老朽化で寿命迎える街の図書館を町民ら主導でリノベ!テラスで日光浴、おしゃべりOKの素敵空間に生まれ変わった「瑞穂町図書館」 東京・瑞穂町

1950年に図書館法が制定されてから、戦後全国で次々と誕生した図書館。今、過渡期を迎えています。これらの建物が老朽化しており、いっせいに寿命を迎えているのです。東京都・西多摩郡瑞穂町の「瑞穂町図書館」にもこうした課題がありましたが、これまでの建物をあえて残しながら改修し、新たな空間をつくり上げる道を選びます。そして「誰もが居心地の良い、街のいこいの場」の機能を加えたのです。こうした改修プロジェクトを主導したのは、町民たち。どのような歩みを経てきたのでしょうか。図書館改修事業に携わった方の思いをお聞きしました。

街のリビングのような、心ゆるせる場所

東京都心の北西部にある人口3万2000人ほどの小さな町、西多摩郡瑞穂町。最寄駅である箱根ヶ崎駅には、東京駅からは電車で1時間半ほど乗ると到着します。町内には狭山丘陵の一角があり、背景には緑豊かな山並みも目にすることができます。

街の中央部にある瑞穂町図書館は、2022年3月にリニューアルオープンしました。コンセプトに掲げているのは、「本や人とゆるやかにつながり、自分の居場所と感じられる図書館」。そのテーマどおりに、図書館内のほとんどのスペースでおしゃべりや飲食がOKで、多くのくつろげるスペースがあります。

夕方になると緑のネオンサインが点灯。浮かび上がる姿は幻想的です(写真撮影/片山 貴博)

夕方になると緑のネオンサインが点灯。浮かび上がる姿は幻想的です(写真撮影/片山 貴博)

1階エントランスを入るとすぐ目に入るスペース。おしゃべりも、読書も、ワークショップも。あらゆることができるリビングのようなエリアです(写真撮影/片山 貴博)

1階エントランスを入るとすぐ目に入るスペース。おしゃべりも、読書も、ワークショップも。あらゆることができるリビングのようなエリアです(写真撮影/片山 貴博)

2階建ての図書館には、開口部全面に配置されたロングソファや、木製のボックス型読書ブース、Wi-Fiと電源が完備された無料のブース型ワーキングスペースなど、あらゆる人が快適に過ごせる空間が用意されています。

緑に囲まれたロングソファコーナーはまるでリゾート地で読書をしているかのような雰囲気を味わえます(写真撮影/片山 貴博)

緑に囲まれたロングソファコーナーはまるでリゾート地で読書をしているかのような雰囲気を味わえます(写真撮影/片山 貴博)

黙々と一人で読書や仕事をすることができるパーソナルブースには、開館と同時に人が集まっていました(写真撮影/片山 貴博)

黙々と一人で読書や仕事をすることができるパーソナルブースには、開館と同時に人が集まっていました(写真撮影/片山 貴博)

配置されている書棚も、本に手が伸ばしやすいように、フロア全体が背の低い書棚で囲まれています。さらには子どもが手に取りやすいサイズの書棚に、ゆるやかなカーブを描いた面陳列の木製書棚も印象的です。ゆったりとしたスペースや通路に、あたたかみのある木製の家具でつくられたやわらかな空間。

10代の学生たちに向けた本を集めたコーナー。手に取りやすい高さになっています(写真撮影/片山 貴博)

10代の学生たちに向けた本を集めたコーナー。手に取りやすい高さになっています(写真撮影/片山 貴博)

靴を脱いでくつろぐことができる、子ども向けのコーナー(写真撮影/片山 貴博)

靴を脱いでくつろぐことができる、子ども向けのコーナー(写真撮影/片山 貴博)

ボックスブースでは、落ち着いて飲食、勉強、打ち合わせも可能です(写真撮影/片山 貴博)

ボックスブースでは、落ち着いて飲食、勉強、打ち合わせも可能です(写真撮影/片山 貴博)

瑞穂町にゆかりのある大瀧詠一さんが発表されたレコードを集めたコーナー(写真撮影/片山 貴博)

瑞穂町にゆかりのある大瀧詠一さんが発表されたレコードを集めたコーナー(写真撮影/片山 貴博)

そこでは新聞を広げてくつろぐ人や、仕事や勉強に夢中になる人、黙々と本を読む人などと、思いおもいの時間を過ごす風景が広がります。なかには開館と同時に来館し、一日中図書館に浸る人も。まるで自分の家のリビングでくつろぐかのような雰囲気です。とはいえ、お互いにやりたいこと、求める空気感など、相手を尊重し合いながら秩序を保っています。

晴れた日は2階のテラスも利用できます。日光浴をしながらコーヒーを飲み、読書をすることができるなんて、なんて最高なのでしょう(画像提供/瑞穂町図書館)

晴れた日は2階のテラスも利用できます。日光浴をしながらコーヒーを飲み、読書をすることができるなんて、なんて最高なのでしょう(画像提供/瑞穂町図書館)

「ここは誰もがいてよい場所。なので、私たちからは”こうしろ”、”ああしろ”と強制はしません。ですが、例えば”今あそこには誰々がいて、こんなこと気にしているみたいよ”と促しはします。自発的に相手のことを考えてもらうために、そっとサポートをするイメージです」と、司書の西村優子さんは話します。

新しくするのではなく、今ある施設の魅力を活かす

「実はこの図書館は、私と生まれ年が同じなんです」
瑞穂町生まれの前館長・町田陽生さんはそう話を切り出します(取材当時は館長)。

リニューアル前の図書館は築45年で、設備の老朽化が目立ち、若年層の来館者が伸び悩んでいたことが気がかりでした。おまけにエレベーターもなく、車いすの人にも訪れにくい環境。なんとか変えたいと、誰もが利用しやすく快適な図書館へと改修するプロジェクトがはじまったのです。

瑞穂町は全てを新たに建て直すのではなく、既存の建物を活かすために一部減築をした上で、新たな建物を増築するという、2つの方法を組み合わせて改修する道へと踏み切ります。

せっかく改修するならば、何としても多くの人に訪れてもらえるようになりたいと願っていたと、前館長の町田さんは話します(写真撮影/片山 貴博)

せっかく改修するならば、何としても多くの人に訪れてもらえるようになりたいと願っていたと、前館長の町田さんは話します(写真撮影/片山 貴博)

「限られた期間と予算のなかで事業を進めていく必要がありました。図書館は駅から離れた位置にあり、立地も良いとはいえない場所です。ここで改修をするにあたり、どうすれば多くの方に来ていただき、町民に愛される図書館にできるかと模索する毎日でした」町田さんは、こう振り返ります。

建物改修と並行して、「図書館がどうあってほしいのか」という、ソフト面を考える取り組みも行うことになりました。そこで町は、住民参加型ワークショップを開催するべく、場を立ち上げたのです。

町民のやりたいこと、かなえたいことを集めて実現していく

ワークショップは、瑞穂町図書館のリニューアルの屋台骨を決めるものとなりました。

図書館の基本計画の策定段階である2019年に「図書館をみんなで考え・つくるワークショップ」を3回、その後2021年には「図書館をみんなで考え・活用するワークショップ」を3回開催。合計167人の、親子連れや学生、お年寄りなど幅広い世代の町民が参加しました。

彼らの描いていた図書館の理想像は「おしゃべりをしながら本を読みたい」「コーヒーが飲める場所がほしい」「Wi-Fiが使えるようになってほしい」「子どもが泣いてしまってもいいようなスペースがほしい」というものでした。

町民の声をもとにドリンクマシーンを設置。館内で自由に飲むことができます(写真撮影/片山 貴博)

町民の声をもとにドリンクマシーンを設置。館内で自由に飲むことができます(写真撮影/片山 貴博)

もちろん町民全ての願いをかなえられたわけではありません。ですが、一つひとつ耳を傾け、願いを実現することで、町の人にとって「居心地のよい場所」が生み出されたのです。
こうした街の人との意見交換では、新たなコミュニティも誕生しました。それが「図書館ファンクラブ」です。集まった10名ほどのメンバーは、図書館のスペースを使って、イベントの企画や運営を担っているのです。こうした積極的に関わってくれる街の人が増えたことで、図書館は活気にあふれるようになりました。

この日は反物の端切れを使って、ブックカバーをつくるワークショップを行っていました(写真撮影/片山 貴博)

この日は反物の端切れを使って、ブックカバーをつくるワークショップを行っていました(写真撮影/片山 貴博)

ファンクラブのメンバーの一人である村上豊子さん。彼女は腹話術の人形をあやつり、語り部をしています。この日は相棒である人形の「くりちゃん」とともに、図書館に足を延ばしていました。リニューアルした図書館のことをこう話します。

「これまで町の人は、地域活動の場所が限られていたんです。こういった場所ができて、積極的にイベントができるのはうれしいですね。子どもたちと接する機会が増えたことも喜びの一つです」

村上さんの相棒、腹話術人形の「くりちゃん」とともに(写真撮影/片山 貴博)

村上さんの相棒、腹話術人形の「くりちゃん」とともに(写真撮影/片山 貴博)

本を手にしたら、新しい発見がある書棚を目指す

リニューアルのもう一つのテーマは、書籍の配置の見直しでした。ここでは、テーマ配架が取り入れられたのです。テーマ配架とは、日々の暮らしに近いテーマや地域に根ざしたテーマなど、瑞穂町独自の6つのテーマで本を分類して並べることです。

図書館といえば日本十進分類法(NDC)での区分が知られているところ。例えば「文学」「哲学」「産業」などと聞くと、誰もが思い出すかもしれません。しかし、瑞穂町図書館ではその分類の根底を残しつつも、とらわれすぎない独自の6つのテーマを設定したのです。

例えば生活を豊かにする本が並ぶ「QOL(クオリティー・オブ・ライフ)」や、瑞穂の地域について学ぶ本が並ぶ「みずほ学」、10代の若者に寄り添ったテーマの本「ティーンズ」などといったセグメントです。訪れる人の目的や興味で本が探せる配置になっています。司書たちはこの6つのテーマに沿って、自らが選書や配置をしているのです。そのスタイルは、まるで、独立形書店のようでもあります。

瑞穂町の歴史や、瑞穂町にある企業にまつわる本が集められた「みずほ学」コーナー(写真撮影/片山 貴博)

瑞穂町の歴史や、瑞穂町にある企業にまつわる本が集められた「みずほ学」コーナー(写真撮影/片山 貴博)

そもそもこの本の並べ方も、町民とのワークショップで意見を聞いて取り入れたのだとか。
「子どもがメダカを飼いたいって言ったときに、メダカの生態の本も、メダカの飼い方の本も見たいじゃないですか。でもこの2つって全然違う場所に配置されているんです。あっちもこっちも行き来するって大変ですよね。じゃあ、どういう本棚の構成だったら探しやすいのだろう?と。そしてわかったのが、テーマを設けて本を並べるということだったのです。お子さんにも、感覚的にわかりやすいような本棚になったんですよ」と司書の西村さんは笑顔で語ります。

こうした配置によって生まれたうれしい変化がありました。関連する本をついでに2冊、3冊と借りて行く人が増えたことです。

子育てを支える本や、子どもたちに手にしてほしい本が集まる「みずほ育」コーナー(写真撮影/片山 貴博)

子育てを支える本や、子どもたちに手にしてほしい本が集まる「みずほ育」コーナー(写真撮影/片山 貴博)

町田さんはこう続けます。

「その人の求めている知的欲求がより深まるといいますか。本と本、人と人のつながり、こういうコンセプトがにじみ出た本棚でもありますね」

生活を豊かにする本が集う「QOL」コーナー(写真撮影/片山 貴博)

生活を豊かにする本が集う「QOL」コーナー(写真撮影/片山 貴博)

町民の手で、町民の知識で、この場所での体験を自分ごとにしていく

リニューアル後、来館者も増加。2018年度と比較すると約2倍に増えました。これは純粋に書籍を借りる人だけではなく、ここに憩いを求めて訪れている人も含まれているそうです。でもそれでいいと西村さんは言います。

「本のある空間に触れること、これが大切だと思うんです。小さいころから”なんとなく本のある空間”に身を置くことで、将来大きくなったときにここに戻ってきてくれる。そうあってほしいなと願って、くつろぐ、おしゃべりするだけでも足を延ばしてほしいと思っているのです。町の人の憩いの場であることが一番ですから」

本の配置に試行錯誤したことを話してくれた西村さん。全国にある図書館を視察して研究しているそうです(写真撮影/片山 貴博)

本の配置に試行錯誤したことを話してくれた西村さん。全国にある図書館を視察して研究しているそうです(写真撮影/片山 貴博)

今、図書館のあり方は大きく変わっています。西村さんは「この町を愛する人たちが自分の手でここをよくしていくこと。それが愛着を生み出しているのだと思います。まだまだやれることはあります。町民の力を借りながら、私たち職員はよりよい選書とは? もっと快適なスペースつくりとは? と、じっくり考えていきたいです」と話しました。

課題はもちろん残ります。この図書館は役場の職員が運営をしているため、誰かが異動をすると仕組みを維持しにくくなる恐れがあるのです。そこは、これから担い手を増やしていくよう工夫をしていく必要がありますが、町民にとっても役場の職員の皆様にとってもやりがいはありそうです。

瑞穂町図書館のみなさん。日々の運営のために、積極的にアイデアを出し合っているそうです(写真撮影/片山 貴博)

瑞穂町図書館のみなさん。日々の運営のために、積極的にアイデアを出し合っているそうです(写真撮影/片山 貴博)

取材の最後に西村さんは、こう話してくれました。
「今、全国各地で、図書館のあり方について考える必要が出てきています。ただ課題があっても、民間業者に委託する方法以外にも解決方法はあるのだと思います」
たしかに、自分たちの手で工夫をしていくことはできるのでしょう。時代は変わるので、図書館の役割も変わって当然。その工夫ができれば、もっと自分たちにとって心地よい施設になりそうですね。

●取材協力
瑞穂町図書館

オリンピック時に人気が出ていそうな街、1位は東京メトロ有楽町線「豊洲」

(株)リクルート住まいカンパニーはこのたび、「SUUMO住みたい街ランキング2019関東版 番外編」として、「2020年の東京オリンピックの時人気が出ていそうな街ランキング」を集計し、その結果を発表した。調査期間は2019年1月4日(金)~2019年1月11日(金)。有効回答数は7,000人。それによると、1位には東京オリンピックの会場が集積する有明エリアに近く、再開発も進む東京メトロ有楽町線「豊洲」がランクインした。オリンピック後の2021年には「豊洲地区1-1街区開発計画」が完成予定で、駅前には48階建てのマンションを開発中。総戸数は1000戸を超え、スーパーマーケットと保育所を併設、緑化空間も整備される。

2位には、JR山手線の「品川」がランクイン。また10位には隣駅の「田町」が入った。このエリアは国家的プロジェクトで注目が集まっており、羽田空港へのアクセスも良好。国や都は、品川駅~田町駅周辺を大手町や丸の内と並ぶ拠点と位置づけ、国際ビジネス・文化都市の形成を目指している。その一環として、2018年に駅名が決定した山手線新駅「高輪ゲートウェイ駅」周辺での大規模開発が挙げられる。

3位~5位にはJR山手線の「東京」「渋谷」「新宿」と続き、6位には外国人旅行者の増加などから地価が上昇している東京メトロ銀座線「浅草」がランクインした。

ニュース情報元:(株)リクルート住まいカンパニー

本当に住みやすい街、トップは「赤羽」

アルヒ(株)(東京都港区)はこのほど、1都3県の“本当に住みやすい街”TOP10を発表する、「ARUHI presents 本当に住みやすい街大賞2019」を開催し、その結果を発表した。選定にあたり、1都3県でARUHI住宅ローンを利用する方の融資実行件数(2017年8月から2018年7月までの1年間、借り換え除く)を町名単位で集計。これらのデータを基に、住環境・交通利便・教育環境・コストパフォーマンス・発展性の5つの基準を設定し、住宅や不動産の専門家が参画する選定委員会による公平な審査のもと“本当に住みやすい街“を選定した。

それによると、1位を獲得したのは東京都の「赤羽」(JR埼京線)。大型スーパーに加えて、赤羽一番街商店街・赤羽スズラン通り商店街の2つの商店街があり、生活に必要なお店が充実していること。湘南新宿ライン・京浜東北線・宇都宮線・赤羽線・埼京線・高崎線の6路線利用可能で、交通の便がよいこと。総戸数3,373戸からなる大団地「赤羽台団地」の再生事業、駅周辺の再開発計画によりさらに活気がある街になることが期待され、トップに選ばれた。

2位は「南阿佐ヶ谷」(東京メトロ丸ノ内線)。待機児童数が少ない杉並区で、幼稚園や保育園が街に揃っていること。活気ある阿佐ヶ谷に隣接する住宅エリアであること。新宿まで11分、大手町まで32分のアクセスなど、自然の豊かさと都会の便利さを合わせ持つ、家族暮らしに最適な街として2位に選ばれた。

3位には「日暮里」(JR山手線)がランクイン。谷中銀座が近くにあり、日常の買い物に便利。山手線、京浜東北線、常磐線の3線が利用可能、成田空港へ36分のアクセス。山手線沿線の中では比較的価格がリーズナブルで、古き街並みが残る都心へのアクセスが良い街として高い評価を得た。

東京都以外では4位に埼玉県の「川口」(JR東北本線)、5位に千葉県の「柏の葉キャンパス」(首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス)、10位に神奈川県の「矢向」(JR南武線)がランクインしている。

ニュース情報元:アルヒ(株)

本当に住みやすい街、トップは「赤羽」

アルヒ(株)(東京都港区)はこのほど、1都3県の“本当に住みやすい街”TOP10を発表する、「ARUHI presents 本当に住みやすい街大賞2019」を開催し、その結果を発表した。選定にあたり、1都3県でARUHI住宅ローンを利用する方の融資実行件数(2017年8月から2018年7月までの1年間、借り換え除く)を町名単位で集計。これらのデータを基に、住環境・交通利便・教育環境・コストパフォーマンス・発展性の5つの基準を設定し、住宅や不動産の専門家が参画する選定委員会による公平な審査のもと“本当に住みやすい街“を選定した。

それによると、1位を獲得したのは東京都の「赤羽」(JR埼京線)。大型スーパーに加えて、赤羽一番街商店街・赤羽スズラン通り商店街の2つの商店街があり、生活に必要なお店が充実していること。湘南新宿ライン・京浜東北線・宇都宮線・赤羽線・埼京線・高崎線の6路線利用可能で、交通の便がよいこと。総戸数3,373戸からなる大団地「赤羽台団地」の再生事業、駅周辺の再開発計画によりさらに活気がある街になることが期待され、トップに選ばれた。

2位は「南阿佐ヶ谷」(東京メトロ丸ノ内線)。待機児童数が少ない杉並区で、幼稚園や保育園が街に揃っていること。活気ある阿佐ヶ谷に隣接する住宅エリアであること。新宿まで11分、大手町まで32分のアクセスなど、自然の豊かさと都会の便利さを合わせ持つ、家族暮らしに最適な街として2位に選ばれた。

3位には「日暮里」(JR山手線)がランクイン。谷中銀座が近くにあり、日常の買い物に便利。山手線、京浜東北線、常磐線の3線が利用可能、成田空港へ36分のアクセス。山手線沿線の中では比較的価格がリーズナブルで、古き街並みが残る都心へのアクセスが良い街として高い評価を得た。

東京都以外では4位に埼玉県の「川口」(JR東北本線)、5位に千葉県の「柏の葉キャンパス」(首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス)、10位に神奈川県の「矢向」(JR南武線)がランクインしている。

ニュース情報元:アルヒ(株)

デートで行きたい街(関東版)、総合トップは「横浜」

(株)リクルート住まいカンパニーはこのたび、アンケート調査「みんなが選んだ住みたい街ランキング2018関東版 番外編~街のイメージ~」を集計し、その結果を発表した。
調査対象は関東圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県)在住の20歳~49歳の男女。調査方法はインターネット。有効回答数は7,000人。
デートで行きたい駅ランキング。画像:リクルート住まいカンパニー

デートで行きたい駅ランキング。画像:リクルート住まいカンパニー


男女を合わせた総合ランキングの1位は、「住みたい街ランキング2018」でも1位になった「横浜」、昨年4位からランクアップしてトップに輝いた。2位は昨年と変わらず「表参道」がランクイン。3位には昨年1位だった「銀座」が選ばれている。

一方、「住みたい街ランキング2018」では43位だった「みなとみらい」が、ここでは7位と大健闘。“住む”というよりも“デートで行く・遊びに行く”街としてのイメージが強いことがうかがえる。「舞浜」「お台場海浜公園」といったレジャー施設のある街もトップ10にランクインした。
シングル男性ランキング。画像:リクルート住まいカンパニー

シングル男性ランキング。画像:リクルート住まいカンパニー


シングル女性ランキング。画像:リクルート住まいカンパニー

シングル女性ランキング。画像:リクルート住まいカンパニー


男女別にみてみると、シングル男性とシングル女性では大きな差がある。シングル男性では、ターミナル駅で商業施設がそろう「渋谷」「新宿」がトップ2にランクイン。一方、シングル女性では、1位「表参道」、同率2位「横浜」「銀座」と、オシャレで先進的なイメージのある街が人気のようだ。
東京オリンピックの時人気が出ていそうな駅ランキング。画像:リクルート住まいカンパニー

東京オリンピックの時人気が出ていそうな駅ランキング。画像:リクルート住まいカンパニー


東京オリンピックの時人気が出ていそうな街(駅)ランキングで1位に輝いたのは「豊洲」。ほかには、「月島」「勝どき」「新木場」といった東京オリンピック関連施設の建設予定地である湾岸エリアの街と、「東京」「品川」「渋谷」「新宿」「銀座」「浅草」といった観光客にも人気の高い街が、トップ10にランクインした。

ニュース情報元:(株)リクルート住まいカンパニー

本当に住みやすい街(関西)、トップはJR神戸線「尼崎」

アルヒ(株)(東京都港区、以下 ARUHI)は、同社のデータを基に住宅専門家が厳選した2府1県(大阪府、京都府、兵庫県)の“本当に住みやすい街”TOP10を決める、「ARUHI presents 本当に住みやすい街大賞2018 in 関西」を開催し、その結果を発表した。
2府1県でARUHI住宅ローンを利用する方の融資実行件数(2017年3月から2018年2月までの1年間、借換除く)を町名単位で集計。これらのデータを基に、住環境・交通利便・教育環境・コストパフォーマンス・発展性の5つの基準を設定し、住宅や不動産の専門家が参画する選定委員会による公平な審査のもと“本当に住みやすい街“を選定した。

それによると、1位に選ばれたのはJR神戸線「尼崎」。大阪駅まで新快速で5分、新大阪11分と大阪中心地にアクセスが良い点、駅に併設してQ’s MallやOASISといった大規模商業施設があり、買い物に便利な環境であること、また、大阪中心地に近い住宅エリアとして生まれ変わりつつあり、その注目度の高さから家族暮らしに最適な街であると評価され、第1位に輝いた。

2位には、大阪地下鉄御堂筋線「本町」がランクイン。オフィス立地の淀屋橋、商業立地の心斎橋に挟まれた発展性の高いエリアである点、校区となる小学校では1年生の生徒数が6年生の倍以上と近年居住者人口が増加していることなど、便利な都心部にあって今後住宅街としても期待できる人気上昇中の街であると評価された。

3位はJR山陰本線「二条」。生活環境が整った街並みと古都の佇まいを合わせ持つ今昔融合した歴史ある街であることが高く評価された。

4位には、自然豊かで良好な住環境、初めてマイホームを購入する方にも手が届く価格帯の、神戸市営地下鉄「学園都市」がランクイン。5位には、城跡や酒蔵が残る歴史ある景観もあり、教育環境が整った穏やかでコンパクトな街、阪急伊丹線「伊丹」が選ばれた。

ニュース情報元:アルヒ(株)

生まれ変わった「映画のまち」調布を住民の方と一緒に散策してみた

東京都心部と、自然豊かな高尾・多摩エリアの中間あたりに位置する調布。市内に映画・映像関連企業が多いことから「映画のまち」として栄え、かつては「東洋のハリウッド」とまで言われた街だ。近年は京王線調布駅の地下化、駅前広場の拡充などの再開発が進むが、街の変化は住環境にどのような影響をもたらしたのだろうか。変わりつつある「調布」の街を調査すべく、住民の方と一緒に歩いてみた。
2017年誕生の駅ビル「トリエ京王調布」

今回、街を案内してくれるのは調布在住歴18年の坪沼大輔(つぼぬま・だいすけ)さん。映画やドラマの撮影に携わる仕事をしており、「映画のまち」の案内人にはうってつけのお方だ。ちなみに好きな映画は『ニュー・シネマ・パラダイス』。

トリエ京王調布B館のビックカメラ(写真撮影/小野洋平)

トリエ京王調布B館のビックカメラ(写真撮影/小野洋平)

坪沼さんがまず案内してくれたのは、2017年に誕生した駅ビル「トリエ京王調布」(以下トリエ)。かつて地上にあった調布駅舎の跡地に位置し、ショッピングセンターのA館、家電量販店のB館、映画館のC館の3つから構成されている。

トリエ京王調布C館の映画フロア(写真撮影/小野洋平)

トリエ京王調布C館の映画フロア(写真撮影/小野洋平)

なかでも注目すべきは、「シアタス調布」。「映画のまち」に6年ぶりに誕生したシネコンだ。動きや香り、光などの演出効果が人気の「4DXデジタルシアター」や東日本では初となる立体音響テクノロジー「GDC featuring dts-X」を採用しており、これには映画好きの坪沼さんも歓喜したそうだ。

ちなみに4月13日からは、往年の名画を1年間にわたって連続上映するイベント「午前十時の映画祭」がシアタス調布でも始まり、最新のスクリーンで『タイタニック』や黒澤明監督作品などが楽しめる。

「往年の名作映画を最新の設備で見られるのはうれしいです。個人的には早く『七人の侍』をスクリーンで見たいですね」(坪沼さん、以下同)

充実度を増した調布駅前

新たな駅ビルの誕生は、市民の生活利便性も大きく向上させたという。

トリエA館に入る成城石井(写真撮影/小野洋平)

トリエA館に入る成城石井(写真撮影/小野洋平)

「駅前に来れば、そろわないものはないと思います。以前から駅前にはPARCOをはじめ、西友や東急ストアがありましたが、今回駅ビルの中に『成城石井』が登場し、グローサラント(※)も展開されているんです」

(※)グローサラント:食品販売店の「グローサリー」と「レストラン」を合わせた造語。店で売っている食材をその場で調理した料理を、飲食スペースで楽しむことができる。

トリエC館の横にある「てつみち」。オープンテラスの憩いの空間となっている(写真撮影/小野洋平)

トリエC館の横にある「てつみち」。オープンテラスの憩いの空間となっている(写真撮影/小野洋平)

また、最近では駅前に、子育て世代に向けた公園や保育園などの施設も徐々に増えてきているという。

「市役所や大病院なども駅から徒歩圏内ですし、生活の充実度はかなり増したと思います」

調布市民待望のとんかつ屋も復活行きつけの飲み屋が並ぶ北口(写真撮影/小野洋平)

行きつけの飲み屋が並ぶ北口(写真撮影/小野洋平)

一方、老舗店が並ぶ「天神通り商店街」や飲み屋がひしめく「調布百店街」など、昔ながらの街並みも健在だ。

「この先には調布市民ならば、知らない人はいない『とんかつ屋』があるんです」と、坪沼さんが案内してくれたのは、駅北口から徒歩5分のところにある「かつ元」。

調布駅から徒歩5分(写真撮影/小野洋平)

調布駅から徒歩5分(写真撮影/小野洋平)

創業は1976年。調布駅の隣駅「布田駅」で35年間営業を続け、土地区画整理のため、2012年に調布市国領へ移転。その後、オーナーの体力的な理由もあり一時は閉店したが、この味を受け継ぎたいという弟子の熱意により復活。2015年、ふたたび布田に店を構えることになったそうだ。

自慢のロースかつ定食。肉は岩手県産の「岩中豚」を使用している(写真撮影:小野洋平)

自慢のロースかつ定食。肉は岩手県産の「岩中豚」を使用している(写真撮影:小野洋平)

坪沼さんも昔からの常連の1人。「働き始めたころはお金がなくてなかなか食べられなかったけど、今では自分へのご褒美として食べに来ています」と、顔をほころばせる。

映画館に加え、長年愛され続けた名店まで復活し、昔ながらの住民も大いに喜んでいるようだ。

駅から多摩川に続く、住宅街や撮影所

食事の後は、散歩がてら調布駅南側を流れる「多摩川」を目指すことに。

大映製作の特撮時代劇映画「大魔神」がお出迎え(写真撮影/小野洋平)

大映製作の特撮時代劇映画「大魔神」がお出迎え(写真撮影/小野洋平)

途中、「日活調布撮影所」や「角川大映スタジオ」など、今も映画を制作する現役の撮影所を発見。

「もともとは日本映画株式会社が調布に『多摩川撮影所』を設立したことが『映画のまち』と呼ばれるようになったゆえんなんです。今でも東京現像所や美術、特機(撮影の機材)を扱う映像関連の企業は残っています」

多摩川沿いの住宅街(写真撮影/小野洋平)

多摩川沿いの住宅街(写真撮影/小野洋平)

さらに歩を進め日活撮影所を越えると、戸建ての住宅街が広がっていた。

「駅前は再開発によってマンションが多く建ち、若年層のファミリーが増えたような気がしますが、品川通りを越えると戸建てが多い印象です」

このあたりの住民は車もしくは自転車を使って駅に向かうそうだ。なお、駅に向かうバスの本数も多いため、生活の足には困ったことがないとのこと。

「調布は自然も多く残っているけど、意外に交通も至便で特急電車に乗れば新宿まで15分、車でも30分ほど。調布ICを使えばさらに早く着きますよ」

山梨・東京・神奈川を流れる多摩川(写真撮影/小野洋平)

山梨・東京・神奈川を流れる多摩川(写真撮影/小野洋平)

調布駅から歩くこと20分、市民の憩いの場、多摩川に到着。花見シーズンとあって平日でも多くの人でにぎわっている。

「私も休みの日には読書をしたり、ランニングをしていますが、用もないのに来てしまうときもあります。そういう方はけっこう多いみたいですよ(笑)。やはり市民にとって多摩川の存在は大きいんだと思います」

国道114号線の桜並木(写真撮影/坪沼大輔)

国道114号線の桜並木(写真撮影/坪沼大輔)

そう語る坪沼さんに、“心の拠り所”である多摩川沿いの桜並木を撮ってもらったら、どこかの映画のワンシーンで使われていてもおかしくないカットになった。さすがプロ。

調布近辺の家賃相場は?

最後に、調布の気になる家賃相場を見てみよう。調布駅周辺の一人暮らし用賃貸物件の相場は6.4万円。調布駅は京王線、京王相模原線が乗り入れており、京王線の特急を使えば、新宿駅まで2駅でいける便利な駅だ。坪沼さんいわく、京王線沿線には大学が多く集まっているため、一人暮らしの学生も多いという。

調布をまとめてみると……
・新たに駅ビルが誕生したことで市民の生活利便性は飛躍
・オープンした映画館には最先端の設備がある
・撮影所をはじめとする映像関連会社が残っている
・子育てがしやすい設備・環境も徐々に増えてきている
・多摩川沿いには戸建てが並び、バスや自転車を多く利用している
・多摩川は市民の憩いの場となっている

都市のような利便性と豊かな自然が共存する街・調布。「映画のまち」としての誇りも残っており、今後は映画を使ったまちづくりにも期待がかかる。時にのどかな多摩川に癒やされ、時には映画の世界にどっぷり浸るーー。そんな生活に筆者も思わず憧れてしまった。

●調査概要
【調査対象駅】調布駅
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、面積10平米~40平米、築年数40年未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2017年12⽉1⽇~2018年2⽉28⽇
【家賃の算出⽅法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む⽉額賃料から中央値を算出(家賃20万円以内)

本当に住みやすい街、トップは「南阿佐ヶ谷」、アルヒ調べ

アルヒ(株)(東京都港区、以下 ARUHI)は、同社データを基に住宅専門家が厳選した1都3県の“本当に住みやすい街”TOP10を発表する、「ARUHI presents 本当に住みやすい街大賞 2017」を開催し、その結果を発表した。選定にあたり、ARUHIは1都3県でARUHI住宅ローンを利用する方の融資実行件数(約7,500件:2016年8月から2017年7月までの1年間、借換除く)を町名単位で集計。これらのデータを基に、住環境・交通利便・教育環境・コストパフォーマンス・発展性の5つの基準を設定し、住宅や不動産の専門家が参画する選定委員会による公平な審査のもと“本当に住みやすい街“を選定した。

それによると、ランキング1位を獲得したのは「南阿佐ヶ谷」(丸の内線)。杉並区は22.2%と23区3位の緑被率、近場に自然を感じ取れる公園が川沿いに数キロ続いており環境がよいこと。日々の暮らしに必要な買い物は商店街ですませられ安いお店も多く、駅前には杉並区の公共施設がまとまってあり便利など、自然の豊かさと都会の便利さを合わせ持つ点が、家族暮らしに最適な街としてトップに選ばれた。

2位は「勝どき」(大江戸線)。今年度超高層マンション3棟という大規模建設が着手され、東京オリンピック開催後には選手村が5000戸を超える住宅へと改修される予定であり、都心に近く発展性があること、子育て支援も充実した街であることなどが評価された。

3位は赤羽」(JR)。駅周辺の再開発計画と、湘南新宿ライン・京浜東北線・宇都宮線・赤羽線・埼京線・高崎線の6路線利用可能で、赤羽駅周辺からはバス路線も多方面にあり、小回りもきき、交通の便がよいこと。もともと商業施設が充実し、生活しやすい場所として庶民性があるなどが評価され3位にランクイン。

東京都以外の県では4位に埼玉県の「三郷中央」(つくばエクスプレス)、5位に神奈川県の「戸塚」(JR)、8位に千葉県の「千葉ニュータウン中央」(京成電鉄)がランクインした。

ニュース情報元:アルヒ(株)

初優勝なるか!? 川崎フロンターレのホームスタジアムがある「武蔵小杉」ってどんな街?

神奈川県川崎市をホームタウンにしているプロサッカークラブ『川崎フロンターレ』(以下フロンターレ)。1999年のJリーグ加盟以降着々と力をつけ、近年では優勝争い常連の強豪となり、今夜(11月29日)悲願の初優勝に望みを繋ぐ試合が控えている。そんなフロンターレのホームスタジアム『等々力陸上競技場』の最寄駅は武蔵小杉駅。20年ほど前から街の再開発が進み、関東の『住みたい街ランキング2017』では堂々の6位にランクインしている(SUUMO関東 住みたい街ランキング2017)。

そんな人気の街がホームタウンともなれば、引越したいと考えるサポーターも多いことだろう。そこで今回は川崎生まれ川崎育ち、生粋のフロンターレサポーターであるSさんに街の情報を教えてもらいながら、武蔵小杉を探索してみたいと思う。

再開発が続く東口エリア

武蔵小杉駅にはJR南武線、横須賀線、湘南新宿ラインのほかに東急東横線、目黒線が発着し、新宿や東京へも20分圏内だ。ここまで交通利便性が高いと、おのずと人の行き来も多くなる。しかも、取材日はフロンターレのホームゲームが行われるとあって駅前はチームカラーである『サックスブルー』に身を包んだ人であふれかえっていた。

【画像1】Sさんが一番好きなのは中村憲剛選手(写真撮影/小野洋平)

【画像1】Sさんが一番好きなのは中村憲剛選手(写真撮影/小野洋平)

もちろん、サポーター歴15年のSさんもその1人。身の回りの私物はフロンターレグッズでそろえている。

それでは、街探索キックオフ。まずは再開発エリアである東口から案内していただこう。

【画像2】東口のタワーマンション群。今後も数棟の建設が予定されている(写真撮影/小野洋平)

【画像2】東口のタワーマンション群。今後も数棟の建設が予定されている(写真撮影/小野洋平)

東口にはタワーマンションが立ち並び、また『東急スクエア』、『ららテラス武蔵小杉』、『グランツリー武蔵小杉』などの大型商業施設も多い。さらに大病院もあり、2019年には新たな小学校の開校も控えている。進化する街、武蔵小杉の勢いが最も感じられるエリアだ。

Sさんによれば、そんな街の変化とともにフロンターレも強くなっていったそうだ。

「今ではJ1の強豪チームになりましたが、昔はJ2の時代もありました。2003年シーズンなんて勝ち点『1』が足りずにJ1に昇格できなかった。この苦い経験が、今の強さにつながっているんだと思います。ちなみに、私もその時の悔しさがきっかけでフロンターレのサポーターになったんですよね」

【画像3】オシャレなお店が増えたという高架下(写真撮影/小野洋平)

【画像3】オシャレなお店が増えたという高架下(写真撮影/小野洋平)

住民やサポーターが集まる西口エリア

一方、西口はガラっと雰囲気が変わる。こちらは飲食店や個人経営のお店が多く、昔ながらの地域の結びつきが感じられるエリアだ。フロンターレのフラッグも目立ち、「おらが街のチーム」として地元に愛されていることがよく分かる。ちなみに、フロンターレはJリーグが調査する『地域貢献度ランキング』にて6年連続1位を誇っている。

「フロンターレの選手って地域との距離が近いんですよ。新年には商店街を挨拶回りし、クリスマスには街の小児科を訪れたり。小学校にもフロンターレの算数ドリルがありますからね。他チームと比べて、地元の人のサポーターの割合が多いのも地域に根付いている証拠です」

西口には、フロンターレのオフィシャルショップもある。試合前に限らず、新しいグッズが出ていないかついチェックしてしまうのがサポーターの性なのだとか。

スタジアムに続く北口エリア

続いては北口。こちらには、スタジアム行きのバス停がある。

【画像4】バスに並ぶサポーターの列(写真撮影/小野洋平)

【画像4】バスに並ぶサポーターの列(写真撮影/小野洋平)

ご覧のとおり、試合当日は混雑必至だが、徒歩でも15分ほどでスタジアムには着くそうだ。また隣の新丸子駅も徒歩圏内ということで街はフロンターレ一色。なお、等々力陸上競技場まで歩く場合は、道の狭い場所や交通量の多い道もあるのでご注意を。

【画像5】美容室にはJ1の順位表やチームへのメッセージが書かれたボードが(写真撮影/小野洋平)

【画像5】美容室にはJ1の順位表やチームへのメッセージが書かれたボードが(写真撮影/小野洋平)

Sさん、ホームの試合には必ず足を運ぶという。アウェイでも、休みがあれば新潟や札幌までも遠征に行くそうだ。チームを追いかけることが、全国を旅するいいきっかけになっている。

「基本的に試合日程に合わせて予定を決めるんですよ。だから試合の年間スケジュールが発表される時期になると同時に、私の1年間の予定も決まるんですよね(笑)。来年はV・ファーレン長崎がJ1に上がってくるので、今から長崎観光が楽しみです」

等々力陸上競技場の周りの様子

最後にホームスタジアム「等々力陸上競技場」にも足を運んでみた。ファン、サポーター、住民の署名運動が実を結び、2015年に改修工事を終えたばかりだ。

【画像6】スタジアムの背後に武蔵小杉駅前のタワーマンションが立つ(写真撮影/小野洋平)

【画像6】スタジアムの背後に武蔵小杉駅前のタワーマンションが立つ(写真撮影/小野洋平)

スタジアムが位置する等々力緑地内には、スポーツ施設やミュージアムなども併設されている。また、すぐ近くには多摩川も流れており、自然環境は申し分ない。

【画像7】試合の日にはグルメブース「フロンパーク」が登場(写真撮影/小野洋平)

【画像7】試合の日にはグルメブース「フロンパーク」が登場(写真撮影/小野洋平)

周辺は住宅街になっていて、試合前の「フロンパーク」は多くの地元民でにぎわっている。サポーターでなくても、試合の日はお祭り感覚でスタジアムを訪れる人が多いのかもしれない。

武蔵小杉駅と近辺の家賃相場は?

さて、そんな武蔵小杉の気になる家賃相場を見ていこう。一人暮らし用賃貸物件(駅徒歩10分圏内、20~30m2のワンルーム・1K・1SK)の相場は8.8万円。等々力陸上競技場のある川崎市中原区の家賃相場7.5万円と比較すると、やや割高感がある。

では、武蔵小杉駅までアクセスの良い、沿線の街まで範囲を広げてみるとどうか。武蔵小杉駅まで15分以内の、家賃相場が安い駅を見てみよう。

●武蔵小杉駅まで15分以内の家賃相場が安い駅ランキング(TOP10)
1位 宿河原(JR南武線)/14分/6.4万円
2位 白楽(東急東横線)/14分/6.5万円
3位 妙蓮寺(東急東横線)/12分/6.8万円
3位 久地(JR南武線)/12分/6.8万円
5位 高田(神奈川)(横浜市営地下鉄グリーンライン)/14分/6.9万円
5位 保土ケ谷(JR横須賀線・JR湘南新宿ライン)/15分/6.9万円
7位 日吉本町(横浜市営地下鉄グリーンライン)/12分/7.0万円
8位 津田山(JR南武線)/10分/7.1万円
9位 新川崎(JR横須賀線・JR湘南新宿ライン)/3分/7.2万円
10位 日吉(神奈川)(東急東横線/横浜市営地下鉄グリーンライン)/2分/7.3万円
10位 平間(JR南武線)/3分/7.3万円
10位 綱島(東急東横線)/5分/7.3万円
10位 菊名(JR横浜線/東急東横線)/8分/7.3万円
10位 大倉山(神奈川)(東急東横線)/8分/7.3万円

Sさん曰く、トップ5は住宅街で街中はさほど栄えていないという。狙い目は、同率10位にランクインした5つの駅。適度ににぎわいがあり、住環境も良好だという。また、15分以内で安さを求めるならば南武線、7万を超えても街並みや交通条件を求めるならば東横線がオススメとのことだ。

ちなみに、川崎の“地元っこ”が実家を出て一人暮らしをする際、武蔵小杉エリアは人気で、武蔵小杉徒歩圏の新丸子を選ぶ人も多い様子。Sさんも現在実家暮らしだが、一人暮らしをするなら利便性の面から武蔵小杉エリアに住みたいそう。

というわけで武蔵小杉の情報をまとめると

・JR、東急線が利用できるので交通利便性が高い
・東口は整備された道路、大型商業施設が点在している
・再開発された新しい街という印象だが、地元の人同士の結びつきも強い
・試合当日の南武線改札や北口はサポーターで混雑する
・スタジアムまでは徒歩で行けるが、狭い道や交通量の多い道もある
・フロンターレ推しのお店や飲食店が数多く存在
・等々力陸上競技場周辺には、豊かな自然環境と住宅街が広がる

もとより、武蔵小杉の交通利便性や整った住環境はよく知られるところ。加えて、強豪チームのホームタウンであるという側面は、サポーターではない筆者にとっても魅力的に映った。チームの存在が地元に根付いていることもあり、試合の度にお祭りムードに包まれ街全体が大いに盛り上がる。いまや“タワーマンションの街”という印象が強い武蔵小杉だが、街の「地元感」や、にぎやかな雰囲気が好きな人も楽しく暮らせる街といえるかもしれない。