インプラント材料に使われている金属の分析をしてみましょう。(歯のほうではなくて、骨にねじ込むボルトのほうです)使われているのは、やはりチタンやチタン合金で、ステンレス鋼なども使われているんですね。それではそれぞれどんな出願がされているのか発明の名称を見てみましょう。1 チタン・ 特開2014-193249生体インプラントチタンを使う場合の有機汚染物質の除去方法です。・ 特開2014-028084生体インプラント材料の製造方法、生体インプラント材料およびチタン含有アルカリ水溶液 調整工程の改善だそうです。・ 特開2014-514124生体適合性部材生体適合性のために、表面に金属酸化物(二酸化チタンだそうです)をまぶすんだそうですね。2 チタン合金・ 特開2012-176243インプラントおよびインプラント部材 生体適合性が違った部材を使ったインプラント用部材です。・ 特開2013-179967医療用多孔プレート従来のバリアメンブレンの有する厚さや細菌繁殖の問題を解決する発明です。・ 特表2013-545499骨稜部を拡張させるための方法及び前記方法に使用するためのインプラント拡張具3 そ
歯科用材料の分析を進めて行きましょう。第4回で、上位10社の時系列出願数を示しましたが、こちらでは上位10社の全体出願数を示しておきましょう。そうすると、2015年からの全出願数は440件なのですが、上位10社等を見ても全体での比率は高くないですので、個々の大学等を見るよりも全体で見て行ったほうがよさそうです。それでは、まずは無機材料を見てみましょう。やはり、歯の材料である、HAPとTCPが多いんですね。HAPは以下のように、歯と骨の成分だそうで、歯のエナメル質の97%、象牙質の70%を占めるそうです。http://www.apagard.com/fordentists/hap/検索すると、「歯科治療のためのハイドロキシアパタイト膜形成法の開発」などという論文も出てきます。TCPも以下のように骨の材料だそうです。http://www.implant.ac/implant_html/care/more/isyoku_makoto.htmそれでは、特許のほうではどんな出願がされているのか直近のもので見てみましょう。1 HAP・ 特開2014-076387コラーゲン/ヒドロキシアパタイト複合
歯科材料をFタームの観点で分析してみましょう。上のマップのように、研究課題は、形態、生体親和性、製造方法、無機材料などの順番になっています。(検索に使った歯全般AB06が含まれる、 観点AB「補綴用」が多いのは当然なので、観点ABは除外してあります)それでは、どこの企業、大学がどの分野に強いのかを見てみると、以下のように、オーガンさんは、生体親和性にすぐれた天然系高分子材料に強そうですし、特殊陶器さんは、技術を生かした無機材料や合成高分子材料の微細構造などが強そうです。それでは、一番多かった、材料の形態でどんな研究がされているかというと、以下のようになります。これがどんな研究かというと、以下のようなものです。1 ブロック状・特開2014-237821歯科補綴物の製造に際して簡単に計量供給するのを補助するものとしてのPMMA粉末(ポリマー状粉末)からなる予備成形物・ 特開2014-076387コラーゲン/ヒドロキシアパタイト複合骨格及びその生成方法出ました!コラーゲン。・ 特開2013-189448ペプチドまたはタンパク質の制御放出送達2 粉粒状・ 特開2014-129217複
歯科インプラント関係をいろいろ調べてきました。まだFタームテーマコードの歯科補綴4C059で調べようとする場合には,、いろいろありますが、4C059での分析はこのくらいにして、このインプラント製品の材料について、さらに詳しくFタームテーマコードの4C081を調べてみましょう。まずは、4C081の観点を調べると、以下のようになります。前にも書いたように、このテーマコードは、歯科医療の材料だけでなく、医療全体での材料関係になります。ABという観点の中には、人工骨とか、人工血管とか、いろいろあるわけでして、今回はAB06歯全般というものに的を絞って検索をかけたわけです。それでは、どんな分類があるるかを見てみましょう。・ AA 被覆用観点のAA、AB、ACは用途に関する観点だそうです。AAは創傷部などの皮膚を覆う材料、口腔内などの粘膜を覆う材料、手術時に体内の臓器を覆う材料、衛生材料を観点としているんですって。・ AB 補綴用人体の組織を代替、補充又は補強する材料だそうです。・ AC 外科用外科用として使用する材料、または外科用器具の材料だそうですよ。・ BA...
それでは、今回は歯科用インプラントというのはどのような出願があるのかちょっとだけ覗いてみましょう。以下は直近の出願公開から図を貼り付けたものです。1 人工歯根・ 特開2015-013199こんなものが顎の骨に埋め込まれるんですね~。怖いですね~。恐ろしいですね~。・ 特開2014-158984まさにウサイン??・ボルトですね。・ 特開2014-1287262 床義歯固定用インプラント・ 特表2014-521468いろいろ埋め込むようです。・ 特表2014-516721 こうなるとほんとに「ねじ」ですね。・ 特表2012/1328193 植え込み工具・ 特開2014-014681・ 特開2013-252288・ 特開2013-236855植え込み工具はいろんな形のものが必要なようですね。どんなふうに使うんでしょう?尚、インプラント材料はチタン合金などが多いようですよ。
前回の続きで、Fターム4C059の観点AAを詳しく見てみましょう。下のマップはFタームを書くと長くなるので、Fタームは省いており、AA01人工歯根の下位分類AA02、AA03などは人工歯根に含めています。上のマップのように、人工の歯根関係、材質が多く、埋め込み工具も盛んに研究されているんですね。これを年度ごとに構成比率で見てみると、以下のように、2013年、2014年はまだ公開数が少ないでしょうから、これを考慮すると、ここ10年はそんなに研究内容は変わらないのでしょう。次は、メーカーさんです。こちらのほうは、観点AAインプラントに限った上位10社を調べましょう。そうすると、今まで出て来なかったメーカーさんもいますので、調べて見ると以下のようになります。・ 日本メディカルマテリアル株式会社 平成24年に名称を変更して、現在は京セラメディカルさんです。・ 竹林晃さん 公開公報の住所から調べると、以下のような歯医者さんだそうです。https://ishalog.mynewsjapan.com/doctor/14439・ 株式会社ハイレックスコーポレーションhttp://www.hi-lex.
Fタームの観点でどのような出願数になっているのかを見てみると以下のようになりました。やっぱりインプラント関係の研究開発花盛りというところで、人工歯というのはそれほどでもないようです。年度ごとの出願数で比較してみると、2007年が突出していて、その後は減っていますが、やっぱりリーマンショックの影響なのでしょうか。次は各メーカーの強みです。インプラント関係の三大巨頭??は、ジーシー、シュトラウマン、ノーベルで、イボクラーは、陶磁器材料の人工歯、歯冠(及びその製法、鋳造)関係のようですね。ということで、次回はインプラントのAA詳細を調べることにして、あらかじめAAの詳細分類を説明しておきます。・AA01 ・人工歯根 顎骨あるいは歯槽部に植えつけられる支柱で、この上に人工歯を取付けるんです。・AA02 ・人工歯根の歯根相当部に特徴 人工歯根のうち、下部の歯根相当部に特徴があるもの。・AA03・人工歯根の歯冠相当部に特徴 人工歯根のうち、上部の歯冠相当部に特徴があるもの。・AA04...
それでは今回からは、どんな研究開発がおこなわれているのか見ていきましょう。最初はインプラント品から見て行きましょうかね。まずはFタームはどんな分類になっているのか、観点を見てみましょう。この前の医療用材料分析のときはFタームの観点をテキトーに観察しただけでしたので、今回は心を入れ替えて?Fターム解説をしっかり読みながら調べてみましょう。(IPDLももうすぐ終わってしまいますが、とりあえず現在のIPDLを貼り付けておきます)https://www5.j-platpat.inpit.go.jp/pms/tokujitsu/pmgs/PMGS_GM101_Top.actionそうすると、4C059の観点は以下のようになりました。・ AA 歯科インプラント歯科補綴に関する技術で、顎骨や歯槽部に植えつけられる支柱で、この上に人工歯や義歯床が取り付けられることになります。 自然歯の中に埋め込まれるものもありますが、これはこの中のAA12になります。・ BB 印象トレー印象を良くするために使うんではなく、口腔組織の陰型記録(=印象)を作成するため、印象材料を口腔組織に押しつける時に使用する印象材料を
それでは、今回は上位10社の直近10年間の時系列での出願推移を見てみましょう。ノーベル、松風、スリーエム、トクヤマなどは2013年からの出願がないですが、直近なので出願がないのかどうかはまだわかりません。京セラさんは最近増加してきているようですね。尚、各企業と共同研究しているメーカーはそんなに多くありませんでしたので、どんな技術が研究されているのかに移りましょう。最初、歯科補綴品と、そのまた歯科用材料をいっしょくたにして分析しましたが、それぞれがどうなっているのかを、まずは調べてみましょう。まずは、時系列での出願比較です。上が歯科補綴品すなわちインプラント品で、下がその材料です。やっぱりベーシックな歯科用材料を研究しているところよりも、インプラント品を開発しているところのほうが多いんですね。次は、メーカーごとの比較で、上がインプラント品で、下がその材料です。下のマップのように、今までのインプラント品と違って、ベーシックな研究をおこなっているのはやはり大学系が多く、今までと違ったメーカー、企業が多くなっています。ここでも、大学と独立行政法人を除いた新しいメーカーは以下となります。・ 株式
今回はメーカーの時系列での出願数を見て見ましょう。直近10年間で見てみましょう。 見てみると、ニコンやNEGなど、ほとんど出願がありませんね。 気を取り直して、2003年以前を見てみると以下のようになりました。そうすると、以前は研究がおこなわれていたのに直近10年間では、ほとんどおこなわれなくなった企業があるようです。ということは、分析は直近10年間でおこなったほうがよさそうです。 ということで、直近10年間での出願上位10社は上のようになりました。最初に20年間で見たときには、海外メーカーは1社しか入っていませんでしたが、直近10年間では、海外メーカーさんが日本市場になだれ込んでいるような気がします。それでは、最初に取り上げられなかったメーカーを見てみましょう。・ シュトラウマン名称:STRAUMANN HOLDING...