかわらず、有効な施策が出ていない状況です。そのなかで、3Dプリンターは一つの重要な役割になってくるのではないかと期待しています」
今回使用したのは海外製のプリンターで、型枠を使わずに立体成形ができるタイプのもの(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
3Dプリンター出力するための工場(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
主原料の土は日本では昔から親しまれてきた材料で、吸湿性にも優れる。高温多湿な日本の気候風土にもぴったり。写真は3Dプリンターでテスト出力したものを1日乾かしたもの。すでにガチガチに固まっていた(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
そして何より特筆すべきなのは、自然由来の素材を中心に使用していること。今まで国内で登場してきた3Dプリンターの家は、すべてがコンクリートやモルタルを中心に使っているなか、国内初の試みだ。土70%、もみがら、藁、石灰などその他の自然素材と一部セメント(※)を配合し、3Dプリンターで壁を出力している。
※セメントは粘土や石灰岩を粉末にし、水や液剤を混ぜて硬化させたもの。セメントに水と砂を加えるとモルタルになり、さらに砂利を混ぜるとコンクリートになる。
「強度を出すために若干セメントを使用していますが、さらに環境にやさしい再生セメントへの代替を検討しています。ゆくゆくは限りなく比率をゼロに近づけられるよう減らしていきたい」と瀬口さん(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
なぜ土を主原料にすることにこだわるのか。
その背景には、環境への配慮と、持続可能性を追求したいという思いがある。自然由来の資源なので従来の建築に比べて二酸化炭素の排出量を大幅に抑えることができ、再利用可能なので廃棄物も最小限に抑えることができる等のメリットがあるが、耐震性・耐久性については「正直なところ、現在も試行錯誤を続けている」とのこと。
「主原料をコンクリートやモルタルにすれば、耐震性・耐久性は担保しやすい。それでも、今まで住宅業界で建築時や解体時の二酸化炭素の排出が課題になってきたなか、脱炭素社会を目指す今後の家づくりでそこを追求しないのは本末転倒。3Dプリンター住宅への挑戦の意味はそこにもある。今回、世界中をまわって見つけた方法を採用しています」
今回のプロジェクトは、ロンドンに本社を構え、設計者、アドバイザー、専門家を有し、世界140カ国で持続可能な開発プロジェクトに携わってきたエンジニアリング・コンサルティング会社Arup(アラップ)と協力して行っている。3Dプリンター住宅の開発はヨーロッパが先進だが、今回のプロジェクトにあたっては同社とともに、現地視察や研究を進めてきた。
ちなみに自然素材を活用した3Dプリンターの家といえば、2019年にSUUMOジャーナルでも紹介した、イタリアで3Dプリンターの開発販売を手掛ける企業WASP社による、通称ライス・ハウス(米の家)「GAIA」がある。建築現場で手配できる土などの原料は、加工費や運搬費がかからず、紹介当時で材料費はたったの900ユーロ(約10万円)だった。
「Lib Earth House “modelA”」も同様のメリットが想定される。価格については、現状では上記の耐久性・耐震性の経過観察の問題から「現状では価格設定が行えない」段階とのことだが、日本の住宅業界がどう変わっていくのか楽しみになる話だ。
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コスト、工期、環境配慮などの面においてメリットがあることは理解した。そこで気になるのは住み心地。耐震性・耐久性に課題はあるとしつつ、2025年には一般発売もされるとのことで、今後はどうなっていくのだろうか。
「現段階では、正直なところ、パーフェクトとは言えない。耐震性・耐久性、耐水性、断熱性については 、今後時間をかけてこのモデルハウスでモニタリングを行っていきます」(瀬口さん)
建築確認申請が必要なエリア外で建築したため申請は行っていないが、「建築基準法の条件はクリアしている」とのこと。基礎部分は従来の住宅と同様に行っている(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
「耐震性能は等級3(最も高い耐震性能)が目標ですが、まずは1(※)を取得します。シミュレーション上は耐震性能に問題がなく、今回のモデルハウスは建築確認が不要エリアで確認は行っていませんが、今後は他のエリア進出にあたってクリアにしていかなければならないところです。壁くずれや耐水性についても何度もシミュレーションを行い、すべて問題ないという判断をしていますが、まだ他の季節を経験していませんから、季節の寒暖差などによる変化などはきちんと見ていきたいです」
※耐震等級:建物の地震に対する強さの評価基準は耐震等級1~3の3段階あり、等級1は数百年に一度程度の地震(震度6強から7程度)に対しても倒壊や崩壊しないとされているが、倒壊の可能性はゼロではない
屋根の施工中の様子。現時点では屋根はシート防水(樹脂製)を施しているが、今後は屋根も3Dプリンターで出力することを検討している。屋根上に太陽光パネルを載せる計画もある(写真提供/Lib Work)
壁の表面にはヒビ割れがあったが、「強度には問題がない」とのこと。今後は塗装などで対応を検討していく(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
3Dプリンターで出力した土壁のほかに、ドア部分や柱などに木材(集成材による門型フレーム)を使用。ここにも自然素材にこだわり、住み心地のよさを追求している(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
組み立て図(画像提供/Lib Work)
窓には断熱性が高いとされる木製サッシを使用(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
玄関ドアは顔認証で管理(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
断熱については、壁の間に3Dプリンターでの出力時に空洞をつくり、そこに2種類の断熱材をそれぞれ入れた箇所と、あえて空洞のままにした箇所をつくり、季節ごとの室内温度のモニタリングを行う。1種類は住宅の断熱材としておなじみの、新聞紙などを主原料にしたセルロースファイバー。もう1種類は自然素材であるもみがらだ。
取材当日の気温14度(曇り)と少しだけ肌寒いくらいだったが、「実験段階」とは言いつつ、暖房なしでも入った瞬間に明らかに暖かさを感じた(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
断熱材は、3Dプリンター印刷時につくった空洞部分に入る(写真提供/Lib Work)
2025年には100平米の一般住宅を販売予定。ゆくゆくは宇宙進出も!2024年内にはLDK・トイレ・バス・居室などを設けた広さ100平米の3Dプリンターモデルハウス(平屋)を完成させ、2025年には一般販売を目指している。今回完成したモデルハウス同様の15平米のものも一般発売を予定していて、グランピング施設やサウナ施設などに使うことを想定しているという。
ハウスメーカーや工務店とフランチャイズでの全国展開も視野に入れているといい、共同で地域ごとの土の違いや、地域特有の気候を考慮した研究も進めていきたいとのこと。
「今回のモデルハウスでは、実験検証がしやすい淡路島産のものを使用していますが、今後はその地域ごとの土にあわせて素材を開発していくのが目標です」(瀬口さん)
そして、最終的には「3Dプリンターによる火星住宅建築プロジェクト」を目標に掲げている。
「火星現場にある素材を使うことで、地球からの資源の運搬を最小限にとどめられるため、大幅なコスト削減を見込めます。また、プログラミングされたロボットによる施工もでき、短期間での施工も期待できます。なにより、宇宙規模でサステナブルな開発が進められるのがメリットです」と意気込む。
「3Dプリンターによる火星住宅建築プロジェクト」イメージ(写真提供/Lib Work)
3Dプリンター住宅の一般向け発売については、日本国内でも数年以内に実現されるだろうとすでに話題になっている。そのなかで、自然素材を使ったもの、さらに100平米は前代未聞。まだ経過観察段階ではあるが、日本でも昔からなじみのある土壁による住宅が、高い耐震性と断熱性能をもって未来の家として登場するのであれば、とても感慨深い。
また、今回は工場で出力したものを建築現場で組み立てる工法を採用しているが、技術的には3Dプリンターの機器を現地に持ち込み、現地調達できる自然の材料で家が建てられる点も見逃せない点だ。災害時に仮設住宅として活用したり、木材などの建材を確保するのが難しい地域などでも住宅の建築ができるようになる。宇宙進出よりも近い未来であっても、3Dプリンター技術が住宅業界にもたらす数々の可能性に心躍らずにはいられない。
●取材協力
Lib Work
全国のなかでも群を抜いて人口が多い東京都。多少の増減はありつつも増加傾向が続き、総務省によると2023年の1年間で東京都への転入者数は転出者数を約6万8000人も上回っていたそう。そんなニーズの高さも反映し、東京23区内の住宅価格は他地域に比べて高め。利便性のよさや仕事の都合から都内に住みたい、でも費用はなるべく抑えたい……と考える人も多いだろう。そこで今回は、東京23区内に位置する駅から徒歩15分圏内にある、中古マンションの価格相場を調査。シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)とカップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)、それぞれの中古マンションの価格相場が安い駅ランキングをご紹介しよう。
東京23区内の中古マンション価格相場が安い駅ランキング【シングル向け/TOP18(24駅)】
順位 駅名 価格相場(主な路線/駅の所在地)
1位 千鳥町 2980万円(東急池上線/大田区)
1位 方南町 2980万円(東京メトロ丸ノ内線/杉並区)
3位 武蔵新田 2989.5万円(東急多摩川線/大田区)
4位 池上 2990万円(東急池上線/大田区)
4位 西馬込 2990万円(都営浅草線/大田区)
6位 成増 3039.5万円(東武東上線/板橋区)
7位 地下鉄成増 3080万円(東京メトロ有楽町線/板橋区)
8位 板橋区役所前 3180万円(都営三田線/板橋区)
9位 大山 3280万円(東武東上線/板橋区)
10位 両国 3310万円(JR総武線/墨田区)
11位 新井薬師前 3330万円(西武新宿線/中野区)
12位 練馬 3340万円(西武池袋線/練馬区)
13位 八幡山 3380万円(京王線/杉並区)
13位 三ノ輪橋 3380万円(都電荒川線/荒川区)
15位 南千住 3430万円(JR常磐線/荒川区)
16位 東十条 3435万円(JR京浜東北線/北区)
17位 三ノ輪 3440万円(東京メトロ日比谷線/台東区)
18位 赤羽 3480万円(JR京浜東北線/北区)
18位 板橋本町 3480万円(都営三田線/板橋区)
18位 王子 3480万円(JR京浜東北線/北区)
18位 落合南長崎 3480万円(都営大江戸線/新宿区)
18位 十条 3480万円(JR埼京線/北区)
18位 三河島 3480万円(JR常磐線/荒川区)
18位 雑司が谷 3480万円(東京メトロ副都心線/豊島区)
※25位~50位は記事末に記載
【カップル・ファミリー向け/TOP20】
順位 駅名 価格相場(主な路線/駅の所在地)
1位 谷在家 3024.5万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
2位 京成高砂 3180万円(京成本線/葛飾区)
3位 竹ノ塚 3220万円(東武伊勢崎線/足立区)
4位 柴又 3280万円(京成金町線/葛飾区)
5位 青井 3285万円(つくばエクスプレス/足立区)
6位 新柴又 3340万円(北総線/葛飾区)
7位 北綾瀬 3380万円(東京メトロ千代田線/足立区)
7位 西新井大師西 3380万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
9位 お花茶屋 3394.5万円(京成本線/葛飾区)
10位 見沼代親水公園 3398万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
11位 舎人 3423.5万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
12位 大師前 3480万円(東武大師線/足立区)
12位 堀切菖蒲園 3480万円(京成本線/葛飾区)
12位 六町 3480万円(つくばエクスプレス/足立区)
15位 四ツ木 3499万円(京成押上線/葛飾区)
16位 京成立石 3499.5万円(京成押上線/葛飾区)
17位 五反野 3580万円(東武伊勢崎線/足立区)
18位 小菅 3650万円(東武伊勢崎線/足立区)
19位 扇大橋 3700万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
20位 綾瀬 3739.5万円(東京メトロ千代田線/足立区)
※21位~48位は記事末に記載
「シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)」のランキング1位には、価格相場が2980万円の2駅がランクイン。東急池上線・千鳥町駅と東京メトロ丸ノ内線・方南町駅だ。千鳥町駅は23区南端の大田区、方南町駅は23区西端の杉並区に位置している。
千鳥町駅(写真/PIXTA)
まずは千鳥町駅の様子から見てみよう。住宅街にある駅周辺は、落ち着いた雰囲気。スーパーやコンビニ、ファストフード店や居酒屋などの飲食店のほか、ベーカリーや精肉店などの個人商店、さらにポップコーン専門店があるのも気になるところ。駅前の通りを西に5分ほど歩くと環八通り、東へ8分ほど歩くと国道1号・第二京浜にぶつかり、そうした大通り沿いにはホームセンターやファミレスなども立っている。千鳥町駅から環八通りを越えつつ西へ8分ほど歩くと東急多摩川線・下丸子駅があり、行き先に応じて2路線を使い分けられるのは便利だろう。千鳥町駅から東急池上線に乗ると、JR京浜東北線が通る蒲田駅まで約7分。JR山手線や都営浅草線が通る五反田駅までは、約20分で行くことができる。ちなみに蒲田方面に進んで1駅目の池上駅は、価格相場2990万円で4位にランクインしている。
方南町駅前(写真/PIXTA)
同じく1位になった方南町駅は、中野坂上駅で二股にわかれる東京メトロ丸ノ内線の分岐線の終着駅。丸ノ内線沿線の新宿駅や東京駅、池袋駅に1本で行けるのはもちろん、始発駅のため混雑する朝でも座りやすいのも魅力だ。駅出口近くの方南通りと環七通り沿いには商店も充実。スーパーやドラッグストアにホームセンターなどの大型店舗のほか、青果店や精肉店、ベーカリーも元気に営業している。ファミレスやファストフード店、ラーメン店など気軽に利用できる飲食店も多彩にあるので、自炊をしない人も気分に応じて食事ができるだろう。クラフトビール醸造所や、古びた一軒家を活用したお化け屋敷など個性的な施設もあるので、休日の街歩きも楽しそうだ。
武蔵新田駅前の様子(写真/PIXTA)
3位は東急多摩川線・武蔵新田駅で価格相場は2989万5000円。1位の千鳥町駅と同じ大田区にあり、両駅間は歩いて10分弱という近さだ。駅周辺の環境も似ているが武蔵新田駅のほうが環八通りに近く、駅周辺のスーパーや飲食店は千鳥町駅周辺以上に豊富かもしれない。駅から南へ15分ほど歩くと、多摩川の河川敷へ。対岸の神奈川県川崎市側を眺めつつ、春の桜並木も美しい河川敷をのんびり散策するのもいいだろう。駅から東急多摩川線に乗ると、蒲田駅までは約5分。蒲田とは反対方面の終点・多摩川駅までは約8分で、そこから東急目黒線と東急東横線に乗り換えることができる。
前出の池上駅と並んで4位になった、都営浅草線・西馬込駅も大田区に位置。トップ4の5駅のうち4駅が大田区からランクインしたわけだ。価格相場2990万円の4位・西馬込駅は地下鉄駅で、3カ所ある地上出入口はいずれも国道1号・第二京浜沿いにある。その大通り沿いにスーパーやドラッグストアがあるほか、国道から東西に延びる脇道に入った住宅地にも飲食店や和菓子店、ベーカリーなどがぽつぽつと立ち並ぶのどかな商店街が続く。駅から南へ13分ほど歩くと、現存するものでは関東最古の五重塔がそびえる「池上本門寺」が佇んでいる。隣接地には緑豊かな「本門寺公園」が広がっているので、息抜きに訪れたい。
6位~18位の19駅を見てみると、いずれも埼玉県に隣接する板橋区と北区の駅が最多タイとなる4駅ずつランクインしている。1位~4位に4駅並んだ大田区は神奈川県に隣接することを考えると、23区内で費用を抑えつつ一人暮らし向け物件を見つけたいなら、都県境に接する区にある駅をチェックするとよさそうだ。
「カップル・ファミリー向け」はトップ20のうち13駅が足立区という結果に「カップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)」ランキングの1位は、日暮里・舎人(にっぽり・とねり)ライナーの谷在家(やざいけ)駅で価格相場は3024万5000円。日暮里・舎人ライナーは全13駅・総延長9.7kmの比較的、短い路線だが、トップ20には谷在家駅に隣接する西新井大師西駅(7位・価格相場3380万円)をはじめ全5駅がランクイン。リーズナブルな物件探しの際は、要チェックの路線だろう。
谷在家駅(写真/PIXTA)
都立 舎人公園(写真/PIXTA)
さて、1位・谷在家駅は足立区に位置しており、駅西側には12棟からなる都営谷在家アパートが立っている。この集合住宅は建築から50年を超えているため、建て替え工事計画が進行中。新たな建物が完成した際には街が活気づきそうだ。現在の駅周辺も多くの人が住む住宅地で、徒歩約15分圏内に複数のスーパーやドラッグストアが点在している。駅から北へ歩いて10分ほど、1駅隣の舎人公園駅前には敷地面積約65ヘクタールの「都立 舎人公園」が広がり、豊かな緑や大きな池に囲まれて気軽に自然に親しめる環境だ。
京成高砂駅(写真/PIXTA)
続く2位には葛飾区の京成本線・京成高砂駅が、価格相場3180万円でランクイン。京成金町線と京成成田空港線、北総線も乗り入れるターミナル駅であり、京成高砂駅から京成金町線に乗って1駅目が4位の柴又駅(価格相場3280万円)、北総線に乗って1駅目が6位の新柴又駅(価格相場3340万円)という位置関係だ。京成線はさまざまな路線との直通運転もされているため、京成高砂駅から日暮里・上野方面に向かえるのはもちろん、日本橋駅や新橋駅といった都営浅草線内の各駅、京急線内の品川駅や羽田空港第1・第2ターミナル駅までも、乗り換えることなく1本で行くことが可能。京成成田空港線の特急に乗れば、京成高砂駅から成田空港駅(成田第1ターミナル)まで約41分で行けるのも便利だろう。
そんな京成高砂駅の周辺には、駅前のイトーヨーカドーをはじめ複数のスーパーやドラッグストア、食品系の個人商店が点在し、買い物には困らない環境。飲食店が多いのも特徴で、日常使いしたい食堂や行列のできるラーメン店、親子3代で続けてきた中国料理店などバラエティー豊か。休日ごとにいろんなお店を訪れるのも楽しそうだ。
竹ノ塚駅周辺の様子(写真/PIXTA)
3位は東武伊勢崎線・竹ノ塚駅で、価格相場は3220万円。1位と同じ足立区に位置しており、両駅間は直線距離だと2kmほどと割と近い立地だ。竹ノ塚駅周辺はかつて「開かずの踏切」による交通渋滞が問題視されていたが10年ほど前から高架化工事が進められ、ついに2022年3月から上下線ともに高架橋上での運行が開始して踏切も廃止に。駅舎も新しくなり、利便性がアップした。線路をはさんだ街の東西の分断も高架化により解消された駅周辺には商店街が広がり、スーパーやファストフード店などの飲食店のほか、青果店や鮮魚店、豆腐店などもあって地元の人々でにぎわっている。また、現在は駅の高架下スペースの開発が進行中。2024年度上期には、飲食店や物販店など約25店舗からなるアーケード商店街が誕生する予定なので、楽しみに待ちたい。
さて、トップ20の駅の所在地を見てみると13駅が足立区、7駅が葛飾区。なんとランクインしたのは足立区または葛飾区にある駅のみという結果に! 最も多くの駅がランクインした足立区は、子育て支援に力を入れていることでも注目を集めている自治体だ。妊娠期から出産・子育て期まで切れ目のない支援を行う「あだちスマイルママ&エンジェルプロジェクト」という独自の支援制度があったり、3歳までの子どもとその保護者が利用できる「子育てサロン」が地域の拠点や商業施設内、児童館に計65カ所もあったりと、安心して子どもが育てられる環境を整備している。子どものいるファミリーが住まい探しをする際は、こうした自治体の取り組みも考えあわせて、どの物件にするかを決めると新居での生活がより充実しそうだ。
●21位以降のランキング
【シングル向け】
【カップル・ファミリー向け】
●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東京23区内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数40年未満、敷地権利は所有権のみ
シングル向け:専有面積20平米以上50平米未満
カップル・ファミリー向け:専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2023/7~2023/12
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している