人口1000人の限界集落に「未来コンビニ」! “世界一美しいコンビニ”が徳島・木頭を変える?

人口約1000人の山間地域の村、徳島県那賀町木頭地区に、昨年4月誕生した「未来コンビニ」。
「未来」といっても最新技術を駆使したコンビニ、という意味ではなく、「未来を担う子どもたちのために」という想いから名付けられたもの。過疎化が進み、買い物難民が社会問題とされている地方の試みとして注目されている。今回は、誕生した経緯とともに、新たなコミュニティの場として動き出した、その後についてインタビューした。

名前の由来は、未来を担う子どもたちのための場でありたい想いから

徳島県と高知県をつなぐ国道195号を車で走っていると、突如現れる、スタイリッシュな建物。それが「未来コンビニ」だ。その存在を知らない人は、夜の暗闇に突如現れる光り輝く近未来な建物に驚くことだろう。

“世界一美しいコンビニ”のキャッチフレーズに違わぬ外観。自然の中にたたずむモダンなコントラストが美しい。オープン後、訪れる人々の口コミやSNSの拡散で、徐々に知名度を上げている(写真提供/ワキ・タイラー)

“世界一美しいコンビニ”のキャッチフレーズに違わぬ外観。自然の中にたたずむモダンなコントラストが美しい。オープン後、訪れる人々の口コミやSNSの拡散で、徐々に知名度を上げている(写真提供/ワキ・タイラー)

誕生したのは1年前。最寄りのコンビニまで車で1時間もかかるという地域に暮らす人々の、利便性を向上させる目的で生まれたもの。

徳島市と高知市の市街地からそれぞれ車で2時間程度の木頭地区。剣山など標高1000mを超える山々に囲まれ、村の中心に那賀川の清流が流れる。 この神々しい日本の原風景の魅力は、いつしか“四国のチベット”とも表現されるようになった(写真提供/ワキ・タイラー)

徳島市と高知市の市街地からそれぞれ車で2時間程度の木頭地区。剣山など標高1000mを超える山々に囲まれ、村の中心に那賀川の清流が流れる。 この神々しい日本の原風景の魅力は、いつしか“四国のチベット”とも表現されるようになった(写真提供/ワキ・タイラー)

左/定番のソフトクリームにゆず塩をかけて。右/ご近所で育てているミントをカフェメニューに(写真提供/未来コンビニ)

左/定番のソフトクリームにゆず塩をかけて。右/ご近所で育てているミントをカフェメニューに(写真提供/未来コンビニ)

「単に買い物をするだけでなく、子どもたちが自然と集まり、何かしらの刺激を受け、自分の将来への気づきを与えられる場所がコンセプトなんです。子どもたちは未来を担う“宝”ですから」(KITO DESIGN HOLDINGS 経営企画室長 仁木基裕さん)
例えば、本棚では、過疎地では手に入りにくい雑誌、小説、漫画、アート本、小説などを取りそろえたり、大きなモニターで子ども向けのオンラインイベントをしたり、海を知らない子どもたちに、周辺の海辺の町との交流会を行ったり……。「木頭地区の小中学生は約30人。ともすれば、赤ちゃんの時からずっと同じ顔触れなんです。だけど、この場ができることで、さまざまな経験ができていると思います」

子どもや高齢者が商品を手に取りやすいよう、商品棚は低めに設定。木頭ゆずのオリジナル商品も販売(写真提供/ワキ・タイラー)

子どもや高齢者が商品を手に取りやすいよう、商品棚は低めに設定。木頭ゆずのオリジナル商品も販売(写真提供/ワキ・タイラー)

図書館のように自由に手に取ることができる、クリエイティブな本棚を設置。店内で絵本の読み聞かせもできる。これも“本との出会いは子どもたちの将来の道しるべのひとつになる”という考えから(写真提供/未来コンビニ)

図書館のように自由に手に取ることができる、クリエイティブな本棚を設置。店内で絵本の読み聞かせもできる。これも“本との出会いは子どもたちの将来の道しるべのひとつになる”という考えから(写真提供/未来コンビニ)

海沿いの徳島県牟岐町との交流イベント「木頭に海がやってきた!」。徳島県は海沿いと山間地域では環境もまったく違うので、お互いの地元を知ろうということから企画されたもの(写真提供/未来コンビニ)

海沿いの徳島県牟岐町との交流イベント「木頭に海がやってきた!」。徳島県は海沿いと山間地域では環境もまったく違うので、お互いの地元を知ろうということから企画されたもの(写真提供/未来コンビニ)

森の中のインパクトあるデザインで、日本中、世界中に拡散される

この未来コンビニは、地域住民の暮らしを支えると同時に、遠方からのゲストも楽しめる交流の場だ。
秋にはすぐ近くの紅葉の名所「高の瀬峡」を訪れる観光客でにぎわい、コンビニ利用者は1日最大400人に。人口約1000人の村に、だ。これまでは国道を素通りするだけだった木頭地区に、この未来コンビニができることで、足を止める観光客が増え、名産の木頭ゆずの知名度もアップ。大きな経済効果を生んでいる。

(写真提供/ワキ・タイラー)

(写真提供/ワキ・タイラー)

名産の木頭ゆず(写真提供/黄金の村)

名産の木頭ゆず(写真提供/黄金の村)

「誰もが足を止める。そのためにはデザインワークも大切でした。木頭ゆずを思わせるイエロー。Y字型の幾何学的なデザインの柱は、ゆずの果樹がモチーフです。山の中というロケーションもあいまって、SNSで発信をしてくださる方も多いんです」(仁木さん)

内装デザイン、店名のフォント、ロゴデザインすべてのデザインがモダンで洒落ている。一方、「自然との共生」をコンセプトに、建物の周りに土に還ることのできる樹皮チップが敷き詰められるなど、サステナブルな設計に(写真提供/未来コンビニ)

内装デザイン、店名のフォント、ロゴデザインすべてのデザインがモダンで洒落ている。一方、「自然との共生」をコンセプトに、建物の周りに土に還ることのできる樹皮チップが敷き詰められるなど、サステナブルな設計に(写真提供/未来コンビニ)

SNS投稿する人も多数(写真提供/未来コンビニ)

SNS投稿する人も多数(写真提供/未来コンビニ)

実業家の“故郷への恩返し”から始まったもの

そもそもこの未来コンビニは、“すべての人が笑顔になれる、奇跡の村を創る”、そのために“木頭を世界へ向けてデザイン・発信する”をミッションとするKITO DESIGN HOLDINGS株式会社の取り組みのひとつだ。ほかにも、3年前には元村営のキャンプ場をフルリノベーションして生まれ変わらせた「山の中のリゾート CAMP PARK KITO」や、名産品の木頭ゆずの生産加工・販売・店舗展開をする「黄金の村」事業など、さまざまなプロジェクトを手掛けている。
スタート地点は、IT会社、株式会社メディアドゥ代表の藤田恭嗣氏(KITO DESIGN HOLDINGSの代表も兼任)が、出身地である木頭地区に、恩返しをしようと始めたもの。
「寄付という形ではお金を出して終わり。地域が自立して、経済が循環していかないと意味はないんです。初期投資と最初のコンセプトワークをパッケージ化できれば、全国の同じように過疎化・高齢化に悩む地方でも、民間のチカラで同じように地方を盛り上げることが可能なんじゃないかと考えています。限界集落と呼ばれるこの小さな村に、そういった動きを導く場所があるんだという驚き、物語は、その証明になるはず。未来コンビニというフィールドを通して、ネットでもリアルでも世界とつながることができる、そこに存在意義があると思っています」(グループ執行役員 堀新さん)

未来コンビニを含む木頭プロジェクトで移住者も増加中

実際、木頭ではプロジェクトをきっかけに移住者も増えている。

現在、未来コンビニの店長である小畑賀史さん自身も、徳島県徳島市からの移住者。長年関西のカフェでバリスタとして働き、2年前に出身地である徳島市にUターン。「徳島でも、百貨店撤退など地方経済の落ち込みを目の当たりにしました。地元である徳島県が元気になるにはどうしたらいいかを考えたとき、徳島の中でも地方と呼ばれる地域の盛り上がりが不可欠だと感じました。神山や上勝をはじめ徳島の地方の取り組みを調べていく過程で木頭のプロジェクトを知り、他の地域よりもっとハンディのある場所だからこそ、ここを元気にすることが出来たら面白いと思い木頭にやってきました」(小畑さん)

小畑さん(写真提供/未来コンビニ)

小畑さん(写真提供/未来コンビニ)

カフェでの経験を活かし、小畑さんはカフェメニューも開発(写真提供/未来コンビニ)

カフェでの経験を活かし、小畑さんはカフェメニューも開発(写真提供/未来コンビニ)

一方、地元の特産品「木頭ゆず」の栽培・加工・販売を手掛ける関連会社、株式会社黄金の村で営業部長として働く岡田敬吾さんは、木頭地区出身のUターン者だ。
「私が子どものころは、将来は木頭を出ていくのが普通でした。私は、いつか地元に戻りたいと思っていたけれど、このKITO DESIGN HOLDINGSの取り組みがなければ、たぶん戻ってこれなかったと思います。その点、今の木頭の子どもたちは、違うんですよ。木頭での取り組みを通じて親以外のさまざまな職種の大人を目の当たりにすることで、とても刺激を受けているようです。それこそ代表の藤田のような木頭出身の上場企業の創業経営者という存在と触れ合って身近に感じることも、私の子ども時代ではまずないことでしたから」(岡田さん)

高校まで那賀町木頭で過ごした後、大阪や東京で音楽・IT関係の仕事をしていた岡田さん。2年前に木頭に家を建て家族で移住した(写真提供/黄金の村)

高校まで那賀町木頭で過ごした後、大阪や東京で音楽・IT関係の仕事をしていた岡田さん。2年前に木頭に家を建て家族で移住した(写真提供/黄金の村)

また、ノルウェー出身の音楽クリエイターのAlrik Fallet(アルリック・ファレット)さんは1年前に移り住み、木頭の村の美しさや文化に日々刺激を受けながら制作活動に打ち込んでいる。
アルリックさんは、未来コンビニへ朝コーヒーを飲みに行ったり、ワーキングスペースとして活用したりしている。「地元の人同士がおしゃべりしているのを見ているのが好きです。地元のおじいちゃんやおばあちゃんは、すごく気軽に話しかけてくれるのも素敵だと思っています。今後は自分自身もこのスペースを使って、子ども達になにかクリエイティブなことを教えたりできたらいいですね」(アルリックさん)

未来コンビニ内にある「YUZU CAFÉ」で仕事をすることも多いアルリックさん。友人のアメリカ人クリエイターに誘われた夏休みの日本旅行の途中で木頭を訪れたことが移住のきっかけ。また、未来コンビニのモニターで流れている映像の音楽は全てアルリックさんによるものだ(写真提供/未来コンビニ)

未来コンビニ内にある「YUZU CAFÉ」で仕事をすることも多いアルリックさん。友人のアメリカ人クリエイターに誘われた夏休みの日本旅行の途中で木頭を訪れたことが移住のきっかけ。また、未来コンビニのモニターで流れている映像の音楽は全てアルリックさんによるものだ(写真提供/未来コンビニ)

地域住民と創る。かけがえのない集いの場所へと発展

未来コンビニが誕生して1年。オープン当初こそ、地元の人も様子を見ながらという雰囲気だったが、徐々に毎朝来てくれるようになったり、休憩に顔を出してくれたりするように。
地元農家さんの野菜直売マルシェを設置し、毎週火曜日は鮮魚の日、金曜日は精肉の日と、通常のコンビニでは扱わない商品も展開し、今では地域住民にとってなくてはならない生活インフラや社交場になっている。

木頭の農家さんから商品を仕入れる「きとうマルシェ」も定期的に開催。山間にある村だけあり鮮魚は人気が高く、現在は予約制(写真提供/未来コンビニ)

木頭の農家さんから商品を仕入れる「きとうマルシェ」も定期的に開催。山間にある村だけあり鮮魚は人気が高く、現在は予約制(写真提供/未来コンビニ)

「驚いたのは、積雪の日に雪かきを地域の方々が手伝ってくれたこと。雪に不慣れな移住者のスタッフも多く、みなさんが助けてくれなかったら、大変なことになったでしょう。台風の日は看板が飛ばされないよう、ブロックを持ってきてくださいました。みなさん、自分たちの場所だと大切にしてくださっているんだなとうれしかったです」(仁木さん)

積雪の日の雪かきは大変。クリスマスのモミの木も地元の方が山から伐採してきてくれたもの(写真提供/未来コンビニ)

積雪の日の雪かきは大変。クリスマスのモミの木も地元の方が山から伐採してきてくれたもの(写真提供/未来コンビニ)

今後は、なかなか買い物が難しい高齢者のために移動販売や宅配事業を行ったり、子どもたちに向けてクリエイティブな学びの場をもっと提供するなど、新たなアイデアが次々と生まれているという、未来コンビニ。

今はお祭りや宴会の開催も難しく、一日誰とも会わない・話さないという高齢者は多いはず。木頭でも夏の風物詩「木頭杉一本乗り大会」や、八幡神社の秋祭りなど、毎年地域総出で行っていたイベントも昨年は中止となった。しかし、このような”場“があることで、昔馴染みに偶然出会っておしゃべりしたり、スタッフと笑いあったりする一日になる。この点でも、未来コンビニの存在感は大きいといえるだろう。

買い物ついでにおしゃべり。誰もが足を運ぶ場なら自然と交流の場に。家にいる時間が長い今だからこそ、こうした場は大切だ(写真提供/未来コンビニ)

買い物ついでにおしゃべり。誰もが足を運ぶ場なら自然と交流の場に。家にいる時間が長い今だからこそ、こうした場は大切だ(写真提供/未来コンビニ)

●取材協力
未来コンビニ
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コンビニが団地で生活支援! 1号店「セブン-イレブンJS森之宮団地店」反響は?

大阪市城東区にあるUR賃貸住宅・森之宮&森之宮第二団地は総戸数約2000戸の大型団地。JR大阪環状線の車窓からも望むことができるこの団地に、今までにないタイプのコンビニが誕生したという。さっそく現地を訪ねてみた。
高層棟の1階に登場した「セブン-イレブンJS森之宮団地店」

JR大阪環状線&大阪メトロ中央線「森ノ宮」駅から徒歩数分、幹線道路に面し、利便性の高い立地の森之宮団地。この5号棟の1階部分に2019年5月10日にオープンしたのが「セブン-イレブンJS森之宮団地店」だ。現地を訪ねてみると、片側2車線の道路に面した「団地の顔」となる場所に、見慣れた「セブン-イレブン」の看板があった。コインパーキング形式の駐車スペースもあり、一見したところ他店との違いは分からない。マンションの1階がコンビニというスタイルは都市部ではよく見かけるし、あえて探すなら「JS」という文字が入っているところが違いだろうか?

(左)15階建ての高層棟の向かいには大型の医療機関(右)JSという文字が入った看板は珍しい?(写真撮影/井村幸治)

(左)15階建ての高層棟の向かいには大型の医療機関(右)JSという文字が入った看板は珍しい?(写真撮影/井村幸治)

何が新しいのか? UR都市機構 西日本支社住宅経営部ウェルフェア推進課の高橋俊氏にお聞きしてみた。
「URでは初となる、生活支援サービス拠点としてのコンビニエンスストアという点がポイントです。2016年度から検討を始め、試行店の運営などを重ねて、本格展開の全国1号店となります。通常のコンビニ機能に加えて、団地の管理窓口の営業時間外には集会所の鍵や駐車場ゲートコインの貸し出しを行います。また、森之宮団地と森之宮第二団地にお住いの方への商品配達サービス、多世代コミュニティづくりを目的とした掲示板設置、パンフレットの配布などを実施しています」とのこと。

団地住民の生活支援サービスの拠点となること、同時に住民同士のコミュニティづくりの拠点となることを目指している点が一般のコンビニとの違いになりそうだ。

500円以上で団地の部屋まで配達をしてくれる!

配達サービスは森之宮&森之宮第二団地の居住者限定で500円以上の購入で無料配達を行ってくれる。トイレットペーパーなどかさばるもの、お米やお水など重たい商品も含めてお店の商品は全てが対象。翌日の昼食・夕食の配達もオーダーできるし、電話・FAXでの注文も可能だ。高齢の方には助かるサービスだし、普段から顔を知っているスタッフが配達にも来てくれるという安心感もあるだろう。

レジの下には配達サービスの告知があった(写真撮影/井村幸治)

レジの下には配達サービスの告知があった(写真撮影/井村幸治)

団地住民に対して行った事前アンケートによると、大型スーパーは森ノ宮駅周辺の徒歩圏にあるのだが、幹線道路を横断して買い物にいくのがおっくうになるとの、心理的なハードルから生鮮食品も扱ってほしいとの声が上がっていた。その結果も踏まえて野菜など食料品の取り扱いも増やしている。

野菜などの生鮮食料品も販売(写真撮影/井村幸治)

野菜などの生鮮食料品も販売(写真撮影/井村幸治)

店内の掲示板では、集会所で開催されるヨガ教室の案内など、コミュニティを活性化する情報を提供。このほか、AEDの設置もしており、緊急時に対応する場としても期待されている。また、店頭の屋根付きスペースに3つのテーブル席を設置することで、自然なコミュニケーションが生まれるようにしているとのことだ。

店内の掲示板には団地内のイベントも告知されている(写真撮影/井村幸治)

店内の掲示板には団地内のイベントも告知されている(写真撮影/井村幸治)

店員にも気さくに話しかける、大阪のお客さん!

オープンから約3カ月が経過し、住民の反応はどうなのか?運営を担っている日本総合住生活株式会社(JS)事業企画課副長で店長の那須俊吾氏にお客さんの反応をお聞きしてみた。
「ご好評をいただいています。想定した以上に高齢のお客様が多いですね。高齢者に特有の反応も含めて、これまでの接客経験からいくつかの特徴や課題も見え始めてきました」とのこと。お聞きした特徴を整理してみた。

【特徴 その1】買い物を楽しみたいから店に来る
団地住民には無料配達のサービスを実施しているので、高齢のお客様には「次回から家までお届けしましょうか?」とレジで申し出ると「いや大丈夫、お店に買い物に来るのが楽しみだから、自分で来るよ」という方が結構いるそうだ。必要品を手に入れるだけの場所ではなく、散歩感覚、散歩や、自宅以外の外の空気に触れることを楽しむ目的で店を訪れる方が多いのだろう!

【特徴 その2】店員にとても気さくに話しかける
「あんた、5階の●●さんの息子さんやな、大きなったなぁ、がんばりや」と、スタッフにとても気さくに話しかけるお客様が多いそうだ。実は、スタッフの約4割は団地住民が担っており、地域の雇用創出にもひと役かっている。そのため「店員さんは知り合い」というケースも多いことで、コミュニケーションが生まれやすいのだろう。もうひとつ「買い物は店員さんとやりとりすることが当たり前、それが楽しい」という大阪特有の距離感もありそうだ。私の友人にもコンビニ店員さんにいつも話しかける人がいるが、東京ではあまり見かけない風景だと思う。ただし、「値段、まけてや!」という本気の値引き交渉はないようだ(笑)。

【特徴 その3】店頭のテーブルは「お茶会」の場に
店舗外側のテーブル席も想定以上に利用されていて、“お年寄りの社交場”となりつつある。淹れたてのコーヒーが買え、お茶菓子もそろっていて雨にも濡れない。朝早くからお友達同士が集まって数時間おしゃべりしていることも増えているとのこと。“団地カフェ”の誕生だ(笑)。

店頭にはテーブル席があり、のんびり時間を過ごす方も多い(写真撮影/井村幸治)

店頭にはテーブル席があり、のんびり時間を過ごす方も多い(写真撮影/井村幸治)

【特徴 その4】孫が遊びに来る機会が増えた
「孫と一緒に買い物に行ける場所ができてうれしい」という声もあった。お孫さんが「おばあちゃんの家に行って、コンビニでアイスを買ってもらうのが楽しみやねん」と言ってくれるそうだ。コンビニのお陰で、孫が来てくれる回数が増える……これもコミュニティ創造効果のひとつと言えそうだ。

【特徴 その5】商品に関するさまざまな要望
「いつも使っている角砂糖はないの?」「●●カレーが欲しいの」「健康器具は置いてないの?」などなど、商品や品ぞろえに対する細かな要望の声が多いそう。特に高齢の方は長年培ってきたこだわりや商品への愛着があるのだろう。しかしコンビニのスペースと品数は限られている。「角砂糖はないからスティックシュガーではどうでしょうか?」「XXXカレーはないけれど、このブランドの商品はいかがでしょうか?」というように細やかに案内をすることで理解してもらうとのこと。新しく紹介したものを「これ、おいしかったわ」と喜んでいただけると、スタッフも笑顔になるそうだ。

トイレットペーパーなど日用雑貨も豊富にそろう(写真撮影/井村幸治)

トイレットペーパーなど日用雑貨も豊富にそろう(写真撮影/井村幸治)

団地の住民に、もっと認知度をあげていくことが課題

一方で課題も見えてきたという。
「団地の住民へのコンビニ認知ですが、まだ100%には至っていないように思います。分かりやすい場所にはありますが、日常の動線が違うと気が付いていない人もいらっしゃるようです。認知度アップをはかり、コミュニティの一員となるために5月には森ノ宮フェスティバル、8月の盆踊り(予定)といった地域イベントにも積極的に参加しています」と話すのはJS住生活事業部事業企画課長の北野雅之氏。

認知度アップには団地住民を代表する自治会もバックアップしてくれている。自治会とも定期的にミーティングを行っている北野氏によると、今年(2019年)6月に大阪で行われたG20の際には、商業施設や交通機関が自粛営業など大きな影響を受け「コンビニは臨時閉店するの? 変更があるなら自治会で広報するよ」との声を掛けていただいたそうだ。「自分たちの店なので、つぶしたくない、自分たちで支えていく」「つぶれたら元も子もないので、ぼちぼち頑張って長く続けてほしい」といった温かい声をいただいているとのこと。

コンビニの裏側、団地の中庭は静かな空間(写真撮影/井村幸治)

コンビニの裏側、団地の中庭は静かな空間(写真撮影/井村幸治)

ウェルフェアの取り組みの一環として位置づけられるコンビニ

「自分たちの店」という言葉はとても重要なフレーズだと思う。
他人事ではなく、自分事として考える人が増えると、事業や組織は活性化していくもの。この団地ではコンビニの開店によって着実に新しい団地コミュティが育っているように思う。取材させていただき、そんな感想を話しているとUR都市機構ウェルフェア推進課の石井里絵氏が改めて解説してくれた。

「私たちウェルフェア推進課は、団地という住み慣れた住まいで、より長く住み続けていただくために住宅提供者として何ができるかという課題に取り組んでいます。その仕掛けのひとつが生活拠点サービスの拠点となるコンビニの誘致なのです。ほかにも、城東区や隣接する大型医療機関、薬局ともこの団地との連携を進めています」とのこと。

なるほど! ウェルフェアの推進という大きなミッションの取り組みの一つとして、団地でのコミュニティづくりがあり、その実現策としてコンビニ誘致があるのか。合点がいった。

UR都市機構の石井里絵氏と高橋俊氏(写真撮影/井村幸治)

UR都市機構の石井里絵氏と高橋俊氏(写真撮影/井村幸治)

コンビニが団地の鉄の扉を開かせるきっかけになってほしい

このような形態での団地内コンビニは今後も拡大を進めていく方針とのこと。コンビニ出店のスペースを確保しやすい中層&高層住宅で、一定規模の住戸数がまとまっている団地が候補として挙げられそうだ。

「高齢者には鉄の扉を開けて、外に出て行くこと自体がおっくうに感じる人もいる」。
これは以前、団地の取材で聞いた言葉だ。団地の鉄の扉を開かせるきっかけとして、各地でコンビニが活躍してくれるといいなと思う。

●取材協力
UR都市機構ウェルフェア情報サイト

住人のニーズに寄りそう「団地特化型コンビニ」は普通の店舗とどう違う?

団地の活性化や住人の利便性向上のため、UR賃貸住宅を運営する都市再生機構が、2016年7月にコンビニ大手3社と、さらに2017年4月にもう1社と提携して、「団地特化型コンビニ」を展開する計画が発表されました。それを踏まえて今年4月、1号店「セブンイレブンJS美住(みすみ)一番街店」が東村山市に開店。新たなコンビニの登場によって住人の方々の暮らしに変化はあったのか、一般店舗とどう違うのか、オープンから半年たった現地を訪れて調べてみました。
団地内コンビニは “近くて便利”。特に高齢者の利便性がアップ

東京都東村山市にある西武新宿線・久米川駅から10分ほど西へ歩いたところに見えてくる、総戸数945戸のUR賃貸住宅「グリーンタウン美住一番街」。その棟内に「セブンイレブンJS美住一番街店」があります。

店舗面積は約132m2とやや小さめなサイズ。外観は一般的なセブンイレブンと変わりませんが、店内配置や品ぞろえを見ていくと、団地住人の方々に寄り添うような店舗づくりの特徴が見られます。どんな違いがあるのか、店長の金子興人(かねこ・きよと)さんに案内していただき、さらに、自治会会長の横山恭子(よこやま・きょうこ)さんに店舗利用についての思いを伺いました。

【画像1】左/外観からは一般的なコンビニとの違いはうかがえません。右/桜並木や植栽に彩られた「グリーンタウン美住一番街」。閑静な敷地内には西武鉄道の古い車両を再利用した「くめがわ電車図書館」も(写真撮影/金井直子)

【画像1】左/外観からは一般的なコンビニとの違いはうかがえません。右/桜並木や植栽に彩られた「グリーンタウン美住一番街」。閑静な敷地内には西武鉄道の古い車両を再利用した「くめがわ電車図書館」も(写真撮影/金井直子)

【画像2】「セブンイレブンJS美住一番街店」店長の金子興人さん(左)と「グリーンタウン美住一番街」自治会会長の横山恭子さん(右)。JS美住一番街店は自治会や住人の皆さんとのお付き合いを大切にしています(写真撮影/金井直子)

【画像2】「セブンイレブンJS美住一番街店」店長の金子興人さん(左)と「グリーンタウン美住一番街」自治会会長の横山恭子さん(右)。JS美住一番街店は自治会や住人の皆さんとのお付き合いを大切にしています(写真撮影/金井直子)

「まず店づくりに当たって約200世帯の住人の皆さんに、アンケートにご協力いただきました。どんな商品を置いてほしいのかという質問に対して、野菜や果物、日用品を充実させてほしいというご要望が特に多かったですね」と店長の金子さん。

下の写真にあるように食品など充実した品ぞろえで、離れた店舗へ出向くことが難しい高齢の方々や子育て中の世帯にとって、日々の買い物がしやすい環境となっています。まさに「近くて便利」というセブンイレブンのキャッチフレーズのとおり。

【画像3】野菜と果物は多いときで20種ほど並ぶことも。お惣菜、生鮮食品は一般のコンビニよりも充実しています。オリジナルブランドのセブンプレミアム商品も多種(写真提供/日本総合住生活)

【画像3】野菜と果物は多いときで20種ほど並ぶことも。お惣菜、生鮮食品は一般のコンビニよりも充実しています。オリジナルブランドのセブンプレミアム商品も多種(写真提供/日本総合住生活)

【画像4】他店では雑誌が置かれている入口近くには日用品がずらり。12ロールのトイレットペーパーや各種洗剤など、小さなスーパーマーケット並みの品ぞろえ。お米売り場も充実しています(写真撮影/金井直子)

【画像4】他店では雑誌が置かれている入口近くには日用品がずらり。12ロールのトイレットペーパーや各種洗剤など、小さなスーパーマーケット並みの品ぞろえ。お米売り場も充実しています(写真撮影/金井直子)

近年、団地住人の高齢化や“買い物難民化”というニュースを見聞きするようになりました。2015年の国勢調査によると、全国の65歳以上の割合は26.6%であるのに対して、UR賃貸住宅の住人では34.8%(2015年のUR賃貸住宅居住者定期調査)と、団地の高齢化が顕著となっています。

グリーンタウン美住一番街でも高齢化は例外ではなく、徒歩圏内にスーパーマーケットがあるとはいえ、重い荷物を歩いて持ち帰るのに苦労していた高齢の方も多かったそうです。そうした事情を配慮した結果が現在の品ぞろえにつながります。

自治会の横山恭子さんにお話を伺いました。
「お惣菜や食品は少量のものが多くて、私のようなシルバー世代にとって買いやすいですし、何よりおいしいですね。近いからすぐに来られてコンビニは冷蔵庫代わり。自宅に大量に買い置きしておかなくてもよくなった点が気に入っています。コンビニエンスストアって若い人向けのお店だと思っていて入りづらかったのですが、逆に、高齢者も利用しやすいお店だということを今では実感しています」

【画像5】車椅子でも通りやすいよう通路幅を広めに。ドリンク売り場は扉のないショーケースにして、車椅子の方や扉を開けるのが大変な高齢の方が、商品を手に取りやすいようにしています(写真撮影/金井直子)

【画像5】車椅子でも通りやすいよう通路幅を広めに。ドリンク売り場は扉のないショーケースにして、車椅子の方や扉を開けるのが大変な高齢の方が、商品を手に取りやすいようにしています(写真撮影/金井直子)

【画像6】車椅子でも入れるように段差がなく、手すりもついた広々トイレ(写真撮影/金井直子)

【画像6】車椅子でも入れるように段差がなく、手すりもついた広々トイレ(写真撮影/金井直子)

500円以上の注文なら家まで届けてくれる宅配サービスも

セブンイレブンには、お店に出向くことが難しい方にとってうれしいサービスがあります。宅配サービス「セブンミール」です。お弁当1個だけでも送料無料で自宅まで届けてくれるので、特に、足腰が弱った方や乳幼児を育児中の方、食の細い方、毎日の食事の準備が負担と感じている方などには利用価値が高いのではないでしょうか。

宅配の対象となるのは、栄養バランスを考慮した日替わりのお弁当・おかずセットをはじめ、セブンイレブンで販売している多くの食品や一部の日用品など。税込500円以上の注文で送料無料となります。配達時間は昼便と夜便のいずれかを選べて、1回だけなど単発の注文が可能です。

これは、「団地特化型コンビ二」独自のサービスというわけではなく、全国のセブンイレブンで提供されています(※注:一部地域は料金が異なります)。ネットスーパーや食材宅配のように、例えば「5000円以下の注文では送料350円がかかるからまとめ買いをする」といったような買い方ではなく、必要度や暮らしに合わせて、少量からフレキシブルに買える点が便利。筆者も、実家に暮らす親にお弁当や食品を届けるため、時々便利に利用しています。

店長の金子さんによると、現在の利用者数はそれほど多くはないとのこと。「団地以外も含めて7軒ほどのお宅にご利用いただいています。栄養バランスの良い夕食を取りたいという方が日替わりのお弁当をご注文されたり、お米やミネラルウォーターなどの重いもの、トイレットペーパーなどかさ張るものなどのご注文もよくいただきます」。便利なので、今後利用者がもっと増えるのではないかと感じました。

24時間営業だから便利。コンビニが団地の管理サービス窓口に

団地特化型コンビニが一般のコンビニと異なる最大の点は、団地内にある管理サービス事務所の仕事を一部代行していることです。

UR賃貸住宅には敷地内に管理サービス事務所があり、入退去の手続きや各種届出、修繕依頼の受付など、さまざまな入居者サービスを提供していますが、「セブンイレブンJS美住一番街店」はそのサービスの一部を受け持っています。

「URの管理サービス事務所は営業時間が団地の規模によって異なっていて、グリーンタウン美住一番街では、午前のみの営業となっています。そのため手続きに訪れる時間が限定されてしまうなど不便な面があります。特に集会場や来客用駐車場の使用時には、午後の遅い時間に使う場合でも、鍵の受け渡しのためだけに午前に事務所へ立ち寄る必要がありました。しかし現在は当店でも鍵を管理することになったので、ご都合の良い時間に鍵をお渡しできます」と金子さん。

「セブンイレブンJS美住一番街店」を運営しているのは、この団地の管理業務を受注している会社「日本総合住生活(JS)」。店名についている「JS」はその社名の略称です。団地の管理業務を行う会社がコンビニをフランチャイズ運営しているため、管理サービス事務所と連携が図りやすく、入居者サービスの向上が期待されます。

さらに、日本総合住生活(JS)が提供する生活サポートサービス「JSリリーフ」の入会・利用案内も行っています。入会金・年会費は無料で、ハウスクリーニング、家事代行、介助、防災・防犯サービス、小修理駆けつけサービスやリフォームサービス(UR賃貸住宅で可能な工事)、暮らしサポートなど、暮らし全般にかかわるサービスを会員価格で提供。サービスの実施はコンビニスタッフではなく、JSリリーフの専門スタッフが行います。何回でも無料の「終活電話相談」、年3回まで無料の「健康・医療」「法律」「相続」「パソコン操作」「年金・税金」「介護」「マタニティ・育児」「心の悩み」などの各種電話相談サービスもあり、暮らしを支える体制があります。

住人の横山さんは「電球交換、粗大ゴミ出しなど、自分で行うとなると危険なので、おまかせできると助かります。この団地は建て替えてから20年ほどになるので、今ちょうどあちこちにガタがきている状態です。電気設備の不具合や鍵の紛失など、1人で対処しきれない急な事態でも小修理駆けつけサービスがあったり、相談先が決まっていると安心ですね」

いつも身近で安心。地域活性化・防犯のよりどころとして

「団地特化型コンビニ」1号店のオープン前と後で、住人の皆さんの意識はどう変わったのでしょうか。

「団地の建て替え前、団地内には商店街(スーパー、鮮魚店、そば店、生花店など)があって、今よりもにぎやかだったんですよ。商店街では住人同士が自然と交流を持てるので、皆さん顔なじみばかり。暮らしに安心感がありました」と横山さん。

団地の建て替え後はコンビニ、青果店、薬局があったそうですが、商店経営者の高齢化などの影響で、青果店、薬局は相次いで閉店。頑張っていたコンビニは3年ほど前に閉店してしまい、クリーニング店を残して、団地内では買い物できる場所がなくなりました。

「夜までともっていたコンビニの明かりが消えて、寂しい場所になってしまいました。以前近くで強盗事件が発生したこともあって、夜歩くのは怖かったですよ。だからセブンイレブンのオープンは皆で大喜びしました。24時間開いていてくれるのはとても安心で便利です」(横山さん)

いつでも明かりがついて、必要なものを買いたいときや困ったときにいつでも駆けこめる場所があるのは、ここに暮らす方々にとっては大きな安心感につながります。

「気を使わずふらっと来られますし、誰かしら知った顔がお買い物をしています。子どもからお年寄りまで幅広い年齢層の人たちが利用していますね。お店のスタッフにはここに住んでいる人もいます。それに店長さんがとてもいい人で皆から人気がありますね」(横山さん)

「団地では自治会主催で7月の夏祭り、10月の団地祭りなど年に数回イベントを開催していますが、店長さんたちには、チラシの配布や模擬店の出店などにご協力いただいています。年々イベントを運営する人が減ってきていたのでとてもありがたいですね。近隣の子どもたちもたくさん集まってにぎやかでしたよ」(横山さん)

【画像7】住人の要望を受けて設けたテラス席。朝は散歩帰りの人、午前中はママ友グループ、昼はお仕事中の人がお弁当ランチ、夕方には小学生たちがゲームに熱中し、夏の夜には夕涼みなど、1日中さまざまな世代の人たちが利用しているそうです(写真撮影/金井直子)

【画像7】住人の要望を受けて設けたテラス席。朝は散歩帰りの人、午前中はママ友グループ、昼はお仕事中の人がお弁当ランチ、夕方には小学生たちがゲームに熱中し、夏の夜には夕涼みなど、1日中さまざまな世代の人たちが利用しているそうです(写真撮影/金井直子)

【画像8】「皆さんの暮らしの助けになるコンビニでありたい」と話す金子さん。右のお二人は1号店オープンに尽力された日本総合住生活(JS)の中村加津人さんと中原哲夫さん(写真撮影/金井直子)

【画像8】「皆さんの暮らしの助けになるコンビニでありたい」と話す金子さん。右のお二人は1号店オープンに尽力された日本総合住生活(JS)の中村加津人さんと中原哲夫さん(写真撮影/金井直子)

「グリーンタウン美住一番街」の建て替え前のように、高度経済成長期に建てられた団地には商店街が併設されているところがあり、かつてはにぎわいある場所でした。しかし現在は、大規模スーパーの出店による購買環境の変化や、商店経営者の高齢化などで徐々にその数を減らしているところが多いようです。そうした場所の再活用の一つとして、この「団地特化型コンビニ」には高い存在価値や期待感を感じます。

UR都市機構では今後、100団地ほどで団地特化型コンビニの展開を目指すとのこと。現在、セブンイレブンのほか、ローソン、ファミリーマート、ミニストップと提携しているので、団地ごとに特色の異なる店舗が誕生するかもしれません。

全国どこのお店も同じという画一的なイメージがあるコンビニですが、今後、近隣住人のニーズを把握し、利用者に寄り添った店づくりがより広まっていくのではないかと感じました。

●取材協力
・日本総合住生活株式会社
・UR都市機構(独立行政法人 都市再生機構)