ファミリー世帯の多い街で、安心して子育て。都内ベイエリアの新築マンション【理想をかなえたマイホーム実例#04】

マイホーム購入を通じて、理想をかなえた方々のお宅に伺い、レポートする連載企画。
今回は「東京ならではの生活を楽しみつつ、安心して子どもを育てたい」と考え、江東区で新築マンションを購入したOさんのご自宅にお邪魔します!【連載】理想をかなえた!マイホーム実例
「いつかは家を買って、○○したい」――そう考えて、住宅購入に夢をふくらませている方も多いのではないでしょうか。実際に「こんな暮らしがしたかった」という理想の暮らしを実現したご家庭にお邪魔し、マイホームを購入するまで、してからのお話をあれこれ伺います。家族の幸せな笑顔が生活空間を彩る、かわいいディスプレイスペース

江東区、東京ベイエリアの新築マンションが立ち並ぶ一角。インターフォンでオートロックを解除してもらい、エレベーターで2階に上がった一番奥の角住戸が、今回のOさんファミリーの住まいです。夫婦と9歳の女の子、3歳の男の子の4人で住んでいます。

「かわいい~!」
玄関を開けると真っ先に目に入る靴箱の上のディスプレイスペースに、私たち取材陣がそろって声を上げました。たくさんの家族写真が飾られ、すてきにディスプレイされた玄関は、Oさんファミリーの幸せで充実した毎日を感じさせます。

ガーランドなどお星さまのモチーフで統一され、たくさんの家族写真が置かれた玄関のディスプレイスペース(写真撮影/片山貴博)

ガーランドなどお星さまのモチーフで統一され、たくさんの家族写真が置かれた玄関のディスプレイスペース(写真撮影/片山貴博)

玄関を上がってすぐ左手にあるのが、小学3年生になる長女の部屋。白とピンクを基調としたカラーリングが女の子の部屋らしい雰囲気です。大好きな小物たちがたくさんディスプレイされ、上手に描けた絵や家族の写真がたくさん飾られた空間は、さながらお姉ちゃんの宝箱のよう。いきいきと学校生活を楽しむ子どもの毎日の時間と、健やかな成長を願うOさん夫婦の気持ちが詰まっているのでしょう。

長女の子ども部屋には色とりどりの小物たちや絵、写真が飾られているが、白とピンクを基調としたカラーリングですてきな統一感がある(写真撮影/片山貴博)

長女の子ども部屋には色とりどりの小物たちや絵、写真が飾られているが、白とピンクを基調としたカラーリングですてきな統一感がある(写真撮影/片山貴博)

廊下を進むと、壁にもたくさんの写真と2人の子どもたちが着色したTシャツが飾られていました。シックなグレーの壁に写真や手描きの明るい色彩がよく映えています。

たくさんの写真が飾られたキャンパス地のアートボードと、子どもたちが絵を描いたTシャツが飾られている廊下の壁は、まるでギャラリーの一角のよう(写真撮影/片山貴博)

たくさんの写真が飾られたキャンパス地のアートボードと、子どもたちが絵を描いたTシャツが飾られている廊下の壁は、まるでギャラリーの一角のよう(写真撮影/片山貴博)

階の高さよりも広さを重視、内装をカスタマイズしてシックな空間に

――日々の生活の楽しさが、訪れるゲストにも存分に伝わるお住まいですね。いつごろからこちらに住んでらっしゃるんですか?

「2014年ごろに購入してマンション完成後の2015年に引越したので、住んで3年ほどです。以前は江戸川区にある賃貸マンションに住んでいたのですが、50平米の2LDKで、手狭に感じて引越しを考えていたときに2人目を妊娠しました。夫婦でこれはもう買うタイミングだろう、と話しまして」(Oさん、以下同)

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――新築マンションに絞って検討されたんですか?

「はい。特に夫は自分たちが初めての住人になる新築がいい、という考えなので、中古マンションは選択肢にありませんでした。このマンションは内覧して2つ目の物件だったのですが、モデルルームを見た瞬間、ここがいい、と。価格帯が低い2階という低層階にするかわりに、壁などはちょっとお金をかけて好きな仕様にしました。たとえば先ほどの廊下の壁や、畳を黒系の色みにカスタマイズしてシックな印象にしています」

ダイニングの壁もグレーに変更した。モノトーンを基調としたシンプルでシックな空間に、木目が映えるインテリア。スツールや家電類も白で統一されているので空間全体がスッキリと見える(写真撮影/片山貴博)

ダイニングの壁もグレーに変更した。モノトーンを基調としたシンプルでシックな空間に、木目が映えるインテリア。スツールや家電類も白で統一されているので空間全体がスッキリと見える(写真撮影/片山貴博)

――キッチンカウンターのステッカーなど、インテリアにもご夫婦のこだわりを感じます。

「ステッカーは夫が貼ったんですよ。あ、リビングの飾り棚のディスプレイも夫作です」

「夫がつくったんです」というリビングの飾り棚。ボードには「LIVE SIMPLY,LAUGH OFTEN,LOVE DEEPLY(シンプルに暮らし、よく笑い、深く愛そう)」の文字が(写真撮影/片山貴博)

「夫がつくったんです」というリビングの飾り棚。ボードには「LIVE SIMPLY,LAUGH OFTEN,LOVE DEEPLY(シンプルに暮らし、よく笑い、深く愛そう)」の文字が(写真撮影/片山貴博)

――お仕事が住まい選びにも影響した点などもありますか?

「夫は外資系のメーカーで働いていて車通勤なので、エリアの選択という点で、アクセスのいいところ、高速道路にも乗りやすく、東京都内でも道路が混雑しやすい西側は避けて……と考えました。江東区のなかでもやや南に位置するこのエリアは、そういった点を満たしていました」

――子育て環境についてはいかがですか?

「江東区は子育て支援制度も充実しているし、23区内なのに緑も水もあって自然豊か、子どもたちがのびのびと遊べる広い公園もたくさんあって気に入りました。同じベイエリアでも芝浦や豊洲などに比べると、都心から少し離れるこのエリアは物件の価格帯も割安ですしね(笑)」

――ベイエリアは車があれば、特に便利ですもんね。

「はい、友達や親戚が遊びに来たときにもお台場や葛西臨海公園、東京ディズニーランド、千葉方面など、いろいろなところに連れて行くことができます。でも、車がなく電車移動の場合でも、昼間は割と席が空いていて楽なんですよ」

お出かけや買い物は車移動が多い。夫の営業車は近くの契約駐車場に、マイカーはマンション内の駐車場に置いてあるので、妻と子どもたちもいつでも車で出かけられる(写真撮影/片山貴博)

お出かけや買い物は車移動が多い。夫の営業車は近くの契約駐車場に、マイカーはマンション内の駐車場に置いてあるので、妻と子どもたちもいつでも車で出かけられる(写真撮影/片山貴博)

――たしかに! 今日の取材に伺うときにも、電車で座って来ることができました!

「でしょう? 私はミーハーなので、東京の生活を満喫したいんですが、交通網の混雑や人混みは苦手なので、割とゆったり暮らせて『東京だけど、東京っぽくない』このエリアが本当に気に入っています。夫は東京都内に実家があるのですが、彼も都内でこんなに安くていいところはない、とよく言っています(笑)」

同世代のファミリーとのつながり、助け合いが子育ての味方

――「子育て」という側面において、ほかにも感じてらっしゃる利点はありますか?

「同世代の子育てファミリーが多いところです。新築マンションが同時期に建ったこともあって、うちと同じような子育て世帯がたくさん住んでいます。娘の小学校の同級生もすぐ近くのマンションに住んでいて、ママ同士で連絡を取り合って『集合!』をかければすぐに集まって遊べます。また、何かトラブルがあって帰りが遅くなるときなどは、ママ友たちに子どもを預かってもらったり、お互いに助け合えている状態がとても心強いんです」

取材当日もOさんがLINEで一声かけると、近くに住む長女のお友達やママ友がすぐに集まってくれた。すぐ近くの運河に沿う遊歩道も子どもたちの遊び場(写真撮影/片山貴博)

取材当日もOさんがLINEで一声かけると、近くに住む長女のお友達やママ友がすぐに集まってくれた。すぐ近くの運河に沿う遊歩道も子どもたちの遊び場(写真撮影/片山貴博)

――引越していらしたのが3年前ということなので、もともと幼稚園からのお友達、というわけではないんですよね?

「はい、知り合いが全くいないところに引越してきたので、正直、最初はかなり不安でした。ところが、引越してみると周りも同じように引越してきたファミリーばかり。小学校もこぢんまりしていて一学年が40人強、学年みんなの顔が分かって、子どもたちが表に出ていると誰かが見てくれている環境です。
近くの古い団地に住むおじいちゃんおばあちゃんもよく声をかけてくれ、こんなに助けてもらえる人がいるとは思いませんでした。震災の経験など、助け合えるコミュニティが必要だと思っていたときにこの環境に出合えて、本当によかったと思っています」

普段は利便性を享受しながら安心して生活ができること、そして休日に少し足を延ばせば首都圏ならではのレジャーを満喫できること。子どもの成長を見守りながら夫婦も存分に楽しむ、Oさんファミリーの温かく充実した生活をのぞかせてもらいました!
江東区というエリア、新築マンションで低層階を選び、広さをとって自分仕様のカスタマイズをする、という質実な選択をして実現した豊かな暮らし、ぜひ住まい選びの参考にしてください。

「中古マンション購入+リフォーム」で将来貸しやすく、快適に暮らせる部屋に【理想をかなえたマイホーム実例#03】

マイホーム購入を通じて、理想をかなえた方々のお宅に伺い、レポートする連載企画。
今回は「忙しい毎日のなかでも子どもとの時間を大切にしたかった」「将来的に売ったり貸したりできる資産性も重視した」というMさんの住宅購入ストーリーを伺いました! 多忙な毎日を過ごされているMさんはどうやって理想の暮らしを実現されたのでしょうか!?【連載】理想をかなえた!マイホーム実例
「いつかは家を買って、○○したい」――そう考えて、住宅購入に夢を膨らませている方も多いのではないでしょうか。実際に「こんな暮らしがしたかった」という理想の暮らしを実現したご家庭にお邪魔し、マイホームを購入するまで、してからのお話をあれこれ伺います。夫の転勤で札幌へ……! いつかは東京に戻る前提で資産性を重視

テレビ電話ごしの取材となった、札幌在住のMさん。取材のために事前に何度もメッセンジャーでやり取りをしながらも、本当に日々お忙しそうなご様子が伝わってきます。もともとは東京に住んでいたというMさんファミリーは、夫と小学3年生の男の子との3人暮らし。まずは札幌に移住することになった経緯から伺います。

――はじめまして! 本日は画面ごしですが、よろしくお願いします!
Mさんはもともと東京にお住まいだったと聞きましたが……?

「はい。私も夫も営業系の仕事なのですが、5年ほど前に夫が札幌に転勤することになり、家族全員で移住しました。子どもはまだそのころ幼稚園でしたし、私も夫も夜遅くまで仕事をしているので、単身赴任で物理的な距離が離れると、家族で過ごす時間が確保しづらくなってしまうと思ったんです。そのため、私は前の仕事を辞め、札幌で同じ業種の会社に転職をしました」(Mさん、以下同)

Mさんが住むのは有名な時計台やテレビ塔もある札幌市中央区。写真左は札幌駅、右は札幌の街並み(写真/PIXTA)

Mさんが住むのは有名な時計台やテレビ塔もある札幌市中央区。写真左は札幌駅、右は札幌の街並み(写真/PIXTA)

――そうすると、今後は札幌にお住まいになる予定なのでしょうか?

「いえ、転勤の多い職種なので、また東京に戻るか、他の地域に異動になる可能性も高くて……。実際に夫も札幌に転勤後、さらに帯広に転勤になり、結局、いまは単身赴任という形になりました。札幌に来てから2年間は夫の会社の住宅補助を受けて近くの賃貸マンションに住んでいたんですが、このエリアは賃貸相場もそれなりに高く、補助から足が出る状況で。夫といい物件があれば買った方がいいかも、という話を常々していたんです。ただ、もし買うなら、今後また転居することになったときにも売ったり貸したりできるよう、資産性の高い物件を選ぼうと」

――資産性の高い物件というと、具体的には?

「いま住んでいる地域は文教エリアで人気が高く、新築マンションがどんどん建っています。私たちのような転勤族も多いので、駅からの利便性が高く、大手デベロッパーの建てた物件であれば、多少築年数があっても買いたい人はたくさんいるだろうと感じていました。新築よりも中古マンションの方が割安に手に入りますし、きちんと管理され、ブランド力のあるマンションは、リフォームをすれば快適に住めて売りやすいはずだと。それで私たちが買おうかなと探していたときに、ちょうど駅から徒歩2分のこの物件が出ているのを知ったんです。近所の人であれば、マンション名と外観を見れば『ああ、ここか』とすぐ分かるような物件ですよ」

住まいとしての快適性と、資産価値UPを目的にリフォーム

――立地以外に「資産性」という面で重視されたポイントはありますか?

「この物件はもともと3LDKで、リビングの横に和室があったのですが、内覧したときにリビングとつなげれば広くできるな、と思いました。もともと所有されていた方も結構きれいにお住まいになっていたんですが、築20年くらいだったので、自分たちが快適に住むためにも、また今後、売却する可能性を考えてもリフォームが必要だなと」

【リフォーム前の間取図】もともとはリビングの横に和室がある形の3LDKの間取だった(Mさんに提供いただいた間取図を元にSUUMOジャーナル編集部にて作成) 【リフォーム後の間取図】リビング横の和室をつなげる形にして広いリビング・ダイニングの2LDKに変更(Mさんに提供いただいた間取図を元にSUUMOジャーナル編集部にて作成)

【リフォーム前の間取図】もともとはリビングの横に和室がある形の3LDKの間取だった(Mさんに提供いただいた間取図を元にSUUMOジャーナル編集部にて作成)
【リフォーム後の間取図】リビング横の和室をつなげる形にして広いリビング・ダイニングの2LDKに変更(Mさんに提供いただいた間取図を元にSUUMOジャーナル編集部にて作成)

――リフォームされたんですね! 他にも変更されたところはあるんでしょうか?

「間取りの変更という意味では、押入れだったところをウォークインクローゼットにしたり、お風呂が狭かったのを広くしたり……というくらいですが、設備や仕様はほぼ全て手を入れました。床とクロスを張り替え、キッチンやバスなどの設備も新しいものにしました。札幌市は窓を二重サッシに変えると補助金がでる制度(※)があるので、窓も全て取り替えたんですよ(笑)」

※札幌市住宅エコリフォーム補助制度:許可を受けた事業者が施工する省エネ改修やバリアフリー改修を行った場合に、改修費用の一部を補助する制度

札幌の冬は寒いが、補助金が出ることが分かり、二重サッシも全て新しいものに取り替えた(写真提供/Mさん)

札幌の冬は寒いが、補助金が出ることが分かり、二重サッシも全て新しいものに取り替えた(写真提供/Mさん)

和室についていた押入れは、隣りにあった物入れと一体化してウォークインクローゼットに(写真提供/Mさん)

和室についていた押入れは、隣りにあった物入れと一体化してウォークインクローゼットに(写真提供/Mさん)

――それだけ全体的にリフォームをしようと思うと、リフォーム会社選びも慎重になったのではないですか?

「それが実は、リフォーム会社はこのマンションを建てた大手不動産グループの会社にそのままお願いしました。検討に時間をかけたのはどこにお願いするかではなく、仕様をどのレベルに維持するか、です。いずれは引越すことが前提で一生住む家ではないので、コストは抑えたいんです。でも、あまりグレードの低い仕様・設備だと自分たちが住むのに日々、ストレスになりますし、いざ売ろうとしたときにも低く評価されては困ります。『中の上』くらいの仕様を意識して、すべてのものを選ぶようにしました。『本当はこっちがいいけど、ここまでお金かける必要ないな……」とそれなりの質は確保しつつ、コストも重視するという。見積もりを出してもらって、やりすぎかなと感じる部分は削って、を繰り返しました」

バスやキッチンなどの設備も新しいものに交換。「中の上」のグレードを意識しながら、使い勝手がよく、万人受けするシンプルな仕様に(写真提供/Mさん)

バスやキッチンなどの設備も新しいものに交換。「中の上」のグレードを意識しながら、使い勝手がよく、万人受けするシンプルな仕様に(写真提供/Mさん)

床やクロス、建具なども変更。空間を広く見せるために白を基調としたものをセレクト(写真提供/Mさん)

床やクロス、建具なども変更。空間を広く見せるために白を基調としたものをセレクト(写真提供/Mさん)

忙しく働くママが小学生の息子と時間・空間を共有するための工夫

――毎日本当にお忙しそうなので、リフォームの検討も大変でしたよね。普段はどのような形でお仕事されているんでしょうか?

「平日は朝7時半過ぎに家を出て、帰ってくるのはほとんど21時から22時くらいになります。早ければ週に1回程度、19時半くらいに帰れるときがあるかどうか……。なので、息子の生活は普段、ベビーシッターさんにお願いしています」

――わあ……本当にご多忙ですね。そうすると、帰宅されたときにはお子さんはもう寝ている感じですか?

「寝ちゃってますね……(涙)。その分、早く帰れたときや休日など、家にいられる時間は少しでも一緒に過ごしたいと考えまして。リフォームによって広くなったリビングの真ん中には、子どものデスクを置いています。子ども部屋もありますが、基本リビング学習です(笑)。早く帰れたときに、息子が宿題をしている姿が食卓からも見えます。お互いが何をしているかがパッと視界に入るんです」

リビングの中央には子どもの学習デスクが。Mさんがダイニングやキッチンにいるときも、一緒の時間・空間を共有できる(写真提供/Mさん)

リビングの中央には子どもの学習デスクが。Mさんがダイニングやキッチンにいるときも、一緒の時間・空間を共有できる(写真提供/Mさん)

――たしかに、息子さんのデスクが主役のリビングですね!

「でも息子は実際にはデスクだけじゃなくて、キッチンのカウンターで勉強することも多いんです。カフェっぽいカウンターにしたところは私のこだわりなんですが、ここで一緒にご飯を食べたり、私が料理しているときに息子が勉強したりしています。あと、夜の時間は私が一杯飲むためのバーカウンターに(笑)」

子どもが寝た後は、カウンターでゆっくりお酒をたしなみながら一息をつく時間も確保(写真提供/Mさん)

子どもが寝た後は、カウンターでゆっくりお酒をたしなみながら一息をつく時間も確保(写真提供/Mさん)

豊かな暮らしを実現するために、購入予算とローンの組み方も考慮

――素敵ですね。資産性も重視されたということなので、きっと購入予算についてもいろいろ考えられたんでしょう?

「購入予算については、それまでの家賃の負担額と同じくらいになるように予算を決めたうえで物件を検討しました。もともと賃貸で住んでいたときに15万円くらいの家賃を負担していたので、共益費や修繕積立金を入れて月々の支払額が同じくらいになるように計算して」

――人気があるエリアとのこと、地方都市の中古マンションとはいえ、高かったのではないですか?

「マンションを約2000万円で買って、リフォームに500万円ほどかけた形です。現金で買えない額ではなかったのですが、銀行や不動産会社の方が『現金で買えるとしても、ある程度は手元資金として置いておいた方がいい』とアドバイスをしてくれてローンを組みました。今は金利も低いですしね」

――引越し前提、売却も視野に入れているとのことなので、また次の新しい住まいを購入される可能性もありそうですもんね

「はい、今後のことも考えて、ローンは20年で組んでいます。無理のない範囲で、時々の状況にあわせた住まい選びができればと!」

そう魅力的にほほ笑むMさんの表情からは、バリバリとお仕事をしながら子どもとの時間も大切にして、充実した生活を送っていることが垣間見えます。一方、人気の高いエリアでブランド力のある中古マンションを買ってリフォームをすること、低金利の今、あえて手元資金を残しながら住宅ローンを組む選択をされたことも、今後の将来を見据えた賢明なプランですよね。
Mさんファミリーの選択からは、理想の暮らしを実現しながら、先を見据えた堅実な資金計画も両立する、そんな賢い住まい選びを学びました。

「子どもができたら自宅で仕事」を実現した、念願の一戸建て【理想をかなえたマイホーム実例#02】

マイホーム購入を通じて、理想をかなえた方々のお宅に伺い、レポートする連載企画。
今回は「結婚後、子どもができたら自宅で仕事をしたい」と考えて家を建てた、滝澤理絵(たきざわ・りえ)さんのお宅にお邪魔しました! 滝澤さんは、ママの笑顔をつなげる「ハグミーラボ」を主宰し、ハートフルマザーリング協会の代表でもあります。2児の母でもある筆者としてはその活動内容も気になるところ。早速、お邪魔します!【連載】理想をかなえた!マイホーム実例
「いつかは家を買って、○○したい」――そう考えて、住宅購入に夢をふくらませている方も多いのではないでしょうか。実際に「こんな暮らしがしたかった」という理想の暮らしを実現したご家庭にお邪魔し、マイホームを購入するまで、してからのお話をあれこれ伺います。スタジオやカフェ……さまざまな用途で使えるようにつくられたスペース

「あぁ、これはすてきなお宅ですね」
私たち取材陣がお家に入る前から思わずうっとりため息を漏らした、趣のある白壁と木枠の外観。

白い壁と茶色の屋根、青い雨戸が地中海の風景を思わせるような外観(写真撮影/片山貴博)

白い壁と茶色の屋根、青い雨戸が地中海の風景を思わせるような外観(写真撮影/片山貴博)

施主である滝澤さん夫婦の設計へのこだわりを感じさせます。滝澤さんファミリーは、理恵さんと夫、9歳と7歳の男の子、4歳になる女の子の5人で埼玉県ふじみ野市に住んでいます。自宅を撮影スタジオやヨガのレッスン会場として使っているお家だと聞き、ワクワク楽しみにしてお部屋に入ります。

――わ、長方形のスペースを2つ、ずらしてくっつけたような、少し変わった形のリビングですね

【間取図】滝澤さん宅は2階建ての注文住宅。リビングとダイニングは2つの長方形をずらしてくっつけたような形(提供いただいた間取り図を元にSUUMOジャーナル編集部にて作成)

【間取図】滝澤さん宅は2階建ての注文住宅。リビングとダイニングは2つの長方形をずらしてくっつけたような形(提供いただいた間取り図を元にSUUMOジャーナル編集部にて作成)

「実は、建てるときには義理の母と同居して二世帯住宅にする話が一時出たこともありまして。このリビングで寝起きしてもらうこともできるように考えてこんな形にしたんです。結局、同居の話はなくなり、いまは手前の空間をリビングに、奥の空間をダイニングとして利用しています。ダイニングでは折り畳み式のテーブルを広げて食事をしたり、この手前のカウンターでは椅子を並べて上の子どもたちが宿題をしたり、という感じです」(滝澤さん、以下同)

カウンターキッチンは、今は子どもたちの勉強スペースになっている。白い漆喰の壁、木の柱やカウンター、柱に付いているアンティーク風の時計が、ナチュラルで優しい印象を醸し出す(写真撮影/片山貴博)

カウンターキッチンは、今は子どもたちの勉強スペースになっている。白い漆喰の壁、木の柱やカウンター、柱に付いているアンティーク風の時計が、ナチュラルで優しい印象を醸し出す(写真撮影/片山貴博)

――カウンター、入るときに気になっていました! 上にあるアンティーク風の時計も、ヨーロッパのカフェや公園にある時計のように見守ってくれている感じですてきです

「今は子どもたちのカウンターになっていますが、将来何十年後かに、ここでカフェをやれたらいいよね、と夫と話してこんな形にしたんです。少し歳をとってからでも近所に住む方々のコミュニティスペースとして、カウンターでコーヒーを出したりできるかなと。ゲストがたくさん来ても大丈夫なように、玄関の上がりもあえて半円形にして靴をいっぱい置ける形にしてるんです(笑)」

青い扉とタイルの映えるエントランス。多くの来客があっても靴がたくさん置けるように、あえて上がりの部分は半円形に(写真撮影/片山貴博)

青い扉とタイルの映えるエントランス。多くの来客があっても靴がたくさん置けるように、あえて上がりの部分は半円形に(写真撮影/片山貴博)

働きながらも、母親として「いってらっしゃい」と「おかえり」を言いたい

――いろんな用途で使えるように設計されたお家なんですね。ママ向けの教室などを開催されているとのこと、どんな風にお仕事をされているんですか?

「外でベビーヨガの教室を月に4~5回ほど開講し、スケジュールに余裕があるときに手形・足形の教室や撮影などを行っている感じですね。自宅で仕事をするときには、手前のリビング部分をさまざまな教室やインストラクター養成講座の講義場所として、奥のダイニング部分を撮影スタジオとして使っています。授乳フォトや親子フォトの撮影にいらっしゃる方が月に15組くらいいらっしゃるんですよ」

取材当日は親子フォト撮影の日。取材の間も3組ほどの親子が訪れていた(写真撮影/片山貴博)

取材当日は親子フォト撮影の日。取材の間も3組ほどの親子が訪れていた(写真撮影/片山貴博)

――多くのゲストが出入りすることが、滝澤さんの暮らしのベースにあるんですね。前からこんな風に自宅で働くことを考えていたんですか?

「専門学校を卒業してからの12年間は、会社員として働いていました。社長秘書やマーケティングセールスの仕事に就いて、すごく忙しかったんです。それはそれでとても充実感がありましたが、結婚してからは『お客さんを笑顔にしたい』『自分の裁量で仕事がしたい』という想いが強くなってきて。最初は子ども向けの英語教室を始めるために資格を取りました。その後に3人の子どもたちの出産を経て、ベビーヨガをやりたい!と」

――滝澤さんご自身がママになって、子どもたちとの生活としてイメージされていたこともきっとあるんでしょうね

「私の母はすごく仕事の忙しい人で、夜中も出ることが多く、子どものころは寂しい思いもしました。それだけに、まずは母親としての役目を優先したいという気持ちや、『いってらっしゃい』と『おかえり』は言える母親でいたいという気持ちは強いかもしれません」

じっくり情報収集に時間をかけ、取り入れたいアイデアを詰め込む

――お住まいはお子さんが生まれてから建てたんですか?

「ええ、元々は数駅離れたところに中古マンションを買って住んでいたんですが、2人目が生まれると手狭になってしまい……。夫の母がふじみ野市内で近いこともあって、ゆくゆくはこの辺りに家を購入する前提で近くの賃貸アパートに住んだんです。2年ほどたったころにこの土地が空いたことが分かって、すぐに購入しました。実は、前にも検討した物件があったのですが、それはタッチの差で買えなかったんです。その経験もあって」

――物件を検討したり、どんな家にしようかと考える時間も長かったんでしょうか?

「はい、いろんな注文住宅を見に行ったり、本やネットでも情報収集をしました。いろいろ想像をふくらませながら施工事例を見ると、取り入れたいアイデアや自分ならこうするな、という考えも浮かんできました。今の家にはそれらのエッセンスが詰まっていると思います」

――具体的にどんなところにその知識を反映されたのか、ぜひ伺いたいです!

「例えば、トイレや各部屋のドアの上はガラス戸にしたり、開閉ができる窓にしています。トイレのドアの上をガラス戸にすると、家族の誰かがトイレを使用しているとひと目で分かって便利なんです(笑)。部屋のドアの上が空いていると、中の音が聞こえるので、それぞれが部屋に入っても何となく気配を感じられていいんですよ」

リビングから玄関側を。ここにも入口の左上にステンドグラスの窓があり、光を取り入れている(写真撮影/片山貴博)

リビングから玄関側を。ここにも入口の左上にステンドグラスの窓があり、光を取り入れている(写真撮影/片山貴博)

自分の性格を反映して、ずっと快適に住み続けられる家に

――ほかにも工夫されたポイントがたくさんありそうなので、ぜひ聞かせてください!

「例えば収納ですが、キッチンのすぐ横にパントリーを設けて、家具を据え付けてもらいました。お願いした工務店さんが造作家具をつくってくれるところで、その実績を見てお願いしようと決めたんです。パントリーの棚もキッチンのシンク下の棚も、ゴミ箱などが入れられるようにあえて空きスペースにしています。隠れるスペースがあると、どんどん物を仕舞い込む性格なので、収納は扉で閉じないようにしました」

――本当ですね。この下を空けるテクニックが洗面台にも活用されているのが分かります!

「洗面台は動線を意識して、パントリーを抜ける形でキッチンと一直線につながっています。実は洗濯機は今、2階に置いているんですが、洗濯したらすぐにベランダに干せる位置にあります。歳をとって2階に上がるのがきつくなったら、1階に洗濯機を置けるように蛇口や排水溝だけは付けてあるんですよ」

2階の洗濯機置き場。洗濯が終わればすぐにベランダに干せる動線。ベランダは屋根付きなので、雨の日でも洗濯物が干せる(写真撮影/片山貴博)

2階の洗濯機置き場。洗濯が終わればすぐにベランダに干せる動線。ベランダは屋根付きなので、雨の日でも洗濯物が干せる(写真撮影/片山貴博)

――すごい! リビングのカウンターの話といい、これから何十年も先にある老後のことも考えて設計されたんですね

「ふふふ。実はそういう意味では、子ども部屋も、将来、子どもたちが家から出ていったら間の扉を開けて教室として使えるようにしてるんですよ(笑)」

小学生男の子2人が過ごす子ども部屋。ベッドの脇には白い扉があり、ここを開くと隣の部屋とつながって広いスペースに(写真撮影/片山貴博)

小学生男の子2人が過ごす子ども部屋。ベッドの脇には白い扉があり、ここを開くと隣の部屋とつながって広いスペースに(写真撮影/片山貴博)

細部にこだわり、たくさんの工夫が凝らされた滝澤さんの住まいは、これからの暮らしも想像・創造できる場所になっていました。そこには家族や人々とかかわり合い、これからのライフステージに合わせて変化しながら「ここにずっと住み続けたい」という温かい気持ちがあふれています。
仕事をしながら子どもを育てること、楽しい老後を想像すること、住まいと暮らし方について考える楽しさをおすそ分けしてもらった取材でした。

●取材協力
・ハートフルマザーリング協会

理想をかなえた!マイホーム実例[1] 子どもたちが回る・踊る、のびのび育てるスキップフロアの一戸建て

「家を買ったら、○○したい!」――マイホーム購入を通じて、そんな理想をかなえた方々のお宅に伺い、レポートする連載企画。
第1回は「子どもたちが階下への音を気にせずに、のびのびと走り回れる家に住みたかった」と話すKさんファミリーのお宅にお邪魔しました!【連載】理想をかなえた!マイホーム実例
「いつかは家を買って、○○したい」――そう考えて、住宅購入に夢を膨らませている方も多いのではないでしょうか。実際に「こんな暮らしがしたかった」という理想の暮らしを実現したご家庭にお邪魔し、マイホームを購入するまで、してからのお話をあれこれ伺います。実現したかったのは「子どもたちが思いっきり遊べる家」

玄関のドアを開けると同時に「わぁっ!」と思わず高い声を上げたカメラマンと私。「WELCOME!」の文字が躍るチョークアートの黒板が迎えるKさんファミリーの住まいは、東京都大田区の住宅街の中にあります。40代の夫と妻、11歳・8歳・4歳になる3人の女の子たちの5人家族です。

玄関を入るとまず目に入る壁一面のチョークアートには「THERE’S NO PLACE LIKE HOME(わが家が1番!)」の文字が。家を建てた年と、家族全員の名前と一緒に記されている(写真撮影/片山貴博)

玄関を入るとまず目に入る壁一面のチョークアートには「THERE’S NO PLACE LIKE HOME(わが家が1番!)」の文字が。家を建てた年と、家族全員の名前と一緒に記されている(写真撮影/片山貴博)

Kさん夫婦は、もともと結婚したときに購入した中古マンションをリノベーションして住んでいました。ところが、子どもたちが生まれて大きくなるにつれ、下の階に住む人から「ドンドンしないで」という苦情が頻繁にくるようになり、早く引越したいという気持ちが高まっていったそうです。

「ほかの子と遊ぶときでさえ、娘たちが音を立てないように気をつかって遊んでいる様子を見て、子どもたちが存分に動き回れる一戸建てに住みたいと考えるようになりました。できれば自分たちの家を建てたいと何年もかけて土地を探していたのですが、都内の土地は価格も高く、なかなか手が出ずに悩んでいたんです。そんな私たちを見かねて、近くに住む父が『ここに建てたら?』と、もともと古いアパートが建っていたこの土地を譲ってくれたのです」(Kさん夫婦、以下同)

子どもたちがゆるやかに上り下りできる「スキップフロア」の家に

――お父様から土地を譲り受け、家族の新しい家を一から建てられるとなったとき、どんな家にしたいと考えたのでしょう?

「中古マンションをリノベーションした経験から、次に住まいをつくるときには仕様に制約があるメーカーさんの施工は避けたいと思っていました。ハウスメーカーの施行例もいろいろ見に行ったのですが、やはり自由度を重視したいと思って、設計士さんに依頼しようと。

最初に設計士さんから『どんな家にしたいかイメージを聞かせてくださいね』と言われたので、インターネットでいろいろ調べました。そのなかでスキップフロアの画像を見つけて、こんな一段ずつ上がったところで子どもたちが舞台のように踊る場所があったら楽しいな、と思ったんです」

「スキップフロア」は、同じ空間の中で少しずつ段差をつけ「中2階」や「中3階」を設ける方法です。段差の下に収納を設けられたり、2階建てでも3層以上を確保できるため、空間を無駄なく使うことができる、視覚的に広く見える、というメリットがあります。

階段が玄関からリビングを抜け、家全体をぐるりと取り囲むようにらせん状に伸びている(写真撮影/片山貴博)

階段が玄関からリビングを抜け、家全体をぐるりと取り囲むようにらせん状に伸びている(写真撮影/片山貴博)

――家族全員が使用するリビングとは別に、スキップフロアの最上階には子どもたち専用のリビングがあるそうですね

「はい、子どもたちが全員女の子なので、小さいうちはここで一緒に遊んでほしいと思っています。大きくなったら、この子どもリビングに壁を追加して3部屋設け、それぞれ独立した子ども部屋にできるように設計してもらいました」

中3階、階段の一番奥にある「子どもリビング」(写真撮影/片山貴博)

中3階、階段の一番奥にある「子どもリビング」(写真撮影/片山貴博)

子どもリビングと並んでつながる寝室。現在は1部屋に入口が2つある状態だが、将来的には壁で仕切り、独立した子ども部屋にできるように設計されている(写真撮影/片山貴博)

子どもリビングと並んでつながる寝室。現在は1部屋に入口が2つある状態だが、将来的には壁で仕切り、独立した子ども部屋にできるように設計されている(写真撮影/片山貴博)

収納を1階にまとめて、家族とお客さまの動線を意識した玄関

――間取りについて工夫をした点はほかにありますか?

「実はさっき上がっていただいた玄関のところなのですが、入口が二手に分かれるんです。このメインの入口はお客様用の入口、もうひとつ左脇に入ると家族用の入口で、そこは直接シューズクローゼットとウォークインクローゼットに入れるようになっています。ここで靴や上着をすぐに脱ぎ着できるようになっています」

左から手前がお客様用の玄関となるルート、左手奥にあるドアからつながる右のウォークインクローゼットにつながるルートが家族用(写真撮影/片山貴博)

左から手前がお客様用の玄関となるルート、左手奥にあるドアからつながる右のウォークインクローゼットにつながるルートが家族用(写真撮影/片山貴博)

玄関脇から入る大容量のシューズクローゼット兼ウォークインクローゼット。家族全員の300着以上の衣類と50足以上の靴がほぼ、ここに収納されている(写真撮影/片山貴博)

玄関脇から入る大容量のシューズクローゼット兼ウォークインクローゼット。家族全員の300着以上の衣類と50足以上の靴がほぼ、ここに収納されている(写真撮影/片山貴博)

先ほど玄関から入ってきたときには気づきませんでしたが、ブラックボードの裏は、こんなに大容量のウォークインクローゼットになっていたんですね! 有孔ボードにたくさんの帽子がディスプレイされていてとってもおしゃれです。

「この有孔ボードは『フックを引っ掛ければ自由にバッグや帽子をかけることができて便利ですよ』と設計士さんが提案してくれたものです。確かに好きなものを楽しく飾れますし、ぱっと見で何がどこにあるのかを見つけることができるのでとても重宝しています。もっと引っ掛ける帽子を増やそうと思っているところです」

夫婦でお店を回って見つけた、こだわりのインテリアグッズ

――ご夫婦、とってもおしゃれですもんね。玄関を入ったときにも思ったのですが、インテリアのポイントになっているベンチやドライフラワー、アンティークの額などはご自身で購入されたものですか?

「はい、2人でインテリアショップを回って見つけたものばかりです。結構安くてオシャレなアンティークグッズを売っているお店があって、例えばリビングのテーブルとして使っているもの、実はあれ、大きなヴィンテージのトランクなんですよ」

――わ、本当ですね! トランクの持ち手があります! 先ほどからダイニングでお話をうかがっていて、このダイニングテーブルの上のペンダントライトがかわいいな、と気になっていたんですが、これもご夫婦が選ばれたんですか?

ダイニングテーブルの上には細長い形のおしゃれなペンダントライトを3つ並べて(写真撮影/片山貴博)

ダイニングテーブルの上には細長い形のおしゃれなペンダントライトを3つ並べて(写真撮影/片山貴博)

2階の洗面脱衣室の上にも「PRIVATE」のペイントが施されたペンダントライトが(写真撮影/片山貴博)

2階の洗面脱衣室の上にも「PRIVATE」のペイントが施されたペンダントライトが(写真撮影/片山貴博)

「ライト類は全て自分たちで選んで購入して、工事のときに付けてもらいました。このダイニングキッチンのシンクもそうですが、私が一番こだわっていたのが洗面所に使用しているアメリカのKOHLER(コーラー)社のシンクです。これをどうしても使いたいと設計士さんに相談をしたら、せっかくだから全てKOHLER社のもので統一しませんか、と提案してくれました。このアイランドキッチンも私たちの好みに合わせてオリジナルでつくってもらって」

KOHLER社のシンクを中心にオリジナルで造作されたキッチン(写真撮影/片山貴博)

KOHLER社のシンクを中心にオリジナルで造作されたキッチン(写真撮影/片山貴博)

洗面所にKOHLER社のシンクと、変形タイルを使うことがKさん夫婦の外せないこだわりだった(写真撮影/片山貴博)

洗面所にKOHLER社のシンクと、変形タイルを使うことがKさん夫婦の外せないこだわりだった(写真撮影/片山貴博)

無垢材とアクアレイヤーで、一年中春のような心地よさ

――先ほどからこのキッチンの木の温かみとペイントの色が素敵だなと思っていました! 全体的に壁や床も、木を意識的に使われていますよね

「ええ、床に無垢材使いたい、というのはマストの要望でした。子どもたちが裸足で走り回って気持ちいい床であること、また年月が経ったときに使用感がちゃんと『味』になる素材を選びたいと思っていました。ほら、玄関の壁の部分を見ていただくと、木と木の間が黒い線のように見えるでしょう? あれも建てたばかりのときは閉じていたんですよ。設計士さんが『時間が経つにつれて少しずつ木が縮んで、ランダムに線が入って味になっていきますよ』とおっしゃっていたんですが、本当にそうなってきました(笑)」

ドライフラワーが飾られる壁の板には少しずつ隙間ができて黒い線のように。床の無垢材と組み合わせ、ナチュラルで優しい印象になっているところを黒の手すりが引き締めている(写真撮影/片山貴博)

ドライフラワーが飾られる壁の板には少しずつ隙間ができて黒い線のように。床の無垢材と組み合わせ、ナチュラルで優しい印象になっているところを黒の手すりが引き締めている(写真撮影/片山貴博)

――壁や床など、構造にかかわるところでほかに工夫されたところはありますか?

「今は暖かい季節なので使用していませんが『アクアレイヤー』という床下の水の袋で蓄熱する床暖房を入れています。これも設計士さんから『1年中春のように気持ちが良いですよ』と勧めてもらって取り入れました。電気代が割安な夜の間に熱をため込んで、日中はその余熱で暖かく過ごせるという仕組みの床暖房です。

とても優しい暖かさなので毎日違和感なく過ごしていたんですが、年末に旅行に出かけたときに電源を切ったことがあるんです。それまでは毎日暖かいことが当たり前だったので気づかなかったのですが、旅行から帰ってきたときの家のあまりの寒さに、この床暖房のすごさを感じました」

至るところにKさん夫婦のこだわりと「子どもたちがのびのびと健やかに育ってほしい」と願う親としての気持ちが詰まった優しい住まい。特に子どもが欲しいと考えている方や、子どもたちの成長を見守る暮らしを考えている方は、これからの住まいの参考にしていただけるのではないでしょうか。