伝説の家政婦「志麻さん」に聞く “家事代行で作り置き“100%活用術

共働き家庭の増加に伴い、流行している「作り置き料理」。さまざまな家事代行マッチングサービスで探した家政婦さんに、作り置き料理を依頼することも一般的になった。しかし、せっかく頼んだ作り置き料理を「100%おいしく食べきるのは難しい」という声も聞こえるようになった。食べきれずに捨ててしまった。冷蔵しておいたら水っぽくなってしまったり、冷凍保存したものをレンジでチンしたらスカスカになったり――。筆者にも似たような覚えがある。こういった事態はどうしたら防げるのか? 「作り置きブーム」を巻き起こしたフリーランスの家政婦、タサン志麻さんに聞いた。
調理前のオーダー方法も大切

志麻さんによると、どうやら作り置き料理をおいしく食べきるにはいくつかのポイントがあるようだ。まず大切なのは「調理前のオーダー」とのこと。どうやって依頼するのが適切なのか、詳しく聞いてみよう。

――「調理前のオーダー」というのは、家政婦さんに作り置き料理をオーダーするときのことですね。

志麻さん:そうです。“食“ほど好みが分かれるものはありません。外食のときですら、個人の食べたいものや好き嫌いははっきり分かれますよね。食べるものは、相性がすごく出てしまうんです。毎日食べる家庭料理であればなおさらです。相性のよい家政婦さんを見つけるためにも、とにかくつくってもらう前に、家政婦さんとよくコミュニケーションをとるといいと思います。

――コミュニケーションの取り方について、志麻さんはどんなことを心がけていますか。

志麻さん:まず家族構成や生活スタイルをヒアリングします。ただ4人分、という分量だけではなく、食べるリズムについても聞いておきたいですね。例えば4人家族でも「夫が仕事で夜は食べないんです」というご家庭もあります。好き嫌いやアレルギーについても、はっきり要望がある人ははじめに伝えるとよいと思います。

一口に作り置き料理といっても、人によって求めている内容は全く違うんです。品数を重視する人もいれば、「そんなに量はいらないから手の込んだ料理を」という人もいます。また「完成品でなく、最後にちょっとだけ自分で手を加えたい」という方もいます。例えば、作り置きグラタンを冷凍しておくからつくってほしい、でも最後にチーズをかけてオーブンで焼くところは自分でやりたい、とかね。保存方法についても、冷蔵派と冷凍派に好みが分かれますね。

作り置きに向く料理と向かない料理がある

――私自身も作り置きを頼んでいたのですが、最後までおいしく食べきるのが難しいときがありました。「3日間は持つ」と言われていたのに、その前に水分が出ておいしくなくなってしまったり、冷凍しておいたものをいざ食べようと温めたらソースが分離してしまったりしたことがあります。

調理法などについて語る志麻さん(写真撮影/富谷瑠美)

調理法などについて語る志麻さん(写真撮影/富谷瑠美)

志麻さん:作り置きや冷凍保存には、向いている料理とそうではないものがあるんです。例えば私はフレンチ出身ですが、じっくり煮込んで素材の水分を飛ばすフレンチは、冷凍できる料理が多い傾向があります。フランスには、ピカールという冷凍食品スーパーが存在するくらいですから。ワインやコンソメ、クリームソースなどを使ってしっかり煮込む洋食の煮込み料理は冷凍しても状態が変わりにくいのです。

一方で、さっと火を通す和食は、水分が多く素材に残っていることがあり、一般的には保存には適していないといわれています。私の場合は、和洋中なんでもつくりますが、冷凍してもおいしく食べられるものと、冷蔵で2日くらいで食べきっていただくものを交ぜてつくるようにしています。

私は料理の仕事は長いのですが、家政婦になったときにあらためて作り置き料理についてしっかり学ぶ必要性を感じ、いろいろと研究しました。作り置きは特殊です。温めなおしておいしいものは、つくりたてでおいしい料理とは違いますから、つくり手がしっかりと知っておかないといけないことだと思います。

「小分けにラップをしてジップロック」まで頼んでいい

――保存についてはいかがでしょうか。つくってもらえるのは助かるのですが、帰宅して数々のお料理がタッパーやお皿にどーんと盛られていると、家族の分をすべて一食ずつ取り分けて、ラップに包んで冷凍するのが意外と大変で……。それくらい自分でやるべきかなとは思うのですが。

ある日筆者が頼んだ作り置き料理。これを小分けにして保存するのはなかなかの手間(写真撮影/富谷瑠美)

ある日筆者が頼んだ作り置き料理。これを小分けにして保存するのはなかなかの手間(写真撮影/富谷瑠美)

志麻さん:私の場合は、例えば「子どもの分のハンバーグをお弁当に入れたいの」と言われたら、その日の晩御飯の分に加えて、子どものお弁当用は小さくつくって、ラップをしてジップロックに入れて冷凍しておく、ということをします。保存するところまでお願いしてしまっていいと思いますよ。

――以前、小分けにして保存するところまでお願いしたことがありました。しかしそのときは「品数をつくるためにギリギリまで調理しているので、冷めないから無理です」と言われてしまいました。

志麻さん:作り置きがブームになって、品数をとにかくたくさん作れるのがいいことだ、といった風潮があるのには違和感があります。つくるほうからすると、数だけを重視するとどうしても手の込んだ料理を敬遠しがちになります。とにかくたくさんつくってほしい、という方ばかりではありませんし、それで余計な手間が増えてしまったり、おいしく食べられなかったりするのでは本末転倒という気がしてしまいますね。

いきなりレンチンせず、先に「解凍」を

――最後に、冷凍した作り置きをおいしく食べるコツはありますか。

志麻さん:凍ったまま、レンジでいきなり温めないことですね。レンジで急激に火を入れると、外側だけはやく溶けて煮詰まってしまい、中はまだ冷たい、といった加熱ムラが起こりがち。味も均一ではなくなってしまいます。

――ある作り置き料理のレシピ本には「朝出勤前に、夜の献立を考えて冷凍庫から一食分の作り置き料理を冷蔵庫にうつしておき、帰宅後はオーブントースターでじっくり温めて食べるとおいしく食べられる」と書かれていました。しかし朝は保育園送りに気を取られて解凍を忘れたり、帰宅後は子どもがおなかをすかせていたりと、ついいきなり「レンチン」してしまうことが……。

志麻さん:簡単です、レンジに凍った作り置き料理を入れて、まず「解凍」ボタンで解凍してから「レンジでチン」。がちがちに凍ったものにレンジでがっと火が入ってしまうよりは、そのほうがむらなく温められるのでおいしく食べられますよ。

日本人も、もっと食卓を楽しもう

――今日お話を聞いて「作り置きを頼んでいる家政婦さんに、もっといろいろお願いしてもいいのかも」と思うようになりました。

志麻さん:そう思います。忙しいから家政婦を頼んでいるのですから、どんどんコミュニケーションをとって、お願いしたいことは積極的に伝えるとよいと思います。

家政婦マッチングサービスの流行で家政婦さんのチョイスが増えている分、いろいろなスキルの人がいるのも確かです。スキルだけではなく相性も大切なので、自分の要望をなるべく細かく伝え、それをかなえてくれる人が見つかるまで、何人かにお願いして試してみるとよいのではないでしょうか。

日本だとどうしても「一汁三菜が基本」といわれたりしますけれども、私が好きなフランスの食卓は、料理はすごくシンプル。でもみんなで食卓を囲んで話をしながらおいしく食べる、その時間がかけがえのないものなんです。家で食べるお料理をもっと楽しく、もっと簡単につくれるように。そしてそのことで、ご家族で食卓を囲む時間が少しでも長くなるように。私自身も精進していきたいと思っています。

「週末婚」のメリットは? 20代の実践者に聞いてみた

多様性(ダイバーシティ)が広がる現代社会。もちろん夫婦の暮らし方も変わってきています。そんな中、自分らしい暮らしを求めて「週末婚」を選択した人がいます。結婚しても週末しか会わない……その実情について、週末婚を実践している女性にお話を伺いました。
週末婚のリアル

東京・池袋にあるビルのワンフロアでお話を聞いたのは、週末婚を実践している後藤沙織(ごとう・さおり)さんです。ここは彼女の職場。後藤さんは20代後半ですが、大学生の就職支援を行う「就活塾 キャリアアカデミー」の代表取締役として日々奮闘されています。

後藤さんは言います。
「週末婚というと、ドライ、冷たいといった印象を持たれる方が多いかもしれませんが、むしろ逆で、私たちは互いに信頼しているからこそ、週末婚が実現していると思います。合理的に考えた結果の選択で、私たちにとってはとても自然なことです」

後藤さんがご結婚されたのは25歳の誕生日を迎えた日でした。結婚をする前は、後藤さんは会社員として働いていた一方、後藤さんの夫は大学院に通っていました。夫が就職し、落ち着いたタイミングでの結婚だったそうです。

高校時代のボーイフレンドがパートナーに(画像提供/PIXTA) 

高校時代のボーイフレンドがパートナーに(画像提供/PIXTA) 

後藤さんと夫との出会いは高校時代にさかのぼります。後藤さんのご家族は転勤族で、高校時代は福岡県に住んでいました。その福岡の高校で同級生だったのが出会いのきっかけ。高2の時に同じクラスになって、勉強会などを行う中で自然に仲良くなったそうです。

「旦那も私も、リベラルな考え方の持ち主というよりは、現実的な考え方の持ち主だと思います。高校生のときから、意見が食い違ったときは、2人でじっくりと話し合って解決をしてきました。戦友のような関係性です」と後藤さん。

それぞれにとって心地よいかたちを選ぶのが一番

高校時代からのお付き合いを実らせて結婚するというのは「純愛」的な雰囲気があります。しかし他の人とのお付き合いを考えたことなどはなかったのでしょうか。

「人生を共に生き抜くパートナーとして、彼は信頼に足る人物でした。『信頼できる人』は、なかなかいません。私は、母親から家事をしっかりと教えられています。家事と、精神的な支えの面で、彼の役に立てると思いました」(後藤さん)。

こうして入籍した後藤さんでしたが、どうして週末婚を選んだのでしょうか。

「長期的な関係を望むからこそ、週末婚を選びました。日本の社会では『結婚=同居』という価値観がありますが、私はそれぞれにとって心地よいかたちを選ぶのが一番だと思っています。多くの人が実践している方法が、自分の心地よさにフィットすることもあれば、フィットしないこともあります」(後藤さん)。

後藤さんの夫さまは信頼できるパートナー(画像提供/PIXTA) 

後藤さんの夫さまは信頼できるパートナー(画像提供/PIXTA) 

それでは、友人など周りの人は「週末婚」についてどのような反応を示すのでしょうか。後藤さんによれば、伝えた際には2種類の反応をする人がいるとのこと。一つ目は「そういう方法もあるね」と受け入れてくれる人。2つ目は「夫婦は一緒に住むべきだ」とネガティブなとらえ方をする人。

「以前は、受け入れてもらえない場合は少し寂しい気持ちになっていましたが(笑)、今はそれほど気になりません。受け入れない人がいることは、むしろ普通です」(後藤さん)

それでも「伝えた人のうち、多くの人はわりと受け入れてくれていると思います」と後藤さんは言います。これも多様化している現代の暮らしを表しているように感じます。

お互いが自立した人間 別居婚では「生活力」が必須

現在、後藤さんは会社の近く、夫は自身の会社の近くに住んでおり、ドアtoドアで約40分程度かかるそうです。

休みの日には、後藤さんの夫の家に行って過ごすとのこと。夫宅には後藤さんの部屋もあるそうです。

「旦那の家選びは、彼に任せました。私は『駅から徒歩3分以内で』とだけお願いしました」(後藤さん)。

料理が好きな後藤さんは夫の家に泊まる時に、食事を作り、一緒に食べるそうです。食事以外は、お互い別々のことをしたり、自分の部屋で過ごしたりすることが多いそうです。

「そういえば同じ趣味もないですね(笑)旦那は福岡出身なのでホークスの試合観戦によく出かけますが、私が同行するのは年に1度くらい。無理にあわせるのではなく、互いが、互いの楽しいと思うことをするのが一番だと思っています」(後藤さん)。

恋人時代も夫婦になってからも、生活はほぼ変わらないといいます。

住まい方はひとそれぞれ(画像提供/PIXTA) 

住まい方はひとそれぞれ(画像提供/PIXTA) 

週末婚で困ることはないのでしょうか。
「困ることはないです。職場が近いので、もし私が病気で動けないときは会社のスタッフが助けてくれます。旦那が病気になった時も、旦那のほうも一人暮らしが長いので、対処法は身についています。どうしてもしんどい時は、もちろんお互いに助けに行きます」(後藤さん)。

そして、毎日連絡することもないとのこと。「連絡がないからと言って何か心配だということもありません。旦那の『生きていける力』を信じているからでしょうか」という後藤さん。こうした自活力がないと週末婚は続けられないのかもしれません。

「週末婚」は特別ではない 選択肢の一つ

後藤さんは言います。
「同居に乗り気になれなくて、結婚を迷っている人がいれば、週末婚はおすすめのスタイルだと思います。私は『自分が、何をしたいのか』ということが常に頭にあり、やると決めたら徹底的に取り組みます。今の私にとって、それは仕事。私が言うのも、偉そうですが、結婚を堅苦しく考えすぎず、それぞれにとって心地よい結婚生活を考えてみるのがいいと思います」。

「私は、大学生まで、やりたいことではなく、『(世の中で)やるべきだといわれていること』を行ってきました。たいした才能はありませんでしたが、努力をする力だけはあったので、国立大学に行くことができました。会社員時代も、会社から求められることを真面目にやっていました。典型的な優等生タイプです(笑)」と後藤さん。

「でも結婚、転職を機に、自分が本当にやりたいことってなんだろうと考えるようになりました。自分の人生を生きようと思い、キャリアアカデミーの代表になる誘いを受けました。学生の皆さんも、就活を通して、自分がどんな人生を送りたいかについて、向き合うことになります。自分がこういう経験をしたからこそ、学生の皆さんにも、自分にフィットする人生を見つけていってほしいと思っています」(後藤さん)。

現在も、就活塾の経営者という立場の傍ら、就活生へアドバイスすることがあるそうです。「こんな道もあるよ」「こんな考え方もあるよ」と様々な可能性をアドバイスするうえで、後藤さんの生き方は説得力を生むかもしれませんね。

「結婚したことで『ここが変わった』ということはありません。それでも、自分一人で生きるよりも、信頼のおけるパートナーがいることは大きなことです。私の考えを尊重してくれる旦那に対しては、いつも感謝でいっぱいです 」(後藤さん)

後藤さんの働く池袋の街は多様な人たちが行き交う(画像提供/PIXTA) 

後藤さんの働く池袋の街は多様な人たちが行き交う(画像提供/PIXTA) 

結婚することでキャリアが阻害されたり、時間や精神的な自由がなくなったり、ということを心配して決断できずにいる方もいるでしょう。今回ご紹介した「週末婚」、自立力、自活力に自信のある方は、ぜひ結婚生活の選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

●取材協力
キャリアアカデミー

需要がありそうな“夜間保育”。どんな場所なの? 利用者のホンネは?

子育てをしている世帯はもちろん「将来、子どもがほしい」「でも仕事も続けたい」と考えている人たちにとって、「住まい」と「保育所」の問題は切り離すことはできません。特に医療や介護、流通、インフラ、飲食、サービス、マスコミなどの業種で働いている人であれば、「深夜」まで保育を必要とする人もいることでしょう。今回はそんな人たちのニーズに答える、「夜間保育所」について取材してみました。
夜間保育を行う認可保育所は全国でわずか81カ所

そもそも、ひと口に保育所といっても、国が決めた基準を満たす「認可保育所」、自治体が独自に設置した基準を満たす「認証保育所」と、そうではない「認可外保育施設」等があります。毎年、「保育所に入りたい!」「保育所に入れなかった、どうしよう」と話題にのぼるのが「認可保育所」です。

ただ、この認可保育所、開所時間は園によって異なりますが、延長保育を利用したとしても、開所時間は夜8時までというところがほとんど。一方、働き方はますます多様化していて、医療や介護といった仕事だけでなく、流通やインフラ企業など、「夜の保育ニーズ」も増えています。

もちろん、夜勤がある職場であれば夜勤時に利用できる私設の「託児所」を備えていることもあるでしょう。ただ、そうした託児所がなく、夜間帯に保育を必要とする人は、ベビーシッターを手配する、深夜預かりを行うベビーホテル(認可外保育施設)を探して預けなくていけません。仕事をいったん抜けて、認可保育所にお迎えに行き、また夜間保育に預けるとなれば、保護者・子どもへの負担は大きく、「仕事を続けていくのはムリ」となることでしょう。

実は、夜遅くまで保育を行う認可保育所も実はあるのです。しかしその数は、全国に81カ所ほど(厚生労働省調べ、2017年4月1日現在)。全国夜間保育園連盟によると、こうした「夜間保育所」は、通常の開所時間(11時間)に延長時間(1時間、2時間、4時間等)を加えるかたちで夜間~深夜の預かりを実施、昼食と夕食の2食を提供する保育所と定義しています。なんと一部では延長時間をやりくりし、24時間保育を行う認可保育所もあるというのです。

なぜ? 認可保育所が夜間も預かるワケ・意義とは?(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

もちろん、「子どものために、夜は親といっしょのほうがいいだろう」「民間のベビーホテルがあるんだから、そこに預ければ」「そこまで長時間労働する世の中のほうがおかしい」などの考え方もあることでしょう。

それでは、認可保育所が深夜保育を行う意義について、全国夜間保育園連盟の副会長・酒井義秀さんに聞いてみました。

「子どもはどんな家庭に産まれても『その子にとって必要とする最善の保育』を受ける権利があります。認可保育所は広さや職員配置等について児童福祉施設としての最低基準を満たし、保育の質が保たれている場所です。子どもたちが長時間を過ごす、夜間保育においてはなおさら“子どもの安全・安心”を守る必要があると考えています」とその意義を教えてくれました。

また、夜間に子どもを預かっているベビーホテルなどは、認可外保育施設という扱いになり、預かり人数や年齢、施設の広さなどの保育環境は認可に比べ低いところが多いため、保育事故が起きやすくなっているという現状があるそうです。夜間保育を必要とする人が増える中、万一、保育事故が起きてしまってはまさに悲劇です。認可保育所で夜間保育を行うのは、こうした「悲劇を防ぐため」の水際の戦いといえるのかもしれません。

また、夜間保育所は開所時間が長く、子どもの滞在時間が一人ひとり異なり、個別の配慮が必要なうえ、シングルでの子育て、深夜帯の業務など保育が必要となる家庭環境も様々。夜間保育所の保育士には相応の保育スキルが求められるのだそうです。保育のプロによる子どもの安全な居場所が必要であることは間違いないようです。

正社員なら避けられない夜勤。託児所があることで働き続けられる(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

ちなみに筆者の友人であるNさんも、昼間は認可保育所に預け、夜は職場内の施設で運営する私設の託児所に子どもを預けて仕事を続けています。Nさんが夜勤のときのみ、「夜間保育」を利用している形です。それでは、夜も子どもを預けるという「夜間保育」そのものについて、不安などはないのでしょうか。

「上の子どものときは、正直、かわいそうかなとも思いましたが、親としては慣れてしまえばそれほどでもありません。夜勤は正社員として働き続けるのであれば避けて通れないと考えています」といいます。

子育て中はなにかと出費がかさむもの、夜勤につく手当も教育費などに充てることができます。夜勤があるときは昼に家事を済ませ、夕方に子どもを認可保育所に迎えにいき、入浴させてから託児所へ。料金は夜ごはん、朝ごはんの2食付きで1回1000円。職場の託児所なので、夜間であっても過去には「業務中ですがお子さんが不安がっているので、お母さん、顔を見せて」なんて呼び出しもあったそう。

「職場の託児所でよいことは、距離が近いので夜間でも安心感があること。また、子どもの人数もそれほど多くないので、子どもと先生が1対1、なんてこともあります。より和やかで家庭に近い感じなので、下の子どもなどは“自分の好きな遊びができていい”といっていました」とお子さん自身も気に入っていたそうです。

ただ、同じ職場であっても、託児所を利用しない職員もいるそうです。
「職員によっては夜、子どもを預けることに抵抗があり、夜勤を免除してもらいながら働く人もいますし、託児所で一時的に預かり、仕事を終えたお父さんがお迎えにくる人もいます。各ご家庭の考え方にもよりますね。わが家は、認可保育所と私設の託児所を併用していますが、夫の勤務状況や子どもの負担を総合的に考え、私の夜勤時には夜間保育の利用がベターだと考えています」とNさん。

それでは、認可保育所で夜間保育を行うのであれば、預けたいでしょうか。

「そもそも夜間保育所が近所にないので、考えられないというか。近くにあったら選択肢に入るかもしれません。託児所の辛いところは、休日、夜勤明けの日は預かってもらえないところです。たとえば、親は夜勤明けで仮眠したいのに、子どもはめちゃ元気。認可保育所の送り出しに間に合えばいいんですが、遅刻厳禁なので預かってもらえないんです。なので、夜勤明けの私がフラフラになりながら公園で遊ばせて、昼を食べさせて午後に子どもとお昼寝、なんてこともあります」

ひええええええ、それは大変……。

これが認可保育所で夜間から昼間まで続けて保育をしてもらえるのであれば、こうしたお母さんの体力的な負担は軽減される気もします(子どもの負担は別として)。

最後に託児所や夜間保育所を見る上でのポイントを聞いてみました。
「夜間の託児所でも昼の認可保育所でも、大切なことは同じ、先生との関係性です。わが家もいきなり夜勤&夜間保育ではなく、日勤で託児所の雰囲気に慣れてから夜勤をするようになりました。夜間は先生と子どもが限られ、密室・少人数になりがちなので、余計、信頼関係が重要かもしれません」とアドバイスしてくれました。

カギは保育の質。良質な夜間保育は子どもの育ちを助ける(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

とはいえ、夜間に預ける身としては、子どもへの影響が気になってしまうもの。ちなみに、前出の酒井さんによると、施設の広さや年齢、食事、保育士の対応など、一定の保育の質が担保された夜間保育は子どもの育ちに好影響があるのだとか。

「夜の預かり保育は、子どもの成長や発達に悪影響を及ぼすという誤解もありましたが、長年の調査/研究により、質が保たれた夜間保育を受けた子どもは『人の役に立つ人になりたい』『人には親切にしたい』などと答えるなど、成長にも好影響を及ぼすという結果がわかっています」(全国夜間保育連盟広報誌「夜間保育」2017年10月号)。

ちなみに、夜間保育を行う認可保育所へ入所を希望するのであれば、通常の認可保育所と同様に、行政に利用申し込みをします。ただ、通常の認可保育所ですら、「保育所、入れなかった」という叫び声があがる昨今、夜間保育を実施する保育所に入るのはより狭き門といえるでしょう。

一方で、夜間保育の需要は年々、増えているのではないでしょうか。特に医療職、介護職などは、夜間の預け先がなく、キャリアを断念している人もいると思います。ただ、酒井さんは、「夜間保育」を実施する認可保育所は、なかなか増えていかないだろう、と指摘。その上で、せめて各自治体に1カ所程度、夜間保育が実施できる予算措置があれば子育て支援の一助になるのではないか、といいます。

今回の認可夜間保育所、知っている人はまだ少数派かもしれません。ただ、子どもの健やかな育ちの「夜の場所」として、夜間保育は必要不可欠です。大切な小さな命とその育ちを守るために、その質・数を充実させる必要があるのではないでしょうか。

●取材協力
全国夜間保育園連盟

キッズデザイン賞受賞! 建設反対の声を乗り越え、地域との共生を考えて設計された保育園

待機児童解消の問題と並行して、保育施設増設反対の住民運動についての賛否が話題となっています。ここ最近では、港区白金台の白金台保育室、南青山の(仮称)港区子ども家庭総合支援センターへの住民反対運動などが頻繁にメディアで報道されているので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

そんな中、建設反対の声がありながらそれを乗り越えて、2018年4月に開園した保育園があります。8月にはキッズデザイン賞を受賞した、世田谷区の代沢ききょう保育園です。どんな点が評価されて受賞にいたったのか、また、開園に至るまでの軌跡は――?

保育園を運営する福祉法人桔梗(以下、桔梗)の理事長、山田静子(やまだ・しずこ)さんと、保育園を設計した住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所の井上恵子(いのうえ・けいこ)さんに、地域との共生を実現するまでの工夫やプロセスについてお話を聞きました。
世田谷区にある代沢ききょう保育園は2018年キッズデザイン賞を受賞。「高級住宅地にふさわしいデザインに」と地域からの要望を受け設計された外観は、オリジナルデザインの門扉、薩摩中霧島塗りの壁、木レンガの歩道など、建築物としてのこだわりも満載(写真撮影/片山貴博)

世田谷区にある代沢ききょう保育園は2018年キッズデザイン賞を受賞。「高級住宅地にふさわしいデザインに」と地域からの要望を受け設計された外観は、オリジナルデザインの門扉、薩摩中霧島塗りの壁、木レンガの歩道など、建築物としてのこだわりも満載(写真撮影/片山貴博)

保育園増設に反対の声!? 反対の理由って?

代沢ききょう保育園の整備計画が決定したのは2014年5月、現在、運営を行なっている社会福祉法人桔梗が事業者として認定されたのが2016年3月のことでした。既にこの段階で、世田谷区主催での住民説明会が8回開催されていたそうです。2016年3月に開かれた9回目の住民説明会に初めて参加した山田さんが、その時の状況を振り返ります。

「初めて地域のみなさんを前にして、『良好な保育環境の充実を目指して、子どもの声が響く、地域に開かれた保育園を目指したい』と挨拶をしました。ところが『“子どもの声が響く“なんて。騒音が問題だとこれまでの説明会で訴えてきたことを理解していないのではないか』とのお声が。そこから、地域の方々との調整がスタートしたのです」(山田さん)

世田谷区の代沢ききょう保育園を運営する社会福祉法人桔梗の理事長、山田静子さん(写真撮影/片山貴博)

世田谷区の代沢ききょう保育園を運営する社会福祉法人桔梗の理事長、山田静子さん(写真撮影/片山貴博)

その後も重ねられた近隣説明会の中、で山田さんたちが受け取った要望はなんと141項目に及びます。指摘されたのは大きく3つで「施設の配置」「保育園の運営」「騒音」についての問題でした。

代沢ききょう保育園建設にあたり、近隣説明会で出された地域の要望は141項目(井上さん提供)

代沢ききょう保育園建設にあたり、近隣説明会で出された地域の要望は141項目(井上さん提供)

地域との対話を10回以上重ねてできた保育園

山田理事長と井上さんはそれらの近隣からの意見を受け入れ、保育園の設計に一つひとつ反映させていきます。

「当初、総敷地面積2000平米という豊かな立地を活かして、南側に500平米程の広い園庭を有したL字形の園舎を建築したいとプランを提出しました。けれども、騒音を懸念するご意見をいただいたので、その点に配慮するために建築プランを大きく変更することにしました。

代沢ききょう保育園を設計した建築士の井上恵子さん(写真撮影/片山貴博)

代沢ききょう保育園を設計した建築士の井上恵子さん(写真撮影/片山貴博)

まず、園庭の音を建物で遮断するため園舎の形をL字型からロの字型に変更しました。そして保育棟部分を中心に防音性能の高いサッシを採用することで、子どもたちが思い切り声を出して遊んでも、周辺住宅地には音が漏れない園舎を実現しています」(井上さん)

当初の建築プランは、南側に広い園庭を確保したL字型の園舎(井上さん提供の図をもとに作成)

当初の建築プランは、南側に広い園庭を確保したL字型の園舎(井上さん提供の図をもとに作成)

地域の要望を受け、園庭をぐるりと園舎で囲む形のロの字型配置で遮音性を確保(井上さん提供の図をもとに作成)

地域の要望を受け、園庭をぐるりと園舎で囲む形のロの字型配置で遮音性を確保(井上さん提供の図をもとに作成)

「建物で園庭を囲うことで園庭の音の問題は解決しても、園庭の日当たり条件が悪くなってしまいます。そこで北側と南側とで園舎の高さを変え、園庭になるべく多く日が入るように設計しています。隣地と園舎が近い南側には遮音壁も設置しましたが、近隣の景観を損ねないよう木製のものにしました」(井上さん)

左側の保育棟と右側の施設等は近隣の建物にあわせて高さを変え、可能な限り採光がとれ、風が通る設計になっている。左手前の柵の中は、現在はオフシーズンのため蓋をしている園児用プール(写真撮影/片山貴博)

左側の保育棟と右側の施設等は近隣の建物にあわせて高さを変え、可能な限り採光がとれ、風が通る設計になっている。左手前の柵の中は、現在はオフシーズンのため蓋をしている園児用プール(写真撮影/片山貴博)

園庭を中央に配し、周囲に園舎を設けることで園庭の音がカットされる設計(井上さん提供)

園庭を中央に配し、周囲に園舎を設けることで園庭の音がカットされる設計(井上さん提供)

敷地の南側(一部)には、天然木と黒に塗られた鉄のコントラストが洗練された雰囲気の木製遮音壁を配置(写真撮影/片山貴博)

敷地の南側(一部)には、天然木と黒に塗られた鉄のコントラストが洗練された雰囲気の木製遮音壁を配置(写真撮影/片山貴博)

もちろん、子どもたちが健やかに過ごせるよう保育環境にも配慮されています。

「都市部では珍しい木造在来(真壁)工法を採用し、木の柱・梁を現すことで、木の雰囲気を感じられる温かみのある園舎にしました。木造建築物は火災を懸念されますが、燃え代(もえしろ)設計(想定される火事で消失する木材の部分を想定して部材の断面寸法を考えること。木材が火災にあっても、燃え代を想定しておけば、直ちに建物が倒壊することはない)を行い、準耐火建築物として認定されています。

また、開口部に使用している木製のサッシは、遮音性はもちろん、断熱性にも優れ、施設内で子どもたちが夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるようになっています」(井上さん)

保育棟の廊下。左側の開口部には遮音性の高い木製サッシが使われている。屋根の形を生かした勾配天井は空間を広く見せる効果も(写真撮影/片山貴博)

保育棟の廊下。左側の開口部には遮音性の高い木製サッシが使われている。屋根の形を生かした勾配天井は空間を広く見せる効果も(写真撮影/片山貴博)

これだけの充実した設備や、いたるところに配慮の及ぶ設計に筆者はびっくりしましたが、設計や建設にはかなりお金がかかったのでは……?

「ここは高さ10メートルの建物が建てられる地域ですが、7メートル以下に抑えて欲しい、また園舎の面積も最低限にして欲しいという要望がありました。そこで当初2階建てのプランを平屋に変更し、天井を高く取って空間を広く見せようと考えました。高い天井に木の梁がダイナミックに出ているため、費用がかかっているように見えるかもしれません。今回採用した真壁工法は、施工がたいへん難しく手間ひまがかかりますが、設計・建設費は保育園の建設に通常かかる平均的な予算の中に納まっています。施工会社さんの頑張りもあってできた建物なんです」(井上さん)

運営・コミュニケーション面でも、近隣に配慮した運営方法を採用

近隣説明会では、園児が園庭に出る時間や送り迎え時の運用、自転車置き場やゴミ置き場など「運営」についても住民の方からの要望がありました。

「送迎の主な時間帯である7:15~9:15と16:30~18:30は門扉を開放し、交通誘導員を入口に配置して、ベビーカーや自転車に乗った状態で門を入って園内でお子さんに乗り降りしてもらい、交通の安全を確保しました。園庭に出て遊ぶ時間も午前中の9:00~11:30と午後の15:30~17:30に限定することで、住民の方の了承を得ています。

ゴミ置き場は近隣への影響を減らすため道路沿いではなく敷地奥に設置し、カラス等の被害を防ぐためコンクリートブロック造の建物を設けました。ゴミ置き場の前の通路の先、道路ぎわに、ゴミ収集車や食材や必要資材などの搬入・搬出をする車が駐車できるスペースを設けています。

保育園の裏手にある搬入・搬出用の通路とコンクリートブロック造のゴミ置き場(通路左)(写真撮影/片山貴博)

保育園の裏手にある搬入・搬出用の通路とコンクリートブロック造のゴミ置き場(通路左)(写真撮影/片山貴博)

イベント時の騒音は特に気になる問題だったので、運動会も園庭内では行わず、近隣の広い公園で開催します。『げんき広場』として地域の皆さんにも開放した形の運動会にしています」(山田さん)

これらの数々の工夫によって、地域に受け入れられてきたのですね。

子どもも、大人も、地域と一緒に育ち、育む環境を

とはいえ、山田理事長の本来の思いは冒頭の住民説明会の挨拶にもあるように、子どもたちが周囲と完全に遮断された環境ではなく「地域に開かれ、地域と共に育つ保育園」にあります。

「私自身も、母として保育園に子どもたちを預けながら商社に勤務する身でした。当時の保育園の園長先生や保育士の先生方をはじめ、多くの方に助けていただきましたし、子どもが育つ環境には未来があります。実際に保育施設の運営を始めて40数年が経ちますが、当時保育園に通っていた子たちが、今、父・母という立場になって自分の子どもを先生に見てもらいたい、と通ってくれます。子どもたちがあっと言う間に社会を背負う大人となって成長していくわけです。

一時保育室として設けられた保育スペースも勾配天井とむき出しになった木の梁が温かく印象的(写真撮影/片山貴博)

一時保育室として設けられた保育スペースも勾配天井とむき出しになった木の梁が温かく印象的(写真撮影/片山貴博)

運動会を公園で開き、げんき広場として地域の方が参加しやすい場にしていく工夫もそうですが、この園舎のエントランスがある事務棟には、地域の方々にも使っていただける開放スペースも用意しました。
地域の方々にも子どもがいる風景を身近に感じていただき、少しずつ対話を重ね、子どもたちが地域の中で育ち、私たち大人も一緒に育つ環境を提供できれば、と考えています」(山田さん)

エントランスを入って目の前にある「つどいのひろば」という部屋は、地域の人々がサークル活動などに使用できるように設けられた(写真撮影/片山貴博)

エントランスを入って目の前にある「つどいのひろば」という部屋は、地域の人々がサークル活動などに使用できるように設けられた(写真撮影/片山貴博)

キッズデザイン賞の審査員のコメントには「保育園新設に対する近隣との対立は社会問題化している。対話を通じて挙がってきた課題や要望を、デザインを通じて解決し、結果として保育環境の向上につながったプロセスは特筆すべきものである」とあります。この、近隣にも園内の保育環境にも配慮して設計された保育園は、見学希望者が後を絶たないそうです。
代沢ききょう保育園の取り組みを自治体や運営事業者の工夫例として参考にしていくことはもちろん、一方で、住民側として、子育て中の親として、筆者も主体的に地域福祉に尽力・協力する、という共助的な環境づくりに貢献できれば、と想いを強くした取材でした。

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●取材協力
社会福祉法人桔梗
代沢ききょう保育園
住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所

共働き夫婦の家事分担、「夫50%:妻50%」を実現しているのは1割程度

(株)マクロミル(東京都港区)はこのほど、「いい夫婦の日(11月22日)」にちなみ、夫婦の家事分担状況を調査した。調査対象は夫婦ともにフルタイムで働いている20~40代の既婚男女1,000名。調査時期は2018年10月17日(水)~10月18日(木)。それによると、家事の分担状況は「妻がほとんど担う」が27%、「妻が主だが、夫も少し分担」が38%と、あわせて64%の家庭では妻がメインで家事を担っていることが分かった。また、「妻と夫で分担」しているという家庭は31%だった。

夫婦間で何%ずつ家事を分担することが理想だと考えていますか?では、「夫50%:妻50%」と夫婦平等に分担したい人が4割で最多。次いで、妻の方がやや高めが理想だという回答で「夫40%:妻60%」が2割、「夫30%:妻70%」が2割となっている。一方、現実に目を向けると、最多は「夫10%:妻90%」が2割、次いで「夫20%:妻80%」も2割弱と、妻の負担が多い順に続いた。最も理想だと考えられている「夫50%:妻50%」を実現している夫婦は1割程度で、理想と現実の間には大きな開きがあった。

なお、家事分担の進み具合は、若い年代ほど進んでいるようだ。妻が90%以上の家事を分担している、“ほぼ妻が家事を担う家庭”の割合を比較したところ、40代は35%、30代は24%、20代は17%と、年代が下がるにつれて減少している。

ニュース情報元:(株)マクロミル

共働き夫婦の理想の休日。ママは「一人で」パパは「家族と」自宅で過ごしたい…

住環境研究所が「共働きで子育て中の25~39歳の男女」に調査したところ、休日の理想の過ごし方にパパとママで違いがあることが分かった。ママは「一人で」、パパは「家族と」自宅で過ごしたいというのだが、なぜこうした違いが生じるのだろう?【今週の住活トピック】
「『共働き子育て世帯』の生活・意識に関する実態調査」を発表/住環境研究所共働きのママは家事に大忙し!!

予想されることだが、住環境研究所の調査でも、共働きのママの家事負担が大きいことが浮き彫りになった。

家事時間を平日でみると、ママは「2~4時間未満」(45.4%)が最多で、次いで「4時間以上」(38.3%)。一方パパは「10分~2時間未満」(56.2%)が最多で、次いで「2~4時間未満」(19.5%)だった。
次に、休日でみると、ママが「4時間以上」(51.6%)、パパは「2~4時間未満」(38.1%)が最多だった。

共働きだからか、休日を使って家事に集中する家庭が多く、休日はパパの家事参加の頑張りも見られる。しかし、やはりママの家事負担は大きくなっている。

平日と休日の家事時間(出典:住環境研究所「『共働き子育て世帯』の生活・意識に関する実態調査」より転載)

平日と休日の家事時間(出典:住環境研究所「『共働き子育て世帯』の生活・意識に関する実態調査」より転載)

ママが休日は一人で過ごしたいのはなぜ?

休日は、過半数が「4時間以上も家事をしている」というママたち。家事以外の時間を含め、休みの日をどのように過ごしているのだろうか?

どちらも最多となったのは「外出して家族と過ごす」だった。特にママは71.9%が「外出」を選んでいて、パパより10%も多い。休日ごとに外出するわけにもいかないので、「自宅で家族と過ごす」人が2番目に多く、ママ・パパとも6割強とあまり違いがない。となると、ママは、「たまった家事をする」ことになり、ママの6割弱が「家事」を選び、パパより15ポイントも多い回答となっている。

つまり、「家事を忘れて家族で外出したい」→「でもお金もかかるから毎回できないし、自宅で過ごすと家事がたまっているのが気になる」→「家事を済ませないと自分が好きなことをする時間も取れない」→家事を済ませようという構図になっているのではないか? というのが筆者の予想だ。

こんな日々が続くので、「理想の休日の過ごし方」を聞くと、ママは「自宅で一人でゆっくりしたい」(42.8%)、「一切家事をせずくつろいで過ごしたい」(31.2%)、「外出して一人で過ごしたい」(20.2%)がパパと比べて高くなっている。「一人で」や「家事をしない」がキーワードになっている。

一方パパでは、「自宅で家族とゆっくりしたい」(44.7%)が最多で、「自宅で一人でゆっくりしたい」(35.0%)、「外出して家族と過ごしたい」(34.7%)、「自宅で子どもと遊んで過ごしたい」(32.5%)の順に多くなっている。ママに比べると、「一人もいいけど、家族や子どもともいたい」ということか。

現実と理想の休日の過ごし方(出典:住環境研究所「『共働き子育て世帯』の生活・意識に関する実態調査」より転載)

現実と理想の休日の過ごし方(出典:住環境研究所「『共働き子育て世帯』の生活・意識に関する実態調査」より転載)

ママが欲しい空間、持ち家では「ママコーナー」、賃貸では「ぐっすり眠れる寝室」

この調査では、「住まいにどんなスペースがあるといいか」について聞いている。住宅事情の違いによるのか、持ち家と賃貸では人気の場所が違った。

持ち家でも賃貸でも、一人でのんびり過ごすことができる「ママコーナー」のニーズが高いのだが、特に持ち家で高い。一方、賃貸では「ぐっすり眠れる寝室」のほうがニーズは高い。

共働きママが住まいにあると良いと思うスペース(出典:住環境研究所「『共働き子育て世帯』の生活・意識に関する実態調査」より転載)

共働きママが住まいにあると良いと思うスペース(出典:住環境研究所「『共働き子育て世帯』の生活・意識に関する実態調査」より転載)

筆者が思うに、今の住宅事情では、ママが一人でのんびりできる専用空間を取りづらいので、何かに集中できる「ママコーナー」のニーズが高くなるのだろう。
一方、一般的に賃貸住宅と比べると、永住が求められる注文・分譲住宅のほうが面積は広くなり、住宅の性能は高くなると言われている。賃貸の方が、部屋数や遮音性・省エネ性の問題で寝室の快適性に課題が生じると推測できる。

所得の伸び悩みや労働人口の減少などの要因から、今後も共働き世帯が増えると考えられる。共働きでは、ママだけに家事負担が大きくならないように、家族の家事参加や働き方の柔軟性などの改善が求められる。
とはいえ、当面の解決策として、家事負担を軽減したり家事参加しやすくしたりする、間取りや設備などの住まいの工夫でカバーすることも考えてほしい。加えて、くつろげる場所の確保ができれば、共働きママも頑張れることだろう。

仔羊のローストに八重咲きガーベラ…インスタ映えする贅沢宅配で”部屋充”に!

お休みの日などは話題のスポットに出かけるだけでなく、部屋での暮らしも充実させたいもの。インスタなどのSNSでも、インテリアの投稿や手料理の投稿が高評価ですし、休日は洗練された料理をつくり、季節のフラワーアレンジメントを飾るような生活に、憧れる人もいるのでは? もしも「忙しすぎて家での時間を充実させる暇がない!」と悩んでいたら、宅配を上手に活用してみましょう。素敵なお家ライフをサポートする、贅沢宅配をご紹介します。
有名レストランの味を自宅で再現できる食材キットで、贅沢体験

外に出れば無数に美味しいお店があるけれど、自宅でゆっくり食事をしたいと感じる人も多いはず。また、子育て中だったり、忙しかったりしてキチンとしたお店で外食するのが難しい場合もありますよね。そんなときに活用したいのが料理のレシピと、必要な食材がセットになったミールキットです。

手の込んだ料理をつくろうとすると材料をそろえるのが面倒ですが、キットならそういった心配は無用! 届いてすぐに料理に取り掛かることができます。有名シェフのスペシャルな料理を再現できるミールキットのサービス「TastyTable(テイスティ テーブル)」を運営する株式会社ブレンドの代表、田尾秀一(たお・しゅういち)さんによると、「TastyTable」の場合は少量使用のスパイスやハーブもキットに入ってくるのだそう。

「レストランで食べるような本格的な味わいを出すためには、スパイスやハーブのアクセントが欠かせません。でも、そういったものを買い集めるのは大変ですし、余ってしまったらもったいないですよね。当社のミールキットなら使う分だけが入っているので無駄がありません。また『TastyTable』のように皆さまに同じメニューをご提案するような場合は、量が確保できる分、少量の食材を小分けしてお送りしても割高にはならず、レストランのようにチャージ料もかからないため、値段に対してグレードが高いメニューをご提供することができていると自負しています。食材の質にもこだわり、プロのシェフと同じルートで仕入れをしています」(田尾さん)

ミールキットサービスにはいろいろな種類があり、日々の献立の手間を省くために毎日届くものや、たくさんのメニューのなかからその都度選べるものがあります。そのなかで「TastyTable」はちょっと贅沢な料理を楽しむ週末限定キット。毎週いろいろなジャンルのメニューが数種類用意されていて、そのなかから1~2つをピックアップして選ぶスタイルです。定期で頼むこともできるし、気に入ったメニューがあるときだけスポットで頼むことも可能だそう。入会金や会費がかからないのもうれしいですね。価格は2名で3000円(送料別途500円)からと少しお高めですが、それ以上の価値がある食卓になるかも!?

食材はひとつひとつ丁寧に梱包されて届く(画像提供/株式会社ブレンド)

食材はひとつひとつ丁寧に梱包されて届く(画像提供/株式会社ブレンド)

「有名シェフの料理を自宅でつくれるワタシ」になれる!

「TastyTable」のレシピを監修するのは予約の取れない有名レストランのシェフばかり。それもお店で出している味に近い味のメニューを考案してもらっているとのこと。「有名レストランの味を再現するなんて、よっぽどの料理上手じゃないと無理!」と尻込みしてしまいそうですが、料理上手でなくても簡単につくれるように工夫がされているんです。

「シェフの味を、どうやったらご家庭で再現できるレシピに落とし込むかという点は、非常に工夫しています。スタッフも試作を重ねてシェフと二人三脚でレシピをつくります。また同梱する紙のレシピカードだけではなく、アプリを使って写真を多用したより詳しいレシピを配信することで、つくりやすさもアップします」(田尾さん)

利用者からは「子どもが生まれたばかりで外出はなかなかできないけど、子どもが寝ている間にレストランのような美味しいメニューがいただけて、夫婦の会話もはずみます」(30代・夫婦)という感想や「会社の同僚と集まって、みんなで料理をする際に利用。食材が使い切りで無駄がなく、つくる過程も楽しめます。完成したらSNSでシェアしちゃいます」(20代・男女友人5人)という声が。本格的な料理が意外に簡単につくれることが、利用者の満足感とサービスのリピートにつながっているようです。

「鴨肉のロースト~ぶどうとバルサミコのレデュークション & 冷製ツナソースパスタ~プッタネスカ風」。こんな料理が簡単につくれるなんて!(画像提供/株式会社ブレンド)

「鴨肉のロースト~ぶどうとバルサミコのレデュークション & 冷製ツナソースパスタ~プッタネスカ風」。こんな料理が簡単につくれるなんて!(画像提供/株式会社ブレンド)

意外と面倒なお花を買う行為を、宅配で解決

料理をつくったら、素敵なテーブルセッティングも重要です。そんなときは是非生花を飾りたいですが、お花を買う行為って少しだけ面倒なときも。花を傷つけないように持って帰ろうとすると、他のお買い物がしづらかったり、ブーケをつくってもらうまで待つ時間がなかったりしませんか? そんな悩みも宅配で解決できるようです。

「Bloomee LIFE」は株式会社Crunch Style(クランチスタイル)が提供するブーケの定期宅配サービス。1回500円からというリーズナブルな価格でブーケを家まで届けてくれます。広報の江川奈穂(えがわ・なお)さんによると、特殊な梱包を使っているために、500円(送料別途250円)と800円コース(送料別途350円)のブーケなら、郵便ポストで受け取ることもできるのです。

「専用の箱でポストに投函するスタイルは、再配達の心配がなくて好評です。どんなお花が届くかはお届けするまでは分からないシステムなので、休日の楽しみにしてくださっている方が多いですね」(江川さん)

利用者は花を買いにいく時間のないワーキングウーマンや、子育て中のママが多いそう。「なかなかお花屋さんに行く時間が取れないので、届けてくれるのは助かります。子どもも、お花があると喜んでくれます♪」(30代・女性)「お花の種類は届くまでわからないので、サプライズのプレゼントを受け取っている気分です。毎週末が楽しみになっています!」(20台・女性)という利用者の声がありました。

お花があると部屋が華やぐもの。花を活けることから始まる週末、とても素敵です。

保水機能のあるパッケージだから、ポストに投函してもお花は元気なまま(画像提供/株式会社Crunch Style)

保水機能のあるパッケージだから、ポストに投函してもお花は元気なまま(画像提供/株式会社Crunch Style)

センスあふれるフローリストのブーケでインテリアをランクアップ

「Bloomee LIFE」のポイントは、全国からピックアップしたセンスのよいフローリストからブーケが届くこと。特別感があるのです。

「インスタグラムなどで全国の素敵なフローリストをリサーチして、自信をもっておすすめできる提携先をピックアップしています。珍しい八重咲きのガーベラを使うなど、近所のお花屋さんとはひとあじ違ったアレンジを楽しんでいただけますよ! またお手入れの方法や豆知識などもお知らせしているので、お花の知識も深まるはずです」(江川さん)

食材と同じく、定期宅配の場合はフローリストにとって仕入れのロスが少ないメリットがあるのだそう。旬のお花や珍しいお花を選んでブーケにしてくれるので、購入者は部屋にいながら季節や新鮮さを感じることができますね。

ちょっと珍しいお花は、部屋をセンスアップしてくれそう(画像提供/株式会社Crunch Style)

ちょっと珍しいお花は、部屋をセンスアップしてくれそう(画像提供/株式会社Crunch Style)

プチ贅沢な宅配は、実は内容に比してリーズナブルで、コストパフォーマンスが高いといえるでしょう。週末は部屋を整えて、ちょっと特別な宅配を楽しむ過ごし方も、よいのではないでしょうか。

●取材協力
・「TastyTable」 
・「Bloomee LIFE」

鴨肉のローストに八重咲きガーベラ…インスタ映えする贅沢宅配で”部屋充”に!

お休みの日などは話題のスポットに出かけるだけでなく、部屋での暮らしも充実させたいもの。インスタなどのSNSでも、インテリアの投稿や手料理の投稿が高評価ですし、休日は洗練された料理をつくり、季節のフラワーアレンジメントを飾るような生活に、憧れる人もいるのでは? もしも「忙しすぎて家での時間を充実させる暇がない!」と悩んでいたら、宅配を上手に活用してみましょう。素敵なお家ライフをサポートする、贅沢宅配をご紹介します。
有名レストランの味を自宅で再現できる食材キットで、贅沢体験

外に出れば無数に美味しいお店があるけれど、自宅でゆっくり食事をしたいと感じる人も多いはず。また、子育て中だったり、忙しかったりしてキチンとしたお店で外食するのが難しい場合もありますよね。そんなときに活用したいのが料理のレシピと、必要な食材がセットになったミールキットです。

手の込んだ料理をつくろうとすると材料をそろえるのが面倒ですが、キットならそういった心配は無用! 届いてすぐに料理に取り掛かることができます。有名シェフのスペシャルな料理を再現できるミールキットのサービス「TastyTable(テイスティ テーブル)」を運営する株式会社ブレンドの代表、田尾秀一(たお・しゅういち)さんによると、「TastyTable」の場合は少量使用のスパイスやハーブもキットに入ってくるのだそう。

「レストランで食べるような本格的な味わいを出すためには、スパイスやハーブのアクセントが欠かせません。でも、そういったものを買い集めるのは大変ですし、余ってしまったらもったいないですよね。当社のミールキットなら使う分だけが入っているので無駄がありません。また『TastyTable』のように皆さまに同じメニューをご提案するような場合は、量が確保できる分、少量の食材を小分けしてお送りしても割高にはならず、レストランのようにチャージ料もかからないため、値段に対してグレードが高いメニューをご提供することができていると自負しています。食材の質にもこだわり、プロのシェフと同じルートで仕入れをしています」(田尾さん)

ミールキットサービスにはいろいろな種類があり、日々の献立の手間を省くために毎日届くものや、たくさんのメニューのなかからその都度選べるものがあります。そのなかで「TastyTable」はちょっと贅沢な料理を楽しむ週末限定キット。毎週いろいろなジャンルのメニューが数種類用意されていて、そのなかから1~2つをピックアップして選ぶスタイルです。定期で頼むこともできるし、気に入ったメニューがあるときだけスポットで頼むことも可能だそう。入会金や会費がかからないのもうれしいですね。価格は2名で3000円(送料別途500円)からと少しお高めですが、それ以上の価値がある食卓になるかも!?

食材はひとつひとつ丁寧に梱包されて届く(画像提供/株式会社ブレンド)

食材はひとつひとつ丁寧に梱包されて届く(画像提供/株式会社ブレンド)

「有名シェフの料理を自宅でつくれるワタシ」になれる!

「TastyTable」のレシピを監修するのは予約の取れない有名レストランのシェフばかり。それもお店で出している味に近い味のメニューを考案してもらっているとのこと。「有名レストランの味を再現するなんて、よっぽどの料理上手じゃないと無理!」と尻込みしてしまいそうですが、料理上手でなくても簡単につくれるように工夫がされているんです。

「シェフの味を、どうやったらご家庭で再現できるレシピに落とし込むかという点は、非常に工夫しています。スタッフも試作を重ねてシェフと二人三脚でレシピをつくります。また同梱する紙のレシピカードだけではなく、アプリを使って写真を多用したより詳しいレシピを配信することで、つくりやすさもアップします」(田尾さん)

利用者からは「子どもが生まれたばかりで外出はなかなかできないけど、子どもが寝ている間にレストランのような美味しいメニューがいただけて、夫婦の会話もはずみます」(30代・夫婦)という感想や「会社の同僚と集まって、みんなで料理をする際に利用。食材が使い切りで無駄がなく、つくる過程も楽しめます。完成したらSNSでシェアしちゃいます」(20代・男女友人5人)という声が。本格的な料理が意外に簡単につくれることが、利用者の満足感とサービスのリピートにつながっているようです。

「鴨肉のロースト~ぶどうとバルサミコのレデュークション & 冷製ツナソースパスタ~プッタネスカ風」。こんな料理が簡単につくれるなんて!(画像提供/株式会社ブレンド)

「鴨肉のロースト~ぶどうとバルサミコのレデュークション & 冷製ツナソースパスタ~プッタネスカ風」。こんな料理が簡単につくれるなんて!(画像提供/株式会社ブレンド)

意外と面倒なお花を買う行為を、宅配で解決

料理をつくったら、素敵なテーブルセッティングも重要です。そんなときは是非生花を飾りたいですが、お花を買う行為って少しだけ面倒なときも。花を傷つけないように持って帰ろうとすると、他のお買い物がしづらかったり、ブーケをつくってもらうまで待つ時間がなかったりしませんか? そんな悩みも宅配で解決できるようです。

「Bloomee LIFE」は株式会社Crunch Style(クランチスタイル)が提供するブーケの定期宅配サービス。1回500円からというリーズナブルな価格でブーケを家まで届けてくれます。広報の江川奈穂(えがわ・なお)さんによると、特殊な梱包を使っているために、500円(送料別途250円)と800円コース(送料別途350円)のブーケなら、郵便ポストで受け取ることもできるのです。

「専用の箱でポストに投函するスタイルは、再配達の心配がなくて好評です。どんなお花が届くかはお届けするまでは分からないシステムなので、休日の楽しみにしてくださっている方が多いですね」(江川さん)

利用者は花を買いにいく時間のないワーキングウーマンや、子育て中のママが多いそう。「なかなかお花屋さんに行く時間が取れないので、届けてくれるのは助かります。子どもも、お花があると喜んでくれます♪」(30代・女性)「お花の種類は届くまでわからないので、サプライズのプレゼントを受け取っている気分です。毎週末が楽しみになっています!」(20台・女性)という利用者の声がありました。

お花があると部屋が華やぐもの。花を活けることから始まる週末、とても素敵です。

保水機能のあるパッケージだから、ポストに投函してもお花は元気なまま(画像提供/株式会社Crunch Style)

保水機能のあるパッケージだから、ポストに投函してもお花は元気なまま(画像提供/株式会社Crunch Style)

センスあふれるフローリストのブーケでインテリアをランクアップ

「Bloomee LIFE」のポイントは、全国からピックアップしたセンスのよいフローリストからブーケが届くこと。特別感があるのです。

「インスタグラムなどで全国の素敵なフローリストをリサーチして、自信をもっておすすめできる提携先をピックアップしています。珍しい八重咲きのガーベラを使うなど、近所のお花屋さんとはひとあじ違ったアレンジを楽しんでいただけますよ! またお手入れの方法や豆知識などもお知らせしているので、お花の知識も深まるはずです」(江川さん)

食材と同じく、定期宅配の場合はフローリストにとって仕入れのロスが少ないメリットがあるのだそう。旬のお花や珍しいお花を選んでブーケにしてくれるので、購入者は部屋にいながら季節や新鮮さを感じることができますね。

ちょっと珍しいお花は、部屋をセンスアップしてくれそう(画像提供/株式会社Crunch Style)

ちょっと珍しいお花は、部屋をセンスアップしてくれそう(画像提供/株式会社Crunch Style)

プチ贅沢な宅配は、実は内容に比してリーズナブルで、コストパフォーマンスが高いといえるでしょう。週末は部屋を整えて、ちょっと特別な宅配を楽しむ過ごし方も、よいのではないでしょうか。

●取材協力
・「TastyTable」 
・「Bloomee LIFE」

マンション購入価格、共働きは平均5546.5万円

(株)読売広告社都市生活研究所は、このほど「マンション契約者600人調査 2018」の結果を発表した。首都圏でマンション価格が高騰する中、どのような人が購入しているのか知るため、「共働き世帯」「片働き世帯」に着目。購入傾向の違いを調査した。調査対象は30歳以上の男女。首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)と関西(大阪・兵庫・京都)で、2016年1月~2017年12月に新築マンションを契約した「契約者本人」もしくは「その配偶者」。調査方法はインターネット。有効回答数は首都圏600、関西258。

それによると、購入したマンションの価格は、共働き世帯は「3,000万円台」が17.3%、「4,000万円台」が23.9%、「5,000万円台」20.8%、「6,000万円台」13.7%、「7,000万円台」8.0%などで、平均は5546.5万円。一方、片働き世帯は「3,000万円台」が20.9%、「4,000万円台」が27.6%、「5,000万円台」19.7%、「6,000万円台」12.6%、「7,000万円台」4.6%などで、平均は5108.8万円。片働きに比べて共働きの方が、「5,000~8,000万円台」を中心に割合が高く、平均予算でも約400万円ほど高いことがわかった。

マンションを購入したエリア(首都圏)では、共働き世帯は「湾岸」17.3%、「都心」8.4%、「その他23区」26.1%、「東京市部」6.6%、「神奈川県」20.4%、「千葉県」9.3%、「埼玉県」11.9%。片働き世帯は「湾岸」8.4%、「都心」6.3%、「その他23区」23.8%、「東京市部」15.1%、「神奈川県」24.7%、「千葉県」10.5%、「埼玉県」11.3%。共働き世帯は東京23区での購入が全体の半数以上(共働き:51.8%、片働き:38.5%)と高く、特に湾岸エリアで17.3%の人が購入しており、片働き世帯との差が顕著。年々マンション価格が上昇する中、資金力がある共働き世帯が東京23区のマンション需要を支えていることが伺える。

想定の居住期間については、共働き世帯は「~10年」が24.3%、「~20年」が24.8%、「~30年」が13.3%、「31年以上・住み替えることはあまり考えていない」26.5%、「わからない」11.1%で、約半数が向こう20年程度の居住期間を想定している。片働き世帯では、「~10年」が17.6%、「~20年」が15.5%、「~30年」が10.5%、「31年以上・住み替えることはあまり考えていない」31.0%、「わからない」25.5%。片働き世帯の25.5%が「わからない」と答えているのに対して、共働き世帯は同11.1%と、居住期間のイメージを持っている人が多いようだ。

さらに、購入したマンションの場所については、「世帯主の実家の近く」(共働き:31.4%、片働き:20.9%)、「配偶者の実家の近く」(共働き:24.8%、片働き:19.7%)との答えが、共働き世帯は片働き世帯と比べ、それぞれ10.5ポイント、5.1ポイント高く、“親との近居”傾向が見られた。

ニュース情報元:(株)読売広告社

働く女性のホンネ、3人に1人は 「結婚後に夫が専業主夫になってもいい」!?

NPO法人日本FP協会は、全国の20代~50代の働く女性を対象に、ホンネや暮らしとマネープランについて調査を実施した。調査結果を見ると、働く女性の3人に1人が「結婚後に夫が専業主夫になってもいい」と回答するなど、そのホンネが見え隠れする状況が浮かび上がった。詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「働く女性のくらしとお金に関する調査2018」を公表/日本FP協会20代の働く女性は、意外にも「家庭に注力したい」が過半数!?

まず、働く女性の意識について、「【P】外に出て働いていたい」と「【Q】家庭のことに注力していたい」のどちらが近いかを聞いたところ、「【P】に近い」が 60.0%、「【Q】に近い」が 40.0%となった。

【画像1】働くことについての意識として、「【P】外に出て働いていたい」と「【Q】家庭のことに注力していたい」のどちらにあてはまるか (単一回答)(出典/日本FP協会「働く女性のくらしとお金に関する調査2018」)

【画像1】働くことについての意識として、「【P】外に出て働いていたい」と「【Q】家庭のことに注力していたい」のどちらにあてはまるか (単一回答)(出典/日本FP協会「働く女性のくらしとお金に関する調査2018」)

「【Q】家庭のことに注力したい」は、年代が若くなるにしたがって増加し、20代では半数を上回る52.3%に達するなど、興味深い結果となった。一方、子どもの有無でみると、子どものいる女性のほうが「【P】外に出て働いていたい」が 66.8%と高くなり、子どもの教育費などを自分の収入で補おうとする背景もうかがえる。

また、仕事と子育ての両立について、「現在の仕事を続けていると、子育てとの両立は無理だと思うか」どうか聞いたところ、「そう思う」が54.7%(「非常にそう思う」18.3%+「ややそう思う」36.4%)と過半数となり、両立の難しさを感じている女性が多いことが分かった。

ほかにも、「(将来)夫が転勤になったら、今の職場を退職すると思う」(67.4%)、「(将来)出産するときは、今の職場を退職すると思う」(49.0%)など、働く女性が仕事を続けるうえでハードルになることが多いことも分かった。

働く女性の3人に1人が、夫の「専業主夫化」に肯定的

では、働く女性は、家庭における夫の存在についてどう思っているのだろうか?

「結婚後に(夫が望むなら)夫が専業主夫になってもいいと思うか」どうかを聞いたところ、なんと「そう思う」が32.2%、つまり3人に1人は夫が家事に専念する専業主夫化を肯定する結果となった。

さらに、専業主夫肯定派に、その理由を聞いたところ、「いろいろな家庭があってもいいと思うから」(54.7%)、「家事・育児も立派な仕事だと思うから」(28.0%)、「夫は仕事・妻は家庭という時代ではないと思うから」(27.7%)が上位に挙がった。働く女性は、家庭内の役割分担についても柔軟に考えているようだ。

さすがに「専業主夫」とまではいかなくても、夫にもっと家庭で頑張ってほしいと思う働く女性も多いだろう。

既婚の働く女性に「夫にもっと家庭で頑張って欲しいと思うこと」を聞いたところ、上位は「食事の片づけ(流しに運ぶ・洗う・しまう)」(35.8%)、「整理整頓(小物の片づけ・服や物をちらかさないなど)」(31.5%)、「お風呂の準備(お風呂掃除・お湯張り)」(30.9%)、「ゴミ出し(収集・分別・ゴミ捨て)」(30.1%)の順となった。

【画像2】夫にもっと家庭で頑張って欲しいと思うこと(既婚者対象、複数回答)(出典/日本FP協会「働く女性のくらしとお金に関する調査2018」)

【画像2】夫にもっと家庭で頑張って欲しいと思うこと(既婚者対象、複数回答)(出典/日本FP協会「働く女性のくらしとお金に関する調査2018」)

家事の王道である料理や掃除、洗濯も頑張ってほしいけど、せめて後片づけや準備などはもっと頑張ってほしいと思う女性が多いということだろう。

夫もだけど、住まいや設備にも頑張ってもらおう

働く女性は、仕事に家事にと大忙しだ。
家事負担を軽減するには、
・住まいや設備で負担を軽減する
・家族が家事参加しやすいように工夫する
などが必要だ。

例えばわが家は、キッチン脇に洗濯機があり、廊下をはさんで洗面・浴室があって、一直線の動線で行き来できる。台所仕事をしながら洗濯の進捗状況を確認できるうえ、今のような花粉のシーズンには、身につける洗濯物を浴室に運んで干して浴室乾燥機で乾かしているが、その動線も短くて済む。動線の短さは繰り返す作業が多いほど効いてくる。浴室乾燥機のほかにも、キッチンには食器洗い機がビルトインされている。

このように、住まいの工夫で家事負担を軽減することも考えたい。今後「IoT(Internet of Things)」住宅が普及して、家電や住宅設備がインターネットにつながるようになったら、さらに家事効率を手助けできるようになるだろう。負担が少ないほど、家事参加もしやすくなるという効果もある。

また、キッチンが狭かったり、作業スペースが小さく高さも合わなかったりすると、家事参加したくてもしづらいということになる。分別できる機能的な収納がないと、整理整頓もしづらくなる。住まい選びの際に「家事参加のしやすさ」なども考慮しておくのがベストだろう。

「#うちのインティライミ」というハッシュタグをご存じだろうか?夫の家事参加に対する不満をぶちまけるSNS投稿に、このハッシュタグをつけるのだ。それは、テレビドラマ「コウノドリ」でナオト・インティライミさんが演じる夫が、本来夫婦で主体的に取り組むはずの子育てを「手伝う」と言ったり、仕事を優先してしまったりするシーンがあったからで、「うちの夫も」という投稿が盛んになったのだとか。

漠然と「家事や育児をやるよ」という話し合いだけでなく、具体的に事前にすり合わせるコミュニケーションも重要だろう。そういう意味では、住まい選びのときこそ、具体的にどの家事は誰がどのようにやるのかをきちんと話し合っておき、そのうえで住まいを選ぶことで、住まいにも夫にも満足度が上がるのではないかと思う。

夕食時の「タイムアタック」事情、最短は2分のツワモノも! 働くママたちの時短テクとは?

仕事帰りにお子さんのお迎えや、買い物をこなすことも多い働くママ。夕食の準備は、1分1秒でも短くすませたいですよね! エスビー食品株式会社が、新製品「とろっとワンプレート」の発売にあわせて行った「夕食づくりにおける時短への意識」アンケートから、働くママのご家庭の驚くべき「夕食タイムアタック事情」が見えてきました。
時短夕食づくり、ママたちの最短タイムは?

アンケート結果によると、夕食づくりにかかる時間は「普段の夕食づくり」が平均「46分」であるのに対して、「特に時間がない日の夕食づくり」は平均「24分」なのだとか! 想像するだけで目が回りそうです。さらに、「過去の夕食づくりにおける最短調理時間」では、平均は「16分」。なかには、なんと「2分」という最短記録をもつ方もいたのだそう! 働くママたちの多くが、壮絶な「夕食タイムアタック」を繰り広げている様子がうかがえます。

回答数:500(画像提供/エスビー食品株式会社)

回答数:500(画像提供/エスビー食品株式会社)

働くママたちは、必然的に「時短テクニック」を身につけていくようです。「よくおこなう時短テクニック」では、「1皿で済むメニューにする」(54%)という回答が最多! 「調理済み食品を使う」(45%)、「品数を減らす」(38%)、「加熱方法を工夫する」(34%)、「切り方を工夫する」(26%)、「材料の種類を減らす」(18%)などを大きく上回りました。確かに、1皿で済めば、洗い物も最小限で済みますからね。

回答数=471(画像提供/エスビー食品株式会社)

回答数=471(画像提供/エスビー食品株式会社)

ワンプレートメニューにおすすめの副菜を紹介

けれどワンプレートなら何でも良いという訳ではなく、やはり腹持ちは重視したいところ。あくまで「主食ごはん」+「おかず」をワンプレートでサーブするのがベストバランスのようです。

回答数=122(画像提供/エスビー食品株式会社)

回答数=122(画像提供/エスビー食品株式会社)

この調査のきっかけとなった「とろっとワンプレート」シリーズは、ごはんに合うワンプレートのディナーが楽しめる、煮込み時間15分の時短食品。ただ、ご飯と煮込みだけだとちょっと寂しい気分になることも。そんなときのために、ワンプレートメニューにマッチする副菜を選ぶコツをエスビー食品株式会社の広報担当者に質問してみました。

「副菜を用意するのは一見面倒にも感じますが、レタスやベビーリーフのほか、にんじん、ブロッコリー、卵、ウィンナーなどを茹でたものなど、シンプルなものを盛り合わせるだけでもソースとともにおいしく楽しめます。煮込み料理は煮込み時間を使って、効率よく副菜の準備ができるのも特徴です」(エスビー食品株式会社広報担当)

「例えば『チーズィーチキン』などチーズ味のものには、スパイシーなカレー粉を使った副菜もアクセントになっておすすめです。例えば『ハッシュドポーク』などトマト味のものには、オムレツなど卵の副菜も相性が良いです」(同)

また、更に上をいく「時短副菜」は、「ピクルスやキャロットラペなどつくり置きできる副菜」なのだそう! 確かに、こういったものを冷蔵庫に常備しておけば、ささっとワンプレートに添えられますね。納得の時短ワンプレートになりそうです。ぜひ、夕食メニューの参考にしてみて下さい。

コワーキングスペース付き保育園ってどう? 共働きのパパライターが訪問してみた

働き方改革が叫ばれている昨今。さまざまな企業で就業の形態が変わってきていますが、テレワークや在宅、起業などでフリーランスとして働く親にとって、「じゃあ子どもはどうするの?」という問題が出てきます。なぜなら、特に待機児童が多い都心などでは、そうした働き方をしている家庭は認可の保育園に入りにくいからです。でも子どもを見ながら仕事は現実的ではない……。もうすぐ2歳になる子どもがいるフリーランスライターの私にとっても他人事ではありません。そんななか、働きながら子育てもしやすい『子育て施設付きのコワーキングオフィス』が増えているという話を聞き、子持ち&共働きでフリーランスの筆者が実際に施設を訪れてみました。
罪悪感なく仕事も子育ても楽しめる それが暮らしを充実させる

まず訪れたのが東京都立川市、立川駅から徒歩5分ほどの場所にあるコワーキングスペース「Cs TACHIKAWA(シーズ立川)」。ワーキングスペースと企業主導型保育園「みらいのたね保育園」が併設されています。企業主導型保育園とは、簡単に言うと国から補助を受けた「民間」の保育園です。こうした施設は多摩地区初とのことです。

外観からはそれほど大きく見えないビルの2階にあるので、狭い託児所レベルかなと思いきや、保育室は約60m2と広々。「初めて訪れた人も、思ったよりとても広いと驚いてくれます」(スタッフ)。もちろん保育園として届け出されているので、スタッフ数など環境は整っています。また食事もメニューから食材までママスタッフが工夫を凝らして考えたものを提供しているそう。

そしてコワーキングオフィスは保育園の入り口から廊下を隔ててすぐ。Wi-Fi、コピー機、ロッカーなど設備が整ったオフィス内は、子どもの声もほとんど聞こえず、仕事に集中できる環境です。もちろん気軽に子どもの様子を見られたり、急な発熱などの事態が起きても5秒で到着。特に乳幼児がいる親にとって保育園からの連絡に気をもむことがなく、安心して働けそうです。

利用者からも
「以前は夜中に寝かしつけた後、深夜しか仕事ができなかったのですが、ここでは子どもの近くにいながら仕事に集中できるのでとても助かっています」(30代女性)

「子どもの様子をみながら仕事をするタイミングをうかがう毎日でした。仕事先に迷惑をかけたり、自分もこれでいいのかと悩んだり、ついそれが子どもの前で態度に出たり。でも今は、子どもにも、自分にも、そして仕事先にも罪悪感なく仕事ができます」(30代女性)
という声が聞かれます。

【画像1】外観からは想像できないほど広い保育園スペース。訪れた日は保育士兼シーズプレイスの社員でもあるスタッフが流ちょうな発音で英語のレッスンをしていました(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像1】外観からは想像できないほど広い保育園スペース。訪れた日は保育士兼シーズプレイスの社員でもあるスタッフが流ちょうな発音で英語のレッスンをしていました(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像2】クラウドファンディングも活用してそろえたという園内の設備。特にフルオーダーメイドの机やおもちゃは木の温かみが感じられて心地よさそうです(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像2】クラウドファンディングも活用してそろえたという園内の設備。特にフルオーダーメイドの机やおもちゃは木の温かみが感じられて心地よさそうです(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像3】コワーキングスペース。レンガ調で彩られた壁やインダストリアルなロッカーなどおしゃれ!フリーアドレス席20席を中心に個室も。もちろんWi-Fiやプリンターなども完備。会議にも使えるレンタルルームも(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像3】コワーキングスペース。レンガ調で彩られた壁やインダストリアルなロッカーなどおしゃれ!フリーアドレス席20席を中心に個室も。もちろんWi-Fiやプリンターなども完備。会議にも使えるレンタルルームも(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像4】仕切りを設けた個室。もちろんコンセントなども備えられており、集中して働きたい人に利用されています。住所登記もできるので、起業する人も多いとのこと(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像4】仕切りを設けた個室。もちろんコンセントなども備えられており、集中して働きたい人に利用されています。住所登記もできるので、起業する人も多いとのこと(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

頑張りすぎなくても大丈夫。ゼロ百ではない働き方を

施設を運営しているシーズプレイス代表の森林さんにお話を伺いました。

「私自身が子育てをしながら働いていたこともあり、仕事と子育ての両立の大変さ、働くママたちが諦めて仕事を辞めることで社会から取り残されていく悲しさを身をもって経験してきました。そうした人を減らしたいと立ち上げた、『働くママが本気でつくった保育園』であり、『コワーキングオフィス』です。50人近くいるスタッフはほとんどがママ。保育士資格を持つスタッフが子どもたちを交代で保育し、さらに会社の仕事もしています。だから、働くことも、子育ても、どちらも精一杯楽しみたいというママさんたちに寄り添いやすいと思います」

そんなシーズプレイスの「Cs TACHIKAWA(シーズ立川)」。当初はセキュリティを考えて女性限定のコワーキングオフィス&保育園だったのですが、男性も利用できるようになったとのこと。

「実際に利用されている女性たちからの要望です。いろいろな人と一緒に働くことで新しい発見や刺激があるし、ネットワークをつくって事業を始めるなどにもつながるということで。ドロップイン(一時利用)はパパさんも含めて男性が多いので、社会的にこうした施設のニーズは高いんだと実感しています。また、会議室も設けているのですが、例えばスイーツ店など飲食店やコスメ関連などで起業する際に、プレイベントを行えるようフレキシブルにしています。こちらも利用者が多いですね」

森林さんはこれからの時代の働き方、生き方の意識を変える場として、この施設を考えているといいます。

「朝9時に出社して生産性がないのに定時まで働いたり、時短制度利用することで周りを気に病みながら働いて、毎日子育てにも追われて、心も体もすり減っていくという社会はよくないと誰もが思っています。でも、なかなか現実を変えるのは難しい。だから何かを諦める。……ではなく、私たちを使ってほしいと思っています。さらに、東日本大震災の際に実感しましたが、立川はじめ多摩地区から都心通勤している人たちは、たちまち帰宅困難者になってしまいました。万一の際のリスクもこれからは考えていかなくてはいけません。愛する我が子と<安心>して<楽しく>生きていくには、よくいわれる職住近接はもちろん、『職育近接』の暮らし方が必要だと思います。仕事か子どもか、ゼロか百かの選択肢ではない生き方をこの場所から発信していきたいと考えています」

そんな「Cs TACHIKAWA(シーズ立川)」は、商業施設や大規模公園など、生活施設が充実する立川駅近くという立地も人気の理由だといいます。

「ちょっと早めに仕事を終えられれば、子どもと一緒にさまざまな施設を楽しめるし、たまにはひとりで一息つくこともできます。より前向きに仕事に集中できるというかモチベーションにつながると思います。またイベントなど地域と触れ合う機会もご提案しているので、刺激や住む街に愛着も持てる。夕方バタバタと保育園に迎えに来て、ただ保育園、職場と家の往復だけでウイークデーを過ごすとなかなかできない暮らし方もできる。きっと生き生き暮らせるのではと思います。そんな姿を親が見せていれば、子どもにもきっといい影響があると思います」

【画像5】シーズプレイス代表の森林育代さん。フルタイムからパート、契約社員などさまざまな仕事を子育てしながらこなしてきた経験から起業。多様な働き方、子育て、生き方ができる社会をつくっていきたいと話します((写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像5】シーズプレイス代表の森林育代さん。フルタイムからパート、契約社員などさまざまな仕事を子育てしながらこなしてきた経験から起業。多様な働き方、子育て、生き方ができる社会をつくっていきたいと話します((写真撮影/山口俊介(BREEZE))

多様なサービスを持つ子育て施設付きワーキングスペースも増加中

コワーキングスペース&保育園or託児施設はニーズの高まりから都内はじめ各地に増加中です。くわえてシーズプレイス同様、単なる「保育施設」+「ワークスペース」に限らない多様なアイデアをもつ施設も登場しています。次に訪れたのが、JR山手線大塚駅そばにある「RYOZAN PARK」。ビルの5階から7階が運営施設で、7階が「子育てヴィレッジ」という子育て施設とワークスペースが共存する空間です。ワークスペースはフリーアドレスで、カウンターでは働きながらガラスサッシ越しに保育士と遊ぶ子どもの様子を見ることもできます。

もちろん集中して働きたいなら6階のワーキングスペース専用のフロアや5階の個室オフィスを使うことも可能です。またシーズプレイス同様、一日だけの利用もできますし、打ち合わせ用の会議室も完備。オフィス登記もできます。

施設を運営する代表の竹沢さんは「それぞれの生活や仕事の空間だけでなく、お互いのアイデアや文化、言語や友情までもがシェアされる場所」としてつくったそうです。

「子どものそばで働ける場所ではあるのですが、待機児童解消や働き方改革など崇高な理念を持っているわけではないんです。もっとみんながハッピーになれる生き方、暮らし方がしたい。そんな仲間がつくれる、集う場所として活用してもらえたらと。だからよく言われる『働くママ』だけでなく、『パパ』もいらっしゃいますし、もちろん独身、DINKSもいらっしゃいます。年齢も経歴も国籍すら異なる多様な人たちが、情報交換したり、切磋琢磨したり、コミュニティをつくったり。生き方の可能性を広げられる空間でありたい」と語ります。

また、こうした子どもと一緒のコワーキングスペースだからこその可能性もあるといいます。

「さまざまな起業家の方も施設を活用されているのですが、最初は子どもの声が気になるという人もいたと思うんです。でもたとえ自分の子どもではなくても、声を聞いたり、成長していく様子を見ていたら「この子どもたちが未来を描ける社会をつくらないといけないのではないか」などと発想してくれるんじゃないかと。そうするとビジネス創出の仕方や方向性に新しいアイデアが生まれるのではないかと考えています」

訪れた日も子連れで仕事をしているパパ、ママが見受けられました。サッシ越しに働く親の姿を見ながら過ごす子どもたち。「親の背中を見て育つ」という言葉を実感します。ちなみにRYOZAN PARKの子育てヴィレッジでは、この春から「イングリッシュプリスクール」を開校するとのこと。英語を遊びながら学べる施設で、託児だけでない付加価値も提案するとのことです。

【画像6】7階の子育てヴィレッジ。3歳までの子どもたちが保育士とともに過ごします(画像提供/RYOZAN PARK)

【画像6】7階の子育てヴィレッジ。3歳までの子どもたちが保育士とともに過ごします(画像提供/RYOZAN PARK)

【画像7】子どもスペースとワーキングスペースが隣接。カウンターのサッシ越しに子どもの様子をみながら働くこともできます(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像7】子どもスペースとワーキングスペースが隣接。カウンターのサッシ越しに子どもの様子をみながら働くこともできます(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像8】5階にあるフリーアドレスのコワーキングスペース。カフェのような空間には年齢も国籍も多様な方々が利用しています。奥にはごろ寝スペース、ビル屋上にはバーベキューラウンジがあり、リラックス空間が多いのも特徴的(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像8】5階にあるフリーアドレスのコワーキングスペース。カフェのような空間には年齢も国籍も多様な方々が利用しています。奥にはごろ寝スペース、ビル屋上にはバーベキューラウンジがあり、リラックス空間が多いのも特徴的(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

「コワーキングオフィス&子育て施設」は、訪れるまで保育園の代替で「子育てしながら働ける施設」、「子どもの近くで働ける施設」というイメージでしたが、多様な働き方でライフスタイルの可能性を広げてくれる場所だと実感しました。ちなみに、今年2月には、世田谷区が保育機能付きシェアオフィスの支援事業を行うと発表。行政と民間双方で生き方、働き方を広げてくれる環境整備に期待したいですね。

●取材協力
・みらいのたね保育園
・RYOZAN PARK大塚

世界5カ国の家事事情、家事を分担していない国1位は「日本」、リンナイ調べ

リンナイ(株)はこのたび、世界の共働き夫婦の家事事情を探るべく、日本(東京)、韓国(ソウル)、アメリカ(ニューヨーク)、ドイツ、デンマークの5カ国、30~49歳の男女計500名(各国100名)を対象に、「共働き」に関する意識調査を実施した。
調査時期は日本が2017年12月14日~15日、韓国が2017年12月18日~19日、アメリカが2017年12月18日~21日、ドイツが2017年12月18日~21日、デンマークが2017年12月18日~22日。調査方法はインターネット。

それによると、共働き夫婦の平日の時間配分は、家事時間が最も短いのは「ドイツ」で1日平均1.73時間、長いのは「アメリカ」で2.63時間ということがわかった。また、仕事は「日本」(1日平均9.19時間)、「韓国」(1日平均8.72時間)とアジアが最も長く、睡眠や夫婦の時間は「ドイツ」(睡眠:6.86時間、夫婦:2.55時間)や「デンマーク」(睡眠:6.71時間、夫婦:3.19時間)が最も長い。また、夫婦の時間に関しては、他国に比べ、日本(1.31時間)が最も短いことがわかった。

共働き夫婦の家事分担の実態では、世界5カ国で約8割(世界5カ国平均79.4%)が「夫婦で家事を分担している」ことがわかった。また、各国別で結果をみると、家事を分担している人が最も多い国は「アメリカ」(93.0%)となり、家事を分担していない人が最も多い国は「日本」(56.0%)であることが明らかになった。

配偶者(パートナー)の家事に対する協力度を100点満点評価で調査し、各国で男女別に結果を比べたところ、日本は男女の点数差が24.06点(男性:79.9点、女性:55.84点)と最も大きくなった。また、家事分担をしている人が多かった「アメリカ」は点数の男女差(男性:68.8点、女性:66.74点)が一番小さい結果となった。

分担している家事は、料理に関しては、各国ともに女性が多く担当していた。中でも日本と韓国は、「自分がやる」と答えた女性が半数以上。一方、「ドイツ」と「デンマーク」は「自分と配偶者(パートナー)共同で行う」と答えた男性が半数を超えた。

配偶者(パートナー)のことを好きかを調査し、家事を分担している人としていない人で各国別に結果を見たところ、5カ国すべての国で「家事を分担している夫婦」の方が、配偶者(パートナー)のことを好きと答える人の割合が多かった。

ニュース情報元:リンナイ(株)

保活で高額な「認可外」に 退職するしかない? 賢い住まいのマネー術(1)

今年も本格化してきた「保活戦争」。しかし同じ東京都でも、住むエリアによって認可保育園の保育料が大きく変わることをご存じでしょうか。今回は住む場所によって家計やライフプランが大きく変わることを解説すると共に、もし保育料が高額な認可外保育園しか入れなかったとしても、働き続けたほうがよい理由をお伝えします。【連載】賢い住まいのマネー術
住まいに関する支出は、家庭の大きな割合を占めるもの。保活から住宅ローン控除まで、住まいに関する家計管理や節約術に定評のあるファイナンシャルプランナー(FP)の花輪陽子さんが解説します。認可保育園の保育料、自治体によって年30万円の差!?

同じ東京23区内であれば、認可保育園の保育料は大差ない……そう思っていませんか? 実は自治体によっては、月額2倍以上の差が出ることもあるんです。

具体的なケースを見てみましょう。

「保育園を考える親の会」作成の「100都市保育力充実度チェック(2017年度版)」で認可保育園の保育料(※中間額)が安い街をみると、1位の渋谷区では7490円、23位の江戸川区では3万1500円と、同じモデルケースでも月額2万4000円もの差があります。

■3歳未満児の認可保育園 月額保育料が「安い」自治体TOP3(東京23区・中間額)
1位:渋谷区 7490円
2位:中央区 1万3100円
3位:練馬区 2万600円
※100都市保育力充実度チェック(2017年度版)より■3歳未満児の認可保育園 月額保育料が「高い」自治体TOP3(東京23区・中間額)
1位:江戸川区 3万1500円
2位:江東区 2万9800円
3位:墨田区 2万8500円
※100都市保育力充実度チェック(2017年度版)より

年間の差額は30万円近くになりますので、決して小さな額ではありません。住まい探しの前にぜひとも下調べしておきたいですね。
※中間額:所得控除前の年収が夫496万2396円・妻78万7584円、夫の社会保険料額を69万4735円、子供1人とした第1子保育料

とはいえ、現在東京23区内にお住まいであれば、希望の認可保育園にすんなり入れるケースは珍しいかもしれません。認証保育園や認可外保育園を選択せざるをえない場合でも、注意すべき点があります。

家賃が高いエリアでも、認可外助成がある区のほうがオトクなことも

料金が変わるのは認可保育園の保育料だけではありません。東京都の基準を満たしている認可外施設に通わせている家庭に対し、認可保育所を利用した場合との差額を助成する自治体もあります。しかし、助成のない自治体も多く、助成額が多い自治体と比べると大きく家計が変わってしまいます。

例えば、港区の場合、通っている認可外保育園の保育料または助成基準額(3歳未満児は10万円、3歳以上児は9万7000円)のいずれか低い金額と、認可保育園等保育料との差額を助成します。

また、世田谷区でも平成28年から、3歳児以下について、認証保育園以外の認可外保育施設でも認証と同じ5000円~4万円を補助する制度を創設しました。これは待機児童が多いことを受けた緊急対策との位置付けで、平成31年度までの期間限定で運用されるといいます。

家計はどうなるのか、具体的なモデルケースで考えてみましょう。

港区に住むA家庭は、認可保育園に通う場合、家庭の収入から月額保育料は3万1000円ですが、認可外保育園に通う場合、保育料は月額11万円と高額です。しかし、助成基準額の10万円と認可保育料の3万1000円の差額である6万9000円を助成してもらえ、保護者負担は10万円を超過した1万円と認可保育園料の合計となる4万1000円になります。月額11万円だったはずの保育料の多くを、自治体からの助成で賄うことができるのです。

■計算式
1歳児の認可外保育園の保育料:月額11万円
・港区の場合:11万円(認可外保育料)― 6万9000円(助成額)=4万1000円(自己負担額)
・補助額0円の区の場合:11万円(自己負担額)
●月間保育料の差額:6万9000円
●年間保育料の差額:82万8000円

同じ東京都内であっても、認可外保育園に対する助成がゼロの区に住んでいれば、月額の保育料の負担は11万円になります。港区に住んだケースと比べると、年額で82万8000円も差が出ます。家賃が少し上がっても、助成のある区に住んだほうが支出を抑えることができる場合もあるのです。

出産で退職すると、2億5000万円を失うイラスト/PIXTA

イラスト/PIXTA

とはいっても、すでに認可保育園に入りにくく助成額も少ない自治体に住んでいる場合、そう簡単に引っ越しできるものではありませんよね。

時短勤務などを取得していれば、認可外保育園の保育料と、月々のお給料がトントンになってしまうケースもあるかもしれません。そんな時は「いっそ退職しようか……」といった考えが頭をよぎるのも無理はないかもしれませんが、出産で仕事をやめると、約2億5000万円もの生涯賃金を失うことをご存じでしょうか。

「国民生活白書」によれば、大卒女性が仕事を中断することなく、38年間働き続けた場合の生涯賃金は退職金込みで約2億7700万円です。育児休業を2年間取得して36年間働く場合、失うお金は約1900万円と比較的少なく済み、生涯賃金は約2億5800万円となります。(平成17年版、第3章「子育てにかかる費用と時間」より)

一方、出産後退職をして8年間のブランクを経て再就職する場合、正社員として復帰するケースの生涯賃金は約1億7700万円、パートとして復帰するケースの生涯賃金は約4900万円になります。

結婚後は専業主婦という場合の生涯賃金は約2200万円と、ずっと働き続ける場合と比べると2億5000万円ものお金を失うことになります。(「国民生活白書」平成17年版。28歳で第1子出産、31歳で第2子出産と仮定)

生涯賃金という視点から考えると、できる限りキャリアにブランクを空けず、正社員として復帰をすることが大切だということが分かります。妊娠中に体調が優れずにやむを得ずに退職をすることになったという場合も、できるだけ早期に正社員として復帰するほうが、当然生涯賃金は多くなります。

高い保育料は期間限定 長期的な視野で保活を

認可外保育園の保育料は月額10万円を越える場合もありますが、それは長いライフプランの中の限られた期間に限定されます。子育ては計画が立てやすいものです。

0~2歳時は期間限定と割り切り、高い保育料を支払ったとしても、3歳児以降になれば延長保育のある幼稚園も含めて選択肢が広がります。仕事をキープしたほうが、生涯賃金を考えると逸失金額が少なく済む場合が多いでしょう。どのエリアに住むかによって受けられるベネフィットが大きく違いますから、これからを住まい探す場合は、希望エリアの行政サービスをよく調べておきたいものです。

もし高額な保育料を払うことになったとしても、「保育料以上に稼げないから働くのをあきらめる」という短期的な目線だけではなく、3歳以上になると保育の選択肢が広がること、働き方によって生涯賃金が大きく変わるということを頭に入れ、長期的に試算した上で保活を考えることが大切です。

人気のエリア、子育てがしやすそうというイメージだけではなく、数字でしっかりと把握してから住まいを選ぶほうが賢明ですね。

花輪 陽子花輪 陽子(ファイナンシャルプランナー)
CFP認定者、1級FP技能士。外資系投資銀行を経てFPに。「夫婦で貯める1億円!」「貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで」などの著書やテレビ出演、雑誌監修など多数。