2020年の地価は下落へ転換? 分野別にみるコロナ禍の影響

2012年の民主党から自民党への政権交代以降、一貫して上昇を続け、2017年をピークに高原状態にあった地価は新型コロナウイルスで様相が一変しました。
新型コロナウイルス影響で先行き不透明な地価

国土交通省が8月29日発表した7月1日時点の基準地価は、全国平均(全用途)の変動率が前年比マイナス0.6%と、2017年以来3年ぶりの下落。商業地はマイナス0.3%と5年ぶりに下落に転じ、昨年、28年ぶりに上昇した地方圏の商業地は再び下落に転じました。住宅地はマイナス0.7%と下落幅を拡大させています。下落地点数の割合は60.1%と2年ぶりに半数を超え、新型コロナウイルスの影響に伴う外出自粛や在宅勤務の普及を要因に不動産取引が鈍り、オフィスやホテル、店舗の需要も急失速する中、先行きの不透明感が反映された格好です。

経済停滞が長期化すれば、回復を続けてきた地価が下落へと転換しそうですが、その内訳をみると異なった様相も見えてきます。とりわけマイホームの世界は、新築中古・マンション戸建てともにさしたる影響はないどころか、足元では活況を呈していると言っていいでしょう。分野別に現状を探ってみます。

インバウンド需要が激減した商業地

新型コロナの影響が最も大きかった分野で、大きな地価押し上げ要因となっていたインバウンド需要が今年に入って激減し、不透明感が強まっています。訪日外国人客がほぼ消滅したことに加え、緊急事態宣言などの外出自粛や店舗への休業要請で国内の経済活動も大幅に停滞しました。

かつてホテルや商業施設用の不動産取引が活況だった地方の観光地や、東京の銀座や新宿、大阪の道頓堀付近など、繁華街エリアにおいて値下がりが目立ちます。金沢市の繁華街の、ある地点は前年の19.6%の上昇から4.5%の下落に。岐阜県高山市の奥飛騨温泉郷は観光客減が響きマイナス9.3%と下落率が最大。道頓堀に近く、多くの訪日客が訪れる大阪市中央区の地価変動率はマイナス4.5%。前年は商業地で全国3位のプラス45.2%でした。いずれも観光客向けの店舗やホテル需要が弱まったことが響いています。3大都市圏の商業地はプラス0.7%となんとか上昇を維持したものの、伸びは鈍化。東京、大阪で上昇幅が縮小し、名古屋は8年ぶりに下落に転じています。

最高価格は東京都中央区の「明治屋銀座ビル」で、1平方メートル当たり4100万円。最も上昇率が大きかったのは住宅地、商業地とも、リゾート開発が活発な沖縄県宮古島市でプラス30%を超えています。地域別では地方圏と名古屋圏の下げが大きい一方、札幌、仙台、広島、福岡の底堅さも目立ちます。三大都市圏より高利回りを求めた投資マネーが流れ込み再開発が進んでいるためです。

(画像/PIXTA)

(画像/PIXTA)

リモートワークも増えるオフィス街

大手町・丸の内といったオフィス街には取り立てて変動がありません。一部企業がオフィス床を減少させるとのアナウンスもありますが、、その動きは限りなく限定的です。というのも、リモートワークで生産性が低下した企業も多く、またソーシャルディスタンスを保つには一定の床面積が必要となるからです。なにより多くのオフィス賃貸契約は、3~5年問といった長期契約のものが多く、期間中に解約すると違約金が発生するパターンが多いのです。渋谷区のオフィス空室率が3%台前半とやや高まったのは、機動的に動けるIT系企業が集積していたため。それでもオフィス市場の好不調を占う5%には程遠く、大手町・丸の内や虎ノ門・新宿といったオフィス街には何ら変化がないのです。変化が訪れるとしてもずいぶんと先の話になりそうです。

息を吹き返してきた?住宅地

東京、大阪、名古屋の3大都市圏の住宅地はすべてマイナスとなり、東京、大阪が下落したのは7年ぶり、名古屋は8年ぶりです。地方圏は住宅地がマイナス0.9%と下落幅が拡大。札幌、仙台、広島、福岡の4市は住宅地がプラス3.6%、商業地がプラス6.1%といずれも上昇を維持したものの、伸び率は縮小しています。

しかし最も元気なのがこのセクター。一時期半減した新築・中古一戸建て市場もすっかり息を吹き返し、在庫を減らしつつ順調に取引がなされているどころか、緊急事態宣言中のマイナスを補って余りある勢いといっていいでしょう。8月の首都圏中古マンション取引件数は前年同月比プラス18.2%、平均価格は同プラス5.3%と絶好調。とりわけ都心3区(千代田区・中央区・港区)の中古マンション成約平米単価は過去最高を更新し、引き続き在庫が減少し底堅い。新築・中古戸建ても同様です。新築マンションの発売戸数は前年同月比8.2%減も都区部以外は大幅増、契約率も68.5%とまずまずです。

(資料/東日本不動産流通機構)

(資料/東日本不動産流通機構)

下落率の大きい災害地域

昨年の台風19号で浸水被害を受けた長野市の地点はマイナス13.1%、福島県郡山市の地点はマイナス12.6%と大幅に下落。付近の丘陵が土砂災害警戒区域に指定された東京都日野市の地点がマイナス18.4%と、全国住宅地では下落率ナンバーワンでした。

■まとめ

今回は90年バブルやリーマンショック前のバブルとその崩壊とは異なります。日米欧の同時金融緩和、とりわけ日米は無制限金融緩和を行うことで、金融システムが崩壊することを阻止したためです。一時1万6000円台をつけた日経平均株価も現在は2万3000円台と、すっかりコロナ前の水準に戻っています。とりわけマイホームの世界は、継続されるであろう日米欧の同時金融緩和を受けた超低金利といった追い風を受け、当面は好調を継続しそうです。

基準地価、全国的に回復傾向

国土交通省は9月19日、令和元年都道府県地価調査の結果を発表した。各都道府県知事が7月1日における基準地の1平米あたりの価格を調査し、国土交通省が全国の状況をとりまとめたもの。調査地点は全国約2万1,500地点。それによると、全国平均では、全用途平均が0.4%上昇(前回+0.1%)と、2年連続上昇した。上昇幅も拡大しており上昇基調を強めている。用途別では、住宅地は0.1%下落(同-0.3%)で下落幅の縮小傾向が継続。商業地は1.7%の上昇(同+1.1%)と3年連続上昇。

三大都市圏では、全用途平均が2.1%上昇(同+1.7%)、住宅地は0.9%上昇(同+0.7%)、商業地は5.2%上昇(同+4.2%)といずれの用途でも上昇。各圏域(東京圏・大阪圏・名古屋圏)においても上昇が継続し、上昇基調を強めている。

地方圏では、商業地が平成3年以来28年ぶりに上昇。工業地も平成4年以来27年ぶりに上昇に転じた。全用途平均・住宅地は下落幅の縮小傾向が継続している。

背景として、景気回復、雇用・所得環境の改善、低金利環境の下で、交通利便性等に優れた地域を中心に住宅需要が堅調であること。オフィス市場の活況、外国人観光客等の増加による店舗・ホテル需要の高まりなどが挙げられる。

ニュース情報元:国土交通省

主要都市の地価、97%の地区で上昇

国土交通省はこのたび、令和元年第2四半期(2019年4月1日~2019年7月1日)の地価LOOKレポートを発表した。
地価LOOKレポートは、主要都市の高度利用地等を対象に、四半期毎の地価動向を調査したもの。調査対象は全国100地区(東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方圏23地区)。

それによると、令和元年第2四半期の地価動向は、上昇が97地区(前回97)、横ばいが3地区(同3)、下落が0地区(同0)となり、上昇地区数の割合は6期連続して9割を上回った。

上昇している97地区のうち、0-3%の上昇が69地区(前回68)、3-6%の上昇が25地区(同29)(「宮の森」「駅前通」(以上 札幌市)、「錦町」「中央1丁目」(以上 仙台市)、「千葉駅前」(千葉市)、「歌舞伎町」「渋谷」(以上 東京都)、「太閤口」「伏見」「久屋大通駅周辺」「金山」(以上 名古屋市)、「京都駅周辺」「河原町」「烏丸」(以上 京都市)、「中之島西」「北浜」「心斎橋」「なんば」「福島」「天王寺」「江坂」(以上 大阪府)、「三宮駅前」(神戸市)、「博多駅周辺」(福岡市)、「下通周辺」(熊本市)、「県庁前」(那覇市))、6%以上の上昇が3地区(同0)(「西梅田」「茶屋町」「新大阪」(以上 大阪市))。

圏域別でみると、三大都市圏(77地区)のうち、東京圏(43)では上昇が41地区(前回41)、横ばいが2地区(同2)。上昇幅を縮小した地区は1地区だった。大阪圏(25)では、平成30年度1四半期から6期連続ですべての地区で上昇となった。名古屋圏(9)では、平成25年第2四半期から25期連続ですべての地区で上昇となった。

ニュース情報元:国土交通省

令和元年第1四半期の地価、97%の地区で上昇基調

国土交通省はこのたび、令和元年第1四半期(平成31年1月1日~平成31年4月1日)の地価LOOKレポートを発表した。
地価LOOKレポートは、主要都市の高度利用地等を対象に、四半期毎の地価動向を調査し、先行的な地価動向を明らかにするもの。調査対象は全国100地区(東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方圏23地区)。

それによると、令和元年第1四半期の地価動向は、上昇が97地区(前回97)、横ばいが3地区(同3)、下落が0地区(同0)となり、上昇地区数の割合は5期連続して9割を上回った。

上昇している97地区のうち、0-3%の上昇が68地区(前回70)、3-6%の上昇が29地区(同27)(「宮の森」「駅前通」(以上 札幌市)、「錦町」「中央1丁目」(以上 仙台市)、「千葉駅前」(千葉市)、「歌舞伎町」「渋谷」(以上 東京都)、「横浜駅西口」(横浜市)、「太閤口」「伏見」「久屋大通駅周辺」「金山」(以上 名古屋市)、「京都駅周辺」「河原町」「烏丸」(以上 京都市)、「西梅田」「茶屋町」「中之島西」「北浜」「心斎橋」「なんば」「新大阪」「福島」「天王寺」「江坂」(以上 大阪府)、「三宮駅前」(神戸市)、「博多駅周辺」(福岡市)、「下通周辺」(熊本市)、「県庁前」(那覇市))。

圏域別でみると、三大都市圏(77地区)のうち、東京圏(43)では、上昇が41地区(前回41)、横ばいが2地区(同2)。大阪圏(25)では、平成30年度1四半期から5期連続ですべての地区で上昇。名古屋圏(9)では、平成25年第2四半期から24期連続ですべての地区で上昇となった。

用途別では、住宅系地区(32)では、上昇が31地区(前回31)、横ばいが1地区(同1)。上昇幅を拡大した地区は2地区。商業系地区(68)においては、上昇が66地区(同66)、横ばいが2地区(同2)だった。

ニュース情報元:国土交通省

地価動向、上昇地区数は4期連続の9割超

国土交通省はこのたび、平成30年第4四半期(H30.10.1~H31.1.1)の地価LOOKレポートを発表した。地価LOOKレポートは、主要都市の高度利用地等を対象に、四半期毎の地価動向を調査し先行的な地価動向を明らかにするもの。調査対象は全国100地区で、東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方中心都市等23地区。そのうち住宅系地区は32地区、商業系地区は68地区。

それによると、平成30年第4四半期の地価動向は、上昇が97地区(前回96)、横ばいが3地区(同4)、下落が0地区(同0)となり、上昇地区数の割合は4期連続して9割を上回った。

上昇している97地区のうち、0-3%の上昇が70地区(前回81)、3-6%の上昇が27地区(同15)(「駅前通」(札幌市)、「錦町」「中央1丁目」(以上 仙台市)、「千葉駅前」(千葉市)、「歌舞伎町」「渋谷」(以上 東京都)、「横浜駅西口」(横浜市)、「太閤口」「伏見」「久屋大通駅周辺」「金山」(以上 名古屋市)、「京都駅周辺」「河原町」「烏丸」(以上 京都市)、「西梅田」「茶屋町」「中之島西」「北浜」「心斎橋」「なんば」「新大阪」「福島」「江坂」(以上 大阪府)、「三宮駅前」(神戸市)、「博多駅周辺」(福岡市)、「下通周辺」(熊本市)、「県庁前」(那覇市))。

圏域別でみると、三大都市圏(77地区)のうち、東京圏(43)では上昇が41地区(前回41)、横ばいが2地区(同2)。上昇幅を拡大した地区は1地区、上昇幅を縮小した地区は1地区だった。大阪圏(25)では、平成30年度1四半期から4期連続ですべての地区で上昇。上昇幅を拡大した地区は9地区だった。名古屋圏(9)では、平成25年第2四半期から23期連続ですべての地区で上昇。上昇幅を拡大した地区は1地区だった。

用途別でみると、住宅系地区(32)では、上昇が31地区(前回31)、横ばいが1地区(同1)。上昇幅を拡大した地区は1地区だった。商業系地区(68)では、上昇が66地区(同65)、横ばいが2地区(同3)。上昇幅を拡大した地区は12地区、横ばいから上昇に転じた地区は1地区、上昇幅を縮小した地区は1地区だった。

ニュース情報元:国土交通省

第3四半期の地価動向、主要都市は上昇基調が継続

国土交通省はこのたび、平成30年第3四半期(H30.7.1~H30.10.1)の地価LOOKレポートを発表した。それによると、主要都市の地価は全体として緩やかな上昇基調が継続している。地価LOOKレポートは、主要都市の高度利用地等を対象に、四半期毎の地価動向を調査し先行的な地価動向を明らかにするもの。調査対象は全国100地区で、東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方圏23地区。そのうち住宅系地区は32地区、商業系地区は68地区。

平成30年第3四半期の地価動向は、上昇が96地区(前回95)、横ばいが4地区(同5)、下落が0地区(同0)となり、上昇地区数の割合は3期連続して9割を上回った。

上昇している96地区のうち、0-3%の上昇が81地区(前回82)、3-6%の上昇が15地区(同13)(「駅前通」(札幌市)、「新宿三丁目」「歌舞伎町」「渋谷」(以上 東京都)、「横浜駅西口」(横浜市)、「太閤口」「伏見」「金山」(以上 名古屋市)、「心斎橋」「なんば」「福島」(以上 大阪市)、「三宮駅前」(神戸市)、「博多駅周辺」(福岡市)、「下通周辺」(熊本市)、「県庁前」(那覇市))。

今回の地価動向は、東京圏の住宅系3地区(「品川」「豊洲」「立川」(以上 東京都))で横ばいから0-3%の上昇に転じ、東京圏の商業系2地区(「新宿三丁目」「歌舞伎町」(以上 東京都))及び地方圏の商業系1地区(「県庁前」(那覇市))で3-6%の上昇に上昇幅を拡大した。

圏域別でみると、三大都市圏(77地区)のうち、東京圏(43)では上昇が41地区(前回39)、横ばいが2地区(同4)となった。横ばいから上昇に転じた地区は3地区、上昇幅を拡大した地区は2地区、上昇幅を縮小した地区は1地区、上昇から横ばいとなった地区は1地区だった。大阪圏(25)では、平成30年度1四半期から3期連続ですべての地区で上昇となった。名古屋圏(9)では、平成25年第2四半期から22期連続ですべての地区で上昇となった。

用途別でみると、住宅系地区(32)では、上昇が31地区(前回29)、横ばいが1地区(同3)。横ばいから上昇に転じた地区は3地区であり、上昇から横ばいとなった地区は1地区だった。商業系地区(68)では、上昇が65地区(同66)、横ばいが3地区(同2)。上昇幅を拡大した地区は3地区、上昇幅を縮小した地区は1地区、上昇から横ばいとなった地区は1地区だった。

ニュース情報元:国土交通省

全国主要都市の地価動向、上昇地区は約9割

国土交通省はこのたび、平成30年第2四半期(H30.4.1~H30.7.1)地価LOOKレポートを発表した。それによると、上昇地区は全体の約9割となった。地価LOOKレポートは、主要都市の高度利用地等を対象に、四半期毎の地価動向を調査し、先行的な地価動向を明らかにするもの。調査対象は全国100地区で、東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方圏23地区。そのうち住宅系地区は32地区、商業系地区は68地区。

平成30年第2四半期の地価動向は、上昇が95地区(前回91)、横ばいが5地区(同9)、下落が0地区(同0)となり、上昇地区が全体の約9割(同約9割)。

上昇している95地区のうち、0-3%の上昇が82地区。3-6%の上昇が13地区(住宅系1地区(「福島」(大阪市))及び商業系12地区(「駅前通」(札幌市)、「渋谷」「表参道」(以上 東京都)、「横浜駅西口」(横浜市)、「太閤口」「伏見」「金山」(以上 名古屋市)、「心斎橋」「なんば」(以上 大阪市)、「三宮駅前」(神戸市)、「博多駅周辺」(福岡市)、「下通周辺」(熊本市))。

圏域別にみると、三大都市圏(77地区)のうち、東京圏(43)では、上昇が39地区(前回36)、横ばいが4地区(同7)となり、約9割の地区が上昇。大阪圏(25)では、平成30年第1四半期から2期連続ですべての地区で上昇。名古屋圏(9)では、平成25年第2四半期から21期連続ですべての地区で上昇となった。地方圏(23地区)では、上昇が22地区(同21)、横ばいが1地区(同2)となり、ほぼすべての地区が上昇。

用途別でみると、住宅系地区(32)では、上昇が29地区(前回26)、横ばいが3地区(同6)となり、約9割の地区が上昇。横ばいから上昇へ転じた地区は3地区(「番町」「佃・月島」「吉祥寺」)だった。商業系地区(68)では、上昇が66地区(同65)、横ばいが2地区(同3)となり、ほぼすべての地区が上昇。横ばいから上昇へ転じた地区は1地区(「盛岡駅周辺」)だった。

ニュース情報元:国土交通省

【速報】2018年の路線価が発表。全国平均で3年連続上昇。その要因は?

国税庁から2018年の路線価が発表された。地価は上がったのか、下がったのか、注目ポイントを確認していこう。
路線価が上がると相続税や贈与税もアップする

まずはおさらいから。路線価とは国が定めた1m2当たりの土地の価格のこと。一定範囲の道路に面した区画ごとに決められるので「路線価」と呼ばれている。その年の相続税や贈与税を計算する際の基準となる地価だ。

つまり路線価が上昇すると相続税や贈与税もアップし、下落すると税金もダウンする。特に2015年に相続税が増税されてからは課税の対象になるケースが増えており、それだけ路線価が気になる人も増えているだろう。

全国平均で3年連続上昇。上昇率の拡大続く

さて今年の路線価だが、全国平均(標準宅地の対前年変動率)では前年比0.7%アップと3年連続で上昇した。上昇率は前年の0.4%と比べて0.3ポイント拡大している。

都道府県別に見ると、東京都(前年比4.0%アップ)、大阪府(同1.4%アップ)、京都府(同2.2%アップ)、愛知県(同1.5%アップ)など、三大都市圏で高い上昇率となった。いずれも上昇率は前年より高い数字だ。

また北海道(同1.1%アップ)、宮城県(同3.7%アップ)、広島県(同1.5%アップ)、福岡県(同2.6%アップ)など、中核都市を抱える道県の上昇率が目立つほか、沖縄県は同5.0%アップと47都道府県で最も高い上昇率だった。

上昇率の全国トップはニセコ。2位は祇園

主要な個別地点で最も高かったのは33年連続日本一となった東京都中央区銀座5の「鳩居堂」前で、1m2当たりの価格は4432万円。前年比9.9%のアップとなり、バブル期を超えた前年に続き、過去最高を更新している。

個別地点で上昇率全国トップは北海道ニセコ地区の「道道ニセコ高原比羅夫線通り」で同88%の上昇。スキーリゾートとして世界的に人気が高まり、外国人などが高額なコンドミニアムを買うケースが目立つという。

全国2位の上昇率は京都市東山区の祇園四条駅周辺で同25.9%アップ。国内外からの観光客でにぎわい、商業施設の賃料などが高騰しているようだ。

訪日外国人客の増加やマンション需要が地価を押し上げ

都市部や観光地を中心に地価上昇の勢いが増している要因としては、やはり訪日外国人客の増加が挙げられる。2017年の年間訪日客数は2800万人を超えて過去最高だったが、今年はさらに上回るペースだ。訪日客が増えれば買い物施設や宿泊施設の需要が増え、条件の良い土地は商業ビルやホテル用地として取り合いになるため地価が吊り上がる。沖縄県の上昇率が高いのも同様の動きだ。

マンション需要の根強さも地価を押し上げている。東京都心部などでは物件価格の高騰でファミリータイプの物件供給が減少しているが、1億円を超える高額物件は売れ行きが好調だという。また郊外や地方都市でも駅の近くなど利便性の高いマンションは人気が高く、用地を確保するのが難しい状況となっている。

東京五輪が終わっても地価上昇は続く!?

こうした地価の上昇傾向はいつまで続くのか。一説には東京五輪が開催される2020年前後にピークを迎え、そこからは下り坂になるとの見方もある。

だが、五輪はあくまで東京都心部に限定されたイベントに過ぎない。他のエリアにとって五輪の影響はさほど大きくないと考えられる。東京都心部についても、山手線新駅や渋谷駅、虎ノ門地区など五輪後も大規模な再開発が計画されている地区は少なくない。五輪の前後に東京の地価が一時的に弱含みになったとしても、それで地価上昇が止まるとは限らないだろう。

さらに重要なのは、日銀による大規模な金融緩和策が今後も続く見通しであることだ。アベノミクスが目標とする物価上昇率2%は達成の見通しが立たず、金融緩和策を手じまうための出口戦略は議論の糸口さえつかめない。日銀が国債を大量に買うことで超低金利が維持され、土地やマンションを購入しやすい状況が続く限り、地価の上昇基調も続くとの見方が多い。

平成30年第1四半期の地価動向、上昇地区は約9割

国土交通省は6月1日、平成30年第1四半期(H30.1.1~H30.4.1)主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)を発表した。調査対象地区は、東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方圏23地区の計100地区。うち、住宅系地区は32地区、商業系地区は68地区。

それによると、平成30年第1四半期の地価動向は、上昇が91地区(前回89)、横ばいが9地区(同11)、下落が0地区(同0)となり、上昇地区が全体の約9割(同約9割)となった。

上昇している91地区のうち、0-3%の上昇が76地区。3-6%の上昇が15地区(住宅系1地区(「福島」(大阪市))及び商業系14地区(「駅前通」(札幌市)、「渋谷」「表参道」(以上 東京都)、「横浜駅西口」(横浜市)、「名駅駅前」「太閤口」「伏見」「金山」(以上 名古屋市)、「心斎橋」「なんば」(以上 大阪市)、「三宮駅前」(神戸市)、「紙屋町」(広島市)、「博多駅周辺」(福岡市)、「下通周辺」(熊本市))。

圏域別では、三大都市圏(77地区)のうち、東京圏(43)では、上昇が36地区(前回35)、横ばいが7地区(同8)となり、約8割の地区が上昇となった。大阪圏(25)では、平成19年度第4四半期以来はじめてすべての地区で上昇となった。名古屋圏(9)では、平成25年第2四半期から20期連続ですべての地区で上昇。地方圏(23地区)では、上昇が21地区(前回21)、横ばいが2地区(同2)となり、約9割の地区が上昇した。

用途別でみると、住宅系地区(32)では、上昇が26地区(前回24)、横ばいが6地区(同8)となり、約8割の地区が上昇。横ばいから上昇へ転じた地区は2地区(「柏の葉」(柏市)、「下鴨」(京都市))で0-3%の上昇となった。商業系地区(68)では、上昇が65地区(前回65)、横ばいが3地区(同3)となり、ほぼすべての地区が上昇。横ばいから上昇へ転じた地区は1地区(「青海・台場」(東京都))で0-3%の上昇となり、上昇から横ばいへ転じた地区は1地区(「元町」(横浜市))だった。

ニュース情報元:国土交通省

平成30年地価公示、地方圏で26年ぶりの上昇

国土交通省は3月27日、平成30年地価公示の結果を公表した。対象は全国約26,000地点。
それによると、住宅地の全国平均は0.3%上昇で、10年ぶりに上昇した。商業地は1.9%上昇、全用途平均は0.7%上昇と、ともに3年連続で上昇した。

三大都市圏においては、住宅地0.7%上昇(東京圏1.0%上昇、大阪圏0.1%上昇、名古屋圏0.8%上昇)、商業地3.9%上昇(東京圏3.7%上昇、大阪圏4.7%上昇、名古屋圏3.3%上昇)。大阪圏は、住宅地はわずかな上昇だが、商業地の上昇率は三圏で最も高い。

地方圏では、住宅地が0.1%下降、商業地0.5%上昇で、商業地平均が26年ぶりに上昇した。全用途平均は26年ぶりの横ばい。住宅地平均においては下落幅縮小が継続した。

このような結果の背景として、住宅地は、雇用・所得環境の改善が続く中、低金利環境の継続による需要の下支え効果もあり、利便性の高い地域を中心に地価の回復が進展。商業地では、外国人観光客の増加などによる店舗・ホテル需要の高まり、都市中心部における再開発等の進展による繁華性の向上など、不動産需要は旺盛であり、地価は総じて堅調に推移していることが挙げられる。

ニュース情報元:国土交通省

主要都市の地価、約9割の地区で上昇基調、国土交通省

国土交通省は2月23日、平成29年第4四半期(H29.10.1~H30.1.1)主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)を発表した。対象地区は、東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方圏23地区の計100地区。うち、住宅系地区が32地区、商業系地区が68地区。

それによると、平成29年第4四半期の地価動向は、上昇が89地区(前回86)、横ばいが11地区(同14)、下落が0地区(同0)となり、上昇地区が全体の約9割(同約9割)となった。

上昇している89地区のうち、0-3%の上昇が75地区。3-6%の上昇が14地区(商業系14地区(「駅前通」(札幌市)、「中央1丁目」(仙台市)、「渋谷」、「表参道」(以上 東京都)、「横浜駅西口」(横浜市)、「名駅駅前」、「太閤口」、「伏見」、「金山」(以上 名古屋市)、「心斎橋」、「なんば」(以上 大阪市)、「三宮駅前」(神戸市)、「博多駅周辺」(福岡市)、「下通周辺」(熊本市)。)。

圏域別では、三大都市圏(77地区)のうち、東京圏(43)では、上昇が35地区(前回33)、横ばいが8地区(同10)となり、約8割の地区が上昇となった。大阪圏(25)では、上昇が24地区(前回24)、横ばいが1地区(同1)となり、ほぼすべての地区が上昇。名古屋圏(9)では、平成25年第2四半期から18期連続ですべての地区で上昇となった。地方圏(23地区)では、上昇が21地区(前回20)、横ばいが2地区(同3)となり、約9割の地区が上昇となった。

用途別では、住宅系地区(32)では、上昇が24地区(前回22)、横ばいが8地区(同10)となり、約7割の地区が上昇。横ばいから上昇に転じた地区は2地区(「南青山」、「二子玉川」(以上 東京都))で0~3%の上昇。商業系地区(68)では、上昇が65地区(前回64)、横ばいが3地区(同4)となり、ほぼすべての地区が上昇。横ばいから上昇に転じた地区は1地区(「鹿児島中央駅」(鹿児島市))で0~3%の上昇となった。

ニュース情報元:国土交通省

主要都市の地価、86%の地区で上昇基調、国土交通省

国土交通省は11月24日、平成29年第3四半期(H29.7.1~H29.10.1)主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)を発表した。
対象地区は、東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方圏23地区の計100地区。うち、住宅系地区が32地区、商業系地区が68地区。

それによると、平成29年第3四半期の地価動向は、上昇が86地区(前回8)、横ばいが14地区(同14)、下落が0地区(同0)となり、上昇地区が全体の約9割(同約9割)となった。

上昇している86地区のうち、0-3%の上昇が76地区。3-6%の上昇が10地区(住宅系1地区(「宮の森」(札幌市))及び商業系9地区(「駅前通」(札幌市)、「中央1丁目」(仙台市)、「名駅駅前」、「太閤口」(以上 名古屋市)、「心斎橋」、「なんば」(以上 大阪市)、「三宮駅前」(神戸市)、「博多駅周辺」(福岡市)、「下通周辺」(熊本市))。

圏域別では、三大都市圏(77地区)のうち、東京圏(43)では、前回と同様に上昇が33地区(前回33)、横ばいが10地区(同10)となり、約8割の地区が上昇となった。大阪圏(25)では、上昇が24地区(同24)、横ばいが1地区(同1)となり、
ほぼすべての地区が上昇となった。名古屋圏(9)では、平成25年第2四半期から18回連続ですべての地区で上昇となった。地方圏(23地区)では、上昇が20地区(同20)、横ばいが3地区(同3)となり、約9割の地区が上昇となった。

用途別では、住宅系地区(32)では、上昇が22地区(前回22)、横ばいが10地区(同10)となり、約7割の地区が上昇。商業系地区(68)では、上昇が64地区(同64)、横ばいが4地区(同4)となり、約9割の地区が上昇となった。上昇幅が拡大した地区は1地区(「三宮駅前」(神戸市))で3~6%の上昇となった。

ニュース情報元:国土交通省