「お店部屋」のすごい世界。超本格ゲーセン、サイゼリヤを家で再現する人々

新型コロナウイルスの影響で「おうち時間」の重要性が高まった今年。SNS上では、部屋を自分たちだけが楽しめる空間にしたり、好きなお店を再現するといった取り組みをする人々に注目が集まりはじめている。
今回は、大規模なおうちゲームセンター(ゲーセン)をつくりあげて夢をかなえた戸矢孝一さんと、部屋で“サイゼリヤ”や“駄菓子屋”を再現した千葉真理さんのお二人に、始めようと思ったきっかけ、こだわったポイントについてお話を伺った。

海外からもゲーム筐体をかき集め、世界的に貴重な空間をつくりあげたバーチャファイターからぴょんぴょんまでおなじみのゲームが勢揃い(写真撮影/戸矢孝一)

バーチャファイターからぴょんぴょんまでおなじみのゲームが勢ぞろい(写真撮影/戸矢孝一)

まず紹介するのは、おうちに大規模なゲームセンター部屋をつくってしまった戸矢孝一さん。

42歳既婚、ゲーセン黄金期を知る世代。「小さいころからお小遣いを全額ぶち込む勢いでゲームをやっていました」と語る彼は、「これが自宅にあればいいな……」という童心から、とてつもない“自宅ゲーセン”を築いた。

戸矢さんが最初にゲーム筐体1台を家に置いたのは10年ほど前。そして2016年ごろから、本格的な収集をはじめたという。

「本格的に集め始めたらスペースが無くなり家を新築することになって、いよいよ一部屋をゲーセンにしちゃうかと思ったら、ガレージまでゲーセンになっていました」(戸矢さん)

(写真撮影/戸矢孝一)

(写真撮影/戸矢孝一)

「アフターバーナー(1987年にセガが発売したアーケードゲーム)はすごく貴重だから、ネットオークションで出品されたのを見た瞬間にそのまま買っちゃって。それで商品の場所を見たら『ニューヨーク』って書いてあるのに気づきました。アメリカでも東海岸。空便では運べないから、まずアメリカ横断の陸送からスタートしてシアトルから船便で。知人へ譲ったものも含めて、2台合わせて輸送代だけで150万円。そこから直すのに1年半かかりました」(戸矢さん)

世界的にも貴重な一台(写真撮影/戸矢孝一)

世界的にも貴重な一台(写真撮影/戸矢孝一)

そもそも古い筐体は経年劣化で次々と壊れる上、南米やヨーロッパなど各国ではレトロゲーセンも流行っているために日本の業者が軒並み筐体を海外へ輸出してしまい、在庫不足で値段は高騰する一方だという。

「当時のゲーマーも40~50代になって遊べるお金が増えて、高くても買う人が増えたのも一因です」(戸矢さん)

所蔵する「アウトラン(1986年に発売されたアーケードレースゲーム)」などセガの体感ゲームシリーズは軽く100万円に達し、対戦型格闘ゲームでも最安期では1万3000円ほどだったスーパーストリートファイターIIXが現在は10万円ほどで、「ネットオークションで25万円ほどで入札されていたのを見ました」(戸矢さん)

ほかにも格闘ゲームでは「サムライスピリッツ」や「餓狼伝説」の小さいネオジオ筐体のもので20万円くらい。メダルゲームの「ジャンケンマン」も8万円ほどするとか。このコレクションを集めた総額は「怖いから計算したこと無い」そう。

(写真撮影/戸矢孝一)

(写真撮影/戸矢孝一)

「でもお金だけじゃダメ。30~40年ものの古い筐体ばかりだから修理の腕も必要で、あとは粘り。インベーダーゲームごろからゲームセンターをやっている店主から、3時間半の立ち話を2回繰り返して、信用を得てからやっと手に入れたものもあります」(戸矢さん)

この100円両替機の導入にも7万~8万円かけたという。普及機なのに、最近はあまり見かけない部分に味を感じているそうだ。

味のある100円両替機(写真撮影/戸矢孝一)

味のある100円両替機(写真撮影/戸矢孝一)

「両替をしたお金をチャリンと入れて遊ぶまでがゲーセンの作法。実際に100円玉を入れないと真剣味が出ないんですよね」(戸矢さん)

1年がかりで「カップヌードル自販機」納入

さらに、戸矢さんはカップヌードルの自販機まで導入している。「ゲーセンで、なけなしのお金で買ったカップラーメンがおいしかったから。プールサイドの焼きそばがなぜかうまく感じるのと同じ」と語るが、何となく分かる。

(写真撮影/戸矢孝一)

(写真撮影/戸矢孝一)

「陸送で持ってきたはいいけれども、西濃運輸の営業所留めで、営業所から家まで持ってくることから大変でした。クレーン付きトラックを持っている個人の運送屋さんを探し出して、家の駐車場までは運んでもらったけど、家の中に持ち込む方法がなくて1年間放置しました」

庭に1年間置いたままだったカップヌードル自販機(写真撮影/戸矢孝一)

庭に1年間置いたままだったカップヌードル自販機(写真撮影/戸矢孝一)

「しょうがないからハンドフォークリフトを買って、中に突っ込み対応しました。おかげで300キロするアフターバーナーの筐体も動かせるようになりました」(戸矢さん)

(写真撮影/戸矢孝一)

(写真撮影/戸矢孝一)

カップヌードルにお湯を入れる。ここまでにとてつもない労力がかかったそう(写真撮影/戸矢孝一)

カップヌードルにお湯を入れる。ここまでにとてつもない労力がかかったそう(写真撮影/戸矢孝一)

「お湯を入れるために、家の水道管も分岐しました。買ってお湯まで注いで、食べられるところまで構築するのがロマンだから。フォークも日清の標準に可能な限りなく近い、透明の短いフォークじゃないと」(戸矢さん)

カップヌードル自販機とともに育った世代なら、納得のこだわり。ドリンク自販機もあり、普段づかいで1日2~3本は飲んでいて、懐かしの250ml縦長缶をセットすることが多いそう。

「構造的には冷蔵庫だし、電気代も高くないんですよね。あえて硬貨を2種類使う110円にしたから、チャリンチャリンと入れて、落下した缶がガコーンって響くのがいい。業務用のキンキンに冷えた缶ジュースが楽しめるし、何を入れるかのセレクトも楽しい」

(写真撮影/戸矢孝一)

(写真撮影/戸矢孝一)

幻の一台をついに手に入れた

戸谷さんが個人的に好きなのが、子どものころに遊んだ「おしゃべりオ~ム」と「はっぴーロボ」。小さなカプセルトイがもらえる機種だ。中でも後者は、絶滅寸前の1台を引き取ったという。

(画像提供/戸矢孝一)

(画像提供/戸矢孝一)

「当時、10円ほどで遊べても、なかなか当たらずになけなしの100円がアッという間になくなりました。当たっても景品は変な消しゴムや、引き出物のケーキの上にある梅の花の飾りとか。大人のずるさを知りました(笑)」(戸矢さん)

このゲーセンだが、近い未来に民泊にしていきたいとのこと。

「ゲーム好きな世界の人たちに寄ってもらいたいです。自宅ゲーセンを通じてつながっていきたい」(戸矢さん)

コロナ以前にはTwitterで知り合ったチリの友人も招いた(写真撮影/戸矢孝一)

コロナ以前にはツイッターで知り合ったチリの友人も招いた(写真撮影/戸矢孝一)

「コロナ禍で稼働していたのは、全国でもうちのゲーセンぐらい」と冗談を飛ばす戸矢さん。家族で充実した日々を過ごすのに、ゲーセン部屋も大いに役立った。「いままでやってみたかった環境を構築できて、満足しています」(戸矢さん)

「ゲーセン部屋は9畳で、ガレージのほうが24畳。ガレージには車を2台入れる予定だったから。でも普通であれば、6畳間でつくってもけっこうな数が入るし、立派なゲーセン部屋になると思います」(戸矢さん)。

なお自宅ゲーセンを気軽に始めたい人におすすめなのは、UFOキャッチャーとのこと。ネットオークションで2万円ほどで取引されているそう。ただサイズが大きく、畳一枚分ぐらいのスペースを占有するのでご注意を。

遊んで食べて子どもが計算をマスター! 「おうち駄菓子屋」

マンネリ化しやすい外出自粛期間で、気軽で子どもと一緒に楽しめる「おうち駄菓子屋」はSNS上でひとつのムーブメントとなったが、そのなかでも完成度が高かったのが千葉真理さん。

はじめたきっかけは、コロナ禍で緊急事態宣言が出る前に駄菓子屋さんへ通っていて、家に閉じこもる日々で思った「おうちに駄菓子屋をつくっちゃえ」という思いだったそう。

(写真撮影/千葉真理)

(写真撮影/千葉真理)

子どものびっくりした顔が見たくて、寝た後に夫婦でこそこそと作業し、サプライズでお店を見せたという。

(写真撮影/千葉真理)

(写真撮影/千葉真理)

1日50円だけ何でも買ってOK。看板はPhotoshopでよごしを入れてレトロ感を醸し出した。

(写真撮影/千葉真理)

(写真撮影/千葉真理)

駄菓子屋の花形といえばくじ引きや当たりつきのお菓子。子どもが好きで、射幸心をくすぐられるそれらは豊富に用意した。手づくりのきな粉飴に加え、糸引き飴もセッティング。

きな粉飴は特に人気だったとのこと(写真撮影/千葉真理)

きな粉飴は特に人気だったとのこと(写真撮影/千葉真理)

こちらも自作した、つまようじを縦に落とすと景品が出てくる「落としくじ」。お風呂で遊べるおもちゃなどを景品に入れてその後のおうち遊びにも活かせるようにした。

(写真撮影/千葉真理)

(写真撮影/千葉真理)

「ほかも子どもが喜びそうなもの、目新しいようなものを中心に買いそろえました。私も子どものころから駄菓子を大人買いするのが夢だったので、すごい楽しくて。商品も随時刷新しています」(千葉さん)

(写真撮影/千葉真理)

(写真撮影/千葉真理)

おうち駄菓子屋ならではの強みが、床にお金とお菓子を置いてじっくり計算の勉強ができること。おかげで4歳の子どももスムーズに計算ができるようになったとのこと。

(写真撮影/千葉真理)

(写真撮影/千葉真理)

次はもっと大きな数の計算ができるようにと、お小遣いを80円に増やし、それに伴って個々の値段も30円→50円などと値上げしたという。家庭内インフレである。

ちなみにおうち駄菓子屋の開店は毎日午後3時だが、子どもが楽しみにしすぎて、まだ11時なのに『もう3時?』と毎日聞かれるとか。

家庭内で好きなチェーン店を再現。「おうちサイゼリヤ」

千葉家では、もともと看板を変えて、シーズンごとに「くら寿司」や「マクドナルド」や「サーティワン」などの“家庭内チェーン店”を開くのが定番だった。

(写真撮影/千葉真理)

(写真撮影/千葉真理)

その一環で「今回はサイゼリヤにしよう」と白羽の矢が立ったのだ。

(写真撮影/千葉真理)

(写真撮影/千葉真理)

サイゼリヤといえば、店内に飾られたこれらの絵。「あるとサイゼ感が沸くので、どんどん部屋の壁に貼りました」(千葉さん)

メニューまでも手づくりで再現(写真撮影/千葉真理)

メニューまでも手づくりで再現(写真撮影/千葉真理)

サイゼリヤの実際の料理もできる限り忠実に再現。子どもが参加できそうなものに加え、自分たちがよく頼むモノを中心に、家族会議でメニューを決めた。

(写真撮影/千葉真理)

(写真撮影/千葉真理)

特に人気だった料理は、子どもがつくったキノコのピザだったそう。

「キノコは手でもほぐせるから、子どもが参加しやすいと思って入れたんですが、彼自身も自分がつくったからいつもよりおいしく感じて、親も子どもの成長を感じられたうれしさがおいしさにつながりました。再現度が高くできておいしかったです」(千葉さん)

基本的にそのままメニューを再現しようとしているそうだが、特筆すべきは“エスカルゴ”。

「家にあるたこ焼き器でエスカルゴをつくったら面白いんじゃないかとなって、パパにエスカルゴっぽい別のものをスーパーで買ってもらった結果が「ちくわ」だったんです。主人が切り方を工夫してどうにか再現しました」(千葉さん)

ちくわ製の“エスカルゴ”(写真撮影/千葉真理)

ちくわ製の“エスカルゴ”(写真撮影/千葉真理)

「味はおいしかったです。でもよく味わうとちくわになっちゃうんで、エスカルゴって言い聞かせながら3人で食べました(笑)」

実際にサイゼリヤにあるドリンクで、ドリンクバーも実現。全部は集められなかったが、メロンソーダやカルピスなど好きなものをラインナップした。

注文する役と提供する役を交代しながら、お店感に浸った時間はとても楽しかったという。

ふだんご主人は日曜日しか休みがないが、イベント系のお仕事のために現在は自宅待機が続いている。でもそのおかげで家族の距離が近づく期間になった。「『いつか時間ができたら家族でやりたいね』って話していたことがたくさんかないました」(千葉さん)

少なくともワクチンや治療薬ができるまでは、まだまだ家での過ごし方が重要になってきそうな日々。毎日過ごす部屋を大好きな空間にしたり、好きなお店を再現するといったことをできる範囲でチャレンジしてみると、ワクワクする時間が待っているかもしれない。

「シルバニアファミリー」35周年! 赤い屋根のお家の最新事情やSNS人気の秘密

赤い屋根のお家と、そこで暮らす動物の家族たち。小さいけど精巧で、愛らしくて、大人も夢中になって遊んでしまう。そんな魅力を持つのが、今年で発売から35周年を迎える「シルバニアファミリー」(エポック社)です。今回は、家で過ごす時間を豊かで楽しくしてくれる、動物たちの世界とその進化をご紹介します。
人形の累計出荷数は2億2000万体以上。世界で愛されるおもちゃ発売当初の「赤い屋根の大きなお家」。このログハウス風の住まい、味わいがあっていいですよねえ(写真提供:エポック社)

発売当初の「赤い屋根の大きなお家」。このログハウス風の住まい、味わいがあっていいですよねえ(写真提供:エポック社)

「シルバニアファミリー」と聞いてピンと来ない人でも、この家と人形の写真を見れば、「知ってる!」「友だちの家で遊んだ~」などと懐かしく思い出す人もいるのではないでしょうか。1985年、エポック社から発売された「シルバニアファミリー」は、現在60以上の国・地域で販売されていて、実に人形の累計出荷数は2億2000万体以上、ハウスほか大型商品累計出荷数は3000万棟・個以上にものぼるそう。ちょっと規模がすごすぎてピンときませんが、言われてみれば家とウサギやクマの動物のモチーフって、国境や言語に左右されず、世界共通ですものね。現在では日本のみならず、世界中で愛されているおもちゃなのです。

懐かしの初代の人形たち(写真提供:エポック社)

懐かしの初代の人形たち(写真提供:エポック社)

ちなみに、日本の次に歴史の長いイギリスでは認知度も高く、「英国の玩具」であると認識されているとか。では、あのシンボリックな「赤い家」はどこかモデルがあるのでしょうか。英国というより、どちらかというと米国のカントリー調のように見えますが……?

「赤い屋根の住まいは、1900年代初頭のアーリーアメリカンをイメージしてデザインされたものです。お家、家具、人形のサイズ感は発売当初から変わっていません。お母さんが子どものころに遊んでいたものとミックスして、親子2代で遊ばれる方も増えています」(エポック社)

時代に左右されず、ずっと愛さるのは本物のおもちゃの証ですよね。また、発売当時から現在までいちばん定番で人気なのがあの「赤い屋根の大きなお家」確かにシルバニアファミリーといえばあの赤い屋根のお家のイメージがあります。

カーテンや照明、壁紙もカスタマイズOK! 細部も緻密にできている

SUUMOジャーナル的には、やはり気になるのは家のこと。人形たちにオリジナルの洋服をつくっている人はいるようですが、もしかして、家もリフォームというか、リノベできたりするのでしょうか。

「カーテンや天井付の室内灯を取り付けてアレンジを楽しむことができます。また、シルバニアファミリーの専門店、『シルバニアファミリー森のお家』では、カスタマイズ用の壁紙の取り扱いがあります」(エポック社)

なんと、照明や家具だけでなく、壁紙を張り替えられるとは。やっぱり家ってリフォーム・カスタマイズするとそれだけ愛着がわきますよね。あと、シルバニアファミリーの家は腰壁(床から腰高程度に張る別仕上げの壁)がかわいいし、窓のデザインもドラマチックというかすごく素敵な印象です。

窓まわりや壁・床もリアルで見ていてあきません(写真提供:エポック社)

窓まわりや壁・床もリアルで見ていてあきません(写真提供:エポック社)

「シルバニアのお家は、美しい外観や間取りと、おもちゃとしての遊びやすさや安全性の両立を常に意識して開発に取り組んでいます。また、お子様はもちろん、大人が見ても納得するリアルさを追求しています。例えば、キッチンの流し台や洗面台の下の扉を開くと、本物と同じように配管があります。見えないところにもこだわるシルバニアファミリーの家具の象徴と言えるでしょう」(エポック社)

まさか配管があるとは……。今度、シルバニアのお住まいにお邪魔したら、ぜひ洗面台下をのぞいてみたいと思います。

写真左/製氷機付きから実際に氷が出てくる、切ることができるアップルパイなどもめちゃくちゃリアル(写真提供:エポック社)

写真左/製氷機付きから実際に氷が出てくる、切ることができるアップルパイなどもめちゃくちゃリアル(写真提供:エポック社)

トイレも蛇口も水が出てきたりと自然なリアル感があります(写真提供:エポック社)

トイレも蛇口も水が出てきたりと自然なリアル感があります(写真提供:エポック社)

また、子どもたちが遊んで違和感がないよう、家具や家電は現代風に進化しているそう。

「例えば洗濯機であれば昔は二層式洗濯機でしたが、現在販売されているのは、ドラム式洗濯機です。また、掃除機や冷蔵庫なども、現代の子どもたちが生活の中で触れている仕様に合わせた形になっています」(エポック社)

そりゃあ、今のお子さんたち、二槽式洗濯機なんて見てもなんだか分からないですよね……。小さくても説得力があるよう、たゆまぬ改良を重ねているのが分かります。

SNS人気を支えているのは大人のファン。大人が家遊びしても楽しい!

ちなみに、2020年には35周年を記念してシルバニアファミリー総選挙を実施しています。先日5月1日には中間発表がありましたが、TOP3には筆者の予想を裏切るキャラクターがランクインしていました。定番のショコラウサギファミリーやネコファミリー、カワウソファミリーが強いと思っていたのに……。もちろん最後まで結果は分かりませんが、これだけでもファン層の幅広さが伺えます。

「今回の総選挙はグローバルでの展開となり、各国のSNSアカウントでも告知をしていることもあり、想定以上の反響と投票数をいただいております」というので、エポック社さん自身も予想していなかったのかもしれません。

キャラクターが大集合したところ。パンダ、コアラ、ハリネズミ、リス……。どの家族もかわいい(写真提供:エポック社)

キャラクターが大集合したところ。パンダ、コアラ、ハリネズミ、リス……。どの家族もかわいい(写真提供:エポック社)

また、予想していなかったといえば、SNSでの活躍です。インスタグラムやTwitterでは、日常のあるあるを再現した(はかどらない大掃除とか、お酒を飲んでいるとか)シルバニアファミリーの人形たちの写真・動画がバズっていることもありますよね。エポック社さんはご存じなのでしょうか……?

「今は子どもや親子だけでなく、SNSでの人気を支えているのが特に大人のファン層です。シルバニアファミリーの世界観は、写真映えすることも功を奏し、日々の生活の中での、ちょっとした癒やし効果にもなっているのではないでしょうか」(エポック社坂井さん)

分かります、すごく……。特に連日の新型コロナ騒動で、気分が詰まるというか、情報で疲れていると、SNSに流れてくるシルバニアの人形たちの写真ってすごーく癒やされるというか、ピュア(死語)な気持ちになるのです。

本来、「家で遊ぶ」「家のことを考える」のは、とても豊かなこと。SNSで検索するのも楽しいですが、いろんな端末の電源・スイッチをオフにして、今度は本物のシルバニアのお家で人形たちと遊んできたいと思います。

●取材協力
エポック社

これがミニチュア!? Mozuがつくるコンセントの向こうの「小さな暮らし」

一見、なんの変哲もないコンセントが実は扉になっていて、開けるとそこには小さな部屋がある。そんな世界を描いた動画「こびとシリーズ」をご存じでしょうか。今回は若きミニチュアアニメクリエイター・Mozuさんに自分の部屋や友だちの部屋をつくった理由、将来の夢についてインタビューしました。
「自分が大好きな部屋」をミニチュア作品にしたら、バズった!

コンセントを開けると部屋?と言われても混乱してしまう人も多いでしょう。まずは手掛けた作品をご覧ください。

「こびとの秘密基地」

「こびとの階段」

制作したのは、MOZU STUDIOS代表取締役でもある水越清貴(Mozu)さん。21歳という若さながら、次々とミニチュア作品を世に出し、SNSのフォロワーはツイッター19万5000、インスタ17万という影響力を持ち、本を出版したり、個展を予定していたりと、すでにトップクリエイターといってもいい存在です。

水越清貴(Mozu)さん(写真提供/MOZU STUDIOS)

水越清貴(Mozu)さん(写真提供/MOZU STUDIOS)

冒頭の「こびとの秘密基地」はツイッターでもバズりにバズり、なんと68万いいね!超(2020年4月現在)。日本のみならず世界中から反響があったといいます。ミニチュアは1作品あたり製作期間が3~4カ月ほどかかり、身近なものを加工してすべて手作業……と、気の遠くなるような作業を重ねていることが分かります。では、なぜミニチュア作品をつくるようになったのでしょうか。

「はじまりは小学校5年生のとき。友だちに誘われてガンプラ(ガンダムのプラモデル)で遊ぼうという話になったのがきっかけです。初めてプラモデルを買った店の名前も機種も、今でもはっきりと覚えていますよ。その後、プラモデルではなく背景のジオラマづくりに興味を持つように。見よう見まねでつくったので、はじめは本物の土を使って部屋中を土で汚してしまいお母さんに怒られました(笑)」

と振り返ります。始めた当初はまったくうまくいかなかったものの、ジオラマ制作熱は冷めることなく、試行錯誤をしながらジオラマの風景の一部である、建物づくりへと没頭していきます。転機となったのは、高校生の時。趣味でつくっていた部屋を友人がSNSにアップしたところ、一夜にして大反響があり、一躍、ミニチュアクリエイターとして脚光を集めたのです。

巾木(はばき)を入れる瞬間が気持ちいい! ミニチュアの家をつくって気づいたこと

でも、どうして自分の部屋のミニチュアをつくろうと思ったのでしょうか。

「自分の部屋」(写真提供/MOZU STUDIOS)

「自分の部屋」(写真提供/MOZU STUDIOS)

「当時、芸術系の高校に進学したものの、僕が好きなのは、人に喜んでもらったり驚かせたりするカルチャー系。一方、同級生は現代アートなどに興味を持っている人が多くて、友人がまったくできず……。それで当時、いちばん好きだった『自分の部屋』をミニチュアでつくってみようと思って。それこそ、学校にいる以外の時間は全部費やしました」(水越さん)

ミニチュア作品では、「こんな家に住みたい」と理想のきれいな家がつくられることが多いなか、水越さんがつくったのは、生活感があって等身大の高校生の部屋。それこそ漫画が並んでいたり、ノートが床置きになっていたり。この「絶妙にリアルな感じ」が共感を呼んだといいます。

作業風景(写真提供/MOZU STUDIOS)

作業風景(写真提供/MOZU STUDIOS)

「“この部屋に住みたい“”あるよね~“など、いろんなコメントが寄せられました。自分が好きなこの部屋、好きなのは自分だけじゃなかったんだって、思えたんです」(水越さん)

ミニチュア作成では「実際の住まいを計測して1/6にするだけ」と言いますが、その1つひとつへのこだわり、ディテールが半端ではありません。また、家電量販店の袋や表彰状などパロディなども多く、思わずにやりとしてしまうしかけが満載です。ただ、すべて手づくりのため、1つのパーツに6時間かかることも珍しくありません。材料はすべて100均ショップなど、身近にあるものを加工していくのだといいます。

「日本の家と海外の家を比べて思うのは、壁紙が白色で落ち着いているところですね。『こびとの旅館』をつくった時には、日本人って狭い空間にギュッと生活必需品を詰めるのが好きなんだなと思いました。狭い中にものを詰め込むというか、空間が狭いゆえの工夫があるんだと思います」(水越さん)

「こびとの旅館」(写真提供/MOZU STUDIOS)

「こびとの旅館」(写真提供/MOZU STUDIOS)

また、ミニチュア作品をつくっていてめちゃくちゃ気持ちいいのが、「巾木(はばき、床と壁の境目にとりつける部材)」を入れる瞬間だとか。

「作品づくりでもかなり仕上げに近い工程なんですが、壁と床の間に巾木を入れると、めちゃくちゃ空間がしまるんですよ。それまでただの“空間”だったのが一瞬にして“部屋”になる。本物の家をつくっている大工さんも、気持ちいいんじゃないかなって思っています(笑)」(水越さん)

巾木を入れると空間が“しまる”(写真提供/MOZU STUDIOS)

巾木を入れると空間が“しまる”(写真提供/MOZU STUDIOS)

(写真提供/MOZU STUDIOS)

(写真提供/MOZU STUDIOS)

ちなみに、もともとは巾木という名前も分からずに「壁 床 木材」などで検索してその名前を知ったそう。こうやってミニチュア作品をつくることで、「見ているけれど見えていない」ものがたくさんあるんだと気がついたといいます。また、こびとシリーズで使っているコンセントと壁紙はすべて本物の建材だそう。リアリティがあるのも納得です。

「こびとのトイレ」(写真提供/MOZU STUDIOS)

「こびとのトイレ」(写真提供/MOZU STUDIOS)

「こびとの押入れ」(写真提供/MOZU STUDIOS)

「こびとの押入れ」(写真提供/MOZU STUDIOS)

「こびとの階段」(写真提供/MOZU STUDIOS)

「こびとの階段」(写真提供/MOZU STUDIOS)

夢はコマ撮りアニメーション制作会社をつくること。冒険はまだまだ続く

水越さんのミニチュア作品の特徴は、きれいすぎないこと。どこか「身近」で「ありそう」な感じが魅力のひとつです。

「以前、ジオラマで『ゴミ捨て場』をつくったんですが、たとえ捨てられたモノでも、使っていた人の思いや暮らしのニオイがするのが好きなんですね。家族がいるとこんなゴミが出るよね、粗大ごみを捨てる人がいるとか、妄想しながらつくる。また、僕が楽しそうにつくっているからこそ、見てくれる人が喜んでくれる、おもしろがってくれる。SNSで寄せられるコメントは全部見ています。これからも見てくれる人との距離が近くありたいと思っています」と話します。

「ゴミ捨て場」(写真提供/MOZU STUDIOS)

「ゴミ捨て場」(写真提供/MOZU STUDIOS)

水越さん自身は、高校卒業後、大学に進まず、アーティストとして活動することを決め、コマ撮りアニメーションのスタジオ「アードマン・アニメーションズ」(英国・ひつじのショーンなどの作品で有名)に見学にいったり、ミニチュア作家たちと対談したり、その後に自分の会社を設立したり……と数年間で着実に夢を叶えてきました。また、ミニチュア作品だけでなく、ミニチュアアニメが、アジア最大級の短編映画祭「Digicon6」で、JAPAN Youth部門の最優秀賞ゴールドを獲得したり、トリックアートを描いて出版したりと多彩に活躍しています。

現在は企業とのコラボもしていますが、将来は依頼されたミニチュア作品をつくる「職人」ではなく、「自分の好きな作品をつくって、喜んでもらうアーティスト」になりたいとのこと。また、元来の夢である「コマ撮りアニメーション」もつくりたいと計画しています。

「コマ撮りアニメーション」ってめちゃくちゃ手間ひまがかかり、お金がめっちゃかかる一大プロジェクトです!
それにしてもまだ20代なのにこの活躍ですが、ネット時代の新しい才能はこうやって開花していくのでしょうね。水越さんの小さい世界につまった、大きな夢。これからも応援したいと思います。

●取材協力
MOZU STUDIOS
Twitterアカウント
@rokubunnnoichi
YOUTUBE

3万円で”脱・無難部屋”! インテリアコーディネーターとお部屋改造してみた

一人暮らしをスタートさせ、インテリアにこだわって統一感を出したり、暮らしやすいように家具を好きな配置にしたり、理想の部屋にしたいと思う人も多いのではないでしょうか。しかし、いざ自分でコーディネートしようとすると、お金をかけてインテリアや小物を買ったけれど、無難な仕上がりになり、描いた理想や自分らしい部屋とはほど遠い仕上がりになることも多いよう。そこで今回は、東京で活躍するインテリアコーディネーターの山口恵実さんに協力していただき、低予算でも理想の部屋に近づけるコーディネートのヒミツを探ります!
オシャレにしたいと思う人ほどよく陥りがちな【無難部屋】【画像1】一人暮らし歴7年の萬年(まんねん)さんの部屋。インテリアに興味はあるが、つい白・ベージュ・茶色などの”無難系”に(写真撮影/アウル株式会社)

【画像1】一人暮らし歴7年の萬年(まんねん)さんの部屋。インテリアに興味はあるが、つい白・ベージュ・茶色などの”無難系”に(写真撮影/アウル株式会社)

山口さんと訪れたのは、一人暮らしを始めて7年の萬年(まんねん)さん、29歳・女性の賃貸部屋。萬年さんは部屋に統一感を出したいと考え、白とベージュ・茶色をベースに家具やインテリアをチョイスし配置したと話してくれました。色を絞ってインテリアを選ぶ考えはとてもいい方法なのですが、選んだ色が多くの人が選びやすい白・ベージュ・茶色なので、部屋の個性がない、いわゆる「無難」なコーディネートになってしまっています。また、部屋全体を見たときにアクセントとなるものがなかったので少し寂しい印象を受けました。

萬年さん自身、部屋の印象を変えたいと思いつつも、一見統一されているように見えるこの部屋をどこから変えていいか分からず、悩んでいるそうです。今回のコーディネート予算は3万円。無難部屋からの脱却を図ります。

無難部屋の印象を変えるカギは「アクセント」と「目線」

まずは、山口さんに部屋の中で改善できるポイントを聞いてみました。

―――今回のコーディネートで部屋の改造ポイントとなる部分はどこでしょう?
まず1つは、インテリアのなかに「アクセント」が不足していると感じました。現在、白や茶色がベースとなっているので、メインカラーに萬年さんの好きだと仰っていた「ブルー」を持ってくる。好きな色があると気分が上がるので、自分の部屋がもっと好きになれると思います。

あとは、ベッドやラグの色が濃くて目線が下に行きがちなので、目線を上に向けられるようにインテリアを整えられたらいいのではないでしょうか。大きなものだと、照明器具も印象を変えるのにピッタリです。賃貸だと元からシーリングライトがついている部屋もあって、なかなか気づかない部分なんですが、今回は照明も思い切って変えてみようと思いました。それから、最近賃貸にも増えてきたピクチャーレールですね。フックさえつければ、好きなアートや写真が飾れるので、これは活用したいですね。

予算3万円で購入したコーディネートアイテム紹介

改善ポイントを踏まえたうえで、山口さんが今回のコーディネートアイテムとして選んだものがコチラ。

1.アクセント用のクッション

【画像2】萬年さんの好きな「ブルー」、サブカラーにアイビーを取れ入れたクッション(写真撮影/アウル株式会社)

【画像2】萬年さんの好きな「ブルー」、サブカラーにアイビーを取れ入れたクッション(写真撮影/アウル株式会社)

左:アクセントクッションINアイビー(中身付)/ニトリ 1380円(税抜)
中:FJADRARインナークッション50x50cm/IKEA 500円(税込)&SANELAクッションカバー50x50cm/IKEA 999円(税込)
右:ニトリクッションヌード45x45cm/ニトリ 462円(税抜)&クッションカバー 北欧デザイン 45×45cm Jubilee×Lamoppe コラボデザイン/楽天 Jubilee 2700円(税込)

2.インテリア照明

【画像3】部屋全体を爽やかな印象にするために、あえてリゾート感漂う照明をチョイス(写真撮影/アウル株式会社)

【画像3】部屋全体を爽やかな印象にするために、あえてリゾート感漂う照明をチョイス(写真撮影/アウル株式会社)

照明:SINNERLIGペンダントランプ竹/IKEA 8999円(税込)
電球:LEDARE NN LED電球E26 600ルーメン/IKEA 799円(税込)

3.気分の上がるアート

【画像4】額に入れるだけで、インテリアにアートが加わる(写真撮影/アウル株式会社)

【画像4】額に入れるだけで、インテリアにアートが加わる(写真撮影/アウル株式会社)

ポスター:TVILLINGポスター2点40x50cm 地平線/IKEA 500円(税込)
額縁:RIBB NNフレーム50x70cmホワイト/IKEA 2499円(税込)×2点
フック:HAGHEDハーグヘード ワイヤーループ&調節可/IKEA 499円(税込)×3点 ※1つは予備

4.観葉植物

【画像5】部屋の中に植物があると、空気の流れが良くなり、癒しの効果もあるのだとか(写真撮影/アウル株式会社)

【画像5】部屋の中に植物があると、空気の流れが良くなり、癒しの効果もあるのだとか(写真撮影/アウル株式会社)

植物:HEDERA HELIX鉢植12cm/IKEA 399円(税込)
鉢:FRIDFULL鉢カバー/IKEA 399円(税込)

5.ベッド用品
【画像6】茶色一色だったベッドまわりの印象をガラッと変えるために購入(写真撮影/アウル株式会社)

【画像6】茶色一色だったベッド周りの印象をガラッと変えるために購入(写真撮影/アウル株式会社)

枕カバー:マクラカバーパレット3IV/ニトリ 555円(税抜)
布団カバー:カケカバーNグリップパレット3I/ニトリ 1843円(税抜)
ボックスシーツ:マルチスッポリポシーツ ウィンドウペン IV/ニトリ 2306円(税抜)

以上、大きく5つのコーディネート部分に関するアイテムを購入。商品は全部で15種類、合計で2万8860円(税込)となりました。

低予算のときは、ニトリやIKEAなど、種類豊富なアイテムが低価格で手に入る場所でアイテムを購入するのがオススメ。配送料はかかりますが、家までの配達サービスもあるため、大きな買い物をする際にも便利です。

【無難部屋】から【爽やか美人部屋】への大変身!

購入したアイテムを使い、早速部屋をコーディネートしました。

【画像7】部屋のコンセプトは「爽やか美人部屋」(写真撮影/アウル株式会社)

【画像7】部屋のコンセプトは「爽やか美人部屋」(写真撮影/アウル株式会社)

萬年さんが好きな「ブルー」には気持ちを落ち着ける効果があり、安心と信頼感をかもし出す色でもあります。チョイスしたブルーのクッションやアートなど洗練されたブルーに囲まれ、気分の上がる部屋を目指しました。

また、ブルー一色ではなく、サブカラーとして観葉植物のグリーンを入れることでプラスのアクセントに。観葉植物効果で部屋の空気の流れが清らかになった印象も受けます。思いきって変えた照明も部屋全体を優しい雰囲気で包んでくれています。
今回家具類は一切変えないコーディネートでしたが、コーディネート前と印象がガラリと変わりました。改めて、コーディネートのすごさや重要性を感じました。住人の萬年さんも洗練された出来映えに感動し、「これから気持ちよくすごせそうです!」ととても喜んでいました。

【画像8】小さな緑が加わるだけで部屋のアクセントに(写真撮影/アウル株式会社)

【画像8】小さな緑が加わるだけで部屋のアクセントに(写真撮影/アウル株式会社)

低予算でもオシャレコーディネートは実現できる!

最後に山口さんからコーディネートの工夫点やこれからすぐに役立つアドバイスをいただきました。

【画像9】インテリアコーディネーターの山口恵美さん(写真撮影/アウル株式会社)

【画像9】インテリアコーディネーターの山口恵美さん(写真撮影/アウル株式会社)

―――実際にコーディネートをしてみてどうでしたか?
今回、予算3万円と限られたなかでのコーディネートで、どれだけ印象が変わるか不安でした。しかし元々の部屋の色がシンプルだったので、アクセントとして取り入れたクッションや観葉植物がうまく映えてくれました。空気の流れがキレイに感じられる爽やかな部屋になったのではないでしょうか。

―――改めて、コーディネートの工夫点を教えてください。
カーテンを変えたり、大きな家具を変えるともちろん印象は変わるんですが、そこに頼らず、テーマカラーを決めて、それに合わせたインテリアや小物アイテムをチョイスしていきました。萬年さんの好きな色を取り入れて、住む人の気分が上がるように、部屋で過ごすことが楽しくなるように想いを込めてコーディネートしました。

―――これから部屋の模様替えをしたい、印象を変えたいと思っている人に向けてアドバイスをお願いします。
そうですね、ただなんとなく気に入った家具・インテリアを買うのではなく、購入する際に、キーとなるテーマカラーを決めることがオシャレな部屋への第一歩だと思います。部屋の中に色が多すぎるとごちゃごちゃしてまとまりにくいので、今回のブルー・グリーンのように、2,3種類に絞ってインテリアをチョイスすると部屋に統一感が生まれます。

【画像10】アートやグリーンで部屋に立体感が生まれた(写真撮影/アウル株式会社)

【画像10】アートやグリーンで部屋に立体感が生まれた(写真撮影/アウル株式会社)

また、部屋で過ごすことが楽しくなるよう、壁などにアートや写真を飾ってみてください。壁に模様がついているならいいのですが、白いママだと少し寂しい印象になります。最近ではピクチャーレールがついている賃貸住宅も多くなってきたので、ぜひ備え付けのモノは活用してほしいなと。自分が好きなモノがパッと目につく場所に飾ってあると、住んでいて気持ちがいいものですよ。

予算3万円と限られたなかでの今回のコーディネート。無難な部屋から住む人の好みを取り入れた素敵な部屋へ大変身を遂げました。大きなものを変えなくても、アクセントを取り入れるだけで印象が変わる。目線をあげることで気分が上がる。山口さんから教わったコツはすぐにでも使えることばかりでした。「自分の部屋、無難かも……」そう感じた方はぜひすぐに試してみてはいかがでしょうか。

●インテリアコーディネータープロフィール
山口恵実/Emi Yamaguchi
東京都世田谷区の築40年の賃貸マンションに暮らす。
外資コンサル会社アクセンチュアで6年働いた後フリーランスになり、インテリア、アート、料理&テーブルスタイリングの仕事に携わる。インテリアコーディネーター/整理収納アドバイザー