首都圏・近畿圏の中古マンション価格、年初来の最高値

(株)東京カンテイは12月20日、2018年11月度「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70m2価格月別推移」を発表した。それによると、11月の首都圏中古マンション価格は、前月比+2.3%の3,710万円と3ヵ月ぶりに上昇、年初来の最高値を更新した。都県別でみると、東京都は+1.4%の4,946万円、神奈川県は+1.7%の2,922万円、埼玉県は+1.4%の2,310万円。東京、神奈川、埼玉で1%以上のプラスを示した。一方、千葉県では-0.5%の2,005万円と価格を下げた。

近畿圏の平均は前月比+1.5%の2,253万円と再び上昇し、首都圏と同様に最高値を更新。大阪府では+0.6%の2,446万円と、7月以降は上昇傾向で推移している。兵庫県では神戸市の他にも芦屋市や西宮市などで価格水準が押し上がり、県平均は+2.1%の1,944万円と比較的大きく上昇した。

中部圏平均は前月比+1.6%の1,868万円と再び上昇。愛知県では+1.4%の2,026万円と2,000万円の大台を突破した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

11月の首都圏中古マンション、成約価格は前年比2.9%上昇

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は12月10日、首都圏における2018年11月度・不動産流通市場の動向を公表した。それによると、11月の首都圏中古マンション成約件数は前年比プラス11.1%の3,225件と、2ケタの増加となった。成約m2単価は前年比で1.2%上昇し50.82万円/m2、成約価格は同2.9%上昇し3,297万円と、ともに2013年1月から71ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比プラス1.7%の64.87m2だった。

中古戸建においては、成約件数は前年比で9.9%増加し1,076件。成約価格は前年比で1.5%下落し3,121万円と、3ヶ月連続で前年同月を下回った。土地面積は前年比マイナス5.6%の146.55m2。建物面積は前年比マイナス1.8%の105.22m2となった。

ニュース情報元:東日本レインズ

売主別中古マンション値上がり率、関西トップは阪急阪神不動産

(株)スタイルアクトが運営する分譲マンションのオピニオンサイト「住まいサーフィン」は、このたび売主別中古マンション価格の値上がり率ランキング(2018年関西版)を発表した。この調査は、2017年7月から2018年6月に売り出された中古住戸の売出価格と、2009年以降に竣工したマンションの新築時の当該住戸価格とを比較して、新築時からの値上がり率を算出したもの。また、昨今の京都地区の急激な価格上昇を考慮し2009年以降に竣工した物件に限定。調査の住戸サンプル数は10,586件で、関西圏で1棟あたり5サンプル以上、かつ10棟以上のサンプルがあるデベロッパーを対象としている。

それによると、関西版売主別値上がり率ランキングは、1位は阪急阪神不動産で平均値上がり率は8.4%。2位は大和ハウス工業で同7.1%、3位は京阪電鉄不動産で同5.8%となった。

1位の阪急阪神不動産は、京阪神の中でも特に人気が高い阪急沿線や、マンションの供給が相対的に難しい京都市内などを中心にマンションを供給。阪急阪神のマンション<ジオ>は、関西の中で比較的高額なブランドとして認知されている。更に価格を上昇させたのは、沿線開発による地域価値の向上、地域貢献などのブランドイメージと、売却時においてもその価値を維持しやすい物件の仕上がりによるもの。

2位の大和ハウス工業は、マンションブランド「プレミスト」を有する総合デベロッパーとして、発祥創業の地である関西地方以外にも幅広くマンションを供給している。総合デベロッパーの強みを生かした物件供給が特徴的。

3位の京阪電鉄不動産は、京阪電鉄を母体とするデベロッパーとして、京阪電鉄沿線を中心に「ファインフラッツ」を中心としたブランドでマンションを供給している。利便性と上質さを兼ね備えたマンションを供給し、昨今の京都地区の価格上昇もあり、今回3位となった。

ニュース情報元:スタイルアクト(株)

【ファミリー編】品川駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング

JRの新しい駅「品川新駅(仮)」の建設をはじめとする再開発が進められ、注目が集まる品川駅周辺。そんな品川駅まで30分圏内にある中古マンションの価格相場を、前回、前々回と2回にわたりお届けした。今回は品川駅編の最終回、専有面積70平米以上~100平米未満のファミリー向け中古マンションの価格相場を調査。これまで紹介したシングル向け、カップル向けとランクインした駅に違いはあるのか? さっそく調査結果を見てみよう。
●品川駅まで30分以内の物件相場が安い駅TOP12
順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/品川駅までの所要時間)
1位 保土ヶ谷 2990万円(JR横須賀線ほか/神奈川県横浜市/25分)
2位 東戸塚 3780万円(JR横須賀線ほか/神奈川県横浜市/30分)
3位 新小岩 3980万円(JR総武線/東京都葛飾区/22分)
4位 新川崎 4350万円(JR横須賀線ほか/神奈川県川崎市/13分)
5位 川崎 4575万円(JR京浜東北線ほか/神奈川県川崎市/9分)
6位 平和島 4675万円(京急本線/東京都大田区/7分)
7位 鶯谷 4680万円(JR山手線ほか/東京都台東区/20分)
8位 京急川崎 4690万円(京急本線ほか/神奈川県川崎市/11分)
9位 市川 4980万円(JR総武線/千葉県市川市/28分)
9位 東神奈川 4980万円(JR京浜東北線ほか/神奈川県横浜市/24分)
9位 蒲田 4980万円(JR京浜東北線ほか/東京都大田区/10分)
12位 立会川 5055万円(京急本線/東京都品川区/5分)

JR横須賀線の隣り合う駅が1位と2位にランクイン

中古マンションの価格相場が最も安かったのは、JR横須賀線で横浜駅の次の保土ヶ谷(ほどがや)駅。専有面積40平米以上~70平米未満の物件を対象にした、前回調査のカップル編でも1位になった駅だ。品川駅に出やすいエリアで中古マンションを探す場合、まず保土ヶ谷駅は要チェックと言えそうだ。

2位は横浜駅から出て保土ヶ谷駅の次の駅となるJR横須賀線・東戸塚駅。駅周辺にはスーパーやショッピングモールなど大型の商業施設が立ち並び、中古マンションの物件数も今回ランクインしたトップ12の駅で最も充実している。

3位はJR総武線・新小岩駅。駅南口側には全長約420mにわたるアーケード商店街が広がり、約140店舗が元気に営業する一帯は東京の下町風情が漂っている。食料品店からドラッグストア、ファストフードなどの飲食店までそろうので、ここに来れば日々の買物をひと通り済ませられるだろう。

新小岩駅(写真/PIXTA)

新小岩駅(写真/PIXTA)

中古マンションの広さによって、狙い目の駅は変わってくる!?

さて、前回のカップル編と見比べると、1位だけではなくランキング上位陣の顔ぶれは似通った結果となっている。2位のJR横須賀線・東戸塚駅はカップル編で4位、3位のJR総武線・新小岩駅はカップル編でも3位にランクインしていた。

そんななか、4位のJR横須賀線・新川崎駅はカップル編、シングル編ともに上位にはランクインしていない。新川崎駅の東側には2015年~2016年に誕生した商業施設「新川崎スクエア」と47階建てタワーマンションがある。これらの建物を眺めつつ歩行者用通路を進むと、JR南武線・鹿島田駅にたどり着く。両駅間は6分ほどで行き来できるので、行先に応じて使い分けると便利だろう。

9位のJR京浜東北線・東神奈川駅もカップル編とシングル編にはランクインしなかった駅。駅の東口側には京急本線・仲木戸駅があり、両駅は歩行者用通路で結ばれている。両駅の間にはスーパーや惣菜店などをテナントに抱えた「シァルプラット東神奈川」があるほか、駅西口側にもスーパーやショッピングモールが点在。また、東神奈川駅からJR京浜東北線で1駅先は横浜駅なので、休日にふらりと家族で横浜に遊びに行きやすい環境だ。

東神奈川駅の中古マンション価格相場は4980万円、横浜駅は5950万円となっており、1駅違うだけで約1000万円も価格相場に開きがあった。

横浜みなとみらい(写真/PIXTA)

横浜みなとみらい(写真/PIXTA)

ちなみに今回調査の起点駅とした品川駅から徒歩15分以内にある、ファミリー向け中古マンションの価格相場は8280万円。それに比べると、1位・保土ヶ谷駅の相場は5290万円も安いという驚きの結果となった。12位の立会川駅でさえ、品川駅と比べると3000万円以上も相場が安い。「品川駅から電車で30分以内の場所」を近いと見るか遠いと見るかは人それぞれだが、30分の時間差で3000万円以上も価格が異なるならば、住まいの候補地として一考する余地はあるだろう。

また、3回にわけて広さ別に価格相場を見てきたが、カップル編とファミリー編のランキングが似通っていた一方で、シングル編とファミリー編ではランクインした顔ぶれはだいぶ異なっていた。シングル向けの物件が安いエリアだからといって、ファミリー向けの広さの物件も安いとは限らない点も頭に入れておくとよさそうだ。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている品川駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、築年数40年未満、物件価格3億円以下、専有面積70平米以上100平米未満の物件(敷地権利は所有権のみ)
【データ算出期間】2018年4⽉1⽇~2018年6⽉30⽇
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、平日の日中時間帯の検索結果から算出(乗換なし)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

10月の中古マンション価格、下落地域数が大幅に増加

(株)東京カンテイは11月28日、2018年10月度「中古マンション価格天気図」を発表した。これは全国47都道府県のファミリータイプ中古マンション流通事例価格を月ごとに集計し、価格変動を「天気マーク」で表示したもの。
それによると、全国で天候が改善したのは5から4地域に減少。横ばいは30から23地域に減少。悪化は12から20地域に急増。47都道府県のうち前月比価格が下落した地域数は21から35地域に大幅に増加した。10月度は全国的に弱含みの傾向が見られ、特に東北、北陸・甲信越地方、九州地方では天候悪化地域が増加している。

首都圏は東京都が前月比0.3%下落、神奈川県は0.6%下落、千葉県は0.2%下落、埼玉県は0.7%下落。首都圏平均は0.3%下落した。近畿圏は大阪府が0.5%上昇、兵庫県は0.4%下落、京都府は2.3%下落。中心府県は弱含みの傾向。郊外部は滋賀県で0.5%、奈良県で1.5%それぞれ上昇。近畿圏平均は0.2%下落した。中部圏は愛知県が0.9%上昇、岐阜県は2.6%下落。三重県は1.9%下落、静岡県は0.1%上昇。中部圏平均は±0.0%の横ばいだった。

地方圏をみると、北海道は前月比0.9%下落の1,592万円、札幌市は0.8%下落し1,643万円。事例が集中する中央区では0.6%、豊平区では2.2%それぞれ下落。札幌市では10区中7区の価格が下落した影響で北海道全体の価格を押し下げた。

宮城県は、0.5%下落し1,940万円。仙台市は0.2%下落し1,989万円。仙台市では最も事例の多い青葉区で0.3%下落。次いで事例の多い宮城野区では0.6%、太白区では1.4%それぞれ上昇したものの、若林区では3.9%、泉区では1.2%それぞれ下落し、同市の価格が下落した。

福岡県は2.8%下落し1,891万円、福岡市は3.3%下落し2,321万円。福岡市では7行政区すべてで価格が下落しており、明確な下落傾向を示した。最も事例の多い中央区では2.6%、次いで事例の多い東区では1.2%の下落率。同県では事例の多い地域で軒並み価格が下落している。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

中古マンション価格、首都圏は引き続き下落

(株)東京カンテイは11月21日、2018年10月度「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70m2価格月別推移」を発表した。それによると10月の首都圏中古マンション価格は、全域で弱含んだ影響から前月比-0.3%の3,625万円と引き続き下落した。都県別で見ると、東京都は-0.3%の4,879万円と直近のピークだった8月よりもやや水準を下げた。神奈川県は-0.6%の2,873万円、千葉県は-0.2%の2,016万円と再びマイナス。埼玉県では-0.7%の2,278万円と6ヵ月ぶりに反転下落している。

近畿圏平均は、前月比-0.2%の2,219万円と僅かに下落、2月以来の上昇傾向が一服した。大阪府では+0.5%の2,431万円と4ヵ月連続上昇。一方、兵庫県では神戸市や西宮市などの弱含みから、-0.4%の1,904万円と3ヵ月ぶりに下落した。

中部圏平均は、前月から横ばいの1,838万円。愛知県では主要エリアの大半が強含みで推移したことから、+0.9%の1,999万円と引き続き上昇し、2,000万円の大台目前まで迫っている。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

首都圏の中古戸建、成約価格は前年比5.0%下落

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は11月12日、首都圏における2018年10月度・不動産流通市場の動向を公表した。それによると、10月の首都圏中古マンション成約件数は前年比マイナス0.2%の3,096件と、ほぼ横ばいながら3ヶ月ぶりに前年同月を下回った。成約m2単価は前年比プラス0.8%の50.57万円/m2、成約価格は同2.0%上昇の3,275万円、ともに2013年1月から70ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比プラス1.2%の64.76m2だった。

中古戸建においては、成約件数は前年比1.7%減少の1,067件。成約価格は前年比5.0%下落の2,951万円と、9月に続いて前年同月を下回った。土地面積は前年比マイナス2.7%の142.16m2、建物面積は前年比プラス0.2%の105.65m2だった。

ニュース情報元:東日本レインズ

【カップル編】品川駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング

JRの新しい駅「品川新駅(仮)」建設をはじめ、再開発が進められている品川駅周辺は、今後の発展が待ち遠しいエリア。前回は、そんな品川駅まで30分以内にある、シングル向け中古マンションの価格相場ランキングを紹介した。続いて今回は、同条件で専有面積40平米以上~70平米未満のカップル向け中古マンションの価格相場が安い駅のトップ10をピックアップ。注目が高まっている品川駅まで行きやすく、お手ごろに住める街はいったいどこ!?●品川駅まで30分以内の中古マンション価格相場が安い駅TOP10
順位/駅名/価格相場(沿線名/駅の所在地/品川駅までの所要時間)
1位 保土ヶ谷 2635万円(JR横須賀線ほか/神奈川県横浜市/25分)
2位 市川 2999万円(JR総武線ほか/千葉県市川市/28分)
3位 新小岩 3280万円(JR総武線ほか/東京都葛飾区/22分)
4位 東戸塚 3285万円(JR横須賀線ほか/神奈川県横浜市/30分)
5位 上中里 3489.5万円(JR京浜東北線/東京都北区/28分)
6位 川崎 3580万円(JR京浜東北線ほか/神奈川県川崎市/9分)
7位 蒲田 3585万円(J京浜東北線ほか/東京都大田区/10分)
8位 立会川 3594万円(京急本線/東京都品川区/5分)
9位 京急川崎 3605万円(京急本線ほか/神奈川県川崎市/11分)
10位 田端 3624万円(JR京浜東北線ほか/東京都北区/25分)

品川駅から約25分離れると価格相場が2900万円以上ダウン!

今回の調査の起点駅とした品川駅から徒歩15分以内にある、カップル向け中古マンションの価格相場は5625万円。そこから電車で30分以内まで調査範囲を広げると、価格相場はグッとリーズナブルになることがランキングから見て取れる。

ランキング1位は中古マンション価格相場が品川駅の半額以下である2635万円と判明した保土ヶ谷(ほどがや)駅。JR横須賀線で品川駅まで5駅・約25分という近さに加え、JR湘南新宿ラインに乗れば渋谷駅や新宿駅にも乗り換えなしで行くことができる。また、1駅お隣は横浜駅という点も魅力だろう。ちなみに今回調査での横浜駅の価格相場は3688万円で、1駅違うだけで1000万円以上も相場に開きがあることも驚きだ。

保土ヶ谷駅には「ビーンズ保土ヶ谷」と「シァル保土ヶ谷」が併設され、スーパーやドラッグストア、飲食店などが営業中。仕事帰りにサッと日用品の買い物や食事ができるので忙しい共働きカップルにもうれしい。

2位はトップ10で唯一、千葉県に位置するJR総武線・市川駅。価格相場はぎりぎり2000万円台に収まった。駅南側は再開発により10年ほど前に誕生した「I-linkタウンいちかわ」がある。商業施設や行政施設、分譲マンション、UR賃貸住宅などからなる2棟の高層ビルがそびえ、45階の展望スペースからは都心部まで一望! 駅に直結したショッピングセンターもあるほか、駅北側にはスーパーも。また、駅北口から500mほど北へ歩くと、京成本線・市川真間駅があるのも便利な点だ。

市川駅とI-linkタウンいちかわ(写真/PIXTA)

市川駅とI-linkタウンいちかわ(写真/PIXTA)

「穴場の街」として注目される、都内の駅もランクイン

品川駅までの所要時間が最短だったのは、品川駅から京急本線で5駅という8位・立会川駅。京急本線のエアポート急行なら品川駅から2駅・約5分という近さでありながら、価格相場は品川駅よりも約2000万円も安い。駅周辺にはかつて土佐藩・山内家の下屋敷があり、若いころの坂本龍馬の着任地であることが近年、判明した。そのため駅前には龍馬像があるほか、駅前商店街は龍馬ゆかりののぼり旗や商品を用意して街を盛り上げている。

10位にはトップ10で唯一、JR山手線が通る田端駅がランクイン。下町風情が残る街にはわざわざ遊びに来るような目立った繁華街はないが、駅前に商店街が延びているほか、駅ビル「アトレヴィ田端」があったり駅周辺にスーパーが点在していたりと日々の買い物には困らない。リクルート住まいカンパニーが調査した「住みたい街ランキング2018 関東版」の「穴場だと思う街ランキング」では9位に選ばれており、狙い目の街と言える。

田端駅(写真/PIXTA)

田端駅(写真/PIXTA)

さて、前回のシングル編ではランキング上位が都内の駅で埋め尽くされた一方、今回のカップル編では東京、千葉、神奈川の駅が多くランクイン。都内にこだわらなければ価格相場が品川駅の半額以下だったり、品川駅に近い都内であっても穴場の街があったりと、今回のランキングはなかなかに発見が多い結果となった。

次回は品川編の最終回、専有面積70平米以上・100平米未満のファミリー向け中古マンションの価格相場ランキングを紹介したい。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている品川駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、築年数40年未満、物件価格3億円以下、専有面積40平米以上70平米未満の物件(敷地権利は所有権のみ)
【データ算出期間】2018年4⽉1⽇~2018年6⽉30⽇
【価格相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、平日の日中時間帯の検索結果から算出(乗換なし)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

中古マンション流通事例数、首都圏で最も多いのは「豊洲」

(株)東京カンテイはこのたび、三大都市圏等における駅別中古マンション事例発生率を調査・分析し、その結果を発表した。首都圏において2017年7月~2018年6月の期間、中古流通事例数が最も多かった駅は東京メトロ有楽町線「豊洲」で売事例3,720件(事例発生率22.70%)だった。「豊洲」は事例件数だけでなく事例発生率のランキングでも15位に位置しており、マンションストック戸数に対して事例発生率も高い。「豊洲」に次いで2位になったのは都営地下鉄大江戸線「勝どき」で売事例3,068件(同18.92%)。3位はJR東海道本線「戸塚」で売事例は2,804件(同12.85%)となっている。

近畿圏の同時期に中古流通事例数が最も多かった駅は、大阪メトロ谷町線「都島」で売事例1,847件(事例発生率15.50%)。2位は北大阪急行南北線「千里中央」で売事例1,598件(同10.26%)、3位は北大阪急行南北線「桃山台」で売事例1,369件(同12.39%)だった。ランキング上位駅の顔ぶれを見ると“高級住宅街”を有する駅が多い。良好な住宅地に住みたいという高いニーズが存在するため、これらの駅からは相当の事例が発生している。

中部圏においては、中古流通事例数が最も多かった駅は名古屋市営地下鉄東山線「藤が丘」で売事例954件(事例発生率12.31%)であり、中古事例件数が1,000件に届く駅はなかった。2位は同じく名古屋市営地下鉄東山線の「星ヶ丘」で売事例784件(同12.41%)。3位はJR中央本線「春日井」で売事例742件(同12.88%)だった。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

9月の中古マンション価格、下落地域数は減少

(株)東京カンテイはこのほど、2018年9月度「中古マンション価格天気図」を発表した。全国47都道府県のファミリータイプ中古マンション流通事例価格を月ごとに集計し、価格変動を「天気マーク」で表示したもの。それによると、9月は「晴」が19から18地域に減少。「雨」は4から6地域に増加。「曇」は7地域、「小雨」は6地域でそれぞれ変わらず。「薄日」は11から10地域に減少。47都道府県のうち前月比価格が下落した地域数は24から21地域に減少した。

首都圏は、東京都が前月比0.2%下落、神奈川県は0.1%上昇、千葉県は0.7%上昇、埼玉県は±0.0%と変わらず。首都圏平均は0.1%下落した。近畿圏は大阪府が0.3%上昇、兵庫県は1.4%上昇、京都府は1.7%上昇。近畿圏平均は0.8%上昇した。中部圏は愛知県が1.6%、岐阜県が0.9%それぞれ上昇。三重県は4.6%、静岡県は1.0%それぞれ下落。中部圏平均は0.9%上昇した。

地方圏をみると、北海道は前月比1.2%下落し1,606万円。札幌市は1.1%下落し1,657万円。事例が集中する中央区では0.9%上昇、次いで事例の多い豊平区では3.3%下落した。比較的事例が多い、小樽市で3.0%、函館市で4.2%それぞれ下落しており、北海道全体の価格の下落に拍車を掛けた。

宮城県は0.3%上昇し1,950万円。仙台市も0.3%上昇し1,994万円。仙台市では最も事例の多い青葉区で1.1%上昇し、同市で唯一の上昇となった。福島県は0.2%上昇し1,743万円。県内の事例の大半を占める郡山市で0.6%上昇した影響で同県の価格が上昇した。

広島県は0.4%下落し2,080万円、広島市も0.4%下落し2,194万円。広島市では最も事例の多い中区で1.3%、次いで事例の多い西区で2.6%、東区で2.6%それぞれ上昇。一方で、南区では4.2%、安佐南区では2.2%、佐伯区では5.0%それぞれ下落しており、同市の価格を押し下げた。

福岡県は0.1%上昇し1,944万円、福岡市は反対に1.0%下落し2,400万円。福岡市では事例が集中する中央区で1.5%下落。次いで事例の多い東区では0.8%、南区では0.4%、西区では0.7%それぞれ上昇したものの、博多区で1.0%、早良区で3.3%、城南区で0.6%それぞれ下落し、同市の価格が下落した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

中古マンション価格、近畿圏は8ヵ月連続上昇

(株)東京カンテイは10月24日、2018年9月度「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70m2価格月別推移」を発表した。それによると9月の首都圏中古マンション価格は、前月比-0.1%の3,636万円と僅かに弱含んだ。都県別では、東京都は-0.2%の4,894万円、神奈川県は+0.1%の2,890万円、埼玉県は横ばいの2,295万円に留まった。一方、千葉県は市川市や船橋市などの主要エリアが牽引する形で、+0.7%の2,020万円と再び上昇した。

近畿圏平均は前月比+0.8%の2,223万円で8ヵ月連続の上昇。大阪府では+0.3%の2,418万円と小幅ながら3ヵ月連続のプラス。兵庫県も+1.4%の1,912万円と引き続き上昇した。中部圏平均は前月比+0.9%の1,838万円、愛知県は+1.6%の1,982万円と再び上昇した。

近畿圏や中部圏では季節要因による影響もあり価格上昇の上振れも見られたが、首都圏では東京都をはじめ限定的な動きに留まっている。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

中古リノベを選ぶ独身女性が増加中! リノベ女子の暮らしとは

東京をはじめ首都圏で、中古マンションをリノベーションする一人暮らしの女性が増えている。住まいに合わせて暮らすのではなく、住まいを自分らしく変えられるリノベーション。今回は、中古マンションを購入してリノベーションし、理想の暮らしをかなえた「中古リノベ」の実例とともに、選択する人が増えている背景やメリット・デメリットを紹介する。
賃貸・新築購入に並び「中古リノベ」も次の住まいの選択肢に

「実は中古マンションを買って、リノベーションしたんだ」という知り合いが周りにチラホラ現れ、「中古リノベ」が賃貸への引越しや新築マンションの購入と同じような感覚で、次の住まいを考える際に選択肢のひとつになってきていることを実感している人も多いだろう。
ある程度カスタマイズできる賃貸や新築も増えているが、なぜ中古物件を買ってリノベーションをする「中古リノベ」を選ぶ人、特に単身の女性が増えてきているのか。リノベーションのメリット・デメリットと照らし合わせながら、その理由を探っていこう。

「中古リノベ」は住まいに感性を反映できる点が大きなメリット

10年ほど前までは、住まいに手を加える場合、“リフォーム”と呼ぶことが多かったが、現在は“リノベーション”と呼ぶ場合がほとんどだ。両者の違いを一般社団法人 リノベーション協議会では、壊れたトイレの交換や破れた壁紙を張り替えるなどの“原状回復”がリフォームであるのに対し、使える箇所があれば残しつつ暮らしに合わせた家全体の改修をリノベーションと定義している。従来はパーツの組み合わせが中心の「修繕」という概念から、最近は空間全体をオーダーメイドする人が増え、その自由度も格段に大きくなっていると言える。

画像提供/リノベーション協議会

画像提供/リノベーション協議会

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同協議会の樽宏彰さんによると、リノベーションをする人が増えてきた理由は「住宅ローンを組むことが可能になった」点が最も大きいという。20年くらい前までは、リノベーション費用を住宅ローンで一本化して組むことができず、現金で支払うか、別途金利の高いリフォームローン等で手当てするしかなかった。「リノベーション済み物件」が登場し、中古相場で「リノベーション」の価値が認知されるようになり、追いかけるようにここ10年で「中古物件+リノベーション」の一本で住宅ローンを組めるようになった。

「中古リノベ」を選ぶ人のなかでも単身の人は、「賃貸で保証人などで苦労しなくて済むように所有しておく『将来の住まいに対する備え』、新築ほど高価な資産は必要ないが自分らしい暮らしがしたい『経済合理性を求めつつ資産形成』の視点をもっている方が多いように思います」と樽さん。

特に女性には、インテリア好きや料理などの趣味をもつ人も多い傾向があり、実現したい暮らしをイメージすること、つまり感覚的な部分から、マンションの購入を検討しはじめるという。

賃貸とは違い、自分のものになること。未完成の新築物件とは違い、現状を確認して購入し自由に設計できること。そして何より、“新築にはない味わい”があることが、感覚的な部分からスタートしている彼女たちにとって、大きく響くのだろう。

リノベーションの認知度・関心度に関する調査「『住宅購入・建築検討者』調査(2016年度)」(リクルート住まいカンパニー※詳細は記事末にて) リノベーションの認知度は96.9%、関心度は52.1%で、2016年時点で2012年の約1.8倍に。世帯別では、男女ともにシングル層の認知度が高いことが分かる

「『住宅購入・建築検討者』調査(2016年度)」(リクルート住まいカンパニー※詳細は記事末にて)
リノベーションの認知度は96.9%、関心度は52.1%で、2016年時点で2012年の約1.8倍に。世帯別では、男女ともにシングル層の認知度が高いことが分かる

「中古リノベ」のデメリットを理解した資金計画が重要

ただし、「中古リノベ」にはメリットばかりでなくデメリットもあるので注意が必要だ。マンションの面積や築年数、耐震性などの条件によって、住宅ローン減税制度(ローンの一部に相当する金額が所得税や住民税から控除される制度)が使えない場合や、住宅ローンが組めるようになったとはいえ、物件価格+リノベ工事費のフルローンを組むことが難しい場合がある。

特に単身の場合は、一人で完済できるかを問われるため、無理のない資金計画が重要となる。中古マンションの購入に当たっては、年収や勤続年数などで借りられる金額に差が出るが、自己資金が必要な場合があり、早い段階で不動産会社経由でローンの相談をしておくといいだろう。一般的に「年収の5倍、年間の所得に対して25%のローンの支払い」の範囲に収めるのが理想的とされるので、参考にしよう。

“理想の暮らし”を形にした実例を紹介

身を置きたい空間のイメージがふくらみ、資金を用意できたら、準備万全! 「中古リノベ」を実現させるには、どんなステップを踏むのか。東京都豊島区の中古マンションを購入し、リノベーションを行ったKさん(40代・女性・独身)の実例を紹介しながら、その流れを追っていこう。

天井や配管がむき出しになった躯体現しの内装。それでも優しい質感の白い壁や木のフローリングに温もりを感じられ、Kさんが買い集めた古家具やアンティークの照明が良く合う(写真撮影/masa(PHOEBE))

天井や配管がむき出しになった躯体現しの内装。それでも優しい質感の白い壁や木のフローリングに温もりを感じられ、Kさんが買い集めた古家具やアンティークの照明が良く合う(写真撮影/masa(PHOEBE))

以前は家族所有のマンションで暮らしていたKさん。駐車場の隅で偶然出会った生まれたばかりの野良猫、現在は一緒に暮らす「わさび」(取材時3歳・メス)との出会いが「中古リノベ」への背中を押した。

「管理規定でペットが飼えないマンションだったのですが、そのまま見捨てることもできず、里親を探したり、友人に預けたりしていました。しかし、引き取り手が見つからず、安心して飼える環境が必要だと感じました」とKさん。また、蚤の市やアンティークショップなどを巡り、掘り出し物を探すのが好きなKさんは、「自分の暮らしの理想形があったのと、40代という年齢は、ローンを組むならそろそろリミットかなと思って」と、このタイミングでマンション購入に踏み切った理由を振り返る。

内覧した際に気になったという梁の出っ張りは、躯体現しで活かした。左側に写る対面式キッチンのカウンターは、この雰囲気に合う質感をもち、水に強いモールテックス仕上げに(写真撮影/masa(PHOEBE))

内覧した際に気になったという梁の出っ張りは、躯体現しで活かした。左側に写る対面式キッチンのカウンターは、この雰囲気に合う質感をもち、水に強いモールテックス仕上げに(写真撮影/masa(PHOEBE))

窓の外には視界を遮る物がなく、カーテンが不要なほど。カーテンレールは今や、植物をつるすために機能している(写真撮影/masa(PHOEBE))

窓の外には視界を遮る物がなく、カーテンが不要なほど。カーテンレールは今や、植物をつるすために機能している(写真撮影/masa(PHOEBE))

物件探しへと動き出し、当初は新築やリノベ済み物件を探した。しかし、イメージする暮らしと間取りが合わず、中古マンションを買って、自分好みに変えようと思うようになったという。条件はまずペット可であること。そして以前の住まいより広い50平米以上、通勤に便利な場所、駅徒歩数分以内であることなどを優先項目に挙げ、ピックアップした物件を不動産屋さんと約2カ月半、毎週2、3件、計10件ほど内覧した。

LDKには、わさびが運動できるようにキャットウォークを設けた。登りやすさはもちろん、年を取ってわさびが遊ばなくなったら棚として使えるようにも考慮されている(写真撮影/masa(PHOEBE))

LDKには、わさびが運動できるようにキャットウォークを設けた。登りやすさはもちろん、年を取ってわさびが遊ばなくなったら棚として使えるようにも考慮されている(写真撮影/masa(PHOEBE))

LDKにはキャットトンネルがあり、キャットトイレがある洗面脱衣室につながっている(写真撮影/masa(PHOEBE))

LDKにはキャットトンネルがあり、キャットトイレがある洗面脱衣室につながっている(写真撮影/masa(PHOEBE))

その際、「SUUMOジャーナルに掲載されていた『中古マンション見学のポイント』を参考に、部屋以外にもマンションのゴミ置き場、駐輪場が整理整頓されているかなど管理状態もチェックしました」とKさん。築年数がたっているが、管理体制がしっかりしていることもあって気持ち良く過ごせているという。

現在住む物件は、候補のなかで当初の条件に合う順位としては下位のほうだったというが、「当時現在のLDK部分を仕切っていたアコーディオンカーテンを開けたとき、視界が開けたのが気持ち良く、見晴らしが気に入って購入を決めました」

部屋が細かく分かれていた約71平米の2LDKを、ドアがなく緩やかに区切られた1LDKに変更。さらに玄関土間を広げ、オープンな収納にしたことで、よりのびやかな空間に生まれ変わった(画像提供/インテリックス空間設計)

部屋が細かく分かれていた約71平米の2LDKを、ドアがなく緩やかに区切られた1LDKに変更。さらに玄関土間を広げ、オープンな収納にしたことで、よりのびやかな空間に生まれ変わった(画像提供/インテリックス空間設計)

フィーリングが合う会社や担当者との出会いも重要

物件探しの段階からリノベーション会社に依頼すれば、物件探しからリノベーション工事まで、ワンンストップで行ってくれる。その場合は、どの壁が壊せて、どの部分が変えられないなど、アドバイスを受けながら物件を探すことができるので、効率が良いと言えるだろう。

しかしKさんの場合は自分で物件を探し購入したため、希望を実現できるリノベーション会社を別途探す必要があった。Kさんは雑誌などを見て気に入る事例ページをブックマークして、その数が多い3社ほどに連絡。好きなインテリアショップなどの話が合った会社に依頼することにした。

LDK入口のアンティークの扉。プランが決まる前にKさんが一目ぼれし購入したもので、補修して使用している。リノベーション会社によって、部材の持ち込みは不可の場合があり注意が必要(写真撮影/masa(PHOEBE))

LDK入口のアンティークの扉。プランが決まる前にKさんが一目ぼれし購入したもので、補修して使用している。リノベーション会社によって、部材の持ち込みは不可の場合があり注意が必要(写真撮影/masa(PHOEBE))

洗面台のレトロな鏡は、引越し祝いに友人からプレゼントしてもらったもの。こだわりがなかったという水まわりの機能はシンプルに。その分居室に予算を回し、費用面でメリハリをつけた(写真撮影/masa(PHOEBE))

洗面台のレトロな鏡は、引越し祝いに友人からプレゼントしてもらったもの。こだわりがなかったという水まわりの機能はシンプルに。その分居室に予算を回し、費用面でメリハリをつけた(写真撮影/masa(PHOEBE))

設計担当者とは、1カ月半で5回ほど打ち合わせを行い、3パターンほど提案があったという。「担当者とはひたすら意見交換し、一緒に1カ月半の間、ひたすら部屋のことを考えていました。自分の好みを突き詰める、いい時間だったと思います。大変な面もありましたが、その分、図面、そして部屋が完成したときは感動しました」

リノベーション会社の担当者のアドバイスに沿って近隣住民への挨拶を行い、購入契約後から工事を開始。入居はその4カ月後になった。

お気に入りだけに囲まれた自分仕様の住まい

現在の住まいでKさんは、休日にはインナーテラスで本を読んだり、ソファに腰掛けてDVDを観たりと、目的なしにゆっくり過ごしているそう。

寝室に設けたインナーテラスは、主に南向きで2面採光のため、日当たり・風通しともに良好。梁の出っ張りと床タイルでの切り替えが、寝室とインナーテラスとを視覚的に区切る(写真撮影/masa(PHOEBE))

寝室に設けたインナーテラスは、主に南向きで2面採光のため、日当たり・風通しともに良好。梁の出っ張りと床タイルでの切り替えが、寝室とインナーテラスとを視覚的に区切る(写真撮影/masa(PHOEBE))

模様の入ったすりガラスが味わい深い棚も、Kさんが以前の住まいから使っていた古家具のひとつ。以前は食器棚としての役割を果たしていたが、現在の住まいでは本棚に(写真撮影/masa(PHOEBE))

模様の入ったすりガラスが味わい深い棚も、Kさんが以前の住まいから使っていた古家具のひとつ。以前は食器棚としての役割を果たしていたが、現在の住まいでは本棚に(写真撮影/masa(PHOEBE))

「以前から気になってはいたものの、中古マンションを買ってさらにリノベーション工事と、ゼロからやるのは難しいと最初は思っていました。でもちょっとした理由から実際に動いてみて、振り返ると意外と思い通りに部屋全体を自分仕様にできたので、『中古リノベ』がブームとなっている理由が分かる気がします」

都心にもかかわらず、日当たり・風通しがよく開放的で心地よい空間。古くから建つため、恵まれた立地条件であることが多いのも中古マンションならではのメリットだ。わさびもこの部屋にお気に入りの場所をたくさん見つけ、のびのび暮らしている。

インナーテラスで日向ぼっこをするわさび。風通しを良くするために開けられたウィークインクローゼットの上やインナーテラスのカウンターなど、お気に入りの場所を教えてくれた(写真撮影/masa(PHOEBE))

インナーテラスで日向ぼっこをするわさび。風通しを良くするために開けられたウィークインクローゼットの上やインナーテラスのカウンターなど、お気に入りの場所を教えてくれた(写真撮影/masa(PHOEBE))

部屋が完成した後も少しずつ手を加えながら、自分らしい暮らしを満喫しているKさん。「家に居る時間が増えたのと、余計なものを買わなくなりました。本当に気に入ったものしかこの空間に置きたくないので」と、部屋全体を愛おしそうに眺める様子が印象に残った。

窓が多くドアが少ない開放的なKさんの住まい。好みの内装写真を通して建築士とイメージを共有。特に取り入れたかった室内窓にはこだわり、色とサイズを入念に確認して造作した(写真撮影/masa(PHOEBE))

窓が多くドアが少ない開放的なKさんの住まい。好みの内装写真を通して建築士とイメージを共有。特に取り入れたかった室内窓にはこだわり、色とサイズを入念に確認して造作した(写真撮影/masa(PHOEBE))

●取材協力
リノベーション協議会●実例の設計・施工
インテリックス空間設計●調査概要
「『住宅購入・建築検討者』調査(2016年度)」(リクルート住まいカンパニー)

7~9月期の首都圏中古マンション、成約価格は前年比3.7%上昇

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)はこのたび、首都圏における2018年7~9月期の不動産流通市場の動向を発表した。 それによると、首都圏中古マンションの7~9月期の成約件数は、前年比で1.2%減少し8,686件、4期連続で前年同期を下回った。成約m2単価は前年比3.3%上昇し51.85万円/m2、13年1~3月期から23期連続で前年同期を上回った。成約価格も前年比で3.7%上昇し3,324万円と、12年10~12月期から24期連続で前年同期を上回った。専有面積は前年比プラス0.4%の64.11m2でほぼ横ばいだった。

中古戸建住宅においては、7~9月期の成約件数は前年比で2.4%増加し3,078件と、7期ぶりに前年同期を上回った。成約価格は前年比で2.2%上昇し3,148万円、4期連続で前年同期を上回った。土地面積は前年比マイナス2.5%の144.09m2となり、建物面積は前年比マイナス0.3%の105.90m2とほぼ横ばいだった。

ニュース情報元:東日本レインズ

首都圏中古マンション成約価格、前年比2.0%上昇

(公財)東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)は10月10日、首都圏における2018年9月度・不動産流通市場の動向を公表した。それによると、9月の首都圏中古マンション成約件数は前年比+0.7%の3,244件と、ほぼ横ばいながら8月に続いて前年同月を上回った。成約m2単価は前年比+1.4%上昇の51.39万円/m2、成約価格は前年比2.0%上昇し3,292万円、ともに2013年1月から69ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比+0.6%の64.06m2だった。

中古戸建においては、成約件数は前年比+0.3%とほぼ横ばいで1,090件。成約価格は前年比-2.3%の3,044万円と、17年8月以来13ヶ月ぶりに前年同月を下回った。土地面積は前年比+0.3%の141.50m2、建物面積は前年比-2.0%の104.08m2だった。

ニュース情報元:東日本レインズ

【シングル編】品川駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング

2020年の東京五輪開催に合わせて、JRの新しい駅「品川新駅(仮)」が開業予定だ。そこから1km弱という近場にある品川駅周辺も再開発が進められており、これから街の価値が高まることが予想される。そんな品川駅まで30分以内にある中古マンション相場を調査してみた。今回は専有面積20平米以上~40平米未満のシングル向け中古マンションの物件相場が安い駅をランキング。注目の駅に行きやすく、お得な物件があるエリアをチェックしていこう。●品川駅まで30分以内の物件相場が安い駅TOP12(13駅)
順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/品川駅までの所要時間)
1位 錦糸町 1980万円(JR総武線ほか/東京都墨田区/17分)
2位 京急蒲田 1990万円(京急本線ほか/東京都大田区/7分)
3位 蒲田 1994.5万円(JR京浜東北線ほか/東京都大田区/10分)
4位 大森 2080万円(JR京浜東北線/東京都大田区/6分)
5位 鶯谷 2130万円(JR山手線ほか/東京都台東区/20分)
6位 日暮里 2180万円(JR山手線ほか/東京都荒川区/22分)
7位 駒込 2299万円(JR山手線/東京都豊島区/28分)
8位 田端 2349.5万円(JR山手線ほか/東京都北区/25分)
9位 大森海岸 2380万円(京急本線/東京都品川区/13分)
9位 平和島 2380万円(京急本線/東京都大田区/7分)
9位 高田馬場 2380万円(JR山手線ほか/東京都新宿区/24分)
12位 五反田 2390万円(JR山手線ほか/東京都品川区/5分)
12位 御徒町 2390万円(JR山手線ほか/東京都台東区/17分)

1位は商業施設が続々リニューアルを迎える錦糸町駅

品川駅から30分以内で最も中古マンションの物件相場が安かったのは、JR総武線錦糸町駅。2017年にリニューアルした駅ビル「テルミナ」をはじめ、駅周辺には大型商業施設が点在している。映画館やニトリも入った商業ビル「オリナス」は2018年9月にリニューアルが完了、そして「東京楽天地ビル」は1階~7階を占める主要テナントなどをパルコに変更して2019年春にリニューアルオープンの予定だ。

駅周辺が繁華街としてにぎわう一方、駅から少し離れると広々とした公園や静かな住宅街も。また、錦糸町駅はJR線に加え東京メトロ半蔵門線も通っており、便利な環境で暮らしたいシングル層にはぴったりと言えそうだ。

1位・錦糸町駅を含め、3位まではいずれも物件相場が2000万円を切った。2位の京浜急行線・京急蒲田駅と3位のJR京浜東北線・蒲田駅は、似た駅名だが駅舎は離れており、両駅間は歩いて12分ほど。ロケーションに大差はないものの、蒲田駅の物件相場のほうがわずかながらも高いのは、より便利なJR沿線であること、さらに東急電鉄の池上線と多摩川線も通っているためかもしれない。

2位・京急蒲田駅、3位・蒲田駅ともに駅ビルを備えているほか、蒲田駅西口には活気あるアーケード商店街も。駅周辺でひと通りの買い物が済むのは、暮らすうえではうれしいところ。また、京急蒲田駅は羽田空港に向かう京急空港線の駅でもあり、飛行機での出張が多い人にもおすすめだ。

羽田空港(写真/PIXTA)

羽田空港(写真/PIXTA)

都内屈指の便利な路線・JR山手線の駅が7駅もランクイン

今回ランクインした13駅の立地を見てみると、一見、無関係に散らばっているように見えるが、13駅中で7駅がJR山手線沿線という共通点がある。JR山手線は都内交通網の大動脈と言える主要路線。品川駅まで1本なのはもちろん、JR山手線沿線ならば都内の主な街に出かけやすい点が魅力だ。

そんなJR山手線沿線の駅のうち、最も物件相場が安かったのは5位・鶯谷駅。同駅はここ10年以上、JR山手線で最も乗車人員が少ない駅でもある。JRの線路の北東側には戦後から続く歓楽街が残る一方、線路の西南側にあるのは、美術館や動物園が点在する上野公園や、落ち着いた住宅街。1駅隣りはJR各線に加え東京メトロ銀座線・日比谷線も通る上野駅という便利な立地でもあり、JR山手線のなかでも穴場な駅と言える。

上野公園(写真/PIXTA)

上野公園(写真/PIXTA)

都内のさまざまなエリアの駅が顔を並べた今回のランキング。トップ13駅の物件相場の差が410万円と、あまり開きがなかった点も特徴的だ。マンションを次々と買って住み替える人は少数派で、たいていは長く住む想定で購入するだろう。そう考えると『あと少し購入資金をプラスしたら、もっといい条件の物件があったのに……』なんて後悔は避けたいところ。安さばかりに飛びつかずに、品川駅など自分が行動基点にしたい駅までの近さや周辺環境も考慮して、物件探しに励みたい。

さて次回は、今回同様に品川駅から30分以内に範囲を区切って、専有面積40平米以上・70平米未満のカップル向け中古マンションの物件相場ランキングを紹介。どんな結果になるか、お楽しみに。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている品川駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、築年数40年未満、物件価格5000万円以下、専有面積20平米以上40平米未満の物件(敷地権利は所有権のみ)
【データ算出期間】2018年4⽉1⽇~2018年6⽉30⽇
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、平日の日中時間帯の検索結果から算出(品川駅まで乗換なし)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

築10年中古マンション価格の年収倍率、全国平均は5.30倍に拡大

(株)東京カンテイはこのほど、築10年中古マンション価格の年収倍率を発表した。2017年における築10年中古マンション価格(70m2換算)を平均年収で除し、中古価格が年収の何倍に相当するかを算出したもの。
それによると、2017年の築10年中古マンション年収倍率は、全国平均で5.30倍と前年から0.14拡大した。年収倍率の拡大地域は30→30と変わらないが、三大都市圏や地方中枢4都市を有するエリアを中心に引き続き拡大する動きを見せている。

全国で最も年収倍率が高かったのは東京都の10.46倍。沖縄県の8.09倍や神奈川県の7.32倍が続く。首都圏では平均価格の上昇率が平均年収の増加率を上回り、年収倍率は7.42倍まで拡大した。

近畿圏でも首都圏と同様の動きから、年収倍率は5.59倍まで拡大。引き続き拡大した大阪府が京都府を上回って圏域で最も高い値となった。中部圏でも価格上昇に起因して、年収倍率は4.73倍に拡大した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

8月の中古マンション価格、下落地域数が大幅に増加

(株)東京カンテイは9月27日、2018年8月度「中古マンション価格天気図」を発表した。これは、全国47都道府県のファミリータイプ中古マンション流通事例価格を月ごとに集計し、価格変動を「天気マーク」で表示したもの。それによると、全国で天候が改善したのは11から9地域に減少、横ばいは29から33地域に増加、悪化は7から5地域に減少。47都道府県のうち前月比価格が下落した地域数は14から24地域に大幅に増加した。

首都圏は平均0.2%の上昇。東京都が前月比0.5%上昇、神奈川県は0.4%下落、千葉県は0.4%下落、埼玉県は0.5%上昇。近畿圏は平均0.6%の上昇。大阪府が0.4%上昇、兵庫県が0.8%上昇、京都府は3.3%上昇した。郊外部は滋賀県が3.4%上昇、奈良県は2.1%下落した。中部圏は、愛知県が0.4%下落、岐阜県が1.4%上昇、三重県は3.6%上昇、静岡県は0.7%下落。中部圏平均は0.1%下落となった。

地方圏をみると、北海道は前月比0.6%上昇し1,626万円。札幌市は0.7%上昇し1,675万円となった。事例が集中する中央区では0.1%上昇、次いで事例の多い豊平区では1.2%上昇した。宮城県は0.2%下落し1,943万円。仙台市も0.2%下落し1,987万円となった。山形県は2.0%上昇し1,561万円。県内の事例の大半を占める山形市で1.3%上昇した影響で同県の価格が上昇した。

広島県は1.2%上昇し2,088万円。広島市は1.9%上昇し2,202万円。広島市では最も事例の多い中区で3.2%上昇、次いで事例の多い西区で0.3%、東区で2.3%、安佐南区で3.7%それぞれ下落したものの、南区で4.8%、佐伯区で0.4%それぞれ上昇し、同市の価格を押し上げた。

福岡県は0.6%下落し1,943万円。福岡市は反対に0.2%上昇し2,424万円となった。福岡市では事例が集中する中央区で0.1%上昇、次いで事例の多い東区で0.4%、博多区で0.5%それぞれ下落した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

8月の首都圏中古マンション、成約価格は前年比2.5%増

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は9月10日、2018年8月度・首都圏(1都3県)の不動産流通市場動向を発表した。

それによると、首都圏中古マンション成約件数は前年比1.7%増の2,303件で、4ヶ月ぶりに前年同月を上回った。成約m2単価は前年比3.2%増の52.10万円/m2、成約価格は同2.5%増の3,318万円、ともに2013年1月から68ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比0.7%減の63.67m2だった。

中古戸建の成約件数は前年比0.7%減の798件と、ほぼ横ばいながら3ヶ月ぶりに前年同月を下回った。成約価格は前年比7.4%増の3,173万円、12ヶ月連続で前年同月を上回った。土地面積は前年比3.4%減の146.70m2、建物面積は前年比0.9%増の106.42m2とほぼ横ばいだった。

ニュース情報元:東日本レインズ

【ファミリー編】渋谷駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング

前回に続いて、渋谷駅まで30分以内にある中古マンションの物件相場をランキング。今回は専有面積70平米以上~100平米未満に絞った、ファミリー向けの中古マンションの物件相場が安い駅にフォーカスする。ちなみに渋谷駅の同条件における物件相場は9315万円と、人気の街だけあってやはり都内でも高め! ランクインした駅と渋谷駅の物件相場の差にも注目しつつ、トップ10を見ていきたい。●渋谷駅まで30分以内の物件相場が安い駅TOP10(11駅)
順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/渋谷駅までの所要時間)
1 久地 3260万円(JR南武線/神奈川県川崎市/29分)
2 京王多摩川 3594.5万円(京王相模原線/東京都調布市/29分)
3 戸田公園 3680万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/26分)
4 上板橋 3780万円(東武東上線/東京都板橋区/28分)
5 地下鉄赤塚 3880万円(東京メトロ有楽町線・副都心線/東京都練馬区/29分)
6 町屋 3980万円(東京メトロ千代田線/東京都荒川区/30分)
6 鷺沼 3980万円(東急田園都市線/神奈川県川崎市/28分)
8 向ヶ丘遊園 3990万円(小田急線/神奈川県川崎市/24分)
9 大倉山 4180万円(東急東横線/神奈川県横浜市/29分)
9 平間 4180万円(JR南武線/神奈川県川崎市/26分)
9 津田山 4180万円(JR南武線/神奈川県川崎市/27分)

「カップル編」「ファミリー編」共通で1位だった久地駅は要チェック

最も物件相場が安かったのは、JR南武線・久地駅。前回の「カップル編」ランキングでも久地駅が1位だった。ファミリー向け物件の価格相場は3260万円。なんと渋谷駅と比べて6055万円もダウンという驚きの結果! 久地駅~渋谷駅は所要時間が約29分だが、これほど価格差があれば渋谷駅にアクセスしやすい住まい候補地として検討に値するだろう。

2位以下も1位ほどではないにしろ、渋谷駅に比べるとリーズナブルな物件相場の駅が並んでいる。2位の京王相模原線・京王多摩川駅は、物件相場が渋谷駅よりも5700万円以上ダウン。駅の南には多摩川が流れるのどかな環境で、周辺には大型商業施設はないものの、商業ビルが立ち並ぶ調布駅まで1駅で行ける。また、京王線の区間急行や特急を乗り継ぐと新宿駅まで約22分で行けるのも魅力だ。

3位はJR埼京線・戸田公園駅で、物件相場は渋谷駅より6535万円ダウン。スーパーやドラッグストア、雑貨店、飲食店などが入った商業ビル「ビーンズ戸田公園」が駅に直結しており、日々の買物に困らない。駅南側には荒川が流れ、河川敷を舞台にした夏の花火大会の際には多数の人が押し寄せる。探してみると花火ビューの中古マンションも見つかるかもしれない。

戸田公園(写真/PIXTA)

戸田公園(写真/PIXTA)

トップ10のなかでも注目は南武線

トップ3だけ見ても神奈川、東京、埼玉と駅のエリアはバラバラで路線もさまざま。4位以下も多彩な路線が入り乱れてランクインしている。唯一、複数駅がランクインしたのはJR南武線で、1位・久地駅と9位の平間駅と津田山駅が該当。9位の平間駅と津田山駅は物件相場が同額の4180万円で、渋谷駅との価格差は5135万円だった。

久地駅の1駅隣に位置する津田山駅は、駅のすぐそばに小学校がある珍しい環境。近くには泥遊びができるアスレチック広場や屋内運動場を備えた「川崎市子ども夢パーク」があり、周辺には住宅地が広がっている。子育て世代に住みやすい環境と言えそうだ。津田山駅から6駅先が平間駅という位置関係。平間駅は渋谷駅へ向かう東急東横線との乗換駅、武蔵小杉駅から2駅目。駅周辺には大型ドラッグストアやスーパーがあるほか、駅前の通り沿いにベーカリーや生花店、クリーニング店などが並ぶ商店街もある。

トップ10中で最も渋谷駅からの所要時間が短かったのは、8位の小田急線・向ヶ丘遊園駅。同駅は前回の「カップル編」では10位にランクインしていた。駅周辺は住宅地で、スーパーや100円ショップなど暮らしに必要な施設もそろっている。また、駅南側には自然豊かな生田緑地が広がり、「川崎市岡本太郎美術館」をはじめ緑に包まれて科学館や工芸館といった文化施設が点在。休日のリフレッシュ場所にもこと欠かない環境だ。

向ヶ丘遊園駅前通り(写真/PIXTA)

向ヶ丘遊園駅前通り(写真/PIXTA)

前回「カップル編」と今回の「ファミリー編」を見比べると、共通してトップ10入りしたのは1位・久地駅、4位・上板橋駅、8位・向ヶ丘遊園駅のみで、11駅中8駅が違う駅という結果だった。中古マンションの広さによって、どのエリアの物件相場が安いのかが変わってくるので、住まい探しのときは注意が必要そうだ。

また、渋谷駅は複数路線が乗り入れるターミナル駅だが、トップ10中だと渋谷駅も通る路線はJR埼京線(3位・戸田公園駅)、東急田園都市線(6位・鷺沼駅)、東急東横線(9位・大倉山駅)のみという点にも注目したい。「渋谷駅から30分以内」というアクセスのよさを求めると、乗り換えなしの路線に絞って探したくなる。しかし、今回の結果を見ると、たとえ乗り換えがあっても所要時間が短く、物件相場がお得なエリアはこんなにあるということが判明した。視野を広げて住まい探しをしたほうが、いい物件が見つかるかもしれない。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている渋谷駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、築年数40年未満、物件価格3億円以下、専有面積70平米以上100平米未満の物件(敷地権利は所有権のみ)
【データ算出期間】2018年3⽉1⽇~2018年5⽉31⽇
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、平日の日中時間帯の検索結果から算出(乗換回数は問わない。乗換ありの場合は乗換時間を含む)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

7月の中古マンション価格天気図、下落地域数は減少

(株)東京カンテイはこのたび、2018年7月度「中古マンション価格天気図」を発表した。これは、全国47都道府県のファミリータイプ中古マンション流通事例価格を月ごとに集計し、価格変動を「天気マーク」で表示したもの。それによると、7月は「晴」が17から19地域に増加。「雨」は2から5地域に増加。「曇」は13から10地域に減少。「小雨」は9から5地域に減少。「薄日」は6から8地域に増加。47都道府県のうち、前月比価格が下落した地域数は17から14地域に減少した。

首都圏平均は0.3%上昇。東京都が前月比0.1%上昇、神奈川県1.0%上昇、千葉県0.8%上昇、埼玉県0.4%上昇となった。近畿圏平均は0.5%上昇。大阪府が1.1%上昇、兵庫県1.5%下落、京都府は0.9%上昇した。中部圏は、愛知県が±0.0%、岐阜県が±0.0%とそれぞれ変わらず。三重県は3.2%下落、静岡県は1.2%上昇。中部圏平均は±0.0%の横ばいとなった。

北海道は前月比0.4%上昇し1,616万円、札幌市は0.2%上昇し1,662万円。事例が集中する中央区では2.4%下落、次いで事例の多い豊平区では0.7%上昇した。宮城県は0.6%下落し1,947万円、仙台市は0.8%下落し1,992万円。事例数が市内で最も多い青葉区では2.1%、次いで事例の多い太白区では2.4%それぞれ下落し、同市の価格を押し下げた。仙台市の価格は2016年11月以来の1年8ヵ月ぶりに2,000万円台を下回った。

広島県は2.5%下落し2,063万円、広島市は3.1%下落し2,161万円。広島市では最も事例の多い中区で4.1%、次いで事例の多い西区で1.5%、南区で2.8%それぞれ下落。広島市では安芸区の3.4%上昇を除いた8区中7区の価格が下落したことにより、同県の価格が押し下がった。

福岡県は0.7%上昇し1,955万円、福岡市は反対に0.2%下落し2,419万円。事例が集中する中央区で0.4%上昇、次いで事例の多い東区で1.6%下落した。南区では0.5%、博多区では2.4%それぞれ上昇したものの、早良区で1.7%、城南区で2.5%それぞれ下落し、同市の価格が下落した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

7月の中古マンション価格天気図、下落地域数は減少

(株)東京カンテイはこのたび、2018年7月度「中古マンション価格天気図」を発表した。これは、全国47都道府県のファミリータイプ中古マンション流通事例価格を月ごとに集計し、価格変動を「天気マーク」で表示したもの。それによると、7月は「晴」が17から19地域に増加。「雨」は2から5地域に増加。「曇」は13から10地域に減少。「小雨」は9から5地域に減少。「薄日」は6から8地域に増加。47都道府県のうち、前月比価格が下落した地域数は17から14地域に減少した。

首都圏平均は0.3%上昇。東京都が前月比0.1%上昇、神奈川県1.0%上昇、千葉県0.8%上昇、埼玉県0.4%上昇となった。近畿圏平均は0.5%上昇。大阪府が1.1%上昇、兵庫県1.5%下落、京都府は0.9%上昇した。中部圏は、愛知県が±0.0%、岐阜県が±0.0%とそれぞれ変わらず。三重県は3.2%下落、静岡県は1.2%上昇。中部圏平均は±0.0%の横ばいとなった。

北海道は前月比0.4%上昇し1,616万円、札幌市は0.2%上昇し1,662万円。事例が集中する中央区では2.4%下落、次いで事例の多い豊平区では0.7%上昇した。宮城県は0.6%下落し1,947万円、仙台市は0.8%下落し1,992万円。事例数が市内で最も多い青葉区では2.1%、次いで事例の多い太白区では2.4%それぞれ下落し、同市の価格を押し下げた。仙台市の価格は2016年11月以来の1年8ヵ月ぶりに2,000万円台を下回った。

広島県は2.5%下落し2,063万円、広島市は3.1%下落し2,161万円。広島市では最も事例の多い中区で4.1%、次いで事例の多い西区で1.5%、南区で2.8%それぞれ下落。広島市では安芸区の3.4%上昇を除いた8区中7区の価格が下落したことにより、同県の価格が押し下がった。

福岡県は0.7%上昇し1,955万円、福岡市は反対に0.2%下落し2,419万円。事例が集中する中央区で0.4%上昇、次いで事例の多い東区で1.6%下落した。南区では0.5%、博多区では2.4%それぞれ上昇したものの、早良区で1.7%、城南区で2.5%それぞれ下落し、同市の価格が下落した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

7月の中古マンション価格、首都圏は小幅な上昇

(株)東京カンテイは8月23日、2018年7月度「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70m2価格月別推移」を発表した。それによると、7月の首都圏中古マンション価格は全域的な強含みから前月比+0.3%の3,634万円と小幅に上昇し、5月に記録した年初来の最高値を上回った。
都県別では、東京都は+0.1%の4,879万円と僅かに強含み。埼玉県は+0.4%の2,283万円、千葉県は+0.8%の2,014万円と、ここ3ヵ月間は堅調な推移を示している。神奈川県も横浜市や川崎市が牽引する形で、+1.0%の2,901万円と3ヵ月ぶりに上昇した。

近畿圏の平均は前月比+0.5%の2,192万円と、2月以降は緩やかな上昇傾向が続く。大阪府では大阪市の他にも隣接する豊中市や吹田市で強含み、+1.1%の2,401万円と再び上昇、1998年3月以来の2,400万円台を記録した。一方、兵庫県では-1.5%の1,870万円と反転下落し、前月までの上昇傾向は一服した。

中部圏平均は1,823万円、愛知県は1,957万円と、ともに前月から横ばい。名古屋市をはじめ、豊田市や安城市などでは依然として堅調さを維持している。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

首都圏中古マンション、成約価格は前年比6.4%上昇

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が公表した2018年7月度・首都圏(1都3県)不動産流通市場動向によると、首都圏中古マンション成約件数は前年比で5.0%減少し3,139件、3ヶ月連続で前年同月を下回った。
成約m2単価は前年比で5.4%上昇し52.13万円/m2、成約価格は同6.4%上昇し3,362万円、ともに2013年1月から67ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比プラス1.0%の64.49m2だった。

また、7月の首都圏中古戸建住宅の成約件数は、前年比で6.7%増加し1,190件、6月に続いて前年同月を上回った。成約価格は前年比で2.9%上昇し3,227万円、11ヶ月連続で前年同月を上回った。土地面積は前年比で4.5%縮小し144.70m2、建物面積は前年比プラス0.5%の107.22m2とほぼ横ばい。

ニュース情報元:東日本レインズ

【カップル編】渋谷駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング

JR各線をはじめ、東京メトロの3路線、東急東横線・田園都市線、京王井の頭線が通る渋谷駅は都内屈指のターミナル駅。駅周辺では再開発が進行中で、今後さらなる発展が見込まれることもあり、住宅の相場は都内でも高めの部類。そんな人気エリア・渋谷駅まで30分以内の中古マンションの価格相場を調査! 駅徒歩15分圏内にある、専有面積40平米以上~70平米未満の物件を対象にした、カップル向け中古マンションの物件相場が安い駅トップ10を紹介する。ちなみに基点駅とした渋谷の物件相場は5980万円。ここから30分以内に範囲を広げるとどれほど安く住めるのか? さっそく見ていこう。●渋谷駅まで30分以内の物件相場が安い駅TOP10(11駅)
順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/渋谷駅までの所要時間)
1位 久地 2485万円(JR南武線/神奈川県川崎市/29分)
2位 上板橋 2550万円(東武東上線/東京都板橋区/28分)
3位 成増 2780万円(東武東上線/東京都板橋区/24分)
4位 志村坂上 2830万円(都営三田線/東京都板橋区/29分)
5位 中村橋 2880万円(西武池袋線/東京都練馬区/29分)
5位 和光市 2880万円(東武東上線ほか/埼玉県和光市/27分)
7位 登戸 2890万円(JR南武線ほか/神奈川県川崎市/22分)
8位 板橋本町 2900万円(都営三田線/東京都板橋区/25分)
9位 川口 2955万円(JR京浜東北線/埼玉県川口市/26分)
10位 向ヶ丘遊園 2980万円(小田急線/神奈川県川崎市/24分)
10位 宮崎台 2980万円(東急田園都市線/神奈川県川崎市/24分)

渋谷駅から約29分離れると3495万円もダウン!

1位は渋谷駅から約29分のJR南武線・久地(くじ)駅で、中古マンション物件相場は2485万円。物件相場が5980万円だった渋谷駅から30分弱離れると、3495万円も安くなるわけだ。久地駅周辺はのどかな住宅地で大型商業施設はないものの、スーパーや商店街はあるので生活には困らない環境。駅前から10分ほど北に歩くと多摩川が流れている。駅前の府中街道を西へ車で約5分走ると「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」や自然豊かな生田緑地があり、休日も楽しく過ごせそうだ。

生田緑地ばら苑(写真/PIXTA)

生田緑地ばら苑(写真/PIXTA)

久地駅からJR南武線で2駅目が7位・登戸(のぼりと)駅。こちらは小田急線も通っており、物件相場は久地駅より約400万円アップの2890万円となっている。小田急線代々木上原駅~登戸駅の複々線化による2018年3月のダイヤ改正で、登戸駅から快速急行に乗ると新宿駅まで3駅・約18分という早さに! この複々線化で通勤・通学ラッシュも和らいだと評判でもあり、登戸駅は狙い目だろう。

また、登戸駅から1駅の小田急線・向ヶ丘遊園駅が10位にランクイン。登戸駅から歩いても10分ほどしか離れていないが、物件相場は登戸駅より90万円アップの2980万円だった。向ヶ丘遊園駅から小田急線・通勤急行を利用すれば新宿駅まで4駅・約20分。向ヶ丘遊園駅も登戸駅も、渋谷駅まで30分以内であることに加え、新宿駅へのアクセスのよさも魅力だ。

新宿や池袋にも行きやすい便利な駅もランクイン

上記で取り上げた1位・久地駅、7位・登戸駅、10位・向ヶ丘遊園駅と、同じく10位の宮崎台駅はいずれも神奈川県川崎市。トップ11駅中の4駅が、渋谷駅の西南部という結果だった。残りの7駅はというと、渋谷駅の北部~北西部に点在していた。そのうち4駅は東京都板橋区に集中している。

東京都板橋区に位置するのは、2~4位と8位の駅。2位・上板橋駅と3位・成増駅は東武東上線で3駅の位置関係、4位・志村坂上駅と8位・板橋本町駅は都営三田線で2駅という位置関係でそれぞれ接近している。東武東上線沿線ならば渋谷に並ぶ繁華街の池袋駅まで1本、都営三田線沿線ならオフィス街である大手町駅まで1本で行けるのが魅力だろう。

東京・丸の内(写真/ PIXTA)

東京・丸の内(写真/ PIXTA)

また、5位・和光市駅は所在地としては埼玉県和光市だが、列車なら東武東上線で成増駅から1駅目というロケーション。東京メトロ有楽町線・副都心線が乗り入れる駅でもあり、副都心線直通の列車に乗ると乗り換えなしで渋谷に行くことができる。

さて、今回トップ10の駅はいずれも物件相場が2000万円台に収まった。つまり渋谷から電車で30分の範囲にまで住まい探しの条件を広げれば、渋谷駅の相場より3000万円以上も手ごろな物件を探すのは難しくないということ。新宿駅や池袋駅など、渋谷駅以外の都心部へのアクセスがいい駅も多く、単に安いだけではなくて住まいの候補地として検討する価値がある駅がランクインしたといえるだろう。

次回は渋谷駅から30分以内にある、専有面積70平米以上~100平米未満に絞った、ファミリー向けの中古マンションの物件相場ランキングを紹介する。どんな駅がランクインするか、お楽しみに。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている渋谷駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、築年数40年未満、物件価格3億円以下、専有面積40平米以上70平米未満の物件(敷地権利は所有権のみ)
【データ算出期間】2018年3⽉1⽇~2018年5⽉31⽇
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、平日の日中時間帯の検索結果から算出(乗換回数は問わない・乗り換え時間を含む)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

首都圏リノベマンション価格、新築・中古の中間で概ね推移

(株)東京カンテイはこのたび、「一棟リノベーションマンション」の供給動向を調査・分析した。調査では、同社独自の判断基準である三要件「竣工年月と販売開始年月の乖離が概ね5年以上」「建物の全体を改装しかつ一度に大部分を分譲しているもの」「売主が不動産業者」を全て満たすものを「一棟リノベーションマンション」としている。

リノベーションマンションの価格推移を首都圏を例にとって見てみると、新築と中古のほぼ中間の価格帯に位置することがわかった。リノベーションマンションは設備等を刷新している分、中古マンションよりは価格が高く、既存躯体を利用しているため新築物件よりはリーズナブルであるとは一般的に知られているが、分析結果ではそのことが如実に表れている。

また、2015年以降東京都の供給比率が高まったため、2010年~2014年、2015年~2018年6月との坪単価の変化では、新築の上昇率が230.1万円→289.4万円(+25.8%)であるのに対し、リノベーションマンションでは187.0万円→243.2万円(+30.1%)と、リノベーションマンションの方が平均坪単価の上昇率が大きくなっている。

リノベーションマンションの専有面積は、2000年以降首都圏・近畿圏ともに新築・中古マンションより広い。首都圏の平均専有面積は2015年~2018年6月では76.10m2で、同時期の新築専有面積60.54m2、中古専有面積60.68m2と比してその広さが際立つ。

改装時における従前建築物の築年数分布では、築15年以上20年未満がボリュームゾーンだった。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

首都圏リノベマンション価格、新築・中古の中間で概ね推移

(株)東京カンテイはこのたび、「一棟リノベーションマンション」の供給動向を調査・分析した。調査では、同社独自の判断基準である三要件「竣工年月と販売開始年月の乖離が概ね5年以上」「建物の全体を改装しかつ一度に大部分を分譲しているもの」「売主が不動産業者」を全て満たすものを「一棟リノベーションマンション」としている。

リノベーションマンションの価格推移を首都圏を例にとって見てみると、新築と中古のほぼ中間の価格帯に位置することがわかった。リノベーションマンションは設備等を刷新している分、中古マンションよりは価格が高く、既存躯体を利用しているため新築物件よりはリーズナブルであるとは一般的に知られているが、分析結果ではそのことが如実に表れている。

また、2015年以降東京都の供給比率が高まったため、2010年~2014年、2015年~2018年6月との坪単価の変化では、新築の上昇率が230.1万円→289.4万円(+25.8%)であるのに対し、リノベーションマンションでは187.0万円→243.2万円(+30.1%)と、リノベーションマンションの方が平均坪単価の上昇率が大きくなっている。

リノベーションマンションの専有面積は、2000年以降首都圏・近畿圏ともに新築・中古マンションより広い。首都圏の平均専有面積は2015年~2018年6月では76.10m2で、同時期の新築専有面積60.54m2、中古専有面積60.68m2と比してその広さが際立つ。

改装時における従前建築物の築年数分布では、築15年以上20年未満がボリュームゾーンだった。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

首都圏中古マンション価格維持率、トップは都営新宿線「馬喰横山」

(株)東京カンテイは7月31日、首都圏中古マンションのリセールバリュー(価格維持率)を発表した。竣工から10年間が経過した分譲マンションのうち、現在中古流通している物件を抽出し、分譲当時の価格と現在の価格から算出したもの(専有面積30m2未満、事務所・店舗用のユニットは集計から除外)。それによると、首都圏においてリセールバリューが算出可能だった駅は683駅で、その平均値は91.5%だった。また、2017年に首都圏で最もリセールバリューが高かった駅は、都営地下鉄新宿線「馬喰横山」の155.2%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて5割以上上昇している。

2位には横浜高速鉄道みなとみらい線「みなとみらい」が148.2%でランクイン。3位には京成押上線「京成曳舟」(145.3%)、4位にJR京浜東北線「東神奈川」(145.0%)、5位に東京メトロ有楽町線「豊洲」(144.2%)が続く。

基本的に、ランキング上位には「表参道」や「六本木」など、JR山手線エリアの南側に位置し住宅地としての高い人気やブランド性も誇る駅が数多く登場しているが、それ以外には、“ミニ都心”として良好な事業集積性や人口集積性を有する横浜エリア、大規模開発によってこの10年間で街のポテンシャルが向上して新たな居住地へと変貌を遂げた湾岸エリアからもランクインしている。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

中部圏中古マンション価格維持率、名城線「上前津」が137.8%でトップ

(株)東京カンテイは7月31日、中部圏中古マンションのリセールバリュー(価格維持率)を発表した。竣工から10年間が経過した分譲マンションのうち、現在中古流通している物件を抽出し、分譲当時の価格と現在の価格から算出したもの(専有面積30m2未満、事務所・店舗用のユニットは集計から除外)。
それによると、中部圏においてリセールバリューが算出可能だった駅は116駅で、平均値は85.5%。また、2017年に最もリセールバリューが高かった駅は、名古屋市営地下鉄名城線「上前津」の137.8%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて4割弱上昇した。

第2位は名古屋市営地下鉄東西線の「池下」で122.9%。第3位は名古屋市営地下鉄名城線の「東別院」(114.8%)、第4位は名古屋市営地下鉄桜通線「丸の内」(111.2%)、第5位はJR中央本線「大曽根」(109.2%)と続く。

リセールバリューが100%以上となったのは上位10駅までであり、その大半が名古屋駅や栄駅に至近、もしくは短時間でのダイレクトアクセスが可能な駅となっている。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

近畿圏中古マンション価格維持率、東西線「京都市役所前」が第1位

(株)東京カンテイは7月31日、近畿圏中古マンションのリセールバリュー(価格維持率)を発表した。竣工から10年間が経過した分譲マンションのうち、現在中古流通している物件を抽出し、分譲当時の価格と現在の価格から算出したもの(専有面積30m2未満、事務所・店舗用のユニットは集計から除外)。
それによると、近畿圏においてリセールバリューが算出可能だった駅は291駅で、その平均値は92.0%。また、2017年に最もリセールバリューが高かった駅は、京都市営地下鉄東西線「京都市役所前」で153.5%だった。築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて5割以上の上昇となった。国内外の富裕層がセカンドハウスとして買い求める動きも強まってきていることから、築10年中古流通時のマンション価格は近畿圏で最も高い坪351.0万円を記録している。

第2位は京阪中之島線「なにわ橋」で149.4%、第3位に阪神本線「神戸三宮」(149.1%)、第4位にJR大和路線「JR難波」(140.6%)、第5位に阪神神戸線「神戸三宮」(134.2%)が続く。

第2位以下の大半は大阪市や神戸市の中心部に位置している駅となっているが、数的には大阪市中心部の方が圧倒的に多い。また、「大阪」や「梅田」、「心斎橋」や「難波」など、主だった商業エリアに位置する駅名が並んでいることからも、職住近接エリアに対するニーズの高さが伺える。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

中古マンション価格天気図、下落地域数が増加

(株)東京カンテイは7月30日、2018年6月度「中古マンション価格天気図」を発表した。全国47都道府県のファミリータイプ中古マンション流通事例価格を月ごとに集計し、価格変動を「天気マーク」で表示したもの。
それによると、6月は「晴」が15地域から17地域に増加。「雨」は4地域から2地域に減少。「曇」は11地域から13地域に増加。「小雨」は8から9地域に増加。「薄日」は9から6地域に減少。47都道府県のうち前月比価格が下落した地域数は15から17地域に増加した。

首都圏は、東京都が前月比±0.0%と変わらず、神奈川県は0.5%下落。千葉県は0.1%上昇、埼玉県は±0.0%と変わらず。首都圏平均は0.2%下落した。近畿圏は、大阪府が0.2%下落、兵庫県は0.7%上昇、京都府は1.8%上昇。滋賀県が1.3%上昇、奈良県は1.3%下落。近畿圏平均は0.3%上昇した。中部圏は、愛知県が0.4%、岐阜県は1.9%、三重県は2.8%、静岡県は2.4%それぞれ上昇。中部圏全域の4県で価格が上昇し、中部圏平均は0.9%上昇した。

北海道は、前月比1.3%上昇し1,609万円、札幌市は1.5%上昇し1,660万円。事例が集中する中央区では1.4%、次いで事例の多い豊平区では4.9%、西区では3.4%、南区では7.1%それぞれ上昇し、同市の価格を押し上げた。宮城県は、1.9%下落し1,959万円、仙台市は1.6%下落し2,008万円。事例数が市内で最も多い青葉区では1.4%、次いで事例の多い太白区では1.9%、宮城野区では4.0%それぞれ下落し、同市の価格を押し下げた。

広島県は、1.1%上昇し2,116万円、広島市は1.0%上昇し2,231万円。事例の多い中区で2.1%、南区で1.5%それぞれ下落したものの、西区で0.1%、東区で6.9%、佐伯区で4.4%それぞれ上昇し、同市の価格が上昇した。福岡県は、0.1%上昇し1,943万円、福岡市は0.3%上昇し2,424万円。事例が集中する中央区で0.9%、次いで事例の多い東区で2.9%、城南区で6.3%それぞれ上昇し、同市の価格を押し上げた。一方で博多区では1.2%、早良区では1.4%、西区では0.6%それぞれ下落しており、福岡市全体が一様に上昇している状況ではない。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

6月の中古マンション価格、首都圏は僅かに下落

(株)東京カンテイは7月23日、2018年6月度「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70m2価格月別推移」を発表した。それによると、首都圏中古マンション価格は、全域的に横ばい~弱含みとなり、前月比-0.2%の3,623万円と僅かに下落した。都県別では、東京都は概ね横ばいの4,872万円。埼玉県は横ばいの2,274万円、千葉県は+0.1%の1,999万円で、ほとんど変化はなかった。一方、神奈川県は横浜市や川崎市などが弱含んだことから、-0.5%の2,871万円と引き続き下落した。

近畿圏は前月比+0.3%の2,181万円、緩やかな上昇傾向が続く。大阪府では-0.2%の2,374万円と僅かに反落。一方、兵庫県では+0.7%の1,899万円と連続上昇を5ヵ月間まで伸ばした。

中部圏は前月比+0.9%の1,823万円、愛知県では+0.4%の1,957万円と、ともに引き続き上昇。名古屋市をはじめ、豊田市や安城市など価格水準が比較的高い行政区では事例数が増えており、エリア平均を押し上げている。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

「良い中古マンションの見分け方を教えてください」 住まいのホンネQ&A(7)

新築マンションの価格が高騰する昨今、中古マンションも住宅購入の選択肢に入れたいもの。少しでも条件のよい中古マンションを手に入れるためには――?
目利きのポイントを、さくら事務所会長の長嶋修氏に聞いてみました。
室内に入る前に、まずチェックすべきはあの場所

中古マンションを見学する際には、いきなり室内(専有部)には入らず、まずは外壁やエントランスまわり、廊下や階段などの「共用部」をじっと見つめてください。

まず外壁。昨今、マンションの外壁はタイル張りが主流ですが、ざっと見渡してみたときに、タイルがはがれおちているところ、もしくは浮いているようなところはありませんか? 

タイルがはがれたり浮いたりする原因は「経年劣化」「不良工事」「地震の影響」などさまざまですが、万一落下すればたちまち凶器となり危険です。その上、タイルはコンクリートを劣化から守る役割もありますので、そのままにしておくとコンクリートの躯体(くたい)、そのものが長持ちしません。

もしタイル落下、浮きなどの症状が見つかったら、次はマンション管理組合がその状況を把握しているか、またそれについてなんらかの対処を行う予定があるかを確認しましょう。これは、不動産仲介担当を通じてマンション住民で構成する管理組合に確認してもらってもいいですし、管理員さんがいらっしゃれば尋ねてみてもいいでしょう。

次に廊下や階段などの共用部。築年数の経過で少しずつ劣化していくのは建物の宿命ですが、一定の幅や深さがある「ひび割れ」や、一定量以上の白い粉状カルシウム成分が浮き出てくる「エフロレッセンス」(白華現象)、「雨漏りや水漏れ」など、コンクリート内部の鉄筋から茶色い錆び汁がしみだしている現象などを放置しておくと、着実に建物の寿命を縮めていくことになります。また、時間が経過するほど、その修繕コストは膨大に。このコストは住民で構成する管理組合の負担です。早く発見するに越したことはないのです。

ちなみに、今年4月からホームインスペクションの説明が義務化されましたが、この診断で分かるのはあくまで個別の室内、つまりは「専有部」についてですので注意が必要です。

外壁タイルが浮いているマンション(さくら事務所提供)

外壁タイルが浮いているマンション(さくら事務所提供)

廊下・階段などに大きなひび割れはないか(さくら事務所提供)

廊下・階段などに大きなひび割れはないか(さくら事務所提供)

清掃状態に透ける管理組合の運営姿勢

エントランスや集合ポスト、ゴミ置き場や駐車場・駐輪場などの清掃状態・整理整頓具合はどうでしょうか。こうしたところが雑然としているのは、管理員の仕事が行き届いていないからに他なりませんが、背後にはそういった状態を容認している管理組合の存在があるわけで、マンション管理についてその程度の関心しかないということです。

掲示板に数カ月も前の古い情報が貼られたまま、貼ったものが破れているなどの事象も組合運営の姿勢を推し量れます。

購入の検討に入る前には「総会や管理組合の議事録」「長期修繕計画」などの閲覧を求めましょう。こうした議事録には、そのマンションで繰り広げられているさまざまな課題が満載。例えばどの程度の管理費・修繕積立金滞納があり、それに対してどのような対応をしているか、駐車場や駐輪場、ごみ置き場、廊下、そして先述の外壁など共用部の使い方やコンディションに何か課題があるか、今後の修繕計画はどのようになっているかなど、マンションのさまざまな事情が記載されているはずです。

修繕積立金滞納のないマンションはむしろ少数派ですし、多くの人が住んでいる以上、共用部の使い方に課題が全くないマンションも少数です。要はこうした、マンションの宿命ともいえる各種の課題について、所有者で構成するマンション管理組合がどのような姿勢で、具体的にどんな取り組みをしているのか、それを知ることが大事なのです。

また「長期修繕計画」を見れば、今後の建物修繕予定が分かるのはもちろんのこと、今後の積立金負担の趨勢も分かります。多くのマンションでは、新築時に売主が策定した長期修繕計画をそのまま変更せずに使用しているケースが多く、たいていの場合、新築当初から当面の間は修繕積立金を低額に設定、5年目・10年目・15年目などに一気に数倍になったり、多額の一時金を徴収する計画となっています。規模などにもよりますが、適正な修繕積立金額は平米あたり200円程度で、70平米のマンションなら月額1万4000円程度。これより少ない場合はその分、あとで積立金の値上げか、一時金の徴収があると思ってください。

分からないことがあれば不動産仲介会社を通じて管理組合に尋ねるか、判断に迷うことがあれば第三者の専門家に見解を聞くのもいいでしょう。ただしこのような内部書類については、マンション購入者などの第三者に閲覧させることは義務ではないため、あくまで任意で閲覧をお願いすることになります。言い換えると、閲覧に応じるマンションはその情報開示姿勢だけで好感が持てるということです。自らのマンション管理運営に自信があるとか、情報開示の重要性を理解しているといった組合員が多いからこその情報開示です。

居室はつい遠慮しがち インスペクターを活用しよう

室内(専有部)については、キッチンやユニットバス・洗面化粧台などの水まわりに水漏れがないか、換気扇が正常に稼働するか、建具に傾きがないか、正常に稼働するかなど、くまなくチェックしたいもの。

しかし現実には、多くのケースで売主さんが居住中であることから、どうしても遠慮がちになり、きちんとチェックするのをためらってしまうケースが多いはずです。そんな時はホームインスペクター(住宅診断士)に依頼して、室内を一通りチェックしてもらうのがおすすめ。インスペクターによりますが、50~100項目に及ぶ調査で入居後に発生するトラブルを防ぐことができますし、リフォームや修繕に「いつごろ」「どこに」「いくらくらいのお金がかかるのか」が分かります。この際には、中古マンションに詳しいホームインスペクターを選ぶようにしてください。

瑕疵保険はあくまで「保険」にすぎない

最後に、「瑕疵保険」の考え方についても説明しておきます。

中古マンションの中には期間1年・2年・5年などの「瑕疵(かし)保険」がついているものがありますが、だからといって建物に問題がなく安心だというわけではありません。例えば築30年以上のマンションなら、そのコンディションや材質によってはそろそろ上下水道の配管や電気配線などの交換時期ですが、瑕疵保険は、たった今水漏れさえしていなければ加入できるもの。「入ってさえいれば安心」という訳ではありません。あくまでも念のため、万が一の時のためのものであると理解しておきましょう。

s-長嶋修_正方形.jpg長嶋 修  さくら事務所創業者・会長
業界初の個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクション(住宅診断)を行う「さくら事務所」を創業、現会長。不動産購入ノウハウの他、業界・政策提言や社会問題全般にも言及。著書・マスコミ掲載やテレビ出演、セミナー・講演等実績多数。【株式会社さくら事務所】

4~6月期の首都圏中古マンション、成約価格は前年比4.3%上昇

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は7月18日、首都圏における2018年4~6月期の不動産流通市場の動向を発表した。
4~6月期の首都圏中古マンション成約件数は、前年比で1.5%減少し9,339件、3期連続で前年同期を下回った。成約m2単価は前年比で3.7%上昇し51.70万円/m2、13年1~3月期から22期連続で前年同期を上回った。成約価格も前年比で4.3%上昇し3,331万円、12年10~12月期から23期連続で前年同期を上回った。専有面積は前年比プラス0.6%の64.43m2、ほぼ横ばいだった。

一方、4~6月期の首都圏中古戸建住宅の成約件数は、前年比で2.0%減少し3,261件、6期連続で前年同期を下回った。成約価格は前年比で3.8%上昇し3,109万円、3期連続で前年同期を上回った。土地面積は前年比マイナス1.4%の146.60m2、建物面積は前年比プラス0.2%の105.49m2とほぼ横ばい。

ニュース情報元:東日本レインズ

首都圏中古マンション、成約価格は前年比5.0%上昇

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は7月10日、2018年6月度・首都圏(1都3県)の不動産流通市場動向を公表した。それによると、首都圏の中古マンション成約件数は、前年比マイナス0.5%の3,317件と、5月に続いて前年同月を下回った。成約m2単価は前年比4.6%上昇の51.90万円/m2、成約価格は前年比5.0%上昇の3,320万円と、ともに2013年1月から66ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比プラス0.4%の63.97m2だった。

中古戸建の成約件数は、前年比で7.7%増加し1,188件、6ヶ月ぶりに前年同月を上回った。成約価格は前年比で5.5%上昇し3,099万円、10ヶ月連続で前年同月を上回った。土地面積は前年比で4.8%縮小し147.79m2、建物面積は前年比プラス0.4%の106.00m2だった。

ニュース情報元:東日本レインズ

BEAMS流インテリア[2] 世界各国のアンティーク家具・民芸品がつくりだす極上おもてなし空間

一生ものの家具に出会うまでは妥協なし。捨てるのが嫌なので、気に入ったものに巡り合うまではたとえ不自由でも間に合わせは買わない、と断言するスタイリングディレクターの和田健二郎(わだ・けんじろう)さん。お眼鏡にかなった世界各国の民芸品、家具、ファブリックなどが創り出す独自なミックステイストは、BEAMSスタッフ間でも羨望の的。とびきりのセンスと、居心地の良さの秘訣を探ってみましょう。●BEAMSスタッフのお住まい拝見・魅せるインテリア術
センス抜群の洋服や小物等の情報発信を続けるBEAMS(ビームス)のバイヤー、プレス、ショップスタッフ……。その美意識と情報量なら、プライベートの住まいや暮らしも素敵に違いない! 5軒のご自宅を訪問し、モノ選びや収納の秘訣などを伺ってきました。オープンなLDK空間とプライベート空間を分けた最上階のメゾネット

和田さんが住むのは、世田谷の住宅街を見渡す低層マンションの最上階メゾネット。購入してリノベーションしたのは約8年前。結婚して借りた下北沢の1LDKのメゾネットにも8年住んでいた。「上下階で空間を分ける暮らしが気に入っていたので、中古マンションを探す際もメゾネットにこだわりました」(和田さん・以下同)。

元々住んでいた下北沢の近くで探し始めたものの、人気の沿線、かつメゾネットは数が少ないため、物件探しは長期戦に。半年過ぎて諦めて別の中古マンションに決めかけていたころ、東南角部屋の100平米を超す広さのこの部屋に巡り合った。「最上階で窓も多く、視界のヌケ感や空の広さが理想通り」と即決。当時築30年だったマンションを、同じ鹿児島出身のLAND SCAPE PRODUCTSさんに依頼してリノベーションすることにした。

コンセプトは「人が集まりやすい家」。玄関を入ったフロアはLDKメインのオープンな空間にするため、2つの部屋をひと続きにして広々と。LDKの一部に小上がりをつくって変化をつける、キッチンコーナーもオープンに、壁は漆喰(しっくい)、など妻と相談しながら空間イメージや素材もスケッチにして具体的に提示した。

和田さんのお住まいはマンションの最上階、4階と5階のメゾネット。人が集まりやすいよう玄関を入ったフロアをパブリックスペースに、階段をあがった上階を寝室や子ども部屋などのプライベートスペースに(和田さん提供資料を基にSUUMOジャーナルにて作成、上階省略)

和田さんのお住まいはマンションの最上階、4階と5階のメゾネット。人が集まりやすいよう玄関を入ったフロアをパブリックスペースに、階段をあがった上階を寝室や子ども部屋などのプライベートスペースに(和田さん提供資料を基にSUUMOジャーナルにて作成、上階省略)

「全ての希望はかない、壁の一部に大谷石を使うなど面白い提案ももらい、仕上がりの満足度は120%です」

玄関を入ると20畳以上の明るく広々したLDK。ウェグナーのダイニングテーブル(デンマーク)、革製ロバのスツール(スペイン)、パーシヴァル・レイファーの黒革ソファ(ブラジル)、100年以上前の食器棚(イギリス)など世界各国のこだわりのインテリアが並ぶ(写真撮影/飯田照明)

玄関を入ると20畳以上の明るく広々したLDK。ウェグナーのダイニングテーブル(デンマーク)、革製ロバのスツール(スペイン)、パーシヴァル・レイファーの黒革ソファ(ブラジル)、100年以上前の食器棚(イギリス)など世界各国のこだわりのインテリアが並ぶ(写真撮影/飯田照明)

リビングの一角にはお気に入りのスツールや小物をディスプレーする小上がり空間。冬にはここがこたつコーナーになるという。LDKの壁は漆喰、棚の奥は大谷石で空間のアクセントに(写真撮影/飯田照明)

リビングの一角にはお気に入りのスツールや小物をディスプレーする小上がり空間。冬にはここがこたつコーナーになるという。LDKの壁は漆喰、棚の奥は大谷石で空間のアクセントに(写真撮影/飯田照明)

小上がりの下は、段差を利用して引き出し式の大きな収納スペースに。3つある引き出しには季節外のラグやこたつなど模様替え用のファブリック中心。かさばるものも重いものも入って便利(写真撮影/飯田照明)

小上がりの下は、段差を利用して引き出し式の大きな収納スペースに。3つある引き出しには季節外のラグやこたつなど模様替え用のファブリック中心。かさばるものも重いものも入って便利(写真撮影/飯田照明)

世界各国の椅子が20脚以上! 妥協しないインテリア選びの秘訣

リビングの小上がりは、いま和田さんが気になっているものをディスプレーする舞台のようなコーナー。インテリア小物、美術書などの絵になる本、スツール類が無造作に並ぶ。現在、棚にはテイスト別に民族ものやビンテージものなどお気に入りの服がお店のように並び、こまめに模様替えも楽しんでいるという。

ここにある柳宗理(やなぎ・そうり)デザインのバタフライスツール3脚は、20年前に出会って和田さんがインテリアに関心をもつキッカケとなったもの。

棚上段に中国やアフガニスタンの民族ものの衣服、2段目にアメカジやボーダー、3段目にデニム、チノパン、ミリタリー、ビンテージものを分類。その下には3脚のバタフライスツール、手前には部族によってデザインが違うアフリカのスツール類を集めて植物を置いている(写真撮影/飯田照明)

棚上段に中国やアフガニスタンの民族ものの衣服、2段目にアメカジやボーダー、3段目にデニム、チノパン、ミリタリー、ビンテージものを分類。その下には3脚のバタフライスツール、手前には部族によってデザインが違うアフリカのスツール類を集めて植物を置いている(写真撮影/飯田照明)

「曲線的なフォルムの美しさに惹かれて。日本製とは思えないデザインと技術力に驚き、売り場の商品だったので説明できるよう、インテリアの勉強を始めました」

臨時収入があると飲み代に消えていたお金で、このバタフライスツールを買った。そこからスツールに凝り始め、「すっかり椅子フェチ、いまではスツールだけで20脚以上あります(笑)」
※スツールとは背もたれなしの椅子のこと

スツールのなかでも貴重なのが、アフリカ民芸もの。一本の太い木をくり抜いてつくられる接ぎ木のないもので、部族ごとにデザインも違う、木材・技術ともに今やつくることが難しい一点物のアンティーク。そのほか、フィンランドのサウナスツール、スペインの革製ロバなど、国も素材も年代も多様。「好きなモノをイメージして探し続ければいつか出会える」という。

実際、海外のフリーマーケットや近所のアンティークショップまでさまざまなところで出会いがあり、「海外から大荷物を背負って帰ることもしばしば」とのこと。

家具や小物だけでなく、中東、アジア、アフリカなどの民族着やファブリックもコレクションに。「年代を経た手の込んだ一点物を見るとつい買ってしまいます」。ラグは、季節ごとに模様替えを楽しんでいるという。

「家具は捨てるとき大きなゴミになるから買い替えが嫌。買うときは一生ものだと思って慎重に選び、間に合わせで妥協はしない」という和田さん。結婚当初、欲しいローテーブルが2~3年待ちと言われ、納品まで不便でもローテーブル無しで過ごした。当時から人が集まる家にしたいという思いがあり、ダイニングテーブルも2人暮らしには大きい6人掛けサイズを選んだ。その甲斐あって、家族が増え住まいが変わったいまも全て大活躍中だ。

フローリングは全てオーク材、壁は漆喰など大規模なリノベーションだったが、工事中の廃材もなるべく出さないように気遣った。「天井や床も、全て元の素材の上から張ってもらいました。ゴミも出ないし、断熱や防音も兼ねられるので一石二鳥です」。

奥のキッチンは、タイルの色までこだわって妻がデザイン画を作成してイメージを伝えた。左の食器棚はイギリスの100年超えのアンティーク、右は大正末期の水屋箪笥というミックス感。手前のローテーブルが2年待ち、フィンランドのタピオ・ヴィルカラ(写真撮影/飯田照明)

奥のキッチンは、タイルの色までこだわって妻がデザイン画を作成してイメージを伝えた。左の食器棚はイギリスの100年超えのアンティーク、右は大正末期の水屋箪笥というミックス感。手前のローテーブルが2年待ち、フィンランドのタピオ・ヴィルカラ(写真撮影/飯田照明)

既成概念にとらわれず、収納も自由な発想でアレンジ

素敵な一点物を買ってきて置いているだけでは生まれない、異なるインテリアテイストのミックス感が生みだす独自のハーモニーもある。もちろんそれぞれが和田さんのお眼鏡にかなったという前提はあるものの、国も年代もテイストも素材もバラバラなものを組み合わせる秘訣は何だろうか。

「ものをありのままでとらえるのではなく、自由な発想でアレンジして組み合わせを楽しんでいます」。手に入れたものはそのまま使うだけでなく、色を塗ったり、用途を変えたり、パーツを変えたり、ちょっとした手間や工夫で見違えるような変化があるというのだ。

リビングのイギリスのアンティークの食器棚は、背が高く圧迫感があるためひとつのものを上下別々に2カ所で使用。玄関の昭和な下駄箱とリビングに続くアンティークの扉は、形も素材も異なるテイストを合わせるため色を塗る、などDIYのひと手間をかけた。小物を飾る際も、ひとつの下駄箱の上は日本の作家のものでまとめる、一方はアフリカの仮面など、同じテイストのものを固めるのもテクニックのひとつだ。

玄関ドアを開けると、マンションの玄関とは思えない広々した空間にパタパタ扉付きの昭和レトロな下駄箱が2つ。収納としての機能だけでなく、家具の存在そのものが絵になる(写真撮影/飯田照明)

玄関ドアを開けると、マンションの玄関とは思えない広々した空間にパタパタ扉付きの昭和レトロな下駄箱が2つ。収納としての機能だけでなく、家具の存在そのものが絵になる(写真撮影/飯田照明)

苦労して運び込んだという下駄箱の上は、日本の作家ものの陶器をディスプレー。昔の小学校の雰囲気そのままで使うのではなく、黒のペンキを塗り、取っ手を真ちゅうのボタン型に変えることで、波型ガラスが映える雰囲気あるインテリアに早変わり(写真撮影/飯田照明)

苦労して運び込んだという下駄箱の上は、日本の作家ものの陶器をディスプレー。昔の小学校の雰囲気そのままで使うのではなく、黒のペンキを塗り、取っ手を真ちゅうのボタン型に変えることで、波型ガラスが映える雰囲気あるインテリアに早変わり(写真撮影/飯田照明)

「あまり得意ではない」と謙遜しながら、さらにDIYで収納量アップの工夫も。下駄箱は箱内も板で仕切り、収納出来る靴の数を2倍3倍に。この2つに入りきらない靴類は、クロークの壁にDIYで棚を付けて大量に収納している。

出番待ちの靴や衣類を大量に収納するクローク。靴の高さに合わせてIKEAで購入したパーツと板でDIY、木製のネクタイ掛けはBROOKS BROTHERSのショップで使われていたものをDIYした(写真撮影/飯田照明)

出番待ちの靴や衣類を大量に収納するクローク。靴の高さに合わせてIKEAで購入したパーツと板でDIY、木製のネクタイ掛けはBROOKS BROTHERSのショップで使われていたものをDIYした(写真撮影/飯田照明)

上階寝室の窓際には、DIYで天井から帽子掛けを吊るして見せる収納に(写真撮影/飯田照明)

上階寝室の窓際には、DIYで天井から帽子掛けを吊るして見せる収納に(写真撮影/飯田照明)

マンションとは思えない玄関のしつらえ、風が吹き抜ける眺めのいい広々したLDK。世界各国の民芸とミッドセンチュリーが融合したインテリア。「妥協しないから失敗はしない」「いい物を選ぶと収納も楽しくなる」という言葉に納得の美術館のようでいて居心地もいいお住まい。ほぼ毎週末来客があり、年末には20人を超すゲストと忘年会を開いているというのも納得の、居心地の良さを兼ね備えた極上空間でした。

●取材協力
・BEAMS

5月度「中古マンション価格天気図」、下落地域数は28から15地域に減少

(株)東京カンテイは6月28日、2018年5月度「中古マンション価格天気図」を発表した。これは、全国47都道府県のファミリータイプ中古マンション流通事例価格を月ごとに集計し、価格変動を「天気マーク」で表示したもの。それによると、5月は「晴」が14地域から15地域に増加。「雨」は4地域、「曇」は11地域でそれぞれ変わらず。「小雨」は9から8地域に減少。「薄日」は9地域で変わらず。47都道府県のうち前月比価格が下落した地域数は28から15地域に減少した。

首都圏は、東京都が前月比0.1%下落、神奈川県は0.4%下落、千葉県は±0.0%と変わらず。埼玉県は1.1%上昇。首都圏平均は0.8%上昇した。近畿圏は、大阪府が0.7%上昇、兵庫県は0.8%上昇、京都府は0.3%上昇。近畿圏平均は0.8%上昇した。中部圏は、愛知県が1.2%上昇、岐阜県は2.5%上昇、三重県は2.7%下落、静岡県は0.5%上昇。中部圏平均は1.0%上昇した。

北海道は、前月比0.7%上昇し1,588万円、札幌市は0.6%上昇し1,636万円。事例が集中する中央区では1.3%上昇。次いで事例の多い豊平区では1.6%、西区では4.6%それぞれ下落。一方で、北区では4.1%、白石区では2.2%、東区では3.2%それぞれ上昇しており、同市の価格を押し上げた。

宮城県は、1.0%下落し1,996万円、仙台市は1.2%下落し2,042万円。茨城県は、3.6%上昇して1,555万円。同県で最も事例の多いつくば市では0.8%、次いで事例の多い水戸市では3.2%それぞれ上昇し、同県の価格を押し上げた。

広島県は2.8%上昇し2,092万円、広島市は3.9%上昇し2,209万円。広島市では最も事例の多い中区で7.9%、次いで事例の多い西区では3.9%、安佐南区では8.1%とそれぞれ大きく上昇し、同市の価格を押し上げた。

福岡県は、2.8上昇し1,940万円、福岡市は3.6%上昇し2,418万円。事例が集中する中央区では1.3%、次いで事例の多い東区では2.9%、博多区では4.3%、南区では2.3%それぞれ上昇した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

マンション修繕積立金、首都圏平均は1万13円

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は6月25日、2017年度「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金」についての調査結果を公表した。それによると、2017年度に東日本レインズを通して成約した首都圏中古マンションの月額管理費は、1m2当たりの平均で188円(1戸当たり12,086円)、修繕積立金は156円(同10,013円)、合計すると344円(同22,099円)だった。

都県別でみると、1m2当たりの月額管理費は、東京都217円(1戸当たり12,961円)、神奈川県174円(同11,661円)、千葉県146円(同10,744円)、埼玉県154円(同10,487円)。月額修繕積立金は、東京都160円(同9,570円)、神奈川県158円(同10,610円)、千葉県147円(同10,827円)、埼玉県145円(同9,872円)となっている。

ニュース情報元:東日本レインズ

首都圏中古マンション価格、前月比+0.8%と再び上昇

(株)東京カンテイは6月21日、2018年5月度「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70m2価格月別推移」を発表した。それによると、首都圏中古マンション価格は、東京都や神奈川県での事例が増えたことが影響し、前月比+0.8%の3,632万円と再び上昇した。都県別でみると、東京都は-0.1%の4,874万円、神奈川県は-0.4%の2,884万円で、ともに弱含み。千葉県では横ばいの1,997万円、埼玉県ではさいたま市や川口市など主要な行政区が概ね強含んだことで、+1.1%の2,274万円と3月の価格水準を上回った。

近畿圏は主要エリアが牽引し、前月比+0.8%の2,175万円と2月以降は上昇傾向。大阪府では+0.7%の2,378万円と3ヵ月連続上昇、兵庫県では+0.8%の1,885万円と上昇傾向が続いたことで、5ヵ月ぶりに前年同月比がプラスまで回復した。

中部圏は前月比+1.0%の1,806万円、愛知県は+1.2%の1,950万円と揃って1%以上の上昇。愛知県においては、豊田市や安城市など、名古屋市以外の主要な行政区でも総じて1%以上のプラスとなっている。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

収納家具なし! 見せ方・隠し方に技アリのオープン大空間【BEAMS流インテリア(1)】

同期入社で結婚4年目、というプレスの安武俊宏(やすたけ・としひろ)さんとディレクターで現在は産休中の恵理子(えりこ)さん。初めての出産を控えたご夫妻の住まいは、コンクリートむきだしの大空間をガラスの建具で緩やかに区切る、大胆にリノベーションされたマンション。照明や椅子など、インテリアひとつひとつにストーリーがあるものを選び抜いた、アイデアいっぱいの空間を拝見します。●BEAMSスタッフのお住まい拝見・魅せるインテリア術
センス抜群の洋服や小物等の情報発信を続けるBEAMS(ビームス)のディレクター、プレス、ショップスタッフ……。その美意識と情報量なら、プライベートの住まいや暮らしも素敵に違いない! 5軒のご自宅を訪問し、モノ選びや収納の秘訣などを伺ってきました。自分たちらしい空間を求めて中古マンションをモダンにリノベーション

プレスとディレクターという、華やかなお仕事についている安武ご夫妻。ファッションが好きで入社したお2人ですが、洋服はその時々に好きなものを買い、かつ仕事で毎日関わっているので、オフのときは逆にインテリアやライフスタイルを大切にするようになったとのこと。2人の共通の趣味も、インテリアショップや雑貨店巡りと旅行だという。

安武さんは、プレスとして『BEAMS AT HOME』等の書籍制作も担当。この仕事を通して、ますますインテリア熱も高まったという。現在4冊発行されているシリーズの1冊目に、結婚前に2人で住んでいた部屋が掲載され、恵理子さんの名字をプレス権限で「安武」に変えて発行するというサプライズがプロポーズだったというから、公私ともに住まいと縁が深い。

1冊目発行後の2015年1月に結婚、さらに自分たちらしい空間を求めて、2016年1月から家探しを開始。2人とも仕事が忙しいので都心へのアクセス最優先で渋谷区・目黒区・港区に限定し、リノベーション前提なので築年数関係なく、50平米後半の中古マンションを探した。

SUUMOで物件検索して、これはというものがあれば週末ごとに内見へでかけたものの、なかなかピンと来る物件はなかった。さらに条件を新宿区まで広げたところ、神楽坂駅に近く通勤30分、当時築37年60平米のこの物件に巡り合う。既に20件以上見学していたので即決し、それからは5月末契約、仕事仲間に紹介されたデザイナーにリノベーション依頼、8月に完成・入居と、とんとん拍子だった。

リノベーション後の安武さん宅の間取り。玄関を入って廊下正面がLDK空間。寝室にはLDKからも、玄関から直接納戸経由でも出入りすることができる(安武さん提供資料を基にSUUMOジャーナル編集部にて作成)

リノベーション後の安武さん宅の間取り。玄関を入って廊下正面がLDK空間。寝室にはLDKからも、玄関から直接納戸経由でも出入りすることができる(安武さん提供資料を基にSUUMOジャーナル編集部にて作成)

玄関を入って廊下右手に水まわり、左手に寝室、正面の扉奥がLDK。廊下左の壁一面は収納になっている(写真撮影/飯田照明)

玄関を入って廊下右手に水まわり、左手に寝室、正面の扉奥がLDK。廊下左の壁一面は収納になっている(写真撮影/飯田照明)

趣味のインテリアショップ巡りで磨いたセンスで長く使える良いものを選ぶ

リノベーションで元々あった壁や天井、内装などを一度すべて壊してスケルトン状態から出来上がったのは、コンクリートや配管がむき出しのLDKを中心に、書斎兼収納、寝室、玄関・水まわりの3つの空間を黒のガラス入り建具で緩やかに仕切った大空間。約60平米というが、ガラス越しに視線がつながって一体感があるため広く感じる。

インテリアのテイストは、好みの写真などをデザイナーと共有しながら、相談してつくり上げていったという。
休日はお気に入りのインテリアショップ巡りをしているというお2人だけあって、センスも抜群。色味を抑えたモノトーンのモダンなテイストでまとめている。

「インテリアで最初に決めていたのはダイニングの照明。フランスの名作照明でずっと欲しかったけれど工事が必要なので賃貸時代は我慢していたので」という安武さん。「私は毎日使う水まわりにこだわりました。キッチンは造作にしてLDKの中心に、バスルームもホテルライクにしました」という恵理子さん。

多少優先順位は違うものの、美しい物へのこだわりやセンスは一致している。例えば、LDKにある2脚の名作椅子。入居前、新居のインテリアに合うリラックスチェアを探していたところ、繊細で美しいフォルムのポール・ケアホルムPK22に巡り合う。高価なため中古品も探したが条件に合うものがなく、ちょうど発売になった限定モデルが色も素材もぴったりで一脚約50万円を即決したという。ペンダントライトも作家の一点もの。

「2つ欲しかったけど、ひとつでいいじゃないとは言われました(笑)」と安武さん。目線より高い位置にものを置かないことで空間を広く見せ、ぶら下がった照明でメリハリをつけているという。

線が細いフォルムのポール・ケアホルムPK22の60周年記念モデル・グレーのヌバック素材が優しくインテリアに溶け込む。クッションと絨毯(じゅうたん)はモロッコ旅行の際に2人で選んだもの(写真撮影/飯田照明)

線が細いフォルムのポール・ケアホルムPK22の60周年記念モデル・グレーのヌバック素材が優しくインテリアに溶け込む。クッションと絨毯(じゅうたん)はモロッコ旅行の際に2人で選んだもの(写真撮影/飯田照明)

オープンな大空間は収納家具に頼らず、隠すべきものは隠し方にもこだわって

リビングからは、ガラスの建具越しに部屋全体が見渡せる。仕事柄洋服や小物なども多いはずだが、いったいどこに収納しているのか。空間を広く見せるために、大きな収納家具は置かない主義。確かに食器棚も洋服ダンスも見当たらない。

玄関の廊下には、それぞれの靴とバッグ専用の壁面収納を造り付けた。2人合わせて実に靴150足はあるというが、扉を閉めればスッキリ。扉で隠す造作収納は玄関収納のほか、家の中心にあるキッチン収納だ。いわゆる食器棚は置かず、吊戸棚もなく、アイランド型キッチンの下に食器類も全て収納している。

写真左:玄関の壁面上部にロードバイク、反対側は一面4カ所の壁面収納、扉を閉めればスッキリ。写真右:壁面収納はちょうど靴が入る奥行きで、夫婦それぞれの靴やバッグ用。靴だけで安武さん100足、恵理子さん50足は超える(写真撮影/飯田照明)

写真左:玄関の壁面上部にロードバイク、反対側は一面4カ所の壁面収納、扉を閉めればスッキリ。写真右:壁面収納はちょうど靴が入る奥行きで、夫婦それぞれの靴やバッグ用。靴だけで安武さん100足、恵理子さん50足は超える(写真撮影/飯田照明)

食器棚も置かず、アイランドキッチンの下に食器類も収納。「キッチンは造作で細かな仕切りや棚がなかったので、引き出せる棚を通販で探しました」(写真撮影/飯田照明)

食器棚も置かず、アイランドキッチンの下に食器類も収納。「キッチンは造作で細かな仕切りや棚がなかったので、引き出せる棚を通販で探しました」(写真撮影/飯田照明)

衣装持ちのはずだが、衣類はどうしているのか。まずは玄関からも直接出入りできる、便利な寝室のウォークインクローゼット。ここは頻繁に着るシーズンものを中心に、ハンガーパイプに吊るした、オープンで使いやすい収納だ。しかし収納量には限りがある。

LDKとガラスの建具で仕切られた寝室(写真撮影/飯田照明)

LDKとガラスの建具で仕切られた寝室(写真撮影/飯田照明)

寝室奥のウォークインクローゼットはシーズンものの洋服を手前に、奥には頻度低めのスーツやコートがかけられるようになっている(写真撮影/飯田照明)

寝室奥のウォークインクローゼットはシーズンものの洋服を手前に、奥には頻度低めのスーツやコートがかけられるようになっている(写真撮影/飯田照明)

ベッド奥の出窓を利用して本などを見せて収納(写真撮影/飯田照明)

ベッド奥の出窓を利用して本などを見せて収納(写真撮影/飯田照明)

シーズン外の物は書斎兼ウォークインクローゼットにあるというが、一切目に入らない。不思議に思って尋ねると、インテリアにもなる洒落た丸箱には布団が、アンティークの旅行鞄などに季節外の洋服やバッグ類を入れているのだという。クローゼットでさえも生活感なくセンスがいいのは、収納家具に頼らず、さらに収納する入れ物自体もデザインにこだわって選んでいたからだった。ガラス越しに見渡せるひと続きの大空間は、見せ方も隠し方も技ありだった。

机の上にハンガーポールや棚が造り付けられた書斎兼ウォークインクローゼット。一見ただの書斎にしか見えないほど整然としているが、アルミ製のキャンプ用品の収納ケース(机の上部、棚の最上段)やインテリアショップで見つけたデザイン性の高い丸箱(写真右)、アンティークの大型旅行鞄やコンテナ(写真左)に季節外の物を全て収納(写真撮影/飯田照明)

机の上にハンガーポールや棚が造り付けられた書斎兼ウォークインクローゼット。一見ただの書斎にしか見えないほど整然としているが、アルミ製のキャンプ用品の収納ケース(机の上部、棚の最上段)やインテリアショップで見つけたデザイン性の高い丸箱(写真右)、アンティークの大型旅行鞄やコンテナ(写真左)に季節外の物を全て収納(写真撮影/飯田照明)

スノーピークのキャンプ用品の収納ケースは、積み重ねも可能で多目的に使える。現在は季節外の衣類を入れて収納ケースとして棚の最上段で使用(写真撮影/飯田照明)

スノーピークのキャンプ用品の収納ケースは、積み重ねも可能で多目的に使える。現在は季節外の衣類を入れて収納ケースとして棚の最上段で使用(写真撮影/飯田照明)

「長く使えるいいものを」と、2人のアンテナにかかるものをひとつひとつ選んでいった安武夫妻。家にあるもの全てに「インテリアショップで一目惚れした照明」「新婚旅行で訪れたモロッコで気に入った絨毯や写真」「ずっと欲しくて運命的に限定モデルが手に入ったチェア」など、素敵なストーリーがある。隠すものは上手に隠し、好きなモノだけを見渡せる大空間。もうすぐ家族3人になる安武家。お子さんが生まれてからの、お2人のセンスを活かした住まいの変化も楽しみです。

●取材協力
・BEAMS

5月の首都圏中古マンション、成約価格は前年比4.2%上昇

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は6月11日、2018年5月度・首都圏の不動産流通市場動向を公表した。それによると、首都圏中古マンション成約件数は、前年比6.6%減少の2,785件、3ヶ月ぶりに前年同月を下回った。成約m2単価は前年比3.2%上昇し51.07万円/m2、成約価格は前年比4.2%上昇し3,305万円、ともに2013年1月から65ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比プラス1.0%の64.72m2だった。

首都圏中古戸建の成約件数は、前年比マイナス11.5%の973件で2ケタ減となり、5ヶ月連続で前年同月を下回った。成約価格は前年比で3.1%上昇し3,133万円、9ヶ月連続で前年同月を上回った。土地面積は前年比マイナス1.6%の142.50m2、建物面積は前年比でほぼ横ばいの105.01m2だった。

ニュース情報元:東日本レインズ

5月の首都圏中古マンション、成約価格は前年比4.2%上昇

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は6月11日、2018年5月度・首都圏の不動産流通市場動向を公表した。それによると、首都圏中古マンション成約件数は、前年比6.6%減少の2,785件、3ヶ月ぶりに前年同月を下回った。成約m2単価は前年比3.2%上昇し51.07万円/m2、成約価格は前年比4.2%上昇し3,305万円、ともに2013年1月から65ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比プラス1.0%の64.72m2だった。

首都圏中古戸建の成約件数は、前年比マイナス11.5%の973件で2ケタ減となり、5ヶ月連続で前年同月を下回った。成約価格は前年比で3.1%上昇し3,133万円、9ヶ月連続で前年同月を上回った。土地面積は前年比マイナス1.6%の142.50m2、建物面積は前年比でほぼ横ばいの105.01m2だった。

ニュース情報元:東日本レインズ

【ファミリー編】新宿駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング

住まい選びをする際、立地は重要なポイントのひとつ。そこで、都内屈指のターミナル駅・新宿駅まで30分圏内という交通の利便性がいいエリアにある、中古マンションの価格相場を調査! これまで2回にわたってシングル編、DINKS編を紹介してきたが、第3弾となる今回は駅徒歩15分圏内にある、専有面積70平米以上~100平米未満の物件を対象にした、ファミリー向けの中古マンションの物件相場が安い駅トップ10を紹介する。●ファミリー向け 新宿駅まで30分圏内の物件相場が安い駅TOP10駅
順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/新宿駅までの所要時間)
1位 読売ランド前 2580万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市/27分)
2位 与野本町 2680万円(JR埼京線/埼玉県さいたま市/29分)
3位 百合ヶ丘 2690万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市/29分)
4位 京王稲田堤 2800万円(京王相模原線/神奈川県川崎市/25分)
5位 生田 2880万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市/25分)
6位 稲城 2980万円(京王相模原線/東京都稲城市/29分)
7位 北戸田 2985万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/25分)
8位 日野 3080万円(JR中央線/東京都日野市/30分)
8位 蕨 3080万円(JR京浜東北線/埼玉県蕨市/25分)
10位 戸田 3190万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/23分)

DINKS編と合わせて見ると2人以上の世帯必見のエリアが明らかに

最も価格相場が安かったのは、小田急小田原線・読売ランド前駅。専有面積40平米以上~70平米未満の物件を対象に物件相場を調査した前回の「DINKS編」調査でも1位になっており、今回の結果も考え合わせると専有面積40平米以上~100平米未満の価格相場が安い物件を探すなら、まず読売ランド前駅はチェックしたほうがよさそうだ。

2位のJR埼京線・与野本町(よのほんまち)駅は、「DINKS編」では3位にランクインしていた。駅に直結してドラッグストアやスーパーなどが並ぶ「ビーンズ与野本町」が備わり、駅周辺には住宅街が広がっている。駅の1.5kmほど北東側にさいたま新都心駅が、また与野本町駅からJR埼京線に乗り2駅で大宮駅があり、そちらのほうへ行くと商業施設はより充実している。

与野本町駅(写真/PIXTA)

与野本町駅(写真/PIXTA)

1位と2位以外にも、「DINKS編」トップ10にランクインした駅がある。それは4位の京王相模原線・稲田堤駅(DINKS編は2位)、5位の小田急小田原線・生田駅(同5位)、7位のJR埼京線・北戸田駅(同4位)、10位のJR埼京線・戸田駅(同6位)。これらのエリアは、2人暮らし以上の世帯が新宿駅まで30分圏内で住まい探しをする際は要チェックだ。

駅前だけでなく隣接駅など周辺環境も暮らすうえでは要チェック

3位は小田急小田原線・百合ヶ丘駅。1駅新宿寄りには1位の読売ランド前駅、小田原方面に1駅進むと快速急行が停まる新百合ヶ丘駅がある。お隣の新百合ヶ丘駅のほうが住宅地として人気があり駅前も発展しているが、物件相場は4390万円と百合ヶ丘駅の1.6倍超! 一方で百合ヶ丘駅の周辺も生活に必要な施設はそろっているし、必要に応じて新百合ヶ丘駅にもすぐ行ける。物件相場を考えると、新百合ヶ丘駅よりも百合ヶ丘駅のほうが穴場といえるかもしれない。

新百合ヶ丘駅前(写真/PIXTA)

新百合ヶ丘駅前(写真/PIXTA)

8位になると3000万円台に突入する。8位は物件相場が同額の3080万円だったJR中央線・日野駅とJR京浜東北線・蕨(わらび)駅。両駅ともに駅前にはスーパーやドラッグストア、飲食店などの商業施設が充実し、日常の買い物に困らない環境。また、日野駅からJR中央線で高尾方面へ行った1駅目の豊田駅前には「イオンモール多摩平の森」が、蕨駅からバスで10分弱の場所には「イオンモール川口前川」がある。どちらも100店舗以上が入っており、こうした大型ショッピングモールがあるのは都心部とは違った魅力だろう。

さて、3回にわたって新宿駅まで30分圏内にある中古マンションの価格相場が安い駅ランキングをお届けしてきた。ランキングを振り返ると新宿までのアクセスを重視しつつお得な中古マンションを探すなら、シングル向けは1000万円台後半、DINKS向けは1900万円台~2300万円台、ファミリー向けは2500万円台~3000万円台の予算が目安となる様子。この価格帯を大きく上回る物件の場合は、築浅であるとか、新宿にとても近い立地であるなど、それに見合った魅力がある物件なのかをもう一度見直すといいだろう。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている新宿駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、築年数40年未満、物件価格3億円以下、専有面積70平米以上100平米未満の物件(敷地権利は所有権のみ)
【データ算出期間】2017年3⽉1⽇~2018年2⽉28⽇
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、平日の日中時間帯の検索結果から算出(乗換回数は問わない)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

中古マンション価格天気図、下落地域数が増加

(株)東京カンテイは5月31日、2018年4月度「中古マンション価格天気図」を発表した。これは、全国47都道府県のファミリータイプ中古マンション流通事例価格を月ごとに集計し、価格変動を「天気マーク」で表示したもの。それによると、4月は「晴」が15地域から14地域に減少。「雨」は4地域で変わらず。「曇」は7から11地域に増加。「小雨」は8から9地域に増加。「薄日」は13から9地域に減少。全国で天候が改善したのは11から9地域に減少した。横ばいは29から22地域に減少、悪化は7から16地域に急増し、下落傾向。47都道府県のうち前月比価格が下落した地域数は20から28地域に増加した。

首都圏は、東京都が前月比0.1%上昇、神奈川県は±0.0%で横ばい。千葉県は0.6%下落、埼玉県は0.4%下落。首都圏平均は0.4%下落した。近畿圏は、大阪府が0.2%上昇、兵庫県は1.1%上昇、京都府は1.0%上昇。郊外部は滋賀県が1.6%下落、奈良県は4.1%下落。近畿圏平均は0.2%上昇した。中部圏は、愛知県が0.2%下落、岐阜県4.0%下落、三重県0.2%下落、静岡県0.1%下落。中部圏平均は0.2%下落した。

北海道は、前月比0.1%下落し1,577万円、札幌市も0.7%下落し1,627万円。事例が集中する中央区では1.0%、次いで事例の多い豊平区では0.5%、北区では1.8%それぞれ下落し、同市の価格を押し下げた。宮城県は、0.9%上昇し2,016万円、仙台市も1.1%上昇し2,067万円。事例数が市内で最も多い青葉区では0.7%、次いで事例の多い太白区では2.1%、宮城野区では0.7%、若林区では1.8%それぞれ上昇し、同市の価格が上昇した。

福岡県は、0.1%下落し1,888万円、福岡市は反対に0.2%上昇し2,334万円となった。福岡市では事例が集中する中央区で0.3%、南区で1.2%、西区で0.4%それぞれ下落。一方で、東区で1.3%、博多区で1.3%、早良区で3.3%それぞれ上昇し、同市の価格を押し上げた。沖縄県は、1.2%上昇し2,945万円。同県で事例数最多の那覇市で1.5%、次いで事例の多い浦添市では0.4%、宜野湾市では6.7%それぞれ上昇し、同県の価格が上昇した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

【DINKS編】新宿駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング

前回に引き続き、都内屈指のターミナル駅・新宿駅まで30分圏内にある中古マンションの価格相場を調査した結果をランキング。今回は駅徒歩15分圏内にある、専有面積40平米以上~70平米未満の物件を対象にした、共働きで子どもがいない世帯「DINKS」向けの中古マンションの物件相場が安い駅トップ10を紹介する。前回のシングル向け物件のランキングとはトップ10の顔ぶれがガラッと変化。さっそく結果を見ていこう。●DINKS向け 新宿駅まで30分圏内の物件相場が安い駅TOP10駅
順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/新宿駅までの所要時間)
1位 読売ランド前 1980万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市/27分)
2位 京王稲田堤 2170万円(京王相模原線/神奈川県川崎市/25分)
3位 与野本町 2180万円(JR埼京線/埼玉県さいたま市/29分)
4位 北戸田 2200万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/25分)
5位 生田 2230万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市/25分)
6位 戸田 2280万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/23分)
6位 中浦和 2280万円(JR埼京線/埼玉県さいたま市/30分)
8位 朝霞台 2315万円(東武東上線/埼玉県朝霞市/25分)
9位 北朝霞 2340万円(JR武蔵野線/埼玉県朝霞市/29分)
10位 花小金井 2365万円(西武新宿線/東京都小平市/28分)

日常生活も休日も充実して過ごせる環境の駅「読売ランド前」が1位に

1位は物件相場が1980万円だった小田急小田原線・読売ランド前駅。名前の通り、駅からバスに約10分乗ると遊園地「よみうりランド」にたどり着く。駅北側にはよみうりランドのほかに日本女子大学のキャンパスが広がり、雑木林に囲まれた「多摩自然遊歩道」など豊かな自然が残されている。また、駅前にスーパーがあるほか、生鮮食品店やハム・ソーセージが評判高い精肉店、地元に愛される洋菓子店などが並ぶ商店街がある。休日のレジャースポットにも日用品の買い出しにも困らない、住みやすそうな街並みだ。

よみうりランド(写真/PIXTA)

よみうりランド(写真/PIXTA)

2位以下は物件相場が2000万円台に突入する。2位の京王相模原線・京王稲田堤駅は物件相場2170万円で、駅の400mほど東にJR南武線・稲田堤駅があり2路線を利用できる。両駅を結ぶ通り沿いに商店街があるほか、2つの駅の周辺には飲食店も点在。駅の北側に進むと多摩川が流れており、川を渡ると東京都調布市という立地だ。

トップ10の駅は立地も路線もバラエティ豊かな顔ぶれ

トップ10の中で新宿駅まで最短で行けるのは、所要時間が約23分という6位のJR埼京線・戸田駅。物件相場は2280万円で、中浦和駅も同額だった。JR埼京線は行き先が複数あり、新木場行きならば池袋駅、新宿駅を経由して渋谷駅や大井町駅にも1本で行くことが可能。戸田駅直結の「ビーンズ戸田」にはスーパーやカフェがあり、駅前にはスーパーや100円ショップ、書店や家電量販店が3フロアにわたって展開する商業ビル「T-FRONTE」も。首都圏のベッドタウンとして親しまれる街だけあって、商業施設の充実ぶりは申し分なさそうだ。

8位の東武東上線・朝霞台駅と9位のJR武蔵野線・北朝霞駅は、駅舎こそ別々だが屋根のある連絡通路で結ばれており、雨の日もぬれずに乗り換えが可能。両駅の駅前広場を囲むように飲食チェーン店があるほか、周辺にはスーパーや銀行も点在している。

朝霞台駅 北口駅前(写真/PIXTA)

朝霞台駅 北口駅前(写真/PIXTA)

さて、トップ10の駅を振り返ってみると、10位・花小金井駅以外は東京都外という結果だった。一方で前回のシングル編では11駅中10駅が東京都内の駅。シングル向けの広さなら都内にも手ごろな物件が豊富にあるが、40平米以上となると東京都以外のエリアに価格面で軍配が上がるようだ。

しかし都外とはいえ新宿駅まで30分圏内なら、通勤・通学の面でも許容範囲といえるだろう。「都民」という点にこだわらず、所要時間を基準に住まい探しの範囲を広げたら、お気に入りの物件に出合えるチャンスも広がりそう。今回のランキングを参考に、中古マンションをチェックしてみてはいかがだろう。

次回は専有面積70平米以上・100平米未満に絞った、ファミリー向けの中古マンションの物件相場ランキングを紹介する。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている新宿駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、築年数40年未満、物件価格3億円以下、専有面積40平米以上70平米未満の物件(敷地権利は所有権のみ)
【データ算出期間】2017年3⽉1⽇~2018年2⽉28⽇
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、平日の日中時間帯の検索結果から算出(乗換回数は問わない)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

中古マンション価格、首都圏は下落、近畿圏は3ヵ月連続上昇

(株)東京カンテイは5月24日、2018年4月度「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70m2価格月別推移」を発表した。同社データベースに登録された中古マンションの“売り希望価格”を行政区単位に集計・算出し、70m2に換算したもの。対象はファミリータイプのみ(専有面積30m2未満の住戸、事務所・店舗用は集計から除外)。

それによると、4月の首都圏中古マンション価格は、全域で強含んだ前月から一転して伸び悩み、前月比-0.4%の3,604万円と再び下落した。都県別では、東京都は+0.1%の4,881万円と僅かに強含み。神奈川県は横ばいの2,897万円、埼玉県は-0.4%の2,249万円、千葉県は-0.6%の1,997万円と小幅な下落となった。

近畿圏平均は、前月比+0.2%の2,158万円と僅かながら3ヵ月連続で上昇。大阪府は+0.2%の2,361万円、兵庫県は+1.1%の1,870万円と上昇傾向。特に、兵庫県については上昇率が拡大し続けたことで、前年同月の価格水準目前まで持ち直しつつある。

中部圏平均は前月比-0.3%の1,789万円、愛知県は-0.2%の1,927万円と僅かながら揃って下落した。愛知県においては、名古屋市に次いで価格水準が高い豊田市や安城市でも弱含んだ。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

4月の首都圏中古マンション成約価格、前年比3.7%上昇の3,364万円

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は5月14日、2018年4月度・首都圏の不動産流通市場動向を公表した。それによると、首都圏中古マンションの成約件数は、前年比で2.3%増加し3,237件、3月に続き前年同月を上回った。成約m2単価は前年比3.3%上昇の52.04万円/m2、成約価格は前年比3.7%上昇の3,364万円と、ともに2013年1月から64ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比プラス0.4%の64.65m2だった。

首都圏中古戸建の成約件数は、前年比2.3%減少の1,100件、4ヶ月連続で前年同月を下回った。成約価格は前年比2.9%上昇の3,098万円、8ヶ月連続で前年同月を上回った。土地面積は前年比プラス1.8%の148.95m2、建物面積は前年比プラス0.3%の105.37m2だった。

ニュース情報元:東日本レインズ

【シングル編】新宿駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング

住まい探しをするときの条件はさまざまあるが、立地も重要なポイントのひとつ。日々繰り返される通勤・通学や、買い物や遊びに出かける際の利便性は生活の質を大きく左右する。その点、都内屈指のターミナル駅である新宿駅にアクセスしやすい立地なら何かと便利だろう。そこで、新宿駅まで30分圏内にある中古マンションの価格相場を調査。シングル、DINKS、ファミリー、それぞれに適した広さの物件にわけて、価格相場が安い駅トップ10をランキングしてみた。今回は駅徒歩15分圏内にある、専有面積20平米以上~40平米未満の物件を対象にした、シングル向け中古マンションの物件相場が安い駅トップ10を紹介しよう。

●シングル向け 新宿駅まで30分圏内の物件相場が安い駅TOP10駅
(順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/新宿駅までの所要時間)
1位 大島 1090万円(都営新宿線/東京都江東区/24分)
2位 小竹向原 1480万円(東京メトロ有楽町線ほか/東京都練馬区/17分)
3位 西川口 1485万円(JR京浜東北線/埼玉県川口市/23分)
4位 桜台 1570万円(西武池袋線/東京都練馬区/19分)
5位 練馬 1630万円(西武池袋線ほか/東京都練馬区/17分)
6位 中村橋 1699万円(西武池袋線/東京都練馬区/23分)
7位 中板橋 1719万円(東武東上線/東京都板橋区/19分)
8位 新桜台 1720万円(西武有楽町線/東京都練馬区/19分)
9位 大山 1730万円(東武東上線/東京都板橋区/17分)
10位 江古田 1765万円(西武池袋線/東京都練馬区/18分)
10位 新江古田 1765万円(都営大江戸線/東京都中野区/15分)

1位は1100万円以下! 急行も停車し、新宿まで1本で楽々

最も物件相場が安かったのは、2位に390万円も差をつけて1090万円という結果となった都営新宿線・大島駅。駅の北側はURの団地や小中高校が点在しており、マンションはどちらかというと南側に多く見られる。駅の北側・南側ともにスーパーや商店街があり、下町っぽさが残る落ち着いた住環境だ。新宿駅までの所要時間はランクインした11駅中で最も長い約24分だが、平日10時~16時台、土日祝7時~18時台に走る急行を利用すれば最短約17分で新宿に到着。通勤・通学の時間帯には利用できなくても、休日には急行でサッと新宿駅に出られるのは魅力的だろう。

2位は物件相場が1480万円の小竹向原(こたけむかいはら)駅がランクイン。同駅は東京メトロの有楽町線・副都心線が通っているほか、西武有楽町線の終点駅でもある。東京メトロ有楽町線・副都心線に乗るとわずか3駅で池袋駅に到着。そのまま有楽町線で進むと永田町駅や銀座一丁目駅へ、副都心線なら新宿三丁目駅や渋谷駅、横浜駅へ。池袋駅からJR埼京線に乗り換えれば新宿駅に出ることができ、多方面への交通の便がいい点が大きな魅力だ。

3位はトップ11駅中で唯一、東京都外に位置する埼玉県川口市のJR京浜東北線・西川口駅。駅に直結してショッピングセンター「ビーンズ西川口」があり、肉・魚・青果の専門店や惣菜店、書店などが利用できる。駅周辺には飲食店も豊富なので、「今日は料理したくない……」なんて日も帰宅途中に気軽に外食できるのがうれしいところ。ランクインした駅で唯一のJR線が走る駅でもあり、JR京浜東北線に乗ると1本で東京駅や新橋駅、品川駅、横浜駅にも行くことができる。

西川口駅(写真/PIXTA)

西川口駅(写真/PIXTA)

重視するのは安さ? それともアクセスの良さ? 新宿駅までの早さ重視なら新江古田駅

トップ11駅中で新宿駅までの所要時間が最短だったのは、乗り換えせずに約15分で新宿駅に着く10位の都営大江戸線・新江古田(しんえごた)駅。駅前にはスーパーとドラッグストアがあり、日用品や食料の買物はここで済ませられるだろう。駅から北に約10分歩くと、同じく10位の西武池袋線・江古田(えこだ)駅にたどり着く。池袋駅に出るなら江古田駅から西武池袋線を利用し、新宿駅なら新江古田駅から都営大江戸線……、と行き先に応じて2路線を使い分けてもよさそうだ。

1位と10位では物件相場に675万円もの開きがあった今回のランキング。新宿駅までの所要時間がそれぞれ約17分だった2位・小竹向原駅(物件相場1480万円)、5位・練馬駅(同1630万円)、9位・大山駅(同1730万円)の3駅でも物件相場は異なっており、新宿駅までの所要時間と物件相場が比例するわけではない結果となった。

所要時間が同じなら、とにかく安いほうがいいのか、街の環境を優先するのか、物件自体の質にこだわるのか……。「中古マンション選びは失敗したくない!」と慎重になるあまり、自分なりの判断基準が定まっていないと延々と悩み続けることになりそうだ。物件探しをする前に一度、物件に求める優先順位を決めておくといいかもしれない。

さて、シングル向け情報を紹介した今回に続き、次回はDINKS向けに専有面積40平米以上・70平米未満の中古マンションの物件相場ランキングを紹介したい。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている新宿駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、築年数40年未満、物件価格3億円以下、専有面積20平米以上40平米未満の物件(敷地権利は所有権のみ)
【データ算出期間】2017年3⽉1⽇~2018年2⽉28⽇
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、平日の日中時間帯の検索結果から算出(乗換回数は問わない)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

3月の中古マンション価格、首都圏平均は0.6%上昇

(株)東京カンテイは4月26日、2018年3月度「中古マンション価格天気図」を発表した。「中古マンション価格天気図」は、全国47都道府県のファミリータイプ中古マンション流通事例価格を月ごとに集計し、価格変動を「天気マーク」で表示したもの(30m2未満の住戸、事務所・店舗は除外、リゾートマンションを除く)。

それによると、3月は「晴」が15地域で変わらず、「雨」は5から4地域に減少。「曇」は4から7地域に増加、「小雨」は10から8地域に減少、「薄日」は13地域で変わらず。47都道府県のうち前月比価格が下落した地域数は、21から20地域に減少した。

三大都市圏をみると、首都圏は東京都が前月比1.0%上昇、神奈川県0.7%上昇、千葉県2.1%上昇、埼玉県2.1%上昇。首都圏平均は0.6%上昇した。近畿圏は、大阪府が1.1%上昇、兵庫県0.8%上昇、京都府は横ばい。滋賀県0.2%下落、奈良県0.4%下落。近畿圏平均は1.0%上昇した。中部圏は、愛知県が±0.0%と変わらず。岐阜県は1.1%下落、三重県1.8%上昇、静岡県4.7%上昇。中部圏平均は1.1%上昇した。

地方圏では、北海道は前月比1.6%上昇し1,579万円、札幌市も1.5%上昇し1,639万円。宮城県は0.6%上昇し1,997万円、仙台市も0.6%上昇し2,045万円となった。広島県は0.4%下落し2,034万円、広島市も0.5%下落し2,136万円。広島市では最も事例の多い中区で0.7%、次いで事例の多い西区では0.5%、安佐南区では2.5%それぞれ上昇し、南区では5.2%下落した。

愛媛県は、0.5%上昇し1,528万円。同県で最も事例の多い松山市で0.3%、次いで事例の多い新居浜市で1.2%それぞれ上昇し、同県の価格が上昇した。福岡県は0.6%下落し1,890万円、福岡市も1.9%下落し2,329万円となった。福岡市では事例が集中する中央区で1.5%、東区で3.4%、西区で0.9%、早良区で5.0%それぞれ下落し、同市の価格を押し下げた。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

2017年中古マンション、高騰地域トップは「港区虎ノ門5丁目」

(株)マーキュリー(東京都新宿区)はこのほど、2015年から2017年の3年間における中古マンション市場を分析し、その結果を発表した。それによると、中古流通物件が新築時の価格よりも高騰したエリアが、2015年から2016年にかけて大幅に増加。特に20%以上上昇したエリアは135→205エリアで、1.51倍となった。2016年から2017年にかけても20%以上の上昇エリアの割合が増加しているが、205→232エリアで増加率は1.13倍と緩やかな上昇となった。

一方で、2017年は価格の下落率が20%未満のエリアは減少したものの、20%以上下落したエリアは昨年比で1エリア増加しており、足立区・江戸川区・葛飾区等の城東方面を中心に、下落傾向は継続して見られる。

2017年中古マンション地域別・最寄駅別のランキングを見ると、最も高騰した地域は「港区虎ノ門5丁目」(+113.5%)、2位「渋谷区渋谷1丁目」(+85.5%)、3位「港区元麻布1丁目」(+81.0%)。最も高騰した最寄駅は「新御茶ノ水駅(千代田線)」(+70.3%)、2位「人形町駅(都営浅草線)」(+64.5%)、3位「品川駅(横須賀線)」(+57.2%)。

また、2017年中古マンション地域別で最も下落したのは「葛飾区東水元5丁目」(-45.8%)、最寄駅別では「南鳩ヶ谷駅(埼玉高速線)」(-26.3%)だった。

ニュース情報元:(株)マーキュリー

中古マンション価格、首都圏は4ヵ月ぶりに上昇、近畿圏は直近で最高値

(株)東京カンテイは4月19日、2018年3月度「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70m2価格月別推移」を発表した。
これは、同社のデータベースに登録された中古マンションの“売り希望価格”を行政区単位に集計・算出し、70m2に換算したもの。対象はファミリータイプのみ(専有面積30m2未満の住戸、事務所・店舗用は集計から除外)。

それによると、3月の首都圏中古マンション価格は、全域で築浅物件からの事例が増えたことから、前月比+0.6%の3,619万円と4ヵ月ぶりに上昇した。都県別では、東京都は+1.0%の4,874万円とプラスに転じ、神奈川県は+0.7%の2,897万円と上昇傾向を維持。埼玉県は+2.1%の2,257万円、千葉県でも+2.1%の2,010万円と、2%以上のプラスとなった。

近畿圏平均は主要エリアが強含み、前月比+1.0%の2,153万円と引き続き上昇、2017年12月に記録していた直近での最高値(2,143万円)を上回った。大阪府は+1.1%の2,357万円、兵庫県は+0.8%の1,849万円と、中心都市での価格上昇がエリア平均を押し上げた。

中部圏平均は前月比+1.1%の1,794万円と上昇。愛知県は横ばいの1,931万円と上昇傾向が一服。愛知県内の行政区では上昇鈍化や弱含み傾向。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

2017年の中古住宅購入者、リフォーム費平均は298.7万円

(株)ホームプロ(東京都中央区)は、「2017年 リフォーム実態調査」を行い、そのうち“中古住宅購入者”に絞った集計結果を発表した。対象はホームプロ利用者で「中古物件を購入した」「中古物件を購入予定」だった方。集計期間は2017年1月1日~12月31日。集計数は1,148サンプル。

それによると、中古住宅購入者がリフォームにかけた費用の平均は298.7万円だった。リフォーム実施者全体の平均218.5万円と比べると、約80万円高かった。物件種別では、マンションの平均費用が260.6万円、戸建住宅が362.3万円で、戸建住宅の方が約100万円高い。

中古住宅購入者がリフォームした物件の築年数は「築11~20年」が最も多く38.2%。「築21~30年」は27.2%、「築31年以上」は22.5%だった。リフォーム実施者全体と比べ、中古住宅購入者は築年数の浅い物件の割合が高いものの、築21年以上がほぼ半数、築31年以上が2割以上を占めている。

中古住宅購入者がリフォーム会社と工事契約までにかかった日数の平均値は61.0日で、リフォーム実施者全体(平均値71.6日)より10日短い。工事契約日からリフォーム工事が完了するまでにかかった日数の平均値は66.8日、リフォーム実施者全体(平均値60.6日)と比べて6日長かった。

ニュース情報元:(株)ホームプロ

1~3月期の中古マンション、成約価格は前年比6.8%上昇

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は、首都圏(1都3県)における2018年1~3月期・不動産流通市場の動向を発表した。それによると、1~3月期の中古マンション成約件数は、前年比で1.6%減少し9,884件、17年10~12月期に続いて前年同期を下回った。成約m2単価は前年比で4.8%上昇し51.65万円/m2、13年1~3月期から21期連続で前年同期を上回った。成約価格も前年比で6.8%上昇し3,361万円と、12年10~12月期から22期連続で前年同期を上回った。専有面積は前年比2.0%上昇の65.06m2だった。

中古戸建の成約件数は、前年比で5.5%減少し3,137件、5期連続で前年同期を下回った。成約価格は前年比で5.1%上昇し3,239万円、17年10~12月期に続いて前年同期を上回った。土地面積は前年比マイナス0.05%の145.78m2、建物面積は前年比プラス0.7%の106.12m2と、ほぼ横ばいだった。

ニュース情報元:東日本レインズ

17年の首都圏中古マンション、成約物件価格は5年連続上昇

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は4月17日、首都圏の2017年度(2017年4月~2018年3月)不動産流通市場の動向を発表した。
それによると、2017年度・首都圏中古マンションの成約件数は37,172件(前年度比0.7%減)で、3年ぶりに前年度を下回った。しかし、過去最高だった前年度に続き、37,000件台となっている。成約物件の1m2当たり単価は首都圏平均50.63万円(前年度比4.5%上昇)で、5年連続上昇し1994年度以来23年ぶりに50万円台。成約物件価格は3,253万円(前年度比5.7%上昇)で、m2単価と同様に5年連続で上昇し、3,200万円台。都県・地域別に見ても、すべての都県・地域で上昇している。

首都圏中古戸建の成約件数は12,560件(前年度比3.7%減)で、3年ぶりに前年度を下回った。成約物件価格は首都圏平均で3,111万円(前年度比2.5%上昇)と4年連続で上昇し、3,100万円台。成約物件を価格帯別に見ても、3,000万円以上の各価格帯で比率が拡大している。成約物件の平均土地面積は147.69m2(前年度比0.5%縮小)、建物面積は105.93m2(同0.3%拡大)。平均築年数は20.95年(前年度20.89年)だった。

首都圏土地(100~200m2)の成約件数は5,848件(前年度比4.3%減)で、3年ぶりに前年度を下回った。都県・地域別に見ると、神奈川県他(横浜・川崎以外)地域(および神奈川県全体)を除く各都県・地域で減少している。成約物件の1m2当たり単価は首都圏平均で19.79万円(前年度比2.6%上昇)。都県・地域別に見ると、千葉県と神奈川他地域(および神奈川県全体)を除く各都県・地域で上昇している。成約物件価格は2,874万円(前年度比2.8%上昇)で、3年連続で前年度を上回っている。

ニュース情報元:東日本レインズ

3月の首都圏中古マンション成約価格、前年比7.1%上昇の3,369万円

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は4月10日、2018年3月度・首都圏の不動産流通市場動向を公表した。
それによると、首都圏中古マンションの成約件数は、前年比で2.7%増加し3,819件、3ヶ月ぶりに前年同月を上回った。成約m2単価は前年比で5.7%上昇し52.11万円/m2、成約価格は前年比7.1%上昇し3,369万円と、ともに2013年1月から63ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比1.3%拡大の64.66m2だった。

中古戸建の成約件数は、前年比2.0%減少の1,274件、3ヶ月連続で前年同月を下回った。成約価格は前年比6.9%上昇の3,275万円、7ヶ月連続で前年同月を上回った。土地面積は前年比マイナス1.2%の146.50m2、建物面積は前年比プラス1.8%の106.57m2だった。

ニュース情報元:東日本レインズ

マンションなのに「土間」がある? 静かなブームになりつつあるそのワケは

最近、マンションで「土間」が静かなブームになっているって、知っていますか?  土間といえば、昔の日本家屋のイメージが強いけれど、実用的かつオシャレな空間として、いま見直されているようです。早速、その実態を取材しに出かけました。
なぜ、マンションに土間? 住まい選びの変化も関係していた

「土間ブームは急にやってきたわけでなく、以前からニーズがありました。自分たちらしいライフスタイルを実現したいと考えている人たちにとって、土間という空間は生活にゆとりをもたらすものとして、選択肢の一つによくあがります」
そう話すのは一戸建てからマンション、ホテルまで多彩なリノベーション事業を手掛ける株式会社リビタの山田笑子(やまだ・えみこ)さん。

その背景には住まい選びの変化も関係しているようです。
「都心部を中心に新築マンション価格が上がったこともあり、中古マンションを購入してリノベーションする選択肢が定着しています。むしろ、そうやってカスタマイズされた住まいにこそ価値を見出す、そんな人たちが増えていることを実感しますね」(同)

日々たくさんのリノベーションをサポートする山田さん(写真撮影/ブリーズ)

日々たくさんのリノベーションをサポートする山田さん(写真撮影/ブリーズ)

なるほど、あえて新築ではなく、中古マンションをリノベーションして自己実現する。その中の魅力的な空間のひとつとして、土間が注目されているということですね。そこで、実際に土間のあるマンションに暮らすMさん(練馬区)を訪ねました。

趣味のアウトドアを感じられ、実用性も高い土間にこだわり

Mさん宅の玄関を入ると、おー、土間があります。そこには趣味の自転車やベビーカーなどが並び、土間から続くフリースペースと合わせて、ゆったりした広がりが感じられる空間です。築25年ほどの中古マンション(約76平米/3LDK)を購入し、株式会社リビタに依頼してフルリノベーションしたそうです。

Mさん宅の玄関ドアを入ると土間+フリースペースが広がっていた(写真撮影/ブリーズ)

Mさん宅の玄関ドアを入ると土間+フリースペースが広がっていた(写真撮影/ブリーズ)

「子どもの誕生に合わせて家探しをしました。注文住宅や建売住宅から新築&中古マンションまで、幅広く情報を集め見学しましたが、なかなかピンとくる物件に出合えませんでした。そんなときフルリノベーションするという手法を知り、同時に土間のある住まいがアウトドア派の私たちにピッタリと確信しました」(Mさん)

玄関に土間があることで、汚れがちなテントなどのキャンプ道具を管理しやすく、雨の日は濡れた衣類や荷物なども土間で手入れすれば、居室内を汚さずに済むといいます。近い将来、ちょっとした子どもの遊び場にもなりそう。土間はとても実用的で便利な空間なんですね。

「土間とフリースペースをはじめ部屋のレイアウトを大きく変更、まるで注文住宅のようなこだわりを詰め込むことができました」とMさん。築年数からして、共用設備などの若干の古さは目につくものの、管理はしっかりしていて、ここ10年で大きく値崩れしていることもなかったそう。それでも新築マンションに比べれば、リノベーション費用を加味しても安く済んだと満足の様子です。

左/リノベーション前につくってもらった模型。左上が土間 右/リノベーション前の写真を見せてくださったMさん(写真撮影/ブリーズ)

左/リノベーション前につくってもらった模型。左上が土間 右/リノベーション前の写真を見せてくださったMさん(写真撮影/ブリーズ)

古くて新しい空間、それが土間 活用法は広がっている

昔の日本の家にあった土間はどんなイメージでしょうか。土のついた野菜があったり、飲料水をためてあったり、炊事場だったり……。まあ、何か作業をする場所で、床はコンクリートやタイル、漆喰を塗り固めた素材でできていました。その性格上、防水性に優れている必要があったわけですね。

そうした土間は、いまでは狭い玄関に集約されるようになったと考えられます。そしていま、趣味と実益を兼ねた空間として、あえて設置されるケースが増えているというわけです。

では、実際にはどのように活用されているのでしょうか。「玄関の延長でいえば土間収納も人気です。また水まわりを土間にすることで掃除やお手入れが楽ですし、インナーテラスのように土間をつくれば癒やしの空間にもなります。さらに、コンクリートやタイル敷きにしないでも、あえて段差を付けることで土間風なメリハリをつける空間づくりもありますね」(山田さん、以下同)

土間は家の中なのに土足OKの空間。役割としては、家の外でも中でもない中間領域です。「住まいの中に、あえてきちんとしていない空間があることが貴重なのかもしれませんね。そのことで暮らしの中にゆとりが生まれる。それが土間が支持されるひとつの理由だと思います」

左/コンパクトでも土間をつくることで共用部からの視線を気にせず明るい空間に 右/広い面積の土間をつくることで自由な領域が増える一戸建て事例(写真提供/株式会社リビタ)

左/コンパクトでも土間をつくることで共用部からの視線を気にせず明るい空間に 右/広い面積の土間をつくることで自由な領域が増える一戸建て事例(写真提供/株式会社リビタ)

今回見てきたリノベーションマンションだけでなく、最近は賃貸のワンルームでも土間のあるマンションが少しずつ増えているようです。限られた広さの中でもメリハリがきいた空間の演出が人気の理由でしょう。土間ブームはこの先も根強く続きそうですね。

●取材協力
・株式会社リビタ

2月の中古マンション価格、首都圏は横ばい

(株)東京カンテイは3月22日、2018年2月度「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70m2価格月別推移」を発表した。これは、同社のデータベースに登録された中古マンションの“売り希望価格”を行政区単位に集計・算出し、70m2に換算したもの。対象はファミリータイプのみ(専有面積30m2未満の住戸、事務所・店舗用は集計から除外)。

それによると、2018年2月の首都圏中古マンション価格は、前月から横ばいの3,598万円。都県別では、東京都は-0.2%の4,828万円と僅かながら引き続き弱含んでおり、前年同月比も4ヵ月ぶりにマイナス。神奈川県は+0.3%の2,876万円、埼玉県は-0.2%の2,211万円で、目立った変動はなし。一方、千葉県では平均築年数がやや進んだこともあって、-1.0%の1,969万円と前月に引き続き価格水準を下げた。

近畿圏平均は前月比+0.2%の2,132万円と再び強含み。大阪府では-0.4%の2,331万円と小幅ながら引き続き下落、兵庫県では+0.2%の1,834万円とやや持ち直した。

中部圏平均は前月比+1.7%の1,774万円、愛知県は+1.8%の1,931万円と上昇傾向。目立った変化がない他の圏域とは異なり、依然として上昇基調を保っている。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

東京23区のマンション賃料、新築・中古全てのタイプで上昇

(一財)日本不動産研究所はこのほど、「住宅マーケットインデックス 2017年下期」の調査結果を公表した。
この調査は、東京23区の賃貸及び分譲マンションの賃料・価格について、新築・中古(築10年)、大型(80m2以上)・標準(40~80m2未満)・小型(40m2未満)の各タイプ別に東京23区、都心5区、城西・城南・城北・城東のエリア別、各区別に調査・集計したもの。データ数は36,754件(新築マンション価格事例7,479件、中古マンション価格事例1,269件、賃貸マンション賃料事例28,006件)。

それによると、都心5区(港区、千代田区、中央区、新宿区、渋谷区)のマンション賃料は、新築の大型タイプが5,833円/m2と前期比3.1%上昇、標準タイプが4,494円/m2で同2.8%上昇、小型タイプが4,399円/m2で同0.2%上昇。中古の大型タイプが5,198円/m2で前期比3.1%上昇、標準タイプが4,125円/m2で同2.9%上昇、小型タイプが4,145円/m2で同0.2%上昇。新築及び中古の大型と標準タイプは上昇しているが、小型タイプはほぼ横ばい推移となっている。

東京23区のマンション賃料は、新築の大型タイプが4,991円/m2で前期比6.7%上昇、標準タイプが3,354円/m2で同1.9%上昇、小型タイプが3,694円/m2で同1.2%上昇。中古の大型タイプが4,458円/m2で前期比6.6%上昇、標準タイプが3,104円/m2で同2.0%上昇、小型タイプが3,487円/m2で同1.2%上昇。新築及び中古の全てのタイプは上昇した。そのうち、大型タイプの上昇幅が最も大きく、新築と中古ともに6.5%を上回った。

都心5区のマンション価格は、新築大型タイプが170.6万円/m2で前期比11.8%低下、標準タイプが124.0万円/m2で同8.0%低下、小型タイプが133.7万円/m2で同0.4%上昇。中古大型タイプが131.6万円/m2で前期比10.6%上昇、標準タイプが110.0万円/m2で同5.7%上昇、小型タイプが107.6万円/m2で同4.6%上昇。新築の大型と標準タイプは大幅に下落したが、例年と比べて依然として高い水準。中古の全てのタイプは上昇しており、標準タイプは2期連続、小型タイプは4期連続で最高値を更新した。

東京23区のマンション価格は、新築大型タイプが143.9万円/m2で前期比2.3%低下、標準タイプが101.0万円/m2で同4.0%上昇、小型タイプが111.6万円/m2で同4.2%低下。中古の大型タイプが83.1万円/m2で前期比0.3%上昇、標準タイプが78.4万円/m2で同2.3%上昇、小型タイプが88.8万円/m2で同1.0%上昇。新築の大型と小型タイプは前期の最高値より低下したが、依然として高い水準。標準タイプは上昇し、1998年調査以来最高値となった。中古の全てのタイプは上昇傾向。標準タイプは10期、小型タイプは11期連続上昇し、最高値を更新した。

ニュース情報元:(一財)日本不動産研究所

職人が足りないなら育てよう リノベ会社がはじめた「マルチリノベーター(多能工)」育成

今や一般にも広く認知されているリノベーション。しかし、拡大するリノベ業界には深刻な職人不足という大きな課題があり、それを解消するための人材育成の動きが活発化しつつあります。リノベ業界を牽引する企業、
インテリックス空間設計が取り組んでいる「リノベーションカレッジ」もその一つ。どんな育成方法なのか、リノベ業界にはどんな課題があるのか、聞きました。

深刻化する職人不足にともない、「多能工」育成が活発化

住宅を購入して自分らしい住まいにカスタマイズしたい、個性的な住宅に暮らしたい……そんなリノベーションのニーズが高まっている現状にもかかわらず、少子高齢化に伴う労働人口の減少などで、建設現場は高齢化が進行しています。さらに現在、震災復興事業、景気回復やオリンピックに向けた建設ラッシュの影響などで人手不足はより深刻化しつつあります。リノベ工事を依頼して設計が決まっても、職人不足ですぐに着工できず、困った状態になるといったことも考えられます。そうした背景から、リノベーションやリフォームなどの住宅業界では職人を独自に育成する必要性に迫られています。

実は日本の建設業は、他国に比べて分業化が進みすぎていると言われています。大工職人、左官職人など職種が細分化されていると、職人が現場に入るのは工事の進行に応じて半日だけという状況や、待ち時間が長い状況など、非効率的な事態になることも少なからずあるといいます。

人手不足解消に加え、作業の集約化を図るために求められているのが、複数の職種に携われる能力をもつ「多能工」です。「多能工」の職人を育成し活用することで、非効率的な現場から、生産性の高い現場へ変えていくことが可能となるため、積極的に自社で育成に取り組む企業が増えつつあります。

入社後の研修をOJTとし、大工工事、水道工事、電気工事の三職種を一貫して行えるよう技術習得のサポートを行い、自社育成を進めているリフォーム企業もあれば、自社研修にパワーを割けない企業向けに研修施設を開設したという設備商社、多能工養成コースがある専門学校など、取り組みはさまざま。自治体でも職業訓練校で多能工育成のコースを設けたり、国土交通省も多能工(マルチクラフター)育成の必要性を説いたりしています。

リノベ業界で活躍する人材を増やすためには職の効率化が必要

そのなかで、昨年、新たな取り組みをスタートさせたのは、リノベ業界のリーディングカンパニーのひとつであるインテリックスの設計・施工部門「インテリックス空間設計」。3カ月という短期間で「マルチリノベーター(多能工)」を育成する「リノベーションカレッジ」を2017年4月に開校しました。

インテリックスが提唱するマルチリノベーターとは、大工、水道、電気などの専門技術とリノベ全般の知識を備えた施工・管理をトータルに行う専門家。カレッジを、リノベの基礎知識から大工作業、設備工事、プランニング、施工管理まで、座学と現場研修を通じて実践的に習得できる場としています。大工技術等の習得には修行期間を含めて長い期間が必要とされていますが、自社の施工ノウハウをマニュアル化することで、初心者でも技術が習得しやすいカリキュラムとしているそうです。

インテリックス空間設計副社長でカレッジ長を務める藤木賀子さんに、カレッジを立ち上げた経緯についてお話を伺いました。

「職人不足の背景には、若手でなり手がいないという状況があります。なぜ若い世代が職人になりたがらないかと言うと、いわゆる『技術は盗んで覚えろ』という昔ながらの職人文化についていけないためです。職人自身も教えてもらった経験がないから、教え方が分からない。また、教えようと思っても会社規模が小さいところが多いために、限られた施工期間のなかでは、実現場で基礎教育に充てる時間の確保が難しいようです。それなら、事前にリノベの基礎や実践的なスキルを研修してから現場に出る仕組みがあれば、教える側・学ぶ側双方にとって効率が上がり、現場での成長スピードも早まると考えました」

次回は2018年4月開講の予定(開講日4月9日、願書受付3月17日まで、募集人数10名以上)。3カ月で習得することは多岐にわたります(資料提供/インテックス空間設計)

次回は2018年4月開講の予定(開講日4月9日、願書受付3月17日まで、募集人数10名以上)。3カ月で習得することは多岐にわたります(資料提供/インテックス空間設計)

カレッジの座学や実習は月曜日から金曜日の9時半~17時まで。講師は自社社員・協力会社の担当が行います(資料提供/インテックス空間設計)

カレッジの座学や実習は月曜日から金曜日の9時半~17時まで。講師は自社社員・協力会社の担当が行います(資料提供/インテックス空間設計)

設計から施工、積算、現場監督まで。全体を学ぶから生産性の高い人材に

「当カレッジの強みは、リノベーション現場での実習を行わない職業訓練校や専門学校と異なり、当社が手がけている施工現場が常に100件以上あること。実際の現場での研修や見学があり、より理解が深まり実践力を身につけることができます」(藤木さん・以下同)

「職人として独立しても、生産性が低く安定した収入につながらないケースもあり、そうした場合、夢がもてず、老後も安心できません。職人としてだけでなく、現地調査・設計・積算・現場監督・検査方法などリノベーションの入口から出口までを一通り学べるので、生産性の高いマルチリノベーターとして活躍できる人材を送り出す場としたいですね。また、その後のキャリア選択の幅も広げてもらえたら」と藤木さんは語ります。

「マンションリノベーションでは、工事で発生する音やほこり、通路の養生などに対する近隣住人からの要望への対応に時間を取られ、工事がストップしてしまうことも少なからずあるので、施工管理を行う現場監督の役割が重要だと考えています。カレッジでは近隣への接客マナーやコミュニケーション方法も身につけてもらうことになります」

設備交換などのシンプルなリフォームに比べて施工期間が1カ月、2カ月と長期になるリノベーション。マンションという住戸が密接した建物ということもあり、同社でも現場で近隣住人からの要望やクレームが施工中に入ることもあるそうです。監督が常駐していない現場の場合、大工職人が近隣住人に対面することになるのですが、管轄外のことであり、きちんと対応できるかどうかはその人次第となってしまいます。

工事全体を把握し、近隣に対応する折衝スキルをもつ人が現場にいることで、工事を滞らせることなく進めることができるのです。

ご近所対応をうまく行うことで、物件に入居する住人にとっても、気持ちよく入居していただくことにつながるといいます。「生産者を紹介している野菜直売所のように、物件オーナーにとってもご近所の方々にとっても、『リノベ担当者の見える安心な現場』になれればと考えています」と藤木さん。

リノベーションカレッジの授業の様子。現場でも多くの実践的な内容を学べます(資料提供/インテックス空間設計)

リノベーションカレッジの授業の様子。現場でも多くの実践的な内容を学べます(資料提供/インテックス空間設計)

「設計も職人も監督もできるのが魅力」「まずは現場から」という希望者が集う

「2017年4月の1期生は定員の10人が集まりました。不動産会社勤務でリノベをやりたい方、未経験だけれど現場監督になりたい方、解体業者さんなど、20代~60代まで年齢もさまざまで、うち4人が女性の方です。基礎コースの3カ月で45万円(入学金5万円と受講料40万円)の受講料を頂きましたが、それだけに意気込みのある方ばかりでした。専門学校2年間で学ぶような高密度の内容を3カ月という短期間で行うことになりますが、集中したほうが身につきやすいと考えています」

修了後は、希望者には契約社員として現場で理解を深めていく期間があり、試験や面談にパスすれば社員登用の道もあります。1期生で社員となったのは2人。

「当社では社員となった場合、OJTで学び、いずれは現場監督兼大工職人として現場に出ることになります。それ以外の工事は専門の職人が担当します。将来的には、給排水工事、電気設備工事、左官工事などの専門職を兼ねる者が出てくるかもしれません。それは当人次第ですね。いずれそうしたマルチスキルをもった者が独立した場合、協力関係を築けたらと思います」

「カレッジとは別に、昨年末に中途採用でマルチリノベーターの募集をかけたところ、予想外に多くの方から応募がありました。未経験の方も多く、入社後にはリノベーションカレッジで基礎を身につけてもらいます。なかには建築学科卒業の方も多く、『設計をやりたいけれど、現場を知ることから始めたい』『職人にもプランナーにも監督にもなれるから職能的に魅力』という声が多かったですね。現場で学ぶことで実践力が身につく、そうした点に大きな魅力を感じていただいているようです」

大学や専門学校の建築学科では現場施工を学ぶ機会は意外と少なく、リノベーションの全体を把握できないそうで、同社のようにマルチに活躍できる職場を求めている人は想像以上に多いと藤木さんは感じたそうです。

受講者のなかには賃貸アパートオーナーもいました。「大家さんがリノベーションのマルチスキルをもっていると、とても役立つと思います。自分で施工することも可能ですし、業者に依頼する際にも工事内容を把握しているので、依頼内容が的確で追加工事が生じなかったり、見積もりが適正か判断できるためです」

3カ月の短期間にぎゅっと詰まったカリキュラムをやり遂げたことで、皆さん格段に成長したそうです(写真提供/インテリックス空間設計)

3カ月の短期間にぎゅっと詰まったカリキュラムをやり遂げたことで、皆さん格段に成長したそうです(写真提供/インテリックス空間設計)

リノベーションを考えている人にとって、昨今の職人不足はひとごとではありません。安心して任せられる職人兼現場監督が常に現場にいれば、リノベの依頼者・近隣住人にとっても気持ちよく、予定通りに工事を進めることにつながります。

「カレッジの運営は収支だけで考えると赤字ですが、より多くの人がマルチリノベーターとして活躍できるようにするために使命感をもって臨んでいます。『この人なら安心して任せられる』と感じていただける、“顔の見えるリノベ現場”でありたいですね」と、最後に力強く語る藤木さん。お話を伺って、より多くの人材の活躍を期待したいと感じました。

●取材協力
・株式会社インテリックス空間設計「リノベーションカレッジ」

「『勝ち組不動産』の条件を教えてください」 住まいのホンネQ&A(2)

「住まいのホンネQ&A」は、誰もが知りたい住宅に関する様々なQ&Aについて、さくら事務所創業者・会長の長嶋修氏にホンネで回答いただく連載です。
第2回の質問は「『勝ち組不動産』の条件を教えてください」。
第1回の「東京五輪前に家を買いたい。選び方のコツはありますか?」という問いに対して、長嶋氏はまず「価値が落ちない家を買うこと」をすすめていました。では具体的にどんな立地を選べばいいのか。またどんな建物なら価値が上がる、もしくは落ちにくい、いわゆる「勝ち組不動産」なのか。今回のコラムで解説します。

「マンションは駅7分以内しか買うな!」の理由

不動産の価値は、1にも2にも3にも「ロケーション」ありきです。どんなに立派な建物でも立地が悪く、次の買い手・借り手が現れなければ不動産評価上の価値は「ゼロ」。要は売れる・貸せるといった「市場流動性」がどの程度あるのかということです。

拙著「不動産格差」(日本経済新聞出版社)には「マンションは駅7分以内しか買うな!」といったキャッチコピーがついていますが、これには理由があります。というのは、新築マンションデベロッパーの用地仕入れ担当者にヒアリングしたところ「駅から求められる距離は年々短くなっており、昨今では駅7分を超えると用地仕入れには非常に慎重になっている」といった見立てを複数耳にしていたためです。

トータルブレイン社の調査結果によれば、17年の首都圏新築マンション販売は「徒歩8分」で明暗が別れた模様。徒歩9分以上になるととたんに販売が苦戦していることから、「今や駅徒歩8分以内の分譲はマーケットの常識」だとしています。

総人口や世帯数が減少し、少子化・高齢化が進展する中で「人口動態」は不動産の需要そのものですから、このままいけば不動産市場が全体として資産価格を下げていくのは必然とも言えます。前回述べた通り、実際には市場が大きく3極化しており「都心」「駅近」などのワードで評される立地はますます強さを増し、それも駅距離で選別が進んでいるわけです。

「ロケーション」というのは必ずしも「駅からの距離」だけを意味するものではありません。例えば港区・渋谷区などの都心地区には「麻布」「青山」「広尾」といった、駅からの距離は遠いのに不動産価値が非常に高いエリアもあります。

あとは例えば、東京五輪開催に沸く都心湾岸地区のマンション価格がこの数年で大きく価格上昇したのは周知の通りですし、2005年開業のつくばエクスプレス開業で周辺地が恩恵を受けたのも事実です。神奈川県では武蔵小杉・川崎・港北ニュータウンなどがやはり再開発の恩恵を受け、山手線品川・田町間にできる新駅と再開発効果、2027年まで続く渋谷駅周辺の再開発は、やはり周辺不動産の価格上昇をもたらします。

一戸建ての場合は多くのケースで必ずしも駅から近いわけではなく、必ずしも駅距離にこだわる必要もありませんが、この場合はまた別のロケーション要素が重要になってきます。例えば「学区」。小中学校の評判が良いところでは子育て世帯を引きつけ、不動産価格が高止まりしますし、近隣に美しい公園がある、買い物利便性が高いといった要素もロケーションのうちです。

不動産選びが「自治体選び」になる?

さらに今後必要になるのが「不動産選びは自治体選びである」といった視点です。前述したとおり、本格的な人口減少や少子化・高齢化はこれから始まります。すると自治体による行政コストはかさむ一方です。税収は減少し、上下水道の修繕やごみ収集などもままならないといった事態に陥る自治体が、今後出てくる可能性がありそうです。

例えば千葉県流山市は「子育てするなら流山市」といったキャッチコピーで、担税力の高い、つまり働いて稼ぎ、納税してくれる市民を増やそうとしています。子育て世帯に焦点をあて、おおたかの森駅、南流山駅の二か所に送迎保育ステーションを設けるなど子育て世帯に優しい政策をとり、UターンやIターンといった子育て世帯の誘致に成功しています。もっとも、そうした政策がうまくいきすぎ、今度は小学校などが足りなくなるといった課題にも直面しています。

いずれにせよ、税収が豊富になれば、それを原資にますます行政サービスを充実させることができ、さらにその街の魅力も高まるといった循環が巻き起こります。するとその自治体の不動産価値は上昇、市民も資産も増え、自治体は税収の多くを占める固定資産税収入のアップも望めます。

国土交通省によれば、2050年には日本の人口は約9700万人に減少、全国の6割以上の地域で、人口が2010年時点の半分以下になるという試算を発表しています。自治体運営を「経営」と捉えて運営に取り組むところとそうでないところの差は、今後ますます強いコントラストで浮かび上がり、自治体選びはやがて、不動産探しの重要なポイントだと認識されるようになるでしょう。

ロケーションの次は「建物のコンディション」

こうした「ロケーション」ありきを前提とした上で、次に重要になるのが「建物のコンディション」。今年4月には、中古住宅取引の際にホームインスペクション(住宅診断)の説明が義務化されます。インスペクションの実施が義務化されるわけではなく、説明が義務化される点には留意が必要ですが、「中古住宅はよくわからない」といった漠然とした懸念を払拭する道を創るため、イギリスやアメリカ・カナダ・オーストラリアではあたり前の様に行われているインスペクションを常識化しようといった取り組みです。

これまで日本の住宅は「新築で買ったときのその価値が最も高く、10年で建物価値は半値、25年程度でほぼゼロになり、土地値となる」(一戸建の場合)のが常識でしたが、築年数に関係なく、コンディションの良い中古住宅は価値が落ちない、もしくは落ちづらいといった市場を創るための第一歩と言えます。

よく「木造住宅の法定耐用年数は22年、鉄筋コンクリート造のマンションは47年」だといった論を見かけますが、これは税制上の話に過ぎず、市場の評価とは連動していません。

「建物の寿命」については誤解も多いのも実情です。国交省がこれまで公表してきた資料では、木造住宅の寿命は27年ないしは30年、マンション(RC/鉄筋コンクリート造)は37年としているケースが多いのですが、こうした数字は、取り壊された建物の築年数、あるいは建物の新築数を取り壊し数で除した数字であり、実態を反映していません。

早稲田大学の小松教授らが行った「建物の平均寿命推計」の最新調査(2011年)によれば、人間の平均寿命を推計するのと同様の手法を建物で採用した場合、木造住宅の平均寿命は65年としています。

マンション(RC/鉄筋コンクリート造)の寿命には諸説あり、例えば、117年(飯塚裕/1979「建築の維持管理」鹿島出版会)、68年(小松幸夫/2013「建物の平均寿命実態調査」)、120~150年(大蔵省主税局/1951「固定資産の耐用年数の算定方式」)など。実際には配管の種類や箇所にも大きく左右されますが、思いのほか長持ちするイメージではないでしょうか。

「管理組合」が資産性に結びつく日も近い

マンションの「管理組合の運営状況」もやがて資産性に結びつく日も遠くないでしょう。

管理状態が良好でムダもなく修繕積立金が潤沢なマンションと、割高な管理費を垂れ流し、修繕積立金が足りず建物修繕もままならないといったマンションでは、これまでさほど資産格差が見られなかったのが実情ですが、未来の不動産市場では、同条件のマンションであっても管理組合の運営状態によってかたや5000万円、かたや2000万円といった価格差が現れることになるはずです。

s-長嶋修_正方形.jpg長嶋 修  さくら事務所創業者・会長
業界初の個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクション(住宅診断)を行う「さくら事務所」を創業、現会長。不動産購入ノウハウの他、業界・政策提言や社会問題全般にも言及。著書・マスコミ掲載やテレビ出演、セミナー・講演等実績多数。【株式会社さくら事務所】

「中古住宅の購入に合わせて」リフォームするのは当たり前!?30代以下は自分好み重視

住宅リフォーム推進協議会では、住宅リフォームの実態を把握するために、毎年、リフォーム事業者に対してリフォーム工事が完了した住宅についてアンケートを実施している。平成29年度の特徴を見ると、リフォームの目的や工事の内容は世代間で大きく異なることがうかがえる。ここでは、30代以下のリフォームに注目して、詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「平成29年度 第15回 住宅リフォーム実例調査」を報告/(一社)住宅リフォーム推進協議会30代以下のリフォームは「中古住宅購入に合わせて」も多数

リフォームの目的を施主の年代別にみると、「使い勝手の改善、自分の好みに変更するため」(=嗜好対応)が多いのだが、60代と70代以上に限ってみると、「住宅、設備の老朽化や壊れたため」(=老朽化対応)のほうが多くなる。

また、30代以下に限ってみると、「中古住宅の購入に合わせて」が他の年代より多いのが特徴だ。一戸建てで31.9%、マンションになると47.4%にも達する。さらに、一戸建ての場合(画像1)は「世帯人員の変更」や「三世代同居対応」、「相続等による所有者の入れ替え」や「空き家の活用」の割合が高くなるのも大きな特徴だ。

【画像1】施主の年齢別・リフォーム工事の目的(複数回答)一戸建てのみ(出典/住宅リフォーム推進協議会「平成29年度 第15回住宅リフォーム実例調査)」

【画像1】施主の年齢別・リフォーム工事の目的(複数回答)一戸建てのみ(出典/住宅リフォーム推進協議会「平成29年度 第15回住宅リフォーム実例調査」)

30代以下は嗜好性だけでなく、住宅の省エネ性を高めるリフォームにも積極的

次に、30代以下に着目してリフォームした工事内容についてみていこう。

マンションでは、建物の基本構造となる躯体(くたい)部分は共用部分として管理組合で管理することになる。そのため、個人ではリフォームできないので、おのずと内装のリフォームが中心となる。年代別で違いが目立ったのは、30代では「収納スペースの改善」が高いことくらいだ。

これ対して一戸建てでは、外壁や屋根、住宅の基礎部分、窓のサッシなど、一般的にマンションではリフォームできない構造的な部分もリフォームできる。加えて、マンションに比べると一戸建てのほうが、住宅個々の構造や仕様の違いが大きい。そうしたこともあってか、リフォーム工事の内容に年代別でかなり違いがみられる(画像2)。

30代以下では「内装の変更」や「住宅設備の変更」、「収納スペースの改善」、「居室の用途の変更」といった嗜好に対応したリフォームが他の年代より多く、「建具の変更」にまでこだわりが見られる点も興味深い。しかし一方では、「床暖房を含む冷暖房や給湯設備の設置交換」、「床・基礎への断熱材の設置」、「窓ガラス・サッシの改良」といった、省エネ性を高めるリフォームも積極的に行っていることが分かる。

このことは、画像1のリフォームの目的でも「省エネルギー化、冷暖房効率の向上等を図るため」で30代が高かったことと関係性がみられる。

【画像2】施主の年齢別・リフォーム工事の内容(複数回答)一戸建てのみ(出典/住宅リフォーム推進協議会「平成29年度 第15回住宅リフォーム実例調査」)

【画像2】施主の年齢別・リフォーム工事の内容(複数回答)一戸建てのみ(出典/住宅リフォーム推進協議会「平成29年度 第15回住宅リフォーム実例調査」)

30代以下では借入や補助金を活用する度合いも高い

30代以下の一戸建てリフォームでは、リフォーム工事の内容も多様。リフォーム費用についても、他の年代に比べて高額になる傾向がみられた。「1000万円超」で39.6%、「500万円超~1000万円以下」で28.6%と、他の年代より高額の割合が高く、合計すると500万円を超えたケースが68.2%にも達する。

ちなみに、30代以下のマンションリフォームでは、「100万円以下」が26.3%など、むしろ他の年代より安くなる傾向がみられた。

さて、リフォーム費用が高額になるほど、自己資金で払うのが難しくなる。金融機関から借り入れる比率が高くなるのも、30代以下の一戸建てリフォームの特徴だ。借入無しは42.9%と半数を切り、借入額が「1000万円超」(29.7%)、「500万円超~1000万円以下」(16.5%)と多くなっている。

最近は、中古住宅購入費用と合わせてリフォーム費用まで借りられる住宅ローンも増えてきたが、こうしたニーズに対応しているということだろう。

その一方で、30代以下は「住宅ローン減税」※を活用(利用率34.1%)したり、補助金を利用したりして負担を減らそうという行動もみられる。補助金の利用は30代以下が最も多く、一戸建てリフォームでみると補助金の額は「20万円以下」(12.1%)、「50万超~100万円以下」(3.3%)、「100万超~300万円以下」(5.5%)、「300万円超」(3.3%)とかなり高額の人もいることが分かる。

※住宅ローン減税とは、10年以上の住宅ローンを借りた場合、年末のローン残高の1%を10年にわたって控除される減税制度。ただし、利用するには適用要件がある

【画像3】施主の年齢別・補助金の金額 一戸建てのみ(出典/住宅リフォーム推進協議会「平成29年度 第15回住宅リフォーム実例調査」)

【画像3】施主の年齢別・補助金の金額 一戸建てのみ(出典/住宅リフォーム推進協議会「平成29年度 第15回住宅リフォーム実例調査」)

補助金については、地方自治体がそれぞれの課題に応じたさまざまな補助金制度を設けている。特に、耐震改修やバリアフリー化、省エネ化については補助金を設けている自治体も多い。また、国のほうでもZEH(ネットゼロエネルギー)住宅化や長期優良住宅化に対する補助金などを平成30年度も行う予定となっている。

さて、注目してきた30代以下のリフォームでは、中古住宅を購入したり相続したりしたときに行う場合も多く、自分好みや省エネ性にもこだわりが強いことが分かった。リフォーム工事の内容だけでなく、ローンを借りて減税制度を利用したり、補助金をもらったりと幅広く検討していることもうかがえる結果だった。

となると、リフォーム工事の内容はもちろん、ローンや減税、補助金に至るまで、多くの情報を集める必要がある。行おうとしているリフォーム工事が減税や補助金の対象になるかの判断やその手続きなどについても相談できる、頼りになるリフォーム事業者を選ぶことが大切になるだろう。

2月の首都圏中古マンション、成約価格は前年比6.4%上昇

(公財)東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)は、このたび首都圏(1都3県)における2018年2月度・不動産流通市場の動向を発表した。それによると、首都圏中古マンションの成約件数は、前年比で1.1%減少し3,424件、1月に続いて前年同月を下回った。成約m2単価は前年比で3.9%上昇し51.19万円/m2、成約価格は前年比で6.4%上昇し3,353万円と、ともに2013年1月から62ヶ月連続で前年同月を上回った。

地域別の成約件数は、東京都区部と埼玉県、千葉県が前年比で減少し、埼玉県は5ヶ月連続で前年同月を下回った。成約m2単価は横浜・川崎市を除く各地域が前年比で上昇し、東京都区部は12年10月から65ヶ月連続で前年同月を上回った。

中古戸建の成約件数は、前年比マイナス13.3%の1,017件と、1月に続いて前年同月を下回った。成約価格は前年比で3.4%上昇し3,188万円、6ヶ月連続で前年同月を上回った。土地面積は前年比プラス0.6%の145.86m2、建物面積は前年比マイナス1.4%の104.98m2となった。

中古戸建の地域別成約件数は、すべての地域が前年比で減少し、東京都区部と多摩、埼玉県、神奈川県他は2ケタ減。成約価格は千葉県を除く各地域が前年比で上昇し、多摩は6ヶ月連続で前年同月を上回った。

ニュース情報元:東日本レインズ

1月の中古マンション価格、下落地域数が増加、東京カンテイ

(株)東京カンテイは2月28日、2018年1月度「中古マンション価格天気図」を発表した。「中古マンション価格天気図」は全国47都道府県のファミリータイプ中古マンション流通事例価格を月ごとに集計し、価格変動を「天気マーク」で表示したもの(30m2未満の住戸、事務所・店舗は除外、リゾートマンションを除く)。

それによると1月は「晴」が14から18地域に増加、「雨」は12から7地域に減少。「曇」は6地域で変わらず。「小雨」は4から8地域に増加。「薄日」は11から8地域に減少した。47都道府県のうち前月比価格が下落した地域数は13から19地域に増加。三大都市圏では、近畿圏のほとんどの地域で弱含み、マイナスに振れる変化が見られた。全国的に価格動向は停滞している。

【三大都市圏】
●首都圏
首都圏は、東京都が前月比0.3%下落、神奈川県は0.1%上昇、千葉県は0.6%下落、埼玉県は0.1%上昇。首都圏平均は0.5%下落した。
●近畿圏
近畿圏は、大阪府が0.3%下落、兵庫県は1.1%下落、京都府は2.8%下落。中心府県は下落傾向。郊外部は滋賀県が2.0%上昇、奈良県は1.6%下落。近畿圏平均は0.7%下落した。
●中部圏
中部圏は、愛知県が1.6%上昇、岐阜県は3.6%上昇、三重県は2.2%下落、静岡県は1.4%下落。中部圏平均は0.8%上昇した。

【地方圏】
●北海道
北海道は、前月比0.3%上昇し1,551万円、札幌市は0.5%上昇し1,614万円。事例が集中する中央区では0.5%、次いで事例の多い豊平区では3.7%、西区では0.9%それぞれ上昇した。一方、白石区では0.5%、南区では0.5%、北区では1.3%、東区では0.8%それぞれ下落している。
●宮城県
宮城県は、1.2%上昇し2,018万円、仙台市は1.4%上昇し2,062万円。事例数が市内で最も多い青葉区で0.9%、次いで事例の多い太白区では2.9%、宮城野区では1.3%、泉区では2.8%それぞれ上昇し、同市の価格を押し上げた。
●広島県
広島県は、1.2%上昇し2,002万円、広島市は1.5%上昇し2,114万円。広島市では最も事例の多い中区で2.9%、西区では1.6%、東区では0.9%それぞれ下落したものの、南区で12.4%、佐伯区で4.8%、安佐北区で4.6%とそれぞれ大きく上昇し、同市の価格が上昇した。
●福岡県
福岡県は、1.1%上昇し1,889万円、福岡市は0.6%上昇して2,336万円。福岡市では事例が集中する中央区で1.1%、南区で0.6%、西区で0.6%、早良区で4.4%それぞれ上昇し、同市の価格を押し上げた。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

「東京五輪前に家を買いたい。選び方のコツはありますか?」 住まいのホンネQ&A(1)

「住まいのホンネQ&A」は、誰もが知りたい住宅に関する様々なQ&Aについて、さくら事務所創業者・会長の長嶋修氏にホンネで回答いただく新連載です。

第1回の質問は「東京五輪前に家を買いたい。選び方のコツはありますか?」。
東京五輪前で住宅価格が高騰しているとも言われていますが、人生設計の上でどうしても”いま”家を買いたいのだ、という人もいるでしょう。
そんな時はどうやって選べばよいのか? 五輪にまつわる住宅の「ウソ・ホント」と共に、長嶋氏に解説いただきます。
本当に「高い」のか? 五輪前、不動産市場の真実

オリンピック前に家を買いたいという理由は何でしょうか?

ちまたではオリンピックまでは不動産価格高騰が続くといった意見や風潮がありますが、そのような事実はほとんど見られません。過去のオリンピック開催と経済・不動産市場の関係を調べると、たしかにオリンピック前後で経済や不動産市場が上下動しています。しかしこうした動きは主に新興国や経済規模の小さい国の場合に限られ、先進国・経済規模の大きい国ではオリンピック前後でそれほどの変化は見られません

例えば2012年のロンドンオリンピックにおいて英国政府は「オリンピックが英国不動産市場に与える影響は、なかった」とするレポートを出しています。以上のことから、2020年東京オリンピックが不動産市場に与える影響は、選手村や競技場ができる都心湾岸地区など一部を除いて、ほとんどないと考えてよいでしょう。それよりは、経済動向や人口動態が不動産市場に与える影響のほうが遥かに大きいと思われます。

まずは不動産市場がすでに3極化していること。そしてその傾向は今後ますます強くなるといった見通しを持っておく必要があります。私のイメージでは現在、不動産市場は以下のような割合で構成されていると考えています。

[1]「価値維持ないしは上昇する:10-15%」
[2]「徐々に価値を下げ続ける:70%」
[3]「無価値あるいはマイナス価値に向かう:15-20%」

「価値維持ないしは上昇」というと都心の超一等立地などをイメージするかもしれませんが、必ずしもそればかりではなく、都市郊外でも地方都市でもこうした立地は存在します。最もボリュームが大きいのは「徐々に価値を下げ続ける(70%)」。国内の多くがこれに当てはまります。問題は下落率で、年率2%ずつなのか4%ずつなのかといったところ。最後は「無価値あるいはマイナス価値」ですが、こうしたところに家を買うといったケースは非常にまれでしょう。

本格的な人口減少、少子化・高齢化社会を迎えるにあたり、この3極化傾向はますます強くなると考えてください。

新築マンションが高騰、中古は「新築との価格差」で人気

2012年12月の、民主党から自民党への政権交代以降、アベノミクスや黒田バズーカといった経済政策、また人手不足による人件費上昇や建築コスト高騰で日本の不動産価格はほぼ右肩上がりの上昇を続けてきました。しかしその内訳にはかなりの温度差があります。

2017年12月の首都圏新築マンション市場の平均価格は6019万円(出所:不動産経済研究所「首都圏のマンション市場動向2017年12月度」)と、随分と高くなりましたが、とりわけ都区部は7531万円(同)と、サラリーマンには手の届かないところまで高騰しています。ただしその中身を見ると「都心・駅近・一等立地・大規模・タワー」といったワードに象徴されるような物件の比率が高まり、一方で「郊外・駅遠」といった物件の比率が下がっていることが平均価格を押し上げていることにも注意が必要です。新築マンションの発売戸数はなだらかな減少傾向で、価格高止まりのこの傾向は今後も続き、東京五輪以降もこの傾向は続くでしょう。新築マンションはある意味「ぜいたく品」といった位置づけになりそうです。首都圏以外の他都市でもこうした傾向は同様ですが、首都圏ほど上昇しているわけではありません。

一方で中古マンション市場は好調です。その理由は「新築との価格差」。東京都区部などではその価格差は約2000万円、神奈川県・埼玉県などでは約3000万円以上も。こうなると、良質な中古マンションを買ってリフォーム・リノベーションしたほうが家計にも優しい上、自分の思い通りの間取りや内装にできるといったメリットが浮かび上がってきます。新築マンション価格が高止まりする中で中古マンション価格はそれを追うように、なだらかな上昇を継続するでしょう。

【画像1】(不動産経済研究所/東日本不動産流通機構資料より筆者作成)

【画像1】(不動産経済研究所/東日本不動産流通機構資料より筆者作成)

ただしその上昇率にもかなりの温度差があり、東京都心3区では政権交代以降60%以上も価格上昇しているのに対し、神奈川県・埼玉県・千葉県の上昇率は20%程度です。

【画像2】(出所:東日本不動産流通機構)

【画像2】(出所:東日本不動産流通機構)

また、駅から求められる距離は年々厳しくなっていることにも注意が必要です。例えば東京都心7区の中古マンションでは、5年前は、駅から1分離れると平米あたり8000円程度下落していましたが、昨年は、駅から1分離れると平米あたり約1万6000円も下落しています。
これは都心に限らずどの地域にも言える全般的な傾向です。
【画像3】(出所:東日本不動産流通機構)

【画像3】(出所:東日本不動産流通機構)

一戸建て市場も2017年から上昇傾向

一方で一戸建市場に顕著な兆しは見られませんでしたが、2017年あたりから上昇傾向にあるのが見てとれます。これは、マンション価格が上がりすぎたことによる相対的な割安感や、日銀によるゼロ金利政策から住宅全般が買いやすくなったことなどが主な理由であると思われます。

【画像4】(国土交通省資料より筆者作成)

【画像4】(国土交通省資料より筆者作成)

低金利というのは言うまでもなく家計に優しく、家を買うにはもってこいの状況であるといえます。固定金利にしておけば、後の金利上昇も怖くありません。そうした意味では、低金利の今は買い時と言っていいでしょう。

では金利はいつ上昇するか。正確に時期を読み取ることはできませんが、今後景気が良くなっても悪くなっても金利は上昇します。景気が良くなりインフレ率が高まれば、それに応じて日銀のゼロ金利政策が解除される可能性が高まりますし、景気が悪化し日本国債の信任が失われるようなことがあれば、現行の金利水準を維持することができなくなる可能性が出てきます。いずれにせよ現在のような低金利がいつまでも続くとは思わないほうがいいでしょう。

ところで金利の上昇は、不動産市場には大きな下落圧力です。これは、住宅購入者の購買力が減退するため。3000万円を期間35年、金利1%なら毎月の支払いは約8.5万円で済みますが、3%に上昇すると約11.5万円と、毎月3万円、総額では約1300万円も増えてしまいます。低金利の恩恵を受けていま家を買う人も、こうした事態に陥っても価格が落ちない、落ちにくい立地を選んでおく必要はあります。

オリンピック前の2019年10月には8%から10%への消費増税が控えています。これまでは増税前に駆け込み需要があり、その後反動で市場が落ち込み価格が下がるのがセオリーでした。次もおそらくこうした動きは起こりそうですが、前回より消費税率の上げ幅が少ないこともあり、それ程大きな影響はないものと思われます。価値が落ちない家を買うことに注力しておけば2%程度の消費増税も誤差の範囲といえ、あまり気にする必要はないでしょう。

では具体的にどんな立地を選べばいいのか。またどんな建物なら価値が落ちにくいのかなどについて、次回コラムでお伝えします。

s-長嶋修_正方形.jpg長嶋 修  さくら事務所創業者・会長
業界初の個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクション(住宅診断)を行う「さくら事務所」を創業、現会長。不動産購入ノウハウの他、業界・政策提言や社会問題全般にも言及。著書・マスコミ掲載やテレビ出演、セミナー・講演等実績多数。【株式会社さくら事務所】

2017年首都圏の中古マンション、成約物件の平均築年数は20.70年、東日本レインズ

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)はこのほど、首都圏中古マンションおよび中古戸建住宅の成約・新規登録物件について、築年数(建築後経過年数)から見た2017年(1~12月)の動向を発表した。それによると、2017年首都圏の中古マンション成約物件の平均築年数は20.70年、新規登録物件は23.13年で、ともに前年に比べて上昇した。中古戸建住宅成約物件の平均築年数は20.99年と前年と比べて上昇、新規登録物件は22.06年とほぼ横ばい。

築年帯別構成比率は、中古マンション成約物件は、築5年以下の築浅物件、築25年超物件の比率が拡大。新規登録物件は、築5年以下の築浅物件、築11~15年、築25年超物件の比率が拡大した。中古戸建住宅の成約物件は築11~15年、築21~30年の比率が拡大。新規登録物件は、築5年以下の築浅物件、築11~15年、築21~25年の比率が拡大している。

築年帯別の物件属性では、中古マンション成約物件の平均価格は、築5年以下が5,000万円台、築6~15年が4,000万円台、築16~20年が3,000万円台、築21~25年が2,000万円台、築26年超が1,000万円台。中古戸建住宅においては、築20年以内が3,000万円台、築20年超が2,000万円台となっている。

ニュース情報元:東日本レインズ

1月の中古マンション価格、首都圏は引き続き下落、東京カンテイ

(株)東京カンテイは2月22日、2018年1月度「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70m2価格月別推移」を発表した。これは、同社のデータベースに登録された中古マンションの“売り希望価格”を行政区単位に集計・算出し、70m2に換算したもの。対象はファミリータイプのみ(専有面積30m2未満の住戸、事務所・店舗用は集計から除外)。

それによると、2018年1月の首都圏中古マンション価格は、前月比-0.5%の3,598万円と小幅ながら引き続き下落した。都県別では、東京都が-0.3%の4,836万円と4ヵ月ぶりに弱含み、千葉県が-0.6%の1,988万円でマイナスに転じた。一方、神奈川県は+0.1%の2,867万円、埼玉県は+0.1%の2,215万円で僅かに強含んだ。

近畿圏平均は主要エリアで価格を下げ、前月比-0.7%の2,128万円と再びマイナス。大阪府は-0.3%の2,340万円と4ヵ月ぶりの下落。兵庫県は-1.1%の1,830万円で、前年同月比は2015年9月以来のマイナスとなった。

中部圏平均は前月比+0.8%の1,745万円。愛知県は+1.6%の1,897万円と引き続き上昇し、前年同月比も5%前後のプラスとなっている。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

リノベしやすい中古マンションはどう選ぶ? 物件探しとプランづくりのコツを聞いてみた

「中古マンションを購入してリノベしたい」という声をよく耳にするようになった。しかし思いどおりの部屋をつくるためには物件探しが重要だ。実際は「リノベしやすいマンション」「リノベしにくいマンション」もあるからだ。買った後に「こんなはずじゃなかった!」とならないために、見分けるためのポイントを「中古×リノベーション」を数多く手掛ける株式会社NENGOの林久順(はやし・ひさより)さんと小堀良治(こぼり・よしはる)さんに聞いてみた。
自分が手にしたい「理想の暮らし」に合わせた物件を探す

NENGOではリノベーションしたい人を物件探しの段階からサポートする『おんぼろ不動産マーケット』を運営している。不動産の紹介担当の小堀氏は「マンションを探す段階から、その人の理想の『くらし』が、環境や立地に加えて、リノベーションで実現できるかどうかを一緒に考え、物件を探す必要があると思っています」と言う。確かにはじめてマンションを購入する人たちは、知識も経験も少ないことがある。専門知識をもった人にサポートしてもらえるのは安心だ。

「建物については、構造が大切ですね。竣工図面があれば、それを確認します。例えば壁構造(柱がなく、壁梁や壁により、支えられる構造)の場合は、ラーメン構造(柱と梁により構成されている構造)に比べて、壁を抜いて広い空間にするということができない場合もあります」
ラーメン構造であっても抜ける壁と抜けない壁はある。スケルトンの状態になっていれば確認しやすいが、まだ内装が残っている場合の内見の状態では分かりづらい。「図面がなくても、壁を叩いてみたり、ユニットバスの点検口から確認できることもあります」と林さん。

「床や天井の状態も大切です。古いマンションの場合、上下水道の配管が下の階の住戸の天井の中に埋め込まれている場合があります。そのときは自宅内に配管を通す必要があり、水まわりの場所を大きく変更することができなかったり、室内に段差をつくらざるをえない場合もあります」とのこと。

また建築時の検査済証があるかどうかも大切なポイントだ。「検査済証がないような物件の場合は、銀行に融資してもらえない場合があります」現金でマイホームを買える人なら別だが、住宅ローンを組んで買うケースがほとんどだろう。資金計画の点でも重要になるということだ。

古いマンションであれば耐震性も気になる。「耐震基準適合証明書(※)を取っているかもポイントになりますね。建物への信頼もありますが、住宅ローン減税における築後年数要件の緩和でも必要になります」と小堀さん。買ったあとで確定申告に行ったときに住宅ローン減税の対象ではないことを知る人もいるので気を付けておきたい。

※耐震基準適合証明書:建物の耐震性が基準を満たすことを建築士等が証明する書類。中古住宅の場合、住宅ローン減税が利用できるのは、非耐火構造で築20年未満(耐火構造の場合は築25年未満)の建物に限られるとされているが、「耐震基準適合証明書」付きの物件であれば、築年数が古くても住宅ローン減税の対象となる

【画像1】NENGOが手掛けた、中古リノベーションの事例。写真左:解体後。写真右:リノベーション後(画像提供/株式会社NENGO)

【画像1】NENGOが手掛けた、中古リノベーションの事例。写真左:解体後。写真右:リノベーション後(画像提供/株式会社NENGO)

築年数よりも、管理の行き届いたマンションを選ぶことが大切

内見時にはマンションの管理状態も確認しよう。「マンションの管理状態がいいか悪いかは、内見に行って共用部を見ると分かります。そこを見ないでどうするんだ、くらいの感じですね。管理のいいマンションは清掃がきちんとされていて、スキがない感じがすると思います」と小堀さん。

マンションによっては専有部のリノベーションでも、使う素材が指定されているところもある。「主に遮音性に関係する床の素材の場合が多いです」(同)。例えばむくフローリングの部屋にしたいと思っていても、遮音性の観点で決まりがある場合もあるので、どう解決できるか確認が必要だ。

いずれにしても「理想の住まい」を手に入れるには、マンション全体の管理状況も大きく影響をしてくる。マンションの管理状況を調べる詳細は、以前取材した「中古マンション見学のポイントを、熱血マンション理事長に聞いてみた!」を参考にしてもらいたい。規約や修繕計画などを確認しておくことは、快適なマンション暮らしには欠かせないポイントだ。

住み心地を左右するのは、目に見えない「温熱環境」を重視したリノベーション

ディレクション担当の林さんは「弊社が手掛けたリノベーションは、一見、写真映えがしないかも知れません。それは一番重視しているのが断熱や遮熱といった『性能』の部分だからです。この部分に配慮するのとしないのとでは、住んでからの快適さが違います」と話す。

住み始めて不都合を感じるのは、実は目に見えない「住宅の性能」だ。壁紙やフローリングは後からいくらでも変えることができる。しかし断熱性や気密性能といったものは、最初にきちんと対処しておかないと後から高めることは難しい。

「特に温熱環境は健康という面でも大事だと思います。家の中のヒートショックで亡くなる方は交通事故で亡くなる人より多いそうです」とのこと。加えて2020年からは建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)により住宅にも最低基準が設けられる。

「これからは『耐震』のように、旧省エネ基準・新省エネ基準と区別され、建物の資産価値を左右することになると思いますよ」(同)

【画像2】NENGOのリノベーションでは、断熱材や複層ガラスなど快適な温熱環境を実現できるプランを提案している(画像提供/株式会社NENGO)

【画像2】NENGOのリノベーションでは、断熱材や複層ガラスなど快適な温熱環境を実現できるプランを提案している(画像提供/株式会社NENGO)

「インスタ映え」よりも、ていねいな素材選び

リノベーションを実施するにあたって、NENGOでは見学会を度々開催するそうだ。林さんは「経験した人の話を聞いてもらうのが、一番参考になるようです。弊社でリノベーションをした人は協力的な方が多く、自宅を公開してくれる場合が多いですよ」と言う。なかには何度も足を運び、仲良くなってしまうこともあるそうだ。

林さん自身も、ヒアリングを通して顧客と親しくなることが多い。「ご夫妻の履いている靴が、偶然僕の履いている靴と一緒だったということもありました。趣味が一致するということは暮らし方も一致する可能性がありますね。一見建物とは関係ない会話が、リノベーションプランのヒントになることも多いんですよ」本の趣味や暮らしの趣味を知ることで、より満足してもらえる住まいが提案できる。そのための時間を大切にしているそうだ。

また、むく材の使用など素材をていねいに選ぶということを重視しているそうだ。「弊社のリノベーションは、出来上がったときはそっけないように見えることが多いです。いわゆる『インスタ映え』はしないかも知れません。でも、なんだか居心地がいいな、と感じてもらえる空間をつくっています」(同)。住んでいる人がいずれ自らつくりこんでいく余白を残し、住まいと住み手が一緒に成長していける空間を用意しているそうだ。

【画像3】不動産の紹介担当の小堀さん(左)と、設計ディレクション担当の林さん(右)。(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

【画像3】不動産の紹介担当の小堀さん(左)と、設計ディレクション担当の林さん(右)。(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

いろいろハードルが高そうな「中古マンションを購入して自分スタイルにリノベーション」。だが、自分であらかじめ知識を身に付けておくこと、そして必要なときには専門家のサポートを得ることで、実現できるかもしれない。

●取材協力
株式会社NENGO

1月の首都圏中古マンション、成約価格は前年比7.0%上昇、東日本レインズ

(公財)東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)はこのたび、首都圏(1都3県)における2018年1月度・不動産流通市場の動向を発表した。それによると、首都圏中古マンションの成約件数は前年比で7.7%減少し2,641件。成約m2単価は前年比で4.6%上昇し51.60万円/m2、成約価格は前年比で7.0%上昇し3,359万円、ともに2013年1月から61ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比で2.4%拡大し65.09m2だった。

地域別成約件数は、すべての地域が前年比で減少し、横浜・川崎市と神奈川県他、埼玉県は2ケタ減。成約m2単価は多摩と神奈川県他を除く各地域が前年比で上昇し、東京都区部は12年10月から64ヶ月連続で前年同月を上回った。

中古戸建の成約件数は、前年比マイナス0.1%の846件と、ほぼ横ばいながら前年同月を下回った。成約価格は前年比で4.6%上昇し3,245万円、5ヶ月連続で前年同月を上回った。土地面積は前年比プラス0.8%の144.59m2、建物面積は前年比プラス2.0%の106.82m2だった。

中古戸建の地域別成約件数は、東京都区部と横浜・川崎市を除く各地域が前年比で減少し、多摩は4ヶ月連続で前年同月を下回った。成約価格は横浜・川崎市と神奈川県他を除く各地域が前年比で上昇し、千葉県は6ヶ月連続で前年同月を上回った。

ニュース情報元:東日本レインズ

2017年の近畿圏新築マンション、坪単価+7.0%の上昇、東京カンテイ

(株)東京カンテイはこのほど、2017年の新築・中古マンションの市場動向を総括した「マンションデータ白書 2017」(近畿圏)を発表した。それによると、2017年近畿圏の新築マンション一戸平均価格は3,933万円で、2016年の4,338万円から-9.3%と大きく下落した。平均専有面積は61.80m2で、2016年の72.89m2から-15.2%と大きく縮小。一方で専有面積が狭い物件のシェアが高まったため、平均坪単価は2017年には210.4万円と前年の196.7万円から+7.0%と大きく上昇した。近畿圏において平均坪単価が200万円を超えたのは1992年以来実に25年ぶり。

また、2017年近畿圏の中古マンション一戸平均価格は2,033万円で、前年の1,989万円から+2.2%上昇。平均価格が2,000万円を超えたのは2000年以来17年ぶり。平均専有面積は65.47m2で前年の67.08m2から-2.4%縮小。平均坪単価は102.6万円で前年の98.0万円から+4.7%と5年連続で上昇。近畿圏の平均坪単価が100万円を超えたのは1999年以来18年ぶり。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

2017年の中部圏新築マンション、平均坪単価+39.6%と大きく上昇、東京カンテイ

(株)東京カンテイはこのほど、2017年の新築・中古マンションの市場動向を総括した「マンションデータ白書 2017」(中部圏)を発表した。それによると、2017年の中部圏新築マンション一戸平均価格は4,049万円で、2016年の3,079万円と比べて+31.5%と大幅に上昇、2年ぶりに4,000万円台を超えた。平均専有面積は70.43m2で2016年の74.77m2から-5.8%縮小。平均坪単価は190.0万円で2016年の136.1万円から+39.6%と大きく上昇した。高額物件の増加と専有面積の縮小が要因。

中古マンションの一戸平均価格は1,657万円で前年の1,554万円と比べ+6.6%上昇。中部圏の一戸平均価格は2013年に5年ぶりに上昇に転じたが、2017年もこの傾向を維持し5年連続で上昇した。平均専有面積は71.44m2で前年の71.38m2から+0.1%とほぼ横ばい推移。平均坪単価は76.7万円で前年の72.0万円から+6.5%上昇した。坪単価の年率+6.5%の上昇は2016年の+5.9%を超え、2000年以降最大の上昇率を更新した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

首都圏の新築マンション、平均坪単価289.8万円と5.7%上昇、東京カンテイ

(株)東京カンテイはこのほど、2017年の新築・中古マンションの市場動向を総括した「マンションデータ白書 2017」(首都圏)を発表した。それによると、首都圏の新築マンション一戸平均価格は5,544万円で前年の5,087万円から+9.0%上昇した。前年は下落していたため2年ぶりの上昇で、首都圏全体では高止まりの状態から再度上昇傾向を示している。平均専有面積は63.24m2で、前年の61.33m2から+3.1%拡大。首都圏の平均専有面積は2016年まで3年連続で縮小していたが、4年ぶりに拡大に転じた。平均坪単価は289.8万円と、2016年の274.2万円から+5.7%上昇した。

一方、首都圏の中古マンション一戸平均価格は3,257万円となり、前年の3,155万円から+3.2%上昇、4年連続の上昇となった。平均専有面積は60.11m2で前年の59.96m2から+0.3%拡大、3年ぶりの拡大となった。首都圏の平均専有面積はこの10年間は60m2をやや上回る水準で推移したが、2016年については60m2を若干下回ったものの、専有面積の水準自体に大きな変化はない。平均坪単価は、2017年は179.1万円で前年の174.0万円から+2.9%上昇。坪単価は2014年以降3年連続で大きく上昇していたが、2017年は比較的マイルドな上昇に留まっており、急激な価格上昇に一服感が出た。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

購入経験者が語る! 「中古マンションを買いたい」と思ったときに、準備すべきこととは?

「そろそろマイホームが欲しい。中古マンションを買ってリノベーションしたい」と思っても、まず何から手を付けていいか分からないと思うことはないだろうか。インターネットや情報誌で物件探しをするのも大切だが、あらかじめ自分自身で準備しておくと、住まい探しがスムーズにいくことは多い。今までに2回マイホームを購入した筆者の体験からアドバイスしたい。
一番大切なのは、マイホーム購入への優先順位を決めておくこと

最初にするべきことは、「マイホームを買いたい」と思ったきっかけを明確にしておくことだ。「家賃がもったいないから」とか「結婚するから」とか「子どもが生まれるから」といった時期的な理由ももちろんあるが、もっと具体的な「自分がマイホームで実現したい生活」をまとめておくことが大切だ。

例えば「もっと便利なところに住みたい」のか「もっと静かなところに住みたい」のか。あるいは家族が増えるから「もっと広い住まいが欲しい」のか、子どもが独立したから「もっとコンパクトに住みたい」のか。さらに家族全員できちんと話し合っておくことも大事なのだ。自分はいいと思っても、他の家族の意見が違うこともある。

できればかなえたい要望を箇条書きにして、優先順位をつけておくべきだろう。いろいろな物件を検討しているうちに、自分の本来かなえたい要望から、どんどん離れていくことがある。また優先順位を決めておけば、物件の検索をする場合の大切なキーワードになる。また不動産会社に相談するときも要望に近い物件を探してもらいやすくなるはずだ。

【画像1】(写真/PIXTA)

【画像1】(写真/PIXTA)

どれ位ローンが借りられる? 自分自身のデータを用意しよう

自分の要望はもちろんだが、自分自身を客観的に評価してもらうためのデータを用意しておくことも大切になる。住宅ローンがどれくらい借りられるか、そしてどのくらいの額なら無理なく返済できるかのめどを立てておきたい。それによって選ぶ物件の予算が異なってくる。

大手企業の会社員や公務員であれば、それほど心配することはないが、起業したばかりの事業者やフリーランスの場合、思ったほどローンが借りられない場合が多い。会社員や公務員の場合でも、車のローンを抱えていたり、カードローンが残っていたりすると金融機関の評価は厳しくなるので、事前に自分がどれくらいの評価があるかを金融機関に相談してみることをすすめたい。

私がはじめて中古マンションを買ったのは20代後半だった。女性で単身、しかも小さな編集プロダクションのライターでは、なかなか金融機関も不動産会社も本気になってくれない。頭金がどれくらい用意できるか、年収はどれくらいあるかなどを示す必要があった。つまり、自分がどれくらい本気でマイホームを買う気があるかをプレゼンするための材料が重要なのだ。

最近では金融機関のサイトを利用したり、ファイナンシャルプランナーに相談したりすることができるので、借りる住宅ローンの目安は物件探しと並行して実施しておくべきだろう。

不動産会社も、いい物件情報が入ってきたときに優先的に紹介したいのは、すぐに購入する準備ができている人だ。確かに最初から収入などの個人情報を伝えるのは抵抗があるだろう。しかし信頼できる担当者に出会えたら、より親身になってもらうためにも、自分のデータはきちんと知ってもらうほうがおすすめだ。

【画像2】(写真/PIXTA)

【画像2】(写真/PIXTA)

マイホームに100%はない! 時には片目をつぶることも必要

マイホームへの要望と予算が決まったら、実際に足を運んで物件を見に行くことになる。ただし不動産は100%満足できる物件に出合える確率は低いと思っておこう。2000万円の予算で探す人でも、1億円の予算で探す人でも、必ず「ここだけは残念」という点が出てくることがある。

ここで最初につくった箇条書きが役に立つ。夢のない話をしてしまうようだが、マイホーム探しの極意は、自分の理想と現実を、いかにうまく帳尻を合わせるかだと思っている。

1回目の購入時に私があきらめたのは「沿線」だった。当時はバブル絶頂期だったので、最初の希望だった中央線から有楽町線に変えざるを得なかった。「都心からの近さ」は変わらないが方向を変えて思いどおりの広さと間取りを手に入れた。

2回目は「築年数」だった。その代わりに「都心立地」の物件を購入した。いずれも私自身は満足して住むことができたので、優先順位を決めていてよかったと思っている。

中古マンションは実際の建物を確認できるのがメリット

中古の場合は、図面の段階で購入することが多い新築マンションに比べて、実際の建物やマンションの管理状態を確認できるのが大きなメリットだ。

エントランスや共用廊下がきちんと清掃されているのはもちろんだが、ゴミ置き場の清掃状態や分別状況などを確認しよう。また掲示板も管理状況がよく分かるポイント。清掃や点検の予定が書いてあったり、管理組合主催のイベントが開催されていたり、町会に参加していたり、しっかりコミュニティが形成されているところは安心だ。

管理員がいれば挨拶しておこう。管理員の人柄は住み心地に大きく影響する。できれば管理規約なども確認しておきたい。ペットの飼育は可能かどうか、駐車場の空き状況なども、聞けるとベストだ。きちんと対応してくれる管理員がいることはマンションの管理組合もきちんと機能していることになる。

意外に仲介会社は細かいことは把握していない場合がある。不安なことがあれば質問しよう。しっかり調べて返答してくれる会社が信頼できる目安になる。

【画像3】(写真/PIXTA)

【画像3】(写真/PIXTA)

たくさんの物件を見て回るうちに、「優先順位」が変わってくることももちろんある。そんなときは、その理由が自分に知識が身に着いたからなのか、冷静な判断ができなくなっているのか、見直してみることが必要だ。「ここだけは譲れない」という点と、「これは譲れる」という点を明確にすると、自分にとって満足できる「マイホーム」に出会えるだろう。

新築と中古のマンション市場、2017年首都圏の市況はどうだった?

不動産経済研究所が首都圏と近畿圏における2017年の新築マンション市場動向を、東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が2017年の「首都圏不動産流通市場の動向」を、それぞれ発表した。さて、2017年首都圏の新築と中古のマンション市場は、どんな市況だったのだろう?【今週の住活トピック】
「首都圏マンション市場動向(2017年まとめ)」を発表/不動産経済研究所
「首都圏不動産流通市場の動向(2017年)」を発表/(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)首都圏の新築マンションは4年ぶりの増加、中古マンションは3年連続の増加で過去最高に

まず、不動産経済研究所によると、新築マンションの2017年の新規供給戸数は3万5898戸で、前年比0.4%増だった。2013年から供給減が続いていたが、4年ぶりの増加となった。ただし地域別で違いがあり、東京都下と神奈川県、千葉県では減少、東京都区部と埼玉県で増加した。

これに対して、東日本レインズによると、中古マンションの2017年の成約件数は3万7329件で、前年比0.4%増と伸び率は新築マンションと同様。成約件数は3年連続で増加となり、過去最高を更新した。地域別では、埼玉県と神奈川県では減少、東京都と千葉県では増加した。

【画像1】新築マンションの新規供給戸数の推移(出典:不動産経済研究所「首都圏マンション市場動向(2017年まとめ)」)と中古マンションの成約件数の推移(出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2017年)」)

【画像1】新築マンションの新規供給戸数の推移(出典:不動産経済研究所「首都圏マンション市場動向(2017年まとめ)」)と中古マンションの成約件数の推移(出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2017年)」)

注意したいのは、不動産経済研究所の市場動向では、ファミリータイプの民間の新規分譲マンションだけが対象となっている点だ。加えて、数値は供給戸数、つまり新規に販売された戸数なので、すべてが契約に至ったわけではない。ちなみに、累積契約率は83.2%となっている。

一方、東日本レインズの市場動向では対象が幅広く、ワンルームやリゾートマンションなども含まれる。加えて、数値は成約件数、つまり契約に至ったと東日本レインズに報告があった件数(件数は戸数と同じ)となっている。

したがって、単純に数値だけで比較することはできないが、2017年の首都圏のマンション市場では新築と中古で同じくらいの成約があったと推測できる。

新築も中古も、首都圏のすべての地域で価格は上昇

次に、マンションの価格について見ていこう。

新築マンションの1戸当たりの平均価格は5908万円で、前年より418万円・7.6%上昇した。地域別では、東京都区部7089万円(6.9%上昇)、東京都下5054万円(1.4%上昇)、神奈川県5524万円(9.6%上昇)、埼玉県4365万円(2.6%上昇)、千葉県4099万円(0.3%上昇)とすべてで上昇となった。

中古マンションの1戸当たりの平均成約価格は3195万円で、前年より56万円・4.8%上昇し、5年連続の上昇となった。地域別では、東京都区部4238万円(5.0%上昇)、東京都下2635万円(0.8%上昇)、神奈川県2805万円(5.1%上昇)、埼玉県2016万円(3.5%上昇)、千葉県1969万円(2.2%上昇)と、こちらもすべてで上昇した。

次に、各戸の面積の違いによる影響を排除するために、1m2当たりの平均単価を比べてみよう。

新築マンションの1m2当たりの平均単価は85.9万円で、前年より8.3%上昇した。地域別では、東京都区部108.3万円(7.8%上昇)、東京都下71.2万円(2.7%上昇)、神奈川県77.1万円(8.3%上昇)、埼玉県61.1万円(2.0%上昇)、千葉県57.0万円(1.8%上昇)と、やはりすべてで上昇となった。

【画像2】新築マンションの平均価格の推移(出典:不動産経済研究所「首都圏マンション市場動向(2017年まとめ)」)と中古マンションの平均価格の推移(出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2017年)」)

【画像2】新築マンションの平均価格の推移(出典:不動産経済研究所「首都圏マンション市場動向(2017年まとめ)」)と中古マンションの平均価格の推移(出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2017年)」)

中古マンションの1m2当たりの平均単価は50.00万円で、前年より4.4%上昇し、5年連続で上昇し23年ぶりに50万円台に達した。地域別では、東京都区部73.78万円(4.1%上昇)、東京都下39.03万円(1.1%上昇)、神奈川県41.88万円(4.3%上昇)、埼玉県29.68万円(3.3%上昇)、千葉県26.90万円(2.1%上昇)とすべてで上昇した。ただし、平均築年数は20.70年となり、経年化が年々進んでいる。

【画像3】新築マンションのm2単価の推移(出典:不動産経済研究所「首都圏マンション市場動向(2017年まとめ)」)と中古マンションのm2単価の推移(出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2017年)」)

【画像3】新築マンションのm2単価の推移(出典:不動産経済研究所「首都圏マンション市場動向(2017年まとめ)」)と中古マンションのm2単価の推移(出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2017年)」)

新築マンションの価格は2013年、2015年、2017年で高騰しているのに対して、中古マンションは2013年からじりじりと上昇している点が特徴だ。

新築マンションの価格はさまざまな要因で変動し、新築の動きにつれて中古も変動する

新築マンションの市場動向は、経済情勢などの影響を強く受ける。例えば、リーマンショックや東日本大震災が起こったときには市場は縮小した。縮小期は確実に売れる人気エリアに新築マンションの供給が集中し、そのため価格が上昇する傾向が見られる。

また、東京オリンピックの開催が決まると、オリンピック需要でマンションの建築資材が高騰し、震災復興需要や地価が上昇に転じたことも加わって、マンションの原価といえる部分が値上がりした。こうしたことが、近年の新築マンションの価格上昇の理由となっている。

中古マンションは、新築マンション市場の影響を受ける。新築マンションの供給が少ないエリアでは、中古マンションに目が向けられるようになるし、新築の価格高騰、特に都心部などでは一般の人の手が届かない価格で販売されるようになると、中古マンションの需要が強くなる。その結果、成約件数が増えて、成約価格も新築ほど急激ではないがじりじりと上昇しているというのが、首都圏のマンション市場の実態だ。

これまで新築と中古を比較してマンション市場を見てきたが、マンション選びをする際に、当初から新築か中古かを決めてしまうのはどうかと思う。本来はどんな街に住みたいか、どんな暮らしがしたいかを考えて、それが実現するマンションを選ぶべきだろう。その結果として選んだマンションが、新築だったり中古だったりするという選び方が、スタンダードになることを期待している。

12月の中古マンション価格、下落地域数が減少、東京カンテイ

(株)東京カンテイは1月29日、2017年12月度「中古マンション価格天気図」を発表した。「中古マンション価格天気図」は全国47都道府県のファミリータイプ中古マンション流通事例価格を月ごとに集計し、価格変動を「天気マーク」で表示したもの(30m2未満の住戸、事務所・店舗は除外、リゾートマンションを除く)。

それによると12月は「晴」が13から14地域に増加、「雨」は10から12地域に増加。「曇」は7から6地域に減少。「小雨」は9から4地域に減少。「薄日」は8から11地域に増加。47都道府県のうち前月比価格が下落した地域数25から13地域に減少した。

【三大都市圏】
●首都圏
首都圏は、東京都が前月比0.2%上昇。神奈川県は0.1%上昇、千葉県は0.2%上昇、埼玉県は0.9%上昇。首都圏平均は0.2%下落した。
●近畿圏
近畿圏は、大阪府が1.8%上昇、兵庫県は0.4%上昇、京都府は3.3%上昇。中心府県は上昇傾向。郊外部は滋賀県が3.1%上昇、奈良県は1.2%上昇。近畿圏平均は1.7%上昇した。
●中部圏
中部圏は、愛知県が0.3%上昇、岐阜県は1.0%上昇、三重県は4.0%上昇、静岡県は1.3%上昇。中部圏平均は0.6%上昇した。

【地方圏】
●北海道
北海道は、前月比0.2%上昇し1,546万円、札幌市は0.1%上昇し1,605万円。事例が集中する中央区では0.4%、次いで事例の多い豊平区では2.7%、東区で1.7%、西区で0.5%それぞれ下落したものの、白石区で1.8%、南区で1.2%、北区で0.3%それぞれ上昇し、同市の価格下落にブレーキをかけた。
●宮城県
宮城県は、1.2%下落し1,994万円、仙台市は1.1%下落し2,034万円。事例数が市内で最も多い青葉区で0.8%下落、太白区で2.7%、若林区で1.3%、泉区で3.0%それぞれ下落したため同市の価格は下落した。
●福島県
福島県は、5.4%上昇し1,712万円。同県で最も事例が多い郡山市で5.6%、次いで事例の多い福島市で6.6%、会津若松市で3.1%それぞれ上昇し、同県の価格が上昇した。
●広島県
広島県は、1.4%上昇し1,978万円、広島市は1.4%上昇し2,082万円。広島市で最も事例の多い中区で3.2%上昇。次いで事例の多い西区では1.5%、南区では0.5%、佐伯区では3.0%それぞれ下落したものの、東区で3.7%、安佐南区で2.2%それぞれ上昇したため、同市の価格は上昇した。
●福岡県
福岡県は、1.7%上昇し1,868万円、福岡市も2.4%上昇して2,322万円。福岡市では事例が集中する中央区で1.9%上昇したほか、東区で3.8%、博多区で1.7%、南区で4.4%、西区で0.8%、城南区で1.4%、早良区で1.9%それぞれ上昇し、全ての行政区で価格が上昇した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

中古住宅を買ってリフォームした人、それぞれ費用はいくら?どう捻出した?

リクルート住まいカンパニーが「2017年大型リフォーム(リフォーム費用300万円以上)実施者調査」の結果を発表した。中古を買ってリフォームした人の場合、物件購入費用は平均3156万円、リフォーム費用は平均628万円だという。それぞれ費用はどうやって捻出するのだろうか?【今週の住活トピック】
「2017年大型リフォーム実施者調査」を発表/リクルート住まいカンパニー購入した中古住宅を入居前にリフォームした理由に、「自分好み」や「割安」も

この調査は、直近3年以内に、300万円以上のリフォームを実施した人が対象。300万円以上のリフォームということは、キッチンや浴室などの水まわりの交換や複数居室など広範囲なリフォームをしたということだろう。

この中でも、中古住宅を購入してリフォームした人に注目してみたい。

中古で購入した住宅をリフォームした人は、全体の20.2%。この中には、入居後ある程度住んだうえでリフォームした人も含まれるので、純粋に「中古で購入した住宅をリフォームしてから住み始めた」という人を見ると、このうちの55.1%だった。つまり、全体の1割強が中古を買ってリフォームして住んだと見られる。

入居前にリフォームした理由を複数回答で聞くと、「リフォームすることで、自分好みの家にしたかったから(デザイン)」が35.9%、「住みたい物件を見つけたがリフォームが必要だったから」が34.8%、「(新築と比べて)費用を抑えたいと思ったため」が27.2%、「リフォームすることで、自分好みの家にしたかったから(間取り)」が26.1%と上位に挙がった(画像1)。

老朽化などによる「必要性」もさることながら、「自分好み」や「割安」を求めたということが分かる。

【画像1】中古住宅を購入して、入居前にリフォームした理由(複数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年大型リフォーム実施者調査」より一部抜粋して転載)

【画像1】中古住宅を購入して、入居前にリフォームした理由(複数回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年大型リフォーム実施者調査」より一部抜粋して転載)

中古を買ってリフォームは、割安?

新築を購入するより中古を購入してリフォームしたほうが、費用が抑えられるのだろうか?
新築の価格が高騰している都心部などでは、総額で抑えられる可能性も高いが、実際には希望する立地や物件によって異なるだろう。

調査結果ではどうなっているのだろう。
中古を購入してリフォームした人の全体の平均額は以下のとおりだ。( )内は首都圏と関西圏の平均額だ。
・物件購入費用 :3156.3万円(首都圏:4014.1万円、関西圏:2280.0万円)
・リフォーム費用:628.1万円(首都圏:513.9万円、関西圏:757.9万円)

もちろん、物件価格に重きを置いた人もいれば、安く買ってリフォームにお金をかけた人もいるだろう。
調査結果の特徴としては、広範囲に分散していることが挙げられる。画像2を見ると、物件購入費用は、「1000万円未満」~「5000万円以上」までそれぞれに分散しているし、リフォーム費用は、「300万~500万円未満」が半数近いものの「500万~700万円未満」~「1000万円以上」までそれぞれ分散している。

また、首都圏では物件購入価格が高くなる代わりにリフォーム費用を抑える傾向が見られ、関西圏ではその逆の傾向が見られるといった特徴もうかがえる。

【画像2】1)中古を買ってリフォームした人の物件購入費用 2)中古を買ってリフォームした人のリフォーム費用(数値自由回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年大型リフォーム実施者調査」より一部抜粋して転載)

【画像2】1)中古を買ってリフォームした人の物件購入費用 2)中古を買ってリフォームした人のリフォーム費用(数値自由回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2017年大型リフォーム実施者調査」より一部抜粋して転載)

中古+リフォームは、「築年数の古いものを安く買って、大がかりにリフォームをする」のか、「立地や広さなどにこだわる代わりに、リフォーム費用を抑えられる物件を選ぶ」のかなど、戦略的に選択できるという側面もあるわけだ。

購入+リフォーム、それぞれの費用はどうやって捻出する?

調査結果(複数回答)を見ると、物件購入費用は「住宅ローン」が62.0%、「自己資金」が52.2%だが、リフォーム費用は「自己資金」が66.3%、「(物件と合わせて借りる)住宅ローン」が22.8%、「リフォームローン」が9.8%となっている。ほかには、親などからの贈与や融資などがある。

物件購入費用で住宅ローンを使っていない人が4割近くいるということは、物件購入の全額を自己資金や親からの贈与などでまかなったということだろう。物件価格が1000万円未満や1000万円台であれば、それも十分可能だ。

つまり、どのように費用を捻出するかは、「自己資金や贈与などでどれだけの額を充当できるか」でかなり変わってくる。

中古+リフォームの費用については、物件購入費用には主に「住宅ローン」を活用し、リフォーム費用には「自己資金」や「親からの贈与」を活用するのが一般的だ。リフォーム費用は、追加工事が発生するなど変動する可能性が大きいので、柔軟に対応できる自己資金などを利用するほうが使い勝手がよいからだ。調査結果を見ても、リフォーム費用では圧倒的に自己資金が多くなっている。

「住宅ローン」は、住宅購入だけでなく、一定のリフォームでも利用できる。購入した物件を担保にするので、35年などの長期間の返済で、低金利で借りることができる。その分、審査に時間がかかったり、抵当権設定などの諸費用がかかったりする。

最近では、「中古住宅+リフォーム一体型」の住宅ローンも登場し、物件購入にリフォーム費用をプラスした金額を借りることができる事例も増えている。ただし、中古住宅を購入する段階で、リフォーム費用が確定している必要があるなど、購入とリフォームの見積もりを並行して行っていないと利用できないということがある。

一般的に「リフォームローン」なら無担保なので審査期間も短く、購入後にリフォームの見積額が確定してから申し込んでも間に合うなど、柔軟な対応がしやすい。ただし、住宅ローンに比べると借りられる額が少ない、返済期間が短い、金利も高めに設定されているといった違いがある。

こうしたローンの違いを理解したうえで、自己資金や贈与などでいくらまで住宅取得に充てられるのか、その額をどこで使うかというように検討し、それぞれの費用の捻出方法を決めるのがよいだろう。

「中古住宅を購入」して、入居前に「リフォームする」のは、決して簡単なことではない。それぞれ難易度が高いうえ、時間的な制約もあって効率よく進める必要があるからだ。一方で、自分の予算をどう振り分けるかといった選択肢が豊富なので、安く買って思い切ったリフォームをしたり、立地にこだわって手が届くものを探したりといったことも考えられる。それが楽しめるか、難しいと思うかは、人それぞれだろう。

12月の中古マンション価格、首都圏は3ヵ月ぶりに弱含み、東京カンテイ

(株)東京カンテイは1月22日、2017年12月度「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70m2価格月別推移」を発表した。
これは、同社のデータベースに登録された中古マンションの“売り希望価格”を行政区単位に集計・算出し、70m2に換算したもの。対象はファミリータイプのみ(専有面積30m2未満の住戸、事務所・店舗用は集計から除外)。

それによると、2017年12月の首都圏中古マンション価格は、前月比-0.2%の3,615万円と3ヵ月ぶりに弱含んだ。都県別では、東京都で+0.2%の4,849万円、神奈川県+0.1%の2,863万円、千葉県+0.2%の1,999万円と僅かな強含み。埼玉県では+0.9%の2,213万円と引き続き上昇したことで、再び2,200万円台を回復した。

近畿圏平均は、大阪府での強含みや事例シェアの拡大が影響し、前月比+1.7%の2,143万円。大阪府では大阪市内からの流通事例が存在感を増し、府平均は+1.8%の2,348万円と上昇傾向。一方、前月に大きく下落していた兵庫県では+0.4%の1,851万円とやや持ち直した。

中部圏平均は、前月比+0.6%の1,732万円で3ヵ月ぶりのプラス。愛知県でも+0.3%の1,868万円と小幅ながら引き続き上昇。前年同月比は他の都市圏を上回る状況が続いている。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

2017年・年間平均中古マンション価格、首都圏や近畿圏で上昇率鈍化、東京カンテイ

(株)東京カンテイはこのたび、「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70m2価格年別推移(17年・年間版)」を発表した。
それによると、首都圏の2017年中古マンション平均価格は、前年比+2.9%の3,577万円と上昇傾向は維持したが、大幅に鈍化した。これまで牽引してきた東京都が調整局面入りし、限定的な価格上昇に留まったことが要因。

近畿圏は+4.0%の2,118万円、中部圏は+5.2%の1,711万円と上昇傾向を維持。近畿圏や中部圏でも都市中心部が圏域平均を押し上げている状況。近畿圏に関しては牽引役である大阪府で価格上昇にブレーキが掛かり、2,293万円(前年比+3.8%)となった。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

有名な3物件を訪問! ヴィンテージ・マンション徹底解剖(後編)

長い歳月を経てもなお、高い価値を維持し続けるヴィンテージ・マンション。その価値はどのようにして保たれてきたのでしょうか。また、実際の住み心地も気になるところです。後編では、「広尾ガーデンヒルズ」と「三田綱町パークマンション」、「ビラシリーズ」を訪問。ヴィンテージ・マンションの真価を探ってみました。
竣工時より高値がつく「広尾ガーデンヒルズ」【画像1】広尾ガーデンヒルズのサウスヒル(写真撮影/浜田啓子)

【画像1】広尾ガーデンヒルズのサウスヒル(写真撮影/浜田啓子)

最初に訪ねたのは日本のヴィンテージ・マンションとして有名な「広尾ガーデンヒルズ」です。1984年から2年にわたって分譲され、約5万7000m2の敷地に15棟が立ち並んでいます。

敷地内は「ヒル」と呼ばれる5つの区域に分かれ、それぞれが異なるコンセプトでデザインされています。なかでも、セキュリティー含め高いグレードを目指したのがサウスヒル。石畳が美しいこのヒルの3棟は100m2を優に超える住戸がプランされ、それぞれにコンシェルジュが常駐する80年代としてはとても珍しいホテルのようなエントランスロビーが設けられています。

【画像2】サウスヒルのエントランスロビー(写真撮影/浜田啓子)

【画像2】サウスヒルのエントランスロビー(写真撮影/浜田啓子)

また、敷地の中央に位置するセンターヒルには管理センターのほか、カフェ、ミニスーパー、クリニック、銀行などが入り、このマンションの暮らしを支えています。竣工から30年以上たった現在も高い人気があり、流通価格は新築時とほぼ変わらず、値上がりしている住戸も少なくないそうです。

【画像3】センターヒルの広場(写真撮影/浜田啓子)

【画像3】センターヒルの広場(写真撮影/浜田啓子)

時代に合わせて管理の内容も進化

そんな広尾ガーデンヒルズの“価値”の一つが、前編でも触れたように敷地内を彩る豊かな緑。広尾駅のほど近くから続くメインストリートには、見上げるほどの高さのケヤキ並木が連なり、春になると桜の名所になる場所もあります。クスノキ、ツツジ、ツバキなど数えればキリがないほど多種多様の樹木が植えられていて、歩いていると思わず深呼吸をしたくなる心地よさです。

「竣工当時は背丈が低かった樹木が、30年以上の歳月で大きく育ちました」

こう教えてくれたのは、第34期の管理組合理事長、国安嘉隆さん。樹木の成長はまさに長い歳月を経たマンションだからこそといえるでしょう。

もっとも、樹木の成長には剪定(せんてい)や土壌の改良など適切な管理が欠かせません。管理組合では理事会とは別に植栽委員会を立ち上げ、管理会社や造園業者と相談しながら植栽の管理・保全を計画的に行っているそうです。

「三田綱町パークマンンション」はタワーマンションの先駆け【画像4】三田綱町パークマンション(写真撮影/浜田啓子)

【画像4】三田綱町パークマンション(写真撮影/浜田啓子)

純白のタワーが2棟並ぶ「三田綱町パークマンション」も、やはり住民主導の管理によってその価値は守られてきました。竣工したのは1972年。19階建て・地上52mの高さを誇り、「東京タワー、霞が関ビルに次ぐ、日本における第3の高層建築物」として大きな話題に。超高層マンションの先駆けとしても知られています。

マンションを訪ねてみると、まず目を引くのは立地の希少性。北側には三井グループ迎賓館「綱町三井倶楽部」があり、その庭園を眼下に望むことができるうえ、北西側にはオーストラリア大使館、東側にはイタリア大使館が控えて、東京都心とは思えないほど緑が多く閑静な環境が広がっています。

【画像5】住戸から見て楽しめる綱町三井倶楽部の庭園(写真撮影/浜田啓子)

【画像5】住戸から見て楽しめる綱町三井倶楽部の庭園(写真撮影/浜田啓子)

そんな豊かな住環境に加えて、ランドスケープも魅力満載です。敷地内には表情豊かな和風庭園があり、生活のなかで四季の移ろいを楽しむことができます。管理員の方によると、野鳥が多く飛来し、白鷺やカルガモ、カメなどの姿をみかけることもあるとか。

公道からエントランスまでは50mほどのアプローチで結ばれて、傍らには全住戸分の152台分の平置き駐車場がつくられています。都心でこれほどぜいたくに敷地を使ったマンションは今となってはあまり見られず、そこが気に入って購入を決めたという居住者もいるほどです。

【画像6】広々としたエントランス(写真撮影/浜田啓子)

【画像6】広々としたエントランス(写真撮影/浜田啓子)

価値が維持できているのは、管理のたまもの

共用部についても同様で、各所にゆとりが感じられます。1階には24時間有人のフロントがあり、庭園の緑が広がるガラス張りのロビーラウンジもまさにホテルさながらです。一方、住戸設計についても、各フロアとも住戸数は4戸以内に抑えられ、全室が角住戸というリッチさ。専有面積は120m2前後というゆとりある広さが実現されています。

【画像7】ロビーラウンジはホテルのよう(写真撮影/浜田啓子)

【画像7】ロビーラウンジはホテルのよう(写真撮影/浜田啓子)

聞けば、10戸については、1階にシャワーやトイレ、エアコンを完備したメイドルームが付属。現在は書斎や子どもの勉強部屋として使われているそうですが、竣工時は実際にメイドさんが住んでいたという話から居住者のライフスタイルが想像できます。

こうした住まいのクオリティを高いレベルで維持するには、やはり管理が重要といえるでしょう。

「躯体や設備などの修繕とともに、共用部の段差を解消してバリアフリーを徹底するなど、より快適に暮らせるよう常に見直しをしています」

と話すのは管理組合の理事長。竣工時の姿を保つのが第一ですが、難しい場合には雰囲気を損ねずにそれに代わる方法も検討するとのこと。ロビーの廊下を木の壁から大理石にしたのはその一例。時代に応じて変えるべきところは変えつつ、このマンションに暮らすステイタス感は維持していきたいと話してくれました。

斬新なデザインのビラシリーズ【画像8】ビラ・ビアンカ(出典/『都心に住む by SUUMO』2017年9月号)

【画像8】ビラ・ビアンカ(出典/『都心に住む by SUUMO』2017年9月号)

昨今のマンションには見られない、高いデザイン性から歴史に名を刻む物件もあります。その代表がビラシリーズ。

ビラシリーズの第1号「ビラ・ビアンカ」が竣工したのは1964年。以降、セレーナ、フレスカ、ローザ、グロリア、モデルナ、サピエンザ、ノーバという8つのマンションが1980年代までに竣工しています。

このシリーズを手掛けたのが、興和商事の前会長である故・石田鑑三氏。住宅づくりに情熱を注いだ石田氏は、生産性と合理性が第一とされた高度経済成長の真っ只中で、デザインを最重視したマンションを打ち出しました。

ビラ・ビアンカはガラスのキューブを積み上げたような幾何学的なデザインが取り入れられています。直線的な造形は1960年代から70年代にかけて、欧米の建築界の潮流であったモダニズムを意識したもの。その容姿は神宮前という場所にあっても目を引き、さながら街にたたずむアートという趣。設計者は建築家、堀田英二氏。石田氏の熱意をくみ取りながら、採算を度外視してこのマンションをつくり出したといいます。

【画像9】廊下にあるガラスブロックの円柱(出典/『都心に住む by SUUMO』2017年9月号)

【画像9】廊下にあるガラスブロックの円柱(出典/『都心に住む by SUUMO』2017年9月号)

壊すのは簡単。でも、一度なくしたものは取り戻せない

シリーズのほかのマンションもしかり。20世紀建築の巨匠、ル・コルビュジエの弟子である坂倉準三氏が創設した坂倉建築研究所を設計に起用するなど、それぞれに明確なコンセプトを打ち出した上で、ふさわしい設計者を石田氏自らが選び、幾度も打ち合わせをした後にプランを練り上げ、さらに建設現場にも足しげく通って完成させてきたのだとか。

そのコンセプトを盛り込んだのがマンション名です。セレーナ(静寂)、グロリア(栄光)、フレスカ(新鮮)といった名前は、確かにマンションのフォルムや色に表れています。

ビラシリーズは、いわばプロデューサー的立場にあった石田氏と、気鋭の設計者との共同作業によって誕生した渾身作というわけです。その思いを引き継いでいるのは、ビラシリーズに暮らす人々。「斬新なデザインにほれ込んで入居する人がほとんどです」と話すのは、ビラシリーズの管理に携わる「興和商事」の新槙さん。

「修繕に関しては、セントラル空調が住戸ごとのエアコンにしたり、老朽化した給排水管の取り替えをしたりと、必要なところには手を加えながら、できる限り、竣工当時の状態を保っていく方向で進めています。

例えば、ビラ・モデルナの場合、3年前にエントランスの回転扉が壊れて取りはずすことも検討しました。でも、回転扉はデザインの重要な要素。やはり残そうということになったんです。壊すのは簡単ですが、一度なくしてしまったものはもう取り戻せないですから」

ビラシリーズに限らず、建物の老朽化は避けて通れない問題です。その点をどのように解決していくか。ヴィンテージ・マンションの真価が問われる場面といえるのかもしれません。

【画像10】ビラ・モデルナの回転扉(写真撮影/浜田啓子)

【画像10】ビラ・モデルナの回転扉(写真撮影/浜田啓子)

ヴィンテージ・マンションに共通するのは、建てられた当時に込められた思いとそこで暮らす人々の思い。双方が一つになって初めて、ヴィンテージと呼ばれる価値が生まれるということを実感しました。当然、そのマンションに暮らすのは、その思いの一端を担うということ。どこまでそのマンションを愛せるか。ヴィンテージ・マンションを買うときには、自分に問いかけてみるといいかもしれません。

●前編はこちら
どう探す? どう住む? ヴィンテージ・マンション徹底解剖(前編)
●取材協力
・広尾ガーデンヒルズ
・三田綱町パークマンション
・ビラシリーズ/興和商事
●監修
・坂根康裕さん

どう探す? どう住む? ヴィンテージ・マンション徹底解剖(前編)

住宅雑誌で特集がされたり、ネットで専門サイトが立ち上げられたりと、なにかと目にするヴィンテージ・マンション。一般の中古マンションとはどこが違うのでしょうか。

前編では、住宅評論家の坂根康裕さんに、ヴィンテージ・マンションの魅力と基礎知識、買うときに気をつけたいことなどを伺いました。
ヴィンテージ・マンションには明確な定義がない!

ワインや車などによくあるヴィンテージ物。このヴィンテージは「歳月を経て、より価値が高められた物」という意味合いで使われています。マンションの場合、「アンティークでかっこいい高級マンション」のようなイメージをもちますが、本来はどのような物件を指すのでしょうか。

さっそく坂根さんに伺うと、「実は、ヴィンテージ・マンションには明確な定義はありません」との意外な答えが。

【画像1】ワイン(写真/PIXTA)

【画像1】ワイン(写真/PIXTA)

坂根さんによれば、そもそもマンションにヴィンテージという言葉が使われ始めたのは2000年代初頭。バブル崩壊後のデフレの影響で画一的なマンションが増えるなか、「過去にはこんな面白い物件があった」と目を向けられたのがきっかけだったそうです。

「実際、過去のマンションのなかには、建物デザインや住戸プランが非常に個性的で、新しいライフスタイルを提案しようとさまざまな工夫が盛り込まれているものもありました。そうした価値を多くの人たちが認め、ここに住みたいという人が絶えない物件がヴィンテージ・マンションと呼ばれている。その評価の高さは、当然、流通価格に結びつきます。エリアや駅からの距離など条件をそろえて比べたときに、他の物件よりも下落率が低かったり、逆に上がっていたりすることがあり、資産価値も高いといえるわけです」

南欧風の青い瓦屋根や屋上プールなど、物件ごとに個性あり

そんないわゆるヴィンテージ・マンションの魅力の一つは、先にも挙げたように、個性的な建物やデザイン。昨今の新築マンションとはどこが違うのでしょう。

「マンションの区分所有法が定められたのは1960年代の初めですが、建物のデザインで個性が際立つのは1964年東京オリンピックのころのマンションですね。例えば、そのころに初めて分譲された秀和レジデンスシリーズは、南欧風の青い瓦屋根と白い塗り壁、さらにバルコニーに配した黒の鉄柵が特徴です。こういうデザインは昨今のマンションにはなく、今でもファンがいるほどです。

東京オリンピック開催の翌年1965年に竣工した『コープオリンピア』は、欧米先進国に追いつけ追い越せという時代を反映して、屋上にはプールがあり、ロビーはまさにホテルライク。当時は集合住宅=団地というイメージが強く、それを払拭したいという気概もあったのでしょう。今見ても新しさを感じます」

ほかにも、アート作品のように大胆なフォルムを描いていたり、ホテルのような和風庭園があったり、エントランスが特大の絵画で彩られていたり。ヴィンテージ・マンションは、ドア、窓、把手のような細部にも個性が宿り、今見るとアンティーク感もあって心がくすぐられます。

【画像2】コープオリンピア(写真/PIXTA)

【画像2】コープオリンピア(写真/PIXTA)

ヴィンテージ・マンションは希少性のある都心エリアに集中

加えて、ヴィンテージ・マンションの魅力といえるのが立地です。千代田区、渋谷区、港区などの都心に集中し、その時代だからこそ得られた希少な立地に立つマンションも少なくありません。

都心タワーマンションの先駆けと言われる「三田綱町パークマンション」は、大正時代からの歴史がある「綱町三井倶楽部」に隣接し、その庭園を借景として楽しむことができます。また、1980年代のマンションを代表する「広尾ガーデンヒルズ」も立地の希少さで知られています。都心にあって約5万7000m2もの敷地面積を誇る大規模マンションは、今後、建てられないだろうとも言われています。

その「広尾ガーデンヒルズ」は豊かな緑がシンボルですが、これもまた、多くの人が認める価値につながると坂根さんは言います。

「時間とともに朽ちるのが建物なら、時間とともに成長するのが植物とコミュニティ。『広尾ガーデンヒルズ』は竣工から約30年たった現在、樹木が成長して森のような環境が生み出されています。これは新築マンションにはない魅力と言っていいでしょう」

樹木は放っておけば伸び放題で本当の森になってしまいますが、人が快適に暮らせるのはきちんと管理がされている証拠。つまり、植栽の美しさは「マンションをきれいに保ちたい」といった住人の意識の高さの表れであり、そこには成熟したコミュニティがあるとも考えられるわけです。

【画像3】三田綱町パークマンションの住戸から望む「綱町三井倶楽部」の庭園(写真撮影/浜田啓子)

【画像3】三田綱町パークマンションの住戸から望む「綱町三井倶楽部」の庭園(写真撮影/浜田啓子)

時を重ねた物件だからこそ、躯体や設備の状況は要チェック

もちろん、長い歳月を経てきたマンションだからこそ、購入にあたっては注意点もあります。その一つが躯体や設備などの老朽化です。

「どんなに素晴らしいマンションでも経年による劣化は免れません。特に、古いマンションの場合、給排水管のメンテナンスは欠かせません。取り替え工事が行われているかなど点検や工事の履歴は要チェックです。併せて大規模修繕が適切に行われているか、また今後、どのような修繕計画があるのかを確認しておくと安心です」

修繕履歴や長期修繕計画など管理状況に関することは、管理会社が作成する「重要事項に係る調査報告書」に記載されています。仲介会社に依頼すれば用意してくれるはずなので、購入を決める前にしっかり目を通しましょう。
さらに見ておきたいのは、断熱性や遮音性といった住宅の基本性能です。

「法的整備が進み、マンションの基本性能が高まったのはここ十数年の間。それ以前は、物件によって差があるということは頭に入れておきたいですね。古いマンションでは断熱性の低い資材が使われていたり、断熱材が入っていなかったりすることもあります。また、新耐震基準が採用された1981年以前のマンションであれば、耐震診断を実施し、必要に応じて耐震補強がされているかどうかの確認は必須です」

断熱性については、断熱材を入れるなどリフォームで補強することも、場合によっては可能です。窓ガラスも内窓を入れたり、物件によっては複層ガラスに変更できたりする場合もあるとのこと。変更の可否は管理規約で定められているので、事前に確認しておくといいでしょう。

【画像4】マンションの大規模修繕工事(写真/PIXTA)

【画像4】マンションの大規模修繕工事(写真/PIXTA)

住みたいと思ったら、仲介会社に連絡して気長に待つべし

では、ヴィンテージ・マンションに住んでみたいと思ったら、どのように探せばいいのでしょうか。

手がかりになるのは、やはりインターネットの物件検索サイト。どんなマンションがあるのかを見ていくことができます。ただし、人気の物件はなかなか売却住戸が出ず、売りに出てもすぐ成約済みなんてことに。

「住みたいマンションを見つけたら、仲介会社に連絡し売り物件が出たら教えてもらうのが確実でしょう。最近はリノベーション会社がリノベ済みの住戸を売りに出すケースも多いので、そこから探してみるのもいいかもしれませんね」

いずれにしろ、いつ売りにでるかは未知の部分。時を重ねてきたマンションのように、じっくり気長に待つ感覚が必要のようです。

ヴィンテージ・マンションと呼ばれる物件には億を超える高額物件が多くある一方、小さめながら3000万~4000万円台の住戸も。決して、高嶺の花ばかりではないようです。ただし、ワインや車などと同様に、嗜好性の強いもの。資産性といったこと以上に、そのマンションに対して愛着をもてるかどうかが大切なのかもしれません。後編では、まさに愛着をもって暮らす人たちが住むヴィンテージ・マンションを訪問。管理組合の活動や暮らしについてレポートします。

●監修
・坂根康裕さん
1987年株式会社リクルート入社。『都心に住む』『住宅情報スタイル 首都圏版』編集長を経て、2005年独立。
現在は高級マンションを中心に取材、執筆等活動中。住まいのWEBマガジン『家の時間』代表も務める。
日本不動産ジャーナリスト会議会員。著書に『理想のマンションを選べない本当の理由』 『住み替え、リフォームの参考にしたいマンションの間取り』

12月の首都圏中古マンション、成約価格は前年同月比6.3%上昇、東日本レインズ

(公財)東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)はこのたび、首都圏(1都3県)における2017年12月度・不動産流通市場の動向を発表した。首都圏中古マンションの成約件数は、前年同月比プラス0.6%の3,011件と、ほぼ横ばいながら3ヶ月ぶりに前年同月を上回った。成約m2単価は前年同月比4.3%上昇の51.94万円/m2、成約価格は前年同月比で6.3%上昇し3,320万円と、ともに2013年1月から60ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年同月比1.9%拡大の63.92m2。

地域別成約件数は東京都区部と多摩、横浜・川崎市が前年同月比で増加し、多摩は4ヶ月連続で前年同月を上回った。成約m2単価は千葉県を除く各地域が前年同月比で上昇し、東京都区部は12年10月から63ヶ月連続で前年同月を上回った。

中古戸建の成約件数は、前年同月比で7.0%増加し1,024件、3ヶ月ぶりに前年同月を上回った。成約価格は前年同月比4.9%上昇の3,136万円、4ヶ月連続で前年同月を上回った。土地面積は前年同月比マイナス6.3%で143.98m2、建物面積は前年同月比プラス0.2%の106.02m2だった。

中古戸建の地域別成約件数は、東京都区部、埼玉県、神奈川県他が前年同月比で増加し、東京都区部と埼玉県は前年同月比で2ケタ増。成約価格は東京都区部と多摩、千葉県が前年同月比で上昇し、千葉県は5ヶ月連続で前年同月を上回った。

ニュース情報元:東日本レインズ

「リノベ・オブ・ザ・イヤー2017」 13の受賞作品から見えた4つのトレンド

今年で5回目を迎える「リノベーション・オブ・ザ・イヤー 2017」の授賞式が2017年12月14日に開催され、「この1年を代表するリノベーション作品」が決定しました。住宅から商業施設までさまざまな作品はどれも、リノベーションの大きな可能性や魅力、社会的意義を感じさせてくれます。その最新傾向を探ってみました。
価値ある建物を残すこと。それがリノベの王道

リノベーション・オブ・ザ・イヤーとは、「リノベーションの楽しさ、魅力、可能性」を感じさせる事例作品を表彰する、一般社団法人リノベーション住宅推進協議会主催のコンテスト。リノベーションとは、建物の性能を向上させたり、本来よりも価値を高めたりすることですが、「中古住宅を購入してリノベで自分らしい家に変えたい!」「魅力的なリノベ済み住宅が欲しい!」という施主の希望は年々高まり、多くのリノベーション住宅が登場しています。

今年はエントリー作品155のなかから、グランプリ1作品、部門別最優秀作品賞4作品、特別賞8作品が選ばれました。まず、グランプリと部門別最優秀作品賞の特徴を紹介します。「どれがグランプリに選ばれてもおかしくなかった」という審査委員評が上がったように、いずれもクオリティの高い作品が選ばれています。

●総合グランプリ
『扇状のモダニズム建築、桜川のランドマークへ』 株式会社アートアンドクラフト

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【画像1】阪神高速道の湾曲したフォルムに沿うように扇状にデザインされた外観が目を引くモダニズム建築。1、2階は店舗、3、4階はクリエイター向けのアトリエ兼住居に(写真提供/株式会社アートアンドクラフト)

【画像1】阪神高速道の湾曲したフォルムに沿うように扇状にデザインされた外観が目を引くモダニズム建築。1、2階は店舗、3、4階はクリエイター向けのアトリエ兼住居に(写真提供/株式会社アートアンドクラフト)

国が推奨する優良住宅として1958年に建築された「併存住宅」。長年、桜川のランドマーク的な建物として親しまれてきました。老朽化のため建て替えを検討されていましたが、プランナーの「長年、街の風景の一部となってきた建物は壊さず残したい」というあつい想いによってリノベーションで生まれ変わることに。

「建物への愛情やリスペクトを感じる事例」「価値あるものを残すことこそリノベーションの王道。それを卓越したリノベーションスキルで叶えている。老朽化した設備をよみがえらせる技術力、過剰にならないよう慎重に練られたデザイン力、個性的なテナントを選ぶマーケティング力などで、高いハードルをクリアした」と高評価。
◎エリア:大阪府、築年数:59年、延床面積:1128.57m2、費用:1億2550万円(税込)、対象物件:店舗・事務所・共同住宅

●部門別最優秀作品賞〈1000万円以上部門〉
『光、空気、気配、景色。すべてが一つにつながる − 代沢の家(YKK AP×HOWS Renovation×納谷建築設計事務所)』 YKKAP株式会社

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【画像2】隣地の緑を暮らしに取り込むように窓を配置。1、2階がつながり、風や光、家族の気配を伝えています。断熱性能を高めた家だから実現した広がりのある空間です(画像提供/YKKAP株式会社)

【画像2】隣地の緑を暮らしに取り込むように窓を配置。1、2階がつながり、風や光、家族の気配を伝えています。断熱性能を高めた家だから実現した広がりのある空間です(画像提供/YKKAP株式会社)

築30年でありながら、2020年に義務化される次世代省エネルギー基準を上回る断熱性を実現した家です。窓メーカーのYKK APがリビタのリノベーション事業「HOWS Renovation」とコラボレーション。高性能樹脂窓、高断熱材への入れ替えなどによって高い断熱性を確保し、省エネ設備や太陽光発電の設置によってゼロエネルギーハウス化も達成。開口部耐震フレームの採用や耐力壁の増加によって耐震性も高めています。

築年数のたった家でも工夫次第で新築以上の性能を得られることを実証しています。広い開口部は、日の光が入って明るく、開放的なので魅力がある反面、断熱性と耐震性にとってウィークポイントになりがちですが、開口部を残したまま性能を格段に高めている点で「リノベでここまでできる」と改めて気づかされます。

今後、中古住宅の性能面での向上のために、リノベーションが目指すべき指針的な作品とも言えるでしょう。
◎エリア:東京都、築年数:30年、施工面積:144.38m2、費用:3300万円(税込)、対象物件:一戸建て

●部門別最優秀作品賞〈1000万円未満部門〉
「マンションでスキップフロアを実現 ~上下階を利用したヴィンテージハウス~」 株式会社オクタ

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【画像3】スキップフロアはワークスペースと収納の2層構造。濃淡のあるウォールナットの床、白く塗ったアンティークブリックの壁など、施主の要望に応え切ったこだわりの内装です(画像提供/株式会社オクタ)

【画像3】スキップフロアはワークスペースと収納の2層構造。濃淡のあるウォールナットの床、白く塗ったアンティークブリックの壁など、施主の要望に応え切ったこだわりの内装です(画像提供/株式会社オクタ)

完成度の高いラフで無骨な内装に加えて、マンションではなかなか見ることのないスキップフロアの間取りに、「楽しくなる住まい。暮らしを楽しく変えるのはリノベの目的の一つで、リノベの使命を改めて感じさせる作品だった」と高い評価を受けました。

縦の広がりを活かしたプランは、広さの限られたマンションでの空間活用術として、今後広がっていくのではないかと思います。
◎エリア:東京都、築年数:41年、施工面積:36.31m2、費用:500万円(税込)、対象物件:マンション

●部門別最優秀作品賞〈500万円未満部門〉
「ツカズハナレズ」 株式会社シンプルハウス

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【画像4】上/子ども部屋の壁は天井下に隙間を設けて抜け感をつくり、圧迫感を排除。下/ヴィンテージ風塗装のパイン床と針葉樹の壁に、コンクリート表しにした天井で、無骨で個性ある空間に仕上がっています(画像提供/株式会社シンプルハウス)

【画像4】上/子ども部屋の壁は天井下に隙間を設けて抜け感をつくり、圧迫感を排除。下/ヴィンテージ風塗装のパイン床と針葉樹の壁に、コンクリート表しにした天井で、無骨で個性ある空間に仕上がっています(画像提供/株式会社シンプルハウス)

「子ども部屋をオープンにかつ間仕切りたい」という相反する要望に応え、リビングに隣接した2つの空間に扉を設けず、いつも家族がつながる間取りにしています。

リノベーションというと、リビングや水まわりがメインテーマになりがちですが、子ども部屋を中心に考えている点、家族の関係性がリノベーションで表現されている点が注目されました。また、約60m2のマンション全体を498万円で仕上げるのは難易度が高いと思われますが、そうした点も評価のポイントとなりました。
◎エリア:兵庫県、築年数:19年、施工面積:65.80m2、費用:498万円(税込)、対象物件:マンション

●部門別最優秀作品賞〈無差別級部門〉
「流通リノベとシニア団地」 株式会社タムタムデザイン

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【画像5】上/団地の1階とは思えない、おしゃれな内装のデイサービス。無垢材をふんだんに用いたぬくもりある施設に、利用者の方々は心和むのではないでしょうか。下/イートインできる惣菜店ではオーナーが健康相談も行っています(画像提供/株式会社タムタムデザイン)

【画像5】上/団地の1階とは思えない、おしゃれな内装のデイサービス。無垢材をふんだんに用いたぬくもりある施設に、利用者の方々は心和むのではないでしょうか。下/イートインできる惣菜店ではオーナーが健康相談も行っています(画像提供/株式会社タムタムデザイン)

UR団地の1階に入るデイサービス施設と惣菜店。元作業療法士であるオーナーがケアマネージャーとして立ち上げた施設と店舗です。惣菜店にはイートインと健康器具コーナーを併設し、健康相談やデイサービスへの入所案内も行っているそうで、地域住人が集う新たなコミュニティの場となっています。

さらに、このリノベーションに当たっては、商品として流通できない「林地残材」を施主が直接購入してリノベに活用するという、新たな木材の流通経路を開拓しています。

リノベーションを通じて、高齢化しつつある地域社会だけでなく、林業という地元産業をも元気にしていく取り組みがなされ、社会的課題の解決手法の有効な方法として大きな可能性を示しています。
◎エリア:福岡県、築年数:42年、施工面積:216.19m2、費用:3200万円(税込)、対象物件:店舗と福祉施設

リノベが毎日の満足度だけでなく、生き方をも変える

リノベーション・オブ・ザ・イヤーは、住宅メディア関係者を中心に編成された選考委員によって「今一番話題性がある事例・世相を反映している事例は何か」という視点で選考されるため、年によって受賞作品の傾向がさまざまに変化します。昨年や一昨年は、「空き店舗を住宅として再生」「インバウンド向けの宿として活用」「DIYリノベ」「団地再生」「住宅の基本性能を格段に高めるリノベ」などが特に目立っていましたが、今年はどんな傾向があったのでしょうか。

グランプリ、部門別最優秀作品賞4作品のほかに、8作品が特別賞を受賞しています。今年の審査員特別賞には「超高性能エコリノベ賞」「公共空間活用リノベ賞」「グッドコンバージョン賞」などがあり、個々の受賞作品や部門名からも分かるとおり、リノベーションの領域は広く、果たす役割は多様であることを示しています。今年は特に次の4つのトレンドに注目しました。

(1)施主の「こんな暮らしがしたい!」というあつい想いに応える

「リノベーションを選ぶお施主さんは感度の高い人が多く、要望のレベルが年々高くなっている」という審査委員評があったように、今年は「こんな暮らしがしたい」といった、コンセプトが明確な施主が多かったように思います。つくり手は、施主の要望に正面から向き合い、形にしていく手腕が求められますが、見事に応えた作品が目立ちました。

【画像6】素敵ライフスタイル賞『てとてと食堂、はじめます。』(画像提供/株式会社リビタ)

【画像6】素敵ライフスタイル賞『てとてと食堂、はじめます。』(画像提供/株式会社リビタ)

『てとてと食堂、はじめます。』は、自宅マンションで料理教室や食事会を開催したいという施主の思いを叶えるべく、キッチンを中心にした住まいに。リノベーションが働き方まで変えてくれることを証明したような事例です。

【画像7】こだわり実現賞『アパレル夫妻の23年分の想い』(画像提供/株式会社ニューユニークス)

【画像7】こだわり実現賞『アパレル夫妻の23年分の想い』(画像提供/株式会社ニューユニークス)

『アパレル夫妻の23年分の想い』は、多趣味なご夫妻の「思い出の品や好きな物はいつも見ていたい」という想いを壁一面の棚で叶えました。色使いを含む高いデザイン力が発揮されています。

【画像8】グッドコンバージョン賞『銀行を住まいに コンバージョン』(画像提供/株式会社オレンジハウス)

【画像8】グッドコンバージョン賞『銀行を住まいに コンバージョン』(画像提供/株式会社オレンジハウス)

『銀行を住まいに コンバージョン』では、「合宿所のような家が欲しい、将来カフェを開きたい」という希望を叶えるべく、施主が選んだのは、銀行として使われた建物を転用すること。施主の自由な発想にきちんと向き合い、水まわりの配置を工夫するなど、オフィスビルを快適な住まいに変えるためのプランが練られました。

【画像9】コピーライティング賞『吾輩は猫のエドワードである。』(画像提供/株式会社スタイル工房)

【画像9】コピーライティング賞『吾輩は猫のエドワードである。』(画像提供/株式会社スタイル工房)

『吾輩は猫のエドワードである。』は、中古住宅を友人3人と猫5匹でシェアする家に改変。防音性能を高め、インテリアに溶け込むようなキャットウォーク、キャットタワーを設けるなど、人も猫も快適に暮らせる工夫が随所にあります。

(2)デザイン、性能…魅力度を増す「再販リノベ物件」

リノベーション物件には、建物の所有者(住人)の希望に応じて行うものだけでなく、「再販物件」というものがあります。リノベーション会社や不動産会社などが購入した中古住宅をリノベーションし、家の価値を高めて販売することです。そうした作品は住人の希望などの前提条件がないため、設計者の想いがこもった作品性の高い物件が見られました。

【画像10】ベストデザイン賞『100+∞(無限)』(画像提供/株式会社タムタムデザイン)

【画像10】ベストデザイン賞『100+∞(無限)』(画像提供/株式会社タムタムデザイン)

『100+∞(無限)』は、こんな住宅デザインが可能なんだと思わせる事例。アーチ型の袖壁が連続する美しいギャラリー的に使える場所は住む人の感性を豊かにしてくれそうです。

【画像11】優秀R5住宅(※)賞『サバービアンブームの夜明け』(画像提供/株式会社ブルースタジオ)

【画像11】優秀R5住宅(※)賞『サバービアンブームの夜明け』(画像提供/株式会社ブルースタジオ)

『サバービアンブームの夜明け』は、旗竿地、階段40段のアプローチなど制約の多い立地に対して、眺望を活かした約30畳の2階リビングなど魅力的なコンテンツをプラスしています。

※「R5住宅」とはリノベーション住宅推進協議会が定める品質基準に適合したリノベーション済み戸建住宅のことで、再販物件を安心して購入するための一つの指針となるもの

(3)住宅性能を高めることはリノベの使命

日本の家は冬寒いのが当たり前だった時代から大きく変わり、2020年に次世代省エネ基準が整備されるなど「家の中すべての空間が寒くない」という高い断熱性が求められています。家の中に寒い空間があるとヒートショックなど健康に悪影響を及ぼし、さらに暖房の熱源が多く必要なので地球温暖化の一因に。

そんな背景から、昨年に続き今年も性能エコリノベ事例『代沢の家』(前章参照)が部門別最優秀賞を受賞するなど、省エネ性能や断熱性能など居住性能を高めたリノベに注目が集まっています。ノミネート作品の性能レベルが年々アップしていると感じるとともに、築古の住宅でも快適に変えることが期待できると思いました。

【画像12】超高性能エコリノベ賞『パッシブタウンで「一生賃貸宣言」しませんか?』(画像提供/YKK不動産株式会社)

【画像12】超高性能エコリノベ賞『パッシブタウンで「一生賃貸宣言」しませんか?』(画像提供/YKK不動産株式会社)

『パッシブタウンで「一生賃貸宣言」しませんか?』では、長年、社宅として使われた建物を減築し、断熱強化によって、世界で一番厳しいと言われる省エネ基準を実現させました。解体・新築の道を選ばず既存建物を残すこと自体もエコだと感じさせてくれます。

(4)人が集まる場所、人と人をつなぐ場所を生むのもリノベの力

ここ数年、空き家や空き店舗など、住みにくい・使いにくいとされてきた物件をリノベーションすることで、新たな価値を生んでいる事例が目立って増えてきたように思います。立地に合ったコンセプトの住宅に変えることで、街ににぎわいが増していくなど、地域社会にも多大な影響を及ぼしているのです。

今回、部門別最優秀賞を受賞した『流通リノベとシニア団地』(前章参照)でも取り上げましたが、空き店舗に団地住人のメイン世代である高齢者が必要とする施設、デイサービスやイートインの惣菜店を設けることで、団地に暮らす人々が自然と集う場所となりました。そうした人の流れを生み出していくのも、リノベーションの持つ力の一つです。

【画像13】公共空間活用リノベ賞『ここに復活!!東洋のベネチア構想 LYURO東京清澄』(画像提供/株式会社リビタ)

【画像13】公共空間活用リノベ賞『ここに復活!!東洋のベネチア構想 LYURO東京清澄』(画像提供/株式会社リビタ)

『ここに復活!!東洋のベネチア構想 LYURO東京清澄』は、隅田川畔に立つオフィスビルをホテルに転用した事例。水辺の活性化を目的とした東京都の「かわてらす」事業に採用され、河川敷地を誰でも使えるテラスとして整備。屋内にとどまらず、街との融合も図る仕組みが注目されました。

数々の事例を見ていくことが、リノベ実現のハードルを低くする

今年は初ノミネートや初受賞という会社が数社あり、リノベーションの広がりを感じました。受賞作品、ノミネート作品を見ていくと、多くのリノベーション会社が、施主の希望を叶えるプランニング力・デザイン力、住宅性能を改善する高い技術力を発揮していることが分かります。それは、住む人の暮らしをすてきに快適に変えてくれる力であり、社会の問題をうまく解決する力でもあります。そうした力は活かしてこそ。

今、「リノベーションをしたいと思っているけれど、どうしていいのか分からない」という人は意外と多いかもしれません。そんな場合は、気になる事例をじっくり見てみてください。具体的にどうしたいのか、どんな会社に依頼をすればよいのかがだんだん分かってくるのではないでしょうか。高い提案力をもつリノベ会社なら、漠然とした思いも具体化させてくれるはず。

リノベーション住宅推進協議会は「リノベーションEXPO」を毎年9月ごろから全国で開催しています(2017年は16会場で開催)。特に大阪会場では2日間で1万人を集めるほどの人気だったそう。ワークショップやセミナーなどもあり、気軽にリノベの知識を学べる場ともなっています。自分に合った依頼先が見つかるかもしれません。

【画像14】2018年も素晴らしい作品を期待しています!(写真提供/リノベーション住宅推進協議会)

【画像14】2018年も素晴らしい作品を期待しています!(写真提供/リノベーション住宅推進協議会)

毎年、授賞式を見てきましたが、今回一番感じたことは「人と人とのつながりが素晴らしいものを生む」ということ。リノベーションを依頼する側と提案する側、そうした人と人の出会いが「こんな暮らしがしたい」という思いを具体的な形に変えていく。どんな住まいにリノベするのかは機械的にポンと決められるものではない、住み手とつくり手の思いがこもった究極のオーダーメイドなのだとも感じました。

既存の建物や暮らしにまったく異なる価値をもたらすのがリノベーションの一番の醍醐味(だいごみ)。今回も、さまざまな制約のもと、自由な発想でリノベされた多彩な作品それぞれに、人を幸せにする「再生の物語」を垣間見ることができました。

●取材協力
・リノベーション住宅推進協議会「リノベーション・オブ・ザ・イヤー 2017」

ユナイテッドアローズ、フルオーダーのマンションリノベーション事業に進出

リノベーションマンションは、オリジナリティの高いインテリアや間取りを好む人々からの人気が高い。ファッションの一環として自分らしい住まいを求めるトレンドを受けて、不動産業界とアパレル業界が本格的にコラボレーションした、フルオーダーのリノベーションサービス「Re : Apartment UNITED APROWS LTD.(リ アパートメント ユナイテッド アローズ ) 」誕生。2018年1月6日よりサービスがスタートする。リノベーション事業や不動産仲介・売買事業を手がけるグローバルベイス株式会社と、アパレルブランドを展開する株式会社ユナイテッドアローズがタッグを組んだ。グローバルベイスの担当者は、今回の取り組みは両業界にとって革新的だと言う。「これまで、アパレル企業の家具部門とリノベーション会社が協業して、リノベ-ション済み物件に家具を設置したりすることはありましたが、今回は住空間の一部ではなく、空間作りの全てのプロセスにユナイテッドアローズが参加した事例となり、この点が業界初となります。内装やオリジナル家具の制作等、ユナイテッドアローズのブランドの世界観が、スタイリッシュかつ快適に住空間に落とし込まれています」とのこと。

具体的には都心の優良中古マンションの調達と施工をグローバルベイスのリノベーションワンストップ事業「マイリノ」が行い、内装デザインから家具製作に至るまでのプロデュースをユナイテッドアローズが行う。オーダーの流れは、モデルルームを見ながら顧客のライフスタイルや趣向をヒアリングし、間取りや設備等をアレンジした物件プランを提供するもの。

注文までの詳しい手順は下記のとおり。
(1)グローバルベイスまで問い合わせ
(2)希望の住まいや予算などのヒアリングを実施
(3)物件選びから資金計画を行う
(4)リノベーションの段取りを提案
(5)リノベーションの施行(定期報告など諸事項あり)
(6)物件の引き取り

モデルルームの第一弾は東京都武蔵野市のビンテージマンションの一室。インテリアの詳細も公開されている。

【リビング】
ユナイテッドアローズのオリジナル家具を設置。ガラスとアイアンを組み合わせた扉や、部屋ごとに設置している演出照明、壁と同様のモルタルを使用したリビングテーブル、壁にユナイテッドアローズのセレクト塗装を施すなど、こだわりがつまった空間。

【画像1】画像提供/グローバルベイス株式会社

【画像1】画像提供/グローバルベイス株式会社

【書斎】
リビングの一角にガラス張りの書斎スペースを設置。ガラス材とアイアンをパーティションに使用したオリジナル建具を使用。

【画像2】画像提供/グローバルベイス株式会社

【画像2】画像提供/グローバルベイス株式会社

【キッチン・ダイニング】
アイランド型のオリジナルキッチンには、オープン・シェルフが備え付けられ、グラスなどをディスプレイ収納が可能。また、キッチンとダイニングテーブルの天板は同じ大理石素材で制作したものを使用し統一感を演出。壁面は、天然の石の六角モザイクタイル。一つ一つ風合いが異なるオリジナルタイルを使用。

【画像3】画像提供/グローバルベイス株式会社

【画像3】画像提供/グローバルベイス株式会社

【洗面室】
壁面タイルはキッチンスペースと同じ天然石六角モザイクタイルを、また洗面台はキッチン・ダイニングと同じ大理石の天板を採用。

【画像4】画像提供/グローバルベイス株式会社

【画像4】画像提供/グローバルベイス株式会社

【寝室】
ユナイテッドアローズならではのオリジナルの見せるウォークインクローゼット。ガラスとアイアンで造作し広々とした収納スペースに。

【画像5】画像提供/グローバルベイス株式会社

【画像5】画像提供/グローバルベイス株式会社

今後の展開として、2018年の2月と4月にApartment UNITED ARROWS LTD.モデルルームの第2弾と第3弾が完成する予定とのこと。アパレル業界とリノベーション業界がコラボレーションする個性的な住まいが、どのように広がっていくのかが注目される。

【ファミリー編】東京駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング

住宅は人生最大の買い物といわれている。家選びの判断軸はそれぞれだが、子どもがいる家庭は、子育ての環境や地域性に加え、実家との距離なども考慮する必要があるだろう。それに加え、通勤などの利便性も、高価な買い物には欠かせない大切な要素だ。

子育てと仕事の両立に便利な駅はどこなのか、日本の玄関口であるターミナル駅、東京駅へのアクセスから考えるべく、東京駅まで30分圏内の中古マンションの価格相場が安い駅をリサーチ。これまでシングル、DINKSと世帯のタイプ別に紹介をしてきたが、最後は3K以上の物件を対象としたファミリー向けトップ10を紹介する。
●ファミリー向け、東京駅まで30分以内の物件相場が安い駅TOP10
(順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/東京駅までの所要時間)
1位 扇大橋 2285万円(日暮里・舎人ライナー/東京都足立区/約25分)
2位 東船橋 2380万円(JR総武線/千葉県船橋市/約30分)
2位 西新井大師西 2380万円(日暮里・舎人ライナー/東京都足立区/約30分)
4位 江北 2490万円(日暮里・舎人ライナー/東京都足立区/約28分)
5位 下総中山 2605万円(JR総武線/千葉県船橋市/約26分)
6位 栄町(東京) 2640万円(都電荒川線/東京都北区/約26分)
7位 四ツ木 2690万円(京成押上線/東京都葛飾区/約26分)
8位 西船橋 2780万円(JR総武線ほか/千葉県船橋市/約25分)
8位 西川口 2780万円(JR京浜東北線/埼玉県川口市/約29分)
10位 柏 2830万円(JR常磐線ほか/千葉県柏市/約30分)

1位は日暮里・舎人ライナーの扇大橋。同沿線駅は上位に3駅ランクイン

1位は、東京都足立区にある日暮里・舎人ライナーの駅、扇大橋。日暮里・舎人ライナーは2008年3月に開業した路線だ。沿線には都道58号線があるため、車でのお出かけには便利といえそう。荒川の河川敷も近く、のびのびした子育てをしたい家庭には魅力的。駅から近くに小学校も2校存在している。

【画像1】荒川に架かる扇大橋を通過中の日暮里・舎人ライナー(写真/PIXTA)

【画像1】荒川に架かる扇大橋を通過中の日暮里・舎人ライナー(写真/PIXTA)

8~10位の駅は、乗り換えがゼロ

子育て世帯が気になるのは、周囲の買い物施設の充実具合だろう。8位の西船橋駅は、駅ビルのほか、タイムセールの充実したスーパー「ベルクス」や駐車場完備の総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」など、子育てで便利なものの買い物がほぼまかなえそうな環境だ。

ファミリー層に人気の街なのか、調査対象物件数も100以上。JR総武線のほか、JR武蔵野線やJR京葉線、東京メトロ東西線、東葉高速鉄道と利用できる路線も多く、東京駅まで乗り換えがゼロなのは、通勤だけでなく休日に子連れで遊びに行くにも魅力的だ。

【画像2】西船橋駅(写真/PIXTA)

【画像2】西船橋駅(写真/PIXTA)

同じく8位で、埼玉県川口市の西川口駅も、乗り換えが不要。ランクインした駅のなかでは物件数が一番多く、150件以上掲載されている。駅直結の商業施設「ビーンズ西川口」や、24時間営業のスーパー「東武ストア」があり、買い物も便利。整備計画の浸透からか、現在は落ち着いた住宅街に変わりつつあるのに加え、飲食店も充実している。なかでも、本格的な中華料理店が多く、日本では珍しい郷土料理などが楽しめる店もある。

10位の柏も、西船橋や西川口よりはわずかに時間がかかるものの乗り換えがいらない駅。JR常磐線は快速、特急もとまるほか、東武野田線も乗り入れており、商業施設「柏高島屋ステーションモール」が直結している。ほかにも駅周辺には百貨店や家電量販店などのショップも集中しているほか、野菜の直売所などもあり、子どもの食にこだわりたい人には楽しみが見いだせそうだ。

また、スーパーサイエンスハイスクール指定校の千葉県立柏高等学校や、「医歯薬コース」がある中高一貫の千葉県立東葛飾高等学校など、特徴のある学校が近くにあることも、子どもの将来を考えると大きな魅力だろう。

子どもが小さいうちは、電車に乗ってのお出かけは子どもにとっては楽しい思い出となるが、親にとっては少し負担があるもの。だからこそ、主要駅まで乗り換えが不要な駅、または自家用車の所有に便利な駅は、子育て世帯にとって魅力的にうつるだろう。同じ東京駅から30分圏内でも、千葉から埼玉まで範囲は広い。子育てに重視するものの優先順位を吟味して、すてきな環境を探したいものだ。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東京駅まで電車で30分圏内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分圏内、築年数40年未満、専有面積100m2未満、3K以上の物件(敷地権利は所有権のみ)
【データ算出期間】2016年10⽉1⽇~2017年9⽉30⽇
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、平日の日中時間帯の検索結果から算出(乗換回数は問わない)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

【DINKS編】東京駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング

家を購入するとき、立地はとくに重視するポイントだろう。交通の便の良さは誰もが求めるものだが、どう重視するのかは、世帯のタイプによって異なるもの。その基準のひとつになるのは、日本の玄関口ともいえるターミナル駅、東京駅へのアクセスだ。
そこで、東京駅まで30分圏内の、中古マンションの価格相場が安い駅をリサーチ。今回は2K、2DK、2LDKの物件を対象とした、DINKS向けのトップ10を紹介する。
●DINKS向け、東京駅まで30分圏内の物件相場が安い駅TOP10駅
(順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/東京駅までの所要時間)
1位 江北 1780万円(日暮里・舎人ライナー/東京都足立区/約28分)
2位 西新井大師西 1990万円(日暮里・舎人ライナー/東京都足立区/約30分)
3位 京成立石 2280万円(京成押上線/東京都葛飾区/約27分)
3位 西川口 2280万円(JR京浜東北線/埼玉県川口市/約29分)
5位 四ツ木 2330万円(京成押上線/東京都葛飾区/約26分)
5位 青砥 2330万円(京成本線/東京都葛飾区/約29分)
7位 下総中山 2380万円(JR総武線/千葉県船橋市/約26分)
8位 小菅 2480万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/約29分)
9位 板橋本町 2500万円(都営三田線/東京都板橋区/約29分)
10位 綾瀬 2535万円(JR常磐線・東京メトロ千代田線/東京都足立区/約26分)

23区内で2000万円を切る江北駅が1位 近所で楽しく飲める街も

1位は、東京都足立区に位置する江北駅。駅の周辺の商業施設は多くないが、スーパーや家電量販店などがあり、生活必需品の買い物に困ることはなさそうだ。また、2位の西新井大師西駅は、日暮里・舎人ライナーで江北駅と隣同士。両駅ともに東京23区内でありながら、価格が2000万円を切ることは、大きな魅力といえるだろう。

3位は東京都葛飾区の京成立石駅。駅前には下町情緒あふれるアーケード街、立石仲見世通りや、昭和レトロな飲食店が並ぶ「呑んべ横丁」などがあり、仕事帰りに夫婦で待ち合わせて赤ちょうちんで軽く飲んで帰宅、といったオトナの時間が味わえそうだ。

しかし京成立石駅は、これから工事が始まる京成押上線の高架化対象区域のため、オトナの雰囲気ある街並みを楽しめるのは、残りあとわずかかもしれない。その代わり、現在は交通渋滞が課題となっている11カ所の踏切がなくなるほか、高架下空間には公共施設などが整備される予定。生活する上で快適さが向上することは間違いないだろう。

【画像1】立石仲見世通り(写真/PIXTA)

【画像1】立石仲見世通り(写真/PIXTA)

商店街がある街は、ファミリーになってもそのまま住めそうな魅力

7位の下総中山駅は千葉県船橋市。JR総武線の各駅停車駅だが、京成中山駅が徒歩圏内のため、京成本線も利用が可能だ。駅前は24時間スーパーなどの買い物拠点のほか船橋市役所の連絡所もあり、用事をコンパクトに済ませられる。お互い仕事で忙しいDINKSにとって心強い味方となりそう。こちらも再開発が進んでおり駅前は整然としているが、少し歩けばローカルな雰囲気が漂う店舗もあり、休日はのんびり散歩ができそうだ。

9位の板橋本町駅周辺は、環七通りと中山道17号線が交差しており、車の便が良い。スキーやゴルフなどアウトドアレジャーが好きで車を所有する夫婦にとっては、趣味を満喫するのに住みやすそうだ。

駅前のスーパーは小規模なものが多いが、中山道の隣に並行している旧中山道は板橋本町商店街という長い商店街。今後子どもが生まれたとしても、買い物を含めて快適に住み続けられる街だろう。

また、板橋本町駅は都営三田線沿線。東京駅までは1回乗り換えがあるが、実はその必要がない場合も。大手町駅で下車すれば、地上からも地下からも東京駅に出られるため、実質は乗り換えゼロだ。

【画像2】中山道(写真/PIXTA)

【画像2】中山道(写真/PIXTA)

夫婦共働きで子どもがいない世帯は、比較的経済的な余裕があることが一般的で、双方が趣味やこだわりを大切にしている家庭も多い。マンションを購入するなら通勤に加え、それぞれの好きなことやライフスタイルへの考慮も必要かもしれない。

次回は、ファミリー世帯向けに、中古マンションの価格相場が安い駅を紹介する。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東京駅まで電車で30分圏内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分圏内、築年数40年未満、専有面積100m2未満、2K、2DK、2LDKの物件(敷地権利は所有権のみ)
【データ算出期間】2016年10⽉1⽇~2017年9⽉30⽇
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、平日の日中時間帯の検索結果から算出(乗換回数は問わない)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

【シングル編】東京駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング

家を購入するとき、重視する項目の大きなひとつが交通の便だろう。通勤や通学先への近さや乗り換えの有無など、人によって重視するポイントはさまざまだが、日本の玄関口ともいわれる東京駅へのアクセスを重視する人は多いかもしれない。
東京駅はJR主要幹線と東京メトロ丸ノ内線が乗り入れ、東海道新幹線・東北新幹線の起点駅であるなど、通勤・通学はもちろんのこと、国内外から人が行き来する巨大ターミナル駅。
今回は、その東京駅まで30分圏内の、中古マンションの価格相場が安い駅をリサーチし、シングル、DINKS、ファミリーと世帯のタイプ別にトップ10を紹介する。まずは、ワンルーム、1K、1DK、1LDKの物件を対象とした、シングル向けの結果から見てみよう。
●シングル向け、東京駅まで30分圏内の物件相場が安い駅TOP10駅
(順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/東京駅までの所要時間)
1位 鶴見 1430万円(JR京浜東北線ほか/神奈川県横浜市/約26分)
2位 葛西 1680万円(東京メトロ東西線/東京都江戸川区/約26分)
3位 北池袋 2080万円(東武東上線/東京都豊島区/約26分)
3位 板橋本町 2080万円(都営三田線/東京都板橋区/約29分)
5位 新子安 2175万円(JR京浜東北線/神奈川県横浜市/約30分)
6位 亀戸水神 2180万円 (東武亀戸線/東京都江東区/約25分)
6位 巣鴨新田 2180万円(都電荒川線/東京都豊島区/約26分)
6位 とうきょうスカイツリー 2180万円(東武伊勢崎線/東京都墨田区/約27分)
9位 小岩 2190万円(JR総武線/東京都江戸川区/約21分)
9位 北千束 2190万円(東急大井町線/東京都大田区/約28分)

1位は横浜・鶴見駅。ラッシュ時には始発列車もアリ!

1位になったのは、神奈川県横浜市にある鶴見駅。幹線であるJR京浜東北線の沿線のため、乗り換えなしで東京駅まで利用できる。快速なら約26分だが、普通列車にのっても約30分で東京駅まで到着可能。しかも、ラッシュ時には鶴見駅始発の列車も設定されている。

「鶴見」というと工業地帯というイメージをもつ人も多いだろうが、鶴見駅周辺は横浜市の副都心に指定され、商業施設が多く入った駅ビル「CIAL鶴見」をはじめ、飲食店や銀行、スーパーなどが点在し、生活に必要なものは不自由しないだろう。また、物件数もランキング内では一番多く、単身者の住環境がととのっていることがうかがえる。

【画像1】鶴見駅(写真/PIXTA)

【画像1】鶴見駅(写真/PIXTA)

3位の北池袋は、東武東上線の各駅停車駅。日本最大級の繁華街のひとつである池袋の隣駅であり、距離も2キロ弱と近いため、池袋駅の圏内ともいえる。池袋で遊んで終電を逃しても、徒歩でも帰宅が可能なので、シングルの気楽さを満喫できるのではないだろうか。

とうきょうスカイツリー駅周辺は買い物環境が充実。浅草駅や押上駅も使えて便利!

6位のとうきょうスカイツリー駅も、遊びや趣味を優先したいシングルには楽しい場所だろう。観光名所である東京スカイツリーや、商業施設「東京ソラマチ」のおひざ元であるため、食べ物やファッションアイテムなどの買い物に困らない。

また、1駅隣は浅草駅で距離も遠くなく、散歩がてら歴史ある街並みや料理を毎日楽しむことも可能だ。東京スカイツリーを挟んだ反対側の最寄駅、押上駅を利用すれば、成田空港(時間によっては羽田空港も)まで一本という便の良さも、旅行が好きなシングルには魅力的だろう。

また、東武伊勢崎線は東京メトロ日比谷線と半蔵門線と相互直通運転しているのも、大きな利点。有楽町や渋谷など、通勤や遊びに便利な街へ乗り換えなしで行くことができる。

【画像2】東京スカイツリー(写真/PIXTA)

【画像2】東京スカイツリー(写真/PIXTA)

東京駅からの所要時間が一番短かったのが、9位の小岩駅。総武線の各駅停車駅で、かつ隅田川と荒川と2つの大きな川を越えるため、都心からとても離れたような気持ちになるのだが、意外にも約21分で東京駅に到着できる。駅周辺はスーパー以外にも商店街が多く、生活必需品の購入には便利。また、駅東側には韓国料理店が立ち並んでおり、外食好きには楽しい街だろう。

身軽なシングルにとって、通勤環境と同じくらい趣味や交流の場も重要視するポイントのはず。マンション購入を考えるときは、会社までのアクセスだけでなく、駅周辺の環境も見極めたいところ。自分が求めるそのものスバリな駅や沿線でなくても、理想の暮らしをかなえられる駅はまだまだたくさんあるといえそうだ。

次回は、DINKS向けに、中古マンションの相場が安い駅を紹介予定。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東京駅まで電車で30分圏内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分圏内、築年数40年未満、専有面積100m2未満、ワンルーム、1K、1DK、1LDKの物件(敷地権利は所有権のみ)
【データ算出期間】2016年10⽉1⽇~2017年9⽉30⽇
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、平日の日中時間帯の検索結果から算出(乗換回数は問わない)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

東京駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキング【シングル編】

家を購入するとき、重視する項目の大きなひとつが交通の便だろう。通勤や通学先への近さや乗り換えの有無など、人によって重視するポイントはさまざまだが、日本の玄関口ともいわれる東京駅へのアクセスを重視する人は多いかもしれない。
東京駅はJR主要幹線と東京メトロ丸ノ内線が乗り入れ、東海道新幹線・東北新幹線の起点駅であるなど、通勤・通学はもちろんのこと、国内外から人が行き来する巨大ターミナル駅。
今回は、その東京駅まで30分圏内の、中古マンションの価格相場が安い駅をリサーチし、シングル、DINKS、ファミリーと世帯のタイプ別にトップ10を紹介する。まずは、ワンルーム、1K、1DK、1LDKの物件を対象とした、シングル向けの結果から見てみよう。
●シングル向け、東京駅まで30分圏内の物件相場が安い駅TOP10駅
(順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/東京駅までの所要時間)
1位 鶴見 1430万円(JR京浜東北線ほか/神奈川県横浜市/約26分)
2位 葛西 1680万円(東京メトロ東西線/東京都江戸川区/約26分)
3位 北池袋 2080万円(東武東上線/東京都豊島区/約26分)
3位 板橋本町 2080万円(都営三田線/東京都板橋区/約29分)
5位 新子安 2175万円(JR京浜東北線/神奈川県横浜市/約30分)
6位 亀戸水神 2180万円 (東武亀戸線/東京都江東区/約25分)
6位 巣鴨新田 2180万円(都電荒川線/東京都豊島区/約26分)
6位 とうきょうスカイツリー 2180万円(東武伊勢崎線/東京都墨田区/約27分)
9位 小岩 2190万円(JR総武線/東京都江戸川区/約21分)
9位 北千束 2190万円(東急大井町線/東京都大田区/約28分)

1位は横浜・鶴見駅。ラッシュ時には始発列車もアリ!

1位になったのは、神奈川県横浜市にある鶴見駅。幹線であるJR京浜東北線の沿線のため、乗り換えなしで東京駅まで利用できる。快速なら約26分だが、普通列車にのっても約30分で東京駅まで到着可能。しかも、ラッシュ時には鶴見駅始発の列車も設定されている。

「鶴見」というと工業地帯というイメージをもつ人も多いだろうが、鶴見駅周辺は横浜市の副都心に指定され、商業施設が多く入った駅ビル「CIAL鶴見」をはじめ、飲食店や銀行、スーパーなどが点在し、生活に必要なものは不自由しないだろう。また、物件数もランキング内では一番多く、単身者の住環境がととのっていることがうかがえる。

【画像1】鶴見駅(写真/PIXTA)

【画像1】鶴見駅(写真/PIXTA)

3位の北池袋は、東武東上線の各駅停車駅。日本最大級の繁華街のひとつである池袋の隣駅であり、距離も2キロ弱と近いため、池袋駅の圏内ともいえる。池袋で遊んで終電を逃しても、徒歩でも帰宅が可能なので、シングルの気楽さを満喫できるのではないだろうか。

とうきょうスカイツリー駅周辺は買い物環境が充実。浅草駅や押上駅も使えて便利!

6位のとうきょうスカイツリー駅も、遊びや趣味を優先したいシングルには楽しい場所だろう。観光名所である東京スカイツリーや、商業施設「東京ソラマチ」のおひざ元であるため、食べ物やファッションアイテムなどの買い物に困らない。

また、1駅隣は浅草駅で距離も遠くなく、散歩がてら歴史ある街並みや料理を毎日楽しむことも可能だ。東京スカイツリーを挟んだ反対側の最寄駅、押上駅を利用すれば、成田空港(時間によっては羽田空港も)まで一本という便の良さも、旅行が好きなシングルには魅力的だろう。

また、東武伊勢崎線は東京メトロ日比谷線と半蔵門線と相互直通運転しているのも、大きな利点。有楽町や渋谷など、通勤や遊びに便利な街へ乗り換えなしで行くことができる。

【画像2】東京スカイツリー(写真/PIXTA)

【画像2】東京スカイツリー(写真/PIXTA)

東京駅からの所要時間が一番短かったのが、9位の小岩駅。総武線の各駅停車駅で、かつ隅田川と荒川と2つの大きな川を越えるため、都心からとても離れたような気持ちになるのだが、意外にも約21分で東京駅に到着できる。駅周辺はスーパー以外にも商店街が多く、生活必需品の購入には便利。また、駅東側には韓国料理店が立ち並んでおり、焼き肉好きにはぴったりの街かもしれない。

身軽なシングルにとって、通勤環境と同じくらい趣味や交流の場も重要視するポイントだろう。マンション購入を考えるときは、会社までのアクセスだけでなく、駅周辺の環境も見極めたいところ。自分が求めるそのものスバリな駅や沿線でなくても、理想の暮らしをかなえられる駅はまだまだたくさんあるといえそうだ。

次回は、DINKS向けに、中古マンションの相場が安い駅を紹介予定。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東京駅まで電車で30分圏内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分圏内、築年数40年未満、専有面積100m2未満、ワンルーム、1K、1DK、1LDKの物件(敷地権利は所有権のみ)
【データ算出期間】2016年10⽉1⽇~2017年9⽉30⽇
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、平日の日中時間帯の検索結果から算出(乗換回数は問わない)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

11月の中古マンション価格、下落地域数が増加、東京カンテイ

(株)東京カンテイはこのほど、2017年11月度「中古マンション価格天気図」を発表した。これは全国47都道府県のファミリータイプ中古マンション流通事例価格を月ごとに集計し、価格変動を「天気マーク」で表示したもの(30m2未満の住戸、事務所・店舗は除外、リゾートマンションを除く)。

それによると、11月は「晴」が16から13地域に減少、「雨」は10地域で変わらず。「曇」は8から7地域に減少。「小雨」は7から9地域に増加。「薄日」は6から8地域に増加した。47都道府県のうち前月比価格が下落した地域数は23から25地域に増加。11月度は首都圏エリアで引き続き強含み、1都3県で「晴」の状態を維持しているものの、東北地方、近畿圏、九州地方、沖縄県では概ね弱含み傾向となった。

【三大都市圏】
●首都圏
首都圏は、東京都が前月比0.6%上昇、神奈川県は0.1%上昇、千葉県は0.9%上昇、埼玉県は0.1%上昇。首都圏平均は1.1%上昇した。
●近畿圏
近畿圏は、大阪府が0.9%上昇、兵庫県は2.6%下落、京都府は1.6%下落。中心府県は下落傾向。郊外部は滋賀県が3.8%下落、奈良県は2.3%下落。近畿圏平均は0.7%下落した。
●中部圏
中部圏は、愛知県が0.1%上昇、岐阜県は1.0%下落、三重県は1.6%上昇、静岡県は±0.0%と横ばい。中部圏平均は0.2%下落した。

【地方圏】
●北海道
北海道は前月比0.2%下落し1,543万円、札幌市は0.2%上昇し1,604万円。事例が集中する中央区では0.8%下落。東区で1.4%、南区で2.1%それぞれ下落したものの、豊平区で0.6%、西区で2.6%、白石区で0.2%、北区で12.3%それぞれ上昇し、同市の価格を押し上げた。
●宮城県
宮城県は、0.3%上昇し2,019万円、仙台市は0.6%上昇し2,057万円。事例数が市内で最も多い青葉区で1.3%下落したが、次いで事例の多い太白区で2.5%、宮城野区で0.9%、若林区で4.5%、泉区で1.9%それぞれ上昇したため同市の価格は上昇した。
●広島県
広島県は1.5%上昇し1,950万円、広島市は2.4%上昇し2,054万円。広島市では最も事例の多い中区で7.1%大きく上昇。次いで事例の多い西区では4.6%、東区では1.0%それぞれ下落したものの、南区で1.9%、佐伯区で2.9%それぞれ上昇したため、同市の価格は上昇した。
●福岡県
福岡県は0.1%下落し1,837万円、福岡市も0.1%下落して2,268万円。福岡市では事例が集中する中央区で0.5%、博多区で2.0%、西区で3.0%それぞれ上昇した。一方、南区で2.3%、城南区で0.2%、早良区で2.0%それぞれ下落し、同市の価格を押し下げた。
●佐賀県
佐賀県は2.6%上昇し1,357万円。同県で最も事例数の多い佐賀市で2.2%、次いで事例の多い鳥栖市で7.1%それぞれ上昇し、同県の価格が上昇した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

首都圏中古マンション価格、引き続き上昇、東京カンテイ

(株)東京カンテイは12月21日、2017年11月度「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70m2価格月別推移」を発表した。これは、同社のデータベースに登録された中古マンションの“売り希望価格”を行政区単位に集計・算出し、70m2に換算したもの。対象はファミリータイプのみ(専有面積30m2未満の住戸、事務所・店舗用は集計から除外)。

それによると、2017年11月の首都圏中古マンション価格は、東京都での強含みや事例シェアの拡大によって、前月比+1.1%の3,621万円と引き続き上昇。都県別では、東京都(+0.6%、4,841万円)、神奈川県(+0.1%、2,859万円)や埼玉県(+0.1%、2,194万円)では僅かな強含みに留まった。千葉県(+0.9%、1,995万円)では上昇傾向を維持して2,000万円の大台に迫っている。

近畿圏平均は前月比-0.7%の2,107万円と3ヵ月ぶりに下落。大阪府では+0.9%の2,306万円と引き続き強含んで上昇率も拡大。一方、10月には1,900万円台目前まで上昇していた兵庫県は、11月は神戸市をはじめ主要エリアで反動により価格水準を下げ、県平均は-2.6%の1,844万円と比較的大きく下落した。

中部圏平均は前月比-0.2%の1,722万円、愛知県は+0.1%の1,863万円と、目立った変化は見られなかった。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

10月の中古マンション価格、首都圏で強含み傾向、東京カンテイ

(株)東京カンテイは11月30日、2017年10月度「中古マンション価格天気図」を発表した。これは全国47都道府県のファミリータイプ中古マンション流通事例価格を月ごとに集計し、価格変動を「天気マーク」で表示したもの(30m2未満の住戸、事務所・店舗は除外、リゾートマンションを除く)。

それによると、10月は「晴」が10から16地域に増加して最多となった。「雨」は9から10地域に増加。「曇」は9から8地域に減少。「小雨」は7地域で変わらず。「薄日」は12から6地域に減少した。47都道府県のうち前月比価格が下落した地域数は21から23地域に増加。10月度は東北や北関東エリアで弱含んだが、首都圏エリアでは強含み、東京都と千葉県が「薄日」から「晴」に転じた。上昇傾向エリアは更に上昇し、下落傾向エリアは継続下落している。

【三大都市圏】
●首都圏
首都圏は、東京都が前月比0.6%上昇、神奈川県は0.8%上昇、千葉県は0.7%上昇、埼玉県は0.6%下落。首都圏平均は0.7%上昇した。
●近畿圏
近畿圏は、大阪府が0.3%上昇、兵庫県は2.0%上昇、京都府は1.1%下落。中心府県はやや強含みに転じた。郊外部は滋賀県が0.1%上昇、奈良県は0.5%下落。近畿圏平均は0.4%上昇した。
●中部圏
中部圏は、愛知県が1.6%下落、岐阜県が2.3%上昇、三重県が3.7%下落、静岡県が0.2%下落。中部圏平均は1.5%下落した。

【地方圏】
●北海道
北海道は、前月比1.7%上昇し1,546万円、札幌市は1.8%上昇し1,601万円。事例が集中する中央区では1.7%上昇。東区では6.5%、豊平区では1.1%、西区では1.1%それぞれ上昇し、同市の価格を引き上げた。一方、北区では3.6%、白石区では2.2%、南区では2.3%それぞれ下落しており、札幌市全体で上昇している状況とはなっていない。
●宮城県
宮城県は0.7%下落し2,014万円、仙台市は0.8%下落し2,045万円。事例数が市内で最も多い青葉区で0.5%下落、若林区で2.0%、太白区で2.4%それぞれ下落したため同市の価格が押し下がった。
●福島県
福島県は5.4%下落し1,604万円。同県で最も事例数の多い郡山市で9.5%、次いで事例の多い福島市で5.9%とそれぞれ大きく下落した影響で同県の価格が下落した。
●新潟県
新潟県は5.0%上昇し1,397万円。新潟市内で最も事例数の多い中央区で7.6%上昇したことが同県の価格上昇に影響した。
●広島県
広島県は0.5%下落し1,922万円、広島市は0.3%下落し2,006万円。広島市では最も事例の多い中区で3.8%下落。次いで事例の多い西区では2.4%上昇したものの、東区で1.4%、安佐南区で3.6%、佐伯区で4.0%とそれぞれ下落したため、同市の価格は下落となった。
●福岡県
福岡県は1.0%上昇し1,838万円、福岡市も0.9%上昇して2,271万円。福岡市では事例が集中する中央区で1.1%上昇、南区で0.4%、西区で2.1%、城南区で8.2%それぞれ上昇し、同市の価格を押し上げた。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

「旧耐震」って危ないの? それでも住みたいならどう選ぶ?

「少しでも賃料が安い物件に住みたい」あるいは「かっこいいリノベーションマンションに住みたい」……。そんなとき、候補に挙がるのが築年数を経た中古マンションだ。しかし、大型地震が頻発している昨今、いわゆる「旧耐震」の物件に不安に感じる人も多いだろう。そこで、耐震制度そのものの解説から、旧耐震物件に住みたい場合はどう選んだらよいかを、碓井建築オフィス代表で一級建築士の碓井民朗(うすい・たみお)さんに聞いてみた。
そもそも「新耐震」と「旧耐震」って、どういうこと?

中古マンションを選ぶときの基準として、新耐震か旧耐震であるかはよく取り沙汰される。だが、そもそも旧耐震・新耐震とはいったい何かについて、一般人の知識は曖昧であることも多い。

「耐震基準というのは、建物が地震の震動に耐えうる能力を定めるものです。1919年に日本で最初の建築法規である『市街地建築物法』が制定されますが、最初は木造のみの基準でした。関東大震災の次の年の1924年に同法が規則改正され、耐震基準が導入されました。その後1950年に同法が廃止され、あらたに『建築基準法』が制定され、その中で耐震性に関する基準ができたのです。

その後も大きな地震があるたびに見直されています。例えば1968年の十勝沖地震を経て1971年に建築基準法の改正があり、鉄筋コンクリート造の柱の帯筋が強化されました。さらに1978年の宮城県沖地震を経て1981年6月に大きな『耐震基準』の改正がありました」(碓井氏)

なかでも大幅な改正が行われたのが、1981年6月1日。耐震設計法が抜本的に見直された。
「現在では1981年以前の基準を『旧耐震』、以後の設計法を『新耐震』と呼んでいます」(同)
「旧耐震」では、震度5程度の地震に耐えられることが基準だったが、「新耐震」では、建物の倒壊を回避するだけでなく、建物内の人命が重要視され、比較的よく起きる中程度の地震では軽度なひび割れ程度、まれに起きる震度6~7程度の大きな地震でも崩壊・倒壊しないことが求められている。

「注意したいのは、新耐震かどうかの判断は建物が完成した『竣工年』ではないということです。特にマンションは完成まで時間がかかるので、1982年に完成したマンションでも、建築確認済証の交付日が1981年6月1日以前であれば旧耐震になります。中古マンションや中古住宅を購入する場合は、不動産販売会社や自治体で確認する必要があります」(同)

耐震改修工事の実施率はわずか5.9%、なぜ進まない?

これだけ大きな問題なのに耐震補強工事はあまり進められていない。2013年に東京都が発表した「マンション実態調査(※1)」では、都内にある旧耐震基準の分譲マンションのうち耐震診断を行った物件は17.1%、実際に耐震改修工事の実施率は5.9%となっている。

つまり8割以上のマンションではマンションの耐震診断すら行っていないということだ。その理由についても聞いてみた。

「耐震補強工事は実は難しいのです。1階のピロティ部分(※2)を補強しただけで耐震工事をしたと言っている場合がありますが、『耐震補強工事』は全ての階を行わないと効果はないと思います。住戸のバルコニー側や廊下側の外壁には『筋かい』(※3)が最低限必要になりますが、技術的には可能でも実際には無理です。『筋かい』を入れるとなると住戸内での生活が不自由になりますし、大変な工事費の負担になります」と碓井氏。

耐震診断自体に費用がかかるうえ、不適格という結果が出れば耐震工事にどれだけ費用がかかるか分からない。結果的に耐震診断も実施しないという結論になる場合が多いようだ。

旧耐震物件に住むなら? 中古マンションの選び方

しかし旧耐震のマンションは、都心からのアクセスに恵まれた立地が多い。新築マンションでは手が届かない場合でも、中古マンションだからこそ住めることもあるはずだ。どうしても住みたいと思う際のアドバイスを聞いてみた。

「どうしても旧耐震のマンションを選ぶ必要があるならば、私は『壁式構造』(※4)のものをすすめます。壁全体で建物を支えているので強度が『ラーメン構造』(※4)よりも高いです。阪神・淡路大震災でも、5階建て(高さ地上15m)以下の『壁式構造』については被害が少なく、また、少数の被災事例も、地盤の関係で沈下や傾斜が生じたもので、建物の壁等の破損はほとんどなかったと言われています」(同)

立地についてはどこをチェックすべきだろうか。
「築年数を経た建物であれば、より地盤がしっかりしていることが重要視されます。国土交通省による国土地盤情報検索サイト(KuniJiban)や行政が公開している液状化予測図等を確認しておくのも重要ではないでしょうか」と碓井氏。

中古マンションの購入を検討する場合、やはり「旧耐震であるか新耐震であるか」ということが、大きなチェックポイントであることが分かった。併せて立地条件や構造など、さまざまな条件を照らし合わせることも大切だ。住まいは資産としてはもちろん、人の暮らしや命を預かるものなので、冷静に判断する必要があるだろう。

●取材協力 
・碓井建築オフィス●参考資料と注釈
(※1)マンション実態調査(東京都)
(※2)1階部分を柱だけで構成した吹放しの空間
(※3)建物の構造を強固にするために、柱と柱との間に斜めに入れる部材。
(※4)鉄筋コンクリート造には「ラーメン構造」と「壁式構造」の2種類の形式がある。「ラーメン構造」とは、柱と梁により構成されている構造。一方、「壁式構造」とは、柱がなく、壁梁や壁により、支えられる構造であり、通常は5階建てで地上15m以下までの建物に採用される。

10月の首都圏中古マンション価格、主要エリアは強含み、東京カンテイ

(株)東京カンテイは11月21日、2017年10月度「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70m2価格月別推移」を発表した。これは、同社のデータベースに登録された中古マンションの“売り希望価格”を行政区単位に集計・算出し、70m2に換算したもの。対象はファミリータイプのみ(専有面積30m2未満の住戸、事務所・店舗用は集計から除外)。

それによると、10月の首都圏中古マンション価格は、主要エリアの強含みに伴って前月比+0.7%の3,581万円と上昇したものの、前年同月比はマイナスに転じた。都県別では、東京都は+0.6%の4,811万円と再び上昇したが、前月に引き続き前年同月の水準を下回った。神奈川県(+0.8%、2,857万円)や千葉県(+0.7%、1,978万円)では上昇傾向を維持している一方で、埼玉県(-0.6%、2,192万円)では前月の反動から4ヵ月ぶりに下落した。

近畿圏平均は前月比+0.4%の2,122万円と小幅ながら引き続き上昇。大阪府では+0.3%の2,285万円と3ヵ月ぶりに上昇した。また、兵庫県では神戸市をはじめ大阪寄りのエリアでも強含んだ影響から、県平均は+2.0%の1,893万円と比較的大きく上昇した。

中部圏平均は前月比-1.5%の1,726万円、愛知県では-1.6%の1,861万円と、最高値が更新される状況は一服したものの、依然として上昇基調で推移している。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ