住まい選びの三種の神器は「モデルルーム・VR内覧・間取図」!?

3D対応のゴーグルをのぞいてVR(仮想現実)を体験するというシーンは、エンターテインメントが先行している。しかし、最近では“マンションの内覧”で使われることが増えてきた。そんな「VR内覧」について、スタイルポートが調査をしたのだが、面白い結果が出ている。詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「VRを活用した住まい選びに関する消費者意識調査」を実施/スタイルポート住まい領域のVR内覧ってどんなこと?

SUUMOでも、VR内覧には早くから取り組んできた。2015年には「SUUMOスコープ」という名称の3D-VRゴーグルを配布して、新築マンションのモデルルームをバーチャルに内覧できるコンテンツを提供する試みをしている。筆者もそのときにVR内覧を体験しているが、その当時はまだ、話題性やトライアルといった側面が先行していたように思う。

ところが、最近では、新築マンションにとどまらず、賃貸住宅や中古住宅の室内をVRで確認したり、CGで家具を配置した室内を見せたりするVRステージングなどの取り組みも広がっている。VRの技術が向上したことなどもあるのだろうが、住まい領域でもVRが活用されるシーンが増えていきそうだ。

参考になるツールは「モデルルーム」「VR内覧コンテンツ」「間取図」

同社の調査では、3年以内に新築マンションを購⼊または検討した1030⼈を対象に、実際にVR 内覧(3Dのコンピュータグラフィック画像による疑似内覧)を体験したうえで、調査に回答してもらっている。

VR内覧ができれば、【A】モデルルームに行く必要はない、【B】モデルルームに行きたい気持ちになる、いずれが近いかを聞いたところ、【A】25%、【B】75%という結果だった。モデルルームに行きたい気持ちになる理由については、「VRの⾯⽩さから興味が湧き、素材や質感などより詳しく知りたくなる」「VRで感じたイメージを、モデルルームでも追体験したくなる」といったコメントが挙がったという。

また、モデルルームで部屋選びの際に参考になると思われるツールを聞いたところ、「モデルルーム」「VR内覧コンテンツ」「間取図」の3つが、突出して高いことが分かった。近い将来、住まい選びの“三種の神器”になるかもしれない。

部屋選びの際に参考になると思われるもの(出典:スタイルポート「VRを活用した住まい選びに関する消費者意識調査」)

部屋選びの際に参考になると思われるもの(出典:スタイルポート「VRを活用した住まい選びに関する消費者意識調査」)

ツールの特徴をそれぞれ活かして、住まい選びに役立てる

興味深いのは、それぞれのツールで役割が違う点だ。

「マンションの質感を確認するとき」には、リアルなモデルルームが役立つという回答が段違いに多いが、「購入したい部屋の窓から見える外の景観をイメージするとき」には、モデルルームを抑えてVR内覧のほうが役立つという回答が多くなる。また、「購入したい複数の部屋タイプを⽐較検討するとき」には、間取図がほかのツールより多くなる。

つまり、部屋を選ぶシーンによって、ツールの役立ち感が変わるという結果になっている。

購⼊する部屋を選ぶ際に、最も役に⽴つと思われるコンテンツ(出典:スタイルポート「VRを活用した住まい選びに関する消費者意識調査」)

購⼊する部屋を選ぶ際に、最も役に⽴つと思われるコンテンツ(出典:スタイルポート「VRを活用した住まい選びに関する消費者意識調査」)

これには、ユーザーのツールに対する慣れなどの影響もあるのだろうが、やはりツールそれぞれの特徴による影響が大きいと言えるだろう。

実際の質感は実物で確かめられるモデルルームが分かりやすいが、逆に目に見えるものの影響を受けやすい。色の変更などはVR内覧で比較検討したうえで、実物のサイズや質感と重ね合わせて判断するのが間違いないだろう。窓の外の景観はVRの得意とする領域だし、間取りを確かめるなら見慣れた間取図が欠かせない。

リアルと仮想CG映像と平面図。それぞれのツールの特徴を上手に活かして、住まい選びの参考にするというのが、これからのやり方になっていくのだろう。

そうはいっても、住まいを選ぶということは、建物の外観や室内の様子だけでなく、周辺環境を含めた立地やさまざまな住み心地まで含めて選択することになる。実際に現地に足を運ぶことは必須条件だ。そのうえで、さまざまなツールを使って集めた情報を参考に、「こんなはずじゃなかった」ということのないように、「選んで正解」と思える住まい選びにつなげてほしい。

住まい選びに関する消費者意識、「VR内覧」が有効なツールに

(株)スタイルポート(東京都渋谷区)はこのたび、3年以内に新築マンションを購入または検討した1,030人を対象に、「VRを活用した住まい選びに関する消費者意識調査」を実施した。調査期間は2018年11月2日(金)~11月7日(水)。調査方法はインターネット。実際にVR内覧コンテンツを体験したうえで回答してもらった。

それによると、完成前の部屋をVRで内覧できるコンテンツがあれば「役に立つ」と回答した人の割合は88.8%。うち、「非常に役に立つ」と回答した人は43.2%、「やや役に立つ」と回答した人は45.6%だった。「非常に役に立つ」と回答した理由としては、「実際に行かなくても、部屋全体を見られる」「モデルルームは自分が購入する部屋が見られるとはかぎらないので」というコメントが挙がった。

また、VR内覧ができれば「モデルルームに行く必要はない」との回答は25%、「モデルルームに行きたい気持ちになる」と回答した人は75%だった。「モデルルームに行きたい気持ちになる」と回答した理由については、「ある程度イメージを掴んでから実物(モデルルーム)を見て確かめたい」「VRの面白さから興味が沸き、素材や質感などより詳しく知りたくなる」などがあった。

部屋選びの際に参考になるものとしては、1位が「モデルルーム」で85.6%、2位「VR内覧コンテンツ」61.8%、3位「間取り図」54.6%。新築マンションを検討する際に最も参考になると言われてきた「モデルルーム」に次いで、「VRによる内覧」も有効なツールとなってきているようだ。さらに、90.8%の人が「VRによる内覧はマンション購入時に必要だ」と回答し、「VR内覧によって購入意欲は高まると思う」と回答した人は49.8%と全体の約半数を占めた。

ニュース情報元:(株)スタイルポート

日当たりも体感!? 建てる前に家具配置できる、バーチャルモデルルームが登場

VR(仮想現実)と聞くと、とっさにゲーム関係のものだと想像してしまいがち。けれど、 アメリカのコンサルティング会社「IDC」の分析(※参照リンク)によると、VRとAR(拡張現実)の世界市場規模が2020年には1443億ドル(2017年12月現在、約16兆1507億円)に達する予測されている。これは実に、2015年から2020年の間で年平均198.0%の成長率なのだ。そんなVRはゲーム業界にとどまらず、既に様々な分野に進出してきている。日本の建築や住宅デザイン業界にも、VRを利用した新たなサービスがスタートしている。今回新たに販売されたのは、ゲーム開発会社の株式会社ヒストリア(東京都目黒区)が開発した、住宅やオフィスの販売促進用ソフトウェア バーチャルモデルルーム「Solid Vision」だ。

【画像1】画像提供/株式会社ヒストリア

【画像1】画像提供/株式会社ヒストリア

近年、建築のビジュアライズでもリアルタイムCGの技術が使用されるようになってきていたことに着目した株式会社ヒストリアは、長年ゲーム開発を行ってきたスタッフと建築業界出身のスタッフがタッグを組み、建築ビジュアライゼーションソフトウェア「Solid Vision」を開発。マンション・戸建て・オフィスなど、あらゆるタイプの物件の「完成後の姿」をコンピューター上でシミュレーションすることができるようになった。壁材、床材などのイメージを瞬時に交換できるだけではなく、家具を配置したレイアウト案も確認できる。

【画像2】画像提供/株式会社ヒストリア

【画像2】画像提供/株式会社ヒストリア

ヒストリアの担当者によると、新築マンションのモデルルームでの活用では、階数ごとに景観を変える等の眺望のシミュレーションに対応したり、日照シミュレーション機能を活用しバルコニーの日当たりも見せられるという。オフィス版では、40人想定のレイアウトや60人想定のレイアウト等、ニーズに応じたプランのシミュレーションも可能だ。

【画像3】画像提供/株式会社ヒストリア

【画像3】画像提供/株式会社ヒストリア

また、「Solid Vision」は、専用の機器を使用することで「Solid Vision VR」を体験することができる。ウォークスルー機能を使って、実際にその家やオフィスの動線確認や、実際にどういう見え方をするのか確認できるのだ。VR上でも壁材や床材のイメージを変更できるので、素早く様々な内装イメージを体験できるというメリットも。

しかも姿勢を低くすると、VR上の視界もその高さに変わるという機能が。ヒストリアの担当者は「しゃがんだ際には、子供の目線での高さの確認が可能です」と語っている。更に「家具を配置した時の生活導線や、実際の目線の高さで感じる圧迫感などを事前に体感することが出来ます」とのこと。

既に「Solid Vision」を導入している住宅販売会社は、販売中の分譲住宅や注文住宅のプレゼンテーションの際に活用しているという。その住宅販売会社から「今までは模型と予想図でしか伝えられなかった完成形を、バーチャルで体感できることで、成約のスピードを早められる」と好反応を得ている。

VRの市場成長とともに、これからは「建てる前にVRで確認」という時代になるかもしれない。

無駄な内見を回避!VRゴーグルで様々なスポットを見学できる「Warp」開始

あるはずのないものが、目の前に本当にあるかのように感じられるVR(仮想現実)の世界。そんな最新技術が不動産業界にも進出! VRを活用したシステムを開発しているOneStone株式会社(埼玉県所沢市)が、VRを使って物件の見学ができるサービス「Warp」を2017年12月4日に始動させた。スマホとVRゴーグルを組み合わせることで、誰でも簡単にVR見学ができるサービスだ。146477_sub01

この「Warp」をいち早く不動産仲介店舗での接客ツールとして活用している株式会社大興不動産(宮崎県宮崎市)には、続々と驚きと喜びの声が届いている。
地方への転勤・転居など、遠方での部屋探しは、なかなか実際の物件を見られないことも。そんな時にありがちなのが、「実物を見てがっかり」という体験。けれど「Warp」を利用したVR内見を実施している大興不動産では、そんな心配はもうない。「Warp」を利用した顧客からは「わざわざ見に行かなくてもいいですね」と利便性を評価するコメントが寄せられている。実際の内見をせずにVR見学のみで成約を決断する人も毎月着実に増えているという。

開発会社のワンストーンの担当者は、VRの一番のメリットを「写真では分からない雰囲気が体感できるという点」だと太鼓判を押している。部屋の広さや質感も、画像よりも圧倒的に高い精度で体感できるそう。それなら確かに、「写真では良かったけど、実際に見たらイメージと違った」といった残念な体験を減らし、効率よく物件が探せそうだ。

146477_sub02

ワンストーンの「Warp」を体験するためのシステムは非常にシンプル。
(1)VRで見学してみたいスポットをWebから選んで申し込み
(2)自宅に無料でダンボール製のVR用ゴーグルが届く
(3)専用アプリをスマホにインストールし、ゴーグルにセット
(4)さまざまなスポットをVRで確認できる

146477_sub03

見学できるスポットは、Warpの加盟企業に関する場所。開発会社のワンストーンは、今後は加盟店を増やし全国のさまざまなスポットをVR化したいと意気込んでいる。近い将来には転居先、旅行先、結婚式場、デート先などの大事な行き先を選定する際、忙しくて時間が無くても、Warpを使って効率的に自分に合った場所やプランを見つけられるかもしれない。

なお、加盟に必要な料金は、月額5,000円(税別)からWarpの基本システムが利用でき、プラス5,000円(税別)でVR用の特設サイトを自動で構築する機能を利用できる。

無駄な内見を回避!VRゴーグルで様々なスポットを見学できる「Warp」開始

あるはずのないものが、目の前に本当にあるかのように感じられるVR(仮想現実)の世界。そんな最新技術が不動産業界にも進出! VRを活用したシステムを開発しているOneStone株式会社(埼玉県所沢市)が、VRを使って物件の見学ができるサービス「Warp」を2017年12月4日に始動させた。スマホとVRゴーグルを組み合わせることで、誰でも簡単にVR見学ができるサービスだ。146477_sub01

この「Warp」をいち早く不動産仲介店舗での接客ツールとして活用している株式会社大興不動産(宮崎県宮崎市)には、続々と驚きと喜びの声が届いている。
地方への転勤・転居など、遠方での部屋探しは、なかなか実際の物件を見られないことも。そんな時にありがちなのが、「実物を見てがっかり」という体験。けれど「Warp」を利用したVR内見を実施している大興不動産では、そんな心配はもうない。「Warp」を利用した顧客からは「わざわざ見に行かなくてもいいですね」と利便性を評価するコメントが寄せられている。実際の内見をせずにVR見学のみで成約を決断する人も毎月着実に増えているという。

開発会社のワンストーンの担当者は、VRの一番のメリットを「写真では分からない雰囲気が体感できるという点」だと太鼓判を押している。部屋の広さや質感も、画像よりも圧倒的に高い精度で体感できるそう。それなら確かに、「写真では良かったけど、実際に見たらイメージと違った」といった残念な体験を減らし、効率よく物件が探せそうだ。

146477_sub02

ワンストーンの「Warp」を体験するためのシステムは非常にシンプル。
(1)VRで見学してみたいスポットをWebから選んで申し込み
(2)自宅に無料でダンボール製のVR用ゴーグルが届く
(3)専用アプリをスマホにインストールし、ゴーグルにセット
(4)さまざまなスポットをVRで確認できる

146477_sub03

見学できるスポットは、Warpの加盟企業に関する場所。開発会社のワンストーンは、今後は加盟店を増やし全国のさまざまなスポットをVR化したいと意気込んでいる。近い将来には転居先、旅行先、結婚式場、デート先などの大事な行き先を選定する際、忙しくて時間が無くても、Warpを使って効率的に自分に合った場所やプランを見つけられるかもしれない。

なお、加盟に必要な料金は、月額5,000円(税別)からWarpの基本システムが利用でき、プラス5,000円(税別)でVR用の特設サイトを自動で構築する機能を利用できる。