約3人に1人が「近隣トラブルの経験あり」

日本法規情報(株)はこのたび、「近隣トラブルに関するアンケート調査」を行った。調査期間は2018年12月4日~12月18日。558人(男性278人、女性280人)より回答を得た。
それによると、これまでに「近隣トラブルに遭った経験がある」と回答した方は28%、「自分はないが、身の回りで聞いたことはある」は33%、「自他共にない」は39%。「経験がある」と「自分はないが、身の回りで聞いたことはある」を合わせると61%となり、過半数以上が近隣トラブルに遭った経験があるということが分かった。

経験したトラブル(複数回答)は、「騒音(子どもの泣き声、ペットの鳴き声などを含む)」が30%、「境界線の問題」が17%、「ゴミの不法投棄、ポイ捨て」13%、「理由が分からないが無視する、難癖をつける人がいる」11%、「その他」29%。「騒音」における被害が最も多い。また、前回調査(2016年)と比べると10%増加しており、「騒音」によるトラブルは増加傾向にあるようだ。

トラブルについて誰かに相談しましたか?では、「相談していない」が31%、「警察などの公的機関」が17%、「親・兄弟等」13%、「本人に直接相談した」11%、「信頼できる友人」8%、「士業などの専門家」8%、「その他」12%。3割超が誰にも相談していないことが明らかとなった。

相談をしなかった理由は、「余計トラブルになりそうだったので」が49%と約半数。「近隣なので、顔を合わせた時に気まずいので」が25%、「ご近所同士、迷惑をかけるのはお互い様なので」8%、「相手が近隣の重鎮的な存在(権力をもった存在)であったので」4%、「その他」14%。およそ半数の人が、相談しないことで更なるトラブルを回避しているようだ。

ニュース情報元:日本法規情報(株)

子育て世帯の騒音問題! 賃貸でストレスなく暮らせる防音対策グッズは?

騒音に気をつかう集合住宅。なかでも子育て世帯であれば、赤ちゃんの泣き声や子どもの足音などが周りに迷惑にならないか気になることも多いのではないでしょうか。防音対策が十分でない物件は、ちょっとした音でも思っている以上に隣近所へ響いてしまい、迷惑をかけてしまう可能性も。そうした事態を避けるため、今回は、賃貸でも手軽に取り入れられる部屋の防音対策グッズをおすすめします。
苦情が出る前に、階下へ響く子どもの足音をどうにかしたい!

「子どもの足音が気になったときに、まず対策としてホームセンターなどで販売されている安価なジョイント式のマット(塩ビ発泡剤)やコルクマットを導入される方が多いですね」。そう話すのは、防音の悩みに関するグッズの販売を手がけるピアリビングの梶原栄二(かじわら・えいじ)さんです。

「床にジョイントマット等を敷くのは手軽にできる方法です。ただし、集合住宅における上下階の騒音問題は少し複雑です。例えば物を落としたり、椅子を引く音などの軽量床衝撃音は、カーペットや畳などの柔らかい床仕上げで対応できます。しかし足音などの重量床衝撃音に対しては、床の施工を工夫して衝撃が躯体に到達しないような、構造的な改善が必要となります」(梶原さん、以下同)

「そこで、まず簡単にできる対策として、防音カーペット『静床ライト』を敷くことをおすすめしています。静床ライトは、通常の防音カーペットと違い、バッキン層(振動を吸収する部分)が立体になっているので、しっかり振動を吸収してくれます。施工はタイル状の物を置いていくだけ、家具があっても動かさずに床部分に敷くこともできるので簡単です」

足音を完全に消し去ることはできませんが、ジョイントマットの上に防音カーペットを敷くという合わせ技で、かなり音を軽減できそうです。

ピアノや足音の防音に効果的! 防音カーペット『静床ライト』(画像提供/株式会社ピアリビング)

ピアノや足音の防音に効果的! 防音カーペット『静床ライト』(画像提供/株式会社ピアリビング)

壁を傷つけない防音壁で赤ちゃんがいても安心!

床の次に多いのが、壁からの音漏れ問題です。

「壁の防音は『吸音材』と『遮音材』の組み合わせが基本対策です。壁の薄さによる音漏れが気になったら、遮音シートや吸音材などを使ってみることをおすすめします。大型の家具を壁際に配置すれば遮音効果がありますが、転倒の恐れがある家具は、小さなお子さんがいるご家庭には安全とは言えないかもしれませんね」

壁に遮音シートを貼ると聞くと、大がかりな防音工事になるのでは? と思いがちですが、面倒な工事の必要がなく、簡単に自分の手で取り付けることができる『ワンタッチ防音壁』という商品がおすすめです。

「ワンタッチ防音壁の取り付けに使用するのは、ジョイナーと両面テープだけ。壁に穴を開けず使用できるので、賃貸住宅に住んでいて部屋を傷つけたくない方にもおすすめです。その他の固定方法も色々あり、突っ張りポール、ディアウォールなどでワンタッチ防音壁を支えれば、インテリアに合わせた防音がかないます。部屋の壁全体ではなくても、気になる部分に合わせて一部に取り付けるだけでも、多少の効果を期待できますよ」

この防音壁の前に家具や本棚を配置すれば、さらなる効果も期待できそうです。

大がかりな防音工事は一切不要。遮音・吸音が1つでできる『ワンタッチ防音壁』(画像提供/株式会社ピアリビング)

大がかりな防音工事は一切不要。遮音・吸音が1つでできる『ワンタッチ防音壁』(画像提供/株式会社ピアリビング)

外からの音を遮断! 二重窓にするより手軽な防音カーテン

外からの騒音を防ぐ、という観点ではどうでしょう。クルマや電車などの乗り物の走行音や路上のおしゃべり、別の部屋のピアノの音や赤ちゃんの泣き声など、気になったことがある方も多いのでは? そんなときは防音カーテンを検討してみてはいかがでしょうか。

厚手の特殊な生地で織られ、生地の構造を3層にした防音カーテンは、音を軽減する効果があります。不快だった騒音が軽減され、効果を感じられるでしょう。

「そもそも、窓の防音は難しいものです。窓は壁に比べると薄いので音の出入りが大きくなります。窓の前に障害物を何層かつくることで音の出入りを軽減することができるんです。これを1枚で実現したのが、弊社で一番人気の『防音カーテン コーズ』です。コーズの表面に施したワッフル構造が音を吸収し、アクリル樹脂コーティングをした裏地が音を防いでくれます」

「また、今使っているお気に入りのカーテンに手軽に防音機能をプラスしたい方には、コーズの裏地を活かした『かんたん防音カーテンライナー』もおすすめです。お手持ちのカーテンに引っ掛けるだけで防音機能をプラスできます」

カーテンを買い替えることなく組み合わせて使える点がうれしいですね。

さらに、『防音レースカーテン トル』を使用して窓の前の障害物の層を増やすことで、より防音効果がアップします。

12~18デシベルの音を吸収、3重構造で音の大きさを半減する『防音カーテン コーズ』(画像提供/株式会社ピアリビング)

12~18デシベルの音を吸収、3重構造で音の大きさを半減する『防音カーテン コーズ』(画像提供/株式会社ピアリビング)

部屋を締め切ることなく太陽の光を取り入れながら防音。『防音レースカーテン トル』(画像提供/株式会社ピアリビング)

部屋を締め切ることなく太陽の光を取り入れながら防音。『防音レースカーテン トル』(画像提供/株式会社ピアリビング)

防音グッズを利用することによって、賃貸でも簡単に防音対策をすることが可能です。屋内外かかわらず騒音を気にされる方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。

故意の騒音は別として、近隣の住宅から音が聞こえるのは仕方がない面もあり”お互いさま”でもあるでしょう。騒音と感じるかどうかは人それぞれですが、お互いが周囲に配慮することが大切です。子どものいるご家庭もそうでないお家も、心地よく快適に暮らせるよう、最低限のマナーをもちたいものですね。

●取材協力
・株式会社ピアリビング

羽田新ルート、住民説明会で聞いてみた 「都心上空を低空飛行、本当に大丈夫?」

2020年オリンピック開催に向けて、国際線の需要拡大のため羽田空港への着陸ルートが見直されようとしています。うちは空港近くじゃないから……と思っている人が多いかもしれませんが、実は新ルートでは、豊島区、練馬区、中野区、北区、板橋区……と都内の幅広い範囲の上空を飛行予定。そこで、飛行高度や騒音、落下物など気になる問題を探るべく、国土交通省が行っている「住民説明会」に潜入してみました。過去の経緯はこちら:都心上空を旅客機が飛ぶ!? 羽田空港の離着陸新ルート計画とは練馬区の住民説明会に潜入!どんな説明がされるの?

広大な敷地で開放的な練馬区光が丘公園。今回潜入したのは住民の憩いの場に隣接した「光が丘IMA光の広場」。商業施設内のオープンなホールです。休日とはいえ寒さが厳しいなか、説明会には多くの来場者が見受けられました。住民説明会は今回で第4回目(第4フェーズ)。これまで新飛行ルートが通る自治体で開催され、累計1万3000人超が参加している(国土交通省担当者)とのことです。

ちなみにこの羽田空港国際線の新ルートに関係するのは、埼玉県と東京都が中心です。埼⽟県内ではいずれも約1800mから900mと⽐較的⾼い⾼度を保つとのこと。ところが羽田空港に向かっていく東京都内に⼊ると、東側ルートでは、豊島区や練⾺区⽅⾯から新宿、表参道、⽩⾦⾼輪、品川と都⼼上空を南下し、それぞれの⾼度は、新宿駅が約915m、広尾駅が約600m、品川駅が約450mと空港に近づくほど低下します。

もう一つ設定される⻄側ルートは、練⾺区⽅⾯から中野、渋⾕、代官⼭、⽬⿊、五反⽥、⼤井町を南下。渋⾕、恵比寿駅近辺が約610m、五反田駅近辺が約455m、そして最も低くなるとされている⼤井町では約300mになります。これは東京タワーより低い⾼度です。

説明会は、こうした高度やそれに伴う騒音、飛行機の見え方、さらに落下物への対策など、関係する自治体の住民が気になる情報を中心にパネルが展示され、適時国土交通省の職員が参加者に対して説明を行ったり、質問に答えるという形式でした。また職員によると、説明会を開始した当初は自治体が所有する施設の会議室などで行っていたのですが、現在は、誰しもが参加して質問がしやすいよう、商業施設のホールや駅前広場などオープンな場所でも積極的に行うようにしているとのことです。

騒音がイメージできる体感ブースもあり、実際に体験してみましたが、個人的な感想としては、音に関しては最も音量が大きい場所でもそこまで気になる音量ではありませんでした。ただ、大井町周辺の高度約300mと同等の高度を飛行する映像は、かなりの圧迫感を感じました。

【画像1】会場には騒音を体感できるブースも。高度や騒音レベルなどを、今回のルートに近い大阪の環境を収録し、映像と音から体感できる。羽田空港内にも常設されているとのこと(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像1】会場には騒音を体感できるブースも。高度や騒音レベルなどを、今回のルートに近い大阪の環境を収録し、映像と音から体感できる。羽田空港内にも常設されているとのこと(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像2】飛行経路やよく寄せられる疑問への回答を、パネルで分かりやすく展示。国土交通省の職員が案内したり、デスクで質問に答えている。商業施設内で誰でも入れるため気軽に訪れやすい印象(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像2】飛行経路やよく寄せられる疑問への回答を、パネルで分かりやすく展示。国土交通省の職員が案内したり、デスクで質問に答えている。商業施設内で誰でも入れるため気軽に訪れやすい印象(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

「騒音、事故…」説明会参加者の住民に、不安に思うことを聞いてみた

実際に説明会に訪れていた参加者の何人かにお話を伺ってみました。最も不安に思うことはやはり「騒音」「事故、落下物への対策」でした。

「気になるのはやっぱり音。車輪を出したときと出さないときの騒音は違うと聞いたことがあり、住んでいる場所ではどういう状況で飛行するのかを聞きにきました」(60代 男性/練馬区在住)

「大阪の方で航空機からパネルが落下したニュースを見たのでちょっと心配で。落ちて来たら防ぎようがないのでやっぱり少し不安です。対策はしっかりすると言われてもいまいちピンと来なくて……」(50代 女性/練馬区在住女性)
こうした不安の声が多く聞かれました。

その一方で、
「国際線が増えて、訪日外国人が増えれば、インバウンドで経済が良くなるメリットがあるし、そうしたポジティブな説明も聞けました」(40代 男性/板橋区在住)
「成田空港より羽田空港の方が都心からのアクセスがいいので、旅行好きの人にはいいかもしれませんね」(40代 男性/豊島区在住)
という声も。

パネルや職員の説明では「ここ10年墜落事故は起きていない」、「落下物に関しても、羽田空港周辺はゼロです」と安全性の説明が多く聞かれました。

【画像3】商業施設内のオープンな説明会会場のため、多くの通行人が足を止めてパネル展示などを眺めていた(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像3】商業施設内のオープンな説明会会場のため、多くの通行人が足を止めてパネル展示などを眺めていた(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

危険度、騒音レベル、不動産価値etc. 住民説明会で直撃してみた

とはいえ安全性、騒音問題、さらには不動産価値下落などの不安要素もあることから、会場で説明中の国土交通省の鈴木さんに直撃してみました。「参加者の皆さまの多くが関心をもっているのも、まさにご指摘の点についてですね。確かに落下物事故は過去10年間(平成19年度~平成28年度)の発生件数は、成田空港周辺で19(部品13件、氷塊6件)ありましたが、羽田空港周辺では0件となっています。ただ2017年9月に、成田空港に到着した航空機からパネル(重さ約3kg)が脱落した事案や、関西空港発の航空機から重さ約4.3kgの胴体のパネルが脱落し、大阪市内を走行中の車両に衝突した事案等が発生したこともあり、さらなる落下物対策に取り組んでいます。3月末をめどに世界でも類をみない落下物対策への新たな基準案を策定する予定です」

また騒音に関しては、「防音対策では現状で対象となる施設はない想定ですが、一定基準以上の騒音が発生する場所の施設、建物に対して防音工事の助成があります。また、空港の国際線着陸料について、航空機の重量と騒音の要素を組み合わせた料金体系に見直し、航空会社に対して低騒音機の使用を促進し、現行経路を含めた経路での全体の音の低減を図ります」といいます。

さらに都心の一部の住民から不安の声が上がっているのが「不動産価値」の下落。騒音や事故のリスクからマンションなど住宅の価値が下がるのではという懸念だ。実際に住宅専門家でも意見の分かれるところで、下がるという人もいれば、影響は飛んでみないと分からないという声も。国土交通省では「一般的な不動産の価値は騒音などの環境面、立地などによる地域要因に、人口の増減や需給バランス、音に関していえば個人差もあります。複合的な要因があるので、飛行経路と不動産価値の変動に直接的な因果関係を表すのは難しいと考えています」とのこと。

打開策のひとつとして、実際の運用前に試験飛行ができるかという質問をしたところ、「現在の羽田空港には着陸⽤の誘導装置がないことや、空港の運⽤を⼀時⽌めなければならないことなどから現状では対応は難しい」らしく、試験飛行の実現は望み薄だそう。

その上で鈴木さんは「私たちとしては、今後も住民の皆さまに説明会を含めて情報を積極的に発信し、ご不安やご懸念を解消していきたいと考えています」と話してくれました。

【画像4】お話を伺った国土交通省航空局航空ネットワーク部の鈴木さん(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像4】お話を伺った国土交通省航空局航空ネットワーク部の鈴木さん(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像5】会場となった光が丘IMA周辺。この青空の下で安心して暮らしたい。そう思えるほど澄み切った青空だった(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

【画像5】会場となった光が丘IMA周辺。この青空の下で安心して暮らしたい。そう思えるほど澄み切った青空だった(写真撮影/山口俊介(BREEZE))

羽田空港国際線の新飛行ルートについては、2020年までに運用を開始したいということです。ただ今回の光が丘周辺で、新ルートについて知っているか道行く家族連れや公園利用者に訪ねたところ、知らないと答える人のほうが多く、まだまだ認知度が低いのが現状のよう。国土交通省や関係自治体のホームページでは、住民説明会の今後の日程や開催場所などが分かるので、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょう。

●取材協力
・国土交通省航空局