スター猫のお宅訪問[3]インスタで国内外の人気者! “お太りさま”猫・ぐっぴーの暮らし

インスタグラムのフォロワーは約18万人(2019年2月25日時点)! 写真集を発売したり、イベントを開催したりと、たれ目とナイスボディ(?)で多くの人を魅了している“お太りさま”猫が、茶トラのぐっぴー・6歳。“ぐぴ主さん”である二人、さきともさんとともに東京郊外に暮らしているぐっぴー宅を訪問!
DIYもペットもOK! ぐっぴーもお気に入りのデザイナーズ賃貸物件さきともさん撮影のぐっぴー(写真提供/さきともさん)

さきともさん撮影のぐっぴー(写真提供/さきともさん)

ぐっぴーとさきともさんが暮らすのは、個性的な間取りのデザイナーズ賃貸物件。キッチン・リビング・ベッドルームにふたつのロフト。ドアがなく天井が高いため、明るくて開放的だ。

部屋の間取り

部屋の間取り

「(この部屋は)すごく気に入っています。天井が高いから広く感じるんです。窓が南向きで大きくてキッチンが広めで……と、人が幸せを感じる間取りらしいです。そして、DIYもペットもOKなんですよね。あと、ロフトがあって床にものを置かなくてすむので、ぐっぴーが過ごすスペースが広いだろうなと思ったのも決め手でした」

撮影当日スタッフがきてもマイペースにうろうろしているように見えたぐっぴーだが「普段はもっと動かない。緊張していた」そう(写真撮影/片山貴博)

撮影当日スタッフがきてもマイペースにうろうろしているように見えたぐっぴーだが「普段はもっと動かない。緊張していた」そう(写真撮影/片山貴博)

ぐっぴーが一日の大半を過ごすリビング。木の家具で統一された室内には、トイレや爪とぎなどの猫グッズも。南側の大きな窓から太陽の光が入り込んで、室内はとても明るい(写真撮影/片山貴博)

ぐっぴーが一日の大半を過ごすリビング。木の家具で統一された室内には、トイレや爪とぎなどの猫グッズも。南側の大きな窓から太陽の光が入り込んで、室内はとても明るい(写真撮影/片山貴博)

この部屋は、ぐっぴーもお気に入りの様子。廊下を走ったり、ソファやお気に入りの爪とぎ兼ベッドでくつろいだりと自由気ままにすごしている。

「仕事のときはペットカメラを通して様子を見ているのですが、いつもだいたいソファにいるんですよ。ちょっとずつ体勢を変えながらずっと寝ています(笑)。

ぐっぴーは、横の動きは結構激しいんですけど、縦にはあまり動かないんですよね(笑)。だから、ソファくらいはのぼれるけど、ロフトや棚にはのぼれない。普通、猫を飼っていると棚にはものを置けないと思うんですけど、ぐっぴーは棚にのぼれないからその心配もない。すごく一緒に暮らしやすいですね」

部屋のなかでもお気に入りの場所のひとつが、爪とぎ兼ベッド。絶妙なくぼみがぐっぴーの身体にぴったりフィット(写真撮影/片山貴博)

部屋のなかでもお気に入りの場所のひとつが、爪とぎ兼ベッド。絶妙なくぼみがぐっぴーの身体にぴったりフィット(写真撮影/片山貴博)

一番お気に入りのおもちゃは「ドギーマン じゃれ猫 チューチュー」。「ほかのおもちゃがあっても、これがあったら見向きもしない」のだとか。これを使って運動してダイエットも(写真撮影/片山貴博)

一番お気に入りのおもちゃは「ドギーマン じゃれ猫 チューチュー」。「ほかのおもちゃがあっても、これがあったら見向きもしない」のだとか。これを使って運動してダイエットも(写真撮影/片山貴博)

日中はあまり動かないというぐっぴーだが、最近は運動やごはんの量を調整してダイエット中なのだとか。

「もう6歳だし、8kgを超えてちょっとやばいなと思ってダイエットをはじめて。いまは7.6kgくらいまで減りました。猫の標準は3~4kgくらいなので、1匹で多頭飼いしているくらいの重さですね(笑)。でも、小さいころからすごく大きかったし、ごはんもそれほど食べるわけではないので、もともと大きくなる体質だったんでしょうね。身長があるので、そこまで肥満というわけではないらしいんです。毛が長めなのと、太っていたときのルーズスキンがあるから太って見えるのかな(笑)」

その出会いはまさに運命!?人のそばが大好きなぐっぴー。家にいるときはぐぴ主さんにべったり(写真提供/さきともさん)

人のそばが大好きなぐっぴー。家にいるときはぐぴ主さんにべったり(写真提供/さきともさん)

体がとても大きいぐっぴーだが、出会ったときはポケットに入るくらいの大きさで、瀕死の状態だったのだそう。それは、思わず運命という言葉を使いたくなるような出会い。

「ぐっぴーと出会う半年くらい前、以前飼っていた猫の“茶っピー”が12歳11カ月で亡くなったんです。すごくつらくて、会社でずっと泣きながら仕事をしてたんですね。そうしていたら、偶然茶っピーと同じ茶トラの猫に出会った。空き地に一人、動けなくなっていたんですが、『あと1日遅かったら死んでたかも』とお医者さんが言うくらいギリギリの状態だったんです。あまりにもずっと泣いていたから、茶っピーが出会わせてくれたのかなと思います」

クッション、シール、ポストカード、タオルなどのぐっぴーグッズは、さきともさんたちがデザイン。イベントなどで販売しているそう(写真撮影/片山貴博)

クッション、シール、ポストカード、タオルなどのぐっぴーグッズは、さきともさんたちがデザイン。イベントなどで販売しているそう(写真撮影/片山貴博)

テレビの前にはペットモニターが。日中ぐっぴーはほとんど動かないので、逆にモニターに映っていないと心配になるのだとか(写真撮影/片山貴博)

テレビの前にはペットモニターが。日中ぐっぴーはほとんど動かないので、逆にモニターに映っていないと心配になるのだとか(写真撮影/片山貴博)

インスタグラムをはじめたきっかけは、茶っピーが亡くなった後に気付いたことがきっかけなのだとか。

「茶っピーの写真が全然なかったんです。当時はデジカメが今ほど普及していなくてインスタントカメラくらいしかなかったから、茶っピーが小さいときの写真も2~3枚しかなくて。亡くなった後に写真としての思い出が残っていないことをすごく後悔したんです。それで、ぐっぴーは小さいころからかなり写真を撮っていたんですよね。ぐっぴーの写真のアカウントをつくって成長記録にしたら時系列になるしキャプションもつけられるし、万が一携帯が壊れてもログインさえできれば見られるからいいなと思ったのがきっかけです」

(写真撮影/片山貴博)

(写真撮影/片山貴博)

国境を越えて人々を魅了するぐっぴーは、まさに“福猫”テレビ番組の企画でさきともさんが5時間かけてつくったというぐっぴー号。お気に入りで、1回出すとずっと入っているそう(写真撮影/片山貴博)

テレビ番組の企画でさきともさんが5時間かけてつくったというぐっぴー号。お気に入りで、1回出すとずっと入っているそう(写真撮影/片山貴博)

入るときはちょっとおしりが引っかかっちゃうのもかわいい(写真撮影/片山貴博)

入るときはちょっとおしりが引っかかっちゃうのもかわいい(写真撮影/片山貴博)

さまざまな思いからできたインスタグラムのぐっぴーアカウント。まるで人間のような表情や仕草を捉えた写真たちは、日本のみならず海外でも人気だ。

「当時飾っていた書道のカレンダーとぐっぴーを並ばせて撮った写真をインスタグラムにアップしたら、中国の微博で『Japanese Cat!』みたいな感じですごくシェアされて(笑)。そこで一気にフォロワーが増えたんです。
ぐっぴーがいたから、普通に生活していたら出会わなかったような人たちにたくさん出会うことができました。保護猫のために活動している方やぐっぴーファンの方など、出会いの幅が広がりましたね。私たちも猫のためにできることを、と考えるようになりました。ぐっぴーがいなかったらグッズをつくることもなかったでしょうしね(笑)」

玄関も好きな場所のひとつ。よくごろごろしているそう(写真撮影/片山貴博)

玄関も好きな場所のひとつ。よくごろごろしているそう(写真撮影/片山貴博)

履き古した靴の臭いが好きなんだそう。撮影時もスタッフの靴を一足ずつチェック(写真撮影/片山貴博)

履き古した靴の臭いが好きなんだそう。撮影時もスタッフの靴を一足ずつチェック(写真撮影/片山貴博)

さまざまな幸せを運んできてくれたぐっぴーは、さきともさんにとっての“福猫”だ。

「ぐっぴーがいるから家に帰るのが楽しくなりましたし、いなかったら今の幸せな暮らしがなかったかも。ぐっぴーはすごく空気を読むので、私たちが喧嘩をしても仲裁してくれるんですよね。二人の間にぺとんと寝たりして。本当に心の支えですね。
(猫との生活で)大切にしているのは、ぐっぴーの気持ちになって考えること。大きい音出さないとか、こうしたいんだろうなという気持ちを汲み取ってやってあげることです。少しでも幸せだと感じてほしいんです」

新しい世界や人との出会い、猫があたえてくれる安心感や多幸感。猫がいる生活は、多方面の“豊かさ”を与えてくれるのだ。

>Instagram
アカウント名 @gupitaro

貼るだけ・塗るだけでOK! 人気インスタグラマーの素敵DIYアイデア5

DIYやリノベーションで、住まいを自分好みにカスタマイズして素敵空間を手に入れる。そうした人が増えている一方で、自分もやってみたいけれど大掛かりになりそうで……と躊躇(ちゅうちょ)している人も多いのではないでしょうか。でも、大きな道具がなくても大丈夫。手づくりで部屋を変身させている人気インスタグラマーのDIYアイデアを紹介します。
まっさらな新築空間をDIYで自分色にカスタマイズ

木材パッチワークウォールの圧倒的な存在感。この壁面をつくったのは千葉県で暮らす田中さやかさん。DIYライフやお子さんの日常を撮影した写真が人気のインスタグラマーです。

シャビーなテクスチャー感のあるインテリアが好きな田中さんは、7年半前に新築で購入したマンションを、暮らしながらコツコツと手を入れて好みの空間に変えてきました。「新築のピカピカな新しさよりも、表情のある空間が好き」と、壁やドアをペイントし、クッションフロアを張り、雑貨や植物を飾って楽しんでいます。

田中さんのDIYポイントは大掛かりな道具を使わず、いかに簡単にやるかを考えることだそう。
「工具は普通の家にあるようなドライバーや塗装用のハケ、あとは最近マルチツール(※)を購入したくらいです」
「自分の家だから失敗してもいいと思い切って、DIYをしています」と語る田中さんに、家中のDIYアイデアについて聞いてみました。

※1台で木材の「切断」「研磨」「穴あけ」や「ネジ締め」などいろんな機能が使える電動工具

壁を塗った塗料とパッチワークウォールの木材に塗ったワックス。右は最近購入したマルチツール(写真提供/田中さやかさん)

壁を塗った塗料とパッチワークウォールの木材に塗ったワックス。右は最近購入したマルチツール(写真提供/田中さやかさん)

【DIYアイデア1】何でも受け入れる「包容力」のあるパッチワークウォール無垢材の家具の木質感と、木材パッチワークの壁の質感がそろっていて、不思議な統一感を見せています(写真撮影/山出高士)

無垢材の家具の木質感と、木材パッチワークの壁の質感がそろっていて、不思議な統一感を見せています(写真撮影/山出高士)

――ここをパッチワークウォールにしようと考えたきっかけは何ですか?
「白い壁の前にある黒いテレビの存在感が大きくてインテリアに馴染まないなあと感じていて、思いついたのがこの木材パッチワークです。ネットで見た外国のインテリア写真から思いつきました」(田中さん・以下同様)

――壁一面のDIYは大変ではなかったですか?
「ホームセンターで買った1袋100円の端材に、ブライワックスという自然素材のワックスを塗り、それを白い壁紙の表面に、端から順に強力接着材で貼り付けただけなんです。苦労した点は端材の並べ方。サイズがバラバラなので、モザイク状に貼っていくと隙間ができてしまうのですが、隙間が小さくなるように組み合わせました。それでもどうしても隙間が空きますが、フェイクのモス(苔)やタイルを埋めています。壁紙の表面に貼っただけなので、木材の重量に耐えられるかどうか不安でしたが、今のところ大丈夫です。剥がれてしまっても自己責任です(笑)」

――費用はどのくらいかかったのですか?
「使った端材は30袋未満だったので、低コストで済みましたが、接着材に費用がかかりました。1本1000円程度のものを10本くらい使ったので」

――雑貨がたくさん飾られていて、一つ一つをじっくり見入ってしまいます(笑)
「お菓子の空き箱やガラクタのようなものなど、何を置いてもサマになります。とっても包容力のある壁です(笑)。以前は雑貨を飾る場所が少なかったのですが、一面が飾り棚になりました」

サイズの異なる端材をうまく利用した、いろんな雑貨をちょこっと飾れる”ミニ棚”がたくさん。「計算して組み合わせているのではなく、何となくの感覚で木材を配置しました」と田中さん(写真撮影/山出高士)

サイズの異なる端材をうまく利用した、いろんな雑貨をちょこっと飾れる”ミニ棚”がたくさん。「計算して組み合わせているのではなく、何となくの感覚で木材を配置しました」と田中さん(写真撮影/山出高士)

製作途中のパッチワークウォール。小さな隙間があるのが分かります。壁全面もいいですが、部分的にパッチワークになっているのも素敵(写真提供/田中さやかさん)

製作途中のパッチワークウォール。小さな隙間があるのが分かります。壁全面もいいですが、部分的にパッチワークになっているのも素敵(写真提供/田中さやかさん)

【DIYアイデア2】シャビーなニュアンスカラーで雰囲気のある空間づくりを奥の壁と窓側の壁を、濃淡の異なるグリーンにペイント。「白い壁も、壁紙のままより、白く塗装した壁の方が自然の風合いを感じます」。床は薄い杉板を敷き詰めています(写真撮影/山出高士)

奥の壁と窓側の壁を、濃淡の異なるグリーンにペイント。「白い壁も、壁紙のままより、白く塗装した壁の方が自然の風合いを感じます」。床は薄い杉板を敷き詰めています(写真撮影/山出高士)

――ダイニングスペースの壁は色合いが独特ですね。
「壁紙に直接、塗料をペイントしました。ニュアンスのある色合いにこだわって、ポーターズペイントという塗料を使っています。この塗料は自然素材に馴染む発色で、空間に趣のある表情をもたらしてくれます。塗装は初めてなので、ワークショップでペイントレクチャーを受けてからDIYに臨みました」

――ダイニングはリビングと床材が違いますね。
「もともと全面フローリングでしたが、ピカピカの床ではなくて、シャビー感のある無垢の床にしようと思いました。床を張り替えるとなると大ごとですが、これは、建築現場で使われていたオールド足場板をスライスした板材を、フローリングの上に敷き詰めただけなんですよ。足場板の加工品を数多く取り扱っている、広島市のウッドプロというお店のネットショップでサイズオーダーできます。この床にしたら家具が以前より良いものに見えます(笑)。いずれはリビング側もこの床にしようと思っています」

――右側のカーテンの奥には何があるんですか?
「クローゼットがあるのですが、扉の表面に艶があって部屋の雰囲気に合わないので、カーテンで隠しています。自然な風合いのカーテンが部屋の雰囲気に合っていて、奥行きも感じさせてくれます」

――お子さん・こまちゃんをよくここで撮影されていますね。
「娘の成長記録としてよく写真を撮っています。最近、世間では写真スタジオで撮影するのが流行っていますが、自宅でも写真スタジオのような雰囲気で撮影できるので、お金がかかりません(笑)」

とてもフォトジェニックな長女・こまちゃん。塗りムラのあるグリーンカラーの壁が自然光を受けて独特の表情を浮かべています(写真提供/田中さやかさん)

とてもフォトジェニックな長女・こまちゃん。塗りムラのあるグリーンカラーの壁が自然光を受けて独特の表情を浮かべています(写真提供/田中さやかさん)

思い切り飾り付けても映えるので、イベント時にもこの空間が活躍します(写真提供/田中さやかさん)

思い切り飾り付けても映えるので、イベント時にもこの空間が活躍します(写真提供/田中さやかさん)

【DIYアイデア3】写真を思い通りの位置に配置できるマグネットウォール寝室の壁には田中さんが撮影したこまちゃんの写真がたくさん(写真撮影/山出高士)

寝室の壁には田中さんが撮影したこまちゃんの写真がたくさん(写真撮影/山出高士)

――壁一面に写真を飾るのって素敵ですね。
「このフォトフレーム、磁力で壁にペタッとくっついているんです。壁は、ニチレイマグネットという会社の製品で鉄製の『アイパネル』。キッチンボード用接着剤と両面テープで壁に貼ってあります。細長いパネル2枚を上下に貼る際には夫と2人で苦心しました。これはグレイジュという色ですが、木目調などほかの色もあります。パネルを貼った余白の壁はフォトフレームに合わせてグリーンに塗装しました」

――壁にフックをいくつもつけなくてよいわけですね。
「フォトフレームのうち6つはニチレイマグネット『HEYADECO』シリーズの『フレームデコ』というもので、磁石付き。他は、市販のフォトフレームの裏にマグネットシートを貼りました。マグネットのフレームだと着脱が簡単。飾る位置を決めるとき、微調整がとっても楽にできました」

ペタッと壁にくっつくので、フォトフレームの数が多い家にはオススメ。HEYADECOシリーズはフォトフレームのほか、棚、フック、ウォールデコレーション用品があります(写真撮影/山出高士)

ペタッと壁にくっつくので、フォトフレームの数が多い家にはオススメ。HEYADECOシリーズはフォトフレームのほか、棚、フック、ウォールデコレーション用品があります(写真撮影/山出高士)

【DIYアイデア4】スイッチも、コンセントのごちゃごちゃも隠してスッキリ写真左/水を使うキッチンの照明のスイッチパネルは、レザーを挟んだフォトフレームにイン。写真右/トイレの照明スイッチは額装したポストカードの裏側にあります。単なるスイッチではなくアート作品の展示になっていて素敵(写真撮影/山出高士)

写真左/水を使うキッチンの照明のスイッチパネルは、レザーを挟んだフォトフレームにイン。写真右/トイレの照明スイッチは額装したポストカードの裏側にあります。単なるスイッチではなくアート作品の展示になっていて素敵(写真撮影/山出高士)

――スイッチやインターホンが、何だか楽しく変身していますね。
「スイッチ類は毎日使うものなので、素材感やディテールが気になります。ある日ふと、見た目が気になるものはフォトフレームや扉を付けて隠してしまおうって思いつきました(笑)。照明スイッチは、額に入れたレザーやポストカードの上からスイッチをカチッと押して切り替えます。額装できないインターホンは塗装しました」

――コンセントも隠していますね。
「コンセントや操作パネルのプラスチックは黄色く変色してしまうタイプが多いので、フォトフレームとボックスを組み合わせたものでスッキリ隠しています(下写真参照)。差し込み部分や配線のごちゃごちゃも気にならないですよ」

左のインターホンはベニヤ板で囲い、表面をアイアン塗料で黒くして、上部にミニチュアを飾っています。「1」「2」と書かれた横の丸い押しボタンはレザー貼り。左側にある床暖房の操作パネルは黒い蓋を付けました。(写真撮影/山出高士)

左のインターホンはベニヤ板で囲い、表面をアイアン塗料で黒くして、上部にミニチュアを飾っています。「1」「2」と書かれた横の丸い押しボタンはレザー貼り。左側にある床暖房の操作パネルは黒い蓋を付けました。(写真撮影/山出高士)

コンセントの両脇にL字フックを取り付けて、アートフレームを貼ったボックスを引っ掛けるだけ。ボックスの下側はコードが出るように空けてあります(写真撮影/山出高士)

コンセントの両脇にL字フックを取り付けて、アートフレームを貼ったボックスを引っ掛けるだけ。ボックスの下側はコードが出るように空けてあります(写真撮影/山出高士)

この額もコンセントカバー。照明の配線用にボックス上部にも穴をあけてあります(写真提供/田中さやかさん)

この額もコンセントカバー。照明の配線用にボックス上部にも穴をあけてあります(写真提供/田中さやかさん)

お子さんの似顔絵を飾ったコーナー。照明の電源コードを邪魔しないよう、アートフレームの両脇に角材をつけて奥行きをとりました(写真撮影/山出高士)

お子さんの似顔絵を飾ったコーナー。照明の電源コードを邪魔しないよう、アートフレームの両脇に角材をつけて奥行きをとりました(写真撮影/山出高士)

【DIYアイデア5】濃色と淡色を使い分けた塗装が空間にメリハリを生むキッチン側はグレイジュカラーに塗装し、左側はドアを含めて黒く塗装。個性的な雰囲気に仕上がっています。中央のドアは壁や天井に合わせて白く塗りました(写真撮影/山出高士)

キッチン側はグレイジュカラーに塗装し、左側はドアを含めて黒く塗装。個性的な雰囲気に仕上がっています。中央のドアは壁や天井に合わせて白く塗りました(写真撮影/山出高士)

――壁の塗装は大胆な色使いですが、落ち着いた色合いなので独特の雰囲気を生んでいますね。
「場所ごとに濃淡に塗り分けると、空間にメリハリが生じます。全体が白い空間に雑貨をたくさん置くとごちゃごちゃした印象になりがちですが、色によってメリハリがあると、雑多な雰囲気を飲み込んでまとまりが出ると考えました」

――サッシやドアノブも黒くしたのですか?(下写真参照)
「塗るだけでざらっとした鉄っぽい質感になるアイアン塗料を塗りました。窓枠が黒いのも、空間にメリハリや雰囲気が出ますね」

――壁の色を選んだ決め手は何ですか。
「最初は何色にするかさんざん迷いました。でもとりあえずコレと思った色を塗ってみようと思って。塗装だけではありませんが、『自分の家だから、失敗してもいいや』って考えました。思い切りがいいんですね。考え込んでしまうより、まずやってみるということで進めています」

写真左/ダイニング側のサッシの室内側をアイアン塗料で黒く塗装。ガラスには半透明のフィルムを貼りました。「向かい側に大きな倉庫があるので目隠しです」。黒い鳥のシールが効いています。写真右/ドアノブも黒く(左写真撮影/山出高士、右写真提供/田中さやかさん)

写真左/ダイニング側のサッシの室内側をアイアン塗料で黒く塗装。ガラスには半透明のフィルムを貼りました。「向かい側に大きな倉庫があるので目隠しです」。黒い鳥のシールが効いています。写真右/ドアノブも黒く(左写真撮影/山出高士、右写真提供/田中さやかさん)

カウンター小窓の枠はゴールドの樹脂塗料で仕上げました。「この塗料は臭いがきつくてすぐ固まってしまうので、塗るのにとても苦労しました」。キッチン雑貨をたくさん置いても、ごちゃつきなく収まっています(写真撮影/山出高士)

カウンター小窓の枠はゴールドの樹脂塗料で仕上げました。「この塗料は臭いがきつくてすぐ固まってしまうので、塗るのにとても苦労しました」。キッチン雑貨をたくさん置いても、ごちゃつきなく収まっています(写真撮影/山出高士)

窓側の壁は深みのあるグリーンに塗装。エアコンのダクトカバーも壁に合わせて下半分を塗装しています。「この塗り分けは気に入っています」。無印良品のチェストは脚を黒く塗装し、引き出しに数字シールを貼ってカスタマイズしました(写真撮影/山出高士)

窓側の壁は深みのあるグリーンに塗装。エアコンのダクトカバーも壁に合わせて下半分を塗装しています。「この塗り分けは気に入っています」。無印良品のチェストは脚を黒く塗装し、引き出しに数字シールを貼ってカスタマイズしました(写真撮影/山出高士)

【DIYアイデア色々】“ちょっとここを変えたいな”という気持ちを大切に

――DIYを始めたきっかけは何ですか。
「夫の希望で新築マンションを購入しました。購入当初は普通の内装だったのですが、『ちょっとここを変えたいな』という気持ちが芽生えていきました。面白いものが好き、雑貨が好き、小さいころから工作好きということもあって、やってみようと。何かに心が突き動かされました(笑)」

――塗装やパッチワークウォールづくり、クッションフロアやタイル貼りなど、時間も手間も気力もかかりそうですね。
「娘がもっと幼い時期、家にいる時間が長かったので、家事の合間に壁を少しずつ塗ったりしていました。始めると集中するので、ストレス発散になってよかったです」

田中さんは愛猫2匹と暮らしています。パッチワークウォールの一角には、猫のトイレブースも設置しました(写真撮影/山出高士)

田中さんは愛猫2匹と暮らしています。パッチワークウォールの一角には、猫のトイレブースも設置しました(写真撮影/山出高士)

こまちゃんの部屋は女の子らしさ全開。壁をピンクに塗装し、床はクッションフロアを敷き詰めました(写真撮影/山出高士)

こまちゃんの部屋は女の子らしさ全開。壁をピンクに塗装し、床はクッションフロアを敷き詰めました(写真撮影/山出高士)

もともと大理石だった玄関土間は、上から好みのタイルを貼りました。照明はダウンライトでしたが、アタッチメントを付けてペンダントライトにチェンジ(写真撮影/山出高士)

もともと大理石だった玄関土間は、上から好みのタイルを貼りました。照明はダウンライトでしたが、アタッチメントを付けてペンダントライトにチェンジ(写真撮影/山出高士)

写真左/木とアイアンの組み合わせが素敵なフックは、板にフックをネジ留めして壁に接着剤で設置。「木ネジが打てない壁でも、重い鞄を安心して掛けられます」。写真右/キッチンツール掛けも木板に設置して、タイル壁に取り付けました(写真撮影/山出高士)

写真左/木とアイアンの組み合わせが素敵なフックは、板にフックをネジ留めして壁に接着剤で設置。「木ネジが打てない壁でも、重い鞄を安心して掛けられます」。写真右/キッチンツール掛けも木板に設置して、タイル壁に取り付けました(写真撮影/山出高士)

吊り戸棚にずらっと並べて掛けたカップ収納のカゴは、IKEAの製品。DIYではありませんが、このアイデアは訪ねて来るお友達に大好評だそう(写真撮影/山出高士)

吊り戸棚にずらっと並べて掛けたカップ収納のカゴは、IKEAの製品。DIYではありませんが、このアイデアは訪ねて来るお友達に大好評だそう(写真撮影/山出高士)

食器棚のガラスにレトロな模様入りフィルムを貼って、中身を隠しています(写真提供/田中さやかさん)

食器棚のガラスにレトロな模様入りフィルムを貼って、中身を隠しています(写真提供/田中さやかさん)

洗面室の壁に洗剤ボトルをかけられるよう、扉の取っ手をフックとして取り付けました。パッと手に取れて便利。普段はカーテンを閉めてスッキリ隠しています(写真撮影/山出高士)

洗面室の壁に洗剤ボトルをかけられるよう、扉の取っ手をフックとして取り付けました。パッと手に取れて便利。普段はカーテンを閉めてスッキリ隠しています(写真撮影/山出高士)

陶器の猫の横にさりげなく飾られた田中さんファミリーの木彫り人形。よく見ると胸に愛猫2匹も描かれています(写真撮影/山出高士)

陶器の猫の横にさりげなく飾られた田中さんファミリーの木彫り人形。よく見ると胸に愛猫2匹も描かれています(写真撮影/山出高士)

田中さんのDIYは、壁や建具を塗装する、フックを設置する、接着剤で貼り付けるなど、持ち家だからできることが多いですが、賃貸住宅でも、壁に刺した穴が目立たないフックや両面テープ、剥がせる壁紙、敷くだけの床材などを用いれば、応用できそうなアイデアもたくさん。

「ここがこうなったら毎日いい感じかも」「気になるものは見えなくする」……そうした、ちょっとした思いつきを形にして、家を素敵に変身させてきた田中さん。ここまで手を入れられて凄いですねと話す私に、田中さんは「マメな性格ではなく、ちょっと器用っていうだけなんですよ」と微笑みます。

「徐々に変わって行く我が家の様を見て、夫はいつも褒めてくれます。ここまでやるとは思っていなかったみたいです(笑)。好きなことを楽しみながら、思う存分できて幸せですね」とDIYライフを振り返る田中さん。素敵なお住まいを見て、「わが家もカスタマイズしたい!」ととても影響を受けた1日となりました。

●取材協力
・田中さやかさん