(一社)不動産流通経営協会はこのたび「住宅購入がライフスタイルに与える影響に関する調査」を実施し、その結果を発表した。
調査の主な目的は、昨今の暮らし方の変化(所有物の減少、外食・外食・中食の増加、家電製品等の小型化、間取りの効率化など)により、居住面積水準が狭くても十分に満足できる暮らしが実現できる可能性があることから、50m2未満の住居(賃貸住宅を含む)に居住している人々の主観的満足度を明らかにすること。
それによると、50m2未満の住居への主観的満足度(10点満点)は、若者(25~35歳)は賃貸で6.0点、持ち家で6.9点だった。50m2以上は賃貸6.4点、持ち家7.3点で、賃貸より持ち家のほうが満足度が高く、50m2未満より50m2以上のほうが同じく満足度が高いという結果だった。
ただし、年齢、性別といったデモグラフィック属性や、住宅種別(持ち家か賃貸か)、築年数などの建物属性を加味して行った順序プロビット分析では、持ち家で40m2以上50m2未満に居住している若年と、持ち家で50m2以上60m2未満に居住している若年とで、居住満足度の差はほぼなかった。
賃貸と持ち家に対する若者全体の考えとしては、約6割が「毎月の支払いが家賃と同じくらいで、広くなるなら持ち家の方が良いと思う(60.1%)」と回答している。また、5割近くが「持ち家なら安心して老後が送れると思う(49.4%)」と考えている。
ライフイベントと住まいに関する若年全体の考え方としては、「家を買っておいたほうが子供を持ちやすい(30.0%)」、「家を買っておいたほうが結婚しやすい(14.0%)」といった考え方が明らかになった。また、「子どもがいるなら賃貸よりも持ち家の方が良い(48.6%)」、「結婚しているなら賃貸よりも持ち家の方が良い(38.6%)」という結果となった。このことから、調査では家を買ったから結婚・出産を経験したという因果関係は小さいものの、住宅購入は結婚・出産等の行動を支援する役割を担っていることが伺えると分析している。
ニュース情報元:(一社)不動産流通経営協会