スター猫のお宅訪問[3]インスタで国内外の人気者! “お太りさま”猫・ぐっぴーの暮らし

インスタグラムのフォロワーは約18万人(2019年2月25日時点)! 写真集を発売したり、イベントを開催したりと、たれ目とナイスボディ(?)で多くの人を魅了している“お太りさま”猫が、茶トラのぐっぴー・6歳。“ぐぴ主さん”である二人、さきともさんとともに東京郊外に暮らしているぐっぴー宅を訪問!
DIYもペットもOK! ぐっぴーもお気に入りのデザイナーズ賃貸物件さきともさん撮影のぐっぴー(写真提供/さきともさん)

さきともさん撮影のぐっぴー(写真提供/さきともさん)

ぐっぴーとさきともさんが暮らすのは、個性的な間取りのデザイナーズ賃貸物件。キッチン・リビング・ベッドルームにふたつのロフト。ドアがなく天井が高いため、明るくて開放的だ。

部屋の間取り

部屋の間取り

「(この部屋は)すごく気に入っています。天井が高いから広く感じるんです。窓が南向きで大きくてキッチンが広めで……と、人が幸せを感じる間取りらしいです。そして、DIYもペットもOKなんですよね。あと、ロフトがあって床にものを置かなくてすむので、ぐっぴーが過ごすスペースが広いだろうなと思ったのも決め手でした」

撮影当日スタッフがきてもマイペースにうろうろしているように見えたぐっぴーだが「普段はもっと動かない。緊張していた」そう(写真撮影/片山貴博)

撮影当日スタッフがきてもマイペースにうろうろしているように見えたぐっぴーだが「普段はもっと動かない。緊張していた」そう(写真撮影/片山貴博)

ぐっぴーが一日の大半を過ごすリビング。木の家具で統一された室内には、トイレや爪とぎなどの猫グッズも。南側の大きな窓から太陽の光が入り込んで、室内はとても明るい(写真撮影/片山貴博)

ぐっぴーが一日の大半を過ごすリビング。木の家具で統一された室内には、トイレや爪とぎなどの猫グッズも。南側の大きな窓から太陽の光が入り込んで、室内はとても明るい(写真撮影/片山貴博)

この部屋は、ぐっぴーもお気に入りの様子。廊下を走ったり、ソファやお気に入りの爪とぎ兼ベッドでくつろいだりと自由気ままにすごしている。

「仕事のときはペットカメラを通して様子を見ているのですが、いつもだいたいソファにいるんですよ。ちょっとずつ体勢を変えながらずっと寝ています(笑)。

ぐっぴーは、横の動きは結構激しいんですけど、縦にはあまり動かないんですよね(笑)。だから、ソファくらいはのぼれるけど、ロフトや棚にはのぼれない。普通、猫を飼っていると棚にはものを置けないと思うんですけど、ぐっぴーは棚にのぼれないからその心配もない。すごく一緒に暮らしやすいですね」

部屋のなかでもお気に入りの場所のひとつが、爪とぎ兼ベッド。絶妙なくぼみがぐっぴーの身体にぴったりフィット(写真撮影/片山貴博)

部屋のなかでもお気に入りの場所のひとつが、爪とぎ兼ベッド。絶妙なくぼみがぐっぴーの身体にぴったりフィット(写真撮影/片山貴博)

一番お気に入りのおもちゃは「ドギーマン じゃれ猫 チューチュー」。「ほかのおもちゃがあっても、これがあったら見向きもしない」のだとか。これを使って運動してダイエットも(写真撮影/片山貴博)

一番お気に入りのおもちゃは「ドギーマン じゃれ猫 チューチュー」。「ほかのおもちゃがあっても、これがあったら見向きもしない」のだとか。これを使って運動してダイエットも(写真撮影/片山貴博)

日中はあまり動かないというぐっぴーだが、最近は運動やごはんの量を調整してダイエット中なのだとか。

「もう6歳だし、8kgを超えてちょっとやばいなと思ってダイエットをはじめて。いまは7.6kgくらいまで減りました。猫の標準は3~4kgくらいなので、1匹で多頭飼いしているくらいの重さですね(笑)。でも、小さいころからすごく大きかったし、ごはんもそれほど食べるわけではないので、もともと大きくなる体質だったんでしょうね。身長があるので、そこまで肥満というわけではないらしいんです。毛が長めなのと、太っていたときのルーズスキンがあるから太って見えるのかな(笑)」

その出会いはまさに運命!?人のそばが大好きなぐっぴー。家にいるときはぐぴ主さんにべったり(写真提供/さきともさん)

人のそばが大好きなぐっぴー。家にいるときはぐぴ主さんにべったり(写真提供/さきともさん)

体がとても大きいぐっぴーだが、出会ったときはポケットに入るくらいの大きさで、瀕死の状態だったのだそう。それは、思わず運命という言葉を使いたくなるような出会い。

「ぐっぴーと出会う半年くらい前、以前飼っていた猫の“茶っピー”が12歳11カ月で亡くなったんです。すごくつらくて、会社でずっと泣きながら仕事をしてたんですね。そうしていたら、偶然茶っピーと同じ茶トラの猫に出会った。空き地に一人、動けなくなっていたんですが、『あと1日遅かったら死んでたかも』とお医者さんが言うくらいギリギリの状態だったんです。あまりにもずっと泣いていたから、茶っピーが出会わせてくれたのかなと思います」

クッション、シール、ポストカード、タオルなどのぐっぴーグッズは、さきともさんたちがデザイン。イベントなどで販売しているそう(写真撮影/片山貴博)

クッション、シール、ポストカード、タオルなどのぐっぴーグッズは、さきともさんたちがデザイン。イベントなどで販売しているそう(写真撮影/片山貴博)

テレビの前にはペットモニターが。日中ぐっぴーはほとんど動かないので、逆にモニターに映っていないと心配になるのだとか(写真撮影/片山貴博)

テレビの前にはペットモニターが。日中ぐっぴーはほとんど動かないので、逆にモニターに映っていないと心配になるのだとか(写真撮影/片山貴博)

インスタグラムをはじめたきっかけは、茶っピーが亡くなった後に気付いたことがきっかけなのだとか。

「茶っピーの写真が全然なかったんです。当時はデジカメが今ほど普及していなくてインスタントカメラくらいしかなかったから、茶っピーが小さいときの写真も2~3枚しかなくて。亡くなった後に写真としての思い出が残っていないことをすごく後悔したんです。それで、ぐっぴーは小さいころからかなり写真を撮っていたんですよね。ぐっぴーの写真のアカウントをつくって成長記録にしたら時系列になるしキャプションもつけられるし、万が一携帯が壊れてもログインさえできれば見られるからいいなと思ったのがきっかけです」

(写真撮影/片山貴博)

(写真撮影/片山貴博)

国境を越えて人々を魅了するぐっぴーは、まさに“福猫”テレビ番組の企画でさきともさんが5時間かけてつくったというぐっぴー号。お気に入りで、1回出すとずっと入っているそう(写真撮影/片山貴博)

テレビ番組の企画でさきともさんが5時間かけてつくったというぐっぴー号。お気に入りで、1回出すとずっと入っているそう(写真撮影/片山貴博)

入るときはちょっとおしりが引っかかっちゃうのもかわいい(写真撮影/片山貴博)

入るときはちょっとおしりが引っかかっちゃうのもかわいい(写真撮影/片山貴博)

さまざまな思いからできたインスタグラムのぐっぴーアカウント。まるで人間のような表情や仕草を捉えた写真たちは、日本のみならず海外でも人気だ。

「当時飾っていた書道のカレンダーとぐっぴーを並ばせて撮った写真をインスタグラムにアップしたら、中国の微博で『Japanese Cat!』みたいな感じですごくシェアされて(笑)。そこで一気にフォロワーが増えたんです。
ぐっぴーがいたから、普通に生活していたら出会わなかったような人たちにたくさん出会うことができました。保護猫のために活動している方やぐっぴーファンの方など、出会いの幅が広がりましたね。私たちも猫のためにできることを、と考えるようになりました。ぐっぴーがいなかったらグッズをつくることもなかったでしょうしね(笑)」

玄関も好きな場所のひとつ。よくごろごろしているそう(写真撮影/片山貴博)

玄関も好きな場所のひとつ。よくごろごろしているそう(写真撮影/片山貴博)

履き古した靴の臭いが好きなんだそう。撮影時もスタッフの靴を一足ずつチェック(写真撮影/片山貴博)

履き古した靴の臭いが好きなんだそう。撮影時もスタッフの靴を一足ずつチェック(写真撮影/片山貴博)

さまざまな幸せを運んできてくれたぐっぴーは、さきともさんにとっての“福猫”だ。

「ぐっぴーがいるから家に帰るのが楽しくなりましたし、いなかったら今の幸せな暮らしがなかったかも。ぐっぴーはすごく空気を読むので、私たちが喧嘩をしても仲裁してくれるんですよね。二人の間にぺとんと寝たりして。本当に心の支えですね。
(猫との生活で)大切にしているのは、ぐっぴーの気持ちになって考えること。大きい音出さないとか、こうしたいんだろうなという気持ちを汲み取ってやってあげることです。少しでも幸せだと感じてほしいんです」

新しい世界や人との出会い、猫があたえてくれる安心感や多幸感。猫がいる生活は、多方面の“豊かさ”を与えてくれるのだ。

>Instagram
アカウント名 @gupitaro

スター猫のお宅訪問![2] フォロワー6万人!インスタで人気の「Niko&Poko」の暮らし

神奈川県の閑静な住宅街に暮らすスター猫は、インスタグラムをはじめ、写真集やカレンダーも出版するなど“ねむかわいい”ことで人気の、エキゾチックショートヘアのNikoちゃん(メス・5歳)とPokoちゃん(オス・3歳)。飼い主であるMakiさん夫婦とともに暮らしている。【連載】スター猫のお宅訪問!
インスタグラムで人気のキーワードといえば「猫」。多くのフォロワーを魅了するスター猫たちは、どんな暮らしを送っているのだろう。暮らしの工夫を聞いてみた。Instagramより(写真提供/Makiさん)

Instagramより(写真提供/Makiさん)

中古一戸建てを1階はリノベーション、2階はDIY

白い外観に、春にはバラが咲き乱れるという広く美しい庭。まるで写真集から出てきたかのような家。Makiさん夫妻は2011年に築5年の中古一戸建ての物件を購入後、リノベーションをしたのだとか。

Makiさんの家の間取り

Makiさんの家の間取り

「リノベーションをしたのは1階だけ。もともとは上がり框(かまち)の和室があったのですが取っ払って、トイレやキッチンの位置も変えました。リノベーションをお願いしたのは、恵比寿にあるインテリアショップ『PACIFIC FURNITURE SERVICE』のリノベーションサービス。昔からここのアメリカンで無骨な家具が好きだったので、デザイン重視で依頼しました。一番気に入っているのは、トイレ・洗面などの水まわり。壁をペンキ塗りで、床はグレーと白の格子模様にしたいとお願いしました。色みが『PACIFIC FURNITURE SERVICE』ならではのカラーなので、自分ではなかなかできないですよね」

1階のリノベーションはPACIFIC FURNITURE SERVICEに依頼。春にはウッドデッキがバラに包まれる(写真撮影/片山貴博)

1階のリノベーションはPACIFIC FURNITURE SERVICEに依頼。春にはウッドデッキがバラに包まれる(写真撮影/片山貴博)

リノベーションのイメージはMakiさんによるもの。

「お金のことは夫が担当で、テイストについては何も言われることはなかったんです(笑)。もちろんやれなかったこともあります。部屋の壁のペンキ塗りはお金がかかるのでやめました。ただ、今となってはそれでよかったかなと思います。猫を飼っているので壁が汚れてしまうこともあるのですが、ペンキ塗りだと拭くとはげてきてしまって、手入れが大変なので。2階の間取りは変えずに、ドアにペンキを塗ったり取手を取り替えたり、自分たちでDIYしました」

Nikoちゃん・Pokoちゃんの部屋の壁はニュアンスにこだわったブルー系に塗り、韓国のMYZOO「LUNA キャットステップ」でデコレーション。Pokoちゃんはカーテンの隙間から外を眺めるのが好きだそう(写真撮影/片山貴博)

Nikoちゃん・Pokoちゃんの部屋の壁はニュアンスにこだわったブルー系に塗り、台湾のMYZOO「LUNA キャットステップ」でデコレーション。Pokoちゃんはカーテンの隙間から外を眺めるのが好きだそう(写真撮影/片山貴博)

猫も人も心地いい暮らしを

ソファ以外は「手持ちの家具があったのであまり買い替えていない」というこだわりのインテリアに囲まれた、ヴィンテージ感の漂う落ち着いた空間は、NikoちゃんとPokoちゃんにとっても居心地がよさそう。最初の猫・NikoちゃんはMakiさんたちがこの家に引越してから2年目にやってきた。

Nikoちゃんは猫用ベッドの中からお出迎え(写真撮影/片山貴博)

Nikoちゃんは猫用ベッドの中からお出迎え(写真撮影/片山貴博)

「ちょっと顔が潰れたような犬や猫が好きで。以前はフレンチブルドッグを飼いたいと思っていたんです。たまたまエキゾチックショートヘアを飼っている人が載っている本を見て、その瞬間にビビッときて。そこからずっと飼いたいと思いつつもペットショップで見かけなかったので、そのうちブリーダーさんを通して買いたいなと思っていたんですね。ただ、命を預かることが怖く、なかなか勇気が出なくて、それで2年ほどかかってしまったんです。命を守れるかとか、もしも亡くなったとき耐えられるのかとか考えてしまって。それがある日、ペットショップでNikoと出会って、『うちの子だ!』と覚悟を決めたんです」

触ると嫌がるけど姿が見えないとニャーニャー鳴くというツンデレのNikoちゃん(写真撮影/片山貴博)

触ると嫌がるけど姿が見えないとニャーニャー鳴くというツンデレのNikoちゃん(写真撮影/片山貴博)

運命的な出会いによって家族がひとり増えたMakiさん一家。「今までいなかったのが信じられないくらい」という猫との暮らしにもう一匹が加わったのはその2年後だ。

専用の部屋にはベッドも(写真撮影/片山貴博)

専用の部屋にはベッドも(写真撮影/片山貴博)

「Nikoは典型的なツンデレで、普段はプイッとしているのですが、私がちょっと庭に出たりしているだけで寂しくてニャーニャー鳴くんですよね。2匹いたら寂しくないのかなと思ったのがもう1匹飼おうと思ったきっかけです。Pokoが来た最初のころ、Nikoはどうしていいのか分からないという感じでした。Pokoは小さくて力加減が分からないからNikoに馬乗りになったり噛んだりして、それをNikoは嫌がっていたんですけど、いまでは猫パンチをくらわせて威嚇するなど強くなりました(笑)」

リビングには、木製の宇宙船ベッドやダンボールハウス、ハンモックなどがたくさん。いただきものも多く、どんどん増えてきてしまったのだとか。2階には2匹専用の部屋もあり、毎日2匹はそれぞれ好きな場所で心地よさそうに過ごしている。そこには、猫と心地よく暮らすためのちょっとした工夫も。

窓に取り付けられるタイプのハンモックは、外を眺めたり、日差しを浴びながら寝るのが気持ちいいらしく2匹とも大好きだそう。猫のためのダンボール製インテリアはタイのペット雑貨の会社・KAFBOのオリジナル、木製の宇宙船ベッドは韓国のペットグッズデザイン会社MYZOOのもの。どちらも日本で購入可(写真撮影/片山貴博)

窓に取り付けられるタイプのハンモックは、外を眺めたり、日差しを浴びながら寝るのが気持ちいいらしく2匹とも大好きだそう。猫のためのダンボール製インテリアはタイのペット雑貨の会社・KAFBOのオリジナル、木製の宇宙船ベッドは台湾のペットグッズデザイン会社MYZOOのもの。どちらも日本で購入可(写真撮影/片山貴博)

最初はあまり高いところには登れなかったPokoちゃん。KAFBOのダンボール製インテリアに登っているうちに筋力が付いて椅子の上にも乗れるようになったとか(写真撮影/片山貴博)

最初はあまり高いところには登れなかったPokoちゃん。KAFBOのダンボール製インテリアに登っているうちに筋力が付いて椅子の上にも乗れるようになったとか(写真撮影/片山貴博)

窓際のハンモックでくつろぐのが大好きな2匹。ハンモックはAmazonで購入したものにカバーをつけて(写真撮影/片山貴博)

窓際のハンモックでくつろぐのが大好きな2匹。ハンモックはAmazonで購入したものにカバーをつけて(写真撮影/片山貴博)

「Nikoは家具で爪研ぎなどはしないのですが、Pokoは一時期2階の壁をガリガリしていたので、爪研ぎをしないように爪研ぎ防止のビニールを貼ったりもしていました。うちの子はどちらも高いところに登れないので、キャビネットの上などは荒らされなくて済むので助かります(笑)。よくお花が咲く時期には生花を飾っているのですが、NikoもPokoもあまり興味がないようで食べたりしないんですよね。机の上にあっても、よけるものだと認識しているようでよけて歩くんですよ。ラグは敷いていると毛がついて掃除が大変なので、使うときだけ敷くようにしています。水飲み場は、水がたくさんこぼれるとむく材の床が腐ってしまうと思って、まわりに珪藻土のマットを敷いて水はね予防をしています」

2階の洋室にある猫用トイレには珪藻土を塗ったカバーをつけて目隠し。においもそれほど気にならなくなったそう(写真撮影/片山貴博)

2階の洋室にある猫用トイレには珪藻土を塗ったカバーをつけて目隠し。においもそれほど気にならなくなったそう(写真撮影/片山貴博)

日常がより豊かになる猫との暮らし

猫と人がお互いに心地よい関係性で暮らしているMakiさん一家。猫との生活で一番変わったことは、「旅行に行かなくなった」ことだとか。

「Pokoが来てから旅行に行くこともなかったのですが、昨年ひさしぶりに夫婦で一泊旅行に行きました。一泊だったのでお留守番してもらったのですが、もう心配で心配で(笑)。家にはカメラを3台設置しているので、まめにチェックしていました。ごはんのとき以外はほとんど寝ていましたね(笑)。

普段はiPhoneで撮影をすることが多いというMakiさん。カメラを使用することもあるとか(写真撮影/片山貴博)

普段はiPhoneで撮影をすることが多いというMakiさん。カメラを使用することもあるとか(写真撮影/片山貴博)

玄関横にあるNikoちゃんそっくりの人形。愛犬・愛猫のオーダーメイドぬいぐるみをつくる「PECO Hug」がモデル例として作ってくれたものだとか。思わずNikoちゃんと間違えてしまうことも(写真撮影/片山貴博)

玄関横にあるNikoちゃんそっくりの人形。愛犬・愛猫のオーダーメイドぬいぐるみをつくる「PECO Hug」がモデル例としてつくってくれたものだとか。思わずNikoちゃんと間違えてしまうことも(写真撮影/片山貴博)

今まで動物と暮らしたことがなかったので、動物を飼っているみなさんがよく言う『家族の一員だから』という言葉にあまりピンときていなかったんです。けれど、今はすごくよく分かります。性格的にも、手のかかり方も、5歳と3歳の子どもと暮らしている感じ。Nikoはおませな5歳の女の子で、Pokoは甘えん坊で手がかかる3歳の男の子。どちらもかわいいですね。旅行に行けなくなったことを悲観しているわけではなく、日常はより楽しくなりました。今はただただ長生きしてほしい。NikoとPokoが元気で、幸せだなと思ってほしいですね」

庭を散歩するのが大好きだという2匹が外をより見られるように、いつかウッドデッキをサンルームにしたいという夢をふくらませるMakiさん。2人と2匹の暮らしは、これからもさらに快適にアップデートされていきそうだ。

リードをつけて庭を散歩するのが大好きだというNikoちゃんとPokoちゃん。庭に出るとぐるぐると何周も回るそう(写真提供/Makiさん)

リードをつけて庭を散歩するのが大好きだというNikoちゃんとPokoちゃん。庭に出るとぐるぐると何周も回るそう(写真提供/Makiさん)

KAFBOのダンボール製ハウスですやすや寝ていたNikoちゃんとPokoちゃん(写真撮影/片山貴博)

KAFBOのダンボール製ハウスですやすや寝ていたNikoちゃんとPokoちゃん(写真撮影/片山貴博)

スター猫のお宅訪問![1]インスタ・ブログで人気の「どんこ」と写真家・井上佐由紀さん、外山輝信さんの暮らし

コーヒーショップやインテリアショップが並ぶ渋谷の住宅街。その一角にある築54年のマンションに暮らすのは、写真家の井上佐由紀さんとマネージャーの外山輝信さん。そして、インスタグラムやブログ、雑誌などで人気のスター猫・どんこちゃん(オス、10歳、スコティッシュフォールドのミックス)だ。その暮らしぶりを拝見した。【連載】スター猫のお宅訪問!
インスタグラムで人気のキーワードといえば「猫」。多くのフォロワーを魅了するスター猫たちは、どんな暮らしを送っているのだろう。暮らしの工夫や写真の撮影のコツなどを聞いてみた。どんこちゃんが、グレーが美しいモルタル仕立てのリビングへご案内井上さん撮影のどんこちゃん(画像提供/井上佐由紀さん)

井上さん撮影のどんこちゃん(画像提供/井上佐由紀さん)

取材スタッフがお邪魔すると、井上さん・外山さんとともに玄関でお出迎えをしてくれたどんこちゃん。人見知りはせず「お客さんが大好き」というどんこちゃんが案内してくれたのは、モルタル仕立てのグレーが美しいリビングだ。

「最初はここまでモルタルにするつもりはなかったんです。床はモルタルにしたくて、壁はほかの素材も検討していたのですが、雰囲気も統一できるので結局全部モルタルにしました。ただ、最初の1~2週間は筋肉痛になりましたけど(笑)」(外山さん)
「モルタルの床ってすごく足が疲れるんですよ。もう慣れましたけどね(笑)。フローリングも硬いと思いつつも、やはり木の弾力性ってあるんだなと思いますね」(井上さん)

アートを集めるのも好きだという井上さんと外山さん。壁面収納にはお気に入りのアートをディスプレイ(写真撮影/片山貴博)

アートを集めるのも好きだという井上さんと外山さん。壁面収納にはお気に入りのアートをディスプレイ(写真撮影/片山貴博)

二人が中古マンションを購入・リノベーションしたのは2011年。購入の際は、物件探しからリノベーションまでをトータルでお願いできる会社に依頼をしたそう。物件を探す際に、まずポイントとしたのが立地。

「仕事柄、遠くに住んでいても都心に来ないといけないことが多いなかで、私は出かけるギリギリまで寝ていたいタイプなので(笑)、移動時間が少ないとなると都心かなと」(井上さん)
「建物の価値ってすぐ下がってしまいますけど、土地の値段ってそこまで急には下がらないから、とりあえず立地で選んだほうがいいですよとお願いしたその会社の方に言われて。広さは、それは広いに越したことはないですけど予算の範囲内で。二人だけの生活だし、それほど広さが必要でもないですしね。あと20平米くらい広ければいいなとは思いますけど、多分もう少し広くてもあと20平米くらいあればと思うだろうし、結局きりがないんですよね。あと、狭いほうが掃除が楽ですしね」(外山さん)

井上さん、外山さん宅の間取り

井上さん、外山さん宅の間取り

立地とともにこだわったもうひとつのポイントが、猫と暮らせることだ。ペット可物件を購入し、時を同じくして出会ったのが、どんこちゃんだった。

「以前からたまに、友達が旅行に行くときなどに猫を預かったりしていたんです。その子も愛想がよくて、膝の上に乗ってくるのを見ると猫と暮らすのもいいなと思って。その子も保護猫で、そういうシステムがあることを知って、インターネットの譲渡サイトで探しているときにどんこを見つけて。『こいつだ!』と思ったんです。けれど、外山さんや友人に見せたら、『なんでこいつなの?』と言われて(笑)」(井上さん)
「里親さんがガラケーのカメラ機能で撮った写真だったので、画質もすごく悪いしピンとこなかったんですよね(笑)。でも、井上が飼いたいという気持ちがあるならいいかなと思って」(外山さん)
「私が『こいつがいい!』って引かなかったんですよね。会いにいったら、ほかの子が隠れたりシャーシャーって声を出しているなかで、どんこはのんきにウロウロしていて、私のほうに近づいてきて。それはもう運命だと思っちゃいますよね」(井上さん)

井上さんが大好きなどんこちゃん。膝の上もお気に入り(写真撮影/片山貴博)

井上さんが大好きなどんこちゃん。膝の上もお気に入り(写真撮影/片山貴博)

どんこちゃんのお気に入りのおもちゃは、フェルトでできたボール(写真撮影/片山貴博)

どんこちゃんのお気に入りのおもちゃは、フェルトでできたボール(写真撮影/片山貴博)

部屋は猫も人も心地よく、すっきりと

猫を飼うのははじめてだったという井上さんと外山さん。運命的な出会いを経て、どんこちゃんは晴れて家族の一員となった。どの家でも自分の居場所のようにくつろげるというどんこちゃんは新居にもすぐ慣れたという。取材中も部屋を歩いたり机の上に寝転んでインタビューを聞いていたりとマイペースに過ごしていた。

取材中、お腹がすいてお昼ごはんを。ごはんは一気に食べる派(写真撮影/片山貴博)

取材中、お腹がすいてお昼ごはんを。ごはんは一気に食べる派(写真撮影/片山貴博)

どんこちゃんのドライフードは瓶に入れて保存(写真撮影/片山貴博)

どんこちゃんのドライフードは瓶に入れて保存(写真撮影/片山貴博)

「お客さんのことが好きで、来客中もずっとウロウロしているんですよね。はじめて飼う猫なのであまり猫のことを分かっていなかったんですけど、よその子を預かったりすると、どんこは動きがどんくさいなって思います(笑)」(井上さん)

ものが少なくすっきりとした部屋は、猫にとっても過ごしやすそう。外山さんはあまりものを置きたくない派なのだとか。

キッチンは、モルタル仕立ての空間とよく合うステンレス製(写真撮影/片山貴博)

キッチンは、モルタル仕立ての空間とよく合うステンレス製(写真撮影/片山貴博)

(写真撮影/片山貴博)

(写真撮影/片山貴博)

「引越す前からものが少ないとは言われていたんですけど、引越し後もさらに減らしていきました。外山さんはもともと本を集めるのが趣味でレアな本や写真集が並んでいたんですけど、全部売ってしまったんです」(井上さん)
「なるべくものを増やしたくないので、本も読んだら捨てる。たくさん並べていても自慢しているだけになってしまうというか。結局出して見ないし、それだったら意味ないなと思って。音楽もCDでは一切買わずデータです。あと、掃除に時間をかけるのが無駄だなと思ったんです」(外山さん)

スッキリとした空間には、ちょっとした猫への配慮も壊れてしまうものは壁面収納の中段に。口から煙が出るという猫のお香立ては「H.P.FRANCE」で購入(写真撮影/片山貴博)

壊れてしまうものは壁面収納の中段に。口から煙が出るという猫のお香立ては「H.P.FRANCE」で購入(写真撮影/片山貴博)

「棚の上にガラス製のものを置いていたときはよく落とされていたので、全部中段に入れたんですよ。どんくさいせいか、中段に入ることはできないみたいで、割られることはなくなりましたね。割れるものや小さいものは買わなくなりました」(井上さん)
「一人掛けのソファはもともとファブリックだったんですけど、友達の猫を預かったときに爪とぎをしてしまうので革に張り替えたんですよ。床の円形クッションはなぜ中途半端なところに置いているかというと、どんこが机から飛び降りたときに足が痛くないようにと思って置いたんです。けれど、実際は人間が気遣いをしてもそうではないところに降りるから意味ないんですけどね(笑)。あと、どんこはティッシュを食べてしまうので、友達がつくってくれたふたつきのティッシュケースを使っています」(外山さん)

モルタル仕立てのスタイリッシュな空間。ダイニングチェアはフリッツ・ハンセンの「セブンチェア」、パッチワークのソファは中目黒「HIKE」でオーダー(写真撮影/片山貴博)

モルタル仕立てのスタイリッシュな空間。ダイニングチェアはフリッツ・ハンセンの「セブンチェア」、パッチワークのソファは中目黒「HIKE」でオーダー(写真撮影/片山貴博)

「特に、猫のために何かをやっているわけではない」という部屋は、時とともに自然と、人間も猫も居心地がいい空間になっていっているようだ。どんこちゃんと暮らして7年。いまや雑誌のカバーを飾り、カレンダーも発売されるなどスター猫となったどんこちゃん。「どんこちゃんに会いたい!」と家を訪ねてくれる人も増えたのだとか。スター猫の飼い主と聞くとさぞ猫好きだろうと思いきや……。

「僕たちすごく猫好きに思われるんですけど、特別に動物が好きなわけじゃないんですよね(笑)。ほかの猫にわざわざ会いに行くこともないし」(外山さん)
「そうなんです。どんこが好きなだけなんです(笑)」(井上さん)

本当に必要なものと暮らす、無駄のないシンプルでコンパクトな暮らし。それはとても豊かな空間と暮らしだった。

リビングの窓際でくつろぐどんこちゃん(写真撮影/片山貴博)

リビングの窓際でくつろぐどんこちゃん(写真撮影/片山貴博)