共働き夫婦が建てた67平米コンパクト平屋。エアコン1台で夏冬も家中快適なアメリカンハウス

家を建てるとなれば、かつては「2階建て3LDK以上」が一般的でしたが、最近では約70平米前後のコンパクトな平屋の需要が見られるようになりました。子どもが巣立ったのをきっかけに2LDK・約67平米の平屋を新築したTさんご夫妻の住まいの事例から、“コンパクト平屋”の魅力を探ります。

子育てを終えたのをきっかけに、夫婦2人の家づくりをスタート

賃貸住宅に住んでいたTさんご夫妻(夫30代・妻40代)は、お子さんが巣立ち、2人だけの生活になったのを機にマイホームを検討しはじめます。

大きな壁になったのは資金計画。2人は新築のために貯蓄してきたわけではなかったため、当初は「無理かもしれない」と思っていたそう。しかし偶然、依頼した建築会社が不動産業も営んでいたため、「夫の年齢であれば十分な融資が下りること」「収入に見合った予算の立て方」などのアドバイスを受け、家づくりが現実のものになります。

Tさんご夫妻(写真撮影/片山貴博)

Tさんご夫妻(写真撮影/片山貴博)

家を建てるにあたり、Tさん(妻)にはある譲れない思いがありました。

「私が思春期のとき、実家が2階建てで、2階の子ども部屋にこもりがちになっていました。それもあって、家のつくり次第で家族の過ごし方が変わることを、身をもって知っていたのです。現に子育て期間を過ごした賃貸アパートはワンフロアだったので、子どもたちと料理をしたり気さくに会話したり、コミュニケーションが取れて本当によかったなと。夫婦2人にはなりますが、こうした背景から“コンパクトな平屋”にすることは外せませんでした」

年齢を重ねて体が思うように動かなくなったとき、平屋であれば負担が少ないはず。また、夫は車いじりが大好きで、ガレージでメンテナンスをするほか、屋外で食事や庭づくりをしたいとも思っていました。建坪を抑えれば、庭のスペースを最大限に確保できる。さまざまな点で小サイズの平屋は理にかなっていたと言います。

妻の意見に夫は大賛成。
2年かけていくつかのエリアを見て回り、埼玉県内にある約120坪の土地を購入しました。

ブルーを利かせたリラックス感あふれるアメリカンハウスが完成

夫が元来、車好きだったことや、妻のインテリアの嗜好から“アメリカンハウス”に惹かれていた2人。2021年10月に2LDK・約67平米の平屋を完成させました。

本体価格1000万台前半。2LDK・約67平米。竣工年月2021年10月(画像提供/デザインハウス・エフ)

本体価格1000万台前半。2LDK・約67平米。竣工年月2021年10月(画像提供/デザインハウス・エフ)

アメリカンハウスの世界に忠実に屋根やポーチをデザインしたT邸。敷地は農地転用されたばかりで周辺が静かだったことが決め手に。植樹したヤシの木もこだわり。外構、ヤシの木の植樹はヤシの木を販売している会社「ザルゲートガーデン」に依頼(写真提供/Tさん)

アメリカンハウスの世界に忠実に屋根やポーチをデザインしたT邸。敷地は農地転用されたばかりで周辺が静かだったことが決め手に。植樹したヤシの木もこだわり。外構、ヤシの木の植樹はヤシの木を販売している会社「ザルゲートガーデン」に依頼(写真提供/Tさん)

照明もこだわり。夜は昼間と違った趣に(写真提供/Tさん)

照明もこだわり。夜は昼間と違った趣に(写真提供/Tさん)

「今まで子育てに忙しくて暮らしにあまり手をかけられなかったので、新居には理想を込めました」(妻)

室内はブルーや白の壁・ブラウンの床を基調にした明るく穏やかな空間。LDKを吹き抜けにし、窓を大きく取ったことで、ミニマムな平屋とは思えない開放感が広がります。
リビングのソファに腰掛けると、窓の外にはやさしく葉を揺らすヤシの木が。まるでアメリカ西海岸を訪れたかのようなムードです。

T邸では将来、体が思うように動かせなくなったときに備えて床をフラットにしていますが、部屋ごとに床に異なる素材を使い、アクセントウォールを取り入れるなどして、各スペースの印象が変わるようにしています(写真撮影/片山貴博)

T邸では将来、体が思うように動かせなくなったときに備えて床をフラットにしていますが、部屋ごとに床に異なる素材を使い、アクセントウォールを取り入れるなどして、各スペースの印象が変わるようにしています(写真撮影/片山貴博)

庭を望むリビングのソファは、とくに夫が気に入っている場所(写真撮影/片山貴博)

庭を望むリビングのソファは、とくに夫が気に入っている場所(写真撮影/片山貴博)

高低差をつけてバランスよく配された植物が、くつろぎのムードを演出。スペースごとの色調に合わせ、ダイニングには木製ブラインド、リビングにはブルーのカーテンを採用しました(写真撮影/片山貴博)

高低差をつけてバランスよく配された植物が、くつろぎのムードを演出。スペースごとの色調に合わせ、ダイニングには木製ブラインド、リビングにはブルーのカーテンを採用しました(写真撮影/片山貴博)

関連記事:2023年住宅トレンドは「平屋回帰」。コンパクト・耐震性・低コスト、今こそ見直される5つのメリットとは?

別々のことをしていても近くに感じられる心地よさは平屋ならでは

T邸では玄関に入るとすぐに洗面室・トイレ・脱衣室があります。とくに洗面室には直接、玄関からアクセスできる通路が設けられていて、帰ってきてすぐ手洗い・うがいをし、そのまま脱衣室で汚れた服から着替えることが可能。もちろん、LDKには掃き出し窓があるので、こちらからも屋外に気軽に行き来することが。
庭でたくさんの時間を過ごす2人ならではの間取りと動線です。

「家中を滞りなく動き回れるよう、2つの個室以外は極力、区切りをなくしました。どこでもつながりを感じられて、逃げ場がないのがよいところ。喧嘩しても、いつまでも口を利かないわけにはいきませんから(笑)」(妻)

「2階建てよりは関わりを持ちやすいと感じている」と語るご夫妻。
休日はソファでくつろぐ夫の傍らで、妻がダイニングのテーブル席で副業のアーティフィシャルフラワーの作品づくり。別々のことをしながらひとつの空間で過ごす心地よさを、この平屋に住むようになってますます実感していると言います。

玄関に入ると右手に洗面室への出入口とシューズクローク。向かいの2つのドアは、右がトイレで左が脱衣室。畑仕事などの後、LDKに入る前に汚れを落とせます(写真撮影/片山貴博)

玄関に入ると右手に洗面室への出入口とシューズクローク。向かいの2つのドアは、右がトイレで左が脱衣室。畑仕事などの後、LDKに入る前に汚れを落とせます(写真撮影/片山貴博)

身支度の時間が重なると洗面台が取り合いになるため、カウンターを長めに取って鏡を2人分配置。「玄関のすぐ近くに洗面台を配したプランは、とくにコロナ禍で役立ちました」(妻)(写真撮影/片山貴博)

身支度の時間が重なると洗面台が取り合いになるため、カウンターを長めに取って鏡を2人分配置。「玄関のすぐ近くに洗面台を配したプランは、とくにコロナ禍で役立ちました」(妻)(写真撮影/片山貴博)

風が強い日が多い地域のため、脱衣室(兼ランドリールーム)を広めにしてたくさん部屋干しをできるよう工夫(妻)(写真提供/デザインハウス・エフ)

風が強い日が多い地域のため、脱衣室(兼ランドリールーム)を広めにしてたくさん部屋干しをできるよう工夫(妻)(写真提供/デザインハウス・エフ)

アーティフィシャルフラワーの作品は、妻が試しに手づくりしたことから虜になり制作しているもの。将来は家のガレージで教室を開きたいと考えています(写真撮影/片山貴博)

アーティフィシャルフラワーの作品は、妻が試しに手づくりしたことから虜になり制作しているもの。将来は家のガレージで教室を開きたいと考えています(写真撮影/片山貴博)

作業部屋もつくりました(写真撮影/片山貴博)

作業部屋もつくりました(写真撮影/片山貴博)

屋内外をつなぐミニマムな平屋は、ご近所づき合いにも好影響

引越してきて約1年半、ドライガーデンに挑戦したり、庭で食事をしたり、自分たちらしく暮らしを満喫している2人。アメリカンハウスの外観が目を引くこともあってか、その光景を見てよく道行く人が声をかけてくれるのだそう。

「子どもがいないと地域に溶け込みにくいイメージがありましたが、そんなことはまったくなくて、BBQに飛び入りで参加してもらって仲良くなり、プライベートでご飯を食べに行ったり、古くから住むお年寄りに家庭菜園で育てた野菜をおすそ分けしてもらったり。豊かな交流を広げています」(夫)

庭から玄関・LDKそしてまた庭へ。屋内外を行き来しやすい“コンパクト平屋”だからこそ、人との距離が縮まっていく――。その好循環も、ここに住む魅力のひとつと言えるでしょう。

軒先には英字の標識を立てた愛らしいドライガーデンが。手前の花壇には、季節ごとに異なる花々を植えています(写真撮影/片山貴博)

軒先には英字の標識を立てた愛らしいドライガーデンが。手前の花壇には、季節ごとに異なる花々を植えています(写真撮影/片山貴博)

フラットな床で将来の備えも万全。一方で防犯対策は念入りに

Tさん(妻)は長年、看護師をしてきたことから、さまざまな介護の現場を見てきたそう。そのため「将来の万一のときに備えて」というのも、平屋を選んだ大きな理由です。仮に車椅子になったとき、平屋だと上り下りがない分、2階建てより負担が少ないと言えますが、床の段差をなくし、さらにスムーズに移動できるようこだわりました。

キッチンの壁は掃除しやすい人造大理石を採用。現在ゴミ箱を収めているカウンター下の空洞は、将来、車椅子を入れて座ったまま料理ができるようにするためのアイデア(写真撮影/片山貴博)

キッチンの壁は掃除しやすい人造大理石を採用。現在ゴミ箱を収めているカウンター下の空洞は、将来、車椅子を入れて座ったまま料理ができるようにするためのアイデア(写真撮影/片山貴博)

「過ごしやすさの話で言うと、エアコンはLDKに1台備えただけ。部屋数を最小限にとどめた分、光熱費を抑えられていますし、掃除もラクにできます。また、意図的に収納スペースを少なくし、ものを目に届きやすくし、管理しやすくする工夫もしました」(夫)

平屋のメリットを享受しているご夫妻ですが、懸念している点がひとつあると言います。

「『平屋は防犯面で気をつけた方がいい』と聞くため、セキュリティサービスに入るほか、窓に防犯フィルムを貼る、フェンスを装備するなどして対策を徹底しています」(夫)

平屋は今後の2人の暮らしを魅力的なものにする、ベストな選択

「屋外との一体感を得られ、家中を移動するときに負担が少なく、ご近所ともつき合いやすくて。これ以上ないくらい自然体でいられるのが、平屋のよさかなと。
今後はガレージとウッドデッキを完成させたいです」(夫)

「何か地域のために役立つことができたらとも考えている」と笑顔を見せる2人。
妻は、幸運にも迎えられた新しい日常をこう話します。

「思えば私の小さいころからの夢は、看護師になって平屋を建てることでした。それが実現したのは夫のおかげ。とても感謝しています。
今は子どもが手を離れ、時間的なゆとりができていますが、そのことと平屋とが融合し、いい状態で過ごせていると感じます。
リビングからヤシの木を眺めては、夫婦で『いいね、うちは』と話しているんです(笑)」(妻)

2人だけの生活になってたどり着いたTさんご夫妻の平屋。
自分たちらしい解である小さな住まいからは、予想を上回る幸せが生まれているようです。

あたたかい季節は週1・2回、庭に出て音楽やお酒を楽しんでいるご夫妻。「夜、家から見る庭があまりにきれいで、自宅にいることが信じられない気持ちになります」と話します(写真撮影/片山貴博)

あたたかい季節は週1・2回、庭に出て音楽やお酒を楽しんでいるご夫妻。「夜、家から見る庭があまりにきれいで、自宅にいることが信じられない気持ちになります」と話します(写真撮影/片山貴博)

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●取材協力
デザインハウス・エフ

テレワークだからこそ「半育休」を取得。新米パパの挑戦 私のクラシゴト改革9

今年の新春ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』では、IT企業に勤める星野源演じる平匡さんが男性育児休暇を取るくだりがあり、大きな話題に。しかし、厚生労働省の2019年度調査によると、男性育児休暇取得率は7.48%と1割にも満たないのが実情だ。今回はフルリモート勤務という特性を活かして、「育児休暇。たまに仕事」という方法を選んだエンジニア、土屋貴裕さんにインタビュー。連載名:私のクラシゴト改革
テレワークや副業の普及など働き方の変化により、「暮らし」や「働き方(仕事)」を柔軟に変え、より豊かな生き方を選ぶ人が増えています。職場へのアクセスの良さではなく趣味や社会活動など、自分のやりたいことにあわせて住む場所や仕事を選んだり、時間の使い方を変えたりなど、無理せず自分らしい選択。今私たちはそれを「クラシゴト改革」と名付けました。この連載では、クラシゴト改革の実践者をご紹介します。

育休取得は当然の流れ。ただし、たまに仕事をする余地も残すことに

Web開発などを担当するエンジニアという仕事柄、在宅ワークが可能な土屋さん。フルリモートで働ける企業「キャスター」に転職したのが2年前。偶然にも転職の内定を承諾した翌日に妻の妊娠が判明。新しい職場で育児休暇を取るのは自然な流れだったそう。
「フルリモートをはじめ、もともと自由な働き方を応援している企業。男性の育児休暇も自然な流れでした。”予定日は8月下旬なので9月1日より育児休暇を取りたいんです”と、伝えたら、”おめでとう。了解しました”というリアクションでした」
実際、キャスターでは、自由な働き方を実現することを企業ミッションやビジョンに掲げていることもあり、男性が育児を取ることは特別視されないという。
「育児休暇を取るのは自然なことでした。制度としてあるなら取らないのはもったいないですから」

ただし仕事を100%休みにせず、緊急時には対応するなど、臨時的に仕事をすることも。「とはいえ、ほとんど育休でしたよ。”半育休”という表現もありますが、育休中に仕事をするのは本来推奨されないことですし。僕自身が仕事をしたいと望んだことも大きかったです」
どうして土屋さんは完全に仕事をシャットアウトせず、仕事をする余地を残しておいたのだろうか。
「入社して半年で、仕事が面白くなってきたフェーズだったんですよね。チャットだけでもいいので内部の様子を共有しながら育休とりたかったんです。ずっとベンチャーのエンジニアをしていて、トレンドの流れが早い業界。完全に離れると勘がにぶる恐れもありました」

現在は仕事復帰し、自宅でリモートワーク中。スタンディングで仕事をするのは集中力が増すので効率的だそう(画像提供/土屋さん)

現在は仕事復帰し、自宅でリモートワーク中。スタンディングで仕事をするのは集中力が増すので効率的だそう(画像提供/土屋さん)

怒涛の新生児育児、2人が担い手になることで乗り切る

そして2019年8月予定日ぴったりに第一子誕生。9月から11カ月間の育児休暇を取得した。
「育児休暇を妻と同時に取ったのは、オムツ替えもミルクも寝かしつけも最初から夫婦2人で子育てをしたかったから。育休も妻→僕の順番になると、僕が教わる立場になり、妻が育児のメインの担い手になってしまうでしょう。そうしたら、僕が甘えてしまいそう。どちらか仕事で不在でも育児がまわっていけるようにしたかったんです」
とはいえ、最初からすべてがスムーズだったわけではない。最初のうちは、夜中に子どもが泣いてもどうしても起きることができず、夜中の3時間おきのミルクは100%妻担当に。当然、叱られた。
「二人で育児をするんだ! と意気込んでいたけれど、やはり当初はどこかで当事者意識が足りなかったと反省しています」

新生児のころ。ドラム式洗濯乾燥機、お掃除ロボット、食器洗浄乾燥機など、家事時短の家電に投資。「特に、ミルクづくりにウォーターサーバーは本当に便利。みんなにオススメしています」(画像提供/土屋さん)

新生児のころ。ドラム式洗濯乾燥機、お掃除ロボット、食器洗浄乾燥機など、家事時短の家電に投資。「特に、ミルクづくりにウォーターサーバーは本当に便利。みんなにオススメしています」(画像提供/土屋さん)

育児は大変だったが、我が子との時間は宝物に。「毎日、いろいろな成長がみられました。仕事をしていたら、毎日数時間しか触れ合う時間がなかったと思うので、育休を取って良かったと思います」

ママじゃなきゃダメ、ということがない土屋さんファミリー。過ごしてきた時間の長さゆえに息子との絆は強い(画像提供/土屋さん)

ママじゃなきゃダメ、ということがない土屋さんファミリー。過ごしてきた時間の長さゆえに息子との絆は強い(画像提供/土屋さん)

育児ストレスが仕事をすることで解消されるメリット

育休中の試行錯誤の育児の苦労の中、「仕事がいい気分転換になった」という土屋さん。
「結局仕事が好きなんですよね。自分がずっと関わってきたプロジェクトに思い入れも強かったですし」
土屋さんだけでなく、妻もたまにヘルプで職場に呼ばれることがあったが、むしろ仕事に行ってリフレッシュした顔をして帰ってきたとか。
昨年秋には、子どもを保育園に預け、夫婦ともに仕事復帰。夫婦2人で仕事と育児を両立させる生活がスタート。「育児休暇中も同僚と情報共有していたので、復帰はスムーズ。いわゆる育休明けに感じる”疎外感”とも無縁でした」
仕事を再開してからも、育児も家事も2人で、が大原則。「育児・家事の役割分担も細かく決めず、片方が朝ごはんをつくったから、片方が晩御飯をつくる。片方が寝かしつけをしてるから、片方がお風呂掃除するなど、自然な流れで、負担を分散するようにしています」
そのため、使えるICT(情報通信技術)はフル活用。新生児のころのミルクや睡眠時間はアプリ「ぴよログ」、復帰後の仕事や休みなどお互いのスケジュールはGoogle カレンダー、ちょっとした情報共有はSlackを活用するといった具合だ。

育児休暇中に料理の腕が上がったとか。「もともと凝り性なので、カレーは彼のほうが上手。鯛めし、蛸めしも美味しいですよ」と妻(写真提供/土屋さん)

育児休暇中に料理の腕が上がったとか。「もともと凝り性なので、カレーは彼のほうが上手。鯛めし、蛸めしも美味しいですよ」と妻(写真提供/土屋さん)

積雪の日の外遊び。今は岐阜市在住。都会の名古屋へも実は車で30分圏内。かつ自然豊かな環境も身近で、子育てしやすい(画像提供/土屋さん)

積雪の日の外遊び。今は岐阜市在住。都会の名古屋へも実は車で30分圏内。かつ自然豊かな環境も身近で、子育てしやすい(画像提供/土屋さん)

「育児は、母親の私がメイン、夫はサブ。そんな関係にならなくてすんだ」と妻も証言

ここまで、土屋さんの奮闘ぶりについてお話を伺ったが、妻の立場からはどう見えていたのか、土屋さんの妻にもお話を伺った。
「最初から一緒に育児スキルを上げていったので、私が教える手間がなかったのはとてもありがたかったです。もちろん完璧じゃなくて、実は彼、子どもと遊ぶのは苦手なほうだったと思うんですよ。子どもの面倒を見るってテレビを観せることじゃないよって正直思ったこともあります(笑)。でも、今では外遊びは彼のほうが得意。息子と楽しそうです。特に生まれてすぐのときは私が赤ちゃんの世話でいっぱいいっぱいで、夫が家事全般をやってくれたのは助かりました」(妻)

現在新居を建築中。新生活も間近(画像提供/土屋さん)

現在新居を建築中。新生活も間近(画像提供/土屋さん)

ママ友や友人と話していて、「あ、ウチとは違うな」と思うことはあるだろうか。
「みなさん、パパの帰りが遅く、ほとんど平日には子どもと触れ合えない家庭が多いよう。だから、寝かしつけがママじゃないとだめだったり、ママへの後追いがひどいという話を聞くと、ウチとはずいぶん違うなと思います。子どもが病気のときも当然母親の方が休むものと思われていることも多いですが、ウチは2人で調整しています。そうそう、保育園の抽選のとき父親は夫1人で、周囲は母親ばかりで“完全アウェイだったよ”と聞いたときは笑いました」(妻)

男性のための育休本を出版~後輩パパたちの背中を押したい

確かに土屋さんの勤務先は男性育休を取りやすい雰囲気があり、フルリモートで受け入れられやすかったのも事実だ。恵まれていると感じる人もいるだろう。しかし、自分も育休を取りたいと考えているパパとその予備軍はもっともっと多いはずだと考えた土屋さん。自分自身の育休体験を基にした書籍を、友人と共著で自主出版した。

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『迷ったら読みたい 育休はじめてガイド』。現在は電子書籍版を販売している。そもそもの制度の話から、実践編までリアルな話が満載だ(画像提供/土屋さん)

『迷ったら読みたい 育休はじめてガイド』。現在は電子書籍版を販売している。そもそもの制度の話から、実践編までリアルな話が満載だ(画像提供/土屋さん)

「もともとエンジニア界隈で技術やマネジメントに関する本を出すのが流行っていて、僕も年に1回のペースで出していました。そんななか、学びの多い育休を、何かの形でアウトプットしたいと考えたんです。自分たち自身が育休を取得して良かったと実感しているから、迷っている方の背中を押したいと思いました」
Twitterで反響になり、取材を受けることも。そのなかで感じたのは、男性の育児休暇の取得が少ない理由のひとつが、単純に「前例がないから」ということ。「こうした実例があるよ、という情報発信を僕がしていくだけで、育児休暇を取るという選択をする人が増え、雇用者側も対応しやすくなることもあるのかなと思っています。育児休暇中に雇用者に支払われるお金は雇用保険から。雇用主側が負担するものではないんです。そのことから勘違いしている人も多いと実感しました」

コロナ禍で男女ともにテレワークをする人が増え、通勤時間に縛られにくくなる中で、男性も育児休暇を取るというケースは今後増えるかもしれない。土屋さん自身は、“半育休=在宅だから育児もしながら仕事できるでしょう”と雇用主側が拡大解釈をすることには警鐘を鳴らしつつ、育児に軸足をおいて、「たまに」仕事をするスタイルが、男女どちらにも、メリットの多い働き方であると実感している。
また、コロナ禍で里帰り出産や親が手伝いにやってくるといったケースが難しく、はじめての育児を女性1人がワンオペで担うのは本当に大変だ。男性の育児休暇取得率の増加に期待したい。

●土屋さんのnote
「迷ったら読みたい 育休はじめてガイド」を発売します!|ころちゃん|note

「子どもをもつ、もたない」人生、どっちが幸せと言えるの? 窪美澄の新刊『いるいないみらい』インタビュー

子どもをもつ、もたないという選択は、多くの人が人生のなかで直面することです。そして、2011年ころから使われ始めた「妊活」という言葉は、それをより突きつけるものかもしれません。でも果たして、「子どもをもつ、もたない」が幸せの尺度だと言えるのでしょうか。第161回直木賞候補作である『トリニティ』や『じっと手を見る』などで知られる作家・窪美澄(くぼみすみ)さんの新刊『いるいないみらい』では、「子どもをもつ、もたない」の選択に直面し、家族のカタチを考える人たちが描かれています。
窪さん自身は離婚を経験し、シングルマザーになってからライター活動をはじめ、子育てを経験されています。自身が経験したことと、作品に出てくる登場人物の人生、それぞれを聞いてみました。
家族のカタチを模索しながら、懸命に生きる人々を描く作品

――著書『いるいないみらい』は、どのような背景があって書かれたのでしょうか。

もともと私は女性の妊娠や出産などをテーマに書くことが多かったのですが、今回は「妊娠や出産以前、子どもをもつかもたないか、迷っている人たちの物語を書いてみませんか」と編集者に提案されたんですね。そのことで悩んだり、考えているうちに時期が過ぎてしまったり、子どもをもつことはできたけど亡くしてしまったりという人たちを書きました。それぞれ悩みながらも一生懸命生きる人々の姿を書こうと思いました。

『いるいないみらい』(窪美澄 著、KADOKAWA刊)

『いるいないみらい』(窪美澄 著、KADOKAWA刊)

――1話の「1DKとメロンパン」のように、子どもに関する考え方の違いで悩む夫婦は実際にも少なくないと思います。「子どもをもつ、もたない」ということについて、窪さんはどのようにとらえているのでしょうか。

私が考えるのは、「子どもがいる人生だけが絶対的な幸せではない」ということです。子どもがいなくても不幸せではないし、何かが欠けているわけでもないと思います。世間では子どもをもつ家庭が完璧な丸のようなイメージがあるかもしれませんが、実際はそうとも限らない。
「1DKとメロンパン」の夫婦もそうですが、たとえ子どもというパーツがなかったとしても、カップルや夫婦二人だけでも、もちろん一人であっても、十分丸く満たされていますよ、ということを思いますね。

――「子どもをもつ自信がない」「子どもが嫌い」という女性のお話や、男性の不妊治療についてのお話もありますね。

そうですね。「私は子どもが大嫌い」のお話の主人公のように、「子どもが嫌い」という価値観も全然アリだと思うんです。でもなかなか言いにくいことじゃないですか。子どもが嫌いっていうとヒトデナシ、のような目で見られがちですよね。でも、子どもに興味がない女性だって実際はいるわけです。みんながみんな子どもが好き、と思うほうが間違っていると思います。

少子化などの問題があって国は「子どもは二人以上産むべき」みたいな風潮がありますが、私は少し反発があって。押し付けのように感じることがありますね。だって産みたかったけれどタイミングが合わなかったり、産めたけどあえて産まなかった選択をすることもあるわけでしょう。子どもをつくる、つくらないの選択の自由はあっていいはずだと思うんですね。

私は今回の作品を書くにあたってほとんど取材はしていないんですが、第2話「無花果のレジデンス」だけ、不妊治療の男性のお話を聞きに行きました。不妊治療は女性ばかりがクローズアップされるけれど、子どもをつくろうとなったときに、実際は男性不妊の治療も女性と同様に大変。だけどなかなか知られていない部分がありますよね。性別で分けるのは間違っているかもしれないけれど、もしかしたら男性不妊のほうが、告げられる側としてのショックは大きいのかもしれないと思いました。

当事者の気持ちを大事に。世間の価値観で生きる必要はない

――窪さんがこうしたさまざまな価値観を世の中に広く伝えたいと思うようになったバックグラウンドをお聞きしてもよいでしょうか。また、窪さんは自身の人生で世間の価値観を押し付けられたり、「これは違うでしょ」と感じたりした経験はありますか。

私の両親は、離婚して12歳のときに母親が出ていってしまって。その年齢で今の自分の状況を周りに説明するのが難しかったという経験があります。だからかもしれませんが、片親だから何だ、のような反骨精神が昔からありました。「世間の風潮や意見はこうだけど」と周りから言われても、当事者が感じていることがすべてだと気づいてからはスルーできるようになりました。子どものころからスルースキルを身に付けた感じです。

結婚して出産したあと、私は離婚を経験し、シングルマザーになりました。息子が中三くらいから書く仕事を始めたのですが、仕事が忙しいときも、朝早くから起きて、朦朧とした頭で息子のためにトンカツを揚げて。思わず指まで揚げそうになりました。毎日のお弁当に加えて、部活後にお腹が減るのでおにぎりを持たせるんですが、10kgのお米があっという間になくなって、それも大変でしたね。

いくらスルースキルを身に付けたと言っても、息子を片親にしてしまったことの責任は感じてはいます。でも、息子の学費も払ったし、卒業できたし、とりあえずは大丈夫だったと思っています。

また、子育て中の記憶では、街の八百屋のおじちゃんとかが息子に「おう、歩けるようになったか坊主!」なんて声をかけてくれることがよくあって。それはうれしかったですね。血縁は関係なく「街に家族がいるような感覚」で育てていけたのも良かったと思います。

今私は一人暮らしですが、とても楽しく過ごしています。でも周りから「一人で大丈夫?」「寂しくないの?」などの世間の多数派の見方で心配されることには違和感があります。今回の小説の登場人物たちもそうですが、人それぞれ見方は違うし、感じることも違います。どんな人生を生きても、当事者である自分の気持ちを大切にするべきだと思います。

(写真撮影/片山貴博)

(写真撮影/片山貴博)

――息子さんを育て上げた窪さんですが、息子さんの妊娠中などに「子どもをもつことに不安を感じる」ことはなかったのでしょうか。

実は私、最初の子を産んで18日で亡くしているんですね。今いる息子は二人目なんです。一度、子どもの死を経験してしまったので、子どもが大きくなるまではとても怖かったです。実際に何かあったらどうしよう、病気になったらどうしよう、など不安がつきまといましたね。

最初の子は今生きていたら28歳なんですけど、仕事で出会う若い編集者さんを見ると「あ、うちの息子は今生きていたらこのくらいなんだ」と思ってビックリすることがあります。

第4話「ほおずきを鳴らす」のなかで、子どもを亡くした男性の主人公が出てくるのですが、今回の作品のなかで一番実体験の心情を投影したストーリーだったかもしれませんね。

家は、その人の暮らしぶりのベース、気持ちも変えるツール

――第1話「1DKとメロンパン」というタイトルや、エピソードの中に必ず家の特徴や間取り、街の描写があるなど、窪さん自身も家がお好きなのでしょうか。

そうですね。家を見るのは結構好きです。家の間取りもよく見たりしますね。ちなみに私はつい2カ月前に引越したばかりなんです。場所は直前に住んでいた家から20m先の隣のマンション。それまでは8階建ての3階だったんですけど、そばに建物が建ってしまって。日当たりが悪くなって穴蔵みたいになってしまったので、仕事するには落ち着くのですが、やっぱり普段は日当たりがある部屋がいいですよね。今は13階建ての10階です。日当たりはいいし、眺めもいいんですけど、眺めはしばらくすると飽きますね(笑)。

――家の特徴や間取りを描写されることには、どのような意図がありますか?

私は登場人物のバックボーンをしっかり考える作家でありたいと思っているのですが、今回の登場人物を考えるときに、「その人たちがどんな家に住んでいるのかを書こう」という裏テーマがありました。このぐらいの年収だったらこのくらいの部屋かなとか、この人たちだったらこういう間取りの家だろうな、などを考えてストーリーに入れていきました。細かな部屋の間取りが分からないと主人公たちの行動をなかなか追えないんですよね。家がその人の暮らしのベースになるわけですから。

「無花果のレジデンス」の参考にした稲城市(画像/PIXTA)

「無花果のレジデンス」の参考にした稲城市(画像/PIXTA)

――各ストーリー内の舞台として想定している地域はありましたか。

そうですね、きっちり決まってはいないんですけど、「無花果のレジデンス」のお話ではファミリータイプのマンションが並ぶ地域であり、自分が生まれ育った稲城市を参考にしました。あのあたりはどのマンションも子ども二人くらい生まれるとちょうどよい3LDKの間取りなので、「育児を想定して買った場合、子どもがいなかったらツライかもなあ」とは思いましたね。
あとはメロンパンを売るパン屋さんのある街は、何となく東京の東側のイメージがあります。自分の知っている街を思い浮かべることが多いのでどうしても東京のイメージになって書くことが多いですね。

これからの未来を見据えて、自分の希望とする「家族の形」を模索している人はたくさんいると思います。ただ、今回の窪さんのインタビューを通して感じたことは「幸せって未来にくるものではなく、すでにこの場にあるもの」ということでした。今、そばにいてくれるパートナーや親兄弟、友人、自分を丸ごと受け入れてくれる人たち。その人たちが、今の自分のほっこりとした丸い幸せをつくってくれているということ。未来は「子どもをもつ、もたない」の選択肢があるかもしれないけれど、それはタイミングやパートナーの意見、いろんな条件が合わさって決まるということ。そして、どんな未来を選んだとしても、それは「今の幸せの延長」なのだということ。

「子ども」というパーツがあってもなくても、今の幸せは欠けることなく続いていくのでしょう。どんな未来があってもいい。いろんな家族があっていい。そう、窪さんに教えていただいたような気がしました。

●プロフィール
窪 美澄
1965年、東京都生まれ。フリーの編集ライターを経て、2009年「ミクマリ」で第8回女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞しデビュー。11年、受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』で第24回山本周五郎賞を受賞、本屋大賞第2位に選ばれた。12年、『晴天の迷いクジラ』で第3回山田風太郎賞を受賞。その他の著書に『クラウドクラスターを愛する方法』『アニバーサリー』『雨のなまえ』『よるのふくらみ』『水やりはいつも深夜だけど』『さよなら、ニルヴァーナ』『アカガミ』『すみなれたからだで』『やめるときも、すこやかなるときも』『じっと手を見る』『トリニティ』などがある。

定年退職後の暮らし、85.8%が「金銭面で不安」 

(株)マイスター60(東京都港区)は、定年退職後の老後対策などを調査するため、「定年退職後の暮らし」に関するアンケート調査を行った。調査は2019年3月22日~3月27日、インターネットで実施。50代会社員夫婦1,000名より回答を得た。

それによると、定年退職後の暮らしで金銭面に不安がありますか?では、「とても不安に感じる(40.4%)」、「どちらかというと不安を感じる(45.4%)」と、合わせて85.8%の方が不安を感じている。男女別だと女性の方が不安に感じている割合は高く、全体の87.4%が不安と回答した。

退職後の家計について、どの程度考えていますか?では、「しっかりと考えている」と回答した方は8.9%に留まり、「あまり深く考えていない」が44.0%と最も多かった。85.8%の方が老後の金銭面での不安を感じている一方、老後の家計については、考えていると回答した方と考えていないと回答した方はほぼ半々に分かれ、将来は不安だけれどあまり真剣には考えられていないという二面性が見て取れる。

自身及び配偶者が勤める会社に定年制度がないと回答した方(847名)を対象に、定年退職後は希望通りの働き方や暮らし方ができると思うかどうかを聞いた項目では、「実現できないと思う」との回答は11.8%。「実現できると思う」という回答(6.6%)よりも多く、「どちらかというと実現できないと思う」と回答した37.7%と合わせると、半数の49.5%が実現できないと感じている。

自身が勤める会社に定年制度がないと回答した男性480名を対象に、定年に向けて具体的な準備をしているかをそれぞれの活動項目で聞いたところ、現在取り組んでいると回答した方の割合が最も多かったのは「お金や資産運用の勉強(16.5%)」で、「これから取り組む予定」と回答した方も43.3%と最も多く、「過去充分に取り組んだ」と回答した7.1%を合わせると、全体の66.9%が資産運用に何かしらの関心がある(あった)ようだ。

ニュース情報元:(株)マイスター60

共働き夫婦の63%が「家事分担できている」

パナソニック(株)は年々増加する共働き家庭に着目し、20~40代既婚男女を対象に「家事の時短」に関する意識・実態調査を実施した。調査は2019年4月10日(水)~4月12日(金)、インターネットで行った。はじめに、家事の分担状況を共働き男女1,522名に尋ねると、63%が「分担できている」と回答。多くの共働き夫婦にとって、家事の分担はもはや当たり前のようだ。そこで、「分担できている」と回答した500名に絞ってさらに調査を実施した。

それによると、自身で担当している家事は、男性1位は「ゴミ捨て」で64%。2位は「食事の片づけ・食器洗い」(48%)、3位「洗濯」(35%)と続く。女性1位は「料理」で74%。2位「食事の準備(配膳)」「洗濯物を取り込む・たたむ」(同率66%)、4位「買い物」「片付け」(同率60%)と続く。料理など主要な家事は女性が担当し、ゴミ捨てなど軽い家事は男性が担当する傾向にあるようだ。

家事の時間を短くしたいと思いますか?では、92%が「そう思う」と回答。また、家事の手間を減らしたいと思いますか?では、91%が「そう思う」と答えている。

家事の手間を減らしたい、または時短したいと回答した人に手間を減らしたいと思う家事の分野をきくと、1位は「洗濯(衣類を洗うことから服をたたみしまうところまで)」で53%。2位は「料理(調理から片付けまで)」(52%)、3位「掃除・片付け」(51%)という結果。僅差ながら「洗濯」に関して手間を感じる人が多いようだ。

洗濯を手間だと感じる理由には、「独身時代と違って洗濯回数や洗濯物の数が多くなったため」や、「干す時のシワを伸ばしたりひっくり返したりするのに手間がかかる」といった声があった。

ニュース情報元:パナソニック(株)

夫婦で一緒に入浴、20代は月1回以上が52%

東京ガス(株)都市生活研究所はこのたび、都市生活レポート『「夫婦入浴」のすすめ~たまにはお風呂で夫婦の本音トークを~』を発行した。これは、2014年1月に行った「生活分野別定点調査2014(2)」(対象:一都三県在住15~79歳男女、回答者数:2,600名)と、2017年2月に行った「家族入浴に関する調査」(対象:一都三県在住25~69歳既婚男女、回答者数:2,963名)の結果をまとめたもの。

それによると、夫婦で一緒に入浴している人は、20代では月1回以上が52%と、若年層ほど夫婦一緒に入浴する割合が高い結果となった。新婚のときは一緒にお風呂に入ることがあっても、子どもが生まれたり仕事が忙しくなったりして、徐々に一緒にお風呂に入る機会は減るようだが、50代でも約5人に1人(約20%)が2~3か月に1回くらい一緒にお風呂に入っているようだ。

「夫婦入浴」に対してどのようなイメージを持っていますか?では、夫婦で入浴する人はしない人と比べて、「節約できる」「一回で済む」といった経済的・機能的な価値に加えて、「仲が良くなる」「会話が弾む」「楽しい」といった情緒的なメリットを感じている。一方、夫婦で入浴する習慣のない人が抱く「きゅうくつ」「くつろげない」といったマイナスのイメージは、実際に夫婦で入浴している人はあまり感じていない結果となった。

「こころ」と「からだ」の健康状態については、夫婦入浴する人の方が「こころ」と「からだ」ともに「良好である」と回答する割合が高い。夫婦で一緒に入浴することで、会話が増えて日頃のストレスが和らいだり、自分では気づかないからだの変化をパートナーが気づく、というメリットもあるようだ。

ニュース情報元:東京ガス(株)都市生活研究所

共働き夫婦の家事分担、「夫50%:妻50%」を実現しているのは1割程度

(株)マクロミル(東京都港区)はこのほど、「いい夫婦の日(11月22日)」にちなみ、夫婦の家事分担状況を調査した。調査対象は夫婦ともにフルタイムで働いている20~40代の既婚男女1,000名。調査時期は2018年10月17日(水)~10月18日(木)。それによると、家事の分担状況は「妻がほとんど担う」が27%、「妻が主だが、夫も少し分担」が38%と、あわせて64%の家庭では妻がメインで家事を担っていることが分かった。また、「妻と夫で分担」しているという家庭は31%だった。

夫婦間で何%ずつ家事を分担することが理想だと考えていますか?では、「夫50%:妻50%」と夫婦平等に分担したい人が4割で最多。次いで、妻の方がやや高めが理想だという回答で「夫40%:妻60%」が2割、「夫30%:妻70%」が2割となっている。一方、現実に目を向けると、最多は「夫10%:妻90%」が2割、次いで「夫20%:妻80%」も2割弱と、妻の負担が多い順に続いた。最も理想だと考えられている「夫50%:妻50%」を実現している夫婦は1割程度で、理想と現実の間には大きな開きがあった。

なお、家事分担の進み具合は、若い年代ほど進んでいるようだ。妻が90%以上の家事を分担している、“ほぼ妻が家事を担う家庭”の割合を比較したところ、40代は35%、30代は24%、20代は17%と、年代が下がるにつれて減少している。

ニュース情報元:(株)マクロミル

平日の家事・育児時間、ママ全体の平均は4.8時間

東京ガス(株)都市生活研究所はこのほど、子育てファミリーを対象に「共働きの家計に関する調査」を実施した。

調査は2017年1月にインターネットで実施。調査対象は1都3県在住・28~44歳の既婚男女1,248名。

妻の働き方によって子育てファミリーをタイプ分けしたところ、平日の家事・育児時間は、ママ全体の平均が4.8時間であるのに対して、正規で週30時間以上働いている「フル共働きママ」も4.1時間と長く、0.7時間しか変わらなかった。パパ全体の平均が1.4時間であるのに対して、妻が正規で週30時間以上働いている「フル共働きパパ」は1.8時間で、4タイプのパパ(フル共働きパパ、準共働きパパ、補助働きパパ、専業パパ)の中では最も長いものの、0.4時間しか差はなかった。

「フル共働きママ」と「フル共働きパパ」を比べると、差は2.3時間あり、フル共働きでも家事・育児は妻に偏っている。家事分担比率では、夫の家事は自分が思うほど妻の評価を得られていないようだ。

また、7割以上のママは「ひとりの時間が欲しい」と思っており、働き方による違いはみられなかった。仕事・家事・育児に追われ、自分の時間が持てていないと感じているママが多いようだ。

「子供と過ごす時間を増やしたい」と考えているかどうかは、働き方によって違いがみられた。「専業ママ(専業主婦)」は、半数程度しか子供と過ごす時間を増やしたいと考えていない。しかし、「共働きママ」は子供と過ごす時間を増やしたいと考えており、特に「フル共働きママ」は8割近くが子供と過ごす時間を増やしたいと考えている。子供と十分に接する時間が持てていないと感じている「フル共働きママ」が多いようだ。

さらに、「フル共働きママ」は、「時間をお金で買いたいと思うことがある」「家事を効率化するモノやサービスにはお金を惜しまない」と答えた割合が他のタイプよりも高く、お金をかけてでも時間を生み出したいと考えていることがわかった。

ニュース情報元:東京ガス(株)

家づくりで「パートナーにイライラしたことがある」63%

Houzz Japan(株)(東京都渋谷区)はこのたび、22日の「夫婦の日」を前に、「家づくりとパートナーとの関係性調査」を実施した。この調査は、住まいのコミュニティサイト「Houzz」に登録している国内のユーザーを対象に、2018年6月11日~2018年7月2日の期間に行ったもの。有効回答数は1,451名。

円満な関係に住まいの快適さは影響していると思いますか?では、96%もの回答者が円満な関係に「住まいの快適さが影響している」、76%の回答者が現在のパートナーとの関係を「円満」と答えている。また、円満な関係を構築するための秘訣トップは「コミュニケーション」(70%)、次いで「パーソナルスペース」(12%)、「スキンシップ」(9%)、「パートナーと家事の役割分担」(9%)と答えた。

72%の回答者が、パートナーとの家づくりを「楽しい」と答えた一方、「家づくりの過程で、パートナーにイライラしたことがある」と回答した人は63%いた。イライラの原因のうち、もっとも多かった回答は「パートナーとの趣味が違った」(23%)、次いで「パートナーに自分の理想を説明・理解してもらえなかった」(21%)だった。

さらに、9%の回答者が、「家づくりの過程で別れ・別居・離婚を考えた」と回答した。「考え方の違いや感覚の違いから意見がぶつかることが多く、『離婚』という言葉まででるほどの喧嘩をした」や、「家づくりの後、離婚前提で別居することになった」など、家づくりが原因で実際にパートナーとの絆が壊れてしまった回答者もいた。

家づくりを経験した回答者が、今後家づくりをする際に実施したいこととしては、「リサーチをしっかり行う」(51%)、「自分のアイデアをパートナーともっと共有する」(42%)、「もっと経験者にアドバイスをもらう」(30%)、「任せられることは専門家に頼む」(27%)、「予算変更を加味して計画を立てる」(22%)などだった。

ニュース情報元:Houzz Japan(株)

家探しあるあるに笑って感動。漫画『わが家は今日も建築中!』がおもしろい

「そろそろ家を買おうか」と夫婦の意見は一致したものの、実際にマイホーム探しをはじめるとケンカばかりで話が進まない……ということはありませんか。そんなマイホーム探しの「あるあるネタ」がつまっているのが、『わが家は今日も建築中!』(デンショバで連載中)。その作者である尚桜子(なおこ)さんに、家探しと夫婦の物語を聞いてきました。
漫画のエピソードはすべて実話。描かれている以上にケンカも多かった?

漫画『わが家は今日も建築中!』は、タカとナオコ夫妻が1年間の米国生活を終えて日本に帰国し、本格的に「マイホームを探そう!」と決意するところからお話がはじまります。妻のナオコは子どもたちにこれ以上、引越し・転校をさせたくないという母心もあり、マイホーム探しに全力を尽くしますが、夫のタカはどこか消極的。何かにつけてはケチをつけて、話が前に進みません。

156694_sub01(画像提供/『わが家は今日も建築中!』尚桜子 NAOKO)

(画像提供/『わが家は今日も建築中!』尚桜子 NAOKO)

お互いにイライラを募らせる妻と夫の姿、どこかで身に覚えがあるという人も多いはず。こうした漫画で描かれているエピソードは、すべて「実話」なのでしょうか。

「ストーリーはすべて実話です。しかも濃く脚色しているというより、お話としてわかりやすく、薄めているという感じです。実際はもっとケンカして私が家を飛び出し、一人、カラオケで歌っていたということもありました(笑)。もともと、私自身の家探しを漫画化するつもりはなく、その途中は必死すぎてメモもとっていなかったんです。実際に家ができあがり、生活がはじまったことで、当時の記憶と記録を振り返りながら、今、昇華している感じです」(尚桜子さん、以下同)と理由を明かします。

漫画では、理系で合理的、どこか保守的なところがある夫のタカと、心配性ながらも直感的、感情をしっかり表に出してコミュニケーションをとるナオコという、ご自身たちがモデルとなっている夫婦の姿が描かれています。2人の家探しは、まずは住む街選びからはじまり、現在、土地探しまで進行中です。

「街選びの段階で、タカはひと言目には『通勤時間が…』と言っていました。彼は愛知県出身で、ホームは愛知、東京は出稼ぎにきている場所というスタンスだったんです。出稼ぎだから家は勤務地から近いほどいい、通勤時間をかけるなんてバカバカしいという意識です。また、長男なので自分が家を守らなければという意識がどこかにあったのだと思います」と振り返るナオコさん。

156694_sub03156694_sub04(画像提供/『わが家は今日も建築中!』尚桜子 NAOKO)

(画像提供/『わが家は今日も建築中!』尚桜子 NAOKO)

妻からみれば、「現在の家族は私と子どもでしょ? なんで実家がでてくるの?(怒)」となりそうですが、夫からみれば「ふるさとと実家」は格別。東京にマイホームを購入することが、どこか「ふるさととの決別」のように思え、足を重くしていたのかもしれません。

(画像提供/『わが家は今日も建築中!』尚桜子 NAOKO)

(画像提供/『わが家は今日も建築中!』尚桜子 NAOKO)

「この問題はかなりやっかいで、妻としてモヤモヤするものがありました。ただ、苦労して向き合い、話し合ったところで、お互いに納得がいったんだと思います」といい、ケンカしながらも「住む街選び編」では良い結論を出すことに成功します。

夫にのしかかるプレッシャー、妻のやるせなさ。お互いにすれ違う思い

今後は土地契約から住宅ローンどうする、建物のテーマ決め~間取り決定、建物の着工~大工さんと建築士とのバトル、インテリア選び、念願の入居まで、まだまだお話は続いていくといいます。

「家を探すぞとなってから、実際に着工し、入居するまで2年かかりました。設計は漫画にもでてくる義理の兄であるトシにお願いし、あれこれ話し合いながら進めていったんです。これは、漫画でも描く予定ですが、途中でタカが『俺はいなくてもいいの?』というんですよね。結局、俺は住宅ローンだけ払っていればいいんでしょ、と。会社の同僚や友人などから、マイホームに居場所がなくて休日、持て余しているなんて話を聞くたびに、不安になっていたんだと思います」

156694_sub07156694_sub08(画像提供/『わが家は今日も建築中!』尚桜子 NAOKO)

(画像提供/『わが家は今日も建築中!』尚桜子 NAOKO)

昨今、夫婦共働きが増えたとはいっても、主となって住宅ローンを返済するのはまだまだ夫が多いもの。しかし長時間労働のため家にいる時間は少なく、必然的に「俺が住宅ローンを払っているのに、マイホームにいるのは妻と子どもだけ。居場所がない」という事態になりがちです。タカさんのように、夫からみれば「マイホームを買ったところで、俺にメリットないじゃん。いなくていいじゃん」という思いにかられるのも、ムリはないのかもしれません。

一方のナオコからみれば、子育てのために自身の仕事のペースを落とし、家事と子育てに多くの時間を割いています。お金にならない日々の家事、あきらめた夢……。「私の稼ぎだけで家が買えたらいいのに」という切ない思いに共感する妻も多いことでしょう。

(画像提供/『わが家は今日も建築中!』尚桜子 NAOKO)

(画像提供/『わが家は今日も建築中!』尚桜子 NAOKO)

「私たちはケンカや話し合いを重ねながらなんとか設計の段階まで進みましたが、そこでトシが「家の『テーマ』を決める」と言い出しました。トシは『間取りはパズルみたいなもので、テーマが何より大事』という建築士なんです。そのテーマを考える中で、お互いの思いがよりクリアになっていき、話が進むようになりました」といいます。

いったん完成しているけれど、家はこれからも成長していく

こうして、夫婦で向き合う作業を徹底的に行った結果、無事に新居へと引越しをし、現在、家族4人で暮らしています。

「家づくりの過程で徹底的に話し合ったからでしょうか、夫婦ゲンカがなくなりました。子どもたちにも言われましたからね。『パパとママ、ケンカしなくなったね』って。物理的に家が広くなり、気持ちにもゆとりができたのだと思います。また、カーテンや雑貨など、気に入ったものに囲まれているので、出かけることも減りました。家がいちばん心地よいので。マグカップ1コ、椅子1脚、高価ではないけれどそれぞれに思い出があるので、家が大好きですし、たいていのことは『ま、いっか』と受け流せるようになりました」とうれしそう。

そしてナオコさん以上に変わったのが、夫であるタカさんだ、といいます。
「これが自分の建てた家なんだと実感したんでしょうね、ここまで変わるのかと、驚いています(笑)。DIYにめざめていろいろ自作したり、芝生を植えて庭の手入れを楽しんでいます。またご近所との交流も増え、『自分の根ざす地域』ができたことで、心がまえも変わったように思います。本当の意味で居場所ができたというか。家探し、家づくりの工程をへて、ようやく子どもたちの親として成長できた。これは賃貸では得られないものだったと思います」と充実した表情です。

最後に、これから家探し、家づくりをする人に向けて、アドバイスをもらいました。
「私たちも、トシに言われたんですが、『一生で最もお金をかけるんだから、とことん楽しまないと損だぞ』と。家探し、家づくりは、めんどうだし大変だけど、夫婦できっちり向き合って、一つずつ結論を出していくことで、より理解が深まると思います。お金も手間もかかる壮大な趣味ともいえますが、とことん楽しむのがよいのではないでしょうか」といいます。

モデルとなった家はすでに完成していますが、「新築完成時がいちばんよい状態」ではなく、家族の成長とともに味わいを増す建材を使い、間取りも変化させられるようになっています。だからこそ、漫画のタイトルは、「わが家は今日も建築中!」。まだまだ完成しない家で、ナオコさん夫妻と家族の物語は、これからも続いていきます。

●取材協力
尚桜子さん
わが家は今日も建築中!

約8割の妻、夫の家事に不満

ライオン(株)はこのたび、既婚で共働き30代~40代の男女各250名、計500名を対象に「夫婦の家事に関する調査」を実施した。調査期間は2018年5月25日(金)~5月29日(火)。調査方法はインターネット。夫の家事に不満がありますか?では、「ある」と回答した妻は24.4%、「たまにある」は54.4%。約8割の妻が、夫の家事に不満を持っていることが明らかになった。

妻が夫にしてほしい家事としては、1位「ゴミ捨て」(69.6%)、2位「風呂掃除」(64.8%)、3位「食器洗い」(40.8%)という結果。「ゴミ捨て」を選んだ理由には、「重たくて捨てるのが大変だから」(44歳・長野県)、「重たいので男の人にしてほしい」(30歳・大阪府)など、夫の手を借りたいという意見があった。「風呂掃除」についても、「体力を使うから」(39歳・埼玉県)、「重労働だから」(32歳・神奈川県)などが理由。「食器洗い」については、「手荒れするので」(41歳・神奈川県)という声が見られた。また、「自分で食べた分くらいはきれいにしてほしい」(30歳・大阪府)、「私が食事を作っているので、洗い物はやってほしいから」(39歳・埼玉県)といった意見もあった。

妻が自分でやりたいと思っている家事1位は、「日用品などの買い出し」(46.0%)だった。理由には、「高いものを買いそうだから」(40歳・兵庫県)、「節約してくれないから」(48歳・東京都)、「余計なものを買ってくるから」(36歳・山形県)など、家計を気にする声が多く見られた。2位は「洗濯」(41.2%)。「シワを伸ばさないから」(43歳・愛知県)という理由が最も多く、「下着を触られたくない」(41歳・愛知県)という、妻ならではの意見もあった。

一方、夫が自分でしたいと思う家事は、1位「ゴミ捨て」(56.4%)。妻が夫にしてほしい家事の1位と一致している。しかし、2位「洗濯」(45.2%)と3位「日用品などの買い出し」(40.0%)については、妻が自分でやりたいと思っている家事の2位と1位に重なる結果に。夫の方で積極的に家事をしていると思っていても、知らず知らずのうちに妻の不満は溜まっているのかもしれない。

ニュース情報元:ライオン(株)

既婚者の家事負担、「妻7割以上」が80%超

大和ハウス工業(株)はこのほど、「夫婦の家事シェア実態調査」を行った。全国の30代~40代の既婚男女10000人のうち、配偶者と同居している9700人を分析対象として設定した。その中から共働きで、家事分担比率が「夫4割:妻6割」、「夫5割:妻5割」、「夫6割:妻4割」である夫婦を家事シェア層とし、それ以外を非家事シェア層と定義。家事シェア層、非家事シェア層を男女別それぞれ100人ずつ計400人回収した。

それによると、家事分担率は妻7割:夫3割以上の家庭が83.7%と8割超となった。妻の家事分担率が7割以上と思っているのは、夫76%に対して妻91%と、15%以上の開きがあり、夫婦間の認識にズレが生じている。

家事分担率の理想を夫に聞くと、「妻6割:夫4割」が16.8%、「妻5割:夫5割」が27.3%。一方、妻の理想は「妻6割:夫4割」が15.9%、「妻5割:夫5割」が15.3%だった。

また、夫側からみた現在の家事シェア比率の平均は「夫2.5割:妻7.5割」だった。理想の比率を聞くと、「夫3.3割:妻6.7割」と約1割のシェア比率で「理想」に近づくことがわかった。一方、妻側からみた現状の家事シェア比率は「夫1.4割:妻8.6割」、理想の比率は「夫3.0割:妻7.0割」で、理想のギャップは約1.6割と夫側よりやや高いものの、家事シェア比率を「夫5割:妻5割」にしなければいけないわけではなく、お互いあと1割程度、歩み寄りたいという気持ちであることが分かった。

ニュース情報元:大和ハウス工業(株)

配偶者には任せられない家事、妻が選ぶ1位は「料理」

ジブラルタ生命保険(株)は、20歳~69歳の既婚男女2,000名(男性1,000名、女性1,000名)を対象に、アンケート調査「夫婦の通信簿2018」を行った。それによると、やって欲しいとは思うけれど、配偶者には任せられない家事に男女で違いがあることが分かった。
配偶者が行う家事について、夫の妻に対する評価をみると、「できる」(「よくできる」と「できる」の合計)は90.9%で、夫の9割以上が妻の家事に合格点をつけた。一方、妻の夫に対する評価は「できる」は58.5%と6割弱にとどまり、「努力しよう」が41.5%で4割強という結果。夫と妻の評価あきらかな違いがあることが分かった。

自身が得意な家事は何ですか?では、妻の回答は1位「洗濯」(54.2%)、2位「食材の買出し」(45.0%)、3位「料理」(44.4%)、4位「食器洗い」(38.4%)、5位「部屋の片付け」(33.0%)。半数以上が得意な家事として「洗濯」を挙げており、洗濯に自信があるという妻が多いようだ。一方、夫が得意だと思っている家事は、1位「ゴミ出し」(49.6%)、2位「食器洗い」(39.2%)、3位「風呂掃除」(36.4%)、4位「部屋の片付け」(27.4%)、5位「食材の買出し」(25.1%)の順。

配偶者に任せたい、または、やってもらうと嬉しい家事は何ですか?では、夫の回答1位は「料理」(65.6%)、2位「お弁当作り」(39.7%)、3位「洗濯」(37.2%)、4位「アイロンがけ」(30.9%)、5位「キッチンの掃除」(30.5%)。毎日の食事は、妻の手料理が嬉しいという夫が多いようすがうかがえる。一方、妻の回答1位は「ゴミ出し」(57.6%)、2位「風呂掃除」(46.3%)、3位「年末の大掃除」(43.1%)、4位「窓の掃除」(31.4%)、5位「食器洗い」(27.8%)。「ゴミ出し」や「風呂掃除」など、力がいる仕事を任せたいといった傾向があるようだ。

では、任せたいとは思っていながらも、任せられないと思っている家事はあるのか。配偶者に本当はやって欲しいが、任せられない家事はありますか?では、夫は「ない」(「特になし」と回答した人の割合)が66.4%で多数派となり、妻に任せられない家事はないという人のほうが多かった。一方、妻は「ない」が32.6%で、任せられない家事がないという人は少数派だった。

配偶者に任せられない家事がある方(1,010名)の結果をみると、男性回答では1位「親戚付き合い」(19.0%)、2位「部屋の片付け」(18.8%)、3位「年末の大掃除」(17.0%)、4位「ゴミ出し」(14.6%)、5位「風呂掃除」(11.6%)。何かと気を遣うことが多い親戚付き合いは、妻に完全に任せとくことはできないと思う夫が少なくないようだ。一方、女性の回答では、1位「料理」(48.8%)、2位「食材の買出し」(26.4%)、3位「部屋の片付け」(23.4%)、4位「食器洗い」(23.0%)、5位「洗濯」(22.4%)の順。夫に「料理」を任せることができないという女性が約半数となっている。

ニュース情報元:ジブラルタ生命保険(株)

共働き世帯のマイホーム購入、ローンや頭金で後悔することは? マイホーム購入調査[2]

一生で一番大きな買い物と言っても過言ではないマイホーム購入。額が大きいだけに、不安や疑問が付きまとうもの。今回は実際にマイホームを購入した共働きの妻400人を対象に、予算や頭金、ローンの組み方や資金計画で後悔していることなどをズバリ聞きました。妻の目線からの意見、ぜひチェックしてみてください。
予算オーバーした人の平均金額は600万 予算以下に収まった人の理由は?

まず、今回の調査に協力してくれた対象者の世帯年収をチェックしてみると、600万円~800万円未満(23.8%)、400万円~600万円未満(23.3%)が、合わせて約半数を占めました。次に800万円~1000万円未満が17.0%、1000万円~1500万円未満が15.0%となりました。

400万円~800万円未満が多いが、800万~1500万円も3割を超えた(出典/SUUMOジャーナル編集部)

400万円~800万円未満が多いが、800万~1500万円も3割を超えた(出典/SUUMOジャーナル編集部)

今回は全国で過去10年間に物件購入経験がある人を対象に調査を行っていますが、その購入金額を見てみると、3000万円~3500万円未満が16.5%で最多。2000万円未満が14.8%、2500万円~3000万円未満が14.0%と続きます。また、「予算より、実際の購入金額のほうがオーバーした」人と「予算と、実際の購入金額がほぼ変わらなかった」人が37.3%で同数。「予算より、実際の購入金額のほうが安くなった」人は10.0%で少数でした。

内訳を見てみると、「予算より、実際の購入金額のほうがオーバーした」のは新築注文住宅、新築分譲住宅が圧倒的に多いことが分かりました。注文住宅の場合、天井、壁、床などの仕上げ材をはじめ、キッチンやバスルーム、トイレなどの設備機器など、仕様決定をする際、こだわって好きなものを選んだらグレードが高いものばかりだったということが多いよう。その結果、もともと組んでいた予算を大幅にオーバーすることになるようです。また、土地代が予定していた金額よりも高くなってしまったという人も多くいました。

4000万円未満が7割近くを占めた(出典/SUUMOジャーナル編集部)

4000万円未満が7割近くを占めた(出典/SUUMOジャーナル編集部)

予算を決めていても、「実際の購入金額がオーバーした」と答えた人は4割近い(出典/SUUMOジャーナル編集部)

予算を決めていても、「実際の購入金額がオーバーした」と答えた人は4割近い(出典/SUUMOジャーナル編集部)

実際に予算よりオーバーした人、安くなった人のコメントを見てみると以下のとおり。

【予算より、実際の購入金額のほうがオーバーした】
・中古でいい物件がなく、土地付き新築にした。土地が高かったから予算オーバー(新築注文住宅・1000万円オーバー)
・低い階でも構わなかったが、先に買われてしまい高層階しか残っていなかった(新築マンション・400万円オーバー)
・オプション、壁紙、外壁など、好きなものを選んでいたら増えた(新築注文住宅・1000万円オーバー)
・ペットOKマンションで探したら額が上がった(中古マンション・400万円オーバー)
・中古住宅を購入したが、設備で故障しているものなどがあり、多くかかった(中古一戸建て・200万円オーバー)

【予算より、実際の購入金額のほうが安くなった】
・最後の一邸がキャンセル住戸として出たので、割引で購入することができた(新築マンション・600万円ダウン)
・モデルルームに使われていた部屋を購入(新築マンション・300万円ダウン)
・職場や都心から離れてしまい、最寄駅からもバスが必要なため、安い物件となった。その代わり、静かで自然豊かな環境を得られた(新築マンション・400万円ダウン)
・最初は新築物件を考えており、多めに予算を見積もっていたが、中古物件にリノベーションをプラスして価格を抑えることができた(中古マンション・1000万円ダウン)

購入の際の頭金は「夫婦共同の貯蓄から出した」人が約半数

物件も決まり、いざ購入となると、まず手続きとして頭金をどうするか決めなくてはいけません。
頭金の出所は「夫婦共同の貯蓄」が49.8%で最多で、個人で出す人を上回りました。額は「200万円未満」が24.1%でトップ。「200万円~400万円未満」(13.7%)、「400万円~600万円未満」(11.9%)と続きます。

自分たちで確保するケースが多いが、親からの贈与という人も(出典/SUUMOジャーナル編集部)

自分たちで確保するケースが多いが、親からの贈与という人も(出典/SUUMOジャーナル編集部)

また、頭金を貯めるためにした工夫を聞いたところ、「コツコツ」派と「ボーナスをすべて貯蓄」派に分かれました。

【コツコツ派】
・頭金は財形貯蓄でためた(41歳)
・夫婦共働きで、夫の給料のみで生活。自分の給料は貯蓄した(39歳)
・とにかく日常生活で節約をした(32歳)
・社宅に入っていたので、一般的な賃貸と社宅の家賃の差額分程度の金額を月々貯めていた(43歳)

【ボーナスをすべて貯蓄派】
・夫のボーナスはすべて貯めていた(32歳)
・お互いの給与から月々固定額を貯金し、自分のボーナスは全部貯金。夫のボーナスは必要諸経費部分や旅行などの娯楽分を引いた額を貯金。年に最低200万貯めるようにした(33歳)

住宅ローンは夫名義が約7割 「ローンを組まなかった」が10人に1人

頭金は2人の貯蓄から出す人が多いようですが、住宅ローンをどのように組んだか聞いてみると、配偶者(夫)名義でローンを組んだ人が約7割と多いことが分かりました。
「ローンを組まなかった」のは10人に1人。夫婦それぞれの名義で別々にローンを組む人は1割もいませんでした。

ローンは配偶者(夫)名義が約7割も(出典/SUUMOジャーナル編集部)

ローンは配偶者(夫)名義が約7割も(出典/SUUMOジャーナル編集部)

また、住宅ローンや資金計画については「後悔していない」人が7割を超えました。

「後悔している」人は全体の約3割とそれほど多くはありませんが、どんなことに後悔しているのでしょうか。

・もっと頭金を貯めておけばよかったと思う(41歳)
・夫婦名義でのローンにすれば、私にも控除などがあるので良かったと思う(36歳)
・もっと金利を比べればよかった。借り換えしたい(38歳)
・共働きなので多少無理しても大丈夫だろうと2人の収入で気に入った物件を購入したが、見通しが甘かった気がする。ローン、教育資金、老後資金を考えるともっと身の丈にあった総額にすべきだったと思う(34歳)
・子どもの成長とともにお金がかかるようになり、中古物件にして安く抑えれば良かった(39歳)
・固定金利を選択したが、変動金利にすれば、利息が安くて良かった(48歳)
・ローン契約時よりも収入が減ったため、月々の支払が苦しい(36歳)

「後悔していることはない」が約75%で「後悔していることがある」(25.8%)を上まわった(出典/SUUMOジャーナル編集部)

「後悔していることはない」が約75%で「後悔していることがある」(25.8%)を上まわった(出典/SUUMOジャーナル編集部)

今回の調査で、物件を探す段階では「このくらい」と予算を決めていても、予想以上に土地代が高かったり、マンションで高層階を選んだり、注文住宅の設備をグレードアップさせたりと、予算オーバーする要因はさまざまであることが分かりました。予算以下で購入できた人はたった1割。「プラン変更をするなら○○万円まで」など、最初に予算を設定する際に考慮しておかないと、すぐに予算オーバーしてしまいそう。

また、物件を購入後の住宅ローンや資金計画に関して、「後悔していることはない」人は約7割でしたが、「後悔している」人に関しては、「頭金をもっと出せばよかった」「金利を比べればよかった」など、具体的なコメントが挙げられました。
予算オーバーしてしまうことを想定に入れ、子どもが何歳のときにどのくらいのお金がかかるのか、転職をする予定はあるのか(収入が増減するのか)、妻が仕事を辞めて専業主婦になることはあるのかなど、夫婦の先の人生をシミュレーションしてローンや資金計画を立てると後悔が少なそう。一生に何度もない高い買い物だけに、住んだ後も後悔のないよう事前準備をしっかりしたいものです。

●調査概要
・[マイホーム購入調査]より
・調査期間:2018年3月27日~29日
・調査方法:インターネット調査(ネオマーケティング)
・対象:10年以内に購入した持ち家にお住まいの20歳~49歳の既婚共働き女性
・有効回答数:400名(夫婦のみ世帯200名・子どもありの世帯200名)

家を買うとき、夫婦で意見が分かれるのはどんなこと? マイホーム購入調査[1]

マイホームを購入するとき、夫婦で意見が食い違うことはどのくらいあるのでしょうか。例えば購入タイミングや資金計画のこと、立地や間取りなど、もめるポイントはいくつもあるようです。物件を購入した人はどんなことで夫婦の意見が食い違ったのか、もめた場合どうやって解決したかを聞いてみました。
検討当初に購入を希望していたのは「新築注文住宅」がトップ

まず、住宅購入を検討し始めたとき、どんなマイホームを希望していたかを聞いてみました。
全国400名の購入者に聞いたところ、トップは「新築注文住宅(※建替えを除く)」(44.8%)。続いて「新築分譲住宅」(32.0%)で、一戸建てが人気なのが分かります。次いで新築マンション(30.3%)と続きます。

新築注文住宅、新築分譲住宅、新築マンションが3トップで新築が人気(出典/SUUMOジャーナル編集部)

新築注文住宅、新築分譲住宅、新築マンションが3トップで新築が人気(出典/SUUMOジャーナル編集部)

実際に購入した住宅は「新築注文住宅(※建替えを除く)」(34.8%)が1位ですが、2位は「新築マンション」(21.0%)で、新築分譲住宅(20.5%)をわずかに上回りました。つまり、一戸建てを購入しようと思っていたけれど、最終的にマンションに決めた人が意外に多いことが分かります。「住みたいエリアでは注文住宅だと予算オーバーのため、新築マンションに切り替えた」というのがその理由のようです。

実際に購入した住宅は新築注文住宅、新築マンション、新築分譲住宅の3種別で4分の3を占めた(出典/SUUMOジャーナル編集部)

実際に購入した住宅は新築注文住宅、新築マンション、新築分譲住宅の3種別で4分の3を占めた(出典/SUUMOジャーナル編集部)

夫婦間でもめるポイントは、「購入のタイミング」「間取りや部屋数」「購入予算」など

次に、物件購入の際に夫婦間でもめたかどうか聞いてみました。
「もめていない」という人が約半数いたものの、「もめた」という人の中では、「購入するかどうか」(13.0%)や「購入のタイミング」(12.5%)、「間取りや部屋数」(13.0%)「購入予算」(12.5%)などがもめるポイントとして挙がりました。

購入のタイミングから日当たり、方角まで、もめるポイントは多数(出典/SUUMOジャーナル編集部)

購入のタイミングから日当たり、方角まで、もめるポイントは多数(出典/SUUMOジャーナル編集部)

具体的には以下のとおり。
【購入するかどうか】
・購入しなくてもよいと私は思っていたが、夫がどんどん話を進めてしまった(41歳・新築マンション)
・ここしかないという絶妙なタイミングと場所に土地を見つけたのに、なかなか購入する決断をしなかったため(47歳・新築注文住宅)
【購入のタイミング】
・今購入して大丈夫か、まだ自分たちには贅沢なものなのではないか(43歳・新築マンション)
・新築希望でもう少し待ちたい私と、中古でもいい物件なので買いたい夫でもめた(43歳・中古一戸建て)
【間取りや部屋数】
・リビングを広くとって、仕切りのないだだっ広い空間にしたが、収納や家事動線をもっと優先したかった(41歳・新築注文住宅)
・間取りについて、何でもかんでも広くしようとする夫と、使い勝手を重視する私とでかなりもめた(40歳・新築注文住宅)
【購入予算】
・私はある程度予算を抑えたかったが、夫は希望の設備を入れたがった(43歳・新築注文住宅)
・自分は短期的なローンを計画したかったが、配偶者は逆の提案だった(40歳・新築注文住宅)
【その他】
・私は戸建てが良かったが、夫はマンションを希望していてもめた(42歳・新築マンション)
・私は高層階が良かったが、高所が苦手な夫は3階以下にこだわった(42歳・中古マンション)
・トイレを1つにするか2つにするか(34歳・新築注文住宅)
・購入価格をもっと高くして、建具の質などをもっと高級な物にしたいと夫は主張、私は建具より立地の良さを重視(39歳・新築マンション)

夫婦間のもめごと解決法は「とにかく話し合う」「事前に譲れないポイントを明確化」など

さまざまなもめごとはあるものの、それらを解決しないと購入には至りません。もめた人はどのようにして問題を解決したのでしょうか。

経験した人のコメントで多かったのは、「とにかく2人で話し合うこと」。
これは、「それぞれのメリットとデメリット、緩和策を話して決めた(29歳)」「夫の意見を取り入れる設備と、私の意見を取り入れて設備変更したものと半分ずつくらいにした(43歳)」「双方で少しずつ妥協した(42歳)」など、お互いに譲り合い、それぞれの希望を尊重する夫婦もいれば、「自分が納得し、合わせた形になった(40歳)」「話し合いをして自分が折れる形でまとまった(43歳)」など、どちらかが妥協した夫婦もいました。

また、「スーモカウンターに一緒に行き、第三者の話を聞かせてその気にさせた(30歳)」「知り合いのライフプランナーに相談して解決した(48歳)」など、第三者の力を借りる方法も。

ほかには「夫に毎月のお金の出入りを細かに書き出したものを見せて、長めの返済設定で毎月の返済額を少なくするのを納得させた(44歳)」など、「事前に譲れないポイントを明確化」した人も。ポイントを「見える化」することで、「もめる」までいかずに解決できるようです。

もめないためには、やはり「話し合い」がポイント

もめごとを解決することも重要ですが、もめることなくスムーズに物件購入まで至ることが理想。そのためのアドバイスとしては、やはり「話し合い」が重要だとするコメントが多数ありました。また、「事前に譲れないポイントを明確化」「第三者に頼る」ことも挙がり、もめ事の解決法と同様のアドバイスが寄せられました。

・徹底的に話し合い、購入前にはファイナンシャルプランナーに介入してもらうこと(43歳)
・譲れないところと妥協点をしっかり話し合うしかない(47歳)
・妥協点を見つける。納得いかないなら納得いくまで話し合ってから次に進む(34歳)
・ある程度の勢いも必要(29歳)
・むしろもめたほうが良い。なにも意見を言わずに後から後悔するより良い(34歳)

今回の調査では、希望物件と実際に購入した物件に差があるケースもあることが分かりました。
また、物件購入の際に夫婦間でもめることはよくあることで、もめるポイントは「物件を購入するかどうか」だったり、「購入タイミング」や「間取りや部屋数」「購入予算」などが多いようです。
実際にもめた経験がある人は、「話し合い」で譲り合う、妥協をする、事前に譲れないポイントを明確化するなどで解決した模様。大きな買い物ですからもめることもありますが、解決法を知っておくことで、もめたとしても慌てず対処できるようになるといいですね。

●調査概要
・[マイホーム購入調査]より
・調査期間:2018年3月27日~29日
・調査方法:インターネット調査(ネオマーケティング)
・対象:10年以内に購入した持ち家にお住まいの20歳~49歳の既婚共働き女性
・有効回答数:400名(夫婦のみ世帯200名・子どもありの世帯200名)

パートナーへの不満、最多は「家事を手伝ってくれない」こと! 不満解消には“プチ復讐”が効く!?

日々の生活を共にするパートナーに対しては、わずかなズレで少しずつ相手への不満がたまっていくことも。

株式会社サンケイリビング新聞社(東京都千代田区、以下サンケイリビング新聞社)が発行する女性のための 地域情報紙「リビング新聞」は、20代から70代と幅広い世代の126人の女性を対象に「夫や恋人への不満」に関するアンケート調査を実施しました。世の女性たちの不満の要因や、その解消法とは?「え、これ私の家庭のことじゃない?」と思ってしまう「あるある不満」や、彼女たちが実行した“プチ復讐”を見てみましょう。
「夫・恋人への不満トップ3」はこれ!

夫もしくは恋人への不満を抱いている女性は、「とても不満がある」「やや不満がある」を合わせて全体で67.5%。つまり全体の約7割の方はパートナーへの不満があるようです。

画像提供/株式会社サンケイリビング新聞社

画像提供/株式会社サンケイリビング新聞社

では、一体何がそんなに不満なのかというと、「家事を手伝ってくれない」が最多で31.7%。みなさんも、思い当たることがあるのではないでしょうか。次いで、「几帳面すぎる(20.7%)」「だらしない(19.5%)」が続き、大きな事件というよりは日常生活で不満がたまっているのが見て取れます。

画像提供/株式会社サンケイリビング新聞社

画像提供/株式会社サンケイリビング新聞社

不満解消に、5人に1人が“プチ復讐”!

ところでみなさんどうやって不満を解消しているかというと、「自分の好きなことをして忘れる」(74.4%)ことが多いようです。

画像提供/株式会社サンケイリビング新聞社

画像提供/株式会社サンケイリビング新聞社

そして見逃せないのが、解消法として「プチ復讐」している人が20.7%と5人に1人もいること。つまり、何らかの仕返しをしているということでしょうか?世間のみなさんは、一体どんな「プチ復讐」をしているのでしょう?

画像提供/株式会社サンケイリビング新聞社

画像提供/株式会社サンケイリビング新聞社

「入浴中の夫のシャワー&お風呂の湯温度を、こっそりMAXまで上げてみました。 本人は平然と入ってましたが…(>_

働く女性のホンネ、3人に1人は 「結婚後に夫が専業主夫になってもいい」!?

NPO法人日本FP協会は、全国の20代~50代の働く女性を対象に、ホンネや暮らしとマネープランについて調査を実施した。調査結果を見ると、働く女性の3人に1人が「結婚後に夫が専業主夫になってもいい」と回答するなど、そのホンネが見え隠れする状況が浮かび上がった。詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「働く女性のくらしとお金に関する調査2018」を公表/日本FP協会20代の働く女性は、意外にも「家庭に注力したい」が過半数!?

まず、働く女性の意識について、「【P】外に出て働いていたい」と「【Q】家庭のことに注力していたい」のどちらが近いかを聞いたところ、「【P】に近い」が 60.0%、「【Q】に近い」が 40.0%となった。

【画像1】働くことについての意識として、「【P】外に出て働いていたい」と「【Q】家庭のことに注力していたい」のどちらにあてはまるか (単一回答)(出典/日本FP協会「働く女性のくらしとお金に関する調査2018」)

【画像1】働くことについての意識として、「【P】外に出て働いていたい」と「【Q】家庭のことに注力していたい」のどちらにあてはまるか (単一回答)(出典/日本FP協会「働く女性のくらしとお金に関する調査2018」)

「【Q】家庭のことに注力したい」は、年代が若くなるにしたがって増加し、20代では半数を上回る52.3%に達するなど、興味深い結果となった。一方、子どもの有無でみると、子どものいる女性のほうが「【P】外に出て働いていたい」が 66.8%と高くなり、子どもの教育費などを自分の収入で補おうとする背景もうかがえる。

また、仕事と子育ての両立について、「現在の仕事を続けていると、子育てとの両立は無理だと思うか」どうか聞いたところ、「そう思う」が54.7%(「非常にそう思う」18.3%+「ややそう思う」36.4%)と過半数となり、両立の難しさを感じている女性が多いことが分かった。

ほかにも、「(将来)夫が転勤になったら、今の職場を退職すると思う」(67.4%)、「(将来)出産するときは、今の職場を退職すると思う」(49.0%)など、働く女性が仕事を続けるうえでハードルになることが多いことも分かった。

働く女性の3人に1人が、夫の「専業主夫化」に肯定的

では、働く女性は、家庭における夫の存在についてどう思っているのだろうか?

「結婚後に(夫が望むなら)夫が専業主夫になってもいいと思うか」どうかを聞いたところ、なんと「そう思う」が32.2%、つまり3人に1人は夫が家事に専念する専業主夫化を肯定する結果となった。

さらに、専業主夫肯定派に、その理由を聞いたところ、「いろいろな家庭があってもいいと思うから」(54.7%)、「家事・育児も立派な仕事だと思うから」(28.0%)、「夫は仕事・妻は家庭という時代ではないと思うから」(27.7%)が上位に挙がった。働く女性は、家庭内の役割分担についても柔軟に考えているようだ。

さすがに「専業主夫」とまではいかなくても、夫にもっと家庭で頑張ってほしいと思う働く女性も多いだろう。

既婚の働く女性に「夫にもっと家庭で頑張って欲しいと思うこと」を聞いたところ、上位は「食事の片づけ(流しに運ぶ・洗う・しまう)」(35.8%)、「整理整頓(小物の片づけ・服や物をちらかさないなど)」(31.5%)、「お風呂の準備(お風呂掃除・お湯張り)」(30.9%)、「ゴミ出し(収集・分別・ゴミ捨て)」(30.1%)の順となった。

【画像2】夫にもっと家庭で頑張って欲しいと思うこと(既婚者対象、複数回答)(出典/日本FP協会「働く女性のくらしとお金に関する調査2018」)

【画像2】夫にもっと家庭で頑張って欲しいと思うこと(既婚者対象、複数回答)(出典/日本FP協会「働く女性のくらしとお金に関する調査2018」)

家事の王道である料理や掃除、洗濯も頑張ってほしいけど、せめて後片づけや準備などはもっと頑張ってほしいと思う女性が多いということだろう。

夫もだけど、住まいや設備にも頑張ってもらおう

働く女性は、仕事に家事にと大忙しだ。
家事負担を軽減するには、
・住まいや設備で負担を軽減する
・家族が家事参加しやすいように工夫する
などが必要だ。

例えばわが家は、キッチン脇に洗濯機があり、廊下をはさんで洗面・浴室があって、一直線の動線で行き来できる。台所仕事をしながら洗濯の進捗状況を確認できるうえ、今のような花粉のシーズンには、身につける洗濯物を浴室に運んで干して浴室乾燥機で乾かしているが、その動線も短くて済む。動線の短さは繰り返す作業が多いほど効いてくる。浴室乾燥機のほかにも、キッチンには食器洗い機がビルトインされている。

このように、住まいの工夫で家事負担を軽減することも考えたい。今後「IoT(Internet of Things)」住宅が普及して、家電や住宅設備がインターネットにつながるようになったら、さらに家事効率を手助けできるようになるだろう。負担が少ないほど、家事参加もしやすくなるという効果もある。

また、キッチンが狭かったり、作業スペースが小さく高さも合わなかったりすると、家事参加したくてもしづらいということになる。分別できる機能的な収納がないと、整理整頓もしづらくなる。住まい選びの際に「家事参加のしやすさ」なども考慮しておくのがベストだろう。

「#うちのインティライミ」というハッシュタグをご存じだろうか?夫の家事参加に対する不満をぶちまけるSNS投稿に、このハッシュタグをつけるのだ。それは、テレビドラマ「コウノドリ」でナオト・インティライミさんが演じる夫が、本来夫婦で主体的に取り組むはずの子育てを「手伝う」と言ったり、仕事を優先してしまったりするシーンがあったからで、「うちの夫も」という投稿が盛んになったのだとか。

漠然と「家事や育児をやるよ」という話し合いだけでなく、具体的に事前にすり合わせるコミュニケーションも重要だろう。そういう意味では、住まい選びのときこそ、具体的にどの家事は誰がどのようにやるのかをきちんと話し合っておき、そのうえで住まいを選ぶことで、住まいにも夫にも満足度が上がるのではないかと思う。

夫婦がマンションを購入するベストタイミングは? ライフステージごとに比較!

将来子どもが欲しいと思っている夫婦にとって、「いつマンションを購入すべきか」が悩みの種になっているかもしれません。そこで、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、マンション購入のタイミングについてライフステージごとにメリット・デメリット、注意点を伺いました。
マンション購入前に必ず確認しておきたいポイントって?

どんなタイミングでマンションを購入するにしても、必ず夫婦で確認しておきたいポイントがあると風呂内さんは言います。

「ずっと住むのか、それともライフステージの変化に合わせて売ったり貸したりする可能性があるのか。つまり“投資視点”に重きを置いて購入するのか、完全に“住まい視点”で購入するのかによって、選ぶ物件は大きく変わってくるので、事前に夫婦間で認識を擦り合わせておく必要があります」(風呂内さん、以下同)

例えば、子どもの成長に合わせて買い替えたり、貸したりするのであれば、コンパクトでもアクセスの良い駅近の物件がいいとのこと。一方、ずっと家族で所有し、暮らしていくのであれば、駅からは多少距離があっても広くて仕様や設備の良い物件を購入するといったように、購入物件の選び方は変わってくるのだとか。

「両方の視点をもっていたほうがいいのですが、どちらをより重視するのかによって適する物件が変わってきます。家賃を節約したくて家を買うのか、広い家に住みたくて家を買うのか、自分たちがマンションを購入する目的をしっかりと確認しておくべきです」

それではこの前提を踏まえた上で、ライフステージごとのポイントを見ていきましょう!

妊娠する前にマンションを買うと?

子どもを妊娠する前の、夫婦2人だけの共働き世帯が、もっとも経済的に合理的な物件を選べる可能性が高いと風呂内さんは言います。

「夫婦共働きの場合、立地やアクセスの良さで物件を決める傾向があるため、住まいとして購入したマンションでも売ったり貸したりしやすいことが多いのです。こうした“投資視点”で物件選びができるのが、このタイミングで購入するメリットであると言えます」

ただし、注意点もあります。

「この時期の共働き世帯は、経済的にゆとりがあるため、高額なローンを組んでしまいがちです。出産後、一方の収入が減ることやなくなる可能性も加味した上で、大きすぎない物件を購入することを意識した方が良いと思います」

マンション購入にあたっては、少しでもいいものを……と思ってしまいがちなもの。フルタイムで共働きをしている夫婦の収入で考えれば支払い可能な物件でも、産後その収入を維持できるかどうかは分かりません。子どもを望む家族にとって、妊娠前の期間は不確定要素の多い時期。産後に妻が離職したり、時短勤務になったりして、所得が下がるかもしれないということを念頭において物件探しをする方が良さそうです。

【画像2】「【フラット35】で住宅ローンを組めば、物件を賃貸に出すこともできます。民間ローンは賃貸に出せない場合が多いので、貸す可能性があるなら、あらかじめ【フラット35】で住宅ローンを借りるという対策も有効です」

【画像2】「【フラット35】で住宅ローンを組めば、物件を賃貸に出すこともできます。民間ローンは賃貸に出せない場合が多いので、貸す可能性があるなら、あらかじめ【フラット35】で住宅ローンを借りるという対策も有効です」

子どもが生まれてからマンションを買うと?

それでは子どもが小さいころにマンションを購入する場合はどうでしょうか?

「世帯年収をベースにローンを組もうとした場合、妊娠中や産休・育休中は住宅ローンに制限が出てきてしまうこともあります。住宅ローンの借り入れ限度額は前年度の所得で算出されるため、休業中や時短勤務の場合、所得に応じてフルタイムのときよりも借りられる額が少なくなる場合があります。そもそも妻の収入を加算できなくなったり、思ったようにローンが借りられなくなったりすることも」(風呂内さん)

一方で、子どもが生まれた後に家を買うと、待機児童の人数や学区、公園、病院など、子育て環境を重視した住まい選びができるという利点もあるようです。またある程度リアルな視点でライフプランが立てられるので、住まいの仕様や設備、間取りに夫婦のこだわりを活かしやすくなります。

「価格の面では、産前と同様、働き方が変化する可能性を見越して大きすぎない買い物をしないことが重要です。今借りている賃貸の家賃と駐車場代などの固定費を足した額と、ローン、管理修繕費、固定資産税の総額を比較して同額程度になるといいですね」

子どもが大きくなってからマンションを買うと?

最後に、子どもが思春期を迎え、自分の部屋が欲しくなるタイミングでマンション購入を検討するときの注意点は何でしょうか?

「立地条件を無視した、広い家に目が行きがちになることです。しかし、大きくなった子どもと一緒に住まう期間は、進学や就職、結婚のタイミングなどを考えても、数年~長くても20年という場合が多いと思います。将来子どもが巣立ち、夫婦だけの生活に戻ったときに、本当にその物件で良いのかどうか、一度落ち着いて考える必要があります」

頭金も多く用意でき、子どもの意向を取り入れた住まい選びができるという利点はあるものの、予算内で広さを求めてしまうため、“投資視点”で見たときに売りづらい物件を手にしてしまう傾向があるようです。

「このタイミングに限らず言えることですが、ライフスタイルの変化に応じて売ったり貸したりしやすい物件を購入しておけば、将来、住まいによって家族の行動が縛られる可能性を回避できます。世帯の人数や働く場所が変わったときに手に負える物件を買うことが大切です」

勉強や趣味に集中できたり、家族がほどよい距離感で生活できたりする広い家は、思春期の子どもを持つ家庭には魅力的ですが、“投資視点”も忘れないようにしたいですね。

マンション購入のベストタイミングは、夫婦がともに「買おう!」と思った“その時”なのかもしれません。ただ忘れてはならないのは“投資視点”ももっておくこと。今のライフステージだけで判断するのではなく、この先の家族の変化に対応してくれるフレキシブルな物件選びがポイントになりそうです。

風呂内亜矢さん●取材協力
風呂内亜矢さん
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
自身のマンション購入の経験をきっかけに、お金の勉強をはじめ、ファイナンシャルプランナーに。メディア実績も多数

パートナーとの生活でイヤなこと、2人でいるのにアレがない、SUUMO調べ

夫婦やパートナーと一緒に生活をするなか、相手についイラッとしてしまうこと、誰にでもあるのでは?一緒に生活をするとなると、それまで気付かなかった相手の癖や生活習慣を目の当たりにして、「こんな人だったなんて……」とがっかりしてしまうことも…。(株)リクルート住まいカンパニーが運営する不動産・住宅サイト『SUUMO(スーモ)』は、住まいや暮らしに関する様々なテーマについてアンケート調査を実施し、調査結果を「SUUMOなんでもランキング」として紹介している。今回は、パートナーとの生活で「これは絶対イヤと思うこと」のランキング。

【調査概要】
●調査実施時期:2017年10月4日~2017年10月5日
●調査対象者:全国の20~59歳までの男性139名・女性160名
●調査方法:インターネット
●有効回答数:299

【調査結果】
Q.パートナーと生活していて「これは絶対イヤ」と思うことは?(複数回答可)
1位:会話がない 15.1%
2位:家事の仕方が雑 12.0%
3位:一緒にいるのにスマホばかり見る 11.7%
4位:洋服を脱ぎっぱなしにする 10.0%
5位:自分がいる場所でオナラ・ゲップをする 9.7%
5位:生活時間がバラバラ 9.7%
5位:食べ物の好みが合わない 9.7%
8位:家事を分担してくれない 9.4%
9位:歯磨きや入浴の頻度が少ない 9.0%
10位:服装や髪形がだらしない 6.7%
※上位10位まで表示

1位は「会話がない」(15.1%)。これは前回のランキング でもトップだった項目。今回も、「一緒にいる意味がない」「寂しすぎる」「それなら一人でいい」などのコメントが挙がった。ほか、「ただの家政婦かと思ってしまう」など、会話がないことは2人の関係に亀裂をもたらしそうなコメントも。

2位の「家事の仕方が雑」(12.0%)は、前回のランキングにはなかった項目。家事をしてくれるのはうれしいけれど、「中途半端でイラッとする」「自分のやり方と合わない」などでイライラする様子。

3位は「一緒にいるのにスマホばかり見る(11.7%)で、1位の「会話がない」と同様「一緒にいる意味がない」と思う人が多数。また、「自分を無視しているように見える」「会話がなくなる原因ですごく嫌」「スマホと結婚しろ!」という意見も。

以下、「洋服を脱ぎっぱなしにする」「自分がいる場所でオナラ・ゲップをする」が続く。

【調査結果(男女別)】
<男性>
1位:会話がない 13.7%
2位:家事の仕方が雑 12.9%
3位:一緒にいるのにスマホばかり見る 10.8%
4位:自分がいる場所でオナラ・ゲップをする 7.2%
4位:生活時間がバラバラ 7.2%

<女性>
1位:会話がない 16.3%
2位:洋服を脱ぎっぱなしにする 15.0%
3位:家事を分担してくれない 13.8%
4位:歯磨きや入浴の頻度が少ない 12.5%
4位:一緒にいるのにスマホばかり見る 12.5%
4位:食べ物の好みが合わない 12.5%
※上位4位まで表示

男女別の結果は、ともに1位は「会話がない」だった。「一緒にいる意味がない」というコメントにあるように、日々のコミュニケーションを大切にしている人が男女ともに多いようだ。

2位は男性が「家事の仕方が雑」、女性は「洋服を脱ぎっぱなしにする」。「家事の仕方が雑」については、「自分は潔癖症ではないが、妻は片付け、掃除両方中途半端に終わる」など厳しい意見も。「洋服を脱ぎっぱなしにする」は、「靴下」を挙げる人が多く、床に散らばった靴下を見て、毎日イライラしている様子がうかがえる。

男性3位の「一緒にいるのにスマホばかり見る」は、女性の4位にもランクイン。「一緒にいる意味がない」(男性)、「スマホを見ながら返事されると腹がたつ」(女性)などの意見が目立った。

男性4位は「自分がいる場所でオナラ・ゲップをする」。気を許していても、女性には最低限の恥じらいを持っていてほしいようだ。一方、女性の4位には「歯磨きや入浴の頻度が少ない」がランクイン。女性も不潔なことや臭いことがイヤなようだ。

どの項目もちょっとしたことかもしれないが、やられると嫌なもの。生活習慣や癖を改めるのは難しいが、会話を心がけたり、2人のときはスマホを見ないなどはすぐに実践できそう。せっかく一緒に住むことになったパートナーなわけだから、お互い毎日気持ちよく生活をしたい。

【主なコメント】
●会話がない:よくしゃべるうるさいのも困るけど、会話がないと怒っている感じがして嫌。(50歳・女性)
●家事の仕方が雑:食後にすぐ洗い物をしない。(50歳・男性)
●一緒にいるのにスマホばかり見る:目の前にいる人に関心がないという意思表示のように見える。(45歳・女性)
●洋服を脱ぎっぱなしにする:脱いだらその場所に脱いだまま、靴下は片方だけなくなる。(35歳・女性)
●自分がいる場所でオナラ・ゲップをする:いくら夫婦でもある程度マナーは守ってほしい。(27歳・女性)
●生活時間がバラバラ:すれ違いが多いと悩みとか気付きにくいし、相談しづらい。(52歳・女性)
●食べ物の好みが合わない:何をつくっても、ソースをかける。(50歳・女性)

「SUUMOなんでもランキング」コーナー:住まいに関する様々なテーマについてアンケートを実施し、結果をまとめた記事を隔週で発表。

食事は「夫婦別々」!? 人気漫画家に聞く、パートナーとうまく暮らすコツ

結婚や同棲を機に、パートナーとひとつ屋根の下で甘い生活を送る……はずが、ささいなことでイライラしっぱなし。「こんなはずじゃなかった!」と嘆く人も多いのではないだろうか。そんな悩みに「夫婦だからこそ、赤の他人以上に気遣いが必要」と話すのが、『妻は他人 だから夫婦は面白い』(KADOKAWA)の著者・さわぐちけいすけさん。Twitterでフォロワー10万人を突破する人気漫画家だ。
SNS経由で人生相談も受けるさわぐちさんに、心穏やかにパートナーと暮らしていくための心構えについて伺った。

「自分のことを自分でできない人」と暮らせば疲れるのは当たり前

──さわぐちさんのご家庭では夫婦喧嘩が全くないとお伺いしました。二人暮らしとのことですが、普段はどういう生活をされているのでしょうか?

さわぐちけいすけさん(以下、さわぐち):特別なにかしているわけではないですが…人に話すと驚かれるのは、「食事は夫婦別々」という生活スタイルですね。

食事は別ですが時間帯は一緒になることが多いので、一人がつくって食べて、もう一人に「キッチン空いたよ~」と声をかける、みたいな感じです。時々「蕎麦、いっぱい茹でたから食べる?」とシェアしたり、月に1・2度ほど外食したりすることもあるんですが、二人で食卓を囲むのは月に1回か、多くても2回くらいだと思います。

このスタイルは、妻と暮らし始めた当初から続いています。たぶん、同棲や夫婦の悩みの6割以上は「妻(女性)ってこうするもの」「夫(男性)ってこうするもの」と決め付けず、こんな風にお互いのペースを尊重することで解消できるんじゃないかな。

【画像1】イラスト/さわぐちけいすけさん

【画像1】イラスト/さわぐちけいすけさん

──というと?

さわぐち:同棲して、「自分のことを自分でできない」というのはひとつのネックだと思うんですよ。

「効率化のために役割分担をする」というなら全然問題ないんですけど、家事を自分でできない、相手に任せるような人と暮らしたら、それは疲れるはずです。多少好きでなくなったとしても、それぞれ自分のやるべきことを自分でできるなら、そんなに苛立ったりしません。

うーん、確かに相手が好きで好きでたまらないときなら尽くせても、恋の熱が冷めたころパートナーが一切家事をせずぐうたらしていたら、イラっとしてしまうかも。ただ、仮に夫(妻)が料理や洗濯をしようとすると、「ウチの実家の味はこんなんじゃない!」とか「空のペットボトルをシンクの上に置いとかないでよ!」とこれまた喧嘩になる場合もあるのでは? と心配になる。

さわぐち:「夫と妻で家事のやり方が違う」というのも、構わないと思います。相手が間違っているわけじゃありませんから。

たとえば、夫が洗濯した服をしっかり畳んで入れなかったとしても、皺にはなるけれど、それで問題ないといえば問題ないですよね? あくまで、こちらが「こうしてもらえると嬉しい」というだけの話。結局、そのことが相手には分からないから、イライラする前にお願いするんです。

夫婦だからといって、「相手を理解している」わけではない

──ちなみにお二人は、これまでどんな部屋に住んでこられましたか?

さわぐち:二人とも部屋の広さにさほどこだわりがなかったので、妻が大学時代住んでいた月5万円のワンルームに、私も入った感じです。現在は月7万円、1DKの部屋を借りています。

【画像2】イラスト/さわぐちけいすけさん

【画像2】イラスト/さわぐちけいすけさん

──同棲を始めるとき、2人で「こういう風に暮らしていこう」と何か話し合ったりは?

さわぐち:住んでみないと分からないことのほうが多いと思うので、何か決めるなら実際に同棲してからにしようと考えていました。事実、一緒に住み始めてから気づいたことがいくつもあります。

たとえば、私は1日でも外出しないと具合が悪くなるほど出かけるのが好きなんですが、妻はずっと家にいたいタイプだと気づきました。ただ、妻からすると一日ずーっと一緒にいるのも疲れるらしく、むしろ「どんどん出かけて!」って言われますね(笑)。

ただ、そういう食い違いが出てきたとして、意見は伝えてもぶつかる必要はないと思っています。

──なるほど。ぶつからないために、お二人の間でルールを決めてらっしゃるんでしょうか?

さわぐち:ルールは一切ないですね。代わりに、気になったとき「ごめん、今まで気づいていなかったんだけど、こうされるのはあまり好きじゃないかもしれない」とこまめに伝えるようにしています。

強いて言うなら、お互いの機嫌がいいときを選んで言っているかな。二人ともそう決めたわけではないんですけど、機嫌の悪いときは何を言っても嫌だと思うので。

それは、互いに「相手を理解していない」と知っているからできることです。どんなに努力しても、妻(夫)がどういう状態かを完全には分かってあげられない。だからこそ気を遣える。油断すると、「夫婦だから」と相手のことを全部知っているような気持ちになるじゃないですか。だから、常におもんぱかるよう自分に言い聞かせています。

……確かに、夫婦やカップルだと「妻(夫)のことは自分が一番よく分かってる」と高をくくって、ないがしろにしがちな気がする。ついつい夫に対して「夫婦の会話の時間? そんなものより仕事したいんだけど。分かるでしょ」と言わんばかりの態度をとってしまう筆者も、さわぐちさんの言葉に思わずドキッとしてしまった。

夫婦でも「見知らぬ他人と同棲する」くらいの気配りをしてもいい

──ズバリ、結婚生活や同棲中にイライラしないための最大の秘訣を一言でお願いします。

さわぐち:「相手に期待しないこと」です。

「期待しない」って「期待する」より難しくて、「自分が何に期待しているのか」を見つけないといけません。でも、帰宅したら家が荒れていない。それだけでもすごくないですか? 「期待しない」というのは、それくらいのレベルでもいいと思うんですよ。

また、たとえば、「パートナーが急にいなくなって、見知らぬ他人と今日から同棲しなきゃいけない」という状況を想像してみてください。そうしたら、初対面だし「あの人は明日何時に寝るんだろう?」とか考えますよね。パートナーに、それくらいの気の遣い方をしてもいいと思います。究極、シェアハウスのイメージに近いと言ってもいい。

──結婚や同棲となると、ついつい相手を特別視して期待しがちになりますが、その期待を手放すということでしょうか。

さわぐち:もし「夫婦の生活はこうあるべき!」という固定観念に苦しめられているのであれば、それくらい雑な考え方をしてみてもいいかもしれません。夫婦って、あくまで書面で契約しただけなので。

「私達のやり方はあくまで事例のひとつ。参考になる部分があればピックアップしてみてください」と語ったさわぐちさん。「一日三食作ってるんだから、一言くらい『おいしい』って言いなさいよ!」と般若のごとき形相で毎日夫に念を送っていた筆者にとって、目の覚めるような思いだった。

●取材協力
さわぐち けいすけ氏