愛知「住みたい街ランキング2023年版」不動の1位は名古屋! NHK大河ドラマ『どうする家康』影響で三河エリアに熱視線

2023年、リクルートが3年ぶりに「住みたい街ランキング」の愛知県版を発表。再開発や再整備が盛んで、注目の施設の開業など、都市部を中心に変化が著しい愛知。今年はNHK大河ドラマ「どうする家康」の影響もあり、三河エリアへも熱い視線が注がれている。愛知ではどんな街が上位なのか? 人気の理由も探りながら、愛知県春日井市生まれ、名古屋に住み続けて19年目の筆者と共に見ていこう。

2023年「住みたい街(駅)」1位は、暮らしやすい街へ進化中の「名古屋」

愛知県 住みたい街(駅)ランキング

今回の「住みたい街」(自治体・駅)ランキングは、愛知県内の街(自治体・駅)について、愛知県在住の20~49歳の男女2000人に「住みたい街」についてアンケートを実施した結果をランキングしたもの。
県内居住者から見て、住んでみたいと思われている憧れの街がランクインしていると言える。

「住みたい街」(駅)の1位から3位までは、前回2020年に実施した時と同じ結果に。不動の1位は、2018年のランキングから変わらず「名古屋」!

「名古屋」の高い人気は、2027年のリニア開業を見据え、再開発が進んでいることが挙げられる。また近年、名古屋駅前の再整備計画が発表されており、今後は駅東西に広場を整備予定だ。駅西側駅前広場にはイベントなども行われるスペースをつくる再整備計画があり、期待が高まる。

中央コンコースから地下街で「大名古屋ビルヂング」や「ミッドランドスクエア」に繋がる駅東側は、地上ロータリー交差点の改良や、歩行者空間の整備などが予定されている。ロータリーのランドマークになっていたモニュメント「飛翔」は昨年撤去され、広場開設に向けて整備が進行中だ。

ロータリーのモニュメント「飛翔」は昨年撤去され、現在は広場開設に向けて整備が進んでいる(写真/PIXTA)

ロータリーのモニュメント「飛翔」は昨年撤去され、現在は広場開設に向けて整備が進んでいる(写真/PIXTA)

数年前までは商業的な街という印象が強かった「名古屋」だが、近年変化が著しい。2021年には、名鉄百貨店メンズ館地下1階に、高級スーパー「紀ノ国屋」が中部地区初出店し話題に。また同年、駅徒歩約12分のノリタケ工場跡地に、商業施設と住宅、オフィスからなる複合施設「イオンモールNagoya Noritake Garden」が開業して、食品や日用品の買い物の場が充実した。この「イオンモールNagoya Noritake Garden」は、緑豊かな「ノリタケの森」の敷地内に立ち、1階から2階に繋がる大型書店「TSUTAYA BOOKSTORE」と、3階にある「コニカミノルタ プラネタリウム満天NAOGOYA」が話題に。子連れファミリーが訪れやすい街へと進化している。

3位には、名古屋市外から東三河の中心都市「豊橋」がランクイン

それでは、2位以下のランキング上位の街についても見ていこう。

2位「金山」は「名古屋」の隣の街で、交通利便性の良さに高い支持が集まる。金山駅は、JR2路線と名鉄線、地下鉄2路線が乗り入れる総合駅だ。名鉄線は刈谷市や三河方面へも運行し、豊田や岡崎方面にも通勤がしやすいほか、中部国際空港との直行便「ミュースカイ」も発着する。駅前の商業施設「アスナル金山」は2020年にリニューアルし、市内の人気ベーカリーや回転寿司店などが登場。また、駅直結の「ミュープラット金山」にはカフェや雑貨店が入るほか、駅の北側には地下1階、地上3階建の「イオン金山店」があり、食料品や日用品も手に入れやすく便利だ。

金山駅周辺(写真/PIXTA)

金山駅周辺(写真/PIXTA)

名古屋市外からランクインした3位「豊橋」は、愛知県の南東部に位置する東三河の中心都市で、東海道新幹線が停車する。市内の移動には路面電車が活躍していて、夏の「納涼ビール電車」と、名産のちくわも楽しめる冬の「おでんしゃ」は人気企画だ。2021年、駅前に食・健康・学びをテーマにした複合施設「em CAMPUS(エムキャンパス)」が開業。食材マーケットや飲食店、住居、行政窓口を備えるほか、2・3階にはカフェを併設した「豊橋市まちなか図書館」があり、住民の憩いの場となっている。また、市内には「のんほいパーク」の愛称で知られる豊橋総合動植物公園をはじめ、緑豊かな公園が点在。遠州灘に面した伊古部海岸はサーフィンスポットで、アカウミガメの産卵場所でもある。自然に恵まれ、レジャーや山海の幸を気軽に楽しめるという魅力がある。ちなみに「豊橋」は、「穴場だと思う街(駅)ランキング」では1位に選ばれている。

「のんほいパーク」こと豊橋総合動植物公園(写真/PIXTA)

「のんほいパーク」こと豊橋総合動植物公園(写真/PIXTA)

市内では、都会的な雰囲気と利便性を持ち合わせた東山線沿線の街が人気

4~6位の「栄」「覚王山」「星ヶ丘」は、全て地下鉄東山線沿線の街。東山線は、名古屋市で最初に開業した地下鉄路線であり、市内を東西に横断する。「名古屋」にも直通なので人気が高く、「住みたい沿線ランキング」でも2位にランクインしている。

愛知県 住みたい沿線ランキング

4位「栄」は、「住みたい自治体ランキング」1位の名古屋市中区に位置。2020年、栄~久屋大通駅間に公園と商業施設が一体化した「RAYARD Hisaya-odori Park(レイヤード ヒサヤオオドオリ パーク)」がオープンして、一帯がリニューアル。久屋大通公園沿いに、およそ40軒のグルメやファッションの店舗が集まる。エリア内に5つある「ヒロバ」では度々イベントが行われ、トレンドを発信している。

「RAYARD Hisaya-odori Park(レイヤード ヒサヤオオドオリ パーク)」(写真/PIXTA)

「RAYARD Hisaya-odori Park(レイヤード ヒサヤオオドオリ パーク)」(写真/PIXTA)

同時に地下街の「セントラルパーク」も改装され、スーパーなどが集まる食物販ゾーンが誕生。休日にテイクアウトグルメを楽しんだり、平日の仕事帰りに食材などの買い物を済ませたりと、暮らす街としても選択肢が広がった。2022年には、マルエイ跡地に食に関する商業施設「マルエイガレリア」が開業し、関西発のスーパー「パントリー」や、市内最大級の無印良品が開業して話題に。今後も「中日ビル」の建て替えや「(仮称)錦三丁目25番街区計画」といった大規模複合施設建設の計画が控え、ますますにぎわいそうだ。

「マルエイガレリア」(写真/PIXTA)

「マルエイガレリア」(写真/PIXTA)

5位「覚王山」と6位「星ヶ丘」は、共に「住みたい自治体ランキング」で2位となった名古屋市千種区に所在。

愛知県 住みたい自治体ランキング

「覚王山」は、昨年「SUUMO住み続けたい街ランキング愛知2022」で住民から選ばれ、1位に輝いた街。シンボルは覚王山日泰寺で、駅を出るとすぐに400mほどの参道が続き、商店街が広がる。レトロな雰囲気の食堂などのほか、東海発祥のドーナツ店やパティスリー「シェ・シバタ名古屋」といった人気店も軒を連ね、新旧の良さが合わさる街だ。住民も街の魅力として「雰囲気やセンスのいい、飲食店やお店がある」という項目を上位に挙げている。

6位「星ヶ丘」は、駅前にファッションやグルメが楽しめる商業施設「星が丘テラス」や「星ヶ丘三越」があり、買い物環境が抜群。季節ごとの装飾が美しい「星が丘テラス」は、フォトスポットとしても人気に。また、周辺に大学が多い文教地区でもある。周囲は自然にも恵まれ、東山動植物園星が丘門に近く、休日は家族連れでにぎわう。

・関連記事:愛知「住み続けたい街ランキング2022年版」住民評価1位は名古屋市おさえ長久手市!

順位が上がった街から、「交通利便性」と「職住近接」のニーズが見えてくる

7位「刈谷」、8位「大曽根」、9位「岡崎」は、いずれも2020年から順位がアップ!

愛知県 穴場だと思う街(駅)ランキング

特に「大曽根」は2020年の16位から8位へ、大きく順位を上げた。「愛知県穴場だと思う街(駅)」ランキングでも3位になるなど、注目度が高い。「大曽根」は名古屋市東区と北区にまたがる街で、大曽根駅からはJR、名鉄、地下鉄に加え、ガイドウェイバス「ゆとりーとライン」の4路線を利用可能。名古屋都市部だけでなく、瀬戸市や春日井市方面へもアクセスしやすい。さらに、市バスの路線も充実している。2020年、名鉄瀬戸線の駅構内に商業施設「ミュープラット大曽根」が併設され、「からみそラーメンふくろう食堂」など17店舗がオープンして便利に。また、徒歩圏内にスーパーを含む「メッツ大曽根」や、朝市を開催する商店街「オゾンアベニュー」が集まり、1駅隣には「イオンモールナゴヤドーム前」もあるなど、生活利便性の高さは抜群。一方で、駅南口方面には住宅街が広がり、徒歩約10分の距離に公園を併設した庭園「徳川園」があり、四季や自然も身近に感じられる。

7位「刈谷」、9位「岡崎」は、共に愛知県の三河エリアに位置する市。
デンソーやアイシン、豊田自動織機などトヨタ系企業の本社が多く、関連企業に勤める人からの職住近接ニーズも高い「刈谷」。県内屈指のスポーツタウンで、刈谷市をホームタウンとするスポーツチームは、バスケットボール、バレーボール、ソフトボール、ラグビー…など多岐にわたる。刈谷総合運動公園敷地内にある「ウイングアリーナ刈谷」は、男子バスケットボールチーム「シーホース三河」のホームアリーナ。トラックとフィールドからなる陸上競技場「ウェーブスタジアム刈谷」も併設され、各施設は大会などがない日は一般利用も可能。プロ仕様の本格的なエリアで、老若男女がスポーツを楽しむ姿が見られる。また、全国有数の財政力を誇る街でもあり、駅から市内の公園など主要な施設を回る公共施設連絡バス「かりまる」は、なんと無料で乗ることができる。さらに、「刈谷ハイウェイオアシス」や「刈谷市交通児童遊園」といった遊園地さながらの公園があり、乗り物が100円前後と、格安価格で遊べる。

「刈谷ハイウェイオアシス」(写真/PIXTA)

「刈谷ハイウェイオアシス」(写真/PIXTA)

NHK大河ドラマ「どうする家康」で注目が高まる「岡崎」は、徳川家康の生誕地である岡崎城や、八丁味噌の産地として知られる。「名古屋」まで名鉄とJRで30分の距離で、三菱自動車などの自動車関連工場と、関連企業に従事する人が多い。公共施設が充実し、市内中心部にある図書館交流プラザ「Libra」は、「愛知まちなみ建築賞」を受賞した建物内に豊富な蔵書を収容。館内には岡崎出身のジャズ愛好家、内田修氏が寄贈したジャズコレクション展示室があり、貴重な音源を楽しめる。市内には大きな公園も点在し、遊園地のある「南公園」では、100円以下で楽しめる乗り物が多数。また、「東公園」の動物園ではアジアゾウなどが見られるが、入園料は無料!教育にも注力し、愛知県立岡崎高等学校は、難関大学合格者を多数輩出する公立高校として全国的にも注目を集めている。

近年は名鉄「東岡崎」駅周辺で再開発が進み、2019年には駅直結の複合施設「オト リバーサイドテラス」が誕生。また、2023年度中には南口に地上3階建の駅ビルが竣工し、今後は北口にも商業施設やオフィスを備えた地上8階建のビルを建設予定だ。「東岡崎」は街のランキングも前回20位から15位へとアップしている。

今回の「愛知県住みたい街(駅)ランキング」では、名古屋都市部の街に加え、豊かな自然や文化を享受でき、再整備などで利便性が高まった三河エリアの都市もランクインした。「岡崎」と同じく三河の中核都市である「豊田市」も、前回33位から12位にランクアップしている。

特に、ピックアップしたランキング上位の街は、近年暮らしやすさや景観の良さがアップし、トレンド感も加わって、惹かれる魅力がたっぷり。

みんなの声を集めた「住みたい街ランキング」からは、今後の街の進化への期待感と、「忙しい毎日の中、プラスアルファの楽しみがある街で暮らしたい」という現代のニーズが見えてくるようだ。

●関連ページ
・SUUMO住みたい街ランキング2023 愛知県版/名古屋市版

タイニーハウスを庭先に。”+10平米”の小屋で、趣味に、テレワークに、夢ひろがる! 名古屋・ニッカタイニーズパーク

おうち時間が増えたコロナ禍で、テレワーク用の部屋や趣味部屋といった“プラスα”の空間へのニーズが高まった。その選択肢の一つとして注目が集まっているのが、タイニーハウス(小さな小屋)。住む空間としてはハードルが上がるものの、庭の空きスペースなどに建てて“離れ”のような感覚で使うのであれば気軽で、暮らしに変化も生まれ楽しそうだ。愛知県名古屋市にあるタイニーハウス専門の展示場「ニッカタイニーズパーク」で、どんな使い方がトレンドなのかを聞いてきた。

名古屋市内にタイニーハウス専門の展示場が誕生したワケ

SUUMOジャーナルでも注目度が高いタイニーハウス。コロナ禍の2021年、名古屋市内に、全国的にも珍しいタイニーハウス専門の展示場「ニッカタイニーズパーク」がオープンした。ニッカホーム中部の奥園丈博さんに、今誕生させたワケやタイニーハウスへのニーズについて聞いた。

展示場には広さや形、素材が異なるタイニーハウスが並ぶ(写真撮影/本美安浩)

展示場には広さや形、素材が異なるタイニーハウスが並ぶ(写真撮影/本美安浩)

「ニッカタイニーズパーク」には、現在4棟のタイニーハウスが展示されている。「ニッカホーム」は、名古屋市緑区に本社を置くリフォーム会社で、東海地方を中心に全国に支店を展開。リフォーム時の廃材リサイクル事業のほか、東海3県では「すてない!プロジェクト」として、まだ使えるけれど使わなくなった家具や食器、衣類などを無償で回収し、発展途上国への寄付やリユースも行っている、先進的な取り組みをする会社だ。

1番人気のモデルプラン「タイプA ラップサイディングアメリカン」は、外壁が樹脂サイディングで実用性も抜群(写真撮影/本美安浩)

1番人気のモデルプラン「タイプA ラップサイディングアメリカン」は、外壁が樹脂サイディングで実用性も抜群(写真撮影/本美安浩)

「タイプA」は約6帖(9.9平米)。建築確認申請が必要ない範囲(防火・準防火地域でなく10平米未満)で最大の広さ(写真撮影/本美安浩)

「タイプA」は約6帖(9.9平米)。建築確認申請が必要ない範囲(防火・準防火地域でなく10平米未満)で最大の広さ(写真撮影/本美安浩)

「タイニーズパークに関しては、コロナが広がり始めた2020年早春、弊社の榎戸欽治会長から話がありました。会長が、本社と同じ区内に現在の土地を購入した際に、『コロナ禍はテレワークが増加し、自宅に離れをつくりたいという人が増えるのでは。リフォームで培った経験を活かして、小屋専門の展示場をつくろう』と言って始まった事業です」

1番コンパクトな「タイプB モダンスタイルのテレワークルーム」は約2帖分(3.3平米)の広さ(写真撮影/本美安浩)

1番コンパクトな「タイプB モダンスタイルのテレワークルーム」は約2帖分(3.3平米)の広さ(写真撮影/本美安浩)

カウンターをつけて仕事や趣味に使う人が多いという「タイプB」。倉庫の需要もあるサイズ(写真撮影/本美安浩)

カウンターをつけて仕事や趣味に使う人が多いという「タイプB」。倉庫の需要もあるサイズ(写真撮影/本美安浩)

とはいえ、当時はこれほどコロナ禍が長引き、テレワークが浸透するとは誰も予想できなかった。そこで2020年夏、まずは10棟の小屋をバーベキュー施設としてオープン。そして2021年に、新たにニーズに沿った4棟のタイニーハウスと、事務所・平屋のモデルハウスを建てて、展示場として開業した。

新築事業も行うニッカーム。奥園丈博さんは、ニッカタイニーズパークのほかニッカホーム新築事業部の事業部長を務め、新築の部門を担当(写真撮影/本美安浩)

新築事業も行うニッカーム。奥園丈博さんは、ニッカタイニーズパークのほかニッカホーム新築事業部の事業部長を務め、新築の部門を担当(写真撮影/本美安浩)

コロナ禍が続く中、“本気”のニーズが増加

タイニーハウスのニーズに変化は感じられるのだろうか。
「小屋を扱い始めた当初は、興味本位の人が多かった印象です。でも現在は、テレワークや趣味に打ち込むことを見据えて具体的にプランを練り、ご家族の了承を得ているような、本気のお客さまが多いですね」

展示している小屋は、飲食店や雑貨店に貸し出し、マルシェを開いて、実際の使用感やサイズ感を試してもらうこともある。

雑貨店やワークショップなどが出店した2020年のマルシェ。出店者はテナント料無料で、小屋の使い心地を試すことができる(写真提供/ニッカホーム)

雑貨店やワークショップなどが出店した2020年のマルシェ。出店者はテナント料無料で、小屋の使い心地を試すことができる(写真提供/ニッカホーム)

「私たちがつくるタイニーハウスの1番の特徴は、お客さまの敷地に合わせたフルオーダーです。展示場のタイニーハウスは参考程度にお考えいただき、お好みに合わせて、一からデザインします。ですから、規格品の小屋を考えていたものの、『デザインが気に入らない』『調べたら自宅の敷地には搬入できなかった』などの理由で困っていた方が弊社にいらっしゃいます」

一からデザインするフルオーダーで、いくらくらいのものなのか? 最多の価格帯は「テレワークなどができる5~6帖の小屋で、約200万円(工事費・消費税含む、以下同)ですね。これは車1台分ほどの余剰の土地があれば建てることができます。また、倉庫や物置として使う目的の2帖くらいの小屋であれば、130万円からが目安です」とのことだ。

扉が観音開きになる「タイプE 大開口のガレージルーム」は、大型の荷物もラクに搬入できてワイルド(写真撮影/本美安浩)

扉が観音開きになる「タイプE 大開口のガレージルーム」は、大型の荷物もラクに搬入できてワイルド(写真撮影/本美安浩)

開口部が広い「タイプE」は約4.2帖(6.9平米)で、車やバイク、自転車が趣味の人に人気。開放感たっぷり(写真撮影/本美安浩)

開口部が広い「タイプE」は約4.2帖(6.9平米)で、車やバイク、自転車が趣味の人に人気。開放感たっぷり(写真撮影/本美安浩)

名古屋市郊外の一戸建てであれば、夫婦と子ども、または来客用として、車3台分の駐車スペースを確保している家は珍しくない。車1台分の土地と約200万円の資金で手に入るなら、憧れのタイニーハウスがグッと身近に感じられるのでは。

自宅サロンやオシャレな物置としての需要も

「最近増えているのが、エステやネイル、まつ毛エクステのサロンなどを、自宅で開業したいというお客さまからのニーズです。自宅サロンとはいえ、プライベートと仕事のスペースを分けたいという人や、テナントを借りて賃料を支払うよりも、自宅の敷地内にタイニーハウスを建てようと考える人がいます。弊社では新築戸建も手掛けていますが、新築と同時に小屋を建てて、計画的に開業する人も増えていると感じます」

テレワークや趣味に使うタイニーハウスが200万円ほどであるのに対し、水回りの設備を完備するエステサロンなどでは、400万~500万円かける人が多いとのこと。自宅サロンがプライベートスペースから独立していれば、本人や家族だけでなくお客さん目線で考えても、相手に気を遣わなくていいので、よりリラックスできそうだ。

趣味のミシン部屋として使っている一宮市Sさんの小屋。リフォームや新築時に取り扱っているメーカーのドアを使用(写真提供/ニッカホーム)

趣味のミシン部屋として使っている一宮市Sさんの小屋。リフォームや新築時に取り扱っているメーカーのドアを使用(写真提供/ニッカホーム)

大好きなフクロウ柄の壁紙を使ったSさんのミシン部屋。布や糸などの材料を広げたりしまったりするのがラクで、快適だそう(写真提供/ニッカホーム)

大好きなフクロウ柄の壁紙を使ったSさんのミシン部屋。布や糸などの材料を広げたりしまったりするのがラクで、快適だそう(写真提供/ニッカホーム)

一方で倉庫や物置タイプのタイニーハウスも、「大きめの物置が欲しいけれど、景観は崩したくない」という人からの需要があるという。

「果樹園を持っている東郷町のお客さまは、敷地内に果実の出荷準備に使う小屋をつくり、エアコンを完備して休憩所としても使っています。また、ガーデニングがご趣味の名古屋市のお客さま(Sさん)は、手入れされたお庭になじむような小屋を希望され、庭先にログハウス風のタイニーハウスをつくりました」

用途こそ、日本に昔からある「小屋」の典型だが、デザイン性や快適性を高めることで、庭の雰囲気とマッチした現代的な空間をつくることができる。

庭の景観になじませた、名古屋市Sさんのログハウス風の小屋。夜はライトアップにより幻想的になり、毎日がキャンプ場で過ごしている気分に(写真提供/ニッカホーム)

庭の景観になじませた、名古屋市Sさんのログハウス風の小屋。夜はライトアップにより幻想的になり、毎日がキャンプ場で過ごしている気分に(写真提供/ニッカホーム)

インテリアも統一感を出したSさんの小屋。室内も山小屋の雰囲気たっぷり(写真提供/ニッカホーム)

インテリアも統一感を出したSさんの小屋。室内も山小屋の雰囲気たっぷり(写真提供/ニッカホーム)

間口が狭い名古屋の住宅地でフルオーダーが活躍

当初はテレワークのための需要を見込んでいたが、製造業に従事する人も多い愛知エリアでは、完全なテレワークに移行した人は少ない印象だそう。

「お客さまのお話では、出社と自宅勤務のハイブリッド型の方が多いようです。自宅勤務OKという日に、自由に使うことができ、すぐに仕事に取り掛かることができるスペースとしての小屋が望まれているのでしょうね」

在宅ワークが増えたので小屋をつくった名古屋市Hさん。メンテナンスのことを考えて、外壁はガルバリウム鋼板に(写真提供/ニッカホーム)

在宅ワークが増えたので小屋をつくった名古屋市Hさん。メンテナンスのことを考えて、外壁はガルバリウム鋼板に(写真提供/ニッカホーム)

デスクワーク中に外からの視線を気にせず、庭の木々が眺められるように、窓の配置にこだわった(写真提供/ニッカホーム)

デスクワーク中に外からの視線を気にせず、庭の木々が眺められるように、窓の配置にこだわった(写真提供/ニッカホーム)

他にも、地域性が現れるようなニーズはあるのだろうか。
「名古屋市内は特に、敷地や間口が狭い住宅地が多いので、規格化された小屋はうまく建てられず、フルオーダーに需要があるのでは。愛知県内でも郊外部ではなく名古屋市内に小屋専門の展示場があるのは意外かもしれませんが、実際には市内でも市外でも、小屋が欲しい人はつくるものです。これまでどのような土地でも、建蔽率や容積率の許容範囲で、ご要望にお応えできています。現在のところは、一戸建てで土地にゆとりがあるお客さまが多く、県内では名古屋市のほか、日進市や刈谷市、豊田市や常滑市などの方がいらっしゃいます」

「タイプD 採光豊かな明るい小部屋」はトレンドのスクエア型が目を引く約3.1帖(5.1平米)。外壁材は、正面は天然木の板張りでも、残り三方向はサイディングにすることでメンテナンスをラクに(写真撮影/本美安浩)

「タイプD 採光豊かな明るい小部屋」はトレンドのスクエア型が目を引く約3.1帖(5.1平米)。外壁材は、正面は天然木の板張りでも、残り三方向はサイディングにすることでメンテナンスをラクに(写真撮影/本美安浩)

約3.1帖(5.1平米)と小さめの「タイプD」にエアコンなどを整備すれば、個室が必要になった子どもの部屋としてもおすすめだそう。また、大きめの約6帖(9.9平米)にしてショップとして使うケースも(写真撮影/本美安浩)

約 3.1帖(5.1平米)と小さめの「タイプD」にエアコンなどを整備すれば、個室が必要になった子どもの部屋としてもおすすめだそう。また、大きめの約6帖(9.9平米)にしてショップとして使うケースも(写真撮影/本美安浩)

郊外では二世帯や三世帯で住む家庭も多く、タイニーハウスを介護に利用する人も。
「あるお客さまは、親御さんの介護のために、自宅リビングとデッキで繋げた、離れのタイニーハウスをつくりました。普段は介護施設で暮らす親御さんが一時帰宅した際、離れのタイニーハウスで過ごしてもらうことで、リビングと裸足で行き来してもらいながら、お互いのプライバシーも確保できます。『介護のために二世帯住宅へ建て替える』となると大掛かりですが、小屋を建てるのであれば、比較的手軽にスペースを増やすことができますし、親御さんが使わない時はほかの家族も利用しやすいと好評です」

また、両親や祖父母から相続した土地など、自宅から離れた場所にタイニーハウスを建てて活用する事例も増えているという。
「名古屋市に住む人が、祖父母さまから譲り受けた三重県の土地に小屋を建てるなど、ちょっとした別荘感覚で、時々羽を伸ばせる場所を持つというケースが見受けられます」

事例1:仕事に趣味に、「おうち時間」が大きく変化(名古屋市西区・Tさん)

それでは、実際にタイニーハウスを建てた人の事例をご紹介しよう。
名古屋市西区・Tさん
50代・女性 2021年6月完成 工期約1か月 費用約130万円+建築確認申請費用(約5帖8.2平米)

庭の敷地内にある縦長のスペースを活かして設計(写真提供/ニッカホーム)

庭の敷地内にある縦長のスペースを活かして設計(写真提供/ニッカホーム)

――小屋をつくったきっかけは?
会社でテレワークがOKになったものの、新築の際、自分の書斎をつくっていませんでした。それまでは寝室にあるデスクで仕事をしていたのですが、生活にメリハリがつけにくく、机が小さいこともストレスだったので、思い切って、縦長にスペースが空いていた自宅の庭に、小屋を施工することにしました。

室内は、北欧などの小部屋をイメージして水色の塗装を採用(写真提供/ニッカホーム)

室内は、北欧などの小部屋をイメージして水色の塗装を採用(写真提供/ニッカホーム)

自宅の空き地を利用して、自由な設計の小屋ができそうだったので、お願いしました。また、展示場があり実際の小屋の仕上がりを現地で確認できることで、完成のイメージに近づけやすいと思ったからです。

――何を意識してデザインしましたか
この別棟は自分の空間なので好きにやろうと、アート作家のアトリエや、海外の雑誌にでてくる部屋などの自由な色使いを意識しました。北欧、あるいはスペインの小部屋を意識して、デザイナーさんにその旨を伝えました。採光とアクセントを兼ねた横長の窓をご提案いただき、採用しました。
 
――工夫したところは?
天井に傾斜をつけて、より広く感じられるようにしました。また、収納スペースがないので、壁に棚を付けて利用しています。

――現在、どのように使用していますか?
今は在宅ワークがほぼなくなったので、オンラインで始めたヨガなどに週に2、3回は使っています。やはり自分だけの空間は落ち着くので、読書をしたり、好きな音楽を聴いたりするのもここで。友人から頼まれる仕事もあるので、それに打ち込むこともあります。

仕事や趣味に打ち込むTさん。造作デスクの前におしゃれな有孔ボードを設置(写真提供/ニッカホーム)

仕事や趣味に打ち込むTさん。造作デスクの前におしゃれな有孔ボードを設置(写真提供/ニッカホーム)

――タイニーハウスができてから、一番生活が変わった点は?
仕事や趣味に集中しやすくなり、あまりカフェに行かなくなりました。好きな小物を配置するなど、おうち時間を楽しめるようになったと思います。すごく近い別荘みたいな感覚です。

窓際などに好みの小物をディスプレイしている(写真提供/ニッカホーム)

窓際などに好みの小物をディスプレイしている(写真提供/ニッカホーム)

――今後はどのように使用したいですか?
自分専用のオフィスとして充実させたいです。立地の条件が合えば小さなショップを開いても面白いなと思います。

入り口ドアのそばにグリーンを飾って可愛らしく(写真提供/ニッカホーム)

入り口ドアのそばにグリーンを飾って可愛らしく(写真提供/ニッカホーム)

事例2:アウトドアライフが日常になる、庭のシンボル(名古屋市名東区・Sさん)

名古屋市名東区・Sさん
50代・夫婦 2021年9月完成 工期約1か月(約4.2帖6.9平米)

――小屋をつくったきっかけは?
自宅の広い庭をきれいにしたいという気持ちがあり、そのシンボルになるような小屋を建てたいと思っていました。

外観と、広めのウッドデッキはSさんが自身で塗装。プロ顔負けの仕上がりに(写真提供/ニッカホーム)

外観と、広めのウッドデッキはSさんが自身で塗装。プロ顔負けの仕上がりに(写真提供/ニッカホーム)

二ッカタイニーズパークを見学した時に、展示してあった小屋に山小屋風のものがあり、イメージにピッタリだったので、そちらを参考にしました。希望通り、山小屋風で4.2帖のL字型の小屋ができました。

断熱材を入れなかったものの、ストーブがあれば冬もそれほど寒くないという(写真提供/ニッカホーム)

断熱材を入れなかったものの、ストーブがあれば冬もそれほど寒くないという(写真提供/ニッカホーム)

――デザインのポイントは?
外装は杉板張りで、天然の杉板を一枚一枚、鎧張りにしてもらったこと。内装の仕上げ材も杉板で、とても気に入っています。また、自宅にしまったままになっていたステンドグラスを使ってもらいました。

自宅に保管していたステンドグラスを活用。自由設計のいいところ(写真提供/ニッカホーム)

自宅に保管していたステンドグラスを活用。自由設計のいいところ(写真提供/ニッカホーム)

――大変だったところは?
外観と、大きめのウッドデッキの塗装を自分でやってみました。高いところは気を付けながら作業しました。

――現在、どのように使用していますか?
仕事から帰宅後、夕飯までの間をここで過ごしています。音楽を聴きながら読書をしたり、お茶を飲んだりと、ゆったり過ごしています。

――タイニーハウスができてから、一番生活が変わった点は?
夫婦で庭の手入れをする時間が増えました。

玄関・廊下・居室で構成されたL字型の小屋。玄関にはタイルを配した(写真提供/ニッカホーム)

玄関・廊下・居室で構成されたL字型の小屋。玄関にはタイルを配した(写真提供/ニッカホーム)

――今後はどのように使用したいですか?
キャンプ用品を置けるように、少しずつ手を加えていきたいです。

小物選びに、自然を愛するSさんのセンスが光る(写真提供/ニッカホーム)

小物選びに、自然を愛するSさんのセンスが光る(写真提供/ニッカホーム)

確かに最近、住宅の敷地内の小屋で開業したヘアサロンや焼菓子店などを見かける。

「今後も、自宅で自分らしいお店を開業したいという人は増えるのでは。自由設計で低コスト、工期も早いタイニーハウスの存在が、そういった方たちをサポートできるのではないかと思います」と奥園さんは話した。

お店を持つ以外でも、ワークスペースや趣味のスペースにと、タイニーハウスの活用方法はアイデア次第で自由自在に。タイニーハウス(小屋)を自宅の1室や離れのように考えると、住まい方への可能性もグッと広がっていきそうだ。

●取材協力
ニッカタイニーズパーク

名古屋市初、民間による分譲マンション建替え事業

関電不動産開発(株)、野村不動産(株)および(株)長谷工不動産は、8月1日より、名古屋市内初となる民間による区分所有建物の建替え事業に着手した。今回建替えるのは、名古屋市営地下鉄東山線「本郷」駅徒歩1分に立地する「本郷センターハイツ」。同物件は、複合型(商業・住宅)の区分所有建物であり、古くから「本郷」駅前の顔として機能していた。しかし築後42年が経過し、老朽化が進んでいたことから、2014年8月より建替えを含めた将来計画の検討を開始。2015年5月に管理組合において「建替え推進決議」が可決された。

2018年5月には関電不動産開発が店舗部分の区分所有権を買い取り、区分所有者の立場からも建替えを推進、同年8月に管理組合総会において建替え決議が可決され、事業パートナーとして野村不動産、長谷工不動産が加わった。

建替え後は地上15階建てになり、1階部分に商業施設、2階以上に94戸の住宅を導入する。完成は2022年11月の予定。

ニュース情報元:関電不動産開発(株)

名古屋市西区にオフィス複合型商業施設、イオンモール

イオンモール(株)は、オフィス複合型商業施設の1号店「(仮称)ノリタケの森プロジェクト」を、愛知県名古屋市西区に出店すると発表した。同社がこれまで取り組んできた商業施設開発とは異なる、新たなビジネスフォーマットを構築。都市部に不足しがちな暮らし機能の充実を図ることで、単身生活者にとっても使いやすい商業施設を目指す。また、併設されるオフィスワーカーの昼食ニーズや健康サポートにも対応する。

計画地は名古屋駅北東1km、年間約31万人が来場する「ノリタケの森」や「トヨタ産業技術記念館」が近接する産業文化エリアに位置する。

開店は2021年秋の予定。都市型モールとしての文化性・利便性に加え、ビジネス拠点集約・移転需要も取り込むことで、新たなランドマークとして名古屋の魅力度向上に寄与できる複合型施設を目指す。

ニュース情報元:イオンモール(株)

名古屋市東桜一丁目に複合施設を開発、NTT都市開発

NTT都市開発(株)による「『(仮称)東桜一丁目1番地区建設事業』の計画提案に係る都市計画素案」が、3月15日付で都市計画決定の告示を受けた。この計画は、同社が都市再生特別措置法第37条の規定に基づき、名古屋市へ提案していたもの。

計画地は、久屋大通公園及び桜通に面した、同社保有「アーバンネット名古屋ビル」の北西に隣接。開発敷地面積は約1,934m2、延床面積は約30,900m2。地上20階、地下1階、塔屋1階の建物を建設する。

ICTを活用した最新鋭のワークスペースとオフィスサポート機能、オープンスペースににぎわいを与える商業施設を配置。久屋大通公園や地下街とつながりのあるオープンスペースや歩行者ネットワークの効果的な整備、土地の合理的かつ健全な高度利用を図ることで、同地区にふさわしい業務・商業・交流拠点の形成を目指す。

今後の計画としては、2019年9月に準備工事に着手、2022年1月に建物竣工、同年2月に開業予定。

ニュース情報元:NTT都市開発(株)

名古屋・錦二丁目再開発事業が着工

野村不動産(株)、旭化成不動産レジデンス(株)、NTT都市開発(株)及び(株)長谷工コーポレーションは、3月6日、「錦二丁目7番第一種市街地再開発事業」の新築工事に着手した。同地区は名古屋駅より東方向に約1.5km、名古屋市中区錦二丁目7番地内に位置する。錦二丁目地区は、かつて日本三大繊維問屋街に数えられるほどの発展を遂げたが、産業・流通構造の変化等により、現在は空きビルや駐車場が増加している。

このような状況の下、新たなまちづくりとして「これからの錦二丁目長者町まちづくり構想2011~2030」が策定され、複合市街地としてのまちづくりが期待されている。今回の再開発事業は、錦二丁目地区の再生・活性化をめざすリーディングプロジェクトとして位置づけられている。

開発はA地区(A棟、延べ面積:約45,050m2)とB地区(B棟、延べ面積:約4,900m2)に分けて行い、A地区には地上30階・地下1階の複合施設(住宅360戸、店舗、高齢者向け住宅42戸、駐車場)を、B地区には地上5階の駐車場・店舗を建設する。

また、かつて人々の交流の場となっていた「会所」や「路地空間」を再生・創出し、低層部の連続的な賑わいと交流、回遊性を向上させるほか、帰宅困難者のための一時避難スペースや防災備蓄倉庫等の防災支援機能も導入する。建物の竣工は2021年度の予定。

ニュース情報元:野村不動産(株)

三井不動産、名古屋駅前に新たなランドマーク

三井不動産(株)は6月22日、「(仮称)名古屋三井ビルディング北館」を着工した。同計画は、名古屋最大のビジネス地区である名駅地区、名古屋駅とも地下街直結で徒歩4分以内という立地に、地上20階・地下2階、延床面積29,000m2の建物を建設。地下1階から地上3階までの商業施設と、最先端の設備を備えた5~19階までのオフィスを計画している。

商業施設はラグジュアリーブランドが軒を連ねる名駅通りのハイエンドなブランドストリートに面するだけでなく、地下街とも直結しエスカレーターでのスムーズな導線を実現。建物屋上にはオフィスワーカー専用のリフレッシュガーデンを用意する。オフィスでもなく自宅でもない「サードプレイス」と呼ばれる空間で、テナント企業の「働き方改革」の取り組みに貢献していく。竣工は2021年1月末の予定。

ニュース情報元:三井不動産(株)

東海3県で初のららぽーと、9月28日グランドオープン

三井不動産(株)は、本年9月28日(金)、大型商業施設「三井ショッピングパーク ららぽーと名古屋みなとアクルス」(愛知県名古屋市港区)をグランドオープンする。国内14施設目、東海3県(愛知県、岐阜県、三重県)としては初の「ららぽーと」となる。名古屋市営地下鉄名港線「港区役所駅」から徒歩2分に立地。「ヒトを繋ぎ、トキを紡ぐ“コネクトモール”」をコンセプトに、名古屋市の港エリアにできる新たなまち「みなとアクルス」の中核を担い、新たな地域交流・発信の場を目指す。

テーマが“WITH FAMILY”の「蔦屋書店」、“ポジティブなエネルギーと笑顔に溢れたお店”をコンセプトとした「RHC ロンハーマン」など、東京で人気のショップが東海エリア初出店。高感度ファッションや話題の飲食店等、幅広い世代のニーズに応える全217店が集結する。グランドオープンに先立ち、9月25日(火)に同施設が立地する「みなとアクルス」がまちびらきとなる。

ニュース情報元:三井不動産(株)

平成30年第1四半期の地価動向、上昇地区は約9割

国土交通省は6月1日、平成30年第1四半期(H30.1.1~H30.4.1)主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)を発表した。調査対象地区は、東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方圏23地区の計100地区。うち、住宅系地区は32地区、商業系地区は68地区。

それによると、平成30年第1四半期の地価動向は、上昇が91地区(前回89)、横ばいが9地区(同11)、下落が0地区(同0)となり、上昇地区が全体の約9割(同約9割)となった。

上昇している91地区のうち、0-3%の上昇が76地区。3-6%の上昇が15地区(住宅系1地区(「福島」(大阪市))及び商業系14地区(「駅前通」(札幌市)、「渋谷」「表参道」(以上 東京都)、「横浜駅西口」(横浜市)、「名駅駅前」「太閤口」「伏見」「金山」(以上 名古屋市)、「心斎橋」「なんば」(以上 大阪市)、「三宮駅前」(神戸市)、「紙屋町」(広島市)、「博多駅周辺」(福岡市)、「下通周辺」(熊本市))。

圏域別では、三大都市圏(77地区)のうち、東京圏(43)では、上昇が36地区(前回35)、横ばいが7地区(同8)となり、約8割の地区が上昇となった。大阪圏(25)では、平成19年度第4四半期以来はじめてすべての地区で上昇となった。名古屋圏(9)では、平成25年第2四半期から20期連続ですべての地区で上昇。地方圏(23地区)では、上昇が21地区(前回21)、横ばいが2地区(同2)となり、約9割の地区が上昇した。

用途別でみると、住宅系地区(32)では、上昇が26地区(前回24)、横ばいが6地区(同8)となり、約8割の地区が上昇。横ばいから上昇へ転じた地区は2地区(「柏の葉」(柏市)、「下鴨」(京都市))で0-3%の上昇となった。商業系地区(68)では、上昇が65地区(前回65)、横ばいが3地区(同3)となり、ほぼすべての地区が上昇。横ばいから上昇へ転じた地区は1地区(「青海・台場」(東京都))で0-3%の上昇となり、上昇から横ばいへ転じた地区は1地区(「元町」(横浜市))だった。

ニュース情報元:国土交通省