歌舞伎町一丁目の再開発、8月より本格着工

東京急行電鉄(株)(東急電鉄)と(株)東急レクリエーションは、「歌舞伎町一丁目地区開発計画(新宿TOKYU MILANO再開発計画)」(東京都新宿区)の新築工事を、8月より本格着工する。同計画は、世界有数の都市観光拠点である新宿歌舞伎町エリアに、映画館・劇場・ライブホールなどのエンターテインメント施設、ホテルなどからなる地上48階・地下5階・塔屋1階、約225mの高層複合施設を整備するもの。

映画館は東急レクリエーションが、劇場、ライブホールなどのエンターテインメント施設は東急レクリエーション、ソニー・ミュージックエンタテインメント、東急電鉄の3社が出資する(株)TSTエンタテイメントが運営を行う。

また、東急ホテルズが運営する宿泊施設は、地上100mを超えるルーフトップや、高層階にはアート・音楽といった街の文化を織り込んだ客室などを整備。映画館・劇場・ライブホールなどのエンターテインメント機能とホテルが連動し、日本のナイトタイムエコノミーの活性化に貢献していく。

施設整備と合わせて、リムジンバスの乗降場整備や、西武新宿駅前通りのリニューアルなども実施。隣接するシネシティ広場には屋外劇場を整備するなど、まちの回遊とにぎわいを創出していく。

ニュース情報元:東急電鉄

熊本・桜町の大規模商業施設、9/14オープン

九州産交ランドマーク(株)は、「熊本都市計画桜町地区第一種市街地再開発事業」で建設中の商業施設「SAKURA MACHI Kumamoto(サクラマチ クマモト)」のオープンを、2019年9月14日(土)に決定した。「熊本都市計画桜町地区第一種市街地再開発事業」は、熊本市中央区桜町に、商業施設、バスターミナル、公益施設、ホテル、住宅などを一体的に開発する再開発事業。その核となる施設「SAKURA MACHI Kumamoto」は、地上7階・地下1階、店舗数149店舗の大規模商業施設となる。

店舗にはファッション、飲食・物販、シネマコンプレックスなどがあり、9月14日にオープンする「TOHOシネマズ 熊本サクラマチ」には、熊本県内の劇場としては初の上映システム「ScreenX」や、TOHOシネマズ日比谷に続き国内2ヶ所目となる「TOHOシネマズ プレミアムシアター」を導入する。

「ScreenX」は、まるでその場にいるかのように映画の世界を体感する事ができる新次元の上映システム。従来の正面スクリーンに加え、左右の壁面にも映像を映し出す3面マルチシアターを採用することで、視野角が270度まで広がり、未体験の臨場感を味わうことができる。

ニュース情報元:九州産交ランドマーク(株)

「キュープラザ池袋」、開業日は7月19日に決定

東急不動産(株)は、池袋東口サンシャイン通り沿いで開発を進める商業施設「キュープラザ池袋」(東京都豊島区)の開業日を、2019年7月19日(金)に決定した。同施設は、JR山手線等「池袋駅」徒歩4分に立地する地下2階・地上14階建。シネマコンプレックス、アミューズメント、カフェやレストラン、ショッピング店舗などがオープンする。

全16店舗のうち、10店舗が旗艦店や池袋エリア初、新業態で出店。オリジナル雑貨を低価格帯で提供するAWESOME STORE(オーサムストア)のカフェ併設店第2号店「AWESOME STORE & CAFE」、火鍋スープが楽しめる「小肥羊(シャオフェイヤン)」、厳選した肉を味わえる「焼肉ブラックホール」の3店舗が旗艦店として登場。

また、エリア初出店として、最新VRなどが楽しめる「プラサカプコン」、コリアンデザートのかき氷が楽しめる「ソルビン」や、本格江戸前寿司をリーズナブルに味わえる「寿司・和食 築地日本海」が出店する予定。

12スクリーン・2,443席からなるシネマコンプレックス「グランドシネマサンシャイン」には、常設の映画館としては国内最大級となる、高さ18.9m、幅25.8mのスクリーンを備えた「IMAX(R)レーザー/GT テクノロジー」シアターを導入。前後・左右・上下に動くモーションシート、視野270度の3面マルチプロジェクション上映システムによる体感型シアター「4DX with ScreenX」など、従来のシネマコンプレックスの基準を超える設備とサービスで、未来基準のエンターテイメントを提供していく。

ニュース情報元:東急不動産(株)

壇蜜「夕飯はなるべく自宅で。毎日のルーティンを大事にしています」【映画『食べる女』インタビュー】

2018年9月21日(金)公開の映画『食べる女』に出演する壇蜜さんは、自宅でどのようにパワーをチャージしているのか。よく食べるものやダイニングキッチンのこだわりなど、「食」と「暮らし」について語っていただいた。
自宅にはお気に入りの食品を常に大量にストック

 ご飯を食べて、細かい家事をやって、お風呂に入って、明日の支度をする。そんな毎日のルーティンを大事にしています。一連の流れを崩したくないので、夕飯は家で食べることが多いですね。

 だから、自宅には常にお気に入りの食品を常備しています。ミニトマトと梅干し、刻んだ冷凍パクチー、それから好きなアイス。今はアロエのアイスが30本くらいあります。一度気に入ると発売中止になるまで買い続けてしまうので、ストックは増える一方。飼っている蛇や熱帯魚のエサを置くスペースも必要なので、小さい冷蔵庫の中身を定期的にリストラしてやりくりしています(笑)

 自炊もしますよ。今の家はキッチンの使い勝手がよくて、特にコンロの下にある「ナゾの細い引き出し」が便利。前の家にはなかったんですけど、いざ使ってみるとすごくポテンシャルが高いんです、あの細い引き出し。上段に塩コショウや顆かりゅう粒だしなど背の低い調味料、下段に料理酒やごま油、オリーブオイルなど、コンロでよく使うものを入れています。キッチンが使いやすいと、料理も頑張れますね。最近はよく手羽元のグリルをつくります。開いた手羽元をしょうゆと酒とショウガでもみ込み、冷蔵庫でひと晩寝かせてからグリルする。とってもおいしいです。

小さいダイニングで一人静かに食事するのが好き

『食べる女』で私が演じるツヤコは、一見とんでもない、しょうがないお母さん。そのダメさ加減は、良くも悪くも小学生の娘・ミドリの心に強く刻まれます。そんな母を守りたいと思うのか、あるいは逆に軽蔑するのか。いずれにせよ、ツヤコの危うさ、変な部分をしっかり表現することは、娘の成長を描く上で欠かせないと考え、演じています。そしたら案の定、「(変な女が)よく似合うね」という感想をいただきました。ありがたいですね。

 映画には食卓の風景も数多く登場します。作中では誰かと一緒に食べるシーンがほとんどですが、私自身はなるべく一人がいい。実は、人前で何かを食べるのが苦手というか、恥ずかしいんです。手羽元を食べているところなんて、完全に「捕食シーン」ですからね。キッチンに近いコンパクトなダイニングで、誰に気兼ねすることなく静かに黙々と食べるのが好きですね。特に、仕事が休みの日に一人でこっそり食べるアイスやゼリーは最高のご褒美です。

壇蜜●取材協力
壇蜜(だん・みつ)さん

1980年生まれ、秋田県出身。雑誌グラビアで注目を浴び、主演映画『甘い鞭』では第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。映画『食べる女』では、2児の母で耳のパーツモデルをしている米坂ツヤコを演じる

●壇蜜さんが出演する映画
『食べる女』
『食べる女』
小泉今日子、沢尻エリカ、前田敦子、広瀬アリス、山田優、壇蜜、シャーロット・ケイト・フォックス、鈴木京香、豪華女優陣が夢の競演。人生における価値観が異なる8人の女たちが、おいしいものを心置きなく食べる“女の本音満載の宴”を通して、現代に生きる女たちの“今”を描く。おいしいゴハンを食べれば、心も身体も元気になる!
2018年9月21日より公開。 Ⓒ2018「食べる女」倶楽部

取材・文/やじろべえ榎並紀行(壇蜜) デザイン/blue vespa

山田優「リノベーションで対面キッチンに。手早く料理できるようになりました」【映画『食べる女』インタビュー】

2018年9月21日(金)公開の映画『食べる女』に出演する山田優さんは、自宅でどのようにパワーをチャージしているのか。よく食べるものやダイニングキッチンのこだわりなど、「食」と「暮らし」について語っていただいた。
お風呂の床はコルクにして大正解。痛くないし、冷たくない

 1年前、10年以上住んでいた家をリノベーションしました。こだわったのは、子育てしやすくて、家族みんながリラックスできること。キッチンは独立型から対面カウンターに変えて、子どもとおしゃべりしたり、遊んでいる姿を見守りながら料理できるようにしました。それまでは、子どもに目が届かないのが不安だったけど、今は安心してキッチンに立てますね。キッチンのベビーゲートも、部屋の雰囲気に合ったものを造作で付けたので、見た目もすっきり。冷蔵庫から食材を出したら、シンクで洗って、ワークトップで下ごしらえして、コンロで火にかけて……と、流れで作業できるように配置したのもポイントです。バスルームや洗面室の床は、転んでも痛くないコルク素材に。最初は「お風呂にコルク!?」と思ったけど、濡れても大丈夫だし、はだしでも冷たくないので、冬も快適です。

 インテリアはNYのSOHOのようなイメージ。スチール素材と重厚感のある木を組み合わせて、無骨な雰囲気に仕上げました。写真集やPinterestから気に入った写真を集めて、「こんな感じにしたい」と設計士さんと相談するのは、すごく楽しかった! 夫はインテリアにこだわりがなくて、仕上がりを見て「いいんじゃない?」と言うだけ(笑)。ほとんど私が主導で考えました。

「おいしいね」の言葉で料理のやる気が出ます

『食べる女』は、自分の欲望に正直な女性たちがそれぞれ悩みを抱えながらも、仲間とおいしいものを食べて元気になる映画。それってすごく幸せなことですよね。私も料理はよくつくりますが、おばあちゃんがつくるような煮物や炒め物、おみそ汁にハンバーグと、ごく普通の家庭料理ばかり。おしゃれな料理はつくれないんです(笑)。いつも心がけているのは、野菜たっぷりで、タンパク質がちゃんと取れること。子どもにはもちろん、私の健康にもいいだろう、と考えています。友達を招くことも多くて、そういうときは大人用と子ども用のメニューを用意します。そういうと大変そうですけど、つくるのはまったく苦になりません。むしろ、みんなに「おいしいね」と食べてもらえるほうが、つくりがいがあるんです。

 今の家は心からリラックスできる、大好きな空間。でも、私は沖縄で生まれ育ったので、自然のなかで子どもを育てたいなと思うことも。海の近くにもう一つ家があって、今の家と行ったり来たり。いつかそんな生活ができたら最高ですね。

山田優●取材協力
山田優(やまだ・ゆう)さん

1984年生まれ、沖縄県出身。2000年よりファッション誌『CanCam』の専属モデルとして活躍し、2001年にはドラマ『カバチタレ!』で女優デビュー。雑誌、テレビ、広告と幅広く活躍する。映画『食べる女』では、結婚という形式にとらわれず、元夫への一途な愛を貫く茄子田珠美を演じる

●山田優さんが出演する映画
『食べる女』
『食べる女』
小泉今日子、沢尻エリカ、前田敦子、広瀬アリス、山田優、壇蜜、シャーロット・ケイト・フォックス、鈴木京香、豪華女優陣が夢の競演。人生における価値観が異なる8人の女たちが、おいしいものを心置きなく食べる“女の本音満載の宴”を通して、現代に生きる女たちの“今”を描く。おいしいゴハンを食べれば、心も身体も元気になる!
2018年9月21日より公開。 Ⓒ2018「食べる女」倶楽部

取材・文/工藤花衣(山田優) デザイン/blue vespa

埼玉・和光市に映画館を備えた「ソーシャルアパートメント」

(株)グローバルエージェンツ(東京都渋谷区)は、首都圏を中心に展開する隣人交流型賃貸住宅「ソーシャルアパートメント」40棟目となる「FILMS(フィルムス)和光」を、本年10月にオープンする。ソーシャルアパートメントは、従来型のワンルームマンションやシェアハウスとも異なり、賃貸マンション内にデザイン性の高いキッチンやラウンジなどの共用スペースを備え、住人間の自発的なコミュニティ形成を促進させる仕組みを持った共同住宅。

「FILMS和光」のコンセプトは「ソーシャルアパートメント×映画館」。映画館で暮らしているような非日常的な生活を演出するという。約40m2以上の広々とした空間に実際の映画館でも利用されているシネマチェアを20席配置、4Kプロジェクターやサラウンドスピーカーを擁した音響設備など、映画館さながらの空間を再現。入居者同士でこだわりの作品を選んで上映することも可能だ。

入り口には劇場のエントランスを思わせるようなデザインを採用し、映画館へ行く時の高揚感を演出。その他の共用スペースも随所に映画館の空間要素を取り入れる。オープン後には映画関連の各種サービスとコラボレーションし、映画を中心としたコミュニケーションイベントや映像編集ワークショップの開催も予定しているという。

施設は、東武東上線/東京メトロ有楽町線・副都心線「和光市」駅徒歩9分に立地。世帯数は123戸、居室タイプは1BRタイプ(16.9m2~13.4m2)で、賃料は58,000円~66,000円。入居検討者向けの完成前内覧会は、8月より順次開催していく。

【「FILMS和光」概要】
●所在地:埼玉県和光市丸山台2丁目11番13号
●アクセス:東武東上線/東京メトロ有楽町線・副都心線「和光市」駅徒歩9分
●構造:鉄筋コンクリート造・陸屋根5階建
●築年月:1992年6月
●世帯数:123戸
●居室タイプ:1BRタイプ(16.9m2~13.4m2)
●賃料:58,000円~66,000円(2年プラン適用時/管理費・水道光熱費別)
●グランドオープン:2018年10月中旬(予定)

ニュース情報元:(株)グローバルエージェンツ

埼玉・和光市に映画館を備えた「ソーシャルアパートメント」

(株)グローバルエージェンツ(東京都渋谷区)は、首都圏を中心に展開する隣人交流型賃貸住宅「ソーシャルアパートメント」40棟目となる「FILMS(フィルムス)和光」を、本年10月にオープンする。ソーシャルアパートメントは、従来型のワンルームマンションやシェアハウスとも異なり、賃貸マンション内にデザイン性の高いキッチンやラウンジなどの共用スペースを備え、住人間の自発的なコミュニティ形成を促進させる仕組みを持った共同住宅。

「FILMS和光」のコンセプトは「ソーシャルアパートメント×映画館」。映画館で暮らしているような非日常的な生活を演出するという。約40m2以上の広々とした空間に実際の映画館でも利用されているシネマチェアを20席配置、4Kプロジェクターやサラウンドスピーカーを擁した音響設備など、映画館さながらの空間を再現。入居者同士でこだわりの作品を選んで上映することも可能だ。

入り口には劇場のエントランスを思わせるようなデザインを採用し、映画館へ行く時の高揚感を演出。その他の共用スペースも随所に映画館の空間要素を取り入れる。オープン後には映画関連の各種サービスとコラボレーションし、映画を中心としたコミュニケーションイベントや映像編集ワークショップの開催も予定しているという。

施設は、東武東上線/東京メトロ有楽町線・副都心線「和光市」駅徒歩9分に立地。世帯数は123戸、居室タイプは1BRタイプ(16.9m2~13.4m2)で、賃料は58,000円~66,000円。入居検討者向けの完成前内覧会は、8月より順次開催していく。

【「FILMS和光」概要】
●所在地:埼玉県和光市丸山台2丁目11番13号
●アクセス:東武東上線/東京メトロ有楽町線・副都心線「和光市」駅徒歩9分
●構造:鉄筋コンクリート造・陸屋根5階建
●築年月:1992年6月
●世帯数:123戸
●居室タイプ:1BRタイプ(16.9m2~13.4m2)
●賃料:58,000円~66,000円(2年プラン適用時/管理費・水道光熱費別)
●グランドオープン:2018年10月中旬(予定)

ニュース情報元:(株)グローバルエージェンツ

生まれ変わった「映画のまち」調布を住民の方と一緒に散策してみた

東京都心部と、自然豊かな高尾・多摩エリアの中間あたりに位置する調布。市内に映画・映像関連企業が多いことから「映画のまち」として栄え、かつては「東洋のハリウッド」とまで言われた街だ。近年は京王線調布駅の地下化、駅前広場の拡充などの再開発が進むが、街の変化は住環境にどのような影響をもたらしたのだろうか。変わりつつある「調布」の街を調査すべく、住民の方と一緒に歩いてみた。
2017年誕生の駅ビル「トリエ京王調布」

今回、街を案内してくれるのは調布在住歴18年の坪沼大輔(つぼぬま・だいすけ)さん。映画やドラマの撮影に携わる仕事をしており、「映画のまち」の案内人にはうってつけのお方だ。ちなみに好きな映画は『ニュー・シネマ・パラダイス』。

トリエ京王調布B館のビックカメラ(写真撮影/小野洋平)

トリエ京王調布B館のビックカメラ(写真撮影/小野洋平)

坪沼さんがまず案内してくれたのは、2017年に誕生した駅ビル「トリエ京王調布」(以下トリエ)。かつて地上にあった調布駅舎の跡地に位置し、ショッピングセンターのA館、家電量販店のB館、映画館のC館の3つから構成されている。

トリエ京王調布C館の映画フロア(写真撮影/小野洋平)

トリエ京王調布C館の映画フロア(写真撮影/小野洋平)

なかでも注目すべきは、「シアタス調布」。「映画のまち」に6年ぶりに誕生したシネコンだ。動きや香り、光などの演出効果が人気の「4DXデジタルシアター」や東日本では初となる立体音響テクノロジー「GDC featuring dts-X」を採用しており、これには映画好きの坪沼さんも歓喜したそうだ。

ちなみに4月13日からは、往年の名画を1年間にわたって連続上映するイベント「午前十時の映画祭」がシアタス調布でも始まり、最新のスクリーンで『タイタニック』や黒澤明監督作品などが楽しめる。

「往年の名作映画を最新の設備で見られるのはうれしいです。個人的には早く『七人の侍』をスクリーンで見たいですね」(坪沼さん、以下同)

充実度を増した調布駅前

新たな駅ビルの誕生は、市民の生活利便性も大きく向上させたという。

トリエA館に入る成城石井(写真撮影/小野洋平)

トリエA館に入る成城石井(写真撮影/小野洋平)

「駅前に来れば、そろわないものはないと思います。以前から駅前にはPARCOをはじめ、西友や東急ストアがありましたが、今回駅ビルの中に『成城石井』が登場し、グローサラント(※)も展開されているんです」

(※)グローサラント:食品販売店の「グローサリー」と「レストラン」を合わせた造語。店で売っている食材をその場で調理した料理を、飲食スペースで楽しむことができる。

トリエC館の横にある「てつみち」。オープンテラスの憩いの空間となっている(写真撮影/小野洋平)

トリエC館の横にある「てつみち」。オープンテラスの憩いの空間となっている(写真撮影/小野洋平)

また、最近では駅前に、子育て世代に向けた公園や保育園などの施設も徐々に増えてきているという。

「市役所や大病院なども駅から徒歩圏内ですし、生活の充実度はかなり増したと思います」

調布市民待望のとんかつ屋も復活行きつけの飲み屋が並ぶ北口(写真撮影/小野洋平)

行きつけの飲み屋が並ぶ北口(写真撮影/小野洋平)

一方、老舗店が並ぶ「天神通り商店街」や飲み屋がひしめく「調布百店街」など、昔ながらの街並みも健在だ。

「この先には調布市民ならば、知らない人はいない『とんかつ屋』があるんです」と、坪沼さんが案内してくれたのは、駅北口から徒歩5分のところにある「かつ元」。

調布駅から徒歩5分(写真撮影/小野洋平)

調布駅から徒歩5分(写真撮影/小野洋平)

創業は1976年。調布駅の隣駅「布田駅」で35年間営業を続け、土地区画整理のため、2012年に調布市国領へ移転。その後、オーナーの体力的な理由もあり一時は閉店したが、この味を受け継ぎたいという弟子の熱意により復活。2015年、ふたたび布田に店を構えることになったそうだ。

自慢のロースかつ定食。肉は岩手県産の「岩中豚」を使用している(写真撮影:小野洋平)

自慢のロースかつ定食。肉は岩手県産の「岩中豚」を使用している(写真撮影:小野洋平)

坪沼さんも昔からの常連の1人。「働き始めたころはお金がなくてなかなか食べられなかったけど、今では自分へのご褒美として食べに来ています」と、顔をほころばせる。

映画館に加え、長年愛され続けた名店まで復活し、昔ながらの住民も大いに喜んでいるようだ。

駅から多摩川に続く、住宅街や撮影所

食事の後は、散歩がてら調布駅南側を流れる「多摩川」を目指すことに。

大映製作の特撮時代劇映画「大魔神」がお出迎え(写真撮影/小野洋平)

大映製作の特撮時代劇映画「大魔神」がお出迎え(写真撮影/小野洋平)

途中、「日活調布撮影所」や「角川大映スタジオ」など、今も映画を制作する現役の撮影所を発見。

「もともとは日本映画株式会社が調布に『多摩川撮影所』を設立したことが『映画のまち』と呼ばれるようになったゆえんなんです。今でも東京現像所や美術、特機(撮影の機材)を扱う映像関連の企業は残っています」

多摩川沿いの住宅街(写真撮影/小野洋平)

多摩川沿いの住宅街(写真撮影/小野洋平)

さらに歩を進め日活撮影所を越えると、戸建ての住宅街が広がっていた。

「駅前は再開発によってマンションが多く建ち、若年層のファミリーが増えたような気がしますが、品川通りを越えると戸建てが多い印象です」

このあたりの住民は車もしくは自転車を使って駅に向かうそうだ。なお、駅に向かうバスの本数も多いため、生活の足には困ったことがないとのこと。

「調布は自然も多く残っているけど、意外に交通も至便で特急電車に乗れば新宿まで15分、車でも30分ほど。調布ICを使えばさらに早く着きますよ」

山梨・東京・神奈川を流れる多摩川(写真撮影/小野洋平)

山梨・東京・神奈川を流れる多摩川(写真撮影/小野洋平)

調布駅から歩くこと20分、市民の憩いの場、多摩川に到着。花見シーズンとあって平日でも多くの人でにぎわっている。

「私も休みの日には読書をしたり、ランニングをしていますが、用もないのに来てしまうときもあります。そういう方はけっこう多いみたいですよ(笑)。やはり市民にとって多摩川の存在は大きいんだと思います」

国道114号線の桜並木(写真撮影/坪沼大輔)

国道114号線の桜並木(写真撮影/坪沼大輔)

そう語る坪沼さんに、“心の拠り所”である多摩川沿いの桜並木を撮ってもらったら、どこかの映画のワンシーンで使われていてもおかしくないカットになった。さすがプロ。

調布近辺の家賃相場は?

最後に、調布の気になる家賃相場を見てみよう。調布駅周辺の一人暮らし用賃貸物件の相場は6.4万円。調布駅は京王線、京王相模原線が乗り入れており、京王線の特急を使えば、新宿駅まで2駅でいける便利な駅だ。坪沼さんいわく、京王線沿線には大学が多く集まっているため、一人暮らしの学生も多いという。

調布をまとめてみると……
・新たに駅ビルが誕生したことで市民の生活利便性は飛躍
・オープンした映画館には最先端の設備がある
・撮影所をはじめとする映像関連会社が残っている
・子育てがしやすい設備・環境も徐々に増えてきている
・多摩川沿いには戸建てが並び、バスや自転車を多く利用している
・多摩川は市民の憩いの場となっている

都市のような利便性と豊かな自然が共存する街・調布。「映画のまち」としての誇りも残っており、今後は映画を使ったまちづくりにも期待がかかる。時にのどかな多摩川に癒やされ、時には映画の世界にどっぷり浸るーー。そんな生活に筆者も思わず憧れてしまった。

●調査概要
【調査対象駅】調布駅
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、面積10平米~40平米、築年数40年未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2017年12⽉1⽇~2018年2⽉28⽇
【家賃の算出⽅法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む⽉額賃料から中央値を算出(家賃20万円以内)