(株)オールアバウト(東京都渋谷区)はこのたび、介護経験者と介護未経験者を対象に、「親の介護」に関する調査を行った。介護経験者の対象は30~69歳の男女、サンプル数は計657名(男性219名、女性438名)。介護未経験者の対象は35~49歳の男女、サンプル数は計436名(男性220名、女性216名)。ともに2018年11月19日~11月22日、インターネットで調査を行った。
それによると、介護経験者が介護を始めた自身の年齢は、45~54歳のアラフィフ世代が最多の35.9%。44歳以下で介護をすることになった人は34.6%だった。また、回答者の約6割が「介護に対する心構えができていなかった」(「できていなかった」26.3%+「どちらかというとできていなかった」34.7%)と回答。親の介護を突然はじめることになった人が多いようだ。
介護期間については、「4~10年未満」が20.9%と最も多く、「10年以上」は11.9%。1年以上(「1~2年未満」17.5%+「2~3年未満」14.1%+「3~4年未満」10.8%)を合算すると75.2%となった。多くの人が急に親の介護をはじめることになり、しかも長期にわたって介護を行っている。
介護期間中の自身の就業状況は、男性の83.6%、女性の60.7%が働いていたと回答。「仕事をしていた」と回答した人のうち、「介護が始まる以前から仕事の状況は変わりない」と回答した人は男性の56%、女性の38.7%で、「働き方や雇用形態を変更した」と回答した人は男女ともに約3割(「会社に相談し、働き方を調整した」「調整が効きやすいよう、雇用形態を変更した」「会社の制度を使い、働き方を調整した」の合算)、介護のために「転職」した人は、男性で5%、女性で7.5%だった。また、「仕事を辞めた」と回答したのは、男性で6%に対し女性が20.7%、男女で約3.5倍の差が見られた。
介護で辛かったことは、肉体的負担をあげた人が約4割に対し、精神的負担と回答した人が約6割で最多。次いで「今後どうなるか見通しがつかないこと」が44.3%となり、“終わりが見えない”点も介護が辛いと感じるポイントのようだ。
介護の事前準備については、アラフォーで親の介護を始めた人の約7割が「事前に準備しておくべきだった」と回答。事前に準備をしておけば良かったと思うことは、「介護にかかわる心構えや覚悟」が48.9%で最多。次いで「介護サービスや介護制度についての理解」48.6%、「介護に関する情報収集」43.4%、「親・兄弟との役割分担や協力体制の構築」32.2%が続く。
一方、「親の介護の準備をしている」と回答した介護未経験者は1割で、約9割の人が準備をしていない。親の介護が始まると予想する時期をきいたところ、約4割が「まだわからない」と回答。次に「6~10年以内」が18.1%、「10年よりも先」が17.2%だった。
ニュース情報元:(株)オールアバウト