7.5億人 世界人口(81億人)の約10分の1に匹敵するこの数字が何を意味するのかをご存知でしょうか? その答えは、 『全世界でアニメを観ている人数(アニメ人口)』です。 コロナ禍の外出自粛の時期をきっかけに日本国内のみならず世界中で人気を博した日本のアニメ・漫画。 なんと現在もそのアニメ人口は飛ぶ鳥を落とす勢いで増加し続けています。 200以上の国と地域に1300のアニメ作品を配信し、グローバルで1300万人の有料ユーザーを抱える米クランチロールのCEO ラウール・プリニ氏は、数年以内にはアニメ人口が10億人規模に到達すると述べています。 実際に、私がアメリカに1年弱滞在している中で周りの外国人の友達でアニメを全く知らないという人に一度も出会ったことがありません。 このように世界中で愛されている日本のアニメ。 実は、そのアニメ人気は企業のマーケティング戦略の変革に大きな影響を与え始めています。 アニメを活用したマーケティングとは? アニメを活用したマーケティングは、アニメーションコンテンツやキャラクターを通じて、国内に限らず国境を越えた市場にブランドメッセージを伝える戦略です。 アニメは、その視覚的な魅力と感情的な訴求力により、幅広い年齢層、特に10代20代などの若い世代の視聴者にもリーチすることが可能となります。 種類としては多岐に渡り「ワンピース」、「ジョジョの奇妙な冒険」などの王道人気アニメや「呪術廻戦」、「鬼滅の刃」、「SPY×FAMILY」などの新興アニメと国内外ブランドとのコラボレーションなどから、個々の企業が伝えたいメッセージをもとに独自のアニメ動画を制作する場合もあります。 特に日本のアニメは高い制作技術と独自のストーリーテリングで世界中に多くのファンを持っているため、日本企業にとって非常に効果的なマーケティングツールとなっています。 アニメを活用したマーケティングの4つの利点 ①感情的なつながりの強化 アニメはキャラクターやストーリーを通じて視聴者との感情的なつながりを強化します。 こちらは視聴者がブランドに対して親近感や愛着を持つことを促し、長期的なエンゲージメントを高めることに大きく繋がっています。 例)NESCAFÉ 独自のアニメコマーシャル ②ブランド認知度の向上 視覚的に印象的なアニメは、視聴者の記憶に残りやすく、ブランドの認知度を大幅に向上させます。 特に、有名・人気アニメを使った広告やプロモーションは話題性やメッセージ性が強く、通常の広告よりも高い注目度を得ることができます。 例)Uno × 進撃の巨人 コラボコマーシャル ③多様な市場へのアプローチ アニメは多様な文化や言語に対応しやすいため、グローバル市場におけるローカライズ戦略にも適しています。 これにより日本だけに限らず欧米やアジア諸国など異なる市場に対して一貫したブランドメッセージを伝えることが可能となります。 実は上記2つの動画も同様に、アニメを活用したCMは海外でも話題を呼びやすく、公式による翻訳に加えて視聴者が英語や中国語、スペイン語などの字幕をつけて拡散し、さらに国外で話題を呼ぶという事例が多くあります。 例)日清食品 × One Piece コラボコマーシャル ④若い世代へのリーチ アニメは世界中のZ世代(1996年~2012年生まれ)などの若い世代に大きな影響力を持っています。 日本に限らず世界中のZ世代はデジタルネイティブであり、インターネットで得られる大量の情報に触れ、モバイル端末やSNSを使いこなしています。 それに伴い、アニメや漫画にも慣れ親しんでいるため、アニメを通じたマーケティングはこの世代との強い結びつきを形成する有効な手段となります。 btraxの成功事例: ヤンマー「未ル(MIRU )」アニメプロジェクト ヤンマーホールディングス株式会社が、2022年11月に発表したアニメプロジェクト「未ル(MIRU)」。 btraxもこちらのプロジェクトに企画・協力として参画しました。そこで、本アニメプロジェクトの目的や成果についてご紹介します。 アニメプロジェクトの背景と目的 脱炭素社会への移行など、人と自然が共生する持続可能社会のあり方を模索する動きが世界的に加速しています。 そこでヤンマーとしては、困難なことがあっても、一人ひとりの挑戦によってより良い明日を作っていくという、持続可能な社会の実現に向けたヤンマーの思いを伝えたい。 また、就職活動中の学生をはじめ、これから世界を作る世代に、このアニメを通してヤンマーが描く未来への期待を感じてほしい、ヤンマーを知って欲しいという思いが込められています。 アニメ「未ル(MIRU)」のコンセプトとテーマ 本作では、「人と自然の対峙と調和」をテーマに、自然という私たちが生きていくために必要な住環境を守るべく、主人公が苦闘し成長していく姿、そこにあるロボットの姿をアニメで表現します。 また、主人公たちが「人の豊かさ」と「自然の豊かさ」を両立させた「未来」を切り開いていく姿をイメージし、アニメタイトルを「未ル」としました。 「未」は未来を表し、自分たちの力で積極的に動いていく姿を想起してもらえるように動詞化したものです。 また、「YANMARが描く未来を、これからの世界を作る世代に届けたい」そんな想いを親しみやすさと共に、アニメへと詰め込みました。 舞台は、私たちの住む『地球』。 YANMARに関心を抱いてくれた人が、アニメのキャラクターやストーリーを通じて、未来に期待を感じるような作品を目指しました。 🔽ヤンマー 取締役 ブランド部長 CBO 長屋明浩さん『ヤンマーがアニメをやろうとしている理由』 プロジェクトの実施プロセスと主要な成果 btraxは、ヤンマー社のオリジナルアニメプロジェクト「未ル(Miru)」のお披露目やグローバル市場での認知獲得のために、北米最大のアニメ祭典Anime Expo 2023への出展をご支援しました。 具体的には、アメリカのアニメファンの動向やAnime Expo来場者の動向分析、試作の効果分析を行い、会場のブース出展の体験設計からオンラインコミュニケーション設計までを一気通貫でご提案。 それに加え、各種クリエイティブ制作、企画・進行、マーケティング、広報の施策実行も合わせてご支援し、アニメの国内外での認知度向上に寄与しました。 実際に行われたパネルセッションでは、200人の会場のキャパを超える来場者に埋め尽くされ、アニメの今後の展開に対する期待感の大きさを強く感じました。 Anime Expo 2023への出展を通して、現地では約35万人への認知拡大さらに、SNSを活用したオンラインプロモーションを通じて国内外のアニメファンへの認知拡大と興味関心獲得の足掛かりをつかみました。 イベント自体に関するより詳しい詳細はこちらから。 参照: 『ヤンマーアニメプロジェクト公式ページ 』 『ヤンマーアニメプロジェクト ニュースリリース』 『「未ル」特設ページ』 『btrax :ヤンマー 「未ル」北米最大のアニメの祭典Anime Expo 2023 出展 紹介ページ』 今こそ日本企業がアニメを活用したマーケティングに取り組む意義 日本企業がアニメを活用したマーケティングに取り組む意義は多岐にわたります。 まず、日本のアニメは世界的に高い評価を受けており、その品質と創造性は他国からも絶賛されています。この優位性を活かし、国際市場でのブランド力を高めることができます。 ここで忘れてはいけないのは、世界中で愛されているアニメは「日本」という名称がついていないだけでほとんどが日本製であることです。 つまり、アニメは歴とした『日本最高の知的財産』として世界中で確立しています。 またアニメは日本文化の象徴でもあり、企業の文化的背景や価値観を効果的に伝える手段としても機能します。 それだけでなく、Z世代などの若い世代を中心にアニメの人気は非常に高く、次世代の消費者層にリーチするための有力なツールともなります。 以上のことから日本企業がマーケティングの新しい手段としてアニメを活用する意義は大きいと言えます。 btraxはアニメを活用したいあなたをサポートします! 最後に、 アニメを活用してみたいけどどうすれば良いのかわからない。 実際にどのような手順で国内外へのブランディング戦略を進めていけば良いのか? などアニメを活用したマーケティングやブランディング戦略に関するご相談などぜひお気軽にお問い合わせください。 弊社の経験豊富なプロフェッショナルチームが、丁寧にご対応させていただきます。