残価設定型の住宅ローンってどんなもの?メリットや注意点などをわかりやすく解説

パナソニックホームズが、一般社団法人移住・住みかえ支援機構が開発した長期優良住宅対象の残価設定型住宅ローンについて、楽天銀行との提携を経て、返済期間が最長40年の「楽天銀行オプション付加型残価設定住宅ローン」の取り扱いを開始すると公表した。残価設定の住宅ローンとは、一体どんなものなのだろう?

【今週の住活トピック】
楽天銀行と返済期間最長40年の残価設定型提携住宅ローン取り扱いを開始/パナソニック ホームズ

住宅ローンにおける残価設定のローンとは?

住宅ローンでは耳慣れないローンだが、カーローンではよく耳にする「残価設定型ローン」。車の購入の際に、あらかじめ将来の下取り価格を設定して、車両価格から下取り価格(残価)を差し引いた金額に対してローンを組む方法のことだ。

では、住宅版ではどうなるのか?
パナソニックホームズの残価設定型住宅ローンは、移住・住みかえ支援機構(以下「JTI」)が提供する「残価設定型住宅ローン」を利用するもので、通常の住宅ローンに、「返済額軽減オプション」と「買取オプション」という二つのオプションを付ける形になる。

大雑把に言うと、通常のローン返済をする途中で、あらかじめ決められたオプションが行使できる時点で、返済額は大幅に減るが終身でローン返済を続けるか、住宅ローンの残高と同額で買い取ってもらうかを選べる、といったものだ。残価設定時期などはJTIが決める。

したがって、JTIが大きな役割を果たすことになるので、JTIが残価設定型住宅ローンの仕組みを提供する背景について見ていこう。

JTIが残価設定型住宅ローンを提供する背景は?

JTIは国土交通省の支援を受けて設立した、持ち家を長く活用してもらうことを目的とした一般社団法人。シニア層が使わなくなった住宅を子育て世代に向けて転貸する「マイホーム借上げ制度」などを提供している。

2021年に住生活基本計画の見直しが行われた際に、「ライフスタイルに合わせた柔軟な住替えを可能とする既存住宅流通の活性化」のため、残価設定ローンを含む多様な金融商品を活用することが盛り込まれた。これを契機に、JTIが、維持管理体制の充実した事業者が施工する認定長期優良住宅について、将来の残価を保証する仕組みを開発した。これが、残価設定型住宅ローンだ。

したがって、残価設定型住宅ローン対象となるのは、国の認定を受けた「長期優良住宅」で、施行する事業者も指定されたハウスメーカーに限られるので、対象は一戸建てになる。また、取り扱いができる金融機関も、現時点で指定されているのは、日本住宅ローン、三菱UFJ銀行、楽天銀行だ。

※長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅。長期に使用するための構造及び設備を有していること、維持保全の期間や方法を定めていることなどが求められる。

残価設定型住宅ローンの仕組みをもっと詳しく

残価設定型住宅ローンについて、下の概念図でもう少し詳しく見ていこう。

例えばJTIが残価設定月を20年後に設定した場合、通常の住宅ローンの返済をしていくが、30歳で借りて50歳で残価設定月に達したら、リバースモーゲージ(死亡時に担保不動産を処分して残債を返済する住宅ローン)の仕組みを使った「返済額軽減オプション」を選ぶ(左側)か、その時点のローン残高の額で買い取ってもらう「買取オプション」を選ぶ。また、「返済額軽減オプション」を選んだ場合でも、途中で「買取オプション」を行使することもできる(右側)。

出典:パナソニック ホームズのリリースより

出典:パナソニック ホームズのリリースより

まず、「返済額軽減オプション」について見ていこう。「1」では通常の住宅ローンの返済となるが、残価設定月以降にオプションを行使すると、元金の返済額をJTIの保証する残価に合わせることで返済額を大幅に軽減する「新型リバースモーゲージ」に切り替わる。借り入れから50年経つと元金の返済がなくなり、51年目以降は利息のみの返済となる。そのため、「2」、「3」と段階的に返済額が減る形になる。

次に、「買取オプション」について。残価設定月に行使した場合は、その時点の住宅ローン残高と同額で、また返済額軽減オプション選択後に行使した場合は、新型リバースモーゲージの残高と同額で、JTIが買い取る形となる。

残価設定型住宅ローンのメリットやデメリットは?

残価設定型住宅ローンのメリットは、長期間返済する中でいくつかのリスクを回避できることにある。例えば定年後に想定したよりも収入が減ってしまった場合でも、「返済額軽減オプション」によって、返済額を抑えることができる。

また、一定期間住んでから売却しようとしたとき、住宅市況が悪化して売却額では住宅ローンの残債を返せないといったときでも、残債と同額で売却できるので、ローンから解放される。住宅市況が良好で高く売れるときは、自身で売却した額で住宅ローンを完済すればよい。

このように、住宅ローンによって自由な住替えを妨げられることがなくなるのだが、注意点もある。

「返済額軽減オプション」を行使した場合、当初の住宅ローンに付帯した団体信用生命保険は終了し、以降は団体信用生命保険に加入できない。また、終身で返済することになり、当初の住宅ローンよりも利息を多く払う場合もある。

なお、認定長期優良住宅は、長期使用ができるように認定計画に沿ったメンテナンスを継続的に行うことが求められる。そのため、一般的な住宅よりも点検や補修費用などがかかってしまうことも、理解しておきたい。

社会的に見ると、残価設定型住宅ローンを利用した住宅は、いずれのオプションでも、最終的にはJTIに帰属するので、良質な住宅が空き家になることはない。こうしたメリットもある残価設定型住宅ローンだが、利用できる住宅(事業者)や金融機関が限られるので、どの住宅でも利用できるわけではない。とはいえ、ローンを利用する側にとって、多様な選択肢の一つになるので、こうした住宅ローンがあることを知っておいてほしい。

●関連サイト
パナソニック ホームズ「楽天銀行と返済期間最長40年の残価設定型提携住宅ローン取り扱いを開始」
移住・住みかえ支援機構「残価設定型住宅ローン利用者フォーラム」

住宅購入者の関心が高いワードはやはり【フラット35】、「住宅ローン減税」!購入時に知るべき制度も解説

リクルートが「『住宅購入・建築検討者』調査(2022年)」を公表した。この調査では、住宅の購入や建築を検討するうえで、知っておきたい制度などについての理解・関心度も聞いている。その結果、理解・関心度の高いワードの多くが、住宅ローンや減税に関するものだということが分かった。

【今週の住活トピック】
「住宅購入・建築検討者」調査(2022年度)公表/リクルート

住宅購入・建築検討者は一戸建て派が多数を占める

調査は、首都圏、東海圏、関西圏の三大都市圏と政令指定都市のうち札幌市、仙台市、広島市、福岡市に住む、20歳から69歳の男女で、過去1年以内に住宅の購入・建築、リフォームについて具体的に検討した人を対象に行われた。

検討している住宅の種別(複数回答)は、「注文住宅」が過半数の56%で、「新築一戸建て」32%、「中古一戸建て」29%、「新築マンション」32%、「中古マンション」26%、「(現在住む家の)リフォーム」15%となっている。「一戸建てか、マンションか」を聞く(単一回答)と、「ぜったい」と「どちらかといえば」の合計で、「一戸建て派」が63%、「マンション派」が22%と、一戸建て派が多数を占める結果となった。

また、検討している物件に、「永住する」と考えているのは45%、「将来的に売却を検討している」のは24%、「将来的に賃借を検討している」のは5%だった。

過半数が名前も内容も知っている、【フラット35】、「リノベーション」、「住宅ローン減税」

この調査では、「税制・優遇制度などへの理解・関心」について、詳しく聞いている。聞いた税制・優遇制度は、「今後創設予定の税制・優遇制度」、「住宅購入に関する税制・優遇制度」、「住宅購入に関する金利・補助金」、「物件の構造・仕様、取引、他に関するもの」に大別され、それぞれ複数項目を聞いている。

その項目の中で、「言葉も内容も知っている」と回答した割合(以降は、「認知度」と表記)の多いものを挙げてみよう。

■認知度の高い項目(上位10項目)

順位制度名等認知度1【フラット35】75%2リノベーション63%3住宅ローン減税※56%4【フラット35 S】46%4空き家バンク46%6固定資産税の減額措置45%6スマートハウス45%8贈与税の特例42%9認定長期優良住宅41%10住宅リフォームの減税制度40%※住宅ローン減税については、さらに細かく聞いているが、順位としては省略した。
リクルート『住宅購入・建築検討者』調査(2022年度)を基に筆者が作成

認知度の上位には、住宅ローンと減税に関するものが多く入っているのが目立つ。ローンと税金は多くの人に関係するだけに、認知度が高くなっているのだろう。ちなみに、認知度が低かったのは、「BELS」(23%)や「安心R住宅」(25%)だった。

【フラット35】と「住宅ローン減税」のどこまで知っている?

この調査では、回答者に対して言葉とその内容について説明文を提示し、そのうえで、知っているかどうか聞いている。その説明について、紹介しておこう。

まず、1位の【フラット35】と4位の【フラット35 S】。

【フラット35】全期間固定金利の住宅ローンである【フラット35】において、2023年4月よりすべての住宅について、省エネ基準への適合を求める制度の見直しが行われる。【フラット35 S】一定の基準を満たした住宅を取得する場合、一般の住宅より金利を引き下げる制度。

住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する【フラット35】だが、ポイントは、2023年4月以降は省エネ基準に適合していないと利用できないことだ。金利を引き下げる優遇制度である【フラット35 S】は、すでにZEHなど省エネ性の高い住宅ほど金利が優遇される仕組みに変わっている。

2位の「住宅ローン減税」については、「返済期間10年以上の住宅ローンを利用して住宅を購入した場合に、住宅ローン残高の0.7%を所得税等から控除」と概要を説明しており、認知度は56%になっている。実は、調査ではさらに細かく聞いている。

【住宅ローン減税×環境性能】環境性能の優れた住宅では、減税の対象となる借入限度額が上乗せになる。【住宅ローン減税×中古OK】新耐震基準適合住宅(1982年以降に建築された住宅と定義)であれば、住宅ローン減税が適用される。【住宅ローン減税×増改築OK】自宅の増改築でも基準を満たせば、住宅ローン減税が適用される。【住宅ローン減税×新築床面積】2023年末までに建築確認を受けた新築住宅であれば、床面積が40平米以上50平米未満でも適用される。(それより以前は床面積50平米以上で適用対象)【住宅ローン減税×耐震改修】新耐震基準を満たさない中古でも、取得後一定期間内に耐震改修して基準を満たせば、住宅ローンが適用される。

いずれについても、認知度は46%~51%と高く、住宅ローン減税については細かい適用条件まで理解している人が多いことがわかる。

リノベーションなど認知度の高いワードを再確認

以下、上位に挙がった項目について、説明していこう。

リノベーション既存の建物に大規模な改修工事を行い、用途や機能を変更して性能を向上させたり付加価値を与えること。空き家バンク地方自治体が、空き家の賃貸・売却を希望する所有者から提供された情報を集約し、空き家をこれから利用・活用したい方に紹介する制度。空き家対策の一つとして注目されている。固定資産税の減額措置2024年3月末までに新築住宅を取得した場合、固定資産税が3年間(マンション等の場合は5年間)、2分の1に減額される。スマートハウス太陽光発電システムや蓄電池などのエネルギー機器、家電、住宅機器などをコントロールし、エネルギーマネジメントを行うことで、家庭内におけるエネルギー消費を最適化する住宅。贈与税の特例住宅取得等資金として、子や孫が親や祖父母から贈与を受ける場合、通常の住宅で500万円、省エネ等住宅で1000万円まで贈与税が非課税になる。認定長期優良住宅耐震、省エネ、耐久性などに優れた住宅である長期優良住宅と認定されると、所得税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税が軽減される。(住宅ローン減税では借入限度額が上乗せされる)住宅リフォームの減税制度耐震改修、バリアフリー対応、省エネ対応、三世代同居対応、長期優良住宅化対応の工事を行うと所得税等の控除がある。リクルート『住宅購入・建築検討者』調査(2022年度)を基に筆者が作成

少し補足説明をしておこう。
「リノベーション」については明確な定義がないのだが、住宅業界では一般的に、劣化した部分を建築当時の水準に改修するだけでなく、今の生活に合うように機能を引き上げる改修を行うことをいう。そのため、大規模な改修工事になることが多い。

「空き家バンク」は、かつては自治体ごとに公開しているホームページを見に行くしかなく、使いづらいものだったが、いまは民間の不動産ポータルサイトによって統一した内容で全国の空き家が探せるようになっている。

「スマートハウス」は、一般的にHEMS (home energy management system) と呼ばれる住宅のエネルギー管理システムで、家庭の電気などのエネルギーを一元的に管理する住宅のこと。IT技術を活用した住宅としてはほかに、IoT住宅(アイオーティー住宅。インターネットで住宅設備や家電などをつなげてコントロールできる住宅)などもある。IT技術によって、今後も多くのものがホームネットワークでつながり、安心安全や健康などの住生活の向上も期待されている。

ほかは、主に減税に関する項目が上位に挙がった。いずれも期限付きの減税制度となっている。期限がくると延長されるか、縮小されるか、終了するかになるので、注意が必要だ。

知っておきたい「新築住宅の省エネ基準適合義務化」と「インスペクション」

最後に、認知度が高くはなかったが、知っておきたい項目について紹介したい。それは「2025年新築住宅の省エネ基準適合義務化」(26%)と「インスペクション(建物状況調査)」(32%)だ。

新築住宅、特に一戸建てのような小規模な建築物にも、省エネ基準への適合が義務化されることになっている。適合義務化は、2030年までにZEH水準まで引き上げる予定となっている。こうした新築住宅への義務化によって、既存の住宅と省エネ性能に開きができる点も押さえておきたい。

「インスペクション」(32%)はもっと認知度が高いと思っていたので、少し意外に思った。中古住宅の売買において、宅地建物取引業者は、建物状況調査の事業者をあっせんするかどうかや、対象の住宅が建物状況調査を行っているかどうかなどを伝えることになっている。建物の状態はしっかり把握しておきたいものなので、認知度が上がることを期待したい。

さて、説明文が簡単に記載されていたとしても、「言葉も内容も知っている」というレベルは人それぞれだろう。何となく分かっているというレベルから、適用条件や期限まで正確に把握しているレベルまでさまざまある。実際に制度を利用しようとするときには、正確に理解していることが求められるので、この機会にぜひ各制度への理解を深めてほしい。

●関連サイト
リクルート「住宅購入・建築検討者」調査(2022年度)

「住宅ローン・教育費・老後資金」家計の3大プロジェクト、どう成功させる? 賢い住まいのマネー術(8)

子育て中の家庭であれば、「住宅ローン・教育費・老後資金」といった家計における3大プロジェクトを同時に走らせなければならないことがあります。

住宅ローンを返済しながら、子どもの教育費や老後資金などの貯金をすることは可能なのでしょうか? その場合、何を優先してどういう順番でお金を準備すれば良いのでしょうか。基本的な考え方をお伝えしたいと思います。

【連載】賢い住まいのマネー術
住まいに関する支出は、家庭の大きな割合を占めるもの。保活から住宅ローン控除まで、住まいに関する家計管理や節約術に定評のあるファイナンシャルプランナー(FP)の花輪陽子さんが解説します。基本は住宅ローン返済を優先しよう

             
まず、教育費や老後資金といった「貯金」よりも、優先すべきは住宅ローンの返済です。ただしその前提として、住宅ローンを抱えている人でも、最低でも200万円程度の預貯金は確保しておきましょう。これは教育費・老後資金とは別に、突然の病気や失業といった人生の不測の事態に備えるためです。

最低限の貯金をつくった後は、さらなる貯金増額よりも、住宅ローンの返済を優先しましょう。返済を進めることで利息の負担を減らすことができるからです。ただし例外として、住宅ローン控除を受けている期間は、ゆっくり返済することも選択肢の一つです。現在は住宅ローン金利が非常に低いために、無理をしてまで返済を進める必要はありません。

住宅ローン控除のキホンをおさらい

住宅ローン控除の仕組みについても、簡単におさらいしておきましょう。

住宅ローン控除とは、購入1年目から10年目までの年末のローン残高の1%が所得税や住民税から控除され、確定申告で戻ってくる制度です(控除限度額あり)。繰り上げ返済を進めると、年末時点のローン残高を減らすことになります。そのため、この期間はあえて繰り上げ返済をせずに貯金をして、住宅ローンの控除期間終了後に、積極的に繰り上げ返済をする方法もある、ということです。

ただし、繰り上げ返済が有利になるか否かについてはケースバイケース。詳しくは税理士などの専門家に相談をすることをお勧めします。

住宅ローンの次は教育費 大学費用はこう貯める!

                                               
住宅ローンの次に優先したいのが、教育費です。月々の住宅ローン返済に加えて、教育費と老後資金の準備を行っている人はどのようにそれぞれを進めれば良いのでしょうか。

教育費のうち、もっとも費用がかかるのは大学の学費。
大学の入学、在学費用に関しては、日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査結果」(平成29年度)によると、国公立大学の場合で合計約503万円、私立大学文系の場合で約738万円、私立大学理系の場合で、平均約807万円がかかっていることが分かります(いずれも端数切り捨て)。

こうした大学資金に関しては、児童手当を全額貯めるのと同時に、子どもが生まれたら子ども1人につき月1万円ずつ貯めましょう。

児童手当を使わずに頑張って全部貯めると、子ども1人当たり約200万円(3歳未満=月額1万5000円、3歳以上小学校修了前=第1子・第2子は月額1万円、第3子以降は月額1万5000円、中学生=月額1万円 所得制限あり)になります。子ども1人当たり月1万円を貯めれば18年間で216万円貯まります。児童手当と合わせれば子ども1人当たり400万円以上になるので大学資金の備えになります。

退職金は老後資金に

住宅ローンを返しながらでも、児童手当と月々の1万円貯金(子ども2人なら月2万円)で大学進学費用はなんとかできるかもしれません。しかし、老後資金はいつ貯めれば良いのでしょうか。出産・育児スタート時の夫と妻の年齢によっては、子どもの独立が退職時期に差し掛かる場合もあります。

まず退職金があれば、それを老後の費用に充当できるとよいでしょう。

総務省の家計調査(2017年)によると、年金世帯の月間の平均支出は、約26万円(年間312万円程度)です。25年間で7800万円程度が必要という計算になります。

一方、年金世帯の平均収入は月額約21万円(年間約252万円)、25年間で約6300万円です。必要総額に対して、年金などの収入だけだと、約1500万円の赤字になってしまいますね。娯楽費や急病時の備えなど、予備費として1000万円程度は欲しいと考えると、夫婦で約2500万円程度の老後資金があると安心です。退職金を確認し、足りない部分は確定拠出年金などを活用しましょう。

そのためにも、住宅ローンは遅くとも退職前には完済をしましょう。教育費も、退職金をあてにせずとも貯め終わっていることが望ましいですね。専業主婦の妻であれば、子どもに手がかからなくなった後は働きに出て、その収入の何割かを老後資金のための貯金に回したいところです。

また、最近は就業規則も以前に比べると緩やかになってきました。社内規定を確認する必要はありますが、会社員として就業されている方がサイドビジネスを検討し、そのぶんを貯蓄に回すのも選択肢の一つです。

仮想通貨や株式…不確実な投資はおすすめできない

最後に、「投資で増やす」という考え方もありますが、不確実な投資はあまりお勧めできません。株式や仮想通貨などへの投資は、大きく儲かる可能性もありますが、多額の損失が出る可能性もあります。投資をする余裕があるならば、まず住宅ローンの繰り上げ返済優先で、確実に利息を減らすところから取り組んでいきましょう。
            
同時に3つのプロジェクトを達成させるのは至難の技ですが、緊急度に応じて優先順位を決めて、一つずつ攻略をしていくしかありません。特に子育て(進学)や住宅購入の時期が遅くなったカップルは、退職前後にローンの完済や子どもの大学資金問題が出てきます。家計の管理には、くれぐれも要注意です。

失敗すると、人生を左右しかねないお金の問題。迷ったときはファイナンシャルプランナーなどのプロに相談をするのも一つの手段ですので、ぜひ頭に入れておいてくださいね。    

花輪陽子phpto2花輪 陽子(ファイナンシャルプランナー)
CFP認定者、1級FP技能士。外資系投資銀行を経てFPに。「夫婦で貯める1億円!」「貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで」などの著書やテレビ出演、雑誌監修など多数。

        

「空き家購入、メリットとデメリットを知りたいです」 住まいのホンネQ&A(3)

誰もが知りたい住宅に関するさまざまな疑問について、さくら事務所創業者・会長の長嶋修氏にホンネで回答いただく本連載。第3回の質問は「空き家購入、メリットとデメリットを知りたいです」です。
新築マンション価格が高騰している一方、国内の空き家は増加の一途をたどり、社会問題になりつつあります。最近は、空き家のマッチングサイトなどがよくメディアに取り上げられるようになり、一般消費者が購入可能な手段も増えてきました。新築マンションが高騰しているいま、安く空き家を買えたら言うことなしのようにも思えますが、果たしてどんなメリットやデメリットがあるのか……? 注意すべき点や税制控除などについてもお話しいただきました。
社会問題化する「空き家」、高騰する新築マンション

総務省によれば日本の空き家は2013年時点でおよそ820万戸。2018年の現時点ではおそらく1000万戸を超える空き家があります。さらに日本はこれから本格的な人口減少と少子化・高齢化に見舞われるため、2033年には空き家が2000万戸、空き家率は30%を超えるとのシンクタンク試算もあります。エリアによっては「お隣りは空き家」といった時代が到来しそうです。

一方で新築マンションを中心とした住宅価格は高止まり。不動産経済研究所によれば、2018年2月の首都圏新築マンション価格平均は6128万円。東京都区部に至っては平均7223万円と、普通のサラリーマンが買える水準をはるかに超えている状態です。

こうしたなか「空き家をうまく活用しよう」といった動きも出始めています。全国の自治体が管理する空き家・空き地情報を集約した『LIFULL HOME’S 空き家バンク』(運営:株式会社LIFULL )や、空き家の売り手と買い手が直接交渉でき、物件価格0円の空き家なども紹介されている『家いちば』(運営:株式会社エアリーフロー)など。とはいえ、こうした取り組みもまだ端緒についたばかり。『家いちば』は2015年の開設から成約は20件程度と、まだまだ認知度も低くユーザーも少ないのが実情です。

空き家活用が進まない3つの理由

空き家活用がなかなか進まない理由にはさまざまなことが考えられますが、第一に「立地」の問題があります。自分がほしい場所にたまたま空き家があり、売りに出ていれば検討の余地がありますが、エリアをある程度限定すると、売りに出ている空き家はまだまだ少数です。「売ることも貸すこともせず、ただ放置されている空き家がたくさんある」というのが昨今の空き家問題の特徴なのです。

第二に「建物のコンディション」。家というものは、人が住まなくなってから時間が経過するほど傷んでいきます。その理由には大きく2つあり、一つは「換気」が行われないことで通風性が失われ、カビや結露を発生させてしまうこと。次に「雨漏り」や「水漏れ」など建物の不具合が発生しても、誰も気づかず放置され事態が悪化してしまうことです。

また空き家の多くには、庭や室内に、前居住者の「残置物」が残っていたりします。残置物とは、庭の物置きや植栽、室内の家具や生活道具一式などです。こうしたものは原則として買い手か売り手のどちらかの負担で処分するしかありませんが、それにも当然コストがかかります。

このように空き家活用は一般に、普通に新築や中古を買うより少しリスクが高く、手間がかかり面倒なのです。それでも、よりリーズナブルに家を手に入れたいという人にとっては、いい買い物になる可能性もあります。割安感のある空き家を買って、自分の思いどおりにリフォーム・リノベーションして暮らすことができればいいですね。

住宅ローン控除やフラット35の適用にはコストがかかる!?

では次に、購入者する側に立った際に使える控除などについて見ていきましょう。

まず住宅ローンを組む場合、新築から築20年以内の建物(マンションは25年以内)であれば「住宅ローン控除」が使えます。住宅ローン控除とは、ローン残高(年末時点)の1%分の所得税が10年間、戻ってくるものです。

空き家の場合、これよりも築年数が古いことが往々にしてあるでしょう。その場合に住宅ローン控除を利用する方法は2つあり、一つは「既存住宅売買瑕疵保険」に加入すること。保険期間は1年ないしは5年、支払い限度額は500万円ないしは1,000万円というのが一般的ですが、保険加入のためには一定の建物補修が必要など、コストがかかる要件があります。

もう一つは「耐震基準適合証明書」を取得する方法。こちらも、耐震診断やその結果に応じた耐震改修をする必要があるので一定のコストがかかります。

留意したいのが、中古住宅で『フラット35』や不動産取得税の減税制度などを利用したい場合です。フラット35については、『フラット35の適合証明書』が必要で、1981年5月31日以前に建築確認を取得した旧耐震の物件で制度を利用するには、『耐震基準適合証明書』の取得が必須。それに伴って、やはり耐震診断や改修コストは必要です。築20年以上の一戸建て・25年以上のマンションで不動産取得税の減免を受けるには先述の『耐震基準適合証明書』が必要です。

リフォームやリノベーションには補助金がもらえることも

一方でリフォームやリノベーションを行う場合には、国や自治体からさまざまな補助金が出ることもあります。例えば東京都豊島区では修繕工事に10万円、リフォーム工事に20万円を限度として補助金がもらえます(※適用にはいくつかの要件あり)。使えるものはうまく使っておきたいところ。こうした税制や補助金等に詳しいリフォーム・リノベーション事業者とお付き合いすることがお得に空き家を活用するコツとも言えるかもしれません。

いずれにせよ、購入前に建物のコンディションはよく調べておきたいもの。2018年4月からは住宅売買時に「インスペクション説明義務化」がスタートします。これは簡単に言うと、住宅の売主・買主に、建物の状況を調べるインスペクション事業者のあっせんの有無やその内容について説明するという制度です。

中古住宅取引時に、欧米では当たり前のように行われているホームインスペクション(住宅診断)を日本でも常識化し、中古住宅流通を促進させたいといった国の意志の表れですが、未来の日本では、中古住宅や空き家をうまく活用するというのは当たり前のことになっているでしょう。とはいえ日本ではまだこうした施策はまだ始まったばかり。制度をよく知った上で、インスペクションを依頼するホームインスペクターやリフォーム事業者をうまく見極めつつ、空き家活用にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

s-長嶋修_正方形.jpg長嶋 修  さくら事務所創業者・会長
業界初の個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクション(住宅診断)を行う「さくら事務所」を創業、現会長。不動産購入ノウハウの他、業界・政策提言や社会問題全般にも言及。著書・マスコミ掲載やテレビ出演、セミナー・講演等実績多数。【株式会社さくら事務所】

「50平米未満」のマンション購入、税制、融資、どんな落とし穴がある?

晩婚化、未婚率・離婚率の上昇、高齢化などさまざまな要因で、単身世帯が増加している。不動産流通経営協会(FRK)によると、ひとり住まいの住宅購入については、「50m2未満」という住宅の面積がキーワードになるという。どういうことだろうか、詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査(首都圏・関西圏・中部圏)」を公表/不動産流通経営協会(FRK)立地の利便性が重視される「ひとり住まい」の住宅購入

「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査」によると、過去5年以内に三大都市圏で住宅購入を検討/購入した人のうち、住宅の購入後に「単身」で住む予定があった人は、検討者で21.3%、購入者で10.8%だった。さらに、「50m2未満の物件」について、どの程度の人が単身で検討/購入したかをみると、検討者で 9.4%、購入者で3.2%だった。

この結果についてFRKは、「50m2未満の物件購入ニーズは約1割の人にあるものの、実際に購入しているのは購入者全体の約3%と、実際のニーズに対して、適切な住宅供給ができていない可能性があるとみられる」と分析している。

また、50m2未満の物件を検討または実際に購入した人には、住まい選びの重視点に特徴が見られる。

調査結果では、50m2未満検討者が検討時に重視していたことでは、「路線・駅やエリア」が8割超と高く、「最寄り駅からの時間」「通勤・通学時間」などアクセスや立地面を挙げる人が 50m2未満非検討者に比べて多い。さらに、50m2未満購入者を見ると、50m2以上購入者に比べてアクセスや立地面を重視し、間取りや広さを妥協する傾向もうかがえる。

【画像1】検討者・購入者がそれぞれ重視していたこと(出典/不動産流通経営協会「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査(首都圏・関西圏・中部圏)」より抜粋転載)

【画像1】検討者・購入者がそれぞれ重視していたこと(出典/不動産流通経営協会「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査(首都圏・関西圏・中部圏)」より抜粋転載)

では、50m2未満の物件を検討/購入しなかったのは、どういった理由からだろう?

調査結果の「50m2未満の物件を検討しなかった理由」を見ると、「暮らし方を考えると、自分には狭すぎるので」が最も多い(画像2)。しかし、注目したいのは、50m2以上を実際に購入した人が2番目に多く挙げた理由、「住宅ローン控除の適用外だから」だ。

【画像2】50m2未満の物件を検討しなかった理由(出典/不動産流通経営協会「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査(首都圏・関西圏・中部圏)」より転載)

【画像2】50m2未満の物件を検討しなかった理由(出典/不動産流通経営協会「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査(首都圏・関西圏・中部圏)」より転載)

住宅ローン控除などの減税には、登記簿面積50m2以上の適用条件 

「住宅ローン控除」とは、住宅ローンの年末残高の1%を10年間にわたって所得税などから控除するというもの。かなりの額が納めた税金から戻ってくるので、利用する人は多い。この住宅ローン控除を受けられる条件として、「住宅の床面積が50m2以上」というものがある。

政府は、「豊かな住生活が実現するため」として、住宅の面積を広くしようと誘導してきた。そのため、マイホーム取得を促進する減税などの適用条件として、住宅の面積を50m2以上に制限している場合が多い。住宅を買うときの減税措置には、ほかにも「登録免許税の税率軽減」もあるが、同様に50m2以上であることが条件となる。

また、住宅を買うときなどに親や祖父母から贈与を受けた場合、一定額の贈与額が非課税になる「住宅取得等資金の非課税制度」の条件でも、住宅の面積を50m2以上としている。このように、税制の優遇措置を考えると、50m2というのが一つのハードルとなっていることが分かる。

注意したいのは、ここで説明した税制上の床面積とは、「登記簿面積」であることだ。マンションの不動産広告で表示される面積は、「専有面積」であることが多い(中古の一部で登記簿面積が記載されていることもある)。マンションの登記簿面積が「内法(うちのり)」、つまり壁の内側だけの面積であるのに対し、専有面積は「壁芯」、つまり壁の厚みの中心線で測る面積なので、壁の厚みが加算されない登記簿面積のほうが小さくなる。

専有面積が50m2だから住宅ローン控除が適用されると思っていたら、登記簿面積は50m2未満だったということもあるので、面積の違いについて正しく理解しておきたい。

※なお、「不動産取得税の軽減制度」と「新築家屋の固定資産税の税額軽減」の適用条件である、床面積50m2以上の床面積は「課税床面積」なので、共用部分の持ち分が加算された面積となる

何を重視するか、住まい選びの優先順位を明確に

さて、利便性の良い立地でかつ広さを求めると、住宅の価格は高くなる。予算内なら問題はないが、予算が足りない場合は、狭くなっても利便性を重視するか、利便性を妥協して広さを重視するかといった、優先順位が決め手になってくる。

住宅ローン控除を受けるためだけに、予算より高い50m2以上の住宅を買ってしまい、重い返済負担を抱え続ける、といったことだけは避けたいものだ。

したがって、「親からの贈与を受けて住宅を購入するので、贈与税の非課税枠を使いたい」とか、「返済に問題はないが、借入金が多いので減税効果を最大限に活用したい」など、減税効果を考えたうえで、50m2以上にするなどの判断をするとよいだろう。

一方、住宅ローンを利用する場合にも、住宅の広さは影響するのだろうか?

住宅金融支援機構が民間金融機関と提携する、全期間固定型の【フラット35】を借りる場合は、マンションなら30m2以上、一戸建てなら70m2以上の床面積で、住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合する住宅という条件がある。こちらは専有面積30m2あれば、借りることができる。

銀行ローンなどの民間金融機関もそれぞれ独自の基準があるので、住宅の面積の条件の有無については、それぞれ確認が必要だ。

税金を納める身としては、減税はできるだけ活用したいと思う。だからといって、減税目的だけで重視する優先順位を変える必要はないだろう。避けたいのは、「知らなかったことを買った後に悔やむこと」だ。住まい選びの際には、その準備として、こうした知識も身につけておきたい。
なお、住宅の面積以外にも適用条件はあるので、必ずそれぞれ確認してほしい。

「50平米未満」のマンション購入、税制、融資、どんな落とし穴がある?

晩婚化、未婚率・離婚率の上昇、高齢化などさまざまな要因で、単身世帯が増加している。不動産流通経営協会(FRK)によると、ひとり住まいの住宅購入については、「50m2未満」という住宅の面積がキーワードになるという。どういうことだろうか、詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査(首都圏・関西圏・中部圏)」を公表/不動産流通経営協会(FRK)立地の利便性が重視される「ひとり住まい」の住宅購入

「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査」によると、過去5年以内に三大都市圏で住宅購入を検討/購入した人のうち、住宅の購入後に「単身」で住む予定があった人は、検討者で21.3%、購入者で10.8%だった。さらに、「50m2未満の物件」について、どの程度の人が単身で検討/購入したかをみると、検討者で 9.4%、購入者で3.2%だった。

この結果についてFRKは、「50m2未満の物件購入ニーズは約1割の人にあるものの、実際に購入しているのは購入者全体の約3%と、実際のニーズに対して、適切な住宅供給ができていない可能性があるとみられる」と分析している。

また、50m2未満の物件を検討または実際に購入した人には、住まい選びの重視点に特徴が見られる。

調査結果では、50m2未満検討者が検討時に重視していたことでは、「路線・駅やエリア」が8割超と高く、「最寄り駅からの時間」「通勤・通学時間」などアクセスや立地面を挙げる人が 50m2未満非検討者に比べて多い。さらに、50m2未満購入者を見ると、50m2以上購入者に比べてアクセスや立地面を重視し、間取りや広さを妥協する傾向もうかがえる。

【画像1】検討者・購入者がそれぞれ重視していたこと(出典/不動産流通経営協会「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査(首都圏・関西圏・中部圏)」より抜粋転載)

【画像1】検討者・購入者がそれぞれ重視していたこと(出典/不動産流通経営協会「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査(首都圏・関西圏・中部圏)」より抜粋転載)

では、50m2未満の物件を検討/購入しなかったのは、どういった理由からだろう?

調査結果の「50m2未満の物件を検討しなかった理由」を見ると、「暮らし方を考えると、自分には狭すぎるので」が最も多い(画像2)。しかし、注目したいのは、50m2以上を実際に購入した人が2番目に多く挙げた理由、「住宅ローン控除の適用外だから」だ。

【画像2】50m2未満の物件を検討しなかった理由(出典/不動産流通経営協会「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査(首都圏・関西圏・中部圏)」より転載)

【画像2】50m2未満の物件を検討しなかった理由(出典/不動産流通経営協会「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査(首都圏・関西圏・中部圏)」より転載)

住宅ローン控除などの減税には、登記簿面積50m2以上の適用条件 

「住宅ローン控除」とは、住宅ローンの年末残高の1%を10年間にわたって所得税などから控除するというもの。かなりの額が納めた税金から戻ってくるので、利用する人は多い。この住宅ローン控除を受けられる条件として、「住宅の床面積が50m2以上」というものがある。

政府は、「豊かな住生活が実現するため」として、住宅の面積を広くしようと誘導してきた。そのため、マイホーム取得を促進する減税などの適用条件として、住宅の面積を50m2以上に制限している場合が多い。住宅を買うときの減税措置には、ほかにも「登録免許税の税率軽減」もあるが、同様に50m2以上であることが条件となる。

また、住宅を買うときなどに親や祖父母から贈与を受けた場合、一定額の贈与額が非課税になる「住宅取得等資金の非課税制度」の条件でも、住宅の面積を50m2以上としている。このように、税制の優遇措置を考えると、50m2というのが一つのハードルとなっていることが分かる。

注意したいのは、ここで説明した税制上の床面積とは、「登記簿面積」であることだ。マンションの不動産広告で表示される面積は、「専有面積」であることが多い(中古の一部で登記簿面積が記載されていることもある)。マンションの登記簿面積が「内法(うちのり)」、つまり壁の内側だけの面積であるのに対し、専有面積は「壁芯」、つまり壁の厚みの中心線で測る面積なので、壁の厚みが加算されない登記簿面積のほうが小さくなる。

専有面積が50m2だから住宅ローン控除が適用されると思っていたら、登記簿面積は50m2未満だったということもあるので、面積の違いについて正しく理解しておきたい。

※なお、「不動産取得税の軽減制度」と「新築家屋の固定資産税の税額軽減」の適用条件である、床面積50m2以上の床面積は「課税床面積」なので、共用部分の持ち分が加算された面積となる

何を重視するか、住まい選びの優先順位を明確に

さて、利便性の良い立地でかつ広さを求めると、住宅の価格は高くなる。予算内なら問題はないが、予算が足りない場合は、狭くなっても利便性を重視するか、利便性を妥協して広さを重視するかといった、優先順位が決め手になってくる。

住宅ローン控除を受けるためだけに、予算より高い50m2以上の住宅を買ってしまい、重い返済負担を抱え続ける、といったことだけは避けたいものだ。

したがって、「親からの贈与を受けて住宅を購入するので、贈与税の非課税枠を使いたい」とか、「返済に問題はないが、借入金が多いので減税効果を最大限に活用したい」など、減税効果を考えたうえで、50m2以上にするなどの判断をするとよいだろう。

一方、住宅ローンを利用する場合にも、住宅の広さは影響するのだろうか?

住宅金融支援機構が民間金融機関と提携する、全期間固定型の【フラット35】を借りる場合は、マンションなら30m2以上、一戸建てなら70m2以上の床面積で、住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合する住宅という条件がある。こちらは専有面積30m2あれば、借りることができる。

銀行ローンなどの民間金融機関もそれぞれ独自の基準があるので、住宅の面積の条件の有無については、それぞれ確認が必要だ。

税金を納める身としては、減税はできるだけ活用したいと思う。だからといって、減税目的だけで重視する優先順位を変える必要はないだろう。避けたいのは、「知らなかったことを買った後に悔やむこと」だ。住まい選びの際には、その準備として、こうした知識も身につけておきたい。
なお、住宅の面積以外にも適用条件はあるので、必ずそれぞれ確認してほしい。

2018年、住宅ローン控除を受けるために必要な書類は? はじめての確定申告ガイド

昨年、住宅ローンを借りて住宅を購入した人は、条件が合えば住宅ローン控除(住宅ローン減税)が適用になる。ただし、住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受けるためには確定申告が必要だ。会社員にはあまり縁のない確定申告だけれど、所得税や住民税の節税対策になるので忘れずに手続きをしたい。ここでは制度を利用するための条件や手続きの方法について詳しく紹介していく。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)の基本をおさらい。戻ってくるのはいくら?

住宅ローン控除(住宅ローン減税、住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローンの年末残高の1%相当額が10年間、所得税から控除される制度。確定申告をすることで、控除をうけることができる。

確定申告は、1年間の所得を税務署に申告して所得税額を「申告納税」する、または納めすぎた所得税額を「還付申告」すること。会社員の場合、毎月の給与からその年の所得税の概算額が天引きされているため、住宅ローン控除(住宅ローン減税)で、確定申告(還付申告)をすることで、このすでに納めてある所得税から、控除される金額が戻ってくることになる。

住宅ローン控除(住宅ローン減税)の最大控除額は下の表のとおり。一般住宅の場合、10年間で400万円(1年で40万円)ととても大きな金額だ。ただし、実際に所得税から戻ってくる金額は納めている税額が上限。所得税から年間40万円を控除されるには、年末時に住宅ローン残高が4000万円以上あること、所得税を40万円以上納めていることが条件になるため、実際の控除額は年収や借入額によってケースバイケース。なお、所得税から控除し切れなかった分は、一定の限度で住民税からも控除される。

【画像1】住宅ローン控除(住宅ローン減税)の最大控除額(筆者作成)

【画像1】住宅ローン控除(住宅ローン減税)の最大控除額(筆者作成)

【画像2】住民税からの控除の最大控除額(筆者作成)

【画像2】住民税からの控除の最大控除額(筆者作成)

利用できるのはどんな住宅ローン?どんな人?どんな家?

住宅ローン控除(住宅ローン減税)を利用するには、住宅ローン、人、家それぞれに要件がある。下にまとめた要件をチェックして、自分がクリアしていれば確定申告の準備を始めよう。

<住宅ローンの要件>
・返済期間10年以上
・借入金は住宅の建物の取得のために借り入れたもの。または住宅の建物と敷地にかかる借入金を一体として借り入れたもの
・銀行や信用金庫、農業協同組合、住宅金融支援機構、社内融資などからの借入金(親族や、役員をしている会社などからの借入は対象外)
・勤務先からの融資の場合は、無利子又は0.2%(平成28年12月31日以前に居住の用に供する場合は1%)に満たない利率による借入金を除く

<人と家の要件>
・新築住宅の場合
・新築または取得の日から6カ月以内に入居し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き住んでいること
・住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受ける年の合計所得金額が3000万円以下であること
・新築または取得した住宅の登記簿上の床面積が50m2以上。店舗併用住宅等の場合は床面積の2分の1以上が居住用であること
・居住した年とその前後2年間(通算5年間)、居住用の財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除等の特例を受けていないこと

・中古住宅の場合
上記の「新築住宅の場合」の要件を満たしたうえで
・建築後使用されたものであること
・次のいずれかに該当すること
 ○マンション等の耐火建築物の場合は、建築後から取得までの経過年数が25年以内
 ○木造など非耐火建築物の場合、建築後から取得までの経過年数が20年以内
 ○新耐震基準に適合する建物であること(既存住宅売買瑕疵保険に加入して2年以内の中古住宅も、新耐震基準に適合するものとされる)
 ○贈与や、生計を一にする親族等からの購入ではないこと

確定申告はいつからいつまで? 手続きはどうすればいい?

2017年分の確定申告書の受け付けは2018年2月16日(金)から3月15日(木)まで。ただし、住宅ローン控除(住宅ローン減税)は確定申告のなかの「還付申告」に当たり、入居した年の翌年1月1日から申告ができる。つまり、昨年家を買って入居した人の場合、2月16日を待たなくても、すでに申告することができるのだ。確定申告期間中は税務署が混雑するので、準備が整っているなら早めに申告してしまうといいだろう。また、還付金は指定の金融機関口座に振り込まれるが、手続きが早いほうが振り込まれる時期も早くなる傾向にある。

ではここで、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の手続きに必要な書類とどこで入手するのかを確認しておこう。

【画像3】住宅ローン控除(住宅ローン減税)に手続きに必要な書類と入手先(筆者作成)

【画像3】住宅ローン控除(住宅ローン減税)に手続きに必要な書類と入手先(筆者作成)

上表の書類がそろったら、必要事項を確定申告書、住宅借入金等特別控除額の計算明細書に記入して税務署に持参してもいいし、郵送してもいい。また、国税庁のサイト上で確定申告書を作成してインターネット(e-Tax)で送信する方法もある。

確定申告は生まれてはじめてという場合、「書類の記入の仕方がよく分からない」「間違えないか不安」「ふるさと納税や医療費控除も重なっていて混乱してしまう」など、不安に感じる人もいるだろう。

その場合は、最寄りの税務署に相談を。確定申告期間中、税務署に設けられる確定申告会場では税務署員がマンツーマンで相談にのってくれる。また、税務署によっては確定申告の期間中は日曜日にも会場を開けているところもある。居住地を管轄している税務署の予定を事前にチェックしておこう(なお、一部地域では確定申告会場が税務署以外の場所に設けられるところもあるので注意)。

確定申告は毎年しなくてもOK。2年目以降は年末調整の対象に

会社員など給与所得者の場合、一度確定申告をしてしまえば、2年目以降の住宅ローン控除(住宅ローン減税)の手続きは勤務先の年末調整で済む。1年目の確定申告後、税務署から残り9年分の「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」が送られてくるので保管しておき、毎年、金融機関からの住宅ローンの「残高証明書」といっしょに勤務先に提出すればOKだ。

つまり、住宅ローンを使って家を買ったら、その翌年に1度だけ確定申告をすれば、あとは自力での申告をしなくても最長10年間の節税ができるのだ(自営業者、個人事業主等の場合は、毎年申告が必要)。

なお、還付申告の場合は入居の翌年1月1日から5年間申告書を提出することができる、つまり、申告をし忘れたり、3月15日を過ぎたりしても過去5年分までさかのぼって申告し、税金の控除を受けることができるのだ。

年度末が近づいてきて何かと忙しい時期だが、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の申告手続きをしなければせっかくの節税チャンスを逃しかねない。これから10年間の節税のために、早めに準備をして申告しよう。

●関連記事
・確定申告で税金が戻ってくる、住宅ローン控除ってどんな制度?
・住宅ローン控除って、実際いくら戻ってくるの?

配偶者控除大改正、何が変わる? 賢い住まいのマネー術(2)

働く女性の就労促進を促す効果を狙って、2018年1月から配偶者控除が大きく改正されます。配偶者控除が改正されることによって、共働き世帯の働き方はどのように変わるのでしょうか。控除額を超えたとしても、住宅ローン控除と合わせ技で節税する方法もあります。どういうことなのか、解説していきましょう。【連載】賢い住まいのマネー術
住まいに関する支出は、家庭の大きな割合を占めるもの。保活から住宅ローン控除まで、住まいに関する家計管理や節約術に定評のあるファイナンシャルプランナー(FP)の花輪陽子さんが解説します。配偶者控除大改正、何が変わる?

そもそも配偶者控除とは、妻(夫)の年収が「103万円以下」なら、パートナーの給与所得から38万円が控除されるという仕組み。103万円を越えると控除額が段階的に減っていき、141万円でゼロになるために「103万円の壁」と言われてきました。

今回の改正で、38万円の控除が受けられる妻(夫)の年収の範囲が「150万円以下」に変わります。150万円を超えると控除額が減っていき、201万円を越えるとゼロになります。政府は控除を受けることができる範囲を広げることにより、より働きやすい社会を目指していくとしています。

もう一つのポイントとして、配偶者控除が適用される夫に年収制限が付くようになることが挙げられます。夫の年収が「1120万円を超える」と控除額が次第に減り、年収「1220万円を超える」とゼロになるのです。従来は配偶者特別控除にのみ年収制限が付いていましたが、今後はたとえ妻に収入がなくても、高額納税者である夫は配偶者控除を適用されなくなります。

配偶者控除を越える働き方もあり? それぞれが住宅ローンを借りられる! 【画像1】(写真/PIXTA)

【画像1】(写真/PIXTA)

とはいえ、子育てが落ち着いて再就職を考える際に、配偶者控除の上限を少しだけ越えてしまうという場合も出てくるでしょう。頑張って働いて年収が250万円という場合、受けられる控除がなくなってしまい、損になってしまうのでしょうか。

たしかに、配偶者控除は受けることができなくなります。しかし、妻が安定した収入を得ることによって受けることができる有利な制度もあります。

その代表例として「住宅ローン控除」があります。住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度ですが、住宅ローンを借入れる者が個人単位で申請をし、世帯単位ではないのがポイントです。つまり、夫婦でしっかりと収入がある場合はそれぞれがローンを借り、それぞれが住宅ローン控除を受けることができるのです。住宅ローン控除は税額から直接差し引く税額控除のために、非常に有利な制度になります。

具体的には、毎年末の住宅ローン残高または住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されます。また、所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されるのです。

どれくらい節税できる?ケーススタディで考えてみよう!

「子育てが落ち着いて再就職をしたい」「家族計画も固まってきたのでおうちも買いたい」そんな風に考えているA家庭の場合。妻が働いて収入をしっかりつけてから、夫婦で住宅ローン控除を受けるという方法も考えられます。

例えば、夫収入600万円、妻収入250万円、5000万円の住宅ローンを組む予定で、夫が4000万円、妻が1000万円の借り入れをし、住宅ローン控除を受ける場合。軽減される所得税・住民税は最大で夫が約40万円、妻が約10万円になります。年末のローン残高が減ることによって受けられる税額控除は少しずつ軽減されますが、10年間控除を受けることができます。

具体的な控除の仕組みを知りたい場合はこちら
住宅ローン控除って、実際いくら戻ってくるの? 

次に共働きをしていた時にそれぞれ住宅ローンを組んでいたB家庭のケース。出産後に妻が働いていない期間があり、その期間は所得がないため、当然住宅ローン減税を受けられなかった期間がありました。しかし、子育てを終えて再び働くことで、また夫婦で住宅ローン控除を受けることができるようになります。

このように、妻が安定をした収入をつけることで住宅ローンを組むことができ、住宅ローン控除のような有利な税金のメリットを享受することができる場合もあるのです。

「103万円の壁」など扶養の範囲で働くということに目が行きがちですが、収入を付けることで社会的な信用を得ることができ、お金を借りるということも可能になります。住宅ローン控除のように、夫婦それぞれ個人単位で受けることができる税制の優遇と、”合わせ技”で考えていきたいものですね。

花輪 陽子花輪 陽子(ファイナンシャルプランナー)
CFP認定者、1級FP技能士。外資系投資銀行を経てFPに。「夫婦で貯める1億円!」「貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで」などの著書やテレビ出演、雑誌監修など多数。

配偶者控除大改正、何が変わる? 賢い住まいのマネー術(2)

働く女性の就労促進を促す効果を狙って、2018年1月から配偶者控除が大きく改正されます。配偶者控除が改正されることによって、共働き世帯の働き方はどのように変わるのでしょうか。控除額を超えたとしても、住宅ローン控除と合わせ技で節税する方法もあります。どういうことなのか、解説していきましょう。【連載】賢い住まいのマネー術
住まいに関する支出は、家庭の大きな割合を占めるもの。保活から住宅ローン控除まで、住まいに関する家計管理や節約術に定評のあるファイナンシャルプランナー(FP)の花輪陽子さんが解説します。配偶者控除大改正、何が変わる?

そもそも配偶者控除とは、妻(夫)の年収が「103万円以下」なら、パートナーの給与所得から38万円が控除されるという仕組み。103万円を越えると控除額が段階的に減っていき、141万円でゼロになるために「103万円の壁」と言われてきました。

今回の改正で、38万円の控除が受けられる妻(夫)の年収の範囲が「150万円以下」に変わります。150万円を超えると控除額が減っていき、201万円を越えるとゼロになります。政府は控除を受けることができる範囲を広げることにより、より働きやすい社会を目指していくとしています。

もう一つのポイントとして、配偶者控除が適用される夫に年収制限が付くようになることが挙げられます。夫の年収が「1120万円を超える」と控除額が次第に減り、年収「1220万円を超える」とゼロになるのです。従来は配偶者特別控除にのみ年収制限が付いていましたが、今後はたとえ妻に収入がなくても、高額納税者である夫は配偶者控除を適用されなくなります。

配偶者控除を越える働き方もあり? それぞれが住宅ローンを借りられる! 【画像1】(写真/PIXTA)

【画像1】(写真/PIXTA)

とはいえ、子育てが落ち着いて再就職を考える際に、配偶者控除の上限を少しだけ越えてしまうという場合も出てくるでしょう。頑張って働いて年収が250万円という場合、受けられる控除がなくなってしまい、損になってしまうのでしょうか。

たしかに、配偶者控除は受けることができなくなります。しかし、妻が安定した収入を得ることによって受けることができる有利な制度もあります。

その代表例として「住宅ローン控除」があります。住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度ですが、住宅ローンを借入れる者が個人単位で申請をし、世帯単位ではないのがポイントです。つまり、夫婦でしっかりと収入がある場合はそれぞれがローンを借り、それぞれが住宅ローン控除を受けることができるのです。住宅ローン控除は税額から直接差し引く税額控除のために、非常に有利な制度になります。

具体的には、毎年末の住宅ローン残高または住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されます。また、所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されるのです。

どれくらい節税できる?ケーススタディで考えてみよう!

「子育てが落ち着いて再就職をしたい」「家族計画も固まってきたのでおうちも買いたい」そんな風に考えているA家庭の場合。妻が働いて収入をしっかりつけてから、夫婦で住宅ローン控除を受けるという方法も考えられます。

例えば、夫収入600万円、妻収入250万円、5000万円の住宅ローンを組む予定で、夫が4000万円、妻が1000万円の借り入れをし、住宅ローン控除を受ける場合。軽減される所得税・住民税は最大で夫が約40万円、妻が約10万円になります。年末のローン残高が減ることによって受けられる税額控除は少しずつ軽減されますが、10年間控除を受けることができます。

具体的な控除の仕組みを知りたい場合はこちら
住宅ローン控除って、実際いくら戻ってくるの? 

次に共働きをしていた時にそれぞれ住宅ローンを組んでいたB家庭のケース。出産後に妻が働いていない期間があり、その期間は所得がないため、当然住宅ローン減税を受けられなかった期間がありました。しかし、子育てを終えて再び働くことで、また夫婦で住宅ローン控除を受けることができるようになります。

このように、妻が安定をした収入をつけることで住宅ローンを組むことができ、住宅ローン控除のような有利な税金のメリットを享受することができる場合もあるのです。

「103万円の壁」など扶養の範囲で働くということに目が行きがちですが、収入を付けることで社会的な信用を得ることができ、お金を借りるということも可能になります。住宅ローン控除のように、夫婦それぞれ個人単位で受けることができる税制の優遇と、”合わせ技”で考えていきたいものですね。

花輪 陽子花輪 陽子(ファイナンシャルプランナー)
CFP認定者、1級FP技能士。外資系投資銀行を経てFPに。「夫婦で貯める1億円!」「貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで」などの著書やテレビ出演、雑誌監修など多数。