空き家所有者「3年以上放置」が6割以上! 対策がより厳しくなった「改正空家特措法」が成立し、放置空き家改善の兆し生まれるか?

空き家が社会的な問題になって久しいが、(株)AS IT ISが、空き家所有者などを対象に「空き家の実態と活用方法」について調査を行った。その結果を見ると、空き家の所有者はかなり長期間、空き家のままにしていることが分かった。政府も法改正などで、空き家対策を強化している。

【今週の住活トピック】
「空き家の実態と活用方法」の調査結果公表/(株)AS IT IS

空き家所有者の6割以上が空き家になって3年以上経過。8割が「今後も暮らす予定はない」

まず、空き家の所有者に「家が空き家となってどれくらい経つか」聞いたところ、最多は「10年以上」の22.2%、次いで「3年~5年」の21.9%、「1年~3年」の20.5%が続く結果となった。空き家になってから「3年以上経つ」という回答が合わせて63.2%に達した。

次に、「今後、空き家に自身もしくは親族が暮らす予定はあるか」と聞くと、80.9%が「ない」と回答した。では、空き家は今後どうするつもりかというと、「土地と家を売却する」が38.0%と最多だったが、次いで「特にない」が29.5%だった。

空き家になってどれくらい経ちますか?

出典:AS IT IS【空き家の実態と活用方法調査】より転載

空き家対策のための法律を改正してさらなる強化へ

調査結果では、空き家の多くが誰も住むことがないまま、長期間経過していることになる。これらの空き家の中には、適切に管理されているものもあるだろうが、管理が行き届かずに建物が老朽化したり庭の草木が生い茂ったりしているものもあるかもしれない。

適切な管理をしないで空き家が放置されると、景観を乱したり、衛生面や防災面、防犯面などの問題を起こしたりする場合がある。一方で、空き家といえども個人の所有物なので、勝手に入ったり処分したりできないので、問題がある空き家に手をこまねく形となる。

その解決策として、2015年5月に全面施行されたのが、「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特措法)」だ。この法律によって、自治体が空き家に立ち入って実態を調べたり、空き家の所有者に適切な管理をするよう指導したり、空き家の跡地の活用を促進できるようになった。さらに、地域で問題となる空き家を自治体が「特定空家」に指定して、立木伐採や住宅の除却などの助言・指導・勧告・命令をしたり、行政代執行(強制執行)もできるようになった。

この空き家対策特措法は、さらに踏み込んだ形で改正され、「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」が2023年6月14日に国会で成立し、公布された。問題のある空き家の除却をさらに促進させること、近隣に悪影響を及ぼす前の段階で有効活用や適切な管理を強化することが目的だ。

適切に管理しないまま放置すると、固定資産税の軽減措置が受けられなくなる?

今回の改正で注目されているのが、「特定空家」の前段階となる「管理不全空家」という区分を設けたことだ。今回の改正により、適切な管理が行われておらず、そのまま放置すれば「特定空家」に該当するおそれのある空き家を「管理不全空家」として、管理指針に即した措置を、自治体が指導・勧告できるようになる。勧告を受けた管理不全空家は、固定資産税の減額措置が解除される。

そもそも誰も住んでいない空き家を放置する背景に、「住宅用地の課税標準の軽減特例」の存在がある。住宅用地と認められた土地で、住宅1戸当たり200平米までの土地は「小規模宅地」として、課税標準=固定資産税評価額が1/6に軽減される。固定資産税の額を抑えたいために、住める状態でなくても家を取り壊さないでおくという事例が多いからだ。

空き家対策特措法では、すでに「特定空家」に対してはこの軽減特例を解除する形になっているが、今回の改正で「管理不全空家」に対しても同様に軽減特例を解除する形となる。解除されると、固定資産税がおおむね4倍になるといわれている。

なお、空き家対策特措法の改正は、公布から6カ月以内に施行されることになっている。早ければ年内にも施行される可能性があるので、空き家を管理せずに放置している場合は、注意が必要だ。

空き家を放置すると、近隣とトラブルになったり、法規制の対象になったりする可能性がある。住む予定がないなら、老朽化が進行する前に売却したり、更地にしたりリフォームしたりして、活用することを検討しよう。相談窓口を設けたり専門家を紹介したりする自治体も多いので、早めに相談するとよいだろう。

●関連サイト
(株)AS IT IS【空き家の実態と活用方法調査】
国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」を 閣議決定
政府広報オンライン「空き家にしないためのポイントは?」

住宅購入者の関心が高いワードはやはり【フラット35】、「住宅ローン減税」!購入時に知るべき制度も解説

リクルートが「『住宅購入・建築検討者』調査(2022年)」を公表した。この調査では、住宅の購入や建築を検討するうえで、知っておきたい制度などについての理解・関心度も聞いている。その結果、理解・関心度の高いワードの多くが、住宅ローンや減税に関するものだということが分かった。

【今週の住活トピック】
「住宅購入・建築検討者」調査(2022年度)公表/リクルート

住宅購入・建築検討者は一戸建て派が多数を占める

調査は、首都圏、東海圏、関西圏の三大都市圏と政令指定都市のうち札幌市、仙台市、広島市、福岡市に住む、20歳から69歳の男女で、過去1年以内に住宅の購入・建築、リフォームについて具体的に検討した人を対象に行われた。

検討している住宅の種別(複数回答)は、「注文住宅」が過半数の56%で、「新築一戸建て」32%、「中古一戸建て」29%、「新築マンション」32%、「中古マンション」26%、「(現在住む家の)リフォーム」15%となっている。「一戸建てか、マンションか」を聞く(単一回答)と、「ぜったい」と「どちらかといえば」の合計で、「一戸建て派」が63%、「マンション派」が22%と、一戸建て派が多数を占める結果となった。

また、検討している物件に、「永住する」と考えているのは45%、「将来的に売却を検討している」のは24%、「将来的に賃借を検討している」のは5%だった。

過半数が名前も内容も知っている、【フラット35】、「リノベーション」、「住宅ローン減税」

この調査では、「税制・優遇制度などへの理解・関心」について、詳しく聞いている。聞いた税制・優遇制度は、「今後創設予定の税制・優遇制度」、「住宅購入に関する税制・優遇制度」、「住宅購入に関する金利・補助金」、「物件の構造・仕様、取引、他に関するもの」に大別され、それぞれ複数項目を聞いている。

その項目の中で、「言葉も内容も知っている」と回答した割合(以降は、「認知度」と表記)の多いものを挙げてみよう。

■認知度の高い項目(上位10項目)

順位制度名等認知度1【フラット35】75%2リノベーション63%3住宅ローン減税※56%4【フラット35 S】46%4空き家バンク46%6固定資産税の減額措置45%6スマートハウス45%8贈与税の特例42%9認定長期優良住宅41%10住宅リフォームの減税制度40%※住宅ローン減税については、さらに細かく聞いているが、順位としては省略した。
リクルート『住宅購入・建築検討者』調査(2022年度)を基に筆者が作成

認知度の上位には、住宅ローンと減税に関するものが多く入っているのが目立つ。ローンと税金は多くの人に関係するだけに、認知度が高くなっているのだろう。ちなみに、認知度が低かったのは、「BELS」(23%)や「安心R住宅」(25%)だった。

【フラット35】と「住宅ローン減税」のどこまで知っている?

この調査では、回答者に対して言葉とその内容について説明文を提示し、そのうえで、知っているかどうか聞いている。その説明について、紹介しておこう。

まず、1位の【フラット35】と4位の【フラット35 S】。

【フラット35】全期間固定金利の住宅ローンである【フラット35】において、2023年4月よりすべての住宅について、省エネ基準への適合を求める制度の見直しが行われる。【フラット35 S】一定の基準を満たした住宅を取得する場合、一般の住宅より金利を引き下げる制度。

住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する【フラット35】だが、ポイントは、2023年4月以降は省エネ基準に適合していないと利用できないことだ。金利を引き下げる優遇制度である【フラット35 S】は、すでにZEHなど省エネ性の高い住宅ほど金利が優遇される仕組みに変わっている。

2位の「住宅ローン減税」については、「返済期間10年以上の住宅ローンを利用して住宅を購入した場合に、住宅ローン残高の0.7%を所得税等から控除」と概要を説明しており、認知度は56%になっている。実は、調査ではさらに細かく聞いている。

【住宅ローン減税×環境性能】環境性能の優れた住宅では、減税の対象となる借入限度額が上乗せになる。【住宅ローン減税×中古OK】新耐震基準適合住宅(1982年以降に建築された住宅と定義)であれば、住宅ローン減税が適用される。【住宅ローン減税×増改築OK】自宅の増改築でも基準を満たせば、住宅ローン減税が適用される。【住宅ローン減税×新築床面積】2023年末までに建築確認を受けた新築住宅であれば、床面積が40平米以上50平米未満でも適用される。(それより以前は床面積50平米以上で適用対象)【住宅ローン減税×耐震改修】新耐震基準を満たさない中古でも、取得後一定期間内に耐震改修して基準を満たせば、住宅ローンが適用される。

いずれについても、認知度は46%~51%と高く、住宅ローン減税については細かい適用条件まで理解している人が多いことがわかる。

リノベーションなど認知度の高いワードを再確認

以下、上位に挙がった項目について、説明していこう。

リノベーション既存の建物に大規模な改修工事を行い、用途や機能を変更して性能を向上させたり付加価値を与えること。空き家バンク地方自治体が、空き家の賃貸・売却を希望する所有者から提供された情報を集約し、空き家をこれから利用・活用したい方に紹介する制度。空き家対策の一つとして注目されている。固定資産税の減額措置2024年3月末までに新築住宅を取得した場合、固定資産税が3年間(マンション等の場合は5年間)、2分の1に減額される。スマートハウス太陽光発電システムや蓄電池などのエネルギー機器、家電、住宅機器などをコントロールし、エネルギーマネジメントを行うことで、家庭内におけるエネルギー消費を最適化する住宅。贈与税の特例住宅取得等資金として、子や孫が親や祖父母から贈与を受ける場合、通常の住宅で500万円、省エネ等住宅で1000万円まで贈与税が非課税になる。認定長期優良住宅耐震、省エネ、耐久性などに優れた住宅である長期優良住宅と認定されると、所得税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税が軽減される。(住宅ローン減税では借入限度額が上乗せされる)住宅リフォームの減税制度耐震改修、バリアフリー対応、省エネ対応、三世代同居対応、長期優良住宅化対応の工事を行うと所得税等の控除がある。リクルート『住宅購入・建築検討者』調査(2022年度)を基に筆者が作成

少し補足説明をしておこう。
「リノベーション」については明確な定義がないのだが、住宅業界では一般的に、劣化した部分を建築当時の水準に改修するだけでなく、今の生活に合うように機能を引き上げる改修を行うことをいう。そのため、大規模な改修工事になることが多い。

「空き家バンク」は、かつては自治体ごとに公開しているホームページを見に行くしかなく、使いづらいものだったが、いまは民間の不動産ポータルサイトによって統一した内容で全国の空き家が探せるようになっている。

「スマートハウス」は、一般的にHEMS (home energy management system) と呼ばれる住宅のエネルギー管理システムで、家庭の電気などのエネルギーを一元的に管理する住宅のこと。IT技術を活用した住宅としてはほかに、IoT住宅(アイオーティー住宅。インターネットで住宅設備や家電などをつなげてコントロールできる住宅)などもある。IT技術によって、今後も多くのものがホームネットワークでつながり、安心安全や健康などの住生活の向上も期待されている。

ほかは、主に減税に関する項目が上位に挙がった。いずれも期限付きの減税制度となっている。期限がくると延長されるか、縮小されるか、終了するかになるので、注意が必要だ。

知っておきたい「新築住宅の省エネ基準適合義務化」と「インスペクション」

最後に、認知度が高くはなかったが、知っておきたい項目について紹介したい。それは「2025年新築住宅の省エネ基準適合義務化」(26%)と「インスペクション(建物状況調査)」(32%)だ。

新築住宅、特に一戸建てのような小規模な建築物にも、省エネ基準への適合が義務化されることになっている。適合義務化は、2030年までにZEH水準まで引き上げる予定となっている。こうした新築住宅への義務化によって、既存の住宅と省エネ性能に開きができる点も押さえておきたい。

「インスペクション」(32%)はもっと認知度が高いと思っていたので、少し意外に思った。中古住宅の売買において、宅地建物取引業者は、建物状況調査の事業者をあっせんするかどうかや、対象の住宅が建物状況調査を行っているかどうかなどを伝えることになっている。建物の状態はしっかり把握しておきたいものなので、認知度が上がることを期待したい。

さて、説明文が簡単に記載されていたとしても、「言葉も内容も知っている」というレベルは人それぞれだろう。何となく分かっているというレベルから、適用条件や期限まで正確に把握しているレベルまでさまざまある。実際に制度を利用しようとするときには、正確に理解していることが求められるので、この機会にぜひ各制度への理解を深めてほしい。

●関連サイト
リクルート「住宅購入・建築検討者」調査(2022年度)

2018年、住宅ローン控除を受けるために必要な書類は? はじめての確定申告ガイド

昨年、住宅ローンを借りて住宅を購入した人は、条件が合えば住宅ローン控除(住宅ローン減税)が適用になる。ただし、住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受けるためには確定申告が必要だ。会社員にはあまり縁のない確定申告だけれど、所得税や住民税の節税対策になるので忘れずに手続きをしたい。ここでは制度を利用するための条件や手続きの方法について詳しく紹介していく。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)の基本をおさらい。戻ってくるのはいくら?

住宅ローン控除(住宅ローン減税、住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローンの年末残高の1%相当額が10年間、所得税から控除される制度。確定申告をすることで、控除をうけることができる。

確定申告は、1年間の所得を税務署に申告して所得税額を「申告納税」する、または納めすぎた所得税額を「還付申告」すること。会社員の場合、毎月の給与からその年の所得税の概算額が天引きされているため、住宅ローン控除(住宅ローン減税)で、確定申告(還付申告)をすることで、このすでに納めてある所得税から、控除される金額が戻ってくることになる。

住宅ローン控除(住宅ローン減税)の最大控除額は下の表のとおり。一般住宅の場合、10年間で400万円(1年で40万円)ととても大きな金額だ。ただし、実際に所得税から戻ってくる金額は納めている税額が上限。所得税から年間40万円を控除されるには、年末時に住宅ローン残高が4000万円以上あること、所得税を40万円以上納めていることが条件になるため、実際の控除額は年収や借入額によってケースバイケース。なお、所得税から控除し切れなかった分は、一定の限度で住民税からも控除される。

【画像1】住宅ローン控除(住宅ローン減税)の最大控除額(筆者作成)

【画像1】住宅ローン控除(住宅ローン減税)の最大控除額(筆者作成)

【画像2】住民税からの控除の最大控除額(筆者作成)

【画像2】住民税からの控除の最大控除額(筆者作成)

利用できるのはどんな住宅ローン?どんな人?どんな家?

住宅ローン控除(住宅ローン減税)を利用するには、住宅ローン、人、家それぞれに要件がある。下にまとめた要件をチェックして、自分がクリアしていれば確定申告の準備を始めよう。

<住宅ローンの要件>
・返済期間10年以上
・借入金は住宅の建物の取得のために借り入れたもの。または住宅の建物と敷地にかかる借入金を一体として借り入れたもの
・銀行や信用金庫、農業協同組合、住宅金融支援機構、社内融資などからの借入金(親族や、役員をしている会社などからの借入は対象外)
・勤務先からの融資の場合は、無利子又は0.2%(平成28年12月31日以前に居住の用に供する場合は1%)に満たない利率による借入金を除く

<人と家の要件>
・新築住宅の場合
・新築または取得の日から6カ月以内に入居し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き住んでいること
・住宅ローン控除(住宅ローン減税)を受ける年の合計所得金額が3000万円以下であること
・新築または取得した住宅の登記簿上の床面積が50m2以上。店舗併用住宅等の場合は床面積の2分の1以上が居住用であること
・居住した年とその前後2年間(通算5年間)、居住用の財産を譲渡した場合の3000万円の特別控除等の特例を受けていないこと

・中古住宅の場合
上記の「新築住宅の場合」の要件を満たしたうえで
・建築後使用されたものであること
・次のいずれかに該当すること
 ○マンション等の耐火建築物の場合は、建築後から取得までの経過年数が25年以内
 ○木造など非耐火建築物の場合、建築後から取得までの経過年数が20年以内
 ○新耐震基準に適合する建物であること(既存住宅売買瑕疵保険に加入して2年以内の中古住宅も、新耐震基準に適合するものとされる)
 ○贈与や、生計を一にする親族等からの購入ではないこと

確定申告はいつからいつまで? 手続きはどうすればいい?

2017年分の確定申告書の受け付けは2018年2月16日(金)から3月15日(木)まで。ただし、住宅ローン控除(住宅ローン減税)は確定申告のなかの「還付申告」に当たり、入居した年の翌年1月1日から申告ができる。つまり、昨年家を買って入居した人の場合、2月16日を待たなくても、すでに申告することができるのだ。確定申告期間中は税務署が混雑するので、準備が整っているなら早めに申告してしまうといいだろう。また、還付金は指定の金融機関口座に振り込まれるが、手続きが早いほうが振り込まれる時期も早くなる傾向にある。

ではここで、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の手続きに必要な書類とどこで入手するのかを確認しておこう。

【画像3】住宅ローン控除(住宅ローン減税)に手続きに必要な書類と入手先(筆者作成)

【画像3】住宅ローン控除(住宅ローン減税)に手続きに必要な書類と入手先(筆者作成)

上表の書類がそろったら、必要事項を確定申告書、住宅借入金等特別控除額の計算明細書に記入して税務署に持参してもいいし、郵送してもいい。また、国税庁のサイト上で確定申告書を作成してインターネット(e-Tax)で送信する方法もある。

確定申告は生まれてはじめてという場合、「書類の記入の仕方がよく分からない」「間違えないか不安」「ふるさと納税や医療費控除も重なっていて混乱してしまう」など、不安に感じる人もいるだろう。

その場合は、最寄りの税務署に相談を。確定申告期間中、税務署に設けられる確定申告会場では税務署員がマンツーマンで相談にのってくれる。また、税務署によっては確定申告の期間中は日曜日にも会場を開けているところもある。居住地を管轄している税務署の予定を事前にチェックしておこう(なお、一部地域では確定申告会場が税務署以外の場所に設けられるところもあるので注意)。

確定申告は毎年しなくてもOK。2年目以降は年末調整の対象に

会社員など給与所得者の場合、一度確定申告をしてしまえば、2年目以降の住宅ローン控除(住宅ローン減税)の手続きは勤務先の年末調整で済む。1年目の確定申告後、税務署から残り9年分の「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」が送られてくるので保管しておき、毎年、金融機関からの住宅ローンの「残高証明書」といっしょに勤務先に提出すればOKだ。

つまり、住宅ローンを使って家を買ったら、その翌年に1度だけ確定申告をすれば、あとは自力での申告をしなくても最長10年間の節税ができるのだ(自営業者、個人事業主等の場合は、毎年申告が必要)。

なお、還付申告の場合は入居の翌年1月1日から5年間申告書を提出することができる、つまり、申告をし忘れたり、3月15日を過ぎたりしても過去5年分までさかのぼって申告し、税金の控除を受けることができるのだ。

年度末が近づいてきて何かと忙しい時期だが、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の申告手続きをしなければせっかくの節税チャンスを逃しかねない。これから10年間の節税のために、早めに準備をして申告しよう。

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