「SUUMO住みたい街ランキング2024 関西版」3年連続1位の梅田、ビジネスの中心地から”暮らす街”に! タワマン供給で街が広がる

「SUUMO住みたい街ランキング2024 関西版」で、3年連続で総合1位を獲得している駅が、「梅田(※)」駅だ。大阪のビジネスの中心地として多くの企業が進出し、複数の商業施設が立ち並び賑わいを見せている梅田周辺だが、近年は再開発により住宅供給も増加。都心に住むことに対する関心が高まっている。

※「SUUMO住みたい街ランキング2024 関西版」では、地下通路や連絡通路で接続している駅は同駅として集計しており、梅田駅には、大阪駅、大阪梅田駅、東梅田駅、西梅田駅、北新地駅の得点も含む

拡大する「うめだ」。遊ぶ・働くだけでなく住む場所としても進化

大阪市北区にある梅田駅を中心とする「キタ」は、関西随一の繁華街だ。JR大阪駅をはじめ、阪急、阪神、大阪メトロといった複数路線が乗り入れているターミナル駅でもあり、ビジネスマンや観光客、買い物客で賑わっている。ビジネス・商業の街としてのイメージが先行する梅田だが、近年の開発で住宅供給が増えており、資産価値としての面が注目されつつある。直近10年間でも広い意味で梅田エリアとされる大阪市北区・福島区で約1万5000戸の分譲マンションが供給されている。

高層ビルが立ち並ぶ大阪駅の周辺(撮影:井村幸治)

高層ビルが立ち並ぶ大阪駅の周辺(撮影:井村幸治)

現在、うめきた2期地区開発事業の要である「グラングリーン大阪」は、オフィス、ホテル、中核機能、商業施設、都市公園、住宅が揃う複合的な場所として工事が進められている。一部は住宅として供給される予定で、分譲マンション「グラングリーン大阪THE NORTH RESIDENCE」は最高価格25億円の住戸が誕生することで話題となった。
実際、大阪市北区の人口はここ数年で特に増加しており、今後も増加が見込まれる。「住みたい街ランキング2024」で梅田を選択した人たちの理由としても「仕事のできる施設がある」、「不動産の資産価値が高そう」、「今後、街が発展しそう」といったポイントが上位に挙げられている。仕事や買い物をする場としてのイメージが強かったが、他の人気上位の駅に比べ若い世代を中心に注目を集めており、都心に住まうことの現実味が増していると考えられる。

グラングリーン大阪の工事現場。話題の分譲マンションも姿を見せ始めている。左側のタワーマンションはグランフロント大阪の街区(撮影:井村幸治)

グラングリーン大阪の工事現場。話題の分譲マンションも姿を見せ始めている。左側のタワーマンションはグランフロント大阪の街区(撮影:井村幸治)

グラングリーン大阪の工事現場。オフィスやホテルが入居する複合ビル工事が進められている。正面奧のタワーマンション群は福島区に位置する(撮影:井村幸治)

グラングリーン大阪の工事現場。オフィスやホテルが入居する複合ビル工事が進められている。正面奧のタワーマンション群は福島区に位置する(撮影:井村幸治)

「SUUMO住みたい街ランキング2024関西版」梅田が西宮北口と大差で3年連続1位に! 本町、尼崎も躍進

充実した子育て環境、公立小中一貫校も4月に開校

人口増加とともに、ファミリー世帯も増加しているため、大阪市は子育て環境の改革に積極的に取り組んでいる。中でも、待機児童の解消に向けた取り組みに注目だ。大阪市では待機児童数も多く、平成24年時点では600人を超えていた。そこで市は、さまざまな施策を組み合わせながら待機児童の解消に取り組んできた。保育所の入所枠拡大を行う中で、大規模な民間マンションにも保育所の整備が進められている。他にも、子育て世帯の経済的負担を軽減するとともに、子どもたちの学力や学習意欲、個性や才能を伸ばす機会を提供するため、市内在住の小学5年生から中学3年生の約5割を対象として学校外教育にかかる費用を助成する事業などが実施されている。
さらに、「大阪市立中之島小中一貫校」が2024年4月に新たに開校される。景観と調和したデザインの外観で、グラウンドやプール、体育館などを含む学校機能をコンパクトにまとめた校舎となっている。通学対象となるのは梅田に近接する堂島と中之島エリアだが、市内からは入学応募が可能だ(応募多数の場合は抽選となる)。

大阪市立中之島小中一貫校の校舎(撮影:井村幸治)

大阪市立中之島小中一貫校の校舎(撮影:井村幸治)

開発が進む商業施設と、街並みの変貌への期待感が高まる

梅田周辺は、従来からオフィスと商業施設が集約された街であったが、近年は再開発やリニューアルが進められており街並みは変化し続けている。うめきたの開発はその最たる例だ。2023年には、大阪駅うめきた新駅(うめきたエリア)として地下ホームが開業。約91,000平米の敷地全体のうち約半分の約45,000平米が公園という緑豊かな空間であるグラングリーン大阪は、うめきた公園を中心にビジネスから観光まで幅広いニーズを担う南街区、イノベーティブなライフデザインを実現する北街区と、3つのエリアに分かれている。

グランフロント大阪は大阪の顔として、すっかりおなじみになった(撮影:井村幸治)

グランフロント大阪は大阪の顔として、すっかりおなじみになった(撮影:井村幸治)

うめきたの先行開発区域であるグランフロント大阪は2013年のまちびらき以来、梅田の新たな顔として多くの市民に親しまれている。周辺にはルクア、大丸、阪急、阪神など百貨店や若者向けの商業施設が揃い、2022年に阪神百貨店が全面リニューアルした。さらに、JR線路をはさんでグラングリーン大阪の南側にある郵便局の再開発JPタワー大阪は2024年3月竣工、7月に開業予定で、KITTE大阪として飲食店や商業施設も多数誘致される予定だ。若年層はもちろん多世代を惹き付ける集客力はさらに高まっていきそうだ。

KITTE大阪

KITTE大阪

KITTE大阪は2024年7月に開業予定で主要テナントの顔ぶれも発表されている(撮影:井村幸治)

梅田エリアは、従来のイメージとして確立されていた、働く場・遊ぶ場としてのイメージに加え、大規模なマンションの開発により、住まう場としてのイメージを獲得しつつある。グラングリーン大阪が開業すれば街なかに森のある新しい街が誕生することになる。今後の発展からも目を離せないだろう。

「住みたい街ランキング2023関西版」自治体では明石市・草津市が大躍進。駅は梅田が西宮北口を引き離し断トツ1位に!

リクルートは関西圏(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県)に居住している20歳~49歳の4600人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2023関西版」を発表した。さて今年の順位は?

TOP3は昨年同様1位「梅田」、2位「西宮北口」、3位「神戸三宮」

まず、今年の「2023年の住みたい街(駅)ランキング」の結果を紹介しよう。
TOP3は1位が関西ナンバーワンの都心「梅田」、2位が盤石の人気を誇る阪神間の街「西宮北口」、3位が神戸市の玄関口「神戸三宮」だった。
順位は昨年(2022年)と同じだが、1位と2位の得点差は122点と昨年より広がっており、「梅田」の人気の高まりがより顕著となった。

関西住みたい街(駅)ランキング

20位までに目を向けると、滋賀県の「草津」が7位にランクインし、2018年以降の最高位を獲得した。
「京都河原町」「心斎橋」も過去最高位に。それぞれ京都市、大阪市の中心エリアにあり、商業施設が集積する華やかな街。大都市の利便性を存分に享受できるのが共通した魅力だ。

「梅田」の圧倒的な強さは、資産価値重視の傾向が背景に

2位と得点差を大きく広げて断トツ1位となった「梅田」は、昨年の得点と比べても82点もポイントアップしている。
街の魅力項目では、「働く場として」「街の賑わい」などのほか、「不動産の資産価値が高そう」が上位にあげられた。
別途SUUMOで行った「住まいの価値観に関する調査」では、若い世代ほど住宅の資産性を重視し、そのときに自分に合った選択で住み替えたいと考える傾向がある。現在、梅田周辺は「うめきた2期地区開発プロジェクト」が進み、関空直結のJR「うめきた新駅」が今年3月開業など、資産価値の面で高いポテンシャルを持つ。
本来、ビジネスや商業のイメージが強い梅田だが、JR大阪駅北側「うめきた」エリアの再開発による活性化で住宅供給も増加。直近の5年間でも徒歩15分圏内で3000戸以上の分譲マンションが供給された。
住宅の増加や、資産価値重視の傾向が、住む対象として大きな注目を集める背景となっているのだろう。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

得点がジャンプアップした街(駅)ランキング

さらにTOP50の中で大きく得点を上げた街を見てみよう。
神戸三宮(+49点、3位→3位)、十三(+37点、123位→68位)、中津(+36点、48位→32位)など、都心部の注目度の高さがうかがえる。
一方、「嵐山」(+60点、25位→13位)、「伏見桃山」(+29点、146位→81位)、御影(+29点、30位→24位)、箕面(+29点、33位→25位)なども順位を上げた。都心へのアクセスが良い上、緑豊かな自然環境にも恵まれた近郊の街も支持を集める結果となった。

「住みたい自治体ランキング」では明石市が初のトップ3入り

アンケートでは「住みたい街(駅)」とともに「住みたい自治体」についても尋ねた。ランキングに合わせて、昨年から得点がジャンプアップした注目の自治体のトピックスにふれていこう。

関西住みたい自治体ランキング

得点がジャンプアップした自治体ランキング

1位は昨年に引き続き「兵庫県西宮市」、2位が「大阪府大阪市北区」。3位は昨年の6位から大きくランクアップした「兵庫県明石市」だ。得点も昨年から131ポイントアップ。自治体の中で最も得点を伸ばした。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

近年の明石市の人気には目を見張るものがある。
明石市を支持したのは、「夫婦+子ども世帯」「女性総合」「女性30代」が多く、「シングル女性」「シングル男性」でも過去最高位を獲得。
街の魅力を尋ねると、全国的にも有名な「子育てサービスの充実」のほか、「メディアに良く取り上げられて有名」「今後街が発展しそう」などの回答が多かった。行政の独自施策とメディアへの発信力がランクアップに功を奏したとも言えそうだ。(子育て支援の“東西横綱”千葉県流山市と兵庫県明石市、「住みたい街ランキング」大躍進の裏にスゴい取り組み)
明石市への投票は関西出身者では昨年の4位から3位にアップだが、関西圏以外の出身者でみると昨年の17位から5位と、大幅に上昇した。話題をきっかけに関西に地縁の薄い人からも注目を集めるようになってきており、さらなる人口増が期待される結果となった。

また、「子育てに関する自治体サービスが充実している」の項目で明石市に次いで2位となったのが、「住みたい自治体」で24位にランクインした箕面市。昨年からの得点ジャンプアップランキングでも5位に入っている。
18歳以下の子どもの医療費無料(親の所得制限なし)や、通学路や公園の防犯カメラ設置やコミュニティバス「オレンジゆずるバス」の運行など、子育てや防犯、福祉などのサービスが充実した街だ。
一方、街づくりの面でも、大阪大学箕面キャンパスが2023年度開業予定の「箕面船場阪大前駅」に移転し、周辺には図書館や芸術劇場なども誕生予定。「みのおキューズモール」と繋がる「箕面萱野駅」も2023年度に開業予定と、今後の資産価値上昇への期待も膨らみそうだ。

箕面萱野駅(写真/PIXTA)

箕面萱野駅(写真/PIXTA)

若い世代の人気を集めた華やかな街、大阪市天王寺区。働き暮らす街として存在感を高める草津市

大阪市天王寺区は昨年の7位から今年は4位に。年代・ライフステージ別では20代で2位、20代男性では1位と若い世代から人気を集める結果となった。得点ジャンプアップランキングでも明石市に次ぐ2位。主な理由に「文化・娯楽施設の充実」や「街に賑わいがある」などがあげられ、華やかな印象の街として人気を集めていることがわかる。
天王寺区には2014年に「あべのハルカス」がオープンし、翌2015年には天王寺公園にサッカーコートやレストラン、カフェなどの施設を備えた「てんしば」エリアがオープン。その後も「てんしばi:na」など、新しい施設の誕生が相次いだ。“楽しく暮らせる街”の顔が人々の心をつかんだようだ。

てんしばi:na(写真/PIXTA)

てんしばi:na(写真/PIXTA)

「住みたい自治体ランキング」で初のトップ10入りした草津市。「住みたい街ランキング」でも昨年より順位を上げ7位にランクイン、得点ジャンプアップランキングでも前述の箕面市に次ぐ6位に食い込んでいる。
草津市は再開発により大型商業施設を整備。草津駅を核とする発展への期待に加えて、琵琶湖畔の美しい景観や、JRで京都や大阪と直結する交通アクセスの良さなども魅力だ。
街の魅力が広く認知されるととともに、人口増加も顕著に。草津市のある滋賀県は転入超過数が全国で8番目、関西2府4県では1番多く、中でも草津市は大津市に次ぐ転入超過数だ。立命館大学をはじめとする産官学連合による製造業の発展などの成果もあり、働き暮らす街としての存在感を増しているといえるだろう。

派手さはなくても魅力ある街の登場に期待

2023年の「住みたい街ランキング」では、「梅田」が圧倒的人気を集めた。また、「神戸三宮」「十三」「中津」「なんば」なども大きく得点を伸ばし、大都市中心部の人気の高まりが顕著となった印象だ。
一方、大きく躍進した郊外の街もある。子育て施策を中心とするサービスが全国的な話題となり人口増を実現した「明石」、再開発で評価を高めた「草津」などだ。どちらも街の整備や市民目線の施策の充実に取り組み、地道に成長してきた結果と言えそうだ。
大都市やブランド的な街だけでなく、派手さや知名度はなくても魅力のある街がこれからも登場してほしいと感じる。

●関連リンク
「SUUMO住みたい街ランキング2023 関西版」プレスリリース

「SUUMO住みたい街ランキング2022関西版」、大阪市中心部人気が高まる。郊外は明石などが再開発+子育て施策で人気アップ

リクルートは関西圏(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県)に居住している20歳~49歳の4600人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2022関西版」を発表した。今年はどんな順位になったのだろう。

昨年から順位逆転。1位は「梅田」、2位は「西宮北口」

まず「2022年の住みたい街(駅)」ランキングの結果を紹介しよう。
TOP3では4年連続1位を堅守していた「西宮北口」と2位の「梅田」が逆転。トップになったのは関西ナンバーワンの大都市「梅田」だった。
神戸市の中心地「神戸三宮」は今年も3位に。

住みたい街(駅)ランキング1位~20位

本年度より、集計方法を変更しており、上記の表の見方および、注意点については本記事末に表示。

4年ぶりに1位となった「梅田」。周辺ではJR大阪駅北側「うめきた2期地区開発プロジェクト」が進み、関空に直結するJR新駅が2023年に誕生予定など、再開発とともに将来への期待感の高まりが感じられる。

梅田駅周辺の風景(写真/PIXTA)

梅田駅周辺の風景(写真/PIXTA)

一方、盤石の人気を誇ってきた「西宮北口」だが、約10年ほど前から駅周辺の人口増加が落ち着いていた。対して梅田駅のある大阪市北区は5年で1割増程度のペースで人口増加を続けている。そのことからも人気の逆転現象がうかがえる。

若い世代の支持を集め、大阪市内中心部の人気が顕著に

TOP20に注目すると、「本町」「心斎橋」が初トップ20入りを果たした。
得点を見ても、「なんば」(+90点)「梅田」(+79点)「福島(22位)」(+66点)「本町」(+41点)など大阪市の中心部が昨年より急上昇。都心人気の高まりが顕著な結果となった。
ちなみに「梅田」は男女ともに20代で1位。「本町」は20代女性でベスト10に入るなど、若い世代からの支持が高いことがわかる。

梅田エリアに隣接する「福島」は「うめきた2期」の波及効果で人気が上昇。初トップ20入りした「本町」は、西区と中央区のほぼ境目。両区ともタワーマンションの相次ぐ誕生や靭(うつぼ)公園、大坂城公園など都心部でも緑豊かな環境とあって、子育て層が流入。このため「本町」のある中央区は15歳未満人口が大幅に増加している。

本町の街並み(写真/PIXTA)

本町の街並み(写真/PIXTA)

一方、「岡本」(8位→12位)「芦屋川」(13位→19位)などブランドイメージの強い阪神間の住宅地がやや順位を下げている。
共働き世帯率が上がり、新築マンションを中心とする大阪市内の住宅供給が増えたことから、大阪市内中心部の居住ニーズが高まった結果だろう。

関西圏はコロナ禍でも郊外より都市部

2年前から続くコロナ禍で、郊外への注目度が上がったことは報道でも伝えられている。首都圏の住みたい街ランキングは郊外人気が顕著な結果となった。
ところが、関西では逆に都市部への注目度が一層増す結果に。なぜか。
関西は首都圏に比べてテレワーク率が低いことが理由のひとつにあげられる。また、生まれ育った地域に住み続けている人が多いことや、通勤時間が首都圏ほど長くないことなどから、コロナ禍でも生活スタイルを変える人が少なかったためではないだろうか。

「明石」がランクアップした理由とは?

一方、都心部以外で大きくランクアップし、初のベスト20入りしたのが「明石」(27位→16位)。
「住みたい自治体」でも明石市は過去最高の6位となり、関西全体で最も得点を伸ばした(+123点)。

住みたい自治体ランキング(1位~20位

明石がこれほどランクアップしたのはなぜだろう。
明石市は神戸市など周辺エリアからファミリー層が流入し、2020年の国勢調査では人口増加率が全国62中核市で1位になっている。
明石駅周辺で長年進められていた再開発が完成し、大型商業施設や子育て支援などの公共施設、タワーマンションが整備されたことに加え、子ども医療費の無料化、第2子以降の保育料無料化、中学校の給食の無償化など市が子育て支援の施策を次々に打ち出し、ファミリー層を引きつけているようだ。
投票した理由として、駅周辺のショッピングモールや商店街の利便性、緑豊かな明石公園など、派手ではないが暮らしやすさを評価する人が多かった。
また、明石市に投票した人のうち、神戸市・明石市以外の兵庫県に住む人が半数近くを占めた。子育て支援の取り組みなど、市民目線の自治体の施策が、他都市から新住民を呼び込む大きな要因となっていることがわかる。

明石市(写真/PIXTA)

明石市(写真/PIXTA)

「住みたい自治体」では、草津市(+43点)、姫路市(+58点)も得点が急上昇した。
草津市の中心部である「草津」や「南草津」は、再開発により大型商業施設を整備。両駅を核とする地域発展への期待に加えて、琵琶湖畔の景観に恵まれた住宅地の美しさや、JRで大阪と直結する交通アクセスの良さなどにより、不動産価値上昇への期待などが高支持の理由だろう。
「姫路市」も駅周辺の再整備で駅前に大型商業施設が整備。大ホールのある姫路市文化コンベンションセンターやはりま姫路総合医療センターなどの大型施設のオープンが相次ぎ、駅周辺が目覚ましい発展を見せている。

明石市、草津市、姫路市はいずれも再開発・大型整備が完成したことで街が美しく整備され、生活の利便性を増した。さらにJR新快速電車の停車駅で大阪や神戸、京都への通勤が可能なことなどが、共通した魅力といえる。

再開発で変化した姫路駅前(写真/PIXTA)

再開発で変化した姫路駅前(写真/PIXTA)

ブランドより実利性が重視される傾向

住みたい街2022を見ると、若い世代の都心部人気の高まりとともに、郊外でも子育てしやすい住環境や自治体の施策が評価に影響していることを感じた。
明石市がその典型だが、高槻市(+40点)も医療施設や教育環境の充実が支持を集めており、姫路市も文化・娯楽施設や学びの施設充実で評価を高めている。
従来からのイメージやブランド力だけでなく、実利面でも住みやすさに注目が集まっている印象をもつ。今後、西宮北口のような住みたい街ランキング上位の常連となる街が新たに登場するかもしれない。今後の結果が楽しみだ。

■関連ページ
>「SUUMO住みたい街ランキング2022 関西版」
>住みたい街ランキング トップページ

■記事中に紹介しているランキング表について
・調査対象は関西2府4県(大阪府・兵庫県・京都府・滋賀県・奈良県・和歌山県)に住む20代~40代の男女4600人。調査は2022年1月に実施。最も住みたい街(駅・自治体)から3位までを投票し、最も住みたい街を3点、2番目に住みたい街を2点、3番目に住みたい街を1点として集計している。
・本年度より、集計方法を「※注」のように変更している。
※注:本年度より、「駅すぱあと路線図」において、複数の駅が、地下通路や連絡通路でつながっている場合には同じ駅として集計している。表中の※印は本年度より得点を合算している駅で、先頭に表記している駅を代表して表示している。以下が合算している対象駅
※1:梅田 大阪 大阪梅田 東梅田 西梅田 北新地
※2:神戸三宮 三ノ宮 三宮 三宮・花時計前
※3:なんば 難波 大阪難波 JR難波
※4:天王寺 天王寺駅前
※5:神戸 高速神戸 ハーバーランド
※6:烏丸 四条
※7:明石 山陽明石
※8:心斎橋 四ツ橋