9人に1人が家具・家電などの長期リース型サブスクを利用。メリットやデメリットなども解説

家具と家電のレンタル・サブスク「CLAS」は、春の引越しシーズン到来前に「家具・家電に関するアンケート」を18歳~49歳の男女1,000人に実施した。そこで、高価格帯の商品を長期にわたって利用する「長期リース型」のサブスクについて調べたところ、9人に1人が利用していることが分かった。

【今週の住活トピック】
1000人への実態調査で見る「春の新生活の家具・家電事情2024」を公表/CLAS

長期リース型サブスク、11.7%=9人に1人が利用している

サブスクとは、サブスクリプション(subscription)の略。ある商品やサービスを一定期間、一定額で利用できる仕組みのこと。サブスクの中でも長期にわたって利用する「長期リース型サブスク」を利用しているか聞いたところ、「利用している」が11.7%、「利用していない」が88.3%という結果に。おおむね9人に1人が長期リース型サブスクを利用していることになる。

長期リース型サブスクを利用している人を年代別に見ると、20代(13.8%)と30代(14.3%)が10代や(10.0%)や40代(6.7%)よりも多い。CLASの個人会員属性も20代後半~30代が中心であることから、この年代に耐久消費財を所有しない傾向があるという。

長期リース型サブスクを利用してますか(年代別)

出典:CLAS

次に、長期リース型サブスクを利用していると回答した人に、利用しているサブスクの商品を聞いたところ、「家電」が48.7%と最も多く、次いで「家具」の42.7%となった。家電や家具は生活する上で必要なものだが、金銭的負担も大きいことから、サブスクを利用することが多いのだろう。

利用している長期リース型サブスクは

出典:CLAS

2021年時点で近い将来7~8人に1人が利用していそうと予測

別の調査結果を見てみよう。LINEリサーチでは、2021年5月に18~59歳の男女を対象に「家具・家電の定額制レンタルサービス」の現状の認知率や利用率、今後の流行予想などについて調査を実施した。

2021年時点ですでに、「家具・家電の定額制レンタルサービス」の認知率は45.9%(「知っているし、使っている」「知っているし、今は使っていないが以前使っていた」「知っているが、使ったことはない」の合計)で、半数近くが「知っている」状態だった。

次に、自分の身のまわりで「どのくらいの人が使っていそうか?」という『現在の流行体感』を聞いたところ、流行体感スコアは2.3(=100人中およそ2人が利用している)という結果に。では、「1年後、自分のまわりでどのくらいの人が使っていると思うか」という『近未来の流行予想』を聞くと、流行予想スコアは13.0(=100人中およそ7~8人に1人が利用していそう)という結果になった。

2024年2月に実施したCLASの調査結果では、長期リース型サブスクの利用者は9人に1人だったので、2021年時点の予想はかなり近い結果だと言ってよいのだろう。

家具・家電の定額制レンタルサービスの今と1年後

出典:LINEリサーチ

なお、自分が今後使ってみたい(今後の利用意向)かを聞くと、利用意向ありが26.2%(「ぜひ使ってみたいと思う」「機会があれば使ってみたいと思う」の合計)と、近い将来は自分が利用したいと思う人が増えていた。

家具家電の長期リース型サブスク、メリットとデメリット

実家を出て一人暮らしを始める、結婚や同棲で新たに二人暮らしを始める、といったときに、新居の家具家電を買いそろえるのは大変な場合がある。引越しによる初期費用がかさむなか、家具家電のレンタルを利用すれば当初の費用を抑えることができる。

一定期間だけ単身赴任することになった場合も、同様だろう。家族と再び暮らすときに、単身赴任時の家具家電の処分をする必要もない。子どもの年齢が一定期間だけ必要となるものなども、一定期間レンタルすることが有効だ。

また、高額な家具家電を使いたいとき、「いきなり買うのは不安だけど、一定期間使ってみたい」という場合も使い勝手が良さそうだ。つまり、「必要な期間だけ使える&コスパのよさ」がメリットと言えるだろう。

一方、レンタルでは新品とは限らないこと、好きな家具家電がレンタルできることは限らないこと、長く使うとかえって割高になること、などのデメリットもある。

Z世代は、「モノ消費」よりも「コト消費」を好み、所有にこだわらないとか、「買い物で失敗したくない」という意識が強いといった傾向があると言われている。今回の結果を見ると、こうした若い世代を中心に、一定の人たちが生活の中で賢くサブスクのサービスを利用していることがうかがえる。家具家電についても選択肢が増えることで、私たちの生活の仕方も変化していくのではないだろうか。

●関連サイト
【CLAS調査レポート】 9人に1人が長期リース型サブスクを利用、 「家電」と「家具」に人気が集中!
LINEリサーチ、今と近未来の流行予想調査(第七弾・家具、家電の定額制レンタルサービス編)を実施

自宅での涼の取り方、約半数が「電化製品を使わない」

リビン・テクノロジーズ(株)(東京都中央区)はこのたび、30歳以上の男女204人を対象に「自宅での涼の取り方」についてアンケート調査を行った。調査期間は2019年6月6日~16日。調査方法はインターネット。それによると、自宅でエアコンや扇風機などを使わずに涼を取ることが「ある」方は47.1%、「ない」は52.9%。エコな涼み方で夏を過ごす人が半数弱いることが分かった。

エコな涼み方をする方の具体的な方法は、「窓を開ける」が71.9%と圧倒的に多く、「うちわや扇子を使う」(37.5%)、「打ち水をする」「簾やよしずを掛ける」(共に25.0%)、「風鈴を吊るす」(19.8%)など、5感を使って涼む伝統的な方法も人気があるようだ。

夏を過ごしたい避暑地はどこですか?では、「特になし」が半数を占めるなか、「軽井沢」(14.6%)や「北海道」(6.3%)といった回答があった。また、長野県は「軽井沢」をはじめ「八ヶ岳」「白馬」「上高地」など県内の地名が多くあがり、避暑地として人気が高いようだ。

ニュース情報元:リビン・テクノロジーズ(株)

パートナーとシェアしたい家事、トップは「部屋の掃除・片付け」

テックマークジャパン(株)(東京都墨田区)はこのたび、同居パートナーとの家事や家電に関する調査を行った。調査は2019年4月18日~4月22日、インターネットで実施。20~59歳の同居経験者400名より回答を得た。それによると、パートナーとシェアしたい家事は何ですか?では、1位は「部屋の掃除・片付け」で66.5%。2位は「お風呂掃除」で56.5%、3位「ゴミ捨て」53.0%と続いた。男女別で見ると、男性の1位は「部屋の掃除・片付け」で70.5%、2位「食器洗い」(53.0%)、3位「お風呂掃除」(49.5%)に対し、女性の1位は「お風呂掃除」で63.5%、2位は同率で「部屋の掃除・片付け」「ゴミ捨て」(62.5%)となり、男女の違いが明らかになった。

家電に関することでパートナーに不満を持った経験がありますか?では、約半数の47.3%が「経験がある」と回答。具体的な内容は、「お手入れ・掃除をしない」がトップで37.0%、「正しい使い方をしない」(35.4%)、「使い方が乱暴・雑すぎる」(32.3%)が続いた。不満を持たれないためには、日々の掃除を忘れない・丁寧に使う・説明書通りに使用することが大事なようだ。

また、家電の使い方や掃除方法がきっかけで、23.8%が「別れたい」と考えた経験があると回答。中でも20代男性は34.6%と高く、些細なことが積み重なると、家電の使い方一つでも別れ話になってしまう可能性があるようだ。

ニュース情報元:テックマークジャパン(株)

約6割がAIによる「暮らしの利便性向上」を期待

(株)ジャストシステムはこのほど、全国の17歳から69歳の男女1,100名を対象に「人工知能(AI)&ロボット月次定点調査」の結果を発表した。この調査は2017年6月から毎月1回実施しているもの。今回の調査では、AIの発達による「暮らしの利便性向上」について、「期待している」という回答は60.7%、「どちらともいえない」は23.3%、「期待していない」は12.9%だった。「期待している」人の割合を年代別に見ると、10代は61.0%、20代は64.0%、30代59.0%、40代57.0%、50代63.0%、60代60.0%で、いずれの世代でも6割前後の人が期待しているようだ。

時短や省エネにもつながる「AI家電」については、「ぜひ購入したい」が10.1%、「興味があり、購入を検討したい」は26.8%で、合計すると36.9%の人が購入に前向きであることがわかった。「興味はあるが、購入したいとは思わない」は25.0%、「興味がない」は21.6%、すでに「所有している」は4.5%だった。

また、AIが自分の仕事や生活にもたらす将来的な可能性について、「2017年と比べて期待が高まった」と答えた人は62.8%だった。理由は、「テレビ番組や書籍などで、AIの進歩に驚いたから」が最も多く41.1%、次いで「テレビ番組や書籍などで、AIに対する理解が深まったから」35.7%、「店頭でAI関連商品・サービスに触れる機会が増え、進歩に驚いたから」34.2%だった。

ニュース情報元:(株)ジャストシステム

キッチン家電所有者の6割弱「ほとんど使っていないキッチン家電がある」、マイボイスコム調べ

マイボイスコム(株)(東京都千代田区)はこのたび、4回目となる「キッチン家電」に関する調査を行った。調査時期は2018年3月1日~5日。調査方法はインターネット。10,859件の回答を得た。それによると、所有しているキッチン家電は、「冷凍冷蔵庫・冷蔵庫」「電子レンジ、オーブンレンジ」「炊飯器」が9割以上、「トースター」「ホットプレート」が6~7割、「ジューサー、ミキサー」「電気ケトル」「コーヒーメーカー、エスプレッソメーカー等」が各4割弱となっている。過去調査と比べ、「ジューサー、ミキサー」「コーヒーメーカー、エスプレッソメーカー等」が減少傾向だった。

購入してよかったと思うキッチン家電は何ですか?では、「冷凍冷蔵庫・冷蔵庫」「電子レンジ、オーブンレンジ」がキッチン家電所有者の6~7割、「炊飯器」が5割、以下「トースター」「電気ケトル」「ホットプレート」が2~3割で続く。

また、ほとんど使っていないキッチン家電がある人は、キッチン家電所有者の6割弱。「ジューサー・ミキサー」「ホットプレート」が各1割強、「たこ焼き器」「ホームベーカリー」「フードプロセッサー」「ハンドミキサー」が6~8%だった。

キッチン家電選定時の重視点は、「使いやすさ」「価格」が5~6割、「手入れのしやすさ」が4割で上位3位。その他、「大きさ」「日本製である」「料理・家事の手間が軽減される」「ブランド・メーカー」が各3割弱で続く。「手入れのしやすさ」「使いやすさ」「料理・家事の手間が軽減される」は、女性が男性を大きく上回り、また女性高年代層で比率が高い。

今後購入したい・買い替えたいキッチン家電がある人は5割強で、「冷凍冷蔵庫・冷蔵庫」「電子レンジ、オーブンレンジ」「炊飯器」が各10%台、以下「トースター」「食器洗い機、食器洗い乾燥機」「ホームベーカリー」「ノンオイルフライヤー」が4~6%だった。

ニュース情報元:マイボイスコム(株)

一人住まいの新居で購入したもの1位、男性は冷蔵庫、女性はカーテン 処分したのは衣類

「この春から新生活をスタートさせた」という人も多いだろう。一人暮らしで新たに購入したものは、男女別で異なるといった調査結果を、FJネクストが発表した。調査対象は、引越し経験のある、首都圏のワンルームに単身入居している20代・30代の男女。彼らの新生活の実態は、どういったものなのだろう?【今週の住活トピック】
「ひとり住まいの『引っ越し事情』アンケート」結果を発表/FJネクスト初めての一人暮らしでは、7割が部屋決めに親の承認

初めての一人暮らしで、「部屋を決める際に親の承認を得たか」を聞いたところ、約7割(70.8%)が親の承認を得たと回答した。男女別でみると、親の承認を得たのは女性(74.5%)のほうが男性(67.0%)よりやや多い傾向にあった。

親の承認を得た理由などは聞いていないようだし、学生や新社会人として一人暮らしを始めるのと、すでに社会人になってから始めるのとでは違いもあるだろう。筆者が思うには、親の承認を得るのは、一人暮らしを始める際の初期費用や賃料などの一部を親が負担しているからではないだろうか? 特に、女性の一人暮らしの場合は、親が防犯面を気にして、援助してでもセキュリティーの高い部屋に住んでほしいと考える、ということもあるのだろう。

一人暮らしを始めるときに新たに購入したもの1位は、男性は冷蔵庫、女性はカーテン

一人暮らしを始めたとき、「部屋に備え付けるもので新たに購入したもの」を複数回答で聞いたところ、購入したものトップ3は、「冷蔵庫」(75.8%)、「カーテン、ブラインド」(74.8%)、炊飯器やレンジ等の「調理家電」(74.5%)となった。

Q.一人暮らしを始めたとき、部屋に備え付けるもので新たに購入したものは何ですか。(複数回答)(出典/FJネクスト「ひとり住まいの『引っ越し事情』アンケート」より転載)

Q.一人暮らしを始めたとき、部屋に備え付けるもので新たに購入したものは何ですか。(複数回答)(出典/FJネクスト「ひとり住まいの『引っ越し事情』アンケート」より転載)

ただし、男女でその順位は入れ替わる。プライバシー対策となるカーテンやブラインドを、女性は1位の84.5%が購入しているのに対し、男性は65.0%しか購入しておらず、その順位は5位まで下がる。光が入ったり出たりするのを遮ったり、中の様子を見えづらくする効用のあるカーテンやブラインドが、なくても問題ないと考える男性がけっこういるということだろう。

また、購入したもののなかでよく使用したもの、あまり使用しなかったものを聞いたところ、「最もよく使用したもの」は冷蔵庫や電子レンジ、「あまり使用しなかったもの」は炊飯器や掃除機、アイロンとなった。

Q.一人暮らしを始めたときに購入したものの中で、最もよく使用したもの、あまり使用しなかったものは何ですか。(自由回答)(出典/FJネクスト「ひとり住まいの『引っ越し事情』アンケート」より転載)

Q.一人暮らしを始めたときに購入したものの中で、最もよく使用したもの、あまり使用しなかったものは何ですか。(自由回答)(出典/FJネクスト「ひとり住まいの『引っ越し事情』アンケート」より転載)

その理由についての自由記述を見てみよう。
「冷蔵庫」をよく使用したのは『食料を安い時に買いだめすることができる』から。「電子レンジ」をよく使用したのは、『コンビニ飯に欠かせない』から。

一方、「炊飯器」をあまり使用しなったのは『ごはんを炊く機会があまりない』から。「掃除機」は『部屋が狭いのでいらなかった』から。「アイロン」は『かけるのが面倒、クリーニングに出す方が早い』から。などが挙がった。

通勤や通学をしながら、家で食事をつくるのか、洗濯や掃除はいつどのようにするのか、といったことを具体的にイメージしたうえで、家電製品を購入するのがよいようだ。

加えて、一般的な住まいには冷蔵庫や洗濯機の置き場所が用意されているが、炊飯器や掃除機などはどこに収納するか自分で考えないといけない。奥にしまってしまい、そのたびに出すのが面倒ということにもなりかねない。「購入したけどあまり使わないお荷物」にならないようにしたいものだ。

引越しのときには「衣類」を処分。処分方法はゴミに出す

「引っ越しの際、処分したもの」については、「衣服」「書籍」「靴」がトップ3となった。ためこむと意外にかさばるものばかりだ。特に、女性の場合は男性と比べて、衣類と靴の処分が多いのはもっともな点だろう。一方で、「処分したものはない」という物持ち派も約3割(29.8%)いた。

Q.引っ越しの際、処分したものは何ですか。(複数回答)(出典/FJネクスト「ひとり住まいの『引っ越し事情』アンケート」より転載)

Q.引っ越しの際、処分したものは何ですか。(複数回答)(出典/FJネクスト「ひとり住まいの『引っ越し事情』アンケート」より転載)

その処分方法については、「ゴミに出す」が83.6%と圧倒的に多いが、「人に譲る」ほかに、出張買取を利用したり、ネットオークションやフリーマーケットに出したりといった、“換金方法”を選択した人もいた。

さて、新居に引越して新鮮な気持ちで新生活をスタートする人も多いだろうが、「新鮮な気持ち」が続くのは、どのくらいまでだろう?調査結果では、約3割(28.1%)が1週間程度まで、大半(76.1%)は長くもって1カ月程度まで(1週間程度までを含む)と回答している。

今の新鮮な気持ちをこれからも忘れないようにして、新生活をがんばってほしい。

花粉の季節到来! 快適に過ごすなら、徹底的に掃除するべきは“あの場所”だった

今年も、いやーな花粉症の季節がやってきましたね。読者のみなさまのなかにも、くしゃみや目のかゆみといった症状に悩まされている方も多いのではないでしょうか。けれど、そんな花粉症独特の症状がお掃除で軽減されるなら、試してみたいと思いませんか?
今回は、花粉症軽減のためのトリビアをご紹介したいと思います。
もはや国民病!? 7割以上の家庭で「花粉症患者が家にいる」画像提供/アイロボットジャパン合同会社

画像提供/アイロボットジャパン合同会社

アイロボットジャパン合同会社(東京都新宿区、以下アイロボットジャパン)が全国の20歳から50歳までの既婚女性600人を対象に花粉症に関するアンケートを実施しました。「ご自身または同居するご家族のなかに花粉症の人はいますか?」と質問したところ、自分も家族も花粉症(32.7%)、自分だけが花粉症(15.3%)、家族が花粉症(24.2%)と7割を超える家庭で誰かしらが花粉症になっていることが分かったのだとか。逆に言うと、全く花粉症にかかっている方がいないご家庭は3割しかないということになりますよね。これはもう、国民病と言ってしまってもいいのではないでしょうか。

画像提供/アイロボットジャパン合同会社

画像提供/アイロボットジャパン合同会社

そしてなんと、「実は屋外にいるときよりも室内にいるときのほうが、花粉症が悪化すると感じますか?」という質問に対しては、「強くそう思う」(11.1%)、「そう思う」(20.8%)という答えが。約3人に1人が「外よりも家にいるほうが花粉症がひどくなる」と感じているのです。つまり、私たちの家の中には花粉が飛んでいるということになりますね。一体どうしてそうなってしまうのでしょう?

室内の花粉に効果的なのは「拭き掃除」画像提供/アイロボットジャパン合同会社

画像提供/アイロボットジャパン合同会社

家事・掃除アドバイザーの藤原千秋(ふじわら・ちあき)さんによると、住まいの中に持ち込まれた花粉の多くは「ホコリ」と一体化してしまうため、日常生活において花粉が室内に持ち込まれていることを意識しにくいのだとか。そんな「ホコリwith花粉」を取り除く掃除方法を、藤原さんに教えていただきました。

「住まいの内部に漂う空気に含まれる花粉(ホコリ)は空気の動きによっても移動しやすく、掃除の方法やタイミングによっては再度空気中に舞ってしまいます。そのため枕元や部屋干し中の衣類など、付着してほしくない場所に落ちてしまって花粉症症状を悪化させる可能性があります。棚や床に堆積している花粉については、なるべく舞わせないように取り除く必要があり、『拭き掃除』というアプローチはそういった意味で確実性が高く、おすすめの掃除方法と言えます」(藤原千秋さん)

なんと、拭き掃除という昔ながらのお掃除方法が効果的なのですね!

でも拭き掃除って大変……。そんな時に活躍するのが床拭きロボットです。今回は床拭きロボット「ブラーバ」を販売している「アイロボットジャパン」に、花粉症対策としての床拭きロボットの使い方をアドバイスいただきました。

「やはり玄関まわりや廊下を徹底的に水拭き掃除して、お部屋に花粉を入れないことです。また花粉は粒子が比較的大きいので床に早く落ちやすいことが特徴です。面倒でもこまめに毎日、ブラーバなど床拭きロボットを動かすようオススメします。特に就寝中に動かしておけば、起床時のツラさは軽減されると思われます」(アイロボットジャパン)

なるほど、徹底的に掃除するべきなのは玄関先なのですね! 確かに普通は、人は玄関から中に入るので、一番花粉がまとわりついた状態で立つのは玄関です。花粉が落ちる量が多いのも想像できます。
そして「就寝中に床を拭き掃除しておいてもらう」というのも、ロボットならではの使い方ですね。

「アイロボットジャパン」では2018年3月2日(金)から4月1日(日)までキャンペーンも実施中。花粉症に悩まされている方は、床拭きロボット、検討してみてはいかがでしょうか?

プロ直伝!まだまだ冷える冬終盤に、ほっと温まるちょい足し家電

春らしい日も増えてきた今日このごろ。といっても寒い日は真冬並みの気温ですが、もう春も目の前に迫っているのに、本格的な暖房器具を買い足すのは抵抗があります。そこで、寒暖差の激しいこの季節を乗り切るために、プロおすすめのちょい足し家電を聞いてきました。機能説明やおすすめ度はもちろん、「人間に例えたらどんな性格?」なんて、ちょっと無茶な質問にも答えてもらいました。
エントリーNo.01 暖房家電の王道をゆく!-ヤマダ電機LABI

最初に突撃したのは「ヤマダ電機 LABI 新宿東口館」の家電アドバイザー高野陽平さん。2017年の終盤から2018年初頭にかけて冷え込みが激しかったことを受け、暖房家電の人気が急上昇。取材に伺った2月初旬には、既に多くの暖房機器が完売、或いは在庫僅少という状態でした。そんな中でも、まだまだ冷える冬の朝晩を乗り切るために、おすすめのちょい足し家電をばっちり紹介してもらいました。
※2018年2月6日・取材時点の情報です

高野さん イチオシは送風・温風兼用のファンヒーター「dyson Pure Hot+Cool link HP03」です。面倒な設定をしなくても、オートモードが搭載されているので、空気の状態を見て風量を自動調節してくれます。また空気清浄器の機能も果たし、高い密閉性を持つ360°グラスHEPAフィルターで花粉やバクテリア、ウイルスだけでなくPM0.1レベルの微細な粒子や有害なガスまで除去してくれます。空気を清浄にしながら、温風も涼風も使い分けができるので、季節を選ばずに活躍する家電ですね。

年間を通して利用できる多機能家電なので、空気清浄器や扇風機、ストーブなどの置場・収納場所にお困りの方、ワンルームなどコンパクトな部屋にお住まいの方におすすめです。アプリと連動したスケジュール機能も備え、運転予約も可能なので、仕事中にペットを家に残しているという方にもぴったりです。

どんな状況でも暖かく、或いは涼しく、自分にとって快適な環境づくりをサポートしてくれるので、もしこの家電が人間だったら人助けの上手な人じゃないかなと思います。

高野さんイチオシのファンヒーター(写真撮影/宮崎 林太郎)

高野さんイチオシのファンヒーター(写真撮影/宮崎 林太郎)

「LABI新宿東口館」店頭価格:59,800円(税抜)/LABI新宿東口館提供データより筆者作成

「LABI新宿東口館」店頭価格:59,800円(税抜)/LABI新宿東口館提供データより筆者作成

高野さん 続いて紹介したいのが「コロナ 遠赤外線ヒーター〈コアヒート〉 DH-1217R」です。省エネセンサーを搭載し、無駄な電気代を節約してくれるので、補助暖房家電にぴったり。遠赤外線による輻射熱が直接当たったものから暖めてくれるので、離れていても温かく、タテ・ヨコ・上下と向きや角度を好みで変えられるので、シチュエーションによる使い分けも可能です。

省エネセンサーによる電気代カットや、輻射熱によって広範囲を暖めてくれることから、エアコンが付けられないお部屋にお住まいの方や、冬場の電気代が気になる方におすすめです。マイコン制御(電源を入れると一時的に設定温度より高温で起動する機能)で素早く暖めてくれるので、着替えの間など短時間だけ利用したいという方は重宝すると思います。

もし人間だったら、自分以外にも熱を届けていくので、周りの人達も巻き込んで行動ができるのような熱血漢を想像しますね。

「ヤマダ電機オリジナルカラーのゴールドもあります」と高野さん(写真撮影/宮崎 林太郎)

「ヤマダ電機オリジナルカラーのゴールドもあります」と高野さん(写真撮影/宮崎 林太郎)

「LABI新宿東口館」店頭価格:22,100円(税抜)/LABI新宿東口館提供データより筆者作成

「LABI新宿東口館」店頭価格:22,100円(税抜)/LABI新宿東口館提供データより筆者作成

高野さん 最後にご紹介するのは「d-design ハイブリッド式加湿器 DKHS-3521 NWD/DWD」です。背の高いタワー型なので、高い位置からのミスト噴射でエアコンとの併用でも効率よく加湿することができます。超音波+ヒーターのハイブリッド式なので、蒸気が高温になりすぎず、しかし加湿ミストの殺菌効果が見込める温度までは上昇するため、衛生的かつ安心してご使用いただけます。アロマにも対応しているので、お好みの香りによるリフレッシュも可能です。

縦長で接地面積が小さいため、省スペースにもなり、コンパクトな部屋にお住まいにも便利です。スタイリッシュなデザイン家電なので、広い部屋にお住まいでも、インテリアとしてお気に召される方もいらっしゃるかと思います。家電までおしゃれにこだわる方にはこの商品をおすすめしたいですね。

この家電はエアコンなど他の器具との相性も良く、サポートに向いているので、優しい性格の人物を思い浮かべました。

木目調デザインの商品は明るめと暗めの2色(写真撮影/宮崎 林太郎)

木目調デザインの商品は明るめと暗めの2色(写真撮影/宮崎 林太郎)

「LABI新宿東口館」店頭価格:16,100円(税抜)/LABI新宿東口館提供データより筆者作成

「LABI新宿東口館」店頭価格:16,100円(税抜)/LABI新宿東口館提供データより筆者作成

エントリーNo.02 主役の暖房を引き立てる!-ヨドバシカメラ

続いて向かったのはヨドバシカメラ新宿西口本店マルチメディア館。こちらでもファンヒーターやオイルヒーターなど、オーソドックスな暖房家電は人気のため、やはり完売している商品も多いそうです。そんな中、家電コンシェルジェの仲田大樹さんが、ちょっと目線を変えた暖房のサポート家電を案内してくれました。
※2018年2月7日・取材時点の情報です

仲田さん 暖房の補助家電として一番のおすすめは「象印 布団乾燥機 RF-AC-20-WA」です。こちらは暖房器具ではありませんが、布団乾燥機能だけでなく、布団のあたため機能が搭載されている点が大変便利です。アタッチメントを取り付けるなどの手間が必要なく、折りたたまれているノズルを開いて、送風口を布団に差し込むだけで布団全体に熱がしっかりと行き届くので、取り回しが非常にラクな点が特に人気を呼んでいます。送風口を部屋に向けて使えば、ちょっとした補助暖房としても利用できますよ。

「夜、寒くてなかなか寝付けない」「部屋は暖かいけど冬の布団は寒くて入るのに勇気がいる」といった方々にぴったりです。使い方も送風口を布団の中に入れてスイッチを入れるだけなので、機械の操作が苦手という方にも是非おすすめしたいですね。布団全体をしっかり暖める「しっかり」コースと、時間がないときに嬉しい「お急ぎ」コースの使い分けもできるので、仕事や家事、子育てに忙しい方にも重宝すると思います。

操作も簡単で、布団を暖め心身ともにリラックスできる状態を作ってくれるので、もし人間だったら「気の合う友人」のような存在ではないでしょうか。一緒にいるとほっとして、いなくなると物足りない、そんな家電だと思います。

仲田さんによる布団乾燥の実演(写真撮影/宮崎 林太郎)

仲田さんによる布団乾燥の実演(写真撮影/宮崎 林太郎)

「ヨドバシカメラ新宿西口本店」店頭価格:14,080円(税抜)/ヨドバシカメラ新宿西口本店提供データより筆者作成

「ヨドバシカメラ新宿西口本店」店頭価格:14,080円(税抜)/ヨドバシカメラ新宿西口本店提供データより筆者作成

仲田さん 次におすすめしたいのが「コイズミ 電気肩ひざ掛け KDH5067」です。こちらは暖房器具の中では、電気代が非常に安価(※)です。腰から下を暖めてくれる「ひざ掛け」としてだけでなく、腕を通すための穴が付いているので、肩から羽織ってカーディガンのような使い方もできます。電源を入れなくても、羽織るだけで暖かいので、春先のちょっとした冷え込み対策にも便利です。

エアコンだけでは足下が少し寒い、電気ストーブを近くに置くのは怖いし熱すぎるといった方にぜひ試してほしい商品です。エアコンなどの暖房器具による乾燥が苦手、という方にもおすすめです。

人物に例えるとしたら、省エネで身体を優しく暖めてくれる、まるで自分をよく気遣ってくれる恋人のような存在だと思います。
※1時間当たりの電気料金:約1.4円(1kW/h 27円)。同社の遠赤電気ストーブは約16.2円/出典:小泉成器株式会社ホームページより

電気肩ひざ掛けを羽織る仲田さん(写真撮影/宮崎 林太郎)

電気肩ひざ掛けを羽織る仲田さん(写真撮影/宮崎 林太郎)

「ヨドバシカメラ新宿西口本店」店頭価格:6,640円(税抜)/ヨドバシカメラ新宿西口本店提供データより筆者作成

「ヨドバシカメラ新宿西口本店」店頭価格:6,640円(税抜)/ヨドバシカメラ新宿西口本店提供データより筆者作成

仲田さん 最後にご案内するのは「ゼンケン 窓下ヒーター ZK-91」です。窓の下に置くことで、窓から入ってくる冷気をシャットアウト、結露も防止してくれるので、お家のコンディションを整えてくれる家電です。うっかり素手で触れてしまったり、カーテンが揺れても安全な設計なのも嬉しいポイントです。

「窓から入ってくる冷気が気になる」「外の光を取り込みたいけれど、カーテンを開けると寒い」という方におすすめです。一軒家にお住いの方を中心に人気の商品です。

冬場でも冷気を気にせずカーテンを開けて部屋を明るくでき、結露によるカビの発生も抑制できるので、もし人間だったら、明るく陽気な性格をしているのではないでしょうか。一緒にいると周りもつられて陽気になる、そんな存在だと思います。

細長く場所を取らない窓下ヒーター(写真撮影/宮崎 林太郎)

細長く場所を取らない窓下ヒーター(写真撮影/宮崎 林太郎)

「ヨドバシカメラ新宿西口本店」店頭価格:13,500円(税抜)/ヨドバシカメラ新宿西口本店提供データより筆者作成

「ヨドバシカメラ新宿西口本店」店頭価格:13,500円(税抜)/ヨドバシカメラ新宿西口本店提供データより筆者作成

エントリーNo.03 暖房じゃなくてもぽかぽか?-ビックカメラ

次に待ち構えるのはビックカメラ新宿西口店。どこへ行っても暖房家電は売れ行き好調で在庫は僅か、これはそろそろネタも尽きたかなと思いきや、「暖房器具じゃなくても暖まればOKですよね?」と変化球が待っていました。家電コーナー担当の池田祐記さんに案内をお願いしました。
※2018年2月7日・取材時点の情報です

池田さん 暖房器具に頼らなくても、身体を暖める効果が期待できる家電はあります。そこでまずご紹介したいのが「フジ医療器 フットマサージャー〈モミーナエアー〉 KC-210」。足首からふくらはぎにかけてをすっぽりと覆い、大型のカフ式エアーバッグがおおわれた部分全体を「しぼりもみ」することで血行を促進します。足の甲側にもエアバックが搭載され、上から抑え付けながら足裏をカーラーでしっかり揉みほぐしてくれます。さらに足裏にはヒーターが搭載されているため、冬場に冷えやすい足元から、身体をぽかぽかに暖めてくれます。

足の冷えに悩んでいる冷え性などの方、立ち仕事で足が疲れている方などにイチオシです。空気圧によって包み込むようにマッサージしてくれるので、痛いのが苦手な方でも安心ですよ。

もしこの「モミーナエアー」が人間だったら、3つの自動コースや5段階の強弱調整が搭載されていることから「聞き上手の提案上手」な性格をしているのではないかと思います。

池田さんによる実演。一度はまると抜け出せない心地よさ(写真撮影/宮崎 林太郎)

池田さんによる実演。一度はまると抜け出せない心地よさ(写真撮影/宮崎 林太郎)

「ビックカメラ新宿西口店」店頭価格:35,630円(税抜)/ビックカメラ新宿西口店提供データより筆者作成

「ビックカメラ新宿西口店」店頭価格:35,630円(税抜)/ビックカメラ新宿西口店提供データより筆者作成

池田さん 続いてのおすすめ家電はビックカメラグループのオリジナル商品「日立 布団乾燥機 HFK-BK500」です。最大の特徴は簡単に着脱できる布団乾燥アタッチメントを使うことで、上下左右前後に万遍なく温風が広がるため、エアーマットや袋なしで布団を乾燥させることができる点です。就寝前に布団を暖めておけば、ほかほかの布団で心地よく休むことができます。外に布団を干しづらい花粉の季節や、湿気が多い夏場でも活躍できるので、冬終盤でも一考の余地ありではないでしょうか。

寝室が寒かったり、体の冷えで寝つきが悪くて悩んでいる方、毎日ふかふかの布団で眠りたいという方におすすめです。靴乾燥用のアタッチメントも付属しているので、外で遊びまわるのが好きなお子さんがいるご家族にも便利なアイテムです。

1台で布団乾燥・靴乾燥・ダニ対策など多数の要望を叶えてくれるので、もしも人間だったら、きっと才能豊かな「マルチプレーヤー」として活躍するのではないでしょうか。

池田さんが手に持つのが布団用のアタッチメント(写真撮影/宮崎 林太郎)

池田さんが手に持つのが布団用のアタッチメント(写真撮影/宮崎 林太郎)

「ビックカメラ新宿西口店」店頭価格:11,800円(税抜)/ビックカメラ新宿西口店提供データより筆者作成

「ビックカメラ新宿西口店」店頭価格:11,800円(税抜)/ビックカメラ新宿西口店提供データより筆者作成

池田さん 最後のおすすめアイテムは「アテックス〈ルルドプレミム マサージクッション ダブルもみ〉 AX -HCL188」です。こちらはクッションの片面にもみ玉を搭載したマッサージ器です。もみ玉にヒーターがついているため、あったか気持ち良いもみ心地に癒されます。椅子に置いて腰に当てるだけでなく、足や肩の上に置いていろいろな部位をもみほぐすことができます。

カバーを閉めればパッと見普通のクッションですので、インテリアにこだわる方にぴったりです。冷えからくる体の疲れに悩んでいる方にもおすすめですが、敬老の日などのプレゼントとしても人気の商品です。

人間に例えるなら、見た目も性能もバッチリな、まさに「才色兼備」な家電といえるのではないでしょうか。

ヒーターの温度はひと肌くらいと池田さん(写真撮影/宮崎 林太郎)

ヒーターの温度はひと肌くらいと池田さん(写真撮影/宮崎 林太郎)

「ビックカメラ新宿西口店」店頭価格:9,800円(税抜)/ビックカメラ新宿西口店提供データより筆者作成

「ビックカメラ新宿西口店」店頭価格:9,800円(税抜)/ビックカメラ新宿西口店提供データより筆者作成

EXTRA INTERVIEW 漫画家・西山 優里子さんの冬家電チョイス

女性向けとしては珍しい家電をテーマにした漫画「家電の女(講談社)」の作者・西山 優里子さんに、冬のちょい足し家電についてお話を伺うべく、ご自宅兼仕事場に突撃しました。案内されたのは仕事部屋の隣室。そこにはセットされたこたつが。促されるままこたつに入り、なんとそのまま取材スタートです。

「家電の女」全4巻(C)西山優里子/講談社(画像提供/講談社)

「家電の女」全4巻(C)西山優里子/講談社(画像提供/講談社)

――早速ですが、ここまで紹介した9点のおすすめ家電で、気になる商品はありますか?

西山さん どれも面白いのですが、素直に欲しいと思った順だと一番は「象印の布団乾燥機」です。以前、温風で袋を膨らませるタイプを持っていたのですが、取り回しが面倒くさくて結局2回くらいしか使いませんでした。その点、ぱっと開いて布団に挟むだけというのは簡単でいいですね。ホースが飛び出ていて、いかにも乾燥機ですという存在感があった昔のものと違って、部屋に置いておいても気にならないコンパクトな見た目も気に入りました。

「家電の女」にも布団乾燥機が登場しているのですが、その時は昭和の古い型のものだったので「あなたのために布団を暖めておきましたよ」という、おじいさんでした。懐で草履を暖めた豊臣秀吉の逸話のイメージですね。今回の象印だったら、お布団を暖めてふかふかにしてくれる機能に焦点を当てて、ちょっと太めの優しいおじさんがキャラクターかなと思います。

2番目は「ハイブリッド式加湿器」です。個人的にも、スタッフの健康を考えても加湿器は必需品ですが、背が低い加湿器だと水蒸気が足元ばかりで顔の高さまで届かないので、机の上に置いて使ったりしていたんです。その点、水蒸気の噴射口が高い位置にあるのは良いですね。背が高くて見た目にもおしゃれなので、噴水広場に佇むギリシア彫刻のようなキャラクターを想像しました。

もうひとつ気になっているのが「フットマッサージャー」です。座り仕事をしていると足がむくむので、仕事机の下に置いておきたいくらい。丸みがあって、かわいらしいフォルムも惹かれます。もうちょい足しと言わず、一年中使えそうですよね。

――因みに愛用している暖房家電は有りますか?

西山さん 今座っているこたつは、週刊少年マガジンで連載していた頃から20年近く使っています。当時はまだ狭いアパートにスタッフ7~8人で仕事をしていたので、コンパクトサイズじゃないと入らなかったんですよ。今の家を建てると決まった時に、スタッフの要望もあって、仕事部屋の隣にシート状の畳を敷いて、こたつを置くスペースをつくったんです。ここで休憩したり、食事をしたり、編集さんと打ち合わせをしたりしています。こたつに入るともう動けなくなって、大抵寝るので仕事にはよくないかもしれませんね。

――こたつは「家電の女」でもキーキャラクターとして出てきますね。

西山さん 「家電の女」のストーリーは毎回、掲載される季節に合わせて考えていたんですが、こたつの話は編集さんと「こたつは良いよね。でも最近あまり見ないね」という何気ない会話から生まれました。日常の何気ない会話や気づきが話の根幹になることがほとんどなので、とても大切にしています。私は以前、海外に住んでいたこともあり、フランスなどは特に寒いですし、ウォシュレットがウケたんだから、こたつも海外に持っていったら絶対ウケるのに、というのが持論なんです。自室にもミニこたつを置いているくらいです。

実は仕事机の下にも足置きこたつを置いているんですよ。こちらも最近あまり見かけなくなった型式なので、そろそろ20年選手です。上に足を置いて、膝にブランケットをかけて仕事をしていると、ブランケットの内側に熱が溜まってとても暖かいんですよ。冬は足元が冷えるので、エアコンより床暖房や電気カーペットなど、下から暖めてくれる家電が欲しくなりますね。

西山さん愛用の足置きこたつ(写真撮影/宮崎 林太郎)

西山さん愛用の足置きこたつ(写真撮影/宮崎 林太郎)

――最後に「家電の女」について裏話などあれば教えて下さい

西山さん 家電が人間になるという現実離れした内容ですが、「家電の女」に登場する家電はすべて実在のものを描くという点にこだわっていました。実際の商品をメーカーさんから借りたりしていました。日本のメーカーに比べると、外資系は権利関係の調整が煩雑で、商品イメージに対するこだわりが強いので、キャラクター設定にも要望が入ったりと大変でしたね。

思い出深いといえば「家電の女」は初めてサイン会を行った作品でもあるんです。イベントなどの依頼は編集ストップをかけるくらい、週刊少年マガジンで連載をしていたころ(1990年代~2000年代前半)は忙しかったので。「家電の女」がきっかけで、女性向け雑誌で家電コラムを書いたこともあるんですよ。

今日は久々に家電の話ができて楽しかったです。

※「家電の女」全4巻は各電子書店にて配信中(書店でのコミックスの入手は困難です)

暖房家電も店頭からどんどん姿を消していく時期ですが、朝晩はまだまだ冷えますよね。そんな時、部屋ではなく自分の体を直接あたためてくれる家電や、多機能で1年中使える家電に注目すると、冬終盤だけでなく春先まで快適に過ごせそうです。家電を選ぶとき、その性格まで考えると、相性ピッタリの子が見つかるかもしれませんね。

●取材協力
・株式会社ヤマダ電機「LABI新宿東口店」
・株式会社ヨドバシカメラ「ヨドバシカメラ新宿西口本店」
・株式会社ビックカメラ「ビックカメラ新宿西口店」
・株式会社講談社
・西山 優里子氏

AIスピーカーで暮らしが便利に 住宅展示場で試してみた

Google HomeやAmazon EchoなどAIスピーカーが最近話題になっている。テレビCMを見ると、言葉だけで家電が作動するなど暮らしが楽しくなりそうだが、実際AIスピーカーで住まいはどう変わるのか? 2018年1月からGoogle Homeを使った「コネクテッドホーム」の提案を開始した大和ハウス工業の住宅展示場で体験してみた。
共働き世帯や高齢者世帯の暮らしを家が助けてくれる!?

東京・渋谷区にある大和ハウス工業の住宅展示場のリビング。「OK Google、家を出る準備をお願い」と言うと、AIスピーカーのGoogle Homeが「はい、行ってらっしゃい。お気をつけて」と応え、同時にカーテンが閉まり、照明が消え、エアコンが止まり、お掃除ロボットが動き出した。

【動画1】「朝の準備をお願い」と言えばカーテンが開き、照明が点灯し、エアコンが作動する(撮影/SUUMOジャーナル編集部)

何かとバタつく朝の出勤前にすべてのカーテンを閉めて、照明を消して、エアコンのリモコンを探してオフにして、お掃除ロボットのスイッチを入れる……という作業が、たったひと言発声するだけで完了する。「共働きで忙しい方はもちろん、ご高齢で動くことが大変という方にも便利です」と大和ハウス工業の事業戦略グループ主任の古賀英晃さん。

このほかにも主寝室では「シアターモードにして」と言えばカーテンが閉じて天井から映写用スクリーンが下り、プロジェクターが動き出す。またインターネットで動画を楽しむ際、「○○の第5話を再生して」と言えば、スクリーンに希望のドラマが写し出される。

大和ハウス工業は “さまざまな住宅設備や家電をつなげて、利便性の高い豊かな暮らしの提供を目指す”プロジェクトである「Daiwa Connect(ダイワコネクト)」に取り組んでいる。2018年の1月からその第1弾として、AIスピーカーのGoogle Homeと、東急グループのイッツ・コミュニケーションズの「インテリジェントホーム(※)」を活用した「コネクテッドホーム」の提案を全国で開始した。

※インターネットに接続されたホームコントローラーを介し、設置したセンサーの信号を検知して指定のアドレスに通知したり、さまざまな機器を外出先からコントロールできるサービス

「ご来場いただいた方からはおおむね便利だという声をいただいています」(古賀さん、以下同)。とはいえ私もそうだったが、お父さん世代は「OK、 Google~」と人前で言うことが照れくさくて、少し抵抗感を示すという。しかし、子どもたちはむしろ面白がってAIスピーカーにいろんなことを話しかけるそうだ。

なにしろパソコンのキーボードを打つよりもスマートフォンを指先で操作するのが当たり前の彼らだ。彼らが建てる家は、いずれ声ですべての家電や設備を操作できるようになるのだろう。

こう言うと、最近話題のAIスピーカーについ注目が集まりがちだが、重要なのはそのAIスピーカーとさまざまな住宅設備や家電がつながることで、複数の動作を同時に機械が行ってくれることにある。

これは住宅内の家電などがIoT化(モノのインターネット化、モノがインターネットを通じて相互に接続され、自動制御などが可能になること)するからこそ実現する。冒頭はそんな暮らしのほんの一例に過ぎず、例えばスマートフォンのGPS機能を利用して帰宅前に自動で家のエアコンを作動させたり、住宅の躯体内のセンサーを通じてメンテナンス時期を把握できたり、トイレの排せつ物から健康状態を分析したり……など、IoT住宅はまさに無数の可能性を秘めている。

大和ハウスがプロジェクトをいち早く開始した理由とは

もちろん「IoT住宅はまだまだ過渡期です」。それでも、電機メーカーでもない大和ハウス工業が「Daiwa Connect(ダイワコネクト)」プロジェクトをいち早く開始した理由はどこにあるのか。

もともとIoTという言葉が生まれる前、1996年から住まいにおけるITの活用について研究してきた同社。「暮らしの困り事をIoTで解決する可能性を探り、いち早くお客様に提供するためです。AIスピーカーだけでなく、今後もさまざまな新しいデバイスがでてくるでしょう。そのときにお客様がニーズに合わせて好きなデバイスを組み合わせて使うことのできる環境(コネクト環境)を、従来お付き合いのなかったさまざまな業種の企業と、連携しながら整備していく必要があります」

現時点ではインターネットと直接つながる家電や住宅設備が少ないため、Google HomeをはじめとしたAIスピーカーが直接動かせるものは多くない。そのため家電や設備を動かす専用のコントローラーが室内に必要なのだが、家電や設備が直接インターネットとつながれば、専用コントローラーがなくても作動させられるし、さまざまな動作がより簡単に、同時にしやすくなる。

こうした環境整備のためには企業間の連携だけでなく、例えば冒頭の例のように、出かける前はどんな家電や設備が連動するといいのかなど、ユーザーの声も重要だ。日ごろからユーザーと接している同社がいち早く参入したことで環境整備が進み、結果的に他社に先駆けて商品の価値を高めるチャンスにもなる。さらにインターネットにつながることによる情報漏洩リスクなど、あらゆるリスクへの対策にも取り組んでいくという。

「そもそも『コネクテッドホーム』のご提案は、家事をラクにする家事動線のご提案と基本は同じです。暮らしに対する顧客の不満点やご要望に対して、従来は間取りや住設機器でのご提案が主流でしたが、これに加えてIoTという手段を使って、課題解決を図るということが重要になってきます。決してIoTありきではありません」

【画像1】複数のIoT機器がつながり、AIを活用することで得られるデータから、さらに新しいサービスが生まれる可能性もある(写真提供/大和ハウス工業)

【画像1】複数のIoT機器がつながり、AIを活用することで得られるデータから、さらに新しいサービスが生まれる可能性もある(写真提供/大和ハウス工業)

社会的な課題や変化に対応する住宅づくりが始まった

「共働き世帯の家事を効率化する住宅や、今後増加する高齢者世帯が安心・快適に暮らせる住宅はもちろん、在宅介護が楽になる住宅、通勤しなくても自宅で仕事がスムーズにできる住宅……IoTやAIの活用によって、これからの社会の変化にも対応した多彩な住宅をご提案できたらいいなと思います」。

「Daiwa Connect(ダイワコネクト)」のニュースリリースのタイトルには「プロジェクト始動」とある。つまり現状のAIスピーカーやIoT機器との組み合わせがゴールではなく、今まさに始まったばかり。今後登場するさまざまなデバイスによって、私たちの暮らしはさらに豊かなものへと変わっていくはずだ。

●取材協力
・大和ハウス工業