梅雨時に気になる住まいのカビ、あなたのカビ対策は間違っていませんか?専門家直伝の対策法を解説!

梅雨の季節がやってきた。リンナイが、カビ専門家・千葉大学真菌医学研究センター准教授の矢口貴志先生監修により、カビに関する意識調査を実施した。普段やっているカビ対策が、実は逆効果という場合もあるようなので、詳しく見ていくことにしよう。

【今週の住活トピック】
「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」を発表/リンナイ

○か×か? あたなのカビ対策は正しい?

まずは、リンナイの「カビ対策○×クイズ」10問に挑戦してみよう。

■リンナイ作成「カビ専門家 矢口先生監修 カビ対策○×クイズ」
□ 1. 入浴後は浴室のドアを開けておく
□ 2. 重曹はカビに効く
□ 3. パッキンのカビはスポンジでこする
□ 4. 圧縮袋はカビを防ぐ
□ 5. 湿度と温度の2つの条件が揃うとカビが生える
□ 6. 浴室のカビ掃除は天井から
□ 7. 玄関はカビが生えづらい
□ 8. 冬の結露もカビの温床になる
□ 9. パッキンのカビ汚れは落ちない
□ 10. 使用後の洗濯機のフタは開けておく

自信のほどはいかがだろう? 実は1番は、今年の正月に筆者も実家でもめたばかり。実家で入浴後に浴室のドアを全開するように言われたが、そうすると浴室の湿気が部屋中に流れるからやってはいけないと答え、ひと悶着(もんちゃく)あったのだ。

正解は以下のとおり。
1. 入浴後は浴室のドアを開けておく (×)
2. 重曹はカビに効く (×)
3. パッキンのカビはスポンジでこする (×)
4. 圧縮袋はカビを防ぐ (〇)
5. 湿度と温度の2つの条件が揃うとカビが生える (×)
6. 浴室のカビ掃除は天井から (〇)
7. 玄関はカビが生えづらい (×)
8. 冬の結露もカビの温床になる (〇)
9. パッキンのカビ汚れは落ちない (×)
10. 使用後の洗濯機のフタは開けておく (〇)

正解数 判定結果 7 問以上カビ対策優等生5~6 問合格点4 問以下間違った知識でカビ対策を行っている可能性あり

筆者の場合、パッキンを歯ブラシでこすってしまったことがあることや、そもそも浴室の天井を掃除しないということなど、いくつか不正解はあったものの、7問以上正解の「カビ対策優等生」になれた。皆さんはいかがだったろうか?

正答率が低いのは、「カビが発生する条件」や「浴室の換気方法」

リンナイが意識調査対象者にこの○×クイズを行った結果から、正解率の低いものをいくつか見ていこう。

出典/リンナイ「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」

出典/リンナイ「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」

最も正解率が低かった(正解率11%)のは、「5.湿度と温度の2つの条件が揃うとカビが生える」だ。カビが発生しやすいのは、「湿度(60%以上)」「温度(20~30℃)」「栄養分(食べカス・人のアカなど)」の3つの条件が揃うこと。矢口先生によると「浴室はせっけんカス、湯アカ、皮脂などカビの栄養源になるものが多く、温度と湿度が高いため、カビが目立つ」のだという。逆にいうと、どれか1つの条件を満たさなければ、カビは発生しにくくなるということを覚えておきたい。

次に正解率が低かった(正解率27%)のは、「1.入浴後は浴室のドアを開けておく」。カビ発生の3つの条件のうち、「湿度」を下げるには、浴室の水分を取り除くことが重要だ。矢口先生によると「入浴後にドアを開けておくと、脱衣所や居室の湿度が高くなり、屋外に面した壁や家具の裏など、思わぬ場所で結露を起こしてしまう」という。やっぱり、ドアを閉めて浴室乾燥機でしっかり乾燥させるのがよいのだ。

リンナイの意識調査では、「普段どのように浴室を乾燥させているか」という質問に対して、60%が「換気扇を使用する」と答え、「浴室のドアを開ける」は43%だった。

出典/リンナイ「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」

出典/リンナイ「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」

ちなみに、浴室の窓を開けて屋外に湿気を出す場合、窓を全開にすると浴室内の中央部分の空気が多く移動してしまうので、窓は細めに開けて、壁際に空気が通るようにするのがよいという。もちろん、雨の日は、窓を開けずに換気扇を使うのがよい。

続けて正解率の低いものを見ていこう。「4.圧縮袋はカビを防ぐ」(正解率33%)については、圧縮袋は湿気を防いでくれるため、上手に使えばカビ予防にもなるが、衣類が少しでも汚れていると袋の中でカビが繁殖してしまう場合もあるという。

「2.重曹はカビに効く」(正解率42%)については、重曹ではカビを根元から取り除くことができないので、次亜塩素酸ナトリウムが配合されたカビ汚れ専用洗剤を使うのがよいと矢口先生。

梅雨を快適に過ごすには「溜めない」「止めない」「吸わない」

カビで悩むのは、「カビ汚れが落ちない」(カビ掃除の悩み不満1位:73%)だけでなく、せっかくカビを落としても「すぐにカビが復活する」(2位:64%)ことだ。

出典/リンナイ「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」

出典/リンナイ「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」

矢口先生によると、「空気中に浮遊するカビの胞子が落下して定着し、そこで発芽、菌糸を成長させ、さらに胞子をつくって増殖する」のがカビ発生のメカニズムで、「カビの菌糸が目地やパッキンの隙間などに入り込むと、カビ汚れ専用洗剤が浸透しづらく、落ちにくい汚れとして残る」「洗浄後、カビの菌糸が少しでも残っていると、またそこから生育を始め、カビ汚れがすぐに復活する」のだという。

そこで矢口先生は、「溜めない・止めない・吸わない」が梅雨を快適に過ごす3つのポイントになると助言している。

■矢口先生監修 梅雨を快適に過ごす3つのポイント
1. カビの栄養源を溜めない
カビの栄養源となるもの、浴室では皮脂、せっけんカス、湯アカなど、リビングルームなどでは食べカス、ダニの死骸、ふん、土などを含むホコリをこまめに取り除くことが必要。掃除は朝イチに、ウェットタイプのモップで拭き取り、そのあとで掃除機をかけるのがよい。

2. 空気の流れを止めない
空気のよどんでいる場所、家具の裏、部屋の隅、クローゼット内、下駄箱内などはカビが生えやすくなる。カビの胞子が定着しないように、扇風機、サーキュレーターなどを使用して、空気の流れをつくること、つまり換気が重要。

3. なるべくカビを吸わない
カビを多く吸いすぎると呼吸器系のアレルギーを起こすことがあるので、カビをなるべく吸わないようにして、快適な生活を心がけて。

意識調査の結果を見ると、自宅のカビ汚れが気になる場所の1位は「浴室」(92%)だが、2位には「エアコン」(43%)が挙がった。エアコン内部の湿気を放置するとカビが繁殖しやすいので、エアコンを使い終わったらすぐに電源を切らず、15~20分ほど送風運転して乾燥させるとよいという。また、梅雨時は部屋干しをしたくなるが、浴室乾燥機が備わっている場合なら、浴室のような小さな部屋は効率よく湿度を下げることができるので、浴室で衣類を乾燥させるのがオススメだという。

じめじめした梅雨をカビの汚れ取りに追われないように、正しい知識で快適に過ごしてほしい。

●関連サイト
リンナイ「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」

洗濯機の利用頻度、「ほぼ毎日」41.1%

マイボイスコム(株)(東京都千代田区)はこのたび、7回目となる「洗濯機の利用」に関する調査を行った。調査は2019年6月1日~5日、インターネットで実施。10,283件の回答を得た。自宅の洗濯機のタイプは何ですか?では、「全自動洗濯機(乾燥機一体型ではない)」が最も多く50.2%と半数。「縦型洗濯乾燥機(全自動洗濯機+乾燥機)」が27.8%、「ドラム式洗濯乾燥機(全自動洗濯機+乾燥機)」が15.9%と続いた。

主利用洗濯機のメーカーは、「日立」が26.1%、「パナソニック」「東芝」が各2割。洗濯機の容量は、「7kg台」「8kg台」が洗濯機所有者の各2割で、ボリュームゾーンとなっている。

洗濯機の利用頻度をみると、「ほぼ毎日」が所有者の41.1%。「ほぼ毎日」は女性30~50代で各50%台、男性30代以上で3割強だった。

洗濯機購入時に重視する点(複数回答)としては、「省エネ(節水、節電等)」「大きさ・容量」が各6割、「洗浄力(汚れ落ちがよい)」「運転音の静かさ」が各5割。過去調査と比べると「省エネ(節水、節電等)」が減少した。

ニュース情報元:マイボイスコム(株)

ダウンもレザーも、自宅でかんたん丸洗い!  実力派おしゃれ着洗剤を試してみた

春が近づき衣替えの季節がやってきました。冬物衣類をしまう際、ダウンジャケットやファー、レザージャケットなどのおしゃれ着をクリーニングに出すか迷ったことはありませんか?
なんといってもこうした冬物衣料のクリーニング代は高い!! 小さなファーでもクリーニングに出すと3000円ほど、ダウンやレザージャケットなんて5000円以上とられることもザラにあります。そんなおしゃれ着を、なんと家庭で水洗いできる洗剤があるとのこと。その実力を試してみました。
ダウンも革もファーも洗える! 実力派おしゃれ着洗剤とはコレだ!プロ・ウォッシュ(税込2,700円)+プロ革エッセンス(税込1,080円)と、ドライニング 液体タイプ(税込1,620円)ドライニング ゲルタイプ(税込1,620円)(写真撮影/ツマミ具依)

プロ・ウォッシュ(税込2,700円)+プロ革エッセンス(税込1,080円)と、ドライニング 液体タイプ(税込1,620円)ドライニング ゲルタイプ(税込1,620円)(写真撮影/ツマミ具依)

使うのは「プロ・ウォッシュ」と「ドライニング」という洗剤。ネット販売が中心のため、はじめて見る人も多いかもしれませんが、知る人ぞ知る洗剤なのです!

プロ・ウォッシュは、一般的なおしゃれ着用洗剤よりも衣類の保護成分が15~17倍も入っているとか。衣類の繊維をしっかり守ってくれます。さらに、プロ革エッセンスという加脂剤を使えば、革製品まで洗えるのです。

ドライニングは、水30Lに対して15ml目安と少量で使える濃縮タイプなので、セーターを1着10円で洗える計算に。とっても経済的です。天然原料で環境にもやさしく、オレンジのいい香りがします。
今回、それぞれの洗剤の販売元に、きれいに洗いあがるコツを聞いてきました。
早速、レザージャケットとフェイクファー付きダウンジャケットを丸洗いしてみることにします!

袖口にしみ付き、レザージャケットの丸洗いにトライ

まずはレザージャケットを洗ってみます。袖口に、コーヒーでしょうか……?
目立つシミがついてしまっていますね。全体的に色もくすんで、少しかび臭さも感じられます。
使用洗剤はプロ・ウォッシュ。袖口の汚れは落ちるでしょうか。

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依

(1)洗う前に、汚れやほこりをブラッシングで落とします。

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依

(2)洗濯桶や洗面台などで水をはり、プロ・ウォッシュをキャップの3分の1、プロ革エッセンスを約4~5滴入れて混ぜます。水が白濁してきたらOK。

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依

(3)レザージャケットを入れて、全体が水につかるようにやさしく押してから、2~5分つけ置き洗いします。

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依

(4)裏側にも水を通すようにして、優しくすすぎをします。すすいだらきれいな水に1~2分つけ置きします。

(5)洗濯ネットに入れ洗濯機を使って短時間で脱水します。しっかり脱水すると絞りジワができるので、 軽く済ますのがポイント。

(6)分厚めの肩幅に合ったハンガーに通し、両手で挟んでプレスするようにやさしくシワを伸ばしながら、形を整えます。

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依

フェイクファー付きダウンジャケットを洗ってみよう

続きまして、フェイクファー付きダウンジャケットをドライニングで洗ってみましょう。
ゴワゴワのフェイクファーは、買ったときのようなフワフワに生き返るでしょうか。

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依

(1)つけ置き洗い時間が異なるので、洗う前にフェイクファーをダウンジャケットから取り外します。

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依


(2)まずはフェイクファーから。洗濯桶や洗面台などに水をはり、ドライニングを適量入れて混ぜます。

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依

(3)2~3分つけ置き洗いします。

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依

(4)水で15秒ほどすすぎ、バスタオルなどで水気を取ります。

(5)ハンガーか平干しネットを使って、風通しのよいところで陰干しします。

(6)乾ききる前に低温設定にしたドライヤーで乾燥させながら、毛の流れに沿ってブラッシングするとボリューム感がアップします。(フェイクファーは熱に弱いのでドライヤーはなるべく離して当てるようにしてくださいね!)

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依

次はダウンジャケットです。ドライニングをキャップの半分程度入れて混ぜます。ダウンジャケットは、水を吸うとかなり重たくなるため手で絞るのは大変。洗うときから洗濯機に水をためて使えば、そのまま脱水できるのでおすすめです。

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依

(1)ダウンジャケットのジッパーを締めてたたみ、10~15分程つけ置き洗いします。ダウンジャケットは軽く浮いてくるので優しく適度に押し洗いします。

(2)洗濯機で15秒ほど脱水し、そのまま30秒ほどすすぎます。

(3)もう一度15秒ほど脱水します。脱水が足りない場合は短時間脱水を行うか、バスタオルなどで水気を取ります。

(4)ハンガーか平干しネットで風通しのよいところで陰干しします。室内で干される場合はダウンジャケットの下に新聞紙を敷いておくと、水滴のケアもできます。

(5)ある程度乾いてきたら手で軽くたたいて形を整えます。乾いたら最後にダウンジャケットを振りさばいて全体に空気を入れます。

仕上がりはいかに!?

さて、仕上がりをみてみましょう。
乾くまでに丸2日はかかりましたが、クリーニングに出すと1週間以上待つこともあるので、そう考えると早いですね。

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依

写真撮影/ツマミ具依

レザージャケットは袖口のシミがなくなって、ダウンジャケットのファーはふわふわになってる!!
レザーの質感も損なうことなく、素材を傷めずしっかり汚れが落ちてました! お見事!

実力派おしゃれ着洗剤を使ってみての感想

「家で洗えないものはクリーニングに出す」という常識を今まで疑うことさえしませんでしたが、実際にやってみると「全然できるじゃん!」と目から鱗でした。

慣れないうちはステップを確認しながら進めるので少し大変に思うかもしれませんが、基本的な手順は「水をためて洗剤を入れる→つけ置き洗い→短時間ですすぎ・脱水」なので、難しくありません。これで何千円も浮くなら相当お得! 衣替えの時期に限らず、いつでも気軽におしゃれ着を洗えます。

今回はレザージャケットとファー付きダウンジャケットでしたが、他のおしゃれ着の場合も含めうまく洗濯するためのポイントが気になりますよね。というわけで、今回使用した2つの洗剤の販売元からおしゃれ着洗濯のポイントを教えてもらいました!

●おしゃれ着洗濯のポイント(基本)
・白~淡い色のものと、色もの~黒やデニムなど色の出るものは、必ず分けて洗う(プロ・ウォッシュ)
・デリケートな素材のものや、大切なものは、必ず手洗いする(洗濯機の洗い機能を使わない)(プロ・ウォッシュ)
・洗った後は基本的なことだが、放置させずに、洗ったらすぐに形を整えて干す(プロ・ウォッシュ)
・洗濯機のドライコースやおしゃれ着コースよりも、つけ置き洗いがおすすめ(繊維は水に濡れているときが傷みやすくなるため)(ドライニング)
・洗濯機での脱水はなるべく短時間にすると衣類を傷めない。場合によってはバスタオルなどで水気を吸い取る(ドライニング)

これでやっと、冬の終わりにクリーニングで財布が寂しくなる思いから解放されそうです!
筆者が試したレザージャケットとダウンジャケットは、いずれも手洗い可能な洗濯表示ではありません。色落ちや縮みなどが起こっても、自己責任。皆さんもトライする場合は、そのリスクを念頭に置いてお試しください。

多少のリスクをとってもこの手軽さならアリだと、筆者は思いました! 浮いたお金で、新しい春服を買いに出かけてみてはいかがでしょうか?

●取材協力
・株式会社UYEKI(製品名『ドライニング』)
・アスパイラル(製品名『プロ・ウォッシュ』、『プロ革エッセンス』)