住宅購入検討者の4割近くが将来的な売却や賃貸を検討!柔軟に住み替えるスタイルが広がるか?

リクルートのSUUMOリサーチセンターが「『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)」を公表した。この調査では、住宅の買い時感や住宅検討状況、住宅に関する意識などを聞いている。調査結果の推移を見ると、消費者の意識の変化がうかがえるので、詳しく見ていくとしよう。

【今週の住活トピック】
「住宅購入・建築検討者』調査(2023年)」公表/リクルート

検討している一戸建てとマンション、新築と中古が同率に

調査は、2023年12月に、首都圏、東海圏、関西圏と政令指定都市のうち札幌市、仙台市、広島市、福岡市に住む、20歳から69歳の男女で、過去1年以内に住宅の購入・建築、リフォームについて具体的に検討した人を対象に行われた。

検討している住宅の種別(複数回答)は、「注文住宅」が過半数の56%で、「新築一戸建て」31%、「中古一戸建て」31%、「新築マンション」30%、「中古マンション」30%、「リフォーム」16%となっている。一戸建てもマンションも、経年で見ると中古検討率がじわじわと上がっており、新築と中古が同率となっているのが、今回の特徴だ。

「一戸建てか、集合住宅(マンション)か」を聞く(単一回答)と、「ぜったい」と「どちらかといえば」の合計で、「一戸建て派」が58%、「集合住宅派」が22%と一戸建て派が優勢に。「どちらでもよい」は20%だった。

48%が「買い時と思っていた」と回答、その理由は?

さて、住宅購入環境にさまざまな変化が生じている。都心部のマンションを中心に価格が上昇していることに加え、長期固定型の住宅ローンの金利がじわじわと上昇している。集計対象数6007人のうち、住宅購入・検討者は4240人(賃貸検討者が1767人)。この人たちは、「買い時」と思っているのだろうか?

調査で「買い時だと思っていたかどうか」聞いたところ、48%が「思っていた」(とてもそう思っていた12%+ややそう思っていた36%)、20%が「思っていなかった」(まったくそう思っていなかった6%+あまりそうは思っていなかった14%)となり、買い時の割合が前年(2022年調査)の44%から48%に増加した。

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

ちなみに、「買い時だと思った理由」については、「これからは、住宅価格が上昇しそう」がTOPの45%だった。2位は「いまは、住宅ローン金利が安い」の33%、3位は「いまは、いい物件が出ていそう」の30%だった。

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

買い時と思う理由について、少し考えてみよう。2024年3月に日銀がマイナス金利を解除するなど、調査時点よりも金利のある時代が近づいている。金利について、いま調査をしたら、「金利が上がりそうだから」といった理由が上位に入るのかもしれない。また、住宅価格が高くなっているので、住宅の売り時と判断している人が多いと考えられる。中古の物件が市場に出回ることで、「いい物件が出ていそう」という環境になるかもしれない。

では、今後の住宅価格についてはどうだろうか?価格が上がり続けているのは都心部の住宅なので、それほど上がっていない地域と上がり続けている地域がある状況なのだが、残業時間を規制する2024年問題が拍車をかけて、建設業界の人手不足による建設費の上昇が続いている。流通業界も同様なので、建築資材を運送する費用も上がるなど、住宅の建設費用に下がる要因が見当たらない。したがって、「住宅価格が上昇しそう」な環境は、まだ続くといえるだろう。

住み続けるよりも柔軟に住み替える考え方に変化?

今回の調査の特徴といえるのが、「買い替え」層が増えていることだ。「初めての購入、建築」が63%と最も多いものの、持ち家を売却して新しい家を購入、建築する「買い替え」が年々増えて、2023年調査で29%に達した。もちろん、住宅価格が高くなっているため、売りやすい市場になっていることもあるが、どうやらそれだけではないようなのだ。

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

次に特徴的なのが、「将来的に売却を検討している」層が増えたことだ。「永住意向」が44%と半数近くを占めるものの、売却を検討したり、賃借を検討している層が合わせて38%になっている。購入、建築を検討しているときから、いずれキャッシュ化しようと考えている人が増えているわけだ。

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)※2021年以前は調査なし

では、そう考えている人たちが、売却や賃貸に出すタイミングをどう考えているのだろう?
「土地や不動産の価格が上がったら」、「家が老朽化したと感じたら」、「他に欲しい物件が出たら」といったタイミングを想定している人が増えた一方、「定年退職」などは減っている。

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)※2021年以前は調査なし

かつては、マイホームが老朽化したらリフォームして住み続け、家族構成の変化など状況が変わったときに売却するという流れだったが、近年は、価格が上がったり、欲しい物件が出たりしたタイミングや、老朽化でリフォームをする前のタイミングで、売却するという考え方に変わっているようだ。

住宅購入を取り巻く環境にも変化が生じているが、住宅を購入、建築する消費者側の意識にも変化が生じている。住み続けることにこだわらず「柔軟に住み替える」スタイルが広がりつつあるので、住宅の流通市場をより整備して、売り買いのしやすい環境をつくっていくことが求められるだろう。

●関連サイト
リクルート「『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)」

家賃がマイホームに変わる?! 「家賃が実る家」がつくる住まいの新概念

以前、住宅購入を勧められたときに「家賃はお金をドブに捨てているようなもの」と言われたことがある。家賃を払い続けても、最後に何も手元に残らないと言いたいのだろう。でも、もしその家賃でマイホームが手に入るとしたら……? 今回は、毎月、家賃を払い続けると、借りていた家が自分のものになるという新しい不動産システムを紹介。そんな夢のような仕組み、本当にあるの?
家賃を払い続けたあとに“家”が残る、賃貸と分譲のハイブリッド

例えば月々10万円の家賃だと、1年で120万円。10年で1200万円になり、20年で2400万円、25年で3000万円になる。敷金礼金や更新料などを含めるとさらに出費は増えるだろう。3000万円と言えば、エリアや立地、広さなどにもよるが、新築の一戸建てが買える額だ。だから、「25年間、家賃を払い続けても、25年後には何も残らない」という理由で、賃貸よりも購入に軍配をあげる人がいるのもうなづける。

だが、家賃を払い続けた後に、「家」が残る賃貸がある。それが”家賃が実る家”だ。その上、エリアが選べたり、間取りや内装なども自分で選んでカスタマイズできる。いわば賃貸と分譲のハイブリッドなのだ。
仕組みはこうだ。まずは、建物の間取りや設備を選んで、内装や外装のカラーを選択しプランニングを済ませたところで支払う期間や家賃を決定する。その後、通常の賃貸と同様に身分証明書などにもとづいた入居審査を受ける。続いて土地の選定に取り掛かる段階で、登録事務手数料5万円(税別)と保証料等20万円(うち5万円は信用保証料、15万円は契約時の仮登記費用に充当)を支払う。希望の土地が決定し、大家(賃貸人)が確定してから建築を開始。約6カ月の工期を経て完成、入居となる。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

審査は賃貸借契約の入居審査のみなので、金融機関の住宅ローン審査に通らなかった人でも、申し込みが可能。原則として三親等内の親族が連帯保証人となる必要があるが、親族以外の方の連帯保証人でも申し込みはできる。

入居後、あらかじめ決めた期間、家賃を払い続けると、期間終了後にその土地と建物の所有権が自分に移り、自分の所有物となる。所有権移転までの賃貸契約期間は10年~28年の範囲で設定が可能。北海道と沖縄を除く全国の希望エリアで建築できるが、東京23区内など地価が非常に高いエリアや、地方政令指定都市の駅前の商業系、工業系地域は選定できない。賃貸経営ができないエリア、中古住宅の市場(需要)がないようなエリアも同様だ。

なお、途中で退去する場合は、手続きを踏むことで途中解約が可能。建物の原状回復費用と「譲渡を受ける権利」を保全するために設定した仮登記の抹消費用を負担することになる。原状回復費用は間取りや建物の使用状況により異なるが、ハウスクリーニング費用と借り手の故意・過失により損耗した修繕費用を負担することになっている。

地方の人口流出を食い止め、移住定住を促すために考案

そもそもどのような経緯でこのような仕組みが出来上がったのだろうか。“家賃が実る家”を手掛ける株式会社Minoru代表取締役の森裕嗣さんに聞いた。

「私は秋田県内では賃貸管理・仲介、売買、建築業を営んでいますが、秋田県は、日本で最も速いスピードで人口が減少しているエリア。それだけに、人口流出に歯止めをかけ、移住定住を促進できないかと、その方策を模索していました。そんな中、『持ち家を購入する人は、基本的に定住する覚悟を持っている。だから、賃貸入居者が賃貸感覚で簡単にマイホームを取得できる仕組みがあれば、持ち家のハードルが下がり、定住性が高まるのではないか』という考えが浮かんだのです」(森さん)

このビジネスモデルを構想してからというもの、森さんは法務や税務、システム開発等、事業を実現するためのさまざまな課題解決に奔走、「最後に家が借り手のものになる」という仕組みも、入居時の契約や手続きによって可能にした。

「入居の際に、『賃貸契約』と『贈与予約契約』を締結して仮登記します。この二つの『賃貸契約』と『仮登記』をすることで、入居期間が終了した後の所有権移転を担保しています」(森さん)

こうして秋田で事業を開始、さらに構想から5年後の2018年12月には、事業を全国にリリースすることとなった。会員数は7355人に上っている(2019年12月現在)。

株式会社Minoru代表取締役の森裕嗣さん。大学卒業後、デベロッパー勤務、都内での不動産会社設立を経て、妻の故郷である秋田県でリネシス株式会社を設立。後に譲渡型賃貸住宅ネットワーク事業を新設分割し、株式会社Minoruに継承した(画像提供/Minoru)

株式会社Minoru代表取締役の森裕嗣さん。大学卒業後、デベロッパー勤務、都内での不動産会社設立を経て、妻の故郷である秋田県でリネシス株式会社を設立。後に譲渡型賃貸住宅ネットワーク事業を新設分割し、株式会社Minoruに継承した(画像提供/Minoru)

住宅ローンが借りられなくても持ち家が手に入る

秋田県・Aさん(家族構成:母、子2人))の場合

すでに“家賃が実る家”に入居して4年になる秋田県のA(41歳)さんは、「家賃が最終的に自分の資産となる」という点を大いに評価している。

「離婚して子どもたちとアパートに引越すところだったのですが、”家賃が実る家”のことを知って、こちらを選びました。アパートに住んでいたら、家賃は” ただ出ていくだけ”になるわけですが、このシステムだと捨てずに済む。それがとても良いと思いました」(Aさん)

それまで住んでいたところの近所という希望がかなったので土地勘もあり、子どもは転校させずに済んだ。リビングとキッチンがゆるく区切られていることや、リビングから階段で2階に上がる間取りも希望通りだったし、好みの茶系のインテリアでまとめられた点にも満足している。

Aさん宅の内装。建具がAのさん好みの茶系ベースとなっている(画像提供/Minoru)

Aさん宅の内装。建具がAさん好みの茶系ベースとなっている(画像提供/Minoru)

(画像提供/Minoru)

(画像提供/Minoru)

入居後4年経った今、「外壁を汚れが目立たない濃い色にして良かった」と実感しているそう(画像提供/Minoru)

入居後4年経った今、「外壁を汚れが目立たない濃い色にして良かった」と実感しているそう(画像提供/Minoru)

間取りは現在80種類から選べるようになっている(画像提供/Minoru)

間取りは現在80種類から選べるようになっている(画像提供/Minoru)

「住宅ローンの審査に通るかどうかは分からなかったので、賃貸契約の審査だけで家が持てるのは、女性一人で2人の子どもたちを育てる上で、とてもラッキーだったと思います。家賃は約7万円で、入居期間である30年間(*1)支払い続けられるかどうか、多少の不安はありますが、所有権が自分に移るまでは大家さんがメンテナンスをしてくれて(*2)、固定資産税なども払わなくて済む点は助かります」(Aさん)

*1:Aさんの契約時は最長入居期間が30年だった。現在は10~28年の範囲で設定することになっている
*2:入居してから15年間の修繕は、入居者の故意過失でない限り、電球や蛍光灯の交換等の軽微な修繕以外は賃貸人(大家)が負担。16年目以降の修繕費は入居者(所有権移転が済んでいる場合は所有者)が負担することになる

Aさん宅の間取図。リビングから廊下を経ずに階段で2階に上がれるつくりがAさんのお気に入り。2階の洋室はコンパクトながらも間仕切りで3つに仕切られているので、家族全員が個室を持つことができた(画像提供/Minoru)

Aさん宅の間取図。リビングから廊下を経ずに階段で2階に上がれるつくりがAさんのお気に入り。2階の洋室はコンパクトながらも間仕切りで3つに仕切られているので、家族全員が個室を持つことができた(画像提供/Minoru)

貸し手たちは安定的な投資先として評価している

茨城県・Bさん(父、母、子2人)の場合

一方、茨城県のBさん(40代)は、現在、建物のプランを確定したところだ。

「賃貸に住みながら、最後に自分のものになるという手軽さが魅力でした。実家の近くという希望エリアに土地を見つけてもらった上、私たち4人家族に合わせたプランを提案してもらえたので、希望通りの仕様の家が建てられそうです」(Bさん)

Bさんが建築を予定している一戸建ての完成予想イメージ。外壁はインパクトのあるブルーで、内装は白とベージュを基調とした明るいトーンにまとめている(画像提供/Minoru)

Bさんが建築を予定している一戸建ての完成予想イメージ。外壁はインパクトのあるブルーで、内装は白とベージュを基調とした明るいトーンにまとめている(画像提供/Minoru)

予定している家賃は11万円で、現在の家賃14万円よりも月々の支払いは減少する見込み。入居期間は20年としてあるので、入居後20年経ったときに所有権が移転することになる。所有権移転後は、固定資産税や都市計画税などの税金や修繕費などの維持費は自分で負担することになる(修繕費は入居後16年目から自己負担が発生)。

「大家さんが決まらないので、いつ家が完成して入居できるのかがまだ分からない点が不安ではありますが、住宅ローンを借りなくても良いことや、固定資産税・火災保険料などがかからない点がお得だと思います」(Bさん)

”大家さん”、つまり貸し手である賃貸人は、Minoruの取引相手である不動産投資経験者のオーナーだ。入居者が決めた土地・プランに対して、投資する価値があると判断した投資家が、資金を投資して”大家”となる。人口減少時代に危機感を持つ不動産投資家にとって、今後、どれだけ賃料が低下して、空室リスクが高まるのかが不透明な状況は不安なもの。”家賃が実る家”のように、住み続けることを前提とすることで賃料低下のリスクがなく、原則として空室も生じないシステムは、不動産投資家から、不動産投資の一策として評価されているのだという。

なお、賃貸人が破産した場合は、賃貸を続けられなくなった場合は、破産管財人からの任意売却を活用して、次のオーナーへの売却を進め、権利関係の承継を行うとのことだ。

Bさんが建築を予定している一戸建ての間取図。1階に20.4畳のLDK、2階に7畳の洋室を3室確保。主寝室にはウオークインクローゼットも備えている(画像提供/Minoru)

Bさんが建築を予定している一戸建ての間取図。1階に20.4畳のLDK、2階に7畳の洋室を3室確保。主寝室にはウオークインクローゼットも備えている(画像提供/Minoru)

入居希望者の約7割は30~40代のファミリー

対して、賃借人、つまりこのシステムでマイホームを手に入れようとしている入居希望者は、9割以上が家庭を持つ世帯。年齢層で言うと、45~49歳が最多で24.0%。40~44歳が17.5%で続き、40代だけで4割強を占めている。次いで、35~39歳が13.9%、30~34歳が13.4%と、30~40代が全体の7割弱。世帯年収では、200万~400万円が33.4%と全体の約3分の1で最多であり、400万~600万円の19.7%と合わせて半数以上が世帯年収200万~600万円の層に集中している。

「通常、賃貸物件では、間取りや内装を自分で選んだり、賃料を設定することができませんが、”家賃が実る家”なら、スマートフォンで新築一戸建てのプランニングが可能。自分の収入に応じて賃貸期間と賃料を選択することができます。勤務先に家賃補助や住宅手当などの制度がある場合、持ち家や実家住まいでは補助が受けられないことが多いのですが、”家賃が実る家”ならこうした補助も受けられるので、そうした点も入居を希望する動機のひとつとなっているようです」(森さん)

不動産業界にとっても、このシステムは画期的だったようだ。全国宅地建物取引業協会連合会の不動産総合研究所が年1回発行する「Renovation2019」という研究報告書で「新しい不動産業」として取り上げられたのをはじめとして、不動産業界誌など80以上のメディアで紹介されたという。賃貸と分譲のいいとこ取りをしたこの仕組みに、業界全体が注目しているのだろう。

地方自治体との官民連携事業も始まっている。宮城県大郷町では、指定の農業法人に勤めることでマイホームが手に入るという、「職」と「住」を同時に提供する職住一体型移住定住促進事業が、同社との提携で実現しているのだ。地方が抱える問題解決という目的のもと、同社の取り組みが周囲を巻き込みながら広がりつつあることを示す一例といえそうだ。

月々支払う家賃がそのまま住宅の代金になるという、一見、夢のようなシステムだが、人口減少時代を背景に、不動産投資家のニーズや社会の課題解決なども包括する現実的なビジネスモデルであることが分かった。入居者と大家の両者がWin-Winの関係でないと成立しないこのシステム。賃料の設定方法などがまさにこのビジネスモデルの肝になるのだろう。この「新しい不動産業」が、人口減少時代の課題解決に寄与するかどうか。今後の展開を注視したい。

●参考
・家賃が実る家

ママの理想のマイホーム、「新築注文住宅」が66.0%

(株)インタースペースは、同社運営のママ向け情報サイト『ママスタジアム』にて、「マイホームに対する意識」調査を行った。調査は2019年2月19日~2019年2月28日、インターネットで実施。有効回答数は379名(~20代53名、30代221名、40代以上105名)。住宅購入にあたり、両親からの援助がありましたか?では、「援助は受けていない」が57.8%と過半数だったが、いずれかの両親からの援助を受けた人も4割以上となった。経済的側面からも、両親のサポートを受けている、いまどき子育て家族の姿が見えてくる。

理想のマイホームは持ち家ですか?賃貸ですか?では、「持家」と答えたママが74.1%と大多数。中でも「戸建の持家(新築注文住宅)」という回答が66.0%だったが、その理想を実現したママは約2割にとどまっている。一方で「賃貸と持家を臨機応変に」という考え方も2割強存在した。子どもの誕生や成長、パパママの通勤条件など、何かと変化が多い子育て世代だからこそ、臨機応変に対応することでリスクを軽減しようとしているのかもしれない。

理想のマイホームの立地・環境として重視したいポイントは、「立地」が最も高く69.4%。「商店街・スーパーの有無など買い物環境の良さ」(61.5%)、「日当たりや眺望の良さ」(55.7%)、「学区」(52.5%)が続く。「保育園・学童に入れそうか」という回答も2割弱あり、学区をはじめとする子どもの教育環境という視点は、ママたちにとってマイホーム選びの際にも重要な要素になっている。

理想のマイホームで重視するスペック・設備としては、「価格」が7割以上で最も高く、続いて「収納の多さ」「耐震性」「間取りや広さ」が6割程度だった。

ニュース情報元:(株)インタースペース

家づくりでまず始めたこと、1位は「住宅展示場に行った」

(株)リクルート住まいカンパニーはこのたび、マイホームに関するアンケート調査を行った。調査は、3年以内に注文住宅を建築した25歳~44歳の全国の男女を対象に、2018年9月、インターネットで実施。400名(男性172名・女性228名)より回答を得た。それによると、家づくりを思い立って始めたことは、1位が「住宅展示場に行った」で約6割(59.8%)。次いで「webで土地を探した」(10.8%)、「親に相談した」(9.3%)、「不動産会社に土地を探してもらった」(8.3%)などが続く。

家づくりを思い立ってから活動を始めるまでの期間は、「1カ月以内」が最多で39.0%。「2~3カ月以内」(32.3%)と合わせると、思い立ってから「3カ月以内」に7割以上(71.3%)が家づくりの活動を開始。多くの人が、住宅展示場に行ったり、不動産会社に土地探しの相談に行ったりと、スピーディーに行動しているようだ。

しかし、思い立ってから契約するまでの期間をみると、「1カ月以内」は4.0%、「2~3カ月以内」は17.5%、「4~6カ月以内」は27.5%と、合わせて「半年以内」が49.0%。「半年以上~1年以内」は26.0%と、スピーディーに動き始めたものの、それなりに期間はかかっている。さらに「1年~2年以内」が17.5%、「3年以上」は7.5%と、かなり長い期間かかってしまった人もいるようだ。

家づくりの流れの中で、自分たちの努力だけではスムーズに進めにくいのが「土地探し」と「建築会社選び」。今回の調査では「土地がない人」が66.3%いた。多くの人が希望の土地がすぐには見つからなかったり、建築会社選びに迷ったりしたことで、スムーズに家づくりが進められなかったことがうかがる。

ニュース情報元:(株)リクルート住まいカンパニー

共働きママに聞いた!家を買うとき、子育て面で重視したことは? マイホーム購入調査[3]

子育て世代にとって、マイホームの購入の際に悩むポイントはたくさんあります。今回は、共働き子育てママに購入のタイミングをはじめ、購入の際に重視したこと、住んでから分かった意外とよかったことなどをヒアリングしました。これからマイホーム購入を考えている子育て世代には要チェックな内容です。
子育て世代がチェックするポイントは、「教育施設までの距離」や「周辺の治安」が上位

子育て世代が土地や購入物件を探すときに「子育て」に関することで重視したことはどんなことでしょうか。
1位は「保育園、幼稚園、小学校までの距離」(38.0%)、2位は「周辺の治安が良いかどうか」(30.5%)、3位が「実家との距離」(30.0%)でした。教育施設はもちろんですが、保育園や幼稚園を卒園後に小学校に上がると、子ども一人での行動も増えるため、周辺の治安は気になるポイント。また、特に共働きの場合には、普段の生活に加えて、子どもが熱を出したけれど会社は休めない、急な残業でお迎えに行けないなど、親に協力を頼みたい場面がどうしても出てきます。そんなときに、近くに親がいると助かるという人は多いようです。
4位以降は「公園など、周辺に子どもを遊ばせる施設があるか」(28.5%)、「部屋数や広さが十分かどうか」(28.0%)と続きます。

また、「子育て補助、医療補助などの支援が充実している自治体かどうか」(15.5%)などは、事前に調べておくと生活する上で助かるので、チェックしておきたいポイントです。

周辺環境、教育機関、医療機関など、さまざまな視点で選んでいることが分かる(出典/SUUMOジャーナル編集部)

周辺環境、教育機関、医療機関など、さまざまな視点で選んでいることが分かる(出典/SUUMOジャーナル編集部)

それぞれを重視した理由は以下のとおり。
【保育園、幼稚園、小学校までの距離】
・登下校の距離が長いと、心配事が増えるから(38歳・秋田市)
・私自身、小さいころに小学校が遠くて嫌だったので、ある程度小学校に近い家を選びたかった(36歳・茨城県守谷市)
・子どもはまだいなかったけれど、将来的に環境の良い幼稚園に入れたいと思ったので(34歳・北海道苫小牧市)

【実家との距離】
・共働きなので、子育てする上で実家の援助は不可欠だから(43歳・岡山県早島町)
・1人目を妊娠していて家族がこれから増える。義理の母が1人暮らしで、できるだけ近くに住みたかった(41歳・仙台市青葉区)
・両方の実家からほどほどに近い所(40歳・川崎市高津区)

【周辺の治安が良いかどうか】
・安心して子どもを遊ばせたいから(37歳・岐阜県各務原市)
・小学校までの距離や道が危なくないか、地元ではないので詳しく分からず、治安の良さが心配で友人にいろいろと聞いた(31歳・名古屋市)

【公園など、周辺に子どもを遊ばせる施設があるか】
・男の子二人だったため、外でしっかり遊べる場所が欲しかった(41歳・横浜市神奈川区)
・田舎育ちなので自然がある場所で育てたかった。公園が近くにある場所を検討した(39歳・大阪府富田林市)

【子育て補助、医療補助などの支援が充実している自治体かどうか】
・子育て支援にも力を入れている自治体なので、経済的にも助かると感じた(36歳・福岡県那珂川町)
・医療助成が充実していると助かるので(43歳・秋田県大仙市)

購入タイミングは、「第一子が0歳~2歳のとき」がトップ

次に、先輩たちが実際に物件を購入したタイミングを教えてもらいました。
1位は「第一子が0歳~2歳のとき」(27.5%)。これは保育園に通い出すタイミングで購入を決意したのではと予想できます。2位は「第一子が3歳~5歳のとき」(19.0%)。こちらは小学校に上がる前に引越しを済ませてしまおうという計画なのかもしれません。
このように、第一子が生まれてから購入に至る人が多いですが、第一子妊娠前、第一子妊娠中という人も合わせると28.0%いました。

第一子妊娠前、妊娠中という人は3割弱(出典/SUUMOジャーナル編集部)

第一子妊娠前、妊娠中という人は3割弱(出典/SUUMOジャーナル編集部)

購入後に後悔した点は、「通学路の交通量」や「保育園激戦区かどうか」など

また、住んでから気が付いた、子育ての面で「もっと重視しておけばよかった」ということを聞いたところ、以下のようなコメントがありました。

・家の前の道が意外と交通量が多かった(43歳・神奈川県大和市)
・こんなにも保育園に空きがないとは思わず、安易に考えていたので後悔した(42歳・千葉県市川市)
・小学校は近いけど中学校が遠いので、中間位の位置にしておけばよかった(41歳・大田区)
・歩道が狭く、ガードレールもないため、もう少し考慮すれば良かった(34歳・北九州市)
・最寄りの小学校は学区外で、実際に通う小学校のほうが遠く、交通量の多い道の近くだった(39歳・埼玉県越谷市)
・部屋の広さが不十分。子どもの洋服や勉強道具などが増えるので、もっと部屋数があればよかった(40歳・新潟県新発田市)

家の間取りや設備のことはもちろんですが、立地や近隣の道路の安全性、教育・医療施設の問題などは住んでみないと分からないことも多く、「もっと調べておけばよかった」と後悔することもあるようです。
また、近い将来の生活を視野に入れておくことも大事です。例えば、今はまだ子どもが小さいからと幼稚園や保育園のことだけを調べるのではなく、将来通うかもしれない小学校、中学校もチェックしておくと、後悔がない生活を送れそうです。

意外とよかった点は、「同世代の子どもが多い」「児童館、図書館などが近い」など

逆に、住んでから気が付いた、子育ての面で「意外とよかった」点はどうでしょうか。
コメントは以下のようになりました。

・町の子育てに関しての取り組みが盛ん。子どもも増えてきたので周りの人たちと交流ができること(47歳・香川県三木町)
・小学校の預かり保育が無料である。隣の県は学童でお金が1万円ほどかかると聞いた(35歳・川崎市宮前区)
・児童館、図書館など子どもが使える施設が市内に多く、イベントも多数だった(39歳・埼玉県越谷市)
・近所は高齢者が多く、同世代の友達は少ないが、おばあちゃんたちが子どもたちを孫のように可愛がって接してくれる(36歳・福岡県那珂川町)
・同じ学年や近い世代の子が多く、子ども同士が仲良くなった。それで親も仲良くなったりする(41歳・大田区)
・近くに地区センターがあり、絵本も借りやすいし未就学児が遊べる広場もある。子育てサロンも近い。地区センターは子どものイベントがたくさん催されている。自然がたくさんあり、自然公園がふたつも近くにあり散歩コースがたくさんある(30歳・横浜市)
・子どもが見える範囲にいつもいるような間取りになっているので、安心して家事ができる(36歳・富山県入善町)

間取りなど家のこともありましたが、同世代の子どもが多かった、教育施設のイベントが多い、町内の人たちとの触れ合いがあるなど、周辺の環境のことを挙げる人が多数いました。

子育て中のママにとって、住まいの暮らしやすさはもちろんですが、周辺環境が整っているかどうかは重要です。家を買うということは、終の棲家(ついのすみか)とはいかずとも、長い期間その場所に住むということ。気になることを事前に調べたり、実際に見たりして、不安はなくしておきたいもの。今回の調査で挙がっていた点で気になることがあれば、物件購入を決める前にチェックしてみてくださいね。

●調査概要
・[マイホーム購入調査]より
・調査期間:2018年3月27日~29日
・調査方法:インターネット調査(ネオマーケティング)
・対象:10年以内に購入した持ち家にお住まいの20歳~49歳の既婚共働き女性
・有効回答数:200名(子どもありの世帯のみ)

共働き世帯のマイホーム購入、ローンや頭金で後悔することは? マイホーム購入調査[2]

一生で一番大きな買い物と言っても過言ではないマイホーム購入。額が大きいだけに、不安や疑問が付きまとうもの。今回は実際にマイホームを購入した共働きの妻400人を対象に、予算や頭金、ローンの組み方や資金計画で後悔していることなどをズバリ聞きました。妻の目線からの意見、ぜひチェックしてみてください。
予算オーバーした人の平均金額は600万 予算以下に収まった人の理由は?

まず、今回の調査に協力してくれた対象者の世帯年収をチェックしてみると、600万円~800万円未満(23.8%)、400万円~600万円未満(23.3%)が、合わせて約半数を占めました。次に800万円~1000万円未満が17.0%、1000万円~1500万円未満が15.0%となりました。

400万円~800万円未満が多いが、800万~1500万円も3割を超えた(出典/SUUMOジャーナル編集部)

400万円~800万円未満が多いが、800万~1500万円も3割を超えた(出典/SUUMOジャーナル編集部)

今回は全国で過去10年間に物件購入経験がある人を対象に調査を行っていますが、その購入金額を見てみると、3000万円~3500万円未満が16.5%で最多。2000万円未満が14.8%、2500万円~3000万円未満が14.0%と続きます。また、「予算より、実際の購入金額のほうがオーバーした」人と「予算と、実際の購入金額がほぼ変わらなかった」人が37.3%で同数。「予算より、実際の購入金額のほうが安くなった」人は10.0%で少数でした。

内訳を見てみると、「予算より、実際の購入金額のほうがオーバーした」のは新築注文住宅、新築分譲住宅が圧倒的に多いことが分かりました。注文住宅の場合、天井、壁、床などの仕上げ材をはじめ、キッチンやバスルーム、トイレなどの設備機器など、仕様決定をする際、こだわって好きなものを選んだらグレードが高いものばかりだったということが多いよう。その結果、もともと組んでいた予算を大幅にオーバーすることになるようです。また、土地代が予定していた金額よりも高くなってしまったという人も多くいました。

4000万円未満が7割近くを占めた(出典/SUUMOジャーナル編集部)

4000万円未満が7割近くを占めた(出典/SUUMOジャーナル編集部)

予算を決めていても、「実際の購入金額がオーバーした」と答えた人は4割近い(出典/SUUMOジャーナル編集部)

予算を決めていても、「実際の購入金額がオーバーした」と答えた人は4割近い(出典/SUUMOジャーナル編集部)

実際に予算よりオーバーした人、安くなった人のコメントを見てみると以下のとおり。

【予算より、実際の購入金額のほうがオーバーした】
・中古でいい物件がなく、土地付き新築にした。土地が高かったから予算オーバー(新築注文住宅・1000万円オーバー)
・低い階でも構わなかったが、先に買われてしまい高層階しか残っていなかった(新築マンション・400万円オーバー)
・オプション、壁紙、外壁など、好きなものを選んでいたら増えた(新築注文住宅・1000万円オーバー)
・ペットOKマンションで探したら額が上がった(中古マンション・400万円オーバー)
・中古住宅を購入したが、設備で故障しているものなどがあり、多くかかった(中古一戸建て・200万円オーバー)

【予算より、実際の購入金額のほうが安くなった】
・最後の一邸がキャンセル住戸として出たので、割引で購入することができた(新築マンション・600万円ダウン)
・モデルルームに使われていた部屋を購入(新築マンション・300万円ダウン)
・職場や都心から離れてしまい、最寄駅からもバスが必要なため、安い物件となった。その代わり、静かで自然豊かな環境を得られた(新築マンション・400万円ダウン)
・最初は新築物件を考えており、多めに予算を見積もっていたが、中古物件にリノベーションをプラスして価格を抑えることができた(中古マンション・1000万円ダウン)

購入の際の頭金は「夫婦共同の貯蓄から出した」人が約半数

物件も決まり、いざ購入となると、まず手続きとして頭金をどうするか決めなくてはいけません。
頭金の出所は「夫婦共同の貯蓄」が49.8%で最多で、個人で出す人を上回りました。額は「200万円未満」が24.1%でトップ。「200万円~400万円未満」(13.7%)、「400万円~600万円未満」(11.9%)と続きます。

自分たちで確保するケースが多いが、親からの贈与という人も(出典/SUUMOジャーナル編集部)

自分たちで確保するケースが多いが、親からの贈与という人も(出典/SUUMOジャーナル編集部)

また、頭金を貯めるためにした工夫を聞いたところ、「コツコツ」派と「ボーナスをすべて貯蓄」派に分かれました。

【コツコツ派】
・頭金は財形貯蓄でためた(41歳)
・夫婦共働きで、夫の給料のみで生活。自分の給料は貯蓄した(39歳)
・とにかく日常生活で節約をした(32歳)
・社宅に入っていたので、一般的な賃貸と社宅の家賃の差額分程度の金額を月々貯めていた(43歳)

【ボーナスをすべて貯蓄派】
・夫のボーナスはすべて貯めていた(32歳)
・お互いの給与から月々固定額を貯金し、自分のボーナスは全部貯金。夫のボーナスは必要諸経費部分や旅行などの娯楽分を引いた額を貯金。年に最低200万貯めるようにした(33歳)

住宅ローンは夫名義が約7割 「ローンを組まなかった」が10人に1人

頭金は2人の貯蓄から出す人が多いようですが、住宅ローンをどのように組んだか聞いてみると、配偶者(夫)名義でローンを組んだ人が約7割と多いことが分かりました。
「ローンを組まなかった」のは10人に1人。夫婦それぞれの名義で別々にローンを組む人は1割もいませんでした。

ローンは配偶者(夫)名義が約7割も(出典/SUUMOジャーナル編集部)

ローンは配偶者(夫)名義が約7割も(出典/SUUMOジャーナル編集部)

また、住宅ローンや資金計画については「後悔していない」人が7割を超えました。

「後悔している」人は全体の約3割とそれほど多くはありませんが、どんなことに後悔しているのでしょうか。

・もっと頭金を貯めておけばよかったと思う(41歳)
・夫婦名義でのローンにすれば、私にも控除などがあるので良かったと思う(36歳)
・もっと金利を比べればよかった。借り換えしたい(38歳)
・共働きなので多少無理しても大丈夫だろうと2人の収入で気に入った物件を購入したが、見通しが甘かった気がする。ローン、教育資金、老後資金を考えるともっと身の丈にあった総額にすべきだったと思う(34歳)
・子どもの成長とともにお金がかかるようになり、中古物件にして安く抑えれば良かった(39歳)
・固定金利を選択したが、変動金利にすれば、利息が安くて良かった(48歳)
・ローン契約時よりも収入が減ったため、月々の支払が苦しい(36歳)

「後悔していることはない」が約75%で「後悔していることがある」(25.8%)を上まわった(出典/SUUMOジャーナル編集部)

「後悔していることはない」が約75%で「後悔していることがある」(25.8%)を上まわった(出典/SUUMOジャーナル編集部)

今回の調査で、物件を探す段階では「このくらい」と予算を決めていても、予想以上に土地代が高かったり、マンションで高層階を選んだり、注文住宅の設備をグレードアップさせたりと、予算オーバーする要因はさまざまであることが分かりました。予算以下で購入できた人はたった1割。「プラン変更をするなら○○万円まで」など、最初に予算を設定する際に考慮しておかないと、すぐに予算オーバーしてしまいそう。

また、物件を購入後の住宅ローンや資金計画に関して、「後悔していることはない」人は約7割でしたが、「後悔している」人に関しては、「頭金をもっと出せばよかった」「金利を比べればよかった」など、具体的なコメントが挙げられました。
予算オーバーしてしまうことを想定に入れ、子どもが何歳のときにどのくらいのお金がかかるのか、転職をする予定はあるのか(収入が増減するのか)、妻が仕事を辞めて専業主婦になることはあるのかなど、夫婦の先の人生をシミュレーションしてローンや資金計画を立てると後悔が少なそう。一生に何度もない高い買い物だけに、住んだ後も後悔のないよう事前準備をしっかりしたいものです。

●調査概要
・[マイホーム購入調査]より
・調査期間:2018年3月27日~29日
・調査方法:インターネット調査(ネオマーケティング)
・対象:10年以内に購入した持ち家にお住まいの20歳~49歳の既婚共働き女性
・有効回答数:400名(夫婦のみ世帯200名・子どもありの世帯200名)

家を買うとき、夫婦で意見が分かれるのはどんなこと? マイホーム購入調査[1]

マイホームを購入するとき、夫婦で意見が食い違うことはどのくらいあるのでしょうか。例えば購入タイミングや資金計画のこと、立地や間取りなど、もめるポイントはいくつもあるようです。物件を購入した人はどんなことで夫婦の意見が食い違ったのか、もめた場合どうやって解決したかを聞いてみました。
検討当初に購入を希望していたのは「新築注文住宅」がトップ

まず、住宅購入を検討し始めたとき、どんなマイホームを希望していたかを聞いてみました。
全国400名の購入者に聞いたところ、トップは「新築注文住宅(※建替えを除く)」(44.8%)。続いて「新築分譲住宅」(32.0%)で、一戸建てが人気なのが分かります。次いで新築マンション(30.3%)と続きます。

新築注文住宅、新築分譲住宅、新築マンションが3トップで新築が人気(出典/SUUMOジャーナル編集部)

新築注文住宅、新築分譲住宅、新築マンションが3トップで新築が人気(出典/SUUMOジャーナル編集部)

実際に購入した住宅は「新築注文住宅(※建替えを除く)」(34.8%)が1位ですが、2位は「新築マンション」(21.0%)で、新築分譲住宅(20.5%)をわずかに上回りました。つまり、一戸建てを購入しようと思っていたけれど、最終的にマンションに決めた人が意外に多いことが分かります。「住みたいエリアでは注文住宅だと予算オーバーのため、新築マンションに切り替えた」というのがその理由のようです。

実際に購入した住宅は新築注文住宅、新築マンション、新築分譲住宅の3種別で4分の3を占めた(出典/SUUMOジャーナル編集部)

実際に購入した住宅は新築注文住宅、新築マンション、新築分譲住宅の3種別で4分の3を占めた(出典/SUUMOジャーナル編集部)

夫婦間でもめるポイントは、「購入のタイミング」「間取りや部屋数」「購入予算」など

次に、物件購入の際に夫婦間でもめたかどうか聞いてみました。
「もめていない」という人が約半数いたものの、「もめた」という人の中では、「購入するかどうか」(13.0%)や「購入のタイミング」(12.5%)、「間取りや部屋数」(13.0%)「購入予算」(12.5%)などがもめるポイントとして挙がりました。

購入のタイミングから日当たり、方角まで、もめるポイントは多数(出典/SUUMOジャーナル編集部)

購入のタイミングから日当たり、方角まで、もめるポイントは多数(出典/SUUMOジャーナル編集部)

具体的には以下のとおり。
【購入するかどうか】
・購入しなくてもよいと私は思っていたが、夫がどんどん話を進めてしまった(41歳・新築マンション)
・ここしかないという絶妙なタイミングと場所に土地を見つけたのに、なかなか購入する決断をしなかったため(47歳・新築注文住宅)
【購入のタイミング】
・今購入して大丈夫か、まだ自分たちには贅沢なものなのではないか(43歳・新築マンション)
・新築希望でもう少し待ちたい私と、中古でもいい物件なので買いたい夫でもめた(43歳・中古一戸建て)
【間取りや部屋数】
・リビングを広くとって、仕切りのないだだっ広い空間にしたが、収納や家事動線をもっと優先したかった(41歳・新築注文住宅)
・間取りについて、何でもかんでも広くしようとする夫と、使い勝手を重視する私とでかなりもめた(40歳・新築注文住宅)
【購入予算】
・私はある程度予算を抑えたかったが、夫は希望の設備を入れたがった(43歳・新築注文住宅)
・自分は短期的なローンを計画したかったが、配偶者は逆の提案だった(40歳・新築注文住宅)
【その他】
・私は戸建てが良かったが、夫はマンションを希望していてもめた(42歳・新築マンション)
・私は高層階が良かったが、高所が苦手な夫は3階以下にこだわった(42歳・中古マンション)
・トイレを1つにするか2つにするか(34歳・新築注文住宅)
・購入価格をもっと高くして、建具の質などをもっと高級な物にしたいと夫は主張、私は建具より立地の良さを重視(39歳・新築マンション)

夫婦間のもめごと解決法は「とにかく話し合う」「事前に譲れないポイントを明確化」など

さまざまなもめごとはあるものの、それらを解決しないと購入には至りません。もめた人はどのようにして問題を解決したのでしょうか。

経験した人のコメントで多かったのは、「とにかく2人で話し合うこと」。
これは、「それぞれのメリットとデメリット、緩和策を話して決めた(29歳)」「夫の意見を取り入れる設備と、私の意見を取り入れて設備変更したものと半分ずつくらいにした(43歳)」「双方で少しずつ妥協した(42歳)」など、お互いに譲り合い、それぞれの希望を尊重する夫婦もいれば、「自分が納得し、合わせた形になった(40歳)」「話し合いをして自分が折れる形でまとまった(43歳)」など、どちらかが妥協した夫婦もいました。

また、「スーモカウンターに一緒に行き、第三者の話を聞かせてその気にさせた(30歳)」「知り合いのライフプランナーに相談して解決した(48歳)」など、第三者の力を借りる方法も。

ほかには「夫に毎月のお金の出入りを細かに書き出したものを見せて、長めの返済設定で毎月の返済額を少なくするのを納得させた(44歳)」など、「事前に譲れないポイントを明確化」した人も。ポイントを「見える化」することで、「もめる」までいかずに解決できるようです。

もめないためには、やはり「話し合い」がポイント

もめごとを解決することも重要ですが、もめることなくスムーズに物件購入まで至ることが理想。そのためのアドバイスとしては、やはり「話し合い」が重要だとするコメントが多数ありました。また、「事前に譲れないポイントを明確化」「第三者に頼る」ことも挙がり、もめ事の解決法と同様のアドバイスが寄せられました。

・徹底的に話し合い、購入前にはファイナンシャルプランナーに介入してもらうこと(43歳)
・譲れないところと妥協点をしっかり話し合うしかない(47歳)
・妥協点を見つける。納得いかないなら納得いくまで話し合ってから次に進む(34歳)
・ある程度の勢いも必要(29歳)
・むしろもめたほうが良い。なにも意見を言わずに後から後悔するより良い(34歳)

今回の調査では、希望物件と実際に購入した物件に差があるケースもあることが分かりました。
また、物件購入の際に夫婦間でもめることはよくあることで、もめるポイントは「物件を購入するかどうか」だったり、「購入タイミング」や「間取りや部屋数」「購入予算」などが多いようです。
実際にもめた経験がある人は、「話し合い」で譲り合う、妥協をする、事前に譲れないポイントを明確化するなどで解決した模様。大きな買い物ですからもめることもありますが、解決法を知っておくことで、もめたとしても慌てず対処できるようになるといいですね。

●調査概要
・[マイホーム購入調査]より
・調査期間:2018年3月27日~29日
・調査方法:インターネット調査(ネオマーケティング)
・対象:10年以内に購入した持ち家にお住まいの20歳~49歳の既婚共働き女性
・有効回答数:400名(夫婦のみ世帯200名・子どもありの世帯200名)