所在地:渋谷区代々木19万8,000円(税込) / 66平米
山手線「代々木」駅 徒歩3分
代々木駅からほど近い戸建で商いを始めませんか?
前面道路の人通りは少ないものの、大きな入り口は改装次第でいい雰囲気に化けそうな予感がします。
写真は前回の入居者が退去した直後の写真につき、かなり傷んでいる状態ですが、現在は壁紙を張り替えて少しきれいになっているそう。今は魚屋が ... 続き>>>.
圧倒的に不動産情報が多いですが。。。。
所在地:渋谷区代々木
所在地:世田谷区三軒茶屋
所在地:川崎市宮前区神木本町
所在地:中央区日本橋人形町
所在地:東久留米市大門
所在地:渋谷区広尾
所在地:川崎市高津区二子
所在地:横浜市神奈川区西寺尾
所在地:港区南青山
所在地:中野区東中野
所在地:世田谷区三宿
所在地:横浜市中区根岸加曽台コロナ禍で在宅時間が増えたという家庭も多いだろう。シチズン時計が夫婦の時間について調査したところ、夫婦円満のヒントになる結果もいくつか見られたという。長くなった家庭内の夫婦の時間だからこそ、円満な時間を過ごしたいもの。いったい、どんなヒントが隠されているのだろう?【今週の住活トピック】
「15年の推移でみる、夫婦の時間」調査を公表/シチズン時計夫の休日の家事時間、15年前より17分増加
シチズン時計の調査では、15年前の結果と比較しているのが特徴だ。
まず、「休日に家事にどのくらい時間を費やしているか」を聞いたところ、家事時間の平均は、夫が1時間5分、妻が2時間12分で、妻が夫の倍以上という結果となった。全体の約7割を占める(下表黄色部)のが、夫は1時間以内であるのに対し、妻は2時間以上となっているといった、大きな違いが見られる。15年前も今も、平日に溜まった家事を休日にまとめて片付ける妻が多い、ということだろうか。
実は、15年前と比べると、妻はあまり変化していないが、夫は家事時間の平均が17分増えている。特に、「0分」の全く家事をしない夫が大きく減少した点が注目だ。代わりに、しっかり家事をやっていると見える「1時間」や「2時間」が増加した。徐々にではあるが、夫の家事参加が増加傾向にあるのだろう。

Q.休日の一日に、家事時間についてどのくらい費やしているか(出典/シチズン時計「夫婦の時間」調査のリリースより転載)
また、「夫婦が一緒に過ごす日常の中で増やしたい時間」として、15年前より大きく増加したのが、「子どもと過ごす時間」(子どものいる人が対象)で、夫は19.9%→39.1%、妻は24%→42.8%とそれぞれ倍近く増加した。夫婦で育児をする時間を多くとりたい、と考えている人が多いことが分かる。
相手の時間の使い方、イライラするのはそれぞれどんなとき?では、夫が妻に、妻が夫に対して、相手の時間の使い方が長すぎてイライラするのはどんなときだろうか?
夫が妻にイライラする時間は、15年前も今も同じで「外出前の身支度」。これはなんとなく分かるような気がする。お化粧に洋服選び、靴やバッグ選び、いまならマスクの柄選びと身支度にいろいろ悩んで時間がかかるのだろう。
一方、妻が夫にイライラするのは、こちらも15年前と類似して「パソコン・スマホ・タブレット」を操作している時間だ。いまなら、主にスマホをいじっている時間だろうか。「ゲーム」をしている時間もイライラ要因になっているので、家に夫婦でいながら家族ではなく画面に向かい合っているのが、イライラを高めることになるのだろう。
ただし、相手がスマホを操作したり、ゲームをしたりする時間にイライラするのは、夫も同様だ。いまはスマホで、ネット検索だけでなく、音楽を聴いたり、動画を見たり、読書をしたりといろいろなことができるので、スマホに向き合う時間が長くなるのだろうが、互いにイライラの要因となっている点を認識する必要があるだろう。
「トイレ」が長いのもイライラ要因になっている。特に妻のほうがイライラしている割合が高いが、家に居場所の少ない男性陣が、一人きりになれるトイレに籠もりがちということだろうか。

Q. 相手(配偶者)の時間の使い方で、長すぎてあなたがイライラするのはどんな行動か(出典/シチズン時計「夫婦の時間」調査のリリースより転載)
また、この結果では次の2つの点も興味深い。
・2005年よりも2020年のほうが、イライラの度合いが高まっている
・夫が妻にイライラするより、妻が夫にイライラする度合いのほうが高い
2005年と比べていまの方が、時間のスピードが速いということもあるのか、ゆとりが減っているのではないかと懸念される。また、共働き率も増加するなか、妻は夫より家事や育児にも時間を取られているのが実態で、夫が家のことを何もしていないと感じる時間に、イライラするという側面もあるのだろう。
さて、シチズン時計では「身支度や生理現象に対しては歩み寄りも必要ですが、いい夫婦関係のために、スマホやゲームなど画面と向き合う時間には節度が求められます」と助言している。夫婦円満のためには、夫婦でいるときには、ぜひ画面に向き合う時間に配慮してほしい。
土曜日の午前10時が狙い目?夫婦円満のもう一つのヒントが、「最も心地よい」と感じる時間帯だ。
夫も妻も「土曜日」が最も心地よいと感じると回答(夫:39.5%、妻:37.0%)した。さらに時間帯まで見ると「土曜日の午前10時」の組み合わせが、心地よい時間のトップになるという。
おそらく、休日を迎えた土曜日の朝、朝食や朝の家事を終えて、ほっと一息してのんびり感を味わえる時間なのではないか。この時間こそ、画面ではなく互いに向き合って、会話を楽しんだり、同じことを体験したりすれば、さらに心地よくなることは間違いなしか?
夫婦喧嘩をしていたら謝って仲直りするもよし、たまにはちょっと甘えてみたり、楽しかった思い出を語ったりして、夫婦円満を心がけてみよう。
この記事を読んだご夫婦が、今週の土曜日の午前10時にどんなことをするのか、ちょっと楽しみにしている。
立地が不便だし、ボロボロでタダ同然でも売れない、親類の空き家が重荷となっている……。
「空き家」が社会問題となってずいぶん経ちますが、売主さんの不安や負担、事情を聞くと、簡単には解決できないことが多くあります。そんな物件にストーリーを付与することで、売買を可能にしている企業があります。
空き家問題解決の新しい糸口を探るべく、不動産を売りたい人のための掲示板サイト「家いちば」を運営する藤木哲也さんにお話を聞きました。
住宅の売買に専門家はいらない!? 先入観を取り払うサービス
お話を聞かせていただいた家いちばの代表取締役・藤木哲也さん(写真提供/藤木さん)
家いちばでは、空き家などの不動産を「セルフセル方式」で売買しているとのこと。セルフセル方式とは一体どんな販売方式なのでしょうか。また、なぜそのような形態で不動産売買サービスを提供しようと考えたのでしょうか。
「セルフセル方式とは、不動産を売りたい人が自分で販売活動を行うスタイルのことです。通常、不動産の売買をするときには、仲介会社が販売活動や見学の調整を行いますが、家いちばでは、売主さんが自分で家いちばのサイトに物件画像や説明文を掲載します。その後も購入検討者の方と直接、見学日程の調整や条件交渉を行ってもらいます。僕たちは最終段階で本当にプロが入るべき業務のみ、例えば物件の調査や重要事項の説明など、契約のサポートを中心に行うようにしています」(藤木さん、以下同)

従来の不動産売買と異なり、家いちばでは売り手と買い手が直接交渉を行い、宅地建物取引士の手が入るのは最終段階が中心になる(撮影/唐松奈津子)
このスタイルに行き着くまでに最も大きな影響を与えたのが、日経BP社が国土交通省の補助を受けて実施した、「既存住宅流通市場活性化に関する実証実験」だそうです。
「売却希望者・購入希望者を集めてワーキンググループなどを行ったのですが、そこで僕が強く感じたことは『不動産を売りたい人、買いたい人は、国などが想定しているほど専門家の意見やサポートを必要としているわけではなかった』ということでした」
不動産の売買にはさまざまな法律や制度が絡みます。だから専門家の手が必要だ、という先入観を取り払い、売主さんが自分で調べたり、学んだりできるように促す、それがセルフセル方式なのですね。
不動産について「自分で調べる、学ぶ」という経験が価値になるこのように家いちばでは、専門家の知識と経験が絶対に必要になる”物件調査”と”契約”以外の過程は、できる限り売りたい人・買いたい人本人たちに任せているそうです。
「一般に、不動産を売却する人や、そのサポートをする不動産仲介会社は、いかに早く、高く売るかということを考えています。しかし、田舎の空き家や遊休不動産を扱っている中で多く出会ったのは、『売れるかどうかも分からない』『タダでもいいから安心できる人にもらってもらいたい』という売主さんたちの言葉で、決して早く・高くだけのニーズではないということでした。同じように買う人も『ボロボロの家屋は取り壊して、更地になったら買いたい』という人ばかりではなく、今あるものでこれからどうやって工夫して活用していこうかという発想を持っている人も多かったのです。

「家いちば」の掲示板の一例
それらの取引を通じて僕が感じてきたのは『売りたい人も買いたい人も“賢い”』ということです。例えば、売主さんによっては、買主さんとコミュニケーションを取るなかでローンの選び方やどうすれば審査が通りやすいか、この物件にはどの商品がオススメか、といったことまでお話できる方がいます。それはそうですよね。購入されるときには、実際にご自身がさんざん真剣に悩んで、比較検討をしてローンを組んできたわけですから、情報収集や知識の習得に対する本気度が違います。
売主さんから質問をもらったときも、僕たちは自ら答えるのではなく例えば『役所の都市計画課に聞くと教えてくれますよ』などと話します。自分で調べたり学んだりすることでそれが知識となり、不動産売却の経験、自分で売ることの醍醐味になるんです」
「まるで面接かオーディション」。売り手が納得できる仕組み売り手の本気度は、売りたい物件を掲載するとき、案内や交渉の過程でも見ることができます。
「森林や畑を含む1万平米近くの土地に、母屋や離れ、蔵、車庫などがある豪邸を相続した母娘がいました。広大な土地と建物の維持管理が大変なものであることを痛感していた母娘は、それを理解して永続的に管理ができる人を求めていました。多くの問い合わせや内見に対応するなかで、二人は『購入者に求める人物像』をまとめたのです。
物件ページには、『近所の方とうまくお付き合いのできる方』『長期的に山林などを保存、維持管理、活用が可能な方』『建物の大規模な改修をせず、天井の丸太の梁やふすまなど昭和の風情を残しながらお使いくださる方』などの項目を明記。応募フォームも自分でつくり、購入希望者が購入後の利用予定や森林等の維持管理計画まで書くものになりました。まるで面接かオーディションですよね」
売主さんが思いやストーリーを十分に記載することができ、購入希望者との直接のやり取りを通じて、心から納得して売却できることもセルフセル方式の魅力のひとつかもしれません。
「結果的に、こちらの物件は広い土地を有効に使って活動したいという法人へ売却が決まりました。住宅はもちろん、森や畑も有効に使う計画で、将来的にどんな状況になっても窓口となる役員が個人で引き継いでいくという強い意思を確認できたことで、二人は安心して売却されたのです」
「買ってから考える」もアリ! 不動産購入の可能性が広がる一方、買主さんにとって家いちばで物件を購入することの最大の魅力は、その価格の手ごろさです。掲載されている空き家の中心価格帯は100万円前後、場合によっては0円物件もあります。当然、価格が安いからにはそれだけの理由、例えば通常の住居としては使いづらい、かなり手を入れる必要があるなどの難点があるものですが、そのような物件をお試しとして用途が未定のまま購入する人も多いといいます。

温泉が出るリゾートマンションの1室が80万円で売られているケースも。(管理費と温泉使用料は別途1万7800円/月)(写真提供/家いちば)
「別荘やセカンドハウス、あるいは『遊びの拠点』として比較的軽いノリで購入されますね。なかには『何に使うかまだ決まっていない』『買ってから考える』という人もいます」
購入された物件が何に使われるのかは、買主さんによって本当にさまざまな様子。藤木さんにとって印象的だった事例を聞くと「廃墟となったガソリンスタンドをバイク置き場として購入した人」だそうです。
「茨城県の霞ヶ浦湖畔で50年以上前に建てられたガソリンスタンドが廃業し、10年以上放置されていました。老朽化は激しく、地下タンクを処分するのに土壌汚染が懸念されるため、一般の不動産流通にも乗せられない。解体に数百万円はかかるといわれてお手上げ状態でした。そんな物件を購入され、お手持ちのバイクを数十台搬入されたときにはそんな使い方もあるんだ! と本当に驚きました」

廃業したガソリンスタンドを(写真提供/家いちば)

バイク置き場に(写真提供/家いちば)
売る人と買う人、双方が幸せになって社会問題も解決!さらに藤木さんは「活用されない低利用不動産が新たな持ち主によって中利用不動産、高利用不動産となることは、地域の人や街にとってもいい影響を与える」と考えています。

そのまま民泊を始められるくらい、すでに整備された物件も(写真提供/家いちば)
「家いちばで物件を購入した人の中には、複数の物件を購入して、将来的には民泊を経営したり、その街の活性化に寄与したいと考えている人も少なくありません。安い物件を買えば、安い賃料で展開できるため、低所得層など、住宅の確保が難しい人にも賃貸できます。なかには一般の人でも運用のプロのような人もいますが、空き家問題をはじめとする社会問題をどうにか解決したい、という想いで購入する人もいるんです」
複数の物件を購入したり、社会問題の解決を目指したり、といったことが可能になるのは「低価格」の物件ならではでしょう。一方で「安かろう、悪かろう」の言葉のように、当然、安いからには何かしらの理由があってそこに不安を感じる人も多くいるのではないのでしょうか。
「だから、僕たちプロがいます。不動産売買をする人が求めているのは専門家ではない、と言いましたが、求めているのは『安心』です。物件調査を念入りに行い、物件のもつデメリットもしっかり納得したうえで売る人、買う人、そして社会全体が満たされたものになればと思います」
藤木さんの「売れる値段で売るという、市場の原理に任せればいい」の言葉の通り、いま、家いちばでは毎日1物件に数十件の問い合わせが入っており「掲載する空き家が足りない」状態だといいます。将来的にどんどん増え続けるといわれる空き家が、売主さんも買主さんも心から満足できる取引を経て活用され、社会問題の解決にもつながるとすれば、こんなに素晴らしいことはありません。そのために重要なことは「自分で売る」「自分で学ぶ」「自分で見極めて買う」覚悟なのかも……と、家いちばのセルフセル方式から垣間見たように思います。
記事では書ききれなかったユニークな活用事例の数々が家いちばの書籍『空き家幸福論』(11月20日発刊)には掲載されていました。自分がとことん納得できる形で不動産売買を実現した先輩たちの事例を知ることも、自分で学ぶことの一歩かもしれません。
●取材協力
所在地:目黒区下目黒地震や台風、風水害、豪雪などの自然災害が多発する日本。しかも2020年は新型コロナウイルスが流行し、災害発生時の避難場所、仮設住宅をどう備えるのかが課題となっています。今回、そんな感染症流行下の避難場所としても活躍しそうな「タイニーハウス」が、山梨県小菅村に誕生しました。その背景や思いを聞いてきました。
山梨県小菅村で、災害発生時に避難場所になるタイニーハウスが誕生
人口約700人、多摩源流の山間にある小菅村は、10~25坪の小さな小屋が次々と誕生している「タイニーハウス村」として、以前、SUUMOジャーナルでも紹介しました。

山あいにある小菅村。多摩川の源流の村でもあります(写真提供:SUUMOジャーナル編集部)

小菅村のタイニーハウスのひとつ(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)
この小菅村で今年10月に誕生したのが、感染症対応をしつつ、災害発生時に避難場所として活躍するタイニーハウスの「ルースターハウス」です。

2020年10月にお披露目となった「ルースターハウス」。見た目はかわいいが、避難所になる(写真提供/小菅村)
ちなみに、「ルースター」は英語で、雄鶏という意味のほか、とまり木、ねぐらという意味があるとか。災害時のひとときの住まいという意味で、「ルースターハウス」と名付けたといいます。
このルースターハウスの特徴は、災害時、感染症対策をしながらの避難場所になるだけでなく、(1)軽トラ一台で持ち運べる、(2)4m×4mのスペースに、ドライバーとレンチがあれば大人2~3人で、1時間程度で組み立てられ、(3)山梨県の木材を活用する、といった点にあります。トイレやシャワーなどの水まわりはありませんが、家族4人程度のプライバシーを保ちながら仮住まいすることが可能です。

地元の間伐材を加工して集成材とし、建物の骨組みにしている。避難場所、資源の有効活用、地元の産業振興と一石三鳥にもなる(写真提供/小菅村)

(写真提供/小菅村)
ルースターハウスの原型は、「タイニーハウスコンテスト」の応募作品このルースターハウスの仕掛け人となったのは、前回の取材でも登場してくれた一級建築士・技術士の和田隆男さんと小菅村村長の舩木直美さんの2人です。
「小菅村では毎年、タイニーハウスコンテストを開催しているのですが、2019年に最優秀賞を獲得していた、滝川麻友さんの『森を浴びる家』のアイデアはすばらしく、なんとかかたちにしたいと思っていました」と和田さん。

『森を浴びる家』の応募時の模型。当初は好きな場所で組み立てることができ、自然の明かりで目覚める住まいを考えていて、防災用の用途は考えていなかったといいます(写真提供/小菅村)
しかし、今年はコロナウイルスの流行もあり、サンプルをつくるのは難しいと考えていたところ、舩木村長から「組み立て式の建物でポータブル。これは、感染症流行下の避難場所として活用できるのではないか。費用はなんとか工面するので、かたちにしてみよう」と提案があり、サンプルづくりを進めたそう。
そもそも、災害発生時に自治体が設置する避難所は、学校などの公共施設に開設されることが多く、多数の人が避難生活を送るため、プライバシーが確保できない、感染症の集団感染が起きるといった問題点が指摘されてきました。
「災害はいつ、どこで発生するかわかりません。しかも今年はコロナウイルス対策として、避難場所の受け入れ人数を半分以下とせざるを得ないため、国も地方自治体も頭を悩ませています。このルースターハウスは組み立て式で持ち運べる。ひょっとしたら避難場所になるのでは、という思いがありました」(舩木村長)
ちなみに、東日本大震災発生時には、「まわりに迷惑がかかると感じた」「設備面で滞在に支障があった」といった理由で避難所から退所していった人が多かったそう(平成25年「避難に関する総合的対策の推進に関する実態調査結果報告書」内閣府)。特に小さな子どもや高齢者・障がいがある人にとっては、避難所での大きな場所が区切られていない、集団生活は大きなストレスとなることでしょう。
また、小菅村では2019年台風19号で被災し、道路が寸断された経験があることから、災害時に空輸・持ち運びしやすさを考え、組立前の重量350kg以内、一つのパーツの長さ1.8m、重さ10kg未満など、軽トラに乗せられる「持ち運びやすさ」にもこだわったといいます。

材料は軽トラック一台で運べる(写真提供/小菅村)
「地方の山間の集落は道路も細く、大型トレーラーが入れないことがあります。機動力のある軽トラで持ち運べることというのはサンプルをつくるのにあたって何度も言われました」と和田さん。被災経験があり、地方の実情を知っているだけに、その説得力は十分です。
船木さんは、「このルースターハウスがあれば、周囲の目を気にせずに避難生活が送れます。感染症が流行する心配もなく、自宅とまではいかなくとも、多少なりともくつろげることでしょう」といいます。

タイニーハウスの表彰式での和田さん(左)、デザインした滝川さん(中央)、村長の舩木さん(右)(写真提供:小菅村)
ちなみに、このルースターハウスの原型となった『森を浴びる家』をデザインした滝川麻友さんは、応募当時、高校生でしたが(!)、現在は早稲田大学建築学科に進学したといいます。
「今回のサンプルを拝見して、自分が空想していたことが現実になったのが、いちばんの驚きでした。私の妄想が大人のみなさんの力でかたちになっていき、貴重な経験をさせていただいたと思っています」と話します。若い着想と大人の力が組み合わさって新しいタイニーハウスができる。まるでドラマのような展開ですね。
今回のルースターハウスはまだサンプルの段階ですが、実用化にあたっての課題、今後の活用法についても聞いてみました。
「骨組みは木材ですが、タイニーハウスの外側はポリエステル樹脂を使っていて、通気性や断熱性などの居住性を高めつつ、耐久性も確かめたいですね。また、デジタルファブリケーションを使って加工しているので、1基を生産するのに5日間かかりました。量産化するのであればこのペースアップ、1基の価格設定でしょうか」と和田さん。ちなみに現在だと外皮を含めて一基80万円ほどかかりますがこれからコストダウンを考えますとの事。舩木村長からも、もう少し安く、早くできるようにプッシュされているとか。

デジタルファブリケーションを用いて木材を加工している(写真提供/小菅村)
「ルースターハウスは、平時はグランピングやキャンプなどの宿泊施設としてお金を稼ぎ、非常時には仮設住宅、避難場所として活用することを考えています。小屋もしまっておくのではなく、平時も非常時も活用できるのが理想ではないでしょうか」(舩木村長)

グランピングやキャンプなど宿泊施設としての活用も検討中(写真提供/小菅村)
移動可能な小さな住まいにはモンゴルの伝統家屋「パオ」、避難場所として受け継がれてきた日本の「板倉小屋」がありますが、ルースターハウスは「パオ」や「板倉小屋」のいいとこ取りをしています。もちろん、自然災害が起きないに越したことはありませんが、世界中で気候変動が進む今、日本のみならず各国で住まいの備えが必要になりつつあります。もしかしたらルースターハウスは、日本発の持ち運べる避難場所として世界に広まっていくかもしれません。
●取材協力
所在地:川崎市中原区丸子通
所在地:横浜市中区山下町
所在地:川崎市高津区久地
所在地:北区上中里
所在地:国分寺市東恋ヶ窪
所在地:中央区築地
所在地:渋谷区神宮前
所在地:千代田区外神田
所在地:新宿区南山伏町
所在地:中野区新井
所在地:調布市若葉町
所在地:横浜市西区北幸
所在地:横浜市神奈川区大口通
所在地:台東区台東
所在地:三鷹市新川
所在地:江東区豊洲
所在地:中央区月島日蓮宗の大本山「池上本門寺」が13世紀に建立されて以来、門前町としてにぎわってきた東京都大田区池上。2019年ころから、地域の持続的な発展を推進する「池上エリアリノベーションプロジェクト」が進行中で、歴史ある街の各所に新たな感性が芽吹いている。大田区と共同で同プロジェクトに取り組む東急株式会社の磯辺陽介さんの案内で、魅力を増す池上の街歩きをしてみよう!
街リノベは目的ではなく手段、プロジェクトで池上のポテンシャルを引き出す
3両編成の電車がコトンコトンと行き交う東急池上線。五反田と蒲田という二つの繁華街を繋いでいるにも関わらず、沿線はローカル感が漂う。もともと池上本門寺の参拝客のために生まれた路線で、池上はその中心的存在だ。

(写真撮影/相馬ミナ)

池上のシンボル、池上本門寺。宗祖日蓮聖人の命日に行われる法要「お会式(おえしき)」は毎年10月11~13日の3日間執り行われ、30万人にも及ぶ参詣者で街がにぎわう(写真撮影/相馬ミナ)
2020年7月に生まれ変わった池上駅構内には、木がふんだんに使われ、電車を降りると木の香りがする。池上本門寺の参道に繋がるようなイメージでデザインされたという自由通路を抜け、駅北口から池上本門寺方面に向かおう。駅前には、池上名物・くず餅の老舗「浅野屋 」が店を構える。
「池上は、くず餅発祥の地とも言われていて、老舗のくず餅屋さんが何軒もあるんですよ」と磯辺さんが教えてくれた。池上が地元の方には当たり前の風景かもしれないが、コンパクトなこの街の中に数百年続くお店が点在しているのは、すごいことではないだろうか。

池上駅前。駅舎は構内踏切がある平屋から、地上5階建てのビルに生まれ変わった。駅ビルのエトモ池上は2021年春に開業予定(写真撮影/相馬ミナ)
「池上は「池上本門寺」に約700年寄り添ってできた街です。もともと街はありますし、 “まちづくり”という単語がおこがましいと思っているんですが……」と磯辺さんは前置きしつつ、「『池上エリアリノベーションプロジェクト』は、人や場所、歴史、文化などの地域資源を、再発掘・再接続・再発信によって活かすまちづくりの取り組みです」と説明してくれた。
2017年3月、池上で東急主催のリノベーションスクール(※)を実施したことをきっかけに、プロジェクトが始動した。数ある東急線沿線の街の中から池上を選んだ理由を尋ねると、「池上駅をリニューアル予定だったこともあるのですが、池上のヒューマンスケールというか、こぢんまりとしていて血が通っている感じが、リノベーションスクールの世界観と合いそうだと感じたんです」と磯辺さん。
※全国各地で開催される、まちなかに実在する遊休不動産を対象とし、エリア再生のためのビジネスプランを提案し実現させていく実践型スクール
場をつくって終わりではなく、まちづくりに取り組む人をサポート
池上駅北口から池上本門寺へ向かって延びる池上本門寺通り商店会。旧参道にあたり、「SANDO(サンド)」(写真右側の建物)はその入り口にある(写真撮影/相馬ミナ)
磯辺さんの案内でまず訪れたのが、「SANDO BY WEMON PROJECTS(サンド バイ エモン プロジェクツ、以下SANDO)」。池上エリアリノベーションプロジェクトの一環として誕生した、“コーヒーのある風景”をコンセプトに活動するアーティストユニット「L PACK.(エルパック)」と、建築家の敷浪一哉さんが運営する、カフェでありプロジェクトの拠点だ。
「『SANDO』のことを普段僕らは、“カフェを装っている”と言っているんです」と磯辺さん。どういうことか尋ねると、「お客さんとの会話から地域資源を見つけたり、外から訪れた人とマッチングをしたり、カフェ以外の役割も担っているんです」という答えが返ってきた。

「SANDO」の店内。カウンターではテレワークをする若者、テーブル席ではゆったり腰掛けて談笑する年配の方など、幅広い世代が思い思いに過ごしていた(写真撮影/相馬ミナ)

「パウンドケーキセット」(900円・税込)でひと息(写真撮影/相馬ミナ)
「SANDO」は、東急と大田区による街づくり勉強会の会場にもなっている。ウィズコロナや事業継承などをテーマに、ゲストを招き、参加者である若手事業者へヒントや気づきの場になればと不定期に開催。場をつくって終わりではなく、池上エリアが持続的に発展するためのサポートの在り方を模索しているそう。

「SANDO」では、フリーペーパー「HOTSANDO」を月に1回発行。情報発信だけでなく、取材を通して地域資源を発掘する役割も(写真撮影/相馬ミナ)
「池上エリアリノベーションプロジェクト」開始からわずか約1年半にも関わらず、すでにリノベーション物件が3事例開業。「ここまで早く事業が動いたのは、池上が歴史ある街であることが大きいのでは」と磯辺さんは分析する。続いてはその3事例を見せてもらおう。
多才な夫婦が目指す、地域と人とが繋がる拠点「つながるwacca」1軒目は「池上本門寺通り商店会」を進んで、「つながるwacca」へ。介護福祉士の社交ダンサー・井上隆之さんと、管理栄養士のヨガインストラクター・千尋さん夫妻が運営する多目的スタジオだ。

池上本門寺通り商店会の様子。呉服店や煎餅店など、古くからあるお店が今も元気に営業している(写真撮影/相馬ミナ)
地場の不動産会社が所有するスペースを題材に、街への思いを持つ開業希望の人たちとマッチングさせる企画「KUMU KUMU」に、自分・人・地域がつながる場として井上さん夫妻が提案。大人向けはもちろん赤ちゃん と一緒にできるヨガをはじめ、食イベントや親子カフェマルシェなどが行われている。

コインランドリー横の空きスペースをリノベーションして誕生した「つながる wacca」。取材に訪れた際は「ちょこっとカフェ」の営業中(写真撮影/相馬ミナ)
2020年春に開業予定だったが、コロナの影響で8月に延びた。それでも「その分ゆっくりしたペースで準備を積み上げられたかな」と隆之さん。「夫がポジティブなので私も前向きになれました」と千尋さんも笑う。
とにかく笑顔が素敵なお二人で、話しているとこちらも気持ちが明るくなる。そんな井上さん夫妻の元にふらっと集まるご近所さん同士が、自然と繋がれる、そんな空気感に包まれた場だ。

娘さんを抱っこする井上隆之さんと千尋さん。「池上の“人”が好きです。人と繋がりやすいのもいいですね」と千尋さん(写真撮影/相馬ミナ)
池上愛が偶然マッチして生まれたシェアスペース「たくらみ荘」続いては、池上本門寺通り商店会の一本お隣、池上本通り商店会の乾物店「綱島商店」2階に入る「たくらみ荘」。探究学習塾を軸としたシェアスペースだ。新しい学びをプロデュースするa.school(エイ スクール)が運営している。
誕生のきっかけは、先ほどご紹介した「SANDO」が発行するフリーペーパー「HOTSANDO」の別企画で「綱島商店」を取材したことから。プロジェクトについて話す中で、「綱島商店」の方が「実はうちの2階が空いているから、街のためなら」と空間を提供してくれたのだそう。

(画像提供/東急)

「たくらみ荘」のビフォーアフター。天井や壁を取り払って、さまざまな使い方ができる開放的な空間に(画像提供/東急)
「SANDO」の一角で時折開講していたしていたエイスクールが、池上で本格出店を検討していたところ、条件がマッチ。ある職業になりきりってさまざまなプロジェクトに取り組む「なりきりラボ」や仕事で使われる 生きた算数を学ぶ「おしごと算数」といった街を題材にした小学生向けの授業を中心に、多世代が学ぶ機会を提供している。

池上本門寺近くを流れる呑川。散歩コースや小学校の通学路になっていて、駅から少し距離があるものの人通りは多い(写真撮影/相馬ミナ)
本を媒介にした社交の場「ブックスタジオ」最後に訪れたのは、呑川沿いの「ブックスタジオ」。池上に本屋がなかったことからつくられたシェア本屋で、本棚の一枠分をそれぞれひとつの小さな本屋と見立て、各棚店主が当番制のような形で店番も担当し運営にも関わる 仕組みだ。
池上エリアリノベーションプロジェクトでは、本を媒介にした地域の交流促進の場をつくろうと、吉祥寺にある「ブックマンション」でこのシステムを運営していた中西功さんに協力を依頼。
「ブックスタジオ」は、同時期に 立ち上げの動きがあった、「ノミガワスタジオ(ギャラリー&イベントスペース)」のコンテンツのひとつとしてオープンした。
ノミガワスタジオは、動画配信スタジオ「堤方4306」とランドスケープデザイン設計事務所「スタジオテラ」 の共同事業。堤方4306の安部啓祐さんとスタジオテラの石井秀幸さんが、「ブックマンション」の趣旨に賛同したために、マッチングに至った。

30cm×30cmの棚ひとつ一つが、店主の個性溢れる小さな本屋。運営を始めて2カ月ほど、お客さんや場に合わせて 本 を セレクトする棚店主がいたり、棚店主同士の交流もあったりするそう(写真撮影/相馬ミナ)
2020年9月にオープンして、取材日時点では約2カ月が経過したところ。金・土曜日の週2回しか営業していないにも関わらず、40ある本棚の半分ほどが埋まり、すでにリピーターの姿が見受けられた。
「コロナの影響で準備期間が延びたんですけど、その間、お店の前を通る方が“ここはなんぞや”と気になっていてくれたようで」と、石井さん。客層は、お散歩されている年配の方がふらっと訪れたり、親子が中でゆっくり過ごしたりというのが多いそう。無料で気軽に利用することができるのが魅力だ。

左から、堤方4306の安部啓祐さん、スタジオテラの石井秀幸さん、野田亜木子さん。「地元の人間ではありませんが、地域の人からフラットに接してもらえますし、その緩さが住みやすさに繋がっていると思います」と石井さん(写真撮影/相馬ミナ)
「店番を担当している店主さんは、テーブルを使って展示や販売、ワークショップなど1DAYギャラリーとして利用していただけることもあって、本以外の表現の場となって楽しんでくれているんじゃないですかね 」(石井さん)
安部さんも「僕らは本業のデザイン、動画配信、建築設計事務所の傍「ブックスタジオ」を運営しています。100%営利目的での運営ではないことが、ここの空気感に繋がっているのかもしれません。また、長く続けられるように、自分たちもなるべく無理をしないように心がけています。合言葉は“無理をしない”です」と話す。
「ブックスタジオ」そして運営の皆さんもすっかり街に溶け込んでいて、インタビュー中も通りかかる人々から次々と声を掛けられていた。

取材日には棚店主の息子さんが子ども店長となり、好きな鉄道をテーマにした展示を開催(写真撮影/相馬ミナ)

子ども店長が制作した池上駅の変遷をまとめた本。彼の池上駅への愛に感動した磯辺さんが第1号の購入者に(写真撮影/相馬ミナ)
「池上エリアリノベーションプロジェクト」にとても影響を受けたと話す石井さん。仕事でいろんな街の地域交流の場をつくったりしているものの、自分が住む街は平和で問題ないと思っていたというが、「住む街が楽しかったらもっといいんじゃないのと最近は思うようになりました。コロナ禍の影響と相まって、例えば街の歴史を学んだり、お店を開拓したりして”自分の街の解像度”をどう上げていくか、楽しさが長く続く方法などを同時に考えるようになって。磯辺さんたちは池上にどんな人がいるかというのを顕在化してくれていると思うんです。困ったらあの人と繋がろうかなと思えますし、この街で暮らす楽しさが増しました」

池上を案内してくださった磯辺さん。街歩きが大好きで、コロナの影響が出る前は、池上の街歩きを企画していたそう(写真撮影/相馬ミナ)
訪れた先々で感じたのは、利用者が子どもからお年寄りまで世代に偏りがなく、「池上エリアリノベーションプロジェクト」が幅広い層に受け入れられていること。ぽっとできた新しいものではなく、街の資源をパッチワークしてつくられたお店や施設なので、池上の人々に馴染んでいるのだと感じた。
そして何より重要なのは、街を想う人々の存在。紹介した「池上エリアリノベーションプロジェクト」のリノベーション事例以外にも、池上には街を愛する人々による古民家カフェなど 個性豊かな店が存在している。休日にふらりとまち歩きをしてみてはいかがだろうか。
●取材協力
所在地:港区西麻布
所在地:千代田区神田淡路町
所在地:横浜市中区山下町クリスマスソングが聞こえてきて、もうそんな時期かと時の流れの早さに驚く季節になりました。SUUMOジャーナルで10月に公開した記事でも「2020年の地価は下落へ転換? 分野別にみるコロナ禍の影響」といった総括記事や「リフォーム経験者500人に聞いた!プラン&設備の満足度ランキング」など、改めて家について考える記事が人気TOP10入りしました。詳しく紹介します。
2020年10月の人気記事ランキングTOP10はこちら!
1位 2020年の地価は下落へ転換? 分野別にみるコロナ禍の影響
2位 「東京駅」まで電車で30分以内、家賃相場が安い駅ランキング 2020年版
3位 団体信用生命保険、住宅ローン契約者の3割近くが「知らない」。どこまで保障?違いはあるの
4位 リフォーム経験者500人に聞いた!プラン&設備の満足度ランキング
5位 コロナで「フラワーロス」が深刻! 花と花農家を救う花屋の挑戦
6位 仕事後にひとっ風呂!「小杉湯となり」で銭湯コミュニティを高円寺に
7位 コロナ禍で失われた高齢者の居場所。豊島区で「空き家を福祉に活かす」取り組み始まる
8位 「くたばってたまるか」福井・ものづくりの町が工房一斉開放イベント「RENEW」で示す覚悟
9位 「新橋駅」まで電車で30分以内・家賃相場が安い駅ランキング 2020年版
10位 「新橋駅」まで30分以内、中古マンション価格相場が安い駅ランキング 2020年版
※対象記事:2020年10月01日~2020年10月31日までに公開された記事
※集計期間:2020年10月01日~2020年10月31日のPV数の多い順
1位 2020年の地価は下落へ転換? 分野別にみるコロナ禍の影響

(画像/PIXTA)
上昇が続いていた基準地価が、新型コロナウイルスまん延による先行きの不透明感により下落に転じています。しかしマイホーム需要は新築中古を問わず活況を呈しており、当面は好調を継続しそうな様子。分野別の現状を探りました。
2位 「東京駅」まで電車で30分以内、家賃相場が安い駅ランキング 2020年版

(写真/PIXTA)
東京駅まで電車30分圏内の家賃相場最新ランキングを紹介。地下鉄直通で交通利便性抜群の千葉方面エリアや、共働きでの子育てしやすさ調査で上位に入った街、「コンパクトシティ」を実践する街などがランクインしています。
3位 団体信用生命保険、住宅ローン契約者の3割近くが「知らない」。どこまで保障?違いはあるの

(画像提供/PIXTA)
住宅ローンを借りる際に加入が条件となっている「団体信用生命保険」の内容について、知らない人が多いそう。がんのリスクに考慮した特約など、さまざまな特約を利用することができますが、どんなものがあるのか、加入している保険よっては不要な特約や選ぶときの注意などを解説します。
4位 リフォーム経験者500人に聞いた!プラン&設備の満足度ランキング

(画像提供/PIXTA)
リフォームを検討している人にとって参考になる、経験者によるプランと設備の満足度の生の声をリサーチ。プランで満足度1位だったのは、家族が交流しながら家事をこなせる「対面キッチン」、水まわり設備の1位は「お湯が冷めにくい浴槽」でした。
5位 コロナで「フラワーロス」が深刻! 花と花農家を救う花屋の挑戦

(写真提供/BOTANIC)
新型コロナウイルスの影響で需要が低迷している業務用花の廃棄を防ぐための、花業界の取り組みを紹介。提携農園から新鮮な花と、その花にまつわる情報を掲載した新聞が届くサブスクリプションサービスなどを行っています。
6位 仕事後にひとっ風呂!「小杉湯となり」で銭湯コミュニティを高円寺に

(写真提供/小杉湯となり)
若者に人気の街、高円寺。創業80年を超える老舗人気銭湯が、お隣にカフェとワークスペースを併設しました。仕事しつつホッとできる拠点として、家族間のリモートワークで居場所に困っている人や、在宅育児の息抜きなど「街の中にある、もう一つの家」として機能しています。
7位 コロナ禍で失われた高齢者の居場所。豊島区で「空き家を福祉に活かす」取り組み始まる

(画像提供/一般社団法人コミュニティネットワーク協会)
空き家対策と、高齢などで住宅確保が難しい人の増加というふたつの問題を一気に解決にするため、空き家率が23区で一番高い豊島区の、有志による取り組みを紹介。全国的にも成功事例の少ない、空き家の福祉への活用とは。
8位 「くたばってたまるか」福井・ものづくりの町が工房一斉開放イベント「RENEW」で示す覚悟

(写真撮影/Tsutomu Ogino(TOMART:PhotoWorks)
福井県丹南エリアで開かれた、日本最大級の体感型ものづくりイベント「RENEW」。2015年の誕生以来、同地区には新たなギャラリーが20以上開店し、移住者も増えるなど街の景色が変わりつつあります。イベントの様子とともに、街の未来をつくってきた思いをうかがいました。
9位 「新橋駅」まで電車で30分以内・家賃相場が安い駅ランキング 2020年版

(写真/PIXTA)
「サラリーマンの聖地」新橋駅へ30分圏内の家賃ランキングの最新版。横浜の「沖縄タウン」で知られる弁天橋駅は、土地の起伏の激しい横浜市でも比較的平坦な地形。下町情緒あふれる小岩駅は再開発が進み、今後への期待も膨らみます。
10位 「新橋駅」まで30分以内、中古マンション価格相場が安い駅ランキング 2020年版

(写真/PIXTA)
新橋へ30分圏内のシングル向け、カップル・ファミリー向けの中古マンション価格相場ランキング最新版。シングル向けの1位は鶴見駅の1530万円で、川口駅と川崎駅も要チェックな駅。カップル・ファミリー向けは鶴見小野駅の2230万円で、都内の駅も多数ランクインしています。
10月は、家賃相場が安い駅ランキングのランクインが目立ちました。コロナ禍の収まりはまだ見えませんが、2020年の地価の記事が1位になったように、このご時世だからこそ、そして新しい年へ向けて、家の購入を考える人も多いのかもしれません。暗いニュースが多い世の中ですが、その中に少しでも光明を見いだせるようにも思えました。
日本屈指の繁華街・ビジネス街である新宿駅は、1日の平均乗降客数が世界で一番多いことで知られる巨大ターミナル駅。部屋探しの際は、通勤や遊びなどの便の良さが気になるところだ。そこで、新宿駅へ30分以内で行ける、ワンルーム・1K・1DKを対象にした家賃相場が安い駅ランキングを分析。どんな駅があるか紹介しよう。新宿駅まで電車で30分以内、家賃相場の安い駅TOP15
順位/駅名/家賃相場/(沿線名/駅の所在地/新宿駅までの所要時間(乗り換え時間を含む)/乗り換え回数)
1位 京王よみうりランド 5.0万円(京王相模原線/東京都稲城市/27分/1回)
1位 生田 5.0万円(小田急線/神奈川県川崎市/22分/1回)
1位 稲城 5.0万円(京王相模原線/東京都稲城市/29分/1回)
4位 朝霞台 5.3万円(東武東上線/埼玉県朝霞市/29分/1回)
5位 読売ランド前 5.4万円(小田急線/神奈川県川崎市/24分/1回))
6位 京王稲田堤 5.7万円(京王相模原線/神奈川県川崎市/28分/1回)
7位 朝霞 5.8万円(東武東上線/埼玉県朝霞市/29分/1回)
7位 百合ヶ丘 5.8万円(小田急線/神奈川県川崎市/26分/1回)
7位 稲田堤 5.8万円(JR南武線/神奈川県川崎市/29分/1回)
7位 西国分寺 5.8万円(JR中央線・武蔵野線/東京都国分寺市/30分/1回)
11位 西調布 5.9万円(京王線/東京都調布市/26分/1回)
12位 飛田給 6万円(京王線/東京都調布市/27分/1回)
13位 国分寺 6.1万円(JR中央線・西武国分寺線ほか/東京都国分寺市24分/0回)
13位 武蔵野台 6.1万円(京王線/東京都府中市/29分/1回)
15位 中野島6.2万円(JR南武線/神奈川県川崎市/26分/1回)
15位 向ヶ丘遊園 6.2万円(小田急線/神奈川県川崎市/19分/1回)
1位は同額に3駅。京王よみうりランド駅と稲城駅は京王相模原線沿線の隣駅で、どちらも快速と区間急行が停車する。駅間距離は約2kmで、どちらも閑静な住宅街だ。
所在地である東京都稲城市は、東京都のベッドタウンで、多摩ニュータウンに含まれる。緑豊かで、都内であっても農業が盛んな地域、なかでもブランド梨の栽培で知られる。市と同名の品種「稲城」など、生産量が限られることから販売は地域の直売が中心で、わざわざ市外から買い求めにくる人も多いとか。梨以外の農作物も、市内のあちこちの農家の直売所で見かけることができる。

よみうりランド(写真/PIXTA)
車を所有している人にとっては、道路の道幅が広く、コンビニや店舗などの駐車場が広い場所が多い点はうれしいところだろう。稲城インターチェンジも近いため、休日は自家用車での遠出を楽しみたい人は検討してもよさそうだ。
同じく1位の生田駅は、小田急線沿線の川崎市にある、各駅、準急、通勤準急の停車駅(通勤準急は上りのみ、準急は下りのみ運転)だ。明治大学の生田キャンパスの最寄駅であり、大学生の一人暮らしも多く、学生街の雰囲気も漂う。
周辺には大規模な商業施設などはなく、飲食店が充実しているとは言いがたいかもしれない。しかしその分、雰囲気は落ち着いていて、静かな環境といえそうだ。
スポーツや歴史、趣味との両立ができる街12位の飛田給駅は、京王線の快速停車駅。副駅名は「味の素スタジアム前」で、プロサッカーチームのFC東京と東京ヴェルディの2クラブがホームスタジアムにしている同施設の最寄駅だ。サッカー以外の競技でも国際試合など大きな大会がある際には臨時列車が運行する。
大規模施設があるとはいえ、駅周辺は閑静な住宅街といった風情。少し行くと、広々とした芝生のなかにアスレチック施設などがある野川公園がある。サッカーなどのスポーツ観戦を楽しみつつ、落ち着いた生活ができる街といえそうだ。

野川公園(写真/PIXTA)
13位の国分寺駅は、JR中央線や西武国分寺線、西武多摩湖線の3路線が利用できる。駅周辺には大型商業施設が充実しており、非常ににぎやかなエリアだ。
駅周辺は再開発が進んでおり、2018年には駅直結で商業施設「ミーツ国分寺」などが入っている新しい施設「cocobunji WEST(ココブンジウエスト)」も誕生。駅前広場も整備中だ。老朽化した建物などが新しく生まれ変わりつつある一方で、レトロな書店や個人経営のオシャレな飲食店などは健在。昔ながらの街並みはそのままに、快適性が向上している。
国分寺の地名は、かつて聖武天皇が日本各地に建てた寺院「国分寺」に由来している。そのため、万葉集にうたわれた植物を収集した美しい日本庭園があり、当時の文化を知ることができる国分寺万葉植物園や水と緑にあふれた武蔵国分寺公園など、壮大な歴史に思いをはせることができるスポットも数多い。
新宿は巨大なターミナル駅だけに、ランキングも都内だけでなく埼玉県や神奈川県と、あらゆる地域からのアクセスの万能ぶりがうかがえる。選択肢がたくさんあると悩ましくなるものだが、だからこそ、自分のお気に入りの部屋探しの楽しさも増すはずだ。
●調査概要
所在地:杉並区和田
所在地:新宿区中町
所在地:新宿区矢来町
所在地:世田谷区深沢コロナ禍で外国からの観光客が激減している。国内の外出自粛もあって、観光地やビジネス街の宿泊施設は打撃を受けた。一方で、GOTOトラベルで国内の観光客が戻りつつある。そんななか、観光庁が民泊についてある調査をした。その調査結果は……。【今週の住活トピック】
「住宅宿泊事業の廃止理由調査について」を公表/観光庁コロナ禍でも民泊の届け出は継続しているが、廃止届も増加
2018年6月15日に住宅宿泊事業法(いわゆる「民泊新法」)が施行されて以降、住宅宿泊事業者は届け出をすれば、民泊を行えるようになった。では、現状はどうなっているのだろうか?
住宅宿泊事業届出の現状を見る(画像1)と、2020年10月7日時点の届出件数(赤線)は2万7484件。法施行日の約12.4倍にまでになった。コロナ禍においても、民泊を営業する旨の届け出が継続してなされていることが分かる。
その一方で、事業の廃止件数(青線)は新型コロナウイルスの感染拡大のころから増加している。その結果、届出住宅数(緑線)は4月10日の調査数をピークに減少傾向にある。2020年10月7日時点で事業廃止件数は7292件に達し、届出住宅数は2万192件となった。

住宅宿泊事業届出住宅数等推移(出典:観光庁「民泊制度ポータルサイト」より転載)
新型コロナウイルスの影響で「収益が見込めない」が最多住宅宿泊事業の廃止件数が増加していることを受けて、観光庁では、事業の廃止理由について調査を行った。その結果を見る(画像2)と、廃止の理由で最も多かったのは「収益が見込めないため」の49.1%で、前年調査の7.2%と比べると、大幅に増加したことが分かる。
廃止理由の中でも「新型コロナウイルス関連」(赤色)で見ると、「収益が見込めないため」が最多で、この回答の94.4%を占めるほどだ。

住宅宿泊事業廃止の理由 ※複数回答あり(出典:観光庁「住宅宿泊事業の廃止理由調査」より転載)
収益が見込めない理由は、やはり宿泊客の減少だろう。観光客の減少に加え、出張の抑制なども影響して、開店休業状態になったところも多いことだろう。「事業は完全に廃業」の回答が増えていることからも、収益が見込めずに完全に撤退する構図が浮かび上がる。
一方で、何らかの形で事業を継続しようという動きもうかがえる。「旅館業または特区民泊へ転用するため」と「他の用途へ転用するため」に注目したい。
「旅館業または特区民泊へ転用するため」については、これまでは廃止の最大理由だった。今回は、前年と比べると比率は大きく減っているが、実数としては2番目に多いことから、相応の動きがあると見てよいだろう。また、「他の用途へ転用するため」の回答は、今回はコロナの影響もあって増えている。民泊新法による民泊ではなく、特区民泊や旅館業、その他の業態で何らかの事業を継続しようという動きが見て取れる。
一部に業態を変えて事業を継続する動きも?ここで、民泊について確認しておこう。そもそも「民泊」は、「旅館業」や「特区民泊」とどう違うのだろうか。
民泊新法が施行される前は、旅館業法上の「簡易宿所」の許可を得るか、国家戦略特区で認められた自治体の民泊の条例に則る(いわゆる特区民泊)か、という選択肢しかなかった。旅館業法では宿泊者の安全確保のためなどの建築上の制限が厳しく、一般的な住宅ではハードルが高いうえに、特区民泊も該当する自治体が限られるため、違法に民泊を行う事業者が多かった。
一般的な住宅でも民泊をやりやすいようにと生み出されたのが「民泊新法」だ。ただし、旅館業や賃貸業を脅かさないようにと、年間180日を超える営業はできないという制限が付いた。宿泊客が見込める場合は、この「180日規制」が収益にはマイナスに影響してくる。
住宅を改修することなどで旅館業法が適用されるようになれば、365日営業ができるようになる。特区民泊も自治体ごとの条例に従う必要があるが、365日営業が可能だ。このために、これまでは旅館業や特区民泊への転換を図るために、民泊新法による民泊の廃止届を出す事例が多かった。コロナ禍においても、GOTOトラベルなどで観光客が戻ってきた地域であれば、いつでも営業できるようにしたいと転換に動いたことが推測できる。
かたや、コロナ禍で生活様式が著しく変化した。テレワークが急速に広がり、オフィス以外の場所で仕事をしたり、通勤せざるを得ない業種の働き手が自宅以外で寝泊まりしたりといった事例も見られた。こうした変化のなかで、民泊用の住宅をコワーキングスペースにしたり、家具付きのマンスリー賃貸にしたりといった、業態を転換する動きもあると考えられる。
調査結果の事業廃止は、あくまで民泊新法による民泊を廃止する届け出だ。コロナ禍で、事業自体を完全に止めた場合が多いだろうが、何らかの形で事業を継続しようという事例もあるのだろう。
せっかく日本に根付いた民泊ビジネスなので、日本らしいおもてなしの場として育ってほしいと思うが、新型コロナウイルスの影響で収益が見込めなくなるのは残念でならない。知恵を絞って、何とか頑張ってもらいたいものだ。
所在地:新宿区西落合
所在地:中央区日本橋人形町
所在地:板橋区東山町
所在地:板橋区東山町
所在地:川崎市幸区古市場
所在地:世田谷区松原2度目のロックダウンになる前に訪問した、パリの中心部にも近いサン・ドニ門近くに住むファッション小物ブランド「MAISON N.H PARIS」代表、紀子さんのアパルトマンをご紹介。外出禁止令が出てからのお家時間についても伺いました。連載【パリの暮らしとインテリア】
パリで暮らすフォトグラファーManabu Matsunagaが、フランスで出会った素敵な暮らしを送る人々のおうちにおじゃまして、こだわりの部屋やインテリアの写真と一緒に、その暮らしぶりや日常の工夫をご紹介します。アパルトマン購入のきっかけと決め手になった条件
紀子さんは雑誌や広告のファションコーディネーター、プロデューサーとして活躍し、並行して6年前から始めたラフィアのバック、帽子スカーフなどのファッション小物のブランドMAISON N.H PARIS代表でもあります。娘で22歳のマヤさんはすでに独立し、息子のリュアン君18歳はロンドン留学中、レイ君14歳は父親(元夫)のところと紀子さんのアパルトマンを1週間おきに行き来しています。
20年前、このアパルトマン購入を決意したのは、マヤさんが生まれて3人家族になり、パリ18区にあった50平米のアパルトマンが手狭になったから。「当時、彼(元夫)の仕事場に向かう郊外列車の駅が北駅で、徒歩で通える範囲で探しました」と紀子さん。
メトロの駅にも歩いて行けて、日当たりが良く、大きな浴槽を置くことができる物件を、広さ80平米という条件で探していましたが、18世紀に建てられた130平米のこのアパルトマンをとても気に入ってしまったそう。パリの住宅事情では、明るい部屋を探すのはとても大変ですが、このアパルトマンの日当たりの良さが購入の決め手となりました。「全てを得るのは難しいので、どこで折り合いをつけて、その中で幸せを見つけるかが私の人生のテーマ」 (紀子さん)。パリの古い建物にはよくありがちなエレベーター無し、階段で5階まで上り下りをすることにも躊躇しなかったそうです。

4部屋に区切られていた壁を全部取り払い、日当たりの良い広いサロンに改装(写真撮影/Manabu Matsunaga)
サン・ドニ門の商店街に面するアパルトマンパリの中心地にも近い10区にあるサン・ドニ門の商店街はもともとコスモポリタン的な街です。紀子さん家族が移り住んだ2001年ころは、中近東インドをはじめオリエンタル系、アフリカ雑貨のお店がほとんどを占めていたそう。
ここ6、7年でおしゃれなカフェやレストランなどが増えたため、集まる人たちも多様になりつつあります。BOBO(ボボとはブルジョワ・ボヘミアンの略で、中流階級で高学歴、自由に生きている人々。ファッション業界や自由業が多いとされている)と呼ばれる人々が物価の安かったころに物件を買って住み始めたのも影響しているそう。
近くにはヘアサロン用のヘアカラーやウィックなどプロの卸問屋が軒を連ねたり、小さなテアトルがあったり「にぎやかな地区でお店もいろいろあって生活にはとても便利です」と紀子さんは話します。

紀子さんのアパルトマンから見下ろした商店街。外出制限の時もこの窓辺で過ごすことが多かったそう(写真撮影/Manabu Matsunaga)

自宅からこのサン・ドニ門をくぐればパリの中心地へ、毎日必ず見る光景(写真撮影/Manabu Matsunaga)

パッサージュ・ブランディはインドのレストランや雑貨、食材の店が並んでいる。「よくここで香辛料などを購入して自宅で料理します」(写真撮影/Manabu Matsunaga)

Chez Janetteは紀子さんは子どもを学校へ送り届けた後に、ママンたちとお茶をして情報交換をする場所。今は仕事帰りやひと息つきたいときにカウンターでカフェを飲むそう(写真撮影/Manabu Matsunaga)
18世紀築のアパルトマンを大改装2000年の購入当時、扉や天井が歪んでいたりして全てがボロボロだったため、大規模な改装工事を物件の購入価格の1/6の工事費をかけて行いました。物件は洋服関係の作業場だったらしく、130平米に何部屋も小部屋があり、床にはボタン類が散らばっていたそう。今の大きなサロンはもともと4つの部屋に分かれていて、まずは壁を取り除くことから始まりました。キッチンをサロンの一角に設置し、お風呂場、ベッドルームを4部屋つくるという大工事です。そのうちの2部屋はバスルーム&トイレを真ん中に置く設計で、両部屋から入ることができ、扉の鍵を締めればプライバシーが保てる仕組みになっています。「引越しした時は長女も小さくまだ3人家族だったので、この使わない2部屋には小さなキッチンもつけて部屋貸できるようにしました。工事費用の足しになるように考えたのです」と紀子さん。

部屋貸しできるよう設計された部屋は、今はレイ君の部屋に。スケートボードに夢中の男の子14歳の部屋(写真撮影/Manabu Matsunaga)
階段やファサードなどの日本では「共用部」と呼ばれる部分の改装工事や修理代、時には壁の中の配管や防湿剤など直接隣接していない工事に関してもアパルトマンの全住人がお金を出して直していきます。興味深いのがフランスの建物のシステム。その金額は住んでいる家の大きさによって何%払うかが決められるといいます。紀子さんの家は広いので、工事費の10%を支払う義務があり、この19年間で1000万円ぐらい支払ったそう。
18世紀築の古い建物なので、日常的に修繕が行われ、住民同士が助け合って、大切にこの後も住み続けていくことになります。
大工事の末にでき上がった大きなサロンは55平米あり、玄関、キッチン、大きなテーブルのあるダイニング、ソファーとローテーブルのあるくつろぎのスペース、そして、思いがけずコロナの外出制限のときにはとても重要な場所になった窓辺の5つのスペース。

冬でも季節関係なく使っているMAISON N.H PARISの籠バッグ。北マレの人気ブロカント市で購入したチェストと棚。一輪挿しや旅から持ち帰った物が飾られている(写真撮影/Manabu Matsunaga)
まずは家の中に入ると、友達から譲り受けたベンチがあり、ここでコートを脱いだり靴を履いたりする玄関コーナーがあります。サロンへ続く壁際のチェストには鍵やマスクや郵便物を置いた、生活の流れを感じることができる配置。
「天井はちょっと低いけど、広いサロンがバスルームと同じぐらい好きな場所。高級な家具はないけどお気に入りばかり」と紀子さん。ほとんどがヴィンテージ家具で、蚤の市や友人から譲り受けたり、道で拾ったりしたもの。
離婚して1人になった時に、大人は自分しかいない家になったから「好きな物だけに囲まれたい」と思ったのが今のライフスタイルの原点だそう。
サロンの窓に向かって右側がダイニング。最大15人座れる大きなテーブルも友達から譲り受けたもの。食事以外でもこの大きなテーブルで仕事をしたり、子どもたちと話たり、時には仕事のミーティングもする場所。

写真右奥にはNYのイサムノグチ美術館で購入したグリーンの版画と赤いイケアの引き出しがある「ファッションは黒っぽい格好が多いけど、インテリアはJoyeuse Bordel(明るく雑然とした感じ?というような意味)が好み」と紀子さん(写真撮影/Manabu Matsunaga)

この本棚はイケア製。テーブルには花を活けることが多い(写真撮影/Manabu Matsunaga)
くつろぎのソファーコーナーと窓際サロンの窓に向かって左側のスペースの日の差し込み方が好き、と紀子さんが言うように、購入の決め手となるのも頷けるほどとても明るい。そこはくつろぎのコーナーで大きなソファーは、なんと紀子さんが道で見つけてきたもの。こういうときは力が出てしまうと、5階の家まで担いできたといいます。
フランスでは古いものを大切に使うし使えるものは拾ってきてしまう、これはとても一般的。粗大ゴミをネットで回収日と時間を決めて道に出しても、必要と思う人が持って行ってしまうことも多いのです。拾うことに抵抗がない国民性なのかもしれません。たしかに100年経っていない、でも古いものを売る”ブロカント市”は全国的に人気で、紀子さんも年に2回開かれる北マレのブロカント市の常連です。フランスにはさらに「ヴィッドグルニエ」という家庭の不用品を売る市もここ数年人気を博しています。紀子さんもサイト情報をチェックしているそう。

道で拾ってから家のメンバーになったソファ(写真撮影/Manabu Matsunaga)

「前はサロンにテレビとゲームがあったのですが、子どもたちも大きくなってどかしました。そうしたら子どもたちとの会話が増えたような気がします」と紀子さん(写真撮影/Manabu Matsunaga)

ラグはインドから持ち帰ったハンドメイド(写真撮影/Manabu Matsunaga)
窓から見えるのはコロナ前と変わりのない普通の景色。けれど、ロックダウンで外を眺めてコーヒーを飲む癖がついてしまったそうです。「テーブルと椅子を窓辺に置いて朝食を食べたり、今は第二の外出制限中。不要な外出を避けて自宅窓際カフェで我慢するしかないようです」(紀子さん)今では一人のときは窓際で多くの時間を過ごす、重要な場所になったそう。

天井を真っ直ぐつけると窓が開かなくなるので、実は湾曲している。古い建物ばかりのパリではそんな事がよくあるそう(写真撮影/Manabu Matsunaga)

窓と窓の間に置かれたチェストの上にある個性的な花瓶は、実は60年代の北欧のDANSK社のワインクーラー(写真撮影/Manabu Matsunaga)

日のよく当たる窓際の隅には大きな籠を置いてひざ掛けやテーブルクロス。紀子さんの見せる収納術(写真撮影/Manabu Matsunaga)

「植木類を育てるのは苦手だけれどサボテンはぐんぐん伸びるので面白い」と紀子さん。伸びすぎた部分をカットして今乾かし中で、もう少ししたら土に植えるそう(写真撮影/Manabu Matsunaga)
サロンにあるオープンキッチンは見せるスタイル元夫はミニマルなシステムキッチンにして全てを収納しようと思っていたといいますが、バスルームにお金をかけすぎてしまったため、28年前に救世軍で買ったビュッフェ(食器棚)を置いてオープンキッチンにしたそうです。「いつか工事と思いながら仮の姿でそのまま20年経ちました(笑)。
ビュッフェはもともと黄色にペイントされていて、フランス北部の街アミアンのアパートから18区のアパートを経てこの定位置に落ち着きました。ハゲていても全然気になりません」と紀子さん。
「見えるところに調味料など置いてあった方が使いやすいし、カゴを使ってラップなどのキッチン消耗品を入れたり、そんなスタイルの方が好きだし自分らしい」。ミニマルや超モダンなものに疲れてしまう自分を発見したと話します。
家のいろいろなところに食器が飾られている紀子さんのアパルトマン「私は食器は使ってなんぼと思っているので、身の丈に合わないものは買わないようにしているんです。毎日の日常生活を彩ってくれるので、割れても後悔しないくらいの金額」というのが紀子さんのバランスです。

28年前に5000円ぐらいで買った黄色いビュッフェでキッチンとダイニングコーナーを仕切っています。この裏が流し台調理台になっている。花を活けることが好きで、たくさんの花瓶を持っている紀子さん。特に一輪挿しが好きで、気に入ったものがあれば買ってしまうほど(写真撮影/Manabu Matsunaga)

豚の籠の中にはビニール袋、調味料はガラス瓶に入れて中身が分かるように。<SIMPLE>という料理本はエスニックな調味料を上手に使っていてとても美味しいレシピばかりだそう(写真撮影/Manabu Matsunaga)

日本茶、中国茶、ハーブティー、紅茶。お茶というお茶が大好きな紀子さんは、いろいろなポットを持っている(写真撮影/Manabu Matsunaga)
一番こだわったバスルームへ続く寝室前に住んでいたアパルトマンいは小さなシャワー室しかなく、それがストレスだった紀子さん。だから、絶対に大きなバスタブにしたかったそう。そして、フランス式に溜めたお湯の中で体を洗うのではなく、バスタブとは別にシャワーを設置して、シャワーとバスタブは行き来できるようにセメントのブロックで階段をつけました。
当時インターネットも普及しておらず、今ほどおしゃれなパーツが売っていなかったそう。探しに探してたどり着いた蛇口は一目惚れしたVolaシリーズ、デザインはアルネヤコブセン。洗面器は木の上に置けるようなタイプが見つからず、イタリアからお取り寄せというこだわりぶり。
「家で一番好きなバスルームで本を読んだり、スマホをいじりながらお風呂に入るのがワーカホリックな私の唯一無二のリラックスタイムです」と紀子さん。

バスルームもたくさんの光が入る。床はフローリングのままというのが紀子さんらしい(写真撮影/Manabu Matsunaga)

バスソルトはハーブやエッセンシャルオイルをミックスして楽しんでいるそう(写真撮影/Manabu Matsunaga)
バスルームへ直接アクセスできる紀子さんの寝室は、小さな中庭に面していてとても静か。
「家で過ごす土曜日がこんなに好きなのはお昼寝できるから。家でずっと過ごすからこその至福の時」。外出制限中のおうち時間も苦ではないそう。
ベッドカバーは季節ごとに変えるようにしているとか。夏はカラフル、冬になったらメキシコの市場で購入した白黒に模様替え。インドのSerendipity Delhiのランプシェードは苦労して持ち帰った旅の思い出。

寝室は中庭側、サロンは光の入る道路に面した側、というのがフランス式(写真撮影/Manabu Matsunaga)

帽子好きな紀子さんは、旅で見つけたものもコレクションに。自分のブランドでもつくっている(写真撮影/Manabu Matsunaga)
年々パリの物件価格は上昇していて、不動屋に見積もってもらったところ、購入金額の4倍にもなっていたとか。このアパルトマンは、すでにローンも払い終わっていますが、子どもたちもほとんど家にいない時間が多くなり、紀子さん一人で住むには広すぎると言います。「この際ここを売って新たに物件を探そうかと考えているところです。パリ市内にこだわっていませんが、コロナ以降は、比較的アクセスがよく、もっと自然と寄り添える、周辺環境が静かな地区で、庭などの空間があったらいいなと漠然と考えています。広さは今の半分で十分」。コロナはまだまだ猛威を振るっていますが、考えや価値観を見直すきっかけになり、得ることも多かったのも確かなようです。
●取材協力
所在地:目黒区東山
所在地:渋谷区東
所在地:杉並区高円寺北
所在地:新宿区西新宿複数の路線が乗り入れる規模の大きさや駅構内の複雑さから、「新宿ダンジョン」とも言われる日本屈指の一大ターミナル・新宿駅。2018年には東京都と新宿区が新宿駅周辺の再整備方針「新宿グランドターミナル」構想を策定し、今後もさらなる発展が期待されている。今回は、そんな新宿駅までアクセスしやすい中古マンションの価格相場を調査。新宿駅まで30分圏内にある、専有面積20平米以上~50平米未満の「シングル向け」と、専有面積50平米以上~80平米未満の「カップル・ファミリー向け」、それぞれの価格相場が安い駅トップ10を見ていこう。●新宿駅まで30分以内の価格相場が安い駅TOP10
【シングル向け】
順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/新宿駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 西川口 2080万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県川口市/24分/1回)
2位 十条 2290万円(JR埼京線/東京都北区/12分/0回)
3位 下板橋 2299万円(東武東上線/東京都豊島区/13分/1回)
3位 板橋区役所前 2299万円(都営三田線/東京都板橋区/19分/1回)
5位 方南町 2315万円(東京メトロ丸ノ内線/東京都杉並区/10分/1回)
6位 蕨 2330万円(JR京浜東北・根岸線/埼玉県蕨市/27分/1回)
7位 板橋本町 2349万円(都営三田線/東京都板橋区/21分/1回)
8位 川崎 2370万円(JR東海道本線/神奈川県川崎市川崎区/30分/2回)
9位 馬込 2380万円(都営浅草線/東京都大田区/26分/1回)
10位 大山 2399万円(東武東上線/東京都板橋区/16分/1回)
【カップル・ファミリー向け】
順位/駅名/価格相場(沿線/所在地/新宿駅までの所要時間/乗り換え回数)
1位 生田 2485万円(小田急線/神奈川県川崎市多摩区/22分/1回)
2位 百合ヶ丘 2500万円(小田急線/神奈川県川崎市麻生区/26分/1回)
3位 京王稲田堤 2585万円(京王相模原線/神奈川県川崎市多摩区/28分/1回)
4位 京王よみうりランド 2635万円(京王相模原線/東京都稲城市/27分/1回)
5位 北戸田 2690万円(JR埼京線/埼玉県戸田市/28分/0回)
6位 読売ランド前 2700万円(小田急線/神奈川県川崎市多摩区/24分/1回)
7位 中浦和 2750万円(JR埼京線/埼玉県さいたま市南区/30分/1回)
8位 稲田堤 2798万円(JR南武線/神奈川県川崎市多摩区/29分/1回)
9位 朝霞 2830万円(東武東上線/埼玉県朝霞市/29分/1回)
10位 武蔵野台 2880万円(京王線/東京都府中市/29分/1回)
シングル向け(専有面積20平米以上~50平米未満)で中古マンションの価格相場が最も安かったのは、JR京浜東北・根岸線の西川口駅。価格相場は2080万円で2位以下から一歩抜きんでた安さとなり、1駅隣の6位・蕨駅と比べても250万円も低かった。利用できる路線がJR京浜東北・根岸線のみという点が安い理由の一つかもしれないが、駅に直結して食料品店や100円ショップが店を構える「ビーンズ西川口」があり、駅周辺の商店街もにぎわっているため暮らすには不自由なさそう。また、さらに発展した街並みの川口駅まで1駅。休日のショッピングに出かけやすい環境と言える。

西川口駅前(写真/PIXTA)
2位は新宿駅から乗り換えせずに行ける、JR埼京線・十条駅。駅の北口から伸びる「十条銀座商店街」は、「日本三大銀座」と呼ばれる人気商店街の一つに数えられている。食料品店から飲食店、雑貨店など約190店舗がひしめき、大半がアーケードに覆われていて雨天でも買い物がしやすい点もうれしいところ。日常の買い物はもちろん、惣菜店をめぐる買い食いスポットとしても人気を集めている。
3位には東武東上線・下板橋駅と、都営三田線・板橋区役所前駅がランクイン。下板橋駅は新宿駅まで約13分で行けるほか、2駅・約4分で池袋駅に行くことができる。また、駅から東へ6分ほど歩くとJR埼京線・板橋駅に、駅から北東へ10分ほど歩けば都営三田線・新板橋駅にたどり着く。つまり東武東上線に加え、JR埼京線と都営三田線も利用しやすいロケーションなのだ。駅周辺はスーパーやドラッグストアはあるが、大型商店はなく静かな住宅地といった趣。代わりに「池袋本町電車の見える公園」や「南板橋公園」など広い公園があり、のんびり暮らすにはいいだろう。
下板橋駅と同額3位となった都営三田線・板橋区役所前駅は、駅名のとおり、駅前に板橋区役所があるロケーション。区役所と国道17号を挟んだ反対側には、旧中山道沿いを中心に「仲宿商店街」が広がっている。昔ながらの青果店や精肉店、惣菜店といった個人商店からスーパー、食堂に石窯ピザ専門店……と、バラエティ豊かな商店が約130店舗も並んでいる。

仲宿商店街(写真/PIXTA)
同額3位の下板橋駅と板橋区役所前駅は、実は歩いて約13分という近さ。また、下板橋駅の1駅隣には10位・大山駅があり、板橋区役所前駅の1駅隣には7位・板橋本町駅が位置している。さらに7位・板橋本町駅から東へ20分少々歩くと、2位・十条駅があるという位置関係。トップ10のうち5駅は、直径約2km圏内に集中している結果となった。
シングル向けとカップル・ファミリー向け、注目のエリアが判明続いて、カップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)のランキングを見てみよう。1位は小田急線・生田(いくた)駅。駅北口側にはスーパーと100円ショップ、カフェを備えた「小田急マルシェ生田」があり、その先にもスーパーやドラッグストア、銀行、郵便局など暮らしを支える施設が点在している。駅周辺には幼稚園や保育園、公立の小中学校や高校が複数あり、明治大学と専修大学のキャンパスもあるため学生の姿も多く見かける。地形としては駅を谷底とした丘陵地のため坂道が多い点は少々ネックだが、緑も多く残されていてのびのびと子育てをしたいファミリーにはいいだろう。
2位は1位と同じ小田急線の百合ヶ丘駅。ここから新宿方面に1駅進むと6位の読売ランド前駅、2駅目が1位の生田駅、という並び順で続いている。百合ヶ丘駅は1960年代に百合丘第一団地ができるにあたって開業した背景があり、駅周辺は当時からベッドタウンとして発展してきた。商店は駅の南側に多く、駅前にスーパーとドラッグストアが店を構え、駅前のアーケード商店街を抜けて7~8分ほど歩くと別のスーパーや100円ショップも。しかし駅周辺の大半を占めるのは住宅で、合間に緑豊かな公園が点在する街並みだ。静かな環境の百合ヶ丘駅周辺に住み、休日は1駅隣りの新百合ヶ丘駅へ行きショッピングモールや映画館をめぐる……という暮らしもよさそうだ。

京王稲田堤駅(写真/PIXTA)
3位は京王相模原線・京王稲田堤駅。駅の北には多摩川が流れ、南には多摩丘陵が広がっており、自然が身近に感じられる。駅南口の改札を出るとスーパーがあり、その先のベーカリーや飲食店などが並ぶ京王駅前通りを5分ほど歩くと、8位のJR南北線・稲田堤駅に到着する。連絡通路などはないためいったん駅を出る必要はあるが、周辺住民は京王相模原線とJR南北線の2路線を利用できるのだ。また、1駅下り方面に進むと4位・京王よみうりランド駅にたどり着く。
先ほどのシングル向けランキングでは3位の2駅と、2位、7位、10位の計5駅が近い範囲にあったが、カップル・ファミリー向けランキングにも同様の傾向が見られた。1位・生田駅、6位・読売ランド前駅、2位・百合ヶ丘駅は小田急線の連続する駅であり、3位・京王稲田堤駅と4位・京王よみうりランド駅は京王相模原線の隣接する駅。また、3位・京王稲田堤駅と8位・稲田堤駅は歩ける距離にある。さらにこれらの駅が位置する区間の小田急線と京王相模原線は2.5kmほどの距離を空けてほぼ並走しているため、トップ10のうち6駅は、神奈川県川崎市多摩区とその周辺の近い範囲に固まって位置している。
シングル向け、カップル・ファミリー向けともに、トップ10の駅のエリアに偏りが見られた今回のランキング。シングル向けは新宿駅の北側の駅が多く、カップル・ファミリー向けは新宿駅の西側の駅が多くランクインしていた。「新宿駅から30分圏内」という点は同じでも、物件の広さによって価格相場が安い街は変わってくる様子。自分が求める物件の広さを固めてから、ランクインした街のいずれかに狙いを定めて住まい探しをすると希望に適う物件がスムーズに見つかるかもしれない。
●調査概要
所在地:板橋区志村
所在地:中野区松が丘
所在地:練馬区貫井
所在地:台東区松が谷
所在地:目黒区中央町
所在地:川崎市中原区新丸子町
所在地:台東区蔵前
所在地:港区元麻布
所在地:港区高輪
所在地:国分寺市光町
所在地:武蔵野市関前
所在地:新宿区高田馬場昭和40年代、50年代に多くつくられた団地では、建物の高経年化や住民の高齢化が進む中、新しい活気を生みだそうと、さまざまな試みがなされています。今年3月、足立区に誕生した「読む団地」ジェイヴェルデ大谷田は、そのなかでもひときわユニークです。使われていなかった1階の空間をリノベーションしてシェアハウスとし、共同リビングには1000冊以上の本を配置、また、団地の居住者や地域の方と交流を図れる場としてコミュニティラウンジ『BOOKMARK』もつくりました。住み心地と暮らしぶり、狙いを運営会社とシェアハウス入居者に聞いてきました。
築43年の大規模団地の一角に「シェアハウス」が誕生
漫画、料理、旅、エッセイ、推理小説など、さまざまなジャンルがあり、共通の関心があれば会話が広がったり、貸し借りをしたりと、人と人とをつないでくれる「本」。「あなたのイチオシは?」と聞かれたら、思わず語りたくなってしまうことでしょう。
そんな本を1000冊以上もそろえたシェアハウスが、今年3月、足立区大谷田一丁目団地に誕生しました。その名前も、「読む団地」ジェイヴェルデ大谷田。なんだか名称だけでもワクワクしますが、コロナ禍にめげず、すでに多くの入居希望者が集い、暮らしています。でも、なぜ団地の一角にブックリビング付きのシェアハウスをつくったのでしょうか。企画・運営をした日本総合住生活株式会社に聞いてみました。

2020年度グッドデザイン賞を受賞しました(写真提供/日本総合住生活株式会社)
「大谷田一丁目団地は昭和52年築、全10棟、1374戸からなる大規模団地です。シェアハウスの場所は足立区が保有し、もともとは保育士の寮でしたが、足立区が利活用事業として事業者を公募していたため、弊社が手をあげたのです」と話すのは、日本総合住生活株式会社の奥寺高清さん。

お話を伺った奥寺高清さん(写真提供/日本総合住生活株式会社)
日本総合住生活株式会社は、UR都市機構の団地の管理などを手掛けている会社で、現在は団地のリブランディング、魅力を知ってもらう取り組みにも力を入れています。
「もともとは寮だったこともあり、リノベしてシェアハウスにし、若い世代に団地暮らしの楽しさを知ってもらいたいという観点から、若者向けシェアハウスにコンセプトが決まりました。どこの団地もそうですが、建物・居住者ともに高齢化が進んでいます。若い世代が外から入ってくることで、コミュニティを活性化したいという狙いがあったのです」(奥寺さん)
ただ、シェアハウスをつくるだけでは、シェアハウスに住んでいる人同士の交流は生まれても、団地居住者や地域の方との交流は生まれないものでしょう。そこできっかけになるのが「本」です。
「本はシェアハウスの共用リビングに1000冊ほど常時そろえ、入れ替えを行います。選書は、カフェや美容室など、本屋にこだわらず広く本に触れる場をつくり親しんでもらう活動をしている個人のtsugubooksさん。また、コミュニティラウンジ『BOOKMARK』は、本や食をテーマにしたイベントなどをきっかけに団地居住者や地域の方、シェアハウスの入居者が交流を図れる場としてつくりました。コロナウイルスの影響で自粛していましたが、9月にやっとイベント初開催となりました」(奥寺さん)

シェアハウスの共用リビングにある本棚。テーマごとにゆるやかにまとまっていいて、眺めているうちに自然と興味の範囲が広がっていきます(写真提供/日本総合住生活株式会社)
取材に訪れた10月3日は、「食」をテーマにした本のイベントが開催されていました。団地の方々、地域の方々も気になっていたようで、「ココ、気になっていたの、立ち寄っていい?」「今日は何をしているの~?」とさっそく、交流が生まれていました。集まる人の年齢も性別もそれぞれですが、本を手に話がはずんでいるのを見ると、「本ってこんなに人を結びつけるんだ」と感慨がわいてきます。

団地の一角にできたコミュニティラウンジ『BOOKMARK』で開催されたイベントの様子(写真提供/日本総合住生活株式会社)

コミュニティラウンジで開催されるイベントの参加はシェアハウス入居者、団地居住者、地域の方など誰でもOK。「食」に関するオススメの本を持ち寄り、コメントを書いて並べます(写真提供/日本総合住生活株式会社)
「本は持ち運びもしやすくて、人の物でも抵抗なく触ることができるもの。本の気軽な貸し借りから緩やかな人づきあいが育まれるのでは」というアイデアから、今回の「読む団地」がはじまったといいますが、まさに狙い通りといえそうです。
その住み心地は?「テレワークもしやすくて、たいくつしない」それでは、シェアハウス内での交流や暮らしはどのようなものなのでしょうか。6月からこのシェアハウスで暮らしている川上望さん(26歳)に聞いてみました。

川上望さん(撮影/SUUMOジャーナル編集部)
「本があるシェアハウスなので、本や読書が大好きな人ばかりが集まっているのかと思っていましたが、そうではなく、仲良くなってからさらりと『何の本を読んでいるの?』と会話することが多いですね」とあかしてくれます。では、シェアハウスの住み心地はいかがでしょうか。
「建物はリノベ済みで、きれいで住みやすいですね。セキュリティも行き届いていて、家具家電も備え付けなので、身軽でいられます。仕事はテレワークが多いんですが、部屋ではなく共用リビングでもでき、本もあるのでよい気分転換になります。ここにいれば退屈しません」とそのメリットを話します。
川上さんがシェアハウスに住むようになったきっかけ、団地のイメージについても聞いてみました。
「身軽で暮らしたいこと、働き方を考えて、仕事する場所とくつろぐ場所をわけたかったので、シェアハウスを探していて、この物件に出会いました。見学したときの第一印象で『ここだな!』と思ったことを覚えています。団地には特段イメージがなく、真っ白い箱という印象でした。シェアハウスは、何もないと交流が生まれないのは分かっていたので、『本』のようにコミュニケーションのきっかけがあるのはよいなと思いました。団地の居住者と交流はまだできていませんが、多様な世代、年代の人と触れあいたいな、というのはあります」(川上さん)
就職活動などの経験を振り返ったときに、その当時、多様な世代の人たちと接する機会があれば、「どんな企業や働き方があるのか、もっと早く知ることができた」というのがその理由だそうです。確かに多様な世代、生き方に触れたい、というニーズは若い世代ほどあるかもしれません。

川上さんが暮らすAタイプの部屋。ベッドや机、椅子は備え付けのもの(画像提供/川上望さん)

各自の部屋の扉の外にあり、お気に入りを紹介できる自分専用本棚「マイブック図書館」(画像提供/川上望さん)
新婚生活をシェアハウスで「居心地の良さを実感しています」もう一組、シェアハウスで暮らしているカップルにお話を伺いました。実はそれぞれ、このシェアハウスの別の部屋で暮らしていたものの、秋に結婚の運びとなり、10月から2人暮らしできる部屋でともに暮らし始めたばかりだといいます。新婚生活をシェアハウスで、というのも今どきですね。

佐古田慎さん(右)、佐古田羽蘭さん(左)夫妻(画像提供/佐古田慎さん)
「このシェアハウスに来る前は、別々の場所でひとり暮らしをしていたんですが、僕がどうしてもシェアハウスで暮らしてみたくて、結婚したら難しいだろうと、思い切ってココを見つけて、暮らしたいと言ったのが始まりです」(佐古田慎さん)
それなら「私も暮らす!」ということで妻の羽蘭さんも続き、シェアハウス内の別々の部屋で暮らすこととなったとか。ちなみにシェアハウスの住民には、2人の関係性は隠していたものの、すぐにつきあっていることがバレてしまったそう。では、2人からみたシェアハウスや団地の良さはどこにあるのでしょうか。
「実は前も団地で生活していたのですが、想像以上に住みやすいんですよね、団地って。スーパー、病院がそろっていて、敷地にもゆとりがある。生活しやすいのは分かっていたので、不安はありませんでした」と羽蘭さん。慎さんは念願のシェアハウス生活が楽しいようです。
「ひとり暮らしをしているとワンルームの部屋に帰って、ごはんつくって食べて、寝ての繰り返しになるでしょう。それがしんどくて。ここには『マイブック図書館』という、自分のお気に入りの本を置いておける場所があるんですが、料理本をおいていたところ、声をかけてもらえて。みんなでスパイスカレーをつくって食べたりしています。シェアハウスの入居者と、話して食べるのが楽しいですね」(慎さん)といいます。

佐古田夫妻が住むCタイプの部屋。2人で住むことが可能です(画像提供/佐古田慎さん)
団地のもつ良さと課題。「本」が解決のいとぐちになる?最後に、団地の良さと課題について、奥寺さんに聞いてみました。
「団地は住んでもらうと良さが分かるというお声をよく聞きます。ここは最寄りの北綾瀬駅から徒歩14分と距離はありますが、公園や医療施設、スーパー、コンビニ、郵便局などが近くにあって、不便はありません。大谷田一丁目団地内でランニングできるくらい、今どきの建物にはないゆとりがあり、暮らしやすさを考えぬいて設計された良さがあると思っています。今回のようなシェアハウスをきっかけにして、団地の良さを体験してもらい、シェアハウス卒業後に団地の一室で暮らしてもらう、そんな循環ができたらいいなと思っています」(奥寺さん)
課題にはどのような点があるのでしょうか。
「今まで、団地居住者同士で交流はあっても、地域の方と団地居住者との交流の場がなかなかなかったんですね。しかも高齢化していくと、余計に団地内コミュニティも活発になりにくくなってしまう。だからこそ、『BOOKMARK』のように、団地の中、さらには地域の方とのゆるやかなつながりの場所をつくり、交流の場所になれたらいいなと思っています」(奥寺さん)
新型コロナウイルスの影響で、『BOOKMARK』は計画時に思い描いていたような活用が今は難しいかもしれません。ただ、取材中、本を片手に人が会話したいというのは、実に自然な気持ちなのだなと痛感しました。どのようなかたちになるかは分かりませんが、本をきっかけに、シェアハウスや団地、地域の関係がより豊かなものになってほしい。本好きの一人として、そう願うばかりです。
●取材協力(※50音順)
所在地:世田谷区代田
所在地:世田谷区代田ワーキングスペースとレンタルスペース、賃貸住宅からなる複合施設「SANCHACO(サンチャコ)」。飲食営業可能なレンタルスペースを除いて保護猫が施設内を歩き回わり、住民や地域の人々が触れ合っている光景に、思わず笑顔になる場所だ。オーナーであり、全国でまちづくりや地域活性化のプロジェクトに携わる東大史(あずま・たいし)さんの発想から実現した。保護猫を軸とした本施設を手掛けたきっかけなどを伺った。
ネコファースト! 保護猫をハブに地域コミュニティを維持
「サンチャコ」があるのは、東急田園都市線「三軒茶屋」駅から歩くこと5分ほどの、にぎやかな大通りから一本入った路地。ローカル感が色濃い東急世田谷線の「西太子堂」駅にもほど近く、のどかな雰囲気だ。

三軒茶屋駅付近(写真/PIXTA)

「サンチャコ」の外観。防火規制区域内のため、木造耐火建築物として建てられた(画像提供/チームネット)
「三宿のあたりに軍の拠点が置かれた明治時代から、三軒茶屋では商店街が形成され、自動車が普及する前から市街地化していました。そのため道路幅が狭く、個性的な個人店舗が多いのが特徴です。再開発によって画一的で無個性な、人々が交流できなくなっている街が増えているなか、三軒茶屋では地域コミュニティを保てるよう、ここに代々土地を継いできた者として何ができるか考えた結果が『サンチャコ』でした」と東さん。自身が生業としてきた地域資源を活かす活動と、大好きな猫とを掛け合わせた事業を実現した。
social inclusion(ソーシャル・インクルージョン=社会的包容力)、sensuousness(センシャスネス=審美性)、sustainability(サステナビリティ=持続可能性)の3つのSをキーワードに、猫の幸せ・人の幸せ・地域コミュニティの幸せを結びつける場所にしたいと話す。

エントランスに猫のあしあと。ほかにも猫モチーフが施設のいたるところに(写真撮影/片山貴博)
“猫の幸せ”を実現するために、「サンチャコ」では保護猫の譲渡を軸に活動を行っている。取材をした2020年10月時点で、3匹の保護猫が居住。飼い主が亡くなってしまった近隣の猫たちで、サンチャコに来るまでは近所の方がお世話をしていたそう。猫たちがサンチャコに引越してからも、その方が猫当番のひとりとしてサンチャコを訪れていて、居住者をはじめ、自然と地域交流が生まれている。

オーナーで自身も保護猫を飼う東大史さん(右)と、建築プロデュースをしたチームネット代表の甲斐徹郎さん。東さんに抱かれているのは、16歳の長老、三毛猫のミーちゃん(写真撮影/片山貴博)
1階はものづくりの拠点と譲渡会などイベント会場に「サンチャコ」は木造3階建て。1階がワーキングスペースとレンタルスペース、2・3階が賃貸のメゾネット住宅というつくりだ。保護猫が主に過ごすのは、1階奥の共用スペース「にくきゅう」とワーキングスペース「neco-makers」。猫たちが脱走しないように入口を古民家で使われていた建具で二重に囲ったり、猫たちがリラックスできるよう床には奥多摩産の木材を敷いたりと、工夫されている。

棚から来客の様子を伺うハチワレのハナちゃん。共用スペースの棚などはDIYで制作。「三軒茶屋は商店が元気な街で、近所に木材屋さんや金物屋さんなどがあるんです。DIYのワークショップなどで、その街の文化を伝えていけたら」と東さん(写真撮影/片山貴博)
ワーキングスペースは、2021年度からのオープンに向けて準備中。一般の人も利用できる会員制で、現在会員を募集している。高機能ミシンやレーザーカッターなどが設置される予定だ。「ものづくり拠点としてここにクリエイティブな人たちが集まり、猫好き同士の異業種コラボからさまざまなプロジェクトが生まれて、三軒茶屋の街に『サンチャコ』のコンセプトが広がってくれることを期待しています」(東さん)
そのほか、譲渡会や猫の飼い方教室などの猫に関するイベント、DIYをはじめとした各種ワークショップなどを構想。譲渡会では、10歳を超えたシニア猫にも出会う機会を設けていきたいという。

ワーキングスペースで毎月開催される「SANCHACO茶会」の様子。まちづくりや地域活性化、保護猫にちなんだゲストを迎えて意見交換などが行われる(写真撮影/片山貴博)
「『サンチャコ』の周りには高齢の単身者が多いのですが、猫を飼うと生きがいや外との繋がりが増えて良いと思っているんです。ただ、多くの譲渡会で出会えるのは子猫がほとんど」。猫の寿命は20年くらいあり、小さいうちは手が掛かるということもあって、お年を召した方の場合、既存の譲渡団体からはNGになってしまうことが多いという。
「一方で、うちにいるようなシニア猫でしたら落ち着いていてお世話も比較的楽ですし、何かあればここで面倒を見られる。そうやって猫との暮らしをアシストしていければ。孤立している単身高齢者も猫を通じて地域と繋がっていけるんじゃないかなと思います」と今後の展望を教えてくれた。
カフェやスナックを介してサンチャコに関わるきっかけづくり道路に面したレンタルスペース「NECO NO HITAI(ネコノヒタイ)」でも、地域との交流の機会をつくっている。カフェやスナックなどの飲食営業やギャラリーができるスペースだ。「通りすがりの方にも、レンタルスペースで開かれるカフェなどを通じてこの建物に興味を持ってもらえたら」と東さん。レンタルスペースからは、猫がいるスペースが見えるようになっている。

道路から見る「NECO NO HITAI(ネコノヒタイ)」(写真撮影/片山貴博)
取材日に営業をしていたのは、「AWO STAND(アヲスタンド)」で、ご実家がお茶屋さんという丸谷阿礼さんが店主となり、加賀棒茶などを提供していた。丸谷さんは、世田谷で地域猫の世話をする団体「きぼうねこ」を立ち上げて活動している。サンチャコの説明会に参加したことをきっかけに、何か携われることはないかと、カフェを開くことにしたのだそう。

丸谷さんが営業する「AWO STAND(アヲスタンド)」(不定期開催)。日本茶とノンアルコールドリンクを提供(写真撮影/片山貴博)
丸谷さんのほかにも、サンチャコの説明会に参加した方が何かしらで関わっていきたいと、夜にスナックを営業している。このスペース自体が、サンチャコと、さまざまな形で地域や猫に関わりを持ち続けたい方とが繋がる場として機能。さらにここで開かれるカフェなどが、サンチャコと地域とを繋げる大きな役割を果たしている。

レンタルスペースで保護猫の情報を紹介。サンチャコに暮らす保護猫はみな譲渡可能(写真撮影/片山貴博)
猫初心者へ間口を広げる新しい不動産の形最後に、2・3階の賃貸住宅を見てみよう。賃貸住宅では、一年くらいを目途に保護猫を譲り受けることを推奨し入居してもらっているのが特徴だ。
「不動産市場では、ペットを飼ってみたいけど、飼育経験がないので迷っているという方が2割くらいいるらしいんです」と東さん。昼間や旅行中は共用スペースで入居者みんなで猫の世話をするなど、初心者でも猫を無理なく飼えるような環境を用意することで、ニーズに応える新しい不動産の形を提案している。

猫の種類が各部屋の名前に。玄関前にはかわいらしいサインがあしらわれている(写真撮影/片山貴博)

賃貸住宅は全室メゾネット。写真の部屋は2020年10月末現在で空きがある「ハチワレ」(写真撮影/片山貴博)
お話を伺った入居者のMさん夫妻が、まさにその2割に当てはまる。「ここ数年ずっとペットを飼ってみたいと思っていたんですけど機会がなかったんです。他の物件に決めかけていましたが、心のなかで何かが引っかかっていて。そんな折に、『サンチャコ』を見つけて、ここだ!と」と妻。入居してからは、週一回の猫当番で共用部の猫のお世話をしながら、いつか自宅で猫を受け入れる準備をしている。

共用スペースに置かれた「にゃんこ連絡帳」。猫の特徴や体調の変化などが記されている。またLINEのグループをつくるなど、初心者でも安心して猫のお世話ができるような配慮も(写真撮影/片山貴博)
「いろんな猫がいるので、猫も性格がさまざまなのだと、ここに暮らして初めて知りました」と妻が話すように、活動は猫それぞれ。賃貸住宅は全4部屋。猫が上下運動できるよう階段があるメゾネットだが、キャットウォークなどは設けられていない。猫の動きによって空間をアレンジできるよう、部屋はシンプルなつくりになっている。
猫用に棚などが必要になれば、1階のワークスペースでDIYすることができる。「共用スペースの棚を真似して、サポートしてもらいながら自分たちの部屋にも棚をつくってみました」と夫。実はDIYを始めてみたかったという夫は、DIYができる環境も入居の決め手になったそう。
住み心地や今後の暮らしについて伺うと、「以前住んでいた街と違って、三軒茶屋は個性的なお店がいっぱいあるので、街歩きが楽しみです。ただ、ずっとここに暮らすというよりは、いずれ卒業しなきゃというイメージで入居しました。猫との暮らしを始めたい次の人にバトンを渡すことで、循環が生まれるのではないでしょうか」と夫。「仕事と家庭とじゃないですけど、猫と仕事との両立ができるようになったら卒業なんじゃないかなと思います。ここで猫の飼育方法を学んで、一人前にならなきゃ」と妻も、卒業に向けてサポートを受けながら猫と一歩一歩歩んでいる。

賃貸住宅の共用廊下へ繰り出すノンちゃん。「夜、玄関扉前で“入れて~”と鳴いていることもあるんですよ」と妻が教えてくれた(写真撮影/片山貴博)
猫と暮らす、猫と働く、猫の世話をしに訪れる……サンチャコではさまざまな猫との接し方があり、自分に合ったスタイルで、猫の幸せ、そして地域コミュニティと繋がることができる。猫も人も地域も幸せになれるサンチャコの仕組みが、より多くの場所で広がると、動物の殺処分や孤独死など大きな社会問題の解決策のひとつになっていくのではないだろうか。
●サンチャコ
所在地:練馬区高野台
所在地:新宿区舟町
所在地:世田谷区北沢
所在地:港区赤坂ファジー・アド・オフィスが企画・運営を行う総合住宅展示場「ハウジングステージ」の見学予約申込数で見ると、7月~9月の住宅展示場の見学予約件数が前年同期間で増加しているという。コロナ禍でも、住宅展示場で見学をしようという人が増えているのは、なぜなのだろうか。【今週の住活トピック】
「コロナ禍での住まいづくりに関する意識・実態調査」を公表/ファジー・アド・オフィスコロナ禍の生活の変化で住まいに新しいニーズ
同社の総合住宅展示場の見学予約申込数の場合で見ると、2020年7月~9月の件数が前年同期間とを比較して約4倍にも増えたという。2019年7月~9月という期間は、10月からの消費税増税の直前で駆け込み需要が落ち着いたころに当たるなど住宅を取り巻く環境は大きく異なっているため、単純に比較することはできないが、それでも増加したという点は注目だ。
その理由を考えてみよう。同社が「コロナ禍での住まいづくりに関する意識・実態調査」を実施したところ、外出を控えるようになった(83.2%)り、日常生活における衛生意識が高まった(60.6%)りしている。
また、コロナ禍での働き方の変化については、調査対象が総合住宅展示場「ハウジングステージ」に来場して会員登録をした人に限定される(有効回答327件)が、「自宅でのテレワークが増えた」(男性41.1%、女性21.6%)、「オンラインでの会議が増えた」(男性42.1%、女性13.4%)と回答し、特に男性で在宅ワークが増える変化が目立った。

出典:総合住宅展示場ハウジングステージ「コロナ禍での住まいづくりに関する意識・実態調査」
それを受けて、「家族との時間や在宅勤務について考えるうえで、今後の住まいや暮らしに欲しくなったもの」を聞くと、「(家族がそれぞれの時間を過ごせる)広いリビング」は男性44.2%、女性49.6%と男女ともに多い回答となった。一方で、男性では「(在宅勤務のための)自分専用の個室や間仕切りされたスペース」(52.6%)が、女性では「(外出しなくても)遊べる広い庭・屋上・バルコニー」(52.2%)がそれぞれ最多となった。
37.1%の女性が現在働いていないと回答していることから、働き方の変化による影響が大きい男性で個室ニーズが高まり、女性では在宅家族の時間を充実させる住宅の屋外空間への関心が高まったといえるだろう。

出典:総合住宅展示場ハウジングステージ「コロナ禍での住まいづくりに関する意識・実態調査」
こうして見てきたように、新型コロナの影響による暮らし方の変化が、新たな住宅ニーズを生んで住み替えなどを検討するようになるが、それをきっかけに住宅展示場を訪れようとする人が増えたと考えられるだろう。
住宅展示場を訪れるなら目的を明確にこれから住宅展示場を訪れる人はどんなことに気をつけるのがよいのだろう?訪れる目的はいくつかのパターンがあると思う。
第一に、住み替えを検討しているが、既成の分譲住宅ではなく注文住宅で家を建てたいと考え、ハウスメーカーのモデルハウスを見学するという目的が挙げられる。
第二に、住み替えで一戸建てを検討しているが、工法の違いや最新設備の情報などの基本的な知識を得たくて、モデルハウスを見学するという目的もあるだろう。
ほかにも、住宅展示場ではさまざまなイベントが催されている。例えばこれからなら、ケーキづくりやクリスマスリースづくりなどが想定できる。コロナ禍で遠出を控えていた人が、近くの住宅展示場のイベントに参加してみるといった目的もあるだろう。
住宅展示場を賢く利用する方法とは?第一と第二の目的の場合でいえば、各ハウスメーカーが力を入れる住宅のモデルハウスが一度に見られる住宅展示場ならではの効率的な見学方法がある。
まず見学する前に、どんな情報を求めて訪れるのかを明確にしておこう。例えば、すでに住宅ポータルサイトで、ハウスメーカーの比較検討をしている場合なら、どのような違いを確認したいのかを考えておきたい。あるいは、基本情報を知りたいなら、工法の違いを知りたいとか、耐震性や省エネ性について知りたいとか、具体的にテーマを絞り込んでおきたい。展示場を漫然と見てしまうと、情報の多さで整理がつかないといったことに陥りやすいからだ。
さて住宅展示場では、まずは展示場全体をぐるりと回って、住宅の違いを確認しよう。ぐるりと回るだけだと住宅の外観を見ることになるが、例えば木材を多用していたり、欧米風の輸入住宅であったり、3階建ての住宅であったりといった違いを見て、各社の特徴を押さえておこう。
気になる住宅があれば、1つのモデルハウスに1時間などと時間を決めて、数社回るようにしたい。数社の説明を聞いて比較検討することで、住宅の基礎的な知識が増えていくし、渡される住宅のカタログには説明にない情報が載っていることも多い。
具体的にハウスメーカーが絞れているなら、自分の希望する条件などを伝えながら、モデルハウスを見学するとよいだろう。モデルハウスは広い土地に建てられることが多いので、間取りにゆとりを感じたり、最新設備が豊富に搭載されているので、どれも便利に見えたりするものだが、実際にはそれぞれ広さや予算が限られるので、あらかじめそれを前提に説明をしてもらうとよいだろう。
もちろん住宅展示場の説明員はセールスが目的なので、自社の住宅を売り込むことになる。断り切れないといったことのないように、あらかじめ訪問目的や見学時間などを決めておくことが大切だ。
住宅展示場では、画像や動画だけでは分からない色味や質感、空間でのサイズ感や印象などが分かるのがメリットだ。一方で、予算以上の住宅がモデルになることもあり、憧れが先行して収集がつかない場合もある。上手に活用すれば欲しい情報が効率的に入手できるので、楽しんで見学するようにしてほしい。
所在地:目黒区目黒
所在地:渋谷区渋谷
所在地:中央区日本橋横山町
所在地:文京区本駒込最寄駅から車で2時間という和歌山県の山奥に、廃校になった小学校を再利用して、全国からニートや引きこもりの若者14人が共同で生活するシェアハウス「NPO共生舎」がある。月額1人2万円で、ネット付きの居住スペースと食事代をまかなう。「自分自身がかつて引きこもりで、今は山奥ニート」と話すのは、同NPO理事で、この春に著書『「山奥ニート」やってます。』(光文社 刊)を上梓し、話題を呼んでいる石井あらたさんだ。その山奥生活について、詳しい話を聞いた。
5月に発売された書籍『「山奥ニート」やってます。』は1万8000部(3刷)と売れ行き好調(写真提供/石井あらたさん)
地域の人々との交流は大切な生活の一部“山奥ニート”石井さんの生活は、朝はだいたい11時に起きてから今日は何をしようかと考え、焚き火をしたり、リビングで他の人とゲームをしたり、読書したりという、まさにその日暮らし。「自分も含めてニートは先のことを考えるのが苦手だと思う。『今』だけを考えて生きている」と話す石井さん。都会がコロナ禍でマスクや消毒に追われる緊張感ある生活なのと対照的に、コロナ禍でも生活は以前と全く変わりないと話す。
一方で共生舎は、これまで見学者や移住希望者の受け入れを行っていたが、この8月からは全面停止。再開のめどは立っていないという。「(感染症リスクを考えると)地域の方たちと交流しにくくなる」というのが理由だ。石井さんたちが暮らすのは、平均年齢80歳、山奥ニートの他に、徒歩圏内の住人はたった5人という集落。10代から40代の共生舎の住民たちは、キャンプ場の清掃や、梅農家のお手伝いなどをしながら、同じ村や近くの村に住む人たちと関わっている。また、スポーツを一緒に楽しんだり、祭りなどの村の行事にも積極的に関わっているので、こうした配慮は重要だ。

石井さんたちが住む五味集落までの道(写真提供/石井あらたさん)

五味集落(写真提供/共生舎)

地元の年配者との交流は自然の流れ(写真提供/石井あらたさん)
“山奥ニート”になったきっかけは福島でのボランティア今は、好きなことをしたり、地元の人々のお手伝いをしながら、気ままに山奥ニートライフを送る石井さん。ブログのアフィリエイトで得る月2万円が主な収入だが、それでも家賃0円ということもあって、十分な生活を送れていると感じている。
そんな石井さんが山奥ニートになったきっかけは、2012年に東日本大震災のドブ掃除のボランティアとして出向いた福島での出来事に遡る。当時、すでにニート生活2年目。たまたま友人と旅をしていた広島で東北の被災状況を見て、改めて自分の人生を振り返り「好きなことをやって、死ぬ瞬間に後悔しないようにしたい」と思ったそうだ。そんな石井さんをさらに突き動かしたのが、NPO の人に言われた一言だった。
「ニートや引きこもりの人は、大きな力を溜め込んでいる。でもそれを活かせる機会がない。でもこういう非常時では、それが何より助かる」
以来、「誰かに必要とされたい」という思いを募らせ、同じ思いを持つニート仲間を探しはじめた。同時にニートが集まれば、何か起こるのではないかと漠然と考えるようになった。「同じ種類の人間が集まれば、互いに強化しあって、そこから何か文化のようなものが生まれるのではないか」と思ったのだ。
こうしたなかで出会ったのが、今も山奥で生活を共にする“ジョーくん”だ。彼の紹介で、2014年にNPO 共生舎のことを知り、「親の目を気にせず、思う存分引きこもる」ために山奥で生活することを決めた。

山奥の遊びの鉄板、焚き火。夏は河原で泳いだり、バーベキューも楽しめる(写真提供/石井あらたさん)

「こんな場所が近くにあるのは、ちょっと自慢」(石井さん)(写真提供/石井あらたさん)
人がいること自体が希少な山奥だから感じる“人”の価値アニメを観て、ゲームをして、SNSして、寝る。ある意味、今も「引きこもったまま」。それでも、都市部で暮らしていたときよりも人とのふれあいは圧倒的に増えた。村おこしやビジネスなどで能動的に集落に関わっているわけではない。「引きこもる範囲が自分の部屋から、集落に広がったんです」と石井さん。
山奥で暮らし始めてみて、こもることが目的でやってきたにもかかわらず、NPOの事務を一手に引き受け、その生活が楽しい故に、自然と集落の人や地域の人たちとの交流が増えていった。そんな中で石井さんが気付いたことは「便利なところには、便利な分、人が多い。人間が希少な分、山奥では一人の人間の力が非常に大きいので、価値が大きい」ということ。

お祭りのお手伝いも集落から感謝されている(写真提供/石井あらたさん)
「この山奥ぐらい不便な場所というのは、僕たち共生舎の住民がここからいなくなったら向こう100年人が住まなくなってもおかしくない。そのおかげで、(地域に住むほかの)みんなが優しくしてくれる。人間が希少なので、何よりも貴重な存在として扱ってくれる」と続ける。
つい先日、11月3日に行われた集落の祭りを共生舎の住人十数人で手伝った。毎年、山の上のお宮までお参りに行くのだが、そこまでたどり着ける地域の人は2人しかいない。「『あんたらがいなかったら、寂しい祭りになっただろうなぁ。来てくれてありがとう』と言われました。枯れ木も山のにぎわいじゃないですけど、一人ひとりは大して役に立ちませんが、頭数いるだけでも喜ばれるのが山奥です。お酒飲むのに付き合うだけで、すごく喜んでくれるんですよ」と、山奥生活で、改めて「人がいることの価値」を体感していると話す。

ニワトリも放し飼い(写真提供/石井あらたさん)
家でも人の気配を感じながら、心地よく生活している石井さんが拠点にしている共生舎での住民たちのメインの交流場は、広いリビング。共生舎はいわゆるシェアハウスだが、廃校になった小学校を利用しているため、スペースは十分すぎるほどに広い。
シェアハウスといえば、都会だと音や臭いなどが問題になりがちだが、そういったトラブルは皆無。それぞれがソーシャルディスタンスを保ちながら生活しているという。

広々としたリビングでは、テレビの前を陣取ったり、本棚前で読書したりと、好きなことを悠々と楽しめる(写真提供/共生舎)
「40畳ぐらいあるリビングに、8~10人が常にいて、好きなことをしています。
リビングが広いと、部屋の隅と隅で別の話ができるんです。そうすると、あっちのほうで面白い話をしてるなと思ったら、そっちに席を移って話に加わることができる。狭いリビングだと、一つの話をしていたらその話に参加するしかない。別々の部屋だと、面白いことしているか分からない。広い一つのリビングだからこそ、自分が加わる話題を選ぶことができて、ある種Twitterのような、ゆるいコミュニケーションができます。実際、リビングにいるけどそれぞれで別のことで遊んでいる光景をよく見ますね。
上手に距離を保ちながら、一緒にゲームをしたり、映画を観たりする人もいれば、一人で読書する人もいます」
住居スペースの広さを確保しにくい都市部と比べ、山奥は家の中も、外も開放的なのだ。

(写真提供/石井あらたさん)
山奥生活に向いているのは、自分で楽しいことが見つけられる人石井さんが集落にやってきてから過去7年に、累計40人がこの共生舎で生活をしてきた。見学には200人が訪れた。「住みたいという人を選り好みしようとはしなくなった」が、いくら広い居住空間で生活しているとはいえ、血のつながりや、もともと知り合い同士でもない他人が共同生活を送るには、ルールが必要。
NPOの運営は現在石井さんを含む古参の3人が“独裁政治”で担っている。「ニートたちは概ね仲がいいのですが、何かを決めるときは3人で相談して決めています。そんなことは1年に1度あるかないかですが」と話す。「ほとんどの場合、この山奥が合う人は残って、合わないと思う人は自然と去っていく」

共生舎の住民でノリでつくったミニコミ誌。16Pのうち4Pの共生舎の概要のほかは、漫画やレシピ、映画の感想、ボードゲームの攻略記事などかなり自由な内容。Vol2も予定している(写真提供/石井あらたさん)
今年だけですでに4人が入れ替わった。「(山奥での生活は、)自分で楽しいことが見つけられる人が向いていると思う」と石井さん。都会のいいところである、思いもよらない出会いはなかなかないので、出会いなしには生きられないという人には、山奥は向かないのかもしれない。またお互いが好き勝手にやっていることを面白がれるかどうか、それが共同生活の秘訣だ。
ちなみに、住民全員がニートというわけではなくリモートワークで働く人がいたり、一時的な滞在組と永住組が混在したりしている。

(写真提供/石井あらたさん)
「『(仕事をしていてもしていなくても、滞在でも永住でも)どちらでもいいよ』というスタンスは、ニート支援をする他のNPOなどの組織と比べて、とても珍しい立ち位置。誰にも先のことなんて分からないのに、どうするかなんて決められないから。だから『どちらでもいい』んです」と、いたってシンプルな理由で寛大な方向性が決められている。
過ごし方も、仕事をする・しないも、お互いとの関わり方も、「どちらでもいい」。時にNPOなどの取り組みの“●●しなければならない”に息苦しさを感じる人もいるように思う。
ただ、共同生活をする上で、それぞれが何らかの手伝いをすることはほぼ暗黙の了解で義務のようにはなっているとのこと。食事を用意する、掃除をする、ゴミ出しをするといったことを、住民は厳しい決め事をせずに自然と手を貸し合いながら生活している。

(写真提供/石井あらたさん)
山奥ニートになって、“自分が知らなかった感情”を知った著書で、生まれて初めて「マジギレした(マジで怒った)」事件について触れた石井さん。普段は温厚で、嫌なこともすぐに忘れる性格だが、山奥生活を始めて3年目に、どうしても人やモノに当たらずにはいられない日があった。それは「自分の知らなかった感情」だった。
“マジギレ”だなんて、ネガティブなイメージがあるかもしれないが、今では石井さんはポジティブに受け止めている。「“マジギレ”したというのは、それだけ僕が人と関わって生きているという証拠だと思う。人と関わったからこそ、自分を知ることができた。自分がムカっとする相手に会ったときにどんな反応をするのかを知るということは、逆に自分が何に心地よさを感じ、何に嫌悪するのかが分かるようになるということだから」(石井さん)

(写真提供/石井あらたさん)

(写真提供/石井あらたさん)
自分の感情を自然に発露できた山奥での生活のおかげで、怒り、心地よさ、嫌悪といった「感情」が自分の中に芽生えたと感じている。
それに、感情的であることは悪いことではないとも思っている。
「一人で生きていくということはかなり大変で、強い人でないと生きられない。弱い人は、弱い人同士が繋がって、生きていく方がいい。感情的になるということは、弱さも見せていくということ。だから、人と人の“しがらみ”もある程度必要だと思うんです」
石井さんは、1カ月だけ共生舎に住んだことのある女性と3年前に結婚した。現在3カ月に1度、1カ月ほど名古屋に住む妻のところに滞在する“二拠点生活”を送っている。
山奥の生活はコロナ禍での変化がまったくない分、「マスクが必須になった都会は、以前以上に息苦しく映る」と石井さん。街中を歩くにもどこか罪悪感を抱かずにはいられず、何も考えずに歩ける山奥の暮らしがやはり好きだと再認識している。
とはいえ、都会の生活も嫌いではない様子。「山奥の生活の一番の魅力は生活費の安さ。都会の良さは、遊ぶ場所がある、新しい面白い人と出会える、食べ物の選択肢が多いということ。それぞれにいいところがある。都会のいいところを山奥に持っていけたら面白そうだと思うんですよね」

2020年2月10日(ニートの日)に登壇した「ニート祭り」の様子(写真提供/石井あらたさん)
コロナ禍でオンラインでのコミュニケーションが一般的になり、石井さんは山奥にいながらにして地元の友達とのオンライン飲み会も頻繁に楽しむようになった。確かに、山奥での不便さも尊いものだが、都会の良いところも取り入れれば、より住みやすくなりそうだ。
「山奥にも住む人が増えたら最高」と話し、「共生舎に住むことは物理的に難しくても、周辺集落にもっと人が移り住んでくれたらうれしい」と続ける。「将来的には、妻も山奥生活することを考えているようです」
コロナ禍のこの半年、外出規制になったり、先の予定を全てキャンセルすることも余儀なくされた。予定やルーティンがベースにあった毎日が一変し、日々の過ごし方や、暮らしたい場所、仕事観など、価値観が大きく変わった人も多いだろう。それぞれが新しい生き方を模索するなかで、“山奥ニート”石井さんの「先を考えず、その時その時を思うままに暮らしているのに充実感を感じられている」生き方は、凝り固まった私たちの価値観にちょっと変化を与えてくれるように思う。
石井さんは、「就職して働いている人は、やっぱり立派です」と言いつつ、このウィズコロナ時代を「先のことを考えることが苦手な僕たちにとっては生きやすい時代」と話す。「働くこと以外なら、なんでもやる気があるんです」という石井さんは、山奥の暮らしをもっと楽しんでやろうと大きな野望を抱いている。
●取材協力
所在地:三鷹市下連雀
所在地:三鷹市下連雀
所在地:目黒区青葉台
所在地:目黒区緑が丘
所在地:国分寺市内藤
所在地:新宿区東五軒町新型コロナウイルスの影響で、おうちで過ごす時間が増え、自宅をリフォームする人が増えているといいます。リフォームというとトイレやキッチン、バスなどの水まわりがまず頭に浮かびますが、新型コロナウイルスの影響か換気や内装の工事も増えているとか。どんな工事が多いのか、一戸建て・マンションのリフォームのプロに聞いてみました。
「換気」や「抗ウイルス対応壁紙」「除菌水」のリフォームが急増中!
今、不動産市場のなかで、最も活況といわれているのがリフォームです。在宅時間が増えたことで、長年、放置されてきた「家の不具合」「故障箇所」などに気が付き、リフォームを依頼するという流れがあるようです。
「今回、新型コロナウイルスの対策として、換気が大きく注目されました。2003年以降、分譲された住宅には24時間空調換気が義務付けられていますが、それ以前の建物はそうではありません。『動いているのか分からない古い換気扇を交換したい』との問い合わせから、熱交換機能付きや24時間換気機能付きの換気扇をご案内することは多かったですね」と話すのは、静岡鉄道株式会社 不動産分譲事業部リフォームグループ 茂木 仁志さん。

(写真/PIXTA)
先のことは誰にも分かりませんが、来年以降の第二波、第三波を考慮し、早めに対策をして「家を快適にしておこう」「より安全な環境にしたい」という人も多そうです。
「抗ウイルスなどの壁紙や床材、抗菌水などは、もともとよく知られている商品ではないと思います。ですから、『換気扇を交換したい』という問い合わせから、話が広がっていくことが多いですね」と茂木さん。建物の状況にもよりますが、総額でも50万円ほどの少額で収めている人が増えているといいます。

事例内容:一戸建ての玄関ドアをリフォームして通風ドアに
施工費用:36万円~
施工期間:1日
(写真提供/静鉄リフォーム)

事例内容:外から帰ってすぐに手洗いできるよう、玄関入ってすぐのところに洗面台を増設
施工費用:15万円~
施工期間:4日
(写真提供/静鉄リフォーム)
「コロナの影響で、収入減を予測している人が多いのだと思います。壊れてしまって生活できない『修繕』は別ですが、しなくても暮らしが成立する高額リフォームは、『贅沢品』という側面があるんです。それゆえになかなか高額にはなりにくいのではないでしょうか」(茂木さん)とその理由を明かしてくれました。
ちなみに予算をおさえつつ、プチリフォームで頼りになるのがDIYです。実際、コロナウイルスの影響もあって、ホームセンター各社の売上は好調ですが、特にDIY用品がよく売れているといいます。近年は塗料や手軽に加工できる壁紙・床材が出ているので、気軽にチャレンジしやすくなっているのかもしれません。
おうちオフィス化計画は、リビングまわりに机を配置する人多数コロナの影響で増えたといえば、テレワークです。『おうちオフィス化計画』、リフォームでさらに充実したものにしたいと考えている人はいることでしょう。筆者もその一人で、大人2人がそろって自宅作業してもストレスがないよう、リフォームを検討しています。
「特にマンションにお住まいだと、室内の広さに余裕がある、または部屋が余っているというご家庭は少ないもの。そのため、クローゼットなどに書斎をつくろうという人はあまり多くないように思います。多いのは、リビングの一部にパソコン台をつくって子どもを見ながら仕事ができるようにするご依頼です。家族の生活音は、ヘッドホンをしてしまえば意外と気にならないようですね」(茂木さん)

事例内容:マンションのリビングにカウンター机を造作
施工費用:10万円~
施工期間:2日
(写真提供/静鉄リフォーム)
リフォーム検討者として気になるのが、ほかにも50万円以下でどんなリフォームができるのか、という点です。茂木さんに目安を伺いました。
「通常のトイレなら節水トイレに交換し、床と壁天井の内装も施工できます。また、12畳ほどのLDKの壁天井クロスの張り換え、テレワーク用の作業台を設置するのもいいですね。ただ、マンションも一戸建てでも、建物の状況によるので、一概には言えません。基本的には、住まいの下見や素材のご相談のあと見積もりという流れになり、見積もり作成まで無料というのが一般的です」と解説します。
次に50万円以下でできるリフォームの例を紹介していきましょう。おうち時間の増加により、「家で遊べる」「家が楽しい」と、リフォームを考えているなら、以下のようなケースが参考になりそうです。神奈川県を中心にリフォーム事業を展開する株式会社フレッシュハウスが手掛けた事例から紹介しましょう。

事例内容:インナーガーデンをつくって、家なのにカフェ気分が楽しめる
施工費用:床部分10万円、上部スポット等照明追加工事5万円※面積により金額は変わります
施工期間:2日
(写真提供/フレッシュハウス)

事例内容:階段の手すりを使ってデスクをつくり、趣味のDTMコーナーに
施工費用:5万円~※机にする材料や面積などにより金額は変動します
施工期間:1日
(写真提供/フレッシュハウス)

事例内容:吹抜けに大型スクリーンプロジェクターを設置。家が映画館に早変わり
施工費用:スクリーン取り付け10万円、手すり変更(既存の手すりを撤去し、新たに枠を設けて強化ガラスをはめ込み)30万円
※プロジェクターやスクリーンの費用は含みません
施工期間:同時施工で2日
(写真提供/フレッシュハウス)
室内以外にも、「部屋から目に入る場所」に手を加える人も増えているようです。例えば新潟県を中心にデザイン性の高い注文住宅、リフォームなどを手掛ける株式会社アンドクリエイトでは、以下のようなリフォームができるといいます。

事例内容:青石と青砂利を敷くことで庭をおしゃれに。家庭菜園スペースもつくっておうち時間を楽しめるように
施工費用:7万円(材料費のみ)施工は施主
施工期間:2日
(写真提供/アンドクリエイト)


事例内容:タタミコーナーと浴槽から眺める庭をつくった。2階タタミコーナーと浴槽から見える坪庭バルコニーを枕木で隣地目隠し施工し、植木鉢と石敷きを行った
施工費用:25万円
施工期間:3日
(写真提供/アンドクリエイト)
こうして事例を見ると、やっぱりリフォームって、快適になるだけでなくおしゃれになりますよね。目にする空間が自分好みだと、やっぱりストレスなく暮らせる気がします。
「インスタグラムをはじめ、SNSの影響は大きいと思います。弊社でもリノベアイテムをそろえたECサイト『HAGS』と提携しており、インスタ映えするようなおしゃれな建材をお客様がWEB上で選ぶこともできます」(茂木さん)
最後にもう一つ聞いておきたいのが、リフォームを依頼してから着工までにかかる期間です。もともと、建設業の人手不足から施工までに時間がかかるなどと言われていましたが、コロナの影響も加わったことで、依頼してから施工まで、余計に時間はかかるのでしょうか。
「工事の規模や内容にもよりますが、弊社の場合は相談して現地確認後、1週間ほどでプランの提案、ご契約から1週間程度で工事着工を心がけています。ただ、住設機器メーカーのショールームで現物を確認するとなると時間がかかってきます。現在、各社ショールームの週末予約が取りにくい状況が続いているので、その場合、お時間をいただく場合がございます」(茂木さん)
なんと、やっぱりここにもコロナの影響があるんですね。新しい生活様式にはさまざまな不便もありますが、住まいに関心が高まるのは個人的にとても良いことだと思っています。住まいを大事にすれば、暮らしの充実度や満足度は高まるはず。気軽にできるリフォームが多くの人に広まり、「わが家って、手入れするとめちゃ快適じゃん!」という人が増えてほしいなと思います。
●取材協力(※50音順)
所在地:杉並区和田
所在地:渋谷区千駄ヶ谷
所在地:世田谷区太子堂改めてわが家を見回すと、気に入らない一角や整理すべきモノが目についたり、逆に物足りなさを感じたり……。
自分にとって何が大切か、この機会にもう一度考えてみてはどうだろう。
しっかりした価値観をもってモノを選び、家を整えた、暮らし上手な柳沢小実さんの家と話をヒントにしてみよう。
モノを買うときは置き場や使い方を想像する
旅や暮らしにまつわる本を数多く著しているエッセイストの柳沢小実さん。整理収納アドバイザーの資格をもつ専門家でもあり、「機能的な白い箱をつくるつもりで建てた」という家は、どこを見渡してもさっぱりとしている。「耐震性や断熱性を第一にして、インテリアは余白を残しておきたかったんです」
言葉どおり、この家のモノは白い壁や窓の光を背景に、自らの居場所を心得て収まっている印象。「モノは好きでよく買いますが、置き場所や使い方が想像できるモノに限っています。物欲をコントロールしているんです」
だから衝動買いはしない。するとしても、それは前から欲しくてイメージしていたモノに出合ったとき。あるいは、服や食器などあらかじめ決めたジャンルだけ。また、妥協して中途半端なモノを二つ買うようなら、高くても本当に欲しいモノを一つ買う。「でないと、結局満たされません」
「少なく」ではないが「少なめ」にもつ。それも柳沢さんから学びたい暮らしの態度だ。「もち過ぎると、モノに振り回されてしまいます。特にキッチンとクロゼットは広さに対して物量が多いので、あふれないよう気をつけます」
閉めて隠せばそれで解決という状況をつくりたくないからクロゼットの扉も常時開けているという。「家で仕事をしているので余計に気になるんでしょう。リビングにもあえて造作収納を設けず、お気に入りの家具に入るだけのモノをもつようにしています。好きなモノはキレイにしまって、いつも愛でていたいんです」

おしゃれに見えるコーナーも実用的。椅子の上のイエローのバッグは来客時にDMや書類など夫のものを一時的にしまうためのもの。スタンドに掛けてあるのはハタキ。スツールはスタックできるものを

アジアの食器は料理をおいしく見せてくれる

アンティークの本棚も食器棚に。カップ&ソーサーは北欧、グラスはオールドバカラと種類を決めている
収納は「省エネ」にして家時間を楽しむ
さらにポイントは、無駄と無理がないこと。「収納で大事なのは狭い場所にたくさんしまうテクニックではなく、置き場を決めるなどの簡単なルールです。置き場所は動線とセットにすれば無理がありません。例えばわが家も、夫が帰宅してからダイニングの椅子に座るまでの動線上で、鍵もリュックもコートも片付くようにしてあります。収納が得意な人だけが頑張るのではなく、家族でシェアでき、ラクに片付く省エネ収納でないと続きません」
昨年まで、年に6回は海外を旅していた柳沢さん。旅先で買ったモノも多く、仕事の合間、大好きな中国茶でひと息つく時間にそれらを眺める。「旅の風景がよみがえりますが、思い出として懐かしむというより、必ずまた行きたいと思わせてくれる現在進行形の感情です」。片付けに終始するのではなく、こんなふうにモノと付き合える家をつくって暮らしたい。

アーチの奥はリビング続きの柳沢さんの仕事部屋。扉はなく、程よい見え方が部屋をキレイに保つモチベーションに

朝の光が爽やかだというダイニング。端正なキッチンはオーダーメードで、壁付けにコンロ、アイランドにシンクがあるⅡ型。下部収納はダイニング側からも使えるようにして食器を収めた

キッチンの造作棚も一面ではなく控えめに。カウンターの上にはよく使うモノが置いてある
モノに振り回されないように、愛おしいモノたちだけを厳選して大切にする。そのために必要なのは簡単なルールをつくること。柳沢さんのおかげで、なんだか収納をシンプルに考えるための糸口が見えてきた。
構成・取材・文/今井早智 撮影/平野太呂
エッセイスト 柳沢小実さん
所在地:武蔵野市吉祥寺北町
所在地:墨田区京島2008年に制度が開始し、「おトク」というイメージで2015年ころから急速に利用が広まったふるさと納税。返礼品は食品や伝統工芸品のイメージが強いが、近年、バリエーションが広がっている。なかでも「体験型」が増加しており、地域活性につながっているという。
「体験型」増加の背景と実態、そしてウィズコロナ時代の今だからこその「ふるさと納税」活用について、ふるさと納税サイト「さとふる」広報と、自治体担当者へ聞いた。
「さとふる」でも体験型の返礼品は増えており、バリエーションも多彩だ。旅行券・宿泊券、食事券、テーマパークや水族館等アミューズメント施設の入場券や、マリンスポーツ・ゴルフ・スカイダイビング等アクティビティの体験チケットもある。
地域産業を活かした「コスメの手作り体験」「伝統工芸品づくりの体験」や、「農業体験」「漁師体験」「地元テレビやラジオへの出演券」、中には「1日町長体験」などユニークなものも。
「寄附額1万円前後、都心から程近い場所の旅行券や、その土地で利用できる観光チケット、花火大会の入場券なども人気があります」と、「さとふる」広報の谷口明香さん・道岡志保さんは語る。
二人によれば、「体験型」増加の背景には2つの理由があるという。
ひとつは、ふるさと納税をPRの場として捉える自治体・事業者が増えたこと。食品や伝統工芸品などの特産品でなくとも、「その地域ならではの体験」を提供することで地域活性化や地域PRにつなげたいと考える自治体や事業者がアイデアを出しあい、オリジナルの返礼品を生み出している。
もうひとつが、2019年の地方税法改正だ。制度の趣旨に反する返礼品増加や過度な競争を抑制するため、返礼品の基準が変更された。それに伴い、全国的に返礼品の見直しが行われた。「さとふる」の調査によれば、法改正後、新しい取り組みを開始・検討した自治体は6割以上。取り組み内容として最も多かったのが「体験型返礼品の開発(45.7%)」だった。

化粧品の原料が採掘される愛知県東栄町では「手作りコスメ体験」を提供(画像提供/さとふる)
複数の市町をまたいだツアー型の返礼品も2019年度の調査で、ふるさと納税の寄附受け入れ額が前年度比1.3倍となった埼玉県も「体験型」に力を入れる自治体のひとつだ。その背景について、埼玉県 企画財政部 地域政策課 地域振興担当の高田尚久さんは、「実際に寄附自治体を訪問する機会をつくることで、地域により深く触れてもらい、魅力を体験していただきたい」と語る。
県内各市町村で、それぞれの特色を活かした返礼品が生まれている。
例えば2019年度、県内で最も受け入れ額が多かった秩父市では、「秩父プレミアムツアー~オトナの酒蔵めぐり~」と題して、普段見学できない「イチローズモルトウイスキー」秩父蒸留所の見学ツアーを提供。開始以降、定員いっぱいまで申し込みがあるという。
航空自衛隊入間基地を擁する狭山市では、市庁舎屋上から航空祭を観覧できるチケットが人気だ。
※コロナウイルス感染症拡大のため、本年は秩父蒸留所見学ツアー、入間航空祭、ともに中止。

秩父市の返礼品「オトナの酒蔵めぐり」の様子(画像提供/秩父地域おもてなし観光公社)

狭山市の返礼品「入間航空祭観覧席」。ブルーインパルスの曲技飛行も見られるとあって、毎年人気(画像提供/大金歩美)
県では、こうした県内各地で提供されているプランを県ホームページで一覧化して紹介するほか、市町村と県の協力により複数市町村を周遊・滞在する体験型返礼品のコースも開発している。
「地域全体を周遊・滞在し、満喫していただきたい。単独ではアピール度が弱い返礼品を複数組み合わせることで魅力を高める狙いもあります」と高田さん。
例えば、小川町・川島町いずれかへの寄附に対する返礼品として一昨年用意されたのが、「畑から蔵へ 大豆の旅」と題された体験型プラン。小川町にある農場で大豆の収穫体験を行った後、川島町にある醤油の蔵元で、仕込み蔵の見学と醤油づくりの一部工程が体験できるというものだ。

小川町での大豆収穫体験の様子(画像提供/小川町)
体験型返礼品の実施後に観光者の数が増加した自治体は複数あり、地域を訪れるきっかけとして機能しているという。
「訪問していただいた際、市内の別の場所に立ち寄ったとの声もあります。寄附をきっかけに地域のグルメや名所に触れていただくことで、各市町村のPRにつながっているようです」(高田さん)
継続的に寄附を行ったり、2回3回とその地域を訪問するリピーターも生まれている。「地域が好きになった」「また来たい」という声のほか、移住に興味を持つ寄附者もいるとのこと。自治体内で新規創業した事業者が返礼品の提供者となる事例もあり、地元起業者への支援にもつながっている。
コロナ禍での「体験型」実施方法には各地域頭を悩ませており、今年は中止としたプランも複数存在するという。一方、コロナ禍で近距離の旅行(マイクロツーリズム)が人気を集めるようにもなった。高田さんは「都心から1~2時間でアクセスできる本県の体験型返礼品が注目される機会も増えるのではないか」と期待を寄せる。
都内でも、「ここでしか味わえない体験」を提供従来、ふるさと納税制度における「過度な返礼品競争」について反対の立場を表明してきた渋谷区も、「ふるさと納税の影響による税収減を看過できない」と、2020年度より制度活用を開始した。渋谷区総務課ふるさと納税担当主査の増子義明さんは、こう意気込む。
「ご存じのとおり、渋谷区ではふるさと納税で寄附が集まる農産物や海産物等の特産品はありません。しかしながら、渋谷でしか味わえない魅力的な体験やサービスは多数ある。商品を売るのではなく、渋谷のコトを体験してもらうことで、渋谷のファンにシティプライドを持ってもらい、渋谷区の応援団を増やす取り組みにつなげていくことを目指しています」
2020年10月現在、レストランでの食事券やホテルのスイートルーム宿泊券、高層ビル展望施設のチケット、ファッション性の高いTシャツやトートバックといった返礼品のバリエーションが準備されている。

渋谷区の返礼品の中には「渋谷スクランブルスクエア」の展望施設「SHIBUYA SKY」入場チケットも。約230mの高さから、スクランブル交差点や富士山、東京スカイツリーなどを一望できる(画像提供/渋谷区)
一方、コロナ渦での募集開始となり、店舗の休業や事業自粛などを受け、申し込み受付開始当初は返礼品の一部が提供できない状況にもあった。
「正直、申し込みは少ないものと覚悟していた」という増子さん。
しかし、蓋を開けてみれば、約1カ月で113名と、想定を超える数の寄附申し込みがあった。
現時点では特定の返礼品に人気が集まっている訳ではないが、レストランでの食事券が比較的申し込み件数が多いという。提供を延期している返礼品についても、今後、コロナウイルス感染状況の推移を見ながら、「事業者と調整の上、順次提供していく予定」とのことだ。
オンラインを活用したプランも登場新型コロナウイルスの影響を受け、移動自粛が続く中、新たに生まれたのがオンラインを活用した「体験型」だ。
山形県庄内町では「蔵元と語りながら地酒を飲もう〈地酒3種付き〉」と題し、テレビ会議で現地の酒造と寄附者をつなぐプログラムを行った。寄附者は事前に郵送で届いた地酒を片手に参加。蔵元から日本酒の基本知識や酒造の特徴を教わりながら、和気あいあいと語らったほか、オンラインで酒造の案内も行なわれた。
参加者からは「地域とつながって応援できるという、ふるさと納税の本質を実感できてよかった」「コロナが落ち着いたら実際に庄内に行って、直接蔵元さんに会ってみたい」といった声があがり、事業者からも「初めての人への販促として良い企画、ここから蔵のコアなファンが増えたらうれしい」との感想が得られた。

山形県庄内町の返礼品「蔵元と語りながら地酒を飲もう」の様子(画像提供/株式会社ROOTs)
「さとふる」では、お盆の帰省の時期に合わせた「オンライン帰省を楽しむ」特集を公開。地酒やフィンガーフードなど、パソコンの前で、遠方の家族と一緒に楽しめるような返礼品や、送り先を2カ所に分ける方法などを紹介した。
「帰省自粛の流れを受けて、以前からあった『お墓参り』や『見守り代行』の返礼品も今後、よりニーズが高まってくるかもしれません」(谷口さん)
「さとふる」では、新型コロナウイルスによる外出自粛要請が出た4月ころから、寄附額が全体的に増えているという。4月単月の比較では、昨年比1.8倍以上となった。
「自宅で過ごす時間が増え、食品等の返礼品ニーズが増したことももちろん大きいと思います。
そこに加えて、新型コロナウイルスの影響で経済的に困っている事業者が多いことは広く知られた事実。移動自粛で現地に行くことも難しくなった中で、地域を応援したい・手助けしたいという思いを持つ方は増えているのではないかと思います」(谷口さん)
ふるさと納税を活用した「応援」の仕方もさまざまだ。
例えば、コロナ禍で打撃を受けた産業の代表例である観光業。ふるさと納税では、宿泊チケット等の発送をもって寄附先の自治体から事業者へ代金が支払われるため、宿泊施設に先にお金を落とすことができる。
文化・芸術・スポーツに対する支援例もある。例えば長崎県諫早市では、返礼品に地元サッカーチーム「V・ファーレン長崎」のユニフォームを用意。寄附金の使い道としても「Jリーグ『V・ファーレン長崎』への応援」を選べる。

長崎県諫早市の返礼品。地元サッカーチームV・ファーレン長崎のユニフォーム(画像提供/さとふる)
「都内のレストランで、地域食材を味わう」返礼品も。熊本県上天草市や三重県松阪市の返礼品の中には、都内のレストランで、地域の食材を使ったコースを楽しめるというプランがある。

三重県松阪市の返礼品。東京都中央区日本橋のレストランで、松阪・三重食材のコースが楽しめる(画像提供/さとふる)
実際に、ふるさと納税が地域の大きな助けとなることを示唆するデータもある。
「さとふる」と事業構想大学院大学の調査によれば、返礼品原材料の調達、生産・加工、雇用等が全て地域内で行われた場合、最大767億円の域内雇用者所得が生まれるという試算だ。
「事業者単位でなく、地域全体に還元できるのがふるさと納税の特徴のひとつ。特定の事業者だけではなく、広く地域を応援したいということであれば、より有効な手段になり得ると思います。
また、自身の想いに合わせて税金の使い道を指定できること、スマホやパソコンから気軽に参加できることも特徴です。
地域経済に貢献しながら、美味しいものや楽しい体験を得ることができる。多くの人が楽しみながら参加することで、全国の地域にお金が巡っていく。気軽にできる地域貢献として、ご活用いただけると良いなと思います」(道岡さん)
コロナ禍で、地域経済は大きな打撃を受けた。例えばGO TOトラベルで旅行を楽しむことも地域貢献になるが、ふるさと納税を活用することで、より深く地域を知り、地域経済全体へ貢献することもできる。
同時に、地方移住への関心が高まる中、地域と関わる第一歩としても活用できそうだ。
今この時期だからこそ、ふるさと納税の活用に、今いちど注目してみてはいかがだろうか。
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