【新宿駅30分以内】家賃相場が安い駅ランキング2024年! TOP4は5万円台、新宿駅周辺の半額以下に

2040年代をめどに、周辺一帯で大規模な再開発が計画されている東京都・新宿駅。現在も大いににぎわっている駅周辺の、さらなる発展が期待されている。JR各線をはじめ京王線、小田急線、東京メトロ丸ノ内線、都営地下鉄の新宿線と大江戸線が乗り入れる一大ターミナルでもあり、交通の利便性のよさもピカイチだ。そんな新宿駅周辺のシングル向け賃貸物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場は、12万3000円と都内でも高め。便利な新宿駅にアクセスしやすく、家賃を抑えて住むにはどこがいいのだろう? 新宿駅から電車で30分圏内でありながら、家賃相場が安い駅のランキングをチェックしていこう。

新宿駅まで電車で30分以内の家賃相場が安い駅TOP19(20駅)

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/新宿駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 京王よみうりランド 5.44万円(京王相模原線/東京都稲城市/30分/1回)
2位 西国分寺 5.8万円(JR中央線/東京都国分寺市/28分/1回)
2位 読売ランド前 5.8万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/24分/1回)
4位 朝霞 5.9万円(東武東上線/埼玉県朝霞市/29分/1回)
5位 生田 6.0万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/22分/1回)
5位 田無 6.0万円(西武新宿線/東京都西東京市/28分/1回)
5位 西武柳沢 6.0万円(西武新宿線/東京都西東京市/28分/1回)
8位 京王稲田堤 6.05万円(京王相模原線/神奈川県川崎市多摩区/28分/1回)
9位 稲田堤 6.1万円(JR南武線/神奈川県川崎市多摩区/29分/1回)
10位 和泉多摩川 6.4万円(小田急小田原線/東京都狛江市/22分/1回)
10位 百合ヶ丘 6.4万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市麻生区/26分/1回)
10位 西調布 6.4万円(京王線/東京都調布市/28分/1回)
10位 飛田給 6.4万円(京王線/東京都調布市/29分/1回)
14位 中野島 6.5万円(JR南武線/神奈川県川崎市多摩区/26分/1回)
14位 久地 6.5万円(JR南武線/神奈川県川崎市高津区/28分/1回)
14位 京王多摩川 6.5万円(京王相模原線/東京都調布市/26分/1回)
14位 宿河原 6.5万円(JR南武線/神奈川県川崎市多摩区/26分/1回)
14位 狛江 6.5万円(小田急小田原線/東京都狛江市/20分/1回)
19位 向ヶ丘遊園 6.6万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/19分/1回)
19位 蕨 6.6万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県蕨市/26分/1回)
※21位以降は記事末に掲載

家賃相場12万円超の新宿駅から30分離れると5万円台で住める!

新宿駅から30分圏内にある駅のうち、徒歩15分圏内のシングル向け物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場が最も安かったのは、京王相模原線・京王よみうりランド駅で家賃相場は5万4400円。京王相模原線の快速で調布駅へ出て、京王線の特急に乗り換えると新宿駅までは計約30分。京王線に直通の京王相模原線区間急行を利用すれば、乗り換え0回・約39分で行くこともできる。

京王よみうりランド駅(写真/PIXTA)

京王よみうりランド駅(写真/PIXTA)

京王よみうりランド駅が位置する東京都稲城市は1965年に決定された多摩ニュータウン計画により都市開発されたエリアで、同駅周辺も都心のベッドタウンとして発展してきた。駅の北側を中心に住宅地が広がり、徒歩5分ほどの場所にはスーパーやドラッグストア、100円ショップ、書店などを備えたショッピングセンターも。コンビニも点在しているため、日ごろの買い物には困らないだろう。駅前にサッと食べられるような飲食店は多くないがが、駅から北へ15分ほど歩いて府中街道沿いに行くと増えてくる。府中街道を超え、駅から17分ほど歩けばJR南武線・矢野口駅も利用可能だ。

駅の南側に目を向けると、上空にゴンドラが見える。駅前の乗り場からゴンドラで10分弱、そこは遊園地「よみうりランド」だ。この遊園地の西側、駅から見ると南西方面のエリア一帯では現在、再開発が進行中。「TOKYO GIANTS TOWN(東京ジャイアンツタウン)」構想が掲げられ、読売巨人軍の新球場が2025年3月にオープン予定だ。そして「よみうりランド」が手がける水族館をはじめ、飲食店などの関連施設を含めたグランドオープンは2026年度中を目指している。周辺の区画整理により幹線道路の整備も進められているので、周辺住民の暮らしやすさもアップしそう。

西国分寺駅前の様子(写真/PIXTA)

西国分寺駅前の様子(写真/PIXTA)

2位には家賃相場が同額の5万8000円となった2駅がランクイン。その一つは東京都国分寺市に位置するJR中央線・西国分寺駅だ。JR中央線の快速で国分寺駅に行き、通勤特快に乗り換えると約28分で新宿駅へ。西国分寺駅から快速1本でも約33分で到着する。新宿駅の先にあるJR中央線沿線の四ツ谷駅や東京駅にもアクセスしやすいほか、埼玉県の南浦和駅や千葉県の新松戸駅・西船橋駅方面と結ばれたJR武蔵野線も乗り入れている。そんな西国分寺駅には駅ビル「nonowa(ノノワ) 西国分寺」が併設され、飲食店を中心とした店舗が改札内外で営業している。駅周辺には複数のスーパーやドラッグストアがあるほか、100円ショップやインテリア用品店、飲食店などが並ぶショッピングモールがあるのも便利。駅から南東へ7分ほど歩くと芝生広場や池が広がる「都立武蔵国分寺公園」があるので、息抜きに訪れてもいいだろう。

都立武蔵国分寺公園(写真/PIXTA)

都立武蔵国分寺公園(写真/PIXTA)

読売ランド前駅(写真/PIXTA)

読売ランド前駅(写真/PIXTA)

2位になったもう一つの駅は小田急小田原線・読売ランド前駅。神奈川県川崎市多摩区に位置しており、通勤準急で登戸駅に出て、快速急行に乗り換えると計約24分で新宿駅へ。乗り換えずに各駅停車1本で向かうと、新宿駅まで約42分だ。駅名からわかるように、読売ランド前駅は「よみうりランド」の最寄り駅の一つ。しかし「よみうりランド」から見て1位・京王よみうりランド駅は北側に、読売ランド前駅はバスで10分ほど離れた南側にあり、両駅間は直線距離で2km少々離れているので間違えないように注意したい。読売ランド前駅の北側には日本女子大学の附属中学・高校が佇む丘があり、住宅街は丘の周囲と、駅の南側。商店があるのは駅南側が中心で、駅舎の南口側にスーパーが併設されているほか、手づくりソーセージが評判の精肉店をはじめ鮮魚店やベーカリーといった個人商店や、ドラッグストア、コンビニなどが並んでいる。

上位に多くランクインした路線は小田急小田原線とJR南武線

ここまでピックアップした上位3駅には京王相模原線、JR中央線、小田急小田原線という3路線の駅が並んだが、上位20駅を見てみると最多となった路線は6駅がランクインした小田急小田原線だ。新宿方面に向かって、10位・百合ヶ丘駅(家賃相場6万4000円)~2位・読売ランド前駅(同5万8000円)~5位・生田駅(同6万円)~19位・向ヶ丘遊園駅(同6万6000円)~上位20駅外の1駅(登戸駅、同6万9000円)をはさんで10位・和泉多摩川駅(同6万4000円)~14位・狛江駅(同6万5000円)という順に並んでいる。最も新宿駅寄りに位置するのは準急と各駅停車が停まる14位・狛江駅だが、新宿駅までの所要時間が最短なのは急行や通勤急行、通勤準急も停車する19位・向ヶ丘遊園駅だ。「新宿駅まで近い駅」を探す際は地図上の位置を参考にしがちだが、距離的な近さではなく時間的な近さを重視する際は、急行や準急といった駅に停車する列車種別にも目を向けるとよさそうだ。

向ヶ丘遊園駅(写真/PIXTA)

向ヶ丘遊園駅(写真/PIXTA)

さて19位・向ヶ丘遊園駅から新宿駅に最短所要時間で向かうには、通勤急行で登戸駅に出てから快速急行に乗り換えるルートで計約19分。通勤急行1本でも、新宿駅まで約21分で到着できる。向ヶ丘遊園駅は神奈川県川崎市多摩区に位置し、かつては駅名の由来となった遊園地の最寄り駅として活躍していた。その遊園地は2002年に閉園したため、現存しない施設名を冠した珍しい駅となっている。駅の南方には豊かな緑を残した都市計画緑地「生田緑地」があり、広大な敷地内には美術館や科学館、「ばら苑」、「藤子・F・不二雄ミュージアム」などの施設が点在する。そうした自然や文化・観光施設を背景にして住宅地が広がる、落ち着いた街並みだ。

生田緑地ばら苑(写真/PIXTA)

生田緑地ばら苑(写真/PIXTA)

そんな向ヶ丘遊園駅周辺では現在、大規模な再開発が進行中。同駅の北口周辺から隣駅の登戸駅にかけての一帯では区画整理事業が進められ、新たな道路整備に向けて中央銀座商店街通りの廃道・建物解体が行われるなど街並みが大きく様変わりしている。その一環として、2023年4月には商業・賃貸住宅の複合施設「GINZA FOREST」がオープン。駅前広場の工事も2025年度中の完了を目指して進められ、バスロータリーの広さが既存の約3倍に拡張される計画だ。さらに駅前広場をはさんだ一角には、商業店舗スペースを含む25階建てのマンションが2025年内に完成予定だそう。

駅南側の街並みも変化の過程にある。駅から徒歩5分ほど、1万1000平米超の敷地で商業・住宅複合開発が行われ、2024年7月のマンション入居開始に先立って4月にはスーパーや家電量販店など14店舗を備えた商業施設「クロス向ヶ丘」がオープンした。また生田緑地の敷地内東部、かつてあった遊園地「向ヶ丘遊園」跡地を「商業施設エリア」「温浴施設エリア」「自然体験エリア」の3つのゾーンに分けて開発する計画も発表されている。コロナ禍の影響もあってか2023年度竣工としていた当初計画から大きな遅れが発生しているようだが、今後の進捗に期待したい。

上位20駅で小田急小田原線に次いで多かった路線は、4駅がランクインしたJR南武線。沿線には9位・稲田堤駅(家賃相場6万1000円)、14位の中野島駅と久地駅と宿河原駅(同6万5000円)がある。そのうち家賃相場が最も安かった9位・稲田堤駅の様子を見てみよう。

京王稲田堤駅前の風景(写真/PIXTA)

京王稲田堤駅前の風景(写真/PIXTA)

神奈川県川崎市多摩区に位置する9位・稲田堤駅から新宿駅までは、まず登戸駅に出てから小田急小田原線の快速急行に乗って計約29分。8位にランクインした京王相模原線・京王稲田堤駅と徒歩5分ほどの位置関係にあり、両駅間を乗り換える人も多く利用している。かつての稲田堤駅はJR南武線の線路の北側にしか改札口がなく、朝のラッシュ時などは踏切に足止めされた人々や乗り換え客で駅周辺が非常に混雑していた。その解消に向けて工事が進められてきた橋上駅舎が、2023年8月についに完成。橋上駅舎および自由通路南側(南口)ができたことで、駅の利用しやすさがアップしたと好評だ。自由通路北側(北口)の工事も進行中で、完成後は線路をはさんだ北側・南側の行き来がしやすくなり利便性がより向上する。

駅周辺にはスーパーやドラッグストアのほか、飲食店も立ち並ぶ。ラーメン店も複数あり、豚骨系、家系、国産小麦麺などそれぞれ特徴的なので食べ歩きも楽しそうだ。京王稲田堤駅前にもスーパーや飲食店があるので、買い物にも食事にも便利な環境と言えるだろう。

●21位~45位

21位~45位

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている新宿駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、築年数35年未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2023/8~2024/2
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンションのうち普通借家契約の物件のみ)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2024年4月22日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

梅雨時に気になる住まいのカビ、あなたのカビ対策は間違っていませんか?専門家直伝の対策法を解説!

梅雨の季節がやってきた。リンナイが、カビ専門家・千葉大学真菌医学研究センター准教授の矢口貴志先生監修により、カビに関する意識調査を実施した。普段やっているカビ対策が、実は逆効果という場合もあるようなので、詳しく見ていくことにしよう。

【今週の住活トピック】
「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」を発表/リンナイ

○か×か? あたなのカビ対策は正しい?

まずは、リンナイの「カビ対策○×クイズ」10問に挑戦してみよう。

■リンナイ作成「カビ専門家 矢口先生監修 カビ対策○×クイズ」
□ 1. 入浴後は浴室のドアを開けておく
□ 2. 重曹はカビに効く
□ 3. パッキンのカビはスポンジでこする
□ 4. 圧縮袋はカビを防ぐ
□ 5. 湿度と温度の2つの条件が揃うとカビが生える
□ 6. 浴室のカビ掃除は天井から
□ 7. 玄関はカビが生えづらい
□ 8. 冬の結露もカビの温床になる
□ 9. パッキンのカビ汚れは落ちない
□ 10. 使用後の洗濯機のフタは開けておく

自信のほどはいかがだろう? 実は1番は、今年の正月に筆者も実家でもめたばかり。実家で入浴後に浴室のドアを全開するように言われたが、そうすると浴室の湿気が部屋中に流れるからやってはいけないと答え、ひと悶着(もんちゃく)あったのだ。

正解は以下のとおり。
1. 入浴後は浴室のドアを開けておく (×)
2. 重曹はカビに効く (×)
3. パッキンのカビはスポンジでこする (×)
4. 圧縮袋はカビを防ぐ (〇)
5. 湿度と温度の2つの条件が揃うとカビが生える (×)
6. 浴室のカビ掃除は天井から (〇)
7. 玄関はカビが生えづらい (×)
8. 冬の結露もカビの温床になる (〇)
9. パッキンのカビ汚れは落ちない (×)
10. 使用後の洗濯機のフタは開けておく (〇)

正解数 判定結果 7 問以上カビ対策優等生5~6 問合格点4 問以下間違った知識でカビ対策を行っている可能性あり

筆者の場合、パッキンを歯ブラシでこすってしまったことがあることや、そもそも浴室の天井を掃除しないということなど、いくつか不正解はあったものの、7問以上正解の「カビ対策優等生」になれた。皆さんはいかがだったろうか?

正答率が低いのは、「カビが発生する条件」や「浴室の換気方法」

リンナイが意識調査対象者にこの○×クイズを行った結果から、正解率の低いものをいくつか見ていこう。

出典/リンナイ「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」

出典/リンナイ「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」

最も正解率が低かった(正解率11%)のは、「5.湿度と温度の2つの条件が揃うとカビが生える」だ。カビが発生しやすいのは、「湿度(60%以上)」「温度(20~30℃)」「栄養分(食べカス・人のアカなど)」の3つの条件が揃うこと。矢口先生によると「浴室はせっけんカス、湯アカ、皮脂などカビの栄養源になるものが多く、温度と湿度が高いため、カビが目立つ」のだという。逆にいうと、どれか1つの条件を満たさなければ、カビは発生しにくくなるということを覚えておきたい。

次に正解率が低かった(正解率27%)のは、「1.入浴後は浴室のドアを開けておく」。カビ発生の3つの条件のうち、「湿度」を下げるには、浴室の水分を取り除くことが重要だ。矢口先生によると「入浴後にドアを開けておくと、脱衣所や居室の湿度が高くなり、屋外に面した壁や家具の裏など、思わぬ場所で結露を起こしてしまう」という。やっぱり、ドアを閉めて浴室乾燥機でしっかり乾燥させるのがよいのだ。

リンナイの意識調査では、「普段どのように浴室を乾燥させているか」という質問に対して、60%が「換気扇を使用する」と答え、「浴室のドアを開ける」は43%だった。

出典/リンナイ「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」

出典/リンナイ「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」

ちなみに、浴室の窓を開けて屋外に湿気を出す場合、窓を全開にすると浴室内の中央部分の空気が多く移動してしまうので、窓は細めに開けて、壁際に空気が通るようにするのがよいという。もちろん、雨の日は、窓を開けずに換気扇を使うのがよい。

続けて正解率の低いものを見ていこう。「4.圧縮袋はカビを防ぐ」(正解率33%)については、圧縮袋は湿気を防いでくれるため、上手に使えばカビ予防にもなるが、衣類が少しでも汚れていると袋の中でカビが繁殖してしまう場合もあるという。

「2.重曹はカビに効く」(正解率42%)については、重曹ではカビを根元から取り除くことができないので、次亜塩素酸ナトリウムが配合されたカビ汚れ専用洗剤を使うのがよいと矢口先生。

梅雨を快適に過ごすには「溜めない」「止めない」「吸わない」

カビで悩むのは、「カビ汚れが落ちない」(カビ掃除の悩み不満1位:73%)だけでなく、せっかくカビを落としても「すぐにカビが復活する」(2位:64%)ことだ。

出典/リンナイ「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」

出典/リンナイ「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」

矢口先生によると、「空気中に浮遊するカビの胞子が落下して定着し、そこで発芽、菌糸を成長させ、さらに胞子をつくって増殖する」のがカビ発生のメカニズムで、「カビの菌糸が目地やパッキンの隙間などに入り込むと、カビ汚れ専用洗剤が浸透しづらく、落ちにくい汚れとして残る」「洗浄後、カビの菌糸が少しでも残っていると、またそこから生育を始め、カビ汚れがすぐに復活する」のだという。

そこで矢口先生は、「溜めない・止めない・吸わない」が梅雨を快適に過ごす3つのポイントになると助言している。

■矢口先生監修 梅雨を快適に過ごす3つのポイント
1. カビの栄養源を溜めない
カビの栄養源となるもの、浴室では皮脂、せっけんカス、湯アカなど、リビングルームなどでは食べカス、ダニの死骸、ふん、土などを含むホコリをこまめに取り除くことが必要。掃除は朝イチに、ウェットタイプのモップで拭き取り、そのあとで掃除機をかけるのがよい。

2. 空気の流れを止めない
空気のよどんでいる場所、家具の裏、部屋の隅、クローゼット内、下駄箱内などはカビが生えやすくなる。カビの胞子が定着しないように、扇風機、サーキュレーターなどを使用して、空気の流れをつくること、つまり換気が重要。

3. なるべくカビを吸わない
カビを多く吸いすぎると呼吸器系のアレルギーを起こすことがあるので、カビをなるべく吸わないようにして、快適な生活を心がけて。

意識調査の結果を見ると、自宅のカビ汚れが気になる場所の1位は「浴室」(92%)だが、2位には「エアコン」(43%)が挙がった。エアコン内部の湿気を放置するとカビが繁殖しやすいので、エアコンを使い終わったらすぐに電源を切らず、15~20分ほど送風運転して乾燥させるとよいという。また、梅雨時は部屋干しをしたくなるが、浴室乾燥機が備わっている場合なら、浴室のような小さな部屋は効率よく湿度を下げることができるので、浴室で衣類を乾燥させるのがオススメだという。

じめじめした梅雨をカビの汚れ取りに追われないように、正しい知識で快適に過ごしてほしい。

●関連サイト
リンナイ「熱と暮らし通信 カビに関する意識調査」

住まいを高く売るには有利な時期?約6割がそう感じた、不動産売却市場。価格と売却時期はどちらを重視?

リクルートが『住まいの売却検討者&実施者』調査(2023年/首都圏)を実施した。過去1年以内に売却を検討した人に、その物件や売却理由、売る時期をどう見ているかなどを聞いている。今どきの売却実態を見ていくことにしよう。

【今週の住活トピック】
2023年『住まいの売却検討者&実施者』調査(首都圏)公表/リクルート

売却を検討した物件の所在地、千葉県と埼玉県で前年より増加

リクルートの調査は、首都圏に住む20歳~69歳の男女に、2023年12月~2024年1月に実施したもの。まず、過去1年以内に土地や居住用不動産の売却を主体的に検討したかを聞き、該当した18%を売却検討者として、本調査を行っている。なお、そのうち38.5%が売却を完了している。

売却を検討したのは「買い替え」か「相続・贈与」か「不要な不動産を処分するため、その他」かを聞いたところ、「買い替え」が58.5%、「相続・贈与」が25.1%になった。ただし、50代・60代では「相続・贈与」の割合が3割前後と増える傾向が見られた。

では、「売却しようと思った理由」は何だろう?1位は「売れるときに売るため」(28.0%)、2位は「住む場所を変えるため」(26.9%)となったが、年々減少にある。3位は「高いうちに売るため」(26.0%)だった。近年の不動産の価格上昇を受けてのことだろう。

不動産を売却しようと思った理由(複数回答)(出典:リクルート「2023年『住まいの売却検討者&実施者』調査(首都圏)」)

不動産を売却しようと思った理由(複数回答)(出典:リクルート「2023年『住まいの売却検討者&実施者』調査(首都圏)」)

売却を検討した物件は、「土地」が25.4%、「一戸建て」が40.0%、「マンション・アパート」が34.6%だった。興味深いのは、売却検討物件の所在地だ。「東京都」が減少トレンドにある一方で、「千葉県」と「埼玉県」がこれまでより増加する形となった。早い時期から価格上昇が感じられた東京23区から遅れて、千葉県や埼玉県でも買い替えがしやすい市場になったということだろうか。

売却検討物件の属性(単一回答)(出典:リクルート「2023年『住まいの売却検討者&実施者』調査(首都圏)」)

売却検討物件の属性(単一回答)(出典:リクルート「2023年『住まいの売却検討者&実施者』調査(首都圏)」)

「高く売るのに有利な時期」か?有利57.5%、不利9.7%

さて、不動産の価格が上昇トレンドにあることで、売却に有利な時期と感じている人が多いのだろうか? 調査結果を見ると、「高く売るのに有利な時期だと感じていた」のは57.5%(とても19.8%+やや37.7%)となり、半数を超えた。一方、「不利な時期だと感じていた」のは9.7%(とても2.5%+やや7.2%)だった。過去の調査と比べると、有利という回答が増え、不利という回答が減る傾向が見られる。

売却検討物件の属性(単一回答)(出典:リクルート「2023年『住まいの売却検討者&実施者』調査(首都圏)」)

※有利・計(「とても有利な時期だと感じていた」+「やや有利な時期だと感じていた」)
※不利・計(「やや不利な時期だと感じていた」+「とても不利な時期だと感じていた」)
売却検討物件の属性(単一回答)(出典:リクルート「2023年『住まいの売却検討者&実施者』調査(首都圏)」)

注目したいのは、有利の割合が、売却タイプ別では「相続・贈与」が51.8%であるのに対し、「買い替え」が64.2%とかなり高くなっている。さらに、物件タイプ別では、「一戸建て」が51.0%で横ばいの傾向であるのに対し、「マンション・アパート」が62.0%、「土地」が61.6%と前年より増えている。高く売るのに有利と感じている人が多いものの、不動産によってその感じ方に微妙な差があるようだ。

売却で時期と価格のどちらを重視する?

さて、「売れるときに売る」「高く売れるときに売る」と思う人が多く、「売却に有利な時期と感じる」人が多いなか、重視するのは、「時期」と「価格」のどちらなのだろう?

「時期(いつ売れるか)を重視する(した)」か、「価格(いくらで売れるか)を重視する(した)」かを聞くと、「どちらかといえば」を含む「時期重視」派は47.2%、「価格重視」派は34.2%、「どちらともいえない」は18.6%という結果となった。

時期と価格のどちらを重視するか(単一回答)(出典:リクルート「2023年『住まいの売却検討者&実施者』調査(首都圏)」)

※時期 重視(「時期(いつ売れるか)を重視する(した)」+「どちらかといえば時期(いつ売れるか)を重視する(した)」)
※価格 重視(「どちらかといえば価格(いくらで売れるか)を重視する(した)」+「価格(いくらで売れるか)を重視する(した)」)
時期と価格のどちらを重視するか(単一回答)(出典:リクルート「2023年『住まいの売却検討者&実施者』調査(首都圏)」)

ただし、年代別で見ると、「時期重視」派は、20代で67.4%、30代で55.0%と、全体平均の47.2%よりもかなり高くなっている。若い世代の方が、子どもの入学前になど、売るタイミングが決まっていて、早く売ることに重きがあるからなのだろうか?

高く売るには、不動産価格が上昇あるいは高止まりしている時期であること、一定規模の需要(不動産を買う人が多い)があること、などの条件が必要だ。後者は、売れるときに売るための条件でもある。住宅ローンの金利上昇がいよいよ現実的になっている今は、売るにはよいタイミングといえるだろう。とはいえ、売る物件と買う人がうまくマッチングするには、個別の事情もある。自分の物件が今の市場でどういったポジショニングにあるのか、見極める必要もあるだろう。

●関連サイト
リクルート「2023年『住まいの売却検討者&実施者』調査(首都圏)」

中古マンションの1平米当たり管理費は全年度比2.1%上昇、修繕積立金は3.1%も!その背景とチェックポイントを徹底解説

東日本不動産流通機構が、2023年度に成約した首都圏中古マンションの管理費や修繕積立金について、分析した結果を発表した。それによると、管理費も修繕積立金も前年度より上昇しているという。なぜ上昇しているか、その理由も含めて考えてみたい。

【今週の住活トピック】
「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2023年度)」を発表/東日本不動産流通機構

1平米当たり管理費は前年度比2.1%、修繕積立金は3.1%上昇

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は、不動産会社間で不動産情報を共有するシステムなどを運用する指定流通機構で、東日本を担当している。それを通じて成約に至った中古マンションについて、年度ごとの管理費や修繕積立金などのランニングコストを分析している。

2023年度の首都圏中古マンション月額平均額は、1戸当たりで管理費が平均1万2831円、修繕積立金が1万1907円だった。これを1平米当たりに換算すると、管理費は平均201円(前年度比2.1%上昇)、修繕積立金は187円 (同3.1%上昇)となった。いずれも、前年より上昇したことが分かる。

首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金の月額(平均額と1平米当たり)(出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2023年度)」より抜粋転載)

首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金の月額(平均額と1平米当たり)(出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2023年度)」より抜粋転載)

マンションの管理費は、日常の管理を円滑に進めるためのもので、管理会社への委託費、共用部の清掃費や水道光熱費、共用設備の点検などに使われる。また、修繕積立金は、計画的に行われる大規模修繕工事を実施するために積み立てられる。

まず管理費については、地域では東京都区部で高く、築年では築10年以内や築11~20年など、新しいものほど高くなっている。また、総戸数50戸未満、200戸以上でも高くなっている。

一般的に、高額なマンションほど、その設備仕様や管理サービスの水準が高くなり、維持管理の費用も高くなる傾向がある。また、大規模なマンションには、共用施設が多いため、その維持管理の費用もかかってくる。一方で、大規模なマンションは発生する固定費を多くの戸数で分担できるが、50戸未満の小規模なマンションでは分担できる戸数が少ないため割高になる場合もある。

こうした要因が管理費に影響するわけだが、近年新築マンションの価格高騰により高額なマンションが増えていること、なかでも東京都区部でその傾向が顕著であることから、管理費を引き上げる要因になっているといえるだろう。

次に修繕積立金を見ると、管理費ほどの金額差はないが、50戸未満の小規模なものは1戸当たりの平均額が高くなっており、規模感の影響が出ている。目立つのは、築10年以内で低くなっていることだが、これには別の理由もある。

築年数が新しいほど管理費が高く、修繕積立金が低い理由とは?

管理費と修繕積立金の1平米当たりの月額の推移を築年別に見ていこう。

建築年別の1平米当たり管理費・修繕積立金(月額)(出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2023年度)」より転載)

建築年別の1平米当たり管理費・修繕積立金(月額)(出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2023年度)」より転載)

管理費は、1967年~1977年など築年の古いものでは月額150円前後で推移しているが、以降は200円近くに上がり、バブル期で豪華なマンションが多かった1988年~1993年では200円を超えるものの、おおむね横ばいに推移していた。しかし、2013年以降は右肩上がりの上昇トレンドになり、2023年に建築されたマンションではついに300円を超える結果となった。

これには、管理員の人件費の高騰が大きく影響している。政府が2013年に施行した『高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)』による定年延長や再雇用などにより、定年後の仕事の選択肢が広がった。管理員の仕事は、かつては定年退職後の雇用の受け皿になっていたこともあり、採用が難しくなった結果、近年は人手不足に陥っているのだ。そのため、報酬を引き上げるなど人件費が上昇し、それが管理費にも影響しているというわけだ。

また、近年は共用部で使う水道光熱費などさまざまなものが値上がりしているので、管理費が上がる要因が多くなっている。築年の新しいマンションほど管理費が高くなるのには、こういった要因もあるのだ。

一方、修繕積立金はおおむね横ばいで推移してきたものが、ここ10年程度を境に下降トレンドになっている。これを見ると、修繕積立金の負担が軽減されてきたように見えるが、けっしてそういうわけではない。建設工事の費用が上昇しているなかで、大規模修繕工事の費用も上昇しないはずはない。

「均等積立方式」か「段階増額積立方式」か?

修繕積立金については、かつては規制がなかったため、マンション分譲時に長期修繕計画を作成しているものの、それを確実に行えるだけの修繕積立金の額を設定していない事例が多かった。それでは実際の大規模修繕工事を実施するのに支障があるということで、長期修繕計画通りに工事が行えるように修繕積立金の金額を設定するようになった。

とはいえ、マンションを販売する際には管理費・修繕積立金・駐輪駐車場代などの合計月額が低い方が売りやすいこともあって、それまで主流だった均等に積み立てる「均等積立方式」から、あらかじめ段階的に増額する「段階増額積立方式」を採用する事例が多くなった。

「段階増額積立方式」では、当初の修繕積立金の額は抑えられているが、5年ごとなどに一定割合で上がっていく形になる。修繕積立金の値上げは、管理組合の総会で承認される必要があり、否決されると値上げができなくなる。

修繕積立金で築年の新しいマンションの月額が低いのは、値上げされる前の金額の事例が多いという事情もあるのだ。修繕積立金については、さらに注意点がある。

長期修繕計画は適宜見直すことになっているが、近年、大規模修繕工事にかかる費用が上がっている。建築資材や水道光熱費などの上昇に加え、建設業界や物流業界では残業時間を規制する2024年問題が拍車をかけて人手不足が深刻化している。そして人件費の高騰は大規模修繕工事の費用に大きく影響する。となると、以前の長期修繕計画上の費用と現実の費用にズレが生じる可能性も高い。不足しない計画だったとしても、不足する可能性もあるのだ。

毎月払うランニングコストは安い方がよいのだが、管理費も修繕積立金も上がる可能性はある。特に、「段階増額積立方式」では、負担すべき費用を順繰りに送る形なので、上がることが前提となっている。

新築マンションを購入する場合は、ランニングコストが上がる可能性を考慮する必要があるし、中古マンションを購入する場合は、修繕積立金の積立方式がどうなっているか、長期修繕計画はいつ見直されたものかなども、しっかり確認する必要がある。事前に把握できることをスルーしてしまうと、将来家計に大きな影響が出るということもあるので、忘れずに確認してほしい。

●関連サイト
東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2023年度)」

「内窓DIYで室温10度も断熱できる省エネ対策」「温泉付きリゾートマンションを98万円で購入してみた」【4月人気記事まとめ】

今年の4月は例年よりも全国的にも気温が高く、暑い日が続いていました。すでにエアコンを使い始めた方も多いのではないでしょうか。SUUMOジャーナルで4月に公開した記事では「内窓DIYで室温10度も断熱できる省エネ対策。ホームセンターで買えるお手軽キットでも可能」「温泉付きリゾートマンションを98万円で購入してみた! 『別荘じまい』が狙い目、Airbnbで宿泊内見など物件選びのコツ満載」「温泉付きリゾートマンションを98万円で購入、200万円でリノベ&DIY!築75年をレトロかわいいセカンドハウスに大変身」などが人気TOP10入りしました。本稿では、バラエティー豊かな記事の見どころをご紹介します。

2024年4月公開の人気記事TOP10は?

TOP10はこちらの記事となりました!

1位:内窓DIYで室温10度も断熱できる省エネ対策。ホームセンターで買えるお手軽キットでも可能

2位:温泉付きリゾートマンションを98万円で購入してみた! 「別荘じまい」が狙い目、Airbnbで宿泊内見など物件選びのコツ満載 小説家・高殿円さん 伊豆

3位:温泉付きリゾートマンションを98万円で購入、200万円でリノベ&DIY! 築75年をレトロかわいいセカンドハウスに大変身 小説家・高殿円さん 伊豆

4位:キャンピングカーをリノベで「動く別荘」に! 週末バンライフで暮らしながら家族と九州の絶景めぐり

5位:「SUUMO住みたい街ランキング2024」横浜が全世代で1位に!抜群の生活環境と市の取り組み強化で「子育て世代に選ばれる街」へ

6位:「0円空家バンク」等で転入者170人増! 家を手放したい人にもメリットあり、移住者フォローも手厚すぎる富山県上市町の取り組みが話題

7位:話題の3代目大家・石井さん、マンションに”庭”を作ったら街の人が集まりはじめた。みんなの「やってみたい」に応え地域に開いたスペースを次々と 神奈川県川崎市

8位:「SUUMO住みたい街ランキング2024」秋葉原が20位も急上昇! 空前のエンタメブームにおしゃれ・個性派店舗の充実で「暮らせる街」大進化

9位:いま”所沢LOVE”が爆発中! 若手クリエイターや地元の店を発掘・魅力を発見できる「歩きたくなるまちづくり」進行中 埼玉

10位:”おせっかい”が高経年マンション問題の危機を救う!? 京都市の行政と民間の関わりがユニークすぎる管理の解決策とは
※対象記事とランキング集計:2024年4月1日~30日に公開された記事のうち、PV数の多い順

1位:内窓DIYで室温10度も断熱できる省エネ対策。ホームセンターで買えるお手軽キットでも可能

2024年も大注目の窓。断熱ワークショップでDIYに挑戦、驚きの効果とは?

(写真撮影/嘉屋恭子)

「夏は暑く、冬は寒い」「結露ができて不快」。こうした住まいの問題を解決するためには、近年「窓」の改修が良い対策になる、ということが知られるようになりました。とはいえ、どのくらい効果があるのか?DIYで手軽にできないのか?などの疑問はつきないはず。そういった疑問や悩みを解決してくれる「断熱改修はじめの一歩」ワークショップが長野県で開催されるということで行ってきました。子どもも参加OK、ホームセンターで買える簡易的な内窓キットと最低限の工具だけを使った内窓のDIY。完成した内窓をつけたところ、お手軽な内容にも関わらず、なんと10度もの温度差が生まれるという驚きの結果に。その様子を、具体的なDIYの方法と併せてお伝えします。

2位:温泉付きリゾートマンションを98万円で購入してみた! 「別荘じまい」が狙い目、Airbnbで宿泊内見など物件選びのコツ満載 小説家・高殿円さん 伊豆

温泉付きリゾートマンションを98万円で購入してみた! 小説家・高殿円さんが送る二拠点生活 神戸&伊豆

(撮影:曽我美芽)

『トッカン』シリーズ(早川書房)などが代表作の小説家・高殿円さん。なんでも最近、伊豆(静岡県)の築75年のリゾートマンションの1室を98万円で購入したのだとか。この時の話を、2024年4月に発行した同人誌『98万円で温泉の出る築75年の家を買った』に綴っています。自分だけのMY温泉を楽しむ日々。自宅を神戸に持つ高殿さんが、2拠点生活を始めたきっかけや、リゾートマンションを購入した経緯をはじめ、物件選びのポイントを伺ってきました。

3位:温泉付きリゾートマンションを98万円で購入、200万円でリノベ&DIY! 築75年をレトロかわいいセカンドハウスに大変身 小説家・高殿円さん 伊豆

98万円で買った温泉付きリゾートマンションを約200万円でリノベーション・DIY。小説家・高殿円の夢のセカンドハウス

(撮影:曽我美芽)

2位の記事に引き続き3位にランクインしたのも、小説家・高殿円さんのリゾートマンション購入体験記事。もともと広さ3Kだった和室を、約200万円かけて40平米1Rへとリノベーションし、DIYにも挑戦。築古リゾートマンションのリノベーションで注意した点や、DIYでレトロかわいいセカンドハウスに仕上げたコツを伺ってきました。

4位:キャンピングカーをリノベで「動く別荘」に! 週末バンライフで暮らしながら家族と九州の絶景めぐり

キャンピングカーをリノベで「動く別荘」に! 週末バンライフで暮らしながら家族と九州の絶景めぐり

(写真提供/ASTER 中川さん)

キャンプが流行り始めたのと同時に、ここ数年ではキャンピングカー、バンライフなど、車と住まいが一体化したライフスタイルが注目を集めています。記事で紹介しているのは、「リノベーションオブ・ザ・イヤー2023」で特別賞を受賞したキャンピングカーをリノベした「動く家」。キャンピングカーをリノベーションすることで、一体どのような住まいになるのでしょうか。施主と設計を担当した建築士にリノベーション時の注意点やポイントを伺いました。

5位:「SUUMO住みたい街ランキング2024」横浜が全世代で1位に!抜群の生活環境と市の取り組み強化で「子育て世代に選ばれる街」へ

「SUUMO住みたい街ランキング2024」横浜が全世代で1位に!抜群の生活環境と市の取り組み強化で「子育て世代に選ばれる街」へ

(撮影/榎並 紀行)

リクルートが、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)在住の20歳~49歳の男女9335人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2024」を発表しました。記事ではその中でも、7年連続の総合1位に加え、「男女別・年代・ライステージ」など全てのカテゴリーで「住みたい街」1位に輝いた「横浜」(神奈川県)にフォーカスし、街の魅力を探ってみました。市を挙げて「子育てしたいまち」を目指す横浜の注目ポイントもご紹介します。

6位:「0円空家バンク」等で転入者170人増! 家を手放したい人にもメリットあり、移住者フォローも手厚すぎる富山県上市町の取り組みが話題

「0円空家バンク」で転入者170人増! 家を手放したい人にもメリットあり、移住者フォローも手厚すぎる富山県上市町の取り組みが話題

(写真提供/上市町建設課)

「地方に空家があるなら、移住希望者に住んでもらえばいいんじゃない?」空家問題の解決策として、誰もが思うであろう取り組みを実行に移し、大成功している自治体があります。富山県上市町です。どのようにして成功させたのでしょうか。上市町0円空家0円バンクが誕生した経緯をはじめ、成功の秘訣を探るべく現場を見学してきました。空き家の所有者が得られるメリットや、地方への移住後に気掛かりとなる近隣コミュニティの打開策とは?

7位:話題の3代目大家・石井さん、マンションに”庭”を作ったら街の人が集まりはじめた。みんなの「やってみたい」に応え地域に開いたスペースを次々と 神奈川県川崎市

街をまるごとコミュニティ化作戦 所有23物件にコミュニティスペース併設・武蔵新城

(写真撮影/桑田 瑞穂)

JR南武線、各駅停車駅の「武蔵新城」。低層住宅が立ち並ぶのどかな街です。駅周辺にある、穏やかな雰囲気の商店街のなかに、最近ゆるやかな人のつながりが生まれつつあります。その中核を担うのが、このエリアで多くの土地を引き継いで管理をしてきた石井家の3代目、石井秀和(いしい・ひでかず)さんです。彼は、この街に人との繋がりを生むための1つとして、コワーキングスペースや、シェアスペースなど大小さまざまな仕掛けをつくり、地域で暮らす人たちの接点を広げようと動いています。その仕掛けとは一体どのようなモノなのでしょうか。マンションに「庭」を作ろうと思ったきっかけをはじめ、現在どのような形になっているのか取材しました。

8位:「SUUMO住みたい街ランキング2024」秋葉原が20位も急上昇! 空前のエンタメブームにおしゃれ・個性派店舗の充実で「暮らせる街」大進化

「SUUMO住みたい街ランキング2024」秋葉原が20位も急上昇! 空前のエンタメブームにおしゃれ・個性派店舗の充実で「暮らせる街」大進化

 

リクルートが発表した、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)在住の20歳~49歳の男女9335人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2024」。記事では、49位から29位へと脅威のジャンプアップを果たした「秋葉原」に焦点を当て、街の魅力を探ってみました。なぜ、過去最高位の29位までランクアップしたのか、最も支持されている年代、そして注目されているポイントをご紹介します。

9位:いま”所沢LOVE”が爆発中! 若手クリエイターや地元の店を発掘・魅力を発見できる「歩きたくなるまちづくり」進行中 埼玉

いま”所沢LOVE”が爆発中! 若手クリエイターや地元の店を発掘できる「歩きたくなるまちづくり」進行中 埼玉

(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

テレワークが進み、都内中心部で暮らしていた若いファミリーが郊外に移り住み始めました。その波は、埼玉県の「所沢」にも訪れています。その背景の一つとして、街の活性化も影響しているようです。近年、市内では再開発が進み、駅前に大型商業施設や、アミューズメント施設が次々オープンしました。また、長年の住民たちは街を愛する人たちを増やすために、シビックプライド(地域への誇りと親しみ)を醸成するイベントを開催。その流れを加速させているのが「TOKOROZAWASTREET PLACE」です。理想的な街づくりの実現に向けた社会実験とは、いったいどのような試みなのか。関係者のみなさんに話を聞きながら、実際に街を歩いてみました。

10位:”おせっかい”が高経年マンション問題の危機を救う!? 京都市の行政と民間の関わりがユニークすぎる管理の解決策とは

「おせっかい」で高経年マンションの危機を救う、行政が民間マンションの管理にタッチする京都市の「おせっかい型支援」

(写真撮影/吉村智樹)

マンションの老朽化は周辺住民の命にかかわる問題です。そんななか、京都府京都市が取り組むユニークな支援制度「おせっかい型支援」が注目を集めています。劣化が進むマンションを見つけだし、飛び込みで訪問する独特な後方支援ゆえに「よけいなお世話だ」と門前払いされる場合もしばしばだといいます。ハードルは高く、厳しく見えるこの支援を、いったいどのように運営しているのでしょうか。「おせっかい型支援」がスタートしたいきさつなども含め、京都市都市計画局住宅室住宅政策課にお話を伺ってきました。

4月の人気記事ランキングでは、気候やライフスタイルに合わせた、生活の変容に関する記事のランクインが目立ちました。そのほか、地元の魅力を伝える記事、地元の人々を助けるための新たな支援制度など、人々の生活に寄り添う内容の記事も。ライフスタイルによって求められる住宅のカタチもかわってくるもの。だからこそ、選ぶポイントを知っておくのは大切なことです。理想的なライフスタイルや住まいを模索しているという人は、ぜひ参考にしてみてください。

6月使用分から電気料金引き下げ措置がなくなる!?電気代高騰について、みんなどう思っている?

電気代が6月使用分から高くなる。値上げではなく、経済対策による値引きの終了だ。一条工務店の調査によると、このことを7割以上が「知らなかった」と回答している。物価高に加え、生活インフラともいえる電気代の値引き終了で、家計を圧迫することになりそうだ。消費者は、どう思っているのだろうか?

【今週の住活トピック】
「家庭の電気料金に関する意識調査 2024」結果を発表/一条工務店

「電気・ガス価格激変緩和対策」により2024年5月まで電気料金が値引き

さて、電気料金が値引きされていた理由は「電気・ガス価格激変緩和対策」が実施されていたからだ。

まず、ロシアによるウクライナ侵略などの世界情勢により、燃料価格が上昇したことなどの影響を受けて、電気・ガス料金の単価から一定額を値引きする措置を、2023年1月の使用分から12月の使用分まで行っていた。この措置の継続が2023年11月に閣議決定され、2024年4月の使用分まで継続、5月の使用分については激変緩和の幅を縮小して実施されていた。つまり、5月使用分ですでに値引き幅が縮小されていたわけだ。

■電気・ガス価格激変緩和対策による値引き単価(沖縄電力を除く)

適用期間電気(低圧)電気(高圧)都市ガス※2024年1月使用分(2月検針分)から3.5円/kWh1.8円/kWh15円/m32024年4月使用分(5月検針分)まで2024年5月使用分(6月検針分)1.8円/kWh0.9円/kWh7.5円/m3※家庭及び年間契約量1,000万m3未満の企業等が対象
電気・ガス価格激変緩和対策事業について/資源エネルギー庁 より筆者作成

手元にある筆者の自宅の「電気・ガス使用料のお知らせ」に、たしかに「請求金額は政府支援ガス15円/m3電気3.5円/kWhを値引きしています」と記載されていた。

請求金額は、5月使用分で上がり、6月使用分以降はそれがさらに上がるということだ。筆者は自宅で仕事をしているので、電気をたくさん消費するため、特にこれからの電気代の請求金額が気になるところだ。

7割以上が、電気料金の引き下げ措置が終了することを知らない!

一条工務店が、2024年3月に全国の男女897名を対象に「家庭の電気料金に関する意識調査」を実施した。「政府が実施している『電気・ガス価格激変緩和対策事業』による電気料金の引き下げが2024年5月使用分で終了することを知っていますか?」と聞いたところ、実に72.9%が「知らない」と回答した。

出典:一条工務店「家庭の電気料金に関する意識調査2024」

出典:一条工務店「家庭の電気料金に関する意識調査2024」

知らないという人たちは、6月以降の電気代やガス代を見て、驚くことだろう。この調査で、「電気料金の引き下げが行われなくなる2024年6月以降、家計に不安を感じていますか?」と聞いたところ、「とても感じる」が60.1%、「やや感じる」が34.3%で、合わせて9割以上が家計に不安を感じるという結果になった。

家計を圧迫する電気代の高騰、節電はしているけれど…

実は、一般家庭で値上がりによる家計の影響を最も受けているのは、ガス代よりも電気代だ。調査で「物価上昇によって、家計で最も影響を受けているのは何ですか?」と聞いた結果を見ると、ガス代の7.5%よりも、食費の36.8%よりも、電気代の42.3%が一番多いのだ。

出典:一条工務店「家庭の電気料金に関する意識調査2024」

出典:一条工務店「家庭の電気料金に関する意識調査2024」

その結果、「冷房や暖房を使うのを我慢」したり(「とても我慢する」10.9%「やや我慢する」49.6%)、「日常的に節電」したり(「している」70.0%)、しているのだ。

具体的には、過半数の人が「照明をこまめに切る」、「衣類で温度調節をする」、「エアコンの設定温度・角度を調整する」といったことをしていた。

出典:一条工務店「家庭の電気料金に関する意識調査2024」

出典:一条工務店「家庭の電気料金に関する意識調査2024」

電気代を節約するために、住宅でできることとは?

節電のためのさまざまな工夫をしている家庭が多いことが分かったが、工夫だけではなかなか節約できない場合もあるだろう。一時的に費用はかかっても、住宅のほうを変えることで、より多くの節電ができる場合もある。

まずは、「省エネ住宅」や「ゼロエネルギー住宅」への改修だ。住宅を断熱材でしっかり覆い、熱の出入りが激しい窓まわりの省エネ性を高めると、エアコンの冷暖房の効果が高まる。さらに費用はかかるが、太陽光発電などの設備を搭載し、それを蓄電池に溜めるなどして、電力会社の電気にあまり頼らない生活をするという方法もある。

調査結果でも、「省エネ住宅」(70.1%)、「太陽光発電」(67.7%)、「蓄電池」(67.9%)のそれぞれにとても興味があると回答していた。

もっと手軽にできるのが、家電を省エネ性の高いものに買い替えることだ。実は筆者もエアコンの買い替えを検討している。なぜいま検討しているかというと、補助金が出るからだ。

たとえば、東京都では、省エネ性の高いエアコン、冷蔵庫、給湯器、LED照明器具に買い替えた都民にポイントを付与する「東京ゼロエミポイント」を実施している。現行のゼロエミポイントは、2024年9月30日までが対象だが、10月以降はさらに拡充される予定となっている。ポイント付与から、登録店舗で直接購入額から値引きされる形になり、使い勝手も変わる予定だ。

現行の東京ゼロエミポイント(2023年4月~2024年9月対象)では、対象商品であれば、エアコンで9000ポイント~2万3000ポイント、冷蔵庫で1万4000ポイント~2万6000ポイント、給湯器で1万2000ポイント、LED照明器具で4000ポイントなどが付与される。ポイントは、商品券とLED割引券に交換できる。

こうした補助金は東京都に限ったことではない。ヤマダ電機の「省エネ補助金制度対象市区町村一覧」というサイトを見ると、多くの自治体で、省エネ家電の買い替えに対する補助金の制度があることが分かる。今はカーボンニュートラルが求められているので、家電だけでなく、太陽光発電などの発電設備、エネファームなどの家庭用燃料電池、節水トイレや節水シャワーヘッドなどの節水設備、処理場の焼却時の省エネになる生ごみ処理機などに対する補助金などもあることが分かる。

補助金の制度は、予算枠に達すると申請受付が打ち切りになったり、制度内容が変わったりするので、自分が住む自治体に省エネに対するどんな補助金があるか、自分で調べることをおススメする。

古い家電を使い続けるよりも、省エネ性の高いものに買い替えたほうが、電気代が削減できることも多いし、新しいものほどさまざまな機能が搭載されているので、使い勝手もよくなる。同様に、古い住宅に住み続けるよりも、省エネ性を高める改修をするほうが、省エネでかつ快適に過ごせることも多い。

一時的に費用がかかるうえ、家電販売店やリフォーム会社に行って詳細を決める手間がかかったりはするが、長期的に節電になるという効果もあるので、電気代高騰への対応策として一度検討してはいかがだろう。

●関連サイト
一条工務店「家庭の電気料金に関する意識調査2024」結果を発表
東京都「東京ゼロエミポイント」
ヤマダ電機「省エネ補助金制度対象市区町村一覧」

【東京駅30分以内】家賃相場が安い駅ランキング2024年。1位・2位はどちらも千葉の商業施設充実の駅

東北や北陸、東海・関西方面に向かう新幹線をはじめ、JR各線や東京メトロ丸ノ内線も通る東京駅は、名前通りに東京都の玄関口。駅周辺は一大ビジネス街として発展しているうえ複数の再開発事業も進行し、いまなお進化し続ける街と言える。仕事にもおでかけにも便利なターミナル駅だけあり、周辺の家賃相場は高め。駅徒歩15分圏内にある一人暮らし向け物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)であっても、家賃相場は11万4000円となっている。東京駅に近いほうがいい、でももっとリーズナブルな物件を探したい……という人もいるだろう。そこで、東京駅から30分圏内にまで範囲を広げ、同条件の一人暮らし向け物件の家賃相場を調査! 東京駅にアクセスしやすく、家賃相場が安い駅のランキングを見ていこう。

東京駅まで電車で30分以内にある家賃相場が安い駅TOP15

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/東京駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 南船橋 6.4万円(JR京葉線/千葉県船橋市/30分/0回)
2位 津田沼 6.55万円(JR総武線快速/千葉県習志野市/30分/0回)
3位 一之江 6.6万円(都営新宿線/東京都江戸川区/27分/1回)
3位 扇大橋 6.6万円(日暮里・舎人ライナー/東京都足立区/30分/1回)
3位 瑞江 6.6万円(都営新宿線/東京都江戸川区/30分/1回)
3位 蕨 6.6万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県蕨市/29分/1回)
7位 松戸 6.68万円(JR常磐線/千葉県松戸市/27分/0回)
8位 六町 6.7万円(つくばエクスプレス/東京都足立区/27分/1回)
8位 小岩 6.7万円(JR総武線/東京都江戸川区/19分/1回)
8位 新子安 6.7万円(JR京浜東北・根岸線/神奈川県横浜市神奈川区/30分/1回)
11位 下総中山 6.75万円(JR総武線/千葉県船橋市/26分/1回)
12位 五反野 6.8万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/27分/1回)
12位 小菅 6.8万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/25分/1回)
12位 西新井 6.8万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/27分/1回)
15位 梅島 6.85万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/29分/1回)
※16位以降は巻末に掲載

1位&2位は、どちらも商業施設が充実した千葉県内の駅南船橋駅(写真/PIXTA)

南船橋駅(写真/PIXTA)

1位はJR京葉線・南船橋駅で家賃相場は6万4000円。千葉県船橋市に位置し、西船橋・新松戸方面に向かうJR武蔵野線も乗り入れている。東京駅までは、JR京葉線に乗って10駅・約30分だ。南船橋駅の北側には船橋競馬場やショッピングモールの「ららぽーとTOKYO-BAY」と「ビビット南船橋」が広がり、その先に住宅街が続く。住宅街を通りつつ、駅から20分も歩くと京成本線・船橋競馬場駅へ。こちらの駅前に来ればホームセンターが利用できる。

南船橋駅に戻って南側を見てみると、駅に直結して2023年11月にオープンしたショッピングモール「ららテラスTOKYO-BAY」、駅南西側には「IKEA Tokyo-Bay」がある。さらにその隣接地には、収容人数1万人規模の大型多目的アリーナ「LaLa arena TOKYO-BAY」が2024年4月17日に竣工したばかり。プロバスケチーム「千葉ジェッツ」のホームアリーナとして使用されるほか、7月にはこけら落とし公演となるMr.Childrenのコンサートが予定されている。このように駅周辺には大型商業施設が豊富にあり、買い物に便利な環境。そのぶん、駅の徒歩15分圏内の住宅の選択肢は多くはないので、徒歩20分圏内くらいに範囲を広げて探すのもいいかもしれない。

津田沼駅(写真/PIXTA)

津田沼駅(写真/PIXTA)

2位には家賃相場6万5500円でJR総武線・津田沼駅がランクイン。JR総武線の快速に乗って7駅・約30分で東京駅に到着する。JR総武線の各駅停車に乗ると、4駅目が11位・下総中山駅(家賃相場6万7500円)、7駅目が8位・小岩駅(同6万7000円)という位置関係だ。津田沼駅は千葉県習志野市にあり、1位・南船橋駅とは直線距離で2.5kmほどしか離れていない。さらに津田沼駅から5分も歩けば新京成線の新津田沼駅があり、西南方面へ徒歩20分少々で京成本線・谷津駅、東南方面へ徒歩15分ほどで京成本線・京成津田沼駅にも行けるという、駅が密集するエリアに位置している。

習志野市の中心地と言える津田沼駅には、改札の内外に飲食店や食品系ショップなどが並ぶ駅ビル「ペリエ津田沼」が併設されている。南口側にはショッピングモール「モリシア津田沼」や、どちらも大型スーパーを核とする複合商業施設「Loharu津田沼」と「奏の杜フォルテ」、北口側にもショッピングモールの「津田沼ビート」や「ミーナ津田沼」、さらにイオンモールやイトーヨーカドーも。駅周辺には飲食店も多く、食事にも買い物にも困らないだろう。

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・【2024年】東京23区の家賃相場が安い駅ランキング 。トップ3はすべて江戸川区で6万5000円以下!

東京駅からたった19分離れるだけで、家賃相場は4万7000円ダウン!

3位には家賃相場6万6000円となった4駅がランクインした。都営新宿線の隣接駅である一之江駅と瑞江駅、日暮里・舎人ライナーの扇大橋駅、JR京浜東北・根岸線の蕨(わらび)駅だ。この4駅のうち、東京駅までの所要時間が最短である一之江駅をピックアップしよう。

一之江駅(写真/PIXTA)

一之江駅(写真/PIXTA)

東京都江戸川区に位置する都営新宿線・一之江駅から東京駅に向かうには、まず馬喰横山駅に出てから徒歩で馬喰町駅へ行き、JR総武線快速に乗り換える必要がある。しかし、都営新宿線1本で、市ヶ谷駅まで約28分、新宿駅までは約34分で行くことができるのは魅力だろう。地下にある駅から直結するビルでは、コンビニや持ち帰り弁当店が営業中。東口側にはスーパーや100円ショップがあるほか、バスロータリーを囲むようにハンバーガーや中華料理などの気軽に入れる飲食店やコンビニも。東口側と環七通りをはさんだ西口交通広場の周辺には、スーパーやドラッグストア、日常遣いできる飲食店があり、暮らしやすそうな街並みだ。

小岩駅(写真/PIXTA)

小岩駅(写真/PIXTA)

続いてトップ15で東京駅までの所要時間が最短の駅を見てみよう。それは東京駅よりも4万7000円低い家賃相場、6万7000円で8位にランクインしたJR総武線・小岩駅。JR総武線の各駅停車で新小岩駅へ行き、快速に乗り換えると約19分で東京駅に行くことができる。駅の高架下には、地上1階~地下1階にまたがるショッピングセンター「シャポー小岩」がある。1階部分は改札をはさんで千葉側と東京側に分かれており、千葉側は2023年3月に、東京側は2024年3月にリニューアルされた。今春のリニューアル完了により、飲食やスイーツ、ファッション、雑貨のお店など30店舗が加わり、千葉側の地下1階には生鮮市場もあるので日々の買い物に役立つだろう。

小岩フラワーロード商店街(写真/PIXTA)

小岩フラワーロード商店街(写真/PIXTA)

小岩駅から南に約800mも続く「小岩フラワーロード商店街」をはじめ、駅周辺にも複数のスーパーやコンビニ、飲食店があり、にぎやかな雰囲気。また、小岩駅の北口側・南口側ともに大規模な再開発事業が段階的に進められており、2021年には複合商業ビル「FIRSTA Ⅰ」が、2022年には店舗や住宅からなる「FIRSTA Ⅱ」が誕生。今後もさらなる発展が見込まれている。

新子安駅(写真/PIXTA)

新子安駅(写真/PIXTA)

さて、トップ15にはさまざまな街の駅が並んでいるが、東京駅の北側~東側に集中していた。唯一、東京駅の南側に位置しているのが、小岩と同じ家賃相場6万7000円で8位になったJR京浜東北・根岸線の新子安駅。神奈川県横浜市神奈川区にあり、川崎駅に出てからJR東海道本線に乗り換えると計約30分で東京駅にたどり着く。JR京浜東北・根岸線1本でも、東京駅まで40分弱だ。駅の南側すぐ近くには歩道橋で結ばれた京急本線・京急新子安駅があり、さらに南側の臨海部には工業地帯が広がる。住宅街は駅北側が中心。駅前には商業・オフィス・住宅の複合施設「オルトヨコハマ」があり、スーパーやドラッグストア、100円ショップと飲食店が営業している。駅から5分ほど歩いた場所にもスーパーがあり、日々の買い物には困らないだろう。また、駅前に大型商業施設がある川崎駅(家賃相場8万5000円)や横浜駅(同8万7500円)までそれぞれ2駅というロケーションの割に、家賃相場がリーズナブルな点も魅力だ。

トップ50にまで範囲を広げて見てみると、千葉、東京、埼玉、神奈川の各方面にある駅が並んでいる。そのうちランクインした駅が最多となった街は、東京都足立区。トップ15には6駅、16位~50位にも6駅が選ばれている。以下に一覧表を掲載するので、どの駅がランクインしたのかチェックしてみてはいかがだろう。

●16位~50位

16位~50位

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東京駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、築年数35年未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2023/8~2024/2
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンションのうち普通借家契約の物件のみ)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2024年3月25日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

住宅購入検討者の4割近くが将来的な売却や賃貸を検討!柔軟に住み替えるスタイルが広がるか?

リクルートのSUUMOリサーチセンターが「『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)」を公表した。この調査では、住宅の買い時感や住宅検討状況、住宅に関する意識などを聞いている。調査結果の推移を見ると、消費者の意識の変化がうかがえるので、詳しく見ていくとしよう。

【今週の住活トピック】
「住宅購入・建築検討者』調査(2023年)」公表/リクルート

検討している一戸建てとマンション、新築と中古が同率に

調査は、2023年12月に、首都圏、東海圏、関西圏と政令指定都市のうち札幌市、仙台市、広島市、福岡市に住む、20歳から69歳の男女で、過去1年以内に住宅の購入・建築、リフォームについて具体的に検討した人を対象に行われた。

検討している住宅の種別(複数回答)は、「注文住宅」が過半数の56%で、「新築一戸建て」31%、「中古一戸建て」31%、「新築マンション」30%、「中古マンション」30%、「リフォーム」16%となっている。一戸建てもマンションも、経年で見ると中古検討率がじわじわと上がっており、新築と中古が同率となっているのが、今回の特徴だ。

「一戸建てか、集合住宅(マンション)か」を聞く(単一回答)と、「ぜったい」と「どちらかといえば」の合計で、「一戸建て派」が58%、「集合住宅派」が22%と一戸建て派が優勢に。「どちらでもよい」は20%だった。

48%が「買い時と思っていた」と回答、その理由は?

さて、住宅購入環境にさまざまな変化が生じている。都心部のマンションを中心に価格が上昇していることに加え、長期固定型の住宅ローンの金利がじわじわと上昇している。集計対象数6007人のうち、住宅購入・検討者は4240人(賃貸検討者が1767人)。この人たちは、「買い時」と思っているのだろうか?

調査で「買い時だと思っていたかどうか」聞いたところ、48%が「思っていた」(とてもそう思っていた12%+ややそう思っていた36%)、20%が「思っていなかった」(まったくそう思っていなかった6%+あまりそうは思っていなかった14%)となり、買い時の割合が前年(2022年調査)の44%から48%に増加した。

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

ちなみに、「買い時だと思った理由」については、「これからは、住宅価格が上昇しそう」がTOPの45%だった。2位は「いまは、住宅ローン金利が安い」の33%、3位は「いまは、いい物件が出ていそう」の30%だった。

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

買い時と思う理由について、少し考えてみよう。2024年3月に日銀がマイナス金利を解除するなど、調査時点よりも金利のある時代が近づいている。金利について、いま調査をしたら、「金利が上がりそうだから」といった理由が上位に入るのかもしれない。また、住宅価格が高くなっているので、住宅の売り時と判断している人が多いと考えられる。中古の物件が市場に出回ることで、「いい物件が出ていそう」という環境になるかもしれない。

では、今後の住宅価格についてはどうだろうか?価格が上がり続けているのは都心部の住宅なので、それほど上がっていない地域と上がり続けている地域がある状況なのだが、残業時間を規制する2024年問題が拍車をかけて、建設業界の人手不足による建設費の上昇が続いている。流通業界も同様なので、建築資材を運送する費用も上がるなど、住宅の建設費用に下がる要因が見当たらない。したがって、「住宅価格が上昇しそう」な環境は、まだ続くといえるだろう。

住み続けるよりも柔軟に住み替える考え方に変化?

今回の調査の特徴といえるのが、「買い替え」層が増えていることだ。「初めての購入、建築」が63%と最も多いものの、持ち家を売却して新しい家を購入、建築する「買い替え」が年々増えて、2023年調査で29%に達した。もちろん、住宅価格が高くなっているため、売りやすい市場になっていることもあるが、どうやらそれだけではないようなのだ。

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

次に特徴的なのが、「将来的に売却を検討している」層が増えたことだ。「永住意向」が44%と半数近くを占めるものの、売却を検討したり、賃借を検討している層が合わせて38%になっている。購入、建築を検討しているときから、いずれキャッシュ化しようと考えている人が増えているわけだ。

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)※2021年以前は調査なし

では、そう考えている人たちが、売却や賃貸に出すタイミングをどう考えているのだろう?
「土地や不動産の価格が上がったら」、「家が老朽化したと感じたら」、「他に欲しい物件が出たら」といったタイミングを想定している人が増えた一方、「定年退職」などは減っている。

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)

出典:『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)※2021年以前は調査なし

かつては、マイホームが老朽化したらリフォームして住み続け、家族構成の変化など状況が変わったときに売却するという流れだったが、近年は、価格が上がったり、欲しい物件が出たりしたタイミングや、老朽化でリフォームをする前のタイミングで、売却するという考え方に変わっているようだ。

住宅購入を取り巻く環境にも変化が生じているが、住宅を購入、建築する消費者側の意識にも変化が生じている。住み続けることにこだわらず「柔軟に住み替える」スタイルが広がりつつあるので、住宅の流通市場をより整備して、売り買いのしやすい環境をつくっていくことが求められるだろう。

●関連サイト
リクルート「『住宅購入・建築検討者』調査(2023年)」

【東京駅30分以内】中古マンション価格相場が安い駅ランキング2024年。シングル向け、カップル・ファミリー向け、それぞれ1位は?

東京を代表する駅と言えば東京駅。東海道新幹線や東北新幹線をはじめ、山形・秋田・上越・北陸・北海道に向かう新幹線、JR各線に加えて東京メトロ丸ノ内線も発着する一大ターミナル駅だ。駅周辺は日本最大と言えるビジネス街でもあり、通勤客から旅行客まで日々多くの人が利用している。さらに複数の再開発事業が進行中でもあり、今後もますますの発展が見込まれる。そんな東京駅まで電車で30分以内の近さでありつつ、リーズナブルな中古マンションがそろう街はどこだろう? 徒歩15分圏内にある「シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)」と「カップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満駅)」それぞれの、中古マンションの価格相場が安い駅ランキングをご紹介しよう。

東京駅まで電車で30分以内にある中古マンションの価格相場が安い駅ランキング

【シングル向け トップ11(16駅)】
順位/駅名/価格相場(主な路線名/駅の所在地/東京駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 西馬込 2790万円(都営浅草線/東京都大田区/28分/2回)
2位 方南町 2980万円(東京メトロ丸ノ内線/東京都杉並区/30分/1回)
2位 鶴見 2980万円(JR京浜東北・根岸線/神奈川県横浜市鶴見区/25分/1回)
4位 板橋区役所前 3180万円(都営三田線/東京都板橋区/28分/0回)
5位 大山 3200万円(東武東上線/東京都板橋区/27分/1回)
6位 京急川崎 3240万円(京急本線/神奈川県川崎市川崎区/30分/0回)
7位 南千住 3280万円(JR常磐線/東京都荒川区/15分/0回)
8位 川崎 3330万円(JR東海道本線/神奈川県川崎市幸区/18分/0回)
9位 雑司が谷 3380万円(東京メトロ副都心線/東京都豊島区/25分/1回)
10位 王子神谷 3385万円(東京メトロ南北線/東京都北区/29分/1回)
11位 三ノ輪 3480万円(東京メトロ日比谷線/東京都台東区/19分/1回)
11位 三河島 3480万円(JR常磐線/東京都荒川区/12分/0回)
11位 亀戸 3480万円(JR総武線/東京都江東区/12分/1回)
11位 板橋本町 3480万円(都営三田線/東京都板橋区/30分/0回)
11位 王子 3480万円(JR京浜東北・根岸線/東京都北区/22分/0回)
11位 赤羽 3480万円(JR東北本線/東京都北区/17分/0回)
※17位以下は記事末に掲載

【カップル・ファミリー向け トップ14(15駅)】
順位/駅名/価格相場(主な路線名/駅の所在地/東京駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 松戸 3380万円(JR常磐線/千葉県松戸市/27分/0回)
2位 六町 3399万円(つくばエクスプレス/東京都足立区/27分/1回)
3位 堀切菖蒲園 3480万円(京成本線/東京都葛飾区/29分/1回)
3位 蕨 3480万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県蕨市/29分/1回)
3位 青井 3480万円(つくばエクスプレス/東京都足立区/24分/1回)
6位 西船橋 3523万円(JR京葉線/千葉県船橋市/29分/0回)
7位 五反野 3540万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/27分/1回)
8位 四ツ木 3580万円(京成押上線/東京都葛飾区/30分/1回)
9位 下総中山 3650万円(JR総武線/千葉県船橋市/26分/1回)
10位 小菅 3665万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/25分/1回)
11位 西川口 3690万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県川口市/26分/1回)
12位 扇大橋 3740万円(日暮里・舎人ライナー/東京都足立区/30分/1回)
13位 綾瀬 3755万円(東京メトロ千代田線/東京都足立区/25分/1回)
14位 梅島 3880万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/29分/1回)
14位 鐘ケ淵 3880万円(東武伊勢崎線/東京都墨田区/28分/1回)
※16位以下は記事末に掲載

東京駅までわずか約12分の駅も「シングル向け」上位にランクイン

「シングル向け」の1位は東京都大田区の都営浅草線・西馬込駅で価格相場は2790万円。都営浅草線で新橋駅に出て、JR東海道本線に乗り換えると東京駅に到着する。最短所要時間の約28分を狙う場合は、新橋駅より手前の泉岳寺駅で途中下車して行き先違いの都営浅草線へと乗り継ぐため「乗り換え2回」と記載したが、新橋駅まで1本で行ってJR東海道本線を利用する「乗り換え1回」のルートでも、東京駅まで30分以内に行くことが可能だ。

西馬込駅周辺(写真/PIXTA)

西馬込駅周辺(写真/PIXTA)

1位・西馬込駅は都営地下鉄の駅では最南端に位置し、都営浅草線の始発駅でもあるので混雑する朝も座って乗車しやすいのがうれしいところ。地下にある駅から地上に向かうと、国道1号・第二京浜沿いに出る。大通り沿いにスーパーやコンビニ、ドラッグストアが点在し、脇道に入れば飲食店や和菓子店、ベーカリーなどがあるのどかな商店街も。静かな住宅街を通って駅から南へ13分ほど歩けば、五重塔がシンボルの「池上本門寺」へ。その隣には緑豊かな「本門寺公園」があり、住民の憩いの場として親しまれている。

■関連記事:
大田区「池上」が進化中!リノベで街の魅力を再発掘

続く2位には価格相場が同額2980万円となった、東京メトロ丸ノ内線の方南町駅とJR京浜東北・根岸線の鶴見駅がランクイン。方南町駅は東京都杉並区、鶴見駅は神奈川県横浜市鶴見区に位置している。

方南町駅前(写真/PIXTA)

方南町駅前(写真/PIXTA)

方南町駅から東京駅まで30分以内で行く場合は、東京メトロ丸ノ内線で新宿駅に出て、JR中央線快速で東京駅を目指すため「乗り換え1回」となる。しかし丸ノ内線に乗ったままでも東京駅まで31~32分ほどなので、実際は乗り換え0回のルートを利用する人も多いだろう。沿線の新宿駅や東京駅に行きやすいアクセス性のよさに加え、駅周辺の買い物環境が整っている点も魅力の一つ。方南通りと環七通り沿いにスーパーやドラッグストア、ホームセンターなどの大型店舗が点在しているほか、ファミレスやファストフード店、ラーメン店など気軽に利用できる飲食店も豊富にそろっている。

JR鶴見駅(写真/PIXTA)

JR鶴見駅(写真/PIXTA)

鶴見駅から東京駅までは、JR京浜東北・根岸線で川崎駅に出て、JR東海道本線に乗り換えるルートだと約25分。もう少し時間がかかっても構わなければ、JR京浜東北・根岸線1本でも東京駅まで約34分でたどり着く。東京駅とは反対方面に乗車すれば、横浜駅まで3駅・約9分で行くことが可能だ。また、鶴見駅前には京急本線の急行停車駅である京急鶴見駅もあるので、横須賀や三浦半島方面に行く際はこちらを利用すると便利だろう。そんな鶴見駅は駅ビル「シァル鶴見」に直結。生鮮食品やフード、ドラッグストアのフロアから、ファッション、雑貨、飲食店のフロアまでそろい、気軽に食事や買い物が楽しめる。駅周辺にもスーパーや飲食店、ディスカウントストアなどの商店が充実し、暮らしやすそうな街並みだ。

4位以下にも東京都または神奈川県にある、さまざまな路線の駅が並んだ。トップ11(16駅)のうち東京駅までの所要時間が最短だったのは、価格相場が同額3480万円で11位にランクインしたJR常磐線・三河島駅とJR総武線・亀戸駅。両駅から東京駅までは、約12分という近さだ。三河島駅から東京駅は、JR上野東京ライン直通の常磐線を利用すると乗り換え0回で行ける。亀戸駅から東京駅までは、JR総武線の普通列車と快速を乗り継いで向かうため乗り換え1回だ。

三河島駅周辺の様子(写真/PIXTA)

三河島駅周辺の様子(写真/PIXTA)

三河島駅は東京都荒川区にあり、JR常磐線の日暮里駅と南千住駅に挟まれた立地。1つしかない駅改札を出るとすぐ前を尾竹橋通りが南北に走っており、駅から南下していくと商店街が続いている。牛丼や回転寿司などのチェーン店から、ネパール料理やグルメバーガー、イタリアンなど個性豊かな飲食店も豊富なので、ぶらぶら歩きながら店選びをするのも楽しそう。また、駅の北側地区では再開発が進行中。住宅と商業施設、多目的アリーナからなる地上43階建てのビル建設が計画されおり、着工は2024年12月、竣工は2028年3月の予定だそう。

亀戸駅周辺の様子(写真/PIXTA)

亀戸駅周辺の様子(写真/PIXTA)

亀戸駅は東京都江東区に位置し、JR総武線のほかに東武亀戸線が乗り入れている。三河島駅と同様に駅周辺に飲食店が豊富なほか、地下1階から8階屋上まで多彩な店舗が並ぶ駅ビル「アトレ亀戸」が駅北口側にあるのも便利なところ。同店舗は2024年秋の完成を目指して、大規模増床リニューアルが進められているのも楽しみだ。また、駅東口側には2022年に複合商業施設「カメイドクロック」がオープンしている。大型スーパーを核とする食のマルシェや、下町のにぎわいを感じる飲食店横丁と9店舗が並ぶフードコートなどがあり、近所に住んだ際はぜひ訪れたい。

「カップル・ファミリー向け」トップ15のうち4駅は東武伊勢崎線松戸駅前(写真/PIXTA)

松戸駅前(写真/PIXTA)

「カップル・ファミリー向け」の1位は千葉県松戸市にあるJR常磐線・松戸駅で、価格相場は3380万円。JR上野東京ライン直通の常磐線に乗ると、約27分で東京駅に到着する。駅周辺は江戸時代から水戸街道の宿場町として栄えた歴史があり、現在は松戸市の中心地。駅ビル「アトレ松戸」や複合商業施設「キテミテマツド」をはじめ大小の商店がひしめく、にぎわいある街並みだ。また、新京成線も乗り入れる松戸駅は現在、駅改良工事が進められている。東西通路の拡張や改札口周辺の改良は2026年春ごろに完成予定で、2027年春ごろには駅南側に駅ビルも誕生予定だそう。

六町駅(写真/PIXTA)

六町駅(写真/PIXTA)

2位には東京都足立区にある、つくばエクスプレス・六町(ろくちょう)駅が価格相場3399万円でランクイン。東京駅までは、まず南千住駅に出てからJR上野東京ライン直通の常磐線に乗り換える。すると1位・松戸駅と同じ所要時間の約27分でたどり着く。駅周辺に大型商業施設はなく、落ち着いた住宅街。ただ、駅の出入口すぐ近くに24時まで営業のスーパーがあるほか、周辺にはコンビニやホームセンターもあるので日々の買い物には困らないだろう。また、駅から南へ10分ほど歩いた環七通り沿いに出ると、うどんや回転寿司、ラーメンなどの飲食店も利用できる。

3位には価格相場3480万円となった3駅が並んだ。京成本線の堀切菖蒲園駅、JR京浜東北・根岸線の蕨(わらび)駅、つくばエクスプレスの青井駅だ。東京都足立区にある青井駅は、2位の六町駅から乗り換え駅である南千住駅方面に向かって1駅目。東京駅まで約24分という所要時間は、トップ15の駅では最短だ。駅は都営住宅・都民住宅の団地に囲まれたような立地で、住宅街だけあって徒歩10分圏内に複数のスーパーやドラッグストアが点在している。サッと食べられるような飲食店が駅の近くには見当たらないものの、北へ10分ほど歩くと六町駅の紹介部でも記述した環七通りに出るので、そのあたりで食事をしてもいいだろう。

堀切菖蒲園(写真/PIXTA)

堀切菖蒲園(写真/PIXTA)

青井駅の2.8kmほど南には、同額3位の京成本線・堀切菖蒲園駅がある。東京都葛飾区に位置するこの駅は、駅名からわかるように「堀切菖蒲園」の最寄り駅。駅から南に10分ほど歩いた荒川近くに広がる園内では、例年6月上旬~中旬にハナショウブが美しく咲き誇る。駅周辺にはスーパーやコンビニのほか、飲食店も多彩。実は町中華を含めてラーメンが味わえる店が多い街でもあるので、自分好みの一杯を探し歩くのも楽しそうだ。東京駅までは、まず日暮里駅に出てからJR上野東京ライン直通の常磐線快速に乗り換えると計29分で到着できる。

蕨駅周辺の様子(写真/PIXTA)

蕨駅周辺の様子(写真/PIXTA)

3位に入った残る1駅、JR京浜東北・根岸線の蕨駅についても見てみよう。赤羽駅に出てからJR上野東京ライン直通の高崎線に乗ると、東京駅まで約29分。JR京浜東北・根岸線1本でそのまま向かっても、東京駅まで約37分だ。蕨駅の所在地である埼玉県蕨市は、面積がわずか約5.1平方キロと全国の市のなかで最も狭く、人口密度は最も高い市として知られている。そんな市の玄関口である蕨駅の西口側では、2024年1月に再開発事業が着工。駅前広場の再整備とともに、商業施設や公共公益施設、住宅として利用される地下1階・地上28階建てのビル2棟の建築が進められている。竣工は2027年7月の予定だ。現在の駅周辺の様子はというと西口・東口のどちらにも多彩な飲食店があり、スーパーやドラッグストアも複数。東口から自転車で10分ほど走ると、「ニトリ」や「ユニクロ」など160店舗以上が営業する「イオンモール河口前川」もある。

さて「カップル・ファミリー向け」のトップ15を見てみると、千葉、東京、埼玉の各地にある駅が並んでいる。路線もさまざまだが、東武伊勢崎線が最多で4駅ランクイン。そのうち最も価格相場が安いのは、3540万円で7位になった五反野駅だ。

7位・五反野駅は東京都足立区に位置し、北千住駅に出てからJR上野東京ライン直通の常磐線に乗り換えると計約27分で東京駅にたどり着く。五反野駅にも停車する東武伊勢崎線の普通列車は東京メトロ日比谷線との直通運転が行われており、上野駅や銀座駅、中目黒駅にも1本で行ける点も便利だろう。駅周辺には住宅街が広がり、複数のスーパーが点在。駅前通りの商店街にはファストフード店や個性的な飲食店、精肉店に青果店、持ち帰りおでんのお店まで約50店舗が連なっている。駅から南へ15分ほど歩くと、荒川の河川時にへ。のどかな川辺の景色を眺めながら、ジョギングや散歩をしてリフレッシュできる環境なのも魅力だろう。

●「シングル向け」17位~48位

「シングル向け」17位~48位

●「カップル・ファミリー向け」16位~50位

「カップル・ファミリー向け」16位~50位

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東京駅まで電車で30分圏内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数40年未満、敷地権利は所有権のみ
シングル向け:専有面積20平米以上50平米未満
カップル・ファミリー向け:専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2023/8~2024/2
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2024年3月25日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

増加する空き家、政府が不動産売買の仲介手数料上限の一部改正に向けてパブリックコメントの募集をスタート

5年ごとに日本の住宅とそこに居住する世帯の居住状況などを調べる、「住宅・土地統計調査」の令和5年版が公表された。日本の住宅数は増える一方で、空き家の数も過去最多を更新するという結果だった。空き家の実態とその対策について、考えていこう。

【今週の住活トピック】
「令和5年住宅・土地統計調査」結果を公表/総務省

放置されている可能性の高い空き家は全国に385万戸

調査結果によると、日本の総住宅数は6502万戸で過去最多となった。常に居住していない「空き家」の数は、全国で900万戸に達し、空き家率は13.8%にまで上昇した。日本の総人口が減少する一方で、住宅の数は増え、空き家も増えているのが実態だ。

ただし、空き家の中には、売却予定で住んでいない住宅や賃借人の入れ替わりで空いている賃貸住宅など、いずれ居住される予定の住宅も含まれている。さらには、別荘や二次的住宅として、常に居住はしていないが必要な時に利用しているものも含まれる。

空き家すべてが問題なのではなく、居住予定や利用予定のない、“放置された空き家”がさまざまなトラブルの元になる。放置されている可能性の高い「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」に限定すると、385万戸、空き家率は5.9%になる。むしろ、この部分が増えていることが問題だろう。

出典:「令和5年住宅・土地統計調査結果」(総務省統計局)

出典:「令和5年住宅・土地統計調査結果」(総務省統計局)

ちなみに、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家率」(全国平均5.9%)が10%を超えるのは、北から順に秋田県(10.0%)、和歌山県(12.0%)、島根県(11.4%)、山口県(11.1%)、徳島県(12.2%)、愛媛県(12.2%)、高知県(12.9%)、鹿児島県(13.6%)だった。

放置された空き家はなぜ問題になるのか?

適切な管理をしないで空き家が放置されると、建物は急速に老朽化し、庭木も伸び放題となる。そうなると、建物が倒壊する危険性が高まるだけでなく、周囲の景観を乱したり、害獣や害虫による衛生面の問題が生じたり、犯罪の温床になったりといったトラブルを引き起こす原因になりかねない。

ただし空き家といえど、住宅は個人の財産なので、国や自治体が勝手に立ち入ったり、取り壊したりすることはできない。だからと言って、政府も手をこまねいているわけではない。

「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家対策特措法)」によって、自治体が空き家に立ち入って実態を調べたり、空き家の所有者に適切な管理をするよう指導したり、空き家の跡地の活用を促進できるようにした。放置されて問題となる空き家を「特定空家」に指定したり、その危険性のある空き家を「管理不全空家」に指定することで、自治体が強く関与できるようにもしている。

空き家が放置される原因ひとつひとつに手を打っているが……

空き家を放置する原因のひとつが、売っても値が大してつかないといったことや、住宅が建っていた方が更地にするよりも減税になるといったことがあった。そこで、政府は「特定空家」や「管理不全空家」に対しては、固定資産税の減額措置を解除したり、逆に空き家を売却した場合には、譲渡所得から最大3000万円を差し引ける特別控除の適用を認めたりする措置を取っている。

また、さらに問題を大きくしているのは、所有者が分からない場合だ。相続を繰り返す際に登記をしないことで、所有者が判明しないという事例も多い。そのため、相続登記の申請を義務づける改正を行い、2024年4月から施行されている。

住宅価格の高い都市部では、譲渡所得の特別控除などの対策が効果的に働くものの、過疎地域、郊外型団地、木造住宅密集地などによって、空き家が発生する経緯や解決すべき課題、対応方法などが異なる。空き家に対する相談窓口を強化するなどの対策も講じているが、空き家の課題解決は一筋縄ではいかない。

新たな解決策につながるか?仲介手数料の上限規制を緩和?

2024年5月2日に、「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」の一部改正案に関して意見募集がされた。いわゆるパブリックコメントだ。

背景にあるのは、不動産会社が不動産の売買などを仲介した際の手数料に規制があることだ。売買では、価額が400万円を超える場合に「売買価格×3%+6万円+消費税」といった速算式がある。なお、200万円以下の場合は売買価格の5%が上限なので、200万円の取引なら仲介手数料は最大で10万円+消費税しか受け取れない。

放置された空き家はこうした低価格な取引にしかならないことが多いため、地方の空き家を仲介しても経費を差し引くと手元に残らないといったことが起こる。同じ時間を都市部の高額な住宅の売買に向けたほうが効率的なので、不動産会社が仲介に積極的に取り組みづらいということになる。

こうした背景を受けて改正案では、低価格な取引となる空き家の売買などの仲介をした場合、価額が800万円以下であれば仲介手数料を従来の規定より多く受け取ることができるようにするという趣旨になっている。ただし、「30万円の1.1倍に相当する金額を超えてはならない」などの制限を設けている。また、長期間空き家の賃貸借の仲介についても、仲介手数料の上限を緩和する案となっている。

これによって、空き家が仲介市場に出回るようになることを期待しているわけだ。

資産である住宅が空き家として放置されるのには、さまざまな理由がある。政府もかなり踏み込んだ対策を打ってはいるが、急速に増加する空き家に追いつかない状況だ。負動産を後世に残さないために、今後も空き家に対する対策をさらに検討する必要があるだろう。

私たちにできることは、空き家にならないように早めに対処したり、しっかり予防することだ。住まないことが想定される親の住まいや別荘などをどうするか、きちんと話し合って準備をしておきたいものだ。

●関連サイト
総務省「令和5年住宅・土地統計調査 調査の結果」
パブリックコメント「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」の一部改正案に関する意見募集について

「入居者のための食堂、昼・夕食500円、朝食はなんと100円!」「【2024年】東京23区の家賃相場が安い駅ランキング」【3月人気記事まとめ】

今年は冬の終わりから春にかけて,全国的に例年よりも暖かい日が多かったようです。引越しなど新生活への準備を始めた方も多かったのではないでしょうか。。SUUMOジャーナルで3月に公開した記事では、「入居者のための食堂、昼・夕食500円、朝食はなんと100円! 「トーコーキッチン」開店から9年目。入居者希望増、書籍化など、さらにすごいことになってた!」「【2024年】東京23区の家賃相場が安い駅ランキング 。トップ3はすべて江戸川区で6万5000円以下!」などが人気TOP10入りしました。本稿では、バラエティー豊かな記事の見どころをご紹介いたします。

2024年3月の人気記事ランキングTOP10はこちら!

TOP10はこちらの記事となりました!

第1位:入居者のための食堂、昼・夕食500円、朝食はなんと100円!「トーコーキッチン」開店から9年目。入居者希望増、書籍化など、さらにすごいことになってた!

第2位:3Dプリンターの家、国内初の土を主原料としたモデルハウスが完成! 2025年には平屋100平米の一般販売も予定、CO2排出量抑制効果も期待

第3位:【2024年】東京23区の家賃相場が安い駅ランキング。トップ3はすべて江戸川区で6万5000円以下!

第4位:シャッター街、8年で「移住者が活躍する商店街」に!20店舗オープンでにぎわう六日町通り商店街・宮城県栗原市

第5位:「いつか来る災害」そのとき役立つ備え4選。備蓄品サブスクやグッズ管理アプリ、大切なもの保管サービスなど「日常を取り戻す」ために一歩進んだ防災を

第6位:【2024年】東京23区の中古マンション価格相場が安い駅ランキング。シングル向け、カップル・ファミリー向け、それぞれ1位は?

第7位:高齢化進む築50年超の団地が大学サッカー部寮になった!芋煮会や大掃除など、学生と高齢者が支えあう竹山団地 神奈川県横浜市

第8位:土地の価格、道が一本違うだけで大きく変わるのはなぜ? 1平米6万円差が出ることも! 「路線価図」で街あるきしてみた

第9位:車椅子での家事動線など追求したら、リノベがバリアフリーの家の最適解だった! 扉ナシ・カウンター下は空間に、など斬新テク満載の共働き夫婦の家

第10位:「SUUMO住みたい街ランキング2024関西版」梅田が西宮北口と大差で3年連続1位に! 本町、尼崎も躍進
※対象記事とランキング集計:2024年3月1日~31日に公開された記事のうち、PV数の多い順

第1位:入居者のための食堂、昼・夕食500円、朝食はなんと100円!「トーコーキッチン」開店から9年目。入居者希望増、書籍化など、さらにすごいことになってた!

入居者のための食堂、昼・夕食500円、朝食はなんと100円! 「トーコーキッチン」開店から9年目。入居者希望増、書籍化など、さらにすごいことになってた!

(写真撮影/片山貴博)

手づくりの食事を朝100円、昼・夕500円のワンコインで毎日提供。賃貸物件の入居者のために不動産会社が運営する食堂「トーコーキッチン」は、朝8時から夜8時まで利用可能。栄養バランスを考えてつくられた日替わり&週替わり定食、カレーライス500円やキッズプレート300円などを手ごろな価格で味わえます。2015年のオープン以降、「街の一角に自分たち専用の食堂がある」という安心感を味わえる魅力的な仕組みによって、賃貸物件への入居希望者が増えるとともに、多くの注目を集め続けています。今回は、食堂「トーコーキッチン」のある淵野辺(神奈川県相模原市)を訪れ、8年間の変化について聞いてきました。

第2位:3Dプリンターの家、国内初の土を主原料としたモデルハウスが完成! 2025年には平屋100平米の一般販売も予定、CO2排出量抑制効果も期待

3Dプリンターの家、国内初の土を主原料としたモデルハウスが完成! 2025年には平屋100平米の一般販売も予定、CO2排出量抑制効果も期待

(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

熊本県山鹿市にある住宅メーカーLib Work(リブワーク)は、環境への配慮と持続可能性を追究したいという思いのもと研究を重ねました。その結果、土を主原料とする3Dプリンター住宅のモデルハウスの第1号「Lib Earth House “modelA”」が2024年1月、ついに完成。今まで日本で開発されてきた3Dプリンター住宅はコンクリート造のみで、土を原材料とした3Dプリンターの家は国内初とのこと。代表取締役社長の瀬口力さんは、2025年には100平米の平屋での一般販売も予定しており、ゆくゆくは火星住宅建築プロジェクトを目指しているのだとか。実際に実物を目にするため、同社の「Lib Work Lab(リブワークラボ)」を訪れてみました。

第3位:【2024年】東京23区の家賃相場が安い駅ランキング。トップ3はすべて江戸川区で6万5000円以下!

【2024年】東京23区の家賃相場が安い駅ランキング 。トップ3はALL江戸川区で6万5000円以下!

(写真/PIXTA)

東京都内でも特に利便性が高い暮らしを望むなら、やはり23区内が人気。交通網が充実しており商業・文化施設も豊富、さらに賃貸物件の数も多いため理想的な物件を探しやすいといった魅力があります。一方で、首都圏でも飛び抜けて家賃が高い点がネックに。ですが、探せばきっと予算内で住める物件はあるはず! 例えば、1位にランクインした江戸川区の京成本線・江戸川駅周辺の物件なら、家賃相場は6万4000円のうえ、スーパーも点在していて便利そうです。今回は、東京23区内にある駅ごとの家賃相場を調査。駅から徒歩15分圏内にある賃貸物件(専有面積10平米以上~40平米未満のワンルーム・1K・1DK)の家賃相場が安い駅トップ20をご紹介します。

第4位:シャッター街、8年で「移住者が活躍する商店街」に!20店舗オープンでにぎわう六日町通り商店街・宮城県栗原市

シャッター街が8年間で「移住者中心に活躍する商店街」に。個性豊かな宮城県栗原市の六日町通り商店街

(写真撮影/難波明彦)

シャッター街になりつつあった宮城県栗原市。しかし、今では地方への移住をテーマにした情報誌の、全国の人口5万人以上10万人未満の市を対象にした評価の総合部門で1位になるほど人気に。そのなかでも特に注目されているのが「六日町通り商店街」です。実は2016年ごろから、自治体や商店会、地域おこし協力隊らが連携し、移住者が開業しやすいようにと努めてきました。その結果、現在では、個性的なお店が約20店舗オープンし、若手中心にイベントなどを企画、多くの人が集まるようになり活気を取り戻しました。その「六日町通り商店街」再生の取り組みと現状を紹介します。

第5位:「いつか来る災害」そのとき役立つ備え4選。備蓄品サブスクやグッズ管理アプリ、大切なもの保管サービスなど「日常を取り戻す」ために一歩進んだ防災を

被災時にいち早く「日常を取り戻す」ために。一歩進んだ防災対策について考える

(写真提供/日本郵便)

大規模災害を想定した、最低限の水や非常食の備蓄は必要不可欠です。しかし大地震により物流が途絶え、支援物資も届きづらい状況を思えば、防災リュックの中身だけでは心もとないときもあるでしょう。また、避難所や仮設住宅での生活が長引いた際には、嗜好品や思い出の品など「心を癒やすアイテム」も必要になることも。
可能であれば最低限ではなく、最悪を想定した十分な備えをしておきたいところ。そこで記事では、マンション単位で導入できる備蓄品のサブスク「防災サステナ+」や、防災備蓄をスマホでまとめて管理できる「SAIBOU PARK」などを紹介しています。

第6位:【2024年】東京23区の中古マンション価格相場が安い駅ランキング。シングル向け、カップル・ファミリー向け、それぞれ1位は?

【2024年】東京23区の中古マンション価格相場が安い駅ランキング。シングル向け、カップル・ファミリー向け、それぞれ1位は?

(写真/PIXTA)

全国のなかでも群を抜いて人口が多いのが東京都。多少の増減はありつつも増加傾向が続き、総務省によると2023年の1年間で東京都への転入者数は転出者数を約6万8000人も上回っているそうです。そんなニーズの高さも反映し、東京23区内の住宅価格は他地域に比べて高め。利便性のよさや仕事の都合から都内に住みたい、でも費用はなるべく抑えたい……と考える人も多いのではないでしょうか。そこで記事では、東京23区内に位置する駅から徒歩15分圏内にある、中古マンションの価格相場を調査。シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)の1位には、価格相場2980万円で2駅がランクイン。さらに、カップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)では、価格相場3024万5000円であの区がランクイン! それぞれの中古マンションの価格相場が安い駅ランキングをご紹介します。

第7位:高齢化進む築50年超の団地が大学サッカー部寮になった!芋煮会や大掃除など、学生と高齢者が支えあう竹山団地 神奈川県横浜市

サッカー部の学生たちが地域と「団地の高齢化」に立ち向かう!子どもや高齢者と学び、教え合う竹山団地

(画像/片山貴博)

神奈川県横浜市緑区にある竹山団地は、神奈川県住宅供給公社が1960年代に開発した約45haの大規模団地です。築50年を超えた約2800戸を有する建物は、日本の高度経済成長期に建設され、他の団地同様に老朽化と高齢化の問題を抱えていました。しかし、「学生たちに共同生活や地域貢献を通じて課題解決型の教育を実践したい」と考える神奈川大学と、保有資産やこれまでのノウハウを活かして団地活性化に取り組みたい公社のニーズが一致し、2020年に「連携・協力に関する協定書」を締結。今では、大学のサッカー部員が団地の空室に入居し、防災訓練や地域のイベントに参加したり、学生食堂を兼ねるカフェの運営、商店街の清掃などを行ったりしています。この取り組みの背景や、約4年間を経てつくり上げてきたもの、入居する学生たちの本音などを聞いてきました。

第8位:土地の価格、道が一本違うだけで大きく変わるのはなぜ? 1平米6万円差が出ることも! 「路線価図」で街あるきしてみた

道が一本違うだけで、土地の価格が大きく変わるのはなぜ? 「路線価図」で街あるき

(写真撮影/小林景太)

「交差点をはさんでこちら側とむこう側」「道が一本違うだけ」ーーそれなのに、土地の価格が大幅に変わる。こうした不思議な現象が、街のあちこちに見られます。なぜそんなことが起きるのでしょうか? 街をもっとよく知る手がかりとして、注目したのが国税庁が毎年発行する「路線価図」。相続税や贈与税の算出時に参照され、インターネット上で見ることができるデータです。本来は持ち歩くための地図ではありませんが、住まいと街の解説者として30年以上活動する中川寛子さんは、この地図を活用して土地の価格の理由を探る「街あるき」をしています。2023年には著書『路線価図でまち歩き 土地の値段から地域を読みとく』(学芸出版社)を刊行しました。記事では中川さんと一緒に土地価格の謎を解明します。

第9位:車椅子での家事動線など追求したら、リノベがバリアフリーの家の最適解だった! 扉ナシ・カウンター下は空間に、など斬新テク満載の共働き夫婦の家

車椅子での家事動線など追求したら、リノベがバリアフリーの家の最適解だった! 扉ナシ・カウンター下は空間に、など斬新テク満載の共働き夫婦の家

(写真撮影/桑田瑞穂)

日本には、病気やケガなどで脚部や上肢・胴体の一部を使わずに生活する方が約193万1000人(2016年 厚生労働省 生活のしづらさなどに関する調査)います。今回取材させていただいたNさん夫妻(30代)は、人生の節目節目で引越しをし、4つの賃貸住宅に住んでみるも「たくさんの不便があった」と話されていました。そんな彼らが、リノベーションを決めた理由をはじめ、賃貸住宅の生活にはどんな不便があり、住宅にはどんなことを求めているのか? マンションをリノベーションし、自分たちらしい住まいを手に入れたNさん夫妻の事例を通して、「バリアフリー住宅×リノベーション」の可能性に迫ります。

第10位:「SUUMO住みたい街ランキング2024関西版」梅田が西宮北口と大差で3年連続1位に! 本町、尼崎も躍進

「SUUMO住みたい街ランキング2024関西版」「梅田」が2位「西宮北口」と大きく差をつけ3年連続1位に!「本町」「尼崎」も躍進

(写真/PIXTA)

リクルートは関西圏(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県)に居住している20歳~49歳の4600人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2024年関西版」を発表しました。今回住みたい街(駅)ランキングで1位となったのは「梅田(地下鉄御堂筋線)」。
なぜ、人気なのか?選ばれた理由や街の魅力(住みたい理由)をご紹介します。その他にも、前回のランキングから上昇した地域や、穴場とされている地域も要チェックです。

3月の人気記事ランキングでは、人や地域との繋がりに関する記事のランクインが目立ちました。その他、災害対策や環境面に配慮したテーマの記事など、今、住まいに求められていることが見えてきます。新生活が始まる時期だからこそ「もしも」の対策はしっかりとりつつ、住み心地がよく地域の方との交流も楽しめそうな、あなたにピッタリな街を探してみてください。

「SUUMO住みたい街ランキング2024」横浜が全世代で1位に!抜群の生活環境と市の取り組み強化で「子育て世代に選ばれる街」へ

リクルートが、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)在住の20歳~49歳の男女9335人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2024」を発表。今回は、”住みたい街”1位に輝いた「横浜」(神奈川県)にフォーカスし、街の魅力を探ります。

市を挙げて「子育てしたいまち ヨコハマ」を目指す

1位に輝いたのは「横浜」。7年連続の総合1位に加え、今回は「男女別・年代・ライステージ」すべてのカテゴリーで1位となりました。特に、子育て世帯(夫婦+子ども)のポイントが大きくアップ。若いファミリー層からの支持を集めています。

横浜市

横浜市

その背景にあるのは、近年の横浜市による子育て関連施策の強化。2022年12月に取りまとめられた「横浜市中期計画2022~2025」では、横浜市として初めて子育てを軸とした基本戦略「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ」が策定されました。これにより、今後さらに子育て世帯向けの施策が充実していくものと考えられますが、すでに実現、あるいは具体的な計画が進んでいるものもあります。

たとえば、2023年8月からの中学3年生までの医療費無料化です。ほかにも、2023年6月から新たに2つの施策がスタートしています。

・「はじめてのおあずかり券」無料クーポン配付開始
2023年4月1日以降に生まれた児童がいる世帯を対象に、市内の一時預かり施設を無料で体験できる電子クーポンを配付。対象児童1人につき24時間まで(※30分単位)

・「横浜子育てサポートシステム」無料クーポン配付開始
同じく、2023年 4月1日以降に生まれた児童がいる世帯が対象。地域で子どもを預け合う会員制・有償の支え合い活動「子サポdeあずかりおためし券」を配付。対象児童1人につき8時間まで無料で預かりを利用できる。また同年7月からは利用料を1時間800円から500円に改定

これらはいずれも、一時預かり施設や支援サービスの利用ハードルを下げ、便利さや施設の雰囲気などを知ってもらうための施策。その後の継続的な利用につなげ、子育て世帯に時間的・精神的なゆとりを持ってもらうことを目的としています。

市では、この「子育てにおける時間的・精神的なゆとり」を施策の柱にしていて、出産直後はもちろん、子どもが小学校・中学校に上がってからのサポートにも注力。市内にある小学生の放課後の預かり所(放課後キッズクラブ、放課後児童クラブ)の数は政令市で最も多く、2024年の7月からは、夏休みの昼食提供をモデル実施します。2026年4月からは、市立中学校で“みんなで食べる中学校給食”もスタート予定です。子どもたちの成長を支えるため、市の中学校給食専任の栄養士が献立を作るとともに、アレルギー代替食などの提供も検討されています。

また、2024年度の目玉施策の一つとして「子育て応援サイト・アプリ」のリリースも予定。産前・産後の手続きがスマホ一つで可能になり、負担を軽減するほか、アプリを通じ子育て世帯が必要とする情報も発信されていく予定です。

・「子育て応援サイト・アプリ」2024年6月末より
1、さまざまな行政手続きがアプリから可能に。わざわざ区役所へ行く手間や書類記入の手間を軽減(はじめは、妊娠・出産期の手続きを中心にスタートし、順次拡大)。
2、子育て世帯が知りたい情報をアプリ内に集約。地域のイベントや、必要な予防接種の情報など(利用者の住所や子どもの年齢、興味関心に応じた手続きやイベントの情報など)が届く。
3、その他、電子母子手帳や施設検索などの機能を搭載する予定。

さらに、10月からは出産費用の独自助成(最大9万円)もスタートし、安心して出産できる環境の充実が図られます。

こうした施策の影響もあってか、横浜市が実施している市民意識調査でも「子どもを安心して育てられる街」としての期待感が大きく上昇。2023年度の調査では「今後の横浜がどのようなまちになればよいと思うか」という問いに対して、「子どもを安心して育てられる」との回答が44.0ポイントと前回の24.6ポイントに比べ19.4ポイントも増加しています。

もちろん、これは市の取り組みに対する評価を直接的に反映したものではありません。ただ、横浜市としても子育て環境にまつわる市民の関心が高まっていることは十分に承知しているといい、今後のさらなる施策強化が期待できそうです。

他ジャンルの注目施設が続々と誕生

市の施策だけでなく生活環境の良さ、海辺のスケールの大きな自然環境や公園の数、遊び、ショッピング、グルメ、文化的な体験など、あらゆるものを兼ね備えるマルチな魅力は横浜の大きな特徴です。2020年から2024年にかけては、横浜駅・みなとみらい駅・桜木町駅周辺で大型商業施設の開業やリニューアル、さらには映画館やプラネタリウム、ギャラリー、アリーナといったカルチャー・エンタメ施設も相次いで開業しています。

「JR横浜タワー」(2020年6月開業)。2つの商業施設とシネマ、トークショーなどのイベントも開催されるアトリウムで構成。屋上広場「うみそらデッキ」からは、横浜港や横浜ベイブリッジを一望できる

「JR横浜タワー」(2020年6月開業)。2つの商業施設とシネマ、トークショーなどのイベントも開催されるアトリウムで構成。屋上広場「うみそらデッキ」からは、横浜港や横浜ベイブリッジを一望できる

「JR横浜鶴屋町ビル」(2020年6月開業)。商業施設の「CIAL横浜ANNEX」「ジェクサー・フィットネス&スパ24横浜」「JR東日本ホテルメッツ 横浜」のほか、小規模認可保育所も入る。歩行者デッキ「はまレールウォーク」で、JR横浜駅きた西口・JR横浜タワーと接続

「JR横浜鶴屋町ビル」(2020年6月開業)。商業施設の「CIAL横浜ANNEX」「ジェクサー・フィットネス&スパ24横浜」「JR東日本ホテルメッツ 横浜」のほか、小規模認可保育所も入る。歩行者デッキ「はまレールウォーク」で、JR横浜駅きた西口・JR横浜タワーと接続

「横浜赤レンガ倉庫」(2022年12月リニューアル)。新コンセプトに「BRND NEW “GATE”」を掲げ、開業してから初めてのリニューアル。新規出店25店舗を含む66店舗がそろい、フードコートも拡充された

「横浜赤レンガ倉庫」(2022年12月リニューアル)。新コンセプトに「BRND NEW “GATE”」を掲げ、開業してから初めてのリニューアル。新規出店25店舗を含む66店舗がそろい、フードコートも拡充された

「横浜コネクトスクエア」(2023年4月開業)。みなとみらいの中心エリアに誕生した、エリア最大級の複合ビル。低層部の商業施設、高層部のオフィスからなる。桜木町駅からペデストリアンデッキで一体化

「横浜コネクトスクエア」(2023年4月開業)。みなとみらいの中心エリアに誕生した、エリア最大級の複合ビル。低層部の商業施設、高層部のオフィスからなる。桜木町駅からペデストリアンデッキで一体化

「CeeU YOKOHAMA」(2023年12月開業)。スーパーマーケットの「イオンフードスタイル横浜西口店」をはじめ、24の専門店で構成。9階には各種クリニックやストレッチ、リラクゼーションサロンなどが集まる

「CeeU YOKOHAMA」(2023年12月開業)。スーパーマーケットの「イオンフードスタイル横浜西口店」をはじめ、24の専門店で構成。9階には各種クリニックやストレッチ、リラクゼーションサロンなどが集まる

これ以外にも、横浜駅きた西口では43階建のタワーに飲食店や子育て支援施設、ホテル、住宅などが入る「THE YOKOHAMA FRONT」が2024年3月に竣工。エンタメ系では、世界最大級の音楽特化型アリーナ「Kアリーナ横浜」が2023年9月に開業し、2024年春にはMARK IS みなとみらいに複合型映画館「ユナイデッドシネマ・みなとみらい」が、同じく2024年4月にはスポーツの国際大会やコンサート、大規模イベントなどに使われる「横浜BUNTAI」がオープン。挙げればキリがないほど、次から次へと注目のスポットが生まれ続けるエリアは全国を見渡しても稀です。

国内外の大企業が横浜を選ぶワケ

さらに、今の横浜は「働く場所」としての魅力も高まっています。今回の住みたい街ランキングでは、「横浜の街の魅力(住みたい理由)」として「魅力的な働く場や企業がある」がトップに。

実際、近年は自動車関連をはじめ横浜に本社機能を移す企業が増加。2022年にはいすゞ自動車が横浜ゲートタワーに本社を移転。2024年には独ボッシュの日本法人が横浜に新社屋を建設し、各地に点在する研究拠点もそこに集約される予定です。また、2019年の京セラ、2020年の村田製作所、2021年のソニー、2022年のLGなど、エレクトロニクスメーカーが研究開発施設を構える動きも目立っています。

横浜のビジネス環境が国内外から評価される理由は、東京都心や羽田空港へのアクセスの良さ、また、採用環境の良さが挙げられます。横浜市の人口は約376万人で、基礎自治体のなかで国内最多です。とりわけ、技術者・研究者の数が多く、令和2年の国勢調査では16万4920人で、政令市ナンバーワン。東京工業大学など理工系の大学も市内に9校と多く、特に技術部門の人材採用に課題を抱える企業にとっては魅力的です。さらに、企業立地促進条例など企業の進出を支援する市の制度も充実しています。

ちなみに、新たに横浜市が積極的な誘致を進めているのは、子育てに関連する商品やサービスを手掛ける企業。この点からも、市全体として「子育てしやすい街」を目指していることが伺えます。

2022年3月、みなとみらいにオープンした「YUMESAKI GALLERY(ユメサキギャラリー)」

2022年3月、みなとみらいにオープンした「YUMESAKI GALLERY(ユメサキギャラリー)」

また、みなとみらい地区に拠点を構える企業には、一部をギャラリーやミュージアムとして街に開放しているところが多いのも特徴のひとつ。横浜市と地域のルールのなかで、単にオフィスを構えるだけでなく「企業と街の人との交流を生むスペース」などの賑わいを生み出す空間を設けています。こうした取り組みが、他にはない街の特徴を生み出しているようです。

もともとの環境の良さに加え、次々と生まれる注目スポット、さらに、市の施策を含めた子育て環境の充実ぶりに、働く街としての魅力まで加わった近年の横浜。イメージだけでなく実力を伴った人気であることがうかがえます。「住みたい街ナンバーワン」に選ばれ続けるのも、当然といえるかもしれません。

●関連サイト
SUUMOリサーチセンター「SUUMO住みたい街ランキング2024 首都圏版」プレスリリース

Z世代は地域社会とつながる旅を志向。調査で分かった地域貢献意識の高さや地方移住の動きを解説

宿やホテルを予約できる「じゃらん」のじゃらんリサーチセンターでは、宿泊旅行についての大型調査「じゃらん宿泊旅行調査」を定期的に行っている。今回、Z世代に焦点を当てて、Z世代の価値観や旅行への意識について再分析した結果を公表した。それによると、Z世代は「地域貢献意識」が高く、「地方への移住を考える旅」も実施しているという。地方移住の鍵になると見られるZ世代の意識について詳しく見ていこう。

【今週の住活トピック】
じゃらん宿泊旅行調査を再分析/リクルート じゃらんリサーチセンター

Z世代で多い「地域体験交流タイプ」、女性は「効率・欲張りタイプ」も

公表されたリリースでは、「Z世代」を調査対象の20代(18歳~29歳)として分析している。調査対象全体をクラスター分析すると、「1.地域体験交流」「2.地域訪問」「3.話題性重視」「4.効率・欲張り」「5.リピートなじみ」「6.計画」「7.こだわりなし」の7タイプに分類できる。

なかでも、「地域体験交流タイプ」は、Z世代男性で29.6%、女性で15.8%の出現率となり、他の世代よりも多いことが分かった。このタイプは、観光したら終わるといったものではなく、「地域や地元の文化や生活習慣を深く理解し、地域社会とのつながりを築くことに重点が置かれている」点に特徴があるという。

また、「地域体験交流タイプ」は男性が多いのに対して、「効率・欲張りタイプ」は女性が多く、なかでもZ世代の女性は22.6%と最多だった。効率・欲張りタイプの特徴は、効率よくできるだけ多くの場所を回り、新しい場所への好奇心が強いタイプだという。女性のほうが、友人や恋人との旅行比率が高いことも影響しているそうだ。

●宿泊旅行に対する意識 クラスター構成2023(性年代別)

宿泊旅行に対する意識 クラスター構成2023(性年代別)

出典:じゃらんリサーチセンター「じゃらん宿泊旅行調査再分析」より転載

Z世代の「地方への移住」を考える旅は実施フェーズに

じゃらんリサーチセンターによると、Z世代に多い「地域体験交流タイプ」で強く見られる因子が「地域志向性」だという。「地域志向性」と相関の強い6項目(ⅰ地域のためになること、貢献できることを選ぶ、ⅱ将来の移住やライフスタイルの参考になりそうな旅をする、ⅲ地元の人に積極的に話しかけて情報を聞いたり交流する、ⅳ旅行先の風土や生活習慣を体験する、v自ら主体的に参加する・体験する、ⅵ暮らすように旅をする)を可視化すると、次の画像のようになり、Z世代の地域志向性の高さが分かるという。

●Z世代の地域とのかかわりへの意識と実施(男女別)

Z世代の地域とのかかわりへの意識と実施(男女別)

出典:じゃらんリサーチセンター「じゃらん宿泊旅行調査再分析」より転載

また、コロナ禍を経てZ世代で最も変化した項目は、「地域のためになること、貢献できることを選ぶ」で、男女ともに「地域貢献意識」が大きく上昇したという。

ほかにも、「地方移住」はコロナ禍で注目度が一気に高まったキーワードだが、コロナ禍前後を比べると「将来の移住やライフスタイルの参考になりそうな旅をする」ことへの関心が高まり、実施ポイントも増加していることから、関心にとどまらず実施フェーズへの移行の兆しが見られるという。

増加が期待される「地方移住」について、Z世代が関心を持ち、動き出しているとは、なんとも頼もしい限りだ。

Z世代の価値観は、地域で活躍することがかっこいい!?

この分析を担当した同研究員の池内摩耶さんは、分析結果を「とーりまかし別冊 研究年鑑 2024」で詳しくまとめている。そこで池内さんは、「なぜZ世代は『地域とのかかわり』を求めるのか」についても考察している。

「①オンラインやリモートなど学び方、働き方が柔軟になったことで移住含め地域がより身近な存在となったこと。②Z世代の三大都市圏居住率は年々高まり約6割で地域を知る機会に乏しいこと。③地域に居を構え地域活性に向き合う若手への注目など、コロナによって「地域」というものを強く意識する機会が増えたこと。主にこれらの要因が、Z世代が地域とのかかわりを求める動機付けとなり、地域で活躍することへの憧れ・かっこよさのような志向性が表れていると考えられる」という考察だ。

Z世代がこれからの地方移住の核になりそうだ、という結果については頼もしいと思うが、一方で受け入れ側の体制の改善にも期待したい。地方自治体が予算を取って地方移住を呼び込むさまざまな対策を用意しているが、地域特性を生かした魅力的な対策でなければ、「選ばれる地方」にならない。また、受け入れる地元の住民が「よそもの」意識を持っていると、移住は進まない。

人口減少、急激な高齢化が進むなか、移住先としての地方の選別がなされるようになるだろう。こうした課題を解決していかないと、地域志向性の高いZ世代に注目されることが難しいかもしれない。

●関連サイト
じゃらんリサーチセンター「じゃらん宿泊旅行調査を再分析」
じゃらんリサーチセンター「とーりまかし別冊 研究年鑑 2024」

「SUUMO住みたい街ランキング 関西版」明石3位で人気揺るがず。充実した子育てサービス、恵まれた風土で支持集める

「SUUMO住みたい街ランキング 関西版」で、昨年から総合順位3位をキープし、高い支持を得ている自治体が兵庫県「明石市」だ。子育てサービスが充実していることは全国的にも有名だろう。瀬戸内海のおだやかな気候と、自然環境に恵まれた明石での生活に注目だ。

所得制限なし! 子育て支援施策が充実した明石市

兵庫県明石市は「住みたい自治体ランキング」で昨年に続き3位となるとともに、「住みたい街(駅)ランキング」でも明石駅(JR山陽本線)が過去最高の16位にランクイン。こうした人気を集める大きな要因が子育てに関する自治体サービスの充実だ。所得制限のない無償化施策だけでも①子ども医療費の無償化、②第2子以降の保育料の完全無料化③0歳児の見守り訪問「おむつ定期便」、④中学校の給食費無料化、⑤公共施設の入場料無料化の5つの政策が実施されている。他にも、市内の公立幼稚園での給食、高校生世帯への児童手当など、将来を担う子どもたちのための支援が豊富だ。さらに、保育士へ向けての「保育士定着支援金」を実施、採用後7年間で最大160万円の支援金を直接支給することで、毎月の家賃負担をサポートし、保育士が明石に定着するような補助を行っている。
その結果、明石市の人口は2023年地点で30万人を超えており、11年連続で増加している。子育て世代の転入が増えていることからも、施策の効果がうかがえる。
ただ、人気の背景は行政の施策だけではなく、明石市がそもそも持っていた魅力にも大きな要因があるように思える。次章で紹介していこう。

明石市松江の海岸線。子どもたちと遊ぶことができる海がすぐそばにあることも明石市の魅力(写真撮影:井村幸治)

明石市松江の海岸線。子どもたちと遊ぶことができる海がすぐそばにあることも明石市の魅力(写真撮影:井村幸治)

おだやかで過ごしやすい街、明石

兵庫県の南部に立地する明石は、おだやかな気候に恵まれている地域である。関西の人口5万人以上の都市部では降水量は最も少なく、日照時間も長い。さらに、県内で2番目に晴れの日が多く、年間降水量も1000ミリ程度だ。おおよその最高気温が33度から35度、最低気温がマイナス6度から4度で、年間の平均気温は14度から15度、と、一年を通して快適に住むことが可能な気候だ。地形的には平坦な場所が多く、古くから疏水やため池を利用した治水事業も行われている。
また、瀬戸内海の自然環境にも恵まれている。林崎・松江海水浴場、藤江海岸海水浴場、江井ヶ島漁港や住吉公園といったスポットが海岸沿いにならび、子どもたちと一緒に海水浴や水遊びを楽しめる。明石海峡大橋や淡路島を望む景色は何時間でも眺めていられそうだ。
これほど綺麗な海岸に、徒歩や自転車でも遊びにいくことができる街は関西でも少ない。釣りやキャンプ、マリンスポーツを家族で楽しめる街であることも人気の秘密なのだと思う。

明石市松江の松江公園

明石市松江の松江公園

明石市松江の松江公園。海の透明度がとても高い海岸。周辺にはカフェや駐車場、トイレも整備されている(写真撮影:井村幸治)

一方で、瀬戸内海を使った交通の要衝として万葉集の時代からの歴史を持ち、江戸期以降は明石城を中心に城下町として栄えた明石には寺社仏閣や古墳も点在している。日本酒造りの蔵元も多く、見学や直売を楽しむことができる。JR明石駅前の魚の棚商店街(うおんたな)には地魚を安く提供してくれる飲食店もたくさん並んでいる。大人も楽しめる街でもある。

明石市魚住の魚住住吉神社

明石市魚住の魚住住吉神社

明石市魚住の魚住住吉神社。目の前の海岸に向いて社殿が立ち、能舞台もある。公園も併設され子どもたちが遊んでいた(写真撮影:井村幸治)

JR明石駅前の魚の棚商店街(うおんたな)。昼飲みを楽しめる飲食店も多く、週末は行列も(写真撮影:井村幸治)

JR明石駅前の魚の棚商店街(うおんたな)。昼飲みを楽しめる飲食店も多く、週末は行列も(写真撮影:井村幸治)

住んでみてわかる居心地の良さ

明石市は、住んでみることではじめてわかる魅力も多い街だ。JR東海道線と山陽電鉄本線が並行して東西を結び大阪や神戸へのアクセスも良好、JR明石駅から三ノ宮駅までは新快速で約15分、大阪までは新快速で37分だ。西明石駅から山陽新幹線を利用すればビジネスや旅行にも便利だ。
日本の桜100選の明石公園や、大型遊具のある石ケ谷公園など大小合わせて400カ所の以上の公園があり、ふらりと遊ぶことのできる公園が身近にあるのも魅力のひとつ。近年ではため池の跡地を再利用し、「みんなにやさしい」をコンセプトにした「17号池魚住みんな公園」が令和5年4月29日にオープン。子どもから高齢者までのびのび体を動かせる運動公園で、たくさんの親子連れで賑わっている。
明石市では今後、防災拠点ともなる市役所新庁舎の建設や市民病院の再整備、道路整備などのインフラ再構築も検討されている。まだまだ伸びしろのある街といえそうだ。

17号池魚住みんな公園

17号池魚住みんな公園

2023年にオープンした「17号池魚住みんな公園」。遊具や球技場もあり、たくさんの親子連れで賑わっている(写真撮影:井村幸治)

明石公園。さくら名所100選に選ばれており、春先は桜が綺麗だ(画像:PIXTA)

明石公園。さくら名所100選に選ばれており、春先は桜が綺麗だ(画像:PIXTA)

明石市立天文科学館。日本標準時子午線上に立つ、「時と宇宙」をテーマとした博物館で、遠足などで訪れる人も多い(写真撮影:井村幸治)

明石市立天文科学館。日本標準時子午線上に立つ、「時と宇宙」をテーマとした博物館で、遠足などで訪れる人も多い(写真撮影:井村幸治)

子育て施策の充実で知られている明石は、恵まれた風土と地理的要因で、古代から連綿と人々の暮らしが営まれてきた街でもある。瀬戸内海の美しい自然に身近に触れあえる暮らしと、快適な生活利便性も得られることもその人気の背景にある。もともとのポテンシャルを考えると、今後も人気を集めることは間違いなさそうだ。

「SUUMO住みたい街ランキング2024」大宮が吉祥寺を抑え初の2位に! 遊び・買い物環境だけじゃない、教育・交通利便性も大進化していた

リクルートが、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)在住の20歳~49歳の男女9335人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2024」を発表。今回は、”住みたい街といえば”の代名詞的な存在だった吉祥寺をおさえ2位になった埼玉県「大宮」にフォーカスし、街の魅力を探ります。

駅周辺の商業施設に1000以上の店舗が集まる

吉祥寺を抑え、初の2位に輝いた大宮。埼玉県勢としても過去最高順位となりました。特に評価されているポイントは、買い物環境、遊ぶ環境の充実ぶり。「街の魅力(住みたい理由)」として、最も多くのポイントを集めたのも「文化・娯楽施設が充実している(映画館、劇場、美術館、博物館など)」(62.3%)で、以下「ショッピングモールやデパートなどの大規模施設がある」(61.5%)、「街に賑わいがある」(57.8%)と続きます。

大宮駅前

大宮駅前

大宮駅内・駅周辺だけでも「ルミネ1・2」「エキュート大宮」「大宮アルシェ」「そごう大宮店」「高島屋大宮店」「大宮マルイ」「大宮西口DOMショッピングセンター」があるという買い物天国ぶり。さらに、大宮の隣駅、さいたま新都心駅に直結する「コクーンシティ」を含めた8つの商業施設の総店舗数は1000店を超えます。

買い物だけでなく、駅から直径2km圏に「飲食街(南銀座・北銀座)」、「ライブスポット(さいたまスーパーアリーナ)」、「公園(大宮公園・大宮第二公園)」、「神社(氷川神社)」など、さまざまな要素が凝縮。
古着屋ストリートとして知られる「一の宮通り」や、ケヤキ並木が美しい「氷川参道」など、個性豊かな通りも魅力的です。

氷川神社

氷川神社

また、実はサウナ・スパも質量ともに充実していて、「おふろcafé utatane」や「美楽温泉 SPA HERBS」などの人気施設に加え、2023年4月には大宮駅徒歩4分の場所に個室サウナとワーキングスペース、カフェが融合した「ととのい+」もオープンしました。

そして、大宮といえばやはり「東日本の玄関口」と称される、鉄道交通の利便性の高さが光ります。新幹線だけでも6路線が乗り入れ、通勤、通学だけでなく、旅行・出張にも便利なアクセス環境。2024年3月には北陸新幹線の金沢~敦賀駅間が開業し、大宮駅から福井駅や敦賀駅まで乗り換えなしで移動できるようになりました。

「中学生以下の子どもを持つファミリー」に選ばれ続ける大宮

大宮は埼玉県の県庁所在地である「さいたま市」に属していますが、さいたま市の大きな特徴の一つが「ファミリー層から選ばれている」ことです。じつは、さいたま市は0歳~14歳の転入超過数(転入数から転出数を引いた数)が全国最多。2015年から2023年まで9年連続で1位と、14歳以下の人口増加が続いています。これはつまり、「中学生以下の子どもを持つファミリー」が数多く転入していることの現れです。

子育て世帯の増加に伴い、さいたま市も受け入れ対策を講じてきました。まず、高まる保育需要に対応するため、ここ数年は特に保育施設の整備に注力。平成29年(2017年)の304施設から令和5年(2023年)は513施設と、7年間で1.7倍以上に。定員数も1万9388人から3万788人に増加しています。こうした施設の拡充に加え、保育コンシェルジュなどの相談支援にも力を入れた結果、2022年から待機児童数0人を実現しました。

大宮

大宮駅

子育て世帯にとっては、さいたま市の教育環境も魅力。義務教育レベルでは、特に英語教育の充実ぶりで知られています。さいたま市独自の英語教育「グローバル・スタディ」は、全ての市立小・中学校で、9年間一貫したカリキュラムのもと英語を教えるというもの。これにより、中学3年生時点で英検3級相当の学力を有している子どもの割合が全国1位の86.6%に(※文部科学省「令和4年度 英語教育実施状況調査」より)上るなど、目覚ましい成果が生まれています。

中学3年生時点で英検3級相当の学力を持つ生徒は86.6%

中学3年生時点で英検3級相当の学力を持つ生徒は86.6%。全国の政令都市でも突出して高い数字だ

東京から埼玉へ移転する企業が増加中

近年では、さいたま市のビジネス環境にも大きな注目が集まっています。ここ10年間(2013年~2022年)の企業の転入超過数は、神奈川県に次ぐ全国2位。特に、東京都から埼玉県に移転する企業が多く見られます(※帝国データバンク発表「埼玉県・本社移転企業調査」(2013年~2022年)より)。

さいたま市

さいたま市

多くの企業にとって、大宮の交通利便性は大きなメリット。また、さいたまエリア(埼玉県中心部)は東京23区に比べてオフィス賃料も手頃です。
加えて人材採用の面でも、さいたま市には大きな利点が。市による将来推計人口は2035年まで増え続け、2050年時点でも現在と同程度の人口水準を維持できる見通しです。

これらの魅力に加え、近年は大宮駅周辺で再開発が進み、大型のオフィスビルが増加中。駅近に快適なオフィス環境が整備されることで、ますます企業移転が加速すると見込まれます。

駅の近くで進む大型再開発にも期待

大宮駅周辺の再開発は企業のオフィス需要を満たすだけでなく、街にさらなる活気を呼びます。たとえば、駅東口では2022年4月に、市民ホール、集会場、商業施設、クリニック、オフィスなどから成る「大宮門街(おおみやかどまち)」が誕生しました。大宮駅前に新たな人の流れを生み、そのにぎわいを氷川参道へと結ぶ。そんな、駅と街をつなぐ結節点としての役割も担っています。

「大宮門街」。1階から6階にショップやレストラン、4階から9階には「RaiBoC Hall(市民会館おおみや)」が入り、コンサートや演劇、各種イベントなどに幅広く利用される

「大宮門街」。1階から6階にショップやレストラン、4階から9階には「RaiBoC Hall(市民会館おおみや)」が入り、コンサートや演劇、各種イベントなどに幅広く利用される

大宮門街に隣接するエリアでは、新たな再開発事業「大宮駅東口大門町3丁目中地区第一種市街地再開発事業」が、2023年12月に都市計画決定。100mの高層ビルに高規格のオフィス、店舗、銀行、緑溢れるオープンスペースなどを整備する計画で、一帯の風景が大きく変わりそうです。

一方、駅西口では2023年5月に「大宮ソラミチKOZ」、2024年3月27日に「アドグレイス大宮」という民間大型複合ビルが誕生。今後も、ソニックシティビルの北側のエリア約5.6haについて、機運の高まったところから段階的に整備を進めていくまちづくりの方針を定めています。2024年7月にはその第一弾として、住宅、オフィス、店舗から成る「大宮サクラスクエア」が誕生予定。これを皮切りに、これから数年にわたって開発ラッシュが続く発展性や、それに伴う期待感も、大宮に人気が集まる大きな理由の一つといえそうです。

2024年7月に誕生予定「大宮サクラスクエア」

2024年7月に誕生予定「大宮サクラスクエア」

大宮が初めてTOP10入りしたのは2018年。2022年には初めてTOP3に、そして今回は初の2位と、少しずつ着実に順位を上げています。

東京都心部と同等以上の交通・生活利便性がありながら、遊びや文化、自然、ビジネス環境にも恵まれ、なおかつ住宅コストも手頃で、再開発による今後の発展まで見込める大宮。知名度ではなく、住み心地や街の魅力、将来性に対する純粋な評価が、この順位に現れているといえそうです。

●関連サイト
SUUMOリサーチセンター「SUUMO住みたい街ランキング2024 首都圏版」プレスリリース

「SUUMO住みたい街ランキング2024関西版」ビジネス街・本町にファミリー・シングル層ともに急増で店舗も賑わう! なにわ筋線の整備にも期待

「SUUMO住みたい街ランキング2024関西版」では総合13位、得点ジャンプアップしたランキングでは3位に食い込んだのが地下鉄御堂筋線、四つ橋線、中央線の「本町」駅だ。大阪のビジネスの中心地として多くの企業が進出し、オフィス街として捉えられていた本町だが、近年は住みたい街としても注目を集めている。

関西圏で人口増加率が最も高くなっている大阪市中央区

大阪市中央区に立地する本町駅は、地下鉄御堂筋線や四つ橋線で大阪の中心地・キタやミナミとも直結する一方、交差する地下鉄中央線を利用すれば「2025年大阪・関西万博」のアクセスとなる新駅「夢洲」駅とも一本で結ばれるなど、交通アクセスも抜群のエリア。本町駅周辺はオフィスだけでなく文化・娯楽施設や大規模商業施設も充実、御堂筋沿いには高級車やハイブランドのショップが並んでいる。煌びやかで華やかな街といったイメージが強いが、実は別の顔も持っている街だ。
それが「住まう街」としての顔。大阪市中央区は関西2府4県の中で人口増加率、15歳未満の人口増加率がともにナンバー1となっている。小学校の児童数も2011年の2189人から2023年は3854人と急増している。子供を持つファミリー層が急激に増加しているのだ。

中央区の0~14歳の人口

この人口の増加の背景には、本町駅を囲む西区・中央区での住宅供給増加がある。中央区では2019年から2023年の間に約6000戸の新築分譲マンション供給があった。古いオフィスビルなどが建て替えられマンションに生まれ変わっている姿をあちこちでみることができる。住宅供給に伴い人口増も見込めることから、コンパクトなスーパーやベーカリー、ドラッグストアなど毎日の生活に必要な店舗の出店も相次いでいる。
魅力的な企業が存在し働く場としての魅力を持つ街に、住まう場としての選択肢・住宅が提供されることで、若い世代を含めて多くの人たちから注目を集めているのだ。「2024住みたい街ランキング関西版」で本町を選択した人たちの理由としても「仕事のできる施設がある」、「不動産の資産価値が高そう」、「魅力的な働く場や企業がある」といったポイントが上位に挙げられている。

大阪市中央区一戸建て・分譲マンション戸数

子どもの教育環境整備が進められ、市内には公立小中一貫校を新設

人口が増加、特に15歳以下人口が増えている大阪市中心部では、市による子育て支援施策が行われている。中でも、保育所等を利用したくても利用できない待機児童の解消と小学校活性化に着目したい。
以前の大阪市では待機児童の数が多く、平成24年(2012年)地点で抱えている待機児童の数が600人を超えていた。そこで市は、待機児童を含む利用保留児童の解消を最重要施策として位置づけ、待機児童解消特別チームを立ち上げ、さまざまな施策を組み合わせながら待機児童の解消に取り組んできた。例えば、保育所の入所枠拡大や保育の無償化だ。民間のマンションにも保育所を併設した物件が設置されている。現在も「大阪市こども・子育て支援計画(第2期)」が実施中で、医療費の助成や保育料無償化の年齢層の拡大などが進んでいる。
また急増する児童・生徒対策として本町エリアからも近い北区中之島に「中之島小中一貫校」が2024年4月に開校される。北区中之島と堂島の児童は就学可能で、その他の市内エリアからも抽選ではあるが入学が可能。本町エリアである中央区、西区には小中一貫校はまだ存在していないため、今後の計画に期待したい。

中之島小中一貫校

中之島小中一貫校

建設工事が進められている「中之島小中一貫校」(写真撮影:井村幸治)

人口増加にあわせ、商業施設の営業スタイルも変化

本町周辺は商都・大阪の中心地でもあり、明治時代からのレトロビルや商業施設が残るエリアでもある。例えば、船場センタービル、通称「せんびる」は1970年に大阪万国博覧会の開催に合わせて建設された合計10棟が東西におよそ1000m連なる建物で、地下には地下鉄中央線、地上は中央大通り、上空は市道築港深江線と阪神高速道路が通る特殊な施設だ。平成27年(2015年)の改修工事によって外観を一新し、新たな本町のランドマークとなった。「せんびる」は、オフィスやビジネス来訪者をメインのターゲットとしていたため飲食店街は土日祝は営業しない店が多かった。しかし、住民の増加や集客増加によって飲食ニーズが増えたことで2021年から土日祝日も営業する店鋪がほとんどに。本町周辺のオフィス街の飲食店舗でも、週末営業をする店が増えている。

船場センタービル

船場センタービル

高速道路の高架下にある船場センタービルはファッション関係の小売店や卸売店が多数入居している(写真撮影:井村幸治)

御堂筋沿いでは2019年には大丸心斎橋店がリニューアルオープン、2020年には心斎橋PARCOがオープン。ファッションフロアや日本の伝統やものづくりを感じるフロアだけではなく、ポケモンといった日本のポップカルチャーに特化したフロアを設けることで、老若男女を引き込む場所へと進化を遂げた。さらに、日常的に利用するスーパーやアカチャンホンポの大型店もあるなど、子育てや日常生活にも困ることはないだろう。

中央通り沿いにある「アカチャンホンポ」。商店街は飲食店も多数あり日常生活にも便利な街。すぐそばにはタワーマンションも見える。(写真撮影:井村幸治)

中央通り沿いにある「アカチャンホンポ」。商店街は飲食店も多数あり日常生活にも便利な街。すぐそばにはタワーマンションも見える。(写真撮影:井村幸治)

充実した交通インフラ、なにわ筋線の計画にも注目

現在工事が進められている「なにわ筋線」は、うめきた(大阪)地下駅(2023年春に「大阪駅」として開業)と、JR難波駅および南海本線の新今宮駅をつなぐ新たな鉄道路線。関西高速鉄道が鉄道施設を整備・保有し、JR西日本および南海電鉄が鉄道施設を使用して旅客営業する新路線で2031年春の開業が予定されている。本町エリアには地下鉄中央線と連絡する「西本町駅」が新設予定だ。なにわ筋線の整備により、関西国際空港や新大阪駅へのアクセス性の向上、鉄道ネットワークの強化、大阪の南北都市軸の強化などの効果が図られる。
また、先に述べたように、地下鉄中央線は「2025年大阪・関西万博」会場とも直結する。夢洲はその後、統合型リゾート「大阪IR」が計画されているエリアでもある。こうした交通網の充実により、本町エリアへの注目度はさらに増していく可能性が高いだろう。

本町エリアはすでに住みたい街としての魅力を、充分に高めてきている。これからも、交通網の整備、既存建築物の集約や大規模な再開発によってその集客力や注目度はさらに高まる可能性が高い。今後のランキングの結果にも注目したい。

「SUUMO住みたい街ランキング2024」秋葉原が20位も急上昇! 空前のエンタメブームにおしゃれ・個性派店舗の充実で「暮らせる街」大進化

リクルートが、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)在住の20歳~49歳の男女9335人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2024」を発表。今回は、前回から20位と脅威のジャンプアップを果たした「秋葉原」にフォーカスし、街の魅力を探ります。

「働く街」としての評価が上昇

過去最高位の29位にランクインした秋葉原。昨年の49位から20も順位を上げ、昨年から「得点ジャンプアップした街(駅)」のランキングでも2位と飛躍しました。

得点ジャンプアップ(駅)ランキング

性別、年代別、ライフステージ別の内訳では、男性の支持が8割と圧倒的。特に30代男性、シングル男性から多くの支持を集めています。また、前回調査に比べ「子どものいない共働き夫婦」からの得票も増加しました。

「秋葉原」性年代別・ライフステージ別得票シェアの推移

秋葉原といえば、やはり「サブカルチャーの街」というイメージ。しかし、今回の調査で秋葉原を支持した人が挙げた「街の魅力(住みたい理由)」を見てみると、現在のアキバの意外な一面も浮かび上がってきました。

街の魅力の1位は「仕事のできる施設がある(コワーキングスペースやカフェなど)」、2位は「魅力的な働く場や企業がある」と、いずれも秋葉原のビジネス環境が高く評価されていることが分かります。

「秋葉原」街の魅力(住みたい理由)TOP10

秋葉原

秋葉原

一方で、5位「文化・娯楽施設が充実している(映画館、劇場、美術館、博物館など)」、6位「学びや、趣味の施設がある(稽古事・カルチャースクールなど)」など、サブカルの街らしい項目も上位に。また、7位は「周囲の目を気にせず自由な生活ができる」。オタクやインバウンド(訪日客)まで幅広く受け入れる、街の懐の深さがうかがえます。

秋葉原駅徒歩10分圏内にスーパーが充実

仕事、遊び環境の充実ぶりに対し、生活の場としてのイメージは薄い秋葉原ですが、じつは秋葉原駅周辺はたくさんのスーパーがあり、静かな住宅地が点在しています。

たとえば、「肉のハナマサ秋葉原店」(24時間営業)や「ライフ神田和泉町店」(9:30~24:00)、「オリンピック淡路町店」(9:00~21:00)、「ピーコックストア神田妻恋坂店」(8:00~23:00)は、いずれも秋葉原駅から徒歩10分程度。小型食品スーパー「まいばすけっと」も各所に点在しています。

秋葉原駅周辺はたくさんのスーパーがあり、静かな住宅地が点在

秋葉原駅周辺はたくさんのスーパーがあり、静かな住宅地が点在

JR高架下の商業施設「CHABARA」には、“食のテーマパーク”がコンセプトの「しょくひんかん」があり、全国から厳選した約4000のご当地グルメアイテムがそろっています。なお、同じ高架下には、クリエイターのアトリエやギャラリー、ものづくりをテーマにしたショップなど全52店舗からなる「2k540 AKI-OKA ARTISAN」、オーディオ、カメラ、ホビーなどのショップが集まる「SEEKBASE」も。日常使いのお店だけでなく、趣味の世界を探求できる場所、ひとひねり加えた個性豊かなショップが充実しているのもアキバの魅力です。誰もが知る商業施設ではなく、サブカルチャーや職人の街といわれてきたルーツにちなんで独自のコンセプトを打ち出した空間は、ここに来なければ得られない体験ができ、遊びに来る人・働く人・暮らす人をも飽きさせません。

「2k540 AKI-OKA ARTISAN」。高架下にショップ、アトリエ、ギャラリー、飲食施設が並ぶ

「2k540 AKI-OKA ARTISAN」。高架下にショップ、アトリエ、ギャラリー、飲食施設が並ぶ

2023年4月、JR山手線・秋葉原駅の高架下に誕生した「キャンプ練習場」。都心の高架下でテント設営やキャンプ飯など、キャンプの練習体験ができる

2023年4月、JR山手線・秋葉原駅の高架下に誕生した「キャンプ練習場」。都心の高架下でテント設営やキャンプ飯など、キャンプの練習体験ができる

「SEEKBASE AKI-OKA MANUFACTURE」。ここでしか出会えないプロダクトや食の専門店が集結

「SEEKBASE AKI-OKA MANUFACTURE」。ここでしか出会えないプロダクトや食の専門店が集結

アニメ・トレカ、空前のブームにより子どもも楽しめる街に

そして今、秋葉原を熱くしているのが、アニメとトレーディングカード。アニメ産業市場(ユーザーが支払った金額を推定した広義のアニメ市場)は2017年に初めて2兆円を突破し、2022年は2兆9277億円と5年で約1.5倍の市場規模に成長(出典/一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート2023」)。また、「カードゲーム・トレーディングカードゲーム」も2022年の市場規模は前年比32.2%増で2348億9100億円となりました。

一般社団法人日本玩具協会調べ「玩具市場規模調査結果」より

一般社団法人日本玩具協会調べ「玩具市場規模調査結果」より

もともと人気のあった『ポケモンカードゲーム』に加え、『ONE PIECEカードゲーム』など新しいゲームも登場し、秋葉原にはこれらトレカを扱うショップが月に複数軒のペースで開店しています。これらのコンテンツにより、秋葉原は子どもたちにも楽しめる場所に変貌しつつあります。

成人男性のイメージが強かったメイド喫茶にも、子どもに人気のキャラメニューと子ども料金を設け、家族連れで楽しめる場所も誕生。オタク・マニアと呼ばれたアキバは、尖りつつも裾野を広げ、さまざまな人を受け入れる街に変貌していく過程といえるかもしれません。

駅前にはオフィスビルも増え、「働く街」としてのイメージも定着しつつある

駅前にはオフィスビルも増え、「働く街」としてのイメージも定着しつつある

「mAAch ecute 神田万世橋」。ショップ、カフェ、アート空間が並ぶ

「mAAch ecute 神田万世橋」。ショップ、カフェ、アート空間が並ぶ

秋葉原という街は戦後の闇市からはじまり、電気街、サブカルの発信地と、変化を繰り返しつつ発展を遂げてきました。そして、改めて今の街を見つめてみると、驚くほど多彩な顔を持っていることに気付かされます。次々と新しい魅力を備え、アップデートされ続ける。そんな秋葉原の、これからにも注目です。

●関連サイト
SUUMOリサーチセンター「SUUMO住みたい街ランキング2024 首都圏版」プレスリリース

「SUUMO住みたい街ランキング2024関西版」尼崎が穴場な街から人気の街に!再開発から10年余り子育て世帯の流入、支援も豊富に

兵庫県の南東部に位置し、大阪府と接している尼崎市。「SUUMO住みたい街ランキング2024関西版」では自治体ランキングの総合順位で過去最高の19位にランクイン。特にシングル男性では8位、夫婦のみ世帯では16位と若い世代からの人気が高まっている。その要因を探ってみよう。

大阪駅まで最短で6分、非常に便利な交通アクセスが魅力

通称「あま」、電話番号の市外局番は「06」と大阪市と同じで、他地域の人からは「大阪じゃないの?」といわれる尼崎市であるが、れっきとした兵庫県の街。市内は東西に、北から阪急神戸線、JR東海道線、阪神本線の3線が並行して通っている。JR尼崎駅から大阪駅までは一駅6分(新快速)、阪神尼崎駅から大阪梅田駅も一駅7分(直通特急)と大阪とは至近。JR尼崎駅からは東西線を利用すれば北新地や京橋へも直通、阪神尼崎駅から阪神なんば線を利用すれば大阪難波や奈良方面までも直通と、非常に便利な交通アクセスをもつ街でもある。
2023年のプロ野球日本シリーズでは阪神とオリックスが対決し、それぞれの本拠地「阪神甲子園球場」と「京セラドーム大阪」を阪神なんば線が結ぶことから「なんば線シリーズ」とも呼ばれた。尼崎市はその中間に位置しており、市内各地でも非常に盛り上がった。「2024住みたい自治体ランキング」でも尼崎の魅力として「いろいろな場所に電車・バスで移動しやすい」という項目が2位に挙げられているが、通勤・通学やショッピングはもちろん、エンターテインメントや余暇を楽しむためも便利な街であることが評価されているのかもしれない。
また、尼崎は市内全体が平坦で道路網も整備されたコンパクトシティという特徴をもち、自転車の利用にも適している。市も事故防止のルール指導、駐輪場整備、自転車道の整備、盗難防止対策などを実施。積極的に自転車を安全・安心・快適に利用できるまちづくりを進めている。さらに、3路線をタテに結ぶように路線バスが尼崎全体をカバーしているため、南北の交通アクセスも良好だ。

JR尼崎駅は東西線と宝塚線が分岐する交通の要所(写真/PIXTA)

JR尼崎駅は東西線と宝塚線が分岐する交通の要所(写真/PIXTA)

駅周辺の再開発が起爆剤となり、住宅供給も活発に

「2024住みたい街ランキング」では、尼崎市の一番の魅力として挙げられているのが「コストパフォーマンスがよく便利なお店や飲食店がある」というポイント。また同ランキングで発表している、交通利便性や生活利便性が高いのに家賃や物件価格が割安なイメージがある駅を選ぶ「穴場だと思う街(駅)ランキング」でも、上位10位までの中に尼崎市にある駅が3駅(4位/阪神本線尼崎駅、7位/JR東海道本線尼崎駅、10位/阪急神戸線塚口駅)もランクインしている。古くからの商店街が残り、人情味溢れるやりとりが楽しめる街である一方、再開発により尼崎市内の主要駅の周辺エリアが整備されていることがこれらの評価に寄与しているといえるだろう。
たとえば、キリンビール尼崎工場の跡地があったJR尼崎駅周辺には、百貨店やあまがさきキューズモールが入る複合施設が整備されており、駅とはペデストリアンデッキで直接繋がっていることもあり非常に便利だ。駅の周辺では高層マンションを中心とした住宅が立ち並び若い子育て世帯の流入につながっている。

JR尼崎駅前、再開発により誕生した複合商業施設。周辺には医療施設なども整備されている(写真撮影:井村幸治)

JR尼崎駅前、再開発により誕生した複合商業施設。周辺には医療施設なども整備されている(写真撮影:井村幸治)

JR尼崎駅の周辺では分譲マンションも立ち並んでいる(写真撮影:井村幸治)

JR尼崎駅の周辺では分譲マンションも立ち並んでいる(写真撮影:井村幸治)

また市内ではJR塚口駅の駅前で工場敷地の再開発により、都市型のコンパクトシティ「ZUTTOCITY」が整備され、マンションと一戸建てあわせて1200戸以上の住宅と商業施設のほか、道路や公園が誕生している。今後の予定では、阪急神戸線の武庫之荘駅と西宮北口駅間に新駅(武庫川新駅(仮称))設置の計画もある。
こうした駅を核とした再開発が進むことで、市内だけでなく広域からの注目を集めるようになっている。その結果、尼崎市内での住宅は一戸建て・マンションとも安定した供給が続いている。既存ストックを地域の資源として活かし、守り、育てることで都市空間の質の向上を図り、持続可能な都市をめざすという市の都市計画が反映されたまちづくりが行われているといえるだろう。

尼崎市の新築一戸建ての着工数および新築分譲マンションの供給戸数の推移

ファミリー世帯も注目、安全で過ごしやすい街へ

「尼崎は便利だけど、治安はどうなの?」と思う方もいるだろう。尼崎市では治安の悪いイメージを払拭するための取り組みも積極的に行っている。たとえば、街頭犯罪防止の取り組みとして、ひったくり現場表示板の掲示、「青パト」を使った防犯パトロールの強化、警報器付きロック装置を付けたダミー自転車を活用する盗難対策「Alar-mmy.(アラーミー)」などの施策だ。結果、刑法犯認知件数は、取り組み前の平成24年(2012年)と比べ、9年間で約63%減少している。令和5年度(2023年度)には市内にあった暴力団事務所もゼロになり、安心して暮らすことができる街へと生まれ変わっている。
子ども向けの施設の開発も進んでおり、2022年には関西初のキッズパーク「モーヴィあまがさき」がオープンした。ボートレース尼崎の一部を活用した親子の遊び場で、発達段階に応じて分けられたゾーンで思い切り身体を動かすことができる場所だ。ボーネルンド社や行政が協働し子ども向けのスペースやイベントを開催しており、なかなか予約が取れないほどの人気となっている。

ボートレース尼崎に隣接する水明公園では思い思いに遊ぶ親子連れの姿も(写真撮影:井村幸治)

ボートレース尼崎に隣接する水明公園では思い思いに遊ぶ親子連れの姿も(写真撮影:井村幸治)

また、2025年3月には阪神大物駅に近接する小田南公園の整備によって、阪神タイガースのファーム施設を中心とした「ゼロカーボンベースボールパーク」が誕生する予定。ベースボールファンだけでなく、家族で楽しめる憩いの場としても注目を浴びそうだ。

豊富な種類の子育て支援、安心して暮らすことのできる環境

その他にも、尼崎市では子育てを世代に向けたさまざまな施策も実施している。たとえば乳幼児等医療費助成制度により、就学前の児童は通院費の自己負担が不要となる。さらに、高校生までは入院費の自己負担も不要だ。また妊娠、出産、育児に関する不安や困りごとなど、すべての妊婦や子育て世帯に寄り添い必要な支援につなぐ「伴走型相談支援」と、出産育児関連用品の購入や子育てサービス等の負担軽減を図る「経済的支援(出産・子育て応援給付金)」を一体的に実施している。他にも市内には「すこやかプラザ」「つどいの広場」が設置されており、子育て中の親子が気軽に集まって仲良く遊んだり、お母さんやお父さんが情報交換や交流を行うことのできる場を提供。アドバイザーによる子育て相談や、子育てに関する講習・イベントも開催されている。

街全体としては高齢化が進んでいるものの、駅周辺の再開発が進みマンション供給も増加したことから若い世代も増えている尼崎。高い利便性とコストパフォーマンスの良さは今後も評価されていくだろう。治安や子育てに対する取り組みも充実してきており、さらに注目度はアップしていく可能性が高い。

東京の私大新入生の仕送り額、平均額は低水準でも住居費は増加。家賃は8割近く!?

東京私大教連が公表した「2023年度 私立大学新入生の家計負担調査」によると、私大生への仕送りの額は低水準にとどまっている一方で、家賃などの住居費の負担は増えているという。入学にかかる費用も上がりつつあるというので、調査結果を詳しく見ていくことにしよう。

【今週の住活トピック】
「2023年度 私立大学新入生の家計負担調査」を公表/東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)

「受験から入学までの費用」は過去最高を更新

東京私大教連の調査の対象は、首都圏(1都3県)の私立大学・短期大学13校に2023年度に入学した新入生の家庭。受験から入学までの費用は、自宅通学者が162万3181円(前年度比で1万901円増額)、自宅外通学者が230万2181円(前年度比で4万6801円増額)となり、いずれも過去最高額となった。

特に自宅外通学者では、物価高による「生活用品費」の支出増が大きく、「家賃」や「敷金・礼金」の住居費も上昇している。一方、「受験費用」は1万1500円減額となり、受験校数を減らすなどで費用を抑えていることがうかがえる。

■受験から入学までの費用(住居別)

受験から入学までの費用(住居別)

(出典:東京私大教連「2023年度 私立大学新入生の家計負担調査」より転載)

仕送りの平均月額は8万9300円、家賃の平均月額は6万9700円

自宅外通学の場合、「仕送り額」の平均月額は8万9300円。最近はおおむね横ばいで推移している。(5月は入学直後の新生活や教材の準備で費用がかさむため、6月以降の仕送り額で平均を算出している。)

ところが、「家賃」は上がり続けている。平均月額は6万9700円で、前年より2400円増え、過去最高となった。その結果、年々「仕送り額」と「家賃」の差が縮まり、仕送り額から生活費に充てられる金額が減少する形となっている。平均月額の差額は1万9600円なので、30日で割ると約653円となり、おおむね1日653円で生活することになる。なかなか厳しい状況だ。

■「6月以降の仕送り額(月平均)と「毎月の家賃」の推移 ~月平均の仕送り額は8万9300円

「6月以降の仕送り額(月平均)と「毎月の家賃」の推移 ~月平均の仕送り額は8万9300円

(出典:東京私大教連「2023年度 私立大学新入生の家計負担調査」より転載)

さらに、仕送り額の平均月額に占める家賃の平均月額の割合を見ると、実に78.1%を占め、過去最高の比率になった。

■「6月以降の仕送り額(月平均)に占める「家賃の割合」の推移 ~仕送り額に占める家賃の割合は8割に迫る

「6月以降の仕送り額(月平均)に占める「家賃の割合」の推移 ~仕送り額に占める家賃の割合は8割に迫る

(出典:東京私大教連「2023年度 私立大学新入生の家計負担調査」より転載)

筆者はこのコーナーで、2016年にも同じ調査結果を取り上げた(「首都圏の私大生の平均家賃は6万1200円、どんな物件がある?」)が、2015年度の調査結果(70.6%)について書いていたので、「仕送り額に占める割合は初めて7割を超えることとなった。」としている。それからさらに上昇して、2023年度には8割近くにまで達しているのだ。

では、家賃の平均月額6万9700円で東京の賃貸を探すことを考えてみよう。SUUMOで東京都の家賃相場情報を見てみる(2024年4月10日更新情報)と、ワンルームなら23区内でも家賃相場が7万円を切る区があることがわかった。中野区、杉並区、北区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区だ。このほかの区でも、築年数が古かったり駅から距離があったりする物件なら、7万円を切る家賃のものが見つかるかもしれない。1K/1DKの広さで家賃相場が7万円を切るとなると、23区にはなかったが、立川市、武蔵野市、三鷹市、調布市を除いた東京都下の地域が該当した。

都心部から少し離れれば、希望の家賃や広さの賃貸が探せる状況ではあるようだ。ただし、セキュリティーがしっかりしているとか、宅配ボックスが欲しいなどの条件をつけていくと家賃は上がっていく。物件探しには、優先順位をしっかりつける必要があるだろう。

●関連サイト
東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)「2023年度 私立大学新入生の家計負担調査」

「SUUMO住みたい街ランキング2024」練馬が注目度急上昇! レトロ飲食店街、巨大公園、人気エンタメ施設、温浴施設など、一日遊べるリゾートみたいな街だった!

リクルートが、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)在住の20歳~49歳の男女9335人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2024」を発表。今回は、世界的人気のエンタメ施設が誕生し、注目度が急上昇している「練馬」にフォーカスし、街の魅力を探ります。

「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 メイキング・オブ・ハリー・ポッター」がオープン

前回の63位から過去最高位の48位にランクアップした西武池袋線・都営大江戸線の練馬駅。昨年から「得点がジャンプアップした駅」のランキングでは5位、「穴場な街」ランキングでは4位と、街に対する注目が高まっていることがうかがえます。
性別・年代別・ライフステージ別の内訳では、前年に比べ「男性20代」「女性40代」「シングル世帯」からの支持が伸びました。

「SUUMO住みたい街ランキング2024」練馬が注目度急上昇! レトロ飲食店街、巨大公園、人気エンタメ施設、温浴施設など、一日遊べるリゾートみたいな街だった!

練馬

練馬に関心が寄せられている要因として、まず挙げられるのは「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 メイキング・オブ・ハリー・ポッター」の存在。2023年6月16日、アジア初の「ハリー・ポッター」スタジオツアーとして「としまえん」の跡地にオープンしました。ちなみに、ロンドンのスタジオツアーは、オープンから10年以上が経った現在でも予約が困難という人気施設です。

スタジオツアー東京では、ホグワーツ魔法魔術学校の象徴的な大広間、ダイアゴン横丁、禁じられた森といった物語の世界を体感できるほか、魔法動物に遭遇したり、豪華な衣装を鑑賞できます。

地域の人々や国内の観光客のほか、訪日外国人からの関心も高く、国内最大級のインバウンド総合メディア「訪日ラボ」を運営する株式会社movが発表した「インバウンド人気観光地ランキング」では、東京ディズニーランドなどを抑え2位に。街に新たな人の流れを呼び込む起爆剤になっています。

練馬城址公園

練馬城址公園

また、2023年5月には、同じ「としまえん」の跡地を中心に「練馬城址公園」も一部開園。園内の中心を流れる石神井川沿いの「川辺の散策ゾーン」、四季折々の花が咲き、イベントが開催される「花のふれあいゾーン」、「エントランス交流ゾーン」などが整備されています。今後も段階的に整備され、全面開園は2029年を予定。交流・憩いのスペースとしての魅力はもちろん、広域防災拠点としても、地域住民にとっては頼もしい存在です。

周辺には、「豊島園 庭の湯」や「ユナイテッド・シネマ としまえん」などの人気スポットもあり、一帯は1日過ごせるリゾートエリアに進化中です。

「豊島園 庭の湯」。1200坪の日本庭園を擁する都内最大級のスパ施設。天然温泉、バーデプール、サウナ、食事処などがあり、1日中楽しめる

「豊島園 庭の湯」。1200坪の日本庭園を擁する都内最大級のスパ施設。天然温泉、バーデプール、サウナ、食事処などがあり、1日中楽しめる

緑豊かな環境と気軽に農業を体験できる環境

練馬区の大きな特色の一つに挙げられるのが、緑豊かな環境です。区域に占める樹木などの割合を示す緑被率は23区でも上位で、区立公園などの面積も年々増加。2014年から2022年までの9年間で、10haも広がっています。

また、東京23区でありながら農地が多いことでも知られています。区民農園など農業を体験できる施設も増加中で、2022年の段階で87施設に。2023年には種まきから収穫まで体験できる「高松みらいのはたけ」も開設されるなど、区民が農業に親しむための取り組みに力を入れています。

「高松みらいのはたけ」

「高松みらいのはたけ」

一方で、練馬駅南口には「練馬三角地帯」と呼ばれる飲食店街も。安くて美味しい飲食店が密集しています。人気居酒屋の「春田屋」や、町中華の「小姑娘」など、昼飲みでにぎわうお店も多数あり、レトロな下町的な雰囲気とともにさまざまな世代に愛されています。

練馬三角地帯

練馬三角地帯

手厚い子育て施策も魅力

子育て環境に目を向けると、練馬区では直近9年間で保育定員数を8500人拡大。2021年から3年連続で待機児童ゼロを達成しています。2016年には全国初となる区独自の幼保一元化施設「練馬こども園」を創設。現在24園で実施し、定員は1869人(令和5年4月1日時点)。「3歳からは預かり保育のある幼稚園に通わせたい」という保護者のニーズに対応し、共働き家庭などからも利用されています。

同じく2016年には、小学校の放課後に児童が図書室などで読書や自主学習ができる「ひろば事業」と学童運営を一体化した「ねりっこクラブ」もスタート。年々、実施校数と定員枠を増やし、2023年時点で区内の全65校中52校で実施。定員枠は7012人に達するなど、小学生の居場所をしっかりと用意しています。

他にも、新宿から10km圏の駅のなかでは家賃が2番目に安い穴場感、2040年まで人口の増加が見込まれている将来性の高さなど、ポジティブな指標も多い練馬。もともとの住み心地の良さに加え、休日を過ごす街としての魅力が強化されたことで、ますます人気が高まっていくことは間違いなさそうです。

シングル向け家賃、カップル・ファミリー向け家賃

【調査対象物件】駅徒歩15分以内
シングル:築年数35年以内の10平米以上~40平米未満(1R,1K,1DK)の物件(定期借家を除く) ファミリー:築年数35年以内の50平米以上~80平米未満の物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2023/8/1~2023/10/31
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(マンション/アパート)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出

●関連サイト
SUUMOリサーチセンター「SUUMO住みたい街ランキング2024 首都圏版」プレスリリース

「SUUMO住みたい街ランキング2024 関西版」3年連続1位の梅田、ビジネスの中心地から”暮らす街”に! タワマン供給で街が広がる

「SUUMO住みたい街ランキング2024 関西版」で、3年連続で総合1位を獲得している駅が、「梅田(※)」駅だ。大阪のビジネスの中心地として多くの企業が進出し、複数の商業施設が立ち並び賑わいを見せている梅田周辺だが、近年は再開発により住宅供給も増加。都心に住むことに対する関心が高まっている。

※「SUUMO住みたい街ランキング2024 関西版」では、地下通路や連絡通路で接続している駅は同駅として集計しており、梅田駅には、大阪駅、大阪梅田駅、東梅田駅、西梅田駅、北新地駅の得点も含む

拡大する「うめだ」。遊ぶ・働くだけでなく住む場所としても進化

大阪市北区にある梅田駅を中心とする「キタ」は、関西随一の繁華街だ。JR大阪駅をはじめ、阪急、阪神、大阪メトロといった複数路線が乗り入れているターミナル駅でもあり、ビジネスマンや観光客、買い物客で賑わっている。ビジネス・商業の街としてのイメージが先行する梅田だが、近年の開発で住宅供給が増えており、資産価値としての面が注目されつつある。直近10年間でも広い意味で梅田エリアとされる大阪市北区・福島区で約1万5000戸の分譲マンションが供給されている。

高層ビルが立ち並ぶ大阪駅の周辺(撮影:井村幸治)

高層ビルが立ち並ぶ大阪駅の周辺(撮影:井村幸治)

現在、うめきた2期地区開発事業の要である「グラングリーン大阪」は、オフィス、ホテル、中核機能、商業施設、都市公園、住宅が揃う複合的な場所として工事が進められている。一部は住宅として供給される予定で、分譲マンション「グラングリーン大阪THE NORTH RESIDENCE」は最高価格25億円の住戸が誕生することで話題となった。
実際、大阪市北区の人口はここ数年で特に増加しており、今後も増加が見込まれる。「住みたい街ランキング2024」で梅田を選択した人たちの理由としても「仕事のできる施設がある」、「不動産の資産価値が高そう」、「今後、街が発展しそう」といったポイントが上位に挙げられている。仕事や買い物をする場としてのイメージが強かったが、他の人気上位の駅に比べ若い世代を中心に注目を集めており、都心に住まうことの現実味が増していると考えられる。

グラングリーン大阪の工事現場。話題の分譲マンションも姿を見せ始めている。左側のタワーマンションはグランフロント大阪の街区(撮影:井村幸治)

グラングリーン大阪の工事現場。話題の分譲マンションも姿を見せ始めている。左側のタワーマンションはグランフロント大阪の街区(撮影:井村幸治)

グラングリーン大阪の工事現場。オフィスやホテルが入居する複合ビル工事が進められている。正面奧のタワーマンション群は福島区に位置する(撮影:井村幸治)

グラングリーン大阪の工事現場。オフィスやホテルが入居する複合ビル工事が進められている。正面奧のタワーマンション群は福島区に位置する(撮影:井村幸治)

「SUUMO住みたい街ランキング2024関西版」梅田が西宮北口と大差で3年連続1位に! 本町、尼崎も躍進

充実した子育て環境、公立小中一貫校も4月に開校

人口増加とともに、ファミリー世帯も増加しているため、大阪市は子育て環境の改革に積極的に取り組んでいる。中でも、待機児童の解消に向けた取り組みに注目だ。大阪市では待機児童数も多く、平成24年時点では600人を超えていた。そこで市は、さまざまな施策を組み合わせながら待機児童の解消に取り組んできた。保育所の入所枠拡大を行う中で、大規模な民間マンションにも保育所の整備が進められている。他にも、子育て世帯の経済的負担を軽減するとともに、子どもたちの学力や学習意欲、個性や才能を伸ばす機会を提供するため、市内在住の小学5年生から中学3年生の約5割を対象として学校外教育にかかる費用を助成する事業などが実施されている。
さらに、「大阪市立中之島小中一貫校」が2024年4月に新たに開校される。景観と調和したデザインの外観で、グラウンドやプール、体育館などを含む学校機能をコンパクトにまとめた校舎となっている。通学対象となるのは梅田に近接する堂島と中之島エリアだが、市内からは入学応募が可能だ(応募多数の場合は抽選となる)。

大阪市立中之島小中一貫校の校舎(撮影:井村幸治)

大阪市立中之島小中一貫校の校舎(撮影:井村幸治)

開発が進む商業施設と、街並みの変貌への期待感が高まる

梅田周辺は、従来からオフィスと商業施設が集約された街であったが、近年は再開発やリニューアルが進められており街並みは変化し続けている。うめきたの開発はその最たる例だ。2023年には、大阪駅うめきた新駅(うめきたエリア)として地下ホームが開業。約91,000平米の敷地全体のうち約半分の約45,000平米が公園という緑豊かな空間であるグラングリーン大阪は、うめきた公園を中心にビジネスから観光まで幅広いニーズを担う南街区、イノベーティブなライフデザインを実現する北街区と、3つのエリアに分かれている。

グランフロント大阪は大阪の顔として、すっかりおなじみになった(撮影:井村幸治)

グランフロント大阪は大阪の顔として、すっかりおなじみになった(撮影:井村幸治)

うめきたの先行開発区域であるグランフロント大阪は2013年のまちびらき以来、梅田の新たな顔として多くの市民に親しまれている。周辺にはルクア、大丸、阪急、阪神など百貨店や若者向けの商業施設が揃い、2022年に阪神百貨店が全面リニューアルした。さらに、JR線路をはさんでグラングリーン大阪の南側にある郵便局の再開発JPタワー大阪は2024年3月竣工、7月に開業予定で、KITTE大阪として飲食店や商業施設も多数誘致される予定だ。若年層はもちろん多世代を惹き付ける集客力はさらに高まっていきそうだ。

KITTE大阪

KITTE大阪

KITTE大阪は2024年7月に開業予定で主要テナントの顔ぶれも発表されている(撮影:井村幸治)

梅田エリアは、従来のイメージとして確立されていた、働く場・遊ぶ場としてのイメージに加え、大規模なマンションの開発により、住まう場としてのイメージを獲得しつつある。グラングリーン大阪が開業すれば街なかに森のある新しい街が誕生することになる。今後の発展からも目を離せないだろう。

「SUUMO住みたい街ランキング2024」で北千住の注目度がアップ! 「穴場の街」7年連続1位から人気タウンへ、背景に大学連携の取り組み

リクルートが、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)在住の20歳~49歳の男女9335人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2024」を発表。今回は、7年連続で「穴場の街」1位に君臨し、今回は総合順位アップも果たした「北千住」にフォーカスし、人気の秘密を探ります。

「穴場の街」7年連続トップ

「穴場な街」ランキング7年連続1位の北千住。「住みたい街」の総合順位も昨年の28位から23位に上昇しました。特に、「20代(18位)」「シングル男性(15位)」「夫婦のみ世帯(15位)」から多くの支持を集め、前回調査に比べて「共働き夫婦世帯」「夫婦+子ども世帯」の得票も増えるなど、幅広い層から推されていることが分かります。

北千住駅前

北千住が穴場たる所以は、交通利便性、生活利便性が高いわりに住宅コストを抑えられる点。たとえば、築40年未満のファミリー向け中古マンションの価格相場は4980万円。東京駅から15km圏内の駅では圧倒的に手頃で、住みたい街ランキング上位30位までのなかでは断トツの安さです。

中古マンション 築40年未満の カップル・ファミリー向けの価格相場ランキング

【調査対象物件】駅徒歩15分以内、築40年未満の40平米以上、80平米未満の物件(敷地権利は所有権のみ)
【データ抽出期間】2023年8月1日~10月31日
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンションの物件価格(3億円以下)の中央値を算出

一方、賃貸物件もシングル向けの家賃相場が7万8000円、カップル・ファミリー向けは14万7000円で、こちらも住みたい街ランキング上位50位までで東京駅まで10km圏内で比較してみると、かなり割安です。

住みたい街50位以内かつ 東京駅から10km圏内の駅の家賃

【調査対象物件】 駅徒歩 15 分以内 シングル :築年数35年以内の10 平米以上~40 平米未満(1R,1K,1DK)の物件(定期借家を除く) ファミリー:築年数35年以内の50 平米以上~80 平米未満の物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】 2023/8/1~2023/10/31
【家賃の算出方法】上記期間で SUUMO に掲載された賃貸物件(マンション/アパート)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出

また、商店街には激安の惣菜店、駅前の飲み屋横丁には、いわゆる「せんべろ」の居酒屋が点在しているほか、駅周辺には日常使いのスーパーも多いなど、あまりお金をかけずに生活できる環境は大きな魅力です。

駅前の飲み屋横丁

12年間で5つの大学が開校

北千住の街が大きく変わるきっかけになったのが、大学の誘致。足立区では2000年に放送大学が綾瀬から北千住にある「学びピア21」へ移転したのを皮切りに、2006年に「東京藝術大学」の千住キャンパス、2007年に「東京未来大学」、2010年に「帝京科学大学」、2012年に「東京電機大学」と12年間で5つの大学が誕生。現在では、北千住駅周辺で合計1万5000人(※)の学生が通っています。

※谷塚駅が最寄りの文教大学東京あだちキャンパス 学生約2000名を加えると足立区では約1万7000人

実は、現在の東京電機大学がある場所はもともとマンションの建設が検討されていたといいます。しかし、一過性でない人の流入を目指し、計画を変更して大学の誘致へと舵を切りました。その結果、駅周辺には大学生を中心に常に若者たちの活気が生まれ、そこから少し離れた川沿いの自然豊かな環境に住宅が整備されるという、バランスの良いまちづくりがなされています。

大学のチカラを街のチカラに

特筆すべきは、大学を誘致して終わりではなく、大学と区が積極的に連携し街の活性化につなげている点。足立区役所のシティプロモーション課では、大学側との窓口になる担当者を複数配置し、6つの大学全てと連携事業を実施しています。たとえば、大学構内で小・中学生向け講座を実施したり、大学生と未就学児、小中学生がコミュニケーションをとれる機会をつくることで、子どもたちの大学や研究への関心を高めたり。他にも、街の人が参加できる大人向けの講座を開いたり、芸大コンサートに地域の人を招待したり、帝京科学大学で高齢者向けの認知症に関する講座を実施したりと、全ての年代にフィットする講座を用意。2023年は153の連携授業を実施しています。

また、東京藝大と足立区、NPOによる「昔まち千住の縁」は、十数年前から続く街中アートプロジェクト。”音”をテーマとした多種多様なプログラムを展開していて、これをきっかけに複数のアートスポットが区内に誕生。「千住=アートの街」をイメージづけると同時に、アーティストと学生、住民同士の交流につながるなど、さまざまな波及効果が生まれています。

【せんつく】……「つくる」と「学ぶ」がテーマの交流拠点。建築家の青木公隆さんを中心に2つの空き家をリノベーションし、飲食店やパン教室、整体、学習塾などが活動するほか、イベントやハンドメイドなどのワークショップも行われている

【せんつく】……「つくる」と「学ぶ」がテーマの交流拠点。建築家の青木公隆さんを中心に2つの空き家をリノベーションし、飲食店やパン教室、整体、学習塾などが活動するほか、イベントやハンドメイドなどのワークショップも行われている

【仲町の家】……千住大橋の建設に尽力した石出掃部介吉胤(いしでかもんのすけよしたね)の子孫が守ってきた日本家屋と庭を活かした文化サロン。展覧会や音楽イベントなどが行われる

【仲町の家】……千住大橋の建設に尽力した石出掃部介吉胤(いしでかもんのすけよしたね)の子孫が守ってきた日本家屋と庭を活かした文化サロン。展覧会や音楽イベントなどが行われる

10年以上におよぶ「教育」への取り組み

ここ10年あまり、足立区が特に力を注いできたのが「教育」への取り組み。全国でも珍しい「学力定着推進課」を設置し、「誰一人取り残さない」をキーワードに子どもたちの学習を手厚くサポートしてきました。個々の学力に合わせたフォローはもちろん、成績上位でありながら家庭の事情等で塾に行けない中学3年生を対象に民間教育事業者を活用した「足立はばたき塾」を開校するなど、子どもが学ぶ機会を失わないための取り組みに注力しています。

その際たるものが、2023年度からスタートした「返さなくていい奨学金」。成績優秀でも家計的に進学が難しい子どもに対し、大学等に在学する期間(正規の修業年限)について、返済不要の奨学金を給付するというものです(40人まで)。他にも、中学1年生を対象にした勉強合宿、放課後や夏休み期間を利用し前年度のつまずきを解消する個別補習なども。

これら、区独自の学力向上支援策は着実に実を結びつつあります。2023年の「学習定着度調査(※前学年における学習内容の定着状況を把握するための調査)」では、中1、中2の英語と中3の数学を除く、ほとんどの学年・科目で全国平均を上回りました。

荒川・隅田川沿い

もともとの住みやすさ、荒川・隅田川沿いの環境の良さに加え、十数年にわたる区の取り組みが実り始めたことで、じわじわと人気が高まってきた北千住。今回の「住みたい街」の総合順位でも23位と、TOP20以内をうかがう位置にまできています。もはや「穴場の街」ではなく、その魅力が多くの人に認知されつつあることの証といえるかもしれません。

●関連サイト
SUUMOリサーチセンター「SUUMO住みたい街ランキング2024 首都圏版」プレスリリース

「『住みたい街ランキング』2024、東京勢弱体!」「空き家再生で駅前ににぎわいを 山口県・上原不動産」【2月人気記事まとめ】

春分の日も過ぎ、春が近づいてきた今日このごろ。SUUMOジャーナルで2月に公開した記事では、「『住みたい街ランキング』2024、東京勢弱体!? 1位、2位は東京外、吉祥寺はまさかの3位に退く」「『下関って何にもない、ダサい』我が子のひと言に奮起。空き家再生で駅前ににぎわいを 山口県・上原不動産」などが人気TOP10に入りました。さっそく、どんな記事なのかご紹介していきましょう。

2月の人気記事ランキングTOP10はこちら!

第1位:「住みたい街ランキング」2024、東京勢弱体!? 1位、2位は東京外、吉祥寺はまさかの3位に退く

第2位:「下関って何にもない、ダサい」我が子のひと言に奮起。空き家再生で駅前ににぎわいを 山口県・上原不動産

第3位:最高水準の省エネ住宅をDIY! 光熱費4分の1以下、ZEH水準超えの断熱等級6の住みごこちを聞いてみた

第4位:台湾のまちづくりから日本は何を学べるか。都市計画のキーワードは「夜市」「流動」? 三文字昌也さんインタビュー

第5位:人口減エリアの図書館なのに県外からのファンも。既成概念くつがえす「小さな街のような空間」の工夫がすごすぎた! 静岡県牧之原市

第6位:【早稲田大学】一人暮らし賃貸の家賃相場ランキング2024年! 早稲田キャンパス周辺のクチコミ&オススメ情報

第7位:築40年超も2000万円リノベで耐震等級3相当・断熱等級6以上と国内最高レベルにできた! 実家も新築並に性能向上

第8位:あの選手村跡地のHARUMI FLAGにシェアハウス登場!共用施設の充実ぶりに驚き!?見学会へ潜入

第9位:2023年の一戸建て市場を総括。新築の一戸建ての価格は上昇するも面積は縮小気味?

第10位:2023年のマンション市場を総括。新築・中古マンションの価格推移と供給戸数を徹底解説!
※対象記事とランキング集計:2024年2月1~29日に公開された記事のうち、PV数の多い順

2月の人気記事ランキングTOP10はこちら!

第1位:「住みたい街ランキング」2024、東京勢弱体!? 1位、2位は東京外、吉祥寺はまさかの3位に退く

「住みたい街ランキング」2024、東京勢弱体!? 1位、2位は東京外、吉祥寺はまさかの3位に退く

(写真/PIXTA)

リクルートが、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)在住の20歳~49歳の男女9335人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2024」を発表しました。ランキング上位は常連が顔をそろえるなか、なんと今回、1位と2位には東京都以外の街がランクイン! さらに、例年人気の街、吉祥寺が3位に。ランキングがアップした街を中心に、その背景を探ってみました。

第2位:「下関って何にもない、ダサい」我が子のひと言に奮起。空き家再生で駅前ににぎわいを 山口県・上原不動産

「不動産屋が動けば街が変わる」空き家再生で下関駅前に賑わいを。空き家再生事業ARCHの活動

(画像提供/ARCH)

山口県下関市にある上原不動産は、下関市で賃貸住宅の仲介・管理業務などを主に行っている不動産会社です。住宅を確保することが難しい人たちへの支援を、会社設立当初から行ってきた上原不動産。代表の長女であり、上原不動産の常務取締役である橋本千嘉子さんは、空き家再生事業「ARCH」を立ち上げ、街づくりや再生にも力を入れています。きっかけになったのは、5児の母でもある橋本さんが、中学2年生の子どもから言われた「下関って何にもない、ダサい」という言葉。それをきっかけに奮起した橋本さんの「下関の街の再生」にかける想いや、活動について、話を聞きました。

第3位:最高水準の省エネ住宅をDIY! 光熱費4分の1以下、ZEH水準超えの断熱等級6の住みごこちを聞いてみた

最高水準の省エネ住宅をDIY! 光熱費4分の1以下、ZEH水準超えの断熱等級6の住みごこちを聞いてみた

(写真撮影/桑田瑞穂)

住まいの省エネ性能に関心が高まる昨今、ハーフビルドで高い省エネ性能のハイスペックな家づくりにチャレンジした夫妻がいます。神奈川県の山間で2人のお子さんと共に暮らしている森川さん夫妻。住まいは平屋建て、間取りは大きな1LDK、建物面積は約60平米、上部にロフトが30平米です。完成した省エネ住宅の等級はなんと6で、これは等級7と合わせて2022年に新たに設定された最高水準クラス。ではその住み心地とは? 得られたものと、その幸せな暮らしぶりをご紹介します。

第4位:台湾のまちづくりから日本は何を学べるか。都市計画のキーワードは「夜市」「流動」? 三文字昌也さんインタビュー

台湾のまちづくりから日本は何を学べるか。都市計画のキーワードは「夜市」「流動」? 三文字昌也さんインタビュー

(画像提供/三文字昌也さん)

台湾は、日本からも飛行機で近く、人気の旅行先です。台湾は、中国大陸ルーツの漢人による統治のほか、1895年から1945年までの50年間にわたって日本が統治するなど、複雑な歴史を有し、街には、それぞれの時代の名残があります。東京大学大学院で、台湾の都市計画を研究している都市デザイナーの三文字昌也(さんもんじ・まさや)さんは19歳で初めて台湾を訪れ、清朝以前の古い建物や路地がある街並みに日本統治時代につくられた近代的な道路があるなど、都市の中に各時代の痕跡が重なり合って残されていることに、興味を惹かれたといいます。1年間の台湾留学を経て、台湾の都市計画やまちづくりの研究に携わることになった三文字さん。台湾の街のどういうところに面白さを感じているのでしょうか。

第5位:人口減エリアの図書館なのに県外からのファンも。既成概念くつがえす「小さな街のような空間」の工夫がすごすぎた! 静岡県牧之原市

開館して2年。複合施設内にあるシームレスな図書館にハッピーが溢れていた 静岡「牧之原市立図書交流館 いこっと」

(写真撮影/片山貴博)

“最寄駅がない”静岡県牧之原市にある図書交流館「いこっと」。人口減に悩まされるこの街の小さな図書館が、複合施設内にテナントとして移転し、拡大オープンしたのは2021年のこと。2年後には累計来館者数が25万人を突破し、市内はもとより、市外や県外などの遠方から足を延ばす人がいるほどの人気になりました。「いこっと」を手掛けた牧之原市役所 企画政策部の本間 直樹さんは「このエリアにはナショナルチェーン店(全国展開のチェーン店)がないんです。ゆえにコンパクトで独自の商習慣と住空間になっています。そのため新たな居住者や人口の流入を見込みたかったのです。市内を活性化するために、きっかけが必要でした」と話します。人口減少エリアの図書館がなぜこれほどにぎわいを創出し、街の中心地に変化をもたらしたのか探りました。

第6位:【早稲田大学】一人暮らし賃貸の家賃相場ランキング2024年! 早稲田キャンパス周辺のクチコミ&オススメ情報

【早稲田大学】一人暮らし賃貸の家賃相場ランキング2024年! 早稲田キャンパス周辺のクチコミ&オススメ情報

(写真/PIXTA)

大学に進学し、初めての一人暮らしをスタートさせる人も多いこの時期。早稲田大学・早稲田キャンパス(東京都新宿区)の周辺駅にアクセスしやすく、家賃相場が安い駅を調査しました。今回は高田馬場駅をはじめ、早稲田駅、西早稲田駅のいずれかの駅から20分圏内にある駅を調査対象とし、それぞれの駅から徒歩15分圏内にある学生向け賃貸物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場が安い駅を順位付け。さらに不動産会社「ハウスメイトショップ新宿店」の佐久真正樹さんから、早稲田キャンパスに通う学生が住む街としておすすめの駅を教えてもらうことに。どんな駅がラインナップされたのか、紹介しています。

第7位:築40年超も2000万円リノベで耐震等級3相当・断熱等級6以上と国内最高レベルにできた! 実家も新築並に性能向上

築40年超も2000万円リノベで耐震等級3相当・断熱等級6以上と国内最高レベルにできた! 実家も新築並に性能向上

(写真提供/YKK AP)

リノベーションブームを受けて、実家を、あるいは中古一戸建てを購入してリフォームすることを視野に入れている人も多いのではないでしょうか。しかし、気をつけてほしいことがあります。それは住宅の性能向上です。特に中古一戸建てのリフォーム/リノベーションで注意したいのが、「耐震」と「断熱」性能の向上。特に1981年5月以前に建てられた旧耐震基準時代の一戸建てについては、自治体が補助金制度を設けてまで耐震診断を促すほど、耐震性能に不安があるそうです。その名も「性能向上リノベの会」を立ち上げた、YKK AP 住宅本部 リノベーション事業部の西宮貴央さんにお話を伺いながら、詳細な理由や対策について紐解いてみました。

第8位:あの選手村跡地のHARUMI FLAGにシェアハウス登場!共用施設の充実ぶりに驚き!?見学会へ潜入

あの選手村跡地のHARUMI FLAGにシェアハウス登場!共用施設の充実ぶりに驚き!?見学会へ潜入

(提供/リビタ)

選手村跡地のビッグプロジェクトとして話題の「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」。先行して分譲マンションの販売が行われましたが、賃貸住宅街区にある賃貸住宅の募集も始まりました。なんと通常の賃貸に加えて、シェアハウスもあるといいます。リビタのシェア型賃貸住宅で、共用施設が充実しているのが特徴。8階と9階に2層吹き抜けの共用施設が設けられ、この2層はそれぞれ階段で行き来でき、大きなキッチンのあるシェアラウンジが2カ所とシアタールーム、海を臨むバルコニーに出ることもできるとか。他にも大浴場やフィットネスルームなど充実の設備も! いったいどんなシェアハウスなのか、プレス向け見学会に参加してみました。

第9位:2023年の一戸建て市場を総括。新築の一戸建ての価格は上昇するも面積は縮小気味?

2023年の一戸建て市場を総括。新築の一戸建ての価格は上昇するも面積は縮小気味?

(写真/PIXTA)

東京カンテイが公表した「マンション・一戸建て住宅データ白書 2023」から、三大都市圏の新築・中古一戸建て市場ついて紹介していきます。2023年、三大都市圏の新築・中古一戸建ての平均価格は総じて前年より上昇しました。新築マンションの価格高騰と共に中古マンションの価格も上昇していますが、一戸建ての市場はどうなっているのでしょうか。

第10位:2023年のマンション市場を総括。新築・中古マンションの価格推移と供給戸数を徹底解説!

2023年のマンション市場を総括。新築・中古マンションの価格推移と供給戸数を徹底解説!

(写真/PIXTA)

2024年に入り、2023年の住宅市場の動向が相次いで公表されました。2023年の新築マンション市場では、東京23区の平均価格が1億円を超えたというニュースも。やはり、マンション価格は上がり続けているのでしょうか。不動産経済研究所が公表した首都圏の新築マンションの平均価格は、前年(2022年)の6288万円より28.8%アップの8101万円。まだまだ大きく上昇している。と、本当に見てよいのでしょうか。実は、詳しく見ていくと、必ずしもそうではないのです。3年間の首都圏と近畿圏の平均価格の推移を紹介しながら、首都圏及び近畿圏の新築・中古マンションの価格動向について見ていきましょう。

2月の人気記事ランキングでは、2023年の新築や戸建ての市況を総括する記事や、住みたい街ランキングなど、市況全体の状況が伝わるような記事のランクインが目立ちました。4月からは新しい生活を迎える人も多いことでしょう。新生活にも役立つような住まいに関する記事を、これからも発信していきます。お楽しみに!

調査結果に見る新築マンション購入者の3つの属性と意識の変化。金利上昇が懸念される今後はどうなる?

日銀の金融政策が転換し、ついに“金利のある時代”がやってくる。リクルートの2023年調査を見ると、首都圏の新築マンション購入者の購入物件の平均価格は、これまでよりさらに上がっている。また、三菱UFJ信託銀行の調査を見ると、デベロッパーは1年後のマンション価格が上昇すると予想している。そこで、新築マンションの購入者の変化を中心に、今後のマンション市場について市場の現状と今後はどうなっていくか見ていきたい。

【今週の住活トピック】
「2023年首都圏新築マンション契約者動向調査」を発表/リクルート

首都圏のローン借入額は「5000万円以上」が52.4%と過半数

リクルートの調査研究機関『SUUMOリサーチセンター』が、「2023年首都圏新築マンション契約者動向調査」の結果を発表した。首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の、2023年1月~12月の新築分譲マンション購入契約者4934件の結果をまとめたもの。

まず、3つの特徴的な購入者の傾向を見てみよう。

第1の特徴は、購入世帯のライフステージ。かつては、結婚して夫婦のみか子どもがいる世帯が購入者の中心だった。しかし、2023年の結果を見ると、「子どもあり世帯」は年々減少してわずか35.0%に。次いで、「夫婦のみ世帯」30.9%が続く。逆に大きく増加したのは「シングル世帯」の19.1%(男性シングル8.1%+女性シングル11.0%)だ。なお、シングル世帯の平均年齢は男性40.3歳、女性42.0歳と、夫婦のみ世帯(33.3歳)、子どもあり世帯(37.7歳)よりも高くなっている。

分譲するマンションの価格上昇を受けて、平均購入価格も年々上昇してきたが、2023年は6033万円となり、ついに6000万円台に乗った。「6000万円以上」が40.7%を占めることが要因だ。

購入価格が高くなれば、住宅ローンの借入額も増えることになる。第2の特徴は、「借入額」の高さだ。ローンの平均借入額は5235万円だった。借入額「5000万円以上」が52.4%と、ついに過半数にまで達した影響は大きい。

ローン借入総額

ローン借入総額(ローン借入総額の回答があり、かつ金額が0円でない者/実数回答)(出典:リクルート「2023年首都圏新築マンション契約者動向調査」)

一方、自己資金の比率は下がった。自己資金比率が第3の特徴だ。自己資金比率の平均は21.7%だが、自己資金比率が5%未満を見ると、41.7%(「0%」17.7%+「5%未満」24.0%)もいるのだ。共働き世帯が増えて、2人で返済していくことで借入額を増やし、自己資金が少ない状況でも購入に動いていることが見て取れる。ちなみに、全額キャッシュも、わずかながら増え続けている。富裕層が購入しているからだろう。

自己資金比率

自己資金比率(実数回答)(出典:リクルート「2023年首都圏新築マンション契約者動向調査」)

マンション購入では資産性を意識、低金利による促進効果は低い

次に、購入者の意識の変化を見ていこう。それは「住まいの購入理由」によく表れている。

住まいの購入を思い立った理由は、「子どもや家族のため、家を持ちたいと思ったから」が最も高く36.1%。この理由は、1位が定位置の常に強い理由だ。2位は、「資産を持ちたい、資産として有利だと思ったから」(32.0%)。10年前の2013年調査では17.4%だったので、近年は購入する際に「資産性」を意識していることがうかがえる。

これに対して、「金利が低く買い時だと思ったから」は12.4%。日銀がマイナス金利政策を導入した2016年には、34.5%で2位に位置していたことと比べると、かなり減っている。金利上昇圧力が強まって、2023年に長期固定金利の【フラット35】の金利が、じわじわ上がっていたことも影響しているだろう。

購入理由(2023年調査の降順)

購入理由(3つまでの限定回答)(出典:リクルート「2023年首都圏新築マンション契約者動向調査」)

マンションデベロッパーの予測、価格は上昇、金利が上がったら供給戸数は減少

さて、三菱UFJ信託銀行 不動産コンサルティング部では、デベロッパーに対して半期ごとに首都圏のマンション・戸建住宅の市況について調査している。2024年1月に調査をした「2023年度下期デベロッパー調査」の結果が公表された。

マンションデベロッパーは、1年後の販売価格は現在より上昇すると予測している。特に、販売価格が高いほど上昇率も高くなると見ている。ただし、戸建住宅のデベロッパーは、1年後「1億円以上」の価格帯のほかは価格が下がると予想している。新築のマンションと戸建住宅では、今後の価格予想に違いがあるのだが、新築マンションの価格上昇は止まらないようだ。

出典:三菱UFJ信託銀行「2023年度下期デベロッパー調査」

出典:三菱UFJ信託銀行「2023年度下期デベロッパー調査」

また、「住宅ローン金利が上昇した場合(+0.5%)の市況影響」を聞いたところ、供給戸数が減り、販売価格が下落すると予想している。ただし、供給戸数への影響の方が大きくなる回答だ。「供給戸数が減少する(10%以上)」(31%)、「供給戸数が減少する(10%未満)」(46%)と、実に77%のデベロッパーは金利が上昇すると供給戸数が減少すると見ているわけだ。

住宅ローン金利が0.5%上昇した場合の供給戸数

住宅ローン金利が0.5%上昇した場合の販売価格

出典:三菱UFJ信託銀行「2023年度下期デベロッパー調査」

金利が上がっていくと専有面積が小さくなる?

では、もしローン金利が上がると、新築マンションの販売価格は下がるのだろうか? おそらく、ローン金利が0.5%も上がると購入者が借りられる額が減るので、販売価格を下げざるを得ないということだろう。

新築マンションの価格は、「土地」を買った費用と施工会社に払う「建築工事」の費用、デベロッパーが土地や建築工事の費用を金融機関から借りて支払う際の「利息」に、「宣伝や販売管理にかかる費用」が加算され、デベロッパーが自社の「利益」を上乗せして全戸の販売総額が決まる。

1年後に販売するマンションの場合、すでに土地を購入しており、施工会社を決めて建築工事の費用も決めて発注していることが多い。となると、ローン金利が上がったからといって、販売価格を変えることは簡単ではない。金利の上昇を見ながら、販売の長期化も視野に戦略を見直したり、住戸の内装や設備のグレードを下げたりといったレベルの対応しかできないだろう。

一方で、地価は上昇しているし、人件費高騰による建築工事費用の上昇も続く見込みだ。金利が上昇すれば、デベロッパーが負担する利息も増える。省エネ基準が今後ZEH水準に引き上げられることを踏まえた性能向上も必要なので、その分のコストアップもある。このようにマンションの原価は上がるので、販売価格を下げる余地はあまりない。となると、販売価格を下げるために「専有面積を小さく」して、平米単価は上がっても面積を小さくすることで各戸の販売価格を引き下げる、といった対応が増える可能性が高いだろう。

実際に、リクルートの新築マンション購入者の調査結果では、価格上昇局面で購入したマンションの面積が小さくなる傾向が見られる。2023年調査では、50~60平米の広さが前年よりも増えていた。

金利の上昇による住宅市場への影響は大きい。それでも、収入が増えれば、物価上昇や住宅価格上昇などの影響は少なくなる。つまり、これからの景気回復が本格的になるかどうかで、マンションの購入ニーズも変わり、その大きさに応じてマンションの販売価格も変わっていくのだろう。

●関連サイト
リクルート「2023年首都圏新築マンション契約者動向調査」
三菱UFJ信託銀行「23年度下期のデベロッパー調査」

【2024年】JR山手線、家賃相場が安い駅ランキング。目白駅と田端駅が8万8000円で同額1位に

先日発表された「SUUMO住みたい街ランキング2024 首都圏版」にて、1都4県に走る鉄道路線のうち「住みたい沿線ランキング」の人気1位に輝いたJR山手線。都心の30駅を環状に結んで走る沿線には東京を代表する駅がずらりとそろい、他の路線に接続するターミナル駅も豊富。さらに日中ならほぼ5分間隔で次々と運転されていて、アクセス性のよさは抜群といえる。そんな便利なJR山手線沿線に住まいを借りるなら、家賃はどれくらい必要なのだろう? 沿線の各駅から徒歩15分圏内にある一人暮らし向け賃貸物件(専有面積10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場を調べたところ、全30駅でその相場には最大4万9000円の開きがあることが判明! 気になる調査結果を見ていこう。

JR山手線の家賃相場が安い駅ランキング(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

JR山手線の家賃相場が安い駅ランキング

■関連記事:
・【2024年】JR山手線、中古マンションの価格相場が安い駅ランキング。シングル向け、カップル・ファミリー向け、それぞれ1位は?
・【2024年】東京23区の家賃相場が安い駅ランキング 。トップ3はすべて江戸川区で6万5000円以下!

目白駅と田端駅が、家賃相場8万8000円の同額1位に

JR山手線の家賃相場が安い駅ランキングの1位には、家賃相場8万8000円の目白駅と田端駅の2駅がランクイン。目白駅は豊島区、田端駅は北区に位置しているが、それぞれどんな駅なのか見てみよう。

目白駅(写真/PIXTA)

目白駅(写真/PIXTA)

目白駅は山手線以外のJR線や他社の路線が乗り入れていない単独駅。JR山手線としては珍しく、全30駅のうち単独駅は新大久保駅(11位・家賃相場9万8500円)と、ここ目白駅の2駅だけだ。そんなこともあってか、両隣に位置する4位・高田馬場駅(家賃相場9万1500円)と8位・池袋駅(同9万3000円)に比べると駅周辺は落ち着いた雰囲気。高校や大学、専門学校など教育機関が多いのも特徴で、駅東側には学習院大学のキャンパスが広がっている。

目白駅は日本初の橋上駅としても知られ、駅出入口は目白通りに面した1カ所。目白通り沿いには複数のコンビニ、飲食店やスーパーなどが入ったショッピングモール「トラッド目白」などが点在している。大通り沿いを離れると閑静な住宅地が広がり、静かな暮らしを求める人によさそうだ。一方で、多彩な商業施設でにぎわう高田馬場や池袋の駅前にも歩いて15分ほどで行くこともできる。

田端駅 南口(写真/PIXTA)

田端駅 南口(写真/PIXTA)

1位になったもう一つの駅、田端駅はJRの山手線に加え京浜東北線が利用可能。駅の北西部には何本もの線路が並行する車両基地が広がり、駅前の橋梁の上や車両基地のフェンス越しに新幹線や機関車、貨物列車が眺められる。駅南口はJR山手線の駅舎とは思えない小ぢんまりとした造りで、どこかのローカル線の駅のよう。2023年にJR東日本が開催したスタンプラリー「東京23区内秘境駅ラリー」のチェックポイントにも選ばれており、都内でありながら「秘境駅」とJR自らが太鼓判を押すひなびた雰囲気は一見の価値アリといえるかも。

田端駅 北口(写真/PIXTA)

田端駅 北口(写真/PIXTA)

一方で田端駅北口には駅ビル「アトレヴィ田端」が併設され、電車を降りてすぐにコンビニやスーパー、ドラッグストア、飲食店などが利用できる便利な環境だ。駅周辺にはショッピングモールなどの大型商業施設はないが、コンビニやスーパーは複数ある。JR山手線の中では知名度は低いかもしれないが、2路線が利用できて日々の買い物には困らず、家賃相場も低めとあって、田端駅は「SUUMO住みたい街ランキング2024 首都圏版」では「穴場だと思う街(駅)ランキング」の16位に選ばれている。

西日暮里駅(写真/PIXTA)

西日暮里駅(写真/PIXTA)

田端駅南口から線路沿いを南へと10分ほど歩けば、荒川区に位置する3位・西日暮里駅へ。家賃相場8万9000円の西日暮里駅にはJRの山手線と京浜東北線、日暮里・舎人ライナー、さらに大手町駅や霞ケ関駅、表参道駅を通る東京メトロ千代田線も乗り入れている。JR駅構内のコーヒーショップやそば店が朝から晩まで営業していたり、駅周辺にも気軽に利用できる飲食店が多数あるのは、あまり料理をしない人にうれしいところ。コンビニやスーパー、ドラッグストアも点在しているほか、駅から南へ10分ほど歩くと約170メートルの通りに60軒ほどの商店が連なる「谷中銀座商店街」も。食料品店や飲食店、雑貨店など多彩な店舗があり、地元の人のみならず食べ歩きを楽しみに来る観光客もいる人気の商店街が近所にあるのは魅力だろう。

谷中銀座商店街(写真/PIXTA)

谷中銀座商店街(写真/PIXTA)

そんな西日暮里駅の駅前では、2030年度の竣工を目指して地上47階建程度の住宅棟と地上11階建程度の商業棟の建築計画が進められている。これが完成するとさらなる街のにぎわいが予想され、家賃相場の上昇もあり得る。リーズナブルに住むなら、今のうちが狙い目かもしれない。

4位以降を見てみると、4位は1位・目白駅に隣接する高田馬場駅、5位は1位・田端駅の隣の駒込駅、6位には3位・西日暮里駅の隣の日暮里駅……と近接する駅が上位に並んだ。なんとトップ11には新大久保駅~鶯谷駅間の連続する11駅がランクインするという結果に。そして12位以降になると家賃相場が10万円以上に突入するので、家賃を10万円未満に抑えたいと考える人は、JR山手線でも北側に位置するこの11駅に狙いを定めて住まい探しをするとよさそうだ。

(図/SUUMOジャーナル編集部)

(図/SUUMOジャーナル編集部)

1駅しか離れていなのに新宿駅より家賃相場が2万円以上も低い駅とは……?

ランキング上位の駅はJR山手線内の北側にある11駅に集中していた。しかし、「家賃は安いほうがいいけれど、どちらかというとJR山手線内でも南側に住むほうが都合がいい」という人もいるだろう。そんな人におすすめなのは、目黒駅~高輪ゲートウェイ駅間の5駅。この区間にランキング12位~16位が集中しているのだ。そのうち最も家賃相場が低い、12位・大崎駅をピックアップしよう。

大崎駅周辺の様子(写真/PIXTA)

大崎駅周辺の様子(写真/PIXTA)

12位・大崎駅は品川区に位置し、家賃相場は10万3000円。山手線や湘南新宿ラインなどのJR各線に加え、お台場エリアの東京テレポート駅や新木場駅に向かう、りんかい線も乗り入れている。駅の北口と南口の改札を結ぶ通路沿いには駅ナカ商業施設「Dila(ディラ)大崎」があり、ユニクロやドラッグストア、飲食店が営業中だ。そして改札を出て駅東側のペデストリアンデッキを進むと、ショッピングモールとオフィスビルからなる「ゲートシティ大崎」や「大崎ニューシティ」へ。駅西側にも同様にオフィス棟と商業棟を備えた「ThinkPark」がある。

このほかにも大崎駅周辺には近年の再開発で誕生したオフィスビルや複合ビルが立ち並び、古くからの住宅街はその外周に広がるような街並みだ。また駅西側では2025年度内の竣工を目標に、住宅や事務所、店舗、保育所などを備えた地上37階・地下3階建てのビルを建設中。この先も発展が期待できる街といえそうだ。

ここまで見てきたように、隣り合う駅同士の家賃相場は上下しつつも似たような価格帯となっている。距離的に近いエリアなのだから当然とも言える一方で、ランキングを見ると隣接する駅と比べて家賃相場が大きく下がる駅も判明。最もその開きが大きいのは、24位・新宿駅(家賃相場12万1000円)に隣接する11位・新大久保駅。家賃相場は新宿駅と比べて2万2500円も低い、9万8500円だ。新宿駅~新大久保駅間は直線距離で約1.3km、歩いても20分ほど。近距離でありながら新宿駅よりも家賃相場がグッとリーズナブルな新大久保駅は、どんな駅なのだろうか。

新大久保駅(写真/PIXTA)

新大久保駅(写真/PIXTA)

11位・新大久保駅は新宿区にあり、前述の通り1位・目白駅同様にJR山手線しか通っていない単独駅。この点も立地のわりには家賃相場が低い理由の一つかもしれない。とは言え新大久保駅から西へ5分も歩くとJR中央線・大久保駅があり、周辺住民は2路線が利用可能だ。駅周辺はさまざまな商店が立ち並んでいる。日本屈指のコリアンタウンの一つでもあり、2000年代の韓流ブームをきっかけに韓国のグッズやグルメを求めて観光客が訪れる街として知られるようになった。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

新大久保駅は桜美林大学の新宿キャンパスや早稲田大学の西早稲田キャンパスに近いこともあって現在も多くの若者でにぎわい、人気店に行列ができることも珍しくない。韓国以外もアジア諸国を中心にさまざまな国の店があって国際色豊か。観光客向きのお店だけではなく、スーパーやドラッグストアといった日常生活を支える店舗もそろっている。駅前の喧騒を離れ、10分ほど歩けば「東京都立戸山公園」へ。都心でありつつ緑に囲まれた憩いの場へふらりと行ける点も魅力だ。そして先ほど述べたように、新宿駅までも歩いて20分ほど。「新宿に住みたいけど予算オーバーだな……」というときは、新大久保駅周辺で住まいを探すという手もアリだろう。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されているJR山手線沿線の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)、築年数35年以内
【データ抽出期間】2023/7~2023/12
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

【2024年】東京23区の家賃相場が安い駅ランキング 。トップ3はすべて江戸川区で6万5000円以下!

東京都内でも特に利便性が高い暮らしを望むなら、23区内に住みたいところ。交通網が充実していて商業・文化施設も豊富、さらに賃貸物件の数も多いので気に入る住まいを探しやすい。一方で、首都圏でも飛び抜けて家賃が高い点はネックではある。とはいえ探せば、予算内で住める物件はあるはず! そこで、東京23区内にある駅ごとの家賃相場を調査。駅から徒歩15分圏内にある賃貸物件(専有面積10平米以上~40平米未満のワンルーム・1K・1DK)の家賃相場が安い駅トップ20をご紹介しよう。

東京23区内の家賃相場が安い駅TOP20

順位/駅名/家賃相場(主な路線/駅の所在地)
1位 江戸川 6.40万円(京成本線/江戸川区)
2位 一之江 6.50万円(都営新宿線/江戸川区)
2位 篠崎 6.50万円(都営新宿線/江戸川区)
4位 上井草 6.55万円(西武新宿線/杉並区)
4位 京成小岩 6.55万円(京成本線/江戸川区)
6位 谷在家 6.60万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
7位 瑞江 6.65万円(都営新宿線/江戸川区)
7位 六町 6.65万円(つくばエクスプレス/足立区)
9位 小岩 6.70万円(JR総武線/江戸川区)
9位 新柴又 6.70万円(北総線/葛飾区)
9位 大師前 6.70万円(東武大師線/足立区)
9位 竹ノ塚 6.70万円(東武伊勢崎線/足立区)
9位 舎人公園 6.70万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
14位 喜多見 6.80万円(小田急小田原線/世田谷区)
14位 五反野 6.80万円(東武伊勢崎線/足立区)
14位 柴又 6.80万円(京成金町線/葛飾区)
14位 西新井 6.80万円(東武伊勢崎線/足立区)
14位 扇大橋 6.80万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
14位 高野 6.80万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
20位 梅島 6.85万円(東武伊勢崎線/足立区)
※21位~45位は記事末に記載

江戸川区にあるトップ3の駅なら家賃相場が6万5000円以下!

1位は江戸川区の京成本線・江戸川駅で、家賃相場は6万4000円。1駅隣は4位にランクインした京成小岩駅(家賃相場6万5500円)だ。江戸川駅は高架駅で、出入口正面の高架下にはドラッグストア併設のスーパーがあって便利。周辺の住宅街にもミニスーパーやコンビニが点在しているので、日常の買い物には困らないだろう。駅のすぐ東側には江戸川が流れ、河川敷に広がる「小岩菖蒲園」は例年5月~6月に約5万本のハナショウブが咲き誇る。江戸川を越えると、千葉県市川市というロケーションだ。

江戸川駅(写真/PIXTA)

江戸川駅(写真/PIXTA)

小岩菖蒲園(写真/PIXTA)

小岩菖蒲園(写真/PIXTA)

江戸川駅は夏の風物詩・江戸川区花火大会の最寄駅の一つでもあり、夏は多くの人で混雑するが、近所で花火が見られるのはうれしいところ。また、駅前から西へ自転車で10分弱も走ると9位・小岩駅(家賃相場6万7000円)にたどり着き、JR総武線が利用できる。江戸川駅から京成本線に乗れば日暮里駅まで約24分、京成上野駅まで約30分。京成本線で2駅目の京成高砂駅や3駅目の青砥駅から、都営浅草線直通の京成各線に乗り換えて浅草駅や新橋駅に行きやすいのも魅力だ。

江戸川区花火大会(写真/PIXTA)

江戸川区花火大会(写真/PIXTA)

2位には家賃相場6万5000円の一之江駅と篠崎駅がランクイン。どちらも江戸川区に位置し、都営新宿線が通っている。1位・江戸川駅から江戸川沿いを自転車で南下して20分ほどで篠崎駅に着き、さらに20分弱も走ると一之江駅に到着。そして篠崎駅と一之江駅に挟まれて、7位・瑞江駅(家賃相場6万6500円)があるという位置関係だ。この3駅のうち最も新宿駅寄りなのは一之江駅で、都営新宿線に乗れば岩本町駅まで約20分、市ヶ谷駅まで約28分、新宿駅までは約35分でたどり着く。

一之江駅(写真/PIXTA)

一之江駅(写真/PIXTA)

そんな一之江駅の東口側には2021年、「コメダ珈琲店」や100円ショップ、スーパーがオープン。徒歩10分弱の場所にはドラッグストアも誕生し、便利さがアップした。駅西口側にもスーパーやコンビニ、ドラッグストアがある。駅の周辺にはハンバーガーや牛丼、回転寿司などの気軽に入れる飲食店も点在しているので、料理するのが面倒な仕事帰りにもサッと食事ができるだろう。駅西側を通る環七通り沿いにはラーメン店も豊富なので、食べ比べするのも楽しそう。

一之江駅と同じ2位・篠崎駅の様子も見てみよう。一之江駅よりも新宿駅から電車で5分ほど遠ざかるものの、都営新宿線の始発駅・本八幡駅の次の駅なので通勤時間帯でも比較的座りやすいのはいいところ。駅ホームは篠崎駅北口と直結する交通会館篠崎ビルの地下にあり、ビル上階ではスーパーや100円ショップ、ベーカリーや牛丼店が営業している。駅周辺にも複数のスーパーやドラッグストアがある他、チェーン系の飲食店や居酒屋も豊富だ。駅の北側にある2軒の銭湯はサウナも備えているので、疲れを癒やしに行くのもいいだろう。1位・江戸川駅同様に江戸川に近く、花火大会の最寄駅でもあるので、窓辺から花火が見られる物件も探せば見つかるかもしれない。

篠崎駅(写真/PIXTA)

篠崎駅(写真/PIXTA)

4位以降は日暮里・舎人ライナーと東武伊勢崎線の駅が多数ランクイン

トップ3の駅はいずれも江戸川区に位置していたが、4位以下を見てみると17駅中の10駅が足立区という結果に。そして6位・谷在家(やざいけ)駅(家賃相場6万6000円)、9位・舎人公園(とねりこうえん)駅(同6万7000円)、14位の扇大橋駅と高野駅(同6万8000円)の4駅は、日暮里駅~見沼代親水公園駅を結ぶ日暮里・舎人ライナーの沿線にある。4駅のうちでJR線と接続する日暮里駅に最も近い、扇大橋駅の様子を見てみよう。

扇大橋駅(写真/PIXTA)

扇大橋駅(写真/PIXTA)

14位・扇大橋駅の駅名を聞いて、首都高の料金所を思い浮かべる人もいるだろう。その扇大橋料金所のほど近く、日暮里駅から北に5駅・約10分走って荒川に架かる扇大橋橋梁を渡った先のすぐそばに駅はある。尾久橋通り上空に設けられた高架駅で、駅北側は江北橋通りとの交差点。この2つの大通り沿いを中心に複数のスーパーやコンビニ、飲食店やホームセンターが点在している。ショッピングモールなどの大型商業施設はないが日常の買い物に困ることはなく、脇道に入ると静かな住宅街なので落ち着いた暮らしを求める人にはよさそうだ。荒川沿いを散策したり、遠くに東京スカイツリーを望む河川敷のゴルフ練習場で汗をかいたりと、気軽にリフレッシュできる環境でもある。

日暮里・舎人ライナーと同じく、東武伊勢崎線もトップ20に4駅ランクイン。9位・竹ノ塚駅(家賃相場6万7000円)~14位・西新井駅(同6万8000円)~20位・梅島駅(同6万8500円)~14位・五反野駅(同6万8000円)の順に連続する駅で、いずれも足立区に位置している。都心部寄りの浅草駅に最も近いのは五反野駅だが、4駅のうちで唯一、急行や準急も停車する西新井駅の様子をピックアップしよう。

西新井駅(写真/PIXTA)

西新井駅(写真/PIXTA)

14位・西新井駅は前述の扇大橋駅の北東2.3kmほどの位置にある。東武伊勢崎線の他に東武大師線も通っているが、この路線は関東厄除け三大師の一つ「西新井大師(総持寺)」の最寄駅・大師前駅と西新井駅の2駅のみなので、活用する機会は少ないかもしれない。西新井駅から浅草駅までは、東武伊勢崎線の急行と区間急行を乗り継いで約21分、区間急行1本だと約25分。東武伊勢崎線の普通列車は東京メトロ日比谷線、急行と準急は東京メトロ半蔵門線との直通運転が行われているので、日比谷線の霞ヶ関駅や銀座駅、半蔵門線の大手町駅や永田町駅、渋谷駅へも1本で行くことができる。

そんな西新井駅、下り線ホームに立ち食いラーメン店があるのもちょっとした名物だ。駅東口には駅直結のショッピングモール「西新井トスカ」があり、その先には家電や生活用品の専門店も備えた大型スーパーも。駅西口側にもディスカウントストアやショッピングモールがあり、にぎわっている。さらに西口駅前では再整備計画が進行中で、交通広場が2030年に完成予定だそう。あわせて駅ビルの建て替えや新たな商業施設の誘致も見込まれ、西新井は今後さらなる活性化が期待されている。

住まい探しをする際は家賃相場に加えて、学校や会社など日常的に通う目的地へ訪れやすい路線の沿線であるかどうかを重視する人も多いだろう。トップ20には日暮里・舎人ライナーと東武伊勢崎線の駅が多かったが、21位~45位を見てみると西武新宿線の駅も複数ランクインしている。21位以降のランキング一覧は下記にあるので、あわせてチェックしてはいかがだろう。

●21位以降のランキング

21位以降のランキング

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東京23区内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2023/7~2023/12
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

9人に1人が家具・家電などの長期リース型サブスクを利用。メリットやデメリットなども解説

家具と家電のレンタル・サブスク「CLAS」は、春の引越しシーズン到来前に「家具・家電に関するアンケート」を18歳~49歳の男女1,000人に実施した。そこで、高価格帯の商品を長期にわたって利用する「長期リース型」のサブスクについて調べたところ、9人に1人が利用していることが分かった。

【今週の住活トピック】
1000人への実態調査で見る「春の新生活の家具・家電事情2024」を公表/CLAS

長期リース型サブスク、11.7%=9人に1人が利用している

サブスクとは、サブスクリプション(subscription)の略。ある商品やサービスを一定期間、一定額で利用できる仕組みのこと。サブスクの中でも長期にわたって利用する「長期リース型サブスク」を利用しているか聞いたところ、「利用している」が11.7%、「利用していない」が88.3%という結果に。おおむね9人に1人が長期リース型サブスクを利用していることになる。

長期リース型サブスクを利用している人を年代別に見ると、20代(13.8%)と30代(14.3%)が10代や(10.0%)や40代(6.7%)よりも多い。CLASの個人会員属性も20代後半~30代が中心であることから、この年代に耐久消費財を所有しない傾向があるという。

長期リース型サブスクを利用してますか(年代別)

出典:CLAS

次に、長期リース型サブスクを利用していると回答した人に、利用しているサブスクの商品を聞いたところ、「家電」が48.7%と最も多く、次いで「家具」の42.7%となった。家電や家具は生活する上で必要なものだが、金銭的負担も大きいことから、サブスクを利用することが多いのだろう。

利用している長期リース型サブスクは

出典:CLAS

2021年時点で近い将来7~8人に1人が利用していそうと予測

別の調査結果を見てみよう。LINEリサーチでは、2021年5月に18~59歳の男女を対象に「家具・家電の定額制レンタルサービス」の現状の認知率や利用率、今後の流行予想などについて調査を実施した。

2021年時点ですでに、「家具・家電の定額制レンタルサービス」の認知率は45.9%(「知っているし、使っている」「知っているし、今は使っていないが以前使っていた」「知っているが、使ったことはない」の合計)で、半数近くが「知っている」状態だった。

次に、自分の身のまわりで「どのくらいの人が使っていそうか?」という『現在の流行体感』を聞いたところ、流行体感スコアは2.3(=100人中およそ2人が利用している)という結果に。では、「1年後、自分のまわりでどのくらいの人が使っていると思うか」という『近未来の流行予想』を聞くと、流行予想スコアは13.0(=100人中およそ7~8人に1人が利用していそう)という結果になった。

2024年2月に実施したCLASの調査結果では、長期リース型サブスクの利用者は9人に1人だったので、2021年時点の予想はかなり近い結果だと言ってよいのだろう。

家具・家電の定額制レンタルサービスの今と1年後

出典:LINEリサーチ

なお、自分が今後使ってみたい(今後の利用意向)かを聞くと、利用意向ありが26.2%(「ぜひ使ってみたいと思う」「機会があれば使ってみたいと思う」の合計)と、近い将来は自分が利用したいと思う人が増えていた。

家具家電の長期リース型サブスク、メリットとデメリット

実家を出て一人暮らしを始める、結婚や同棲で新たに二人暮らしを始める、といったときに、新居の家具家電を買いそろえるのは大変な場合がある。引越しによる初期費用がかさむなか、家具家電のレンタルを利用すれば当初の費用を抑えることができる。

一定期間だけ単身赴任することになった場合も、同様だろう。家族と再び暮らすときに、単身赴任時の家具家電の処分をする必要もない。子どもの年齢が一定期間だけ必要となるものなども、一定期間レンタルすることが有効だ。

また、高額な家具家電を使いたいとき、「いきなり買うのは不安だけど、一定期間使ってみたい」という場合も使い勝手が良さそうだ。つまり、「必要な期間だけ使える&コスパのよさ」がメリットと言えるだろう。

一方、レンタルでは新品とは限らないこと、好きな家具家電がレンタルできることは限らないこと、長く使うとかえって割高になること、などのデメリットもある。

Z世代は、「モノ消費」よりも「コト消費」を好み、所有にこだわらないとか、「買い物で失敗したくない」という意識が強いといった傾向があると言われている。今回の結果を見ると、こうした若い世代を中心に、一定の人たちが生活の中で賢くサブスクのサービスを利用していることがうかがえる。家具家電についても選択肢が増えることで、私たちの生活の仕方も変化していくのではないだろうか。

●関連サイト
【CLAS調査レポート】 9人に1人が長期リース型サブスクを利用、 「家電」と「家具」に人気が集中!
LINEリサーチ、今と近未来の流行予想調査(第七弾・家具、家電の定額制レンタルサービス編)を実施

「SUUMO住みたい街ランキング2024関西版」梅田が西宮北口と大差で3年連続1位に! 本町、尼崎も躍進

リクルートは関西圏(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県)に居住している20歳〜49歳の4600人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2024年関西版」を発表した。
どのような街がランクインしたか、結果と併せて街の魅力を探ってみた。

TOP3は3年連続1位「梅田」、2位「西宮北口」、3位「神戸三宮」

1位は大都心部「梅田」、2位は阪神間の人気の街「西宮北口」、3位は神戸市の玄関口「神戸三宮」だった。
トップ3は2022年から3年連続で同じ位置をキープしたが、今年際立ったのが1位の「梅田」の強さだ。2位の「西宮北口」と約300点もの差をつけており、「得点がジャンプアップした街ランキング」でも昨年から100点以上も得点を伸ばして1位に。
「梅田」の人気の高まりがはっきりと結果に出た。

住みたい街(駅)ランキング [1位~20位]

得点がジャンプアップした街(駅)ランキング[1位~10位]

梅田人気はうめきた開発の期待感や高い資産価値が決め手に

「梅田」の人気の背景には、西日本最大のターミナル「JR大阪駅」北側の再開発「うめきた」による街の発展がある。「グランフロント大阪」が誕生した1期開発に続いて「うめきた2期(グラングリーン大阪)」が進行しており、今年9月には一部先行街開きをする予定だ。

グランフロント大阪(写真/PIXTA)

グランフロント大阪(写真/PIXTA)

中でも特に期待が寄せられるのが、大阪駅と直結する都市公園「うめきた公園」の誕生だろう。関西最大のビッグターミナルであるJR大阪駅前に、広大な芝生広場や、美しい曲線を描く大屋根のイベントスペースを設けた巨大公園が姿を現す。周辺にはホテルやオフィスビル、タワーマンションなども続々開業するという、心躍らされる都市プランだ。
住みたい理由としてあげられる街の魅力は、働く場にとどまらない街のにぎわい、文化娯楽施設の充実などだ。
「梅田」を「西宮北口」と年代別で比較すると、20代の支持率が突出して高いのもうなずける。
ビジネスや商業のイメージが強い「梅田」だが、うめきたエリア再開発の波及効果や福島方面や中津方面の再開発により住宅供給が増加。直近10年間でも大阪市北区・福島区で1万5000戸以上の分譲マンションが供給された。
近年、若い人の間で住宅を資産価値として見る層が増えており、住むイメージが希薄だった梅田エリアも、都心居住への憧れの強さに後押しされ、“働き、暮らす街”として魅力を増していると考えられる。

街の魅力項目トップ10 梅田駅

年代別上位3駅の得票率

同時にアンケートをとった「穴場だと思う街(駅)」でも「梅田」が昨年の2位から1位に上昇した。
「梅田」と「穴場」のイメージがマッチしない印象だが、ハイブランドの店舗から昔ながらの飲食街まで多様な顔があることが、“住む街としても見逃せない”という穴場感につながっているのかも。

穴場だと思う街(駅)ランキング

ほかにも得点を上げた街を見てみたい。
「江坂」は昨年の11位から8位にランクインした(310点→342点)。
「江坂」は大阪中心部のオフィス街に直結する大阪メトロ御堂筋線にあり、新幹線停車駅「新大阪」や「梅田」「淀屋橋」に乗り換えなしで行ける。
また、阪急京都線「烏丸」は昨年の15位から12位に(238点→270点)、「本町」は18位から13位(216点→256点)に大きく順位を上げている。
それぞれ京都市、大阪市の中心エリアにあり、商業施設やオフィスが集まる華やかな街だ。
これらの結果を見ても、都心への交通アクセスの良さや商業施設の充実など、利便性の高い街に人気が集まっていることがわかる。

「住みたい自治体」は「西宮市」「大阪市北区」がトップ2

アンケートでは「住みたい自治体」についても尋ねた。
1位は「西宮市」。以下「大阪市北区」、「明石市」、「大阪市天王寺区」、「大阪市中央区」と続いた。

住みたい自治体ランキング [1位~20位]

得点ジャンプアップした自治体ランキング[1位~10位]

「住みたい街ランキング」でトップ2だった街の自治体「西宮市」「大阪市北区」がやはり1位、2位を獲得した。
1位から5位までが昨年と同じ順位だが、昨年との得点差を見ると「大阪市北区」が130点(997点→1127点)と、他の自治体に比べて突出して大きい。
一方、手厚い子育て施策で注目を集める「明石市」は今年も3位をキープし、依然として高い支持を得ている。

「梅田」が利便性や都心への憧れ、資産価値の高さを背景にしているのに対し、「明石市」は市民目線のサービスで注目を集めた。
「明石市」の街の魅力項目には「子育てに関する自治体のサービスが充実している」だけでなく、「介護や高齢者向けのサービスが充実している」「公共施設が充実している(図書館、コミュニティセンター、公民館など)」など、子育て以外の自治体の施策や生活環境の充実も挙げられる。

明石駅前。大規模商業施設だけでなく、近くに公共施設や商店街がある(画像提供/明石市役所)

明石駅前。大規模商業施設だけでなく、近くに公共施設や商店街がある(画像提供/明石市役所)

明石駅前。大規模商業施設だけでなく、近くに公共施設や商店街がある(画像提供/明石市役所)

明石駅前。大規模商業施設だけでなく、近くに公共施設や商店街がある(画像提供/明石市役所)

年代・ライフステージでは、夫婦+子ども世帯の支持(2位)だけでなく、夫婦のみ世帯(3位)、女性20代・30代(2位)、男性20代・30代(5位)と子育てファミリー以外のさまざまな層からも高く注目されている。
また、「メディアによく取り上げられて有名」という声も多く、自治体の発信力も地元以外でも住みたいと思う人が増える要因になっているようだ。

■関連記事:
子育て支援の“東西横綱”千葉県流山市と兵庫県明石市、「住みたい街ランキング」大躍進の裏にスゴい取り組み

おしゃれなオフィス街「本町」が大躍進本町の風景(写真/PIXTA)

本町の風景(写真/PIXTA)

「本町」は住みたい街ランキングで昨年の18位から13位へとランクアップ。得点ジャンプアップした街ランキングでも40点も得点を伸ばし3位となった。
「本町」のある「大阪市中央区」は自治体総合ランキングで6位となり、特に男性40代、シングル男性、シングル女性では3位の高順位に。

街の魅力として「魅力的な働く場」や「雰囲気やセンスのいい飲食店やお店」などがあり、最先端のおしゃれな街という印象で捉えられていることが分かる。
大阪市中央区は2府4県の中でも人口増加率、15歳未満の人口増加率がともにナンバー1。小学校の児童数も10年前の3000人未満から4000人に届きそうな数に。本町駅周辺は中央区・西区ともに小型の分譲マンション供給が続いており、この5年間で中央区だけで約6000戸以上増えたことが人口増の要因となっている。
1975年の万博開催年に建てられた「船場センタービル」はコロナ禍の中、2021年から土日の営業を開始。地域住民が増えていることで飲食店などがにぎわいを見せている。

梅田に隣接しているのに割安な家賃相場。新築マンションの供給進む「尼崎市」JR尼崎駅前の様子(写真/PIXTA)

JR尼崎駅前の様子(写真/PIXTA)

「尼崎市」は「住みたい自治体」総合順位で過去最高位の19位にランクイン。特にシングル男性で8位に食い込み、夫婦のみの世帯も16位と高支持を得た。ファミリーよりもシングルやカップルからの支持が厚い傾向が見られる。
JR「尼崎」駅は「住みたい街ランキング」では31位だが、「得点がジャンプアップした街」では9位に躍進を遂げた。

JR尼崎駅は大阪駅まで新快速で1駅6分、東海道本線、福知山線、東西線が乗り入れ、交通利便性の高さでは関西屈指。その割に家賃相場が割安なのも魅力のひとつといえる。

住みたい理由として「コストパフォーマンスが良い」「物価が安い」「電車やバスでさまざまな場所に行きやすい」「街に賑わいがある」など、交通利便性や物価といった実質的な側面が評価されている。

尼崎市全体では高齢化が進むものの再開発で美しく整備されたJR尼崎駅周辺を中心にマンションの供給が続き、周辺エリアからの流入も多い。
子ども向け施設として最近注目を集めているのが、2022年に「ボートレース尼崎」場内にオープンした関西初のキッズパーク「モーヴィあまがさき」。ボーネルンド社や行政が共同で子ども向けのイベントを開催しており、なかなか予約がとれないほどの人気だという。

市も子育て支援に力を入れており、子どものうちから健康に関心を持つよう11歳と14歳を対象に「尼っこ検診」を実施。定住・転入促進情報発信サイト「AMANISM(アマニスム)」やSNSを使った情報発信など、独自の取り組みで住みやすさをアピールしている。

2024年の「住みたい街ランキング」では、「梅田」が圧倒的に強かった。得点ジャンプアップランキングでも1位となり、人気の高まりは現在進行形だ。
また、「尼崎」や「本町」など、梅田から10分圏内の街も躍進が目立つ。

コロナ禍を抜け出した今、関西圏では都心の利便性と華やぎが一層求められるようになったと思える。
一方、「明石市」のように、市民目線の施策や地道な街づくりにより人口を増やしている自治体もある。
うめきたエリアの再開発などで都心部が今後さらに整備されていく中、人々が「住みたい」と思う街がどう変化していくか、注目していきたい。

●関連サイト
・SUUMOリサーチセンター「SUUMO住みたい街ランキング2024 関西版」プレスリリース

「SUUMO住みたい街ランキング2024関西版」梅田が西宮北口と大差で3年連続1位に! 本町、尼崎も躍進

リクルートは関西圏(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県)に居住している20歳〜49歳の4600人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2024年関西版」を発表した。
どのような街がランクインしたか、結果と併せて街の魅力を探ってみた。

TOP3は3年連続1位「梅田」、2位「西宮北口」、3位「神戸三宮」

1位は大都心部「梅田」、2位は阪神間の人気の街「西宮北口」、3位は神戸市の玄関口「神戸三宮」だった。
トップ3は2022年から3年連続で同じ位置をキープしたが、今年際立ったのが1位の「梅田」の強さだ。2位の「西宮北口」と約300点もの差をつけており、「得点がジャンプアップした街ランキング」でも昨年から100点以上も得点を伸ばして1位に。
「梅田」の人気の高まりがはっきりと結果に出た。

住みたい街(駅)ランキング [1位~20位]

得点がジャンプアップした街(駅)ランキング[1位~10位]

梅田人気はうめきた開発の期待感や高い資産価値が決め手に

「梅田」の人気の背景には、西日本最大のターミナル「JR大阪駅」北側の再開発「うめきた」による街の発展がある。「グランフロント大阪」が誕生した1期開発に続いて「うめきた2期(グラングリーン大阪)」が進行しており、今年9月には一部先行街開きをする予定だ。

グランフロント大阪(写真/PIXTA)

グランフロント大阪(写真/PIXTA)

中でも特に期待が寄せられるのが、大阪駅と直結する都市公園「うめきた公園」の誕生だろう。関西最大のビッグターミナルであるJR大阪駅前に、広大な芝生広場や、美しい曲線を描く大屋根のイベントスペースを設けた巨大公園が姿を現す。周辺にはホテルやオフィスビル、タワーマンションなども続々開業するという、心躍らされる都市プランだ。
住みたい理由としてあげられる街の魅力は、働く場にとどまらない街のにぎわい、文化娯楽施設の充実などだ。
「梅田」を「西宮北口」と年代別で比較すると、20代の支持率が突出して高いのもうなずける。
ビジネスや商業のイメージが強い「梅田」だが、うめきたエリア再開発の波及効果や福島方面や中津方面の再開発により住宅供給が増加。直近10年間でも大阪市北区・福島区で1万5000戸以上の分譲マンションが供給された。
近年、若い人の間で住宅を資産価値として見る層が増えており、住むイメージが希薄だった梅田エリアも、都心居住への憧れの強さに後押しされ、“働き、暮らす街”として魅力を増していると考えられる。

街の魅力項目トップ10 梅田駅

年代別上位3駅の得票率

同時にアンケートをとった「穴場だと思う街(駅)」でも「梅田」が昨年の2位から1位に上昇した。
「梅田」と「穴場」のイメージがマッチしない印象だが、ハイブランドの店舗から昔ながらの飲食街まで多様な顔があることが、“住む街としても見逃せない”という穴場感につながっているのかも。

穴場だと思う街(駅)ランキング

ほかにも得点を上げた街を見てみたい。
「江坂」は昨年の11位から8位にランクインした(310点→342点)。
「江坂」は大阪中心部のオフィス街に直結する大阪メトロ御堂筋線にあり、新幹線停車駅「新大阪」や「梅田」「淀屋橋」に乗り換えなしで行ける。
また、阪急京都線「烏丸」は昨年の15位から12位に(238点→270点)、「本町」は18位から13位(216点→256点)に大きく順位を上げている。
それぞれ京都市、大阪市の中心エリアにあり、商業施設やオフィスが集まる華やかな街だ。
これらの結果を見ても、都心への交通アクセスの良さや商業施設の充実など、利便性の高い街に人気が集まっていることがわかる。

「住みたい自治体」は「西宮市」「大阪市北区」がトップ2

アンケートでは「住みたい自治体」についても尋ねた。
1位は「西宮市」。以下「大阪市北区」、「明石市」、「大阪市天王寺区」、「大阪市中央区」と続いた。

住みたい自治体ランキング [1位~20位]

得点ジャンプアップした自治体ランキング[1位~10位]

「住みたい街ランキング」でトップ2だった街の自治体「西宮市」「大阪市北区」がやはり1位、2位を獲得した。
1位から5位までが昨年と同じ順位だが、昨年との得点差を見ると「大阪市北区」が130点(997点→1127点)と、他の自治体に比べて突出して大きい。
一方、手厚い子育て施策で注目を集める「明石市」は今年も3位をキープし、依然として高い支持を得ている。

「梅田」が利便性や都心への憧れ、資産価値の高さを背景にしているのに対し、「明石市」は市民目線のサービスで注目を集めた。
「明石市」の街の魅力項目には「子育てに関する自治体のサービスが充実している」だけでなく、「介護や高齢者向けのサービスが充実している」「公共施設が充実している(図書館、コミュニティセンター、公民館など)」など、子育て以外の自治体の施策や生活環境の充実も挙げられる。

明石駅前。大規模商業施設だけでなく、近くに公共施設や商店街がある(画像提供/明石市役所)

明石駅前。大規模商業施設だけでなく、近くに公共施設や商店街がある(画像提供/明石市役所)

明石駅前。大規模商業施設だけでなく、近くに公共施設や商店街がある(画像提供/明石市役所)

明石駅前。大規模商業施設だけでなく、近くに公共施設や商店街がある(画像提供/明石市役所)

年代・ライフステージでは、夫婦+子ども世帯の支持(2位)だけでなく、夫婦のみ世帯(3位)、女性20代・30代(2位)、男性20代・30代(5位)と子育てファミリー以外のさまざまな層からも高く注目されている。
また、「メディアによく取り上げられて有名」という声も多く、自治体の発信力も地元以外でも住みたいと思う人が増える要因になっているようだ。

■関連記事:
子育て支援の“東西横綱”千葉県流山市と兵庫県明石市、「住みたい街ランキング」大躍進の裏にスゴい取り組み

おしゃれなオフィス街「本町」が大躍進本町の風景(写真/PIXTA)

本町の風景(写真/PIXTA)

「本町」は住みたい街ランキングで昨年の18位から13位へとランクアップ。得点ジャンプアップした街ランキングでも40点も得点を伸ばし3位となった。
「本町」のある「大阪市中央区」は自治体総合ランキングで6位となり、特に男性40代、シングル男性、シングル女性では3位の高順位に。

街の魅力として「魅力的な働く場」や「雰囲気やセンスのいい飲食店やお店」などがあり、最先端のおしゃれな街という印象で捉えられていることが分かる。
大阪市中央区は2府4県の中でも人口増加率、15歳未満の人口増加率がともにナンバー1。小学校の児童数も10年前の3000人未満から4000人に届きそうな数に。本町駅周辺は中央区・西区ともに小型の分譲マンション供給が続いており、この5年間で中央区だけで約6000戸以上増えたことが人口増の要因となっている。
1975年の万博開催年に建てられた「船場センタービル」はコロナ禍の中、2021年から土日の営業を開始。地域住民が増えていることで飲食店などがにぎわいを見せている。

梅田に隣接しているのに割安な家賃相場。新築マンションの供給進む「尼崎市」JR尼崎駅前の様子(写真/PIXTA)

JR尼崎駅前の様子(写真/PIXTA)

「尼崎市」は「住みたい自治体」総合順位で過去最高位の19位にランクイン。特にシングル男性で8位に食い込み、夫婦のみの世帯も16位と高支持を得た。ファミリーよりもシングルやカップルからの支持が厚い傾向が見られる。
JR「尼崎」駅は「住みたい街ランキング」では31位だが、「得点がジャンプアップした街」では9位に躍進を遂げた。

JR尼崎駅は大阪駅まで新快速で1駅6分、東海道本線、福知山線、東西線が乗り入れ、交通利便性の高さでは関西屈指。その割に家賃相場が割安なのも魅力のひとつといえる。

住みたい理由として「コストパフォーマンスが良い」「物価が安い」「電車やバスでさまざまな場所に行きやすい」「街に賑わいがある」など、交通利便性や物価といった実質的な側面が評価されている。

尼崎市全体では高齢化が進むものの再開発で美しく整備されたJR尼崎駅周辺を中心にマンションの供給が続き、周辺エリアからの流入も多い。
子ども向け施設として最近注目を集めているのが、2022年に「ボートレース尼崎」場内にオープンした関西初のキッズパーク「モーヴィあまがさき」。ボーネルンド社や行政が共同で子ども向けのイベントを開催しており、なかなか予約がとれないほどの人気だという。

市も子育て支援に力を入れており、子どものうちから健康に関心を持つよう11歳と14歳を対象に「尼っこ検診」を実施。定住・転入促進情報発信サイト「AMANISM(アマニスム)」やSNSを使った情報発信など、独自の取り組みで住みやすさをアピールしている。

2024年の「住みたい街ランキング」では、「梅田」が圧倒的に強かった。得点ジャンプアップランキングでも1位となり、人気の高まりは現在進行形だ。
また、「尼崎」や「本町」など、梅田から10分圏内の街も躍進が目立つ。

コロナ禍を抜け出した今、関西圏では都心の利便性と華やぎが一層求められるようになったと思える。
一方、「明石市」のように、市民目線の施策や地道な街づくりにより人口を増やしている自治体もある。
うめきたエリアの再開発などで都心部が今後さらに整備されていく中、人々が「住みたい」と思う街がどう変化していくか、注目していきたい。

●関連サイト
・SUUMOリサーチセンター「SUUMO住みたい街ランキング2024 関西版」プレスリリース

【2024年】東京23区の中古マンション価格相場が安い駅ランキング。シングル向け、カップル・ファミリー向け、それぞれ1位は?

全国のなかでも群を抜いて人口が多い東京都。多少の増減はありつつも増加傾向が続き、総務省によると2023年の1年間で東京都への転入者数は転出者数を約6万8000人も上回っていたそう。そんなニーズの高さも反映し、東京23区内の住宅価格は他地域に比べて高め。利便性のよさや仕事の都合から都内に住みたい、でも費用はなるべく抑えたい……と考える人も多いだろう。そこで今回は、東京23区内に位置する駅から徒歩15分圏内にある、中古マンションの価格相場を調査。シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)とカップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)、それぞれの中古マンションの価格相場が安い駅ランキングをご紹介しよう。

東京23区内の中古マンション価格相場が安い駅ランキング

【シングル向け/TOP18(24駅)】
順位 駅名 価格相場(主な路線/駅の所在地)
1位 千鳥町 2980万円(東急池上線/大田区)
1位 方南町 2980万円(東京メトロ丸ノ内線/杉並区)
3位 武蔵新田 2989.5万円(東急多摩川線/大田区)
4位 池上 2990万円(東急池上線/大田区)
4位 西馬込 2990万円(都営浅草線/大田区)
6位 成増 3039.5万円(東武東上線/板橋区)
7位 地下鉄成増 3080万円(東京メトロ有楽町線/板橋区)
8位 板橋区役所前 3180万円(都営三田線/板橋区)
9位 大山 3280万円(東武東上線/板橋区)
10位 両国 3310万円(JR総武線/墨田区)
11位 新井薬師前 3330万円(西武新宿線/中野区)
12位 練馬 3340万円(西武池袋線/練馬区)
13位 八幡山 3380万円(京王線/杉並区)
13位 三ノ輪橋 3380万円(都電荒川線/荒川区)
15位 南千住 3430万円(JR常磐線/荒川区)
16位 東十条 3435万円(JR京浜東北線/北区)
17位 三ノ輪 3440万円(東京メトロ日比谷線/台東区)
18位 赤羽 3480万円(JR京浜東北線/北区)
18位 板橋本町 3480万円(都営三田線/板橋区)
18位 王子 3480万円(JR京浜東北線/北区)
18位 落合南長崎 3480万円(都営大江戸線/新宿区)
18位 十条 3480万円(JR埼京線/北区)
18位 三河島 3480万円(JR常磐線/荒川区)
18位 雑司が谷 3480万円(東京メトロ副都心線/豊島区)
※25位~50位は記事末に記載

【カップル・ファミリー向け/TOP20】
順位 駅名 価格相場(主な路線/駅の所在地)
1位 谷在家 3024.5万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
2位 京成高砂 3180万円(京成本線/葛飾区)
3位 竹ノ塚 3220万円(東武伊勢崎線/足立区)
4位 柴又 3280万円(京成金町線/葛飾区)
5位 青井 3285万円(つくばエクスプレス/足立区)
6位 新柴又 3340万円(北総線/葛飾区)
7位 北綾瀬 3380万円(東京メトロ千代田線/足立区)
7位 西新井大師西 3380万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
9位 お花茶屋 3394.5万円(京成本線/葛飾区)
10位 見沼代親水公園 3398万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
11位 舎人 3423.5万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
12位 大師前 3480万円(東武大師線/足立区)
12位 堀切菖蒲園 3480万円(京成本線/葛飾区)
12位 六町 3480万円(つくばエクスプレス/足立区)
15位 四ツ木 3499万円(京成押上線/葛飾区)
16位 京成立石 3499.5万円(京成押上線/葛飾区)
17位 五反野 3580万円(東武伊勢崎線/足立区)
18位 小菅 3650万円(東武伊勢崎線/足立区)
19位 扇大橋 3700万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
20位 綾瀬 3739.5万円(東京メトロ千代田線/足立区)
※21位~48位は記事末に記載

「シングル向け」物件は大田区・板橋区・北区に注目を!

「シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)」のランキング1位には、価格相場が2980万円の2駅がランクイン。東急池上線・千鳥町駅と東京メトロ丸ノ内線・方南町駅だ。千鳥町駅は23区南端の大田区、方南町駅は23区西端の杉並区に位置している。

千鳥町駅(写真/PIXTA)

千鳥町駅(写真/PIXTA)

まずは千鳥町駅の様子から見てみよう。住宅街にある駅周辺は、落ち着いた雰囲気。スーパーやコンビニ、ファストフード店や居酒屋などの飲食店のほか、ベーカリーや精肉店などの個人商店、さらにポップコーン専門店があるのも気になるところ。駅前の通りを西に5分ほど歩くと環八通り、東へ8分ほど歩くと国道1号・第二京浜にぶつかり、そうした大通り沿いにはホームセンターやファミレスなども立っている。千鳥町駅から環八通りを越えつつ西へ8分ほど歩くと東急多摩川線・下丸子駅があり、行き先に応じて2路線を使い分けられるのは便利だろう。千鳥町駅から東急池上線に乗ると、JR京浜東北線が通る蒲田駅まで約7分。JR山手線や都営浅草線が通る五反田駅までは、約20分で行くことができる。ちなみに蒲田方面に進んで1駅目の池上駅は、価格相場2990万円で4位にランクインしている。

方南町駅前(写真/PIXTA)

方南町駅前(写真/PIXTA)

同じく1位になった方南町駅は、中野坂上駅で二股にわかれる東京メトロ丸ノ内線の分岐線の終着駅。丸ノ内線沿線の新宿駅や東京駅、池袋駅に1本で行けるのはもちろん、始発駅のため混雑する朝でも座りやすいのも魅力だ。駅出口近くの方南通りと環七通り沿いには商店も充実。スーパーやドラッグストアにホームセンターなどの大型店舗のほか、青果店や精肉店、ベーカリーも元気に営業している。ファミレスやファストフード店、ラーメン店など気軽に利用できる飲食店も多彩にあるので、自炊をしない人も気分に応じて食事ができるだろう。クラフトビール醸造所や、古びた一軒家を活用したお化け屋敷など個性的な施設もあるので、休日の街歩きも楽しそうだ。

武蔵新田駅前の様子(写真/PIXTA)

武蔵新田駅前の様子(写真/PIXTA)

3位は東急多摩川線・武蔵新田駅で価格相場は2989万5000円。1位の千鳥町駅と同じ大田区にあり、両駅間は歩いて10分弱という近さだ。駅周辺の環境も似ているが武蔵新田駅のほうが環八通りに近く、駅周辺のスーパーや飲食店は千鳥町駅周辺以上に豊富かもしれない。駅から南へ15分ほど歩くと、多摩川の河川敷へ。対岸の神奈川県川崎市側を眺めつつ、春の桜並木も美しい河川敷をのんびり散策するのもいいだろう。駅から東急多摩川線に乗ると、蒲田駅までは約5分。蒲田とは反対方面の終点・多摩川駅までは約8分で、そこから東急目黒線と東急東横線に乗り換えることができる。

前出の池上駅と並んで4位になった、都営浅草線・西馬込駅も大田区に位置。トップ4の5駅のうち4駅が大田区からランクインしたわけだ。価格相場2990万円の4位・西馬込駅は地下鉄駅で、3カ所ある地上出入口はいずれも国道1号・第二京浜沿いにある。その大通り沿いにスーパーやドラッグストアがあるほか、国道から東西に延びる脇道に入った住宅地にも飲食店や和菓子店、ベーカリーなどがぽつぽつと立ち並ぶのどかな商店街が続く。駅から南へ13分ほど歩くと、現存するものでは関東最古の五重塔がそびえる「池上本門寺」が佇んでいる。隣接地には緑豊かな「本門寺公園」が広がっているので、息抜きに訪れたい。

6位~18位の19駅を見てみると、いずれも埼玉県に隣接する板橋区と北区の駅が最多タイとなる4駅ずつランクインしている。1位~4位に4駅並んだ大田区は神奈川県に隣接することを考えると、23区内で費用を抑えつつ一人暮らし向け物件を見つけたいなら、都県境に接する区にある駅をチェックするとよさそうだ。

「カップル・ファミリー向け」はトップ20のうち13駅が足立区という結果に

「カップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)」ランキングの1位は、日暮里・舎人(にっぽり・とねり)ライナーの谷在家(やざいけ)駅で価格相場は3024万5000円。日暮里・舎人ライナーは全13駅・総延長9.7kmの比較的、短い路線だが、トップ20には谷在家駅に隣接する西新井大師西駅(7位・価格相場3380万円)をはじめ全5駅がランクイン。リーズナブルな物件探しの際は、要チェックの路線だろう。

谷在家駅(写真/PIXTA)

谷在家駅(写真/PIXTA)

都立 舎人公園(写真/PIXTA)

都立 舎人公園(写真/PIXTA)

さて、1位・谷在家駅は足立区に位置しており、駅西側には12棟からなる都営谷在家アパートが立っている。この集合住宅は建築から50年を超えているため、建て替え工事計画が進行中。新たな建物が完成した際には街が活気づきそうだ。現在の駅周辺も多くの人が住む住宅地で、徒歩約15分圏内に複数のスーパーやドラッグストアが点在している。駅から北へ歩いて10分ほど、1駅隣の舎人公園駅前には敷地面積約65ヘクタールの「都立 舎人公園」が広がり、豊かな緑や大きな池に囲まれて気軽に自然に親しめる環境だ。

京成高砂駅(写真/PIXTA)

京成高砂駅(写真/PIXTA)

続く2位には葛飾区の京成本線・京成高砂駅が、価格相場3180万円でランクイン。京成金町線と京成成田空港線、北総線も乗り入れるターミナル駅であり、京成高砂駅から京成金町線に乗って1駅目が4位の柴又駅(価格相場3280万円)、北総線に乗って1駅目が6位の新柴又駅(価格相場3340万円)という位置関係だ。京成線はさまざまな路線との直通運転もされているため、京成高砂駅から日暮里・上野方面に向かえるのはもちろん、日本橋駅や新橋駅といった都営浅草線内の各駅、京急線内の品川駅や羽田空港第1・第2ターミナル駅までも、乗り換えることなく1本で行くことが可能。京成成田空港線の特急に乗れば、京成高砂駅から成田空港駅(成田第1ターミナル)まで約41分で行けるのも便利だろう。

そんな京成高砂駅の周辺には、駅前のイトーヨーカドーをはじめ複数のスーパーやドラッグストア、食品系の個人商店が点在し、買い物には困らない環境。飲食店が多いのも特徴で、日常使いしたい食堂や行列のできるラーメン店、親子3代で続けてきた中国料理店などバラエティー豊か。休日ごとにいろんなお店を訪れるのも楽しそうだ。

竹ノ塚駅周辺の様子(写真/PIXTA)

竹ノ塚駅周辺の様子(写真/PIXTA)

3位は東武伊勢崎線・竹ノ塚駅で、価格相場は3220万円。1位と同じ足立区に位置しており、両駅間は直線距離だと2kmほどと割と近い立地だ。竹ノ塚駅周辺はかつて「開かずの踏切」による交通渋滞が問題視されていたが10年ほど前から高架化工事が進められ、ついに2022年3月から上下線ともに高架橋上での運行が開始して踏切も廃止に。駅舎も新しくなり、利便性がアップした。線路をはさんだ街の東西の分断も高架化により解消された駅周辺には商店街が広がり、スーパーやファストフード店などの飲食店のほか、青果店や鮮魚店、豆腐店などもあって地元の人々でにぎわっている。また、現在は駅の高架下スペースの開発が進行中。2024年度上期には、飲食店や物販店など約25店舗からなるアーケード商店街が誕生する予定なので、楽しみに待ちたい。

さて、トップ20の駅の所在地を見てみると13駅が足立区、7駅が葛飾区。なんとランクインしたのは足立区または葛飾区にある駅のみという結果に! 最も多くの駅がランクインした足立区は、子育て支援に力を入れていることでも注目を集めている自治体だ。妊娠期から出産・子育て期まで切れ目のない支援を行う「あだちスマイルママ&エンジェルプロジェクト」という独自の支援制度があったり、3歳までの子どもとその保護者が利用できる「子育てサロン」が地域の拠点や商業施設内、児童館に計65カ所もあったりと、安心して子どもが育てられる環境を整備している。子どものいるファミリーが住まい探しをする際は、こうした自治体の取り組みも考えあわせて、どの物件にするかを決めると新居での生活がより充実しそうだ。

●21位以降のランキング
【シングル向け】

シングル向け

【カップル・ファミリー向け】

カップル・ファミリー向け

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東京23区内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数40年未満、敷地権利は所有権のみ
シングル向け:専有面積20平米以上50平米未満
カップル・ファミリー向け:専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2023/7~2023/12
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

「ニセコでも冷暖房費が月額5000円!最強断熱賃貸」「日本列島を1万キロ歩くクレイグ・モドさんインタビュー」【1月人気記事まとめ】

暖かい日もあれば寒い日もあり、気温が安定しない日々が続いていますね。SUUMOジャーナルで1月に公開した記事では、「最強断熱賃貸、氷点下の北海道ニセコ町でも冷暖房費が月額5000円! 積雪2.3mまで耐える太陽光パネル搭載も3月に登場」「列島を1万キロ歩くモドさんがNYタイムズに盛岡と山口を載せた理由。東京と廃墟ラブホから見える日本 クレイグ・モド(Craig Mod)インタビュー」などが人気TOP10に入りました。さっそく、どんな記事なのかご紹介していきましょう。

1月の人気記事ランキングTOP10はこちら!

第1位:最強断熱賃貸、氷点下の北海道ニセコ町でも冷暖房費が月額5000円! 積雪2.3mまで耐える太陽光パネル搭載も3月に登場

第2位:列島を1万キロ歩くモドさんがNYタイムズに盛岡と山口を載せた理由。東京と廃墟ラブホから見える日本 クレイグ・モド(Craig Mod)インタビュー

第3位:室温18度未満で健康寿命が縮む!? 脳卒中や心臓病につながるリスクは子どもや大人にも。家の断熱がマストな理由は省エネだけじゃなかった

第4位:100万円でタイニーハウスをDIY。ノンフィクション作家が6年かけて9.9平米ロフト付きの小屋を作るまで 川内有緒『自由の丘に、小屋をつくる』

第5位:ニューヨーク人情酒場 NYのトレンド”OMAKASE”に驚愕! 爆音サルサ・レゲトンのパリピさがヤバい

第6位:名建築ホテルの実測スケッチがエモいとSNSで話題! 朝食やアメニティも実測する遠藤慧さんの制作現場に密着 「all day place shibuya」東京都渋谷区

第7位:注文住宅トレンド2024! 注目は、平屋・ヌック・タイパ・省エネ・ランドリールームなど7キーワード

第8位:「要求定義」から自宅リノベを始めてみた。建築家とアイデアふくらみ想像以上の仕上がりに!【後悔しないマンションリノベのコツ】

第9位:自然素材でつくったタイニーハウスは氷点下でも超ぽかぽか! 羊毛・ミツロウ紙などで断熱効果抜群、宿泊体験してみた 「CORONTE(コロンテ)」北海道仁木町

第10位:2024年も3省連携で住宅省エネキャンペーンを実施。省エネで補助金がもらえるのは?内容を詳しく解説
※対象記事とランキング集計:2024年1月1~31日に公開された記事のうち、PV数の多い順

1月の人気記事ランキングTOP10はこちら!

第1位:最強断熱賃貸、氷点下の北海道ニセコ町でも冷暖房費が月額5000円! 積雪2.3mまで耐える太陽光パネル搭載も3月に登場

冬は氷点下でも暖房費が定額で月5000円!“最強断熱の賃貸住宅”が叶えた光熱費の未来 北海道ニセコ町

(撮影/久保ヒデキ)

ここ数年は、夏の暑さも冬の寒さも厳しく、電気や灯油、ガス料金の高騰による冷暖房費のアップが家計を直撃しています。そんな今、注目したいのが冷暖房費や光熱費が共益費に含まれ、一定額でまかなえてしまう賃貸・分譲集合住宅です。なんと極寒の地、北海道ニセコにある賃貸集合住宅「NISEKO BOKKA(ニセコ ボッカ)」では、冷暖房費が月額5000円でまかなえてしまうのだとか! 最強の断熱性能を誇るNISEKO BOKKAをプロデュースしたまちづくり会社「ニセコまち」取締役の村上敦さんに、その仕組みについて取材しました。

第2位:列島を1万キロ歩くモドさんがNYタイムズに盛岡と山口を載せた理由。東京と廃墟ラブホから見える日本 クレイグ・モド(Craig Mod)インタビュー

列島を1万キロ歩くモドさんがNYタイムズに盛岡と山口を載せた理由。東京と廃墟ラブホから見える日本 クレイグ・モド(Craig Mod)

(写真撮影/桑田瑞穗)

作家・写真家のクレイグ・モド(Craig Mod)さんはニューヨークタイムズ紙に「盛岡」を強く推薦し、同紙の「2023年に行くべき52カ所」で、その2番目に抜擢させた張本人。さらに、2024年には山口市も推薦。モドさんが盛岡や山口を推した理由は「京都、金沢、広島が日本の『レコードのA面』なら、山口と盛岡は『B面』。控えめな天才性が含まれており、こうした中核市にはチャンスがある」と考えるから。膨大な数の田舎を歩いて見てきたモドさんに、いい人生に必要なものは何か、住むならどんな家がおすすめか、じっくりとインタビューしました。

第3位:室温18度未満で健康寿命が縮む!? 脳卒中や心臓病につながるリスクは子どもや大人にも。家の断熱がマストな理由は省エネだけじゃなかった

室温18度未満で健康寿命が縮む!? 脳卒中や心臓病につながるリスクは子どもや大人にも。家の断熱がマストな理由は省エネだけじゃなかった

(写真/PIXTA)

「もしナイチンゲールが日本で活躍していたら、今ごろ日本の住宅は夏も冬も快適だった!?」「しかも住宅が快適なら、日本の生活習慣病の患者はもっと少なかったかも知れない!?」。にわかに理解しがたい話ですが、世界と日本の住宅環境の差が分かってくると、これは全く荒唐無稽な話でもないのです。住宅と健康には、いったいどんな因果関係があるのでしょうか? 例えば、2018年11月にWHOが発表した「住宅と健康に関するガイドライン」では、冬の室温を18度以上にすることが推奨されています。しかし国土交通省が2014年に実施した「スマートウェルネス住宅等推進調査」では、冬に室温18度以上だった都道府県は北海道を含むわずか4道県。こうした世界と日本の住環境の違いや、住宅と健康との密接な関係とは!?  その分野の第一人者である慶應義塾大学教授の伊香賀俊治先生にお話をうかがいました。

第4位:100万円でタイニーハウスをDIY。ノンフィクション作家が6年かけて9.9平米ロフト付きの小屋を作るまで 川内有緒『自由の丘に、小屋をつくる』

9.9平米ロフト付きの小屋をセルフビルド ノンフィクション作家の隠れ家

 

「セルフビルドで小屋をつくる」。未就学の子どもと夫、それに友人たちを巻き込んで自分だけの小屋をつくり上げたのが、ノンフィクション作家の川内有緒さんです。DIY未経験だったにもかかわらず、DIY工房に通うことから始め、構想から6年かけて9.9平米ロフト付きの小屋を完成させ、「『自分で何でもつくれる』という手応えを経て価値観が変わった」と語る川内さん。そんな川内さんに、セルフビルドをする際の土地探しの決め手や完成までにかかった金額や、セルフビルドで押さえるべきポイント、小屋づくりを始めたきっかけについてお話をうかがいました。そして、夢物語を現実にすることで、彼女が得たものとは――?

第5位:ニューヨーク人情酒場 NYのトレンド”OMAKASE”に驚愕! 爆音サルサ・レゲトンのパリピさがヤバい

ニューヨーク人情酒場 NYのトレンド”OMAKASE”に驚愕! 爆音サルサ・レゲトンのパリピさがヤバい

(イラスト/ヤマモトレミ)

アメリカで漫画家として活動しながら、ブルックリンで週4日寿司を巻く筆者によるエッセイ。今回のテーマは“OMAKASE”です。いまNYでは、OMAKASEが一つのとてもトレンディなジャンルに。街には数多くのOmakaseレストランができ、流行に敏感なニューヨーカーに対して、おしゃれで楽しいダイニングエクスペリエンスをウリにしているそうです。和食がベースであるものの、あっと驚くような仕掛けが込められた一品や、看板メニューの派手な料理などを用意しているお店も多いとのこと。さらに、著者が働くお店はラテンの人々が仕切っていることもあり、大変陽気な空気で毎夜遅くまでパーティーが行われているといいます。爆音サルサ・レゲトンをBGMにパリピ風味でご提供!? 果たして、日本の”おまかせ”とはどんな違いがあるのでしょうか?

第6位:名建築ホテルの実測スケッチがエモいとSNSで話題! 朝食やアメニティも実測する遠藤慧さんの制作現場に密着 「all day place shibuya」東京都渋谷区

名建築ホテルの実測スケッチがエモいとSNSで話題! 朝食やアメニティも実測する遠藤慧さんの制作現場に密着 「all day place shibuya」東京都渋谷区

(画像提供/遠藤慧さん)

ホテルの実測スケッチがSNSで人気を集め、2023年8月に『東京ホテル図鑑』(学芸出版社)として書籍化が実現した一級建築士・カラーコーディネーターの遠藤慧さん。実測スケッチとは、建築物などの対象物を観察しメジャーなどでそのさまざまな部分を測量、スケッチに落とし込んだものを指します。ずらりと並ぶ実測スケッチは、見開きに1つのホテルの要素を詰め込んだ図鑑のような仕上がりです。いったいどうやって描いているのか? 東京都・渋谷区にある「all day place shibuya」で拝見する遠藤さんの制作現場、なんと朝食やアメニティまで実測し、スケッチに盛り込んでしまいます! 遠藤さんの、建築スケッチに込めた熱い思いをたっぷり語ってもらいました。

第7位:注文住宅トレンド2024! 注目は、平屋・ヌック・タイパ・省エネ・ランドリールームなど7キーワード

注文住宅トレンド2024! 注目は、平屋・ヌック・タイパ・省エネ・ランドリールームなど7キーワード

(写真/明野設計室 一級建築士事務所)

ハウスメーカーや工務店、建築家とイチから自分好みの住まいをつくれる「注文住宅」。マンション・建売一戸建てより自由度が高く、住まいにこだわりたい人の「究極の家」といっても過言ではない注文住宅は、間取りも設備もイチから設計できるため、その時代の価値観や好み、トレンドが色濃く反映されます。建築費や資材が高騰する昨今のトレンドは、「小さくても満足度が高い家」。さらに、人気の設備などについても解説していきます。これから注文住宅を建てたい人がおさえておくべきポイントについて、住まい情報誌『SUUMO注文住宅』の編集長・服部保悠氏に話を聞きました。

第8位:「要求定義」から自宅リノベを始めてみた。建築家とアイデアふくらみ想像以上の仕上がりに!【後悔しないマンションリノベのコツ】

「要求定義」から始めるUXリサーチャーのマンションリノベ。大満足のアウトプットを生むためのポイントは?

(写真撮影/池田礼)

スタートアップ企業でUXリサーチャーとして働く松薗美帆さんは、昨年、東京都内にある築41年のマンションをリノベーション。建築家とリノベーションのプランを検討するにあたり、松薗さんが最初に着手したのが、「要求定義」。仕事でサービスの開発や改善を行う際に欠かせないプロセスを、家づくりに導入したといいます。しかし、家づくりの要求定義って、何をどうまとめればいいのでしょうか? 建築家の反応は? やってみて分かったことは? 「要求定義」にプロの発想が加わると、想像以上の仕上がりになる――。そう話す松薗さんに、やりたいことを実現するためのポイントを伺いました。

第9位:自然素材でつくったタイニーハウスは氷点下でも超ぽかぽか! 羊毛・ミツロウ紙などで断熱効果抜群、宿泊体験してみた 「CORONTE(コロンテ)」北海道仁木町

自然素材だけで建てられたタイニーハウスが仁木町に小さな薪ストーブだけの極上の心地よさを味わって

(撮影/久保ヒデキ)

リンゴやブドウ、サクランボなどの果樹栽培が盛んなまち、北海道仁木町。その仁木町に2023年夏、ほぼ自然素材だけで建てられた「CORONTE(コロンテ)」という一棟貸しの小さなコテージが誕生しました。企画設計したのは、木こりとして森で自ら木を切り出し、それを素材にした建築を手がけてきた陣内雄(じんのうち・たけし)さん。「動物が巣にする素材でつくる家は文句なく心地よい」と言い、みんながそれを体験できる場をつくりたかったのだと話します。そんな森の中のコテージに筆者が1泊、自然素材でつくられた家の魅力や断熱効果をたっぷりと体験してきました。

第10位:2024年も3省連携で住宅省エネキャンペーンを実施。省エネで補助金がもらえるのは?内容を詳しく解説

2024年も3省連携で住宅省エネキャンペーンを実施。省エネで補助金がもらえるのは?内容を詳しく解説

(写真/PIXTA)

住宅の省エネ化を推し進めている政府は、さまざまな優遇制度を設けています。国土交通省・経済産業省・環境省の3省連携による住宅省エネキャンペーンが2023年にスタートしましたが、2024年も同様のキャンペーンを展開することが決まり、昨年末に2024キャンペーンのホームページが公開されました。どのような内容なのでしょうか? 詳しく解説します。

1月の人気記事ランキングでは、断熱関連の記事のランクインが目立ちました。そのほか、ホテルの実測スケッチ、盛岡、ニューヨークの漫画エッセイなど特色ある記事も。まだまだ寒い日が続くかもしれません。断熱の記事を参考にしつつ、暖かい家のなかで楽しい読み物記事を楽しんでくださいね。

「住みたい街ランキング」2024、東京勢弱体!? 1位、2位は東京外、吉祥寺はまさかの3位に退く

リクルートが、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)在住の20歳~49歳の男女9335人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2024」を発表した。ランキング上位は常連が顔をそろえる中、あの吉祥寺を抑えて2位になった街がある。ランキングがアップした街を中心に、その背景をさぐってみよう。

【今週の住活トピック】
「SUUMO住みたい街ランキング2024 首都圏版」を発表/リクルート

住みたい街ランキング2024、1位は横浜、2位には吉祥寺を抜いた大宮

では、2024年の住みたい街(駅)ランキングの結果を紹介しよう。「横浜」が首位を、しかも得点を伸ばしてナンバー1になった。2位には、得点を落とした「吉祥寺」を抑えて「大宮」がその座に就いた。その結果、「北の大宮・南の横浜」が1・2位を占め、中に当たる東京勢の街は3位以下へと退く形になった。

住みたい街(駅)ランキング[1位~10位]

住みたい街(駅)総合ランキングトップ10(首都圏全体/3つの限定回答)(出典:リクルート)

詳しく見ていこう。今回2位の「大宮」は、2018年の9位から順位を4位、3位と上げて、ついに2位に至った。2018年に2位だった「恵比寿」は、吉祥寺、大宮に抜かれた後は4位をキープ、2018年に3位だった「吉祥寺」は恵比寿を抜いて2位をキープしていたが、今回は3位に退いた。

2018年に4位だった「品川」は2023年には11位までランクダウンしたが、今回はTOP10に返り咲いた。おおむねランキング14位くらいまでは、常連の街が調査時期によって入れ替わりながら、上位を維持している形だ。

住みたい街(駅)ランキング[11位~25位]

住みたい街(駅)総合ランキング11位~25位(首都圏全体/3つの限定回答)(出典:リクルート)

11位~25位までを見ると、「流山おおたかの森」「舞浜」「桜木町」「みなとみらい」などが、過去最高の順位になるなど、人気のある郊外の街の中で、ランキングの入れ替わりが見られた。さらに上位50位までを見ると、つくばエクスプレスのような新しい沿線の街がランクアップし、かつて人気を誇った東急田園都市線の街がランクダウンしたという印象を受けた。

また、SUUMOが2023年との得点を比較して、得点ジャンプアップしたランキングを分析したところ、1位は「横浜」(+123点)で、2位「秋葉原」(+91点)、3位は「北千住」(+57点)、4位「巣鴨」(+49点)、5位「練馬」(+48点)と東京駅より北側の駅が上位を占めたという。

「横浜」が大横綱ぶりを見せた理由は?

TOPの座を守っただけでなく、得点も伸ばした「横浜」。まさしく、大横綱という感じだが、その理由はどこにあるのだろう?

SUUMOの分析によると、「子育て世帯」での得点が伸びていることが大きな要因だという。近年、横浜市は、子育て支援を強化している。子どもを預かるサービスについて無料クーポンを配布(2023年6月~)したり、中学生まで医療費の無料化を所得制限なしで実施(2023年8月~)したりと、子育て施策に力を入れていることが影響したのかもしれない。

同じ横浜市にある「桜木町」と「みなとみらい」もランクアップしているが、みなとみらい地区で企業本社、研究施設等を誘致が進んでいるため、「働く」場としても注目されている。また、2023年に音楽特化型アリーナ「Kアリーナ横浜」、バーベキュー施設なども備えた「ザ・ワーフハウス山下公園」などのスポットもオープンし、「遊ぶ」場としての魅力も増している。こうした総合力が、横浜の強みなのだろう。

「横浜」の性別・ライフステージ別・年代別の順位と得点

SUUMO住みたい街ランキング2024首都圏版 記者発表会資料(出典:リクルート)

「大宮」と「吉祥寺」、天下分け目の鍵は?

大宮が人気を維持し、吉祥寺が人気を落とした形での入れ替わりとなったが、その要因はどこにあるのだろう?

おしゃれな街、公園のあるクリーンな街の印象が強い「吉祥寺」は、女性や夫婦+子ども世帯、40代に人気はあるが、「大宮」は男性や夫婦のみ世帯、20代・30代に人気が高かった。つまり吉祥寺は、大宮の人気に押されて、男性や20代・30代などから支持を得られにくくなったということだ。

2024年の属性別「大宮」「吉祥寺」の順位

2024年の属性別「大宮」「吉祥寺」の順位(出典:リクルート)

では、大宮が男性や20代・30代などに支持された理由はなんだろう?
その一つ目が、「働く」環境だ。「魅力的な働く場や企業がある」「コワーキングスペースなど仕事のできる施設がある」といった理由が高いのだ。近年は、東京都からの企業移転も多く、オフィス賃料も手ごろなため空室率も低くなっているという。今後、大型のオフィスビルの計画もあり、働く場としての魅力が街の人気を高めているのだろう。

二つ目は、商業施設の充実ぶりだ。「大宮」に住みたい理由として目立ったのは、「買う」と「遊ぶ」の環境(文化・娯楽施設の充実、ショッピングモールやデパートなどの大規模商業施設、街の賑わい)の高さだ。大宮駅周辺に店舗数が1000店を超える7つの商業施設があり、散歩デートもできる氷川神社参道の先には、NACK5スタジアム大宮を擁する大宮公園がある。

ちなみに、SUUMO編集長の池本さんは、TOP2・横浜と大宮の人気の要因として、それぞれ県内における「コンパクト東京」の価値にある、と指摘している。直径2km圏というコンパクトなエリアに、東京都心の街の魅力が凝縮しているからだ。これなら、わざわざ東京都内の街まで出かける必要はないということだろう。

大宮と横浜は「コンパクト東京」

SUUMO住みたい街ランキング2024首都圏版 記者発表会資料(出典:リクルート)

ジャンプアップの街、「秋葉原」と「練馬」の魅力とは?

上位以外で注目の街として、「秋葉原」と「練馬」を挙げておこう。

秋葉原は、先に挙げた「得点がジャンプアップした街(駅)ランキング」で横浜に次ぐ2位で、総合順位も過去最高位の29位になった。人気を押し上げたのは、男性、なかでも30代男性が支持したからだ。

と聞くと、秋葉原は“オタクの街”だからと思いがちだが、そればかりとはいえないようなのだ。街の魅力(住みたい理由)項目の上位を見ると、「コワーキングスペースなど仕事のできる施設がある」「魅力的な働く場や企業がある」と「働く」環境がカギになっているのだ。

オタクの街を想起させる、「メディアに取り上げられて有名」「街に賑わい」「文化・娯楽施設が充実」といった項目は、その次に来ている。また、特徴的だと思った項目は「周囲の目を気にせず自由な生活ができる」。オタクや外国人などを受け入れる懐の広さが、街の魅力になっているようだ。

「秋葉原」街の魅力(住みたい理由)項目TOP10

「秋葉原」の街の魅力項目TOP10(出典:リクルート)

練馬区は、東京23区の中でも自然が豊かな区だ。その中心にあるのが、練馬駅だ。筆者は電気系に弱いので秋葉原にはそれほど行く機会がないが、練馬文化センターの落語会にはよく足を運んでいる。練馬駅周辺には行政の施設が集約しており、賑わいもあって便利な街だ。近くにできた、ハリーポッターのスタジオツアー東京にはぜひ行きたいと思っている。

この練馬が、得点がジャンクアップした街(駅)ランキング5位、総合順位も過去最高位の48位になった。SUUMOの分析では、男性20代・女性40代で支持が伸びたというのも意外だった。子育て世帯向きの街だと思っていたからだ。

これは、遊園地「としまえん」跡地に、魅力的なテーマパークと東京都の都市計画公園である「練馬城址公園」ができることが大きいのではないか。公園内を貫く石神井川沿いに桜などの樹木が並び、防災井戸などもある場所だ。

練馬城址公園は、今後、広域防災拠点となるほか、緑と水の空間、交流活動が行われる空間などが誕生する予定。段階的に整備される計画だが、テーマパーク開園と合わせて一部が開園している。

もちろん、4路線が利用できる利便性の高さの割には23区の中でも賃料などが安く、コスパが良い街という点は、人気となる大きな理由だ。

「練馬」街の魅力(住みたい理由)項目TOP10

「練馬」の街の魅力項目TOP10(出典:リクルート)

さて、再び総合順位の上位を見ていこう。SUUMOでは、首都圏の都県別にもランキングを出している。東京都民ランキングでは、1位「吉祥寺」、2位「恵比寿」、3位「新宿」、神奈川県民ランキングでは、1位「横浜」、2位「武蔵小杉」、3位「桜木町」、埼玉県民ランキングでは、1位「大宮」、2位「浦和」、3位「さいたま新都心」、千葉県民ランキングでは、1位「船橋」、2位「流山おおたかの森」、3位「千葉」、茨城県民ランキングでは、1位「つくば」、2位「水戸」、3位「研究学園」、と、それぞれの街が上位を占めている。

一方で、「横浜」は東京都民で11位、埼玉県民で5位、千葉県民で6位など、広範囲からの支持を得ている。また、「横浜」は神奈川県民で得点が932点、「大宮」は埼玉県民で775点と、県内で圧倒的な得点を得ている。人気が分散する東京勢の街と比べると、“わが街”感が大きいというのも強みだろう。

●関連サイト
・SUUMOリサーチセンター「SUUMO住みたい街ランキング2024 首都圏版」プレスリリース

2023年の一戸建て市場を総括。新築の一戸建ての価格は上昇するも面積は縮小気味?

前回(「2023年のマンション市場を総括。新築・中古マンションの価格推移と供給戸数を徹底解説!」)に続き、2023年の住宅市場を総括したい。今回は、東京カンテイが公表した「マンション・一戸建て住宅データ白書 2023」から、三大都市圏の新築・中古一戸建て市場ついて見ていくことにしよう。

【今週の住活トピック】
「一戸建て住宅データ白書 2023」を公表/東京カンテイ

2023年三大都市圏の新築・中古一戸建ての平均価格は総じて前年より上昇

新築マンションの価格高騰が指摘され、中古マンションの価格も新築に誘導されるように上昇している。上昇に鈍化傾向が見られるが、手が届きにくい状況となっている。では、一戸建ての市場はどうなっているのだろう?
東京カンテイが公表した新築・中古一戸建てデータで、三大都市圏の状況を見ていこう。

東京カンテイ「一戸建て住宅データ白書2023」

東京カンテイ「一戸建て住宅データ白書2023」

まず、2023年の首都圏の新築一戸建ての平均価格は4769万円で前年より5.4%上昇した。「2015年の調査開始以来最高額を3年連続で更新した」という。近畿圏でも前年より3.8%アップして3680万円になり、こちらも上昇が続いている。また、中部圏でも前年より0.6%アップの3417万円となり、「調査開始以降8年連続で上昇している」という。

三大都市圏ともに新築一戸建ての平均価格は上昇を続けているが、前年と比べると上昇率は縮小しているのが特徴だ。また、価格の上昇に対して、土地面積や建物面積の平均は、わずかながら縮小する傾向が見られる。

次に、中古一戸建てに目を向けよう。2023年の首都圏の中古一戸建ての平均価格は4016万円で、前年より2.5%上昇した。近畿圏では2589万円(前年2.8%上昇)、中部圏では2447万円(2.3%上昇)と、新築一戸建て同様に、三大都市圏ともに価格は上昇している。ただし、前年からの上昇率については、首都圏では大幅に縮小(10.2%→2.5%)、近畿圏では縮小(5.3%→2.8%)、中部圏では拡大(1.4%→2.3%)と、動きがそれぞれ異なっている。

一方、三大都市圏ともに中古一戸建ての平均価格は上昇を続けているが、平均の土地面積や建物面積は拡大している。新築一戸建てが面積を小さくしているのとは、逆の動きだ。

新築一戸建ての建物面積は100平方メートル未満のシェアが増加

一戸建ての面積について、さらに詳しく見ていこう。首都圏の例となるが、建物面積の面積帯シェアの推移を見よう。

東京カンテイ「一戸建て住宅データ白書2023」(首都圏)

東京カンテイ「一戸建て住宅データ白書2023」(首都圏)

首都圏の建物面積帯を見ると、新築一戸建てで100平方メートル未満(80平米未満・80平米台・90平米台)のシェアが増えているのが顕著で、近畿圏でも中部圏でも、面積の小さな一戸建てのシェアが拡大する同様の傾向が見られる。

一方、中古一戸建てでは、面積帯の推移に新築ほどの大きな変化は見られないが、建物面積120平方メートル以上のシェアが増えているのが特徴。この点も、近畿圏や中部圏で同様の傾向が見られる。広い一戸建てを探すなら、中古一戸建ての方が見つけやすいという状況のようだ。

新築一戸建てで面積が小さくなるのは、新築特有の要因がある。例えば、分譲事業者が広めの一戸建ての土地を取得した場合に、2区画や3区画などと区分けして、小さな一戸建てを建てて売るからだ。首都圏の新築一戸建てで顕著なのだが、土地面積で「50平米以上80平米未満」と「80平米以上100平米未満」のシェアが大きく拡大していることから、そうしたことがうかがえる。土地の仕入れ値が上がり、コンパクトにして購入希望者の買いやすい価格に抑える傾向が見て取れる。

一戸建てはマンションに比べて市場は安定している!?

最後に、2023年の一戸建ての市場をマンション市場と比較して見ていこう。東京カンテイでは、参考資料(マンションデータがまだ確定していないため)として、三大都市圏の2023年のマンション市場の結果も紹介している。

東京カンテイ「一戸建て住宅データ白書2023」

東京カンテイ「一戸建て住宅データ白書2023」

マンション、特に新築マンションを見ると、価格の上昇レベルでかなりばらつきがある。新築マンションの供給戸数が近年減少しているため、例えば東京23区で高額で大規模な新築マンションが売り出されると、その影響で平均価格を強く押し上げるといった現象が起きている。価格が乱高下しているわけではなく、国内外から居住・投資目的で需要がある特定エリアでの価格上昇が顕著なのだ。

一方、一戸建ては、投資目的の需要はあまりないので、供給戸数や価格は比較的安定している。それでも新築・中古ともに価格が上昇しているマンションから、面積の広い一戸建てを志向する傾向もあり、価格が上昇気味という状況と見てよいだろう。

なお、東京カンテイによると、新築マンションの供給エリアは変わらずに駅近での供給が多く、新築一戸建ては首都圏と中部圏で駅徒歩10分から15分へと変化する状況が見られたという。これは最寄駅からの距離へのこだわりがマンションのように強くはなく、一戸建てならではの住環境の立地で供給をしているからだと指摘している。なお、「近畿圏は駅間が短く最寄駅からの所要時間が相対的に近くなる圏域」という特徴があるという。

さて、2023年の住宅市況はおおむね好調で、価格の上昇傾向が続いている。とはいえ、富裕層や投資目的の需要が価格上昇を受け入れていることから、価格が大きく変動するマンションとは異なり、一戸建ての価格上昇は上昇率が縮小するなど、落ち着きを見せつつある。ただし、新築一戸建てについては、価格上昇を面積の縮小で軽減する傾向も見られる。

2024年から新築住宅は省エネ基準適合住宅でないと住宅ローン控除が適用されないなど、省エネ性能を強化する動きもある。2024年4月からは、広告する際に省エネ性能ラベルを表示することが努力義務になるので、一戸建てを選ぶ際にも省エネ性能のレベルに注目してほしい。

●関連サイト
東京カンテイ「Kantei eye 118(マンション化率/マンション・一戸建て住宅データ白書)」

電気自動車の普及がマンションの資産価値に影響する?! EV充電器の設置が加速中、導入メリットや課題を徹底解説

私が住んでいるマンションでも、EV(電気自動車)充電器の設置が取り沙汰されるようになってきた。まだEV車を所有している人がいないので、具体的な検討課題にはなっていないが、いずれは本格的に議論されることになるのだろう。そこで今回は、マンションにEV充電器を設置することについて、深掘りしたいと思う。

マンションにEV充電器の設置が求められる理由とは?

政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指し、これに伴い、グリーン成長戦略を策定した。その中で成長が期待される分野として自動車を挙げ、乗用車については2035年までに新車販売で電動車100%を目標に掲げている。

そうなると、充電インフラを整備する必要がある。そのため、政府は補助金を用意して、電気自動車・プラグインハイブリッド自動車(以下、電動車)の充電設備の設置を促進している。

充電インフラは、自宅や事業所などの「基礎充電」、高速道路などの移動中の「経路充電」、ホテルや商業施設などの「目的地充電」に大別される。特に懸念されるのが、基礎充電だ。一戸建てなら電動車を買った本人が充電設備も整えればよいが、マンションの場合は共用部の電気を使用するために、合意形成が難しいことが考えられるからだ。

さらに東京都でも、2030年度までに都内で新車販売される乗用車を100%非ガソリン化することを目指している。東京都にはマンション居住者が多いこともあり、条例により2025年4月から都内の新築マンションに規模に応じた数の充電設備設置を義務化することになっている。また、既存のマンションについても、管理組合などに補助金を出すなどして、設置を促している。

このように、電動車が普及するにつれて、充電インフラを整備する必要があるが、私有財産である自宅、特に駐車場を共有するマンションでの充電設備設置が大きな課題となっているのだ。

マンションに電動車充電設備を設置するメリットとは?

もちろん電動車所有者なら、自分のマンションの電動車充電設備で夜間などに充電しておきたいと思うだろう。新築分譲マンションでは、デベロッパーがあらかじめ電動車充電設備を設置して販売する事例が多くなっている。一方で、既存のマンションの場合は後付けで設置をすることになるが、電動車どころか車自体を持っていない人もいる。そうした人にとってもメリットはあるのだろうか?

「既存の分譲マンションへの電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)充電設備導入マニュアル」を作成した、(一社)マンション計画修繕施工協会(以下、MKS)に聞いてみた。事務局の細田義裕さんによると、「電動車の普及に伴い、その充電設備がないマンションは買い手に選ばれにくくなる」という。マンションに電動車充電設備が設置されていることがスタンダードになったときに、設置されていないマンションは購入の選択肢から外されるので、売りづらくなる。つまり資産価値に影響するというわけだ。

ここで、日産自動車が実施した、「EV(電気自動車)の購入時に重要な住居の環境について」の調査を見てみよう。調査対象は、集合住宅居住者でEVの購入意向のある30~50代の男女400人。EVの購入検討者「集合住宅に充電設備がないとEV購入が難しいと感じるか」を聞いたところ、88.6%が「難しいと感じる」(とても感じる36.0%+まあまあ感じる52.6%)と回答した。EVの所有とマンションの充電設備の関係性が強いことが分かる結果だろう。

日産自動車【EVと住環境についての調査リリース】より

日産自動車【EVと住環境についての調査リリース】より

電動車充電設備を設置するデメリットは高額な初期費用?

ではデメリットはなんだろう?MKSの細田さんによると、設置に伴う導入費用が大きな課題だという。どの程度の額になるかというと、マンションの構造や設備、充電設備の種類や台数などによって大きく変わるという。

マンションの共用部の電気容量によって、たとえば共用部から電源を確保できない場合に新たに電柱を立てて電気を引く必要があったり、共用部の電源から設置する駐車場まで距離があり、ケーブルの埋設工事が必要であれば、工事費用はかなり高額になる。EV・PHEV充電設備導入マニュアルの中に、いくつかモデルケースの設置工事費用を試算した事例があるが、最低で約46万円、最高で約3104万円とかなり幅がある。

加えて、充電設備の利用方法によっても、設置計画が変わる。利用方法は、電動車を所有する居住者専用使用の場合、電動車の所有者が充電設備を共用する場合、電動車のカーシェアリングを導入する場合の主に3つあるという。

■利用方法によるメリットとデメリット

利用方法によるメリットとデメリット

マンション計画修繕施工協会「既存の分譲マンションへの電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)充電設備導入マニュアル」より

また、充電設備にもいろいろな種類があり、それぞれで費用も異なる。まず大別して、「普通充電器」と「急速充電器」に分かれる。急速充電器は、短時間で充電可能であるが、費用は高額になる。短時間で充電が必要な「移動充電」に向いており、マンションでは普通充電器が向いているという。

充電器の種類

東京都環境局のパンフレット「マンションへの電気自動車の充電設備導入基礎ガイド」より

さらに、普通充電器にもさまざまなタイプがあり、どのタイプを何台設置するかの設置計画によって、費用も変わってくる。

■普通充電器の概要

普通充電器の概要

(一社)次世代自動車振興センターのチラシ「EV・PHV用充電設備導入をご検討の皆様へ」より普通充電器を抜粋

ようするに、マンションの構造や電気容量などを調べて、どういった利用方法を採るかを考えながら、具体的にどこにどれを何台設置するかといった設置計画を立ててみないと、設置に関する全体の工事費用がわからないということだ。それを知るには、充電サービス事業者に依頼して設置プランと見積もりを出してもらうしかないのだろう。

ただし、国が充電設備費・工事費で50%~100%補助金を出している。補助対象となる充電設備が定められているが、普通充電設備設置の場合で、機器費用の50%(上限額35万円)、工事費用の100%(上限額135万円)が2023年度の補助金の額だ。加えて、東京都の補助金も利用できれば、持ち出しがほとんどない場合もあるようだ。

電動車充電設備の導入のハードルになるのは管理組合での合意形成

補助金を利用できれば、電動車充電設備の設置工事費用をかなり抑えることはできるが、導入する際のハードルになるのは何だろう?MKSの細田さんによれば、管理組合での合意形成だという。電動車所有者や購入検討者が利益を受けることになるので、利益を受けない人たちが反対したり先送りしたりすることになる可能性がある。

また、電動車充電設備設置に前向きな管理組合であっても、設置に伴う工事費用をどう負担するか、使用電気料をどう負担するか、不公平にならないようにどういったルールで運用するかなど、決めるべきことがたくさんある。細かいルールについても管理組合で合意する必要があるので、かなりの時間を要することにもなるだろう。

EV・PHEV充電設備導入マニュアルには、費用の負担方法について考え方の一例を紹介している。充電設備の設置の際には、マンションの共用設備として修繕積立金を用いて設置し、その後、充電設備の利用者から月々の利用料などで回収する方法だ。使用した電気料金は充電設備の利用者が支払うことを基本に、実態に応じて選択する。充電サービス事業者によっては、スマホを用いて各自が使った分だけ徴収する方法を採っている場合もある。こうしたモデルケースを参考に検討するとよいだろう。

既存マンションへの充電設備設置には注意点がいろいろある

充電設備を設置するとなった場合、注意点もいくつかある。

まず、機械式駐車場によっては設置できない場合もある。安全に機械式駐車場を使うために、電動車対応とするための要求事項が定められている。まず、設置されている機械式駐車場のメーカーに、充電設備が設置できるかどうかを確認する必要がある。

さらに、電動車はバッテリーを搭載しているため、車種によっては車両が重たくなる。機械式駐車場それぞれに重量制限があるので、サイズや重量に制限が生じるかどうかも確認しておきたい。電動車充電設備はあるのに、そもそも自分の電動車では機械式駐車場を利用できないといったことがあると、トラブルの要因になる。

また、補助金を使いたいと思ってもいつでも利用できるとは限らない。補助金は毎年予算を組んで募集するもので、たとえば2023年度の国の補助金は早期に予算枠に達してしまったため、予備費で追加枠が設けられたという経緯がある。補助金は流動的な部分もあるので、常に最新の情報を正確に把握しておくことが大切だ。

こうした注意点に適切に対処するには、充電サービス事業者がカギになる。充電サービス事業者は数多くあり、設置から運用まで幅広く手掛ける事業者も多いが、それぞれ取り扱う充電設備や提供するサービス内容が異なるので注意が必要だ。管理組合の意向に沿った提案をしてくれるか、補助金などの知識は正確か、設置から運用、管理まで欲しいサービスが提供されるかなど、見極めて選びたい。

また、MKS細田さんによると「長期的な観点で計画することも重要だ」という。電動車所有者が年を追うごとに増えていったり、急速な技術革新によって電動車自体や充電設備が進化する可能性もある。導入後に容量が不足したり、新しい規格に対して陳腐化したりすることも考慮したい。また「充電サービス事業者は個別の通信規格で運用していることが多いが、標準通信規格※に対応していれば、サービス事業者を変更した場合でも既設の設備を使い続けることができる」という。
※充電設備を管理システムで遠隔制御する標準通信規格OCPP=Open Charge Point Protocolなど

筆者のマンションでは、駐車場に空きがでることが多くなっていることもあり、機械式駐車場を使い続けるのか、外部貸しで運用するのかなどの問題も抱えている。今後はEV充電器設置の問題も加わるので、管理組合に「駐車場専門員会」を設置して長期的に検討することを提案した。電動車充電設備も一度導入すればそれで終わるものではないようなので、きちんと議論する必要があるだろう。

●関連サイト
マンション計画修繕施工協会「電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHEV) 充電設備導入マニュアル」
日産自動車【EVと住環境についての調査リリース】
次世代自動車振興センター「充電インフラ補助金サイト」
東京都マンションEV充電器情報ポータル「補助金制度」

2023年のマンション市場を総括。新築・中古マンションの価格推移と供給戸数を徹底解説!

2024年に入って、2023年の住宅市場の動向が相次いで公表された。そこで今回は、不動産経済研究所と東京カンテイが公表したデータから、首都圏及び近畿圏の新築・中古マンションの価格動向について見ていくことにしよう。

【今週の住活トピック】
「首都圏/近畿圏 新築分譲マンション市場動向2023年(年間のまとめ)」を公表/不動産経済研究所
「『中古マンション70平米価格推移』2023年(年間版)」を公表/東京カンテイ

2023年の首都圏新築マンションの平均価格は前年より28.8%アップの8101万円

まず、2023年の新築マンション市場だが、東京23区の平均価格が1億円を超えたとニュースになった。やはり、マンション価格は上がり続けているのだろうか。

不動産経済研究所が公表した首都圏の新築マンションの平均価格は、前年(2022年)の6288万円より28.8%アップの8101万円。まだまだ大きく上昇している。と、見てよいのだろうか?実は、詳しく見ていくと、必ずしもそうではないのだ。

ここ3年間の首都圏と近畿圏の平均価格の推移を見ていこう。

■新築マンションの平均価格(単位:万円)(不動産経済研究所)

2021年2022年2023年対前年上昇率首都圏62606288810128.8%東京23区829382361148339.4%東京都下5061523354273.7%神奈川県52705411606912.2%埼玉県480152674870-7.5%千葉県4314460347864.0%対前年2.9% up0.4% up28.8% up2021年2022年2023年対前年上昇率近畿圏4562463546660.7%大阪府475746834435-5.3%兵庫県45334456513915.3%京都府39604927548811.4%奈良県4292430445585.9%滋賀県401743154159-3.6%和歌山県36623655423715.9%対前年9.1% up1.6% up0.7% up不動産経済研究所「首都圏/近畿圏 新築分譲マンション市場動向2023年(年間のまとめ)」のデータを筆者が抜粋して作成

まず、首都圏を見ると、明らかに、東京23区の平均価格が1億円を超え、対前年上昇率が39.4%と大幅に上昇したことで、全体を引き上げていることが分かる。「三田ガーデンヒルズ」など、超高額の大型物件の影響も大きかったと思われる。人気エリアの横浜市・川崎市を抱える神奈川県では、まだ上昇トレンドにあるが、東京都下(3.7%)、埼玉県(-7.5%)、千葉県(4.0%)では、大幅に上昇しているわけではない。

首都圏の供給戸数を見ると、2023年は対前年9.1%ダウンの2万6886戸となり、そのうち1万1909戸、4割以上が東京23区で占めている。23区の価格上昇の影響が首都圏全体に色濃く出たわけだ。

次に、近畿圏を見ると、2023年の平均価格は前年より0.7%アップの4666万円。大票田の大阪府で対前年5.3%ダウンの4435万円になった影響が大きい。一方、兵庫県(特に神戸市)と京都府(特に京都市)では価格が上昇している。

兵庫県については、供給戸数が対前年23.8%ダウンの2666戸(神戸市は35.5%ダウンの971戸)なので、特定の大型物件の影響を受けたという見方もできるだろう。一方、京都府も供給戸数が減少したが、大型物件が出にくいエリアでもあるので、根強い需要によるものと考えられる。

つまり、東京23区と京都市などは、国内の富裕層だけでなく、海外からも需要があるため、価格上昇トレンドが続いていると見てよいだろう。

2023年の中古マンションの平均価格は首都圏・近畿圏ともに上昇が鈍化

では、2023年の中古マンション市場を見ていこう。東京カンテイでは、70平米換算して平均価格を算出しているのが特徴だ。なお、近畿圏は新築マンションと同じ2府4県だが、エリア別についてはサンプル数の多い2府県の平均価格を算出している。

■中古マンションの平均価格(単位:万円)(東京カンテイ)【70平米当たり】

2021年2022年2023年対前年上昇率首都圏4166471648021.8%東京都5739630164231.9%内、 東京23区6333684270553.1%神奈川県3114352036654.1%埼玉県2528290430204.0%千葉県2292256927727.9%対前年11.6% up13.2% up1.8% up2021年2022年2023年対前年上昇率近畿圏2607281628922.7%大阪府2820304730851.2%兵庫県2270242525314.4%対前年6.2% up8.0% up2.7% up東京カンテイ「『中古マンション70平米価格推移』2023年(年間版)」より抜粋して筆者が作成

首都圏の中古マンションの平均価格(70平米換算)は、前年より1.8%アップの4802万円。最も上昇率が高かったのは千葉県の7.9%で、東京23区(3.1%)の上昇率が他県より低いのが、新築マンションと大きく異なる点だ。

東京カンテイによると、東京23区の中でも「都心部」では上昇率が6.3%となり、「堅調なトレンドを示している」という。また、「割安感が強い周辺3県の方が高い上昇率を示すも、前年までの勢いに陰りが認められる」と指摘している。

次に、近畿圏を見ると、中古マンションの平均価格は前年より2.7%アップの2892万円。こちらも新築マンション同様に、「圏域平均をけん引してきた大阪府で強い鈍化が見られる」。また、新築マンション同様に、兵庫県では神戸市で対前年9.4%アップの2634万円となるなど、大阪府とは異なる動きを見せている。

2023年の中古マンション市場は、首都圏・近畿圏ともに、これまで急激に高騰してきた価格の上昇が鈍化し、頭打ちになる可能性を感じさせる市況となっているようだ。

不動産経済研究所では、新築マンションの「2024年の供給予測」も公表している。それによると、首都圏の新築マンションは2023年より10.7%増える見込みで、東京都の市部、神奈川県、埼玉県で供給戸数が大きく増え、近畿圏でも2023年より17.9%増える見込みで、大阪府の市部で大きく増えるという。

新築マンションは、この4月から省エネ性能を見える化した省エネラベルの表示が努力義務となり、2025年4月からは現行の省エネ基準適合が義務化される。省エネ性能の高い新築マンションの供給が進むようになると、中古マンションとの性能の違いが表面化する可能性がある。

これからマンションを購入する場合、新築か中古かは予算や立地などさまざまな条件で選ぶことになると思うが、特に築年の古いマンションについては、購入時にリフォームをして省エネ性を高めることをオススメしたい。

●関連サイト
不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向2023年(年間のまとめ)」
不動産経済研究所「近畿圏 新築分譲マンション市場動向2023年(年間のまとめ)」
東京カンテイ「『中古マンション70平米価格推移』2023年(年間版)」

【早稲田大学】一人暮らし賃貸の家賃相場ランキング2024年! 早稲田キャンパス周辺のクチコミ&オススメ情報

来春から大学に進学し、初めての一人暮らしをスタートさせる人もいるだろう。そんな新入生や、これから入学を目指す人の参考になるように、今回は早稲田大学・早稲田キャンパス(東京都新宿区)の周辺駅にアクセスしやすく、家賃相場が安い駅を調査。さらに不動産会社「ハウスメイトショップ新宿店」の佐久真正樹さんから、早稲田キャンパスに通う学生が住む街としておすすめの駅を教えてもらった。どんな駅がラインナップされたのか、さっそくご紹介しよう。

早稲田キャンパス最寄駅(高田馬場駅、早稲田駅、西早稲田駅)いずれかまで20分以内の家賃相場が安い駅TOP15

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/所要時間/乗り換え回数/到着駅)
1位 田無 6万円(西武新宿線/東京都西東京市/20分/0回/高田馬場駅)
2位 西武柳沢 6.1万円(西武新宿線/東京都西東京市/19分/0回/高田馬場駅)
3位 上井草 6.6万円(西武新宿線/東京都杉並区/19分/1回/高田馬場駅)
3位 東伏見 6.6万円(西武新宿線/東京都西東京市/17分/0回/高田馬場駅)
5位 井荻 6.9万円(西武新宿線/東京都杉並区/15分/1回/高田馬場駅)
6位 下井草 7万円(西武新宿線/東京都杉並区/14分/1回/高田馬場駅)
6位 上石神井 7万円(西武新宿線/東京都練馬区/13分/0回/高田馬場駅)
6位 成増 7万円(東武東上線/東京都板橋区/19分/1回/高田馬場駅)
9位 野方 7.2万円(西武新宿線/東京都中野区/13分/0回/高田馬場駅)
10位 江古田 7.3万円(西武池袋線/東京都練馬区/18分/1回/高田馬場駅)
10位 鷺ノ宮 7.3万円(西武新宿線/東京都中野区/9分/0回/高田馬場駅)
10位 都立家政 7.3万円(西武新宿線/東京都中野区/15分/0回/高田馬場駅)
13位 小竹向原 7.4万円(東京メトロ副都心線/東京都練馬区/11分/0回/西早稲田駅)
13位 氷川台 7.4万円(東京メトロ有楽町線/東京都練馬区/13分/0回/西早稲田駅)
15位 武蔵関 7.45万円(西武新宿線/東京都練馬区/15分/0回/高田馬場駅)
―――
「ハウスメイトショップ新宿店」佐久真さんおすすめの駅
ランク外 朝霞台 5.95万円(東武東上線/埼玉県朝霞市/29分/1回/高田馬場駅)
ランク外 朝霞 5.95万円(東武東上線/埼玉県朝霞市/27分/1回/高田馬場駅)

複数の駅に囲まれた早稲田キャンパス周辺は学生が集う街

早稲田大学を代表するキャンパスといえば、国の重要文化財に指定された大隈記念講堂が立つ東京都新宿区の早稲田キャンパス。6つの学部生が通うキャンパスでは、2027年度より共用開始を目指す新校舎「新9号館」の建設も計画されている。そんな早稲田キャンパスはJR山手線と西武新宿線、東京メトロ東西線が通る高田馬場駅から東へ歩いて20分ほど。駅から早稲田キャンパスに向かう通りは「早稲田通り」と呼ばれている。数多くの飲食店に加えて古書店も立ち並んでいる点は、さすが大学お膝元の街といった趣だ。またこの一帯には早稲田大学に加えて学習院女子大学もあるほか、高校や専門学校、学習塾も多いので、学生らしい若者の姿もよく見かける。

早稲田キャンパスのすぐ近くにはサークル活動の拠点である学生会館を備えた戸山キャンパスがあり、高田馬場駅から徒歩15分ほどの場所には西早稲田キャンパスも。各キャンパスの近くには東京メトロ東西線・早稲田駅や東京さくらトラム(都電荒川線)早稲田駅、東京メトロ副都心線・西早稲田駅もあり、そちらを利用する学生も少なくない。

高田馬場駅前(写真/PIXTA)

高田馬場駅前(写真/PIXTA)

そこで今回は高田馬場駅をはじめ、早稲田駅、西早稲田駅のいずれかの駅から20分圏内にある駅を調査対象とし、それぞれの駅から徒歩15分圏内にある学生向け賃貸物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK。以下同)の家賃相場が安い駅を順位付けした。その結果が上記のランキングだ。

ちなみに高田馬場駅の家賃相場は9万1000円、早稲田駅と西早稲田駅は9万3000円。都心部だけあって学生にはハードルが高めの金額だが、早稲田大学の学生たちは実際、どんな場所に住んでいるのだろう。早稲田大学の学生にも利用されている、「ハウスメイトショップ新宿店」の佐久真さんにお話を伺った。

「特に早稲田大学の学生さんは、キャンパスまで歩ける範囲で物件を探していらっしゃる方が多い印象です」と話す佐久真さん。「どこに住むとよいかは人それぞれで、例えば学業に専念したいなら移動時間を極力減らすために早稲田駅周辺、大学以外にもアクセスしやすいほうがよければJR山手線も通る高田馬場駅周辺や、高田馬場駅まで2駅のターミナル駅・新宿駅周辺などがよいでしょう」。早稲田駅の周辺は高田馬場駅ほどの繁華街ではないので、落ち着いて暮らせる住環境のよさを求める人にもおすすめだという。

通学時間を短く、家賃も抑えたい場合はランキング上位の西武新宿線沿線をチェック!

通学時間をなるべく短縮するなら、大学の近くに住むのがベストだろう。とはいえ、予算もあるし近さだけを重視して住まいを決めるのは難しいことも。そんな場合は、今回調査した家賃相場が安い駅のランキングを参考にするのもいいだろう。ランキングトップ15の駅は家賃相場が6万円台~7万円台なので、家賃相場が9万円台だった早稲田キャンパスの徒歩圏内と比べるとだいぶ負担を抑えることができる。

最も家賃相場が低かったのは、西武新宿線・田無(たなし)駅で家賃相場は6万円。西東京市に位置し、早稲田キャンパスの最寄駅の一つである高田馬場駅までは急行に乗ると3駅・約20分でたどり着く。田無駅には「エミオ 田無」が併設され、スーパーや飲食店などが3フロアにわたって展開。北口駅前にはショッピングセンター「アスタ」と日用品やファッションの専門店街も備えた総合スーパー「リヴィン田無」もあり、買い物環境が充実している。市役所の田無庁舎がある南口駅前は、大型店舗がある北口側に比べると細い道が入り組んだ街並みだが、駅前広場や幹線道路の整備も計画されているようだ。

■学生時代に田無駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
※コメント内容は住んでいた学生当時のモノです(以下、記事内すべて同)
・住んでいてよかったところ
「新宿まで1本!!! 最強すぎ!」(21歳女性)
「急行が止まる、買い物がしやすい、基本的に徒歩5分圏内に何でもある」(26歳女性)
「大型スーパーが駅前にあり、そこで必要なものがすべてそろうので楽だった」(29歳男性)
・住んでいて困った点など
「車通りが多い(27歳女性)
「電車が常に激混み(※)」(29歳女性)
※時間帯による場合あり

田無駅前(写真/PIXTA)

田無駅前(写真/PIXTA)

1位・田無駅をはじめ、トップ15には西武新宿線の駅が11駅もランクインした。高田馬場方面に向かって、田無駅(1位)~西武柳沢駅(2位)~東伏見駅(3位)~武蔵関駅(15位)~上石神井駅(6位)~上井草駅(3位)~井荻駅(5位)~下井草駅(6位)~鷺ノ宮駅(10位)~都立家政駅(10位)~野方駅(9位)と連続する駅が上位を占めている。高田馬場駅の1駅先には西武新宿駅があり、ランクインした中では最も距離がある田無駅からでも急行に乗れば西武新宿駅まで約23分。野方駅からだと西武新宿駅まで各駅停車に乗って約17分で行くことができ、大学キャンパスだけではなく新宿エリアにアクセスしやすい点も西武新宿駅沿線の魅力だろう。

ランクインした西武新宿線の駅のうち、高田馬場駅までの所要時間が最短なのは10位・鷺ノ宮駅。急行で1駅・約9分という近さで、家賃相場は7万3000円だ。中野区に位置する駅の周辺は住宅地で、大型商業施設が立ち並ぶような街並みではないぶん落ち着いて暮らしたい人にはよさそうだ。南口側には「鷺宮八幡神社」を囲むように住宅地が広がる一方、北口側は中杉通り沿いを中心に多彩な店舗が軒を連ねている。飲食店も多彩なジャンルがそろっており、気軽に利用できるテイクアウト可能なお店が多いのも嬉しいところだ。

鷺ノ宮駅(写真/PIXTA)

鷺ノ宮駅(写真/PIXTA)

■学生時代に鷺ノ宮駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
・住んでいてよかったところ
「(駅の近くに)『OKストア』が2つもあってとても便利。コンビニやドラッグストアもあるので生活用品には困らない。新宿や池袋など繁華街も近いのですぐ遊び場に行けるし人にも会いやすい」(29歳女性)
「急行が止まる。スーパーが多い」(24歳女性)
・住んでいて困った点など
「(夜は暗いので)街灯はもう少しあったらよかった」(29歳女性)
「最寄りに大きなお店はあまりないので、大きな買い物は電車を乗る必要がある」(29歳女性)

■2位 西武柳沢
・住んでいてよかったところ
「新宿まで乗り換えナシで行ける。下町感にあふれている」(28歳男性)
「美味しいラーメン屋がたくさんある」(27歳女性)
・住んでいて困った点など
「気軽に入れる低価格のレストランが少ない」(21歳女性)
「(小さなスーパーはあるが)大きなスーパーが近くにない」(27歳女性)

■3位 上井草
・住んでいてよかったところ
「騒音等は少なく、個人経営のお店が多いので雰囲気は悪くない。また、『CATS&DOGS』というカラオケが安い上に楽器の練習が可能だったので、スタジオを借りる余裕がない音楽をやっている学生には優しかった」(28歳女性)
「閑静な住宅街であるが、少し移動すればチェーン店などもある」(24歳男性)
・住んでいて困った点など
「駅の近くに普通のスーパーや大きなドラッグストアがない。 急行が止まらない」(28歳女性)
「電車の乗り換えが若干不便だった」(24歳男性)

■3位 東伏見
・住んでいてよかったところ
「落ち着いていて夜も静かでよかった。駅の近くのベーグル屋さんやパン屋さんがおすすめ」(29歳女性)
「街並みが小綺麗で落ち着いている」(21歳女性)
・住んでいて困った点など
「電車が各駅停車しか止まらない」(27歳女性)
「スーパー(の種類)が少なくて不便」(29歳女性)

高田馬場駅まで30分弱の東武東上線沿線なら家賃相場は5万円台に!

トップ15にランクインした駅の家賃相場は早稲田キャンパス周辺に比べるとリーズナブル。しかし、「もっと安さを追求したい、でも通学しやすさも担保したい」という人もいるだろう。そこで「ハウスメイトショップ新宿店」の佐久真さんに、家賃を抑えたい人向けのおすすめの街を聞いてみると……。「東武東上線の朝霞駅や朝霞台駅です」と教えてくれた。

朝霞駅の南口(写真/PIXTA)

朝霞駅の南口(写真/PIXTA)

おすすめ駅の一つ、朝霞駅は埼玉県朝霞市に位置しており家賃相場は5万9500円。2023年3月のダイヤ改正で東武東上線の急行停車駅となり、「急行なら池袋駅まで3駅・最短約16分で到着。東京メトロ副都心線直通の東武東上線に乗れば、乗り換えせずに西早稲田駅まで約29分で行くことができます」。高田馬場駅までは池袋駅でJR山手線に乗り換え、計約27分で行くことができる。朝霞駅には駅ビル「エキア朝霞」が併設され、ラーメン店やハンバーガー店、カフェといった飲食店に、ファッション・雑貨店、ドラッグストアなど約20店が並んでいる。駅前にも複数の飲食店が点在するほか、安さを売りにしたスーパーもあるので自炊派で食費を節約したい人にもいいだろう。

朝霞台駅(北口)駅前広場(写真/PIXTA)

朝霞台駅(北口)駅前広場(写真/PIXTA)

■学生時代に朝霞駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
・住んでいてよかったところ
「チェーンのレストランやカフェなどが充実している。また、朝霞駅、朝霞台駅、北朝霞駅の3つを利用できるので、遠出しなくても遊べる場所がある」(29歳女性)
「24時間スーパーがあることはとても心強かった」(25歳女性)
・住んでいて困った点など
「夜道は暗くて人通り少ないので注意が必要」(25歳女性)

朝霞台駅は朝霞駅の1駅隣に位置し、朝霞駅と同じ埼玉県朝霞市内、家賃相場も5万9500円と同額だ。こちらは2023年3月より快速急行の停車駅となっており、「快速急行なら池袋駅まで2駅、最短約17分です」。朝霞駅と同様に池袋駅でJR山手線に乗り換えると、高田馬場駅までは計約29分。東京メトロ副都心線直通の東武東上線に乗ると、西早稲田駅まで乗り換えなし・約32分だ。また、「朝霞台駅の駅前ロータリーをはさんでJR武蔵野線の北朝霞駅があり、2つの路線を利用できる点も便利ですよ」と話す佐久真さん。朝霞台駅は改札前コンコースにファストフード店やベーカリー、書店などがあり、駅前には複数のコンビニや気軽に入れる飲食店も。すぐ近くにスーパーもあるので、日常の買い物には困らない環境だ。

■学生時代に朝霞台駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
・住んでいてよかったところ
「近くに大きな公園があり、リフレッシュできる」(30歳女性)
「都内、ディズニーランドなど主要な場所に電車1本で行けて、アクセスがかなり良い」(24歳女性)
・住んでいて困った点など
「夜少し騒がしく、夜道を帰る時は気をつけていた」(30歳女性)
「池袋、新宿、渋谷などのアクセスは便利だが、朝霞台駅自体は駅前にルミネなどのファッションテナントや百均、雑貨屋などがなく不便を感じる」(29歳女性)

さて、2023年3月に相鉄・東急新横浜線が開業したことにともなって、東武東上線~東京メトロ副都心線~東急東横線~東急新横浜線~相鉄新横浜線~相鉄線の直通運転もスタート。つまり東武東上線沿線から東海道新幹線の停車駅でもある新横浜駅まで、ダイレクトアクセスが可能に。また、東武東上線は池袋と逆方面に進むと、川越や東松山といった埼玉県内の駅を通っている。だから、例えば東海道新幹線をたびたび利用したい人、川越方面や東急東横線沿線の渋谷駅や横浜駅によく出かけるという場合は、通学以外の面でも東武東上線沿線に住むと便利だろう。そんなふうに、通学で利用する駅以外に沿線にはどんな街があるのかもチェックしつつ住む街を探すと、より充実した学生生活が送れるかもしれない。

●取材協力
ハウスメイトショップ

●家賃相場ランキングの調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている高田馬場駅、西早稲田駅、早稲田駅(メトロ、都電)まで20分以内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2023/2~2023/10
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
※早稲田駅については、メトロ、都電を最寄りとする物件両方の中央値を掲載しています
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2023年11月27日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が1回までの駅を掲載
【家賃相場の調査】株式会社リクルート

●クチコミの調査概要
●調査実施時期:2024年1月17日~2024年1月22日
●調査対象者:現在東京・神奈川・埼玉にお住いの、学生時代(大学・大学院・専門学校問わず)、家賃相場ランキング記載の駅周辺の賃貸住宅で一人暮らしをしたことがある18~30歳までの男性219名、女性445名
●調査方法:インターネット調査
●有効回答数:664
●調査主体:株式会社リクルート、実査委託先:楽天インサイト株式会社

【慶應義塾大学】一人暮らし賃貸の家賃相場ランキング2024年! 日吉&三田キャンパス周辺のクチコミ&オススメ情報

大学進学を機に、新年度から一人暮らしをスタートさせる人も多いはず。そんな人の参考になるように今回は慶應義塾大学で学部数が多い、日吉キャンパス(神奈川県横浜市)と三田キャンパス(東京都港区)に通いやすく、家賃相場が安い駅を調査! 各キャンパスの最寄駅である、日吉駅まで電車で15分圏内、または田町駅・三田駅・赤羽橋駅いずれかまで電車で20分圏内に位置し、家賃相場が安い駅のランキングをご紹介する。さらに不動産会社「ハウスメイトショップ」目黒店店長の山本泰史さん、武蔵小杉店店長の加瀬舞子さんに聞いた、各キャンパス周辺にある学生が住む街としておすすめの駅や、ランキング上位の街に住んだことがある人々の口コミも見ていこう。

日吉キャンパス最寄駅:日吉駅まで15分以内の家賃相場が安い駅TOP15(16駅)

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/所要時間/乗り換え回数)
1位 羽沢横浜国大 5.55万円(相鉄新横浜線/神奈川県横浜市神奈川区/11分/0回)
2位 片倉町 5.8万円(横浜市営地下鉄ブルーライン/神奈川県横浜市神奈川区/15分/1回)
3位 西谷 6万円(相鉄新横浜線/神奈川県横浜市保土ケ谷区/14分/0回)
3位 白楽 6万円(東急東横線/神奈川県横浜市神奈川区/12分/0回)
5位 妙蓮寺 6.2万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/10分/0回)
6位 岸根公園 6.3万円(横浜市営地下鉄ブルーライン/神奈川県横浜市港北区/13分/1回)
6位 大口 6.3万円(JR横浜線/神奈川県横浜市神奈川区/13分/1回)
6位 東白楽 6.3万円(東急東横線/神奈川県横浜市神奈川区/13分/1回)
9位 高田 6.85万円(横浜市営地下鉄グリーンライン/神奈川県横浜市港北区/5分/0回)
9位 小机 6.85万円(JR横浜線/神奈川県横浜市港北区/14分/1回)
9位 東山田 6.85万円(横浜市営地下鉄グリーンライン/神奈川県横浜市都筑区/7分/0回)
12位 日吉 6.9万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/※分/※回)※起点駅
12位 菊名 6.9万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/5分/0回)
12位 日吉本町 6.9万円(横浜市営地下鉄グリーンライン/神奈川県横浜市港北区/2分/0回)
15位 綱島 7万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/2分/0回)
15位 大倉山 7万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/4分/0回)
―――
「ハウスメイトショップ武蔵小杉店」加瀬さんおすすめの駅
15位 綱島
ランク外 元住吉 7.6万円(東急東横線/神奈川県川崎市中原区/1分/0回)
ランク外 武蔵小杉 8.5万円(東急東横線/神奈川県川崎市中原区/2分/0回)

三田キャンパス最寄駅(田町駅、三田駅、赤羽橋駅)いずれかまで20分以内の家賃相場が安い駅TOP13(15駅)

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/所要時間/乗り換え回数/到着駅)
1位 昭和島 7.5万円(東京モノレール/東京都大田区/19分/1回/田町駅)
2位 流通センター 7.9万円(東京モノレール/東京都大田区/18分/1回/田町駅)
3位 西馬込 8.2万円(都営浅草線/東京都大田区/15分/0回/三田駅)
3位 多摩川 8.2万円(東急目黒線/東京都大田区/20分/0回/三田駅)
5位 大森町 8.3万円(京浜急行本線/東京都大田区/20分/1回/三田駅)
6位 糀谷 8.4万円(京浜急行空港線/東京都大田区/20分/0回/三田駅)
7位 千駄木 8.5万円(東京メトロ千代田線/東京都文京区/20分/1回/三田駅)
7位 川崎 8.5万円(JR東海道本線/神奈川県川崎市幸区/16分/1回/田町駅)
7位 大岡山 8.5万円(東急目黒線/東京都大田区/15分/0回/三田駅)
7位 馬込 8.5万円(都営浅草線/東京都大田区/13分/0回/三田駅)
7位 武蔵小杉 8.5万円(JR横須賀線/神奈川県川崎市中原区/18分/1回/田町駅)
7位 平和島 8.5万円(京浜急行本線/東京都大田区/14分/0回/三田駅)
13位 荏原町 8.6万円(東急大井町線/東京都品川区/18分/1回/三田駅)
13位 京急蒲田 8.6万円(京浜急行本線/東京都大田区/18分/0回/三田駅)
13位 洗足 8.6万円(東急目黒線/東京都目黒区/16分/0回/三田駅)
―――
「ハウスメイトショップ目黒店」山本さんおすすめの駅
13位 洗足
ランク外 中延 9.1万円(都営浅草線/東京都品川区/11分/0回/三田駅)
ランク外 武蔵小山 9.2万円(東急目黒線/東京都品川区/12分/0回/三田駅)

慶應義塾大学を代表する2つのキャンパス周辺の環境&家賃相場は?

慶應義塾大学のキャンパスは各地にあるが、メインとなるのは多くの学部の1・2年生が通う日吉キャンパスと、同様に複数の学部の2~4年生や大学院生が通う三田キャンパスだ。

日吉キャンパス(写真/PIXTA)

日吉キャンパス(写真/PIXTA)

神奈川県横浜市港北区に位置する日吉キャンパスの最寄駅は日吉駅。東急東横線と東急目黒線、横浜市営地下鉄グリーンライン、さらに2023年3月開業の東急新横浜線が乗り入れている。東口駅前には見事なイチョウ並木が延びており、そこはもう敷地面積約10万坪という広大な日吉キャンパス。駅西口側には食料品街からユニクロなどの服飾・雑貨店、家電量販店までそろう「日吉東急アベニュー」があるほか、リーズナブルな飲食店も豊富な商店街が広がっている。

■学生時代に日吉駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
※コメント内容は住んでいた学生当時のモノです(以下、記事内すべて同)
・住んでいてよかったところ
「駅の周りに必要なものが大体そろっていて便利です。美味しい飲食店が多く、ランチなどはお手ごろなお店も多くて良いです。『アクイロット』(イタリアン)が好きです」(30歳女性)
「駅前の商店街は安い店が多くよく利用していた」(28歳女性)
・住んでいて困った点など
「夜に騒ぐ学生や若者が多い」(27歳男性)

今回お話をうかがった「ハウスメイトショップ武蔵小杉店」店長・加瀬舞子さんは、「日吉キャンパスに通うのは単位取得のため学校に通う機会が多い1・2年生が多数。そのため最寄りの日吉駅や、近隣駅にお住まいになる学生さんが多いですね」と教えてくれた。そんな日吉駅は12位にランクインしており、学生向け賃貸物件の家賃相場(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK、駅から徒歩15分圏内。以下同)は6万9000円。さらに家賃を抑えたいなら、ランキング上位の5万円台~6万円台前半の駅もチェックしたい。加瀬さんからは「近すぎると友人のたまり場になり、遠すぎると通学が面倒になるので、学校から20分ほどの範囲で探すのもいいですよ」とのアドバイスも。その点からも、あえて最寄りの日吉駅ではない街に住むのもアリだろう。

三田キャンパスの慶應義塾図書館(写真/PIXTA)

三田キャンパスの慶應義塾図書館(写真/PIXTA)

続いて三田キャンパス周辺の様子を見てみよう。東京都港区にある三田キャンパスは慶應義塾の原点といえる地だ。最寄駅である田町駅にはJRの山手線や京浜東北・根岸線が乗り入れ、駅周辺はビジネス街として発展。再開発によりここ数年で大規模なオフィスビルや複合ビルが誕生し、今後も高層ビルの竣工が複数控えている。一方で駅から大学へと向かう通り一帯は、リーズナブルな飲食店がひしめく学生街でもある。また、田町駅のすぐ近くには2023年11月グランドオープンの商業エリアを備えた「田町タワー」に直結する、都営地下鉄三田線・浅草線の三田駅も。キャンパスから北へ徒歩8分ほどの場所にある都営大江戸線・赤羽橋駅とあわせて、この3駅が主に大学の最寄駅として利用されている。

田町駅周辺の学生向け賃貸物件の家賃相場は12万円、三田駅の家賃相場は12万1000円、赤羽橋駅の家賃相場は12万5000円。大学への通いやすさなら最寄駅周辺に住むのが一番だろうが、学生にとってこれだけの家賃を払うのは厳しそう……。「ハウスメイトショップ目黒店」の山本泰史さんも、「三田周辺は家賃が高めのため、電車を使ってドア・トゥ・ドアでキャンパスまで30分以内にある物件を探す方が多い印象です」とのこと。上記ランキングで記載している所要時間は「電車の乗車時間(乗り換え時間含む)」であり「物件~駅/駅~大学間の所要時間」は含まないので、その点は物件探しの際に考慮したい。とはいえ家賃相場に注目するとトップ13の駅は7万円台~8万円台なので、田町駅や三田駅、赤羽橋駅の周辺よりもだいぶ費用を抑えることができる。

家賃の安さで住まいを選ぶ際は、上記のランキングをぜひ参考にしてほしい。※上位駅の住みごこちに関するクチコミは記事末に掲載

しかし家賃相場はもちろんのこと、住みやすい街かどうかも大事だろう。そこで先に登場したお二人に、日吉・三田の各キャンパスに通う学生の住む街としておすすめの駅を教えてもらった。
あわせて、学生時代に、実際に紹介駅の周辺に住んでいた人たちのクチコミも紹介するのでぜひ参考にしてほしい。

日吉キャンパスに通う1・2年生が住むなら、東急東横線沿線をチェック!

まずは日吉キャンパスに通う学生も利用する、「ハウスメイトショップ武蔵小杉店」店長の加瀬さんにおすすめの街をうかがおう。先述したように、日吉キャンパスに通う学生は日吉駅や近隣駅に住むことが多いのだそう。「日吉駅や日吉近隣の東急東横線沿線は、飲食店をはじめ、商業施設が充実している駅も多く、初めての一人暮らしでも安心して住める環境ですよ」と加瀬さん。なかでも特におすすめの駅を3つ、教えてくれた。

元住吉駅(写真/PIXTA)

元住吉駅(写真/PIXTA)

おすすめ度1位は日吉駅の隣、東急東横線と東急目黒線が通る元住吉駅。今回の調査では、家賃相場は7万6000円だった。「駅を挟んで東西2つの商店街があり、チェーン系の店舗や地元の個人商店も含めて約280店舗の商店が立ち並んでいます。主にファミリー層が住むエリアなので、落ち着いた住環境を求められる方には非常におすすめできる駅です」。また、駅から徒歩7分ほどの場所に広大な「川崎市中原平和公園」があったり、駅前を流れる渋川沿いに約2kmにわたる桜並木が続いていたりと、自然を感じられる環境なのも魅力だという。

■学生時代に元住吉駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
・住んでいてよかったところ
「駅を出たところに商店街があり、いつも人がいて温かい雰囲気が好きだった。ブレーメン通りは食品や日用品がそろうだけでなく、美味しいチーズが出てくるお店など飲食店も充実していた」(28歳女性)
「スーパーやカフェ、郵便局、区役所が近くにあるので何も困らない点は良かった」(29歳女性)
・住んでいて困った点など
「各停しか止まらない」(19歳女性)
「駅近くだとお店や人が多くてうるさいかも」(25歳男性)

武蔵小杉駅(写真/PIXTA)

武蔵小杉駅(写真/PIXTA)

次なるおすすめは東急東横線と東急目黒線、JRの南武線など各線が乗り入れる武蔵小杉駅。日吉駅までは東急東横線でも東急目黒線でも2駅・3分前後、家賃相場は8万5000円だ。「家賃の価格帯は少し上がりますが、住みたい街ランキングでも上位に入る、人気が高いエリアです。『ららテラス 武蔵小杉』や『グランツリー武蔵小杉』など大型商業施設も充実。乗り入れ路線も多く、都内への玄関口として非常に利便性が高い駅です」

「SUUMO住みたい街ランキング2023 首都圏版」(リクルート調べ)で14位にランクインした武蔵小杉駅は神奈川県川崎市にあるが、駅東側を流れる多摩川を越えると東京都大田区に。東急東横線の通勤特急に乗れば、自由が丘駅まで1駅・約6分、渋谷駅まで3駅・約17分で行くことができる。日吉キャンパスまでの近さはもちろんのこと、せっかく進学で上京するならば都内までの近さも重視したい人には、うってつけだろう。また、武蔵小杉駅は今回調査した「三田キャンパス」周辺の家賃相場が安い駅ランキングだと7位。1・2年次は日吉キャンパス、3年次以降は三田キャンパスに通う予定の学生なら、進級後も引越しせず住み続けられる点も便利そう。

■学生時代に武蔵小杉駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
・住んでいてよかったところ
「飲食店が多い、商業施設もある、交通の便がいい、メリットはたくさんあります」(24歳女性)
「JR線と東急線の両方にアクセスができて、とても便利」(20歳女性)
・住んでいて困った点など
「人が多いので駅が混雑する」(27歳女性)
「人があふれていて落ち着ける場所は少ないこと」(23歳女性)

綱島駅(写真/PIXTA)

綱島駅(写真/PIXTA)

加瀬さんおすすめの3つ目の駅は、日吉キャンパス周辺の家賃相場が安い駅ランキングで15位の東急東横線・綱島駅。元住吉駅とは逆側、日吉駅から下り方面へ1駅目に位置しており、家賃相場は7万円だ。「スーパーやドラッグストア、飲食店など、駅周辺には幅広いジャンルの店舗がとても豊富。2023年3月には東急新横浜線の新綱島駅がすぐ近くに開業しており、ますます利便性が高まっている点も注目です!」と加瀬さん。

東急新横浜線は日吉駅~新横浜駅を結ぶ路線で、同時期に開業した新横浜駅~西谷駅を結ぶ相鉄新横浜線とともに、相鉄・東急直通線の連絡線としての役割を担っている。相鉄線と東急線との相互直通運転が始まり、神奈川県央部~東京都心部間のアクセス性が向上したと話題だ。新しくできた新綱島駅は綱島駅から歩いて5分ほどなので、この辺りに住むと2駅2路線が利用できるわけだ。新駅開業にあわせて道路の整備などの再開発も進められ、より住みやすい街へと進化している。

■学生時代に綱島駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
・住んでいてよかったところ
「一人暮らし向けの飲食店が充実しており、東横線や目黒線で都心へのアクセスも良好なことからお勧めしたいです」(21歳男性)
「駅前にはスーパーや商店がそろっている。日常的な買い物には困らない街だと思う」(28歳男性)
・住んでいて困った点など
「意外とガヤガヤしてる」(28歳男性)

三田キャンパスに通う学生の住まいとして、おすすめの駅3選

三田キャンパスへの通学にも便利な街は、「ハウスメイトショップ目黒店」山本泰史さんにうかがった。住む街を選ぶ際のポイントは、「交通の利便性が高い駅であること」と話す山本さん。「三田キャンパスを利用する3・4年生は、アルバイトや就職活動など学校外での活動が増えてくる時期。そのため学校への行きやすさを踏まえたうえで、別の場所へのアクセスの利便性も高い駅を選ぶのがよいでしょう」

三田キャンパスは最寄駅が多く、どの路線がよいのかも迷うところ。その点をうかがうと、「特におすすめは東急目黒線の沿線。都営三田線と相互直通運転されていてキャンパスがある三田駅まで乗り換えせずに行けること、目黒駅に出れば都内の主要駅に行きやすいJR山手線に乗り換えられる点が魅力です」と教えてくれた。

なかでも山本さんイチ押しは、急行停車駅でもある東急目黒線・武蔵小山駅。大学最寄りの三田駅までは都営三田線直通の東急目黒線なら約12分で行くことができる。家賃相場は9万2000円と少々高め。「開発が進み、近年は家賃相場が上がった点はネック。ですが、東京で最も長いアーケード商店街があって、買い物や外食にたいへん便利な環境です。にぎわいのある街なだけに適度に人目があり、一人暮らしの学生さんも安心して暮らせるでしょう」

武蔵小山駅前の風景(写真/PIXTA)

武蔵小山駅前の風景(写真/PIXTA)

武蔵小山商店街パルム(写真/PIXTA)

武蔵小山商店街パルム(写真/PIXTA)

都内最長だというアーケード商店街「武蔵小山商店街パルム」は、全長約800mで店舗数は約250軒にものぼる。商店街の東側駅前エリアには、再開発で2019年に開業したショッピングモール「パークシティ武蔵小山ザモール」や、品川区役所の出張所や商業施設も備える2021年6月竣工の複合施設も。駅周辺の再開発は現在も進行中なので、今まさに街が生まれ変わりゆく様子を見られる点も魅力だ。

■学生時代に武蔵小山駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
・住んでいてよかったところ
「林試の森公園が近くにあり、土日はそこでゆったり過ごすことができた」(30歳男性)
「アーケード付き商店街があるので、雨の日でもお買い物が便利」(28歳女性)
・住んでいて困った点など
「学生が多く、うるさい」(30歳男性)
「土日は混んでる」(28歳女性)

もう少し家賃相場を抑えたいなら、「東急目黒線の東京都区間内では比較的、家賃相場が安い、洗足(せんぞく)駅もおすすめです」と山本さん。洗足駅の家賃相場は8万6000円で、三田キャンパス周辺の家賃相場が安い駅ランキングで13位に。三田駅までは都営三田線直通の東急目黒線に乗ると約16分だ。

洗足駅前の風景(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

洗足駅前の風景(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「駅前にスーパーやドラッグストアがそろっていて買い物に便利な環境。駅周辺は閑静な住宅街で落ち着いた印象です。そのぶん人通りが少なく心細く感じるかもしれないので、住まい探しの際に駅までの道のりチェックも忘れずにしましょう」

2023年に開業100周年を迎えた洗足駅の駅前には美しいイチョウ並木が続き、並木通り沿いを中心に商店街が広がっている。日々の食事に役立つ惣菜店や、自家焙煎にこだわるコーヒーショップなど個性的な店が豊富なのでめぐり歩くのも楽しそう。また、洗足駅から徒歩10分弱に位置する東急大井町線・北千束駅を利用することも可能だ。

■学生時代に洗足駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
・住んでいてよかったところ
「静かで、住人の方々も穏やかな人が多い印象。碑文谷公園などの広い公園もあるので運動したりなど健康面にも良い」(28歳女性)
「大きな駅まで数駅で行ける」(25歳女性)
・住んでいて困った点など
「飲食店、特にチェーン店が少ない。自炊しない人には、いい店がないかもしれない」(28歳男性)
「環状7号線がすぐ近くを通っているため、道路が近いと車の音が大きく、慣れるまで時間がかかりました」(28歳女性)

山本さんがもう1駅、おすすめしてくれたのが都営浅草線・中延(なかのぶ)駅。家賃相場は9万1000円で、三田駅までは約11分。

「都営浅草線と東急大井町線が利用できて便利。若者に人気の自由が丘駅までも1本で行くことができます。駅近くには商店街が3つあり、八百屋さんや精肉店などが並んでいるので食費を抑える助けにもなるかも。駅前にユニクロがあるのもうれしいところです」

商店街のなかでも注目は、「なかのぶスキップロード」と呼ばれる中延商店街。中延駅から北に延びており、東急池上線の荏原中延駅まで約330mも続くアーケード商店街だ。買い物に利用できる商店街独自のポイントシステムも用意されているので、ポイントを貯めつつお得に買い物ができる。

なかのぶスキップロード(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

なかのぶスキップロード(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

■学生時代に中延駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
・住んでいてよかったところ
「浅草線と大井町線が通っており、都内の大体の場所には行きやすい。浅草線の隣駅にある戸越には、商店街にたくさんのお店が立ち並び、休日に食べ歩きをしたのがいい思い出になった」(30歳女性)
「地域密着で盛んな商店街がある。多路線を利用できて交通アクセスも便利。銭湯がたくさんある」(30歳男性)
・住んでいて困った点など
「大型のスーパーが近くになく、買い物に不便だった」(30歳女性)
「大通りは車通りが激しい」(26歳女性)

さて今回はランキング調査に加え、これまで多くの学生を新生活へと送り出してきた不動産会社のお話を参考に、学生におすすめの街をご紹介した。住む街によって生活の充実度は変わってくるし、学生時代に暮らした街は卒業後も大事な思い出の地になるだろう。しっかりと自分の好みにあった街を選び、ぜひ楽しい新生活を送ってほしい。

■日吉キャンパス最寄駅:日吉駅まで15分以内の家賃相場が安い駅3位までの駅周辺のクチコミ
1位 羽沢横浜国大
・住んでいてよかったところ
「のどかな場所。大通り沿いに美味しいラーメン屋があった」(30歳男性)
「大学に近くて楽 」(24歳女性)
・住んでいて困った点など
「道幅が狭いし坂が多い」(28歳男性)
「坂が多い。主要駅である横浜駅へのアクセスが悪い」(30歳男性)
2位 片倉町
・住んでいてよかったところ
「都心にアクセスしやすいが、駅から少し離れると程よい田舎なところが良い」(21歳女性)
「横浜駅が近く、遊びに行くのには便利だった」(26歳男性)
・住んでいて困った点など
「(自然豊かだが)虫が気になった」(29歳女性)
3位 西谷
・住んでいてよかったところ
「主要駅から離れているので家賃は安く、横浜まで一本なので交通の便がよい。スーパーなどにも困らないし、路線も増えたのでいろいろな場所へ出やすくなった」(29歳女性)
「交通の便が良い」(26歳男性)
・住んでいて困った点など
「周辺にお店が少なかったので、これからに期待」(27歳男性)
「スーパーなどが遠い」(26歳男性)
3位 白楽
・住んでいてよかったところ
「住みやすい、暖かみがある、安心感がある、スーパーやドラッグストア、病院などに困らない」(24歳女性)
「業務スーパーやドラッグストア等充実しているので日用品や食品(などの購入)に困らない。『焼肉屋わんこ』がとてもおいしい」(29歳男性)
・住んでいて困った点など
「学生が多かったので、夜などうるさかった」(28歳女性)
「坂が多い」(30歳男性)

■三田キャンパス最寄駅(田町駅、三田駅、赤羽橋駅)いずれかまで20分以内の家賃相場が安い駅3位までの駅周辺のクチコミ
2位 流通センター
・住んでいてよかったところ
「生活環境が整った街だと思った」(25歳)
「(近隣に)スパがいっぱいあります」(30歳男性)
・住んでいて困った点など
「便が少し不便」(27歳男性)
3位 西馬込
・住んでいてよかったところ
「始発駅なので確実に座れる、乗り過ごしがない」(30歳女性)
「都心へのアクセスが良い」(27歳女性)
・住んでいて困った点など
「駅付近の飲食店が少ない」(28歳女性)
「駅前にスーパーが一つしかない、住民の数の割に店が少ない」(30歳女性)
3位 多摩川
・住んでいてよかったところ
「1本で渋谷や池袋に出られるので交通の便はとても良い」(23歳女性)
「河川敷が近くて散歩ができる」(23歳女性)
・住んでいて困った点など
「近くにスーパーやコンビニがない、少ない。手軽に楽しめる飲食店がない」(23歳女性)
「水害が怖い」(28歳女性)
※1位 昭和島はクチコミなし

●取材協力
ハウスメイトショップ

●家賃相場ランキングの調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている明大前駅まで15分以内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2023/2~2023/10
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2023年11月27日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が1回までの駅を掲載
【家賃相場の調査】株式会社リクルート

●クチコミの調査概要
●調査実施時期:2024年1月17日~2024年1月22日
●調査対象者:現在東京・神奈川・埼玉にお住いの、学生時代(大学・大学院・専門学校問わず)、家賃相場ランキング記載の駅周辺の賃貸住宅で一人暮らしをしたことがある18~30歳までの男性219名、女性445名
●調査方法:インターネット調査
●有効回答数:664
●調査主体:株式会社リクルート、実査委託先:楽天インサイト株式会社

【明治大学】一人暮らし賃貸の家賃相場ランキング2024年! 和泉キャンパス周辺のクチコミ&オススメ情報

新年度が始まる春は引越しシーズン。進学を機に大学の近くで一人暮らしを始める予定の人も、そろそろ引越し先を探す時期だろう。そんな新入生や、これから入学を目指す人の参考になるように、今回は東京都杉並区にある明治大学・和泉(いずみ)キャンパスの最寄駅である明大前駅にアクセスしやすく、家賃相場が安い駅を調査。さらに不動産会社「ハウスメイトショップ下北沢店」店長・山室貴広さんがおすすめする、和泉キャンパスに通う学生が住む街、ランキング上位の街に住んだことがある人々の口コミもご紹介していきたい。

和泉キャンパス最寄駅(明大前駅)まで15分以内の家賃相場が安い駅TOP15(17駅)

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/所要時間/乗り換え回数)
1位 三鷹台 6.9万円(京王井の頭線/東京都三鷹市/13分/0回)
2位 つつじヶ丘 7万円(京王線/東京都調布市/12分/0回)
2位 久我山 7万円(京王井の頭線/東京都杉並区/9分/0回)
2位 調布 7万円(京王線/東京都調布市/13分/0回)
5位 松原 7.2万円(東急世田谷線/東京都世田谷区/9分/1回)
6位 仙川 7.3万円(京王線/東京都調布市/11分/0回)
7位 井の頭公園 7.4万円(京王井の頭線/東京都三鷹市/15分/0回)
8位 永福町 7.5万円(京王井の頭線/東京都杉並区/2分/0回)
8位 宮の坂 7.5万円(東急世田谷線/東京都世田谷区/13分/1回)
8位 経堂 7.5万円(小田急小田原線/東京都世田谷区/13分/1回)
8位 桜上水 7.5万円(京王線/東京都世田谷区/2分/0回)
8位 西永福 7.5万円(京王井の頭線/東京都杉並区/4分/0回)
13位 豪徳寺 7.6万円(小田急小田原線/東京都世田谷区/14分/1回)
13位 浜田山 7.6万円(京王井の頭線/東京都杉並区/6分/0回)
15位 下高井戸 7.7万円(京王線/東京都世田谷区/1分/0回)
15位 山下 7.7万円(東急世田谷線/東京都世田谷区/11分/1回)
15位 富士見ヶ丘 7.7万円(京王井の頭線/東京都杉並区/9分/0回)
―――
「ハウスメイトショップ下北沢店」山室さんおすすめの駅
ランク外 千歳烏山 7.88万円(京王線/東京都世田谷区/7分/0回)
ランク外 明大前 8.3万円(京王井の頭線/東京都世田谷区/※/※)※起点駅
ランク外 下北沢 8.71万円(京王井の頭線/東京都世田谷区/4分/0回)

大学名を冠した「明大前駅」周辺は生活する街としても魅力的

東京都内を中心に、4キャンパス・10学部を抱える明治大学。東京都杉並区には主に法学部や商学部といった文系学部の1・2年生が通う、和泉キャンパスがある。2022年春には学生の交流スペースも備えた新教育棟「和泉ラーニングスクエア」が誕生している。この和泉キャンパスから徒歩5分ほどの最寄駅はその名も「明大前駅」。明治大学予科(当時)が移転してきたのを機に1935年から、この駅名になったのだとか。

明大前駅(写真/PIXTA)

明大前駅(写真/PIXTA)

京王線と京王井の頭線が通る明大前駅は、新宿駅まで京王線の特急や急行で2駅・最短約7分、渋谷駅まで京王井の頭線の急行で2駅・最短約6分という好立地。駅に直結して、スーパーや書店、飲食店などを備えた「フレンテ明大前」がある点も魅力の一つだ。駅周辺は細い路地に沿ってコンビニや100円ショップ、ファストフード店やラーメン店といったリーズナブルな飲食店が立ち並び、学生にも愛用されている。大型の商業施設はなく、駅前から少し離れると住宅街。また、明治大学以外にも日本女子体育大学の附属高校など学校が点在しており、通学時間帯の駅周辺は学生の姿でにぎわっている。

明大前駅周辺で暮らす学生も多いそうで、「ハウスメイトショップ下北沢店」の山室さんも明大生が住むイチ押しの街として明大前駅を挙げてくれた。

「大学生の住まい探しは、キャンパスまでドア・トゥ・ドアで30分以内、もしくは電車で2~3駅圏内がおすすめ。近年は自転車でも通える距離内でお探しになる方が増えています。また、住む街を選ぶ際はアルバイトや部活動など、授業以外の利便性も考慮するとよいでしょう。その点、明大前駅は2路線利用可能で渋谷駅や新宿駅に乗り換えなしでアクセスできるため非常に便利。駅前商店街に飲食店も多く、コンパクトながら生活に必要な施設はそろっています」

また、明大前駅を含む京王線笹塚駅~仙川駅間では現在、連続立体交差事業が進行中。すでに高架橋が姿を現してはいるものの、事業終了まではまだしばらくかかる様子。明大前駅の高架化にともなって駅舎のリニューアルや駅周辺地区の再開発も計画されているため、完成を楽しみに待ちたい。

■学生時代に明大前駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ
コメント内容は住んでいた学生当時のモノです(以下、記事内すべて同)

・住んでいてよかったところ
「ご飯屋さんやカフェがたくさんあるので休日も充実」(21歳女性)
「新宿と渋谷へアクセスしやすいので、交通の便が非常によかった」(27歳女性)

・住んでいて困った点など
「学生が多いので騒々しい」(25歳女性)
「大きいスーパーが少し遠い」(28歳男性)

そんな明大前駅から徒歩15分圏内にある、学生向け賃貸物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK。以下同)の家賃相場は8万3000円。便利な街だけあって、学生の一人暮らしにとって安くはない。もう少し家賃相場がお手ごろで魅力的な街として山室さんがおすすめしてくれたのが、京王線・千歳烏山駅だ。

千歳烏山駅(写真/PIXTA)

千歳烏山駅(写真/PIXTA)

東京都世田谷区に位置する千歳烏山駅の家賃相場は明大前駅より4000円ほど低い7万8800円で、「家賃を抑えたい方におすすめです」とのこと。「親しみやすい風情あふれる商店街があり、ドラッグストアや定食屋さんなど日常使いできる店が多数、立ち並んでいます。また、家具や工具を買いたい場合はホームセンターが隣駅の仙川にありますので、カーシェアなどを利用すれば20分程度で行くことが可能です」と山室さん。駅周辺の商店街にはスーパーから個人商店まで約150軒以上もの店舗がひしめく、活気ある街並み。また、前述した京王線の連続立体交差事業区間に千歳烏山駅も含まれ、将来的には駅の高架化が予定されている。千歳烏山駅から明大前駅までは、京王線の区間急行で2駅・約7分。京王線の特急停車駅でもあるため、新宿駅まで3駅・約17分で行くこともできる。

■学生時代に千歳烏山駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ

・住んでいてよかったところ
「駅前は何でもそろっていて良かった。チェーンではない美味しいご飯屋さんが多く、週末に新しいお店を開拓するのが楽しかった」(30歳女性)
「駅前に何でもあるので便利。交通の便が良い」(28歳女性)

・住んでいて困った点など
「大きいスーパーがない」(26歳男性)
「駅から離れると暗い」(28歳女性)

明大前駅まで乗り換えなし&15分以内の駅でも家賃相場は1万円以上も安くなる!

続いてランキング上位になった駅についても見ていこう。
明大前駅まで電車で15分圏内にある、家賃相場が最も安かった駅は東京都三鷹市にある京王井の頭線・三鷹台駅。家賃相場は6万9000円で、明大前駅よりも1万4000円も低い。明大前駅までは各駅停車で7駅・約13分で行けるほか、明大前駅とは逆方面に進むと若者にも人気の街・吉祥寺駅に2駅・約3分で到着する。

三鷹台駅周辺の様子(写真/PIXTA)

三鷹台駅周辺の様子(写真/PIXTA)

井の頭恩賜公園(写真/PIXTA)

井の頭恩賜公園(写真/PIXTA)

1位・三鷹台駅周辺は線路と沿うように神田川が流れ、川の北側にあるドラッグストアとコンビニの先には立教女学院の敷地と住宅地が広がる。商店が多いのは川と線路の南側。スーパーやコンビニのほか、三鷹台駅前通り沿いの商店街を中心にラーメン店や宅配ピザなどの飲食店も点在している。また、1駅隣の7位・井の頭公園駅(家賃相場7万4000円)に行くと、駅前に緑豊かな「井の頭恩賜公園」が広がっている。三鷹台駅から「も電車や自転車で訪れやすく、気軽にリフレッシュに出かけられる点も魅力だ。

■学生時代に三鷹台駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ

・住んでいてよかったところ
「閑静な住宅街、吉祥寺や渋谷へのアクセスが良い」(30歳男性)
「自転車で足を延ばせば、星を見るのに適した公園がある(都立野川公園)」(30歳女性)

・住んでいて困った点など
「スーパーが少ない」(28歳女性)
「主要な駅などには少し遠い」(29歳女性)

久我山駅(写真/PIXTA)

久我山駅(写真/PIXTA)

2位には家賃相場が同額の7万円となった、京王線のつつじヶ丘駅と調布駅、京王井の頭線・久我山駅の3駅がランクイン。この3駅のうちでは明大前駅までの所要時間が最も短い、久我山駅について見てみよう。久我山駅は東京都杉並区に位置し、明大前駅までは京王井の頭線の急行で2駅・約9分。明大前とは逆方面に1駅進むと1位・三鷹台駅があり、三鷹台駅前から続く神田川が久我山駅南側を流れている。川に架かる久我山橋は駅前広場のような役割を担っており、その先はスーパーやドラッグストア、飲食店が立ち並ぶ商店街。駅の北側にも多彩な飲食店が軒を連ねるほか、スーパーや100円ショップも。川沿いの遊歩道を西に進むと緑に囲まれた「宮下橋公園」があり、駅から東に10分ほど歩くと2020年開園の広々とした「高井戸公園」に行けるなど、自然を感じながらのんびり過ごすこともできる。

■学生時代に久我山駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ

・住んでいてよかったところ
「駅前に夜まで営業しているスーパーがあり、商店街やコンビニなども充実していて、規模は大きくないが住みやすかった。吉祥寺に行けば何でもそろうので、不便はなかった。お寺などもあり、散歩もできた」(24歳女性)
「自然がいっぱいで、帰ってくるだけでも都会の喧騒から逃れられる。家賃が比較的周りよりも安く、急行も停まる駅なので住みやすい」(28歳男性)

・住んでいて困った点など
「(駅から少し離れると)周りが畑に囲まれて、夜は暗いところもある」(28歳男性)

■2位 つつじヶ丘

・住んでいてよかったところ
「落ち着いた雰囲気で、スーパーやドラッグストアも近くにあった」(27歳女性)
「生活に必要なものが周りにそろっていて買い物が便利」(28歳女性)

・住んでいて困った点など
「百均がない、スーパーが(駅前に)1つしかない」(21歳男性)
「交通はやや不便」(27歳女性)

■2位 調布

・住んでいてよかったところ
「個人経営のお店が何軒かあり、どこも美味しいし温かい印象」(30歳女性)
「駅前には家電屋さんや商業施設があり、充実している」(29歳男性)

・住んでいて困った点など
「各駅停車しか止まらないため、移動に時間がかかる」(24歳女性)
「特に駅前から離れると街灯が少ない」(25歳女性)

トップ15のうち明大前駅まで最短で行けるのは、15位にランクインした京王線・下高井戸駅だ。東京都世田谷区に位置し、家賃相場は7万7000円。明大前駅までは1駅・約1分という近さで、歩いても15分弱。明治大学・和泉キャンパスにも歩いて約15分、自転車なら約5分で行くことができる。駅周辺は細い道沿いにさまざまな店舗がひしめく商店街。温泉風呂やサウナを備えた銭湯「月見湯温泉」や、名画座「下高井戸シネマ」など、地元の人に長らく愛される商店も多い。日本大学文理学部の最寄駅でもあるため、学生が通いやすいリーズナブルな飲食店が豊富なのも嬉しいところだ。

■学生時代に下高井戸駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ

・住んでいてよかったところ
「商店街にお店がいろいろあって楽しい」(24歳女性)
「商店街があり、買い物が楽」(25歳男性)

・住んでいて困った点など
「特急が止まらない」(25歳男性)
「交通が不便」(29歳女性)

街歩きを楽しみたい人は、新スポット目白押しの下北沢駅に住むのも◎

さて、明治大学の学生が住む街として「ハウスメイトショップ下北沢店」の山室さんはもう1駅、おすすめしてくれた。それは京王井の頭線・下北沢駅。

下北沢ショッピングストリート(写真/PIXTA)

下北沢ショッピングストリート(写真/PIXTA)

「バンド、サブカル、古着の聖地。駅前商店街はいつも20代の若者でにぎわっており、学生さんにとても人気がある街です。その分少々、家賃は高いですが……」と話す山室さん。家賃相場は8万7100円で、確かに明大前駅よりもアップしてしまう。しかし明大前駅までは京王井の頭線の各駅停車で3駅・約4分、自転車なら10分弱。渋谷駅までは各駅停車で4駅・約7分、急行なら1駅・約3分で行ける。小田急線も乗り入れているので、通勤急行や快速急行に乗って2駅・約9分で新宿駅にも出られるアクセスのよさが魅力だ。

下北沢の街自体も山室さんがおすすめするように若者に人気があり、遠方から遊びに来る人も少なくない。古くから人気のショップや飲食店に加え、小田急線の地下化にともなってここ数年で新スポットも次々とオープン。商業施設「シモキタエキウエ」を併設した新駅舎や、線路跡地が商業ゾーンやホテルに生まれ変わった「下北線路街」、井の頭線高架下を活用した商業空間「ミカン下北」など、新施設が街の魅力を高めている。話題のスポットにふらりと出かけたり人気店の食べ歩きをしたりと、学業以外の時間も充実させたいタイプの人なら下北沢での暮らしを気に入ることだろう。

■学生時代に下北沢駅の周辺に住んでいたことがある人のクチコミ

・住んでいてよかったところ
「カフェ等の飲食店、洋服屋、ネイルサロンや美容室も充実している。休日にブラブラしたいならうってつけ」(23歳女性)
「個人経営の面白い飲み屋が多く、友達を誘いやすかったのはよかった」(30歳男性)
「東京のサブカルチャーの中心の一つだと思っていて、さまざまな人や文化に触れることができるので、そういうのが好きな人にはとてもおすすめできると思う」(28歳男性)

・住んでいて困った点など
「人が多すぎて、落ち着かない」(21歳女性)
「静かなところで暮らしたい人には不向き」(26歳女性)

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●取材協力
ハウスメイトショップ

●家賃相場ランキングの調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている明大前駅まで15分以内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2023/2~2023/10
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2023年11月27日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が1回までの駅を掲載
【家賃相場の調査】株式会社リクルート

●クチコミの調査概要
●調査実施時期:2024年1月17日~2024年1月22日
●調査対象者:現在東京・神奈川・埼玉にお住いの、学生時代(大学・大学院・専門学校問わず)、家賃相場ランキング記載の駅周辺の賃貸住宅で一人暮らしをしたことがある18~30歳までの男性219名、女性445名
●調査方法:インターネット調査
●有効回答数:664
●調査主体:株式会社リクルート、実査委託先:楽天インサイト株式会社

「賃貸住宅に革命起こした『青豆ハウス』」「サラリーマン30代コンビ『週末縄文人』の縄文ぐらしに密着」【12月人気記事まとめ】

厳しい寒さが続くこのごろ。『SUUMOジャーナル』で12月に公開した記事では、「賃貸住宅に革命起こした『青豆ハウス』、9年でどう育った? 居室を街に開く決断した大家さん・住民たちの想い」「サラリーマン30代コンビ『週末縄文人』、石斧や土器から竪穴住居まで手づくり。文明ゼロからスタート、人気YouTuberの縄文ぐらしに密着」などが人気TOP10に入りました。見どころをご紹介します。

12月の人気記事ランキングTOP10はこちら!

第1位: 賃貸住宅に革命起こした「青豆ハウス」、9年でどう育った? 居室を街に開く決断した大家さん・住民たちの想い 東京都練馬区

第2位: サラリーマン30代コンビ「週末縄文人」、石斧や土器から竪穴住居まで手づくり。文明ゼロからスタート、人気YouTuberの縄文ぐらしに密着

第3位: 築36年賃貸が大人気の理由は”大家さん”?! マンガ1000冊読み放題(定期入替)やコーヒー無料などホスピタリティ満載「百合ヶ丘池上マンション」神奈川県川崎市

第4位: 地元企業の共同出資で生まれた絶景の宿「URASHIMA VILLAGE」。地域の企業が暮らしのインフラを支える時代が始まっている 香川県三豊市

第5位: 「高齢者が賃貸を借りづらい問題」に解決策はあるか? R65代表取締役に聞いた!

第6位: 転出超過つづきの危機から一転、転入者が10倍以上に!「おしゃれ田舎プロジェクト」の勢い、長野県小諸市が移住者から熱視線

第7位: 【JR中央線】家賃相場が安い駅ランキング2023年(東京-高尾32駅)。TOP3は多摩地域でALL5万円台!

第8位: 最大の不安は「物価高」。節約志向が高まるなかでも持ち家派が多数。住宅ローンの不安を軽減する方法を紹介

第9位: 賃貸住宅トレンド2024は個性強め! 注目4キーワードは趣味特化・店舗兼用・省エネ性能・デジタル化

第10位: 高騰続く新築マンション、2024年は買いやすくなる? 価格・金利上昇から見る買い時や注目の「省エネ性能」を解説
※対象記事とランキング集計2023年12月1~31日に公開された記事のうち、PV数の多い順

街に開かれた住宅、縄文時代の竪穴住居!? 新しい住まいの形に注目

第1位: 賃貸住宅に革命起こした「青豆ハウス」、9年でどう育った? 居室を街に開く決断した大家さん・住民たちの想い 東京都練馬区

賃貸住宅に革命起こした「青豆ハウス」、9年でどう育った? 居室を街に開く決断した大家さん・住民たちの想い 東京都練馬区

(画像提供/青豆ハウス)

「青豆ハウス」は、東京都練馬区にある賃貸住宅。”育つ賃貸住宅”というコンセプトを掲げ、2014年から住む人、集う人々がコミュニティを育んできました。9年の間には、設立時からいた住民の卒業も経験。その部屋は「欠番の部屋」とし、1階は “まちのキオスク”として地域に開き、2階は住民たちのもうひとつの部屋として活用することにしました。そして現在、「青豆ハウス」はどう育っているのでしょうか? 大家の青木純さんに、9年間を振り返ってもらいました。

第2位: サラリーマン30代コンビ「週末縄文人」、石斧や土器から竪穴住居まで手づくり。文明ゼロからスタート、人気YouTuberの縄文ぐらしに密着

サラリーマン30歳コンビ「週末縄文人」、石斧や土器から竪穴住居まで手づくり。文明ゼロからスタート、人気YouTuberの縄文ぐらしに密着

(写真撮影/嶋崎征弘)

チャンネル登録者数14万人超の人気YouTuber「週末縄文人」。30代のサラリーマン二人組「縄(じょう)さん」と「文(もん)」さんは、週末に現代文明を離れ、縄文時代の生活を再現する活動をしています。なんと、石斧や土器、竪穴住居もイチから手づくり! 二人には、高度なテクノロジーに支えられた現代の住まいや暮らしはどのように見えているのでしょうか。縄文生活は、現代の生き方にも変化をもたらしたのでしょうか。山の中の活動拠点にお邪魔して話をうかがってきました。

第3位: 築36年賃貸が大人気の理由は”大家さん”?! マンガ1000冊読み放題(定期入替)やコーヒー無料などホスピタリティ満載「百合ヶ丘池上マンション」神奈川県川崎市

賃貸の大家さんなのにユーチューバー!? 入居者「10年住んでも『これ以上ない』」小さな工夫と思いやり重ね続け、築36年・家賃相場より高くても満室続き「百合ヶ丘池上マンション」神奈川県川崎市

(写真撮影/片山貴博)

築36年の賃貸物件「百合ヶ丘池上マンション」は、周辺エリアの家賃相場より高いというのにほぼ満室、空室が出てもすぐ埋まってしまう人気物件。その秘密は、大家さんのユニークなアプローチ!住人が利用できるシェアルーム「サードプレイス102」にはマンガ1000冊(しかも中身は3カ月ごとに入れ替えされるサブスク制)の読み放題や無料コーヒーなどのサービスがあり、住民の生活を豊かにする工夫がいっぱい! しかも大家さんはYouTuberとしても活躍中。「こんな物件に住んでみたい!」という気持ちがかき立てられます。

第4位: 地元企業の共同出資で生まれた絶景の宿「URASHIMA VILLAGE」。地域の企業が暮らしのインフラを支える時代が始まっている 香川県三豊市

地元企業の共同出資で生まれた絶景の宿「URASHIMA VILLAGE」。地域の企業が暮らしのインフラを支える時代が始まっている 香川県三豊市

(撮影/Fizm藤岡優)

雲や夕焼けが映り込む“天空の鏡“と呼ばれる光景がInstagramで話題になり、年間50万人が訪れるようになった香川県三豊市の父母ヶ浜。 そんな父母ヶ浜に2021年1月、一棟貸しの宿「URASHIMA VILLAGE」がオープンしました。地元の民間企業11社による共同出資の仕組みは、今や三豊市の交通や教育、不動産などのベーシックインフラ整備にまで広がっています。飲み会から始まったという、この「URASHIMA VILLAGE」構想の仕組みとは? 事務局の瀬戸内ワークス・原田佳南子さんと、地域プロデューサーの古田秘馬さんにお話をうかがいました。

第5位: 「高齢者が賃貸を借りづらい問題」に解決策はあるか? R65代表取締役に聞いた!

「高齢者が賃貸を借りづらい問題」に解決策はあるか? R65代表取締役に聞いた!

(筆者撮影)

近年、報道もされている「65歳以上の高齢者は賃貸住宅を借りづらい」という問題。65歳以上の部屋探しを支援する「R65不動産」では、高齢者が入居できる物件を紹介するとともに、高齢者の賃貸入居を難しくする課題を解消する取り組みを積極的に行っています。高齢者の部屋探しには、どんな課題があるのか。その解決策は?実態について、代表取締役の山本遼さんに話を聞きました。

第6位: 転出超過つづきの危機から一転、転入者が10倍以上に!「おしゃれ田舎プロジェクト」の勢い、長野県小諸市が移住者から熱視線

転出超過つづきの危機から一転、転入者が10倍以上に!「おしゃれ田舎プロジェクト」の勢い、長野県小諸市が移住者から熱視線

(写真撮影/窪田真一)

長野県東部に位置する小諸(こもろ)市は、3年連続で転入者が転出者を上回ったことで注目を集めています。2021年には16人増、2022年は一気に169人増、2023年は7月末時点で187人増という人気ぶり。なんとその理由のひとつには、「まち歩きが楽しくなってきたから」という理由が挙げられるといいます。かつては年間100人を超える転出者が出ていたという小諸市を変えたのは、その名も「おしゃれ田舎プロジェクト」。若い人たちが出かけたくなる街づくりとは? プロジェクトの仕掛人で、小諸市役所で働く高野慎吾さんにお話をうかがいました。

第7位: 【JR中央線】家賃相場が安い駅ランキング2023年(東京-高尾32駅)。TOP3は多摩地域でALL5万円台!

【JR中央線】家賃相場が安い駅ランキング2023年(東京-高尾32駅)。TOP3は多摩地域でALL5万円台!

(写真/PIXTA)

東京を代表する路線の一つ、JR中央線。今回は、中央線内で東京都内に位置する駅の家賃相場を調査しました。東京駅から高尾駅の全32駅は、千代田区から八王子市まで、約53kmの沿線に点在しています。東京都、といってもその住環境はさまざま。もちろん家賃相場にも大きな違いが――? なんと、1位(最も家賃相場が安い駅)と32位(最も家賃相場が高い駅)には倍以上! さて、最も家賃が安い駅はどの駅でしょうか。

第8位: 最大の不安は「物価高」。節約志向が高まるなかでも持ち家派が多数。住宅ローンの不安を軽減する方法を紹介

最大の不安は「物価高」。節約志向が高まるなかでも持ち家派が多数。住宅ローンの不安を軽減する方法を紹介

(写真/PIXTA)

今回の記事では、カーディフ生命が2000人を対象に実施した「第5回 生活価値観・住まいに関する意識調査」を取り上げました。調査結果によると、対象者が現在最も不安に思っているのは「物価高」。しかし物価高による節約志向が進む中で、「家を買う派」は67.1%と依然、多数派に。住宅購入に対する憧れは健在のようです。この不安を軽減するための方法として、無理のない返済計画の立て方や、保険によるリスク軽減なども紹介。ぜひ一読して、将来の生活設計の参考にしてみてください。

第9位: 賃貸住宅トレンド2024は個性強め! 注目4キーワードは趣味特化・店舗兼用・省エネ性能・デジタル化

賃貸住宅トレンド2024! 注目キーワード4つ「コンセプト賃貸」「ナリワイ」「省エネ性能」「デジタル化」

(写真撮影/片山貴博)

賃貸といえばどれも似たような間取りで無個性――。そんな思い込みを裏切る個性的な賃貸物件が日本各地で少しずつ増えています。お店をひらけたり、相撲部屋付きだったり、農園付きの物件も!? 次に賃貸物件にやってくる新しい風とは? SUUMO副編集長でSUUMOリサーチセンター研究員でもある笠松美香氏によると、2024年の賃貸住宅トレンドは「コンセプト賃貸」「趣味特化型賃貸」「省エネ性能の強化」および「デジタル化」の4つが注目されているといいます。さっそく内容をチェックしてみましょう。

第10位: 高騰続く新築マンション、2024年は買いやすくなる? 価格・金利上昇から見る買い時や注目の「省エネ性能」を解説

高騰続く新築マンション、2024年は買いやすくなる? 価格・金利上昇から見る買い時や注目の「省エネ性能」を解説

ブリリア聖蹟桜ヶ丘ブルーミングテラス(写真提供/東京建物、東栄住宅)

「新築マンション」と検索すると「高騰」「億ション」など、景気の良い検索キーワードが表示される昨今。都市部では、新築マンションの価格は高騰を続けています。とはいえ、多くの世帯で収入が価格上昇に追いついていないのもたしか。このまま新築マンションは高嶺の花に――? 2024年の新築マンション市場はどのように動くのか。『SUUMO』編集長・SUUMOリサーチセンター長の池本洋一氏に、市場動向と買うべきときに見ておいてほしいポイントなど、最新事情を取材しました。

12月の人気記事ランキングでは、新しい賃貸住宅の形や不動産市場の動向を調査した記事などのランクインが目立ちました。まだまだ寒い日が続きますが、今年も住まいに関する新しい取り組みや、市場動向などを取り上げていきたいと思います。本年もよろしくお願い致します。

関心高まる「移住・二地域居住」 、促進に向け専門委員会が中間とりまとめを公表 これから何が変わる?

空家の増加が懸念されるなか、東京圏の転入超過数はコロナ禍で一時的に減少したものの、現在は再び増加している。一方で、若者世代を含めた移住や二地域居住の希望者が増加している。こうした状況下で、地方への人の流れを創出・拡大させようと、国土交通省では移住・二地域居住等促進専門委員会を設けて「移住・二地域居住」などを促進するための施策について審議を続け、この度その中間とりまとめを公表した。

【今週の住活トピック】
移住・二地域居住等の促進に向けた対応の方向性等をとりまとめ/国土交通省

地方移住や二地域居住への関心は高い

政府は、移住や二地域居住を促進することは、東京一極集中の是正や地方創生という課題について効果があると見ている。また移住や二地域居住の促進は、「関係人口」の創出拡大を通じた魅力的な地域づくりにも有効な手段と考えている。

関係人口とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、特定の地域に継続的に多様な形で関わる人のことで、「二地域居住等」を行う人も含んでいる。なお、政府では二地域居住を「主な生活拠点とは別の特定の地域に生活拠点(ホテル等も含む)を設ける暮らし方」と定義している。必ずしも2つの地域に住まいがあることに限定していない。

さて、専門委員会の中間とりまとめを見よう。内閣府や国土交通省の調査結果から、地方移住や二地域居住への関心が高まっていると指摘している。まず、内閣府が2023年3月に行った「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」では、東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)に居住する人の地方移住への関心は年々高まっている様子がうかがえる。

また、国土交通省が2023年8月~9月に行った「二地域居住に関するアンケート」で、二地域居住を行っていない人に二地域居住等を行いたいと思うか聞いたところ、27.9%が二地域居住を行いたい・行う予定があるなどの高い関心を示した。

地方移住への関心(東京圏)全年齢

出典/「国土審議会 推進部会移住・二地域居住等促進専門委員会中間とりまとめ」より

今後、居住地や通勤・通学先以外で、二地域居住等を行いたいと思いますか?

出典/「国土審議会 推進部会移住・二地域居住等促進専門委員会中間とりまとめ」の参考資料集より

このように関心が高まっている移住や二地域居住だが、実行するにはさまざまなハードルもある。

場所にしばられない働き方が可能になり、転職なき移住も

移住や二地域居住で最も高いハードルになるのが、「仕事や収入」といわれてきた。ところが、コロナ禍でテレワークが普及し、地方にいながらにして東京での仕事を続けることができるようになった。地方で希望の仕事が見つからない、地方での収入が都市部より低くて経済的に成り立たないといったハードルが低くなったことで、移住や二地域居住がしやすくなってきた。また、副業を禁止しない企業も増えているので、東京で本業を、地方で副業やボランティアを、といったスタイルが取りやすいことも追い風となっている。

パーソル総合研究所「地方移住に関する実態調査」(2022年3月作成)によると、移住した人の53.4%が「転職をしていない」と回答している。場所にしばられない働き方ができれば、「転職なき移住」も可能になるわけだ。もちろん、残りの半数近くは転職や独立・起業をしているので、それを支援する手立ても必要となる。

移住に伴う転職・職務変更

出典/「国土審議会 推進部会移住・二地域居住等促進専門委員会中間とりまとめ」の参考資料集より

「住まい」「なりわい(仕事)」「コミュニティ」の3本柱

次に、「地域コミュニティへの参加のしやすさ」というハードルもある。地域独特のルールに馴染めないといったことや、「よそ者」に対する寛容性が低い地域、性別や世代などによる偏見が残っている地域があったりして、移住や二地域居住の障害になる場合もある。

そこで、中間とりまとめでは「住まい」「なりわい(仕事)」「コミュニティ」を3つの柱に据えて、それぞれの課題や対応の方向性を提示している。

「住まい」「なりわい(仕事)」「コミュニティ」の課題

出典/「国土審議会 推進部会移住・二地域居住等促進専門委員会中間とりまとめ」より

移住や二地域居住の促進をするための施策についてのとりまとめなので、「中間とりまとめ」ではそれぞれの対応策について、地方自治体が取り組むべき内容や実際に取り組んでいる自治体の事例などを詳しく紹介している。さらに、受け入れる個々の地方自治体だけでなく、民間との連携や地域間、基礎自治体と広域の都道府県との連携も必要であり、区域外就学制度などの子どもの学びの環境づくりなど、横断的な対応も必要と指摘している。

筆者が取材した地方移住者の場合、空き家はあるのによそ者には売ったり貸したりしたくないという風潮があり、それが大きな課題となったという事例もあった。その事例では、移住者のサポートをする橋渡し役の人が地元住民に働きかけて意識を変えたことで、移住者向けの空き家が増え、新たなコミュニティが形成されて、今では多くの移住者や地元住民と良い関係が築けていた。

中間とりまとめは、かなり細かい点にまで言及した提言となっている。実際に行うのは難しい内容も多いが、新しい人材を求める自治体には積極的に取り組んでほしい。働き方や家族のライフスタイルなどが変化している今こそ、障害を減らして魅力を発信できる自治体が移住先・二地域居住先として選ばれていくだろう。

●関連サイト
国土交通省の報道発表:移住・二地域居住等の促進に向けた対応の方向性等をとりまとめ
「国土審議会 推進部会移住・二地域居住等促進専門委員会中間とりまとめ」
「国土審議会 推進部会移住・二地域居住等促進専門委員会中間とりまとめ」の参考資料集

「『入居条件はパン屋さん』大家さんの狙いとは?賃貸1階の”小さな商店街”化が進行中」「盛岡市民の生きがい『材木町 よ市』がグルメ天国すぎる!」【11月人気記事まとめ】

今年の秋は、この季節として過去の記録を大きく上回る高温でした。年末になっても例年より暖かい日が続きますが、寒暖差には注意して過ごしたいですね。SUUMOジャーナルで11月に公開した記事では、「『入居条件はパン屋さん』大家さんの狙いとは? 入居者も街の人もハッピーになる賃貸1階の”小さな商店街”化が進行中 東京・蒲田」「盛岡市民の生きがい『材木町 よ市』がグルメ天国すぎる!現地の楽しみ方をレポート」などが人気TOP10入りしました。バラエティー豊かな記事の見どころを紹介します。

1位
「入居条件はパン屋さん」大家さんの狙いとは? 入居者も街の人もハッピーになる賃貸1階の”小さな商店街”化が進行中 東京・蒲田

2位
盛岡市民の生きがい「材木町 よ市」がグルメ天国すぎる! 毎週土曜、100店超の美食をその場でも宅飲みでも。現地の楽しみ方をレポート

3位
UXデザイナーが自宅マンションリノベの”要求定義”した結果。「絶対に後悔しない家づくり」のプロセス【ビジネスパーソン必見】

4位
コンビニが撤退危機だった人口減の町に、8年で25の店がオープン。「通るだけのまち」を「行きたいまち」に変えたものとは? 長崎県東彼杵町

5位
地方でのデザイナーのプレゼンス、存在価値を高めたい。「場」をもって示す、佐賀発のデザインユニット「対対/tuii」の挑戦

6位
伝説のDIY可賃貸「吉浦ビル」誕生から10年、入居者をまき込みまちづくりが進行中! 空室率20%から人気物件になった脅威の軌跡とは 福岡市

7位
既存のマンションでもZEH水準にリノベが可能に!?国が推進する省エネ性能「ZEH水準」についても詳しく解説

8位
令和5年度補正予算で住宅の取得やリフォームでおトクに!補助金や優遇制度を先取り解説!キーワードは子育てと省エネ住宅

9位
東京を”食べられる森”に! 渋谷や新宿などに農園が続々登場している理由「トーキョーアーバンファーミング(Tokyo Urban Farming)」

10位
新築・中古マンションの価格は平均年収の10倍以上に上昇?エリア別に詳しく解説

※対象記事とランキング集計:2023年11月1~30日に公開された記事のうち、PV数の多い順

1位 「入居条件はパン屋さん」大家さんの狙いとは? 入居者も街の人もハッピーになる賃貸1階の”小さな商店街”化が進行中 東京・蒲田

「入居条件はパン屋さん」大家さんの狙いとは? 入居者も街の人もハッピーになる賃貸1階の”小さな商店街”化が進行中 東京・蒲田

(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

パンが好きな人の中には、「おいしいパン屋さんのある街に住みたい!」と思っている人も少なくないのでは。蒲田(東京都大田区)の住宅街にある「SONGBIRD BAKERY」は、実は大家さんが「パン屋さん限定」で募集した物件です。「1階においしいパン屋があったら、入居者さんも街の人もハッピーでしょう?」と大家の茨田禎之(ばらだ・よしゆき)さん。当初難航したテナント探しと「SONGBIRD BAKERY」店主の本藤正敏(ほんどう・まさとし)さんとの出会い、「街に根付くパン屋さん」になるまでのストーリーを美味しそうなパンの写真とともに味わってみてください。

2位 盛岡市民の生きがい「材木町 よ市」がグルメ天国すぎる! 毎週土曜、100店超の美食をその場でも宅飲みでも。現地の楽しみ方をレポート

盛岡市民の週末の生きがい「材木町よ市」が天国すぎる! できたてを味わうもよし、あれこれ買って宅飲みもよし。なんでもござれの土曜の台所をレポート/盛岡みちくさおしゃべり紀行

(イラスト/阿部夏希)

たべる、あるく、よりみちするのが大好きな岩手県盛岡市在住のスガワラさんとアベさんが、盛岡市民おなじみのイベント「材木町 よ市(ざいもくちょう よいち)」(4月~11月開催)をレポート! 盛岡駅から徒歩7分の材木町商店街に100店舗以上の露店が並ぶ人気イベントを盛岡在住の料理家、橋本玲奈(はしもと・れな)さんとおしゃべりしながらぶらぶら。食べ歩きしながら惣菜や新鮮な食材を買い込んで玲奈さんの自宅へ。玲奈さんの料理も記事の見どころです。買ってきた岩豆腐にキムチをのせてごま油をたらり……これは絶対美味しいやつ! 「材木町 よ市」を目的に盛岡市を訪ねたくなります。

3位 UXデザイナーが自宅マンションリノベの”要求定義”した結果。「絶対に後悔しない家づくり」のプロセス【ビジネスパーソン必見】

UXデザイナーが自宅マンションリノベの”要求定義”した結果。「絶対に後悔しない家づくり」のプロセス【ビジネスパーソン必見】

(写真撮影/嶋崎征弘)

UXデザイナーMさんの仕事は、ユーザーにとって嬉しい体験を実現するためにどんなシステムが必要なのかを考えること。UXデザイナーが家づくりをしたらどんな住まいができるでしょうか。Mさんと同じくUXデザイナーである夫のRさんとの家づくりを取材。ユニークなのは、「要求定義」を家づくりのアプローチに用いたこと。「要求定義」とは、システム開発プロジェクトにおいて、システムを通して何を実現したいのかを分かりやすく定義したものです。自らをリサーチし、「住まいへの要求をまとめた資料」は一見の価値あり!

4位 コンビニが撤退危機だった人口減の町に、8年で25の店がオープン。「通るだけのまち」を「行きたいまち」に変えたものとは? 長崎県東彼杵町

コンビニが撤退危機だった人口7700人の町に、8年で25の店がオープン。「通るだけのまち」を「行きたいまち」に変えたものとは? 長崎県東彼杵町

(写真撮影/藤本幸一郎)

人口約7700人、過疎の進む一方だった長崎県東彼杵(ひがしそのぎ)町。ところが、最近8年間で新しいお店が約25店舗オープンし、50人以上が移住。交流拠点「Sorrisoriso(ソリッソリッソ)」は、年間約2万7000人訪れる場所に大躍進。一体何が起こっているのでしょうか? 現地を訪れ、「Sorrisoriso(ソリッソリッソ)」を運営する、一般社団法人「東彼杵ひとこともの公社」代表理事の森一峻(もり・かずたか)さんを取材しました。2022年秋には、ひとこともの公社が、「国土交通大臣賞 地域づくり部門」を受賞。森さんが見つけた「まちづくりの鍵」とは。成果を上げた取り組みを紹介します。

5位 地方でのデザイナーのプレゼンス、存在価値を高めたい。「場」をもって示す、佐賀発のデザインユニット「対対/tuii」の挑戦

地方でのデザイナーのプレゼンス、存在価値を高めたい。「場」をもって示す、佐賀発のデザインユニット「対対/tuii」の挑戦

(写真撮影/藤本幸一郎)

佐賀で活動する、建築デザインユニット「対対/tuii」(以下、tuii)の田中淳さんと伊藤友紀さんは、本業のかたわら、ビル一棟を、オーナーに代わり運営しています。1階には本屋、カフェ、おにぎり屋、2階には洋服店、3階には彼ら自身の建築・デザイン事務所が入居し、クリエイターが集う場所になっています。それを「地域のためや、まちのため、ではなく、デザイナーの社会的地位、プレゼンスを上げるための投資」とふたりは言い切ります。「誰とどんな仕事をしていきたいのかを見せていく」等デザインの仕事に限らず、「やりたい仕事を実現するため」に参考にしたい考え方や工夫を紹介します。

6位 伝説のDIY可賃貸「吉浦ビル」誕生から10年、入居者をまき込みまちづくりが進行中! 空室率20%から人気物件になった脅威の軌跡とは 福岡市

伝説のDIY可賃貸「吉浦ビル」誕生から10年、入居者をまき込みまちづくりが進行中! 空室率20%から人気物件になった脅威の軌跡とは 福岡市

(写真提供/樋井川テラス)

リノベーションや不動産に見識のある人たちの間では、全国区でその名を知られる福岡県福岡市の吉浦ビル。2013年、時代に先駆け“入居者が好みに合わせて自由にフルカスタマイズ可能な賃貸”で話題に。空室率20%、高齢化率40%、滞納金1,000万円以上、最寄りの駅からも40分程度だった難物件が、クリエイティブな人たちが集う人気物件になったストーリーは多くのメディアで取り上げられてきました。それから10年、どんな変化が起こっているのでしょうか? 空き家をリノベーションして“民間の公民館”のような拠点にするプロジェクトなど街や、時代に深く斬り込む活動の数々を紹介します。

7位 既存のマンションでもZEH水準にリノベが可能に!?国が推進する省エネ性能「ZEH水準」についても詳しく解説

既存のマンションでもZEH水準にリノベが可能に!?国が推進する省エネ性能「ZEH水準」についても詳しく解説

(写真/PIXTA)

住まいの最新ニュースを紹介&解説する連載「今週の住活トピック」では、政府が推進している住宅の省エネ化を解説。取り組みを進める上で、ハードルになっていたのは、既存のマンション。その多くが現行の省エネ基準の水準を満たしておらず、それをZEH水準に引き上げるのは難しいと思われてきましたが、積水化学工業とリノベるが協業して、既存マンションのZEH水準リノベーションの提供をスタート! ZEH(ゼッチ)水準とは?ZEHとは違うの?など基本から住宅の省エネ化の最新事情を知ることができます。

8位 令和5年度補正予算で住宅の取得やリフォームでおトクに!補助金や優遇制度を先取り解説!キーワードは子育てと省エネ住宅

令和5年度補正予算で住宅の取得やリフォームでおトクに!?予算概要を先取り解説!キーワードは子育てと省エネ住宅

(写真/PIXTA)

閣議決定された令和5年度補正予算のうち、国土交通省関係の補正予算の中から、住宅・不動産に関するものを中心に、どういった政策があってどのような優遇が受けられるようになるのかを解説します。キーワードは「子育て」と「省エネ住宅」。お得で役立つ情報が満載です! 住宅購入やリフォームをする前にチェックしておきましょう。

9位 東京を”食べられる森”に! 渋谷や新宿などに農園が続々登場している理由「トーキョーアーバンファーミング(Tokyo Urban Farming)」

東京を”食べられる森”に! 渋谷や新宿などに農園が続々登場している理由「トーキョーアーバンファーミング(Tokyo Urban Farming)」

(画像提供/Tokyo Urban Farming)

画像9SDGsの観点やコミュニティ創出の場として、世界的に注目されている都市型農業「アーバンファーミング」ですが、東京にもその波が。都市の空きスペースを活用した農園が続々オープンしているのです。「Tokyo Urban Farming」の発起人で書籍を監修した近藤ヒデノリさんに、最新事情やその魅力を教えてもらいました。記事では、書籍からピックアップした最新事例を多数紹介。下北沢の駅前に里山の野原のような畑ができたり、大手町の巨大ビルの屋上にオープンした農園も! 自らの手で野菜を育て、食すことは、生き方にもポジティブな影響を与えるそうです。

10位 新築・中古マンションの価格は平均年収の10倍以上に上昇?エリア別に詳しく解説

新築・中古マンションの価格は平均年収の10倍以上に上昇?エリア別に詳しく解説

(写真/PIXTA)

「今週の住活トピック」では、東京カンテイのマンション価格の年収倍率に関する調査をクローズアップ! 東京カンテイが算出した都道府県別の年収倍率は、“マンションの買いやすさ”を検証するためのもの。都道府県ごとに「2022年に分譲された新築マンションの平均価格(70平米換算)」と「2022年における築10年の中古マンションの平均価格(70平米換算)」が、平均年収(※)の何倍に相当するかが調査されました。調査結果を住宅ジャーナリストがわかりやすく解説します。
※内閣府発表の「県民経済計算」を基に平均年収を予測した数値

11月の人気記事TOP10には、読み物として面白い記事だけでなく、住まいの最新ニュースを紹介&解説する連載「今週の住活トピック」3本もランクイン。住まいの最新の取り組みや補助金制度等役立つ情報が詰まった記事をお見逃しなく! 今後の動向をチェックして、新しい年を迎えましょう。

最大の不安は「物価高」。節約志向が高まるなかでも持ち家派が多数。住宅ローンの不安を軽減する方法を紹介

カーディフ生命が全国2000人を対象に実施した「第5回 生活価値観・住まいに関する意識調査」によると、現在感じている最大の不安は「物価高」だという。では、物価高による節約志向が進む中で、住宅購入についてはどう考えているのだろう?

【今週の住活トピック】
「第5回 生活価値観・住まいに関する意識調査」を実施/カーディフ生命

最大の生活不安は「物価高」でも、家を買う派は67.1%に

調査結果によると、「現在感じている不安」(複数回答)の1位は「物価高」の85.6%で、次いで「老後資金」(82.8%)、「自然災害」(74.88%)、「病気・ケガなどで働けなくなる」(71.5%)などが続いた。漠然とした不安よりも、目の前の生活に影響が大きい「物価高」に大きな不安を感じているようだ。

こうした物価高や値上げの影響を受けて、「外食・飲み会」(30.5%)や「日常の衣類・ファッション」(28.4%)などを節約していることも分かった。では、住宅購入についてはどう考えているのだろう? 

この調査で、買う派(どちらかというと買うを含む)か、借りる派(どちらかというと借りるを含む)かを聞いたところ、買う派が67.1%という結果になった。同社では「購入希望理由のトップは『自分の家を持ちたいから』(56%)と物価高や住宅価格の高騰が続く中でも、依然としてマイホームへの憧れが強いことがうかがえる」と見ている。

家を買う派?借りる派?

出典:カーディフ生命「第5回 生活価値観・住まいに関する意識調査」

半数近くは住宅ローンを返せるかに不安を感じている

ただし、住宅購入には不安も感じている。住宅購入への不安理由トップは「住宅ローン返済への不安」の47.4%。特に20代・30代では、半数以上が住宅ローン返済に不安を感じているのだ。

住宅購入への不安

出典:カーディフ生命「第5回 生活価値観・住まいに関する意識調査」

さらに、住宅ローン返済に不安を感じている人に対して、不安の理由を聞いたところ、「病気・ケガによる収入減」(61.2%)が最も多く、次いで「急な出費」(38.8%)、「金利上昇による将来の負担増」(36.0%)が続いた。調査結果を見ると、収入が減少して、ローン返済を続けられないことに不安が強いことがうかがえる。

住宅ローン返済 不安理由

出典:カーディフ生命「第5回 生活価値観・住まいに関する意識調査」

住宅ローンの不安を軽減するには、まずは無理のない返済計画を

“家を買う派”が多いものの、住宅ローンの返済に不安を感じているということが分かる結果だが、住宅ローンの借り方に注意することで、不安はかなり解消される。家を買っても借りても、いずれにせよ住宅に関する費用は発生する。住宅ローンに強く不安を感じるのは、賃料なら住み替えて金額を変えることもできるが、ローンは決められた額を必ず払わなければならない、ということにあるのだろう。

不安を軽減するには、まずは無理のない返済計画を立てることだ。病気やケガで働けない期間があっても、ローン返済後の家計に余裕があったり貯蓄があったりすれば、やりくりすることは可能だ。年間の返済額を年収の1/4程度に抑えておけば、変化に対応しやすいだろう。また、購入時の頭金として貯蓄をすべて使ってしまわないこと、購入後も教育資金や老後資金のための貯蓄を続けることも大切だ。

「金利が上昇して返済額が増える」ことに対しては、家計に余裕があったり繰り上げ返済などに回せる貯蓄があったりすれば、やりくりすることも可能だろう。一方で、【フラット35】のような返済中は金利が変わらない「全期間固定型」のローンを選ぶ方法もある。返済当初の金利は「変動金利型」などのほうが低いこともあって、今は変動金利型を借りる人が大半だ。ただし、家計に余裕がない人ほど、返済額が変わらない全期間固定型を選ぶほうが安心できるだろう。

住宅ローンの不安を保険で軽減する方法もある

住宅ローンを借りる際には、多くの場合「団体信用生命保険」(以下、団信)に加入する。団信は借りている人が万一、死亡または高度障害になった場合にローンの残額を保険で返済するものだ。つまり、万一の際に残された家族が代わって返済を求められることはない。

一方で、病気やケガ、失業などの場合は団信の対象外となる。そのため、医療保険や就業不能保険などに加入して、万一に備える方法もある。なお、勤務先で雇用保険に加入しているなどの条件を満たせば、国の失業手当(失業保険)を受け取ることができる。

なお、この調査で、「住宅購入後の後悔」を聞いた際のトップになったのは、「団信の特約を付ければよかった」(40.4%)だった。団信の特約とは、がんや三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)などに備えたり、就業不能や失業に備えたりする、団信に付帯できる保障のこと。この特約は、団信加入時に付帯するものなので、後から付けることができないのが原則だ。それが後悔する要因なのだろう。

家を買うのであれば、こうした保険に関する情報も押さえておくとよい。

このように、家を買う派が不安に感じる「住宅ローンの返済」については、不安を軽減する方法はいくつかある。漠然とした不安を抱えたままではなく、不安の理由を具体化してそれぞれの対処法を考えておくことは、返済計画の健全性を高め、不安を軽減することにつながるだろう。

●関連サイト
カーディフ生命「第5回 生活価値観・住まいに関する意識調査」を実施

【東横線】家賃相場が安い駅ランキング2023年。3位は東白楽、2位は妙蓮寺、1位は?

渋谷駅と横浜駅という、2つの巨大ターミナル駅を結ぶ全長約24.2kmの東急東横線。「SUUMO住みたい街ランキング2023 首都圏版」の「住みたい沿線ランキング」では、JR山手線に次いで2位に選ばれている。沿線には中目黒駅や武蔵小杉駅など住宅地として人気の街も多いが、家賃を抑えつつ住むならどこがいいのだろう? 東急東横線全21駅の家賃相場が安い駅ランキングをさっそくチェック!

東急東横線沿線の家賃相場が安い駅ランキング

順位/駅名/家賃相場/駅所在地
1位 白楽 6.00万円(神奈川県横浜市神奈川区)
2位 妙蓮寺 6.10万円(神奈川県横浜市港北区)
3位 東白楽 6.35万円(神奈川県横浜市神奈川区)
4位 日吉 6.90万円(神奈川県横浜市港北区)
5位 菊名 7.00万円(神奈川県横浜市港北区)
5位 大倉山 7.00万円(神奈川県横浜市港北区)
5位 綱島 7.00万円(神奈川県横浜市港北区)
8位 元住吉 7.50万円(神奈川県川崎市中原区)
9位 反町 7.70万円(神奈川県横浜市神奈川区)
10位 多摩川 8.20万円(東京都大田区)
11位 武蔵小杉 8.50万円(神奈川県川崎市中原区)
11位 新丸子 8.50万円(神奈川県川崎市中原区)
13位 横浜 8.55万円(神奈川県横浜市西区)
14位 田園調布 8.70万円(東京都大田区)
15位 自由が丘 9.00万円(東京都目黒区)
16位 祐天寺 9.10万円(東京都目黒区)
17位 都立大学 9.30万円(東京都目黒区)
17位 学芸大学 9.30万円(東京都目黒区)
19位 中目黒 11.00万円(東京都目黒区)
20位 代官山 12.80万円(東京都渋谷区)
21位 渋谷 13.20万円(東京都渋谷区)

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トップ3には連続する東白楽駅、白楽駅、妙蓮寺駅がランクイン

東京都から神奈川県まで線路が続く東急東横線。一人暮らし向け賃貸物件(ワンルーム・1K・1DK、10平米以上~40平米未満)の家賃相場を調査したところ、同じ路線内でも最高値~最安値で7万2000円もの開きがあることが判明した。最も安かったのは白楽駅で、家賃相場は6万円だった。

白楽駅(写真/PIXTA)

白楽駅(写真/PIXTA)

1位・白楽駅は神奈川県横浜市神奈川区に位置し、横浜駅までは3駅・約5分で行くことができる。各駅停車のみの停車駅だが、2駅隣の菊名駅で急行や通勤特急に乗り換えると渋谷駅までは計約36分だ。駅から南西に15分ほど歩くと神奈川大学の横浜キャンパスがあるため、学生の姿も多く見かける。駅改札前の「タリーズコーヒー」が神奈川大学とのコラボ店舗だったり、駅周辺にはリーズナブルな飲食店が豊富な点も、大学の最寄駅らしいところだ。

六角橋商店街(写真/PIXTA)

六角橋商店街(写真/PIXTA)

白楽駅の西口を出て神奈川大学へと向かう旧綱島街道を中心に広がる「六角橋商店街」には、飲食店はもちろんスーパーをはじめとする生鮮食料品店や雑貨店、クリニックなど約170もの店舗がずらり。日常の用事はこのあたりで済ませられそう。駅の北側には、魚釣りができる池の周囲に遊歩道がめぐる「白幡池公園」と緑豊かな「篠原園地」があり、地元住民の憩いの場として親しまれている。学生向けのリーズナブルな賃貸物件も多く、活気ある商店街や自然を感じる公園もある白楽駅周辺は、都会過ぎずにのびのび暮らしやすそうな街だ。

妙蓮寺駅(写真/PIXTA)

妙蓮寺駅(写真/PIXTA)

2位は神奈川県横浜市港北区にある妙蓮寺駅で、家賃相場は6万1000円。1位・白楽駅から渋谷方面に1駅目で、横浜駅までは4駅・約7分だ。駅の東口前には駅名の由来となった妙蓮寺の敷地が広がり、商店街は駅の西口側にある。コンビニやドラッグストア、スーパーのほかに、ファストフード店やカフェなどの気軽に利用できる飲食店も。自家焙煎コーヒー豆専門店やチョコレート専門店、作家物の器の展示・販売店など個性的なショップもあるので、散歩がてらお店めぐりをしてはいかがだろう。

妙蓮寺駅の北西方面には、大きな池がシンボルの「菊名池公園」がある。緑豊かな園内の池端には桜が植栽されているので、春はここでお花見をするのも楽しそう。また、同じ港北区内にあるJR新横浜駅までは自転車で10分たらず。そこまで行くと大型ショッピングモールがあるので、休日に足を延ばすのもよさそうだ。

東白楽駅周辺の風景(写真/PIXTA)

東白楽駅周辺の風景(写真/PIXTA)

続いて、家賃相場6万3500円で3位にランクインした東白楽駅は、1位・白楽駅から横浜方面に1駅目。東白楽駅(3位)~白楽駅(1位)~妙蓮寺駅(2位)と連続する3駅が、トップ3に並んだわけだ。東白楽駅は神奈川県横浜市神奈川区に位置し、2駅・約3分で横浜駅に到着する。駅周辺は商店街というよりは住宅地で、コンビニや飲食店が点在する程度。しかし横浜上麻生道路を南東に10分ほど歩けば「イオンスタイル東神奈川」があるので、買い物には困らない。その少し先には、JR東神奈川駅と京急東神奈川駅も。両駅の周辺には多彩な店舗がそろい、京急本線に乗れば品川方面にも行くことができる。

さらに、東白楽駅からJR東神奈川駅とは逆方向へと横浜上麻生道路を進むと、徒歩10分ほどで1位・白楽駅周辺の「六角橋商店街」にたどり着く。落ち着いた住宅地が広がる東白楽駅の近くに住みつつ、にぎわいある東神奈川駅や白楽駅の周辺にある商業施設を活用する……。そんな暮らし方ができそうだ。

家賃を抑えつつ渋谷に近い住まいを探すなら、元住吉駅や多摩川駅へ

ランキングを見てみると上位9駅を神奈川県内の駅が占めており、安く住むなら東京都内よりも神奈川県内の駅のほうが狙い目だとわかる。しかし「安く住みたい、けれどなるべく渋谷に近いほうがいい」という人もいるだろう。そんな場合は、上位9駅のうちでは最も渋谷駅に近い8位・元住吉駅はいかがだろう?

元住吉駅(写真/PIXTA)

元住吉駅(写真/PIXTA)

神奈川県川崎市中原区に位置する8位・元住吉駅の家賃相場は7万5000円。東急東横線・目黒線が乗り入れており、どちらかの路線で1駅隣の武蔵小杉駅に行って東急東横線の急行に乗り換えると、渋谷駅までは計21分前後で到着できる。東急目黒線は目黒駅経由で東京メトロ南北線や都営三田線と相互直通運転が実施されているため、永田町駅や四ツ谷駅、大手町駅や神保町駅にも元住吉駅から1本で行ける点も魅力の一つだ。

元住吉駅の東口側には「モトスミ オズ通り商店街」が、線路を渡った西口側には「モトスミ・ブレーメン通り商店街」があり、駅前はにぎわいのある雰囲気。コンビニやドラッグストアなどのおなじみのチェーン店から個性的な個人商店までそろい、買い物環境が充実している。また近年、住宅地として人気が高まった武蔵小杉駅(11位・家賃相場8万5000円)は東急東横線で1駅、自転車でも10分ほどの近さ。そこまで行くと大型のショッピングモールも利用できる。横浜駅までも各駅停車なら20分ほど、1駅隣の日吉駅で急行に乗り換えれば計約15分。渋谷駅にも横浜駅にも20分前後でアクセスできる、便利なロケーションだ。

元住吉駅よりもさらに渋谷駅に近い立地で、東京都内の駅で最も家賃相場が安かったのは東京都大田区にある多摩川駅。家賃相場は神奈川県内にある武蔵小杉駅や新丸子駅(両駅同額で11位・8万5000円)よりも安い、8万2000円で10位にランクインしている。多摩川駅にも停車する急行に乗れば、渋谷駅まで5駅・約16分だ。駅の東側には湧水池や芝生広場、隈研吾氏設計の休憩施設を備えた「田園調布せせらぎ公園・せせらぎ館」が広がり、西側には見晴らしのよい丘陵地「多摩川台公園」がある、公園に挟まれた緑豊かな環境。「多摩川台公園」の脇を流れる多摩川を超えれば神奈川県に入る、都県境間際のロケーションでもある。

多摩川台公園(写真/PIXTA)

多摩川台公園(写真/PIXTA)

10位・多摩川駅周辺には1駅隣の田園調布駅から続く閑静な住宅地が広がり、駅構内のコンビニやベーカリー以外だと商店は飲食店が数軒あるのみ。日々の買い物をする際は歩いて15分ほどの田園調布駅前のスーパーや商店街を利用するか、多摩川駅からそれぞれ自転車で10分弱の場所にある11位・新丸子駅や、東急池上線・雪が谷大塚駅を訪れるといいだろう。両駅の周辺にはコンビニやスーパーのほかにファストフードやラーメンなどの飲食店もそろっているので、自炊をせずに食事を済ませたい時にも出かけたい。

さて、多摩川駅からさらに渋谷方面に進むにつれて家賃相場は8万円台後半、9万円台……とどんどん上昇していく。自由が丘や中目黒、代官山といった有名な街が居並ぶ沿線から最後にもう1駅、学芸大学駅をピックアップしよう。東京都目黒区に位置する学芸大学駅は、家賃相場9万3000円で17位にランクイン。駅名の由来になった「東京学芸大学」は東京都小金井市に移転しているが、同大学の付属高校は徒歩15分ほどの場所にいまもある。駅周辺は飲食店が豊富で、そこを目的に遠くから訪れる人もいるような人気店も。駅高架下のスーパーや100円ショップ、食料品店をはじめ、日常生活を支える商店も多数ある。

学芸大学駅前(写真/PIXTA)

学芸大学駅前(写真/PIXTA)

そして注目は現在、学芸大学駅の高架下を中心にした南北約1km区間でリニューアルが進行中なこと。2023年秋には飲食店街「学大横丁」の外部空間などがアップデートされ、2023年冬には駅北側の駐輪場にスモールオフィスエリアが、2024年春にはカルチャー&フードエリアが誕生予定だ。より魅力的な街へと生まれ変わる学芸大学駅は、今後ますます人気も家賃相場も高まるかもしれない。

東急東横線は東京メトロ副都心線、みなとみらい線との相互直通運転が行われているため、渋谷駅から先の新宿三丁目駅や池袋駅、横浜駅から先の元町・中華街駅にも1本で行くことができる便利な路線。さらに2023年3月には日吉駅経由で相鉄・東急新横浜線との相互直通運転もスタートし、東海道新幹線の新横浜駅にも渋谷駅から乗り換えずに最速25分で到着可能となった。今回の調査結果を見ると沿線の家賃相場は全体的に安いというわけではないものの、家賃に見合うだけの魅力を備えた路線と言えるようだ。

●駅順の家賃相場一覧

駅順の家賃相場一覧

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東横線沿線の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2023/4~2023/9
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンションのうち普通借家契約の物件のみ)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

【東横線】中古マンション価格相場が安い駅ランキング2023年。相互直通運転スタートで注目の駅は?

渋谷駅から横浜駅まで、東京と神奈川を代表する街を結んで全長約24.2kmを走る東急東横線。「SUUMO住みたい街ランキング2023 首都圏版」の「住みたい沿線ランキング」では、JR山手線に次いで2位に選ばれている。その人気の高さからすると、沿線の住宅は価格相場も高そうだけれど実際はどうなのか。東急東横線21駅の中古マンションの価格相場を調査し、安い順にランキングした結果を見ていこう。

東急東横線沿線の中古マンション価格相場が安い駅ランキング

1位 菊名 4090万円(神奈川県横浜市港北区)
2位 妙蓮寺 4280万円(神奈川県横浜市港北区)
3位 日吉 4839.5万円(神奈川県横浜市港北区)
4位 大倉山 4899万円(神奈川県横浜市港北区)
5位 反町 4980万円(神奈川県横浜市神奈川区)
6位 東白楽 5185万円(神奈川県横浜市神奈川区)
7位 綱島 5190万円(神奈川県横浜市港北区)
8位 新丸子 5380万円(神奈川県川崎市中原区)
9位 横浜 5490万円(神奈川県横浜市西区)
10位 元住吉 6480万円(神奈川県川崎市中原区)
11位 武蔵小杉 7380万円(神奈川県川崎市中原区)
12位 学芸大学 7980万円(東京都目黒区)
12位 自由が丘 7980万円(東京都目黒区)
14位 祐天寺 8185万円(東京都目黒区)
15位 都立大学 8910万円(東京都目黒区)
16位 渋谷 9280万円(東京都渋谷区)
17位 中目黒 9980万円(東京都目黒区)
18位 代官山 1億2795万円(東京都渋谷区)
※田園調布、多摩川、白楽の各駅は調査条件に満たないため除外

東急東横線で中古マンションを探すなら横浜市港北区の駅に注目!

東急東横線は東京メトロ副都心線、みなとみらい線との相互直通運転が行われ、さらに2023年3月には日吉駅経由で相鉄・東急新横浜線との相互直通運転もスタートしている。これにより渋谷駅から先の新宿三丁目駅や池袋駅、横浜駅から先の元町・中華街駅にも1本で行けるうえ、東海道新幹線の新横浜駅にも渋谷駅から乗り換えずに最速30分で到着可能に。そんな便利さを反映してか、沿線は住まいの価格相場がやはり高めな様子。そうしたなかでも最もカップル・ファミリー向けの中古マンション(専有面積50平米以上~80平米未満)の価格相場が安かったのは、神奈川県横浜市港北区にある菊名駅だ。

菊名駅の駅前の風景(写真/PIXTA)

菊名駅の駅前の風景(写真/PIXTA)

1位・菊名駅の価格相場は4090万円。最も安くて4000万円オーバーということからも、東急東横線の人気の高さがうかがえる。菊名駅は全21駅中で6駅だけの特急停車駅の一つで、菊名駅以外の5駅は価格相場が5000万円以上という点を考えるとお得感があるかもしれない。特急に乗れば横浜駅までは1駅・約6分、渋谷駅までは4駅・約30分。JR横浜線も乗り入れており、新幹線駅でもある新横浜駅まで1駅だ。菊名駅はスーパーに直結し、JRの駅舎にはミニスーパーとベーカリーも。駅の東口にも西口にも商店街が広がり、個人商店やスーパー、ドラッグストアがあるが大型の商業施設はないアットホームな住宅街。駅から北に延びる綱島街道を進むと、市立図書館や郵便局、港北区役所にも徒歩15分以内で行くことができる。

妙蓮寺駅(写真/PIXTA)

妙蓮寺駅(写真/PIXTA)

2位には価格相場4280万円で神奈川県横浜市港北区の妙蓮寺駅がランクイン。1位・菊名駅から横浜方面へ1駅目に位置しているが、停まるのは各駅停車の列車のみのため横浜駅までは4駅・約7分となり、菊名駅~横浜駅間よりも時間が必要だ。妙蓮寺駅の東口を出ると目の前には駅名の由来となった妙蓮寺があり、広大な境内には落差約4mの滝もある。妙蓮寺の北側には市立小学校、その周囲には住宅街が続き、商店街は主に駅の西側。大型商業施設はなくてもスーパー、ドラッグストア、精肉店や青果店から多彩な飲食店まで小さなお店が豊富に揃っている。商店街の先、駅の北西方面には大きな池や遊具、夏季営業のプールを備えた「菊名池公園」があるので、休日に家族で出かけるのもいいだろう。

日吉駅周辺の風景(写真/PIXTA)

日吉駅周辺の風景(写真/PIXTA)

3位も神奈川県横浜市港北区から、日吉駅が価格相場4839万5000円でランクインした。通勤特急と急行が停車する駅で、通勤特急に乗ると横浜駅まで2駅・約12分、渋谷駅までは4駅・約23分。東急目黒線と横浜市営地下鉄グリーンラインも乗り入れているほか、2023年3月開業の東急新横浜線の駅の一つでもある。そのため下り線のホームには横浜方面(東横線)ではなく、新横浜方面(東急新横浜線)の列車も入ってくるので乗り間違いには注意したい。

そんな日吉駅の東口駅前には慶應義塾大学の日吉キャンパスが広がり、通学にもよく利用されていることから1日平均乗降人員数は東急東横線内で5番目の多さ(2022年度)。駅には地下1階から地上3階までさまざまな店舗が並ぶ「日吉東急アベニュー」が併設され、西口駅前にも商店が豊富。学生の街だけあって、気軽に利用できる飲食店が充実している点も魅力だ。

ここまで見てきたトップ3、さらに4位の大倉山駅を含めていずれの駅も神奈川県横浜市港北区にある。横浜市の北東部に位置する港北区は、人口・世帯数ともに横浜市はもとより全国の政令指定都市の区の中で最多なんだそう。そして2020年度の区民意識調査では、「港北区に住み続ける+たぶん住み続ける」との回答が7割を超える結果に。理由としては「交通が便利」が約70%、「愛着を感じている」が約57%、「買い物に便利」が約46%、続いて「治安が良い」「緑や自然が多い」をそれぞれ3割超の人が選択。港北区は住み続けたくなる、便利に暮らせる街のようだ。

渋谷から遠いほど安いわけじゃない! 便利な割にリーズナブルな駅も

ランキングを見てみると、東急東横線沿線の価格相場は「都心の渋谷から遠いほど安い」という単純な結果にはなっていない。渋谷駅から最も離れている横浜駅も神奈川県内屈指の繁華街のため、価格相場は5490万円で安さランキングでは高からず低からずの9位だ。横浜駅を渋谷方面に向かって出ると市内の静かな住宅街を通りつつ、1位・菊名駅に向かって価格相場は多少上下しつつも減少傾向。その後は再び価格相場が上がっていき、神奈川県川崎市の人気住宅地である11位・武蔵小杉駅では7380万円に! ここから都内に向けて価格相場がさらに上昇していくかと思いきや、武蔵小杉駅の隣にある新丸子駅ではググっと減少に転じて5380万円。1駅違いで価格相場に2000万円もの差がつく、新丸子駅とはどんな駅だろうか?

新丸子駅(写真/PIXTA)

新丸子駅(写真/PIXTA)

8位・新丸子駅があるのは神奈川県川崎市のほぼ中央部、中原区。駅から15分ほど北に歩き、丸子橋を渡って多摩川を越えれば東京都大田区に入る。多摩川沿いには自転車・歩行者道「かわさき多摩川ふれあいロード」が整備され、気軽にサイクリングや散策が楽しめる環境だ。駅前は西口・東口ともに商店街が広がる、活気ある街並み。西口を出て5分ほど歩くと日本医科大学附属の病院もあり、もしもの時も心強い。この大学病院の敷地は近年再開発が行われ、現在の病棟は2021年に新築移転されたもので最新の医療機器を揃えている。病院の西側には2019年4月に川崎市立小学校が開校し、増加傾向にある近隣住民の子どもたちが通っている。さらに病院の南側では現在も再開発が進行中。2026年2月の竣工を目指してツインタワーが建築されており、住宅棟と商業施設、高齢者福祉施設や保育所が誕生予定だ。

かわさき多摩川ふれあいロード(写真/PIXTA)

かわさき多摩川ふれあいロード(写真/PIXTA)

また、新丸子駅から南に5~6分も歩くと、11位・武蔵小杉駅に到着する。両駅間は東急東横線内で最短、500mほどしか離れていないのだ。そのため新丸子駅周辺に住んでも、武蔵小杉駅周辺にある大型ショッピングモールに気軽に行くことが可能。武蔵小杉駅からなら、新丸子駅には停車しない東急東横線の特急や急行にも乗れるし、JRの南武線や横須賀線、新宿湘南ラインも利用できる。にもかかわらず価格相場は格段にリーズナブルなのだから、新丸子駅周辺で物件探しをするのもアリだろう。

●駅順の価格一覧

駅順の価格一覧

さて、新丸子駅から渋谷方面に進むとまたも価格相場は上昇していく。なかでも東京都目黒区の15位・都立大学駅は、価格相場が同額の7980万円で12位にランクインした自由が丘駅と学芸大学駅の間に位置しながら、8910万円という高さ。都立大学駅は各駅停車しか停まらないが、急行停車駅である両隣の駅よりも価格相場が930万円もアップするのだ。ただ、各駅停車でも渋谷駅までは5駅・約15分と近く、隣の学芸大学駅で急行に乗り換えると約12分で行くことができる。

そんな都立大学駅は現在リニューアル工事が行われている。すでに外壁など一部は改修済みで、2024年春に完了予定だという。駅の高架下には飲食店や精肉店があるほか、駅前の商店街もにぎわっている。しかし駅から少し離れると静かな住宅街が広がり、のんびり散策できる緑道も。1日平均乗降人員数は両隣の駅と比べて2万人以上も少ない都立大学駅。都会の便利さを享受しつつ静かに落ち着いて暮らせる点が、この街の魅力と言えるだろう。

都立大学駅(写真/PIXTA)

都立大学駅(写真/PIXTA)

今回調査した東急東横線は、2023年8月より有料座席指定サービス「Qシート」がスタートして話題を呼んだ。これは平日の夕方以降に渋谷駅を発車する一部の元町・中華街行き急行列車に導入され、既存車両よりも広い座席や無料Wi-Fiサービスが利用できるもの。クタクタの仕事終わりやたっぷり遊んだ帰り道、ゆったりと座って帰宅できるのだ。そんな新たな魅力を備えた東急東横線は、今後も「住みたい路線」としての人気がより高まっていきそうだ。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東横線沿線の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数35年未満、敷地権利は所有権のみ
専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2023/4~2023/9
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

勤務先への出社頻度は増加しても、郊外・地方への移住ニーズは減少しない?

野村総合研究所(以下NRI)は、2023年7月、東京都内の従業員300人以上の企業に勤務する20代~60代の男女3090人を対象に、働き方と郊外・地方移住に関するインターネット調査を実施した。2022年の調査に続き2回目。新型コロナウイルス感染症が2023年5月に5類に移行してからの調査になるので、前回より勤務先への出社頻度は増加しているが、移住ニーズはどう変化したのだろう。

【今週の住活トピック】
「働き方と移住」のテーマで2回目の調査を実施/野村総合研究所

勤務先に「毎日出社」する割合が53.1%まで回帰

まず、2023年7月時点の出社頻度を尋ねたところ、「毎日出社」が53.1%を占めた。前回調査時の2022年2月は、まだ東京都でまん延防止等重点措置の期間中だったため、「毎日出社」が38.3%だったのに対してかなり増えたことになる。出社回帰の傾向は強まっているものの、コロナ前ほどには戻っていないようだ。

■各時点での出社頻度(コロナ前・今回調査時:N(回答数)=3,090、前回調査時:N=3,207)

各時点での出社頻度

注)コロナ前の出社頻度は、今回の調査対象者に2020年1月以前の出社頻度を聴取した。
前回、今回調査時の出社頻度は、各回の調査対象者に調査時点の出社頻度を聴取した。
出所:NRI「働き方と生活に関するアンケート」(2023年7月)

出社頻度が増加した理由はなんだろう? 出社頻度が増加した人にその理由を聞いたところ、「勤務先の方針やルールが変わり、出社を求められるから」(39.0%)など企業側の要請という理由もあったが、「出社したほうがコミュニケーションを円滑に取れるため、自主的に出社を増やしたから」(28.2%)や「出社したほうが業務に集中できるため、自主的に出社を増やしたから」(23.7%)など、自らの意志によるものもあった。

出社頻度が増加しても、郊外・地方への移住意向は下がらない

次に、郊外・地方※への移住意向を聞いたところ、直近1年間に移住意向がある人は全体の15.3%、5年以内に意向がある人は全体の28.4%と、それぞれ前回調査から微増した。出社頻度が増加したとはいえ、郊外や地方への移住ニーズは下がっていないことが分かった。
※都心から公共交通機関で1時間程度の場所を「郊外」、2時間以上の場所を「地方」として調査

■郊外・地方への移住意向がある人の割合(前回調査N=3,207、今回調査N=3,090)

郊外・地方への移住意向がある人の割合

出所:NRI「働き方と生活に関するアンケート」(2023年7月)

NRIは、この理由として、「「都心よりも住宅費が抑えられる郊外・地方への関心が高まっている」、「テレワークの浸透によって、より広い居住面積を有する郊外の住宅ニーズが高まっている」などが推察される」としている。また、移住意向を年代別や現在の居住形態別に分析した結果、「郊外・地方への移住意向がある層は、現在は賃貸住宅に居住している若年層(25~34歳)で、かつ将来的には持家に居住したいと考えている層だと考えられる」と指摘している。

「理想の出社頻度」を聞いたうえで、出社頻度を現在の出社頻度よりも減らしたいと考えている人を分析したところ、「郊外・地方移住意向なしの人よりも、郊外・地方移住意向ありの人の方が多い結果となった」という。最も差が開いたのは、「週3日出社」の場合。「週3日出社」している人で理想の出社頻度を減らしたい回答だったのは、「郊外・地方移住意向なし」では49.3%なのに対して、「郊外・地方移住意向あり」では63.9%で、週3日以上の出社が移住のハードルとなっているようだ。

また、「転職の意向」と重ねて分析すると、「郊外・地方移住意向あり」のうち、「今後1年の間に転職を考えている」人は47.6%で、「郊外・地方移住意向なし」の23.9%に比べてかなり高い結果となった。さらに、転職の検討理由について分析すると、「郊外・地方移住意向あり」のうち、「テレワークの制限によって理想の働き方が実現できないこと」が理由だと回答した人は23.6%で、「郊外・地方移住意向なし」の14.8%に比べて高い結果になっていた。これらのことから、NRIは、「郊外・地方移住意向ありの人の中には、出社頻度を転職の判断軸のひとつとする人が一定数いると推察される」と分析している。

郊外・地方移住をする場合の注意点とは?

では、郊外・地方に移住する際に注意すべきことはなんだろう?

現役世代が勤務しながら「郊外・地方移住」をする場合、都心部から遠くても2~3時間程度までだろう。となると、都心部と気候が全く異なるとか、自然に囲まれた田舎暮らしになるとか、そこまでの注意点は不要だろう。

そうはいっても、都心部の暮らしとは違う点も多々あるはずだ。その場所に住むことのメリットとデメリットをしっかりと把握しておきたい。

たとえば、
・広い家を手に入れやすい
・都心から離れた分だけ自然が豊かになる
・生活するための物価が安い
などのメリットがあるかもしれないし、

・近隣との関係が都心部とは異なる
・車移動が増える。そのため、ガソリン代も増える
・都心より、商業施設や娯楽施設が少ない
などのデメリットがあるかもしれない。

なぜそこに移住したいかの「理由」を明確にしておくことも大切だ。メリットの優先度が高くなったりデメリットを許容できるようになったりと、検討したメリットとデメリットの優劣も変わってくる。家族で移住するなら、よく話し合って互いに共有できるようにしておきたい。

NRIでは、「賃貸住宅に居住している若年層(25~34歳)で、かつ将来的には持家に居住したい層で、郊外・地方移住意向が高いことから「家族が増える・住宅を購入するといったタイミングでの転居において、その安さや広さから郊外・地方への関心がより高まっている」と考えられる」と見ている。利便性一辺倒ではない住まいの選び方が、今後は広がっていくのかもしれない。

●関連サイト
「野村総合研究所、都内の会社員を対象に「働き方と移住」のテーマで2回目の調査」

【JR中央線】家賃相場が安い駅ランキング2023年(東京-高尾32駅)。TOP3は多摩地域でALL5万円台!

JR山手線と並んで東京を代表する路線の一つ、JR中央線。そのうち東京都内に位置する駅は、東京駅から高尾駅の全32駅。そんなJR中央線・東京都内32駅の一人暮らし向け賃貸物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場を調べてみた。都内と言っても千代田区から八王子市まで、約53kmにわたる沿線の環境はさまざま。同じ路線であっても家賃相場は駅によって違いがありそう……。実際はどうなのか、さっそくランキングをチェックしよう。

JR中央線沿線(東京都内)の家賃相場が安い駅ランキング

順位/駅名/価格相場/所在地
1位 西八王子 5.30万円(東京都八王子市)
1位 高尾 5.30万円(東京都八王子市)
3位 日野 5.80万円(東京都日野市)
4位 西国分寺 5.90万円(東京都国分寺市)
5位 国立 6.00万円(東京都国立市)
6位 国分寺 6.28万円(東京都国分寺市)
7位 東小金井 6.50万円(東京都小金井市)
7位 豊田 6.50万円(東京都日野市)
9位 八王子 6.60万円(東京都八王子市)
10位 武蔵小金井 6.70万円(東京都小金井市)
11位 武蔵境 7.00万円(東京都武蔵野市)
12位 西荻窪 7.50万円(東京都杉並区)
13位 阿佐ケ谷 7.70万円(東京都杉並区)
13位 吉祥寺 7.70万円(東京都武蔵野市)
15位 三鷹 7.80万円(東京都三鷹市)
15位 立川 7.80万円(東京都立川市)
17位 荻窪 8.00万円(東京都杉並区)
18位 高円寺 8.20万円(東京都杉並区)
19位 中野 8.80万円(東京都中野区)
20位 東中野 8.90万円(東京都中野区)
21位 大久保 9.80万円(東京都新宿区)
22位 東京 11.05万円(東京都千代田区)
23位 代々木 11.40万円(東京都渋谷区)
24位 御茶ノ水 11.50万円(東京都千代田区)
25位 市ケ谷 11.55万円(東京都千代田区)
26位 水道橋 11.60万円(東京都千代田区)
27位 神田 11.70万円(東京都千代田区)
28位 四ツ谷 11.80万円(東京都千代田区)
28位 新宿 11.80万円(東京都新宿区)
30位 飯田橋 12.00万円(東京都千代田区)
31位 信濃町 12.50万円(東京都新宿区)
32位 千駄ケ谷 12.60万円(東京都渋谷区)

【JR中央線】中古マンション価格相場が安い駅ランキング2023年版(東京-高尾32駅)。吉祥寺が新宿よりも高額に

東京都の多摩地域にある3駅が、家賃相場5万円台でトップ3入り

中央線自体は「中央本線」と呼称を変えながら東京駅を出てから神奈川県、山梨県、さらに長野県へとつながる長い路線だ。今回の調査では、東京都内にある全32駅を対象にしてランキングしている。そして最も一人暮らし向け賃貸物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場が安かったのは、八王子市に位置する西八王子駅で家賃相場は5万3000円。法政大学の多摩キャンパスと結ばれたバスが発着していたり駅から約3km北に工学院大学の八王子キャンパスがあったり、周辺地域に大学も点在していることから学生向けの賃貸物件も豊富なエリアだ。

西八王子駅前の風景(写真/PIXTA)

西八王子駅前の風景(写真/PIXTA)

1位・西八王子駅の周辺にはコンビニやスーパー、ドラッグストアがあり、ふらっと立ち寄れるチェーン系の飲食店も複数。1駅隣の八王子駅(9位・家賃相場6万6000円)には大型のショッピングモールや家電量販店もあり、ショッピングにも出かけやすい。買い物環境でいえば八王子駅のほうが便利ではあるが、西八王子駅のほうが家賃相場は1万3000円も低い点は魅力だろう。JR中央線の快速に乗れば、1時間弱で新宿駅に行くこともできる。ちなみに新宿駅の家賃相場は11万8000円で、ランキングは全32駅中28位。西八王子駅から電車で1時間弱離れると、家賃相場が6万5000円もアップするわけだ。

JR中央線の東京都内の駅のうち最西端に位置する、八王子市の高尾駅も家賃相場5万3000円で同額1位にランクインした。JRの駅舎の南側には京王高尾線・京王高尾駅もあり、2路線を利用可能だ。しかし駅利用者以外が線路の北側~南側を行き来する場合は入場券を購入して改札内を通るか、大きく迂回しなければならない点がネックで、南北自由通路の整備が計画されている。当初想定より工事費が肥大化し計画の見直しが行われたため「2026年度以降の早期着工」とのこと。少し先ではあるが、北口駅前広場の整備も行われるそうなので楽しみに待ちたい。

高尾駅(写真/PIXTA)

高尾駅(写真/PIXTA)

そんな高尾駅周辺は2路線が乗り入れていることもありコンビニやスーパー、飲食店などの商店が充実。駅東側には八王子市最大級のショッピングセンター「イーアス高尾」があり、ファッション、雑貨、家電のショップや書店、100円ショップなど多彩な店舗が並んでいる。駅から南にバスで約5分の場所には拓殖大学のキャンパスがあり、西八王子駅同様に学生向けの賃貸物件も建っている。東京方面に向かう快速・中央特快いずれも大半が高尾駅始発の列車のため、座って乗車しやすいのもうれしいところ。新宿駅までは快速なら1時間少々、中央特快なら50分弱で到着できる。

3位は日野市の中心部にある、日野駅で家賃相場は5万8000円。新選組の副長・土方歳三の出身地としても知られ、線路の東側には「新選組のふるさと歴史館」や新選組の支援者・佐藤彦五郎の屋敷だった日野宿本陣の建物など歴史を伝える施設が点在している。駅周辺にはコンビニやスーパー、100円ショップといった日常生活を支える商店がそろい、ラーメンやハンバーガーなどファストフードの店舗も。駅から北に10分ほど歩くと多摩川の河川敷が広がっているので、散歩やランニングに出かけてもいいだろう。また、新宿駅までの所要時間は快速で50分弱、中央特快だと35分ほどだ。

日野駅前の様子(写真/PIXTA)

日野駅前の様子(写真/PIXTA)

23区内で最安は西荻窪駅。最も高いのは東京、新宿ではなく……?

都内にあるJR中央線の駅では最西端にあたる1位・高尾駅の近隣に位置する駅は、家賃相場がおおむね5万円台~6万円台に収まっている。しかし3位・日野駅(家賃相場5万8000円)と5位・国立駅(同6万円)の間に位置する立川駅は家賃相場が7万8000円と突出して高く、15位にランクインした。高尾駅から5駅目にある、立川駅の周辺はどんな街並みだろうか。

立川駅(写真/PIXTA)

立川駅(写真/PIXTA)

■関連記事:
立川駅前の進化がすごい! 「GREEN SPRINGS」で街がどう変わる?

立川市に位置する立川駅は中央線のほかに青梅線や南武線、さらに山梨県や長野駅に向かう特急列車や、成田空港直結の成田エクスプレスといったJR各線が乗り入れているうえ、駅舎をはさむように多摩モノレールの立川北駅と立川南駅もある。JR中央線の駅では新宿駅、東京駅に次いで乗車人数が多い(2022年度)、東京多摩地域で屈指のターミナル駅だ。新宿駅まではJR中央線の快速で40分ほど、通勤快速で35分ほど。改札の内外に店舗がある「エキュート立川」をはじめ、「グランデュオ立川」や「ルミネ立川」、伊勢丹や高島屋など、ペデストリアンデッキで結ばれた駅の北側にも南側にも大型商業施設が立ち並んでいる。駅の北西方面には広大な「国営昭和記念公園」が広がり、自然に親しみやすい環境という点も魅力だろう。

国営昭和記念公園(写真/PIXTA)

国営昭和記念公園(写真/PIXTA)

さて、JR中央線は八王子市の高尾駅から東京方面に向かうと、日野市、立川市……と東京市部を走った後に杉並区、中野区……と東京23区に入って千代田区の東京駅にたどり着く。23区内にあるのは全32駅中18駅で、そのうち最も家賃相場が安かったのは12位・西荻窪駅の7万5000円だ。杉並区に位置しており、23区内では最も高尾駅寄りの駅でもある。とはいえ快速に乗れば新宿駅まで15分ほどの近さ。西荻窪駅から4駅目の中野駅から先で進路を変える、東京メトロ東西線快速に直通の列車も停車するため高田馬場駅や飯田橋駅、大手町駅、さらには浦安駅や西船橋駅など千葉県内にも1本で行くことができる。

西荻窪駅の改札前には紀ノ国屋系列のスーパー、その先の高架下には「西荻マイロード商店街」が続いており、駅周辺にも複数のコンビニやスーパーがあって飲食店も充実。個性的な書店・古書店やアンティークショップが豊富だったり、クラフトビール醸造所併設の飲み屋があったり、気になる個人商店が点在しているのも魅力。好みの店を探して、ぶらりと散歩をするのが楽しい街だ。

西荻窪の飲み屋街(写真/PIXTA)

西荻窪の飲み屋街(写真/PIXTA)

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閉店する喫茶店の家具と想いを次の使い手へと届ける「村田商會」の挑戦

ここまでは家賃相場の安さに注目して駅をピックアップしてきたが、最後に最も家賃相場が高い駅も見てみよう。それは東京駅でも新宿駅でもなく、千駄ケ谷駅。家賃相場は12万6000円で、1位・西八王子駅より7万3000円も高い結果となった。駅自体は渋谷区に位置しているが新宿区との区境に近いロケーション。駅北側には「新宿御苑」が広がり、南側には「東京体育館」や「国立競技場」と「明治神宮外苑」が広大な面積を占めている。さらに「東京体育館」の隣接地には津田塾大学、駅東側には慶應義塾大学のキャンパスもあり、そうした大型施設の合間に住宅が広がるような街並みだ。

コンビニはあちこちに点在しており、千駄ケ谷駅から徒歩10分ほどの東京メトロ副都心線・北参道駅近くに行くと安さが自慢のスーパーも。千駄ケ谷駅の近くには都営大江戸線・国立競技場駅があったり、代々木駅や新宿駅の周辺にも徒歩15分~20分で行けたりと、便利な環境であることは確か。今回判明した家賃相場と駅周辺の環境を考えあわせつつ、自分好みの住まい探しに取り組んでほしい。

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●駅順のランキング

駅順のランキング

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている中央線沿線の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2023/4~2023/9
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンションのうち普通借家契約の物件のみ)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

「一橋大卒24歳女子、スナックのママになる」「空き家を建築学生らが補修しながら住み継ぐシェアハウス」【10月人気記事まとめ】

11月も後半になり、ぐっと冷え込んで、コートやマフラーの出番ですね。SUUMOジャーナルで10月に公開した記事では、「一橋大卒24歳女子、スナックのママになる。若者も女性も楽しめる『街の社交場』に」「空き家を建築学生らが補修しながら住み継ぐシェアハウス×地域のラウンジに」などが人気TOP10入りしました。詳しく紹介します。

1位
一橋大卒24歳女子、スナックのママになる。若者も女性も楽しめる「街の社交場」に、全国展開も視野 「スナック水中」東京都国立市

2位
ニューヨーク人情酒場 ついに店の要・チャトも離脱…!?シビアなNYの飲食業界の洗礼が酒場を襲う…!

3位
空き家を建築学生らが補修しながら住み継ぐシェアハウス×地域のラウンジに。断熱改修のありがたみも実感!「こずみのANNEX」横浜市金沢区

4位
”シャッター街”と呼ばれた「柳ヶ瀬商店街」が、今ディープなおしゃれスポットに。定期イベント「サンデービルヂングマーケット」等で活気 岐阜県岐阜市

5位
2024年4月スタートの新制度は、住宅の省エネ性能を★の数で表示。不動産ポータルサイトでも省エネ性能ラベル表示が必須に!?

6位
省エネ先進県・鳥取、中古住宅の省エネ性能を資産価値として評価! 「築22年以上の住宅も価値がゼロにならない」評価法を来年4月スタート

7位
ニューヨーク人情酒場 酒場の終わりは意外と静かに……「5年続けば奇跡」のNY飲食業界で奮闘した酒場の最後の1日

8位
賃貸の大家、”孤独死””勝手に民泊”などへのホンネ。「不安はある」が受け入れる理由「誰でも自由に住む家を選べる社会に」

9位
乳幼児のいる家庭のマンション選び、買う時より住んでから重視度が上がるポイントとは?

10位
中古住宅買取再販市場は2030年に22%増の5万戸へ。市場拡大の理由とは?買取再販物件の購入ポイントも解説!
※対象記事とランキング集計:2023年10月1日~31日に公開された記事のうち、PV数の多い順

1位
一橋大卒24歳女子、スナックのママになる。若者も女性も楽しめる「街の社交場」に、全国展開も視野 「スナック水中」東京都国立市

一橋大卒24歳女子、スナックのママになる。若者も女性も楽しめる「街の社交場」に、全国展開も視野 「スナック水中」東京都国立市

(写真撮影/片山貴博)

「一橋大学を卒業してすぐスナックを引き継いだ」という現在25歳のママがいると聞き、東京都国立市、南武線谷保駅から徒歩4分にある「スナック水中」を訪ねました。ママの坂根千里さんは、「スナックは地元の常連の男性客がほとんど」という常識を覆し、若者や女性客も訪れる「街の社交場」に! “バリキャリ”の道を捨ててママになった理由は? 「全国のスナック・バーを100店舗承継する」ことを目標に掲げる坂根さんに、スナックの新しい魅力を教えてもらいました。こんなスナックなら行ってみたい!

2位
ニューヨーク人情酒場 ついに店の要・チャトも離脱…!?シビアなNYの飲食業界の洗礼が酒場を襲う…!

ニューヨーク人情酒場 ついに店の要・チャトも離脱…!?シビアなNYの飲食業界の洗礼が酒場を襲う…!

(イラスト/ヤマモトレミ)

漫画家ヤマモトレミさんによる、アメリカのブルックリンにある小さな酒場(レストラン)で起こったいろんな出来事を描いた漫画エッセイ「ニューヨーク人情酒場」の人気連載。レミさんは、漫画業のかたわら、ブルックリンのレストランでお寿司をつくっています。今回は、レミさんが慕っていたヘッドシェフのチャトが退職することに。ショックを受けるレミさんに追い打ちをかける閉店の知らせ。NYでの飲食ビジネスの厳しさがリアルに伝わるのは漫画ならでは。NYの人情が交差する酒場がなくなってしまう!? 続きも見逃せません!

3位
空き家を建築学生らが補修しながら住み継ぐシェアハウス×地域のラウンジに。断熱改修のありがたみも実感!「こずみのANNEX」横浜市金沢区

空き家を建築学生らが補修しながら住み継ぐシェアハウス×地域のラウンジに。断熱改修のありがたみも実感!「こずみのANNEX」横浜市金沢区

(写真撮影/桑田瑞穂)

全国で増え続ける空き家。地域の住民や学生の力を上手に利用して、空き家を新たな拠点として生まれ変わらせたシェアハウス「こずみのANNEX」(神奈川県横浜市金沢区)を取材しました。築50年の空き家を補修したのは、建築学科の学生たち。2020年から空き家を再生し始めて、現在はコミュニティスペース兼シェアハウスとして地域に開放しています。どのように空き家を街の拠点として蘇らせたのか? そこから得られる建築の学びとは? 大学の指導者や居住する学生たちに話を聞きました。

4位
”シャッター街”と呼ばれた「柳ヶ瀬商店街」が、今ディープなおしゃれスポットに。定期イベント「サンデービルヂングマーケット」等で活気 岐阜県岐阜市

シャッター街が未来を語れるまでに変化!岐阜・柳ヶ瀬商店街、「柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社」の取り組み

(写真提供/柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社)

古き良きレトロな雰囲気のアーケード街が広がる、岐阜県岐阜市の「柳ヶ瀬商店街」。「サンデービルヂングマーケット」をはじめとする定期開催のイベントは、たくさんの人でにぎわいます。コロナ禍を経て、カフェやギャラリー、アパレルショップなど140店舗が出店する人気イベントに成長。現在のにぎわいからは想像できませんが、「柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社」の末永さんは、「柳ヶ瀬商店街は今から10年から12年くらい前がどん底でした」と話します。シャッター街を若者に注目されるスポットに変える秘訣とは。

5位
2024年4月スタートの新制度は、住宅の省エネ性能を★の数で表示。不動産ポータルサイトでも省エネ性能ラベル表示が必須に!?

2024年4月スタートの新制度は、住宅の省エネ性能を★の数で表示。不動産ポータルサイトでも省エネ性能ラベル表示が必須に!?

(筆者撮影)

不動産情報サイト事業者連絡協議会や国土交通省などによる、「省エネ性能表示制度で住宅の省エネ化は進むのか?」記者発表会が開催されました。新しい「省エネ性能表示制度」とは、「販売・賃貸事業者が建築物の省エネ性能を広告等に表示することで、消費者が建築物を購入・賃借する際に、省エネ性能の把握や比較ができるようにする制度」のこと。2024年4月から始まる「省エネ性能表示制度」ですが、実は、アットホーム、LIFULL HOME’S、SUUMOの主要不動産ポータル事業者が深く関わっているのです。国土交通省の検討会には、SUUMO編集長・SUUMOリサーチセンター長の池本洋一氏が委員として参加しています。制度を受けて不動産ポータルサイトの何が変わるのか? 住まいを選ぶときの新しい基準になりそうです。

6位
省エネ先進県・鳥取、中古住宅の省エネ性能を資産価値として評価! 「築22年以上の住宅も価値がゼロにならない」評価法を来年4月スタート

省エネ先進県・鳥取、中古住宅の省エネ性能を資産価値として評価! 「築22年以上の住宅も価値がゼロにならない」評価法を来年4月スタート

(写真/PIXTA)

現状は築22年以上たつと、建物の価値はゼロになるといわれています。せっかくお金をかけて快適な自宅を建てた(あるいはリフォームした)としても、22年たてば何もしていない住宅と価値が同じだと評価されてしまうのです。そこで、鳥取県は、令和2年(2020年)から、「とっとり健康省エネ住宅普及促進事業」をスタート。独自に国の基準より高い、家の「断熱」と「気密」の性能基準「NE-ST」を設け、NE-STを満たす家づくりを推奨・助成するという事業です。鳥取県版評価法を使うと、建物の価値を売り手/買い手が理解した上で、立地条件を考慮して、両者も納得の、少なくとも売り手としてはわが家の価値を把握した上で売りに出すことができます。22年という現代の常識に縛られない住宅の評価方法とは? 詳しく解説しています。

7位
ニューヨーク人情酒場 酒場の終わりは意外と静かに……「5年続けば奇跡」のNY飲食業界で奮闘した酒場の最後の1日

ニューヨーク人情酒場 酒場の終わりは意外と静かに……「5年続けば奇跡」のNY飲食業界で奮闘した酒場の最後の1日

(イラスト/ヤマモトレミ)

漫画家ヤマモトレミさんによる、アメリカのブルックリンにある小さな酒場(レストラン)で起こったいろんな出来事を描いた漫画エッセイ「ニューヨーク人情酒場」の人気連載。最終回は、レミさんが働いていた酒場が閉店する日のこと。さみしさを隠しきれないレミさんですが、あっという間に別れが訪れます。ケツメイシの名曲 “恋の終わりは意外と静かに”を思い出すレミさんは胸がいっぱいになります。NYに暮らす人のあたたかさを知ったレミさんの連載。ニューヨーク人情酒場ありがとう!

8位
賃貸の大家、”孤独死””勝手に民泊”などへのホンネ。「不安はある」が受け入れる理由「誰でも自由に住む家を選べる社会に」

賃貸の大家、”孤独死””勝手に民泊”などへのホンネ。「不安はある」が受け入れる理由「誰でも自由に住む家を選べる社会に」

(イラスト/アンドウカヲリ)

賃貸住宅のオーナー(大家)なら、空室があればできる限り入居の希望を受け入れたいもの。一方で、高齢者やひとり親世帯、外国人などの入居の受け入れに悩むオーナーもたくさんいます。今回は、このように入居が不利になってしまっている人たちを積極的に受け入れているオーナー3人に語っていただきました。受け入れの不安を軽減するためにしていることは? 実際にあったトラブルは? 赤裸々な話に「やっぱり受け入れは覚悟がいるなあ」と思うか、チャレンジすべきと考えるか、分かれるかもしれません。記事では、OAG司法書士法人代表の太田垣章子さんによる賃貸トラブル解決の方法も紹介しています。

9位
乳幼児のいる家庭のマンション選び、買う時より住んでから重視度が上がるポイントとは?

乳幼児のいる家庭のマンション選び、買う時より住んでから重視度が上がるポイントとは?

(写真/PIXTA)

あなぶきホームライフでは、5歳以下の子どものいる家庭の意見を通じて、子育て世代の住宅ニーズを把握するために、首都圏にマンションを所有する、末子が5歳以下の946人にアンケートを実施しました。アンケートの内容は、「マンションを購入した時と居住した後の住まいに関する重視ポイント」について。購入時と購入後で差異が大きかった項目に注目しました。ファミリー世帯でマンション購入を検討している人は、購入後に後悔しないようチェックしてみてください。

10位
中古住宅買取再販市場は2030年に22%増の5万戸へ。市場拡大の理由とは?買取再販物件の購入ポイントも解説!

中古住宅買取再販市場は2030年に22%増の5万戸へ。市場拡大の理由とは?買取再販物件の購入ポイントも解説!

(写真/PIXTA)

矢野経済研究所が行った国内の「中古住宅買取再販市場の市場規模の調査」では、今後も市場は拡大基調で推移し、2030年には2022年比で22.0%増の5万戸になると予測。特に買取再販物件が人気を博しているといいます。「買取再販」とは、中古住宅を事業者が買い取って、リフォームやリノベーションを実施したうえで、事業者が売主となって再度販売するもの。人気の背景や、買取再販の中古住宅を選ぶ際の注意点を解説します。

ついに最終回を迎えた「ニューヨーク人情酒場」ですが、さみしさもつかの間、レミさんの新しい職探しやNYの生活についての新連載がはじまるのでお楽しみに。賃貸住宅のオーナー(大家)座談会の後編もすでに掲載しているので合わせてご覧ください!

【JR中央線】中古マンション価格相場が安い駅ランキング2023年版(東京-高尾32駅)。吉祥寺が新宿よりも高額に

東京の主要路線の一つ、JR中央線。中央線自体は「中央本線」と呼称を変えながら東京駅を出てから神奈川県、山梨県、さらに長野県へとつながる長い路線だ。そのうち東京都内に位置する駅は、東京駅から高尾駅までの全32駅。そんなJR中央線・東京都内32駅の中古マンションの価格相場を調査した。専有面積50平米以上~80平米未満のカップル・ファミリー向け物件の、価格相場を安い駅順にランキングした結果がこちら!

JR中央線沿線(東京都内)の中古マンション価格相場が安い駅ランキング

順位/駅名/価格相場/駅所在地
1位 西八王子 2824.5万円(東京都八王子市)
2位 日野 2980万円(東京都日野市)
3位 豊田 3930万円(東京都日野市)
4位 八王子 3950万円(東京都八王子市)
5位 国立 4480万円(東京都国立市)
6位 西国分寺 4730万円(東京都国分寺市)
7位 国分寺 4980万円(東京都国分寺市)
7位 立川 4980万円(東京都立川市)
9位 武蔵小金井 5499万円(東京都小金井市)
10位 東小金井 5540万円(東京都小金井市)
11位 高円寺 5985万円(東京都杉並区)
12位 西荻窪 6515万円(東京都杉並区)
13位 武蔵境 6630万円(東京都武蔵野市)
14位 阿佐ケ谷 6980万円(東京都杉並区)
15位 三鷹 7195万円(東京都三鷹市)
16位 大久保 7280万円(東京都新宿区)
17位 中野 7680万円(東京都中野区)
18位 東中野 7698万円(東京都中野区)
19位 荻窪 7780万円(東京都杉並区)
20位 新宿 8500万円(東京都新宿区)
21位 吉祥寺 8635万円(東京都武蔵野市)
22位 御茶ノ水 8990万円(東京都千代田区)
23位 水道橋 1億180万円(東京都千代田区)
24位 飯田橋 1億890万円(東京都千代田区)
25位 信濃町 1億980万円(東京都新宿区)
26位 四ツ谷 1億990万円(東京都新宿区)
27位 代々木 1億1360万円(東京都渋谷区)
28位 市ケ谷 1億1500万円(東京都千代田区)
29位 千駄ケ谷 1億2700万円(東京都渋谷区)
※東京駅、神田駅、高尾駅は調査条件に満たないため除外

トップ3には八王子市~日野市より3駅がランクイン

東京駅や新宿駅など、東京を代表する駅が沿線に並ぶJR中央線。毎年調査する「SUUMO住みたい街ランキング 首都圏版」でも、2018年より6年連続で「住みたい沿線ランキング」の4位に輝く人気の路線でもある。それだけに沿線の物件価格も高そう……。東京駅から離れると価格も下がりそうだが、果たしてリーズナブルに住まい探しができる駅はどこなのかを調査してみた。

西八王子駅北口(写真/PIXTA)

西八王子駅北口(写真/PIXTA)

最も中古マンション(専有面積50平米以上~80平米未満)の価格相場が安かったのは、八王子市に位置する西八王子駅で価格相場は2824万5000円。JR横浜線やJR八高線も乗り入れる八王子市の中心地、4位・八王子駅(価格相場3950万円)に比べると、西八王子駅周辺は落ち着いた住宅街の趣がある。とはいえ線路を挟んで北側にも南側にもスーパーやドラッグストア、気軽に利用できるチェーン系の飲食店が複数あり、暮らしやすそうな街並みだ。

西八王子駅から歩いて20分弱の場所に八王子市役所があるのも何かと便利だろう。1駅隣の八王子駅に出れば大型のショッピングモールも利用できるほか、駅から北に車で15分ほどの場所に「イオンモール八王子インターチェンジ北(仮)」が2025年春に開業予定という嬉しい情報も。また、通勤時間帯の7時台~8時台はJR中央線快速が10分未満の間隔で運行されており、新宿駅まで約56分、東京駅まで約1時間11分で行くことができる。新宿駅の価格相場(20位・8500万円)と見比べると、この程度の所要時間であれば都心部に通勤する人にとっても西八王子駅は住まいの候補地としてアリではないだろうか。

市民の森スポーツ公園(写真/PIXTA)

市民の森スポーツ公園(写真/PIXTA)

2位には日野市の中心部にある、日野駅が価格相場2980万円でランクイン。駅周辺には市役所や市立図書館、広々とした「市民の森スポーツ公園」、トレーニングルームを備えた「市民の森ふれあいホール」といった市の施設が点在。新選組の副長・土方歳三の出身地としても知られ、駅から徒歩15分圏内には「新選組のふるさと歴史館」や、新選組の隊員たちが稽古に励んだ剣術道場があった甲州街道・日野宿本陣の建物も。そうした歴史を伝える施設を抱える街ではあるが、駅前には複数のスーパーやドラッグストアもあり住宅地らしい雰囲気。駅から北に10分ほど歩くと多摩川の河川敷に出るので、息抜きにのんびりと散歩をするのも気持ちよいだろう。

豊田駅北口(写真/PIXTA)

豊田駅北口(写真/PIXTA)

3位にランクインしたのは、1位・西八王子駅と2位・日野駅の間に位置する豊田(とよだ)駅。こちらも日野市に位置しているが、価格相場は日野駅よりもグッと上がって3930万円。豊田駅南口側では街の再整備が進行中で新築マンションも誕生しており、そうしたことも価格相場に影響しているかもしれない。駅の北口側には、食料品店はもちろんグルメやファッション、生活雑貨、家電など多彩なショップがひしめく「イオンモール多摩平の森」があり、たいていの買い物はここで済ませられるだろう。大規模な新築マンションも登場している。また、東京方面行きのJR中央線快速は豊田駅始発の便もあり、座って通勤・通学できる点も魅力。新宿駅まで50分弱、東京駅までは1時間少々で行くことが可能だ。

実は新宿駅より武蔵野市のアノ駅のほうが価格相場が高いと判明

JR中央線で最も東京駅から離れている高尾駅は今回ランク外となったが、高尾駅から東京方面に進むと西八王子駅(1位)~八王子駅(4位)~豊田駅(3位)~日野駅(2位)という順で駅が続いている。つまりトップ4には高尾駅に近い4駅がランクインしており、「東京駅から遠いほど価格相場が安そう」というイメージ通りの結果だろう。5位以下もおおむね価格相場は高尾駅に近い駅ほど安く、東京駅に近づくほど高くなっている。そんな傾向があるなかで異色の存在と言えるのが、21位の吉祥寺駅だ。

吉祥寺駅(写真/PIXTA)

吉祥寺駅(写真/PIXTA)

武蔵野市に位置する21位・吉祥寺駅は高尾駅から13駅目、東京駅からだと18駅目。にもかかわらず価格相場は8635万円で、東京駅から10駅目の20位・新宿駅(価格相場8500万円)よりも高い結果となったのだ。吉祥寺駅は「SUUMO住みたい街ランキング2023 首都圏版」では前年調査に引き続いて2位に選ばれており、JR中央線沿線の駅では一番人気の街。特に「夫婦+子ども世帯」からの支持が高く、まさに今回調査した「カップル・ファミリー向け物件(専有面積50平米以上~80平米未満)」の購買層に人気があると言えよう。そんな需要の高さが、価格相場にも表れたようだ。

吉祥寺駅にはJR中央線のほかに京王井の頭線が乗り入れ、駅周辺は東京多摩地区でも屈指の繁華街。駅ビル「アトレ吉祥寺」をはじめとする大型商業施設からアーケード商店街の「吉祥寺サンロード商店街」「吉祥寺ダイヤ街」、さらに細い路地にまで多彩なショップや飲食店がひしめき、多くの人でにぎわっている。一方で駅から南に5分も歩けば「井の頭恩賜公園」へ。ボートが浮かぶ池をたたえた園内は緑豊かで、駅前の喧騒を忘れる憩いの空間。隣接地には動物園や遊具広場がある「井の頭自然文化園」や、「三鷹の森ジブリ美術館」もある。商業エリアや公園の周辺には静かな住宅街が広がり、都会的な便利さも、のどかな環境も兼ね備えている点が吉祥寺の人気の理由かもしれない。

もう1駅、杉並区にある11位・高円寺駅にも注目したい。駅の立地としては14位・阿佐ヶ谷駅(価格相場6980万円)と17位・中野駅(同7680万円)に挟まれているが、高円寺駅の価格相場は5985万円と両隣の駅と比べてだいぶリーズナブル。JR中央線の快速は平日のみ停車する駅ではあるが、それは阿佐ヶ谷駅も同様だ。JR中央線快速に乗れば新宿駅まで約7分、東京駅まで約22分という近さでありながら、周辺駅よりも価格相場が安い高円寺の駅周辺の様子を見てみよう。

高円寺駅前、高円寺純情商店街(写真/PIXTA)

高円寺駅前、高円寺純情商店街(写真/PIXTA)

高円寺は駅周辺で毎年8月に「東京高円寺阿波おどり」が開催される街として知られ、駅の発車メロディーも阿波おどりのおはやしをアレンジしたもの。北口の「高円寺純情商店街」、南口の「高円寺パル商店街」をはじめ駅周辺には複数の商店街が広がり、食料品店から若者に人気の個性的なお店まで多彩な店舗が軒を連ねている。2020年には高円寺駅~阿佐ヶ谷駅間の高架下に「al:ku(アルーク)阿佐ヶ谷」が誕生。カフェやベーカリーのほかに幼児園や体操教室など子ども向けの施設も入っているのは、ファミリー層が暮らす街らしいところだろう。

人出も多くにぎわいがあるが、大型の商業ビルではなく小規模店舗が並ぶ街なので親しみやすい下町風情が漂う。都心に近いわりには価格相場が控えめで、地元民に親しまれる商店街が元気な高円寺はJR中央線沿線の穴場駅と言えそうだ。

さて今回調査したJR中央線では、東京駅~大月駅(山梨駅)間を走る快速列車に2階建てグリーン車を導入する計画が進行中。2024年度末以降の導入予定で、現状の10両編成にグリーン車2両を連結するのだとか。運賃とは別にグリーン車料金が必要だが、先ごろ報道公開された車両内部を見るとリクライニングシートにコンセントも付いてなかなか快適そう。JR中央線快速は混雑率が高い路線だが、グリーン車を利用すれば確実に着席できるのが嬉しいところ。導入後はさらに、「住みたい街」としてJR中央線沿線の人気が高まりそうだ。

●駅順の価格一覧

駅順の価格一覧

※東京駅、神田駅、高尾駅は調査条件に満たないため除外

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている中央線沿線の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数35年未満、敷地権利は所有権のみ
専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2023/4~2023/9
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

新築・中古マンションの価格は平均年収の10倍以上に上昇?エリア別に詳しく解説

東京カンテイの調査結果によると、2022年のマンションの年収倍率(全国平均)は、新築マンションで9.66倍、築10年の中古マンションで7.27倍になり、いずれも前年度より0.73拡大したという。気になるのは首都圏、特に東京都だ。マンションはどこまで遠くに行くのだろう?

新築マンションで13、中古マンションで5の都道府県で年収倍率が10倍超えに

東京カンテイが算出した都道府県別の年収倍率は、“マンションの買いやすさ”を検証するためのもの。都道府県ごとに「2022年に分譲された新築マンションの平均価格(70平米換算)」と「2022年における築10年の中古マンションの平均価格(70平米換算)」が、平均年収※の何倍に相当するかを割り出したもの。
※内閣府発表の「県民経済計算」を基に平均年収を予測した数値

新築マンションの年収倍率は、全国平均で9.66倍となり、前年から0.73拡大した。最も倍率が高いのは東京都の14.81倍、次いで京都府の13.66倍、最も低いのは徳島県の7.35倍だった。東京カンテイによると、「全国的に平均年収が低下する中でも圏域を問わず高額な物件の供給が続いている」ことが、背景にあるという。

年収倍率が10倍を超えるのは、北から北海道10.98倍、青森県11.26倍、岩手県10.56倍、埼玉県12.38倍、東京都14.81倍、神奈川県12.42倍、石川県11.14倍、静岡県10.70倍、京都府13.66倍、大阪府12.45倍、奈良県10.52倍、鹿児島県10.13倍、沖縄県11.59倍の13都道府県だった。最も倍率の低い徳島県でも、新築マンションを買うには年収の7.35倍が必要という計算になり、新築マンションの価格は全国的に手が届きにくい状況にある。

一方、築10年の中古マンションの年収倍率は、全国平均で7.27倍となり、前年より0.73拡大した。これにより、2008年の集計開始以来で初の7倍台に達した。最も倍率が高いのは東京都の14.49倍、次いで京都府の11.35倍、最も低いのは富山県の4.31倍だった。東京カンテイによると、「全域的に拡大した首都圏や近畿圏がけん引する形で全国平均はさらに押し上がる結果となった」という。

築10年の中古マンションで年収倍率が10倍を超えるのは、北から埼玉県10.87倍、東京都14.49倍、神奈川県10.43倍、京都府11.35倍、大阪府10.45倍の5都府県。中古マンションといえども、都市部では手が届きにくい状況にある。ただし、年収倍率が5倍台以下になるのは、茨城県5.92倍、群馬県5.68倍、新潟県5.31倍、富山県4.31倍、福井県5.94倍、三重県5.42倍、鳥取県5.25倍、島根県5.57倍、山口県5.07倍、徳島県5.92倍、香川県5.05倍、愛媛県5.52倍、佐賀県5.20倍の13県あり、新築マンションよりも価格的に手が届きやすいことは間違いないだろう。

東京都の年収倍率は、新築マンションも中古マンションも14倍台に

新築と中古の年収倍率の開きは、前年も2022年も2.39で変わっていない。全国的に平均年収が前年より下がったのに対して、新築も中古も全国的に価格(70平米換算)が上がったという構図だ。

マンションの最大供給エリアである首都圏に絞って見てみよう。
新築マンションでは、千葉県を除いて1都2県が過去17年間で最高値を記録した。特に埼玉県と神奈川県で、前年より大きく倍率が拡大した。東京都が小幅な拡大だったのは、平均年収が上がっていることも影響している。片や中古マンションでは、首都圏1都3県ともに前年より倍率が拡大した。首都圏全域で中古マンション価格が上昇したということだろう。

特に年収倍率が、新築マンション(14.81倍)と中古マンション(14.49倍)ではほとんど差がない、東京都に注目だ。新築マンションの年収倍率は想定できたが、中古マンションの年収倍率がここまで上がるとは驚きだ。東京都や京都府などでは、マイホームとして買う層だけでなく、投資目的や海外組が買う事例が多いことも影響しているのだろう。

●首都圏の年収倍率
■新築マンション

都道府県2022年2021年年収倍率平均年収
(万円)70平米価格
(万円)年収倍率平均年収
(万円)70平米価格
(万円)埼玉県12.384505.57011.044725.213千葉県9.774814.7019.075034.563東京都14.815788.56114.695708.373神奈川県12.424725.86410.055535.555首都圏12.474956.17411.295255.926

●首都圏の年収倍率
■中古マンション

都道府県2022年2021年年収倍率平均年収
(万円)70平米価格
(万円)年収倍率平均年収
(万円)70平米価格
(万円)埼玉県10.874504.8928.124723.832千葉県8.324814.0006.045033.037東京都14.495788.37313.355707.612神奈川県10.434724.9247.755534.285首都圏11.214955.5478.945254.692出典:東京カンテイ「都道府県別 新築・中古マンション価格の年収倍率 2022」より抜粋して編集部で作成実際に買った人の年収倍率は現実的な範囲

年収倍率だけ見ると、一部の地域を除いて、新築も中古もマンション購入のハードルが高くなったという印象を受ける。上記の年収倍率は、世帯年収(2022年首都圏平均495万円)で計算している。

実際にどの程度の年収倍率でマンションを買っているかに関しては、住宅金融支援機構の「2022年度フラット35利用者調査」で見ていこう。長期間固定金利の住宅ローン【フラット35】を利用して住宅を取得した人の世帯年収や年収倍率は、次のようになっている。

●「2022年度フラット35利用者調査」の結果
■新築マンション

年収倍率世帯年収購入価額全国7.2844.2万円4848.4万円首都圏7.8821.6万円5327.7万円近畿圏7.3832.0万円4973.9万円東海圏6.4909.6万円4434.9万円その他地域6.2872.9万円4018.5万円

■中古マンション(築年限定なし)

年収倍率世帯年収購入価額全国5.9621.5万円3156.9万円首都圏6.3637.8万円3518.0万円近畿圏5.7562.0万円2775.6万円東海圏4.8578.7万円2220.7万円その他地域4.9670.8万円2546.6万円出典:住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」より抜粋して筆者作成

実際にマンションを買っている人で見ると、やはり年収倍率は新築マンションで6~7倍、中古マンションで5倍前後と、現実的な範囲で買っている。買った人の世帯年収はそれなりに高いので、世帯年収が500万円を切る世帯では、マンションは遠い存在になっているかもしれない。

さて、“買いやすさ”の指標である年収倍率は上昇が続いている。ここにきて、住宅ローンの長期固定金利が上昇局面に移りつつある。マンションを買おうとしている人には厳しい環境にあるが、こうした時は背伸びをしないで、自分たちの世帯年収に見合う、長期的に無理なく返済できるマンションを探すことをお勧めする。新築マンションやリノベーション済みの中古マンションの性能は、以前より高くなっているという側面もあるので、価格だけでなく、それに見合う住宅性能であるかも見てほしい。

●関連サイト
東京カンテイ「都道府県別 新築・中古マンション価格の年収倍率 2022」
住宅金融支援機構「2022年度 フラット35利用者調査」

「一般向け3Dプリンター住宅、水回り完備550万円で販売開始」「大企業が始めたコミュニティ型図書館『まちライブラリー』」【9月人気記事まとめ】

朝晩冷え込むようになり、そろそろセーターの出番でしょうか。SUUMOジャーナルで9月に公開した記事では、「一般向け3Dプリンター住宅、水回り完備550万円で販売開始!」「これが図書館? 全面ガラス張りの開放的な空間。大企業が始めたコミュニティ型図書館『まちライブラリー』」などが人気TOP10入りしました。詳しく紹介します。

1位
一般向け3Dプリンター住宅、水回り完備550万円で販売開始! 44時間30分で施工、シニアに大人気の理由は? 50平米1LDK・二人世帯向け「serendix50」

2位
これが図書館? 全面ガラス張りの開放的な空間。大企業が始めたコミュニティ型図書館「まちライブラリー」を見てきました 西東京市

3位
出没!アド街ック天国、執念の「街リサーチ術」をついに語る。最高の街の見つけ方とは

4位
一人暮らしで買った家具、人気の家具ショップビッグ3とは?家具への意識はどう変化している?

5位
ニューヨーク人情酒場 酒場は人生の交差点、次々去っていく同僚たち…これからどうなる? ブルックリンの寿司ローラーによるレシピも公開!

6位
国土交通省の令和6年度予算要求、住宅施策は何が変わる?施策概要を解説

7位
レトロ商店街を地元の若者達が再生! セレクトショップやオフィスなどでにぎわい生み、鉄道会社とコラボイベントも 埼玉県飯能市・飯能銀座商店街

8位
【梅田駅30分以内】中古マンション価格相場が安い駅ランキング2023年。TOP3に2000万円以下で乗り換え0回の駅も!

9位
パリの暮らしとインテリア[18] 古アパルトマンを自分で設計! イームズや北欧名作チェアなど椅子13脚がアクセント。アートディレクター家族の素敵空間

10位
【渋谷駅30分以内】家賃相場が安い駅ランキング2023年。1位・2位は5万円台の小田急小田原線の駅
※対象記事とランキング集計:2023年9月1日~30日に公開された記事のうち、PV数の多い順

1位
一般向け3Dプリンター住宅、水回り完備550万円で販売開始! 44時間30分で施工、シニアに大人気の理由は? 50平米1LDK・二人世帯向け「serendix50」

一般向け3Dプリンター住宅、水回り完備550万円で販売開始! 48時間で施工、シニアに大人気の理由は? 50平米1LDK・二人世帯向け「serendix50」

(写真提供/セレンディクス)

3Dプリンター住宅が話題になっている中、ついに二人世帯向け一般住宅となる3Dプリンター住宅が完成しました! セレンディクス社(兵庫県西宮市)の「serendix50」です。過去3回にわたり、セレンディクス社の3Dプリンター住宅を紹介してきたSUUMOジャーナル。今回は、代表取締役の小間裕康さんのインタビューに加え、「serendix50」がつくられた愛知県小牧市の工場から、現物をレポート。価格は?住み心地は?気になる疑問をぶつけてきました! 

2位
これが図書館? 全面ガラス張りの開放的な空間。大企業が始めたコミュニティ型図書館「まちライブラリー」を見てきました 西東京市

これが図書館? 全面ガラス張りの開放的な空間。大企業が始めたコミュニティ型図書館「まちライブラリー」を見てきました 西東京市

(写真撮影/田村写真店)

全国に増えている「まちライブラリー」。蔵書や寄贈の本を貸し出す形で、個人がどこでも気軽に始められる図書館のしくみ。まちライブラリーの中でも最大規模の「まちライブラリー@MUFG PARK」を取材しました。運営する一般社団法人まちライブラリーによると、今や登録数は1000件以上にのぼるのだとか。本を介して気軽に人と関わることができるなんて楽しそう! 自宅やお店の一角に本を置くだけなら、自分も始められるかな?なんて夢がふくらみます。

3位
出没!アド街ック天国、執念の「街リサーチ術」をついに語る。最高の街の見つけ方とは

出没!アド街ック天国、執念の「街リサーチ術」をついに語る。最高の街の見つけ方とは

(写真提供/テレビ東京・ハウフルス)

今までのべ1400を超える街を紹介してきた『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系列)のあまり知られていないリサーチ方法を教えてもらいました。それは、数週間も一つの街を徹底的に歩いて駆けずり回るアナログ式のリサーチ! 演出とプロデューサーのおふたりに、「自分にピッタリの街」を見つけるヒントを尋ねると、「人との距離感がちょうど合う街がある」との答えが……アド街のリサーチで見つけた街の魅力をたっぷり語っていただきました。

4位
一人暮らしで買った家具、人気の家具ショップビッグ3とは?家具への意識はどう変化している?

一人暮らしで買った家具、人気の家具ショップビッグ3とは?家具への意識はどう変化している?

(写真/PIXTA)

インテリアに関心を持つ人が増えているなか、一人暮らしの人のインテリア事情が気になる人も多いのでは。クレアスライフが実施した自社が運営するマンションに住んでいる一人暮らし中の男女599人に行ったインテリア・収納に関するアンケートを深掘ります。どこで何を買ったか? 20代・30代が多い一人暮らしの場合は? 意外に知らない実態が明らかに!

5位
ニューヨーク人情酒場 酒場は人生の交差点、次々去っていく同僚たち…これからどうなる? ブルックリンの寿司ローラーによるレシピも公開!

(イラスト/ヤマモトレミ)

漫画家ヤマモトレミさんによる、アメリカのブルックリンにある小さな酒場(レストラン)で起こったいろんな出来事を描いた漫画エッセイ「ニューヨーク人情酒場」の人気連載。レミさんは、2017年、勤めていた会社の転勤でニューヨークに移住。趣味で描いていた漫画が思った以上に楽しくなり、2021年に脱サラして本格的に漫画家としての活動を開始し、2022年にアメリカで起業して個人事業主に。漫画業のかたわら、ブルックリンのレストランで週4回“寿司ローラー”(寿司を巻く仕事)をしています。今回は、レミさんの同僚メイビスの故郷の話。ニューヨークで働く人たちがどんな思いでやってきたのか垣間見えます。

6位
国土交通省の令和6年度予算要求、住宅施策は何が変わる?施策概要を解説

国土交通省の令和6年度予算要求、住宅施策は何が変わる?施策概要を解説

(写真/PIXTA)

国土交通省が令和6年度予算の概算要求の概要を公表。まだ要求した段階で決定したものではありませんが、その中から、住宅に関することをピックアップ! 予算をどこに充てる? こども・子育てへの支援内容とは? 住宅のリフォームへの支援策は? 国土交通省がどんなことに力を入れようとしているのかが分かります。

7位
レトロ商店街を地元の若者達が再生! セレクトショップやオフィスなどでにぎわい生み、鉄道会社とコラボイベントも 埼玉県飯能市・飯能銀座商店街

レトロ商店街を地元の若者達が再生! セレクトショップやオフィスなどでにぎわい生み、鉄道会社とコラボイベントも 埼玉県飯能市・飯能銀座商店街

(写真提供/Akinai)

埼玉県飯能市にある「飯能銀座商店街」では、まちづくりユニットAkinaiが、市民や町に関わりたい次世代の人たちを巻き込み、商店街の空き店舗を再生しています。2017年から当時30代だった若者たちがシャッター商店街を盛り上げようと仕掛けをつくり始めました。彼らの拠点は、飯能銀座商店街の中央部にあるシェアスペース「Bookmark」。イベントにも利用でき、興味を持った人やクリエイティブな人々が続々と集まっているそうです。「自分たちが暮らす街に面白い拠点が欲しい。でもそうすれば?」と考えている人は、たくさんのヒントが見つかるインタビューです。

8位
【梅田駅30分以内】中古マンション価格相場が安い駅ランキング2023年。TOP3に2000万円以下で乗り換え0回の駅も!

【梅田駅30分以内】中古マンション価格相場が安い駅ランキング2023年。TOP3に2000万円以下で乗り換え0回の駅も!

(写真/PIXTA)

「SUUMO住みたい街ランキング2023 関西版」で、2年連続で1位に輝いた梅田駅は、ビジネス・商業の拠点としてだけでなく、近年は“暮らす街”としても注目を高めています。梅田駅周辺にあるカップル・ファミリー向け中古マンション(専有面積50平米以上~80平米未満)は、価格相場が5980万円と高額。そこで、便利な梅田にアクセスしやすくて物件価格はリーズナブルな街を調査し、梅田駅まで30分圏内にある、中古マンションの価格相場が安い駅をチェック! 例えば園田駅は、阪急神戸線で大阪梅田駅まで約11分、そこから徒歩で梅田駅まで約8分、所要時間約19分で、乗り換え0回! TOP15までのおすすめポイントを紹介します。

9位
パリの暮らしとインテリア[18] 古アパルトマンを自分で設計! イームズや北欧名作チェアなど椅子13脚がアクセント。アートディレクター家族の素敵空間

パリの暮らしとインテリア[18] 自分で設計しスカンジナビアのこだわり家具を集めたアートディレクター家族のアパルトマン

(写真撮影/Manabu Matsunaga)

フランス・パリで暮らす写真家が、パリの素敵なお宅を撮影する人気連載。今回は、フランス・パリで大人気のおしゃれスポット、北マレ地区とカナル運河のちょうど真ん中に位置するレピュブリック広場(PLACE DE LA REPUBLIQUE)近くのアパルトマンを訪ねました。アートディレクターのフレデリックさんは、自分の思うように改装するために建築の勉強までしたそうです。

10位
【渋谷駅30分以内】家賃相場が安い駅ランキング2023年。1位・2位は5万円台の小田急小田原線の駅

【渋谷駅30分以内】中古マンション価格相場が安い駅ランキング2023年。TOP10は3000万円未満、大田区の駅が多数!

(写真/PIXTA)

渋谷駅は、JR各線をはじめ東急電鉄の東横線・田園都市線、京王井の頭線、東京メトロの銀座線・半蔵門線・副都心線が乗り入れるターミナル駅。渋谷駅の近くに住まいがあれば、渋谷にふらっと出かけやすいのはもちろん、乗り入れ路線を利用して各方面へ向かうのも便利です。そこで、渋谷駅まで30分以内にある駅の家賃相場を調査し、最新のランキングを公開! シングル向け賃貸物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場が安い駅トップ16を紹介します。

9月は、ランキングの記事が4つもランクインしました。ランキング記事は、住んでいる街やこれから住みたいと考えている街の新しい魅力が見つかります。掘り出し物の街はないかな? そんな気持ちで読むと楽しいですよ!

中古住宅買取再販市場は2030年に22%増の5万戸へ。市場拡大の理由とは?買取再販物件の購入ポイントも解説!

矢野経済研究所が、国内の中古住宅買取再販市場の市場規模を調査し、将来展望を明らかにした。今後も市場は拡大基調で推移し、2030年には2022年比で22.0%増の5万戸になると予測している。買取再販物件が人気を博しているのはどういった理由なのだろう。

【今週の住活トピック】
「中古住宅買取再販市場に関する調査(2023年)」(2023年10月5日発表)を実施/株式会社矢野経済研究所

中古住宅買取再販市場は堅調に推移し、今後も拡大する見通し

「買取再販」とは、中古住宅を事業者が買い取って、リフォームやリノベーションを実施したうえで、事業者が売主となって再度販売するもの。株式会社矢野経済研究所が、こうした中古住宅買取再販の市場規模(成約戸数ベース)を調査した。

それによると、国内の中古住宅買取再販市場は、新築住宅価格が高止まりしていることもあり、新築と比較して相対的に割安な中古住宅の需要が増えていることから、2022年は堅調に推移しているという。2023年の中古住宅買取再販市場の規模は、前年比2.4%増の4万2000戸と予測。2030年には5万戸になると予測した。

同研究所は、市場が拡大する主な要因として、「住宅ローン金利で低金利を前提とした緩やかな上昇が見込まれること」や、「住宅取得時の税制優遇措置の継続」など、良好な住宅取得環境が継続する見通しであることを挙げた。買取再販物件への需要も堅調に増加し、中古住宅が在庫として増えていくことも拡大要因としている。

中古住宅買取再販市場規模推移と予測

中古住宅買取再販市場規模推移と予測(出典:矢野経済研究所「中古住宅買取再販市場に関する調査(2023年)」を参考に弊社でグラフ作成)

中古住宅の買取再販物件に需要が高まる理由は?

さて、新築住宅の価格が高騰して高止まりしているので、中古住宅の需要が高まるのは分かるが、中古住宅の中でも買取再販物件の需要が高まるのはなぜだろうか。

築年数の経過した「古い住宅」は、今の住宅より性能が低かったり、老朽化が進んでいたりするので、その分低価格になる。個人が買う場合は、性能を確認してどこをどうリフォームするのかすぐに判断するのが難しく、トータルでいくらかかるか分からないということがある。

一方、不動産会社などの事業者であれば、数多くの売買やリフォームの経験から、いくらで買ってどの程度のリフォームをしたうえで、いくらで売り出せば売れるか、すぐに判断することができる。また、リフォームする際には、多くの人が好むように、現在の新築住宅と同じような間取りや設備仕様で仕上げることが多い。

買う人にとっては、判断が難しい築年数の経過した中古住宅よりも、新築並みにリノベーションされた買取再販物件のほうが、手軽で費用が明確というメリットがある。自分でこだわりを持ってリフォームをしたいという人は別だが、リフォームにかかった費用もまとめて住宅ローンの対象となり、引き渡し後すぐに入居ができるなど、多くのメリットを感じる人もいるだろう。

中古住宅の買取再販物件は多様になっている

事業者側にとっても、大量発注してリフォーム工事の費用を抑えることができるので、利益を上乗せしても個人が買いやすい価格で売ることができる。とはいえ、1戸ずつ判断してリフォームしていくので、手間のかかるビジネスモデルではある。そのため、以前は、買取再販の専業事業者を中心に展開していた。

また、一戸建てはマンションに比べて、土地や住宅の形状、建て方などの個別性が高く、買取再販が難しいとされていた。例えば、「浴槽を取り外したらシロアリの食害で損傷していた」というような事例も多く、隠れた部分の損傷具合が表から見て分かりづらいという側面もあるからだ。そのため、マンションの買取再販専業事業者が多かったが、一戸建ての専業事業者も登場し、それに伴い買取再販物件も増えてきた。

最近では、デベロッパーやハウスメーカーなど新築に力を入れていた事業者が、買取再販事業に参入する事例が増えている。というのも、人口や世帯数が減少するなか新築住宅市場が縮小すると言われているうえ、既存の住宅をリノベーションすることは、建て替えて新築するよりもCO2の排出量や廃棄物を削減できるので、『脱炭素社会』や『SDGs』について寄与することができる、といった背景があるからだ。

その結果、一般的な古いマンションや一戸建てだけでなく、都心部の高額マンションや一戸建てなども買取再販の対象になり、多様な物件が市場に出る環境が整いつつある。

買取再販の中古住宅を選ぶ際の注意点

実際に住宅市場で物件を選ぶ際には、買取再販ではなく、リノベーション物件などと記載されることが多い。

一般的に「リフォーム」は新築当時の状態に改修すること、「リノベーション」は今の生活水準に応じて性能を引き上げる改修をすることといわれている。しかし、これらの違いは明確ではなく、混在して使われることも多い。

つまり、「リノベーション住宅」として販売されているものが、必ずしも性能を引き上げているとは限らず、内装だけを改修して見栄えをよくし、リノベーション済みと説明している場合もある。逆に「リフォーム済み」という記載でも、性能を引き上げた改修がされている場合もある。

特に、構造に関する部分や給排水管などの設備については、表面を見ただけでは分からないので、改修前はどういった状態で、どの部分をどのように改修したかを確認することが大切だ。隠れた部分までしっかり改修されていないと、住み始めてから想定外の不具合が生じるリスクもある。改修箇所の履歴を残し、一定期間の保証を付ける事業者なら安心だろう。

自分で改修内容まで確認することにハードルを感じるという人は、(一社)リノベーション協議会の「適合リノベーション住宅」かどうかを目安にする方法もある。建物検査をしたうえで改修工事を行い、その履歴を保管したり、改修箇所に一定の保証を付けたりしている。また、数は少ないが、国土交通省が定める「安心R住宅」かどうかをチェックする方法もある。

※安心R住宅とは、国土交通省が定めた基準を満たした住宅であり、リフォームについて情報提供が行われる(リフォーム済みかリフォーム工事提案書付き)中古住宅。

中古住宅を自分好みにリフォームするのを醍醐味に感じる人もいれば、プロのお勧めでリフォームされた住宅を買うのがよいと感じる人もいる。ある程度長く住むマイホームなのだから、自分に合った買い方をするのがよいだろう。ただ、市場における選択肢が増えることは、買い手にとっては喜ばしいことなので、多様な買取再販物件が市場に出回るとよいと思う。

●関連サイト
(株)矢野経済研究所「中古住宅買取再販市場に関する調査(2023年)」(2023年10月5日発表)

乳幼児のいる家庭のマンション選び、買う時より住んでから重視度が上がるポイントとは?

あなぶきホームライフでは、5歳以下の子どものいる家庭の意見を通じて、子育て世代の住宅ニーズを把握するために、首都圏にマンションを所有する、末子が5歳以下の946人にアンケートを実施した。アンケートの内容は、「マンションを購入した時と居住した後の住まいに関する重視ポイント」についてだ。購入した時と後では、どういった違いがあったのだろうか?

【今週の住活トピック】
乳幼児のいる家庭に「マンションを購入した時と居住した後の住まいに関する重視ポイント」についてアンケートを実施/あなぶきホームライフ

マンション購入後のほうが購入時よりも、すべての項目で重視度が上がる

調査結果では、各項目の重視度に対する回答を、「重視した」(3ポイント)、「どちらともいえない」(2ポイント)、「気にしなかった」(1ポイント)として集計している。また、マンション購入時に重視していたことと、マンション購入後(もし今マンションを買うなら重視すること)を同じ項目で調査し、そのポイントの差異も調べている。

どの程度重視したかの項目は、①教育施設や自治体の制度などの子育て環境、②マンションの設備、③マンションの間取りの3つに分類して聞いているのだが、公表された結果を見る限り、重視度はすべての項目で「購入後」のほうが高くなっていた。購入後のほうが、さまざまなことを気にするようになったということだろう。

それぞれの分類で重視度がトップだったのは、①子育て環境「役所・病院・スーパーなどの生活利便施設」(購入時2.63:購入後2.73)、②マンション設備「セキュリティシステム」(購入時2.48:購入後2.59)、③マンションの間取り「収納力(クローゼットの場所や収納量)」(購入時2.57:購入後2.74)。ただし、これらの項目では、購入時と購入後の差異がそれほど大きくない。

そこで、購入時と購入後で差異が大きかった項目に注目して、見ていくことにしよう。

子育て環境は、購入後には子どもが成長した時のことまで気になる?

まず、①の「子育て環境」を見ていこう。末子が乳幼児ということもあって、「保育園・幼稚園までの距離」(購入時2.09:購入後2.50)や「保育園・幼稚園の評判」(購入時1.88:購入後2.34)などの重視度は高かった。しかし、購入時と購入後で差異が大きい上位3項目は以下の図のようになった。

①教育施設や自治体の制度などの子育て環境の分類で、購入前後で差の大きい上位3項目(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

①教育施設や自治体の制度などの子育て環境の分類で、購入前後で差異の大きい上位3項目(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

購入してそこに長く住むとなってからは、以前よりも子どもが成長したときのことまで気になってくるのだろう。「放課後の預かり施設までの距離」や「小学校(学区)についての評判」で、購入後の重視度が大きくアップしている。また、「自治体の助成金や支援制度」も、家計や子育てに長く影響するだけに気になる点だ。なお、助成金や支援制度は自治体によってさまざまなので、できれば購入時にしっかり確認しておきたいところだ。

マンションの設備では、子育て家庭ならではのことが気になる!

②「マンションの設備」で重視したことは、TOPの「セキュリティシステム」に次いで、「防音対策された床」、「傷つきにくく汚れが落ちやすいクロス」など、子育て家庭ならではの項目が上位に挙がった。子どもは走り回ったり、泥を持ち込んだり、落書きしたりするので、床や壁は気になるところだろう。

一方で、購入後に最も重視度がアップしたのは、「ノンタッチのオートロックドア解除」だった。乳幼児のいる家庭では、荷物も多く、子どもと手をつなぐ機会も多いため、マンションに出入りする際にオートロックを開錠する手間が軽減されることが、重視されるようになったようだ。次いで重視度が大きくアップしたのは、「指を狭まないように工夫された」『扉』や『窓』だった。暮らしていく中で、子どもの安全に配慮した設備の重要性を再認識したのだろう。

②マンションの設備の分類で、購入前後で差異の大きい上位3項目(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

②マンションの設備の分類で、購入前後で差異の大きい上位3項目(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

マンションの間取りでは、子どもの居場所が気になる!?

③「マンションの間取り」で重視したことは、多くの調査でも上位に挙がる「収納力」、「キッチンなどの水まわり」、「リビングの広さ」が、ここでも上位になった。一方で、購入後に重視度がアップしたのは、「子ども部屋の広さ」や「子どもの成長に伴う部屋数」だ。

③マンションの間取りについて重視したことは何ですか?の回答一覧(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

③マンションの間取りについて重視したことは何ですか?の回答一覧(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

乳幼児や小学生の低・中学年までは、親と一緒にリビングなどで過ごすことが多いのだが、それより先は子ども部屋など、子どもが自分で管理する居場所をどうするかが課題になる。マイホームで子どもが成長していくことを考えて、これらの項目の重視度が大きくアップしたのだろう。

あなぶきホームライフによると、「子どもの成長に合わせて間仕切りや部屋の入替えを想定して購入すれば良かった」といった意見もあったという。

こうして見ていくと、子どもが成長していくことも考えると、重視すべきことは数多くあることがわかる。そうはいっても、すべてを満たすマンションはなかなかないので、わが家は何をより重視するかを整理することが大切だ。

さらに、新築マンションを分譲する際に、デベロッパー側は、どういった世帯にこのマンションを買ってほしいかを想定する。都市部の利便性の高い立地なら共働き世帯を想定して、家事効率や収納の充実などの利便性に特徴を持たせる。郊外のマンションなら子育て世帯を想定して、子育てによい設備や間取りを多く採用する。こうした特徴の違いもあるので、マンションを探す際には、いろいろなタイプのマンションを見比べて、見る目を養うことも大切だろう。

●関連サイト
あなぶきホームライフ「乳幼児のいるご家庭にアンケート!マンション購入時と購入後の重視ポイントにはどんな変化があるのでしょうか?」
あなぶきホームライフ 公式サイト

乳幼児のいる家庭のマンション選び、買う時より住んでから重視度が上がるポイントとは?

あなぶきホームライフでは、5歳以下の子どものいる家庭の意見を通じて、子育て世代の住宅ニーズを把握するために、首都圏にマンションを所有する、末子が5歳以下の946人にアンケートを実施した。アンケートの内容は、「マンションを購入した時と居住した後の住まいに関する重視ポイント」についてだ。購入した時と後では、どういった違いがあったのだろうか?

【今週の住活トピック】
乳幼児のいる家庭に「マンションを購入した時と居住した後の住まいに関する重視ポイント」についてアンケートを実施/あなぶきホームライフ

マンション購入後のほうが購入時よりも、すべての項目で重視度が上がる

調査結果では、各項目の重視度に対する回答を、「重視した」(3ポイント)、「どちらともいえない」(2ポイント)、「気にしなかった」(1ポイント)として集計している。また、マンション購入時に重視していたことと、マンション購入後(もし今マンションを買うなら重視すること)を同じ項目で調査し、そのポイントの差異も調べている。

どの程度重視したかの項目は、①教育施設や自治体の制度などの子育て環境、②マンションの設備、③マンションの間取りの3つに分類して聞いているのだが、公表された結果を見る限り、重視度はすべての項目で「購入後」のほうが高くなっていた。購入後のほうが、さまざまなことを気にするようになったということだろう。

それぞれの分類で重視度がトップだったのは、①子育て環境「役所・病院・スーパーなどの生活利便施設」(購入時2.63:購入後2.73)、②マンション設備「セキュリティシステム」(購入時2.48:購入後2.59)、③マンションの間取り「収納力(クローゼットの場所や収納量)」(購入時2.57:購入後2.74)。ただし、これらの項目では、購入時と購入後の差異がそれほど大きくない。

そこで、購入時と購入後で差異が大きかった項目に注目して、見ていくことにしよう。

子育て環境は、購入後には子どもが成長した時のことまで気になる?

まず、①の「子育て環境」を見ていこう。末子が乳幼児ということもあって、「保育園・幼稚園までの距離」(購入時2.09:購入後2.50)や「保育園・幼稚園の評判」(購入時1.88:購入後2.34)などの重視度は高かった。しかし、購入時と購入後で差異が大きい上位3項目は以下の図のようになった。

①教育施設や自治体の制度などの子育て環境の分類で、購入前後で差の大きい上位3項目(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

①教育施設や自治体の制度などの子育て環境の分類で、購入前後で差異の大きい上位3項目(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

購入してそこに長く住むとなってからは、以前よりも子どもが成長したときのことまで気になってくるのだろう。「放課後の預かり施設までの距離」や「小学校(学区)についての評判」で、購入後の重視度が大きくアップしている。また、「自治体の助成金や支援制度」も、家計や子育てに長く影響するだけに気になる点だ。なお、助成金や支援制度は自治体によってさまざまなので、できれば購入時にしっかり確認しておきたいところだ。

マンションの設備では、子育て家庭ならではのことが気になる!

②「マンションの設備」で重視したことは、TOPの「セキュリティシステム」に次いで、「防音対策された床」、「傷つきにくく汚れが落ちやすいクロス」など、子育て家庭ならではの項目が上位に挙がった。子どもは走り回ったり、泥を持ち込んだり、落書きしたりするので、床や壁は気になるところだろう。

一方で、購入後に最も重視度がアップしたのは、「ノンタッチのオートロックドア解除」だった。乳幼児のいる家庭では、荷物も多く、子どもと手をつなぐ機会も多いため、マンションに出入りする際にオートロックを開錠する手間が軽減されることが、重視されるようになったようだ。次いで重視度が大きくアップしたのは、「指を狭まないように工夫された」『扉』や『窓』だった。暮らしていく中で、子どもの安全に配慮した設備の重要性を再認識したのだろう。

②マンションの設備の分類で、購入前後で差異の大きい上位3項目(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

②マンションの設備の分類で、購入前後で差異の大きい上位3項目(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

マンションの間取りでは、子どもの居場所が気になる!?

③「マンションの間取り」で重視したことは、多くの調査でも上位に挙がる「収納力」、「キッチンなどの水まわり」、「リビングの広さ」が、ここでも上位になった。一方で、購入後に重視度がアップしたのは、「子ども部屋の広さ」や「子どもの成長に伴う部屋数」だ。

③マンションの間取りについて重視したことは何ですか?の回答一覧(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

③マンションの間取りについて重視したことは何ですか?の回答一覧(出典:あなぶきホームライフのプレスリリースより)

乳幼児や小学生の低・中学年までは、親と一緒にリビングなどで過ごすことが多いのだが、それより先は子ども部屋など、子どもが自分で管理する居場所をどうするかが課題になる。マイホームで子どもが成長していくことを考えて、これらの項目の重視度が大きくアップしたのだろう。

あなぶきホームライフによると、「子どもの成長に合わせて間仕切りや部屋の入替えを想定して購入すれば良かった」といった意見もあったという。

こうして見ていくと、子どもが成長していくことも考えると、重視すべきことは数多くあることがわかる。そうはいっても、すべてを満たすマンションはなかなかないので、わが家は何をより重視するかを整理することが大切だ。

さらに、新築マンションを分譲する際に、デベロッパー側は、どういった世帯にこのマンションを買ってほしいかを想定する。都市部の利便性の高い立地なら共働き世帯を想定して、家事効率や収納の充実などの利便性に特徴を持たせる。郊外のマンションなら子育て世帯を想定して、子育てによい設備や間取りを多く採用する。こうした特徴の違いもあるので、マンションを探す際には、いろいろなタイプのマンションを見比べて、見る目を養うことも大切だろう。

●関連サイト
あなぶきホームライフ「乳幼児のいるご家庭にアンケート!マンション購入時と購入後の重視ポイントにはどんな変化があるのでしょうか?」
あなぶきホームライフ 公式サイト

福岡県・福岡市「住みたい街ランキング2023」駅1位は博多! 沿線は「西鉄天神大牟田線」に注目集まる

リクルートより「SUUMO住みたい街ランキング2023福岡県版/福岡市版(駅/自治体)」が発表された。福岡県在住の20歳〜49歳の男女1,600人にアンケート調査を行ったものだ。前回の2020年と比べてどんな変化があったのかも併せて紹介。約3年間での福岡の街の変化についても考察してみたい。

2023年「住みたい街(駅)」ランキングは、JR鹿児島本線「博多」が第1位!福岡県 住みたい街(駅)ランキング

福岡市の「博多」と北九州市の「小倉」がワンツートップ!
※今回の調査(2023年)では2020年調査と集計方法を変更しており、変更のあった対象駅。2023年は一定ルールのもと乗換可能な駅は駅名や路線が異なっても同一駅として得点を合算している

2023年の「住みたい街(駅)」ランキングでは「博多」駅が第1位を獲得した。九州の玄関口と言われる「博多」駅周辺は、福岡市による再開発プロジェクト「博多コネクティッド」によって、大きく変化している注目のエリアだ。

その一例が、以前はビジネス街が中心で落ち着いた印象であった「博多駅筑紫口」側の活況である。エリアのシンボルである「都ホテル博多」もプロジェクトのひとつとして2019年にリニューアル。最上階に天然温泉の屋外プールやスパ施設、2階には一般客も入りやすいレストランを有した“おしゃれなスポット”として認知されている。「博多」駅とも地下通路で直結され、今後ますます注目を集めそうだ。

博多駅筑紫口の「都ホテル博多」(写真/PIXTA)

博多駅筑紫口の「都ホテル博多」(写真/PIXTA)

ほかにも「博多」駅より延伸された屋根付きペデストリアンデッキで直結し、人気ベーカリーやおしゃれなイタリアンバルが入ったオフィスビル「博多深見パークビルディング(2021年2月完成)」、屋外広場やカフェバーを有し旧博多スターレーン跡地に誕生した「博多イーストテラス(2022年8月完成)」などが続々と誕生している。

福岡県の「穴場だと思う街(駅)」ランキングも「博多」が1位! 福岡県の総合ランキング24位「春日原」は10位に福岡県 穴場だと思う街(駅)ランキング

※今回の調査(2023年)では2020年調査と集計方法を変更しており、変更のあった対象駅。2023年は一定ルールのもと乗換可能な駅は駅名や路線が異なっても同一

駅として得点を合算している「交通利便性や生活利便性が高いのに家賃や物件価格が割安なイメージがある駅」という意味合いで、福岡県の「穴場だと思う街(駅)」を調査。その結果は「住みたい街(駅)」と同じく、「博多」駅が1位だった。

九州の玄関口である「博多」駅は福岡県のJR在来線・地下鉄が乗り入れ、福岡空港へも地下鉄で5~6分と、その利便性はいわずもがな。一方で駅から少し離れた徒歩圏内にはマンションやアパートが点在し、博多駅南や堅粕(かたかす)方面には家賃に値ごろ感のある物件も豊富。専門学校が多いので、学生が住める街であるのも「穴場の街」感をUPさせたポイントだ。

イルミネーションがきれいな博多駅(写真/PIXTA)

イルミネーションがきれいな博多駅(写真/PIXTA)

「住みたい街(駅)」では24位でありながら、「穴場の街(駅)」では10位と順位をあげてきたのは春日市の「春日原」駅。急行停車駅なので、西鉄天神大牟田線「福岡(天神)」駅からのアクセスは約9分。2024年には西鉄の高架化とそれにともなう駅周辺の再開発が完了。新しい街に生まれ変わる。

また、住宅価格の高騰が続く福岡市に比べて、家賃や住宅価格に値ごろ感があるのもうれしいところ。「春日原」駅から徒歩6分の「イオン大野城」には映画館もあるなど、施設面の充実もうれしいところだ。

「住みたい沿線」ランキング第1位は「JR鹿児島本線」、2位は「西鉄天神大牟田線」福岡県 住みたい沿線ランキング

「西鉄天神大牟田線」の人気の上昇にも注目

「住みたい沿線」ランキングでは、「JR鹿児島本線」と「西鉄天神大牟田線」が地下鉄各路線をおさえて、1位と2位に。特に近年住宅地として注目が集まるのは、福岡市の南部から南に延びる「西鉄天神大牟田線」で、なかでも沿線の「大橋」駅は「住みたい街(駅)」ランキングで2020年の9位から6位に順位を伸ばしたほどの人気ぶりである。

西鉄大牟田線「大橋」駅(写真/PIXTA)

西鉄大牟田線「大橋」駅(写真/PIXTA)

西鉄天神大牟田線の特急・急行が停車する「大橋」駅。「西鉄福岡(天神)駅」から5分程度と中心部へのアクセスの良さで人気があり、駅構内の「レイリア大橋」にはスーパーマーケットから、居酒屋、カフェ、ベーカリーなど飲食店、ファッション、生活雑貨、書店などの生活に欠かせない店舗がそろう。また、2022年にオープンした「ららぽーと福岡」へも「大橋」駅から直通バスが出ており10分程度でアクセスできることで、さらに人気が増したと思われる。

福岡県「住みたい自治体」ランキングでは「福岡市南区」「福岡市城南区」「北九州市小倉南区」の順位がアップ

福岡県 住みたい自治体ランキング

福岡県「住みたい自治体」ランキング1位は「福岡市博多区」。僅差で2位の「福岡市中央区」が続く形となった。

4位に順位をあげた「福岡市南区」は、注目の街(駅)の「大橋」駅が中心地のエリア。2023年4月、南区民の憩いの場所だった油山市民の森・油山牧場が、複合体験型アウトドア施設「ABURAYAMA FUKUOKA」にリニューアル。おしゃれなキャンプエリアも登場し、福岡市民からも注目される存在となった。「大橋」駅から「ABURAYAMA FUKUOKA」へは車で20分ほど。身近な場所に自然あふれる施設があるのも住環境としてこの上ないぜいたくだ。

「大橋」駅からも車で20分の「ABURAYAMA FUKUOKA」(写真/PIXTA)

「大橋」駅からも車で20分の「ABURAYAMA FUKUOKA」(写真/PIXTA)

8位に順位を上げた「福岡市城南区」は、地下鉄七隈線が博多駅まで延伸したことが大きい。天神方面・博多駅方面へのダブルアクセスがかない、交通の利便性がUP。福岡大学のお膝元「七隈」駅や落ち着いた住宅地である「梅林」駅周辺も注目が集まる存在となっている。

「小倉南区」はその郊外にカルスト台地が広がる平尾台があり、自然豊かなエリア。こちらも「ABURAYAMA FUKUOKA」同様に、身近なエリアで気軽にキャンプが楽しめるので、ファミリー層から認知や支持を集めているのかもしれない。

小倉南区の平尾台には美しいカルスト台地が広がる(写真/PIXTA)

小倉南区の平尾台には美しいカルスト台地が広がる(写真/PIXTA)

福岡市「住みたい街(駅)」ランキングは10位の「香椎」に注目。「住みたい自治体ランキング」1位は「福岡市中央区」福岡市民 住みたい街(駅)ランキング

※今回の調査(2023年)では2020年調査と集計方法を変更しており、変更のあった対象駅。2023年は一定ルールのもと乗換可能な駅は駅名や路線が異なっても同一駅として得点を合算している

福岡市民「住みたい街(駅)」ランキングで年々順位を上げているのは「香椎」駅だ。福岡市東区の中心地である「香椎」駅は、駅入口の朱色の大きな鳥居が象徴しているとおり、古くから親しまれ今も参拝者で賑わう「香椎宮」と共に発展した街。

福岡市東区民に愛される香椎宮(写真/PIXTA)

福岡市東区民に愛される香椎宮(写真/PIXTA)

駅周辺は、1999年から続いた大規模な再開発が完了しており、駅前ビル、道路、ロータリーが整備され、歩道は広く歩きやすくなった。また、「JR香椎」駅と「西鉄香椎」駅は徒歩2~3分と乗換可能な距離。隣駅の「千早」駅もJRと西鉄が乗り入れており、交通の利便性が非常に良い立地である。

福岡市民 住みたい自治体ランキング

さらに福岡市民「住みたい自治体ランキング」では「香椎」駅のある「福岡市東区」は第3位に浮上。福岡県「住みたい自治体」ランキング4位だった「福岡市南区」も同じく順位をあげ、福岡県民・市民の両方から「住みたい」と思われていることが分かった。

今後も、福岡市が中心とはなるが「天神ビックバン」「博多駅コネクティッド」「九州大学跡地の開発」など、さらなる開発が続いていく福岡県。これから人々の注目がどの街に集まり、どのように「住みたい街」が変化していくのか興味深く観察を続けていきたい。

●関連ページ
SUUMO住みたい街ランキング2023 福岡県版/福岡市版

賃貸住宅、省エネ性能が高いと”住み続けたい・家賃アップ許容”ともに7割超! 大家などの理解進まず供給増えない課題も 横浜市調査

猛烈に暑かった2023年の夏。過去126年でもっとも暑い夏だったという気象庁の発表を憶えている人も多いことでしょう。季節は移ろい、秋へと進んでいますが未だに暑く、「夜もエアコンつけっぱなし」という人もいるのでは。一方で、寒さ対策が不可欠な冬もあっという間にやってきます。そこで、今こそ大事になるのが「住まいの断熱化」。少しずつ世間の意識は高まっているものの、なかでも賃貸住宅における省エネ性能には課題がいっぱい。なかなか思うように進まない賃貸住宅の省エネ化、横浜市建築局住宅政策課の杉江知樹さん、横浜市住宅供給公社街づくり事業課の都出祐司さんらに話を聞くとともに、神奈川県横浜市が実施したデータとモニター調査などから実情を探ります。

暑さ寒さ対策には住まいの「省エネ性能」が大事。でも賃貸では普及せず

そもそも、住まいの「省エネ性能」といっても、ピンとくる人は少ないかもしれません。省エネ性能が高い家とは、断熱性や気密性が高いということ。それらが高いと、住む人にどのようなメリットがあるのでしょうか。

住まいの省エネ性能が高いと……
(1)少量のエネルギーで室温を保ちやすい →夏涼しく、冬暖かい
(2)使用エネルギーが少ないので省エネになる →電気代が抑えられる、二酸化炭素排出量を抑制できる

さらに、以下のようなメリットがあることが近年の研究でわかっています。

(3)結露が起きにくくなるためカビやダニの繁殖が抑えられアレルギーを軽減する
(4)部屋間の温度差が少なくなることで健康を維持しやすくなり、ヒートショックも抑制
(5)防音性能が高まり、生活音に悩まされることが減る

ほかにもいくつかあるのですが、端的にいうと、住む人が健康・快適で、エネルギー量が抑えられ、家計面、二酸化炭素排出量削減にも貢献できるというものです。近年はこうしたメリットが知られるようになり、持ち家の省エネ化は進んでいますし、なかでも注文住宅ではパッシブハウスのような超高気密・高断熱の住まいも増えつつあります。

断熱性を高めたうえ、太陽光発電などを備えた住まいが増えている(写真撮影/新井友樹)

断熱性を高めたうえ、太陽光発電などを備えた住まいが増えている(写真撮影/新井友樹)

■関連記事:
世界基準の超省エネ住宅「パッシブハウス」を30軒以上手掛けた建築家の自邸がスゴすぎる! ZEH超え・太陽光や熱エネルギー活用も技アリ

とはいえ、省エネ化が進んでいるのは「持ち家」が中心で、借りて住む、いわゆる「賃貸」では進んでいるとはいえない状況です。

理由はいくつかありますが、主には
(1)借り手・大家・金融機関ともに省エネ住宅のメリットを知らない
(2)住まいの省エネ化を進めなくても、入居者が決まる
(3)住まいを省エネ化するために、建築費が割高になる
(4)割高な建築費をかけて省エネ化しても、賃料に反映できるか不透明

要は賃貸住宅の高性能化、省エネ化のメリットが「知らない」「知られていない」のです。こうした背景があることから、建築費をかけてわざわざ高性能化、省エネ化をしなくともいい、と思われているのが現状です。

横浜市は「省エネ賃貸住宅モニター」事業を実施。でも、なんで?

実はこの状況、地方自治体にとって看過できるものではありません。なぜかといえば、日本は2050年までに「2050年カーボンニュートラル」を国際公約として掲げているからです。また、直近の目標として国では、「2030年の温室効果ガス排出削減目標 2013年度比46%削減」とし、横浜市では、これを上回る「2030年の温室効果ガス排出削減目標 2013年度比50%削減」を宣言しています。二酸化炭素排出量の削減は短期では実現できるものではありませんし、むしろ、あと7年と考えると「今、取り組まなければマズイ」という極めて厳しい状況といえます。

そのため、どこの地方自治体でも二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいますが、なかでもベッドタウンとして発展し、多くの住宅ストックを抱える横浜市は住宅、とりわけ賃貸住宅の省エネ性能の低さに着目しました。

横浜市では家庭から出る二酸化炭素排出量が最多という衝撃のデータ(データ提供/横浜市建築局住宅政策課(元の資料から一部加工))

横浜市では家庭から出る二酸化炭素排出量が最多という衝撃のデータ(データ提供/横浜市建築局住宅政策課(元の資料から一部加工))

「グラフを見てもらうと一目瞭然ですが、横浜市で最も二酸化炭素を排出しているのは家庭部門(住宅)からで、約3割にものぼっています。これは全国の他の市町村と比べても高い割合なんですね。また今ある住宅の課題として、耐震性やバリアフリー、省エネ性を高めていく試みをしていますが、二酸化炭素の排出量を見たときに、住宅から出る量を抑制しないことには、2050年のカーボンニュートラルは難しい。そのため、賃貸住宅の省エネ性能を高めることが本市の喫緊の課題となっているのです」(横浜市建築局住宅政策課・杉江知樹さん)

バリアフリー・省エネのいずれも満たす住宅は、持家4%に対して借家0.5%。耐震を満たしていない物件は17%にも(データ提供/横浜市建築局住宅政策課(元の資料から一部加工))

バリアフリー・省エネのいずれも満たす住宅は、持家4%に対して借家0.5%。耐震を満たしていない物件は17%にも(データ提供/横浜市建築局住宅政策課(元の資料から一部加工))

そのために、まず「省エネ性」を高めると「住む人にはどのようなメリット」があるのか、あらためて可視化し、周知徹底をする必要があると考えたそう。周知するにしても、まずは確実なデータが必要ということで、横浜市の賃貸住宅のなかでも断熱等級4以上の省エネ性能の高い賃貸住宅で生活する人を対象にして、モニターを募集。約1年間かけて「横浜市省エネ賃貸住宅モニター事業」を実施したのだとか。モニターには、年4回のWEBアンケート、1年分の室温の測定と記録、電気とガスの使用量の提供をお願いしたそう。いわゆる「室温と光熱費の可視化」になります。

「現時点で、市内で省エネ性能が高い賃貸物件は多くはないのと、自宅がどの程度の省エネ性能かを知らない・関心がないという人も多い中、どの程度、協力を得られるか未知数だったのですが、地道にモニターにご参加いただける方を探し、結果として42組にご参加いただきました。総数としては多くはありませんが、電気代の記録や満足度など、得られたデータは非常に貴重で、大きな手応えがありました」(横浜市建築局住宅政策課・杉江さん)

きっかけはコロナ禍での在宅時間の増加。温熱環境で改善されストレス軽減

横浜市鶴見区の賃貸住宅に住む稲子さん(40代女性)も、このモニター調査に協力した一人です。欧米の断熱基準と比較しても見劣りしない断熱等級6、HEAT20でいうとG2グレードに該当し、賃貸住宅ではレア中のレア物件。2021年から入居し、室内温度や防音性などに満足していて、今後も住み続ける予定だといいます。ただ、もともと住まいの省エネ性能に関心があったわけではなく、暮らしてみてはじめてその「快適さ」に驚きました。

「以前は東京都内の賃貸に暮らしていましたが、光も入らない狭い空間で、圧迫感があって。コロナ禍で外出もままならなかったので、とにかく住環境をアップグレードさせたいという思いで住まい探しをはじめました。ここはデザインに惹かれて見学しにきたんですが、すぐにピンときて。その場で申し込みました」(稲子さん)

最寄り駅は東急東横線の綱島駅ですが、まったく土地勘もなかったそう。バス便で、さらに周辺の家賃相場と比較すると1.2~1.3倍ほど高い賃料設定ですが、十分に満足しているといいます。

「性能がよいためか、窓が大きいのに室温はおどろくほど安定しています。真夏も真冬も経験しましたが、こんなにも違うのか、とびっくりしました。音も気にならず、家に感じていたストレスがかなり軽減されました」(稲子さん)

稲子さんが住む賃貸住宅は、2020年築の木造、31平米。窓辺のグリーンや器などで暮らしを楽しんでいます(写真撮影/片山貴博)

稲子さんが住む賃貸住宅は、2020年築の木造、31平米。窓辺のグリーンや器などで暮らしを楽しんでいます(写真撮影/片山貴博)

今回、横浜市の賃貸モニターに参加したことで、ガス代や電気代を記録するようになり、現在もその習慣を続けているそう。昨今、電気料金の高騰が叫ばれている中、連日35度を超えていた7月でも4000円弱、使用量にしても123kWでした。

横浜市のモニター調査に協力したことで、記録する習慣がついたそう(写真撮影/片山貴博)

横浜市のモニター調査に協力したことで、記録する習慣がついたそう(写真撮影/片山貴博)

「シングルの家って手狭だからエアコンをつければすぐに涼しくなるので、あまり省エネなどを気にしたことはなかったんですね。ただ、もともとエアコンが好きじゃないから、この家でも窓を開けて暮らしていたんですが、そうすると外の音がうるさくって、湿度も高くなってしまって。そこで、ためしに窓を閉めて生活をしてみたんです。するとエアコンは入れずとも、室温はずっと快適に保たれて、午前中はつけなくてもいいくらいでした」といい、快適さに驚いたといいます。

外気温35度を上回る灼熱の日。窓はもちろん、省エネ性能の高い複層ガラス&樹脂サッシ!!(写真撮影/片山貴博)

外気温35度を上回る灼熱の日。窓はもちろん、省エネ性能の高い複層ガラス&樹脂サッシ!!(写真撮影/片山貴博)

さすがに窓の温度は33度でしたが(写真撮影/片山貴博)

さすがに窓の温度は33度でしたが(写真撮影/片山貴博)

床の温度は26度(写真撮影/片山貴博)

床の温度は26度(写真撮影/片山貴博)

室温はだいたい26度に保たれていて、気密性も高いので室内も本当に静かです(写真撮影/片山貴博)

室温はだいたい26度に保たれていて、気密性も高いので室内も本当に静かです(写真撮影/片山貴博)

住宅好きだからこそ見つけた家。平均値で「断熱等級4」になってほしい

今回、もう1組、モニターとして協力してくれたHさんご家族にも話を聞きました。

Hさん一家が住む賃貸住宅は2019年築の鉄骨造、45平米。(写真撮影/片山貴博)

Hさん一家が住む賃貸住宅は2019年築の鉄骨造、45平米。(写真撮影/片山貴博)

横浜市神奈川区にあり、こちらは日本の持ち家では一般的な断熱等級4に相当します。この4とは2025年にはすべての新築住宅に適合が義務化される基準ですが、現時点の既存住宅では満たしていないのがほとんどです。Hさんご夫妻は結婚をきっかけに住まいを探し始めました。

こちらのお住まいも複層エコガラス(R)&アルミと樹脂の複合サッシ。断熱性能が高く、早春の朝でも寒さを感じなかったそう(写真撮影/片山貴博)

こちらのお住まいも複層エコガラス(R)&アルミと樹脂の複合サッシ。断熱性能が高く、早春の朝でも寒さを感じなかったそう(写真撮影/片山貴博)

省エネは家探しの条件にはありませんでしたが、妻はもともと間取りを見ることや家探しが好きで、SUUMOなどを日常的に閲覧していたとのこと、夫は大学で建築について学んでいたことで窓や構造に関する知識があったそう。

「住んだあとから変えられない、周辺環境、窓や壁、動線を重点的に確認しました。省エネや温熱環境について言うと、正直、今回のモニターに協力するまであまり意識しませんでした。ただ、印象に残っているのが、引越してきてすぐのときに感じた室内の暖かさでしょうか。3月だったのですが、前の家だと朝暖房を使って帰ってきたとき室内が寒かったのが、ここでは帰ってきても暖かかった。それはすごく印象に残っています」(夫)

湿度が高いと感知する息子くん。子どもが泣いているときに、その理由がわかるのは心強いですね(写真撮影/片山貴博)

湿度が高いと感知する息子くん。子どもが泣いているときに、その理由がわかるのは心強いですね(写真撮影/片山貴博)

「1年間、モニターをしてみて、すべてつじつまがあったな、というのが実感です。なんとなく暖かいね、寒いね、というのが数字でクリアに現れたのでびっくりしました。子どもが泣くのでどうしたんだろうと思ったら暑かったりとかして。あとは窓の性能がしっかりしているのか、周辺の生活音が聞こえてこなくて、静かなのでびっくりしています」(妻)

8月のエアコンのついていない部屋でも28度。ちょっと暑いが過ごせないほどではない(写真撮影/片山貴博)

8月のエアコンのついていない部屋でも28度。ちょっと暑いが過ごせないほどではない(写真撮影/片山貴博)

サッシ部分は30度超(写真撮影/片山貴博)

サッシ部分は30度超(写真撮影/片山貴博)

8月19日の13時ごろ。外気温は36度を超える猛暑日でしたが、ガラス部分で30度弱。省エネはやはり窓からですね(写真撮影/片山貴博)

8月19日の13時ごろ。外気温は36度を超える猛暑日でしたが、ガラス部分で30度弱。省エネはやはり窓からですね(写真撮影/片山貴博)

今回の家探しは、2人の今までの賃貸での失敗や経験、知識を活かしましたが、感想としては、「賃貸住宅のアベレージ(平均値)でこれくらいの住まいになってほしい」と夫。

今回2組に取材しましたが、声をそろえて「当たり前になってほしい」「もう、以前のような(断熱性能に配慮されていない)賃貸住宅には住めない」とおっしゃっていました。住宅探し時の条件には入っていないけれど、省エネ性能の高い住まいに暮らしてしまうと、もう元の住まいには戻れない、それくらい心地がよいようです。

満足度と居住意向の高さはデータでも! では、大家さんの意見は?

こうした満足度の高さは、アンケート結果ではより鮮明になっています。
「省エネ賃貸住宅全体で、住んでいる人の満足度が高いことがわかっていますし、長く住み続けたいという意向も明らかになっています。大家さんからみたときには、物件の差別化ができ経営が安定することにつながります。住んでいる人にとっても、大家さんにとってもメリットが大きいということが改めて把握できました」(横浜市住宅供給公社街づくり事業課・都出さん)

省エネ賃貸住宅は、遮音、断熱、室内の暖かさに満足している結果に

省エネ賃貸住宅は、遮音、断熱、室内の暖かさに満足している結果に

遮音、断熱性、部屋の暖かさといった点で、一般的な賃貸住宅と省エネ賃貸住宅で圧倒的な差がついています(一般賃貸5割強、省エネ賃貸住宅9割超)(データ提供/横浜市建築局住宅政策課(元の資料から一部加工))

(データ提供/横浜市建築局住宅政策課(元の資料から一部加工))

(データ提供/横浜市建築局住宅政策課(元の資料から一部加工))

意外!? 光熱費が抑制できれば家賃がアップしてもかまわない結果も!

意外!? 光熱費が抑制できれば家賃がアップしてもかまわない結果も!

光熱費が抑制できる分、家賃が高くなっても許容できると答えた人が73.2%も。「知り、体感する」ことで納得度が増すのでしょう(データ提供/横浜市建築局住宅政策課(元の資料から加工))

省エネ賃貸住宅は「ずっと住みたい」と思える家!大家さんがもっとも嫌う空室リスクを低減

省エネ賃貸住宅は「ずっと住みたい」と思える家!大家さんがもっとも嫌う空室リスクを低減

省エネ賃貸住宅ではなんと75%の人が住み続けたいという。劇的な差ですね(データ提供/横浜市建築局住宅政策課(元の資料から一部加工))

では、大家側さん、物件を所有する人からみたときには、省エネ性能を高めるには、どのような課題があるのでしょうか。賃貸住宅「パティオ獅子ヶ谷19号館」を手掛けた、岩崎興業地所の岩崎さんにお話を伺いました。

「弊社は横浜市内と東京都内に不動産を抱え、賃貸経営や不動産企画・管理業をしており、バス便立地、築年数30~40年の物件を多数抱えています。物件の差別化、または付加価値という意味で、リノベなども手掛けきており、以前から省エネ性・断熱性について関心がありました。新築の物件を建てるにあたり、建築家の内山章先生に相談して手掛けたのが、パティオ獅子ヶ谷19号館です。ただ、大家の視点でいうと、省エネ性だけで訴求するのはまだまだ難しいというのが正直な感想です。内山先生のデザイン性、住みたいと思う人のプロフィールや背景を想像して、丁寧に戦略を立てたことが奏功しました」(岩崎さん)

と率直に話します。また物件は2021年築ですが、まだまだ「最新事例」として紹介されます。クルマなどであれば例年のように新モデルが登場しますが、住宅、なかでも賃貸住宅では、断熱等級の高いものは「レア」な存在です。裏を返せば、圧倒的な競争優位性を保っていることになります。

「ただ、正直にいえば、ワンルームや一人暮らし用の賃貸では、ある程度立地条件が良ければ省エネ性を高めなくとも入居者が決まるというのが、現実だと思います。それほど省エネ性能の認知度や重要度はやはり高くないのです。あと、個人的にいえば、ネックになっているのは金融機関ではないでしょうか。省エネ性能を高めた結果、建築費が2~3割割高になりますが、競争優位性も高まります。しかし、それで金融機関の融資がおりるかというと、実際はかなり厳しい。手間も時間もかかりますよね」(岩崎さん)といい、よほどの使命感か情熱がある人でないと、まず難しいというのが省エネ賃貸住宅を建てる側のホンネのようです。

お金を持っているところが強いというのは、いつの時代も真実ですよね。ただ、これは制度や世の中の流れという後押しがあれば、変わることも十分ありえます。

ひとつは2025年、省エネ性能に関わる断熱性能が義務化されるようになり、新築住宅では「等級4」(Hさん一家宅と同水準)が最低基準になります。賃貸住宅であっても、「等級4」を満たさない水準の住まいは建てられなくなります。競争優位性を保つために等級5や等級6(稲子さん宅と同水準)の事例が出てくれば、賃貸物件も徐々に高性能化が進むことでしょう。

もう一つは、若い世代の台頭です。SNSでも、住まいについての情報収集が容易になった今、Hさん夫妻のように、住宅についての知識を蓄えた人が、「住まいの選別」をはじめています。また、若い世代ほど、環境についての問題意識は高いもの。クルマや家電に省エネ性能が求められるように、賃貸住宅も「省エネ性能が高くないと戦えない」という時期に近づいていると感じます。

また。金融機関もESG投資(環境や社会に配慮して事業を行っていて、適切なガバナンス(企業統治)がなされている会社への投資)のひとつとして、「省エネ賃貸住宅」に積極的に融資を行うようになるかもしれません。

夏の暑さ、冬の寒さ、電気代の高騰に振り回されないために。また、2050年カーボンニュートラルという大きな目標のために。今こそ大人世代の行動や決断が問われているときなのかもしれません。

●取材協力
横浜市建築局住宅政策課
横浜市住宅供給公社
岩崎興業地所株式会社

一人暮らしで買った家具、人気の家具ショップビッグ3とは?家具への意識はどう変化している?

クレアスライフが、自社が運営するマンションに住んでいる一人暮らし中の男女599人に、インテリア・収納に関するアンケートを実施した。一人暮らしの家具はどこで何を買うかがテーマなのだが、どこでどんな家具を買ったのだろうか?詳しく見ていくことにしよう。

【今週の住活トピック】
都内599人にインテリア・収納に関するアンケート調査を実施/クレアスライフ

入居後に購入した家具のトップは、「カーテン・ブラインド」

最近、一人暮らしでInstagramなどのSNSを参考に、インテリアにこだわる人が多いという調査結果をよく見かける。筆者も「コロナ禍でインテリアへの関心が高まる!20代から50代まで幅広い層がインスタを参考に」や「Z世代の一人暮らしの特徴って? 重要なのは家賃、インテリアは”映える”韓国風がトレンド」といった記事を書いた。

今回は、家具はどこで何を買うかを調査した結果を見ていきたい。まず「今住んでいる住居に入居した際に新しく購入した家具があれば、何を購入したか」を聞いている。その結果、上位には「カーテン・ブラインド」(16.5%)、「ベッド」(14.6%)、「テーブル」(12.4%)が挙がった。

出典/クレアスライフ「インテリア・収納に関するアンケート調査」より転載

出典/クレアスライフ「インテリア・収納に関するアンケート調査」より転載

引っ越し後に購入したもののTOPに挙がることが多いのが、「カーテン・ブラインド」だ。住居によって、窓の形や大きさが異なるため、持っているものでは合わないことが多いからだ。といっても、近年は街を歩いていると、窓に何もかけていない住宅を多く見かけるようになった。16.5%という数値は思ったよりは多くないのだが、近年のそうした影響を受けてのことではないかと思う。

逆に意外だったのが、「照明」が5.1%と少ないことだ。住宅を買う場合は自身で照明を設置することが多いが、賃貸の場合は、照明は貸主側で取り付けている場合もあれば、借主が自身で手配してつける場合もある。今回の調査では、貸主側で設置済みの場合が多いということだろう。

一人暮らしの人気家具ショップ、ニトリ・無印良品・IKEA

次に、「今住んでいる住居に入居した際に新しく購入した家具があれば、どこのインテリアショップで購入したか」を聞いている。その結果を見ると、圧倒的に人気が高いのは「ニトリ」(34.4%)だ。性別・年代別に分析した結果を見ると、ニトリは、そのなかでも特に男性に人気が高いことが分かる。

出典/クレアスライフ「インテリア・収納に関するアンケート調査」より転載

出典/クレアスライフ「インテリア・収納に関するアンケート調査」より転載

出典/クレアスライフ「インテリア・収納に関するアンケート調査」より転載

出典/クレアスライフ「インテリア・収納に関するアンケート調査」より転載

どうやら、ニトリと無印良品、IKEAは3大人気家具ショップということになりそうだ。たしかに、シンプルなデザインで、リーズナブルな価格という共通点がある。ただし、それぞれに違いもある。

ニトリと無印良品は、日本の企業で全国に店舗数が多いという共通点があるが、無印良品の方がよりナチュラルなデザインで、価格はニトリより高めという印象だ。また、IKEAは北欧スウェーデン発祥で、よりおしゃれなデザインが特徴。郊外に大型店舗が多く、まとまった数のものを安く売るというスタイルなので、車のあるファミリーのほうが好むのかもしれない。

また、20代・30代の女性では、よりデザイン性の高い「Francfranc」の購入者も多いので、おしゃれなものを好む傾向があるといえそうだ。

さて、今回の調査結果で挙がった家具ショップのなかで、「LOWYA」(ロウヤ)と「KEYUCA」(ケユカ)は筆者には馴染みの薄いブランドだ。LOWYAもKEYUCAも、日本企業が2000年代にオープンしたブランド。LOWYAはオンライン販売が中心で、KEYUCAは東京都や神奈川県を中心に全国に店舗をもつ。いずれも、シンプルでリーズナブルという点で、ビッグ3と共通している。

手軽なDIYもインテリアには必要?

さて、「部屋のリフォームや家具作りなどのDIYに興味があるか」聞いたところ、過半数の52.6%がある(「興味関心があり、実践している」6.2%+「興味関心があり、今後やりたいと思っている」9.8%+「興味関心があるが、賃貸なのでできないと思っている」36.6%)と回答している。

現在行っている、あるいは今後行いたいDIYがどんなものかを聞くと、「収納を作る」が最多の30.1%で、次いで「剥がせる壁紙を貼る」20.3%、「置き敷きできる床材を使用する」19.4%の順となった。

出典/クレアスライフ「インテリア・収納に関するアンケート調査」より転載

出典/クレアスライフ「インテリア・収納に関するアンケート調査」より転載

ポイントは、賃貸でも可能という点だ。特に、「剥がせる壁紙」と「置き敷きできる床材」は、賃貸でもできるDIYニーズに応えて、DIY商材が豊富になってきたもの。賃貸の退去時に、貼った壁紙を剥がしたり、敷いた床材をはずしたりすればいいので、原状回復を気にせずにDIYで自分らしく部屋を演出できる。

収納も、独立した収納ボックスなどを組み立てて設置するだけでなく、最近は壁にピンで止めるだけで飾り棚になる商品もある。実はマイホームではあるが筆者も、DIYに自信がないので、無印良品のピンで取り付ける飾り棚を付けた。といっても、飾っているのは好きな落語家のサイン入り色紙なのだが…。

対面型キッチンの上部の空間に飾り棚を取り付けた(筆者撮影)ちなみに、左から三遊亭兼好、春風亭一之輔、桃月庵白酒

対面型キッチンの上部の空間に飾り棚を取り付けた(筆者撮影)ちなみに、直筆色紙は左から三遊亭兼好、春風亭一之輔、桃月庵白酒

調査結果を見ると、20代・30代が多い一人暮らしの場合、高級で高価格な家具ではなく、シンプルで低価格な家具を購入する人が多いということが分かる。一人暮らしの部屋はそれほど広さがないので、テーブルで仕事も食事もするのかといった暮らし方を考慮したり、収納スペースを考慮して収納付きのベッドにしたりと、さまざまな工夫が必要だろう。

最近は、インスタ映えするインテリアのコーナーを設けるなどのニーズもあるようなので、自身のセンスを見せるためにも、家具やインテリアにこだわったり、自分らしいDIYを行ったりすることも大切になる。さて、あなたはどんな家具を選ぶのだろうか?

●関連サイト
クレアスライフ「都内599人にインテリア・収納に関するアンケート調査を実施」

【梅田駅30分以内】家賃相場が安い駅ランキング2023年。1位は3万円台、兵庫・西宮市の駅

関西随一の繁華街といえば大阪市北区の梅田だろう。大型商業施設が林立し、オフィスビルも多数あるため観光客やビジネスマン、近隣住民など多くの人が日々行き交っている。そんな梅田エリアの中心地、梅田駅周辺のシングル向け賃貸物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件)の家賃相場は7万2000円。「SUUMO住みたい街ランキング2023 関西版」で2年連続の1位になった人気エリアだけあり、大阪市内でも家賃相場は高額だ。そんな梅田駅までアクセスしやすく、かつ家賃相場がリーズナブルな駅はどこだろう……? 梅田駅まで30分圏内にある、シングル向け賃貸物件の家賃相場が安い駅トップ15を見ていこう。

梅田駅まで電車で30分以内の家賃相場が安い駅TOP15

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/梅田駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 武庫川団地前 3.9万円(阪神武庫川線/兵庫県西宮市/30分/1回)
2位 萱島 4万円(京阪本線/大阪府寝屋川市/21分/1回)
3位 大和田 4.2万円(京阪本線/大阪府門真市/29分/2回)
4位 寝屋川市 4.25万円(京阪本線/大阪府寝屋川市/25分/2回)
5位 四条畷 4.3万円(JR片町線/大阪府大東市/30分/1回)
6位 上新庄 4.5万円(阪急京都本線/大阪府大阪市東淀川区/18分/1回)
6位 瑞光四丁目 4.5万円(大阪メトロ今里筋線/大阪府大阪市東淀川区/29分/1回)
8位 南千里 4.55万円(阪急千里線/大阪府吹田市/30分/2回)
8位 大日 4.55万円(大阪メトロ谷町線/大阪府守口市/24分/0回)
10位 住道 4.6万円(JR片町線/大阪府大東市/26分/1回)
10位 香里園 4.6万円(京阪本線/大阪府寝屋川市/29分/1回)
12位 だいどう豊里 4.7万円(大阪メトロ今里筋線/大阪府大阪市東淀川区/27分/1回)
12位 下新庄 4.7万円(阪急千里線/大阪府大阪市東淀川区/19分/2回)
14位 JR総持寺 4.8万円(JR東海道本線/大阪府茨木市/21分/1回)
15位 相川 4.9万円(阪急京都本線/大阪府大阪市東淀川区/20分/1回)
15位 鴻池新田 4.9万円(JR片町線/大阪府東大阪市/25分/1回)

1位は3万円台! 買い物環境に恵まれた、兵庫県西宮市の駅がランクイン

梅田駅には大阪メトロ御堂筋線が通っているほか、すぐ近くにはJRの大阪駅、阪急電鉄と阪神電鉄の大阪梅田駅、大阪メトロの谷町線・東梅田駅と四つ橋線・西梅田駅、さらにはJR東西線の北新地駅が密集している。今回の調査ではそうした近接駅から梅田駅に徒歩で行くルートも含めて「梅田駅まで30分圏内」にある駅のうち、一人暮らし向け賃貸物件(専有面積10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場が安い駅をランキングした。

武庫川団地前駅(写真/PIXTA)

武庫川団地前駅(写真/PIXTA)

調査の結果、1位には阪神武庫川線・武庫川団地前駅が家賃相場3万9000円でランクイン。まず武庫川駅に出てから阪神本線の区間急行に乗り換えて大阪梅田駅まで約26分、そこから徒歩で梅田駅まで約4分なので、所要時間は計約30分だ。武庫川団地前駅は兵庫県西宮市の湾岸部に位置し、駅名通りに駅周辺にはUR賃貸住宅の武庫川団地が広がっている。5000世帯以上が住む大規模団地のため、周辺にはショッピングセンター「メルカードむこがわ」やショッピングモール「ムコダンモール」をはじめ住民の暮らしを支える施設が充実。緑豊かな公園や温泉使用のスーパー銭湯もあり、ご近所で気軽に息抜きできるのも嬉しいところ。駅前からバスに乗れば10分弱で、「ららぽーと甲子園」や「阪神甲子園球場」にも行くことができる。

阪神甲子園球場(写真/PIXTA)

阪神甲子園球場(写真/PIXTA)

2位は大阪府寝屋川市にある京阪本線・萱島(かやしま)駅で、家賃相場は4万円。京阪本線の通勤準急で淀屋橋駅に向かい、大阪メトロ御堂筋線に乗り換えると計約21分で梅田駅に到着する。高架駅である萱島駅は、ホーム床と屋根を突き抜いて樹齢約700年のクスノキの大木がそびえていることで知られている。駅にはお惣菜や持ち帰り握り寿司、こだわりのパンなどを扱う駅ナカ商店「もより市」が併設され、高架下には100円ショップやドラッグストア、飲食店が並ぶ商店街「エル萱島」「エル萱島東」がある。駅前にも飲食店が点在し、徒歩10分圏内にスーパーが複数。また、タイムスリップしたような昭和レトロな雰囲気が残る「京阪トップ商店街」も、住むからには一度は訪問しておきたい。駅から東に自転車で10分ほど進むと、ファッションや家電のショップから飲食店街に映画館まで備えた「イオンモール四條畷」があるのも便利だろう。

3位は大阪府門真市にある京阪本線・大和田駅で、家賃相場は4万2000円。2位にランクインした萱島駅の隣駅だが、大和田駅には通勤準急が停車しないため淀屋橋駅まで最短で行くには京阪本線の普通列車と準急を乗り継ぐ。そこから大阪メトロ御堂筋線に乗るため、梅田駅までは乗り換え2回・所要時間は約29分となる。とはいえ大和田駅から区間急行1本で淀屋橋駅に向かってから大阪メトロ御堂筋線に乗る「乗り換え1回」のルートでも、梅田駅まで計約32分だ。大和田駅の改札内には駅ナカコンビニがあるほか、高架下がドラッグストアや100円ショップ、飲食店が並ぶ商店街「エル大和田」になっている。駅の北側にも南側にも複数のスーパーがあるほか、駅から南へ徒歩13分ほどの国道163号沿いには家電量販店やホームセンターも。映画館を備えた「イオンモール大日」と産直市場やクリニックもある「ベアーズ」という2つのショッピングモールが隣接する8位・大日駅前にも、自転車なら大和田駅から13分ほどでたどり着く。

家賃相場の安さに加え、梅田駅までの所要時間や電車賃もチェック!

6位には家賃相場が同額の4万5000円で2つの駅がランクイン。そのうち阪急京都本線・上新庄駅は梅田駅までの所要時間が、トップ15で最短の約18分だった。まず3駅隣の南方駅に出て、そこから徒歩で西中島南方駅へ。そして大阪メトロ御堂筋線に乗ると2駅目が梅田駅だ。乗り換え駅の西中島南方駅から梅田とは逆方面に進むと、1駅目が東海道新幹線も通る新大阪駅というのも便利なところ。また、上新庄駅から阪急京都本線1本でも大阪梅田駅まで約15分、そこから徒歩約8分の梅田駅までは計約23分で行くことが可能だ。

そんな6位・上新庄駅は大阪市東淀川区に位置し、同じく6位になった大阪メトロ今里筋線・瑞光四丁目駅までは歩いて15分ほど。生活圏がかぶっているので家賃相場が同額なのも納得だろう。上新庄駅は北と南に出口があり、特に駅南側には多くの飲食店が建ち並んでいる。にぎやかな繁華街がある一方で、スーパーや家電量販店、住宅も駅近くにあるので、日常生活圏内であれこれと食べ歩きが楽しめそうだ。

大日駅(写真/PIXTA)

大日駅(写真/PIXTA)

トップ15で唯一、梅田駅まで「乗り換え0回」となったのは、8位にランクインした大阪メトロ谷町線・大日駅だ。乗り換え0回だが大阪メトロ谷町線は梅田駅に乗り入れていないため、大日駅より約19分の東梅田駅で降りてから徒歩約5分の梅田駅に向かうルートを通って、所要時間は計約24分・乗り換え0回との結果になっている。この大日駅は大阪府守口市に位置し、家賃相場は4万5500円。前出の3位・大和田駅の紹介部分で述べたように、駅前には映画館を備えた「イオンモール大日」と産直市場やクリニックもある「ベアーズ」という2つのショッピングモールがある便利な環境。駅西側には市水道局の浄水場やパナソニック系列企業の敷地が広範囲な面積を占めており、住宅地は主に駅の東側に。駅から北に10分少々歩くと淀川の河川敷が広がり、気軽に自然に親しめる環境でもある。

住道駅(写真/PIXTA)

住道駅(写真/PIXTA)

トップ15からもう1駅、10位にランクインしたJR片町線・住道(すみのどう)駅をピックアップしよう。この駅で注目したい点は、梅田駅までの電車賃がトップ15で最安の230円というところ。交通費が支給される会社員だと電車賃はあまり気にならないだろうが、会社は別の場所だけれど梅田に通いやすい場所に住みたい人や交通費も自腹の学生などにとっては電車賃も見逃せないもの。たとえば香里園駅の家賃相場は住道駅と同じ4万6000円だが、所要時間約29分・乗り換え1回で梅田駅に向かうルートの場合の電車賃は540円。住道駅~梅田駅の230円に比べて2倍以上もかかり、何度も梅田駅に通うならばジワジワと懐に響いてくるはず。住まいを探す際に、よく使うルートの交通費にも気を付けたほうがよさそうだ。

さて、10位・住道駅から梅田駅に230円で向かうルートを確認しておこう。まずJR片町線快速で京橋駅に行き、JR大阪環状線(内回り)で大阪駅へ。そこから歩いて梅田駅に向かうと計約26分で到着する。そんな住道駅は大阪府大東市に位置し、大東市役所の最寄り駅でもある。駅周辺には市民会館や、中央図書館と文化ホールを備えた市立総合文化センターも。駅に直結してショッピングセンター「アルビ住道」があり、ベーカリーや惣菜店、スイーツ店やスーパーなどのグルメ関係の店舗をはじめ、ドラッグストアや衣料品店「しまむら」も館内に並ぶ。駅の南側には市立の小中学校や公園があり、その先が住宅街。駅北側は寝屋川と恩智川の合流地点となっており、駅前広場から続く大橋を渡った先には京阪百貨店と約100の専門店からなる「ポップタウン住道オペラパーク」が広がる。敷地内にはファッション関係から生活用品、食品関係の店舗からレストランまで揃っているので、遠出しなくても買い物や食事が楽しめるだろう。

17位~28位

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている梅田駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2022/12~2023/6
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンションのうち普通借家契約の物件のみ)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2021年3月31日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

【梅田駅30分以内】中古マンション価格相場が安い駅ランキング2023年。TOP3に2000万円以下で乗り換え0回の駅も!

「SUUMO住みたい街ランキング2023 関西版」で、2年連続で1位に輝いた梅田駅。関西随一のビジネス・商業の拠点といえる繁華街としてだけでなく、近年は“暮らす街”としても注目を高めている。とはいえ梅田駅周辺にあるカップル・ファミリー向け中古マンション(専有面積50平米以上~80平米未満)は、価格相場が5980万円と高額。そこで、便利な梅田にアクセスしやすくて物件価格はリーズナブルな街を調査! 梅田駅まで30分圏内にある、中古マンションの価格相場が安い駅トップ15をチェックしよう。

梅田駅まで電車で30分以内の中古マンション価格相場が安い駅TOP15

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/梅田駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 萱島 1930万円(京阪本線/大阪府寝屋川市/21分/1回)
2位 大和田 1980万円(京阪本線/大阪府門真市/29分/2回)
3位 園田 1989万円(阪急神戸本線/兵庫県尼崎市/19分/0回)
4位 北伊丹 2030万円(JR福知山線/兵庫県伊丹市/26分/1回)
5位 出来島 2080万円(阪神なんば線/大阪府大阪市西淀川区/22分/1回)
5位 加美 2080万円(JR関西本線/大阪府大阪市平野区/28分/1回)
5位 千船 2080万円(阪神本線/大阪府大阪市西淀川区/13分/0回)
8位 福 2120万円(阪神なんば線/大阪府大阪市西淀川区/23分/1回)
9位 岸里 2180万円(大阪メトロ四つ橋線/大阪府大阪市西成区/15分/1回)
10位 花園町 2190万円(大阪メトロ四つ橋線/大阪府大阪市西成区/14分/1回)
11位 七道 2280万円(南海本線/大阪府堺市堺区/30分/1回)
12位 住之江公園 2290万円(大阪メトロ四つ橋線/大阪府大阪市住之江区/23分/1回)
13位 古川橋 2335万円(京阪本線/大阪府門真市/27分/2回)
14位 徳庵 2380万円(JR片町線/大阪府東大阪市/23分/1回)
15位 岸里玉出 2448万円(南海本線/大阪府大阪市西成区/23分/1回)

トップ3は価格相場2000万円以下ながら、梅田まで乗り換え0回の駅も

梅田駅には大阪メトロ御堂筋線が通っているほか、すぐ近くにはJRの大阪駅、阪急電鉄と阪神電鉄の大阪梅田駅、大阪メトロの谷町線・東梅田駅と四つ橋線・西梅田駅、さらにはJR東西線の北新地駅が密集している。今回の調査ではそうした近接駅から梅田駅に徒歩で行くルートも含めて「梅田駅まで30分圏内」にある駅のうち、中古マンション(専有面積50平米以上~80平米未満)の価格相場が安い駅をランキングした。例えば、ランキング3位になった園田駅の場合、阪急神戸本線で大阪梅田駅まで約11分、そこから徒歩で梅田駅まで約8分なので所要時間は約19分(乗り換え0回)としている。

そうして調査した結果、1位には大阪府寝屋川市にある京阪本線・萱島(かやしま)駅が、価格相場1930万円でランクイン。まず京阪本線の通勤準急で淀屋橋駅に向かい、大阪メトロ御堂筋線に乗り継ぐと計約21分で梅田駅にたどり着く。寝屋川をまたぐように立つこの駅は、一見すると普通の駅だけれど大阪方面行きのホームに大きな特徴がある。それは高架駅のホーム床と屋根を突き抜いて、樹齢約700年のクスノキの大木がそびえていること。駅の高架下にたたずむ「萱島神社」のご神木であるクスノキを保存するため、このような変わった造りの駅になったそう。

萱島駅(写真/PIXTA)

萱島駅(写真/PIXTA)

そんな萱島駅は、お惣菜や持ち帰り握り寿司、こだわりのパンなどを扱う駅ナカ商店「もより市」を併設。高架下は商店街「エル萱島」「エル萱島東」となっており、100円ショップやドラッグストア、飲食店が並んでいる。駅前にも飲食店が点在し、徒歩10分圏内にスーパーも複数。また、昭和レトロな商店街があることでも知られ、生活感が感じられる街並みだ。駅から東に自転車で10分ほど進むと、ファッションや家電のショップから飲食店街に映画館まで備えた「イオンモール四條畷」があるのも便利だろう。

2位は大阪府門真市にある京阪本線・大和田駅で、価格相場は1980万円。梅田駅まで乗り換え1回で行ける1位・萱島駅の隣駅だが、こちらは乗り換えが2回で梅田駅まで約29分という結果に。これは萱島駅と違って大和田駅には通勤準急が停車しないため。梅田駅に向かう大阪メトロ御堂筋線に接続する淀屋橋駅まで最速で行くには、京阪本線の普通列車と準急を乗り継ぐ必要があるのだ。とはいえ大和田駅から区間急行1本で淀屋橋駅に向かってから大阪メトロ御堂筋線に乗る「乗り換え1回」のルートでも、梅田駅まで計約32分で行くことができる。

大和田駅の改札内には駅ナカコンビニがあるほか、高架下がドラッグストアや100円ショップ、飲食店が並ぶ商店街「エル大和田」になっている点は萱島駅と造りが似ている。線路を挟んで北側にも南側にも複数のスーパーがあり、それぞれ“激安”と評判だったり24時間営業だったりするのも嬉しいところ。駅から南へ徒歩13分ほど、国道163号沿いに向かうと家電量販店やホームセンターが立っている。また、映画館を備えた「イオンモール大日」と産直市場やクリニックもある「ベアーズ」という2つのショッピングモールが隣接する大日駅前にも、自転車なら大和田駅から13分ほどでたどり着く。

3位は阪急神戸本線・園田駅が価格相場1989万円でランクインし、トップ3は2000万円以下という結果になった。園田駅は大阪府内ではなく兵庫県の尼崎市に位置しているが、梅田駅までは約19分の近さ。この所要時間は冒頭で述べたように、園田駅~大阪梅田駅間の4駅・約11分に、大阪梅田駅から梅田駅までの徒歩約8分をプラスしたものだ。なので園田駅から「梅田エリア」までだと体感としては10分ちょっと、といえる。また、「SUUMO住みたい街ランキング2023 関西版」にて梅田駅に次いで2位に選ばれた西宮北口駅まで、阪急神戸本線1本で約9分という点も魅力的だ。

園田駅には駅ビル「園田阪急プラザ」が併設されているが、現在は耐震工事のため閉鎖中。2023年秋以降にリニューアルオープンの予定だそうなので、楽しみに待ちたい。駅の北側には個人商店が連なる商店街が広がるほか、複数のスーパーも。商店街の途中には小学校や保育園もあり、子どものお迎えついでに買い物ができそうだ。駅の南側には飲食店が豊富。さらに南下し、藻川を越えて自転車を7分も走らせると、関西には希少な「コストコ」に加え、「イオンスタイル尼崎」、ホームセンターなど大型店舗が並ぶエリアへ。さらに、園田駅から車で北に15分ほど、電車なら30分ほどで伊丹空港にアクセス可能。日常生活にも遠出の際にも便利なロケーションだ。

駅ビル「園田阪急プラザ」は現在閉鎖中だが、2023年秋以降にリニューアルオープン予定(写真/PIXTA)

駅ビル「園田阪急プラザ」は現在閉鎖中だが、2023年秋以降にリニューアルオープン予定(写真/PIXTA)

梅田まで3駅の駅や、人気の街・なんばにも高アクセスな駅もトップ15入り

続いて4位以下の駅からもピックアップ。トップ15のうち梅田駅までの所要時間が最短だったのは、価格相場2080万円で5位にランクインした阪神本線・千船(ちぶね)駅。阪神本線の区間急行で大阪梅田駅まで3駅・約9分、そこから梅田駅まで歩いて約4分なので所要時間は計約13分だ。

千船駅前(写真/PIXTA)

千船駅前(写真/PIXTA)

5位・千船駅は大阪市西淀川区佃の地名をもつ、神崎川の中州に位置。江戸時代に徳川将軍家に献魚するため、当地から江戸に移住した漁民が開拓したのが東京の佃島なんだとか。そんな歴史があるこの佃の中州は端から端まで歩いても35分ほど。しかし住宅のほかに小・中学校や幼稚園、公園があり、商店もスーパーや100円ショップにドラッグストア、飲食店などが立ち並んでいる。さらに中州の北側を流れる左門殿川、南側を流れる神崎川を渡った場所にはそれぞれスーパーとホームセンターがあり、どちらも駅から歩いて10分ほど。コンパクトな範囲で日常生活が送れそうな環境だ。

トップ15に並ぶ駅の路線を見てみると、京阪本線が1・2位を含めて計3駅ランクインしたほか、大阪メトロ四つ橋線の駅も3駅ある。9位・岸里(きしのさと)駅(価格相場2180万円)、10位・花園町駅(同2190万円)、12位・住之江公園駅(同2290万円)だ。いずれの駅からも、まず大黒町駅に行ってから大阪メトロ御堂筋線に乗り換えると計約14分~23分で梅田駅にたどり着く。

また、この3駅が位置する大阪メトロ四つ橋線に乗って大国町駅で降りずに次の駅に向かうと、各駅から約7分~14分でなんば駅に到着。大阪メトロ千日前線やJR関西本線、阪神なんば線、近鉄けいはんな線、南海本線に乗り換え可能ななんば駅は、「SUUMO住みたい街ランキング2023 関西版」で4位にランクインした人気の街だ。さらに、なんば駅から4駅先は終点の西梅田駅であり、各駅から約13分~23分。西梅田駅は梅田駅とほぼ同じような場所にあるので、岸里駅・花園町駅・住之江公園駅の3駅は人気の街である梅田エリアにもなんばエリアにも、乗り換えずに行ける。

そんな便利な3駅のうち、価格相場が最も安いのは大阪市西成区に位置する9位・岸里駅。地下鉄駅から地上へと2番出口を出ると、そこには西成区役所がある。区役所周辺には税務署や郵便局、市立図書館も。また、地上出口から北に6分ほど歩くと、南海電鉄の南海線・高野線と大阪メトロ堺筋線が通る天下茶屋駅へ。この辺りは駅の密集エリアで、岸里駅の徒歩10分圏内には南海汐見橋線・西天下茶屋駅、阪堺電軌阪堺線の北天下茶屋駅と聖天坂駅も。岸里駅周辺に住むと、行き先に応じてさまざまな駅・路線を使い分けられるのだ。岸里駅近くには安さが自慢のスーパーがあるほか、天下茶屋駅前には個人商店が軒を連ねるアーケード商店街が続いている。岸里駅の西側を流れる木津川を目指して歩くとホームセンターやベビー用品店もあり、日常の買い物は近場で済ませられそうだ。

岸里駅(写真/PIXTA)

岸里駅(写真/PIXTA)

16位~30位

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている梅田駅まで電車で30分圏内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数35年未満、敷地権利は所有権のみ
専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2022/12~2023/6
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2023年6月26日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む。ランキングに表記しているものより乗り換え回数が少ない経路があっても、所要時間が早い場合はそちらを優先)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

【渋谷駅30分以内】家賃相場が安い駅ランキング2023年。1位・2位は5万円代の小田急小田原線の駅

近年の大規模再開発により大型商業施設が次々と誕生し、幅広い世代が楽しめる街へと変ぼうしている渋谷駅。JR各線をはじめ東急電鉄の東横線・田園都市線、京王井の頭線、東京メトロの銀座線・半蔵門線・副都心線が乗り入れており、日々多くの人が利用するターミナル駅でもある。そんな渋谷駅の近くに住まいがあれば、渋谷にふらっと出かけやすいのはもちろん、乗り入れ路線を利用して各方面へ向かうのも便利だろう。そこで渋谷駅まで30分以内にある駅の家賃相場を調査した。シングル向け賃貸物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場が安い駅トップ15を紹介しよう。

渋谷駅まで電車で30分以内にある家賃相場が安い駅TOP16

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/渋谷駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 生田 5.6万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/27分/2回)
1位 読売ランド前 5.6万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/30分/2回)
3位 宿河原 6.4万円(JR南武線/神奈川県川崎市多摩区/26分/1回)
4位 久地 6.48万円(JR南武線/神奈川県川崎市高津区/24分/1回)
5位 向ヶ丘遊園 6.5万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/24分/1回)
5位 和泉多摩川 6.5万円(小田急小田原線/東京都狛江市/25分/2回)
5位 戸田公園 6.5万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/28分/0回)
5位 狛江 6.5万円(小田急小田原線/東京都狛江市/23分/2回)
9位 武蔵浦和 6.6万円(JR埼京線/埼玉県さいたま市南区/29分/0回)
10位 大倉山 6.65万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/30分/1回)
11位 和光市 6.7万円(東京メトロ有楽町線/埼玉県和光市/30分/0回)
11位 日吉本町 6.7万円(横浜市営地下鉄グリーンライン/神奈川県横浜市港北区/29分/1回)
11位 青葉台 6.7万円(東急田園都市線/神奈川県横浜市青葉区/28分/0回)
14位 井荻 6.8万円(西武新宿線/東京都杉並区/30分/2回)
14位 喜多見 6.8万円(小田急小田原線/東京都世田谷区/21分/2回)
14位 日吉 6.8万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/21分/0回)
※17位~30位は記事末に記載

1位&2位には小田急小田原線の隣り合う駅がランクイン

今回、調査の基点にした渋谷駅周辺にあるシングル向け賃貸物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場は13万300円。そんな渋谷駅の30分圏内にある駅のうち、家賃相場が最も安かったのは生田駅と読売ランド前駅。小田急小田原線の隣り合うこの2駅が、家賃相場5万6000円で同額1位に並んだ。

読売ランド前駅(写真/PIXTA)

読売ランド前駅(写真/PIXTA)

読売ランド前駅から小田急小田原線の各駅停車に乗ると次が生田駅、そこから2駅目の登戸駅で快速急行に乗り換えて下北沢駅へ。そして京王井の頭線に乗ると渋谷駅まで計約27分~30分。両駅ともに、小田急小田原線の通勤準急~快速急行を乗り継ぐと新宿駅まで25分以内で行くことも可能だ。この2駅は直線距離で1.3kmほどしか離れておらず、所在地はどちらも神奈川県川崎市多摩区。住環境はさほど大きく違いはないが、読売ランド前駅の北側一帯は日本女子大学のキャンパスを含む丘陵地が広がり、住宅地は駅の南側が中心となっている。一方の生田駅は明治大学や専修大学の最寄り駅でもあり、駅周辺で学生の姿を見かけることがより多いだろう。

読売ランド前駅、生田駅ともに駅周辺にはスーパーやコンビニ、ドラッグストア、100円ショップなど日常生活を支える店舗がそろっている。学生が多い街にしてはリーズナブルな飲食店が豊富というほどにはないが、ラーメン店やファストフード店など気軽に利用できるお店も両駅の間に点在している。家賃相場がリーズナブルで大学に近いことから、このエリアは学生が一人暮らしする街としてニーズが高く、一人暮らし向け物件も豊富。時期によっては空き物件数が少ないこともあるだろうが、物件数が多いだけに自分好みの住まいを探しやすいかもしれない。

3位にはJR南武線・宿河原駅が家賃相場6万4000円でランクイン。1位の読売ランド前駅・生田駅と同じ神奈川県川崎市多摩区に位置している。渋谷駅に向かうには、JR南武線で3駅目の武蔵溝ノ口駅から東急田園都市線・溝の口駅に乗り換える。すると計約26分で渋谷駅にたどり着く。ちなみに4位のJR南武線・久地駅(家賃相場6万4800円)は、宿河原駅から武蔵溝ノ口方面行きに乗って1駅目だ。

宿河原駅(写真/PIXTA)

宿河原駅(写真/PIXTA)

さて、宿河原駅と言えば「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」の最寄り駅の一つ。1駅隣の登戸駅のほうが最寄り駅として知られているが、宿河原駅からも歩いて15分ほど。そんなご縁から、駅の発車メロディは藤子作品のアニメ曲が使用されている。ミュージアムがある駅南側には、『ドラえもん』や『パーマン』のキャラクターが看板や店内を彩る特別仕様の「ローソン 宿河原駅前店」などのコンビニやスーパーがある。駅の北側にもコンビニやスーパーがあり、さらに北に進むと多摩川の河川敷へ。息抜きに川沿いを散歩やジョギングするのもいいだろう。

渋谷・池袋・新宿まで30分以内で行ける駅もランクイン

ここまで見てきた読売ランド前駅、生田駅、宿河原駅の3駅と、5位・向ヶ丘遊園駅(家賃相場6万5000円)は、いずれも川崎市多摩区にある。そして4位・久地駅が位置するのはその隣町、川崎市高津区。さらに向ヶ丘遊園駅と同額5位となった和泉多摩川駅と狛江駅は、川崎市多摩区と多摩川を挟んで隣接する東京都狛江市の駅。つまり上位7駅は多摩川にほど近いエリアに集中しているわけだ。この7駅から気になる物件をいくつかピックアップして、まとめて下見のために物件めぐりをするのもよさそうだ。

トップ15の駅のうち、渋谷駅まで乗り換え0回だったのは5駅。そのうち家賃相場6万6000円で9位にランクインした、JR埼京線・武蔵浦和駅について見てみよう。同駅は埼玉県さいたま市南区に位置し、JR埼京線の通勤快速に乗ると渋谷駅まで約29分。途中の停車駅である池袋駅までは約19分、新宿駅までは約24分で行くことができ、都心部までのアクセスのよさが魅力だ。

武蔵浦和駅(写真/PIXTA)

武蔵浦和駅(写真/PIXTA)

9位・武蔵浦和駅には改札内外に多彩な店舗を備えた駅ビル「ビーンズ武蔵浦和」が併設されているほか、食品フロアや飲食店街がある「マーレ」が直結。また、駅周辺はさいたま市の副都心に位置付けられており、近年の再開発により高層マンションや大型施設も林立している。その一つ、駅西口とペデストリアンデッキでつながる複合公共施設「サウスピア」には、区役所や図書館が入っているのも便利なところ。駅周辺の再開発は現在も進行中で、2024年夏には西口側に「商・住・職」一体型の大規模複合施設が開業予定。さらに駅東口側でも再開発が検討されており、今後もさらなる発展が見込まれる。

渋谷駅まで乗り換え0回、かつトップ15で渋谷駅までの所要時間が最短と言う便利な駅も14位にランクイン。それは東急東横線の通勤特急に乗ると渋谷駅まで4駅・約21分で行ける日吉駅で、家賃相場は6万8000円だった。この駅には東急目黒線と横浜市営地下鉄グリーンラインも通っているほか、2023年3月に開業した東急新横浜線の停車駅としても注目を集めた。同路線の開業にともなって日吉駅の約2.2km南方には、新たに新綱島駅も誕生。この新路線・新駅の誕生を契機に日吉駅~新綱島駅間のエリアでは再開発ラッシュを迎え、大型マンションも誕生している。そうした背景もあってかここ数年の家賃相場は上昇傾向にあるが、駅前に慶應義塾大学の日吉キャンパスがあることから学生の一人暮らし向け物件が豊富な街でもある。

日吉駅前の様子(写真/PIXTA)

日吉駅前の様子(写真/PIXTA)

14位・日吉駅には地下1階~地上3階に多彩な店舗が展開する駅ビル「日吉東急アベニュー」が併設されており、駅前にも商店が立ち並んでいる。飲食店も豊富で、「ラーメン激戦区」と言われるほど個性的なラーメン店が多いのは学生の街らしいところだろう。また、日吉駅を通る東急東横線は東京メトロ副都心線と直通運転されているため、新宿三丁目駅や池袋駅にも1本で行ける。同様に東急目黒線は目黒駅から先で都営三田線または東京メトロ南北線と直通運転される列車に分岐し、三田線沿線の大手町駅や神保町駅、南北線沿線の永田町駅や市ケ谷駅など、都心の各方面に乗り換えせずに行くことができるのも日吉駅の魅力と言えるだろう。

17位~30位

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている渋谷駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2022/11~2023/5
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンションのうち普通借家契約の物件のみ)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2023年5月29日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

9月に多く発生する大型台風。その大雨から雨漏りを防ぐには?チェックすべき項目を紹介

2023年も、異常気象が猛威を振るっている。世界的な海面水温の上昇との関連も指摘され、酷暑の一方で大型台風や線状降水帯などによる被害も生じている。9月は、大型台風が発生するリスクが高まる時期でもある。住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」をホームページに掲載し、注意を呼び掛けている。

【今週の住活トピック】
「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」を掲載/住宅リフォーム・紛争処理支援センター

頻発する線状降水帯への危機感は感じるが、対策はしないという人も

「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」を見る前に、一条工務店が発表した「防災に関する意識調査2023」の結果を見ていこう。地震に関する調査と水害に関する調査をまとめているが、“水害”については、どんな結果が出ているのだろうか。

まず、「線状降水帯による大雨の可能性がある場合、大雨警報などに先駆けた発表で、早期の備えを促すために、半日程度前から 6 時間前までに気象情報で発表しているのを知っていますか」と聞いたところ、49.1%、約半数が「知らない」と回答した。

気象庁のホームページには、“「顕著な大雨に関する気象情報」の発表基準を満たすような線状降水帯による大雨の可能性がある程度高いことが予想された場合に、半日程度前から、気象情報において、「線状降水帯」というキーワードを使って呼びかけます。”とあり、呼び掛け例として以下のようなものを紹介している。

出典:気象庁「線状降水帯に関する各種情報」より転載

出典:気象庁「線状降水帯に関する各種情報」より転載

次に調査で、「お住まいの地域で線状降水帯が発生すると予報された場合、危機感を感じて何らかの対策を取りますか」と聞くと、「危機感を感じるが対策はしない」という人が38.8%、「危機感を感じない」という人が6.1%いることが分かった。

出典:一条工務店「防災に関する意識調査2023」

出典:一条工務店「防災に関する意識調査2023」

長時間の大雨が予測される場合には、まず自宅から出ないこと、一戸建ての場合は2階以上で崖や斜面から離れた部屋に移動すること、「避難指示」などの避難情報が出された場合は早めに避難所へ行くなどが求められる。

住宅には雨漏りのリスクがあるが、後から対策することが難しい

さて、長時間の大雨で自宅に留まったとして、雨漏りがするようであれば心もとない。

住宅リフォーム・紛争処理支援センターが掲載した「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」によると、「住宅は、屋根や壁の部材、窓(サッシ)、玄関扉など、いろいろな部材・部品が集まってできており、それぞれ素材が異なる部材・部品を組み合わせているため、継ぎ目の雨水侵入対策がしっかりしていないと雨漏りが生じる場合がある」という。特に近年は、局地的な大雨などの発生回数が増加傾向にあるため、さらに雨漏りへの注意が必要だとしている。

一方で、雨漏りが発生した場合の原因の特定が難しいことから、住宅を建築したり取得したりする段階で、雨漏りリスクを意識することが大切だと強調している。

では、雨漏りはどこで発生するのだろうか?同センターが、木造新築住宅での「瑕疵保険の事故情報※」を分析したところ、サッシまわりなどの「外壁開口部」、「外壁面」、「勾配屋根や天窓」からが多くなっている。
※瑕疵保険(かしほけん)とは、住宅の検査と保証がセットになった保険制度。保険対象となる部分に起因する事故情報のデータベースを利用

出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」住宅取得者向け資料より転載

出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」住宅取得者向け資料より転載

サッシや天窓の枠の部分は外壁や屋根との継ぎ目ができる部分であり、外壁自体は常に雨にさらされる部分だ。こうした部分に雨漏りリスクがあることをまずは知っておこう。

「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」で詳しくチェック

「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」の住宅取得者向け資料には、雨漏りリスクの高い6カ所について、リスク低減のアイデアを紹介している。その6カ所とは、(1)モルタルの外壁、(2)窓(サッシ)、(3)片流れ屋根の頂部、(4)屋根の側端部、(5)屋根と外壁が接する部分、(6)天窓(トップライト)。例えば、(1)のモルタルの外壁については、次のように説明している。

出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」住宅取得者向け資料より抜粋転載

出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」住宅取得者向け資料より抜粋転載

それぞれの箇所については専門的になるので、ぜひ直接資料を確認してほしい。自身で雨漏りのリスクと防ぐアイデアを理解することのほか、住宅の設計者や販売事業者などに、この資料の内容を見せて、きちんと設計施工されるか説明を求めるという使い方もあるだろう。

マンションなら雨漏りはしないかというと、そうでもない。筆者が住むマンションで、大雨の翌日、1階で共用廊下を見上げたら、廊下のコンクリートの下部(見上げた階からは天井部)がふくらんでいた。雨水がたまった証だ。ただし、大規模修繕工事の際に防水工事を行って修復された。

このようにマンションであれば、管理組合が建物診断や大規模修繕を行うが、一戸建ての場合は自身でチェックして補修する必要がある。建てたときに注意を払うだけではなく、雨どいが落ち葉などでつまらないように掃除をしたり、住宅の窓まわりの継ぎ目のシーリング材に破損が見られたら修復したりといった、メンテナンスを行うことも忘れないようにしたい。

●関連サイト
住宅リフォーム・紛争処理支援センター「雨漏りを防ぐために(安全確認シート)」住宅取得者向け資料
一条工務店「防災に関する意識調査2023」

「3Dプリンターの家、国内初の実用版は23時間で完成」「7畳のタイニーハウス暮らし夫婦、2棟目カワウソ号は宿に」【7月人気記事まとめ】

暑い日が続きますね。SUUMOジャーナルで7月に公開した記事では、「3Dプリンターの家、国内初の実用版は約23時間で完成!内装や耐震性は?」「7畳のタイニーハウス暮らし夫婦、2棟目カワウソ号は宿に。宿泊で住まい観が一変!?」などが人気TOP10入りしました。詳しく紹介します。

1位
3Dプリンターの家、国内初の実用版は23時間で完成!内装や耐震性は? ファミリー向け一般住宅も登場間近 長野県佐久市

2位
7畳のタイニーハウス暮らし夫婦、2棟目カワウソ号は宿に。宿泊で住まい観が一変!? ライター体験記「私はどう生きるか」 三浦半島

3位
世界の名建築を訪ねて。ザハ・ハディドによる62階建て超高層集合住宅タワー「ワン・サウザンド・ミュージアム(One Thousand Museum)」/アメリカ・マイアミ

4位
相撲部屋付き賃貸を押尾川親方がプロデュース。朝稽古を見学、ちゃんこを力士と一緒に楽しめる生活って? 墨田区「クリエイティブハウス文花」

5位
シェアハウス等でシングルマザーや障がい者に伴走する、まちの不動産屋さん。農園や食堂併設で支え合い、雇用創出も 神奈川県伊勢原市・めぐみ不動産コンサルティング

6位
愛知「住みたい街ランキング2023年版」不動の1位は名古屋! NHK大河ドラマ『どうする家康』影響で三河エリアに熱視線

7位
障がい者の部屋探しの苦労を知るからこそ伴走したい、社長・従業員の家族が障がいのある不動産会社。病院付き添いなど入居後もサポート 足立区・メイクホーム

8位
2023年は郊外ファミリー賃貸で賃料が上昇!? 国分寺など上昇した駅のデータとともに解説

9位
ニューヨーク人情酒場 さよなら、トシさん…入れ替わり激しいNYの飲食業界、雇用事情とは?

10位
厳しすぎる世界基準の環境性能に挑む賃貸住宅「鈴森Village」。省エネは大前提、植栽は在来種、トレーサビリティの徹底など…住みごこちを聞いてみた 埼玉県和光市
※対象記事とランキング集計:2023年7月1日~30日に公開された記事のうち、PV数の多い順

1位
3Dプリンターの家、国内初の実用版は23時間で完成!内装や耐震性は? ファミリー向け一般住宅も登場間近 長野県佐久市

3Dプリンターの家、国内初の実用版は23時間で完成!内装や耐震性は? ファミリー向け一般住宅も登場間近 長野県佐久市

(画像提供/セレンディクス)

2022年5月に紹介された「約300万円で購入できる10平米の3Dプリンター住宅」から1年、セレンディクス社が手掛ける商用で日本第一号となる「serendix 10(スフィアモデル)」が長野県佐久市で完成したと聞き、最新事情を取材するため現地へ。直径3.3mの球体で、10平米の3D プリンターハウスは、わずか22時間52分で建設されました。個人向け3D プリンターハウスの開発も着々と進められています。3D プリンターハウスができる過程がわかる動画もお見逃しなく!

2位
7畳のタイニーハウス暮らし夫婦、2棟目カワウソ号は宿に。宿泊で住まい観が一変!? ライター体験記「私はどう生きるか」 三浦半島

7畳のタイニーハウス暮らし夫婦、2棟目カワウソ号は宿に。宿泊で住まい観が一変!? ライター体験記「私はどう生きるか」 三浦半島

(写真撮影/桑田瑞穂)

神奈川県三浦半島にある「もぐら号」は、相馬由季さんと夫の哲平さんが約2年をかけて手づくりで完成させたわずか7畳のタイニーハウス。ふたりの暮らしに憧れて、「遊びに行きたい」「泊まりたい」という要望が殺到! そのため、今年、宿泊・体験も可能な「カワウソ号」をつくりました。早速、編集部員とライターが滞在。三浦半島の新鮮なお刺身を堪能し、ロフト下のベッドでぐっすり! 滞在レポートを読んで、タイニーハウスの暮らしをプチ体験してください。

3位
世界の名建築を訪ねて。ザハ・ハディドによる62階建て超高層集合住宅タワー「ワン・サウザンド・ミュージアム(One Thousand Museum)」/アメリカ・マイアミ

世界の名建築を訪ねて。ザハ・ハディドによる62階建て超高層集合住宅タワー「ワン・サウザンド・ミュージアム(One Thousand Museum)」/アメリカ・マイアミ

「One Thousand Museum(ワン・サウザンド・ミュージアム)」(アメリカ、マイアミ) 設計:ザハ・ハディド(ザハ・ハディド・アーキテクツ) Zaha Hadid (Zaha Hadid Architects)((c)Hufton+Crow)

建築ジャーナリスト、淵上正幸氏による世界中の名建築を巡る連載7回目。取り上げるのは、アメリカ・マイアミにある「ワン・サウザンド・ミュージアム」。高さ約213m、62階建ての超高層集合住宅タワーです。建築家ザハ・ハディドの建築哲学が凝縮された外観、贅沢な設備と上質な素材が使われた建物内部を紹介! 住人の優雅な生活が垣間見えます。

4位
相撲部屋付き賃貸を押尾川親方がプロデュース。朝稽古を見学、ちゃんこを力士と一緒に楽しめる生活って? 墨田区「クリエイティブハウス文花」

相撲部屋付き賃貸を押尾川親方がプロデュース。朝稽古を見学、ちゃんこを力士と一緒に楽しめる生活って? 墨田区「クリエイティブハウス文花」

(写真撮影/片山貴博)

東京都墨田区に昨年2022年4月に誕生した「クリエイティブハウス文花」は、1階に相撲部屋を備えた賃貸マンションです。事前に申し込みすれば、朝稽古の見学もできるとあって、取材当日もたくさんの外国人観光客の姿が。ちゃんこ会など住民と力士が交流するイベントもあるというユニークな物件はなぜ生まれたのか。親方や管理会社、入居者に話を聞きました。

5位
シェアハウス等でシングルマザーや障がい者に伴走する、まちの不動産屋さん。農園や食堂併設で支え合い、雇用創出も 神奈川県伊勢原市・めぐみ不動産コンサルティング

シェアハウス等でシングルマザーや障がい者に伴走する、まちの不動産屋さん。農園や食堂併設で支え合い、雇用創出も 神奈川県伊勢原市・めぐみ不動産コンサルティング

(写真提供/めぐみ不動産コンサルティング)

めぐみ不動産コンサルティングは、シングルマザー向けシェアハウスや障がい者グループホームの運営を通じて、住居と福祉の包括的な支援を地域に提供しています。このような取り組みを続ける原動力は、創業者・竹田恵子さんのシングルマザーとして奮闘した実体験。「シングル」だから「高齢者」だから「障がい者」だからと区切られることなく皆で支え合える社会を目指す竹田さんの思いに胸が熱くなります。

6位
愛知「住みたい街ランキング2023年版」不動の1位は名古屋! NHK大河ドラマ『どうする家康』影響で三河エリアに熱視線

3年ぶりの住みたい街ランキング愛知県版、不動の1位は「名古屋」!

(写真/PIXTA)

2023年、リクルートが3年ぶりに発表した「住みたい街ランキング」愛知県版。暮らしやすさや景観の良さが向上し、トレンド感も加わった都市部の街や、NHK大河ドラマ『どうする家康』の影響で注目が高まった「岡崎」がランクイン。愛知県春日井市生まれ、名古屋に住み続けて19年目の記者が、上位にランクインした街の魅力を紹介します。住みたい街、住みたい沿線、住みたい自治体のランキング10位までの解説は、愛知県へ移住を考えている人に有益な情報がたっぷり! 県内在住者は、自分の住む街の魅力を再発見でき、住み替え先探しにも役立ちます。

7位
障がい者の部屋探しの苦労を知るからこそ伴走したい、社長・従業員の家族が障がいのある不動産会社。病院付き添いなど入居後もサポート 足立区・メイクホーム

障がい者の部屋探しの苦労を知るからこそ伴走したい、社長・従業員の家族が障がいのある不動産会社。病院付き添いなど入居後もサポート 足立区・メイクホーム

(写真提供/メイクホーム)

メイクホーム(東京都足立区)は、障がいのある人や高齢者などの住まい探しに特化した不動産会社です。障がい者や高齢者の物件探しや入居手続き、生活支援に関するさまざまな取り組みをしています。代表の石原幸一さん自身も視覚障がいがあります。広く多くの人を支援する前に、まずは目の前の困っている人から……。真のバリアフリーな社会を目指す活動は、私たちに何ができるのかを問いかけています。

8位
2023年は郊外ファミリー賃貸で賃料が上昇!? 国分寺など上昇した駅のデータとともに解説

国分寺、さいたま新都心、千葉中央のファミリーマンションの賃料が上昇!?

(写真/PIXTA)

長谷工ライブネットは、首都圏の沿線・駅ごとの賃料相場を分析し、「首都圏賃貸マンション賃料相場マップ 2023 年版」を公表しました。調査対象は95沿線および延べ1,030駅で、間取りタイプはシングル(25平米)、コンパクト(40平米)、ファミリー(60平米)の3タイプに分類し調査。賃料相場の変動率を前年と比較すると、首都圏全体ではシングルが37%、コンパクトが47%、ファミリーが51%の割合で上昇傾向にあることが浮き彫りに。エリアやタイプ別の状況や背景を探ります。

9位
ニューヨーク人情酒場 さよなら、トシさん…入れ替わり激しいNYの飲食業界、雇用事情とは?

(イラスト/ヤマモトレミ)

(イラスト/ヤマモトレミ)

漫画家ヤマモトレミさんによる、アメリカのブルックリンにある小さな酒場(レストラン)で起こったいろんな出来事を描いた漫画エッセイ「ニューヨーク人情酒場」の人気連載。レミさんは、2017年、勤めていた会社の転勤でニューヨークに移住。趣味で描いていた漫画が思った以上に楽しくなり、2021年に脱サラして本格的に漫画家としての活動を開始し、2022年にアメリカで起業して個人事業主に。漫画業のかたわら、ブルックリンのレストランで週4回“寿司ローラー”(寿司を巻く仕事)をしています。今回は、レミさんの師匠トシさんが解雇されることに……。悲しい別れの理由は。そして、トシさんが去ったあと、レミさんに訪れる転機とは。ニューヨークで働く人たちの「心」が伝わるあたたかな漫画をぜひ。

10位
厳しすぎる世界基準の環境性能に挑む賃貸住宅「鈴森Village」。省エネは大前提、植栽は在来種、トレーサビリティの徹底など…住みごこちを聞いてみた 埼玉県和光市

厳しすぎる世界基準の環境性能に挑む賃貸住宅「鈴森Village」。省エネは大前提、植栽は在来種、トレーサビリティの徹底など…住みごこちを聞いてみた 埼玉県和光市

(写真撮影/片山貴博)

埼玉県和光市に、環境性能評価システムLEEDを取得する賃貸住宅「鈴森Village」が誕生しました。LEED認証は、建物や敷地利用の環境性能評価システムで、世界で多く用いられています。2024年度からは、建築物の販売・賃貸時に省エネ性能を表示する新制度が導入される予定で、住まいの省エネ性能・環境性能がますます重視される時代に。「鈴森Village」を訪ね、住人や設計者に取材しました。今後の住宅市場を変える新しい住まいを紹介します。

3Dプリンターハウスやタイニーハウス、LEEDを取得する賃貸住宅など最新の住宅事情や、障がい者、シングルマザーの住まい探しを紹介する記事は、これからの暮らし方、生き方へ気づきを与えてくれます。記事には、同じテーマを扱った関連記事のリンクもあるので、「もっと詳しく知りたい!」と思ったらぜひチェックしてみてください。

【渋谷駅30分以内】中古マンション価格相場が安い駅ランキング2023年。TOP10は3000万円未満、大田区の駅が多数!

「100年に一度」といわれる大規模再開発が進行中の渋谷駅周辺。新たな商業施設が続々と誕生し、さらに2023年内にも商業施設やオフィス、住居などが集まる新エリア「Shibuya Sakura Stage」が竣工予定だ。遊べる街としてだけではなく、近年はIT系企業やスタートアップ企業が集まるビジネスの街としても発展している。そんな注目の街・渋谷まで30分以内で行ける駅周辺の、中古マンションの価格相場を調査した。「シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)」と「カップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)」、それぞれの価格相場が安い駅ランキングをチェック!

渋谷駅まで電車で30分以内にある中古マンションの価格相場が安い駅TOP15

【シングル向け】
順位/駅名/価格相場(主な路線名/駅の所在地/渋谷駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 馬込 2789.5万円(都営浅草線/東京都大田区/18分/1回)
2位 矢口渡 2799万円(東急多摩川線/東京都大田区/28分/1回)
3位 長原 2839.5万円(東急池上線/東京都大田区/22分/1回)
4位 平和島 2860万円(京浜急行本線/東京都大田区/25分/2回)
5位 大森町 2889万円(京浜急行本線/東京都大田区/30分/2回)
6位 板橋区役所前 2980万円(都営三田線/東京都板橋区/26分/1回)
6位 板橋本町 2980万円(都営三田線/東京都板橋区/28分/1回)
6位 田端 2980万円(JR山手線/東京都北区/24分/1回)
9位 調布 2989.5万円(京王線/東京都調布市/28分/1回)
10位 中村橋 2990万円(西武池袋線/東京都練馬区/27分/1回)
10位 西馬込 2990万円(都営浅草線/東京都大田区/21分/1回)
12位 大森海岸 3050万円(京浜急行本線/東京都品川区/29分/2回)
13位 下板橋 3130万円(東武東上線/東京都豊島区/19分/1回)
14位 新板橋 3165万円(都営三田線/東京都板橋区/23分/0回)
15位 八幡山 3180万円(京王線/東京都杉並区/23分/1回)
※16位~30位は記事末に記載

【カップル・ファミリー向け】
順位/駅名/価格相場(主な路線名/駅の所在地/渋谷駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 読売ランド前 2690万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/30分/2回)
2位 生田 3485万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/27分/2回)
3位 久地 3490万円(JR南武線/神奈川県川崎市高津区/24分/1回)
4位 西川口 3780万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県川口市/29分/1回)
5位 宿河原 3790万円(JR南武線/神奈川県川崎市多摩区/26分/1回)
6位 戸田公園 3880万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/28分/0回)
7位 向ヶ丘遊園 4130万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/24分/1回)
8位 地下鉄赤塚 4180万円(東京メトロ有楽町線/東京都板橋区/24分/0回)
9位 浮間舟渡 4199万円(JR埼京線/東京都板橋区/25分/0回)
10位 菊名 4230万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/27分/0回)
11位 江田 4248.5万円(東急田園都市線/神奈川県横浜市青葉区/30分/1回)
12位 東武練馬 4280万円(東武東上線/東京都板橋区/30分/2回)
12位 梶が谷 4280万円(東急田園都市線/神奈川県川崎市高津区/21分/1回)
12位 武蔵浦和 4280万円(JR埼京線/埼玉県さいたま市南区/29分/0回)
12位 登戸 4280万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/21分/1回)
※16位~30位は記事末に記載

「シングル向け」トップ3は大田区に位置する駅が独占!

まずはシングル向け中古マンション(専有面積20平米以上~50平米未満)のランキングを見ていこう。ちなみに、渋谷駅周辺にある同条件の価格相場は5970万円。ここから電車で30分圏内にまでエリアを広げ、価格相場が安い駅を調査した結果が上記ランキングだ。そして1位は、東京都大田区にある都営浅草線・馬込駅で価格相場は2789万5000円。まず3駅・約6分の五反田駅に向かい、JR山手線に乗り換えると計約18分で渋谷駅へ。価格相場が最安な馬込駅が、渋谷駅までの所要時間もトップ15で最短という結果になった。五反田駅からJR山手線に乗ると、新宿駅まで馬込駅から計約25分で行ける点も魅力的だ。

東京都市景観

(写真/PIXTA)

1位・馬込駅は地下鉄駅であり、出入口は国道1号・第二京浜沿いに3カ所点在。駅を出て国道1号を少し南下すると環七と立体交差する松原橋へ。交通量の多い幹線道路に近くて騒がしそうなエリアだと感じるかもしれないが、1本裏道に入ると静かな住宅地が広がっている。3カ所の駅出入口近くにはミニスーパーやコンビニがあり、少し歩けばドラッグストアも。松原橋付近の環七沿いにはホームセンターもあり、日常の買い物には困らないだろう。チェーン系の飲食店は見当たらないが、繁華街がないぶん落ち着いて暮らしたい人にはよさそうだ。馬込駅から北へ10分~15分ほど歩くと東急大井町線の荏原町駅や、都営浅草線と東急大井町線が乗り入れる中延駅があり、両駅とも商店街が充実しているので足を延ばすのもいいだろう。

馬込駅(写真/PIXTA)

馬込駅(写真/PIXTA)

2位は東急多摩川線・矢口渡(やぐちのわたし)駅で価格相場は2799万円。東急多摩川線で多摩川駅に出て、東急東横線に乗り換えると計約28分で渋谷駅に到着する。矢口渡駅は東京都大田区に位置し、駅から南へ10分弱も歩くと多摩川の河川敷に出る。この付近に、かつて多摩川の渡船場の一つ「矢口の渡し」があったことが駅名の由来だ。駅から多摩川に向かう通りには「矢口の渡商店街」が広がり、スーパーやドラッグストア、コンビニのほかに鮮魚店や青果店、飲食店などの商店が軒を連ねる。駅北側にも商店街があり、そのまま進むと日本体育大学の付属高校があるため高校生の通学路ともなっている。途中には入浴料520円のみで電気風呂や鉱泉などのお風呂とサウナが楽しめる銭湯もあり、気軽に「ととのう」ことができる環境。駅から東へ12分ほど歩くと、東急池上線・蓮沼駅を利用することもできる。

矢口渡駅の周辺(写真/PIXTA)

矢口渡駅の周辺(写真/PIXTA)

3位は東急池上線・長原駅で価格相場は2839万5000円。1位・2位と同様に東京都大田区に位置する駅であり、長原駅前を通る環七を1.4kmほど進むと1位・馬込駅にたどり着く。渋谷駅に向かうには、東急池上線で5駅目の五反田駅よりJR山手線に乗り換えると計約22分。同ルートで新宿駅までは約29分だ。そんな長原駅は2021年12月に「木になるリニューアル」と題した改修工事が完了し、東京・多摩地域の木材を使用した駅舎に生まれ変わった。同時期に改札外におにぎり専門店ができたほか、駅舎2階~3階部分にはスーパーや100円ショップもある便利な環境。駅周辺にも商店街が広がり、スーパーやドラッグストア、肉や魚などの個人商店に加えて飲食店が多彩にそろっている点も特徴だ。

トップ3の駅をはじめ、トップ15のうち6駅は渋谷駅の南側に位置する東京都大田区からランクイン。続いて多かったエリアは渋谷区の北側に位置する東京都板橋区で、同額6位の板橋区役所前駅と板橋本町駅(価格相場2980万円)、14位・新板橋駅(価格相場3165万円)の3駅がランクインした。

新板橋駅(写真/PIXTA)

新板橋駅(写真/PIXTA)

この3駅はいずれも都営三田線沿線で、板橋本町駅~板橋区役所前駅~新板橋駅の順に連続している。3駅とも同じ路線なのに14位・新板橋駅だけが渋谷駅まで「乗り換え0回」となったのは、少々イレギュラーなルートを利用するため。新板橋駅から南へ歩いて9分ほどの板橋駅に向かい、そこからJR埼京線の通勤快速に乗ると乗り換え0回・約23分で渋谷駅に行けるのだ。新板橋駅から同ルートを利用すると板橋駅~渋谷駅間に停車する池袋駅まで約12分、新宿駅まで約18分で行くこともできる。新板橋駅と板橋駅にはさまれた一帯にはコンビニやスーパーをはじめさまざまな商店が立ち並び、飲食店も豊富。さらに、新板橋駅から南西に10分も歩くと13位にランクインした東武東上線・下板橋駅(価格相場3130万円)がある。このあたりに住むと都営三田線、JR埼京線、東武東上線の3駅が行き先に応じて使い分けられるのは大きな魅力だろう。

「カップル・ファミリー向け」の1位と2位は新宿駅にも30分以内の好立地

続いて、カップル・ファミリー向け中古マンション(専有面積50平米以上~80平米未満)のランキングを見ていこう。渋谷駅周辺にある同条件の物件の価格相場は、驚きの9765万円! 確かに渋谷は魅力的な街だが、もっとリーズナブルに住むことができ、かつ渋谷へのアクセスもよい街をぜひとも知りたくなる。

調査の結果、1位には小田急小田原線の読売ランド前駅、2位には同じく小田急小田原線の生田駅がランクイン。この2駅は神奈川県川崎市多摩区にある隣り合う駅で、直線距離で1.3kmほど。さらに両駅とも停車する列車種別は準急、通勤準急、各駅停車と同じであり、小田急小田原線を各駅停車~快速急行と乗り継いで下北沢駅に出てから京王井の頭線で渋谷駅に行くルートも同じ。しかし価格相場は1位・読売ランド前駅が2690万円、2位・生田駅が3485万円と開きが大きい。駅周辺環境に違いがあるのだろうか?

読売ランド前駅前の様子(写真/PIXTA)

読売ランド前駅前の様子(写真/PIXTA)

この2駅の大きな違いといえそうなのは、1位・読売ランド前駅の北側一帯を日本女子大学のキャンパスや広大な森を含む丘陵地が大きな面積を占めている点。そのぶん駅周辺で住宅地に利用できるエリアが限られ、商業施設も多くはない。とはいえ駅南口前にはスーパーや100円ショップ、ドラッグストアに精肉店、青果店などが集まっており、コンパクトな範囲で買い物が済ませられる。のどかな街並みも魅力だが、飲食店の選択肢は多くないので気分転換に歩いて20分弱、自転車なら5分ほどの2位・生田駅周辺に行くのもアリだろう。

2位・生田駅の周辺には家族でも利用しやすいファミレスや定食店、ファストフード店が点在し、駅の北側と南側に住宅街が広がっている。スーパーやドラッグストアも複数あり、お得な特売めぐりもできそうだ。駅北口のほど近くに多摩区役所の出張所が、駅南側に小さめながらホームセンターがあるのも何かと便利。この生田駅、1位・読売ランド前駅ともに小田急小田原線の通勤準急~快速急行を乗り継ぐと、新宿駅まで25分以内で行ける点も魅力だ。

生田駅周辺の様子(写真/PIXTA)

生田駅周辺の様子(写真/PIXTA)

3位は神奈川県川崎市高津区にある、JR南武線・久地駅で価格相場は3490万円。2駅隣の武蔵溝ノ口駅に接続する溝の口駅から東急田園都市線に乗ると、渋谷駅まで計約24分で行くことができる。駅前を通る府中街道や南部沿線道路沿いを中心にスーパーや100円ショップ、飲食店が立ち並び、脇道に入ると住宅街。また、駅の南側には広大な「川崎市営緑ヶ丘霊園」が広がっている。この霊園は緑豊かな憩いの場としても親しまれ、敷地内には噴水広場や遊具を置いた児童公園も。春は数百本の桜が咲く、お花見の名所でもある。霊園の隣接地には芝生広場や植物園を備えた「県立東高根森林公園」や、水遊びができる広場、屋内の遊び場がある「川崎市子ども夢パーク」、さらに駅北側には多摩川の河川敷があり、自然にふれながら子育てしやすそうだ。

トップ15には渋谷駅まで乗り換え0回の駅も5駅ランクインした。そのうち最も価格相場が安いのは、3880万円で6位になったJR埼京線・戸田公園駅。埼玉県戸田市に位置し、渋谷駅までは約28分だ。JR埼京線で渋谷駅に向かう途中に停車する池袋駅までは約17分、新宿駅までは約23分で行くことができる。

6位・戸田公園駅は例年8月第1土曜に開催される「戸田橋花火大会」の最寄り駅で、開催日には駅南側の荒川河川敷から打ち上がる花火目当てに多くの人が押し寄せる。駅名にある「戸田公園」とは、この花火大会の会場付近の河川敷や、荒川の水を引き込んだボート競技コースのこと。春は桜、夏から秋はカンナが咲く花名所でもある。戸田公園駅には「ビーンズ戸田公園」が併設され、1階にスーパー、2階には飲食店などのショップが入っている。駅周辺にも多彩な飲食店やスーパー、ホームセンターがあるほか、総合病院があるのも心強い。駅から北に徒歩3分ほどの場所には「戸田市立児童センター こどもの国」も。屋内プレイルームや図書室、森や原っぱまで基本的に無料で利用でき、夏期オープンの児童用プールの利用料も子どもは50円、付き添い大人も150円と格安! 子どもがいるなら、近くに住んだ際に大活躍する施設となりそうだ。

戸田公園 戸田漕艇場(写真/PIXTA)

戸田公園 戸田漕艇場(写真/PIXTA)

シングル向け 16位~30位、カップル・ファミリー向け 16位~30位

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている渋谷駅まで電車で30分圏内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数35年未満、敷地権利は所有権のみ
シングル向け:専有面積20平米以上50平米未満
カップル・ファミリー向け:専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2022/11~2023/5
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2023年5月29日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

北海道・札幌市「住みたい街ランキング」駅1位は札幌! 新球場開業で注目の北広島も上位にランクイン

リクルートは「SUUMO住みたい街ランキング 2023 北海道版/札幌版」を発表。3年ぶりに発表された今回の「住みたい街ランキング」ではどのような街がランクインしているのか。ランキングの結果と共に、ランクインした街の魅力を見ていこう。

「住みたい街(駅)」は北海道版、札幌版共に「札幌」が1位

今回取り上げる「住みたい街ランキング」は、北海道に居住している20歳~49歳を対象に、今後「住んでみたいと思う街(駅)」などを調査したもの。北海道民、札幌市民が「住んでみたい」と憧れる街のランキングだ。

北海道 住みたい街(駅)ランキング

※→2020年より特典を合算しはじめた/合算方法が変わった駅の集計結果

札幌市 住みたい街(駅)ランキング

※→2020年より特典を合算しはじめた/合算方法が変わった駅の集計結果
**→名称が同じ複数の駅を2020年より別の駅として集計した結果

前回2020年の調査結果に引き続き、2023年の「住みたい街(駅)ランキング」では、北海道版、札幌版共に北海道最大のターミナル駅「札幌」が1位に選ばれた。3位も北海道版、札幌版共に「大通」がランクインしているが、札幌や大通といえば、言わずと知れた札幌都心。都心ならではの高い交通利便性、生活利便性はもとより、大通公園などが身近で、暮らしの中に緑も感じられるという住環境も“住む街”として魅力的なポイントだ。

それに加え、札幌から大通、すすきのといった都心部では2030年度末の北海道新幹線延伸開業に向け、再開発やビルの建て替えなど複数のプロジェクトが進行中で、狸小路に今年7月にオープンした「moyuk SAPPORO」に続き、今秋にはすすきのに「COCONO SUSUKINO」も開業予定だ。

札幌都心部では再開発やビルの建て替えなど複数のプロジェクトが進行中(画像/PIXTA)

札幌都心部では再開発やビルの建て替えなど複数のプロジェクトが進行中(画像/PIXTA)

札幌駅周辺も、北口では「さつきた8・1」が2024年春のグランドオープンを控え、南口ではエスタ跡地に超高層複合ビルが2028年度竣工を予定している。札幌都心部はもともと「住みたい街」として圧倒的な人気を誇るエリアだが、今後の街の進化は、訪れる人だけでなく住む人からも期待や注目を集めている。

北海道全体のランキングでは「新札幌」「桑園」「北広島」がランクアップ

そのほかのトップ10に選ばれた街を見てみると、「北海道 住みたい街(駅)ランキング」では、札幌市内の街だけでなく、過去のランキングでも上位に選ばれていた2位の「函館」、6位の「旭川」、10位の「五稜郭」など、道内外から広く人が訪れる知名度の高い街が安定のランクイン。札幌市内についても、成熟した住宅地として人気の「円山公園」が5位に選ばれた。

一方で、前回のランキングでは5位の「新札幌」が4位に、9位の「桑園」が7位にランクアップし、圏外だった「北広島」は今回8位と、トップ10入りを果たしている。

今回4位の「新札幌」は2018年からスタートした再開発で、大学や専門学校、医療施設やホテル、タワーマンションなどが誕生。2023年11月には商業施設「BiVi」が開業予定で、ついに新しい街「マールク新さっぽろ」がまちびらきを迎える。大規模な再開発で街の魅力も注目度もアップした。

7位の「桑園」は札幌駅の1駅隣の駅で、終電後もタクシーや自転車などで帰宅しやすい都心との距離感。札幌競馬場の最寄駅で北海道大学も近いため、にぎわいのある駅ではあるが、街自体は比較的閑静な住宅街の雰囲気だ。

桑園駅(画像/PIXTA)

桑園駅(画像/PIXTA)

駅のそばにはイオンやホーマックなどがあり、日常の買い物をしやすい住環境。駅から徒歩圏の札幌市中央卸売市場場外市場では新鮮な食材が手に入るのもうれしい。さらに、駅近くに市立札幌病院がある点も、暮らす街として安心感につながるポイントだ。

最近では駅周辺におしゃれな雑貨店や飲食店、スイーツ店などが増えてきているという街の変化も、住みたい街としてランクアップした理由の一つとして挙げられるだろう。

そして今回8位にランクインした「北広島」はもともとベッドタウンとして発展してきた街だが、2023年3月に「北海道ボールパークFビレッジ」が開業し一気に注目度が高まった。「北海道ボールパークFビレッジ」には北海道日本ハムファイターズの新たな本拠地となる新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」をはじめ、宿泊施設やショッピング・飲食施設などが集結。施設開業による注目度アップに伴い、公示地価や基準地価でも変動率トップとなり話題になっている。今後北広島駅前では再開発も予定されており、引き続き、街の盛り上がりから目が離せない。

新球場の「エスコンフィールドHOKKAIDO」。野球ファンだけでなく、多くの人が集まる憩いの場となっている(画像/PIXTA)

新球場の「エスコンフィールドHOKKAIDO」。野球ファンだけでなく、多くの人が集まる憩いの場となっている(画像/PIXTA)

札幌市のランキングでは「北24条」が2018年以降で最高位の8位に。「平岸」もトップ10入り

「札幌市 住みたい街(駅)ランキング」は、全体的に前回のランキングの顔ぶれから大きな変化はないが、「北24条」は2018年以降で最高位の8位にランクアップ。前回12位だった「平岸」は10位という結果となった。

8位の地下鉄南北線「北24条」駅にはバスターミナルが併設されており、札幌都心部だけでなく、空港などへのアクセスも便利。駅周辺には飲食店が充実しており、にぎやかな繁華街の一面を持つ一方、周辺には落ち着いた住宅地が広がる。札幌市北区役所や区民センターをはじめ、官公署や公共機関も集中しており、日常に必要なものが身近に整う暮らしやすさは魅力的だ。

そして、10位にランクインした同じ地下鉄南北線の「平岸」駅も札幌や大通まで地下鉄で直通。駅近くの総合病院「KKR札幌医療センター」は救急などいざという時に心強い存在だ。豊平川も身近で、周辺には大小の公園が点在しており、子育てファミリーにも人気が高い。

ちなみに、「北24条」駅が位置する「札幌市北区」は、実は「住みたい自治体ランキング」で、北海道版、札幌市版共に2位にランクイン。圧倒的1位は「住みたい街(駅)ランキング」上位の「札幌」「円山公園」「大通」などが位置する「札幌市中央区」だが、「平岸」駅がある「札幌市豊平区」も北海道版のランキングでは3位、札幌市版では4位と上位に選ばれている。

北海道 住みたい自治体ランキング

札幌市 住みたい自治体ランキング

住みたい沿線ランキングでは天候の影響を受けにくい地下鉄が人気

ここまでは住みたい街(駅)や自治体のランキングを見てきたが、「住みたい沿線」のランキングに目を移してみよう。

北海道 住みたい沿線ランキング

「住みたい沿線ランキング」では1位「地下鉄東西線」、2位「地下鉄南北線」と、雨や雪など天候の影響を受けにくい地下鉄が上位に選ばれた。

札幌市内を走る地下鉄は東西線、南北線、東豊線の3路線あるが、1位の「地下鉄東西線」は西区に位置する宮の沢駅から厚別区の新さっぽろ駅までを結ぶ路線だ。東西線沿線の街というと、憧れの住宅街として知名度の高い「円山公園」や西区の中心的な街である「琴似」などがあり、「北海道 住みたい街(駅)ランキング」の上位にもランクインしている。

そして2位の「地下鉄南北線」は北区の麻生駅から南区の真駒内駅を結んでおり、さっぽろ、大通、すすきのといった都心の主要駅をすべて通る路線。沿線の街では、「大通」に加え、始発駅の「麻生」や、前述した「北24条」、「平岸」などが「札幌市 住みたい街(駅)ランキング」トップ10に選ばれている。

なお、もう1本の地下鉄路線、地下鉄東豊線をおさえ上位にランクインしたのは「JR函館本線」と「JR千歳線」だ。どちらのJR線も札幌駅を通り、3位の「JR函館本線」は今回住みたい街ランキングで上位に入る「函館」や「旭川」、「五稜郭」なども結ぶ路線。4位の「JR千歳線」は新千歳空港駅へのスムーズなアクセスが魅力だ。

「JR函館本線」「JR千歳線」沿線の駅が、穴場だと思う街(駅)ランキングの上位を独占

「JR函館本線」と「JR千歳線」については、住みたい街ランキングと同時に集計した「北海道 穴場だと思う街(駅)ランキング」のトップ5を独占するという結果になっているのも興味深い。

北海道 穴場だと思う街(駅)ランキング

この「穴場だと思う街(駅)ランキング」は交通利便性や生活利便性が高いのに、家賃や物件価格が割安なイメージがある駅を調査したもの。

上位5位はすべてJR函館本線、JR千歳線沿線の駅で、1位の「札幌」、2位の「新札幌」、3位の「北広島」、4位の「桑園」は前述した通り、どの街も「住みたい街ランキング」で上位にランクインし、再開発や、新施設・新店舗の誕生などで注目を集める街ばかりだ。

そんな中、「住みたい街ランキング」では23位の「手稲」が「穴場だと思う街(駅)ランキング」では4位に選ばれているが、「手稲」は札幌市手稲区に位置する街。札幌駅まで直通で、快速エアポートも停車し、都心部や空港へのアクセスがスムーズだ。また、手稲山に近く大自然を身近に感じられる住環境で、隣接する小樽市に足を延ばせば、海のレジャーも気軽に楽しむことができる。さらに、札幌市内という立地ながら、比較的家賃相場も抑えられており、交通利便性の高さや恵まれた住環境を考えると、まさに穴場の街と感じる人も多いだろう。

札幌市手稲区の前田森林公園(画像/PIXTA)

札幌市手稲区の前田森林公園(画像/PIXTA)

今回紹介したどのランキングも、「札幌」の圧倒的な人気の高さをあらためて思い知らされる結果となっていたが、そのほかにも、「円山公園」や「函館」など、知名度やブランド力のある街が安定的に高く支持されているという点も目を引いた。

そして同時に、今回のランキングからは「北広島」「新札幌」「平岸」など、再開発で進化する街への期待値の高さも伺えた。年月をかけて確立された街の個性が人を惹きつけるということもあるが、街の変化、変容というものも、この街で暮らしてみたいと思わせる重要なファクターになっているようだ。

今後は人気の札幌都心部で再開発が加速していくが、都心部の進化と共に、北海道民、札幌市民の「住みたい街」がどのように変化していくのか、引き続き注目していきたい。

●関連ページ
SUUMO住みたい街ランキング2023 北海道版/札幌市版

「不動産価格は上がっていく」と思う人が過去最高の42%に!「今が売り時」と思う人も8割超

住宅ローンの金利上昇への圧力が高まるなか、野村不動産ソリューションズが「住宅購入に関する意識調査(第25回)」を実施した。その結果を見ると、売り時と考える人が多い一方で、買い時だと考える人も多いことが分かった。どんな住宅市況になっているのだろうか?

【今週の住活トピック】
「住宅購入に関する意識調査(第25回)」を実施/野村不動産ソリューションズ

「不動産価格は上がると思う」が調査開始以来最高に

調査対象は、不動産情報サイト「ノムコム」会員(購入検討者を中心としたWeb会員)で、有効回答数は1964人。調査は、2023年7月3日~16日に実施された。

日本銀行の植田和男新総裁は従来路線を引き継いできたが、国債を買い入れて長期金利の上昇を抑制する水準を従来の0.5%から1.0%に引き上げると発表したのは、第5回日銀金融政策決定会合後の7月28日のことだ。これにより、長期金利の上昇可能性が高まったのだが、それより前に調査が実施されていることを念頭に置いてほしい。

まず、「今後の不動産価格はどうなると思うか」を聞いたところ、「上がると思う」が42.0%に達し、前回(2023年1月調査)より大きく増加した。2011年の調査開始以降で最も高いという。「下がると思う」は17.9%だった。物価の上昇を実感するなか、建材費や人件費なども上がるので不動産価格も上がると考えたようだ。

出典/野村不動産ソリューションズ「住宅購入に関する意識調査(第25回)」より転載)

出典/野村不動産ソリューションズ「住宅購入に関する意識調査(第25回)」より転載)

今は「売り時」であり「買い時」でもある!?

住宅価格が上がっていることで、「売り時」と感じる人も多いようだ。「不動産は売り時だと思うか」と聞いたところ、「売り時だと思う」が22.6%、「どちらかと言えば売り時だと思う」が59.6%で、合わせて82.2%が売り時だと思っていた。

出典/野村不動産ソリューションズ「住宅購入に関する意識調査(第25回)」より転載)

出典/野村不動産ソリューションズ「住宅購入に関する意識調査(第25回)」より転載)

その理由は、「不動産価格が上がったため」(77.4%)と「今なら好条件での売却が期待できるため」(52.4%)が過半数を占めた。

次に、「不動産は買い時だと思うか」と聞いた結果は、「買い時だと思わない」が48.1%と最多だったが、前回より減少した。また、買い時だと思う人(「買い時だと思う」8.8%+「どちらかと言えば買い時だと思う」24.3%)は33.1%になり、前回より増加した。

出典/野村不動産ソリューションズ「住宅購入に関する意識調査(第25回)」より転載)

出典/野村不動産ソリューションズ「住宅購入に関する意識調査(第25回)」より転載)

「売り時」かどうか、判断する指標は?

さて、住宅を高く売りたいと思うなら「住宅価格が高止まりしている」ときか、「住宅価格が下落に転じた」ときがよい。「高止まり」のタイミングなら安心して売ることができるし、「価格が下がり続ける」タイミングならできるだけ早く売ったほうがよい。逆に「価格が上昇し続ける」なら、様子見をしてもっと上がったタイミングで売ったほうがよいわけだ。

ただし売り時かどうかは、住宅価格だけでなく、需給バランスも重要だ。売る側から見れば、競争相手となる売り手が少ないか、買い手が多い方が有利だからだ。買い手が多いかどうかの条件はいろいろあるが、住宅ローンの金利が低いこと、優遇税制などが多いことなど、購入環境が好条件であることも大きな要因となる。

今回の調査対象者は、住宅価格が横ばいと見る人が29.7%で、まだ上がると見ている人が42.0%と多いが、大きく上がり続けるというよりは、わずかに上がっていくと見ているのだろう。そこで、価格が高止まりに近いことや購入環境が良好なことから、売り時と判断している人が多いのではないか。

「売り時」か「買い時」か、今後はどうなる?

では、今の住宅市況はどうなっているだろうか。

住宅市況は立地条件によっても異なるが、一例として、東日本不動産流通機構の四半期ごとの「首都圏不動産流通市場の動向(2023年4~6月)」のデータから傾向を見ていこう。首都圏の中古マンションの新規登録件数は増えているので、売り手は増えていることになるが、成約に至った件数は2021年を山場に2022年以降は少し落ち着きを見せている。つまり2021年は売り手市場だったが、次第に需給バランスが変わりつつある。ただしまだ買い手は多いので、首都圏の中古マンションの価格は上がり続けている。首都圏の中古一戸建ても、おおむね似たような傾向が見られる。

では、今後の需給バランスはどうなるのだろう。

気になるのは、住宅ローンの金利の動向だ。特に、長期金利はいずれ上がる可能性がある。好景気に転じれば、変動金利も上がっていく。住宅ローンの金利が上昇すれば、利息が増え、借りられる額が減少するので、住宅購入意欲の減退につながる。つまり、買い手が減ることで需給バランスは大きく崩れる可能性がある。

とはいえ、今すぐ金利が上がるわけではないので、金利上昇気配を感じて駆け込みで購入する人も出るだろう。どのタイミングでどのような上がり方をするかで、買い手の動きも変わってくるので、注視が必要だ。

超低金利が長期間継続したことで、住宅ローンの金利はいつも低いと思いがちだが、今後は住宅ローンの金利も、売り手や買い手の動きも、住宅価格の動向も変わる可能性がある。そのことを頭に入れて、マネープランや購入する住宅の条件などを、きちんと整理しておくとよいだろう。

●関連サイト
・野村不動産ソリューションズ「住宅購入に関する意識調査(第25回)」を実施
・東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2023年04~06月)」

「平屋の多い都道府県」ランキング1位は沖縄じゃない!? TOP10を九州が席巻、新築半分以上が平屋の県とは?

「今、平家が空前のブーム」この言葉にピンときますでしょうか? SUUMOでは、2023年のトレンドワードとして、「平屋回帰」「コンパクト平屋」という言葉を発表しました。比較的地価の高い都会に暮らす人には、平屋が建てられるような条件はなかなかそろうわけもなく、その人気は実感しようもありません。ところが、全都道府県の新築一戸建て(※注)の平屋率を調査してみると、都会暮らしの人には想像もできないような意外な事実が……。都道府県別であまりにも違う平屋事情を見ていきましょう。

九州で高い平屋率。宮崎県、鹿児島県では新築一戸建ての半分以上が平屋

SUUMOが2023年のトレンドワードとして「平屋回帰」「コンパクト平屋」という言葉を発表した背景には、最近の平屋のニーズの大きな変化があります。現在ブームになっている平屋は、建物面積で15坪(約50平米)から25坪(約83平米)くらい、間取りは1LDK~2 LDK位のコンパクトなもの。適度な大きさで動線が効率化されていること、価格の手ごろさから、子どもが独立して2階部分を持て余しているシニア夫婦、一人暮らしや一人親世帯など、さまざまな世帯で平屋が選ばれており、2022年に着工された新築の一戸建て住宅(※注)のうち、約7件に1件は平屋になっています。
それでは、気になるランキングはどのような結果になっているのでしょうか。

※注 記事中の「一戸建て」と「平屋率」の定義=国土交通省が発表している建築着工統計調査より、居住専用住宅の建築物の地上階数1階~3階の総棟数のうち、地上階数1階の棟数の割合を集計し「平屋率」としている。構造は木造・鉄骨造など全構造の合計。3階建てまでの居住専用住宅には、アパートやマンションなどの集合住宅も含むため、すべてが一戸建てではないが、本記事では便宜上一戸建てとしている。1階建ての集合住宅は非常に出現率が低いため、実際の新築一戸建ての平屋率は本記事の試算より高くなると考えられる(本記事内共通)

都道府県別平屋率1位~20位

都道府県別色見表

都道府県別平屋率21位~47位

出典:国土交通省 『建築着工統計調査 / 建築物着工統計』※注に記載の通り

なんと、1位の宮崎県、2位の鹿児島県は2022年に着工された3階建て以下の新築住宅のうち、過半数以上が1階建て、つまり平屋です。九州地方は福岡県を除くすべての県で平屋率3割を超え、上位10位以内にランクイン。続く平屋率が20%を超える20位までの上位グループには、香川県、愛媛県などの四国勢、群馬県、茨城県、栃木県の北関東勢が並びます。全国最下位の東京は1.4%と、新築約71件に1件の割合。そりゃ都内では見かけないはずです。上位の地域はもともと平屋率が高かったことに加え、前述の世帯の少人数化や、家事動線の良さ、冷暖房がワンフロアで完結するため光熱費が低く済むこと、さまざまなメリットが認知され、この8年の間に平屋率は150%~250%ほど上がっています。

■関連記事:
2023年住宅トレンドは「平屋回帰」。コンパクト・耐震性・低コスト、今こそ見直される5つのメリットとは?

熊本地震をきっかけに、揺れに強い平屋の関心が増加。地域独特の気候も影響

では、どうしてこんなに九州で平屋率が高いのか?熊本県で注文住宅を中心に手掛ける工務店、グッドハート株式会社の営業・宮本紬麦さんに聞いてみました。

「同じ九州地方でも地価が高い福岡が上位に入っていないことからも、まず、土地が比較的安く手に入ることが大きいと思います。さらに九州は日常の移動はほとんどが車で平置き3台の駐車場を希望される方がとても多く、ご家族で3台乗るケース、ご家族2台に来客用、という方も多くいらっしゃいます。それから、熊本では、2016年の熊本地震をきっかけに、平屋を希望される人がぐっと増えました。建物が自らの重みでつぶれている様子を目の当たりにして、2階の重みがなく、地震の揺れに強い平屋に、より注目が集まったのです。家が倒壊して建て替えが必要になった人だけでなく、初めてマイホームを持たれる方も、これから建てるなら地震に強い構造がとりやすい平屋がいいと希望される方が増えました」

(写真提供/グッドハート)

(写真提供/グッドハート)

実際、熊本県で震災後に平屋を希望する人が増えたことは話題になっていたそうです。一方、災害といっても、近年多い水害においては、高い建物に避難する必要があり平屋は不利です。ただ、いつ来るかわからない地震に比べ、水害は何日か前から予測でき、早めに避難をすれば命は守れることを考えると、まずは日常の生活のしやすさと、予測不能な有事を優先するというのは合理的です。

台風・火山噴火、地域独特の気候が平屋率にも影響

また、宮崎県、鹿児島県を中心に注文住宅・分譲住宅を手掛ける万代ホームのハウジングアドバイザー西原礼奈さんは、以下のように話します。

「宮崎、鹿児島は、以前から建売住宅やモデルハウスも平屋で建てることが多く、2階建にする場合でも総2階(※1)でなく、一部分だけや、中2階(※2)を取り入れる程度です。これには台風や桜島の噴火などの影響があると思います。壁面は低いほど台風の強風に耐えられます。火山灰が降ってくる地域では、屋根に積もった灰の掃除なども雨どいを守るためには必要で、平屋は高い建物に比べ対処しやすいのです」

(写真提供/万代ホーム)

(写真提供/万代ホーム)

熊本大学 大学院で建築構造・防災建築を研究している友清衣利子教授も、「台風が多い九州は、耐風性の観点から、住宅の高さや屋根の勾配を低く設計する傾向にあります」とコメント。

「九州では、屋根の対策のほかにも、雨戸やシャッターなどで窓やドアなどの開口部を守る建築上の工夫がされているのが一般的です。
さらに、2018年と2019年の台風被害をきっかけに、住宅の耐風性が着目されるようになったと実感しています。国土交通省が屋根の留め付けなどの対策を発表していますが、それらが世の中で反映され、変わっていくのはこれからだと思います」(友清教授)

では、台風と平屋の関係について、気象庁が発表している1951年以降の都道府県別、台風の上陸数上位ランキングを見てみましょう。

※1.総2階/1階部分と2階部分がほぼ同じ面積となる建て方。直方体のような形になる
※2.中2階/階と階の中間に設けられる床部分のことで、スキップフロアともいう。平屋の場合の中2階は、2階がなくロフトのような形状となる

台風の上陸が多い都道府県ランキング

出典/気象庁ホームページ 台風の統計・資料より 統計期間:1951年~2023年第1号台風まで

最も台風の上陸数が多かったのは平屋率2位の鹿児島県、続いて長崎県、宮崎県、熊本県も平屋率が高く、台風の影響を受けやすい地域で平屋率が高いことは明らかです。

ここで疑問が。台風といえば、沖縄県が上位のランキングに入っていないのはどうしてでしょう。気象庁の解説をよく見ると、「上陸」の定義は台風の中心が「北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合」。小さい島や半島を横切って短時間で再び海に出る場合は「通過」、そして、沖縄県、鹿児島県の奄美地方のいずれかに近づいた(各気象官署等から300 km以内)場合は「沖縄・奄美に接近」と、「接近」という分類になるため、この地域には台風の「上陸」と定義される事象が存在しないようです。

そんな台風の通り道、沖縄といえば、イメージするのは低く構えた赤瓦屋根の平屋に風よけの石垣やブロック塀、屋敷林の伝統的な家。さぞかし平屋率は高かろうと見てみると全国3位。ただ、2014年から2022年の8年の間に平屋率は47.4%から41.7%にダウンしています。ほとんどの都道府県が8年間で平屋率が大きくアップする中、これは何故なのでしょうか。

沖縄の住宅(写真/PIXTA)

沖縄の住宅(写真/PIXTA)

台風接近の多い沖縄県の平屋率がダウンしている理由には、独自の住宅文化とその変化があった!

前出の都道府県別平屋率を全国と沖縄県について住宅の建て方(構造)別に集計してみました。

全国と沖縄県の構造別着工棟数の割合(2014年と2022年の比較)

全国と沖縄県の構造別平屋割合(2014年と2022年の比較)

構造別の着工棟数割合を見ると全国では圧倒的に木造の比率が高く約9割。これはどの都道府県でも同じ傾向です。ところが、沖縄は鉄筋コンクリート造(RC造)、コンクリートブロック造の比率が高く、木造比率は2014年時点で14% と低い、独特な住宅文化を持っています。沖縄県は全国の中でも比較的森林比率が低く、特に木材の生産目的で苗木を植えるなどして人が手を加えている「人工林」の割合は全国一低いのです。

そのため、貴重な木材を再利用しながら家を住み継いでいく「貫木屋(ぬちやー)」という独特の工法が古くから受け継がれてきました。戦後の復興では伝統的な工法でない木造住宅が一時的に増えますが、多湿な気候に合わず白アリ被害が拡大したこと、度重なる台風被害を受けたことからRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)やコンクリートブロック造のニーズが高まっていったことがこの独特な住宅文化の背景です。

ところが近年、コンクリート価格の高騰、本州からのハウスメーカーの進出、木造住宅の工法や建材、防蟻処理の進化などにより木造住宅の割合が急速に増えてきました(2014年14.0%→2022年38.6%)。これら、増加してきた木造住宅が平屋ではなく2階建て以上で建てられていること(木造の平屋率2014年30.9%→2022年16.5%)が、沖縄県の平屋率ダウンの要因です。

■関連記事:
沖縄の家、台風や災害に負けない家づくりを現在・過去に学ぶ

岩手・宮城でも平屋率ダウン、福島県で横ばいとなっている背景には東日本大震災の影響が

沖縄と同じく、平屋率が2014年より下がっている県がほかにもあります。
岩手県 2014年 16.0% →2022年 15.7%
宮城県 2014年 13.6% →2022年 8.8%
また、福島県も 2014年 14.7% →2022年 15.4%と、平屋率はほぼ横ばいです。

市区町村別の人口や着工戸数の変化を見てみると、東日本大震災直後は、被害の大きかった地域の住宅再建が進み、それらの地域は比較的土地区画が広く平屋が建てやすかったのに対し、近年は人口も住宅需要も都市部に集中してきており平屋という形態がとりにくくなっていること、また、宮城県の都市部では新築マンション供給が増加しており、平屋志向が強い高齢者がそれらも選択肢に入れていること等の要因が考えられます。

割高とされていた平屋の価格は2階建て並に。メンテナンスしやすさも魅力(写真撮影/片山貴博)

(写真撮影/片山貴博)

このように、都道府県によって事情は違えど、全国的にはますますシェアが高まる平屋は、その家事動線の良さ、地震や風などへの強さ、コンパクトなことで光熱費を抑えられることなど時代に合った魅力が多く、検討してみたいと思っている人も多いかと思います。ただ、私がかつて工務店に取材した際には、例えば100平米の平屋を、1階50平米、2階50平米の総2階建てと比べた場合、建築コストは1.2倍程度と割高になる、と聞いたことがあります。理由は、平屋は基礎部分や屋根の面積が大きいことによる材料費や施工費の増加。実際今もそうなのでしょうか?

「施工方法や工務店によって一概には言えませんが、当社の場合では、同じ面積ならば平屋も2階建てもほとんど坪単価は変わりません。確かに屋根や基礎の大きさは平屋の方が大きいのですが、平屋の場合、工事用の足場が低く済むこと、高所作業が減ることで建物の施工費が安く済むんです。メンテナンスにおいても、約10年ごとに必要な壁の塗り替えも大きな足場作りは不要ですし、屋根修理にも同じことが言えます。また近年注目が集まっている太陽光パネルは、床面積に対して屋根が広い平屋は広く置くことができ、発電できる量において有利です」とグッドハート宮本さん。

建設作業現場での事故を無くすために建設現場には「労働安全衛生規則」という詳細なルールを守ることが義務付けられているのですが、墜落・転落防止のための足場の作り方や管理については法改正がたびたび行われており、今後もさらに強化される予定です。
このような変化がある中で、平屋は割高とは限らなくなってきているんですね。

ちなみに、SUUMOジャーナルの人気記事ランキングでも、4月~6月は平屋の実例記事の数々が上位を占拠しました。東京にいると、平屋の人気は実感しがたく、実例紹介を始めてからの反響の多さには本当に驚きました。地域独特の住宅文化は気候や時代の影響も強く受けていることがわかり、私たちもさまざまな情報をアップデートしていかねばと強く実感した取材でした。

●取材協力
・グッドハート
・万代ホーム
・熊本大学大学院 先端科学研究部 物質材料科学部門 建築構造・防災分野 友清 衣利子教授

●関連サイト
・林野庁ホームページより都道府県別森林率・人工林率(平成29年3月31日現在)

広島県・広島市「住みたい街ランキング2023」駅1位は再開発進む広島駅! 尾道、天神川、五日市がランクアップの背景は?

「住みたい街ランキング」広島県版/広島市版が3年ぶりに発表された。広島駅周辺の再開発や広島市中区のサッカースタジアムの建設など、大きな開発案件が進行中の広島。ここ数年内の完成を控えた開発が多く、工事が着々と進むなか、住民の期待値も増している。そんな中での調査で、広島に暮らす人が「住みたい街」として挙げたのはどんな街なのか、調査の詳細をチェックしてみよう。

「住みたい街(駅)ランキング」、新駅ビルが2025年春に完成予定の広島駅が1位に! 

広島県 住みたい街(駅)ランキング

「住みたい街(駅)ランキング」で、2位以下に大差をつけて1位になったのは広島駅。現在、駅ビル及び駅前広場の工事が行われており、2025年には新駅ビルがお目見え予定だ。2階部分に広島電鉄の路面電車が高架で乗り入れる計画で、それに伴って駅前大橋を直進する新たな鉄道路線も整備中。完成後には駅前の風景は大きく様変わりしそうだ。

工事が進む広島駅南口の様子。奥がホテル棟で、手前の低い建屋の横に、路面電車が乗り入れる部分がつくられる。2023年3月撮影(画像/PIXTA)

工事が進む広島駅南口の様子。奥がホテル棟で、手前の低い建屋の横に、路面電車が乗り入れる部分がつくられる。2023年3月撮影(画像/PIXTA)

建て替え後の広島駅新駅ビルと南口広場、路面電車「駅前大橋線」のイメージ(画像/JR西日本) ※完成予想図(パース)は計画時・完成前イメージのため、実際とは異なる場合がある

建て替え後の広島駅新駅ビルと南口広場、路面電車「駅前大橋線」のイメージ(画像/JR西日本) ※完成予想図(パース)は計画時・完成前イメージのため、実際とは異なる場合がある

広島駅はJRの山陽新幹線と山陽本線、可部線、芸備線、さらには広島電鉄の各路線が乗り入れるターミナル。広島空港方面へのリムジンバスを始め、各方面への高速バスや路線バスの起点でもあり、駅の北側には、山陽自動車道に接続する広島高速5号線の整備も進む。まさに広島の陸の玄関口だ。

さらに、駅前の「エールエールA館」には中央図書館の移転計画があり、駅東側のフタバ図書跡地にはアパホテルによる高層ホテル、駅の北側では住友不動産ほかによるマンションや商業施設などの複合施設の計画も発表されている。新駅ビルにはホテルやシネコン、商業施設や駐車場なども予定されており、広島駅周辺の暮らしはますます充実したものになりそうだ。

広島駅は広島東洋カープの本拠地、Mazda Zoom-Zoomスタジアムの最寄駅でもある(画像/PIXTA)

広島駅は広島東洋カープの本拠地、Mazda Zoom-Zoomスタジアムの最寄り駅でもある(画像/PIXTA)

天神川や五日市など、商業施設が充実した街がランクアップ

2位は広島県第2の都市である福山の中心駅・福山駅、3位は複数の鉄道路線やバスターミナルを要する横川駅で、広島駅同様、前回ランキングからの変化はない。4位以下を見てみても、顔ぶれには大きな変化はないが、そんな中でも、「天神川」は5位から4位、「尾道」は7位から6位、「五日市」は10位から8位に順位を上げている。

4位の天神川駅は広島駅の隣駅で、自治体サービスや子育て施設の充実などでも注目度の高い、安芸郡府中町の入口となる駅。街の中心部には路面店の商業施設も多いほか、駅から歩いて行ける場所に、広島県内最大級の規模となるイオンモール広島府中があるのも人気の理由のひとつだろう。

6位の尾道は広島の人気観光地のひとつで、尾道水道を見下ろす傾斜地に広がる坂の街。移住者の受け入れにも力を入れており、県内外からの移住者が、古い建物をリノベーションして新たな店を開くケースも多い。近年はしまなみ海道を目指すサイクリストの拠点としても有名で、サイクリスト向けのホテルを備えた商業施設も人気を集めている。「住んでみたい」という気持ちを刺激する、個性のある街だ。

尾道水道に面した倉庫を改装してつくられた商業施設「ONOMICHI U2」(画像/PhotoAC)

尾道水道に面した倉庫を改装してつくられた商業施設「ONOMICHI U2」(画像/PhotoAC)

8位の五日市駅は広島市佐伯区の中心駅で、広島駅までは山陽本線で15分。広島造幣局前のコイン通りや国道2号線沿いなど、エリア内にはスーパーや飲食店など商業施設が充実し、石内地区のアウトレットモールや、西区のアルパーク、LECTといった大型ショッピングモールも利用圏。八幡川沿いの豊かな自然も身近にあり、利便性と環境のよさが共存する、暮らしやすい街だ。

広島造幣局では毎年「花のまわりみち」で、八重桜を中心とした敷地内の桜を公開している(画像/PIXTA)

広島造幣局では毎年「花のまわりみち」で、八重桜を中心とした敷地内の桜を公開している(画像/PIXTA)

このほか、20位までにランクインしている新井口や廿日市、下祗園、緑井なども、大規模な商業施設が存在するエリア。日々の買い物のしやすさがイメージできることが、住みたいと感じるベースのひとつになっているようだ。

「住みたい自治体ランキング」では、再開発が加速する「広島市中区」が1位に

広島県 住みたい自治体ランキング

「住みたい自治体」のランキングを見てみると、広島市中区がダントツの1位に。そのほか、ランキング上位の自治体の顔ぶれは、前回調査から大きな変化は見られない。

広島市中区は、行政機関や商業施設が集中する、広島の最中心部となるエリアだ。なかでも、紙屋町・八丁堀エリアは国が定める「都市再生緊急整備地域」に指定され、戦後以来の老朽化したビルの建て替えや、周辺の再開発が加速している。

基町の市営駐車場周辺では、広島商工会議所の移転に伴い、地上31階となる複合ビルが計画されている。広島YMCA周辺でもビル3棟の再開発、本通り商店街の入口付近でも、商店街を挟んで南北に2棟のビルを建てる計画が上がるなど、ビル開発の話題は尽きない。

広島サンモール周辺や、天満屋八丁堀ビルや広島三越を含むエリアの再開発、この夏に閉館するそごう広島店新館のその跡等、歴史ある商業施設にも再開発の動きがあり、市内中心部はこの後も大きく姿を変えていくことになりそうだ。

新サッカースタジアムが2024年開業! 街なかでの過ごし方に変化も

さらに、今広島の人の大きな関心の的となっているのは、中区基町エリアで工事が進む、新しいサッカースタジアムだろう。広島東洋カープが新スタジアムの建設後に大きく人気を伸ばした実績もあり、ワールドカップで熱を帯びたサッカー人気を加速し、サンフレッチェ広島の盛り上がりに期待する声は大きい。

スタジアムと併せて、隣接の広場エリアの整備や、旧太田川沿いの水辺活用なども計画されており、試合のある日だけでなく、普段から市民が気軽に利用できるスポットとして、注目が高まっている。

中央公園に計画されている新サッカースタジアムと広場エリア(画像/広島市)※完成予想図(パース)は計画時・完成前イメージのため、実際とは異なる場合がある

中央公園に計画されている新サッカースタジアムと広場エリア(画像/広島市)※完成予想図(パース)は計画時・完成前イメージのため、実際とは異なる場合がある

また、一足先に2023年3月には、旧広島市民球場跡地に、イベント広場を中心とする「ひろしまゲートパーク」がオープン。旧広島市民球場の記憶を継承しつつ、オープンエアでも楽しめるカフェや飲食店、ストリートスポーツを楽しめるエリアや、築山などで遊べるこどもひろば等も整備され、イベントのない日でも、気軽に出かけて気軽に遊ぶ、新しい外遊びのスタイルが定着しつつある。

さらに、広島城の三の丸エリアにも新たな商業施設の計画があり、これらの施設はペデストリアンデッキで繋がっていく。広島市中区に広がる、この中央公園周辺エリアが、広島の街なかの過ごし方に大きな影響を与えることは間違いなさそうだ。

変わりゆく街なかのの風景の中で、古い街並みの残るエリアに“穴場”イメージ

広島県 穴場だと思う街(駅)ランキング

ランキングでは、交通利便性や生活利便性が高いのに家賃や物件価格が割安なイメージがある駅についても調査している。結果、1位となったのは横川駅。総合順位でも3位にランクインしている、交通アクセスのよい街だ。

利便性の良さの一方で、横川駅周辺には歴史ある商店街が今も存在しており、人情味のあるコミュニティが息づく。ハロウィンに行われる「ゾンビナイト」や、梯子酒イベント、川沿いのマルシェのように、商店街などが中心となって行われるイベントもあり、独自の文化が根付く街でもある。

駅の北側や、広瀬北町、中広町といった周辺エリアには、中心部に近い割にまだまだ古い建物も多く残る。まとまった土地の少ない広島の中心部にあって、宅地やマンション化などに余力を残しているイメージがあることも、“穴場”と考えられるポイントかもしれない。

同様に5位の海田市も、山陽本線または呉線の2路線利用ができ、広島から約9分の交通アクセスのよい駅。瀬野川沿いの美しい自然や、「かいた七夕さん」など街独自のお祭りもあり、西国街道沿いの古い街並みも面影を残している。隣接する安芸郡府中町で宅地などの流通が少なくなっているなか、暮らしやすく、宅地・住宅開発にポテンシャルを感じる街として、認知されているようだ。

2024年以降、続々と大きな開発案件が完成を迎える広島。交通利便性の向上や、買い物する楽しさ、外遊びの新たな可能性など、広島の街暮らしはより一層充実したものになりそうだ。一方で、大型ショッピングモールのある街など、日々の買い物のしやすさも「住みたい街」のポイント。宅地やマンション、一戸建てなどを検討する際は、開発の中心地から少しだけ離れたエリアまで範囲を広げることで、買い物の利便性を確保し、開発の恩恵を受けられる選択肢を増やして、住まい探しができるかもしれない。

●関連ページ
SUUMO住みたい街ランキング2023 広島県版/広島市版

2023年猛暑は「無理せず節電」がキーワード!? 節電効果を感じやすい対策とは?

今夏は、豪雨に見舞われる一方で、連日危険な猛暑が続く気候になっている。熱中症への注意喚起も毎日のように行われ、適切な冷房による暑さ対策が求められている。猛暑の本番はこれからとなるので、エアコンを使いたいものだが、電気代の高騰で節電も気になるところだ。

【今週の住活トピック】
「暑さ対策における節電調査」結果を公表/積水ハウス 住生活研究所

この夏の暑さ対策で節電はするけど、無理はしない!?

積水ハウスの住生活研究所が、「暑さ対策における節電調査 (2023年)」の結果を公表した。それによると、夏の日中に「外出(屋外)したい派」は54.7%となり、昨年(2022年)の32.8%より20ポイントも増えた。これまで我慢していただけに、積極的に外出しようという人が多いようだ。

ただし、外出(屋外および屋内)したい理由のなかには、外出が楽しい・快適だからとか、運動不足対策などに加えて、「家計(光熱費)の節約」「自宅の電気代懸念」といった声も多く、電気代が高騰するなか、自宅の電気代の節約がこの夏の大きな課題にもなっている。

今年の夏を自宅で過ごすうえで、「電気代節約のための暑さに関する節電対策を実施する」と回答した人は60.6%。この人たちに「暑さ対策における節電の意向」を聞くと、「積極的な節電派」は43.6%(「極限まで節電対策をしたい」8.3%+「対策はできる限り行い節電したい」35.3%)だったのに対して、「無理しない節電派」(対策は心掛けるが無理はしない)が48.2%だった。ほぼ拮抗するが、やや「無理しない節電派」が多いという結果だ。「無理しない節電派」は、この夏を自宅で過ごしたい派に限るとさらに多くなり、58.1%に達するが、逆に、外出したい派では「積極的な節電派」の方が多くなった。

出典:積水ハウス 住生活研究所「暑さ対策における節電調査 (2023年)」エアコンの運転方法を工夫して節電するが、実感を得やすいのは窓の断熱

では、昨年の夏にはどんな節電に取り組んだのだろう?
「エアコンの設定温度を上げる」(49.7%)、「エアコンとサーキュレーターや扇風機を併用する」(33.8%)など、節電になるとしてよく知られている方法が上位に挙がる結果となり、おおむねエアコンの運転に関する対策が多くなった。

出典:積水ハウス 住生活研究所「暑さ対策における節電調査 (2023年)」

こうした節電対策を行ったことで、節電の効果は実感できたのだろうか?
意外な結果なのだが、節電対策の効果を実感した人が多いものを見ると「窓からの日差しを遮る」(78.5%)、「窓の断熱性向上」(75.0%)が1位と2位を占めた。この2項目は、前の質問で節電対策として実施した割合を見ると5位(20.7%)と10位(8.4%)で、多くの人が実施したことでもなかったので、意外に感じたわけだ。

出典:積水ハウス 住生活研究所「暑さ対策における節電調査 (2023年)」

にもかからず実感した人が多いのは、暑い日差しが遮断されたという体感が得られたからだろう。すだれなどの日除けを置くだけでも、窓から入る直射日光を遮っているのが実感しやすいものだ。一方、エアコンの運転による節電では、電気代の削減によってしか効果が測れず、電気代自体が上昇しているのでいくら削減されたのか分かりづらいということもあるのだろう。

気になる夏バテ、予防法は運動と入浴

さて、リンナイが「夏バテに関する47都道府県意識調査」の結果を公表した。夏バテとは、「夏季の高温と多湿に対応できずに起こる不調のこと」(リンナイのリリースより)。この調査結果によると、「これまでに夏バテを感じたことがある」という回答は78%に達し、かなり多くの人が夏バテを経験していることが分かる。ちなみに、夏バテ経験者が最も多いのは「群馬県」「宮崎県」(90%)で、最も少ないのは「沖縄県」(64%)だった。

では、夏バテの予防法はあるのだろうか?
リンナイが監修を依頼した久手堅 司医師によると、「エアコンをつけて過ごすことが多い現代は、夏の暑さに身体が慣れる『暑熱順化』が獲得しづらい環境にある」という。

久手堅医師によれば、身体に備わっている熱を逃す能力を機能させるために、運動をして発汗量や血流量を増加させるのがよいという。「ウォーキングであれば30分以上、ジョギングであれば15~20分程度」の運動が望ましいそうだ。

また、「運動ができない場合は、入浴時に湯船に浸かることで『暑熱順化』を獲得し、夏バテや熱中症予防の効果が期待できる」という。「38~40℃のお湯に首までしっかりと浸かって、10~15分程度」入浴すれば、深部体温があがり、血流も改善し、発汗効果もあるという。

節電だけでなく夏バテ防止にも、エアコンを上手に使おう

久手堅医師によれば、「エアコンは快適な半面、『暑熱順化』を妨げる」リスクがあるという。しかし「特に夜間は、質の良い睡眠で身体を休ませるためにも、最低気温が25℃以上の熱帯夜にはエアコンを使う」のがよいのだとか。

積水ハウス 住生活研究所の調査結果では、「夏の就寝時におけるエアコンの稼働実態」について、「一晩中エアコンをつけている」人は38.4%で、「タイマーを使用して数時間で切る」人は37.2%、「エアコンをつけない」人は23.8%という結果になった。この中で「ほとんど毎日快適に眠れた」という回答が多かったのは「一晩中エアコンをつけている」人(26.0%)で、「快適に眠れた日の方が多かった」(30.2%)と合わせると、56.2%が睡眠の質の高さを感じていることが分かった。

節電のためだけでなく、睡眠の質を上げて夏バテ予防につなげるためにも、エアコンを上手に活用することが推奨される。直接風を当てると体の熱が奪われるので、扇風機やサーキュレーターで室内の空気を循環させるなどの工夫も必要だ。また、窓の断熱性を引き上げる改修なども行って、エアコンで冷やした室内の温度を外気の熱で暖めないようにすることも大切だ。

ほかにも、暑いからと冷たいものばかり飲み食いするのではなく、しっかり睡眠をとったり適度に発汗したりして、自身でも健康管理をするようにしてほしい。

●関連サイト
積水ハウス 住生活研究所「暑さ対策における節電調査」
リンナイ「夏バテに関する47都道府県意識調査」

宮城県・仙台市「住みたい街ランキング2023」、上位キーワードは「アクセス・子育て・将来性」

2023年、リクルートが3年ぶりに「住みたい街ランキング」の宮城県版/仙台市版を発表。アンケートは、宮城県に居住している20代~40代の男女1,000人を対象に実施したもの。ランキングと併せて評価された理由、背景などを、杜の都に生まれ育ち、宮城をこよなく愛する筆者と共に見ていこう。

2023年「住みたい街(駅)」も、1位は仙台、2位は長町

まずは「SUUMO住みたい街ランキング2023 宮城県版/仙台市版」の結果のうち、「住みたい街(駅)」を、宮城県全体、仙台市全体の両面から紹介する。

宮城県 住みたい街(駅)ランキング

仙台市 住みたい街(駅)ランキング

宮城県版・仙台市版ともに「住みたい街(駅)」の1位は「仙台」。「働く、遊ぶ、学ぶ、住む、憩う、潤う」が融合した都市機能と自然のバランスの良さが「住みたい」につながっている。2020年のランキングも、宮城県版・仙台市版ともに1位は東北の顔となる「仙台」で、2位は仙台南の副都心「長町」で不動の人気だ。

東北の玄関口 JR仙台駅(写真/PIXTA)

東北の玄関口 JR仙台駅(写真/PIXTA)

上昇がめざましいのは、宮城県版、仙台市版共に順位を上げた「北仙台」。同駅から仙台市地下鉄南北線でひと駅隣の「北四番丁」も、安定した人気だ。「北仙台」「北四番丁」については、以降で解説する。

宮城県版で2020年に17位から9位にランクアップした「古川」は、JR仙台駅から東北新幹線でひと駅、所要時間12~13分、高速バスも利用でき通勤圏だ。

仙台市版で9位の「五橋」は2018年以降最高位となった。2023年4月に、仙台市地下鉄南北線「五橋」駅から徒歩1分に東北学院大学五橋キャンパスが開校。その影響で周辺の商店街、賃貸物件のマンション、アパートの動きも活況を呈し、地価も上昇傾向にある。

また宮城県版で、前回ランク外から大きく飛躍したのが11位の「小鶴新田」、12位の「多賀城」、14位の「宮城野原」で、いずれもJR仙石線沿線の駅だ。

沿線別の「住みたいランキング」は以下の通り。

宮城県 住みたい沿線ランキング

沿線別は、1位は「仙台市地下鉄南北線」、2位は「仙台市地下鉄東西線」と仙台市地下鉄がツートップ。仙台市地下鉄は仙台市民の通勤・通学・外出の大事な足になっている。

2015年に開業した仙台市地下鉄東西線の東の起点、荒井駅(写真/PIXTA)

2015年に開業した仙台市地下鉄東西線の東の起点、荒井駅(写真/PIXTA)

駅から徒歩10分以内の「駅近」物件は購入・賃貸ともに人気を集めているが、仙台市地下鉄駅は特に人気だ。

仙台市に次ぐ「住みたい自治体」は仙台市のベッドタウン、名取市・富谷市

宮城県 住みたい自治体ランキング

仙台市 住みたい自治体ランキング

宮城県・仙台市別のランキングだが、1位~7位まで順位は同じ。仙台市の5区「仙台市青葉区」「仙台市宮城野区」「仙台市太白区」「仙台市泉区」「仙台市若林区」が上位5位を占める。

続くのが、仙台市に隣接するベッドタウン、名取市、富谷市。名取市は、東北最大の国際空港のある街で、海、川、山が近く広い公園もあり、街並みが整然として美しい。イオンモール名取にある子育て支援拠点「cocoI’ll(ここいる)」をはじめ、子育て・子どもを支援する施設やイベントが充実しているほか、春まつり、夏まつり、秋まつりと名取3大祭りを開催するなどイベントが多い。

富谷市は、2023年度から公立の小・中学校の学校給食を完全無償化。2023年6月に江戸時代に宿場町の物流を支えた荷宿を活用したビジネス交流ベース「荷宿-NIYADO」がオープン。公園のような雰囲気の富谷市営墓地とパークゴルフ場が隣接する「(仮称)やすらぎパークとみや」が大亀山森林公園近くに2024年度にオープン予定。さらに、市民の声を取り入れ、図書館をはじめ、スイーツステーション、児童屋内遊戯施設、公民館といったさまざまな機能を集約した「富谷市民図書館等複合施設」が2027年度中開館予定と、子どもからシニア世代まであらゆる世代が生きがいをもって暮らせるまちづくりを目指し、さまざまな計画が進行している。

2020年にランク外から10位にランクインした宮城郡利府町も注目だ。詳細は後述する。

「住みたい」あこがれ誘う都心近接の「北仙台」「北四番丁」

前述のとおり、「住みたい街・駅」のランキングで上昇がめざましかったのが「北仙台」だ。宮城県版で2020年の9位から5位に、仙台市版では7位から3位と2018年以降最高位にジャンプアップ。「北仙台」はJR「仙台」駅から約5分と都心に近く、JR、仙台地下鉄、バスの3つの公共交通機関が利用でき交通の利便性が高い。駅前には24時間営業のスーパーもあり、日常生活施設が整い、住宅地としても古くから人気が高い。交通・生活利便性が高いのに家賃や物件価格が割安なイメージがある「宮城県 穴場だと思う街(駅)ランキング」の3位にもランクインしている。

宮城県 穴場だと思う街(駅)ランキング

JR北仙台駅(写真/PIXTA)

JR北仙台駅(写真/PIXTA)

付近には1960年代から存在した横丁「仙台浅草」のような懐かしい商店街や数百年の時を超えて街を見守る古刹、北山五山が残る一方、こだわりの生活雑貨や生鮮食品などを揃えたセレクトショップ「眞野屋」、パン屋、カフェなど洗練された店が点在。クリニックや金融機関なども充実している。

禅寺、北山五山のひとつで紫陽花の名所。資福寺(写真/PIXTA)

禅寺、北山五山のひとつで紫陽花の名所。資福寺(写真/PIXTA)

伊達政宗公を祀る青葉神社。5月の青葉まつりのメイン会場となる(写真/PIXTA)

伊達政宗公を祀る青葉神社。5月の青葉まつりのメイン会場となる(写真/PIXTA)

同駅から仙台市地下鉄南北線でひと駅隣の「北四番丁」も、宮城県版では12位から10位にランクアップ、仙台市版では変わらず8位で安定した人気だ。「北仙台」と同じく、「北四番丁」は、いずれも仙台市役所、宮城県庁、青葉区役所が集まる官公庁エリア、東北随一のショッピングゾーン・一番町四丁目買物公園、JR仙台駅への距離が近く、地下鉄やバスはもちろん、道が平坦で歩道が整備されているため、自転車利用もスムーズだ。

地下鉄北四番丁駅(写真/PIXTA)

地下鉄北四番丁駅(写真/PIXTA)

特徴的なのは、昔ながらのお屋敷町で、文教エリアとして教育熱心なファミリーに支持されている上杉地区に隣接。イチョウ並木の新緑、紅葉が美しい愛宕上杉通、四季折々の自然やイベントが楽しめる勾当台公園や定禅寺通り、仙台三越へは、散歩がてら歩いて行ける距離。さらに、東北大学農学部雨宮キャンパス跡地には、医療・福祉施設地区に仙台厚生病院が移転、2024年開院予定、商業施設地区には大型商業施設が建設予定、マンションが建設中で、今後の発展が期待される。

宮城県庁と官公庁エリアの憩いの場、勾当台公園(写真/PIXTA)

宮城県庁と官公庁エリアの憩いの場、勾当台公園(写真/PIXTA)

仙台都心からは離れるが、「小鶴新田」駅は、「住みたい街(駅)」ランキングで順位が飛躍。宮城県版では、2020年のランク外から11位、仙台市版では27位から15位に上がった。JR仙石線に2004年に開業して以来、住宅地が広がり、新築マンションが増えて、住宅地として人気が定着。駅周辺には大型スーパーマーケットなど日常生活施設が充実し、住宅地の中心には子どもが走り回れる広い「新田東中央公園」もある。近隣の「仙台市新田東総合運動場 元気フィールド仙台」には、仙台市民球場、宮城野体育館、温水プール、ボルダリング施設、アーチェリー場などさまざまな運動施設があり、気軽に利用できるスポーツプログラムが開催されている。

元気フィールド内 仙台市民球場(写真/PIXTA)

元気フィールド内 仙台市民球場(写真/PIXTA)

「住みたい街(駅)」でランク上昇の「利府町」は子育て支援が充実

「SUUMO 住みたい自治体ランキング2023」で、2020年にランク外から10位にランクイン、過去最高順位を得た宮城郡利府町は、仙台市の北東部に立地。JR利府駅からJR仙台駅までは、東北本線で20分弱とアクセスしやすい。

JR利府駅(写真/PIXTA)

JR利府駅(写真/PIXTA)

2棟に分かれた東北最大級の「イオンモール新利府」をはじめ商業施設が充実。波が穏やかで表松島と呼ばれる海に面し、陸から海に突き出た天然の桟橋「馬の背」など、ビュースポットが点在。

利府町の赤沼、櫃ヶ沢の馬の背(写真/PIXTA)

利府町の赤沼、櫃ヶ沢の馬の背(写真/PIXTA)

大きな特徴は、子育て支援にも力を入れていること。0歳から18歳年度末までの子ども医療費を所得制限なしで全額助成(保険診療分の自己負担額)、子育てに必要なベビーベッド、ベビーバス、ベビーシートの無料貸し出し、赤ちゃん絵本セットの配布、小・中学校の新1年生全員に学校で使う運動着の無料支給、小学校6年生・中学校3年生の学校給食費無料化など、独自の子育て事業を実施していることも支持されている。

オフにファミリーで出掛けられる大型公共施設も充実。図書館や多目的ホールを要する利府町文化センター(リフノス)や、東京五輪のサッカー公式開場にもなった宮城スタジアム(キューアンドエースタジアムみやぎ)、アーティストのライブなどの大型イベントが行われる「セキスイハイムスーパーアリーナ(宮城県総合運動公園総合体育館)」などを有する「グランディ・21(宮城総合運動公園)」などがあり、アクティブな日常を過ごせる。

キューアンドエースタジアムみやぎ(写真/PIXTA)

キューアンドエースタジアムみやぎ(写真/PIXTA)

「SUUMO住みたい街ランキング2023 宮城県版/仙台市版」の結果を見ると、2020年と変わらず、仙台市地下鉄、JR東北本線、JR仙石線沿線の駅、アクセスの良い都心が上位にランクインしているのが分かる。また、子育て支援が充実している街、再開発計画があり、これからの将来性が期待できる街は住みたいというあこがれ、ニーズが高く、今後も目が離せない。

●関連ページ
SUUMO住みたい街ランキング2023 宮城県版/仙台市民版

2023年は郊外ファミリー賃貸で賃料が上昇!? 国分寺など上昇した駅のデータとともに解説

長谷工ライブネットは、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の沿線・駅別の賃料相場を分析し、「首都圏賃貸マンション賃料相場マップ 2023 年版」を完成させた。その結果からは、「特に郊外のファミリー賃貸で大幅上昇の傾向が見られた」という。詳しく見ていこう。

【今週の住活トピック】
「首都圏賃貸マンション賃料相場マップ2023年版」が完成/長谷工ライブネット

首都圏でファミリー向け賃貸マンションの需要が高まる!?

「首都圏賃貸マンション賃料相場マップ 2023 年版」は、間取りタイプをシングル(25平米)・コンパクト(40平米)・ファミリー(60平米)の 3タイプに分類し、沿線・駅別の賃料相場を同社独自の分析調査によりまとめたもの(対象:95沿線、延べ1,030駅)

タイプ別の賃料相場について、前年との比較で駅別に変動率を算出してまとめた結果、首都圏全体では「上昇」(やや上昇・上昇・大幅上昇)の割合がシングル37%、コンパクト47%、ファミリー51%を占め、面積が広いタイプほど上昇の割合が高い結果になった。なかでも埼玉県と千葉県では、ファミリータイプで「大幅上昇」(グラフの赤い帯部分)が20%を超えるなど、大幅上昇が目立つ。

出典/長谷工ライブネット「首都圏賃貸マンション賃料相場マップ2023年版」より転載

出典/長谷工ライブネット「首都圏賃貸マンション賃料相場マップ2023年版」より転載

エリア別・タイプ別で見ると状況はそれぞれ異なるので、詳しく見ていこう。

東京23区では、シングル、コンパクト、ファミリーともに低下(やや低下・低下)よりも上昇の割合のほうが大きく、なかでもファミリータイプでの上昇傾向が大きいという点で、首都圏全体と同じ傾向にある。
東京都下のシングルだけは、低下の割合のほうが上昇より大きいのが特徴だ。が、都下でもファミリータイプでは上昇傾向が見られる。神奈川県は、首都圏のなかでは他のエリアよりは変動が小さい。
埼玉県と千葉県では、コンパクトタイプの上昇割合が最も大きいのが特徴。シングルタイプの上昇割合も、他の都県より大きいが、ファミリータイプについては「大幅上昇」の割合が大きいのが目立つ。このことから、埼玉県と千葉県は賃貸相場が上昇傾向にあるが、特にファミリータイプが特定のエリアで大幅に上昇していると推測できる。

出典/長谷工ライブネット「首都圏賃貸マンション賃料相場マップ2023年版」より転載

出典/長谷工ライブネット「首都圏賃貸マンション賃料相場マップ2023年版」より転載

国分寺、さいたま新都心、千葉中央のファミリータイプ賃料が大幅上昇

次に、エリア別に賃料のランキング1位を紹介しよう。

■エリア別賃料相場ランキング(1位を抜粋)

●東京23区
シングルタイプ(25平米)表参道(東京メトロ)147,000円コンパクトタイプ(40平米)神谷町(東京メトロ)265,000円ファミリータイプ(60平米)※同率1位表参道(東京メトロ)379,000円外苑前(東京メトロ)379,000円●東京都下
シングルタイプ(25平米)吉祥寺(JR・京王)102,000円コンパクトタイプ(40平米)三鷹(JR)147,000円ファミリータイプ(60平米)国分寺(JR)238,000円●神奈川県
シングルタイプ(25平米)武蔵小杉(JR・東急)103,000円コンパクトタイプ(40平米)馬車道(みなとみらい)155,000円ファミリータイプ(60平米)馬車道(みなとみらい)278,000円●埼玉県
シングルタイプ(25平米)川口(JR)88,000円コンパクトタイプ(40平米)大宮(JR他)129,000円ファミリータイプ(60平米)さいたま新都心(JR)235,000円●千葉県
シングルタイプ(25平米)浦安(東京メトロ)87,000円コンパクトタイプ(40平米)柏の葉キャンパス(つくばEX)127,000円ファミリータイプ(60平米)千葉中央(京成)188,000円

このなかでも、東京都下の「国分寺」(前年2位)、埼玉県の「さいたま新都心」 (前年2位)、千葉県の「千葉中央」 (前年7位)のファミリータイプが、大幅上昇によってそれぞれ 1 位にランクアップした。この理由として「分譲マンションの一部が賃貸された影響で賃料が大幅上昇した」のだという。

埼玉県と千葉県では、ほかにもファミリータイプで大幅上昇した駅がある。埼玉県では「北浦和」(前年8位→5位)、「所沢」(前年9位→5位)、「和光市」(前年12位→7位)、「与野」(前年14位→9位)、千葉県では「松戸」(前年13位→7位)、「柏」(前年16位→8位)だ。

首都圏のファミリータイプで賃料が上昇する背景は?

筆者は、SUUMOジャーナル1月25日公開の記事で「東京都23区のファミリータイプの賃貸住宅が活況。就業環境や働き方の変化が影響?」を執筆した。このときは、三菱UFJ信託銀行が公表した「2022年度 賃貸住宅市場調査」(2022年秋時点)の結果を参照した。

ファミリータイプについては、東京23区と首都圏(東京23区を除く)は、現状も半年後の予測も稼働率と賃料は好調だった。その理由として、2つの要因を挙げた。

まず、マンションの価格が上昇しているため、購入を考えた場合に手が届きにくいこと。次に、ユーザーの志向が住宅の広さや部屋数を求めるようになったこと。これは在宅勤務やオンライン授業などの影響でおうち時間が長くなったことなどが影響している。その結果、広さと駅からの利便性を求めて、手の届く住まいとして、ファミリータイプの賃貸マンションへの需要が高まったと分析した。

こうした状況は今も継続している。さらに、長谷工ライブネットが指摘した分譲マンションの一部が賃貸されているということも加わって、好立地で手が届きやすい賃料のファミリータイプの需要が高いと見てよいだろう。

さて、近年は首都圏のファミリータイプの賃貸需要が高くなっているが、今後も続くのだろうか?住宅の需要はさまざまな要因で変わる。コロナ禍を経て日常生活が戻りつつあるので、就業状況や収入などが改善される方向に進んでいる。また、テレワークは一定レベルで定着しつつある。一方で、住宅ローンの金利上昇リスクが高まっているので、住宅の購入環境が変わる可能性も考えられる。さらには、感染拡大の可能性がなくなったわけではない。

その時々で、最適の住まいを選ぶということになるので、どういった住まいに需要が高まるかは予測しづらい状況になっている。

●関連サイト
長谷工ライブネット/「首都圏賃貸マンション賃料相場マップ2023年版」が完成

愛知「住みたい街ランキング2023年版」不動の1位は名古屋! NHK大河ドラマ『どうする家康』影響で三河エリアに熱視線

2023年、リクルートが3年ぶりに「住みたい街ランキング」の愛知県版を発表。再開発や再整備が盛んで、注目の施設の開業など、都市部を中心に変化が著しい愛知。今年はNHK大河ドラマ「どうする家康」の影響もあり、三河エリアへも熱い視線が注がれている。愛知ではどんな街が上位なのか? 人気の理由も探りながら、愛知県春日井市生まれ、名古屋に住み続けて19年目の筆者と共に見ていこう。

2023年「住みたい街(駅)」1位は、暮らしやすい街へ進化中の「名古屋」

愛知県 住みたい街(駅)ランキング

今回の「住みたい街」(自治体・駅)ランキングは、愛知県内の街(自治体・駅)について、愛知県在住の20~49歳の男女2000人に「住みたい街」についてアンケートを実施した結果をランキングしたもの。
県内居住者から見て、住んでみたいと思われている憧れの街がランクインしていると言える。

「住みたい街」(駅)の1位から3位までは、前回2020年に実施した時と同じ結果に。不動の1位は、2018年のランキングから変わらず「名古屋」!

「名古屋」の高い人気は、2027年のリニア開業を見据え、再開発が進んでいることが挙げられる。また近年、名古屋駅前の再整備計画が発表されており、今後は駅東西に広場を整備予定だ。駅西側駅前広場にはイベントなども行われるスペースをつくる再整備計画があり、期待が高まる。

中央コンコースから地下街で「大名古屋ビルヂング」や「ミッドランドスクエア」に繋がる駅東側は、地上ロータリー交差点の改良や、歩行者空間の整備などが予定されている。ロータリーのランドマークになっていたモニュメント「飛翔」は昨年撤去され、広場開設に向けて整備が進行中だ。

ロータリーのモニュメント「飛翔」は昨年撤去され、現在は広場開設に向けて整備が進んでいる(写真/PIXTA)

ロータリーのモニュメント「飛翔」は昨年撤去され、現在は広場開設に向けて整備が進んでいる(写真/PIXTA)

数年前までは商業的な街という印象が強かった「名古屋」だが、近年変化が著しい。2021年には、名鉄百貨店メンズ館地下1階に、高級スーパー「紀ノ国屋」が中部地区初出店し話題に。また同年、駅徒歩約12分のノリタケ工場跡地に、商業施設と住宅、オフィスからなる複合施設「イオンモールNagoya Noritake Garden」が開業して、食品や日用品の買い物の場が充実した。この「イオンモールNagoya Noritake Garden」は、緑豊かな「ノリタケの森」の敷地内に立ち、1階から2階に繋がる大型書店「TSUTAYA BOOKSTORE」と、3階にある「コニカミノルタ プラネタリウム満天NAOGOYA」が話題に。子連れファミリーが訪れやすい街へと進化している。

3位には、名古屋市外から東三河の中心都市「豊橋」がランクイン

それでは、2位以下のランキング上位の街についても見ていこう。

2位「金山」は「名古屋」の隣の街で、交通利便性の良さに高い支持が集まる。金山駅は、JR2路線と名鉄線、地下鉄2路線が乗り入れる総合駅だ。名鉄線は刈谷市や三河方面へも運行し、豊田や岡崎方面にも通勤がしやすいほか、中部国際空港との直行便「ミュースカイ」も発着する。駅前の商業施設「アスナル金山」は2020年にリニューアルし、市内の人気ベーカリーや回転寿司店などが登場。また、駅直結の「ミュープラット金山」にはカフェや雑貨店が入るほか、駅の北側には地下1階、地上3階建の「イオン金山店」があり、食料品や日用品も手に入れやすく便利だ。

金山駅周辺(写真/PIXTA)

金山駅周辺(写真/PIXTA)

名古屋市外からランクインした3位「豊橋」は、愛知県の南東部に位置する東三河の中心都市で、東海道新幹線が停車する。市内の移動には路面電車が活躍していて、夏の「納涼ビール電車」と、名産のちくわも楽しめる冬の「おでんしゃ」は人気企画だ。2021年、駅前に食・健康・学びをテーマにした複合施設「em CAMPUS(エムキャンパス)」が開業。食材マーケットや飲食店、住居、行政窓口を備えるほか、2・3階にはカフェを併設した「豊橋市まちなか図書館」があり、住民の憩いの場となっている。また、市内には「のんほいパーク」の愛称で知られる豊橋総合動植物公園をはじめ、緑豊かな公園が点在。遠州灘に面した伊古部海岸はサーフィンスポットで、アカウミガメの産卵場所でもある。自然に恵まれ、レジャーや山海の幸を気軽に楽しめるという魅力がある。ちなみに「豊橋」は、「穴場だと思う街(駅)ランキング」では1位に選ばれている。

「のんほいパーク」こと豊橋総合動植物公園(写真/PIXTA)

「のんほいパーク」こと豊橋総合動植物公園(写真/PIXTA)

市内では、都会的な雰囲気と利便性を持ち合わせた東山線沿線の街が人気

4~6位の「栄」「覚王山」「星ヶ丘」は、全て地下鉄東山線沿線の街。東山線は、名古屋市で最初に開業した地下鉄路線であり、市内を東西に横断する。「名古屋」にも直通なので人気が高く、「住みたい沿線ランキング」でも2位にランクインしている。

愛知県 住みたい沿線ランキング

4位「栄」は、「住みたい自治体ランキング」1位の名古屋市中区に位置。2020年、栄~久屋大通駅間に公園と商業施設が一体化した「RAYARD Hisaya-odori Park(レイヤード ヒサヤオオドオリ パーク)」がオープンして、一帯がリニューアル。久屋大通公園沿いに、およそ40軒のグルメやファッションの店舗が集まる。エリア内に5つある「ヒロバ」では度々イベントが行われ、トレンドを発信している。

「RAYARD Hisaya-odori Park(レイヤード ヒサヤオオドオリ パーク)」(写真/PIXTA)

「RAYARD Hisaya-odori Park(レイヤード ヒサヤオオドオリ パーク)」(写真/PIXTA)

同時に地下街の「セントラルパーク」も改装され、スーパーなどが集まる食物販ゾーンが誕生。休日にテイクアウトグルメを楽しんだり、平日の仕事帰りに食材などの買い物を済ませたりと、暮らす街としても選択肢が広がった。2022年には、マルエイ跡地に食に関する商業施設「マルエイガレリア」が開業し、関西発のスーパー「パントリー」や、市内最大級の無印良品が開業して話題に。今後も「中日ビル」の建て替えや「(仮称)錦三丁目25番街区計画」といった大規模複合施設建設の計画が控え、ますますにぎわいそうだ。

「マルエイガレリア」(写真/PIXTA)

「マルエイガレリア」(写真/PIXTA)

5位「覚王山」と6位「星ヶ丘」は、共に「住みたい自治体ランキング」で2位となった名古屋市千種区に所在。

愛知県 住みたい自治体ランキング

「覚王山」は、昨年「SUUMO住み続けたい街ランキング愛知2022」で住民から選ばれ、1位に輝いた街。シンボルは覚王山日泰寺で、駅を出るとすぐに400mほどの参道が続き、商店街が広がる。レトロな雰囲気の食堂などのほか、東海発祥のドーナツ店やパティスリー「シェ・シバタ名古屋」といった人気店も軒を連ね、新旧の良さが合わさる街だ。住民も街の魅力として「雰囲気やセンスのいい、飲食店やお店がある」という項目を上位に挙げている。

6位「星ヶ丘」は、駅前にファッションやグルメが楽しめる商業施設「星が丘テラス」や「星ヶ丘三越」があり、買い物環境が抜群。季節ごとの装飾が美しい「星が丘テラス」は、フォトスポットとしても人気に。また、周辺に大学が多い文教地区でもある。周囲は自然にも恵まれ、東山動植物園星が丘門に近く、休日は家族連れでにぎわう。

・関連記事:愛知「住み続けたい街ランキング2022年版」住民評価1位は名古屋市おさえ長久手市!

順位が上がった街から、「交通利便性」と「職住近接」のニーズが見えてくる

7位「刈谷」、8位「大曽根」、9位「岡崎」は、いずれも2020年から順位がアップ!

愛知県 穴場だと思う街(駅)ランキング

特に「大曽根」は2020年の16位から8位へ、大きく順位を上げた。「愛知県穴場だと思う街(駅)」ランキングでも3位になるなど、注目度が高い。「大曽根」は名古屋市東区と北区にまたがる街で、大曽根駅からはJR、名鉄、地下鉄に加え、ガイドウェイバス「ゆとりーとライン」の4路線を利用可能。名古屋都市部だけでなく、瀬戸市や春日井市方面へもアクセスしやすい。さらに、市バスの路線も充実している。2020年、名鉄瀬戸線の駅構内に商業施設「ミュープラット大曽根」が併設され、「からみそラーメンふくろう食堂」など17店舗がオープンして便利に。また、徒歩圏内にスーパーを含む「メッツ大曽根」や、朝市を開催する商店街「オゾンアベニュー」が集まり、1駅隣には「イオンモールナゴヤドーム前」もあるなど、生活利便性の高さは抜群。一方で、駅南口方面には住宅街が広がり、徒歩約10分の距離に公園を併設した庭園「徳川園」があり、四季や自然も身近に感じられる。

7位「刈谷」、9位「岡崎」は、共に愛知県の三河エリアに位置する市。
デンソーやアイシン、豊田自動織機などトヨタ系企業の本社が多く、関連企業に勤める人からの職住近接ニーズも高い「刈谷」。県内屈指のスポーツタウンで、刈谷市をホームタウンとするスポーツチームは、バスケットボール、バレーボール、ソフトボール、ラグビー…など多岐にわたる。刈谷総合運動公園敷地内にある「ウイングアリーナ刈谷」は、男子バスケットボールチーム「シーホース三河」のホームアリーナ。トラックとフィールドからなる陸上競技場「ウェーブスタジアム刈谷」も併設され、各施設は大会などがない日は一般利用も可能。プロ仕様の本格的なエリアで、老若男女がスポーツを楽しむ姿が見られる。また、全国有数の財政力を誇る街でもあり、駅から市内の公園など主要な施設を回る公共施設連絡バス「かりまる」は、なんと無料で乗ることができる。さらに、「刈谷ハイウェイオアシス」や「刈谷市交通児童遊園」といった遊園地さながらの公園があり、乗り物が100円前後と、格安価格で遊べる。

「刈谷ハイウェイオアシス」(写真/PIXTA)

「刈谷ハイウェイオアシス」(写真/PIXTA)

NHK大河ドラマ「どうする家康」で注目が高まる「岡崎」は、徳川家康の生誕地である岡崎城や、八丁味噌の産地として知られる。「名古屋」まで名鉄とJRで30分の距離で、三菱自動車などの自動車関連工場と、関連企業に従事する人が多い。公共施設が充実し、市内中心部にある図書館交流プラザ「Libra」は、「愛知まちなみ建築賞」を受賞した建物内に豊富な蔵書を収容。館内には岡崎出身のジャズ愛好家、内田修氏が寄贈したジャズコレクション展示室があり、貴重な音源を楽しめる。市内には大きな公園も点在し、遊園地のある「南公園」では、100円以下で楽しめる乗り物が多数。また、「東公園」の動物園ではアジアゾウなどが見られるが、入園料は無料!教育にも注力し、愛知県立岡崎高等学校は、難関大学合格者を多数輩出する公立高校として全国的にも注目を集めている。

近年は名鉄「東岡崎」駅周辺で再開発が進み、2019年には駅直結の複合施設「オト リバーサイドテラス」が誕生。また、2023年度中には南口に地上3階建の駅ビルが竣工し、今後は北口にも商業施設やオフィスを備えた地上8階建のビルを建設予定だ。「東岡崎」は街のランキングも前回20位から15位へとアップしている。

今回の「愛知県住みたい街(駅)ランキング」では、名古屋都市部の街に加え、豊かな自然や文化を享受でき、再整備などで利便性が高まった三河エリアの都市もランクインした。「岡崎」と同じく三河の中核都市である「豊田市」も、前回33位から12位にランクアップしている。

特に、ピックアップしたランキング上位の街は、近年暮らしやすさや景観の良さがアップし、トレンド感も加わって、惹かれる魅力がたっぷり。

みんなの声を集めた「住みたい街ランキング」からは、今後の街の進化への期待感と、「忙しい毎日の中、プラスアルファの楽しみがある街で暮らしたい」という現代のニーズが見えてくるようだ。

●関連ページ
・SUUMO住みたい街ランキング2023 愛知県版/名古屋市版

【横浜駅30分以内】家賃相場が安い駅ランキング2023年。1位は5万円未満! ほかにも穴場駅が多数

神奈川県屈指のターミナル駅と言えば、JR各線をはじめ東急東横線や京急本線など6社が乗り入れている横浜駅。駅周辺にはオフィスビルに加え商業施設も充実し、観光地としてもにぎわっている。2023年9月には横浜駅東口側の臨港エリアに世界最大級の音楽に特化したアリーナ「Kアリーナ横浜」と「ヒルトン横浜」の開業が予定されているなど、駅周辺の大規模再開発も進行中で今後はさらなる発展が見込まれる。そんな横浜駅の30分圏内にある駅の家賃相場を調査! シングル向け物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場が安い駅ランキングのトップ15を紹介しよう。

横浜中華街(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

横浜駅まで電車で30分以内の家賃相場が安い駅TOP15(16駅)

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/横浜駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 安針塚 4.95万円(京急本線/神奈川県横須賀市/29分/1回)
2位 京急田浦 5.05万円(京急本線/神奈川県横須賀市/26分/1回)
3位 いずみ野 5.5万円(相鉄いずみ野線/神奈川県横浜市泉区/23分/1回)
3位 善行 5.5万円(小田急江ノ島線/神奈川県藤沢市/29分/1回)
3位 桜ケ丘 5.5万円(小田急江ノ島線/神奈川県大和市/28分/1回)
3位 羽沢横浜国大 5.5万円(相鉄新横浜線/神奈川県横浜市神奈川区/12分/1回)
3位 追浜 5.5万円(京急本線/神奈川県横須賀市/24分/0回)
8位 汐入 5.55万円(京急本線/神奈川県横須賀市/30分/0回)
9位 さがみ野 5.6万円(相鉄本線/神奈川県海老名市/28分/2回)
9位 上星川 5.6万円(相鉄本線/神奈川県横浜市保土ケ谷区/10分/1回)
9位 鶴間 5.6万円(小田急江ノ島線/神奈川県大和市/28分/2回)
12位 六浦 5.65万円(京急逗子線/神奈川県横浜市金沢区/22分/0回)
13位 かしわ台 5.7万円(相鉄本線/神奈川県海老名市/30分/2回)
13位 成瀬 5.7万円(JR横浜線/東京都町田市/30分/1回)
13位 横須賀中央 5.7万円(京急本線/神奈川県横須賀市/27分/0回)
13位 湘南深沢 5.7万円(湘南モノレール/神奈川県鎌倉市/24分/1回)
※17位以下は記事末に記載

横浜に加え、渋谷や新宿方面にも乗り換え0回で行ける駅が3位に

横浜駅まで30分以内で行ける、家賃相場が最も安い駅は京急本線・安針塚(あんじんづか)駅。家賃相場はトップ15で唯一の4万円台、4万9500円だった。神奈川県横須賀市に位置し、2020年度調査では京急線全72駅のうち1日の平均乗降人員が最も少ないという穴場の駅。ちなみに横浜駅の家賃相場は8万5000円なので、安針塚駅の相場はそれよりも約3万5000円も低いわけだ。

安針塚駅(写真/PIXTA)

安針塚駅(写真/PIXTA)

安針塚という駅名は、駅から徒歩25分ほどの「塚山公園」にある三浦按針(みうらあんじん=ウイリアム・アダムズ)の供養塔「安針塚」に由来する。園内からは眼下に横須賀港、遠くに横浜や房総半島までを眺められるロケーション。この公園がある高台をはじめ安針塚駅周辺は山に囲まれており、谷間や丘陵地を通る入り組んだ道沿いに住宅が建っている。平地が少ないためか商店も豊富とは言えないが、駅前にスーパーがあるのは便利。京急本線で2駅目の8位・汐入駅まで行くと、駅周辺にショッピングモールや多彩な飲食店、海に面した「ヴェルニー公園」があるので休日に足を延ばすのもいいだろう。

塚山公園からの景色(写真/PIXTA)

塚山公園からの景色(写真/PIXTA)

2位は京急本線・京急田浦駅で家賃相場は5万500円。1位・安針塚駅から横浜方面に1駅目が2位・京急田浦駅で、両駅ともに金沢八景駅で京急本線の快特に乗り換えると横浜駅まで30分以内で行くことができる。JR横須賀線に名前が似た「田浦駅」があるが、京急田浦駅からは徒歩20分少々かかるので混同しないように注意が必要だろう。さて、1位と同じ横須賀市に位置する京急田浦駅の周辺は住宅地で、駅前を通る国道16号沿いには飲食店やコンビニが点在し、警察署も建っている。徒歩3分ほどの商店街にも飲食店やスーパーがあるので、コンパクトな範囲で買い物や食事が済ませられそうだ。

京急田浦駅(写真/PIXTA)

京急田浦駅(写真/PIXTA)

3位には家賃相場が同額5万5000円で5駅がランクイン。そのうち相鉄いずみ野線・いずみ野駅から横浜駅まで最短で向かうには、まず二俣川駅に行き、相鉄本線の通勤急行や快速に乗り換えると約23分で到着する。また、相鉄本線快速直通の相鉄いずみ野線快速に乗れば、乗り換え0回・約24分で横浜駅まで行くことも可能だ。駅は神奈川県横浜市の内陸部に位置し、駅前にはスーパーやドラッグストア、ホームセンターなどを備えたショッピングモールがある。駅前ロータリーを挟んだ向かい側には飲食店も。駅周辺に広がる住宅地の合間には農地も広がり、新鮮な農産物の直売所が点在しているのも嬉しいところだ。

この3位・いずみ野駅は横浜駅まで約23分で行けるだけではなく、渋谷や新宿方面にアクセスしやすい点も魅力。これは2023年3月に開業した相鉄・東急新横浜線のおかげ。開業に合わせていずみ野駅に停車するようになった相鉄いずみ野線の特急と通勤特急が、東急東横線と直通運転されているのだ。いずみ野駅から相鉄いずみ野線の通勤特急に乗ると、相鉄本線~相鉄新横浜線~東急新横浜線~東急東横線といつの間にか路線を変え、乗り換え0回で渋谷駅まで約52分で到着。さらに、渋谷駅から先は東京メトロ副都心線に直通運転されており、新宿三丁目駅までもいずみ野駅から乗り換え0回・約1時間で行くことができる。

このルート途中には、同じく3位の相鉄新横浜線・羽沢横浜国大(はざわよこはまこくだい)駅にも停車。つまり同駅からも乗り換え0回で、渋谷駅まで約35分、新宿三丁目駅まで約43分で到着できる。また、羽沢横浜国大駅にはJR埼京線直通の便も通っているため、そちらを利用すると渋谷駅まで約33分、新宿駅まで約38分で行くことも可能だ。

羽沢横浜国大駅(写真/PIXTA)

羽沢横浜国大駅(写真/PIXTA)

羽沢横浜国大駅から横浜駅までは、1駅隣の西谷駅から相鉄本線の通勤急行に乗り換えて計約12分。西谷駅とは反対方面に1駅進むと新横浜駅があり、そこから東海道新幹線に乗って静岡・名古屋・京都・新大阪方面に向かうこともできる。この羽沢横浜国大駅は相鉄・JR直通線と相鉄・東急直通線の建設にともなって2019年に開業した比較的新しい駅。名前からうかがえる通り横浜国立大学の最寄り駅でもあり、徒歩15分ほどでキャンパスにたどり着く。また、駅前は再開発が行われ、2021年には生鮮食品も扱うドラッグストアとクリニックモールがオープン。2024年春には地上23階建ての商業施設と住居の複合ビルが開業予定だ。

横浜駅から約10分の近さながら、9位は家賃相場が横浜駅より2万9000円もダウン

トップ15のうち横浜駅までの所要時間が最も短かったのは、家賃相場5万6000円で9位に入った横浜市保土ヶ谷区の相鉄本線・上星川駅。2駅先の星川駅で各駅停車から快速に乗り換えると、横浜駅まで約10分。乗り換えずに各駅停車1本でも約12分で行くことができる。駅前にはスーパーやドラッグストア、さまざまなクリニックに加えて飲食店も建ち並んでいる。食事処を備えた日帰り温泉施設も駅前にあり、駅から12分ほど歩くと入浴料500円でありながら温泉を利用した銭湯も。気軽に温泉でリフレッシュできる環境だ。

上星川駅(写真/PIXTA)

上星川駅(写真/PIXTA)

また、9位・上星川駅から横浜駅に向かう途中にある星川駅~天王町駅間は2022年に高架化されており、それにともなって全長1.4kmの高架下に「星天qlay(ホシテンクレイ)」が誕生している。2023年2月に第1期、4月に第2期開業を迎え、飲食店やスーパー、コワーキングスペースなどがオープン。今後はさらに新たなゾーンの開業も控えているので、上星川駅から足を延ばして訪ねるのもいいだろう。

ランキング上位には今回調査の基点にした横浜駅と同じ神奈川県内の駅が並んだが、13位にはトップ15で唯一の東京都内の駅となった成瀬駅が家賃相場5万7000円でランクイン。東京都町田市に位置する成瀬駅からJR横浜線で菊名駅に出て、そこから東急東横線の通勤特急に乗り換えると計約30分で横浜駅へ。また成瀬駅の1駅隣にある長津田駅には東京メトロ半蔵門線直通の東急田園都市線が通っているので、半蔵門線沿線の渋谷駅や表参道駅、永田町駅や大手町駅にも乗り換え1回で行くことができる。

成瀬駅(写真/PIXTA)

成瀬駅(写真/PIXTA)

13位・成瀬駅周辺の様子を見てみると、複数のスーパーやコンビニ、飲食店など日常生活に必要な商店は充実している。さらに成瀬駅から長津田駅とは反対方面に1駅進むと、大型商業施設が建ち並ぶターミナル駅の町田駅に到着。洋服やインテリア用品などのショッピングがしたいとき、気軽に町田に行けるロケーションなのも成瀬駅の魅力の一つだろう。

17~26位

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている横浜駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2022/4~2023/3
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンションのうち普通借家契約の物件のみ)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2023年3月27日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

【横浜駅30分以内】中古マンション相場が安い駅ランキング2023年。シングル向けTOP10はすべて2000万円未満

東京都内では「100年に一度」とも言われる再開発が各地で行われているが、神奈川県屈指のターミナル駅・横浜駅周辺でも数年来の大規模再開発・整備事業が進行中。2023年9月には横浜駅東口側の臨港エリアに世界最大級の音楽に特化したアリーナ「Kアリーナ」と「ヒルトン横浜」の開業が予定されているほか、今後も続々と新施設がオープン予定だ。今回はそんな注目が高まる横浜駅まで30分以内で行ける、中古マンションの価格相場が安い駅を調査してランキング。「シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)」と「カップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)」、それぞれのトップ15を見ていこう。

横浜駅まで電車で30分以内にある中古マンションの価格相場が安い駅TOP15

【シングル向け】
順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/横浜駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 仲町台 650万円(横浜市営地下鉄ブルーライン/神奈川県横浜市都筑区/18分/0回)
2位 星川 1219万円(相鉄本線/神奈川県横浜市保土ケ谷区/4分/0回)
3位 磯子 1430万円(JR京浜東北・根岸線/神奈川県横浜市磯子区/15分/0回)
4位 十日市場 1490万円(JR横浜線/神奈川県横浜市緑区/25分/1回)
5位 平間 1580万円(JR南武線/神奈川県川崎市中原区/19分/1回)
5位 鹿島田 1580万円(JR南武線/神奈川県川崎市幸区/17分/0回)
7位 港南中央 1730万円(横浜市営地下鉄ブルーライン/神奈川県横浜市港南区/14分/1回)
8位 金沢文庫 1799万円(京急本線/神奈川県横浜市金沢区/17分/0回)
9位 京急新子安 1890万円(京急本線/神奈川県横浜市神奈川区/7分/1回)
10位 新子安 1935万円(JR京浜東北・根岸線/神奈川県横浜市神奈川区/6分/0回)
11位 海老名 1948万円(相鉄本線/神奈川県海老名市/26分/0回)
12位 花月総持寺 1980万円(京急本線/神奈川県横浜市鶴見区/11分/1回)
12位 鶴見市場 1980万円(京急本線/神奈川県横浜市鶴見区/13分/1回)
14位 南太田 2020万円(京急本線/神奈川県横浜市南区/8分/0回)
14位 蒔田 2020万円(横浜市営地下鉄ブルーライン/神奈川県横浜市南区/12分/0回)
※16位~30位は記事末に記載

【カップル・ファミリー向け】
順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/横浜駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 かしわ台 1798万円(相鉄本線/神奈川県海老名市/30分/2回)
2位 京急田浦 1890万円(京急本線/神奈川県横須賀市/26分/1回)
3位 桜ケ丘 2280万円(小田急江ノ島線/神奈川県大和市/28分/1回)
4位 さがみ野 2380万円(相鉄本線/神奈川県海老名市/28分/2回)
5位 善行 2405万円(小田急江ノ島線/神奈川県藤沢市/29分/1回)
6位 鶴間 2490万円(小田急江ノ島線/神奈川県大和市/28分/2回)
7位 下永谷 2539.5万円(横浜市営地下鉄ブルーライン/神奈川県横浜市港南区/18分/1回)
8位 京急富岡 2680万円(京急本線/神奈川県横浜市金沢区/18分/1回)
8位 六浦 2680万円(京急逗子線/神奈川県横浜市金沢区/22分/0回)
8位 小机 2680万円(JR横浜線/神奈川県横浜市港北区/14分/1回)
8位 相模大塚 2680万円(相鉄本線/神奈川県大和市/26分/2回)
8位 羽沢横浜国大 2680万円(相鉄新横浜線/神奈川県横浜市神奈川区/12分/1回)
13位 希望ケ丘 2748万円(相鉄本線/神奈川県横浜市旭区/16分/0回)
14位 洋光台 2780万円(JR京浜東北・根岸線/神奈川県横浜市磯子区/21分/0回)
15位 南林間 2799万円(小田急江ノ島線/神奈川県大和市/28分/1回)
※16位~30位は記事末に記載

「シングル向け」1位の価格相場は横浜駅の5分の1以下!

シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)で最も中古マンションの価格相場が安かったのは、横浜市営地下鉄ブルーライン・仲町台駅。価格相場は2位以下と比べて群を抜いて安いのだが、こちらは、集計対象となる期間中に売りに出されていた物件が、戸数が多く築年数が古い、ある大型マンションに偏っていたため。今回紹介している駅は、集計対象が10戸以上存在することを条件としているものの、特定の物件の相場に引っ張られた形で、仲町台駅周辺の全体相場を表しているとはいえないのであくまでも参考値として見てほしい。ちなみに横浜駅の価格相場は3290万円。これほど価格差があるなら、仲町台駅はよほど不便なロケーションなのだろうか?

仲町台駅周辺の様子(写真/PIXTA)

仲町台駅周辺の様子(写真/PIXTA)

1位・仲町台駅から横浜駅までは横浜市営地下鉄ブルーライン1本、約18分で行くことができる。この駅があるのは横浜市都筑区、高度成長期に計画された都市開発事業で誕生した「港北ニュータウン」の一角。計画的に整備された住宅地だけあり、駅周辺にはスーパーやドラッグストア、銀行や郵便局に各種クリニック……と日常生活に役立つ施設がそろっており、「不便な環境」ではまったくない様子。飲食店が立ち並ぶ駅前から北へ5分ほど歩くと「せせらぎ公園」へ。池の周囲に遊歩道が整備された緑豊かな公園で、ほっと息抜きできる。横浜とは逆方面に1駅目のセンター南駅まで行けば、ショッピングモールや映画館、ホームセンターなどもあるので休日に出かけてもよさそうだ。

2位は横浜市保土ヶ谷区にある相鉄本線・星川駅で価格相場は1219万円。横浜駅までは相鉄本線の各駅停車で4駅・約7分、快速ならトップ15で最短の所要時間となる1駅・約4分で行くことができる。駅周辺は区役所や警察署、消防署、図書館など公共・公益施設が集中する保土ケ谷区の中心地。「ユニクロ」や「無印良品」も備えた「イオン天王町ショッピングセンター」、ホームセンターや家電量販店が徒歩圏内にあるのも便利だろう。また、星川駅から隣の天王町駅間は2022年に高架化されており、それにともなって全長1.4kmの高架下に「星天qlay(ホシテンクレイ)」が誕生した。2023年2月に第1期、4月に第2期開業を迎え、飲食店やスーパー、コワーキングスペースなどがオープン。今後はさらに新たなゾーンの開業も控えているので楽しみだ。

星川駅前広場の様子(写真/PIXTA)

星川駅前広場の様子(写真/PIXTA)

星天qlay(プレスリリースより)

星天qlay(プレスリリースより)

3位は横浜市磯子区にあるJR京浜東北・根岸線の磯子駅で価格相場は1430万円。横浜駅までは乗り換え不要で、6駅・約15分で到着する。ここまで見てきたトップ3の駅は、いずれも横浜駅まで乗り換え0回という結果となった。また、磯子駅の場合は当駅始発の列車もあり、通勤時間帯でも悠々と乗車できる点も魅力だろう。そんな磯子駅の東側は根岸湾に面した工業地帯なので、生活エリアは駅の西側に。複数のスーパーやドラッグストア、ファミレス、100円ショップなどの商店が駅前に集中し、駅から徒歩5分ほどの場所には区役所もある。海辺の街とはいえ、近くには泳げるようなビーチはないが、根岸湾に面したエリアにある海の見える公園や海釣り施設、2023年6月で3周年の「三井アウトレットパーク 横浜ベイサイド」で、休日には潮風を感じながら過ごすのもいいだろう。

磯子駅(写真/PIXTA)

磯子駅(写真/PIXTA)

トップ15からもう1駅、注目の街をピックアップしたい。近年よく耳にする「SDGs(持続可能な開発目標)」。このSDGsの先導的な取り組みを行う自治体として国に選定された横浜市では、その取り組みの一環として「持続可能な住宅地推進プロジェクト」を推進している。これは駅周辺に生活に必要な機能を集積し、コンパクトで活力のある郊外部のまちづくりを目指すもの。そのモデル地区の一つが横浜市緑区十日市場町周辺地域、つまり4位にランクインしたJR横浜線・十日市場駅の周辺なのだ。

4位・十日市場駅の周辺では、市と民間企業が連携し、市有地を活用した持続可能な郊外住宅地の再生が進められている。そして駅から南に徒歩5分ほどの場所に2023年3月、集合住宅「グレーシア横浜十日市場」が完成した。分譲住宅と賃貸住宅からなり、共用部は地域に開放。デスクワークや休憩に使えるラウンジと、地域住民の交流やものづくりに活用できる会場、緑地広場などが設けられている。同住宅の隣接地には先行整備された分譲マンションや高齢者向け住宅も2019年に誕生しており、ここ数年で地域のにぎわいが増したと言えるだろう。そんな十日市場駅の周辺には複数のスーパーやドラッグストアがあるほか、一人でもふらっと入りやすいファミレスやファストフード、ラーメン店も点在。再開発で注目の街だけに、ここ1年以内でも新しい飲食店が複数オープンしている。

「カップル・ファミリー向け」上位には子どもが遊べる環境が充実した街も

カップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)のランキングを見ていこう。ちなみに横浜駅から徒歩15分圏内にある中古マンションの価格相場は5680万円。そしてランキング1位は、相鉄本線・かしわ台駅で価格相場は1798万円。横浜駅の3分の1以下というリーズナブルさだが、横浜駅まで30分以内でたどり着くには2回の乗り換えが必要だ。まず相鉄本線の通勤急行で大和駅に出て、特急に乗り換えて西谷駅へ。さらに通勤急行に乗ると計約30分で横浜駅に到着する。

かしわ台駅(写真/PIXTA)

かしわ台駅(写真/PIXTA)

ただ、各駅停車や通勤急行で大和駅に出てから特急に乗り継ぐ、乗り換え1回の経路でも横浜駅まで計約31分~32分。快速1本でも、約34分で行くことができる。かしわ台駅から快速に乗ると途中、4位・さがみ野駅(価格相場2380万円)~8位・相模大塚駅(同2680万円)~13位・希望ヶ丘駅(同2748万円)に停車しつつ11駅目が横浜駅だ。横浜駅に近づくほどに価格相場が上がるという、わかりやすい結果となっている。

1位・かしわ台駅は神奈川県海老名市に位置しており、市内屈指の繁華街を抱える海老名駅は横浜と反対方面に1駅目。大型ショッピングモールや映画館がある海老名駅まで気軽に行けるのはメリットだろう。かしわ台駅の周辺にはスーパーやドラッグストア、100円ショップがあり、日常の買い物は近所で済ませられる。駅西側に遊具広場や親水広場、屋内プールを備えた「北部公園」、山の地形を活かして遊具を設置した「緑地わんぱく公園」もあるので、子どもの遊び場にも困らないだろう。駅の南側、スーパーやドラッグストア、保育園が並ぶ一角にあるスーパー銭湯で、家族でリフレッシュするのも楽しそうだ。

2位は京急本線・京急田浦駅で価格相場は1890万円。京急本線の普通列車で金沢八景駅に出て、快特に乗り換えると横浜駅まで計約26分だ。駅があるのは神奈川県横須賀市、三浦半島の北部。海岸線にほど近い、緑も多く残された丘陵地に位置している。駅東側には三浦半島を南北に走る線路と並行するように国道16号が通っており、駅前の国道沿いに警察署が立っている点は安心感がある。国道を越えた一角には商店街があり、鮮魚店や生花店などの個人商店とスーパー、飲食店のほか、市の出張所があるのも何かと便利だろう。市立の幼稚園と小学校も、この商店街の近くだ。

京急田浦駅(写真/PIXTA)

京急田浦駅(写真/PIXTA)

3位は神奈川県大和市に位置する小田急江ノ島線・桜ケ丘駅で、価格相場は2280万円。2位から一気に価格がアップするが、それでも横浜駅の価格相場の2分の1以下にとどまっている。横浜駅までのアクセスは、隣の大和駅から相鉄本線の特急に乗り換えると計約28分だ。駅の徒歩20分圏内には市立小学校が3つもあり、子育て世代も多く住む街の様子。駅周辺にはスーパーやドラッグストアが点在するほか、駅東側の国道467号沿いにはハンバーグ店や回転寿司店など家族で利用しやすい飲食店も。駅から北西に10分ほど歩くと、流水プールやウォータースライダーで遊べる通年営業の温水プールを備えた「引地台公園」、その近くには無料で遊べるフィールドアスレチックがあり、子どもが楽しめる施設が近場にある点も魅力だろう。

引地台公園の温水プール(写真/PIXTA)

引地台公園の温水プール(写真/PIXTA)

トップ15の駅のうち横浜駅までの所要時間が最短だったのは、価格相場2689万円で8位にランクインした相鉄新横浜線・羽沢横浜国大(はざわよこはまこくだい)駅。1駅隣の西谷駅で相鉄本線の通勤急行に乗り換えると、横浜駅まで計約12分で到着する。この駅は相鉄・JR直通線と相鉄・東急直通線の建設にともなって2019年に開業した比較的新しい駅。2023年3月に開業した相鉄・東急新横浜線(相鉄・東急直通線)の停車駅であり、乗り換え0回で渋谷駅まで約35分、新宿三丁目駅まで約43分で行くことができる。羽沢横浜国大駅にはJR埼京線直通の便も通っているため、そちらを利用すると渋谷駅まで約33分、新宿駅まで約38分で行くことも可能だ。

8位・羽沢横浜国大駅の駅前は再開発が行われており、2021年には生鮮食品も扱うドラッグストアとクリニックモールがオープン。ただ、駅周辺にはそのほかに商店が見当たらず、買い物環境が充実しているとは言いがたい。しかし2024年春には駅直結のエリアに、地上23階建ての住居と商業施設の複合ビルが開業予定。今後の発展に期待して、いまのうちに物件検討に踏み切るのもアリかもしれない。

シングル向け 16位~30位、カップル・ファミリー向け 16位~30位

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている横浜駅まで電車で30分圏内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数35年未満、敷地権利は所有権のみ
シングル向け:専有面積20平米以上50平米未満
カップル・ファミリー向け:専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2022/4~2023/3
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2023年3月27日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

【東京駅30分以内】中古マンション相場が安い駅ランキング2023年。シングルとファミリー向けの顔ぶれの違いは?

日本を代表するターミナル駅・東京駅。周辺には多数のオフィスや商業施設が林立し、仕事にショッピングにと利用する人も多いだろう。そんな東京駅周辺に住めば便利なのは確かだろうが、住宅価格や生活費が高かったり人出が多かったり、暮らす街としてはネックになる面も。そこで、便利な東京駅までアクセスしやすく、かつリーズナブルな物件が探しやすい駅を調査した。東京駅まで電車で30分圏内にある、シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)、カップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)それぞれの中古マンションの価格相場が安い駅トップ15を紹介しよう。

東京駅まで電車で30分以内にある中古マンションの価格相場が安い駅TOP15

【シングル向け】
順位/駅名/価格相場(主な路線名/駅の所在地/東京駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 平間 1580万円(JR南武線/神奈川県川崎市中原区/30分/1回)
1位 鹿島田 1580万円(JR南武線/神奈川県川崎市幸区/29分/1回)
3位 新子安 1935万円(JR京浜東北・根岸線/神奈川県横浜市神奈川区/30分/1回)
4位 船橋 1980万円(JR総武線快速/千葉県船橋市/26分/0回)
4位 青井 1980万円(つくばエクスプレス/東京都足立区/25分/1回)
6位 綾瀬 1989万円(JR常磐線各駅停車/東京都足立区/25分/1回)
7位 小岩 2030万円(JR総武線/東京都江戸川区/19分/1回)
8位 氷川台 2189.5万円(東京メトロ有楽町線・副都心線/東京都練馬区/30分/1回)
9位 川口 2319万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県川口市/23分/1回)
10位 国道 2370万円(JR鶴見線/神奈川県横浜市鶴見区/30分/2回)
11位 亀有 2380万円(JR常磐線各駅停車/東京都葛飾区/28分/1回)
11位 八丁畷 2380万円(JR南武線/神奈川県川崎市川崎区/30分/2回)
13位 四ツ木 2410万円(京成押上線/東京都葛飾区/30分/1回)
14位 五反野 2450万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/27分/1回)
15位 西新井 2480万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/27分/1回)

【カップル・ファミリー向け】
順位/駅名/価格相場(主な路線名/駅の所在地/東京駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 六町 3299万円(つくばエクスプレス/東京都足立区/27分/1回)
2位 小菅 3380万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/25分/1回)
2位 足立小台 3380万円(日暮里・舎人ライナー/東京都足立区/27分/1回)
2位 青井 3380万円(つくばエクスプレス/東京都足立区/25分/1回)
5位 西船橋 3435万円(JR京葉線/千葉県船橋市/29分/0回)
6位 松戸 3485万円(JR常磐線/千葉県松戸市/27分/0回)
7位 堀切菖蒲園 3490万円(京成本線/東京都葛飾区/29分/1回)
8位 梅島 3499万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/29分/1回)
9位 五反野 3580万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/27分/1回)
9位 四ツ木 3580万円(京成押上線/東京都葛飾区/30分/1回)
9位 西新井 3580万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/27分/1回)
12位 扇大橋 3599万円(日暮里・舎人ライナー/東京都足立区/30分/1回)
13位 蕨 3680万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県蕨市/29分/1回)
13位 西川口 3680万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県川口市/26分/1回)
15位 下総中山 3780万円(JR総武線/千葉県船橋市/26分/1回)
※シングル向け、カップル・ファミリー向け、それぞれの16位~30位は記事末に記載

昨年のランキング:
東京駅まで30分以内、中古マンション価格相場が安い駅ランキング 2022年版

「シングル向け」1位にはJR南武線の2つの駅がランクイン

東京駅から30分圏内の駅のうち、シングル向け中古マンション(専有面積20平米以上~50平米未満)の価格相場が最も安かったのは平間駅と鹿島田駅。どちらもJR南武線の駅で、価格相場は1580万円だった。平間駅は神奈川県川崎市中原区、鹿島田駅は川崎市幸区に位置するものの、両駅は隣り合っており直線距離だと1kmほどしか離れていない。平間駅から東京駅に向かう際は、2駅先の武蔵小杉駅でJR横須賀線に乗り換えると計約30分で到着する。鹿島田駅から武蔵小杉駅までは3駅なので東京駅までの所要時間は30分を超えそうだが、別のルートを通ればOK。武蔵小杉とは逆方面に3駅目の川崎駅からJR東海道本線に乗り換えると、計約29分で東京駅にたどり着く。

平間駅(写真/PIXTA)

平間駅(写真/PIXTA)

1位にランクインした2駅の、駅周辺の様子を見てみよう。平間駅周辺には商店街が続いており、コンビニやスーパー、ドラッグストアのほかに青果店や精肉店などの個人商店、ふらっと入りやすいラーメン店や牛丼店をはじめ多彩な飲食店が点在している。高層ビルや大型商業施設はないけれど、のどかで暮らしやすそうな街並みだ。夏は商店街のサマーフェスティバルが開かれ、名物のサンバパレードや出店を楽しむ人で通りが埋め尽くされる。

鹿島田駅周辺はというと、高層マンションがそびえており平間駅とは違った印象を受けるだろう。駅ビル「エキスト鹿島田」にはドラッグストアやファストフード店があり、駅を出てペデストリアンデッキを進むとショッピングモール「サウザンド・モール」へ。1階にはスーパー、2階にはドラッグストアや書店などがあり、電車を降りてすぐ買い物ができる環境だ。駅周辺には多彩な飲食店もあり、にぎやかな雰囲気。また、駅から西方面に屋根付きのペデストリアンデッキを進み、スーパーや100円ショップ、飲食店などを備えた「新川崎スクエア」を通り過ぎるとJR横須賀線・新川崎駅に到着! 2駅利用できる点や買い物環境を考えると、価格相場は同じでも平間駅よりも鹿島田駅のほうが便利そうではある。

続く3位はJR京浜東北・根岸線の新子安駅で価格相場は1935万円。神奈川県横浜市の神奈川区に位置し、2駅隣の川崎駅からJR東海道本線に乗り換えると計約30分で東京駅にたどり着く。川崎とは逆方面に乗車すると、2駅・約6分で横浜駅へ。新子安駅前の広場を挟んで京急本線・京急新子安駅があり、2路線を利用できる点も魅力だろう。駅北側には住宅・業務・商業の複合施設「オルトヨコハマ」がそびえ、商業エリアではスーパーやドラッグストア、飲食店が営業中。駅南側にも普段使いしやすい飲食店が点在している。また、駅近くには首都高速横羽線の子安ランプがあり、車で遠出するにも便利なロケーションだ。

新子安駅の周辺(写真/PIXTA)

新子安駅の周辺(写真/PIXTA)

トップ15のうち、東京駅までの所要時間が最短なのは7位にランクインしたJR総武線・小岩駅で価格相場は2030万円。JR総武線の各駅停車のみが停まる駅だが、1駅隣の新小岩駅でJR総武線の快速に乗り換えると東京駅まで計約19分で行くことができる。東京都江戸川区に位置する小岩駅の高架下には、地上1階・地下1階からなるショッピングセンター「シャポー小岩」がある。2023年3月にリニューアルオープンした同施設の地下1階では主に食料品関係の店舗、1階では生活雑貨やファッションのお店や書店など計44店舗が営業中だ。駅南側には200店舗ほどが軒を連ねる「小岩フラワーロード商店街」も。昔ながらの親しみやすい商店街が魅力的なこの街では、大規模な再開発が進行中で2030年までに複数の複合ビルの建設が予定されている。街の注目度が高まるにつれて、今後は中古マンションの価格相場が高騰することも考えられる。

小岩フラワーロード商店街(写真/PIXTA)

小岩フラワーロード商店街(写真/PIXTA)

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「カップル・ファミリー向け」TOP15の過半数は足立区の駅に

ここからはカップル・ファミリー向け中古マンション(専有面積50平米以上~80平米未満)のランキングをチェックしていこう。1位は東京都足立区にある、つくばエクスプレス・六町(ろくちょう)駅で価格相場は3299万円。つくばエクスプレス区間快速で北千住駅に出てからJR上野東京ライン直通のJR常磐線快速に乗り換えれば、計約27分で東京駅に到着する。つくばエクスプレスで6駅目の秋葉原駅で、山手線などJR各線や東京メトロ日比谷線に乗り換えができる点も便利。4駅目の浅草駅では、少々地上を歩く必要があるが東京メトロ銀座線、東武伊勢崎線、都営地下鉄浅草線の浅草駅に乗り継ぐこともできる。

六町駅(写真/PIXTA)

六町駅(写真/PIXTA)

2005年の六町駅開業に合わせて大規模な区画整理事業が行われたため、駅周辺には築浅の住宅も目立つ新しい街並みが広がっている。駅前広場に面して児童公園が整備されているほか、2021年には「まちの防犯拠点」として警察官OBが常駐する「六町駅前安全安心ステーション(ろくまる)」が開設された。区画整理・再開発事業は現在も続いており、駅前広場に面した一角に駐輪場とにぎわい施設の機能を兼ね備えた商業・公益複合施設をつくる計画や、駅東側の綾瀬川沿いに公園を整備する計画もあるのだそう。現在は駅前にスーパーと数軒のコンビニや飲食店、徒歩10分ほどの範囲に別のスーパーやドラッグストアがあるような状況。駅を中心にしたにぎわいには欠けるが、今後の発展を見越していまのうちに物件を入手するのもアリだろう。

2位には価格相場が同額の3380万円で、小菅駅、足立小台駅、青井駅の3駅がランクイン。いずれも1位同様に東京都足立区の駅であり、「東京23区の中でも足立区はリーズナブルな物件が探しやすい街」という印象を受ける結果となった。

青井駅前(写真/PIXTA)

青井駅前(写真/PIXTA)

2位の3駅のうち青井駅は1位・六町駅に隣接するつくばエクスプレスの駅で、「シングル向け」ランキングでも4位に入っている。青井駅からはまず南千住駅に行き、そこからJR上野東京ライン直通のJR常磐線に乗り換えると計約25分で東京駅にたどり着く。青井駅の開業は六町駅同様に2005年だが、それ以前より都営住宅などが建ち並ぶ住宅地だったためか駅北側に古くからある商店街が続いている。毎月第4日曜には花火を合図に朝市が開かれ、第2土曜にも夕市が開催されているのも楽しそう。駅周辺にはまとめ買いに便利なスーパーもあるほか、春と秋にバラが見頃を迎える「清和ばら公園」をはじめとする公園が多い点は子どもがいるファミリーに嬉しいところだろう。

トップ15の大半は東京駅まで乗り換えが1回必要な駅だったが、乗り換え0回の駅も5位と6位にランクインした。そのうち5位の西船橋駅は千葉県船橋市に位置し、価格相場は3435万円。JR京葉線1本で東京駅まで約29分だ。JRの総武線(各駅停車)と武蔵野線、東京メトロ東西線、東葉高速鉄道も乗り入れる西船橋駅は、JR総武線で1駅目の船橋駅と並んで船橋市を代表するターミナル駅といえる。ちなみに15位・下総中山駅(価格相場3780万円)は、船橋駅と逆方面のJR総武線に乗って1駅目だ。西船橋駅直結の「ペリエ西船橋」には食品やファッション、生活雑貨のお店からスーパーにドラックストア、飲食店までがずらり。駅北側から国道14号・千葉街道に至るまでのエリアには多種多様な飲食店が軒を連ね、街道を越えたあたりから住宅街に。駅南側にも住宅街が広がっており、日常の買い物は複数のスーパーが点在するこちら側のほうが便利そうだ。

西船橋駅前(写真/PIXTA)

西船橋駅前(写真/PIXTA)

価格相場が同額の3680万円で13位にランクインした蕨駅と西川口駅の2駅は、JR京浜東北・根岸線の隣り合う駅であり埼玉県に位置している。そのうち西川口駅は川口市にあり、5階建ての駅ビル「ビーンズ西川口」を併設。スーパーなど食品関係のお店にドラッグストア、100円ショップ、飲食店が入っており、電車を降りてすぐに買い物や食事ができる。駅周辺もスーパーやディスカウントストア、飲食店などの商店が充実し、徒歩6分ほどの場所にはインテリア用品店「ニトリ」も。徒歩20分圏内に「アリオ川口」「ララガーデン川口」という2つのショッピングモールがあるのも便利なところ。こうした暮らしやすい環境や都心部までのアクセスのよさから西川口駅周辺は住宅地として人気があり、2023年にも複数の新築マンションが誕生予定だ。中古マンションも競争率が高そうなので、気に入るものを見つけたら長考しすぎないほうがよいかもしれない。

シングル向け 16位~30位

カップル・ファミリー向け 16位~30位

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東京駅まで電車で30分圏内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数35年未満、敷地権利は所有権のみ
シングル向け:専有面積20平米以上50平米未満
カップル・ファミリー向け:専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2022/4~2023/3
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2023年4月24日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

【東京駅30分以内】家賃相場が安い駅ランキング2023年。1・2位は驚きの5万円台

この春から東京都内への通勤・通学が始まり、新たな街で生活をスタートさせた人も多いだろう。そして都心近辺で賃貸物件を探した際に、家賃の高さに驚いた人も多いはず。しかし、たとえば東京屈指のターミナル駅である東京駅を基点にしても、そこから電車で30分圏内にまで住まいの候補地を広げれば意外とリーズナブルな物件はあるものだ。そこで今回は東京駅から30分圏内にある、一人暮らし向け物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場が安い駅を紹介したい。ちなみに東京駅の家賃相場は11万5000円。ランクインした駅との価格差を念頭に置きつつ、トップ15を見ていこう。

東京駅まで電車で30分以内にある家賃相場が安い駅TOP15

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/東京駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 南船橋 5.4万円(JR京葉線/千葉県船橋市/30分/0回)
2位 葛西臨海公園 5.8万円(JR京葉線/東京都江戸川区/13分/0回)
3位 蕨 6.4万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県蕨市/29分/1回)
4位 一之江 6.5万円(都営新宿線/東京都江戸川区/27分/1回)
4位 津田沼 6.5万円(JR総武線快速/千葉県習志野市/30分/0回)
6位 扇大橋 6.55万円(日暮里・舎人ライナー/東京都足立区/30分/1回)
7位 下総中山 6.6万円(JR総武線/千葉県船橋市/26分/1回)
7位 小岩 6.6万円(JR総武線/東京都江戸川区/19分/1回)
9位 五反野 6.65万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/27分/1回)
10位 新子安 6.7万円(JR京浜東北・根岸線/神奈川県横浜市神奈川区/30分/1回)
10位 松戸 6.7万円(JR常磐線/千葉県松戸市/27分/0回)
10位 瑞江 6.7万円(都営新宿線/東京都江戸川区/30分/1回)
13位 小菅 6.8万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/25分/1回)
13位 新浦安 6.8万円(JR京葉線/千葉県浦安市/20分/0回)
13位 梅島 6.8万円(東武伊勢崎線/東京都足立区/29分/1回)
※16位~30位は記事末に記載

昨年のランキング:
「東京駅」まで電車で30分以内、家賃相場が安い駅ランキング 2022年版

トップ3には千葉、東京、埼玉それぞれの駅がランクイン

1位は千葉県船橋市にあるJR京葉線・南船橋駅で家賃相場は5万4000円。東京駅までは乗り換え0回、約30分で到着できる。船橋市のなかでも臨海部の埋め立て地に位置し、駅北側には船橋競馬場やショッピングモールの「ららぽーとTOKYO-BAY」と「ビビット南船橋」、駅南側にはインテリア用品店「IKEA Tokyo-Bay」のほかに2020年に誕生した一年中遊べるアイススケートリンク「三井不動産アイスパーク船橋」も。また、駅の北側と南側両方にUR賃貸住宅と分譲住宅からなる大規模団地があり、首都圏のベッドタウンとして機能しているエリアでもある。

ららぽーとTOKYO-BAY(写真/PIXTA)

ららぽーとTOKYO-BAY(写真/PIXTA)

1位・南船橋駅の南口には2022年8月に駅前広場が誕生したほか、現在は広場周辺の市有地活用に向けた整備が進行中。2023年内にはスーパーや飲食店、クリニックモールなど約40店舗をそろえた商業施設が開業予定で、翌2024年冬の完成を目指してマンションの建設も進められている。また、「ららぽーと」と線路を挟んだ向かい側には大型多目的アリーナ「(仮称)LaLa arena TOKYO-BAY(ららアリーナ 東京ベイ)」が2024年春に開業予定であり、今後数年間で街はさらなる発展が見込まれている。

2位には南船橋駅からJR京葉線で東京方面に5駅目の、東京都江戸川区にある葛西臨海公園駅が家賃相場5万8000円でランクイン。東京駅まではJR京葉線で5駅、所要時間はトップ15で最短の約13分だ。東京駅までのアクセスがよいわりに家賃相場は安いけれど、駅周辺に住宅が少ない点はネックだろう。駅南側の臨海部は「葛西臨海公園」が広がり、駅北側には物流倉庫群が建ち並んでいる。物流倉庫の先にも都の中央卸売市場やゴルフ練習場があり、住宅街は駅から徒歩15分以上のエリアがメインなのだ。駅周辺にはコンビニが数軒ある程度でスーパーは駅を基点にすると徒歩15分以上かかるが、住宅街の中にあるので住民にとっての利便性は悪くない立地だ。2021年には駅高架下に複合商業施設「Ff(エフエフ)」がオープンし、駅を出てすぐにバーガー店やラーメン店でサッと食事をすることが可能だ。

葛西臨海公園駅(写真/PIXTA)

葛西臨海公園駅(写真/PIXTA)

葛西臨海公園(写真/PIXTA)

葛西臨海公園(写真/PIXTA)

3位はJR京浜東北・根岸線の蕨(わらび)駅で家賃相場は6万4000円。3駅隣の赤羽駅からJR上野東京ライン直通のJR高崎線に乗ると、計約29分で東京駅にたどり着く。駅がある埼玉県蕨市は全国の「市」のなかで最も面積が狭く、5.11平方kmに7万5000人超が暮らす全国一の人口密度を誇る都市なんだとか。

蕨駅前の様子(写真/PIXTA)

蕨駅前の様子(写真/PIXTA)

「コンパクトシティ蕨」を将来ビジョンに掲げる蕨市では蕨駅周辺を「都市機能の核」と位置づけており、駅西口地区の再開発計画を進めている。西口に先行整備された地上30階建て分譲マンションの隣接地には、地上28階建てのビル2棟が2025年8月に竣工予定だ。同ビルには住宅や商業施設のほか、公共公益施設の図書館と行政センターが入る予定だという。現在も駅前にはスーパーやドラッグストア、コンビニ、多彩な飲食店が集まっており、コンパクトな範囲で日常生活が送れそうな街並み。駅から徒歩20分ほどで「イオンモール川口前川」に行けるのも便利な点だ。

ここまで見てきたトップ3には東京駅の東南方面にある南船橋駅と葛西臨海公園駅、北西方面にある蕨駅がランクイン。四方八方へさまざまな路線が延びる東京駅らしく、30分圏内の駅の立地も多彩であることがわかる結果と言えるだろう。

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大規模再開発で注目の駅や、暮らしに便利な商業施設がそろう駅もトップ15入り

4位以下にもさまざまな街・路線の駅が並んでいる。7位には東京駅の北東方面にあるJR総武線・小岩駅が、家賃相場6万6000円でランクイン。東京都江戸川区にある小岩駅から東京駅に向かう際は、隣の新小岩駅からJR総武線快速に乗り換えると計約19分で到着する。高架駅の下側は地上1階・地下1階のショッピングセンター「シャポー小岩」となっており、改札を挟んで千葉側エリアが2023年3月にリニューアルオープンしたばかり。地下1階には主に食料品関係の店舗、1階には生活雑貨やファッションのお店や書店など、計44店舗が営業中だ。改札を挟んだ東京側エリアは現在、改装のため閉鎖中なので今後どうなるか楽しみだ。

小岩駅(写真/PIXTA)

小岩駅(写真/PIXTA)

小岩駅南側の約800mにわたるアーケード下に200店舗ほどが軒を連ねる「小岩フラワーロード商店街」をはじめ、駅周辺も多彩な商業施設でにぎわっている。そんな小岩駅周辺では、大規模な再開発が計画されている点も注目したい。駅北口側では地上30階・地下1階建ての住宅や商業施設、保育所などの複合ビル建設が着工され、2027年1月の竣工を目指している。さらに駅南側の南小岩六丁目地区には商業棟や商住複合ビルなど3棟が2025年中に完成予定であることに加え、駅北口と南口の駅前広場や道路の整備、駅南側の南小岩七丁目地区での商業・住宅複合ビルの建設も計画。2030年までには大きく街並みが変わっている予定だ。

10位にはトップ15で唯一の神奈川県内の駅である、JR京浜東北・根岸線の新子安駅がランクイン。東京駅の南西方面、横浜市神奈川区に位置しており家賃相場は6万7000円。まず2駅隣の川崎駅に出てからJR東海道本線に乗り換えると計約30分で東京駅へ。川崎とは逆方面に乗車すると、2駅・約6分で横浜駅に行くことができる。また駅前広場の向かい側には京急本線・京急新子安駅があり、2路線を利用することが可能だ。駅北側には住宅・業務・商業の複合施設「オルトヨコハマ」があり、スーパーやドラッグストア、飲食店が利用できる。駅南側にも普段使いしやすい飲食店が点在しているので、自炊が面倒なときに役立ちそうだ。

新子安駅(写真/PIXTA)

新子安駅(写真/PIXTA)

新子安駅と同じ家賃相場で10位には都営新宿線・瑞江駅もランクインした。駅は東京駅の東方面、東京都江戸川区に位置。都営新宿線で馬喰横山駅に出て、そこから歩いて馬喰町駅に行ってJR総武線快速に乗り換えると東京駅までは計約30分だ。瑞江駅前は商店が充実し、駅ビル内の「ライフ」をはじめとする複数のスーパーやドラッグストアにコンビニ、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」や多彩な飲食店などがずらり。駅から北に10分弱も歩くと「ユニクロ」も。瑞江駅から都営新宿線1本で、神保町駅や市ケ谷駅を経由して都内屈指の繁華街を抱える新宿駅まで約35分で行ける点も便利だろう。

今回の基点駅にした東京駅の家賃相場は11万5000円。ランキングのトップ15は東京駅まで20分以上かかる駅がほとんどだったが、家賃相場が4万円以上も下がるなら20分程度の時間なら許容範囲にも思えるかも。ランクインした駅周辺も日常生活を送るには十分な街並みだったり今後の発展が見込まれていたりとそれぞれに魅力があるので、「都心に近い駅は高すぎる」と諦めずに自分に合う街を探してほしい。

16位~30位

16位~30位ランキング

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東京駅まで電車で30分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2022/4~2023/3
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンションのうち普通借家契約の物件のみ)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2023年4月24日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

テレワークの個室整備、オンライン内見など…コロナ禍から更に変化した住宅市場動向とは

国土交通省は、令和4年度の「住宅市場動向調査」の結果をとりまとめ、それを公表した。毎年実施している大型調査ではあるが、コロナ禍を経て、住宅を取り巻く環境も変わりつつある。その影響がどう表れているか、見ていくことにしよう。

【今週の住活トピック】
「令和4年度住宅市場動向調査」の結果を公表/国土交通省

インターネットの活用は情報収集や問い合わせまでしか進んでいない

この調査は、2021年4月~2022年3月に住み替えや建て替え、リフォームを行った世帯を対象に行ったもの。注文住宅と中古住宅は全国を、分譲住宅、民間賃貸住宅、リフォームについては三大都市圏を対象にしている。

さてコロナ禍では、対面を避けるためにオンラインによる接客やオンライン上の内覧などの手法が採り入れられるようになった。そこで、まずはインターネットの活用がどの程度進んでいるかを見てみよう。

今回の調査では、住宅の住み替えや取得の際の工程を次のように分けて、インターネットの活用状況を聞いている。
(1) インターネットを通じた情報収集
(2) インターネットを通じた問い合わせ、説明会・内見等の申し込み
(3) オンライン会議システム(ZOOM、Teams、Skype等)を活用した物件説明・商談
(4) VR(仮想現実)またはAR(拡張現実)ツールを活用した物件内見
(5) オンラインでの住宅ローン審査(※民間賃貸住宅は対象外)
(6) オンラインでの重要事項説明(※民間賃貸住宅は(5))
(7) 電子署名等を活用した電子契約(※民間賃貸住宅は(6))
(8) (1)~(7)の経験はない(※民間賃貸住宅は(7))

インターネットの活用状況

住宅取得等の過程におけるインターネットの活用状況(出典:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査」調査結果の概要より転載)

いずれの場合も、「インターネットを通じた情報収集」(図の黄色の棒グラフ)が最多でおおむね6割半~8割を占め、特出して多くなっている。次いで、「インターネットを通じた問い合わせや内見等の申し込み」で、最少の賃貸住宅で2割弱、最多の分譲集合住宅(新築マンション)で5割弱といったところだ。

働く場では普及している「オンライン会議システム」の活用だが、図の赤い棒グラフを見る限り、あまり活用が進んでいないようだ。新築マンションの販売センターなどで話を聞く限りでは、多くのデベロッパーがオンライン会議を使った物件説明をしているという話だったので、意外に活用度合いが少ないなというのが正直な感想だ。

売買契約や賃貸借契約の際の電子書面やオンラインの活用はこれから広がるか?

これから普及が進むだろうと見ているのが、インターネットの活用状況の選択肢のうち、(6)のオンラインでの重要事項説明や(7)の電子書面を活用した電子契約である。売買契約や賃貸借契約を交わすときには、必ず重要事項説明を行う(貸主が不動産会社の場合は対象外)ことになっている。かつては必ず対面で行うこととされていたが、オンラインで行うことが可能になった。ただし、国土交通省が定めた細かいルールに準じて行う必要があるため、その環境が整わない不動産会社もあったりして、エンドユーザーが希望しても必ずしも実施できない場合もある。

また、必ず書面で重要事項説明書や契約書を作成することになっていたので、電子書面の交付が可能になった2022年5月以降には、より一層オンラインによる契約の効率化が図れるようになったので、実施状況が上がっていく可能性がある。

社会実験の取り組み

社会実験の取り組み(出典:国土交通省「ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について」サイトより転載)

在宅勤務の普及によってそのための個室を確保した?

次に、コロナ禍で普及した在宅勤務の影響を見ていこう。今回の調査では「在宅勤務等のためのスペースの状況」について、次の選択肢を用意して聞いている。
(1)在宅勤務等に専念できる個室がある
(2) 在宅勤務等に専念できる仕切られたスペースがある
(3)仕切られてはいないが在宅勤務等に専念できるスペースがある
(4) 在宅勤務等に専念できる個室やスペースなどはない

在宅勤務等のためのスペースの状況

在宅勤務等のためのスペースの状況(出典:国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査」調査結果の概要より転載)

賃貸住宅に住み替えた世帯では、在宅勤務のためのスペースがない(図の赤い棒グラフ)という回答が最多で、個室がある世帯は3割強にとどまった。しかし、注文住宅や新築一戸建て、新築マンション、中古一戸建て、中古マンションでは、在宅勤務のための個室があるという回答が最も多かった。また、マンションよりも一戸建てのほうが個室を確保する割合が高い傾向がうかがえる。

これは、住宅の広さの影響があるだろう。一般的な賃貸住宅は持ち家よりも面積が狭いので、在宅勤務のための個室を用意することが難しく、持ち家のなかでも一戸建てのほうが部屋数を確保しやすいので、在宅勤務に充てる個室を用意しやすいということだろう。

個室ではないスペースも含めると、在宅勤務のためのスペースというのは、今後の住まい選びでも意識する必要があるだろう。

住宅スゴロクの崩壊?新築マンションは複数回の取得が多い

最後に、筆者が気になった「住宅取得回数」について見ていこう。
調査で住宅取得回数を聞いたところ、すべての住宅の種類でほとんどが「今回が初めて」と回答している。「今回初めて」の割合が最も少ない新築マンションを見ても、72.9%に達している。逆にいうと、新築マンションを買った世帯のなかで17.4%が「2回目」、9.0%が「3回目以上」と回答しており、4世帯に1世帯は今回の新築マンションが複数回目の取得となる。

理由はさまざまあるだろう。高齢化や少人数世帯の増加により、マンションのほうが暮らしやすいと考える世帯が増えたこと、マンションのほうが売りやすいこと、新築マンションの価格が高騰して購入世帯が限定されたことなどが考えられる。

かつて「住宅スゴロク」といわれた、賃貸住宅→マンション→庭付き一戸建てと住み替えるのが理想とされた時代は終わったようだ。

住宅取得の実態は、そのときの経済状況や社会的な変化が反映された結果になる。ITの進化や働き方の変化、住み心地の価値観の変化など、さまざまな要因が調査結果に表れているようだ。

●関連サイト
「令和4年度住宅市場動向調査」の結果を公表/国土交通省
国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査」調査結果の概要

住宅購入者の関心が高いワードはやはり【フラット35】、「住宅ローン減税」!購入時に知るべき制度も解説

リクルートが「『住宅購入・建築検討者』調査(2022年)」を公表した。この調査では、住宅の購入や建築を検討するうえで、知っておきたい制度などについての理解・関心度も聞いている。その結果、理解・関心度の高いワードの多くが、住宅ローンや減税に関するものだということが分かった。

【今週の住活トピック】
「住宅購入・建築検討者」調査(2022年度)公表/リクルート

住宅購入・建築検討者は一戸建て派が多数を占める

調査は、首都圏、東海圏、関西圏の三大都市圏と政令指定都市のうち札幌市、仙台市、広島市、福岡市に住む、20歳から69歳の男女で、過去1年以内に住宅の購入・建築、リフォームについて具体的に検討した人を対象に行われた。

検討している住宅の種別(複数回答)は、「注文住宅」が過半数の56%で、「新築一戸建て」32%、「中古一戸建て」29%、「新築マンション」32%、「中古マンション」26%、「(現在住む家の)リフォーム」15%となっている。「一戸建てか、マンションか」を聞く(単一回答)と、「ぜったい」と「どちらかといえば」の合計で、「一戸建て派」が63%、「マンション派」が22%と、一戸建て派が多数を占める結果となった。

また、検討している物件に、「永住する」と考えているのは45%、「将来的に売却を検討している」のは24%、「将来的に賃借を検討している」のは5%だった。

過半数が名前も内容も知っている、【フラット35】、「リノベーション」、「住宅ローン減税」

この調査では、「税制・優遇制度などへの理解・関心」について、詳しく聞いている。聞いた税制・優遇制度は、「今後創設予定の税制・優遇制度」、「住宅購入に関する税制・優遇制度」、「住宅購入に関する金利・補助金」、「物件の構造・仕様、取引、他に関するもの」に大別され、それぞれ複数項目を聞いている。

その項目の中で、「言葉も内容も知っている」と回答した割合(以降は、「認知度」と表記)の多いものを挙げてみよう。

■認知度の高い項目(上位10項目)

順位制度名等認知度1【フラット35】75%2リノベーション63%3住宅ローン減税※56%4【フラット35 S】46%4空き家バンク46%6固定資産税の減額措置45%6スマートハウス45%8贈与税の特例42%9認定長期優良住宅41%10住宅リフォームの減税制度40%※住宅ローン減税については、さらに細かく聞いているが、順位としては省略した。
リクルート『住宅購入・建築検討者』調査(2022年度)を基に筆者が作成

認知度の上位には、住宅ローンと減税に関するものが多く入っているのが目立つ。ローンと税金は多くの人に関係するだけに、認知度が高くなっているのだろう。ちなみに、認知度が低かったのは、「BELS」(23%)や「安心R住宅」(25%)だった。

【フラット35】と「住宅ローン減税」のどこまで知っている?

この調査では、回答者に対して言葉とその内容について説明文を提示し、そのうえで、知っているかどうか聞いている。その説明について、紹介しておこう。

まず、1位の【フラット35】と4位の【フラット35 S】。

【フラット35】全期間固定金利の住宅ローンである【フラット35】において、2023年4月よりすべての住宅について、省エネ基準への適合を求める制度の見直しが行われる。【フラット35 S】一定の基準を満たした住宅を取得する場合、一般の住宅より金利を引き下げる制度。

住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する【フラット35】だが、ポイントは、2023年4月以降は省エネ基準に適合していないと利用できないことだ。金利を引き下げる優遇制度である【フラット35 S】は、すでにZEHなど省エネ性の高い住宅ほど金利が優遇される仕組みに変わっている。

2位の「住宅ローン減税」については、「返済期間10年以上の住宅ローンを利用して住宅を購入した場合に、住宅ローン残高の0.7%を所得税等から控除」と概要を説明しており、認知度は56%になっている。実は、調査ではさらに細かく聞いている。

【住宅ローン減税×環境性能】環境性能の優れた住宅では、減税の対象となる借入限度額が上乗せになる。【住宅ローン減税×中古OK】新耐震基準適合住宅(1982年以降に建築された住宅と定義)であれば、住宅ローン減税が適用される。【住宅ローン減税×増改築OK】自宅の増改築でも基準を満たせば、住宅ローン減税が適用される。【住宅ローン減税×新築床面積】2023年末までに建築確認を受けた新築住宅であれば、床面積が40平米以上50平米未満でも適用される。(それより以前は床面積50平米以上で適用対象)【住宅ローン減税×耐震改修】新耐震基準を満たさない中古でも、取得後一定期間内に耐震改修して基準を満たせば、住宅ローンが適用される。

いずれについても、認知度は46%~51%と高く、住宅ローン減税については細かい適用条件まで理解している人が多いことがわかる。

リノベーションなど認知度の高いワードを再確認

以下、上位に挙がった項目について、説明していこう。

リノベーション既存の建物に大規模な改修工事を行い、用途や機能を変更して性能を向上させたり付加価値を与えること。空き家バンク地方自治体が、空き家の賃貸・売却を希望する所有者から提供された情報を集約し、空き家をこれから利用・活用したい方に紹介する制度。空き家対策の一つとして注目されている。固定資産税の減額措置2024年3月末までに新築住宅を取得した場合、固定資産税が3年間(マンション等の場合は5年間)、2分の1に減額される。スマートハウス太陽光発電システムや蓄電池などのエネルギー機器、家電、住宅機器などをコントロールし、エネルギーマネジメントを行うことで、家庭内におけるエネルギー消費を最適化する住宅。贈与税の特例住宅取得等資金として、子や孫が親や祖父母から贈与を受ける場合、通常の住宅で500万円、省エネ等住宅で1000万円まで贈与税が非課税になる。認定長期優良住宅耐震、省エネ、耐久性などに優れた住宅である長期優良住宅と認定されると、所得税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税が軽減される。(住宅ローン減税では借入限度額が上乗せされる)住宅リフォームの減税制度耐震改修、バリアフリー対応、省エネ対応、三世代同居対応、長期優良住宅化対応の工事を行うと所得税等の控除がある。リクルート『住宅購入・建築検討者』調査(2022年度)を基に筆者が作成

少し補足説明をしておこう。
「リノベーション」については明確な定義がないのだが、住宅業界では一般的に、劣化した部分を建築当時の水準に改修するだけでなく、今の生活に合うように機能を引き上げる改修を行うことをいう。そのため、大規模な改修工事になることが多い。

「空き家バンク」は、かつては自治体ごとに公開しているホームページを見に行くしかなく、使いづらいものだったが、いまは民間の不動産ポータルサイトによって統一した内容で全国の空き家が探せるようになっている。

「スマートハウス」は、一般的にHEMS (home energy management system) と呼ばれる住宅のエネルギー管理システムで、家庭の電気などのエネルギーを一元的に管理する住宅のこと。IT技術を活用した住宅としてはほかに、IoT住宅(アイオーティー住宅。インターネットで住宅設備や家電などをつなげてコントロールできる住宅)などもある。IT技術によって、今後も多くのものがホームネットワークでつながり、安心安全や健康などの住生活の向上も期待されている。

ほかは、主に減税に関する項目が上位に挙がった。いずれも期限付きの減税制度となっている。期限がくると延長されるか、縮小されるか、終了するかになるので、注意が必要だ。

知っておきたい「新築住宅の省エネ基準適合義務化」と「インスペクション」

最後に、認知度が高くはなかったが、知っておきたい項目について紹介したい。それは「2025年新築住宅の省エネ基準適合義務化」(26%)と「インスペクション(建物状況調査)」(32%)だ。

新築住宅、特に一戸建てのような小規模な建築物にも、省エネ基準への適合が義務化されることになっている。適合義務化は、2030年までにZEH水準まで引き上げる予定となっている。こうした新築住宅への義務化によって、既存の住宅と省エネ性能に開きができる点も押さえておきたい。

「インスペクション」(32%)はもっと認知度が高いと思っていたので、少し意外に思った。中古住宅の売買において、宅地建物取引業者は、建物状況調査の事業者をあっせんするかどうかや、対象の住宅が建物状況調査を行っているかどうかなどを伝えることになっている。建物の状態はしっかり把握しておきたいものなので、認知度が上がることを期待したい。

さて、説明文が簡単に記載されていたとしても、「言葉も内容も知っている」というレベルは人それぞれだろう。何となく分かっているというレベルから、適用条件や期限まで正確に把握しているレベルまでさまざまある。実際に制度を利用しようとするときには、正確に理解していることが求められるので、この機会にぜひ各制度への理解を深めてほしい。

●関連サイト
リクルート「住宅購入・建築検討者」調査(2022年度)

新宿駅から電車で30分以内、家賃相場安い駅ランキング! 2023年版

東京都を代表する巨大ターミナル・新宿駅が、2023年2月にリクルートが発表した「SUUMO住みたい街ランキング2023(首都圏版)」にて住みたい街(駅)ランキングで5位に輝いた。同調査で「住みたい理由」として挙げられたのは、「魅力的な働く場や企業がある」「文化・娯楽施設が充実」「いろいろな場所に電車・バス移動で行きやすい」「大規模商業施設がある」など、働くにも遊ぶにも便利であり交通の利便性も高いという点だ。そんな便利で人気の街・新宿までアクセスしやすい、家賃相場が安い駅を調査してみた。駅から徒歩15分圏内にある、一人暮らし向け物件の家賃相場が安い駅を早速チェック!

新宿駅まで電車で30分以内、家賃相場が安い駅TOP15(22駅)

順位/駅名/家賃相場(沿線名/駅の所在地/新宿駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 京王よみうりランド 5.5万円(京王相模原線/東京都稲城市/30分/1回)
2位 生田 5.6万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/25分/1回)
3位 読売ランド前 5.7万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/27分/1回)
4位 西国分寺 5.9万円(JR中央線/東京都国分寺市/28分/1回)
5位 京王稲田堤 6.0万円(京王相模原線/神奈川県川崎市多摩区/28分/1回)
5位 朝霞 6.0万円(東武東上線/埼玉県朝霞市/30分/1回)
5位 稲田堤 6.0万円(JR南武線/神奈川県川崎市多摩区/29分/1回)
8位 田無 6.04万円(西武新宿線/東京都西東京市/28分/1回)
9位 百合ケ丘 6.1万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市麻生区/26分/1回)
10位 中野島 6.15万円(JR南武線/神奈川県川崎市多摩区/27分/1回)
11位 京王多摩川 6.3万円(京王相模原線/東京都調布市/26分、1回)
11位 宿河原 6.3万円(JR南武線/神奈川県川崎市多摩区/25分/1回)
11位 飛田給 6.3万円(京王線/東京都調布市/29分/1回)
14位 西調布 6.4万円(京王線/東京都調布市/30分/1回)
15位 久地 6.5万円(JR南武線/神奈川県川崎市高津区/28分/1回)
15位 向ヶ丘遊園 6.5万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/19分/1回)
15位 和泉多摩川 6.5万円(小田急小田原線/東京都狛江市/22分/1回)
15位 国分寺 6.5万円(JR中央線/東京都国分寺市/23分/0回)
15位 戸田公園 6.5万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/23分/0回)
15位 東小金井 6.5万円(JR中央線/東京都小金井市/25分/0回)
15位 狛江 6.5万円(小田急小田原線/東京都狛江市/20分/1回)
15位 蕨 6.5万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県蕨市/26分/1回)

関連記事:新宿駅まで電車で30分以内、中古マンション価格相場が安い駅ランキング 2023年版

1位の家賃相場は新宿の2分の1以下で5万円台!

JR各線をはじめ小田急線や京王線など、さまざまな路線が乗り入れる新宿駅。アクセス性が高いうえにビジネス街としても繁華街としても発展しており、この街に住めたらさぞかし便利だろう。ただ、ネックなのは人気の街だけあり家賃相場が高いこと……。今回の調査では、新宿駅の徒歩15分圏内にある一人暮らし向け物件(専有面積10平米以上~40平米未満のワンルーム・1K・1DK)の家賃相場は12万円という結果に。そこで「新宿駅が最寄駅」とはいかなくても、新宿駅にアクセスしやすい30分圏内にある駅の家賃相場を調査、ランキングにしたものがこちらだ。

1位は東京都稲城市に位置する京王よみうりランド駅で、家賃相場は5万5000円だった。京王相模原線で調布駅に出て、京王線に乗り換えると新宿駅まで計約30分で到着する。3位・読売ランド前駅と名前が似ていて混同されがちだが両駅は直線距離で2km以上離れており、路線も異なる別の駅。レジャー施設「よみうりランド」を間に挟んで南側に3位の読売ランド前駅、北側にあるのが1位の京王よみうりランド駅だ。

よみうりランド(写真/PIXTA)

よみうりランド(写真/PIXTA)

そんな京王よみうりランド駅の周辺の様子を見てみると、駅南側はよみうりランドのほかに読売ジャイアンツの球場やゴルフ場、東京ヴェルディのサッカーグラウンドに利用されているため、住宅街は駅の北側が中心。駅から北に5分も歩くと、スーパーや100円ショップ、書店や衣料品店が入ったショッピングセンターへ。そのまま名産の果物直売所も点在するのどかな住宅街を北に進み、駅から15分ほど歩くとJR南武線・矢野口駅にたどり着く。周辺住民は行き先に応じて京王相模原線とJR南武線の2路線を利用できるわけだ。そして矢野口駅の北側には多摩川が流れ、河川敷は地域の憩いの場としてジョギングや散歩に利用されている。

続いて2位は神奈川県川崎市多摩区にある生田(いくた)駅で、家賃相場は5万6000円。小田急小田原線の通勤準急と快速急行を乗り継ぐと、新宿駅までは乗り換え1回・約25分。駅から徒歩10分ほどで明治大学の生田キャンパスに行けるほか、周辺には専修大学や聖マリアンナ医科大学のキャンパスもあるため、学生が住む街としても親しまれている。大型のショッピングビルがあるような繁華街ではないけれど、駅周辺には複数のコンビニやスーパー、ドラッグストアがあり、日用品や雑貨を扱うホームセンターも。日常遣いしやすいリーズナブルな飲食店がそろっている点も、一人暮らしには嬉しいところ。

生田緑地のばら園(写真/PIXTA)

生田緑地のばら園(写真/PIXTA)

生田駅から東南方面に10分ほど自転車を走らせると生田緑地へ。雑木林や湿地など貴重な自然が残され、初夏にはホタルも観察できるので、息抜きに訪れてもよさそう。ちなみに生田駅から下りで1駅目が3位・読売ランド前駅(家賃相場5万7000円)、2駅目が9位・百合ヶ丘駅(同6万1000円)という位置関係になっている。

新宿に加え「住みたい街(駅)」2位の吉祥寺にも好アクセスな駅も上位入り

上位には新宿駅まで乗り換え1回の駅が続くが、15位までくると国分寺駅のように乗り換え0回の駅もランクインした。国分寺駅は家賃相場6万5000円で、JR中央線の通勤特快に乗ると約23分で新宿駅へ。国分寺駅の1駅隣に位置する4位・西国分寺駅(家賃相場5万9000円)は乗り換え1回・約28分との調査結果になったが、これは通勤特快が停車しないため。新宿駅まで30分以内の到着を目指すとまず快速で国分寺駅へ行き、そこから通勤特快への乗り換えが必要となるのだ。とはいえ快速1本でも西国分寺駅から新宿駅まで約34分とその差6分。実際に暮らすならば、乗り換えずに1本で行くことになるだろう。

国分寺駅(写真/PIXTA)

国分寺駅(写真/PIXTA)

さて15位・国分寺駅はどんな街だろうか。駅南口側には9階建ての駅ビル「セレオ国分寺」が併設され、食料品からファッション、雑貨、レストランまで多彩なショップが営業中。そして北口側には西武国分寺線と西武多摩湖線の駅があり、駅前は賑やかな雰囲気。なかでも目を引くのはツインタワーだろう。これは半世紀も前に計画された再開発事業が実を結んだ再開発ビルで、2018年に誕生を迎えた。上層部は住居で、下層階が商業施設「cocobunji(ココブンジ) WEST」「cocobunji EAST」。ビル内には市の施設やショッピングモール「ミーツ国分寺」があり、飲食店からクリニックまで多彩な店舗が充実している。ほかにも駅周辺にはさまざまな商業施設が並び、緑豊かな公園「殿ヶ谷庭園」でほっと息抜きすることもできる。

ちなみに国分寺駅を通るJR中央線沿線には、「SUUMO住みたい街(駅)ランキング2023(首都圏版)」5位の新宿駅だけではなく、同ランキング2位の吉祥寺駅もある。吉祥寺駅は国分寺駅から新宿方面に5駅目で、家賃相場は今回の調査によると8万円。住みたい街上位に輝く新宿駅にも吉祥寺駅にもアクセスしやすいわりに両駅と比べて家賃相場が低く、駅周辺の商業施設も充実した国分寺駅は穴場の街と言えるかもしれない。

関連記事:「住みたい街ランキング2023」発表! 大宮と浦和で明暗、新宿が注目の理由とは?

さて、家賃相場が6万5000円の同額で8駅が並んだ15位からもう1駅、和泉多摩川(いずみたまがわ)駅をピックアップしよう。東京都狛江市に位置する和泉多摩川駅は小田急小田原線の駅であり、新宿駅までの所要時間は約22分でトップ15のうち3番目に早い。新宿駅に加えて小田急小田原線沿線の下北沢駅や、そこから京王井の頭線に乗り換えて4駅目の渋谷駅、さらに小田急小田原線と直通運転されている東京メトロ千代田線沿線の表参道駅などにもアクセスしやすいロケーションだ。

和泉多摩川駅(写真/PIXTA)

和泉多摩川駅(写真/PIXTA)

和泉多摩川駅の高架下にはスーパーやハンバーガー店があり、駅西口側には青果店やドラッグストア、ミニスーパーなどが並ぶ商店街も。2022年には駅南側にベンチなどを設置した広場が整備され、この春には緑地や公園がある多摩川河川敷へと続く緑道も誕生した。都内の人気の街にも楽に行けるうえ、日ごろは自然を身近に感じつつのんびり暮らせる点もこの街の魅力の一つだろう。

関連記事:

Z世代は「新築」「一戸建て」がお好き? 駅からの近さより広さ重視の結果に

パナソニック ホームズが、若年者(Z世代)を含む住宅購入検討層や将来的な購入検討層を対象に、「住まいに対する意向調査」を実施した。そのなかでも特に「結婚と住まいの意向についてのアンケート」(リリース資料の図7~13が対象)を中心に、Z世代ならでは住まい観について見ていくことにしよう。

【今週の住活トピック】
「住まいに対する意向調査」を実施/パナソニック ホームズ

Z世代は一戸建てのマイホームがお好き?

この調査では、住宅購入の潜在的もしくは将来の顧客層と考えられる、15歳から49歳の独身男女に、「結婚したらどこに住みたいか」を聞いている。その結果は、圧倒的に「一戸建ての購入」を選んだ人が多数を占めた。とりわけZ世代(この調査では15歳から25歳と定義)では、他の年齢層が4割ちょっとであるのに対して56.0%が、一戸建ての購入を選んでいる。

図 7 結婚したらどこに住みたいですか。

出典:パナソニック ホームズ「住まいに対する意向調査」

どの種類の住宅に住みたいかを聞いた調査は過去にも多くあり、賃貸より購入、マンションより一戸建てが多いのが一般的だ。しかし、Z世代では一戸建ての購入を希望する人が極めて多いという点が大きな特徴といえるだろう。

次に、「住宅を購入するとしたら、何を優先するか」を聞いたところ、どの年齢層でも、1位が「立地が良い」、2位が「ローンの返済に無理がない」、3位が「新築であること」、4位が「資産価値があること」となった。

図 8 住宅を購入するとしたら、何を優先しますか。

出典:パナソニック ホームズ「住まいに対する意向調査」

ただし、他の年齢層と違い、Z世代で目立つのが、「新築であること」の比率の高さだ。2位の「ローンの返済に無理がない」(24.9%)とほぼ同等に「新築であること」(24.2%)を選んでいるのだ。

Z世代などの若年層は「新築」住宅がお好き?

実は、同時期に公表された、リクルートの「住宅購入・建築検討者」調査 (2022年)でも、似たような傾向が見られた。リクルートの調査は、過去1年以内に住宅の購入・建築やリフォームを検討した20歳から69歳の男女を対象にしている。独身に限っていないこと、より住宅への関心が高い層であるといった違いがあることを前提としてほしい。

こちらの調査では、ストレートに新築が良いか中古が良いかを聞いている。その結果、新築派が全体で68%になっているが、20代で見ると「ぜったい新築」が35%と新築への意向が他の年齢層より高いことが分かる。

新築・中古意向

出典:リクルート「住宅購入・建築検討者」調査 (2022年)

どちらの調査結果を見ても、若年層ほど「新築派」が多数を占めている。理由が確認できないのでよく分からないが、かつては若年層ほど新築へのこだわりが弱く、古着文化などに見られる中古を上手に活用するといった傾向が見られたのだが、今はそうではないことがはっきりした結果だ。

Z世代などの若年層は「近さ」よりも「広さ」を選ぶ?

さて、パナソニック ホームズの調査結果に戻ろう。「住宅を購入しようとして、費用が足りなかったら」という質問で選んだ選択肢も年齢層によって違いが見られた。年齢が高くなるほど、購入をあきらめて賃貸にすることを選ぶ比率が高くなる。一方、Z世代で顕著なのが「遠くにしても良い」という選択だ。他の年齢層では、「狭くしても良い」のほうが「遠くにしても良い」を上回っているが、Z世代だけは狭さよりも遠くを選んでいるのが大きな特徴だ。

図 9 住宅を購入しようとして、費用が足りなかったらどうしますか。

出典:パナソニック ホームズ「住まいに対する意向調査」

この傾向は、リクルートの調査結果でも見られる。こちらはストレートに、広さか駅からの距離かを聞いているが、若い年齢層ほど、駅からの距離派が減って、広さを優先する傾向が強くうかがえる。

広さ・駅からの距離の意向

出典:リクルート「住宅購入・建築検討者」調査 (2022年)

パナソニック ホームズでは、Z世代が、費用が不足していれば遠くても狭くても良いので、新築の一戸建てを購入したいという傾向がうかがえることから、「自分の時間やプライベートを大切にするとされるZ世代は、心地よく快適に過ごせて、共同住宅と比べて比較的近隣に気を使わなくて良い空間を新築一戸建てに求めているのかも知れない」と分析している。

一方、リクルートのSUUMO副編集長の笠松美香さんは「Z世代は、親元で暮らしている人も多く、自分で住まい探しを経験した人は他の世代に比べて少ないと推察されます。どうしても住まいのイメージが実家や友人・親戚の家などの生活感あふれるタイプと、メディアやSNSで見かけるピカピカでおしゃれなものと両極端なイメージになっているのではないでしょうか。だとすると、『新築じゃない家はキレイじゃない』と思いこんでしまっている人も多いのではないかと思いました。中古物件もリフォームすれば新築のような見た目になることを、住まい探しの経験を積んでいくほど認知していくので、年齢が上がっていくことで、中古でもキレイにできるし安い、といったようにコストと天秤にかけて許容していく層が増えていくのではないでしょうか。住まいは一生必要なものだけに、個人の住まい観も、一生アップデートされていくものだと思います」などと考察していただけるとうれしい。

パナソニック ホームズの調査対象である、独身のZ世代(15~25歳)はまだ具体的に住宅の購入を検討している人は少ないと思うが、リクルートが調査した20代でも似たような傾向が見られた。ということは、これから先に住宅購入を検討する世代では、新築志向、広さ志向が強いということは考慮すべき点だ。

一方、これまでは中古住宅をリノベーションして再販する事業者が少なかったが、取り組みを強化する事業者が増えている。新築ではないが、リノベーションによって新築並みの中古一戸建てが増えれば、若年層の有効な選択肢になるのではないだろうか。

●関連サイト
パナソニック ホームズ「住まいに対する意向調査」
リクルート「『住宅購入・建築検討者』調査(2022年)」

新宿駅まで電車で30分以内、中古マンション価格相場が安い駅ランキング 2023年版

日本屈指の商業エリアでありビジネス街でもある新宿駅。2023年2月にリクルートが発表した「SUUMO住みたい街ランキング2023(首都圏版)」では見事、5位にランクインした。そして新宿駅の周辺は現在「次世代のターミナル」を目指す大規模再開発が進行中でもあり、今後はさらなる発展が見込まれている。今回は、そんな新宿駅まで30分圏内にある中古マンションの価格相場が安い駅を調査。シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)とカップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)、それぞれの価格相場が安い駅ランキングをご紹介しよう。

新宿駅まで電車で30分以内にある価格相場が安い駅TOP10

【シングル向け】
順位/駅名/価格相場(沿線名/駅の所在地/新宿駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 志村三丁目 2180万円(都営三田線/東京都板橋区/28分/1回)
2位 氷川台 2199万円(東京メトロ有楽町線/東京都練馬区/18分/1回)
3位 浜田山 2235万円(京王井の頭線/東京都杉並区/18分/1回)
4位 川口 2344万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県川口市/21分/1回)
5位 上板橋 2425万円(東武東上線/東京都板橋区/21分/1回)
6位 田無 2430万円(西武新宿線/東京都西東京市/29分/1回)
7位 ときわ台 2485万円(東武東上線/東京都板橋区/20分/1回)
8位 西川口 2499万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県川口市/23分/1回)
9位 府中 2635万円(京王線/東京都府中市/28分/0回)
10位 西馬込 2649万円(都営浅草線/東京都大田区/28分/1回)

【カップル・ファミリー向け】
順位/駅名/価格相場(沿線名/駅の所在地/新宿駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 読売ランド前 2850万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/27分/1回)
2位 京王稲田堤 2935万円(京王相模原線/神奈川県川崎市多摩区/28分/1回)
3位 百合ケ丘 3185万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市麻生区/26分/1回)
4位 稲田堤 3235万円(JR南武線/神奈川県川崎市多摩区/29分/1回)
5位 北戸田 3280万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/27分/0回)
6位 久地 3480万円(JR南武線/神奈川県川崎市高津区/28分/1回)
6位 戸田 3480万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/25分/0回)
6位 生田 3480万円(小田急小田原線/神奈川県川崎市多摩区/25分/1回)
6位 飛田給 3480万円(京王線/東京都調布市/29分/1回)
10位 朝霞 3530万円(東武東上線/埼玉県朝霞市/30分/1回)

「シングル向け」TOP3には新宿・池袋・渋谷まで各20分以内の駅も

東京都と新宿区が策定した「新宿グランドターミナル」構想に基づき、新宿駅に乗り入れる鉄道各社などによる再整備が進められている新宿駅。「住みたい街」5位に輝く街でもあり、その人気は今後ますます高まりそう。しかし駅周辺は商業施設やオフィスビルが多く、住宅の数はさほど多くはない。駅から徒歩15分圏内にある中古マンションの価格相場も今回の調査時点では、シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)が4680万円、カップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)が8430万円となっており、気軽に手が出せる物件ではない様子。しかし新宿駅から電車で30分圏内にまで選択肢を広げると、価格相場はグッと下がるようだ。

新宿から30分圏内にある「シングル向け」中古マンションの価格相場が最も安かった駅は、東京都板橋区の都営三田線・志村三丁目駅。価格相場は2180万円で、新宿駅よりも2500万円ダウン! 新宿駅までは、まず都営三田線で新板橋駅に出て、徒歩で向かう板橋駅からJR埼京線に乗り換えると計約28分だ。都営三田線沿線にはビジネス街として知られる神保町駅や大手町駅、日比谷駅、JR山手線に乗り換え可能な巣鴨駅がある点も魅力の一つだろう。

志村三丁目駅付近の様子(写真/PIXTA)

志村三丁目駅付近の様子(写真/PIXTA)

1位・志村三丁目駅の近くには幹線道路の環八と国道17号の交差点があり、両沿道を中心に商業施設が立ち並ぶ。環八に面した駅前の「志村ショッピングセンター」にはスーパーと家電量販店、インテリア用品店があるため日常の買い物は大抵ここで済ませられそう。そこから徒歩5分ほどの交差点付近には「MEGA ドン・キホーテ」、さらに7~8分歩くとスーパーにホームセンター、「ユニクロ」や「無印良品」などが集まったショッピングモール「セブンタウン小豆沢」もある。また、志村三丁目駅は都営三田線にしては珍しく地下ではなく地上を走る区間に位置し、線路高架下部分はコンビニや飲食店が並ぶ商店街「メトロ―ド志村三丁目」として利用されている。その隣接地には2023年5月末に「メトロ―ド志村三丁目 Ⅱ」が完成予定なので、どんなテナントが入るのか楽しみだ。

2位は東京メトロ有楽町線・氷川台駅で価格相場は2199万円。東京都練馬区に位置し、氷川台駅から4駅・約9分の池袋駅でJR埼京線に乗り換えると新宿駅まで計約18分だ。東京メトロの有楽町線のほかに副都心線も通っており、渋谷駅までは通勤急行に乗って約20分。東京の3大繁華街とも言われる新宿・池袋・渋谷すべてに20分以内で行くことができるのだ。氷川台駅自体の周辺は繁華街ではなく静かな住宅地。スーパーやドラッグストア、コンビニなどの商店は駅前に集中している。飲食店の数は多いというほどではないが、ファミレスや定食店、ハンバーガーや牛丼のチェーン店など、日常遣いしやすい店舗が駅周辺に揃っている。

氷川台駅周辺(写真/PIXTA)

氷川台駅周辺(写真/PIXTA)

3位は東京都杉並区にある京王井の頭線・浜田山駅で、価格相場は2235万円。京王井の頭線で渋谷方面に3駅目の明大前駅から京王線の急行に乗り換えると、新宿駅まで計約18分。明大前駅で降りずにそのまま京王井の頭線に乗っていると、下北沢駅や渋谷駅にも1本で行くことができる。浜田山駅は線路の北側にしか入口がなく、駅の南北を結ぶ踏切が朝夕のラッシュ時間帯はなかなか開かないことが問題視されてきた。しかしついに南口入口や南北自由通路の整備が始まり、2024年度中には完成予定だそう。そんな駅周辺には複数の商店街が広がり、スーパーはもちろん食品関係や生活雑貨の個人商店も軒を連ねている。飲食店も豊富で、チェーン店だけではなく個性的な店舗も多いので食べ歩きが楽しそうだ。

浜田山駅(写真/PIXTA)

浜田山駅(写真/PIXTA)

「カップル・ファミリー向け」TOP10中5駅は都県境の狭い範囲に集中

続いて「カップル・ファミリー向け」(専有面積50平米以上~80平米未満)のランキングを見ていこう。1位は神奈川県川崎市多摩区にある、小田急小田原線・読売ランド前駅で価格相場は2850万円。新宿駅までは乗り換えずに行くことも可能だが、早さを求めるなら登戸駅で小田急小田原線の快速急行に乗り換えると約27分で到着する。駅の北側には森に包まれた日本女子大学の広大な敷地が広がっている。ただ、2021年に同大学の全学部が都内の目白キャンパスに移転・統合されたため、現在もこの敷地内で学んでいるのは付属中学・高校の学生のみに。大学施設の跡地がどう活用されるのか気になるところだ。

読売ランド前駅(写真/PIXTA)

読売ランド前駅(写真/PIXTA)

そんな日本女子大学の敷地を囲むように住宅地があり、駅南側には昔ながらの商店街も。スーパーやドラッグストアのほか、鮮魚店やベーカリー、ドイツ製法の自家製ソーセージが人気の精肉店などが並んでいる。駅周辺には保育園や幼稚園も点在し、徒歩10分ほどの場所には市立の小中学校もあるので子育て世代にも選ばれている様子。また、駅からバスで10分ほど北へ向かうと駅名にもなったレジャー施設「よみうりランド」へ。敷地内には各種アトラクションをはじめ夏季営業のプール、温浴施設もあるので、休日のお出かけ先として活躍しそう。そしてレジャー施設の隣接地には「TOKYO GIANTS TOWN(東京ジャイアンツタウン)」の建設計画が進行中。水族館一体型の球場となるそうで、読売ジャイアンツの新球場は2025年3月、水族館は2026年度中にオープンする予定だ。

2位は京王相模原線・京王稲田堤駅で価格相場は2935万円。1位と同じ神奈川県川崎市多摩区に位置し、読売ランド前駅北側の日本女子大学の敷地を越え、さらに北へ向かうと京王稲田堤駅がある。両駅間は直線距離なら2kmほどだ。そんな京王稲田堤駅から通勤時間帯に新宿駅まで最短所要時間の約28分で行くには、京王相模原線の区間急行と特急を乗り継ぐため「乗り換え1回」としたが、特急1本でも新宿駅まで約30分で行くことが可能だ。

京王稲田堤駅の駅前の様子(写真/PIXTA)

京王稲田堤駅の駅前の様子(写真/PIXTA)

京王稲田堤駅の南口前にはスーパーがあり、ドラッグストアや農産物直売所、飲食店などが並ぶ商店街を抜けて東へ5分ほど歩くと4位にランクインしたJR南武線・稲田堤駅(価格相場3235万円)へ。こちらの駅前にも商店街がある。また、駅南側を通る府中街道沿いには家族で利用しやすい飲食店や多摩区の出張所が点在し、暮らしやすそうな街並みだ。駅の北口から7分ほど北へ歩くと多摩川の河川敷に出る。春は桜、夏はせせらぎや児童プールでの水遊びができる多摩川沿いの市営「稲田公園」は、子ども連れで訪れても楽しいだろう。この京王稲田堤駅は神奈川県および川崎市で最北の駅でもあり、多摩川を越えた北側は東京都調布市だ。

2位・京王稲田堤駅と4位・稲田堤駅は歩ける近さに位置していたが、実は3位・百合ヶ丘駅と6位・生田駅も1位・読売ランド前駅の両隣という近接した位置関係。そして前述のように読売ランド前駅と京王稲田堤駅は2kmほどしか離れていない。つまりこの5駅は近い範囲に集中しているわけだ。5駅ともに、東京と神奈川を隔てて流れる多摩川のほど近く。住所としては神奈川県川崎市だけれど新宿駅まで30分以内で行けるほど都心部に出やすく、その割に周辺には生田緑地をはじめとした自然を身近に感じられるスポットも残されている。そして、新宿駅(価格相場8430万円)に比べて2分の1以下の予算で住まいが探せる点も魅力だろう。「新宿駅までアクセスしやすい街」というと都内に目を向けがちだが、日ごろは東京都外ののんびりと子育てできる街で暮らし、必要に応じて便利な電車網を活用してサッと新宿へ……という暮らし方もよさそうだ。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている新宿駅まで電車で30分圏内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数35年未満、敷地権利は所有権のみ
シングル向け:専有面積20平米以上50平米未満
カップル・ファミリー向け:専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2022/3~2023/2
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2023年2月27日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が2回までの駅を掲載

Z世代の一人暮らしの特徴って? 重要なのは家賃、インテリアは”映える”韓国風がトレンド

Z世代(1995年以降生まれの若年層)を対象としたシンクタンク組織「Z総研」が、Z世代の女性を対象とした「一人暮らし」に関する意識調査を行った。それによると、Z世代の女性の約8割が一人暮らしをしたいと思っているという。そこで、Z世代の一人暮らしの特徴を見ていくことにしよう。

【今週の住活トピック】
「Z総研トレンド通信Vol.18『一人暮らし編』」を発表/N.D.Promotion

Z世代の多くが「一人暮らしをしてみたい」、重視するのは「家賃」と回答

Z世代が研究の対象となるのは、彼らが生まれた時からデジタルデバイスやインターネット、SNSといった環境が身近にあった「デジタル・ネイティブ世代」で、これまでの世代とはその特徴が異なるからだ。

さて、Z総研が全国のZ世代の女性301人に「一人暮らしをしてみたいと思うか」と聞いたところ、「現在している」が6.6%、「してみたい」が80.4%で、「してみたくない」の13.0%を大きく上回った。

物件を探す際に重視したい条件としては、「家賃」がダントツの82.4%で、次いで、「最寄り駅からの距離」(32.6%)、「間取り」(28.6%)となった。以前に別の調査で、一人暮らしのZ世代に同様の質問をした結果でも、家賃がダントツで、交通アクセスと間取りが並んだので、やはりなによりも「家賃重視」なのだ。

“映え”を気にするZ世代ならでは!賃貸アプリに内装の写真の多さを求める

一人暮らしの物件を探す際には、賃貸アプリを使うのだろうが、「何を求めるか」にZ世代女子の特徴が表れた。回答結果は次のようなものだ。

賃貸アプリ(サイト)に求めることはなんですか?

(出典/N.D.Promotion「Z総研トレンド通信Vol.18『一人暮らし編』」より転載)

通常は不動産のポータルサイトに、「掲載物件が多い」(62.1%)ことを求める。テレビCMでも掲載数ナンバーワンなどとアナウンスしているのは、そのためだろう。検索サイトなので、もちろん検索のしやすさ、例えば「細かく条件設定できる」(51.5%)ことなども重視される。ところが、それらを上回って最多だったのが「内装の写真の豊富さ」(75.4%)だ。やはり“映え”を気にする世代ならではのことだ。

当サイトで、「コロナ禍でインテリアへの関心が高まる!20代から50代まで幅広い層がインスタを参考に」 という記事を書いたが、20代以下はインテリアへのこだわりが強く、インテリアの参考にするのは圧倒的に「Instagram」で、次いで「YouTube」だった。インテリアのこだわりが、室内の画像情報を重視することにつながっているのだろう。

インテリアにこだわるけど、落ち着いた色合いを好む

さて、この調査で筆者が最も印象に残ったのが、「一人暮らしの理想のインテリアテイスト」を質問した結果だ。筆者の記憶をたどると、インテリアで根強い人気のテイストは、「北欧風」だ。北欧のスウェーデン発祥の家具メーカー「IKEA」の人気が高いのはそのためだ!と思っていた。

ところが、Z世代の回答を見て驚いた。「北欧」はわずか2.0%。「シンプル」(36.5%)と「韓国風」(26.9%)の人気が極めて高いのだ。

一人暮らしの理想のインテリアテイストを教えてください

(出典/N.D.Promotion「Z総研トレンド通信Vol.18『一人暮らし編』」より転載)

Z総研によると、「ホワイト基調のふわふわした女の子みたいな部屋が理想。YouTubeでインフルエンサーのお部屋紹介動画を見るのも好きで、実際に同じインテリアを購入した」(18歳/高校3年生)、「木の素材が好きでウッド調でシンプルなお洒落カフェのようなお部屋にしたい。自分好みにDIYするのも興味がある」(16歳/高校1年生)といったコメントがあったという。

「韓国風」ってどんなテイストなのだ?

ところで、「韓国風」とはどんなテイストなのだろうか? 「中国風」や「アジアンテイスト」などはわかる。が、「韓国風」とはどんなものかよくわからなかったので、SUUMO編集部のZ世代の編集者に聞いてみた。

彼女によると、「韓国風インテリアは、主に白やアイボリー、素材はウッドなどを基調としているため、あまり派手さはないものの、形状などが個性的で女性が好むアイテムが多い印象」だという。

それを聞いて自宅を見回すと、ダークブラウンの家具が多い。仕事用に最近購入した、無印良品の引き出しボックスだけがアイボリーだ。時代に遅れないように、韓国風をもっと意識しようと思う筆者だった。

ちなみに、「一人暮らしする際に買いたい憧れのインテリアブランド」については、「Francfranc」(38.5%)と「IKEA」(34.9%)の人気が高く、次いで「無印良品」(12.0%)や「ニトリ」(7.6%)となった。いずれも、豪華なインテリアではなくナチュラルなインテリアで、リーズナブルなブランドが多く挙がったのが特徴だ。

一人暮らしする際に買いたい憧れのインテリアブランドはありますか?

(出典/N.D.Promotion「Z総研トレンド通信Vol.18『一人暮らし編』」より転載)

IKEAといえば、北欧テイストではないのか?と思い、インターネットで「IKEA」×「韓国風」で検索してみると、IKEAの韓国風インテリア事例が出るわ出るわ。ほかの組み合わせでも同様で、どのブランドも韓国風を意識してインテリアの商品開発を行っているようだ。

さて、Z世代はデジタルネイティブで、SNS映えを気にする世代である一方、日本の好景気を知らない堅実な世代でもある。一人暮らしをするにしても、無理のない家賃を意識し、シンプルでリーズナブルなインテリアではありながら、自分の個性が表現できるものを選んで購入するといった像が浮かび上がる。

近年は、コロナ禍の影響で自宅にいる時間も長くなっている。Z世代それぞれにとって居心地の良い住まいを選んで、快適な一人暮らしをしてほしいものだ。

●関連サイト
N.D.Promotion「Z総研トレンド通信Vol.18『一人暮らし編』」

子どもの転落事故、自宅の窓やベランダに潜むリスクとその防止策は?

先日、痛ましい事故のニュースを目にしたところだが、以前から窓やベランダからの子どもの転落事故については、注意喚起がされていた。また、窓やドアの経年劣化なども事故の原因になるという。子どもの安全を守るためにも、窓やベランダなどのリスクについて考えていこう。

【今週の住活トピック】
「ご注意ください!窓やベランダからのこどもの転落事故」/政府広報オンライン
「放置しないで!窓・ドアの危険サイン」/製品評価技術基盤機構(NITE)

窓やベランダからの転落事故は1歳と3・4歳の子どもに多い

2023年3月10日に政府広報オンラインが「ご注意ください!窓やベランダからのこどもの転落事故」をリリースした。子どもは成長するにつれて活動範囲が広くなり、好奇心から大人の想定を超える行動をすることがある。東京消防庁管内の緊急搬送事例では、1歳と3・4歳で窓やベランダからの転落事故が多いという。

年齢別救急搬送人員

年齢別救急搬送人員(東京消防庁管内で発生した、2017年から2021年までの窓やベランダからの転落事故における年齢別の救急搬送件数(総数=62))(出典 東京消防庁「住宅等の窓・ベランダから子どもが墜落する事故に注意」より転載)

政府広報オンラインに紹介されていた事例としては、次のような行動から転落事故が生じている。
●こどもだけで部屋にいて、網戸に寄りかかる
●ソファなど足場になるものから窓枠まで登る
●ベランダの手すりにつかまっていて、前のめりになって転落
●ベランダの室外機に登り、手すりを越えて転落

事故事例から分かることは、「子どもだけで部屋にいるときに窓が開いている場合」や「窓やベランダの手すりまで足場を使って登れる場合」などでリスクが高くなることだ。

子どもの転落事故を防止するためのポイントは?

子どもの転落事故を防ぐには、窓やベランダの周辺でリスクの高い環境を作らないことが大切だ。具体的には、次のような対策が考えられる。

(1)補助錠を付ける
ポイントは、子どもの手が届かない位置に補助錠を付けること。

(2)ベランダには物を置かない
プランターやイス、段ボールなどが足場になるので、できるだけ物を置かないこと。エアコンの室外機は置かざるを得ないので、室外機を「手すりから60cm以上離す」か、子どもだけでベランダに出ないようにする。

(3)室内の窓の近くに物を置かない
ソファやベッドなどが足場になるので、窓に近い場所に家具を置かないように配置を工夫する。

(4)窓、網戸、ベランダの手すりなどに劣化がないかを定期的に点検する
網戸がはずれやすくなっていないかなど、定期的に点検する。

窓やドアの危険サインを見逃さない

窓などの点検については、事業者の製品安全の取り組みと消費者の安全のための検査や調査などを行っているNITE(ナイト)も注意喚起をしている。2023年3月23日に、「放置しないで!窓・ドアの危険サイン ~事故に遭わないための点検ポイント~」をリリースした。

思いがけない出来事に「ヒヤリ」としたり、事故が起こりそうになって「ハッ」としたりすることが、大きな事故につながることから、見た目に異常がなくても、不具合が起きていないか点検をすることが大切だという。例えば、部品が損傷したことで、窓が落下したりドアが倒れたり、はめ込んであるガラスが割れたりすると、怪我をしたり腕や指が挟まれたりといった事故につながる。

具体的な点検ポイントとしては、次のようなものが挙げられている。

■窓・ドアの点検ポイント
□ がたつきがないか。
□ スムーズに開閉せず、重たくなっていないか。
□ 開閉時に異音がしないか。
□ 破損や変形がないか、さびている箇所はないか。

特に子どもは、リスクを感知することが難しいので、大人がリスクを引き下げる環境を整えることが大切だ。春になると外出の頻度や換気の回数なども増えるので、窓やドア、ベランダの手すりなどに不具合はないか点検し、子どもの転落を防止する対策を取り、悲しい事故が起きないようにしてほしい。

●関連サイト
政府広報オンライン「ご注意ください!窓やベランダからのこどもの転落事故」
製品評価技術基盤機構(NITE)「放置しないで!窓・ドアの危険サイン」
東京消防庁「住宅等の窓・ベランダから子どもが墜落する事故に注意!」

9割超が「省エネ住宅を選びたい」、背景に光熱費高騰。2025年省エネ基準義務化前に【フラット35】も適用要件を改定

物価高、とりわけ光熱費の高騰が家計に大きな影響を与えている。電気代が2倍以上になった家庭もあるといった調査結果もある。その影響からか、省エネ住宅への関心が高まっているという。詳しく見ていこう。

【今週の住活トピック】
「環境と住まいに関する意識調査」結果を発表/一条工務店

電気代の高騰が家計を圧迫している現状

一条工務店が、2023年2月に全国の男女750名を対象に「環境と住まいに関する意識調査」を実施した。「現在、電気代の高騰が家計を圧迫していると感じますか?」と聞いたところ、実に96.9%が「感じる(とても感じる65.6%+やや感じる31.3%)と回答した。電気代の高騰が、ほとんどの家庭の家計に影響を与えていることになる。

MILIZEとTEPCO i-フロンティアズが合同で、2023年2月に実施した「家計の管理に関する調査」(調査時期:2023年2月、調査対象:20~59歳の男女2000名)の結果を見ても、「値上がりを実感したもの」として挙がったのは、「食品」(66.6%)や「ガス」(45.0%)を抑えて、「電気代」が70.6%と1位になった。

日本トレンドリサーチとナチュラルハウスが共同で、2023年3月に実施した「電気代に関するアンケート」では、「2023年1月と昨年1月を比べて、電気代がどうなったか」を聞いている。

2人暮らしの回答結果では、最も多かったのが「昨年より1.1~1.3倍ほど高い」、次いで「昨年より1.4~1.7倍ほど高い」だった。「2倍以上」という回答も一戸建てで4.6%、マンションで2.9%おり、電気代の高騰ぶりがうかがえる結果となった。

出典:日本トレンドリサーチとナチュラルハウスの共同で実施した「電気代に関するアンケート」(調査時期:2023年3月、調査対象:一戸建てまたはマンションに住んでいる男女1341名)

出典:日本トレンドリサーチとナチュラルハウスの共同で実施した「電気代に関するアンケート」(調査時期:2023年3月、調査対象:一戸建てまたはマンションに住んでいる男女1341名)

電気代が家計を圧迫する結果、冷暖房を我慢するようなことがあると、ヒートショックなどの健康被害につながってしまう。一条工務店の調査で、「電気代が高すぎるために冷暖房を我慢する等、快適さを犠牲にすることがありますか?」と聞いた結果、79.2%がある(「よくある」30.1%+「時々ある」49.1%)と回答した。由々しき事態だ。

出典:一条工務店「環境と住まいに関する意識調査」

出典:一条工務店「環境と住まいに関する意識調査」

97.5%もの人が、省エネ住宅を選びたいと思うと回答

実は、光熱費の高騰により、省エネ住宅への関心が高まっている。一条工務店の調査で、「今後、新たに家を購入する場合、省エネ住宅(※)を選びたいと思いますか?」と聞いた結果、77.5%が「とてもそう思う」と回答しており、「ややそう思う」(20.0%)を加えた97.5%が省エネ住宅を選びたいと思っていることになる。
※調査では、省エネ住宅を「家庭の消費エネルギーを抑えるための設備の設置や施工を行った住宅」と定義

出典:一条工務店「環境と住まいに関する意識調査」

出典:一条工務店「環境と住まいに関する意識調査」

なかでも、20代と30代でその割合が高くなっている。では、省エネ住宅を選びたいと思う理由はどういったことだろう。

省エネ住宅を選びたいと回答した人に、次のグラフ図の4つの項目がそれぞれどの程度、省エネ住宅を選びたい理由として当てはまるか答えてもらったところ、「昨今、光熱費が高くなったから」が最も強い理由で、次いで「夏は暑く冬は寒いなど、住環境の面で今の家が快適に過ごせないから」となった。

出典:一条工務店「環境と住まいに関する意識調査」

出典:一条工務店「環境と住まいに関する意識調査」

2025年には、省エネ住宅が当たり前になる

さて、省エネ住宅と一口に言っても、きちんと定義がある。

住宅の省エネ基準については、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」で定められている。この基準に適合した住宅を「省エネ基準適合住宅」といい、省エネ住宅とは、原則としてこの省エネ基準適合住宅を指すことになる。

建物の天井や壁・床を断熱材でしっかりおおうことで、住宅の断熱性が上がる。この断熱性能は、法律の改正によって次第に引き上げられている。住宅の性能を統一基準で示すのが「住宅性能表示制度」で、法改正により省エネ基準が引き上げられるごとに、新築時に求められる最低限の「断熱性能等級」も2→3→4と引き上げられてきた。

一方、住宅で生活すると冷暖房設備を使ったり給湯器を使ったりして、エネルギーを消費する。エネルギーをできるだけ消費しない、効率の良い設備を使うことでも、住宅の省エネ性が高まる。そこで加わった住宅の性能が「一次エネルギー消費量等級」で、現行の省エネ基準では等級4が求められている。

どういった仕様なら等級4を達成するかは、東京と北海道のような寒冷地とでは異なる。その地域に応じた「断熱性能等級4」と「一次エネルギー消費量等級4」を満たす住宅が、省エネ基準適合住宅となる。

実は、住宅のような小規模な建築物は、今現在は省エネ基準に適合させることを推奨しているものの、義務とまではされていない。ただし、2025年には義務化される予定で、そうなると新築住宅はすべて省エネ住宅ということになる。

注意したいのが、これに先駆けて、全期間固定金利型の住宅ローンである【フラット35】の適用要件が変わることだ。2023年4月以降の設計検査申請分から【フラット35】の新築住宅の技術基準が省エネ基準適合住宅となる。つまり、省エネ基準を満たしていない新築住宅は【フラット35】が使えなくなる。そうはいっても、今の新築住宅の大半は省エネ基準を満たしているので、使えないという新築住宅はかなり限定されるはずだが、注意したい点だ。

新築住宅と中古住宅で省エネ性に差が生じる

新築住宅では、省エネ基準を満たす省エネ住宅が当たり前になる一方で、すでに建築された中古住宅は、建築当時の省エネ基準を満たせばよかったので、現行の省エネ基準を満たす住宅はあまり多くはないと言えるだろう。

省エネ基準は、実は2030年までに「ZEH(ゼッチ)基準」(断熱性能等級5と一次エネルギー消費量等級6)に引き上げられる予定だ。新築住宅を供給するデベロッパーは、すでにZEH基準への取り組みを始めているので、今後はますます新築と中古の省エネ性に差が出ることになる。

となると、先の調査のように「省エネ住宅を選びたい」と思う人は、新築住宅を選ぶか、中古住宅を省エネ改修することを選ぶか、といった選択をすることになる。省エネ性の高い住宅にするには一定のコストもかかるが、光熱費の削減や夏は涼しく冬は暖かい住環境になるというメリットが得られるので、長い目で見て考えてほしい。

●関連サイト
一条工務店「環境と住まいに関する意識調査」
MILIZE・TEPCO i-フロンティアズ「家計の管理に関する調査」
日本トレンドリサーチ・ナチュラルハウス「電気代に関するアンケート」
ナチュラルハウス 会社HP

2022年の新築マンション平均購入価格、首都圏・関西ともに2001年以来の過去最高金額に!一方、平均面積は過去最低

リクルートの調査研究機関『SUUMOリサーチセンター』は、「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査」の結果を発表した。その結果を見ると、新築マンションの価格上昇の影響がさまざまな形で表れていた。同じWITHコロナの2021年と比較して、どんな変化があるかを見ていきたい。

【今週の住活トピック】
「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査」を発表/リクルート

首都圏の購入価格は5890万円で、2001年以降最高額に

調査は、新築マンションの購入契約者を対象に、2022年1月~12月に集計した、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県:5972件の結果をまとめたもの。

新築マンションの首都圏の平均購入価格は、5890万円だった。2021年より181万円増加し、2001年の調査開始以来最も高くなった。これは、「6000万円以上」が37.6%、「5000~6000万円未満」が21.8%など、5000万円以上の占める割合が全体の約6割に達しているからだ。特に「6000万円以上」は、10年前(5.5%)や5年前(30.5%)、前年(35.6%)に対して拡大し続けている。

購入価格(実数回答)(出典:リクルート「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査」)

購入価格(実数回答)(出典:リクルート「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査」)

自己資金比率は22.1%で前年(19.1%)より3ポイント増加している。にもかかわらず、購入価格が上昇した影響か、ローン借入額の平均は4963万円で前年(4941万円)より22万円増えている。特に借入額「5000万円以上」が45.3%と半数近くにまで拡大しているのが注目点だ。

世帯総年収も平均で1034万円となり、前年(1019万円)より増加。シングル世帯をのぞき、夫婦のみ世帯、子どもあり世帯、シニアカップル世帯のすべてで平均世帯総年収が1000万円を超えた。首都圏の新築マンションマーケットは、以前に比べ、より世帯年収の高い層を中心に動いていることが分かる。

なお、住宅ローンの契約形態は、「単独名義で契約」が69.0%、「世帯主と配偶者(パートナー)のペアローン」は29.9%で、ペアローンの割合は2018年以来、3割前後で推移している。

新築マンションの平均面積は、2001年調査開始以来で最も小さく

2022年の購入契約者のライフステージを見ると、最多は「子どもあり世帯」(第一子小学校入学前25.4%+小学校以上11.0%)の36.4%で、次いで「夫婦のみ世帯」の30.2%だった。一方、「シングル世帯」(男性7.3%+女性10.9%)は18.2%で、「シニアカップル世帯」(7.6%)とともに、2001年の調査開始以来最も高い割合になった。

購入した新築マンションの専有面積は、平均で65.9平米。前年の66.0平米とほぼ横ばいではあったが、2001年の調査開始以来最も小さいという結果になった。

専有面積(実数回答)(出典:リクルート「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査」)

専有面積(実数回答)(出典:リクルート「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査」)

また、「50平米未満」は「シングル男性世帯」で40.2%、「シングル女性世帯」で55.4%を占めるなど、全体に占めるシングル世帯の割合増加も、平均面積の縮小化に影響をしていると考えられる。

購入価格は、専有面積が狭くなるほど安くなる。面積の縮小化は、価格上昇によって手が届きやすい価格帯を求めた結果という見方もできるだろう。

東京23区の居住者の約37%が、購入時に他のエリアに流出

購入価格は都心部ほど高くなる。調査結果の平均購入価格を見ると、東京23区が7041万円、東京都下が5347万円、神奈川県が5553万円、埼玉県が5459万円、千葉県が4372万円だ。いずれのエリアも前年より上昇している。

一方、購入した物件の所在地は東京23区が最多の33.9%、次いで神奈川県の28.5%だった。注目点は、東京23区の割合が減少していることだ。5年前の2017年では東京23区は43.2%だったが、以降減少し続けている。

これを購入者の前住所とクロスして見よう。いずれのエリアも同じエリアで購入する割合が高いのだが、23区から23区への購入割合の減少が顕著だ。2017年では74.5%だったが、2022年では63.4%まで減っている。東京23区居住者の残りの4割弱が、購入の際に「他のエリアに流出した」ことになる。

契約前住所別 購入物件所在地(東京23区)※直近6年間の推移(出典:リクルート「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査」)

契約前住所別 購入物件所在地(東京23区)※直近6年間の推移(出典:リクルート「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査」)

この結果は、東京23区の新築マンションの価格が高くなりすぎたことから、手が届きにくいと思う人が他のエリアで購入したという流れに見える。専有面積の小さいものを探すのか、より低価格なエリアで探すのか、あるいは中古マンションや新築一戸建てなどの別の物件種を探すのか、といった選択を求められたのかもしれない。

関西圏も首都圏とほぼ同じ傾向が見られる

リクルートは首都圏の調査結果発表の翌日に、関西圏の結果も発表している。その結果を見ると、関西圏も首都圏と同様の傾向が見られる。ただし、価格などの数値は異なる。

関西圏の平均価格は5071万円で前年より上昇し、2001年の調査開始以来最も高くなった。自己資金比率は平均27.6%、ローンの借入総額は平均4304万円で、いずれも前年より上昇した。世帯総年収も平均が921万円に増加したが、ペアローンの割合は2割前後で推移している。

シングル世帯とシニアカップル世帯の割合が、2001年の調査開始以来最も多いのも首都圏と同じだ。平均専有面積は68.7平米で、こちらも2001年の調査開始以来最も小さい。

ただし、流出状況は首都圏とは異なる。関西圏で最も平均価格が高いエリアは、大阪市内の5528万円だ。次いで、京都エリア(5471万円)、北摂エリア(5140万円)、阪神間エリア(5052万円)の順となる。契約前住所別に購入物件所在地を見ると、大阪市内→大阪市内は75.5%で前年(68.7%)より増加している。むしろ、北摂エリア→北摂エリアが前年の84.8%から75.5%に減少し、北摂エリア→大阪市内への移動が前年の7.0%から13.1%へと増加している。エリア間の価格差が首都圏より小さいということもあるが、大阪市内に魅力的な物件が多かったという見方もできるだろう。
この点について、SUUMO副編集長の笠松美香さんに聞いた。大阪市内の新築マンションの供給が関西圏の中では堅調で、梅田エリアを筆頭に開発が続き、将来の発展期待性が高いことに加え、大阪市内の平均価格が5000万円台とまだ手が届きやすいことから、首都圏とは流出状態が異なるのだろう、ということだ。

さて、首都圏と関西圏の違いは「重視項目」でも見られる。物件を検討する上で重視した項目は「価格」が最も多く、首都圏で90.2%、関西圏で86.9%。次いで「最寄り駅からの時間」が首都圏で82.9%、関西圏で79.3%、「住戸の広さ」が首都圏で73.1%、関西圏で63.7%だった。

しかし、首都圏では「通勤アクセスの良いエリア」が59.7%で4位になるのに対して、関西圏では53.6%で6位だった。関西圏より通勤時間が長くなりがちな首都圏ならではのこだわりだろう。

マイホームを手に入れるには、価格、広さ、周辺環境、交通アクセスなどさまざまな重視項目から帰着点を見つける必要がある。どこを重視してどこを妥協するかは、人それぞれなのだろう。

●関連サイト
リクルート「2022年首都圏新築マンション契約者動向調査」
リクルート「2022年関西圏新築マンション契約者動向調査」

住宅ローン「変動型」利用者が減少傾向に。金利上昇リスクを抑えるには?

住宅金融支援機構が発表した「住宅ローン利用者の実態調査結果(2022年10月調査)」によると、増加していた「変動型」の利用者が減少に転じたという。それでもなお、約7割が変動型を利用している。金利が上昇した場合、変動型を利用していても問題はないのだろうか?

【今週の住活トピック】
「住宅ローン利用者の実態調査結果(2022年10月調査)」を発表/住宅金融支援機構

「変動型」が減少し、「固定期間選択型」と「全期間固定型」が増加

まず、住宅ローンの金利タイプについておさらいしておこう。35年などの返済期間を通して金利が固定される「全期間固定型」、当初の3年や5年、10年などの選択した一定期間だけ金利が固定される「固定期間選択型」、半年ごとに金利が見直される「変動型」の3タイプがある。今のような低金利の局面において、全期間固定型は変動型よりも金利が高く設定されている。

次に、調査対象者や時期を確認しよう。調査対象は、2022年4月~9月の間に住宅ローンを借りた1500件で、調査は2022年10月~11月に実施された。金融緩和策を維持してきた日本銀行が、長期金利の変動許容幅を従来の0.25%程度から0.5%程度に広げ、実質の利上げかといわれたのが、2022年の年末のこと。これにより、いよいよ金利上昇が現実的になってきたと指摘されたのだが、これよりも前に住宅ローンを借りた人に調査を実施したことになる。

では、調査結果を見ていこう。今回の調査で注目されたのは、「変動型」が減少したこと。代わって「固定期間選択型」や「全期間固定型」が増加した。それでも、69.9%が変動型を選んでいる。やはり、変動型の低金利に魅力を感じるということだろう。

利用した金利タイプ

利用した金利タイプ(出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査結果(2022年10月調査)」)

低金利のメリットを活かしたい人が多いなか、金利の上昇リスクを抑えたいと考えて、全期間固定型や固定期間選択型を選んだ人が以前より増えたのだろう。

実際に「今後1年間の住宅ローンの金利見通し」を聞いた結果は、「現状より上昇する」が41.7%になり、前回調査(2022年4月調査)の39.2%よりわずかに増えた。特に、全期間固定型を選んだ人では、上昇するという回答が、前回の45.1%から今回の52.7%に増加している。変動型より金利は高く設定されているものの、低金利のいまのうちに全期間の金利を固定してしまおうと考えた人もいたのだろう。

変動型を選んだ約7割のなかでも、金利上昇に強い人、弱い人がいる

調査時期よりも現時点のほうが、金利上昇が現実的になっている。実際に、全期間固定型の代表となる【フラット35】の最頻金利※は、2023年3月時点で、5カ月連続で上昇した。変動型はまだまだ金利が上昇する気配はないが、長期に金利を固定するものは少し上がっているのだ。
※※最頻金利とは、取扱金融機関が提供する最も多い金利のこと

つまり、これから考えるべきリスクは金利が上昇することで、利息が増え、毎月の返済額(ボーナス時加算も併用していればその返済額も)が増えてしまうことだ。返済額が増えても、家計に支障がない人もいれば、それによって返済が難しくなる人もいるだろう。

まず気になる点、その1は「融資率」だ。住宅価格(注文住宅なら建築費用)の何割を住宅ローンで充当するかで、頭金を1割入れていれば、9割が住宅ローンとなる。調査結果を見ると、変動型を選んだ人が最も多いのが「90%超100%以下」ということだ。さらに「100%超」つまり、住宅価格だけでなく諸費用分まで借りた人でも、変動型を選んだ人が多いのも気になる。

融資率

融資率(出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査結果(2022年10月調査)」)

融資率90%超で変動型を選んだ理由が、低金利の変動型でなければそこまで借りられなかったという人は、要注意だ。

例えば、毎月12万円の返済(年間返済額144万円)で住宅ローンを35年返済で借りるとする。変動型(金利0.45%で試算)なら、借入可能額は4662万円だが、全期間固定型(金利1.45%で試算)なら借入可能額は3950万円に下がる。毎月12万円の返済で4500万円を借りたい場合は、変動型などの低金利のものしか選択できないということになる。

もちろん、月々の家計に余力があれば、金利上昇に伴う返済額の増加の影響は少ない。その意味では、気になる点、その2は「返済負担率」となる。返済負担率とは、年収に対して年間の住宅ローンの返済額が何%になるかを表すものだ。

一般的に住宅ローンでは、年収が高くなるほど、高い返済負担率でも借りられるようになる。例えば、先ほどの事例(毎月返済額12万円)では、年収600万円の人なら、返済負担率は24%なので問題はない。これに対して、年収400万円の人だと返済負担率が36%まで上がるので、金融機関側から借入額を減らして毎月の返済額を抑えるように求められることになる。

返済負担率

返済負担率(出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査結果(2022年10月調査)」)

調査結果を見ると、多くの人が返済負担率10%超から25%以内の安全圏で借りている。が、年収400万円以下の人で返済負担率25%~30%だったり、高年収でも支出の多い家計で返済負担率が35%超だったりすると、支出の削減が難しい場合もあるので、金利上昇に伴う返済額の増加の影響が大きくなるだろう。

金利上昇リスクに対して具体策をもとう

そして最も気になる点、その3が「金利上昇リスクへの対応を考えていない」場合だ。調査結果を見ると、変動型を借りている人で、金利上昇で返済額が増加した場合の対応について「見当がつかない、わからない」という人が20.7%もいる。

金利上昇に伴う返済額増加への対応

金利上昇に伴う返済額増加への対応(出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査結果(2022年10月調査)」)

資金に余力があって、返済を継続できる(31.6%)、全額完済できる(13.6%)なら問題はない。また、「一部繰り上げ返済をする」(24.5%)という人も多いのだが、元金の一部を繰り上げて返済するので、そのための資金が必要になる。「借り換え」(9.0%)も同様で、相応の諸費用がかかる。貯金に余裕がなくて融資率9割超という人には、難しい対応策かもしれない。

また、金利上昇のために変動型から借り換える場合、借り換え先の金利も上昇しているはずだし、一般的に変動型よりも先に長期間金利を固定するタイプが上がっていくので、金利上昇に気づいたときには、すでに借り換え先の金利も上がっていてリスク回避の効果がないという場合もあるだろう。

変動型は金利が上昇しても急激に返済額は増えないけれど…

急激に金利が上昇したバブル期のときに導入されたのが、変動型の5年ルールだ。急激に返済額が増加するのを抑えるために、金利が上昇して利息が増えても、返済額の設定見直しは5年おきとし、返済額を増やす場合でも1.25倍までに制限するというもの。今でもこのルールを適用する金融機関は多い。

したがって変動型で金利が上昇した場合でも、このルールによって、急激に返済額が増える事態にはならない。しかし、返済額が増えないだけで、支払うべき未払い利息は残る。元金も減らないため、トータルの利息はどんどん積み上がることになる。

住宅ローンは35年間などの長期間にわたって返済するものだ。自分や共に住宅ローンを借りたパートナー、あるいは勤務先の事業などによって、収入が想定より減ってしまうリスクもあるので、目いっぱい借りてしまうことに注意したい。さらに、金利上昇リスクが高まる状況なので、これから借りる人はぜひ、金利が上昇したときにどう対応するかを考えて、住宅ローンを選ぶようにしてほしい。

●関連リンク
「住宅ローン利用者の実態調査結果(2022年10月調査)」(住宅金融支援機構)

【2023年】JR山手線、家賃相場が安い駅ランキング。TOP10は北側に集中!

都心の30駅を環状に結んで走るJR山手線。東京駅や新宿駅をはじめ沿線の駅には都心から各方面に延びる路線が多数乗り入れており、都内交通網の要と言える存在だ。そして便利で人気があるゆえに、東京都内でも特に家賃相場が高いことでも知られている。そんなJR山手線のなかでも、家賃相場がリーズナブルな駅を調査! 各駅から徒歩15分圏内にある、一人暮らし向け賃貸物件(専有面積10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場を安い駅順にランキングした結果をご紹介しよう。

JR山手線の家賃相場が安い駅ランキング

JR山手線の家賃相場が安い駅ランキング

安い駅TOP10は沿線のなかでも北側、日暮里駅~新大久保駅間に集中

JR山手線の30駅のうち最も家賃相場が安かったのは、田端駅で家賃相場は8万6500円。北区にあり、JR山手線の駅では最も北側に位置している。駅北口側に併設された「アトレヴィ田端」にはスーパーやドラッグストア、ベーカリーに飲食店などが入っており、日常的に活用しやすそう。駅周辺にもスーパーやコンビニが点在し、深夜0時まで営業するスーパーもあって便利。駅前のビルにはファストフード店やファミレスがあるほか、駅周辺には気軽に入れる和食や中華の食堂、そば店に居酒屋も点在し、サッと食べて帰ることもできそうだ。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

2位は田端駅から1駅目、荒川区にある西日暮里駅で家賃相場は8万7000円。JR京浜東北線も停車するほか、赤坂駅や表参道駅と結ばれた東京メトロ千代田線が通っている。JRの駅舎から少し離れた場所には、東京23区北東部へ延びる日暮里・舎人ライナーの駅も。駅の東側にはファストフード店からカフェ、居酒屋に焼き肉店……とさまざまな飲食店が立ち並んでいるので、外食する場所には困らないだろう。駅から徒歩10分圏内にスーパーやドラッグストアも複数。さらに、食べ歩きもできる谷中銀座商店街も駅から歩いて10分ほどなので、休日に訪ねても楽しそう。

3位は豊島区にある目白駅で家賃相場は8万8000円。両隣に位置する5位・高田馬場駅(家賃相場9万1000円)と7位・池袋駅(同9万3000円)ほどには繁華街は広がっておらず、落ち着いた雰囲気の街並みだ。とはいえコンビニやドラッグストアは駅周辺に複数あるので、日常のちょっとした買い物には困らない。駅前には飲食店やスーパーなどが入ったおしゃれな雰囲気のショッピングモール「トラッド目白」も。このショッピングモールが面した目白通り沿いには飲食店も点在しているが、少し裏道に入ると静かな住宅街が広がっている。

1位・田端駅からJR山手線の外回り(時計回り方向)に乗ると2位・西日暮里駅~4位・日暮里駅(家賃相場8万9000円)と続き、逆方向の内回りに乗ると1駅目が10位・駒込駅(同9万4000円)という位置関係。駒込駅~田端駅、田端駅~日暮里駅は、それぞれ歩いても15分少々という近さだ。そして連続するこの4駅はいずれも、さまざまな大学に通いやすい立地でもある。最寄り駅というほど接近はしていないが、たとえば田端駅から自転車で15分圏内に限っても、東京都立大学や女子栄養大学、東洋大学、日本医科大学、東京大学、東京藝術大学などのキャンパスがある。周辺一帯にはこうした大学に通う学生向けの賃貸物件が豊富にそろっていることも、JR山手線沿線にしては家賃相場がリーズナブルな理由の一つかもしれない。

学生が多く利用する駅周辺には若者が日常使いできる価格帯の飲食店も多く、一人暮らししやすい街並みが広がっている。しかし昔はいざ知らず、JR山手線では家賃相場が低めであっても、学生には「安い」とも言えない金額ではある。その点、社会人の一人暮らしならば住む街の候補に入れやすいかもしれない。

また、1位・田端駅がJR山手線で最北の駅であることに加え、トップ10の駅はいずれも北側に集中。さらには、順位が入れ替わりつつも日暮里駅~新大久保駅間の連続する10駅すべてがトップ10入りをしていたのだ。JR山手線沿線でリーズナブルに住みたい場合は、まず「北側にある駅」と覚えておくとよさそうだ。

南側にある駅のうち狙い目は高輪ゲートウェイ駅~目黒駅間の5駅!

2023年「JR山手線」家賃相場が安い駅ランキング

北側にある駅ほうが家賃相場はリーズナブルな傾向にあることは分かったが、「JR山手線のなかでも、JR中央線で南北に分けた場合の南側にある駅のほうが都合がいい。それでもできる限り家賃を抑えたい……」という場合はどの駅がよいだろう。ランキングを見てみると、高輪ゲートウェイ駅(13位・家賃相場10万1000円)~品川駅(14位・同10万3000円)~大崎駅(12位・同10万円)~五反田駅(15位・同10万5000円)~目黒駅(16位・同10万8000円)と連続する5駅がよさそうだ。南側に位置する駅のほとんどは家賃相場が11万円以上だが、この5駅のみ家賃相場が10万円台に収まっている。

JR山手線の南側にある駅のうち家賃相場が最も安いのは、12位・大崎駅。JR各線に加えてりんかい線も乗り入れており、お台場や有明、新木場方面にもアクセスしやすい。駅の北口と南口の改札を結ぶ通路沿いには駅ナカ商業施設「Dila(ディラ)大崎」があり、ユニクロやドラッグストア、飲食店が営業中だ。そして改札を出て駅東側のペデストリアンデッキを進むと、ショッピングモールとオフィスビルからなる「ゲートシティ大崎」や「大崎ニューシティ」へ。駅西側にも同様にオフィス棟と商業棟を備えた「ThinkPark」がある。

大崎駅前(写真/PIXTA)

大崎駅前(写真/PIXTA)

かつては都内有数の工業地帯だった大崎エリアは1980年前後より工場跡地の再開発が進められ、1990年代~2000年代には大規模なオフィスビルや複合ビルが次々と誕生。いまやビジネスと商業の街として発展している。そして今また、大崎はさらなる進化の過程にある。2022年1月には駅から東へ徒歩8分ほどの旧ソニー本社跡地に地上19階建てのオフィスビルが誕生したほか、駅の西口側で再開発事業が進行中。住宅や事務所、店舗、保育所などを備えた地上35階・地下3階建てのビルが2025年度内に竣工予定だ。

また、12位・大崎駅~15位・五反田駅の中間地点でも、再開発ビルの建築が計画されている。目黒川に面した約1.6ha区域に地上20階建てと39階建ての商・住・業務の複合ビル2棟が建ち、周辺には公園も整備される予定。2027年度の竣工を目指しているそうだ。このビルに先立つ2023年12月には、五反田駅から南に徒歩8分ほどの旧ゆうぽうと跡地に地上20階・地下3階建ての複合ビルができる予定。高層階には宿運営で人気の「星野リゾート」が手がけるホテル、その下にはオフィスエリアや飲食エリア、品川区運営の多目的ホールが設置されるという。

五反田駅周辺(写真/PIXTA)

五反田駅周辺(写真/PIXTA)

さらに、15位・五反田駅~16位・目黒駅の間には、新街区「MEGURO MARC」が生まれている。賃貸住宅、分譲住宅、オフィスの3棟からなる「複合型のまちづくり」が進められ、すでに地上13階・地下1階建てのオフィス棟と、地上24階・地下2階建ての賃貸住宅棟は2022年に完成。3棟のうち最も高層ビルとなる地上32階・地下1階建ての分譲住宅棟は、2023年8月竣工予定だ。

今回の調査では、JR山手線の南側としては家賃相場が低めだった高輪ゲートウェイ駅~目黒駅間。上記に挙げた以外の高輪ゲートウェイ駅~品川駅間を含めて続々と再開発が進行しており、このエリアの注目度が高まっていくのは必至だろう。今後は家賃相場が上がることも考えられるので、今のうちに一度住んでみるのもアリかもしれない。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されているJR山手線沿線の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2022/1~2022/12
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

「住みたい街ランキング2023関西版」自治体では明石市・草津市が大躍進。駅は梅田が西宮北口を引き離し断トツ1位に!

リクルートは関西圏(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県)に居住している20歳~49歳の4600人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2023関西版」を発表した。さて今年の順位は?

TOP3は昨年同様1位「梅田」、2位「西宮北口」、3位「神戸三宮」

まず、今年の「2023年の住みたい街(駅)ランキング」の結果を紹介しよう。
TOP3は1位が関西ナンバーワンの都心「梅田」、2位が盤石の人気を誇る阪神間の街「西宮北口」、3位が神戸市の玄関口「神戸三宮」だった。
順位は昨年(2022年)と同じだが、1位と2位の得点差は122点と昨年より広がっており、「梅田」の人気の高まりがより顕著となった。

関西住みたい街(駅)ランキング

20位までに目を向けると、滋賀県の「草津」が7位にランクインし、2018年以降の最高位を獲得した。
「京都河原町」「心斎橋」も過去最高位に。それぞれ京都市、大阪市の中心エリアにあり、商業施設が集積する華やかな街。大都市の利便性を存分に享受できるのが共通した魅力だ。

「梅田」の圧倒的な強さは、資産価値重視の傾向が背景に

2位と得点差を大きく広げて断トツ1位となった「梅田」は、昨年の得点と比べても82点もポイントアップしている。
街の魅力項目では、「働く場として」「街の賑わい」などのほか、「不動産の資産価値が高そう」が上位にあげられた。
別途SUUMOで行った「住まいの価値観に関する調査」では、若い世代ほど住宅の資産性を重視し、そのときに自分に合った選択で住み替えたいと考える傾向がある。現在、梅田周辺は「うめきた2期地区開発プロジェクト」が進み、関空直結のJR「うめきた新駅」が今年3月開業など、資産価値の面で高いポテンシャルを持つ。
本来、ビジネスや商業のイメージが強い梅田だが、JR大阪駅北側「うめきた」エリアの再開発による活性化で住宅供給も増加。直近の5年間でも徒歩15分圏内で3000戸以上の分譲マンションが供給された。
住宅の増加や、資産価値重視の傾向が、住む対象として大きな注目を集める背景となっているのだろう。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

得点がジャンプアップした街(駅)ランキング

さらにTOP50の中で大きく得点を上げた街を見てみよう。
神戸三宮(+49点、3位→3位)、十三(+37点、123位→68位)、中津(+36点、48位→32位)など、都心部の注目度の高さがうかがえる。
一方、「嵐山」(+60点、25位→13位)、「伏見桃山」(+29点、146位→81位)、御影(+29点、30位→24位)、箕面(+29点、33位→25位)なども順位を上げた。都心へのアクセスが良い上、緑豊かな自然環境にも恵まれた近郊の街も支持を集める結果となった。

「住みたい自治体ランキング」では明石市が初のトップ3入り

アンケートでは「住みたい街(駅)」とともに「住みたい自治体」についても尋ねた。ランキングに合わせて、昨年から得点がジャンプアップした注目の自治体のトピックスにふれていこう。

関西住みたい自治体ランキング

得点がジャンプアップした自治体ランキング

1位は昨年に引き続き「兵庫県西宮市」、2位が「大阪府大阪市北区」。3位は昨年の6位から大きくランクアップした「兵庫県明石市」だ。得点も昨年から131ポイントアップ。自治体の中で最も得点を伸ばした。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

近年の明石市の人気には目を見張るものがある。
明石市を支持したのは、「夫婦+子ども世帯」「女性総合」「女性30代」が多く、「シングル女性」「シングル男性」でも過去最高位を獲得。
街の魅力を尋ねると、全国的にも有名な「子育てサービスの充実」のほか、「メディアに良く取り上げられて有名」「今後街が発展しそう」などの回答が多かった。行政の独自施策とメディアへの発信力がランクアップに功を奏したとも言えそうだ。(子育て支援の“東西横綱”千葉県流山市と兵庫県明石市、「住みたい街ランキング」大躍進の裏にスゴい取り組み)
明石市への投票は関西出身者では昨年の4位から3位にアップだが、関西圏以外の出身者でみると昨年の17位から5位と、大幅に上昇した。話題をきっかけに関西に地縁の薄い人からも注目を集めるようになってきており、さらなる人口増が期待される結果となった。

また、「子育てに関する自治体サービスが充実している」の項目で明石市に次いで2位となったのが、「住みたい自治体」で24位にランクインした箕面市。昨年からの得点ジャンプアップランキングでも5位に入っている。
18歳以下の子どもの医療費無料(親の所得制限なし)や、通学路や公園の防犯カメラ設置やコミュニティバス「オレンジゆずるバス」の運行など、子育てや防犯、福祉などのサービスが充実した街だ。
一方、街づくりの面でも、大阪大学箕面キャンパスが2023年度開業予定の「箕面船場阪大前駅」に移転し、周辺には図書館や芸術劇場なども誕生予定。「みのおキューズモール」と繋がる「箕面萱野駅」も2023年度に開業予定と、今後の資産価値上昇への期待も膨らみそうだ。

箕面萱野駅(写真/PIXTA)

箕面萱野駅(写真/PIXTA)

若い世代の人気を集めた華やかな街、大阪市天王寺区。働き暮らす街として存在感を高める草津市

大阪市天王寺区は昨年の7位から今年は4位に。年代・ライフステージ別では20代で2位、20代男性では1位と若い世代から人気を集める結果となった。得点ジャンプアップランキングでも明石市に次ぐ2位。主な理由に「文化・娯楽施設の充実」や「街に賑わいがある」などがあげられ、華やかな印象の街として人気を集めていることがわかる。
天王寺区には2014年に「あべのハルカス」がオープンし、翌2015年には天王寺公園にサッカーコートやレストラン、カフェなどの施設を備えた「てんしば」エリアがオープン。その後も「てんしばi:na」など、新しい施設の誕生が相次いだ。“楽しく暮らせる街”の顔が人々の心をつかんだようだ。

てんしばi:na(写真/PIXTA)

てんしばi:na(写真/PIXTA)

「住みたい自治体ランキング」で初のトップ10入りした草津市。「住みたい街ランキング」でも昨年より順位を上げ7位にランクイン、得点ジャンプアップランキングでも前述の箕面市に次ぐ6位に食い込んでいる。
草津市は再開発により大型商業施設を整備。草津駅を核とする発展への期待に加えて、琵琶湖畔の美しい景観や、JRで京都や大阪と直結する交通アクセスの良さなども魅力だ。
街の魅力が広く認知されるととともに、人口増加も顕著に。草津市のある滋賀県は転入超過数が全国で8番目、関西2府4県では1番多く、中でも草津市は大津市に次ぐ転入超過数だ。立命館大学をはじめとする産官学連合による製造業の発展などの成果もあり、働き暮らす街としての存在感を増しているといえるだろう。

派手さはなくても魅力ある街の登場に期待

2023年の「住みたい街ランキング」では、「梅田」が圧倒的人気を集めた。また、「神戸三宮」「十三」「中津」「なんば」なども大きく得点を伸ばし、大都市中心部の人気の高まりが顕著となった印象だ。
一方、大きく躍進した郊外の街もある。子育て施策を中心とするサービスが全国的な話題となり人口増を実現した「明石」、再開発で評価を高めた「草津」などだ。どちらも街の整備や市民目線の施策の充実に取り組み、地道に成長してきた結果と言えそうだ。
大都市やブランド的な街だけでなく、派手さや知名度はなくても魅力のある街がこれからも登場してほしいと感じる。

●関連リンク
「SUUMO住みたい街ランキング2023 関西版」プレスリリース

【2023年】JR山手線、中古マンションの価格相場が安い駅ランキング。シングル向け、カップル・ファミリー向け、それぞれ1位は?

全30駅を環状に結んで走るJR山手線は、東京の大動脈とも言える路線。都心の主要エリアを囲むように線路が続き、東京駅や新宿駅をはじめ東京を代表する駅がずらりと並ぶ。都心から各方面へと向かう路線に接続するターミナル駅も多く、JR山手線沿線に住む便利さはピカイチ。そのぶん、沿線の物件価格が高いことでも有名だ。では実際、その物件価格はいかほどのものなのか? JR山手線30駅それぞれの中古マンションの価格相場を調査してみた。専有面積20平米以上~50平米未満の「シングル向け」と、専有面積50平米以上~80平米未満の「カップル・ファミリー向け」について、価格相場が安い駅ランキングを発表しよう。

JR山手線の中古マンション価格相場が安い駅ランキングJR山手線の中古マンション価格相場が安い駅ランキング 【シングル向け】

※有楽町(千代田区)は調査対象物件数が11件以下のためランク外

JR山手線の中古マンション価格相場が安い駅ランキング 【カップル・ファミリー向け】

※東京(千代田区)、有楽町(千代田区)は調査対象物件数が11件以下のためランク外

JR山手線内でもリーズナブルに住みたいなら「中央線より北側」に注目!(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

「シングル向け」中古マンション(専有面積20平米以上~50平米未満)の価格相場が最も安かったのは、北区に位置する田端駅。最も安いとはいえ価格相場は3095万円であり、JR山手線沿線の物件価格の高さがうかがい知れる。「カップル・ファミリー向け」(専有面積50平米以上~80平米未満)の価格相場は5780万円で、2位にランクインした。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

田端駅の北口は線路を覆うように橋上駅舎が建ち、駅ビル「アトレヴィ田端」を併設。3フロアにわたりスーパーやドラッグストア、飲食店などが並んでいる。この田端駅は武蔵野台地の東端部に位置し、起伏にとんだ台地と平坦な低地で構成された高低差のある街並みが特徴だ。北口とは一転して小ぢんまりとした無人駅舎がある南口も、出てすぐに階段道路があるような造りとなっている。台地のふちに沿って続く線路の東側、西側共に繁華街といった印象ではなく、静かな住宅地が広がる。スーパーなどの買い物環境が整っているのは、線路の東側の様子。しかし駅北東部はJRの車両基地に広い面積を取られ、山手線と少し間を開けて東北本線の線路も通っているため、線路東側の住宅街は駅から少々離れたエリアが中心だ。

「カップル・ファミリー向け」の1位は田端駅から1駅目、荒川区にある西日暮里駅で価格相場は5680万円。「シングル向け」では3位で価格相場は3580万円だった。JR京浜東北線も停車するほか、東京メトロ千代田線が通っているため赤坂駅や表参道駅にもアクセスしやすい。JRの駅舎から少し離れた場所には、東京23区北東部へ延びる日暮里・舎人ライナーの駅もある。駅東側は狭い路地に面してさまざまな飲食店が立ち並び、その先が住宅街。駅の西側には日暮里・谷中の総鎮守「諏方神社」が鎮座し、例年8月の大祭には多数の露店が並んで大いににぎわう。

西日暮里駅(写真/PIXTA)

西日暮里駅(写真/PIXTA)

諏方神社(写真/PIXTA)

諏方神社(写真/PIXTA)

この諏方神社の横を通って7~8分も歩くと、隣駅の日暮里駅にたどり着く。西日暮里駅~日暮里駅間は山手線内では最短距離、500mほどしか離れていないのだ。そんな立地関係もあってか日暮里駅の価格相場は西日暮里駅と大きくは違わず、「シングル向け」は3665万円、「カップル・ファミリー向け」は5990万円で共に4位にランクインした。さて、西日暮里駅を出て諏方神社前を南下していき、交差点を左折すると日暮里駅へ、右折すると谷中銀座商店街にたどり着く。ここは約170mの間に60店舗ほどがひしめき、日々の買い物はもちろん食べ歩きにも人気の商店街だ。日暮里駅からも西日暮里駅からも訪れやすいので、このエリアに住んだらぜひ愛用したい。

谷中銀座商店街(写真/PIXTA)

谷中銀座商店街(写真/PIXTA)

ここまで見てきたように、田端駅、西日暮里駅、日暮里駅……と「シングル向け」「カップル・ファミリー向け」共にランキング上位には近接した駅が並んだ。さらにランキングを見ていくと、上位つまり価格相場が安い駅は、環状に走るJR山手線の北側半分に集中していることが判明。JR山手線を時計に見立てると、3時の位置に秋葉原駅、9時の位置に新宿駅があり、両駅を結んでJR中央線が走っている。JR山手線内でもリーズナブルに住める街を探すなら、JR中央線で南北に分かれる円(JR山手線)の北側半分に注目するといいだろう。

沿線30駅は街の特徴もさまざま。大規模再開発が進行中の駅も多数

ランキング上位には北側半分の駅が並んでいる、と話したが例外もある。それは「シングル向け」の価格相場が4095万円で10位にランクインした、港区の高輪ゲートウェイ駅だ。立地としてはJR中央線よりも南側、JR山手線の南側半分にある。JR山手線では最も新しく、開業は2020年。有名建築家・隈研吾氏が設計を手がけた駅舎や、駅構内の無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」などで話題を集めたこの駅は、周辺エリアで行われている再開発事業の一環として誕生した。同事業の第I期として「高輪ゲートウェイシティ」の街づくりが進められており、駅と3棟の複合棟、文化創造棟と住宅棟を建築中。2024年度末には2棟の複合棟の開業と、高輪ゲートウェイ駅の全面開業が予定されている。

高輪ゲートウェイ駅(写真/PIXTA)

高輪ゲートウェイ駅(写真/PIXTA)

そんな再開発の過程にある高輪ゲートウェイ駅の東側は臨海部の埋め立て地で、その先は東京湾。駅西側には赤穂義士のお墓がある泉岳寺の敷地と再開発エリアが大きな面積を占め、駅周辺で今現在、住宅地となっているスペースは意外と大きくはない。加えて50平米未満の中古マンションはあまり市場に出ていない様子。シングル向け物件数が限られるなか算出された価格相場(中央値)なので、今回は「カップル・ファミリー向け」の価格相場(9580万円)と比較して割安な結果が出たが、揺れ幅が大きい面はあるかも。また、街の再開発が進むと中古物件相場の底上げも考えられるので、よい物件を見つけたら今のうちに押さえておくのが吉かもしれない。

さて、JR山手線が都内の主要エリアを結んで走っていることは確かなのだが、北側半分に価格相場がリーズナブルな駅が集中するなど、路線を1周する間に通る街の特徴は多彩だ。時計で言うと6時あたりに位置する、新幹線の停車駅でもある品川駅を出て外回り(時計回り)に進んでいくと、まずは近年の再開発でビジネス街としても大きく発展した大崎駅が、そして、繁華街と住宅地が共存する五反田駅、閑静な住宅街が広がる目黒駅、恵比寿駅を過ぎると「100年に一度」といわれる大規模再開発が進む渋谷駅へ。若者にも人気の街、原宿駅や代々木駅の先には、世界屈指のターミナル駅・新宿駅。商業施設が林立する中を北上すると、韓流カルチャーで賑わう新大久保駅に着き、その先は大学など学校も多い高田馬場駅、目白駅へと続く。そして渋谷と新宿に並ぶ繁華街と言われる池袋駅を過ぎると、大塚駅、巣鴨駅、駒込駅と住宅街の様相が色濃くなってくる。

JR山手線の中古マンション価格相場が安い駅ランキング 【シングル向け】

JR山手線の中古マンション価格相場が安い駅ランキング【カップル・ファミリー向け】

田端駅まで来ると時計で言う12時の位置に。ここからは環状線の東側半分に入り、ランキング上位の西日暮里駅~鶯谷駅へと南下していく。そして新幹線駅でもある上野駅、問屋街が広がる御徒町、サブカルと電化製品の街として外国人にも知られた秋葉原駅あたりは、どこか下町らしさも残る街並み。その先の神田駅~東京駅~有楽町駅~新橋駅は東京都心の中でも中心部、ビジネス街と官公庁街が整然と続く。さらに南下すると東京湾岸の臨海エリアへ。羽田空港とモノレールで結ばれた浜松町駅は、海外から東京を訪れる際の玄関口の機能をもつ街になるべく大規模再開発が進められている。そしてビジネス街と学生街を抱える田町駅を過ぎると、JR山手線最新の駅・高輪ゲートウェイ駅に到着。さらに隣駅の品川駅に行けば、これで1周約1時間だ。

車窓を流れる街並みは特徴さまざまで、若者やビジネスマンなど乗り降りする人のタイプも駅により違う様子。沿線には高台も低地もあって勾配が感じられるなど、変化に富んだプチ電車旅が楽しめる。都内に住む人も意外と30駅を一気に制覇したことがある人は少ないだろうが、沿線に住みたいと考えているなら、まずはぐるりと1周して街の変化を肌で実感するのもおすすめだ。

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されているJR山手線沿線の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数35年未満、敷地権利は所有権のみ
シングル向け:専有面積20平米以上50平米未満
カップル・ファミリー向け:専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2022/1~2022/12
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

猫飼いさんの家選び、マンション・戸建て・リノベ、どれがいい?注意したいポイントは”ペットトラブルの防止”

2月22日は「猫の日」だったのニャー。「猫の日」にちなんで、ゼロリノベを運営するgroove agentが、東京都在住の猫を飼っている20~40代の男女1000人を対象に、猫と暮らす家に関してアンケート調査を実施した。それによると、猫と暮らす家にはお悩みがいろいろあるのだという。どんなことだろうか?

【今週の住活トピック】
「猫と暮らす家のお悩みランキング」を公表/groove agent

3位「家具や壁で爪をとぐ」、2位「毛が抜けて敷物や洋服につく」、そして1位は?

筆者はかつて「ペットは犬より猫? 散歩、しつけの手間が犬人気下落の要因か」という記事を書いたが、ペットフード協会の調査によると、飼育されるペットの頭数は、2014年以降ずっと猫が犬を上回っている。それほど、ペットとして猫の人気は高いのだ。

家族同様の愛猫でも、猫と暮らす家についてはお悩みも多いようだ。ゼロリノベの調査によると、お悩みの3位は「家具や壁で爪をとぐ」、2位は「毛が抜けて敷物や洋服につく」、そして1位は「猫飼育可能な物件が少ない」という結果だった。

出典:ゼロリノベ調べ

猫と暮らすうえで、家の中のことは対応方法を自身で工夫できたとしても、住める家自体が見つけにくいことが最大の悩みごとというわけだ。

猫と暮らすために住み替えるなら、新築戸建て?

調査対象者が現在猫を飼っている家は、「賃貸」が51%、「持ち家」が49%とほぼ同じだ。ただ、「猫と暮らす家」として満足しているのは全体の44%で、その内訳は「持ち家」が57%を占めたので、持ち家のほうがやや満足度が高いようだ。賃貸に不満を感じる理由としては、家が狭いことなどが挙がっているという。

では、「猫と暮らすために購入・住み替えするなら」どんな家がよいのだろう。結果は「新築戸建て」が最多の32%だった。「中古戸建て」の14%と合わせると戸建てが46%になり、マンション(新築マンションと中古マンションの合計で39%)より戸建てのほうが猫と暮らしやすいと思っている人が多いようだ。戸建てに住み替えを検討している人のコメントに、「管理組合などの規定に縛られない戸建てに住み変えたい」とあるように、マンションでは「管理規約」などでペット飼育に関する細かい制限があるからだろう。

出典:ゼロリノベ調べ猫の飼育が可能な物件を探す際に注意したいこと

猫の爪とぎ用のボードを壁に張ったり、こまめにブラッシングしたりと、猫を飼ううえでの工夫などはいろいろあるだろうが、ここでは、猫が飼える物件を探すときに注意したいことを説明しよう。

まず、賃貸物件について。はじめから「ペット可」で入居者を募集している物件を選びたい。その場合でも、ほかの入居者とのトラブルを避けるために、ペット飼育のための建物になっていたり、飼育のルールがあったりするほうがよいだろう。賃貸物件の中には、エントランスに足洗い場があったり、室内の壁のクロスを上下に分けて下の部分だけ張り替えできるようになっているものもある。また、一般的には、退去の際にはペットによる臭いや損傷について原状回復が求められるので、室内の仕様設備や契約書の内容などもしっかり確認したい。

次に、新築や中古のマンションの購入について。マンションには「管理規約」などの規則がある。必ず「ペット飼育可能」になっているか確認し、ペット飼育の条件としてどんなルールがあるかを詳しく調べよう。ペットの大きさや頭数に制限がある場合がほとんどなので、自分の希望通りに猫が飼えるか確認したい。ほかにも、ペット委員会などの飼育者の組織があり、予防接種を義務づけるなどの会則が整っているほうがよいだろう。ペット対応型マンションとして、ペット飼育のための共用設備や設計がなされているものもある。

新築か中古かについては、いろいろな考え方があるだろう。先ほどの調査結果では、猫と暮らすために購入・住み替えをするなら新築戸建てに住みたいと回答した人のなかには、「注文住宅にすれば自分たちにも猫にも住みやすい家が設計できるかもしれないから」とコメントした人もいて、分譲の新築物件ではなく注文住宅を建てるイメージをもっている人もいるようだ。同じ理由で、中古住宅を買ってリフォームやリノベーションをしたいと回答した人もいるだろう。

猫の安全や健康を守るには、滑りにくい床材やペットドア・キャットウォークの設置など、通常の住宅にはない仕様や設備を採り入れる必要がある。そういう意味では、中古住宅を買ってすぐに、あるいは一定期間が経ってからペット対応のリフォームをするという選択肢も有効だ。

最後に指摘したいのは、猫を飼っている人との情報交換も大切だということ。戸建てのほうが規制を受けることなく猫を飼える側面もあるが、マンションの場合には飼育仲間と情報交換ができるという側面もある。何を重視するかをよく考えて、詳しく調べたうえで物件を選ぶのがよいだろう。

さて、本連載の筆者の担当編集者は犬派らしいが、SUUMOジャーナルの記事で「猫」のテーマは人気だという。丸まって寝たり猫じゃらしで遊んだりする姿を見れば、癒やされて家事や仕事の疲れも解消されることだろう。室内で飼いやすいこともあって、猫人気は今後も続くと思われる。飼い主にとっても愛猫にとっても、暮らしやすい家が増えることを期待している。

●関連サイト
「猫と暮らす家のお悩みランキング」(ゼロリノベ調べ)

【2023年】東京23区の家賃相場が安い駅ランキング。1位は東京駅から15分・5万円台の穴場駅!

東京都内に住む際、交通面や買い物など生活の利便性から23区内を候補に考える人が多いだろう。ただ問題は、家賃相場が高いこと……。なるべく家賃を抑えられる住まいを探すなら、どの駅がいいのか? 23区内でも特に家賃相場が低めな区はどこだろう? そこで今回は、東京23区内に位置する駅それぞれの、徒歩15分圏内にある賃貸物件(専有面積10平米以上~40平米未満のワンルーム・1K・1DK)の家賃相場をランキング。家賃相場が安い駅TOP20をチェックしていこう。

東京23区内の家賃相場が安い駅TOP20(21駅)

順位/駅名/家賃相場(主な路線/駅の所在地)
1位 葛西臨海公園 5.60万円(JR京葉線/江戸川区)
2位 一之江 6.40万円(都営新宿線/江戸川区)
2位 新柴又 6.40万円(北総線/葛飾区)
4位 京成小岩 6.50万円(京成本線/江戸川区)
4位 京成金町 6.50万円(京成金町線/葛飾区)
4位 江戸川 6.50万円(京成本線/江戸川区)
7位 竹ノ塚 6.55万円(東武伊勢崎線/足立区)
7位 金町 6.55万円(JR常磐線/葛飾区)
9位 小岩 6.60万円(JR総武線/江戸川区)
9位 柴又 6.60万円(京成金町線/葛飾区)
9位 瑞江 6.60万円(都営新宿線/江戸川区)
9位 篠崎 6.60万円(都営新宿線/江戸川区)
13位 堀切菖蒲園 6.70万円(京成本線/葛飾区)
13位 小菅 6.70万円(東武伊勢崎線/足立区)
13位 船堀 6.70万円(都営新宿線/江戸川区)
16位 谷在家 6.75万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
17位 上井草 6.80万円(西武新宿線/杉並区)
17位 五反野 6.80万円(東武伊勢崎線/足立区)
17位 喜多見 6.80万円(小田急線/世田谷区)
20位 梅島 6.85万円(東武伊勢崎線/足立区)
20位 青井 6.85万円(つくばエクスプレス/足立区)
※22~44位は記事末

1位に選ばれたのは、家賃相場5万円台で東京駅まで15分以下の駅

1位は家賃相場がトップ20で唯一の5万円台、5万6000円だったJR京葉線・葛西臨海公園駅。駅高架下には2021年1月、アウトドアブランドのショップをはじめ飲食・物販エリアやイベントスペースを備えた複合商業施設「Ff(エフエフ)」がオープンしてる。開業3年目を迎えた現在はリニューアル工事中で休業区画も多い状態だが、今後は新たなショップのオープンも見込まれるので楽しみにしたい。

葛西臨海公園駅(写真/PIXTA)

葛西臨海公園駅(写真/PIXTA)

そんな1位・葛西臨海公園駅は江戸川区の南端に位置し、駅南側の出口を出ると「葛西臨海公園」が目の前に。東京湾に面した園内には水族館や大観覧車があり、海も一望できる。一方の駅北側には青果と花を扱う都の中央卸売市場と、物流倉庫街が広がっている。そのため駅付近に住宅はさほどなく、住宅街らしくなるのは駅から徒歩15分以上のエリア。そのあたりまで出ると、幹線道路の環七沿いにファミレスが点在していたり、住宅の合間にスーパーやコンビニがあったりと日常使いできる商店も。駅から徒歩35分ほど離れるとショッピングセンターやホームセンターがあるので自転車や車が使えると生活の幅が広がるだろう。交通の面を見てみると、東京駅までJR京葉線1本で5駅・約13分の近さ。東京駅とは逆方面に乗ると1駅目が舞浜駅で、ディズニー好きにはたまらない立地でもある。

葛西臨海公園(写真/PIXTA)

葛西臨海公園(写真/PIXTA)

2位は同じく江戸川区にある、都営新宿線・一之江駅で家賃相場は6万4000円。両隣は9位・瑞江駅(家賃相場6万6000円)と13位・船堀駅(家賃相場6万7000円)で、瑞江駅の1駅先は家賃相場6万6000円で同額9位の篠崎駅、という位置関係だ。この4駅では最も家賃相場が安かった一之江駅の様子はというと、4階建ての駅ビルにスーパーや持ち帰り弁当店、中華レストランがあって便利そう。2021年9月に東口駅前広場の正面に誕生したスーパー「マルエツ」をはじめ、駅周辺にもスーパーやコンビニ、ハンバーガーや牛丼などの気軽に入れる飲食店があり、一人暮らしに嬉しい環境だろう。都営新宿線に乗ると、神保町駅まで約23分、市ケ谷駅まで約27分、新宿駅までは約33分だ。

一之江駅前(写真/PIXTA)

一之江駅前(写真/PIXTA)

一之江駅よりもやや家賃相場が高い、両隣の瑞江駅と船堀駅はどんな街だろう? 9位・瑞江駅の駅前にはディスカウントストア「ドン・キホーテ」やスーパー、100円ショップが入った商業ビルがある。ほかにも多彩な飲食店やコンビニなどが立ち並び、一之江駅よりもにぎわっている様子。また、13位・船堀駅の駅前には、都内を見渡す展望塔や映画館を備えた江戸川区のシンボルタワー「タワーホール船堀」が立っている。さらに船堀駅前では再開発が計画され、2028年度の供用開始を目指す地上20階建ての区の新庁舎と、地上27階建ての複合ビルの建設が発表された。駅周辺地区はほかにも開発計画が目白押しで、今後の船堀駅は江戸川区の中心エリアとしての存在感を高めていくだろう。

さて、2位には同額6万4000円で葛飾区にある北総線・新柴又駅もランクインした。柴又と聞くと9位の京成金町線・柴又駅(家賃相場6万6000円)を思い浮かべる人もいるだろう。映画『男はつらいよ』の主人公・寅さんの生まれ故郷としてロケ地にもなった柴又駅周辺は観光地としてもにぎわっているが、そこから歩いて10分ほどの新柴又駅周辺は静かな住宅街。スーパーやドラッグストア、コンビニはあるが繁華街といった雰囲気ではないので、落ち着いた生活ができそうだ。北総線は京成本線~京成押上線~都営浅草線~京急本線へと直通運転されているため、新柴又駅から乗り換えずに日本橋駅や新橋駅に行けるのも魅力。品川駅までも電車1本、約45分で到着する。

新柴又駅(写真/PIXTA)

新柴又駅(写真/PIXTA)

TOP20には東京23区東部の江戸川区、足立区、葛飾区の駅がずらり

2位・新柴又駅と9位・柴又駅のように、名称が似通った駅は4位以下にもランクインしている。4位・京成小岩駅と9位・小岩駅、同じく4位・京成金町駅と7位・金町駅だ。

4位・京成小岩駅は京成本線の駅で家賃相場6万5000円、9位・小岩駅はJR中央・総武線(各駅停車)の駅で家賃相場6万6000円。駅名が似ていてどちらも江戸川区内、そして住宅街にある点は同様だが、両駅間は徒歩20分弱ほど離れている。4位・京成小岩駅前はスーパーやコンビニ、飲食店があり、暮らしやすそうな街並み。2駅先の青砥駅から都営浅草線直通の京成押上線に乗り換えられるので、浅草駅や新橋駅にも行きやすい。また、京成小岩駅から京成本線で約21分の日暮里駅に出ると、山手線や常磐線などJR各線に乗り換え可能だ。

そんな京成小岩駅以上に駅前がにぎわっているのが9位・小岩駅だ。JR中央・総武線(各駅停車)に乗ると、秋葉原駅や市ケ谷駅を経由しつつ新宿駅まで約38分。隣の新小岩駅でJR総武線快速に乗り換えれば、東京駅まで約19分で行ける。駅にはショッピングセンター「シャポー小岩」が直結され、食品関係のお店や飲食店が営業中。改札を挟んだ千葉側エリアは改装工事中で、3月下旬にリニューアルオープンを予定している。改札直結の1階部分は約100mの通路沿いにファッション雑貨店やカフェなどが並ぶアーケード街に、地下1階部分は生鮮食料品街になるという。

小岩駅(写真/PIXTA)

小岩駅(写真/PIXTA)

小岩駅を出ても、約170店舗がひしめき区内最大の商店街と言われる「小岩フラワーロード商店街」をはじめ、線路の北側にも南側にも活気ある商店街が広がる。さらに注目は、駅周辺で大規模再開発が進行中ということ。北口側には住宅や商業の複合ビルと駅前広場が2031年度に完成予定。南口側にはすでに再開発エリア「ファスタ小岩」の商業施設棟とマンションが誕生しており、さらに地上33階建ての商業・住宅複合ビルも2026年度中に竣工予定だ。

小岩フラワーロード商店街(写真/PIXTA)

小岩フラワーロード商店街(写真/PIXTA)

名前が似ているもう1組の駅、葛飾区にある4位・京成金町駅と7位・金町駅もチェックしてみよう。この2駅は駅前広場をはさんで南側に京成金町線の京成金町駅、北側にJR常磐線の金町駅が位置し、周辺住民は2路線が利用できる環境。家賃相場が京成金町駅は6万5000円、金町駅は6万5500円と若干の違いが出たものの、「どちらの駅により近いか」という点にはあまりこだわる必要はないだろう。東西に走るJR常磐線の線路をはさんで、北側のほうに飲食店が多く、南側のほうがより住宅街らしい街並みではあるが、どちら側にも日常生活を支えるスーパーやコンビニは備えている。

ここまで紹介してきた通り、トップ20には近接しあう駅も多くランクインしている。改めて見てみると、トップ20全21駅の所在地は、江戸川区が8駅、足立区が6駅、葛飾区が5駅。いずれも東京23区の東部に位置しているため、リーズナブルな賃貸物件を探したいならまずこのエリアをチェックするとよさそうだ。とはいえ江戸川区をはじめ東部エリアも近年は再開発が進められ、街の様子も変わりつつある。住みやすい街として人気が高まると、家賃相場も上昇しがち。来年、同様の調査を行った際は違った顔ぶれの駅がランキングに並ぶかもしれない。

■22-44位

東京23区家賃相場22位44位

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東京23区内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2022/1~2022/12
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

【2023年】東京23区の家賃相場が安い駅ランキング。1位は東京駅から15分・5万円台の穴場駅!

東京都内に住む際、交通面や買い物など生活の利便性から23区内を候補に考える人が多いだろう。ただ問題は、家賃相場が高いこと……。なるべく家賃を抑えられる住まいを探すなら、どの駅がいいのか? 23区内でも特に家賃相場が低めな区はどこだろう? そこで今回は、東京23区内に位置する駅それぞれの、徒歩15分圏内にある賃貸物件(専有面積10平米以上~40平米未満のワンルーム・1K・1DK)の家賃相場をランキング。家賃相場が安い駅TOP20をチェックしていこう。

東京23区内の家賃相場が安い駅TOP20(21駅)

順位/駅名/家賃相場(主な路線/駅の所在地)
1位 葛西臨海公園 5.60万円(JR京葉線/江戸川区)
2位 一之江 6.40万円(都営新宿線/江戸川区)
2位 新柴又 6.40万円(北総線/葛飾区)
4位 京成小岩 6.50万円(京成本線/江戸川区)
4位 京成金町 6.50万円(京成金町線/葛飾区)
4位 江戸川 6.50万円(京成本線/江戸川区)
7位 竹ノ塚 6.55万円(東武伊勢崎線/足立区)
7位 金町 6.55万円(JR常磐線/葛飾区)
9位 小岩 6.60万円(JR総武線/江戸川区)
9位 柴又 6.60万円(京成金町線/葛飾区)
9位 瑞江 6.60万円(都営新宿線/江戸川区)
9位 篠崎 6.60万円(都営新宿線/江戸川区)
13位 堀切菖蒲園 6.70万円(京成本線/葛飾区)
13位 小菅 6.70万円(東武伊勢崎線/足立区)
13位 船堀 6.70万円(都営新宿線/江戸川区)
16位 谷在家 6.75万円(日暮里・舎人ライナー/足立区)
17位 上井草 6.80万円(西武新宿線/杉並区)
17位 五反野 6.80万円(東武伊勢崎線/足立区)
17位 喜多見 6.80万円(小田急線/世田谷区)
20位 梅島 6.85万円(東武伊勢崎線/足立区)
20位 青井 6.85万円(つくばエクスプレス/足立区)
※22~44位は記事末

1位に選ばれたのは、家賃相場5万円台で東京駅まで15分以下の駅

1位は家賃相場がトップ20で唯一の5万円台、5万6000円だったJR京葉線・葛西臨海公園駅。駅高架下には2021年1月、アウトドアブランドのショップをはじめ飲食・物販エリアやイベントスペースを備えた複合商業施設「Ff(エフエフ)」がオープンしてる。開業3年目を迎えた現在はリニューアル工事中で休業区画も多い状態だが、今後は新たなショップのオープンも見込まれるので楽しみにしたい。

葛西臨海公園駅(写真/PIXTA)

葛西臨海公園駅(写真/PIXTA)

そんな1位・葛西臨海公園駅は江戸川区の南端に位置し、駅南側の出口を出ると「葛西臨海公園」が目の前に。東京湾に面した園内には水族館や大観覧車があり、海も一望できる。一方の駅北側には青果と花を扱う都の中央卸売市場と、物流倉庫街が広がっている。そのため駅付近に住宅はさほどなく、住宅街らしくなるのは駅から徒歩15分以上のエリア。そのあたりまで出ると、幹線道路の環七沿いにファミレスが点在していたり、住宅の合間にスーパーやコンビニがあったりと日常使いできる商店も。駅から徒歩35分ほど離れるとショッピングセンターやホームセンターがあるので自転車や車が使えると生活の幅が広がるだろう。交通の面を見てみると、東京駅までJR京葉線1本で5駅・約13分の近さ。東京駅とは逆方面に乗ると1駅目が舞浜駅で、ディズニー好きにはたまらない立地でもある。

葛西臨海公園(写真/PIXTA)

葛西臨海公園(写真/PIXTA)

2位は同じく江戸川区にある、都営新宿線・一之江駅で家賃相場は6万4000円。両隣は9位・瑞江駅(家賃相場6万6000円)と13位・船堀駅(家賃相場6万7000円)で、瑞江駅の1駅先は家賃相場6万6000円で同額9位の篠崎駅、という位置関係だ。この4駅では最も家賃相場が安かった一之江駅の様子はというと、4階建ての駅ビルにスーパーや持ち帰り弁当店、中華レストランがあって便利そう。2021年9月に東口駅前広場の正面に誕生したスーパー「マルエツ」をはじめ、駅周辺にもスーパーやコンビニ、ハンバーガーや牛丼などの気軽に入れる飲食店があり、一人暮らしに嬉しい環境だろう。都営新宿線に乗ると、神保町駅まで約23分、市ケ谷駅まで約27分、新宿駅までは約33分だ。

一之江駅前(写真/PIXTA)

一之江駅前(写真/PIXTA)

一之江駅よりもやや家賃相場が高い、両隣の瑞江駅と船堀駅はどんな街だろう? 9位・瑞江駅の駅前にはディスカウントストア「ドン・キホーテ」やスーパー、100円ショップが入った商業ビルがある。ほかにも多彩な飲食店やコンビニなどが立ち並び、一之江駅よりもにぎわっている様子。また、13位・船堀駅の駅前には、都内を見渡す展望塔や映画館を備えた江戸川区のシンボルタワー「タワーホール船堀」が立っている。さらに船堀駅前では再開発が計画され、2028年度の供用開始を目指す地上20階建ての区の新庁舎と、地上27階建ての複合ビルの建設が発表された。駅周辺地区はほかにも開発計画が目白押しで、今後の船堀駅は江戸川区の中心エリアとしての存在感を高めていくだろう。

さて、2位には同額6万4000円で葛飾区にある北総線・新柴又駅もランクインした。柴又と聞くと9位の京成金町線・柴又駅(家賃相場6万6000円)を思い浮かべる人もいるだろう。映画『男はつらいよ』の主人公・寅さんの生まれ故郷としてロケ地にもなった柴又駅周辺は観光地としてもにぎわっているが、そこから歩いて10分ほどの新柴又駅周辺は静かな住宅街。スーパーやドラッグストア、コンビニはあるが繁華街といった雰囲気ではないので、落ち着いた生活ができそうだ。北総線は京成本線~京成押上線~都営浅草線~京急本線へと直通運転されているため、新柴又駅から乗り換えずに日本橋駅や新橋駅に行けるのも魅力。品川駅までも電車1本、約45分で到着する。

新柴又駅(写真/PIXTA)

新柴又駅(写真/PIXTA)

TOP20には東京23区東部の江戸川区、足立区、葛飾区の駅がずらり

2位・新柴又駅と9位・柴又駅のように、名称が似通った駅は4位以下にもランクインしている。4位・京成小岩駅と9位・小岩駅、同じく4位・京成金町駅と7位・金町駅だ。

4位・京成小岩駅は京成本線の駅で家賃相場6万5000円、9位・小岩駅はJR中央・総武線(各駅停車)の駅で家賃相場6万6000円。駅名が似ていてどちらも江戸川区内、そして住宅街にある点は同様だが、両駅間は徒歩20分弱ほど離れている。4位・京成小岩駅前はスーパーやコンビニ、飲食店があり、暮らしやすそうな街並み。2駅先の青砥駅から都営浅草線直通の京成押上線に乗り換えられるので、浅草駅や新橋駅にも行きやすい。また、京成小岩駅から京成本線で約21分の日暮里駅に出ると、山手線や常磐線などJR各線に乗り換え可能だ。

そんな京成小岩駅以上に駅前がにぎわっているのが9位・小岩駅だ。JR中央・総武線(各駅停車)に乗ると、秋葉原駅や市ケ谷駅を経由しつつ新宿駅まで約38分。隣の新小岩駅でJR総武線快速に乗り換えれば、東京駅まで約19分で行ける。駅にはショッピングセンター「シャポー小岩」が直結され、食品関係のお店や飲食店が営業中。改札を挟んだ千葉側エリアは改装工事中で、3月下旬にリニューアルオープンを予定している。改札直結の1階部分は約100mの通路沿いにファッション雑貨店やカフェなどが並ぶアーケード街に、地下1階部分は生鮮食料品街になるという。

小岩駅(写真/PIXTA)

小岩駅(写真/PIXTA)

小岩駅を出ても、約170店舗がひしめき区内最大の商店街と言われる「小岩フラワーロード商店街」をはじめ、線路の北側にも南側にも活気ある商店街が広がる。さらに注目は、駅周辺で大規模再開発が進行中ということ。北口側には住宅や商業の複合ビルと駅前広場が2031年度に完成予定。南口側にはすでに再開発エリア「ファスタ小岩」の商業施設棟とマンションが誕生しており、さらに地上33階建ての商業・住宅複合ビルも2026年度中に竣工予定だ。

小岩フラワーロード商店街(写真/PIXTA)

小岩フラワーロード商店街(写真/PIXTA)

名前が似ているもう1組の駅、葛飾区にある4位・京成金町駅と7位・金町駅もチェックしてみよう。この2駅は駅前広場をはさんで南側に京成金町線の京成金町駅、北側にJR常磐線の金町駅が位置し、周辺住民は2路線が利用できる環境。家賃相場が京成金町駅は6万5000円、金町駅は6万5500円と若干の違いが出たものの、「どちらの駅により近いか」という点にはあまりこだわる必要はないだろう。東西に走るJR常磐線の線路をはさんで、北側のほうに飲食店が多く、南側のほうがより住宅街らしい街並みではあるが、どちら側にも日常生活を支えるスーパーやコンビニは備えている。

ここまで紹介してきた通り、トップ20には近接しあう駅も多くランクインしている。改めて見てみると、トップ20全21駅の所在地は、江戸川区が8駅、足立区が6駅、葛飾区が5駅。いずれも東京23区の東部に位置しているため、リーズナブルな賃貸物件を探したいならまずこのエリアをチェックするとよさそうだ。とはいえ江戸川区をはじめ東部エリアも近年は再開発が進められ、街の様子も変わりつつある。住みやすい街として人気が高まると、家賃相場も上昇しがち。来年、同様の調査を行った際は違った顔ぶれの駅がランキングに並ぶかもしれない。

■22-44位

東京23区家賃相場22位44位

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東京23区内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2022/1~2022/12
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

「住みたい街ランキング2023」発表! 大宮と浦和で明暗、新宿が注目の理由とは?

リクルートが、 首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)に居住している20歳~49歳の1万人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2023」を発表した。ランキングの結果も気になるが、なぜこの街が?という要因も気になるところだ。今回のランキングで注目の街を紹介していこう。

【今週の住活トピック】
「SUUMO住みたい街ランキング2023 首都圏版」を発表/リクルート

住みたい街ランキング2023は、TOP4までは変わらず

さっそく、2023年の住みたい街(駅)ランキングの結果を紹介しよう。「横浜」が首位を、「吉祥寺」が2位を堅持し、昨年3位に食い込んだ「大宮」がその位置をキープし、「恵比寿」が4位を死守するなど、TOP4は2022年と同じ顔触れとなった。

住みたい街(駅)総合ランキングトップ10(首都圏全体/3つの限定回答)(出典:リクルート)

住みたい街(駅)総合ランキングトップ10(首都圏全体/3つの限定回答)(出典:リクルート)

TOP10で注目したいのは、まず「鎌倉」の躍進だ。もともと歴史のある良好な住宅地として人気があったが、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の影響もあってのことか。次の注目点は、「新宿」「池袋」「渋谷」「東京」のターミナル駅がランクアップしていることだ。常に再開発などのプロジェクト案件があり、いずれも話題を集める街だ。

また、11位~25位までを見ると、顔触れは同じようだが順位が少し入れ替わっている。品川や表参道などの都心の街がランクダウンし、舞浜や船橋、立川など郊外の人気駅がランクアップしている印象を受ける。都心の低迷と郊外の上昇の傾向は、2022年も見られた現象なので、コロナ禍で、自分が暮らしている街から近い街が再評価される傾向が続いているようだ。

11位以下では「舞浜」(17位)、「みなとみらい」(26位)、「有楽町」(27位)、「所沢」(30位)、「和光市」(31位)、「新浦安」(37位)、「守谷」(47位)が過去最高位になっている。

住みたい街(駅)総合ランキング11位~25位(首都圏全体/3つの限定回答)(出典:リクルート)

住みたい街(駅)総合ランキング11位~25位(首都圏全体/3つの限定回答)(出典:リクルート)

明と暗に分かれた「大宮」と「浦和」。その違いは?

それにしても、「浦和」(12位)が昨年の5位からTOP10外までダウンしたのは意外だった。SUUMO編集長・池本洋一さんの分析によると、20代・30代のランキングで吉祥寺を抑えて初の2位になるなど、注目度を集めた大宮に対して、広域からの注目度が低かったのが浦和だという。

「大宮」については、池本さんが「コンパクト東京?」と呼ぶほど、若者が魅力を感じる街の賑わいがあるのだそうだ。

SUUMO住みたい街ランキング2023首都圏版 記者発表会資料(出典:リクルート)

東京と大宮の比較(出典:リクルート)

まず、駅周辺の商業施設に東京にしかなかった店が進出している。次に、氷川神社のある大宮公園からコクーンシティをつなぐ「氷川参道」の周辺に活気がある。街路樹に沿って個性的な店が並び、集客力のある「さいたまスーパーアリーナ」や「NACK5スタジアム大宮」なども隣接している。駅周辺には飲食店の多い通りもある。これが近くに凝縮しているので、コンパクトな東京のようだというのだ。

一方、「浦和」は、大宮が埼玉県内外の広域から票を集めている(地元のさいたま市からの投票シェアは23.8%)のに対して、地元の投票シェアが43.4%であるなど、地元の人気に支えられている感が否めない。加えて、浦和駅西口の駅前再開発が進行中であるため、当初あった地元の個人商店が立ち並ぶ商店街がなくなり、一時的に賑わいが減っていること、大宮に比べて賃料が高いことなどが影響しているのではないかというのが、池本さんの分析だ。再開発事業は2026年6月竣工予定だというので、今後に注目したい。

「新宿」は、コロナ禍からの復調の象徴か?

次に注目したいのが、「新宿」だ。2023年にTOP5に入る躍進を見せたが、その原動力となっているのが「シングル男性」だ。ライフステージ別の内訳を見ると、新宿に投票したのはシングル男性が44.9%を占めている。シングル男性のシェアが、1位横浜は22.1%、2位吉祥寺は20.7%、3位大宮は24.0%であることと比べても、突出して高い。

ランキングTOP10のライフステージ別内訳(出典:リクルート)

ランキングTOP10のライフステージ別内訳(出典:リクルート)

もともとコロナ前の2019年のランキングでは、新宿は5位だった。2023年にコロナ禍から復調したと言ってよいだろう。SUUMOによると、新宿の街の魅力項目として高かったのは、「魅力的な働く場や企業がある」「文化・娯楽施設が充実している」「仕事のできる施設(コワーキングスペースやカフェなど)がある」などで、電車バスで行きやすいなど交通利便も上位に挙がった。たとえば、センスの良い飲食店やお店の魅力度が高い「恵比寿」などと比べると、働く・遊ぶ・買う+交通利便など多様な魅力をもつことが、コロナ禍からの復調が進んだ要因だといえるだろう。

特徴(個性)のある街はやっぱり強かった

上位以外で注目の街として、「流山おおたかの森」と「所沢」を挙げておこう。

千葉県としてのランキングでは、2位:舞浜、3位:船橋、4位:柏、5位:千葉を抑えて、1位に躍り出たのが「流山おおたかの森」だ。その魅力項目TOP10を見ると明らかなように、「子育て」や「教育環境」の高さが目立つ。

一方の「所沢」は2022年の48位から2023年には30位に急上昇しただけでなく、「穴場だと思う街(駅)ランキング」でも4位に入るなど、その躍進ぶりが注目される。所沢の魅力項目TOP10も明確だ。「住居費の安さ」「コスパのよさ」「生活上の利便性」など、暮らしやすさが目立つ。所沢駅直結の商業施設「グランエミオ所沢」の完成に加え、2024年秋にも大規模商業施設が完成する予定で、街の発展への期待値も躍進の要因になっているようだ。

「流山おおたかの森」と「所沢」の街の魅力項目TOP10(出典:リクルート)

「流山おおたかの森」と「所沢」の街の魅力項目TOP10(出典:リクルート)

横浜や大宮、新宿に比べて多様な魅力要素がないものの、「商店街」と「公園」、「知名度」といった強力な要素があることが、吉祥寺に根強い人気がある理由だろう。その街ならではの魅力的な個性のある街は、やっぱり強いということだ。

さて、当サイトで昨年「住みたい街ランキング2022」について記事を書いたとき、最後に、「『鎌倉殿の13人』が始まり、来年のランキングで鎌倉が急上昇するような気がする」と書いた。結果は、急上昇というほどではないが、10位から8位にランクアップした。メディアで取り上げられる機会が増えて、鎌倉のもつ歴史的な背景が広く伝わったからだろう。来年も、街の魅力がしっかりと広域に伝わった街が、ランクアップすることだろう。

●関連サイト
「SUUMO住みたい街ランキング2023 首都圏版」

【2023年】東京23区の中古マンション価格相場が安い駅ランキング。シングル向け、カップル・ファミリー向け、それぞれ1位は?

東京23区の地価や住宅価格は、全国でも群を抜いた高さで知られている。世界でも屈指のビジネスやエンタメが集約した都市と考えると妥当とも言えるが、住まい探しの際は価格に驚くことも。そんなとき、新築よりも比較的に手が届きやすいのが中古物件。なかでもリーズナブルな中古マンションが多いのはどの駅だろう? そこで、東京23区内に位置する駅から徒歩15分圏内にある、中古マンションの価格相場を調査してみた。シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)とカップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)、それぞれの中古マンションの価格相場が安い駅トップ10をご紹介しよう。

東京23区内の中古マンション価格相場が安い駅TOP10

【シングル向け】
順位/駅名/価格相場(主な路線/駅の所在地)
1位 青井 1950万円(つくばエクスプレス/東京都足立区)
2位 五反野 1980万円(東武伊勢崎線/東京都足立区)
2位 北綾瀬 1980万円(東京メトロ千代田線/東京都足立区)
2位 綾瀬 1980万円(東京メトロ千代田線/東京都足立区)
5位 小岩 2080万円(JR総武線/東京都江戸川区)
5位 志村三丁目 2080万円(都営三田線/東京都板橋区)
7位 氷川台 2199万円(東京メトロ有楽町線/東京都練馬区)
8位 西新井 2220万円(東武伊勢崎線/東京都足立区)
9位 お花茶屋 2280万円(京成本線/東京都葛飾区)
9位 京成立石 2280万円(京成押上線/東京都葛飾区)

【カップル・ファミリー向け】
順位/駅名/価格相場(主な路線/駅の所在地)
1位 新高島平 2780万円(都営三田線/東京都板橋区)
2位 西高島平 2789.5万円(都営三田線/東京都板橋区)
3位 見沼代親水公園 2941万円(日暮里・舎人ライナー・/東京都足立区)
4位 舎人 2980万円(日暮里・舎人ライナー/東京都足立区)
5位 足立小台 2990万円(日暮里・舎人ライナー/東京都足立区)
6位 竹ノ塚 3180万円(東武伊勢崎線/東京都足立区)
7位 柴又 3230万円(京成金町線/東京都葛飾区)
8位 京成高砂 3280万円(京成本線/東京都葛飾区)
8位 北綾瀬 3280万円(東京メトロ千代田線/東京都足立区)
10位 六町 3290万円(つくばエクスプレス/東京都足立区)
10位 谷在家 3290万円(日暮里・舎人ライナー/東京都足立区)
※11位以降(20位まで)は記事末に記載

「シングル向け」は浅草駅まで10分以内の駅が1位。再開発中の駅が2位に

シングル向け中古マンションの価格相場が最も安かったのは、つくばエクスプレス・青井駅で価格相場は1950万円。つくばエクスプレスで浅草駅まで約8分、秋葉原駅までは約14分で行くことができる。駅周辺は住宅地で、徒歩10分圏内に複数のスーパーやドラッグストアがある便利な環境。駅北側の「青井兵和通り商店街」には食料品店や飲食店が並び、毎月第4日曜の朝市で有名だ。朝7時の花火を合図に開催される朝市は1978年から続いているそうで、さらに2020年からは毎月第2土曜の16時より夕市の「まんぞく市」も開催されている。日ごろは静かな街も朝市や夕市のときは多くの人でにぎわい、お祭り気分で買い物や買い食いが楽しめる。

青井駅(写真/PIXTA)

青井駅(写真/PIXTA)

2位には価格相場が共に1980万円だった、東武伊勢崎線・五反野駅と東京メトロ千代田線・北綾瀬駅がランクイン。まずは五反野駅について見てみよう。この駅に停車する東武伊勢崎線はほぼ日比谷線直通となっており、乗り換えずに日比谷線の上野駅や銀座駅、霞ケ関駅、恵比寿駅に行くことが可能だ。五反野駅の高架下にはスーパーや100円ショップが店を構えるほか、駅前にはさまざまな飲食店がある。駅北側には50店舗ほどが軒を連ねる商店街が続き、途中にはドラッグストアやスーパーも。また、駅から北へ20分弱も歩くと足立区役所があるのも何かと便利だろう。さらに北へ数分歩くと幹線道路の環七にぶつかり、大通り沿いには「ニトリ」をはじめディスカウントストアや家電量販店などの大型店舗も見える。

同額2位の北綾瀬駅は東京メトロ千代田線の終点駅。大手町駅や霞ケ関駅、表参道駅など都心部まで乗り換えずに行けるうえ、北綾瀬駅が始発駅のため通勤時間帯でも座って乗車できる点も魅力だろう。そんな北綾瀬駅前は現在、大規模な開発事業が進められている。すでに2021年~22年には駅の高架下と駅ビルを活用した商業施設「M’av北綾瀬Lieta(マーヴ北綾瀬リエッタ)」がオープン。駅舎も新しくなり、久しぶりに訪れた人は印象がガラリと変わったことに驚くかもしれない。現在は2024年度の完成を目指して、駅北口側に駅前広場とペデストリアンデッキの整備が進行中。同時期には大型商業施設も開業予定というから楽しみだ。

北綾瀬駅(写真/PIXTA)

北綾瀬駅(写真/PIXTA)

ここまで見てきた3駅はいずれも足立区の駅だった。さらに同額2位の五反野駅と北綾瀬駅は、直線距離で2.4kmほど。1位の青井駅はその直線上のほぼ中間地点にあるという、近い範囲の駅がトップ3を飾る結果となった。4位以下はというと、足立区のほかに江戸川区、板橋区、練馬区、葛飾区の駅がランクイン。このトップ10はいずれも東京駅よりも北側にあり、5位・志村三丁目駅と7位・氷川台駅を除く8駅は東京23区のなかでも北東部に位置している。さらに言うと、その8駅は荒川よりも北側にある。「都内でも荒川を越えると中古マンションの価格相場がリーズナブルになる」という傾向は、シングル向け中古マンションに限ったことなのか? 続いて、「カップル・ファミリー向け」のランキングを見ていこう。

「カップル・ファミリー向け」TOP10のうち7駅は足立区の駅に

「カップル・ファミリー向け」ランキングの1位は、板橋区にある都営三田線・新高島平駅。価格相場は2780万円だった。2021年度の一日平均乗降人員は8235人で、これは都営三田線27駅のうち2番目に少なく、都営地下鉄計106駅の中でも3番目の少なさ。駅南側には高島平団地が広がり、駅北側も住宅地のため住民は多いのだが、電車を使って通勤や買い物に多くの人が訪れるような街ではないためかもしれない。

新高島平駅(写真/PIXTA)

新高島平駅(写真/PIXTA)

1位・新高島平駅周辺には野鳥が訪れる自然林やバーベキュー場を備えた「赤塚公園」や、ポニーやモルモットとふれあえる「こども動物園 高島平分園」、東南アジアの熱帯雨林を再現した「熱帯環境植物館」があり、子どもがいるファミリーには魅力的な環境だろう。食料品の買い物には、駅前にある団地の1階部分を利用した昔ながらの商店街「ファミリー名店街」の青果店や鮮魚店、精肉店が活躍する。ただ、スーパーとなると1駅隣の高島平駅前に行く必要がある。高島平駅は今回の調査では価格相場3480万円で18位にランクインしており、駅前の商店は新高島平駅よりも充実している。こうした生活の便利さが価格差に表れたとも考えられる。とはいえ、新高島平駅~高島平駅間は歩いても10分ほどなので、自転車も活用すれば不便というほどではなさそうだ。

赤塚公園(写真/PIXTA)

赤塚公園(写真/PIXTA)

2位は価格相場2789.5万円で、1位・新高島平駅から都営三田線で高島平駅と逆方面に1駅進んだ、西高島平駅がランクイン。新高島平駅とは徒歩10分ほどしか離れてないため、両駅の生活環境はほぼ同様だ。駅北側には物流倉庫街や都の浄水場の敷地が広がり、新高島平駅前にはちらほらとある飲食店も西高島平駅前には見当たらない。日ごろの買い物は、新高島平駅前の商店や2駅先の高島平駅前のスーパーが頼りとなるだろう。また、西高島平駅は都営三田線の最西端であり、始発駅ゆえに朝の混雑時間帯も沿線の神保町駅や大手町駅まで座って向かうことが可能だ。

西高島平駅(写真/PIXTA)

西高島平駅(写真/PIXTA)

3位は足立区にある、日暮里・舎人ライナーの見沼代親水公園駅で価格相場は2941万円。日暮里・舎人ライナーは日暮里駅から北に向かってほぼ直線に延びる路線で、全13駅中の最北端が見沼代親水公園駅。さらにこの駅は東京23区内にある最北端の駅でもあるのだ。北に5分も歩けば都県境を越えて埼玉県に入り、もう1~2分ほど歩くとホームセンターに到着する。スーパーやフードコート、家電やファッションの売り場も併設されているので、あれこれとまとめ買いができそう。駅南側にも複数のスーパーやドラッグストアがあり、買い物には困らないだろう。あまり耳慣れない日暮里・舎人ライナーの沿線で、しかも最北端の駅だと聞くと、都心部まで遠そう……と思いきや、日暮里駅からJR線に乗り換えれば東京駅や新宿駅まで見沼代親水公園駅から50分ほどでたどり着ける。

見沼代親水公園駅(写真/PIXTA)

見沼代親水公園駅(写真/PIXTA)

さて、トップ3には板橋区と足立区の駅が並んだが、4位以下はというと……。なんと4位~10位の8駅のうち6駅は足立区で残る2駅は葛飾区、つまりトップ10の全11駅中7駅は足立区という結果に。では、「シングル向け」のトップ10に見られた「都内でも荒川を越えると中古マンションの価格相場がリーズナブルになる」という傾向は、「カップル・ファミリー向け」にも当てはまるのか。地図を見てみると、トップ10の11駅のうち8駅は荒川の北側に位置していた。都心から遠くなる分、相場が安くなるのは当たり前のことでもあるが、今回の調査結果で言えば、23区内でリーズナブルな中古マンションを探す際は「シングル向け」「カップル・ファミリー向け」を問わずに「荒川越え」が一つの目安となると言えそうだ。

ちなみに、東京23区それぞれの区内で、最も安い駅はどこなのかも気になるところ。区ごとに「シングル向け」「カップル・ファミリー向け」ランキングで最も中古マンションの価格相場が安い駅も以下にピックアップしたので、住まい選びの参考にしてみてほしい。

20位以下のランキング
【シングル向け】

20位以下のランキング シングル向け

【カップル・ファミリー向け】

20位以下のランキング カップル・ファミリー向け

●東京23区それぞれの価格相場が最も安い駅一覧
※調査条件に満たない駅は除外
区名(シングル向け最安駅の価格相場/カップル・ファミリー向け最安駅の価格相場)
千代田区(神田と東京が同額4680万円/岩本町7130万円)
中央区(茅場町4500万円/浜町7585万円)
港区(高輪ゲートウェイ4095万円/お台場海浜公園7780万円)
新宿区(落合南長崎3180万円/落合南長崎5555万円)
文京区(護国寺と千駄木が同額3980万円/本駒込6799万円)
台東区(三ノ輪3199.5万円/三ノ輪4999万円)
墨田区(鐘ヶ淵2780万円/鐘ヶ淵3980万円)
江東区(大島2825万円/東大島4490万円)
品川区(大森海岸3134万円/大井競馬場前5350万円)
目黒区(洗足3485万円/洗足7280万円)
大田区(雑色2580万円/大鳥居4480万円)
世田谷区(上北沢2910万円/松陰神社前5780万円)
渋谷区(笹塚3790万円/笹塚7280万円)
中野区(新江古田2900万円/都立家政と野方が同額4980万円)
杉並区(荻窪と八幡山が同額3480万円/上井草4935万円)
豊島区(千川2999万円/東長崎5280万円)
北区(飛鳥山2539.5万円/梶原3930万円)
荒川区(町屋2740万円/小台3380万円)
板橋区(志村三丁目2080万円/新高島平2780万円)
練馬区(氷川台2199万円/光が丘4398.5万円)
足立区(青井1950万円/見沼代親水公園2941万円)
葛飾区(お花茶屋2280万円/柴又3230万円)
江戸川区(小岩2080万円/瑞江3990万円)

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東京23区内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数35年未満、敷地権利は所有権のみ
シングル向け:専有面積20平米以上50平米未満
カップル・ファミリー向け:専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2022/1~2022/12
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

家事分担「妻9割、夫1割」が最多。夫婦で無理なく分担するには?

夫と妻が家事を分担している割合は、お宅ではどの程度だろうか? リンナイが、夫と妻にそれぞれ聞いたところ、「妻が10割」と回答したのは、妻のほうは23%いたが、夫のほうは8%しかいなかった。どうやら家事に対する認識にかなりの開きがあるようだ。

【今週の住活トピック】
「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」を公表/リンナイ

家事分担の割合、夫と妻で認識にズレがある!

こんなことが、あるのではないだろうか?
「夕食は何を食べたい?」と妻に聞かれた夫が、負担をかけまいと「なんでもいいよ」と答えたら、なぜだか妻の機嫌が悪くなった。

食事の後、夫が妻をいたわって「皿洗いをするよ」と言ってくれた。その後、妻がキッチンに行ってみると、たしかに皿は洗っていたが、シンクやコンロまわりは汚れたままで、キッチンの生ごみもそのままだった。妻は黙って後片付けをしたが、なんかモヤモヤした。

筆者がこんな想像をしてしまうような調査結果だったのが、リンナイの「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」だ。

最近の男性は家事参加にも積極的だというが、夫婦の家事分担割合を夫と妻それぞれに聞いた結果、最多は「妻9割、夫1割」(女性34%・男性28%)だった。夫が2割、3割という回答も多いが、特徴的なのは「妻10割」の結果だ。自分が10割していると思っている女性が23%いるのに対して、妻が10割していると思っている男性は8%しかいない。男性から見ると、自分も1割や2割はしていると思っているのに、女性側から見たら、家事の範囲とは思えないという認識のズレだろう。

夫婦の家事分担(N=男性1305、女性1045)(出典/リンナイ「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」のリリースより転載)

夫婦の家事分担(N=男性1305、女性1045)(出典/リンナイ「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」のリリースより転載)

男性が行っている掃除は、ごみ袋の取り替え!?

では、男性と女性がそれぞれ、自身は「どんな家事を行っている」と自認しているのだろうか? 掃除(男性53%/女性94%)、買物(男性50%/女性95%)、洗濯(男性41%/女性95%)が、男性が行っている家事のTOP3だ。女性が「パートナーにやってほしいと思う家事」の第1位(54%)が掃除なので、「掃除」は男性がしている、女性が男性にしてほしい、という点で一致しているように見える。

そこで、担当している具体的な家事について質問した結果を見よう。「掃除」については、次のような結果だった。なんと男性が行っている掃除の第1位は、「ごみ袋の取り替え」(37%)だった。

担当している具体的な家事:掃除(N=男性1305、女性1045)(出典/リンナイ「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」のリリースより転載)

担当している具体的な家事:掃除(N=男性1305、女性1045)(出典/リンナイ「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」のリリースより転載)

同様に、「食事」について見ると、男性が行っている第1位は「食器洗い・乾燥」(34%)だ。一方、女性は、「献立を考える」(94%)ことに始まり、調理後の「残った食材の保管・管理」(83%)や「食器・調理器具の収納」(83%)まで、一連の家事を8割以上で行っていた。

担当している具体的な家事:食事(N=男性1305、女性1045)(出典/リンナイ「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」のリリースより転載)

担当している具体的な家事:食事(N=男性1305、女性1045)(出典/リンナイ「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」のリリースより転載)

「献立を考えるのが面倒」という人は多い。「負担に感じる家事」を具体的に聞いた結果を見ても、最多の57%の女性が、献立を考えることを選んだ。何を食べたいか聞かれたときに、「なんでもいい」という回答が、いかに気が利かないものかわかるだろう。今どんな食材があるのかを聞いて、それで作れる献立を答えたら、家庭の平和が保てるのではないかと思う次第だ。

また、女性が「パートナーにも気にかけてほしい家事」として最多だったのは、食事では「コンロなど調理機器の掃除・手入れ」(39%)、掃除では「換気扇の油汚れ掃除」(39%)だった。

女性は家事を行う際に、いろいろなことを考えている

家事に対する夫と妻の認識の開きは、まだある。それぞれの家事で「重視するポイント」を聞いた結果を見よう。
食事を例に挙げると、女性は、「食材・食事の費用を抑えたい」(74%)、「手軽に作りたい」(66%)、「後片付けを楽にしたい」(64%)など、費用や調理・後片付けの手間などいろいろ考えている。男性は「特にない」(35%)という人も多く、「手軽に作りたい」では22%しか重視していない。

コンロの魚焼きグリルに入れて焼くだけと思って、「魚でも焼いて…」と言ったりすると、魚焼きグリルの掃除はけっこう手間がかかるので、墓穴を掘るかもしれない。

家事に関して重視するポイント:食事(N=男性1305、女性1045)(出典/リンナイ「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」のリリースより転載)

家事に関して重視するポイント:食事(N=男性1305、女性1045)(出典/リンナイ「『夫婦の家事分担』に関する意識調査」のリリースより転載)

話し合って、上手に家事分担をしよう

リンナイのリリースには、「知的家事プロデューサー 本間朝子先生監修 家事シェア満足度チェックテスト」も紹介されている。その中からいくつか抜粋してみた。あなたの家庭ではどうだろうか?

■「家事シェア満足度チェックテスト」より抜粋
1.家事は家族で支え合ってするものだと思う
2.夫婦で家事のバランスややり方について話し合っている
3.散らかしたものはそれぞれ本人が片づけている
4.家事が思ったようにできなかった時も責められたり否定されることはない
5.家事が思うようにできない時は臨機応変にサポートし合っている

共働きだからといって、家事分担は5:5が理想的とは限らない。やり方にこだわりがある家事については、中途半端に分担しないほうがよい場合もあるし、互いにやり方を譲り合って共有し、互いの空き時間に行うのが効率的な場合もある。

また、女性が負担を感じる家事でパートナーに気にかけてほしい家事、たとえば「コンロなど調理機器の掃除・手入れ」、「水まわりの汚れ掃除」、「換気扇の油汚れ掃除」などを、男性が積極的に担当するといった分担もあるだろう。

女性である筆者は女性目線で記事をまとめてしまうのだが、女性の負担がいまだ大きいとはいえ、以前よりは男性の家事参加が増えていると感じている。SUUMOジャーナルの筆者の担当編集者は男性だが、家事分担サポートアプリを使って、妻との家事分担を話し合ったばかりだという。

家事を可視化して、無理のない分担方法を考えていくことで効率的に行うことができれば、空いた時間を子育てなど他のことに使うことができるだろう。そんな家庭が増えていくことを期待している。

●関連サイト
リンナイ「夫婦の家事分担」に関する意識調査

「東急東横線」沿線、家賃相場が安い駅ランキング 2023年版

渋谷や中目黒、武蔵小杉など多数の人気エリアが沿線にある東急東横線は、「SUUMO住みたい街ランキング2022 首都圏版」の「住みたい沿線ランキング」でも3位にランクインしている人気路線。東京都渋谷区から神奈川県横浜市まで21駅を結んでおり、駅ごとに特徴もさまざまだ。そんな東急東横線の沿線で、リーズナブルに賃貸物件に住むならどこがいいのか? 駅から徒歩15分圏内にある、シングル向け物件(専有面積10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場が安い駅を調査した。全21駅のランキングをご紹介しよう。

東急東横線の家賃相場が安い駅ランキング

順位/駅名/家賃相場/駅の所在地
1位 白楽 5.85万円 神奈川県横浜市神奈川区
2位 妙蓮寺 5.95万円 神奈川県横浜市港北区
3位 東白楽 6.00万円 神奈川県横浜市神奈川区
4位 日吉 6.60万円 神奈川県横浜市港北区
5位 大倉山 6.93万円 神奈川県横浜市港北区
6位 反町 7.00万円 神奈川県横浜市神奈川区
7位 菊名 7.10万円 神奈川県横浜市港北区
8位 元住吉 7.20万円 神奈川県川崎市中原区
9位 綱島 7.50万円 神奈川県横浜市港北区
10位 多摩川 7.90万円 東京都大田区
11位 新丸子 8.00万円 神奈川県川崎市中原区
12位 武蔵小杉 8.20万円 神奈川県川崎市中原区
13位 横浜 8.39万円 神奈川県横浜市西区
14位 田園調布 8.50万円 東京都大田区
15位 自由が丘 8.80万円 東京都目黒区
16位 祐天寺 9.00万円 東京都目黒区
17位 学芸大学 9.20万円 東京都目黒区
18位 都立大学 9.40万円 東京都目黒区
19位 中目黒 11.10万円 東京都目黒区
20位 渋谷 12.50万円 東京都渋谷区
21位 代官山 12.60万円 東京都渋谷区

TOP3は横浜駅まで電車で10分以内の近さで家賃相場6万円以下

全21駅ある東急東横線のうち最も家賃相場が安かった駅は、白楽駅で家賃相場5万8500円。2位は妙蓮寺駅で家賃相場5万9500円、3位は東白楽駅で家賃相場6万円という結果に。ちなみにこの3駅は横浜方面に向かって2位・妙蓮寺駅~1位・白楽駅~3位・東白楽駅と連続しており、東白楽駅から2駅先に横浜駅がある。

1位・白楽駅は2021年春に駅舎が増築され、24時間営業のフィットネスジムと「タリーズコーヒーKU白楽駅店」がオープンしている。このタリーズコーヒーは白楽駅から徒歩約15分の場所に横浜キャンパスがある神奈川大学とのコラボカフェで、大学や地域の情報発信基地としての役割も担っているんだとか。学生が多い街だけあって、駅周辺にはリーズナブルな飲食店も豊富。駅西口側の「六角橋商店街」にはスーパーやドラッグストアはもちろん、食料品や生活用品の個人商店も立ち並びにぎやかな雰囲気だ。

六角橋商店街(写真/PIXTA)

六角橋商店街(写真/PIXTA)

「六角橋商店街」を抜けると県道12号・横浜上麻生道路の六角橋交差点にぶつかる。交差点から神奈川大学の横浜キャンパス方面にかけては「六角橋協栄会」、交差点を左折した横浜上麻生道路沿いには「にしかな商店街」と商店街がさらに続く。そのまま横浜上麻生道路を7分ほど歩くと3位・東白楽駅にたどり着く。

3位・東白楽駅の駅前に商店街はなく、個人商店やコンビニ、ミニスーパーが点在する程度。白楽駅と比べると静かな雰囲気といえる。駅の東側は県立高校、西側は仏教寺院の敷地が広がり、それ以外は住宅地となっている。しかし買い物に不便な環境ということもなく、東白楽駅から南へ8分ほど歩くとショッピングモール「イオンスタイル東神奈川」へ。さらにそこから徒歩約3分でJR東神奈川駅の西口に到着。東神奈川駅は東口側にもショッピングモールがあるなど大いににぎわっており、駅前広場をはさんで京急本線の京急東神奈川駅も。東白楽駅周辺に住むと、東急東横線とJR、そして京急本線の3路線が利用できるというわけだ。

2位・妙蓮寺駅の様子も見てみよう。妙蓮寺駅は1位・白楽駅から北に歩いて15分ほど。駅東側には駅名の由来であるお寺「妙蓮寺」の境内が広がっている。駅西側にはスーパーやドラッグストアなどが立ち並ぶ商店街があり、その先には春のお花見名所としても愛される「菊名池公園」が広がる。商店街にはラーメン店やファストフード店、こぢんまりとしたカフェも。手軽に食事を済ませたい場合や息抜きしたいときにも商店街が役立ちそう。

菊名池公園(写真/PIXTA)

菊名池公園(写真/PIXTA)

トップ3の駅周辺にはいずれも大型の商業施設はないけれど、東急東横線に乗ると2位・妙蓮寺駅から1位・白楽駅と3位・東白楽駅を経由して一大繁華街の横浜駅まで約7分。みなとみらい線直通の東急東横線でそのまま横浜駅の先にある人気エリア、みなとみらい駅や元町・中華街駅に行くこともできる。ちなみに横浜駅は13位にランクインしており、家賃相場は8万3900円。トップ3との価格差が2万3000円以上あると考えると、家賃相場が低い白楽駅などに住んで、用事があるときはサクッと横浜駅に出る……という暮らし方もアリだろう。

都内の駅は軒並み家賃相場が高めだが、割安に思える駅も

トップ3のほかにも注目の駅をいくつかピックアップしたい。まずは家賃相場6万6000円で4位にランクインした日吉駅。通勤特急に乗れば、横浜駅まで2駅・約11分、横浜と反対方面の渋谷駅までは4駅・約20分で行ける。日吉駅には東急目黒線と横浜市営地下鉄グリーンラインも乗り入れているほか、2023年3月にはさらにアクセス性が向上。日吉駅と相鉄本線・西谷駅を結ぶ連絡線となる東急新横浜線が開業を迎えるのだ。日吉駅~西谷駅間には新横浜駅もあるため、同駅に停車する東海道新幹線への乗り換えもグッと楽になる。

日吉駅(写真/PIXTA)

日吉駅(写真/PIXTA)

そんな新線開業に沸く4位・日吉駅は慶應義塾大学のお膝元。東口駅前にイチョウ並木が印象的な日吉キャンパスが広がり、多くの学生に利用されている。駅には「日吉東急アベニュー」が併設され、地下1階から地上3階にかけて食料品やファッション・雑貨、家電まで多彩な店舗がそろっている。西口駅前には学生にも愛用されるリーズナブルな飲食店が多数あり、自炊をあまりしない人も飽きずに毎日いろんなものが味わえるだろう。

さて、東急東横線沿線にせっかく住むなら「交通面でも買い物面でも便利な横浜駅がいい」と考える人もいるかもしれない。しかし家賃相場は専有面積10平米以上~40平米未満で8万3900円と思うと悩ましい。そんなとき狙い目は、6位・反町(たんまち)駅。横浜駅の隣駅であり歩いても15分弱という立地ながら家賃相場は7万円で、横浜駅よりも1万3900円低いのだ。反町駅周辺は住宅街で、暮らす街としてはにぎやかな横浜駅よりもこちらが落ち着くと思う人もいるだろう。精肉店や青果店などの個人商店やドラッグストア、安さがウリのスーパー、ファストフードなどのリーズナブルな飲食店もあるため、日常生活に困らない。のんびり散歩できる「東横フラワー緑道」や「反町公園」といった憩いの場も駅近くにあり、落ち着いた暮らしと横浜駅の便利さをイイトコどりできる環境だ。

ここまで見てきた駅はいずれも神奈川県横浜市内なので、東京都内に位置する駅もチェックしよう。都内の駅は10位・多摩川駅をのぞいて家賃相場が8万5000円以上。渋谷駅に近づくとやはり家賃相場もはね上がるようだ。そうしたなかでも注目は16位・祐天寺駅。渋谷方面の隣駅である中目黒駅は家賃相場11万1000円(19位)、横浜方面の隣駅である学芸大学駅は家賃相場9万2000円(17位)なのに対し、両駅の間にある祐天寺駅は家賃相場が9万円にとどまっている。

祐天寺駅前(写真/PIXTA)

祐天寺駅前(写真/PIXTA)

16位・祐天寺駅は各駅停車しか停まらないためか知名度は低めかもしれないが、渋谷駅までは3駅・約7分の近さ。東急東横線の高架化にともなって2018年に誕生した駅ビル「エトモ祐天寺」が併設され、スーパーやドラッグストア、飲食店などが利用可能だ。駅周辺にはチェーン系から個性派までさまざまな飲食店や、人気の洋菓子店、しゃれた古着店など多彩な店舗が並んでいる。一方で活気あふれる通りを少し外れると静かな住宅地に。のんびりした暮らしと生活に便利な街並み、渋谷までの近さを兼ね備えつつ家賃相場9万円というのは、環境のよさの割には狙い目とも言えるかもしれない。2021年には駅周辺の整備計画が策定され、今後数年間をかけてより住みやすい街へと進化していく点も楽しみだ。

家賃相場ランキング

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東横線沿線の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2022/8~2022/10
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

シングルが住み続けたい街で阿佐ケ谷界隈が席巻中! “じわじわ”良さがわかる街の魅力を探ってみた

リクルートが首都圏在住の20歳以上の男女を対象に調査し、2022年10月に発表した「東京23区シングル家賃8万円以下住み続けたい駅ランキング」(「SUUMO住民実感調査2022首都圏版 家賃水準別住み続けたい駅ランキング」より)が、なかなか面白い結果になっている。
ポイントは「住みたい」ではなく「現在、住んでいる人が今後も住み続けたい」というところ。そうなると、ちょっと事情が違う。決して“派手”ではない駅が上位を独占したのだ。

1位に南阿佐ヶ谷、6位に阿佐ヶ谷がランクイン

まずは、下のTOP10を見てほしい。

住み続けたい街ランキング2022

「SUUMO住民実感調査2022首都圏版 家賃水準別住み続けたい駅ランキング」は、首都圏に住む20歳以上の男女に、現在住んでいる街に住み続けたいかを聞き、その希望度が高い駅・自治体をランキングした「SUUMO住民実感調査2022首都圏版」の上位の中から、賃貸物件の家賃相場が一定の基準以下の駅だけでエリア別にランキングしたもの(出典/リクルート「SUUMO住み続けたい街ランキング2022」)

奇しくも杉並区と世田谷区の駅ばかりだが、純粋に23区内の駅でアンケートを取った結果がこれだ。

1位に南阿佐ヶ谷、6位に阿佐ヶ谷がランクイン。阿佐ヶ谷には昨年末のM-1グランプリ2022で優勝したウエストランドが所属する事務所、タイタンもある。

筆者は高円寺に長く住んでいたので、お隣の阿佐ヶ谷も好きな街。馴染みの飲み屋も何軒かある。しかし、この結果は正直、意外だった。決して派手ではなく、都内に住んでいてもどんな街か知らない人も多そうだ。なぜ、住み続けたいのか。人気の理由を探るために街に繰り出した。

目と鼻の先に杉並区役所がある南阿佐ヶ谷駅

まずは、堂々1位の南阿佐ヶ谷駅。

新宿駅から丸ノ内線で10分ちょっとという近さ(撮影/石原たきび)

新宿駅から丸ノ内線で10分ちょっとという近さ(撮影/石原たきび)

ケヤキ並木が美しい中杉通りが青梅街道に突き当たる場所で、目と鼻の先には杉並区役所がある。

さまざまな手続きにも便利なエリア(撮影/石原たきび)

さまざまな手続きにも便利なエリア(撮影/石原たきび)

ここをスタート地点にして、6位に食い込んだJR中央線の阿佐ヶ谷駅周辺までを歩いてみたい。

「パールセンター」は日々の生活に根差した商店街南阿佐ヶ谷と阿佐ヶ谷を結ぶパールセンター商店街(撮影/石原たきび)

南阿佐ヶ谷と阿佐ヶ谷を結ぶパールセンター商店街(撮影/石原たきび)

60年以上の歴史をもち、全長は約700m。常に活気があり、アーケードの商店街なので雨の日ものんびりと買い物ができる。

ほどなくして見えてきたのは、たい焼き専門店の「たいやき ともえ庵」。この場所で営業を始めたのは9年前だが、ひっきりなしにお客さんがやってくる。商店街の中でもかなり大きな存在感を放っているのだ。

店長の安部 翔さん(30歳)にご挨拶。

手にしているのは一番人気の「白玉たいやき」(350円)(撮影/石原たきび)

手にしているのは一番人気の「白玉たいやき」(350円)(撮影/石原たきび)

人の流れを見ていてどんなことを感じますか。

「阿佐ヶ谷の住人は老若男女のバランスが取れています。スーパーや青果店が価格競争をするので、肉も魚も野菜も安いし、日用品の買い物にも事欠きません。1日2万人ぐらいの人通りがありますが、よく見ていると毎日同じ方たちが歩いているんです。この商店街に来るのが日課になっているんでしょうね」

確かに、同じ中央線の中野、高円寺、吉祥寺にもアーケード商店街はあるが、いずれも他から遊びに来る人も多い場所。しかし、パールセンターは地元の住民が毎日のおかずを買いに来る人がほとんどという、生活に根差した商店街なのだ。

自慢のたい焼きは、一匹ずつ焼く「一丁焼き」にこだわる(撮影/石原たきび)

自慢のたい焼きは、一匹ずつ焼く「一丁焼き」にこだわる(撮影/石原たきび)

アーケード商店街の中にトークライブハウス

続いて、すぐ近くのトークライブハウス、「阿佐ヶ谷LOFT A」へ。阿佐ヶ谷はアニメスタジオや映画館、古書店など、エンタメやカルチャーを楽しめるスポットも多い。そんな中でも特に「阿佐ヶ谷LOFT A」は阿佐ヶ谷のエンタメを支えている存在だ。

オープンは2007年。マンガ、アニメ、アイドル、お笑い、映画、などさまざまなジャンルのトークやアコースティック演奏などが楽しめる。

テーマは「コミュニケーションを主体とした空間」(撮影/石原たきび)

テーマは「コミュニケーションを主体とした空間」(撮影/石原たきび)

「新宿ロフト」を中心に各地でライブハウスを運営する「ロフトプロジェクト」の一員だが、それにしても、なぜ阿佐ヶ谷に出店したのだろうか。店長の齋藤 航さん(42歳)に聞いてみた。

「物件を決めるにあたって、にぎやかな商店街の中という立地がよかったんです。自分は一昨年からここの店長になりました。それまでは新宿の歌舞伎町や渋谷の円山町といった夜の繁華街ばかりで働いてきたので、子どもやお年寄りの姿はほとんど見ませんでした。阿佐ヶ谷はそうではなく、安心感というか、人が住んでいる街だなと思います」

「芸人さんがたくさん住んでいるので、お笑いライブもよくやります」と齋藤さん(撮影/石原たきび)

「芸人さんがたくさん住んでいるので、お笑いライブもよくやります」と齋藤さん(撮影/石原たきび)

「スターロード」、「一番街」という2つの飲み屋街

さて、パールセンターを抜けてJR阿佐ヶ谷駅南口に着いた。いつの間にか「スターバックス」や「コメダ珈琲店」ができている。

スタバは2017年、コメダは2021年にオープン(撮影/石原たきび)

スタバは2017年、コメダは2021年にオープン(撮影/石原たきび)

南口には人々が思い思いに休息する広場がある。

街には人も鳩もくつろげる空間が必要なのだ(撮影/石原たきび)

街には人も鳩もくつろげる空間が必要なのだ(撮影/石原たきび)

阿佐ヶ谷駅周辺には「スターロード」、「一番街」という飲み屋街が放射線状に広がっており、いずれも個人店が頑張っている。

「スターロード」のに「立呑風太くん」(撮影/石原たきび)

「スターロード」の「立呑風太くん」(撮影/石原たきび)

ここは筆者が気に入っている立ち飲み屋で、明るいうちから大勢のお客さんでにぎわっている。オーダーごとに「カーン」というゴングを威勢よく鳴らしてくれる趣向も面白い。

新宿ゴールデン街の風情にも似た「一番街」(撮影/石原たきび)

新宿ゴールデン街の風情にも似た「一番街」(撮影/石原たきび)

この2つの通りでは、毎夜さまざまな交流が生まれる。

約1500人を集客する「阿佐ヶ谷飲み屋さん祭り」

とはいえ、よほどの酒好きでもない限り、知らない店にふらっと入るのはハードルが高い。そこで、2019年に誕生したのが立ち飲みスタイルの「アサガヤアンナイジョ」だ。

阿佐ヶ谷の飲み屋事情に詳しい店長が、お客さんにマッチしそうな店をいくつか紹介してくれるというのが売り。いわば、飲み屋のコンシェルジュだ。意外にも、訪れる客の7割が女性だという。

共同オーナーの左・鈴木伸弥さん(39歳)、右・森口剛行さん(46歳)(撮影/石原たきび)

共同オーナーの左・鈴木伸弥さん(39歳)、右・森口剛行さん(46歳)(撮影/石原たきび)

阿佐ヶ谷には飲み屋が数多くあり、店同士の結びつきも強い。この“文化”を広く周知させ、店の扉を開けるのを躊躇していたお客さんとともに街全体を盛り上げていこうという思いから森口さんが立ち上げたのが「阿佐ヶ谷飲み屋さん祭り」。

10年前から始まった、このイベント。回数券を購入すれば、3日間の開催期間に格安料金で飲み歩ける。2022年秋の時点で参加店舗は107軒。コロナ禍で参加者は一時減ったが、昨年11月の開催では約1500人の酒好きを集客した。

祭りの日に「アサガヤアンナイジョ」で乾杯する人々(画像提供/アサガヤアンナイジョ)

祭りの日に「アサガヤアンナイジョ」で乾杯する人々(画像提供/アサガヤアンナイジョ)

ここで、鈴木さんが面白いことを言った。

「住み続けたい街に選ばれる理由ですか? 阿佐ヶ谷は中杉通りのケヤキ並木の空気感も含めて気がいいと思います。街全体のバランスがいいというか。僕、そういうのに敏感なんですよ。帰省後に阿佐ヶ谷に戻ると田舎より落ち着きます」

ジブリ作品『猫の恩返し』の舞台にもなった中杉通りのケヤキ並木(撮影/石原たきび)

ジブリ作品『猫の恩返し』の舞台にもなった中杉通りのケヤキ並木(撮影/石原たきび)

森口さんも言う。

「マイナスの理由で街を出て行く人は少ない印象ですね。同棲したり結婚したりで、2DKの高い家賃が払えないから引越すというケースはあると思います。阿佐ヶ谷で一人暮らしをするなら、物件は5万円台からありますし」

阿佐ヶ谷は「じわじわと良さがわかる街」

さらに向かったのは南口に事務所を構える会社「エヌキューテンゴ」。ここでは、近所や地域とつながりながら暮らす不動産の企画や、街と関わりながら暮らすためのプロジェクトなどを手がけている。

阿佐ヶ谷は「じわじわと良さがわかる街」だと代表の齊藤志野歩さん(43歳)は言う。

「派手なものはないけど、日常的に楽しい暮らしはできる街。駅前に人が集まるというよりは、周辺エリアに手づくりのお菓子屋さんや小さいものづくりの工房があるんですよね。あとは、若い店主が多いので、そういう人たちと仲よくなると住み続けたいという気持ちも強くなるでしょう」

JRの協力のもと、駅ビル内に季節ごとのイベント情報を掲示している齊藤さん(撮影/石原たきび)

JRの協力のもと、駅ビル内に季節ごとのイベント情報を掲示している齊藤さん(撮影/石原たきび)

大勢で街を歩きながら齊藤さんがセレクトした物件の内見もできる「ディスカバリーツアー」も企画している。

周辺環境も含めて、住む場所を選んでほしいという趣旨(画像提供/まち暮らし不動産)

周辺環境も含めて、住む場所を選んでほしいという趣旨(画像提供/まち暮らし不動産)

「阿佐ヶ谷は商業地と住宅地がつながっていて、緑も多く、散歩には最適な街。『神社の裏側の道は夏でも涼しい』、『道に迷ったら鉄塔を目印にする』など、知っているとすぐに阿佐ヶ谷民の仲間入りができるようなスポットも案内しています」

阿佐ヶ谷の賃貸物件事情について、齊藤さんはこう言う。

「7万円台とかでちょっと小ぎれいな1R、1Kが多いので、シングルには住みやすい街でしょうね。ただ、5万円代となるとあまりないので、そういう物件を希望する人は西武新宿線沿いの井荻、鷺宮寄りに住む傾向があります。丸ノ内線の南阿佐ヶ谷駅の向こう側、成田エリアも緑が多くて家賃もリーズナブルですね」

さらに、7年前に南阿佐ヶ谷駅から徒歩5分の場所にできた「プラウドシティ阿佐ヶ谷」についても言及する。

「プラウドシティ阿佐ヶ谷」は5街区、全575戸の巨大分譲マンション(撮影/石原たきび)

「プラウドシティ阿佐ヶ谷」は5街区、全575戸の巨大分譲マンション(撮影/石原たきび)

「あの物件ができてから、各媒体が発表する『住みたい街』といわれるランキングで南阿佐ヶ谷が上位に来るようになりました。青梅街道の向こう側にも店が増えています。また、中杉通りが南側に延伸するという計画もあって、それが実現すると街の重心がもう少し変わってくるかもしれません」

青梅街道を右に進むと「プラウドシティ阿佐ヶ谷」に着く(撮影/石原たきび)

青梅街道を右に進むと「プラウドシティ阿佐ヶ谷」に着く(撮影/石原たきび)

お客さんの多くが阿佐ヶ谷在住という喫茶店

お次は北口へ。

まずは、2020年にスターロードの入り口にオープンしたばかりの喫茶店、「喫茶天文図舘」を訪れた。店内は宮沢賢治の世界をイメージしたノスタルジックな空間だ。

喫茶店好きのオーナー、山城隆輝さん(28歳)が言う。

「駅の1日の乗降客数は、荻窪が約24万人、高円寺が約10万人、そして阿佐ヶ谷が9万人なんです。外から入って来る人の数が少ないことが、住みやすさにつながっているのかもしれません。あまりわちゃわちゃしていないし、駅からちょっと離れると夜はめちゃくちゃ静かですよ」

山城さんはお隣の荻窪育ちなので、阿佐ヶ谷にも土地勘がある(撮影/石原たきび)

山城さんはお隣の荻窪育ちなので、阿佐ヶ谷にも土地勘がある(撮影/石原たきび)

お客さんの多くが阿佐ヶ谷在住。店に入って来た瞬間に、地元の人なのか外から来たのかがなんとなくわかるという。

一番人気のクリームソーダ(750円)は空と海の色をイメージしている(撮影/石原たきび)

一番人気のクリームソーダ(750円)は空と海の色をイメージしている(撮影/石原たきび)

「阿佐ヶ谷で好きなお店ですか? たくさんありますよ。喫茶店なら『パーラーエル』や『ヴィオロン』、割烹料理と居酒屋の中間みたいな『將』(はた)の料理もすごく美味しいです」

会社を辞めて日本中をヒッチハイクで周っていた山城さん。第二の人生の舞台に阿佐ヶ谷を選んだ。

国内外の準新作や旧作を上映するアットホームなミニシアター

スターロードを少し北上すると、住宅地の中に2022年7月にオプーンしたミニシアター、「Morc阿佐ヶ谷」が見えてくる。

支配人代行の趙 子男さん(33歳)は中国の遼寧省出身。国際基督教大学(ICU)入学を機に来日した。

「こんなに長く日本にいるつもりじゃなかったんですけど」と趙さん(撮影/石原たきび)

「こんなに長く日本にいるつもりじゃなかったんですけど」と趙さん(撮影/石原たきび)

ここは名画座でかけるような作品を上映する、いわゆる二番館。作品は自分で実際に見て選んでいるという。

「ミニシアターなので自由に実験できるのが利点。持ち込みにもなるべく応えたいと思っています。例えば、女子高生が消費税増税反対を訴える青春ドラマ、『君たちはまだ長いトンネルの中』は予想を超えて満席に。いろんな作品を積極的に受け入れることも重要だなと思いました」

住宅地にあるせいか、午前中は年配の客が多い。作品によっては若い人であふれる。一方で、通りすがりにふらっと入って来る客もいるそうだ。

阿佐ヶ谷の印象について聞いてみた。

「街全体の文化度が高くて、ほかの駅とは違う落ち着いている感じ。駅の近くに豆腐屋さんが3軒あるんですが、そういう街は今あまりないのでは。取引先のところに訪問する際は老舗和菓子店、『うさぎや』さんのどら焼きを持参します。こういう、昔の雰囲気を残す個人経営のお店が愛され続けているのが阿佐ヶ谷の貴重なところではないでしょうか」

客席数は41、1日に4~6本が上映される(撮影/石原たきび)

客席数は41、1日に4~6本が上映される(撮影/石原たきび)

映画館は文化の象徴。「Morc阿佐ヶ谷」の使命は大きい。

レンガ通りの道沿いには個性的な店が並ぶ

ここからは、松山通り(旧中杉通り)を進む。ゆるやかに下る道沿いには、駅周辺とはちょっと毛色が違う個性的な店が立ち並ぶ。

松山通り商店街では特売やフリーマーケットが定期的に開催される(撮影/石原たきび)

松山通り商店街では特売やフリーマーケットが定期的に開催される(撮影/石原たきび)

レンガ敷きの道をのんびり歩いていると、気になる路地が数多く目に入る。

路地を覗くと何かを待っているかのように、その場から動かない野良猫(撮影/石原たきび)

路地を覗くと何かを待っているかのように、その場から動かない野良猫(撮影/石原たきび)

阿佐ヶ谷のカルチャーを支える気鋭の古書店

通りの途中でお邪魔したのは「古書コンコ堂」。店名の由来は「玉石混交」から。音楽、文学、漫画、美術、絵本など、幅広いジャンルの古書を取りそろえる。

2011年にオープンしたコンコ堂(撮影/石原たきび)

2011年にオープンしたコンコ堂(撮影/石原たきび)

「独立するにあたって中央線沿いでいろいろと探していたんですが、阿佐ヶ谷の場合、パールセンターは賃料が高いし、線路沿いは飲み屋街。店を出すなら松山通りだなと。意外と夜遅い時間まで人が歩いているんですよ」

客層は老若男女さまざまで、ほぼ地元の人。古書店にしては平均年齢が低いそうだ。

約20年間住んだ西荻窪から阿佐ヶ谷に引越してきたコンコ堂店主の天野さん(撮影/石原たきび)

約20年間住んだ西荻窪から阿佐ヶ谷に引越してきたコンコ堂店主の天野さん(撮影/石原たきび)

「観光客が来る街じゃないけど、面白い個人店がたくさんあります。ご飯も美味しいし、居心地はいいですね」

取材終わりに天野さんが「そういえば、阿佐ヶ谷はいま古着屋さんが増えているんですよ」と言っていた。

ここ1、2年で急激に増えた古着屋は現在10店舗

阿佐ヶ谷に古着屋のイメージはなかったが、そのまま松山通りを下っていくと古着屋を発見。

ずいぶんと洒落た外観(撮影/石原たきび)

ずいぶんと洒落た外観(撮影/石原たきび)

こちらは、すべて一点物の古着を扱う「JUDEE」。オーナーの高塚草太さん(28歳)に話を聞いた。

「2018年にこの店をオープンしました。高円寺で出すか阿佐ヶ谷で出すか、ずっと迷っていたんですが、激戦区の高円寺よりは、阿佐ヶ谷でもうちょっとゆったり伸び伸びやりたいなと思って」

専門学校を卒業後、高円寺の古着屋で働いたのちに独立した高塚さん(撮影/石原たきび)

専門学校を卒業後、高円寺の古着屋で働いたのちに独立した高塚さん(撮影/石原たきび)

阿佐ヶ谷の古着屋は、以前は2店舗ぐらいしかなかったが、今は10店舗ほど。ここ1、2年で急激に増えたという。

「阿佐ヶ谷はみんなマイペースで、人の流れがゆっくり。個人商店が多いから街歩きが楽しいですね。うちには日が暮れてから食材などの買い物のついでに寄ってくださるお客さんがいます」

お気に入りの焼肉店についても教えてくれた。

「高架下にある『清香苑』という小さなお店で、入り口も目立たない奥まったところにある街の焼肉屋さん。ここは本当に美味しくて雰囲気も好きです」

来たことがなかった阿佐ヶ谷の雰囲気に一目惚れ

松山通りをさらに奥へ。ラストは昨年7月にオープンしたばかりのカフェ、「エムベイクハウス」だ。

オーナーの内田 萌さん(29歳)は総合電機メーカーで働きながら、好きなお菓子の勉強を始めた。現在、店ではこだわりのドリンクと季節の焼き菓子を提供している。

エムベイクハウス内田さん(撮影/石原たきび)

エムベイクハウス内田さん(撮影/石原たきび)

「じつは阿佐ヶ谷に来たことがなかったんです。物件は目黒区、大田区あたりで探していました。でも、たまたまこの街を訪れたとき、感覚的に好きだなと思いました。特に北側はざわざわしていないし、落ち着いた雰囲気が好きだなと」

そんな折、この物件に出合って契約する。

「お客さんは地元に住んでいる20代から40代ぐらいの女性が多いですね。あとは、バスの乗り換えが阿佐ヶ谷だからといって帰りに寄ってくれる方や、インスタグラムを見て遠くから来てくれる方もいます」

内田さんオススメのドリンクと焼き菓子もお願いした。

「ロンドンフォグラテ」と「レイヤーキャロットケーキ」(セットで1650円)(撮影/石原たきび)

「ロンドンフォグラテ」と「レイヤーキャロットケーキ」(セットで1650円)(撮影/石原たきび)

冬シーズンの人気ドリンク、「ロンドンフォグラテ」はアールグレイティーをベースに、ラベンダーとバニラで香り付けしている。レイヤーキャロットケーキに入っているクルミもいいアクセントになっていた。

「最近、大田区から阿佐ヶ谷に引越して来ましたが、初めて降り立ったときの感覚と変わりません。チェーン以外のお店が多いのが都心にしては珍しいですよね。安くて美味しい手づくりのお店もたくさん見つけました」

「住み続けたい」理由が判明した気がする

かくして、阿佐ヶ谷に店を構える9人に街の魅力について話を聞いた。印象的だったのは「派手なものはないけど楽しく暮らせる」「落ち着いているから住みやすい」「店同士、店と客の結びつきが強い」といったキーワード。

つまりは、「じわじわと良さがわかる街」。シングルが「住み続けたい」理由は、そこに集約されそうだ。一人暮らしのシングルにとっては、街の人々が家族のように感じるのかもしれない。

これまで阿佐ヶ谷はほとんど飲み屋にしか行かなかったが、今回巡ってみると、さまざまな顔をもつ街だとわかった。しかも、どの店も非常に個性的。「エヌキューテンゴ」の齊藤さんが言っていた「若い店主が多いので、そういう人たちと仲よくなると住み続けたいという気持ちも強くなる」という言葉の意味がよくわかる。もし住んだ場合は店主と親しくなって、じわじわと街に溶け込みたい。

阿佐ヶ谷の住民にとってはおなじみ、区役所前のブロンズ像(撮影/石原たきび)

阿佐ヶ谷の住民にとってはおなじみ、区役所前のブロンズ像(撮影/石原たきび)

●取材協力
たいやき ともえ庵
阿佐ヶ谷LOFT A
アサガヤアンナイジョ
エヌキューテンゴ
喫茶天文図舘
Morc阿佐ヶ谷
古書コンコ堂
JUDEE
エムベイクハウス

都民の約7割が東京に定住意向あり。交通利便性、住み慣れていること以外にカギとなる魅力とは?

東京都がこのほどまとめた「都民生活に関する世論調査」の結果によると、約7割が東京に定住意向があることが分かった。その理由となるのは、第一に発達した交通網なのだが、こうした利便性とは違う項目も上位に挙がっている。その理由とは……。

【今週の住活トピック】
「都民生活に関する世論調査」結果を発表/東京都

調査結果に表れる「住めば都」の実態

「都民生活に関する世論調査」は、東京都全域に住む満18歳以上の男女を対象に郵送やインターネットで実施し、1883人の有効回収を得たもの。

今住んでいる地域の住みよさを聞いたところ、「住みよいところだと思う」は81.5%、「住みよいところだと思わない」は8.8%と、8割を超える人が住みよいと思っている。さらに、今住んでいる地域に今後も住みたいと思うか聞いたところ、「住みたい」は69.5%、「住みたくない」は11.3%となり、約7割が今の地域に住み続けたいと思っている(=地域定住意向あり)ことが分かった。

一方、「東京は、全般的に見て住みよいところか」を聞くと、「住みよい」は58.0%、「住みにくい」は6.6%と、約6割が住みよいと思っており、これは地域の住みよさより低い結果となった。さらに、東京に今後もずっと住みたいと思うかを聞くと、「住みたい」は69.7%、「住みたくない」は9.1%となり、約7割が東京に住み続けたいと思っている(=東京定住意向あり)という結果に。「東京は住みよい」と回答した割合よりも、東京定住意向ありの割合のほうが高い点が興味深い。

次に、それぞれの定住意向を分析すると、いずれも、そこに「長く住んでいる」人ほど定住意向が高まる傾向が見られる。東京定住意向については、さらに「東京生まれであるかないか」で、約15ポイントの開きがあった。生まれた地域、長く住んでいる地域には、今後も住み続けたいと思う、つまりは「住めば都」となることがうかがえる結果だ。

地域定住意向(地域居住年数別)

東京定住意向(東京生まれか否か/東京居住年数別)

出典/東京都「都民生活に関する世論調査」の結果より抜粋転載

定住したいのは、「住み慣れているから」「利便性が高いから」のほかにも…

次に、それぞれの定住意向あるなしの理由を見ていこう。

「地域定住意向あり」の1308人にその理由を聞いた結果を見ると、次のような項目が上位に挙がった。
1. 買物など日常の生活環境が整っているから          66.3%
2. 自分の土地や家があるから                 43.0%
3. 地域に愛着を感じているから(住み慣れているから)     41.4%
4. 通勤・通学に便利なところだから              40.3%

また、「東京定住意向あり」の1313人にその理由を聞いた結果を見ると、次のような項目が上位に挙がった。
1. 交通網が発達していて便利だから              79.2%
2. 東京に長く暮らしているから                53.7%
3. 医療や福祉などの質が高いから               36.7%
4. 文化的な施設やコンサート・スポーツなどの催しが多いから  28.6%

住み慣れていることに加えて、地域の生活利便性や東京の交通網の発達などが住みたいと思う大きな理由になっているが、東京定住意向では、「医療や福祉の質の高さ」や「文化的な環境のよさ」など、利便性以外の要因もその理由として挙がっている点に注目したい。

東京定住意向の理由をさらに、東京生まれか否かで見ると、「交通の便利さ」はどちらも最多であるが、東京生まれの人は「長く暮らしている」ことが圧倒的に多い。これに対して、東京生まれでない人では、「文化的な環境のよさ」と「人間関係がわずらわしくない」が多くなっている。つまり、文化的な環境や地域の人間関係などは、東京生まれでない人の定住意向に影響を与える要因になっている、と言えそうだ。

東京に住みたい理由(東京生まれか否か別)

出典/東京都「都民生活に関する世論調査」の結果より抜粋転載

なお、地域定住意向がない理由は「地域に愛着を感じないから」(27.7%)「家賃などの住居費が高いから」(同率27.7%)、東京定住意向がない理由は「生活費が高いから」(62.2%)が最多となった。

文化的な活動への興味関心は高いが、楽しんでいるのは若い世代?

では、文化的な活動について、どう思っているのだろうか?
「東京には美術館や劇場、映画館など文化施設が集中し、さまざまな展覧会や公演が行われているが、こうした文化的な環境を楽しんでいるか」と聞いたところ、「楽しんでいる」(楽しんでいる+まあ楽しんでいる)が49.8%、「楽しんでいない」(楽しんでいない+あまり楽しんでいない)が48.8%と拮抗する結果となった。

東京の文化的な環境を楽しんでいるか

出典/東京都「都民生活に関する世論調査」の結果より転載

「楽しんでいる」という回答は、若い世代ほど多い傾向が見られる。20代男性では64.9%だったものが、60代男性では34.9%に、20代女性では77.9%だったものが、60代女性では51.2%になるなど、年齢が上がるにつれて「楽しんでいる」という回答が減っている。

なお、男性(全体平均44.6%)より女性(54.1%)のほうが「楽しんでいる」回答が多い傾向も見られた。また、東京都区部(53.2%)のほうが市町村部(43.1%)より「楽しんでいる」割合が高いが、これは都心部に文化施設が多いことが影響しているのだろう。

次に、「芸術や文化を鑑賞したり、文化イベントに参加したりすることに興味関心があるか」と聞いたところ、興味関心が「ある」(ある+少しある)は71.5%に達した。興味関心については「楽しんでいる」回答の内訳ほどには、年代や地域の差が見られなかった。

文化鑑賞・文化イベント参加への興味関心

出典/東京都「都民生活に関する世論調査」の結果より転載

また、どのような文化鑑賞や文化イベントに参加したいのかは、「映画」(58.5%)、「展覧会(美術・歴史・写真・文芸など)」48.3%、「コンサート(ポップスなど)」41.6%などが上位だった。

総務省が発表した「2022年の住民基本台帳人口移動報告」によると、「東京都は、2020年に減少した転入者数が3年ぶりに増加に転じ、増加を続けていた転出者数が減少に転じており、東京都への移動の動きが活発になりつつある」という。コロナ禍で感染拡大が激しかった東京都は、他県への転出が増加したものの、2022年には転入超過数が大幅に上昇した。

「東京一極集中」の要因として、東京に就業の機会が多いことを挙げることが多いのだが、今回の調査結果を見ると「仕事を見つけやすい、事業を起こしやすい」といった理由で、今後も住みたいと思う人はそれほど多くはなかった。住み続けたいと思わせるには、文化的な環境のよさなども大きな要因になることを、再認識した次第だ。

●関連サイト
東京都「都民生活に関する世論調査」結果

「東急東横線」沿線、中古マンション価格相場が安い駅ランキング 2023年版

東京都渋谷区~神奈川県横浜市の全長24.2km、全21駅を結ぶ東急東横線。沿線には田園調布駅や武蔵小杉駅などの閑静な住宅地や、渋谷駅や横浜駅といった人気繁華街、慶應義塾大学日吉キャンパスをはじめとする学校を多く抱え、通勤に通学にと愛用されている。今回はそんな東急東横線沿線にある、専有面積50平米以上~80平米未満のカップル・ファミリー向け物件の中古マンション価格相場が安い駅をランキング。リーズナブルに住むならどの駅がいいのか? さっそくチェック!

東急東横線の中古マンション価格相場が安い駅ランキング

順位/駅名/価格相場/駅の所在地
1位 大倉山 4000万円 神奈川県横浜市港北区
2位 妙蓮寺 4280万円 神奈川県横浜市港北区
3位 菊名 4490万円 神奈川県横浜市港北区
4位 日吉 4590万円 神奈川県横浜市港北区
5位 東白楽 4690万円 神奈川県横浜市神奈川区
6位 反町 4980万円 神奈川県横浜市神奈川区
7位 新丸子 5380万円 神奈川県川崎市中原区
8位 綱島 5480万円 神奈川県横浜市港北区
9位 横浜 5489.5万円 神奈川県横浜市西区
10位 元住吉 5690万円 神奈川県川崎市中原区
11位 多摩川 6280万円 東京都大田区
12位 武蔵小杉 6785万円 神奈川県川崎市中原区
13位 学芸大学 7380万円 東京都目黒区
14位 祐天寺 7800万円 東京都目黒区
15位 都立大学 7980万円 東京都目黒区
16位 自由が丘 8500万円 東京都目黒区
17位 中目黒 8980万円 東京都目黒区
18位 渋谷 1億890万円 東京都渋谷区
19位 代官山 1億1000万円 東京都渋谷区
※田園調布駅、白楽駅は調査対象物件数が10件以下のためランク外

横浜市港北区に位置する、静かな住宅地が広がる駅がTOP3を独占!

東急東横線の全21駅で最も中古マンションの価格相場が安かったのは、大倉山駅で、価格相場は4000万円。神奈川県横浜市の港北区に位置し、横浜駅までは6駅という立地だ。駅名や近隣の地名「大倉山」は、東洋大学学長も務めた実業家・大倉邦彦氏が駅近くの丘に研究所を構えていたことに由来する。かつて研究所があった一帯は美しい梅林で知られる「大倉山公園」として整備され、クラシカルな洋館である研究所本館は市の文化施設「横浜市大倉山記念館」として利用されている。

大倉山公園(写真/PIXTA)

大倉山公園(写真/PIXTA)

1位・大倉山駅の東側には「大倉山レモンロード商店街」、西側には「大倉山エルム通り商店街」が延びている。両商店街を合わせて店舗総数は約180店舗もあり、スーパーから日用品店、飲食店など多彩な店舗が軒を連ねている。商店街を外れると閑静な住宅地が広がり、駅から歩いて10分弱の場所に港北区役所があるのも何かと便利だろう。また、自転車で10分も走ると、大型商業施設でにぎわうJR新横浜駅前に行くこともできる。

大倉山エルム通り(写真/PIXTA)

大倉山エルム通り(写真/PIXTA)

2位と3位にも横浜市港北区の駅がランクイン。2位は妙蓮寺駅で価格相場4280万円、3位は2位・妙蓮寺駅と1位・大倉山駅の間に位置する菊名駅で価格相場は4490万円だった。まず2位・妙蓮寺駅の様子を見てみると、駅東側には駅名の由来であるお寺「妙蓮寺」の境内が広がっている。駅西側にはスーパーやドラッグストアなどが立ち並ぶ商店街があり、その先に進むと夏期営業のプールを抱える「菊名池公園」にたどり着く。園内の池の周囲にはソメイヨシノが咲き、春は地域住民のお花見スポットとしても愛されている。

菊名池公園(写真/PIXTA)

菊名池公園(写真/PIXTA)

3位・菊名駅は東急東横線の特急・通勤特急・急行の停車駅。通勤特急に乗れば横浜駅まで1駅・約6分、反対方面の渋谷駅までは5駅・約26分で行くことができる。菊名駅にはJR横浜線も乗り入れており、JRの駅舎にはミニスーパーとベーカリーを備えた「シァル菊名」が併設されている。東急東横線側にもスーパーが併設され、電車を降りてすぐに買い物ができる環境だ。駅前には飲食店が数多く、北に延びる綱島街道を進んだ先にもスーパーや市立図書館、郵便局にディスカウントストアといった暮らしを支える施設が立ち並ぶ。駅から東南方面へと住宅街を10分ほど歩くと「菊名桜山公園」へ。丘陵地にある公園は八重桜の名所として知られ、例年4月中旬~下旬に約150本の八重桜が濃いピンク色に花開く光景は圧巻だ。

人気の駅から1駅離れるだけで価格相場は1405万円も安くなる

東急東横線は東京都渋谷区から神奈川県横浜市にまたがっているが、ランキングを見ると上位には神奈川県内の駅が並ぶ結果に。神奈川県内で最も価格相場が高かったのは、知名度抜群の9位・横浜駅を抑えて12位となった武蔵小杉駅。価格相場は6785万円で、横浜駅よりも1200万円以上も高い。JR南武線も乗り入れているうえ、近年の再開発で高層マンションや大型商業施設が数々誕生している人気住宅地だけあり、納得の結果とも言える。

武蔵小杉駅(写真/PIXTA)

武蔵小杉駅(写真/PIXTA)

一方で、武蔵小杉駅の1駅隣に位置する7位・新丸子駅の価格相場は5380万円。直線距離だと450mほどしか離れていないのに、武蔵小杉駅より1405万円も価格相場が低いのだ。新丸子駅から10分も歩けば武蔵小杉駅周辺のショッピングモールに行けるうえ、新丸子駅周辺も商店街でにぎわっている。価格相場が低めな新丸子駅寄りに住みつつ、ときには武蔵小杉駅周辺の商業施設を利用するという暮らし方もアリだろう。

さて、都内に位置する駅で最も価格相場が安かったのは、6280万円で11位にランクインした東京都大田区の多摩川駅だ。2021年度乗降人員が東急東横線21駅中で最も少なかったのが多摩川駅なのだが、どんなところなのだろうか。

11位・多摩川駅には東急東横線のほかに東急目黒線と東急多摩川線も乗り入れ、JR線に接続する目黒駅や蒲田駅へも電車1本で行くことができる。東急東横線の急行停車駅でもあり、渋谷駅までは5駅・約15分だ。駅の東側には「田園調布せせらぎ公園」、西側には「多摩川台公園」という緑豊かな公園が広がり、西側の公園のすぐ先には多摩川が流れている。そして多摩川を超えると神奈川県、という都県境間近の立地だ。

多摩川台公園(写真/PIXTA)

多摩川台公園(写真/PIXTA)

多摩川駅の周辺一帯はお隣の田園調布駅から続く静かな住宅街で、集合住宅よりも一戸建てが多い印象。自然を身近に感じながらのびのび子育てするにはよい環境だが、商業施設が少ない点はネックだろう。徒歩10分圏内にミニスーパーが2件、駅から東へ15分ほど歩いた場所に品揃え豊富なスーパーが1軒。さらに東に進んで、多摩川駅から徒歩約20分の東急池上線・雪が谷大塚駅前の商店街や、多摩川駅から歩いても10分少々の田園調布駅にあるショッピングモールを利用するといいかもしれない。

さてこの11位・多摩川駅と7位・新丸子駅、実は多摩川をはさんで隣り合っており歩いて15分ほど。多摩川駅のほうが急行の停車駅で渋谷駅までアクセスしやすく、乗り入れ路線も多いうえに東京都内に位置するためか価格相場は新丸子駅よりも900万円高い。しかし日々の買い物面においては神奈川県に位置する新丸子駅のほうが便利だろう。自然が身近な多摩川駅と商店でにぎわう新丸子駅のように、1駅違うだけで住環境がガラリと変化することもある。なんとなく価格相場が高い街のほうが住宅地として優れているような気にもなるが、「自分にとって」暮らしやすいかどうかは人それぞれ。暮らす街に対して自分が重視するポイントを基準にして、住まい探しに臨みたいものだ。

※田園調布駅、白楽駅は調査対象物件数が10件以下のためランク外

※田園調布駅、白楽駅は調査対象物件数が10件以下のためランク外

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている東横線沿線の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数35年未満、敷地権利は所有権のみ、専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2022/8~2022/10
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

【早稲田大学】周辺のオススメ賃貸情報&家賃相場ランキング2023年版! 早稲田キャンパス(一人暮らし向け)

来春から大学に進学し、初めての一人暮らしをスタートさせる人もいるだろう。そんな新入生や、これから入学を目指す人の参考になるように、今回は早稲田大学・早稲田キャンパス(東京都新宿区)の周辺駅にアクセスしやすく、家賃相場が安い駅を調査。さらに不動産会社「ハウスメイトショップ新宿店」店長の林宏さんから、早稲田キャンパスに通う学生が住む街としておすすめの駅を教えてもらった。どんな駅がラインナップされたのか、さっそくご紹介しよう。

早稲田キャンパス最寄駅(高田馬場駅、早稲田駅、西早稲田駅)いずれかまで20分以内の家賃相場が安い駅TOP11

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/所要時間/乗り換え回数/到着駅)
1位 東伏見 6.6万円(西武新宿線/東京都西東京市/18分/0回/高田馬場駅)
2位 上井草 6.75万円(西武新宿線/東京都杉並区/19分/1回/高田馬場駅)
3位 上石神井 6.9万円(西武新宿線/東京都練馬区/14分/0回/高田馬場駅)
4位 井荻 6.98万円(西武新宿線/東京都杉並区/15分/1回/高田馬場駅)
5位 江古田 7.0万円(西武池袋線/東京都練馬区/18分/1回/高田馬場駅)
6位 下井草 7.1万円(西武新宿線/東京都杉並区/14分/1回/高田馬場駅)
6位 小竹向原 7.1万円(東京メトロ副都心線/東京都練馬区/11分/0回/西早稲田駅)
8位 武蔵関 7.2万円(西武新宿線/東京都練馬区/16分/0回/高田馬場駅)
8位 野方 7.2万円(西武新宿線/東京都中野区/13分/0回/高田馬場駅)
10位 新江古田 7.3万円(都営大江戸線/東京都中野区/17分/1回/高田馬場駅)
11位 阿佐ケ谷 7.4万円(JR総武線/東京都杉並区/11分/0回/高田馬場駅)
11位 鷺ノ宮 7.4万円(西武新宿線/東京都中野区/9分/0回/高田馬場駅)
11位 成増 7.4万円(東武東上線/東京都板橋区/19分/1回/高田馬場駅)
11位 都立家政 7.4万円(西武新宿線/東京都中野区/14分/0回/高田馬場駅)
11位 南阿佐ケ谷 7.4万円(東京メトロ丸ノ内線/東京都杉並区/20分/1回/高田馬場駅)
11位 氷川台 7.4万円(東京メトロ有楽町線・副都心線/東京都練馬区/13分/0回/西早稲田駅)
―――
「ハウスメイトショップ新宿店」林さんおすすめの駅
ランク対象外 朝霞台 5.7万円(東武東上線/埼玉県朝霞市/28分/1回/高田馬場駅)
ランク対象外 朝霞 5.93万円(東武東上線/埼玉県朝霞市/26分/1回/高田馬場駅)
ランク対象外 和光市 6.6万円(東武東上線/埼玉県和光市/23分/1回/高田馬場駅)

複数の駅に囲まれた早稲田キャンパス周辺は学生が集う街

2022年に創立140周年を迎えた早稲田大学を代表するキャンパスといえば、国の重要文化財に指定された大隈講堂が建つ東京都新宿区の早稲田キャンパス。6つの学部生が通うキャンパスは、JR山手線と西武新宿線、東京メトロ東西線が通る高田馬場駅から東へ歩いて20分ほど。駅から早稲田キャンパスに向かう通りは「早稲田通り」と呼ばれている。数多くの飲食店に加えて古書店も立ち並んでいる点は、さすが大学お膝元の街といった趣だ。またこの一帯には早稲田大学に加えて学習院女子大学もあるほか、高校や専門学校、学習塾も多いので、学生らしき若者の姿もよく見かける。

早稲田通り(写真/PIXTA)

早稲田通り(写真/PIXTA)

早稲田キャンパスのすぐ近くにはサークル活動の拠点である学生会館を備えた戸山キャンパスがあり、高田馬場駅から徒歩15分ほどの場所には西早稲田キャンパスも。各キャンパスの近くには東京メトロ東西線・早稲田駅や東京さくらトラム(都電荒川線)早稲田駅、東京メトロ副都心線・西早稲田駅もあり、そちらを利用する学生も少なくない。

そこで今回は高田馬場駅をはじめ、早稲田駅(東京メトロ・東京さくらトラム(都電荒川線))、西早稲田駅のいずれかの駅から20分圏内にある駅を調査対象とし、それぞれの駅から徒歩15分圏内にある学生向け賃貸物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK。以下同)の家賃相場が安い駅を順位付けした。その結果が上記のランキングだ。

ちなみに高田馬場駅の家賃相場は9万1000円。同じくキャンパス最寄駅の東京メトロ東西線・早稲田駅は9万2000円、都電荒川線・早稲田駅は9万円で、西早稲田駅は9万3000円。都心部だけあって学生には手ごろとは言いがたい金額だが、早稲田大学の学生たちは実際、どんな場所に住んでいるのだろう。早稲田大学の学生にも利用されている、「ハウスメイトショップ新宿店」店長の林宏さんにお話を伺った。

「特に早稲田大学の学生さんは、キャンパスまで歩ける範囲で物件を探していらっしゃる方が多い印象です」と話す林さん。「どこに住むとよいかは人それぞれで、例えば学業に専念したいなら移動時間を極力減らすために早稲田駅周辺、大学以外にもアクセスしやすいほうがよければJR山手線も通る高田馬場駅周辺や、高田馬場駅まで2駅のターミナル駅・新宿駅周辺などがよいでしょう」。早稲田駅の周辺は高田馬場駅ほどの繁華街ではないので、落ち着いて暮らせる住環境のよさを求める人にもおすすめだという。

高田馬場駅前(写真/PIXTA)

高田馬場駅前(写真/PIXTA)

通学時間を短く、家賃も抑えたい場合はランキングを活用しよう

通学時間をなるべく短縮するなら、大学の近くに住むのがベストだろう。とはいえ、予算もあるし近さだけを重視して住まいを決めるのは難しいことも。そんな場合は、今回調査した家賃相場が安い駅のランキングを参考にするのもいいだろう。ランキングトップ11の駅は家賃相場が6万円台~7万円台なので、家賃相場が9万円台だった早稲田キャンパスの徒歩圏内と比べるとだいぶ負担を抑えることができる。

最も家賃相場が低かったのは、西武新宿線・東伏見駅で家賃相場は6万6000円。西東京市に位置し、早稲田キャンパスの最寄駅の一つである高田馬場駅までは準急で約18分だ。駅名や周辺の地名である東伏見は、駅から徒歩10分少々の場所にある「東伏見稲荷神社」に由来するそう。また、この地は早稲田大学とも縁が深く、南口駅前には東伏見キャンパスが広がっている。早大生が部活動に励む野球場や馬場、サッカー場や体育会系の合宿所や学生寮もあり、大正時代から現在まで多くの学生が汗を流してきたのだ。

東伏見駅(写真/PIXTA)

東伏見駅(写真/PIXTA)

東伏見キャンパスの左右には「都立東伏見公園」「区立武蔵関公園」という緑豊かな2つの公園とアイススケートリンクがあり、その他の駅周辺は静かな住宅地といった趣。スーパーやコンビニ、ドラッグストアは駅の北と南どちらにもあり、駅前通りと交差する新青梅街道の周辺にはファミレスや「ユニクロ」も。また、東伏見駅や2位・上井草駅を含む西武新宿線の井荻駅~西武柳沢駅間では立体交差化事業が進行中。高架化に合わせて東伏見駅前広場の再整備や商業施設の誘致も計画されているので、今後はより暮らしやすい街になると期待されている。

1位・東伏見駅のほかにもトップ10には西武新宿線の駅が多数ランクイン。高田馬場方面に向かって、東伏見駅(1位)~武蔵関駅(8位)~上石神井駅(3位)~上井草駅(2位)~井荻駅(4位)~下井草駅(6位)と連続しており、そこから2駅はさんで野方駅(8位)という位置関係だ。残る駅は5位の西武池袋線・江古田駅、6位の東京メトロ副都心線・小竹向原駅、10位の都営大江戸線・新江古田駅。実はこの3駅は路線こそ違うものの位置としては近く、江古田駅を基点にすると南に徒歩約8分で新江古田駅へ、北に徒歩約12分で小竹向原駅へと行くことができる。この3つの駅のうち中間にある、江古田駅周辺の様子も見てみよう。

5位・江古田駅は練馬区に位置し、家賃相場は7万円。西武池袋線で池袋駅まで約8分、さらにJR山手線に乗り換えて約4分で高田馬場駅にたどり着く。早稲田キャンパスがある高田馬場駅に加え、都内有数の繁華街・池袋にアクセスしやすい点も魅力だろう。そんな江古田駅の近くには日本大学芸術学部と武蔵大学、武蔵野音楽大学のキャンパスがあり、学生の街として知られている。駅の北口側にも南口側にも商店街があり、狭い道沿いに多彩な商店がひしめく活気ある街並みだ。学生街だけありリーズナブルな飲食店も豊富で、早朝から深夜まで時間帯を気にせず買い物できるスーパーやコンビニも。同年代の若者も多く住む江古田の街は、学生の一人暮らしによさそうだ。

高田馬場駅から25分前後の東武東上線沿線なら家賃相場は5万円台~6万円台に

トップ11にランクインした駅の家賃相場は早稲田キャンパス周辺に比べるとリーズナブル。しかし、「もっと安さを追求したい、でも通学しやすさも担保したい」という人もいるだろう。そこで「ハウスメイトショップ新宿店」店長・林さんに、家賃を抑えたい人向けのおすすめの街を聞いてみると……。「東武東上線の和光市駅や朝霞駅、朝霞台駅です」と教えてくれた。

和光市駅(写真/PIXTA)

和光市駅(写真/PIXTA)

おすすめ駅の一つ、和光市駅の家賃相場は6万6000円。東武東上線の準急で池袋駅まで約17分、そこからJR山手線に乗り換えると約4分で高田馬場駅へ。「東武東上線の準急と急行に加えて快速急行の停車駅でもあり、快速急行なら池袋駅まで1駅・最短約12分です。さらに和光市駅は東京メトロの有楽町線・副都心線の始発駅でもあり、副都心線1本で早稲田大学近くの西早稲田駅までも約24分で到着できます」

そんな和光市駅は埼玉県和光市にあり、東京メトロの駅としては最北端かつ最西端。2020年3月に全面開業した駅ナカ施設&駅ビル「エキア プレミエ和光」には、改札階である地下1階から地上3階にかけてレストランや食料品店、「ユニクロ」など多彩な店舗がずらり。4階~7階部分は「和光市東武ホテル」となっている。また、駅南口には書店や飲食店、家電量販店を併設した「イトーヨーカドー和光店」もあるなど、スーパーも点在。駅北口エリアでは再開発が進められており、駅直結型の複合施設の新設も検討されているとか。今後の発展にも期待できる街だ。

さらに家賃を抑えたいなら、埼玉県朝霞市にある朝霞台駅と朝霞駅に注目。朝霞台駅は東武東上線の急行停車駅で、家賃相場は5万7000円。「急行なら池袋駅まで3駅、最短約17分で到着。東京メトロ副都心線直通の東武東上線に乗れば、乗り換えせずに西早稲田駅まで約31分で行くことができます」。また、「朝霞台駅の駅前ロータリーをはさんでJR武蔵野線の北朝霞駅があり、2つの路線を利用できる点も便利ですよ」と話す林さん。高田馬場駅までは池袋駅からJR山手線に乗り換え、計約28分で行ける。朝霞台駅は改札前コンコースにファストフード店やベーカリー、書店などがあり、駅前には複数のコンビニや気軽に入れる飲食店も。すぐ近くにスーパーもあるので、日常の買い物には困らない環境だ。

北朝霞・朝霞台 駅前広場(写真/PIXTA)

北朝霞・朝霞台 駅前広場(写真/PIXTA)

朝霞駅は朝霞台駅の隣に位置しており、家賃相場は5万9300円。「こちらは準急が利用でき、池袋駅まで3駅・最短約16分です」と林さん。朝霞台駅と同様に池袋駅で乗り換えて、高田馬場駅までは約26分。また、副都心線直通の東武東上線に乗ると、西早稲田駅まで約28分だ。朝霞駅には駅ビル「エキア朝霞」が併設され、ラーメン店やハンバーガー店、カフェといった飲食店に、服飾雑貨店、書店やドラッグストアなど20店以上が並んでいる。駅前にも複数の飲食店が点在するほか、安さを売りにしたスーパーもあるので自炊派で食費を節約したい人にもいいだろう。

さて、林さんがおすすめしてくれた和光市駅と朝霞台駅は「Fライナー」の停車駅でもある。このFライナーは東武東上線~東京メトロ副都心線~東急東横線~みなとみらい線を結ぶ急行の一種で、朝霞台駅や和光市駅から池袋駅、渋谷駅、横浜駅、元町・中華街駅などへも1本で行くことが可能だ。また、東武東上線は池袋と逆方面に進むと、川越や東松山といった埼玉県内の駅を通っている。だからたとえば、たびたび通いたいほど横浜が好きだったり、実家が川越にある場合、通学以外の面でも東武東上線沿線に住むと便利だろう。そんなふうに、通学で利用する駅以外に沿線にはどんな街があるのかもチェックしつつ住む街を探すと、より充実した学生生活が送れるかもしれない。

●取材協力
ハウスメイトショップ

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている高田馬場駅、西早稲田駅、早稲田駅(東京メトロ、都電)まで20分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2022/2~2022/10
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
※早稲田駅については、メトロ、都電を最寄りとする物件両方の中央値を掲載しています
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2022年11月28日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が1回までの駅を掲載

首都圏の住宅流通市場、昨年は価格は上昇&成約は減少と硬直気味。2023年はどうなる?

2023年に入って、2022年の住宅市場の動向が相次いで公表された。そこで今回は、東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)の首都圏の流通市場の動向について見ていくことにしよう。ポイントは、価格の上昇と成約件数の減少だ。

【今週の住活トピック】
「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」を発表/(公財)東日本不動産流通機構

住宅の流通市場が分かるレインズとは?

住宅の流通市場を見るのによく利用されるのが、レインズだ。レインズ(REINS)とは、「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」の略称で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムのことだ。一定の媒介契約を結んで不動産を仲介する事業者は、このネットワークを通じて、物件情報を共有することが義務づけられている。

不動産流通機構は、現在全国で4つ(東日本地区、中部圏、近畿圏、西日本地区)あり、不動産の売買物件と賃貸物件を扱っている。今回は、売買物件について動向を見ていこう。なお、東日本を担当しているのが東日本不動産流通機構で、主に首都圏の不動産取引の情報を公開している。

首都圏の2022年の流通市場、前年より成約件数が減少し、価格は上昇

では、2022年の首都圏の流通市場の動向を見ていこう。ここでいう「成約物件」とは、指定流通機構に契約が成立したと報告された物件(いわゆる、契約済み物件)のことで、「新規登録物件」とは、新たに指定流通機構に登録された物件(いわゆる、新規売り出し物件)のことだ。

東日本不動産流通機構が公表した、中古マンションの成約物件の状況を見ると、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年には、外出自粛が求められたこともあって一時的に取引が縮小したものの、底固い住宅需要があり、成約件数が2019年より微減にとどまった。2021年には、コロナ禍でリモートワークが普及した影響を受けるなどで、住宅需要が拡大し、成約件数はコロナ前の2019年より増加した。withコロナが続く2022年には住宅需要が落ち着きを見せ、成約件数は2020年同様となった。

一方で、平米単価や価格は年々上昇し、2022年には上昇幅が大きくなっている。平均の専有面積が若干小さくなり、築年数がより古くなっているにもかかわらずだ。

中古一戸建ても、似たような傾向が見られる。成約件数は、2020年で落ち込みはないものの、2021年で増加し、2022年には元に戻る動きを見せている。土地や建物の面積や築年数に大きな変化はないものの、価格は上昇を続けている。

首都圏の流通市場の動向(2022年)

*2021年より、戸建住宅・土地の用途地域が未設定・無指定の物件について集計対象から除外する等の集計条件の変更を行っている。
出典:東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」より抜粋

コロナ禍で新規登録件数は減少するが、中古マンションでは2022年に上場に転じる

次に、首都圏の新規登録物件の動向を見ていこう。新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年以降、売却活動のために自宅に人を入れたくないからか、コロナ禍なので住宅の売り時でないと判断したからか、自宅を売りに出す人が減ったことで、新規登録件数が減少している。ただし、中古マンションでは、2022年に新規登録件数が増加に転じている。

一方、売り出し価格は、2021年・2022年でかなり強気の値付けをしている。これは、今売る理由がある人だけでなく、中古マンションの価格が上昇していることが報じられたことから、高く売れるなら売ろうという人が多くいたと考えられる。

首都圏の流通市場の動向(2022年)

**2022年より、新規登録の集計範囲を変更(媒介契約更新や登録期間延長を除く新たな登録のみに絞って計上)している。
なお、これまでと同じ基準での比較が困難であるため、前年比を「-」と記載している。
出典:東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」より抜粋

住宅を買う人の数は安定しているのに、売る人が少ないとなると、市場全体で流通する物件数が減っていく。実際に、東日本不動産流通機構の「月例マーケットウォッチ」で各年の12月末の在庫物件数の推移を追ってみると、次のようになった。

■中古マンションの在庫物件数(首都圏)
2019年末   2020年末   2021年末   2022年末
47,051戸 → 38,173戸 → 35,718戸 → 41,665戸
■中古一戸建ての在庫物件数(首都圏)
2019年末   2020年末   2021年末   2022年末
22,764戸 → 17,921戸 → 13,157戸 → 14,754戸

2021年12月末時点までは急速に市場の在庫物件数が減少してしまったが、2022年に新規登録物件数が増えたり、在庫がだぶついたりして、在庫物件数が増加に転じる形となった。特に、中古マンションでは2022年に在庫物件数が急激に増えている。

では、2023年の住宅流通市場はどうなる?

在庫不足が価格を押し上げる要因になったという側面もあるが、流通市場の在庫物件数は戻りつつある。一方で、成約件数は減少している。これは、コロナ禍で生じた住宅需要による住み替え、たとえばより広い住宅へまたは遮音性や省エネ性などのより性能の高い住宅へという住み替えが、一段落したという見方もできれば、買う側と売る側の希望条件や希望価格が折り合っていないという見方もできるだろう。

特に中古マンションでは、価格の上昇が長く続き、好条件の中古マンションに手が出にくいという市況にもなっている。2023年は在庫も増えていることから、価格調整局面に入ると考えられる。中古マンションの価格に落ち着きが見えれば、中古一戸建ての価格も落ち着いていくだろう。

気になるのは、住宅ローンの金利動向だ。日本銀行が長期金利の上限を0.25%程度から0.5%程度に引き上げる金融緩和策の修正をして以降、金融市場の長期金利に連動する【フラット35】や長期間金利を固定する住宅ローンの金利がじわじわと上がっている。

住宅ローンの金利が上昇すると、ローンの借入可能額が減ってしまったり、毎月の返済額が多くなったりするので、買う側に大きな影響を与える。国際的に不動産投資市場を見ると日本の住宅は割安に見えるので、マンションはまだ影響が小さいものの、マイホームとして買われる一戸建てはローンの金利動向の影響を受けやすい。

今はまだ住宅ローンの金利に大きな変動はないが、今後の景気動向や日本銀行の方針変更などによって、金利が大きく動き出すと、駆け込み需要が起きて価格がさらに上昇したり、急速に市場が冷え込んだりといった事態も想定できる。

2023年は、住宅ローンは超低金利、住宅価格は上昇トレンドといった、これまで通りの状況が続くと考えない方がよいだろう。2023年に住宅を買うなら、あわてないように希望条件を明確にしておき、金利上昇を踏まえた無理のない資金計画を立てることが大切だ。2023年に売る気なら、流通市場の相場をデータなどでよく理解して、適正な価格で売り出すことが大切だ。

●関連サイト
(公財)東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」

【慶應義塾大学】周辺のオススメ賃貸情報&家賃相場ランキング2023年版! 日吉&三田キャンパス(一人暮らし向け)

間もなく訪れる新年度より、大学進学を機に一人暮らしをスタートさせる人も多いはず。そんな人の参考になるように、今回は慶應義塾大学で学部数の多い日吉キャンパス(神奈川県横浜市)と三田キャンパス(東京都港区)に通いやすく、家賃相場が安い駅を調査! 各キャンパスの最寄駅である、日吉駅まで電車で15分圏内、または田町駅・三田駅・赤羽橋駅いずれかまで電車で20分圏内に位置し、家賃相場が安い駅のランキングをご紹介する。さらに不動産会社「ハウスメイトショップ」武蔵小杉店店長の加瀬舞子さん、目黒店店長の山本泰史さんに聞いた、各キャンパス周辺にある学生が住む街としておすすめの駅についても見ていこう。

日吉キャンパス最寄り:日吉駅まで15分以内の家賃相場が安い駅TOP14(15駅)

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/所要時間/乗り換え回数)
1位 白楽 6.0万円(東急東横線/神奈川県横浜市神奈川区/11分/0回)
2位 高田 6.2万円(横浜市営地下鉄グリーンライン/神奈川県横浜市港北区/5分/0回)
2位 妙蓮寺 6.2万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/9分/0回)
4位 大口 6.3万円(JR横浜線/神奈川県横浜市神奈川区/12分/1回)
5位 東白楽 6.4万円(東急東横線/神奈川県横浜市神奈川区/13分/0回)
6位 東山田 6.65万円(横浜市営地下鉄グリーンライン/神奈川県横浜市都筑区/7分/0回)
7位 小机 6.7万円(JR横浜線/神奈川県横浜市港北区/14分/1回)
8位 日吉本町 6.8万円(横浜市営地下鉄グリーンライン/神奈川県横浜市港北区/2分/0回)
9位 日吉 6.9万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/0分/0回)※起点駅
10位 中川 7.0万円(横浜市営地下鉄ブルーライン/神奈川県横浜市都筑区/15分/1回)
11位 菊名 7.1万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/5分/0回)
11位 大倉山 7.1万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/4分/0回)
13位 綱島 7.35万円(東急東横線/神奈川県横浜市港北区/1分/0回)
14位 元住吉 7.4万円(東急東横線/神奈川県川崎市中原区/1分/0回)
14位 鹿島田 7.4万円(JR南武線/神奈川県川崎市幸区/13分/1回)
―――
「ハウスメイトショップ武蔵小杉店」加瀬さんおすすめの駅
13位 綱島
14位 元住吉
ランク外 武蔵小杉 8.35万円(東急東横線/神奈川県川崎市中原区/2分/0回)

三田キャンパス最寄り駅(田町駅、三田駅、赤羽橋駅)いずれかまで20分以内の家賃相場が安い駅TOP14(15駅)

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/所要時間/乗り換え回数/到着駅)
1位 流通センター 8.2万円(東京モノレール/東京都大田区/18分/1回/田町駅)
2位 糀谷 8.3万円(京浜急行空港線/東京都大田区/19分/0回/三田駅)
3位 武蔵小杉 8.35万円(東急目黒線/神奈川県川崎市中原区/18分/1回/田町駅)
4位 川崎 8.4万円(JR東海道本線/神奈川県川崎市幸区/16分/1回/田町駅)
5位 大森町 8.45万円(京浜急行本線/東京都大田区/19分/1回/三田駅)
6位 昭和島 8.5万円(東京モノレール/東京都大田区/19分/1回/田町駅)
6位 西馬込 8.5万円(都営浅草線/東京都大田区/15分/0回/三田駅)
6位 田園調布 8.5万円(東急目黒線/東京都大田区/20分/0回/三田駅)
6位 平和島 8.5万円(京浜急行本線/東京都大田区/14分/0回/三田駅)
10位 京急蒲田 8.6万円(京浜急行本線/東京都大田区/17分/0回/三田駅)
10位 大井競馬場前 8.6万円(東京モノレール/東京都品川区/16分/1回/田町駅)
12位 旗の台 8.7万円(東急大井町線/東京都品川区/18分/1回/田町駅)
12位 千駄木 8.7万円(東京メトロ千代田線/東京都文京区/20分/1回/三田駅)
14位 蒲田 8.8万円(JR京浜東北・根岸線/東京都大田区/14分/0回/田町駅)
14位 洗足 8.8万円(東急目黒線/東京都目黒区/17分/0回/三田駅)
―――
「ハウスメイトショップ目黒店」山本さんおすすめの駅
14位 洗足
ランク外 武蔵小山 9.2万円(東急目黒線/東京都品川区/12分/0回/三田駅)
ランク外 中延 9.3万円(都営浅草線/東京都品川区/11分/0回/三田駅)

慶應義塾大学を代表する2つのキャンパス周辺の環境&家賃相場は?

慶應義塾大学のキャンパスは各地にあるが、メインとなるのは多くの学部の1・2年生が通う日吉キャンパスと、同様に複数の学部の2~4年生や大学院生が通う三田キャンパスだ。

日吉キャンパス(写真/PIXTA)

日吉キャンパス(写真/PIXTA)

神奈川県横浜市港北区に位置する日吉キャンパスの最寄駅は、東急東横線と東急目黒線、横浜市営地下鉄グリーンラインが乗り入れる日吉駅。2023年3月に開業予定の東急新横浜線の乗り入れも始まる、注目の駅だ。東口駅前には見事なイチョウ並木が延びており、そこはもう敷地面積約10万坪という広大な日吉キャンパス。駅西口側には食料品街からユニクロなどの服飾・雑貨店、家電量販店までそろう「日吉東急アベニュー」があるほか、リーズナブルな飲食店も豊富な商店街が広がっている。

日吉駅(写真/PIXTA)

日吉駅(写真/PIXTA)

今回お話をうかがった「ハウスメイトショップ武蔵小杉店」店長・加瀬舞子さんは、「日吉キャンパスに通うのは単位取得のため学校に通う機会が多い1・2年生が多数。そのため最寄りの日吉駅や、近隣駅にお住まいになる学生さんが多いですね」と教えてくれた。そんな日吉駅は9位にランクインしており、学生向け賃貸物件の家賃相場(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK、駅から徒歩15分圏内。以下同)は6万9000円。さらに家賃を抑えたいなら、ランキング上位の6万円台前半の駅もチェックしたい。加瀬さんからは「近すぎると友人のたまり場になり、遠すぎると通学が面倒になるので、学校から20分ほどの範囲で探すのもいいですよ」とのアドバイスも。その点からも、あえて最寄りの日吉駅ではない街に住むのもアリだろう。

続いて三田キャンパス周辺の様子を見てみよう。東京都港区にある三田キャンパスは慶應義塾の原点といえる地だ。最寄駅である田町駅にはJRの山手線や京浜東北・根岸線が乗り入れ、駅周辺はビジネス街として発展。駅から大学へと向かう通り一帯はリーズナブルな飲食店がひしめく学生街としても愛されている。田町駅のすぐ近くには都営地下鉄の三田線・浅草線が通る三田駅が位置。キャンパスから北へ徒歩8分ほどの場所にある都営大江戸線・赤羽橋駅とあわせて、この3駅が主に大学の最寄駅として利用されている。

(写真/PIXTA)

(写真/PIXTA)

田町駅前の様子(写真/PIXTA)

田町駅前の様子(写真/PIXTA)

田町駅周辺の学生向け賃貸物件の家賃相場は11万6000円、三田駅の家賃相場は11万5500円、赤羽橋駅の家賃相場は12万円。大学への通いやすさなら最寄駅周辺に住むのが一番だろうが、学生にとってこれだけの家賃を払うのは厳しそう……。「ハウスメイトショップ目黒店」の山本泰史さんも、「三田周辺は家賃が高めのため、電車を使ってドア・トゥ・ドアでキャンパスまで30分以内にある物件を探す方が多い印象です」とのこと。上記ランキングで記載している所要時間は「電車の乗車時間(乗り換え時間含む)」であり「物件~駅/駅~大学間の所要時間」は含まないので、その点は物件探しの際に考慮したい。とはいえ家賃相場に注目するとトップ14の駅は8万円台で、田町駅や三田駅、赤羽橋駅の周辺よりもだいぶ費用を抑えることができる。

家賃の安さで住まいを選ぶ際は、上記のランキングをぜひ参考にしてほしい。しかし安さばかりではなく、住みやすい街かどうかも気になるところ。そこで先に登場したお2人に、日吉・三田の各キャンパスに通う学生の住む街としておすすめの駅を教えてもらった。

日吉キャンパスに通う1・2年生が住むなら、東急東横線沿線がおすすめ!

まずは日吉キャンパスに通う学生も利用する、「ハウスメイトショップ武蔵小杉店」店長の加瀬さんにおすすめの街をうかがおう。先述したように、日吉キャンパスに通う学生は日吉駅や近隣駅に住むことが多いのだそう。「日吉駅や日吉近隣の東急東横線沿線は、飲食店をはじめ商業施設が充実している駅も多く、初めての一人暮らしでも安心して住める環境ですよ」と加瀬さん。なかでも特におすすめの駅を3つ、教えてくれた。

元住吉駅前の商店街(写真/PIXTA)

元住吉駅前の商店街(写真/PIXTA)

おすすめ度1位は日吉駅の隣、東急東横線と東急目黒線が通る元住吉駅。上記の日吉キャンパス周辺の家賃相場が安い駅ランキングでは、家賃相場7万4000円で14位に。「駅を挟んで東西2つの商店街があり、チェーン系の店舗や地元の個人商店も含めて約270店舗の商店が立ち並んでいます。主にファミリー層が住むエリアなので、落ち着いた住環境を求められる方には非常におすすめできる駅です」。また、駅から徒歩7分ほどの場所に広大な「川崎市中原平和公園」があったり、駅前を流れる渋川沿いに約2kmにわたる桜並木が続いていたりと、自然を感じられる環境なのも魅力だという。

武蔵小杉駅周辺の様子(写真/PIXTA)

武蔵小杉駅周辺の様子(写真/PIXTA)

次なるおすすめは東急東横線と東急目黒線、JRの南武線など各線が乗り入れる武蔵小杉駅。日吉駅までは東急東横線でも東急目黒線でも2駅・3分前後、家賃相場は8万3500円だ。「家賃の価格帯は少し上がりますが、住みたい街ランキングでも上位に入る、人気が高いエリアです。『ららテラス 武蔵小杉』や『グランツリー武蔵小杉』など大型商業施設も充実。乗り入れ路線も多く、都内への玄関口として非常に利便性が高い駅です」

「SUUMO住みたい街ランキング2022 首都圏版」(リクルート調べ)で14位にランクインした武蔵小杉駅は神奈川県川崎市にあるが、駅東側を流れる多摩川を越えると東京都大田区に。東急東横線の通勤特急に乗れば、自由が丘駅まで1駅・約5分、渋谷駅まで3駅・約16分で行くことができる。日吉キャンパスまでの近さはもちろんのこと、せっかく進学で上京するならば都内までの近さも重視したい人には、うってつけだろう。また、武蔵小杉駅は今回調査した「三田キャンパス」周辺の家賃相場が安い駅ランキングだと3位。1・2年次は日吉キャンパス、3年次以降は三田キャンパスに通う予定の学生なら、進級後も引越しせず住み続けられる点も便利そう。

加瀬さんおすすめの3つ目の駅は、日吉キャンパス周辺の家賃相場が安い駅ランキングで13位の東急東横線・綱島駅。元住吉駅とは逆側、日吉駅から下り方面へ1駅目に位置しており、家賃相場は7万3500円。「スーパーやドラッグストア、飲食店など、駅周辺には幅広いジャンルの店舗がとても豊富。2023年3月には東急新横浜線の新綱島駅が開業予定で、ますます利便性が高まる点も注目です!」と加瀬さん。

新綱島駅のイメージ(写真/PIXTA)

新綱島駅のイメージ(写真/PIXTA)

東急新横浜線は日吉駅~新横浜駅を結ぶ路線として開業予定で、同じく開業準備が進む新横浜駅~羽沢横浜国大駅・西谷駅を結ぶ相鉄新横浜線とともに、相鉄・東急直通線の連絡線としての役割を担う。開業したあかつきには相鉄線と東急線との相互直通運転が可能に。新しく誕生する新綱島駅は綱島駅から100mほどの位置なので、この辺りに住むと2駅2路線が利用できるわけだ。新駅開業にあわせて道路の整備などの再開発も進められ、より住みやすい街へと進化しているところだ。

三田キャンパスに通う学生の住まいとして、おすすめの駅3選

三田キャンパスへの通学にも便利な街は、「ハウスメイトショップ目黒店」山本泰史さんにうかがった。住む街を選ぶ際のポイントは、「交通の利便性が高い駅であること」と話す山本さん。「三田キャンパスを利用する3・4年生は、アルバイトや就職活動など学校外での活動が増えてくる時期。そのため学校への行きやすさをふまえたうえで、別の場所へのアクセスの利便性も高い駅を選ぶのがよいでしょう」

三田キャンパスは最寄駅が多く、どの路線がよいのかも迷うところ。その点をうかがうと、「特におすすめは東急目黒線の沿線。都営三田線と相互直通運転されていてキャンパスがある三田駅まで乗り換えせずに行けること、目黒駅に出れば都内の主要駅に行きやすいJR山手線に乗り換えられる点が魅力です」と教えてくれた。

武蔵小山駅前(写真/PIXTA)

武蔵小山駅前(写真/PIXTA)

なかでも山本さんイチ押しは、急行停車駅でもある東急目黒線・武蔵小山駅。大学最寄りの三田駅までは都営三田線直通の東急目黒線なら約12分で行くことができる。家賃相場は9万2000円と少々高め。「開発が進み、近年は家賃相場が上がった点はネック。ですが、東京で最も長いアーケード商店街があって、買い物や外食にたいへん便利な環境です。にぎわいのある街なだけに適度に人目があり、一人暮らしの学生さんも安心して暮らせるでしょう」。都内最長だというアーケード商店街「武蔵小山商店街パルム」は、全長約800mで店舗数は約250軒にものぼる。商店街の東側駅前エリアには、再開発で2019年に開業したショッピングモール「パークシティ武蔵小山ザモール」や、品川区役所の出張所や商業施設も備える2021年7月竣工の複合施設も。駅周辺の再開発は現在も進行中なので、今まさに街が生まれ変わりゆく様子を見られる点も魅力だ。

武蔵小山商店街パルム(写真/PIXTA)

武蔵小山商店街パルム(写真/PIXTA)

もう少し家賃相場を抑えたいなら、「東急目黒線の東京都区間内では比較的に家賃相場が安い、洗足(せんぞく)駅もおすすめです」と山本さん。洗足駅の家賃相場は8万8000円で、三田キャンパス周辺の家賃相場が安い駅ランキングで14位に。三田駅までは都営三田線直通の東急目黒線に乗ると約17分だ。

「駅前にスーパーやドラッグストアがそろっていて買い物に便利な環境。駅周辺は閑静な住宅街で落ち着いた印象です。ただ、人通りが少ない点が心配なら、住まい探しの際に駅までの道のりチェックも忘れずにしましょう」

この洗足駅前には美しいイチョウ並木が続き、並木通り沿いを中心に商店街が広がっている。日々の食事に役立つ惣菜店や、神保町に本店がある欧風カレーの名店「ボンディ」の支店、自家焙煎にこだわるコーヒーショップなど個性的な店が豊富でめぐり歩くのも楽しそう。また、洗足駅から徒歩10分弱に位置する東急大井町線・北千束駅を利用することも可能だ。

洗足駅前の風景(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

洗足駅前の風景(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

山本さんがもう1駅、おすすめしてくれたのが都営浅草線・中延(なかのぶ)駅。家賃相場は9万3000円で、三田駅までは約11分。

「都営浅草線と東急大井町線が利用できて便利。若者に人気の自由が丘駅までも1本で行くことができます。駅近くには商店街が3つあり、八百屋さんや精肉店などが並んでいるので食費を抑える助けにもなるかも。駅前にユニクロがあるのもうれしいところです」

商店街のなかでも注目は、「なかのぶスキップロード」と呼ばれる中延商店街。中延駅から北に延びており、東急池上線の荏原中延駅まで約330mも続くアーケード商店街だ。買い物に利用できる商店街独自のポイントシステムも用意されているので、ポイントを貯めつつお得に買い物ができる。

なかのぶスキップロード(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

なかのぶスキップロード(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

さて今回はランキング調査に加え、これまで多くの学生を新生活へと送り出してきた不動産会社のお話を参考に、学生におすすめの街をご紹介した。住む街によって生活の充実度は変わってくるし、学生時代に暮らした街は卒業後も大事な思い出の地になるだろう。しっかりと自分の好みにあった街を選び、ぜひ楽しい新生活を送ってほしい。

●取材協力
ハウスメイトショップ

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている田町駅、三田駅、赤羽橋駅まで20分以内、日吉駅まで電車で15分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2022/2~2022/10
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2022年11月28日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が1回までの駅を掲載

【明治大学】周辺のオススメ賃貸情報&家賃相場ランキング2023年版! 和泉キャンパス(一人暮らし向け)

新年度が始まる4月に合わせて、そろそろ引越しを考える人も増える時期。進学を機に大学の近くで一人暮らしを始める予定の学生もいるだろう。そんな新入生や、これから入学を目指す人の参考になるように、今回は明治大学・和泉(いずみ)キャンパス(東京都杉並区)の最寄駅である明大前駅にアクセスしやすく、家賃相場が安い駅を調査。さらに「ハウスメイトショップ下北沢店」店長の山室貴広さんに聞いた、和泉キャンパスに通う学生の住まいとしておすすめの街もご紹介していきたい。

和泉キャンパス最寄駅(明大前駅)まで15分以内の家賃相場が安い駅TOP14(19駅)

順位/駅名/家賃相場(主な路線名/駅の所在地/所要時間/乗り換え回数)
1位 つつじヶ丘 6.58万円(京王線/東京都調布市/12分/0回)
2位 三鷹台 6.8万円(京王井の頭線/東京都三鷹市/13分/0回)
3位 成城学園前 6.9万円(小田急小田原線/東京都世田谷区/15分/1回)
3位 仙川 6.9万円(京王線/東京都調布市/11分/0回)
5位 井の頭公園 7.0万円(京王井の頭線/東京都三鷹市/15分/0回)
5位 久我山 7.0万円(京王井の頭線/東京都杉並区/9分/0回)
5位 松原 7.0万円(東急世田谷線/東京都世田谷区/8分/1回)
8位 調布 7.1万円(京王線/東京都調布市/13分/0回)
9位 桜上水 7.3万円(京王線/東京都世田谷区/2分/0回)
9位 浜田山 7.3万円(京王井の頭線/東京都杉並区/6分/0回)
11位 西永福 7.35万円(京王井の頭線/東京都杉並区/4分/0回)
12位 山下 7.4万円(東急世田谷線/東京都世田谷区/10分/1回)
12位 上北沢 7.4万円(京王線/東京都世田谷区/5分/0回)
14位 永福町 7.5万円(京王井の頭線/東京都杉並区/2分/0回)
14位 経堂 7.5万円(小田急小田原線/東京都世田谷区/13分/1回)
14位 豪徳寺 7.5万円(東急世田谷線/東京都世田谷区/13分/1回)
14位 千歳烏山 7.5万円(京王線/東京都世田谷区/7分/0回)
14位 梅ケ丘 7.5万円(小田急小田原線/東京都世田谷区/12分/1回)
14位 富士見ケ丘 7.5万円(京王井の頭線/東京都杉並区/9分/0回)
―――
「ハウスメイトショップ下北沢店」山室さんおすすめの駅
14位 千歳烏山
ランク外 明大前 8.1万円(京王井の頭線/東京都世田谷区/0分/0回)※起点駅
ランク外 下北沢 8.8万円(京王井の頭線/東京都世田谷区/3分/0回)

大学名を冠した「明大前駅」周辺は生活する街としても魅力的

東京都内を中心に、4キャンパス・10学部を抱える明治大学。東京都杉並区には主に法学部や商学部といった文系学部の1・2年生が通う、和泉キャンパスがある。2022年春には学生の交流スペースも備えた新教育棟「和泉ラーニングスクエア」が誕生した。この和泉キャンパスから徒歩5分ほどの最寄駅はその名も「明大前駅」。明治大学予科(当時)が移転してきたのを機に1935年から、この駅名になったのだとか。

明大前駅(写真/PIXTA)

明大前駅(写真/PIXTA)

京王線と京王井の頭線が通る明大前駅は、新宿駅まで京王線の特急で2駅・最短約7分、渋谷駅まで京王井の頭線の急行で2駅・最短約6分という好立地。駅ビル「フレンテ明大前」が併設され、スーパーや書店、飲食店などがある点も魅力の一つだ。駅周辺は細い路地に沿ってコンビニや100円ショップ、ファストフード店やラーメン店といったリーズナブルな飲食店が立ち並び、学生にも愛用されている。大型の商業施設はなく、駅前から少し離れると住宅街。また、明治大学以外にも日本女子体育大学の附属高校など学校が点在しており、通学時間帯の駅周辺は学生の姿でにぎわっている。

明大前駅周辺で暮らす学生も多いそうで、「ハウスメイトショップ渋谷店」店長の山室貴広さんも明大生が住むイチ押しの街として明大前駅を挙げてくれた。

「大学生の住まい探しは、キャンパスまでドア・トゥ・ドアで30分以内、もしくは電車で2~3駅圏内がおすすめ。近年は自転車でも通える距離内でお探しになる方が増えています。また、住む街を選ぶ際はアルバイトや部活動など、授業以外の利便性も考慮するとよいでしょう。その点、明大前駅は2路線利用可能で渋谷駅や新宿駅に乗り換えなしでアクセスできるため非常に便利。駅前商店街に飲食店も多く、コンパクトながら生活に必要な施設はそろっています」

また、明大前駅を含む京王線笹塚駅~千川駅間では現在、連続立体交差事業が進行中。明大前駅の高架化にともなって駅舎のリニューアルも予定され、駅前広場が設けられるなどの駅周辺地区の再開発も計画されている。高架化事業の完了は当初予定の2022年度中から後ろへずれ込んでいるようだが、明大前駅周辺は変革期を迎えているところだ。

そんな明大前駅から徒歩15分圏内にある、学生向け賃貸物件(10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK。以下同)の家賃相場は8万1000円。便利な街だけあって、学生の一人暮らしにとって安くはない。もう少し家賃相場がお手ごろで魅力的な街として山室さんがおすすめしてくれたのが、今回調査したランキングの14位にも入った京王線・千歳烏山駅だ。

千歳烏山駅(写真/PIXTA)

千歳烏山駅(写真/PIXTA)

東京都世田谷区に位置する千歳烏山駅の家賃相場は明大前駅より6000円低い7万5000円となっており、「家賃を抑えたい方におすすめです」とのこと。「親しみやすい風情あふれる商店街があり、ドラッグストアや定食屋さんなど日常使いできる店が多数、立ち並んでいます。また、家具や工具を買いたい場合はホームセンターが隣駅の仙川にありますので、カーシェアなどを利用すれば20分程度で行くことが可能です」と山室さん。千歳烏山駅から明大前駅までは、京王線の特急で1駅・約7分。駅周辺にはクリームソーダが名物の昭和レトロな喫茶店や行列のできるベーカリー、それぞれに特徴的な数々のラーメン店もあり、お気に入りの店を探して街をめぐるのも楽しそう。また、前述した京王線の連続立体交差事業区間に千歳烏山駅も含まれており、将来的には駅の高架化が予定されている。

明大前駅まで乗り換えなし&15分以内の駅でも家賃相場は1万円以上も下がる

続いてランキング上位になった駅も見ていこう。明大前駅まで電車で15分圏内にある、家賃相場が最も安かった駅は東京都調布市に位置する京王線・つつじヶ丘駅。家賃相場は明大前駅よりも1万5000円以上低い、6万5800円だった。京王線の急行に乗ると、2駅・約12分で明大前駅に到着する。つつじヶ丘駅の南口では道路の再整備が行われており、拡張された駅前広場などの一部は供用が開始された。駅舎北側には「京王リトナード つつじヶ丘」が併設され、書店やドラッグストア、飲食店が営業中。そして北口の駅前にもスーパーや飲食店をはじめさまざまな店舗が建ち並ぶ。一帯に広がる「つつじヶ丘商店街」は店舗数が多く、にぎわいを感じる街並みだ。

つつじヶ丘駅(写真/PIXTA)

つつじヶ丘駅(写真/PIXTA)

2位は東京都三鷹市にある京王井の頭線・三鷹台駅で、家賃相場は6万8000円。明大前駅までは各駅停車で7駅・約13分で行けるほか、明大前駅とは逆方面に進むと若者にも人気の街・吉祥寺駅に2駅・約3分で到着する。駅周辺は線路と沿うように神田川が流れ、川の北側にあるドラッグストアとコンビニの先には立教女学院の敷地と住宅地が広がる。商店が多いのは川と線路の南側。スーパーやコンビニのほか、三鷹台駅前通り沿いの商店街を中心にラーメン店や宅配ピザなどの飲食店も点在している。また、1駅隣には5位・井の頭公園駅(家賃相場7万円)があり、駅前には緑豊かな井の頭恩賜公園が広がっている。三鷹台駅からも電車や自転車で訪れやすく、気軽にリフレッシュに出かけられる点も魅力だ。

三鷹台駅周辺(写真/PIXTA)

三鷹台駅周辺(写真/PIXTA)

3位以下は家賃相場が同額の駅が多い結果に。たとえば5位には家賃相場が同額7万円となった、京王井の頭線の井の頭公園駅と久我山駅、東急世田谷線・松原駅の3駅がランクインした。そのうち明大前駅までの所要時間が最も短いのは松原駅。東急世田谷線で下高井戸駅に出てから京王線に乗り換える必要はあるものの、明大前駅までは計約8分で行くことができる。「乗り換えは面倒だな」と感じるかもしれないが、実は松原駅から明大前駅まではほぼ平坦な道のりで自転車なら約6分、歩いても20分ほどの近さ。都内の路線は入り組んでおり、立地的には近い駅でも電車の乗り換えが面倒な場合もある。住む街を探す際は、乗り換え経路だけではなく地図もチェックしておきたい。

東京都世田谷区に位置する5位・松原駅の周辺は静かな住宅地。駅前にはスーパーやコンビニ、ドラッグストアがあるので、日常の買い物には困らないだろう。チェーン系の飲食店はないが、小ぢんまりとしつつも評判高いカフェが点在している。ご近所にある穴場の名店を探すのも楽しそうだ。

流行に敏感な人には、新スポット目白押しの下北沢駅も要チェック!

さて、明治大学の学生が住む街として「ハウスメイトショップ下北沢店」の山室さんはもう1駅、おすすめしてくれた。それは京王井の頭線・下北沢駅。

「バンド、サブカル、古着の聖地。駅前商店街はいつも20代の若者でにぎわっており、学生さんにとても人気がある街です。その分少々、家賃は高いですが……」と話す山室さん。家賃相場は8万8000円で、確かに明大前駅よりもアップしてしまう。しかし明大前駅までは京王井の頭線の各駅停車で3駅・約3分、自転車なら10分弱。渋谷駅までは各駅停車で4駅・約7分、急行なら1駅・約4分で行ける。小田急線も乗り入れているので、通勤急行や快速急行に乗って2駅・約9分で新宿駅にも出られるアクセスのよさが魅力だ。

下北沢駅(写真撮影/嶋崎征弘)

下北沢駅(写真撮影/嶋崎征弘)

ミカン下北(写真撮影/嶋崎征弘)

ミカン下北(写真撮影/嶋崎征弘)

下北沢の街自体も山室さんがおすすめするように若者に人気があり、わざわざ遠方から遊びに来る人も少なくない。古くから人気のショップや飲食店に加え、小田急線の地下化にともなってここ数年で新スポットも次々とオープン。商業施設「シモキタエキウエ」を併設した新駅舎や、線路跡地が商業ゾーンやホテルに生まれ変わった「下北線路街」、井の頭線高架下を活用した商業空間「ミカン下北」など、新施設が街の魅力を高めている。話題のスポットにふらりと出かけたり人気店の食べ歩きをしたりと、学業以外の時間も充実させたいタイプの人なら下北沢での暮らしを気に入ることだろう。

●取材協力
ハウスメイトショップ

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●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている明大前駅まで15分以内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2022/2~2022/10
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
【所要時間の算出方法】株式会社駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2022年11月28日時点)。所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および、駅間の徒歩移動分数を含む
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している
※ダイヤ改正等により、結果が変動する場合がある
※乗換回数が1回までの駅を掲載

JR中央線(東京都内)、家賃相場が安い駅ランキング 2022年版

JR山手線と並んで東京を代表する路線といえるJR中央線。そのうち東京都内に位置する駅は、東京駅から高尾駅まで全32駅ある。沿線には大学のキャンパスも多く、東京駅や新宿駅といった都心のビジネス街もあるため、学生やビジネスマンの一人暮らしにも人気の路線だ。そんなJR中央線のシングル向け物件(専有面積10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場を調査! 東京都内32駅の家賃相場が安い駅ランキングを見ていこう。

JR中央線(東京都内)の家賃相場が安い駅ランキング

順位/駅名/家賃相場(駅の所在地)
1位 高尾 4.60万円(東京都八王子市)
2位 西八王子 5.10万円(東京都八王子市)
3位 日野 5.30万円(東京都日野市)
4位 西国分寺 5.50万円(東京都国分寺市)
5位 国立 5.60万円(東京都国立市)
6位 東小金井 6.00万円(東京都小金井市)
6位 豊田 6.00万円(東京都日野市)
8位 国分寺 6.10万円(東京都国分寺市)
9位 八王子 6.30万円(東京都八王子市)
9位 武蔵小金井 6.30万円(東京都小金井市)
11位 武蔵境 6.70万円(東京都武蔵野市)
12位 三鷹 7.10万円(東京都三鷹市)
13位 阿佐ケ谷 7.15万円(東京都杉並区)
14位 吉祥寺 7.60万円(東京都武蔵野市)
14位 西荻窪 7.60万円(東京都杉並区)
16位 立川 7.70万円(東京都立川市)
16位 荻窪 7.70万円(東京都杉並区)
16位 高円寺 7.70万円(東京都杉並区)
19位 中野 8.20万円(東京都中野区)
19位 東中野 8.20万円(東京都中野区)
21位 大久保 9.40万円(東京都新宿区)
22位 御茶ノ水 11.00万円(東京都千代田区)
22位 東京 11.00万円(東京都千代田区)
24位 四ツ谷 11.30万円(東京都千代田区)
25位 代々木 11.49万円(東京都渋谷区)
26位 市ケ谷 11.70万円(東京都千代田区)
27位 水道橋 11.80万円(東京都千代田区)
28位 神田 11.90万円(東京都千代田区)
29位 信濃町 12.10万円(東京都新宿区)
30位 新宿 12.40万円(東京都新宿区)
31位 飯田橋 12.50万円(東京都千代田区)
32位 千駄ケ谷 13.25万円(東京都渋谷区)

ランキング上位は東京西部の駅がずらり。都内最西端の高尾駅が1位に

JR中央線は「中央本線」と呼称を変えながら東京都から神奈川県、山梨県、長野県……と続く長い路線。東京駅~高尾駅間の東京都内だけでも走行距離は53km以上におよび、沿線の家賃相場もさまざまだ。シングル向け物件(専有面積10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場が最も安かったのは、八王子市に位置する高尾駅で家賃相場は4万6000円だった。

高尾駅(写真/PIXTA)

高尾駅(写真/PIXTA)

1位・高尾駅はJR中央線のうち東京都内の最西端。しかし通勤特快に乗れば新宿駅まで4駅・約47分、東京駅まで8駅・約1時間1分と、思いのほか早くたどり着く。ほとんどの便が高尾駅始発なので、座りやすい点も魅力だ。高尾駅には京王高尾線も乗り入れており、駅にはスーパーや書店、飲食店などを抱えるショッピングモールが併設されている。駅南口を出て東に進むと、100円ショップやスーパー、ホームセンターがあり、さらにその先には多彩な店舗がそろうショッピングモール「イーアス高尾」も。ファストフード店やリーズナブルな食堂など、一人でふらりと入りやすい飲食店が駅周辺に点在している点もうれしいところ。駅の南口側と北口側を行き来するには大きく迂回する必要がある点がネックだが、南北を通り抜けできる自由通路の整備計画もあるそう。当初計画より進ちょくは後ろにずれ込んでいるようだが、完成すればより便利になるだろう。

2位は高尾駅の1駅隣にある西八王子駅で、家賃相場は5万1000円。駅には「セレオ西八王子」が併設され、食料品店やドラッグストア、飲食店が営業中。駅の北口側と南口側どちらにも複数のコンビニが点在し、南口から徒歩3分ほどの場所にはスーパーや100円ショップなどを備えた「コピオ西八王子駅前」がある。一人暮らしの日常の買い物には十分な環境と言えるだろう。また、駅周辺はファストフード店や居酒屋など気軽に行ける飲食店も充実しているうえ、「ラーメン激戦区」とも言われるラーメン店の密集地域でもある。刻み玉ねぎのトッピングが特徴的な「八王子ラーメン」の人気店をはじめ個性豊かなラーメン店が豊富なので、休日ごとに食べ歩いても楽しそうだ。

西八王子駅前の風景(写真/PIXTA)

西八王子駅前の風景(写真/PIXTA)

3位は家賃相場5万3000円の日野駅がランクイン。かつては甲州街道の宿場町として栄えた街で、現在は日野市を代表する駅の一つでもある。南北に走る線路の東側と西側に複数のスーパーやコンビニ、ドラッグストアがあり、日常使いできる飲食店も。バス乗り場やタクシープールがある駅前には交番もあり、安心感を高めてくれる。大型商業施設はないものの、ショッピングモールや家電量販店、映画館もある立川駅(16位・家賃相場7万7000円)まで1駅。平日は自然を感じられる多摩川の河川敷にも近くて落ち着いた街並みの日野で過ごし、休日はお隣の立川で遊ぶ……という暮らし方もいいだろう。JR中央線の快速と通勤特快を乗り継げば、日野駅から新宿駅まで約36分、東京駅までは約50分で行くことが可能だ。

日野駅前(写真/PIXTA)

日野駅前(写真/PIXTA)

都心に近いほど家賃は高め。安く住むには「人気駅の近隣駅」に注目!

JR中央線沿線には都内でも知名度の高い駅が数々あるが、なかでも住む街として人気なのは武蔵野市に位置する14位・吉祥寺駅だろう。リクルート住まいカンパニーが毎年調査する「SUUMO住みたい街ランキング(首都圏版)」では、2018年~2021年は3位、2022年は2位に輝いている。商業施設が充実し、少し歩けば緑豊かな井の頭恩賜公園もある吉祥寺は人気なのも納得だ。しかし家賃相場は7万6000円と、ランキングトップ3に比べるとやはり高め。そんなときは便利な街の恩恵にあずかりつつも家賃が抑えられる、吉祥寺にほど近い駅に住むのも一案だ。たとえば吉祥寺駅から高尾方面へ2駅目、武蔵境駅などいかがだろう。

武蔵境駅前(写真/PIXTA)

武蔵境駅前(写真/PIXTA)

武蔵野市にある武蔵境駅は、家賃相場が6万7000円で11位にランクイン。吉祥寺駅まではJR中央線快速で約5分、自転車でもほぼ平坦な道を走って15分ほど。さらに新宿駅まで約24分、東京駅までは約37分で行くことができる。そんなアクセスのよさだけではなく、武蔵境駅周辺の街並みも魅力的。駅にはスーパーやドラッグストア、飲食店が店を構える「nonowa 武蔵境」が併設され、駅西側高架下の「ののみちサカイ」にも店舗が軒を連ねている。また、武蔵境駅には西武多摩川線も乗り入れており、そちらの駅側には飲食店やスーパーを備えた「エミオ 武蔵境」がある。さらに南口にはショッピングモール「イトーヨーカドー武蔵境」、北口には武蔵野市役所の出張所や屋上にグランピングBBQ施設が入った官民連携の複合施設「QuOLa」も。個人商店が並ぶ商店街も広がる暮らしやすい環境でありながら、家賃相場は吉祥寺駅より9000円も低いのだ。

さて「人気の駅の近くに住み、家賃を抑えつつ便利に暮らす」方式を新宿駅にも応用してみよう。新宿駅は30位にランクインしており、家賃相場は12万4000円。ここからなるべく近くて家賃相場が低い駅としては、19位・東中野駅をピックアップしたい。家賃相場は8万2000円で、新宿駅よりも4万2000円も安いとの調査結果が出ている。新宿駅まではJR中央・総武線(各駅停車)で2駅・約4分、自転車なら12分ほどでたどり着く。この程度なら、ぶらりと出かけやすい距離感と言えるだろう。東中野駅には都営大江戸線も通っており、駅から北へ5分ほど歩くと東京メトロ東西線・落合駅を利用することも可能だ。

東中野駅周辺(写真/PIXTA)

東中野駅周辺(写真/PIXTA)

東中野駅にはスーパーやカフェ、書店などが入った駅ビル「アトレヴィ東中野」が併設されている。駅西口には再開発により2015年に誕生した駅前広場が広がり、27階建てのマンションがそびえ立つ。そして東口側に見えるのは、2005年に誕生した再開発エリア「ユニゾンスクエア」にある高層マンションだ。駅前には高層ビルばかり建ち並ぶかというとそんなことはなく、昔ながらの親しみやすい商店街もあるのが東中野の魅力。あれこれとまとめ買いできるスーパーも点在しているが、フランス料理の惣菜店など個性豊かな個人商店をめぐるのもおすすめだ。映画やテレビのロケ地にもなった昭和レトロな飲食店街「東中野ムーンロード」で、ちょっとディープな夜を過ごすのも楽しそう。そんな新旧の街が融合した東中野にはここ数年でも大型マンションが複数誕生しており、2024年にも25階建てマンションが竣工予定。今後も魅力ある街として、さらに発展していきそうだ。

●JR中央線(東京都内)の家賃相場が安い駅ランキング ※駅の並び順
JR中央線(東京都内)の家賃相場が安い駅ランキング

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている中央線沿線(東京都内)の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2022/8~2022/10
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

JR中央線(東京都内)、中古マンション価格相場が安い駅ランキング 2022年版

JR山手線と並んで東京を代表する路線といえるJR中央線。中央線自体は「中央本線」と呼称を変えながら東京駅を出てから神奈川県、山梨県、さらに長野県へとつながる長い路線だ。そのうち東京都内に位置する駅は、東京駅から高尾駅の全32駅。そんなJR中央線・東京都内32駅の中古マンションの価格相場はどんなものか? 専有面積50平米以上~80平米未満の中古マンションの価格相場ランキングをご紹介しよう。

中央線(東京都内)沿線の中古マンション価格相場が安い駅ランキング

順位/駅名/価格(駅所在地)
1位 西八王子 2730万円(東京都八王子市)
2位 日野 3930万円(東京都日野市)
3位 八王子 3939万円(東京都八王子市)
4位 豊田 3998万円(東京都日野市)
5位 国立 4725万円(東京都国立市)
6位 立川 4880万円(東京都立川市)
7位 東小金井 4980万円(東京都小金井市)
8位 武蔵小金井 5390万円(東京都小金井市)
9位 西国分寺 5580万円(東京都国分寺市)
10位 国分寺 5680万円(東京都国分寺市)
11位 武蔵境 5980万円(東京都武蔵野市)
12位 三鷹 5990万円(東京都三鷹市)
13位 阿佐ケ谷 6698万円(東京都杉並区)
14位 高円寺 6880万円(東京都杉並区)
15位 西荻窪 6980万円(東京都杉並区)
16位 荻窪 7130万円(東京都杉並区)
17位 大久保 7190万円(東京都新宿区)
18位 中野 7380万円(東京都中野区)
19位 東中野 7494.5万円(東京都中野区)
20位 新宿 8080万円(東京都新宿区)
21位 御茶ノ水 8199万円(東京都千代田区)
22位 神田 9140万円(東京都千代田区)
23位 代々木 9180万円(東京都渋谷区)
24位 信濃町 9480万円(東京都新宿区)
25位 水道橋 9830万円(東京都千代田区)
26位 四ツ谷 1億480万円(東京都千代田区)
27位 千駄ケ谷 1億500万円(東京都渋谷区)
28位 市ケ谷 1億980万円(東京都千代田区)
29位 飯田橋 1億1000万円(東京都千代田区)
※東京、吉祥寺、高尾の各駅は調査対象物件数が10件以下のためランク外

TOP3には自然も感じられる多摩地域の3駅がランクイン

リクルート住まいカンパニーが毎年調査する「SUUMO住みたい街ランキング(首都圏版)」では、JR中央線は2018年から5年連続で「住みたい沿線ランキング」の4位に輝く人気の路線。人気が高いと沿線にある物件の価格もアップしがちだが、広範囲にわたる路線だけあって駅ごとの価格相場の開きが大きいことが調査により判明した。

最も安かったのは八王子市にある西八王子駅で、価格相場は2位より1200万円も安い2730万円だった。中央線の都内最西端の駅である高尾駅の一つ手前に位置し、JR中央線の快速と通勤特快を乗り継ぐと新宿駅まで約48分、東京駅までは約1時間2分で到着する。

西八王子駅(写真/PIXTA)

西八王子駅(写真/PIXTA)

1位・西八王子駅には生鮮食料品を扱う「市場館」と飲食店やドラッグストアなどが並ぶ「生活館」からなる「セレオ西八王子」が併設されている。駅周辺には多彩な飲食店が点在し、深夜1時まで営業するスーパーがあるのも便利なところ。また、駅南口から徒歩3分ほどの場所には、スーパーをはじめ100円ショップやドラッグストア、ベーカリーやクリニックなどを備えた「コピオ西八王子駅前」が2021年10月にオープンした。駅北口から7~8分も歩けば、南浅川の河川敷へ。川沿いには散策やサイクリングにぴったりな「浅川ゆったりロード」が整備され、春は桜並木が沿道を美しく彩ってくれる。日常の買い物に便利な施設がそろい、自然も身近に感じて暮らせるうえに価格相場も安い西八王子は、穴場の駅と言えそうだ。

2位は日野駅で、価格相場は3930万円。日野市を代表する駅の一つであり、駅の約15分圏内には市役所や市立図書館、広々とした「市民の森スポーツ公園」、トレーニングジムを備えた「市民の森ふれあいスポーツホール」といった市の施設が点在している。かつては甲州街道の宿場町として栄え、駅から10分ほど歩くと都内に現存する唯一の本陣である「日野宿本陣」の見学も可能だ。また、新選組の副長・土方歳三の出身地としても知られ、「新選組のふるさと歴史館」もあるなど歴史好きにはそそられる街だろう。

日野宿本陣(写真/PIXTA)

日野宿本陣(写真/PIXTA)

日野駅前に目を向けると飲食店が並んでいるほかスーパーやドラッグストアも複数あり、日常の買い物にも困らない。駅から北へ10分ほど歩くと、のどかに流れる多摩川が見えてくる。土手には緑が茂り、西方を見ると遠くに奥多摩の山影も見える。休日にぶらりと散歩をして、自然あふれる風景を眺めつつ気分転換するのもいいだろう。

3位には、1位・西八王子駅よりも1駅東京方面にある八王子駅がランクイン。価格相場は3939万円だった。八王子市はもちろん東京多摩地域を代表する駅であり、町田・横浜方面と結ばれたJR横浜線も乗り入れている。八王子駅から徒歩5分ほどの場所には京王線・京王八王子駅もあり、駅周辺は大にぎわい。JRと京王線の駅舎ともに商業施設が入った駅ビルがあるほか、ショッピングモールをはじめとした大型商業ビルが駅前に建ち並んでいる。一方で駅前の喧騒を離れると、西八王子駅周辺から「浅川ゆったりロード」が延びる浅川や、湧水が流れる谷や森と遊具広場を備えた「小宮公園」も。都市部の便利さと多摩地域らしい自然が共存する街並みと言える。JR中央線の通勤特快の停車駅なので、新宿駅まで約40分、東京駅まで約54分で行ける点も魅力だ。

八王子駅北口(写真/PIXTA)

八王子駅北口(写真/PIXTA)

浅川ゆったりロード(写真/PIXTA)

浅川ゆったりロード(写真/PIXTA)

再開発で街が様変わりしつつある、あの駅は何位?

続いて4位以下の注目の駅も見ていこう。まずは3998万円で4位にランクインした、日野市に位置する豊田(とよだ)駅。先行して再整備された駅北側に続き、現在は駅南側で街の再整備が進行している。駅の南側を流れる浅川手前までの約87haにわたる土地の区画整理を行い、歩道の幅を広げるなどの生活主要道路の整備や、公園の整備などが行われている状況だ。

豊田駅周辺(写真/PIXTA)

豊田駅周辺(写真/PIXTA)

豊田駅南の土地区画整理事業の完了は2028年度の予定だが、すでに整然とした街並みへと変化がみられ、2023年度には南口駅前広場の本整備も予定されるなど着々と生まれ変わりつつある。現状でも駅北側に「イオンモール多摩平の森」や市立の総合病院があって暮らしやすいが、今後はより魅力的な街になると期待できそう。

もう1駅、18位にランクインした中野区の中野駅をピックアップ。中野駅は「SUUMO住みたい街ランキング2022(首都圏版)」で「住みたい街」19位、「穴場だと思う街」22位に選ばれている。価格相場は7380万円とトップ3に比べるとグッとアップ。しかし「穴場=街の利便性のよさを考えると物件価格が割安に思える」として名前が挙がるだけに、住みやすい様子。どんな街か見てみよう。

18位・中野駅はJR中央線快速の停車駅で、朝8時台はほぼ2~3分間隔で東京方面行きの快速が発車。新宿駅まで約5分、東京駅までは約19分で行くことができる。また、東京メトロ東西線の始発駅でもあり、飯田橋駅や大手町駅、葛西駅へもアクセスしやすい。駅周辺には個性的なテナントが軒を連ねる「サブカルの聖地」として知られる商業施設「中野ブロードウェイ」や、220m以上続くアーケード商店街「中野サンモール」などの商業施設が豊富で、生活する街・遊ぶ街として愛されてきた。

中野ブロードウェイ(写真/PIXTA)

中野ブロードウェイ(写真/PIXTA)

また、ここ10年ほどは働く街としての注目度も上昇。2012年に駅北西側に再開発エリア「中野四季の都市(なかのしきのまち)」が街びらきを迎え、オフィスビルの中野セントラルパークや大型公園、大学のキャンパスなどが誕生した。そして駅周辺の再開発はまだまだ進行中だ。中野四季の都市の一角では区の新庁舎が建設中で、2023年度内に完成予定。駅北側に建つ街のランドマーク「中野サンプラザ」は2023年7月に閉館の後、オフィスやホテルなどの複合施設に建て替えが予定されている。さらに駅南側でも駅前広場の整備、業務・商業・住宅の複合ビルの建設などを計画。2029年度の完了を目指す街づくり事業により、中野駅周辺は一大転換期を迎えているのだ。

中野サンプラザ周辺(写真/PIXTA)

中野サンプラザ周辺(写真/PIXTA)

さて、今回のランキングを振り返ってみると、東京駅から近い順に神田駅~代々木駅の9駅が21位~29位、新宿駅~武蔵境駅の10駅が11位~20位、東小金井駅~西八王子駅の10駅が1位~10位にランクインしている(※調査条件を満たさない東京、吉祥寺、高尾の各駅を除外)。「東京駅から遠いほど価格相場が安い」という、大方の予想を裏切らない結果と言えるだろう。

ちなみに東京駅に最も近い22位・神田駅は価格相場9140万円で、ランキング中で最も遠い1位・西八王子駅は2730万円と、その差は6410万円。しかし遠いと言っても西八王子駅~東京駅は1時間少々で、前述の通り西八王子駅周辺の生活環境も整っている。都心部への近さばかりにとらわれないほうが、自分の暮らしにあった住まいが見つかるかもしれない。

●駅順の価格一覧
※東京、吉祥寺、高尾の各駅は調査対象物件数が10件以下のためランク外

※東京、吉祥寺、高尾の各駅は調査対象物件数が10件以下のためランク外

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている中央線(東京都内)沿線の駅掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数35年未満、敷地権利は所有権のみ、専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2022/8~2022/10
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

「小田急線」沿線、家賃相場が安い駅ランキング! 2022年版

新宿に下北沢、町田……と数多くの人気駅を抱える小田急電鉄。環七に架かる橋や駅のホームなど駅周辺がフジテレビ系ドラマ『silent(サイレント)』のロケ地になり、注目度が急上昇中の世田谷代田駅も小田急電鉄の駅の一つだ。そんな小田急電鉄には小田原線、江ノ島線、多摩線の3路線・全70駅がある。今回は小田急電鉄全70駅について、駅徒歩15分以内にあるシングル向け物件(専有面積10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DK)の家賃相場を調査した。人気の駅はやはり高いのか……? 調査結果をチェックしよう。

小田急線沿線の家賃相場が安い駅TOP20

順位/駅名/家賃相場(路線名/駅所在地)
1位 座間 4.00万円(小田急小田原線/神奈川県座間市)
2位 鶴巻温泉 4.35万円(小田急小田原線/神奈川県秦野市)
3位 玉川学園前 4.40万円(小田急線/東京都町田市)
4位 渋沢 4.45万円(小田急小田原線/神奈川県秦野市)
5位 善行 4.50万円(小田急江ノ島線/神奈川県藤沢市)
5位 東海大学前 4.50万円(小田急小田原線/神奈川県秦野市)
7位 富水 4.55万円(小田急小田原線/神奈川県小田原市)
8位 新松田 4.60万円(小田急小田原線/神奈川県足柄上郡松田町)
8位 栢山 4.60万円(小田急小田原線/神奈川県小田原市)
8位 足柄 4.60万円(小田急小田原線/神奈川県小田原市)
11位 開成 4.65万円(小田急小田原線/神奈川県足柄上郡開成町)
12位 螢田 4.70万円(小田急小田原線/神奈川県小田原市)
13位 小田急相模原 4.78万円(小田急小田原線/神奈川県相模原市南区)
14位 六会日大前 4.90万円(小田急江ノ島線/神奈川県藤沢市)
14位 鶴川 4.90万円(小田急線/東京都町田市)
16位 東林間 4.93万円(小田急江ノ島線/神奈川県相模原市南区)
17位 唐木田 5.00万円(小田急多摩線/東京都多摩市)
18位 秦野 5.05万円(小田急小田原線/神奈川県秦野市)
19位 伊勢原 5.10万円(小田急小田原線/神奈川県伊勢原市)
19位 生田 5.10万円(小田急線/神奈川県川崎市多摩区)
※21位以降は記事末尾に記載

トップ3は家賃相場4万円台前半。新宿まで40分ほどで行ける駅も!

1位は神奈川県座間市に位置する小田原線・座間駅で、家賃相場は4万円。各駅停車と快速急行を乗り継ぎ、新宿駅までは50分前後で行ける。タクシー乗り場や駅前広場がある東口側には「小田急マルシェ」の建物が2棟あり、スーパーやドラッグストア、ベーカリーや歯科医院が入っている。その北側に建つのは、かつての小田急電鉄社宅をリノベーションした賃貸用の駅前団地「ホシノタニ団地」。ウッドデッキのテラスや芝生広場を設けた開放的な造りで、団地1階部分にあるカフェ&ランドリーはビジターも利用可能だ。

座間駅(写真/PIXTA)

座間駅(写真/PIXTA)

座間駅の西口側には住宅のほかに小学校や高校があり、10分ほど歩いた県道51号・町田厚木線周辺にはスーパーやディスカウントストアも。さらに進んで、駅から徒歩約15分でJR相模線・入谷駅へ。入谷駅から電車で南下すると約30分で湘南エリアを代表する駅・茅ヶ崎に行けるので、休日に海辺で遊びたい時も便利なロケーション。また、ショッピングモールや映画館といった商業施設が充実した海老名駅まで座間駅から1駅・約3分という点も魅力だろう。

2位は小田原線・鶴巻温泉駅で家賃相場は4万3500円。神奈川県秦野市に位置し、新宿駅まで快速急行で約1時間10分、反対方面の終点でもある43位の小田原駅までは急行で約28分。駅北口側には温泉宿2軒に加え、日帰り温泉施設1軒がある。日帰り温泉施設は市営で市内在住・在勤だと割安で利用できるので、仕事の疲れがたまった際など気軽に立ち寄るのもいいだろう。温泉が湧いているとはいえ街は観光地ではなく住宅地といった雰囲気で、駅から徒歩10分圏内には住宅の合間にスーパーやドラッグストア、コンビニ、飲食店が点在。大型商業施設はないが、日常の買い物には困らなそうだ。

3位には東京都町田市にある、小田急線・玉川学園前駅が家賃相場4万4000円でランクイン。通勤準急や各駅停車で新百合ヶ丘駅に行き、通勤急行や快速急行に乗り換えると新宿駅まで40分前後で行ける。新宿方面に向かって3駅目の新百合ヶ丘駅や、逆方面に1駅目の町田駅は大型商業施設が充実し、ショッピングに出かけやすい立地だ。

玉川学園前駅の様子はというと、南口側には飲食店やドラッグストアの入った商業施設があり、隣にはスーパーも。駅前にもチェーン系の飲食店があるので、料理をしたくない仕事帰りの夕食にも困らなそう。駅北口側にもスーパーや飲食店が点在し、線路に沿うようにして商店街が続いている。そして、駅北東部は幼稚部から大学院まで抱える玉川学園の広大な敷地。学園都市として形成された駅周辺は文教地区に指定されており、落ち着きのある街で暮らしたい人にもうってつけだ。

玉川学園(写真/PIXTA)

玉川学園(写真/PIXTA)

新宿まで座って通勤可能で家賃相場5万円の穴場駅も発見

トップ20の大半を小田原線の駅が占めるなか、5位には江ノ島線の善行(ぜんぎょう)駅が家賃相場4万5000円でランクイン。善行駅から各駅停車で相模大野駅に行き、快速急行に乗り継げば新宿駅まで約1時間3分。また、近隣屈指の繁華街がある藤沢駅まで2駅・約5分。そこからJR東海道本線に乗り換えると、善行駅から30分前後で横浜駅に到着する。

神奈川県藤沢市に位置する善行駅周辺は、スポーツ振興に力を入れてきた街。江ノ島線の車窓からも見える乗馬クラブや、プロも輩出するテニスクラブなどがあるスポーツクラブ、さらにプールやトレーニングジムもある県立スポーツセンターなど、駅周辺にはスポーツ施設が充実している。新たな趣味を探すため、個人・ビジター利用できるプログラムにお試しで参加するのも楽しそう。駅前にはファストフードなどの飲食店やドラッグストア、早朝から深夜まで営業するスーパーもあり、日常生活も送りやすいだろう。また、駅周辺の住宅街を過ぎると農地も残る環境のためか、駅前には無農薬野菜の直売も行うオーガニックカフェがあるほか、2022年6月には農家直営のピザ店もオープン。スポーツに親しみ、野菜を満喫し……と、健康的な生活ができそうだ。

善行駅(写真/PIXTA)

善行駅(写真/PIXTA)

トップ20に多摩線から唯一、ランクインしたのは17位の唐木田駅。多摩ニュータウンの一角、東京都多摩市に位置し、家賃相場は5万円だった。新宿駅発の小田急線に乗った際に「カラキダ行き~」といった車内アナウンスで駅名を聞いたことがある人もいるだろうが、小田急線の新宿駅~多摩線の唐木田駅を乗り換えなしで結ぶ直通列車も運転されている。おかげで唐木田駅から新宿駅まで急行1本で約42分。唐木田駅は多摩線最西端で始発駅のため、通勤時間帯でも座りやすいというメリットもある。

そんな唐木田駅は1990年、小田急電鉄で69番目に開業した比較的新しい駅。ちなみに最も新しい70番目の駅は2004年に開業した、同じく多摩線の「はるひ野駅」だ。さて、唐木田駅周辺の様子を見てみると、北西側から南側にかけてはゴルフ場や大妻女子大学のキャンパス、森が駅の間近まで迫っている。そのため住宅街は駅東側がメイン。駅前にはコンビニやスーパー、ホームセンターがあり、日常の買い物には困らない。また、京王相模原線と多摩モノレールに乗り換え可能な小田急多摩センター駅までは1駅。ショッピングモールや映画館もある多摩センター駅周辺に出かけやすいのも魅力だろう。

唐木田駅(写真/PIXTA)

唐木田駅(写真/PIXTA)

3路線・全70駅におよぶ小田急電鉄沿線は、駅により街並みも家賃相場もさまざま。今回の調査で最も家賃相場が高かったのは新宿駅で、12万6000円だった。そのほか主な駅の家賃相場を見てみると、新百合ヶ丘駅が6万7000円(51位)、登戸駅が6万8000円(52位)、下北沢駅が8万7800円(64位)、代々木上原駅が9万9000円(66位)。テレビドラマのロケ地として脚光を浴びている、世田谷代田駅は8万4000円(63位)だった。

急行が停まるような有名どころだと街も発展しているため、やはり家賃相場が高めという結果に。だが、同じ小田急電鉄の沿線ならば、そうした駅にもアクセスしやすい。狙った駅に近い各駅停車駅に住んで家賃を抑えつつ、休日はふらりと近隣の商業施設が豊富な街へ出かけるのも一案かもしれない。

小田急線沿線の家賃相場が安い駅21位以降
小田急線沿線の家賃相場が安い駅21位以降

●調査概要
【調査対象駅】SUUMOに掲載されている小田急線の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】駅徒歩15分以内、10平米以上~40平米未満、ワンルーム・1K・1DKの物件(定期借家を除く)
【データ抽出期間】2022/7~2022/9
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出(3万円~18万円で設定)
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している

ZEHの認知率が直近5年間で最高値に!2030年度のZEH基準義務化については?

リクルートが注文住宅の「建築者」(過去1年以内に注文住宅を建築した人)と「検討者」(今後2年以内に注文住宅の建築を検討している人)に調査を実施した。今回は調査結果の中でも、「ZEH(ゼッチ)」に関する結果に注目して見ていこう。

【今週の住活トピック】
「2022年注文住宅動向・トレンド調査」を発表/リクルート

ZEH認知率は77.4%、直近5年間で最高値。経済的メリットは月8562円

リクルートが実施した2022年の調査結果によると、「ZEHの認知率(内容まで知っている28.6%+名前だけは知っている48.8%)」は77.4%となり、直近5年の中で最高値となった。注文住宅建築者の4人に3人以上が、ZEHを認知していることになる。

また、ZEHを導入した人に「光熱費等の経済的メリット」を聞いたところ、平均額は8562円/月になった。電気代は気候によって変わるので毎月同じ額ではないが、この額なら年間を通じて電気代のかなりの部分をカバーできるのではないか。一方で、金額帯別に見ると、「5000円以上10000円未満」が最多の29.2%だが、次に「2500円未満」(26.3%)が挙がるなど、実際には各家庭でばらつきが大きいことも分かる。

SUUMO副編集長・中谷明日香さんは、「ハウスメーカー大手各社も、ZEH商品の強化を図っていますし、ZEH導入による光熱費などの経済的メリットの大きさからも、今後も導入率は伸びていくのでないかと見立てています」と分析している。

ZEH導入による光熱費等の経済的メリット(全国/ZEH導入者)(出典:リクルート「2022年注文住宅動向・トレンド調査」より転載)

ZEH導入による光熱費等の経済的メリット(全国/ZEH導入者)(出典:リクルート「2022年注文住宅動向・トレンド調査」より転載)

2030年度にはZEH基準が義務化される!この認知度はかなり高い

ところで、ZEH基準が2030年度からの新築住宅で義務化されることをご存じだろうか?

経緯を説明しよう。政府は2050年カーボンニュートラル宣言を受けて、建築物の省エネ性強化を加速させている。建築物には「省エネ基準」が定められており、住宅以外の建築物では現行の省エネ基準に適合していないと新築できないことになっている。この省エネ基準について、新築住宅でも2025年度には適合するように義務化する予定になっている。さらに、2030年度以降は義務化する基準を「ZEH基準」に引き上げようとしているのだ。

ここまで認知しているのは、住宅の省エネ性能について関心の高い人に限られるのではないかと思うが、調査結果を見てみよう。「建築者」の認知度は34.1%と3人に1人は認知していることになるが、「検討者」の認知度はさらに高く50.2%と2人に1人が認知している状況だ。検討者が自分事としてとらえていることがうかがえる結果だ。

Z2030年度ZEH基準義務化の認知状況 上図:建築者 下図:検討者(出典:リクルート「2022年注文住宅動向・トレンド調査」より転載)

Z2030年度ZEH基準義務化の認知状況 上図:建築者 下図:検討者(出典:リクルート「2022年注文住宅動向・トレンド調査」より転載)

ZEH導入とZEH基準義務化は、同じZEHでも同じじゃない

さて、ZEHの導入で光熱費等の経済メリットが平均で月8562円だったというのは、太陽光発電などで電気を生み出しているからだ。住宅の省エネ性をいくら高めたとしても、住宅内でエネルギーを消費するので、エネルギー収支はマイナスになり、ゼロエネルギーの家にはならない。プラスマイナスゼロにするには、住宅の設備機器で電気をつくり、エネルギーをプラスする必要があるのだ。

最近は電気代が上がっているので、経済的メリットを大きく感じられることだろう。太陽光発電設備については、設置費用が100万円程度かかるといわれている。先行投資費用を電気代などの経済メリットによって、住みながら時間をかけて回収するという形だ。政府だけでなく、東京都でも新築一戸建ての太陽光発電設備の設置を推し進める予定だ。そこで、補助金を出したり、初期投資は電力事業者が負担する(屋根貸しや電気代の一定期間サブスクなど)手法を用いて、初期費用の負担軽減を図る仕組みを広げようとしたりしている。

一方、2030年度から新築住宅で適合義務化となる「ZEH基準」は、必ずしも太陽光発電などで電気を生み出すことを求めていない。現行の省エネ基準よりも省エネ性の高いZEH基準に引き上げて、住宅そのものの省エネ性の底上げを図ろうとしているのだ。

住宅の省エネ性を高めるにはいろいろな方法があるが、たとえば東京の気候なら、天井や壁・床を覆う断熱材をより厚くしたり、窓まわりのガラスを複層ガラスからLow-E複層ガラス(遮熱タイプ)に、窓枠も熱を伝えやすいアルミサッシから樹脂サッシに切り替えたりして、省エネ性の高いZEH基準を実現するといった具合になる。その分コストが上がるので、気になるのは建築費のことだろう。

気になる建築費の高騰、新築住宅へのZEH基準義務化の影響は?

近年は、資材不足や円安、燃料費の影響などで住宅の建築費が上がっている。この調査で「建築者」に対して「建築費高騰を認識していたか」を聞いたところ、75.1%が認識していたと回答し、41.6%が「建築費高騰の影響があった」と回答した。

一方、「検討者」に対して、「建築費高騰を認識しているか」を聞くと、建築者よりさらに多い89.7%が認識していると回答した。また、「建築費高騰の今後の予想」では、62.3%が「現在より上がっていく」、26.6%が「現在の水準が続く」と回答し、合わせて約9割が建築費は今後もさらに上がるか高騰したまま推移すると予想している。

建築費高騰の今後の予想(検討者/建築費高騰の認識者)(出典:リクルート「2022年注文住宅動向・トレンド調査」より転載)

建築費高騰の今後の予想(検討者/建築費高騰の認識者)(出典:リクルート「2022年注文住宅動向・トレンド調査」より転載)

調査では、「検討者」に対して「建築費高騰で予算オーバーした場合にどうするか」も聞いている。最多は「予算を増やす」の39.4%だったが、「土地費用を抑える」(27.4%)や「建築費と土地費用を両方抑える」(21.3%)など、建築プランへの影響もみられた。

建築費高騰で予算オーバーした場合の予算・建築プラン変更の有無(検討者/建築費高騰の認識者)(出典:リクルート「2022年注文住宅動向・トレンド調査」より転載)

建築費高騰で予算オーバーした場合の予算・建築プラン変更の有無(検討者/建築費高騰の認識者)(出典:リクルート「2022年注文住宅動向・トレンド調査」より転載)

では、省エネ基準の引き上げによる建築費のコストアップはどうだろう?
現行の省エネ基準に適合している住宅がすでに普及していることから、省エネ基準の義務化で建築費が上がるとは思えないが、2030年度以降のZEH基準の義務化では、建築費に影響があると考えられる。ただし、いまの建築費高騰とは違って、義務化によるコストアップは予想できることなので、政府は優遇制度などで支援するだろう。

すでに、住宅ローン減税の控除対象となる住宅ローンの限度額をZEH基準などで引き上げたり、【フラット35】S(【フラット35】の金利引き下げ制度)でZEH基準を追加して優遇するなどの手を打っている。今後も、「こどもエコすまい支援事業」による補助金などが予定されている。

建築物の省エネ性の引き上げについては政府が力を入れているので、減税や補助金、融資などのさまざまな支援策が用意されるだろう。こうした優遇制度を有効に活用して、希望する建築プランで省エネ性の高い住宅を建てられることを願っている。

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