住宅購入検討者の4割近くが将来的な売却や賃貸を検討!柔軟に住み替えるスタイルが広がるか?

リクルートのSUUMOリサーチセンターが「『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)」を公表した。この調査では、住宅の買い時感や住宅検討状況、住宅に関する意識などを聞いている。調査結果の推移を見ると、消費者の意識の変化がうかがえるので、詳しく見ていくとしよう。

【今週の住活トピック】
「住宅購入・建築検討者』調査(2023年)」公表/リクルート

検討している一戸建てとマンション、新築と中古が同率に

調査は、2023年12月に、首都圏、東海圏、関西圏と政令指定都市のうち札幌市、仙台市、広島市、福岡市に住む、20歳から69歳の男女で、過去1年以内に住宅の購入・建築、リフォームについて具体的に検討した人を対象に行われた。

検討している住宅の種別(複数回答)は、「注文住宅」が過半数の56%で、「新築一戸建て」31%、「中古一戸建て」31%、「新築マンション」30%、「中古マンション」30%、「リフォーム」16%となっている。一戸建てもマンションも、経年で見ると中古検討率がじわじわと上がっており、新築と中古が同率となっているのが、今回の特徴だ。

「一戸建てか、集合住宅(マンション)か」を聞く(単一回答)と、「ぜったい」と「どちらかといえば」の合計で、「一戸建て派」が58%、「集合住宅派」が22%と一戸建て派が優勢に。「どちらでもよい」は20%だった。

48%が「買い時と思っていた」と回答、その理由は?

さて、住宅購入環境にさまざまな変化が生じている。都心部のマンションを中心に価格が上昇していることに加え、長期固定型の住宅ローンの金利がじわじわと上昇している。集計対象数6007人のうち、住宅購入・検討者は4240人(賃貸検討者が1767人)。この人たちは、「買い時」と思っているのだろうか?

調査で「買い時だと思っていたかどうか」聞いたところ、48%が「思っていた」(とてもそう思っていた12%+ややそう思っていた36%)、20%が「思っていなかった」(まったくそう思っていなかった6%+あまりそうは思っていなかった14%)となり、買い時の割合が前年(2022年調査)の44%から48%に増加した。

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

ちなみに、「買い時だと思った理由」については、「これからは、住宅価格が上昇しそう」がTOPの45%だった。2位は「いまは、住宅ローン金利が安い」の33%、3位は「いまは、いい物件が出ていそう」の30%だった。

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

買い時と思う理由について、少し考えてみよう。2024年3月に日銀がマイナス金利を解除するなど、調査時点よりも金利のある時代が近づいている。金利について、いま調査をしたら、「金利が上がりそうだから」といった理由が上位に入るのかもしれない。また、住宅価格が高くなっているので、住宅の売り時と判断している人が多いと考えられる。中古の物件が市場に出回ることで、「いい物件が出ていそう」という環境になるかもしれない。

では、今後の住宅価格についてはどうだろうか?価格が上がり続けているのは都心部の住宅なので、それほど上がっていない地域と上がり続けている地域がある状況なのだが、残業時間を規制する2024年問題が拍車をかけて、建設業界の人手不足による建設費の上昇が続いている。流通業界も同様なので、建築資材を運送する費用も上がるなど、住宅の建設費用に下がる要因が見当たらない。したがって、「住宅価格が上昇しそう」な環境は、まだ続くといえるだろう。

住み続けるよりも柔軟に住み替える考え方に変化?

今回の調査の特徴といえるのが、「買い替え」層が増えていることだ。「初めての購入、建築」が63%と最も多いものの、持ち家を売却して新しい家を購入、建築する「買い替え」が年々増えて、2023年調査で29%に達した。もちろん、住宅価格が高くなっているため、売りやすい市場になっていることもあるが、どうやらそれだけではないようなのだ。

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

次に特徴的なのが、「将来的に売却を検討している」層が増えたことだ。「永住意向」が44%と半数近くを占めるものの、売却を検討したり、賃借を検討している層が合わせて38%になっている。購入、建築を検討しているときから、いずれキャッシュ化しようと考えている人が増えているわけだ。

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)※2021年以前は調査なし

では、そう考えている人たちが、売却や賃貸に出すタイミングをどう考えているのだろう?
「土地や不動産の価格が上がったら」、「家が老朽化したと感じたら」、「他に欲しい物件が出たら」といったタイミングを想定している人が増えた一方、「定年退職」などは減っている。

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)※2021年以前は調査なし

かつては、マイホームが老朽化したらリフォームして住み続け、家族構成の変化など状況が変わったときに売却するという流れだったが、近年は、価格が上がったり、欲しい物件が出たりしたタイミングや、老朽化でリフォームをする前のタイミングで、売却するという考え方に変わっているようだ。

住宅購入を取り巻く環境にも変化が生じているが、住宅を購入、建築する消費者側の意識にも変化が生じている。住み続けることにこだわらず「柔軟に住み替える」スタイルが広がりつつあるので、住宅の流通市場をより整備して、売り買いのしやすい環境をつくっていくことが求められるだろう。

●関連サイト
リクルート「『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)」

実家じまい、母の民芸コレクション数千点の譲渡会を父が設計した自宅で開催。新しい物語を次世代につなぐ 二部桜子さん

多くの人が気になる「実家の片づけ」。挿花家でエッセイストの母と建築家の父のもとに生まれた料理家の二部桜子(にべ・さくらこ)さんは、両親が世界中で集めた膨大な民芸品などのコレクションを次世代につなごうと、実家を開放して譲渡会を実施。遠方からも人が訪れて盛況に! 実家じまいとしてはもちろん、自身の今後についても多くの気づきが得られたというその経験について、二部さんにお話を伺いました。

暮らしも注目された母・二部治身さん。世界を旅して集めた民芸品が大量に

コンクリート打ちっ放しの天井の高い建築。広大な空間を埋め尽くすように、おびただしい数の器や古道具が並ぶ。「ちょっとした骨董市の物量ですよね」と二部桜子さんも笑うが、一家庭のコレクションとは思えないスケールだ。

フリマ形式の譲渡会「Recollection - 回想の記録 -」の様子(画像提供/鮫島亜希子さん)

フリマ形式の譲渡会「Recollection – 回想の記録 -」の様子(画像提供/鮫島亜希子さん)

ここは桜子さんが育った東京都八王子市郊外の家。母である挿花家でエッセイストの二部治身(にべ・はるみ)さんは、建築家の夫・誠司(せいじ)さんとともに桜子さんと弟を育てながら、約100坪もの敷地で花と野菜をつくり、四季の草花を愛でてきた。「暮らし系」という言葉が生まれるずっと以前の80年代後半から、自然とともに生きる治身さんのライフスタイルは数々の女性誌や著作で紹介され、全国に多くのファンを生んだ。

二部桜子さん。アメリカの大学で美術を学んだのちアパレル企業に勤め日米を行き来する。2017年、東京都台東区蔵前に「SHUNNO KITCHEN」スタジオを開設し、旬の野菜を軸とした料理教室やケータリング、レシピ開発を行う(写真撮影/片山貴博)

二部桜子さん。アメリカの大学で美術を学んだのちアパレル企業に勤め日米を行き来する。2017年、東京都台東区蔵前に「SHUNNO KITCHEN」スタジオを開設し、旬の野菜を軸とした料理教室やケータリング、レシピ開発を行う(写真撮影/片山貴博)

「母は高校生のころから骨董を集めていたほど器や雑貨が大好き。タイへの新婚旅行を機にアジアの魅力に目覚め、さまざまな国を訪れては現地の民芸品を山のように持ち帰っていました」と桜子さんは振り返る。「アジアやアフリカの民芸品が持つ、素朴でどこか不完全な美しさが好きだったようです。父も収集癖があり、夫婦で好みも一致していたので、二人で競うようにものを集めていました」

生活道具のみならず、イスなどの家具や壺などもコレクションしていた(画像提供/鮫島亜希子さん)

生活道具のみならず、イスなどの家具や壺などもコレクションしていた(画像提供/鮫島亜希子さん)

アジアやアフリカのオブジェやマスクも(画像提供/鮫島亜希子さん)

アジアやアフリカのオブジェやマスクも(画像提供/鮫島亜希子さん)

治身さんが現役のころは雑誌などの撮影用小道具のリース業も少なかった時代。仕事に使えるようにと集めていた部分もある。1999年に建て替えられたこの家も、治身さんの仕事の撮影にも使えるようにと誠司さんが設計したもの。「だからデザイン性は高いんですけれど、底冷えするように寒かったり、段差が多かったり。敷地も広すぎて、高齢の夫婦が暮らすには厳しくて」

両親とも実家を手放して小さく暮らすことを検討していたが、2021年に誠司さんが他界してしまう。治身さんは桜子さん夫妻と暮らすことになり、いよいよ実家じまいを行うこととなった。

仲間の力を借りながら、楽しんで準備した自宅での譲渡会が大反響

そうして始まった二部家の実家じまいだが、当初は明らかに不要なものも膨大にあったという。
「まずは不要品を処分するのがいちばん大事だと思います。体力の必要な作業ですが、海外に住む弟も帰国時にやってくれました。とはいえあまりに物量が多かったので、この最初の段階ですべてを要・不要に分けたわけではないんです。判断に迷うグレーゾーンを残しつつも、明らかな不用品やゴミを処分できたことで気持ちにゆとりができ、友人にも手伝いに来てもらいやすくなりました」

残されたのは、大量の民芸コレクション。業者に買い取りを依頼することも頭をよぎったが、せっかくなら友人に譲りたいと桜子さんはひらめいた。「アパレル業が長かったこともあり、器やインテリアが好きな友人が多いんです。話してみたら“おもしろそう!”と言ってくれて」。そうしてまずは友人知人限定で、フリマ形式の譲渡会を行うことにした。

治身さんが高校時代から集めていたデッドストックの器たちも販売された(画像提供/鮫島亜希子さん)

治身さんが高校時代から集めていたデッドストックの器たちも販売された(画像提供/鮫島亜希子さん)

フリマで難しいのが値付けだろう。「母も値段までは覚えていなかったので、骨董屋さんに出かけて値ごろ感を確かめたり、画像検索で由来や価格を調べたり。通常の骨董品店よりはかなりお得な値段に設定しました」

友人の手も借りながら準備を進め、2022年8月と9月の4日間で「Recollection – 回想の記録 -」として譲渡会を実施。「告知はInstagramの個人アカウントのみで、友人とその友人のみの予約制に。中には影響力のある友人もいたので拡散力がすごくて」。予想以上の反響があり、約1500点が新たな持ち主のもとに旅立った。

世界各国からかごやザルを背負って持ち帰った治身さんは「かご長者」とあだ名されたほどのかご好き(画像提供/鮫島亜希子さん)

世界各国からかごやザルを背負って持ち帰った治身さんは「かご長者」とあだ名されたほどのかご好き(画像提供/鮫島亜希子さん)

好評を受けて、10・11月には一般客にも予約枠を開放することに。「リテールビジネス(BtoCのビジネス)に携わっている友人たちがいろいろアドバイスをくれて。当初は“この引き出しの中はいくら”みたいな値付けでしたが、知らない人への販売なら一つひとつ値段を書いたほうが会計がスムーズだよとか。”このコーナー売れ行きがよくないね”と友人がささっとディスプレイを直してくれたとたん、驚くほど売れたりも」

明治~昭和の和食器もセンスよくディスプレイして販売(画像提供/鮫島亜希子さん)

明治~昭和の和食器もセンスよくディスプレイして販売(画像提供/鮫島亜希子さん)

手伝ってくれた友人たちとはいつしか“実家フェス”の通称が定着。「”せっかくならお茶ができたらいいよね”と、友人が和室で抹茶を立てて、私のお菓子とお出ししたり。そうやって仲間とアイデアをふくらませるのが楽しかった」。まるで学園祭のような自由さをベースに、ビジネススキルと創造力を持ち寄って準備したこのイベントには、北海道や石川県など遠方も含めのべ数百人が訪れ、総計5000点ほどを譲渡できたという。

2023年10月には「Recollection-回想の記録-エピローグ」として、治身さんの著書のレシピを再現した食事会も実施。「譲渡会で、父が建てた建築をみなさんに見ていただけたのも嬉しかったんです。せっかくだから記録に残そうと、母の料理をつくって父と母が元気だった頃の二部家を再現して、友人である写真家の鮫島亜希子さんに撮ってもらいました」

和気あいあいと和やかな食事会の様子。このときのコレクションは"お気持ち"価格で譲渡し、ウクライナの動物支援団体に寄付も行った(画像提供/鮫島亜希子さん)

和気あいあいと和やかな食事会の様子。このときのコレクションは”お気持ち”価格で譲渡し、ウクライナの動物支援団体に寄付も行った(画像提供/鮫島亜希子さん)

顔の見える使い手へ譲る喜びが、愛したものを手放す寂しさを和らげる

業者の買い取りより手間や時間はかかっても、ものの行く末がわかるのが嬉しいと桜子さん。「友人のおうちに遊びに行ったら、うちで活躍していたものにまた出合えたり。おうちで使う様子をInstagramに上げてくれる人もいて、両親の愛したものたちの新しい物語が始まるのだと実感できました」

来場した友人たちが購入物をインスタにアップ。「みなさんのセレクトが見ていて楽しくて」と桜子さん(画像提供/左から、@hirokoinabaさん、@mamimori8さん)

来場した友人たちが購入物をインスタにアップ。「みなさんのセレクトが見ていて楽しくて」と桜子さん(画像提供/左から、@hirokoinabaさん、@mamimori8さん)

治身さんもイベントの様子に感激。「ものを手放すから、と悲しむ様子が全くなくて。自分のコレクションがお店みたいにキレイに並べられて“やっぱりこれ素敵よね”なんて喜んだり。自分が好きで手に入れたものを、みなさんが楽しそうに選んで譲り受けていく姿がすごく嬉しかったようで、いい親孝行ができました」

もちろん治身さん自身が手離したくない宝物はキープ。桜子さんも、手元で大切にしたいものたちを自宅やスタジオで愛用している。

水屋箪笥はクリーニングして、桜子さんの「SHUNNO KITCHEN」スタジオで愛用(写真撮影/片山貴博)

水屋箪笥はクリーニングして、桜子さんの「SHUNNO KITCHEN」スタジオで愛用(写真撮影/片山貴博)

風格あるベンチも実家からスタジオに。桜子さんの愛犬・アズキちゃんも心地よさそう(写真撮影/片山貴博)

風格あるベンチも実家からスタジオに。桜子さんの愛犬・アズキちゃんも心地よさそう(写真撮影/片山貴博)

古い実験用漏斗をランプシェードに。「たまたま訪れたアンティークショップで、こんなふうに漏斗を照明にしているのを発見。そのお店にお願いして照明にしてもらいました」(写真撮影/片山貴博)

古い実験用漏斗をランプシェードに。「たまたま訪れたアンティークショップで、こんなふうに漏斗を照明にしているのを発見。そのお店にお願いして照明にしてもらいました」(写真撮影/片山貴博)

買い手がつかなかったランプシェードもスタジオで活躍(写真撮影/片山貴博)

買い手がつかなかったランプシェードもスタジオで活躍(写真撮影/片山貴博)

これからの“もの”との付き合い方を考えるきっかけにも

二部家の実家じまいは、かなり特別なケースかもしれない。でも桜子さんのアイデアと行動力があったからこそ譲渡会は実現でき、成功につながった。「思いついたら後先考えず突っ走るタイプ。料理の仕事もずっとやりたいと言っていたけれど、この物件との運命的な出合いがあって、会社を辞めるより先に契約したことで現実化したんです。今回のイベントも、アイデアを周囲に伝えることで現実のものになりました」

窓の前に咲く満開の桜に、自分の名前との運命的な符合を感じて契約したスタジオ。「譲渡会で知り合った人たちが一緒に料理教室に来てくれたりと、嬉しいご縁も生まれています」(写真撮影/片山貴博)

窓の前に咲く満開の桜に、自分の名前との運命的な符合を感じて契約したスタジオ。「譲渡会で知り合った人たちが一緒に料理教室に来てくれたりと、嬉しいご縁も生まれています」(写真撮影/片山貴博)

周囲の人を巻き込んだのも成功の秘訣。
「一人では絶対に無理でした。最初に不要品処分を弟がやってくれたことが突破口になったし、アパレルの仕事の友人や、料理の仕事を通してつながった暮らしに関心の高い友人が助けてくれたからこそ実現しました」

また、今回のイベントを経験して学んだこともある。
「次の世代が使いたいと思える“いいもの”だからこそ譲ることができたんですよね。自分がものを選ぶ際にも、単に便利で安価だからというのではなく、次の世代にも引き継げるものを選ぶことが大切だと痛感しました」

両親が愛用していたハンス・J・ウェグナーデザインの「Yチェア」もそのひとつ。「実家で使い込まれて、かなり傷んでいたんですが、クリーニングに出したらいい味わいを残しつつきれいになって。いいものだからこそ、こうして修繕しながら長く使えるんですよね」

二部家のダイニングで活躍していたYチェア。脚ががたつき、ペーパーコードの座面もボロボロだったが家具のクリーニングに出して風格ある姿に(写真撮影/片山貴博)

二部家のダイニングで活躍していたYチェア。脚ががたつき、ペーパーコードの座面もボロボロだったが家具のクリーニングに出して風格ある姿に(写真撮影/片山貴博)

高齢になり、広すぎる家や多すぎるものの扱いに困っていた両親の姿を見て、年齢に応じてものとの付き合い方を見直す必要性にも気づいたという。
「70歳くらいになったら新たなライフステージの準備として、またフリマをやろうかと仲間と話しているんです。そのためにも“20年後、次の使い手に引き継げるか”を、もの選びの指針として大切にしていきたいです」

桜子さんが陶芸作家の久保田由貴さんと一緒に考案した器のセット。これも大切に使って次世代につなぎたいと考えているもの(写真撮影/片山貴博)

桜子さんが陶芸作家の久保田由貴さんと一緒に考案した器のセット。これも大切に使って次世代につなぎたいと考えているもの(写真撮影/片山貴博)

桜子さんのご両親が美しいと思えるものだけを集めていたからこそ、次の使い手につながるという幸せな展開は実現した。特別なケースだと思われがちな二部家の実家じまいだが、サステナビリティが重視される時代に、“次の使い手に引き継げるか”は、誰もが実践したいもの選びの基準と言えるだろう。また次の使い手へ引き継ぐための自宅フリマや譲渡会も、新しい実家じまいのアイデアとして参考になるはずだ。

●取材協力
「SHUNNO KITCHEN」主宰 二部桜子さん
Instagram

内窓DIYで室温10度も断熱できる省エネ対策。ホームセンターで買えるお手軽キットでも可能

「夏暑く、冬寒い」「結露ができて不快」、こうした住まいの問題を解決するには、どうやら「窓」の改修がいいらしい、ということが知られるようになりました。とはいえ、どのくらい効果があるの?DIYで手軽にできない?などの疑問はつきないはず。そうした疑問や悩みを解消してくれる「断熱改修はじめの一歩」ワークショップが長野県で開催されました。子どもも参加OK、ホームセンターで買える簡易的な内窓キットと最低限の工具だけを使って内窓のDIYをしよう! という一見お手軽な内容にも関わらず完成した内窓をつけたところ、なんと10度も表面の温度差が生まれるという驚きの結果に。その様子をレポートします。

内窓をDIYで自作してみたい!長野県全域から希望者殺到!

「断熱改修はじめの一歩」という講演会とDIYワークショップが開催されたのは、長野県上田市。二部構成で、一部は断熱推進イニシアチブ合同会社の木下史朗さんによる講演、現役の建具職人でもある有限会社クボケイの窪田智文さんのミニレクチャー、二部は市販されている内窓キットを使ってのDIYワークショップというもの。主催は長野県上田地域振興局で、運営にあたるのがNPO法人上田市民エネルギーです。

近年、内窓をDIYで作成できる「内窓キット」がホームセンターなどで購入できるようになっています。今回のワークショップではこの「内窓キット」を用いて、建具職人を講師に招いて、内窓を実際につくるという試みです。ちなみに、必要な道具は差し金や鉛筆、カッターなどの身近なものばかり。DIYの心得がなくとも誰でもできるといいます。

一部の講演会には上田市在住の方だけでなく、長野県内各地から約60名が参加し、二部のワークショップの定員20名はわずか数日で満員になったとか。想像以上の関心の高さに圧倒されますが、長野県上田市は冬の寒さはもちろん、夏はびっくりするほど暑くなるそう。

「全国的に暑かった2023年ですが、上田では全国最高の38.4度を記録したこともあるほど。とにかく夏は暑いんです。さらに冬は寒いため、二酸化炭素削減にも健康面でも、建物の省エネ性能向上が必須なんです」と話すのは上田市民エネルギーで理事長を務める藤川まゆみさん。

長野県はこうした自然の厳しさを背景に、住まいや建物の省エネルギー性向上を推進しており、上田高校や白馬高校など複数の県立高校で高校生が企画運営する断熱ワークショップを支援しています。また、こうした学生の断熱に関する取り組みがニュースになることも多く、それを見聞きした保護者をはじめ、一般世帯にも関心が広がっているようです。すばらしい流れですね。

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断熱改修の初心者に向けて。講演会でしっかりと知識を身に付ける!

まず一部は「断熱改修はじめの一歩」と題して、断熱推進イニシアチブの木下史朗さんが、自宅のサーモグラフィ画像をあげつつ、自宅や軽井沢の高性能賃貸「六花荘」を建てたこと、軽井沢の空き家を性能向上リノベさせたエピソードを紹介。

木下さんが断熱に目覚めるきっかけとなった家の寒さ。室内だが窓枠の表面温度は1度(画像提供/断熱推進イニシアチブ)

木下さんが断熱に目覚めるきっかけとなった家の寒さ。室内だが窓枠の表面温度は1度(画像提供/断熱推進イニシアチブ)

高性能賃貸「六花荘」をサーモグラフィカメラで撮影。もっとも冷たいのは牛乳。室温は20度程度に保たれており、裸足でも大丈夫な暖かさに(画像提供/断熱推進イニシアチブ)

高性能賃貸「六花荘」をサーモグラフィカメラで撮影。もっとも冷たいのは牛乳。室温は20度程度に保たれており、裸足でも大丈夫な暖かさに(画像提供/断熱推進イニシアチブ)

木下さんが実際に性能向上リノベをした物件。改修前はUa値0.94でしたが改修後は Ua値0.28と大幅に性能向上(画像提供/断熱推進イニシアチブ)

木下さんが実際に性能向上リノベをした物件。改修前はUa値0.94でしたが改修後は Ua値0.28と大幅に性能向上(画像提供/断熱推進イニシアチブ)

加えて、日本の既存住宅のうち、1999年の省エネ基準(2025年義務化予定)に達しているのがわずか1割程度しかないこと、建築物が断熱されていないため多くのエネルギーを無駄にしていること、断熱性能をあげるにはまず「窓」が大切であることを説明していきます。実体験+データを交えての話はリアリティがあるうえ、建築士ではなく、ひとりの住まい手としての体験から得た話となっており、非常にわかりやすいものとなっていました。

また、現在は「先進的窓リノベ事業」「長期優良住宅リフォーム推進事業」「信州健康ゼロエネ住宅(リフォーム)」といった助成制度があること、省エネ性能が高いものほど補助額が高いこと、今ある窓の内側にもう一枚窓をつくる工法、今ある窓枠を壊さず新しい窓に交換する工法があることなども紹介されていました。

上田高校の断熱改修ワークショップの施工前

上田高校の断熱改修ワークショップの施工前と施工後(画像提供/断熱推進イニシアチブ)

上田高校の断熱改修ワークショップの施工前と施工後(画像提供/断熱推進イニシアチブ)

断熱材を入れたところはオレンジで15度になっているが、入っていないところは紫色で7.6度。表面の温度差7.4度!(画像提供/断熱推進イニシアチブ)

断熱材を入れたところはオレンジで15度になっているが、入っていないところは紫色で7.6度。表面の温度差7.4度!(画像提供/断熱推進イニシアチブ)

参加者には子育て世帯が多いのかと思いきや、年配世代も多数参加していました。築年数が経過した住まいは無断熱、または断熱性の低い住まいが多いので、当たり前といえば当たり前かもしれません。講演のあとには、断熱材の主な材質とその特徴の違いについての質問が飛び出すなど、講演者・参加者のみなさんの本気度合いに圧倒されます。

建具職人によるDIYのコツ。成否の鍵を握るのは採寸と裁断

その後、二部でも登場する現役の建具職人・窪田智文さんが登壇し、ホームセンターで販売されている内窓キットを使って内窓を作成するコツを話してくれました。窪田さんは2012年の技能五輪全国大会家具部門で銅メダルに輝き、現在でも建具と家具を担当する現役の建具職人です。今までも上田高校などの断熱ワークショップを手伝っているそうですが、地元にこうしたトップクラスの職人さんがいて、協力を得られるのは大変貴重です。

窪田さんによるDIYのミニレクチャー。みなさん熱心にメモをとっていらっしゃいます(写真撮影/嘉屋恭子)

窪田さんによるDIYのミニレクチャー。みなさん熱心にメモをとっていらっしゃいます(写真撮影/嘉屋恭子)

窪田さんによると、ホームセンターでも内窓のDIYキットの取り扱いは増えているとのこと。DIYキットの内容は(1)窓枠に貼るレール、(2)サッシにあたるフレームのセットで、価格は2000~4000円程度。これに加えて、窓ガラスに相当するポリカーボネートを購入し、1窓約1万円程度でできるそう。

既存の窓に加えて、内窓を1枚つけると空気層ができます。空気は熱を伝えにくい性質をもっているため、冬は暖かく、夏は涼しくなる、これが内窓での断熱性が向上する理由です。
内窓のDIYを成功させるにはいくつかコツがあるそうですが、要約すると以下になります。

(1)既存の窓枠をしっかり採寸する
・定規はしっかりした材質で、まっすぐ良いものを使う
・レーザー計測器もあるが、自分でもしっかり確認を
・幅や高さだけでなく、真ん中の高さ、斜めもしっかり測る
(築年数が経過した物件はたわんでいることがあるため、たわんでいたら要補正)

(2)窓にあたるポリカーボネート板をまっすぐ裁断する
・ポリカーボネート板を、計測したサイズどおりに、まっすぐ切ること
・一度に切ろうとするのではなく、表面に筋をつけていき、徐々に裁ち落とす
・自分で切るのが難しい人はホームセンターのカットコーナーで依頼するとよい(ホームセンターにもよるが、1カット100円以内)

また、窓が大きいほど採寸・裁断が難しくなるため、まずは小さな窓からはじめてみて、成功したら次の窓をすすめるとよい、とアドバイスしていました。

温度差10度! 部屋の体感はぐっと暖かくなった

そしていよいよ二部のワークショップへ。今回は上田地域振興局が入る上田合同庁舎3階の会議室の内窓合計14枚を作り、その後も使っていく計画です。市民参加で公共建築物の断熱性が向上できるのは、とても有意義な取り組みですよね。何しろ(1)ワークショップの場として活用でき、(2)設計施工費用を抑えることができる、(3)建物の省エネ性能が高まる、(4)内窓を知らなかった人も目にすることができ、興味が湧く、など一石四鳥にもなるからです。

講師となる窪田さんに加え、木下さん、小さなお子さんはもちろん、高校生、大人など幅広い世代の参加者がいっしょに作業をしていきます。まずは安全のためにラジオ体操を行いますが、同じ空間で体操をするとぐっと気持ちの距離が縮まり、和やかな雰囲気になります。

また、SUUMOジャーナル編集部員も人生初のDIY体験で参加しましたが、「取材じゃなければ、人生で一度もDIYをしないと思う」というタイプだそう。興味はあるものの、なかなか腰が重い。これは、多くの人が同じ気持ちになるのではないでしょうか。

そんなDIYスキルも事情も異なる参加者が力を合わせ、完成したのが14枚の内窓です。まずは完成したところからご覧ください。下の写真でいうと、右の白枠が設置した内窓、左の結露しているのが既存の窓です。

窓にさわって温度の違い感じるお子さん。既存の窓は冷たく結露していますが、内窓はひんやりとせず温かい!(写真撮影/嘉屋恭子)

窓にさわって温度の違い感じるお子さん。既存の窓は冷たく結露していますが、内窓はひんやりとせず温かい!(写真撮影/嘉屋恭子)

完成した14枚の内窓をはめこんだ様子。内窓と既存の窓、その表面温度差10度にも(写真撮影/嘉屋恭子)

完成した14枚の内窓をはめこんだ様子。内窓と既存の窓、その表面温度差10度にも(写真撮影/嘉屋恭子)

内窓をつけたところ。サーモグラフィカメラで撮影すると17度と温かくなっています(写真撮影/嘉屋恭子)

内窓をつけたところ。サーモグラフィカメラで撮影すると17度と温かくなっています(写真撮影/嘉屋恭子)

既存窓を撮影するとなんと7度。そばによるとひんやりとした冷気を感じます(写真撮影/嘉屋恭子)

既存窓を撮影するとなんと7度。そばによるとひんやりとした冷気を感じます(写真撮影/嘉屋恭子)

取材日は最高気温5度、外はみぞれ交じりの天気でしたが、内窓はつけるとその表面温度は17度に。手のひらでさわるとより温かさを実感します。約2時間でここまででき、さらに直後で冷やされていないとはいえ表面温度にこんな変化があるとは。まさに感動!のひとことです。

内窓DIYするなら、ホームセンターのカットサービスを活用すると簡単に!

ここであらためて、どのようなプロセスで進められていったのか紹介します。

<使う道具>
内窓キット 14枚分
ポリカーボネート板 14枚分
軍手、差し金、鉛筆、カッターなど

<ワークショップの流れ>
(1)窓レールにあたるパーツの切り落とし
(2)窓レールにあたるパーツを貼る
(3)フレームパーツを切り落とし
(4)ポリカーボネート板を切り落とす
(5)フレームをはめ、フィルムを剥がす
(6)完成した窓を窓枠にはめる

こうしてみると、特別な道具は使わず、材料を切断して貼ったり、枠にはめていったりと、難しい作業はしていません。ただ、やっぱりそこは初対面の人との共同作業になるので、談笑しつつ手探りで作業を進めていきます。

(1)指示にしたがって窓枠になるパーツを指定のサイズに裁ち落とす(写真撮影/嘉屋恭子)

(1)指示にしたがって窓枠になるパーツを指定のサイズに裁ち落とす(写真撮影/嘉屋恭子)

(2)カットした窓枠を両面テープで貼って固定しているところ(写真撮影/嘉屋恭子)

(2)カットした窓枠を両面テープで貼って固定しているところ(写真撮影/嘉屋恭子)

既存の窓枠の手前、白い樹脂が貼り付けた内窓のレール部分になります(写真撮影/嘉屋恭子)

既存の窓枠の手前、白い樹脂が貼り付けた内窓のレール部分になります(写真撮影/嘉屋恭子)

(4)ポリカーボネート板を規定のサイズに裁断していきます(写真撮影/嘉屋恭子)

(4)ポリカーボネート板を規定のサイズに裁断していきます(写真撮影/嘉屋恭子)

カットできたポリカーボネート板にフレームをはめこんでいきます(写真撮影/嘉屋恭子)

カットできたポリカーボネート板にフレームをはめこんでいきます(写真撮影/嘉屋恭子)

最後にフィルムを剥がして完成(写真撮影/嘉屋恭子)

最後にフィルムを剥がして完成(写真撮影/嘉屋恭子)

白いフレームがDIYで作った内窓です。1面ですが、達成感と充実感が湧き上がります(写真撮影/嘉屋恭子)

白いフレームがDIYで作った内窓です。1面ですが、達成感と充実感が湧き上がります(写真撮影/嘉屋恭子)

参加されたみなさんに感想を聞きましたが、「実際にできるか不安だったが、楽しかった」「プロの技がすごいなと思った」などの感想が。なかには「DIYはあきらめてプロに依頼しようと思いました」「ホームセンターで切断してもらって、はめるだけならできるかも」との声も。確かにホームセンターで「裁断」までしてもらえていれば、ぐっと家庭でも取り入れやすいと思いました。

筆者は窪田さんのキズをつけないコツ、四隅のサイズを少しずつ調整していく仕事の確かさ、身のこなしなどが印象に残りました。なかなか見られない建具職人の仕事ぶりは、まさに眼福です。

さらに今回、DIY初体験だった編集部員はDIYに開眼したらしく、黙々とポリカーボネート板を切り落としていました。「無心になれていい。モノをつくる達成感がふつふつと湧いてくる」とのこと。DIYは無縁と思っていても、目の前で一つの形になっていく、クリエイトする喜びはやっぱり人の心に訴えかけるものがあるようです。

主催した長野県上田地域振興局環境課の上原さんによると、企画の背景を「地球温暖化対策として、やはり窓がよいということを聞いて、今回のワークショップを企画しました。想像以上に反響があり、関心の高さを実感しました。また、実際に手を動かすなかで得られたものは大きいですし、何よりみなさん進むとにこにこしてらして。身近なところから環境負荷を減らすとともに、住まいが快適になればうれしいですね」と話していました。

今回の講演とワークショップ、大きな反響もあったようなので今後、上田だけでなく、長野県全域に広がっていくかもしれません。こうした「断熱改修」の流れが、日本全国の津々浦々に広がっていったらいいのに、そう願わずにはいられません。

●取材協力
・長野県上田地域振興局環境課
・NPO法人上田市民エネルギー
・断熱推進イニシアチブ
・有限会社クボケイ

2023年の一戸建て市場を総括。新築の一戸建ての価格は上昇するも面積は縮小気味?

前回(「2023年のマンション市場を総括。新築・中古マンションの価格推移と供給戸数を徹底解説!」)に続き、2023年の住宅市場を総括したい。今回は、東京カンテイが公表した「マンション・一戸建て住宅データ白書 2023」から、三大都市圏の新築・中古一戸建て市場ついて見ていくことにしよう。

【今週の住活トピック】
「一戸建て住宅データ白書 2023」を公表/東京カンテイ

2023年三大都市圏の新築・中古一戸建ての平均価格は総じて前年より上昇

新築マンションの価格高騰が指摘され、中古マンションの価格も新築に誘導されるように上昇している。上昇に鈍化傾向が見られるが、手が届きにくい状況となっている。では、一戸建ての市場はどうなっているのだろう?
東京カンテイが公表した新築・中古一戸建てデータで、三大都市圏の状況を見ていこう。

東京カンテイ「一戸建て住宅データ白書2023」

東京カンテイ「一戸建て住宅データ白書2023」

まず、2023年の首都圏の新築一戸建ての平均価格は4769万円で前年より5.4%上昇した。「2015年の調査開始以来最高額を3年連続で更新した」という。近畿圏でも前年より3.8%アップして3680万円になり、こちらも上昇が続いている。また、中部圏でも前年より0.6%アップの3417万円となり、「調査開始以降8年連続で上昇している」という。

三大都市圏ともに新築一戸建ての平均価格は上昇を続けているが、前年と比べると上昇率は縮小しているのが特徴だ。また、価格の上昇に対して、土地面積や建物面積の平均は、わずかながら縮小する傾向が見られる。

次に、中古一戸建てに目を向けよう。2023年の首都圏の中古一戸建ての平均価格は4016万円で、前年より2.5%上昇した。近畿圏では2589万円(前年2.8%上昇)、中部圏では2447万円(2.3%上昇)と、新築一戸建て同様に、三大都市圏ともに価格は上昇している。ただし、前年からの上昇率については、首都圏では大幅に縮小(10.2%→2.5%)、近畿圏では縮小(5.3%→2.8%)、中部圏では拡大(1.4%→2.3%)と、動きがそれぞれ異なっている。

一方、三大都市圏ともに中古一戸建ての平均価格は上昇を続けているが、平均の土地面積や建物面積は拡大している。新築一戸建てが面積を小さくしているのとは、逆の動きだ。

新築一戸建ての建物面積は100平方メートル未満のシェアが増加

一戸建ての面積について、さらに詳しく見ていこう。首都圏の例となるが、建物面積の面積帯シェアの推移を見よう。

東京カンテイ「一戸建て住宅データ白書2023」(首都圏)

東京カンテイ「一戸建て住宅データ白書2023」(首都圏)

首都圏の建物面積帯を見ると、新築一戸建てで100平方メートル未満(80平米未満・80平米台・90平米台)のシェアが増えているのが顕著で、近畿圏でも中部圏でも、面積の小さな一戸建てのシェアが拡大する同様の傾向が見られる。

一方、中古一戸建てでは、面積帯の推移に新築ほどの大きな変化は見られないが、建物面積120平方メートル以上のシェアが増えているのが特徴。この点も、近畿圏や中部圏で同様の傾向が見られる。広い一戸建てを探すなら、中古一戸建ての方が見つけやすいという状況のようだ。

新築一戸建てで面積が小さくなるのは、新築特有の要因がある。例えば、分譲事業者が広めの一戸建ての土地を取得した場合に、2区画や3区画などと区分けして、小さな一戸建てを建てて売るからだ。首都圏の新築一戸建てで顕著なのだが、土地面積で「50平米以上80平米未満」と「80平米以上100平米未満」のシェアが大きく拡大していることから、そうしたことがうかがえる。土地の仕入れ値が上がり、コンパクトにして購入希望者の買いやすい価格に抑える傾向が見て取れる。

一戸建てはマンションに比べて市場は安定している!?

最後に、2023年の一戸建ての市場をマンション市場と比較して見ていこう。東京カンテイでは、参考資料(マンションデータがまだ確定していないため)として、三大都市圏の2023年のマンション市場の結果も紹介している。

東京カンテイ「一戸建て住宅データ白書2023」

東京カンテイ「一戸建て住宅データ白書2023」

マンション、特に新築マンションを見ると、価格の上昇レベルでかなりばらつきがある。新築マンションの供給戸数が近年減少しているため、例えば東京23区で高額で大規模な新築マンションが売り出されると、その影響で平均価格を強く押し上げるといった現象が起きている。価格が乱高下しているわけではなく、国内外から居住・投資目的で需要がある特定エリアでの価格上昇が顕著なのだ。

一方、一戸建ては、投資目的の需要はあまりないので、供給戸数や価格は比較的安定している。それでも新築・中古ともに価格が上昇しているマンションから、面積の広い一戸建てを志向する傾向もあり、価格が上昇気味という状況と見てよいだろう。

なお、東京カンテイによると、新築マンションの供給エリアは変わらずに駅近での供給が多く、新築一戸建ては首都圏と中部圏で駅徒歩10分から15分へと変化する状況が見られたという。これは最寄駅からの距離へのこだわりがマンションのように強くはなく、一戸建てならではの住環境の立地で供給をしているからだと指摘している。なお、「近畿圏は駅間が短く最寄駅からの所要時間が相対的に近くなる圏域」という特徴があるという。

さて、2023年の住宅市況はおおむね好調で、価格の上昇傾向が続いている。とはいえ、富裕層や投資目的の需要が価格上昇を受け入れていることから、価格が大きく変動するマンションとは異なり、一戸建ての価格上昇は上昇率が縮小するなど、落ち着きを見せつつある。ただし、新築一戸建てについては、価格上昇を面積の縮小で軽減する傾向も見られる。

2024年から新築住宅は省エネ基準適合住宅でないと住宅ローン控除が適用されないなど、省エネ性能を強化する動きもある。2024年4月からは、広告する際に省エネ性能ラベルを表示することが努力義務になるので、一戸建てを選ぶ際にも省エネ性能のレベルに注目してほしい。

●関連サイト
東京カンテイ「Kantei eye 118(マンション化率/マンション・一戸建て住宅データ白書)」

2024年4月スタートの新制度は、住宅の省エネ性能を★の数で表示。不動産ポータルサイトでも省エネ性能ラベル表示が必須に!?

不動産情報サイト事業者連絡協議会や国土交通省などによる、「省エネ性能表示制度で住宅の省エネ化は進むのか?」記者発表会が開催された。2024年4月から始まる「省エネ性能表示制度」に関する説明会ではあるが、国の制度について、アットホーム、LIFULL HOME’S、SUUMOの主要不動産ポータル事業者が深くかかわっていることに、実は意味があるのだ。

2024年4月から始まる「省エネ性能表示制度」とは?

新しい「省エネ性能表示制度」とは、「販売・賃貸事業者が建築物の省エネ性能を広告等に表示することで、消費者が建築物を購入・賃借する際に、省エネ性能の把握や比較ができるようにする制度」だ。

改正建築物省エネ法に基づき、省エネ性能表示制度を強化し、表示すべき事項などを定めることなどになっていたが、国土交通省では「建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度に関する検討会」を設置して、省エネ性能の表示ルールなどについて検討を重ねてきた。それを踏まえて作成されたのが、9月25日に公表したばかりの「建築物の省エネ性能表示制度のガイドライン等」だ。

このガイドラインの概要に沿って、国土交通省の住宅局参事官付課長補佐・池田亘さんから、制度に関する説明があった。そのポイントを整理しよう。

・開始時期:2024年4月 (これ以降に建築確認申請を行う新築および再販売・再賃貸される物件)
・努力義務になること:広告する際に省エネ性能ラベルを表示する
・対象:住宅や建築物を販売・賃貸する事業者 (物件の売主や貸主、サブリース事業者など)
・罰則:従わない場合は、国が勧告等を行う (既存建築物は勧告等の対象にならない)
・目的:省エネ性能を示すラベルや評価書を発行し、消費者が省エネ性能の把握や比較ができるようにする

該当する物件については、「省エネ性能ラベル」と「エネルギー消費性能の評価書」が発行されることになる。

発行される「省エネ性能ラベル」と「エネルギー消費性能の評価書」とは?

「省エネ性能ラベル」と「エネルギー消費性能の評価書」を発行するには、「自己評価」と「第三者評価」のいずれかで行う。販売・賃貸事業者側が国の指定するWEBプログラムなどを使って、評価を行うのが「自己評価」。第三者評価機関に評価を依頼するのが「第三者評価」で、その場合は、省エネルギー性能に特化した評価・表示制度である「BELS(ベルス)」を使うとされている。

では、まず「省エネ性能ラベル」について説明しよう。その特徴は3つある。

(1)エネルギー消費性能が星の数で分かる
国が定める省エネ基準より消費エネルギーが少ないほど、星の数が増える。省エネ基準に適合していれば★1つ。それより10%削減するごとに、★が1つずつ増える計算だ。ただし、エネルギーを使っても、太陽光発電などで補えばさらに削減できるので、★4つ以上は再生エネルギー設備がある場合に付けられる。そのため、★4つからは★が光るようなデザインになっているのだ。
※なお、再エネ設備の有無や削減率により、光らない★が4つのケースや3つ目以下で光る★が付くケースもある。

(2)断熱性能が数字で分かる
「建物から熱が逃げにくく、日射しなどの外からの熱が入りにくい」ほど数字が大きくなる。国が定める省エネ基準に適合していれば「4」、ZEH(ゼッチ)水準に達していれば「5」になる。
※ZEH水準とは省エネ基準適合住宅より、一次エネルギー消費量が20%以上削減(再生エネルギーを除く場合)されたもの

(3)目安光熱費が金額で分かる
その住宅の省エネ性能であれば、電気やガスなどの年間消費量がどの程度になるか計算し、エネルギー単価をかけて算出した年間光熱費が目安として表示される。ただし、家族が何人でどんな暮らし方をするかで、実際に使う光熱費は異なるため、あくまで目安としての金額だ。

なお、(3)の目安光熱費は任意項目なので、表示される場合もされない場合もある。表示されていないからといって、義務に反しているわけではない。

住宅(住戸)の省エネ性能ラベルに記載される内容(国土交通省の資料より)

住宅(住戸)の省エネ性能ラベルに記載される内容(国土交通省の資料より)

次に、「エネルギー消費性能の評価書」だが、これは省エネ性能ラベルの内容を詳しく解説した書類だ。評価書は消費者に渡されるので、必ず保管しよう。例えば、住宅を購入してその後に売却する場合に、評価書があれば(仕様を変更していないなど、省エネ性能が維持されていることが条件)、売る際の広告でもラベルが使用できる。

不動産ポータルサイトでも省エネ性能ラベルが掲載される

さて、この記者発表会を不動産情報サイト事業者連絡協議会(略称RSC)が運営しているのには理由がある。住宅を探す際に、不動産情報サイトの不動産広告を見る人が多い。国が表示方法などを決めてから対応したのでは遅くなるし、どのように消費者に届けた方が浸透するかなどの助言の機会もあったほうがよい。ということもあって、国土交通省の検討会には、SUUMO編集長・SUUMOリサーチセンター長の池本洋一さんが委員として参加している。

不動産ポータル事業者では、不動産情報サイトの信頼性を保持するために、RSCという組織で、連携をしている。現在6事業者が加盟しているが、理事会社がアットホーム、LIFULL HOME’S、SUUMOの運営会社で、池本さんはRSCの監事も務めている。

RSCでは、2019年から省エネ性能の表示はどうあるべきか検討してきたというが、幹事会社3社の不動産情報サイトで2024年4月から省エネ性能ラベルを広告表示する、共通ルールを策定しているところだ。

SUUMOにおけるインターネット広告への掲載例

SUUMOにおけるインターネット広告への掲載例

例えば、新築マンションでは、「住棟ラベル」(共同住宅の住棟全体の性能を表示するものであるなどの注釈の表記必須)を掲載し、新築一戸建てでは、販売戸数1戸なら「住戸ラベル」、多棟販売なら「代表住戸ラベル」(特定の住戸の性能を示すものであるなどの注釈表記必須)を、賃貸では「住戸ラベル」を掲載することなどを検討しているという。

実際の光熱費とズレがあっても目安光熱費を表示してほしい

省エネ性能ラベルでは、★の数で性能の高さが分かるようになっている。目安光熱費はあくまで目安なので、実際に光熱費がその金額にはならない。それでも、消費者は目安光熱費の表示を希望しているという。

リクルートの調査によると、ズレが生じることを考慮しても、「目安光熱費と星印表示どちらもあったほうが良い」が44.8%、「目安光熱費のみあれば良い」が29.3%となり、「星印表示のみあれば良い」の18.3%を大きく引き離した。

プレス説明会の資料より

プレス説明会の資料より

消費者に届くまでに関与する工程が多く、消費者まで届けることが課題

制度は2024年4月にスタートするが、課題もある。売買に詳しい松浦翼さん(アットホーム)と賃貸に詳しい加藤哲哉さん(LIFULL HOME’S)は、ラベルや証明書が発行されてから、その物件の広告としてラベルが消費者に届くまでの間に、多くの関係者が関わり、さまざまなシステムやツールを経由して情報が伝達されるため、システム改修の必要性や人為的な問題により、せっかくの情報が消費者に伝わらないリスクを指摘した。

省エネ性能表示の努力義務の対象となるのは、販売・賃貸事業、つまり売主や貸主、サブリース事業者などだが、実際に広告を出すのは不動産の仲介事業者や賃貸管理事業者になる。そのため、こうした間を取り持つ関係者がラベルなどの情報をきちんと伝達しないと、消費者にデメリットとなるだけでなく、仲介や入居者募集を依頼した売主や貸主が国から勧告を受けることにもなる。

また、広告への表示を努力義務としているが、評価書を受け取る消費者にその内容が説明されるのが望ましい。それを担うのも、直接消費者と接する仲介事業者や賃貸管理事業者になるので、関係者すべてにこの制度への理解を深めてもらう必要があるのだ。

さて、国は2050年のカーボンニュートラルに向けて、段階的に省エネ性能の基準を引き上げる予定だ。基準が変わったり新しい制度ができたりすると、省エネ性能を評価する基準も複雑になっていく。専門知識のない消費者がそれらを理解することは難しいので、住宅を選ぶ際に★の数や目安光熱費を見比べることは、性能を知るのに大いに参考になる。業界を挙げて、消費者に分かりやすく伝えることに取り組んでほしいものだ。

●関連サイト
建築物の省エネ性能表示制度のガイドライン等を公表/国土交通省
築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度(国土交通省特設サイト)

9月に多く発生する大型台風。その大雨から雨漏りを防ぐには?チェックすべき項目を紹介

2023年も、異常気象が猛威を振るっている。世界的な海面水温の上昇との関連も指摘され、酷暑の一方で大型台風や線状降水帯などによる被害も生じている。9月は、大型台風が発生するリスクが高まる時期でもある。住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」をホームページに掲載し、注意を呼び掛けている。

【今週の住活トピック】
「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」を掲載/住宅リフォーム・紛争処理支援センター

頻発する線状降水帯への危機感は感じるが、対策はしないという人も

「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」を見る前に、一条工務店が発表した「防災に関する意識調査2023」の結果を見ていこう。地震に関する調査と水害に関する調査をまとめているが、“水害”については、どんな結果が出ているのだろうか。

まず、「線状降水帯による大雨の可能性がある場合、大雨警報などに先駆けた発表で、早期の備えを促すために、半日程度前から 6 時間前までに気象情報で発表しているのを知っていますか」と聞いたところ、49.1%、約半数が「知らない」と回答した。

気象庁のホームページには、“「顕著な大雨に関する気象情報」の発表基準を満たすような線状降水帯による大雨の可能性がある程度高いことが予想された場合に、半日程度前から、気象情報において、「線状降水帯」というキーワードを使って呼びかけます。”とあり、呼び掛け例として以下のようなものを紹介している。

出典:気象庁「線状降水帯に関する各種情報」より転載

出典:気象庁「線状降水帯に関する各種情報」より転載

次に調査で、「お住まいの地域で線状降水帯が発生すると予報された場合、危機感を感じて何らかの対策を取りますか」と聞くと、「危機感を感じるが対策はしない」という人が38.8%、「危機感を感じない」という人が6.1%いることが分かった。

出典:一条工務店「防災に関する意識調査2023」

出典:一条工務店「防災に関する意識調査2023」

長時間の大雨が予測される場合には、まず自宅から出ないこと、一戸建ての場合は2階以上で崖や斜面から離れた部屋に移動すること、「避難指示」などの避難情報が出された場合は早めに避難所へ行くなどが求められる。

住宅には雨漏りのリスクがあるが、後から対策することが難しい

さて、長時間の大雨で自宅に留まったとして、雨漏りがするようであれば心もとない。

住宅リフォーム・紛争処理支援センターが掲載した「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」によると、「住宅は、屋根や壁の部材、窓(サッシ)、玄関扉など、いろいろな部材・部品が集まってできており、それぞれ素材が異なる部材・部品を組み合わせているため、継ぎ目の雨水侵入対策がしっかりしていないと雨漏りが生じる場合がある」という。特に近年は、局地的な大雨などの発生回数が増加傾向にあるため、さらに雨漏りへの注意が必要だとしている。

一方で、雨漏りが発生した場合の原因の特定が難しいことから、住宅を建築したり取得したりする段階で、雨漏りリスクを意識することが大切だと強調している。

では、雨漏りはどこで発生するのだろうか?同センターが、木造新築住宅での「瑕疵保険の事故情報※」を分析したところ、サッシまわりなどの「外壁開口部」、「外壁面」、「勾配屋根や天窓」からが多くなっている。
※瑕疵保険(かしほけん)とは、住宅の検査と保証がセットになった保険制度。保険対象となる部分に起因する事故情報のデータベースを利用

出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」住宅取得者向け資料より転載

出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」住宅取得者向け資料より転載

サッシや天窓の枠の部分は外壁や屋根との継ぎ目ができる部分であり、外壁自体は常に雨にさらされる部分だ。こうした部分に雨漏りリスクがあることをまずは知っておこう。

「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」で詳しくチェック

「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」の住宅取得者向け資料には、雨漏りリスクの高い6カ所について、リスク低減のアイデアを紹介している。その6カ所とは、(1)モルタルの外壁、(2)窓(サッシ)、(3)片流れ屋根の頂部、(4)屋根の側端部、(5)屋根と外壁が接する部分、(6)天窓(トップライト)。例えば、(1)のモルタルの外壁については、次のように説明している。

出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」住宅取得者向け資料より抜粋転載

出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」住宅取得者向け資料より抜粋転載

それぞれの箇所については専門的になるので、ぜひ直接資料を確認してほしい。自身で雨漏りのリスクと防ぐアイデアを理解することのほか、住宅の設計者や販売事業者などに、この資料の内容を見せて、きちんと設計施工されるか説明を求めるという使い方もあるだろう。

マンションなら雨漏りはしないかというと、そうでもない。筆者が住むマンションで、大雨の翌日、1階で共用廊下を見上げたら、廊下のコンクリートの下部(見上げた階からは天井部)がふくらんでいた。雨水がたまった証だ。ただし、大規模修繕工事の際に防水工事を行って修復された。

このようにマンションであれば、管理組合が建物診断や大規模修繕を行うが、一戸建ての場合は自身でチェックして補修する必要がある。建てたときに注意を払うだけではなく、雨どいが落ち葉などでつまらないように掃除をしたり、住宅の窓まわりの継ぎ目のシーリング材に破損が見られたら修復したりといった、メンテナンスを行うことも忘れないようにしたい。

●関連サイト
住宅リフォーム・紛争処理支援センター「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」住宅取得者向け資料
一条工務店「防災に関する意識調査2023」

「不動産価格は上がっていく」と思う人が過去最高の42%に!「今が売り時」と思う人も8割超

住宅ローンの金利上昇への圧力が高まるなか、野村不動産ソリューションズが「住宅購入に関する意識調査(第25回)」を実施した。その結果を見ると、売り時と考える人が多い一方で、買い時だと考える人も多いことが分かった。どんな住宅市況になっているのだろうか?

【今週の住活トピック】
「住宅購入に関する意識調査(第25回)」を実施/野村不動産ソリューションズ

「不動産価格は上がると思う」が調査開始以来最高に

調査対象は、不動産情報サイト「ノムコム」会員(購入検討者を中心としたWeb会員)で、有効回答数は1964人。調査は、2023年7月3日~16日に実施された。

日本銀行の植田和男新総裁は従来路線を引き継いできたが、国債を買い入れて長期金利の上昇を抑制する水準を従来の0.5%から1.0%に引き上げると発表したのは、第5回日銀金融政策決定会合後の7月28日のことだ。これにより、長期金利の上昇可能性が高まったのだが、それより前に調査が実施されていることを念頭に置いてほしい。

まず、「今後の不動産価格はどうなると思うか」を聞いたところ、「上がると思う」が42.0%に達し、前回(2023年1月調査)より大きく増加した。2011年の調査開始以降で最も高いという。「下がると思う」は17.9%だった。物価の上昇を実感するなか、建材費や人件費なども上がるので不動産価格も上がると考えたようだ。

出典/野村不動産ソリューションズ「住宅購入に関する意識調査(第25回)」より転載)

出典/野村不動産ソリューションズ「住宅購入に関する意識調査(第25回)」より転載)

今は「売り時」であり「買い時」でもある!?

住宅価格が上がっていることで、「売り時」と感じる人も多いようだ。「不動産は売り時だと思うか」と聞いたところ、「売り時だと思う」が22.6%、「どちらかと言えば売り時だと思う」が59.6%で、合わせて82.2%が売り時だと思っていた。

出典/野村不動産ソリューションズ「住宅購入に関する意識調査(第25回)」より転載)

出典/野村不動産ソリューションズ「住宅購入に関する意識調査(第25回)」より転載)

その理由は、「不動産価格が上がったため」(77.4%)と「今なら好条件での売却が期待できるため」(52.4%)が過半数を占めた。

次に、「不動産は買い時だと思うか」と聞いた結果は、「買い時だと思わない」が48.1%と最多だったが、前回より減少した。また、買い時だと思う人(「買い時だと思う」8.8%+「どちらかと言えば買い時だと思う」24.3%)は33.1%になり、前回より増加した。

出典/野村不動産ソリューションズ「住宅購入に関する意識調査(第25回)」より転載)

出典/野村不動産ソリューションズ「住宅購入に関する意識調査(第25回)」より転載)

「売り時」かどうか、判断する指標は?

さて、住宅を高く売りたいと思うなら「住宅価格が高止まりしている」ときか、「住宅価格が下落に転じた」ときがよい。「高止まり」のタイミングなら安心して売ることができるし、「価格が下がり続ける」タイミングならできるだけ早く売ったほうがよい。逆に「価格が上昇し続ける」なら、様子見をしてもっと上がったタイミングで売ったほうがよいわけだ。

ただし売り時かどうかは、住宅価格だけでなく、需給バランスも重要だ。売る側から見れば、競争相手となる売り手が少ないか、買い手が多い方が有利だからだ。買い手が多いかどうかの条件はいろいろあるが、住宅ローンの金利が低いこと、優遇税制などが多いことなど、購入環境が好条件であることも大きな要因となる。

今回の調査対象者は、住宅価格が横ばいと見る人が29.7%で、まだ上がると見ている人が42.0%と多いが、大きく上がり続けるというよりは、わずかに上がっていくと見ているのだろう。そこで、価格が高止まりに近いことや購入環境が良好なことから、売り時と判断している人が多いのではないか。

「売り時」か「買い時」か、今後はどうなる?

では、今の住宅市況はどうなっているだろうか。

住宅市況は立地条件によっても異なるが、一例として、東日本不動産流通機構の四半期ごとの「首都圏不動産流通市場の動向(2023年4~6月)」のデータから傾向を見ていこう。首都圏の中古マンションの新規登録件数は増えているので、売り手は増えていることになるが、成約に至った件数は2021年を山場に2022年以降は少し落ち着きを見せている。つまり2021年は売り手市場だったが、次第に需給バランスが変わりつつある。ただしまだ買い手は多いので、首都圏の中古マンションの価格は上がり続けている。首都圏の中古一戸建ても、おおむね似たような傾向が見られる。

では、今後の需給バランスはどうなるのだろう。

気になるのは、住宅ローンの金利の動向だ。特に、長期金利はいずれ上がる可能性がある。好景気に転じれば、変動金利も上がっていく。住宅ローンの金利が上昇すれば、利息が増え、借りられる額が減少するので、住宅購入意欲の減退につながる。つまり、買い手が減ることで需給バランスは大きく崩れる可能性がある。

とはいえ、今すぐ金利が上がるわけではないので、金利上昇気配を感じて駆け込みで購入する人も出るだろう。どのタイミングでどのような上がり方をするかで、買い手の動きも変わってくるので、注視が必要だ。

超低金利が長期間継続したことで、住宅ローンの金利はいつも低いと思いがちだが、今後は住宅ローンの金利も、売り手や買い手の動きも、住宅価格の動向も変わる可能性がある。そのことを頭に入れて、マネープランや購入する住宅の条件などを、きちんと整理しておくとよいだろう。

●関連サイト
・野村不動産ソリューションズ「住宅購入に関する意識調査(第25回)」を実施
・東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2023年04~06月)」

住宅購入者の関心が高いワードはやはり【フラット35】、「住宅ローン減税」!購入時に知るべき制度も解説

リクルートが「『住宅購入・建築検討者』調査(2022年)」を公表した。この調査では、住宅の購入や建築を検討するうえで、知っておきたい制度などについての理解・関心度も聞いている。その結果、理解・関心度の高いワードの多くが、住宅ローンや減税に関するものだということが分かった。

【今週の住活トピック】
「住宅購入・建築検討者」調査(2022年度)公表/リクルート

住宅購入・建築検討者は一戸建て派が多数を占める

調査は、首都圏、東海圏、関西圏の三大都市圏と政令指定都市のうち札幌市、仙台市、広島市、福岡市に住む、20歳から69歳の男女で、過去1年以内に住宅の購入・建築、リフォームについて具体的に検討した人を対象に行われた。

検討している住宅の種別(複数回答)は、「注文住宅」が過半数の56%で、「新築一戸建て」32%、「中古一戸建て」29%、「新築マンション」32%、「中古マンション」26%、「(現在住む家の)リフォーム」15%となっている。「一戸建てか、マンションか」を聞く(単一回答)と、「ぜったい」と「どちらかといえば」の合計で、「一戸建て派」が63%、「マンション派」が22%と、一戸建て派が多数を占める結果となった。

また、検討している物件に、「永住する」と考えているのは45%、「将来的に売却を検討している」のは24%、「将来的に賃借を検討している」のは5%だった。

過半数が名前も内容も知っている、【フラット35】、「リノベーション」、「住宅ローン減税」

この調査では、「税制・優遇制度などへの理解・関心」について、詳しく聞いている。聞いた税制・優遇制度は、「今後創設予定の税制・優遇制度」、「住宅購入に関する税制・優遇制度」、「住宅購入に関する金利・補助金」、「物件の構造・仕様、取引、他に関するもの」に大別され、それぞれ複数項目を聞いている。

その項目の中で、「言葉も内容も知っている」と回答した割合(以降は、「認知度」と表記)の多いものを挙げてみよう。

■認知度の高い項目(上位10項目)

順位制度名等認知度1【フラット35】75%2リノベーション63%3住宅ローン減税※56%4【フラット35 S】46%4空き家バンク46%6固定資産税の減額措置45%6スマートハウス45%8贈与税の特例42%9認定長期優良住宅41%10住宅リフォームの減税制度40%※住宅ローン減税については、さらに細かく聞いているが、順位としては省略した。
リクルート『住宅購入・建築検討者』調査(2022年度)を基に筆者が作成

認知度の上位には、住宅ローンと減税に関するものが多く入っているのが目立つ。ローンと税金は多くの人に関係するだけに、認知度が高くなっているのだろう。ちなみに、認知度が低かったのは、「BELS」(23%)や「安心R住宅」(25%)だった。

【フラット35】と「住宅ローン減税」のどこまで知っている?

この調査では、回答者に対して言葉とその内容について説明文を提示し、そのうえで、知っているかどうか聞いている。その説明について、紹介しておこう。

まず、1位の【フラット35】と4位の【フラット35 S】。

【フラット35】全期間固定金利の住宅ローンである【フラット35】において、2023年4月よりすべての住宅について、省エネ基準への適合を求める制度の見直しが行われる。【フラット35 S】一定の基準を満たした住宅を取得する場合、一般の住宅より金利を引き下げる制度。

住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する【フラット35】だが、ポイントは、2023年4月以降は省エネ基準に適合していないと利用できないことだ。金利を引き下げる優遇制度である【フラット35 S】は、すでにZEHなど省エネ性の高い住宅ほど金利が優遇される仕組みに変わっている。

2位の「住宅ローン減税」については、「返済期間10年以上の住宅ローンを利用して住宅を購入した場合に、住宅ローン残高の0.7%を所得税等から控除」と概要を説明しており、認知度は56%になっている。実は、調査ではさらに細かく聞いている。

【住宅ローン減税×環境性能】環境性能の優れた住宅では、減税の対象となる借入限度額が上乗せになる。【住宅ローン減税×中古OK】新耐震基準適合住宅(1982年以降に建築された住宅と定義)であれば、住宅ローン減税が適用される。【住宅ローン減税×増改築OK】自宅の増改築でも基準を満たせば、住宅ローン減税が適用される。【住宅ローン減税×新築床面積】2023年末までに建築確認を受けた新築住宅であれば、床面積が40平米以上50平米未満でも適用される。(それより以前は床面積50平米以上で適用対象)【住宅ローン減税×耐震改修】新耐震基準を満たさない中古でも、取得後一定期間内に耐震改修して基準を満たせば、住宅ローンが適用される。

いずれについても、認知度は46%~51%と高く、住宅ローン減税については細かい適用条件まで理解している人が多いことがわかる。

リノベーションなど認知度の高いワードを再確認

以下、上位に挙がった項目について、説明していこう。

リノベーション既存の建物に大規模な改修工事を行い、用途や機能を変更して性能を向上させたり付加価値を与えること。空き家バンク地方自治体が、空き家の賃貸・売却を希望する所有者から提供された情報を集約し、空き家をこれから利用・活用したい方に紹介する制度。空き家対策の一つとして注目されている。固定資産税の減額措置2024年3月末までに新築住宅を取得した場合、固定資産税が3年間(マンション等の場合は5年間)、2分の1に減額される。スマートハウス太陽光発電システムや蓄電池などのエネルギー機器、家電、住宅機器などをコントロールし、エネルギーマネジメントを行うことで、家庭内におけるエネルギー消費を最適化する住宅。贈与税の特例住宅取得等資金として、子や孫が親や祖父母から贈与を受ける場合、通常の住宅で500万円、省エネ等住宅で1000万円まで贈与税が非課税になる。認定長期優良住宅耐震、省エネ、耐久性などに優れた住宅である長期優良住宅と認定されると、所得税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税が軽減される。(住宅ローン減税では借入限度額が上乗せされる)住宅リフォームの減税制度耐震改修、バリアフリー対応、省エネ対応、三世代同居対応、長期優良住宅化対応の工事を行うと所得税等の控除がある。リクルート『住宅購入・建築検討者』調査(2022年度)を基に筆者が作成

少し補足説明をしておこう。
「リノベーション」については明確な定義がないのだが、住宅業界では一般的に、劣化した部分を建築当時の水準に改修するだけでなく、今の生活に合うように機能を引き上げる改修を行うことをいう。そのため、大規模な改修工事になることが多い。

「空き家バンク」は、かつては自治体ごとに公開しているホームページを見に行くしかなく、使いづらいものだったが、いまは民間の不動産ポータルサイトによって統一した内容で全国の空き家が探せるようになっている。

「スマートハウス」は、一般的にHEMS (home energy management system) と呼ばれる住宅のエネルギー管理システムで、家庭の電気などのエネルギーを一元的に管理する住宅のこと。IT技術を活用した住宅としてはほかに、IoT住宅(アイオーティー住宅。インターネットで住宅設備や家電などをつなげてコントロールできる住宅)などもある。IT技術によって、今後も多くのものがホームネットワークでつながり、安心安全や健康などの住生活の向上も期待されている。

ほかは、主に減税に関する項目が上位に挙がった。いずれも期限付きの減税制度となっている。期限がくると延長されるか、縮小されるか、終了するかになるので、注意が必要だ。

知っておきたい「新築住宅の省エネ基準適合義務化」と「インスペクション」

最後に、認知度が高くはなかったが、知っておきたい項目について紹介したい。それは「2025年新築住宅の省エネ基準適合義務化」(26%)と「インスペクション(建物状況調査)」(32%)だ。

新築住宅、特に一戸建てのような小規模な建築物にも、省エネ基準への適合が義務化されることになっている。適合義務化は、2030年までにZEH水準まで引き上げる予定となっている。こうした新築住宅への義務化によって、既存の住宅と省エネ性能に開きができる点も押さえておきたい。

「インスペクション」(32%)はもっと認知度が高いと思っていたので、少し意外に思った。中古住宅の売買において、宅地建物取引業者は、建物状況調査の事業者をあっせんするかどうかや、対象の住宅が建物状況調査を行っているかどうかなどを伝えることになっている。建物の状態はしっかり把握しておきたいものなので、認知度が上がることを期待したい。

さて、説明文が簡単に記載されていたとしても、「言葉も内容も知っている」というレベルは人それぞれだろう。何となく分かっているというレベルから、適用条件や期限まで正確に把握しているレベルまでさまざまある。実際に制度を利用しようとするときには、正確に理解していることが求められるので、この機会にぜひ各制度への理解を深めてほしい。

●関連サイト
リクルート「住宅購入・建築検討者」調査(2022年度)

Z世代は「新築」「一戸建て」がお好き? 駅からの近さより広さ重視の結果に

パナソニック ホームズが、若年者(Z世代)を含む住宅購入検討層や将来的な購入検討層を対象に、「住まいに対する意向調査」を実施した。そのなかでも特に「結婚と住まいの意向についてのアンケート」(リリース資料の図7~13が対象)を中心に、Z世代ならでは住まい観について見ていくことにしよう。

【今週の住活トピック】
「住まいに対する意向調査」を実施/パナソニック ホームズ

Z世代は一戸建てのマイホームがお好き?

この調査では、住宅購入の潜在的もしくは将来の顧客層と考えられる、15歳から49歳の独身男女に、「結婚したらどこに住みたいか」を聞いている。その結果は、圧倒的に「一戸建ての購入」を選んだ人が多数を占めた。とりわけZ世代(この調査では15歳から25歳と定義)では、他の年齢層が4割ちょっとであるのに対して56.0%が、一戸建ての購入を選んでいる。

図 7 結婚したらどこに住みたいですか。

出典:パナソニック ホームズ「住まいに対する意向調査」

どの種類の住宅に住みたいかを聞いた調査は過去にも多くあり、賃貸より購入、マンションより一戸建てが多いのが一般的だ。しかし、Z世代では一戸建ての購入を希望する人が極めて多いという点が大きな特徴といえるだろう。

次に、「住宅を購入するとしたら、何を優先するか」を聞いたところ、どの年齢層でも、1位が「立地が良い」、2位が「ローンの返済に無理がない」、3位が「新築であること」、4位が「資産価値があること」となった。

図 8 住宅を購入するとしたら、何を優先しますか。

出典:パナソニック ホームズ「住まいに対する意向調査」

ただし、他の年齢層と違い、Z世代で目立つのが、「新築であること」の比率の高さだ。2位の「ローンの返済に無理がない」(24.9%)とほぼ同等に「新築であること」(24.2%)を選んでいるのだ。

Z世代などの若年層は「新築」住宅がお好き?

実は、同時期に公表された、リクルートの「住宅購入・建築検討者」調査 (2022年)でも、似たような傾向が見られた。リクルートの調査は、過去1年以内に住宅の購入・建築やリフォームを検討した20歳から69歳の男女を対象にしている。独身に限っていないこと、より住宅への関心が高い層であるといった違いがあることを前提としてほしい。

こちらの調査では、ストレートに新築が良いか中古が良いかを聞いている。その結果、新築派が全体で68%になっているが、20代で見ると「ぜったい新築」が35%と新築への意向が他の年齢層より高いことが分かる。

新築・中古意向

出典:リクルート「住宅購入・建築検討者」調査 (2022年)

どちらの調査結果を見ても、若年層ほど「新築派」が多数を占めている。理由が確認できないのでよく分からないが、かつては若年層ほど新築へのこだわりが弱く、古着文化などに見られる中古を上手に活用するといった傾向が見られたのだが、今はそうではないことがはっきりした結果だ。

Z世代などの若年層は「近さ」よりも「広さ」を選ぶ?

さて、パナソニック ホームズの調査結果に戻ろう。「住宅を購入しようとして、費用が足りなかったら」という質問で選んだ選択肢も年齢層によって違いが見られた。年齢が高くなるほど、購入をあきらめて賃貸にすることを選ぶ比率が高くなる。一方、Z世代で顕著なのが「遠くにしても良い」という選択だ。他の年齢層では、「狭くしても良い」のほうが「遠くにしても良い」を上回っているが、Z世代だけは狭さよりも遠くを選んでいるのが大きな特徴だ。

図 9 住宅を購入しようとして、費用が足りなかったらどうしますか。

出典:パナソニック ホームズ「住まいに対する意向調査」

この傾向は、リクルートの調査結果でも見られる。こちらはストレートに、広さか駅からの距離かを聞いているが、若い年齢層ほど、駅からの距離派が減って、広さを優先する傾向が強くうかがえる。

広さ・駅からの距離の意向

出典:リクルート「住宅購入・建築検討者」調査 (2022年)

パナソニック ホームズでは、Z世代が、費用が不足していれば遠くても狭くても良いので、新築の一戸建てを購入したいという傾向がうかがえることから、「自分の時間やプライベートを大切にするとされるZ世代は、心地よく快適に過ごせて、共同住宅と比べて比較的近隣に気を使わなくて良い空間を新築一戸建てに求めているのかも知れない」と分析している。

一方、リクルートのSUUMO副編集長の笠松美香さんは「Z世代は、親元で暮らしている人も多く、自分で住まい探しを経験した人は他の世代に比べて少ないと推察されます。どうしても住まいのイメージが実家や友人・親戚の家などの生活感あふれるタイプと、メディアやSNSで見かけるピカピカでおしゃれなものと両極端なイメージになっているのではないでしょうか。だとすると、『新築じゃない家はキレイじゃない』と思いこんでしまっている人も多いのではないかと思いました。中古物件もリフォームすれば新築のような見た目になることを、住まい探しの経験を積んでいくほど認知していくので、年齢が上がっていくことで、中古でもキレイにできるし安い、といったようにコストと天秤にかけて許容していく層が増えていくのではないでしょうか。住まいは一生必要なものだけに、個人の住まい観も、一生アップデートされていくものだと思います」などと考察していただけるとうれしい。

パナソニック ホームズの調査対象である、独身のZ世代(15~25歳)はまだ具体的に住宅の購入を検討している人は少ないと思うが、リクルートが調査した20代でも似たような傾向が見られた。ということは、これから先に住宅購入を検討する世代では、新築志向、広さ志向が強いということは考慮すべき点だ。

一方、これまでは中古住宅をリノベーションして再販する事業者が少なかったが、取り組みを強化する事業者が増えている。新築ではないが、リノベーションによって新築並みの中古一戸建てが増えれば、若年層の有効な選択肢になるのではないだろうか。

●関連サイト
パナソニック ホームズ「住まいに対する意向調査」
リクルート「『住宅購入・建築検討者』調査(2022年)」

家を建てるなら知るべき8年後のリスク。ZEH基準未満の住宅は市場価値が下がる!?

2020年10月に菅前首相が宣言した「2050年までに脱炭素社会の実現」。でも、あと約30年あるなあ、なんてぼんやり思っている場合ではなかった。この宣言を受け、国はまるでせきを切ったかのように一気に動き出したのだ。それに伴い、私たちの住宅環境がこの10年で激変するかもしれない。脱炭素化社会実現に向けて具体的な施策を話し合う「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対象等のあり方検討会」はじめ、政府の政策動向に詳しい自然エネルギー財団の西田裕子さんに、今後の住宅に関する施策のポイントと、家の買い方やリフォーム等の注意点を伺った。

あと8年後にはZEH基準が最低の省エネ基準になる

2021年10月に第6次エネルギー基本計画が閣議決定された。当然、2050年までに脱炭素社会の実現に向けた計画なのだが、電気自動車の普及促進くらいでは全く足りなかった。その内容はもう明日明後日の私たちの考え方を大きく変えなければならないような方針がびっしりと詰まっていたのだ。

「例えば2050年までにゼロカーボンにするために2030年、つまりあと8年で2013年度から46%削減する目標が掲げられました。この46%削減目標は2021年10月31日~11月13日に開催されたCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)に向け、国連に日本の目標として提出されています」と西田さん。

(写真/PIXTA)

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あと8年で約半減。岸田首相も宣言時に2030年までを「勝負の10年」と言ったとおり、「これまでの削減方法の積み上げでは難しい数値」だと西田さんはいう。そこで「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」では、具体的な施策が話し合われた。

まず決められたのが2050年と2030年それぞれで目指すべき姿だ。私たちの住む家を含む「住宅・建築物」では下記のような目標が掲げられている。

※1/ZEHとは使うエネルギーを減らして、太陽光発電等でエネルギーをつくり、1年間で消費する一次エネルギー量をおおむねゼロ以下にする住宅のこと。ZEBはこのビル版 ※2/ストック平均で住宅については一次エネルギー消費量を省エネ基準から20%程度削減、建築物については用途に応じて30%または40%程度削減されている状態 ※3/住宅・強化外皮基準および再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を現行の省エネ基準から20%削減。建物も同様に用途に応じて30%削減または40%削減(小規模は20%削減)

※1/ZEHとは使うエネルギーを減らして、太陽光発電等でエネルギーをつくり、1年間で消費する一次エネルギー量をおおむねゼロ以下にする住宅のこと。ZEBはこのビル版
※2/ストック平均で住宅については一次エネルギー消費量を省エネ基準から20%程度削減、建築物については用途に応じて30%または40%程度削減されている状態
※3/住宅・強化外皮基準および再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を現行の省エネ基準から20%削減。建物も同様に用途に応じて30%削減または40%削減(小規模は20%削減)

「2050年にはストック、つまり既存の建物全てを平均するとZEH基準になるということです。平均ですからZEH基準に満たないものも少しはあるでしょうが、基準以上もあるという状態。これを実現するためにもまず、2030年には新築の住宅全てにZEH基準を義務化しなければなりません」

2020年に現行の省エネ基準でさえ義務化が見送られ、代わりに基準に適合しているかどうか“説明”することが“義務化”された。それと比べて省エネ基準より高いZEH基準があと8年で義務化されるというのは、かなり“今までのツケを払う”感がある。しかし、そうまでしないと「2030年に46%削減」「2050年にゼロ」を達成することは不可能なのだ。いつかはやろうと後回しにしてきた姿勢が、世界中で異常気象を起こしている。もう待ったなしだ、ということだ。

(写真/PIXTA)

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さらに2030年のZEH基準義務化を達成するために、2025年には現行の省エネ基準がついに義務化される。「つまりあと3年で現行の省エネ基準が、あと8年でZEH基準が最低限の基準となるわけです」

一方、再生可能エネルギー(基本的には太陽光発電)は、2030年には新築の6割に導入するという具体的な目標も掲げられた。「2021年10月に第6次エネルギー基本計画が閣議決定されました。これには2030年までに日本の電源構成における再生可能エネルギーの割合を、2019年の18%から36~38%に引き上げる目標が定められています。これを達成するのに、荒廃した農地での太陽光発電利用や洋上風力の導入が間に合うかどうか。制度改革が必要になるなどリードタイムがかかり過ぎるからです。一番可能性があるのは住宅等建築物に太陽光発電を載せることです」

要は8年後には、ZEH基準の断熱・省エネ性を備え、太陽光発電を載せた住宅が“最低基準”になるということなのだ。

(写真/PIXTA)

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8年後を待たず、今すぐZEH基準以上で建てないと資産価値が下がる

だから今ZEH基準以下の住宅を建ててしまうと、8年後の2030年には家の価値が自動的に下がってしまうことになる。何しろ周りはZEH基準以上の住宅ばかりになるのだから。

そうはいっても「急にZEH基準の家を建てろと言われても……」と戸惑う人も多いだろう。それは私たち消費者だけでなく、住宅メーカーや工務店、さらに窓や建材のサプライヤーも同じだ。しかし「2030年にZEH基準が最低基準」と目標が明確になったことは「ZEH基準以下の商品は今後つくっても売りにくくなるということです」。そのためZEH基準以上の商品マーケットが活性化するだろうと西田さんは指摘する。

「例えばZEH基準以上の断熱に必要な高断熱窓はすでに販売されています。ただ現状はZEH基準以下でも家を建てることができるため、マーケットとしては小さく、そのため価格も思うように下がりませんでした。しかしこれからはZEH基準に満たない住宅に使われる性能の窓をつくっても売れないわけですから、ZEH基準以上の住宅に合った高断熱窓が多く生産されることになります。既に高断熱窓は生産量の増加に伴い、価格が下がってきていますから、さらに量産効果による価格低下が期待できます」

(写真/PIXTA)

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太陽光発電についても、先述の通り2030年には新築の6割に搭載される目標だ。FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)による売電価格が下がって、太陽光発電の設置をためらう人もいるだろうが、太陽光発電システムの価格も10年前に比べてかなり安くなってきている。発電した電力を自宅で使って光熱費を抑えたり、安いとはいえ売電して収入を得ることで初期費用は今なら約10年で回収可能だという。もちろんその先はプラスになるだけだ。さらに災害時にも活用できる可能性もある。何より周囲に太陽光発電が搭載された住宅が建つようになれば、備えていない家の価値が目減りしてしまう。

「設備が今後さらに安くなることを見越して、今はまだ搭載しないでおくにしても、将来的にどこに搭載するか検討しておいて、屋根のスペースを空けておいたり、配線等を家に引き込む準備だけでもしておいたほうがいいでしょう」

脱炭素社会に向けて、既に地域格差が生まれている

一方で、国のこうした施策より先に住宅の省エネ化を進めてきた自治体もある。例えば既に京都府京都市や鳥取県は、現状の省エネ基準より高い独自の基準を設け、脱炭素社会に向けた住宅の推進を図っている。東京都もその一つだ。

東京都では2019年から現在の省エネ基準より高い断熱・省エネ性能の基準を設け、クリアした住宅を「東京ゼロエミ住宅」と認定する「東京ゼロエミ住宅新築等助成事業」を開始。「それをさらに強化する方向で動いています。東京都の考え方としては、簡単にいえば国より早くZEH基準以上の住宅を普及させようというものです」

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

さらに、年間2万平米以上供給するような住宅メーカー等に、ZEH基準以上の住宅を一定割合建てることを義務化する検討も始まった。先日、小池知事が「新築住宅へ太陽光発電の設置を義務化することを検討」と発言したことはニュースにもなった。

太陽光発電については、東京都のように住宅密集地の場合、発電効率の劣る住宅もあるから義務化は難しいのではないかと西田さんに尋ねると「義務化されるのは住宅メーカー等、建てる側に対してです。ですから、ある住宅は2kWhの小さな太陽光発電だけど、別の住宅では8kWhとか、その住宅メーカーが手掛ける住宅のトータルで何kWh以上というように義務化されるでしょう」

このように自治体によって既に温度差がある。今後は脱炭素住宅が建てやすい・建てにくいという「自治体格差」がより見えやすくなりそうだ。脱炭素化に向けて積極的な自治体ほど、補助金制度等が充実していく。何しろあと8年でZEH基準が最低基準になる。住んでいる自治体はどう考えているのか、近隣はどうか、今のうちに確認しておくことが必要だ。

既存住宅や賃貸住宅でもZEH化が必須になりそう

以上はこれから新築住宅を建てることを検討している人に向けた心構えだが、とはいえ既存住宅や賃貸住宅で暮らす人が無関係でいられるはずはない。

国土交通省が試算した「住宅・建築物の新築・ストックの省エネ性能別構成割合(~2050)」を見てみよう。

BEIとは一次エネルギー消費量のこと。簡単にいえば数値が小さいほど断熱性能が高い。2030年に新築に義務化される「ZEH基準以上」とは、BEIの数値でいえば0.8以下、ということになる

BEIとは一次エネルギー消費量のこと。簡単にいえば数値が小さいほど断熱性能が高い。2030年に新築に義務化される「ZEH基準以上」とは、BEIの数値でいえば0.8以下、ということになる

ご覧のように図1の新築戸建のグラフは目標通りにいくと仮定して2030年以降は全てがZEH基準以上となっている。その一方で図2のストック、つまり既存住宅のほうは2050年でも約40%しか達成していない。

「現在は、新築に関する政策は固まってきましたが、既存住宅に関してはこれからという状況。既存住宅は基準に適合しないから壊すということはできませんから、改修リフォームの誘導施策や省エネ性能表示の義務化など、やらなければならないことがたくさんあります。それは今後の課題です」

何しろここまで見てきたように、今年に入って急にあれこれが決まってきている状況。既存住宅への対応が後回しになったのは致し方ないというべきか。しかし既存住宅についても避けて通れない問題だけに、今後新築同様に矢継ぎ早に施策が決まっていく可能性はある。実際、新築・リフォームとも省エネに対する多額の補助予算が決定しています。

少なくともZEH基準以上の住宅が増えるほど、そうではない既存住宅の価値は下がる。それにZEH基準以上ということは、断熱性能がとても高いため結露は発生しないし、ヒートショックの心配もほとんどないなど健康にも良く、光熱費も削減できるので住む人にとってはメリットが多い。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

「その家の事情に合ったリフォーム方法を提案してくれる省エネコンサルタントなどがもっと重要になってくるでしょう。それだけのマーケット規模があるのですから。例えば積水ハウスは、自社で建てた住宅のリフォームで、子どもが巣立って2階はあまり使わないという施主に対し、1階部分のみZEH基準の改修を行うというような改修提案も始めています。内側に高断熱窓を備えるといった応急措置から根本的な改修まで、今何をしたらいいか省エネのコンサルティングをできるような人が、今後は求められると思います」

賃貸住宅についても、現在検討されている省エネ性能表示が義務化されれば、どの賃貸住宅が快適か一目でわかるようになる。もう「家を買えば快適だけど、賃貸だから我慢」という時代ではないのだから、賃貸住宅でもZEH基準以上が入居者から求められるようになるだろう。賃貸住宅のオーナーからしても、ZEH基準に達していないと賃料の値引きの材料にされやすくなる。それでは賃料収入が先細るばかりだ。

振り返れば「2050年までに脱炭素社会の実現」宣言が号砲となり、あっという間にあれこれ決まってきた住宅にまつわるさまざまな施策。西田さんは「世界的な動きに対して遅かったが、それでもギリギリ間に合うタイミング」だという。30年後だから子どもたちの問題だなと思っていたら、実は自分に突きつけられていた課題。唐突ではなく、今までは霧が多くてよく見えなかっただけのようだ。

●関連情報
経済産業省「第6次エネルギー基本計画が閣議決定されました」

●取材協力
シニアマネージャー(気候変動)西田 裕子さん
シニアマネージャー(気候変動)
西田 裕子さん
専門は、都市再開発や再開発についての調査研究、都市のサスティナブルデベロップメント(環境建築/都市づくり)関連の政策。2017年まで、東京都において気候変動、ヒートアイランド対策の政策立案および国際環境協力を担当。世界の大都市ネットワークであるC40と連携して、都市の建築の省エネルギー施策集「Urban Efficiency」を取りまとめるなど、世界の都市をサポートする活動をしてきた。早稲田大学政治経済学部卒、ハーバード大学ケネディ行政大学院卒、行政学修士。
自然エネルギー財団では、中長期戦略の策定、建築部門のエネルギー転換とともに、自治体やビジネスセクターなど非政府アクターの気候変動対策を支援する

「品川駅」まで60分以内、新築&中古一戸建ての価格相場が安い駅ランキング 2021年版

一戸建て住宅を購入する際、暮らしやすさを左右する周辺環境は気になるところ。また、通勤時やおでかけにあたって交通の便がよい立地かどうかも選ぶ決め手の一つだろう。とはいえ職場がある都心周辺だと物件の価格帯が高いし、テレワークが普及した今、職場への近さばかりでなく落ち着いて住める住環境も重視したい……。そんな人に向け、今回は「品川駅まで60分以内」のエリアに絞って一戸建て住宅の価格相場を調査してみた。さまざまなオフィスが集まる品川駅は、山手線をはじめとするJR各線に加え京浜急行本線、東海道新幹線が通り、さらに将来的にはリニア中央新幹線の開業も予定されている。そんな品川駅までアクセスしやすく、さらにリーズナブルに住める街はどこなのか? 新築&中古それぞれの一戸建て住宅の価格相場が安い駅トップ10を一挙ご紹介!
●品川駅まで60分以内の価格相場が安い駅

【新築一戸建て編】TOP11駅
順位/駅名/価格相場/土地面積中央値/建物面積中央値
(主な路線/所在地/品川駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 北小金 3140万円 土地108.92平米 建物96.67平米
(JR常磐線/千葉県松戸市/48分/1回)
2位 相模大塚 3285万円 土地70.66平米 建物104.83平米
(相鉄本線/神奈川県大和市/50分/2回)
3位 北柏 3290万円 土地114.98平米 建物100.60平米
(JR常磐線/千葉県柏市/51分/1回)
3位 天王台 3290万円 土地130.05平米 建物106.66平米
(JR常磐線/千葉県我孫子市/53分/0回)
5位 上尾 3380万円 土地105.34平米 建物90.67平米
(JR高崎線/埼玉県上尾市/54分/0回)
5位 新田 3380万円 土地95.54平米 建物102.22平米
(東武伊勢崎線/埼玉県草加市/49分/2回)
7位 薬園台 3399万円 土地110.15平米 建物104.33平米
(新京成電鉄/千葉県船橋市/52分/1回)
8位 さがみ野 3480万円 土地84.67平米 建物99.36平米
(相鉄本線/神奈川県海老名市/51分/2回)
8位 新井宿 3480万円 土地100.05平米 建物90.99平米
(埼玉高速鉄道/埼玉県川口市/54分/1回)
8位 追浜 3480万円 土地87.63平米 建物96.45平米
(京浜急行本線/神奈川県横須賀市/45分/1回)
8位 飯山満 3480万円 土地110.00平米 建物103.58平米
(東葉高速鉄道/千葉県船橋市/50分/2回)

【中古一戸建て編】TOP11駅
順位/駅名/価格相場/土地面積中央値/建物面積中央値
(主な路線/所在地/品川駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 みずほ台 3390万円 土地103.69平米 建物98.27平米
(東武東上線/埼玉県富士見市/55分/2回)
2位 南太田 3400万円 土地61.44平米 建物93.97平米
(京浜急行本線/神奈川県横浜市南区/34分/1回)
3位 踊場 3490万円 土地104.00平米 建物95.71平米
(横浜市営地下鉄ブルーライン/神奈川県横浜市泉区/37分/1回)
4位 西大宮 3590万円 土地121.23平米 建物100.92平米
(JR川越線/埼玉県さいたま市西区/58分/1回)
5位 上星川 3680万円 土地107.14平米 建物98.54平米
(相鉄本線/神奈川県横浜市保土ケ谷区/35分/2回)
6位 竹ノ塚 3898万円 土地88.29平米 建物85.91平米
(東武伊勢崎線/東京都足立区/41分/2回)
7位 北綾瀬 3930万円 土地67.91平米 建物89.41平米
(東京メトロ千代田線/東京都足立区/41分/1回)
8位 京成立石 3980万円 土地63.82平米 建物79.90平米
(京成押上線/東京都葛飾区/37分/0回)
8位 希望ヶ丘 3980万円 土地107.09平米 建物96.39平米
(相鉄本線/神奈川県横浜市旭区/42分/1回)
8位 弘明寺 3980万円 土地66.83平米 建物96.05平米
(横浜市営地下鉄ブルーライン/神奈川県横浜市南区/40分/1回)
8位 鉄道博物館 3980万円 土地95.00平米 建物104.74平米
(埼玉新都市交通伊奈線/埼玉県さいたま市大宮区/55分/1回)

「新築」編は商業施設充実の街から緑豊かな街まで多彩な顔ぶれ

「新築一戸建て」ランキングの1位は、千葉県松戸市に位置するJR常磐線各駅停車・北小金駅で価格相場は3140万円。4駅先の松戸駅でJR上野東京ライン直通のJR常磐線快速に乗り換えると、品川駅まで乗り換え1回・計約48分で行ける。北小金駅周辺は水戸街道の宿場町・小金宿として江戸時代から栄え、一帯には歴史ある建物も残されている。駅から北へ10分ほど歩くとアジサイの美しさで知られる「本土寺」が、そして南へ7分ほど歩いた小学校の裏手には樹齢約320年と言われるしだれ桜が迎える「東漸寺(とうぜんじ)」がたたずんでおり、どちらの古刹も紅葉が見事なことでも評判だ。

本土寺(写真/PIXTA)

本土寺(写真/PIXTA)

北小金駅南口側にはペデストリアンデッキ(高架歩道)が整備され、複合商業ビル「ピコティ北小金」の西館・東館に直結。西館には保育所や飲食店があり、東館はスーパーの「イオン北小金店」を核として日用品に服飾品、100円ショップやスポーツクラブなど多彩な店舗をそろえている。駅北口前にもスーパーがあるほか、「本土寺」へ向かう参道沿いに米や酒の個人商店や飲食店も点在。また、駅の半径約500m圏内に小学校が3軒あるのも特徴的。それだけ子育て世代が住む街なのだろう。北小金駅を通るJR常磐線各駅停車は終点の北千住駅から先は東京メトロ千代田線に直通運転されており、大手町駅や赤坂駅、表参道駅などへ乗り換えせずに行ける点も魅力だ。

2位は神奈川県大和市に位置する相鉄本線・相模大塚駅で、価格相場は3285万円。1駅隣の大和駅で特急に乗り換えて横浜駅に行き、さらにJR東海道本線に乗ると品川駅まで乗り換え2回・計約50分。所要時間が多少は増えるものの、相模大塚駅から相鉄本線の急行で直に横浜駅へ向かい、そこからJR東海道本線を利用する乗り換え1回のルートでも品川駅まで1時間以内にアクセスできる。また、隣接する大和駅には新宿方面へ向かう小田急線も通っており、大和駅経由で乗り換え1回、1時間前後で新宿駅に行くことも可能だ。

さがみ野駅(写真/PIXTA)

さがみ野駅(写真/PIXTA)

相模大塚駅から大和駅とは反対方面に1駅行くと8位・さがみ野駅がある。価格相場から予想されるように、さがみ野駅には駅ビルもあり相模大塚駅よりも買い物環境は整っているようにも思える。しかし相模大塚駅も徒歩5分圏内にドラッグストアとスーパーがあるので、日常の買い物には困らない。もう少し歩くとJAの直売所もあり、新鮮な野菜を手に入れることもできる。駅から北に10分ほど歩くと「泉の森」へ。引地川源流域の大和水源地を中心にした広大な森には多彩な植物や野鳥が息づき、園内にはキャンプ場や郷土民家園も。この「泉の森」から引地川沿いに南下すると、滝が流れる親水広場や花木園を備えた公園「ふれあいの森」が広がっている。自然を身近に感じながらのびのびと暮らせる魅力的な環境と言えるだろう。ただ、駅の北側にはこうした広大な森があり、そして駅の南側は米軍基地が大きな面積を占めているため、駅近辺の住宅地は限られている。

上尾駅東口の風景(写真/PIXTA)

上尾駅東口の風景(写真/PIXTA)

1位は千葉県、2位は神奈川県の駅だったが、トップ10には埼玉県の駅もランクイン。価格相場が3380万円で5位になったJR高崎線・上尾駅は埼玉県上尾市の中心地で、駅からまっすぐ伸びる通りを8分ほど歩いた場所には市役所も。品川駅に行くには、JR上野東京ライン直通のJR高崎線に乗ると約54分で到着する。また、JR高崎線は新宿方面に向かうJR湘南新宿ラインとの直通運転もされており、上尾駅から新宿駅まで乗り換えることなく約45分で行くことも可能だ。

上尾駅の周辺は商業施設が充実している。100円ショップと飲食店が入った駅ビル「イーサイト上尾」があるほか、駅東口のペデストリアンデッキはスーパーやドラッグストアなどの店舗と公共施設・住宅の複合ビル「A-Geo タウン」や、「丸広百貨店 上尾店」に直結。駅西口側にはイトーヨーカドーを核とするショッピングモール「ショーサンプラザ」や総合病院もあるなど、日常生活に必要なものは駅周辺に備わっている。駅を中心にした商業エリアを越えると、一戸建てや集合住宅の合間に学校や幼稚園が点在する住宅街。そして住宅街を越えた駅から車で10分圏内には、プールや釣り堀を備えた「さいたま水上公園」や、ショッピングモールの「イオンモール上尾」と「アリオ上尾」、ホームセンター、家電量販店までそろう便利な環境だ。

「中古」編は品川駅まで40分前後の駅も多数ランクイン

「中古一戸建て」ランキングの1位は、埼玉県富士見市に位置する東武東上線・みずほ台駅。価格相場は3390万円で、「新築一戸建て」編の1位よりも250万円高かった。東武東上線の池袋駅を経由して、JR埼京線とJR山手線を乗り継ぐと品川駅までは約55分。池袋駅までは東武東上線の準急に乗って約26分で行くことができる。みずほ台駅は東口にも西口にもスーパーが入った駅ビルがあるうえ、駅周辺にもスーパーが複数。そして東口の駅ビルにはファストフード店やカフェ、西口の駅ビルには100円ショップが入っており、駅前には飲食店もあるので、コンパクトな範囲で買い物も食事も楽しめる。そんな駅前からしばらく歩くと住宅街へ。高層の建物はあまりなく、農地も点在する落ち着いた街並みだ。住宅の合間には複数の小中学校や幼稚園、保育園、学習塾もあるので、子育て世代のファミリーが多く住んでいるようだ。

常照寺(写真/PIXTA)

常照寺(写真/PIXTA)

2位は神奈川県横浜市南区の京浜急行本線・南太田駅で、価格相場は3400万円。京浜急行本線で横浜駅までは4駅・約8分、そこからJR東海道本線に乗り換える。すると品川駅までの所要時間はトップ10で最短の約34分だ。南太田駅の北側には「太田の鬼子母神さま」と呼ばれる「常照寺」の境内が広がっている。ここの鬼子母神像は8代将軍徳川吉宗のころには大奥に祀られていたものだそうで、現在その本尊を祀る大本堂の見事な造りも見ものだ。駅西側には市立横浜商業高校と県立横浜青陵高校があり、駅から北東へ歩いて3分ほどの「ドンドン商店街」で例年の夏に開催される縁日では、両高校の生徒も手伝いとしてひと役買っているのだそう。この商店街に青果店や精肉店、手づくりおむすび店や飲食店が並んでいるほか、駅南側にもスーパーやドラッグストア、飲食店がある。また、駅前を通る県道218号・平戸桜木道路を東へ進むと、自転車なら15分ほどで横浜のみなとみらいエリアへ。見どころ豊富な人気エリアまで気軽に行ける立地も魅力だ。

トップ10を見てみると埼玉県または神奈川県の駅が大半を占めていたが、東京都の駅も3駅ランクインしている。その一つ、東京都葛飾区に位置する8位の京成押上線・京成立石駅は品川駅まで乗り換えせずに、約37分で行くことができる。品川駅に京成押上線は通っていないが、京成立石駅を出た京成押上線は4駅先の押上駅で都営浅草線に、さらにそこから13駅先の泉岳寺駅で京成急行本線に、それぞれ直通運転されているため乗り換え不要というわけだ。道中の都営浅草線区間内にある浅草駅や日本橋駅、新橋駅へも1本で行くことが可能だ。そんな京成立石駅周辺にはかつて多くの町工場があり、そこで働く人に向けた居酒屋や食堂が密集していた。現在も駅前の立石仲見世通りの商店街では、昭和レトロな風情を漂わせる飲食店が営業中だ。商店街には手づくりの餃子や揚げ物など、それぞれに個性豊かな品を扱う総菜店も点在し、日々の食事の支度をサポートしてくれる。

立石仲見世(写真/PIXTA)

立石仲見世(写真/PIXTA)

こうしたどこか懐かしさ漂うこの街も、変化の時を迎えている。京成立石駅を中心にした四ツ木駅~青砥駅間では2023年3月の完成を目指して連続立体交差事業が進行中で、工事にともなって飲み屋街の一部店舗は閉店に。しかし駅の高架化により高架下空間が有効活用できるほか、11カ所の踏切がなくなることで線路が分断していた市街地が一体化する効果も見込まれている。さらに駅の北口と南口、両方の再開発にも着手。北口には駅前広場が整備され、広場の西側には住宅と商業施設からなる35階建ての複合ビル、東側には公共・公益施設や商業施設が入る13階建てのビルが2028年度内に誕生予定だ。さらに南口には地上125mにおよぶ住宅・商業施設の複合ビルが2024年度に竣工予定だそう。今後の数年間で世帯数がぐっと増え、街の活気も高まっていくだろう。

●調査概要
【調査対象駅】品川駅まで電車で60分圏内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数40年未満、敷地権利は所有権のみ
■新築戸建て:新築物件(築1年以上の未入居物件を含む)
■中古戸建て:築15年以内
【データ抽出期間】2021/2~2021/4
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2021年5月31日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

梅田駅まで60分以内、新築・中古の一戸建て価格相場が安い駅ランキング 2021年版

2021年3月、リクルート住まいカンパニーより発表された「SUUMO住みたい街ランキング2021 関西版」で「住みたい街」2位に輝いた大阪府・梅田駅。1位になった西宮北口駅と共に、1位・2位はなんと2013年より9年連続で同じ街が選出される結果となった。不動のツートップの一翼を担う梅田は、関西圏屈指の都市として発展してきた。駅周辺は商業施設やオフィスビルが林立し、住みたい街としても支持されてはいるものの、都市計画的に多くは商業地域に設定されており、一部、マンションとなっている以外は、宅地として利用されているスペースはかなり限られている。地価や物件価格の高さも考えても、新たに一戸建てを構えるのはなかなか難しいだろう。そこで今回は人気の街・梅田から電車で60分圏内にある、一戸建ての価格相場が安い駅を調べてみた。築1年未満の「新築編」と築1年以上~築15年未満の「中古編」、それぞれの価格相場が安い駅トップ10をご紹介しよう。●梅田駅まで60分以内の価格相場が安い駅TOP10
【新築一戸建て編】
順位/駅名/価格相場/土地面積中央値/建物面積中央値
(沿線/所在地/梅田駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 富田林(とんだばやし) 2290万円 102.71平米 94.39平米
(近鉄長野線/大阪府富田林市/49分/2回)
2位 千代田(ちよだ) 2380万円 112.86平米 99.78平米
(南海高野線/大阪府河内長野市/51分/2回)
2位 滝谷(たきだに) 2380万円 108.28平米 100.72平米
(南海高野線/大阪府富田林市/49分/2回)
2位 法隆寺(ほうりゅうじ) 2380万円 115.60平米 97.20平米
(JR関西本線/奈良県斑鳩町/44分/1回)
5位 高鷲(たかわし) 2480万円 114.68平米 95.58平米
(近鉄南大阪線/大阪府羽曳野市/35分/2回)
5位 平群(へぐり) 2480万円 130.17平米 102.06平米
(近鉄生駒線/奈良県平群町/52分/2回)
7位 北信太(きたしのだ) 2490万円 104.76平米 93.45平米
(JR阪和線/大阪府和泉市/45分/2回)
8位 恵我ノ荘(えがのしょう) 2570万円 112.17平米 97.60平米
(近鉄南大阪線/大阪府羽曳野市/33分/2回)
9位 萩原天神(はぎはらてんじん) 2580万円 87.78平米 90.66平米
(南海高野線/大阪府堺市東区/44分/2回)
10位 額田(ぬかた) 2585万円 135.76平米 98.96平米
(近鉄奈良線/大阪府東大阪市/41分/2回)

【中古一戸建て編】
順位/駅名/価格相場/土地面積中央値/建物面積中央値
(沿線/所在地/梅田駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 高安(たかやす) 2465万円 81.91平米 90.18平米
(近鉄大阪線/大阪府八尾市/37分/2回)
2位 恩智(おんぢ) 2500万円 89.11平米 87.88平米
(近鉄大阪線/大阪府八尾市/40分/2回)
3位 忍ケ丘(しのぶがおか) 2580万円 100.92平米 99.48平米
(JR片町線/大阪府四條畷市/32分/1回)
4位 若江岩田(わかえいわた) 2635万円 83.46平米 92.54平米
(近鉄奈良線/大阪府東大阪市/36分/1回)
5位 弥刀(みと) 2680万円 75.87平米 99.63平米
(近鉄大阪線/大阪府東大阪市/34分/2回)
6位 瓢箪山(ひょうたんやま) 2840万円 104.36平米 106.94平米
(近鉄奈良線/大阪府東大阪市/36分/2回)
7位 萱島(かやしま) 2850万円 82.99平米 100.19平米
(京阪本線/大阪府寝屋川市/22分/1回)
8位 寝屋川市(ねやがわし) 2880万円 99.70平米 104.08平米
(京阪本線/大阪府寝屋川市/25分/1回)
8位 香里園(こうりえん) 2880万円 91.53平米 100.59平米
(京阪本線/大阪府寝屋川市/28分/1回)
10位 光善寺(こうぜんじ) 2980万円 105.50平米 101.65平米
(京阪本線/大阪府枚方市/32分/1回)
10位 花園町(はなぞのちょう) 2980万円 67.17平米 93.15平米
(大阪メトロ四つ橋線/大阪府大阪市西成区/14分/1回)

「新築編」は大阪と奈良、両方の中心地に出やすい駅も上位に

まずは梅田駅から60分圏内にある、新築一戸建ての価格相場が安い駅から見ていこう。1位は近鉄長野線・富田林駅で価格相場は2290万円。駅周辺にはスーパーや家電量販店、ドラッグストアに100円ショップ、子ども用品店……と多彩な店舗があり、車がなくても買い物しやすそう。また駅から南へ徒歩10分ほどの富田林寺内町には、江戸中期から昭和初期に建築された商家や町家が残されている。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された街を歩くと、タイムスリップしたかのようだ。古い蔵や家屋を利用したショップや飲食店もあり、休日に訪れるのも楽しそう。寺内町を抜けた先には、河川敷が公園として整備された石川が流れている。暮らしに便利な商業施設と、日常の気分転換になる歴史・自然スポットの両方を兼ね備えている。

富田林寺内町の町並み(写真/PIXTA)

富田林寺内町の町並み(写真/PIXTA)

2位には価格相場が同額の2380万円となった3駅がランクイン。南海高野線で隣接する千代田駅と滝谷駅、そしてJR関西本線・法隆寺駅だ。そのうちの一つ、南海高野線・千代田駅は、駅が位置する大阪府河内長野市内でもいち早く宅地開発が進んだという住宅地。街並みを見ると大型マンションよりも一戸建て住宅のほうが多い様子。駅前には2軒のスーパーが点在するほか、駅の東西に延びる「千代田あいあい通り」の周辺には銀行、郵便局、青果店や文房具店などの個人商店からコンビニ、多彩な飲食店までさまざまに建ち並んでいる。この通りを西へ進んでいくと、「寺ヶ池公園」に到着。広々とした池を中心に美しく整備された園内には、滑り台などの遊具がある広場や、季節の花が彩る散策路、夏にオープンするプールもあり、地域の憩いの場となっている。

千代田駅と同じく2位になったJR関西本線・法隆寺駅は、駅名から推察されるように奈良県に位置している。駅から「法隆寺」の玄関口・南大門までは歩いて20分ほど。南大門の先は金堂や五重塔、夢殿をはじめとした貴重な建造物群や文化財の宝庫。世界文化遺産に指定された古刹を身近に感じて暮らせるとは、なかなか贅沢な街と言える。駅周辺には観光客にも利用される飲食店やショップがあるほか、スーパーやドラッグストア、JAの農産物直売所といった暮らしに根差した商店も。梅田駅までは乗り換え1回・約44分だが、同じく大阪を代表する駅である天王寺駅まではJR関西本線の区間快速で2駅・約23分。また、天王寺とは逆方面に向かうJR関西本線の快速に乗れば、奈良駅までは2駅・約11分で行くことが可能。大阪と奈良、両方のベッドタウンの役割を担える街と言えるだろう。

法隆寺(写真/PIXTA)

法隆寺(写真/PIXTA)

「中古編」は梅田駅の北東方面、京阪本線沿線に注目!

続いては中古一戸建ての価格相場が安い駅をチェック。1位は近鉄大阪線・高安駅で価格相場は2465万円。例年この駅併設の車庫を会場に、新型車両の展示などを行う「きんてつ鉄道まつり」が開催されることでも鉄道ファンには知られた駅だ。駅を出て西へ2分ほど歩くと、南北に流れる玉串川が見えてくる。この川沿い5kmほどにわたって約1000本のソメイヨシノが植栽されており、春の開花期は見事な景観に。川のほとりに点在する「あずまや」や公園とあわせて、地元住民の憩いの場となっている。駅から玉串川、さらにその先の中学校へと向かう通り一帯は商店街。食料品店や飲食店、クリニックなどが点在し、JAの農産物直売所では採れたての野菜や果物が手に入るのもうれしいところだ。

玉串川の桜(写真/PIXTA)

玉串川の桜(写真/PIXTA)

高安駅から近鉄大阪線で南に1駅、3分ほど乗車すると2位の恩智駅へ。玉串川沿いの桜並木は恩智駅前まで続いており、高安駅前から桜並木の下を15分ほど歩くと恩智駅前にたどり着く。1位と2位の駅はさほど離れていないこともあり、恩智駅の価格相場は1位から微増の2500万円だ。高架化された恩智駅の1階部分にはスーパーが入っているほか、駅前には書店や飲食店が並ぶアーケード商店街も。また、駅から徒歩約10分の場所には、2019年にオープンしたショッピングモール「アクロスプラザ八尾店」がある。スーパーに家電量販店、焼き肉や回転ずしなどの飲食店、さらに100円ショップや「ユニクロ」など21施設が営業中。ここなら日常生活に必要なものがまとめ買いできるだろう。

3位はJR片町線・忍ケ丘駅で価格相場は2580万円。大阪府四条畷(しじょうなわて)市内で唯一の駅(お隣の四条畷駅は大東市)で、徒歩10分少々の場所にある市役所の最寄駅でもある。駅名の由来になったのは、駅から西へ10分弱歩くとたどり着く「忍岡古墳」。墳丘上に神社が鎮座しており、竪穴式石室を見学することもできる。そんな歴史ある土地も、現在は落ち着いた住宅地。駅周辺にはさまざまな飲食店や複数のスーパーが点在し、住民の多さをうかがわせる。さらに駅から西へ徒歩なら20分少々、バスに乗れば約10分で「イオンモール四条畷」へ。スーパー、家電量販店から服飾・雑貨店や飲食店、さらには映画館まであり、日々の買い物に、休日の家族のおでかけ先に、と地域住民に活用されている。

中古一戸建てランキングは7位の萱島駅、同額8位の寝屋川市駅と香里園駅、10位の光善寺駅にも注目したい。この4つの駅はいずれも京阪本線の沿線で、萱島駅(7位)~寝屋川市駅(8位)~香里園駅(同額8位)~光善寺駅(10位)の順に連続している。電車ならそれぞれの駅より京阪本線で淀屋橋駅へ行き、大阪メトロ御堂筋線に乗り換える。すると乗り換え1回で梅田駅に行くことができる。

4駅のうち最も梅田駅寄りで、最も価格相場が安かった7位・萱島駅は、寝屋川の川面をまたぐような造りの高架駅となっており、ホームと屋根を突き抜けてクスノキの大木が茂る不思議な光景を目にできる。このクスノキは駅前にある萱島神社のご神木で、推定樹齢は700年。駅拡張時もご神木を切り倒さなくて済むように、クスノキを避けて囲うような構造のホームにしたのだそう。寝屋川をはさんで駅の西と東にはそれぞれ商店街やスーパーがあり、地域住民の暮らしを支えている。駅から東へ25分ほど歩くと3位・忍ケ丘駅からも行ける「イオンモール四条畷」に到着する。萱島駅と忍ケ丘駅は路線こそ違うものの、直線距離だと3.5kmほどしか離れていない。

萱島駅(写真/PIXTA)

萱島駅(写真/PIXTA)

駅の位置関係を見てみると、光善寺駅(10位)から見て南に香里園駅(8位)~寝屋川市駅(同額8位)~萱島駅(7位)と並んでおり、萱島駅の東方に忍ケ丘駅(3位)がある。「L」の字形に点在するこの5駅はいずれも梅田駅の北東方面に位置し、梅田駅まで乗り換え1回、約22分~32分という好ロケーション。梅田駅への利便性重視でしかも安く中古一戸建てを探す際は、まずこの5駅があるエリアに狙いを定めてもよいかもしれない。

今回は梅田駅を基点にして一戸建ての価格相場が安い駅を調査したが、新築と中古ではトップ10の顔ぶれがまったく違う結果となった。「中古編」のランキングで注目した忍ケ丘駅(3位)、萱島駅(7位)、寝屋川市駅と香里園駅(同額8位)、光善寺駅(10位)の5駅も、「新築編」のランキングではトップ10圏外。光善寺駅の20位が最高位であり、「中古編」3位の忍ケ丘駅にいたっては新築編では63位にとどまっている。ひと口に「一戸建て」と言っても、新築か中古かで価格相場がお得な街は変わってくるようだ。

●調査概要
【調査対象駅】梅田駅まで電車で60分圏内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、敷地権利は所有権のみ
■新築戸建て:新築物件(築1年以上の未入居物件を含む)
■中古戸建て:築15年以内
【データ抽出期間】2020/11~2021/1
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

「横浜駅」まで60分以内、新築・中古の一戸建て価格相場が安い駅ランキング 2021年版

テレワーク(リモートワーク)が昨年から急激に広まったことで、「通勤に便利な都市部」という立地にこだわらない住まい探しをする人も増えている様子。そこで今回は横浜駅まで「60分圏内」にある、一戸建ての価格相場を紹介したい。横浜駅まで30分圏内ではなく60分圏内という区切りだと、「職場までちょっと遠いかな……」とこれまで注目していなかった街もあるはず。しかしそうしたエリアにも、自分好みの街があるかもしれない。さっそく築1年未満の「新築編」と築1年以上・築15年未満の「中古編」、それぞれの価格相場が安い駅TOP10をチェックしていこう。●横浜駅まで60分以内の価格相場が安い駅TOP10
【新築一戸建て編】
順位/駅名/価格相場/土地面積中央値/建物面積中央値
(沿線/所在地/横浜駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 入谷 2480万円 土地100.32平米 建物95.58平米
(JR相模線/神奈川県座間市/39分/1回)
2位 衣笠 2890万円 土地109.61平米 建物96.05平米
(JR横須賀線/神奈川県横須賀市/48分/0回)
3位 寒川 2930万円 土地108.54平米 建物95.33平米
(JR相模線/神奈川県寒川町/39分/1回)
3位 香川 2930万円 土地106.44平米 建物94.39平米
(JR相模線/神奈川県茅ヶ崎市/36分/1回)
5位 かしわ台 3180万円 土地103.69平米 建物96.39平米
(相鉄本線/神奈川県海老名市/29分/1回)
5位 三浦海岸 3180万円 土地116.92平米 建物99.35平米
(京急久里浜線/神奈川県三浦市/45分/0回)
7位 宮山 3235万円 土地169.78平米 建物102.05平米
(JR相模線/神奈川県寒川町/42分/1回)
8位 桜ヶ丘 3280万円 土地100.11平米 建物93.98平米
(小田急江ノ島線/神奈川県大和市/26分/1回)
9位 座間 3285万円 土地121.70平米 建物99.34平米
(小田急小田原線/神奈川県座間市/36分/1回)
10位 さがみ野 3480万円 土地100.12平米 建物98.53平米
(相鉄本線/神奈川県海老名市/26分/1回)

【中古一戸建て編】
順位/駅名/価格相場/土地面積中央値/建物面積中央値
(沿線/所在地/横浜駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 かしわ台 3030万円 土地104.93平米 建物96.13平米
(相鉄本線/神奈川県海老名市/29分/1回)
2位 港南中央 3380万円 土地85.70平米 建物86.75平米
(横浜市営地下鉄ブルーライン/神奈川県横浜市港南区/15分/1回)
3位 東林間 3444万円 土地104.57平米 建物97.44平米
(小田急江ノ島線/神奈川県相模原市南区/31分/1回)
4位 小田急相模原 3494万円 土地100.10平米 建物99.91平米
(小田急小田原線/神奈川県相模原市南区/40分/2回)
5位 上大岡 3655万円 土地65.90平米 建物94.13平米
(京急本線/神奈川県横浜市港南区/8分/0回)
6位 上星川 3775万円 土地109.54平米 建物96.75平米
(相鉄本線/神奈川県横浜市保土ケ谷区/10分/1回)
7位 三ツ境 3780万円 土地109.29平米 建物99.14平米
(相鉄本線/神奈川県横浜市瀬谷区/19分/0回)
7位 弘明寺 3780万円 土地64.46平米 建物93.02平米
(京急本線/神奈川県横浜市南区/13分/0回)
9位 二俣川 3790万円 土地91.20平米 建物97.45平米
(相鉄本線/神奈川県横浜市旭区/12分/0回)
10位 小田栄 3880万円 土地54.23平米 建物89.66平米
(JR南武線/神奈川県川崎市川崎区/23分/2回)

新築一戸建てのトップ10にはJR相模線沿線が4駅ランクイン

ランキングを見て分かる通り、横浜駅まで60分以内の条件でランキングしたものの、所要時間が50分を超える駅は一つも入ってきておらず、中古に至ってはすべて40分以内、20分以下の駅も多く登場している。東京都心の場合、同心円状に価格が安くなっていくのに対して、横浜駅を起点に価格で検討すると、さまざまなエリアに選択肢があるということだ。
「新築一戸建て編」の1位はJR相模線・入谷(いりや)駅。東京都内にも同名の駅があるが、こちらは神奈川県座間市に位置している。田園風景の中にぽつんとある無人駅で、1駅隣にある海老名駅の駅前の発展ぶりに比べると「1駅しか違わないのに、こんなにのどかなの!?」と驚かされる。しかし線路をまたぐ県道46号を北東へ進み、駅から徒歩7~8分ほどの座間警察署あたりまで出ると商業エリアに。スーパーやドラッグストア、書店、ディスカウントストアの「ドン・キホーテ」、休日の癒やしにうれしい温浴施設などが集まっている。

海老名駅(写真/PIXTA)

海老名駅(写真/PIXTA)

さらに座間警察署から10分ほど歩くと、9位にランクインした小田急小田原線・座間駅へ。1位・入谷駅~9位・座間駅間は歩いて15分少々といった近さながら、価格相場は入谷駅のほうが805万円も安い。先ほど述べた通り入谷駅周辺には田園風景が広がっているため“駅近”物件の数自体が少なく、その点が価格相場の安さにつながっているのかもしれない。しかし入谷駅に加え座間駅も利用しやすく、自然を身近に感じる環境でもあると考えると、入谷駅周辺で住まい探しをするのもアリだろう。入谷駅から横浜駅に向かうにはまず海老名駅に行き、相鉄本線の特急に乗り換えると計39分で到着する。相鉄本線の海老名駅~横浜駅間には、5位・かしわ台駅、10位・さがみ野駅も含まれている。

トップ10には、1位・入谷駅を含めてJR相模線の駅が4駅ランクインしていた。JR相模線はJR横浜線や京王相模原線も通る橋本駅から南へ延び、海近くの茅ヶ崎駅まで18駅を結ぶ路線。入谷駅から南に進むと海老名駅、厚木駅があり、厚木駅から4駅隣が7位・宮山駅、続いて3位・寒川駅、同額3位・香川駅という順に続いている。香川駅から2駅隣が茅ヶ崎駅で、そこからJR東海道本線に乗って約35分で横浜駅に到着する。

香川駅(写真/PIXTA)

香川駅(写真/PIXTA)

ランクインしたJR相模線の駅のうち、最も南側に位置する3位・香川駅の周辺はどんな様子だろうか。駅周辺は住宅街で、駅西側の駅前通りには個人商店がある。その先にはスーパーや、子育て支援センターを併設した香川市役所出張所も。保育園や幼稚園もあるので、小さな子どもがいるファミリー層にもうれしい環境だ。駅から西に歩くこと5分ほど、小出川を越えて中原街道に出るとディスカウントストアや飲食店、コンビニが並んでいる。さらに西には田畑が広がっており、全体的に見ると駅周辺は静かに暮らせる街といった趣だ。

香川駅から2駅隣の茅ヶ崎駅まで行けばショッピングモールや観光客にも人気の飲食店などがあり、茅ヶ崎駅を出てサザン通り商店街を南下すると夏は海水浴客でにぎわう浜辺「サザンビーチちがさき」にたどり着く。このあたりはサーファーにも人気がある湘南エリア。サーフィンが趣味の人や、海を身近に感じて過ごしたい人に、香川駅は住まいの候補地としていいかもしれない。

茅ヶ崎の海(写真/PIXTA)

茅ヶ崎の海(写真/PIXTA)

中古一戸建てを探すなら、新宿にも出やすい相鉄線沿線に注目

「中古一戸建て編」の1位は相鉄本線・かしわ台駅。「新築一戸建て編」の5位にもランクインした駅だ。特急は停まらないが、急行、通勤急行、快速などは停車する。急行なら乗り換えせずに横浜駅まで8駅・33分。より急いで横浜駅に向かいたい場合は、3駅先の大和駅で特急に乗り換えると29分で到着できる。

線路を挟んでかしわ台駅の北側には海老名市立の中学校、南側には小学校があるほか、消防署や総合病院も駅の近く。駅から5分ほど歩くとスーパーのほかにドラッグストアや100円ショップ、衣料品店の「しまむら」にスーパー銭湯、さらに保育園が集まるエリアがあり、一度にいろいろと用事を済ませたり、一日楽しんだりすることができそうだ。遊べる広場に加えて屋内プールやトレーニング室も備えた「海老名市北部公園」をはじめ、周辺には大小の公園も点在。両隣の駅、海老名駅やさがみ野駅ほどには駅前に商業施設が多くはないが、生活環境は十分に整っている。

1位・かしわ台駅を含め、トップ10には相鉄本線の駅が4駅ランクイン。かしわ台駅から横浜駅方面に向かって乗車すると、7位・三ツ境駅、9位・二俣川駅、6位・上星川駅という順で駅が並んでいる。この相鉄本線は2019年よりJR線との相互直通運転が開始した。二俣川駅の2駅隣、上星川駅の1駅前に位置する西谷駅よりJR直通線(相鉄新横浜線)に分岐し、そのまま乗っていると大崎駅や恵比寿駅、渋谷駅、新宿駅まで1本で行くことができる。1位・かしわ台駅、7位・三ツ境駅、9位・二俣川駅はJR直通の列車も停車するため、この3駅は横浜駅のみならず新宿駅にも乗り換えせずに行けるというわけだ。さらに相鉄本線は2022年度中に東急東横線・目黒線との相互直通運転も開始予定。ますます便利になる相鉄本線の沿線は、住む街として今後の注目度がアップしそうだ。

上大岡駅(写真/PIXTA)

上大岡駅(写真/PIXTA)

さてトップ10のうち、5位の京急本線・上大岡駅も取り上げたい。注目ポイントは、横浜駅まで1本なうえに特急に乗れば8分という近さ。「横浜駅まで60分圏内」という条件で調査したにもかかわらず、これほど横浜駅に近い駅が物件の価格相場の安さで5位になるとは少々意外だろう。価格相場が安いのは、横浜駅に近くても不便だからということもない。上大岡駅に直結して京急百貨店や家電量販店があり、駅前にはショッピングモールや映画館も。繁華街と言えるにぎわいだ。しかし駅前の商業エリアを越えると住宅地が広がり、日常使いできるスーパーやドラッグストア、小中学校や保育園もあり、住む街としても申し分ない。自然の豊かさを望む人にとっては好みから外れるかもしれないが、「やっぱり便利な環境がいい」という場合は注目の駅といえるだろう。

2つのランキングを振り返ってみると、「新築一戸建て編」は価格相場が約2500万円~約3500万円で横浜駅までの所要時間は40分前後のエリアが多かった。「中古一戸建て編」は価格相場が約3000万円~約3900万円で横浜駅までの所要時間は最短で8分(5位)、最長でも40分(4位)で、思いのほか近場のエリアがランクインしていた。

横浜駅の近隣エリアはすでに宅地として利用されていて新築を建てるスペースの確保も難しいだろうし、中古物件を視野に入れて探すと好みの物件を見つけやすいかもしれない。一方で横浜駅から40分ほど離れたエリアなら、新築物件を建てる土地が残されており、郊外のため価格相場が下がるというメリットもある様子。横浜駅から離れるものの価格相場が安めのエリアの新築一戸建てか、横浜駅に近いぶん価格相場は高めの中古一戸建てか……、どちらも魅力的で悩ましいが、自分たちの暮らし方や好みに応じて探していきたい。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている横浜駅まで電車で60分圏内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数40年未満、敷地権利は所有権のみ
■新築戸建て:新築物件(築1年以上の未入居物件を含む)
■中古戸建て:築15年以内
【データ抽出期間】2020/8~2020/10
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された一戸建て価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2020年11月30日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

コロナ影響でどうなる? 2021年の不動産市場の行方

2020年は新型コロナウイルスが、日本はもちろん世界中を席巻。多くの国で感染者数・死者数が爆発的に増加する中、日本では相対的に見れば影響は大きくなく、各国がロックダウン(都市封鎖)といった厳しい措置を複数回にわたってとる中、「緊急事態宣言」といった相対的に緩やかな措置でした。

こうしたなか欧州や米国の大都市部ではコロナで不動産取引に急ブレーキ。例えばニューヨークなどでは中心部から都市郊外へと大移動する流れが発生、中心部の取引が激減し、郊外の売買・賃貸市場が活発化しました。

コロナ禍でも利便性を重視する傾向が強まる日本

一方日本では都心部・都市部から都市郊外・地方へ移住といった動きは限定的でした。不動産情報検索サイトによれば、昨年4~5月の緊急事態宣言中には検索範囲が郊外や地方物件へと拡大し、情報閲覧や資料請求なども増加したものの、緊急事態宣言が解かれるとその傾向も弱まっていったとのこと。むしろ「密を避けるため公共交通の利用を極力避けたい」「通勤時間のムダを削減したい」などの理由から、通勤や買物利便性を重視する傾向が強まり、折からの低金利も手伝って「都心」「駅前・駅近」「大規模」「タワー」などのワードに代表される、比較的高額な物件の取引が活発です。 また都市郊外では2~3LDKの賃貸から4LDKの新築中古一戸建てに引越すといった動きも活発化。住宅市場全体が年々縮小を続ける中、コロナ後に顕著に見られた動きはこうしたものです。

昨年の緊急事態宣言中には日経平均株価も一時、1万6000円台へと大暴落し、各地の不動産取引数も前年比40~50%減となったものの「投げ売り」は起きず価格に大きな変化は見られませんでした。2008年のリーマン・ショック時には多くの新築マンション・一戸建ての事業者が千万単位の値引き販売をして在庫処分を進め、それでも持ちこたえることができず多くが破綻、中古市場もつられて暴落しました。

2021年の不動産市場は「3極化」がますます加速

翻って2020年5月25日、緊急事態宣言が解除されると、それまで滞留していた需要を補って余りある需要が噴き出す形で都市部の不動産取引は新築・中古・マンション・一戸建てのいずれも急回復しています。とりわけ東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷区)などの中古マンション成約平米単価はここまで一貫して上昇基調にあります。また新規売出しが少ないことも手伝って在庫も減少していることから、さらなる上値圧力すら感じられるといった状況です。

都心3区中古マンションの「在庫数」と「成約単価」

また他の先進国に比して日本の不動産は相対的に割安感があり、コロナの影響が小さく海外投資家にも注目されており、今後分かっているだけでも兆円単位のマネーが流入する見込み。ただしこうした動きは都心部・大都市部が中心で、2021年の不動産市場は「3極化」がますます加速する一年となりそうです。全国レベルで見れば、2019年10月の消費税増税以降、新築・中古・マンション・一戸建てとも取引は低調でした。

2021年はいきなり1都3県(東京都・神奈川・埼玉・千葉県)を対象とした「緊急事態宣言」がスタートしましたが、昨年大きく下落した日経平均とは異なり、目立った株価の反応はありません。また前回は新築マンションのモデルルームが閉鎖されたり、工事現場がストップしましたが、現在では多くのモデルルームや工事現場においてコロナ対応が進んでおり、前回のような滞りは起きにくくなっています。したがって今回も、緊急事態宣言中において取引数がマイナスに振れることはあっても、投げ売りによる価格下落も起こりにくく、緊急事態宣言が解除された後の取引は通常運転に戻るでしょう。もちろんそのゆくえはコロナ次第であり、現在予定されている2月7日までの緊急事態宣言が大幅に長引くようなことになればその限りではありません。

つまり、日経平均株価が安泰である限り「都心・大都市部」「駅前・駅近」「大規模」「タワー」といったワードに代表される好立地かつ高額物件や郊外で値ごろ感のある新築・中古・マンション・一戸建てなどは好調で、一方で「立地に難のあるもの」はことごとく厳しいといったことになりそうです。

住宅は長期的にニーズのある物件を吟味した上で取得することが大切

「日経平均株価」 と 「都心3区中古マンション成約平米単価」

定量的なデータこそありませんが、史上最高値を更新し続けているビットコインやイーサリアムといった仮想通貨や、コロナ後に大幅上昇した株式を売って不動産購入の頭金にしたという話もちらほら聞くようになりました。加えて歴史的な低金利は続いており、形式的には1980年代後半のバブル経済に近い状況と言えるでしょう。実体経済とは無関係に株や不動産などの資産価格が上昇し「上がるから買う」「買うから上がる」を繰り返す「期待」がバロメータとなり、天井が見えない資産バブルが発生するといった流れです。

時限的に控除期間が10年から13年に延長されている住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)をはじめとする各種の税制優遇は昨年に続き適用される見込み、そして何より低金利と、住宅取得環境は整っていると言えます。一方で長期的に見れば人口・世帯数減が必至な日本において住宅需要全体がしぼむ中、利便性や災害可能性を考慮した立地、耐震性や省エネ性など建物の基本性能など長期的にニーズのある物件を吟味した上で選択する、といった慎重姿勢も求められることになるでしょう。

7月の次世代住宅ポイント、申請は4,617戸

国土交通省はこのたび、令和元年7月末時点における「次世代住宅ポイント制度」の実施状況を発表した。同制度は、消費税率10%へ引上げ後の住宅購入等を支援するため、一定の性能を有する住宅の新築やリフォームに対して商品と交換できるポイントを付与するもの。

それによると、7月の申請は新築が3,959戸、リフォームが658戸、合計4,617戸となった。

審査の結果、発行した戸数・ポイント数は、新築が3,646戸・12億7,424万3,000ポイント、リフォームが1,021戸・3,090万7,000ポイントで、合計は4,667戸・13億515万ポイントだった。

ニュース情報元:国土交通省

7月の次世代住宅ポイント、申請は4,617戸

国土交通省はこのたび、令和元年7月末時点における「次世代住宅ポイント制度」の実施状況を発表した。同制度は、消費税率10%へ引上げ後の住宅購入等を支援するため、一定の性能を有する住宅の新築やリフォームに対して商品と交換できるポイントを付与するもの。

それによると、7月の申請は新築が3,959戸、リフォームが658戸、合計4,617戸となった。

審査の結果、発行した戸数・ポイント数は、新築が3,646戸・12億7,424万3,000ポイント、リフォームが1,021戸・3,090万7,000ポイントで、合計は4,667戸・13億515万ポイントだった。

ニュース情報元:国土交通省

新築一戸建て平均価格、首都圏と近畿圏は下落

(株)東京カンテイは8月8日、2019年7月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。敷地面積100m2~300m2、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。それによると、7月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比-1.1%の3,995万円、3ヵ月ぶりに反転下落し4,000万円を下回った。東京都は同-5.7%の4,861万円と2ヵ月連続下落。神奈川県は同-0.8%の4,390万円と2ヵ月連続下落。千葉県は同+3.3%の3,241万円と反転上昇。埼玉県は同+0.8%の3,482万円と反転上昇。首都圏では千葉県と埼玉県で上昇に転じたが、東京都と神奈川県では連続下落した。

近畿圏の平均価格は同-0.7%の3,138万円、3ヵ月ぶりに下落に転じた。府県別でみると、大阪府が同+3.9%の3,474万円で反転上昇。兵庫県は同-3.8%の3,101万円で3ヵ月ぶりに下落。京都府は同-1.6%の3,330万円で3ヵ月ぶりに下落に転じた。

愛知県は、同+3.5%の3,388万円と反転上昇。中部圏全体では同+2.0%の3,068万円、4ヵ月ぶりに上昇に転じた。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

小規模一戸建て平均価格、首都圏は2ヵ月連続下落

(株)東京カンテイは8月8日、2019年7月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。これは、敷地面積50m2以上~100m2未満、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。それによると、7月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比-0.2%の4,537万円、2ヵ月連続で下落した。都県別でみると、東京都は同+1.7%の5,069万円と反転上昇。神奈川県は同+2.8%の4,135万円で3ヵ月連続上昇。千葉県は同+1.9%の3,907万円で反転上昇。埼玉県は同-2.9%の3,972万円で5ヵ月ぶりに反転下落した。

近畿圏の平均価格は、同+0.7%の3,408万円で3ヵ月連続の上昇。主要府県別では、大阪府は同-1.6%の3,295万円、3ヵ月ぶりに下落に転じた。兵庫県は同+4.1%の3,850万円、2ヵ月連続上昇。京都府は同+8.4%の3,319万円と反転上昇。

愛知県では、同-0.6%の3,711万円と2ヵ月連続で下落。中部圏全体では同-1.9%の3,627万円と、こちらも2ヵ月連続で下落となった。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

東京都、「東京ゼロエミ住宅」新築等の助成事業を開始

東京都は、東京の地域特性を踏まえた省エネ性能の高い住宅を普及させるため、新たに「東京ゼロエミ住宅」の新築等に対する助成事業を開始する。
「東京ゼロエミ住宅」とは、家庭部門のエネルギー消費量の削減を目的としたもので、断熱性能や省エネ性能に優れる住宅のこと。今年度から新たに「東京ゼロエミ住宅」を新築した建築主に対し、その費用の一部を助成する。

助成対象住宅は、都内の新築住宅(戸建住宅・集合住宅)で、床面積の合計が2,000m2未満。助成対象は新築住宅の建築主(個人・事業者)。助成金額は戸建住宅が70万円/戸、集合住宅が30万円/戸。

ほかにも、対象住宅に太陽光発電システムを設置する場合は、10万円/キロワットの追加補助もある(上限100万円)。

ニュース情報元:東京都

新築一戸建て価格、首都圏は1都3県すべて下落

(株)東京カンテイは7月11日、2019年6月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。敷地面積100m2~300m2、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。
それによると、6月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比+0.6%の4,040万円で2ヵ月連続上昇した。東京都は同-1.2%の5,155万円と3ヵ月ぶりに下落。神奈川県は同-0.4%の4,427万円と4ヵ月ぶりに反転下落。千葉県は同-3.3%の3,137万円と3ヵ月ぶりに反転下落。埼玉県は同-4.0%の3,454万円と3ヵ月ぶりに下落。首都圏は1都3県すべて下落。東京都への地域偏在により首都圏平均価格のみ上昇した。

近畿圏は前月比+2.4%の3,159万円で2ヵ月連続上昇。府県別でみると、大阪府は同-1.7%の3,343万円と下落。兵庫県は同+7.0%の3,224万円と2ヵ月連続上昇。京都府は同+6.0%の3,384万円と続伸。近畿圏全体では価格はやや強含み傾向。

愛知県は前月比-5.1%の3,272万円で4ヵ月ぶりに下落。中部圏全体では同-0.1%の3,009万円と3ヵ月連続下落。福岡県は同+0.4%の2,965万円で2ヵ月連続上昇した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

小規模一戸建て価格、首都圏は弱含み

(株)東京カンテイは7月11日、2019年6月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。これは、敷地面積50m2以上~100m2未満、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。それによると、6月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比-1.3%の4,546万円と反転下落。都県別でみると、東京都は同-2.6%の4,985万円と反転下落。神奈川県は同+2.1%の4,022万円と2ヵ月連続上昇。千葉県は同-4.8%の3,833万円と4ヵ月ぶりに反転下落。埼玉県は同+0.1%の4,090万円と4ヵ月連続で上昇した。

近畿圏は前月比+3.7%の3,383万円で2ヵ月連続上昇。府県別にみると、大阪府は同+5.1%の3,349万円と2ヵ月連続上昇。兵庫県は同+1.8%の3,697万円と反転上昇。京都府は同-6.0%の3,062万円と反転下落。京都府を除いて、大阪府は連続上昇、兵庫県は反転上昇している。

愛知県は前月比-6.3%の3,733万円で5ヵ月ぶりに反転下落。中部圏全体でも同-5.9%の3,698万円と、4ヵ月連続ぶりに下落に転じた。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

新築一戸建て平均価格、首都圏は4,000万円台を回復

(株)東京カンテイは6月10日、2019年5月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。敷地面積100m2~300m2、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。それによると、5月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比+1.4%の4,017万円と3ヵ月ぶりに反転上昇、4,000万円台を回復した。東京都は同+1.2%の5,216万円と2ヵ月連続上昇。神奈川県は同+1.4%の4,447万円と3ヵ月連続上昇。千葉県は同+0.7%の3,244万円と2ヵ月連続上昇。埼玉県は同+1.9%の3,598万円と2ヵ月連続上昇した。

近畿圏の平均価格は、同+0.4%の3,085万円と反転上昇。府県別では、大阪府が同±0.0%の3,402万円と横ばい。兵庫県は同+0.8%の3,012万円と反転上昇。京都府は同+1.2%の3,191万円と反転上昇。近畿圏全体では価格は緩やかながら上昇している。

愛知県の平均価格は同+0.6%の3,447万円と3ヵ月連続で上昇。中部圏全体では同-0.1%の3,013万円と連続下落した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

小規模一戸建て平均価格、各圏域で上昇

(株)東京カンテイは6月10日、2019年5月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。敷地面積50m2以上~100m2未満、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。それによると、5月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比+0.7%の4,606万円と反転上昇。都県別でみると、東京都は同+0.4%の5,116万円で反転上昇、神奈川県は同+1.2%の3,941万円と5ヵ月ぶりに反転上昇。千葉県は同+0.4%の4,025万円で3ヵ月連続上昇、埼玉県は同+0.6%の4,085万円と3ヵ月連続の上昇となった。

近畿圏の平均価格は、同+0.2%の3,263万円と反転上昇。主要府県別に見ると、大阪府は同+0.1%の3,186万円と3ヵ月ぶりの反転上昇。兵庫県は同-0.4%の3,633万円と連続下落。京都府は同+1.9%の3,258万円と反転上昇。近畿圏の主要府県では兵庫県を除き上昇に転じ、京都府で2%弱上昇した。

愛知県は同+0.9%の3,982万円と4ヵ月連続上昇。中部圏全体では同+1.0%の3,930万円と、3ヵ月連続で上昇している。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

4月の住宅着工数、5か月ぶりの減少

国土交通省はこのたび、平成31年4月の住宅着工統計を発表した。それによると4月の住宅着工戸数は79,389戸で、前年同月比5.7%減、5か月ぶりの減少となった。利用関係別でみると、持家は前年同月比9.2%増の25,436戸、7か月連続の増加。貸家は同16.7%減の29,511戸、8か月連続の減少。

分譲住宅は同6.0%減の23,411戸、9か月ぶりの減少。そのうち、マンションは同15.1%減の10,480戸、9か月ぶりの減少。一戸建住宅は、同3.0%増の12,698戸、5か月連続の増加。一戸建住宅は増加したが、マンションが減少したため分譲住宅全体で減少となった。

ニュース情報元:国土交通省

新築一戸建て価格、首都圏は6ヵ月ぶりの3,000万円台

(株)東京カンテイは5月13日、2019年4月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。敷地面積100m2~300m2、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。
それによると、4月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比-2.9%の3,963万円と2ヵ月連続下落、6ヵ月ぶりに4,000万円を割り込んだ。東京都は同+3.1%の5,153万円と反転上昇。神奈川県は同+2.0%の4,385万円と2ヵ月連続上昇。千葉県は同+3.4%の3,222万円と反転上昇。埼玉県は同+4.1%の3,530万円と3ヵ月ぶりに反転上昇。1都3県すべてで上昇したが、東京都の分譲戸数が減少し、比較的価格の低い千葉県と埼玉県で分譲戸数が増加したため、首都圏の平均価格が下落した。

近畿圏の平均価格は、前月比-0.2%の3,072万円と反転下落。府県別でみると、大阪府が同+0.9%の3,401万円と3ヵ月連続で上昇。兵庫県は同-5.6%の2,987万円で大きく反転下落。京都府は同-8.4%の3,153万円、4ヵ月ぶりに下落に転じた。

愛知県の平均価格は、前月比+6.7%の3,426万円で2ヵ月連続の上昇。中部圏全体では同-0.3%の3,015万円と反転下落した。福岡県は同-2.0%の2,927万円、4ヵ月ぶりに反転下落した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

小規模一戸建て平均価格、首都圏と近畿圏は下落

(株)東京カンテイは5月13日、2019年4月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。敷地面積50m2以上~100m2未満、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。
それによると、4月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比-0.9%の4,574万円と反転下落した。都県別でみると、東京都は同-7.3%の5,096万円で3ヵ月ぶりに反転下落。神奈川県は同-3.7%の3,893万円と、4ヵ月連続下落で7ヵ月ぶりに4,000万円を割り込んだ。千葉県は同+4.3%の4,009万円で2ヵ月連続上昇。埼玉県は同+7.5%の4,062万円と続伸した。

近畿圏の平均価格は、前月比-2.2%の3,258万円と下落。大阪府は同-0.6%の3,183万円で2ヵ月連続下落。兵庫県は同-2.0%の3,648万円で反転下落。京都府は同-2.5%の3,198万円と反転下落した。近畿圏の主要府県ではいずれも下落となり、近畿圏全体で弱含んでいる。

愛知県は前月比+3.3%の3,947万円と3ヵ月連続で上昇。中部圏全体では同+4.2%の3,892万円と2ヵ月連続で上昇した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

平成30年度の新設住宅着工戸数、前年度比0.7%増

国土交通省はこのたび、平成30年度の住宅着工統計を公表した。それによると、平成30年度の新設住宅着工戸数は95万2,936戸(前年度比0.7%増)、昨年度の減少から再びの増加となった。利用関係別でみると、持家は前年度比2.0%増の28万7,710戸、昨年度の減少から再び増加した。貸家は同4.9%減の39万93戸で2年連続の減少。

分譲住宅は同7.5%増の26万7,175戸で、昨年度の減少から再びの増加。そのうち、マンションは同10.5%増の11万9,683戸、3年ぶりの増加。一戸建住宅は同5.1%増の14万4,905戸、4年連続の増加となった。

ニュース情報元:国土交通省

2018年の首都圏中古マンション、成約件数は過去最高

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)はこのほど、首都圏における2018年度(2018年4月~2019年3月)の不動産流通市場の動向を公表した。それによると、2018年度・首都圏中古マンション成約件数は、前年度比1.2%増の37,601件、2年ぶりに前年度を上回った。また、2016年度の37,446件を上回り、過去最高となっている。成約物件の1m2当たり単価は、首都圏平均で52.00万円(前年度比2.7%増)で、6年連続上昇した。

首都圏中古戸建住宅においては、成約件数は前年度比2.5%増の12,873件、2年ぶりに前年度を上回った。成約物件価格は首都圏平均で3,111万円、横ばいで推移している。

首都圏新築戸建住宅は、成約件数5,486件(前年度比4.0%増)で、2年ぶりに前年度を上回った。また、2016年度の5,341件を上回り過去最高。成約物件価格は首都圏平均で3,484万円(前年度比0.6%下落)、2年連続で前年度を下回った。都県・地域別に見ると、東京都区部、埼玉・千葉両県を除く各都県・地域で下落している。

首都圏土地(100~200m2)の成約件数は、前年度比5.4%増の6,162件、2年ぶりに前年度を上回った。2016年度の6,112件を上回り過去最高。成約物件の1m2当たり単価は、首都圏平均で20.09万円(前年度比1.5%上昇)と2年連続で前年度を上回り、8年ぶりに20万円台となった。

ニュース情報元:東日本レインズ

新築一戸建て価格、首都圏は下落トレンド

(株)東京カンテイは4月8日、2019年3月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。敷地面積100m2~300m2、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。それによると、3月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比-0.4%の4,083万円と反転下落した。東京都は-0.6%の4,996万円と3カ月ぶりに反転下落。神奈川県は+0.4%の4,301万円と上昇。千葉県は-0.6%の3,115万円と反転下落。埼玉県は-1.8%の3,390万円と2ヵ月連続下落。首都圏全体的に価格は下落トレンドとなっている。

近畿圏の平均価格は+0.3%の3,078万円と反転上昇。府県別では、大阪府が+0.7%の3,372万円と2ヵ月連続上昇。兵庫県は+0.1%の3,164万円と反転上昇。京都府は+1.0%の3,441万円と3ヵ月連続で上昇した。

愛知県の平均価格は+0.8%の3,212万円と3ヵ月ぶりに上昇。中部圏全体では+1.1%の3,023万円と反転上昇。福岡県は+0.3%の2,988万円と、3ヵ月連続の上昇となった。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

小規模一戸建て価格、三圏域とも安定傾向

(株)東京カンテイは4月8日、2019年3月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。敷地面積50m2以上~100m2未満、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。それによると、3月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比+0.4%の4,614万円と反転上昇した。都県別でみると、東京都は+0.5%の5,498万円と2ヵ月連続で上昇。神奈川県は-0.8%の4,044万円と2ヵ月連続下落。千葉県は+0.1%の3,842万円と僅かながら反転上昇。埼玉県は+0.6%の3,777万円と反転上昇した。

近畿圏の平均価格は、前月比±0.0%の3,332万円で横ばい。大阪府は-0.5%の3,203万円と4ヵ月ぶりに反転下落。兵庫県は+0.1%の3,724万円と僅かながら反転上昇。京都府は+0.1%の3,280万円と反転上昇した。近畿圏の主要府県では大阪府で僅かに下落したのみで、兵庫県と京都府はほぼ横ばい推移となった。

愛知県は前月比+0.6%の3,820万円と2ヵ月連続で上昇。中部圏全体では+0.7%の3,734万円と反転上昇した。3月の小規模一戸建て価格は、各圏域で安定傾向となっている。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

小規模一戸建て価格、三大都市圏全て弱含み

(株)東京カンテイは3月7日、2019年2月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。敷地面積50m2以上~100m2未満、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。
それによると、2月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比-0.2%の4,595万円で前月までの2ヵ月連続横ばいからやや弱含みに変化した。都県別でみると、東京都は+1.3%の5,470万円と反転上昇。神奈川県は-0.4%の4,075万円と反転下落。千葉県は-1.6%の3,838万円と反転下落。埼玉県は-1.4%の3,756万円と7ヵ月ぶりに下落に転じた。

近畿圏の平均価格は、前月比-0.4%の3,332万円と反転下落。大阪府は+0.4%の3,219万円で3ヵ月連続上昇。兵庫県は-1.2%の3,720万円で反転下落。京都府は-0.5%の3,278万円で反転下落。近畿圏の主要府県では大阪府で連続上昇した一方で、兵庫県と京都府はともに反転下落した。

愛知県は前月比+0.1%の3,798万円と3ヵ月ぶりに上昇。中部圏全体では-0.2%の3,709万円で連続下落。2月の小規模一戸建て価格は、各圏域で前月までの安定傾向から弱含みに変化している。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

新築一戸建て価格、首都圏は3ヵ月ぶりに反転上昇

(株)東京カンテイは3月7日、2019年2月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。敷地面積100m2~300m2、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。
それによると、2月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比+0.2%の4,100万円と3ヵ月ぶりに反転上昇した。東京都は+0.4%の5,026万円と2カ月連続上昇。神奈川県は±0.0%の4,284万円と横ばい。千葉県は+0.8%の3,133万円と3ヵ月ぶりに反転上昇。埼玉県は-1.0%の3,451万円と反転下落した。

近畿圏の平均価格は、前月比-0.3%の3,069万円と反転下落。府県別でみると、大阪府は+0.3%の3,350万円と3ヵ月ぶりに反転上昇。兵庫県は-1.3%の3,162万円と反転下落。京都府は+0.5%の3,408万円と2ヵ月連続で上昇。近畿圏では高額エリアの分譲戸数が減少したため、平均価格が下落した。

愛知県の平均価格は前月比-0.8%の3,185万円で2ヵ月連続の下落。中部圏全体でも-0.8%の2,991万円と連続下落した。福岡県は+0.1%の2,979万円と、2ヵ月連続で上昇している。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

首都圏新築一戸建て価格、前年比1.8%上昇

(株)東京カンテイはこのたび、「一戸建て住宅データ白書 2018」を発表した。これは、2018年の一戸建て住宅の新築・中古市場動向を総括したもの。それによると、2018年の首都圏・新築一戸建ての平均価格は4,069万円で、2017年の3,999万円と比べ+1.8%上昇した。平均土地面積は前年比-0.3%の115.1m2、平均建物面積は-0.5%の98.3m2とほぼ横ばい。一方、中古一戸建ての平均価格は3,485万円で、2017年の3,337万円と比べ+4.4%と比較的大きく上昇した。平均土地面積は前年比-1.0%の129.4m2、平均建物面積は+0.2%の101.3m2と、それぞれほとんど変動がなかった。

近畿圏の新築一戸建て平均価格は3,073万円、2017年の2,982万円と比べ+3.1%上昇した。平均土地面積は前年比-1.1%の120.3m2、平均建物面積は+0.3%の100.6m2と大きな変化はない。中古一戸建ての平均価格2,321万円で、2017年の2,191万円と比べ+5.9%上昇。平均土地面積は前年比+0.6%の127.7m2、平均建物面積は+0.8%の102.8m2だった。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

新築一戸建て価格、首都圏は横ばい推移

(株)東京カンテイは2月7日、2019年1月「新築木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。敷地面積100m2~300m2、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。1月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比-0.1%の4,091万円と2ヵ月連続で下落。しかし下落率は僅かで、概ね横ばい推移となっている。東京都は+0.5%の5,008万円と反転上昇、2ヵ月ぶりに5,000万円台を回復した。神奈川県は-2.4%の4,282万円で2ヵ月連続下落。千葉県は-0.5%の3,107万円で2ヵ月連続下落。埼玉県は+2.3%の3,486万円で反転上昇。首都圏では前月は全都県で下落したが、1月は東京都と埼玉県で反転上昇した。

近畿圏は±0.0%の3,078万円と前月と同値で横ばい。大阪府は-0.7%の3,340万円で2ヵ月連続下落。兵庫県は+1.4%の3,204万円で2ヵ月ぶりに反転上昇。京都府は+0.4%の3,390万円で2ヵ月ぶりに反転上昇した。

愛知県は-0.3%の3,210万円で反転下落。中部圏全体でも-0.3%の3,015万円で反転下落した。福岡県は+0.6%の2,977万円で反転上昇、価格水準に変化はない。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

小規模一戸建て価格、首都圏は2ヵ月連続横ばい

(株)東京カンテイは2月7日、2019年1月「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」を発表した。敷地面積50m2以上~100m2未満、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。それによると、1月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比±0.0%の4,604万円で2ヵ月連続横ばい。都県別では、東京都は-1.4%の5,402万円と反転下落。神奈川県は+0.9%の4,092万円と反転上昇。千葉県は+0.2%の3,899万円と3ヵ月ぶりに上昇。埼玉県は+0.4%の3,811万円と6ヵ月連続で上昇した。

近畿圏の平均価格は、前月比+1.1%の3,344万円で反転上昇。大阪府は+1.4%の3,206万円と2ヵ月連続上昇。兵庫県は+0.9%の3,766万円と反転上昇。京都府は+2.0%の3,293万円と反転上昇。近畿圏の主要府県では3府県ともに上昇している。

愛知県は前月比-1.1%の3,795万円と2ヵ月連続下落。中部圏全体では-0.7%の3,718万円と3ヵ月ぶりに下落に転じた。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

2018年の新設住宅着工戸数、2年連続減少

国土交通省はこのたび、2018年の住宅着工動向を発表した。それによると、2018年は新設住宅着工戸数が前年比2.3%減の942,370戸で、2年連続の減少となった。持家は同0.4%減の283,235戸で2年連続減少。貸家は同5.5%減の396,404戸で7年ぶりの減少となった。分譲住宅は255,263戸(前年255,191戸)で微増。うち、マンションは110,510戸で同3.8%減、昨年の増加から再び減少に転じた。一戸建住宅は142,393戸で同3.0%増、3年連続の増加となった。

地域別でみると首都圏の総戸数は同4.9%減の322,586戸。近畿圏は同2.6%増の142,289戸。中部圏は同3.2%増の112,253戸だった。

ニュース情報元:国土交通省

12月の住宅着工戸数、前年同月比2.1%増

国土交通省はこのたび、平成30年12月の住宅着工動向を発表した。それによると、12月の住宅着工戸数は前年同月比2.1%増の78,364戸だった。
利用関係別でみると、持家は前年同月比4.8%増の24,415戸で3か月連続の増加。貸家は同7.9%減の30,788戸で4か月連続の減少。

分譲住宅は、同16.5%増の22,756戸と5か月連続増加。そのうち、分譲マンションは同28.6%増の9,546戸で5か月連続増加。分譲一戸建住宅は同8.5%増の13,006戸と先月の減少から再び増加した。マンションが増加し、一戸建住宅も増加したため、分譲住宅全体で増加となった。

ニュース情報元:国土交通省

2018年の首都圏中古マンション、成約価格は6年連続上昇

(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は1月22日、首都圏における2018年(2018年1~12月)の不動産流通市場の動向を発表した。それによると、2018年の首都圏中古マンション成約件数は、前年比0.3%減の37,217件と、4年ぶりに前年を下回った。成約物件の1m2当たり単価は、首都圏平均で51.61万円(前年比3.2%上昇)で、6年連続上昇。すべての都県・地域で上昇している。成約物件価格は3,333万円(前年比4.3%上昇)で6年連続上昇。成約物件の平均専有面積は64.60m2(前年比1.1%拡大)、2年連続で拡大した。平均築年数は21.00年(前年20.70年)で経年化が進んでいる。

中古戸建住宅の成約件数は、前年比0.2%減の12,718件でわずかに減少し、2年連続で前年を下回った。成約物件価格は首都圏平均で3,142万円(前年比2.3%上昇)と4年連続で上昇。成約物件の平均土地面積は145.76m2(前年比1.3%縮小)、建物面積は105.82m2(同0.1%拡大)となっている。

新築戸建住宅の成約件数は5,266件(前年比2.7%減)で4年ぶりに前年を下回った。成約物件価格は首都圏平均で3,468万円(前年比2.0%下落)と、3年ぶりに前年を下回る。土地(100~200m2)においては、成約件数は5,962件(前年比0.5%増)。成約物件の1m2当たり単価は、首都圏平均で19.97万円(前年比1.8%上昇)で、3年連続で前年を上回った。

ニュース情報元:東日本レインズ

小規模戸建て価格、首都圏は横ばい

(株)東京カンテイは1月10日、2018年12月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。これは敷地面積50m2以上~100m2未満、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。

それによると、12月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比±0.0%の4,606万円と横ばい。都県別では、東京都は+1.1%の5,478万円で反転上昇。神奈川県は-2.0%の4,054万円で3ヵ月ぶりに反転下落。千葉県は-0.5%の3,893万円で連続下落。埼玉県は+0.7%の3,794万円で5ヵ月連続上昇した。

近畿圏の平均価格は、前月比-0.8%の3,307万円で3ヵ月ぶりに反転下落。府県別では、大阪府は+1.2%の3,163万円で3ヵ月ぶりに反転上昇。兵庫県は-2.6%の3,732万円で3ヵ月ぶりに反転下落。京都府は-9.3%の大幅な下落で3,230万円、3ヵ月ぶりの反転下落となった。

愛知県は前月比-0.2%の3,838万円で反転下落。中部圏全体では+0.3%の3,744万円で2ヵ月連続上昇した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

新築一戸建て価格、首都圏は5ヵ月ぶりに下落

(株)東京カンテイは1月10日、2018年12月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。
これは敷地面積100m2~300m2、最寄り駅から徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。

それによると、12月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比-2.5%の4,095万円と5ヵ月ぶりに下落した。東京都は-3.1%の4,983万円で5ヵ月ぶりに反転下落。神奈川県は-0.9%の4,388万円で4ヵ月ぶりに反転下落。千葉県は-1.0%の3,123万円で3ヵ月ぶりの反転下落。埼玉県は-1.8%の3,408万円で3ヵ月ぶりに下落した。首都圏は前月まで2ヵ月連続で全都県上昇していたが、12月は反転下落となった。

近畿圏の平均価格は、-2.2%の3,078万円で3ヵ月ぶりに下落。府県別でみると、大阪府は-2.2%の3,363万円で4ヵ月ぶりに反転下落。兵庫県は-1.4%の3,161万円で3ヵ月ぶりに反転下落。京都府は-5.9%の3,377万円で3ヵ月ぶりに反転下落。近畿圏主要3府県は、全て下落傾向となった。

愛知県の平均価格は+0.5%の3,220万円で4ヵ月ぶりに上昇。中部圏全体でも+0.5%の3,025万円と4ヵ月ぶりに反転上昇し、三大都市圏では唯一の上昇傾向を示した。福岡県は-0.7%の2,960万円と3ヵ月ぶりに反転下落となった。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

住宅着工戸数、前年同月比0.6%減

国土交通省はこのたび、「平成30年11月の住宅着工動向」を発表した。それによると、11月の住宅着工戸数は84,213戸で、前年同月比0.6%減となった。利用関係別では、持家は25,527戸で前年同月比2か月連続の増加(前年同月比2.5%増)。貸家は34,902戸で、前年同月比3か月連続の減少(同6.9%減)。

分譲住宅は23,220戸で、前年同月比4か月連続の増加(同6.1%増)。そのうち、マンションは10,460戸で前年同月比4か月連続の増加(同15.6%増)、一戸建住宅は12,561戸で、前年同月比8か月ぶりの減少(同0.2%減)。一戸建住宅は減少したがマンションが増加したため、分譲住宅全体では増加となっている。

ニュース情報元:国土交通省

挿花家・雨宮ゆかさんの自然が身近にある暮らし その道のプロ、こだわりの住まい[3]

一面に広がる田んぼを通り過ぎ、坂道を登ると、庭先に薪を積んだ一軒家にたどり着く。ここは、挿花家の雨宮ゆかさんが夫で写真家の雨宮秀也さんと暮らす自宅。ゆかさんは日常の花を生ける教室「日々花」を主宰しながら、各地でワークショップや生け込みなども行っている。教室とはまた別の空間である自宅でどんな風に花を楽しみながら暮らしているのか、話を伺った。【連載】その道のプロ、こだわりの住まい
料理家、インテリアショップやコーヒーショップのスタッフ……何かの道を追求し、私たちに提案してくれるいわば「プロ」たちは、普段どんな暮らしを送っているのだろう。プロならではの住まいの工夫やこだわりを伺った。

庭にもエントランスにも季節の草花がある。軒先には積まれた薪、日曜大工の道具、玄関の先にある土間には花材が置かれている。リビングに入れば、広い窓からまぶしいほどの光が差し込み、まるで山小屋に来たかのよう。玄関に入る前から気持ちがいい空間だということが伝わってくる。

「ここは小屋みたいな家なんです。家を建てるときに伝えたのは、自分たちの暮らし方。それをもとに中村さんが考えてくださった形がこの家なんです」とゆかさんは話す。中村さんとは建築家の中村好文氏。住宅を多く手がけているだけあり、暮らしやすい家をつくるスペシャリストである。

(写真撮影/雨宮秀也)

(写真撮影/雨宮秀也)

(写真撮影/雨宮秀也)

(写真撮影/雨宮秀也)

暮らし方を伝えてできた、五右衛門風呂のある一軒家

家を建てるに当たり、当時住んでいたアパートでの暮らしを要望書にまとめたという。見せてもらうとイラストとともに二人の一日がよく伝わってくる内容になっている。朝から電灯をつけなければいけないのが悲しい、本が入りきらない、夫の秀也さんが自宅で撮影するときのスペースが足りないといった不便さや、お昼ご飯は庭で食べることもある、一日の締めくくりはつくりながら飲みながらの晩御飯、など、食の時間を大切にしていることなどが書かれている。

「これ以外の要望は特に伝えなかったと思います。あ、夫と中村さんが二人で盛り上がって五右衛門風呂にしようというのはありました」とゆかさんは当時を振り返る。玄関前にあった薪(まき)は五右衛門風呂のためのものだったのだ。

建築家の中村好文さんに提出したという要望書。ゆかさんがイラストと文章でそれまでの自分たちの暮らしを表現している。不満や不便なこと、何を大切にしているかがよくわかる一枚(画像提供/雨宮ゆかさん)

建築家の中村好文さんに提出したという要望書。ゆかさんがイラストと文章でそれまでの自分たちの暮らしを表現している。不満や不便なこと、何を大切にしているかがよく分かる一枚(画像提供/雨宮ゆかさん)

完成した家の間取りもゆかさんが描いた(画像提供/雨宮ゆかさん)

完成した家の間取りもゆかさんが描いた(画像提供/雨宮ゆかさん)

完成した家の間取り。神奈川県川崎市に建てた。1階はリビングダイニングキッチン兼スタジオに、夫の仕事部屋、お風呂とトイレ。東西に土間が通っている。2階はもともと納戸にしようとしていたスペースをゆかさんの仕事スペースに変更した(画像提供/雨宮ゆかさん)

完成した家の間取り。神奈川県川崎市に建てた。1階はリビングダイニングキッチン兼スタジオに、夫の仕事部屋、お風呂とトイレ。東西に土間が通っている。2階はもともと納戸にしようとしていたスペースをゆかさんの仕事スペースに変更した(画像提供/雨宮ゆかさん)

土間も五右衛門風呂もあるという一軒家。そこでの暮らしは、仕事をしながら薪割りをしたり、庭の手入れをしたりと、やることはたくさんある。
「最近、地主さんから裏の土地を貸してもらえたので、畑を始めたんです。本当は山野草を植えたかったんですけど、ひとまず野菜を始めたら楽しくて」と言う。

五右衛門風呂用の釜にダッチオーブンを入れて料理をしたり、庭に出てコーヒーを飲んだり、教室の生徒が来てわら仕事をしたり、この家だからこそできる生活を楽しんでいる様子が伝わってくる。

1階は玄関から五右衛門風呂まで土間に。花材はもちろん、食材のストックなどの一時置き場としても活躍している。「買い物や仕事帰りにとりあえず荷物を置いておけるのでとても便利です」(写真撮影/雨宮秀也)

1階は玄関から五右衛門風呂まで土間に。花材はもちろん、食材のストックなどの一時置き場としても活躍している。「買い物や仕事帰りにとりあえず荷物を置いておけるのでとても便利です」(写真撮影/雨宮秀也)

秀也さんの希望で作った五右衛門風呂。「薪割りの大変さとかを差し引いても、つくってよかったと思っています。お湯の温まり方が違う。夏は夜のお湯が朝まであたたかいこともあるほど」(写真撮影/雨宮秀也)

秀也さんの希望でつくった五右衛門風呂。「薪割りの大変さとかを差し引いても、作ってよかったと思っています。お湯の温まり方が違う。夏は夜のお湯が朝まで温かいこともあるほど」(写真撮影/雨宮秀也)

無垢材の良さが感じられるから、スリッパは捨てた

新しい家での暮らしを始めてすぐにゆかさんが気がついたのは、スリッパが要らないということ。
「無垢(むく)の床材を使っているのですが、特に仕上げ材などを塗ったりしていないんです。木の質感をダイレクトに感じられるからとても気持ちよくて、スリッパは捨てました」。

また自然と物を片付けるようになったということも、二人にとってのメリットだったとか。
「それまでは仕事道具を持って帰ってきて、リビングやダイニングに置きっ放しということが多かったんです。でも、この家ではそれぞれの仕事部屋をきちんと確保できているし、何よりリビングに物を出ていると気持ちが悪いなと感じるようになった。この白い壁をきちんと見える状態にしておきたいという気持ちがあるから、お互いに何も言わずとも片付けるようになっているんだと思います」と、壁に目を向ける。そこは夫の撮影スタジオとしても使う空間。

左官で白く仕上げた壁の前には、ゆかさんが生けた花が置かれているほかには物はない。余白があることですっきりと感じられ、花も引き立って見える。余白を生むためには、ものを減らすことにも気を配った。
「本はたくさんあるんですが、それでも厳選しました。それに洋服もかなり減らしたと思います。食器も水屋に入るぶんだけにしていますし」と話す。自分たちに必要なものを見極めた暮らしだということがよく分かる。

広く白い壁は、ご主人のスタジオになったり、ゆかさんの花を楽しむスペースになったり、臨機応変に使っている。ものを出しっぱなしにしなくなったというのもよく分かる気持ちのいい空間(写真撮影/雨宮秀也)

広く白い壁は、夫のスタジオになったり、ゆかさんの花を楽しむスペースになったり、臨機応変に使っている。ものを出しっぱなしにしなくなったというのもよく分かる気持ちのいい空間(写真撮影/雨宮秀也)

(写真撮影/雨宮秀也)

(写真撮影/雨宮秀也)

また、「何よりも、朝起きてパチンと電気をつけなくて済むようになったことがすごくうれしくて。天気が悪くても1階はいつも明るいんです」とゆかさん。リビングダイニング、キッチンが一続きになっているので、どこにいても窓の外を眺めることができる。庭にはゆかさんが選んで植えたという草花が生い茂り、その奥には丘の緑が見える。

「ここに住んで気がついたのは、季節は春夏秋冬4つじゃないということ。もっと細かくて、10日単位で季節が変わっていくんじゃないかと思うくらい。例えば、山を見ていると芽吹き始めたころの緑と、葉が開ききった緑とは違うんです」とうれしそうに教えてくれる。広い窓があることで、外と距離が近くなり、自然の移り変わりを身近に感じることができる。「家で仕事をしていても、ご飯を食べたり、お茶を飲んだりしながらふっと窓の外を見れば気分転換になるし、外とのつながりって大切なんだと感じています」

(写真撮影/雨宮秀也)

(写真撮影/雨宮秀也)

(写真撮影/雨宮秀也)

(写真撮影/雨宮秀也)

草花を飾る前に、まずスペースをきちんと確保する

そうして感じる季節の移り変わりや外の空気は、花を生けるということで室内にも取り入れている。仕事柄、花は常に身近にあるが、自宅でもそれは変わらない。くだんの白い壁の前以外にも、玄関や食器棚にしている水屋箪笥(だんす)の中には、いつも草花がある。

「水屋の中に花を飾るというのは、アパートに住んでいたころに思いついたことなんです。狭くて飾るスペースがないなかでの苦肉の策です」。一段の半分は何も置かないようにして、花のスペースと決めているのだそう。ガラス戸を閉めるとギャラリーのようにも感じられる一角だ。この方法は、動物と一緒に暮らしている人や小さなお子さんがいる人にとっても、草花にいたずらをされずに済むのでオススメだという。

「花を飾るのが難しいという悩みを聞くことが多いんですが、まずは置くスペースを確保することが大切なんです」。ものが多く飾られていたり、収納されている中に草花を飾っても紛れてしまって引き立たない。食器棚の一段の半分だけでもいいから、スペースを空ける。余白をつくることで、飾った花が生き生きとした姿に見えてくるのだ。

以前住んでいた家から持ってきた食器棚代わりの水屋箪笥。これを使いたいと中村さんに伝え、スペースを階段下に確保してもらった。上段の右下を花のスペースと決めて食器は入れないようにしている(写真撮影/雨宮秀也)

以前住んでいた家から持ってきた食器棚代わりの水屋箪笥。これを使いたいと中村さんに伝え、スペースを階段下に確保してもらった。上段の右下を花のスペースと決めて食器は入れないようにしている(写真撮影/雨宮秀也)

背景にものを置かずにスペースを確保するだけで、ぐんと草花が引き立って見える。使っている花器はカップ。専用の花器を使うこともあれば、食器を転用することもあるそう(写真撮影/雨宮秀也)

背景にものを置かずにスペースを確保するだけで、ぐんと草花が引き立って見える。使っている花器はカップ。専用の花器を使うこともあれば、食器を転用することもあるそう(写真撮影/雨宮秀也)

季節を感じられる花や緑を選んで楽しむ

飾る空間をつくったら、実際にどのような花材を選んだらいいのだろう?
「みなさんお花屋さんで購入することが多いと思うんです。そのときに花として選ぶものは1種類でいい。そこにグリーンを加えるようにするのがオススメです。アイビーでもいいし、ハーブでもいい。枝ものを購入できるなら、紅葉している、実がついている、新緑など、季節感を感じられるものを」。

そう言われて玄関の壁を見てみると、花にプラスされているのは小さな柿がなった枝で、なるほどと思う。もしもベランダで鉢植えをしたり、庭で育てることができる人なら、寄せ植えするのもいい、とも。

「寄せ植えだとそれぞれ競い合うのか、かえって丈夫に育つ気がします。それにお互いの植物が虫除けになったりすることもあるから安心。組み合わせるときは、紅葉するものや線の細いもの、まだら入りの葉のものや花のものなど、それぞれ葉に特徴がある緑を選ぶようにすると、生けるときに重宝します」。例えば、もみじ、ススキ、どくだみを組み合わせると、もみじが紅葉し、ススキの細長い線が動きを出してくれ、どくだみでは花も緑も楽しめる。

(写真撮影/雨宮秀也)

(写真撮影/雨宮秀也)

小さな柿がなった枝をあしらった玄関。花に枝ものや葉ものを組み合わせるだけでいいと考えると、気楽に草花を楽しむことができる (写真撮影/雨宮秀也)

小さな柿がなった枝をあしらった玄関。花に枝ものや葉ものを組み合わせるだけでいいと考えると、気楽に草花を楽しむことができる(写真撮影/雨宮秀也)

花を生けるにも、暮らすにも、無理せずに。ゆかさんたちは、それまでの暮らしを考え、自分たちに何が必要かをきちんと見極めて生活している。五右衛門風呂はあるが、広いスペースは必要ない。花を飾る空間は大切だが、たくさんの洋服はいらない。小屋のような一軒家で自然とともに過ごす毎日は、これからもとても健やかに過ぎていくに違いない。

リビングダイニングとキッチンはひとつながりのスペース。「壁などで仕切らないことで開放感もあるし、動線もスムーズ。何よりどこにいても窓の外が目に入るのがうれしい」とゆかさん(写真撮影/雨宮秀也)

リビングダイニングとキッチンはひとつながりのスペース。「壁などで仕切らないことで開放感もあるし、動線もスムーズ。何よりどこにいても窓の外が目に入るのがうれしい」とゆかさん(写真撮影/雨宮秀也)

●プロフィール
雨宮ゆか
日常の花を生ける教室「日々花」主宰。展覧会やワークショップなども開催。身近な植物をさりげなく美しく生活に取り入れる姿にファンが多く、雑誌や書籍などで活躍中。
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小規模一戸建て価格、首都圏と近畿圏は2ヵ月連続上昇

(株)東京カンテイは12月6日、2018年11月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。調査対象は敷地面積50m2以上~100m2未満。最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、11月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比+1.4%の4,606万円と続伸。都県別では東京都は-0.1%の5,419万円と僅かに反転下落。神奈川県は+2.6%の4,136万円と2ヵ月連続上昇。千葉県は-0.2%の3,912万円と反転下落。埼玉県は+2.0%の3,767万円と4ヵ月連続上昇した。

近畿圏の平均価格は前月比+2.1%の3,334万円で2ヵ月連続上昇。大阪府は-0.2%の3,126万円と2ヵ月連続下落。兵庫県は+2.6%の3,831万円と2ヵ月連続上昇。京都府は+17.0%と大幅に上昇して3,563万円と2ヵ月連続の上昇となった。愛知県は前月比+0.3%の3,844万円と反転上昇。中部圏全体では+0.5%の3,731万円と反転上昇した。

11月の小規模一戸建て価格は、首都圏と近畿圏で引き続き上昇し、中部圏は反転上昇となった。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

新築一戸建て価格、首都圏は4ヵ月連続上昇

(株)東京カンテイは12月6日、2018年11月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。調査対象は敷地面積100m2~300m2、最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、11月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比+6.6%の4,201万円と4ヵ月連続で上昇した。首都圏の平均価格が4,000万円を超えたのは2014年4月の調査開始以来初。

都県別では、東京都は+7.1%の5,141万円と4ヵ月連続上昇。東京都の平均価格が5,000万円を超えたのも初。神奈川県は+4.0%の4,430万円と3ヵ月連続上昇。千葉県は+0.2%の3,156万円と2ヵ月連続上昇。埼玉県は+3.4%の3,470万円と2ヵ月連続上昇した。首都圏は2ヵ月連続して1都3県すべてで上昇している。

近畿圏の平均価格は+4.4%の3,147万円と2ヵ月連続上昇。大阪府は+4.4%の3,440万円と3ヵ月連続上昇。兵庫県は+5.7%の3,207万円と2ヵ月連続上昇。京都府は+10.8%の3,588万円と2ヵ月連続上昇。近畿圏主要3府県ではいずれも2ヵ月連続で上昇した。

愛知県の平均価格は-0.9%の3,204万円と3ヵ月連続下落。前年同月比でも-0.4%と下落した。中部圏全体でも-1.2%の3,010万円と3ヵ月連続下落し、三大都市圏では唯一弱含んだ。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

10月の住宅着工戸数、前年同月比0.3%増

国土交通省はこのたび、「平成30年10月の住宅着工動向」を発表した。それによると10月の住宅着工戸数は83,330戸で、前年同月比0.3%増となった。利用関係別でみると、持家は25,949戸で前年同月比では先月の減少から再びの増加(前年同月比4.6%増)。貸家は35,225戸で前年同月比2か月連続の減少(同7.3%減)。

分譲住宅は21,394戸で、前年同月比3か月連続の増加(同9.2%増)。そのうち、マンションは8,604戸で前年同月比3か月連続の増加(同14.9%増)、一戸建住宅は12,556戸で前年同月比7か月連続の増加(同5.9%増)となった。

ニュース情報元:国土交通省

首都圏の新築一戸建て価格、3ヵ月連続上昇

(株)東京カンテイは11月20日、2018年10月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。これは、敷地面積100m2~300m2、最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。
それによると、10月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比+3.0%の3,941万円と3ヵ月連続で上昇した。東京都は+3.3%の4,801万円と3ヵ月連続上昇。神奈川県は+2.6%の4,261万円と2ヵ月連続上昇。千葉県は+1.0%の3,151万円と反転上昇。埼玉県は+1.0%の3,356万円と反転上昇。首都圏は1都3県全てで上昇となった。

近畿圏の平均価格は+2.4%の3,015万円と3ヵ月ぶりに反転上昇。府県別では大阪府が+0.4%の3,296万円と僅かながら連続上昇。兵庫県は+4.3%の3,033万円と3ヵ月ぶりの反転上昇。京都府は+7.7%の3,238万円と反転上昇。近畿圏主要3府県ではいずれも上昇となった。

愛知県の平均価格は-0.5%の3,234万円と2ヵ月連続下落。前年同月比でも-3.3%と下落している。中部圏全体でも-0.2%の3,046万円と連続下落。福岡県は+1.7%の2,905万円と反転上昇している。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

9月の住宅着工戸数、前年比1.5%減

国土交通省はこのたび、「平成30年9月の住宅着工動向」を発表した。それによると9月の住宅着工戸数は81,903戸で、前年同月比で1.5%減となった。利用関係別では、持家は24,873戸で前年同月比では3か月ぶりの減少(前年同月比0.0%減)、貸家は35,350戸で先月の増加から再びの減少(同5.8%減)。

分譲住宅は21,064戸で、前年同月比で2か月連続の増加(同4.3%増)、うち、マンションは8,934戸で前年同月比2か月連続の増加(同3.5%増)、一戸建住宅は11,882戸で6か月連続の増加(同4.7%増)。マンションが増加し、一戸建住宅も増加したため、分譲住宅全体で増加となった。

ニュース情報元:国土交通省

小規模一戸建て価格、首都圏と近畿圏は弱含み

(株)東京カンテイは10月10日、2018年9月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。敷地面積50m2以上~100m2未満、最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。

それによると、9月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比-2.4%の4,472万円と反転下落した。東京都は-0.4%の5,363万円と反転下落。神奈川県は-1.8%の3,957万円と2ヵ月連続下落。千葉県は-2.0%の3,813万円と反転下落。埼玉県は+1.2%の3,683万円と2ヵ月連続で上昇した。

近畿圏の平均価格は、前月比-4.5%の3,199万円で5ヵ月ぶりに反転下落。大阪府は+0.2%の3,154万円と6ヵ月連続で上昇した。兵庫県は-10.7%の3,462万円と5ヵ月ぶりに大きく反転下落。京都府は-9.5%の2,985万円と反転下落した。

愛知県は前月比+2.4%の3,878万円と3ヵ月ぶりに反転上昇。中部圏全体では+0.5%の3,747万円と5ヵ月ぶりに上昇に転じた。

9月の小規模一戸建て価格は、中部圏のみ強含み、首都圏と近畿圏は弱含みに転じた。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

新築一戸建て価格、首都圏は小幅な続伸

(株)東京カンテイは10月10日、2018年9月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。これは、敷地面積100m2~300m2、最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。

それによると、9月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比+0.2%の3,825万円と僅かな上昇ではあるが2ヵ月連続の上昇となった。東京都は+0.4%の4,649万円と2ヵ月連続上昇。神奈川県は+2.7%の4,151万円と4ヵ月ぶりに反転上昇。千葉県は-0.7%の3,121万円と3ヵ月ぶりに反転下落。埼玉県は-1.9%の3,323万円と3ヵ月ぶりに反転下落した。

近畿圏の平均価格は-0.2%の2,945万円と2ヵ月連続下落。大阪府が+3.8%の3,283万円と3ヵ月ぶりに反転上昇。兵庫県は-2.5%の2,907万円と2ヵ月連続下落。京都府は-11.4%の3,006万円と反転下落。近畿圏主要3府県では大阪府は上昇したが兵庫県、京都府は弱含んだ。

愛知県の平均価格は-1.2%の3,249万円と反転下落。中部圏全体でも-2.0%の3,053万円と反転下落。福岡県は-4.0%の2,857万円と反転下落し弱含んだ。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

住宅着工戸数、3か月ぶりの増加

国土交通省はこのほど「平成30年8月の住宅着工動向」を発表した。それによると8月の住宅着工戸数は81,860戸、前年同月比1.6%増で3か月ぶりの増加となった。
利用関係別にみると、持家は24,420戸で前年同月比では2か月連続の増加(前年同月比0.2%増)、貸家は35,457戸で15か月ぶりの増加(同1.4%増)。

また、分譲住宅は21,325戸で3か月ぶりの増加(同2.9%増)。そのうち、マンションは9,146戸で3か月ぶりの増加(同0.4%増)、一戸建住宅は11,953戸で5か月連続の増加(同4.0%増)となった。

ニュース情報元:国土交通省

小規模一戸建て価格、近畿圏は4ヵ月連続上昇

(株)東京カンテイは9月6日、2018年8月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。これは、敷地面積50m2以上~100m2未満、最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。

それによると、8月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比+2.0%の4,584万円と反転上昇した。都県別では、東京都は+3.1%の5,382万円と反転上昇。神奈川県は-1.8%の4,028万円と反転下落。千葉県は+1.4%の3,889万円と反転上昇。埼玉県は+3.2%の3,641万円と3ヵ月ぶりに反転上昇。首都圏の小規模一戸建て価格は、全体的に好調を維持している。

近畿圏の平均価格は、前月比+3.1%の3,348万円で4ヵ月連続の上昇。大阪府は+1.7%の3,149万円と5ヵ月連続上昇。兵庫県は+0.9%の3,877万円と4ヵ月連続上昇。京都府は+6.0%の3,299万円と反転上昇した。近畿圏の主要府県ではいずれも上昇している。

愛知県は前月比-1.4%の3,788万円と2ヵ月連続下落。中部圏全体では-1.3%の3,727万円と4ヵ月連続で下落した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

新築一戸建て価格、首都圏は反転上昇

(株)東京カンテイは9月6日、2018年8月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。

これは、敷地面積100~300m2、最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内、木造で土地・建物ともに所有権の物件を調査したもの。

それによると、首都圏新築一戸建ての平均価格は前月比+1.0%の3,817万円と反転上昇した。都県別では、東京都は+1.8%の4,632万円と反転上昇。神奈川県は-1.0%の4,043万円と3ヵ月連続下落。千葉県は+1.5%の3,142万円と2ヵ月連続上昇。埼玉県は+2.0%の3,387万円と2ヵ月連続上昇した。

近畿圏は-3.7%の2,952万円と4ヵ月ぶりに下落に転じた。府県別では大阪府が-1.6%の3,163万円と2ヵ月連続下落。兵庫県は-7.4%の2,983万円と反転下落。京都府は+6.7%の3,394万円と3ヵ月ぶりに反転下落。近畿圏の主要3府県では京都府のみ前月比上昇となった。

愛知県の平均価格は+3.0%の3,289万円と反転上昇。前年同月比でも+1.5%と上昇に転じた。中部全体でも+2.6%の3,116万円と反転上昇。福岡県は+0.6%の2,975万円と3か月ぶりに反転上昇した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

7月の住宅着工戸数、前年比0.7%減

国土交通省が8月31日に発表した「平成30年7月の住宅着工動向」によると、7月の住宅着工戸数は82,615戸で前年同月比0.7%減、2か月連続の減少となった。
利用関係別でみると、持家は25,447戸で6か月ぶりの増加(前年同月比0.3%増)、貸家は35,847戸で14か月連続の減少(同1.4%減)となった。

また、分譲住宅は20,885戸で2か月連続の減少(同0.7%減)、そのうち分譲マンションは8,699戸で2か月連続の減少(同4.0%減)、分譲一戸建住宅は12,004戸で4か月連続の増加(同2.5%増)となった。

ニュース情報元:国土交通省

新築一戸建て価格、首都圏は反転下落

(株)東京カンテイが発表した2018年7月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」月別推移によると、首都圏新築一戸建ての平均価格は前月比-1.3%の3,778万円で、反転下落となった。
都県別にみると、東京都は-3.6%の4,548万円と反転下落。神奈川県は-2.7%の4,084万円と連続下落。千葉県は+3.7%の3,096万円と3ヵ月ぶりの反転上昇。埼玉県は+1.7%の3,321万円と3ヵ月ぶりに反転上昇。7月は東京都と神奈川県での下落の影響で、首都圏全体の価格が弱含んだ。

近畿圏の平均価格は+1.6%の3,067万円と3ヵ月連続上昇。府県別では大阪府が-1.6%の3,216万円と3ヵ月ぶりに下落。兵庫県は+7.2%の3,221万円と3ヵ月ぶりに反転上昇。京都府は-0.6%の3,180万円と連続下落した。近畿圏の主要3府県では兵庫県のみ前月比上昇となった。

愛知県の平均価格は-2.0%の3,194万円と反転下落。中部圏全体でも-1.5%の3,038万円と反転下落した。福岡県は-0.9%の2,956万円と連続下落。前年同月比は+8.0%上昇している。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

6月の住宅着工数、3か月ぶりの減少

国土交通省が7月31日に発表した「平成30年6月の住宅着工動向」によると、6月の住宅着工戸数は81,275戸、前年同月比7.1%減、3か月ぶりの減少となった。
利用関係別にみると、持家は25,148戸(前年同月比3.4%減)で5か月連続の減少。貸家は34,884戸(同3.0%減)で13か月連続の減少。

分譲住宅は20,281戸(前年同月比18.8%減)で3か月ぶりの減少。うち、分譲マンションは8,253戸(同36.2%減)で3か月ぶりの減少、分譲一戸建住宅は11,903戸(同0.7%増)で3か月連続の増加となっている。

ニュース情報元:国土交通省

新築一戸建て価格、首都・近畿・中部揃って0.8%上昇

(株)東京カンテイは7月9日、2018年6月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。
調査対象は敷地面積100m2~300m2。最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内。木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、6月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比+0.8%の3,829万円と反転上昇した。東京都は+4.3%の4,717万円と反転上昇、神奈川県は-1.4%の4,199万円と反転下落。千葉県は-1.4%の2,985万円と2ヵ月連続下落、埼玉県は-1.1%の3,264万円と2ヵ月連続下落した。東京都の上昇が大きくなった影響により、首都圏全体の価格がプラスに転じている。

近畿圏の平均価格は+0.8%の3,020万円と2ヵ月連続上昇。府県別でみると、大阪府が+3.1%の3,268万円と2ヵ月連続上昇。兵庫県は-0.8%の3,004万円と2ヵ月連続下落。京都府は-3.5%の3,199万円と反転下落した。

愛知県の平均価格は+1.0%の3,259万円と反転上昇。中部圏全体でも+0.8%の3,084万円と反転上昇した。6月は首都圏、近畿圏、中部圏揃って+0.8%上昇した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

新築小規模一戸建て価格、首都圏は6ヵ月連続上昇

(株)東京カンテイは7月9日、2018年6月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。
調査対象は敷地面積50m2以上~100m2未満。最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内。木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、6月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比+2.1%の4,575万円と6ヵ月連続の上昇となった。東京都は+1.1%の5,377万円と5ヵ月連続上昇、神奈川県は横ばいの4,082万円。千葉県は市川市の分譲増加が寄与し、+9.0%の3,921万円と大きく反転上昇。埼玉県は-3.4%の3,548万円と反転下落した。

近畿圏の平均価格は前月比+0.8%の3,222万円で2ヵ月連続上昇。大阪府は+0.3%の3,084万円と3ヵ月連続上昇。兵庫県は+3.9%の3,787万円と2ヵ月連続上昇。京都府は+3.7%の3,169万円と3ヵ月ぶりに反転上昇した。

愛知県は前月比+1.0%の3,965万円と反転上昇。中部圏全体では-0.1%の3,875万円と概ね横ばいながら僅かに下落した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

住宅着工数、2か月連続増加

国土交通省はこのたび、平成30年5月の住宅着工動向を発表した。住宅着工戸数は79,539戸、前年同月比1.3%増、2か月連続の増加となった。
利用関係別では、持家は23,321戸(前年同月比2.2%減)で4か月連続の減少、貸家は31,083戸(同5.7%減)で12か月連続の減少。

分譲住宅は23,944戸(同12.2%増)で2か月連続の増加。そのうち、分譲マンションは11,861戸(同20.7%増)、一戸建住宅は11,944戸(同5.8%増)で、ともに2か月連続の増加となった。

ニュース情報元:国土交通省

新築一戸建て価格、首都圏は反転下落、近畿圏は反転上昇

(株)東京カンテイは6月7日、2018年5月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。調査対象は敷地面積100m2~300m2。最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内。木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、5月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比-0.9%の3,800万円と反転下落した。東京都は-1.4%の4,524万円で反転下落。神奈川県は+2.3%の4,258万円で反転上昇。千葉県は-2.4%の3,026万円と3ヵ月ぶりに反転下落。埼玉県は-0.9%の3,299万円で反転下落した。

近畿圏の平均価格は+1.8%の2,996万円と反転上昇。府県別では大阪府が+4.0%の3,169万円と反転上昇。兵庫県は-3.3%の3,029万円と反転下落。京都府は+2.9%の3,314万円と反転上昇。近畿圏の主要3府県ではいずれも反転変化し、兵庫県のみ下落した。

愛知県の平均価格は-2.3%の3,227万円と5ヵ月ぶりに下落。中部圏全体でも-2.1%の3,059万円と5ヵ月ぶりの下落となった。福岡県は+6.2%の3,028万円と反転上昇した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

新築小規模一戸建て価格、首都圏と近畿圏は上昇、中部圏は下落

(株)東京カンテイは6月7日、2018年5月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。調査対象は敷地面積50m2以上~100m2未満。最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内。木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、5月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比+0.5%の4,479万円と5ヵ月連続の上昇となった。東京都は+0.5%の5,316万円で4ヵ月連続の上昇。神奈川県は+4.2%の4,081万円と3ヵ月ぶりの上昇。千葉県は-4.9%の3,596万円と反転下落。埼玉県は+3.4%の3,674万円と反転上昇した。

近畿圏の平均価格は前月比+1.4%の3,195万円、4ヵ月ぶりに反転上昇した。大阪府は+0.6%の3,074万円と2ヵ月連続上昇。兵庫県は+4.7%の3,645万円と4ヵ月ぶりの反転上昇。京都府は-2.0%の3,055万円と2ヵ月連続下落。近畿圏の主要府県では大阪府は上昇傾向が強く、京都府は下落傾向が続いている。

愛知県は前月比-3.4%の3,925万円と反転下落。中部圏全体でも-3.8%の3,877万円と反転下落した。

5月の小規模一戸建て価格は、首都圏は上昇基調を維持し、近畿圏も上昇に転じたが、中部圏では下落に転じた。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

4月の住宅着工戸数、10か月ぶりの増加

国土交通省はこのたび、平成30年4月の住宅着工動向を発表した。住宅着工戸数は84,226戸、前年同月比0.3%増、10か月ぶりの増加となった。利用関係別では、持家は23,289戸(前年同月比1.9%減)で3か月連続の減少。民間資金による持家は20,603戸(同2.2%減、3か月連続の減少)で、公的資金による持家は2,686戸(同0.2%減、10か月連続の減少)だった。

貸家は35,447戸(前年同月比2.1%減)で11か月連続の減少。民間資金による貸家は31,539戸(同3.4%減、11か月連続の減少)で、公的資金による貸家は3,908戸(同10.2%増、先月の減少から再びの増加)だった。

分譲住宅は24,904戸(前年同月比5.0%増)で、先月の減少から再びの増加。うち、マンションは12,350戸(同2.1%増、先月の減少から再びの増加)、一戸建住宅は12,324戸(同7.1%増、4か月ぶりの増加)。

ニュース情報元:国土交通省

首都圏の一戸建て価格、マンションと比べ安定推移

(株)東京カンテイはこのたび、一戸建て住宅の新築・中古市場動向を総括した「一戸建て住宅データ白書 2017」を発表した。
調査対象は、敷地面積50m2~300m2、最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内、木造であり土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、新築一戸建ては、2017年に全国で11万6,287戸分譲された。2016年の10万9,043戸と比べ+6.6%増加している。首都圏は6万1,272戸分譲され、前年比+6.9%の増加。中古一戸建においては、2017年に全国で6万8,342戸流通し、2016年の6万5,089戸と比べ+5.0%増加した。首都圏では2017年に2万7,197戸が流通し、2016年の2万5,824戸と比べ+5.3%増加している。

2017年・首都圏における新築一戸建て住宅の一戸平均価格は3,999万円、2016年の3,949万円と比べ+1.3%上昇した。首都圏の新築マンション一戸平均価格は、2017年に5,544万円で前年比+9.0%上昇したことと比較すると、一戸建て価格は極めて安定推移していると言える。平均土地面積は前年比+0.6%の115.5m2、平均建物面積は+0.1%の98.8m2と、ともにほぼ変動していない。

また、2017年・首都圏における中古一戸建て住宅の一戸平均価格は3,337万円、2016年の3,298万円と比べ+1.2%の上昇。首都圏の中古マンション一戸平均価格は3,257万円で、+3.2%上昇したことと比べると、新築と同様に中古一戸建て価格も安定推移している。平均土地面積は前年比-0.7%の130.7m2、平均建物面積は-0.3%の101.1m2と、それぞれ僅かに縮小した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

3月の住宅着工戸数、9か月連続減少

国土交通省はこのたび、平成30年3月の住宅着工動向を発表した。住宅着工戸数は69,616戸、前年同月比8.3%減、9か月連続の減少となった。利用関係別にみると、持家は前年同月比4.2%減の20,576戸で2か月連続の減少。貸家は前年同月比12.3%減の29,750戸で10か月連続の減少。

分譲住宅は前年同月比3.6%減の19,019戸で先月の増加から再びの減少。うち、分譲マンションは前年同月比8.0%減の7,865戸で先月の増加から再びの減少、分譲一戸建住宅は前年同月比0.8%減の10,957戸で3か月連続の減少となった。

ニュース情報元:国土交通省

2017年度の新設住宅着工数、3年ぶりの減少

国土交通省はこのたび、2017年度の新設住宅着工戸数を発表した。それによると、新設住宅着工戸数は946,396戸(前年度比2.8%減)で、3年ぶりの減少となった。利用関係別では、持家は前年度比3.3%減の282,111戸で3年ぶりの減少。貸家は前年度比4.0%減の410,355戸、3年ぶりの減少。

分譲住宅は前年度比0.3%減の248,495戸で3年ぶりの減少。うち、マンションは108,278戸(前年度比3.6%減)で2年連続の減少。一戸建住宅は137,849戸(前年度比2.3%増)で3年連続の増加となった。

ニュース情報元:国土交通省

17年首都圏の建売住宅、供給は2年ぶりの5,000戸割れ

(株)不動産経済研究所は4月16日、2017年度(2017年4月~2018年3月)首都圏の建売住宅市場動向を発表した。
それによると、17年度の新規発売戸数は、対前年同期(5,299戸)比10.2%減の4,756戸、2年ぶりの5,000戸割れとなった。地域別発売戸数は東京都1,445戸(全体比30.4%、対前年同期比23.1%減)、千葉県1,329戸(同27.9%、同0.2%減)、埼玉県1,318戸(同27.7%、同5.6%増)、神奈川県617戸(同13.0%、同22.1%減)、茨城県47戸(同1.0%、同2.1%減)。

新規発売戸数に対する契約戸数は2,307戸で、平均契約率は48.5%。前年同期の51.8%に比べて3.3ポイントダウンした。1戸当り平均価格は4,911.3万円。16年度は4,952.4万円だったので、前年同期比総額では41.1万円(0.8%)ダウンしている。

地域別平均価格は東京都6,289.8万円、千葉県3,778.6万円、埼玉県4,129.4万円、神奈川県5,754.6万円、茨城県5,414.4万円だった。

ニュース情報元:(株)不動産経済研究所

3月の新築一戸建て価格、首都圏は4ヵ月ぶりに下落、近畿圏は4ヵ月連続上昇

(株)東京カンテイは4月5日、2018年3月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。調査対象は敷地面積100m2~300m2。最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内。木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、3月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比-2.0%の3,736万円と4ヵ月ぶりに下落した。東京都は-0.6%で4,556万円と反転下落。神奈川県は+0.8%の4,212万円と3ヵ月連続上昇。千葉県は+0.6%の2,959万円と反転上昇。埼玉県は-1.4%の3,268万円と3ヵ月ぶりに反転下落した。

近畿圏の平均価格は、+1.6%の3,047万円と4ヵ月連続上昇。府県別では大阪府が+0.6%の3,224万円と2ヵ月連続上昇。兵庫県は-6.3%の2,984万円と5ヵ月ぶりに反転下落。京都府は+10.3%の3,467万円と2ヶ月連続で大きく上昇した。近畿圏の主要府県では兵庫県のみ下落している。

愛知県の平均価格は+1.0%の3,225万円と3ヵ月連続上昇。中部圏全体でも+1.2%の3,061万円と、3ヵ月連続上昇。福岡県は+5.7%の3,060万円と反転上昇。前年同月比も+14.8%の上昇となった。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

3月の小規模一戸建て価格、首都圏は上昇基調を維持、近畿圏と中部圏は下落傾向

(株)東京カンテイは4月5日、2018年3月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。調査対象は敷地面積50m2以上~100m2未満。最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内。木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、3月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比で+0.5%の4,439万円と3ヵ月連続で上昇した。東京都は+0.7%の5,192万円と連続上昇。神奈川県は-0.4%の4,082万円と3ヵ月ぶりに反転下落。千葉県は-1.8%の3,496万円と2ヵ月連続下落。埼玉県は+3.1%の3,647万円と反転上昇した。

近畿圏の平均価格は、前月比-0.9%の3,182万円で2ヵ月連続下落。大阪府は-2.6%の2,987万円と4ヵ月ぶりに反転下落。兵庫県は-2.2%の3,641万円と2ヵ月連続下落。京都府は+4.3%の3,164万円と3ヵ月ぶりに反転上昇。近畿圏の主要府県では京都府を除き下落傾向に転じた。愛知県は前月比-2.1%の3,665万円と3ヵ月ぶりに反転下落。中部圏全体でも-2.7%の3,608万円と3ヵ月ぶりに下落となった。

3月の小規模一戸建て価格は、首都圏は上昇基調を維持したが、近畿圏と中部圏では下落傾向となった。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

2月の住宅着工戸数、8か月連続の減少

国土交通省は3月30日、平成30年2月の住宅着工動向を発表した。それによると2月の住宅着工戸数は69,071戸で、前年同月比で2.6%減、8か月連続の減少となった。
利用関係別にみると、持家は前年同月比6.1%減の20,013戸で先月の増加から再びの減少。貸家は前年同月比4.6%減の29,420戸で、9か月連続の減少。

分譲住宅は前年同月比3.4%増の19,023戸で3か月ぶりの増加。うち、分譲マンションは前年同月比9.3%増の8,267戸で3か月ぶりの増加、分譲一戸建住宅は前年同月比1.3%減の10,560戸で2か月連続の減少となった。

ニュース情報元:国土交通省

首都圏分譲一戸建て、平均購入価格は4,140万円で3年連続上昇

(株)リクルート住まいカンパニーはこのたび、「2017年首都圏新築分譲一戸建て契約者動向調査」の結果を発表した。

調査対象は2017年1月~2017年12月の首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)新築分譲一戸建て購入契約者。集計対象期間は2017年1月~2017年12月。集計数は1,972件。

それによると、購入した物件の所在地は「神奈川県」が最も多く24%。以下、「埼玉県」21%、「東京都下」19%、 「東京23区」17%、「千葉県」17%と続く。「神奈川県」の割合は2016年から2ポイントの増加となった。

購入価格は「3,500~4,000万円未満」が16%、「3,000~3,500万円未満」が14%で、3,000万円台が3割を占め、メインの価格帯となっている。平均購入価格は2016年から16万円上昇し、4,140万円。平均購入価格は2015年以降3年連続で上昇している。

契約世帯の世帯主年齢は「30~34歳」が最も多く32%。以下「35~39歳」25%、「40代」21%と続く。20代の割合は2016年から2ポイント増加した。新築分譲一戸建て契約者は「50歳以上」が6%と新築分譲マンション契約者(13%)の半数以下であり、平均年齢も36.5歳と新築分譲マンション契約者(38.6歳)に比べて若い。

契約世帯の総年収は「400~600万円未満」「600~800万円未満」がそれぞれ3割を占める。平均は727万円。新築分譲一戸建て契約者の平均世帯総年収は、新築分譲マンション契約者(944万円)より200万円以上少なかった。契約世帯のうち既婚世帯における共働きの割合は55%で、2016年と同じ。

住まいの購入を思い立った理由は、「子供や家族のため、家を持ちたいと思ったから」が最も多く66%。以下「もっと広い家に住みたかったから」(34%)、「現在の住居費が高くてもったいないから」(33%)と続く。「金利が低く買い時だと思ったから」は2016年から12ポイント減少した。

ニュース情報元:(株)リクルート住まいカンパニー

2月の新築一戸建て価格、首都圏は上昇傾向を維持

(株)東京カンテイは3月8日、2018年2月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。調査対象は敷地面積100m2~300m2。最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内。木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、2月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比+1.1%の3,814万円と3ヵ月連続上昇した。東京都は±0.0%で4,583万円と横ばい。神奈川県は+1.5%の4,178万円と連続上昇して4,000万円台を維持。千葉県は-4.3%の2,942万円と反転下落。埼玉県は+2.4%の3,314万円と2ヵ月連続上昇した。

近畿圏の平均価格は+3.4%の3,000万円と3ヵ月連続上昇。3,000万円台に乗ったのは9ヵ月ぶり。府県別では大阪府が+2.7%の3,206万円と反転上昇。兵庫県は+6.3%の3,185万円と4ヵ月連続上昇。京都府は+7.5%の3,143万円と大きく反転上昇した。

愛知県の平均価格は+0.5%の3,192万円と連続上昇。中部圏全体でも+0.4%の3,026万円と2ヵ月連続上昇。福岡県は-1.4%の2,895万円と3ヵ月ぶりに反転下落した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

2月の小規模一戸建て価格、首都圏は続伸

(株)東京カンテイは3月8日、2018年2月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。調査対象は敷地面積50m2以上~100m2未満。最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内。木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、2月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比で+0.1%の4,419万円と続伸。東京都は+1.2%の5,157万円と反転上昇。神奈川県は+2.9%の4,097万円と2ヵ月連続上昇。千葉県は-5.9%の3,560万円と3ヵ月ぶりに反転下落。埼玉県も-6.3%の3,537万円と反転下落した。

近畿圏の平均価格は、前月比-1.7%の3,211万円で3ヵ月ぶりに反転下落。大阪府は+1.8%の3,067万円と3ヵ月連続上昇。兵庫県は-8.7%の3,724万円と4ヵ月ぶりに反転下落。京都府は-1.9%の3,033万円と2ヵ月連続下落。近畿圏では12月以降上昇傾向だったが、2月は反転下落傾向に変化した。

愛知県は前月比+1.2%の3,744万円と2ヵ月連続で上昇。中部圏全体でも+0.8%の3,709万円と2ヵ月連続の上昇となった。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

1月の住宅着工戸数、持家は8か月ぶりの増加、貸家は8か月連続の減少

国土交通省は2月28日、平成30年1月の住宅着工動向を発表した。それによると、1月の住宅着工戸数は66,358戸で、前年同月比で13.2%減となった。

利用関係別では、持家は前年同月比0.1%増の20,257戸で8か月ぶりの増加。貸家は前年同月比10.8%減の28,251戸で、8か月連続の減少となった。

分譲住宅は前年同月比27.5%減の17,448戸で、2か月連続の減少。うち、分譲マンションは前年同月比50.2%減の6,525戸で2か月連続の減少、分譲一戸建住宅は前年同月比1.1%減の10,743戸で4か月ぶりの減少となった。

ニュース情報元:国土交通省

1月の新築一戸建て価格、首都圏は前月比+8.1%と大きく上昇、東京カンテイ

(株)東京カンテイは2月19日、2018年1月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。調査対象は敷地面積100m2~300m2。最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内。木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、1月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比+8.1%の3,773万円と2ヵ月連続の上昇となった。東京都は+2.6%で4,583万円と連続上昇。神奈川県は+6.8%の4,115万円。千葉県は+7.7%の3,074万円と連続上昇。埼玉県は+4.5%の3,236万円と反転上昇した。

近畿圏の平均価格は+0.8%の2,901万円と2ヵ月連続上昇。府県別では、大阪府が-1.3%の3,121万円と反転下落。兵庫県は+4.0%の2,996万円と3ヵ月連続上昇。京都府は-10.1%の2,924万円と大きく連続下落した。

愛知県の平均価格は+0.5%の3,176万円と反転上昇。中部圏全体でも+3.8%の3,015万円と3ヵ月ぶりに反転上昇した。福岡県は+6.4%の2,937万円と2ヵ月連続の上昇となった。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

1月の小規模一戸建て価格、首都圏は千葉と埼玉が大幅上昇、東京カンテイ

(株)東京カンテイは2月19日、2018年1月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。
調査対象は敷地面積50m2以上~100m2未満。最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内。木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、1月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比+9.4%の4,413万円と反転上昇した。東京都は-0.6%の5,094万円と連続下落となったが、神奈川県は+4.4%の3,982万円と反転上昇。千葉県は+18.8%の急上昇で3,785万円と2ヵ月連続上昇。埼玉県も+16.1%の3,773万円と大幅に反転上昇した。

近畿圏の平均価格は、前月比+6.0%の3,268万円で連続上昇。大阪府は+0.4%の3,014万円と僅かな上昇。兵庫県は+16.7%の4,077万円と3ヵ月連続上昇。京都府は-3.1%の3,093万円と反転下落。近畿圏では11月まで下落傾向が続いたが、12月以降反転上昇傾向となり、1月もその傾向を維持した。

愛知県は前月比+6.9%の3,701万円と4ヵ月ぶりに上昇。中部圏全体でも+9.4%の3,678万円と反転上昇した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

12月の住宅着工数、6か月連続の減少、国土交通省

国土交通省はこのほど、平成29年12月の住宅着工動向を発表した。それによると、12月の住宅着工戸数は76,751戸で、前年同月比2.1%減・6か月連続の減少となった。

利用関係別では、持家は前年同月比2.5%減の23,288戸で7か月連続の減少。貸家は前年同月比3.0%減の33,438戸で7か月連続の減少。

分譲住宅は前年同月比1.3%減の19,537戸で先月の増加から再びの減少。うち、分譲マンションは前年同月比11.0%減の7,422戸で先月の増加から再びの減少。分譲一戸建住宅は前年同月比6.6%増の11,992戸で3か月連続の増加となった。

ニュース情報元:国土交通省

12月の新築一戸建て価格、首都圏は横ばい推移、東京カンテイ

(株)東京カンテイは1月17日、2017年12月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。
調査対象は敷地面積100m2~300m2。最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内。木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、12月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比+0.1%の3,489万円と反転上昇したが、概ね横ばい。東京都は+2.2%で4,465万円と反転上昇。神奈川県は-1.4%の3,852万円と4ヵ月ぶりに下落。千葉県は+2.8%の2,855万円と反転上昇。埼玉県は-1.5%の3,098万円と5ヵ月ぶりに反転下落した。

近畿圏の平均価格は+1.1%の2,877万円と3ヵ月ぶりに反転上昇。大阪府は+5.9%の3,163万円と反転上昇。兵庫県は+0.4%の2,882万円と連続上昇。京都府は-2.8%の3,251万円と反転下落。近畿圏の主要府県では京都府のみで下落している。

愛知県の平均価格は-1.7%の3,161万円と連続下落。中部圏全体でも-1.8%の2,906万円と連続下落。福岡県は+1.4%の2,760万円と反転上昇している。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

12月の小規模一戸建て価格、首都圏は3ヵ月ぶりの下落、東京カンテイ

(株)東京カンテイは1月17日、2017年12月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。調査対象は敷地面積50m2以上~100m2未満。最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内。木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、12月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比-1.1%の4,033万円と3ヵ月ぶりに下落した。東京都は-1.3%の5,123万円と3ヵ月ぶりに下落。神奈川県は-1.2%の3,815万円と4ヵ月ぶりに下落。千葉県は+1.2%の3,185万円と4ヵ月ぶりに反転上昇。埼玉県は-2.2%の3,250万円と連続下落。都県別の小規模戸建て価格は、千葉県以外で下落した。

近畿圏の平均価格は、前月比+1.7%の3,084万円で反転上昇。大阪府は+2.6%の3,003万円と反転上昇。兵庫県は+2.4%の3,493万円と2ヵ月連続上昇。京都府は+1.5%の3,192万円と反転上昇。近畿圏では兵庫県で連続上昇、大阪府と京都府では反転上昇し、11月までは弱含んでいたが12月には強含みに転じている。

愛知県は前月比-1.0%の3,462万円と3ヵ月連続下落。中部圏全体では-2.8%の3,362万円で連続下落となった。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

日当たりも体感!? 建てる前に家具配置できる、バーチャルモデルルームが登場

VR(仮想現実)と聞くと、とっさにゲーム関係のものだと想像してしまいがち。けれど、 アメリカのコンサルティング会社「IDC」の分析(※参照リンク)によると、VRとAR(拡張現実)の世界市場規模が2020年には1443億ドル(2017年12月現在、約16兆1507億円)に達する予測されている。これは実に、2015年から2020年の間で年平均198.0%の成長率なのだ。そんなVRはゲーム業界にとどまらず、既に様々な分野に進出してきている。日本の建築や住宅デザイン業界にも、VRを利用した新たなサービスがスタートしている。今回新たに販売されたのは、ゲーム開発会社の株式会社ヒストリア(東京都目黒区)が開発した、住宅やオフィスの販売促進用ソフトウェア バーチャルモデルルーム「Solid Vision」だ。

【画像1】画像提供/株式会社ヒストリア

【画像1】画像提供/株式会社ヒストリア

近年、建築のビジュアライズでもリアルタイムCGの技術が使用されるようになってきていたことに着目した株式会社ヒストリアは、長年ゲーム開発を行ってきたスタッフと建築業界出身のスタッフがタッグを組み、建築ビジュアライゼーションソフトウェア「Solid Vision」を開発。マンション・戸建て・オフィスなど、あらゆるタイプの物件の「完成後の姿」をコンピューター上でシミュレーションすることができるようになった。壁材、床材などのイメージを瞬時に交換できるだけではなく、家具を配置したレイアウト案も確認できる。

【画像2】画像提供/株式会社ヒストリア

【画像2】画像提供/株式会社ヒストリア

ヒストリアの担当者によると、新築マンションのモデルルームでの活用では、階数ごとに景観を変える等の眺望のシミュレーションに対応したり、日照シミュレーション機能を活用しバルコニーの日当たりも見せられるという。オフィス版では、40人想定のレイアウトや60人想定のレイアウト等、ニーズに応じたプランのシミュレーションも可能だ。

【画像3】画像提供/株式会社ヒストリア

【画像3】画像提供/株式会社ヒストリア

また、「Solid Vision」は、専用の機器を使用することで「Solid Vision VR」を体験することができる。ウォークスルー機能を使って、実際にその家やオフィスの動線確認や、実際にどういう見え方をするのか確認できるのだ。VR上でも壁材や床材のイメージを変更できるので、素早く様々な内装イメージを体験できるというメリットも。

しかも姿勢を低くすると、VR上の視界もその高さに変わるという機能が。ヒストリアの担当者は「しゃがんだ際には、子供の目線での高さの確認が可能です」と語っている。更に「家具を配置した時の生活導線や、実際の目線の高さで感じる圧迫感などを事前に体感することが出来ます」とのこと。

既に「Solid Vision」を導入している住宅販売会社は、販売中の分譲住宅や注文住宅のプレゼンテーションの際に活用しているという。その住宅販売会社から「今までは模型と予想図でしか伝えられなかった完成形を、バーチャルで体感できることで、成約のスピードを早められる」と好反応を得ている。

VRの市場成長とともに、これからは「建てる前にVRで確認」という時代になるかもしれない。

11月の住宅着工数84,703戸、5か月連続の減少、国土交通省

国土交通省はこのほど、平成29年11月の住宅着工動向を発表した。それによると、11月の住宅着工戸数は84,703戸で、前年同月比0.4%減・5か月連続の減少となった。

利用関係別では、持家は前年同月比4.2%減の24,904戸で6か月連続の減少。貸家は前年同月比2.9%減の37,508戸で6か月連続の減少。

分譲住宅は前年同月比8.7%増の21,882戸で3か月ぶりの増加。うち、分譲マンションは前年同月比9.5%増の9,052戸で3か月ぶりの増加。分譲一戸建住宅は前年同月比7.7%増の12,580戸で2か月連続の増加となった。

ニュース情報元:国土交通省

11月の小規模一戸建て価格、首都圏は上昇基調、近畿圏・中部圏は下落、東京カンテイ

(株)東京カンテイは12月7日、2017年11月の「新築小規模木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。調査対象は敷地面積50m2以上~100m2未満。最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内。木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、11月の首都圏新築小規模一戸建ての平均価格は、前月比+0.5%の4,078万円と連続上昇。東京都は+1.4%の5,189万円と連続上昇。神奈川県は+0.1%の3,861万円と3ヵ月連続上昇ながらほぼ横ばい。千葉県は-5.0%の3,146万円と3ヵ月連続下落した。埼玉県は-0.3%の3,322万円と4ヵ月ぶりに反転下落。都県別の小規模戸建て価格は、東京都で強含んだ。

近畿圏の平均価格は、前月比-1.3%の3,031万円で4ヵ月ぶりに反転下落。大阪府は-3.2%の2,926万円と反転下落。兵庫県は+4.1%の3,411万円と4ヵ月ぶりに反転上昇。京都府は-0.3%の3,145万円と5ヵ月ぶりに下落。近畿圏では10月まで連続上昇していた大阪府と京都府が下落に転じ、近畿圏全体の価格も弱含んでいる。

愛知県は前月比-3.9%の3,497万円と2ヵ月連続下落。中部圏全体では-2.6%の3,459万円と反転下落。

11月の小規模一戸建ての価格は、首都圏では上昇基調を維持したが、近畿圏と中部圏はともに下落に転じている。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ

11月の新築一戸建て価格、首都圏は3ヵ月ぶりに下落、東京カンテイ

(株)東京カンテイは12月7日、2017年11月の「新築木造一戸建て住宅平均価格」月別推移を発表した。
調査対象は敷地面積100m2~300m2。最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内。木造で土地・建物ともに所有権の物件。

それによると、11月の首都圏新築一戸建ての平均価格は、前月比-0.2%の3,484万円と3ヵ月ぶりに下落した。東京都は-5.5%で4,369万円と連続下落。神奈川県は+2.7%の3,906万円と3ヵ月連続上昇。千葉県は-1.3%の2,777万円と反転下落。埼玉県は+1.9%の3,145万円と4ヵ月連続上昇した。

近畿圏の平均価格は、-1.1%の2,845万円と連続下落。府県別では、大阪府が-3.8%の2,987万円と反転下落した。兵庫県は+1.3%の2,871万円と反転上昇。京都府は+5.1%の3,343万円と反転上昇。近畿圏の主要府県では大阪府のみ下落している。

愛知県の平均価格は-3.9%の3,216万円と反転下落。中部圏全体でも-3.1%の2,960万円と反転下落。福岡県も-0.5%の2,721万円と反転下落した。

ニュース情報元:(株)東京カンテイ