建築家・谷尻誠のサウナ道。「日々ととのい立ち止まる暮らしを全国に。一家に1サウナ時代がきたら素晴らしい」

サウナブームと呼ばれて久しいが、なかには自宅にサウナをつくってしまう上級者もいるようだ。建築家・谷尻誠さんもその1人。3年前にサウナに目覚めたという谷尻さんは自宅をはじめ、建築家としてサウナ付きのホテルやテントサウナなども手がけてきた。そして、現在は広島のオフィスにもサウナを作る計画があるという。

今回は「SUUMO」×「じゃらん」のコラボ企画として、そんなサウナをSUUMOでは「おうちサウナ」、じゃらんでは「旅サウナ」、それぞれの視点から楽しみ方を紐解いてみたい。そこで、谷尻さんに、日常でどのようにサウナを楽しんでいるかや、自宅のサウナの話、職場でのサウナの話などについて聞いてみた。

サウナはコミュニケーションの場でもある

――谷尻さんがサウナにハマったきっかけを教えてください。

谷尻誠さん(以下、谷尻):サウナに目覚めたのは3年ほど前です。“ととのえ親方”こと、プロサウナーの松尾大さん指導の下、アウトドアサウナを体験したのがきっかけですね。

谷尻誠さん(写真撮影/嶋崎征弘)

谷尻誠さん(写真撮影/嶋崎征弘)

――そのときにサウナの気持ちよさを知ったと。

谷尻:はい、めちゃくちゃ気持ち良くて、ハマってしまいましたね。それから週に3~4回はサウナに入るようになり、キャンプに行く時は常にテントサウナを持参し、さらには自宅にもサウナをつくってしまいました。自社のサウナストーブを入れて、スチールの花壇に水を溜めた水風呂を設置した簡易的なものですけれどね。

企業とコラボしたサウナストーブ、火が見える仕様となっている(画像提供/(株)DAICHI)

企業とコラボしたサウナストーブ、火が見える仕様となっている(画像提供/(株)DAICHI)

――自宅サウナ、羨ましいです。どれくらいのペースで入っていますか?

谷尻:週3回くらいですかね。夜のルーティーンとして、ゆっくり入っています。あとは週末に日ごろの疲れを癒やしたり、冬場はスノーボード帰りに入ることが多いですね。時々、事務所のスタッフが入りにくることもありますよ。リラックスしながらコミュニケーションをとるスペースとしても重宝しています。

――今では、ご自宅以外にもホテルやキャンプ場のサウナを設計するなど、もはや趣味の域を超えていますよね。

谷尻:ちなみに、いまは「ととのえベンチ」という外気浴用の水平ベッドを設計しています。温浴施設の外気浴スペースにはリクライニングチェアが設置されていることが多いのですが、僕は仰向けになって空を見上げられる状態のほうが心地いいんです。そこで、専用のベッドをつくってしまおうと。

ととのえベンチ(写真提供/(株)DAICHI)

ととのえベンチ(写真提供/(株)DAICHI)

ととのえベンチ(写真提供/(株)DAICHI)

ととのえベンチ(写真提供/(株)DAICHI)

サウナは「一家に一室」の時代?

――サウナブームの影響で、住宅やホテルなどにサウナを導入したいというニーズは増えているのでしょうか?

谷尻:そうですね。住宅やホテルなど「サウナ付きの●●」という依頼は多くなってきました。だから今度、松尾大さんと「サウナに特化したゼネコン」をつくることにしたんです。これまで、ホテルや自宅の設計をする建築家とサウナをつくるメーカーは別々でした。でも、それを一つにして、ホテルの設計もサウナの企画も、さらには工事までワンストップで行える会社があったらいいんじゃないかと。ホテルもサウナも統一されたイメージでつくることができますし、最初からサウナありきで設計すれば、より心地よいものになるはずですから。

――今やサウナで集客ができるようになりましたもんね。今後、谷尻さんのように自宅にサウナをつくる人も増えると思いますか?

谷尻:増えるんじゃないでしょうか。洗濯機や冷蔵庫のように“一家に一室”の時代がきてもおかしくないと思います。じつはそこまでスペースもとらないし、心身ともに健康になれるし、そうなったら素晴らしいと思いますよ。

(写真撮影/嶋崎征弘)

(写真撮影/嶋崎征弘)

サウナに入ることで、いったん立ち止まる

――サウナに目覚めて、一番良かったことは何ですか?

谷尻:「いったん止まること」を覚えたのは大きいです。サウナ室にはスマートフォンも持ち込めないし、いったん立ち止まるような感覚があるんですよ。仕事や生活に忙殺されていると、そういう時間ってなかなか持てませんよね。常に何かしら考えていたり、手を動かしていたりする。「正」という字は、「一に止まる」と書くって言うじゃないですか。あれは本当にその通りで、いっとき止まって考えてみると、いいアイデアが閃いたり、前向きな思考になれたりするんです。

――デジタルデトックスじゃないですけど、脳がリフレッシュされそうですよね。

谷尻:だから今、広島にあるオフィスにもサウナを作る計画を立てています。まだ構想段階ですが、ビル全体を改修して、1階にレストラン、2階にギャラリー、3階にオフィス、そして、5階をサウナにする予定なんですよ。

――それはすごい。どんなコンセプトのサウナになるんですか?

谷尻:都市部にあるビルなので、なかなか理想通りとはいかないのですが、それでも外気浴をしながら自然を感じられるような空間はつくりたいですね。あとは、他で見たこともない、どこにもないようなサウナにしたいです。例えば、5階の窓を全て外してしまうとかね。そうすれば、サウナ室を出た瞬間から外気浴をしているような気分を味わえるんじゃないかと思います。

屋上から穴を開け、日光が植物を照らすようなデザイン(画像提供/SUPPOSE DESIGN OFFICE)

屋上から穴を開け、日光が植物を照らすようなデザイン(画像提供/SUPPOSE DESIGN OFFICE)

(画像提供/SUPPOSE DESIGN OFFICE)

(画像提供/SUPPOSE DESIGN OFFICE)

大きいバルコニーをつくり、水風呂と外気浴スペースを設けるそう。画像は外気浴スペース(画像提供/SUPPOSE DESIGN OFFICE)

大きいバルコニーをつくり、水風呂と外気浴スペースを設けるそう。画像は外気浴スペース(画像提供/SUPPOSE DESIGN OFFICE)

水風呂(画像提供/SUPPOSE DESIGN OFFICE)

水風呂(画像提供/SUPPOSE DESIGN OFFICE)

――オフィスにサウナ。スタッフさんが羨ましいです。

谷尻:もちろん疲れを癒やしてもらったり、コミュニケーションを円滑にしたりする目的はあるのですが、自分自身で体験することでサウナーの気持ちを分かってほしいという思いがあります。

――サウナを設計する上では、とても大事なことですね。

谷尻:そうなんです。あまりサウナに入ったことのない人だと、ただサウナ室を設計すればいいと思ってしまうんですよ。でも、サウナってサウナ室だけでなく、水風呂や外気浴スペースへの動線などもすごく大事です。さらには、サウナ後に何を食べたいのか、どういう環境でくつろぎたいのかなど、本当に気持ちよくなるためのポイントはたくさんあります。だから、スタッフそれぞれが「サウナとは何なのか」を考え、理解してもらいたい。そのために、サウナに“社員旅行”したこともあるんですよ。広島オフィスのサウナも、うちのスタッフはいつでも入れる状態にしようと思っています。(広島事務所の5Fのサウナは近日会員募集予定)

――となると、さらにサウナへの理解が深まりますね。その上で、谷尻さんたちがこれからどんなサウナをつくってくれるか、楽しみです。

谷尻:僕自身も楽しみです。うちに限らず、オフィスにサウナがあると生産性が上がると思うんです。例えば、出社してデスクにつく前、昼食後、仕事が終わった後など、サウナに入ってリフレッシュすることでメリハリがつく。頭がぼーっとした状態でダラダラ働くより、よっぽどいいです。ですから、まずはうちが率先して、そんな働き方を実践していきたいですね。

谷尻さんのようにサウナを「コミュニケーションの場」として楽しむサウナーは少なくない。とはいえ、昨今のご時世ではなかなか難しい。そんなときにサウナが一家に一室の時代がくれば、より快適なサウナライフが送れることだろう。

●取材協力
SUPPOSE DESIGN OFFICE
DAICHI silent river

●関連記事
谷尻誠さんのサ旅については「じゃらんニュース」で
建築家・谷尻誠のサウナ建築と“サ旅”。滝壺や船上、雪風呂など「その土地ならではのサウナ体験をつくりたい」

あなどれない木造! マンションもオフィスビルも建てられる最新事情

全国47都道府県の木材を軒庇(のきひさし)に使用した新国立競技場など話題の建築を引き合いにだすまでもなく、昔から日本では家を建てる際に「木」が使われてきた。その多くは3階建てまでだが、最近は技術的な進化で中高層の木造住宅も建築されるようになってきた。こうした背景には何があるのか? 国土交通省の一重(ひとえ) 喬一郎さんに話を伺いながら、木造住宅・木造建築の最新事情をさぐった。
実は燃えにくく、地震にも強い!?木造住宅

童話『三匹の子豚』ではオオカミにあっという間に壊されてしまった“木の家”だが、世界で最も古い木造建築物は、607年に建てられた法隆寺の五重塔だ。子豚の次男は、正確には“木の枝”を集めてちゃちゃっと建てたから、文字どおり“木っ端みじん”にされたのであって、きちんと建てて、メンテナンスさえ怠らなければ1400年以上も長持ちするのだ。

法隆寺(写真/PIXTA)

法隆寺(写真/PIXTA)

「そもそも日本は国土の約7割が森林に覆われています」と一重さん。そのため木の家は昔から私たちにとって身近な存在だった。今でもそれは変わらないようで「国土交通省がまとめた令和元年度の『建築着工統計』によると、3階建て以下の住宅のうち、木造は実に82.5%を占めています。また内閣府の『森林と生活に関する世論調査(令和元年)』でも、『新たに住宅を建てたり、買ったりする場合、どんな住宅を選びたいか?』という問いに対し、73.6%が木造住宅を建てたいと回答しています」。つまり、私たちは木の家が大好きなのだ。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

それを示すように21世紀に入ってからは古民家が見直されるようになってきたし、無垢(むく)の床材が流行ったり、木のフィトンチッド(木が発散する物質で、消臭や抗菌、リラックス効果があると言われている)が注目を集めるようになった。

一方で「木造は燃えやすい」とか「地震に弱い」と思われていたのも事実。けれど、一昔以前と比べて、木造建築の技術は飛躍的に進歩している。

たしかに木は燃えるが、燃えた部分が炭化層となり、酸素供給を阻むことで燃え進みにくくなる。この性質を活かし、「準耐火建築物」では、一定の厚みを増した上で木の柱や梁を“現し”(=燃えしろ設計)にすることが可能である。防火地域内では、一般の住宅でも3階建て以上か、延べ面積100平米を超えるものは、これまで「耐火建築物」とする必要があったが、平成30年の法改正により石膏ボードなどで覆わずに、燃えしろ設計で木造住宅を建築することができるようになっている。

さらに古くは漆喰壁など、昔から “防耐火技術”の研究が絶え間なく続けられ、現在は難燃薬剤の注入や、不燃材を内部に埋め込み木の柱や梁をつくる技術なども開発されている。

また耐震性に関しては、木造だろうと鉄筋コンクリート造であろうと、現在の耐震基準を満たすことが求められている。つまり、基準を満たしている住宅は、構造種別とは関係なく、すべからく一定以上の耐震性があるということだ。実際「2016年に起きた熊本地震の悉皆調査によれば、2000年に改正された基準を満たして建てられた木造の住宅は一部の特殊なものを除き全てが倒壊を免れており、約6割が無被害でした。さらに、耐震性のレベルを示す耐震等級で、最も高い耐震等級3の住宅はほとんどが無被害であったため、被災後も安全に住み続けられることができると考えられます」

そもそも木は、鉄やコンクリートと比べて、「軽い割に強い」素材だ。加えて、最近は「CLTなどの新しい素材の開発や、木材と木材を強固に繋いで耐震性を高める要となる金具の開発などによって、木造でも高層建築物が建てられるようになってきています」という。

CLT(直交集成板)パネル(写真提供/国土交通省)

CLT(直交集成板)パネル(写真提供/国土交通省)

ちなみにCLTとはヨーロッパで生まれた技術で、繊維方向が直交するように積み重ねて接着した集成パネルのこと。そのため大木を必要とせず、また節の多い木でも使えるため、木材を有効に活用できるというメリットがある。また厚みや強度があるので、構造を支える壁や床として使用できる。

鉄筋コンクリート造と組みあわせれば高層建築物も可能!

では、実際の最新木造住宅とはどんなものがあるのか。

(写真提供/三井ホーム)

(写真提供/三井ホーム)

「例えば東京都千代田区に三井ホームが建てた木造(ツーバイフォー構法)4階建て住宅は、『防火地域』『4階建て』『狭小』という3つもの課題をクリアして、3世代が暮らせるような造りになっています」。『防火地域』と『4階建て』は最新の木造技術を使って、隣家との間が狭くて足場の組めない『狭小』では独自の「建て起こし工法」と呼ばれる方法を使って、4階建てを実現した。

また神奈川県横浜市で大林組が「仮称OYプロジェクト」として建築を計画しているのは「木造軸組構法による11階建ての研修所です」。柱と梁の接合部分に「十字型剛接合プレファブユニット」という技術を採用し、高層化を実現している。

高層純木造耐火建築物「仮称OYプロジェクト」(画像提供/大林組)

高層純木造耐火建築物「仮称OYプロジェクト」(画像提供/大林組)

鉄骨造や鉄筋コンクリート造と組みあわせる方法でも、もっと高い“木の家”を建てることも可能だ。2020年9月に、三井不動産と竹中工務店は東京都中央区日本橋において、木造高層建築物として国内最大・最高層となる木造賃貸オフィスビル計画の検討に着手したと発表した。構造は「ハイブリッド木造」とされ、規模は地上17階・高さ約70m・延べ面積約26000平米になるという。今後、詳細の検討を勧め、2023年着工・2025年竣工を目指すとしている。

(画像提供/三井不動産・竹中工務店)

(画像提供/三井不動産・竹中工務店)

このように木造建築の高層化は着々と進んでいるのだ。

竹中工務店は木造技術を多く採用した12階建ての単身者向け社宅「フラッツ ウッズ 木場」も手掛けている(写真提供/竹中工務店)

竹中工務店は木造技術を多く採用した12階建ての単身者向け社宅「フラッツ ウッズ 木場」も手掛けている(写真提供/竹中工務店)

(写真提供/竹中工務店)

(写真提供/竹中工務店)

“木”は日本にとって貴重な天然資源

それにしても、いくら日本人が「木が好き」だといっても、なぜ近年こうした高層化プロジェクトが続々と生まれているのか。それには「天然資源が乏しい日本にとって、森林は他国よりも豊富にある、貴重な資源」であることが関係している。

昔から日本は森林が豊富だと思う人は多いだろうが、実は日本の長い歴史の中では、森林伐採と植林の歴史を繰り返してきている。日本人にとって木は最も身近な材料ゆえ、森林乱伐が幾度となく行われてきたのだ。あまりにも乱伐が進んだため676年に天武天皇が伐採禁止令を出したほどである。

太平洋戦争の終戦直後は、現在よりも荒廃した国土で、統計が取られ始めた昭和41年(1966年)時点では、人工林の資源量は現在の約3分の1ほどだった。しかし戦後の植林や間伐などに手入れにより順調に日本の国土では豊かな森林資源がはぐくまれ「最近10年では年平均で約8100立米の『森林資源ストック』が増え続けています」という。

約8100立方メートルとは、平成30年(2018年)の木材需要量とほぼ同等。つまり普通に木を使っていても、1年間分の需要量に相当する“ストック”が毎年増え続けているというわけだ。これを秒単位でみると、9秒で家一軒分の木材が増えているという計算になる。

(写真提供/国土交通省)

(写真提供/国土交通省)

「そこで木材をもっと積極的に利用してもらおうと、国としてさまざまな施策を行っています」。その一つが、中高層の木造建築物の振興施策だ。「3階建て以下の低層住宅の82.5%は木造ですが、オフィスや店舗などの「非住宅」は3階建て以下の低層であっても木造は15.7%、4階建て以上では、住宅、非住宅ともに木造はほとんどありません。そのため木造のシェアを伸ばせる余地の多い、非住宅や、4階建て以上の木造住宅を増やすためにさまざまな施策を行っています」。先述した4階建て木造住宅やOYプロジェクトは、いずれも「木造先導プロジェクト」として国が費用の一部を支援している。

こうした資金面の支援だけではなく「先進的な木造建築を建てられる人材の育成にも力を入れています」という。例えばCLTをはじめとした先進技術の知識やノウハウの共有を目的に、欲しい情報がすぐに見られるようにしたポータルサイトの整備、開設に向けた準備を進めている。

木造住宅で生活の質も高められる

一方で、木造住宅の割合が高い3階建て以下の低層住宅だが、「生活の質をより向上させるための住宅や、長年にわたって住み続けられる住宅を増やすための取り組みも行っています」。例えば一定の省エネ基準や耐久性、耐震基準などを満たした「長期優良住宅」に対する税制優遇はその一例だが、「事業者別にみると、年間1万戸以上供給する大手事業者が建てる住宅のほとんどは長期優良住宅なのですが、年間50戸未満の中小事業者の場合、平成28年度の数字でみても12.6%と、まだまだ少ないという現状です」

1・2階がRC造(鉄筋コンクリート造)、2~5階が木造の集合住宅「下馬の集合住宅(サンパパ下馬ハウス)」(設計:小杉栄次郎・内海彩、撮影:淺川敏)

1・2階がRC造(鉄筋コンクリート造)、2~5階が木造の集合住宅「下馬の集合住宅(サンパパ下馬ハウス)」(設計:小杉栄次郎・内海彩、撮影:淺川敏)

「下馬の集合住宅(サンパパ下馬ハウス)」(設計:小杉栄次郎・内海彩、撮影:淺川敏)

「下馬の集合住宅(サンパパ下馬ハウス)」(設計:小杉栄次郎・内海彩、撮影:淺川敏)

年間50戸未満の中小事業者の多くは、地元に密着して活動していることが多い。そこで地域の中小工務店や建築事務所、原木供給者、製材事業者などがグループを形成して補助金を申請できる「地域型住宅グリーン化事業」が用意された。例えばグループで長期優良住宅を建てると一戸につき最大110万円、省エネルギー性の高いゼロエネルギー住宅なら最大140万円といったように、各種補助金を受け取ることができる。こうした補助金制度を活用してもらうことで、木造住宅を建てようとする人々の「生活の質の向上や、長年にわたって住み続ける」ことを支援しようというものだ。

先述したように3階建て以下の低層住宅のほとんどは木造住宅。しかもこの10年間というレンジで見ると、その割合はじわじわと上昇している。だから木造住宅を増やすという意味では、ここまでの施策は必要ないのだが、「原木供給者や製材事業者など、地方には林業に関連する産業が多いので、こうした施策で地域が活性化することも目的としています」。それゆえ中小工務店単体ではなく、グループでの申請というわけなのだ。

森林という貴重な資源が豊富な日本で、豊かな暮らしを得るために、木材を上手に活用する。しかも木材はCO2を貯め込んだ材料のため、50年、100年と長きにわたり使われる建築物の材料としては、とてもエコな資源だ。木材を上手く使い、都市や地方を問わず生活の質を向上させるというのは、日本の風土に合った暮らし方だと言えそうだ。

●取材協力
国土交通省

石川次郎さんが自宅にオフィスを移転!“豊かな隠居生活”とは? あの人のお宅拝見[16]

本連載で河口湖にある石川次郎さんの別荘を取材させてもらってから3年。雑誌編集界の大御所は今なお現役で活躍中。そんな次郎さんから「事務所を自宅に引越したから遊びに来ない?」と連絡をいただきました。テレワーク(リモートワーク)が今後も進むご時世。緊急事態宣言解除で少々落ち着いたころ、都内の次郎さん@ホームオフィスに興味津々で伺いました。連載【あの人のお宅拝見】
「月刊 HOUSING」編集⻑など長年住宅業界にたずさわってきたジャーナリストのVivien藤井繁子が、暮らしを楽しむ達人のお住まいを訪問。住生活にまつわるお話を伺いながら、住まいを、そして人生を豊かにするヒントを探ります。「隠居って自己実現なんだ」。自分時間が増え、よりクリエイティブに

石川次郎さんはマガジンハウス社から独立後、東京・代官山に事務所(JI inc.)を置き、30年近く編集・企画などの事業経営をされてきました。なぜ、代官山のマンションの一角、ペントハウスで160平米もあった事務所を引き払って自宅に? コロナ禍に何があったのでしょう……。
梅雨どきで雨に降られながら、杉並区にある自宅兼事務所へお邪魔しました。

ご自宅は駅近に建つ一戸建て、アールの外観がモダンな建物。オフィス入り口は正面玄関とは別の、半地下に降りた青い扉(写真撮影/片山貴博)

ご自宅は駅近に建つ一戸建て、アールの外観がモダンな建物。オフィス入り口は正面玄関とは別の、半地下に降りた青い扉(写真撮影/片山貴博)

玄関を入ると、ホームオフィスがワンルームで広がっていました。
ガラスブロックの明かり採りがあるスペースのテーブルでお話を伺うことに。

事務機器や家具はすべて、旧事務所から持ってきたもの。「ここに入らない大きなテーブルなどは、知人に使ってもらったり処分したり」。相当な断捨離だった様子(写真撮影/片山貴博)

事務機器や家具はすべて、旧事務所から持ってきたもの。「ここに入らない大きなテーブルなどは、知人に使ってもらったり処分したり」。相当な断捨離だった様子(写真撮影/片山貴博)

アールのガラスブロックは半地下の部屋に光を採り込む機能ともに、棚としても良い高さに設計されていた。代官山の事務所にあった書籍類は1500冊くらい処分したそう(写真撮影/片山貴博)

アールのガラスブロックは半地下の部屋に光を採り込む機能ともに、棚としても良い高さに設計されていた。代官山の事務所にあった書籍類は1500冊くらい処分したそう(写真撮影/片山貴博)

「年齢も80近くになってきたし、仕事をダウンサイジングするのに良い時期だと思って」
この数年で編集という仕事のスタイルも大きく変化しテレワークが当たり前になっていること、さらにコロナ騒ぎで海外取材の仕事がほとんど延期や中止になってしまったことなどがきっかけとなり、このステイ・ホーム中に代官山のオフィスを自宅に移すことを即断したそうです。

「横尾忠則さんが書いた『隠居宣言』(2008年・平凡社新書)という本を改めて読んで、“隠居”するのは自分がやりたい事をするため、自己実現のためという言葉に共感を覚えた」
アーティストの横尾忠則さんとは若いころから親しくされている次郎さん。80歳前後で元気に活躍される仲間が多いのにも驚かされてしまう。

奥に広がるのは、リビングのようなリラックススペース@ホームオフィス。以前は貸していた2住戸をブチ抜き、広いワンルームにリノベーション(約65平米)(写真撮影/片山貴博)

奥に広がるのは、リビングのようなリラックススペース@ホームオフィス。以前は貸していた2住戸をブチ抜き、広いワンルームにリノベーション(約65平米)(写真撮影/片山貴博)

右手の壁を一面だけ、グレー系ブルーにペイントしたのは次郎さんのアイデア。
「パリへ取材に行ったとき、一面だけカラーペイントするのが流行ってたんだ。それを思い出してね」。薄い青色を選んだのは「半地下の部屋で、空を感じることができればと思って」

「上階の自宅でカミさんとの夕食を済ませたら、さっさと降りてきて、好きな映画を一人でじっくり観る。通勤時間が無いと、こんな豊かな時間ができるなんて考えてなかったよ。一人の時間が充実すると、また新たにやりたいことが頭に浮かんでくるんだ」
半世紀、東京のド真ん中で業界人として名を馳せ、走り続けた次郎さんの新たな日常が始まっていました。

「自分は良かったけどスタッフや通ってくる仕事仲間たちには、狭いし不便になるし、どうかなぁって心配してたんだけど。結構イイって、皆が言ってくれるんだよね」

窓辺に置かれたデスクに、スタッフ用のMacが並ぶ。私もここなら気持ちよく仕事できそう(笑)(写真撮影/片山貴博)

窓辺に置かれたデスクに、スタッフ用のMacが並ぶ。私もここなら気持ちよく仕事できそう(笑)(写真撮影/片山貴博)

コンパクトになった空間に詰まった、ストーリーのあるインテリア

クリエイティブなお仕事のオフィスらしく、素敵なデザインの家具やグッズが並んでいました。
それらには驚きのストーリーが、次々と……。
例えば壁に飾られたモノクロ写真はすべて、仕事をご一緒された国内外の著名な写真家たちからプレゼントされた貴重なオリジナル・プリントです。

「これは知ってるでしょ?革命家チェ・ゲバラの有名な1960年当時のポートレート。そのもとになったこの写真を撮ったのは、フィデル・カストロ付きの写真家、アルベルト・コルダ」。物語と意味のある作品ばかり、次郎さんの歴史そのもの(写真撮影/片山貴博)

「これは知ってるでしょ?革命家チェ・ゲバラの有名な1960年当時のポートレート。そのもとになったこの写真を撮ったのは、フィデル・カストロ付きの写真家、アルベルト・コルダ」。物語と意味のある作品ばかり、次郎さんの歴史そのもの(写真撮影/片山貴博)

それ以上に私を驚かせたのは、この家具セット。ライティング・デスクは折りたたみ式で収納するとコンソールにもなるのですが、
「これ、福山雅治クンのお下がりなんだ(笑)彼が引越す時にもらったの、前の事務所ではもう一つ本棚も使ってたんだけど」
これまた、スゴイ人脈が出てきました!

「流石、福山雅治!」と言ってしまいたくなる、この家具。日本でも人気のB&B Italia社でアントニオ・チッテリオがデザインするコレクション『MAXALTO』のもの。洗練されたクラフトマンシップが素晴らしいシリーズ(写真撮影/片山貴博)

「流石、福山雅治!」と言ってしまいたくなる、この家具。日本でも人気のB&B Italia社でアントニオ・チッテリオがデザインするコレクション『MAXALTO』のもの。洗練されたクラフトマンシップが素晴らしいシリーズ(写真撮影/片山貴博)

床はサイザル麻のカーペットタイルを採用、足にも優しい自然素材なのでホームオフィスにぴったり。

35年前、このご自宅を設計されたのは建築家の阿部勤(アルテック代表)。ル・コルビュジエに師事した日本を代表するモダニズム建築家、坂倉準三のお弟子さん。
「だから、阿部さんはコルビュジエの孫弟子だよね。ちょうど、コルビュジエの版画があるので、どこかに飾ろうかと思って」 

コルビュジエのモデュロール(黄金比からつくった基準寸法)をモチーフにした版画。コンクリート打ち放しの梁がモダン建築らしい(写真撮影/片山貴博)

コルビュジエのモデュロール(黄金比からつくった基準寸法)をモチーフにした版画。コンクリート打ち放しの梁がモダン建築らしい(写真撮影/片山貴博)

私が次郎さんに初めてお会いしたのはミラノ、その思い出につながるオモチャも棚に見つけた!

ドイツのMiele社の赤いトラック・ミニカー。Miele社のお仕事をミラノ・サローネでご一緒したのが次郎さんとのご縁。オフィスにある物、一つ一つにストーリーがあって会話が弾む(写真撮影/藤井繁子)

ドイツのMiele社の赤いトラック・ミニカー。Miele社のお仕事をミラノ・サローネでご一緒したのが次郎さんとのご縁。オフィスにある物、一つ一つにストーリーがあって会話が弾む(写真撮影/藤井繁子)

「当分は、アームチェア・トラベラー」。変わらぬ“旅“への想い

「生活のリズムは全く変わっちゃったね」と楽しそうに語る次郎さんに、御隠居さんの風は無い。
朝起きると、すぐに降りてきてオフィスのキッチンで朝食をつくるのが日課になったそう。「朝メシつくるなんて初めてだから、カミさんは手がかからなくなって一番喜んでる」。ライ麦パンにこだわってつくる朝食、最近のお気に入りは
「アボガド・トースト。ニューヨークで食べたのを思い出しながらつくってる」

8時に出勤、「スタッフより早く出勤するなんて、無かったからね(笑)」。夜も毎日のように外食だったのが、今は基本的に自宅で夕食を食べるそう。
「代官山時代は会食も惰性で毎日のようにスケジュールに入れていたけど、それが今は、街に出かけるってなると大イベント、気分が盛り上がる(笑)。興味の持ち方も変わった。毎日通っていた渋谷にも再発見がある」。半世紀も暮らした街とは思えない、新たな魅力を見つけるのも隠居効果のようです。

「自分の時間が圧倒的に増えた」。そんな次郎さんの関心ごとは、社会人になった時から変わらない原点の“旅”。
「まだ海外へは出られないから、しばらくは“アームチェア・トラベラー”だね」。“アームチェア・トラベラー” とは、旅行雑誌や旅行小説、探検記などを見て、自宅のチェアに腰掛けながら旅の気分に浸る人。探究心や想像力があれば、ウィズ・コロナ時代でも旅人にもなれるわけですね。

そんなイマジネーションを高める、素敵な旅行ガイドブックを見せて下さいました。
『ルイ・ヴィトン シティ・ガイド』、あのヴィトンが1998年から発行するガイドブック。『Paris』から『Cape town』など世界の都市別になっており、ハンディなサイズで、シリーズはヴィトンらしいデザインBOXに入っていました。「ヴィトンの関係者など面白い人たちのローカル情報だから、内容がユニークなんだよ」

“究極の旅の伴侶”として発行された「ルイ・ヴィトン シティ・ガイド」(仏語版・英語版)。2020年に改訂の『シティ・ガイド 東京』には、建築家・隈研吾が特別寄稿。後ろにあるのは『GULLIVER』(マガジンハウス社)、次郎さんが1989年に創刊した旅行雑誌(写真撮影/片山貴博)

“究極の旅の伴侶”として発行された「ルイ・ヴィトン シティ・ガイド」(仏語版・英語版)。2020年に改訂の『シティ・ガイド 東京』には、建築家・隈研吾が特別寄稿。後ろにあるのは『GULLIVER』(マガジンハウス社)、次郎さんが1989年に創刊した旅行雑誌(写真撮影/片山貴博)

このホームオフィスにも、海外で実体験して良かったことを取り入れていて、次郎さんにとって旅はライフスタイルそのもの。

ちなみに、オフィスのリノベでこだわったサニタリールームには、海外のホテルでよく見るオーバーヘッドのシャワーが付いていました。

「天井からのレインシャワーにしたかったけど、天井の高さが足りなくてできなかったので、パイプ一体型のオーバーヘッドシャワーをハンスグローエ社で見つけた」。これから夏場は大活躍しそう(写真撮影/片山貴博)

「天井からのレインシャワーにしたかったけど、天井の高さが足りなくてできなかったので、パイプ一体型のオーバーヘッドシャワーをハンスグローエ社で見つけた」。これから夏場は大活躍しそう(写真撮影/片山貴博)

社会人になってからサラリーマン編集者として約25年、編集プロダクション経営者として約25年、そしてこれからの仕事に対するスタンスを伺うと……
「若いころから、仕事は面白くなければ!って言ってやってきた。これからは、より自己実現に向かう旅路かな」

「こんな雑誌をつくりたいんだよ」と手に取って見せてくれたのは『Holiday Magazine』。元はアメリカで1946年に創刊されたハイクオリティな旅行雑誌、その廃刊後、2014年にフランス人アートディレクターのフランク・デュランがパリで復刊したラグジュアリートラベル誌です。
「雑誌特有の良さはまだあるはずなんだ。手元に置いておくだけでHappyになれる、そんな雑誌をつくりたいね」

『HOLIDAY』は旅とファッションを融合したビジュアル誌、旅行誌らしからぬ表紙(この号の特集はブータン。あっ、Tシャツも『HOLIDAY』だ!)有名フォトグラファーが撮っているので写真のクオリティが半端ない、次郎さんのやりたい方向ですね(写真撮影/片山貴博)

『HOLIDAY』は旅とファッションを融合したビジュアル誌、旅行誌らしからぬ表紙(この号の特集はブータン。あっ、Tシャツも『HOLIDAY』だ!)有名フォトグラファーが撮っているので写真のクオリティが半端ない、次郎さんのやりたい方向ですね(写真撮影/片山貴博)

次郎さんの隠居生活、まだまだ夢に向かって進むようです。これから上階にお引越し予定のお孫さんとの異世代交流が、新たな刺激になるかも?
「自己実現は健康でなきゃできない。ステイ・ホームのお陰で会食も減ってダイエットできたのは良かった(笑)」
御年79歳、次郎さんの隠居生活@ホームオフィスの新たな門出を祝福!

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石川次郎
エディトリアル・ディレクター。編集プロダクションJI inc.(株式会社ジェイ・アイ)代表取締役。1941年、東京生まれ。
早稲田大学卒業後は海外旅行専門のトラベル・エージェントに勤務。約2年後、平凡出版株式会社(現マガジンハウス)に入社、『平凡パンチ』誌で編集者生活をスタート。『POPEYE』『BRUTUS』『Tarzan』『GULLIVER』などの雑誌の創刊作業を担当し、編集長を歴任。1993年同社退社、JI inc.設立。ラグジュアリー誌『SEVEN SEAS』(アルク社)編集長や、六本木ヒルズの「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」、川崎の「LA CITTA DELLA」など商業施設のプロデュースなども手掛ける。1994年~2002年テレビ朝日「トゥナイト2」の司会としても知られている。

東京・京橋に美術館とオフィスの複合ビル

東京・京橋で工事が進められてきた美術館とオフィスの複合ビル「ミュージアムタワー京橋」が、このたび竣工した。
同ビルは、1952年の竣工以来、美術館のあるビルとして親しまれてきた「ブリヂストンビル」の跡地に、(株)永坂産業が2016年6月から建設を進めてきたもの。低層部には2020年1月に開館予定の「アーティゾン美術館」(7月1日にブリヂストン美術館から館名を変更)および展示施設、上層部には延べ15,000m2(約4,600坪)のオフィスフロアがある。

防災・BCP機能も強化。免震構造を採用することで高い耐震性能を確保し、72時間以上の電力供給が可能な非常用発電設備や防災備蓄倉庫を備えている。

また、京橋1丁目東地区の都市計画を共同で推進している同社と戸田建設(株)は本年4月、「ミュージアムタワー京橋」と2024年に竣工予定の「(仮称)新TODAビル」を含むこの街区の低層部を「京橋彩区」と命名。その運営組織として「一般社団法人 京橋彩区エリアマネジメント」を設立した。

「ミュージアムタワー京橋」は低層部のアーティゾン美術館、「(仮称)新TODAビル」低層部の文化貢献施設などと連携し、「アートと文化が誰にも近い街」の実現に向けた魅力的な街区となる。

ニュース情報元:(株)永坂産業

大阪梅田ツインタワーズ・サウス、II期部分を着工

阪神電気鉄道(株)と阪急電鉄(株)は、6月1日(土)より「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」II期部分の新築工事に着手した。同事業は、大阪市北区梅田1丁目に整備中の地下3階・地上38階の超高層複合ビル。「大阪神ビルディング」と「新阪急ビル」間の道路上空を活用した建替と、周辺公共施設の整備を一体的に行うことで、都市機能の高度化や防災機能を強化し、質の高いまちづくりを目指している。I期部分は2018年4月27日に竣工、同年6月1日から「阪神百貨店(阪神梅田本店)」が部分開業した。

今回着工したII期部分では、2021年秋に全面開業する予定の百貨店ゾーンや、1フロア当たりの貸室面積が西日本最大規模(約3,500m2)となるオフィスゾーン(地上11階~38階)のほか、大小2つのホールを備えるカンファレンスゾーンを整備する。

新しくなる「阪神百貨店(阪神梅田本店)」は、解体工事前と同規模(延床面積約100,000m2)で、フロア数は11層(地下2階から地上9階まで)を計画。店舗づくりにおいては、品揃えの充実を図り快適な売場環境を整備、様々なイベントを通じてライフスタイルの提案を行っていく施設を目指す。なお、全体開業は2022年春の予定。

ニュース情報元:阪神電気鉄道(株)

JR「小岩」駅前の複合再開発が着工

野村不動産(株)、(株)タカラレーベン、清水建設(株)の3社が参画する「南小岩六丁目地区第一種市街地再開発事業」(東京都江戸川区)の新築工事が着工し、5月12(日)に起工式が行われた。同事業は、JR「小岩」駅前に住宅、商業機能等を備えた複合市街地を形成するもの。I街区には地上10階建の商業、オフィス棟を建設。II街区(22階建)、III街区(33階建)には合計約600戸の住宅のほか、低層部に生活利便機能を揃えた店舗や事務所等を整備する。

また、2015年に完了し同地区に隣接する「南小岩七丁目西地区(市街地再開発事業/名称:アルファグランデ小岩スカイファースト)」、2016年8月に準備組合が設立された「南小岩七丁目地区(市街地再開発事業及び区画整理事業の一体施行)」、及びこれらの事業を結ぶ形で整備されるリングロードとの回遊性や賑わいを創出する。

竣工はI街区が2020年冬頃、II街区が2022年夏頃、III街区は2026年冬頃の予定。

ニュース情報元:野村不動産ホールディングス(株)

名古屋市西区にオフィス複合型商業施設、イオンモール

イオンモール(株)は、オフィス複合型商業施設の1号店「(仮称)ノリタケの森プロジェクト」を、愛知県名古屋市西区に出店すると発表した。同社がこれまで取り組んできた商業施設開発とは異なる、新たなビジネスフォーマットを構築。都市部に不足しがちな暮らし機能の充実を図ることで、単身生活者にとっても使いやすい商業施設を目指す。また、併設されるオフィスワーカーの昼食ニーズや健康サポートにも対応する。

計画地は名古屋駅北東1km、年間約31万人が来場する「ノリタケの森」や「トヨタ産業技術記念館」が近接する産業文化エリアに位置する。

開店は2021年秋の予定。都市型モールとしての文化性・利便性に加え、ビジネス拠点集約・移転需要も取り込むことで、新たなランドマークとして名古屋の魅力度向上に寄与できる複合型施設を目指す。

ニュース情報元:イオンモール(株)

複合ビル「横濱ゲートタワー」、みなとみらい21中央地区に着工

鹿島建設(株)、住友生命保険相互会社、三井住友海上火災保険(株)は、3社共同で開発する「みなとみらい21中央地区58街区」について、ビル名を「横濱ゲートタワー」に決定し、4月3日に着工した。
計画地は、JR・私鉄等「横浜駅」徒歩6分、みなとみらい線「新高島駅」徒歩1分、横浜駅からみなとみらい21への玄関口となる広さ約9,300m2の敷地で、周辺では企業の本社ビル、研究開発施設などが続々と開発されているエリア。

この利便性の高い立地特性を最大限に活かし、オフィス基準階の専有面積が約825坪、延床面積約84,000m2、地下1階・地上21階の複合ビルを建設する。

ビルには、高機能な賃貸オフィス、貸会議室、クリニック、保育所、店舗などを導入するほか、横浜の新たな名所としてプラネタリウムも併設。さらに、BCP対策として高性能制震装置を採用。帰宅困難者の一時待機スペースといった災害支援機能も備える。

竣工は2021年秋頃、開業は2021年冬頃を予定している。

ニュース情報元:鹿島建設(株)

四谷駅前の再開発、地区名称「CO・MO・RE YOTSUYA」に決定

四谷駅前地区第一種市街地再開発事業の地区名称が、「CO・MO・RE YOTSUYA(コモレ四谷)」に決定した。同プロジェクトは、(独)都市再生機構(UR都市機構)、三菱地所(株)、第5メック都市開発特定目的会社、地権者で構成される四谷駅前地区再開発協議会が進めているもの。

開発地は新宿区四谷一丁目、約2.4ha。防災性の向上を図り、緑や広場を創出するとともに、地上31階・地下3階・塔屋1階の大規模複合施設(オフィス・商業・住宅など)を建設する。

四谷に誕生する豊かな緑や広場を持つ複合施設が人とつながり、街とつながり、いつでも憩いと賑わいで溢れる施設に成長させたいという想いを込め、「木漏れ日」+「COMMON(共同、共通)=つながり」による造語で「CO・MO・RE(コモレ)」にしたという。

竣工は平成31年度の予定。

ニュース情報元:UR都市機構

大阪市に水辺の賑わい空間、「大正リバービレッジプロジェクト」認定

国土交通省はこのたび、都市再生特別措置法の規定に基づき、(株)TUGBOAT TAISHOから申請のあった民間都市再生整備事業計画「大正リバービレッジプロジェクト」を認定した。同事業は、大阪市大正区尻無川の河川敷地に、フードホールをはじめとする飲食店、オフィス、水上ホテル及び水辺と親和性の高い広場を整備するもの。また、船着場を整備することで、舟運事業を展開。水上交通としての移動手段を提供するとともに、水都大阪・水の回廊における水辺拠点間連携の結節点を形成する。

事業区域面積は3,841.96m2。飲食店2棟と事務所2棟を整備する。施行期間は、2019年2月18日~2020年1月15日までの予定。

なお、同事業は、市民や企業、地方公共団体等の行政が連携し、水辺の新しい活用の可能性を創造していく「ミズベリング」の一環として行われるプロジェクトとして、初の認定となる。

ニュース情報元:国土交通省

豊洲六丁目の民間都市再生事業計画が認定、オフィス・ホテルなど建設

国土交通省は2月26日、都市再生特別措置法の規定に基づき、民間都市再生事業計画「(仮称)豊洲六丁目4-2,3街区プロジェクト」について認定した。本年1月31日付けで清水建設(株)から申請のあったもの。事業区域は東京都江東区豊洲六丁目9番1の一部、24,453.77m2。ビジネスニーズに対応する大規模オフィスや、宿泊施設を計画。ゆりかもめ市場前駅と連携した交通広場と歩行者ネットワーク、水と緑を活かしたオープンスペースを形成し、魅力的な複合市街地を形成する。

建物はオフィス棟とホテル棟の2棟で構成される。オフィス棟は地上12階・塔屋1階、延べ面積87,688.25m2。ホテル棟は地上14階・塔屋1階、延べ面積30,910.00m2。施行期間は2019年2月4日~2021年8月31日の予定。

ニュース情報元:国土交通省

港区・虎ノ門に複合施設「神谷町トラストタワー」上棟

森トラスト(株)は、東京・港区で開発を推進している国家戦略特別区域特定事業「東京ワールドゲート」(街区名称)の核となる複合施設「神谷町トラストタワー」を2月2日(土)に上棟した。

同施設(旧建物名称「虎ノ門トラストタワー」から名称変更)は港区虎ノ門四丁目に立地。敷地面積16,210m2(約4,900坪)、延床面積195,190m2(約59,000坪)、地上38階・地下3階。オフィス、カンファレンス、レジデンス、ホテル、サービスアパートメント、ショップ&レストラン等からなる複合施設となる。

オフィスは様々な企業ニーズにフレキシブルに対応。超大型フロアプレート(約1,200坪)の無柱空間を有し、3階~16階には「クリエイティブフロア」も展開する。31階~36階には、マリオット・インターナショナルの最高級グレードであるラグジュアリー・ライフスタイルホテルブランド「EDITION」が日本初進出。

37階・38階はレジデンスで、最上階にホテルサービス付き最高級分譲レジデンスを配置する。その他、ラウンジ、ショップやレストラン、多言語ワンストップ医療機能、生活コンシェルジュ機能などを1階・2階に集約する。竣工は2020年3月の予定。

ニュース情報元:森トラスト(株)

水戸駅前「丸井」跡を再生、2019年秋に複合ビル誕生

複合商業施設のコンサルティングを行う(株)やまき(東京都港区)は、茨城県「水戸」駅前のマイムビルの再生事業に着手すると発表した。事業主体「合同会社やまき水戸開発」を設立し、複合型オフィス「M’s International(エムズインターナショナル)(仮称)」の開発を進める。
同ビルは、今年9月に閉店した「丸井水戸店」を複合オフィスビルとして再生するもの。常磐線・水郡線・鹿島臨海鉄道大洗鹿島線「水戸」駅徒歩1分に立地する地上10階・地下3階。延床面積は約3万7,681m2。

ビルの最大の特徴は最上階に位置するオフィスで、働くメンバーのための会員制サロンを設置すること。快適なオフィス生活をサポートするための「コンシェルジュサービス」をはじめ、「バー&レストラン」「ライブラリーラウンジ」、シアタースペースを設けた「カンファレンス」、「フィットネスジム」などを備える。

2Fは物販・サービスを中心とした商業フロアで、オフィスと連携した業務サービスやケータリング、仕事の疲れを癒すサービスを提供するテナントも誘致する。また、2階メインエントランスは、JR水戸駅直結のペデストリアンデッキを使用することで雨の日も濡れずにダイレクトインが可能。水戸駅前のランドマークタワーとして、2019年秋にグランドオープンを予定している。

ニュース情報元:(株)やまき

超高層タワー「(仮称)虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」上棟

虎ノ門一丁目地区市街地再開発組合が推進する「(仮称)虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」が、このたび上棟した。竣工は2019年12月を予定している。
同ビルは「虎ノ門ヒルズ 森タワー」の隣接地において、グローバルレベルの大規模オフィス、約6,300m2の商業施設を有する地上36階建ての超高層タワー。日比谷線虎ノ門新駅(仮称)や既存の銀座線虎ノ門駅とも連結する。

1階には、空港リムジンバスや都心と臨海部を結ぶBRT(バス高速輸送システム)も発着可能なバスターミナルを設置。4階には約3,000m2の「イノベーションセンター」を開設する。起業家や大企業のエグゼクティブが集うサロンやイノベーターを育成するイベントスペース等も設ける。

2014年に誕生した「虎ノ門ヒルズ 森タワー」のほか、今回上棟した「(仮称)虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」と建設中の「(仮称)虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」、計画中の「(仮称)虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」が加わることで、「虎ノ門ヒルズ」は、区域面積7.5ha、延床面積80万m2に拡大。約30万m2のオフィス、約720戸のレジデンス、約26,000m2の商業店舗、約15,000m2の緑地空間を備え、道路や鉄道などの交通インフラとも一体化した複合都市となる。

ニュース情報元:森ビル(株)

都市機能強化と賑わい創出、「丸の内二重橋ビル」竣工

三菱地所(株)、東京商工会議所、(株)東京會舘による共同プロジェクト「丸の内二重橋ビル」(千代田区丸の内三丁目)の竣工式が、11月21日に執り行われた。同ビルは、東京メトロ千代田線「二重橋前〈丸の内〉」駅直結、東京メトロ有楽町線「有楽町」駅直結、東京メトロ日比谷線・千代田線、都営三田線「日比谷」駅に直結する地上30階・地下4階建て。「富士ビル」「東京商工会議所ビル」「東京會舘ビル」の3棟の一体建替えにより、本年10月15日に竣工した。

低層部は、三菱地所による丸の内仲通り路面店舗を中心とした店舗、東京商工会議所による貸会議室、賃貸オフィス及び事務局、東京會舘による高級レストラン、チャペル、バンケットを配置。高層部は皇居外苑を正面に望む賃貸オフィスとなり、三菱地所と東京會舘の共同所有となる。

商業ゾーン「二重橋スクエア」では、本物志向のファッションから仲通りに面したテラス席を備える飲食店舗まで、日本初出店や新業態を含む25店舗(飲食17店舗、物販店舗7店舗、サービス1店舗)が出店。都心型MICE(大きな集客効果を望めるビジネスイベントの総称)の誘致促進を目的に、「DMO 東京丸の内」が拠点を構え、エリア内のMICE施設を国内外に情報発信していく。

また今回の開発において、隣接する新東京ビル及び地下鉄コンコースとの地下接続工事を実施し、東京駅と地下鉄2駅とをつなぐバリアフリー対応の地下歩行者ネットワークを整備した。これによって、京葉線「東京」駅から都営三田線「日比谷」駅、東京メトロ「日比谷」駅・「二重橋」駅・「有楽町」駅まで雨に濡れずに移動が可能になる。

ニュース情報元:三菱地所(株)

西品川一丁目地区の再開発事業、「大崎ガーデンシティ」本格稼働

JR線「大崎」駅より約400m南に位置した施行区域(約3.9ha)で事業推進されてきた「大崎ガーデンシティ」において、このほど、オフィス棟に続き住宅棟が完成し、新たな街の本格稼働を迎えた。同事業は、延床面積17万m2超のオフィス棟「住友不動産大崎ガーデンタワー」、総戸数423戸の住宅棟「大崎ガーデンレジデンス」、約8千m2の広大な緑地広場で構成される総延床面積約22万m2の大規模複合開発。住友不動産(株)が地権者並びに参加組合員として参画する「西品川一丁目地区市街地再開発組合」が推進してきた。

「住友不動産大崎ガーデンタワー」は、地上24階・地下2階建て。大手企業のグループ本社機能といった拠点ニーズもあることを踏まえ、大規模な整形無柱空間で多様なレイアウトニーズに対しフレキシブルに対応できる基準階面積5,485m2(1,659坪)超の広大なフロアを設けている。

また、地震など災害発生時に就労者を守り事業継続を可能とするオフィス環境を整えた。建物は大きな揺れにも耐え、上層階の揺れを逓減する直接基礎+免震構造を採用している。さらに、万が一の災害を想定し、BCP対応強化も図った。

「大崎ガーデンレジデンス」は地上22階・地下2階建て、免震構造採用の賃貸レジデンス。停電時には非常用エレベーターや共用部などへ72時間電力供給が可能な非常用発電機を備えている。専有部は、リビング・ダイニングの天井高を最大2.6m確保し縦の広がりを持たせ、また柱・梁の構造物が室内側に出ないアウトフレーム構法を採用。開放的な住空間を創出した。南側住戸には、天井から床近くまで開放された眺望を楽しめる「ダイナミックパノラマウィンドウ」を採用している。

JR「大崎」駅前エリアは、1982年に副都心、2002年に都市再生緊急整備地域に指定され、併行して交通利便の充実が進み、大規模な工場跡地開発を中心に職住近接の複合市街地を形成しており、急速な発展を遂げている。一方で、木造過密地域や高低差のある崖地があり、緊急車両の通行を妨げる狭隘道路など、防災上の課題を抱え駅前市街地との連続性もなかった。

今回の再開発により、駅前市街地との連続した市街地形成と地域の課題解決を図り、都市の発展、防災化を拡大。駅前発展の第二ステージとして新たなスタートを切った。

ニュース情報元:西品川一丁目地区市街地再開発組合

うめきた2期地区、三菱地所・大阪ガス都市開発など9社が開発

(独)都市再生機構(UR)はこのたび、「うめきた2期地区開発事業」における開発事業者を決定した。

選定されたのは、三菱地所(株)(代表企業)、大阪ガス都市開発(株)、オリックス不動産(株)、関電不動産開発(株)、積水ハウス(株)、(株)竹中工務店、阪急電鉄(株)、三菱地所レジデンス(株)、うめきた開発特定目的会社の計9社。

JR大阪駅から徒歩4分に立地する「南街区」と、JR大阪駅から徒歩7分、阪急中津駅から徒歩3分に立地する「北街区」を整備していく。「北街区」には、地上28階地下2階・高さ150m、地上47階地下2階・高さ176mの建物を建設。ホテル、イノベーション施設、プラットフォーム施設、オフィス、商業施設、分譲住宅、駐車場などで構成される。

「南街区」には、地上39階地下3階・高さ182m、地上51階地下2階・高さ185mの建物を建設。オフィス、ホテル、商業施設、都市型スパ、MICE施設、イノベーション施設、分譲住宅、駐車場などで構成される。

また、プロジェクトでは「みどりとイノベーションの融合」というまちづくり方針の理念をふまえ、10,000人規模のイベントに対応する「リフレクション広場」、都心で自然を感じられる憩いの空間「うめきたの森」、道路と公園が一体となった広場「ステッププラザ」なども整備していく。
都市公園(南公園)の「リフレクション広場」。画像:UR

都市公園(南公園)の「リフレクション広場」。画像:UR


都市公園(北公園)の「うめきたの森」。画像:UR

都市公園(北公園)の「うめきたの森」。画像:UR


2020年9月以降順次土地を引渡し、同年10月以降順次民間宅地工事を着工。民間宅地施設一部開業、都市公園一部開園は2024年夏頃を予定している。

ニュース情報元:UR

日本橋エリアにオフィス・ホテル・商業の複合施設

日本紙パルプ商事(株)が中央区日本橋室町三丁目で推進してきた「(仮称)JPビルディング建替計画」が6月30日に竣工し、建物名称が「OVOL(オヴォール)日本橋ビル」に決定した。物件は、東京メトロ「三越前」駅、JR「新日本橋」駅に直結した、日本橋エリアの北の玄関口に誕生した、オフィス、ホテル、商業店舗からなる複合施設。地下3階・地上15階・塔屋2階。日本橋地区において複数の開発を行っている三井不動産(株)がプロジェクトマネジメントを受託し、事業を推進してきた。

2~7階はオフィスで、基準階は天井高2,800mmかつ無柱の大空間とし、さらに中央通り側の窓面を最大限開口させることで、オフィスワーカーにとって快適で見通しの良い空間を創出した。

1階と9~15階はホテル。上層階のホテルフロアでは、三井不動産グループ運営の「三井ガーデンホテル日本橋プレミア」(客室数:264室)が9月13日より営業を開始する予定。1階のホテルエントランスは、商業区画のカフェと連続した大空間とした。

地下1階・1階には、カフェを含めた5区画・約350坪の飲食・物販店舗を設け、日本橋の街にさらなる賑わいと交流の場を提供していく。 

ニュース情報元:三井不動産(株)

「日本橋高島屋三井ビルディング」竣工

三井不動産(株)は、重要文化財「高島屋日本橋店」を含む一帯街区において「日本橋二丁目地区第一種市街地再開発事業」を推進しており、6月30日、「日本橋高島屋三井ビルディング」を竣工した。
同施設は、地上32階、地下5階、延床面積約148,000m2のオフィス・商業施設などで構成される大規模複合施設。低層部には「日本橋高島屋S.C.新館(専門店)」が本年9月25日にオープンする。「日本橋高島屋S.C.本館(現:高島屋日本橋店)」と合わせ、日本初上陸や商業施設初出店などの専門店、計114店舗が出店する予定。

高層のオフィスフロアは、1フロア当たり約2,660m2の大型なオフィスであり、新世代の制震装置「HiDAX-R」(開発:鹿島建設(株))を導入。震度7クラスの地震に対して耐震安全性や事業継続性を確保する。また、より豊かに進化したオフィスを目指し、テナント企業向け会員制施設・サービス「mot. 三井のオフィス for Tomorrow / Mitsui Office for Tomorrow」を今秋から提供する予定。

建物外装は、「東京ミッドタウン」やドバイの「ブルジュハリファ」のデザインを手がけ、世界各国から評価を集めているSkidmore, Owings & Merrill LLP(SOM)が手掛けた。重要文化財である「日本橋高島屋」との連続性を持たせたファサードデザインとし、統一感のある景観形成を行いつつ歴史的なデザインとの融合を図っている。

ニュース情報元:三井不動産(株)

東急祐天寺駅ビル、10月1日開業

東京急行電鉄(株)(東急電鉄)は、東急祐天寺駅ビルを、2018年10月1日(月)に開業すると発表した。

同施設は、東横線「祐天寺駅」高架下と隣接敷地に開業するもの。1階は7店が出店する商業施設「エトモ祐天寺」、2階は(株)キッズベースキャンプが運営する企業主導型保育園「KBCほいくえん祐天寺」、3階から6階は(株)リアルゲイトが運営するスモールオフィス「Pointline」で構成。東急グループ初となる「保育園連携型のオフィス」となる。

「祐天寺駅」は、「渋谷駅」から各駅停車で3駅約7分と交通利便性が高い立地でありながら、商店街や公園、個性的な物販店、飲食店などが点在し、住宅地として人気を集めるエリア。同施設は、このエリアならではの職住近接を提案することで、育児と仕事の両立の可能性を広げる。

スモールオフィス「Pointline」の入居者は、2階の「KBCほいくえん祐天寺」に優先的に子どもを預けることができる。書籍を自由に読むことが出来るシェアラウンジは、オフィス入居者以外の保育園児の保護者もワーキングスペースとして利用できる。オフィス入居者と園児をかけ合わせるようなイベントなども定期的に開催していくという。

ニュース情報元:東京急行電鉄(株)

三井不動産、名古屋駅前に新たなランドマーク

三井不動産(株)は6月22日、「(仮称)名古屋三井ビルディング北館」を着工した。同計画は、名古屋最大のビジネス地区である名駅地区、名古屋駅とも地下街直結で徒歩4分以内という立地に、地上20階・地下2階、延床面積29,000m2の建物を建設。地下1階から地上3階までの商業施設と、最先端の設備を備えた5~19階までのオフィスを計画している。

商業施設はラグジュアリーブランドが軒を連ねる名駅通りのハイエンドなブランドストリートに面するだけでなく、地下街とも直結しエスカレーターでのスムーズな導線を実現。建物屋上にはオフィスワーカー専用のリフレッシュガーデンを用意する。オフィスでもなく自宅でもない「サードプレイス」と呼ばれる空間で、テナント企業の「働き方改革」の取り組みに貢献していく。竣工は2021年1月末の予定。

ニュース情報元:三井不動産(株)